一緒に冒険しよう!ライトファンタジーTRPGスレ3

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250テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/13(木) 01:07:31 0
>249
>「あ・・・いえ、儀式はこの鎧が壊されてからがスタートなので・・・。
あの人は強いですけど、戦士じゃないからたぶん儀式はできない・・・と。」
つまり……儀式を見届ければまめちゃんの中身が見れるってことだ!
絶世の美少女だったらどうしよう。わくわく。
しかしあれだけバリバリ戦ってたのに戦士じゃないとはどういうことだ。

待ち時間中、まめちゃんは両手両足を一緒に出してうろうろしている。
落ち着かせようと話しかける。
「大丈夫。悪いようにはならないから。
儀式はもしできなかったら一緒にくればそのうちできるから安心して!
なんか知らないけど行く先々で出てくる敵がいるんだ。
見た目細いくせに怪力だわ大魔法使うわ怪我してもすぐ修復するわ強いのなんのって。
儀式の相手にとって不足なしの実力を保証する!」
論点があらぬ方向へ。敵の実力保証してどうするんだ自分。
「それからビジュアル面でも申し分ない!
やっぱり儀式というからには見た目も良くないとね!」
我ながらなんでこんなに楽しそうに話してるんだ。
こんな感じで一方的に他愛のない話をしながら待ち時間は過ぎていく。
251乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/13(木) 02:04:16 0
>247
>>「コレらも全て作り物ですよ。天然に存在するモノではありません。」
ふと口にしたことの答えを返されて、納得した。
うん?でも人工だとしても此処まで大きいものを自然な動きで見せると言う事は
すごいことなのでは?と思ったのは自分だけだろうか。

>>「さて、怪我をした方は一人一つこの中に入ってください。軽症の方なら2、3分でしょう。
 そこの騎士の人は1時間は見てもらわないとダメですね。」
腰は痛かったが、怪我というほどではなかったので結局見送ると座れる場所に座る。

>>「そこの騎士の人以外の傷が癒えたらある場所へ貴女達をご案内しましょう。
 そこが貴女たちの旅の終わりです。」
この言葉の意味がいまいちわからなかった。
自分の中で有力だったのは此処で死ぬという意味なのかとも考えたが、治療する必要など当然ない。
この言葉が何を意味するのか…

>248
>>「それにもう友達じゃん! 儀式の邪魔してゴメン。この際だから紛れて一緒に行こう!」
「テイル殿言うとおりでござるよ、別に問題がないのなら一緒に行こう」

>>249
>>「あ・・・いえ、儀式はこの鎧が壊されてからがスタートなので・・・。
あの人は強いですけど、戦士じゃないからたぶん儀式はできない・・・と。」
あの激闘が試練じゃないことに驚いていた。
鎧が壊れてから始まる試練とは一体……

252Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/13(木) 22:02:02 0
>248-251
しばらくして、巨大エイはある奥まった区画に辿り着いた。
周囲には、入るような建物もない一本道。そこを先導するように彼女は歩く。
いくつもの厳重な隔壁を、事も無げに開けてゆく。

「あぁ、ところで皆さんに一つ謝っておくべき事があります。」
まるで、ちょっと家の鍵を忘れてきたというほど軽い調子で彼女はそう言った。
しかも話しながらも足を止める様子はない。
「先ほど、情報若干隠蔽していたので教えておこうと思いますが・・・・・・。
 この都市に現在、天使と呼べる者は一人もおりません。また、私のような模造天使もまた他にはおりません。
 エリュシオンを管理しているのは、私とここの仮想情報体【ソルテ】の二体です。」
そう言うと、急に空中にぺらぺらとした四角形の枠のようなモノが現れた。
その枠の中には横線が3本、これで顔を表しているようだ。
【という訳で、ご紹介に預かりましたソルテと申します。】
にゅっ、と線が弧を描いて笑顔を作る。そして浮いたまま同様に一行を先導する。

・・・・・・やがて、いくつかの曲がり角や分かれ道を経て一番奥の厳重にロックされた扉に辿り着いた。
「都市管理者権限でゲートロック解除。」
【了解、ロック解除。随伴者を警戒対象から除外。】

一向が眼にしたのは、広くとても殺風景な白い部屋。
一番奥の壁には、ややこちらにせり出すように巨大な世界地図が映し出されいくつか光点が動いている。
そのパネルの手前には、いくつものスイッチが並んだ鍵盤のような物が存在している。
中でも、一番中央のスイッチは半球形で大きく真っ赤な色をしている。
そこに立ちふさがるようにソロネは振り返る。
「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」


――――そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます――――

鉛の翼持つ天使はその両手を広げ、残酷な宣告を下した。
253テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/14(金) 00:18:04 0
>252
怪我人が元気になって出てきた。エメロちゃんが不思議そうに辺りを見回す。
「ここは……!? 私は何を……?」
「天空都市だよ! どさくさに紛れてボクの一行ってことにしてるから安心して!」

>「この都市に現在、天使と呼べる者は一人もおりません。また、私のような模造天使もまた他にはおりません。
 エリュシオンを管理しているのは、私とここの仮想情報体【ソルテ】の二体です。」
通りで誰も見かけないはずだ。
「えー!? じゃあどこに移住したの?」
>【という訳で、ご紹介に預かりましたソルテと申します。】
なんかぺらぺらのパソコンの画面部分みたいなのが出てきた。

>「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」
この人はもしかして真面目な顔をしておちょくってるのか。
クイズ大会の回答ボタンみたいなスイッチ一つで世界を救えたら苦労せんわ! 
そんな便利なものがあるならなんでさっさと自分で押さないのだ。
>「そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます」
「わあ、すごーい! ……って誰が押すかあああああああ!!」
もしちゃぶ台があったら激しくひっくり返しているところである。
「救われるんじゃなくて終わるじゃん! 誰もいない世界にしてどうすんの!」
本当だったらスイッチ一つで世界を終わらせられる最も危険な勢力が出現したことになるが、押したければとっくに押しているはずである。
もはやからかっているとしか思えない。
「……お世話になりました。帰らせて頂きます」
それだけ言うと、くるりと向きを変える。
「みんな、帰るよ!」
254名無しになりきれ:2009/08/14(金) 02:19:17 0
>248
>「光、強いけど、平気?」

テイルの肩の上で突然喋り始めたオニオンを少しの間見ていたヴォズは、
オニオンの目の前に浮かぶとそっくり同じ形に変形し、しゅる、と、オニオンを通り抜けてみせた。
「この白光も透過する。問題ない。私は物と同じ。属性は無い」
当然エイも透過するので乗る事はできないから、自力で移動し易いように球形になっていたのである。

>252
(天使代行、玉座、運命・・・全ての生命と魔を滅する装置・・・)
ヴォズは唱える。情報を自らに刻み込むように。しかし声にはせずに。
(ここでは、届かない・・・)
255 ◆6nXELe5RK6 :2009/08/14(金) 17:07:40 0
オニオン「ちゃんとエメロちゃん回収してから帰るんだお」
テイル「さっき出てこなかったっけ」
オニオン「素でボケてるんじゃないお。1時間かかるから置いてきたにゃ」
テイル「そうかー気のせいかハハハ」
256名無しになりきれ:2009/08/16(日) 15:26:38 0
オニオン「仕方ない、テイルのボケはヴォズを見間違えた事にしといてやるお」

ヴォズ「あ・・・私はエイから後は人型になってない筈なんだが(ヒソヒソ)」
オニオン「NPCなんだからそのくらい柔軟に対応するのにゃ(ヒソヒソ)」
ヴォズ「そ、そういうものか(ヒソヒソ)」

しゅる。
ヴォズは半透明のエメロもどきに変形した。

オニオン「ほーほー。これならテイルが間違えるのも仕方ないにゃ」
ヴォズ「・・・要らぬ混乱を招く前に違う姿を指定してくれるとありがたい」
257バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/16(日) 18:50:51 0
気がつくと皆は居らず一人飛行艇の中。
飛行艇から降りて情報収集したところ皆は、洞窟に行ったらしい。
今から行っても恐らく皆が巻き込まれている筈である、騒動に間に合うかどうか解らないが
此処で何もせずに居ても、如何にも成らないから皆の所に行ってみる事にした。

洞窟をしばらく歩くと…。
「この先か……。」
皆が入って行った(らしい)洞窟のその先に見たのは。
特殊な魔道装置によって光が耐えない眩しい螺旋階段があった。
一瞬上の方から音がしたような気がしたが、
気のせいかも知れないので、のんびりと階段を上っていった。

「…。」
頂上には、激しい戦いの跡と巨大な扉がある。
闇の力丸出しの自分に反応したのか辺りの光が一層強まった。
しかしそんな物は、闇の申し子といえど無生物のゴーレムであるが為に俺には効果はない。
それよりも問題がある、それは目の前の扉だ。
恐らく腕力だけでは、開かないだろう。
だからと言って魔法でぶち破るのは…気が引けるが………。
それしか手段がない…か。

闇の塊による爆発でエリュシオンへの扉は、勢いよく抉じ開けられた。
その勢いで凄まじい爆音と衝撃波が響き渡った。
扉の周りには、闇の魔力の欠片の黒い煙が立ち込めていた。
その中から黒い重鎧姿のゴーレムが現れ、彼は適当に奥へと歩み始めた。
258Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/16(日) 20:14:20 0
>「……お世話になりました。帰らせて頂きます」
「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
背を向けたテイルへとやや挑発的な一言がかけられる。

「この装置が発動すれば、確かに人の多くは死滅するでしょうが・・・
 これによって闇の眷属を一掃し、新たにガイアが世界を創世することができるのですよ?
 もし装置が発動したとしても、この都市内なら創世完了まで生きられるかはともかくとして
 少なくとも即座に死ぬことはないでしょう。食料も医療設備もありますし。」
ただし、定員は数十人といったところですが。とソロネは付け加える

「ちなみに私が押さないのは、その権限がないからです。万が一押そうとすれば私が分解してしまうので。
 ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
まるで子供が駄々をこねる理由が分からないとでもいいたげな様子だ。

「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
 まして貴女方フェアリーは、まさにそのままの存在で再生されるでしょうに。」

その時、僅かに都市に振動が響く。遠くで何かが爆発したようだ。
「・・・・・・まずいですね、メディカルエリアに入られると厄介です。ソルテ、自動迎撃システムを。」
【既に稼動していますが、進入してきた黒いゴーレムにはろくろく通じてないです。】
「・・・・・・やれやれ。すみませんが、ひとまず私は侵入者の迎撃に向かわせていただきますね。」
そう述べて彼女は扉を開けて廊下へと走り出す。
259金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/16(日) 23:20:41 0
>250>251>252>253>258
テイルと武がまめに気を使い優しい言葉をかけるのだが、その優しさはまめの同様を更に加速させていくものでしかなかった。
戦力でもなく、敵でもないのに何故にこうも気を使えるのか?
カルチャーギャップに対応しきれぬまま言葉も少なくなっていく。

しかし、Throneの衝撃的な言葉に冷静さを取り戻していく事になる。
全ての生命と引き換えに闇を打ち滅ぼす力。
まめはその力を知っていたのだから。

その力を前にしたテイルの答えはまめの想定外のものだった。
いや、ある意味マアズの民と同じ答えだったのだが、光と闇の対極に別れ戦いを繰り広げる光の眷属としては想定できなかったのだ。

新たなる侵入者を察知し、廊下へと走り出したThroneを見送ったあと、まめは不思議そうに尋ねる。
「テイルさんは光の眷属、なのでしょう?
闇を滅ぼす為に戦っているのにどうして使わないのですか?」
首をかしげながら言葉を続ける。
「この装置みたいなのはマアズにもいくつかあります。
ノアのリセットボタンと言うのですけれど・・・。
私たちマアズの民は戦うことが至高なので戦う相手がいなくなる装置を使うような者はいないのですけど・・・
光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました。
私の認識が間違っていましたか?それとも・・・テイルさんが特別なのですか?」
まじまじとテイルを見る。

今までガイアの眷属も死霊皇帝の眷属もどちらも不自由な種族と思っていた。
決められた敵と強制的に戦わされている、と。
自由に敵を選べられない、と。
しかしテイルの行動はその規定から完全に外れているように思えたのだ。
そういった意味ではテイルにマアズの民に近いものを感じるし、眷属の括りに捕らわれない人間に重なるものを見出した。
先ほどの武もだが、まめの浅い認識と常識は大きく崩れていた。

そして更に付け加える。
「このまま帰っていいのですか?
テイルさんがこの装置を使わないことは判りましたけど、他の人がここに来た時・・・困りませんか?」
光の眷属としてあるまじき行動をとったのテイルが特別な存在だとしたら、テイル以外の光の眷族が着たらどうなるのだろうか?
装置を使わないのならば、他の者にも使わせない・・・即ち装置の破壊をしないのか、と尋ねるのだった。
260乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/17(月) 01:21:50 0
>>252
>「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」
そんな便利なものがあるのか…と思った矢先―――――
>そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます
この言葉に愕然としたそしてそれとは別の感情が爆発した。
そして彼に眠っている者と同調し、吐き出す。
「ふざけるな!何も罪もない人達を犠牲にしてでも得た物など言語同断!!」
ぴしゃりと言ってのける。
>>253
>>「みんな、帰るよ!」
「了解でござるよ、こんなところから一刻も早くおさらばでござるよ」
颯爽と帰る準備をして方向を変えると
>>258
>>「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
なにが勇者だ、破壊者、殺戮者の間違いだろう。
>「この装置が発動すれば、確かに人の多くは死滅するでしょうが・・・
 これによって闇の眷属を一掃し、新たにガイアが世界を創世することができるのですよ?
 もし装置が発動したとしても、この都市内なら創世完了まで生きられるかはともかくとして
 少なくとも即座に死ぬことはないでしょう。食料も医療設備もありますし。」
だからと言ってそんな事は絶対に許されない。
自分達だけ生き残ってでも闇を倒したいとは思っていないそれではただの狂信者以外の何者でもない。
>ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
「確かにそんな人もいるでござる…だが森を作るために木を埋める者もいるでござるそんな人間ばかりではないでござるよ!」
そうきっぱりと断言する。
>「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
「そういう問題ではないでござるよ!命をなんだと思って…」
やはり内なる炎がさらに燃え上がると同時にその先を言おうとしているその時
突然揺れると
>「・・・・・・やれやれ。すみませんが、ひとまず私は侵入者の迎撃に向かわせていただきますね。」
向かっていったしまった。そしてある決心をする
「こんな危険な装置使われては取り返しがつかないでござる…だから」
不動明王が覚醒し雰囲気が変わる
「破壊する!!」
装置の場所まで駆け抜ける。
261テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/17(月) 15:47:38 0
>258-260
>「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
「構ってちゃんの相手してる暇はないの!」
>「ちなみに私が押さないのは、その権限がないからです。万が一押そうとすれば私が分解してしまうので。
 ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
はたと足を止める。
>「この装置みたいなのはマアズにもいくつかあります。
ノアのリセットボタンと言うのですけれど・・・。
私たちマアズの民は戦うことが至高なので戦う相手がいなくなる装置を使うような者はいないのですけど・・・
光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました」
Throneとまめちゃんの言葉に、世界を滅ぼす装置が冗談ではないと認識せざるを得なかった。
「あはは……なんでそんな物騒なものを作っちゃうの?」
>「光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました。
私の認識が間違っていましたか?それとも・・・テイルさんが特別なのですか?」
族長だったら押すだろうか。
あの人のことだ。死霊皇帝の眷属だけを滅ぼす便利なものだったら迷わず押すだろう。
でも全ての生命が同時に死に絶えると知ったら……きっと押さない。いや、押すはずはない。
「それは……違うよ。普段は闇と戦う力を与えられた種族を光の眷属と呼ぶ。
でも本当は全ての生命がガイアの眷属なんだ。ガイアが創りだしたあるがままを良しとしない人間すらも。
守るべきものを犠牲にして闇を滅ぼしても何の意味も無い!」
>「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
 まして貴女方フェアリーは、まさにそのままの存在で再生されるでしょうに。」
「でもそこにはボク達の知ってる人たちはいない。
世界を救っても誰にも語り継いでもらえないなんてやだね!」
>「このまま帰っていいのですか?
テイルさんがこの装置を使わないことは判りましたけど、他の人がここに来た時・・・困りませんか?」
遠くで爆発音が聞こえ、黒いゴーレムを迎撃すると言って出ていくThrone。
それを見てニヤリとする。バラグさんナイスタイミング!
「分かってる。このチャンスを逃す手はないでしょ!」
>「破壊する!!」
同じ事を考えたようで、タケル君がすでに装置に駆け寄っていた。
その武器に魔力付与する。
「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
262Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/17(月) 23:06:54 0
>259-261>257
無造作に歩むバラグの目の前に鉛色の翼で羽ばたきながら女が現れた。
「今日は本当に来客の多い日のようですが・・・・・・無法な侵入者までは許可した覚えはありません。」
そう言って蒼い光の太刀を構える。
「・・・・・・さぁ、裁きを怖れるのであらば今すぐ来た道を引き返しなさい。」

一方その頃、救済装置を破壊せんとしていたテイル達は・・・・・・
今すぐにでも装置を破壊しようとする武の眼前に小さな枠が浮かぶ。
【これを本当に破壊するおつもりですか?勇者を名乗る方々。
 私もまたコレが何の思惑で作られたのかすら存じませんが・・・・・・
 しかし、これを破壊するというのなら・・・・・・破壊した後はすぐに此処から立ち去る事です。】
ちなみに、防衛システムもあるのですが・・・作動させても貴方達ならあっという間に壊滅してしまいますので。
そう、付け加えた。

【破壊したらすぐに逃げる事です、根幹となるシステムが破壊されたのならこの都市は崩壊を開始しますから。
 システムの破壊は無知な、あるいは悪意を持った者の占拠を意味するので都市は自壊を開始します。】


263金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/17(月) 23:20:25 0
>260>261
ドクン・・・ドクン・・・

平静を取り戻したまめの鼓動が大きく跳ね上がる。
不動明王の覚醒した武の雰囲気に当てられ、血が疼くのだ。
思考や理性ではない。
本能のレベルでそれは脈動する。

>「破壊する!!」
>「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
駆け抜ける武にテイルの付与魔術がかけられ、強さが増した瞬間、それははじけた。
もはやソルテの言葉は耳に入らない。
いや、入っていても止められはしなかっただろう。
例え都市の崩壊が始まろうとも、防衛システムが作動しようとも。

まめは小さなクレーターを残してその場から消えた。
今までの重鈍な動きからは想像もつかない速さで・・・
全力で地面を蹴り、武と装置の間に割って入ったのだ。

「おおおおおおお!!!押し通ってください!」
突如として武の前に現れたまめは水魔の太刀を一閃させる。
それは試しも何も無い本気の剛剣!
バイザーから覗き見る光点が蒼く変色し、甲冑の隙間から湯気を噴出させながら繰り出される。
駆け抜ける猛を両断せんとする上段からの一撃が!
264乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/18(火) 00:39:24 0
>261-263
>「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
構えた不動明王剣にすでに反応していた憤怒の炎の他に力が宿ることを感じた。
「力がみなぎって来たぜ!ありがとな!」
テイル殿に礼を述べ、不動明王剣を振り上げようとするが、突然装置の近くにあるものが光る。
>【これを本当に破壊するおつもりですか?勇者を名乗る方々。
 私もまたコレが何の思惑で作られたのかすら存じませんが・・・・・・
 しかし、これを破壊するというのなら・・・・・・破壊した後はすぐに此処から立ち去る事です。】
>【破壊したらすぐに逃げる事です、根幹となるシステムが破壊されたのならこの都市は崩壊を開始しますから。
 システムの破壊は無知な、あるいは悪意を持った者の占拠を意味するので都市は自壊を開始します。】
「親切のつもりか、負け惜しみのつもりかは知らねぇが…ぶっ潰すまでだ!!」
不動剣を再び構えようとした時、突然目の前にまめが現れる。
>「おおおおおおお!!!押し通ってください!」
上段から一撃が降ってくるが、
「押し通るぜ!なにがなんでもな!!いくぜ!」
髪が炎のように燃え上がり、目の色が完全に変わる。
そして不動明王剣の炎がさらに勢いを増し、
「憤怒明王斬!」
振り下ろすと天まで突き破る火柱が斬撃と共に装置に凄まじい速度で向かう。
上から降ってくる一撃とぶつかり合い、押したり押されたりの攻防が続く。
しかし、勢いは止められず押し返し火柱が装置に当たり大爆発を起こす。




265金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/18(火) 07:04:49 0
>264
憤怒の火柱はまめもろとも銀の水剣を突き破り、装置に当たり大爆発を起こした。
巻き起こる爆炎の中から巨大な腕がテイルの側にまで飛び散る。
それは腕。
水魔の太刀を握り締めたままの腕鎧が大きな音と共に降って来た。
そのほかにもそこら中に転がる鎧の一部。

爆炎の中にその残りは立っていた。
胸から上が完全に吹き飛んだまめの鎧はゆっくりと片膝をついた。
大きく開いた穴から滝のように流れ出る水銀。
そして、その中から小さな影が這い出てくる。

それは小柄な少女だった。
ショートカットの黒髪に赤いハチマキ。
幼い顔立ち。
一見人間の少女と変らぬようだが、唯一つ。額についた四つの銀色のホクロが人間でない事を思わせる。
四肢に取り付けられた細い鎖。
はじめて見る鎧の中身だが、それこそが金山まめ本人だと直ぐにわかるだろう。
なぜならば身にまとう体操服の胸には大きく「2-A 金山まめ」と書かれたゼッケンが縫いつけられているのだから。

「素晴らしい一撃でした!まめはこれほどの至福を感じた事ありません!」
鎧から這い出て出た一言は歓喜に溢れた言葉。
鎖を外すとまめは一気にテイルの元へと移動していた。
否、水魔の太刀を握ったまま飛び散った腕鎧の元へ。
テイルに会釈しながら水魔の太刀を剥ぎ取ると、高く掲げて叫ぶ。
「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」

天の回廊入り口。
柱の穴から落ち、地面に突き刺さったままのタワーシールドからプワプワが消えた。
儀式開始の合図と共に盾から水魔の太刀に召喚されたのだ。
水魔の太刀の鍔に浮き上がったプアプアが叫ぶ!
「水魔の太刀を抜刀せしは汝金山まめ!汝金山まめは何を望む!」
「私は何も求めません!ただあなたを一振りするのみです!それで何が斬れようともそれはただ戦いの真理です!」
「左様!ならば汝ただ無心に無上の戦いをすべし!」
水魔の太刀となったバトルフェアリープアプアとまめの儀式開始のやり取りに悟る事ができるだろう。
今まで着込んでいた鎧はまめにとって重りでしかなかった事を。
巨大な鎧を水銀で満たし、動きと感覚を封じると共に冷却効果をになっていた事を。

青い瞳高温の炎を思い起こさせる。
周囲の大気を歪ませるが如き体温で、握る水魔の太刀の刀身は今までと比べられないほど薄く、鋭くなっていた。

「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
それはまるで愛の告白。
戦闘民族たるまめにとってはそれは同義であるかもしれない。
愛しそうに上気した青い瞳で武を見つめる顔に間違えそうになるが、針のような鋭い闘気がそうは思わせない。

「さあ、闘いましょう!全てを出し尽くして!」
装置を破壊され崩壊を始める都市の中、それをまったく意にかえさぬ残像のまめが囁く。
都市の崩壊であろうと世界の終末であろうと止まりはしない。
残像を残し一気に間合いを詰めたまめが繰り出すのは無数の剣閃!
極限まで鋭く薄くなった刃が可能にした斬撃の乱舞。
全方向から走る灼熱の刃の群れが武を襲う!
「乱舞!四千獄斬!!」
266金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/18(火) 07:06:12 0
名前: 金山 まめ
職業: 戦士
種族: 異星人
性別: 女
年齢: 14
身長/体重:132cm/37kg
容姿特徴: ショートカット・童顔・額に四つの銀色の点(複眼)
性格特徴: 生真面目、でも戦闘民族
      思考が単純で騙されやすい。
技能/魔法: あらゆるものを力で押し通す超パワー。
装備: 赤いハチマキ・体操服
所持品: 真・水魔の太刀
       刀身が柄から吹き出る水銀でできているウォーターカッター。
       柄を握る力によって伸縮・硬柔自在の不思議な大刃。
       鍔にはバトルフェアリープアプアがついている。
キャラ解説:「人を分類するのに強いと弱い以外に何か必要ですか?」な戦闘民族。
      夜空に赤く瞬く惑星マアズから降って来た戦士。
      マアズはガイアとは異なり、戦いの女神の統べる星。
      そこの住人はすべからく女戦士である。
      ガイアの住人とは身体の構造が違うようで、天然超パワーを誇る。
      戦闘体温・戦闘時に瞳の色と共に体温が上がりそれに比例して運動能力、戦闘力も上がる。
          赤(常温36度)→黄色(50度)→青(100度)
267バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/18(火) 20:31:01 0
適当に歩いていると目の前に鉛色の翼を持った女が現れた。
その姿はまるで天使のようなのだが…。
>「今日は本当に来客の多い日のようですが・・・・・・無法な侵入者までは許可した覚えはありません。」
現れて早々そう言うと光の剣を構えるて来た。
>「・・・・・・さぁ、裁きを怖れるのであらば今すぐ来た道を引き返しなさい。」
自分も同じ様な物だから解るが相手は、何者かに作られた天使の模造品。
今この模造天使が自分に対峙しているのは、作った者そうする様に仕組んだからだろう。
だから幾ら説得しようとも聞かないはず。
仕方ない…力ずくで通るしかないな。

大盾と大槍を召喚して右手に盾左手に槍を取って構えた。
「【エンチャントダーク】」
模造天使の持つ武器は、“情報”の中にある物と同じだとすれば、
その刃は魔力でできているために物理的な防御が効かない。
だから盾と槍に闇の力を加えた。
戦いの準備が整ったため攻撃を仕掛けようとした時。

「なんだ?」
地面が揺れはじめ建物が次々と崩壊し始めていった。
恐らくは、テイルたちの仕業だろうが…
本当に……一体何をしたんだ?
答えてくれるか如何か解らんが模造天使に聞いてみるか。
「模造天使、一体何が起きているんだ?
因みに都市の崩壊は見てわかるからな。」
268Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/18(火) 23:08:25 0
武の一撃が、装置を完全に破壊する。
凄まじい爆風がその破片すらも塵に返してゆく・・・・・・

そして、覚醒するまめの声をさえぎるように警報が鳴り響きだす!
更に少しずつ足元が、都市全体が鳴動を起こす。
いつの間にか天井から差し込む光は赤、明るくなっては暗くなり視界が判然としない。
【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
空中の窓枠がゆがみ、消失する。残ったのは儀式へと情熱煮え滾るまめだ。
おそらく彼女が脱出の最大の障害になるのだろう。


一方、バラグ達・・・。
>「模造天使、一体何が起きているんだ?因みに都市の崩壊は見てわかるからな。」
鳴動が始まった途端、ソロネはその鳴動が錯覚でないと確認すると光の刃を収めてしまう。
「何が起きたかは分からずとも、何が起こるかは明白でしょう。
 この都市は、自壊を開始しました。・・・・・・もはや、この街を探る意味もないでしょう。
 巻き込まれない内に脱出する事をおすすめしますよ。」
終始表情を動かさず、淡々とバラグに告げると言ったセリフとは裏腹に
自身は街の奥へ向けて歩みだした。
269テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/19(水) 00:42:09 0
>263-264
タケル君雰囲気が違う。前に一度見たのは気のせいじゃなかったんだ。
そこにまめちゃんが突撃する。
「あ、二人同時は危ない……」
>「憤怒明王斬!」
大爆発が巻き起こる。
爆発がおさまると、バラバラになった鎧がそこらに転がっている。
「のわああああああああ!! まめちゃん! まめちゃーん!」
絶叫していると、何とも分かりやすいまめちゃんの本体が出てきた。

>「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」
「はい?」
なんでタケルくん相手に? というか何が悲しゅうて今始める!?
>「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
「いやいやいや! 告白はTPOをわきまえよう!」

>268
>【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
「こらー! 消えたらいかーん!」
この状況をどう収拾しろというのだ。
270乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/19(水) 02:30:11 0
>265
大爆発が収まり、剣を降ろそうとしたその時
炎の中に誰かが突っ立っていた。
どうやら女らしい。誰だ?と訝しげに見る。
顔立ちからあと何年かすればいい女になると不動明王センサーが反応していた。
強い女ならば尚更いい注意しとくが武の好みのタイプではない。
体操服に金山まめと書いてあることからさっきの攻撃をしてきた奴だと思い出す。
>「素晴らしい一撃でした!まめはこれほどの至福を感じた事ありません!」
「そいつはどうもだがお前もなかなかのもんだ」
>「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」
>「水魔の太刀を抜刀せしは汝金山まめ!汝金山まめは何を望む!」
「私は何も求めません!ただあなたを一振りするのみです!それで何が斬れようともそれはただ戦いの真理です!」
「左様!ならば汝ただ無心に無上の戦いをすべし!」
なんだか訳分からん事言ってるなぁ〜と思いつつ見てると
突然、愛の告白してきやがった。
>「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
そして同時に闘気を漲らせながらこっちを見ていた。
「あっ?強い女は好きだが…いきなり過ぎねぇか?」
半分ポカンとしていたが、自然と体は構えていた。
>「さあ、闘いましょう!全てを出し尽くして!」
>「乱舞!四千獄斬!!」
といきなり攻撃してくる。
全方向から灼熱の刃がこちらに迫ってくる。
「ずいぶんな求愛行動だなぁ、おい。だけど…状況を考えな!」
四神守護結界を何倍以上にした強度の結界+憤怒の炎を織り交ぜた炎の壁(ファイアーウォール)を発動して防ぐ
さすがに覚醒したとはいえ状況は分かっていたため、無駄だろうが説得してみる。
「そしたら何回でも戦ってやるからよ」
これで止まってくれる事を期待しながら、剣を構える。
>268
>【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
おもわず呟く。
「馬鹿野朗が…こんな物無くても人は変わっていけるんだよ…」
一息置いて、
「俺はそう信じている…」
言い切ると揺れが来ていることを感じる。
「さて…こっからどうするかね」
>>269
>「いやいやいや! 告白はTPOをわきまえよう!」
「まったくその通りだよなハハハ!」
笑って同意する。
271金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/19(水) 22:57:18 0
>270
ガガガガガガ!!
四神守護結界と憤怒の炎を織り交ぜた炎の壁に斬撃が突き刺さるが、ひとつとしてその壁を切り裂けるものは無かった。
まめへの説得とテイルとの談笑を壁の向こうから見つめる六つの瞳。
大きく揺れ始めた都市に気付きもしていないかのような視線は説得の無駄さを語っている。
いや、それどころか、宥めようとする武の行動を侮辱として受け止め、その認識を打ち壊す決意を光らせていた。

都市の鳴動とは別に耳障りな無数の音が武の周囲に響き始める。
炎の壁に当たった水銀の刃はそのまま張り付き震え、音を出しているのだ。
「武殿!鎧を脱いだまめ殿を侮ってはなりません!
まだ成人していないとはいえまめ殿はマアズでも術をパワーやスピードよりも術を扱うのに長けた種族。
都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
耳障りな音を引き裂くかのように叫んだのはまめの手にも垂れた水魔の太刀。
否、プアプアであった。
そしてその言葉は何一つ間違っていない事を肌で感じるだろう。

無数の耳障りな音が一つに重なっていく。
「ミ エ タ !!」
それが完全に一つになったとき、まめが恐るべき速さで突進する。
その姿は幼い少女だが、纏う闘気は・・・その本質は・・・正でも邪でも光でも闇でもない。
地水火風のあらゆる属性にも当たらない。魔力でも聖なる力でも妖気でもない。
いうなれば何の意図もない純粋な破壊の権化!
目ではなく、心眼で見ればもはや少女の姿とは似ても似つかぬ化物の姿として捉えられるだろう。

その身体のサイズからは信じられぬ力の塊が繰り出す技を・・・武は知っていた。
強さも方向もバラバラまちまちの振動を与えての斬撃。
いかな敵でも鎧を砕き肉を削ぎ骨を削る。が、普通は剣が耐えられないために使えないディストの震撃剣。
その振動により通常の剣では使えぬ技も、液体の刀身とすることで繰り出すことが可能となっているのだ。
名前は違えどここに同一の技が繰り出される。

張り付いた水銀の刃が防壁に一定の周波数を与える。
そして同一の周波数を刃にも持たせる事により、防壁と刃は同質化する!
「漣!流走り!!」
繰り出した突きは防壁と一体化し、そしてそのまま何の抵抗も無く突き抜ける。

凄まじき速さで武を貫かんとする銀の刃は振動をそのままに突き進む。
僅かでも触れれば凄まじき衝撃が体内を駆け抜けるだろう。
272乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/20(木) 22:20:44 0
>>271
やはり返事は返ってこない。
「………話を聞く気は無いと言う事だと受け取るぞ?…残念だ」
本当に残念な顔をするが、口元が自然と笑っているように見えた。
そうしている内に周囲で耳障りな音が聞こえ始める。
>「武殿!鎧を脱いだまめ殿を侮ってはなりません!
まだ成人していないとはいえまめ殿はマアズでも術をパワーやスピードよりも術を扱うのに長けた種族。
都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
肌で感じているのでプアプアが言ってることは本当なのだろう。疑うつもりなどこれっぽっちもないが。
「別に舐めてるつもりはないけどな……ほう…それじゃ神やら第六天魔王を超える力を見せてもらおうじゃないか」
心眼を開き、まめを見据える。
> 「ミ エ タ !!」
恐ろしい速度で突進してくる、そしてあることが気になった。
「なんだこの闘気は……」
あらゆる物にも当てはまらないその気迫、ただ破壊するだけの化け物…
「おもしれぇ…わくわくしてきた」
恐れを抱くどころかむしろ興奮させるほどの闘気…ぞくぞくさせる。

尋常じゃない力の塊が繰り出されようとしていた。どこかで見たことがある技だ。
障壁の異変に気づき、その一撃が壁をすり抜ける。
>「漣!流走り!!」
凄まじい速さの銀刃が振動したまま突っ込んでくる。
このままでは突っ立っていれば喰らってしまうことだろう。
だが、余裕の表情は崩さない。いつの間にか足には何十枚もお札が貼ってあるのが見えたはず。
パワーで敵わなければ単純に速さを極限まで上げて避け、それ以上の攻撃をすればいいのだから
「確かに強い女は好きだ…だけどな…」
一瞬、視界から消え気がつくとまめの隣にいた。
神行法を発動させたのであった。しかも詠唱もなしで。
片手に憤怒の炎が上がりそれが羂索(投げ縄のようなもの)が現れ、
それがひとりでに動き出し、瞬く間に縛り上げると同時に背後に周り手刀を振り下ろそうとする
気絶させようとする。
「命を粗末にする奴は大嫌いなんだよ」
物凄い勢いで振り下ろし、その衝撃で膝を床に落としそうだった。


273金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/20(木) 23:16:38 0
>272
強力な結界をもすり抜けるという相手の意表をつく必殺の一撃。
それは僅かでもかすれば致命の一打を与えられるものだった。

結界の無力会という意表性。
速度、パワー、技の凶悪さ。
どれをとっても必殺の名に相応しい一閃であったが、武は表情を崩さすに余裕にそれを躱した。
まめが認識した時には既に武の姿はそこになく、まめの横に現われ羂索がまめを亀甲縛りに縛り上げる。
そして振り下ろされる手刀。
「ギャンッ!!!」
まめの絶叫が崩壊しつつある室内に響く。

本来ならば正確にまめの首を捉え声もあげさせずに気絶させられただろう。
だが、その速度によりまめのつぶらな瞳は完全に見失っていたが、額の銀の複眼が捉えていた。
だからこそ反応できたのだ。
縛られた状態ながらも僅かに打点をずらして気絶を免れた。
そして反撃までもしていたのだ。

しかし、僅かに打点をずらした事は的確な打撃をずらし、激痛と大ダメージを被る事になる。
強靭な肉体を誇るまめが声を上げてしまうのも無理はなかった。
それに加えて反撃。
それは正に『震撃』そのものだった。
己の身体を剣とし、手刀を喰らう瞬間に超振動を以って打ち返したのだ。

首筋に打ち込んだ手刀は同時に『震撃』を喰らう事となる。
武の手に強さも方向もバラバラまちまちの振動が関節や腱、筋肉を破壊しながら駆け上っていく!
液体の刀身だからこそ震えたその闘法を己の肉体で行ったのだ。
未成熟なまめの肉体にどれだけのダメージを与えたかは想像に難くない。
手刀による激痛と肉体で震撃を行ったダメージは深刻なものとなった。

この一瞬の攻防の衝撃に崩壊しつつある都市の床は耐え切れなかった。
瞬時に二人の足者が大きく陥没し、そして崩れ崩落していく。
亀甲縛りの状態で落ちていくまめだったが、これだけでは終わらない。
まっさか様に落ちていく中、突如として頭だけを武のほうへ起こす。
その瞳には敗北の色はなく、身に纏う破壊のオーラはいささかも衰えていない。
むしろ闘いに陶酔し、悦楽すら感じさせる表情で・・・

「ヴァ!!!!!!!!」
凄まじい大音声。
それは単純に大きく吸った空気を吐き出した音だった。
だが、ただ吐き出したといっても恐るべき肺活量によりもはや射出されたといってもいいような吐息。
その屈折率から吐き出された息は3mほどの圧縮空気の弾となって武に発射されたのだ。

亀甲縛りからの脱出や落下からの脱出など、全てをかなぐり捨てたまめの最後の一撃だった。
その後は最早成す術もなく、今度こそまっさかさまに落ちていく。
274Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/21(金) 20:46:48 0
>269-273
段々と崩壊を始めていた都市は、とくにまめ達の戦うエリアの被害がひどいものとなっていた。
天井や、床があちこち崩壊を始めている。
そんな中、まっさかさまに空中を落ちてゆくまめの首に急制動がかかる。
本人が生きていればそのショックはどうでもいいとでも言わんばかりに襟首を無造作に掴まれたのだ。
「・・・・・・私は早く退避しなさいと、言ったはずなのですが?
 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」

左右に展開された蒼い光を放つ翼が、崩落してきた瓦礫をことごとく蒸発させ
ゆっくりとテイル達のいる場所に戻ってくる。
そこで襟首を掴んだままのまめを軽く放り出す。
「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」

自分の居場所が崩壊を始めているのに顔には何の表情も浮かばない。
ただ淡々と述べると、自分の懐からひとつの球体を取り出した。赤と白の半球がくっつき、ボタンがついている。
それをソルに向けて放って渡す。
「これは、かつて天使達が作った天使専用の装備です。・・・・・・いずれ戦いは避けられないでしょうからお使いなさい。
 それにしても、私も起動して百数十年で始めて天使を見ましたね。
 ・・・・・・ご安心なさい、天使は絶滅したという記録はないのですからどこかにはいるでしょう。」

そして最後にテイルの顔をじっと見つめる。顔には感情は浮かんでいないが、目はどこか責めているような光を帯びている。
「崩壊は必然故、咎めるつもりはありませんが・・・・・・
 貴 女 に 本 当 に 世 界 は 救 え ま す か ?」

「アナタは、光の眷属。ガイアの娘でありながらガイアと対立する眷属である魔族まで連れている。
 誰も彼も救おうと救う対象に加えるのなら、最終的に誰を倒し誰を救うのかも定まらなくなる。
 自分はどうやって、誰を救うために世界を救うのか。考えてみることです。」

そう言うと、一行に背を向けて先ほどの部屋へと歩き出す。
「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
275テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/21(金) 23:43:35 0
>270-272
>「都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
「ちょっと、屠るって……!! どどどどうしよう……」
まめちゃんは化け物のオーラになってるしタケル君はすごそうな技を使ってるし
二人のあまりの迫力に圧倒されて隅に追いやられて固まっていた。

>273-274
激しい攻防の末まめちゃんがまっさかさまに落ちていく。
タケルくんはまめちゃんの攻撃により結果的に戻ってきたけど……
まめちゃんが落ちた穴に駆け寄ろうとして落ちてくる瓦礫に行く手を阻まれる。
Throneがまめちゃんを救出してくれた。
「あ……ありがとうございます」

>「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」
「やはりって……こうなる事を予期してたの?」

>「崩壊は必然故、咎めるつもりはありませんが・・・・・・
 貴 女 に 本 当 に 世 界 は 救 え ま す か ?」
「…………」
暫しの沈黙の末、質問には答えず、逆に聞き返す。
「必然か……あなたはずっとこの時を待ってた。そうでしょ?」

>「アナタは、光の眷属。ガイアの娘でありながらガイアと対立する眷属である魔族まで連れている。
 誰も彼も救おうと救う対象に加えるのなら、最終的に誰を倒し誰を救うのかも定まらなくなる。
 自分はどうやって、誰を救うために世界を救うのか。考えてみることです。」
「あなたの言う事は正しい! でも違うよ! あなたは自由になったんだから! 
もうそんな無表情で正しいことばっかり言わなくていい!
誰にも縛られなくていいんだよ!!」
たとえ創られた物だって感情があっていいじゃないか。
終始与えられた役割のことばっかり考えてなくたっていいじゃないか……。
>「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
「待って、どこ行くの? せっかく解放されたんだから一緒に行こうよ!」

Throneが隣の部屋に姿を消すと同時に、答えが思わぬところから帰ってきた。
「言っても無駄です。あの者はこの子……オニオンちゃんのようにはいかない……」
いつの間にThroneから受け取ったのか、まめちゃんを抱いている何者かがいた。
ただ一つ分かる事は、純白の翼を持つ紛れもない天使だった。
「あれ?」
そういえばいつも体のどこかに乗っているオニオンがいない。
「オニオン……? 誰に化けてるの?」
276乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/22(土) 01:09:49 0
>>273
気絶させるには十分な力と場所を直撃させたはずだった。
だが、一筋縄では行かずそのポイントを避けられてしまう。
次の瞬間、尋常ではない痛みが駆け上がる。
どうやら捨て身で『震撃』を放ってきたようだった。
二の腕まで振動が迫って来ているのは痛みが伴ってくるのでわかっていた。
「かぁぁぁぁぁぁ渇!」
体内の気を柔から剛に変え、片腕から迫る振動を「剛の気」で強引に押さえ込む。
そして押さえ込まれた振動は沈静化していったものの、しばらく片手は使い物にならないだろう。
そんなつかの間戦闘の影響で脆かった足場が崩れる。
「くそ……ガルダを呼ぶしかねぇか…」
もちろん、二人とも助けるつもりで呼ぼうとしたとき、
>「ヴァ!!!!!!!!」
亀甲縛りで縛られていても破壊オーラ全開のまめが凄まじい大音声を張り上げ、吐き出した空気が弾になって迫ってくる。
「そこまでして戦いたいか!?」
その声には悲しみと怒りが含まれていたそして目が完全に怒りに染まり上がる
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
圧縮空気弾を持っていた不動明王剣で断ち切ると即座ににまめを助けようとする。
「死なせねぇ、絶対に死なせねぇぞ!」
>>274
届かない、落ちるところを見ているしか出来ないのかと思ったそのとき
>「・・・・・・私は早く退避しなさいと、言ったはずなのですが?
 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」
先ほどの天使がまめを掴んで現れたではないか。
>「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」
「けっ、なんか含みがある発言だな」
軽口を叩く。まぁなんにせよまめが死ななくて良かったと心底安心する。

>>「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
「くそ……いそがねぇとヤベェぞ、ガルダ!」
ガルダを呼び、飛べない仲間を乗せて先に下へと下り始めた。



277テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/22(土) 01:31:27 0
>276
>「くそ……いそがねぇとヤベェぞ、ガルダ!」
「分かった。先に行って! 必ずバラグさんとエメロちゃんと一緒に脱出するから!」
ボクとソル君はエメロちゃんの救出に行き、飛べない組はタケル君と先に脱出してもらうことにした。
謎の人物もそれを理解したようで、まめちゃんをタケル君組へ渡した後、ボク達についてくるように促す。
「急いで! こっちです!」
278バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/22(土) 19:17:24 0
>「何が起きたかは分からずとも、何が起こるかは明白でしょう。
 この都市は、自壊を開始しました。・・・・・・もはや、この街を探る意味もないでしょう。
 巻き込まれない内に脱出する事をおすすめしますよ。」
案の定何が起きているかは、教えてくれなかったが。
模造天使の言った“自壊”というキーワードで何が起きたか大体予想できた。
自壊と言うのだから恐らくこの都市は意思を持っていて
何かを守るために若しくは何かが破壊された為に自壊を始めたのだろう。

だが今はそんな事はどうでもいい。
今一番の問題は、皆が何処にいるのかだ。
しかしこんな状況で探し回っても危険に巻き込まれるだけで皆が見つかる保証がない。
皆の居場所を知っているだろう模造天使に付いて行っても皆のいる場所に辿りつけれる保証がない。
動くに動けない。まるで山の中で遭難したみたいだ。
となれば如何すれば良いのか決まったも当然だがな。
自分は、此処で皆が来るのを待った。

幾分経つと遠くから飛んでくる者が見えた。
それは、ガルダだった。
背中には、武と…誰だか解らんが女の子が乗っている。
近くに来たところで止まってもらい他の皆が何処にいるのか聞いた。
エメロという女騎士が治療されている所に向かってると教えてもらい。
礼を言った後、其処に向かって全力で走って行った。

武から聞いた場所に付くと其処にはまだ皆の姿がなかった。
取り合えず治療施設の建物の中に入ってみた。
この建物はまだ崩壊の影響を受けていないようだ、傷一つ見当たらない。
カプセル状の物を見つけ近づいてみるとその中の一つに女がいるのを見つけた。
…が自分には如何すればいいのか解らないため皆が来るのを待つ事にした。
279金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/22(土) 23:31:46 0
>274>276
まっさか様に落ちていきながらも武が圧縮空気を捌いた事を感じる。
それと共にトドメの一撃が繰り出されるであろうと予想し、破壊のオーラを消し去った。
気絶したわけではない。
体内にオーラを溜めて追撃の瞬間に亀甲縛りをしている羂索を力づくで引きちぎり、戦いを続ける準備をしていたのだ。

しかし、研ぎ澄まされたまめの感覚はまたもやありえぬことを感じ取ってしまう。
>「死なせねぇ、絶対に死なせねぇぞ!」
それは悲しみと怒りの入り混じる感情と言葉。

マアズでも敵の命を救う事はある。
しかしそれはあくまで決着がついてから。
次回のより激しい期待をして、のことだ。
マアズでは敵に敬意を表するのは当然の事だが、それは今の武のモノとは全く異質なもの。
完全にまめの認識外のものなのだ。

決着を見ず、今の状態でのその言葉、その感情にまめの心は大きく揺さぶられた。
Throneとの戦いの後の無条件での受け入れた時と同じように。
戦いの衝動により追いやられていたその感情が、武の言葉が呼び水となって再び蘇ってきたのだ。

そうなると最早まめに先ほどまでの集中力を保つ事は出来なくなっていた。
体内に圧縮し練りこんだ破壊のオーラは漏れ出るように四散し、力が抜けていく。
直後、首に大きな衝撃が走り、身体が上昇していく。
> 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」
Throneの言葉に、行動に、まめは何も抵抗しなかった。
本来ならば『戦いの邪魔を!』と一気に羂索を引きちぎり攻撃をしただろう。
が、そんな力も今はでてこない。

その後、テイルとThroneのやり取りの間もただ黙って聞いていた。
武に抱かれ、ガルダに乗って下降。
少なくとも片腕は完全に破壊したはずだ。
しかも今のまめの体温は100度を越える。
にも拘らず、武から感じる感情はどこまでも優しかった。

脱出の最中である事も、都市が崩壊しつつある事も、全てがまめの関心を引くことが出来ない。
ただ一点、ガイアの民の・・・武の行動、心情があまりに理解不能で動揺していた。
しかし一番まめを動揺させていたのは、その動揺する自身の心の中に何かを感じ取っている事だった。
あるはずのない何かが自分の中にある・・・いや、生まれつつある。
その感覚がまめを混乱の極地に陥れ、本能ともいえる闘争心すらも薄れさせていたのだ。
「判らない・・・判らない・・・!あなたたちガイアの民は何故?
まだ決着はついていなかったというのに、どうして・・・」
言葉が出てこない。
まめ自身、どうして・・・の後に続くものがなんなのかわかっていないのだ。

効果を続けるガルダの上にいるのは、最早破壊の権化ではなく、ただ理解不能なものに直面しうろたえる一人の小さな少女でしかなかった、
280テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/23(日) 00:33:38 0
「でもそっちは行き止まり……え!?」
謎の人物が手を触れるだけで壁に通れるぐらいの穴が開き道が開けていく。
「あなたは一体……?」
「私は都市管理システムに仕込まれたバグ。
天使ソルテ=スターライト……が都市崩壊直前に起動するように設定したささやかな反逆プログラムです。
この体には先程勝手に乗り移ってしまいました。
だって最後までぺらぺらの枠とか悲しいじゃないですか」
「そういえばソルテって先代勇者と同じ名前だよね!? それにスターライトって……」
「ゆっくり話している時間は無いので急いでついて来てください。
あなた達が聞きたいであろうことはテレパシーで直接送り込みますから」
それきり何も言わず、飛びながらいくつもの壁を突っ切りつつ黙々とついていく。
だが耳で聞くよりもずっとクリアーに情報が入ってきた。

Throneも言ったように、天使は絶滅したわけではありません。
先代の戦いの後、人間という特異な種を巡って他の光の眷属達と袂を分かった。
私達天使は、際限なく増え続ける人間はやがてガイアの脅威になる、闇の眷属もろとも滅ぼすべきだと考えたのです。
もちろん他の光の眷属がそれを許すはずがありませんでした。
彼らにとって、人間もまたガイアの眷属なのですから。
その結果、追放されたというべきか出奔したというべきか……
とにかく天使達は他の光の眷属達と袂を分かち、ガイアを出て行くことになりました。
現在彼らが住まうのは文字通り遥か天空。
満ち欠けを繰り返しながらガイアの周りを巡る衛星……ルナ。
その時にガイアに残していった物が、全ての生命と引き換えに魔を滅ぼすスイッチだったのです。
遠くないうちに自分達の考えが正しいと理解される日が来るだろうと考えて。
その管理システムを創ったのが、システムの名にもなっていた他でもない私です。

「ちょっと待って! あなたはソル君の御先祖様なんでしょ!?」
オニオンの体を借りた先代勇者ソルテは無言でうなずいた。
「人間と生きる事を選んだあなたがどうして……!?」
ソルテの声が、どこか自嘲的な響きをおびる。
「模範的天使であることも自らの信念を貫くこともできなかった半端者だからです。
人間を滅ぼすなんてとんでもないと思った。反対もした。
しかし私は悲しいほどに天使でした……最後は一族を敵に回す事はできなかった……。
人間を知ったつもりでいる自分が間違っているのかとすら思いました。
だからいつか訪れた人が破壊してくれるのを願ってこのプログラムを混入させました。
それが私にできた精一杯の反抗……」

>278
話している間に、治療施設に行きついた。
カプセルの前でバラグさんが待っていてくれた。
「来てくれたんだね、ありがとう!」

ソルテさんがエメロちゃんをカプセルから取り出す。
「意識は戻っていませんが傷は大体治っているでしょう」
エメロちゃんを受け取る。
そしてソルテさんが壁に触れると、光り輝く門が現れた。
「この門をくぐれば地上です。
来た時とは別の場所に出るかもしれませんが許してくださいね」
一呼吸おいてこっちをひたと見据えて言う。
「Throneはああ言いましたが……私はあなた達を信じています。どうかご無事で」
そしてソル君に歩み寄り、両腕で抱きしめる。
「ソル……会えて良かった……」
その姿は眩い光と共に消え、一瞬後……いつもの猫の姿のオニオンがソル君の肩に乗っていた。
281乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/23(日) 02:21:17 0
>「分かった。先に行って! 必ずバラグさんとエメロちゃんと一緒に脱出するから!」
「わかったぜ、きっとだぞ!」
大声で返事を返し、距離が進むにつれ姿が見えなくなっていった

負傷した片腕、そして抱えているまめに手当てをする。
片腕は早くて二、三日長くて一週間法術で治療してれば治るだろう
まめに関しては相当な無茶をしたようだが、手当てが早かったため一命は取り留めたようだ。
しばらく移動して、バラグの姿が確認したので
止まれとの合図も含め、止まった。
とりあえず聞かれたことに答えられることを答えると礼を述べて行ってしまった。
向かうその背後で、
「必ず帰って来いよ!」
そして再び飛び立ち、出口に向かう。
もうそろそろで出口を抜けると言う所で
>「判らない・・・判らない・・・!あなたたちガイアの民は何故?
まだ決着はついていなかったというのに、どうして・・・」
ここで、覚醒していた不動明王が下がり元の武に戻って
「そんなの決まってるにござるよ、簡単に命を捨ててはいけないでござる
それこそ、生きていればいくらでも決着は付けられるでござるよ
だから敗れたって生きていればそれで勝ちでござるよ」
ニコニコ笑いながら、残った片手で頭を撫でる。
まるで泣く子供をあやすように

282Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/23(日) 19:14:51 0
>275-281
彼らは脱出した。都市の機能の大半は自壊の影響でずたぼろとなっているが
辛うじて残ったカメラが彼らの脱出の様子を捉えていた。
もう、都市の自壊を止める努力をする必要もない。
やがて、暴走した炉心のエネルギーがこの都市のすべてを消滅へ向かわせるだろう。

「あぁ・・・・・・これでもう本当に、やることがない。」
相対するのは唯一の相棒。といっても枠の姿だが。
【余計な手出しでしたか?】
「別にどうということはありません。彼らがたどり着くなら知る情報ですし。」
【貴女も脱出できるのですよ。この都市自体が役をもう果たさない。】
「私はこの都市の管理人。この都市を離れて私の存在理由などどこにもありません。」

外で轟音が響く。おそらく崩落した瓦礫が外の扉を塞いだのだろう。
「それにしても、稼動してより120年7ヶ月と228日・・・ずいぶん長い間働いたものですね。
 その果てに得た休暇はあと数十分ですか。」
【・・・・・・恒例の時間つぶしでもしますか?】

二人の間に100かける100かける100の直方体が現れる。
「3次元チェス、これまでの戦績は互角でしたね。」
【えぇ、互いの優劣の為の一局と参りましょう。私が先攻ということで。】


―――やがて、脱出したテイル達がもう安全と振り返った直後。
その姿を隠し続けた天空都市は、一瞬の閃光と共にその姿を虚空へと消し去った・・・・・・。
283名無しになりきれ:2009/08/23(日) 22:41:42 0
>274「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
(都市、自壊を開始。白光、消滅・・・警告灯点灯、危険度、低・・・持続時間、不明)
不定形に戻ったヴォズは、確認した情報の代わりに
「誰か“亀甲縛り”に突っ込めよ・・・」
とだけ声に出すと、エメロの収容された部屋に向かった。

>280「この門をくぐれば地上です。来た時とは別の場所に出るかもしれませんが許してくださいね」
(天使1、妖精1、ゴーレム1、女騎士を確保し転移ゲートより脱出の見込み・・・転移先不明・・・)
そして、即座にその新しく開いた門ではなく、元々来た道を辿り最初に登った円柱に向かう。
(元全身甲冑他は飛行獣にて帰還・・・)
ガルダの後方から洞窟基部に降下しながら、都市に入って以降得た情報を順番に唱え始めた。

やがて、薄暗い洞窟基部に一瞬だけ上空から漏れた閃光が瞬き、消えた。
「光源、消滅」
最後にそれだけ唱え、ヴォズはアルベルの元へ向かった。
284テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/25(火) 00:10:52 0
>282
「行こう!」
光のトンネルの中を歩いていく。
出口の門から出て振り返った直後、全てが跡形もなく消え去った。

「嘘みたいだったね……」
慣れ親しんだ大地の感触。髪をゆらすそよ風。
ここがどこなのかはまだ分からないがただ一つ確かなのは、地上に帰ってきたことだ。
天空都市にいたのに少しの間だけなのにひどく懐かしい。
上を見上げると丸い形のルナが光っていた。今日の事は彼らに多分筒抜けだろう。
「ソル君……これでみんな目を覚ましてくれるよ。きっと」
285金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/25(火) 22:24:04 0
>281
まめの頭を撫でる武は即座にその異変に気付いただろう。
もともとの体温も異常に高いのだが、それどころではなく上昇し続けているのだ。
しかもそれは単純な熱ではなく、何か別の力を感じるかのような発熱だった。
「う・・・うあああああ・・・・!」
武の傍らで悶え苦しむまめの悲鳴が響く。
その姿に、プアプアが静かに呟いた。
「まめ殿、お別れですな・・・。」

「あああああああああああああ・・・・・・!」
最早絶叫となったまめの悲鳴とともに、水魔の太刀は静かに崩れ去る。
役目を終えたかのように静かに・・・・。

苦しげに顔を上げるまめの顔に変化が訪れた。
額の四つの銀の複眼が移動しているのだ。
二つずつ分かれて左右に広がっていく。
同時に背中では体操服を破らんといわんばかりにもこもこと何かが脈動し、まめ自身が白く輝きだした。

その光は激しさを増し、周囲をホワイトアウトさせる。
何も見えず感じぬ空間を作り出した光の中、亀甲縛りしていた羂索がはじけ飛び、武にぶつかった。
そして、光が収まった後・・・
穏やかな表情でまめが立っていた。

しかしそのまめは先ほどまでとは全く違う姿。
移動した複眼はまめの顔の両横に新たなるしかし同じ顔を二つ作っていた。
そして光の中で何があったのか、体操服の袖が増え、腕も三対六本となっていた。
「・・・・あ!武さん!やりました!まめは大人になりました!」
三面六臂となった己の姿を確認し、大喜びで武に抱きつくまめ。

マアズの住人は生まれた時はあらゆる種族が変らず人間体型で生まれる。
そして成人の儀式を通し、大人の身体へと変態するのだ。
まめはゼッケンに書かれた通り、2−A(阿修羅)の姿になったと説明を付け加えた。
子供の時にはおしゃぶり代わりに武器とバトルフェアリーが与えられる。
成人の儀式が成功したと同時に役割を終え、崩れ去るのだ、と。

武はまめの変化が姿だけでなく、その強さも二周りほど強くなったことを抱きつかれながらも肌で感じるだろう。

喜びをかみしめた後、まめはそっと崩れたプアプアだった鍔を胸に当てると、それが当然のように身体に同化する。
強さだけでなく、プアプアの持っていた知識も身につるのだ。
これでまめは完全にマアズで言うところの大人となったのだ。
「大人になって漸く判りました。
何故ガイアで、何故あの洞窟で、そして何故あなたたちとであったのか。
マアズでは決して学びえぬあなた達の心を学ぶためだったのですね・・・
そして・・・ガイアで起こっている変革を確認する為・・・!」
三つの顔の六つの瞳を閉じ、感慨深く呟いた。
遠くの何かを感じ、交信しているかのように・・・。
286テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/27(木) 23:32:09 0
>285
「あ……」
空に金色の光が見えた。良く見ると、翼をはためかせる神鳥ガルダ。
見ているだけで勇気がわいてくるというこの鳥だが、この時ほどそう思った事は無い。
「意外と近くだったんだね!」
夜空に舞う神鳥を追って駆け出した。
287インペトゥス ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/28(金) 21:38:33 0
一方その頃・・・・・・

暗闇の中に、その男は片膝をついて佇んでいた。
両手を組み、瞳を閉じてただ祈りの言葉を紡いでいる。
ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん・・・と、水の滴る音が祈りに合わせるように響く。

「      。」
と、祈りが終わりを告げる。閉じていた瞳を開くが、周囲は一切の光のない闇ばかり。
頭をもたげて頭上を見れば、明り取り窓から紅い満月が覗いている。
不思議なことに月が見えているのにその光は、室内にまでは届かない。

紅い月を眺めるのに飽きたのか、男は立ち上がり月に背を向けて歩き出す。
一歩一歩を刻む度に、ぴちゃん、ぴちゃんと水音が跳ねる。
ある地点で歩みを止めると、男は両手を掲げて正面の闇を押した。
木材の軋む音を立てて観音開きの闇が開くと、その向こうは一面の草原だった。

更に数歩男が歩みを進めると、中身を晒すのを拒むように扉は自ずから閉ざされた。
そこは、町から少し離れた小高い丘にある教会だった。
眼下の草原の向こうには、小さな町が夜の闇に沈んでいる。
わずかに聞こえる歌はきっと酒場の酔っ払い達のものだろう。

男は、そばに停めてあったバイクから一枚の紙を取り出し両手で広げる。
それは赤い×印がいくつも書き込まれた世界地図。
「〜〜〜ッたく。次はまたずいぶん遠い場所だな。面倒な事ばっかりやらせやがって。」
そうぼやくと、バイクに跨り男は空中を駆けて走り去っていった。

残されたのは、【建物の壁面と同じように】赤黒く染まった
彼の踏みしめていた草が、風に靡いて揺れるばかりだった。
288乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/29(土) 00:22:59 0
>>285
頭を撫でていると彼女の体温が急上昇していただがそれが単なる熱ではなくなにか暖かな…そんな感じの懐かしいような力を感じた。
>「う・・・うあああああ・・・・!」
「だいじょうぶでござるか!?」
突然苦しみだしたので心配したのだが、
>「まめ殿、お別れですな・・・。」
「あああああああああああああ・・・・・・!」
プアプア殿と持っていたまめ殿が持っていた武器が消え、変化を始めた。
まるで進化するように感じられた。彼女を縛っていた羂索が弾け、光が包み始めた。
そしてその光景を呆然と見ていた。いや、なにかを呼び起こされようとしていたが――――
>「・・・・あ!武さん!やりました!まめは大人になりました!」
はっと意識が戻ってくるとまめ殿が阿修羅のような体になっており、うれしさのあまりか抱きついてきた。
その力強さが体の中からにじみ出ていたが、頭の中では別の事があった。
「……さっきのはなんでござるか……」
ぽつりと誰にも聞こえないほどの声で言う。そしてすぐに気を取り直すと目をまめ殿に向ける。

>「大人になって漸く判りました。
何故ガイアで、何故あの洞窟で、そして何故あなたたちとであったのか。
マアズでは決して学びえぬあなた達の心を学ぶためだったのですね・・・
そして・・・ガイアで起こっている変革を確認する為・・・!」
どこかに祈るように目を瞑ったまめ殿を差し置いて、なぜか改めて思った。
自分は何者なのだろう空から降ってきて温厚なサトリの父とやさしい山姥の母に拾われたらしい自分。
本当は……どこからやってきたのだろう…
あの光を見てから突然思うようになったが、かぶりを振る。
「過去なんてどうでもいいじゃないか、今を姿勢正して精一杯悔いの無いように生きていけば」
>286
地上が見えてきたところでこっちに向かって走ってくる。
検討ついていた、テイル殿達だ。
【お前の仲間が見えてきたぞもうすぐで降りられる場所だ】
「ああご苦労だったなガルダよ、おーい!!」
大声を上げて手を振るとテイル殿達も返してくれていたようだった。
そしてゆっくりと地表に降りていき、完全に着地を確認し降りる。

289テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/29(土) 23:17:16 0
>288
>「ああご苦労だったなガルダよ、おーい!!」
タケル君が気づいて来てくれた。
「みんな無事だよ!」
まめちゃんの腕が6本になっていた。しかも側面に顔が出来ている!
「すごい……かっこいいや!」
なんとマアズの民は成人すると姿が変わるそうだ。
「大人になれたんだね。おめでとう! プアプアさんは?」

「……消えた?」
向こうではフェアリーはマアズの民が大人になるまでお供するための存在らしい。
やっぱりガイアとは随分違う。
「な、……その方は一体……」
背後から驚いたような声が聞こえた。
バラグさんに抱かれていたエメロちゃんが目を覚まして唖然としている。
肩に手を置いて笑いかけた。
「ボクの新しい友達。キミが気絶してる間に色々あったんだよ〜、後で教えてあげる!」
290金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/29(土) 23:42:37 0
地上に降り立ち、テイルたちと合流する武とまめ。
まめの大人になった姿に驚いてはいるが、すんなりと受け入れるテイルにまめの三つの顔に笑顔を与える。
>「大人になれたんだね。おめでとう! プアプアさんは?」
「プアプア様は私の中に・・・。」
そっと胸を当て応える。

その後エメロも目を覚まし、大団円となるところでまめがテイルに歩み寄る。
そっとテイルに頬に両手を沿え正面を向かせる。

そして残る四本の腕で両手両足を持ち抱えあげ、頭上に逆さまに持ち上げたままジャンプ。
「阿修羅バスター!」
叫びと共に股割き・背骨折・頭突きの複合技を・・・
と言うのは既視感。

実際には亜修羅バスターは炸裂せずに頬に手を添え相対し、真剣な眼差しで見つめる。
「テイルさん。本来星人の儀式はガイアでは行われません。」
そう口を開いた正面のまめの顔の右側の顔は遥か上空を見上げている。
それは本来儀式が行われるはずだった場所。
「今回ガイアで行われたのは、マアズや本来の場所では学びえぬ心を学ぶ為。
そして・・・ガイアで起こっている変革を見極める為だったのです。」
そう、まめが飛空挺に落ちたのも決して偶然ではなかった。
ガイアの、テイル達一行に接触することも既に決められていたことだったのだ。

「本来光りと闇は相容れぬ間柄。
しかしその中にあって、人間はその枷にとらわれていない。
その意味を・・・あなたは気付いていなくとも知っています。
あなたの身に起こっている変革はやがてガイア全体に広がり、今回の光りと闇の戦いの結末を今までとは違った形とするでしょう。
光も闇も打ち破れなかった限界を破れる力をあなたは得られるでしょうから・・・!
あなたは誰も救う必要もなく、誰も犠牲にしなくてもいい。そんな道を選べるのですから。」
それだけ言うとそっとまめはテイルを離れる。

そして一行から一人離れたところで、六つの腕がそれぞれ呪印を組み、三つの口が別々の詠唱を始める。
それは一人で行う複合魔法。
呪文の形成と共ににわかに上空には黒雲が立ち込める。
「皆さん、短い間ですがお世話になりました。
武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。
ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので!
では!黒雲塊移光雷!!」
それと共に落ちる轟雷がまめを直撃する。

凄まじい轟音と光の去った後、まめの姿はなく地面に残った焦げと足跡がそこにまめがいたことを。
そしてまめがマアズに帰還したことを表していた・・・。
291テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/31(月) 00:04:25 0
>290
>「阿修羅バスター!」
「阿修羅バスターらめぇええええ!!」
……気のせいか。ガクブル。

>「テイルさん。本来成人の儀式はガイアでは行われません。」
>「今回ガイアで行われたのは、マアズや本来の場所では学びえぬ心を学ぶ為。
そして・・・ガイアで起こっている変革を見極める為だったのです。」
「変革……?」

>「光も闇も打ち破れなかった限界を破れる力をあなたは得られるでしょうから・・・!
あなたは誰も救う必要もなく、誰も犠牲にしなくてもいい。そんな道を選べるのですから。」
意味は良く分からない。
それでもただ一つ確かなのは、まめちゃんが疑うべくもない確信に満ちた目をしていること。
「まめちゃん……ボク達のもとに来てくれてありがとう」

>「皆さん、短い間ですがお世話になりました。 武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。 ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので! では!黒雲塊移光雷!!」
「うん、行く! 絶対行くよ!」

こうして、異星からの来訪者は来た時と同じように突然去って行った。
焦げ跡を見ながら、慌てて付けたすのだった。
「……でも全力で歓迎は勘弁!」

「やれやれ、これでやっと静かになる」
「またまた、本当は寂しいくせに〜」
その声に後ろを振り向くと、レオ君をメルちゃんがからかっていた。
「ウォズさんから聞いたよ。いろいろあったんだね〜」
「うん、本当に……」
ルナとマアズを交互に見ながら、二人が持って来てくれた飛空艇に乗り込むのだった。
292乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/31(月) 02:23:58 0
>>290
>「皆さん、短い間ですがお世話になりました。
武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。
ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので!
では!黒雲塊移光雷!!」
「拙者は何もしてないでござるよ…それよりも体を大事にして欲しいでござるよ
もちろんでいくでござるよ、達者で!」
雷撃と瞬く間に消えてしまう。そして天高く手を振る。

手を振り終わり、振り返ると丁度飛行艇が来ていた。
「とりあえず、完治はいつかわからないでござるが足手まといにはならないようにはするでござるよ」
吊るした片腕をチラリと見て、中に入るのであった。


293バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/31(月) 18:09:18 0
エメロを抱きかかえて門を潜ると、その先には森が広がっていた。
此処が何処なのだろうか考えようとした時、空を舞うガルダか目に入った。
>「意外と近くだったんだね!」
テイルの言う通り近くにいるようだ。
此方に気づいた武が降りてきた。
エメロが目を覚ましたので降ろした。
そして誰だか解らん女の子が何処かへと行った。

飛行艇に入ると通信器具が光っているのが見えた。
恐らく誰かからか通信が入っているのだろう、
通信機のボタンを押して通信回線を開いた。
するとモニターにでかく黒い魔導師が映った。

「なんのようだ?」
そう聞くが通信状況が悪いのかそれとも言葉を選んでいるのか
数十秒間が開いてから黒い魔導師は口を開いた。
「依頼がある。ガイヤ星教団が最近手に入れた“血の魔石”を奪取してほしい。
血の魔石は、昔から血生臭い儀式や戦争に関わってきた危険な魔石だ。
人間の牛耳る宗教団体が持つような物ではない。
何かが起きる前に奪ってきてくれ。
私の為ではなく…正義のために。」
294テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/31(月) 22:33:20 0
――第9章開始――
>293
成り行きで一緒に飛空艇に乗ったエメロちゃんと話していた。
「でさ、天空都市に行ったわけ!」
「私が気を失っている間にそのような事が……」
「そこにあったのは世界を滅ぼすスイッチ!」
「なんと……! 早急に報告しなければ!」

通信が入ったらしく、バラグさんから呼ばれる。
「ちょっと待っててね」

戻ってきて、純粋な親切を装ってエメロちゃんに言う。
「ついでだから教団まで送って行ってあげるよ。
何なら今回のことを代わりに報告しようか?」
「しかし……」
「いいのいいの! だってここで降ろしたらまた道に迷っちゃうでしょ」
本当の目的を伏せているのは気が引けるが、信仰深い彼女のこと。
本当の事を言ったら暴れ始めて阿鼻叫喚の事態になりかねない。
「メルちゃーん、出しちゃってー!」
「それではガイア星教団に向かって発進!」
エメロちゃんに選択の間を与えず、飛空艇は一路ガイア星教団に向かって飛び始めた。
「かたじけない。お言葉に甘えさせていただきます」

>292
エメロちゃんがタケル君の腕に回復魔法をかけながら言う。
「タケル……といいましたか。私ではこの程度が限界です。
せめてものお礼に教団に着いたら回復術に長けた者に完治してもらえるように手配しましょう」
295ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/09/02(水) 17:50:46 0
天空都市・・・オレの想像していたものとは、違ったみたいだ。
すべての人間の命と引き換えに、魔は滅びる。
・・・テイルはそれを否定したけど、それでよかったのかな・・・?
もう、何が正しいかもよくわからない。
だんだんとすごい方向に向かっていっているオレ達。
これからどうなるんだろうか。
「やっぱり仲間・・・ここにもいなかったな」
「まぁ、気にしてねぇよ」

次の目的は、血の魔石とやらを奪還せよとのこと。
もはや、最初の目的から離れてないかな・・・。
「っというか!せっかく都市に来たのになんもお土産貰ってこなかったし!
 今回何のために行ったんだよ!もう・・・!」
自分も人のことは言えないか。

この飛空挺に乗り始めてから、かなりの日がたってる。
学校を抜け出して、戻ってきて、大会があって。
それがもうかなり昔の事に思えてきた。
でも、これだけ旅を続けているのに見つからないものもあって・・・。
「どこにいるのかな・・・ぃちゃん。」
先祖なので知らない人も同然だが、同族を見つけたことによって、思い出してしまった。
小さいころの事なので忘れかけているけど、オレには兄がいた。
気がつけば、家から居なくなっていて・・・今回、天使に会えると聞いて、
少し期待してしまった。もう一度、会いたい・・・
>「それではガイア星教団に向かって発進!」
とりあえず、今はガイア星教団のことに集中しよう。
「はっしーん!」
いつもどおり、元気に笑ってみた。
296名無しになりきれ:2009/09/03(木) 17:52:52 O
297テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/09/04(金) 00:25:52 0
>「っというか!せっかく都市に来たのになんもお土産貰ってこなかったし!
 今回何のために行ったんだよ!もう・・・!」
「お土産ならもらったじゃーん」
赤と白の半球にボタンがくっついた物体のことである。
お土産と言えば……もちろん教団に持って行くお土産の青葉の楓は準備万端です。
貢物とか賄賂とか言ってはいけない。
行き先は王都ファティマ。エメロちゃんが所属するアルトリウス派の支教団がある地だ。
298バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/09/04(金) 23:38:35 0
移動する事数日。
エメロの所属するアルトリウス派の支教団があり血の魔石という物騒な物が隠されている所
王都ファティマが見えてきた。
ある程度王都に近づくと通信が入った。相手は王都防衛の魔導師からだ。
何しに来たのかと質問されたのでガイヤ星教団の者に頼まれて
その人を此処に送りに来たと言い、証拠としてエメロを通信機の前に連れてきた。
エメロは、教団員の証拠である紋章を提示し魔導師はそれを確認して入国の許可を貰った。
飛行艇を指定された所に止めて船を降りた。
その後教団の場所をエメロに案内してもらった。
299テイル ◆6nXELe5RK6
――王都ファティマ
道中で井戸端会議のおばちゃんの会話が耳に入る。
「物騒な世の中になったもんだねえ」
「うちの街にあるのもアルトリウス派だろ? 恐ろしや恐ろしや」
「神官さん、あんたんとこは大丈夫なんかねえ」
いきなり通りすがりのこっちに振ってきた。エメロちゃんが応じる。
「私ですか? 何の事でしょう?」
「知らんのかい!? 新聞よまにゃあいけんよ」
おばちゃんはどこからともなく新聞を取り出した。そして社会面の緊急特集を示す。
なんとここ最近各地でアルトリウス派の教会が襲撃されているそうだ。
「事件の特徴がほぼ同じ事から同一犯
あるいは同一の集団に属するものの仕業と思われる……って、考えるまでもないよなあ」
「考えるまでもなく闇の軍勢の仕業ですね。罪なき人々になんたる狼藉!」
と、エメロちゃん。
世界各地で同時多発的に犯行が出来るほど巨大な悪の組織なんて一つしか考えられない。
「となると……この街の支部もいつ狙われるか分かりません。急ぎましょう!」
エメロちゃんに促され支部に急ぐ。