ある日、突然

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1名無しになりきれ
ある理由で一昨年、大富豪というか会社のオーナーになっちゃったんだけど・・・
極貧プログラマー時代が長くて、今でも会社員の感覚が抜けないでいる私

初めての世界です。初めての経団連支部でのパーティーです
みんなオーナー会長って呼んでくれて嬉しいのですが・・・
極貧時代のぼろが出るのを恐れています。なんとか取り繕わないと・・毎日が大変・・

見つからないように今までと同じように作業をしていても必ず見つかって
「オーナー会長様にそんなことさせられません!」と言われてしまう。
職人作業なら完璧に出来るのにと思ってしまう今日この頃。
しなくていいって言われても職人作業が好き。管理職の報告書を読むだけで
実際は雇っている社長が全部やってくれるのは本当は心苦しいから。
自分の会社なのに人様に経営して貰うのってね・・・
だからせめてこの会社を大事にしようと思う。
2名無しになりきれ:2009/03/08(日) 20:54:44 0
2ゲットで会社倒産
3名無しになりきれ:2009/03/08(日) 20:55:29 0
それにしても堅苦しい挨拶だけはしなくちゃいけないのが面倒くさい
4月、新入社員の前でする挨拶どうしようかなあ。とか
3月、取引先に来年度も宜しくとかいって挨拶に行かなきゃならない。
挨拶のセリフを適当に考えてもらうか、営業管理職に挨拶に行かせるにして
自分の義理の親が所有していた会社を相続してなった会社オーナーだから
今まで、ずーっとプログラミングしかした事ないのだから

経営資源管理だの事業計画だの決算だの事業実績だのって話しはモチロン
社内管理会計と税務会計の違いさえ良くわからない。
それが、ばれないように知っている管理職が取引先に話しをする

いっその事、相続で父から貰った、このワンマンオーナー会社の
100%分の株を全部、今まで義理の父親と一緒に会社を経営していて
重役やっている義兄に売り払って遊んで暮らそうか
なんて考えが頭に浮かんで、義兄に話してみたら
もし、そんな事をしたら会社が分裂して大変な事になってしまうので
創業者一族の人が天皇のように会社にいて下さいというように説得された。
銀行とかからの融資とかも創業者一族の何人かがいれば
今まで通り、いつも通りという事で稟議が簡単に通過するとの事だった。

まあ義兄が相続した親会社に比べれば、規模も小さいし
社内も自分が今までいた世界に似た所はある
製造作業指示を中国や、東ヨーロッパや、南米の工場に発行するシステム
同業者団体の調達供給システムがあるデータセンター運営会社だから
義父が養成した社員を逃がさないようにするだけでいいって事だし。
4財務官僚(局長クラス):2009/03/08(日) 21:00:09 O
同期が次官になったもので、私は退官しようと思ってるんだ
君の会社に役員として天下っていいかな?
色々と便宜を計ることができるよ
私は本省や政府筋にも顔が利くからね
5名無しになりきれ:2009/03/08(日) 21:07:48 0
「去年、景気がいいから増員した海外の工場を転売して製造縮小して
 海外販売の事業部で販売できた金も今、円に転換して国内還流すると
 銀行からの信用が無くなってしまうほどの為替差損が発生するので
 国内データセンターの拡張作業を停止して

 中心になって使用頻度と利益率が高いシステムだけを存続させて
 使用頻度も利益率も低いシステムは保守作業をしている人間も含めて
 全部、他社で欲しいって所に売ったり、清算したりしてくれ」と

去年まで

「景気がいいんだから増員して拡張しましょうよ」

と言っていた銀行が担当だけ変えて、状況が違うんだからそうするもんですよ
ITバブル崩壊した時も先代オーナーはそうしましたよ
と重役含めて全員を説得してリストラ計画を建てて
その銀行から入社していた経理部長が計画を運営する事に今月5日の会議でなった
6名無しになりきれ:2009/03/08(日) 21:11:33 0
>>4
経団連の方とか、各県庁にある情報政策課に
顔のきく省庁出身の方でしたら大歓迎です
7名無しになりきれ:2009/03/08(日) 21:35:49 0
それを業界紙に公表した所、同じようなデータセンター数社から

わが社は外資でインドにデータセンターがあって
アジア・太平洋事業部単位では仕事をしているけれど
国内にデータセンターが無いので
単純なコールセンター請負いをしている
東北の山奥の土地も人件費もかからないセンターを
従業員も含めて買ってもかまいませんよ

という具合に東北にあるデータセンターに関しては
引き合いがあった。一応、かざりな会長だけれども
明日、その打ち合わせに同席しなければならないらしい。
出席したくないと兄に言ったら、言葉の暴力で殴られた

「自分の会社の事業部だから、自分の従業員だから大事にしたいだろお
 経過を俺に報告するにしても、どういう都合を抱えていて
 どういうつもりで引き受けたいって言っているか聞き出すぐらい
 やるもんだろおがあ」

というような内容を刺激の強い言葉で殴れば理解できるよな
といった感じの言い回しで・・・・・・・ツライ。
8碇シ〇ジ:2009/03/08(日) 22:14:44 O
>>3
笑えばいいとおもうよ
9名無しになりきれ:2009/03/09(月) 08:39:44 0
朝、とても早くにM&A担当の人間から電話

「すいませんね。朝、早くに私がいる所がオーストラリアなもので
 日本より1時間ほど時差があるので、

 ところで、ですね。先週、売却が決まったコールセンターですけどね
 インドだかにアジア・パシフィックの本体がある会社より好条件で
 シドニーに本体がある会社が買うって言っているんですよ
 金鉱山開発とか金取引先物とかやってる会社で
 そんなに今回の不景気の影響を受けなかったのか
 好景気だった頃の資産査定額と同額で買うって言ってます

 ただ対オーストラリアドルが100円から60円までになってますんで
 日本円に今すぐにはできませんから、
 売却した金を、しばらくオセアニアに寝かせておく事になりますが
 どうしますか? インドの方の1.5倍か2倍くらいですよ」

あまり理解できていないので、重役会議の議題に回すように言って
電話を切って数分後、さっきの担当の上司重役からも電話
オーストラリアの方にした方が色々と有利ですよ。というような内容

念のため義兄にも相談してみると、インドの方には
東北の方じゃなくて、北陸にある規模が少し小さい同じようなのを売るように
関係者に俺から言うという事。こーゆー時だけは連絡が早い
8時半には、今日どうするか、大雑把なトコが決定
10名無しになりきれ:2009/03/09(月) 22:34:40 0
夕方、経緯を義兄に連絡

「南米とインドにコールセンターを保有している会社が
 通信衛星を使用して24時間サポートしているのの延長で
 安く買えそうな所を物色しているだけらしく
 普通じゃ考えられないほどの値段で買い叩くつもりなよう

 オーストラリアの方は狂乱不動産バブルが崩壊したので
 自国不動産が、どうなるか、わからなくて面倒なので
 保有している日本円の範囲でなら交渉に応じるよう

 部署の人員構成はインドの方は外見同じだけど実は基本言語バラバラ
 オーストラリアの方は韓国・インド・中国・日本の雇われ傭兵部隊に見えた」

というようなアバウトな内容と

後は担当者から詳細報告がきたら連絡すると

留守番電話に吹き込んで一日オシマイ
11名無しになりきれ:2009/03/10(火) 01:51:55 O
ここはなな板です、SS晒す場所違います。
12名無しになりきれ:2009/03/10(火) 08:32:59 0
朝、起きると、とてつもなく息苦しい。心臓が何かに捕まれているよう
かかりつけの医者のいる病院へと行ってみる

インスタント食品、煙草の吸いすぎ、時間に追われている 運動不足など
血管年齢が上がってしまう要素を聞かれ全部に該当しますと問診で回答

検査してもらうと血管年齢が高齢者になっているという。
まずは煙草とインスタント食品を食べるのと規則正しい生活をしろと言われた

プログラマーの時からの習慣
・食事なんて別に腹がふくれりゃなんでもいいのでインスタント
・打ち合わせが煙草部屋のような所なので会議しながら煙草
・仕事が大量になったら徹夜・無休、当たり前

を変えようとしても、なかなか変えられない。
豪華な金のかかる料理とかを誰かと食べに行っても
「金と時間が、もったいないなあ」としか感じない。
ニコチン中毒なので我慢するとイライラしてくる。
規則正しい早寝早起きをしようとしても寝れないし起きれない。
・・体調や気分が悪くなって身近な誰かにヤツ当たり

なかなか一旦、習慣になってしまったものを変えるのは難しい
13名無しになりきれ:2009/03/10(火) 19:21:38 0
そうだ健康状態が良くないので、という名目で義兄が、その息子に
今年度のシステム投資案件の全体決議とか決算報告とかを
全部やっといてもらって、安定した6月の株主総会後に復帰しようかな

などという考えが浮かび、そうしてみると話しが通った

「まあ、そうだな、金と権力が手に入っても
 あの世に行ったら無意味だからな。早く直せよ」

しばらくは、この隠居生活している御老人だらけの地方都市の病院と別荘で
たまーに状況を知るために連絡をするだけで過ごしても大丈夫な事となった

ただし、義兄の息のかかった女が別荘の方に泊り込んで
毎日、病院にも来る事となってしまった。
ようするに毎日、実際の所はどうなのか報告するのだろう

背中にチャックがついていて中に義兄が入っているキグルミのように見えた
14名無しになりきれ:2009/03/11(水) 11:28:33 0
高齢の御年寄りだらけの病院、半分くらいは寝たきりになって
介護が必要な人間が入る病棟に行くようだ
もう半分は結構、元気なようだが、何か変な空気。というか話し方がオカシイ

子供の頃まではいた第二次大戦経験者で普通に話す声も全部、怒鳴り声のような感じという
頭の中が大日本帝国陸軍の兵隊さんな明治生まれのような人がいるかと思うと

若いモンは、男は全部土木作業員かヤクザ、女は娼婦にでも見えるのかってくらい
おかしな呪文というか悪口を同じ年齢の人々と話す人がいたりとか

声も全部同じに聞こえてくる。美空ひばりが変な感じになったような声の婆ーさんと
相撲中継でしゃべっている親方みたいな声の爺ーさんってパターン

「若い頃は自分だけが相手にされたいって競争して、
 負けた人間は今で言う自分の世界に引きこもって妄想にふけるだけになったりとかね

 自分だけが幸せな結婚生活を手に入れたいからとか言ってたけど

 この年齢になると、競争が、いかにしたら自分が長生きできるかになってくるもんだから

 それはわかるけど、どう考えても、その生活習慣は良くない事を配偶者や同居の家族にして
 自分だけは、この体によくない生活習慣をしないとかってやるのはね。どうかと思いますよ」

ってな内容のわけのわからん世間話が聞こえてきたあたりで嫌になって退院を申し出ると

「たいした事ないんですから、通院にして下さいよ。いつ言い出してくれるか待っていたんですから」
15名無しになりきれ:2009/03/11(水) 11:30:16 0
そして、義兄のキグルミとの別荘での生活が始まった。

毎朝、キグルミが7時30分に起こしにきて、日経新聞を枕もとに置いていく

ダラダラと9時半まで新聞を読んだり朝飯を食ったり
キグルミが電話に出て決算期やら年度始の会社行事がどーなった、
あーなったと話していく内に午前10時

午前10時から午前11時30分まで電子メールできた連絡を
一通りチェックして返事して

午後からキグルミに運転手をやらせて見つけさせといた適当な所で昼飯

初めて来る地方だったので物珍らしさも手伝って、
グルグルと適当に運転させる内に午後4時

夕方になると、キグルミに連絡があり。
今日どうなった、どこどこの誰だかが、こんな事を言った。
決定事項はこーなったと誰かがベラベラと話している。

どうせ6月の株主総会までには別の誰かが言った事で覆りそうな事ばかりが・・

毎日毎日、同じ事の繰り返し
16名無しになりきれ:2009/03/12(木) 08:34:18 0
ある日、突然、ド田舎のデーターセンターがある以外、何も無い所に拉致軟禁されてから4年

部外者秘とか結構うるさい所が増えててホームページに会社の悪口書いただけでクビとか
表現の自由無視なんか無視で情報統制の恐怖政治してたソ連みたいな会社
全社員のアクセスログ採取して接続先判定あーんどチェック

来た頃はITバブルだあとか騒いでいた世間も今やニケーイ平均も1万円台ワレ
デイトレードとかで遊んでいる友人とかに連絡とって雑談すると
JASDAQだのマザーズだのの新興市場アヤシイ会社銘柄の話し


データーセンターでユーザーサポート・・・毎日

てっとりばやく言うと、データセンター保有している会社が
特定ソフトの日本国内販売代理店契約しているから、
そのソフトの開発元のアメリカ会社のアジア太平洋事業部と毎週電話会議して
日本国内のユーザ−さんにパッチやら新しいバージョンの説明連絡やら
ユーザーさんからの苦情対処やらをする事業部の契約社員

同じ事業部の平均年齢は50歳代で年寄りだらけなわけだけれども
苦情の電話対応やメール対応するのは30代の若い女性社員
しっかし、この若い(自分からしたらだけど)のが部署で一番偉い
人事なんて実際は、この女が決めているので機嫌取るのに大変
17名無しになりきれ:2009/03/12(木) 08:35:26 0
同じ事業部の平均年齢は50歳代で年寄りだらけなわけだけれども
苦情の電話対応やメール対応するのは30代の若い女性社員
しっかし、この若い(自分からしたらだけど)のが部署で一番偉い
人事なんて実際は、この女が決めているので機嫌取るのに大変

他の開発者向けのITインフラ開発事業部やシステム投資案件事業部とかに
転属になって3年くらいで別のに入れ替わるのだから、それまでの辛抱だけれども

そこらへんの事業部に異動になったのが、タマタマやってきて一言。二言

「Javaとかで開発作業やっているのは平均年齢20歳台とかで若い人だらけなのに
 爺むさいトコですねえ。あいかわらず。まあ、この業界で長生きした分
 色んなユーザーさんへの対応を、セイゼイ頑張ってクビにならないようにして下さいねえ」

くっっっっっやああああすうういいいいいい
けど社内での立場関係で相手の方が上だから文句言えない

関係会社はち見ると
社長以外は平均年齢20歳台半ばのソフトハウスとかが製造・保守作業をやって
社長以外は平均年齢30歳台のSI・営業会社がSIやら関係会社調整やらを消化ってなパターン
18名無しになりきれ:2009/03/12(木) 08:36:57 0
中国なまりや インドなまりやら カタカナ英語なまりやらが飛び交い
電話会議の時も毎度の挨拶が同じように飛び交う

「やれやれウルサク言うだけで金払わないってえのなら、やらねえよ」

って外人。それに対して言っている事がわからないんだか無視しているんだか

「ユーザーが言っていたのはコウなので今すぐパッチリリースしろ」

の一本やりの馬鹿オシをする管理責任者。むこうが呆れて

「次のバージョンで対処する予定です」

の繰り返し。一旦それでいいかあ。ってなると、それで当たり前になってしまうものとはいえ。

たまーに外資のアジア太平洋事業部だかの外人が説明会するってんで新宿へ

高層ビルとかにデーンとワンフロア貸切りとかで全員英語しゃべっている
リトルワイヤレスバレーだか。リトルシリコンバレーだかになっている日本国内に思えない
女だけどユーザー言いくるめるのが上手だからマネージャー職でニコヤカに迎えにきて
いた会社のストックオプションで億万長者なのにソフトディレクターやってる変わった金持ちがプレゼンをする

そこらへんの外人とか関係者がしている噂話は、

「データセンター仕事が日本国内で、いつまで持つかなー。
 昭和61年の円高不況までだったオートメーション工場用ロボット仕事
 平成4年のバブル完全崩壊頃までで仕事が減ったIBM大型汎用機仕事(牽引役・銀行系システム)
 平成12年のITバブル崩壊までだったオープン系開発仕事(牽引役・ベンダー/メーカー)
 景気の牽引役業界が投資家に吊り上げられて叩き落されるまでの命だからねー
 それまでに他形態でのセカイを発明する人間が出るもんかもしれんけど」
19名無しになりきれ:2009/03/12(木) 08:39:53 0
昔、同じ会社でプログラマーやってた人間が

ITバブルがはじけた、ある日、やってきて、仕事が無いならやらない

と誘われきてみたものの、確かに、いつまで続くのかが不安
20名無しになりきれ:2009/03/14(土) 20:34:03 0
とある日、同じ製品の同じバージョンをリリースしたユーザー2社から
同じ内容の問い合わせ

「講演会に行って、マネージャーレベル向けの管理用と
 エンジニアレベル向けの作業用の部分を説明を受けたんですが
 マネージャーレベル向けの方は我が社の社内管理会計にあってないし
 エンジニアレベル向けの方は我が社のシステム常識にあってないから
 カスタマイズしてくれませんかねえ」

片方は日本国内ユーザーで、もう片方は世界的大企業の日本法人
管理職に報告すると手の相手いる外人の数人に声をかけ説明
とても熱心に質問がとびかい対処があっという間にされ
さてとリリースメールを出そうかなとチェックしてみると
世界的大企業の日本法人向けのものだけができていて
国内ユーザーのは全然できていない。
なんでか、ヒアリングすると

「だって、どうせ文句ばっか多くて金払い悪いんですよね
 んだったら金払いのいい方向けにリリースしたのを同じようにリリースして、
 文句言ってきたら金払ってくれでいいんじゃないんですか
 サポートは無料が当たり前だと思っているユーザー向けに
 時間とか労力とかは使いたくありませんね」

てなドライな回答
21兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:39:19 0
その軍人は九州の大日本帝国陸軍駐屯地に所属していた。
頃は、昭和19年。もはや敗戦の色も濃く
年齢は21になったばかりの一等兵の軍人さん。
上官にぶん殴られるのが嫌さに軍事教練も軍人直喩にも従ってはいたものの
18の時からの3年にわたる軍隊生活に嫌気がさしていた。

"国の為に死ぬのが美しい" "欲しがりません勝つ迄は"
とか回りにいる人間にあわせて言ってはいたが
内心、上官や軍事教練の無い世界に戻りたかったし
前線に行って建前と掛け声に煽られて死ぬなんて嫌だった。
22兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:40:40 0
そんな、ある朝、目がさめると、
毎朝聞こえるはずの"起きろよ起きろみんな起きろ−"
というフシ回しで鳴るはずの起床ラッパの音が聞こえない。
タコ部屋のような営所の寝床にいたはずが、固い道路の上。
ふとまわりを見てみると見慣れない建物が、目に入ってくる。
木でできていない建物、敵国語で書かれた看板、
時間が早朝なのはわかるが全く見た事も無いような建物が並ぶ、
寝てる間に内緒で連行されたのかと勘違いした軍人さんは

”ここは、ここにいる人間と同じ恰好をしておかねば、
敵国だとしたら怪しまれてしまう幸いここは東洋人しかいないようだ”

自転車にのって通りかかった人間をぶん殴って気絶させ、
着ている服をはぎ取って通りかかる人と同じ恰好をする軍人さん。
しばらく、そこらを歩き回り、ここはどこなのだろう。
と疑問だけが頭の中で鳴り響く。
23兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:42:41 0
通りすがる人々の言ってる言葉を聞くと日本語に似ているが、
よくわからない言葉が混ざっている。
うかつに話かけてはいけないと、そこらへんに落ちていた新聞をみると
"西日本新聞 平成四年九月十五日 (1992年9月15日)"と書いてある。
その時、軍人さんは気ずいた、ここは40数年が経過した同じ場所なのだと
24兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:44:01 0
 歩いていると戦争当時と同じ看板が目につく
”麻雀荘”中に入って行く軍人さん。全自動の雀卓、定食屋のような礼儀の店員。
しばらく壁に書かれているルールをながめ、理解する。
手づみの麻雀でイカサマもやっていた自分の腕からすると、
いる人間が全てどうとでもなるカモにみえてきたのか
卓につき始め、ひろったり、にぎったりのイカサマを駆使して金を巻き上げる。

数日間、入り浸っていると、顔馴染みになった内の一人が近寄ってきて言う。

『いい腕ば、しと−ね? ちょっと来んしゃい』

気づいたか、しょうがねえなあーと思いながら、
店の裏に付いて行くと二の腕の入れ墨を見せながら言う。

『組でやってる店ば来て、よか度胸たい、なんばしと−か見とったと、
 店の常連の上客のふりして来とった、別の店の店長とかが言っとーったとよ
 言う事ば聞いて手下になるか、どっか他んとこに行くかせんね。』
25兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:45:17 0
言ってる内容はたいした事では無いが、ヤクザのお仕事は恐喝です
という感じの態度が丸出しになった言い方。
どこにもあては無いし、しょうがないので手下になると言うと、
いきなり、他の店の店員で客の振りをして来ているのを
コテンパンに痛い目に合わせて来い.と命令。
言われた軍人さん。何とかケツの毛までむしりとれた
”なあんだ、たいした事ねえなあ”と思っていると
店のオーナーらしき恰幅の良い男が来て店員が挨拶をしている。

その男、勝間田が言う『組の若頭ばい。挨拶ばせんね』

 その若頭に挨拶をした後、雀荘の店員が住込みでいる所につれていかれる

『ここで、しばらく寝泊まりすりゃよかよ』

麻雀荘の店員は店にいる時以外は、ずーっと会社で借りている一室で待機して
店とこの部屋以外にはいてはいけない、というルールとのことだった。
なんで、そんなルールを?と聞くと、

『そりゃ決まっとろうが、店の中の事だけ考えさせるためばい。
店に来る客につられて、店に関係なか事ば考えられるよりは、
 店員に、ここと店だけで生活させて、それに客がつられて、
 もっと店がもうかるようにするために決まっとろうが。』
26兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:46:27 0
本当に軍の営所そのままのような所に、二段ベットが並んでいる。
12時間交代で店番をするという事らしく、次の12時間に店番をする人々が寝ている
店に来る客の内、誰々がこうで誰々がああでという内容の噂話に
自分の給料をかけて客の相手をする麻雀で、店員の内の誰々が一番負けている、
誰々が一番勝っている。というような話を枕言葉に、
この店の麻雀ルールだと、こういう不思議な方程式があるのだとジンクスを語る男
こうすれば勝てると自分が信じたやり方や、
店にくる前、自分がどこで何をしていたかの昔話を語りだす。

 それから3ヶ月後、組でやっているピンサロの窓口をやらされる合間に、
あいも変わらず麻雀荘で小銭稼ぎ
夜は勝間田につきあわされて組員ばっかの店に行かされ勝間田の話しにつきあう。
27兵隊ぴえろ:2009/03/28(土) 10:47:14 0
『麻雀荘で店員だけやってるのを見て、わかろうや、
どっかから夜逃げして来たのやら 借金抱えて転がりこんで来たのやら、
 しょうもなかクズばかりたい。

 ピンサロの女にしても、借金抱えて、どーにもなんなくなったのから、
 どんなヒモに言いくるめられたか知らんが、
 こんな、しょうもなか事でしか銭ば手に入らんゴミばい
 苦労してコツコツ働いたのを組に吸い上げられるだけの情けなか状態でも、なんも言えん。
 巻き上げる側ってもんにならんと苦しい状態になるように世の中できとーよ。』

 その内、”賭場通い”という頼まれ事をするようになると、
 その時の言葉がわかるようになった。
28賭場通い 〜アルバイトと店主〜:2009/03/28(土) 10:49:01 0
その店に、はまって借金を作った市内の二十代後半の男性サラリーマンへの
”賭場通い”借金の取り立てに行くと。
晩婚の両親が。七十歳をとうに過ぎた父の隣で年老いた母がすすり泣く。

「いつまで私たちが生きとるか、わからんとよ…。これでもうやめてほしかよ。」

 自分と兄の結婚資金にと、両親が蓄えてくれたすべてが、借金返済に消えた。
総額は一千万円を超えていた。

 その男が初めて雀荘ビル地下三階にある中洲のカジノに来たのは学生のとき。
アルバイト先の店主から誘われて来ていた。
店主自体がカジノができた頃からの常連で食い物にするエサを連れてくれば
マージンが貰えるので何人も連れてきていたエサの内の一人だった。
暗い照明の店内に、いくつものバカラ台、五十人を超える男たちが群がっていた。

飲食、たばこ代は無料。アルバイト先の店主のカモ教育の成果もあって
初日は三万円負けて帰っていった。

「パチンコと同じようなもんだから、別にこれくらいの負け大丈夫だから」

というような事を促して、賭博に来るのをやめさせないアルバイト先の店主。
そう言わせる為に、継続して何ヶ月来る毎に、
店に金を払う毎にバックマージンを店主に払っていた。
29賭場通い 〜アルバイトと店主〜:2009/03/28(土) 10:50:17 0
 二回目に来た時、一回だけ勝たせて数時間で百万円を手にさせ何回負けても、
そのうまくいった時の事だけを、又、勝てるからとだけアルバイト先の店主に
言わせる。勝った時の札束の感触が消えないでしょう。と、
タイミングを見ては言う。負けても、「勝てば返せるから」。
男に信じ込ませて借金に慣れさせていった。
最初は消費者金融から、次に090金融、そしてカジノ店内の
ヤミ金融業者である勝間田から

 「返せなければ腎臓を売ります」。

照明を絞った薄暗いカジノ店の片隅で念書を書かせての借金。
男に現実味はなかった。カモ教育をしたアルバイト先の店主が

「御前の事を考えてるのはワシだけやぞ」と言う。数時間前、

「所詮は他人事、もう骨までしゃぶってしまった事ですし、
 また別のエサ探してきますからね。」

と言ったのと同じ口で言っている。

 ある日、店内でできた知人が男に耳打ちした。

「あのホテルマン、二千万円の代わりに腎臓取られたらしかよ…
 やめるなら今の内ばい。」

腹部に痛みを感じた。顔なじみの男性が姿を消したときは

「保険金かけて殺されたらしいぞ」とのうわさが流れた。

「何とかして返さなければ」。

 取りつかれたように賭博にはまりまくった男の28歳までの七年間の結末は、
賭博で親の資産を食いつぶした揚げ句、約八千万円の負債を背負って自己破産した。

30賭場通い 〜エサ探しと追い込み〜:2009/03/28(土) 10:51:37 0
 暴力団が取り仕切るヤミ金融の中で、素人のアルバイトを使う末端組員が勝間田の配下に何人かいた。
彼らには幹部や上部団体への多額の「上納」が課せられている。
勝間田であっても、自営業者などの「金主」から資金提供を受けており、高利返済に追われる。
債務者の返済金は、こうして次々に上に吸い上げられていく。勝間田の舎弟の一人、三十代の末端ヤミ金融業者は

「上納の数百万円やら経費やらで、月に五百万円は儲けんとやっていけん」

と明かす。ノルマは厳しく、矛先は激しい取り立てとなって債務者に向く。

 福岡近辺だけでは、エサ客が足りず九州各県を回らせられる素人アルバイト。
「捨て看」と呼ぶチラシやポスターを街頭に張りまくるのだ。あとは獲物がかかるのを待つ。

 「引っかかっても自己破産で逃げを打つやつらが増えてきたから、
  あえて厳しい取り立てで、見せしめをつくる。やり方はいくらでもある」。

弁護士に脅しの電話を入れたり、近所に放火したりしたこともある。

 「食っていかないかんからね。まあ、必死よ」

 その男と、勝間田の指示で、”追い込み”に出かける。
31賭場通い 〜エサ探しと追い込み〜:2009/03/28(土) 10:53:00 0
肌寒い夕刻。不自由な足を引きずり、家に戻る途中だった。竹細工職人の男を待ち伏せて囲み、車に連れ込んだ。
 不況もあって、竹細工の注文はほとんどなく、大手の消費者金融などから借金を重ねては、生活費に充ててきた。
そのうち高利の「ヤミ金融」に手を出すようになり。勝間田の会社の利息支払日が過ぎていた。
 真っ暗な山道で、車から降ろし、勝間田の舎弟が罵倒する。

「金返すんか。ここで殺されたいんか。どっちやボケッ」

 その前にも返さず事務所に呼び出し、四、五人で囲んで「所持品検査」。
財布の中の二千円、自宅のかぎも奪い「今日中に金つくってこい」と、たたき出した。
「生き地獄」にまで追い込んだ所で、警察に駆け込まれ。警察官のアドバイスで司法書士に相談し、約四百万円の借金を抱えて自己破産。
勝間田の舎弟は追い込みきれなかった事で仕事を辞め、細々とした女のヒモ生活。貧しいが、心にはやっと平穏が戻ったようだ。
だが、助けを外に求めることができない状態に追い込み、誰とも関わらせずに自分の言いなりにした数人から取り立てているようだ。

 その取り立てて追い込んでいた男の両親の手元に残る九通の封筒。表には業者名と「週一回(火)」などの返済日。
裏には振り込み履歴。息子のきちょうめんな字がびっしりと並んでいた。
額面三万―二十万円の借り入れに、利息は毎日計一万―二万円。期日が遅れるとさらに数千円。ヤミ金融業者とのやりとりが記されていた。

 「破り捨てたいけど、取り立てが来んとも限らんし…」

 文字を見つめる母親の目に涙があふれた。一人息子は昨春、自ら命を絶った。四十代の働き盛りだった。
福岡市内で働いていたが、心臓の持病が悪くなり退職。妻も病気がちで、病院代などのための借金は昨年初め、
約二十社から約四百五十万円に上っていた。父親は、生命保険を解約して援助した。弁護士に相談し、負債整理も始めていた。
だが、息子は、ヤミ業者からの借金を伏せていた。息子の葬儀を終え、自宅に戻ると見知らぬ男が立っていた。
そで口から入れ墨がのぞいていた。

 「私がある筋に債権を売ったら、どんなことになるか分からんよ」

 両親はそのとき、息子とヤミ業者とのかかわりを初めて知った。

 「私たちにも言えんほど、苦しめられとったと思うと…」。

父親は目を閉じ、言葉を切った。息子が親にも弁護士にも明かさなかった苦悩。業者への恐怖心からだったのか。遺書にはこうあった。

 「心底、疲れ果てた」
32専有屋:2009/03/28(土) 10:53:48 0
というような事をする内、かれこれ半年が経過した、ある日、勝間田がピンサロで開店準備をしている軍人さんの所へ来ると

『店の準備は、他の後から入ったのにやらせて ついてきんしゃい。』

と行って、とあるビルまで軍人さんを連れていった。

『しばらくの間、このビルの中の一室にいりゃよかよ。他にも若いもんがいるから同じ事ば、しとればよか』

なんでですか、と聞く軍人さん

『このビルの持ち主から安く買い取って叩き売るとよ、
その内、どういうカラクリになっとーか教えるから、言われた通りに、いればよか』

言われた通りにいてみると、ずいぶん、さびれている。同じようにビルの一室にいるのに聞いてみると
バブル経済というのがあって、その頃に銀行が融資して建てたビルだが、組でやっている消費者金融より融資優先順位が上位の会社が
ぬるい会社ばかりだから、”専有屋”を若い者にやらせ、どこの競売にも相手にされなくなった物件となった時点で
組が企業舎弟になっている会社で二足三文で買いたたき。儲かっている会社に売りとばすという事だった。

”なんだ、ひたすら居すわって嫌がらせをすればいいのか”
33専有屋:2009/03/28(土) 10:55:15 0
 勝間田の筋書き通りに事が運び、
 元の持ち主から安く買い取って高く売り飛ばすのに成功して、
 しばらくの時間がたった。ある日。

『今度は、ちょーっと気にくわんまねした 銀行の支店長を痛い目に合わせるから
 この金で大口定期を開いた後、この女の店に”融資ん相談をしたい。
 言うとるオーナー店長がおるんですがあ”言うて連れこリゃ、よかよ』

言われた通りに、支店長が、その女に会うようにする軍人さん。
34専有屋:2009/03/28(土) 10:56:24 0
 不思議な話ではあるが支店長まで出世した男が、である。
会社の中での事は知っていても一歩外に出たら世間知らずの状態のままで、
世間の事は下っぱにやらせていたからであろうか。
たかだが妾になった女が店の運転資金が足りないから

”パパー、あたしの為に、なんとかしてよ!
 なんとかしてくれなきゃ奥さんや会社の人に今までの事を言うから”

と言われて個人的な不都合が表沙汰になるのが嫌だからって、
おたおたしながら金を工面している姿はとても滑稽であった。

『商売は太く短くが基本、うまくいかなくなったら、
 たたんで他の事やらないと駄目ですから
 切り上げて店をたたんで、別の事に金をつかいましょう』

とは言っていた支店長とは思えないような事をしている。
妾になったオジキの手下の女が

 『どうしても、まだ、この店やめないー。まだ、やるって言ったらやるの
  いーわよ、そんな事言うなら奥さんに言ってやるから、
  いーから金貸してよ、金、まだ、やってけるんだから』

と電話口でわめいたからって簡単に金を送金している。不思議な光景である。
35専有屋:2009/03/28(土) 10:57:45 0
半年後、そういえば、あの時の支店長どうしたんですか?
と、勝間田に聞いてみる.

『あん時の女のパパになって店の開店資金から運転資金まで世話しちゃるゆうて
 支社長決裁印で融資した上に 自腹切ってなんとかしようとした挙げ句、
 自己破産しとう。新聞にも自己破産広告が載ってたと。
 あん時の女? ”男には面子があるから言い出せないでしょー”
とか言って骨までしゃぶるのが上手い詐欺師ばい。
 あの天才的な演技を見せたかったとよ。

 ”もうじき、なんとかなりそうだから、
  ごめんねえ商売が、あまりうまくなくて”

 言うて、自宅を担保に借金までさせたとよ。
 自己破産した後? 銀行? 解雇やろ。
 ツブシがきかん固い仕事ばしとって放り出されて、
 どうしとるか考えるだけで楽しかよ.
 あん時、言う事ば聞いて金ば貸せばよかもんを、
 たかだか会社員に、なめた真似ば、されんための見せしめばい。』
36私募CB屋:2009/03/28(土) 10:58:31 0
「最近はバブルだかが弾けて借金する人間や博打打つ人間が減ってきよお
 まあ、円高不況だか、なんだか言ってた頃には、よくやっとた事やるバイ
 博多の不動産屋と株屋を片っ端から回って、銀行が金を貸してくれなくなって困っている不動産屋と
 なんでもいいから営業成績を挙げたい株屋を探してコンネ。」

と言われ背広を着て、不動産屋の地元では有名だがバブル崩壊でオカシクなっている会社や
証券会社の不良中年コースに首を突っ込んでそうな、いかにも株屋って感じで営業成績さえ挙がれば、なんでもいいってのを探した
37私募CB屋:2009/03/28(土) 10:59:11 0
3ヵ月後、不動産会社社長を呼ぶと、勝間田は経営コンサルタントの名刺を渡した後、無茶苦茶な事を言い出した

「銀行からの借入が十分に出来なくなって大変ですかあ? 会社の信用が無いんですから、しょうがないですよねえ
 会社の信用を改善すると言っても、バブルが崩壊した現在の惨状では無理でしょうなあ
 平成2年度は営業キャッシュフローが18.5億円の単独決算赤字で、
 平成3年度は同じく営業キャッシュフローが20.05億円、連結決算赤字では
 営業キャッシュフローは通常黒字で投資キャッシュフローを賄うのが本来の姿と判定しますからなあ。銀行は!
 営業キャッシュフロー段階で赤字では借入もままならないと資金繰りに窮している状況なんですよねえ?

 幸い店頭市場に上場されている事ですし、私募CB債を発行されてキャッシュフロー赤字を補填されては
 いかがですかねえ? 最近になってリゾート不動産会社が銀行に借金できなくなっては資金繰りが苦しくなるからと
 粉飾決算をしてまで黒字な事にしていますが、アレをやった破綻してしまいますしねえ
 今度、私募CB債を発行に詳しい証券会社の方を紹介しますよ。どうですか?」
38私募CB屋:2009/03/28(土) 11:00:01 0
まさか、こんな無謀な話に、のる人間はいないだろうとも思っていたのだが、
催眠術にかかるように、その社長は了解した。
神の助けというような顔をして是非、御願いいたしますと言い。帰っていった。

結構、名前は知られているが会社の実情は火の車で
大炎上している株屋にいたっては、もっと簡単に言いくるめられた。

そして、それから一年半の間、四半期毎に私募CBが発行されていき
不動産会社の発行済株式数は10倍以上となっていった

   1992年12月発行分(10億円)
   1993年3月発行分(10億円)
   1993年6月発行分(20億円)
   1993年9月発行分(20億円)
   1993年12月発行分(30億円)
   1994年3月発行分(30億円)
39私募CB屋:2009/03/28(土) 11:00:58 0
10倍の利益をあげても1株あたりの利益は同じでしかないという状態なので、
株価も上昇しにくくなり株主総会に大物仕手総会屋が出てきて
吊るし上げをくらった平成6年の株主総会の後、再び社長を呼び出した

「大株主になっとる会社に自分の持ち株を売り払って隠居せんね?
 粉飾決算スレスレの事ばして、私募CB発行で延命させてたのが
 新聞沙汰になったらオシマイ
 地元では誰もが知っている不動産会社の創業経営者の名誉も金も無くなるトヨ
 今なら、持ち株を引き取って貰えば一生遊んで暮らせる億万長者やろ? そうせんね。
 ところで誰の御蔭で会社を1年半も継続できて地位が守れたか、わかっとおやろ?
 今まで貰ったコンサンタント料の5倍の金を払わんね? ええやろ億万長者」

実際には3時間に渡る演説が繰り広げられたのだが、
短縮すると、そのような内容が部屋に響き渡り
オーナー社長は名目だけの相談役になって海外へと移住していった。
40プラスマイナスゼロ:2009/03/28(土) 11:02:51 0
ヤクザのような人々の中で過ごして慣れてきた軍人さんが
3年を過ごして平成7年となった、ある朝

目をさますと「オイコラ、起きんかい」という掛け声を言う
ヤクザな同居人の声が聞こえない
窓から、まわりを見回すと静かな波の打ち寄せる音だけが響く海岸沿いの風景

またかあ、と思いながらあたりを歩いていると市場が視界に入ってきた
41プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:26:36 0
 見た事のある景色、軍人さん育った漁村だった。網元の家へと挨拶に出かけていくと
かなり年齢はとっているが見た事のあるような老人が家の前で座っていた。
その老人に話し掛けると不思議な呪文のような迷信のような言葉を語った。

 「兄弟が二人いたら片方がプラスになった分、もう片方はマイナスになって丁度プラスマイナス・ゼロになる。
  わしが若い頃に関わった人々も何故か権利や富や人脈は、全体で見るとプラスマイナス・ゼロだった。」

 そして冗談とも昔話とも知れぬ、とりとめの無い長話が語られた。
42プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:29:11 0
1906(明治39)年、日露戦争後,
ロシアから移譲された鉄道・炭鉱などの経営を目的として設立された
半官半民の南満州鉄道株式会社が設立された時

設立と同時に国鉄から転籍という形式でワシは満鉄の職員となった
長春―大連間の本線といくつかの支線に始まった頃、
日本の東北農村ほどの人口しかないものの北海道の一番広大な地域より
広い土地があり地平線が見渡せる駅に配置となった。

満鉄職員用の宿泊官舎が建設され、職員は全員そこで生活する事となって
冬、夜から早朝にかけては北海道より寒い氷点下の世界になる為
冬、その時間帯に出かけて道に迷ったら死だけが待っていた
何人か考えが甘い人間に凍死者が出てしまった後、
冬季の官舎の規則は厳しいものになった
当番で誰かが官舎の入口へと立ち、気温が下がりだす時間までに
職員や、その家族が帰宅しているかを交替でチェック
少しでも時間に遅れると厳しく罰せられ、年齢に関係無く、
それが、どれほど恐ろしい結果を招くかを説教された。
駅から官舎へと、すぐに戻らずに酒を飲んで帰宅時間が遅れると
その人々は大連駅のような大きな駅へと配属される事は無く
満鉄でも小さな駅と少ない人口の地域を転々とするようになっていた。
それほど日本国内からすると想像できないほど自然環境が苛酷だった。
43プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:30:00 0
最初、乗降客は日本人以外の中国人や朝鮮人が多かったが
少しずつ日本人が増えていくのと同時に、細かい事から大きな事まで
土地への居住権から、商用地などの経済圏での活動シェアに至るまで
色んな事で揉め事が発生しだしていった。

それは25年の四半世紀を経てエスカレートしていき
世界恐慌の影響で日本経済が深刻な不景気にみまわれ、
満州内にスラム街かする地域や、盗賊団化する群れが発生し
関東軍の内部に,東京にいる大日本帝国軍への意地や見栄からか
満州を植民地化して満州内に東京を建設して自分達の立場を主張し
さらには経済危機をのがれようとする動きが強まった事で加速していった。
44プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:31:45 0
1931(昭和6)年,満州(今の中国東北区)で満州事変が起きた
中国では二十一か条の要求以来,排日運動が高まっていた中で
関東軍(満州にあった日本軍)が奉天(今の瀋陽・シェンヤン)郊外で
鉄道爆破事件(柳条湖事件)をおこし,これを中国軍・張学良軍のしわざと
称して関東軍は軍事行動をおこし強引に開戦した。

日本政府の不拡大方針にもかかわらず,
関東軍はこれを無視して戦争を広げ,全満州を占領した。

満州は日本の中国侵略の拠点となり,満州事変後は軍事輸送に協力。
ワシは駅長に出世した。関東軍関係者との人づきあいが増え。
東京から指示だけをよこす上官や別部隊の人間より偉くなりたい
というような意地を語っていく。

この頃になると、関東軍と大日本帝国軍の間には溝が発生しだし
東京にいる人間には、どうせ理解できない。我々の首都は大連だ。
という風潮が軍人の胸中を支配するようになっていたため
日本政府の方針を無視しだしたのも無理は無い事だった。
45プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:33:28 0
1932(昭和7)年,満州(今の中国東北区)に満州国を建国した。
満州事変後,日本軍(関東軍)は
清国の最後の皇帝(宣統帝)であった溥儀を執政にむかえ,
都を新京(今の長春・チャンチュン)に定めた。1934年に帝政にあらためた。
中国のうったえで,国際連盟はリットン調査団を派遣し,
日本軍の行動を不当とし,満州国もみとめなかった。

このため,1933(昭和8)年,日本は国際連盟を脱退した。
満州事変から太平洋戦争終結までの15年間,日本と中国との戦いがつづいた。
46プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:35:10 0
1935(昭和10)年には満州国の全鉄道を経営下におき。
また撫順(フーシュン)炭鉱・鞍山(アンシャン)製鉄所や
多くの子会社を経営した頃、ワシは子会社の管理職になっていた。

寒冷地での過酷な環境での仕事であったため駅員は45才の定年となっていたが、
その年齢を過ぎて退職金を貰った後
子会社で朝鮮人炭鉱夫を管理する仕事をしていた。
47プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:37:06 0
関東軍の人間が炭鉱にやってきて、朝鮮人の中で体力のずば抜けている人間を
ゲリラ戦専門の暗殺要員として教育したいので、体力のある若い人間を
数人炭鉱夫の中から選んでくれ。と言われ柔術大会などの格闘技の大会を開き、
優勝者として炭鉱から抜け出した人間を賞賛し、体力をつける事を奨励
優勝した人間を、暗殺部隊へと送り込んでいた。
48プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:38:42 0
第二次大戦後、暗殺部隊へと行っていた朝鮮人の内、
生き残った数十人が中村の元を訪れてきた
関東軍が消滅し失業したので、韓国軍に入隊したいのだが、
関東軍で何をしていたのか証明してくれる人間が全て戦死、
同僚もほとんどが戦死し自分だけが生き残ったので、
暗殺ゲリラ部隊というより特殊部隊にいた事を
証明する一筆を書いて欲しいといって、やってきた。

内心、ふと思った。部隊や上官が全員戦死して
何故、こいつらは生き残ったんだ?どうやって? ふと不思議にも思ったが
どんな内容だと志望する軍で雇ってもらえるのかを聞き出して、
その通りに書いたのを受け取ると、みな、ワシの元を去っていった。

この頃、ワシの元を訪れたどの男も10代前半から20代前半までを
上海や香港で中国人のふりをして誰かの政敵や、
中国軍の有能な人間を暗殺するだけで10年ほどが経過したらしく
外見や顔つきも、感情が無いマシンのような顔つきだった

北朝鮮軍に入隊した人間は、元日本軍関係者という事が知られると
逆に軍歴としてマイナスになるらしく。
全員、日本へは二度と来ないだろうというような事を、一人が語っていった
49プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:40:18 0
朝鮮戦争終戦後の昭和29年頃、それらの韓国人が数人、
再びワシの元を訪れてきた。生き残りは20人を割っていた。
所属していた特殊部隊が消滅し、また失業したので
戦争が激化しそうなベトナムの部隊に入隊したいのだが、
関東軍で何をしていたのか証明してくれ。といって再び、やってきた。

「昭和10年頃に10代半ばだったよね。もう30歳近いのに大丈夫か?」

と聞くと

「暗殺部隊での習慣が染み付き。一般社会にいたら人殺しをして
 刑務所に入ってしまう。今更、戦場以外では生きられないし、
 人殺しのやり方しか知らない。ベトナムで戦争が起こりそうなので、
 フランス軍でもアメリカ軍でも雇ってもらえる所で仕事をするから、
 証明書を2パターン買いてください」

と誰も同じ事を言って頼んでくる。その書面を受け取り、
謝礼として金をワシに渡すと、皆、去っていった。
50プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:41:46 0
昭和45年頃、ジーンズに長髪といったヒッピーという感じの格好の男が
ワシを訪れてきた。アメリカ側の部隊で生活した後、
除隊して帰国した人間と一緒にアメリカへ渡り
ベトナム帰還兵の内輪で経営している同業者団体で生活しているという。
たった一言の頼み事を言いに来たようだった。

「御願いだからアメリカから身分照会が来ても
 関東軍の暗殺部隊にいた事や、朝鮮戦争でも同じような事をやっていた事を
 言わずに満鉄の関連会社で仕事をしていたように連絡してくれ」

と頼み込むと、口止め料を払っていった。去り際に一言を言っていた。

「もし、あなたが余計な事を言ったせいで、
 あの世界に戻らなければならなくなったら、
 もう一度、日本に来ると思います。
 あなたと、あなたの一族を皆殺しにするために。
 と、いうのは冗談だけど、アメリカで成功した金を持っている我々にとって
 日本の同業者団体や地方自治体を壊滅状態にして、
 あなたや回りの人間が長年馴染んだ世界を壊し社会的に抹殺して、
 一族ごと戦後の焼け跡生活に戻すのは簡単な事ですからね。」
51プラスマイナスゼロ:2009/03/29(日) 19:44:40 0
ベトナム戦争が幕を閉じ、ワシにとっての終戦から30年が経過した昭和50年
ベトナム戦争終戦後、南ベトナム側についていた男が1人、
再びワシの元を訪れてきた

所属していたベトナム解放戦線の主要人物や部隊長などを暗殺する部隊が消滅、
また失業したので、今度は中東やアフリカの紛争地域の外人部隊に入隊したいので、
関東軍で何をしていたのか証明してくれ。といって再び、やってきた。

「昭和10年頃に10代半ばだったよね。
 もう50歳過ぎているのに大丈夫か?」と聞くと

「自分が死なないように命令された通りにターゲットを殺すのに年齢は関係ない」

とだけ言う。その書面を受け取り、謝礼として金をワシに渡してきた。

「別に前回書いたのでいいんじゃないのか?
 他の人間は実行部隊から退いて隠居したみたいだよ。君もそうしないのか?」

と言うと、

「この世界へと入れたのは、あんたの、お陰だから、
 何故、隠居しないかって? 俺は紛争地帯以外に居場所が無いから
 俺にとっちゃ戦場以外の場所が地獄なんですよ」

と言うと、その男は去り、それきり生きてワシの前には姿を現わさなかった。

昭和54年、その男の代理人から遺品が届けられた。
消印はアフリカの紛争地帯からだった
開けてみると、それは炭鉱夫だった時の名札と、
昭和10年頃に柔術大会で優勝した時の賞状だった。

とうとう、あの男は一生兵隊生活から逃れられなかった。
52地道な同じ事の繰り返しな日々:2009/03/29(日) 20:07:17 0
 なんとか、もぐりこんだ工場へと出かけて行く地道な同じ事の繰り返しな日々が始まった。
朝7時半に点呼が終了してから1時間の昼休み休憩をはさんで午後5時まで工場での力作業。
午後5時から同じ造船所で働くおばちゃんや定時制高校に通うアルバイト学生と
内輪の雑談をした後、工場の近くのラーメン屋で日替わり定食を食べて
近くにある24時間営業のサウナに泊まって、同じ出稼ぎ労働者と雑魚寝
月曜日から金曜日までは毎週、同じ事の繰り返し。
53地道な同じ事の繰り返しな日々:2009/03/29(日) 20:10:19 0
 土曜日の夜、サウナに行く前に近くの繁華街へと出かけて行くと
世の中は平成2年に不動産規制法が発行される10年以上前の高度成長期時代末期
飲みに出かけては、戦後、学校を卒業してから首都圏へと出稼ぎに行って
最初に働いていた造船所で同じ作業をしていた人間と夜遊びしていた頃の同じ昔話を
たまたま居合わせた人間に語る。酔いが回って最後に語るのは同じセリフ。
54地道な同じ事の繰り返しな日々:2009/03/29(日) 20:12:38 0
「最近は、オイルショック後の不景気だか、なんだかで製造が縮小されて
 下請け工場を経営してる人とかが銀行から借金した金で不動産転がしで
 楽して儲けた事を語っているけど、あーんな何千万円も借金して
 平気でいられるなんて、とても出来ん。
 まあ、担保も無けりゃ。毎年、全国の人手が足りない違う工場へと
 出稼ぎに行くのと爺さん婆さんだらけの農村で野良作業するだけの生活だから、
 頭金も無い。とても金を貸してくれる銀行なんて無い。」

というようなセリフを言う人間が多い店であった
55地道な同じ事の繰り返しな日々:2009/03/29(日) 20:14:13 0
 そしてサウナへと戻って行き、テレビを見るだけで日曜の午前中が過ぎて行き
会社が無いので無料で居られる市立図書館で新聞やら雑誌やらを読んだ後
月曜の朝から土曜の夕方まで一緒にいる同じ工場で働く人々の事を考えながら
行きつけのサウナでテレビを見る。毎週同じ事の繰り返し。
56小銭稼ぎの目さくれ小博打:2009/03/29(日) 20:15:36 0
 ある日、偉い人から社内の打ち合わせという事で呼ばれ、出かけて行くと
最初の面接の時に会ったっきりの社長が出てきて演説

「取引先の工場が全て東南アジアへと移転する事になりました。
 元受けの親会社の経費削減で人件費も資材調達も工場維持費も安い場所で
 製造作業を行う事になったので、東南アジアに行って今までと同じように
 作業をしたい人は申し出て下さい。
 申し出が無ければ期間工契約は自動的に来月イッパイで解除です。」

 話しが終わった後、同じ出稼ぎの何人かで、これからどうしようかという話しが延々と続く
57小銭稼ぎの目さくれ小博打:2009/03/29(日) 20:16:59 0
 最初、喫茶店。まだ時間は昼間。高校を卒業して就職したばかりの
 10代の人間が勢いよく自分の夢を語る。言っていた事を大雑把にまとめると

 「やっぱ高卒じゃ駄目なのが、わかったんで今から勉強して大学に戻りますよ」

 というような事を語って帰っていった後、
 親が中小企業のオーナー社長で社会勉強という事で作業していた
 道楽馬鹿息子って感じの20代前半の人が語りだす。
 だいたい言っていた事を大雑把にまとめると

 「地元に戻って親不幸を詫びて親の商売を手伝う事にしますよ」

 というような事を語って帰っていった。
58小銭稼ぎの目さくれ小博打:2009/03/30(月) 10:03:15 0
残った人間で、焼き鳥屋、居酒屋へと移動していく内に人数は減っていき
最後のスナックで一緒になったのは同じラインで作業していた雪だるま。

 「で、これから、どうするよ」

 「どうするよって言ったって、もう35過ぎて女だからねー
  外見が相撲取りみたいだから女だとは思ってないだろーけどー
  最近できたリゾート不動産の営業ってのをしようかなーと思ってる
  夫婦一組で連帯で仕事するなら住み込みで、できるみたいなんだけど
  金はできたけど旦那がいないからねー・・・・
  そーだ、そこってね1年契約なんだけど、
  最初の契約と時だけでも婚約者って事になってくんない?
  そーゆー事にして仕事が軌道にのったら、いいから
  最初の立ち上げの時の数ヶ月くらいだけでいいから、あんたも大変でしょお
  今更、地元にゃ帰れないし、新しく何かやるっていっても歳いってるし」

 「まー、そうだね名前貸すって程度だったら、まあ、いいよ。」
59小銭稼ぎの目さくれ小博打:2009/03/30(月) 10:07:07 0
  酒の席の冗談だろうと思い軽い気持ちで言ったのが運のツキ
  契約解除で仕事が無くなった日、雪だるまがやってくると開口一番

 「名前だけでいいかって思ったら、何か研修があるんだって
  営業行動管理だの営業業績管理だの資格試験研修だの一緒に来てくれない?」

  強引に連れて行かれ、今まで聞いた事も見た事もないような世界の説明講習。
  そして、この地域を巡回して指導をしている営業マネージャーさんに挨拶

 「ふーん、婚約者。ねえ・・で、結婚はいつされるんですか?」

  いや、それはですねえ、と本当の事を言おうとするのを
  雪だるまが割り込んで畳み込むように言う。

 「それですかあ明日です。なんでしたら明日役所に行った後、見せますよ」

  帰り道、どとうのように雪だるまが語る

 「今から、やっぱやめますって言っても、もう始めちゃったから
  アンタ、どうせ独りもんでしょ。契約結婚って事で実際に夫婦生活しなくていいから
  共同契約者って事で女つくろうが誰と実際の結婚生活抱えてもいいから
  戸籍上だけ3年間だけ夫婦って事にしてくんない。いーじゃない商売の為なんだから」

  なんじゃ、その無茶は、と今まで同じラインで
  作業を一緒にやっただけでは気がつかなかった部分が色々と見えてくる。
  次の日、マネージャーさんに婚姻届けを見せた後、いつものように講習会
60小銭稼ぎの目さくれ小博打:2009/03/30(月) 10:17:59 0
研修が進み、担当営業地区での地区活動を説明される日となった
セールストレーナーから地区で営業業績を挙げる秘訣とやらを聞かされる

「この地区にはな、金持ちな家が結構あるから
 家に金がある女をセールスにして、血縁・地縁・集団縁を洗い上げて
 上客探しすれば、やってけるから

 現地採用セールスとかを抱えるなら家に金がある女を捜して採用しろよ
 ひょっとしたら親が抱えている会社の信用やら人脈やらが
 我が社のものになるかもしれないから金持ちの御嬢様を探せ、
 なるべく、まだ世間知らずって感じの年齢のをな
 金持ちの子供は金持ちになるもんだから、
 金持っている家の御嬢様は一生金持ちでいたがるもんだから

 貧乏な家の女みたいに自分が稼ぐ作業を探さないといけないのだと
 他の仕事は、ともかく、こーゆー商売だと駄目なもんは駄目だし、
 無理なもんは無理だから、うまくいかなかった時に悲惨な結果になるから

 それに比べて、親の商売を、いつかは手伝えばいいって状態ならな?
 金持ちの家の女なら20代後半から30代前半の間、
 この会社で仕事してる間に社内結婚でもすればな義理や縁ができれば
 もし退社しても”社内御客様”から御客様に戻ってもらってもいいしさ

 親離れしたつもりでも、行動習慣やら選民意識やらの外堀りを
 親にコントロールされてリモコンマザコンやリモコンファザコン状態で
 親離れさせない状態のが多いから親に話しを通して。
 リモコンを仕事中だけ貸して下さいねーで、なんとかなるんだからさ

 まあ、俺の言っている事の意味が理解できれば成功できると思うよ。」
61ギャンブラーズ:2009/04/01(水) 00:35:21 0
4月、セールストレーニングセンターという看板の建物に連れて行かれ

言ってる事や、やろうと思っている事が現実離れした無謀な事にならないように
なるべく職務に必要な事に絞り込めるように
研修中の人間に、落ちついて考えれば当たり前に誰にでもできる事を
口出しして邪魔してやらせないようにした後、セールストレーナーの説教。

『なに? これ? ここにいる誰でもができる、こんな事ができないの?
 こんな、誰でもできる当たり前な事ができないんだから、
 どうやったらできるか考えてろ
 基本的な事ができないのが、あれをやりたい、これをやりたいと
 夢みる子供みたいな事言ってないで、会社での仕事だけの事を、
 これができるようになれば会社にいる時に
いい思いができる会社がやれと言っている仕事の事だけを、
 今すぐになんとかしなくちゃならない仕事にだけ絞って考えろ』

と、語る。社会人になったばかりの若い人に

 ”できて当たり前な事ができないコンプッレックス"

を抱えさせ自分の仕事自体の事は考えさせずに、
回りにいる同じ職場の人間のやってる事を良く見させる気なようだ。
62ギャンブラーズ:2009/04/01(水) 00:36:13 0
緻密に丁寧に足元を見た作業仕事だけをするようにさせ
身の程をわきまえた控えめな態度をする人間にする為に
結婚生活や色恋沙汰についても、自分の事自体は考えずに
誰々が、こういう関わり方をしているこういうのが回りにいると
自分以外の人間が会社の外で関わっている事を
仕事中に、遠回しに突っ付き回して
会社にいる時に考えると雑用や遊びにしか見えないから邪魔だろ?
やめて残業や休日出勤しろよ。と促していく。

 そうすると、それらの20代くらいの社員の群れが
目を向けるのが仕事と結婚生活の事にだけなり、
家庭を大事にする結婚生活を送る”会社と仕事のための社会人”
となる競争になると踏んでの事なようだった。
63ギャンブラーズ:2009/04/01(水) 00:40:41 0
5月の、とある週末に営業ノルマのための接待の席の後、軍人さんは思いついた。
そう、それは始めは単なる思いつきだったのである。

暗示をかけるように教育している人間のように自分がどれだけ誰かを動かせるか?
 今まで関わった人間の顔が浮かぶ。

ただ地道に同じ事の繰り返しを平凡に過ごしてゆければいい。
地道な同じ事の繰り返しだけが人生なのだと考え
自分なりに考えて目立つような事をやめ、
国のために戦地で散る事だけが素晴らしいと固く信じていた人間を教育した人のように
どれぐらい、自分の考えた通りに動かせるか。

最初の5月は、雪だるまに催眠術を、かけるように、自分で考えた呪文をたたみこむように言い
私の言う価値観だけが君にとって現実なんだからと洗脳して、それにそった行動をさせるように促した。
64ギャンブラーズ:2009/04/01(水) 00:46:07 0
そして、そろそろ、この時代に飛ばされ雪だるまと関わってから3年が経過
雪だるまに最後の暗示をかける事に軍人さんは決めた

 ”この男が、この時代に存在して、やってきた事や言った事を、
  これからも多くの人間に伝えるべきなのだ”

と、暗示をかけた次の日、
また今まで見た事の無い景色が広がる所で軍人さんは目が醒めた
65名無しになりきれ:2009/04/08(水) 09:21:00 0
              ∩___∩
               |  ノ     ヽ
             / -=・=- -=・=-|  イイ湯だクマ
              |    ( _●_)  ミ  
              彡、   |∪|  、`\
             / __  ヽノ /´>  )
        〔_ ̄ (___) ̄ ̄ ̄ (_/ ̄ ̄ ̄〕 (、  :
       (´、_ ( ̄ ̄ ̄ ̄ι ̄ ̄ ̄ ̄    .:.:.:.:.)( ( ;
       )ヽ, ((      ι      .:.:.:..:.:.:. )(  )`、
      ;  ) (______.:::.:.:.:..:.:.:.:.:.:.)ー'`   )   ,
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         ) `ー'  ,,;;;;:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,   )  )`ヽ
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      )ヽ. ヽ  ,;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;,    ,ノ_
    (  `ー' ,;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::;;;;;;;;;;;;;  (__`; )
     ヽ   ;;;;;;:::::::::::::::::: :: ::--‐' 、_::::::::::;;;;;;;;;;;;;;     (
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66名無しになりきれ:2009/04/17(金) 17:48:21 0
スシ
67サマーイーター:2009/04/21(火) 11:54:26 0

近くを見渡すと「ライブハウス」と書いてある看板が並び
楽器を抱えた人間が通りすぎていく

女みたいな長い髪の毛にした男や、男みたいな格好をした女が通りすぎる
今まで見た事も聞いた事もないような光景

とりあえず、その内の一件に潜りこんでみようと、入っていった
68サマーイーター:2009/04/21(火) 12:04:13 0

中では東京に出て行って成功した人間の噂話や悪口

「ヤツは金の為に魂を売ったとよ」

「って同じ誘いがあったら、そうするっちゃね
 金が無くなったら続けようが、なかろーもん」

その日の内に、人間の相性が自分とあいそうなのを見つけ
少し金を借りて転がりこんで店で店員のアルバイトを始めた
毎晩、来るのは、ほとんどが夢を食べて生きているような人間が大多数
69サマーイーター:2009/04/22(水) 11:12:58 0
その晩、来た客は東京から福岡に戻ってきた人間らしく
高校を卒業して戻ってくる時までの昔話を語った

「スタジオ・ミュージシャンて聞いた事ある?
 あれをやってたんだけど、競争が凄かった
 楽器が上手か下手かの競争ってのもあるけどさ

 過激なパンクやヘビメタだらけで
 内輪もめの、はぐらかしにやる色恋沙汰とかね
 最初は面白いけどパターンが固まってくるからねえ

 一晩、一瞬だけの楽しい時間を過ごしている内に
 どうしたら、もう一回、会ってみたくなるかなって遊びだよね
 実際には二度と会う事なんて無いんだけどね

 え? 東京へ行って大きく成功したい?

 そーだね、自分に才能があると信じて
 いつか成功すると根拠の無い自信でもいいから持ち続けて
 東京の色んな会社に売り込んできてみたら?いいんじゃないの?

 たまたま相手にされて最初に仕事をくれた会社が、
 どんな会社で何やってる会社かで全てが決まってしまうけどね
 それを覆せるほどの人間は滅多にいないよ」
70サマーイーター:2009/04/22(水) 15:47:04 0

店で過ごす日々が続く中、不思議な光景を店の近所で見かけた

「あなたも、怠け者になってみませんかあ?」

まるで何かの勧誘のように、その女は道行く人々に声をかけていた。
通りすがる人々は皆無視して素通りしていくのだが
とある物好きな男が足を止め、その女の話しを聞いた。

「毎日、会社やら学校やらバイトやらに行くのが嫌でしょう?
 会社に行く必要なら、もう無いんですよ
 企業だけが団体じゃありませんよ。営利団体以外にも団体はあるんですよ・・」

とてつもなく怪しい呪文を男に唱える女。
さかんに平日の昼間、一緒に活動をしませんかあ。と語りまくる。

普通の常識からしたら、そーんなニートとか引きこもりとかフリーターとか
世間の常識が許さない事をやる人間がいるんだろーかねー。
と男は問い掛け、女は用意していたセリフを歌うように答える。

「好きなやりたい事をやって生きてます。自由に自分のやりたい事をやるには
 誰かが作った形式を踏襲して真似をして金儲けをするのと違って
 逆に大変な才能と努力がいるんです。今? 本当に、やりたい事をやってますか?
 自分と同じ事を一緒にやっている仲間とかいますかあ?
 ・・・・・」

実に不思議な呪文であった。
自分と同じ ”自由で形式に囚われない自分のやりたい事をやれる世界”
を一緒に追求してくれる人間が私は欲しい。というような事を語る。


数ヵ月後、男は術に夢遊病者にように数ヶ月前の女と同じように
道行く人々に呼びかけていた。

「あなたも、怠け者になってみませんかあ?」
71サマーイーター:2009/04/22(水) 15:57:00 0
その後、その二人は時間があればライブハウスを回るサマーツアーに出かけていた。
チケットを自分で売れば、誰にでも演奏させてくれるライブハウス。
バンドに一時期いた顔の広い人づきあいの上手な女に協力してもらってチケットをさばいていたものの
毎年やるたびに赤字。だが、やめられず。バイトで金をつくってはツアーで、その金をつかいはたしていた
ある日、女が元同級生をつれてきた。レコーディング・エンジニアになろうとはしているものの
年功序列やら内輪の立場関係やらで実際は音源整理雑用のテープオペレーターをやっている
レコード会社のアルバイトみたいな契約社員だという。

「今のライブでやったの全曲、自作?
 年とって、センスが枯れちゃったシンガーソングライターの
 ゴーストライターのアルバイトやらない?
 採用された一曲当たりいくらって感じで金がでるからさ
 マックで、ペチペチつかって打ち込んだラフに自分で歌ったのでも
 ライブでやってみたのをテープに録音した程度のでもいいから
 会社のパワーマックと”プロデューサー”つかって俺が加工して
 会社の関係者の人に渡してみるからさ。」

偉いこと馬鹿げた喋り方と見た事ねえような感覚で物を言う奴だなあ。とは思ったものの
少しでも金になるんだったら、ま、いーか。と思い。PC打ち込みに歌かぶせた3曲ほどを渡して数日後
変てこな書類を持って男が現れた。書いてある文言を読んでも、さっぱりわからず。聞いてみると、
金を貰ったらレコード会社に文句を一切言うなって事らしい。
金額の欄の21万と書いてある所だけ理解できたので

「へええ。一曲7万円かあ。普通こんなもんなの?」
72サマーイーター
「そうだよ。だけどさあ。自分がつくったものが 別の人の作詞・作曲クレジットになりはするけど 
 世の中に出るって気分悪いもんじゃないだろ?
 まあ、一曲50万とか80万とかで会社が買い取ってCMソングとかに使われるって場合もあるけどさ
 それは、結構長年やってる内輪で有名な大先生とかがだから」

そう言って、そういうもんだからさあ。そうなのかあ。といった会話で判子を押して
数日が経過した頃、男は再びバンドの打ち上げにやってきた
打ち上げに来ているのはバンドのベースが通っている専門学校の内輪が過半数
打ち上げが終わった後、その内の一人の部屋に何人かで集まって2次会。
男も次の日が 完全徹夜5日連続明けの休暇だから大丈夫 といってやってきていた。
酔っ払って、たあいのない雑談が延々と続く
同じ専門学校の誰と誰ができてて誰だかが割り込んで3角関係になってて などという話