学園祭数日前、生徒達は全員同じ夢を見た。
それは異常でもなんでもなく、学園長からの全校連絡。
転入生と留学生、そして学園祭のためにフィジル島を訪れる来賓達の紹介だ。
一通りの説明の後、生徒たちには、彼らを歓迎するように伝えられる。
翌朝から早速実行委員会が組織され、エスコート役が選ばれる・・・
エスコート役は文化祭を巡りつつ、フィジル島を案内するのだが、当然そこには騒動が・・・。
喫茶店が爆発したり、博物館の展示物が消えたり、中庭に怪物が現れたり・・・。
だがそれはイレギュラーでもイベントでもなんでもない、騒動こそがフィジル島の日常なのだから!。
だから今、校舎屋上に立ち上ったピンクの煙のことも殆どの生徒が気にも止めていなかった。
そう、少なくともこの時点では――――。
―――― 魔法少女達と冒険するスレ 16thシーズン ――――
【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
(用語については、なな板TRPGまとめサイト「千夜万夜」参照)
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。
テンプレはこちらです。
名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・
【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。
※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせください。
【学園についての説明】
・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。
フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にあります。
(魔海域は、「法則を無視した潮流、乱気流」「突然の魔法無効旋風」
「召喚生物強制送還地帯」などが特に有名です)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。食堂(カフェテリア)など、一部の施設は男女共通です。
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。
・校舎には校庭があります。
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。 森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。
・森の奥深くには庭園があり、近くにはかつて新魔法研究の為に使われていたらしい施設がいくつもあります。
施設の中には何に使うのか分からない装置が置いてあります。
・博物館は広大で、古今東西のさまざまなものが展示されています。
(今林の中で活動している金色の戦車も、本来は博物館の展示物でした)
※ 描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです ※
もし判断つかないときは、避難所でお問い合わせくださいね。
【薬物学課実験棟】
校舎に併設された4階建ての建物です。
薬物学科に限らず、実験棟を持つ教科は少なくありません。
【招き猫広場】
名前のとおり巨大招き猫が置かれた広場。
招き猫の像はある種の音楽に反応して踊り出す、一種のゴーレムです。
現在は招き猫に首輪と鎖がつけられ、持ち去られないようになっています。
【図書館およびDレベル階層について】
・学園地下には広大な図書館があります。管理人はオルビア・ターナー先生です。
・薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館です。
・置いてある本は古今東西から集められたもので膨大です。
・なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されています。
地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本です。
本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界でもあります。
D階層入口には、人間には見慣れない魔性の霧が立ち込めています。
先に進もうとするとイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるらしいです。
奥に進むにつれて霧はますます濃くなるので、自分の手も分からないほどの視界の悪い場所もあります。
地下図書館D階層には吸血鬼の家があるらしいです。
ただしターナーか吸血鬼自らの道案内でもない限りたどり着くのは困難です。
ちなみにD階層の王は死王と呼ばれています。塩ではなく死王です。
外見は黒猫の姿をしています。
【学園生徒関連】
・男子寮、女子寮は鏡像対象のつくりになっています。
・女子寮には、生徒で結成された白百合騎士団という自警団がいます。
・男子寮では、 隠密魔法戦隊というグループが人知れず暗躍しています。
・三等過程合格者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能となります。
また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
・ただしカップルなど、当事者同士の間で合意があれば、特例として相部屋も認められます。
・生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます
【生徒会について】
・副会長はバン・クロードです。会長は現在行方不明です。
生徒会メンバーの殆どは男性で、今回の学園祭では殆どがジャージ着用のようです。
【カリキュラムについて】
卒業までには幾つか試験があります。
最初の試験(卒業試験という名称)に合格すると、三等課程合格という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程からは月一の割合で課題や指令が出されます。
(参考資料)
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります
真実を知りたい方は過去ログ参照。
【第一部】
念願の試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。
【第二部】
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。
幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。
事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、
何れも噂の域を出ることはありませんでした。
そんな噂も最近では聞かれなくなりました。事件の記憶は徐々に薄れつつあるようです。
【第三部】
魔法学園の日常編。
夏休み明けの始業式の朝。なぜか猫化した女子生徒を人間に戻すべく奔走した友達&巻き添えを食らった方々のお話。
果たして猫化した生徒は元の姿に戻る事ができるのでしょうか?
【第四部】
始業式の翌日、ロック・ウィルは無断欠席をしました。
お見舞いや成り行きでロックの部屋を訪ねた一同が見たのは、ロックではなく記憶をなくした見知らぬ少女でした。
残された手がかりは、部屋に残されたメッセージと、少女が持っている一本の杖だけです・・・・。
はたして少女の記憶は戻るのでしょうか? そして私達は、行方不明のロックを無事に見つけ出す事ができるのでしょうか?
【第五部】
学園では生徒達の切磋琢磨のため、「リバース」という魔本の中で戦うイベントがあります。
ルールはいたって簡単。
参加者が所持しているペンダントを集め、配置された「ゴミ箱」に最も多く投下したものが優勝です。
なお今回のイベントでは、優勝者には特別に副賞としてとある女子生徒が贈呈されることになっていました。
はたして優勝の栄冠は誰の手に。
そして、不本意ながらも副賞にされてしまった女子生徒の運命は!
【現在の状況】
時刻は午後3時です。
・午前中、薬学科2階にあった猫耳メイド喫茶が爆発しましたが、生徒会のアトラクションだったと発表がありました。
その後中庭に同様の妖怪犬が出現しましたが、現在は対処済みで怪我人も治療済です。
博物館に展示されていた動かない筈の金色の戦車が、今日はなぜか何度も勝手に動いたようです。
・今日は一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。
原因が判明するまでは、魔法障壁を過信して無茶をされないように注意するよう、全校放送がありました。
・午後、女子寮はまるで洪水に合ったかのように水浸しになったそうです。
現在、校舎屋上からピンク色の煙が立ち昇っています。
敏感な人は、中庭の林の中から何かを感じるかもしれません。
【学園祭用パンフレット(抜粋) 】
・新規留学生、転入生は胸にピンクのリボンをつけています。
・来賓、および学園祭に招待された方は、胸に黄色のリボンをつけています。
・留学生、転入生、来賓の皆様には案内用スタッフがご同行いたします。
・案内用スタッフは腕、あるいは服のどこかに青い腕章をつけています。
何か困ったことがあったら、お気軽にお声がけ下さい。
・学園祭と無関係な施設は関係者以外立ち入り禁止です。(寮、職員用施設及び実験室、森など)
・黄色いロープが張られた場所への立ち入りはご遠慮ください。
(後略)
------------------------------------
テンプレは以上です。
では、引き続き学園祭をお楽しみください。
8 :
メイリン ◆jWBUJ7IJ6Y :2009/01/27(火) 20:02:08 0
前スレ>223>225>228
言葉の壁は厚い。
はっきり言って、メイファはスクナやミルクが何を言っているのかわからない。
しかしそれでも、スクナにやる気があり、ミルクがなだめようとしているくらいは察した。
『何を言っているの?私を買収するつもり?まさに十字官の策略ね!』
ロウが飴を差し出しても、今のメイファには火に油を注ぐ結果にしかならないようだ。
『まあ、いいわ。どうせ死人は喋らない。
今こうして私に攻撃のチャンスを許しているあなた達は、既に死んでいるのも同じよ!』
メイファは片手を空に向けた。例えば、ピザ職人は同じような格好でピザ生地を伸ばす。
ピザ職人とメイファの違いは、メイファが伸ばすのが光の円盤であるという点だ。
『魔法使いは皆死すべし!!』
メイファは大きな光の円盤を投げつけた。見た感じからして、当たれば体を切断されそうだ。
前スレ>227
言葉の壁は厚い。
しかし、こちらはメイファとは別の理由でそれを感じているメイリンである。
> 「メイリン!あなた一体どういうつもりなの?何がしたいのよ!!
> まさか魔法を消すことが、メイファを見つけて連れ帰るための一番いい方法だとでもっ?!」
そうリリアーナに怒鳴られても、メイリンはリリアーナに返せる言葉が無い。
よってメイリンがした事といえば、レベッカに邪魔された作業、
つまり鍋を掻き混ぜる作業を再開する事だった。
ところで、リリアーナは憶えているだろうか?
レベッカがリリアーナの部屋にあった傷薬をポケットに入れていたことを(前スレ>69)。
前>225>228
「うぢゃらうぢゃらやらとイソギンチャクか!
余に害を成すというのであればその尻尾引きちぎってすっきりせてちゃる!」
ガー!と威嚇しながら両手を広げ片足を上げる鶴のポーズを取っていると、ミルクが間に割り込んでくる。
>「王様!そのままそのまま!」
と言われれば止まるしかないのだが、褌一丁でこのポーズで静止というのは妙に間抜けであった。
言われたとおり静止していると、ミルクとリチャードが説得と懐柔を試みる。
>8
しかし結果は・・・言葉が通じなくとも行動一つでしっかりと伝わる。
片手を空に向け掲げると、その上に現われる光の円盤。
>『魔法使いは皆死すべし!!』
「イカン!ミルクしゃがめ!」
リチャードへの警告がなかったのはやはり愛の有無の差であろう。
投げつけられる円盤を前にスクナは大きく跳躍する。
「うははは!このような使い古された攻撃が効くかああ!!絞め殺してくれるわ!」
ジャンプ一発、スクナは光の円盤の上に着地したのだ。
足の裏に魔力を集中させる事により、円盤に乗ったその足元には火花が散っている。
そしてメイファを布で包み圧殺すべく大きく手を振り下ろすのだが・・・残念、布も糸もありませんでした。
「しまったああ!!!ぬおおおおパノラマアアアァ!!」
ここに至り漸く媒体が全くない丸裸状態であることを自覚するスクナは円盤と共にくるくると回転していた。
円盤の上に着地したからには、足場たる円盤の回転運動に身を任せるしかない。
かっこよく円盤の上に静止などはスクナにはできない芸当だった。
ドップラー効果を聞かせた叫びを残し、スクナは円盤と共に飛んでいった。
>前スレ226
>「よく分からないけど、さっきからずっと誰かに引っ張られてるのよ〜!」
「引っ張られてる?」
みた感じそんな風には見えないんだけどな。
>「そ、そうだ!メイリンさんの答えを聞かないと・・・」
というか、こんな状況でも人の事ですか?
どこまでお人好しなんだよ・・・
>前スレ221
>「あれ?動かない・・・・・・」
>「僕達は、そう…つまり手遅れだったのかもしれない。魔法が終わる時がきたんだ。」
おいおい、魔法が終わる時とか大袈裟じゃないか?
と思っていたら
「うおぉ!」
ついさっきまで魔力で作っていた足場が突然なくなった。
あるものと思って走っていたので、無論足は宙をかき下に落ちる力へと変わる。
「〜〜〜っ、いってぇ〜〜〜〜。」
だが、運よく落ちた先は舗装された地面でなく、生垣の部分だった。
代わりに背中を打ったが・・・
>「このやろう!何すんだよ!」
・・・屋上の騒ぎがこっちにも少し聞こえてくるな。
>「メイリン!いったい自分が何をしているのかわかっているのか!?ああ!?」
「原因はメイリンさん、なのか・・・?」
詳しいことは分からないが、そうだとすればあの煙が原因かもしれないな。
「だったら早く何とかしないt
いっつ!!」
やっぱりまだダメージが残っていたか。(中庭で叩きつけられた時のダメージ)
こりゃあ、しばらく動けそうにないな。
>8 >10
レベッカが刺されたことに気を取られていたリリアーナは、クロウが落ちたことをまだ知らなかった。
一方のメイリンは、倒れたレベッカに全く興味を示さなかった。
怒鳴りつけたときもこちらを一瞥しただけで、再び鍋をかき回す作業に戻ってしまう。
(今のところメイリンは、レベッカさんに今以上の危害を加える気は無さそうね)
だが、この先もそうだとは限らない。
リリアーナはひとまず怪我人を連れて、皆の場所まで後退しようと奮闘した。
「誰かお願い、手を貸して!・・・・・・あっ?!」
小さな音と共に、リリアーナとレベッカの足元に小さな薬瓶が転がり落ちた。
色あせたラベル文字と瓶のデザインに、リリアーナは見覚えがあった。
「これ、私の傷薬だわ」
リリアーナは怪我をしたレベッカに、薬を持っていくよう話したことを思い出していた。
きっとレベッカは、あの時の薬をまだ使っていなかったにちがいない。
リリアーナは薬瓶を拾い上げた。これがあればレベッカの傷を癒すことができるだろう。
だがリリアーナは、レベッカやメイリンが回復魔法を快く思っていないことも間接的ながら学んだ。
では、薬はどうだろうか?
リリアーナはレベッカの耳元に顔を寄せると、メイリンに聞こえないよう声を潜めた。
「レベッカさん聞こえる?
私は今から、あなたに回復薬を使うつもりよ。もしも嫌なら、3つ数える間に合図して。
そうね・・・瞬きを続けて2回したら嫌の合図よ。
もしも喋れる状態になったら、悪いけど私たちにあの鍋のことやメイリンの行動について教えて欲しいの。
いい、行くわよ?・・・・・ひとつ、ふたつ」
リリアーナは数を数えながら、瓶の蓋に手をかけた。
レベッカから特に合図がなければ、リリアーナはみっつめを数え終えたと同時に傷薬を使うだろう。
>前228 >8-9
>「あー、これこれスクナ殿。その格好で凄むのはどうかと思うのだが。
> 今日は、場所によっては魔法障壁に不具合が発生するトラブルが起こっているようですぞ」
「それが…場所によってじゃなくて妖怪、特にメイファの攻撃に魔法防御が効かないみたいなんです。
メイファは知り合いの知り合いなんで、あたしも詳しくは知らないんですが…
リチャードさんは中つ国語が話せますか?」
>「・・・・・・・ふむ、中つ国の言葉はよく知らんのだがのう。に、にいはお?」
リチャードさんはそう言いながら、飴を取り出して自分の口に入れ、もう一つをメイファに差し出した。
さあどうだ!
>『何を言っているの?私を買収するつもり?まさに十字官の策略ね!』
うあーん!やっぱりダメだ怒ってるーっ!!
「ちょ、ちょっと待ってメイファ!
飴を出したのは子供扱いしたとかそんなのじゃなくてね!」
>『魔法使いは皆死すべし!!』
片手をあげて光の円盤を作り出したメイファが、それをこちらに投げつける。
>「イカン!ミルクしゃがめ!」
スクナの警告にとっさにしゃがみ込むあたしの頭上ギリギリを、円盤は通過した。
危なっ!前から思ってたけど、あたしって危険回避能力低すぎだぞ!
…そうだ、ほかのみんなは!?
「王様!リチャードさん!無事ですか!?」
振り向いて見えたのは、回転する円盤に乗ってやっぱり回転してる王様だった。
>「しまったああ!!!ぬおおおおパノラマアアアァ!!」
円盤と一緒に飛んでいくけど大丈…夫だよな?
ケガとかはしてないみたいだし…
あ!でも円盤がユリとマリオさんに直撃コースだ!
「ユリーッ!後ろ後ろーっ!!」
警告はしておいて、あたしはメイファの方に向き直る。
逃げたって、メイファが追いかけてきたら逃げ切れるわけがない。
メギドで攻撃しても、かわされたら次の反撃でおしまいだ。
なら、ここは説得を続けるしかない。
さっき見せてた笑顔からして、メイファは根っからの殺人鬼じゃないはず!
言葉が通じなくても、思いを伝えるしかないでしょ!
「メイファーッ!あたしは攻撃したりしないって言ってるでしょ!
スカーフェイスさんも、メイファが誰かを傷つける事なんてきっと望んでないよ!
魔法使いはメイファや妖怪たちの敵じゃない!
だから、メイファもそんな事しないで!」
>11
レベッカから、リリアーナへは何の合図もなかった。
傷薬を承認したか、それどころではないかのどちらかである。
>12
林の中のメイファは、再び片手を上げて光の円盤をつくっていた。
めんどくさいので、以下この光の円盤は輝円斬という名前にする。
> 「メイファーッ!あたしは攻撃したりしないって言ってるでしょ!
> スカーフェイスさんも、メイファが誰かを傷つける事なんてきっと望んでないよ!
> 魔法使いはメイファや妖怪たちの敵じゃない!
> だから、メイファもそんな事しないで!」
やはりメイファには言葉が通じない。
『あら?命乞いをしているの?かわいいわねぇ♪』
と、ミルクの様子をそんな風にとった。
『わかったわ。あなたはおもしろいから、一番最後に食べてあげる(愛好)』
メイファはそう言いながらミルクに向かって輝円斬を放った。
しかし、メイファは嘘をついたわけではなかった。輝円斬はミルクに当たる寸前に二つに別れ、
ミルクの左右をかすめるようにして飛んでいった。
二つの輝円斬は、ミルク以外の魔法使いを殺すために飛んでいく。
>12
>「ユリーッ!後ろ後ろーっ!!」
凄まじい速さで回転する視界の中、ミルクの言葉に進行方向にユリたちがいることに気付いた。
ここで蘇るリリアーナの言葉。
そう、昼時に中庭で生徒を盾にしたときに言われた言葉がスクナの脳裏に蘇る。
「ぬうう!我が民草に手出しはさせんわ!噴!!」
片足に力を込め、思いっきり踏みつける。
その衝撃で輝円斬は傾き、コースを僅かに変えるが、それでもユリの胴体を真っ二つにするか袈裟懸けに切り裂くかの違いでしかない。
が・・・輝円斬はユリの身体に触れる事無くスクナを載せて飛び去っていく。
急激にカーブしたわけではない。
輝円斬の直径が縮んでいたのだ。
輝円斬は大きく弧を描き、元の場所に戻ってくる頃にはスクナの片足を乗せるだけの大きさまで縮まっていた。
そしてついには完全に消えうせ、スクナはスピンしながら着地した。
片足をドリルのようにめり込ませながら着地したスクナは、いつの間にか着衣を済ませていた。
そして肩に乗るのは丸々と太った蚕。
そう、スクナは蚕に輝円斬を食わせていたのだ。
「ふははは!馳走になったのおおぉうげええええええ・・・・」
かっこよく決めたつもりだが、台詞も終わらぬうちに両膝を突き激しく追うとするスクナ。
アレだけ高速回転をしたので目が回るのも無理がない。
「ふふふ、幻術まで使うとは中々どうして・・・!
しかぁし!この程度で余がどうにかなると思うなよ!」
勿論スクナは目が回っていると言うようなまっとうな結論には辿り着かない。
幻術をかけられたことに脳内変換して、ビシッと指差すがその指先はゆらゆら動いてメイファとは全く見当違いの方向を指していた。
今ここで止まっていられるのは地面に埋まった片足のお陰、それだけなのだ。
そしてスクナはぐにゃぐにゃと回る視界の反対回転をし始めた。
>13
そんなスクナを余所に、二つの輝円斬は飛んでゆく。
「ふん、使い古された芸を性懲りもなく!!」
逆回転を終えたスクナは両手を広げ、呪布術を展開させる。
途端に地を這い伸びた包帯は螺旋運動をはじめ棒と化して下から輝円斬を捉えた。
そう、まさに皿回しの状態で。
「ぬははは!余にさかろうても無駄だとわかったであろう。さあ、ひれ伏せ、そして畏れ敬うが良い!」
輝円斬を封じ、高笑いのスクナであった。
前>221>227
>「えっ?!本当に?!でも魔方陣自体は消えてないんだよね?
となると、私達の魔法がキャンセルされたのは私たち自身の問題じゃなく、この『場』のせいなのかな?」
ギズモは考えた・・・・この場所に居るから魔法が使えないのなら移動すればいいと
そして魔法が使える場所に移動したことを確かめるのには自分の主人の縦ロールが役に立つと
「お母さん!全力でこの場を離れて!僕にいい考えがあるんだ!!」
フリージアを某司令官のような台詞で急かすギズモ
「ちょっとお待ちなさいな!!」
ギズモが何をやりたいのかなんとなく理解したフリージア
魔法が消えた範囲から抜け出せばフリージアの髪の毛がツーテールから元の縦ロールに戻る
その地点ならば魔法が使える・・・・そう言いたいのであろう
>「大変!!・・・・・・・・・・・ヘレン。
絶対嫌だと思うけど、あとで怒るのも分かってるけど・・・・・・・ちょっとだけ我慢してねっ!!!!」
ヘレンだったものを飲み込むリリアーナ
「え?どういう事ですの?」
唖然とするフリージア
「いくら入れ物が無いからって自分の体を入れ物にするなんて・・・・・」
やはり唖然とするギズモ
レベッカを貫くメイリンを目撃し言葉の出ないギズモ
「・・・・・・・・・・」
「ちょっと!何をやっていますの!!」
ギズモに声をかけるフリージア
>「メイリン!あなた一体どういうつもりなの?何がしたいのよ!!
> まさか魔法を消すことが、メイファを見つけて連れ帰るための一番いい方法だとでもっ?!」
「魔法が消えたら科学が復活しちゃう!そうなったら僕らグレムリンは!科学機械を破壊する存在は人間と共存
できなくなるんだよ!!」
何故か魔法が無くなれば科学の時代がやってくると思い込んでいるギズモ
レベッカが刺されたことはどうでもいいのか?
「落ち着きなさい!まだすべての魔法が消えたわけではありませんわ!!」
ギズモに落ち着くように諭すフリージア
「だって!だって!!」
気が気ではないギズモ
「まだあなたは私の使い魔のはずですわ!魔力のラインも通っていますし」
まだ使い魔との契約は切れていないとギズモに言うフリージア
「もし・・・・完全に魔法が消えて僕がお母さんの使い魔じゃなくなったら、また契約してくれる?」
フリージアに問いかけるギズモ
「当たり前ですわ!魔法的な契約なんか切れても心の絆は切れませんもの!
何度、契約が切れようと何度でも再契約して差し上げますわ!!」
そう強くギズモに言葉をかけるフリージアであった
>8-9 >12-14
飴を差し出したロウを、メイファは嘲るような目で一瞥し早口で何かまくし立てた。
「あー、やっぱり?ですなあ」
ロウは大して気にした風でもなく、がりがりと口の中の飴を噛み砕いた。
>『魔法使いは皆死すべし!!』
メイファは大きな光の円盤を投げつけた。見た感じからして、当たれば体を切断されそうだ。
>「イカン!ミルクしゃがめ!」
円盤の上になぜかスクナは飛び乗ったため、ロウは円盤への攻撃を躊躇した。
身を伏せたミルクの上を、スクナを載せた円盤は飛んでいくが
>「ユリーッ!後ろ後ろーっ!!」
>「む、いかん!」
ロウは咄嗟に魔法障壁をユリとマリオの前に作ったが、先ほどミルクが語ったとおり効果が無かった。
>「ぬうう!我が民草に手出しはさせんわ!噴!!」
だが円盤は、ユリ達に命中する寸前突如小さくなった。
>いつの間にか服を着て片足をめり込ませながら着地したスクナは、いつの間にか着衣を済ませていた。
>そして肩に乗るのは丸々と太った蚕。
そう、スクナは蚕に輝円斬を食わせていたのだ。
「おお、なんと素晴らしい機転ではありませぬか!スクナ殿!」
>「ふははは!馳走になったのおおぉうげええええええ・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
なんとも複雑そうな顔になったロウだったが、とりあえず突っ込みはせずにユリとマリオの方へと走った。
「お怪我はありませんかな、お二人とも。
それとユリ殿、早く来賓のマリオ殿を早く安全な場所へお連れした方が良ろしいのでは」
一方のミルクはメイファを説得しているが、状況はあまり芳しくない。
メイファは再び輝円斬をミルクに向けて放ったが、今度はミルクを斬る寸前、二つに分裂する。
二つの輝円斬のその軌道は、ロウやユリ達を正確に狙っていた。
その輝円斬を、復活したスクナは包帯で捉えた。
>「ぬははは!余にさかろうても無駄だとわかったであろう。さあ、ひれ伏せ、そして畏れ敬うが良い!」
「おお!あれは極東の地に伝わるという奥義、サラマ・ワーシ!ではないか!
ただのバカ殿かと思っていたが、なかなかどうして・・・」
さりげなく暴言を吐いたロウは、ミルクに近づきこう言った。
「・・・・・・残念ながらメイファ殿は本気で我々を殺す気のようですなぁ。
ミルク殿、口で言っても判らぬ悪ガキを止めるには何をどうするのが一番とお考えですかな?
お尻ペンペンですよ、ペンペン。ほっほっほっほ。」
ロウはそう言った後、ふっと困ったような笑みを口元に浮かべた。
「ミルク殿はとてもお優しい。だが、平和主義も程ほどにしないと身の破滅ですぞ。
そろそろお覚悟を決めてはいかがか?」
ロウはそう言いながらも、まだメイファに反撃をしていない。一応ミルクの意志を尊重するつもりのようだ。
>13
3つ数え終わったリリアーナは、即レベッカに傷薬を使った。
だが傷が塞がっても、出血した血は元には戻らない。
メイリンと謎の煙を放つ鍋のことは気がかりだったが、
今はヘレンとレベッカを連れて安全な場所に移動するのが先決だろう。
なにせ鍋の効果は、魔法を消滅させるだけかどうかも良くわからないのだから。
>15
後ろではギズモが「魔法が終わると科学が復活してフリージアと一緒にいられない!」とパニックに陥っている。
フリージアが必死で宥めているが、うまく行くのだろうか?
「ギズモったらホント馬鹿なんだから。
フリージアは、ギズモのことが大好きだから使い魔にしたに決まってるじゃない。
そんなのマオマオとヴァンエレン見てれば分かる事でしょ?ほら!」
リリアーナはマオとヴァンエレンの方を指差した。
―――― が、ギズモがそれで納得出来たかどうかは微妙だ!
「あれっ?!そういえばクロウさんったらどこに消えちゃったの?」
レベッカを運ぶのを手伝ってもらおうと思ったリリアーナは、今頃クロウがいないことに気づいたようだ。
「ちょっとヴァンエレン!元は男でしょ?ここに怪我した女の子が倒れてるのよ、何とも思わないの?
分かったらレベッカさん運ぶの手伝いなさいよ!!
それとも愛するマオマオ以外のためには働きたく無いとでもっ?!」
「援兵はおらぬか!
何?士気が足りないだと?関係ない。
おぉ、であえであえ!」
吸血鬼の脳はマヌーサ(幻に包む魔法)がかかっているようです。
前スレ>226
>「ちょっと吸血鬼、混乱してる場合じゃないわよ!
>あなたの使い魔達は大丈夫なんでしょうねっ?!」
「みて、あの木の上にいるのが射m…はっ!私は一体なにを?
使い魔?あ、ああ。魔力供給ができないだけで外に出さなければ大丈夫だ」
>11>13>17
自体の重さをいち早く理解したリリアーナはメイリンがこちらに気がないうちに傷ついたレベッカを介抱する。
自分のもとから落ちた薬瓶を拾ってレベッカに薬を使うことを話して嫌なら瞬きをして合図しろと言っている。
みっつ数えるがその間に拒否の合図はされなかったので、すぐに薬を使っての治療がなされた。
しかしそれはあくまでこの場での応急処置であって、まだ完全には治療が終わったわけではなさそうだ。
>15
>「魔法が消えたら科学が復活しちゃう!そうなったら僕らグレムリンは!科学機械を破壊する存在は人間と共存できなくなるんだよ!!」
この叫びはギズモのものである。
>「落ち着きなさい!まだすべての魔法が消えたわけではありませんわ!!」
それを落ち着かせるために論すのは主であるフリージア。
それでもまだ気が動転してしまっているのが抑えられないギズモはフリージアは自分たちの絆の強さを力強く語った。
>「ギズモったらホント馬鹿なんだから。
>フリージアは、ギズモのことが大好きだから使い魔にしたに決まってるじゃない。
>そんなのマオマオとヴァンエレン見てれば分かる事でしょ?ほら!」
「うむ。
私とマオの主従関係を断ち切ることなど不可能だ!
断ち切ろうとする者など我が智の前では赤子に等しい!」
なんだかよくわからないが、すごい自信だ。
>「ちょっとヴァンエレン!元は男でしょ?ここに怪我した女の子が倒れてるのよ、何とも思わないの?
>分かったらレベッカさん運ぶの手伝いなさいよ!!
>それとも愛するマオマオ以外のためには働きたく無いとでもっ?!」
「いえいえ滅相もございません。
私は強い者の味方でございますゆえ。
ではではメイリンとやら…おぼえてろー!」
へこへこと低姿勢で返事をしてレベッカを背中に負ぶる。
「ほっとくと不審に思った教師らがメイリンを取り押さえにやってくるかもしれぬ。
怪我人を安全な場所へ避難させた後はまた説得を続けるつもりかね?」
移動する最中に足を止めずにぽつりと疑問を投げかけた。
>226
>「僕達は、そう…つまり手遅れだったのかもしれない。魔法が終わる時がきたんだ。」
>次の瞬間、リリアーナが持っていたメモの棒メイリンは色落ちし、
>そしてヘレンは溶解して、ドロドロとして金色の液体となって溢れた。
しかもリリアーナにかかっていた魔法まで強制的に解除されてしまう。
僕の魔法が強制的に解除されるなどただごとではない!
原理は分からないがどうやらメイリンの真の目的はこれだったということか。
>「ヘレン?!ちょっとしっかりしてよ。まさか元の姿に戻れないの?」
「魔法で形作られているからだ!」
しかし、今すぐにこの学園中の魔法を失わせられるわけがない。
ということはなんらかの力場に魔法を失わせる効果があるということ。
さっき焚いていた煙が怪しいが……しかし、このままではヘレンは液体のままだ。
>「大変!!・・・・・・・・・・・ヘレン。
>絶対嫌だと思うけど、あとで怒るのも分かってるけど・・・・・・・ちょっとだけ我慢してねっ!!!!」
するとリリアーナはヘレンだった液体を飲み始めた。
周りがそのあまりの行動に完全に唖然としている。
>「いくら入れ物が無いからって自分の体を入れ物にするなんて・・・・・」
「ああ、馬鹿にしかできない行動だ、だがこれでヘレンは確保できた!
あとはとにかくここから離れるのが先決だ!
ヘレンの様子からするとこの状況に対する有益な情報がつかめるかもしれない!」
しかし、レベッカは怒った様子でメイリンの方に向かっていってしまう。
まずい!しかし、止めようと言葉を発する前に予想していた最悪の事態になってしまう。
>「なっ!?ちくしょう…」
メイリンの義手の中から現れた鋭い剣がレベッカを貫いた!
そのまま地面に倒れてしまう。リリアーナはレベッカの元に駆け寄り傷薬を使う。
死からは相当遠くなったがまだ油断はできない。とにかく今はここを出る必要がある。
>15 >17
一刻も早くここから出てレベッカの手当をする必要があるというのに、
ギズモやヴァンエレンはパニックに陥っている。
>「魔法が消えたら科学が復活しちゃう!そうなったら僕らグレムリンは!科学機械を破壊する存在は人間と共存
>できなくなるんだよ!!」
しかも何やら魔法が失われたら科学が復活するだのかなりの錯乱状態のようだ。
「落ち着け。お前はギズモでフリージアはフリージアだ。
人間だとかグレムリンだとかくだらない括り方をしているんじゃない。
一緒に居たければ好きなだけいればいいだろう?」
>「ギズモったらホント馬鹿なんだから。
>フリージアは、ギズモのことが大好きだから使い魔にしたに決まってるじゃない。
>そんなのマオマオとヴァンエレン見てれば分かる事でしょ?ほら!」
「そうそう、その通り……じゃないっ!ど、どさくさに紛れて誤解を招いちゃうだろ!!」
それじゃあまるで僕がヴァンエレンを大好きみたいな言い方じゃないか。
ちょっと油断するとこいつはまたわけのわからない事を言い始める
>「うむ。
>私とマオの主従関係を断ち切ることなど不可能だ!
>断ち切ろうとする者など我が智の前では赤子に等しい!」
「…お、お前も乗るんじゃない。恥ずかしいから……」
斜め上のヴァンエレンの言葉に思わず顔が赤くなる。
>「ちょっとヴァンエレン!元は男でしょ?ここに怪我した女の子が倒れてるのよ、何とも思わないの?
>分かったらレベッカさん運ぶの手伝いなさいよ!!
>それとも愛するマオマオ以外のためには働きたく無いとでもっ?!」
>「いえいえ滅相もございません。
>私は強い者の味方でございますゆえ。
>ではではメイリンとやら…おぼえてろー!」
う〜ん……我が使い魔ながらなんていうヘタレ……
「まあいいか、よし全員退却だ退却!!とりあえずは逃げるぞ!!
メイリン!!いい気になるのも今のうちだ!!いずれこのスーパーエリートマオと
ポンコツヴァンエレンが思い知らせてやるからそれまで煙でもたいてろ!」
メイリンに捨てゼリフを言い残しヴァンエレンに続く僕。
>「ほっとくと不審に思った教師らがメイリンを取り押さえにやってくるかもしれぬ。
>怪我人を安全な場所へ避難させた後はまた説得を続けるつもりかね?」
移動しているとヴァンエレンがぽつりとつぶやく。
確かにこのままでいくと教師たちや他の好戦的な生徒達がメイリンと敵対するかもしれない。
「魔法を消される以上、戦闘において僕たちは圧倒的に不利だ。
となると望み薄でも説得しか方法はないだろうな。
それにリリアーナを見てみろ。まだ諦める気はないみたいだぞ?」
そういって僕は少し微笑みを浮かべながらリリアーナを見た。
> 14
メイファは高笑いをするスクナに光の矢を放った。だが、これはただの牽制である。
『馬鹿にしやがって〜!』
メイファは地面にバンと両手をぶつけた。すると、林の中のいたるところから光の壁が現れる。
無論それにぶつかればダメージを受けるだろう。しかし、それだけではない。
最初こそ輝いていた光の壁は、少し時間がたつと鏡に変化した。
そう、メイファは林の中にたくさんの鏡を乱立させたのだ。
これはメイファが、かつて中つ国南島部でブルースという名前の魔法使いと戦った時に使った戦術だ。
この戦術は3つの点でメイファに有利だった。
なにしろ鏡のせいでミルクやスクナ達から、メイファは“見えていてもどこに立っているのかを認識しにくくなる”。
逆にメイファからすると、ミルクやスクナ達は“見えていて、しかもどこに立っているのかを認識できる”のだ。
鏡を出現させたのがメイファ本人なのだから、当然と言えば当然とも言える。
また、鏡が乱立したせいでどこにいても姿が見えるような感じがするが、
鏡の反射によって生まれる死角がわずかに存在する。
もちろんミルクやスクナ達もいずれはその存在に気づくだろうが、
それを最初から知っているメイファはその分有利だった。
いざとなれば、その死角に身を隠せるからである。
さらに、メイファの攻撃の性質上、さらに有利な点があった。
>16
メイファからは、3つの鏡から3人のロウが見えていた。
鏡にうつる3人のロウは、これまた鏡にうつる3人のミルクに話しかけている。
『ごちゃごちゃ相談してるんじゃないわよ!』
メイファは、3つの鏡にうつる3人のロウ全員に向かって光の矢を放った。
光の矢は鏡に当たって次々に反射して行き、
3つの異なる角度から、3つの異なる時間でロウに襲い掛かる。
ロウからは、3つの鏡にうつったメイファが、自分に向かって光の矢を放った様子が見えるだろう。
>17>18>19
>「落ち着け。お前はギズモでフリージアはフリージアだ。
> 人間だとかグレムリンだとかくだらない括り方をしているんじゃない。
> 一緒に居たければ好きなだけいればいいだろう?」
>「ギズモったらホント馬鹿なんだから。
> フリージアは、ギズモのことが大好きだから使い魔にしたに決まってるじゃない。
> そんなのマオマオとヴァンエレン見てれば分かる事でしょ?ほら!」
>「うむ。
> 私とマオの主従関係を断ち切ることなど不可能だ!
> 断ち切ろうとする者など我が智の前では赤子に等しい!」
ギズモは感動していた
やはりこの人間の使い魔になった事は正解であったと
なぜならこんなに自分のことを思ってくれる
沢山の仲間が出来たのだから
「・・・・・・僕はここに居ていいかもしれない」
そっと呟くギズモ
「そうですわ!むしろ私の前から居なくなるなんて事絶対に許しませんわ!!」
ギズモにそう言い切るフリージア
「うん!たとえエルフが違法ハッキングに命を懸けるような世界になっても僕はお母さんと一緒だよ!!」
ある意味、嫌過ぎる未来像を語りつつ
にっこりと笑い掛けるギズモ
グレムリンの笑顔はわかりにくいがフリージアには伝わったようだ
「ならばよしですわ」
笑い返し言葉を返すフリージア
>20
>「まあいいか、よし全員退却だ退却!!とりあえずは逃げるぞ!!
> メイリン!!いい気になるのも今のうちだ!!いずれこのスーパーエリートマオと
> ポンコツヴァンエレンが思い知らせてやるからそれまで煙でもたいてろ!」
「どっちにしても逃げるしかないみたいだねお母さん」
と言いつつフリージアの髪の毛を見るギズモ
魔法が使える範囲に入ればその髪は元通りの縦ロールになるはずである
「仕方ありませんわ魔法が使えない私なんて単なる素人格闘家ですもの」
レオ先生クラスならともかく自分の実力ではほとんど役に立たないだろう
「・・・・・キックで岩が砕けるのに?」
色々と納得いかないギズモ
生身で岩が砕けるフリージアが素人ならプロはどんだけ化け物なんだろうか?
やはり気で山とか吹っ飛ばせるんだろうか?
「とにかく後ろに向かって全力で退避ですわ!!」
>13-14 >16
>「ユリーッ!後ろ後ろーっ!!」
「え?おおっ!空飛ぶピザだ!」
>>「オーウ、上に人が乗っていマース!ザツギダン素晴らしい!」
ミルクの警告に振り向いたユリとマリオの感想は、実に緊張感に欠けた物だった。
もちろん、そのまま当たれば体が真っ二つになる程度の威力が、円盤にあることはすぐ分かったが。
円盤はロウが作り出した魔法障壁を切り裂き、ユリとマリオに迫る!
「むっ!これはピンチ!?」
>「ぬうう!我が民草に手出しはさせんわ!噴!!」
ユリは攻撃を防ごうと身構えたが、スクナの機転により円盤は当たることなく飛び去った。
円盤は小さくなりながら空を一周し、スクナが着地する時には消えてしまう。
>「おお、なんと素晴らしい機転ではありませぬか!スクナ殿!」
「スゴー!」
>>「グレート!」
>「ふははは!馳走になったのおおぉうげええええええ・・・・」
3人の賛辞を聞きながら得意顔のスクナだが、回転が早すぎたのかその場で吐き始めた。
「すごくなーい」
>>「締めまで決めて欲しかったデース」
ツッコミを入れない大人の対応をしたロウと違って、辛口な感想を言うユリとマリオだった。
>「お怪我はありませんかな、お二人とも。
> それとユリ殿、早く来賓のマリオ殿を早く安全な場所へお連れした方が良ろしいのでは」
>>「私は、危険な所は慣れているので大丈夫デース」
「そうはいかないよ!
リチャードさんの言うとおり、学園祭で来賓にケガさせたら魔法学園の恥!
すぐに安全な場所に離れよう!」
ユリとしてもミルクの言動が気にはなったが、マリオを危険に晒し続けるわけにも行かない。
来賓といえば注意したロウも来賓なのだが、ユリの頭はそんな事は疑問に思わなかった。
ユリがミルクとメイファの様子を見ながら離れようとした時、ミルク目掛けて輝円斬が放たれる。
「ア―――ッッ!!」
ミルクにマトモな防御手段が無いのを知っているユリは、思わず叫んだ。
だが、輝円斬はミルクに当たる寸前で2つに別れ、逆にユリ達を殺そうと向かってくる。
>「ふん、使い古された芸を性懲りもなく!!」
スクナは自信満々で怯むことなく布を伸ばし、飛んでくる光の円盤を捕らえた。
捕らえられた円盤は、棒と化した布の上でくるくる回っている。
>「ぬははは!余にさかろうても無駄だとわかったであろう。さあ、ひれ伏せ、そして畏れ敬うが良い!」
>「おお!あれは極東の地に伝わるという奥義、サラマ・ワーシ!ではないか!
> ただのバカ殿かと思っていたが、なかなかどうして・・・」
>>「東洋の神秘を見れるとは素晴らしいデース!」
「うおーっ!やっぱり王様スゴー!!」
自身皿回しはできるユリだが、飛んできた敵の攻撃を受け止めて回すのは不可能だ。
スクナに拍手してまた評価を変えるユリだが、すぐにマリオを保護する途中だったのを思い出す。
「それじゃあ私は来賓保護の任務に向かいます!
ロウさん!王様!ミルクの事よろしく!」
ロウとスクナにそう言って、ユリはマリオをデッキブラシに乗せて飛び去った。
>13-14 >16 >21
>『あら?命乞いをしているの?かわいいわねぇ♪』
こりゃダメだ、反応からして全然通じてないっぽい…
うう、やっぱり説得なんて無理なのか…
>『わかったわ。あなたはおもしろいから、一番最後に食べてあげる(愛好)』
メイファはまた何かを言って、あたしに向かって光の円盤を投げつける。
防ぐことも避けることもできないあたしにできるのは、ただ迫る円盤を見つめる事だけで。
…ダメだやられる!
けれど、当たる寸前で円盤は2つに分かれ、ユリやスクナやリチャードさん達の方に向きを変える。
狙いはあたしじゃなくて、ほかの人たちか!?
>「ふん、使い古された芸を性懲りもなく!!」
いつの間に円盤から降りたのか(しかも服まで着てるし)、スクナは両手から布を伸ばす。
伸びた布は棒状になって光の円盤をあっさり受け止めた。
>「ぬははは!余にさかろうても無駄だとわかったであろう。さあ、ひれ伏せ、そして畏れ敬うが良い!」
おおっ!なんだかスクナがかっこいいぞ!
攻撃を防ぎも避けもせずに受け止めるとかありえん!
>「それじゃあ私は来賓保護の任務に向かいます!
> ロウさん!王様!ミルクの事よろしく!」
そう言ってユリはマリオさんを乗せ、デッキブラシで校舎の方に飛んでいってしまった。
来賓…ってリチャードさんも来賓だろ、ちゃんと安全な所に避難させろよ…
>「・・・・・・残念ながらメイファ殿は本気で我々を殺す気のようですなぁ。
当のリチャードさんは、避難する気配もなくあたしに近づいて話しかけてきた。
本気で殺すつもりの相手がいるのに、残ってくれている。
これは、あたしたちを助けようとしてくれてるんだろうか?
> ミルク殿、口で言っても判らぬ悪ガキを止めるには何をどうするのが一番とお考えですかな?
> お尻ペンペンですよ、ペンペン。ほっほっほっほ。」
「…まあ、身に覚えもありますから、それは分かりますが」
あたしも昔は院長先生によくされましたからね、ええ。
ここで、リチャードさんは困ったような笑みをもらした。
>「ミルク殿はとてもお優しい。だが、平和主義も程ほどにしないと身の破滅ですぞ。
> そろそろお覚悟を決めてはいかがか?」
「……すみません……」
あたしの行動でみんなを危ない目に遭わせた以上、反論の言葉もない。
確かに、もう説得は無理っぽい。
ここは一発ガツンとやって目を覚まさせてやるべきなのか。
また何事か叫んだメイファは、林の中に光の壁を乱立させる。
光の壁は鏡のようになり、森の中をくまなく写し始めた。
次のメイファの攻撃がくる前に覚悟を決めるしかない!
「リチャードさん、来賓の方をこんな事に巻き込んでしまって、すみません。
でも、もしよかったら、メイファの目を覚まさせる力を貸してください!
あたしの魔法は威力が制御しにくいので、手加減とかできないんです!」
>『ごちゃごちゃ相談してるんじゃないわよ!』
メイファが放った光の矢は、鏡に反射しながらリチャードさんを狙う。
あたしは手助けできない以上、これはお任せするのみ!
「王様!無礼なメイファに一発ガツンとお仕置きしてやりましょう!
でもうっかり大怪我とかさせちゃダメですよ!」
まー、こっちが大怪我する可能性も高そうだけど、それはそれ。
戦意高揚の為にもこんな事は大げさに言っとくものだ。
スクナにそう言った後、あたしはメイファにも声をかけた。
「怪物みたいに他人を攻撃する奴は、怪物みたいな扱いを受けるわよメイファ!メギド!」
威力を下げるためにメイファの周りを広めに攻撃し、あたしは鏡の後ろに身を隠す。
光の攻撃が鏡に反射するなら、鏡の後ろは比較的安全なはず。
貫通する攻撃が来たらその時はその時で考えればいい。
>21>23
「応!妃を守るのは当然ぢゃ!」
マリオをつれて離脱するユリを見送り振り返ると、メイファが光の矢を放つところだった。
それを見てもスクナは全く動じないどころか、大きく手を広げてみせる。
「ふん、王威に触れ格の違いをするが・・・あぶっ!!!」
王威などと言っているが、早い話魔法障壁を厚くして防ぎ、圧倒しようと言うだけだった。
しかし相手の攻撃は魔法障壁を貫通する!
そのことを今になって身をもって知るスクナ。
どんだけ人の話を聞いていないんだよ!と突っ込むところだが、今はそれどころではない。
易々と障壁を突き破り迫る光の矢をギリギリのところで躱すが、あまりにもギリギリすぎて頬がジリリと焼ける。
何とか躱せたのは、メイファの攻撃が牽制であったからと言っても過言ではない。
その驚きに大げさに体勢を崩したところに更なる追撃がスクナを襲う!
尤も、追撃と言うほどのものでもなく、フィールドメイクの一環でしかないのだが。
とにもかくにも、体勢を崩したスクナの脇腹に光の壁がめり込んだ。
「う・・・・ぐうううう・・・・!」
本日何度目かの宙を舞い、地面に落ちるが、脇腹にめり込んだ為に息ができず声も少なに蹲るのみ。
何とか起き上がれるまでには周囲に壁が乱立し、すべからく鏡となっていた。
「おのれ、怪しげな術を・・・!」
キョロキョロと見回すがそこら中にメイファがいてどれがどれだか。
更にはミルクもリチャードも同じようにそこら中にいるので、誰がどこにいるかさっぱりわからなくなってしまっていた。
考える事が苦手なスクナ。
だんだん訳がわからなくなってきたところに、救いの声が。
>「王様!無礼なメイファに一発ガツンとお仕置きしてやりましょう!
直後に巻き起こるメキドの核熱攻撃に目を見張る。
「おお!流石は我が妃!頼もしい事よ!ならば良かろう、東方の流儀にてやってやるわ!」
元々後半部分は右から左に流れていったが、メキドを見た後では大怪我させてはいけないと言う言葉など跡形もない。
むしろしっかり大怪我させろとインプットされた。
「妖しげな術を使おうとも無駄ぢゃ!おのれの技で朽ちるが良いわ!」
手近に見えたメイファ(鏡)を指差しながら、皿回し状態にしていた輝円斬を飛ばす。
直後、別方向に見えるメイファ(鏡)を指差し更に叫ぶ。
「引っかかったと見せかけておいてしっかり気付いておるわ!」
もう一枚の輝円斬を飛ばすが、どちらも鏡に映ったメイファだと全く気付いていないのは秘密だ!
>18-20 >22
>「いえいえ滅相もございません。
> 私は強い者の味方でございますゆえ。
> ではではメイリンとやら…おぼえてろー!」
ヴァンエレンはそう言うと、ぐったりしたままのレベッカを負ぶった。
(私よりヴァンエレンの方がよっぽど強いんだけどなー)
そうリリアーナは思ったが、あえて口には出さなかった。
>「まあいいか、よし全員退却だ退却!!とりあえずは逃げるぞ!!
> メイリン!!いい気になるのも今のうちだ!!いずれこのスーパーエリートマオと
> ポンコツヴァンエレンが思い知らせてやるからそれまで煙でもたいてろ!」
「ポンコツって・・・・・・うわあ」
酷いツンデレである。
ギズモの説得にマオとヴァンエレンの仲を例に挙げたのに、これでは逆効果ではないか?
リリアーナはひやっとしたが、当のギズモは全く意に介していないようだ。
>「どっちにしても逃げるしかないみたいだねお母さん」
と言いつつフリージアの髪の毛を見ている。
「あれ?そういえばフリージア、いつもの縦ロールはどうしたの?」
リリアーナはギズモから、フリージアの縦ロールの秘密を聞いた。
「そっか、 じゃあ、魔法が使える場所に入ったら元の巻き毛に戻るってわけね。
すごいねフリージア、まるで魔法センサーみたい!」
リリアーナはいたく感心していたが、誉め言葉としてはかなりアレである。
フリージアは魔法が使えないと単なる素人格闘家だと嘆いている。
>「・・・・・キックで岩が砕けるのに?」
「いや、それだけ戦えれば十分だと思うんだけど」
ギズモと同じく、リリアーナもフリージアの素人基準には色々納得できないようだ。
>「ほっとくと不審に思った教師らがメイリンを取り押さえにやってくるかもしれぬ。
> 怪我人を安全な場所へ避難させた後はまた説得を続けるつもりかね?」
>「魔法を消される以上、戦闘において僕たちは圧倒的に不利だ。
> となると望み薄でも説得しか方法はないだろうな。
> それにリリアーナを見てみろ。まだ諦める気はないみたいだぞ?」
リリアーナは階段を駆け下りながら、こくんと頷いた。
「とにかくあの訳の分からない煙も止めさせないとね。でも、その前にメイリンから事情を聞かないと。
あの煙と、メイファを捕まえるのとどういう因果関係があるのか私にはさっぱりよ。
・・・・・・もしかしてあれ、魔法を無効化する以外の効果もあるのかしら?」
リリアーナは首を傾げた後、さらに続ける。
「いずれにせよ問題は、メイリンと会話が出来ない事と、状況が全くと言っていいほどつかめない事よ。
事情を知ってるらしいレベッカさんはまだ目を覚まさないし、
メイリンと意思疎通できるはずだったメモはただの紙切れに戻っちゃったし、
通訳をしてくれる筈だったヘレンは溶けちゃうし!
ああーもう!こんなことなら語学で中つ国も選択しておくんだった!」
リリアーナは嘆いたが、今そんなことを言っても始まらない。
下の階に降りると、フリージアの縦ロールが復活した。
「あっ!フリージア、髪がいつもどおりに戻ったわよ!!
と言う事は・・・・・・今のところは屋上だけが魔法を無効化されてる・・・で、いいのかな?
ヴァンエレン、使い魔はちゃんと出せる?」
リリアーナはマオとヴァンエレンのアドバイスを求めた後、一番近い教室を指差した。
「じゃあこの教室でいったんレベッカさんを休ませましょ」
リリアーナは教室に入ると机を動かし、レベッカを寝かせるスペースを作った。
「ヴァンエレン、そーっと降ろしてあげてね」
リリアーナはポケットの応急手当セットを取り出し、レベッカの傷に包帯を巻きつけた。
「フリージア、使い魔カプセルもう取り出せる?」
リリアーナが何を考えているかは、フリージアには分かるだろう。
「レベッカさん、私の声が聞こえる?ねえ教えて、メイリンは何をしようとしてるの?」
リリアーナは小声でレベッカに呼びかけてみた。
意識があれば返答があるかもしれないが、過度の期待は禁物だろう。
「レベッカさんが目を覚まさないなら、メイリン本人から事情を聞くしかないわね。
棒メイリンがだめなら、普通に筆談しかないのかな?」
問題は、メイリン自身が西方の文字が書けるかどうかだ。
「棒メイリンにしないと西方の文字がかけないなら、
魔法が無効化されてない場所でもう一度メモを書いてもらうしかないのかな?
ヘレンなら相手の記憶を見ることも出来るみたいだけど・・・・・・・」
だがその彼は今、リリアーナのおなかの中である。
「魔法が使える場所に戻ったんだし、ヘレンもそろそろ出てきてもいい頃なのにね。
何で出てこないのかな?」
強制的に自分を形作ってた魔法を解除されたから、ダメージを受けたのだろうか?
それとも、リリアーナがヘレンを食べたから怒ってるのだろうか?――――ありえる話だ。
ひいい!とリリアーナは顔を引きつらせ、自分のおなかに必死の形相で話し始めた。
「ご、ごめんヘレン、でもあれは緊急回避っていうか・・・・・・。
あんな場所にあなたを長居させたらダメだって思ったのよー。
悪かったわ。怒ってるのなら謝るから、だからヘレン、出てきてよー」
そう言ってリリアーナは、両手をぶんぶん振った。
まるでヘレンが、自分の指先から外に出てくるとでも思っているようだ。
だが当然、ヘレンが姿をみせるような兆しは無い。
少なくとも今のところは。
気を取り直し、リリアーナは話を続けた。
「・・・・・・・事情を聞く話だけど、メイリンに近づいた途端ブスッとやられるのは困るわね。
彼女の腕、変わった色だと思ってたけど義手だったのね。
あ。そういえばメイリンは生徒に攻撃されたって話を聞いたけど、その時は仕込み剣で応戦してたのかな?
この中で見た人っている?」
>21 >23-25
>「それじゃあ私は来賓保護の任務に向かいます!
> ロウさん!王様!ミルクの事よろしく!」
>「応!妃を守るのは当然ぢゃ!」
「了解ですぞ。ではマリオ殿、また落ち着いたら、ムウ大陸の話をお聞かせくだされ」
ユリはマリオをデッキブラシに乗せて飛び去っていった。
メイファは高笑いをするスクナに光の矢を放った。
全部かわしたようだが、その後光る壁に遮られて様子が見えなくなってしまった。
覚悟を決めた方が良いというロウに、ミルクは顔を曇らせた。
>「……すみません……」
ロウは無言で首を横に振った。
無数に出現した光る壁は、いつの間にか鏡へと変化していた。
>「リチャードさん、来賓の方をこんな事に巻き込んでしまって、すみません。
> でも、もしよかったら、メイファの目を覚まさせる力を貸してください!
> あたしの魔法は威力が制御しにくいので、手加減とかできないんです!」
「ほっほっほ、承知しましたぞ。
だがまずは、他の来賓の方々にご迷惑がかからないようにせねばのう」
>『ごちゃごちゃ相談してるんじゃないわよ!』
>3つの鏡に映ったメイファは、ロウに向けて光の矢を放った。
「どこを狙って――――こ、これは?!」
>光の矢は鏡に当たって次々に反射して行き、
>3つの異なる角度から、3つの異なる時間でロウに襲い掛かる。
「これはまた・・・・・・」
何とか一本目の光の矢は回避できたが、二本目は挨拶代わりにロウの帽子に穴をあけた。
しかも三本目がロウに迫っている時、避けた筈の一本目が背後から戻ってきてしまう。
光る矢は鏡に反射するため、兆弾のような動きをしたのだろう。
タイミングは最悪だ。とても避けきれそうにない。
だが射殺されたとばかり思われていたロウは、倒れなかった
ロウに刺さる筈の光の矢は突然軌道を変え、天高く飛んでいったからだ。
「いやはや。備えあれば憂いなしじゃのう」
そう呟いたロウの手には、古びた鏡がしっかりと握られていた。
あちこちから爆発音や何かが割れる音がしているが、ミルクやスクナが大怪我をしているふうでは無さそうだ。
ロウはそう一人納得した後、3体のメイファに向けて古びた鏡を向けた。
「今度はこちらの番ですな。スクナ殿とミルク殿、目を瞑るのじゃ!」
ロウがそう叫ぶと、鏡はカッと眩い光を放った。
まともに見てしまったら、きっと目が眩んでしまうだろう。
>24
> 「怪物みたいに他人を攻撃する奴は、怪物みたいな扱いを受けるわよメイファ!メギド!」
「アイヤー!?」
メイファはメギドによってダメージを受けた。しかし、致命傷ではなかったようだ。
全体的に焦げたメイファは、火がついたスカートの裾を慌てて手ではたいて消火した。
>25
> 「引っかかったと見せかけておいてしっかり気付いておるわ!」
メイファはスカートの裾を手ではたいていたためスクナの発見が遅れてしまった。
しかし、幸いにもスクナが攻撃したのは鏡の中のメイファだった。
『Gめ!』
メイファは鏡越しにうつるスクナにまたしても光の矢を放った。
>28
> 「今度はこちらの番ですな。スクナ殿とミルク殿、目を瞑るのじゃ!」
> ロウがそう叫ぶと、鏡はカッと眩い光を放った。
> まともに見てしまったら、きっと目が眩んでしまうだろう。
『目が〜!?目が〜!?』
メイファは目がくらんでしまった。もちろん、このままではまずい。
メイファは感覚を駆使して、乱立した鏡の世界に存在する“死角”へと飛び込んだ。
ロウやスクナからは、メイファが突然消えてしまったように見えるだろう。
鏡の後ろに隠れていたミルク、その太もものあたりに、
ドンと何かがぶつかってきた事に彼女はすぐにきづくだろう。
そう、メイファが飛び込んできたのだ。ミルクは気づかなかったかもしれないが、
ミルクの隠れた鏡の後ろこそ、この鏡の世界に存在する“死角”だったのだ。
そのため、メイファが見えないのと同じように、ミルクの姿は見えなくなる。
もっとも、同じ魔法使いなら魔力でミルクを探し出すことができるはずだ。
『ちくしょう〜あいつら、姑息な手を使いやがって〜(怒)』
メイファはミルクのすぐ側でくしゅくしゅと両手で目を擦った。
まだ近くにいるミルクを見ることができないようだが、少しすれば視力は回復するだろう。
>27
クルクルシュピン!!
という音を立てもとのドリル状になるフリージアの縦ロール
まさに形状記憶縦ロールである
>「あっ!フリージア、髪がいつもどおりに戻ったわよ!!
と言う事は・・・・・・今のところは屋上だけが魔法を無効化されてる・・・で、いいのかな?
ヴァンエレン、使い魔はちゃんと出せる?」
「いつも思うんだけど・・・・一体お母さんの髪の毛は何で出来てるんだろう?」
縦ロールの元に戻る様子を見て首を傾げるギズモ
>「フリージア、使い魔カプセルもう取り出せる?」
「任せなさいな!チャチャチャチャン♪使い魔かぷせるぅですわ♪」
どっかの青い狸のような感じで使い魔カプセルを取り出すフリージア
胸の谷間にある魔方陣は完全復活したようである
「わぁv名前は使い魔カプセルなのにほとんど人間ばっかり入ってる使い魔カプセルだv」
色々とメタな発言をするギズモ
「そういうこといわないの!怪我を治すにはこの中に入るのが一番手っ取りばやいんだから」
>「・・・・・・・事情を聞く話だけど、メイリンに近づいた途端ブスッとやられるのは困るわね。
彼女の腕、変わった色だと思ってたけど義手だったのね。
あ。そういえばメイリンは生徒に攻撃されたって話を聞いたけど、その時は仕込み剣で応戦してたのかな?
この中で見た人っている?」
「僕が見た所ではぜんぜんそんな事無かったよ」
とギズモは言う
「ギズモちゃんあの時、あなた実際に義手に触ったんじゃなくって?」
疑問に思うフリージア
そうであるギズモは見たどころか実際にその義手を触っているのだ
「でもその時あの義手にそんな仕掛けがあるなんて気付きもしなかったよ」
よほど巧妙に隠してあったのだろうか?
まったく気がついていなかったらしいギズモ
グレムリンなのに・・・・・
「ギズモちゃんグレムリンなんだからからくり細工には気が付かなきゃ駄目じゃないの」
さっきのギズモがグレムリンだからではなくギズモがギズモだから大好きというのを色々と台無しにする台詞を言うフリージア
「しょうがないじゃないv僕、壊すの専門だものv」
種族オートマータの人は近づいてはいけない
それが意味をするのは死
そんなギズモであった
>25 >28-29
>「引っかかったと見せかけておいてしっかり気付いておるわ!」
>『Gめ!』
鏡の裏に逃げ込んでも、戦いの音(というか声)はしっかり聞こえてくる。
よし、あとは鏡に映った姿でメイファの位置を確認……って、鏡に姿が映ってないよ!
これじゃいつ攻撃が飛んでくるかわからないじゃん!
危ないけど、顔だけ出してメイファの居場所を確認するか!?
>「今度はこちらの番ですな。スクナ殿とミルク殿、目を瞑るのじゃ!」
鏡の裏から顔を出そうとしたとき、リチャードさんの警告が聞こえてきた。
慌てて目を閉じるあたしの視界が、一瞬黒から白に変わる。
うは、強烈。警告してくれてなきゃ危ないところだった…
>『目が〜!?目が〜!?』
メイファの悲鳴じみた声からして、目潰しはうまくいったらしい。
今ならメイファを捕獲できるかも!
そう思って前に踏み出そうとした脚に、ドンと何かがぶつかってきた。
なんだ?いきなり。なんかずいぶん真っ赤な何かが……
>『ちくしょう〜あいつら、姑息な手を使いやがって〜(怒)』
「げえっ!メイファ!?」
どういう運命のイタズラか、飛び込んできたのは探しに行こうとしたメイファ本人だった。
今捕まえないと、また逃げられて他の魔法使いを攻撃するに違いない。
幸いメイファはまだ目がちゃんと見えないみたいだし、天は我に味方せり!
「飛んで火にいる夏の虫!メイファ捕まえたーっ!」
そう叫んで、あたしはガバッとメイファに抱きついた。
あ、けっこうグラマラスな体型……いやいや、今はそんな事考えてる場合じゃないから!
「王様ーっ!リチャードさんっ!メイファ捕まえました!
何か良い取り押さえ方知りませんか!?
例えば能力封印の計とか術とか魔法とか!!」
>28>29
輝円斬はメイファに命中したかの様に見えたが残念、鏡でした。
悔しそうに歯軋りしているスクナにメイファからの反撃が放たれる。
「ぬうう!そっちかああ!」
飛来する光の矢を大げさに飛びのいて躱すスクナ。
流石に障壁が効かない事は学習したようだ。
しかし自信満々に放った攻撃が両方ともはずれだった事により、どのメイファを攻撃すればいいかさっぱりわからなくなってしまった。
どれにしようかとキョロキョロと見回していると、リチャードの警告が響く。
「なんぢゃと!?」
警告されたのに反射的にリチャードを見てしまうスクナ。
勿論直後の閃光もまともに見てしまう。
「だーーー!目がああ〜〜〜!」
メイファ同様視界はホワイトアウト。
思わず目を覆うがもう遅い。
>「王様ーっ!リチャードさんっ!メイファ捕まえました!
> 何か良い取り押さえ方知りませんか!?
> 例えば能力封印の計とか術とか魔法とか!!」
ミルクがメイファを捕まえたと言うが、目を眩んでどこにいるか判らない。
しかしここでスクナの脳ミソが火花を散らすほど回転する。
そう、どうせ目が見えていても、鏡のせいで判らないのだ。
だったら見えなくても関係ない。
いやむしろ惑わされる目ならば見えないほうがいいじゃない!と。
「心眼よ開け!」
カッコいいこと言うが、勿論スクナには心眼などない。
しかし種も仕掛けもある【心眼】を開眼する事はできるのだ。
声とともに辺り一帯に砂が舞い上がる。
瓶詰め砂漠の砂はただの砂ではなく、珪素系生物であり、一種の召喚生物。
砂の感覚と自分の感覚をリンクさせる事により、視覚ではなく触覚として周囲を捉えるのだ。
砂が舞っているところは空間。
砂が弾かれるところは何かがある、という事で。
つまり、手探りのように辺り一帯を形として認識。
「そこかああ!本来ならば圧殺の刑じゃがミルクのリクエストに応えてこれぢゃ!
ロイヤルスイート!王の抱擁!」
メイファの位置を捉えたスクナは一気に糸を紡ぎ術を展開する。
形成されたふわふわの高級布団がごとき布に包まれた者は、あまりにも心地よく闘争心や使命感などを忘れてしまう一種の結界布。
本来の名前は【忘却結界布団】だが、王の技としては相応しくない名前なので勝手に別の技名を叫ぶのは余談である。
しかし視覚として捉えていないので、抱きついている状態のミルクとメイファの区別がつかない。
このままだとメイファとミルクの周囲にふわふわの布が形成され二人に覆いかぶさり首だけ出して巻きつくだろう。
そして極上の安らぎを与えるであろう。
>31>32
> 「飛んで火にいる夏の虫!メイファ捕まえたーっ!」
メイファはあっけなくミルクに捕まってしまった。
『離せバカ〜!』
とメイファは暴れた。
> 「王様ーっ!リチャードさんっ!メイファ捕まえました!
> 何か良い取り押さえ方知りませんか!?
> 例えば能力封印の計とか術とか魔法とか!!」
> 「そこかああ!本来ならば圧殺の刑じゃがミルクのリクエストに応えてこれぢゃ!
> ロイヤルスイート!王の抱擁!」
メイファとミルクの周囲にふわふわの布が形成され始めた。
もうメイファの視力は回復している。メイファはミルクの脇腹を肘で小突くと、
右手の人差し指と中指を額につけた。
その途端、ミルクは自分が掴んでいたものを失った事に気づくだろう。
そして…
メイファは瞬間移動で鏡の世界の外に非難した。
その後、ミルクがどうなったのかは死角になっているため見えない。
ひとまず、あたり一面に漂っていた砂と、怪しい布から退避できたことのみ確認できるだけである。
『ぶっ殺してやる〜!』
メイファは右手に力を入れた。このまま鏡の世界の中に拡散する光の矢をぶち込めば、
中の魔法使い達は全て蜂の巣である。
しかし、メイファはそれをしなかった。いや、できなかった。
校舎の屋上から、異常なプレッシャーを感じたからだ。
『…来ちゃった。』
メイファは、構えていた右手をだらりと下げた。
『この遊びも、もうおしまいね。』
校舎の屋上では、メイリンが相変わらず鍋を掻き混ぜていた。
鍋からはピンク色の煙が立ち昇っている。ピンク色の煙は天に向かい、
いつしかピンク色の大きな雲を作っていた。
メイリンもまた、そのピンク色の雲の中から大きなプレッシャーを感じていた。
そして、プレッシャーを感じるたびにメイリンは不安にならずにはいられなかった。
\本当にメイレンを呼んでもよかったのかなっ?/
>30
学園の中にいる妖怪で唯一ファン・メイレンのプレッシャーを感じていないのか、
レベッカは使い魔カプセルの中で静かな寝息を立てていた。
しかし、一度ファン・メイレンが現れた事を察知すれば、とても安寧な気持ちではいられなくなるだろう。
>29 >31-32
>「だーーー!目がああ〜〜〜!」
>『目が〜!?目が〜!?』
ロウが目くらましを使った直後、目を押さえて苦しんでいるメイファの姿が見えた。
だが同時に、苦しんでいるらしきスクナの声も聞こえてくる。
ロウは渋い顔をした。警告したにもかかわらず、スクナは光を直視してしまったらしい。
「スクナ殿、大丈夫ですかな」
ロウがスクナの声に気を取られている間に、メイファは視界から消えた。
「む、消えた?」
ロウはメイファの気配を探ってみたが、分かったのはスクナとミルクの居場所だけだった。
>「王様ーっ!リチャードさんっ!メイファ捕まえました!
> 何か良い取り押さえ方知りませんか!? 」
ロウは無言でミルクの元へと走った。
だが鏡が迷路のように視界を遮っているため、なかなか思うように進めない。
「ええい面倒な!」
ロウはそう呟くと、ジャンプして鏡の上部へと飛び上がった。
そして立ち並ぶ鏡の上を次々渡り、ミルクのほうへと急ぐ。
格好の的だったかもしれないが、ロウは現在メイファの目が見えないことを知っていた。
だがあと少しというところで、スクナの心眼が発動した。
「ちっ、仕方あるまい」
あたり一面を砂塵が舞い始めたため、ロウは「ショートカット」を中断した。
だがミルクの場所までは後僅かだ。
ロウは地面に降り、再び走り始めた。
走りながら懐から使い魔カプセルを取り出した。
だがその使い魔カプセルはフリージアが使っているものとは少し違っていた。
外側にはびっしりと呪文が刻み込まれているそれは、魔物を封じるための品だった。
(どうやらロウは、メイファが空間転移できることを知らないようだ。)
>「そこかああ!本来ならば圧殺の刑じゃがミルクのリクエストに応えてこれぢゃ!
>ロイヤルスイート!王の抱擁!」
「ミルク殿ご無事ですかな!メイファは・・・・・・・こ、これは!」
ロウはミルク達が隠れていた鏡の裏側を見るなり絶句した。
「スクナ殿!これではメイファだけを封印できないではないか!」
>30
>「任せなさいな!チャチャチャチャン♪使い魔かぷせるぅですわ♪」
フリージアはそう言って、胸の谷間から使い魔カプセルを取り出した。
「すごいやフリージア!」
どこかの色白メガネッ子のように驚くリリアーナ。
>「わぁv名前は使い魔カプセルなのにほとんど人間ばっかり入ってる使い魔カプセルだv」
>「そういうこといわないの!怪我を治すにはこの中に入るのが一番手っ取りばやいんだから」
「そうよそうよ。ギズモだって今そんな事言ってるけど、本当に使い魔カプセルとして使ったら困るんじゃないの?」
使い魔カプセルは非常に高価だが、中に入った者の傷を癒し、体力を回復してくれる。
そう、この使い魔カプセルは、本来ギズモのためにフリージアが用意したものなのだ。
もっとも当のギズモは、なぜかカプセルを嫌がって中に入りたがらないのだが。
その後聞いたギズモの話では、中庭でメイファは義手から武器を出現させたりはしなかったらしい。
>「ギズモちゃんあの時、あなた実際に義手に触ったんじゃなくって?」
>「でもその時あの義手にそんな仕掛けがあるなんて気付きもしなかったよ」
「メイリンの義手に触った?どうして?」
話についていけない、リリアーナは不思議そうな顔をした。
>「ギズモちゃんグレムリンなんだからからくり細工には気が付かなきゃ駄目じゃないの」
>「しょうがないじゃないv僕、壊すの専門だものv」
「まあまあ二人とも。妖怪の義手なんだから、人間の常識では計り知れないものなんでし・・・・うわっ?!」
ぼわん!と突如白い煙に包まれたギズモ。
煙が晴れると、そこには再び少年の姿をしたギズモが立っていた。
「び、びっくりした。元の姿に戻るなら戻るでそう言ってよね。
フリージア、レベッカさんをカプセルの中に入れてくれる?」
>33
リリアーナはふと何か違和感を感じた。
誰かに見られているような、圧力を感じるような・・・・・・うまくいえないが、とにかくそんな変な感じだ。
どことなく居心地の悪さを感じたものの、リリアーナは気のせいだと思った。
今からメイリンに会いに行くから、少しナーバスになっているのだと思ったのだ。
「レベッカさんの治療も終わったし、私そろそろメイリンのところに行ってくる。
言葉は通じないけど、まあ何とかなるでしょ」
リリアーナはメイリンから託された棒メイリンの紙をひらひらさせた。
「ん?この紙がどうかしたの?――――あっ!」
リリアーナは遅ればせながら、棒メイリンが再び動き始めたことに気づいた。
「そっか、ここは魔法が無効化されてないから動くのね!」
リリアーナは素直に喜んだが、それも棒メイリンに新しいふき出しが出るまでのことだった。
>\本当にメイレンを呼んでもよかったのかなっ?/
「へっ?!メイレンって確か学園長が・・・・・・・・・・えええええええ!!!」
リリアーナは窓辺に駆け寄ると、窓をあけ空を見上げた。
上空にはいつの間にかピンクの雲が出来上がっている。
奇妙な違和感の正体は、メイレンがここに来るためだったのだろうか?
「もしかしてあの雲からメイレンが出てくるのかな?
大変だわ、早く他の皆にも知らせないと――――あれっ?!」
リリアーナは、窓の下の植え込みに横たわるクロウをやっと発見した。
「クロウさんじゃない!そんなところで何してるの?」
「大丈夫?レベッカさんと相部屋でよかったら使い魔カプセルに入る?」
リリアーナは教室の中にいるメンバーに声をかけた。
「ねえ誰か、悪いけどクロウさんをここまで引き上げてくれないかな?」
>35
レベッカを使い魔カプセルにいれたフリージア
再び人間の姿になったギズモ
>\本当にメイレンを呼んでもよかったのかなっ?/
>「へっ?!メイレンって確か学園長が・・・・・・・・・・えええええええ!!!」
「メイレン・・・て誰だっかしら?」
肝心なときにボケるフリージア
「ほらメイリンさんとメイファさんのお母さんだよ」
とフリージアに教えるギズモ
「・・・・・そういえばそうでしたわね
で、何が大変ですの?母親がおいたをした娘をお仕置きに来るだけじゃない」
まだ判ってないフリージア
「だったらメイリンさんもお仕置きされるね」
とギズモは言うのであった
>「ねえ誰か、悪いけどクロウさんをここまで引き上げてくれないかな?」
「ギズモちゃん」
ギズモに声を掛けるフリージア
「わかったよ」
とギズモ
つうかあとはこの事か?
「本当は男の人なんてどうでもいいけど・・・・」
と嫌々クロウを助け起こすギズモであった
屋上から離れていくとメイリンによる魔法無効化の範囲からはずれて魔法が使えるようになった。
>27>30
>「あっ!フリージア、髪がいつもどおりに戻ったわよ!!
>と言う事は・・・・・・今のところは屋上だけが魔法を無効化されてる・・・で、いいのかな?
>ヴァンエレン、使い魔はちゃんと出せる?」
フリージアの崩れていた髪型が変化していつもの髪形である縦ロールが復活した。
ヴァンエレンは使い魔の状況を確かめようと、マントの影より一体のとぼけた面のラマを出現させて問題はないかと確かめる。
「問題なしのようだ」
もしゃもしゃと口を動かすだけで表情の変わらないラマをよしよしと撫でると元いたマントの中に入っていった。
ちゃらららったら〜とフリージアが取り出したるは一家に一台使い魔カプセルであった。
>「わぁv名前は使い魔カプセルなのにほとんど人間ばっかり入ってる使い魔カプセルだv」
実際その通りなのでギズモにツッコめずに苦笑するしかないヴァンエレン。
>「そういうこといわないの!怪我を治すにはこの中に入るのが一番手っ取りばやいんだから」
レベッカを使い魔カプセルの中に入れて、これで怪我をしているレベッカの安全は確保された。
>33>35
>「レベッカさんの治療も終わったし、私そろそろメイリンのところに行ってくる。
>言葉は通じないけど、まあ何とかなるでしょ」
「そんな適当でいいのかね?」
行き当たりばったり上等なリリアーナの発言に戸惑うばかりのヴァンエレンだが、実際のところ通訳を用意してやるほどの時間もない。
>「ん?この紙がどうかしたの?――――あっ!」
リリアーナが持っている紙の中にいる棒メイリンが動いているのがわかった。
魔法が戻ったことによって動けるようになったようだ。
>\本当にメイレンを呼んでもよかったのかなっ?/
>「へっ?!メイレンって確か学園長が・・・・・・・・・・えええええええ!!!」
「最期だっ!もういかん!」
ジャーンジャーン!げぇっ、メイレン!
予想外の強敵出現に一言絶句すると、ヴァンエレンはもう観念してしまったように茫然戦意も失っていた。
>36
「おおおおおしまいじゃあああぁ。
この世の地獄じゃあ!」
わわわ、と変な声をあげてラスボス登場に対して情けなく一人絶望するヴァンエレン。
>「ねえ誰か、悪いけどクロウさんをここまで引き上げてくれないかな?」
>「ギズモちゃん」
>「わかったよ」
リリアーナの言ったとおり植え込みに横たわっているクロウがいた。
フリージアはギズモを向かわせてクロウを起こしている。
マオやリリアーナがあきらかに『お前も仕事しろ』といっているような視線で見ているので蝙蝠に化けると窓から外へ出る。
「ちょっと失礼」
数匹の蝙蝠の使い魔を出して皆でギズモを手伝う感じでクロウの服をひっぱってバタバタと羽を動かして飛ぶ。
クロウをちょっと乱暴に教室まで持ってきてゆっくり床に降ろす。
蝙蝠姿のままマオの肩に乗ると大きく深呼吸をして、使い魔を自身の影の中に入れる。
>11>13>15>17-20>22>26-27>30
屋上の方が騒がしいが、とにかく動けるようにならないと話にならない。
時間はかかるが、気功を使って痛みを引かせるしかないな。
>33
しばらく気功による回復(?)に集中していると、屋上の方から強力なプレッシャーのようなものが放たれてきた。
「・・・いったい屋上で何が起きているんだ?」
武術をしている関係で幾度となく相手の放つプレッシャーを感じた事があるが、今のものは尋常じゃない。
>35
>「クロウさんじゃない!そんなところで何してるの?」
「何してるって、言われてもなぁ・・・」
突然下に落ちたんだから気付かれてないのも当然か…
>「大丈夫?レベッカさんと相部屋でよかったら使い魔カプセルに入る?」
「うっ・・・、相部屋、か。」
今までの言動から少し身の危険を感じるのだが…
いや、今は回復するのが優先だな。
「悪いけど入れてもらえるか?」
>36-37
リリアーナに返事をした後、ギズモとヴァンエレンが俺の近くに降りてきた。
>「本当は男の人なんてどうでもいいけど・・・・」
あまり乗り気ではないが、起きるのを手伝ってくれるようだ。
けど、まだ完全じゃないから立ちづらいな・・・
>「ちょっと失礼」
その様子を見てヴァンエレンが数匹の蝙蝠を出すのだが、
「ちょっ、待t
いだだだだだだだ!!」
怪我人の扱いをもう少し考えてくれ。
だいたい震動が少なくなるように運ぶだろ。
>32-34
>「心眼よ開け!」
王様の不安をあおる発言に、あたしの危険感知センサーが反応しまくりです。
あたしだけ封印されて『見えなかったからしかたない』とか言われる未来しか見えないんだけど!?
「ちょ!心眼!?何するのか知らないけど、大丈夫なんでしょうね!?」
慌てていると、周りに砂が漂いはじめる。
砂?なんで砂なんか飛ばすんだ?
>「そこかああ!本来ならば圧殺の刑じゃがミルクのリクエストに応えてこれぢゃ!
>ロイヤルスイート!王の抱擁!」
どうやらスクナは本気で心眼を発動させたらしい。
居場所を絞ってなんだかイヤな名前の技を使ってきた。
それにあわせて、あたしとメイファを取り囲むようにふわふわした布が作り出される。
こ、これは、なんだか激しくイヤな予感が…
>「ミルク殿ご無事ですかな!メイファは・・・・・・・こ、これは!」
鏡の裏に入ってきたリチャードさんが、こちらを見て絶句する。
そりゃそうだ。
どう見てもこの状況、あたしごとメイファを封印しようとしてるようにしか見えないしな!
>「スクナ殿!これではメイファだけを封印できないではないか!」
「そうですよ!ほんとに心眼で見えてるんですか王様!?
まさか、あたしごとメイファを封印してやろう、とか考えてないでしょうね!?」
スクナにそう言った直後、腕の中のメイファの感触が消える。
瞬間移動!?まさかそんな高度な技が使えるなんて…
あ!それより、このままだとあたしだけ封印されちゃうじゃないか!
「ちょ、ちょっと待って王様!メイファが瞬間移動で逃げ……ギャ―――――!!!」
間に合いませんでした。
ふわふわ布はあたしに覆い被さると、首だけだして体に巻き付いてしまった。
締め付けがキツいってことはないんだけど、あたしだけ封印とか何考えてるんだ!?
「こらーっ!王様ーっ!!メイファは逃げたって言ってるでしょうが!
さっさとこの布を解…いて……」
あ、なんかこの布の中、心地よい感じ。
前に入った温泉みたいにくつろげるというか、冬場の布団の中というか。
別に出れなくてもいいや。むしろ出たくないや。うん。
「あー。やっぱり今の無しー。
メイファを探しに行くのはまた今度にして、今はちょっと休憩しようー」
巻き付く布の心地よさに身を任せ、あたしは目を閉じて一休みする事にした。
ピンク色の雲の奥から、大きな金きり声が聞こえてきた。
>『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!』
その声を聞いて、遥か下にいるメイファが強張っている事など、メイファが知る由も無い。
しかし、そのメイファと同様に、メイリンもまた緊張していた。
はたして自分は、うまくメイレンを迎える事ができるだろうか?
>『アアアアアアアアアッ!!アアアアアアアアッ!!』
声が、徐々に徐々に近づいてくる。そして“それ”は、ピンク色の雲の中から姿を現した。
>『アアアアアアアッ!!いやあああああっ!?』
それは、ピンク色のドレスに身をつつんだ女性だった。
それぞれの手には扇と日傘が握られ、それをばたばたと振り回しながら、
重力にしたがって、悲鳴をあげながら屋上に落下する。
彼女こそが、悪名高い第二次文化革命の首謀者にして、
最も多くの魔法使いの命を奪った妖怪、ファン・メイレン・スイションその人である。
もっとも、悲鳴をあげながら落ちるだけのその姿を見て、そんな大人物にはとても見えないだろう。
せいぜい大きいとすれば、彼女の体躯だけである。
\メイレン来た!これで勝つるっ!/
>『あら?あれは…リンちゃん!?』
メイレンは屋上にいるメイリンを見つけた。
ついでに、自分がこのままだと屋上にぶつかる事も理解した。
>『やばい!やばい!やばい!死んじゃう〜!おせんべいみたいになっちゃう〜!?』
メイレンは一生懸命上に向かって泳ごうとしたが、さすがにそれは無理がある。
\とうっ!/
メイリンは、メイレンに向かって跳躍した。
そして、空中にて彼女の体をがっちりと受け止め、抱え込む。
>『あっ!?ありがとうリンちゃん!』
メイリンはメイレンをお姫様抱っこした状態で、颯爽と屋上に着地した。ここまでは良かった。
>『ぐぉえっ!??』
しかし、着地した途端その衝撃でメイリンの義手が肩から外れてしまい、
結局メイレンは落ちる勢いそのままに屋上に叩きつけられたのだ。
>『あ〜う〜!腰打った〜!痛い〜!死んじゃう〜!』
\失敗しちゃった…ごめんねメイレン…/
メイリンは、腕が取れてしまったので、足を使ってメイレンを助け起こそうとした。
>『あっ!あっ!やめてリンちゃん!蹴らないで!』
メイレンからすれば、ただメイリンに蹴られているようにしか見えなかった。
もしここに第三者が現れたとしても、そうとしか見えないだろう。
名前・ ファン・メイレン・スイション(黄美人水生)
性別・ 女
年齢・ 見た目は20歳くらい
髪型・ 金色のロングヘヤー(黒い髪を染めている)
瞳色・ オレンジ色
容姿・ ピンク色のフリル付き西洋ドレスを装備し、芭蕉扇と日傘を常に持っている。
また、レベッカと顔や体系が良く似ているが、身長が2m30cmもある。
備考・ 第二次文化革命を引き起こし、最も多くの魔法使いの命を奪った中つ国の妖怪。
レベッカ及びメイファの母親でもあり、メイリンとは義理の親子関係である。
着ている服等から予想できる通り、西方の文化に強い興味を持っている。
得意技・ 意味を操る程度の能力
好きな食べ物・ 人間(若い男は特にいい とは本人談)
好きな生物・ 人間(若い男は特にry)
嫌いな食べ物・ 冷や飯
【備考】
ストーム・ファン(芭蕉扇)
少し振るだけで強い風を発生させる扇である。
パラソル(日傘)
一見すると何の変哲も無い日傘に見えるが、実に何の変哲もない日傘である。
しかしその柄を強くひねると、壊れてしまう何の変哲もない日傘である。
>27>30>37>38
>「あっ!フリージア、髪がいつもどおりに戻ったわよ!!
>と言う事は・・・・・・今のところは屋上だけが魔法を無効化されてる・・・で、いいのかな?
>ヴァンエレン、使い魔はちゃんと出せる?」
フリージアの方を見ると確かにいつもの縦ロールに戻っていた。
しかし、かねてからどうやってあの髪型を維持いているのか不思議に思っていたが、
まさか魔力を使っていたとは……しかしこれで魔法無効化がどの程度の範囲なのか理解できた。
>「問題なしのようだ」
「おそらくそう広い範囲ではないんだ。今のところは……な」
ラマをマントに戻しているヴァンエレンを見ながら呟く。
だが解決になっているわけじゃない。むしろこのまま魔法無効化は広がっていく事を考えると
全く状況は打開できてないということになる。
一番近い教室に着きフリージアがレベッカを使い魔カプセルに入れる。
>「わぁv名前は使い魔カプセルなのにほとんど人間ばっかり入ってる使い魔カプセルだv」
ギズモの鋭い突っ込みが入るが気にせずにレベッカを使い魔カプセルに入れる。
>「そういうこといわないの!怪我を治すにはこの中に入るのが一番手っ取りばやいんだから」
「でももう医療用カプセルと銘打った方がいい気がしないでもないな」
>33 >35
>「レベッカさんの治療も終わったし、私そろそろメイリンのところに行ってくる。
>言葉は通じないけど、まあ何とかなるでしょ」
>「そんな適当でいいのかね?」
「いいわけないだろ。それよりもその手に持っているものを使え」
先ほどまで棒メイリンが描かれていた紙を指さす。
>「ん?この紙がどうかしたの?――――あっ!」
リリアーナは全く理解できてないようで紙をヒラヒラさせていたがようやく気付いたようだ。
僕も今どうなっているのか知りたかったため覗いてみるとそこには棒メイリンが元気に動いていた。
「よしよし、とにかくこれで向こうの思考を読み取れる」
しかし、棒明倫の吹き出しに書かれていたのはとんでもないことだった。
>\本当にメイレンを呼んでもよかったのかなっ?/
>「へっ?!メイレンって確か学園長が・・・・・・・・・・えええええええ!!!」
「誰に言うわけでもない心の中なのだからきっと本当のことなんだろうな…」
しかしこれはどういうことだ。もしかしたら本当にこの学園自体が危ない状態なのか?
本気で魔法をすべて消そうとしているというのだろうか?
>「最期だっ!もういかん!」
今度ばかしはヴァンエレンを??咤することはできなかった。
相手は大妖だ。これでは諦めても無理はないというものだ。
>「おおおおおしまいじゃあああぁ。
>この世の地獄じゃあ!」
まあ少々慌てふためきかたが尋常ではないが……
そこはヘタレなんだから仕方がないか。
>「ねえ誰か、悪いけどクロウさんをここまで引き上げてくれないかな?」
仕方がないので僕はヴァンに「上げてやれ」て目で訴える。
>「ちょっと失礼」
そしてヴァンエレンは蝙蝠に変化し使い魔と共にクロウを、
決して優しくとはいえない方法で教室まで引っ張ってきて床に降ろし、
仕事を全うした後そのまま僕の肩に乗ってくる。
僕はというとなんだかメイレンにどうやって対抗しようか。いやそもそも対抗できるのかを考えていた。
もしこのまま何もできずに傍観していたとして、本当にこの世から魔法は消えうせるのだろうか。
そうしたらヴァンエレンとの契約も無効なのか、魔法が使えなくなった僕はどうなるんだろう。
実感もわかずただひたすら色んな考えが思い浮かんでは流れていく。
「……………………」
気がつくと不安からかは分からないが、
僕は肩に乗っているヴァンエレンを優しく抱きかかえて頭を撫でていた。
>33>34>39
リチャードが叫び、メイファが消えうせ、ミルクが忘却結界布団に包まれる。
三者三様の行動も目の眩んだスクナにはわからない。
ただ砂の感覚を通し、獲物を捕らえた事だけを把握していた。
「よおおおし!手応えあり!
馬を引けい!黄金の戦車よ!王の攻進であるぞ!」
その声に応えるようにスクナに破壊音が迫ってくる。
黄金の戦車が鏡を突き破りながら一直線にスクナの元に駆けつけたのだ。
前回はそのまま轢かれたスクナであるが、今回は一味違う!
「とうっ!」と言う掛け声と共に黄金の戦車に飛び乗ったのだ。
そしてそのままミルクの元へと一直線に進んでいった。
「あひゃひゃひゃひゃ!邪魔するものは全てなぎ倒す!
これぞ王の攻侵ぢゃああああ!!!」
メイファに逃げられた事も知らずテンション高くスクナは進んでいく!
バリン!バキャン!と鏡を突き破る音がミルクとリチャードの元へ近づいてくる。
一番近い鏡を突き破り現われたのは黄金の戦車!
そして戦車に乗るのはスクナ!
・・・ただし、スクナと判別できるだろうか?
なぜならば血まみれミイラ状態で現われたのだから。
それもそのはず、超硬度を誇る黄金の戦車はいざ知らず、生身のスクナが鏡を突き破って進んできたのだ。
こうなるのも当然と言えば当然。
間違っても戦闘で受けた傷ではないのだが、勝手に満身創痍。
「よぉおおおし!下がれ、砂塵よ!」
ミルクとリチャードの元へ辿り着いた頃には視力も戻っていた。
そうなると砂塵は邪魔でしかないので瓶詰め砂漠へと戻すのだが、それと共に黄金の戦車の動きも止まる。
勿論この因果関係にスクナは気付いていない。
あくまでも自分が黄金の戦車を操っていると思っているのだから。
それはさておき、到着すると忘却結界布団に包まれているのはミルクただ一人。
メイファには逃げられたのだが、そんなものは二の次三の次。
スクナの大一声はこうだった!
「おお!まさに眠れる森の美女!姫を起こすのは王の特権!
しかしの前に・・・うひょひょひょひょ!」
メイファのことなどすっかり忘れ無防備に眠っているミルクの元へと駆け寄るのだ。
目覚めのキスはするとして、その前に役得と言わんばかりにあんな事やこんな事をする為に布団に潜り込む。
無防備なミルクを前に自分の術もすっかり忘れていたスクナ。
布団にもぐりこんだ途端、術の影響はスクナにも及ぶ。
「うひょ・・・ひょ・・・ふぅあ〜〜・・・まあ、なんぢゃったか・・・・」
あえなくスクナの野望は潰え、目もトロンとなっていく。
>40
・・・が、それもほんの数秒のことだった。
「な、なんぢゃあああ!?」
クワッと目が見開かれ布団を蹴飛ばし飛び上がる。
忘却結界布団の効力を吹き飛ばす程のプレッシャー!
それこそ学園屋上に召喚されたメイリンのものであるが、今はまだそれを知る術はない。
ただ校舎上空に渦巻くピンクの雲を凝視するスクナの額に一筋の汗が流れた。
その汗が熱いものなのか冷たいものなのかは・・・わからなかった。
クロウを引っ張りあげて欲しいというリリアーナの頼みを聞き入れ、ギズモとヴァンエレンが動いた。
>数匹の蝙蝠の使い魔を出して皆でギズモを手伝う感じでクロウの服をひっぱってバタバタと羽を動かして飛ぶ。
>「ちょっ、待t
> いだだだだだだだ!!」
「大変!二人とも、クロウさんをもっと優しく扱ってあげて!」
全くリリアーナときたら、自分では何も出来ないくせに口ばかり達者であった。
ヴァンエレンとギズモは、クロウをゆっくりと床に降ろした。
「ちょっと背中見せて」
リリアーナは強引にクロウの服を捲り上げると、問答無用で傷薬を塗り始めた。
「もしかして屋上から落ちたの?痛かったでしょうに・・・・・。
今まで気づいてあげられなくてごめんね」
リリアーナはクロウの手当てをしながら、クロウが姿を消した後の出来事を話した。
「というわけで、あのピンクの雲はメイレン召喚のためのものらしいわ。
で、クロウさんとマオマオ、悪いけど生徒会に、メイレンが現れるかもしれないことを伝えて欲しいの」
リリアーナにはメイレンに攻撃しないで欲しいと言う権利は無い。
しかし、生徒会のクロウやマオはリリアーナと同じだけ状況を把握している。
メイレンにどう対応するかの最善策は、生徒の代表である生徒会メンバーに任せるべきだろう。
「フリージアが言ったみたいに娘を迎えに来たというのなら、そのまま娘をつれてお帰り頂けば済む話よね。
レベッカさんの話では、メイレンはちゃんと敬意さえ払えば怒ったりしないんですってね。
・・・・・・・・・何事も無くお引取り願えたらいいんだけど。―――― はい、治療終わり!」
リリアーナは使い魔カプセルを持っているフリージアを見た。
「フリージア、クロウさんをお願い。
じゃあクロウさん、ちょっと狭いけど、レベッカさんと仲良くね。
それと誰も見てないからって、レベッカさんにいたずらしちゃだめだからね!」
リリアーナはコウモリの頭を撫で撫でしているマオを見て、ちょっと顔を曇らせた。
「ちょっとマオマオ、何微妙にへこんでるのよ!
魔法があろうが無かろうが、あなたはマオマオでヴァンエレンはヴァンエレンでしょ?
ギズモに言ったこと、当のマオマオがもう忘れちゃったの?
一緒に居たければ好きなだけいればいいじゃないの!
そもそもあなたとヴァンエレンの主従関係を断ち切ることなど不可能なんでしょ?
だったらもっとでーんとしてなさいよね!」
リリアーナはバンバンとマオの背中を叩いた後、うん、と頷いた。
「じゃあ皆、私はそろそろ行くね!」
リリアーナはそういい残し、教室を飛び出していった。
教室から出ると、どこからとも無く甲高い音が聞こえてきた。
>『アアアアアアアアアッ!!アアアアアアアアッ!!』
音――――否、女性の金切り声だ。
悲鳴のような声は、だんだんこちらに近づいてくるようだ。
「あれ?ねえ、ちょっとこれを見て!」
リリアーナは棒メイリンが書かれた紙を皆に見せた。
紙に書かれた吹き出しには、忙しなく新しい言葉が浮かんでは消えていく。
\メイレン来た!これで勝つるっ!/
「これで勝つるって・・・・・・・誰に?」
\とうっ!/ 。
屋上から何か重たいものが落下したような音がした。リリアーナはさらにスピードを上げた。
\失敗しちゃった…ごめんねメイレン…/
屋上からは異国の言葉を話す女性の声が聞こえてくる。
どうやら大妖怪メイレンが降臨したらしい。
「メイリンさん、メイレンさん!――――――――あれ?」
勢い込んでここまで来たリリアーナだったが、目の前の光景に困ってしまった。
なぜならピンクのドレスを来た大柄な女性が、両腕が外れたメイリンに今にも蹴り飛ばされそうにしか見えなかったからだ。
「な・・・・・・・何で蹴飛ばそうとするの?メイリン」
リリアーナは棒メイリンが動くギリギリの位置からメイリンに問い掛けた。
「もしかして、メイファを連れ帰るためにメイレンさんを召喚したの?」
リリアーナはそう質問した後、マオにメモを渡してしまった。
「持ってて。そして、もしメイリンからの返答が来たら、皆に聞こえるように読み上げくれるかな?」
リリアーナはそういい残すと、返事も聞かずつかつかとピンクのドレスを着た女性の方へ近づいていった。
外見はただの大柄な女性だが、普通の人間でないことくらいリリアーナにもわかった。
あのメイファ達の母親で、第二次文化革命を引き起こした張本人。学園長と同じ力をもつという大妖怪。
恐ろしくないといえばうそになる。
現にリリアーナの頭の中では、ザクッと首や腕を切られるイメージがぐるぐる回っていた。
だが恐怖をぐっと圧し殺し、リリアーナは倒れているメイレンに手を差し延べた。
「お怪我はありませんか?メイレン様
初めまして、私はリリアーナと申します。我らが魔法学園にようこそ」
差し出した手が震えているのは、ご愛嬌である。
「メイレン様に一つお伺いしたいことがございます。
本日私達の学園長がメイレン様への面会を求めていた筈なのですが、お会いになりませんでしたか?」
>40>44
>「フリージア、クロウさんをお願い。
じゃあクロウさん、ちょっと狭いけど、レベッカさんと仲良くね。
それと誰も見てないからって、レベッカさんにいたずらしちゃだめだからね!」
「むしろレベッカさんにいたずらされないか不安だよ僕」
とギズモは言う
果たしてクロウの貞操は守られるのだろうか?
「・・・・・・・?意味が良くわかりませんわ」
17になってもいまだに向こうからユニコーンが寄ってくる少女
フリージアは不思議そうな顔をしてギズモを眺めるのであった
>「じゃあ皆、私はそろそろ行くね!」
「危なくなったらすぐに戻ってきなさいな!!」
と心配そうに声を掛けるフリージア
>『アアアアアアアアアッ!!アアアアアアアアッ!!』
上のほうから女性の金切り声らしきものが聞こえてきた
「・・・・上で一体何が起こってますの?」
だがこの教室から上を窺うことは出来ない
それに様子を窺いに上に登ったとしても・・・・・
「上に登ってしまえば魔法が使えなくなってしまいますわ」
多分ただの役立たずになるだけであろう
「ここはリリアーナさんを待つしかないのかしら?」
「心配だからちょっと見てくるよ。少し離れれば魔法も解けないだろうしね」
ギズモは窓から飛んで行き遠くから様子を眺める事にした
「わぁ!でっかいおば・・・・おねえちゃんだ!?」
あれがメイレンさんなのかと判断するギズモ
さて一瞬おばちゃんと言いかけたギズモ
果たして生きて帰れるのだろうか?
>33 >39 >43
スクナが放ったらしい布が、ミルクとメイファに巻きつき始めた。
だが完全に捕らえる寸前、メイファはふっと姿を消してしまった。
「しまった、瞬間移動か!」
>「ちょ、ちょっと待って王様!メイファが瞬間移動で逃げ……ギャ―――――!!!」
ふわふわした布がミルクに覆い被さり、首以外の体に巻き付いてしまった。
最初ミルクは怒っていたのだが、次第に雲行きが怪しくなってきた。
>「あー。やっぱり今の無しー。
メイファを探しに行くのはまた今度にして、今はちょっと休憩しようー」
「ミルク殿?これはいかん、忘却結界の一種ではないか!
スクナ殿、ここにメイファはもう居ない。ミルク殿を封印しても何もならんぞ」
ロウの言葉に答えるかのように、馬の蹄の音とガラスが砕ける音、
そして何者かのハイテンションな叫び声が聞こえてきた。
>バリン!バキャン!と鏡を突き破る音がミルクとリチャードの元へ近づいてくる。
ロウは思わず身構えた。
>そして一番近い鏡を突き破り現われたのは黄金の戦車!
その戦車に乗っていたのは――――血まみれのミイラ男!
ロウはミルクを守ろうと攻撃魔法を放とうとした。
だが実行する寸前、黄金の馬車を操れるのは王族だけだということを思い出せたのは幸いだった。
「もしかして・・・・・・・スクナ殿ですかな?
これはまた随分派手にやられましたな、大丈夫ですかな?」
ロウはスクナの怪我を、メイファと戦った時についた傷だと思ったようだ。
だが満身創痍のスクナの第一声は
>「おお!まさに眠れる森の美女!姫を起こすのは王の特権!
>しかしの前に・・・うひょひょひょひょ!」
メイファのことなどすっかり忘れ無防備に眠っているミルクの元へと駆け寄るのだ。
「あー。全くもって大丈夫なようですなあ」
ロウはやれやれと首を振ったが、スクナの暴挙を止めようとはしなかった。
なぜなら
>「うひょ・・・ひょ・・・ふぅあ〜〜・・・まあ、なんぢゃったか・・・・」
「ミイラ取りがミイラになった、ですかのう」
ロウは大きなため息をつくと、処置なしとばかりに首を振った。
>40
>「な、なんぢゃあああ!?」
スクナが布団を蹴飛ばし飛び上がった。
ロウはすかさずその端を握ると、思い切り引っ張った。
結果、ミルクとスクナは布団から転げ落ちることになる。
「その通り。おふた方、仲良きことはよいことですが、今は遊んでいる場合ではありませんぞ」
ロウは上空のピンクの雲と、屋上を指差し肩をすくめた。
「誰かが大いなる力を持った存在を召喚したようですなあ。
屋上に降り立ったようじゃが、生徒達が束になっても叶う相手では無さそうですなあ。
ほっほっほ、次から次へと忙しいことこの上ないですな。
さておふた方、屋上の人物と逃げたメイファの行方、どちらを優先なさいますかな?」
だめだもう寝ます。
>44
>「ちょっと背中見せて」
引き上げられて早々、リリアーナは服を捲って傷薬を塗り始めた。
>「もしかして屋上から落ちたの?痛かったでしょうに・・・・・。
今まで気づいてあげられなくてごめんね」
「すぐに騒ぎが起きたんだろ?
だったら仕方ねぇよ。」
魔法が使えないという一大事があったからな・・・
普通に気づいていたら凄ぇと思うよ。
>「というわけで、あのピンクの雲はメイレン召喚のためのものらしいわ。
で、クロウさんとマオマオ、悪いけど生徒会に、メイレンが現れるかもしれないことを伝えて欲しいの」
「・・・なるほど。
しかし魔法が使えなくなるのはまずいな。」
俺としてはどっちでもいいけど、今まで魔法を教えてきた学園にとって使えなくなるのはかなりまずい筈だ。
>「フリージアが言ったみたいに娘を迎えに来たというのなら、そのまま娘をつれてお帰り頂けば済む話よね。
レベッカさんの話では、メイレンはちゃんと敬意さえ払えば怒ったりしないんですってね。
・・・・・・・・・何事も無くお引取り願えたらいいんだけど。―――― はい、治療終わり!」
「そりゃあ何事も無ければいいけど、
呼び出すってことは本人の意思と関係ないんじゃないのか?」
転移系の魔法を使っているからわかるのだが、呼び出しは半ば強制的なものなんだよな。
>46
>「フリージア、クロウさんをお願い。
じゃあクロウさん、ちょっと狭いけど、レベッカさんと仲良くね。
それと誰も見てないからって、レベッカさんにいたずらしちゃだめだからね!」
「俺がいたずらすると思うのか?」
というか逆にいろいろやられそうで怖いんだが・・・
>「むしろレベッカさんにいたずらされないか不安だよ僕」
>「・・・・・・・?意味が良くわかりませんわ」
理解しているのはギズモくらいか・・・
>42
ああ、そうだ。
生徒会の方に連絡をしておかないと。
・・・使い魔カプセルの中から連絡ってできたっけ?
ここはマオに任せようか。
ってなんか浮かない表情だな。
>「ちょっとマオマオ、何微妙にへこんでるのよ!
(中略)
だったらもっとでーんとしてなさいよね!」
・・・俺が声をかけるまでもないか。
>「じゃあ皆、私はそろそろ行くね!」
>「危なくなったらすぐに戻ってきなさいな!!」
「俺も良くなり次第、屋上に向かうからな。」
リリアーナが教室を飛び出していくと、何人かリリアーナの後をついて教室から出て行った。
「それじゃあ俺はカプセルの中で休ませてもらうな。」
そう言って使い魔カプセルの中へ入っていった。
>43 >47
>「な、なんぢゃあああ!?」
「うーん…後五分、後五分だけ寝たら起きるから……だーっ!?」
気持ちよく寝ていた所でいきなり天地がひっくり返って、あたしは何か堅いものの上に転がった。
「乱暴なおこし方するなっていつも言ってるだろうが!?
…って、あれ?リチャードさん?ユリは?」
そこはいつものあたしの部屋じゃなく、鏡の乱立する林の中。
「あ、そっか。あたし寝ちゃってたのか…」
よいしょと身を起こして、いままでの事を思い出す。
メイファに逃げられた上にスクナの布団に巻き付かれて、それから……
>「その通り。おふた方、仲良きことはよいことですが、今は遊んでいる場合ではありませんぞ」
「別に仲良く2人で遊んでたわけじゃ……何かあったんですか?」
リチャードさんは空に浮かぶピンクの雲と、屋上を指さして肩をすくめる。
あの雲……さっきメイファが見てた煙の集まった奴か?
>「誰かが大いなる力を持った存在を召喚したようですなあ。(中略)
> さておふた方、屋上の人物と逃げたメイファの行方、どちらを優先なさいますかな?」
「えっ!?あれ召喚魔法なんですか!?」
リチャードさんの言葉に再度屋上に目をやれば、確かに強力な気みたいなものを感じる。
なんだ?もしかして、メイファは何が召喚されるか分かったから怒り出したのか?
「…メイファを探しても、言葉が通じないと説得も無理だし、瞬間移動で逃げられるだけだと思います。
で、屋上の人物の方は強力とはいえ、まだ敵か味方かわからない。
メイファはあの煙に驚いていたみたいだから、中つ国の関係者が屋上に来たのかもしれません。
レベッカかメイリンと合流して、事情を知らないか聞いてみるのはどうでしょう?
2人とも中つ国の出身者だから、メイファと出会っても話し合いになるかもしれないですし」
>>「林に残ったみなさんは大丈夫デシょうか?」
マリオは少し離れた場所から林を眺めてそう言った。
林の中からは爆発音や鏡が割れるような音が聞こえるが、戦っている状況はわからない。
「大丈夫大丈夫!心配ご無用!
ミルクの魔法は破壊力バツグンだし、王様もリチャードさんも腕に覚えがありそうだったもん!」
そう言って戦いの終わりを待つユリだが、のんびりとしているわけにも行かなくなった。
悲鳴を上げながら誰かが屋上に落ちてきた事にきづいたのだ。
それも、強力な力の持ち主が。
「んっ!?屋上に誰かが落ちてきたよ!
この気配……もしかして、殺意の波動の使い手!?」
>>「殺意の波動は知りまセンが、かなり強力な力をお持ちのようデース」
「よ〜し!誰がきたのか、ここは突撃インタビューあるのみだね!
マリオさんも一緒に屋上に行ってみようよ!」
>>「オーケーデース!」
ユリはさっそくマリオをデッキブラシに乗せ、自分も一緒に屋上を目指したが、問題が発生した。
ゴーグルを触っていたマリオが急に叫びだしたのだ。
>>「オウノーウ!屋上の人物はムウ大陸発見の邪魔になるようデース!
>> このままでは、ムウ大陸を発見できなくなってしまいマース!
>> 急いでスクナサンの所に戻ってくだサーイ!ムウ大陸の事を詳しく聞きまショー!」
「ええっ!?今から王様の所に戻るの!?
ううーん、大丈夫かなあ……」
ユリにしては、歯切れの悪い返事を返したのには理由があった。
まだ戦闘が終わっていなければ、マリオを危険な目に合わせる事になる。
屋上が危険とは欠片も考えていなかったユリも、戦闘地域に来賓を連れて行く気にはなれない。
遠話の水晶で戦いが終わったか聞くこともできるが、ミルクの魔法は集中力を必要とする。
いきなり声をかけられて集中力が途切れたから魔法失敗して大惨事、の可能性もあるのだ。
考えている間も、ユリとマリオを乗せたデッキブラシはぐるぐると校舎と林の間を回り続けている。
>42>44
「む?」
マオがヴァンエレンを抱きかかえて赤子をあやすように頭を撫でている。
「ふ…ふおぉぉ」
人間にそんなことされたことがなかったので不思議な感じに思わず声が漏れてしまい、ゴロゴロと喉を鳴らして喜んでいる。
>「ちょっとマオマオ、何微妙にへこんでるのよ!
>魔法があろうが無かろうが、あなたはマオマオでヴァンエレンはヴァンエレンでしょ?
>ギズモに言ったこと、当のマオマオがもう忘れちゃったの?
>一緒に居たければ好きなだけいればいいじゃないの!
>そもそもあなたとヴァンエレンの主従関係を断ち切ることなど不可能なんでしょ?
>だったらもっとでーんとしてなさいよね!」
どうやらマオは魔法がなくなって二人の主従関係がなくなるのではないか?ということで悩んでいたようだ。
乱暴にバシバシ背中を叩いた後、満足そうに頷くリリアーナ。
>「じゃあ皆、私はそろそろ行くね!」
クロウとマオは生徒会へ赴いて状況を説明して、どう対応していくか方針を決めてもらう。
そしてリリアーナは再び屋上へ行って娘を連れて帰るようにメイレンに交渉しにいく。
「わ、私は…」
いままで蝙蝠姿のまま黙っていたヴァンエレンがリリアーナに向かって言うが、もうすでに相手は教室を出た後だった。
「ど、どうしよう…。
リリアーナ大丈夫かな?
殺されてしまうのではないか?」
なんたって相手は学園長とタイマンやっても互角に渡り合えるという変態レベルの強さの持ち主。
機嫌を損ねようものなら死刑の宣言ひとつでリリアーナの首など一瞬で落とせるだろう。
>45>46
> 「もしかして、メイファを連れ帰るためにメイレンさんを召喚したの?」
\そうだよっ!/
『?この子誰?西方の言葉で話したわよね?うわ〜もしかしてここって西方なの?
一度来てみたいと思ってたのよね〜。あ、痛い!』
メイリンの足が、またメイレンにぶつかった。
メイリンに義手が戻らない限り、彼女はずっとメイレンを蹴り続けるだろう。
> 「お怪我はありませんか?メイレン様
> 初めまして、私はリリアーナと申します。我らが魔法学園にようこそ」
「あら、やさしいのね〜。ありがとう。」
メイレンは西方の言葉でそう答えた。そう、メイレンは西方の言葉を知っているのだ。
メイレンはリリアーナの手をとり、とりあえず上半身だけ起こした。
> 「メイレン様に一つお伺いしたいことがございます。
> 本日私達の学園長がメイレン様への面会を求めていた筈なのですが、お会いになりませんでしたか?」
「ええ?何のことかしら?今日ってお客さんが来る日だったっけ?
それに学園長って…ここってどこかの学園?」
メイレンは事情がさっぱりわからないようだった。
> 「わぁ!でっかいおば・・・・おねえちゃんだ!?」
> あれがメイレンさんなのかと判断するギズモ
メイレンの耳がぴくっと動いた。そして、ギズモを指差しながら叫んだ。
「ああっ!?ああっ!?ひっど〜い!あの子私の事“おばあちゃん”って言いかけたわ!
まだお肌だってこんなにぴっちんぴっちんしてるのに〜!」
メイレンは涙目になった。
屋上の上に浮かんだピンク色の雲が徐々にしぼんでいく。
そう、この雲はその役割を終え、天に帰ろうとしているのだ。
「あらら〜ゲートが閉じていくわね〜。ねえ、リンちゃん。
後で私をちゃんとソーシュウに連れて帰ってくれるんでしょうね〜?」
ピンク色の雲が完全に消え、屋上に魔法が戻ってきた。
あくまで、メイリンの目的はメイレンを呼ぶ事だった。
魔法が消えたのは、妖怪用ゲートをつくる際の副作用でしかなかったのだ。
「きゃあああああっ!?」
メイレンが突然悲鳴をあげた。
「あ、あなたは魔法使い!?ひいいっ、殺さないで〜!!」
そう、魔法が屋上に戻ったおかげで、リリアーナは再び魔法使いになったのだ。
何故かメイレンはリリアーナを恐れ、彼女の手を振り払うと、その場から逃げようとした。
といっても残念な事に、メイレンは先程しこたま腰を打っているため、
のろのろと地面を這うように移動するだけである。
「あひゃん!?」
メイリンはメイレンを踏みつけて彼女を逃がさないようにした。
>49
クロウが使い魔カプセルに入った時、レベッカは既に起きていた。
「よう、クロロ。」
体は治ったようだが、頭はもとのままのようだ。
「悪い、悪い(笑)お前の名前はクロウだったな。…で、ここはどこだ?
一体何が起こった?そもそも、なんで俺とお前以外の奴らがいなくなってんだ?」
ここまで質問して、レベッカはふっと笑った。
「あっ、そうか!お前が俺をこんなところに連れ込んだのか!おいおい、やってくれんじゃねーか(笑)
俺をこんな個室に押し込んで、一体何しようってんだい?」
レベッカはクロウのつま先から頭のてっぺんまで舐め回すように見た後、突然思いもよらない行動にでた。
「キャー!キャー!いきなり何すんのよ!やめてー!」
レベッカはいきなり自分から服を脱ぎ始めたのだ。
その動きは洗練され、一切の無駄の無い鮮やかなものだ。
「信じられなーい!どこさわってんのよ!」
レベッカは脱げるものを全て脱いだ後、クロウの手をつかんで自分の胸に押し当てた。
「これ以上そんなことされたら!わたし!おかしくなっちゃうー!」
レベッカはさらにクロウの服を脱がせようとしている。
このまま放っておくとどうなるかは、むしろ書きたくない。
「あれ?何かと思って来てみたけど…カタワとおばさんだけなの?」
メイレンの遙か背後には屋根に腰を掛け、シュークリームを食べている少女が居た
一見ただの女子高生に見えるが、携えている箒型の魔銃がその者をただ者ではないことを物語っている
【油断するな、奴はただ者じゃないぞ】
「だってさぁウェザー、怖い思いまでして屋根伝ってここまで来たんだよ?
それなのに、超拍子抜けなんですけど」
不満げに何かに答えると、屋根から降り魔銃を担ぐ
とメイレン越しにリリアーナの姿が確認出来た
「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
>49>50
逃げたメイファと屋上に現われたプレッシャー。
どちらを優先させるかと言う問いにミルクが合理的な理由をつけて返答をする。
うんうんと頷いていたスクナの応えも決まっていた。
元々訳もわからず引っ張られ、攻撃されたからこそ戦闘に突入したのだ。
逃げたのであればこれ以上応理由もない。
ならばミルクの意見に従うのに何の問題もない。
「うむ、逃げた者に用はない。行くぞ!ミルク乗れい!」
早速屋上へ行く為に黄金の戦車に乗り手綱を取ったのだが、黄金の戦車はピクリトも動かない。
スクナの頭に???マークが浮かび上がる。
さっきまで自在に操れていた黄金の戦車が肝心な時に動かないのでは無理もない。
暫く掛け声と共にひっぱたり押したりするが、勿論反応があるはずもない。
「うがあああ!もうよいわ!」
業を煮やしたスクナ。
黄金の戦車に蹴りをかますと、中庭から屋上を見据える。
「かなり距離があるが、できん事はあるまい!
いや、そんな弱気でどうする!
余は王の中の王!そして今は日輪が中天に輝いておる!
できる!否!やる!やってやるぞおおお!」
がああ!と吼えるその姿は一種の自己暗示なのだろう。
大きく手を広げ、校舎屋上へ向かってその腕を振るう。
すると手から1m幅の黄色の絨毯が屋上に向かって伸びていく!
「皆の者!続けいいいい!」
まだ屋上まで全然届いていないのだが、それを待っていられるかと言わんばかりに走り出した。
屋上へ向かい形成される絨毯を追うように駆けるのだったが、果たして絨毯は無事に屋上まで届くのであろうか?
>54
さて、カプセルに入ったはいいのだが、
>「よう、クロロ。」
案の定起きていたか…
治療中のカプセル内は時間が加速されているからな。
>「悪い、悪い(笑)お前の名前はクロウだったな。…で、ここはどこだ?
一体何が起こった?そもそも、なんで俺とお前以外の奴らがいなくなってんだ?」
「ああ、それはカプセルの中だかr」
いや、この表情は説明を聞いていない。
というか凄まじく嫌な予感がする。
>「あっ、そうか!お前が俺をこんなところに連れ込んだのか!おいおい、やってくれんじゃねーか(笑)
俺をこんな個室に押し込んで、一体何しようってんだい?」
「ちょっと待て!!
かなり勘違いしているぞ!!」
まずい、非常にまずいぞ。
>「キャー!キャー!いきなり何すんのよ!やめてー!」
「って脱ぐなーー!!」
すぐに顔をそむけたがカプセル内にいる限り状況は良くならないな。
>「信じられなーい!どこさわってんのよ!」
「うわ!!いきなり何をするんだ!」
油断していた。
ここまでやってくるとは…
>「これ以上そんなことされたら!わたし!おかしくなっちゃうー!」
「ってそのまま脱がせようとするんじゃねぇ!!
それと手でもませようとするな!!」
無理やりレベッカの手から自分の手を抜いて後ろに下がる。
しかしカプセルの中なのですぐ壁にぶつかってしまった。
>46 >53
やっぱりドレスの女性がメイレンらしい。
だが、そのメイレンをメイリンは蹴りつづけている。
リリアーナは訳がわからなくなった。メイレンは大妖怪で偉い人ではなかったのだろうか?
メイレンはメイレンと話しているが、中つ国の言葉なのでリリアーナにはよくわからなかった。
>「あら、やさしいのね〜。ありがとう。」
震えながらも手を差し出したリリアーナの手を、メイレンは取った。
彼女はリリアーナにもわかる言葉で話し、上半身を起こす。
だがメイレンは、学園長とスカーフェイスが面会に行った件については
>「ええ?何のことかしら?今日ってお客さんが来る日だったっけ?
> それに学園長って…ここってどこかの学園?」
と全くかみ合わなかった。
「ええと、ここはフィジル島にある魔法がk」
>「わぁ!でっかいおば・・・・おねえちゃんだ!?」
>空を飛んできたギズモがそう言った。
メイレンの耳がぴくっと動いた。ひいいい!!とリリアーナの顔が露骨に引きつった。
ギズモ危うし!である。
「あ、あのあの、今のギズモの発言はちょっとした言葉のあやっていうか・・・・・」
>「ああっ!?ああっ!?ひっど〜い!あの子私の事“おばあちゃん”って言いかけたわ!
> まだお肌だってこんなにぴっちんぴっちんしてるのに〜!」
「いや、あの・・・・・・・・・ぴっちんぴっちん?」
リリアーナの中で「恐怖!大妖怪メイレン」のイメージがガラガラと壊れていった。
少なくとも、今のところは。
>屋上の上に浮かんだピンク色の雲が徐々にしぼんでいく。
>「あらら〜ゲートが閉じていくわね〜。ねえ、リンちゃん。
後で私をちゃんとソーシュウに連れて帰ってくれるんでしょうね〜?」
リリアーナはメイリンと話すメイレンをこっそり観察していた。
とにかく背が高い。長身の女友達クドリャフカよりも頭二つは大きそうだ。
髪の色こそ違うがメイレンの顔立ちや体つきはレベッカに良く似ていて、二人の血縁関係を暗に示してた。
そんなことを考えていると、メイレンがリリアーナの方を見てぎょっとした。
>「きゃあああああっ!?」
「へっ?」
>「あ、あなたは魔法使い!?ひいいっ、殺さないで〜!!」
「え?いや、魔法使いって言っても名前だけ見たいなもので・・・・・・。
っていうか、何でそんなに逃げようとなさるんですか! 私は誰も殺したりしません!」
(もしかしてあのメイレンとは同姓同名ってだけの赤の他人?
いやでも、メイレンさんがいたらあのメイファにも勝てる!って、メイリンさん言ってたわよね?)
>「あひゃん!?」
「メイリン?!」
腰を打ったのか、のろのろと地面を這うように移動すていたメイレンをメイリンが踏みつけた。
「ちょ、メイリンさっきから何で踏んだり蹴ったりしてるの?!」
一度にいろいろありすぎて、リリアーナはメイリンの腕が外れたままだということにまだ気づいていないようだ。
リリアーナは服の上から傷薬の瓶をそっとなでた。
あまり痛いようなら治してあげたいが、どうもレベッカ達の態度からさっするに、
(理由はわからないが)傷薬を使った回復は妖怪に好まれないらしい)
痛いなら治療してあげたいが、でしゃばってメイレンの機嫌を損ねるのはリスクが高すぎる。
もう少し様子を今は時期尚早だろう。
「それよりもどうかお聞きください。
あなたの娘さんであるメイファが、学園で暴れて大変なことになっているんです。
メイリンはそのためにゲートを作って、あなたを召喚したと先ほど話してくれました。
どうか私達の話を、聞いていただけませんか?」
>55
>「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
「おば・・・・・・・」
リリアーナは絶句した。
何と言うバットタイミング。
この場合どうやってフォローすればいいのだろう?
「お、おばさんって食堂のおばさんのこと?多分食堂に居ると思うわよー」
棒読みでリリアーナはそう言うと、おもむろに話題を変えた。
「それよりもアイシャ、そんなところで何でおやつ食べてるのー?
ていうか、どうやってそこまでよじ登ったの?!危ないわよー?!」
空とぶ箒を持っているアイシャに言うにはあまりにアレだが、リリアーナの発言にはそれなりの理由があった。
なにせしょっちゅう箒に振り落とされている某箒乗りよりも、アイシャの方が空での事故率が高いのだから。
リリアーナはちらりとギズモの方を見た。
アイシャがもし落っこちたたとしたら助けてくれるだろうか?
「えっと、こちらはメイリンさんとメイレン様。中つ国からのお客様よ。
いろいろあってまだ招待客用のリボンはつけていらっしゃらないけれど、失礼の無いようにね」
これで納得してくれますように、アイシャがまた暴言を吐きませんように。
リリアーナは祈るような気持ちで、引きつった笑みを顔に貼り付けていた。
>50 >56 >40
>「えっ!?あれ召喚魔法なんですか!?」
ロウは頷いた。
>「…メイファを探しても、言葉が通じないと説得も無理だし、瞬間移動で逃げられるだけだと思います。 (中略)
> レベッカかメイリンと合流して、事情を知らないか聞いてみるのはどうでしょう?
> 2人とも中つ国の出身者だから、メイファと出会っても話し合いになるかもしれないですし」
>「うむ、逃げた者に用はない。行くぞ!ミルク乗れい!」
>早速屋上へ行く為に黄金の戦車に乗り手綱を取ったのだが、黄金の戦車はピクリとも動かない。
「あースクナ殿、わしが思うに、戦車を動かすには砂塵を巻き越す必要が・・・・・」
>「うがあああ!もうよいわ!」
ロウが最後まで言い切る前に、スクナが切れた。
>「皆の者!続けいいいい!」
スクナが校舎屋上へ向かってその腕を振るうと、手から1m幅の黄色の絨毯が屋上に向かって伸びていった。
「参りましょう、僭越ながら私がしんがりを務めましょうぞ、ほっほっほ」
ロウはそう言うと、去り際に中庭の鏡に向けて杖を振った。
地面に散らばっていたガラスの破片が、少しづつ土に還っていく。
このまま放置すれば、ロウの魔法でガラスの壁もゆっくり地面へと溶けて沈んでいくだろう。
「これでよしじゃの、ほっほっほ。では参りましょうかのう」
ロウは振り向き、スクナ達の後を追おうとした。
「・・・・おや」
だが少し目を離した隙に、ロウは二人の姿を見失っていた。
「うーむ、これは困った。でもまあ見えているし、屋上を目指して歩いていけば大丈夫ですな。ほっほっほ」
そう言ってロウは、校舎屋上を目指して走り始めた。
だがロウ本人は校舎に向かっているつもりのようだが、実際のところ彼は森の奥へ奥へと進んでいたのだった。
どうやらロウは、極度の方向音痴のようだ。
>56 >60
>「うむ、逃げた者に用はない。行くぞ!ミルク乗れい!」
「空を飛んでいくんですね!さすが王様!」
空を飛べないあたしにとって、移動手段ってのはなかなか重要な問題だ。
で、こんな時には王様の戦車が大活躍。
ちょっと人目を引くかなとも思うけど、なにしろ緊急事態かもしれないのだ。
空を飛んで目的地に向かった方が速いだろう…と思っていました。
スクナが戦車を動かそうとするまでは。
「ちょ、ちょっと王様?戦車動いてないみたいですけど?」
押そうが引こうが叩こうが、黄金の戦車はびくとも動かない。
さっきまであんなに動いてたのになんでだよ!
>「あースクナ殿、わしが思うに、戦車を動かすには砂塵を巻き越す必要が・・・・・」
>「うがあああ!もうよいわ!」
何か思いついたのか、リチャードさんが声をかけたときにはすでに王様、我慢の限界に達していたらしい。
あーあ、戦車蹴って八つ当たりしてるし。
また馬に噛みつかれたらどうするんだよ…
でも、砂塵か。
リチャードさんの言うように、確かに戦車が動くときは必ずスクナは砂塵を飛ばしている。
とすると、王様と認められるのに瓶詰め砂漠が必要?それとも……
>「かなり距離があるが、できん事はあるまい!(中略)
>できる!否!やる!やってやるぞおおお!」
あたしが色々考えている間に、スクナは気合い十分の雄叫びを上げて、黄色い絨毯を作り出した。
するすると絨毯は伸びていき、屋上へと続く橋となる。
>「皆の者!続けいいいい!」
「あ!ちょっと王様!?」
あたしの制止も聞かず、スクナは一本橋の上を屋上目指して走り出す。
中つ国関係者かもしれないのに、通訳無しで大丈夫なのかよおい!
>「参りましょう、僭越ながら私がしんがりを務めましょうぞ、ほっほっほ」
「……分かりました。よろしくお願いします」
思いっきり来賓を巻き込んで心苦しいけど、いまさら『無かったことに』とも言えない。
ここは素直に好意を受け取っておこう。
そう思ってあたしは、リチャードさんに後を任せて王様の後を追いかけ始めた。
>56
デッキブラシでぐるぐる飛び回っていたユリは、屋上に向かって絨毯が伸びていくのに気づいた。
見ていると、絨毯の上をスクナが屋上目指して走っていくのが見える。
「あ!あそこを走っていくの、王様じゃないかな!?
今ならきっとムウ大陸の話が聞けるよ!」
>>「それはグッドタイミングデース!
>> さっそくスクナさんの所にいきまショー!」
マリオとユリを乗せたデッキブラシは急加速して絨毯に近づいた。
絨毯に近づくと、ユリはスクナの上を大きく飛び越して旋回する。
一方マリオは、デッキブラシからスクナの走る先に大ジャンプして飛び移った。
ちょうどスクナの行く先を阻む場所に移動した形だ。
>>「スクナサーン!屋上に居るのはムウ大陸発見を邪魔する者のようデース!
>> 会いに行くのは危険すぎマース!
>> それよりも、邪魔をされないうちにムウ大陸を見つけたいと思いマース。
>> 『夜明けの晩』に何か思いついた事があったようデースが詳しく話を聞かせてもらえまセーンか?」
>57
「こんな狭い所じゃ、逃げ場が無いじゃな〜い!
(意訳:へへへ、こんな狭い所だと逃げられねーだろ)」
クロウを壁際まで追い詰めたレベッカはにやりと笑った。
「や〜め〜て〜!(意訳:やらせろ!)」
レベッカは叫びながら、ジャオオオオッ!っと飛び掛った。
「えぶしっ!?」
レベッカは冷たい床に頭から突っ込んだ。
「あ?あ?あ?何だ?一体何がどうなってんだ?」
解説しよう。レベッカは使い魔カプセルの中で飛びすぎたため、
そのままカプセルの外に飛び出してしまったのだ。
そのため、レベッカの装備は全てカプセルの中に残したままである。
しかし、レベッカは自分が少々全裸だからといって特に気にするような女ではない。
「いや〜カプセルの中でクロウに襲われちまってな。セクシーな女はつらいぜ。」
などと言いながらポリポリ頭を掻いた。
「はっ!?この気配はメイレンか!?」
レベッカはこの時やっとメイレンの存在に気がついた。
>55>58>59
> 「ちょ、メイリンさっきから何で踏んだり蹴ったりしてるの?!」
\愛だよっ!/
愛なら仕方が無い。
> 「それよりもどうかお聞きください。
> あなたの娘さんであるメイファが、学園で暴れて大変なことになっているんです。
> メイリンはそのためにゲートを作って、あなたを召喚したと先ほど話してくれました。
> どうか私達の話を、聞いていただけませんか?」
>「嘘よ〜ん!そう言って娘の話で私の気を引いて、一気に喉を掻き切るつもりなんだわ〜!
> 魔法使い恐い〜!まんじゅうも恐い〜!」
メイレンはよほど魔法使いが恐いらしく、リリアーナの話を取り合わなかった。
> 「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
突然現れた緑色の髪の女の子が、言ってはいけないことを言ってしまった。
> 「おば・・・・・・・」
>「あ〜!あ〜!あ〜!あの子私の事、“おばあちゃん”って言ったわ!うえ〜」
リリアーナがフォローを入れたものの、結局メイレンは泣き出してしまった。
ちなみにメイレンに言わせれば、“おばちゃん”も“おばさん”も“おばあちゃん”も同じらしい。
まあ、確かに。外人のメイレンにはこれらのニュアンスの違いがわからないのだろう。
> 「えっと、こちらはメイリンさんとメイレン様。中つ国からのお客様よ。
> いろいろあってまだ招待客用のリボンはつけていらっしゃらないけれど、失礼の無いようにね」
「うえ〜…あふん!」
メイレンは時々メイリンに踏まれながら泣いている。
ところで年増呼ばわりされてこんなに心が潰れるなら、逆に若さを称えるとどうなるのだろうか?
>55>59>63
>「いや〜カプセルの中でクロウに襲われちまってな。セクシーな女はつらいぜ。」
「クロウさん・・・・趣味が悪いですわ」
どっかの黒猫ならこの獣がぁ!!とかなる所だろうが
フリージアには正直どうでも良かった
「そんな事はどうでもいいですわ!服を着なさい服を!!」
レベッカに対し服を着るように叫ぶフリージア
>「はっ!?この気配はメイレンか!?」
「そんな事は最初からわかってますわ!いいから服を着なさいな!!」
>「嘘よ〜ん!そう言って娘の話で私の気を引いて、一気に喉を掻き切るつもりなんだわ〜!
> 魔法使い恐い〜!まんじゅうも恐い〜!」
「まんじゅう怖い・・・・ってそれ好きなんじゃ」
とりあえず突っ込んでおくギズモ
>「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
色々とひどいことを言うアイシャ
「・・・・・・・毒舌キャラ?」
アイシャに変な感想を持つギズモであった
>アイシャがもし落っこちたたとしたら助けてくれるだろうか?
というリリアーナの視線を感じとり
何でこっちを見たのかはわからないがとりあえずギズモはサムズアップして返しておいた
> 「うえ〜…あふん!」
「なんという豆腐メンタル・・・・・」
あまりのメンタル面の弱さに色々と驚いているギズモ
きっとメンタルは弱いけど実力は高い・・・・・はずである
「だ、大丈夫だよ!実年齢はともかく見た目は若いんだから!!
どっかのエルフのお姉ちゃんも300歳までならお姉さんだって言ってたし!!」
とりあえず自分なりに励まそうとするギズモ
何でエルフが基準なのかは謎であるが
そもそも悪魔族に寿命があるかも謎である
「まあそんな細かい事はどうでもいいとして、早く悪い事した娘さんをお尻ぺんぺんしてあげてよ」
母親でしょ?見たいな顔をしてメイレンを見るギズモ
そういう表現を使うということはギズモはいつもやられていたのだろうか?
>44 >45
>「ちょっとマオマオ、何微妙にへこんでるのよ!
>(中略)
>だったらもっとでーんとしてなさいよね!」
一人でセンチメンタルな気分に浸っていると、
リリアーナがお節介心丸出しで僕に強く言い始める。
「べ、別に関係な―――ッ!!!」
反論しようと思って口を開いたが背中をバンバンと叩かれたために舌を噛んでしまった。
「げほげほっ、分かったからやめろ。分かってる…
そ、それに僕はヴァンエレンのことで悩んでいた訳では…」
>「じゃあ皆、私はそろそろ行くね!」
すると元気に教室を飛び出していってしまったリリアーナ。
くそ……言いたいことだけ言って逃げるとは…
>「ど、どうしよう…。
>リリアーナ大丈夫かな?
>殺されてしまうのではないか?」
見下ろすと一匹の蝙蝠がリリアーナの身を案じていた。
なんかそれにイラっときたのでとりあえず耳をつねる。
さてと、あとは生徒会の方に連絡か……どうしよう。
真実を言わないわけにはいかないし、かといって下手に介入されても厄介だ。
少し考えたあととりあえず念話を使って本部に通信する。
≪現在屋上に大妖怪メイレンが召喚された。
教師達がこれに対処中なので生徒会役員は屋上につながる一帯を封鎖し
一般生徒の出入りを禁止せよ。それと同時に一般生徒の避難を誘導せよ≫
こんなもんか……やれやれ、副会長がここにいればやってくれるというのに、
クロウも治療カプセルに入ってしまったし。
「よし、じゃあ行くぞ」
どこへ?という顔で見つめてくるヴァンエレンの頭を軽くはたき言葉を続ける。
「リリアーナの所に決まっているだろう。お前は心配なんだろ?
だったら近くに行って守るか手助けしてやるしかないじゃないか。」
そして教室から出るとリリアーナの後を追っていく。
何やら屋上から悲鳴のような声が聞こえて足を速めるリリアーナに追従していく。
>45>53-55
屋上にたどり着くいたその先に待っていたのは、
メイリンがメイレンを踏みつけいるというSMプレイだった。
「ヴァンエレン、妖怪とか魔族とかそういうのはみんな歪んでいるのか?性的な意味で」
どう反応していいやら困っているとリリアーナにメイリンのメモを手渡される。
どうやらメイリンに反応があったら読んでほしいということらしい。
しかしその後の会話をよく聞いているとメイレンは学園長と話しをしてはいないらしく、
それどころか来訪することすら知らない上になぜここにいるのかも分からない様子。
さらにはギズモのおばさん扱いに泣くことに始まり、リリアーナが魔法使いと分かるや否や命乞いまでする。
>「チョリーッス!リリっちあのさぁ、おばさん知ってる?」
部外者までやってきてなにやら想像していたのと全然違う状態にさっきまで考えていた自分がバカみたいだ。
>58>63>64
>「ちょ、メイリンさっきから何で踏んだり蹴ったりしてるの?!」
「愛だよっ!と言っているな。サディズムでも持っているのかも」
なんだか妖怪の家族というのはいろいろと問題が多いようだな。
その間にもアイシャのおばさん呼ばわりに泣きじゃくっているメイレン。
「どうするんだよ、お前入ってきたせいで話しが進まないじゃないか!」
だいたい、年上かよくは分からないが女におばさん扱いは危険すぎる。
>「なんという豆腐メンタル・・・・・」
「……まあ、女だから分からなくもないが、ちょっと脆すぎるな」
目の前で踏まれながら泣いている大きい女が最凶の妖怪とは信じられない。
いや、むしろそこが狙いで全部演技という可能性もあるが………
>63
>「こんな狭い所じゃ、逃げ場が無いじゃな〜い!」
「くっ」
まずいな。
こうなったら投げ飛ばしてでも逃げるか?
でも腰がうまく動くかどうか…
>「や〜め〜て〜!」
「ヤバ!!」
そんな事を考えているうちにレベッカがジャオオオオッ!っと飛び掛ってきた。
のはいいんだけど・・・
「・・・スゲェ跳躍力だな。」
どうやら飛び過ぎたらしく、カプセルの外へと出てしまったようだ。
「まあ、これでゆっくりできるか。」
10時頃から会長を探して校内を駆けずり回っていたからな。
それが妖怪騒ぎに巻き込まれるとかとんだ災難に出くわしたもんだ。
「ふぁぁぁぁぁ・・・」
静かになったら眠くなってきたな。
カプセル内は療養中、時間が早くなっているし一休みしていくか。
>63-65
リリアーナの視線を感じとったのか、ギズモは任しとけ!と言うようにサムズアップしてみせた。
リリアーナはぱっと顔を輝かせると、嬉しそうにこちらもサムズアップで返した。
>「あ〜!あ〜!あ〜!あの子私の事、“おばあちゃん”って言ったわ!うえ〜」
リリアーナがフォローを入れたものの、結局メイレンは泣き出してしまった。
「あ、あの・・・・・・おばあちゃんなんて誰も言ってないですよー」
リリアーナはそう言ったが、メイレンは全然こちらの話を聞いてくれない。
時々メイリンに踏まれながら泣いているメイファに、リリアーナはほとほと困り果ててしまった。
>「なんという豆腐メンタル・・・・・」
>「……まあ、女だから分からなくもないが、ちょっと脆すぎるな」
「え!エリートマオマオでも外見のこと言われるとへこむの?」
リリアーナは少し意外そうな顔をしたが、何か思いついたらしくポンと手を打った。
「あ、うん。そのジャージ、とても似合ってると思うよ。何と言うか、只者じゃないって感じがするもの!!」
・・・・・・・・・・・一応、本人はフォローしているつもりのようだ。
ちなみにマオが今着用しているジャージは、熱血副会長お手製だ。
だが、ただのジャージではない。
ラメが入った上に、色んなビーズ類でマオと名前まで入っているのだ。
もちろんマオ専用なのは言うまでも無い。
>64
>「だ、大丈夫だよ!実年齢はともかく見た目は若いんだから!!
どっかのエルフのお姉ちゃんも300歳までならお姉さんだって言ってたし!!」
ギズモはそう言ってフォローした。
それを聞いたメイレンの反応に、リリアーナは希望の光を見出した気がした。
リリアーナは思いっきりこくこくと頷き、ギズモの援護射撃を始めた。
「お子様がいらっしゃるとは思えないくらいお若いですよー。お肌もつやつやで羨ましいです。
スタイルだって抜群ですし・・・・・胸だって・・・・・・」
そこでなぜかリリアーナはどんよりとなった。
>「まあそんな細かい事はどうでもいいとして、早く悪い事した娘さんをお尻ぺんぺんしてあげてよ」
>母親でしょ?見たいな顔をしてメイレンを見るギズモ
「メイファは魔法使いを敵視して、学園の皆をいきなり攻撃してきました。
負傷者もたくさん出ましたし、このままではメイファと魔法使いの全面対決になってしまいます。
・・・・・・ところで、なぜメイレン様はそんなに魔法使いを恐れるのですか?
メイファは魔法使いを敵視しています。
メイリンさんは私達を嫌ってはいますが、怖れてはいません」
リリアーナはそういいつつ、ちらっとメイリンの方をみた。
(あれ?)
そしてようやくリリアーナは、彼女の腕が無くなっていることに気づいた。
「ちょっとメイリン、あなたの両腕が無いよ!!」
リリアーナは慌ててメイリンの義手を探した。義手はすぐに見つかった。
だがメイリンの義手で刺されたレベッカのこともある。
だがこのまま彼女に腕を返してもいいのだろうか?
リリアーナは一瞬意見を請うようにマオ達のほうを見て、そしてうん、と一つ頷いた。
「メイリン、あなたに義手を返しても、私の友達に危害を加えたりしないって誓えるかな?
もし約束してくれるのなら、今すぐこの腕を返すわ」
>60>61>62
中庭の林から校舎屋上へと向かって伸びる黄色い絨毯。
それは正に一本の架け橋となるべく伸びている。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!いまいくぞおおおお!!」
絨毯の形成スピードと同じ速度で先頭を走るスクナのテンションは高かった。
付いて来い!と言った割には後ろは全く振り向かず、リチャードがはぐれている事など全く気付いてもいない。
それどころか、後ろにミルクが付いてきているかどうかすらも埒外だった。
それもそのはず。
この架け橋となる絨毯はスクナが編みながら伸ばしているのだ。
足場を作りつつ移動するだけでスクナの集中力は全て使われており、他の事を考える余裕などないのだから。
架け橋の絨毯も中ごろまで伸びた頃、突如としてスクナの前にマリオが降って来た。
「ぬ、ぬああ!どけええい!!」
>>「スクナサーン!屋上に居るのはムウ大陸発見を邪魔する者のようデース!
突然布って沸いたマリオ。
そして足場は正に一本道。
避ける事もできず、スクナのとった行動は・・・
「わっはっはっは!そなたも王と言うものがわかってないのう!
邪魔があれば粉砕して踏み砕きそのまま通る!
避けてゆくなど下賎の者のすることぢゃ!」
なんとスクナは激突する瞬間にマリオを小脇に抱え走り続けたのだ。
危険や邪魔と言うキーワードはスクナの足を止めるにはあまりにも不足。
と言うか、むしろ逆に燃え上がらせる結果になってしまった。
とはいえ、大の大人一人小脇に抱えて走るのはあまりに不便。
進むスピードが落ちたところで更にマリオの言葉が続く。
>> 『夜明けの晩』に何か思いついた事があったようデースが詳しく話を聞かせてもらえまセーンか?」
「ん?おお、そのことか!」
すっかり忘れていた矛盾歌とカゴメカゴメについて問われ、興味をそそられ足を止めた。
マリオを小脇から下ろし、少し腕を組み考え出した。
「うむ、【夜明けの晩】な。それについてはこやつに説明させよう。」
そういいながらベストをはだけさせ、胸元のツイナの刺青を露にさせる。
すると刺青の目が開き、ツイナが語り始めた。
語り始めに色々ネガティブな言葉が並ぶが、要約すると以下の通りとなる。
リョウメン族は昼夜によって入れ替わるニ身一体の一族。
太陽が空にある時はスクナとなり、対となるツイナは刺青としか現われられない。
夜の帳が落ちればツイナとなり、対となるスクナは刺青となる。
しかし、それぞれ逆転する事が可能なのだ。
ツイナの持つ誘光鐘は局地的に昼の状態にし、スクナの持つ夜陰香炉は局地的に昼を夜にすることができる。
つまり、夜明けに夜陰香炉を使えば局地的にではあるが、【夜明けの晩】を作り出す事ができるのだ、と。
「と言うわけなのぢゃ。」
説明が終わるとまるで自分が説明したかのように胸を張りうんうんと頷くスクナだが、まだ気付いていない。
この絨毯の架け橋がスクナの手によって形成されこの形を保っているという事を。
そしてまり音の会話の最中、足も手も止まってしまっている事を。
結果、屋上へ向かって伸びていた絨毯の架け橋は徐々に力を失いしなり、角度と共に高度を失い始めている事に!
「ふ〜ん、そうなんだ」
【メイレン…だと…】
目の前の人物が、何者か理解し納得した素振りを見せるアイシャに対し
ウェザーは口調からでも分かるぐらいにあせっていた。
「知ってんのウェザー?」
【ファン・メイレン・スイション…第二次文化革命にて最も魔法使いを狩った大妖怪だ】
「ふーん」
だが本人を目の前にしてもアイシャはその事をイマイチ信じられなかった
目の前で子供のように泣きじゃくるこのおばさんがそこまで恐れられる存在だと思えなかったのだ。
>「どうするんだよ、お前入ってきたせいで話しが進まないじゃないか!」
「私のせいじゃないし、勝手に泣き出したんじゃん
あぁ〜やだやだ、これだからいい子ちゃんは嫌いなんだよな〜」
アイシャにとっては当然のことを口に出しただけの事
それで泣き出してしまったのを自分のせいにされちゃたまったもんじゃないと
マオに皮肉を吐きながら手をあげてみせる。
とりあえず、現状は大体把握出来たところでもう一度辺りを見回す。
メイレンにはもうフォローに何人か入っているみたいが…
【これ以上下手なことを言っら敵に回りかねないな…私も慰めなければならないか】
あのおばさんの事はウェザーに任せるとして、メイリンとかいったもう一人の方にはリリアーナが話している。
>「メイリン、あなたに義手を返しても、私の友達に危害を加えたりしないって誓えるかな?
もし約束してくれるのなら、今すぐこの腕を返すわ」
「リリっちさぁ〜言ってる事が甘いよ激甘…
そんなの口だけ言えばそれで終わりじゃん、ちょっとソレ貸して」
そう言ってアイシャはリリアーナからメイリンの義手を奪うとメイリンの前にちらつかせる
「メイリンっつったっけ?私アイシャよろしくね
これ返して欲してほしいの?リリっちとの約束を守れるなら片方だけ返してあげる
でもね…もしそれを破る真似をするなら、しばらくは片腕で過ごすしかないんじゃない?
この騒動が終わってからリリっちの判断で返したり返さなかったりするんじゃないかな?」
ニコニコしながら、軽い口調でエグい交渉を持ちかけた。
その間、ウェザーはメイレンのサポートに回っていた。
【先ほどは私(ワタクシ)の奴隷が失礼をお掛けしました】
とはいったもののその存在は声でしか認識できないはずだ
【あなたのような美しい方に声をかけられない身分であるのは重々承知していますが
あなたの涙とその麗しいお姿を認識してしまい、いてもたってもいられなくなりました
あなたに涙は似合ません…どうか、涙を拭きこのム…ゴホンゴホン…
この者らの些細な願いを聞いてはどうでしょうか?】(CV中田譲治)
とこんな調子で慰めて(口説いて)いた。
ちなみに、ウェザーとアイシャの関係は奴隷ではなく、共存に近い
>65
「いでででで!」
つねられた耳が痛くて涙目になりながらマオを見上げて不満げに見つめる。
「何すんの?」
しかし反応はなく生徒会本部に念話を入れている最中のためにヴァンエレンの言葉は耳に入っていない。
「ぶーぶー。御大将は最近おーぼーだぞ」
>「よし、じゃあ行くぞ」
どこへ行かれるのですか?
きょとんとするヴァンエレンのその様子をみたマオは軽く頭をはたいた。
>「リリアーナの所に決まっているだろう。お前は心配なんだろ?
>だったら近くに行って守るか手助けしてやるしかないじゃないか。」
「え、え?えー!?」
肩に乗ったままの蝙蝠ヴァンエレンは成す術もなく、自らの地雷によって死地へと送り込まれることになった。
道の途中で誰かの悲鳴が聞こえて更に不安を高めてしまったヴァンエレンだが、戻りましょうとは言える雰囲気ではなくなっている。
>53>55>69
屋上にたどりついた…のだが、どんな地獄絵図が待っているのか?と実際みてみると別の意味で凄まじい光景がそこにあった。
メイリンが恐怖の大王メイレンを踏んだり蹴ったりしている。
>「ヴァンエレン、妖怪とか魔族とかそういうのはみんな歪んでいるのか?性的な意味で」
「みんながみんなそういうわけではないが…だいたいあってる、と思うたぶん」
死の王しかり、その他の地下図書館に住む種族の王たち然り…。
ほんとロクでもない魔物や妖怪が地下図書館には集まっているのである。
この光景を目の当たりにしたヴァンエレンはというと、あまりにも想像していた姿との差が激しすぎて混乱を招いていた。
そして極めつけはギズモや登場したアイシャのおばさん発言による号泣。
もうなにがなんだかよくわかりましぇん。
「メイレン…なんだか私と似ている気がするなぁ」
魔法使いにおびえる姿といい悪口を言われて泣き出すところといい、どこか自分の姿を重ねてしまうヴァンエレンだった。
>「どうするんだよ、お前入ってきたせいで話しが進まないじゃないか!」
>「私のせいじゃないし、勝手に泣き出したんじゃん
>あぁ〜やだやだ、これだからいい子ちゃんは嫌いなんだよな〜」
「な、なんたることなんたること…」
マオを挑発し怒りを誘っているアイシャ。
いい子は悪口を言うのはやめましょう。
フリージアギズモコンビとアイシャの登場、さらにメイレンが想像とはまったく違っていたことでリリアーナに対する危険はほぼなくなったとみていい。
「私の心配は取り越し苦労だった…のかな?」
>64>67>69
> 「だ、大丈夫だよ!実年齢はともかく見た目は若いんだから!!
> どっかのエルフのお姉ちゃんも300歳までならお姉さんだって言ってたし!!」
> とりあえず自分なりに励まそうとするギズモ
「…私とっくに300歳すぎてるんだけど。」
と、メイレンは言ったが、泣き止んだところを見るとまんざらでもないようだ。
> 「お子様がいらっしゃるとは思えないくらいお若いですよー。お肌もつやつやで羨ましいです。
> スタイルだって抜群ですし・・・・・胸だって・・・・・・」
「(胸だって)…フジヤマボルケーノ?」
リリアーナの言葉を引き継いだメイレンは、リリアーナと反比例するようにハッピーな気持ちになった。
> 「まあそんな細かい事はどうでもいいとして、早く悪い事した娘さんをお尻ぺんぺんしてあげてよ」
「ええ?どういうことかしら?」
メイレンはやっとこちらの話を聞くようになった。
> 「メイファは魔法使いを敵視して、学園の皆をいきなり攻撃してきました。
> 負傷者もたくさん出ましたし、このままではメイファと魔法使いの全面対決になってしまいます。
> ・・・・・・ところで、なぜメイレン様はそんなに魔法使いを恐れるのですか?
> メイファは魔法使いを敵視しています。
> メイリンさんは私達を嫌ってはいますが、怖れてはいません」
「ま〜!そんな事があったの!なんてことかしら!
それはリンちゃんもファちゃんも若いからよ。私も昔はそうだったわ。
でも、今は私と長女のテンちゃんは知っているの。“命につく名前”の強さを。」
そこまで言った後、何故かメイレンはまた泣きそうになった。
> 「ちょっとメイリン、あなたの両腕が無いよ!!」
> リリアーナは慌ててメイリンの義手を探した。義手はすぐに見つかった。
> 「メイリン、あなたに義手を返しても、私の友達に危害を加えたりしないって誓えるかな?
> もし約束してくれるのなら、今すぐこの腕を返すわ」
> 「リリっちさぁ〜言ってる事が甘いよ激甘…
> そんなの口だけ言えばそれで終わりじゃん、ちょっとソレ貸して」
> そう言ってアイシャはリリアーナからメイリンの義手を奪うとメイリンの前にちらつかせる
> 「メイリンっつったっけ?私アイシャよろしくね
> これ返して欲してほしいの?リリっちとの約束を守れるなら片方だけ返してあげる
> でもね…もしそれを破る真似をするなら、しばらくは片腕で過ごすしかないんじゃない?
> この騒動が終わってからリリっちの判断で返したり返さなかったりするんじゃないかな?」
メイリンが喋れない事情を知らないアイシャには、
ただメイリンが無視しているようにしか見えないかもしれないが、棒メイリンはしっかり動いていた。
\誓ってもいいけど、まずは片手をつけなっ!さもなきゃ、手を上げて誓う事ができないよっ!/
棒メイリンは、手が無いと誓えないから、まずは手をつけろと言っているのである。
> その間、ウェザーはメイレンのサポートに回っていた。
> 【先ほどは私(ワタクシ)の奴隷が失礼をお掛けしました】
「あらま〜ご丁寧にどうも。」
しかし、メイレンには声の主が見えない。
> 【あなたのような美しい方に声をかけられない身分であるのは重々承知していますが
> あなたの涙とその麗しいお姿を認識してしまい、いてもたってもいられなくなりました
> あなたに涙は似合ません…どうか、涙を拭きこのム…ゴホンゴホン…
> この者らの些細な願いを聞いてはどうでしょうか?】
「んま〜!そんな風に言ってもらえるなんて感激だわ〜!」
メイレンはすっかり上機嫌になった。よほど嬉しかったのか、
立ち上がり、くるっとターンを決めてみせる。腰が痛いのはどうした、メイレン。
「改めて名乗らせていただくわ。私の名前はファン・メイレン・スイション。
“スイションちゃん”って呼んでね♪」
メイレンはそういって自己紹介した。怒りがわいてきた人はそれを政治にぶつけてください。
「ねえ、“姿が見えない卿”様。苦しくないから、どうか私に姿を見せてちょうだい♪
スイションちゃんの お ね が い (愛好)」
メイレンは身の毛のよだつ態度で、ウェザーに姿を見せるように頼んだ。
今のところウェザーが、この中では一番メイレンの好感度が高いようである。
>64
> 「そんな事は最初からわかってますわ!いいから服を着なさいな!!」
「バーロー!着る気があっても着る服がねえ(笑)」
何故か嬉しそうにレベッカはそう言った。実際、自分が着ていた服はまわりに無い。
そもそもレベッカは、自分が使い魔カプセルの中にいたことさえ知らないのだ。
「ありのままに、起こった事をおめーに話してやんよ。」
レベッカは、メイリンに刺された後いつの間にか見知らぬ空間にいて、
その後クロウと二人きりになり、そして二人の間に何が起こったのかを、
レベッカ的に楽しい妄想(美女と野獣:美女=レベッカ、野獣=クロウ 的な)
を織り交ぜながらフリージアに話した。
「その後いきなりこの教室に飛ばされたってわけよ。どうだ?わかったか?」
レベッカはフリージアに同意を求めた。
「何はともあれ、もう一度あそこに戻って槍をとってこねーとな。」
どちらかと言えば、服はどうでもいいらしい。
>66
レベッカはフリージアに協力してもらい、再びカプセルの中に入った。
「なんだよ、あれだけ興奮してたのにもう寝てやがる。つまんね。」
レベッカは、カプセルの中での時間が現実世界より早いという事を理解できなかったようだ。
実際、レベッカがカプセルの外へ飛び出してから、もう随分時間がたっているのだ。
レベッカは着るべき服をすぐに発見できた。
レベッカは何もいわずに服を着始めた。実際問題として、服は無いと不便なのだ。
しかし、レベッカは眠っているクロウを見て、ふと着替えていた手を止めた。
「…アハ(愛好)」
レベッカは履きかけていたズボンの中をごそごそとまさぐり、
何かを取り出した。パンツである。
「迷惑かけて悪かったな。ぐっすり眠って、いい夢みてろよ。」
レベッカは眠っているクロウにそう声をかけると、彼の頭に自分のパンツをかぶせた。
「よう、待たせたな。」
レベッカはカプセルの中から出てきて、フリージアに声をかけた。
「で、どうすんだお前は?メイレンのところへ行くのか?」
>69 >71
リリアーナの説明に、アイシャは一応の納得を見せた。
ウェザーはメイレンの事を知っているらしい。物知り博士である。
ギズモとリリアーナのフォローにより、メイレンはやっと機嫌を直した。
>「ま〜!そんな事があったの!なんてことかしら!
> それはリンちゃんもファちゃんも若いからよ。私も昔はそうだったわ。
> でも、今は私と長女のテンちゃんは知っているの。“命につく名前”の強さを。」
>そこまで言った後、何故かメイレンはまた泣きそうになった。
「命につく名前、ですか・・・・・・。
そう言えば、レベッカさんも同じようなことを仰っていました」
確かその時レベッカに何のことかと問い掛けたのだが、答えは無かったのだ。
命の名前とは、一体何のことだろう?
(――――あれ?)
ふと、何かが記憶の琴線に触れた気がした。
だがそのイメージは、明確な言葉になる前に溶けて消えてしまった。
>「リリっちさぁ〜言ってる事が甘いよ激甘…
> そんなの口だけ言えばそれで終わりじゃん、ちょっとソレ貸して」
「えっ?!ちょっとアイシャ、何するのよ!」
アイシャはリリアーナからさっとメイリンの義手を取り上げると、メイリンの前にちらつかせる。
>「メイリンっつったっけ?私アイシャよろしくね
> これ返して欲してほしいの?リリっちとの約束を守れるなら片方だけ返してあげる」
「ちょっと、そんな勝手に・・・・・・・」
リリアーナは言葉に詰まったが、確かにアイシャの言うことも一理あると思った。
>「でもね…もしそれを破る真似をするなら、しばらくは片腕で過ごすしかないんじゃない?
> この騒動が終わってからリリっちの判断で返したり返さなかったりするんじゃないかな?」
「アイシャ、残念ながらメイリンは喋れないのよ。
だけど、マオマオが持っているメモを見れば、彼女の話したいことがわかるわ。
ねえヴァンエレンにマオマオ、メイリンはなんて言ってるのかな?」
リリアーナはメイリンの言葉を受けて、アイシャに手を差し出した。
「わかった。じゃあアイシャ、メイリンに片腕を返したいから、私に義手を渡して。
その後はギズモもアイシャも少し離れててくれるかな?」
リリアーナは、メイリンに義手を返す役を誰にも譲る気は無かった。
なぜなら、メイリンは危害を加えないと約束する前に片腕を返せと言っているからだ。
メイリンがメイファを最優先としているのは、メイレン召喚を止めようとしたレベッカへの対応でも明白だ。
リリアーナはメイリンに協力して、一刻も早くメイファを保護して欲しいと思っている。
だが、メイリンが必ずしもリリアーナのやり方や考えかたを良しとするとは限らない。
――――万が一の時に割を食うのは、大甘な自分だけで十分だった。
「メイリン、あなたの義手はどうやってつければいいのかな?
あれっギズモ、もしかしてあなた、この義手の扱いかたを知ってるのかな?」
後ろではメイレンが異様なハイテンションになっている。
そのはじけっぷりは、とても齢300歳オーバーとは思えない。
ただ、いつの間にか体の痛みは引いたらしい。
その辺は大妖怪の面目躍如といったところだろうか。
その更に後方では、校舎に向けて作られる絨毯の上を爆走する人影があった。
リリアーナはまだ気づいていない。
だがもし周囲の状況を少し引いた場所で観察できる者が居れば、きっとスクナ達を発見出来るだろう。
>72
>「その後いきなりこの教室に飛ばされたってわけよ。どうだ?わかったか?」
「色々と怪しいけど・・・・わかりましたわ」
なんとなくだがうそっぽい気がするフリージア
まあどうでもいいので気にしないが
>「何はともあれ、もう一度あそこに戻って槍をとってこねーとな。」
「仕方ありませんわねぇ」
フリージアはもう一度レベッカをカプセルに戻すのであった
>「で、どうすんだお前は?メイレンのところへ行くのか?」
「ギズモちゃんやリリアーナさんがいるんだから私がいかない訳にもいきませんわ!」
色々とぶっちゃけるとメイレンが怖いから行きたくないのだが
行かないわけにもいかないだろうというのが心情である
フリージアは知らなかった・・・・メイレンがすごくあれな人だという事を
>73
>「メイリン、あなたの義手はどうやってつければいいのかな?
あれっギズモ、もしかしてあなた、この義手の扱いかたを知ってるのかな?」
「伊達に使い魔なのに図書館で本を借りる許可は持ってないよ」
一体全体どうやって許可を取ったのだろうか?謎である
「義手の取り扱いは本で読んだこともあるし、実際にやった事もあるよ」
えっへんと無駄に偉そうなギズモ
母親(主人)にそっくりである
ペットは飼い主に似るとはこの事か
「でも女の子の肌を直接見るのは男としてどうかと思うんだ」
そんなギズモはフリージアと毎日お風呂に入っているのだが
ギズモにとってフリージアは母親的存在なのでノーカウントである
「だったらまた私が指示を出せば問題ありませんわ!!」
何故か特撮ヒーローのように高いところから現れるフリージア
ぶっちゃけると階段上るのめんどくさかったから空飛ぶ雪の結晶で窓から飛んできたのである
「わぁv1000年氷河の雪の下から甦ったヒーロー、キャプテンブリザードだ!」
いつもと逆にボケてみるギズモ
「そう私は正義のヒーロー、キャプテン・・・・って!違いますわ!
私は氷結姫フリージア!フリージア・ノクターンですわ!!」
誰にも聞かれていないのに自己紹介をするフリージアであった
>60 >68
屋上へと続く絨毯橋は、一本道だけどなかなか広さがあって、落ちる心配はなさそうだった。
代わりに走っても走ってもスクナに追いつけないんだけど。
くっそー、王様なかなか足が速いじゃないか。
>「ミルクー!危ないから屋上に行っちゃダメだって、マリオさんが言ってるよー!」
「ん?ユリ?」
えっちらおっちら走っていると、頭上からユリが降りてきて、併走して飛び出した。
良いよな、空飛べる奴は。
「危ないって、なにが危ないのよ。
それに肝心のマリオさんはどこに置いてきたのよ」
>「マリオさんなら、王様の所でムウ大陸の話を聞いてるよ。
> なんか屋上に着た人は、ムウ大陸見つける邪魔になりそうなんだって。
> リチャードさんはどったの?」
「何言ってるんだか。リチャードさんなら後ろに……あれえ!?」
ユリに言われて振り向くと、後を追ってきているはずのリチャードさんの姿が、影も形もない。
道に迷った…訳ないよな?一本道なんだし!
「し、しんがりを任せて来ちゃったんだけど、何かあったのかな!?」
>「えー!?危ないよー!ちょっと探しに行ってくる!!」
「どこにいるか分かるように、林の上から声かけて探せよ!」
ユリは林の上にすっ飛んでいって、『リチャードさーん!』とか叫び始めた。
まあこれで余程の事が無い限り、リチャードさんは大丈夫だろう。
後は、大丈夫じゃない王様から目を離さないようにするだけだ。
しばらく走ったあたしは、ようやく王様&マリオさんの所に到着した。
どうも話の内容からして、ツイナが【夜明けの晩】について説明中らしい。
かなーりネガティブ思考も入ったその話を要約すると、あの昼夜逆転させるアイテムが鍵のようだ。
夜明けに夜を呼び出すことで、一時的に夜明けの晩を作り出す。
それなら確かに、一見不可能に思える条件を達成できる。
>「と言うわけなのぢゃ。」
>>「実にスバラシイ推理デース!
>> これなら一時的に、夜明けの晩という矛盾する状況が実現できマース!
>> やはりスクナさんは王の資格をお持ちのようデースネ!」
「いや…今説明してたのはツイナの方なんですが…」
そりゃ確かにスクナも気づいてはいたみたいですが。
それと王の資格は関係ない気がします。
しかし、昼夜逆転が鍵ねえ…
もしかしてムウ大陸人って、スクナやツイナのご先祖だったりするんだろうか。
>>「これで時間の謎が解けマーシタ!
>> 後は場所デースが、【かごめかごめ】の最後の言葉が場所を表していそうデース!
>> 後ろでありながら正面の場所を見つければ、必ずムウ大陸への道が開けマース!」
ユリと同じくらい興奮しているマリオさんの体が、大きく揺れた。
地震?いや、ここは絨毯の上だから…もしかして!
下を見れば、ぐんぐん迫る固い地面。
ここから落ちたら墜落と同じだろおい!
「ぎゃーっ!落ちる!橋が落ちてるーっ!!」
>>「これはいけまセーン!早く降りまショー!」
マリオさんはそう言って、ひらりと絨毯から地面に飛び降りる。
ちょっと待てかなり高さあるだろこれ!なんで無事なんだよ!
>>「そこはキケンデース!早く逃げてくだサーイ!」
「無理ーっ!誰かたーすけてーっ!!」
>75
得意気な顔でマリオに説明しているとミルクが追いついてくる。
褒められる姿をミルクに見せつけようとますます胸を張るスクナだが、状況はそれどころではなかった。
中庭の森と校舎屋上までの中間地点。
それなりの高さの場所で絨毯の架け橋が揺れ始めたのだ。
支えも無にこれだけの距離を伸ばしてきて、今その形成が止まってしまっているので当然と言えば当然。
>>「そこはキケンデース!早く逃げてくだサーイ!」
>「無理ーっ!誰かたーすけてーっ!!」
マリオはさっさと飛び降り、ミルクが悲鳴を上げる。
そしてスクナは・・・とても嬉しそうに満面の笑みを浮かべていた。
「ああ・・いいのぅ。この反応。東方の女子達はこんな可愛い反応してくれなんだからのう。」
危機感が無いというか、物事の優先順位が間違っていると言うか。
とりあえず感無量と言った感じでミルクの悲鳴をひとしきり味わった後、漸く動き出す。
「安心せい、最早修復は不可能ぢゃ。ぢゃが余が付いておるぞ?」
ミルクの肩をがっちり掴むと、スクナは忙しそうに印を結び始める。
それが糸を紡ぎ、呪布術を行使しているのだが、特に脱出に向け何を作っていたと言うわけではない。
変りに絨毯の架け橋の軋みが僅かに収まった程度。
特に先端部分は二人が乗っているのでしなりが大きくなっていく。
「王の攻侵とは!あらゆる障害を踏み潰してまっすぐに目的地に辿り着く事ぢゃ!」
その言葉と共にスクナの背後から大きな布が広がり、ミルクともども包み込む。
二人で仲良く顔を出しただけの状態の簀巻き状態になると、スクナは白い歯を見せてニッと笑った。
安心させようとしたのだが、正に無理心中5秒前。
ミルクの心中も知らず密着簀巻き状態にスクナの頭の中では【役得万歳!】が鳴り響いている。
そして5秒後。
しなっていた絨毯は突如としてその鎌首を元に戻した。
そう、スクナは修復を諦め、絨毯の一部を強化していたのだ。
具体的にいえばスクナたちの立つ先頭から10m程の距離のみで。
結果、絨毯はバネのようになり、二人の重みでしなるだけしなった後、反作用により二人を跳ね飛ばす事になったのだ。
「わっはっはっは!屋上に行くといったら何が何でも行くのぢゃ嗚呼!!」
跳ね飛ばされて吹き飛ぶミルクとスクナ。
力なく地面に落ちていく絨毯の架け橋。
対して、二人は人間大砲が如く屋上へ向かって一直線に飛んでいった。
着地は?とスクナに問うても無駄な事は、その顔を見ればなんとなく判るだろう。
>75
「おかしい・・・・・・一体何がどうなっているのだ?」
ロウは息を切らし、林の中をぐるりと見渡した。
鏡があった場所から離れ、校舎も木々に遮られて良く見えない。
「ミルク殿達ともはぐれてしまった。しかも校舎も見えなくなってしまった。
心なしか遠ざかって居るようにも思える・・・・・・なぜだ?」
ロウは顎に手をあてて考えていたが、何かに気づいたようにはっとした。
「さては!!これもメイファとやらの迷宮の罠の一部かっ?!なんと恐ろしい」
メイファが恐ろしいのは確かだが、これはとんだ濡れ衣である。
『迷宮』という名の中庭から抜け出そうとしているロウの耳に、ユリの呼ぶ声が聞こえてきた。
「ユリ殿!何処におられますかな?」
ロウはユリの声に応えるべく大声で呼び返した。
「わしはメイファの作る迷宮に巻き込まれてしまったようじゃ。出口が一向に見えんのです」
ロウの立っている位置は木が鬱蒼としている。
はたしてユリは、無事ロウを見つけ出すことが出来るだろうか?
アイシャはリリアーナの瞳に何かを感じ取り、何も言わずに片腕を差し出した。
メイリンの反応からして、指一本も返したくはなかったのだが、リリアーナの言葉と目はそれの覚悟していた。
大なり小なりの迷いがあるならば、まだ何か言ってはいたが、確固たる信念じみた何かがある人間を悪魔は苦手にする
半魔のアイシャにとってもそれは同じことであった。
「…やっぱり甘いなぁ…私も」
メイリンと距離を置き、そう呟いた
一方、ウェザーは困惑していた。
どうやら、やりすぎたらしく、向こうは自分にゾッコンな上に、無いものを見せろとまできている。
てっきり、他の悪魔達のように感じとれるものだと思い込んだのが間違いだったようだ
しかし、どうしたものか、相手が只の人間であれば、この声にまかせ、調子のいいことを言ってはぐらかすことは出来るが…
相手は伝説になりかけている大物、下手をうてば、惨劇になりかねない
【申し訳ありませんがスイション様、私は姿を持つことを許されぬ低級悪魔の身…あなたのその目に私を映すことは出来ません
ですが、悲観なさらないでください。
我が名はウェザーリポート、天気を何持つ者つまりは、この空が私だと思ってくれて結構であります】
ウェザーの選択はなるたけ相手を悲しませずに正直に話すことだった。
だが、この一言だけでは不安だったのか、太陽は私の笑顔だとか雨は私の涙とか風は私の吐息だとか虹や雪は私から貴方への花束だとか調子のいいことを続けてみているが、不安は消える気配はない
>73
>「アイシャ、残念ながらメイリンは喋れないのよ。
>だけど、マオマオが持っているメモを見れば、彼女の話したいことがわかるわ。
>ねえヴァンエレンにマオマオ、メイリンはなんて言ってるのかな?」
マオは持っているメモを広げてそれをヴァンエレンは覗きみる。
>\誓ってもいいけど、まずは片手をつけなっ!さもなきゃ、手を上げて誓う事ができないよっ!/
「誓ってもいいです。
けれどもそれをするには片手をつける必要があります。
なぜなら手を上げて誓うことができないからです。
と申しております」
そのままのことを言えばいいのにわざわざ丁寧な言葉に直してからリリアーナに伝える。
>76
マオから少し離れた場所でいい加減蝙蝠の姿から元の吸血鬼の姿に戻る。
ここは屋上、太陽の日差しが鬱陶しいと思って手で陽をさえぎっているときに
それは突然やってきた。
何とも一直線で大砲で人間で王様で。
「あら?」
風をきる音に気がついてその方向へヴァンエレンが目を向けると、その物体は果たして屋上へ…いやヴァンエレンへ向けて飛んできた。
スクナである。
「にゃあああああああああぁぁぁあ」
ゴッツンというおでことおでこがぶつかるすさまじい衝突音の後に頭を抑えて悶絶。
「は…はちみつが舐めたい」
ヴァンエレン 衝突の後、はちみつが舐めたいと言って死んだ。
>78
> 【申し訳ありませんがスイション様、私は姿を持つことを許されぬ低級悪魔の身…あなたのその目に私を映すことは出来ません
> ですが、悲観なさらないでください。
> 我が名はウェザーリポート、天気を何持つ者つまりは、この空が私だと思ってくれて結構であります】
「あら…そうなの?本当に?」
ウェザーは色々と心配したようだが、それは買いかぶりのようだった。
「ウェザー様〜!私にあなたが見えますわ〜!」
メイレンは両手を振ったり、投げキッスをしたりしながら空を仰いだ。
>74
メイリンはいきなりギズモに頭突きをかました。
ギズモからすれば、何故いきなりそんな仕打ちをされたのか理解できないだろう。
そこで、困った時の棒メイリンである。
\お前が好きな、あたいをちゃんと見なっ!/
メイリンの異変に気づき、棒メイリンの吹き出しの内容を知ったメイレンは嬉しそうに微笑んだ。
「んま〜!んま〜!んま〜!今までお父さんにべったりだったリンちゃんが、
ついに恋する相手を見つけたのね〜!嬉しいわ〜!」
メイリンは、ぱっとメイレンの方へ振り向いた。びっくりするメイレン。
「あ、ええっと…ごめんなさい。気に障っちゃった?」
\メイレン!危ないっ!/
「ひゃん!」
メイリンは、メイレンを強く蹴飛ばした。
中庭で高らかに跳躍して見せたとおり、ゲロロ(義足)の力は強い。
メイレンがいくら大きくても、十分蹴り飛ばせるのだ。
>76
さて、メイリンがメイレンを蹴飛ばしたのにはちゃんと理由がある。
メイリンは心眼で、スクナとミルクがこの屋上に向かって飛んでくるのが見えたのだ。
このままではメイレンと彼らが衝突してしまう。そう判断した。
「酷いわ、リンちゃん!どうしてこんな事するの?」
仰向けに引っくり返って抗議するメイレンには、その意図がわからなかった。
\愛だよっ!/
まあ、愛だから仕方が無い。
>79
そして、ヴァンエレンにスクナとミルクが落ちてきた。
> 「にゃあああああああああぁぁぁあ」
ヴァンエレンの悲鳴が響いた。
「イ゙ェアアアア」
メイレンの悲鳴も響いた。といのも、ヴァンエレンにぶつかったスクナ達は、
その後バウンドしてメイレンの上にも落ちたのだ。
クッションよろしくフライングボディプレスをかまされたメイレンは、お腹を押さえて悶絶した。
「う〜〜!あう〜〜!痛い〜!死んじゃう〜!」
どう考えても、頭を抑えて悶絶しているヴァンエレンの方が重症である。
> 「は…はちみつが舐めたい」
あ…死んじゃった。
\ごめんね、メイレン!目測をあやまっちゃったよっ!/
棒メイリンがそう言って謝った。そもそも蹴らなくてもメイレンにスクナ達が当たるはずが無かったのだが、
決してわざとではない…はずである。
>79
>「誓ってもいいです。 けれどもそれをするには(略 と申しております」
ヴァンエレンは丁寧な言葉に直してから皆に翻訳してくれた。
「ど、どうしたのヴァンエレン、そんな丁寧な言葉つかっちゃって。
もしかして日光浴びすぎて具合悪いとか?」
執事ばりの慇懃さに、思わずリリアーナはそう聞き返してしまった。
そういえば今日の吸血鬼は、幼児化したり蝙蝠になったり女体になったりと色々大変だったようだ。
>78
アイシャはすんなり義手を返してくれた。ただし、片腕だけであるが。
「ありがとう、アイシャ!」
リリアーナは嬉しそうな顔で義手を受け取った。
さて、ここで問題なのは、メイレンの義手をどうやってつけるかである。
>「伊達に使い魔なのに図書館で本を借りる許可は持ってないよ」
>「義手の取り扱いは本で読んだこともあるし、実際にやった事もあるよ」
「ええっ、そうだったの?ギズモ凄い!!」
リリアーナは驚き感心した。まさか中庭でメイレンの両手両足を取り付けたなどと夢にも思わない。
>「でも女の子の肌を直接見るのは男としてどうかと思うんだ」
「そうよね!ギズモ男らしい〜!・・・・・・・あれ?じゃあフリージアはノーカウント?」
>「だったらまた私が指示を出せば問題ありませんわ!!」
「あっ!キャプテンブリザード・・・じゃなかった、フリージア!クロウさん達の具合はどうだった?
また指示って何のこと?」
リリアーナは不思議そうな顔をした。
>そんな事を話しているうちに、ギズモはメイリンから頭突きをかまされた。
「ギズモ、大丈夫?!メイリン、突然何をするのよ?」
リリアーナは棒メイリンの返答を聞くべく、マオ達の方を見た。
>メイリンの異変に気づき、棒メイリンの吹き出しの内容を知ったメイレンは嬉しそうに微笑んだ。
>「えっ、ギズモとメイレンってそういう仲だったの?いつの間に!
そっか。そういうことなら、義手を取り付けるのをギズモにも協力してもらおうかな」
協力するという形でそばに居れば、万が一の時にもギズモを庇える筈である。
そんな事をギズモと話していると、突然メイリンがメイレンを蹴飛ばした。
>「酷いわ、リンちゃん!どうしてこんな事するの?」
>\愛だよっ!/
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
リリアーナは心底気の毒そうな顔で、ギズモの肩をぽんと叩いた。
「まあ、恋は相手をみてするものじゃなく、落ちるものだからね」
リリアーナはそういい残すと、とりあえずメイレンとメイリンの方へと小走りに近寄っていった。
>76 >79
> 「にゃあああああああああぁぁぁあ」
>「イ゙ェアアアア」
「メイレンさん、大丈夫ぎゃふっ?!」
メイレンと時を同じくして、リリアーナも情けない悲鳴をあげた。
といのも、ヴァンエレンにぶつかったスクナ達は、その後バウンドしてメイレンの上にも落ちたのだ。
当然のこのこ近寄ってきたリリアーナも巻き添えである。
リリアーナはミルクの踵落としを食らって、その場にばったりと倒れこんだ。
頭には巨大なこぶが出来ている。
そしてメイリンの義手は宙を舞い、ギズモとアイシャが居る方角へと飛んでいく。
>69 >70
>「私のせいじゃないし、勝手に泣き出したんじゃん
>あぁ〜やだやだ、これだからいい子ちゃんは嫌いなんだよな〜」
「何でさっきまで普通だった奴が何の要因もなく自発的に泣くことができるんだ!
まあ多少脆いのは認めるけど、お前の一言でメイレンは泣いたの!」
全然反省する気も何もないアイシャの態度にイラっとくる。
>67 >71 >73
>「え!エリートマオマオでも外見のこと言われるとへこむの?」
「フフン、エリートはへこまないわけじゃない。ただ言われないだけさ。
成績がいい上に麗人なんだ。妬みや僻みを言われるのは宿命だな。
フフ……むしろ言われるたびに優越感さえ感じるものさ」
意外そうな顔をするリリアーナを鼻で笑い、疑問に答えてやる。
それに成績優秀者なんてのは陰口叩かれる対象だ。
僕みたいに考えるか、他人を無視するかしないとやってなどられない。
>「あ、うん。そのジャージ、とても似合ってると思うよ。何と言うか、只者じゃないって感じがするもの!!」
「それはどうもありがとう……でもあんまり言うと怒るぞ」
>「お子様がいらっしゃるとは思えないくらいお若いですよー。お肌もつやつやで羨ましいです。
>スタイルだって抜群ですし・・・・・胸だって・・・・・・」
褒めて持ち上げる戦法に出たリリアーナだが、
胸の話しになった瞬間顔が暗くなっている。
大方自分のことを気にしているんだろう。
しかし気を取り直したのかちゃんと交渉役としての役目をきちんと果たしている。
>「ちょっとメイリン、あなたの両腕が無いよ!!」
とっくに気づいていたと思ったがどうやらきづいてなかったみたいだ。
慌てて義手を探して拾ってくる。
>「メイリン、あなたに義手を返しても、私の友達に危害を加えたりしないって誓えるかな?
>もし約束してくれるのなら、今すぐこの腕を返すわ」
>「リリっちさぁ〜言ってる事が甘いよ激甘…
>そんなの口だけ言えばそれで終わりじゃん、ちょっとソレ貸して」
>「でもね…もしそれを破る真似をするなら、しばらくは片腕で過ごすしかないんじゃない?
>この騒動が終わってからリリっちの判断で返したり返さなかったりするんじゃないかな?」
>「アイシャ、残念ながらメイリンは喋れないのよ。
>だけど、マオマオが持っているメモを見れば、彼女の話したいことがわかるわ。
>ねえヴァンエレンにマオマオ、メイリンはなんて言ってるのかな?」
メイリンの思っていることを知るために僕はメモ用紙を広げる。
横からヴァンエレンが覗き見る。内容は誓ってもいいけどそれには片手をもらわないと誓えないとのことだった。
>「誓ってもいいです。
>けれどもそれをするには片手をつける必要があります。
>なぜなら手を上げて誓うことができないからです。
>と申しております」
>「ど、どうしたのヴァンエレン、そんな丁寧な言葉つかっちゃって。
>もしかして日光浴びすぎて具合悪いとか?」
「その女のウェザーとかいう使い魔に対抗でもしたいんじゃないのか?
それで返すのかどうするんだ?」
とはいったもののリリアーナは100%返そうとするに決まっている。
アイシャも案外すんなりメイリンに義手を返した。とりあえず何とか無事に終わりそうだな、
後はメイレンにメイファを連れ帰ってもらってめでたしめでたしというわけだ。
>「ギズモ、大丈夫?!メイリン、突然何をするのよ?」
浮かび上がってきた文字はを読む限りはどうやら
ギズモはメイリンが好きらしい、あくまでメイリン曰くだが。
>「えっ、ギズモとメイレンってそういう仲だったの?いつの間に!
>そっか。そういうことなら、義手を取り付けるのをギズモにも協力してもらおうかな」
「てかギズモが自分を好きだと思い込んでる形になってるけどな言葉を見るに……」
リリアーナとメイレンにつっ込みを入れた瞬間今度はメイリンがメイレンを蹴とばし始める。
>\愛だよっ!/
ううーん、やっぱりヴァンエレンの言うとおり相当歪んでしまっているようだ。
流石にちょっとこれはギズモが哀れというか可哀想だな。
>「まあ、恋は相手をみてするものじゃなく、落ちるものだからね」
リリアーナも同じことを思っているらしく慰めの言葉をかける。
「とりあえず殺されない程度にな……相手の愛情表現は相当過激のようだから」
>79
>「にゃあああああああああぁぁぁあ」
いきなりの大声に驚いて声の方を向いてみると、
そこにはいつの間にか僕の元から離れていたヴァンエレンに何か人のような
ものが鈍い音を立てて激突する瞬間だった。
頭をしばらく抑えて悶絶していたヴァンエレンだったが…一言はちみつをなめたいといって力尽きた。
「ヴァ、ヴァンエレーン!!」
僕はヴァンエレンの元に駆け寄りぐったりしている体をゆっくりと起こす。
「だ、大丈夫か、しっかりしろ…ええっと、なんだっけ…
ああ、そう!いますぐにハチミツ熊さん呼んできてやるから起きろ!」
ただでさえ死ぬ回数が多くて女になったりいろいろと大変だっていうのに、
今度は脳が破壊されたとかになったらもうどうしていいか分からなくなる!
>76
>「安心せい、最早修復は不可能ぢゃ。ぢゃが余が付いておるぞ?」
「その言葉のどこに安心できる要素があるんだよ!
それともなに!?修復は出来ないけど逃げ出す方法はあるの!?」
スクナはあたしの肩を掴んだまま、なにやら複雑に印を結び始める。
これは、脱出用に空とぶ絨毯でも作ってるのか。
下手に声かけて失敗されても困るし、ここはお任せしておくか・・・
と思ってしばらく待っていたけど、事態はいよいよ切羽詰まってきた。
あたしたちが居る場所は絨毯橋の先端だから、重さのためか先がしなってきたのだ。
このままだと下に滑り落ちる!
「まだーっ!?橋は落ちなくても、このままじゃあたしたちが落ちるわよ!」
>「王の攻侵とは!あらゆる障害を踏み潰してまっすぐに目的地に辿り着く事ぢゃ!」
あたしが待ちきれずに叫んだのと、スクナが術を完成させたのはほとんど同時。
術を受けてスクナの後ろから大きく布が広がり、あたしとスクナを包み込んだ。
いや、もっと正確に言うと、簀巻きにした。
「な、な、な、何これ!?
もしかして、毛布を抱えてここから転がり落ちるつもりじゃないでしょうね!?」
同じように顔だけ出してるスクナに問えば、帰ってきたのは良い笑顔。
笑ってる場合かこのボケボケ暴走王!
「いやだーっ!絶対死…ぎゃ――――――っ!!!」
次の瞬間、あたしとスクナは簀巻きのままで空高く打ち上げられた。
つまり、スクナは落ちるのではなく、別の場所への移動を選んだのだ。
最初からの目的地だった、屋上へ!
「これちゃんと着地でき……ないのかよ!」
表情で返事するな表情で!
うわーんダメだー!どれだけ死亡フラグたてたら気が済むんだよーっ!
>>78-83 上がるところまで上がった布は、後はただ落ちるだけ。
屋上にいた人たちはそりゃびっくりした事だろう。
でも今は、こちらも人の心配をしてる場合じゃない!
「あああぁぁぁ!たぁすけてえぇぇぇぇ!!!」
下にいた誰かさんがこちらに気づいて空を仰ぐ。
ちょうどあたしたちの着地地点で!
>「にゃあああああああああぁぁぁあ」
ものすごい衝突音。
さすがに激突の瞬間目をつぶってしまったあたしには、何が起きたかさっぱりわからない。
>「イ゙ェアアアア」
>「メイレンさん、大丈夫ぎゃふっ?!」
続けざまに悲鳴が起こり、体やら足やらに痛みが走った後、ようやく人間大砲は止まった。
「た、助かった……?」
>「う〜〜!あう〜〜!痛い〜!死んじゃう〜!」
近くで、見たことない大きな人がおなかを抑えて痛がっている。
他にも何人か倒れている人が……って大惨事だよ!
なんつー面倒なことしてくれるんだこの王様は!
>「は…はちみつが舐めたい」>「ヴァ、ヴァンエレーン!!」
倒れたらしいヴァンエレンを心配する、マオの声も聞こえてくる。
蜂蜜はありませんが血の池ならあります。
今からあたしが王様の血で作ってやるからね!
キョロキョロ周りを確認し、スクナ以外の人を巻き込まないよう範囲を絞る。
「メギド!」
魔法一発、あたしは自分に巻き付いてた布を吹き飛ばした。
一緒にスクナも吹っ飛んだけどかまうもんか。
どうせ後からぶっ飛ばすんだ。
「王様……こんな大惨事を巻き起こしたんだから、当然フルボッコにされる覚悟は出来てますよね…?
腕の3本や4本で済まそうなんて、甘いことは考えないで下さいよ…?」
あたしは手の骨をポキポキ鳴らし、メギドの狙いをつけたままゆっくりスクナに近づいた。
>「あああぁぁぁ!たぁすけてえぇぇぇぇ!!!」
「あひゃひゃひゃ、どうぢゃミルク!余に任せておけば万難を突き破って屋上へ到着ぢゃああ!!」
ミルクの悲鳴をどう変換しているのか不明だが、スクナのテンションは高かった。
不幸な吸血鬼へ一直線に落ちていく。
その後はスクナの意識は飛んでしまっているのでわからない。
ともあれ、万難を突き破った後に阿鼻叫喚の惨状を作り上げて屋上に到着したのだ。
>「う〜〜!あう〜〜!痛い〜!死んじゃう〜!」
「う〜ん・・柔らかくて良い匂いぢゃ〜。」
ミルクと二人まとめて簀巻きになってヴァンエレンを直撃し、バウンドしてメイリンにボディープレスして止まったのだ。
苦しむメイリンに気持ちよさそうに顔をうずめるスクナ。
それがどれほどミルクの怒りを滾らせたかは想像するまでもない。
勿論スクナ変換的意味ではなく、本来の意味での怒りである。
>「メギド!」
「ぎゃああ!余の花園がぁぁあ!!・・・っは!」
メキドで吹き飛ばされて漸く意識が戻ったスクナは真っ黒に焦げていたのは言うまでもない。
そして気付く周囲の惨状。
「おお、ミルク!無事ぢゃったか!?
しかしこの恐るべき惨状は一体!しかも余も黒焦げではないか!
もしやあのプレッシャーの持ち主がその力の片鱗を振るったのか!?
だとすると危険・・・ぢゃ!?・・・あれ?ミルクよ、なんとなくその表情は東方で良く見た女子達に似ておる・・・ぞ・・・?」
自分が引き起こしたという選択肢は一切なし。
屋上に降臨したプレッシャーの持ち主が暴れたと結論付けたのだが、残念。
その当人メイリンはお腹を抱えて悶絶していました。
颯爽とミルクを庇うように辺りを見回すが、最大のさっきはスクナの背後。
守るべきミルクから発せられていた。
>「王様……こんな大惨事を巻き起こしたんだから、当然フルボッコにされる覚悟は出来てますよね…?
> 腕の3本や4本で済まそうなんて、甘いことは考えないで下さいよ…?」
「え?・・・落ち着け、話が見えぬぞ!?・・・ちょ・・・」
ポキポキと手の骨を鳴らしながら迫るミルクを前に、完全に黒焦げになる前のスクナの最後の言葉がこれであった。
>80>81
「あっ!キャプテンブリザード・・・じゃなかった、フリージア!クロウさん達の具合はどうだった?
また指示って何のこと?」
「お〜ほっほっほっほ!斯く斯くで然々ですわ!!」
斯く斯く然々ではわかるものもわからないと思う
「それじゃわからないよ」
と案の定そこにつっこむギズモ
「まあ簡単に言うとクロウさんはまだカプセルの中にいますわ
指示って言うのは義肢の取り付け位置の指示の事ですわ
ギズモちゃんが女の子の肌を直接見るのは失礼だと思ったみたいですの
だから私がギズモちゃんの目の代わりになりましたのよ」
と簡単に説明するフリージアであった
いきなり頭突きをかましてくるメイリン
「プゲラ!?」
頭を押さえ悶え苦しむギズモ
>「ギズモ、大丈夫?!メイリン、突然何をするのよ?」
「ちょっと!私のギズモちゃんに何しますの!!」
>「んま〜!んま〜!んま〜!今までお父さんにべったりだったリンちゃんが、
ついに恋する相手を見つけたのね〜!嬉しいわ〜!」
これが愛情表現だとしたらかなりアグレシップな愛情表現である
>「えっ、ギズモとメイレンってそういう仲だったの?いつの間に!
そっか。そういうことなら、義手を取り付けるのをギズモにも協力してもらおうかな」
「というより僕とメイリンさん本人以外、義手の取り付け方なんて知らないと思うよ」
いつの間にか復活しているギズモ
さすがギャグキャラしぶとい!
愛の名の下に母親を蹴り飛ばすメイレン
じゃあいつも飛び道具代わりにされるのもフリージアの愛なのだろうかと考えてしまうギズモ
「母親を蹴飛ばすなんて!命が惜しくありませんの!?」
信じられないものを見るような目で見るフリージア
フリージアの母は優しかったが同時に厳しく絶対的な存在であったが故である
そんなフリージアの母シャーベットは生前、氷の魔法使いとしてより
801同人作家としてのほうが有名だったことは秘密だ!!
気の毒そうな顔でギズモに声を掛けるリリアーナ
>「まあ、恋は相手をみてするものじゃなく、落ちるものだからね」
「うん・・・まあ・・・・その・・・・・」
絞め落とされる的意味で落とされやしないか不安なギズモであった
>76>79>83>85
空から降ってくるミルク!
踏まれるリリアーナ!!
「リリアーナさん!?」
あっと驚くフリージア!
ギズモのほうに飛んでくるメイリンの義手
「いけない!ギズモウィィィィング!!」
背中の羽を大きく広げ義手を取るために空に飛び出すギズモ
はたして間に合うのか?
「あ〜あ、どうすっかな。」
レベッカは、先程の教室に残っていた。
もとよりフリージアの後を追うつもりはない。適当な椅子に腰掛け、
タバコを燻らすレベッカが窓の外を見ながら考えている事は、
今後の自分の見の振り方についてだった。
メイレンが光臨した。
それは、遅かれ早かれ自分の正体が判明する事を意味している。
メイレンの容姿を見て、レベッカと関係が無いと思う人間の方が少ないだろう。
あら、テンちゃん久しぶりね〜♪などと声をかけられたら、それこそ目もあてられない。
無論、この学園には種族による差別は存在しない。
だが、それはあくまでそれは建前であるという事もレベッカは知っていた。
おそらく、もうここには居られない。
「なんだ?何やってんだ、あの妹は?」
レベッカが何気なく窓の外を見ていると、赤い何かが壁をよじ登っているのが見えた。
ちょっと焦げているが、それは間違いなくファン・メイファだった。
屋上に居るはずのメイレンを目指しているのだろうか?
「あ、やべ」
メイファがこちらの視線に気づいたのか、くるっと振り向いたので、
レベッカは慌てて窓枠の下に身を隠した。
メイファはきっと、自分がメイレンを呼んだと思っているだろう。
(本当はメイリンがメイファを呼んだのだが、
メイファはきっとメイリンがまだ学園に残っている事を知らないはずだ。)
顔を合わせたら何を言われるかわかったものではない。
「……もう行っちまったかな?」
レベッカはそっと顔を上げて窓の外をうかがった。
メイファの姿は見えなかった。もう屋上に上がったのだろうか?
>『おねーーーちゃーーん!』
「あいっ!?」
突然レベッカの目の前に飛び込んできたのは、すぐ前の窓ガラスに逆さまに張り付いたメイファだった。
この心臓に悪い妹様は、どうやらレベッカの予想を超えて怒っているようだ。
メイファは、パカーン!と窓ガラスを叩き割った。
「冗談じゃねぇ!俺はずらかるぜ!」
レベッカは、教室を飛び出て走った。階段を、2段飛ばしにしながら急いで降りて行く。
「…はぁはぁ、もう追ってこねーのかぁ?はぁ…やっぱ俺の方が足が速いのか。」
レベッカは後ろからメイファが追ってこない事を確認して、ほっとした。
しかし、油断はできない。レベッカは掃除道具等をしまう物置を見つけ、その中に身を隠した。
中は暗かったが、中から鍵をかけることができた。これでしばらくはメイファやメイレンの目には触れないだろう。
「これでしばらくは『無問題』だな。」
>『そうね。これなら誰にも邪魔されないわ。』
レベッカは恐る恐る声のする方へ振り向いた。暗い物置の中でも、その両目はぎらぎらと赤く光っていた。
「この俺も歳をとったか?妹様の先回りを見誤るとは…」
『裏切り者には、裏切り者の報いがあるの。』
メイファはゆっくりとレベッカに近づいた。
>『すぐに終わるからじっとしててね。抵抗するとすごく痛いよ。痛いの、嫌でしょ?』
残念、レベッカの冒険はここで終わった。
ようやく話がまとまりかけてきたと思った瞬間
気がついてみれば、この惨状…まさにカオスといってもおかしくはない
「プスー…マジパネェんすけど…プスクスクスス」
それが見事にアイシャのツボにハマり、アイシャはそれをこらえるのに必死だった。
他人の不幸を最大の娯楽として楽しむ種族が悪魔であり、アイシャも例外なくその笑いのツボにハマったのだ。
【ククク…ただ飛んできただけというのに…フフフ…あの男我々を楽しませる程度の才能はあるぞ…ハハハ】
当然、ウェザーにも大受けであった。
だが、大笑いそこまでであった。
「あべしぃ!」
リリアーナが飛ばした義手が見事にアイシャの顔面にヒットし、鼻血を噴出しながら後ろに倒れた
鼻血の付いた義手は満身創意のヴァンエレンの方へ飛んでいく
「いったー…うっわー超萎えたし」
空を見上げながら鼻血を拭い、立ち上がる。
すっかり笑いの熱もとれ、冷静になった。
【クハハハハハァ!いい様だなアイシャ!アッハハハハハハ!!!】
その逆にウェザーはご機嫌のようだ。
「いいよね〜体が無いってのはさ〜…そろそろ止めようかな
いや、なんかアイツの自業自得みたいだしな…鼻血出したのもあいつのせいか」
スクナに銃口を向けるアイシャ
「動かないように足撃っといちゃう?」
下手に動かれてこれ以上被害が広がらないよう一応ミルクにそうたずねる。
返答が「NO」でも撃つつもりではいるが…
そのときだった。
別の校舎から窓ガラスが割れる音が聞こえたのは
「!?」
すぐさま、音のしたほうを確認するが姿はない
「…やっぱり…この件についてはメイファをどうにかした後ってことにしたほうがいいんじゃない?
まだ暴れたりないのかな?とりあえず、ここでこんなコントしてても話すすまなそうだしさ」
>77
>「ユリ殿!何処におられますかな?」
「おー!リチャードさん生きてたー!!
しんがりを引き受けたって聞いてたけど、敵の追撃はなかった!?」
ロウの声を頼りに林の上を飛んでいたユリは、木の密集した場所にたどりついた。
だが茂る木の葉が邪魔になり、上からはロウの姿を見つけることが出来ない。
>「わしはメイファの作る迷宮に巻き込まれてしまったようじゃ。出口が一向に見えんのです」
「あの尻尾がいっぱいの敵はメイファって言うんだね!?
いよーし!今助けるからね、リチャードさん!」
『迷いの森』の魔法はユリも知っている。
助けに入っても迷宮で迷う人間が1人から2人に増えるだけだ。
しかし、ユリは木の密集地帯に入らずに、ロウを助ける名案を思いついた。
まず下準備として迷宮化していないように見える場所に降り、戦いの構えをとる。
そして気合いとともにゲージを溜め始めた。
ゲージとは、ユリが大技を放つときに使用する魔力のようなものだ。
本来なら戦いの中で溜めるものなので、急いでいる時や非戦闘時にはまず溜める動作が必要になる。
「道を作るからちょっと危ないよリチャードさん!うまく避けてね!
はあああああっ……!!覇王翔孔拳!!」
ユリの体が一瞬光を放ち、両手の間から身長サイズの気弾が撃ち出された。
覇王翔孔拳は道々木々をなぎ倒しながら、ロウの居場所目指して突き進む!
>80>83
>「イ゙ェアアアア」
ヴァンエレンに衝突後のスクナはバウンドし、被害はメイレンにも及ぶこととなった。
それは天を登るような悲鳴だった。
>「ヴァ、ヴァンエレーン!!」
死んだ者のそばに駆け寄って行ったのはマオ。
すでに息絶えた者をゆっくり抱き起こして顔をみる。
>「だ、大丈夫か、しっかりしろ…ええっと、なんだっけ…
>ああ、そう!いますぐにハチミツ熊さん呼んできてやるから起きろ!」
何を勘違いしているのか定かではないが、そんなサッカーゲームでハチャメチャするような同人サークルではない。
ヴァンエレンが遺言として食べたいと残したのは正真正銘のあのあまぁ〜い蜂蜜だ。
>89
ミルクがスクナに報復をしようとしているとき、アイシャの顔面に直撃したロケットパンチならぬ義手はヴァンエレンたちへ飛んできた。
蘇生?したヴァンエレンはその飛んできたその義手を片手で受け止めると起こされている体勢のままでリリアーナに放り投げる。
だらりと頭から血を流し続けているがヴァンエレンなので安心してください。
「そういえばなにしてたんだったか?」
ふうむとアゴに手を当てて考える。
立ち上がって服についたゴミをはたいて落とし、周囲を見回す。
「あれ…なんで私は血を流しているんだ?」
気づくの遅いよ。
「むむむ」
何がむむむだ。
>88
ジャーン ジャーン ジャーン
この音はあくまでガラスが割れた音。
決して思わぬ伏兵が出現したのではない。
>「…やっぱり…この件についてはメイファをどうにかした後ってことにしたほうがいいんじゃない?
>まだ暴れたりないのかな?とりあえず、ここでこんなコントしてても話すすまなそうだしさ」
「マオはどう思う?」
神妙な顔つきで音のあったほうを凝視して聞いてみる。
「今日の夕飯はなにかわかるかね?」
そっちかよ。
>81-83 >86-87 >89 >91
>「え?・・・落ち着け、話が見えぬぞ!?・・・ちょ・・・」
>「動かないように足撃っといちゃう?」
「オッケーオッケー、足でも手でも頭でも好きなだけ撃って良いから。あたしが許す」
協力を申し出る人にありがたく感謝を言って、いよいよスクナを丸焼きにしようとした時だった。
聞こえてきたガラスを叩き割ったような音に注意がそれた。
それを聞いてあたしがまっさきに思い出したのは、逃げたメイファの事。
もしや、他の魔法使いを襲いに校舎に入ってきた!?
慌てて音のした方を確認したけど、特に騒ぎは続かない。
違うのか…よかった…
>「…やっぱり…この件についてはメイファをどうにかした後ってことにしたほうがいいんじゃない?
> まだ暴れたりないのかな?とりあえず、ここでこんなコントしてても話すすまなそうだしさ」
「……人を暴れん坊将軍みたいに言うな」
ジト目で同じ方向を確認していた協力者をみやる。
…アイシャだったのか。
『魔弾の射手』『飛べない魔女』。
学園の有名人がなんでこんな所にいる?
メイファの名前を出してきた以上、事情はわかってそうだけど。
「わかった。まー、確かにあんたの言うとおりねアイシャ。
今はメイファをなんとかする方に集中しよう」
アイシャにそう返事してから、スクナにも一言釘を刺しておく。
「今回のことは貸しにしておきます。
後で利子付きで現金で返してもらいますからね、王様」
これでおとなしくなってくれたらいいんだけどなぁ、ムリかも…
さて、一息ついたらやっと周囲の状況が目に入ってきました。
いなくなっているのはレベッカ。
新しく増えた人で知らないのは、痛がってる大きい金髪の女性。
誰だろう。この人が、マリオさんが言ってたらしい危険人物?
それにしちゃ他のみんなの行動に危機感なさすぎるし…
メイファが見て顔色を変えたピンクの煙も、もう見えない。
いったい屋上で何があったんだろう?
「リリアーナごめん、メイファを森で見つけて説得したんだけど、失敗して逃げられちゃった。
こっちの状況はどうなってる?
…あそこでお腹押さえて痛がってる人って、誰?
なんとなく似てるけど、レベッカのお姉さん?」
とりあえず、状況報告も兼ねてこっそりリリアーナに聞いてみることにした。
>82-83 >86-87 >89 >91-92
「うう〜ん・・・・・・はっ?!・・・・・あ痛たたたた〜」
メイレンの義手が当たった衝撃で、リリアーナは気絶から目が覚めた。
「あ、ギズモ」
リリアーナから義手を受け取ったギズモは、メイリンの元へと向かった。
リリアーナも後を追おうとしたが、ずきずき痛む頭を押さえてそのまま蹲ってしまった。
結局リリアーナは、義手を装着するギズモのアシスタントをすることは出来なかった。
何とか痛みの衝撃からそ立ち直ったリリアーナは、そして屋上の惨状に愕然とする。
「一体、何がどうなってるの?
確か・・・ヴァンエレンの上に白い大きな荷物が降って来て・・・それがメイレンさんの方に飛んできて・・・・・」
その後突然記憶が途切れている。
リリアーナは改めて周囲を見渡した。
鼻血を出しているアイシャに、黒く焦げている謎の物体。
おなかを押さえて苦しんでいるメイレン。
マオに抱き起こされている血まみれのヴァンエレン。
「何でヴァンエレンは血まみれなの?あっ!もしかしてマオマオの血?」
実際は本人の血と義手についていたアイシャの血であるが、リリアーナはしたり顔で頷いた。
(まあ悪魔と人間のハーフアイシャの血は、回復に大いに役立った事には違いないのだろうが。)
>「…やっぱり…この件についてはメイファをどうにかした後ってことにしたほうがいいんじゃない?
> まだ暴れたりないのかな?とりあえず、ここでこんなコントしてても話すすまなそうだしさ」
「えっ!アイシャも手伝ってくれるの!なんていい人なの!ありがと〜!!」
リリアーナは大喜びでアイシャの手を握り、ぶんぶんと上下に振り回した。
ちなみにマオとヴァンエレンはらぶらぶのようなので(※リリアーナビジョン)馬に蹴られないようそっとしておく。
「ガラスが割れた音がしたのも気になるし、早く調べに行かないとね。
でも私はもう少しここでメイレン様とお話する必要があるの。・・・・・だから、その・・・」
次の言葉を言い出せないリリアーナはじっとアイシャの目を見つめた。
いつの間にか屋上にはミルクがきていた。
何となく服がすすけている気がするのは、気のせいだろうか?
> 「リリアーナごめん、メイファを森で見つけて説得したんだけど、失敗して逃げられちゃった。」
リリアーナはそれを聞いて、一瞬だけ顔を曇らせた。
>「 こっちの状況はどうなってる?
> …あそこでお腹押さえて痛がってる人って、誰?
> なんとなく似てるけど、レベッカのお姉さん?」
「いや、いいのよ。ミルクに怪我が無くてよかったわ。それと、こちらのお方はあのメイレン様よ。
どうやらピンクの雲は、召喚ゲートのためにメイリンが作り出したみたいね。」
レベッカと姉妹かという問いかけはあえて無視した。
メイレンという名前を聞けば、ミルクなら彼女がどういった存在かすぐにわかるはず。
だからミルクか何か言う前に、リリアーナは次の言葉を続けた。
「想像以上にお若くていらっしゃるから、ミルクが驚くのも当然だと思うわ。わたしも驚いたもの。
ああ、メイレン様は魔法使いが少々苦手のご様子なの。
ここに召喚されたのもイレギュラーであって、ご本人の意思とは無関係だと仰っているわ。
だから、くれぐれも失礼のないようにね。」
ミルク達へのこまごまとした説明は全部後回しにして、リリアーナはメイレンへと向き直った。
「メイレン様、お立ちになれますか?」
リリアーナは遠慮がちにメイレンに手を差し延べた。
「先程お話したように、私達は一刻も早くメイファを止める必要があります。
どうかお知恵とお力をお貸しください。
私達魔法使いには、魔力を使わないメイファの居場所を突き止めることが出来ないのです」
リリアーナはギズモと一緒にいるメイリンとフリージアを振り返った。
「ギズモにフリージア、義手の装着はうまく出来た?メイリン、義手の調子はどうかな?
あ、レベッカを刺したときみたいな方法で義手の具合を調べるのは止めてね」
リリアーナはレベッカ達がどうなったのかふと気になった。
「そういえばフリージア、レベッカさんとクロウさんはまだ使い魔カプセルの中?」
>72
「〜〜!よく寝た。」
やっぱり睡眠は重要だな。
薬とカプセルの効果もあって体が軽い。
そういえば外はどうなったのだろうか?
「確かカプセルから外の様子を見れるはずだよな。」
そう言っていろいろ探索してみるとそれらしいスイッチを見つけた。
「これを押せばいいのか?」
とりあえず押してみるか?
するとブゥンという音とともにモニターが現れた。
「これは・・・屋上、か?」
何人か倒れていたり、黒こげな奴がいたりして凄い状況なんだが・・・
「…ってこれ時間の進みが早くないか?」
考えながら頭を掻こうとすると、何かをかぶっていることに気がついた。
「なんだ、これは・・・」
恐る恐る取って見るとそれは・・・
「・・・あいつ、やってくれたな。」
危うく気づかぬまま外に出るところだった。
そうなったら・・・
考えただけでも恐ろしい!!
>「そういえばフリージア、レベッカさんとクロウさんはまだ使い魔カプセルの中?」
おっと、いつまでものんびりしてられないな。
quick clockで慣れてなきゃ聞き逃すところだった。
じゃ、カプセルから出るか。
>93
「う〜、痛い〜!」
メイレンはまだお腹を押さえている。
> 「想像以上にお若くていらっしゃるから、ミルクが驚くのも当然だと思うわ。わたしも驚いたもの。
> ああ、メイレン様は魔法使いが少々苦手のご様子なの。
> ここに召喚されたのもイレギュラーであって、ご本人の意思とは無関係だと仰っているわ。
> だから、くれぐれも失礼のないようにね。」
「は〜じめまして〜!私はファン・メイレン・スイション。スイションちゃんって呼んでね♪」
若いという言葉を聞いていきなり元気になったメイレンは、そう言ってミルクに自己紹介した。
> 「メイレン様、お立ちになれますか?」
「うふん♪」
メイレンはリリアーナの手を取って立ち上がった。
> 「先程お話したように、私達は一刻も早くメイファを止める必要があります。
> どうかお知恵とお力をお貸しください。
> 私達魔法使いには、魔力を使わないメイファの居場所を突き止めることが出来ないのです」
「それならリンちゃんがわかる筈だわ。ねぇ、リンちゃん?」
メイレンがメイリンを見ると、何故か片手だけを上げて静止していた。
\あたいっ!はリーの友達をっ!傷つけないっ!誓うよっ!/
どうやら誓いをしていたようだ。
> 「ギズモにフリージア、義手の装着はうまく出来た?メイリン、義手の調子はどうかな?」
それを聞いたメイリンは、義手を軽く振った。ガチャッと何かが装填される音かした。
> 「あ、レベッカを刺したときみたいな方法で義手の具合を調べるのは止めてね」
メイリンが義手の調子を見るために何をしようとしたかは不明だが、
リリアーナの言葉を聞いてそれをやめたようだ。
> 「そういえばフリージア、レベッカさんとクロウさんはまだ使い魔カプセルの中?」
リリアーナがレベッカ達の事を気にしたとき、メイレンもまたある人物に興味を示していた。
スクナである。
「あら〜、あなたいつの間に来たの?私はスイションちゃん♪あなたのお名前は?」
メイレンはスクナに近づき、彼の体を触り始めた。
「すご〜い!ずいぶん鍛えられた体ね〜!歳はいくつ?どこの国から来たの?
私みたいな大きい女の子は嫌いかしら〜?」
スクナが王の威厳を示そうとしても、メイレンには意味が無いだろう。
「いや〜ん!くぅあわいい〜〜!王様だって〜〜(ウフフ)
食べちゃいたいわ〜(ウフフ)」
本気である。
>89>91>92>93
アイシャに当たったりヴァンエレンに当たったりして
結局はリリアーナの手に戻る義手
>「うう〜ん・・・・・・はっ?!・・・・・あ痛たたたた〜」
>「あ、ギズモ」
リリアーナから義手を受け取るギズモ
「メイリンさんの義手ゲットだよ!
スクランブルダァァァッシュ!!」
いちいち叫びすぎなギズモ
ダッシュでメイリンに近づくと
「装着!!」
思い切って服をめくり上げメイリンの腕を取り付けるのであった
どうやら恥ずかしいのをテンションアップして無理やり誤魔化しているようである
「ギズモちゃんは10分30秒ぐらいで(義手の)装着を完了しますわ
ではその原理を説明いたしますわ。ギズモちゃんが装着とコードを発しますと
ギズモちゃんのスーパーグレムリン脳が108の装着方法を選び出し
義手の種類に合った適切な装着方法で装着を完了しますの」
ふるぼっこにされている誰かさんを見なかったことにしつつ宇宙○事風の解説を始めるフリージア
まるでお間抜け空間にでも引きずりこまれたようである
>「ギズモにフリージア、義手の装着はうまく出来た?メイリン、義手の調子はどうかな?
あ、レベッカを刺したときみたいな方法で義手の具合を調べるのは止めてね」
「ばっちりだよv」
とニコポ確立27%ぐらいの笑顔で答えるギズモ
ニコポ確立とはにこっと笑っただけで相手が惚れる確立である
「お〜ほっほっほっほっほ!さすがに直接見れば巧く行きますわねv」
とフリージア
その言葉で顔を赤くするギズモ
ちなみにフリージアのニコポ耐性はEXであり絶対に利かないと言うのはどうでもいい話である
>「そういえばフリージア、レベッカさんとクロウさんはまだ使い魔カプセルの中?」
「クロウさんはそうだけどレベッカさんはもう外にいますわ」
そういえばさっきからカプセルが震えているようである
クロウが出てくるのだろうか?
「クロウさんが出てくるみたいだからちょっと待ってなさいな」
そう言って使い魔カプセルを地面に置くフリージアであった
>91
>鼻血の付いた義手は満身創意のヴァンエレンの方へ飛んでいく
「う、うわぁぁぁぁ!」
べっとり血の付いた義手がこっちに向かってきたので
驚いて頭を下げようとしたとき、ヴァンエレンの腕が義手を受け止め、
リリアーナの方に放り投げる。意識が戻ったヴァンエレンはさっきの衝撃で脳をやられたようで
>「そういえばなにしてたんだったか?」
完全に記憶が抜けてしまっていた。しかも頭から血をだらだらと流しながら。
何やら考えた後自分で起き上がって服についたゴミを払って周囲をうかがっている。
「あ、あの。血……血がついてるけど大丈夫…………?」
>「あれ…なんで私は血を流しているんだ?」
どうやらそこも忘れてしまったらしい。というかそんな呑気にしているけど手当しなくて大丈夫なのだろうか。
>88
心配しているとガラスの割れるような音が響く。
音からするとさっきまでいた教室に近いようだけど何かあったのだろうか。
>「…やっぱり…この件についてはメイファをどうにかした後ってことにしたほうがいいんじゃない?
>まだ暴れたりないのかな?とりあえず、ここでこんなコントしてても話すすまなそうだしさ」
>「マオはどう思う?」
確かにアイシャに言葉には同意だ、メイレンもちょっとおかしいけど、
危険な人物ではなさそうだし。とりあえずはメイファを連れ帰るなり対処すれば。
大部分の問題点は片付くだろう。それよりも僕にとって問題なのはヴァンエレンだ。
「でもメイファの件の前にその頭の傷は大丈夫?
いくら吸血鬼でも不死身ではないだろ?もしまたなんかあったら……嫌だからな」
立ちあがってハンカチを取り出しヴァンエレンの頭の血を拭う。
でもヴァンエレンはただ神妙な顔つきで音のあった方を凝視している。
>「今日の夕飯はなにかわかるかね?」
「……そうだな、ヴァンが好きなものを食べればいいよ。僕もそれがいい」
良く分からないが夕飯のことを聞いてくるヴァンエレンに答える僕。
多分今脳が壊れてしまっているからこんな感じなんだ。できるだけ優しくしないと。
「ヴァン、本当に大丈夫か、なんだったら血をあげてもいいんだけど……」
>90
>「あの尻尾がいっぱいの敵はメイファって言うんだね!?
いよーし!今助けるからね、リチャードさん!」
「おお、頼みましたぞ!」
ロウはその場でじっとユリの助けを待っていた。
暫くすると、今度はユリの声が地上から聞こえてきた。
>「道を作るからちょっと危ないよリチャードさん!うまく避けてね!
はあああああっ……!!覇王翔孔拳!!」
「道を作るとは・・・・・・はっ?!」
バキバキと木々がへし折れるような音を響かせ、何か得体の知れないものが近づいてきた。
木々の間から見えるそれは、身長ほどもある巨大な気弾だった。
「うおおおおおおお?!」
ロウは覇王翔孔拳をまともに受け、天高く跳ね飛ばされた。
〜 そのまましばらくお待ちください 〜
「・・・・・・・・・・・・・・ユリ殿は格闘術に秀でていらっしゃるのですなあ〜。驚きましたぞ。
こんな離れた場所まで気弾を飛ばされるとは、たいしたものですな」
木の枝に引っかかって逆さ吊りになっていたロウだったが、相変わらず口調はのんびりとしたものだ。
山高帽は片手で押さえているため、表情は見えない。
ロウはくるりと空中で一回転し、ユリの待つ地上へと無事着地した。
「ですがこれで無事合流できましたな、緑の迷宮から救い出してくださり感謝しますぞ。
屋上に召喚された者は特に動きは無いようですが、ユリ殿は何かご存知ですかな?
それと、同行されていたマリオ殿はどうなさったのですかな?」
「わっはっはっは!夫婦の間に貸し借りもないがミルクがそういうのであればそれもまた良かろう!」
ミルク&アイシャからの私刑を免れホッとしたせいか、スクナは反り返るほど胸を張って高笑い。
だが、ミルクはリリアーナの方へといってしまったので高笑いも長くは虚しく響くだけだった。
とりあえず状況がさっぱりわかっていないので、手持ち無沙汰である。
周囲を見た感じ阿鼻叫喚ではあるが、差し迫った脅威があるとは思えない。
倒れている男と解放する女。
使い魔と義手を嵌める女とマスターらしき女。
そしてカプセルから出てきた男。
殆ど初対面同様なので話すこともなく、傷ついた身体を癒す為に自分をミイラ状態にするくらいしかなかった。
「ふ・ふ・ふ・復活!」
まるで蛹を破って出てくる長のように包帯をバリバリと破って再登場のスクナ。
木炭状態だった身体もすっかり回復し、スベスベお肌である。
>「あら〜、あなたいつの間に来たの?私はスイションちゃん♪あなたのお名前は?」
スベスベ生まれたて肌で再搭乗に興味を示したのはメイレン。
嬉しそうに肌を触られて満更でもないスクナの口は軽くなる。
「ぬははは!余はスクナ・ヒダノゴウ!
古の砂漠の王国の末裔にして正当なる血筋なる王の中の王である!」
勿論王ではないが、スクナの脳みその中では王なので嘘ではない。
威風堂々に高らかに自己紹介するが、メイレンには全く意味がないようだった。
「ふむ、造詣の大小など気にしておるとは。
それで余を可愛いとな?
ならばそのような事無意味だと教えてやろう。
見よ、スイション!」
カッコいいとか、素晴らしい!といわれる願望はあっても、可愛いといわれるのは思春期の男のプライドに触った。
メイレンより小さいから→小さいものは可愛い→だから可愛いと見られる。
単純な三段法により、スクナの行動は単純な解決手段に帰結する。
たちまち吹き起こる小型の砂竜巻がスクナを包み込んでいく。
砂はスクナを覆い、徐々に形を作りやがて消えていく。
竜巻が消えた後、スクナはそこに変らず立っていた。
いや、一箇所だけ変った点がある。
ソレはスクナの大きさが1.5倍ほどに大きくなっていた事だ。
これによりスクナの体格はメイレンと肩を並べるのだった。
「ぬははは!これで大きい女は嫌いなどとは言えまい!」
屋上に現われたプレッシャーの確認などと言う目的などすっかり忘れ、訳のわからない対抗意識で巨大化するのであった。
>99 >95
メイレンの話では、メイリンならメイファの居所をわかるという。
メイレンの視線の先を見ると、メイリンが何故か片手だけを上げて静止していた。
>どうやらリリアーナに誓いをたててくれたようだ。
「ありがとうメイリン!」
リリアーナはメイリンに駆け寄り握手をすると、義手が取れない強さで手を上下にぶんぶん振った。
「私、本当に嬉しいわ!ありがとう!一刻も早く妹様を見つけないとね!」
>96
メイリンの義手はうまく装着できたかとたずねるリリアーナに、ギズモは
>「ばっちりだよv」
と可愛い笑顔で応えた。
元気な返答に、リリアーナは頭をなでてあげたくなった。
>「お〜ほっほっほっほっほ!さすがに直接見れば巧く行きますわねv」
「フリージアったら。ギズモに彼女が出来たからって、そんなに冷やかしたらかわいそうよ」
リリアーナは微妙に的外れな突込みをした。
使い魔カプセルに入っていた二人のうち、レベッカは既にカプセルを後にしたという。
「そっか。レベッカさん、何処に行ったんだろうね?」
>「クロウさんが出てくるみたいだからちょっと待ってなさいな」
リリアーナは頷き、フリージアが使い魔カプセルを地面に置くのを眺めていた。
>94
ポン!と軽快な音を立て、クロウが使い魔カプセルから出てきた。
「わ!クロウさん元気になった?もう完全復活・・・・・わぷっ?!」
一緒に飛び出してきたらしい布切れか何かに、突然リリアーナは視界を遮られた。
「なにこれ。・・・・・・・えっ!ちょ!!」
リリアーナは顔に落ちた布切れを手にとるなりカッと顔を赤らめた。
そして大慌ててそれを握りつぶし、皆の視線から見えなくしてしまう。
リリアーナは何とも言いがたい顔で、じとっとクロウを眺めた。
「まあ・・・・・・二人とも私達が思ってた以上に元気そうで何よりだわ、うん」
かなり間違った方向で事態を認識したリリアーナは、ひそひそとクロウに耳打ちしてきた。
「でも、こういうのはちゃんと本人に返してあげるべきだと思うのよね」
そう言って、クロウのポケットに下着を強引に押し込もうとするリリアーナであった。
>91 >97
「マオマオ、ヴァンエレンの具合はどうかな、もう動けそう?
重傷ならフリージアに使い魔カプセル貸してもらったら?ね、フリージア」
もしヴァンエレンが中に入るとすると、珍しく本来の使い魔カプセルらしい使用方法である。
>95 >99
リリアーナがメイレンに視線を戻すと、すっかりスクナと意気投合している。
「ねえ、何でさっきはスクナさんと密着状態で空を飛んできたの?あれもメイファの仕業?
あ、いや。話したくないならいいんだけど」
リリアーナは慌ててメイレンに視線を戻した。
・・・・・・邪魔をしたら機嫌を損ねそうな予感がしたリリアーナは、メイリンにたずねてみた。
「えっと・・・・・・メイリン、メイファの居所がわかるのなら、私達にも教えて欲しいな。
それと今メイファの側に誰かが一緒にいるかどうかもわかるかな?
実はさっき、窓ガラスが割れたみたいな音がしたから気になってたの。
ここ、今日は会場として使用されてないはずなのよね」
「アハハ…アタリマエジャナイ,ワタシタチトモダチデショ」
リリアーナの目を見ながら、そう答えるアイシャ
口元は笑ってはいるが、目は笑ってはいない
「コレ、渡しとくね…リリッちの判断でって言った手前もあるし」
メイリンのもう片腕をリリアーナに渡す
「あのお…姉さんも、なんかバカ殿に夢中だし」
【食欲的にだがな…私のフォローも必要ないだろう…下手な真似をする前にさっさと行け…とそううけとって問題ないか?小娘】
「ってことで、先に行ってるから…後よろしくね♪」
そう言い残し、一足先に屋上を後にする。
現場に着くとその状況に息を飲んだ
窓ガラスが割れた部屋を見ると、何者かが侵入した跡があり
その他にも、乱暴に開かれたドアや、壁の傷、点々と残っている足跡
【ここで何かがあったのは間違いないな…まだこの辺りに潜んでいるかもしれない
警戒を怠るなよ】
魔銃を構え直し、アイシャは何者かの追跡を始めた
>99
> 「ぬははは!これで大きい女は嫌いなどとは言えまい!」
「あら素敵!こんなに大きくなったわ!」
どこが大きくなったって、それはスクナの体の事に決まっているのだ。
「でも、背伸びなんかしなくたって私はもとのあなたが好きよ(愛好)」
というより、メイレンは砂ごとスクナを食べるのはあまり好ましくないようだ。
>94>100
> 「ねえ、何でさっきはスクナさんと密着状態で空を飛んできたの?あれもメイファの仕業?
> あ、いや。話したくないならいいんだけど」
> リリアーナは慌ててメイレンに視線を戻した。
しかし、メイレンはまた別のものに気をとられた。
「あら?また新しいお友達ね〜!」
メイレンはクロウに気づき、彼に近づいた。
メイレンからすれば、まさに両手に花である。しかし…
「…あら〜、他にいい人がいるなら、仕方ないわね〜。」
何故かメイレンはクロウに少し近づくと、残念そうな顔をして後ろにさがった。
スクナの時とは大違いで、名前すら名乗ろうとしていない。
原因は、レベッカのパンツである。これがある限り、
メイレンはクロウを捕食対象として見ないだろう。
「ねぇ、スクナちゃん。どこか私と二人きりでゆっくりお話ししな〜い?」
メイレンは再びスクナに誘惑を仕掛けた。
> 「えっと・・・・・・メイリン、メイファの居所がわかるのなら、私達にも教えて欲しいな。
> それと今メイファの側に誰かが一緒にいるかどうかもわかるかな?
> 実はさっき、窓ガラスが割れたみたいな音がしたから気になってたの。
> ここ、今日は会場として使用されてないはずなのよね」
\あいよっ!/
メイリンの髪の毛の一部がピンと立ち、それがすぐにメイリンの足元を指した。
どうやら、メイリンの髪の毛が妖怪アンテナになっているようだ。
\妹様は一階だよっ!レベッカが一緒にいるっ!/
そう棒メイリンが言うなり、メイリンは最短距離を通って一階に移動した。
具体的に言えば、メイリンは走って屋上から飛び降りたのだ。
やや後からついて来る人間への配慮に欠けるこのメイリンを見失いさえしなければ、
メイファとレベッカの場所へ辿りつけるだろう。
教室の窓ガラスが割れて数分後の事である。
レベッカが逃げ込んだ一階の物置から、何者かが扉を開けて出てきた。
「…やれやれだな。」
出てきたのはレベッカだった。見たところ外傷はどこにも見られない。
彼女は背中にメイファを背負っていた。メイファはレベッカの背中に頭を預け、
すやすやと寝息を立てている。さっきまでお尻から出ていた12本の尻尾は、
どういう原理かはわからないが、畳んでしまわれたようだった。
この状態では、レベッカが“普通の女の子”をおぶっているようにしか見えないだろう。
「ええっと…屋上に行けばいいんだよな。まったく、なんでこんな事を思いつくのやら。」
レベッカは屋上に向けて歩き始めた。
少しすれば、レベッカはアイシャ(>101)と遭遇する事になるだろう。
>93-95 >99 >102
>「いや、いいのよ。ミルクに怪我が無くてよかったわ。それと、こちらのお方はあのメイレン様よ。
> どうやらピンクの雲は、召喚ゲートのためにメイリンが作り出したみたいね。」
この大きい人だれ?との質問に、リリアーナは軽く答えてくれた。
メイレンさま?聞いた事ある名前。
ええっと、メイファにメイリンにメイレン……げ!
学園長が会いに行ってるはずの歴史を作った人だよ!
「そ、それ…」
>「想像以上にお若くていらっしゃるから、ミルクが驚くのも当然だと思うわ。わたしも驚いたもの。(中略)
> だから、くれぐれも失礼のないようにね。」
あたしが何か言おうとするのを遮るように、リリアーナは言葉を続ける。
失礼の無いようにって事は、なにかNGワードがあるんだろうな。なんだろ。
>「は〜じめまして〜!私はファン・メイレン・スイション。スイションちゃんって呼んでね♪」
「あ、は、はじめまして!ミルク・パウダーシュガーです、よろしく……」
こっ、このしゃべり方はっ……!タブーは年齢の話だ!
年齢不詳の女性には、なぜか実年齢に触れられたくない人が多い。
あたしが育った孤児院の院長先生も、何回年を聞いても14歳で通していた。
(女の子は14歳になったらそれ以上年を取らなくなる、が持論らしい)
誰かがメイレンさんをおばさん呼ばわりでもしようものなら、文化革命とやらが再来する。間違いない。
これは確かに、ある意味超危険人物の襲来かも……。
あれ?待てよ、メイレンさんがここにいるってことは、会いに行った学園長&牛魔王さんは空振り?
いろいろ考えているうちにも、メイレンさんは王様に言い寄ったり、クロウに言い寄ったりと忙しい。
アイシャが言うように、ここで漫才を続けてないで早くメイファを探した方が良さそうだな。
王様も巨大化したりして嬉しそうだし、まさか無礼な事なんかしないだろ。
……いや、でも今までの騒動を考えると楽観視もできないか。
型破りすぎる王様の言動でメイレンさんが怒り出したら、被害がメイファレベルじゃ済まなくなるし。
ここはメイレンさんのご機嫌をとりつつ、王様に注意を促すのが得策と見た!
「メ、メイレンさん?こんな所ではゆっくりできませんし、場所を変えるのはどうでしょうか?
せっかく学園祭の途中にこられたんだから、いろいろ珍しい催しが見学できますよ。
メイファの説得はメイリンたちに任せて、王様も一緒に学園祭を見学しに行きましょう。
こーんなに綺麗で若々しいメイレンさんに好かれるなんて、罪作りなんだからー。よっ!色男!」
王様に注意してもらおうと、綺麗と若々しいを特に強調して言ってみる。
>97
>「でもメイファの件の前にその頭の傷は大丈夫?
>いくら吸血鬼でも不死身ではないだろ?もしまたなんかあったら……嫌だからな」
どくどく流れてくる血を見て、たまらず血を吹くためにマオはハンカチを取り出してそれで血を拭いた。
そのときに痛そうに顔を歪めるがされるがままになって音のしたほうを見ている。
>「……そうだな、ヴァンが好きなものを食べればいいよ。僕もそれがいい」
夕飯はなんじゃらほい?という質問に対して好きなものでいいという甘い返答をいただきました。
ヴァンエレンよ。
ここは『じゃあお前だ!』と言ってルパンダイブをするとこだ。
ユー やっちゃいなよ。
「ふむぅ…じゃあ、カレーパンが食べたいのう」
へたれに期待するだけ無駄でしたな。
そういえば…主人が使い魔の言うこと聞いちゃダメじゃねぇ?
>「ヴァン、本当に大丈夫か、なんだったら血をあげてもいいんだけど……」
「血は足りているのでご心配には及びますまい」
ノープロブレムなんだということを証明するために力こぶを作って安心させようと試みる。
が、力をいれたとたんに出血がひどくなったのだから目もあてられない。
>100
>「マオマオ、ヴァンエレンの具合はどうかな、もう動けそう?
>重傷ならフリージアに使い魔カプセル貸してもらったら?ね、フリージア」
「いいのかいフリージア?
そいじゃあ申しわけないけど私はカプセルの中に入るぞ。
皆の衆、風邪には気をつけるんだよ
後は任せたぞ、御大将たちよ〜」
ほな、がんばってなぁ〜と糸目のほんわかした表情でフリージアに了解を得た後そそくさと使い魔カプセルに入っていった。
>96>100
カプセルから出たのはよかったのだが、なぜか放置した物まで出てしまったようだ。
>「なにこれ。・・・・・・・えっ!ちょ!!」
即座にリリアーナが握りつぶしてくれたおかげで、あまり見られることはなかったのだが・・・
>「まあ・・・・・・二人とも私達が思ってた以上に元気そうで何よりだわ、うん」
やっぱり誤解を生んだようだ・・・
>「まあ・・・・・・二人とも私達が思ってた以上に元気そうで何よりだわ、うん」
「かなり誤解していないか?
あのレベッカの性格をよく考えろ。」
そう言ってもたぶん無駄なんだろうな。
>「でも、こういうのはちゃんと本人に返してあげるべきだと思うのよね」
ぜってぇ俺から返してやるもんか。
こうなったら次元の狭間にでもこっそりと送り込んでおくか。
>102
>「あら?また新しいお友達ね〜!」
・・・誰だ?この人は。
見た感じレベッカに似ている気もするが、雰囲気が違う。
他の皆は気付いていないようだが、独特のプレッシャーというか、カリスマ性というか、なにか強力なものを感じる。
>「…あら〜、他にいい人がいるなら、仕方ないわね〜。」
もしかしたらこの人がメイレンさんなのだろうか?
>104
>「メ、メイレンさん?こんな所ではゆっくりできませんし、場所を変えるのはどうでしょうか?
せっかく学園祭の途中にこられたんだから、いろいろ珍しい催しが見学できますよ。
メイファの説得はメイリンたちに任せて、王様も一緒に学園祭を見学しに行きましょう。
こーんなに綺麗で若々しいメイレンさんに好かれるなんて、罪作りなんだからー。よっ!色男!」
「ストップ!
その前に来客用のリボンが付いていないだろ。
常に誰かが近くにいないとまずいぞ。」
メイリンもあらぬ疑いをかけられて攻撃されたからな。
事前に予防策を張った方がいいだろう。
>98
>「うおおおおおおお?!」
「リチャードさーんっ!?」
ロウが覇王翔孔拳に吹っ飛ばされたのを見て、ユリは仰天した。
「あわわわ、だーいじょうぶーっ!?」
慌ててロウの所に駆け寄ると、ロウは木の枝に逆さ吊りになっている。
それでも表情こそわからないが、ダメージはなさそうだった。
「ごめんねリチャードさーん、怪我してない?降りてこれるかな!?」
>「・・・・・・・・・・・・・・ユリ殿は格闘術に秀でていらっしゃるのですなあ〜。驚きましたぞ。
> こんな離れた場所まで気弾を飛ばされるとは、たいしたものですな」
「えへへ、それほどでも」
褒められたユリが照れている間に、ロウは軽々と一回転して降りてくる。
>「ですがこれで無事合流できましたな、緑の迷宮から救い出してくださり感謝しますぞ。
> 屋上に召喚された者は特に動きは無いようですが、ユリ殿は何かご存知ですかな?
> それと、同行されていたマリオ殿はどうなさったのですかな?」
「あ!リチャードさんも屋上の『気』に気づいたんだね!
私が見るに、あれはかなりの強者だよ!
マリオさんは、ムウ大陸発見を邪魔する危険人物って言ってたけど、だれなのかなあ?
マリオさんは王様にムウ大陸の事を聞いてるはずだから、戻って合流しよう!」
そう言ってリチャードと一緒に戻り始めたユリだが、すぐにマリオと合流する事ができた。
マリオはスクナとミルクが屋上に飛んでいったのを見て、急いでそれを伝えに来たのだ。
>>「オーウ!ロウさん、ユリさん、大変デース!
>> スクナさんとミルクさんが屋上に行ってしまいマーシタ!」
「えええっ!?危ないからダメだって、ミルクに言っておいたのにー!!
王様とミルク大丈夫かなあ…」
ユリがそう言って心配すると、マリオはゴーグルを触り始めた。
>>「今のところ2人とも無事なようデース。
>> ですが、スクナさんやミルクさんが危険かもしれない事にかわりはありまセーン。
>> 2人を信頼して待つべきか、助けに向かうべきか、どちらが良いと思いマースか?」
「うーん、そう言われると、王様やミルクを信頼して待った方が良いような気がしてきた。
そう言えばロウさん、猫耳メイド喫茶に行きたいって行ってたよね。
喫茶店でお茶でも飲みながら、王様とミルクを待ってるのはどうかな?」
影響されやすい性格のユリは、王様とミルクを待つ気になったようだ。
薄情と見るか信頼の証と見るか、意見の分かれるところだろう。
>100>102>104>105>106
カプセルから出てくるクロウ
>「まあ・・・・・・二人とも私達が思ってた以上に元気そうで何よりだわ、うん」
>「かなり誤解していないか?
あのレベッカの性格をよく考えろ。」
一体何の話をしているのだろうか?
そういうことに疎いフリージアにはいまいち解らなかった
>重傷ならフリージアに使い魔カプセル貸してもらったら?ね、フリージア」
「わかりましたわリリアーナさん」
と空になった使い魔カプセルをヴァンエレンに向けるフリージア
>「いいのかいフリージア?
そいじゃあ申しわけないけど私はカプセルの中に入るぞ。
皆の衆、風邪には気をつけるんだよ
後は任せたぞ、御大将たちよ〜」
と言い残してヴァンエレンは使い魔カプセルの中に消えていった
「とりあえずマオさんこれを渡しておきますわ」
とフリージアはヴァンエレンの入った使い魔カプセルをマオに手渡す
「やはり使い魔は主人の下に居るべきですもの」
>\妹様は一階だよっ!レベッカが一緒にいるっ!/
「逆に言うとレベッカさんと一緒にいるのがメイファさんだね」
と人間に変身しているグレムリン
ギズモはこう言った
「当たり前のことを言わないのギズモちゃん」
と言いつつもあれ?と思うフリージア
だがフリージアは知恵が武器の魔法使いとして致命的なほどお馬鹿だったため意味を深く追求しなかった
ギズモはこう言いたかったのであろう
たとえどんな姿でもレベッカと一緒にいるのならそれはメイファである・・・・と
>「メ、メイレンさん?こんな所ではゆっくりできませんし、場所を変えるのはどうでしょうか?
せっかく学園祭の途中にこられたんだから、いろいろ珍しい催しが見学できますよ。
メイファの説得はメイリンたちに任せて、王様も一緒に学園祭を見学しに行きましょう。
こーんなに綺麗で若々しいメイレンさんに好かれるなんて、罪作りなんだからー。よっ!色男!」
>「ストップ!
その前に来客用のリボンが付いていないだろ。
常に誰かが近くにいないとまずいぞ。」
「そういえばお母さん案内役じゃなかったっけ?」
思い出したかのようにつぶやくギズモ
「そういえばそうでしたわ!?私、学園祭始まってから誰も案内していないじゃないの!
・・・・仕方ありませんわ、私がその役目やって差し上げてもよくってよ!!」
何故かいちいち偉そうなフリージアだった
>104
> 「メ、メイレンさん?こんな所ではゆっくりできませんし、場所を変えるのはどうでしょうか?
> せっかく学園祭の途中にこられたんだから、いろいろ珍しい催しが見学できますよ。
> メイファの説得はメイリンたちに任せて、王様も一緒に学園祭を見学しに行きましょう。
> こーんなに綺麗で若々しいメイレンさんに好かれるなんて、罪作りなんだからー。よっ!色男!」
「そうね。きっとリンちゃんだけでも大丈夫よね。行きましょう。」
西方の文化に興味を持っているメイレンは二つ返事をした。
>106
> 「ストップ!
> その前に来客用のリボンが付いていないだろ。
> 常に誰かが近くにいないとまずいぞ。」
「いいえ、きっとあなたはおいしいと思うわ(愛好)」
メイレンは変な事を言ったが、深く気にしてはいけない。
>108
> 「そういえばお母さん案内役じゃなかったっけ?」
> 思い出したかのようにつぶやくギズモ
> 「そういえばそうでしたわ!?私、学園祭始まってから誰も案内していないじゃないの!
> ・・・・仕方ありませんわ、私がその役目やって差し上げてもよくってよ!!」
「じゃあ…お願いしようかしら?」
メイレンはフリージアに、私達ってお揃いね☆とばかりにちょっとスカートをふりふりした。
メイレンは、ふとリリアーナに視線をうつした。
「あら、結局片方の腕しかつけてあげなかったのね〜」
メイレンはちょっと考えた後、リリアーナに尋ねた。
「で、その腕をあなたはどうしようと考えているのかしら?」
>102 >104-106 >108-109
話は、少し遡る。
床に置かれた使い魔カプセルを見守っていると、アイシャとウェザーが声をかけてきた。
>「コレ、渡しとくね…リリッちの判断でって言った手前もあるし」
「アイシャ、ありがとう!」
リリアーナは嬉しそうにメイリンの義手を受け取った。
>「あのお…姉さんも、なんかバカ殿に夢中だし」
>【食欲的にだがな…】
「食欲?」
リリアーナが首をかしげていると、ウェザーは更に続けた。
>【私のフォローも必要ないだろう…下手な真似をする前にさっさと行け…とそううけとって問題ないか?小娘】
>アイ「ってことで、先に行ってるから…後よろしくね♪」
「えーっ、さっさと行けなんて思って無い・・・・・え?あ、うん!じゃあ私たちもすぐに行くから!」
こうして、アイシャ達は一足先に屋上を後にした。
クロウは苦虫を噛み潰したような顔で、レベッカの下着が押し込まれたポケットを見ている。
だがクロウは「お前からレベッカに返してくれ」とは言わなかった。
レベッカの下着を喜んでもっているということは、パンティコレクターか恋人同士以外考えられない。
そして前者はありえないのだから、残る理由は――――。
「そんーなムキにならなくても良いじゃない。恋に国境は関係無いと思うわ〜」
やはり何かとんでもない誤解をしたままのリリアーナであった。
>「あら?また新しいお友達ね〜!」
「メイレンさん、彼はこの学園の生徒で・・・・・・」
>「…あら〜、他にいい人がいるなら、仕方ないわね〜。」
リリアーナは離れていくメイレンの後姿を眺めつつ、ぽんぽんとクロウの肩を叩いたのだった。
クロウが出た使い魔カプセルに、頭を強打したヴァンエレンが治療のために入る事になった。
そのカプセルはマオの手に渡される。フリージアの粋な計らいに、リリアーナは思わず微笑む。
後ろではメイレンに学園内を案内するという話がまとまったようだ。
メイレンいわく、リンちゃんに任せておけば安心ということだが――――。
(でも、メイリンがメイファを見つけても、また中庭の惨事再びなんてことにならないかしら・・・・・・・)
リリアーナは少し不安になった。
そして、ヘレンが言い残した最後の言葉の意味も気になっている。
「ヘレーン、大丈夫?魔法無効化は終わったけど、まだ元の姿に戻れないの?
それともものすごく怒ってて、姿を現さないの?」
リリアーナは自分のおなかに向けてそう呼びかけてみた。
>108-109
そして現在。
メイファの行方を尋ねたリリアーナの返答に、メイリンは軽く応えた。
>彼女の髪の毛の一部がピンと立ち、それがすぐにメイリンの足元を指した。
>どうやら、メイリンの髪の毛が妖怪アンテナになっているようだ。
>\妹様は一階だよっ!レベッカが一緒にいるっ!/
「えっ、メイファはレベッカさんと一緒なの?!あ、ちょっと!ここ屋上・・・・・・・キャ――――!!!!!」
マオの通訳を聞いている間に、メイリンは軽々と飛び降りてしまった。
だがリリアーナの心配をよそに、メイリンに怪我は無いようだ。
リリアーナはホッとしたが、次の瞬間音を立てて血の気が引いていくのを感じた。
「大変!メイリンはまだ来客用リボンつけてないのに!
また誰かから不審者扱いされたら、大変なことになっちゃうわ!!」
だがリリアーナはメイリンと同じ方法でショートカットするのは無理である。
「私は階段から行くわ!マオマオはどうする?」
もしメイレンと行くのなら、通訳用の棒メイリンを受け取る必要があるだろう。
>「あら、結局片方の腕しかつけてあげなかったのね〜」
「え?・・・・・あっ!」
リリアーナはしまった!という顔をした。
>メイレンはちょっと考えた後、リリアーナに尋ねた。
>「で、その腕をあなたはどうしようと考えているのかしら?」
「返します」
リリアーナは即答した。
「メイリンは、私の友達を傷つけないと誓ってくれましたから。
――――あっ、また忘れてた!ギズモ、一緒に来て!義手の装着方法、私わからないのよ」
リリアーナはそう言って、ギズモにメイリンの義手を渡した。
「じゃあ私行きます!メイレンさん、また後で!!」
リリアーナは慌しく屋上を後にした。
>101
リリアーナが必死になって1階を目指し階段を駆け下りていると――――
「わっ、キャ――――!!」
途中の階に到着したところで、リリアーナは出会い頭に何者かと衝突した。
これは実はアイシャだったのだが、ぶつかった衝撃で足を滑らせ踊り場まで落ちたリリアーナはまだ知らない。
(もしアイシャが優秀な追跡者だったとしても、今の物音で全て台無しになったことだろう。)
「あいたたたた・・・・・・・・ご、ごめんらさひ、ちょっと急いれいて」
リリアーナは頭を押さえて蹲ったまま、ろれつの回らない声で謝罪をした。
>107
>「あ!リチャードさんも屋上の『気』に気づいたんだね!
> 私が見るに、あれはかなりの強者だよ!
> マリオさんは、ムウ大陸発見を邪魔する危険人物って言ってたけど、だれなのかなあ?
> マリオさんは王様にムウ大陸の事を聞いてるはずだから、戻って合流しよう!」
「そうですな、参りましょう」
だがマリオとは思っていたよりも早く合流する事ができた。
>マリオはスクナとミルクが屋上に飛んでいったのを見て、急いでそれを伝えに来たのだ。
マリオの話では、スクナとミルクは屋上に行ったらしい。
>「えええっ!?危ないからダメだって、ミルクに言っておいたのにー!!」
>「今のところ2人とも無事なようデース。 (中略)
> 2人を信頼して待つべきか、助けに向かうべきか、どちらが良いと思いマースか?」
>「うーん、そう言われると、王様やミルクを信頼して待った方が良いような気がしてきた。
> そう言えばロウさん、猫耳メイド喫茶に行きたいって行ってたよね。
> 喫茶店でお茶でも飲みながら、王様とミルクを待ってるのはどうかな?」
ロウはふむ、と考える仕草を見せた。
「今のところ屋上で何か異変が起こったようには見えませんなあ。マリオ殿はどう思われますかな?」
ロウはマリオの返答を聞くと、そうですかと言って何事か考え込む。
「だが変化が無いといって、安心してしまうには少々早い気もしますぞ。
のうユリ殿、ミルク殿達と何とか連絡を取れないものですかな?」
ミルク達の安全が確認できた後なら、学園祭を楽しみつつスクナを待つのもそう悪くないだろう。
>105 >100
>「血は足りているのでご心配には及びますまい」
そういって力こぶを作ったとたんに出血がひどくなった。
「だから言ったじゃないか、変な見栄はらずに大人しくしていろ」
>「マオマオ、ヴァンエレンの具合はどうかな、もう動けそう?
「うーん、本人は大丈夫って言ってるけど、たぶん無理だ。」
てかこんな状態で動かれても見ているこっちが気が気じゃなくなる。
>重傷ならフリージアに使い魔カプセル貸してもらったら?ね、フリージア」
「そうだな、フリージアがいいならお願いしたい。貸してもらってもいいかフリージア?」
リリアーナの提案を素直に受けフリージアに使い魔カプセルを貸してもらえるか訊く僕。
>「いいのかいフリージア?
>(中略)
>後は任せたぞ、御大将たちよ〜」
人の心配も知らないでノホホンとフリージアの使い魔カプセルに入っていくヴァンエレンにため息をつく。
そういえば、いつも見ているとフリージアは使い魔カプセルを胸にしまいこんでいるが
ヴァンエレンの入っているカプセルも胸にしまいこむつもりなんだろうか。
いや、別にそれがどうしたと言われればそうなんだけど…
>108
>「とりあえずマオさんこれを渡しておきますわ」
悩んでいるとフリージアがヴァンエレンの入ったカプセルを渡してくる。
>「やはり使い魔は主人の下に居るべきですもの」
「ん…まあその……ありがとうフリージア」
フリージアの心づかいに僕は少し恥ずかしそうにしながら礼を言う。
>111
>「えっ、メイファはレベッカさんと一緒なの?!あ、ちょっと!ここ屋上・・・・・・・キャ――――!!!!!」
通訳していた瞬間にメイリンが飛び降りてリリアーナが驚愕している、
が、そこは妖怪。そんな考えなしに落ちるわけではないだろう。
思ったとおり無事のようだ、だがある意味そっちよりまずいことが起こる。
メイリンは相変わらず来客用のリボンをつけてない。
>「私は階段から行くわ!マオマオはどうする?」
「僕も行こう、一応生徒会だしな。クロウはどうする?
来るならついでにレベッカも探してその下着も返してきたらどうだ。
お前が脱がしたんだから責任持った方がいいんじゃないか?」
とりあえずそう言ってリリアーナの後を追う。
>途中の階に到着したところで、リリアーナは出会い頭に何者かと衝突した。
相変わらずドジな奴だなぁ。しかもよりによってぶつかった相手がアイシャだし、
「アイシャ、その様子だとなにか掴んだか?」
謝ってるリリアーナは放っておいてアイシャに状況を聞いてみる。
追跡の最中、何者かがこちらに近づいてくるのを感じた。
もし、そいつがメイファならば、このまま遭遇と同時に…いや、流石に考えすぎたか
だが、その考えとは裏腹に銃を握る手に力が入る
【(しかし、対悪魔用の魔銃が中つ国の妖怪に効果があるかどうか悩んでるな
私としては、我々と同等の効果がほしいが…あまり期待も出来ないし、そっちのほうが都合がいいだろうな)】
ウェザーはそのことについてアイシャに触れることはなかった
階段周辺にさしかかった時である
視界の外から何者かがぶつかり、そのまま階段を転げ落ちてしまったのだ
「イったー!マジ最悪」
頭をさすりながら立ち上がると謝罪する何者かに目を向ける
「ほんっとバカなんじゃないの!ちゃんと前見てあるい……アッ」
リリアーナだと確認できた途端、気まずくなり視線を逸らした
「…でも、まぁ間違いは誰にでも有るわけだし…ごめんね…なんか思いっきり言っちゃって」
この状況下でもマオは冷静に様子を訪ねてきた
「外から誰か入ってきてる
ガラスが内側に割れてたし、間違い無いんじゃない
んで、誰かを追いかけてこの先までいって…」
状況を説明している間に大事なことを思い出し、顔が青くなる
「そうだ!今ソイツっぽいのがこっちに近づいてんだって」
>106 >108 >109-111
>「そうね。きっとリンちゃんだけでも大丈夫よね。行きましょう。」
>「ストップ!
> その前に来客用のリボンが付いていないだろ。
> 常に誰かが近くにいないとまずいぞ。」
「あ、そっか、リボンね……忘れてた」
メイレンさんが快く提案を受け入れてほっとしたのもつかの間、クロウの指摘で新たな問題が浮上した。
>「いいえ、きっとあなたはおいしいと思うわ(愛好)」
「いやその、クロウが言ってるのは味の事じゃなくてですね。
来客用のリボンが無いと、不審者扱いを受ける可能性がありまして…」
来客用リボンがなけりゃ、知らない生徒から見れば、メイレンさんも立派な不審者だ。
誰かがエスコートについてりゃいいんだけど、あたしは王様を見なきゃいけないしなあ。
誰か手の合いてる生徒がいればいいけど。
それも事の成り行きを説明して納得してくれる人が…
>「そういえばお母さん案内役じゃなかったっけ?」
>「そういえばそうでしたわ!?私、学園祭始まってから誰も案内していないじゃないの!
> ・・・・仕方ありませんわ、私がその役目やって差し上げてもよくってよ!!」
>「じゃあ…お願いしようかしら?」
「まだフリージア決まってなかったんだ。よし、じゃあ決まりね。
メイレンさんのエスコートがんばって。…学園の平和のために」
悩んでいたところ、ギズモが良いこと思い出してくれたので、エスコート役はフリージアに決定。
魔法使い大虐殺の悪夢再来を防ぐ超大切な役割です。がんばれー!
>>(ミル…ミルク…)
メイレンさんがリリアーナに話しかけるのをなんとなく見てると、誰かがあたしを呼ぶ声に気づいた。
ちょっとキョロキョロしても、別に誰も小声で話しかけてきてはいないし。
……あ。もしかしてユリの声か?これ?
「もしもーし、ユリ?なんでそんな小声なのよ。
普段は大声で話しかけて来るから、誰かわからなかったじゃない。
リチャードさんと合流できたの?」
>>「うん。ちゃんと森から助けられたよ。
>> 屋上は、どうかな?ミルクも王様も無事?」
ははあ。さては屋上は危険だって聞かされて、珍しく心配してたんだな。
小声だったのはユリなりに気を使ってたってわけか。
「今は王様と別行動中だけど、まあなんとか2人とも無事だよ、問題なし。
ただ、これから超重要来客のメイレンさんって人をフリージアが学園案内して回る予定。
もしフリージアと一緒の人に出会っても、突撃取材とかして怒らせるのは絶対禁止だから。
…こっちもちょっと急いでるからこれで切るよ、また何かあったら連絡するから」
> 「じゃあ私行きます!メイレンさん、また後で!!」
「メイファの事よろしくね!」
リリアーナが行っちゃいそうになったので、慌ててユリとの通信を切って一声かける。
まー、リリアーナの事だから問題は無いだろうけど、一応だ。
「さて、これでメイファの件は心配なくなったし、あたしたちは学園祭巡りと行きますか。
メイレンさんお腹空いてません?
ドラゴンステーキ屋とか猫耳メイド喫茶とか、食べる所もいろいろありますよ。
お腹が空いてないなら、催し巡りから学園観光ツアーまで選び放題!
あ、教頭先生の所に行って、先に追加でリボンをもらうのもありかな?
ほらほら、みんなも歩きながらどんどんメイレンさんにおすすめの場所を紹介しちゃおう!」
>111
> 「わっ、キャ――――!!」
> 途中の階に到着したところで、リリアーナは出会い頭に何者かと衝突した。
「………」
ちょうど階段にさしかかろうとしていたレベッカは足を止めた。
『誰かいるみてーだ。』
レベッカは中つ国の言葉で小さくささやいた。
>『今事を構えるのはあまり懸命じゃないと思うわ。私を隠して。』
レベッカが背負っているメイファが、寝たふりをしながらレベッカに指示を出した。
レベッカは無人の教室に入り、ロッカーにメイファを入れた。
>『もしも誰かに会って、その誰かが私を探しているようなら、何も言わずに殺して。』
レベッカはロッカーを閉めた。
>113>114
> 「そうだ!今ソイツっぽいのがこっちに近づいてんだって」
「そいつは俺の事か?」
レベッカがアイシャ、マオ、リリアーナ達の前に現れた。
「よぉ、リーにマオ。メイレンはどうだった?俺に似てただろ?あ?俺に近いものを感じただろ?
俺も妖怪なんじゃねーかって思ったんだろ?おい、はっきり言えよコラ。」
レベッカは自虐的な質問を二人に浴びせた。
ちなみに、アイシャとは初対面なので何も思うところは無いようだ。
>109>111>115
>「じゃあ…お願いしようかしら?」
というわけでメイレンを案内する事になったフリージア
>「まだフリージア決まってなかったんだ。よし、じゃあ決まりね。
メイレンさんのエスコートがんばって。…学園の平和のために」
>「で、その腕をあなたはどうしようと考えているのかしら?」
>「返します」
>「メイリンは、私の友達を傷つけないと誓ってくれましたから。
――――あっ、また忘れてた!ギズモ、一緒に来て!義手の装着方法、私わからないのよ」
「うふふふふま〜か〜せ〜て〜」
と何故か未来から来た青狸風に答えるギズモ
すばやくメイリンに義手を装着するのであった
>「さて、これでメイファの件は心配なくなったし、あたしたちは学園祭巡りと行きますか。
メイレンさんお腹空いてません?
ドラゴンステーキ屋とか猫耳メイド喫茶とか、食べる所もいろいろありますよ。
お腹が空いてないなら、催し巡りから学園観光ツアーまで選び放題!
あ、教頭先生の所に行って、先に追加でリボンをもらうのもありかな?
ほらほら、みんなも歩きながらどんどんメイレンさんにおすすめの場所を紹介しちゃおう!」
「ミルクさんの言うとおり色々と候補はあるけどどういうところに行きたいのかしら?
私のお勧めは氷魔法科の氷の彫像展なのだけれど」
フリージアの所属している氷魔法科ではフリージングドールを着た雪の精霊雪ダルマンが
フリージングドールを製造しその中に別の雪ダルマンが入り込みその雪ダルマンがフリージングドールを作り
それにさらに別の雪ダルマンが入りフリージングドールを作りさらに別の(ry
という101匹フリージアさん大増殖というカオスな状態になっている事をフリージアは知らない
「今頃、氷龍ブリュームナグの氷像が完成しているはずですわ」
とフリージア、知らないという事は幸福である
「とりあえず作業は終わったよv」
とギズモ
どうやら慣れてきたようで前よりも完成スピードが上がっているようだ
「じゃあ階段で歩いて下まで降りるかそれとも私の空飛ぶ雪の結晶で直接降りるかどっちにしますの?」
フリージアの雪の結晶に大人数が乗れるかどうかは怪しいが一人ずつ下ろすのなら問題ないだろう
「じゃあ僕は自分の羽で降りて下で待ってるね」
とギズモは一人で降りて行くのであった
>115>117
> 「さて、これでメイファの件は心配なくなったし、あたしたちは学園祭巡りと行きますか。
> メイレンさんお腹空いてません?
> ドラゴンステーキ屋とか猫耳メイド喫茶とか、食べる所もいろいろありますよ。
> お腹が空いてないなら、催し巡りから学園観光ツアーまで選び放題!
> あ、教頭先生の所に行って、先に追加でリボンをもらうのもありかな?
> ほらほら、みんなも歩きながらどんどんメイレンさんにおすすめの場所を紹介しちゃおう!」
> 「ミルクさんの言うとおり色々と候補はあるけどどういうところに行きたいのかしら?
> 私のお勧めは氷魔法科の氷の彫像展なのだけれど」
「お腹は膨れる予定があるから大丈夫よ。私は西方のファッションに興味があるわ〜。」
メイレンは呑気にそう答えた。
> 「じゃあ階段で歩いて下まで降りるかそれとも私の空飛ぶ雪の結晶で直接降りるかどっちにしますの?」
「…え?」
メイレンは恐る恐る屋上から下を覗いて見た。
メイリンは躊躇無く飛び降りてしまったが、かなりの高さである。
「こ、恐いから歩いて降りる事にするわ。」
>113-114
>「イったー!マジ最悪」
ぶつかった相手はかなり怒っているようだ
>「ほんっとバカなんじゃないの!ちゃんと前見てあるい……アッ」
「ごめぇんアイシャ、本当にごめんね〜」
>「…でも、まぁ間違いは誰にでも有るわけだし…ごめんね…なんか思いっきり言っちゃって」
「ううん、私が悪いの。急いでいて、前をよく見てなかったから。
ごめんねアイシャ。怪我はないかな?」
リリアーナは壁に手をつきながら立ち上がった。
>「アイシャ、その様子だとなにか掴んだか?」
謝ってるリリアーナをよそに、マオはアイシャに状況を聞いている。
>「外から誰か入ってきてる
> ガラスが内側に割れてたし、間違い無いんじゃない
> んで、誰かを追いかけてこの先までいって…」
そこまで話すと、アイシャの顔色が変わった。
>「そうだ!今ソイツっぽいのがこっちに近づいてんだって」
>「そいつは俺の事か?」
「レベッカさん!」
声に振り向くと、そこにはレベッカが立っていた。
メイリンの話と違って、彼女は一人だった。
>「よぉ、リーにマオ。メイレンはどうだった?俺に似てただろ?あ?俺に近いものを感じただろ?
> 俺も妖怪なんじゃねーかって思ったんだろ?おい、はっきり言えよコラ。」
リリアーナはあっけに取られていたが、やがて気を取り直すと。
「レベッカさん、メイファに何か言われたの?」と言った。
リリアーナはちょっと考え込んでいたが、やがてうん、と頷き口を開いた。
「確かにレベッカさんは、メイレンさんにとってもよく似てるよね。
でも私、中つ国の人に会うの初めてだから、あんまりよく分からない。
獣人さんとか異国の人って皆同じ顔に見えちゃうし。
それよりレベッカさん自身はどう思ってるの?似てる理由を皆に聞いて欲しいのかな?」
リリアーナはうーん、と言いながら、髪をくしゃくしゃとかき回した。
実は、レベッカが妖怪なのは薄々気づいていた。多分、第一次文化革命を起こしたのは彼女だろう。
だがリリアーナは、それでもレベッカが自分から話す気になるまで待つ気だった。
「私はあんまり難しい事は分からないけど・・・・・一つだけはっきりしてることがあるわ。
それはね・・・・・・・この学園は魔法を学びたいと望むもの全てに広く門戸を開いているってことよ。
生徒になることを許された以上、人間だろうが妖怪だろうが悪魔の血をひこうが、等しく『魔法使いの卵』よ」
リリアーナはそう言った後、そわそわと居心地悪そうな顔でマオ達の方を見た。
感情抜きの理路整然とした話は、あまり得意な方では無いのだ。
「あっ、そうだ!レベッカさん、メイファとメイリンに会わなかった?
実はメイリンが、妖怪の妖気探知か何かでメイファを発見するなり屋上から飛び降りちゃったの。
彼女、まだ来客用リボンもつけてないっていうのに」
ギズモに、メイリンを追って義手を返すよう頼んだのだが、無事彼女と合流は出来たのだろうか?
「そう言えばメイリンは、レベッカさんはメイファと一緒だって教えてくれたんだけど・・・・・」
リリアーナはキョロキョロと周囲を見渡した。
「居ないね。メイリンとばったり会って、二人で仲良く中つ国に帰った・・・・・・なんてあるわけ無いだろうし」
当たり前である。
>108>111
どうやらフリージアがメイレンさんの案内役になってくれるようだな。
じゃあさっさとメイファを見つけて騒動を終わらせるか。
>「えっ、メイファはレベッカさんと一緒なの?!あ、ちょっと!ここ屋上・・・・・・・キャ――――!!!!!」
「今度は何だ!?」
ったく、喫茶店の事件に関わってから碌な目にあってねぇ。
>「大変!メイリンはまだ来客用リボンつけてないのに!
また誰かから不審者扱いされたら、大変なことになっちゃうわ!!」
それ以前に屋上から飛び降りて平気とかどんな運動神経してんだよ。
>113
>「私は階段から行くわ!マオマオはどうする?」
>「僕も行こう、一応生徒会だしな。クロウはどうする?
来るならついでにレベッカも探してその下着も返してきたらどうだ。
お前が脱がしたんだから責任持った方がいいんじゃないか?」
「マオまでそんなこと言うのか!!
俺はただカプセル内で寝てただけだぞ!!」
こうなったら後でクリスにカプセル内の出来事を幻灯機に写してもらうしかなさそうだな。
できるか分からんけど・・・
>117>118
>「さて、これでメイファの件は心配なくなったし、あたしたちは学園祭巡りと行きますか。
(中略)
ほらほら、みんなも歩きながらどんどんメイレンさんにおすすめの場所を紹介しちゃおう!」
・・・こっちの方は大丈夫そうか。
それにリリアーナとマオでは万が一戦闘に入った場合、接近戦に弱そうだしな。
下の階に向かうか。
>114>116>119
で、追い着いたら何なんだこの状況は・・・
もしや妖怪には精神を操る力も備わっているのか?
とにかく様子見で近くの教室に身を隠すか。
リリアーナが話をしている間、アイシャは不気味な笑みを浮かべながらレベッカを見ていた。
先ほども言ったように、悪魔は何かを覚悟したり、吹っ切れた者を嫌う
だが、逆に多少の悩みを抱えている者に対しては強い好奇心を抱くものなのだ
まさに今のレベッカはそうだ
語気を荒げ、自暴自棄な問答をしてはいるが
その目には、何かを引きずっているような陰りを見せる
だが、リリアーナがメイファのことを聞いた瞬間、その目から殺意を感じ取った。
と同時にアイシャは魔銃の引き金を引いた
狙いはレベッカの足元、ここなら当たっても当たらなくとも多少の足止めは出来るだろう
すぐさま、リリアーナの手を引いて階段を駆け上がる。
「リリッちのそういうとこ、好きだよ。なんの躊躇いもなく地雷ふんじゃうところとか」
>114
>「外から誰か入ってきてる
>ガラスが内側に割れてたし、間違い無いんじゃない
>んで、誰かを追いかけてこの先までいって…」
そこまで状況を説明してアイシャの顔が青くなる。
>「そうだ!今ソイツっぽいのがこっちに近づいてんだって」
>「そいつは俺の事か?」
聴き覚えのある声に振り向くとレベッカが立っていた。
「居たのか……ということはガラスとかはお前がやったのか?」
しかし僕の言葉はレベッカには聞こえていないようで続ける。
>「よぉ、リーにマオ。メイレンはどうだった?俺に似てただろ?あ?俺に近いものを感じただろ?
>俺も妖怪なんじゃねーかって思ったんだろ?おい、はっきり言えよコラ。」
何の脈絡もない言葉に思わず僕もリリアーナも呆気にとられてしまった。
とりあえずリリアーナが何やら語りかける言葉を考えているようなので黙っておくことにしておく。
>「確かにレベッカさんは、メイレンさんにとってもよく似てるよね。
>(中略)
>それよりレベッカさん自身はどう思ってるの?似てる理由を皆に聞いて欲しいのかな?」
そこまで言ってリリアーナは髪をくしゃくしゃと掻きまわし続ける。
>「私はあんまり難しい事は分からないけど・・・・・一つだけはっきりしてることがあるわ。
>それはね・・・・・・・この学園は魔法を学びたいと望むもの全てに広く門戸を開いているってことよ。
>生徒になることを許された以上、人間だろうが妖怪だろうが悪魔の血をひこうが、等しく『魔法使いの卵』よ」
そこまで言った後リリアーナは何やらそわそわとしながら僕を見た。
何か言ってくれということなのだろう。僕は一回コホンッと咳払いをして口を開く。
「この学校は入学や編入する場合に置いても種族の規制はない。
おそらくお前は妖怪と知られたら居られなくなると思ったのかもしれないが。
生憎この学校にはそういう差別は表面上はない。無論。お前を妖怪と知って嫌う魔法使いも多いだろう。
それに耐えられないほど弱い心なら出て行って国に帰ったほうがお前にとって幸せだと思う。
だがお前が生徒でありたいと願う限り、この学校はお前を除籍することはない。」
とりあえずリリアーナのフォローもここまでが限界だ。これでレベッカに伝わらないのならもう僕の手の及ぶところではない。
>119>121
そこまで言った後、リリアーナはメイファとメイリンを知らないかとレベッカに聞く。
しかし、レベッカが返答する前にアイシャが銃を一発、
レベッカの足元に撃ちそのまま階段を駆けあがってしまった。
「……どういうつもりだ?」
しかし、僕がその言葉を投げかけた先はアイシャではなくレベッカだった。
「なんでメイファとメイリンの事を聞いた一瞬、リリアーナを殺そうとした?」
その言葉を無視してリリアーナを追おうとするレベッカの前に立ちふさがり溜息をつく。
「リリアーナはお前と本気で仲良くしたいと思っていた。
そういう莫迦だからな…あいつはそういう莫迦だ。
それなのにどうしてだ?お前は信じられる奴を、
自分で葬ろうとしているのかもしれないんだぞ?」
そして僕はレベッカの返答を待つ、
これでまだ殺意を持ってリリアーナを追うようならば……
どんなに頑張ろうと理解し合えない敵として対応するしかなくなる。
>112
>「今のところ屋上で何か異変が起こったようには見えませんなあ。マリオ殿はどう思われますかな?」
>>「少し様子を見てみマース」
そう言ってマリオは、ピョンピョンと2回、木々の上に頭が出るほど高くジャンプした。
>>「今のところ屋上に変化があるようには見えないデース。
>> 危険な存在らしいのデースが、どうしてでショウか?
>> なんにしても、スクナさんやミルクさんは無事なようで良かったデース」
マリオの返事を聞いたロウだが、やはりそれだけで確実に安全とは思えないのだろう。
少し何かを考えるような仕草を見せた。
>「だが変化が無いといって、安心してしまうには少々早い気もしますぞ。
> のうユリ殿、ミルク殿達と何とか連絡を取れないものですかな?」
「あ、そうか!ミルクと連絡を取れば、無事かどうかすぐわかるね!
リチャードさんあったまいい!!」
ユリは遠話の水晶球を取り出し、集中して魔力を込め始めた。
そして少しだけ何かを考えてから、小声でミルクに呼びかける。
「ミルクー。ミルクー。元気ですかどうぞー」
>「もしもーし、ユリ?なんでそんな小声なのよ。(中略)
> リチャードさんと合流できたの?」
帰ってきたミルクのごく普通の反応は、ロウやマリオにも聞き取れるだろう。
察しが良ければ屋上に異変はないことにすぐ気づくかもしれないが、ユリはそこまで賢くなかった。
その後現在の状況説明が続き、スクナと別行動中であることや、来客のメイレンについて伝えられる。
>「じゃあ私行きます!メイレンさん、また後で!!」
通信は最後にリリアーナの声を拾って切れた。
「良かったー、王様もミルクも無事みたいだよ。
これなら、猫耳メイド喫茶でゆっくりお茶できるね!
屋上に来たのはメイレンって名前の人だけど、有名人なのかな?
聞いたことあるようなないような……」
>>「知らない名前デース。
>> 危険な存在であると聞いたのですが…ロウさんはご存じデースか?」
マリオはメイレンの名前に心当たりがないようだ。
>117ギズモ部分修正
>「メイリンは、私の友達を傷つけないと誓ってくれましたから。
――――あっ、また忘れてた!ギズモ、一緒に来て!義手の装着方法、私わからないのよ」
「うふふふふま〜か〜せ〜て〜」
と何故か未来から来た青狸風に答えるギズモ
「じゃあ僕は自分の羽で降りて下で待ってるね」
とギズモは一人で降りて行くのであった
「メイリンさんは何処かなぁ?」
あっと言う間に地面の降り立つギズモ
まずはメイレンを見つけなければ話にならない
見つけることが出来れば約8分40秒で
「とりあえず作業は終わったよv」
と言う事になるであろう
「あっ!いた!」
はたしてギズモが見つけたのは本当にメイリンなのだろうか?
>118
>「こ、恐いから歩いて降りる事にするわ。」
「まあ確かに慣れてないと怖いかもしれませんわねぇ」
フリージアの空飛ぶ雪の結晶は無色透明に近いため
下を見るとかなぁああああああり怖い
フリージアも慣れるまでは怖かったに違いない
「まあ10歳児が一人で熊と戦う恐怖よりはましですわ」
そんな非常識な事をさせるのはフリージアの親だけである
とはいったもの嫌がる人(?)を無理やり載せるほどフリージアは外道ではない
「じゃあ階段で下に降りましょうか」
フリージアは結局、階段から下に向かう事にした
>119>121
さて状況的に考えてこのまま下に向かうとレベッカとエンカウントするのだが
その前にリリアーナとエンカウントしてしまった
「あら?リリアーナさん戻ってきましたの?」
階段を降りている途中で登ってくるアイシャとリリアーナに出会うフリージア
「で結局レベッカさんとは出会えたのかしら?
あ!そこ天井低いから頭ぶつけないように気をつけてちょうだいな」
2mクラスの人間ならちょうどいいが大きいメイレンさんにはこの階段は窮屈では無いだろうか?
そう思いフリージアは声を掛けるのであった
>117-118 >121 >124
>「ミルクさんの言うとおり色々と候補はあるけどどういうところに行きたいのかしら?
> 私のお勧めは氷魔法科の氷の彫像展なのだけれど」
>「お腹は膨れる予定があるから大丈夫よ。私は西方のファッションに興味があるわ〜。」
「ファッション。大丈夫です。
彫像展ならいろんなファッション紹介もしてるはずだし。
まずはフリージアお勧めの『氷の彫像展』見学に行きましょう」
急に呼び出されたって聞いてたけど、もう予定が入ってるのか。
リリアーナかレベッカか、あるいはメイリン辺りと食事の約束でもしてるのかな。
なんにしても、ファッションに興味がある、程度のムリの無いお願いでよかった。
王様にもぜひ見習ってほしいわホント。
>「じゃあ階段で歩いて下まで降りるかそれとも私の空飛ぶ雪の結晶で直接降りるかどっちにしますの?」
>「…え?」
フリージアに言われてメイレンさん、恐る恐るといった感じで校舎の下を見下ろした。
確かに屋上はかなり高い位置にある。
あたしが飛び降りたら、ただの自殺になること間違いなしなくらいには。
でもメイリンは軽く飛び降りて見せたし、空を飛べるなら誰でもフリージアと同じ事を考えるだろう。
>「こ、恐いから歩いて降りる事にするわ。」
なのに。魔法使い大虐殺で歴史を変えた大妖怪なはずのメイレンさんは、高いところが怖いとか。
…演技か本気か判断に迷うところだ。
>「まあ確かに慣れてないと怖いかもしれませんわねぇ」
フリージアは素直に納得したみたいだけど。
>「まあ10歳児が一人で熊と戦う恐怖よりはましですわ」
「なぜそんな具体的な例を引き合いに出す……」
やっぱりどこかズレた感想を言ってのけた。
戦った事あるのかとツッコミを入れたい所だが、ホントにありそうだから怖くて聞けない…
>「じゃあ階段で下に降りましょうか」
「途中で西洋ファッションを見る機会もあるかもしれないし、ついでに簡単に校舎内を案内しますよ」
フリージアと一緒にメイレンさんを案内して階段を降りてると、下から誰かがえらい勢いで走ってきた。
>「あら?リリアーナさん戻ってきましたの?」
上がってきたのは、アイシャに引っ張られたリリアーナ。
さっき降りていったところなのにもうUターンですか。
「2人ともどうしたのよそんなに急いで。忘れ物でもした?」
>「で結局レベッカさんとは出会えたのかしら?
> あ!そこ天井低いから頭ぶつけないように気をつけてちょうだいな」
>119>121>122
> 「レベッカさん、メイファに何か言われたの?」
というリリアーナの問いかけにレベッカは「おめーには関係ねー」と言った。
> 「確かにレベッカさんは、メイレンさんにとってもよく似てるよね。
> でも私、中つ国の人に会うの初めてだから、あんまりよく分からない。
> 獣人さんとか異国の人って皆同じ顔に見えちゃうし。
> それよりレベッカさん自身はどう思ってるの?似てる理由を皆に聞いて欲しいのかな?」
「そいつは逆だろ。おめーが知りてーのは、それを聞いて俺が怒るか怒らねーか、じゃねーか?」
> 「私はあんまり難しい事は分からないけど・・・・・一つだけはっきりしてることがあるわ。
> それはね・・・・・・・この学園は魔法を学びたいと望むもの全てに広く門戸を開いているってことよ。
> 生徒になることを許された以上、人間だろうが妖怪だろうが悪魔の血をひこうが、等しく『魔法使いの卵』よ」
マオが続けた。
> 「この学校は入学や編入する場合に置いても種族の規制はない。
> おそらくお前は妖怪と知られたら居られなくなると思ったのかもしれないが。
> 生憎この学校にはそういう差別は表面上はない。無論。お前を妖怪と知って嫌う魔法使いも多いだろう。
> それに耐えられないほど弱い心なら出て行って国に帰ったほうがお前にとって幸せだと思う。
> だがお前が生徒でありたいと願う限り、この学校はお前を除籍することはない。」
「なんだよ、結局俺が妖怪であることを前提にして話をすすめてるじゃねーか。
ああ、確かにおめーらは“難しい事”が何にもわかってねえ。
俺がここにいる事が、どれだけ政治的な意味合いがあるかってことをよ。
視野が狭すぎるんだおめーらは。大局的に世界に目を向けてみろ。
一個人の感情レベルの問題だとでも本気で思ってんのか?」
リリアーナがメイファの事について一通り話した後、レベッカは何も言わずに槍を突き出した。
札槍(ザーチャン)、中つ国における長家槍の基本中の基本であり、奥義である。
槍の先端がリリアーナの顔面を捉えようとした時、その先がわずかに振れて彼女の肩をわずかに斬った。
「いてーな、このヤロー。」
アイシャの弾丸がレベッカの足を捉えたからだ。長家槍に限らず、中つ国の武術は脚力を重視するため、
これは後々大きなタクティカルアドバンテージとなるだろう。
> 「リリアーナはお前と本気で仲良くしたいと思っていた。
> そういう莫迦だからな…あいつはそういう莫迦だ。
> それなのにどうしてだ?お前は信じられる奴を、
> 自分で葬ろうとしているのかもしれないんだぞ?」
「うっせーな。こっちにも色々と事情があんだよ。」
リリアーナを殺そうとした理由を、レベッカは説明できないようだ。
「スペルカード発動、シエウー・ホンレン!」
レベッカは3枚の呪符を取り出した。
「お前もだ。マオ。」
レベッカが放った呪符は方向こそ異なれど、マオを追尾して飛んでいく。
呪符・血霧紅刃は、血の通うものを切断する効果を持つ呪符だ。
避けるのが難しければ、呪符自体を破壊して身を守る必要があるだろう。
>124
> 「あっ!いた!」
ギズモは、
屋上から一階に到着し、その衝撃で足が痺れて動けないメイリンに近づいていった。
メイリンは振り返らなかったが、ギズモとゲロロ(義手)はちゃんと“見えていた”。
\ダーリンktkr/
と棒メイリンがwktkしていてもギズモにはわからないだろう。
一つ確かなのは、ギズモがメイリンにゲロロ(義手)を装着しようとすれば、
メイリンは快くそれに応じるだろう。
> 「あら?リリアーナさん戻ってきましたの?」
「あら、たいへん!怪我してるわ!」
リリアーナの肩からぽたぽたと血が流れ落ちていた。
> 「で結局レベッカさんとは出会えたのかしら?
> あ!そこ天井低いから頭ぶつけないように気をつけてちょうだいな」
「ぎゃん!?」
大妖怪の頭からも出血が始まった。理由は説明するまでも無い。
「痛い〜!死んじゃう〜!」
無論、死ぬわけが無い。
>126 >122
「なんだよ、結局俺が妖怪であることを前提にして話をすすめてるじゃねーか。
ああ、確かにおめーらは“難しい事”が何にもわかってねえ。
俺がここにいる事が、どれだけ政治的な意味合いがあるかってことをよ。
視野が狭すぎるんだおめーらは。大局的に世界に目を向けてみろ。
一個人の感情レベルの問題だとでも本気で思ってんのか?」
「確かに私は馬鹿よ。レベッカさんの言う難しい話なんてさっぱりわからない。
でもね、ただの侵入者ならいざ知らず、学園長の面接をすり抜けて妖怪が入学するのは至難の業なの。
スカーフェイスさんを友と呼んでいた学園長が、妖怪と普通の人間を見分けられないとは考えにくいわ。
となれば、少なくとも学園長は全てを納得した上であなたを留学生として認めたことになる。
学園が認めた相手を、私達が友として受け入れようとすることに何の不都合があるっていうの?」
論点が微妙にずれているのは、リリアーナのリリアーナたる所以だろう。
だがもしもここにテリーがいたら、
「もしかしたら、学園長だってメイビー、間違える事だってあるかもしれないぜ!」
と突っ込んだかもしれない。
>リリアーナがメイファの事について一通り話した後、レベッカは何も言わずに槍を突き出した。
「え?」
リリアーナはよく分からず、間の抜けた声をあげるだけだった。
槍の先端がリリアーナの顔面を捉えようとした時、その先がわずかに振れて彼女の肩を斬った。
「・・・・っ!」
肩を押さえて蹲ったリリアーナを立ち上がらせると、アイシャが手を引いて階段を駆け上がった。
「リリッちのそういうとこ、好きだよ。なんの躊躇いもなく地雷ふんじゃうところとか」
「地雷?・・・私、そんなに嫌なことを言っちゃったのかな・・・・・」
リリアーナは殺されかけたショックと痛みでぼうっとしながら、アイシャについていく。
「レベッカさんが妖怪なのは薄々わかってたの。
だって彼女、普通の人では絶対に知りえないような事をたくさん知りすぎてたし。
自分から言ってくれるまで待つつもりだったけど・・・・・・私、間違ってたのかな?」
血の跡を転々と残しながら、リリアーナは気の抜けたような声でずれた事を言った。
>124 >127
> 「あら?リリアーナさん戻ってきましたの?」
「うん、レベッカさんとちょっと・・・・・・メイファとはまだ会ってないよ」
>「あら、たいへん!怪我してるわ!」
「いえ、かすり傷です」
リリアーナはそう言って止血しようとしたようだが、片手ではうまく行かないようだ。
「ぎゃん!?」
そうしている間に、メイレンは天井に頭をぶつけて蹲ってしまった。
「痛い〜!死んじゃう〜!」
「だ、大丈夫ですか?」
リリアーナは思わず傷の具合を見ようとしたが、自分の手が汚れているのに気づき慌てて引っ込めた。
ただ見た感じただぶつけただけなので、間違っても死ぬことは無いだろう。
「メイレンさん、レベッカさんをご存知ですね?」
リリアーナは前振り無しでいきなり本題を切り出した。
体調が悪いせいか、あまり気を回せる状態ではないのかもしれない。
「中つ国では確か天皇后・・・・・・・テンちゃんですね。
メイレンさん、差し支えなければ教えてください。
あなたの娘さん達はこの学園で何をしようとしているんですか?
メイリンは、あなたが来たから勝てると言っていました。
だけどメイリンは、あなたに何かをさせようとするそぶりも無い。
・・・・・・・メイファとメイリンはともかく、少なくともレベッカさんに関してはご存知ですよね?」
だんだんくらくらして来たリリアーナは、傍らのアイシャへと凭れかかった。
「私は、魔法使いを知るためにレベッカさんは学園に留学するんだと思っていました。
魔法使いを知ることで、妖怪と魔法使いが仲良くなれる道を模索するつもりなのかな、と。
でもレベッカさんは、ここにいることに政治的意味があると言いました。
と言う事はつまり、ここにいることはレベッカさんだけの意思や好奇心だけでは無い・・・・・・・」
ここまで話したリリアーナは急に黙り込んだ。どうやら軽い貧血を起こしたようだ。
「リリッちはさ、優しいよ…でもね…その優しさが時には人を傷つけることもあるの
確かに校長は許可したのかも知れない
でも、この事が他の学校や人外を嫌う馬鹿の耳に聞こえたらどうなると思う?
まして、親子でこんなトラブルまで起こしてる訳じゃん?
アイツが言ってるのはそういう意味じゃなかったのかな
さっきはそういう道徳的な事を言うんじゃなくて、正直に思ってることをぶっちゃけたほうが良かったんじゃない?」
【ちょっと待て…それだと辻褄が…】
「だから、今から確認しにいくの
私の仮説が正しくてもそうでなくても、事の発端がうやむやな以上、対処の仕様がないでしょ…ね!リリッち」
リリアーナに向けてウィンクすると少し走る速さを速めた。
「そうそう、忘れ物
このお…姉さんは私らが連れてくから、急いで先に行ってて優等生がカンカンに怒ってるから」
そう言ってミルク達とすれ違った。
不自然に「急いで」やマオについてのことを付け加えたのは、緊急事態であることを知らせるつもりでつけたが…果たして気づくだろうか
屋上につくと、早速リリアーナが今回の騒動の真相とレベッカについてフラフラしながら質問し、自分にもたれ掛かってきた
「お疲れ様リリッち、ちょっと横になっててね」
もたれ掛かってきたリリアーナを優しく寝かすと、メイレンに視線を戻した。
「怪我人が出ても、これ以上惚けるつもりなら、コレで蜂の巣にするけど文句ないよね?」
少し眉にシワを寄せながら、メイレンに銃口を向けた
使い魔カプセルのにて。
「むー むー」
布団に包まって爆睡してやがる吸血鬼ヴァンエレン。
布団一式を一体どこから持ってきたんだ?と不思議でしょうがない。
実に幸せそうな表情を浮かべております。
「はっ…御大将の危機!?」
おはようございます。
>126
>「お前もだ。マオ。」
「マオ!一体なにがぁぁああああああああああ」
使い魔カプセルから飛び出してきたヴァンエレンを待ち受けていたのは非情な現実でした。
なんということでしょう。
レベッカから放たれた血霧紅刃はヴァンエレンの右手首を切断してしまいました。
それでもまだ勢いは衰えず、顔目前まで迫ったところで一匹の蝙蝠が瞬時に飛び出して呪符を破壊した。
別方向に飛んできた呪符もほかの蝙蝠とマオ自身ら各々が対処して防ぐことができたようだ。
「な、なんだこれは。
…敵か!?」
槍を構えて一瞬即発のレベッカを目にして、状況が飲み込めないヴァンエレンは三枚の呪符はレベッカの攻撃だとやっと判った。
「ぶ、武器を捨てておとなしく投降しなさい。
さもなくば…その、あれだ。
困る」
ヴァンエレンも臨戦態勢になりいつ戦闘が始まっても不思議ではない。
話し合いではもう解決できない状況なのだろうか?
>128>129
> 「メイレンさん、レベッカさんをご存知ですね?」
「……??」
> 「中つ国では確か天皇后・・・・・・・テンちゃんですね。」
「あー!」
こう言われてメイレンはやっと合点がいった。
> 「メイレンさん、差し支えなければ教えてください。
> あなたの娘さん達はこの学園で何をしようとしているんですか?(中略)
> ・・・・・・・メイファとメイリンはともかく、少なくともレベッカさんに関してはご存知ですよね?」
「もちろん、知ってるわよ。テンちゃんは魔法を学びに来たのよ。」
> 「私は、魔法使いを知るためにレベッカさんは学園に留学するんだと思っていました。
> 魔法使いを知ることで、妖怪と魔法使いが仲良くなれる道を模索するつもりなのかな、と。
> でもレベッカさんは、ここにいることに政治的意味があると言いました。
> と言う事はつまり、ここにいることはレベッカさんだけの意思や好奇心だけでは無い・・・・・・・」
> ここまで話したリリアーナは急に黙り込んだ。どうやら軽い貧血を起こしたようだ。
> 「お疲れ様リリッち、ちょっと横になっててね」
> アイシャはもたれ掛かってきたリリアーナを優しく寝かすと、メイレンに視線を戻した。
メイレンはリリアーナの言葉を聞いて首をかしげていた。
> 「怪我人が出ても、これ以上惚けるつもりなら、コレで蜂の巣にするけど文句ないよね?」
> アイシャは少し眉にシワを寄せながら、メイレンに銃口を向けた
「ええっ!?私ってそういう扱いなの!?ひどいわ〜!」
メイレンは両手を上げて、無抵抗である事を示した。
「でも、蜂の巣って甘くておいしいわよね〜(愛好)」
メイレンはリリアーナの質問に対して答えた。
「テンちゃんは、別に妖怪と魔法使いを仲良くさせたいわけじゃないと思うわ。
ましてや政府の意向とも関係ないでしょうね〜。
だって、テンちゃんはいつだって自分のルールで生きてきたもの。」
レベッカが話した“政治的意味”については、メイレンは次のような見解を示した。
「あなた達も知ってるように、中つ国は今でこそ民主主義国家だけど、昔は帝国主義だったわ。
だから、私とテンちゃんは文化革命で帝国主義を打破した“象徴”的な意味合いもあるの。
まあ、保守派の人からは嫌われてるから、あまり良い事ばかりじゃないけど…
ともかくテンちゃんは“象徴”だから、もしもここにいる事が中つ国政府に感知されたら、
中つ国政府がここの内政に干渉してくる可能性があるわね〜。
実際、以前テンちゃんがジルという名前でタイペー島の魔法学園にいた時正体が発覚して、
中つ国政府がタイペー政府に補償を求めた事があったわ〜。
もっとも、その時はテンちゃんが退学してそれ以上の騒ぎにはならなくてすんだけどね。
どうしましょ。テンちゃんたら、また退学しないといけないのかしら?」
>123
マリオが素晴らしいジャンプで、木上から屋上の様子を見た。
彼の話では、特に目立った動きは無いらしい。
ユリはロウの提案を受け入れ、遠話の水晶球でミルクに連絡をとってくれた。
>「もしもーし、ユリ?なんでそんな小声なのよ。(中略)
> リチャードさんと合流できたの?」
>帰ってきたミルクのごく普通の反応は、ロウやマリオにも聞き取れるだろう。
「この分だと心配はいらないようですなあ。案外正式な正体客の一人だったかもしれませんし」
ロウはユリの遠話の邪魔にならないよう、小声でマリオに話し掛けた。
その後現在の状況説明が続き、スクナと別行動中であることや、来客のメイレンについて伝えられる。
>「じゃあ私行きます!メイレンさん、また後で!!」
「メイレン?メイレンだと?!・・・・・・・あのメイレンが来ているのか。これはまた・・・・・・何だと?」
最後に拾った声を聞き、ロウは僅かに狼狽したような様子を見せた。
>「良かったー、王様もミルクも無事みたいだよ。
> これなら、猫耳メイド喫茶でゆっくりお茶できるね!
> 屋上に来たのはメイレンって名前の人だけど、有名人なのかな?
> 聞いたことあるようなないような……」
>>「知らない名前デース。
>> 危険な存在であると聞いたのですが…ロウさんはご存じデースか?」
「―――― ファン・メイレン・スイション。
中つ国の大妖怪で、魔法使いを大量虐殺した第二次文化革命で有名ですな。
一方で中つ国の帝国主義を打破した象徴的存在でもあります。
そんな彼女が、何故今この魔法学園にいるのか・・・・・・」
ふむ、とロウは考え込んだ。
「だがメイレンが客として招待されたとしたら、同じ客である我らが何かを言う権利はありませんな。
ただ一つ心配なのは・・・・・・・メイレンの好物が『若い男』だということです」
比喩でもあり文字通りの意味でもあるのだが、マリオはともかくユリに通じただろうか?
「まあ客である以上、メイレンも多少は自重するでしょうが・・・・・・・やはり気になりますかな?
とにかくここでじっとしても始まりませんし、一旦林の中から出ましょうぞ。ほっほっほ」
ロウはユリが開けてくれた一本道を、先に立って歩き始めた。
>126 >130
>「うっせーな。こっちにも色々と事情があんだよ。」
>「スペルカード発動、シエウー・ホンレン!」
呪符を取り出すレベッカを見てこちらも構える
「そうか、残念だ。お前のことは嫌いじゃなかったけどな」
>「お前もだ。マオ。」
そういい相手の符がこちらに飛んでくる。どんな性質を持っているのか?
とにかく正体不明ならば余計に当たるわけにはいかない。
こちらも迎撃しようと呪文を放とうとした瞬間。あのへタレ吸血鬼の叫びが…
>「マオ!一体なにがぁぁああああああああああ」
「ば、ばか!!呼んでもないのに勝手に……!」
思ったとおり、ヴァンエレンは呪符に右手首を切断されてしまう。
切断面を見ると酷いことになっている。しかし、
ヴァンエレンのおかげで呪符のうち一枚を破壊することに成功する。
「くっ……だからさっき無茶するなっていったじゃないか!!」
ヴァンエレンを叱りつけながら雷の矢を連打して残りの二枚を破壊することに成功する。
>「な、なんだこれは。
>…敵か!?」
こいつ、状況も分からずに出てきたのか……それじゃあ責めるに責められないじゃないか。
「見ての通り、事情は分からんがレベッカは僕やリリアーナが邪魔らしい」
そこまできてやっと攻撃を加えているのがレベッカだということに気づいたらしい。
>「ぶ、武器を捨てておとなしく投降しなさい。
>さもなくば…その、あれだ。
>困る」
レベッカを説得しにかかるヴァンエレンだが、
説得が効果があるのならばこんな状況になってない。
「とにかく…ヴァンは使い魔カプセルに戻ってろ。
それにまた怪我して…飛んだのが頭とかだったら死んでるんだぞ?」
>121-122>126>130>133
しばらく様子を見ていると、突然レベッカがリリアーナに槍を突き出した。
アイシャの機転で助かったものの、この状況はマズイ。
かといって素手で槍に勝てるとも思えないな。
ヴァンエレンも出てきたことだし、少し待ってもらうか。
「・・・と、陣はこんなもんでいいか。」
ここから男子寮までちょっと距離があるからな。
部屋にある剣を取るにも一苦労だ。
「sotff Ubertragung」
こいつで槍対策は大丈夫だ。
教室から現場の方を見ると、ヴァンエレンの右手首が切断されていた。
>「とにかく…ヴァンは使い魔カプセルに戻ってろ。
それにまた怪我して…飛んだのが頭とかだったら死んでるんだぞ?」
「そうだな、カプセルに入っていた方がいい。
それとマオも少しさがった方がいい。」
そう言いつつ剣を構えて前に出る。
「レベッカ、政治的な意味合いがあるといったな。
じゃあ政治のために家族を犠牲にしろと言われたらどうするんだ?」
構えを解かないまま問いかけてみる。
「確かに俺達は世界の事を何も分かっていないのかもしれない。
だけどな、この学園には帰る場所を失くした奴もいるんだよ。
そいつらにとっての家族は、学園の仲間以外誰がいるって言うんだ?」
そしてさらに言葉を続ける。
「槍を納めてくれ、レベッカ。
もし、攻撃を続けたらもう留学生とは扱わない。
敵として対処させてもらうぞ。」
>130>133
> 「ぶ、武器を捨てておとなしく投降しなさい。
> さもなくば…その、あれだ。
> 困る」
「アホかおめーは?」
> 話し合いではもう解決できない状況なのだろうか?
話し合いではもう解決できない状況なのだ。
> 「とにかく…ヴァンは使い魔カプセルに戻ってろ。
> それにまた怪我して…飛んだのが頭とかだったら死んでるんだぞ?」
「そうだ、外野はひっこんでろ。」
マオとレベッカの意見が一致するのは、せいぜい今ぐらいである。
「今度は逃がさねーぜ。スペルカード発動、ウーシエ・バーチー。」
レベッカは次のスペルカード、呪符・無血八極を用意した。
>134
> 「そうだな、カプセルに入っていた方がいい。
> それとマオも少しさがった方がいい。」
「あん?おめー、そんなところに居たのか。」
クロウは剣を構えて前に出る。
> 「レベッカ、政治的な意味合いがあるといったな。
> じゃあ政治のために家族を犠牲にしろと言われたらどうするんだ?」
「盗み聞きまでするとは上等じゃねーか。だいたい、なんで今そんな質問すんだよ?
意味がわかんねーよ。」
> 「確かに俺達は世界の事を何も分かっていないのかもしれない。
> だけどな、この学園には帰る場所を失くした奴もいるんだよ。
> そいつらにとっての家族は、学園の仲間以外誰がいるって言うんだ?」
「まあ、身内が大事だって気持ちはわかるぜ。俺だってそうだからな。
だけど、おめー自身はどうなんだ?」
> 「槍を納めてくれ、レベッカ。
> もし、攻撃を続けたらもう留学生とは扱わない。
> 敵として対処させてもらうぞ。」
「なあ、盗み聞きしてた割には肝心なところを聞いてなかったみたいだぜ?
俺は言ったはずだ。“色々と事情がある”ってな。」
レベッカは呪符・無血八極を2枚、クロウの両脇から迫るように放った。
無血八極の効果は、血の通わないものを爆発させることだ。
血の通わないものと言うのは、マオの雷も含まれる。
それを見越してマオを攻撃するためにこの呪符を用意したのだが、
クロウはどう対応するのだろうか?
仮に2枚の呪符を回避しても、呪符同士がぶつかってやはり爆発するだろう。
「善悪も、妖魔も、道徳も、政治も、今の俺にはかんけーねーんだよ。」
ところでこの呪符、実は手で掴む事であっけなく無力化できたりする。
>127>128>129
>\ダーリンktkr/
「とりあえず義手を取り付けるよいい?答えは聞いてない」
と何故か鈴ボイスで話すギズモ
「これをこうしてこうすれば・・・・出来たv」
かかった時間は約8分40秒である
「じゃあ終わった所で迎えに行こう」
と玄関に向かうギズモであった
>「痛い〜!死んじゃう〜!」
>「だ、大丈夫ですか?」
「だから言いましたのに・・・・・」
やっぱりといった顔をするフリージア
予想通り過ぎて声も出ない
リリアーナが言うにはレベッカはメイレンの娘で
何か政治的な意図でここに来たらしい
だがフリージアには難しすぎて何がなんだかわからなかった
そして貧血を起こしてしまうリリアーナ
「だ!誰か増血丸持ってなくて!?」
増血丸とは読んで字のごとく血を増やす魔法薬である
石かを治すヘンルーダドリンクとか魔法力を回復するマジックポーションなどは
カタカナなのにこれだけ全部漢字表記なのはきっと東方伝来だからに違いない
>「怪我人が出ても、これ以上惚けるつもりなら、コレで蜂の巣にするけど文句ないよね?」
>「ええっ!?私ってそういう扱いなの!?ひどいわ〜!」
>「でも、蜂の巣って甘くておいしいわよね〜(愛好)」
「私は蜂の巣よりもチョコレートパフェのほうが甘いと思いますわ」
しまった!?突っ込み役がいない
メイレンは語るレベッカの真意について
レベッカは”象徴”であり中つ国政府に知られると退学するはめになるというのだ
だがやはりフリージアには難しすぎて何がなんだかわからなかった
「つまり私がこの学園で死んだりしたらお父様とその部下がカチコミに来るみたいなものですわね」
フリージアさん・・・あんたは一体何者なんですか?
「まあここで喋っていても埒が明きませんわ先に進みましょう」
とりあえずフリージングドールマリオネット(等身大165cm)を作り
それを繰って先頭を歩かせる
「もしものことがあってもこれが盾になりますわ
いざとなれば食べられますし」
と胸の谷間からカキ氷シロップとアイスピックを取り出すフリージア
いざとなればってなんだ!?
微妙にぼけつつフリージアは移動するのであった
>127 >129 >136
>「そうそう、忘れ物
> このお…姉さんは私らが連れてくから、急いで先に行ってて優等生がカンカンに怒ってるから」
「マオマオを一人で残してきちゃったの!」
リリアーナも端的に状況を話したが、伝わっただろうか?
リリアーナ達はレベッカの攻撃をかわしてメイレンの話を聞くべく、彼女を連れて屋上に戻った。
当然、メイレンの案内役であるフリージアも一緒だ。
>「お疲れ様リリッち、ちょっと横になっててね」
「ん・・・・・・」
メイレンに質問した後貧血を起こしたリリアーナを、アイシャは優しく床に寝かせた。
何時もよりアイシャが何倍も優しく感じるのは、気持ちがへこんでいるからだろうか?
>「だ!誰か増血丸持ってなくて!?」
「ごめ、持ってない・・・・・・でも薬はある」
リリアーナはポケットを探り、小さな瓶を引っ張り出した。
>「怪我人が出ても、これ以上惚けるつもりなら、コレで蜂の巣にするけど文句ないよね?」
少し眉にシワを寄せながら、メイレンに銃口を向けた
>「ええっ!?私ってそういう扱いなの!?ひどいわ〜!」
アイシャを制止しようにも声が出ない。だが幸いにもメイレンは両手を上げて、無抵抗である事を示した。
もっとも全く焦った様子がないのは、簡単に立場が逆転できるから、かもしれないが。
>メイレンはリリアーナの質問に対して答えた。
>「テンちゃんは、別に妖怪と魔法使いを仲良くさせたいわけじゃないと思うわ。
> ましてや政府の意向とも関係ないでしょうね〜。
> だって、テンちゃんはいつだって自分のルールで生きてきたもの。」
言われてみれば本当にそのとおりなので、妙に納得してしまった。
>「あなた達も知ってるように、中つ国は今でこそ民主主義国家だけど、昔は帝国主義だったわ。
> だから、私とテンちゃんは文化革命で帝国主義を打破した“象徴”的な意味合いもあるの。 (中略)
どうしましょ。テンちゃんたら、また退学しないといけないのかしら?」
「それのどこが民主主義国家なんですか・・・・・・・・。
退学云々はともかく・・・・・・ばれるのは時間の問題だと思います」
メイファが派手に暴れている上に、もう一人の『象徴』が学園に来ている。
しかも今日は学校外の来客も多い。
幸い今は生徒会が全力でフォローしてくれているが、これ以上トラブルが続けば手におえなくなるだろう。
また、レベッカは生徒であるリリアーナを殺そうとした。
こうなっては妹のメイファ同様、レベッカに対する皆の心証も最悪になってしまう。
(メイファを見つけ出して中つ国に帰ってもらう事が、こんなに大変だなんて)
リリアーナは内心で嘆いた。
>「つまり私がこの学園で死んだりしたらお父様とその部下がカチコミに来るみたいなものですわね」
「・・・・・・・」
リリアーナはフリージアの言っていることがよく分からなかった。
それだけではない、メイリンもレベッカも、何を望んでどうしたいと思っているのかもさっぱりわからなくなった。
その時、リリアーナはふとレベッカの話を思い出した。
彼女はリリアーナにこう言ったのだ。
> もしも判断に迷う事があれば、俺がこれから言う言葉を思い出せ。
> 妖怪が恐れるものはただ一つ。それは、千斤を持ち上げる力でもなければ、
> 万書に値する知識でも、森羅万象を動かす魔法でもない。
> 妖怪が唯一恐れるものは“命につく名前”だ。」
そしてメイレンも、同じようなこと話していた気がする。
たしかメイレンは命につく名前の強さと表現していたはずだ。
(レベッカさんとメイレンさんは知っていて、メイリンやメイファは知らないこと)
では、それは一体何だろうか?
>「まあここで喋っていても埒が明きませんわ先に進みましょう」
フリージアはフリージングドールマリオネット(等身大165cm)を作り、それを繰って先頭を歩かせた。
>「もしものことがあってもこれが盾になりますわ
> いざとなれば食べられますし」
もしここにルズがいれば、フリージングドールにむしゃぶりついて凍りついていたかもしれない。
だが幸いなことに、ここに空気の読めない猫達はいなかった。
「・・・・・・・・メイレンさん、待ってください」
何とか片手で 止血を終えたリリアーナは、おぼつかない足取りでふらふらと立ち上がった。
メイレンは答えてくれないかもしれない。だが、聞くなら今しかない。
「メイレンさん、教えてください。――――“命につく名前”って、何ですか?」
>136
ギズモはメイリンと合流すると、メイリンに残りの義手を取り付けた。
> 「じゃあ終わった所で迎えに行こう」
メイリンは首を縦に振った。最高にハイな気持ちだからだ。
二人は一緒に玄関に向かった。
メイリンはメイレンを呼び出す前にそうしたように、せっせと階段を昇って行った。
どうやらメイファが約8分40秒の間に屋上に向かって移動していたようなのだ。
そして、メイリンはギズモを引きつれてある教室に入った。
すぐ近くから悲鳴や血の匂いや雷の音が聞こえたりしているが、
メイリンは特に気にする様子もない。
教室に入ったメイリンは、迷うことなく一つのロッカーを開けた。
\\!//
中にはメイファが入っていた。メイファはびっくりした様子だった。
>『リン姉ちゃん!中つ国に帰ったんじゃなかったの!?』
ギズモは、中つ国語で話すメイファの言葉がわからなかったかもしれない。
それ以前に、この幼女がメイファであるなどとわかる理由も無いだろう。
しかし、ギズモがあえて「これがメイファであるか?」とメイリンに尋ねる必要も無かった。
メイリンがメイファの手を取ってロッカーから出すと、優しく抱きしめたのだから。
>138
>「まあここで喋っていても埒が明きませんわ先に進みましょう」
> フリージアはフリージングドールマリオネット(等身大165cm)を作り、それを繰って先頭を歩かせた。
> 「・・・・・・・・メイレンさん、待ってください」
「何かしら?」
> 「メイレンさん、教えてください。――――“命につく名前”って、何ですか?」
「ごめんなさいね〜。西方の言葉には、それを一言で表す表現がないのよ。
だから、私も“命につく名前”としか言いようが無いわ〜。」
メイレンは、扇で自分の口元を隠した。
「たしか、リーちゃんって言ったわね?リーちゃんは私から学ばなくても、“それ”を知っていると思うわ。
ただ、あまりにも漠然としすぎて、自分でうまく意識できないだけよ。
試しに、あなたが生きてきた人生の中で、一番幸せを感じた時の事を思い出してごらんなさい。
その中に、あなたが探している答えがきっと見つかるわ〜。」
>129 >134-139
>「そうそう、忘れ物
> このお…姉さんは私らが連れてくから、急いで先に行ってて優等生がカンカンに怒ってるから」
>「マオマオを一人で残してきちゃったの!」
「マオを一人で…?分かった、先に行っとく」
アイシャとリリアーナから帰ってきたのは、イマイチ要領が掴めない返事。
一人ぼっちにされたマオが怒ってる、って感じの言い方じゃないけど。
メイリンを追っかけてメイファを探しに行ったはずなのに、他に怒る理由があるのか?
考えてる間にも足は動いて階段を降りる。
ま、行けば分かるでしょ。行けば。
> 「槍を納めてくれ、レベッカ。
> もし、攻撃を続けたらもう留学生とは扱わない。
> 敵として対処させてもらうぞ。」
進んでいた足が止まったのは、下から聞こえてきた不穏な声のせい。
…あれ。今の声はクロウか。
マオを一人で置いてきたって言ってたけど、クロウも一緒じゃん。
…いやいやいや、問題はそこじゃなくて会話の内容だよ!
レベッカと敵対ってなんでそんな事になってるんだよ!
マオが怒ってたってのはレベッカが槍で攻撃してきたからか!?
>「なあ、盗み聞きしてた割には肝心なところを聞いてなかったみたいだぜ?
> 俺は言ったはずだ。“色々と事情がある”ってな。」
足を止めちゃったので姿は見えないけど、レベッカが槍を収めるつもりが無いのは返事でわかる。
ただその返事は、“色々と事情がある”の部分に随分力が入ってるように聞こえた。
何に?そりゃここで戦う事に決まってる。
>「善悪も、妖魔も、道徳も、政治も、今の俺にはかんけーねーんだよ。」
…それ以外に関係する色々な事情ってなんだ?
金か?命か?脅迫か?それにしても誰から脅迫されてるのかわかんねーよ。
とにかく、これを止めるにはあたしの魔法じゃ無理だ。
破壊力しかない魔法だから、後で請求書が回ってきそうな止めかたしか思いつかん。
一回戻って、フリージアみたいに色々便利な魔法使いと協力するしかない。
いざとなりゃ、レベッカを氷漬けにして頭を冷やしてやれ。
急いで階段を登って戻ると、上からフリージアたちが降りてきた。
「まずいよ!下でマオやクロウがレベッカと戦いかけてる!
レベッカは色々事情があるって言ってたから、引く気無さそうだしな!
善悪も妖魔も道徳も政治も関係ない、戦う事情って何か思いつかない!?
思いつかなきゃレベッカを氷漬けにしてでも止めないと厄介な事になるよ!」
>135
>「なあ、盗み聞きしてた割には肝心なところを聞いてなかったみたいだぜ?
俺は言ったはずだ。“色々と事情がある”ってな。」
そう言ってレベッカは呪符を放つ。
「・・・そうか。残念だ。」
さっきの呪符のように切れ味がいいとこの剣も負けるかもしれんな。
とすれば術者を攻撃するのみだ。
マオは接近戦にならん限り自分でなんとかできるだろ。
>「善悪も、妖魔も、道徳も、政治も、今の俺にはかんけーねーんだよ。」
「俺にとってはレベッカの事情なんて関係ないな。」
そう言葉を返しつつレベッカに向かって突進するが・・・
「どわっ!」
後ろの方で爆発が起こり、少しバランスを崩してしまう。
だが、このくらいで俺は止まらねぇ!!
「それよりも、てめぇも学園の家族の一員だと気付きやがれバカヤローー!!」
そう言いつつレベッカの槍を払い飛ばすべく剣を思いっきり横に振るった。
>139-140
>「ごめんなさいね〜。西方の言葉には、それを一言で表す表現がないのよ。
> だから、私も“命につく名前”としか言いようが無いわ〜。」
リリアーナは肩を落とした。メイレンは、扇で自分の口元を隠した。
もしかしたら笑ったのかもしれない。
>「たしか、リーちゃんって言ったわね?リーちゃんは私から学ばなくても、“それ”を知っていると思うわ。
> ただ、あまりにも漠然としすぎて、自分でうまく意識できないだけよ。
> 試しに、あなたが生きてきた人生の中で、一番幸せを感じた時の事を思い出してごらんなさい。
> その中に、あなたが探している答えがきっと見つかるわ〜。」
リリアーナはちょっと考え込んだ後、何を思い出したのか動揺し顔を赤らめた。
「そ、それと命につく名前がどう繋がるか良くわからないです」
リリアーナはまだちょっと良く理解できていないようだ。
先に降りていた筈のミルクが急いで階段を駆け上がってきた。
>「まずいよ!下でマオやクロウがレベッカと戦いかけてる!
レベッカは色々事情があるって言ってたから、引く気無さそうだしな!
善悪も妖魔も道徳も政治も関係ない、戦う事情って何か思いつかない!?
思いつかなきゃレベッカを氷漬けにしてでも止めないと厄介な事になるよ!」
そう言えばとリリアーナは思い出す。
レベッカに切りつけられる前に、リリアーナは「メイファに何か言われたのか」とたずねた。
その時レベッカは「おめーには関係ねー」と答えた事を。
「ミルク、確かメイリンさんって、屋上でレベッカさんとメイファが一緒にいるって話してたわよね?
・・・・・・・もしかしたら・・・ううん。きっとメイファ絡みで何かあったのよ。
だって変じゃない?今まで何とか事を荒立てないようにしていたレベッカさんが、何で今私達と戦うのよ。
戦う理由がはっきりしないのも、きっと何か話せない事情があるんだわ。
となると・・・・・・メイファを何とかしないと、レベッカさんは身動き取れないかも・・・あ、ごめん」
アイシャにへにょへにょともたれ掛かったリリアーナは、慌てて身を離した。
「フリージア、ギズモって今はメイリンといっしょに居るのよね?どこにいるかわかるかな?」
階段を下りるフリージアの背に、リリアーナはそう声をかけた。
「メイレンさん、メイファに中つ国に帰るよう説得して下さいませんか?
このままでは、レベッカさんはまた魔法学園に居られなくなるかもしれません。
それとも、やはりメイレンさんも、レベッカさんが魔法を習うのを快く思っていらっしゃらないのですか?」
>132
>「―――― ファン・メイレン・スイション。
> 中つ国の大妖怪で、魔法使いを大量虐殺した第二次文化革命で有名ですな。
> 一方で中つ国の帝国主義を打破した象徴的存在でもあります。
> そんな彼女が、何故今この魔法学園にいるのか・・・・・・」
「そんなに有名な人なんだ!?
取材しに行きたーい!でも約束だから行けなーい!!」
>>「オーウ、それは大変な人物デースね。危険と言われるのも分かりマース」
ユリは有名の部分に反応したが、マリオは魔法使い大量虐殺の方を気にしたようだ。
しかし、ロウが心配しているのは過去のメイレンの行動だけではない。
>「だがメイレンが客として招待されたとしたら、同じ客である我らが何かを言う権利はありませんな。
> ただ一つ心配なのは・・・・・・・メイレンの好物が『若い男』だということです」
「『若い男』が好物……。余計取材したくなってきたー!
特ダネがスクープな予感がガンガンだよ!
取材禁止令だなんてありえなーい!!」
ロウの心配は正しく、ユリには文字通りの意味は伝わらなかった。
興奮を静めるために近くの木に正拳突きを連打するユリとは違い、マリオはさらに心配を強くする。
>>「『好物』以外のものも食べる可能性がある、ということでショウか?
>> それならば、危険性についてもっと注意を呼びかけるべきでショウか?」
>「まあ客である以上、メイレンも多少は自重するでしょうが・・・・・・・やはり気になりますかな?
> とにかくここでじっとしても始まりませんし、一旦林の中から出ましょうぞ。ほっほっほ」
「そうだね!食べ物の話をしてたらお腹も空いてきたし、猫耳メイド喫茶で一休みしよー!
あ!リチャードさん!メイド喫茶はそっちじゃないってば!」
勇んで歩き出したユリだが、道中なんどかロウの進む道を訂正する必要があったのは言うまでもない。
「ホットケーキと焼きそばとカツサンドとスパゲティとオレンジジュース大盛りで!
ここは私がおごるから、ロウさんもマリオさんもガンガン食べてね!
腹が減っては戦ができない!食事は戦いの基本だよ!」
>>「ではコーヒーをお願いしマース」
その後、猫耳メイド喫茶に到着したユリはさっそくオーダーを開始した。
店内はすでに爆発の痕跡もなく、猫耳メイドたちが忙しそうに働いている。
案内された席につき、注文の品が届いた所でマリオが口を開いた。
>>「それでは、これからムウ大陸探索の作戦会議をおこないまショウ。
>> スクナさんによると、夜明けの時間帯に昼夜を逆転させる事で『夜明けの晩』を実現できるようデース。
>> すると残った謎は『後ろの正面』デースが、これは場所を表しているのではないでショウか?
>> 後ろなのに正面となる場所に心当たりはありまセーンか?」
「王様がそんな手がかりを残してくれたんだ!
うーん…後ろなのに正面正面正面正面うーんもぐもぐ…」
頭を使うことが苦手な上に食事に気を取られたユリは、今のところ謎を解くのに思いつく事は無いようだ。
>133>134>135
>「見ての通り、事情は分からんがレベッカは僕やリリアーナが邪魔らしい」
さっきは一緒にメイファを探していたのに今度はこちらと敵対しているレベッカ。
まったくもって忙しい人ですな。
さて、まずは話し合おうとレベッカを説得しにかかるヴァンエレン。
しかし…
>「とにかく…ヴァンは使い魔カプセルに戻ってろ。
>それにまた怪我して…飛んだのが頭とかだったら死んでるんだぞ?」
>「そうだな、カプセルに入っていた方がいい。
>それとマオも少しさがった方がいい。」
>「そうだ、外野はひっこんでろ。」
と味方であるマオとクロウ、果ては敵のレベッカまでもすっこんでろと注意されてしまった。
あわわときょろきょろとレベッカとマオとクロウに視線をまわしていく。
「にょろ〜ん」
立場が低いヴァンエレンは縮こまっておとなしく使い魔カプセルに戻っていった。
ヴァンエレンがいなくなると同時に切断されて飛んで行った腕は沢山の蝙蝠に姿を変えて四方へ飛んで行った。
>134
>「そうだな、カプセルに入っていた方がいい。
>それとマオも少しさがった方がいい。」
そういって僕の前に現れたのはクリスだった。
どうやらパンツを返しに来ようとしていたのだろう。
「気をつけろ。話しが通じる感じじゃない。」
さっきの会話ですでに言葉が通じないことは分かった僕は、
クロウがレベッカに対して説得を試みるであろう前に忠告することにした。
そしてクロウは僕やリリアーナと同じように言葉での解決をするために、
色々な事をレベッカに伝えるが、やはりレベッカは聞き入れる様子はない。
>「槍を納めてくれ、レベッカ。
>もし、攻撃を続けたらもう留学生とは扱わない。
>敵として対処させてもらうぞ。」
>「なあ、盗み聞きしてた割には肝心なところを聞いてなかったみたいだぜ?
>俺は言ったはずだ。“色々と事情がある”ってな。」
「使い魔カプセルで肌を重ね合った二人ならとも思ったがダメか……」
レベッカの感情の問題ではなく政治的な問題と言っているということから、
レベッカの感情に訴えかけるような懐柔の仕方では刃を納めることはできないということか。
>141 >144
しかし、そこまで考えている暇もなくレベッカは先ほどと同じように二枚札を投げつける。
>「善悪も、妖魔も、道徳も、政治も、今の俺にはかんけーねーんだよ。」
つまり善悪ではなく妖怪や道徳心でもない。またさきほど言っていた
最も有力だった政治という面でも関係ないと言っている…これは大きいヒントだ。
レベッカがなぜ刃を向けるのかをかなり絞れる。と、こんなことを言っている暇ではなかった。
>「俺にとってはレベッカの事情なんて関係ないな。」
クロウはそのまま呪符を無視してレベッカの元につっ込む。
その行動を見てすかさず僕はクロウの後を走りながら呪符を撃ち落とすため雷を放つ。
もしも先ほどのように誘導性があったらこちらもクロウにも危険が及ぶ。
しかし、僕の雷の矢が呪符に当たった瞬間。爆発音とともに目の前が眩む。
「なにっ!?……うぐっ!!」
気が付いた時にはもう遅く僕は爆発に巻き込まれそのまま床に倒れこむ。
酷い眩暈に体中が痛い……しくじった。よく考えれば何度も同じ技を馬鹿の一つ覚えみたいに
出し続けるはずもない。きっとレベッカはこれを狙っていたのだ……
「はぁ……はぁ…ぅぅっ!!……」
身体を起こそうとするが力が入らない。顔を横にすると自分の血が流れていっているのが見える。
どのくらいの傷を負ったのか……だが、流れている血を見る限り結構な深手なのだろうか?
「……フフフ……エリートの僕としたことが……失敗したよヴァンエレン………」
そしてどんどん視界が狭く暗くなっていき僕は意識を失った。
>139>142
>「フリージア、ギズモって今はメイリンといっしょに居るのよね?どこにいるかわかるかな?」
ギズモはフリージアの正式な使い魔である
故に魔力のラインは繋がっているしそのラインを利用して念話をすることも可能である
だからであろうリリアーナがフリージアにそう尋ねたのは
「ちょっとお待ちなさいな」
フリージアは胸の谷間に腕を突っ込むとなにやらカードのようなものを取り出した
「ちゃちゃちゃちゃん♪使い魔契約カードですわ!
これさえ使えばあら不思議使い魔とお話出来ちゃいますの」
何故か説明的なフリージア
「ギズモちゃんギズモちゃん今一体全体どこにいますの?」
「あ、お母さんからだ」
懐からカードのようなものを取り出しフリージアからの念話を受け取るギズモ
ちなみにカードには氷結姫フリージアと言う名前とフリージアのイラストが描かれている
ちなみに 魔法使い族 水属性 LV5 攻撃力2300 防御力1500特殊能力は秘密vだ
「一階だよvえ〜と」
ギズモは困った
この状況をどう報告すればいいのかと
「メイリンさんがメイファさんらしき人と抱き合ってるよ」
「人?人間の姿ですの?」
フリージアは考えた・・・・・ギズモは人間の姿をしているが本質はグレムリンである
それは何故かと言えば人間と暮らすには人間の姿が都合がいいからである
故にメイファが人間の姿に変身できても不思議ではない
それとも人間のような姿が本当の姿なのだろうか?
「一体どんな姿ですの?」
フリージアはギズモにメイファの人間体の特徴を尋ねる
「頭に金の輪をつけた赤い目のかわいいかわいい女の子だよ」
やたらかわいいを強調するギズモ
そんな事いい加減な事言ってるとそのうちナイスボートだ
「まあ・・・・わざわざ不細工に変身する物好きはいませんわね」
どうでもいい感想を述べるフリージア
「というわけでメイリンさんとメイファさんは私のかわいいかわいいギズモちゃんと一緒にいるみたいですわよ」
とりあえずフリージアもかわいいを強調して置くのであった
>141>145
> 「それよりも、てめぇも学園の家族の一員だと気付きやがれバカヤローー!!」
クロウはそう言いつつレベッカの槍を払い飛ばすべく剣を思いっきり横に振るった。
しかし、剣の当たった槍身が大きくしなって衝撃を殺したため、払い飛ばす事ができなかった。
この独特の“しなり”は、中つ国の槍特有のものである。
「会って数時間で何が家族だバーロー。」
レベッカはクロウの剣を持つ手に向かって槍を上から叩きつけた。
壁槍(ピーチャン)と言う技である。しかし、クロウの剣を手から叩き落す事ができなかった。
アイシャの放った魔弾が、レベッカの軸足を痛めていたからだ。
「くそっ、あの女次に会ったら容赦しねー。」
レベッカはついに立てなくなり、その場に膝をついた。
クロウからすれば、絶好のチャンスである。しかし、彼の後ろで倒れたマオを見てレベッカは言った。
「おいクロウ、マオが後ろで倒れてるぞ?ほっといていいのかよ?」
もしもクロウが後ろを振り返ったら、その隙にレベッカは呪符で攻撃するつもりだ。
レベッカは再び爆発する呪符、無血八極を一枚手にした。
>140>142>146
> 先に降りていた筈のミルクが急いで階段を駆け上がってきた。
なんでも、レベッカが学園の誰かと戦っているらしい。
ミルクが事情を説明し、リリアーナはフリージアにメイリン達の様子を聞いた。
「間違いないわね〜。ファちゃんだわ。」
ギズモから送られた情報を聞いたメイレンはそう言った。
> 「メイレンさん、メイファに中つ国に帰るよう説得して下さいませんか?
> このままでは、レベッカさんはまた魔法学園に居られなくなるかもしれません。
> それとも、やはりメイレンさんも、レベッカさんが魔法を習うのを快く思っていらっしゃらないのですか?」
「………」
メイレンは、リリアーナの最後の質問には答えなかった。
「さっきも言ったけど、ファちゃんはリンちゃんに任せれば大丈夫よ。
あなたはリンちゃんが私を呼んだ“意味”がわからないって言ったわよね?
でも、わたしはちゃんと『リンちゃんなら大丈夫』って言ったわ。
つまり、そういう“意味”よ。」
メイレンは“意味”という言葉を強調した。
「教えてあげるわ。私は“意味”を操る程度の能力をもっているの。
だから、私はテンちゃんが魔法を習うのが良いか悪いか言わない方がいいわ。
だって、それは“意味”を持つ言葉だから。
リンちゃんは私の“意味”が続く限り、ファちゃんを連れて帰ることができるわ。
リンちゃんが私を呼んだのは、つまりそういう“意味”よ。」
下のほうから、武器を打ち合うような音が聞こえてくる。
「それよりもテンちゃんが心配だわ〜。怪我して無いといいけど。」
>142 >144-147
>「ミルク、確かメイリンさんって、屋上でレベッカさんとメイファが一緒にいるって話してたわよね?(中略)
> となると・・・・・・メイファを何とかしないと、レベッカさんは身動き取れないかも・・・あ、ごめん」
「ん、そういえばそんな事言ってたような…」
なにしろ言ってたのを聞いたと言うより、書いてるのを見たってだけだから、ちゃんと思い出せん。
リリアーナはメイファの居場所をフリージアに聞き、フリージアは胸元から何かカードを取り出した。
>「ちゃちゃちゃちゃん♪使い魔契約カードですわ!
> これさえ使えばあら不思議使い魔とお話出来ちゃいますの」
「カードって便利でいいね。場所とらないし」
まー、フリージアの場合水晶球でも胸元から出してきそうですが。
あの胸元がどうなってるかは、つっこんだら負けかなって思ってる。
フリージアがギズモから聞いたメイファの特徴を伝えると、メイレンさんが本人確認をしてくれた。
>「間違いないわね〜。ファちゃんだわ。」
「あたしが森で出会ったメイファと一緒だよ。間違いない。
ついでに言うと、その時の服は赤いチャイナドレスだった。
屋上にメイレンさん降臨の煙を見たとたん、12本ほど尻尾をぶわっと出して攻撃してきたけど」
>「メイレンさん、メイファに中つ国に帰るよう説得して下さいませんか? (中略)
> このままでは、レベッカさんはまた魔法学園に居られなくなるかもしれません。
> それとも、やはりメイレンさんも、レベッカさんが魔法を習うのを快く思っていらっしゃらないのですか?」
リリアーナはメイレンさんに、メイファの説得をお願いし始めた。
>「さっきも言ったけど、ファちゃんはリンちゃんに任せれば大丈夫よ。(中略)
> リンちゃんが私を呼んだのは、つまりそういう“意味”よ。」
それに対するメイレンさんの返答は、いまいち“意味”がよく分からないもので。
まあとりあえず、メイリンに任せておけば安心と言いたいのはわかった。
>「それよりもテンちゃんが心配だわ〜。怪我して無いといいけど。」
下からは明らかな戦いの音が聞こえてくる。
テンちゃんってレベッカの愛称?
どこにテンがかかってくるのか知らんが、ここは大妖怪様を信頼してレベッカをなんとかするか。
「メイレンさん、メイファに合ったら、魔法使いを敵視しないように説得してもらいたいんですが。
いろいろ事情はあるんだろうけど、せっかくこんな遠くの学園祭まで来てるんです。
このまま帰らせるのも、暴れ回るだけなのも楽しくないでしょうし。
無差別に魔法使いを攻撃したりしなければ、メイファも一緒に学園祭を楽しめますよ。
…とりあえず、お先にレベッカの所に行っておきます。また後で」
言いたいことだけ言って、あたしはまた階段を先に駆け下りた。
これだけ運動すればきっと夜は美味しいご飯が食べられる事だろう。
下につく直前、大きな爆発音が響いた。
やっちゃったか!攻撃したのはどっちだ!?
見えたのは、膝を突いたレベッカと対峙するクリスと、血を流して床に倒れたマオ。
さっきの爆発はレベッカの攻撃か!
「ちょっとマオ!大丈夫!?
いつもエリートエリート言ってる癖に、なに変態にやられてるのよ!」
抱え起こしてみると、幸いにして気絶してるだけのようだ。
といっても、出血もあるし回復しないと…そうだ、この使い魔カプセルで。
都合よくマオが使い魔カプセルを持ってるのを見つけたので、あたしは気絶したマオを中に入れた。
なんか使用中みたいな感じだったけど、出血多量で死ぬよりはましだろう。
後で命の恩人として治療費を請求できるかもしれない。
「…そろそろ暴れるのは止めて大人しく投降したらどう?レベッカ。
もうすぐ大妖怪のメイレンさんも降りてくるし、あんたに勝ち目は無い。
メイレンさんも、テンちゃんにケガがないかそれはそれは心配してたわよ?」
他にも言いたいことはあるけど、とりあえず今言えそうなことはこれくらいか。
後はメイレンが呼んでた愛称を使うのが、吉と出るか凶と出るか…
>146-148
ギズモの居場所を聞くと、フリージアは胸の谷間に腕を突っ込むとカードのようなものを取り出した
>「ちゃちゃちゃちゃん♪使い魔契約カードですわ! 」
「すごい、初めて見た」
>「カードって便利でいいね。場所とらないし」
フリージアは早速ギズモに連絡を取り、今の場所と誰と一緒にいるかをたずねていた。
>「というわけでメイリンさんとメイファさんは私のかわいいかわいいギズモちゃんと一緒にいるみたいですわよ」
>「間違いないわね〜。ファちゃんだわ。」
>「あたしが森で出会ったメイファと一緒だよ。間違いない。
> ついでに言うと、その時の服は赤いチャイナドレスだった。
> 屋上にメイレンさん降臨の煙を見たとたん、12本ほど尻尾をぶわっと出して攻撃してきたけど」
「12本も?」
リリアーナは目を丸くした。
妖怪犬は尻尾の数だけ分身した。となると、メイファは最低でも12人に分身出来るのかもしれない。
メイレンにメイファを連れ帰るように頼んだリリアーナだが、メイレンの返答は曖昧なものだった。
>「さっきも言ったけど、ファちゃんはリンちゃんに任せれば大丈夫よ。
> あなたはリンちゃんが私を呼んだ“意味”がわからないって言ったわよね?
> でも、わたしはちゃんと『リンちゃんなら大丈夫』って言ったわ。
> つまり、そういう“意味”よ。」
リリアーナはまだ良く分かっていない顔をしている。
メイレンは“意味”という言葉を強調した。
>「教えてあげるわ。私は“意味”を操る程度の能力をもっているの。 (中略)
> リンちゃんが私を呼んだのは、つまりそういう“意味”よ。」
「つまり、メイレン様が意味のある言葉を言えば、その言葉の意味が続く限り現実のものになるって話ですか?
例えば私の胸が大きくなると言ってくれたら、必ずそうなると?」
きっとメイレンは、この能力で第二次文化革命を引き起こしたに違いない。
(あれ?でも変ね、たしかメイレンさんは死んじゃうを連発して無かった?)
そしてメイレンは死にはしなかった。
もしかしたら意味を操るというのも、全てにおいて万能というわけではないのかもしれない。
リリアーナはちょっと考えて、言った。
「ですがその・・・お言葉ですが、『メイリンなら大丈夫』だけでは大雑把過ぎるのでは・・・・・・」
ヘレンの言うとおりメイリンが全て仕組んだとしたら、彼女の計画が大丈夫、という意味にもなりかねない。
だが折り悪く、リリアーナの言葉を遮るようにメイレンが口を開いた。
>「それよりもテンちゃんが心配だわ〜。怪我して無いといいけど。」
>「メイレンさん、メイファに合ったら、魔法使いを敵視しないように説得してもらいたいんですが。 (中略)
> …とりあえず、お先にレベッカの所に行っておきます。また後で」
そう言ってミルクは先に走っていってしまった。
「フリージア、先に行ってて。私もすぐに追いつくから」
壁に手をついたり手すりを掴めば歩ける位には回復したが、走るのはまだ無理そうだ。
それに、レベッカの「的」がのこのこ顔を出したのでは、まとまる話もまとまらなくなる。
なので、とりあえずリリアーナはメイレンに同行することにした。
メイレンがレベッカを説得するにせよ、メイリン達と合流するにせよ、下に下りなくてはならない。
リリアーナはメイレンの後をもたもたと歩き始めた。
下からはクロウやレベッカ、ミルクらしき声が切れ切れに聞こえてくる。
「そう言えば、メイレン様は既におなかが膨れる予定があるそうですね」
リリアーナはふと疑問に思ったことを口にした。
メイレンが光臨してからリリアーナ達が駆けつけるまで殆ど間が無かったのだが、
その間にメイリンとの間に、何か食事の話でもつけてたのだろうか?
「メイレン様はどんな料理がお好きなのですか?西洋の食べ物は、あまりお口にあいませんか?」
>148>149
> 「メイレンさん、メイファに合ったら、魔法使いを敵視しないように説得してもらいたいんですが。
> いろいろ事情はあるんだろうけど、せっかくこんな遠くの学園祭まで来てるんです。
> このまま帰らせるのも、暴れ回るだけなのも楽しくないでしょうし。
> 無差別に魔法使いを攻撃したりしなければ、メイファも一緒に学園祭を楽しめますよ。
> …とりあえず、お先にレベッカの所に行っておきます。また後で」
「がんばってみるわ〜。気をつけてね〜。」
メイレンはミルクを見送った。
> 「フリージア、先に行ってて。私もすぐに追いつくから」
> 「そう言えば、メイレン様は既におなかが膨れる予定があるそうですね」
「ええ、きっとそうよ(愛好)」
> リリアーナはふと疑問に思ったことを口にした。
> 「メイレン様はどんな料理がお好きなのですか?西洋の食べ物は、あまりお口にあいませんか?」
「そんな事無いわよ〜。私は東方の(若い男的な意味)も西方の(若い男ry)も大好きよ〜。
ここって良い所ね〜。食べ物がたくさんあるわ。」
メイレンは少し考えていった。
「でも、西方のは東方よりも大きくてちょっと硬いのよね〜。食べる時にアゴが疲れちゃうわ〜。
それに力が強いから、暴れてあたり一面に体液を撒き散らしちゃうのよ。
さっさと止めを刺さないとうるさくてギャーギャー…ねえ、あなたは何かお勧めのものはあるかしら?」
おそらく某男子生徒は口にあわないと思われる。
一方、こちらはレベッカの方であるが…
> 「…そろそろ暴れるのは止めて大人しく投降したらどう?レベッカ。
> もうすぐ大妖怪のメイレンさんも降りてくるし、あんたに勝ち目は無い。
> メイレンさんも、テンちゃんにケガがないかそれはそれは心配してたわよ?」
レベッカは駆けつけたミルクに応じた。
「おめーにテンちゃんと言われる筋合いはねーよ(笑)」
レベッカは槍を杖代わりにして立ち上がろうとした。
先程の剣劇によって槍が折れそうになっている事に、レベッカは気づいているのだろうか?
「おめーに俺を教えてやる。俺は中つ国大陸部生まれの南島部育ち、
れっきとした人間の魔法使い、レベッカ・ウォンだ。」
レベッカは、「そういう肩書きのまま死ぬのも悪くないかもな」とも思った。
>148
使い魔カプセルの中でしゅんとなって体育座りしている吸血鬼が一人。
いじいじと地面に『の』の字を書いて「どうせ私なんて」と思っているに違いない。
「いいもんいいもん。
そもそも私は戦闘には向かんのだ」
そしてまた布団を敷いてぬくぬくと不貞寝してしまった。
外では自分のご主人がひどい目に会っているというのに暢気な奴である。
「むにゃむにゃ。
マオ、私たちの時代が来たのだ」
布団に入るなりすぐに寝られるのはもはや技能といってもいいだろう。
気持ちよさそうに寝ているヴァンエレン。
そこへやってきたのは満身創痍で気絶しているマオその人である。
「むむ…む」
気絶したままヴァンエレンに覆いかぶさる形になる。
それによって寝心地が悪くなってヴァンエレンは苦しそうに表情を歪める。
「私は天命に追いつかれた…よ」
>147
「んなっ!!」
勢いよく槍を払い飛ばそうとしたのだが、その槍が大きくしなるのは計算外だった。
>「会って数時間で何が家族だバーロー。」
そして今度はレベッカが剣を叩き落とそうと左手を叩く。
「っ!!」
だが、手を開かせるまでの威力はなかった。
>「くそっ、あの女次に会ったら容赦しねー。」
どうやらアイシャの攻撃が地味に効いているようだ。
しかし、レベッカが膝を着いて絶好のチャンスなのだが、左手が微妙に痺れてまだ攻撃できない。
いったん引いて右手に持ち変えるか?
>145
レベッカから目を離さずに少し考えていたら、向こうの方から声が掛かってきた。
>「おいクロウ、マオが後ろで倒れてるぞ?ほっといていいのかよ?」
さっきの爆発でやられたか・・・
けれど目を離すと何か仕掛けられてもおかしくない。
ジッチャンも眼は絶対に離すなってうるさかったしな。
マオには悪いが、ゆっくりと後ろに下がりながら近付こう。
>148
>「ちょっとマオ!大丈夫!?
いつもエリートエリート言ってる癖に、なに変態にやられてるのよ!」
と、思ったらミルクが来てくれたか。
>「…そろそろ暴れるのは止めて大人しく投降したらどう?レベッカ。
もうすぐ大妖怪のメイレンさんも降りてくるし、あんたに勝ち目は無い。
メイレンさんも、テンちゃんにケガがないかそれはそれは心配してたわよ?」
・・・いや、メイレンさんは関係ないんじゃないか?
それにテンちゃんって誰よ?
>150
>「おめーにテンちゃんと言われる筋合いはねーよ(笑)」
「えぇ!!レベッカってメイレンさんと知り合いなのか!?」
これは衝撃の事実だ。
けど何でテンちゃんなんて呼ばれてんだ?
レベッカの名前にテンなんて全くないじゃないか。
>「おめーに俺を教えてやる。俺は中つ国大陸部生まれの南島部育ち、
れっきとした人間の魔法使い、レベッカ・ウォンだ。」
そうそう、自己紹介で聞いた通りだ。
・・・確かリリアーナやマオはレベッカが妖怪みたいな感じで話していたな。
もしかしてこれが原因か?
「レベッカ、気に食わないことがあったからって槍で顔を攻撃しようとするのはどうかと思うぞ。
攻撃じゃなくて言葉で示さないか?」
「それと今のうちこの学園のルールを一つ教えておく。
学園内において基本的に誰かを殺すような魔法、及び攻撃を禁ずる、だ。
そしてそれを違反するものは、全力で止めさせてもらう。」
>148>149>152
> 「フリージア、先に行ってて。私もすぐに追いつくから」
「わかりましたわ」
と一言短く答えるフリージア
フリージングドールを先行させながら前に進むのであった
>「…そろそろ暴れるのは止めて大人しく投降したらどう?レベッカ。
もうすぐ大妖怪のメイレンさんも降りてくるし、あんたに勝ち目は無い。
メイレンさんも、テンちゃんにケガがないかそれはそれは心配してたわよ?」
フリージアがたどり着いたときすでにミルクがレベッカを説得しようとしていた
>「おめーにテンちゃんと言われる筋合いはねーよ(笑)」
>「おめーに俺を教えてやる。俺は中つ国大陸部生まれの南島部育ち、
れっきとした人間の魔法使い、レベッカ・ウォンだ。」
>「レベッカ、気に食わないことがあったからって槍で顔を攻撃しようとするのはどうかと思うぞ。
攻撃じゃなくて言葉で示さないか?」
>「それと今のうちこの学園のルールを一つ教えておく。
学園内において基本的に誰かを殺すような魔法、及び攻撃を禁ずる、だ。
そしてそれを違反するものは、全力で止めさせてもらう。」
「私、降臨!満を持して!!」
空気を読めない事に定評のあるフリージアさん
正確にはそれを模したフリージングドールが自分はここにいるぞとアピールする
「何でこうなったかは知らないけどこの学園で誰か死んだりしたら・・・・・」
ただでさえ青白い顔をさらに青くして言葉を紡ぐフリージア
「死霊科の生徒に魂を実験材料にされたりしてしまいますのよ!!」
すでに死んでる人間を人形に閉じ込めたり
魂なき肉人形ホムンクルスに入れてみたりと
言葉にも出来ない実験を繰り返す死霊科
主に犠牲になるのは吸血鬼ヴァンエレンとか
今は学園にいない猫耳幽霊であったが
それにしても恐ろしい話である
死んでるけど普通に動いてたり喋ってたりする人がいるほうが本当は恐ろしい事なのだろうが
別に腐ってるわけでもないので慣れてしまえばどうって事はない
この業界では死人に口ありである
「だから私は戦いを止めることをお勧めしますわ!!」
つまりフリージアは死んだ後のほうが酷い目にあうと言っているのだ
(その頃のギズモ)
「!?・・・・なんとなくお母さんが無茶苦茶なことを言っているような気がする」
魔力のラインがつながっているためか?それとも突っ込み属性のためか
それは誰も知らない・・・・・
状況報告をしたはいいが特にやることもないギズモ
「とりあえず僕はお母さんのところに行くけどメイリンさんはどうするの?」
「ちょっと変なこと言わないでよ!!かき氷女!」
フリージングドールの背後から姿を現したアイシャがフリージングドールに向かって文句をいう
「マジでさぁ〜あんな研究熱心なのと一緒にされちゃたまんないっての
ま、私ならそんま真似はしないけど…そのかわりに」
薄気味悪い笑みを浮かべ、親指を立て下に向ける
「地獄に叩き落としてあげるわ『偽物』さん」
そうレベッカを挑発した訳だが、最後の方に偽物と付けたのにはちゃんとした訳がある
「さっきメイレンから聞いたの中つ国に居る悪い妖怪が、来週こっちに来る転校生に化けて逃げたらしくて
それで追っ手を出したが、まさかこうなるなんて思わなかったって」
アイシャはこの騒動の発端をでっち上げようとしているのだ。
「だからねクロロン。止めなくていいの…学園に侵入し、悪いことをしようとか考えてる化け物はきっちりとやっつけなきゃ」
とアイシャが狂気じみたことを語っている最中、レベッカ以外のその場にいる全員にウェザーが囁く
【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
そう告げたあと、次にウェザーはメイレンに下の現状と考えを伝え、ある考えを告げる
【ですので、あとはあなたがほんの少しでいいのにご助力すればこの学園で起こった騒動については丸く収まります】
再び視線をレベッカに向けたアイシャ
「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
>150
>「そんな事無いわよ〜。私は東方のも西方のも大好きよ〜。
> ここって良い所ね〜。食べ物がたくさんあるわ。」
「は、はあ・・・・・・?」
主語が無かったので、リリアーナは曖昧な返事を返した。
>「でも、西方のは東方よりも大きくてちょっと硬いのよね〜。食べる時にアゴが疲れちゃうわ〜。
> それに力が強いから、暴れてあたり一面に体液を撒き散らしちゃうのよ。
> さっさと止めを刺さないとうるさくてギャーギャー…ねえ、あなたは何かお勧めのものはあるかしら?」
「た、体液ですか?」
うんうん、と相槌を打っていたリリアーナだったが、話が進んでいくうちにだんだん顔が引きつってきた。
主語が無いので、メイレンの好物は相変わらず分からない。だが
(この学園にたくさんいて、暴れたり体液が出たりするもので、止めを刺さないとギャーギャーうるさいもの?
メイレンさんの口に収まるんだから、そんなに大きな動物じゃないわよね?)
そこまで考えた時、リリアーナはピンと来た。
この学園にたくさんいて、暴れたりギャーギャー煩い生き物。それはズバリ
(ピクシーよ、絶対ピクシーだわ!)
・・・・・リリアーナは以前、学園の森に住むピクシーに遭遇した事がある。
その時悪戯され、散々な目にあった事はまだ記憶に新しい。
だが彼らがメイレンに頭からバリバリ食べられるところを見るのは、あまり好ましいことには思えなかった。
「え、えーと、お勧め、ですか?」
(活きのいいピクシーに代わる食べ物って何?何かあった??)
リリアーナは必死で考えたが、あいにく彼女はピクシーなど食べたことがない。
「えっと、そうですね、フィ、フィジルザクロなどいかがでしょう?
美容や若返りにも効果があるそうで、魔法美容科では確か研究材料に指定されていた筈です。
ただ、ザクロは人肉の味がするとも言われておりますので、メイレン様のお口に合うかどうか・・・・・・」
ピクシーの踊り食いが好きな妖怪なら、もしかしたら気に入るかもしれないのだが。
「魔法美容科のブースで販売しておりますので、よろしければ後でご案内します」
リリアーナの微笑が微妙に引きつっている気がするのは、多分気のせいだろう。
リリアーナ達が下を目指していると、突然ウェザーの囁き声が聞こえてきた。
「わっ、ビックリした!!もー、危うく階段を踏み外すところだったわよ」
>【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
> それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
「嘘って何のこと?今下で何が起こってるの?」
>ウェザーはメイレンに下の現状と考えを伝え、ある考えを告げる。
>【ですので、あとはあなたがほんの少しでいいのにご助力すればこの学園で起こった騒動については丸く収まります】
「すごくいい考えだと思うけど、レベッカさんは戦い続ける理由があるはずなのよね。
だからそれを取り除いてあげないと、彼女が槍を納めたくても収められないかも。
そのあたりも、メイレン様の方から説得してもらえたら助かるんですけれども・・・・・・」
そう言いながら、リリアーナはメイレンにお伺いを立てるような視線を向けた。
ウェザーはこの場にいないが、きっとリリアーナの声は届いたに違いない。
リリアーナは階段を下りた。
右の廊下の突き当たりには会談があり、左側に出ればレベッカ達のバトルに遭遇するだろう。
>「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
アイシャの挑発が静かな校内に反響している。
遅れてきたリリアーナは、ようやく下でのやり取りを直接耳にすることが出来た。
それにしても凄い挑発だ。
どうしたものかとそわそわしていたリリアーナだったが、ふと足元に落ちていた紙切れに気づいた。
「・・・・・・!! これ、メイリンの書いた棒メイリンだわ」
棒メイリンの紙は、心なしか前に見たときよりも煤けて見えた。
「マオマオに預けたのに、何でこれがこんな所に・・・・・・・あっ!」
紙の裏はなぜかべっとりと血で汚れていた。理由は一つしか考えられない。
リリアーナは真っ青な顔でメモを胸に抱くと、迷わず左側に飛び出した。
そこには膝をつくレベッカと、フリージア、アイシャ達、クロウにミルクがいた。
そしてミルクの足元の床は血で汚れている。
「ねえ、マオマオはっ?マオマオどうしたの?!」
このときのリリアーナはマオの事で頭がいっぱいで、レベッカに命を狙われたことなどすっかり失念していた。
>150 >152
>「おめーにテンちゃんと言われる筋合いはねーよ(笑)」
言いながらも、やっぱり戦いを辞める気はないらしく、レベッカは槍を支えに立ち上がる。
ちっ。怪我人は大人しく寝てればいいのに可愛げのない奴。
でもあの槍、なんか曲がり方が変な気がするんだけど…もしかして折れかけてる?
>「えぇ!!レベッカってメイレンさんと知り合いなのか!?」
「メイレンさんとレベッカの反応を見るにそうみたいね。
おかげで説明する手間が省けて助かったよ」
しかし大妖怪のメイレンさんが愛称で呼ぶって事は、レベッカも有名か有力者かの可能性が高いなこれ。
ここはクロウみたいにもうちょっと驚くところだったか。
いまさらやり直しもできないし、次から気をつけよう。
>「おめーに俺を教えてやる。俺は中つ国大陸部生まれの南島部育ち、
> れっきとした人間の魔法使い、レベッカ・ウォンだ。」
「……知ってるよ。それより攻撃してきた理由の方を聞きたかったけどね」
いちいちれっきとした人間とか入れたら、『実は違います』と言ってるようなもんだけど。
人間じゃないけど人間でありたい、とでも思ってる?
…わざわざ言うところをみるともしかして名前も偽名?
で、本命はテンがつく名前とか?
そういや最近そんな名前を聞いたような…
>「レベッカ、気に食わないことがあったからって槍で顔を攻撃しようとするのはどうかと思うぞ。(中略)
> そしてそれを違反するものは、全力で止めさせてもらう。」
いろいろ考えている間に、クロウはレベッカの説得を続けている。
誰かを殺すような魔法ってあたしのメギドの事ですか。
…そういや忘れかけてたけど、クロウってば生徒会の一員だったっけ。
どっちにしてもレベッカにメギド使う気にはなれなかったけど、目を付けられないようおとなしくせねば。
でもクロウ1人でレベッカを取り押さえるのは大変だろうし。
あー、あたしも補助魔法使えたらなあ…
>153-155
>「私、降臨!満を持して!!」
「来たねフリージア!これで勝った!」
もしかして出るタイミングを待ってたんじゃなかろうか。
思わずそう考えちゃいそうなくらい良い所で、フリージアが降りてきた。
見えてるのはドールだけだが声がする以上本人も降臨していることだろう。多分。
>「何でこうなったかは知らないけどこの学園で誰か死んだりしたら・・・・・」
>「死霊科の生徒に魂を実験材料にされたりしてしまいますのよ!!」
「いや、それは確かにイヤだけど、なぜ今そんな事を」
脈絡がないように思えたフリージアの言葉の理由を聞いてみると。
>「だから私は戦いを止めることをお勧めしますわ!!」
「なんで死ぬことが前提で話をしてるんだよ!!」
とんでもない答えを返しやがりましたよこのお嬢様!
戦ったらどっちかが死ぬの確定なのかよ!怖いよ!
ベアトリーチェとか命知らずすぎるだろ、あたしは絶対フリージアとケンカしたくねえ!
>「ちょっと変なこと言わないでよ!!かき氷女!」
同じ事を思ったらしく、アイシャがそう言いながら、フリージングドールの後ろから出てきた。
そういやアイシャも死霊科だったっけ。
そりゃまともな死霊科在籍の人間からしたら悪口に聞こえるよな、よし、もっと言ってやれ!
>「マジでさぁ〜あんな研究熱心なのと一緒にされちゃたまんないっての
> ま、私ならそんま真似はしないけど…そのかわりに」
>「地獄に叩き落としてあげるわ『偽物』さん」
「…偽物?」
ところが、フリージアへの攻撃をやめたアイシャは、急にレベッカを偽物呼ばわりし始めた。
まあ確かに、あまり変態的な事をしないから偽物の可能性もあるけど。
それにしてはメイレンさんそんな事言ってなかったぞ?
>【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
> それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
アイシャの説明の途中、急に別の声が聞こえてきた。
これはアイシャの使い魔のテレパシーか。
しかし説得が無理っぽいのは納得だけど、ずいぶん大がかりな演技を入れてるな……
ここまでする必要ってあるのか?
まあ何か考えがあるようだし、ここは手伝っておくか……
メギド使ったらまずいだろうから口だけだけど。
>「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
「死んだら問題あるなら、死なない程度に痛めつければ問題無いよな!
武器は槍しか持ってないみたいだけど、そんな細い槍でこっちの攻撃を受け止められるとか思うなよ!」
>「ねえ、マオマオはっ?マオマオどうしたの?!」
いざ開戦、レベッカを気絶でもさせようとした所に、リリアーナが血相変えて飛び込んできた。
「マオ?……マオなら、気絶してた上にケガもしてたから、この使い魔カプセルに入れておいたけど」
リリアーナの勢いに押され、あたしは深く考えずに、マオ入り使い魔カプセルをリリアーナに投げ渡した。
>152>153>154>155
> 「レベッカ、気に食わないことがあったからって槍で顔を攻撃しようとするのはどうかと思うぞ。
> 攻撃じゃなくて言葉で示さないか?」
「無理だ。」
レベッカはそっけなく答えた。実際、無理なのである。
> 「それと今のうちこの学園のルールを一つ教えておく。
> 学園内において基本的に誰かを殺すような魔法、及び攻撃を禁ずる、だ。
> そしてそれを違反するものは、全力で止めさせてもらう。」
「やってみろ、このレベッカに対してなぁ。」
> 「私、降臨!満を持して!!」
フリージアが現れたが、レベッカは戦慄した。頬を冷たい汗がつたっていく。
(お…俺に一体どうしろと?)
> 「何でこうなったかは知らないけどこの学園で誰か死んだりしたら・・・・・」
と、フリージアは死霊科の生徒の恐るべき生態をレベッカに説明した。
> 「だから私は戦いを止めることをお勧めしますわ!!」
「無理だ。」
レベッカはまたぞろ答えた。実際、無理なのである。
> 「ちょっと変なこと言わないでよ!!かき氷女!」
> フリージングドールの背後から姿を現したアイシャがフリージングドールに向かって文句をいう
「あ、おめーはあの時の女。」
レベッカはもちろん、自分の足を撃ったアイシャを忘れたりしない。
> 「地獄に叩き落としてあげるわ『偽物』さん」
「ああ?」
> 「さっきメイレンから聞いたの中つ国に居る悪い妖怪が、来週こっちに来る転校生に化けて逃げたらしくて
> それで追っ手を出したが、まさかこうなるなんて思わなかったって」
「待てよ、一体何を話してんだ?わけがわかんねーよ。」
> 「だからねクロロン。止めなくていいの…学園に侵入し、悪いことをしようとか考えてる化け物はきっちりとやっつけなきゃ」
「クロロン(笑)」
> 再び視線をレベッカに向けたアイシャ
> 「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
「上等だ。てめーから血祭りにしてやんよ。(てゆーか、名前も知らねーぞコイツ)」
レベッカは、手に持っていた呪符・無血八極を放った。マオにダメージを与えた、あの爆発する呪符である。
「これで借りを返したと思うなよ?」
レベッカは、さらに無数の呪符・血霧紅刃を用意した。ヴァンエレンの腕を切った呪符だ。
「シエウー・ホンレン。」
先に放った無血八極を追うように、無数の血霧紅刃が飛んでいく。アイシャが気をつけないといけないのは、
無血八極を射撃すると爆発してしまい、血霧紅刃は銃弾で破壊可能である点だ。
その時、レベッカの視界にリリアーナが入った。レベッカは、それを見た途端勝手に体が動いた。
「そおいっ。」
レベッカは、リリアーナに槍を投げつけた。
>157
それはちょうど、ミルクがリリアーナに使い魔カプセルを投げたタイミングと重なった。
>154>155
> 「え、えーと、お勧め、ですか?」
なんだかリリアーナを動揺させている事にメイレンは気づいていない。
> 「えっと、そうですね、フィ、フィジルザクロなどいかがでしょう?
> 美容や若返りにも効果があるそうで、魔法美容科では確か研究材料に指定されていた筈です。
> ただ、ザクロは人肉の味がするとも言われておりますので、メイレン様のお口に合うかどうか・・・・・・」
「あ〜ザクロが人肉の味っていうのは迷信よ〜。食べ比べればすぐにわかるわ〜。」
メイレンは暗に人肉の味を知っている事を告白した。
> 「魔法美容科のブースで販売しておりますので、よろしければ後でご案内します」
「ま〜!美容のブースがあるの!素敵だわ〜!」
リリアーナの微笑が微妙に引きつっている気がしたが、メイレンは気のせいだと思った。
> リリアーナ達が下を目指していると、突然ウェザーの囁き声が聞こえてきた。
>ウェザーはメイレンに下の現状と考えを伝え、ある考えを告げる。
>【ですので、あとはあなたがほんの少しでいいのにご助力すればこの学園で起こった騒動については丸く収まります】
「え〜!?でもそれって、結局テンちゃんをやっつけちゃうの〜!?」
メイレンは、それは困るといった態度をとった。
> 「すごくいい考えだと思うけど、レベッカさんは戦い続ける理由があるはずなのよね。
> だからそれを取り除いてあげないと、彼女が槍を納めたくても収められないかも。
> そのあたりも、メイレン様の方から説得してもらえたら助かるんですけれども・・・・・・」
「いいけど、あんまり酷いことはしないであげてね〜。」
下に降りると、リリアーナは血塗られた棒メイリンを見つけて青い顔をしていた。
メイレンは、曲がり角に隠れながらレベッカ達の様子を見守った。
どういうタイミングで登場すればいいか、わかりかねているようだ。
「ねえ、ウェザーちゃん聞こえる?私は次に何をしたらいいのかしら?」
メイレンはひそひそと囁いた。ウェザーに聞こえているかどうかは定かではない。
>153
一方こちらはメイリンとメイファである。
> 「とりあえず僕はお母さんのところに行くけどメイリンさんはどうするの?」
> 状況報告をしたはいいが特にやることもないギズモ
しかし、それでもメイリンはギズモに向かって首を横に振った。
これをどうとるかはギズモの勝手である。
『あなたがお母さんを呼んだのね!』
メイリンの様子を見て何かを悟ったのか、メイファはメイリンを振りほどいた。
『どうして私の邪魔をするの?リン姉ちゃんだって、魔法使いを憎んでいるのに!
お母さんを呼んで私を連れ帰ってもらおうなんて!
それに、お母さんの力は昔より弱くなっているわ!魔法使い共に人質にでもされたらどうするのよ!?』
メイファはメイリンを罵った後、後悔の念にかられた。メイリンを批判した事ではなく、別の事でだ。
『たいへん!早くテン姉ちゃんの“点穴針”を取ってあげなきゃ!』
メイファは教室を飛び出した。メイリンも当然のように後を追いかけた。
>157
『ぎゃん!』
メイファは曲がり角を曲がった途端に何かにぶつかった。それはミルクだった。
『あ!あなたはあの時の捕虜ね!』
メイファはミルクに攻撃しようとしたが、それどころではない事を思い出してやめた。
『そうだ、テン姉ちゃん…』
メイファがレベッカの方を向いた時、レベッカは…
>154
>「ちょっと変なこと言わないでよ!!かき氷女!」
「カキ氷って!せめてフラッペとお言いなさい」
心底どうでもいい上に意味は同じである
そしてアイシャはとんでもないことを言い出す
このレベッカは偽者で本物はまだ学園には来ていないというのだ
>【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
ウェザーがいうことにはアイシャのうそを肯定すればすべてうまく収まるらしい
つまり存在すらしない悪い妖怪をでっちあげて全部そいつのせいにしてしまおうという作戦なのだろう
悪い妖怪の死体とか証拠品は失敗した魂の無いホムンクルスの残骸とかでまかなえばいいそうすればすべて収まるのだ
「なるほどそういうことですのね」
納得がいったかのようにつぶやくフリージア
>157>158
>「そおいっ。」
リリアーナ目掛けて投げられる槍
なんだか硬い物同士がぶつかり合ったような音が聞こえたがそれどころではない
リリアーナが攻撃されたのだ
果たしてマオとヴァンエレンは大丈夫なのだろうか?
「リリアーナさんに何しますのよ!!」
本物のフリージアが前に出てこないところを見ると
冷静さを失っていない・・・・・のだろうか?
自らの頭を引っこ抜きレベッカに投げつけるフリージングドール
明らかに気が動転していますどうもありがとうございました
フリージアと合流しようと先を急ぐギズモ
「あ!お母さ・・・・・ぎゃあ!?」
やっと現場に到着したギズモの目に飛び込んで来たのは首の無い自分の主人であった
ショックが大きすぎたせいでそれが人形だとは気づくことが出来ない
近くに転がるフリージア(人形)の頭を拾い上げるギズモ
「これ・・・・母さんです」
思わずそんな台詞が口から出るギズモであった
>158-160
>「そおいっ。」
「あっ!ちょ…!」
なんというタイミングの悪さ。
あたしがカプセルをリリアーナに投げ渡したと同時に、レベッカがリリアーナに槍を投げつけた。
さっきまで喋ってばかりだった癖に、なんで急に槍なんか投げるんだよ!
リリアーナはカプセル受け止めようとしてるから避けられないだろ!
このままじゃリリアーナが串刺しになる!
堅いもの同士がぶつかる音が聞こえる。
それは運命の女神のいたずらか気まぐれか。
あたしが投げた使い魔カプセルと、レベッカが投げた槍が空中でぶつかったのだ。
軌道のそれた槍は壁にぶつかって折れ、カプセルは落ちて廊下に転がる。
さて問題です、使い魔カプセルがもし壊れた場合、中に入ってる人間はどうなるのでしょうか…?
>「リリアーナさんに何しますのよ!!」
「ぎゃーっ!!マオに何するんだよ!!」
フリージアの叫びに硬直が解けて、あたしは使い魔カプセルに駆け寄ろうとした。
残念ながら、あたしは持ってないマジックアイテムの知識なんてあまりない。
とりあえず急いでマオを取り出して、大丈夫かどうか確認しないと!
>『ぎゃん!』
「痛いっ!誰だよ体当たりなんかして…あーっ!
メイファ!?なんでこんな所に!?」
>『あ!あなたはあの時の捕虜ね!』
人間ミサイルのようにあたしに突っ込んできたのは、探していたメイファだった。
普通なら即メイファゲット…と言いたい所だけど、今はマオの安全確認を優先しないと!
幸いメイファもそれどころじゃないみたいだし、今のうちに!
「マオ!?大丈夫!?無事!?」
慌てて使い魔カプセルを拾い上げてみると……げっ!ヒビが入ってるじゃないか!!
「誰か!使い魔カプセルが、ヒビ入ってても使えるかどうか知らない!?
マオーッ!まさか死んでないわよね!?
死んだら死霊科のオモチャになるわよ!気合いで生きろーっ!」
そう呼びかけながらあたしは、使い魔カプセルをぶんぶん振り回した。
>156 >158-161
>「マオ?……マオなら、気絶してた上にケガもしてたから、この使い魔カプセルに入れておいたけど」
「ええええ!!あのマオマオが?!な、何で?どうしてそんなことになったの?」
レベッカが攻撃したのは分かるが、マオが怪我をして気絶するなどリリアーナには想像つかなかった。
ミルクはマオとヴァンエレン入り使い魔カプセルをリリアーナに投げ渡そうとした。
>「そおいっ。」
「そうだ、メイレン様、レベッカさんから話を・・・・・あれ?どちらに行かれた・・・・・・・へっ?!」
何かが視界の隅から飛んできたかと思うと、リリアーナの頭上で何か硬い物同士がぶつかったような音がした。
「な、何を・・・・・ふぎゃっ?!」
脳天を何かに殴られた衝撃で、リリアーナは床にべしゃっと倒れた。
>「リリアーナさんに何しますのよ!!」
フリージアの怒鳴り声が変に遠くから聞こえてくる。
「い・・・・・・・痛った〜〜〜〜何これ、棒?」
リリアーナは自分の頭を直撃したものを手に取り、目をぱちくりさせた。
「棒・・・・・・いや、槍かな?」
リリアーナは周囲を見渡し、ああ、とようやく合点が行った。
壁に突き刺さって折れた槍の柄部分が、リリアーナの頭の上に直撃したのだ。
(そうだった、私、レベッカさんに命を狙われてたんだっけ・・・・・・)
はっきり言って思い出すのが遅すぎである。
>『ぎゃん!』
>「痛いっ!誰だよ体当たりなんかして…あーっ!
> メイファ!?なんでこんな所に!?」
「あ ――――!!メイファ!それにメイリンも!
メイリン、メイファは家に帰るって言ったかな?」
だがメイファの表情からすると、とてもそんな風に話がまとまった感じでもなさそうだ。
「メイレン様ぁ、メイファが居ました!先程お願いしたように中つ国に帰るよう説得を・・・・あれ?メイレン様は?」
リリアーナはキョロキョロとメイレンの姿を探した。
「メイレン様〜!!どちらにいらっしゃるのですか〜!!」
たとえ人肉の味を知っている大妖怪でも、この場を纏められるのは彼女くらいだろう。
大妖怪であり母の威厳を見せてもらうには絶好の機会である。
>「誰か!使い魔カプセルが、ヒビ入ってても使えるかどうか知らない!?
> マオーッ!まさか死んでないわよね!?
> 死んだら死霊科のオモチャになるわよ!気合いで生きろーっ!」
「ええええええ?!」
リリアーナは仰天した。
そう呼びかけながらあたしは、使い魔カプセルをぶんぶん振り回した。
「いや、確か緊急脱出モードがあったはず・・・・・そうだったわよね、フリージア?」
リリアーナはフリージアに同意を求めようと振り向いた。
そこには横たわるフリージアの遺体と、生首を抱えて呆然とするギズモの姿があった。
>「これ・・・・母さんです」
「キャ――――!!フリージアが死んじゃったぁ―――― っ!!!」
>151
気絶したマオが着地したのはちょうどヴァンエレンの間上だった。
「う……うう……」
苦しそうに呻き声を上げるマオ、血が流れているが。
命に関わるような傷がないことは幸運だった。
>「私は天命に追いつかれた…よ」
下ではマオが落ちてきたことによって寝心地が悪くなったヴァンエレンが
苦しそうにしながらよく分からない寝言を言っている。
「莫迦か、天命なんてあるわけないだろ……
しぶとさだけは定評があるお前がそう簡単にやられるわけない…」
寝言に寝言で返すマオ。なぜか会話が成立してしまっている。
>157-162
しばらく寝言で良く分からない会話を続けていた二人だったが。
突如凄い衝撃が伝わり二人とも布団から引きはがされマオは壁に頭をぶつける。
「っ!!……く……くぅぅ〜ッ」
意識が戻りかけているのか?それとも相当痛かったのか?
言葉にならない呻きを上げるマオの横でそれでもまだ寝ているヴァンエレン。
凄い神経とかいうか何というか……ある意味尊敬すらできる。
そして更に地面に落ちる時の衝撃でマオとヴァンエレンは飛び跳ねた挙句、
ヴァンエレンがマオを押し倒しているような誤解を招きそうな体勢になってしまう。
本来使い魔カプセルは本体がどんな動きをしてようと中は変わらないのだが、
やはりこれは故障しているということなのだろうか?
>「マオ!?大丈夫!?無事!?」
ミルクの声がカプセルの外から聞こえてくるがマオは相変わらず意識を失っているまま。
>「誰か!使い魔カプセルが、ヒビ入ってても使えるかどうか知らない!?
>マオーッ!まさか死んでないわよね!?
>死んだら死霊科のオモチャになるわよ!気合いで生きろーっ!」
なんとミルクはカプセルをぶんぶんと振り回し始めたのだ!
その影響で天地すらひっくり返ることになる。これには流石にマオも気絶したままではいられずに飛び上る。
「ハッ…!?…な、なななんだ!?何が起こって…あがッ」
いきなりの出来事に口も回らず舌を噛んでしまい、更に体をあちこちの壁に打ち付ける。
一体何が起こっているんだ!?よく分からないがただ事じゃない。
てかヴァンエレンがいるってことはここは使い魔カプセルの中?
>「いや、確か緊急脱出モードがあったはず・・・・・そうだったわよね、フリージア?」
するとカプセルの外からおなじみの声が聞こえてくる……緊急脱出モード?
ぶれる視界のなか見渡すと確かにそれらしいモードの文字が書かれたボタンのようなものがあることに気付く。
「こ、これか………あ、あともう少し……」
ボタンに触れようと手を伸ばそうとしたその時。ヴァンエレンがこっちに向かってくる。
「ちょっと待て!!ヴァンエレンストップ!ストップ!!…お、おい!!んんっ!?」
次の瞬間唇に不思議な感触を感じ……目の前にはヴァンエレンの顔が映っている。
ちょっと待って……これってもしかしてキ、キス?一気に顔が赤くなり思考が停止する。
「……………………………………」
固まっているとヴァンエレンに押されてその拍子に緊急脱出ボタンを押してしまう。
結果的には良かったかもしれない、だがこの状況は一体なんだ?
次の瞬間僕とヴァンエレンは唇を合わせたまま皆の前に姿を表すことになった。
全員こっちを見ているのに気がついてすかさずヴァンエレンから離れる。
「…………こ、これはその、僕にお構いなく…」
>158
>「やってみろ、このレベッカに対してなぁ。」
マジで引く気はないみたいだ。
こりゃ本気を出した方が良さそうだな。
>153>156-157
>「私、降臨!満を持して!!」
>「来たねフリージア!これで勝った!」
このタイミングで増援か。
これで戦意喪失してくれればいいのだが・・・
>「何でこうなったかは知らないけどこの学園で誰か死んだりしたら・・・・・」
>「死霊科の生徒に魂を実験材料にされたりしてしまいますのよ!!」
>「いや、それは確かにイヤだけど、なぜ今そんな事を」
>「だから私は戦いを止めることをお勧めしますわ!!」
>「無理だ。」
・・・ダメっぽいな。
というか、俺の一番言いたかった事を誰も理解していねぇ・・・
>154
>「なんで死ぬことが前提で話をしてるんだよ!!」
>「ちょっと変なこと言わないでよ!!かき氷女!」
>「カキ氷って!せめてフラッペとお言いなさい」
>「あ、おめーはあの時の女。」
フリージアだけじゃなくアイシャも来たのか。
このままなら数で押せるな。
>「マジでさぁ〜あんな研究熱心なのと一緒にされちゃたまんないっての
ま、私ならそんま真似はしないけど…そのかわりに」
>「地獄に叩き落としてあげるわ『偽物』さん」
>「ああ?」
>「…偽物?」
「偽物、ねぇ。」
こいつがレベッカじゃないとしたらいったい誰なんだよ。
>「さっきメイレンから聞いたの中つ国に居る悪い妖怪が、来週こっちに来る転校生に化けて逃げたらしくて
それで追っ手を出したが、まさかこうなるなんて思わなかったって」
>「待てよ、一体何を話してんだ?わけがわかんねーよ。」
妖怪にしちゃあやけに魔法を使っている気もするんだが、気のせいか?
>「だからねクロロン。止めなくていいの…学園に侵入し、悪いことをしようとか考えてる化け物はきっちりとやっつけなきゃ」
>「クロロン(笑)」
「誰がクロロンだ!!」
本当に今日は厄日だ。
せっかくの祭りなのにほとんど楽しめてねぇ。
>【いいか、よく聞けよ。貴様等のような道徳じみた説教はアイツには無駄だ
それでもまだハッピーエンドを望むならば、この嘘を全力で肯定しろ…そうすれば全ては丸く収まる。確実にな】
呼ばれ方に反応したら、アイシャの使い魔らしきものからテレパシーが送られてきた。
嘘、ねぇ。
(じゃあ殺す気でやっていいんだな?)
一応テレパシーで聞き返したが、その方がよりリアルにできそうだし殺っちまうか。
>「キャンキャン五月蠅いんだけど、やるならさっさときなよ負け狗レヴィ!」
「おい、下手に挑発するな!!」
>「上等だ。てめーから血祭りにしてやんよ。」
ちっ、言わんこっちゃねぇ。
>「これで借りを返したと思うなよ?」
>「シエウー・ホンレン。」
「い い 加 減 に、しやがれ!!」
そう言いつつ、上級剣技、『剣閃』を飛んでくる呪符に当てる。
これで先に飛んできた呪符を迎撃、そして予想しない爆発もあったが多少距離があった為被害はなく、上手く後ろの呪符も巻き込んでくれた。
「"基本的"に人を殺すような攻撃をするなっていったよな。」
後ろの方でリリアーナ達が騒いでいるが、どうでもいい。
「もう我慢ならねぇ。
てめぇは血祭りに上げてやる。
固有空間解放!!
Verzerrung Zeit Raum」
魔法を発動させ、一気にレベッカとの距離を詰める。
この感覚だと今は加速のようだな。
なら攻撃あるのみだ!!
「いっくぜぇぇぇ!!」
そう言いながら初級剣技『スマッシュ』の準備をする。
反応が遅ければレベッカに強力な一撃が加えられるだろう。
>160>161
> 堅いもの同士がぶつかる音が聞こえる。
「ああっ!?私の槍が!」
そう、とうとうレベッカの槍が折れてしまったのだ。
ちなみに、槍が無いと女々しくなるのは仕様である。
> 「リリアーナさんに何しますのよ!!」
「あ、痛っ!」
レベッカはアソパソマソではないので、新しい顔に変わったりはしない。
フリージングドールの生首をぶつけられても、頭にたんこぶができるだけだ。
>162>163
ぶつかられたミルクはもちろんのこと、リリアーナもメイファを発見した。
> 「メイレン様ぁ、メイファが居ました!先程お願いしたように中つ国に帰るよう説得を・・・・あれ?メイレン様は?」
> リリアーナはキョロキョロとメイレンの姿を探した。
> 「メイレン様〜!!どちらにいらっしゃるのですか〜!!」
>>「はいはい!私はここよ〜!」
呼ばれて飛び出てなんとやら。やっとメイレンが駆けつけた。
そんな時にマオとヴァンエレンが使い魔カプセルから飛び出したのだ。間が悪い。実に間が悪い。
> 「…………こ、これはその、僕にお構いなく…」
そんな言葉が大妖怪に通じるわけが無い。
>>「ま〜!種族と性別を超えた愛ね〜!素敵だわ〜!」
メイレンのこの言葉によって、マオとヴァンエレンは素敵になった。
>165
> 「いっくぜぇぇぇ!!」
槍が折れた事で動揺し、しかも慣れない空間に突然つつまれたレベッカに、
クロウの攻撃を防ぐ手立てなど無かった。
クロウの剣はレベッカに強力な一撃を加え、そこから鮮血が吹き出すのも、別段不思議な事ではない。
「…あなたの事、嫌いじゃなかったわ。」
レベッカは目を開いた。メイレンと同じ、オレンジ色の瞳にクロウが映る。
「こんな結末になって残念よ。」
レベッカは最後にそう言って息をひきとり、倒れた。
そんな光景を見てしまったメイファが、冷静でいられるはずもない。
>『お姉ちゃん!テン姉ちゃん!』
メイファは相変わらず中つ国語しか喋らないが、それが悲しみの叫びではないと誰が思うだろうか。
間が悪いのはメイレンである。何しろ、娘が斬り殺された瞬間を目撃する事になってしまったのだから。
>>「………」
メイレンは言葉を失ってしまった。メイファはそんなメイレンに気をつかう余裕は無い。
メイファはレベッカに駆け寄り、クロウを威嚇して彼女から離れさせると、
彼女を抱き起こし、首の後ろあたりから針のようなものを抜き取った。
>『ごめんなさい、テン姉ちゃん。こんな事になるなら、点穴針なんか使わなきゃ良かった。』
点穴針とは、ある種のつぼ(点穴)を刺激するための針である。レベッカに裏切られたと思ったメイファは、
この点穴針でレベッカがメイファの言う事を逆らえないようにしていたのだ。(>88)
>>『“力”は自分自身にさえ容赦しないのよ?』
メイレンはメイファに近づき、点穴針を握り締めていたメイファの手をそっと包んだ。
>>『私もテンちゃんも、革命で大切な者の命を失ったわ。だから、あなたにはそんな運命を背負わせたくなかった。
>> でも…私は遅かったのね。あなたに間に合わなかった…私を許してなんて、言えないわね?』
メイファは首を横に振った。
>>『帰りましょ、ファちゃん。テンちゃんと一緒に、ね?革命なんて、もう必要ないの。』
メイレンは周りにいる魔法使い達に言った。
>>「魔法使いとは、中つ国語を理解するという“意味”よ。」
メイレンのこの不可解な言葉は、その場にいる魔法使いがメイファと普通に会話できる事を“意味”した。
これにより、メイファと通訳無しで直接コミュニケーションがとれるだろう。
>154 >160
リリアーナは倒れたフリージアによろよろと近寄ると、その傍らにぺたりと座り込んだ。
「フリージア・・・・・フリージアが・・・・・・・・・何でこんなひどい事に」
首が無くなったのだ。さすがのフリージアも、これでは助からないだろう。
リリアーナの両目からぽろぽろ涙が溢れた。
「ちょっとアイシャ、こんな時に何ニヤニヤ笑ってるのよ!酷いじゃない!!
かわいそうにフリージア、こんなに冷たく硬くなっちゃって・・・・まるで氷みたい。氷・・・・・・・・・あれ?」
リリアーナは涙に濡れた目をしぱしぱさせた。
「ギズモ!これフリージアじゃない!あなたのお母さんじゃないよ〜!」
リリアーナ一緒に座り込んでいるギズモの背をばしんと叩くと、ぷうっと頬を膨らませた。
「アイシャも知ってたのなら早くそう言ってよね!」
>147 >165 >166
「そうだった、レベッカさん達は?」
一安心したリリアーナは、背後で繰り広げられている戦闘に目を向けた。
クロウが作り出したのは、半径4m程の「時の固有空間」だった。
>「いっくぜぇぇぇ!!」
クロウは初級剣技『スマッシュ』の準備をする。
「クロウさん、待って!」
リリアーナは叫んだ。レベッカの様子が明らかにおかしいからだ。
>クロウの剣はレベッカに強力な一撃を加え、そこから鮮血が吹き出すのも、別段不思議な事ではない。
>「…あなたの事、嫌いじゃなかったわ。」
レベッカは目を開いた。メイレンと同じ、オレンジ色の瞳にクロウが映る。
>「こんな結末になって残念よ。」
レベッカはそういい残し、倒れた。
メイファがレベッカの名前らしき言葉を叫びながら、駆け寄ってきた。
メイレンもその場に立ち尽くしている。
>「………」
メイファはレベッカに駆け寄り、クロウを威嚇して彼女から離れさせると、
彼女を抱き起こし、首の後ろあたりから針のようなものを抜き取った。
メイファの言葉は良く分からないが、何かを後悔しているような苦い口ぶりだった。
メイレンがメイファの手をそっと包み、何事か話している。
「・・・・・・メイリン、レベッカさんがああなったのはメイファの仕業なの?
あの針みたいなもののせいで、レベッカさんは私達と戦うことになったのね?」
リリアーナはメイリンにそう質問した。この状況で返事が返ってくるとも思えないが。
メイレンはメイファに向かって首を横に振ると、更に何かを言い募った。
印象的には、メイレンはメイファに懇々と話しているような感じだ。
>「魔法使いとは、中つ国語を理解するという“意味”よ。」
「・・・・・・・何で一言、レベッカさんに『生きろ』って言ってくれないんですか」
リリアーナは押し殺したような声でそう言った。
メイレンは意味を操る妖怪だ。彼女の一言があればきっと・・・・・・・。
いや、違う。
「・・・・・・・・ごめんなさい」
もし言葉で蘇るのならとっくにやっているはずだ。なにせメイレンはレベッカの母親なのだから。
やらないと言う事はつまり――――。
リリアーナは唇をかみ締めた。
「まだよ。まだ蘇生が間にあうかもしれない。
メイファ、そこをどいて!レベッカさんを早くレオ先生のところへ運ばないと。
クロウさん、空間を医務室と繋いで!こんな所にいたら、助かる命も助からないんだから!」
そう話しながら、リリアーナは自分のペチコートを引き裂いた。
彼女は知らなかったが、クロウはレベッカによって左手を強打されている。
また、学園を自分の家と思い、レベッカを家族と表現したクロウがどれほど本気だったとしても、
生徒――――家族同然の相手に、最後の最後、本気で剣を振りぬけるものだろうか?
「ちょっとクロウさん、聞いてる?出来るわよね?」
リリアーナはそう念を押し、レベッカの方に駆け寄った。
「フリージア、使い魔カプセルはどう?やっぱり使い物にならないのかな?
――――メイファ、私もレベッカさんを助けたいの。可能性があるなら掛けてみたい。
あなたに彼女が救えるの?もし違うのなら、邪魔しないで」
リリアーナはレベッカの傷を布で押さえようとしている。
だがそうでなくても、ここまで接近した今、メイファがリリアーナを殺すのは簡単だろう。
>163
>「莫迦か、天命なんてあるわけないだろ……
>しぶとさだけは定評があるお前がそう簡単にやられるわけない…」
ヴァンエレンの死亡フラグをいとも容易く打ち破ったマオ。
しかも気絶しながらとはさすがエリートといったところだろう…か?
ミルクが使い魔カプセルをちょちょいと振り回す。
そうすると中に入っている二人は宙を舞ったり激突したりと大騒ぎ。
>「ハッ…!?…な、なななんだ!?何が起こって…あがッ」
さすがにたまらんとマオが気絶から回復するものの、あちらこちらと飛び回る。
しかしこの騒ぎでもヴァンエレンは起きやしない。
曙の敗北スタイルでまだ眠りこけている姿は本来ならありえないしあろうはずもない。
まあそれがヴァンエレンという吸血鬼だからの一言で済まされてしまうのがこの世界のいいところである。
>「いや、確か緊急脱出モードがあったはず・・・・・そうだったわよね、フリージア?」
これはたまらないと感じたマオは外から聞こえてきた緊急脱出のヒントを頼りにボタンを探す。
>「こ、これか………あ、あともう少し……」
もう少しでボタンを押せるとこまできて、まだ幸せそうに眠りこけているヴァンエレンがゴロゴロと転がってきた。
>「ちょっと待て!!ヴァンエレンストップ!ストップ!!…お、おい!!んんっ!?」
ヴァンエレンとマオの顔が近づいていき…ひとつとなったのです。
なんということでしょう。
魔の者と人間という相容れぬ存在である二人が感動のキスシーン。
カチリ。
そんな音がして外に緊急脱出した二人。
もちろん格好はそのまま。
リリアーナとメイレンたちとご対面。
>「…………こ、これはその、僕にお構いなく…」
「むにゃ…もう食べられません」
>168
>「フリージア、使い魔カプセルはどう?やっぱり使い物にならないのかな?
>――――メイファ、私もレベッカさんを助けたいの。可能性があるなら掛けてみたい。
>あなたに彼女が救えるの?もし違うのなら、邪魔しないで」
「ほへ?」
おはようございますミディアン。
「あれは…死んでいるのか?」
さっきまで生きていたレベッカをみて、殺人事件の第一発見者のように青白い顔で驚いている。
あんたも言っちゃえば死体なんですけどね。
「待て待て待て。
あわてるなあわてるな罠だ。
あわてるな。
あわてるな待て
>166
左手の剣はレベッカを逃さずに斬りつけ、傷口からは血が噴き出してきた。
それと同時に俺は固有空間を解除した。
>「…あなたの事、嫌いじゃなかったわ。」
「・・・俺としては、あまり印象が良くなかったな。」
発言がおかしかったり、カプセルでやられそうになったりしたから、マジで印象が悪い。
>「こんな結末になって残念よ。」
「同感だ。」
できれば、いろいろと中つ国の文化を教えてもらいたかったよ。
>『お姉ちゃん!テン姉ちゃん!』
・・・なんだ?
言葉は全く分からないが女の子が一人駆け寄ってきた。
威嚇っぽい事をしているし、レベッカの知り合いなのだろうか?
・・・クソッ、なんて後味が悪いんだ。
>「魔法使いとは、中つ国語を理解するという“意味”よ。」
突然メイレンさんが訳の分からない事を言う。
こんな状態でいったい何を言っているのだろうか?
>167-168
>「まだよ。まだ蘇生が間にあうかもしれない。
メイファ、そこをどいて!レベッカさんを早くレオ先生のところへ運ばないと。
クロウさん、空間を医務室と繋いで!こんな所にいたら、助かる命も助からないんだから!」
何!?本気で繋げというのか?
空間の安定しないフィジル島での生体転移は非常に難しい。
リリアーナはそれを分かった上で言っているのだろうか?
>「ちょっとクロウさん、聞いてる?出来るわよね?」
これは・・・無茶でもやれって感じだな。
>「フリージア、使い魔カプセルはどう?やっぱり使い物にならないのかな?
――――メイファ、私もレベッカさんを助けたいの。可能性があるなら掛けてみたい。
あなたに彼女が救えるの?もし違うのなら、邪魔しないで」
おいおい、あの女の子がメイファなのかよ。
というか、リリアーナも良く堂々といえるな・・・。
それだけ助けたいってことか。
しかしまいったな。
固有空間の発動で魔力が足りねぇ。
「っち、仕方ねぇな。
マオ、生徒会の事後報告、俺の分も頼む。」
そういながら両腕の腕輪を外す。
魔力を感じやすいものなら、右手から闇、左手から光の魔力が増大していくのに気づくだろう。
「今空間を繋ぐからな!!」
魔力を用い即行で宙に陣を描く。
「開け、Schlucht Weg」
これで上手くいけばいいんだけどな。
>166−170
死んだ人間は生き返らない・・・・・
生まれ変わって別の存在になることはあっても
>「フリージア・・・・・フリージアが・・・・・・・・・何でこんなひどい事に」
「うう・・・・お母さん」
涙を流すギズモ
人間の文明とは相容れない存在である自分を受け入れてくれたフリージア
毎日一緒にお風呂に入ってくれたフリージア
この姿になりたいとイラストを描いたらその通りに変身させてくれたフリージア
さまざまなフリージアとの思い出がギズモの頭の中を駆け巡る
>「ギズモ!これフリージアじゃない!あなたのお母さんじゃないよ〜!」
「な、なんだって!?」
あっと驚くギズモきゅん
恐る恐る首の断面を見てみるギズモ
「あ、これ氷の人形だ!?」
すごく情けない気がしてきたギズモ
フリージアの造形技術が優れているのか?それともギズモの目が節穴だったのか?
それは間違いなく氷で出来た人形の頭であった
>「…あなたの事、嫌いじゃなかったわ。」
>「こんな結末になって残念よ。」
ギズモの目の前で事切れるレベッカ
「う・・・・あ」
あまりのことにショックを隠せない
母親の死は偽りであったが目の前で起きたこの死は本物だ
「何で?」
この悲劇は避けられなかったのか?
「何でこうなったの!?」
そう言ったところでレベッカは生き返らない
だがギズモは問わずにはいられなっかった
>「魔法使いとは、中つ国語を理解するという“意味”よ。」
>「・・・・・・・何で一言、レベッカさんに『生きろ』って言ってくれないんですか」
死んだ人間は生き返らない・・・・・
もし生き返ったらそれは本当には死んでなかったというだけだ
「ねえ本当に死んでしまったのアイシャさん?」
フリージングドールを操る鎖を指から外すのに手間取っていたらしく
今頃出てきた本物のフリージア
なぜアイシャか・・・・それは死者であるなら死霊科のテリトリーだからである
>「まだよ。まだ蘇生が間にあうかもしれない。
メイファ、そこをどいて!レベッカさんを早くレオ先生のところへ運ばないと。
クロウさん、空間を医務室と繋いで!こんな所にいたら、助かる命も助からないんだから!」
>「フリージア、使い魔カプセルはどう?やっぱり使い物にならないのかな?
――――メイファ、私もレベッカさんを助けたいの。可能性があるなら掛けてみたい。
あなたに彼女が救えるの?もし違うのなら、邪魔しないで」
「皹が入っていて新しい物を買ったほうが早いですわ」
フリージアの使い魔カプセルはもう使えない完全に壊れているからである
「あと二つある予備も私の部屋に置きっぱなしですし」
動く死者アンデッドであるはずのヴァンエレンはレベッカを見て慌てている
「・・・・・・・いえ駄目ですわ」
一瞬、ヴァンエレンに頼んでレベッカをアンデッドにしてもらおうかという考えが浮かんだが頭を振りその考えを追い払った
人間の魔法使いにはのりと勢いでリッチになるようなあれなのも存在するが
そいつらは本人の意思でそうなったのであってレベッカはそれを望むかどうかは別である
空間を繋げるべく術を行使するクロウ
「ねえアイシャさん・・・・まだレベッカさんの魂の尾は体と繋がってますの?」
もし繋がっているのなら心臓が止まっていてもまだ生きているということである
>166-170
>「ええええええ?!」
>「いや、確か緊急脱出モードがあったはず・・・・・そうだったわよね、フリージア?」
「ホントに!?どうやって作動させるのフリージ……ア…」
一瞬の驚きから立ち直ったリリアーナの記憶を頼りに、フリージアの居た場所に振り返る。
見えたのは、首なしフリージアの体。
それから、少し離れた場所で首を抱えて立ってるギズモ。
>「これ・・・・母さんです」
>「キャ――――!!フリージアが死んじゃったぁ―――― っ!!!」
「し、ししし、死んでる!?死んでる!?」
いや待て落ち着けあたし!
よく見ろ!生首からも首なし体からも、血が出てないじゃないか!
「な、なんだ、血が出てないって事は偽物だよ。
驚いたなあもう……」
ギズモまで間違うなんて、いくらなんでも似せて作りすぎだろフリージア。
頼むからアイスゴーレム風にするなりして、見分けがつくようにしてくれ…
「あのフリージアは偽物だよリリアーナ…って聞いてないね…」
リリアーナ泣いてますよしかもマジ泣きですよ。
教えてあげたいところですが、今のところ死んでないフリージアより死にかけマオの方が大変です。
誰かあたしの代わりにリリアーナに教えてあげてね!
よし!続けてさらにカプセルを振り続け…あれ?
いつのまにやらマオがカプセルから出てきている。
ヴァンエレンと…その……キスしたままで!
>「…………こ、これはその、僕にお構いなく…」
>「むにゃ…もう食べられません」
>>「ま〜!種族と性別を超えた愛ね〜!素敵だわ〜!」
「や、なんというかその…邪魔して悪かったねごめん。
こちらは気にしないでどうぞ続きを」
なんとなくヴァンエレンが眠そうにしてるのはきっと気のせいだ。
あんな事しながら寝てるはずがない。うん。
>『お姉ちゃん!テン姉ちゃん!』
メイファの叫びが聞こえてきたのはその時。
言葉の意味は相変わらずわからない。
でも、緊急事態が起きたのだけはわかる。
メイファは血の海の中でレベッカを抱き起こしていた。
そんなメイファに近寄ったメイレンさんが、そっと手を握って声をかける。
大切な人を亡くした悲しみを癒すみたいに。
え?この状況はもしかして…え?え?え?
>「あれは…死んでいるのか?」
「レベッカが死んでる……」
ヴァンエレンの言葉にオウム返しに返事して、やっと頭が動き出す。
>「待て待て待て。(中略)
> あわてるな待て
「待つな慌てろ驚け!一大事じゃないか!」
お陰様でようやく回り出した頭で、ヴァンエレンと一緒に自分を一喝する。
学園長がいない今、蘇生魔法といえば保険室のレオ先生だ。
確か死者蘇生の確率は時間と共に低くなったはず。
保健室は近くはないけど、幸いクロウは時空科、空間がつながれば一瞬で呼んでこれる!
>「今空間を繋ぐからな!!」>「開け、Schlucht Weg」
「待ってて!すぐレオ先生を呼んでくるから!」
叫んで魔法陣に飛び込み、降り立つとそこはもう保健室。
空間転移の影響か頭と視界がぐらつくけど、今はそれどころじゃないっての!
「レオ先生!急か…じゃなくて急死人です!
この隙間の向こうにいるから蘇生をお願いします!早く!急いで!」
>167>168
> 「・・・・・・メイリン、レベッカさんがああなったのはメイファの仕業なの?
> あの針みたいなもののせいで、レベッカさんは私達と戦うことになったのね?」
棒メイリンからは\そうだよ/と吹き出しが出ていた。
> 「・・・・・・・何で一言、レベッカさんに『生きろ』って言ってくれないんですか」
メイレンはそう言われて顔がやや紅潮した。
> 「・・・・・・・・ごめんなさい」
「…いいのよ。」
メイレンはなるべく、なるべく冷静さを欠かないように慎重に答えた。
母親にとって、子供の死はホロコーストに匹敵する。
軽率な言葉を使い、メイレンを爆発させるのは容易な事だろう。
> 「まだよ。まだ蘇生が間にあうかもしれない。
> メイファ、そこをどいて!レベッカさんを早くレオ先生のところへ運ばないと。
> クロウさん、空間を医務室と繋いで!こんな所にいたら、助かる命も助からないんだから!」
リリアーナはレベッカの蘇生をあきらめていないようだ。クロウやフリージアにてきぱきと協力を求めた。
> 「――――メイファ、私もレベッカさんを助けたいの。可能性があるなら賭けてみたい。
> あなたに彼女が救えるの?もし違うのなら、邪魔しないで」
> リリアーナはレベッカの傷を布で押さえようとしている。
>「テン姉ちゃんに触らないで!魔法使いのくせに!」
「ファちゃん!」
メイレンはメイファをたしなめた。しかし、メイファは怒っている。
>「お母さん、おかしいわ!テン姉ちゃんを殺したのはあいつらよ!
> どうしてあんな奴らを信用できるの!?」
「たしかにやりすぎた面もあるかもしれないわね?」
メイレンはメイファをレベッカから離した。
「でも、それを話すのは後でいいでしょ?」
メイファはレベッカの傷を押さえて止血しようとするリリアーナに、親指で首を掻き切る動作をして見せた。
幸いにもこの挑発の意味を知らないメイレンから、メイファが叱られる事は無かった。
>170>173
その反対に、白衣の男が現れてメイレンが安堵した理由もメイファにはわからなかった。
クロウが空間を操り、ミルクがそこから保険医のレオを連れてきたのだ。
メイレンは成り行きを見守る事にした。
>「…何やってんのリン姉ちゃん?」
そうメイファが声をかけたメイリンは、何か棒のようなものを2本持っていた。
折れたレベッカの槍である。メイリンはそれをなんとかテープでくっつけようとしていたが、難しいようだ。
「まだ出てないってゆーか、まだ死んでないんじゃない?
ただの人間よりも妖魔の類はけっこうしぶといはずだし
ホラ、それにレオ先生も来てるみたいだし、どうにかなるんじゃないの
まぁどうにかならなくてもどうにか出来るけど…まぁリリッちが怒るから出さないけどね」
この場に居る人間の中で一番冷静というより呑気に様子を見ているかも知れないアイシャはフリージアにそう返し、レオの元へ向かった
「レオ先生、一応まだ魂は出てないし、ソイツ妖怪だから、まぁ先生なら楽勝でしょ」
一刻を争う中、軽いノリで状況を報告し、レベッカのことはレオ先生に任せた。
「あの人に任せておけば、とりあえず大丈夫だとは思うけど
とりあえず、レヴィの安否はともかく、この場で中つ国の英雄に手を上げたってのは即戦争になりかねないぐらいにヤバい国際問題だと思うんだけど
このことを誤魔化す事って出来んの?お…姉さん
例えば、この一件の真実を知る意味をなくし、嘘が真実になる意味を加えたりする具合にさ」
この状況下だと言うのに、アイシャは躊躇いもなくメイレンに問うた
「いやさ、本当はここまでするつもりはなかったし、そうなっても手はあったわけよ
知り合いにね、死にかけている命でも救える悪魔がいるの
多分、処女(確証なし)の血がそこにあったし、召還出来たけど
でも、代償を払わないととんでもないことになるし
因みに代償は、毎晩星に祈りを捧げ、苦境にある人を救い続ける運命ってのを押し付けられるの
でも、誰がそんな代償を払うのかな?
家族だといいながら剣を上げる奴や、家族に人殺しをさせるような奴にはこの代償は大きすぎるつか無理でしょ
まぁ少なからず1人躊躇なく立候補する奴はいると思うけどね?ねぇリリッち」
>169-175
フリージアは、使い魔カプセルは使い物にならないといった。
>「あと二つある予備も私の部屋に置きっぱなしですし」
「そっか。分かった」
使い魔カプセルはそれなりのお値段がする。
なのに、カプセルに入らないギズモのために二つも予備を用意しているフリージア。愛である。
>「っち、仕方ねぇな。
> マオ、生徒会の事後報告、俺の分も頼む。」
リリアーナの無理難題をクロウは文句一つ言わずに引き受けてくれた。
レベッカを傷つけたクロウの気持ちを考えると、リリアーナは胸が締め付けられるようだった。
「ええ、お願い」
リリアーナに食って掛かったメイファを、母親であるメイレンがたしなめ、レベッカから離した。
>メイファはレベッカの傷を押さえて止血しようとするリリアーナに、親指で首を掻き切る動作をして見せた。
「・・・・・・自分の姉を道具扱いしたあなたに怒る資格なんてあるの?
どんな命令を下したか知らないけど、こんな結果になることを考えもしなかったの?
―――― レベッカさんが傷ついて、今とても悲しいでしょ。腹が立つでしょ。
でもね、あなたが今日傷つけた『魔法使い』一人一人にだって、
怪我したり苦しい目にあったら、今のあなたと同じような思いをする者達がいるのよ!」
もっとも、今のメイファにこんなことを言っても逆効果かもしれない。
リリアーナは深呼吸したあと口を噤んだ。そして、それきりレベッカの治療に専念した。
>「開け、Schlucht Weg」
クロウは約束を守った。
>「待ってて!すぐレオ先生を呼んでくるから!」
そう言って一度姿を消したミルクは、保険医であるレオを連れて戻ってきた。
現れたレオは、メイレンとメイファを見て僅かに目を見開いた。
>「これは一体どういう事だ?」
「とにかく今はレベッカさんを診て下さい!
心肺停止で1分経過。傷口にはトジロゴマ10%希釈液投与してます」
>「ねえアイシャさん・・・・まだレベッカさんの魂の尾は体と繋がってますの?」
アイ「まだ出てないってゆーか、まだ死んでないんじゃない?
ただの人間よりも妖魔の類はけっこうしぶといはずだし
ホラ、それにレオ先生も来てるみたいだし、どうにかなるんじゃないの
まぁどうにかならなくてもどうにか出来るけど…まぁリリッちが怒るから出さないけどね」
「え?何?何のこと?」
リリアーナはどきりとした。非常に心当たりがあったからだ。
なぜなら、リリアーナはかつて治療はおろか、魂の尾が切れた者すら呼び戻せる杖を持っていたからだ。
(ちなみに今その杖は封印されているが、所有者はまだ彼女のままである)
レオはリリアーナを射抜くような視線で見た。リリアーナは慌てて首を横に振った。
>「レオ先生、一応まだ魂は出てないし、ソイツ妖怪だから、まぁ先生なら楽勝でしょ」
レオは頷いた。ひとまずレベッカの蘇生を最優先することにしたようだ。
(ただし、後できちんと説明するようしっかり釘も刺されたが)
リリアーナはレオの指示を受け、先程のミルクと同じように医務室から必要なものを取ってきた。
保健室に連れて行くにも準備は必要だろう。
>「いやさ、本当はここまでするつもりはなかったし、そうなっても手はあったわけよ
> 知り合いにね、死にかけている命でも救える悪魔がいるの 」
>「因みに代償は、毎晩星に祈りを捧げ、苦境にある人を救い続ける運命ってのを押し付けられるの
> でも、誰がそんな代償を払うのかな? (略)
> まぁ少なからず1人躊躇なく立候補する奴はいると思うけどね?ねぇリリッち」
「当然よ」
レオの助手をしながら、リリアーナは即答した。
どうやらアイシャの『どうにかする方法』は、知り合いの悪魔に頼むというものだったらしい。
(良かった、カドゥケウスのことじゃ無かったのね)
リリアーナは内心でホッと胸を撫で下ろした。
「変わった代償だけど、それなら私にも出来そうだわ」
無事レオの治療が終わったようだ。
後は、レベッカが無事息を吹き返すかどうかだろう。
>「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
大掛かりな魔法を使ったレオは、疲れの色濃く残る顔でそう促した。
言われたリリアーナはレベッカの手を掴むなり、一心に魔力を送り始めた。
「皆、協力して!メイファ、あなたも早く!」
>176>177
> 「・・・・・・自分の姉を道具扱いしたあなたに怒る資格なんてあるの?
> どんな命令を下したか知らないけど、こんな結果になることを考えもしなかったの?
> ―――― レベッカさんが傷ついて、今とても悲しいでしょ。腹が立つでしょ。
> でもね、あなたが今日傷つけた『魔法使い』一人一人にだって、
> 怪我したり苦しい目にあったら、今のあなたと同じような思いをする者達がいるのよ!」
「うう。」
メイファは返す言葉が無く、唸った。
目の前でレベッカを治療するレオの顔には疲労の色が見えていた。
原因は明白だ。メイファが中庭でぶっとばした生徒達の治療に追われたからに違いない。
それでもレベッカを真剣に治そうとするレオの顔と、
リリアーナ達の顔が似ている事に気づかずにはいられなかった。
メイファは、酷く居心地の悪い気がした。
>175
だから、アイシャが代償と引き換えに命を救える悪魔の話をして、
その代償を払う者はいないか?と尋ねた時に、メイファが手を上げないわけがなかった。
「はい!私、やるわ!」
メイファは同じように立候補したリリアーナと目があうと、複雑そうな顔をした。
「遊びのつもりじゃないわ!私だって、お姉ちゃんのためならそれくらいできるもん!」
> 無事レオの治療が終わったようだ。
> >「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
そう言ったレオの顔に、また一つ疲れが刻み込まれたようだ。
> 「皆、協力して!メイファ、あなたも早く!」
「うん!」
メイファもレベッカの胸に手を当て、一生懸命祈った。
(戻ってきてお姉ちゃん!だって、姉ちゃんは英雄でしょ?こんな所で死ぬなんて、天が許すわけないわ!)
それぞれの者達が、それぞれの思いを胸に、それぞれのできる事を果たした。
…しかし、目の前に横たわるレベッカが起きる事は無い。それが現実である。
例え妖怪であろうとも、死んだ者がホイホイ生き返るわけが無い。故に命は尊いのだ。
>「…悲しいわ。」
メイレンは、ぽつんと一言そう言った。しかし、顔はどちらかといえば怒っていた。
メイレンはアイシャに食ってかかった。
そもそも、アイシャの軽い態度は、メイレンの神経を先程から逆撫でしていたのだ。
それが結果として、娘の死が確定的となったメイレンを爆発させる事になった。
>「どこが楽勝?誰がしぶとい?何がここまでするつもりが無かったですって?
> あまり酷い事はしないでねって、私はちゃんと言ったのに!」
「あまり怒らないでお母さん。」
>「いいのよメイファ。そもそもテンちゃんを悪い妖怪に見立てて、
> やっつけて見せようなんて作戦自体が愚かしかったんだわ!」
「…どういう意味?」
メイファはウェザーから何も聞かされて無いのでわからなかったが、
メイレンが作戦について事細かくアイシャを批判したので、メイファもその作戦の全容を知ることができた。
>>「ふーん、そんな事企んでやがったのか。」
「え?」
>「でも、肝心のテンちゃんが死んじゃったら意味無いじゃない!それでも生き返らせるつもりなら、
> さっさと悪魔を呼ぶがいいわ!その代わりそいつがテンちゃんを生き返らせないなら、
> 二人そろって報いを受けさせてやる!」
「落ち着いてお母さん!半分は私の責任なんだから!」
>「ファちゃんは黙ってて!」
>>「あんまり怒ると血圧上がるぜ?ババァ。」
>「何ですって!」
「あ、痛っ!?」
メイファはわけもわからずメイレンに頭を叩かれた。
>「テンちゃんの死を中つ国政府から隠す事は簡単よ!でも、私だけは決して忘れたりしないわ!私が…」
>>「騒ぐなよババァ。頭痛で頭がいてーじゃねーか。」
>「何ですって!」
>「あ、痛っ!?」
メイレンはメイファの頭を叩こうとしたが、メイファがどこからともなく鍋を取り出して頭に被ったので、
メイレンは逆に手を傷めてしまった。
>「もう、なんでファちゃんは私をババァって言うの!?酷いわ!」
「私じゃないわ!」
>「じゃあ誰が言ったのよ!?」
メイファは黙って指をさした。その先にいるのはメイリンである。
>「…まさか。リンちゃんが喋れるわけが無いわ。」
>>「そのまさかだぜ、ババァ。」
メイレンは衝撃を受けた。いや、メイレンだけでなく他の者も衝撃を受けるはずだ。
喋れなかったメイリンが喋ったこと以上に、その口調も声もレベッカそのものであるという点に。
>>「いつまでも喋れねーと思うなよババァ。」
メイファはそれを聞いて吹き出した。
「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
>「まあ……あぁぁ」
メイレンは、あまりの出来事に気を失ってしまった。対して、メイファは嬉しそうである。
形はどうあれ(しかも理由がわからないが)、レベッカは槍に帰ってきたのだ。
>>「悪いなクロウ。俺は1番好きな男に斬られて死ぬのが夢なんだ。
>> おめーは残念ながら、まだ2番目止まりだよ。」
すると、槍の折れていた部分から先がぽろっと落ちてしまった。
>>「きゃー!きゃー!どうしよう!私が折れちゃったわ〜!」
何はともあれ、レベッカは元気そうである。しかし、死体はどうするべきだろうか?
>169
>「むにゃ…もう食べられません」
こ、こいつ…この後に及んで寝言を言ってるなんて!?
>>「ま〜!種族と性別を超えた愛ね〜!素敵だわ〜!」
「ち、違うこれは完全に事故みたいなもので……」
必至に否定するが聞いてくれそうな感じではない。
>「や、なんというかその…邪魔して悪かったねごめん。
>こちらは気にしないでどうぞ続きを」
「い、いやだから違うって、これは不可抗力で色々とあったんだ」
同じように勘違いしているミルクの誤解を解こうと必至になる、
が、やはり説得力はない。それもそのはず顔を真っ赤にして言っているんだ。
墓穴を掘っていると言っていい。
>「あれは…死んでいるのか?」
そこで初めて事態が切迫していることに気付き、
急ぎ立ち上がって騒ぎの最中に歩いていく。
そこで見たのは大量に血を流し床に伏せているレベッカだった。
「……………………」
この最悪の事態を想定していなかったわけではなかった。
クロウのドライで色々と背負い込む性格上、こういう事態も予想はしていた。
だが予想するのと実際目にすることは違う。
レベッカの元に駆け寄るメイファを見てかける言葉がない。
>「待て待て待て。
>あわてるなあわてるな罠だ。
「罠でもなんでもない。これは現実だ。直視しろ」
吸血鬼の癖に死を見馴れてないのかあたふたしているヴァンエレンに、
冷静な言葉をかける。冷たいと思われるかもしれないが仕方がない。
>「まだよ。まだ蘇生が間にあうかもしれない。
>メイファ、そこをどいて!レベッカさんを早くレオ先生のところへ運ばないと。
>クロウさん、空間を医務室と繋いで!こんな所にいたら、助かる命も助からないんだから!」
重い空気の中、リリアーナが行動する。
最後まで諦めない精神というのはこういう時に真価を発揮する。
もしかしたら……そんな考えが頭をよぎらせる。
>「っち、仕方ねぇな。
>マオ、生徒会の事後報告、俺の分も頼む。」
「……やれやれ。だがお前が中つ国の英雄を殺害したなんて報告はご免だ。
やるからには救ってみろ。」
同時に扱うのが難しい闇の魔力と光の魔力を噴出させ空間をつなごうとしているクロウに言い放つ。
>「今空間を繋ぐからな!!」
僕に出来ることはない。今は自らの危険も顧みず入っていくミルク達を見送る事にした。
>176
>「・・・・・・自分の姉を道具扱いしたあなたに怒る資格なんてあるの?
>どんな命令を下したか知らないけど、こんな結果になることを考えもしなかったの?
>―――― レベッカさんが傷ついて、今とても悲しいでしょ。腹が立つでしょ。
>でもね、あなたが今日傷つけた『魔法使い』一人一人にだって、
>怪我したり苦しい目にあったら、今のあなたと同じような思いをする者達がいるのよ!」
リリアーナの正論が効いたのか、メイファは返す言葉を持たない様子だった。
その後ミルクとアイシャがレオを連れて戻り、そうそうに治療を始める。
そんな時、アイシャが悪魔との取引によって蘇生する方法もあると言い始めた。
>「遊びのつもりじゃないわ!私だって、お姉ちゃんのためならそれくらいできるもん!」
だが、この方法には疑問を抱く。覚悟する方はいい。だが蘇ったものはどうするんだ。
自分のせいで代価を強いられてしまったものの悲痛な人生をまた死ぬまで見続けるのか?
それこそ苦痛以外の何者でもないんじゃないか……そこまで考え。
メイファとリリアーナにそう告げようと口を開きかけたが、やめた。
もし自分が大切なものを失って、この考えを貫けるのかどうか、疑問に思ったからだ。
しかし、さっきからそうだが、アイシャはよくこんな時に軽口を叩けるほど平然としてられるものだ。
最も、常に死を見続ける死霊使いなのだから当たり前と言ったら当たり前だが。
>177‐179
考えているうちにレオの治療が終わる。だがレベッカの顔に生気が宿る様子はない。
>「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
体力と魔力を出しきったレオが全員に呼びかける。
リリアーナは真っ先にレベッカの手を握り、祈るようにして魔力を送り始めた。
>「皆、協力して!メイファ、あなたも早く!」
その言葉に今まで傍観していた僕も金縛りが解けたようにレベッカの傍に駆け寄り、魔力を送り始める。
「お前が戻ってこないと事後報告が面倒なことになる。だから早く戻ってこい……!」
しかし……魔力を流し始めてどれだけ時間が経ってもレベッカの顔に表情が戻る様子はない。
魔力も底を切る頃にはもはや僕は悟っていた。レベッカが蘇ることなどないということが……
僕は魔力を送るのやめ、横で呆然としているリリアーナの肩に手を置く。
「リリアーナ……自分の周りをすべて救うなど無理だ。人間なんて、
ましてや僕たちのような未熟者は自分一人でもままならないものさ。
だが、最後まで諦めずにお前はよくやったよ。恥じる事はない……」
この言葉が少しでも励ましになるといいんだが……いや、無理か……
やれやれ…ずいぶんと後味が悪い文化祭になってしまったものだ。
>「…悲しいわ。」
実の娘なのだ。悲しくないわけがない。
顔を怒りにゆがめているのも理解できた。
>「いいのよメイファ。そもそもテンちゃんを悪い妖怪に見立てて、
> やっつけて見せようなんて作戦自体が愚かしかったんだわ!」
そういいアイシャに憤るメイレン…確かにアイシャの作戦は
事態を回避するのには一番だが根本的な解決になどなっていない。
いますぐ悪魔を呼んで生き返させろと怒っているメイレンに本当に正しいのかなんて問うことなどできなかった。
>>「あんまり怒ると血圧上がるぜ?ババァ。」
「ん?」
そんなとき、空気を読まない聞き覚えのある言葉が飛んでくる。
メイレンはメイファが言ったと思っているようだがそうじゃない。
>>「騒ぐなよババァ。頭痛で頭がいてーじゃねーか。」
この言葉使い、まるであの変態みたいじゃないか。
>「私じゃないわ!」
>「じゃあ誰が言ったのよ!?」
メイファの指さす先に居るのはメイリン。しかし、そんなわけは……
>「…まさか。リンちゃんが喋れるわけが無いわ。」
そうだ。言葉が喋れないからあの棒人間で、
今のいままで会話してきたというのにメイリンが喋るわけがない。
>>「そのまさかだぜ、ババァ。」
「なっ…!?」
驚いたことに声は確かにメイリンから聞こえてきた。
そしてメイリン(?)はそのままレベッカそっくりの汚い言葉使いで続ける。
>>「いつまでも喋れねーと思うなよババァ。」
あまりの酷い言いようもここまできたらシュールだ。
そのひどさにメイファも吹き出している。
>「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
>>「悪いなクロウ。俺は1番好きな男に斬られて死ぬのが夢なんだ。
>> おめーは残念ながら、まだ2番目止まりだよ。」
メイファの言うとおり、声は良く聞くと確かに槍から聞こえてきた。
「………な、なんだそれ……」
思わずため息と共に力が抜けて座り込む。さんざん心配したし、
もしかしたら事後報告が本気でまずいことになると覚悟したというのに……
てかどういう仕組みなんだ?もしかして槍の方が本体だとかそういうことか!?
「ま、まあ何はともあれ………一応良かったということか。」
だがそこで目につくのがレベッカの死体…いや抜けがらというべきか?
そこでさっき言っていたアイシャの作戦が頭に浮かび、みんなに呼びかける。
「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
そこで一回切り、レベッカやメイファ、妖怪達を見つめる。
例えさっきいった作戦が実行できても、レベッカ達がそれを良しとするとは限らない。
「…だがさっきメイレンが言ってたように誤魔化すだけで根本的な解決にはなってない。
……どうするレベッカ、メイリン、メイファ。ここの判断はお前たちが決めるべきだ。」
>175
アイシャが語るにはなんと代償と引き換えに命を救える悪魔がいるそうである
「苦境にある人を救い続ける運命はともかく毎晩星に祈りをささげるのはきつそうですわね
でも人一人救うには安い代償ですわ」
フリージアは考えたそれはまるで正義の味方ではないか・・・と
ギズモは考えた自分のような悪魔にもそれは出来るのかと
そして想像した人(女の子限定)のピンチを救う自分の姿を
そしてもてもてになる自分の姿を・・・・
「こんな僕でも出来るのなら・・・・・やるよ!!」
いろいろと動機が邪ではあるがギズモも立候補したようだ
>178>179
>「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
魔力を送れというレオの指示に素直に従うフリージア
「魔力だろうが気だろうが分けて差し上げますわ!だってお友達(予定)を助けるためですもの」
フリージアはレベッカに魔力を送る
その量、約フリージング・ディストラクション4発分
またはギズモ4人分である
「僕もせっかく仲良くなったメイリンさんのお姉さんを助けたいんだ」
自分が死なない程度に魔力を送るギズモ
今の時点でフリージア達がレベッカに送った魔力はフリージング・ディストラクションに換算すると約5発分である
・・・・・・・・だが結局は
起きる事のないレベッカ
やはり死んだ人が生き返ることはないのだ
もし生き返ったとしてもそれは別の存在アンデッドである
「・・・・・起きないね」
魔力を注ぎ込みすぎてしわしわになったギズモは小さく呟いた
「・・・・・・そうですわね」
ほほがこけてやせ細ったフリージアはギズモにそう返す
どうやらフリージアも限界まで魔力を注ぎ込んだようである
>「いつまでも喋れねーと思うなよババァ。」
>「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
>「まあ……あぁぁ」
突然レベッカの声で喋り出すメイリン
「メイリンさんあなた喋れましたの!?」
あっと驚くフリージア
「な、んだと」
驚きすぎてキャラが変わってるギズモ
どうやらレベッカは槍にその魂を宿したらしい
「まるでマジックジャーですわ」
フリージアは邪悪な魔法使いが自分の魂を切り離して別の体に入るのを連想し
「レベッカさんって九十九神系妖怪だったんだ!?」
ギズモは元から槍が本体だと思い込んだ
>「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
「とりあえず腐らないように凍らせましょうか?」
フリージアはこの魂なき肉体を凍結保存することを提案した
っち、やっぱり扱いが難しい。
こりゃあ早めにしないと暴走しかねんな。
>173
>「待ってて!すぐレオ先生を呼んでくるから!」
「お、おい!まだ安定しきってないんだぞ!!」
ただでさえ魂の影響で崩れやすい生体転移になるっていうのに・・・
>177
けれども、無事にレオ先生を連れてこれたようだな。
あとはあふれてくる魔力を暴走させないように閉じれば・・・
ってまた通るのかよ!!
「っ、あんま、長く、持たねぇ、から、早めに、済ませよ・・・」
まったく、こっちは暴走するかどうかの境目に入りそうなんだから勘弁してくれよ。
しばらくするとさまざまな物を抱えたリリアーナが戻ってきた。
「す、すまんが、保健室へ、行くのは、そっちで、何とか、してくれ。」
これ以上はもう限界だ。
すぐに封印しなければ確実に暴走するだろう。
「これだけ、やったん、だから、成功、させ、ろ、よ。」
聞こえたかどうかは分からないが、言いたいことだけは言っておく。
そして暴走を引き起こさない為に腕輪をはめると、意識は完全に飛んでしまった。
>174-184
>「これは一体どういう事だ?」
>「とにかく今はレベッカさんを診て下さい!
> 心肺停止で1分経過。傷口にはトジロゴマ10%希釈液投与してます」
呼んできたレオ先生は、早速リリアーナに助手をしてもらいながら、蘇生魔法の準備を始めた。
こうなっちゃうと、治療に関してはシロートのあたしの出る幕じゃない。
邪魔にならないように壁際に移動して成功を祈ってるか…
>「レオ先生、一応まだ魂は出てないし、ソイツ妖怪だから、まぁ先生なら楽勝でしょ」
こんな状況下でも、アイシャの態度はいつもと変わらない。
死霊術科が死に最も近い科だからか、単にそういう性格だからか。
…なんとなく性格が大きいような気もする。
>「あの人に任せておけば、とりあえず大丈夫だとは思うけど(中略)
> 例えば、この一件の真実を知る意味をなくし、嘘が真実になる意味を加えたりする具合にさ」
「中つ国の英雄?」
アイシャの言葉の中に、聞き逃せないものがあった。
レベッカが妖怪とかいうのは良いとして、中つ国の英雄?なんだそれ聞いてないぞ。
>「いやさ、本当はここまでするつもりはなかったし、そうなっても手はあったわけよ (中略)
> まぁ少なからず1人躊躇なく立候補する奴はいると思うけどね?ねぇリリッち」
>「当然よ」
>「はい!私、やるわ!」
アイシャが続ける話の腰を折るわけにも行かずに聞いていると、なにやら怪しげな悪魔の話が出てきた。
人助けを強制しながら星に願いをさせるとは、変わった悪魔がいたもんだ。
ふと、あたしを育ててくれた院長先生の顔を思い出す。
先生も自分の力で蘇生魔法が使えたんだろうか?
>「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
疲れきった顔と声のレオ先生の言葉に、皆が協力してレベッカの体に魔力を送り込む。
もちろんあたしも、レベッカの体に魔力を送った。
こんな所で死ぬなよ変態レベッカ!
死んだら死霊術科のオモチャになるって、さっき教えてやっただろ!
しばらく待った。
何も起こらない。
>「・・・・・起きないね」
>「・・・・・・そうですわね」
「……そうだね」
蘇生魔法の成功率は決して高くはないと聞いたことがある。
さしものレオ先生でも、100%成功とはいかなかったのだ。
疲れたからか、寝起きの時みたいに考えがまとまらない。
レオ先生が失敗した以上、あたしもレベッカのために奇跡を試してみるべきだろうか。
失敗したら灰になるか消滅するか、リスクのデカい選択になっちゃうけど…
メイレンさんの怒る声をどこか遠くの方で聞きながら考えていると、レベッカの声が聞こえたような気がした。
「…レベッカ?」
時間差で生き返ったのかと、レベッカの口の上に手を近づける。
…やっぱり息をしていない。空耳だったのか…
>>「あんまり怒ると血圧上がるぜ?ババァ。」
「あ?」
この声、この言葉、やっぱりレベッカの!?
でも体は息をしてないのに、どこから声が!?
キョロキョロ声がした場所を探していると、メイレンとメイファの話が聞こえてきた。
なんでメイファが西方語をしゃべれるようになってるんだ。
…ああ、そうか。『魔法使いとは、中つ国語を理解するという“意味”よ。』か。
変わったのはあたしたちで、メイファじゃない。
メイレンさんの能力で、魔法使いが中つ国語を理解できるようになったんだ。
>「じゃあ誰が言ったのよ!?」
同じ疑問を持っていたらしいメイレンさんに答えるために、メイファは黙ってメイリンを指さす。
>「…まさか。リンちゃんが喋れるわけが無いわ。」
>>「そのまさかだぜ、ババァ。」
「な!?なんでメイリンがレベッカの声を!?」
>>「いつまでも喋れねーと思うなよババァ。」
まただ!間違いない!でも、なんでメイリンが……
>「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
>「まあ……あぁぁ」
「ちょ、ちょっとちょっとメイレンさん!?大丈夫ですか!?」
レベッカが槍に憑依したからか安心したからか、ふらふら気絶したメイレンさんの体を慌てて抱き起こす。
わ。身長あるからかけっこう重っ。
でも口には出せないから上半身だけ上げとくか!
>>「きゃー!きゃー!どうしよう!私が折れちゃったわ〜!」一方のレベッカは、槍が折れたら急に性格が変わったりと、元気そうでなによりです。
>「ま、まあ何はともあれ………一応良かったということか。」
「……まー、そうね。蘇生したと言うより、降霊したみたいな感じにはなったけど」
しかしレベッカの奴、槍が折れたらまともな性格になるじゃないか。
別に折れてても問題無さそうだし、世のため人のため、ここは槍を折ったままの方がいいんじゃ…
いやでもそれじゃレベッカらしくないしなあ。うーん…
>「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
> あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
>「とりあえず腐らないように凍らせましょうか?」
「いいねそれ。瞬間冷却すれば鮮度が落ちないって、ユリも言ってたよ。
ついでで悪いんだけど、レベッカの体を入れて持ち運べる、棺桶みたいなのも造ってもらえないかな?
引っ張りやすいように車輪つきのやつをよろしく」
これでレベッカの体が腐る心配は無しっと。…後は…
あ。クロウもまだ気絶したままですよ。
最速でレオ先生を呼べるようにした功労者に、この扱いはひどい。
「ねえ、だれか気絶回復薬かなにか持ってない?
メイレンさんとクロウを起こしてあげないと…」
>それぞれの者達が、それぞれの思いを胸に、それぞれのできる事を果たした。
力を使いすぎて気絶してしまったクロウもきっと同じ思いだっただろう。
>…しかし、目の前に横たわるレベッカが起きる事は無い。それが現実である。
>「・・・・・起きないね」
魔力を注ぎ込みすぎてしわしわになったギズモは小さく呟いた
他の皆も疲れきった顔をしていた。
>マオは魔力を送るのやめ、横で呆然としているリリアーナの肩に手を置く。
>「リリアーナ……自分の周りをすべて救うなど無理だ。人間なんて、
> ましてや僕たちのような未熟者は自分一人でもままならないものさ。
> だが、最後まで諦めずにお前はよくやったよ。恥じる事はない……」
レベッカの手を握り締めたままだったリリアーナが、呆けたような顔でマオの顔を見た。
リリアーナは首を横に振った。
大きく見開かれたままの目から涙が零れ落ちた。
「何で?何でこんなことに?」
>「…悲しいわ。」
レベッカがぽつんと一言そう言った。
「うっ・・・・・・うえっ・・・・・・」
そのままレベッカの手を胸の上に組んで、泣きじゃくった。
メイレンが激しくアイシャに食って掛かっている。
それが八つ当たりだということは、おそらくアイシャにも分かっているだろう。
>「いいのよメイファ。そもそもテンちゃんを悪い妖怪に見立てて、
> やっつけて見せようなんて作戦自体が愚かしかったんだわ!」
メイレンが作戦について事細かくアイシャを批判した。
「違っ、作戦じゃな、ない。クッ、クロウさんはただ、私、私を助けようとしてっ、しただけなっ、なの。
あの時レベ、レベッカさん本気だった。ああしなかったら、わ、私が死んでた」
リリアーナはしゃくりあげながらも、何とかそれだけ口にした。
叫ぶメイレンの声に混じって、レベッカの声が聞こえたような気がした。
>「…レベッカ?」
「レベッカさん?」
ミルクはレベッカの口の上に手を近づけた。リリアーナも脈を取ってみたが、蘇生した様子は無い。
だが、レベッカの言葉は尚も続いた。
ただし、メイリンの口から――――否、レベッカの槍から!
>「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
>「まあ……あぁぁ」
メイレンは、あまりの出来事に気を失ってしまった。
>「ちょ、ちょっとちょっとメイレンさん!?大丈夫ですか!?」
>レベッカが槍に憑依したからか安心したからか、ふらふら気絶したメイレンさんの体をミルクは慌てて抱き起こす。
レベッカは倒れたままのクロウに話しかけている。
愛する人に殺されるのが夢とはまた物騒である。
すると、槍の折れていた部分から先がぽろっと落ちてしまった。
>「きゃー!きゃー!どうしよう!私が折れちゃったわ〜!」
「何で槍なんかにホイホイ入ってるのよ〜!!レベッカさんの体はこっちでしょ!!」
リリアーナはつかつかとメイリンの方に近寄ると、落ちた穂先を拾ってメイリンに渡した。
「さっきはよくも本気で私を殺そうとしたわね!ホント酷いじゃないの!」
リリアーナはメイリンごと槍を抱きしめると、大声でわんわん泣き出した。
>「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
> あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
>「とりあえず腐らないように凍らせましょうか?」
>「いいねそれ。瞬間冷却すれば鮮度が落ちないって、ユリも言ってたよ。
> ついでで悪いんだけど、レベッカの体を入れて持ち運べる、棺桶みたいなのも造ってもらえないかな?
「フリージア、出来そう?」
フリージアの消耗振りを目の当たりにしているリリアーナは、心配そうに訊ねた。
「私はレベッカさんの亡骸を悪者になんか仕立て上げたくない。
アイシャさんが言っていた作戦も、そういう意味じゃなかったはずだもの。
ちょっとまって、確かこの階段には・・・・・・・」
リリアーナは変な動きをしながら、階段を登ったり下りたりした。
すると、階段の踊り場付近には本来あるはずのないドアが出現していた。
>「特異点か、なるほど」
レオがそう呟いた。
学園建物は見た目より中身が随分と広い。
それは建物内の空間操作をしているからなのだが・・・
空間操作をすれば当然歪みが出てくる。
建物内のいたるところに空間のゆがみがあれば危険でとても使用できる代物ではない。
だから、歪みを何箇所かに集中させ、【特異点】として封じ込めたのだ。
開かずのトイレなどの正体がこれだ。
そして今、特別な歩行法を持って【特異点】が姿を現したのだ。
別名ラヴスポット、恋人たちのデートスポットとしても有名である。
「クロウさんやメイレンさんの介抱してあげたいけど、私たちも魔力を使いきってるわ。
だから、一旦ここで休ませてあげましょう。
レベッカさんの亡骸も持ち歩くには目立ちすぎるし、何か作戦を立てないと。
でもここ空間のゆがみだから、戦闘行為はご法度だからね。絶対戦ったらダメだからね」
そう言いながら、リリアーナは扉を開けた。
中にはダブルベッドやソファー。テーブルに飲み物などがある。
>「皆、いい加減事情を話してもらえるんだろうな?」
リリアーナの首根っこを抑えたレオは、メイレンの方を見据えつつ生徒達に尋ねた。
>170>172
アンデッドという形でなんとかレベッカを生き返らせることはできないだろうか?
そう考えてしまったフリージアだが、すぐにそんな考えは振り払う。
レベッカ本人の意思を無視してそんなことをしてしまってはいけないと気がついたのだろう。
クロウが空間を繋げてミルクがレオを呼ぶべく転移の魔方陣内に飛び込んでいった。
>177
現れたレオはすぐにレベッカの蘇生へと取り掛かり、リリアーナがその助手を務める。
その光景をヴァンエレンは冷や汗をかきながらただじっと見ていることしかできなかった。
そして不意にレオの手が止まり、治療は終わったようだがこれで終わりではない。
>「皆、レベッカに魔力を送ってやってくれないか」
「も、もけ!?」
特することがなくボケっとしていたヴァンエレンはとっさのことに奇声をあげてしまった。
皆に合わせてあわててレベッカのもとへ行き、蘇生のためにラインを伸ばして魔力を送っていく。
>179
>>「あんまり怒ると血圧上がるぜ?ババァ。」
メイレンはメイファが暴言を吐いたのだと思い頭を叩いた。
叩かれたメイファは自分が言ったわけではないのになぜ叩かれたのかわからないでいる。
>>「騒ぐなよババァ。頭痛で頭がいてーじゃねーか。」
またも暴言が。
もう叩かれたくないメイファは鍋をかぶって頭部を完全防御した。
>「もう、なんでファちゃんは私をババァって言うの!?酷いわ!」
>「私じゃないわ!」
>「じゃあ誰が言ったのよ!?」
誰が言ったのか?
指した向こうにはメイリンがいる。
>>「いつまでも喋れねーと思うなよババァ。」
>「違うわお母さん!リン姉ちゃんは口パクしてるだけよ!槍よ!槍が喋ってるんだわ!」
そのとおり。
いままでの暴言はレベッカのもので槍となって蘇った?のだ。
これだ、この口調こそは…まごうことなきあの変態のものだ。
相も変わらずお元気そうでなにより!
「や、ヤリヤリお化けだあぁぁぁ!!」
ショックを受けてメイレンは気を失ってしまい、しゃべる槍をみてお化け扱いして叫ぶ吸血鬼。
なんたるカオス。
>183>186
>「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
> あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
>「とりあえず腐らないように凍らせましょうか?」
>「いいねそれ。瞬間冷却すれば鮮度が落ちないって、ユリも言ってたよ。
>ついでで悪いんだけど、レベッカの体を入れて持ち運べる、棺桶みたいなのも造ってもらえないかな?
>引っ張りやすいように車輪つきのやつをよろしく」
とりあえず魂が抜けたレベッカの体はフリージアによる冷凍保存でなんとかできるようだ。
>188
リリアーナは不意になにかに気がつき、階段を登り降りを繰り返す。
すると本来ならありえないはずのドアがぽっかりと現れたのだ。
>「特異点か、なるほど」
中へ入るとベッドやらソファーなどがあり、くつろげる空間となっていて皆が休憩するにはもってこいの場所であろう。
「お茶が美味いですのう」
自分で用意した湯のみにあったかい緑茶を入れてほっと一息。
ソファーの上でなぜか正座である。
これがジャパニーズスタイルというやつか。
>182>183>186>187
> 「これどうする?この身体があればアイシャが言っていた作戦は実行できるし、
> あとで死霊科に回せば槍からもう一度レベッカを戻せると思うが。」
「やめて。命を弄ぶような連中に命運を預ける気にはなれないわ。」
レベッカは先程のフリージアの話が効いているようだった。
メイリンは落ちた槍の先をリリアーナから受け取り、またテープでつなごうとしたがメイファがそれを止めた。
>「これよ。」
メイファはメイリンに“ニカワ”の入った瓶を渡した。簡単に言えば、これは動物の皮からできる糊である。
> 「…だがさっきメイレンが言ってたように誤魔化すだけで根本的な解決にはなってない。
> ……どうするレベッカ、メイリン、メイファ。ここの判断はお前たちが決めるべきだ。」
「それについては少し考えがあるの。でも、もっとプライバシーの保護される所で話すべきね。」
> 「とりあえず腐らないように凍らせましょうか?」
> 「いいねそれ。瞬間冷却すれば鮮度が落ちないって、ユリも言ってたよ。
> ついでで悪いんだけど、レベッカの体を入れて持ち運べる、棺桶みたいなのも造ってもらえないかな?
> 引っ張りやすいように車輪つきのやつをよろしく」
「悪くないけど、装備は全て外しといて。呪符やタバコが湿気てしまうわ。
それに、さっき言った“考え”には私の装備が必要になってくるのよ。」
>188
メイリン達はリリアーナに連れられてラブスポットこと特異点の中に入った。
この中での戦闘行為はご法度だが、幸いにも妖怪チームで一番喧嘩っ早いメイファは、
中の寝具に興味深深のようだ。
>「私知ってるわ!男の人と女の人が、裸一貫で取っ組み合いをするためのステージね!」
たぶん間違ってはいないと思う。
「はははは(笑)、さすがメイファだ。よく覚えてたな。」
“ニカワ”によって槍がくっついたレベッカは、もとの調子に戻って教え子の成長を称えたが、
それを持つメイリンはもう一度それを折ってやりたい気分になった。
> >「皆、いい加減事情を話してもらえるんだろうな?」
> リリアーナの首根っこを抑えたレオは、メイレンの方を見据えつつ生徒達に尋ねた。
「ああ、教えてやんよ。そのちっこいのがメイファで、俺を持っているのがメイリンだ。
二人とも俺の妹で、そこに伸びてるでっかいババアがメイレン、俺たちの母親だ。」
レベッカは、今朝からの妖怪チーム(レベッカ含む)の動きについて説明した。
人間チームの説明は、誰かしかるべき者が説明するだろう。
「で、どうよレオ先生とやらよ。俺は退学か?あ?」
レベッカはそう聞いたが、不安を感じているわけでは無さそうだった。
「まあ、俺は退学でもかまわねーよ。ちゃーんと考えがあるからよ。」
>184−191
>「いいねそれ。瞬間冷却すれば鮮度が落ちないって、ユリも言ってたよ。
ついでで悪いんだけど、レベッカの体を入れて持ち運べる、棺桶みたいなのも造ってもらえないかな?
引っ張りやすいように車輪つきのやつをよろしく」
>「フリージア、出来そう?」
>「悪くないけど、装備は全て外しといて。呪符やタバコが湿気てしまうわ。
それに、さっき言った“考え”には私の装備が必要になってくるのよ。」
「終わったあとに気絶すると思うけど問題ありませんわ」
そう言って早速作業を開始するフリージア
「雪と氷の精霊よ我が姉妹達よ・・・・・」
呪文を唱えるフリージア
何分か経過し凍った肉体を車輪付きの棺桶に収納すると・・・
「もう限界ですわ・・・・・ばたんきゅう」
MPが0になったことによりそのまま気絶してしまうのであった
「氷水につけておけばそのうち回復するよ」
とギズモ
お前は主人をどういう風に思っているのか小一時間問い詰めたい
>「特異点か、なるほど」
>「クロウさんやメイレンさんの介抱してあげたいけど、私たちも魔力を使いきってるわ。
だから、一旦ここで休ませてあげましょう。
レベッカさんの亡骸も持ち歩くには目立ちすぎるし、何か作戦を立てないと。
でもここ空間のゆがみだから、戦闘行為はご法度だからね。絶対戦ったらダメだからね」
>「皆、いい加減事情を話してもらえるんだろうな?」
とりあえず気絶したフリージアを特異点に運び込むギズモ
「僕も消耗してるんだけど・・・・・」
男の子だから仕方がないのである
赫々云々と今まであったことを説明するレベッカ(槍)
「えっとねえっとね赫々で云々なの」
人間側の動きについてギズモは知っている限りのことをレオに話す
人間ではないギズモが人間側の話をするのは少々おかしいかもしれないが
逆に人間でないため余計な主観は入らずに客観的に話せたはずだ
>188-192
>「悪くないけど、装備は全て外しといて。呪符やタバコが湿気てしまうわ。
> それに、さっき言った“考え”には私の装備が必要になってくるのよ。」
「装備解除ね、わかった」
槍レベッカに言われて体を漁ってみると、タバコやらお札やらいろいろ品物が出てきた。
まあタバコはレベッカの“考え”とは関係ないだろうから、これは単に趣味だろう。
槍に入った状態でタバコの準備をしてるんなら、生き返る意志は十分だな。安心だ。
>「終わったあとに気絶すると思うけど問題ありませんわ」
「いやいやいや、それは問題あるだろ!
気絶者をこれ以上増やしてどうする!」
一方、フリージアお嬢の方は怪しげな事を言いながら呪文を唱え始めた。
始まっちゃった詠唱を止めるわけにも行かず、しかたなくあたしは後ろに下がる。
>「もう限界ですわ・・・・・ばたんきゅう」
しばらくして、凍ったレベッカの体を車輪つき棺桶に入れたフリージアは、活動限界を迎えた。
「お疲れフリージア…なんだけど、大丈夫かな、魔力回復薬で気絶から回復すると思う?」
>「氷水につけておけばそのうち回復するよ」
「氷水ねえ…」
さすがというかなんというか、相変わらずの特異体質っぷりである。
まあ、お金がかからない回復法なのは喜ばしい。
しかも気絶したフリージアはギズモが運んでくれるなんて、願ったり叶ったりだ。
あたしも疲れてることだし、ここは良くできた使い魔にがんばってもらおう。
>「私はレベッカさんの亡骸を悪者になんか仕立て上げたくない。
> アイシャさんが言っていた作戦も、そういう意味じゃなかったはずだもの。
> ちょっとまって、確かこの階段には・・・・・・・」
言いながらリリアーナは何かを思い出したらしく、奇妙な動きをしながら階段を上り下りし始めた。
しばらくして、一枚のドアが踊場に現れる。
壁の向こうは外だから、存在しない、必要ないはずのドア。
>「特異点か、なるほど」
「うげげ、ラヴスポットか……行くの?行っちゃうの?」
特異点、別名ラヴスポットに、あたしは良い思い出がない。
少し前、裏世界リバースでラヴスポットに入った時に、ラヴスポットが崩壊して死にそうな目にあったから。
それなのに、今回は魔法使い嫌いのメイファも一緒に入るだなんて。
火気厳禁の場所にランタンを持ち込むのと同じくらい危険な気が…
>「クロウさんやメイレンさんの介抱してあげたいけど、私たちも魔力を使いきってるわ。(中略)
> でもここ空間のゆがみだから、戦闘行為はご法度だからね。絶対戦ったらダメだからね」
「絶対絶対ぜぇ〜ったいに攻撃魔法なんか使うなよ!
魔法だけじゃなくて戦闘行為は全部絶対禁止!
空間の隙間に落ち込んで、永遠に何もない場所をさまよい続けるなんて、あたしはごめんだからね!」
といっても気絶者を多数抱えてる以上、選択の余地はないんだよな、トホホ…
特異点に入ったあたしは、長居せずに済ませる為にも気絶者の回復を優先することにした。
まずはスプレー型の回復薬を引っ張り出してきてメイレンさんや、クロウに使用。
次にドリンクタイプの回復薬をどんどん机の上に放り出す。
「疲れてる人はどんどん飲んでね、リリアーナ以外は。
リリアーナは、レオ先生の許可が出た回復薬以外飲まないように」
こんな風に言うのも、ひとえにリリアーナのアルコールマイナス耐性のためだ。
ちょっぴりのアルコールで酔っ払ったリリアーナが暴れ、ラヴスポットを壊したのは記憶に新しい出来事。
まあその辺はレオ先生に任せておけば安心だろう。
さらにバスルームを発見したので浴槽に水を貯め、飲み物用の氷を放り込んで、中にフリージアを入れる。
普通の人間なら水死か凍死は免れないところだが、そこはフリージア。
あたしたちに出来ない事を平然とやってくれる事を期待しよう。
てか、これ本当に大丈夫なんだろうな、ギズモ。
>「で、どうよレオ先生とやらよ。俺は退学か?あ?」
>「まあ、俺は退学でもかまわねーよ。ちゃーんと考えがあるからよ。」
一仕事終えてバスルームから出てくると、レベッカがなにやらレオ先生にからんでいた。
あたしもあんまり人のこと言えないけど、口悪いなーこいつ。
やっぱり槍折っといた方が良いんじゃないか?
「何レオ先生にからんでるのよレベッカ。
退学かどうかなんて、学園長抜きで簡単に決められるわけないでしょうが。
それより、あんたがさっきから言ってる“考え”って何よ?
このアイテムの中に関係してるものがあるの?」
言いながらあたしは、レベッカの体から抜き出してきたアイテムを机の上に並べた。
>194
> 「何レオ先生にからんでるのよレベッカ。
> 退学かどうかなんて、学園長抜きで簡単に決められるわけないでしょうが。
> それより、あんたがさっきから言ってる“考え”って何よ?
> このアイテムの中に関係してるものがあるの?」
「なあ、ミルク。俺の言った事をちゃんと聞いてたのか?
俺は装備は全て外せと言ったはずだぜ?まだ残ってるじゃねーか。」
ミルクは服の中にあったものは全て出したはずである。
しかし、肝心なものはまだレベッカの遺体に残ったままだ。
「服だよ、服。おいメイリン、かまわねーから俺から服を脱がせて着てみろ。」
メイリンは言われたとおりに行動を開始した。まずは自分の服を…
メイレンを“男女の土俵”に寝かせていたメイファは、大慌てでメイリンの側に立ちはだかった。
>「わーっ!見るな!見るな!」
メイファに殺人光線を発射させたくないなら、従った方がいいだろう。
メイリンは自分の服を脱いだ後、今度はレベッカの服を…
>「見るなよ!絶対に見るなよ!」
メイファに(以下略)
…妖女着替え中…
「よし、一丁あがりだな。」
メイリンはレベッカの服を着て、レベッカの遺体にはメイリンの服をとりあえず着せた。
途中、\はいてないだとっ!?/とメイリンが爆発しそうになったが、
下着だけはもともと着ていたものを使うという折衷案でなんとか落ち着いた。
「どーよ?」
レベッカは皆に聞いた。メイリンは相変わらず口パクをしているので、
本当にメイリンが言っているみたいである。
「わかんねーか?ほらメイリン、目を閉じてみろ。ほらほら、俺っぽいだろ?
むしろ俺よりも利口そうじゃねーか(笑)」
メイリンが目を閉じると、たしかに普段から糸目のレベッカに似ている気がしないでも無い。
「俺がもとの体に戻る方法が見つかるまでよぉ、この状態で授業に出るってのはどうだ?」
「私の見解だと、体から意志だけが出て、その槍に留まっている感じに見えるんだけど…
実際のところどうなのかな?物が化けて妖怪になるとかならないとかって本で見たし
まぁ、こんな状態じゃ呼んでもやりようがないかもね」
とのんびりソファーに腰掛けながら、ケーキにパクついているアイシャ
どこからそんなものを調達したかは秘密である。
「大体の事情はみんなから聞いたほうが早いよ先生
あの作戦は…上手くいってれば八方丸く収まったんだけどね
まぁ出来なかったわけだから騙したのと変わんないけどね」
相変わらず、軽いノリで事情をレオに話した。
「つうか、退学とか話してるけど…自分はどうしたいわけ?
槍なのに考えがぐらついているなんて冗談にもならないってw」
>189-196
>「私知ってるわ!男の人と女の人が、裸一貫で取っ組み合いをするためのステージね!」
>「はははは(笑)、さすがメイファだ。よく覚えてたな。」
「何か違う・・・・・・・」
リリアーナは思わず呟いた。
メイリンも渋い顔をしているから、多分同じ認識なのだろう。
「マオマオ、悪いけどクロウさんベッドに寝かせるの手伝って。
ちょっとヴァンエレン、何一人だけ寛いでるのよ!こっち来てちょっとは手伝いなさいよね!!
・・・・・・・あれ?そう言えば取れた手首はもう大丈夫なの?」
リリアーナはそうたずねた。
外見が相変わらず女人化しているヴァンエレンは、確かレベッカによって腕を切断されていたからだ。
もっとも、もし大丈夫でないのなら、今頃のんびりお茶など飲んでいる場合ではないだろうが。
ラヴスポットに入ったミルクはてきぱきと回復アイテムを探し始めている。
メイレンとクロウにはスプレータイプの回復薬があって本当に何よりである。
>「疲れてる人はどんどん飲んでね、リリアーナ以外は。
> リリアーナは、レオ先生の許可が出た回復薬以外飲まないように」
嬉しそうに飲み物に手を伸ばしかけていたリリアーナは、ひゃっと首を竦めた。
彼女はよく覚えていないのだが、なんでも微量のアルコール入りドリンクで酔っ払ってラヴスポットを壊したらしいのだ。
そんなリリアーナに、レオが直々に回復薬を選んでくれた。
「あ、有難うございます・・・・・・」
リリアーナはありがたくそれを頂くと、同じ種類のものを何本か抱えた。
「あ、いや。これ全部私が飲むわけじゃありませんから」
リリアーナは、バスルームの側で手持ち無沙汰にしているギズモの肩をとんとんと叩いた。
中からは水音が聞こえている。
「ギズモ、あなたもちゃんと休んでおいた方が良いわよ。魔力が抜けてしわしわじゃない。
なんか今日はケーキもあるみたいだから、こっちきて少し休んだらどうかな?
とにかくそんなくたびれた顔してたら、フリージアが目を覚ました時心配するわよ?」
そう言いながら、リリアーナは回復薬を渡した。
「メイファ、やっぱり一人だけでメイレンさんをベッドに乗せるのは無理だよ〜。私も手伝うってば」
メイファとそんなやり取りをしていたリリアーナだったが、状況が見えないレオに首根っこを抑えられてしまった。
>「ああ、教えてやんよ。そのちっこいのがメイファで、俺を持っているのがメイリンだ。
> 二人とも俺の妹で、そこに伸びてるでっかいババアがメイレン、俺たちの母親だ。」
>「えっとねえっとね赫々で云々なの」
レベッカとギズモが今までの状況をざっと説明する。
>「で、どうよレオ先生とやらよ。俺は退学か?あ?」
渋い顔をしているレオとは対照的に、レベッカの声は明るい。
>「まあ、俺は退学でもかまわねーよ。ちゃーんと考えがあるからよ。」
>「つうか、退学とか話してるけど…自分はどうしたいわけ?
> 槍なのに考えがぐらついているなんて冗談にもならないってw」
「ちょっとアイシャ、いくらなんでも言い過ぎだってば!」
リリアーナはアイシャの手からフォークを取り上げると、何か言う前にケーキの塊を口に押し込んだ。
「ごめんね〜彼女ちょっと口が悪くて」
>「何レオ先生にからんでるのよレベッカ。
> 退学かどうかなんて、学園長抜きで簡単に決められるわけないでしょうが。」
ミルクが割って入った。
>「そのとおりだ。
仮にレベッカ、もし君が退学だとしたら、クロウの処分もおそらく同等のものになるだろうな」
レオは簡単に自分の考えを述べた。
>「それより、あんたがさっきから言ってる“考え”って何よ?
> このアイテムの中に関係してるものがあるの?」
レベッカは自分の身体から服を脱がせるよう指示を出した。
その前におもむろにメイリンが脱ぎ始める。
>「わーっ!見るな!見るな!」
レオは黙って回れ右をした。
「別に私達は女の子同士なんだし、そんなに慌てること無いのにね。
これじゃメイリンを手伝えないじゃない。メイリーン、一人で大丈夫?」
リリアーナは手元の棒メイリンが書かれたメモを見た。
そこには、\はいてないだとっ!?/という文字が躍っている。
「履いてないって何だろ?・・・・・・あれ、ギズモどうかしたの?」
リリアーナは不思議そうにギズモの顔を覗き込んだ。
もしかしたらフリージアが目覚めたのだろうか?
>「どーよ?」
振り向くとそこには、レベッカの服を来たメイリンが立っていた。
>「俺がもとの体に戻る方法が見つかるまでよぉ、この状態で授業に出るってのはどうだ?」
状況が飲み込めずぽかんとしていたリリアーナだったが、話が飲み込めると渋い顔をした。
「確かに誤魔化せるとは思うけど、メイリン自身の意志はどうなるの?
学園にいる間は魔法使いに囲まれて、メイリンじゃなくレベッカって呼ばれつづけるのよ?
もしどうしてもそれを実行する気なら、レベッカさんは病気療養中にして、メイリンを新たに入学させるべきよ」
リリアーナは尚も続けた。
「もっと言うなら、私はレベッカさんの代理はメイファにさせるべきだと思うわ。
もう自分でしたことの責任は、自分で十分責任が取れる年齢だもの
周りが全部尻拭いして、自分には何もさせてもらえないのも結構つらいものよ」
リリアーナはそう言ってメイファの方を見た。
「もっとも、メイファにその覚悟があるかどうかが問題だけど」
>191 >193
>「やめて。命を弄ぶような連中に命運を預ける気にはなれないわ。」
「そう……だろうな。」
その言葉に納得してしまったのか思わずうなずいていた。
確かに死霊術師に肉体を預けるほど怖いものもない。
>「それについては少し考えがあるの。でも、もっとプライバシーの保護される所で話すべきね。」
「プライバシーか……」
レベッカの言ったことは結構難しいことだ。
盗み聞きしようと思えば大抵の魔法使いは何からの方法でできるだろう。
考えている間、隣では持ち運べるようにしてほしいとミルクが進言している。
>「悪くないけど、装備は全て外しといて。呪符やタバコが湿気てしまうわ。
>それに、さっき言った“考え”には私の装備が必要になってくるのよ。」
「装備が必要……?」
ミルクに装備を外させるレベッカ。まあ、とりあえず落ち着ける場所を探したら
説明すると言っていることだし、今は気にしないことにした。
>188
>「私はレベッカさんの亡骸を悪者になんか仕立て上げたくない。
>アイシャさんが言っていた作戦も、そういう意味じゃなかったはずだもの。
>ちょっとまって、確かこの階段には・・・・・・・」
「どうしたリリアーナ………」
なんだそれ?と思わず突っ込みたくなるような変な動きをしながら
階段を登ったり下がったりするリリアーナを見て心配を隠せない僕。
「ま、まさかとうとう頭がやられて………」
そこまで言ったとき、階段の踊り場付近に、
学園案内にもないどこに通じているのかも知れないドアが現れる。
>「特異点か、なるほど」
そのレオの呟きを聞き、リリアーナの行動の謎を理解できた。
良かったよかった。てっきり本当に頭がおかしくなったのかと思った。
「しかし、よく特異点の出現方法なんて知っていたな。ただの馬鹿ではないということか」
>「クロウさんやメイレンさんの介抱してあげたいけど、私たちも魔力を使いきってるわ。
>だから、一旦ここで休ませてあげましょう。
>レベッカさんの亡骸も持ち歩くには目立ちすぎるし、何か作戦を立てないと。
>でもここ空間のゆがみだから、戦闘行為はご法度だからね。絶対戦ったらダメだからね」
「この疲弊しきった状況で戦闘行為に走れるようなやつはいないから安心しろ
メイファもそろそろ力に頼っても事態は進展しないことを理解してるだろうしな」
ふっ、とドアを開けるリリアーナを鼻で笑う。中に入るとソファーやダブルベッド。
ご丁寧に飲み物も用意してある。ちょっとした隠れ家みたいだ。
>191-198
来てそうそう横ではレベッカ達はがダブルベッドに対し様々な妄想を膨らませている。
>「マオマオ、悪いけどクロウさんベッドに寝かせるの手伝って。
>ちょっとヴァンエレン、何一人だけ寛いでるのよ!こっち来てちょっとは手伝いなさいよね!!
>・・・・・・あれ?そう言えば取れた手首はもう大丈夫なの?」
そういって手伝いを頼むリリアーナにため息交じりに返事してクロウの体をベッドに持っていくため引きずる。
「なんで頭脳派の僕がこんなこと……こういうのはヴァンエレンの仕事だろうに…」
寛いでるヴァンエレンを見てブツブツと言いながらクロウをベッドの上に引きこむ。
ミルクはこの中に長居するのは嫌なのかクロウやメイレンに回復薬を使い。
特異点に用意されていたドリンクの回復薬?を次々に机に出してきた。
>「疲れてる人はどんどん飲んでね、リリアーナ以外は。
>リリアーナは、レオ先生の許可が出た回復薬以外飲まないように」
なんでリリアーナは飲んではいけないのか疑問に思いながら出されたドリンクを飲む。
思ったより美味しくてあっという間に飲みほしてしまった。
>「皆、いい加減事情を話してもらえるんだろうな?」
僕が二杯目を飲もうとドリンクに手を掛けたときレオが
リリアーナの首根っこを抑えつけ僕たちの方を見てきた。
ギズモやレベッカが状況を話してくれているようだし、
僕は気兼ねなく二杯目を口につける。
>「まあ、俺は退学でもかまわねーよ。ちゃーんと考えがあるからよ。」
>「つうか、退学とか話してるけど…自分はどうしたいわけ?
> 槍なのに考えがぐらついているなんて冗談にもならないってw」
>「ちょっとアイシャ、いくらなんでも言い過ぎだってば!」
相変わらず地をいくアイシャの発言にはリリアーナもまずいと思ったのか
ケーキの塊を口に押し込む。モガモガ言って発言できてないアイシャが予想以上に面白く、
飲んでいた回復ドリンクで咽てゴホゴホッと咳こむ。
>「何レオ先生にからんでるのよレベッカ。
>退学かどうかなんて、学園長抜きで簡単に決められるわけないでしょうが。」
>「それより、あんたがさっきから言ってる“考え”って何よ?
>このアイテムの中に関係してるものがあるの?」
>「別に私達は女の子同士なんだし、そんなに慌てること無いのにね。
>これじゃメイリンを手伝えないじゃない。メイリーン、一人で大丈夫?」
そんな様子をボーッとみている僕。なんだかさっきぐらいから
どうにも頭がボーッとして会話があんまり入ってきてない。どうしたんだろうか。
>「どーよ?」
服をなんかやっていると思ったらレベッカの服をメイリンが着ている。
正直何がしたいのかよく分からない。どーよと言われましても……な感じだ。
>「俺がもとの体に戻る方法が見つかるまでよぉ、この状態で授業に出るってのはどうだ?」
そこまで言われて初めてレベッカの秘策というのが分かった。
要するになりすまし作戦というわけか……しかしなんでこんなにボーッとするんだろうか。
「どうかな……正直バカバカしいと思うし…えーっと。
あれだ……それなりにじちゅりょくのある生徒や教師だったら
槍が喋っているのを看破されちゃうんじゃないの?
そうなっても僕は知らないよぉ……」
ダメだ、なんか身体は熱いし頭はボーッとするせいで言いたいことも正確に言えなくなってきてる。
もしかしたら何かドリンクに入っているのか?そう思ってドリンクの瓶を手にとって
回し見るとそこにはアルコールの文字が書かれている……小量でもアルコールはアルコール……
「ミルク、これアルコール…入ってる。僕そういうのダメだよぉ……」
急激に睡魔に襲われた僕は、何を思ったかヴァンエレンにこっちに来るように手で合図する。
そしてそのままヴァンエレンの肩に寄りかかり目を閉じる。
「うー…ダメだ、眠いよぉ……とりあえず用があるか何かあったら起こしてねヴァン…」
>198 >200
> 「確かに誤魔化せるとは思うけど、メイリン自身の意志はどうなるの?
> 学園にいる間は魔法使いに囲まれて、メイリンじゃなくレベッカって呼ばれつづけるのよ?
> もしどうしてもそれを実行する気なら、レベッカさんは病気療養中にして、メイリンを新たに入学させるべきよ」
とリリアーナが言った。
「あー、それもそうだな。よし、ちょっと棒メイリン出してみろ。メイリンの気持ちを見てみよーぜ。」
> 「どうかな……正直バカバカしいと思うし…えーっと。
> あれだ……それなりにじちゅりょくのある生徒や教師だったら
> 槍が喋っているのを看破されちゃうんじゃないの?
> そうなっても僕は知らないよぉ……」
とマオが言った。
「おめー顔が赤ーぞ。大丈夫かおい?」
> 「うー…ダメだ、眠いよぉ……とりあえず用があるか何かあったら起こしてねヴァン…」
「くそー、人が槍になった途端イチャイチャパラダイスかよ(笑)」
もちろん関係ない。
> リリアーナは尚も続けた。
> 「もっと言うなら、私はレベッカさんの代理はメイファにさせるべきだと思うわ。
> もう自分でしたことの責任は、自分で十分責任が取れる年齢だもの
> 周りが全部尻拭いして、自分には何もさせてもらえないのも結構つらいものよ」
「ああ?」
> 「もっとも、メイファにその覚悟があるかどうかが問題だけど」
それを聞いたメイファはムキーッとなった。
>「できるわ!当たり前じゃない!」
「やめろ、メイファを変に挑発するな。こいつにまともに俺の代理ができるわけねーじゃねーか。
鶏小屋の中にマングースを放り込むようなもんだぜ。」
\妹様を一人で魔法学校に残すとかありえんw/
レベッカもメイリンも、メイファを代理にすることを反対した。
「ここはやっぱりメイリンだろ。メイファにはまた別の事で埋め合わせを…」
\あたいは嫌だよっ!/
「うえ、うぇっ!?」
\あたいは魔法が嫌いっ!魔法の学校には行きたくないっ!/
「えー、まじかよ。」
>「テン姉ちゃん、魔法なんて勉強しなくてもいいじゃない。一緒に中つ国に帰って、家族一緒に暮らそうよ!ねっ?」
「だが断る。」
>「えーっ!どうして〜!?」
「………魔法は俺の憧れなんだよ。」
\せめて体がもとに戻るまで待ったら?/
「嫌だ。俺はどうしてもすぐに魔法を学びてーんだよ。」
レベッカは少し大きな声で言った。その声を聞いて、大妖怪が目を覚ました。
>>「なにごとなの?」
起きたメイレンを、レベッカとメイリンとメイファはじっと見た。そして口々に言った。
「論外だな。」
>「さすがに無理があるわね。」
\戦力外ktkr/
>>「えっ!?ちょっ、ヒドイわ〜(悲)」
メイレンは涙目になった。
>197>200
>「マオマオ、悪いけどクロウさんベッドに寝かせるの手伝って。
>ちょっとヴァンエレン、何一人だけ寛いでるのよ!こっち来てちょっとは手伝いなさいよね!!
>・・・・・・・あれ?そう言えば取れた手首はもう大丈夫なの?」
「とれた腕はこのとおり蝙蝠にした後にぴったりくっつけたから大丈夫。
でも戦闘とか激しい運動するともしかしたら、とれちゃうかもしれないのでこうして安静にしているのだ」
>「なんで頭脳派の僕がこんなこと……こういうのはヴァンエレンの仕事だろうに…」
使い魔であるヴァンエレンがのほほんとお茶を飲んでいる中で、主人であるマオはクロウをベッドへ持っていく。
愚痴をこぼすくらいならば最初からヴァンエレンに命令すればいいのにと思う今日このごろ。
>198>201
結局、レベッカは槍になったまま。
ただ考えがあるというのでやってみせてもらうとレベッカの服をメイリンに着せる。
男陣は回れ右で見えないようにしていて、一応ヴァンエレンも精神は男の子であるので一緒に見ないようにしている。
そうするともう一人のレベッカに変装したメイリンができあがるわけだが、そいつに授業させるらしい。
リリアーナはメイファを学園に入学させて責任をとるべきだというのに対して、本人は断固として了承しない。
マオの様子がおかしい。
ドリンクを飲む前までは普通だったのでおそらくそれが原因かと思われる。
>「どうかな……正直バカバカしいと思うし…えーっと。
>あれだ……それなりにじちゅりょくのある生徒や教師だったら
>槍が喋っているのを看破されちゃうんじゃないの?
>そうなっても僕は知らないよぉ……」
熱に浮かされたようにふよふよと揺れている。
さらに口調もいつものしっかりとしたものではなく、呂律が回っていないような感じがする。
回復ドリンクにはアルコールが少量だが含まれていたようだ。
>「ミルク、これアルコール…入ってる。僕そういうのダメだよぉ……」
犯人はアルコールでした。
マオはかなり弱いようだ。
酔っ払いマオが手下Aであるヴァンエレンにおいでおいでと手招いている。
様子のおかしいご主人を不審に思うも、のそのそと近寄っていく。
呼ばれるままに隣に座るとマオはそのまま寄りかかって眠ってしまったようだ。
>「うー…ダメだ、眠いよぉ……とりあえず用があるか何かあったら起こしてねヴァン…」
「う…うん、おやすみ」
気持ちよさそうに寝てしまったマオにどうしたものかと困った表情をする。
「こ、これは恥ずかしいものだな…」
皆がこちらを見ている中でのこの状況は結構きついものがあり、恥ずかしさで顔を真っ赤にさせて「あわわ」と泡を食った。
>「くそー、人が槍になった途端イチャイチャパラダイスかよ(笑)」
「からかわないでおくれ…」
もうヴァンエレンのライフはゼロです。
いじめないでください。
「うーむ、しかしこの体勢だと色々疲れるな」
ならばとマオを起こさないようにゆっくり太ももまで持っていって枕にして寝かせる。
これぞ必勝の策!
膝まくらである。
>195-202
>「なあ、ミルク。俺の言った事をちゃんと聞いてたのか?
> 俺は装備は全て外せと言ったはずだぜ?まだ残ってるじゃねーか。」
「装備でしょ?これで全部だったけど、隠しポケットでもあるの?」
>「服だよ、服。おいメイリン、かまわねーから俺から服を脱がせて着てみろ。」
「服!?何に使うのよそんなの!?」
まー、そりゃ服も装備と言えば装備だろうけど、メイリンと服を交換して何する気だ!?
>「わーっ!見るな!見るな!」
メイリンが着替え始めるとすぐメイファが慌てて飛んできたので、刺激しないようにあたしも後ろを向いた。
こんなとこで殺人ビームなんぞだされたら、当たって死ぬか時空の狭間に落ちて死ぬかの2択だ。
>「よし、一丁あがりだな。」
>「どーよ?」
言われて振り向くと、メイリンがレベッカの服を着ていた。
だからどうしたと言われると、何も答えられないんですけど。
「どーよって言われても…なかなか似合ってる?としか言いようが…」
>「わかんねーか?ほらメイリン、目を閉じてみろ。ほらほら、俺っぽいだろ?
> むしろ俺よりも利口そうじゃねーか(笑)」
…自分で言うな。
でも、メイリンにレベッカの格好をさせてどうする気なんだろ?
>「俺がもとの体に戻る方法が見つかるまでよぉ、この状態で授業に出るってのはどうだ?」
「あ。なるほど、そういう事ね」
槍になっちゃったレベッカの身代わり(文字通りの意味で)をメイリンにしてもらおうって事か。
スカーフェイスさんと同じだけどなかなか良いアイデアじゃん。と、あたしは思ったんですが。
>「確かに誤魔化せるとは思うけど、メイリン自身の意志はどうなるの?(中略)
>もしどうしてもそれを実行する気なら、レベッカさんは病気療養中にして、メイリンを新たに入学させるべきよ」
>「どうかな……正直バカバカしいと思うし…えーっと。(中略)
> そうなっても僕は知らないよぉ……」
他の人はあまり賛成じゃないらしい。
それにしても、話の内容はともかくマオの口調がいつもと違うような。
>「おめー顔が赤ーぞ。大丈夫かおい?」
レベッカに指摘されて自分の異変に気づいたのか、マオは自分が飲んだドリンクのビンを確認する。
>「ミルク、これアルコール…入ってる。僕そういうのダメだよぉ……」
「えぇっ!?あんたもアルコールダメな人だったの!?」
アルコールに弱いのはリリアーナだけじゃなかったのか!
まさか、マオまで酔っ払って暴れ出したりとかしないだろうな…
心配しながらみていると、マオはヴァンエレンを呼び寄せて肩に寄りかかる。
>「うー…ダメだ、眠いよぉ……とりあえず用があるか何かあったら起こしてねヴァン…」
うわなにこの萌えキャラ化。
>「こ、これは恥ずかしいものだな…」
>「くそー、人が槍になった途端イチャイチャパラダイスかよ(笑)」
寄りかかられたヴァンエレンも恥ずかしそうだけど、はっきり言って見てる方も恥ずかしいです。
レベッカじゃないけど、一言言いたくなってくるぞ。
>「うーむ、しかしこの体勢だと色々疲れるな」
しかも何を考えたかヴァンエレンがマオを膝枕し始めましたよ。
なんという生兵法。体は楽かもしれないが余計に恥ずかしいだろそれは。
まあ、酔ったマオが暴れ出さなかっただけで良しとしておくか…
>「もっと言うなら、私はレベッカさんの代理はメイファにさせるべきだと思うわ。(中略)
> 「もっとも、メイファにその覚悟があるかどうかが問題だけど」
一方のリリアーナは追加の考えがあるようで、メイファに身代わりをさせるべきだと言い出した。
>「できるわ!当たり前じゃない!」
メイファは即答で快諾したけど、その発想は問題ありまくりのような…
>「やめろ、メイファを変に挑発するな。こいつにまともに俺の代理ができるわけねーじゃねーか。
> 鶏小屋の中にマングースを放り込むようなもんだぜ。」
>\妹様を一人で魔法学校に残すとかありえんw/
「それはマズいよリリアーナ…もしバレたら証人は消すとか言い出しそうで怖いし…」
魔法使いは皆殺しなんて考えをさっきまで持ってたからなあ…
さすがに本人の前で『メイファは自制心無さ過ぎる』とは言えないけど。
>「ここはやっぱりメイリンだろ。メイファにはまた別の事で埋め合わせを…」
>\あたいは嫌だよっ!/
>「うえ、うぇっ!?」
>\あたいは魔法が嫌いっ!魔法の学校には行きたくないっ!/
>「えー、まじかよ。」
ただ、どうやらメイリンも魔法が嫌いなようで、レベッカの考えが根本から危なくなってきた。
>「嫌だ。俺はどうしてもすぐに魔法を学びてーんだよ。」
それでも、レベッカの魔法を学びたいとの意志に変わりはなく。
ふーん、そんなに魔法に憧れてるのか…
それならそれで他に手がありそうだけど…
そうこうしているうちにメイレンさんが起きてきたんですが、この妖怪姉妹ときたら。
>「論外だな。」
>「さすがに無理があるわね。」
>\戦力外ktkr/
>>「えっ!?ちょっ、ヒドイわ〜(悲)」
事情も説明しないでフルボッコですよ。
大妖怪な母親への敬意とか0ですか?
しょうがない、あたしもレベッカが魔法の勉強できそうな方法を考えてやるか…
「そんなにレベッカが魔法に憧れてるんなら、無理に身代わりなんか立てなくていいんじゃないの?
留学生のレベッカは不幸な事故で死亡したけど、かろうじて意識だけは槍に移っていた。
彼女は元の体に戻る方法を探すため、引き続き学園に残って魔法を勉強する事にした。
これでいいじゃない。なんかレベッカが悲劇のヒロインっぽいから同情も誘えるし、嘘もついてないし。
槍だから移動しにくいって言うなら、あたしが持ち運びしてあげても良いわよ?
今契約してくれたら友達価格で保管料を3割引にしておくから」
>198-204
それを聞いたメイファはムキーッとなった。
>「できるわ!当たり前じゃない!」
>「やめろ、メイファを変に挑発するな。こいつにまともに俺の代理ができるわけねーじゃねーか。
>\妹様を一人で魔法学校に残すとかありえんw/
レベッカもメイリンも、メイファを代理にすることを反対した。
>「それはマズいよリリアーナ…もしバレたら証人は消すとか言い出しそうで怖いし…」
>「学園側は許しても父兄の説得は難航するだろうな。
仮に許されたとしても、メイファはもちろん家族であるレベッカの風当たりも相当なものだ。
レベッカはともかく、今の彼女にはとても無理だろうな」
「そういうのもちゃんと自制するって意味で言ったんだけどな〜。やっぱり無理か〜」
リリアーナはさらっと失礼なことを言いつつ、頭をかいた。
レベッカはメイリンに頼もうとして、思いっきり断わられていた。
メイファはレベッカに中つ国に帰ろうと説得始めている。
だがレベッカの、今すぐ魔法を学びたいという意志は固いようだ。
>「なにごとなの?」
>起きたメイレンを、レベッカとメイリンとメイファはじっと見た。そして口々に言った。
>「論外だな。」
>「さすがに無理があるわね。」
>\戦力外ktkr/
>「えっ!?ちょっ、ヒドイわ〜(悲)」
何の説明もなくフルボッコにされたメイレンは涙目になっている。
「あ、気づかれました?メイレン様少し何かお召し上がりになりませんか?お気持ちが落ち着きますよ」
マオとヴァンエレンの仲睦まじい様子を羨ましそうに眺めつつ、リリアーナは大妖怪にドリンクを勧めた。
>「そんなにレベッカが魔法に憧れてるんなら、無理に身代わりなんか立てなくていいんじゃないの?
> 留学生のレベッカは不幸な事故で死亡したけど、かろうじて意識だけは槍に移っていた。
> 彼女は元の体に戻る方法を探すため、引き続き学園に残って魔法を勉強する事にした。
> これでいいじゃない。なんかレベッカが悲劇のヒロインっぽいから同情も誘えるし、嘘もついてないし。
> 槍だから移動しにくいって言うなら、あたしが持ち運びしてあげても良いわよ?
> 今契約してくれたら友達価格で保管料を3割引にしておくから」
「ミルクまさか本気でお金取る気?だったら私が代わりに・・・・・・・あっ!」
リリアーナは思わず後退りすると、えらく慌てた様子でぶんぶん首を横に振った。
「で、でもさ〜」
リリアーナはガクブルしながらもミルクへと耳打ちする。
「わ、私思うんだけど、ミルクがお金とるって知ったらクロウさんが黙ってないと思うよ〜。
表面上冷静に振舞ってたけど、レベッカさんがこんなことになったの相当堪えてたみたいだし」
リリアーナは青い顔でベッドに横たわるクロウを見るよう目で促した。
内緒話を終えたリリアーナは、今度は普通に話した。
「まあ、確かに影武者を立てるよりはずっといいかも。
だってレベッカさんの軽口ってあまり冗談っぽく聞こえないんだもん。
口説かれたと誤解されて、代理の人が生徒に言い寄られちゃったりなんかしたら大変よ。いろんな意味で」
「ところで中つ国への説明はどうするの?
英雄の死、しかも魔法学園でと公表なんかされたら大問題になると思うんだけど。
さっき何か良い手があるって言って無かったっけ?」
「モガ!モガガガガ!」
いきなり口にケーキを突っ込まれたアイシャは悶絶した。
吐き出せば、直ぐに楽になれるのだが、そこはプライドなのかこだわりなのか知らないが、必死に噛み飲み込む
「…ゲフッゲフッ!ちっょとリリッち酷いじゃん!アレじゃ味なんてわからないってば
いい!スイーツってのは饅頭とかみたいなお菓子と同等じゃないの
味!見た目!香り!全てが芸術作品なわけ!それを下品に口に……と危ない」
リリアーナにくってかかるアイシャだが、また口にケーキを突っ込まれてなるものかと手で口を覆う
と何か思い出したかのように両手を叩いた
「そういえば、人形部の作品でヤバいくらいリアルな人形が置いてたっけ?
アレが使えたらどうにかなる気がするんだけど…」
前に幽霊を人形に入れて悪戯したグループがいたことを思い出し、言ってみたが…
死霊科に対するメイレンの印象は最悪な以上(自分のせいだと思ってはいない)
この提案は却下されるだろう。
とはいえ学園内の問題は解決する方向へ向かってはいるが、外交絡みの大問題はまだ未解決な訳だ
「事故だって言っても食ってかかりそうな気がするしね
だからこそ、真実が真実である意味を無くしたいんだよね
仮にここに怒鳴り込んで他の生徒に危害加えられたらたまったもんじゃないっすよ
確かあのかき氷女って大企業のご令嬢でしょ?ウチの学校って地味にそういうのが多いじゃん?
下手に下手して親バカ戦争勃発したら洒落にもならないし」
といつもの調子で軽口を叩いていたが次の瞬間、人が変わったように真剣な表情に変わる
「人間のことだけでもここまで揉める可能性があるんだ
きっと人間以外の世間でも揉める可能性は充分ある以上
ここで最善の案が出ないなら学園長に任せるべきだと思うけど…やっぱりもっと早い段階でそうするべきだった?レオ先生」
>195>198
>\はいてないだとっ!?/
>「履いてないって何だろ?・・・・・・あれ、ギズモどうかしたの?」
ギズモは赤面をしていた
「ぼ、僕は何も見てないよ!本当だよ!!」
どうやらギズモも”パンツ履いてない”という驚愕の事実に気がついたらしい
「東方の人は着物の下に履かないって本当だったんだ・・・・・」
何かを勘違いしたらしいギズモ
だが確かメイリンは履いていたはず
はて?と首を傾げるギズモであった
>201
>\あたいは魔法が嫌いっ!魔法の学校には行きたくないっ!/
>「えー、まじかよ。」
「水銀、コバルト、カドミウム・・・汚れちまった海 汚れちまった空な科学よりましだと思うんだけどな
少なくとも科学と違って空を飛んでも空気は汚れないし・・・・」
どうやらギズモは科学が嫌いな様である
「それにメイリンさんが学校に通えばこれからも会えるんだけど・・・・残念」
いつの間にやら魔法薬による魔力補給により”これが僕の美少年フェイスだ!”に戻っているギズモ
>204>205>206
ミルクはすべてを説明して自分が槍を持ち運ぶ・・・ただし有料だと提案する
「友達なのにお金取るの?」
不思議そうな顔をしてミルクを見つめるギズモ
お金を取る云々は置いておいて影武者よりはましだと賛同するリリアーナ
>「ところで中つ国への説明はどうするの?
英雄の死、しかも魔法学園でと公表なんかされたら大問題になると思うんだけど。
さっき何か良い手があるって言って無かったっけ?」
>「事故だって言っても食ってかかりそうな気がするしね
だからこそ、真実が真実である意味を無くしたいんだよね
仮にここに怒鳴り込んで他の生徒に危害加えられたらたまったもんじゃないっすよ
確かあのかき氷女って大企業のご令嬢でしょ?ウチの学校って地味にそういうのが多いじゃん?
下手に下手して親バカ戦争勃発したら洒落にもならないし」
ギズモは想像した
フリージアの父であるザンギュラ・ノクターンが乗り込んできて学園長にスーパーウリアッ上をかますのを
「人間って何だっけ?」
ああいう人間を見るたびにギズモは疑問に思うのであった
アイシャはこういうときは学園長に何とかしてもらうべきだと意見を述べた
「そうだねv学園長先生に頼んで何とかしてもらおうよ」
他力本願である
>204>205>206
> 「(前略)今契約してくれたら友達価格で保管料を3割引にしておくから」
「金とるのかよ(笑)」
ミルクの提案にレベッカが吹いた。
「ざっけんな。俺がこんなになったのは誰のせーだよ?あ?」
> 「ミルクまさか本気でお金取る気?だったら私が代わりに・・・・・・・あっ!」
リリアーナはミルクに何かを耳打ちした。レベッカには内容が聞こえない。
> 「そういえば、人形部の作品でヤバいくらいリアルな人形が置いてたっけ?
> アレが使えたらどうにかなる気がするんだけど…」
アイシャがそう提案したが、レベッカはすぐに却下した。
「その人形が都合よく俺に似てんのか?もう一度言うが死霊科絡みはゴメンだぜ。」
> 内緒話を終えたリリアーナは、今度は普通に話した。
影武者を立てるよりは確かにいいかもしれないし、
実はミルク曰くの“悲劇のヒロインっぽい”というのも悪く無い気はする。
しかし金がなぁ…
> 「ところで中つ国への説明はどうするの?
> 英雄の死、しかも魔法学園でと公表なんかされたら大問題になると思うんだけど。
> さっき何か良い手があるって言って無かったっけ?」
おっと、その問題も残っていた。アイシャも続ける。
> 「事故だって言っても食ってかかりそうな気がするしね
> だからこそ、真実が真実である意味を無くしたいんだよね(後略)」
「そこでうちの高性能ババァの出番だよ。」
>>「ほめるかけなすかどっちかにしなさいよ(微怒)」
メイレンがちょっと怒った。
> 「人間のことだけでもここまで揉める可能性があるんだ
> きっと人間以外の世間でも揉める可能性は充分ある以上
> ここで最善の案が出ないなら学園長に任せるべきだと思うけど…(後略)」
「あっ、そりゃ問題だぞ。」
レベッカは何か思い出したように言った。メイレンが後を引き継いだ。
>>「困ったわね〜。人間は私の能力で何とかできるかもしれないけど、
>> 純粋な妖怪には私の能力が通じないのよ〜。」
\それでも大妖怪かよっ!/
「役にたたねーなー。」
>「歳には勝てないものなのね。」
>>「えっ!?ちょっ、ヒドイわ〜(悲)」
メイレンは涙目になった。
ただ、メイファの最後の言葉を真に受けるなら、
メイレンが若い頃は妖怪にも能力が通じたのかもしれない。
>>「ところで、学園長って…確か私に会いに行くとか言ってなかった?」
メイレンは屋上でのやりとりを思い出した。
>>「だったら、私が迎えに行ってあげないとややこしいことになりそうね〜。」
>204-208
>「友達なのにお金取るの?」
>「金とるのかよ(笑)」
「とーぜん。あたしはお金が貰えて、レベッカは魔法を勉強できる。
みんなが幸せになれる選択肢でしょこれ」
>「ざっけんな。俺がこんなになったのは誰のせーだよ?あ?」
あたしとしては普通の提案だったんだけど、レベッカのお気には召さなかったようで。
レオ先生への説明や今までの会話から察するに大物なくせに、案外ケチな奴である。
> 「ミルクまさか本気でお金取る気?だったら私が代わりに・・・・・・・あっ!」
リリアーナはそこまで言ってから、何かに気づいたように急に声を潜めた。
>「わ、私思うんだけど、ミルクがお金とるって知ったらクロウさんが黙ってないと思うよ〜。
> 表面上冷静に振舞ってたけど、レベッカさんがこんなことになったの相当堪えてたみたいだし」
「………。や、やだなー冗談だよ冗談!
レベッカがどれくらい本気で魔法を勉強したいか確認しただけだって!
あは あはは あはははははは!」
しまったーっ!!そういや当事者のクロウは生徒会役員だよ!
変に恨まれたら後々余計大変な事になる!
あああああ、せっかくの金蔓捕まえるチャンスがぁぁぁぁ!!
>「ところで中つ国への説明はどうするの?
> 英雄の死、しかも魔法学園でと公表なんかされたら大問題になると思うんだけど。
> さっき何か良い手があるって言って無かったっけ?」
リリアーナに現実を教えられ、あたしがあはあは笑ってる間に、話は次の段階に進み始めた。
仕方ない、槍を預かってウハウハ作戦は諦めて、別の手段を考えるか…
>「事故だって言っても食ってかかりそうな気がするしね (中略)
> 下手に下手して親バカ戦争勃発したら洒落にもならないし」
>「そこでうちの高性能ババァの出番だよ。」
>>「ほめるかけなすかどっちかにしなさいよ(微怒)」
あぁ、なるほど、メイファとあたしたちを会話できるようにしたメイリンさんの能力ね。
確かにあの高性能というか論外クラスの能力なら、事件を隠すのも簡単だよな。
ただ、アイシャの心配はまだ続いているようで。
>「人間のことだけでもここまで揉める可能性があるんだ
> きっと人間以外の世間でも揉める可能性は充分ある以上
> ここで最善の案が出ないなら学園長に任せるべきだと思うけど…(後略)
>「そうだねv学園長先生に頼んで何とかしてもらおうよ」
「それがこの場の最善案な気がするね。
学園長が帰ってきたら、事情を説明して何とかしてもらおう」
他力本願と言うなかれ。
自分に出来ない事は出来ないと言うのは謙虚な証拠である。
>「あっ、そりゃ問題だぞ。」
>>「困ったわね〜。人間は私の能力で何とかできるかもしれないけど、
>> 純粋な妖怪には私の能力が通じないのよ〜。」
「えっ!?そうなんですか!?」
この告白にはあたしも驚いた。
なにしろ今回の件を隠す必要性が高いのは、人間相手より妖怪相手だ。
人間相手なら、この学園の場所や学園長の力で完封もできるだろう。
でも、メイファやメイリンみたいに、魔法使いを嫌いな妖怪がそれを口実に乗り込んできたら?
撃退はできても被害は大きいかもしれない。
うっかりしたら、第三次文化革命とやらに繋がることも十分あり得る。
> \それでも大妖怪かよっ!/
>「役にたたねーなー。」
>「歳には勝てないものなのね。」
>>「えっ!?ちょっ、ヒドイわ〜(悲)」
「それはさすがに言い過ぎだろ…」
母親への容赦のなさに定評のある3姉妹は、相変わらずの団結ぶりである。
でも。メイファは歳って言ってたよな。
なら、若い時なら妖怪相手でも余裕でしたって事?
若返り若返り、はて、前にユリがそんな事を言ってたような。
>>「ところで、学園長って…確か私に会いに行くとか言ってなかった?」
>>「だったら、私が迎えに行ってあげないとややこしいことになりそうね〜。」
「ややこしい事…ですか。
じゃあメイレンさんにはご迷惑をかけますけど、一度学園長達を迎えに行ってもらった方が良さそうですね…」
メイレンさんが言うと軽く聞こえるけど、やっかいな事ってのはけっこう大きな問題なんだろう。
「ところでメイレンさん、ムウ大陸とかいう怪しい場所を友達が探してるんですけど。
なんでもそこには【若返りの薬】なんて呼ばれてた物があったらしいんですよ。
胡散臭い話だけど、ダメで元々、メイレンさんも時間があったら探してみませんか?」
>207-210
>「人間って何だっけ?」 というギズモの呟きに
「それも一つの愛の形なんだけどね」とリリアーナはギズモに返した。
そういえば、メイリンとギズモがちょっと良い感じだった。
学園に残ったらいつも会えるのに、というギズモの言葉にメイリンは返答をしなかったが
「もしもメイリンさんがギズモを中つ国にお持ち帰りしちゃったら、『お母さん』はどうするかな?」
結果が知りたいような、知りたくないような・・・・・・。
「それにしてもアイシャの言ったリアル人形って、レベッカさんが言ったような意味じゃないんだろうけどな〜。
ねえアイシャ?」
アイシャは、人形部にレベッカそっくりの人形を作ってもらうつもりだったのかもしれない。
だが死霊科に関わる事自体が嫌なのだから、これ以上この話をすることは無駄である。
>「そこでうちの高性能ババァの出番だよ。」
「バ・・・・・・」
リリアーナは絶句した。
リリアーナは母親がいないから分からないが、世の娘たちはみな母親に対してこんな対応なのだろうか?
>「ほめるかけなすかどっちかにしなさいよ(微怒)」
>「人間のことだけでもここまで揉める可能性があるんだ
きっと人間以外の世間でも揉める可能性は充分ある以上
ここで最善の案が出ないなら学園長に任せるべきだと思うけど…やっぱりもっと早い段階でそうするべきだった?レオ先生」
>「まあ終わってしまったことを今更悔いても始まるまい」
>「そうだねv学園長先生に頼んで何とかしてもらおうよ」
>「それがこの場の最善案な気がするね。
> 学園長が帰ってきたら、事情を説明して何とかしてもらおう」
>「その肝心の学園長は、一体いつお戻りなのだろうな」
レオはそう呟くと、大きなため息をついた。
「ヴァンエレン、これマオマオに掛けてあげて」
リリアーナは戸棚から毛布を引っ張り出すと、ヴァンエレンに渡した。
「かあいい寝顔だね〜。っていうかマオマオもお酒弱かったんだね〜。意外!」
そう言いながら、マオマオの頬をつんつんした。
>「ところで、学園長って…確か私に会いに行くとか言ってなかった?」
>「だったら、私が迎えに行ってあげないとややこしいことになりそうね〜。」
>「ややこしい事…ですか。
> じゃあメイレンさんにはご迷惑をかけますけど、一度学園長達を迎えに行ってもらった方が良さそうですね…」
「スカーフェイスさんがついていったけど、それだけじゃやっぱり色々まずいんですね」
まあ中つ国の歴史を考えれば、それも分からないでもないが。
>「ところでメイレンさん、ムウ大陸とかいう怪しい場所を友達が探してるんですけど。
> なんでもそこには【若返りの薬】なんて呼ばれてた物があったらしいんですよ。
> 胡散臭い話だけど、ダメで元々、メイレンさんも時間があったら探してみませんか?」
「ミルク凄い!冴えてる〜!!」
レオは沈黙を守っているが、内心はどうかはその顔からは窺い知れない。
ミルクが言った事はつまり、第二次文化革命を起こした大妖怪が全盛期の力を取り戻すということに他ならないからだ。
「だけどだんだん、『卵が先か鶏が先か』って話になってきちゃったね〜」
リリアーナはしたり顔で頷きながら、当たってるんだか当たってないんだかよく分からないたとえを出した。
「もう何から考えていいのか分からないよ〜。
レベッカさんが魔法学園に留学したことが表立ってばれても大問題、
メイファが魔法学園で暴れたことがばれても大問題、
亡くなったことを知られても大問題、
亡くなった原因がメイファとクロウさんにあると知られても大問題。
あーもう、これじゃ大問題のバーゲンセールじゃないのよ!!」
リリアーナはそうぼやくと、くしゃくしゃと髪をかき回した。
「・・・・・・なんだかよくよく考えたら、ここまで大事になったらもう絶対公表なんか出来ない気がしてきた。
だったらいっそ、学園関係者だけじゃなく妖怪のお偉いさん方も巻き込んで一緒に頭を抱えてもらうべき・・・・・痛っ!!」
>「子供が生意気な口をきくんじゃない」
リリアーナは涙目で、レオの拳骨を食らった頭を撫でた。
>「とりあえずメイレン殿には申し訳ないが、学園長を迎えに行っていただければ幸いです。
> また、レベッカ嬢が亡くなられた事に対してどう対応なされるかもお聞かせくださるとありがたい。
> このようなことになって、皆様方のご心痛察するに余りあります。
> が、学園関係者として状況を知った以上は『何も知らない』では済ませられないのです」
・・・・・・・レオの懐からピーピーとアラーム音がなっている。
おそらく医務室のアストーラ先生から、いい加減戻ってくるよう連絡が入っているのだろう。
…いったいこの惨状は何だ?
異常なほどでかい魔力の動きを感じたから来てみたら血だらけじゃないか。
…この出血量なら遠くには行けないはずだが、来る途中に見かけなかったし。
いや、その前に廊下を掃除しておくか。
いくら学園祭に使われない場所でも、あんな魔力を感じたら俺みたいに誰か来てもおかしくはない。
特に来賓の人が来たらまずいことになる。
あと、こいつのテストにもちょうど良さそうだな。
服の下に隠しておいた魔銃を取り出し、最近作ったばかりのカートリッジを入れる。
そして床の上の血だまりに照準を定めて撃つと、水の弾が飛び出し血を洗い流した。
「…まだ実践に使うには威力が足りないな。」
魔銃もそうだが、まだまだ改良の余地がありそうだ。
しかし怪我人はどこに行ったのだろうか?
そう思いながら血を洗い流していると、階段の方に足跡が続いているのを見つけた。
どうやら血を踏んだまま歩いたようだな。
だが、なぜ途中で足跡が切れているんだ?
一人分ならまだしも色んな足跡が同じ場所で途切れるなど不自然極まりない。
…ここに何かあるのだろうか?
>>213 コツッコツッ…
廊下に響き渡る靴音。
クリスがそちらに振り向くと…
「…………」
眉間に皺を寄せ、しかし変わらぬ微笑を浮かべた燕尾服の男が歩いて来る
「ん?あぁ、クリス、久し振り。
どうしたの?こんな所で?」
そう、ケオス・キョンサンである
そこまで言うとケオスも目の前に広がる血の足跡に気がつく。
「何、これ?クリスの悪戯?」
苦笑しつつ辺りを見回す。すると合点がいったような顔をする
「ああ、そうか。ここはあの場所だったね。」
何も無い場所を見つめながらにこやかに言う
「今誰か入ってるのかな?だとしたらお邪魔しちゃ悪いかな」
>210>212
> 「ところでメイレンさん、ムウ大陸とかいう怪しい場所を友達が探してるんですけど。
> なんでもそこには【若返りの薬】なんて呼ばれてた物があったらしいんですよ。
> 胡散臭い話だけど、ダメで元々、メイレンさんも時間があったら探してみませんか?」
>>「あら、いいわね〜♪」
学園長を迎えに行かないといけないのにこれである。
「何考えてんだ、さっさと学園長を迎えにいけよ。」
\たまには働けっ!/
>「…痴呆症(ボソッ)」
妖怪3姉妹から痛烈なツッコミが入り、またしてもメイレンは涙目である。
「なによ〜!私だって少しくらい夢を見てもいいじゃない(悲)」
レオがメイレンに聞いた。
> >「とりあえずメイレン殿には申し訳ないが、学園長を迎えに行っていただければ幸いです。
> > また、レベッカ嬢が亡くなられた事に対してどう対応なされるかもお聞かせくださるとありがたい。
> > このようなことになって、皆様方のご心痛察するに余りあります。
> > が、学園関係者として状況を知った以上は『何も知らない』では済ませられないのです」
>>「そうね〜。まず第一に、政府の人に情報が入らないようにするわ。
>> 次にテンちゃんの体だけど、妖怪の医者を探すことにするわ。
>> 3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
最後のメイレンの言葉を聞いて、メイファがにやりとした。レベッカが怒った。
「ざっけんな。お前も事情はわかってんだろ?こいつらだって好き好んで俺を殺したわけじゃねーだろ。
その事情を知った上で復讐に走るつもりかよ。人畜無害そうな顔してるくせに、はねっかえりやがって。」
メイレンは案外軽い問題を話すようにレベッカに答えた。
>>「テンちゃん、あなたはまだ子供がいないからわからないのよ。
>> 妖怪の母親は、子供が危害を加えられた時、その原因を排除するようにつくられてるの。
>> 私だって事情はわかるし、理解しているわ。でも、本能はいずれ満たさないと私が壊れるの。」
「うぜーな。」
>>「さあ、おいでメイファ。リンちゃんもいっしょにね。」
メイレンはメイファを呼び寄せた。メイリンは何か悩むようにメイレンとギズモを交互に見た。
すると、メイリンはギズモに駆け寄り、彼の頬にキスをした。そして一言…
>>>「チャオ」
「「「!!?」」」
レベッカとメイレンとメイファがいっせいにびっくりした。
「なっ!?どうなってんだ!?」
>「今リン姉ちゃんしゃべったよね!?」
>>「うそ〜ん!?」
メイリンは真っ赤になってドアを乱暴に蹴飛ばし、ラブスポットから外に出た。
その後をメイレンとメイファが追いかける。
メイリンが落ち着いたら、彼女はゲートをつくってメイレンとメイファを中つ国に送るだろう。
ラブスポットには、槍すぎるレベッカと彼女の遺体が残された。
\熱っ!無理無理無理!溶けるから!/
いや、棒メイリンも残されていた。しかし、メイリンが中つ国に帰ったら消えてしまうだろう。
「たぶんメイレンはまた戻ってくるだろな。あの目はぜってー若返りの薬をあきらめちゃいねー。」
>214
足跡を訝しんでいたら足音が聞こえてきた。
どうやらこっちに来るようだな。
来賓の人でなければいいが…
振り返って見ると、そこには燕尾服を着たケオスがいた。
>「ん?あぁ、クリス、久し振り。
どうしたの?こんな所で?」
「…ケオスも大体分かるんじゃないのか?」
あれだけの魔力だ。
成績優秀なケオスも感づいて当然のはずだ。
>「何、これ?クリスの悪戯?」
「…俺がこんな趣味の悪いことすると思うか?」
まあ、ケオスなりのジョークなんだろう。
>「ああ、そうか。ここはあの場所だったね。」
「…何か知ってるのか?」
正直俺にはここに何があるのか見当がつかん。
いや、それっぽい記憶があるような気もするんだが、階段から別の空間へ行った覚えがないんだよな。
>「今誰か入ってるのかな?だとしたらお邪魔しちゃ悪いかな」
「…近くに血だまりがあった。
重傷者がいる可能性もあるから入った方が良くないか?」
入り方を知らないからその辺はケオス任せなのだが…
>215
と思っていたら何もないところから顔を真っ赤にした女の子が飛び出してきた。
そして女の子の後を追うようにチャイナドレスを着た女の子と2mは超えるであろう女性が飛び出してきた。
もう少しでぶつかりそうだったが、あまり気にしないでおこう。
それよりも中に重傷者がいないかどうかである。
戸も開いたままだし、少しのぞかせてもらうか…
>211>215
>「もしもメイリンさんがギズモを中つ国にお持ち帰りしちゃったら、『お母さん』はどうするかな?」
「年に一度は帰ってくるのよ・・・・だけで終わりそうだと思うよ」
使い魔らしくない答えを返すギズモ
「それにいざとなったらカードで召喚されるだろうし」
たとえどんなに離れていようとたとえそれが異世界であろうと
カード一枚で召喚されてしまう
使い魔とはそういう商売である
>3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
ギズモは考えた
メイレンはこの事件の関係者を食べるらしい
だがしかしある意味レベッカを殺したのはメイファである
なぜなら操られなければレベッカの体が死ぬ事はなかったであろうからである
つまりメイレンはメイファを食べなければいけない事になるのではないかと
「母が子を食べるなんて・・・・・」
ぶっちゃけ考えすぎである
ギズモに駆け寄りほっぺにキスをするメイリン
>「チャオ」
「わが世の春が来た!!」
なんだかよくわからないがキスをされて有頂天になっているギズモ
>「なっ!?どうなってんだ!?」
>「今リン姉ちゃんしゃべったよね!?」
>「うそ〜ん!?」
そしてラブスポットから出て行く3人
>「たぶんメイレンはまた戻ってくるだろな。あの目はぜってー若返りの薬をあきらめちゃいねー。」
そして誰かが食べられてしまうだろう食物的意味で・・・・・
「多分お母さんを食べたら・・・・・心臓が凍り付いてそのまま死んじゃうと思うんだ」
氷の魔法使いによくある病気であるザラキ病・・・・精霊力の異状により心臓が凍り付き命を落とすという魔法世界特有の病気である
フリージアは特効薬であるブルーサラマンダーの鱗により命を取り留めたが母も祖母もそれで命を亡くした
そしてその病の因子はまだフリージアの中に眠っている
「アケローン河の渡し賃が値上げですって!?本当ですのお母様?・・・・・はっ!?」
やっとこさ気絶から回復するフリージア
母親に会ったということは・・・もしかして死に掛けたのか?
>211-216
>「ミルク凄い!冴えてる〜!!」
「まー、見つかる見つからない以前に、あるかないかレベルの話なんだけどね…」
なにしろ情報ソースがユリだけに、フィジル湖でフッシーを探すような話だ。
それでも妖怪相手に情報操作できるんなら、可能性にかけたい。
>>「あら、いいわね〜♪」
幸いメイレンさんも乗り気になってくれたようで嬉しい限り。
あまり期待しないで下さいと、夢を壊さないうちに言っておくべきだろうか?
>「だけどだんだん、『卵が先か鶏が先か』って話になってきちゃったね〜」
「何が?」
娘達にツッコミを入れられて涙目な大妖怪を微笑ましく見守っていると、リリアーナがなにやら悩み出した。
>「もう何から考えていいのか分からないよ〜。
> レベッカさんが魔法学園に留学したことが表立ってばれても大問題、(中略)
> あーもう、これじゃ大問題のバーゲンセールじゃないのよ!!」
「ん……まあねえ。大問題が絡み合って、余計事態がややこしくなってるし…
これだけ問題が積み重なると、ちょっとしたから芋づる式に全部バレる恐れが…」
こうなったら、メイレンさんに歴史なり記憶なり食べてもらって、無かったことにしてもらうしか…
でもそれにはメイレンさん若返りが必要条件なわけで、こりゃ茨の道だぞ…
>「・・・・・・なんだかよくよく考えたら、ここまで大事になったらもう絶対公表なんか出来ない気がしてきた。
> だったらいっそ、学園関係者だけじゃなく妖怪のお偉いさん方も巻き込んで一緒に頭を抱えてもらうべき・・・・・痛っ!!」
>「子供が生意気な口をきくんじゃない」
リリアーナをぽかりと殴りつけたレオ先生は、さすがに大人の対応でメイレンさんに対処法を聞き始めた。
>>「そうね〜。まず第一に、政府の人に情報が入らないようにするわ。
>> 次にテンちゃんの体だけど、妖怪の医者を探すことにするわ。
>> 3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
「は?」
なんか、3番目にアリエナイ対処方法を聞いた気がするんですが。
食べるって、あの食べる?頭から丸ごとモシャモシャ?
>「ざっけんな。お前も事情はわかってんだろ?こいつらだって好き好んで俺を殺したわけじゃねーだろ。
> その事情を知った上で復讐に走るつもりかよ。人畜無害そうな顔してるくせに、はねっかえりやがって。」
復讐。レベッカがメイレンさんに言った言葉で、恐ろしい脳内妄想が確定事項に変わる。
メイレンさんは本能がどうこう言ってるけど、もしかして。
前の文化革命での大量虐殺もこれが原因!?
メイリンがしゃべったので驚く人もいるだろうが、あたしは別のことで驚いてますよ。
メイレンさんの能力は、確か人間には通用するって言ってたはず。
つまり、こっちが事件のことを忘れさせられたら、無警戒の所をガブッと食べられちゃうじゃないか!
>「たぶんメイレンはまた戻ってくるだろな。あの目はぜってー若返りの薬をあきらめちゃいねー。」
嵐のようにメイリン達は出て行って、後には開けっ放しのドアが残された。
贅沢は言わないからせめてドアぐらい閉めていってくれ。
情報がだだ漏れしたら面倒なんだから。
のろのろドアを閉めに行って、誰かが中をのぞき込んでいることに気づいた。
げっ!早速やばいことに……!と思ったら。幸い2人とも見知った顔でしたよ。
こうなったらクリスもケオスも巻き込んで一蓮托生だ。どうにでもなれーい。
「ああ!2人ともちょうど良い所に!
さささ、入って入って、人目に付くとまずいから」
ちょいちょいと2人を手招きしてラヴスポットに入れ、急いでドアを閉める。
よし。これでこれ以上の情報漏洩は無しだ。
「もの凄く簡単に状況を説明すると、中つ国から来た密航者に操られたレベッカと戦闘になりました。
途中不幸な事故でレベッカが死亡しましたが、なんとか魂だか意識だかを槍に移植するのに成功。
ただし代償として、クロウとフリージアが絶賛気絶中です。
密航者は中つ国に強制送還されましたが、レベッカの母親が娘を殺された復習を計画中。
以上説明終わり。これより詳しい説明は有料サービスになります」
我ながら適当ぶっちぎりな説明だが、さきにレベッカに問い合わせたい事があるから仕方がない。
あたしはレベッカの槍を手に取り、レベッカに話しかけた。
「レベッカ…念のため聞きたいんだけど、中つ国では『食べる』って違う意味でも使ってるのよね…?
まさかまさかメイレンさんが本気であたしたちを頭から食べるつもり、なんて事はないわよね…?
身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
無理やり浮かべた笑顔がひきつってるのは自覚できたけど、それを抑えられるはずもなく。
あたしはレベッカの槍を握る力をギリギリと強めていった。
>217>219
> 「ああ!2人ともちょうど良い所に!
> さささ、入って入って、人目に付くとまずいから」
「おいおい、また変な外野を引き込むなよ…って、なんだ。お前はさっき会ったな。」
レベッカは、ミルクに招き入れられたケオスに対してそう言った。
「あれ?お前も前に会った事なかったか?洋館とかで。」
レベッカはクリスにそう尋ねたが、二人は初対面なので気のせいである。
ミルクは招き入れた二人にものすごく簡単に状況を説明した。
「そうだぞ。これ以上詳しい事が聞きたいなら脱ぐもんを脱いでもらわねーとな。」
たぶんミルクが言った有料サービスとは、そんな事ではないと思う。
【Take 1】
> 「レベッカ…念のため聞きたいんだけど、中つ国では『食べる』って違う意味でも使ってるのよね…?
> まさかまさかメイレンさんが本気であたしたちを頭から食べるつもり、なんて事はないわよね…?
> 身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
「ざっけんな。俺を脅したところでどうにもなるわけがねーだろ。っておい、ミルク。それ以上力を入れるな。
折れる折れる!おい、リー!ぼーっとしてないで助けろ!」
逆ギレは死亡フラグだったようだ。
【Take 2】
> 「(前略)まさかまさかメイレンさんが本気であたしたちを頭から食べるつもり、なんて事はないわよね…?
> 身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
「ははは、何言ってんだよミルク。食べるってのは内臓から食べる事に決まってるじゃねーか。
何しろ内臓ってのはほっとくとすぐに傷んじまうからなー。っておい、ミルク。それ以上力を入れるな。
折れる折れる!おい、リー!ぼーっとしてないで助けろ!」
獣の食事作法は死亡フラグだったようだ。
【Take 3】
> 「(前略)身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
「ははは、何言ってんだよミルク。人間の死亡率は100%に決まってるじゃねーか。
その死因がたまたまメイレンに食われるってだけだろーよ。っておい、ミルク。それ以上力を入れるな。
折れる折れる!おい、リー!ぼーっとしてないで助けろ!」
哲学的死生感は死亡フラグだったようだ。
【Take 4】
> 「(ry)」
「まあ、落ち着けミルク。本気でメイレンがお前らを食うつもりなら、
あえてそれをお前らに言ったりしねーよ。そうだろ?」
レベッカは3回ミルクに折られそうになったが、やっと今回はミルクに折られないルートに入ったようだ。
「ああ言っておけば、メイファがお前らを襲うこともないだろ。
何しろほっといてもメイレンがお前らを食べる予定なんだからな。
それにメイファが中つ国に帰っても、メイファがこの事を言いふらしたら、
やっぱり他の妖怪もお前らを襲うことも無いだろ。妖怪からもメイレンは一目おかれているから、
わざわざ獲物を横取りするような危険を冒すわけがねぇ。」
レベッカはさらに続けた。
「残念ながら、メイレンがお前らを食わねーと本能が満たされないのは本当らしい。
だが、メイレンも馬鹿じゃねぇ。お前らが次にメイレンが現れるまでに対策を立てる時間を、
メイレン自身がちゃーんとつくってる。それを活かすも殺すもおめーら次第だ。
俺は嫌だぜ?メイレンがフリージアを食って下痢するところを見るなんてよ。」
ギズモはメイレンが凍りつく様子を想像したようだが、レベッカはあまりフリージアに詳しくないので、
せいぜいそこまでしか想像することができなかった。
ところでレベッカは、いかにもメイレンが全てを見通した上であえて“食べる”発言をしたかのように説明したが、
当のレベッカは、メイレンは単に馬鹿だから何も考えずに頭に浮かんだ言葉を口にしただけなんじゃないかと思っていた。
「うっわぁ…ウチのママと同じ様なことをいってる」
唐突にトンでもないことを話始めるメイレンに対し、他の生徒のように驚くことなく
冷静にそう呟いた。
「文字通りのモンスターペアレンツ(笑)」
誰が上手いことを言えと…ちなみに、アイシャの母の場合はアイシャの父を愛しすぎたあまりに…
と綺麗にみえて、トンでもない理由で人を食べている。
そのとき、カミングアウトした時、本人はまるで隠してあったプリンを食べたように「食べちゃった♪」と一言
ちなみに、霊魂になった父は幸せそうにこの世と魔界いったりきたりして死後を堪能している。
「あんたさぁ?ワザとやってんの?」
たまたまそこに居たクリスとケオスを部屋に連れ込み、一連の事情を(危ない所をカットして)説明したまでは良かった
のにも、関わらず、ミルクの言う「有料サービス」の内容に深く関わっているワードを二人の目の前でだす失態ぶりに
アイシャはいささか腹を立てた素振りを見せる。
「有料サービスなんてただの小金稼ぎの詐欺紛いだって、話はこれで終わり
食べる食べないってのは…所謂、性的な意味でって奴…それでも…
この詐欺師のいうことを知りたいんなら…しばらくは『変態』扱いされてもいいってことだよね」
と2人がこのことについて知りすぎないよう、釘を刺す。
それでも2人が知りたいというのならば…ありとあらゆる手段を用いて明日から『変態』のレッテルを貼り付けるつもりである
とアイシャの考えが表情から滲み出てたりする。
>「残念ながら、メイレンがお前らを食わねーと本能が満たされないのは本当らしい。
> だが、メイレンも馬鹿じゃねぇ。お前らが次にメイレンが現れるまでに対策を立てる時間を、
> メイレン自身がちゃーんとつくってる。それを活かすも殺すもおめーら次第だ。
> 俺は嫌だぜ?メイレンがフリージアを食って下痢するところを見るなんてよ。」
「じゃあ、それまでに若返りの薬でも探しておく?
もしかしたら、それなりの交渉材料にはなるんじゃないの」
先ほどのメイレンの様子から言っても、若返りの薬は有益な交渉材料になりえる。
上手くそれを使いこなすことが出来れば、これ以上誰かが血を流す必要も無く、この話の真の終わりが見えてくるというものだ
>「そうね〜。まず第一に、政府の人に情報が入らないようにするわ。
> 次にテンちゃんの体だけど、妖怪の医者を探すことにするわ。
> 3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
人間、あまりに想定外のことを言われると、脳がフリーズするらしい。
リリアーナは、頭に手をあてたままの間抜けな姿で固まってしまった。
>「母が子を食べるなんて・・・・・」
>「うっわぁ…ウチのママと同じ様なことをいってる」
唖然とする一同とは違って、アイシャは大して驚いたそぶりも見せず冷静にそう呟いた。
>「文字通りのモンスターペアレンツ(笑)」
「まったくお話になりませんな」
一方のレオもまた、特に驚いた様子も無かった。
「逆恨みでなくあくまで本能だと言い張るのなら、ギズモの言うようにまずご自分の末娘を平らげるべきですな。
出来るものならば」
とはいえレオもそれ以上辛辣なことを言う気はないようだ。
今は学園長を人質に取られたも同然であるから、当然と言えば当然だろう。
一方のレオは、メイレンの後を追って飛び出していったまでは良かったのだが
>「レオ先生、探しましたよ!」
>「急患です、大至急医務室へ戻ってください!」
>「ちょ、ちょっと待てお前達ー!!」
医療班らしき生徒に両手両脇を抱えられ、レオはどこかに運ばれていってしまった。
ミルクはケオスとクリスに、きわめて簡単に現在の状況を説明した。
それにしても色々突込みどころが多すぎである。
有料サービスというのは、ミルクなりのこれ以上は聞くなという威嚇なのだろう。
>「そうだぞ。これ以上詳しい事が聞きたいなら脱ぐもんを脱いでもらわねーとな。」
「何で脱ぐの?っていうかケオスさんにクリスさん、いつの間にラヴスポットに!!」
ずっと呆けていたリリアーナだったが、ここに来てようやく我にかえったようだ。
>「レベッカ…念のため聞きたいんだけど、中つ国では『食べる』って違う意味でも使ってるのよね…? (中略)
> 身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
「わー!ミルクダメ落ち着いて、レベッカさんが折れちゃう〜!!」
リリアーナは何とかミルクが槍を破壊しないよう手を伸ばした。、
>「まあ、落ち着けミルク。本気でメイレンがお前らを食うつもりなら、
> あえてそれをお前らに言ったりしねーよ。そうだろ?」
レベッカは3回ミルクに折られそうになったが、やっと今回はミルクに折られないルートに入ったようだ。
>「ああ言っておけば、メイファがお前らを襲うこともないだろ。 (中略)
わざわざ獲物を横取りするような危険を冒すわけがねぇ。」
「ははははは・・・・・・」
メイレンが人間を食べるのはガチだが、この場でそれを口にするのは火に油を注ぐ結果になりそうだ。
「ミルク、頭が冷えるまでの間、私が槍を預かっておこうか〜?」
>「あんたさぁ?ワザとやってんの?」
>アイシャはいささか腹を立てた素振りを見せる。
>「有料サービスなんてただの小金稼ぎの詐欺紛いだって、話はこれで終わり
> 食べる食べないってのは…所謂、性的な意味でって奴…それでも…
> この詐欺師のいうことを知りたいんなら…しばらくは『変態』扱いされてもいいってことだよね」
リリアーナはアイシャの肩をトントンと叩くと、遠慮がちに切り出した。
「アイシャは優しいね、でも、私思うんだ。
二人がレベッカさんの遺体があるこの部屋を除いてしまった時点で、とっくに手遅れだって事が・・・・・」
リリアーナはクリスとケオスの方を見て、申し訳無さそうな顔になった。
「まあ二人ともこっちに来てお茶でも飲もうよ。アイシャ、二人にケーキあげてもいいよね?
で、大体ミルクが言ったとおりなんだけど・・・・・レベッカさんの母親の言い分はね、レベッカさんの死を伏せておくこと、
レベッカさんの遺体を妖・・・祖国のお医者さんにみせること、
関係者に復讐するってこと、なんだけど・・・・・・その対象が、今回の事件に関わった関係者全員を消すことよ。
で、最悪なことに、彼女にはそれを実現するだけの実力があったりするわけなの」
リリアーナはそこまで一気に話した後、こめつきバッタのように頭を下げた。
「ごめんなさいごめんなさい!たまたま通りかかったばかりに二人をこんな面倒に巻き込んじゃって!!」
>「残念ながら、メイレンがお前らを食わねーと本能が満たされないのは本当らしい。
> だが、メイレンも馬鹿じゃねぇ。お前らが次にメイレンが現れるまでに対策を立てる時間を、
> メイレン自身がちゃーんとつくってる。それを活かすも殺すもおめーら次第だ。
> 俺は嫌だぜ?メイレンがフリージアを食って下痢するところを見るなんてよ。」
>「じゃあ、それまでに若返りの薬でも探しておく?
> もしかしたら、それなりの交渉材料にはなるんじゃないの」
その時、バスルームの方から何か水音がしたようだ。
「あれ?フリージア気が付いたのかな?ギズモ、バスローブはそこの引出しね」
リリアーナは毛布を取り出した場所を指差した後、うーんと考え込んだ。
「メイレンさんの若さへの執着はすごいし、本能を凌げるかは分からないけど・・・。
交渉の材料としては悪くないと思う。
でも、若返りの薬って本当にあるのかな〜?」
リリアーナはミルクの方を見てどう?と小首を傾げた。
「レベッカさんが元の身体に戻ったら、少しはメイレン様の怒りも収まるかもね。
若返りの薬があるくらいなんだから、そのムウ大陸にはレベッカさんを元に戻す方法もあるかもよ?
・・・・・・・ただ、中つ国のお医者さんに見せに行くとしたら、遺体は中つ国に帰ることになるのよね?
槍を学園に置いていくとしたら、本体と離れてしまった魂とかは大丈夫なのかな?」
リリアーナはクリスの袖をつんつん引くとレベッカの槍を指差した。
「で、これがレベッカさんの槍なんだけど・・・・・クリスさん、これを見てどう思う?」
>219>220
>「ああ!2人ともちょうど良い所に!
さささ、入って入って、人目に付くとまずいから」
覗き込んだ空間にはミルクがいて、俺達を招き入れるとすぐに戸を閉めた。
中には他にも見知った顔が何人かいるようだ。
ただ、気になるところがあるとすれば何人かが血にまみれているということだろう。
>「おいおい、また変な外野を引き込むなよ…って、なんだ。お前はさっき会ったな。」
と思っていたら知らない声が聞こえてきた。
この部屋には他にも誰かいるのか?
>「あれ?お前も前に会った事なかったか?洋館とかで。」
とりあえず誰がしゃべっているのか分からないから返答のしようがない。
「…いったい何があったんだ?」
いまいち事情が分からないので訊いてみたらミルクが簡単に説明してくれた。
>「もの凄く簡単に状況を説明すると、中つ国から来た密航者に操られたレベッカと戦闘になりました。
(中略)
以上説明終わり。これより詳しい説明は有料サービスになります」
…よくは分からないがあの血だまりはレベッカという人のものか。
で、当のレベッカは槍になっている、と。
>222
>「そうだぞ。これ以上詳しい事が聞きたいなら脱ぐもんを脱いでもらわねーとな。」
>「何で脱ぐの?っていうかケオスさんにクリスさん、いつの間にラヴスポットに!!」
確かにこの声は槍から聞こえてくるな。
リリアーナも槍に向かって話しているからこの槍がレベッカなのだろう。
にしてもこの型はあまり知らないな。
柄に使われているのは白蝋木か?
となると東側の技術が詰まってそうだな。
>「レベッカ…念のため聞きたいんだけど、中つ国では『食べる』って違う意味でも使ってるのよね…?
まさかまさかメイレンさんが本気であたしたちを頭から食べるつもり、なんて事はないわよね…?
身体だけじゃなくて槍の中にも入れなくなるかもしれないから、よーく考えて答えなさいよ……!」
>「わー!ミルクダメ落ち着いて、レベッカさんが折れちゃう〜!!」
「ミルク、何をする気だ。」
リリアーナが止めに入ったからいいけど、こういう武器は向こうの技術を知る上でとても貴重なものなんだぞ。
そうでなくとも簡単に壊していいものなど何一つない。
>221
>「有料サービスなんてただの小金稼ぎの詐欺紛いだって、話はこれで終わり
食べる食べないってのは…所謂、性的な意味でって奴…それでも…
この詐欺師のいうことを知りたいんなら…しばらくは『変態』扱いされてもいいってことだよね」
>「アイシャは優しいね、でも、私思うんだ。
二人がレベッカさんの遺体があるこの部屋を除いてしまった時点で、とっくに手遅れだって事が・・・・・」
アイシャが関わらせないように話を終わらせようとするが、リリアーナが諌めに入った。
俺には全く関係なさそうだから別にどうでもいいんだが…
それよりもアイシャは仕事をサボってこんな所にいたのか。
今年の学園祭は魔工科と死霊科が合同でお化け屋敷をやっているだが、営業中にアイシャを一回も見なかった。
どのみち今はトラブルが起きたおかげで休止状態なんだけどな。
>「まあ二人ともこっちに来てお茶でも飲もうよ。アイシャ、二人にケーキあげてもいいよね?
(中略)
で、最悪なことに、彼女にはそれを実現するだけの実力があったりするわけなの」
それは面倒だな。
で、そこでぶっ倒れている馬鹿も関わっちまった、と。
>「ごめんなさいごめんなさい!たまたま通りかかったばかりに二人をこんな面倒に巻き込んじゃって!!」
とにかく、今は関わる人を増やしたくないってことか…
にしちゃあ悪い所に隠れたもんだな。
膨大な魔力が使われれば普通に人が集まってくるだろ…
しかもそこに血だまりなんてあったらさらに巻き込む人を増やすようなもんだぞ…
この場を動く必要もありそうだし、この馬鹿でも起こすか…
いつもみたいに殴ろうとすれば反応して起きるだろ…
「…あれ?」
いつもなら殴られる前に起きて防ぐのに、まったく反応しないだと!?
…この馬鹿はここに置いていくしかなさそうだな。
>223
馬鹿を起こすのをあきらめたら、今度はリリアーナが袖を引いてきた。
>「で、これがレベッカさんの槍なんだけど・・・・・クリスさん、これを見てどう思う?」
「…個人的な見解だが、こっちじゃあまり見ないタイプの槍だな。
けどかなりの業物だと思う。
年記もかなりありそうだな。」
ただ、意識が移っているから下手にいじれないな。
「それより、早くここから移動した方がいいぞ。
凄まじい魔力を感じて駆け付けてくるのがいそうだからな。」
実際俺もその一人なんだが…
「あと、人目につかないうちに着替えた方がいい。
血まみれの服を着てたら嫌でも目立つぞ。」
>「…何か知ってるのか?」
>「…近くに血だまりがあった。
>重傷者がいる可能性もあるから入った方が良くないか?」
「クリスはラブスポットの入り方を知らない?ここが丁度そうなんだよ。」
何も無い空間を指差しながらケオスは話す
と、突如ラブスポットの扉が開き知った顔一人と知らない顔二人がとびだしてくる
取りあえず飛び出した三人には外傷はないようなので部屋の中を覗き込むと
>「ああ!2人ともちょうど良い所に!
>さささ、入って入って、人目に付くとまずいから」
「うん、分かった。じゃ、お邪魔するよ」
ミルクに招かれラブスポットへと入るケオス
>「おいおい、また変な外野を引き込むなよ…って、なんだ。お前はさっき会ったな。」
「その声はレベッカかな?何処にいるの?」
声はすれども姿の見えないレベッカを探しているとミルクから説明が入る
>「もの凄く簡単に状況を説明すると、中つ国から来た密航者に操られたレベッカと戦闘になりました。(以下略
「なるほどね、そんな事態になってたんだ…」
>以上説明終わり。これより詳しい説明は有料サービスになります」
>「そうだぞ。これ以上詳しい事が聞きたいなら脱ぐもんを脱いでもらわねーとな。」
「脱がないと詳しく聞けないの?参ったね……ちょっとだけだよ。」
>「何で脱ぐの?っていうかケオスさんにクリスさん、いつの間にラヴスポットに!!」
「ついさっきかな。随分と思考停止してたみたいだけど」
ミルク、レベッカ、リリアーナと話していると見知らぬ女生徒が割り込んでくる
>「有料サービスなんてただの小金稼ぎの詐欺紛いだって、話はこれで終わり
>食べる食べないってのは…所謂、性的な意味でって奴…それでも…
>この詐欺師のいうことを知りたいんなら…しばらくは『変態』扱いされてもいいってことだよね」
>「アイシャは優しいね、でも、私思うんだ。
>二人がレベッカさんの遺体があるこの部屋を除いてしまった時点で、とっくに手遅れだって事が・・・・・」
「うん、そう言う事。でも、気遣いありがとう。
えっと、ハイシャ……だったかな…ゲイシャ…?とにかくありがとう」
ケオスの特技、[名前を一文字間違える]と[有料スマイル]を発動させつつアイシャにお礼を述べる
>「まあ二人ともこっちに来てお茶でも飲もうよ。アイシャ、二人にケーキあげてもいいよね?
「ああ、ありがとう。ご馳走になろうかな。」
腰を落ち着けるケオス
>で、大体ミルクが言ったとおりなんだけど・・・・・レベッカさんの母親の言い分はね、レベッカさんの死を伏せておくこと、
(中略
>で、最悪なことに、彼女にはそれを実現するだけの実力があったりするわけなの」
「ふーん、なるほど……」
ケオスは紅茶にレモンを落としゆったりとかき混ぜながらリリアーナの話を聞いていた。
>「ごめんなさいごめんなさい!たまたま通りかかったばかりに二人をこんな面倒に巻き込んじゃって!!」
「そんなに思い詰める事はないよ、リリアーナ。
前に手紙で書かなかったかな?何かあったら呼んで欲しいって。」
必死に頭を下げるリリアーナに優しげな微笑みを見せながら答えるケオス。
「困っている友人を助けるのは友人として道理…だよ。」
「それにたまたまって訳じゃないしね。」
そう言うと一口紅茶を啜る
「じゃあ、今回も僕は手伝わせて貰うよ。いいよね、リリアーナ?」
>143
>「ホットケーキと焼きそばとカツサンドとスパゲティとオレンジジュース大盛りで!
> ここは私がおごるから、ロウさんもマリオさんもガンガン食べてね!
> 腹が減っては戦ができない!食事は戦いの基本だよ!」
>>「ではコーヒーをお願いしマース」
「ほっほっほ、では紅茶をご馳走になりますかな」
店内はすでに爆発の痕跡もなく、猫耳メイドたちが忙しそうに働いている。
>案内された席につき、注文の品が届いた所でマリオが口を開いた。
>>「それでは、これからムウ大陸探索の作戦会議をおこないまショウ。
>> スクナさんによると、夜明けの時間帯に昼夜を逆転させる事で『夜明けの晩』を実現できるようデース。
>> すると残った謎は『後ろの正面』デースが、これは場所を表しているのではないでショウか?
>> 後ろなのに正面となる場所に心当たりはありまセーンか?」
>「王様がそんな手がかりを残してくれたんだ!
> うーん…後ろなのに正面正面正面正面うーんもぐもぐ…」
「招き猫広場、ということは無いでしょうかな?
確かあの招き猫の像は、夜な夜な動く、などという噂があった筈ですが。
ユリ殿は何かご存知ありませんかな?」
ロウはそう言いながらも、誰かを探しているようなそぶりだ。
果たしてお目当ての人物はいたのだろうか?
>223−227
>「じゃあ、それまでに若返りの薬でも探しておく?
もしかしたら、それなりの交渉材料にはなるんじゃないの」
「人間ならともかく何百年も生きてる存在が10年やそこら若返っても・・・・」
なんていう野暮な突っ込みは怖くてギズモは出来なかった
>「あれ?フリージア気が付いたのかな?ギズモ、バスローブはそこの引出しね」
「は〜いv」
と元気よく返事をしてバスローブを持っていくフリージア
「あら?ギズモちゃんごきげんよう」
寝ぼけているのかなぜか挨拶をするフリージア
何の感慨もなく主人に服を着せるギズモ
かなり慣れた手付きである、いつもやっているのだろうか?
>「じゃあ、今回も僕は手伝わせて貰うよ。いいよね、リリアーナ?」
そこにバスローブ姿のままで戻ってくるフリージア
とりあえずまともな服を着て欲しい
「あらごきげんようケオスさんにクリスさんって、いつの間に?」
気絶していた間いったい何があったのだろう?
「私が気絶していた間一体何がありましたの?」
そのままな内容を質問するフリージア
若返りの薬の話を聞くと
「若返りの薬ですって?・・・なるほど赤ん坊にまで若返らせて無力化してしまいますのね」
無茶な事を言い出すフリージア
人間相手ならともかく何百年も生きている妖怪にそれをやるにはかな〜りの量が必要だと思われる
ちなみにフリージアの知識においての若返りの薬とは赤ん坊の前の状態まで戻して消滅させてしまうという猛毒である
そして不老不死の薬とはそのまんま毒薬で死んでしまえば年もとらない死ぬ事もないというとんちのような存在である
「それをやるには競泳用プール一杯分は要ると思うよ」
とギズモは小さな声で突っ込むのであった
>211
>「ヴァンエレン、これマオマオに掛けてあげて」
いまだ熟睡しているマオを気遣って毛布を持ってきてくれた心優しきリリアーナ。
これで寒くてあとで風邪をひくしまうということはなくなった。
>「かあいい寝顔だね〜。っていうかマオマオもお酒弱かったんだね〜。意外!」
本人が聞いていたら「馬鹿にするな!」と言って暴れだすことだろう。
「お酒にここまで弱いと将来が心配になりますな…」
膝でぐっすりと眠っているマオの寝顔を覗き見ながら意外な弱点にううむと唸る。
>215
レオがメイレンに中つ国に向かっていった学園長をひとまず迎えに行ってもらうのを今後についてどう対応していくのかを聞く。
>>「そうね〜。まず第一に、政府の人に情報が入らないようにするわ。
>> 次にテンちゃんの体だけど、妖怪の医者を探すことにするわ。
>> 3番目としては、私の本能を満たすためにこの事件の関係者を食べる事にするわ。」
「え?ちょっと待って。
お主はなんでそんなストレートなんだ…」
真正面から「食べる事にするわ」といって素直に食べられる人はいない。
>「ざっけんな。お前も事情はわかってんだろ?こいつらだって好き好んで俺を殺したわけじゃねーだろ。
>その事情を知った上で復讐に走るつもりかよ。人畜無害そうな顔してるくせに、はねっかえりやがって。」
レベッカが妖怪のらしさ丸出しのメイレンに向かって叫ぶ。
しかしレベッカ当人はよくても、妖怪であるが故に子供に危害を加える者を排除しようという本能がメイレンを蝕んでいる。
ややあってメイリンがギズモにキスをして声を出したことに一同びっくりした後、メイレンたち三人はラブスポットより外へ。
ついでにそれを追ってレオも外に出て行ったのだが、事情を知らぬ医療班の生徒に連れて行かれてしまっていた。
>214>216
「こんにちわ」
入ってきたクリスとケオスの二人に挨拶をする。
いまの姿は女性なのでこの者がヴァンエレンだとわかってはいないと思うが…。
「さて、御大将。
いっぱい大変なので起きてください」
メイレンは本能に従って宣言通り我々を食うということがわかったので、そろそろマオを起こしたほうがいいと思い、ゆさぶって目覚めるのを待つ。
>220-225 >229-230
【Take 1】
>「ざっけんな。俺を脅したところでどうにもなるわけがねーだろ。
「……言いたいことはそれだけか?」
>「わー!ミルクダメ落ち着いて、レベッカさんが折れちゃう〜!!」
リリアーナが止めに入ってくれなきゃ、あたしは槍レベッカをへし折ってメギドで粉々にしていたことだろう。
【Take 2】
>「ははは、何言ってんだよミルク。食べるってのは内臓から食べる事に決まってるじゃねーか。
「そーかそりゃそうだよなー。頭って固いし柔らかいところから食べるよなー!」
> 何しろ内臓ってのはほっとくとすぐに傷んじまうからなー。っておい、ミルク。(以下略)
リリアーナが止めに入ってくれなきゃ、あたしは槍レベッカをへし折ってメギドで粉々に(以下略)。
【Take 3】
>「ははは、何言ってんだよミルク。人間の死亡率は100%に決まってるじゃねーか。
> その死因がたまたまメイレンに食われるってだけだろーよ。(以下略)
「ならあんたもここで死んでも文句ないよな……!?」
リリアーナが止めに(以下略)
【Take 4】
>「まあ、落ち着けミルク。本気でメイレンがお前らを食うつもりなら、
> あえてそれをお前らに言ったりしねーよ。そうだろ?」
「誰のせいで落ち着けないと思ってるんだ誰のせいで。
…それに、それじゃあなんであんな事言ったのよ?
何も考えずに思ったことを口にしただけじゃないの?」
どうやら4回目にして、ようやくレベッカはまともな事を話す気になったようで。
3回もネタ雑談を混ぜ込むとは、あたしもずいぶんなめられたもんだ。
>「ああ言っておけば、メイファがお前らを襲うこともないだろ。(中略)
> 俺は嫌だぜ?メイレンがフリージアを食って下痢するところを見るなんてよ。」
「…頼むから最初からそう説明してくれ…心臓に悪い…」
本能なら仕方がないとはとても思えないけど、最大限の予防策としての発言なのはわかりました。
あたしも誰かが食べられるのを見るのはイヤだし、自分が食べられるのはもっとイヤだ。
しょーがない、メイレンさんに内臓から食べられないように、時間の有効活用法でも考えるか…
>「じゃあ、それまでに若返りの薬でも探しておく?
> もしかしたら、それなりの交渉材料にはなるんじゃないの」
>「メイレンさんの若さへの執着はすごいし、本能を凌げるかは分からないけど・・・。
> 交渉の材料としては悪くないと思う。
> でも、若返りの薬って本当にあるのかな〜?」
それはあたしが聞きたいです。
「ちょっと待って、今からユリに聞いてみるから」
こんな事までアイシャに詐欺師呼ばわりされちゃかなわん。
とりあえずユリと連絡を取って、最悪ユリの勘違いでしたな状況を作らねば。
>「はーいもひもひ。どったの?」
急いで取り出した遠話の水晶球からは、ユリの声が聞こえてきた。
人が死にそうな目にあってるうちに、なにか食べてやがったな?
「いや、実は訳あって、ムウ大陸の若返りの薬とやらの話が気になってさ。
…聞きたいんだけど、あの話って本当なの?」
>「もちろんそうだよ!見つけたら世紀の大発見!高く売れること間違いなし!
> もしかして、ミルクもムウ大陸発見に協力してくれるの!?」
「まー、金儲けと言うか命がけと言うか…
とにかく、会ってムウ大陸と若返りの薬の詳しい話を聞きたいんだけど、今どこにいる?
人数ちょっと多いけど大丈夫な場所?」
>「リリアーナの居た猫耳メイド喫茶だよ!それじゃ待ってるから!」
そこまで言ってから、ユリからの通信は途切れた。
猫耳メイド喫茶か…あまり遠くはないし、人も入れるな、好都合だ。
>「それより、早くここから移動した方がいいぞ。
> 凄まじい魔力を感じて駆け付けてくるのがいそうだからな。」
「ちょうど良いや。ムウ大陸について調べてるユリが、今薬学科の猫耳メイド喫茶にいるみたいなんだ。
ムウ大陸の専門家らしい来賓の人も一緒に居るだろうから、メイド喫茶に移動して話を聞いてみよう。
若返りの薬とか、レベッカが元の体に戻る方法とか知ってるかもしれないし」
若返りの薬なんて知りまセーンなんて言われた日には、別の対策法を考えないといけないしな。
善は急げだ。ケオスやクリス以外の生徒が集まってくる前に場所を変えよう。
>「あと、人目につかないうちに着替えた方がいい。
> 血まみれの服を着てたら嫌でも目立つぞ。」
クリスに言われて自分の服をみてみると、あたしの服にも血痕が付いている。
…まいったな、寮まで替えの修道服を取りに戻る暇はないぞ。
「あたしは着替えが面倒だから、ケチャップか血糊ってことにして誤魔化すよ。
着替えるつもりの人は今のうちに着替えた方がいいかもね」
>「あらごきげんようケオスさんにクリスさんって、いつの間に?」
>「私が気絶していた間一体何がありましたの?」
「いや、実はね。フリージアが気絶してる間に…」
本当に氷水に浸けてるだけで気絶から回復したフリージアに、あたしは説明を入れた。
まあ、説明することはメイレンさんの言葉と、3人が帰ったこと。
それからクリスとケオスが来た状況と、取り引き材料を見つけにムウ大陸を探す事になったぐらいだけど。
>「若返りの薬ですって?・・・なるほど赤ん坊にまで若返らせて無力化してしまいますのね」
「いやいやいや、そんな鬼畜な事考えてないから!
ともかく、これ以上人がこないうちにラヴスポットを出よう。
ヴァンエレンは、起きないようだったらマオを運んであげられる?
クロウは魔力使いすぎで起きれないみたいだけど、クリスは起こし方知ってる?」
>223>225>232
> 「レベッカさんが元の身体に戻ったら、少しはメイレン様の怒りも収まるかもね。
> 若返りの薬があるくらいなんだから、そのムウ大陸にはレベッカさんを元に戻す方法もあるかもよ?
> ・・・・・・・ただ、中つ国のお医者さんに見せに行くとしたら、遺体は中つ国に帰ることになるのよね?
> 槍を学園に置いていくとしたら、本体と離れてしまった魂とかは大丈夫なのかな?」
「さあ?俺も死ぬのは初めてだからな。今度死んだことがある奴に聞いとくよ。」
案外、この死体をほっといたら別の妖怪として動き出したりするかもな、
とレベッカは思ったが口には出さなかった。
> 「で、これがレベッカさんの槍なんだけど・・・・・クリスさん、これを見てどう思う?」
「ヤらないか?」
ヤれなかった。
> 「…個人的な見解だが、こっちじゃあまり見ないタイプの槍だな。
> けどかなりの業物だと思う。
> 年記もかなりありそうだな。」
「えっ?そうだったのか?だったら早く売って金にすりゃよかったな。」
レベッカはそう言ったが、本心ではない。このようにレベッカは平気で嘘をつくので、
クリスも注意しておく必要があるだろう。
> 「それより、早くここから移動した方がいいぞ。
> 凄まじい魔力を感じて駆け付けてくるのがいそうだからな。」
クリスが移動の提案をした。
> 「ちょうど良いや。ムウ大陸について調べてるユリが、今薬学科の猫耳メイド喫茶にいるみたいなんだ。
> ムウ大陸の専門家らしい来賓の人も一緒に居るだろうから、メイド喫茶に移動して話を聞いてみよう。
> 若返りの薬とか、レベッカが元の体に戻る方法とか知ってるかもしれないし」
ミルクも場所の提案をした。そうか、猫耳喫茶は元に戻ったのか。
「ああ、ちがいねーな。ブルースみたいな奴がこの学園にもいたら面倒だ。
早いところ、そうしようぜ?」
> 「あと、人目につかないうちに着替えた方がいい。
> 血まみれの服を着てたら嫌でも目立つぞ。」
> 「あたしは着替えが面倒だから、ケチャップか血糊ってことにして誤魔化すよ。
> 着替えるつもりの人は今のうちに着替えた方がいいかもね」
「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
リリアーナに持ってもらっているので、レベッカはミルクに折られる心配が無い。
レベッカは安心して変態ぶりを発揮することができそうだ。
「あ、そうだリー。俺のスペルカードを持って行け。
たぶんこの状態でもスペルカードは使えるから、何かの役に立つだろうよ。」
実は呪符の中には対象を素っ裸にする効果があるものも混じっているが、
それを知らない方がたぶんリリアーナの精神衛生上よろしいだろう。
「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
>230 >233
>「さて、御大将。
>いっぱい大変なので起きてください」
「うぅ〜やめて……」
ヴァンエレンに揺さぶられてマオは嫌そうに体をもぞもぞと動かしたあと、
ゆっくりと眼を覚まして頭を上げる。途中で起こされたせいか相当眠そうにしている。
「うにゅ……頭が痛い……」
最初に目についたのは自分にかかっている毛布と、
自分の頭を乗せているヴァンエレンの膝……膝!?
驚いてガバッと起き上がり少しヴァンエレンと距離を取る。
落ち着け、何意識しているんだ。頬が火照っているのを感じ、自分の中でそう言い聞かせる。
「えっと……その…急に寝ちゃったりしてごめん」
良く分からないけどとりあえず反射的に謝る。
>「いやいやいや、そんな鬼畜な事考えてないから!
>ともかく、これ以上人がこないうちにラヴスポットを出よう。
>ヴァンエレンは、起きないようだったらマオを運んであげられる?
>クロウは魔力使いすぎで起きれないみたいだけど、クリスは起こし方知ってる?」
なんだかよく分からないが慌てている皆といないメイレンなどを見る限り、
何かが起こったということだけは分かった。僕も焦って立ち上がるがなんだか足がおぼつかない。
「う…起きたが……なんか頭が痛い上に気持ち悪い……ヴァンエレン。
悪いけど運んでくれ……できればなるべく揺らさず優しくな」
だが、外に行くのはいいとしてどうしよう。さっきやられた時の血が
凝固してこのジャージのいたるところにこびりついてしまっている。
>「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
「そ、その……僕は良く分からないが、そういう行為をするとこのぐらい血が出るものなのか?」
そう言ってジャージの血の付いている部分を伸ばす僕……
経験というものがないのではたしてその嘘でごまかし切れるのかどうか微妙なところだ。
>「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
「等身大腹話術の人形って言い張る。うん………ごめん」
自分でもおかしいことを言っているのに気がついて謝る。
ダメだ、今度は頭が痛いし気持ち悪いせいか思考力が低下している。
「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
>228
>「招き猫広場、ということは無いでしょうかな?
> 確かあの招き猫の像は、夜な夜な動く、などという噂があった筈ですが。
> ユリ殿は何かご存知ありませんかな?」
「おお!招き猫の像はありそうだね!
あの像って確か謎の物質で出来てたはずだし、もしかしてムウ大陸と関係あるのかも!
あれかな?招き猫が動いて後ろ向いたりするのがポイントかな!?」
>>「招き猫デースか?夜中に動くとは不思議な像デース。
>> それは『後ろの正面』と関係があるかもしれまセーン」
マリオがそう感想を述べた所で、ユリにミルクからの連絡が入った。
「あ。ひょっほ待っへ。ミルクはら連絡ら。
はーいもひもひ。どったの?」
ユリがミルクと会話を始めたので、マリオも周りに目を向ける余裕ができた。
そうすると、当然ロウがキョロキョロしているのにも気づくことになる。
>>「…ロウさん、どうかしまシタか?
>> 誰かお知り合いの人でもいまシタか?」
「お待たせー!ミルク達もムウ大陸探しを手伝ってくれるらしいよ!
若返りの薬を欲しがってたけど、高く売りつけられる相手を見つけたのかな?」
>>「若返りの薬とは良い物に目を付けられマーシた。
>> 伝説によると、ムウ大陸には確かに若返りの薬が存在したようデース。
>> もし見つけることができれば、世紀の大発見となるデショう」
「世紀の大発見!?スゴー!!これは特ダネ間違いなし!!」
しばらくユリと盛り上がった後、マリオはたずねたかった事を思い出した。
>>「そういえば、招き猫の像とはどんなものか聞いていませんデーシた。
>> 夜になると踊り出すとはどんな像でショウか?」
「マリオさんは来賓だから知らないよね。
招き猫の像って、左手を上げた大きな猫の像の事だよ。
ちょっと前にある事件があって、それ以降逃げ出さないように鎖でつながれてるんだ。
ちなみに左手を上げてるのは、魔法学園に千客万来の意味を込めてるんじゃないかと言われて…あれ?」
説明になっていないような説明をしているうちに、ユリはある事に気づく。
「そういえばリチャードさんも来賓なのに、どうして招き猫の噂なんか知ってるの?」
>224-225 >227 >229 >231-234
>「困っている友人を助けるのは友人として道理…だよ。」
>「それにたまたまって訳じゃないしね。」
「ケオスさーん・・・・・・」
リリアーナはじーんとしている。
>「じゃあ、今回も僕は手伝わせて貰うよ。いいよね、リリアーナ?」
「あ、ありがと〜!!」
リリアーナはケオスの手を握り、握手とばかりにぶんぶんと上下に振った。
マンダがこの場にいなくて幸いだったかもしれない。
はたから見ればかなりいいふいんき(ryなのだが、二人は仲の良い友人同士である。
大喜びで手を振っていたリリアーナだったが、何かに気づいたのかふっと真面目な顔になった。
「・・・・・・あ、でも確かケオスさん、今日はコンサートか何かに出演するんじゃなかったっけ?
今日のためにずっとメンバーの人と練習してきたの、私、知ってるわ。
だから、時間になったらちゃんとそっちに行かないとダメだからね。約束よ?」
クリスはレベッカが憑依した槍について鑑定してくれた。
>「…個人的な見解だが、こっちじゃあまり見ないタイプの槍だな。
> けどかなりの業物だと思う。
> 年記もかなりありそうだな。」
>「えっ?そうだったのか?だったら早く売って金にすりゃよかったな。」
「何言ってるの、大事なものなんでしょ?
それより折れた部分、ちゃんと治してあげられるかな?クリスさん、良かったら後で診てあげてね」
>そこにバスローブ姿のままで戻ってくるフリージア
「わ〜!!フリージアなんて格好!!皆見ちゃダメ〜!!」
リリアーナはフリージアの前に立ちはだかると、艶やか水風呂上がり姿(?)を見せないようあたふたと手を振った。
>「あらごきげんようケオスさんにクリスさんって、いつの間に?」
「いつの間に、じゃ無いわよ〜!とにかく目のやり場に困るから、ちゃんと着替えて来て!」
高貴な御嬢様の中にはわりと無頓着な人が多いのだが、もしかしたらフリージアもその類かもしれない。
リリアーナはぐいぐいとフリージアの背を押すと、バスルームの脱衣所へフリージアを押し込んだ。
まあ脱衣所でも会話は十分に出来るだろうから、着替えながらでもフリージアにとって不都合は無いだろう。
>「いや、実はね。フリージアが気絶してる間に…」
本当に氷水に浸けてるだけで気絶から回復したフリージアに、ミルクは説明を入れた。
>「若返りの薬ですって?・・・なるほど赤ん坊にまで若返らせて無力化してしまいますのね」
「え、そうなの?!」
>「いやいやいや、そんな鬼畜な事考えてないから! 」
>「それより、早くここから移動した方がいいぞ。
凄まじい魔力を感じて駆け付けてくるのがいそうだからな。」
>「ああ、ちがいねーな。ブルースみたいな奴がこの学園にもいたら面倒だ。 (略)」
「ブルースって誰だっけ?レベッカさんのお友達?」
ミルクは猫耳メイド喫茶に、ムウ大陸について調べているユリと来賓がいると話した。
「あー。そういえば私全然喫茶店のお手伝いできなかったな〜」
まあ、「エスコートの空いた時間だけで良いから」と皆からは言われていたのだが。
>「あと、人目につかないうちに着替えた方がいい。
> 血まみれの服を着てたら嫌でも目立つぞ。」
ミルクは血糊かケチャップだといって誤魔化すつもりだという。
>「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
>「そ、その……僕は良く分からないが、そういう行為をするとこのぐらい血が出るものなのか?」
「ちょ、マオマオったら何言い出すのよ〜!!」
リリアーナは真っ赤な顔でそう叫んだあと、どこからとも無く取り出した紙になにやら書き始めた。
「じゃーん!これを持って移動すれば大丈夫じゃない?」
紙には『お化け屋敷絶賛稼動中』とかかれている
「・・・・・あれ?何か問題あるのかな?」
どうやらお化け屋敷は休止中らしい。
「えー、じゃあどうしよう?やっぱり目立つかな?」
血でべっとり汚れたメイド服を見下ろし、リリアーナは困ってしまった。
もしクリスが良いアイディアをくれたなら、きっと彼女は喜んで乗っかるに違いない。
>「あ、そうだリー。俺のスペルカードを持って行け。
> たぶんこの状態でもスペルカードは使えるから、何かの役に立つだろうよ。」
「うん、分かった。でも、この煙草も私が持っていくわ。
吸えなくても手元にあると落ち着くって、前にヘビースモーカーの先生がそう言ってたんだ〜」
リリアーナは、自分のポケットにスペルカードと煙草を入れた。
>「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
>「等身大腹話術の人形って言い張る。うん………ごめん」
>「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
リリアーナの目がきらーんと光った。
「それだわ!マオマオったら冴えてる〜!!・・・あ、ご、ごめん」
思わず大声を出してしまったリリアーナは、小声でごにょごにょ謝った。
「フリージア、せっかく棺桶作ってもらったのに悪いんだけど・・・・・・・。
フリージングドールを一体作るだけの魔力は戻ってるかな?」
どうやらリリアーナは、フリージングドールの中にレベッカの身体を隠そうと考えているようだ。
「クロウさんはどうしようか?相当無茶させたから起こすのもちょっと可哀想だし。
死体さえ無ければ、クロウさんがここに寝てても大丈夫だよね?」
ここは血糊で汚れてないし、ラヴスポットの入り方を知っている来賓ではそうそういないだろう。
「何ならドアノブにこれ貼っておこうか?」
リリアーナは「絶賛使用中。邪魔しないでください」と書いた紙をひらひらさせた。
「じゃあ、そろそろ行こっか。
ところで今更だけど、メイレン様達にはレオ先生がついてるのよね?
ほら、血まみれの服をきたメイリンを来賓リボンつけてない二人が追いかけてるのって色々不味いだろうし・・・・・・
あれ?ヴァンエレンったらどうかしたの?」
リリアーナは小首を傾げた。
「あ、紹介し忘れたけど、この女の子はヴァンエレンだからね〜」
のんきにヴァンエレンの紹介をしているが、事態を知れば紹介どころでは無くなるだろう。
>232
>「あたしは着替えが面倒だから、ケチャップか血糊ってことにして誤魔化すよ。
着替えるつもりの人は今のうちに着替えた方がいいかもね」
まあ、ミルクくらいの付き方だったらごまかせそうだな。
>233>234>236
>「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
>「そ、その……僕は良く分からないが、そういう行為をするとこのぐらい血が出るものなのか?」
>「ちょ、マオマオったら何言い出すのよ〜!!」
・・・入った時の声も怪しかったし、この槍の発言は基本スルーにしておくか。
そんな事をしながらリリアーナは血をごまかす方法を考えていたようだ。
>「じゃーん!これを持って移動すれば大丈夫じゃない?」
「・・・」
確かに、案としては悪くない。
けれども…
>「・・・・・あれ?何か問題あるのかな?」
「残念だが理由あって閉鎖中だ。」
中で客が魔法を使って暴れなければ営業していたんだけどな…
仮にそうだったら俺はここにいないが…
>「えー、じゃあどうしよう?やっぱり目立つかな?」
まったく、道具の中に何か使えそうなものは、と。
・・・これは使えそうだな。
ただ、人数分あるか?
>237
>「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
>「等身大腹話術の人形って言い張る。うん………ごめん」
>「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
・・・マオの調子がおかしいな。
なんだ?少し顔が赤くなってるぞ。
>「それだわ!マオマオったら冴えてる〜!!・・・あ、ご、ごめん」
・・・というかリリアーナ、その案を使う気なのか?
>「フリージア、せっかく棺桶作ってもらったのに悪いんだけど・・・・・・・。
フリージングドールを一体作るだけの魔力は戻ってるかな?」
なるほど、人形の中に入れてしまおうというわけか。
>「クロウは魔力使いすぎで起きれないみたいだけど、クリスは起こし方知ってる?」
っと、道具袋(ウェストバック)の中を探していたらミルクにクロウの起こし方を聞かれた。
「俺の知っている限りで一番有効そうなのを試したが駄目だった。」
それよりもただ単なる魔力不足なのか?
いつもは魔力不足になっても起きてた方法なんだぞ。
>「クロウさんはどうしようか?相当無茶させたから起こすのもちょっと可哀想だし。
死体さえ無ければ、クロウさんがここに寝てても大丈夫だよね?」
「…俺としてはこいつがどんな無茶をしたのか知りたいが、
起きないものはここに置いていくより仕方ない。」
第一魔力の回復速度が異常に速いんだ。
それでこれほどの魔力不足を起こす所を見てみたいよ・・・
>「何ならドアノブにこれ貼っておこうか?」
そう言ってリリアーナが手に持っていたのは「絶賛使用中。邪魔しないでください」と書かれた紙だった。
「そんなもの貼るんだったら俺がドアに細工をしておくぞ。」
他の生徒にも知られたくなさそうだし、しばらく入れなくなるのが一番だろう。
>「じゃあ、そろそろ行こっか。
ところで今更だけど、メイレン様達にはレオ先生がついてるのよね?
ほら、血まみれの服をきたメイリンを来賓リボンつけてない二人が追いかけてるのって色々不味いだろうし・・・・・・
あれ?ヴァンエレンったらどうかしたの?」
出発することを促しながらリリアーナはマオの近くにいる女性に声をかける。
>「あ、紹介し忘れたけど、この女の子はヴァンエレンだからね〜」
…マオが安心して寝てるくらいだから吸血鬼だとは思っていたが、相変わらず大変なようだ。
「外に出る前に、着替えのない奴はこれ使っとけ。」
そう言って道具袋から小型の装置を取り出す。
「幻術科に協力してもらって作ったカモフラージュ装置だ。
まだ試作段階で数も少ないが何もしないよりはマシだ。」
>234>237
>「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
>「それだわ!マオマオったら冴えてる〜!!・・・あ、ご、ごめん」
>「フリージア、せっかく棺桶作ってもらったのに悪いんだけど・・・・・・・。
フリージングドールを一体作るだけの魔力は戻ってるかな?」
「フリージング・ディストラクションは無理だけどそれぐらいなら余裕ですわ」
とフリージアさん
また気絶とかしないか心配である
(数分後)
「まあ私に掛かればこんなものですわ!」
とフリージアさん
目の前にはフリージングドールが一体出来上がっていた
レベッカの遺体を隠さなければいけないため当然中身は空洞である
「こことここを抑えてこう押すと開きますわよ」
ぱかっと真っ二つに開くフリージングドール
手の込んだギミックである
「でもちょっとリアル過ぎない?」
人形に見せかけなければいけないのにリアルに作ってどうするのだ
とばかりに突っ込むギズモであった
リテイクv
「作り直しましたわよ」
とフリージア
今度はSD体系である
SDならば誰も本物だとは思わないだろう
「やっぱりこことここを抑えてこう押すと開きますわよ」
ぱかっと真っ二つに開くフリージングドール
ギミック自体は前と同じようだ
「後は棺桶ごと詰めるだけですわね」
どんだけでかいんだよと突っ込みたくなるが
でかいのだから仕方が無い
「で・・・・・・こんなに大きいのに扉を潜る事なんか出来るの?」
疑問を持つギズモ
「おっきいメイレンさんが通れたんだから大丈夫でしょv」
と気楽に返事をするフリージアであった
>233>234
>「うにゅ……頭が痛い……」
やっと起きたマオだが頭痛と眠気によって頭がまわっていないようだ。
呆然とすることしばし、いま自分がどういう状態になったのか理解して急に起き上がった。
>「えっと……その…急に寝ちゃったりしてごめん」
「ははは。
おかまいなく」
なぜ顔を赤くしているのかいまいちわかっていないヴァンエレンがマオに笑いながら応えた。
何かの役に立てて嬉しいらしく、ご機嫌の様子だ。
>「う…起きたが……なんか頭が痛い上に気持ち悪い……ヴァンエレン。
>悪いけど運んでくれ……できればなるべく揺らさず優しくな」
「あいさー。
ご主人」
>「俺達はラブスポットにいたんだ。初めてヤったから血が出た、って言えばいいんじゃねーか?」
>「そ、その……僕は良く分からないが、そういう行為をするとこのぐらい血が出るものなのか?」
マオをおぶってできるだけ振動を起こさずにゆっくりと歩きだそう、というときに例の変態からいかがわしい提案が…。
「ぼへ〜」
その会話に耳を傾けながらも意味がわからないヴァンエレンはゴマ目猫口で疑問を浮かべた。
>237
>「あ…でも俺の体はどうするよ?こんなの持ち運んだら目立ちすぎるぜ?」
>「等身大腹話術の人形って言い張る。うん………ごめん」
>「じゃあマネキンと言い張………ごめん」
「死せるレベッカ生きる仲達をはs…。
いや、なんでもない」
なにか口走っているが途中でもごもごとした口調になって撤回した。
深入りは禁物である。
>「それだわ!マオマオったら冴えてる〜!!・・・あ、ご、ごめん」
「え?採用っすか??!」
マオ氏発案のマネキン案が採用されました。
おめでとうございます。
フリージアに頼んでフリージアドールのつくって、中に隠すという作戦。
>239
>「じゃあ、そろそろ行こっか。
>ところで今更だけど、メイレン様達にはレオ先生がついてるのよね?
>ほら、血まみれの服をきたメイリンを来賓リボンつけてない二人が追いかけてるのって色々不味いだろうし・・・・・・
>あれ?ヴァンエレンったらどうかしたの?」
「いつでも出撃できますぞ」
ヴァンエレン は はりきっている。
>「あ、紹介し忘れたけど、この女の子はヴァンエレンだからね〜」
「よろしく〜」
クリスが哀れんだ眼で見ている気がするが気のせいだと信じたい。
>「外に出る前に、着替えのない奴はこれ使っとけ。」
クリスが気を利かせて取り出しのは幻術科と合同製作のカモフラージュ装置だった。
「不思議装置だな」
と不思議生物ヴァンエレンが言っております。
>240
一作目がリアルすぎたためにボツになり二作目が作られた。
今度はSDでドラえもん状態です。
問題は大きめに作られているドールを扉を出ることができるのか?ということ。
>「おっきいメイレンさんが通れたんだから大丈夫でしょv」
「気合を入れるのじゃ。
決死の覚悟で進めば必ず道は開かれるであろう」