バイオハザードLEVEL19

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1名無しになりきれ
On the underground test site of the Imperial japanese army with Dead....

失われた栄光の
カタコンベにて、
我ら、死者たちと戯るの記


前スレ:
バイオハザードLEVEL18
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1210329267/

事件記録
バイオハザードLEVEL15(実質16)
ttp://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185199935/
バイオハザードLEVEL15
ttp://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1168761968/
バイオハザードLEVEL13(実質14)
ttp://etc5.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1155459155/
バイオハザードLEVEL13
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1148827033/
バイオハザードLEVEL12
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1140017281/
バイオハザードLEVEL11
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1134481456/
バイオハザードLEVEL10
ttp://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1127133199
バイオハザードLEVEL9
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1125492687/
バイオハザードLEVEL8
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1123596356/
バイオハザード:LEVEL7
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1115544611/
バイオハザード:LEVEL6
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1112377111/
バイオハザード:LEVEL5
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1109768811/
【聖なる死?】バイオハザード発生4【苦痛の生?】
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1106439258/
バイオハザード:LEVEL3
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1101242999/
【感染】バイオハザード:LEVEL2【拡大】
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1097602917/
【スレッド名】バイオハザードが発生したら
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1092878452/

※参加したい方は、名無し、コテハンを問わず
 避難所に向かわれる事をお勧めします

バイオハザード発生スレ 第9避難所
ttp://etc5.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1164095357/l50

バイオハザードまとめサイト分室
(舞台説明、状況、現在地など)
ttp://blog.goo.ne.jp/trpg2ch_001/

TRPG系全般のHP(過去ログ
PC:ttp://verger.sakura.ne.jp/
携帯:ttp://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
2名無しになりきれ:2008/10/13(月) 01:11:08 0
おめでとう
3名無しになりきれ:2008/10/13(月) 01:17:19 0
バイオハザード発生スレ 第10避難所
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1211023471/
4小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/10/18(土) 02:36:47 0
キリングの脈を感じ取る事は出来なかった。
紛う事なき死体のみが横たわっている。
だが、病的なまでの猜疑心が収まったわけではない。
脅威の可能性が減少しただけだ。
もっとも、脈を止める方法など幾らでもあるのだが。

>前289(的場さん)
>「心遣いどーも」
小川が笑顔で頷く。
もっとも細められた目の奥で男の正体を探っていたが。
ボルトアクション式の狙撃銃。狩猟・競技用の名目で合法的に所持できる。
本来の用途は、対人狙撃だが。
コンディションの維持こそされていないが、強靭な肉体。
兵士?違う、アスリート?
陰に隠れている少女を見てはいるが、リアクション無し。
部外者。
「親友の娘さん、ですか。」
知り合いは多いが、親友は少ないタイプに見える。
だからこそ、それとも?
この状況で冷静に振舞えるほど、場数を踏んでいる?
それとも目的の為なら、死をも恐れないタイプ?
失いう物が無い故に・・・カウンセラーの真似事は止めろ、と自身に言い聞かせる。
感情移入は楽しいが、脅威度を見失う恐れがある。
果実を踏み潰していた的場が、突如しゃがみ込む。
今度は逆に、的場が小川を見上げる格好になった。
的場の視線の先に居るのは、ルーとフォードと森村彩。
殆どフィルターだけになった煙草を吐き出すと、左手を差し出した。
「手を貸しましょうか?」
勿論、右手は、拳銃を握ったままだ。
「貴方、この村の人じゃありませんね?
 幾つか聞きたい事があります。」
腕時計に目をやり、夜明けと同時に村全体が空爆される事、
核搭載型バンカーバスターがこの地下施設に投下されるであろう事を伝える。
有谷が警告してくれたゲームのプレイヤー達であっても、
この事を知らされていない可能性がある。
「まぁ、村か脱出する必要がある訳ですな。
 もし、貴方が侵入したルートから脱出できるなら、我々は共に行動できる訳です。」
写真の少女を探し続けたいなら、別行動だと暗に匂わせる。
「まぁ、もしかしたら村人が非難している分校で保護されているかもしれませんが。」
後で少女に確認してみよう。
彼女なら、何か知っているに違いない。
「それと同行者が他にも居ます。ラテン系の義手の男、それに看護婦さん。日本刀を持った青年。」
幾ら差別的と言われても、とっさに出てくるのは看護師で無く看護婦だ。
「もう一人は、左腕が化け物になっている。」

>セルゲイさん
「この先の通路の確保をお願いします。
 私は彩ちゃんを迎えに行きますから。」
この凄惨な光景は、少女に見せたくなかった。

>森村さん>ルーとフォードさん
小川が少女と二匹が隠れる通路の角へと向かう。
「彩ちゃん。ちょっと目を瞑ってくれるかな?」
そう言って少女を抱き上げる。
少女の顔を自分の胸に押し付け、仮に目を明けたとしても周りが見えないようにする。
あまりの軽さに驚きながら、セルゲイが確保した次の角へと向かう。
キリングの死体を横目で見ながら、次の角へ。
5名無し研究員:2008/10/19(日) 23:43:55 0
>>前289-290
>「グォオオオオオオ……」
「何だこいつは?!」
血だらけの鉄パイプを片手に持った研究員が驚いた表情でブーマーを見上げている。
先ほどゾンビに追い駆けられていた研究員のようだ。
「・・・そこの君、見かけない顔だが?」
杉男に気がついた研究員が、話しかけてきた。
「新しく入荷した素体か」
研究員がしゃがみ込む。
ゾンビに食いちぎられたらしく、わき腹から出血している。
「何か聞きたい事があったら聞いてくれ。死ぬ前にお喋りをするのも悪くないだろう・・・」
6的場浩二 ◆ULhNCU1amQ :2008/10/21(火) 00:02:01 0
>4

キリングの死体は、死体のままそれ以上動くことは無かった。
小川が脈がないことを確認する。
俺は肩を落として遠い目をする。
以前の同行者として情が移ってしまったわけではない。
ましてやこれ以上の狂気を目の当たりにしたい好奇心でもない。
ただ横たえた遺体が発散する死の空気が、憐憫を呼び起こした。
死と闇のなかでは潰されそうな果実は淡い光に見えた。

「俺はサナトリウムで働いていた。一昨日送り込まれたんだよ、親友の助けとして
 今となっては、奴が何故俺を呼んだかもわからない」

殆ど焼け落ちた煙草を片手に、小川の詮索が始まる。
実際は俺は今日、ヘリでこの地に降り立った。
制限時間内に標的である小川平蔵を殺し、それを傘社に通達すれば
迎えのヘリが現れる筈。
夜明けと共に始まる焦土作戦、そしてバンカーバスターの投下。
いずれも聞き及んでいる。
多くの村人は脱出経路を探し出すまで生き延びる力はなく、
この目の前の男の奮闘に頼るしかないのだろう。
自分はその男の命を奪おうとしている最低な男だと空想するが、
そういえばそれは事実だった。少し笑う。

「驚いたな」

驚嘆のあまり愕然とした表情を浮かべ、少し考えるふりをする。
これからあなた方が行くのは地上なのか、地下深くなのか、
そう尋ねる。
一体どこに逃げるべき穴があるんだ?
有事にあっては個人的目的より功利が優先される。
たとえ俺の設定した目的が少女の捜索だったとしても、
脱出経路確保に協力することは不自然なことではなく合理的だ。
もし脱出路を見つけられる目算があるなら協力する。
もしそうでないなら携帯電話の番号を交換しあおう。
そして逃げ道を確保したら連絡して欲しい。そう伝えた。
セルゲイが銃身を構えて通路を闊歩する。
俺は彼に向かって軽く挨拶をすると、その後ろについて行く。
通路には錆びとも血痕ともつかぬ染みが至る所に四散している。
蝿がたかっているのは肉片。
彩と呼ばれる少女は小川に抱きかかえられて進む。
鼻を胸に押し付け、恐怖に塗れた現実に目を伏せて。
赤い果実は密かに鼓動を波打たせながら、小刻みに震えている。
人間の根本がそこにはあるのだ。
誰もが持っている命の塊のような。便宜的な言い方をすれば魂のような。
俺はそれを食らう。ゆっくりと手を伸ばして掴み、自らに取り込む。
それは果たして殺人だろうか?犯罪だろうか?
可愛らしいお姫様。
7杉男:2008/10/21(火) 20:25:49 0
前スレ>>290
「こ、こっちに来るな…こっちに来るな…
 ぼぼ、僕なんか食ってもおいしくないよ…
 だからな、く、来るなよおぉ…」
【拳銃を構えながら、突如現れた肥満巨人に怯えを隠せない】
【足が震えてしまい、逃げようと思っても立っているだけでで精一杯だ】
【何時ぞやのガンシューで巨大デブゾンビのボスを見たことがある】
【そいつほどデカくはないが、実際に見れば十分圧巻だ】

「ひぃっ!」
【雄たけびを聞き、いよいよ人生のゲームオーバーかと諦めかけた】
【しかし、デブゾンビは襲ってこようとはせずその場に座り込んでいる】

「こ、こいつ…、襲ってこないぞ…
 僕なんかいつでも殺せるって言いたいのかよ…」
【こちらを見下ろしながら不敵に笑う巨人を不審に思う】
【明らかにこちらを見下している態度だ】
【とにかく、襲ってこないのなら好都合である】

「よしよ〜し、そのまま動くなよ…
 僕は行くからな、追って来るんじゃないぞ〜!」
【一歩一歩ゆっくりと後ずさりしながら距離を空けていく】
【そして、ある程度距離が離れたところで背中を向けて一気に走り出す】
8名無し研究員:2008/10/21(火) 23:45:49 0
>>7
>「よしよ〜し、そのまま動くなよ…
  僕は行くからな、追って来るんじゃないぞ〜!」
そう言って走り出した杉男。
通路を走るうちに、曲がり角が見えてきた。
走り続ける杉男に、曲がり角から飛び出してきた白い人影が激突する。
ゾンビが溢れる謎の施設でも、こういう展開はありかもしれない。
「いっ・・・たぁ〜い」
眼鏡を掛けた白衣姿の研究員とぶつかったらしい。
研究員は下着がスカートから見えている事に気が付いていない・・・
が、近くに転がっていた血まみれの鉄パイプを拾い上げると大きく振りかぶった。
殺意に満ちた目で杉男を見下ろし・・・
「あんた、生きてるの?怪我は?」
鉄パイプを下ろすと、杉男の顔をジロジロと舐め廻すように観察する。
ブラウスの胸元から下着と谷間が見ているが、一向に気にしていないようだ。
と、ここでサービスタイム終了である。
続きはWebでも見られない。
「もしかして新しく入ってきた素体?!よく生きてたわねぇ・・・」
とりあえず敵意は無いらしい。
「起きられる?ってか、あれ、何?」
研究員は奥の方に居るブーマーを見て、再びへたり込んでしまった。
9杉男:2008/10/22(水) 08:43:17 0
>>8
「うわあぁぁっ!?」
【何か白い人影とぶつかり、フラリとよろめいて尻餅を突いてしまう】
【半分錯乱していたため、情けなく盛大に驚いている】
【何かしらマシュマロのような柔らかいものに当たった気もするが…】

「お、女の人!?
 まま、待って!
 パンツ見え…じゃなくて生きた人間だよ!
 その鉄パイプタンマ、下ろせ下ろせ〜っ!」
【白いレースのショーツが丸見えだったが、そんなことを気にしている場合ではない】
【こちらの絶叫に驚いたのか、この白衣メガネの人は鉄パイプを振り上げている】
【こういう美人に殺されるのも悪くないかもしれないが、まだ死にたくない】
【必死に手を振りながら、生きたマトモな人間であることをアピールする】

>「あんた、生きてるの?怪我は?」
「い、生きてる人間ですってば!
 …怪我は特に無いよ」
【やっと言葉が通じたらしく、話をしてくれた】
【もちろん、正真正銘ゾンビでも何でもないマトモな人間だ】
【男の性か、これまた白いレースのブラと胸の谷間に目が行ってしまう】
【見たところかなりの巨乳で、D以上は確実にありそうだ】
【また、知的美人な印象に似合わず着用している下着は大胆である】
【普通の男なら、誰しもが不埒な妄想を思い描いてしまうような相手だ】

>「もしかして新しく入ってきた素体?!よく生きてたわねぇ・・・」
「あ、新しく入って来ただなんて…そんなよくも抜け抜けと人をモノみたいに…
 あれは北○鮮の日本人拉致よろしく誘拐と言うんだよ!」
【しれっとした受け答えに怒りを露にするが、彼女は一向に気にする様子は無い】
【ここはまともな研究施設では無いらしく、そんなことは日常茶飯事だからだろう】
【それ以上にこの女の性格として、人の話を余り聞かないのかもしれないが…】
【だがしかし、美人でセクシーなメガネの研究員さんだから許せる!】

>「起きられる?ってか、あれ、何?」
「う、うん、一応…
 アレについては僕の方が聞きたいくらいだよ…
 さっきだって襲われかけたし…」
【内部の研究員が知らないということは、その正体は普通とは異なってくる】
【ゾンビゲーム的な流れから考えて、おそらく極秘の研究個体か外部から送り込まれた奴だ】
【どちらにしろ、ヤヴァい相手であることに変わりはないはずだ】
【彼女の鉄パイプはもちろんのこと、僕の自動拳銃でも太刀打ちはできないだろう】
【こういう場合、逃げるのが当然のセオリーだ】

「何やってんだよ!
 早く立ち上がって!
 こういう時は逃げるのが一番!」
【こんな状況でへたり込まれては敵わない】
【背後から白衣メガネさんのお腹を抱えて立ち上がらせ、軽く一発小突く】
【力にはちょっと自信があるから、これくらいの女の人を持ち上げるくらいわけはない】
【心の片隅で自分の冷静さに自惚れながら、白衣メガネさんの手を引っ張って走り出す】
10ルーとフォード:2008/10/23(木) 00:05:11 0
>>4
>「彩ちゃん。ちょっと目を瞑ってくれるかな?」
そう言って少女を抱っこする小川の後ろをヒョコヒョコと歩き始めるルーとフォード。
途中で目に入ったキリングの姿に、二人が足を止めた。
どうして仲間を小川達は殺したんだろう?
そう考えると、二匹は悲しくなった。
もし隠れていなかったら、このニンゲンも一緒にチジョウへいけたかも知れないのに・・・

>>6
角を曲がった所で、新たに現れたニンゲン。
ふんふん、と興奮したような目で的場を見る。
きっと誰なのか教えてくれるに違いない。
期待に満ちた目で、セルゲイや小川を見始めた。

11巨人ブーマー ◆ULhNCU1amQ :2008/10/23(木) 19:30:38 0
杉男と激突した眼鏡の人間を、
ブーマーはグレネードランチャーの巨大な砲身を撫でながら観察する。
此処の研究員だろうか?
もっとも、研究員だろうが村人だろうが、食欲のみに従順な
彼にとっては重要なことではない。
ただその女性の纏う白衣が、視界のなかで強く印象に残った。
杉男が鼓舞するように倒れた彼女を抱き起こし、
そのまま手を引いて走り出す。
白衣は白い線となり揺らめきながら、ブーマーから距離をとっていく。
「うぬぉおおおお」
本能的な叫びをあげながら、白衣に向かって走り出す。
頭の中にあるのは、新しい清潔な玩具に対するような好奇心。
6mにも及ぶ身長にも関わらず、その動きを俊敏だ。
重心を前に傾けて、前のめりの姿勢を保持しながら杉男達を追跡する。
12名無し研究員:2008/10/23(木) 19:31:19 0
>>9
>「あ、新しく入って来ただなんて…そんなよくも抜け抜けと人をモノみたいに…
 あれは北○鮮の日本人拉致よろしく誘拐と言うんだよ!」
「どうせ借金が返せなくてここに拉致られたんでしょうが・・・
 身に覚えが無い、とは言わせないわよ?」
研究員が鼻で笑う。
「まぁ・・・気の毒だとは思うけどね。」
罪悪感は多少なりとも持ち合わせているようだ。
だが、杉男が聞けばびっくりするような事をして来たのである。
科学の発展に寄与する意味で。
「う、うん、一応…
 アレについては僕の方が聞きたいくらいだよ…
 さっきだって襲われかけたし…」
「あー、でもアレ、人為的に作られたのよね。
なんか武器持ってるし。
すっごくリラックスしてるわね・・・」
この調子では評価がキモ可愛いになるのに時間は掛からないだろう。
>「何やってんだよ!
 早く立ち上がって!
 こういう時は逃げるのが一番!」
「はぁ?ちょ・・・おうっふ!」
杉男が軽く放った一撃はいい感じに鳩尾に入ってしまった!
担がれる研究員は体を痙攣させている・・・
死にはしないだろうが、後で大変な事になると思うよ?

現在地:研究所
状況:声にならない呪詛を唱えつつ拉致られる
持ち物:血塗られた鉄パイプ、IDカード
13名無し研究員:2008/10/23(木) 19:33:15 0
修正版
>>9 >>11
>「あ、新しく入って来ただなんて…そんなよくも抜け抜けと人をモノみたいに…
 あれは北○鮮の日本人拉致よろしく誘拐と言うんだよ!」
「どうせ借金が返せなくてここに拉致られたんでしょうが・・・
 身に覚えが無い、とは言わせないわよ?」
研究員が鼻で笑う。
「まぁ・・・気の毒だとは思うけどね。」
罪悪感は多少なりとも持ち合わせているようだ。
だが、杉男が聞けばびっくりするような事をして来たのである。
科学の発展に寄与する意味で。
「う、うん、一応…
 アレについては僕の方が聞きたいくらいだよ…
 さっきだって襲われかけたし…」
「あー、でもアレ、人為的に作られたのよね。
なんか武器持ってるし。
すっごくリラックスしてるわね・・・」
この調子では評価がキモ可愛いになるのに時間は掛からないだろう。
>「何やってんだよ!
 早く立ち上がって!
 こういう時は逃げるのが一番!」
「はぁ?ちょ・・・おうっふ!」
杉男が軽く放った一撃はいい感じに鳩尾に入ってしまった!
担がれる研究員は体を痙攣させている・・・
死にはしないだろうが、後で大変な事になると思うよ?
>「うぬぉおおおお」
「・・・ちょ、後ろ」
と言うか、もう大変な事になっています。

現在地:研究所
状況:声にならない呪詛を唱えつつ拉致られる
持ち物:血塗られた鉄パイプ、IDカード
14杉男:2008/10/23(木) 22:39:49 0
>>11
「やばい…、根性入れたつもりが気絶させちゃったよ…
 しかもあのデブ追って来てるしいっ!
 ひぎゃああぁぁぁぁっ!」
【お荷物と相成った白衣の女性を抱え、半泣き状態のまま死ぬ気で走る】
【最早他のことなど何も考えられず、ただ一心不乱に逃げ続ける】
【が、あの太りきった外観に似合わずデブゾンビの動きは素早い】
【体力ばかりで運動神経の無いこの体で、人一人担いだままで逃げられるわけがない】

「はあはあ…、も、もう限界…
 このままじゃ追いつかれて…」
【走っていると、目の前に廊下に狭い通路が見える】
【人一人やっと通れるだけの幅しかない】

「ええい、イチかバチかだあぁぁっ!」
【自分の体が通るか、デブゾンビがグレランを撃ち込んでこないか心配だった】
【しかし、そんな心配をしている余裕は無い】
【意を決して飛び込み、何とかギリギリで入ることに成功した】
【ブーマーの巨体では、おそらく入り込めないだろう狭さである】

「よし、このまま奥まで逃げよう!」
【デブゾンビは持っているグレランを使ってくるかもしれないので、すぐさま奥に逃げ込む】
【角を曲がり、通路を更に奥に進む】
【辺りは真っ暗になり、担いでいた女性を下ろす】

「うぅ…、頼むから入ってこないでくれよぉ…」
【デブゾンビが諦めてくれることを祈りながら、震えている】
15森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/10/24(金) 08:54:42 0
>4 >6 >10
>「彩ちゃん。ちょっと目を瞑ってくれるかな?」 
私が無言で頷くと、鈴木さんがさっと私を抱き上げた。 
いつもならお姫様だっこだ、なんて焦るのかもしれないけど、今はそんな余裕も無い。
鈴木さんの胸は、煙草と汗と硝煙と血の匂いがした。

あたりに立ち込める異臭に、私は目を硬く閉じていっそう鈴木さんにしがみ付いた。
―――― なぜ鈴木さんが私を抱っこしてくれたのかも分かった。
さっき話し声は2人分あった。
私に見せられないということは―――― 何で立て続けにこんな事ばかり。
「ルー達にも靴が必要だね」
でも口をついて出たのは、自分の心と全く無関係なことだった。

角を曲がったところで、誰か人の気配がした。
「鈴木さん、もう大丈夫?降りていい?」
顔を上げると視界の隅にセルゲイさんの背中が見えた。
私は床に足をつけると、新しい同行者らしき人物と目があった。
物陰で隠れていたから切れ切れにしか聞こえなかったけど、友達の娘を探してるって人・・・だよね?
「こ・・・こんにちは・・・・・・森村彩です」
名前を名乗ったけど・・・・・・何だろう、この人の目が恐い。
なんか、蛇みたいな目だ。
私はさっと鈴木さんの背中に隠れた。
「私は村の住人です。だからお役に立てるかも・・・探してる子の名前を教えてくれませんか?」
16キリング ◆r4vICyDKLo :2008/10/26(日) 03:17:30 0
俺にとっちゃ何もかもがジョークだ。
不幸を伝えるニュース たくさんの悲鳴 爺さんのケツ

何もかも笑えるジョーク。

そう、自分の「死」さえもただの「冗談」だ。


俺は起き上がり大きく欠伸をした。
まだ朝は来ていないのだろう。周りには誰もいない。

現在地:通路
状況:仮死状態から蘇生
17ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/10/26(日) 07:44:03 0
小さな2匹はまるで理解したかの様に揃って鳴き声を出す。

>269
>「みーみー!みーみー!みーみー!」
>聞きようによっては、ヒーローと聞こえる口調で二匹が繰り返す。


「こりゃ驚いた。分かるってのか?そうかそうか。利口だなぁ」

>ずるり、と言う何かが滑るような音が聞こえる。
音のした方向を見ると化け物の群れが這い出していた卵管が潰れている。
それまでよりも大きな何かが這い出した様だ。

生まれたてであろうその姿を確認すると、小さな2匹の手をそっと離し背後なる様に庇う。
「バンビなら良かったんだけどなぁ。人・・・でもねぇな。なんだ?」

>その目がミヒャエルとウルタールを捉える。
>そろそろと手を伸ばし、ミヒャエルとウルタールを捕まえようとする……
「おぅおぅ。生まれたてのくせにもう飯か」

あまり丈夫そうではない、その接近してくる手を蹴り飛ばす。
「行儀が悪ぃな。それに俺様達はてめぇの餌じゃねぇんだよ。糞が」

蹴り飛ばした時の手応えに違和感を覚える。
(どうも落ち着かねぇ。さっきまでの奴等とは大分違うのは分かるが・・・)

小さな2匹を更に後ろへ押し下げ目の前の事に構える。

「何だか知らねぇけど生まれたてだろうが容赦しねぇぞ?最初に喧嘩売った相手が悪かったな」


所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 鬼子に構え臨戦態勢
18鬼子:2008/10/26(日) 19:19:11 0
>>17
>「行儀が悪ぃな。それに俺様達はてめぇの餌じゃねぇんだよ。糞が」
生まれたばかりの柔らかな手に痛みが走る。
ミヒャエルに蹴り飛ばされた手を大急ぎで引っ込める。
大き過ぎる手を引っ込めた反動で、鬼子か尻餅をつく。
再び、痛み。
そして驚くほど冷たい床。
『ギョウギガワリィ……ナ?ソレニ…オレサマタチハ…?テメェノエサジェネェンダヨ…クソガ』
野太い声を震わせるような声。
『ミーミー?』
口から零れ落ちるのは、震える岩の如き声。
寒過ぎる世界に見つけた3つの暖かそうな何か。
…これは、よくないもの。
……あたたかそうにみえるけど、とても、いたいもの。
押し寄せる苦痛と理不尽な暴力に晒された魂が静かに、急速に燃え上がる。
青白い憎悪の炎に、鬼子の全身が染まる。
>「何だか知らねぇけど生まれたてだろうが容赦しねぇぞ?最初に喧嘩売った相手が悪かったな」
どちらが先に攻撃してきたと言うのだ。
ただ、この寒い世界で温もりを求めただけだと言うのに。
共に寄り添う相手を見つけ、手を伸ばしただけだと言うのに、この仕打ちは一体何なのだ?

>小さな2匹を更に後ろへ押し下げ目の前の事に構える。
小さな2匹は辛うじて入る事が出来る小さな穴へと潜り込む。

鬼子が巨大な手を薙ぎ払う。
骨の無い巨大な手は鞭のようにしなり、空を切り裂く。
風圧で埃が舞い上がり、鬼子が咳き込む。
しゃがみ込んだミヒャエルの頭部を掠め、壁にめり込んだ巨大な手。
巨大な手形が、壁に張り付いている。
その手が大きく振り上げられる。
真上からミヒャエルを押し潰すつもりらしい。
19名無し研究員:2008/10/28(火) 21:31:07 0
>>14
>「ええい、イチかバチかだあぁぁっ!」
杉男が狭い通路に逃げ込んだ瞬間・・・
研究員の悲鳴とパイプに激突する音が交互に響く。
「え?ちょ・・・痛っ!痛い!このバカ!何やってんのよ!」
しかし、杉男は悲鳴を無視している!
流石に身長180センチオーバーとなると、担がれる方も大変である。
>「よし、このまま奥まで逃げよう!」
杉男は悲鳴をまだ無視している!
「・・・もう嫌ぁ」
と、ひょいっと地面に下ろされる。
>「うぅ…、頼むから入ってこないでくれよぉ…」
「あのデブちんは来なくても、他のが来るかもね」
研究員が白衣のポケットをゴソゴソ探ると、中からペンライトが出てきた。
「・・・ったく、痣になったらどうすんのよ?あ、責任取るなら金銭オンリーね」
ペンライトで周囲を照らすと、どうやら未だ工事中のエリアらしい。
「どーすんのよ、この先・・・」
真っ白なタイルは途中で無くなっており、土壁となっている。
「ここからは下り坂ね。作業用のエレベーター使えるかしら?」
ここから暫く先に行った所に作業用エレベーターがあるようだが・・・
「どーすんの?先行く?」
20杉男 ◆xHyMghJ5Ks :2008/10/29(水) 21:00:05 0
>「あのデブちんは来なくても、他のが来るかもね」
「縁起でもないこと言わないでよ…」
【やっとの思いで逃げ切ったのに、安心感に水を差す発言だ】
【だが、気を抜けないのもまた事実である】
【こんな大規模な施設が一瞬にして血まみれの廃墟となったのだ】
【あいつ以外にもとんでもないのが居るに違いない】

>「・・・ったく、痣になったらどうすんのよ?あ、責任取るなら金銭オンリーね」
「この非常時によくそんなこと気にする余裕があるよね…
 いくらここの研究員で場慣れしてるからって、少しは緊張感を持ってよ!
 こっちは死に掛けたんだから、マジでマジに!」
【この女、空気を読むということを知らないのか】
【日常会話でも交わすような口調で、命ではなくお肌の心配をしている】
【化け物に殺されそうになったってのに、なんて無神経な奴だ】

>「どーすんのよ、この先・・・」
>「ここからは下り坂ね。作業用のエレベーター使えるかしら?」
>「どーすんの?先行く?」
「もちろん、進むしかないだろうさ
 立ち止まってたって、さっきみたいな化け物のエサになるのを待つだけだ…
 僕はまだこんなところで死にたくない、死んでたまるかよ!」
【迷っている暇は無い、進むしかないのだ】
【最早これはゲームではなく現実であり、さっきの化け物も本物だ】
【死ねば死ぬ、当然のように死ぬ】
【ゲームオーバーは死を意味し、永遠にコンティニューも無い】
【リセットは不可能である】
【僕は白衣メガネさんの手を引きながら、作業用エレベーターへと歩を進めた】
21新官邸 危機”管理”センター:2008/10/30(木) 22:54:12 0
建物内は様々な匂いが交じり合っている。
夜食のカップ麺の匂い、饐えたコーヒーの匂い、汗の匂い。
一番鼻につくのは、恐怖の匂いだ。
クーデターを起こすのに十分な兵力が治安維持出動後、行方不明になっているのだ。
古泉総理は、傘社内の反スペンサー派のアドバイスの元、
政権奪還直後にマスコミや外交ルートを確保、自国民及び諸外国に正当性をアピールしている。
KGBを退役した後、反スペンサー派筆頭のブコウスキー部長に雇われたウラジミール・ナボコフ大佐は、
ソ連が生み出したクーデターのエッセンスを余す事無く日本政府に伝授した、という訳だ。
「スペンサービル周辺の住民の非難は完了。
 自衛隊も距離を取りつつ移動しています。」
「結局、新型核弾頭の投下は避けられないね。」
目の下に濃い隈を貼り付けた総理が力無く笑う。
「仕方が無い事です。ウィルスまで抹殺するとなると、威力限定型の中性子爆弾を使う他ありません。」
「それに、アメリカさんとしてはウィルスが諸外国に漏れる事を恐れている。違う?」
秘書官は答える事が出来なかった。
それどころか、下唇を噛むと言う子供じみた行為をしていた。
総理が喋り続ける。
「おまけに新型核弾頭の試験も出来る。保障は全てアメリカが行うなんて言っているけど、
 我々経由で周辺住民の健康状況や家電機器の損害状況を報告しろ、だよ?」
総理が言いたい事は、よく解る。
自国を核兵器の実験場にされて喜ぶ人間がどこに居ると言うのだ?
結局のところ、アメリカ政府の好意による援助などではない。
反スペンサー派にしても同じ事が言える。
「あ、総理・・・」
古泉総理が頷く。
秘書官が携帯電話を取り出し、しきりに頷く。
「現在地不明の部隊の所在が解りました。」
秘書官が素早く状況と与えられた任務を伝える。
「生物災害が発生した集落の包囲と滅菌作業が目的、だったとはね。」
完全に失念していた考えだった。
「もう一つ、問題があります。
 通常核弾頭を搭載した新型バンカーバスターを米軍が投下する、とか。」
「バンカー・・・何だって?」
「えー、ちょっと待って下さい。」
近場に居た自衛官の説明では、地下施設破壊専用の兵器という事だった。
地上には殆ど影響は無い、とも。
「即座に現地に行こう。ヘリの準備は問題無いね?」
秘書官が目を白黒させた。
「報道陣も序でに連れて行こう。絶好のパフォーマンスになる。」
今度は秘書官が力無く笑う番だった。
アメリカや傘社が生物災害を利用するように、古泉総理もこの危機を利用しようとしている。
スペンサービルに関してはアメリカに出し抜かれたが、まだ見せ場はある。
「ここで切り返しをするんだ。無許可の空爆を報道されたら、アメリカはどうすると思う?
 必死になって隠蔽しようとするだろうね。」
そこに、新たな交渉の余地が生まれる。
いや、交渉の余地を作り出すのだ。
幸い、自衛官の説明では地上には左程、影響が無いのだから。
22ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/10/31(金) 23:07:35 0
>18
>鬼子が巨大な手を薙ぎ払う。
>骨の無い巨大な手は鞭のようにしなり、空を切り裂く。
>風圧で埃が舞い上がり、鬼子が咳き込む。
>しゃがみ込んだミヒャエルの頭部を掠め、壁にめり込んだ巨大な手。

勢い良く振り回された手を寸での所で避ける。
「あっぶねーな!この糞ったれ!当たったら痛ぇだろうが!」

>巨大な手形が、壁に張り付いている。
>その手が大きく振り上げられる。

「かわいくねぇガキだなぁ。聞こえねぇのか糞!危ねぇっつーの!」
「良いか?悪い事をすりゃ怒られるんだよ。躾けてやっからかかって来いや」

オイルライターを握り構える。

「やれやれ。何でこうガキの相手ばっかなのかねぇ。もうちょっと色気があっても良いよな」

所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 鬼子に構え臨戦態勢
23キリング ◆r4vICyDKLo :2008/11/01(土) 22:38:03 0
>>16より数時間前 米国北部 

その男は、どの米国情報部よりも有数の新鋭機器に囲まれていた。
歳は50代後半ほど。巨大なモニターには日本のある地域がモニタリングされている。
ホワイトハウス高官も細部を知らない極秘任務。
それを彼は任されていた。彼の名前はブルース。もちろん仮の名前に過ぎない。

諜報員の名前は、ジャック。【定時連絡】は順調に入っている。
この任務が【成功】すればまたしても我々は日本を出し抜ける。
その確信がある。

―――――――――

ここは日本にあるひとつの村。
男は遠く遠く離れたある国へ【定時連絡】を入れた。
最初から彼はそうするべきではなかった。
いや、彼は最初からその【役割】ではなかったというべきだろう。
その【役割】を果たし【母国】に貢献するはずだったそれは既にこの男の
横で冷たい人形になっている。
「・・・いい、いい笑顔だ・・・ジャック」
ジャックと呼ばれたその人形は、口元を大きく裂かれ化粧を施されていた。
まるで大きく口を開けて笑っているかのように。


ここ数時間でこの男の物真似は出来るようになった。
この男の癖、しゃべり方、声のトーン、そして何よりもこの男の
背負う「任務」。
全てが今、自分自身の「皮」になった。
俺はその皮を被り、病気をばらまく。
ウイルス、悪意、狂気。

世界は燃える。もうすぐ、世界は燃えてなくなる。
白塗りの男はその光景を思い描きながら、ゆっくりと口を歪ませた。

現在地:通路
状況:【定時連絡】完了、引き続き収集を続ける



24名無し研究員:2008/11/02(日) 00:52:44 0
>>20
>【僕は白衣メガネさんの手を引きながら、作業用エレベーターへと歩を進めた】
突然手を握られてビクっとしたが、柔らかい手が握り返してくる。
「ヒールで歩き難いから助かるわ」
そう言って笑いかける顔は、可愛らしい。
さっきまで毒舌を言っていた人間とは思えない位である。
まるで鉱山の中のように狭苦しい通路だ。
電球は、電力が供給されていない為に只の飾りになっている。
「どっかで電源入れないと真っ暗ねー」
闇の奥からは、風に乗って水の流れる音が微かに聞こえてくる・・・
下り坂になった通路を降りていく。
・・・奥の方から懐中電灯から放たれた光がこちらに向けられる。
どうやら工事を請け負っていた作業員らしい。
「あ、生存者じゃん!どもー、ちょっと上の方で事故がありましてー
助けて貰え・・・そうに無いわね」
懐中電灯を取り付けたヘルメットを被った作業員の動きは、ゾンビそのものだ。
3人の奥に作業用エレベーターが見える。
「感覚が広いから、走れば撃たなくても先に行けるんじゃない?」

25鬼子:2008/11/04(火) 22:53:39 0
>>22
>「あっぶねーな!この糞ったれ!当たったら痛ぇだろうが!」
壁にめり込んだ手を引き抜く。
巨大過ぎてシュールな手形が壁に残る。
>「良いか?悪い事をすりゃ怒られるんだよ。躾けてやっからかかって来いや」
ミヒャエルが手にしているオイルライターは小さすぎて、鬼子には認識出来ていない。
「やれやれ。何でこうガキの相手ばっかなのかねぇ。もうちょっと色気があっても良いよな」
鬼子は聞く耳を一切持たない・・・
ゆっくりと巨大な手を振りかざし、ミヒャエルに向かって振り下ろした!
26名無しになりきれ:2008/11/07(金) 22:19:56 0
>4>10>15
曲がり角の先を確保していたセルゲイと小川たちの間に位置する扉から
ゾンビの群れが飛び出してきた!
丁度セルゲイと分断される形になってしまった。

一旦、二手に別れて行動するしかないようだ・・・
小川たちの移動できる通路の先からは、地響き(>18)が聞こえるが・・・
27小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/11/08(土) 18:14:12 0
>15
>「ルー達にも靴が必要だね」
「ええ、どこかで衣類のデッドストックがあれば作ってみましょう。」
ゲートルを足首でなく、足に直接巻いてやれば靴の代わりになるだろう。
流石に一々猫を抱えて歩く訳にはいかない。
>「鈴木さん、もう大丈夫?降りていい?」
俺は頷くと、少女を下ろす。
>「私は村の住人です。だからお役に立てるかも・・・探してる子の名前を教えてくれませんか?」

>26
的場が口を開こうとした途端、金属が拉げる音が通路に響く。
続けて飛び出すゾンビの群れ。
セルゲイは発砲しない。
当然の判断だ。
お互いに撃ち合えば、流れ弾で負傷しかねない。
「一旦、二手に別れましょう!」
セルゲイに言う必要は無いが、周囲の人間には知らせておく必要がある。
ゾンビの群れから距離を取るべく、少女の手を掴んで早足で移動する。
幸運な事に山田あすか達と合流する予定の方向だ。
もっとも人間が扉を叩くには強烈過ぎる音が、そう地響きが聞こえるのが問題だ。
(まさか完璧に化け物になっちまった・・・訳じゃない・・・よな)
自嘲気味に笑うと先を目指し、足を進めた。


28名無しになりきれ:2008/11/10(月) 00:21:16 0
こちらも最後の望みを掛けてageておく。
29ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/11/10(月) 11:46:30 0
>25
>ゆっくりと巨大な手を振りかざし、ミヒャエルに向かって振り下ろした!

振り下ろされた手の単調な軌道を読み、一気に距離をつめる。
「そんなんじゃ俺様に当たりゃしねぇーよ」

オイルライターを握った拳で脇腹に渾身の一撃を見舞う。
「大人しく寝てな!すぐ楽にしてやっからよ!」

空いた手でリードを取り出す。
「何かの時に取って置きたかったんだけどなぁ」

素早く対象の周囲を動き、相手の体の要所にリードを絡める。
「さて、どうすんだ?反省したか?今ならまだ許してやっても良いが」


「今死ぬか?後で死ぬか?」

所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 鬼子と戦闘中
30鬼子:2008/11/10(月) 22:33:16 0
>>29
>「大人しく寝てな!すぐ楽にしてやっからよ!」
ミヒャエルの放った一撃は、鬼子の皮膚にめり込み、内臓まで達する。
体の中に押し込められた貧弱な消化器官に叩き込まれる衝撃。
痛覚を司る神経のアンペア数を遥かにオーバーフローする。
スタンガンの強力な一撃を喰らったかのように、身動きが取れない。
痛みが徐々に引いていくが、それでも尚、充分過ぎる苦痛だ。
麻酔が切れて、徐々に痛みを感じるようになっていく感覚。
余りの苦痛に身動きが取れない鬼子の周りをミヒャエルがクルクルと回る。
>「さて、どうすんだ?反省したか?今ならまだ許してやっても良いが」
苦痛が怒りを超越し、戦意が完全に失われる。
>「今死ぬか?後で死ぬか?」
涙を零しながら、鬼子が後ずさる。
顔に浮かんでいるのは、完全な恐怖。
痛みへの恐れ、人間への恐れ、ミヒャエルへの恐れ。

鬼子の戦意は完全に消滅していた。
31ルーとフォード:2008/11/10(月) 22:46:51 0
>>26-27
突如飛び出してきた死霊の群れを固唾を呑んで見守るルーとフォード。
走り寄ろうとして、違和感に気が付いた。
ニンゲンじゃない。
あれは、もっと恐ろしい何かだ。
目が違うのだ。
人間を人間たらしめている理性や優しさが篭った温かい目には程遠い。
彼等の世界の中で、とても原始的な生物達に良く似ている。
其処には、狩りの興奮や歓喜のの表情が欠けている。
ただ目の前で動く何かを、捕食しようとする本能だけだ。
足が、竦む。
身動きが取れない。
何故、我々を地上へと導く存在が、このような心を持たぬ存在なのだ?
恐怖が二匹を圧倒する。
言い換えれば、今まで優しく愛してくれた両親と言う存在が
突如、ゾンビになってしまったのと同じ事なのだ。
恐怖で足を縺れさせながら、少女の方へと走り出す。
32森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/11/12(水) 11:51:18 0
>26-27 >31
的場さんが何か言おうとしたところで、扉が突然開いた。
中からたくさんのゾンビが飛び出してくる。
>「一旦、二手に別れましょう!」 
鈴木さんがそう言って、私の手を引いた。
「あの・・・気をつけて!ルーとフォード、早く、こっちよ!!」
私は足が縺れそうになりながら、そう言うのが精一杯だった。
ルー達は弾かれたようにこちらに走ってきた。

>幸運な事に山田あすか達と合流する予定の方向だ。 
>もっとも人間が扉を叩くには強烈過ぎる音が、そう地響きが聞こえるのが問題だ。 
「この先に行かないと皆に会えないんだよね?」
なんだか工事現場のボーリングみたいな音だ。
嫌な感じがするのは、この場にいる全員同じだろう。
ボーリング音に混じって混じって、誰かが怒鳴っているような声が聞こえてくる。
途切れ途切れで良く聞こえないが、若い男性のもののようだ。
「鈴木さん、人だ!誰かいる」
私は小声で鈴木さんに囁いた。
「大丈夫だよ、さっき別れた人達の誰かだよきっと」
そう言って、ルー達にもっと近くに来るように手招きする。
33小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/11/13(木) 00:10:00 0
>31−32
>「あの・・・気をつけて!ルーとフォード、早く、こっちよ!!」
少女の声に振り返ると、ルーとフォードが足を竦めていた。
まるで何かに怯えるように。
弾かれる様に二匹が走り出すと、そのまま歩調を速める。
その間にも、どんどん音が大きくなっていく。
>「鈴木さん、人だ!誰かいる」
少女の言うとおり、微かに声が聞こえる。
>「大丈夫だよ、さっき別れた人達の誰かだよきっと」
そうでなくては困る。
そして、ミヒャエルへの疑惑が大きくなる。
出会い頭に一発叩き込めば、事故で済ませられるか?
だが、俺の正体に気が付いていなければ、利用できる。
既に正体がバラされていれば、疑惑は更に深くなるだけだ。
様子を見てから行動する他あるまい。

>29−30
錆付き、埃にまみれた忘れられた扉。
この奥に一体何が有ると言うのか?
>「今死ぬか?後で死ぬか?」
くぐもっているが、声ははっきりと聞こえる。
巨大な何かが奥へと移動するような音。
一体、何なんだ?
「鈴木です!無事ですか?!」
扉を叩きながら、小川が叫んだ。

現在地:封じられた扉前
状況:ミヒャエルに呼びかける。
34ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/11/13(木) 08:13:01 0
>30
>涙を零しながら、鬼子が後ずさる。
>顔に浮かんでいるのは、完全な恐怖。

(おいおい。何だそりゃ。風体は別として本当にガキと変わらねぇってのか・・・)
怯えきった様な相手に少々戸惑う。

その困惑の間を聞き覚えのある声が遮る様に飛び込む。
>33
>「鈴木です!無事ですか?!」

眼前の目標が敵意を失った事を察し、捕縛を緩めない程度に警戒を解く。
「無・事・じゃねー!姉ちゃんは掻っ攫われるわ扉は開かねーわ!」
「大体ガキがぞろぞろ増えやがってヒーローは子守じゃねぇぞ糞ったれ!」
「がナイスタイミングだな。さすがスズキ愛してるぞー!ささっとここ開けてくれや」

鬼子に注意を戻す。
「うーん。参ったな。無抵抗じゃ殺れねぇぞ。困った」

チラリと小さな2匹を伺う様に見る。
「ガキはガキ同士。チビ共とロケットパンチのガキんちょに聞いてみっか?」
「俺様天才。名案だな」

扉の外へ再度声をかける。
「なー!スズキー!そっちにガキんちょ居るんだろ?」
「小さいの2匹とデッケーの1匹ガキが増えちまったんだが仲良く出来そうか聞いてくれや」

元の位置へ注意を戻し、真っ直ぐに見る。
「よぉ。勉強の時間だぜ。お前の行動次第で生きるか死ぬか」
「とりあえず今は生かす。分かるかなぁ。生きたけりゃ相手を生かすってこった」


「生きるってすげー事だ。覚えとけ?まぁ尤も俺様は死なねぇーけどな!」


所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 扉前で待機
35森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/11/13(木) 20:02:37 0
>33-34
扉の向こうから、若い男性の声が聞こえてくる。
発音に特徴があるので、すぐにミヒャエルさんだと分かった。
>「鈴木です!無事ですか?!」 
>「無・事・じゃねー!姉ちゃんは掻っ攫われるわ扉は開かねーわ!」 
姉ちゃんって山田さんのことだよね?誰にさらわれたんだろう。
>「大体ガキがぞろぞろ増えやがってヒーローは子守じゃねぇぞ糞ったれ!」 
>「がナイスタイミングだな。さすがスズキ愛してるぞー!ささっとここ開けてくれや」 
私は鈴木さんの顔を見上げた。
刑事物のドラマだとよく銃でドアの鍵を銃で壊してるけど・・・・・この頑丈そうな扉でも出来るのかな?

>「なー!スズキー!そっちにガキんちょ居るんだろ?」 
「いるよ!いる!!ここにいるよミヒャエルさん!!」
>「小さいの2匹とデッケーの1匹ガキが増えちまったんだが仲良く出来そうか聞いてくれや」 
私は鈴木さんとルー達をちらっと見た後、大声で叫ぶ。
「私は大丈夫だよ!でも私たち、二本足で立って歩く猫さんを連れてるの!!
 だからそっち側にいる子に、見ても驚いたり恐がったりしないでって伝えてくれないかな?」
36小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/11/15(土) 02:54:13 0
>34−35
分厚いドア越しに叫び声が響く。
>「無・事・じゃねー!姉ちゃんは掻っ攫われるわ扉は開かねーわ!」
小川の表情が一瞬固まる。
一体、誰に攫われたと言うのだ?
追跡を開始するにしても、扉が開かない事には始まらない。
その扉を開ける為の手段が、見つからないのだ。
>「私は大丈夫だよ!でも私たち、二本足で立って歩く猫さんを連れてるの!!
  だからそっち側にいる子に、見ても驚いたり恐がったりしないでって伝えてくれないかな?」
何やらボソボソと扉の向こう側で声が聞こえたかと思うと、鋼鉄製の巨大な扉が軋み始めた。
扉の周りのコンクリートに亀裂が走り始めて、何が起きているのか理解した。
「彩ちゃん!ルー、フォード!扉から離れるんだ!」
亀裂はまずます大きくなり、扉が倒れ始める。
二匹の猫の手を引き移動するが、その間にも扉は傾く一方だ。
轟音を上げ、扉が倒れる。
舞い上がる埃に咳き込みながら、目を凝らす。
巨大な影に、思わず銃口を向けそうになる。
ガキ、と言うには巨大すぎるのだ。
寧ろこれは―――
「タイラント?いや、まさか・・・違う。」
まず、シリーズの特徴である爪が無い。
その巨大な両手は、スペンサーレイン号に積み込まれていたタイプに酷似している。
傘社の一部門は、タイラント・シリーズを歩兵と共同運用する実験を行っている。
この構想は、研究員の一人がたまたま見たアフガン戦争の写真が始まりだった。
特殊部隊員が馬に乗り、山地を移動している写真。
21世紀にだと言うのに、ヘリでなく馬で移動しているのは何故なんだ?
それは、核心を突いた疑問だった。
ヘリで移動や補給を受ければ対空レーダーやローター音で位置が補足される。
そうすれば、警戒態勢が敷かれ、待ち伏せを受ける。
5,6人と言う少人数で行動する特殊部隊員にとって、大部隊と鉢合わせするのは悪夢だ。
彼等は射撃の名手だが、数には負ける。
だから彼等は1週間掛けて徒歩で敵陣を移動し、攻撃目標を発見し、爆撃機を呼ぶ。
そしてまた1週間掛けて徒歩で移動する。
結局、彼等は食料・水だけで50キロを超える荷物を背負って徒歩で移動しなければならない。
アフガンは地形が過酷故に、徒歩の代わりに馬を使っていた、と言う訳だ。
だったら、人間よりも頑強で50キロどころか100キロ、いや500キロの荷物を背負える生き物が居たら?
彼等の負担は軽くなるし、従来の重量にプラスして食料・水が増えるから活動期間が延ばせる。
こうして始まったのが、特殊部隊向けを想定したB.O.W.と歩兵の共同運用だ。
これがその一環だったら、どうする?
だが、怪物の目はそんな疑問を消し飛ばすほど、無垢な瞳をしていた。
崩れ落ちた扉の向こう側に居る子猫と同じ位、怯え、困惑しているように見えた。
俺は下唇を噛みながら、判断を下す。
ちび猫共に水筒に残ったぬるいミルクを渡し、目の前の巨人にも同じように水筒の残りを差し出す。
でも、それは多分、判断とは言えない行為なんだと思う。
半ば意地、半ば鈴木の振りをする為の作業だった。
ルーとフォードにしてやったように、ちび猫共にも同じ事をしてやる。
オーケイ、目の前の化け物相手でも同じ事をしてやるよ。
俺は胸の傷跡を掻き毟りながら、ゆっくりと後ろに下がった。
「で、あすかさんはどこに攫われたんです?」
・・・もう少し鈴木の振りを続ける必要性がある。
37鬼子:2008/11/15(土) 21:39:23 0
>>34-36
ミヒャエルから敵意が消える。
>「よぉ。勉強の時間だぜ。お前の行動次第で生きるか死ぬか」
>「とりあえず今は生かす。分かるかなぁ。生きたけりゃ相手を生かすってこった」
「イき…タけりャ?いカ…ス?」
ミヒャエルの言葉を鸚鵡返しにする事は出来るが、意味までは理解出来ない。
少なくとも、敵意さえ見せなければ、これ以上攻撃を受ける事はなさそうだ。
>「小さいの2匹とデッケーの1匹ガキが増えちまったんだが仲良く出来そうか聞いてくれや」
>「私は大丈夫だよ!でも私たち、二本足で立って歩く猫さんを連れてるの!!
  だからそっち側にいる子に、見ても驚いたり恐がったりしないでって伝えてくれないかな?」
穴蔵から抜け出してきた仔ウルタール2匹は、扉の向こう側から聞こえる声に興味を掻き立てられる。
鬼子もまた、扉の向こう側に興味を掻き立てられる。
もしかしたら、自分と同じ存在が居て、導いてくれるかもしれない。

巨大な手を扉に当て、押すだけではビクともしない。
ただ押すだけでは扉は開かない。
その事を理解した鬼子は、しゃがみ込む様に膝を曲げ、腕力のみならず脚力を使う。
太腿が膨れ上がり、血管が浮き出る。
ミシミシと音を立てて、僅かに扉が傾く。
扉を押さえているコンクリートにひびが入る。
鬼子の体から汗が流れ出す。
徐々に扉が傾き、抑え付けるコンクリートが完全に砕ける。
轟音を上げて倒れる鋼鉄製の扉に刻み込まれた、鬼子の手形。
>「タイラント?いや、まさか・・・違う。」
「たイラんと?」
再び、鸚鵡返し。
よく見れば、ミヒャエルと姿形が違う。
しかし、この小さな体に驚くべき共謀性が宿っているのだろう。
鬼子は、一歩後ずさる。

仔ウルタール2匹は、ルーとフォードの姿を見て走り出した。
自分達よりも大きい同族に助けを求めようとしている。
それぞれにしか理解出来ない鳴き声で意思の疎通を図っている。
しかし、鬼子は、誰に頼れば良いのか解らない。
この世界で完璧に孤独な存在だった。
仔ウルタールは、小川に差し出されたミルクを夢中になって飲み干している。
舌で水筒のコップに残るミルクを名残惜しそうに舌で嘗め回してる。
あれは一体、なんなのだろうか?
手を伸ばしてみたい衝動に駆られつつも、痛みの苦痛がそれをさせない。
ただ、じっと見ているだけだ。
同じように差し出されたカップに驚きながら受け取る。
自分以外に温かみがある存在に触れるのは、これが初めてだった。
小さなカップと小川を交互に見比べ、匂いを回でみる。
匂いを嗅いだ途端、自分が求める物だと本能が告げてきた。
量は少ないが、体に力が湧いてくるのが感じられた。
>「で、あすかさんはどこに攫われたんです?」
小川の視線の先に居るミヒャエルを振り返る。

ルーとフォードは、鬼子を警戒している。
小川から離れ、仔ウルタールを連れて少女の所に向かう。
新たに仲間となった2匹も少女に対して早くも懐き始めていた。
しかし、鬼子にミルクを渡した小川に対しては、不信感を抱き始めたようだった。
38ジャック ◆r4vICyDKLo :2008/11/17(月) 00:08:23 0
>>32>>33
俺の名前はジャック。俺は母国の命令でここにいる。
そうだ、俺には任務があった。
任務だ。愛国心からくる使命感、それが俺の全てだ。
ついさっき、それを俺は「誰か」から奪われたような気がする。

いや、たぶん気のせいだろう。
手鏡をかざし自分の顔を見る。
ほら、これは俺自身だ。服装も、顔も、声も。
全部、ジャック。俺自身だ。
裂けた口や、ピエロみたいな顔をしてやつなんてどこにもいない。
きっと悪い夢を見てたんだ。

俺は避難していた無力な研究員を装おいながら、目の前の人間たちに近づいていく。
「はぁ・・・に、人間・・ですよね?ぼ、僕は・・・その、ただの研究員です。
危害を加えるつもりはないです。」
そうだ、これは任務の途中なんだ。さっきまでのピエロは、きっと悪い夢だ。

状況:研究員ジャックに「変形」した。意識は埋没

39ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/11/17(月) 00:52:04 0
言葉に対して鸚鵡の様にそのまま返事が返ってくる。
>37
>「イき…タけりャ?いカ…ス?」
「生まれて間もなくちゃ、ちょっと難問かねぇ。がこれが解けなきゃ死んだようなもんだ」

扉の向こうから返答がある。

>35
>「いるよ!いる!!ここにいるよミヒャエルさん!!」
>「私は大丈夫だよ!でも私たち、二本足で立って歩く猫さんを連れてるの!!
>だからそっち側にいる子に、見ても驚いたり恐がったりしないでって伝えてくれないかな?」

扉を指差し鬼子に語りかける。
「だとよ。分かるか?てめぇが助かるただ1個の方法が目の前にあるんだぜ」

鬼子が扉へ向かい、押し開けようとする。
>徐々に扉が傾き、抑え付けるコンクリートが完全に砕ける。

「上出来上出来。大正解だぜ?やるじゃねぇか」

猫のの様な動物達は同胞に再会し意思の疎通を図る。
鈴木はそれぞれに飲料を与えている。
人の子は会って間もない小さな2匹にすぐ容れられた様だ。
「まぁ・・・一件落着か?このデケェのも見てくれは悪ぃが純心無垢そのものだぜ」

飲み物を与えつつ、冷静に鈴木が問いかけてくる。
>36
>「で、あすかさんはどこに攫われたんです?」
「ん?あぁー何ていうか語弊っつーかなんつーか。攫われたってより運ばせてた。かなぁ?」

事の顛末を鈴木に伝える。
「・・・っつー訳だ。だから最初の質問に関しては『知らねぇ』が限りなく正解に近いな」

ちらりと猫と鬼子に眼を向ける。
「そうピリピリすんなよなぁ。意外と大人しけりゃ何ともないぜ?」
「まぁ言葉通じねぇだろうから無駄かー。歯痒いなー」

焦げた肩を一撫でして腰を落ち着ける。


「チビ共!俺様が誰か言ってみろ!ちゃんと親戚だか兄弟だかに伝えとけよ!」
「特にそっちの生意気そうな方な!」

所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:旧日本軍駐屯地跡 封印された扉前
状況: 小川達と合流
40森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/11/18(火) 22:46:07 0
>36−37 >39
>轟音を上げ、扉が倒れる。 
>「タイラント?いや、まさか・・・違う。」 
「タイラント・・・・・・って何?」
>「たイラんと?」 
この巨人みたいな生き物が他にもどこかにいるのかな?
思わず問いただしてみたものの、巨人とかぶってしまった。

すっかり巨人に気を取られていたら、土埃の中から小さな影が2体飛び出してきた。
「きゃっ?」
反射的に身を竦めたものの、その影は私ではなくルー達に飛びついていた。
影の正体はルー達よりも小柄な子猫だったのだ。
猫さん同士話してるけど、私には猫語はさっぱりだ。

鈴木さんは子猫達にミルクを飲ませた。そして、あの巨人にも同じように。
「鈴木さんって、子供でも二本足の猫でも巨人でも同じように接する事が出来るんだね」
まるで鈴木さんの中に鉄のマニュアルでもあるみたいだ――――そう思ったけど、言わなかった。
代わりに口にしたのは「すごいね」だけだった。

>「まぁ・・・一件落着か?このデケェのも見てくれは悪ぃが純心無垢そのものだぜ」 
「でも、どうやってルー達・・・・・いや、猫さん達に分からせたらいいのかな?
 この様子から察すると、過去に猫さん達と巨人の間に何かあったのかもしれないし・・・」
ルー達は、鈴木さんが巨人にミルクをあげたことにショックを隠せない様子だ。

私達は今までの地下施設での歴史を知らない。
だからもしかしたら、猫さんたちとあの巨人は敵対関係にあったのかもしれない。
猫さん達は巨人にミルクをあげた鈴木さんまでも警戒してしまっている。
何とかしないと、とは思うけれど、どうすればいいんだろう?

>「で、あすかさんはどこに攫われたんです?」 
>「ん?あぁー何ていうか語弊っつーかなんつーか。攫われたってより運ばせてた。かなぁ?」 
>事の顛末を鈴木に伝える。 
>「・・・っつー訳だ。だから最初の質問に関しては『知らねぇ』が限りなく正解に近いな」 
私は鈴木さんになんと声を掛ければ良いのか分からなかった。

ちらりと猫と鬼子に眼を向ける。 
>「そうピリピリすんなよなぁ。意外と大人しけりゃ何ともないぜ?」 
>「まぁ言葉通じねぇだろうから無駄かー。歯痒いなー」 

「ルー、フォード。猫さん達」
私は猫さん達の名前を呼んだ後、「ともだち」と言って、一人づつ指差し握手をした。
「鈴木さん、ミヒャエルさん、ちょっとだけ手を出して」
そう言って、今度は鈴木さんと握手して「ともだち」と言って見せた。ミヒャエルさんとも同じ事をした。
そして、最後に巨人を指差して「ともだち」と言った。
さすがに巨人相手に握手は出来ないけど・・・・・・何とか鈴木さんへの不信感は拭い去りたい。
今は皆で協力しないとこの先とてもやっていけないよ。

「山田さんを助けに行くんだよね?・・・・・・・今何時ごろなのかな?」
明け方に爆撃されるって話だったけど、ずっと地下にいたから時間の感覚は無い。
「飯田のおじいちゃん、無事に分校へたどり着けたのかな?」
41小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/11/19(水) 20:34:43 0
>37-40
>「タイラント・・・・・・って何?」
>「たイラんと?」
「傘社が開発していた生物兵器の一種です。幾つかのバージョンが存在します。」
小川が囀るように呟く。
>「鈴木さんって、子供でも二本足の猫でも巨人でも同じように接する事が出来るんだね」
それは違う。
正確に言えば、どう接して良いのか解らないのだ。
人間であれ、化け物であれ、猫であれ。
>「でも、どうやってルー達・・・・・いや、猫さん達に分からせたらいいのかな?
  この様子から察すると、過去に猫さん達と巨人の間に何かあったのかもしれないし・・・」
小川が感心したように頷く。
そして、同時に猫達の視線に気が付く。
知性が、いや感情を持っているなら、当然の事だ。
ルワンダの大虐殺に匹敵するような凄惨な生存競争があっても、驚きはしない。
憎しみや無知が始まりの虐殺ではない分、それは遥かに性質が悪い。
人間が食物連鎖の頂点に立っていなければ、捕食者を恐れ、憎むだろう。
>「ルー、フォード。猫さん達」
少女に言われるままにミヒャエルの手を握る。
銃を突きつけ、彼女がどこに言ったのかを聞き出したい衝動のままに動かず正解だった。
>「山田さんを助けに行くんだよね?・・・・・・・今何時ごろなのかな?」
少女の言葉が無意識であっても、小川の抱えるジレンマの核心を突いていた。
「2,3時間でしょうね。冬場でよかった。
 脅威らしい脅威は排除されています。飯田さんなら無事に辿り着いたかと。
 彼の指揮で武装した生存者が複数居れば、ここまで突破する事も可能です。」

>「・・・っつー訳だ。だから最初の質問に関しては『知らねぇ』が限りなく正解に近いな」
本当に正解なのだろうか?
膝を撃つなりした方がよかったのかも知れない。
爪の下に捻じ込める針があれば最高なのだが。
>「そうピリピリすんなよなぁ。意外と大人しけりゃ何ともないぜ?」
苛立ちを感じずには居られない。
>「まぁ言葉通じねぇだろうから無駄かー。歯痒いなー」
「失礼ですが、貴方はどこまで機械なのですかね?」
胸に付いた歯形を顎で示しながら、小川が尋ねる。
今すぐにでも彼女が消えた方向に駆け出したい。
冷静に考える時間が欲しい。
しかし、こうして話している間にも、山田あすかの生存率は下がっている。
「気に障ったら謝罪します。勿論、物理的な意味で、ですが。」
こうやって喋っているのは、決断を下せない事に対する時間稼ぎだ。
ミヒャエルの返事の前に、声が飛び込んでくる。
>「はぁ・・・に、人間・・ですよね?ぼ、僕は・・・その、ただの研究員です。
  危害を加えるつもりはないです。」
小川が深呼吸をする。
そして口を開く。
「生存者ですか?お名前とここで何をしているかお聞きしたい。
 それと、看護婦さんを見ていませんかね?」
煙草に火を点ける。
「失礼、私は鈴木准尉です。陸上自衛隊に所属していましてね。」
思わず苦笑する。
助けを求めてやって来た人間に煙草を吸いながら尋問じみた事をするとは!
42ルーとフォード:2008/11/20(木) 22:00:49 0
>>38-41
>「チビ共!俺様が誰か言ってみろ!ちゃんと親戚だか兄弟だかに伝えとけよ!」
>「特にそっちの生意気そうな方な!」
言われるまでも無く、二匹の仔ウルタールは今までに見た事を包み隠さずに伝えていた。
ルーとフォードは、ミヒャエルの対して驚嘆の視線を向けていた。
もしかしたら一種の擬態なのではないかと思い始めてすら居た。

>私達は今までの地下施設での歴史を知らない。
>だからもしかしたら、猫さんたちとあの巨人は敵対関係にあったのかもしれない。
ウルタール達は巨人と敵対関係にあった事は一度も無い。
鬼子を見るのもこれが初めてだ。
しかし、一族以外は皆敵という環境で身に付いた警戒心は、中々緩まない。
森村彩を神と認識した事によって、ニンゲン達に対する警戒心は無くなったが、
先ほど見たゾンビの群れによって、疑問を抱きつつあるのだ。
>「ルー、フォード。猫さん達」
一人一人握手している神様を見守る猫達。
>「ともだち」
指を指された鬼子をじっと見る。
鬼子は、猫達から目を逸らし、じっと座り込んでいる。
自分が異物である事を理解しているかのように。

>「はぁ・・・に、人間・・ですよね?ぼ、僕は・・・その、ただの研究員です。
 危害を加えるつもりはないです。」
新たに現れた人間に鬼子は驚きを隠せない。
同族が居る事がうらやましくて仕方が無い。
何故、自分は孤独なのだろうか?
フランケンシュタイン博士が生み出した怪物のような存在だった。
世界にたった一人。
でも、一人だけ同じように接してくれる存在が居る。
じっと小川を見る鬼子は、時折、伏目がちにミヒャエルを見る。
罰は与えられたが、優しさをかけて貰っていない。
ウルタール達がそっと近寄り、鬼子を観察する。
手を伸ばしたい衝動に駆られながらも、じっとウルタールを見ている。
43ジャック ◆r4vICyDKLo :2008/11/21(金) 01:56:47 0
>>41
複数の生存者。どうやら私は脱出へ向け快調な方向へ走り出したようだ。
彼らがここから抜け出す方法を知っていれば、私も「母国」に素晴らしいプレゼントを
送り届けることが出来る。

>「生存者ですか?お名前とここで何をしているかお聞きしたい。
 それと、看護婦さんを見ていませんかね?」

表情に、敵意はない。こちらとしても任務として生存者に危害を加えるつもりなどない。
タバコに火を付けている。私としては禁煙家なのであまり好ましくはないが・・・
「私はジャックといいます。看護婦ですか?
申し訳ないですが見掛けてないですね・・・
私はここの、調査員として来日したのですが
どうやら最悪のタイミングで来てしまったようです・・・ここまで何とか生き延びてきましたが。
何とかして母国へ帰りたい。それが今の私の願いです。」

さっきから自分の頭で変な声がする。
何かはまだ小さくてわからない。
誰なんだ、お前は。いや、俺はだれな

>>42
視線を感じる。
誰だ?

「感じるだろ?」

誰の声だ?いや、この声は。
私の声だ。私自身の。
そんなはずはない。きっと、この状況で気がおかしくなってしまいかけているんだ。
落ち着こう。きっと、任務を終えれば落ち着いた生活が待っている。

(化け物なんてそこらじゅうにいるさ。お前1人が化け物じゃない)

誰に言っている?自分でもわからない。
もう1人の私の声が、何者かへ語りかけた。
44グレン:2008/11/23(日) 14:54:48 0
>>39-42
「よーう、探したぜ!スプートニク!」
山田あすかが消えていった通路から、ライフルの銃声を思わせる声が聞こえる。
岩を砕く音を連想させる声。
その声にはどことなくユーモラスな調子が漂う。
「あんたが探しているのは、白衣に身を包んだ看護師?それとも・・・」
通路の闇よりも遥かに濃い黒のシェルエット。
「それとも、血塗られた白衣の看護師かい?」
三影部隊の生き残り・・・グレンである。
日焼けした厳つい顔に、2メートルを超える長身と打撃系格闘家のような体格。
全身を黒い戦闘服に身を包み、1メートル超のグレネードランチャーを抱えている。
「三影の奴は見事に引っ掛かったらしいなぁ。ま、みーんな三影だよ、俺以外は。」
肩に担いだ山田あすかをゆっくりと下ろし、皆の顔を見る。
明らかに空気を読んでいない。
それを実感して楽しんでいる。
「どうした皆、特殊部隊員が看護師担いで現れたって顔してるぜ?」
その手にはデザートイーグルが握られていた。
「おうおう、可愛い猫ちゃんにお嬢ちゃんも一緒か。ミヒャエルの野郎も居るなぁ。
ははっ、デカいお人形も一緒だ。さっすがスプートニクだよなぁ?
まーた人様を騙すお仕事しているのかい?」
デザートイーグルを山田あすかに向けたまま、小川の肩に手を廻す。
「お、そうだな。本名で呼んだ方がいいか?
・・・安心しろよ、俺は喧嘩を売りにきた訳じゃない。
ちょっと偵察を頼まれただけさ。ま、このまま分校に戻るから、安心してくれよ。」
不安の種を撒き散らしたまま、グレンが大笑いする。
「うん、分校に居る連中へ伝言があったら、伝えるぜ?
でも、俺が戻らなきゃ・・・一体、どうなっちまうんだろな?」
戻らなければ、避難民が抹殺されるかのような口調だった。
「無けりゃ、俺は戻るぜ。あばよ。」

状況:山田あすかを連れ、皆の前に現れる。
    このまま分校に戻るようだ。
45村田長男 ◆/JlYUVgM56 :2008/11/26(水) 01:11:07 0
>アオヤマ博士
>「その生存者の中に・・・身長が170センチ位の男は居たかな?
  今の君なら解るんじゃないかな?無害に見えるが獣を内側に飼っているような男だよ。」
「そんな男も居たような気がしないでもないな
 だが、あの時の私は地下を独占することで頭がいっぱいだったんだ
 はっきりとは覚えていないが…
 ただ、戦闘時に雰囲気がガラリと変わったのは印象に残っているよ
 あれが隠れたケモノとでも言うべきなのかね?」
Judasはニヤリと笑っただけだった。
ま、笑ったと言うより牙を剥き出しにしただけだったがな。
地獄の悪魔のケツだって霜焼けになっちまいそうな笑顔と来たもんだ。

>「掃除完了、思ったより楽しめたよ」
アオヤマ博士が冷たい表情のまんまデッドロブスターを踏み砕く。
考えてみりゃ、こいつ等、冷血動物の匂いがプンプンしおる。
>「村田さん、早くも一発使ってしまったのか
 一応君にとっては切り札なのだから、もう少し大事に使った方がいい
 あの程度の相手、パンチの一発で以て片付けられないのかね?」
「トカゲの脳ミソで作った薬品を信用出来ると思っとるのか?」
ワシは嫌味を受け流しながら、馬鹿にするような目で見てやった。
のも束の間。
思わず大笑いしちまった。
大したもんだったからな、薬品の効力は。

ま、このトカゲ博士の考えは解る。
が、ワシにも仁義ってモンはある。
トカゲ博士に使う理由は今の所無い。
こいつが裏切らん限り、使う事もないじゃろうて。
「よし、さっさと行くぞ!」
ワシはそのまま下水処理場を抜けて、洞窟じみた通路に入り込んだ。

状況:移動開始。
現在地:謎の下水処理場を抜けて、工事中と思われる地下通路へ移動。
持物:Mk.46マシンガン(157)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(0)、カプセル弾X3
46アオヤマ博士 ◆sqPDROcHTM :2008/11/26(水) 22:50:44 0
>>45 村田
>Judasはニヤリと笑っただけだった。
「当たっているとでも言うべき反応だな
Judas君ほどの者が興味を示すのだ
正気である間に今一度会ってみたいものだよ」

その時は大して気にも留めなかったが、改めて興味が沸く
科学者としての興味であり、化け物の本能ではない
その点で言えば、私などまだ「普通」なのだろう

>「トカゲの脳ミソで作った薬品を信用出来ると思っとるのか?」
「ははは、それも正論だな
…もっとも、私は頭脳に関して言えば、今でも人間のつもりだがね
効果は開発者・科学者としての私が保証しよう」

まあ、別にいつ撃ってくれても構わない
デッドロブスターを瞬殺したように、私の肉体に対しても効果は抜群なのだから
私は現在、二種類の薬品を所持している
何れも私が開発し、Tウイルスに対応させた薬品なのだ
一つは、私が定期的に服用しているTウイルスの活動を沈静化させる「α」
もう一つは、村田爺さんに渡したTウイルスを活発化…というより暴走させる「β」

どちらもゾンビやB.O.W.には、それなりの効果がある
前者はその動きを大幅に鈍らせ、量を増やせば衰弱死させることができる
後者はその肉体組織を暴走したTウイルスが急激に破壊し、溶けたように消滅させることができる
そして、それらは私の体内に巣食うハンターTウイルスにも効果はある
「α」によって私は正気を保ち、肉体の進化を抑制している
が、一度「β」が打ち込まれれば…説明するまでもないだろう

>「よし、さっさと行くぞ!」
「ああ、了解した
これからが本当に楽しみなのだよ、お二方
くれぐれも全方向に注意してくれたまえ」

そう言うと、村田の爺さんとJudas君の後ろに続いた
47名無しになりきれ:2008/11/28(金) 18:25:47 0
ゾンビゾンビ
48名無しになりきれ:2008/11/30(日) 14:35:33 0
>>45-46
工事中らしき通路の先には、簡単な作りのエレベーターがある。
どうやら此処から下へ向えそうだが・・・

エレベーターシャフトの暗い穴から、得体の知れない悲鳴が聞こえてくる・・・
49小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/12/01(月) 00:16:44 0
>43
>「私はジャックといいます。看護婦ですか?
  申し訳ないですが見掛けてないですね・・・
  私はここの、調査員として来日したのですが
  どうやら最悪のタイミングで来てしまったようです・・・ここまで何とか生き延びてきましたが。
  何とかして母国へ帰りたい。それが今の私の願いです。」
「解りました、お互いに協力できるでしょう。」
目の前の白衣の男は、先ほどピエロ野朗よりも脅威度は低そうに見える。
勿論、信用するには時間が必要だ。
物事が見た目通りとは限らないし、時には見た目通りの事もある。

>44
>「よーう、探したぜ!スプートニク!」
小川は怪訝な表情で声のする方向を振り返る。
コードネームを言われて焦って振り向くような真似はしない。
割れるような声に、聞き覚えは無い。
>「あんたが探しているのは、白衣に身を包んだ看護師?それとも・・・」
暗闇から姿を現した人間には、見覚えがあった。
いや、身を包む戦闘服には、という方が正しい。
勿論、その制服にも。
>「それとも、血塗られた白衣の看護師かい?」
「・・・失礼、貴方は分校の?」
まだ正体は完璧に割れちゃいない。
スプートニクは偽装プログラム上のコードネームに過ぎない。
>「三影の奴は見事に引っ掛かったらしいなぁ。ま、みーんな三影だよ、俺以外は。」
だが、ブラフに気が付いているようだ。
あの場に居なかった少女の反応が気になるところだが。
>「どうした皆、特殊部隊員が看護師担いで現れたって顔してるぜ?」
下らないジョーク。
手に握っているデザートイーグルは、もっと笑えない。
>「お、そうだな。本名で呼んだ方がいいか?
  ・・・安心しろよ、俺は喧嘩を売りにきた訳じゃない。
  ちょっと偵察を頼まれただけさ。ま、このまま分校に戻るから、安心してくれよ。」
恐らく、これもブラフ。
スプートニクのデータベース上に本名の記載は無い。
>「うん、分校に居る連中へ伝言があったら、伝えるぜ?
  でも、俺が戻らなきゃ・・・一体、どうなっちまうんだろな?」
俺は口を噤んだまま、グレンの背中を見た。
>「無けりゃ、俺は戻るぜ。あばよ。」
自分に出来る事は、他に無いのだから。
今すぐ山田あすかの容態を確認したい衝動を抑え付け、
男の姿が闇に消えるのを見守った。
50ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/12/01(月) 09:41:06 0
>40
>「鈴木さん、ミヒャエルさん、ちょっとだけ手を出して」
言われるまま手を差し出す。
「あん?何しようってんだ?っておいおい!」

猫達に教えようとする少女が1人ずつ同じ事をして回る。
>「ともだち」
「ぬぁー!チゲー!俺様はヒーローだっつーの!」

>41
>「失礼ですが、貴方はどこまで機械なのですかね?」
>「気に障ったら謝罪します。勿論、物理的な意味で、ですが。」
「うーん。どこまでなんだろうな。俺自身――――

返答をする前に声が割って入る。聞いた事の無い声だ。
>38>43
>「はぁ・・・に、人間・・ですよね?ぼ、僕は・・・その、ただの研究員です。危害を加えるつもりはないです。」
(気にいらねぇ。漠然とだが俺様の勘がそう言ってる)
時々鬼子と猫達の様子見ながら、黙って鈴木と名乗る男とのやり取りを見守る。

(臭ぇ。獣の臭いがまた増えやがったな。来る・・・か?)
更に現れた人影。野生的な勘ですぐに敵と判断する。
>44
>「よーう、探したぜ!スプートニク!」
(ん?この服どっかで見たなぁ。えーと・・・外か。面倒そうな奴だな)
(・・・!スプートニクって言ったか?傘と関連ありって訳か)
>まーた人様を騙すお仕事しているのかい?」
>「お、そうだな。本名で呼んだ方がいいか? >・・・安心しろよ、俺は喧嘩を売りにきた訳じゃない。
>ちょっと偵察を頼まれただけさ。ま、このまま分校に戻るから、安心してくれよ。」

(糞。面倒な事になっちまった。スズキの存在がばれるとなれば傘が刺激されっちまうじゃねぇか)
(煽ってこの場で始末つけるか?)
「誰だてめぇは。俺様の名前を気安く呼んでんじゃねぇ」

チラリとスズキの様子を見る。
>「うん、分校に居る連中へ伝言があったら、伝えるぜ?
>でも、俺が戻らなきゃ・・・一体、どうなっちまうんだろな?」
(ふーん。分校とやらに人質でもいんのか?こいつがやる気じゃねぇなら止めて置くか)
「あぁ、とっとと失せな!胸糞悪ぃんだよてめぇの面はよぉ!」
(DBに本名なんか載っちゃいねぇ。が、その存在が広まるのはこの状況じゃ芳しくねぇ)
(承知の上か?考えが読めねぇ男だなぁ全く。まぁそうじゃなきゃ傘を撒くなんて芸当は無理か)

兵士の背中を見守りながら育った土地の言葉でポツリと呟く。
「お前が出来ないのなら俺が殺る。お前を逃がすのが俺の生き残る手段でもある。協力しろ」
「お前が誰でも俺には関係無い。敵意を見せない限り俺は裏切らない。誓おう」
(こいつなら解るはずだ。俺の知ってる情報通りなら)

取り繕うように額に手をあてる。
「あ、いけね。頭にきちまうとついついお国言葉が出ちまう。癖だなぁー」

この場での危険は無いと判断し、スズキに任せる形で子供達の方へ向き直る。
「おい、でっかいの。ガキんちょが友達だってよ。やるじゃねぇか。いきなり1,2,・・・5人?匹?もだとよ」
「それにしても俺様とスズキが友達だってよー!なぁ!スズキー!トモダチー!」

先程の事など無かったかのようにカラカラと笑い声を上げる。
「イーッヒッヒッヒッヒ!トモダチー!」

「トモダチー!トモダチー!」

所持品:以下>39
51グレン:2008/12/02(火) 19:24:26 0
>>50
>「お前が出来ないのなら俺が殺る。お前を逃がすのが俺の生き残る手段でもある。協力しろ」
「何を殺せと言うのだ?
お前たちが上官を排除してくれた事には感謝している。
私は、偵察に来ただけだ。」
ミヒャエルの呟きに、同じ言語でグレンが答える。
日本語の時と違い、真面目そのものの口調である。
>「お前が誰でも俺には関係無い。敵意を見せない限り俺は裏切らない。誓おう」
「私は、ある任務の為にここに来た。
その女は行き掛けの駄賃し過ぎない。
興味深くはあるが、私の任務の範囲外だ。
分校は、私が責任を持って保護する。
残念ながら、私に出来る協力はその程度だ。」
グレンが振り返り、ミヒャエルを見る。
「私は、私の目に誓おう。」
それだけ答えると、グレンは闇の中に消え去った。
52村田長男 ◆/JlYUVgM56 :2008/12/02(火) 21:32:24 0
>>46
>「ははは、それも正論だな
  …もっとも、私は頭脳に関して言えば、今でも人間のつもりだがね
  効果は開発者・科学者としての私が保証しよう」
「ま、人間見た目が9割ってな。ワシも年寄り扱いされたしのう。」
ま、見た目と言ってもこんな環境じゃ左程重要じゃないかもしれん。
一遍、こっち側に落ちちまえば特にそうだ。

>>48
柵で出来たボックスと、剥き身になっとるワイヤーと巻き上げ機は、
お客向けじゃなく、作業用そのものって感じじゃな。
こういうのを見ると、妙に薄ら寒い気持ちになっちまう。
地の底まで続いてそうなシャフトから、不気味な声が聞こえとんじゃから、
当然と言えば、当然なのかもしれん。
「ま、先に進むしかなかろうて・・・」
ワシは適当にボタンを操作すると、中に入った。
53森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/12/04(木) 00:11:10 0
>38 >43-44 >50
鈴木さんは私の意図を汲んでくれて、思った以上に協力してくれた。
そしてミヒャエルさんといえば・・・・・・。
>「ぬぁー!チゲー!俺様はヒーローだっつーの!」
だから私は慌てて付け加えた。
「ヒーロー。ヒーロー!ともだち!ともだち!」

私が飯田のおじいちゃんのことを口にすると、鈴木さんはこう答えた。
>「2,3時間でしょうね。冬場でよかった。
> 脅威らしい脅威は排除されています。飯田さんなら無事に辿り着いたかと。
> 彼の指揮で武装した生存者が複数居れば、ここまで突破する事も可能です。」
「そっか・・・・・そうだよね」

>43
ジャックという人は調査員で、たまたまここに来ただけらしい。
なんだか私だけ場違いな場所に来てしまった感じだ。
「よろしく、ジャックさん」
・・・・・・ううん、もともとこういうのは映画かドラマの中でしか起こらない事だよね。
なんで私、こんな事に巻き込まれちゃってるんだろう。

>「よーう、探したぜ!スプートニク!」
突然陽気な声が上がり、鈴木さんは変な顔をして声のする方向を振り返る。
見ると、大柄の男の人が白衣に身を包んだ女の人を担いでいた。
「山田さん?!」
私の叫びが聞こえていないのか、担がれた女の人はぴくりともしない。
大柄の男の人はよく分からない話を鈴木さんと交わした。
「ちょっと待っておじさん、分校にいる仲間ってどういうこと?分校にいる村の人達はどうなったの?!」
私の質問に、大柄の男の人は答えなかった。
代わりに、ミヒャエルさんと異国の言葉で話していた。
私は何を言っているのかわからなかったけれど、楽しい話じゃなかったみたいだ。

>「あ、いけね。頭にきちまうとついついお国言葉が出ちまう。癖だなぁー」
ミヒャエルさんが雰囲気を変えるように、陽気に額に手をあててみせた。
私もがんばって笑おうと思ったけど、上手くいかなかった。
「鈴木さん、三影って誰のこと?あの人とは知り合いなの?何か知ってるなら教えてよ」

>「おい、でっかいの。ガキんちょが友達だってよ。やるじゃねぇか。いきなり1,2,・・・5人?匹?もだとよ」
>「それにしても俺様とスズキが友達だってよー!なぁ!スズキー!トモダチー!」
先程の事など無かったかのようにカラカラと笑い声を上げる。
私はルー達がこっちを見ているのに気づいた。
私ははっとした。もし私が暗い顔をしていたら、彼らも動揺するに違いない。
>「イーッヒッヒッヒッヒ!トモダチー!」
「ミヒャエルさん違うよ、ヒーローでしょう?ヒーロー!!」
私はまだ笑えなかったけど、とりあえず訂正してみた。

私はミヒャエルさんの笑いが収まったのを見計らって、大人達に尋ねてみた。
「ところで、さっきの人が消えた方向に向かえば外に出られるんだよね?・・・・・・きっと」
山田さんを担いでいた人は、すぐにでも分校へ行けるような口ぶりだった。
だとしたら、きっと脱出口はごく近くにあるんじゃないかと思うんだけど。
54小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/12/08(月) 19:30:58 0
>50−51>53
ミヒャエルとグレンと名乗る男が交わしているのは、響きからしてアラビア語だろう。
内容までは解らない。
全世界で5億人が話すアラビア語の訛りは、日本語に変換すれば戦前の訛りのあるレベルに匹敵する。
地域別の独特の言い回しが多い上に、発音自体が違う。
つまり、意思疎通が可能な――可能だとすれば――ミヒャエルとグレンは同じ地域で育ったか、
同じ部隊で言語教育を受けた可能性が高い。
>「おい、でっかいの。ガキんちょが友達だってよ。やるじゃねぇか。いきなり1,2,・・・5人?匹?もだとよ」
>「それにしても俺様とスズキが友達だってよー!なぁ!スズキー!トモダチー!」
>「ミヒャエルさん違うよ、ヒーローでしょう?ヒーロー!!」
ミヒャエルの切り替えの早さには驚かされる。

>「鈴木さん、三影って誰のこと?あの人とは知り合いなの?何か知ってるなら教えてよ」
倒れこんでいる山田あすかに近づきながら、答える。
「彩ちゃんが貯水池に行っている間に、分校に傘社の兵士がやって来たんです。
 敵ではないと納得させて、分校の警備をさせています。」
横になった山田あすかを抱きかかえようとして、動きが一瞬だけ止まる。
血塗れの彼女は、小川が嘗て殺した女を連想させる。
震える手で抱き起こし、体調や外傷の有無を確認する。
此処からが問題だった。
たかが一介の自衛官に、何故傘社の兵士を説得する事が出来た?
よく考えろ。
だが、機密はバラすな。
深呼吸をしろ、でも山田あすかの匂いを嗅いでいると勘違いされるなよ?
「ま、言い換えれば交換条件ですな。彼等は包囲を掻い潜り、潜入しました。
 しかし、誤算があった。脱出手段であるヘリが破壊され、村に取り残された。
 村人を保護する代わりに、共同戦線を張る形になったんです。」
実際は、少しばかり違うが、大筋は似たようなものだ。
山田あすかに外傷は見当たらない
呼吸は安定している。
「共通の敵は、一時的な同盟を作ります。
 そこに本当の信頼関係は無く、彼のように状況を探りに来る人間も居ます。」
少女は、猫とミヒャエルと大きな怪物と上手くコミュニケーションが取れているのだろうか?
「ま、先に進むしかありませんな。」
安らかに寝息を立てている山田あすかを抱え、起き上がる。
「で、えーとジャックさんでしたかね?貴方も一緒に来た方が良いと思いますよ?」
地下実験場の封印が解かれた今、ここに残るのは危険だ。
即座に移動する必要があった。
55ルーとフォード:2008/12/10(水) 21:41:22 0
>>41>>53-54
ルーとフォードにちびウルタール達がトゲトゲしい態度を取る事は無くなっていた。
ちび二匹の話からミヒャエルへの先入観が無くなったし、
少女のフォローでトゲトゲしさも無くなっていた。
恐怖心より好奇心が強いちびウルタールは鬼子の肩に飛び乗り、
>「トモダチー!トモダチー!」 の大合唱に併せて体を動かしている。
鬼子は突如肩に飛び乗ってきた2匹に驚きながらも、ちょっぴり嬉しそうな顔をしている。
ミヒャエルと小川を交互に眺めた後、大きな手を伸ばし、森村彩を優しく掴んで肩へと乗せる。
鬼子にしてみれば、少女もちび二匹も対して変わらない存在らしい。
ルーとフォードは、鬼子の行動に驚きながらも、森村彩への信頼を強めた。
ニンゲンは、地上へと導いてくれる存在だと確信したのだ。
56ジャック ◆r4vICyDKLo :2008/12/11(木) 21:33:40 0
>>49
>「解りました、お互いに協力できるでしょう。」

どうやら、彼にも敵意はないらしい。
自分の任務を果たす為には、協力者としてお互いを利用することが
最善だろう。
「感謝します、ありがとう。僕も出来ればここから早く脱出したい。」

>>50>>51
なんだか周りが賑やかになっている。
新たに2人の生存者がいたようだ。小川さんの知り合いらしい。
これだけの人がいれば生きて帰れる可能性も高い。
生存への欲求が、大きくなる。
「よろしく、私はジャックといいます。武器なんかは扱えませんが・・・
足手まといにならないよう努力します。」

>>53
>「よろしく、ジャックさん」
少女が私の横に来て挨拶をした。
こんな状況でもまだこのような子が生きていることに驚きつつも、
バイオハザードがこんな子まで巻き込むことへ静かな怒りを感じてしまう。
私は少女を励ますつもりで懐から小さなコインを取り出した。

「マジックはいかが?」

マジック?なんで私がこんなことを言ったのかわからない。
いや、今自分が酷く嫌な笑顔を少女に見せたような気がして急にコイン懐へ戻す。
「いや・・・何でもないんだ。なんでこんなこと言ってしまったんだろう・・・ハハ。」
気のせいだ。何でもない。小さく笑うと、オレハドースレバタノシメルノカ



>>54>「で、えーとジャックさんでしたかね?貴方も一緒に来た方が良いと思いますよ?」

小川さんの言葉に、同調するように頷く。
こんな地獄はもうたくさんだ。早く、早く祖国へ帰らなくては。
57名無しになりきれ:2008/12/13(土) 21:02:56 0
>>50-51>>53-56
通路を真っ直ぐ進むと『貯水池』と書かれた扉があった。
扉の向こう側には、巨大な池・・・いや、湖に匹敵しそうな大きさである。
どうやら天然の地下湖らしい。

天井に生えるヒカリゴケが青白く光り、まるでプラネタリウムに迷い込んだかのようだ。
少し古めのモーターボートが2台ある。
これを使って向こう側まで行けそうだ。
58アドヴァンスドβ:2008/12/15(月) 21:40:27 0
>>50-51>>53-56
・・・貯水池に向って移動するミヒャエル達の背後に、モーロックの先頭集団が追いついてきた!
背後からは、さらに巨大な影、アドヴァンスドβが迫ってくる!

・・・数分前の事である。
「頭がいてぇ・・・ここは、どこだぁ?」
独り言を呟いた途端、目の前を泡のような物が現れる。
歪んだ視界を駆け上る水泡の群れ。
周囲は生暖かく、まるで・・・そう思った瞬間、仄暗い水底に沈んだ事に気が付く。
「・・・んがっ?!ぐぼぼぼぼっ!」
手足を動かし、水面を目指そうとする。
しかし、手足の感触が無い。
あの日本刀を振り回している男に切り裂かれ・・・そうだ、あの化け物共にここまで連れて来られたのだ。
だが、ここは一体・・・?
刹那、手足の感触が戻る。
四肢を大きく振り回し、水面を目指すが、得体の知れない膜に阻まれる。
両手で膜を破ろうとするが、指の感覚は無く、肘の関節の感覚も無い。
手が、触手になっている。
力を込めると、軟体生物の如き手足の筋肉が鋭く尖るのが解った。
手足を膜に突き刺すと、簡単に突き抜けた。
開いた穴に口をつけ、酸素を貪る。

常人ならパニックに陥る所だが、訓練を受けたアドヴァンスドは冷静であった。
呼吸を整えながら、触手となった四肢の動かし方を学ぶ。
人であった頃とは大きく違う四肢の感覚に戸惑いながらも、力の入れ加減をコントロールする。
触手の先に力を込めれば硬化し、槍となる。
付け根の部分を弛緩させておけば、先端を尖らせたまま、自由に動かせる。
先端を鉤爪のように曲げ、新たに開けた穴を引き裂く。
「ぶはぁぁぁぁ・・・」
アドヴァンスドが突き破ったのは、切り離された母胎から切り離された子宮だった。
モーロックたちによって押し込まれたに違いない。
「あのガキぃぃぃ、ぶっ殺してやるぅぅぅぅ」
子宮に押し込められた事によって回復し、アドヴァンスドは更なる進化を遂げていた。
まるでG変異体の第四形態の如き、太く頑強な胴体に柔軟且つ強靭な触手状の四肢が付いている。
頭部に残った顔が唯一の人間らしい箇所だが、耳まで裂けた口には、牙が生え揃っている。

鋭く尖らせた触手を足に見立て、一歩踏み出す。
硬いコンクリートが砕け、周囲で様子を伺っていたモーロック達が此方を伺っている。
「一緒にぃぃぃ、来るかぁぁぁぁ?」
モーロック達が歓声を上げた。
それに答えるように、アドヴァンスドが吼えた。
鼻を鳴らして少女の匂いを嗅ぎつけると、アドヴァンスドとモーロック達が走り出す。
59ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/12/16(火) 02:45:09 0
>51
>「私は、私の目に誓おう。」

男が去り、軽く舌打ちをする。
「・・・ッチ。下手に出りゃ調子に乗りやがって。今は耐え時か」

>53
少女が猫達を必死に説得して居るのが見て取れる。
(こいつら地上に出た所で、先はどうする?事情を知らなきゃ即殺されちまうだろうな)
(運が良くても見世物か?このガキには重過ぎるかなぁ。Drの研究所なら人里から離れてるし、生きられるか?)

ジャックと名乗る男への警戒が解けない。本能的に感じる不信感。
「妙な真似しやがったらその場でぶっ殺すからな?俺の傍とそのチビ共に近づくんじゃねぇーぞ」

>54
>「ま、先に進むしかありませんな。」
「賛成だ。っつーか何か音がしねぇか?気のせいか?」

少し打ち解けて来た様に見える、猫と大きな生物達に向けて手招きをする。
「おーい行くぞ!ヒーローが先頭歩いてやっからはぐれんなよ!」
(音が近付いて来る。数が多いな。逃げ切れるか?)

>57
少し歩いた先に貯水池と書かれた扉が見える。
錆びて軋む扉を開くと、地下に広がる天然の大きな水場が眼に飛び込む。
「おーこりゃ凄ぇな!明かりは・・・コケか。へぇー隠れた名所ってやつかね」

背後に感じていた気配が徐々に接近し、やがて目視出来る所にまで迫る。
「って関心してる暇は・・・どうやらねぇみてぇだな」
「糞みてぇな小船2艘かよ。おい!でかいの!チビ達連れて先にに乗ってな!」

スズキに向けて指でサインを送り、自身の目標を示す。
「姉ちゃんもあのでっかいのに任せておけって!心配ねぇよ!」
「でけぇの!ちゃんと子守しろよー!?お前の友達なんだからな!」


(余裕ぶってるが、もう余り長くもたねぇな。短期で始末つけなきゃなぁ)

戦闘に備え、焼けた腕に武器を構える。
「さーて、ヒーロー様の無敵ぶり見せてやろうじゃねぇか」
「スズキー!俺が壊れたらちゃんと修理して戻せよ!」


「ま、俺様がやられる訳ねぇけど。ヒーローだし?男前だし?」
(半分冗談。半分は本気だ。さっきからノイズも聞こえねぇ。壊れたか、深すぎて届かねぇか)


所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
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建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 船着場
状況: モーロック及びアドヴァンスドと臨戦状態
60小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/12/18(木) 00:31:49 0
>57
「凄いな。」
上を見ればヒカリゴケが、水面を見れば反射する光が見える。
まるで宇宙を漂っているような気分になる。
彼女がこの光景を見たら歓ぶだろうか?
(桟橋が腐りかけている・・・な・・・)
一歩踏み出した途端、木製の桟橋が撓むのが解った。
>「って関心してる暇は・・・どうやらねぇみてぇだな」
>「糞みてぇな小船2艘かよ。おい!でかいの!チビ達連れて先に乗ってな!」
ミヒャエルの言う通り、2艘の船では往復しなければ全員を対岸に運ぶ事は出来ない。
「ジャックさん、彩ちゃんと山田さん、それからルーとフォードをお願いします。」
ジャックに話しかけながら、手早くマガジンチェンジを行う。
実際は、ジャックに向けた遠回しな警告だ。
不審な動きをすれば、銃弾が飛んでくるという事を認識させるのだ。

>58−59
>「さーて、ヒーロー様の無敵ぶり見せてやろうじゃねぇか」
>「スズキー!俺が壊れたらちゃんと修理して戻せよ!」
「ちょっと待ってください。」
小川がズボンを脱ぐと裾を縛り、水に浸す。
傍から見れば、気でも狂ったのかと思われかねない行為だ。
「その体だと浮き難いでしょう。即席ですが、フロート代わりに使ってください。」
バスタブの中で濡れたタオルに空気を閉じ込める、と言う遊びと代わらないが、
閉じ込められる空気の量に比例し、浮力も大幅に増える。
サバイバル訓練の一環で学ぶ事だが、基本的に水に落ちてから即席フロートを作る。
ミヒャエルの場合、生身の人間よりも早く沈む可能性があるし、怪我を負う可能性がある。
事前に渡しておく方が生存率は確実に上がる。
事前予防が最大の解決策と言う訳だ。
「多少の時間稼ぎには、なるでしょう。」
最も下半身が黒のボクサーパンツと靴下、それに革靴のみと言う格好では、
そこまで考えている、とは誰も思ってくれないだろうが。
「地下実験場内に巨大な水溜りがありましたかね?
 無ければ、連中、溺れるかもしれませんよ。
 ギリギリまで引き付けて、桟橋を潰せば行けるかもしれない。」
山田あすかをボートに寝かせ、モーターを掛ける。
もう一艘の船に鬼子と共に乗り込むと、モーターを掛けた。

状況:鬼子と共にモーターボートに乗る。
61森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/12/18(木) 01:10:47 0
>54
鈴木さんはさっきの「三影じゃない人」のことを、傘社の兵士で今は分校の警備をさせている人だと説明した。
鈴木さんが山田さんを抱きかかえようとした時、ようやく彼女の服が血で汚れているのに今更ながらに気づいた。
死んでいるのではないかと絶句している私に、鈴木さんの内面などわかるわけも無い。
鈴木さんの分校で起こった事の説明を右から左に聞き流しながら、私は息を殺して山田さんを凝視した。
>「ま、先に進むしかありませんな。」
「山田さん、・・・・・・気絶してるだけ?」
だとしたらこの血は返り血なんだろうか?血をつけたままの服を着せておいたままでいいのかな?
>「賛成だ。っつーか何か音がしねぇか?気のせいか?」
耳を済ませてみたけど、私にはよく分からなかった。

>55
ジャックさんに挨拶をしたら、彼は懐からコインを一枚取り出した。
>「マジックはいかが?」
うん、と大きく頷いたけど、顔を上げたジャックさんの顔を見て、私は思わず喋りかけた口を閉じた。
>「いや・・・何でもないんだ。なんでこんなこと言ってしまったんだろう・・・ハハ。」
「いいの。こんな大変な時だもんね。
 ありがとうジャックさん。また落ち着いた時に見せてくれたらうれしいな。
 きっとこの子達も喜ぶと思うし」
そう言って私は、自分の回りにいる猫さん達を見回した。
先程までどことなく張り詰めていたルー達だけど、今は警戒を解いてるみたいだ。
>「妙な真似しやがったらその場でぶっ殺すからな?俺の傍とそのチビ共に近づくんじゃねぇーぞ」
ミヒャエルさんの言葉が早速飛んできた。
私は苦笑いして、ジャックさんに軽く肩をすくめて見せた。

大きな巨人は、小さい猫さんたちを掴んで自分の肩に乗せた。
私にも手が伸ばされて思わず体を硬くしちゃったけど、巨人に敵意が無いのはわかった。
捕まれた時は恐怖で全身鳥肌が立ったけど、巨人は本当に優しく私を掴んで肩に乗せてくれた。
「ありがと」
私は笑顔を作った。そして心の中で、なんて私は小さくてずるいんだろうと反省した。
だって、ともだちと自分で言ったのに、伸びてきた巨人の手を恐いと思ってしまったから。
下から見上げていた時よりも優しい目をしている巨人の横顔を見ながら、
私は、これからもっとちゃんと信じようと思った。
ルー達や巨人さんだけじゃなく、私と一緒に居てくれる他の人達も。

>59
>「おーい行くぞ!ヒーローが先頭歩いてやっからはぐれんなよ!」
「ねえミヒャエルさん、この巨人さんやチビ猫さん達って名前あるの?なんて呼べばいいか・・・・・・」
私はミヒャエルさんの頭を見下ろしながら、そう声をかけようとした。
だけどその声は尻すぼみになった。
良くわからないけど、今はのんびり話が出来る状況じゃ無さそうだ。
62森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/12/18(木) 01:11:40 0

>57
>少し歩いた先に貯水池と書かれた扉が見える。
>錆びて軋む扉を開くと、地下に広がる天然の大きな水場が眼に飛び込む。
>「おーこりゃ凄ぇな!明かりは・・・コケか。へぇー隠れた名所ってやつかね」
「綺麗・・・・・・見て、天井が星空みたい」
私は幻想的に光る天井を指差した。
>「凄いな。」
だけど、感心ばかりしてはいられなかった。
このときになると、さっきミヒャエルさんが言ってた音の意味が私にもわかったから。

>60
>「糞みてぇな小船2艘かよ。おい!でかいの!チビ達連れて先に乗ってな!」
「そんな、ミヒャエルさんは?」
>「ジャックさん、彩ちゃんと山田さん、それからルーとフォードをお願いします。」
私はぎしぎし音がする桟橋をおっかなびっくり渡った。
一方の鈴木さんはいきなり服を脱ぎ始める。
「鈴木さん?!」
驚く私に構うことなく、鈴木さんは脱いだズボンを縛るとミヒャエルさんに渡した。
どうも話を聞いていると、鈴木さんのズボンをミヒャエルさんの浮き輪代わりに使うみたいだ。
>「ギリギリまで引き付けて、桟橋を潰せば行けるかもしれない。」
「ジャックさん、ルーにフォード、チビちゃんもこっちにおいで」
私はジャックさんの手を借りて、古びたボートに皆と乗り込んだ。
「ミヒャエルさん気をつけて!死んじゃやだよ、だってヒーローなんだから!!」

現在地:地下湖 船着場
状況:モーロック及びアドヴァンスドに気づく。古びたボートに乗る。
63ジャック ◆r4vICyDKLo :2008/12/18(木) 22:54:31 0
>>57>>58
巨大な空間にたどり着いたようだ。
貯水池に見える。背後から何か嫌な気配が・・・
「嫌な予感がする・・・逃げたほうがよさそうですよ。」

>>59
>「妙な真似しやがったらその場でぶっ殺すからな?俺の傍とそのチビ共に近づくんじゃねぇーぞ」
ミヒャエルと名乗る男はどうやら私を警戒しているようだ。
確かに私は彼らから見たら突然現れた異端者だろう。仕方ない。
「そんなしかめっ面しないで大丈夫ですよ。私が彼女たちを安全な場所へ
逃がしますから。」

>>60
一方では小川さんも怪物たちを戦うつもりのようだ。
>「ジャックさん、彩ちゃんと山田さん、それからルーとフォードをお願いします。」
ジャックに話しかけながら、手早くマガジンチェンジを行う。
実際は、ジャックに向けた遠回しな警告だ。

「分かりしました。任せてください。」
彼も戦闘のプロだ。任せておくしかない。
私は少女たちを逃がす為に走り出した。

>>61>>62
>「ジャックさん、ルーにフォード、チビちゃんもこっちにおいで」
彼女はこんな状況なのに逞しく私たちを先導している。
こんな子をここで死なしては駄目だ。
任務で生存者を見つけた場合、殺害も已む無しと命令されたが
母国に娘がいる私にはそんなことはどうしても出来そうにない。
彼女たちを生かさねば・・・そう、思う。

「「あぁそうだ。あんたはいい奴だったな。怪我をして倒れたフリを
してた俺を助けたのはやさしさがなきゃ出来ない。
でもな、あんたのそのやさしさって奴が・・・あんたを殺したのさ」」

真っ白な顔の真っ赤な口をした男が、私の耳元でそう呟いた。
意識が遠くなる。頭が、痛い。

現在地:地下湖 船着場
状況:ボートに乗った直後、気絶
64ルーとフォード:2008/12/20(土) 18:13:06 0
>>62
>「ありがと」
生まれて初めて向けられた笑顔に、鬼子が無邪気に笑い返した。
チビ2匹も嬉しそうに笑っていた。

>>53
>「マジックはいかが?」
ルーとフォードは、ジャックが取り出したコインに興味津々のようだ。

>>57
一面に広がる光景にルーとフォードは、固まってしまった。
これだけ大量の水が存在する事自体が、驚きなのである。
>>61
>「ジャックさん、ルーにフォード、チビちゃんもこっちにおいで」
鬼子は小川と同じ船に乗り、ウルタールは言われた通りに小船に乗り込む。
船が動き出したが、突如気を失ったジャックに驚き、体を触ってみた。
背後から遣ってくるアドヴァンスドに気が付いた猫達は、不安に狩られ始めたようだ。


65アドヴァンスドβ:2008/12/20(土) 19:07:35 0
>>59
βが一歩踏み出すたびに、地面が割れる。
ただ一人桟橋に残るミヒャエルを見て、βが笑う。
「お前ぇぇぇ、その腕はぁぁぁぁ、傘の人形かぁぁぁぁ?」
βが剥き出しになったミヒャエルの腕を嘲笑う。
背後に従う10匹近いモーロックがβに倣い、奇妙な笑い声を出した。
更に一歩、ベータが踏み出す。
触手の一本を鞭のようにしならせ、ミヒャエル目掛けて攻撃を始めた。
66ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2008/12/22(月) 02:24:00 0
子供のから心配そうな声が聞こえる。
>62
>「ミヒャエルさん気をつけて!死んじゃやだよ、だってヒーローなんだから!!」
「だーから、死なねぇーっつの!俺様は無敵だって言ってんだろ!このガキんちょ!泣かすぞ!」
(が、見事に背水の陣てやつだなこりゃ。ガキんちょには悪ぃが大人は嘘つきなんだよ)
>60
>「ちょっと待ってください。」
「俺様は誰にも止められ・・・って、おい!何やってんだスズキー!何で脱ぐ!」

>小川がズボンを脱ぐと裾を縛り、水に浸す。
>「その体だと浮き難いでしょう。即席ですが、フロート代わりに使ってください。」

「あ、なーるほど。ってこれちゃんと洗ってあんのかよ!」
>「多少の時間稼ぎには、なるでしょう。」
>「地下実験場内に巨大な水溜りがありましたかね?
> 無ければ、連中、溺れるかもしれませんよ。
> ギリギリまで引き付けて、桟橋を潰せば行けるかもしれない。」
「ぬぁー!スズキー!聞いてんのかー!?」

スズキが鬼子の乗る船へ搭乗するのを見送り桟橋で敵を迎える。

本能的に警戒を解く事が出来ない男から、任せろという趣旨の言葉が掛かる。
>63
>「そんなしかめっ面しないで大丈夫ですよ。私が彼女たちを安全な場所へ
>逃がしますから。」

「っへ。どうだかな。おい、でっかいの!ちゃんと見張れよな!」
(気のせいか?今話してるこいつは何ともねぇ。がたまに感じる違和感はなんだってんだ)

無事船に乗り込むのを見届けた頃、元人であったものが姿を現す。
>65
>「お前ぇぇぇ、その腕はぁぁぁぁ、傘の人形かぁぁぁぁ?」
「あーあー五月蝿ぇ糞虫だなぁ。ゴミ処理しかできねぇゴミ虫が俺様の腕なんか見てんじゃねぇよ」

1歩距離を縮めたアドヴァンスドが、大きくしならせた触手を飛ばしてくる。
「脳まで退化してんじゃねぇーか?糞が!傘の糞をどうやって抜けたか教えてやらぁ!」


「俺様が散らかしたもんを片してただけのゴミ屑が調子に乗ってんじゃねぇ!」

所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 船着場 桟橋
状況: モーロック及びアドヴァンスドと交戦
67小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2008/12/22(月) 22:51:34 0
>61
>「山田さん、・・・・・・気絶してるだけ?」
「外傷はありませんからね。恐らく、ですが。」
若しくは、急性の貧血と言ったところか。

>66
>「ぬぁー!スズキー!聞いてんのかー!?」
少なくとも週に一度はクリーニングに出しているのだから、プレスは完璧だし清潔そのものである。
最も研究所の駐車場で化け物に散々泥の塊を吐き出された上に、肯定では匍匐姿勢を取っている。
「クリーニングなら、きっちりしてありますよ!
 まともにプレスされていないズボンを履くような真似が出来ますか!」
まぁクリーニングをしているのは事実なのだから、と背後から聞こえる叫び声を無視してボートを進める。
モーター音が相応しくない場所だが、オールを使うよりはマシだ。
もっとも、ズボンを脱いでいるお陰で、吹き付けてくる風が身に凍みる。

>65
>「お前ぇぇぇ、その腕はぁぁぁぁ、傘の人形かぁぁぁぁ?」
聞き覚えの無い声に、思わず振り返る。
足音の正体は、G変異体に見えなく無いB.O.Wだ。
おまけに人間の意識を保っている。
そろそろより進化した知性を持ち、万物理論でもってして物理学に止めを刺すとか、
レーザー核融合や常温核融合を実現するタイプの進化をして欲しいと心底思う。
せめて人間の愚かさに絶望し、人里離れた何処かでひっそりと暮らしてくれ。
だが、現実はそうそう上手くいかない。


>63
もう一艘のボートに、動きが無い。
ジャックの姿は見えず、森村彩とウルタールの姿しか見えない。
池に落ちたのか?それとも、一人で逃げ出した?
「・・・一旦、向こう岸に渡るしかないのか?」
いや、別の方法がある。
「彩ちゃん!桟橋のロープを解いて下さい!」
スピードは落ちるが、牽引してやれば何とかなる。
ボートを戻し、もう一艘のボートとロープを結ぶ。
「出来た!行きましょう!」
先ほどよりも速度は遅いが、何とか対岸にはたどり着けるだろう。

状況:森村彩たちが乗るボートにロープを結びつけ、牽引しつつ対岸へ移動。
68森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/12/24(水) 09:53:56 0
>63-64
ジャックさんを見張れといったミヒャエルさんのいい付けをわかったのかどうかはわからない。
だけど、巨人は大人しくボートに乗り込んだ。
本当に良かったと思う。彼が暴れられたら、こんなボートくらいすぐに転覆してしまう。
皆舟に乗り込んだまでは良かったが、ジャックさんはボートに乗り込んだとたん昏倒してしまった。
「ジャックさん?どうしたの?しっかりして!」
ルー達も不安になったのか、ジャックさんの体を揺さぶっている。
どうしたのだろう?病気なのだろうか
それとも・・・・・彼も私のパパとママみたいに?
「大丈夫だよ、ジャックさんは疲れて眠っただけ!」
私は何でもないように極力明るい声でそう言うと、猫さん達の頭を撫でた。
―――― 私の笑顔が引きつっていないと良いんだけど。

>65
>「お前ぇぇぇ、その腕はぁぁぁぁ、傘の人形かぁぁぁぁ?」
>1歩距離を縮めたアドヴァンスドが、大きくしならせた触手を飛ばしてくる。
>「脳まで退化してんじゃねぇーか?糞が!傘の糞をどうやって抜けたか教えてやらぁ!」
桟橋ではミヒャエルさんが怪物と戦っている。
早くこの場を離れないと、ミヒャエルさんの負担ばかりが大きくなってしまう。

>67
>「彩ちゃん!桟橋のロープを解いて下さい!」
「鈴木さん!・・・うん、わかった」
私達は苦労して古ぼけたロープを解いた。
鈴木さんはボートを戻し、手早くロープで私たちのボートをつなげてくれた。
>「出来た!行きましょう!」
「うん!」
私は頷いた。
「鈴木さん、ジャックさんがボートに乗ったとたん突然倒れたの。
 貧血の山田さんと違ってすごく苦しそうなんだけど・・・・・・・・・・・えっと・・・風邪、なのかな?」
ジャックはゾンビになってしまうのかとは言い出せず、私は少し場違いな事を言った。

状況:ボートを牽引してもらい、対岸へ移動中。ジャックさんの不調を小川さんに報告
69名無しになりきれ:2008/12/25(木) 22:56:14 0
age
70ジャック? ◆r4vICyDKLo :2008/12/26(金) 23:42:44 0
>>67
誰かが近づいて来る。あぁ、あいつか。
さっき会った・・・あぁ、あの。
ボートを牽引して対岸へ向かうつもりらしい。
俺は気絶した「フリ」をしてその動きを伺う。

>>68
>「大丈夫だよ、ジャックさんは疲れて眠っただけ!」

そうだよ、と応えるように大きく欠伸をした反動で起き上がる。
それまでの「ジャック」とは違う何かが少女の前に現れた。
ピエロのように笑うと、俺は少女の顔に寸前まで近付き呟いた。

――「……何だい?そのしかめっ面は」――

状況:森村彩の眼前で笑う

71森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2008/12/29(月) 06:25:28 0
>70
眠っていたジャックさんは、私の言葉に反応するように大きく欠伸をした。
そして次の瞬間、がばっと起き上がった。ボートが大きく揺れた。
「危ない!!」
私達は落ちないよう、ボートのヘリにしっかりしがみ付いた。
思わず目を閉じちゃったけど、水音はしなかった。誰も落ちてはいないはずだ。
「ジャックさん、こんな時にふざけないで・・・・・・!!」
私はジャックさんに文句を言おうとして、思わずのけぞってしまった。
だって、私の目の前にジャックさんの顔があったからだ。

> ――「……何だい?そのしかめっ面は」――
どっと冷や汗が出た。
寒気がした。
一瞬ジャックさんがふざけてるのかと思ったけど、違う。
この、ピエロみたいに笑う男の人は誰?
「あなたは誰?ジャックさんじゃないよね?」

状況:ジャックに向かってあなたは誰なのかと質問する
72アドヴァンスドβ:2008/12/29(月) 20:33:37 0
>>66
>「脳まで退化してんじゃねぇーか?糞が!傘の糞をどうやって抜けたか教えてやらぁ!」
振り上げられた触手の動きが止まる。
「ふっざけるなぁぁぁ・・・頭は完璧にシャッキリぃぃぃ・・・してるぜぇぇぇぇ!」
そう言って狙いを定めると、触手をミヒャエル目掛け叩き付ける。
重々しい音と共に土埃が舞い上がり、湖に波紋が走る。
ミヒャエルに向けて振り下ろされた触手が空を切る。
どうやら、まだ体の動きに馴染んでいないらしく、空振りになってしまっていた。
>「俺様が散らかしたもんを片してただけのゴミ屑が調子に乗ってんじゃねぇ!」
「ああぁぁぁ?ふっざけやがってぇぇぇぇ?!」
動きが鈍いだけでなく、視野が限られているのだ。
フットワークを活かし、巨体の下に回り込めば勝機はあるかもしれない。

もっとも・・・その巨体を囲い込むようにモーロック達が待ち構えているが・・・
73ルーとフォード:2008/12/29(月) 20:51:30 0
初めて見る巨大な水溜りとボートにウルタール達ははしゃいでいた。
水面に手を突っ込んでその冷たさに驚いたり、向こう側から覗き返してくる自分の顔に驚いたり・・・
と言ってもそれは束の間の出来事である。
追いついて来たベータに驚きながら、大急ぎでボートに乗る。

>>68>>70-71
>「ジャックさん?どうしたの?しっかりして!」
ジャックの症状は解らないが、只事で無い事は少女のリアクションを見れば解る。
>「大丈夫だよ、ジャックさんは疲れて眠っただけ!」
大急ぎで予備のブルーハーブを渡そうとするが、頭を撫でる少女を不思議そうに見返すルーとフォード。
その間にも、背後からベータの足音が近づいてくる。
小川たちの乗ったボートは動き出したのに、こちらは全く動かない。
この危機から先に逃げ出そうとしているのだろうか、と不安になってしまう。
>「出来た!行きましょう!」
>「うん!」
牽引されて進むボートに興奮していたが、それよりもジャックの容態が気になった。
>「鈴木さん、ジャックさんがボートに乗ったとたん突然倒れたの。
 貧血の山田さんと違ってすごく苦しそうなんだけど・・・・・・・・・・・えっと・・・風邪、なのかな?」
>――「……何だい?そのしかめっ面は」――
>「あなたは誰?ジャックさんじゃないよね?」
突如起き上がったジャックに近寄るウルタール達の動きが固まる。
浮かんだ笑顔に邪悪な物を感じ取ったのだ。
少女を守るようにルーとフォードが間に割って入る。

状況:ジャックに警戒中。
74小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/01/04(日) 19:02:49 0
>68>70>71>73
>「鈴木さん、ジャックさんがボートに乗ったとたん突然倒れたの。
 貧血の山田さんと違ってすごく苦しそうなんだけど・・・・・・・・・・・えっと・・・風邪、なのかな?」
「外傷や病気の兆候はありませんでしたから、ストレス性の頭痛や体調不良かもしれません。」
こういった症状は突然襲い掛かってくる。
一見、状況に冷静に対応しているようでも、油断は出来ない。
脳が鎮痛成分を過剰に放出しているだけで、切れた瞬間に体調不良に襲われる事もある。
ウルタール達に何事かを呟く少女を遮るように、ジャックが起き上がる。
>「あなたは誰?ジャックさんじゃないよね?」
彼女は一体、何を言っているんだ?
ジャックでなければ、一体誰だと言うのだ。
此処から見えるのは、ジャックの後姿だけだ。
嬉しそうにしていたウルタール達の態度も一変し、
少女を守るようにジャックとの間に割り込んでいる。
「ジャックさん?!意識が戻りましたか?!」
ボートの操縦に手一杯の小川には、銃を構える事すら出来ず、状況を見守るしかなかった。

>72
遥か後方では、ミヒャエルとアドバンスドが対峙している。
巨大化したアドバンスド相手に、一体何処まで持つのか。
いや、この不穏な状況でどうやって対岸に戻ればいいのだ?
ジャックを助けたのは、間違いだったのか?

ボートが対岸に着くまで後数分。
何とか無事に切り抜ける事が出来ればよいのだが。
75ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/01/09(金) 22:37:59 0
>72
>ミヒャエルに向けて振り下ろされた触手が空を切る。
>「ああぁぁぁ?ふっざけやがってぇぇぇぇ?!」

変態して間もない為か、視界が限られている様だ。
「どこ狙ってんだタコ!いやイカか?あー臭ぇ臭ぇ!」

尚も挑発を続けて自分に注目を集め、逃走を円滑に進めさせる。
「オラ!てめぇの下僕は人形かよ!突っ立ってるだけの役立たずだな」
「こっちだこっち!猿の分際で俺様に挑もうなんて200万年早ぇんだよ糞が!」

背後の2艘の船の内、1艘から不穏な気配が漂う。横目で確認するがはっきりとは分からない。
(糞!デコイになるので手一杯だな。あの野郎、何かしやがったらぶっ殺す!)

岸から離れるのを確認し、挑発一辺倒から迎撃の態勢に替える。
「さて、役目も済んだしこの距離なら大丈夫だろ。来な」

アドヴァンスドの周囲に目方で照準を定め、水平にライフルを撃ち放つ。本来の撃ち方では無い。
「イヤッホー!どうしたー!俺様1人しかいねぇぞ!かかって来いやー!」

薬莢が地面に落ちる音が響く。穴の開いた躯が複数見て取れる。
「おいおい、手加減してやっからその雑魚共帰してやった方がいいんじゃねぇか?」
「親分が間抜けならやっぱ子分も相当間抜けだな。とっとと失せちまえよ糞ったれ共」


「仕上げいっとくか?散らかすのは得意なんだぜ」

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Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
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現在地:地下湖 船着場 桟橋
状況: モーロック及びアドヴァンスドと交戦
76ジャック? ◆r4vICyDKLo :2009/01/12(月) 01:54:45 0
>>71
>「ジャックさん、こんな時にふざけないで・・・・・・!!」
眼前で警告する少女の言葉など聞かずに俺はボートの上で
立ち上がりステップを踏む。少しでも間違えば湖へドボン、だ。
「そんなしかめっ面するなって……せっかくのカワイイ顔が台無しだ。」
俺はタップダンスのように踵で音を鳴らしながら少女の周囲をグルグルと回る。

>「あなたは誰?ジャックさんじゃないよね?」

俺?という顔で自分に指を差し小首を傾げてみせる。
あぁそうか。今まで演じてたあいつじゃないって気がついたみたいだ。
俺は小さく微笑むと少女の耳元で囁いた。

「ジャック・・・ジャック・・・あぁそうだ。
俺もそんな名前だったような気がするが・・いや、違うな。
そうだって記憶もあるけど、そうじゃないって気もする。
あぁ、俺にも昔いたなぁ・・・お前みたいな小さい妹が。
だけど・・・いつだったかなぁ。あいつは変な病気にかかって死んじまった。
全身がかゆいだの、何かが食べたいだの。・・・そいつの家族も全員、同じ病気で・・・死んだ・・・いや」

俺は一段と笑みを深く刻み、少女の耳元で囁いた。

「あいつ等は化け物になった。ただ肉を食うだけの、醜い化け物に・・・
そうだ・・・カワイイ顔した君だけにいいことを教えてあげよう♪
もうすぐこの村は消滅する・・・さぁて・・・お前は生き残りたいか?
なりたくはないよなぁ・・・醜い化け物のお仲間にはなぁ・・フフッ。
生き残りたきゃ俺の言うことを聞け・・・あいつ等には何でもないというんだ。
さもなきゃ・・・」

少女の首元で注射器が光る。

「お前も、あの化け物の仲間入りだ。」

>>74
小川へ振り向いたジャックはそれまでのジャックと何ら変わらない様子だった。

「すみません・・・心配はないです。それより、あの化け物を・・・」

状況:少女の首元に正体不明の薬物を注入しようとする、少女に警告


77アドヴァンスドβ:2009/01/12(月) 22:41:55 0
>>75
>「どこ狙ってんだタコ!いやイカか?あー臭ぇ臭ぇ!」
ミヒャエルの一言を聞いたアドヴァンスドの全身が真っ赤になる。
それだけではない。
筋肉が一回り膨らみ、より攻撃的になっている。
どうやら何か巨大な地雷を踏んでしまったらしい・・・
「だっ?!誰がイカ臭いだぁぁぁぁ!ぶっ殺してやるぅぅぅぅぅ!」
>「オラ!てめぇの下僕は人形かよ!突っ立ってるだけの役立たずだな」
>「こっちだこっち!猿の分際で俺様に挑もうなんて200万年早ぇんだよ糞が!」
興奮しきったアドヴァンスドに怯え始めたモーロック達は浮き足立ち、軽いパニック状態だ。
>「イヤッホー!どうしたー!俺様1人しかいねぇぞ!かかって来いやー!」
撒き散らされた銃弾に撃たれたモーロックがひっくり返ったまま、動かなくなる。
アドヴァンスドは死角に入ったミヒャエルの位置が掴めずにいるままだ。
>「イヤッホー!どうしたー!俺様1人しかいねぇぞ!かかって来いやー!」
「お前らぁぁぁぁ!いい加減気合入れやがれぇぇぇぇ!」
触手を振り回し、モーロック達を数匹殺すと、アドヴァンスドが後退していく。
仲間を殺されたモーロック達は、怯えながらミヒャエルに襲い掛かった。
78森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/01/16(金) 22:55:57 0
>73
ボートに乗ったルー達ははしゃいでいた。
もしかしたら初めて乗ったのかもしれない。
だけど、ジャックさんの様子がおかしいと感じたのは私だけじゃなかったみたいだ。
突如起き上がったジャックさんを見て、ルー達の動きが止まった。
きっと私と同じで、彼の笑顔に何か危険なものを感じ取ったんだと思う。

>76
ジャックさんだった人は、狭いボートの上で立ち上がってステップを踏んだ。
船はぐらぐらと揺れて、今にもひっくり返りそうだ。
私はルー達がボートから転げ落ちないよう、二人を縁にしっかり掴まらせた。
結果、ボートが大きく傾ぐ事になる。
私はとっさに反対側の縁にしがみ付き、バランスを取ろうとした。

>「そんなしかめっ面するなって……せっかくのカワイイ顔が台無しだ。」
ジャックさんだった者は、踵で音を鳴らしながら楽しげに私の周りをグルグルと回った。
そして私の耳元に口を寄せ、ひそひそと内緒話を始めた。
>「ジャック・・・ジャック・・・あぁそうだ。
>俺もそんな名前だったような気がするが・・いや、違うな。
>そうだって記憶もあるけど、そうじゃないって気もする。」
・・・・・・だけど、彼の言っている言葉はわかるのに、内容はよく分からなかった。
>「あいつ等は化け物になった。ただ肉を食うだけの、醜い化け物に・・・」
「どういうことなの?あなたはジャックさんじゃないの?
 それとも、一度化け物になったジャックさんが人間の姿に戻れたってことなの?」
私の脳裏に、ゾンビみたいになった村の人たちのことが過ぎった。

>76
>「そうだ・・・カワイイ顔した君だけにいいことを教えてあげよう♪ (中略)
>生き残りたきゃ俺の言うことを聞け・・・あいつ等には何でもないというんだ。
>さもなきゃ・・・」
いつの間にか、私の首元には注射器が突きつけられていた。
>「お前も、あの化け物の仲間入りだ。」
私は注射器とジャックさんだった人を交互に眺めた。
ルー達も巨人も今はじっとしていた。
今動いたらボートが沈むか私に針が刺さるって分かってるのかもしれない。

>74
>「ジャックさん?!意識が戻りましたか?!」
「ごめん鈴木さん、私の勘違いだったみたい。
 ジャックさんはちょっと悪ふざけが過ぎたみたいだから」
ちょっと声が上ずっていたけど、ちゃんと言えた。
>「すみません・・・心配はないです。それより、あの化け物を・・・」
道化師みたいな人が再びジャックさんの皮を被って話すのを、いまいましい気持ちで聞いていた。
「私が何も言わなくても、皆ジャックさんが変だって気づいてるはずだよ。
 だって普通ボートの上ではステップなんか踏まないもの」
私は息を詰めて、ジャックさんの次の行動を待った。

>75 >77
背後では凄まじい悲鳴と怒号と銃声が響いている。やっぱりヒーローは強い。
だけどそれも永遠になんて無理だ。
一刻も早くミヒャエルさんを助けないと・・・・・・。

状況:ボートが揺れたため、バランスを取るためにルーとフォードを船の縁に掴まらせ、自分は反対側に。
   ノーガードになったところをジャックに脅される。
   鈴木さんには「何でもない」と説明。
79小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/01/18(日) 21:59:55 0
>72>75>76>78
>「すみません・・・心配はないです。それより、あの化け物を・・・」
>「ごめん鈴木さん、私の勘違いだったみたい。
  ジャックさんはちょっと悪ふざけが過ぎたみたいだから」
「そうですか、解りました。」
不自然なボートの揺れもあったが、少女の一言が気になった。
ジャックは、悪ふざけをするような人間には見えない。
まさか、とは思うが今出来る事は限られている。
「もう直ぐ対岸です!」
ボートを二艘とも動かせれば、ここまで時間は掛からなかったに違いない。
しかし、ようやく対岸に辿り着く事が出来た。
「さぁ、降りるんだ。ゆっくりだ、そう・・・ゆっくり降りるんだ。」
鬼子の体を優しく叩きながら、ボートから降ろす。
問題は、もう一艘のボートだ。
全員を残していく事が正解だとは思えない。
ボートを繋いでいたロープを切り、船首を桟橋へと向ける。
「直ぐに戻ります!ここで待っていて下さい!」
小川が下した結論は、全員を残して救助に向うと言うものだった。
先程とは比べ物にならない速度で、桟橋へとボートが迫る。
より凶悪な姿へと進化したアドヴァンスド、そして醜悪なモーロックの群れ。
どちらも意思疎通を感じさせない、憎悪や復讐に駆り立てられた目をしている。
対岸のジャック達を確認しながら、ピックアップに備える。
「ミヒャエルさん!早く載って下さい!」
手早く残弾を確認し、銃を低く構えながら小川が叫んだ。

状況:一人で桟橋へと移動、無事辿り着く。
    ジャックを警戒しながら、ミヒャエルがボートに乗り込むのを待つ。
80ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/01/18(日) 23:11:33 0
挑発を受けた化け物が群を叱咤する様子から焦りが見える。
>77
>「お前らぁぁぁぁ!いい加減気合入れやがれぇぇぇぇ!」
>触手を振り回し、モーロック達を数匹殺すと、アドヴァンスドが後退していく。

大きな化け物はミヒャエルの姿を見失っている様だ。
「あーあーとろ臭ぇ。イカは訂正してやるわ。ノミかミジンコだな」

>79
>「ミヒャエルさん!早く載って下さい!」
>手早く残弾を確認し、銃を低く構えながら小川が叫んだ。
「わーってるよ!それどころじゃねぇーっつの!」

怯えながらも襲い来るモーロックを振り払いアドヴァンスドとの距離を詰める。
「あらよっと!もしもーし!ここだここ!よく見ろ虫けら!」

空のショットガンに持ち替え銃身を手に取る。
「俺が抜けた方法はなこんな感じで・・・」

アドヴァンスドの顎に向けて思い切り柄を当てる。
「一発を仕切ってる野朗にぶちかまして!」

体を急反転させ桟橋へ駆け出し船に飛び移る。
「とんずらだよ!間抜け!」
「そのまま王様気分でも味わってろやー。ターコ!」

確実な距離から飛んだものの船の傷みが酷く、重量のあるミヒャエルの勢いで破損する。
「オァー!なんでこうなるんだよ!」

辛うじて小川から渡された簡易浮き袋で浮力が残るものの余り長くは持ちそうにない。


(うーん。困った。これは大ピンチか?)

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現在地:地下湖 船上
状況: 船が破損し半遭難
81アドヴァンスドβ:2009/01/19(月) 19:50:50 0
>>79−80
>「あーあーとろ臭ぇ。イカは訂正してやるわ。ノミかミジンコだな」
「ふっざけやがってぇぇぇぇ!どこだぁぁぁぁぁ!」
恐怖に怯えるモーロックの群れは連携が取れておらず、素早く動くミヒャエルを捕まえる事が出来ない。
アドヴァンスドの怒りが群れをさらにパニックへと陥らせる。
>「あらよっと!もしもーし!ここだここ!よく見ろ虫けら!」
>「俺が抜けた方法はなこんな感じで・・・」
「そこかぁぁぁ!ばかめぇぇぇ!」
長い舌でミヒャエルを絡め取ろうとした瞬間。
>「一発を仕切ってる野朗にぶちかまして!」
ミヒャエルに痛打された顎が跳ね上がり、舌が鋭い牙と牙に挟まれる。
「んびっ!ぶばあぁあぁぁぁ?!」
穴だらけになった舌がぶっつりと千切れ、湿った音を立てて地面へと落ちる。
「ぶべらっぁぁぁ!ぶばっ!」
苦痛に体を震わせながら、ミヒャエルがボートに飛び乗る様を眺めるアドヴァンス。
>「そのまま王様気分でも味わってろやー。ターコ!」
怒りに震えるアドヴァンスドの口が開き、不気味な笑顔へと変わる。
>「オァー!なんでこうなるんだよ!」
約10匹のモーロックを池に無理やり突き落とす。
何匹かは溺れ死んだが・・・7匹のモーロックは遺伝子に刻み込まれた本能が復活し、
優雅な泳ぎ始める・・・その標的は、ミヒャエルと小川だ!

82ルーとフォード:2009/01/21(水) 21:15:31 0
>>79
>「さぁ、降りるんだ。ゆっくりだ、そう・・・ゆっくり降りるんだ。」
小川の誘導に従って、鬼子がゆっくりと地面に足をつける。
ボートの上で大人しくしていたのは、ゆらゆらと揺れる船上がちょっぴり怖かった為らしい。

>>78
揺れるボートの中でルーとフォード、そしてチビウルタール達が縁にしがみ付く。
湖に落ちる事に恐怖はあるので怯えきっている。
>「私が何も言わなくても、皆ジャックさんが変だって気づいてるはずだよ。
  だって普通ボートの上ではステップなんか踏まないもの」
ウルタール達は、縁を掴んだままジャックの行動を見ている・・・
83ジャック ◆r4vICyDKLo :2009/01/23(金) 00:01:12 0
>>78
少女は素直に俺の言うことを聞いた。そうだ、それでいい。
俺は小さく何度も頷くと懐に注射器を仕舞い込んだ。
>「私が何も言わなくても、皆ジャックさんが変だって気づいてるはずだよ。
>だって普通ボートの上ではステップなんか踏まないもの」

俺は少女を庇うようなフリをして怪物たちが迫りくる前に立った。
「変?そうさ、それでいいんだ。疑心や不穏な空気が、喜劇を生む。
そうやって、何度でもこの世界は素晴らしくなって来たのさ。
近いうちに、この国自体もそうなる。そうなるっていうか・・・そうするんだけどなぁ。
ラッタッタラ〜アァァン♪」

>>82
生き物って奴は正直に出来てる。
ここで、自分たちが下手に動けばどうなるなんてすぐに分かるだろう。
俺はこの化け物たちに自分に「敵意」などないという意味で小さく
微笑んでみせた。
「心配はいらないさ。俺はペットには優しい人間だ。
お前らが手を噛んだって保健所なんかには連れてったりしないさ。
その場で……すぐに……えーと、なんだっけ。まぁ、いいか。
ラタタタタ〜タラ〜アァァ…ンフッフフッ♪」

首を上下に動かし小唄を口ずさみながら俺は軍人2人の戦いを観戦することにした。

現在地:地下湖 船上
状況: ミヒャエル、小川の戦闘を見物中


84 ◆XcWhwZBZ7Q :2009/01/24(土) 18:49:14 0
>80−81
ミヒャエルの一撃が、アドヴァンスドの顎を捉える。
>「ぶべらっぁぁぁ!ぶばっ!」
ざっくりと裂けた舌から血が流れ、訳の解らない叫び声が貯水湖に響く。
舌を噛んだときのリアクションは、そのダメージに比例する法則に従った叫び声と言う訳だ。
>「そのまま王様気分でも味わってろやー。ターコ!」
罵倒と共にミヒャエルが桟橋からボートに向って飛ぶ。
着地した瞬間、スロットルを全速に上げ一気に離脱を図る、が。
>「オァー!なんでこうなるんだよ!」
小川の顔色が一気に青くなる。
ミヒャエルが着地した地点に大穴が開き、ゆっくりと浸水が始まる。
桟橋から離れる事が出来たが、距離は十分とは言えない。
まさか地下で溺れ死ぬ破目になるとは考えてもみなかった。
防寒着を穴に押し込み、浸水を裂ける為の不完全な処置を行う。
小川は何とか対岸まで泳げるが、フロートを使っても沈むミヒャエルは難しいだろう。
それどころか、モーロック達の追跡が恐ろしい。
「ジャックさん!猫達と彩ちゃん、それにあすかさんを下ろして、こっちに来て下さい!」
優雅に泳ぐモーロックに向けて発砲をする。
2メートルを超える水柱が着弾点に上がるが、当ったかどうかは解らない。
威嚇でも敵の進撃速度は落ちるから、多少の時間稼ぎになる。
「ミヒャエルさん!鉈で船を解体して、出来た木片をフロート代わりにして下さい。
 ズボンよりはマシな浮き輪になる筈です!」
ミヒャエルに鉈を渡し、小川が射撃を続ける。
あっという間に残弾がゼロとなり、新たなマガジンを叩き込む。
それでもなお、脅威はそこまで迫っていた。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(0)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X1,
     アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:ジャックに救助を頼む。ミヒャエルに鉈を渡し、船を解体した木片をフロート代わりにするように言う。
   現在は追撃するモーロックへ射撃を続ける。
85ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/01/30(金) 02:56:35 0
>80
>84
環境に適応したモーロックの群れが泳いで接近する。
「ぬぉー!俺の間抜け!いや、船がボロいんだよ糞ったれ!」

スズキがモーロックに向け発砲し接近を防ぐ。
>「ミヒャエルさん!鉈で船を解体して、出来た木片をフロート代わりにして下さい。
>ズボンよりはマシな浮き輪になる筈です!」

「鉈ぁ?これでぶった切れってか!スズキ冷静に見えて結構過激だなおい!」

渡された鉈を強く握り船の中腹に充てる。
「まぁ・・・飛び込む準備は良いか!?い・く・ぜ・・・オラァ!!」

大きく振りかぶり船を叩き付ける寸前で手を止める。
「・・・なんちゃって」

船から手を離し水の上で対岸へ向き直る。
「・・・悪ぃな。こいつらは俺の獲物なんだよ。それとお前にここでくたばって貰う訳には」

視線の先へと船を押し出す。
「いかねーの。ガキ共の面倒しばらく頼んだぞー。あっちのイカレタ奴の始末もあんだろ?」

僅かな浮力を頼りに元の岸へと掻きだす。
「おーおー。こっから先は通行止めだ。帰ぇりな。通りたけりゃ俺様を沈めるこったな」

最寄のモーロックを鉈で斬り付け僅かな浮力に加える。
「もっとも土台無理な話なだが、聞く様な奴でもねぇしな。さっさと来な」

(何とか逃がす時間は出来るだろうが、後どうすっかなー。やっぱアレ殺らなきゃだめかぁ?)
(対岸はこっからじゃ無理だな。あいつ片付けて迂回しかねぇが・・・そこまで沈まねぇ様に頑張らねぇと)

「ミヒャエル様のスイミングスクールへようこそ!片っ端からぶっ殺して差し上げまーす」

所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード1m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル0/30 予備15/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況: VSモーロック 水上戦
86森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/01/30(金) 21:49:38 0
>79-83
ジャックさんだった人は私の返答を聞いて、注射器をしまいこんだ。
>「変?そうさ、それでいいんだ。疑心や不穏な空気が、喜劇を生む。
> (中略)そうなるっていうか・・・そうするんだけどなぁ。
>ラッタッタラ〜アァァン♪」
「・・・・・・どうやって?」
思わず問い返してしまったけど、止めておけばよかったとすぐに後悔した。
どうせろくでもないことに決まってる。
>「心配はいらないさ。俺はペットには優しい人間だ。 (中略)
>ラタタタタ〜タラ〜アァァ…ンフッフフッ♪」
頭の中がカッとなって、目の奥が熱くなった。
だけど何も言い返すことなんて出来ない。


>「そうですか、解りました。」
何でもないといった私の言葉を、鈴木さんは信じてしまったみたいだ。
「もう直ぐ対岸です!」
私は次第に近づいてくる岸を見つめながら、後ろで戦っているミヒャエルさんの音に耳を済ませた。
鈴木さんは巨人をゆっくりボートから降ろしている。
>「直ぐに戻ります!ここで待っていて下さい!」
思わず行かないでと叫びそうになったが、ジャックさんの注射器を思い出して寸前で思いとどまった。
私は「気づいて」と念じてたけど、どうすることも出来なかった。

多分、私は今すぐ殺されることはない。
けど、ミヒャエルさんは放っておいたらこ絶対に死ぬ。
だから、ただ黙って鈴木さんを見送るしかなかった。

分かってるけど、でも心細くて、恐くて・・・・・・泣きたい気持ちになった。
ルー達を近くに寄せたいけれど、そうなるとジャックさんの傍に近づく事になるから止めておいた。
小さな船の上だから大して変わらないけど、人間よりルー達に何かする方が抵抗なさそうだから。


そうしている間にも、ミヒャエルさんの置かれた状況は刻一刻と悪化していった。
「・・・・・・助けないの?」
私はジャックさんの手元を見ながら、何でもない風を装って質問した。
「もしジャックさんなら、こんな時絶対ミヒャエルさんを援護すると思うけど」
ジャックさんがこちらを見た。私はビクッと飛び上がった。
私の不自然な動きでボートがゆらゆら揺れた。

状況:ジャックに対し怯えている。(ジャックを演じるのなら)ミヒャエルを助けないのかと質問。
87ジャック ◆r4vICyDKLo :2009/02/01(日) 03:01:54 0
>>84>>85
どうやら2人とも怪物に追い立てられて疲労困憊って風らしい。
俺は首をゆっくりと回しながら周囲を見る。
多数の怪物に、2人の人間。どう考えても切り抜けるのは難しいっていえば難しい話だ。
肩こりが酷いが、それも多分この「面の皮」を被りすぎたからだろうか。

>「ジャックさん!猫達と彩ちゃん、それにあすかさんを下ろして、こっちに来て下さい!」
俺は酷くおびえた様子で尻餅を付いて見せた。
船は少しばかり揺れ、俺は船の上で土下座するような格好で小川の言葉を聞いていた。
「う、うぅ……うまくは言えませんが、どうすればいいのか。その……
何をどうすればいいのか!!」
酷く狼狽した声で小川に返答した。

>>86
>「・・・・・・どうやって?」
俺は伏せた体勢のまま、少女に顔を向けて怯え切った表情のまま
小さく囁いた。
「ここが木っ端微塵に消えて……みんな、家に帰るとするよな?
でも、帰ったら帰ったできっとそこもここと同じになるってことさ。
起爆コードは、この村の壊滅。つまり、ここで消えれば次は……」
俺はこの村に来る前に仕掛けた無数の「爆薬」を思い出して引き攣った笑みを
浮かべた。だが、その笑みには無数の怪物に包囲されて錯乱した状況からの笑いであるという
演出を抜くことなく。
狂った連中は世界中にいる。見得も、金も目的としない。花火だけが見たい奴ら。
そいつは今に始まったことじゃない。

>「・・・・・・助けないの?」

俺は脂汗を流しながら何度も怪物を見て、嗚咽するフリをしてみせた。
「ハハ……ジョークがキツイなぁ。私は、ただの調査員ですよ?
あ、あんな化け物相手に何も出来るわけないじゃないですか。
プロの兵士じゃあるまいし……」

>「もしジャックさんなら、こんな時絶対ミヒャエルさんを援護すると思うけど」

俺は「目」だけはジャックを脱ぎ捨てて少女を睨み付けた。
確かにそうかもしれないな、と。
ここで護衛に使えそうな連中を殺してしまうのも少々勿体ない気もする。

「それじゃ、コインで決めようか。表が出たら助ける……もし、裏なら」

俺は懐からコインを取り出すと、向こう側からは見えないように
コインを投げて見せた。
コインの目は――

「お嬢さんたちは下がっててね♪
さぁて…運はフェアだ。何もかも、こいつが答えを出してくれる。」

俺はミヒャエルの頭を

いや、側にいる怪物目掛け、懐から取り出した拳銃を乱射した。
あくまで素人の動きだ。無駄があり過ぎて、下手糞に見える。
だが、男には当たらないように、正確に化け物を狙う。
面倒だが、道化の仕事と思えば苦にはなるまい。

「い、今のうちに…逃げてっ!!」

状況:怪物に拳銃を乱射、ミヒャエルを援護

88アドヴァンスドβ:2009/02/02(月) 00:12:58 0
>84
小川の威嚇が功を奏し、モーロック達の足取りが鈍る。
「運が悪かったなぁぁぁ!ネズミを迎えに来たらボートに大穴かぁぁぁぁ?」
徐々に沈んでいくボートを笑うアドヴァンスドが、更に多くのモーロックをけしかける。
今や地底湖は、モーロックの狩場になりつつあった。
ボートの周りにもモーロックが集まり始めている。
そのうち一匹が縁に前足をかけて昇ろうとしている・・・

>85>87
>「もっとも土台無理な話なだが、聞く様な奴でもねぇしな。さっさと来な」
ばっくりと頭を割られたモーロックが息絶え、ぷっかりと浮かび上がる。
他のモーロックはより深く潜行し、ミヒャエルの足に噛み付くと水底へと引きずり込もうとする。
突如響き渡る銃声に反応したモーロックはミヒャエルの足を離し、深く潜ろうとする。
>「い、今のうちに…逃げてっ!!」
しかし、銃声が止んだところでモーロックが浮かび上がり息継ぎをする。
・・・その背後には、数十匹からのモーロックが津波のように押し寄せようとしていた。
89小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/02/05(木) 20:34:29 0
>84>85>87>88
>「鉈ぁ?これでぶった切れってか!スズキ冷静に見えて結構過激だなおい!」
モーロック相手に使え、と言うのなら過激を通り越して無謀だが、
船に対して使うのであれば、左程過激では無いだろう、と小川は考える。
どうせ船が沈むのであれば、バラバラにしてビート板代わりにした方がまだマシだ。
>「・・・悪ぃな。こいつらは俺の獲物なんだよ。それとお前にここでくたばって貰う訳には」
振り上げた鉈が途中で止まる。
>「いかねーの。ガキ共の面倒しばらく頼んだぞー。あっちのイカレタ奴の始末もあんだろ?」
「せめてズボンを返して頂けませんかね、その前に。」
小川が首を傾げる。
イカレタ奴って一体誰だ?
逃げ出そうにも、沈む船で戻れるギリギリのタイムリミットが迫りつつある。
>「ミヒャエル様のスイミングスクールへようこそ!片っ端からぶっ殺して差し上げまーす」
咄嗟に腕を伸ばすが間に合わず、ミヒャエルが水底へと引きずり込まれるのが解る。
頼みもしない援護射撃による銃弾が周囲に降り注ぐ。
>「い、今のうちに…逃げてっ!!」
銃声に併せて一斉に水面下へと潜るモーロック。
威嚇射撃が終るに併せて、ミヒャエルの足を掴んだと思われるモーロックが浮かび上がる。
その不気味な顔面に狙いを定め、9ミリパラベラムを二発叩き込む。
周辺に浮かび上がる波紋に、小川が気が付いた。
桟橋に戻ろうとするミヒャエルを制止する。
「C4でもTNTでも構いませんから、爆薬はありますか?」
先程義手に巻きつけたリードを思い出し、小川が薄ら笑いを浮かべたまま呟く。
爆薬も持たずにリードを持つ馬鹿は、存在しないと思いたい。
「連中、銃声の度に水面に潜ってる。
 威嚇しますから、ダイナマイト漁と行きませんか?
 水面に潜った瞬間、爆発させれば衝撃波で気絶しますから。
 最低限、雑魚だけでも殺しちまった方が良い。」
あのデカ物にだけ集中できるなら、何とか生き延びる事が出来るかもしれない。
「準備が出来たら言って下さい。援護射撃の姿勢を取ります。」
手にしたライフルに銃弾が込められているのを確認すると、射撃姿勢を取った。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:FN FAL(10)、シグザウエル(8)、
     アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:ミヒャエルにダイナマイト漁を提案。威嚇射撃の準備を取る。
90ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/02/05(木) 23:52:18 0
>88
>他のモーロックはより深く潜行し、ミヒャエルの足に噛み付くと水底へと引きずり込もうとする。
「放しやがれこの糞猿共め!人間様に逆らってんじゃねぇ!」

顔の横を掠めるように銃弾が飛んでくる。標的はミヒャエルではなくモーロックの様だ。
>87
>「い、今のうちに…逃げてっ!!」

ほんの一瞬だがその援護に殺意を感じ取る。
「・・・あ、あぁ分ーってるよ」

弾かれたモーロックの背後からは津波の様に群れが押し寄せてくる。
「糞!きりがねぇぞ。何とかしねぇと・・・」

>89
元の岸へ向かう所で呼び止められる。
>「C4でもTNTでも構いませんから、爆薬はありますか?」
「あぁ、あるぜ?説明したろ?俺様の専門は工さk・・・あ、そっか!」

>「連中、銃声の度に水面に潜ってる。
 威嚇しますから、ダイナマイト漁と行きませんか?
「へへへっ、任せろよ。物はこれっきゃねーが、雑魚散らすにゃ十分だな」

>「準備が出来たら言って下さい。援護射撃の姿勢を取ります。」
「OKOK。派手にいくぞ!5秒数えろ!それが合図よ!」

背中のM590Cをばらし、銃身部分にC4をねじ込む。
「5!」

弾倉部分に信管をはめ込んでいく。
「4!3!」

義手の一部分を外し、弾倉と銃身の接ぎに充てる。
「2!」

小川が射撃姿勢に入ると同時に3mほど潜行する。
(1・・・ショータイムだ糞野朗!)

水面に弾丸で出来た波紋が広がる。群れが併せる様に水面下へ潜って来る。
(あ、やべぇ!俺も危ねぇ!)

十分に圧縮されたC4の仕込まれたショットガンが閃光と共に破裂する。
体を翻すが体が大きく仰け反り、圧倒的な勢いで水上へと押し出される。
「おおおおおおおうわぁああああああああああああ!」

大きな体が地球の肌に叩きつけられる。アドヴァンスドの居る元の岸の様だ。
「・・・カァー!イッテェー!オーイチチチ!」


「って俺SUGEEE!よっしゃ。やるか、あん?」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル0/30 予備15/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況:爆破により元の地点へ アドヴァンスドと対峙
91アドヴァンスドβ:2009/02/07(土) 16:26:13 0
>89-90
獲物が一箇所纏まったとほくそ笑むモーロックの群れが二人に迫る。
ゆっくりと輪を描くように距離を詰め、包囲網を作り上げていく。
二人に襲い掛かろうとした瞬間、ミヒャエルのカウントダウンが始まった。
>「5!」
ミヒャエルのカウントダウンに合わせて、モーロックの群れが一斉に襲い掛かる。
>「4!3!」
ミヒャエルも小川も無視し、爆発的な加速で一気に迫る群れ。
>「2!」
ミヒャエルと小川を同時に殺すつもりなのか、水中と水面の二手に別れるモーロック。
距離が残り僅かとなった瞬間、小川の威嚇射撃が始まった。
全てのモーロックが水面に沈んだ瞬間、巨大な衝撃波が水中を駆け巡る。
至近距離で衝撃波を食らったモーロックはミヒャエルと同じように弾き飛ばされた。
宙を舞い、再び着水したモーロックは全て気絶している。
爆心地に近かったモーロックの中には、耳から血を流して死んでしまった者もいた。
アドヴァンスドの怒りの咆哮が地下貯水湖の壁に反響する。
>「って俺SUGEEE!よっしゃ。やるか、あん?」
怒りの感情冷めぬアドヴァンスドは、答える事無く、右足をミヒャエル目掛けて振り下ろした。
92小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/02/07(土) 20:24:24 0
案外、日本で政治的な暴動が起きないのは、国民の政治への関心が薄いからかもしれん、と。
同時に政治的な自由が保障されているから、極端に過激な手法に走らないのかな、と。
政府の責任を追及する訳でなく、自己責任論に従うのではないかな、と。
これも戦後の比較的全体が裕福になれた、と言う錯覚ゆえかな、と。
同時に、学生運動を見るに、社会人になると政治活動をするヒマが無くなり、労働に勤しむ故かな、と。
天安門の一件で中国人大学生が政治に懲りて、裕福になる事を目指すのと同様かな、と。

>>173
貧困自体は原因ではなく、政治的自由が認められていない国家の国民がテロに走りやすい。
デモやら選挙が弾圧されると、どうしても過激な手法に走らざるを得ない、と言うジレンマかねぇ・・・
サウジは経済的に豊かだが、王政で政治的な自由が無い為、9.11の実行犯を複数出した訳で、と。
まぁ、テロリストの氏族が社会的地位が低い、と言う話もあるが同時に社会的地位改善の政治活動も出来ない、と。

>>174
第二次インティファーダ以後のパレスチナやアルジェリア、そして釜ケ崎も、
社会的弱者(公共サービスの範囲外)を煽るインテリが存在するのも事実。
ホメイニ師のイスラム統治論・大ジハード論やユナボマーの犯行声明文が説得力に富むのも、
やはりインテリには、正当化の技術が備わっているが故かな、と。
大規模な暴動は、政治的なメッセージ性が強く、そう言った意図で煽っていると思われるが。
一方で、レバノンのヒズボラや南米の麻薬組織が、カネに物を言わせて政府よりも上質なサービスを提供、
政府よりもテロ組織や麻薬組織に感謝し始める・・・と言う問題が存在したりする。
結果、ゲリラが泳ぐ人民の海が生まれる、と。
しかしながら、テロ実行となると、高度な教育を受けた人間を使いたがるケースが多い。
そっちの方が成功し易い、と言う理由だそうだが。
93小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/02/07(土) 20:55:19 0
>91−>92
>「OKOK。派手にいくぞ!5秒数えろ!それが合図よ!」
微かに頷き、沈み掛けたボートの上で周囲を見回す。
周囲を取り囲むモーロックが近寄ってくるのを見ると、思わず凶暴な笑顔が浮かび上がる。
どんな状況であれ、油断した間抜けを背後から蹴り飛ばすのは人生最大の楽しみと言う訳だ。
>「5!」
カウントダウンと共に、ミヒャエルがショットガンを分解し始める。
モーロックの群れは、いよいよ凶暴さを増し、距離を詰める。
>「4!3!」
体全体で銃を抱え込むように、射撃姿勢を取る。
親指で安全装置が解除されている事を確認するとゆっくりと引き金に指を這わせる。
>「2!」
ミヒャエルが何を考えたのか水面へと潜る。
単発発射能力のみを備えたFALが全自動射撃の如く銃弾を吐き出す。
途切れる事の無い銃声にモーロックの群れが水面へと沈む。
鈍い衝撃からワンテンポ遅れ、巨大な水柱が天井に激突しそうな勢いでいきり立つ。
ボートが揺れ、振り落とされそうになるが必死で堪える。
跳ね上げられたミヒャエルとモーロックの群れと共に、スコールの勢いで水が降り注ぐ。
>「おおおおおおおうわぁああああああああああああ!」
バラバラになったと思ったミヒャエルだが、幸運な事に五体満足な死体のまま、のようだ。
恐らく、叫び声に聞こえたのは幻聴か何かだろう。
>「・・・カァー!イッテェー!オーイチチチ!」
「幾らなんでも頑丈過ぎる・・・だろ。」
地面に叩き付けられたミヒャエルが起き上がるのを見て、小川が呆れ返る。
もっとも、沈み掛けたボートの上で呆れ返っている暇は無い。
船首を素早く回転させ、対岸へと船を走らせる。
後一歩、と言う所で船が完全に沈みかけるが、大きくジャンプをすると対岸へと着地した。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:FN FAL(0)、シグザウエル(8)、
     アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:無事対岸まで渡り切る。
94ルーとフォード:2009/02/11(水) 01:14:40 0
>93-94
>鈍い衝撃からワンテンポ遅れ、巨大な水柱が天井に激突しそうな勢いでいきり立つ。
見た事もない光景にウルタール達が度肝を抜かれる。
吹き飛ばされるモーロックに興奮するウルタール達。
対照的にバツが悪そうな表情をしている鬼子。

>跳ね上げられたミヒャエルとモーロックの群れと共に、スコールの勢いで水が降り注ぐ。
鬼子が皆の上に被さって降り注ぐ水を防ぐが、チビ猫達は大はしゃぎで水の中を走り回る。
水が気持ちよいのか、鬼子も嬉しそうな笑顔をしていた。
小川を出迎えたウルタール達は、対岸で戦うミヒャエルとジャックが乗っていたボートを交互に指差す。
早く助けに行った方が良いと考えているらしい。
95小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/02/13(金) 22:11:14 0
>ジャックさん>94、森村さん
出迎えてくれたウルタールに疲れきった笑顔を向ける。
鬼子にも同じように笑顔を向け、流れるようにジャックに顔を向ける。
「援護射撃は助かりましたし、確かにあの状況で迎えに来てくれ、と言うのも酷かもしれません。」
弾切れになったFALの処分を考えながら、小川が言った。
せめて銃剣が有れば、槍としても使えるのだが。
「こう言う状況ですから、お互いに助け合う必要があると思うんですけどね?」
婉曲な表現を使うのは、これ以上怯えられても困るから、に過ぎない。
目の奥底では、憎悪がゆっくりと燃え上がっている。
良くない兆候だと自分でも解る。
あの分校の一室で思った事、人を助けるのに理由は要らないと言う安っぽくも聞き心地の良い言葉は忘れていた。
そう言う感情は素晴らしく思えるが、ほんの一瞬しか持たないのだ。
生涯に渡って持ち続けるなら、信仰を得るしかない。
それは神相手でも、他人の優しさ相手でも構わない。
しかし、小川はそういった経験を持たず、あったとして全て見逃してきた。
「兎に角、ミヒャエルさんが時間稼ぎをしてくれている間に移動しましょう。」
怯えきった様子の少女の反応を怪訝に思いながらも、小川がボートに近づく。
横たわる山田あすかを担ぎ、小川が立ち上がる。
危うくバランスを崩しそうになりながらも、山田あすかを庇うように倒れこむ。
微かに笑い、今度は慎重に山田あすかを担ぎ上げる。
「ダメだ。私達は移動するんだ。ここに居てもどうしようも無いんだ。」
ボートとミヒャエルを交互に指差すウルタールに向って首を振る。
「ジャックさん、行きましょう。」
歩き始めた小川の足取りは軽やかだったが、湖上の戦いで分泌されたアドレナリンの効果に過ぎ無い。
アドレナリンの効果が切れるまでに、少しでも距離を稼ぐ必要がある事を自覚していた。
一度勢いが無くなれば、後は純粋な意志の力だけで生き延びねばならない。
小川に取って、そこは未知の領域だった。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:FN FAL(0)、シグザウエル(8)、
     アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:山田あすかを担ぎ、移動開始。ジャックの正体には気が付いていない。
96名無しになりきれ:2009/02/16(月) 01:03:02 0 BE:16891283-PLT(12000)
97森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/02/17(火) 17:51:36 0
>94 >95
ジャックだった人は、助けるか助けないかをコインで決めた。
だけど、手元の様子は私達からは見えない。
>「お嬢さんたちは下がっててね♪
>さぁて…運はフェアだ。何もかも、こいつが答えを出してくれる。」
私は問い掛けるようにジャックさんの顔を見た。
ジャックさんは懐から拳銃を取り出すと、メチャクチャに乱射した。
だけどミヒャエルさんには当たっていない。多分、表だったんだ。
>「い、今のうちに…逃げてっ!!」
怯えたような声だったけど、これは演技だってことは私にはわかった。
だけど、ジャックさんの銃が静かになったところでまた怪物の群れが浮かび上がってきた。
これじゃきりが無い。

ミヒャエルさんと鈴木さんが相談して、ダイナマイトを使って何かするらしい。
カウントダウンが終わると、巨大な水柱が上がった。
ミヒャエルさんは吹き飛ばされたけど、上手く着地できたみたいだ。
映画に出てくるヒーローみたいだと思った。
でも、残念ながらミヒャエルさんが着地出来たのは向こう岸のほうだった。
私は絶望的な気分で、冷たい水が降り注ぐ中でミヒャエルさんを見ていた。

滝のように振りそそぐ水が何かに遮られた。
怪物――――ううん、巨人だ。
はしゃぐチビ猫さん達を嬉しそうに見ている巨人を、私も見上げた。
恐ろしい外見からは考えられないけど、もしかしたら巨人にも誰かを思いやる心があるのかもしれない。
ジャックさんがそばで固まっていた私の心が、ほんの少し温かくなった。

私はジャックさんの側で、沈む船から鈴木さんが脱出したのを見ていた。
>「援護射撃は助かりましたし、確かにあの状況で迎えに来てくれ、と言うのも酷かもしれません。」
そう言えば鈴木さんは体調が悪いんだったと今更ながらに思い出す。
>「こう言う状況ですから、お互いに助け合う必要があると思うんですけどね?」

>「兎に角、ミヒャエルさんが時間稼ぎをしてくれている間に移動しましょう。」
怯えきった様子の少女の反応を怪訝に思いながらも、小川がボートに近づく。
横たわる山田あすかを担ぎ、小川が立ち上がる。
危うくバランスを崩しそうになりながらも、山田あすかを庇うように倒れこむ。
微かに笑い、今度は慎重に山田あすかを担ぎ上げる。
>「ダメだ。私達は移動するんだ。ここに居てもどうしようも無いんだ。」
ボートとミヒャエルを交互に指差すウルタールに向って首を振る。
>「ジャックさん、行きましょう。」
ジャックだった人に声を出すなとは言われてない。けど、下手に喋ったら殺されるかもしれない。
だけど・・・・・・・鈴木さんが言ったように、このままミヒャエルさんを置いてなんていけない。
軽やかに歩き出す鈴木さんとは対照的に、私はその場を動かなかった。
ボートとミヒャエルさんを指差し、鈴木さんをじっと見るだけだ。

私には何も出来ない。
そして、夜明けには村は消滅する。もう時間が無いのもわかってる。
けど、こんなのあんまりだよ。
98ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/02/19(木) 04:09:21 0
>91
>怒りの感情冷めぬアドヴァンスドは、答える事無く、右足をミヒャエル目掛けて振り下ろした。

巧みにサイドへステップし身をかわす。
「っとと。何だやる気満々じゃねぇーか。こっちも体が暖まって来た頃だ」
「どう料理されてぇんだ?イカスミパスタか?墨でも吐きな!」

落とされた右足を伝い腹部に目掛けて腕をねじ込む。
「おいおい、随分ブヨブヨじゃねーか。メタボなんじゃねーの?」

すかさず距離を取り、元の位置まで下がる。
背後の様子が気になり横目で視線を向ける。
「っち。まーだウロウロしてやがんのか。のろまだなぁ全く」

猫と子供が交互にこちらと船を指差す仕草が見て取れる。
「ったく世話の焼ける・・・」
(スズキもうちょっと頑張れよ。今くたばられちまったら詰みだ)

アドヴァンスドに向き直り大きな声で叫ぶ。
「うじうじしてねぇーでさっさと行け!この糞ガキ共!俺がやられる訳ねーだろが!」
「後から土産持って追いつくからとっとと先進め!のろま!」

(とは言ったものの、どう合流するか。まぁ、まずはコイツだわな)

アドヴァンスドに集中する。
「お待たせ。これでもエリートだったんでな。受講料高くつくぜ?来な」

義手の人差し指でクイクイと手前に寄せるジェスチャーを取る。

「ミヒャエル流戦闘教範その1。俺様に逆らわない事。OK?」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル0/30 予備15/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況:爆破により元の地点へ アドヴァンスドと対峙
99アドヴァンスドβ:2009/02/22(日) 17:12:43 0
>>98
>「っとと。何だやる気満々じゃねぇーか。こっちも体が暖まって来た頃だ」
全力で放った一撃はサイドステップで簡単にかわされる。
>「おいおい、随分ブヨブヨじゃねーか。メタボなんじゃねーの?」
腹部に腕がめり込んだが、その一撃は皮下脂肪に遮られてダメージとはならない。
そのまま押し潰そうとボディプレスを行うが、ミヒャエルは十分な距離を稼いでいた。
>「後から土産持って追いつくからとっとと先進め!のろま!」
アドバンスドが腹ばいの姿勢のまま、何かを考えるようにやり取りを聞いていた。
>「お待たせ。これでもエリートだったんでな。受講料高くつくぜ?来な」
「受講料ぉぉぉぉ?お前の命で払わせてやるぞぉぉぉ・・」
本人は冷笑のつもりだったが、禍々しくも凶暴な笑顔となっていた。
>「ミヒャエル流戦闘教範その1。俺様に逆らわない事。OK?」
アドバンスドは犬が腹這いになる姿勢を取っていたが、突如仰向けに転がる。
触手の先端を尖らせ、天井に突き刺し、巨体を引きずり上げる。
柔らかい腹部を天井に密着させると、鋭い角のような突起が何十本と生えた背中が見えた。
フクロウのように可動域が広い首が180度回転する。
「レクチャーしてやるぞぉぉぉ・・・化け物には化け物の戦い方が存在する・・・ってなぁぁぁ!」
瞬間、背中の突起が高速で射出、クレイモア指向性地雷の如く周囲にばら撒かれる。
時速100キロで射出されるトゲに続き、背中から10本近い触手が飛び出てくる。
細い触手は眼下の生物を完全に切り刻もうとリッカーの舌のように高速で動いている。
「ようやくぅぅぅぅ解ったぜぇぇぇ・・・俺の体の特質がなぁぁぁぁぁ!」
アドヴァンスドは、天井に張り付くハイテク駆逐艦だった。
地を這うのではなく、天井に張り付きミサイルの如く鋭い突起を射出し、
近寄る敵をファランクスの代わりに超高速で動く触手で細切れにする。
天井に張り付き移動する駆逐艦であり、同時に人間から見れば動く要塞なのだ。

射出された100を超える突起が粉塵を巻き上げ、超高速で触手が動く。
生身であれば鞭を叩き込まれたように皮膚が裂け、血を流しながら苦痛に苛まれる。
仮に義体・義手であっても喰らい続ければ、神経に該当する電子機器が破壊され接触不良を起こしかねない。
アドヴァンスドは、地下世界に完璧に適合した捕食生物だった。
100小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/02/23(月) 19:35:55 0
>97−99
ボートとミヒャエルを交互に指差す少女を見たところで、小川の決意は変わらなかった。
子供の一人くらいなら幾らでも言い包める事が出来る。
我が内なる何かが問い掛ける。
これ以上、仮面を被り続けるつもりか?と。
答えは決まっていた。
弾切れのライフルを捨て、顔を怒りに強張らせながら少女に向き合う。
>「うじうじしてねぇーでさっさと行け!この糞ガキ共!俺がやられる訳ねーだろが!」
>「後から土産持って追いつくからとっとと先進め!のろま!」
ミヒャエル本人の承諾を受けたとばかりに嘲笑を浮かべ、拳銃を抜く。
ボートのモーターにきっちり2発叩き込む。
「ミヒャエル!あの世で爺さん達に言っておけ!こんな玩具の小舟で助けられる訳が無いってな!
 お前が言えば、説得力があると思うぞ!」
一方で、大宮大佐達が別のルートを想定していた事を確信していた。
あの爺さんは、まさしく爺さんと呼ぶに相応しい年齢だが、小舟2艘で村人を救えるとは思っていまい。
少女の腕を乱暴に掴み、引き摺るように歩き出す。
「くそ、どいつもこいつも・・・俺の邪魔ばっかりしやがる。」
苛立ち紛れに呟いた今の小川に、鈴木の面影は無い。
もっと邪悪な、荒涼とした残酷な魂が垣間見える。
血に塗れたその顔は、キリストに石をパンに変えてみせよと問い掛ける悪魔そのものだ。
「解りやすく説明してやる。俺は傘の工作員でな。この女、感染している事を隠していやがった。
 お陰で俺は裏切り者扱いされて、殺されかけたんだ?酷い話だと思わないかね?」
小川平蔵は、十字架を背負いゴルゴダの丘を登っている。
「ま、この女が・・・本気を出したらどうなるか解らんのでね。
 お嬢ちゃんは人質だ。お嬢ちゃんが逃げれば、猫共を殺す。猫が襲い掛かってきても殺す。
 ジャック、あんたは余計だが・・・まぁ、見逃してやろう。」
着ているシャツを売り、剣を買って人々を守れ。それは信仰だ。
「酷い話だよな、ちょっぴり良い女だったってのもあるが・・・ま、人間欲を出しちゃダメって事だ。
 もう一つある。俺は気の良い男に見えるが・・・物事は見掛け通りとは限らないんだ。
 ミヒャエルが居なくなったのは残念だったな。女が二股を掛ける理由が良く解った気がするよ。」
薄ら笑いを浮かべ軽薄で残酷な言葉を吐く姿に尊敬できる要素は無い。
ちらりと山田あすかの顔を見て、おかしそうに笑う。
「ま、この製薬会社に売り渡すのは・・・残念ではあるがね。
 余禄に預かろうと思ったが、お楽しみは無しだな。病気が怖い!」
品の無い、身勝手で傲慢な下世話な男の笑み。

装備:防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:シグザウエル(6)、 アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:山田あすかを担ぎ、少女を引き摺るようにして歩き出す。
101ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/02/25(水) 00:19:32 0
>100
>「ミヒャエル!あの世で爺さん達に言っておけ!こんな玩具の小舟で助けられる訳が無いってな!
>お前が言えば、説得力があると思うぞ!」
「あー、糞ったれめ。あれが噂のもう1つの顔かよ。どっちが本性何だかなぁ・・・」

>99
>柔らかい腹部を天井に密着させると、鋭い角のような突起が何十本と生えた背中が見えた。
>フクロウのように可動域が広い首が180度回転する。
>「レクチャーしてやるぞぉぉぉ・・・化け物には化け物の戦い方が存在する・・・ってなぁぁぁ!」
「ミジンコ並みの脳みそだな。俺が教えてやるって・・・うぉっ!」

>瞬間、背中の突起が高速で射出、クレイモア指向性地雷の如く周囲にばら撒かれる。
>時速100キロで射出されるトゲに続き、背中から10本近い触手が飛び出てくる。

初撃をぎりぎりの所でかわす。
「おいおい、そんなの有りかよ!それに俺様の話はまだ・・・ってうわ!」

>「ようやくぅぅぅぅ解ったぜぇぇぇ・・・俺の体の特質がなぁぁぁぁぁ!」
「るせぇー!てめぇ、そんなの当たったら痛ぇだろうが!」
(こいつぁ参った。楽勝だと思ってたがとんだ大誤算だぜ。糞野朗の足場は・・・土と岩、か。粘土質。)
(考える所だミヒャエル。近付けば刺される。避けるのも2回いけりゃ良い方だ)

若干顔色が悪いことが伺える中、OICWを構え弾を込める。
「こんな物に頼るとはなぁ」
(残弾は15、か。スピードこそあれあのトゲの強度は?硬ぇなら使い様によっちゃぁ・・・)

的を絞りアドヴァンスドへ向けて引き金を引く。
「これでも喰らえ糞ったれ!」
(本命は糞野朗だが、トゲの強度を試したい。そのままくたばれば越した事はねぇが)


瞬きもせず、続け様に3発4発と放つ。
「そらそら!上に逃げて遠巻きにしか攻撃できねぇのか!?」
(引き摺り下ろすには?接近するには?俺の回避ルートは?)
(くたばるもんか。糞ガキに約束しちまったしな。へへへ)

口角が上がりにやけた様な表情に変わる。
「あー面倒臭ぇ!なんだってガキに土産なんて言っちまったんだろなー!」


「中略教範その2!信念のねぇ奴はさっさとおっ死ね!」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況:爆破により元の地点へ アドヴァンスドと対峙
102山田あすか ◆ACbuU8qOaU :2009/02/25(水) 03:28:06 0
夢をみていた。
現実になればいいと思ったから夢にみたのだろうか。
例えばもし、出会う時期や場所が違っていたら、もっと別の未来があったかもしれない。
私は倍尾市勤務の看護師で、貴方は出入りの製薬業者の人。
事件も何にも無い、ある筈の無い平凡な日常。
そんな中で出会っていたら…。

>100
聞き覚えのある声で聞き覚えの無い笑い声。
半覚醒の意識でもその声はしっかりと脳内に響いていた。
「大丈夫、降ろして。」
ゆっくりと瞼を上げおかしそうに笑う鈴木さんを見た。
無言で地面に足を付け、振り返らずに先頭に立ち足を進める。
「…はっきり言うわ。鈴木さんの言った事は本当。でも不正解。」
振り返らずに自分でもおかしいくらいに冷静に言葉を紡いでいく。
「一番初めの倍尾市の事件は知っているでしょう?」
答える声は何処にも無い。
「『山田あすか』はその事件が起こる一ヶ月も前に感染をして…」
─そう、最初のときに、貴方に出会ったときにはもう既に
「…既に『死んでいた』のよ。」
─人間じゃなかった…

誰かの息を飲む声が聞えた気がした。
「安心して。今、貴方達の目の前に居るのは感染者じゃない。」
身体が軋む。多分全身を打ち付けたからだろうか?
「バケモノよ。」
足を止めそう告白する。
背後で続いていた足音も止まり、銃を構える様な音が聞えた。
ゆっくりと振り返り後ろに続いていた人物達を見る。
獲物を狙うかの如く目を細め、微笑む。
地下室で見た彼女の笑い方を少しだけ真似てみた。
「タカガニンゲンゴトキガ」
猫が威嚇の様な視線をぶつけてくる。
それは人間も同じだった。
103山田あすか ◆ACbuU8qOaU :2009/02/25(水) 03:31:35 0
「…なーんてね。あっははははっ。もう!何そんなに顔色変えてんのよ。」
我慢の限界でとうとう笑ってしまった。
「鈴木さんもそんな顔と言動したって下半身パンツ一丁じゃ全然迫力に欠けてるわよ。
私の方が役者は上だったわね。」
悪戯っぽく勝ち誇った笑みを見せ、先頭を進む為に再度背を向ける。
「ほら、行きましょう。私達が此処に居ても彼が派手な応戦できないじゃない。
鈴木さんはナビお願い。暗いところなら私が得意だし、生身の人間よりバケモノ
が先頭の方がいいでしょ。」
生温かいものが人知れず私の頬を伝う。
「私の身体はとっくに人間ではないけれど…」
─人間を捨てて無いの。

所持品:ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖
状態:左肩負傷(回復中) 母胎の返り血により血塗れ
状況:バケモノと同行者に真実を告げ先頭に立ち進行中
104ルーとフォード:2009/02/25(水) 19:47:54 0
>96>97>98
ウルタール達は、小川でなく少女に着く事にした。
チビ猫達は頑張って教わったヒーローと言う単語を発音しようとして、鳴いている。
>「うじうじしてねぇーでさっさと行け!この糞ガキ共!俺がやられる訳ねーだろが!」
>「後から土産持って追いつくからとっとと先進め!のろま!」
突然の怒鳴り声にびっくりしたけれども、小川が次に取った行動にはもっと驚かされた。
ボートのエンジンを壊してしまったのだ。
銃の仕組みやエンジンの仕組みも知らないけれど、銃声の後には死んだり壊れたりする事を学んでいた。
>「ミヒャエル!あの世で爺さん達に言っておけ!こんな玩具の小舟で助けられる訳が無いってな!
 お前が言えば、説得力があると思うぞ!」
小川の罵声から悪意を感じ取る。
彼等を地上へと連れて行ってくれる神様の腕を掴み、引きずり回そうとしている。
許しがたい行為である。
素早く小川が捨てたライフルに近寄り、2匹がかりで構える。
見よう見真似で使い方は解っていた。
>「ま、この製薬会社に売り渡すのは・・・残念ではあるがね。
 余禄に預かろうと思ったが、お楽しみは無しだな。病気が怖い!」

>102
>「大丈夫、降ろして。」
突如聞こえた山田の声にウルタール達の注意が逸れる。
思わず銃を山田あすかに向けてしまった。
>「タカガニンゲンゴトキガ」
意味は解らないが、その言葉に秘められた意味が感じ取れた。
恐怖を感じさせる笑みに負けじとウルタール達が威嚇の視線を放つ。
>「…なーんてね。あっははははっ。もう!何そんなに顔色変えてんのよ。」
笑い声に安堵したウルタール達は、腰を抜かしたように座り込んでしまった。
>「私の身体はとっくに人間ではないけれど…」
先へ進もうとする山田と森村彩を交互に見て、どうすれば良いのか迷っていた。
105アドヴァンスドβ:2009/02/25(水) 21:54:48 0
>101
>「るせぇー!てめぇ、そんなの当たったら痛ぇだろうが!」
アドバンスドはゲラゲラ笑うだけで触手の速度を落としはしない。
ますます加速していく一方だ。
そして徐々に徐々に、ぽっかりと開いた穴からトゲが飛び出してくる。
触手はトゲが再生するまでの時間稼ぎに過ぎないようだ。
>「これでも喰らえ糞ったれ!」
ミヒャエルが放つ銃弾が着弾する。
皮膚に当った銃弾はぺしゃんこになり、地面へと落ちていく。
一方、トゲに当った銃弾は弾き飛ばされて有らぬ方向へと飛んでいく。
トゲの方が遥かに硬く頑丈なようだ。
>「そらそら!上に逃げて遠巻きにしか攻撃できねぇのか!?」
連続して放たれる銃弾が触手を切断する。
>「中略教範その2!信念のねぇ奴はさっさとおっ死ね!」
切断された触手は他の触手と絡まり、台風の目のような空白が生まれる。
焦ったアドヴァンスドが更にトゲを発射する。
ぽっかりと空いた穴の奥には血管や内臓が剥き出しになっている・・・
106小川平蔵(代理) ◇K3F.1.DICE :2009/03/03(火) 21:46:23 0
>102−104
ミヒャエルの技量や経験から判断するに、彼は生き延びる。
そして大佐達が想定していた通路を見つける。
彩ちゃんは俺が強引に連れ出したから、見捨てたと言う罪悪感に悩む事も無い。
悪魔のように誘惑し、納得させるのではなく、罪を背負ってゴルゴダの丘を登るんだ。
山田あすかだけではなく、せめてこの村の人々だけでも救いたいと思う。
だから、俺は新たな仮面を被るのだ。
それが責任を取ると言う事なのだ。
死者ほど責任を取るのに相応しい存在はいない。
・・・あんたもそう思うだろ?

俺は楽しそうな顔で歩き続けた。つまり仮面を被り続けていた。
>「大丈夫、降ろして。」
突如耳元で聞こえたその声に俺は従う。
>「…はっきり言うわ。鈴木さんの言った事は本当。でも不正解。」
暫くの間、彼女の言葉に耳を傾ける素振りをしていた。
銃を構えたかも知れないし、息を飲んだかも知れない。
俺は何も感じなかった。彼女は、虚無に向けて話しかけていたんだ。
尻餅をついた猫達のように嘘を吐かずに生きる事が出来れば、と思う。
>「私の身体はとっくに人間ではないけれど…」
先頭を歩こうとする彼女の肩を掴み、強引に振り向かせた。
気が付けば、俺の掌が彼女の頬に触れていて、涙を親指で拭っていた。
「死者の・・・いや、怪物の肉体に宿る人間の魂。悲しいもんだな?」
目を閉じ、全てが丸く収まる魔法の言葉を探すが見付からない。
嘘を吐き過ぎて、何一つ身動きが取れなくなっていた。
だから俺は、最初からハッピーエンディングなど無いのだと言い聞かせた。
彼女を救い、ついでに少女と村人を救いひっそりと消え去る。
ほら、何一つ最初から変わっていないだろ?
「そうやって逃げ出すつもりなんだろう?」
憎しみをくれ。
「幾らでも俺を騙す機会があるんだろうな。」
哀れみも同情も優しさも要らない。
「俺が先頭を歩く。」
君自身に絶望しないでくれ、君は美しい。
「二度と俺を騙すような真似をするな。」
魂が死に絶え、怪物に成り下がった俺を憎んでくれ。
「俺が先頭を歩く。異論も反論も認めない。解ったな?」
彼女を乱暴に押しのけ、先頭に立つと周囲に視線を巡らせた。
そこには虚無があった。
失われた魂のあった場所が周囲を侵食し、耐え難い痛みとなる。
俺は気力を振り絞り、努めて平静な顔をした。
人を騙す事は、自分自身を欺く事と同じ位簡単なんだ。
けれども、虚無を欺く事は出来ない。
取り合えず、武器を探そうと俺は思った。
俺の読みが正しければ、どこかにもう一箇所武器庫がある筈だ。

装備:防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:シグザウエル(6)、 アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下貯水湖 船上
状況:先頭に立って移動開始。
107ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/03/05(木) 01:25:14 0
>105
>焦ったアドヴァンスドが更にトゲを発射する。
>ぽっかりと空いた穴の奥には血管や内臓が剥き出しになっている・・・

剥き出しになった箇所を確認し、地面に突き刺さる無数のトゲを数本引き抜く。
「おい、てめぇはてめぇの事がまるで分かっちゃいねぇな。図体がでかけりゃ欠点もでかくなるんだよ」

今度は乱射ではなく、天井部分に突き刺された触手に狙いを定める。
「なぁS級ランクの兵隊がどんな訓練受けてたか知ってるか?」

1発ずつ慎重に触手に当てて行く。
「2ショット目のミスでペナルティ。試験永久終了だった。つまり殺される」

拾い集めたトゲを握り締め、落ちてくるであろう地点へ滑り込む。
「・・・が特例があってな。ミスショットのフォローで標的若しくは同点の者を潰せば免除だ」

滑り込み体勢を整えた後、トゲを真上に突き立て垂直に飛び上がる。
「俺が銃撃やら格闘が苦手ってのはそこん所が事情なんだよ。苦手っつか嫌ぇなんだ」


「てめぇが面倒な奴だからまたこんな事やる事になっちまったよ!先にあの世で待ってな!」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況:爆破により元の地点へ アドヴァンスドと対峙
108アドヴァンスドβ :2009/03/07(土) 21:32:10 0
>107
>「おい、てめぇはてめぇの事がまるで分かっちゃいねぇな。図体がでかけりゃ欠点もでかくなるんだよ」
アドヴァンスドは笑いながら触手を振り回し続ける。
>「なぁS級ランクの兵隊がどんな訓練受けてたか知ってるか?」
アドヴァンスドの表情が固まるが、僅か一瞬だった。
車に轢かれて内臓をぶちまけたまま生き続ける犬を見たような表情が浮かぶが、やはり一瞬だった。
「お前ががぁぁぁぁSランクだぁぁぁぁ?」
あまりにも哀れ過ぎて、笑うしかないと言った感じでアドヴァンスドが叫ぶ。
>「2ショット目のミスでペナルティ。試験永久終了だった。つまり殺される」
「知ってるぜぇぇぇ!ガキ共を殺し合わせるアレだろぉぉぉぉがぁぁぁぁ!
お前が生き延びるのにぃぃぃ・・・どれだけ殺して来たんだぁぁぁぁ?
S級のSはぁぁぁぁ・・・suck(最低)のSだったかぁぁぁぁ?
それともShit(クソ)のSかぁぁぁぁ?
Slug(ナメクジ)のSかぁぁぁぁぁ?」

ミヒャエルが銃弾を放つ度に、触手が根元から千切れていく。
有効射程内にミヒャエルを収めようと天井を這うが、間に合わない。
逃げ出すにも巨体である為、スピードが足りない。
大慌てでトゲを射出する準備に取り掛かるが、間に合わない。
>「俺が銃撃やら格闘が苦手ってのはそこん所が事情なんだよ。苦手っつか嫌ぇなんだ」
「Dランク呼ばわりされてたのを知っているかぁぁぁぁ?
disposable(使い捨て)のDだって馬鹿にされてんだよぉぉぉぉ!」
ミヒャエルを真下に捉えた時には、全ての触手が千切れていた。
いや、収めたのではなくミヒャエルの有効射程に入っていたのだ。
水切れのスプリンクラーのようにボタボタと体液を漏らすアドヴァンスド。

その表情が車に轢かれる直前の犬のような表情へと変わる。
得体の知れない巨大な恐怖が迫っている事に気が付いても、そこから逃げられない。
>「てめぇが面倒な奴だからまたこんな事やる事になっちまったよ!先にあの世で待ってな!」
アドヴァンスドの体から力が抜ける。
ミヒャエルの一撃は見事に心臓を捉えていた。
消火ホースの勢いでどす黒い紫色の血液が背面の穴から噴出してく。
まさしくスプリンクラーに相応しい勢いだった。

こんな筈では無かったのに・・・
驚愕に満ちた表情のまま、全身の生命活動が停止する。
暫く間を置いてアドヴァンスドの巨体が重力の法則に従い、天井から落ちる。
力無くバウンドし、そのまま地底湖へと堕ちて行く。
そして沈んだまま・・・二度と浮かび上がる事は無かった。
109森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/03/07(土) 23:19:44 0
>98 >100
鈴木さんは弾切れの銃を投げ捨てると、恐い顔で私を見下ろした。
>「うじうじしてねぇーでさっさと行け!この糞ガキ共!俺がやられる訳ねーだろが!」
>「後から土産持って追いつくからとっとと先進め!のろま!」
ミヒャエルさんの叫びを聞いて、私はビクッと竦みあがった。
鈴木さんは嘲笑を浮かべると、銃を抜いてモーターボートを撃った。
>「ミヒャエル!あの世で爺さん達に言っておけ!こんな玩具の小舟で助けられる訳が無いってな!
> お前が言えば、説得力があると思うぞ!」
そう叫んだ鈴木さんは私の腕を掴むと、引き摺るようにして歩き出した。
「痛い、痛いよ・・・・・・」
ミヒャエルさんを置いていくいたみと、掴まれた腕の痛み。
知らず涙が溢れた。
>「くそ、どいつもこいつも・・・俺の邪魔ばっかりしやがる。」
そう吐き捨てる鈴木さんは見知らぬ人のようで、豹変したジャックさんを彷彿とさせた。
>「解りやすく説明してやる。俺は傘の工作員でな。この女、感染している事を隠していやがった。
> お陰で俺は裏切り者扱いされて、殺されかけたんだ?酷い話だと思わないかね?」
私には何のことだかわからない。ただ、泣きながら首を振るだけだ。
>「ま、この女が・・・本気を出したらどうなるか解らんのでね。
> お嬢ちゃんは人質だ。お嬢ちゃんが逃げれば、猫共を殺す。猫が襲い掛かってきても殺す。
> ジャック、あんたは余計だが・・・まぁ、見逃してやろう。」
ひゅっと喉の奥がなった。顔が引きつったのが、自分でもわかった。
>「酷い話だよな、ちょっぴり良い女だったってのもあるが・・・ま、人間欲を出しちゃダメって事だ。
> もう一つある。俺は気の良い男に見えるが・・・物事は見掛け通りとは限らないんだ。
> ミヒャエルが居なくなったのは残念だったな」
その後に二言三言鈴木さんは言ったけど、私には意味が良く分からなかった。
ただ、明確な悪意と嫌な感じだけが伝わってきた。
背後ではルー達が、鈴木さんが捨てた銃を拾って二匹がかりで構えようとしている。
気づいた私は必死で首を横に振った。止めてくれと。
鈴木さんが見たら、絶対にルー達を殺すだろう。
何よりその銃はもう弾切れで、戦いの道具としては使えないのだと。

鈴木さんの言葉と行動には明らかな矛盾があったけど、その時の私は気づくだけの余裕は無かった。
「分校で話してくれたこと・・・・・・・あれも、全部嘘だったの?」
>「大丈夫、降ろして。」
私の質問に被るように、女の人の声が振ってきた。
山田さんだ。目が醒めたんだ。
「山田さ・・・・・・・・」
私は彼女に話し掛けたかったけれど、その背中は私を拒絶していた。
ううん、私だけじゃない。この場にいる人全員だ。
>「…はっきり言うわ。鈴木さんの言った事は本当。でも不正解。」
>「一番初めの倍尾市の事件は知っているでしょう?」
>「『山田あすか』はその事件が起こる一ヶ月も前に感染をして…」
>「…既に『死んでいた』のよ。」

私は思わず息を飲んだ。山田さんは一体何を言ってるんだろう?
死んでいた?彼女はゾンビにもなってないし、怪物にだってなってないのに?
今こうして私達に話をしてくれてるのに?
>「安心して。今、貴方達の目の前に居るのは感染者じゃない。」
>「バケモノよ。」
そう言って振り向いた山田さんは、震え上がるほど恐ろしい目をしていた。
>「タカガニンゲンゴトキガ」
110森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/03/07(土) 23:20:17 0
その後、山田さんが全部を冗談にしてしまった。
笑い声に安心したのか、ルー達はぺたりとその場に座り込んでしまった。
>「私の身体はとっくに人間ではないけれど…」
「死者の・・・いや、怪物の肉体に宿る人間の魂。悲しいもんだな?」
山田さんの涙を拭ったとき、鈴木さんの手が離れた。
私は2、3歩後退りして、考えた。
このまま一緒にいていいのだろうか?彼らと一緒に、ルー達を連れて行ってもいいのだろうか、と。
ここにいる人達は皆どこかおかしい。
ジャックさんだった人だけじゃなく、鈴木さんも・・・・・・・山田さんまで。
山田さんと話してるとき、ほんの一瞬だけ鈴木さんがつらそうな顔をしてた気がするけど・・・気のせいなのかな?
鈴木さんに腕を引かれた時がチャンスだったのに、結局ジャックさんのことを話しそびれてしまった。
山田さんにはとても話せそうに無い。
ジャックさんは研究員の仮面を被って突かず離れずの位置にいる。
「・・・・・・どうしたらいいのかな?」
ミヒャエルさんがいる方角からは銃声がやまずに聞こえている。
音がなっている間だけは安心できる。
彼は行けと言った。だから、とりあえずは先に進もう。
「行こう」
私は鈴木さんや山田さんに続いて、ルー達と一緒にのろのろと歩き始めた。
111ルーとフォード(代理):2009/03/08(日) 22:16:54 0
>106-110
どうやら鈴木が再び先頭を歩く事になったらしい。
鈴木の行動には理解出来る部分と出来ない部分があった。
過酷な環境を生き抜いてきたウルタール達は、合理的行動を取る。
仲間を見捨てる一方で、僅かでも可能性があれば仲間を助けようとする。
ミヒャエルを見捨てるのは仕方が無いが、ボートを壊す必要は無かった筈だ。
>「・・・・・・どうしたらいいのかな?」
「・・・いキル」
少女を身ながら鬼子が呟いた。
少女を守るようにジャックとの間に立った鬼子は、混乱していた。
どうしてみんな、憎しみ合っているのだろう?
>「行こう」
座り込んでいたルーとフォードは立ち上がると大急ぎで湖まで走った。
すっかり忘れていた。
あの弱い奴を助けなくてはいけない。
二人がかりで運んだライフルをアドヴァンスドに向け、見よう見まねで引き金を引いた。
何時もの盛大な音は聞こえず、カチっと音がした。
相変わらず鳴き続けるチビを尻目に、鈴木が銃を捨てた理由を理解した。
でも、ボートを壊すのはおかしい。
チビを連れて少女の下に戻ろうとした時、驚きの展開が始まった。
ミヒャエルがアドヴァンスドを倒したのだ。
大急ぎで少女の下に向う4匹。
4匹は満面の笑みを浮かべていた。
まず鬼子が意味を理解して笑った。
そのまま少女に笑顔を見せ、今度は山田の元まで走って笑顔を見せた。
短い足をチョコチョコと動かして皆に笑顔を見せて走り回ると、少女の隣に戻る。
鈴木に対する警戒は残っているらしく、ウルタール達は鈴木に近寄らない。
代わりに、鬼子が前に出て鈴木に笑いかけた。
鬼子は鈴木を信じているらしい。
少女の隣に戻る途中で山田に笑いかけ、列の最後尾へと戻っていった。
112名無しになりきれ:2009/03/09(月) 00:25:11 O
〉102〉106
暗闇の向こう側に何か蠢く影がある・・・
それは足音も無く小川に接近してきた。
鋭い爪を持ったハンターだ!
小川の目ではかなり接近しないと見えないだろう・・・
113ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/03/10(火) 09:19:24 0
>「Dランク呼ばわりされてたのを知っているかぁぁぁぁ?
>disposable(使い捨て)のDだって馬鹿にされてんだよぉぉぉぉ!」
>驚愕に満ちた表情のまま、全身の生命活動が停止する。

巨体が傾き湖へと沈んでゆく様を眺める。
「Slave(奴隷)とSlaughter(殺戮)それが正解かもな」
「もう聞こえねぇかも知れないが、お前も立派なSランク入りだな」
「Sacrifice。いかれたやつらのな」

地底湖周辺を見渡し、考察に入る。
「さて、確かこんな小船でどうのこうの言ってたな。確かに施設の規模からして・・・」
「あのまま真っ直ぐ進んで行くならこの方角か?こっから戻るのは骨だしなぁ」

壁面に不自然な箇所を見つける。
「おっと、なんだなんだいかにもって感じじゃねぇかよ。良いのかこんなに簡単で」

不自然な部分の壁を軽く叩き、他の壁と音の違いを確認する。
「んー・・・古いからぶっ壊せるか?せーの!オラァー!」

表面の土が剥がれ、鈍い音だけが響く。
「ノォァ・・・!痛ぇ!何すんだこの糞壁!ぶっ殺すぞ!」

壁にもたれ掛かりぼんやりと座り込む。
「出口があんのに出られねぇとはなぁ。ついてねぇえぜ糞」


「開けゴマー!なんつって。バカか俺は糞ったれめ」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:地下湖 
状況:アドヴァンスドを排除。別のルートを探索中
114名無しになりきれ:2009/03/10(火) 21:55:54 O
>113
ミヒャエルがもたれ掛かった壁が180度回転する。
どうやら忍者屋敷隠し扉のような構造だったらしい。
部屋の中は腐葉土のような匂いが漂っている・・・
目が慣れてくると、腐りかけた木組みの十字架が見えてきた。
どうやら強制労働に従事していた捕虜達の墓所のようだ。
奥の方から生暖かい風が吹いてくる・・・
闇の中で何かが蠢く気配がする。
しかし、先に進むしかないようだ。
一番奥には立派な墓石がある。
動かしたような形跡があるが・・・

動かしてみますか?
115ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/03/15(日) 23:09:21 0
「あー糞糞!煙草でもありゃ気が紛れ・・・お?んん?ととと」

背面の壁が反転し部屋が視界に入る。
「なんだなんだ。ミミズでも鼻に突っ込まれた様な臭いだぜ」
「墓・・・らしいな。粗末なもんだ」

奥から生暖かい風が体を包む。奥には立派な墓碑の様な物が見える。
「あぁー気持ち悪ぃなぁもう。・・・こんな所に仰々しく邪魔臭ぇもん立ててんなぁ」
「・・・へいへい。動かして下さいって言ってる様なもんだぜ糞が」

躊躇する事無く墓石を動かしに掛かる。
「しかし・・・何だろなぁ。この奇妙な気配は。まぁ今更何が出ても驚きやしねぇが」


「よいしょー!おらぁ!」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:地下の一室 墓? 
状況:別のルートを探索中 部屋の奥にある墓石を動かす。
116地下墓地:2009/03/18(水) 23:38:49 0
>115
墓石は、封じられた過去を暴かれまいと必死に抵抗する。
しかし、死者が生者に敵う訳が無い。
生命力に屈服するように、僅かに墓石が動く。
カチリと何かが噛み合う音が聞こえ、貯水湖の方角から水泡が弾ける音が聞こえてくる。
何も無かった筈の貯水湖に巨大な橋が出現していた!
ミヒャエルの作動させた装置は、貯水湖の対岸へと移動する為の橋を浮かび上がらせる装置だったらしい。
これで対岸へと渡る事が出来るだろう。
117小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/03/24(火) 00:36:43 0
>109−111
ミヒャエルを助けようとでもしたのか、ウルタール達が走り出す。
可哀想な猫たちは、ライフルがまだ使えると思っている。
銃声は既に止んでいた。
小川はミヒャエルが生き延びていれば良いが、と思う。
慌しいながらも足音を立てず、猫たちが走り寄ってくる。
小川以外の全員に、その笑顔を向けて。
笑顔を浮かべた鬼子に向って、口の端を微かに曲げてみせる。

暗闇の中を小川が滑るように歩く。
拳銃に取り付けたライトは目晦まし専用で、30分も付けていればバルブが溶けてしまう。
結局、後方と前方の気配に気を配りながら、暗闇の中を歩く他手段が無い。
下着姿で歩くのであれば目立たぬ暗闇の中の方が有り難い。
既に皆が認識している事を考えれば、あまり宜しくは無いが。
暫く歩いたところで、小休止を宣言する。
シャツのポケットから煙草と使い捨てライターを取り出すと、ふと頭を上げた。
>「分校で話してくれたこと・・・・・・・あれも、全部嘘だったの?」
少女の質問を思い出したのだ。
「人間ってのは、自分が信じたい事を信じる生き物だ。」
小川が思い出したように、分校の件だがと付け足す。
「大抵の人間は、物事を変える事よりも妥協して満足する事になる。
 それが現実的な手段だ。
 俺の一番古い記憶は、産道の出口に『この門を潜る者は一切の希望を捨てよ』って書いてあった事だな。」
小川が自嘲気味に笑った。
咳き込むと口の中に血の味が広がった。
少なくとも、彼女が愛してくれるなどと思わなければ、今の俺は居なかっただろう。
「だが、その一方で世の中には、現実を変えちまう連中が居る。
 頭が良くて強くて・・・そして強い魂を持っている。
 まぁ、美しいまでに頑強な意志、と言い換えても構わないだろうな。」
山田あすかには、その美しさが備わっていると思っていた。
太陽を見つめるヒマワリのような力強さと美しさが。
小川が山田あすかに煙草とライターを差し出す
「ま、なんだ。そういう連中は総じて生き延びるのが上手い。」
暗闇の中で燃える煙草の先端に真実が隠されている、とでも言うように先端を見つめる。
「子供には難しいかも知れんが頭を使って、精々生き延びると良い。
 恐怖に負けない魂と目の前に立ちふさがる全てを打ち壊す力を持つ事だ。」
そうすれば、現実を変えられるかもしれない。
殆どフィルターだけになった煙草を投げ捨てる。

>112
投げたフィルターがオレンジ色の火花を撒き散らしながら、ハンターの近くに落ちる。
もっとも小川はハンターの存在に気付いていなかった。
小休止を止めると、小川が再び歩き出す。
拳銃を構えたまま慎重に、ゆっくりと歩き始めた。

装備:防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:シグザウエル(6)、 アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下3階?
状況:移動再開、ハンター(>112)には気付かず。
118ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/03/24(火) 00:39:47 0
>116
>カチリと何かが噛み合う音が聞こえ、貯水湖の方角から水泡が弾ける音が聞こえてくる。

「お?お?派手な仕掛けだなぁおい」

音のした方へ向かい湖面に架かった橋を確認する。
「なるほどな。これなら村単位の人数なら渡れそうだ。いや車でもいけるなこりゃ」

その足で橋を渡り先行した数名の後を追う。
「やれやれ。とんだ道草だったぜ」

義手の負荷がピークに差し掛かり、動作が鈍くなっている。
「またドクに怒られっちまうなぁ。次やったらトウモロコシ移植するとか言ってたしなぁ」
「しっかし頑丈だなーこの体。生身だったらとっくにくたばってるよな」

義手を一旦外し、稼動部分をチェックする。
「気にいらねぇが今回は助かったぜ。まだくたばれねぇ」
「ドクならあのユルイ糞猫とでけぇ糞ガキの面倒見んだろ」

想像しながら思い出した様に笑う。
「うるせー!とか抜かしながら飯とかきっちり出すんだろな。かぁ!ーバカ臭ぇー!w」
「ピーピー泣くんじゃねぇ!ぶち殺すぞ!とか言いつつ負ぶって研究所に運んだりってか?w」

静かな橋の上を楽しそうに渡る。
「見てぇー!絶対ドクん所連れてく!」


「待ってろよー?すぐ戻るかんな!」
所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:地下の一室 墓? 
状況:仕掛けによって出現した端を渡り先行した集団を追う
119ハンター:2009/03/26(木) 21:18:43 0
>117
近くに落とした煙草の吸殻をに反応したハンターが猛ダッシュで距離を詰める。
左手を振りかぶり、首狩りを狙っているようだ!
120名無しになりきれ:2009/03/28(土) 15:17:52 0
>>118
・・・ミヒャエルが注意深く水面を見ていれば気が付いた筈だ。
水中からアドヴァンスドの死体が無くなっていた事に。
121森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/04/03(金) 19:42:53 0
>111 >118-119
>「・・・いキル」
私の呟き声に堪える声があった。
どう見ても、この巨人が人の言葉を喋ったとしか思えない。
彼は私とジャックさんの間に割り込むようにして立っていた。
私が、何に怯えているのか気づいたのかもしれない。

ルーとフォードは小さな猫さんを連れて戻ってきた。
銃はもう捨てている。
ルー達の言葉はわからないけれど、4匹ともとても嬉しそうだ。
私の傍らにいた巨人が今までとは違う表情を浮かべた。
笑った・・・・・・のかもしれない。
「生きてるの?・・・・・・ミヒャエルさん、生きてるのね」
それは疑問ではなく、確信だった。
巨人さんも、小さい猫さんたちも、ミヒャエルさんをとても慕っているのは何となく分かった。
だからきっとこれは、ミヒャエルさんが生きているということなのだろう。
巨人さんは私だけじゃなく、山田さんの元まで走って笑顔を見せていた。
短い足をチョコチョコと動かして皆に笑顔を見せて走り回ると、私の隣に戻った。
猫さん達はなぜか私の側から離れようとはしなかった。
言葉の意味はわからなくても、鈴木さんの恐さは伝わったのかもしれない。
だけど、巨人さんは違った。先頭を歩く鈴木さんにも笑いかけた。
ルー達と違って、巨人さんは鈴木さんのことを信じているようだ。
私は――――私は、どうなんだろう。
鈴木さんはひどいことを言った。
だけど、本心からそう言ったのなら、なんで山田さんだけじゃなく私まで助けたんだろう。
気まぐれ?それとも・・・・・・。
逆光のシルエット姿の鈴木さんからは、何も読み取れない。

暫く歩いたところで、鈴木さんは小休止を宣言する。
私はリュックから非常食の乾パンを取り出して、ルー達と巨人さんに分けてあげた。
>「人間ってのは、自分が信じたい事を信じる生き物だ。」
鈴木さんが思い出したように、分校の件だがと付け足した。
>「大抵の人間は、物事を変える事よりも妥協して満足する事になる。 (略)
 俺の一番古い記憶は、産道の出口に『この門を潜る者は一切の希望を捨てよ』って書いてあった事だな。」
サンドウって何だろう、お寺かなと考えていると、それをどう取ったのか、鈴木さんが苦笑いを浮かべた。

>「だが、その一方で世の中には、現実を変えちまう連中が居る。
> 頭が良くて強くて・・・そして強い魂を持っている。
> まぁ、美しいまでに頑強な意志、と言い換えても構わないだろうな。」
そう言って鈴木さんは、山田さんのほうを見た。
そして山田さんに、煙草とライターを差し出す。
さっきの仲直りや仲直りというよりは、もっと別の何かがあるような気がした。
>「ま、なんだ。そういう連中は総じて生き延びるのが上手い。」
>「子供には難しいかも知れんが頭を使って、精々生き延びると良い。
> 恐怖に負けない魂と目の前に立ちふさがる全てを打ち壊す力を持つ事だ。」
「だったら鈴木さんは?」
私は、鈴木さんの煙草の先をじっと凝視しながら、そうたずねた。
「何でそんな、自分には全然関係ないことみたいに話すの?」

鈴木さんが投げた短い煙草は、オレンジ色の火花を撒き散らしながら闇の中に消えた。
鈴木さんは再び歩き出す。
と同時に、ルー達の様子がおかしいことに気づいた。
「鈴木さん、ちょっと待って!」
私の言葉が言い終わる前に、闇の中から得体の知れない何かが飛び出してきた。
122小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/04/06(月) 22:23:45 0
>119>121
苦痛を追い出す事は可能だが、疲労が溜まれば集中力は落ちる。
考えるべきでない事を想像し、目の前の脅威を見落としてしまうのだ。
>「だったら鈴木さんは?」
一歩踏み出した直後、少女の問い掛けが脳の中で木霊する。
なぁ、おチビちゃん。
大人は自分が出来なかった事を、子供に押し付ける生き物なんだよ。
頼むから、俺みたいになるなよ。
闇に向かい、自嘲すると更に一歩踏み出す。
>「鈴木さん、ちょっと待って!」
更に一歩踏み出し、拳銃を突き出す。
左手の人差し指でフラッシュライトを操作、閃光がゴリラと爬虫類の特徴を備えた生物を照らし出す。
首狩りの動作に入ったハンター。
速い。
人差し指を数センチ動かすよりも、速い。
あと僅か数ミリを引けば、撃鉄が落ちると言う所で、拳銃を叩き落される。
恐らく、フラッシュライトと踏み出した一歩のお陰で、ハンターの目測がずれたのだ。
もし、少女の警告に従わなければ、今頃首を切り落とされていた筈だ。
「下がれ!」
小川が叫ぶ。
素手で勝てる相手ではないが、一体、どうすれば良い?
左側に落ちた拳銃を回収したい所だが、もしその隙に背後に控える連中に襲い掛かられたらアウトだ。
結局、慎重に銃を回収する以外の方法は無い。
「下がるんだ!後退しろ!」
狙うなら目だ。
ハンターの目を抉れば、ダメージと戦闘力を奪える筈だ。
鋭い爪の生えた両手に注意しながら、拳銃を目掛けてゆっくりと足を滑らせ始めた。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下通路
状況:ハンターと対峙。
123ハンター:2009/04/07(火) 22:47:21 0
>123
ハンターは警戒した態勢のまま、徐々に小川との距離を詰める。
膝を曲げ、腰を落とし、襲い掛かる動作をして・・・一気にジャンプする!
空中で体勢を変え、拳銃が落ちた反対側の壁に張り付くと、再び飛び掛る。
小川に襲い掛かるのではなく、その背後に控える少女達に襲い掛かろうとしているようだ!
124ルーとフォード:2009/04/08(水) 21:16:32 0
>121-123
少女に配られた乾パンに、ウルタールと鬼子が笑顔を浮かべる。
チビ猫と鬼子は笑顔で食事を始め、ルーとフォードは、これからの事を考えて
皮製のポシェットに乾パンを詰め込んだ。
代わりに、ルーが再び青いハーブを少女に差し出す。
フォードは、同じように山田あすかにハーブを渡した。
少女の手に押し付けると、小川と少女の会話に耳を済ませる。
> 恐怖に負けない魂と目の前に立ちふさがる全てを打ち壊す力を持つ事だ。」
>「だったら鈴木さんは?」
答えは無く、小川が歩き始める。
>「何でそんな、自分には全然関係ないことみたいに話すの?」
ウルタール達が耳をピンと立てて、暗闇の中を凝視する。
>「鈴木さん、ちょっと待って!」
暗闇から飛び出してきたのは、ハンターだった。
>「下がれ!」
小川が握っていた不思議な何かが弾き飛ばされる。
ウルタール達が少女を守ろうとするように前に出る。
その更に先に、大きな壁が出来ていた。
鬼子が最前列に立ちふさがったのだ。
巨大な手を振りかざし、ハンターを弾き飛ばそうとしたのだ。
125ハンター:2009/04/12(日) 21:57:07 0
>124
突如突き出された鬼子の手に爪を突き刺し、ハンターが戦いの雄叫びを挙げる。
その声は通路中に響き、恐らくミヒャエルの耳にも届いただろう・・・
126ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/04/14(火) 20:27:21 0
>120
>・・・ミヒャエルが注意深く水面を見ていれば気が付いた筈だ。
>水中からアドヴァンスドの死体が無くなっていた事に。

しかし普段なら気付くであろう異変に気が付くことは無かった。
疲労がピークに達した上、先行した者への意識が強過ぎた。

薄暗い通路を急ぎ走る。
「時間、かけ過ぎたなぁ。まだ先か?」

>125
通路に雄たけびがこだまする。
「糞!すぐそこか!」

全力で獣の叫びが聞こえる方へ走る。


「俺がぶん殴るまでスズキに指1本触んじゃねぇーぞ!?糞共!」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル7/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:村への通路? 
状況:先行した集団の付近での雄叫びを聞きつける。
127小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/04/14(火) 23:51:12 0
>123−125
小川平蔵は、心底怯えていた。
ちっぽけな火薬の入った、僅か1kgの金属の塊が無い事が、これほど恐ろしいとは!
丸腰で化け物と対峙するのは恐ろしいが、山田あすかや少女を守れないのは、もっと恐ろしい。
ハンターが腰を落とした瞬間、小川が足元目掛けて身を投げる。
首狩りのタイミングに合わせれば、ハンターのバランスを崩す事が出来る。
だが、読みは完全に外れた。
ハンターは小川の動きを予想していたかのように飛び上がり、軽々と小川をすり抜けていった。
迷う事無く拳銃に飛びつき、銃を構え、狙いを定める。
だが既に、ハンターは少女達に襲い掛かろうとしていた。
刹那、暗闇の中から巨大な影が飛び出し、ハンターを弾いた。
鬼子だ。
鬼子が身を挺して、少女達を守ったのだ。
「くそ!」
驚くよりも先に、悪態が出る。
ハンターが動けば、射線上に居る少女や鬼子に当りかねない。
拳銃に取り付けられたフラッシュライトでハンターが現れた方角を照らし、
通路の先には何も居ない事を確認する。
小川が拳銃を構えたまま、ハンターとの距離を詰める。
確実に当てられる距離まで接近する以外に、小川に出来る事は無かった。


装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下通路
状況:進行方向の安全確認後、ハンターへの接近を開始する。
128車椅子の老人 ◆0YhnNL46N6 :2009/04/15(水) 13:48:42 0
鋭い薬品の匂いに、検査官は頬を膨らませた。
続いて部屋に入ってきた刑事も険しい表情を崩せないままだ。
この匂いは、若い頃の私にとって神秘の匂いだった。
だがいつの間にか錆ついた、しゃがれた、自分の体臭と区別のつかない
汚れた匂いだと思うようになってしまった。

「たしかに私は兵器を完成させた。命令もあったが、この手でつくった」

私の本来の目的は、人間を危める生物兵器の製造ではない。
むしろその逆の、人間の細胞を組み替え、そこに流れる時間を組み替え、発展させる技術。
永遠の命。
かつての私の夢は、今は天井のシミのようなものになっていた。
忙しい激務のなかで忘れられ、誰にも見られず、置いてけぼりの埃をかぶった小さなシミ。
刑事は私を呑み込むように近づき、机に腕を置いた。
私の証言を元に傘社を告発したいらしい。馬鹿め。

「人間は変えられてしまう」と私は言った。

「どんな理想も、夢も、一部の資本を膨らますための道具として利用される。
 どんな信念も、意思も捻じ曲がり、いつしか理想の自分とはかけ離れた自分が待っている」

刑事は無表情のまま私を殴り、私は椅子から転げ落ちて立てなくなった。

「あんたは自分の才能の無さを恐れただけさ」と彼は言った。
「人間は、自分で選択する」

傘社を告発したところで、司法は何の力も持たない。
日本政府、アメリカ、中国、英国、犯罪組織、麻薬カルテル、ありとあらゆる組織が談合し
それを揉み消すだろう。
私はうらぶれたように淡々とそのことを話し、刑事は黙って聞いた。

「異常な匂いだ」と検査官がいった。
私はそれを死んでいった被害者たちの悪霊の鍋のように思った。
目に見えない憎悪が、金が、生物兵器が、永遠の生からかけ離れた死の総決算が部屋に充満していた。

「私は死にたいんだよ」と老人は言った。
「いや、勝手に死んでいく気がする。自らの贖罪によって」
129車椅子の老人 ◆0YhnNL46N6 :2009/04/15(水) 13:50:36 0
俺は目の前の老人を見て、肩を落とすことしか出来なかった。
この男に対する憎しみは計り知れない。書類をまとめ、この男の経歴を確認した。
自分の人生が削ぎ落とされていく思いがした。肉塊、ヒュプノス、タイラント、大勢の人間を
貪り尽くすゾンビ達。俺の家族を、同僚を奪った化け物達。
その親がここで落ち込んでいる。勝手に死んでいく気がする?無責任なことをぬかすな。
お前が死ぬから何だって言うんだ?それで俺にどうしろと言うんだ?
俺の冴子が、雄介が、あの快活な笑顔がこの世から消えてしまったんだぞ!

「正義の裁きだ」

俺はリボルバーの弾倉が回転するのと同時に、自分の眉間に皺が寄るのがわかった。
俺は爺のおでこのあたりに拳銃を突きつけた。目をまんまるく開いて、驚嘆した表情を浮かべた爺に
対して、全てを支配したような黒い戦慄が走った。
死にたくない、と小さな声を発した気がした。いいだろう、まずは足だ。
無感動に足を打ち抜き、のたうちまわる花井修三という男はまるで虫ケラのようだった。
「家族の仇・・・」
頭に一発。強烈な光が瞬き、次の瞬間床にめいいっぱいの血が広がった。
疑問が体を支配し、喜びを全身で表したような遺体の前に俺は立ち尽くしていた。

「ごくろうだったな」と検査官が言った。

「これでとりあえず、不安因子は消し去りました」
検査官は部屋から出て、寒村の景色のなかで上司に連絡していた。
廃屋の壁に背を預け、揚々とした口調だった。
「次の人員確保は間に合っています。花井修三のポストには青崎氏が就任します。
 既に彼の研究は完成の目処を迎えています。あなた方には莫大な所得となるでしょう
 例の熱血刑事ですが、彼はもう満足したようです。捨て駒を一匹撃ちぬいて!」
130恋する赤木慎作 ◆0YhnNL46N6 :2009/04/15(水) 14:37:35 0
恋とは相手の気持ちを理解しようとすること。
男が女の気持ちを理解することは禁忌だろうか?
ならばいい加減に、わかった気持ちになって陶酔することは?
男とは往々にしてそういうことをする。
この男も、そんな頭でっかちの馬鹿である。

「あすかたんは出会う前からぁ俺の心のなかにいたんだなあぁ〜
 俺はもう一人の自分にぃ〜出会った〜」

ナプキンを防災頭巾のようにかぶり、相手を威嚇するくじゃくのように
白いスカートを大またで広げて仁王立ち。
どっかの誰かの名札をつけた、看護婦の制服を纏った妖怪の名は赤木慎作。

無数のゴキブリが、白い泡沫を奪っていく。それはかすめ取るように、
卑劣な動きで、白を食いちぎっていく。
そんなイメージが赤木の脳内で錯綜する。

「あ、あすかたんの気持ちをわかるために、看護婦の格好になってみたぜ」

苦悶の表情を浮かべながら、自分で自分のつくったイメージを威圧するように
のしのしと闊歩する。

ここは何処かの学校の教室。
正面の教卓に立つ、くるみパンのようないびつな顔の教師。
教師は力なく、教鞭というには程遠い腕を奮って生徒を指導した。
無数のゴキブリは言うことも聞かず、彼をあざ笑い、
教師としての才覚を搾取するかのように、教室を走り回った。
ボールが飛交い、花瓶が割れ、墜落寸前の紙飛行機が飛び、窓が大きな音をたてて割れた。
教科書を手に、力なく朗読する。それは死んだ人間に聞かせる念仏のようだった。

生きるって、こういうことだったんだなあ、と赤木は思った。
山田あすかをはじめて見たとき、俺の人生が輝きだした。女装もできた。
こうして歩いていて、瑞々しいくらいに自分の歩調の挙動を意識する。

「お、俺は何もかもに対してやる気が無かった。才能もなかった。
 だが、あんたを人目見て、全てが変わった。生きるってこういうことだったんだって。
 自分を信じて、人生の王道を歩むって、こういうことだったんだって。
 もう死ぬことも考えない、劣等感なんて吹き飛ばす。これからは俺があんたの大黒柱だ!」

練習に見えるかも知れないが、彼には本番同然である。
たった一人の喝采が世界を彩り、永遠の存在を感じさせる。
その場に立つまで、男は何度も同じような、そして少しずつ大げさになっていく言葉を反芻しながら歩いた。
闇のなかの光。幻想のようで、あまりにも現実的な白さに、男の時が止まった。

「あ、ああああああああああああああああああああああああああすかたん」

男の足取りを激しく、幾千の兵隊のようだった。戦争と平和の象徴。対極の象徴が今混ざりあおうとしている。
山田あすかに駆け寄り、男は吐き出しそうになった魂を呑み込み、体勢を取り戻す。
世界がざわめく。風のなかの昴。砂の中の銀河。草原のペガサス。街角のヴィーナス。
ざわめき、砂になってまた去っていく。沈黙が降りる。

「sjjf氏fjrjgjgjjkvkjmtじjうぃいおけおdこえおおkどcこvgこと」
131名無しになりきれ:2009/04/20(月) 09:41:03 0
日本語でおk
132ハンター:2009/04/21(火) 00:07:30 0
>124
雄叫びを上げたハンターが走る。
壁や天井を跳ね回り、不規則な軌道で鬼子に襲い掛かる。
巨大な手の一撃を回避すれば、胴体に一撃を加える事が出来ると踏んだハンター。
懐に入り込もうとフェイントと斬撃を交えながら接近する!
133名無しになりきれ:2009/04/21(火) 00:14:56 O
刃渡り76センチの両刃の錆びた剣が落ちている。
錆取りがないと使えないようだ。

拾いますか?
134鬼子:2009/04/21(火) 20:21:15 0
>125>132
弾き飛ばした筈の掌が痛む。
流れる血に戸惑いを隠せない。
本能的にベロリと舐めると、それは苦い味がした。
ハンターの雄叫びに抵抗するように、鬼子が吼える。
それは威嚇であり、自らの恐怖と戦う為でもあった。

力では鬼子に軍配が上がるが、スピードと経験ではハンターの方が優れている。
唯一の武器である手を振り回すが、フェイントにも反応してしまう。
弾き飛ばそうと振りかざした手に鋭い爪の一撃が加えられ、徐々に血塗れになっていく。
ついにハンターが鬼子の懐に入り込み、首への一撃が加えられた。
盛大に血を噴出す鬼子は、力が抜けたようにその場に倒れこんだ。
だが、残された僅かな力を振り絞り、鬼子の手がハンターを捕まえる。
残された命を振り絞り、ハンターを握り潰そうとする。
もう一方の手は・・・小川を求めるように突き出されている。
その手も徐々に力を失い、最期には床へと力無く崩れ落ちた・・・
135森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/04/23(木) 14:47:24 0
>124
小さい猫さんたちは喜んで私の乾パンを食べた。
ルー達は少し乾パンの臭いをかいだ後、ポシェットみたいなものに乾パンを詰め込んでいる。
お返しに、とでもいうように、ルーが再び青い葉っぱみたいなものをくれた。
「ありがとう」
フォードは、私と同じように山田さんにハーブを渡している。 

私の叫びに鈴木さんは反応した。
だけど、突然現れた爬虫類みたいな怪物が拳銃を叩き落とす。
空中で身体の向きを変えた怪物は、反対側の壁に張り付くと、目にもとまらぬ速さで再び飛んだ。 
猫さん達が私を庇おうと前に出た。だけど、間にあわない。
もし巨人さんが助けてくれなかったら、私は悲鳴一つあげることなく死んでいただろう。

>123-125 >127
>「くそ!」 
鈴木さんが拳銃を構えて怪物の距離を詰めようとしている。
多分、外さないためだ。もうあんまり弾が残っていないから。

>131-132 >134
怪物が雄叫びを上げて天井や壁を走り回っている。
巨人さんも一生懸命戦ったけど、速さでは怪物の方が勝っていた。
怪物の手が動くたびに、巨人さんの身体から血が噴出す。
「いやっ!!鈴木さん、山田さん!巨人さんが死んじゃうよ!!」
私はただ泣きK叫んでいた。
大人なら何でも出来ると思ってた。
だけど出来ないことだってあるんだよね。
そもそも私なんか、泣いたり叫んだりするだけで、なんにも出来ないのにね。
なんで私、ここにいるんだろう。

巨人さんが怪物を捕まえたのを見て、私は思わず後ずさりした。
振り向いた私は、そこだけ壁の色が違うことに気づく。
もしかしてこれは・・・・・・。
「鈴木さん、ドアだ!ここに隠しドアみたいなものがあるよ!!」
そう言えば武器庫がどうとか鈴木さんが言ってたよね?
私は注意深く周りの壁を触っていると、カタンと音がして壁の一部が開いた。
四角い穴の中には、古びたレバー?みたいなものがついている。
「ここにレバーがあるよ!引いてみていい?」
鈴木さんがいいと言ったら、私は間髪いれずにレバーを引くだろう。
136ハンター:2009/04/23(木) 21:37:00 0
>134
「キシャァァァー!」
鬼子に握り潰されそうになったハンターが叫び声をあげた。
小川が確認した通路の奥から、叫び声が届いてきた・・・
どうやら死ぬ間際に仲間を呼び寄せたようだ。
137小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/04/27(月) 01:03:50 0
>132−136
全ての生き物は意味も無く生まれ、意味も無く死んでいく。
そして、人間は同じ間違いを繰り返し、何らかの意味を見出そうとして、償いをしようとして死んでいく。

>「いやっ!!鈴木さん、山田さん!巨人さんが死んじゃうよ!!」
撒き散らされる血しぶきでも、少女の声でもなく、小川の意識はハンターに注がれている。
それが唯一、目の前の脅威を取り除く手段だからだ。
>「ここにレバーがあるよ!引いてみていい?」
「引くんだ!今すぐ!」
そして、小川の声にこたえるようにハンターが鉄壁と思われた鬼子の手をすり抜け、首筋への一撃を叩き込む。
倒れかけた鬼子の手がハンターを掴み、握り潰そうとする。
小川が見ていたのは、もう一方の手だった。
何を求めてか、此方に伸ばしている。
鬼子の体から生命が抜け出していく。
>「キシャァァァー!」
仲間を呼び寄せる鳴き声に、小川の顔が恐怖に歪む。
次は、確実に無い。
死んでしまった鬼子を跨ぐように、大股で隠し扉へと向う。
フラッシュライトで照らされた先が、何の為の部屋であるか人目で理解した。
そこには、その目的に相応しい代物、つまり、大量の銃器が並んでいた。
適当に一丁見繕うと、やがて襲い来るであろう脅威に備え、弾を込めながら小川が叫ぶ。
「早く中に入れ!別の化け物が来るぞ!」

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:???(0)、???のマガジン(0)、シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下通路
状況:隠し部屋に進入、銃器の弾込めを開始。
138ルーとフォード:2009/04/30(木) 19:33:09 0
>135-137
ルーとフォードは、鬼子の死を悲しんで時間を無駄にするつもりは無かった。
地下世界では、死を嘆くことよりも生き延びる方が大切なのだ。
一方で、全く違う種に対して、優しさを見せる少女に不思議な感情を持ち始めていた。
チビ猫たちは、少女に釣られる様に鬼子の死を悲しんでいる。

ルーとフォードは、闇に閉ざされた通路をじっと眺め、鼻を動かす。
チビ猫と少女の手を引いて、小川が駆け込んだ隠し部屋へと移動する。
怯えきった小川の姿が滑稽だった。
ついさっきまでアレだけ自信たっぷりだったのに、化け物相手に怯えている。

見た事も無い銃に縋りつく小川をルーとフォードは黙って見つめていた。
139ハンターの群れ:2009/05/01(金) 22:52:03 0
>135-138>ミヒャエル
鬼子と相打ちになったハンターの雄叫びに応えるように、通路を奔る群れ。
これから繰り広げられる殺戮の宴に興奮を隠し切れないハンターの群れが雄叫びを上げる。
無論、道を急ぐミヒャエルにも聞こえない筈が無い。
先ほどの雄叫びと違い、複数の血に飢えたハンターが迫る。
煌々と燈る明かりが視野に入り、恐怖の匂いを嗅ぎ取る。
それは、獲物の匂いだ。

怯えの匂いは、彼らが好む匂いだ。
この匂いを放つ獲物は必死になって抵抗するが、最後には傷付いて逃げ出す。

悲鳴もまた、彼らが好む旋律だ。
手足をもぎ取り、内臓を引きずり出す時に発する苦痛に満ちた声。
それは勝利の証だ。

爪を振るった時に浴びる、熱くぬるぬるとした血の感触もまた素晴らしく、その味は忘れる事ができない。
彼らが作られた時にその悪意は埋め込まれていた。
元々は全ての生物が備える感情で、それを単純に増幅したに過ぎない。
しかし、純度が高められた放射性物質が核爆発を引き起こすように、彼等もまた規格外の凶暴性を持っている。

故に、彼らは殺戮の匂いに敏感だ。
先頭の一匹が少女とウルタールの姿を捉え、凶暴な足取りを加速させる。
これから始まる愉悦に身を震わせながら、歯を鳴らし・・・つまり笑いながら獲物へと肉薄する。
その爪が少女の首を射程権に捉え、迷う事無く振りかざされた。
140ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/05/03(日) 08:49:39 0
「ハァ・・・はぁ・・・どこだ」
「・・・見えた!」
>139
>その爪が少女の首を射程権に捉え、迷う事無く振りかざされた。
「ボケッとしてんじゃねー!このガキんちょ!」

子供達を部屋の奥へと押し込む。
「なぁーにビビッてんだスズキー!っとうわー!」

ハンターの鋭い爪が空を切り、地面を削る。
「危ねぇだろうが!当たったらどうすんだ!」

鬼子が血を流し倒れているのを視界に捉える。
「・・・そうか。やるじゃねぇか」

通路の前方群れる集団の雄叫びが聞こえてくる。
「浸ってる暇はねぇな。相手してらんねぇーっつの」

至近距離からライフルをハンターの眉間に突きつけ、そのまま撃ち放つ。
「悪ぃけどちょっと寝ててくれねぇか?出来りゃ永遠に」

ハンターの横を通り、鬼子の体に肩を入れる。
「ぐぁ・・・重てぇなぁ。けど餌にゃさせねぇ・・・よっと!」

大き過ぎる鬼子を扉の内へと運ぶ。
「ゼェゼェ・・・とっとと・・・閉めろハァハァ・・・このノロマ共!」

壁にもたれ掛かり、息の無い鬼子を見る。
「名前付けてやってなかったな」


「ミヒャエル。やるよこの名前」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル6/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:村への通路? 
状況:先行した集団の付近での雄叫びを聞きつける。
141:森村 彩 ◇82uf.VOCRI :2009/05/03(日) 22:13:46 0
>136-138
>「引くんだ!今すぐ!」
私はレバーを引いた。
鈴木さんは巨人さんを跨いでこっちにやってきた。
「ごめん、ごめんね。あなたが助けてくれたのに」
私にできることは、倒れた巨人さんのために泣くことだけだった。
そしてそれは私だけではなく、ちっちゃい猫さんたちも同じだった。

真っ暗な隠し扉の中に、鈴木さんが大急ぎで入っていった。
私にはよく見えないけれど、私の手を引くルー達には、闇を特に警戒した様子も無い。
だからおそらく、中は安全なんだろう。
>「早く中に入れ!別の化け物が来るぞ!」
「待って、隠し扉のレバーが内側にも絶対あるはずなの」
私は山田さんと一緒に、壁を手探りで探し始めた。
「鈴木さんは、何か見つかった?」
さっき鈴木さんが銃を投げ捨ててたから、弾は残り少ないはずだ。

>140
私が隠し扉の内レバーを見つけたのと同じ頃、急にちっちゃい猫さんたちが騒ぎ始めた。
その鳴き方が、ミヒャエルさんを呼ぶときの泣き声によく似ていた。
「ミヒャエルさんなの?あの人がここに来るのね?」
遠くから怪物の叫び声が聞こえてくる。ルー達が明らかに警戒していた。
だけどチビ猫さん達の勘が正しければ、ここにミヒャエルさんがくるかもしれないのだ。
今すぐドアを閉めたいけど、もう少しだけミヒャエルさんを待ってみよう。

>139
気づいた時には、怪物が目の前にいた。
全ての音が消え、鋭い爪が妙に明るくはっきりと見えた。
ああ、私、死ぬんだ。巨人さんが助けてくれたのに。
ドラマや映画と違って、人が死ぬときって結構あっけない。
>「ボケッとしてんじゃねー!このガキんちょ!」
私はものすごい力で、猫さんたちと一緒に部屋の奥へと押し込まれた。
>「なぁーにビビッてんだスズキー!っとうわー!」
「ミヒャエルさんだ・・・・・・ホントに戻ってきた」
だけど、まだ危険は去ってない。
>「危ねぇだろうが!当たったらどうすんだ!」
ミヒャエルさんが至近距離に迫った怪物を撃ち殺した。
どうやってあの爪の攻撃をすり抜けたのか、一般人の私にはさっぱり見えなかった。
ミヒャエルさんはあたりを一瞥し、大体のことを理解したようだ。
>「ぐぁ・・・重てぇなぁ。けど餌にゃさせねぇ・・・よっと!」
ミヒャエルさんがそう言って、巨人さんのなきがらを部屋の中へ運び込もうとした。
>「ゼェゼェ・・・とっとと・・・閉めろハァハァ・・・このノロマ共!」
「うん!」
ごく近くから荒い息遣いが聞こえた。壁を削ってあいつらが来る!
私は思いっきりレバーを引いた。
古びた分厚い扉は、怪物の群れの目の前から私たちの姿をかき消してくれた。
隠し通路には静寂が戻った。

小さく怪物が体当たりする音や、扉を引っかくような音がするけど、暫くは持つはずだ。
>「名前付けてやってなかったな」
>「ミヒャエル。やるよこの名前」
私は悲しかった。生きると言ってくれた巨人さんが、真っ先に逝ってしまうとは思わなかった。
できれば、このまま静かに眠らせてあげたい。だけど。
「巨人さんを眠らせてあげて。
 このままじゃ、心は死んでしまったのに、身体だけ動き出すかもしれないから。
 でも、命がけで守った相手を襲うなんてこと、きっと『ミヒャエル』は嫌だと思う。
 ・・・・・・・だから、ちゃんと終わらせてあげて」
142小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/05/05(火) 23:43:29 0
>138−141
雄叫びが聞こえた瞬間、小川が振り返りながらハンターに銃口が向けた。
マガジンの装着と初弾の装填、安全装置の解除と言う一連の動作も含め、全てが滑らかだ。
迷う事無く、飛び出してきた陰に向かい、スキート射撃を連想させる動きで狙いを定める。
>「ボケッとしてんじゃねー!このガキんちょ!」
もう一つの影が少女に覆いかぶさり、少女を隠し部屋へと押し込む。
少女の細い首を捉える筈だった爪が地面を削ぐ。
更に至近距離からのライフルの一撃。
頭蓋骨の内容物を撒き散らしながら、ハンターが崩れ落ちる。
鬼子の死体をミヒャエルが中へと引きずり込むと、少女が再びレバーを引いた。
>「ミヒャエル。やるよこの名前」
 「巨人さんを眠らせてあげて。
 このままじゃ、心は死んでしまったのに、身体だけ動き出すかもしれないから。
 でも、命がけで守った相手を襲うなんてこと、きっと『ミヒャエル』は嫌だと思う。
 ・・・・・・・だから、ちゃんと終わらせてあげて」
小川が二人を押し退け、ライフルの銃口を鬼子の頭に向ける。
フルオートで吐き出された220グレインの鉛によって鬼子の頭部が掻き消えた。
残ったのは首無しの死体のみだった。
「感動的なシーンはそれ位にして、ズボンを返しちゃくれんかね?」
M1918ブローニング・オートマチック・ライフルをミヒャエルに突きつけながら、小川が笑う。
8キロ近い重量と1.2mの全長を備えたライフルは、小柄な小川が持つと殊更大きく見える。
只単にデカいだけでなく、それに相応しい30-06と言う人間よりも頑丈な生き物を殺すに相応しい代物だ。
「俺がズボンを履いている間に、ミヒャエルには猫共の靴を作って貰おう。
 まぁ、なんだ。俺は約束は守る性質でね。
 其処の箱にゲートルが入っているから、足に巻きつけてやれ。
 その間は、銃から離れて居るんだ、簡単だろう?」

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:BAR(16)、BARのマガジン(20) X 3、シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 隠し通路
状況:隠し部屋に進入、ミヒャエルにズボンを要求、履く間にウルタールの足にゲートルを巻くよう指示。
143ハンターの群れ:2009/05/06(水) 21:41:32 0
>140-142
爪が空を、いや地面を切り裂く。
巻き上げられた埃の中で蠢く影目掛けて、一歩踏み出した瞬間、眉間に何かがぶつかった。
目を凝らした先には、ミヒャエルと銃口があった。
>「悪ぃけどちょっと寝ててくれねぇか?出来りゃ永遠に」
雄叫びを上げる間も無く、崩れ落ちるハンター。
暗闇の中から押し寄せるハンターの群れは怯える事無く奔り続ける。

しかし、後一歩と言う所で扉が閉まる。
だが、彼らは諦める事無く扉を叩き続ける。
144ルーとフォード:2009/05/08(金) 22:21:23 0
>140-143
>「俺がズボンを履いている間に、ミヒャエルには猫共の靴を作って貰おう。
   (略)
 その間は、銃から離れて居るんだ、簡単だろう?」
ルーとフォードは、小川が死体の頭を吹き飛ばした事を見ても何とも思わなかった。
一方、チビ猫達は小川を睨んでいた。
どうしても正しい事とは思えなかったのだ。

小川の指示に渋々従うミヒャエルがウルタールの足に布を巻く。
開放感溢れる裸足に比べて窮屈だが、何とも不思議な感覚にクスクスと笑う。
ついさっきまで危機に晒されていた事を完璧に忘れてしまったようである。
だが、扉を叩く音を聞いてウルタール達が警戒し始めた・・・

145ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/05/09(土) 02:42:02 0
>141-142
>「巨人さんを眠らせてあげて。―――
>小川が二人を押し退け、ライフルの銃口を鬼子の頭に向ける。

「やれやれ。夢のねぇ奴ぅ。・・・っておいおい!んな物騒なもんこっち向けんなっての」
「やだねぇ。ズボン1つでこれじゃ割りに合わねぇーっつーの」

ズボンを丸めて小川に向けて投げる様に渡す。
>「俺がズボンを履いている間に、ミヒャエルには猫共の靴を作って貰おう。

「あぁ?靴だぁ?」

横目で猫達の様子を見る。
幼い猫からは鬼子に対する始末のつけ方に、不服そうな表情が見て取れる。
「よーし、いいだろう。兄貴分達からだな」

布を足に巻きつけていき、長靴の様に仕立てる。
「次、チビ共こい。動くな動くな・・・大人しくしろっつーの!」

猫達に靴を仕立て終わる頃に扉の外から大きな音を立てて叩かれる。
「うるせー!セールスお断りだバカ野朗!」

鬼子の弾けた頭から歯を数本拾い集める。
靴を作った残りの布で包み紐で括る。
「悪いなぁ。タグもねぇし、ここじゃ焼く事もできねぇからな」
「歯だけだが、外に連れてってやるよ」

首から歯の入った袋を提げ、また壁にもたれ掛かる。


「んで、どうすんだ?強行するか?頭使ってみるか?」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル6/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:武器庫? 
状況:猫達に靴を仕立て、扉へ警戒。
146森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/05/14(木) 23:08:20 0
>「感動的なシーンはそれ位にして、ズボンを返しちゃくれんかね?」 
巨人さんの頭を吹っ飛ばした鈴木さんは、大きな銃をミヒャエルさんに突きつけながら、笑った。
この人は大人なのに、なんでこんなに神経を逆なでするやり方をするのだろうと思った。
まるで、同級生の男の子達みたいに無神経だ。
>「やれやれ。夢のねぇ奴ぅ。・・・っておいおい!んな物騒なもんこっち向けんなっての」 
私は怒っているチビ猫さん達の頭を宥めるように撫でた。

>「やだねぇ。ズボン1つでこれじゃ割りに合わねぇーっつーの」 
「他人を大事に出来ない人は、自分自身だって大事に出来ないんだよ」
思わず、ママの受け売りの言葉が口をついて出てしまった。
私は慌ててミヒャエルさんの背中に隠れた。

>「俺がズボンを履いている間に、ミヒャエルには猫共の靴を作って貰おう(略)」 
ミヒャエルさんは、猫さん達の靴を作り始めた。
相変わらず外からは、化け物達がドアを破ろうと暴れている。
一匹だけでも大変だったのに、あんな一杯じゃとても叶わないだろう。
どこか他の場所から逃げ出さないと。

「ミヒャエルさん、これ読めるかな?」
私は古びたメモをミヒャエルさんに渡した。
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1223106569/948-954

その後、私はだまってドアと反対側の壁を手で探り始めた。
>「んで、どうすんだ?強行するか?頭使ってみるか?」 
「おじいちゃん達は用心深い人だったよ。だから多分、どの場所でも複数の出入り口を作っておいたと思う」
もし本土決戦になった時、そうでないととても戦えないと思うもの。
まあ問題は、私達にそれを見つけられるかどうかなのだけど。
147小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/05/16(土) 22:28:00 0
>143−146
>「次、チビ共こい。動くな動くな・・・大人しくしろっつーの!」
ミヒャエルが渡したズボンを履き、見付け出したマガジンポーチとサスペンダーを身に付ける。
他に使えるものは無いかと探す内に、ヒップホルスターに収まった一丁の45オートを見つける。

小川の射撃キャリアの出発点とも言える銃、つまり、父親が偏愛していたコルト・モデル1911だった。
銃数年ぶりに握った45オートは、愕くほどしっくりと手に馴染む。
マガジンを外し、スライドを動かして薬室が空である事を確認する一連の動きは流れるようだった。
構えてみると、それが只の官給品の45オートでない事が解る。
フロントサイトもリアサイトも、大振りな鉄製の照準がきっちりと溶接されている。
オリジナル特有のちっぽけな爪の先っぽに切れ目を入れたような照準ではない。
それだけではない。安全装置に乗せた親指は、しっかりと支えられている。
やはり鉄板が溶接されており、戦場の混乱の中でも確実に安全装置を外せるようになっている。
つまり、安全装置を速やかに外し、確実に狙いを定める事の出来る拳銃、と言う訳だ。
何処の誰の持ち主だったかを知る術はないが、銃に情熱を注ぎ込み、戦い抜こうとする男だったに違いない。
慣れた手付きでホルスターに縫い付けられたループにベルトを通し、マガジン2本をポケットに押し込んだ。

>「んで、どうすんだ?強行するか?頭使ってみるか?」
>「おじいちゃん達は用心深い人だったよ。だから多分、どの場所でも複数の出入り口を作っておいたと思う」
小川が苦笑いを浮かべる。
「なんとまぁ、我々が木馬の中に入り込んでいる事に気が付いていないのかね?」
改めて周囲を見回すように促す。
ドイツのハーネル社製のStg.44やウィンチェスター社製のM1897ショットガンと言った銃が並んでいる。
「ショットガンが好みだったら持って行くといい。まだ気が付かないのかね?」
殆どが近接戦闘用途の銃が殆どだ。
小川が手にしているBARは例外中の例外ですらある。
「ここは、トロイの木馬なんだ。敵がこの部屋を通り過ぎ、ここが最前線で無く後方になった時、
 隠し部屋の中から完全武装の兵隊が勢いよく飛び出してくる。
 油断しきった連中を射殺して、大混乱を引き起こすんだ。」
ギリシャ神話の時代から続く、古典的な作戦と言う訳だ。
「レバーを破壊し、内側からしか空けられないようにしたんだろうな、実際の作戦では。
 お前さんも撤退する時に金庫やらに爆発物を仕掛けただろう?
 いいか、俺たちが爆弾なんだ。」
小川がBARの銃口を壁に突きつけると、迷わずに引き金を引く。
試射は済んでおり、大まかな発射速度も解っている。
銃を左から右に振り、横一文字に銃弾をぶちまけると、耐久力の限界を超えた壁が崩れ始めた。
148ハンターの群れ:2009/05/17(日) 22:33:28 0
>144-147
>銃を左から右に振り、横一文字に銃弾をぶちまけると、耐久力の限界を超えた壁が崩れ始めた。
BARから発射された銃弾になぎ倒される。
だが、全てのハンターが死んだ訳ではなかった。
舞い上がる埃の中、生き延びたハンターが生存者に向って飛び掛ってきた!
149ルーとフォード:2009/05/19(火) 22:34:11 0
>145
>「よーし、いいだろう。兄貴分達からだな」
ミヒャエルの戦闘能力を甘く見ているルーとフォードは、履かせてもらって当然と言う態度を取っている。
優雅にあくびをして、まるでミヒャエルを召使のように扱っているように見る。
>「次、チビ共こい。動くな動くな・・・大人しくしろっつーの!」
チビ猫達は、どんな遊びなんだろうと不思議な表情をしている。
時々足を上げてみたり、引いてみたりとミヒャエルをからかっている。

足に巻かれた布は不思議な感じがした。
人間が生まれて初めて靴下を履いた時に感じる違和感に近い。
新しい靴を試し履きするように歩いてみるウルタール達が気に入ったようだ。

>146
ルーとフォードは、何時もの調子で少女の横に立つ。
時折見上げるようにして、少女の考えを推し量ろうとしている。
不安も感じているが、冷静に生き延びようとしているように見えた。
チビ猫は、少女や看護婦に新しい靴を自慢するように歩き回っている。

>147
不思議なのは小川だ。
チラチラと小川の様子を見ていたルーとフォードは、その超然とした姿に首を傾げる。
感情が抜け落ちたように見えるし、とてつもない恐怖を感じているようにも見える。
一丁の拳銃を手にした時、何かを考えているように見えたが、道具は道具といった感じで無造作に扱っている。
>「レバーを破壊し、内側からしか空けられないようにしたんだろうな、実際の作戦では。
 (略)いいか、俺たちが爆弾なんだ。」
小川が扉に向けて発砲する。
部屋中に響く銃声に耳を押さえるが、目を壁から離さなかった。
程なくして扉が壊れ、生き延びたハンターが飛び出してきた。
さっきよりも数は減っていた。
150ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/05/20(水) 08:53:51 0
>146-149
>「ミヒャエルさん、これ読めるかな?」

一枚の覚書きを渡される。
「ん?あー読めるぜ。・・・どうもここは予備の武器庫らしいな」
「んでだ、当然頑丈に出来てる訳だな。となると奥から出るのは無理だなぁ」

猫達は靴を見せて回っている。気に入った様だ。
「砂漠でも使えるぜー。っても分かんねぇか。ハッハッハ」

小川がやれやれといった感じでぽつりと喋りだす。
>「なんとまぁ、我々が木馬の中に入り込んでいる事に気が付いていないのかね?――
>――お前さんも撤退する時に金庫やらに爆発物を仕掛けただろう?
>いいか、俺たちが爆弾なんだ。」

「乱暴なやつだなぁ。が、正論だな」

壁が崩れ生き残ったハンターが襲い掛かってくる。
「はぁーやれやれ。友人の死ぐらい弔わせろっつの」
「無手じゃきっついんで、そろそろ獲物に触ってもよろしいですかね?スズキタイチョー殿?」

小川からの返事を待つ間も無く、最接近したハンターへ見舞う。
「射撃訓練にゃもってこいだな」

明らかに弱者から狙おうとする動きが見られる1匹に視線が向く。
真横から引き金を引き吹き飛ばす。
「チビ共、危・・・じゃなくて邪魔だから物陰にでもすっこんでろ!」


「にしても骨董品ばっかだな。始末したら火薬でも集めておくか?」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10

現在地:武器庫? 
状況:侵入して来たハンターを迎撃中
151森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/05/22(金) 22:42:58 0
>146-150
鈴木さんの話は抽象的で、意味が良くわからなかった。
トロイの木馬?今のこの状況とどう関係あるんだろう?

>「レバーを破壊し、内側からしか空けられないようにしたんだろうな、実際の作戦では。 
> お前さんも撤退する時に金庫やらに爆発物を仕掛けただろう? 
> いいか、俺たちが爆弾なんだ。」 
鈴木さんは壁に向かって銃の引き金を引いた。壁が崩れ始めた。

私は鈴木さんがおかしくなったのだと思った。
だって、向こう側にいるのは化け物の群れだ。
一匹だけでも恐ろしい怪物だったのに、あんなにたくさん。
>「はぁーやれやれ。友人の死ぐらい弔わせろっつの」 
>「無手じゃきっついんで、そろそろ獲物に触ってもよろしいですかね?スズキタイチョー殿?」 
射殺された同族の死骸を踏み越えて、こっちに向かってくる!
なのに、ミヒャエルさんは相変わらずマイペースだった。

「チビ猫さん、こっちよ!」
猫さんを狙った怪物を、ミヒャエルさんが吹き飛ばした。
>「チビ共、危・・・じゃなくて邪魔だから物陰にでもすっこんでろ!」 
「うん。皆、ここにおいで」
私はチビさんを呼び寄せると、傍らのルー達に静かにしているようジェスチャーした。
敵はミヒャエルさんや鈴木さんが倒している。
となると、私達は敵に発見されないように努力するのが一番だ。
物音を立てずに、息を殺して。できるだけ静かに、目立たないように。
152ハンターの群れ:2009/05/24(日) 14:24:41 0
>150-151
ミヒャエルの攻撃を受けて、ハンターの群れは全滅した。
だが、この先には・・・まだ別の何かが居るはずだ・・・
153小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/05/24(日) 19:04:14 0
>150−152
>「無手じゃきっついんで、そろそろ獲物に触ってもよろしいですかね?スズキタイチョー殿?」
小川は答えずにBARの引き金を引く。
30-06弾は、民家を二軒ほどぶち抜いた後でも充分な殺傷がある。
この一丁だけが保管されていた事を考えるに、こうする為に用意されていたに違いない。
崩れ落ちた壁の向こう側から、撃ち漏らしたハンターが飛び出してくる。
ミヒャエルが一撃を放つ。
「射撃訓練にゃもってこいだな」
小川は返事をせず、もう一匹に照準を合わせようとするが、それよりも早くミヒャエルが発砲。
>「チビ共、危・・・じゃなくて邪魔だから物陰にでもすっこんでろ!」
「悪くない腕だな。」
小川が呟く。
一体、どれだけ死体を生み出せば此処までの技量が身に付くのか。
>「にしても骨董品ばっかだな。始末したら火薬でも集めておくか?」
「そこの木箱に火薬が入っている。
 信管もセットになっているからそのまま使えると思うがね。」
木箱自体は、そのまま背負えるようなストラップと信管、そして何に使うか解らない柄が着いている。
この木箱は、立掛梱包爆薬と呼ばれる代物で、柄は、長さを調節し、
航空機の翼の付け根に立て掛けて爆破するのが本来の用途だった。
もっとも爆薬は爆薬であり、爆発に伴う殺傷さえ出来れば充分な訳だから、柄など着いていた所で関係ない。
「一段落着いたようだからな。ショットガンが好みだったら使うといい。」
小川が一丁のショットガンを顎で指す。
ウィンチェスター製のM1897、昔ながらの、と言うよりも昔のポンプアクションモデルだ。
装弾数は、5発プラス1発で、銃剣用のラグとハンマーが露出している。
「動作チェックは自前でやってくれ。弾はそっちの箱に入っている。」
小川はしゃがみ込み、ハンターの死体を検分する。
メデューサ・ハンターでは無い。
通常のハンターだ。
だとすれば、一体何処からやって来た?
小川が首を傾げる。
「準備が出来次第、出発する。」

154ルーとフォード:2009/05/26(火) 23:13:01 0
>150-153
>「チビ猫さん、こっちよ!」
その声に振り返り首を傾げるチビ猫2匹。
ルーとフォードはミヒャエルと小川を観察するようにジロジロ見ている。
崩れた壁から飛び出してくるハンターを見事に倒すミヒャエルに、ルーとフォードが微妙な顔をした。
>「チビ共、危・・・じゃなくて邪魔だから物陰にでもすっこんでろ!」
>「うん。皆、ここにおいで」
少女の声に従うようにウルタール達が集まってくる。
どうやらハンターの群れは壊滅したらしい。
>「動作チェックは自前でやってくれ。弾はそっちの箱に入っている。」
ウルタール達の準備は完了している。
山田あすかと少女の手を繋いで、早く先へ進みたくてウズウズしているようだった。
155生き残り科学者スドウ:2009/05/29(金) 11:05:30 0
「はぁ…はぁ…」
息を荒げ、拳銃を構え尻もちを突いた科学者がへたり込んでいる
その目の前には、頭部から血を流したハンターが倒れている
バイオハザードの発生によって、ありとあらゆる区画が壊滅した
そして、自然界には有り得ないような凄まじい生態系が築かれている
最早、ゾンビですらより強力なB.O.W.のエサでしかない

「アハハ…ざまあみやがれ!
 この俺がてめえみたいなバケモノに殺られるかよ!
 へへ…へへへ…」
この男、名をスドウケンジと言う
この地下研究所に配属された傘社の研究員で、それ以外変哲はないごく普通の男だった
しかし、度重なる惨劇がこの男の歯車を狂わせた
男は、生き残るために狂気へと走ったのだ
生き残る、ただそれだけのために同行していた仲間ですらエサ代わりの囮に利用した
そうして生き残り、気付けば一人だけになっていた

「クソッ…弾薬が残り少ねえ…
 この糞ハンターにてこずり過ぎたせいだ!
 このっこのっ!」
既に屍となったハンターに蹴りを入れ、鬱憤をぶつける
数体のハンターに追われ、応戦しながら必死に逃げてきたのだ
何とか全て撃退したものの、予想以上に弾薬を消費してしまった
更には、主力武器であったサブマシンガンを逃げる途中で落としてきてしまった
ストックを入れたバッグの中には、ハンドガンのマガジンが数個残るのみである

「ど、どうすりゃいいんだ?
 こんな線香花火一丁、持ってたところで奴ら相手じゃ素手も同然だ…
 エサにできる木偶どもも居ねえしよお…
 どうすりゃ…ん?」
スドウは、自分がシステムの生きている警備室に逃げ込んでいることに気付いた
いくつかのモニターには、監視カメラの映像が映し出されていた
その中には、なんと生存者らしき数人の人々の姿があったのだ
更に別のものには、隣室の保管庫にあると思しき大型B.O.W.の姿があった


「生存者の位置はここからそう遠くないな…
 ひひ…丁度いい…
 こいつらは使えるぞ…こいつらはな…」
生き残っている人間に会えたという喜びよりも、悪しき狂気が首をもたげる
男は警備室を抜けると、保管庫へと向かっていった
156生き残り科学者スドウ:2009/05/29(金) 11:22:10 0
保管庫の中には複数の割れた調整漕があった
その中央に、一際巨大なものが無事な形で残っていた
身長3m半はあろうかという、巨大なヒグマであった
体重は、1t近くは雄にありそうである

「B.O.W.にしなくても、十分バケモノみてえなこいつを使うとはな…
 しかも制御機能付きとは喜ばせてくれる!
 今解き放ってやるぜ、ベイビーちゃん
 俺が生き残るための道具になってもらうからな」
カードキーでコンソールを起動し、何やら操作しながら不敵な笑みを浮かべていた
どうやらコントロールを受け付けたらしく、調整漕の中のヒグマが目を見開いた
ヒグマはパンチで調整漕を殴り破ると、ゆっくりとスドウの方へ向き直った
そして、スドウはゆっくりと手を差し出す
巨大なヒグマは俯くと、差し出されたスドウの手を舐め始めた

「よ〜し、いい子だ
 俺が出す指示に従えよ」
ヒグマの頭部には、ヘルメットのようなものが被せられていた
スドウは手に持った携帯電話のようなリモコンで、ヒグマに指示を送っている
リモコンに文章を打ち込み、ヒグマへと送信する

「グガアァァッ!」
ヒグマは四足歩行の凄まじい勢いで走り出すと、スドウを置いて走り去っていった
一体、彼はヒグマに何の指示を与えたのだろうか

「さてと、俺はあの生存者と合流するかな…
 女も居たし、こりゃ楽しめそうだ…」
157生き残り科学者スドウ:2009/05/29(金) 12:13:35 0
>>150-154
「待ってくれ!
 俺も一緒に行かせてくれ!」
必死に走りながら、小川たちの下へと駆け寄ってくる一人の科学者が居た
大きめのバッグを手に持ち、右手には拳銃を握っている
白衣は血に塗れ、命がけの戦いを潜り抜けてきたことを物語っている姿だ

「俺はスドウケンジ、ここの科学者だった男だ
 あんたたち同様、生き延びるために戦ってきた
 だが、今度ばっかりはもうオシマイかと思ったよ」
男の通ってきた道から、巨大な影がぬっと映っていた
それは、「グルル…」と唸ると、ドシンドシンという足音と共に走り去っていった

「ふ、ふう、どうやら行っちまったみたいだ…
 …ってなわけで、余計なモン引き連れてきちまったけど頼むわ」
申し訳なさそうに頭を掻きながら、愛想笑いを浮かべて言う
158名無しになりきれ:2009/05/31(日) 17:10:08 0
あげ
159森村 彩 ◆82uf.VOCRI :2009/06/01(月) 23:05:21 0
>150-153
ミヒャエルさんの攻撃を受けて、怪物の群れは静かになった。
鈴木さんとミヒャエルさんが銃の話をしてるけど、私には良くわからない。
>「そこの木箱に火薬が入っている。 
> 信管もセットになっているからそのまま使えると思うがね。」 
「これ、まるごと爆弾なの?」
私は驚いて、ミヒャエルさんの言葉を待った。
ちょっと私の中の爆弾のイメージとは、かなりかけ離れた品だ。
こんな場所で使ったら、天井が落ちて生き埋めになりそう。
まあ、ミヒャエルさんはプロだから、私が余計なことを言ったらダメなんだけど。

鈴木さんはしゃがみこんで、ハンターの死体を検分している。
だけど、ただの死体を調べるだけにしては、ちょっと熱心すぎる気がした。
>「準備が出来次第、出発する。」 
とはいっても、猫さんも私も準備万端だ。
だって、武器なんて拾っても何一つ使えないんだもの。
「猫さん達、なんだか楽しそうね」
私は空いているほうの手で、手を繋いでいない猫さんたちの頭を撫でた。

「鈴木さん、さっきは何を調べてたの?・・・・・・・あの怪物達、まさか元は人だった、とか?」

>157
>「待ってくれ! 
> 俺も一緒に行かせてくれ!」 
科学者らしき白衣をきた男の人が、こっちに向かって走ってきた。
>「俺はスドウケンジ、ここの科学者だった男だ 
> あんたたち同様、生き延びるために戦ってきた 
> だが、今度ばっかりはもうオシマイかと思ったよ」 
ここは飯田のおじいちゃん達が大戦で使ってた地下施設だった筈だ。
だけど、おじいちゃんの知らないところで、傘社の人が何らかの手を加えててもおかしくはない。

スドウって人が通ってきた道から、何か巨大な影がぬっと映っていた 
>それは、「グルル…」と唸ると、ドシンドシンという足音と共に走り去っていった 

>「ふ、ふう、どうやら行っちまったみたいだ… 
> …ってなわけで、余計なモン引き連れてきちまったけど頼むわ」 
「おじさん、村のサナトリウムや研究所じゃなく、ここに勤めてたの?」
気が付いたら質問が勝手に口から飛び出していた。
でしゃばったって怒られるかな?
私は手を繋いだままのルー達を引っ張り、山田さんの背中にささっと隠れた。
160小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/03(水) 00:46:29 0
>154−159
>「これ、まるごと爆弾なの?」
http://www.horae.dti.ne.jp/~fuwe1a/newpage14.html
 木悍梱包爆薬・・・と、木箱には焼印が押してあったがね。」
あくまで末期戦で使用する事を想定した急ごしらえの爆弾である。
「まぁ、爆弾ってのは便利な代物でね。
 何処にでも仕込めるし、どんな形にも出来る。」
小川が薄笑いを浮かべ、ミヒャエルを見る。
蒸気機関車が使用されていた時期には、石炭に似せたサボタージュ用爆弾が存在したし、
イラクでは、大砲用の弾を地雷代わりに埋設し、テロリストが米軍の戦車を撃破している。
粘土や大理石が芸術家の想像力に合わせて姿形を変えるように、爆薬もまた想像力によって姿形を変える。
恐らくミヒャエルも似たような事をやって来たのだろう。
>「鈴木さん、さっきは何を調べてたの?・・・・・・・あの怪物達、まさか元は人だった、とか?」
「正確には―――」
突如聞こえた男の声に、小川の言葉が遮られる。
>「俺はスドウケンジ、ここの科学者だった男だ
> あんたたち同様、生き延びるために戦ってきた
> だが、今度ばっかりはもうオシマイかと思ったよ」
小川の言葉が遮られる。
突如現れた血塗られた白衣の男。
小川が口を開こうとして、そのまま口が開いたままになる。
足音を立てながら、ソレは通路を駆け抜けていく。
>「ふ、ふう、どうやら行っちまったみたいだ…
  …ってなわけで、余計なモン引き連れてきちまったけど頼むわ」
「クマ・・・?」
小川の顔が引き攣る。
>「おじさん、村のサナトリウムや研究所じゃなく、ここに勤めてたの?」
「地下研究所の生き残りって訳か。情報部からは何も聞いていなかったんだがね。」
小川が苛立った声でカマを掛ける。
恐らく元々存在していた地下実験場の空きスペースを流用し、研究所を作ったのだろう。
「よりによって、クマを持ち込んでいたとはな・・・」
今小川が携帯しているBARですら殺すのは難しい。
「自己紹介が遅れて失礼。私は鈴木。所属は国際調査部6課。
 サナトリウムのサンプル回収の為に村に着たんだが、バイオハザードに巻き込まれてね。
 ここからの脱出を図っている所だ。
 同じ傘のよしみだ、協力しよう。」
小川がスドウに向けて頷き、通路の様子を探る。
熊の姿は何処にも無く、何とか前進する事が出来そうだ。
「ちなみに、だ。お嬢ちゃん。」
小川が転がっているハンターの死体を蹴飛ばす。
「元が人間と言うのは正しくない。
 人間の遺伝子をベースに開発されただけであって・・・まぁ、人間と言うよりも猿に近い。
 中には、人間に限りなく近い固体もいるがね。」
小川が暗闇に向けて、一歩踏み出す。
スドウが道を知っていれば道案内を頼みたいところではあったが。
161ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/06/04(木) 00:11:51 0
>153
>「悪くない腕だな。」
「へへへっ。ヒーロー様だからなっ!」

群れの中で僅かに生き残ったハンター。最後の1匹が地面に伏す。
「ふぅ。とりあえず片付いたな」

>「そこの木箱に火薬が入っている。 ―――
「こりゃまた古いな。まぁスライドだから使えるだろ」

ショットガンの動作を確認すべくスライドさせる。
「あぁ問題ねぇな。と・・・おーおーこりゃ雑な品物があるじゃねぇの」

じっくりと爆発物を観察し、研究する。
「ふーん。こんなもんがあるのか。なんだってこんな地下に置いてんだかなぁ」
「ま、俺様にかかりゃこんなもんでも派手な花火に変わっちまうけどな」

>159
>「これ、まるごと爆弾なの?」
「んーあぁー。まぁ爆弾っちゃ爆弾なんだが今はとりあえず危なくはねぇぞ」

横目で小川を追うとハンターの死体を調べている。
>154-160
>「まぁ、爆弾ってのは便利な代物でね。
 何処にでも仕込めるし、どんな形にも出来る。」
「なんで俺見るんだよ!」

小川の言葉を遮る形で科学者と呼ぶには違和感のある血塗れ姿の男が現れる。
「また客か。やれやれ。しかもおまけ付きかよ」

小川の表情が強張る。視線の先には大きな生物の影が見えた。
「おーおー。ざけんな!てめぇで何とかしろってんだイカレ学者!」

>「自己紹介が遅れて失礼。私は鈴木。所属は国際調査部6課。――
「(どう見ても悪人面だぜ?何で助けんだ?)」

>「元が人間と言うのは正しくない。――
「あー色々いるんだぜー。姿も留めて理性まで残っちゃってるのもな。ま、そりゃハンターじゃねぇが」


「さっさと行こーぜ。おい、頭でっかち。先行けよ」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10

現在地:武器庫? 
状況:爆薬の一部を入手。
162ルーとフォード:2009/06/07(日) 22:16:51 0
>156-161
ルーとフォードは突如現れた熊に興奮していた。
今までの生物と違い、ウルタールに近い姿形をしている為である。
突如現れたスドウよりも熊の方が気になっているようだった。
163生き残り科学者スドウ:2009/06/08(月) 08:29:50 0
>>159
>「おじさん、村のサナトリウムや研究所じゃなく、ここに勤めてたの?」
「酷いな、お譲ちゃん
 俺はこう見えてもまだ20代後半なんだぜ?
 そんな爺さんに見えるかい?」
おじさんと古研究所の職員のダブルパンチを受け、いささかショックを受けた
小さい子供にとってみれば、20代後半の男などおじさんに見えるのだろう
スドウにしてみれば、自分はまだまだ「お兄さん」らしい
そしてスドウは、少女がその背後に隠れた女の方へ目を見やった

「よお姐さん、よろしくな…」
(こいつだ…、監視カメラにも映ってたマブい女は…)
プロポーション、スタイル、顔共に典型的な美女と言える女だ
下種な欲望が首をもたげ、思わず涎が出そうになってしまう
極限状態を味わってきた彼にとって、山田あすかのような若い女は新鮮だった
そう、この生存者たちをハメようと思い立ったのもこの欲望を満たすためなのかもしれない

>>160
>「地下研究所の生き残りって訳か。情報部からは何も聞いていなかったんだがね。」
「情報部?
 あんた、傘社の関係者なのかい?」
鈴木の発言を不審に思ったスドウは、早速そのことについて聞いてみた
彼は、鈴木を自分と同じ現地の科学者や職員の生き残りと思っていた
もし、鈴木が傘社の関係者ならば、である

>「自己紹介が遅れて失礼。私は鈴木。所属は国際調査部6課。(ry
「あ、ああ、そうだったのか…
 俺はここの調査チームの一員だったんだ
 まあ、上司や同僚は皆死んで、所属部署は施設ごと壊滅したがな
 …もちろん、そのために俺はアンタたちを見つけて来たんだ」
(やっぱり傘の関係者…、しかも国調のエージェントかよ…
 トウシロどころかバリバリの現場プロと言ったとこか
 こいつ、かなり厄介だな…)
鈴木の素性を知って、驚きと焦りを覚えてしまったスドウ
おそらく彼が傘社の関係者だと知っていれば、先にクマを仕向けて殺させたことだろう
この手の人間は、相手の人間が考えている魂胆などを見抜くことに長けているのだ
国調のガサ入れほど、各研究部署が恐れているものはないと言われている

「道案内なら任せてくれ
 この辺りはさっき、多少の調査をしたからな
 だが、この先はさっきのクマやハンターどもが保管されてた傘社の改装エリアだ
 奴も含めてクリーチャーどもがうじゃうじゃしてっから、迂回する方がいいだろう」
そう言ってスドウは、この先へのこれ以上の進行を遮ろうとする
彼にしてみれば、この先へ行かれてはそれこそ困るのだ
実際には、粗方クマが掃討しているためほとんど何も残っていない
そのクマも今はスドウの制御化にあり、実際には最も安全なルートと言える
しかし、下手に足を踏み入れられて調査でもされたら、あのクマの機能を見抜かれてしまう
164生き残り科学者スドウ:2009/06/08(月) 08:38:01 0
>>161
>「おーおー。ざけんな!てめぇで何とかしろってんだイカレ学者!」
「おまえじゃ話にならん
 リーダー格と話をさせてくれ」
ミヒャエルの鬱陶しい横槍を跳ね除け、鈴木との話を開始する
どうやらこの男、スドウのことをあからさまに怪しく思っているらしい
彼を睨む表情が尋常ではない

>「さっさと行こーぜ。おい、頭でっかち。先行けよ」
「分かってる!
 いちいち指図するな!」
(この男、鈴木も含めて必ず始末してやるぜ…)
スドウは先頭を切りながら、横に逸れた廊下に入っていった
そして、マガジンを取りだすついでにバッグに手を入れ、奥の隠しポケットに手を伸ばす
ここには、クマに指示を送るためのワードデコーダーが入っているのだ
「私以外ノ男ト人外ヲ殺戮セヨ」と命令を出した
165生き残り科学者スドウ:2009/06/08(月) 08:42:06 0
>>162
「………」
(こいつら、見たことも聞いたこともないぞ…
 観測基地のクラスSクリーチャーか?)
研究開発がされているクリーチャーには極秘順にクラスがある
貴重な実験体や廃棄体には、クラスSが付けられることも多い
見た眼よりも知能は高いらしく、生存者たちの命令通りに動けているようだ
見た目は愛らしいが、今のスドウにそんなものを愛でる感覚はない
彼は、クマの攻撃対象から彼らも外さなかった
166小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/10(水) 00:07:56 0
>162
ウルタール達は熊を見て以来、若干の興奮状態に陥っているようだった。
理由は解らないが、何か訴えるものでもあったのだろう。
小川にしてみれば、30-06と言うちっぽけな銃弾しか持ち合わせていない以上、
恐怖以外に込み上げて来るものなど無かったが。

>161
>「あー色々いるんだぜー。姿も留めて理性まで残っちゃってるのもな。ま、そりゃハンターじゃねぇが」
「君にはデリカシーが欠けているようだ。」
小川が山田あすかを眺めながら意地悪く呟く。
「そもそも、残っているのが理性かどうかは証明出来ないんだよ。」

>159>163
>「おじさん、村のサナトリウムや研究所じゃなく、ここに勤めてたの?」
>「酷いな、お譲ちゃん
 俺はこう見えてもまだ20代後半なんだぜ?
 そんな爺さんに見えるかい?」
スドウには同情を禁じえない。
小川も昔から30代中盤に見られていたのだ。
>「あ、ああ、そうだったのか… (中略
 …もちろん、そのために俺はアンタたちを見つけて来たんだ」
「焦る必要は無い。君達とは別の目的で動いている。」
小川が微笑を浮かべるが、目は笑っていない。
「君が生き延びて帰還すれば貴重なデータが手に入るだろうし、そうすればボーナスも期待できる。
 地上でバイオハザードが発生した事は、知っているかね?
 お陰で夜明けまでに消毒される事になった。」
小川が眉間に皺を寄せ、苛立った声を吐き出す。
「と言うのも、彼女はTウィルス投与されて死亡、Gウィルス投与によって生まれ変わった。
 平たく言えば化け物になった訳だが、脳の損傷の度合いが恐ろしく低かったんだろう。
 記憶や思考パターンを受け継いでいるんだ。」
小川のようなエージェントは、軍人上がりの愚か者と見做されるケースが殆どだ。
つまり、目の前に居るのが言葉を理解出来ないサルのような存在だと見做している。
だが、小川は敢えて賭けに出る。
お前さんが何か専門的な知識を使って俺をハメようとしても、騙されないぞ、と。
そして、社会生物学に基づく専門的な意見を垂れ流す。
「つまり、彼女は生前の記憶に従って、理解するのではなく、リアクションを起こしているのだろう。
 生物はムダを嫌うから、敢えてダメージの少ない脳に刻まれた記憶を利用している。」
完璧な捕食生物であるサメは、6千5百万年に渡り、全く進化をしていない。
山田あすかも人間時代の思考パターンや記憶だけで、充分なので人間に見える、と言っているのだ。
「但し、君が何らかの行為に及ぶ事で・・・より強力な変化を引き起こす場合もあるだろう、と予測される。
 同時に彼女自身が唯一の種である以上、利他的な行為は期待出来ない。
 彼女は既に人間ではないから、我々に対する遠慮が存在しないんだ。」
通常の生物は、自己の遺伝子を残す為に、自分の命を犠牲にして同じ種族を守ろうとするし、過剰な危害を加えない。
つまり、状況によってはスドウを殺しに掛かるであろう、と言う訳だ。
「看護婦と言う職業意識の残滓が脳に残っている現状では、安全な訳だが・・・
 まぁ、本職の科学者には不要な分析だろうね。」
スドウの肩に手を置き、再び笑顔を浮かべる。
「君の案内に従って行動する。
 それと、照明のスイッチがあれば教えてくれ。」
小川が銃を構え、暗い通路を歩き始める。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:BAR(10)、BARのマガジン(20) X 3、シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:スドウにカマかけをした後、指示に従い移動を開始。
167ルーとフォード:2009/06/11(木) 21:32:20 0
>165>166
ちび猫達が少女の手を引っ張りながら興奮した声色で鳴いている。
地下実験場で自分達と同じ体毛を持った生き物を見た事が無い。
外の世界に住んでいる仲間だったら良いのに、とはしゃいでいる。

ルーとフォードは驚きを振り払って、何か考え事をしているように見えた。
二匹は本当に仲間なのか?と疑っている。
ちび猫よりも現実的な考えをしている。

その興味は、じっとこちらを見るスドウに注がれている。
歩き始めたスドウと小川の背中を見た後、ルーが山田あすかの手を握った。
フォードはちび猫達に何事かを告げ、少女に向って通路を指差す。
ちび猫は鬼子の死体に向って悲しげに鼻を鳴らし、悲しげな目をする。
悲しくとも先に進むべきだ・・・と二匹は思う。
168ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/06/16(火) 08:24:30 0
>166
>「君にはデリカシーが欠けているようだ。」
小川が山田あすかを眺めながら意地悪く呟く。

「へ?」

小川の視線をゆっくりと辿る。その先には山田あすかが佇む。
「・・・なるほどなぁ。そうか、悪かったな」

投げ掛けられた言葉の意味を理解し、素直に謝る。

研究者風の男が先頭を切る形で通路を進み出す。
「おかしな事やってみろ?鼻の穴一つと言わず9も10も増やしてやっからな」


ミヒャエルの耳にノイズ混じりの通信が届く。
『―エル!―にやってんだ!てめ――しといて―たから――来い!」
(あぁ?ドクの声じゃねぇか。なーに言ってんだかわかんねぇよ)
『―傘―つらに――づかれちまった。――じゃねぇぞ!−ゃーな!』
(訳が分からん。どっから発信してんだこりゃ)


小川達の後を追う形で通路を歩き出す。
先程入手した爆薬の一部を弄り何か細工を施している様だ。


「なー。派手なのと激しいのどっちがスカーッとすっかなぁ?」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10

現在地:武器庫? 
状況:爆薬の一部を入手。
169森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/06/16(火) 13:25:34 0
>160-161
鈴木さんが爆弾の説明をしてもらったけど、やっぱりよく分からなかった。
>「んーあぁー。まぁ爆弾っちゃ爆弾なんだが今はとりあえず危なくはねぇぞ」
「そうなんだ。でもこのままは持ち歩けなさそうだね」
まあ、いろんなことはミヒャエルさんが分かってるんだから、それでいいよね。

鈴木さんは自己紹介してるけど、どこまで本当なのかな。
そんなことを考えていると、ふいに鈴木さんがこちらに話を振ってきた。
>「元が人間と言うのは正しくない。
> 人間の遺伝子をベースに開発されただけであって・・・まぁ、人間と言うよりも猿に近い。
> 中には、人間に限りなく近い固体もいるがね。」
「人間に、限りなく近い?」
>「あー色々いるんだぜー。姿も留めて理性まで残っちゃってるのもな。ま、そりゃハンターじゃねぇが」
>「君にはデリカシーが欠けているようだ。」
>「・・・なるほどなぁ。そうか、悪かったな」
>「そもそも、残っているのが理性かどうかは証明出来ないんだよ。」
「鈴木さんは頭いい筈なのに、時々敵を増やすようなこと言うよね」

>「酷いな、お譲ちゃん
> 俺はこう見えてもまだ20代後半なんだぜ?
> そんな爺さんに見えるかい?」
私はううんとあいまいに返事をした。
スドウさんは既に興味が山田さんに移っている。

皆それぞれ自己紹介をしている。
スドウさんは、この宿舎の調査チームだったけど、皆死んでしまったらしい。
どこの調査チームなんだろう。やっぱり傘社なんだろうか。

>162
ルーとフォードは興奮しているみたいだ。
何か見たのかな?私にはよくわからない。
>「道案内なら任せてくれ
> この辺りはさっき、多少の調査をしたからな
> だが、この先はさっきのクマやハンターどもが保管されてた傘社の改装エリアだ
> 奴も含めてクリーチャーどもがうじゃうじゃしてっから、迂回する方がいいだろう」
そう言ってスドウは、この先へのこれ以上の進行を遮ろうとする

>「さっさと行こーぜ。おい、頭でっかち。先行けよ」
「分かってる!
 いちいち指図するな!」
なんだか前途多難だ。
それにしてもスドウさん、何でルーやフォード達をみて質問してこないんだろう?
こういった研究所に出入りしている人にしてみれば、直立歩行する猫なんて垂涎の的だろうと思うんだけど。
・・・・・・いや、調査されても困るんだけど。
後で誰かに聞いてみよう。
170森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/06/16(火) 13:27:42 0

鈴木さんは、スドウさんに今の状況を説明した。そして山田さんの秘密についても。
ウィルスによって死んだ山田さんは、ウィルスに感染して生まれ変わったんだって。
生前の記憶や思考パターンが同じだけど、それは単なるリアクションに過ぎないと言う。
>山田あすかも人間時代の思考パターンや記憶だけで、充分なので人間に見える、と言っているのだ。
つまり、山田さんに何かしたら、とんでもない変身をしたり、私たちを殺すって言いたいのかな?
>「看護婦と言う職業意識の残滓が脳に残っている現状では、安全な訳だが・・・
> まぁ、本職の科学者には不要な分析だろうね。」
「秘密を他人にぺらぺらしゃべっちゃだめだって、ママに教わらなかったの?」
精一杯いやみを言ったけど、通じたかな?

それにしても、なんだか変な感じだ。
鈴木さん、ここまで山田さんのことをきつく言うのかな?
人間じゃないから嫌いで、怖いのかな?
でも口で言ってることと実際やってることがかみ合わないって言うか・・・変なの。

>「君の案内に従って行動する。
> それと、照明のスイッチがあれば教えてくれ。」
>「おかしな事やってみろ?鼻の穴一つと言わず9も10も増やしてやっからな」
ただでさえ大ピンチなのに、雰囲気が今まで以上に殺伐としている。
「鈴木さんって、私が今まであった人の中で一番デリカシー無いと思う。
それに・・・・ね。ものすごく追い詰められた人が、最後まで人らしくいられるかなんて誰にも分からないよ」
今の私に言えるのは、せいぜいこのくらいしかない。
さっきの鈴木さんの言葉にたいしてだって事、山田さんにちゃんと伝わったかな?

ルーが山田さんの手を握っている。
フォードがちび猫さん達に何か声をかけている。
ちび猫さん達は巨人さんとの別れを惜しむように鳴いた後、私たちに続いた。
外見が違っても、彼らも心の痛みが分かるんだな、と思った。
ううん、違う。最初から猫さん達は私たちに心を開いていた。
私は、彼らの信頼にこたえることが出来るんだろうか?
私は彼らの神様でもなんでもない。無力な、何の力も無いただの子供なのに。

>「なー。派手なのと激しいのどっちがスカーッとすっかなぁ?」
「話だけ聞いてると、まるで花火みたいだね」
ミヒャエルさんのマイペースぶりがうらやましい。
171生き残り科学者スドウ:2009/06/18(木) 09:23:00 0
>>166
>「焦る必要は無い。君達とは別の目的で動いている。」
「そうか…
 そりゃ御苦労なこって…」
と苦笑いを返すが、目が笑っていないため焦りの感情は拭えない
迂闊な発言から、どのようなことを感付かれるか分かったものではないからだ

>「君が生き延びて帰還すれば貴重なデータが手に入るだろうし、そうすればボーナスも期待できる。(ry
「おいおい…
 …ってこたあこの騒ぎは上の連中のミスか?
 俺達地下組は堅実にやってただけだってのによ!
 それで化け物どもと纏めて処分されたんじゃたまったもんじゃない!
 ボーナスどころの騒ぎじゃねえよ!舐めてんのか!?」
ここが消滅の危機に瀕しているということを知り、一時は舞い上がりかけたスドウは怒りに震える
喜ばせておいて絶望させられたと感じ、愚弄されたと判断したのだ
しかし、鈴木はその文句に応じることなく次の言葉を話し始めた

>「と言うのも、彼女はTウィルス投与されて死亡、Gウィルス投与によって生まれ変わった。(ry
>「つまり、彼女は生前の記憶に従って、理解するのではなく、リアクションを起こしているのだろう。(ry
「マジかよ…」
(それじゃあ、あの女はもう人形も同然の化け物ってことじゃねえか…
 だ、だが、人間の姿を保ってるなら別に構やしねえ…
 ヤれる分には問題は…)
>「但し、君が何らかの行為に及ぶ事で・・・より強力な変化を引き起こす場合もあるだろう、と予測される。(ry
「………」
「看護婦と言う職業意識の残滓が脳に残っている現状では、安全な訳だが・・・(ry
「あ、ああ、まあな…」
(そ、想定外にヤバイ連中だぞ…こいつら…
 まあ、こっちには強力な手駒が居るんだ…
 いざとなったら皆殺しにでもしてやるさ…)
スドウは鈴木の発言を真に受け、想定しうる限りの自らの結末に恐怖している
正気を失った彼の精神構造は、欲望に忠実になるよう単純化してしまっている
科学知識など、今の彼にとっては生き残るための一手段にも過ぎない
彼は、山田あすかに対しての興味をほとんど失ってしまった
そして、このような連中と合流してしまったことを後悔した
その後の鈴木の呼びかけに答えることなく、無言で先頭を切って歩き始める

>>167
「フン…」
(化け物風情が何を感慨に耽ってやがる…
 アレが奴らの心残りのタネか?
 優しい俺様はあいつらの悲しみの素を取り去ってやるんだぜ)
スドウは中身を認めるフリをしてバッグに手を入れ、デコーダーに指示を送った
クマに具体的な指示を与えるための特製コントローラーである

クマ「グルルル…」
ルーやフォード、ちび猫たちが後ろを振り返るとクマの巨体がぬっと姿を見せていた
クマは鬼子の死体に覆い被さると、爪でズタズタに引き裂さき始めた
肉を裂く音と飛び散る血飛沫の音が通路に響いている

「………」
(本当は喰わせたかったが、迂闊な真似すっとどんな反応見せるか分からんからな
 まあ、こんくらいで忘れさせてやるよ
 ケケケケ)
スドウはニヤニヤ笑いながら、悲しげなルーとフォードたちを見据えてまた前を向く
172生き残り科学者スドウ:2009/06/18(木) 09:36:14 0
>>168
>「おかしな事やってみろ?鼻の穴一つと言わず9も10も増やしてやっからな」
「そう噛み付いてくんなよ
 俺がなんか善からぬことをしでかす悪人に見えるか?
 善良な一般の科学者だぜ?」
(ちっ…直ぐにぶっ殺してやるから期待して待ってやがれよ…)
愛想笑いを向けながら両手を挙げ、抵抗の意思などないと示すアクションをする
しかし、心の中ではミヒャエルに対する憎悪は深まっていた
彼は、同行していた仲間の中でも疑り深い者は優先的に始末していった
それは、この場になっても変わらない

>>169-170
「………」
(見るからに判断するまでもなくガキだな…
 だがまあ、このメンバーの中では唯一まともそうな女だ…)
山田あすかに対する興味を失ったスドウは、次に彩をちらちらと見始めた
性欲を満たす目的で彼らに近づいたので、その欲情を肩代わりする代替役が必要らしい
当初は子供過ぎて全く興味の無かった対象に危険な興味が向き始めている

「なあお嬢ちゃん、俺の隣歩かないか?
 ここがどんな場所だったか興味あるんだろ?
 話してあげよう」
(ヤヴァイ連中と一緒になっちまったんだ…
 ガキでも女の手土産一つくらいはねえとワリに合わねえからな…へへ)
隊列の後方で隠れながら歩く彩に笑顔を向け、手を拱いて誘う
近くに置いておいた方が、連れ去る時に面倒にならずに済むと思ったのだろう
表面では平静を取り繕う彼も、再び狂気に駆られていっている
173名無しになりきれ:2009/06/19(金) 14:57:36 0
(はじめまして。参加したいのですが、可能でしょうか?)
174布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/06/19(金) 22:24:17 0
>>ALL

九武村全体に波紋を広げる一本のマイクが、男の手に握られていた。
もう日に焼けた細い腕で農作業をする麦藁帽の爺も、平和の象徴の鳩の下で元気に登校する小学生達もいず、
腐りかけたあるいは焼け焦げた残骸の野菜が、畑だった土壌の上でハエにたかられている。
それは布施に巨大な地層の推移を連想させた。
まるでスイッチひとつで年代が変わるように、明るい村の歴史は、暗澹とした薄暗い平野に変わってしまった。
全ては闇が支配し、人っ子一人見当たらない。
放送室ではけらけら笑うように埃が舞い散り、椅子に座って音楽を聴いていると、余計にそれは目立った。
九武村では立派な金色のスピーカーが東西南北の各地に1つずつ、音響から人々を逃さないよう設置されている。
恐らく非常時のサイレンや、遊んでいる子供達に家に帰ることを促す放送をするためのものだろう。
布施は放送機器のレバーをピキピキと引き上げる。
聞いている洋楽が、静かにマイクのなかに引き込まれ、管を通じてスピーカーから放出される。
まるで風が通気孔を通じて、新鮮な空気が運ばれるように、その音楽も緩やかに世界中に届けられる。
お届けする曲はザ・ポリスの「ロクサーヌ」。
ピンク色の地層のような色調の、分厚い、官能的な音楽だ。夜の高揚した神経を余計に盛り上げ、
性交をした翌朝のように、腹のなかに暖かな感覚を残す。
残念ながら民謡ではない。ゾンビが氾濫したパニックの後で、知らない洋楽を聴かされた村人達は余計に胸元を暗くしたかも知れない。
しかし布施は思う。今必要なのは新しい音楽なのだ。
古い民謡により回帰できる平和な村は、もう何処にもないのだ。今必要なのは新しい希望の形であり、
この深夜でシステマチックに運ばれていく生死の現実に適応するためのささやかな緩急なのだ。
音楽が止み終わり、布施は口元をマイクに運び、呼吸を整えた。軽い咳払い。

「お届けしたのはザ・ポリスのロクサーヌ。なかなか素晴らしい音楽だ。
 君達が期待しそうな音楽を俺が選曲しても良かったが、それではいくぶん『嘘っぽく』なる。
 大事なのは緩急だ。急激な跳躍は人間の思考を殺してしまう。心の平和のために必要なのは現実的音楽だ。
 こほん。紹介が遅れたね。俺は布施博だ。今生き残っている君達なら俺の言うことを理解できると思う。
 君達は現実に適応した。しかしそのなかで色々きついことをやってる筈だ。
 普通の人間なら生き残れていない」

そこで布施は一息つき、呼吸を整える。
率直な意見がゆっくりこちらに近づいてくる紙飛行機のように頭のなかに浮かぶ。
次の言葉はシンプルかつ、研ぎ澄まされていなければならない。

「君達は殺人者だ」

その直後、落雷が空にまたたき、激烈さを持ってして地上に突き刺さった。何かが破壊される音がし、
放送室は電灯が故障し、薄暗い闇に包まれた。布施は暫く呆然と椅子に座ったまま窓の外を眺望した。
君達は殺人者だ。発した言葉が雲のようになってぽかぽかと上のほうに浮かんでいた。
布施は暗闇のなかで「ショーシャンクの空に」を思い出した。ティムロビンスが演じるアンドリューが懲罰房に入れられ、
2週間出てこれない。彼は暗闇のなかで音楽を聴いていたのだ。その曲名は定かではないが、恐らく布施が流したロクサーヌよりは
心の弱った人間に親しみやすいものに違いない。
塗り潰されたような闇のなかで、白いアロハシャツを羽織ると、布施は身支度を整えた。
視界が黒くなった分だけ、埃臭さも濃密になったようだ。何度か咳を吐き出しながら洋楽のCDをまとめ、緑色のトートバッグに詰め込んだ。
ジッパーを下ろし、きっぱり詰まったCDケースによって角ばったいびつなバッグを背負いながら、出口に向かった。
正確にはそれは出入り口とはいえないのかも知れない。家屋というのは人間の安全を保障するために出入り口というのを持っているのだが、
そんな日常はもうどこにもない。ドアなど、ただの意味のない板きれにしかならない。
それを静かに押しながら、夜風のなかへと身を乗り出す。

(続きます)
175布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/06/19(金) 22:24:28 0
赤木慎作とは腐れ縁だった。彼とは拳によって友情を確かめ合うことも、何か重要な秘密を共有することもなかった。
それは布施にとってもっとも得意とする人付き合いの形だった。
人間と人間がわかり会うことはそう簡単ではない。絆など夢幻に過ぎない。あるのはただの内なる生命による欲求だ。
赤木はサナトリウムでの勤務中に何度も布施に電話を掛けてきた。それは地下の研究所に移りたい、親父のもとを離れたいという主張だった。
サナトリウムでは隔絶された、殺菌された白い研究室が横たわっているだけで、外界からの風というものが入らない。
それがたまらないというのだ。しかし大の田舎嫌いの慎作のことだから、結局村の風に当たっても嫌悪の雄たけびを上げるのだろう。
彼が地下研究所を羨ましがったのは、そこにスピーカーがあるからだった。
地下で地道に研究を続ける科学者達のリラクゼーションになればとの所長のはからいで、民謡が流れたり、子供を家に帰らすための定時放送などが流されていた。
風が入らない分、音楽で心の平穏を埋め合わせようというのだ。昼夜の感覚がなくなりがちな地下での勤務にあたって、
時刻を示唆する音楽や定時放送などは非常に意味のあることだ。というのも所長の考えだった。
しかし多くの科学者はそれをただの騒音とみなしていることを、布施は知っていた。
そうだね。人間には休養というものが必要だからね。と布施は適当な文句を謳って電話を切った。

布施は赤木がどこにいるのか非常に気になった。彼とだけは会いたくなかったからだ。
死が間近に迫ったときこそ、人は本性を表す。彼のような醜い男がどんなカオスを撒き散らして辺りに迷惑な死を振りまくのか。
そしてそんなものに依存されてしまったら自分がどうなってしまうのか。布施はその場に唾を吐き出したい気分になった。
しかしこう考えることも出来た。奴は一人では行動しない。あるいは何かにすがりつかなければ行動できない。
奴にしがみつかれ、それでも生き残っている自立した者。それこそが今、必要な『物』を持っている者ではないか。
布施は地下道への道筋を、架空にこしらえて、そこを歩いてみた。プラズマが電導して回路を突き進むように、着実に記憶のなかを布施の駒は移動した。
恐らくこれで当たっている筈だ。
いざ歩いてみると、やけに脇に抱えたバッグが重かった。

(続きます)
176布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/06/19(金) 22:24:37 0
地下では、その閑散さに相応しい水滴が床に垂直に落ちていっていた。
布施は小さな催涙スプレーを片手に持ち、なるべく足音を判子を押すように消しながら、そこを歩いていた。
あたりへの警戒心を忘れてはいけない。しかし何もない、何の音もない空間でそのような熾烈な意識を保ち続けていると、
布施は不思議な気分になった。自分が何か間違ったことをしているような、そんな感覚だ。
本当はバイオハザードなどとっくに終わり、それを知らせる救急車は機動隊のヘリコプターが地上で祝祭を行うように集合しているのではないか。
しかしそんな筈はない。たった今、地上の姿を確認してきたばかりじゃないか。
それにまだ俺には使命があるんだ。ここから逃げ出すわけにはいかない。
布施は放送室が壊れてしまったことを嘆いた。あの機器があれば、そしてある人のある『物』があれば、
九武村全体に大きな花火を咲かせることができる。
脱出するのはその後しかない。長時間地下道を歩いていると、段々と不安というものが消えていった。
物陰から出でる化け物の想像も、もうしなくなった。自分の背骨を世界に預けるように、自らを投げ出すような平安がそこにはあった。
スプレーなどなくとも、格闘だけでなんとかなる気がした。それは捨て身の決意というよりも、ある種の生命的な帰結だった。
逆説的だが、身を投げることによって心のなかの生命の存在を確かなものにしているのだ。
いくつかの研究室を巡り、そこでなんの物資も補給せず、またもとの不毛な一本道へと戻った。
ふと、通気孔から不穏な風が舞い込んだ。それは人の気配だった。
布施には非常に人の気配というものに敏感な素質が備わっていた。統合失調症患者が自分の思考が盗聴されるのを恐れるように、
自宅のなかでその天井のシミのような人の気配に、男は怯えていた。

このような素質が備わったのは布施が父親と共に、東京から田舎の九武村に越してきたときからだった。
父親はサラリーマンを40年続けて還暦を迎え、人生最後の大勝負として田舎に越してきた。
まだ少年だった布施は、田舎暮らしに独特の道教的な温かみを期待していた。しかしそこにあったのは陰惨な、都会育ちの人間を排斥する
卑小な無数の顔だった。
最初の数日、越したての我が家に白頭巾を被ったしわくちゃの老婆が、新鮮な白菜を持ってきた。
父親はそれを待ってましたと言わんばかりに受け取り、そのことを誇らしげに布施に語った。
どうだ、これが田舎というものだ。都会でこんな親切な人がどこにいる。こんな新鮮な野菜がどこにある。
布施はその父親の言動の単純さにいささか面食らったが、それも良いものかも知れないと思った。
数日後、宴会に誘われた布施父子は何の手土産も持たずに会場へと向かった。
そこには座敷と太いビンで晩酌を交わす老人達がい、スピーカーからは馴染みのない、腐った粥のような民謡が流れていた。
布施はそれを耳から消そうとヘッドフォンでレミオロメンのポップスを聴き始めた。
何人かの老人は皺を寄せて、顔をしかめてこちらを見てきた。
何となく居心地の悪さを感じた二人は早々と酒を飲み、逃げるようにその場を立ち去った。
その後から黒い噂が、二人を取り囲みはじめた。あいつら都会の組は、俺達を馬鹿にしてるんだよ、と一人の老人が言った。
あるときは水道管が切られ、屋根の上に馬の糞を積み上げられ、玄関前には猫の死体が置いてあることもあった。
父親はそのことで頭を悩まし、酒を仰ぐ夜が多くなった。それは都会で暮らしていたときの、毎日酒に流される、肥満体質の父親と同じ姿だった。
このことで布施が学んだのは、ストレスは人間を単純化してしまう。そしてそういった人間が望む天国は、少なくともこの世にはない。ということだった。

(続きます)
177布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/06/19(金) 22:24:43 0
ある日、若いセールスマンが自宅前に姿を現していた。
彼は名刺をとりだし、こう言った。
「あなたがた都会の方相手に商売できることを、ちょっとした得に思います。こちら側の人々からは受けが悪いもんでして。
 どうです?悪い話ではありません。断裂してしまった水道管も、二度と壊されないよう頑丈なものにお取替えしましょう」
父親は彼を自宅に入れ込み、粗茶を出した。それを一気に飲み干したセールスマンは「なかなか悪くないお宅ですね」と言った。
トイレに行ったセールスマンを見送り、取り残された父親と息子は互いに語り合った。
「水道管のことは、本当に村人の仕業なのかな」と布施が言った。
「恐らくそうだろう」と父親が言った。
「この村は自然が豊かな分、災害も多い。濁流や土砂によって水道管なり家屋なりが流されてしまうこともある。
 だが家は村のいちばん平板な土地だ。村人にやられる以外ありえない」
戻ってきたセールスマンの右手には拳銃が握られていた。唖然として見つめる父親に向かって、発火口が光った。
布施は悲鳴を上げ、その場をはいずりまわった。セールスマンは家の財産を半分ほど持ち、布施を残して家を出ていった。
布施は警察に連絡したが、村に一個しかない交番は自宅から遠くはなれ、電話にでた警官は、パトカーでも到着は40分ほど掛かります、と言った。
その40分間の記憶は、ほとんどない。しかし無理やりにでも思い起こそうとすれば、頭が鉄の輪に鷲掴みにされ、そこから段々棘が生えてくるような
鬱屈とした、しかし棘棘しい感覚が布施の頭を振るわせた。
父親の死が処理された後、布施は思わぬ事実を知ることになった。田舎は徹底的に犯罪者が多いということ。
彼らからすれば都会からやって来た老人こそ、それなりの貯蓄を持った格好の良いカモだということ。
そして交番は殆どあてにならない、自分の身は自分で守らなければならない、ということだった。

残された財産は自宅前の地面のなかに、巾着袋でくるまれて眠っていた。
村人から盗まれるのを恐れた父が、そこに埋めたのだ。
それを発見した布施は恐怖心も手伝って、自宅を要塞化した。窓には鉄格子が嵌められ、ドアは鉄製で3重にもなり、
寝室のベッドの上には、銃刀法にひっかからない自製の槍が隠されていた。
そのような要塞のなかで、唯一心を和ませてくれるのは、肉体を温めてくれる洋楽だった。
邦楽は神経をたかぶらせるが、心のもっとも深い領域を満たすまでは手伝ってくれない。
音楽という蓑にくるまりながら、暖をとった。布施はその頃からちょっとした風の動きや、僅かな音で、人の気配を察知することができるようになった。

布施が感じ取ったのは集団の気配だった。多くて5,6人といったところだろうか。
もし機動隊ならば、発見されれば確保されてしまう。それだけは布施の避けたいところだった。
しかしそこには殺気というものがなかった。あるいは緻密な訓練によって殺気を消しているのかも知れないが、
そこまで慎重になっていては何も掴むことはできない。布施は空想の地図を開帳し、自分のいる地点に画鋲をさした。
そして『彼ら』のポイントにマーカーで×印をつけた。
×印に向かっていると、子供に戻って宝探しをしているような気分になる。そんな懐かしさのなかで、男の足取りは軽いものになった。
角を曲がるときは警戒して曲がり、いつでも背後の空間を考えながら、あらゆる作戦をたてながら×印へと移動した。
数分歩いたところで、不幸な老犬が無理やり笑ったような、しゃがれた声が聞こえた。

布施はその昼間の花園で散策するひよこのような牧歌的な光景を見ながら、バッグからマイクを取り出した。
「あーあー、マイクのテスト中、マイクのテスト中」

装備・ユニクロの赤いTシャツ、白いアロハシャツ、ジーンズ
バッグ(マイク、CDプレイヤー、CD、ipod、催涙スプレー、ライター、ボールペン、メモ張)
状況・スドウ達にマイクで呼びかける

(以上です、よろしくお願いします。長くなってしまい、申し訳ありません)
178小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/21(日) 14:17:45 0
>168
>「・・・なるほどなぁ。そうか、悪かったな」
小川が肩を竦める。
>「おかしな事やってみろ?鼻の穴一つと言わず9も10も増やしてやっからな」
>「そう噛み付いてくんなよ
  俺がなんか善からぬことをしでかす悪人に見えるか?
  善良な一般の科学者だぜ?」
「ミヒャエル、落ち着け。私の同僚に余計な事はするな。」
ちらりと少女に視線を向け、彼女が人質である事をアピールする。
「殿は任せるから、しっかり目を開いておけ。またクマが出るようなら最悪、ふっ飛ばしちまおう。」

>171−177
>「あ、ああ、まあな…」
こちらの呼び掛けを無視し、スドウは無言で先頭を歩き始める。
その背中からは、ある種の失望と裏切られた人間特有の怒りが感じられる。
小川の表情が曇り、長い咳が始まる。
咳をしているのか、魂を吐き出しているのか区別が付かない位酷い。
感染の初期症状に見えなくも無い咳の後、小川は注射器を握り締めていた。
>「グルルル…」
振り返った先では、クマが鬼子の死体を貪っている。
小川が注射器を床に棄て、踏み砕くと充填されていた覚醒剤が地面に染込んでいく。

>「秘密を他人にぺらぺらしゃべっちゃだめだって、ママに教わらなかったの?」
「たんぱく質の働きや、DNA、mRNAの情報は一言も漏らしていない。
 あー、つまり、だ。本当の機密情報には触れていない。」
生徒から興味深い質問を受けた教授のような笑顔が、小川の顔に浮かんでいる。
つまり、エキスパート特有の意地の悪い笑顔が。
>「鈴木さんって、私が今まであった人の中で一番デリカシー無いと思う。
  それに・・・・ね。ものすごく追い詰められた人が、最後まで人らしくいられるかなんて誰にも分からないよ」
小川が少女を見て目を丸くし、必死で笑いを堪える。
「私の子供の頃にそっくりだ。大した悪党になれるよ、彩ちゃんは。
 生き延びる為に耳を澄まし、目を見開いて頭を使うんだ。
 恐怖に飲まれなければ、恐怖になる事が出来るなら、生き延びる事が出来る。」
小川が手を伸ばし、少女の頭を軽く撫でる。
猫と手を繋ぐ山田あすかを無表情に見ると、先へ進むように顎で示し、歩き始めた。
殆ど小走りに近い。
雑賀に渡した338ラプアマグナムの狙撃銃が、此処にあれば良かったのだが。
追い抜かれたスドウの優しげな声が聞こえてくる。
>「なあお嬢ちゃん、俺の隣歩かないか?
 ここがどんな場所だったか興味あるんだろ?
 話してあげよう」
さて、お嬢ちゃんは一体、何処まで耳を澄ましていられるものか。
179小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/21(日) 14:18:38 0
暫くすると女の名前を呼ぶ男の声が聞こえてきた。
幻聴かと思えば、そうではないらしい。
どういう訳か、昔見たアミマル・ファクトリーを思い出した。
エドワード・ファーロング演じるロンが刑務所の中で、娼婦を請け出す行為など
自己満足に過ぎないと気が付くシーンを。
>「お届けしたのはザ・ポリスのロクサーヌ。なかなか素晴らしい音楽だ。
 君達が期待しそうな音楽を俺が選曲しても良かったが、それではいくぶん『嘘っぽく』なる。
 (中略)普通の人間なら生き残れていない」
何処か遠くから、DJの声が聞こえる。
>「君達は殺人者だ」
さながらシベリア流刑から帰ってきたフョードル並みの一撃だ。
冷徹で計算されており、無慈悲。
落雷と思しきノイズまで演出なのだろうかと思わず考えてしまう。
だが、精神から切り離されたかの如く、小川の肉体は生き延びる為に動き続ける。
ただ、只管前へと進み続ける。
時折、背後の脅威を確認しながら。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:BAR(10)、BARのマガジン(20) X 3、シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:スドウに従い、迂回路を移動中。
180小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/21(日) 14:20:21 0
>>173
(布施さんとは別の方でしょうか。参加は何時でも大丈夫です。
 http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1243430164/質問等ありましたら、こちらでどうぞ。)
181シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/06/21(日) 18:11:06 0
(放送・・・?生き残った奴らがいるってことか。)>>174

葉巻に火を付けながら歩く大柄の男。
「殺人者か・・・俺は殺し屋じゃないんだがな。」
あくまで救出任務でここへ来たことを思い出し、苦笑する。
もう何時間も歩き続け、化け物から逃れてきたがキリがない。
ここら辺で打開策を見つけなければ。

「・・・?」
前方から気配を感じる。人か?それとも・・・

装備:ジャケット、迷彩柄ズボン、タクティカルグローブ、ブーツ
所持品:M16ライフル、拳銃、コンバットナイフ、マチェーテ、手榴弾、葉巻
、予備弾丸

現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:M16を構え、警戒

182ルーとフォード:2009/06/21(日) 19:37:45 0
>168
>「・・・なるほどなぁ。そうか、悪かったな」
山田あすかと謝罪するミヒャエルを交互に見るルー。
山田あすかは、たった一人でクレバスの手前に立っているような感じがする。

>169-171
>>「なー。派手なのと激しいのどっちがスカーッとすっかなぁ?」
>「話だけ聞いてると、まるで花火みたいだね」
チビ猫がミヒャエルに反応するように楽しげに鳴いている。
>「グルルル…」
だが、鳴き声に振り返ったチビ猫の表情が固まる。
鬼子の遺体を貪るその姿に驚いているのだ。
同じような外見の生き物として仲間になるかも知れないと言う希望が萎む。
>「なあお嬢ちゃん、俺の隣歩かないか?
  ここがどんな場所だったか興味あるんだろ?
  話してあげよう」
「・・・」
だが、過酷な生存環境を生き延びたウルタール達の適応能力は高い。
興味の対象をスドウに切り替え、次の言葉を待っているように見上げた。

>174-181
咳き込む小川にウルタール達が不安そうな表情を浮かべる。
酷い病気に掛かった兆候のあるウルタールは、感染を防ぐ為に隔離される。
そのような事態が小川の身に起きており、全体に被害が現れるのではないだろうか。

歌声にウルタールが驚き、小川を見上げる。
以前見た携帯電話かと思ったが、どうやら違うらしい。
音の聞こえる方角を見ながら、フォードが鼻を鳴らす。
前方から漂ってくる葉巻の匂いに反応したフォードが耳を伸ばして立ち止まる。
どうやらシェイファーに気付いたらしい。
背後に怯えながら、シェイファーが潜む闇を指差し、短く鳴き声を挙げた。
183名無しになりきれ:2009/06/22(月) 19:17:50 0
>181
背後からゆっくりと何かが迫ってくる・・・
シェイファーにゾンビが圧し掛かってきた!
184シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/06/22(月) 21:07:27 0
>>183
「…うおっ!?」
突然圧し掛かられ、体勢を崩しそうになるも背負い投げの要領で
ゾンビを投げ飛ばす。
何度も殺してきた、醜い面の化け物だ。
しかし、かつては人間だったという。信じられないようだがこれでも
かつては感情を持つごく普通の人間だった。
しかしシェイファーは動じない。倒れこんだゾンビの顔面に向けM16を的確に撃ち込む。

「さっさとくたばりやがれ・・・このクソ野郎!」
口が悪くとも、既に人ではなくなったものへのせめてもの介錯だと。

>>182
前方の闇から声が聞こえる。
耳を研ぎ澄ます――「…なんだ?」
明らかに人間ではない。
後方の警戒も解かず、ゆっくりとライフルに装備されたサーチラートを向ける。

装備:ジャケット、迷彩柄ズボン、タクティカルグローブ、ブーツ
所持品:M16ライフル、拳銃、コンバットナイフ、マチェーテ、手榴弾、葉巻
、予備弾丸

現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:ゾンビと交戦、前方と後方に警戒中
185ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/06/23(火) 03:16:37 0
>170
>「話だけ聞いてると、まるで花火みたいだね」
「あん?まぁー花火〜・・・じゃなくもねぇんだよな。花火ねぇ・・・それだ」
再び手元で細工を続ける。

>171-179
>俺がなんか善からぬことをしでかす悪人に見えるか?
> 善良な一般の科学者だぜ?」
>「ミヒャエル、落ち着け。私の同僚に余計な事はするな。」
>ちらりと少女に視線を向け、彼女が人質である事をアピールする。
>「殿は任せるから、しっかり目を開いておけ。またクマが出るようなら最悪、ふっ飛ばしちまおう。」

小川の発する言葉と挙動から察する。
「へいへい。頑張ってケツ持ちゃいーんだろ」
(そう言う事か。おもちゃに夢中だったせいか気付かなかったぜ)

少女が小川に対して抗議を立てる。
抗議を軽く受け流す様な小川の様子が見て取れる。
>「私の子供の頃にそっくりだ。大した悪党になれるよ、彩ちゃんは---
「運てやつも必要だな。けど、俺様が味方についてんだからそこもクリアだな!へっへっへ」

小川の容態が芳しくない。激しい咳に見舞われている。
(・・・くそっ!研究施設ならアンプル位置いとけってんだ。まだ人を辞めんなよ?)

鬼子の躯の方から不穏な気配を感じる。先程の影がそれを貪っている様だ。
袋詰めの歯を握り締め、呟く。
「今はだめなんだ。悪ぃな」

薄暗い通路にはおよそ似つかわしくない音楽が流れる。
「はぁ?なんだこりゃ?って誰が殺人者だこら!糞DJぶっ殺す・・・いや殺さないよ。うん」
放送が終わる直前に何かが壊されるような音が響く。
「なんだ?男のヒステリーか?みっともねぇったらねぇなおい」

正面の方角から銃声が届く。
「客みたいだぜ?誰かの友達か?」
(前には銃を使う正体不明の何か。後ろは熊。でもって子供は拉致済み)
(どんなシチュエーションだよ!映画より出来すぎな展開じゃねーか糞!)


「さて、と。俺様の超感覚と脳による分析だと、そろそろ地上へ出てもおかしくねぇ頃だな」
「一気に抜けちまおうぜー」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10

現在地:薄暗い通路 
状況:警戒中
186森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/06/24(水) 00:35:26 0
鈴木さんは私の言葉にちょっと驚いた後、必死で笑いを堪えている。
>「私の子供の頃にそっくりだ。大した悪党になれるよ、彩ちゃんは。
> 生き延びる為に耳を澄まし、目を見開いて頭を使うんだ。
> 恐怖に飲まれなければ、恐怖になる事が出来るなら、生き延びる事が出来る。」
>小川が手を伸ばし、少女の頭を軽く撫でる。
「それ、どういう意味?」
鈴木さんは早足で行ってしまった。
「変なの、なんか・・・・・・遺言みたい」

>172
>「なあお嬢ちゃん、俺の隣歩かないか?
> ここがどんな場所だったか興味あるんだろ?
> 話してあげよう」
スドウさんはそう言った。
正直、この人はちょっと苦手だ。物腰も柔らかだけど、なんとなく嫌な感じ。
だけど、この人が施設のことに詳しいのなら、機嫌を損ねるのは良くない。
私は無言のまま、おずおずとスドウさんと手をつないだ。
「スドウさんにとっては、ここはどんな場所だったんですか?聞きたいです」

鈴木さんは嫌な感じの咳をしている。
ミヒャエルさんは相変わらずマイペースだ。

突然音楽が流れて、誰かの声が聞こえた。
「やっぱり放送は校舎から、なのかな?それとも施設内?」
もし外からなら、学校に逃げ込んだ皆もまだ生きているかもしれない。

フォードが何かを合図している。
「鈴木さん、フォードが何かに気づいたわ。この先に、もしかしたら誰かいるかもしれない」








187シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/06/28(日) 22:50:34 0
>>185>>186
こうして1人で生き残ってしまったのは2度目だ。
葉巻を燻らしながら前方に意識を集中させる。
せめて、生きている人間であって欲しい。
そう願いながら。
「…どうやら、人間らしいな。」
ライトが照らす顔、無数の人影が浮かび上がる。
間違いない。彼らは”まだ”人間だ。

葉巻を吐き捨て足で踏み潰す。
小さく赤い色を放ち、葉巻は崩れ去った。
「生存者がいたとはな。驚いたぜ。」


装備:ジャケット、迷彩柄ズボン、タクティカルグローブ、ブーツ
所持品:M16ライフル、拳銃、コンバットナイフ、マチェーテ、手榴弾、葉巻
、予備弾丸

現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:生存者の集団と接触

188小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/06/28(日) 23:16:08 0
>182
山田あすかとの間に広がるそれに、小川は無感情を貫く。
人の形をした昆虫が存在するのであれば、それが小川平蔵だ。

>185
>「さて、と。俺様の超感覚と脳による分析だと、そろそろ地上へ出てもおかしくねぇ頃だな」
>「一気に抜けちまおうぜー」
「地上に近いって事は、それだけ研究施設が作りやすいって事でもある。
 確か山の此方側は、これと言った集落が無いエリアだからね。
 工事は簡単な筈だ。」
小川が無感情に言い放つ。
>「やっぱり放送は校舎から、なのかな?それとも施設内?」
「・・・判断を下すのは難しい。」
外部の動きを監視する為に有線を引っ張っていても不思議ではない。

>186
>「それ、どういう意味?」
小川は答えずに、足を進める。
>「鈴木さん、フォードが何かに気づいたわ。この先に、もしかしたら誰かいるかもしれない」
肝心のフォードは耳を立て、鼻をヒクつかせている。
小川も同じように小刻みに地下の湿った空気を鼻から吸い込む。
葉巻の匂いだ。

>187
小川が暗闇に目掛けて、一歩踏み出す。
すると、まるで深い穴に落ちたかのように、小川の姿が掻き消える。
少々詩的な表現をすれば、穴に落ちたのではなく、小川が深い穴になったのだ。
投げ込まれた松明――警戒心や好奇心、愛情――が見えなくなる深い穴に。
ニーチェ流の覗き返してくる、哲学的な深淵ではなく、ただの虚無が、ただの深い穴がシェイファーに迫る。
人間の放つ警戒心や視線は、相手がそれに反応する事によって機能する。
警戒心をぶつけても何らリアクションを起こさなければ、敵ではない。
小川はそれを逆手に取り、昆虫のように無感情に動くことが出来る。
シェイファーとの距離は僅か3メートル。
>「…どうやら、人間らしいな。」
完全に気配を消し、壁際に張り付く小川に、シェイファーは気付かない。
>「生存者がいたとはな。驚いたぜ。」
「音を立てるな。化け物が俺達の背後に居る。」
狙撃用スコープの十字線に獲物が重なった瞬間、無意識に動く人差し指のように滑らかな言葉。
訛りが混じりすぎて、殆ど標準語に近い英語だった。
シェイファーの隣に、乾いた血でまだらにフェイスペイントされた男が立っている。
「失礼、私は鈴木です。まぁ、生存者って事でお互い仲良くしませんかね?」
小川の足がぶるぶると震え始め、軽く咳き込む。
ようやく見せた人間らしい反応だった。
「話は後で。今は移動しよう。」
兵士であるシェイファーは、似たような技術の持ち主を知っているだろうから、驚く事はあるまい。
ただ、狙撃手同様に嫌悪される可能性は否定できないが。

装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス、ズボン無し
所持品:BAR(10)、BARのマガジン(20) X 3、シグP226(6)、アンプルシューター(0)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:シェイファーの隣に立ち、移動を提案する。
189シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/06/29(月) 19:37:11 0
>>188
相手の反応を伺おうと近付く。ゆっくりと冷静に。
だが”それ”は音もなく自分のそばまで来ていた。

>「音を立てるな。化け物が俺達の背後に居る。」

声のした方向へ顔を向ける。
「まるで虫だな・・・」小さく呟き苦虫を潰したような顔で男を見る。
フェイスペイントをしているが、明らかにこの国の人間の風貌だ。
無言で男の言葉を聞く。
>「失礼、私は鈴木です。まぁ、生存者って事でお互い仲良くしませんかね?」
咳き込み、足が震えている。生存者ではあるが、何処か病んでいるとしか思えない。

「了解だ。」
言葉少なくスズキと名乗る男に返答する。
銃を降ろし、スズキに追従する。
化け物相手なら前にも1度ある。遠い記憶だ。思い出すのも煩わしいが。

装備:ジャケット、迷彩柄ズボン、タクティカルグローブ、ブーツ
所持品:M16ライフル、拳銃、コンバットナイフ、マチェーテ、手榴弾、葉巻
、予備弾丸

現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:スズキと会話、歩き出す

190布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/06/29(月) 22:16:25 0
マイクにはスイッチが入っていなかった。
壁際に寄り添い、気配を消した。真夜中の埃臭さが、偶然写真に写りこむスカイフィッシュのように、鮮やかな親密さを持ってして肌を刺激する。
道中には5人の人間と2匹の猫が歩いていた。構成は均整のとれた歯並びのように戦略的に分担、配置されていながら、バラエティに富んでいる。
布施が目にしたのは直立した猫が歩いているところだった。2本足で立つその2匹は、
すました目つきで「どうです、猫とは普通は2本足で歩くものなんですよ」と主張するかのように自然に際立っていた。
それを見ていると、まるで自分が今まで見てきた猫が間違いだったかのように感じられた。
それは布施に多少の戸惑いをもたらした。まるで9.11の世界貿易センタービルの憧憬のように。その2匹にはステンレス製の陶器のような上品ささえ感じられた。
このなかに布施が求めているものを持つ人間がいるかどうかはわからない。
布施は彼らはざっと観察した。
つまらない連中でない代わりに、暴力のプロといった厄介な連中でもあるようだ。
特に武装した2人の男はタフネスで、均衡のとれた緊張を感じる。活発に動けるだけのバランスが整えられているということだ。
看護婦姿の女性は美人だが、なにか表情に淡白な印象がある。極度の緊張がそうさせたのか、それとも生への決意がそうさせたのか
布施には判断しかねる。
そこには汗で汗を洗ったあとの静けさ、ハイになった長距離走者を連想させる。
スキー帽を被った小学生ほどの少女は礼儀正しい墓石のような趣を感じさせ、彼女に詰め寄っている白衣の男には
ハロウィンの夜にかまどの明かりによって出来上がる下卑た化け物の影を想起させた。
どちらも、この生死の夜のなかで揺らいでいる者達だ。
このなかで注目するとしたら2人の軍人らしき男だろう。
片方は粗暴で口が悪いらしく、そうでいながら浜辺に打ち上げられた雑巾みたいに、淡白で優しいシニカルさを感じさせる。
もう片方はいかにもな死の匂いを放っている。

布施は「ライ麦畑で捕まえて」のことを考えた。
ホールデン少年は大人たちの社会を欺瞞の社会とみなし、その偽善性をラップ調で吹聴し
自分は「ライ麦畑の捕まえ役になりたい」とうそぶく。
布施は責任という言葉を強迫性と区別しない生活を送っていた。
そのなかで責任とは彼の回避すべきものであり、ホールデンのいうような欺瞞の世界への入り口であった。
強迫観念と同様に考えるなら、その通りだろう。
布施は今、無責任の自由な世界にいる。そんな中で、「システム」の側にいる人間達を
救おうとしている。救った先の光明は、各人たちが自分で探せばいい。

どうやら壁際に落ち着いてしまったらしい。冷えていて気持ちがよかった。
そのまま眠ってしまいたかったが、彼らは接近してきている。
布施はマイクが充電されていることを確認し、彼らに呼びかけようとした。
ふと葉巻を持った軍人が顔を出し、死の気配の男の軍勢に加わった。
銃のやり取りがあったが、仲間であったことを確認するためのプロフェッショナルのやり取りなのかも知れない。
会話が聞こえる。

>「失礼、私は鈴木です。まぁ、生存者って事でお互い仲良くしませんかね?」

布施はマイクの電源を切り、背後に気を配りながら、恐る恐る彼らに近付いた。

「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。
 あんたら、ここで会ったが運命共同体だ。ちょっと力を貸してくれ。
 なんでもいい。一言ずつ何かを言ってくれ」

布施の目的は2つ。
人殺しに人殺しをやめさせること。
そしてそのための音楽を謳うヴォーカリストを探すこと。

状況・地下通路の生存者達に声をかける。そっと静かに。
191ルーとフォード:2009/06/29(月) 23:19:47 0
>185−190
>「あん?まぁー花火〜・・・じゃなくもねぇんだよな。花火ねぇ・・・それだ」
ブツブツと呟くミヒャエルの手元をチビ猫がじっと見つめている。
地下実験場で作られる物は限られていて、狩猟や自衛用の道具位だ。
人間達の手を見ていると全く新しい技術が世界には存在する事を教えてくれる。
>「今はだめなんだ。悪ぃな」
チビ猫がミヒャエルの手を握り、頷き掛ける。
生き延びれば、再び戦う事が出来る事を知っている戦士の目だった。

>「鈴木さん、フォードが何かに気づいたわ。この先に、もしかしたら誰かいるかもしれない」
少女の呼び掛けを気にするでもなく、小川が暗闇に向って歩き始める。
その姿を見ていたフォードが少女の手を強く握る。
地下実験場で見た生き物のように知性が感じられない。
警戒していた何かの気配と小川の気配が重なり、人間らしさが戻ったように見えた。
小川の先に居るのは、敵ではないらしい。
少女の手を引っ張って、先に進もうとするフォード。
ルーも山田あすかの手を引いて、先へと進もうとする。

シェイファーの姿を見て、ルーが首を傾げる。
この光の出る銃はとても便利そうに見える。
どういう仕組みで光るのか興味があるらしく、熱心に銃を眺めている。

突如現れた男の姿も、何かぼやけていた。
小川と違って知性は感じられる。
他の人間と違って何かが見えない。
>「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。
 あんたら、ここで会ったが運命共同体だ。ちょっと力を貸してくれ。
 なんでもいい。一言ずつ何かを言ってくれ」
少女を見上げ、フォードが囁き声を上げる。
目の前の人間は仲間なのか、と確認するように。

現在地:旧日本軍駐屯地跡 通路
状況:鈴木、シェイファー、布施と合流。
   ミヒャエルの細工やシャイファーの銃に興味を持つ。
192ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/07/01(水) 13:10:55 0
>191
猫の姿の生物がしきりに細工する様を覗っている。
「気になるか〜?これはすげーぞぉー?後で見せてやっからな。・・・分かるかなぁ?」

鬼子に向けた言葉を理解したかのように、猫は頷き手を握ってくる。
男は無言で手を握り返し、感情を伝える。

>188
小川が前方の影に向かって接近する。気配を完全に殺し、闇に溶け込み影のすぐ横に立つ。
「おーおーやるねぇ。俺はあれが苦手なんだよなぁ。どっちかってーと真逆のやり方だわ」

影は小川に追従する形で動き始める。敵ではない様子が見て取れる。
「それなりに心得てるやつみてぇだな。凡人ならびびって撃ってんだろ」

>190
>「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。――

当然視界の中に飛び込む男の姿。
「さっきの人を人殺し呼ばわりしてた野朗か? 一言?何寝ぼけてやがんだ」
「生きる気があんなら黙ってついて来な」


「やれやれ、長い一日だぜ」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10

現在地:薄暗い通路 
状況:シェイファー・布施と合流。研究者風の男への警戒を強める。
193名無しになりきれ:2009/07/03(金) 23:26:34 0

バイオハザード〜運命のラクーンシティVOL.1〜
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2759120
194小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/07/05(日) 20:24:17 0
>189-192
>「まるで虫だな・・・」
シェイファーの漏らした言葉に小川は肩を竦めただけだった。
>「それなりに心得てるやつみてぇだな。凡人ならびびって撃ってんだろ」
びびってぶっ放す素人相手なら、言葉を掛ける代わりに銃を撃っていただけだ。
>「了解だ。」
小川が手にしていた銃を構える。
突きつけた相手はシェイファーではない。
>「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。
  あんたら、ここで会ったが運命共同体だ。ちょっと力を貸してくれ。
  なんでもいい。一言ずつ何かを言ってくれ」
突如現れた男に狙いを定める。
「せめて自己紹介でもしないか?聞えていただろうが、鈴木と呼んでくれれば結構だ。
 こっちのアメリカ人は、どうせラングレー辺りに本社があるカンパニーの人間だろう。
 俺も昔、仕事を請け負った事があるから、検討は着くさ」
ヴァージニア州ラングレーにあるカンパニーと言えばCIA以外に無い。
小川もPMC時代に冷戦終了後、こっち側に付きたがる旧共産主義国家の軍隊に軍事訓練を施した事が有る。
表立って米軍が出来ない任務をPMCが行う図式は、グローバリゼーションと規制緩和政策の申し子と言う訳だ。

それにしても、どうにも得体の知れない男である。
シェイファーや小川を覆っているベールとは違う何かに包まれている、とでも言おうか。
このアメリカ人の纏う闇が国家の暗部と言う社会の一部だ。
小川の抱える狂気に近いが、小川も世の中と折り合いをつけて社会の一部として生きている。
ところが布施はまるで違う。
得体の知れない惑星からやって来た、人間に化けた宇宙人のような違和感がある。
一方で、肉体的な脅威の要素が無いので、注意も警戒も払われない。
様々な要素が絡み合い、布施の輪郭を曖昧にしている。
だが、その曖昧な輪郭は、何処かで見た記憶がある。
確かあれは―――
>「生きる気があんなら黙ってついて来な」
ミヒャエルの言葉が思考を遮る。
「そうだな、今は距離を稼ぐべきだ。
 付いてくるのは構わんが、邪魔をすれば殺す。
 ついでに自己紹介を頼む。出来れば目的と所属も。」
小川が足早に移動を始める。
首筋に奔る脅威に背中を押されるように、全身を再開する。
195布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/07/05(日) 22:21:39 0
簡単な自己紹介の後、少女は口をつむんだ。
布施は彼女を小さなつま先から頭まで、楊枝を摘んで箱から取り出すように訝しげに見た。
なかなかの声帯だが、感情に不安定の気配がある。
看護婦の女性も、乱暴そうな雑巾のような男も、どうやら厳しい。
布施は、まだ「正確に」声を聞いていない先頭の男に声を掛けた。

「さっき、化け物が後ろにいるって言ってたな。俺の耳はごまかせない。
 今はそいつらから逃げているわけだ。で、当てはあるのか?」

布施はその男の声を聞き、戦慄した。
それは海の上に平和に浮遊する土星のような、抑揚と芯の強さをもった声だった。
そして空白を腹蔵した男だけが有する、永遠の雪のような声だった。
雪は解けず、とがり過ぎず、確かな硬さと冷たさを持ってして、鎮座していた。
布施はこの男を1の男、と考えることにした。
1の前には0。布施のことだ。

布施は中学時代、自分の声をテープレコーダーに録音したことがあった。
国語の授業で教わった山月記の朗読が内容だ。
それは虚無感が膨張した赤茶色の病棟から、死にかけの老人が呻いたような、しゃがれた声だった。
布施は最初、この声を再生するのが恥ずかしくてたまらなかった。
しかしそれを何度も聞いているうちに、ある事実に思い立った。
俺は周りの連中のように、ただ退屈な日常に辟易しているわけじゃない。これはただの虚無感じゃない。
俺の中にあるのは、「満足した渇き」のようなものなのだ。
そしてその満足した乾きは、言葉のような矛盾など少しもなく、永久機関のように全ての歯車がかみ合い、
俺のなかを統括しているのだ。

そこには全てがありながら、全てがなかった。
絶対的な虚無がありながら、充分な満足感だけがあった。
そして少なくとも0の世界だった。
今、目の前の男は「満足した渇き」に似た、あるいは同じものを持った人種の男である。
そしてその世界には雪が積もっている。布施は1の男を暫く眺めていた。

彼は最初見たとき、死の匂いがした。
部屋が暗澹だったから?そうじゃない。それなら他の軍人にも同じ匂いがするはず。
見たところ、雑巾男も彼も、それなりの経歴を持つスペシャリストのようだ。
彼は状況に適応して、気配を変えることができるのだ。まるで水に塗らして色が変わる特殊な紙のように。

「あんたがたは暴力のプロだ。今更、人殺しをやめろ。なんていわねえが……
 子供や女にはなるべく武器は持たせないで欲しい」

状況・森村彩から自己紹介を受け、鈴木(小川)に話しかける。
196シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/07/06(月) 20:12:24 0
>>191
小さな影が見える。動物か?
>シェイファーの姿を見て、ルーが首を傾げる。
>この光の出る銃はとても便利そうに見える。
>どういう仕組みで光るのか興味があるらしく、熱心に銃を眺めている。
「・・・ふぅ。どうした?興味があるのか。」
安堵した表情で2人に語りかける。それも束の間、直にスズキへと向き直る。

>>194
スズキと名乗るアジア人の話を聞く。
>「こっちのアメリカ人は、どうせラングレー辺りに本社があるカンパニーの人間だろう。
>俺も昔、仕事を請け負った事があるから、検討は着くさ」
先ほどの行動と見るに、彼は相当手馴れた兵士であることは分かる。
「あぁ、あの辺りは仕事をするにはちょうどいい環境だ。―で、後ろにいる化け物ってのは・・・」
情報を聞こうと銃を下げたシェイファーを余所に、スズキが銃をある方向に向ける。

>>190
異様な気配を漂わせながら1つの影がゆっくりと近付いてくる。
>「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。
>あんたら、ここで会ったが運命共同体だ。ちょっと力を貸してくれ。
>なんでもいい。一言ずつ何かを言ってくれ」

後ろを振り向き、男を一瞥する。
「俺は人殺しをする為に来たわけじゃない。あくまで”レスキューチーム”
としてだ。まぁ、それも今となっては笑い話にしかならんがな・・・」

再び苦虫を噛み潰すような顔で右手に収まる血に塗れた複数のドッグタグを握り締めた。
197布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/07/07(火) 22:08:58 0
鈴木「せめて自己紹介でもしないか?聞えていただろうが、鈴木と呼んでくれれば結構だ。
  こっちのアメリカ人は、どうせラングレー辺りに本社があるカンパニーの人間だろう。
  俺も昔、仕事を請け負った事があるから、検討は着くさ」

シェイファー「俺は人殺しをする為に来たわけじゃない。あくまで”レスキューチーム”
       としてだ。まぁ、それも今となっては笑い話にしかならんがな・・・」


布施は彼らを一瞥し、先程の自分の放送のことを思い出していた。
もう少しで成功する筈だった淡い憧憬。突如として降って湧いた稲妻の光。
布施は地層の推移のことを考えていた。新しい時代がやってくると共に、
土砂をショベルカーで一箇所に詰めていくように、それに押しつぶされて死んでいく
小さな心のなかの微生物達のことを思った。記憶、意思、憎悪に近い理念……。
ここの奴らと出会い行動することで、俺のなかで何かが死ぬだろうか?
鈴木と呼ばれる男の言葉を無視し、小学生ほどの背丈の少女へと歩み寄る。
彼女は気難しさと恥ずかしさの入り混じったような墓石のような自己紹介をし、布施は軽く会釈すると
「ありがとう」。
ありがとう、森村彩さん、それでいい。

鈴木と名乗る男はやけにおしゃべりに感じられた。
この状況のなかで、兵士の所属などどうでもいいことだ。大事なのは一人の個人として、『どちら側』に着くかどうかだ。
布施は再開された行進の先頭の鈴木ににじり寄り、声を聞こうとした。
何かがやけに引っかかる。強風のなかの洗濯物のように、なにかが執拗に、布施のえもんかけに引っ掛かったままになっている。

鈴木「そうだな、今は距離を稼ぐべきだ。
  付いてくるのは構わんが、邪魔をすれば殺す。
  ついでに自己紹介を頼む。出来れば目的と所属も。」

「目的……か。全ての人間様と同じ、生きることだ。
 今を一生懸命生きる、ということだ。
 所属はあったが、そんなものとうに忘れた。さっきのラジオ聞いてくれたかい?
 俺はあんたを救うことなどできやしないが、啓発させることはできそうだ」
198森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/07/07(火) 23:56:34 0
>185
>「あん?まぁー花火〜・・・じゃなくもねぇんだよな。花火ねぇ・・・それだ」
そういいながら、ミヒャエルさんは何か作業を続ける。
私はあまり深く追求しない事にした。別に責めているわけでもないから。

>188
>「地上に近いって事は、それだけ研究施設が作りやすいって事でもある。
> 確か山の此方側は、これと言った集落が無いエリアだからね。
> 工事は簡単な筈だ。」
私は傍らのスドウさんを見上げた。
研究員なんだから、心当たりがあるのかな?
何を考えているのか、その横顔からは全く読めない。

>187 >191
フォードが私の手を強く握った。よく見ると、ルーも山田さんの手を引いている。
少なくとも先に待っているのは、異形の怪物と言うわけではないみたいだ。
「先に進もうって、そう言いたいの?」

>「…どうやら、人間らしいな。」
いきなりライトを向けられて、私は手で顔を覆った。
>「生存者がいたとはな。驚いたぜ。」
「猫達の目にライトの光を向けないで」
相手は見知らぬ人なのに、自分でもびっくりするくらい毅然と言えた。

>「音を立てるな。化け物が俺達の背後に居る。」
いつの間に回りこんだのか、鈴木さんがタバコを吸っていた相手の後ろに回りこんでいた。
>「失礼、私は鈴木です。まぁ、生存者って事でお互い仲良くしませんかね?」
そう言った後、鈴木さんがまた嫌な咳をした。
移動しようと言う鈴木さんの言葉に、相手も応じる。
光に慣れたのか、ルーは見知らぬ兵隊さんの銃に興味深々のようだ。
>「・・・ふぅ。どうした?興味があるのか。」
>安堵した表情で2人に語りかける。
ルー達を見て驚かない兵隊さんが不思議だった。私たちと手を握っていたからかもしれないけど。
もしかしたら猫好きなのかな?何にしても、いきなり撃たれなくて良かった。

>190−192
>「せめて自己紹介でもしないか?聞えていただろうが、鈴木と呼んでくれれば結構だ。 (略)」
>「あぁ、あの辺りは仕事をするにはちょうどいい環境だ。―で、後ろにいる化け物ってのは・・・」
頭上の大人の会話を聞きながら、遅れないようにもくもくと歩いていた。すると・・・。
199森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/07/08(水) 00:00:00 0
>「マイクのテスト中……というわけにもいかんようだな。 (略)
> なんでもいい。一言ずつ何かを言ってくれ」
突然降って沸いたみたいな声に、私はびくっとした。
フォードが影の薄いマイクの人を見た後、私を見て何かを確認するようなしぐさを見せる。
私は握っていた手を離すと、フォードの頭をそっと撫でた。心配しないで、という気持ちは伝わったかな?

>「さっきの人を人殺し呼ばわりしてた野朗か? 一言?何寝ぼけてやがんだ」
>「生きる気があんなら黙ってついて来な」
相変わらずミヒャエルさんはストレートだ。
だけど、ここにいる人間の中では一番分かりやすくて、好感が持てた。
「・・・・・・私は森村彩です。この猫達はルーと、フォードです」
こちらに歩み寄ってきた影の薄い男の人は、私に軽く会釈をすると、なぜか「ありがとう」と言った。
私はじっと男の人の顔を見たけど、何で御礼を言われたのか良く分からなかった。
あまりに面食らったので、名前を聞くのを忘れた事に気づくのに少し時間がかかった。

鈴木さんは自己紹介を求めた。
>「目的……か。全ての人間様と同じ、生きることだ。 (略)
> 俺はあんたを救うことなどできやしないが、啓発させることはできそうだ」
私は、影が薄い人を穴があくほど眺めてしまった。なんだか浮世離れした感じの人だ。
「とりあえず、お二人のお名前もたずねて良いですか?」
私は、新しく同行する事になった影の薄い人と、兵隊さんの二人にそう言った。
200布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/07/08(水) 22:06:22 0
地下空洞は、モンスター映画の巨大ミミズの肛門のように、人工的に汚れ、
そして吸い込むように風を通していた。その風の吹き方も、天井に出来た意味不明の凹凸も、何かが待ち受けて
いそうに続く闇も、何から何まで人工的だった。
布施は、その作為的な居心地の悪さに、背中にじっとりとした汗を掻き始めていた。

森村彩「とりあえず、お二人のお名前もたずねて良いですか?」

「布施博だ。自分には馴染みのない名前だが、まあ仕方ない。
 さっきの放送は悪かったね。驚かせたろう。なにか音楽でも聴くかい?」

シェイファーも布施に続いて、森村彩に対して反応を示すが、それが難色を示すものか、揚々としたものか
布施にはわからない。さきほどはレスキューチームの話を一蹴した布施だが、この男に対する警戒心は弱めてはいない。
訓練こそ受けているだろうが、正規の救助隊員ではないはずだ。
武装し、鈴木と名乗る男と拳銃のやり取りをしている。
しかし何かがない。この男には軍人ではなく、何か本当に救助隊員だったのではないかと匂わせる粗末で甘酸っぱい匂いがする。
筋肉質で、優しく、それと同時に責任を全て吸収したあとの静けさのような趣が。
シェイファーはドッグタグを握りしめ、口をすぼめて、顔をゆがませた。
さしずめ、仲間がやられた責任を感じてるってとこか。けどそれで茫然自失しているわけでもなさそうだな。
それは対極が紙一重で合致したような匂いだった。
これは責任を全て吸収していながら、その所在の余りある重さが、かえってその意識を淡白にしている。そんなイメージを布施は感じ取った。
人間はみんな同じだ。と布施は思った。
立場が違えど、知覚する世界は同じ。知覚する過去が違えど、知覚するための5感は同じ。

布施は要塞化した自宅に住んでいる間、洋楽を貪るように聴いていた。
それは彼の心を和ませ、落ち着かせてくれた。世界に自分があわさっていくようで、その歌が自分の欠落を満たしてくれるようで、たまらなかった。
そんななかで音楽が止み終わると、布施は一人で世界と相対しなければいけなくなった。
そのときの布施は、腹に穴が開いていた。
実際に穴が開いていたのではなく、それは観念上の穴だった。
それはマルコヴィッチの穴のような点ではなく、洞窟のなかの湖のような『闇のなかの空白』に近かった。
音楽を聴き終わり、穴は満足している。しかし穴が穴であるが故に渇きはある。
そんな矛盾を内包したまま、布施は一人で暮らしている。

ある日から、布施はその穴をめぐって、人を操作できないかと考え始める。
201ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/07/10(金) 04:11:52 0
>194-200
一時、後方の脅威を忘れ一連のやり取りを見つめる。
放送の主を務めた男をじっと見据え、何か考え込んだ様な仕草の後ぽつりと独り呟く。
「そこに居るけど、居ねぇんだよなぁ。変な奴」

進行する方角から外気を感じる。地上に接近しつつある事を再確認する。
先程から細工を施していた物をズボンの後ろに収める。
「おーい、交流もいいんだけどよぉ、喋っててミンチになったり蒸し焼きになるのはごめんだぞ」
「あ、俺の場合何てんだ?焼き・・・ヒーロー。今一だな。こんがり・・・何でもいいや!」

シェイファーと名乗った男に言葉を投げる。
「うーわー堅そうな奴。・・・ウジウジしてねぇで生きろや」

スズキの言葉に嘘を言ってる感じは無い。
焦燥感、恐怖感、生への執着。ミヒャエルは小川からそう感じ取った。

誰へという事も無く、自身への鼓舞の様に声を発する。
「俺は糞っ垂れの兵隊で、糞共相手に糞みてぇな毎日で生きてんだ。糞を止めたけりゃケツに栓でもすんだな」
「もう2度と誰にも縛られねぇ。俺が糞になってこそ護れるもんもあんだ」


「新製品。ミヒャエル印の花火はいかがー。花火を『人様』に向けちゃだめですよー」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10

現在地:薄暗い通路 
202名無しになりきれ:2009/07/11(土) 01:37:32 0
>196-201
全員の背後から壁伝いに振動が奔る。
誰も見たことの無い生物が放つ雄叫びである。

聖書に記されたリヴァイアサンの如く巨大で――――
ケルト伝承のブラックドラゴンの如く大地を震わせ―――
北欧神話のヨルムンガンドの如く世界を終末へと導く―――

全ての神話が邪悪な獣を生み出したように、最先端科学が生み出した邪悪な獣であった。

その姿は闇に包まれ、未だ誰の目にも映らぬ。
否、山田あすかの目だけが、それを捉えたかも知れぬ。
だが、その形容しがたい跳ねるような足音は、生者の群れへと向う。
203布施博 ◇0YhnNL46N6 :2009/07/11(土) 20:41:30 0
回想が打ち切られ、ミヒャエルと呼ばれる男のほうを振り向く。
白い波が打ち寄せられ、ひき、また新しい色の波がやって来るように、感情の海は満ち引きされる。
記憶は潮騒のなかに消える。

ミヒャエル「うーわー堅そうな奴。・・・ウジウジしてねぇで生きろや」

ミヒャエルの声は粗雑そうでありながら、繊細なきめ細かい水流のなかを遊泳する鱶のように、
芯の引き込まれた強さを持つそれであった。
布施は音波を感知する触覚を傾ける虫のように、それに興味を引き立てながら、同時に鈴木のほうにも
何かを感じていた。
鈴木は何か空中浮遊する皿のような不自然な人格を抱えていた。
嘘と、それによって支えられた肉体の匂い。
ナルシシズムによって先細くされた自我と、その奥で悪魔のように煮えたぎる野心。
しかしそうでありながら発せられる生命の輪郭が、余計に鈴木の存在を不自然にさせている。
丁度発育途中の娘が特別な肌の艶や、匂いを出すように、子供の幻想と成人の現実の過渡期の中間で支えられているような感じ。
思考は線路が切り替わるように移動させられ、布施はミヒャエルのほうへ向き直る。

「あんた、マジに兵士か?やけに生き生きしてるが……殺人者の最後に至る境地?
 でも、あんたなら何かいいもんが出来そうだね……」

ミヒャエル「新製品。ミヒャエル印の花火はいかがー。花火を『人様』に向けちゃだめですよー」

この男が楽しむのは破壊なのか、それとも自分のささやかな勇姿なのか、布施には判断できない。
突如、大きな爆発音のような唸り声が地下空洞内を揺らし、反響した。

「鈴木、これはどうあがいても変えられない化け物の咆哮だ。
 シェイファー、シュワちゃんの声のシェイファー、今は力を合わせよう。今はここの連中がチームだ。
 雑巾、その爆弾ってのはなんだ?
 森村彩、現実の姿を直視することは避けられない。だが脚色して少しでも楽しまないか?」

布施が森村彩に手渡したi-podにはレッド・ツェッペリンの「Stairway to Heaven 」と「the final desicion we all must take」(コーラスなし)が収録されていた。
http://www.youtube.com/watch?v=YgbCDDupfh4&feature=PlayList&p=EA9A535C2E41D66C&playnext=1&playnext_from=PL&index=65
http://www.youtube.com/watch?v=urr5U1FRAVU

相手はゾンビでないことは確かだ。殺人を忌避してきた布施はゾンビの殺しも手に負いかねてきた。
屍となり朽ちた時点で人間ではないとも考えた。しかしそもそも生命がなにかわからない状態で、なにを「死んだ人間」だと断定するのか
布施にはわからなかった。あらゆる可能性を考え、絶対に人間はそれがゾンビであろうとも殺さない。それが布施の信条だった。
しかし今回は違う。容赦する必要がない。
布施はバッグから素早く催涙スプレーを取り出し、ライターをあてた。

「お届けするのはレッドツェッペリンの天国への階段、そして公開記念に鷺巣詩朗の「the final desicion we all must take」
 化け物が我々の生死を分かつまで、ひととき音楽に身を任せよう。そして彼がくるときパンチの効いたサウンドトラックが始まる」
204小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/07/12(日) 22:12:54 0
全ての苦悩する人間は、自分だけの聖戦を戦っている。
ある者は自己と向き合い、ある者は人々と向き合い、何かを変えようと足掻く。

>196
>「俺は人殺しをする為に来たわけじゃない。あくまで”レスキューチーム”
  としてだ。まぁ、それも今となっては笑い話にしかならんがな・・・」
握り締められたドッグタグの擦れる音は、苦々しい風に吹かれる風鈴のような音だった。
残念な事に、この男はレスキューチームなどではない。
典型的な犠牲者に過ぎない。
「連中との付き合い方を知らないからこういう事になるんだ。
 夜明けと同時に、この村が消毒されるって話は聞かされていないんだろうな。」
小川は意地悪く言い放つ。

>197−202
>「目的……か。全ての人間様と同じ、生きることだ。
  俺はあんたを救うことなどできやしないが、啓発させることはできそうだ」
あまりにも馬鹿馬鹿しい話だったので、小川は答えない。
啓発も説教も今の小川には不要だ。
それにしても、この男は一体―――
>「そこに居るけど、居ねぇんだよなぁ。変な奴」
後ろを振り返り、ミヒャエルを見てようやく思い出した。
「ムジャーヒドさ、ムジャーヒドなんだよ。見た事があるだろ?」
アラビア語で聖戦を遂行する者を意味する単語を吐き出す。
稚拙な発音をミヒャエルが聞き取れれば良いのだが。
そうすれば、ミヒャエルもこの男が狂っていると理解出来る、と小川は考えていた。

それは音でなく、振動だ。
地震とは違い、桁外れの生命と凶悪な殺意を感じさせる咆哮だ。
>「鈴木、これはどうあがいても変えられない化け物の咆哮だ。
 森村彩、現実の姿を直視することは避けられない。だが脚色して少しでも楽しまないか?」
「変えられなくとも、殺せはする。」
小川が慣れた手付きでボルトを操作し、初弾が装填されているか確認し、指示を飛ばす。
「取りあえず、次の区画まで走るぞ。
 シェイファーは先頭を、次に布施と俺が続く。山田あすかは少女の面倒を見るんだ。
 殿はミヒャエル、相変わらずお前だ。」
この状況であれば妥当な判断だ。
シェイファーが事実を言っているとは限らないし、布施はまだまだ本質が見えない。
「さぁ、走れ!走れ!」

現在地:薄暗い通路 
状況:指示を出し、移動開始。
205シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/07/12(日) 22:26:56 0
>>198
>「猫達の目にライトの光を向けないで」

少女の声が不意に自我を遮る。
踵を返し、小さく会釈し口元を緩ませ告げる。
英語で簡潔に、「すまん」と。

>>197
>目的……か。全ての人間様と同じ、生きることだ。
 今を一生懸命生きる、ということだ。

男の言葉に小さく頷く。
「あんたと同じ考えだ。俺も生きる・・・最後の時が来るまではな。」

>>201
もう1人、会話をしてなかった男の言葉に注目する。
>「うーわー堅そうな奴。・・・ウジウジしてねぇで生きろや」

噛みタバコを口に入れながらニヒルに笑う。
「心配は無用だ。こういうことは何度もあった。」
本心はどうであれ、今はそういう言葉でしか形容できない。

>>202
>全員の背後から壁伝いに振動が奔る

「”こういう声”を聞くのは2度目だな・・・」
ライフルを構えながら呟く。
あれは蒸し暑い夏。全てを喰らおうとする「捕食者」の雄叫び。
予備マガジンを確認しつつスズキを見る。

>>204
>「連中との付き合い方を知らないからこういう事になるんだ。
 夜明けと同時に、この村が消毒されるって話は聞かされていないんだろうな。」

彼は冷静に言い放った。
俺は小さく肩をすぼめ噛みタバコを何度も噛む。
「あぁ、正規の命令ではないな。だが、こういうのにも馴れてはいる。
馴れたくないもんだがな・・・」

>「さぁ、走れ!走れ!」

スズキが合図するのが先か、俺が動いたのが先か。
分からないほどの素早さで先陣を切る。
この先に何があるかは知らないし、知りたくもないが今は走るしかない。

状況:移動開始
206布施博 ◆0YhnNL46N6 :2009/07/13(月) 16:24:34 0
ある子供は飛び立っていく飛行機を見つめ、
『飛行機は小さくなっていくけど、なかの人たちも小さくなっていくの?』と尋ねた。
頭に気球みたいな膜がかかったような感覚に陥った布施は、その化け物の咆哮
を玩具箱から飛び出した童話の白熊のそれのように感じた。
どうしてこんな大きな声がこの世に存在するのか、布施には不思議だった。
それは発声器官の仕組みやその難解さに対してのものでなく、インカの井戸の底から助けをもとめる中年のような
不可解さだった。それは何故中年が底に落ちたのかとか何故助けなくてはいけないのかということではなく
静かな闇のなかに人がいるという不自然さに対するものだ。
布施は洋楽を聴いていながら、言語としての英語はまったく理解していなかった。
ヴォーカルは布施にとって楽器の一部であったし、かえって人間の生臭い意志などないほうが自然だった。
歌声は楽器であり、彼のなかで、歌詞が何かを主張したり、なにかを求めたりするという概念が消失してしまったのだ。
彼の空間を振るわせる声はプレイヤーからでる音楽歌手の声だけだったし、
それ以外の会話や意思伝達では、一切音声によって空間が振動させられることはなかった。
インカの井戸の中年は怒号によって死に花を発散させ、丁度幼児が理解できない映画を見て感動するように
布施に不自然な余韻を残した。
それは心優しい母親が編んだ、淡い桃色のビロードのようなセンス・オブ・ワンダー。
その化け物の咆哮は花粉を発散させる針葉樹を連想させる。花粉は目に、鼻に、耳に入り、布施を緊張のビロードで包む。
シェイファーが一群の筆頭に立ち、通路を駆けて行く。

鈴木「取りあえず、次の区画まで走るぞ。
  シェイファーは先頭を、次に布施と俺が続く。山田あすかは少女の面倒を見るんだ。
  殿はミヒャエル、相変わらずお前だ。」


催涙スプレーとライターを確かに握り締めたまま、鈴木と並ぶ。
彼らはどこに向かおうとしてるのか、布施には判断しかねる。
道には分岐点がない、そそりたつ針葉樹のように一直線だ。
布施は途中で凹凸につまずき、高い声で呻き唾を撒き散らしながら転等した。

「なぁ〜るっほどぉ〜。楽しいね〜」

緊張が潮騒に流されて、天に召されたような冷静さが頭を染める。
その淡白な気迫によって、布施は化け物との距離感というものを失ってしまったようだ。
工場で型をとるプレスマシーンのような屈強な足音が間断なく近付いてくる。
それは布施のなかで大きくなっていく。
取り残された空間のなかで、布施はどこへ行くともなく走り始める。
膝を前に押しやることを意識しながら、息を絶え絶えに走った。
どれだけの距離を走ったのか、見ずとも彼は確認することができた。
そしてその体感に酔いしれ、前方の目標物など頭にかすりもしなかった。
布施の本当の目的はただ生きることではない。そこには着色料込みの陽光のような安らぎがなくてはならない。
しかし今はその目的より、目の前の現実が心の核に押し寄せてくる。
訓練された兵士の脚力に、平凡な青年の足が追いつける筈もないが、
山田あすかと森村彩を保護するように陣形を組んで移動する彼らに近付くのは簡単だった。
布施は催涙スプレーを握り締め、自分のテリトリーとしての自我を中和させるようにそこに辿り着いた。

「いつまでも変わることなく……友達って柄じゃねえや!
 よくわからんが足の速い奴に出くわしたなあ!」
207布施博(訂正) ◆0YhnNL46N6 :2009/07/13(月) 16:52:07 0
ある子供は飛び立っていく飛行機を見つめ、
『飛行機は小さくなっていくけど、なかの人たちも小さくなっていくの?』と尋ねた。
頭に気球みたいな膜がかかった感覚に陥った布施は、その化け物の咆哮
を玩具箱から飛び出した童話の白熊のそれのように感じた。
どうしてこんな大きな声がこの世に存在するのか、布施には不思議だった。
それは発声器官の仕組みやその難解さに対してのものでなく、インカの井戸の底から助けをもとめるピエロのような
不可解さだった。それは何故ピエロが底に落ちたのかとか何故助けなくてはいけないのかということではなく
静かな闇のなかに人がいるという不自然さに対するものだ。
布施は洋楽を聴いていながら、言語としての英語はまったく理解していなかった。
ヴォーカルは布施にとって楽器の一部であったし、かえって人間の生臭い意志などないほうが自然だった。
歌声は楽器であり、彼のなかで、歌詞が何かを主張したり、なにかを求めたりするという概念が消失してしまったのだ。
彼の空間を振るわせる声はプレイヤーからでる音楽歌手の声だけだったし、
それ以外の会話や意思伝達では、一切音声によって空間が振動させられることはなかった。
アデゴリーとしての、インカの井戸のピエロは怒号によって死に花を発散させ、丁度幼児が理解できない映画を見て感動するように
布施に不自然な余韻を残した。
それは心優しい母親が編んだ、淡い桃色のビロードのようなセンス・オブ・ワンダー。
その化け物の咆哮は花粉を発散させる針葉樹を連想させる。花粉は目に、鼻に、耳に入り、布施を緊張のビロードで包む。
シェイファーが一群の筆頭に立ち、通路を駆けて行く。

鈴木「取りあえず、次の区画まで走るぞ。
  シェイファーは先頭を、次に布施と俺が続く。山田あすかは少女の面倒を見るんだ。
  殿はミヒャエル、相変わらずお前だ。」


催涙スプレーとライターを確かに握り締めたまま、鈴木と並ぶ。
彼らはどこに向かおうとしてるのか、布施には判断しかねる。
道には分岐点がない、そそりたつ針葉樹のように一直線だ。
布施は途中で凹凸につまずき、高い声で呻き唾を撒き散らしながら転等した。

「なぁ〜るっほどぉ〜。楽しいね〜」

緊張が潮騒に流されて、天に召されたような冷静さが頭を染める。
その淡白な気迫によって、布施は化け物との距離感というものを失ってしまったようだ。
工場で型をとるプレスマシーンのような屈強な足音が間断なく近付いてくる。
それは布施のなかで大きくなっていく。
取り残された空間のなかで、布施はどこへ行くともなく走り始める。
膝を前に押しやることを意識しながら、息を絶え絶えに走った。
どれだけの距離を走ったのか、見ずとも彼は確認することができた。
そしてその体感に酔いしれ、前方の目標物など頭にかすりもしなかった。
布施の本当の目的はただ生きることではない。そこには着色料込みの陽光のような安らぎがなくてはならない。
しかし今はその目的より、目の前の現実が心の核に押し寄せてくる。
訓練された兵士の脚力に、平凡な青年の足が追いつける筈もないが、
山田あすかと森村彩を保護するように陣形を組んで移動する彼らに近付くのは簡単だった。
布施は催涙スプレーを握り締め、自分のテリトリーとしての自我を中和させるようにそこに辿り着いた。

「いつまでも変わることなく……友達って柄じゃねえや!
 よくわからんが足の速い奴に出くわしたなあ!」
208名無しになりきれ:2009/07/13(月) 19:17:37 0
>ALL
前方から複数の呻き声が聞える。
白衣を着たゾンビの群れである。

どうやら近くに何らかの施設があるようだが・・・
209ルーとフォード:2009/07/14(火) 21:41:03 0
>200
ルーとフォードは布施を見るなり、警戒を始める。
小川に近い匂いを感じたのである。

>201
>「あ、俺の場合何てんだ?焼き・・・ヒーロー。今一だな。こんがり・・・何でもいいや!」
チビ猫二匹は、ヒーローと言う言葉に反応してミーミーと合唱を始める。
人間には考え付かないようなメロディだった。
>「俺は糞っ垂れの兵隊で、糞共相手に糞みてぇな毎日で生きてんだ。糞を止めたけりゃケツに栓でもすんだな」
>「もう2度と誰にも縛られねぇ。俺が糞になってこそ護れるもんもあんだ」
発した言葉の意味こそ解らないが、決意の篭った口調のミヒャエルに視線を送るチビ猫二人。
ある種の敬意のようなものが感じられる目だった。
突如襲い掛かる振動に耳を塞ぐウルタール。
人間には聞えない波長だったが、ウルタールの耳は間違いなく咆哮を捉えていた。
ミヒャエルと同じような意思を感じさせる声で雄叫びを上げる。

>204>205
>「さぁ、走れ!走れ!」
走り出す人間の群れに反応して走り出すウルタール達。
遅れがちな少女の前にフォードがしゃがみ込み、背中に乗るように促し始めた。

>>208
ルーが4本足で走り出し、シェイファーに追いつく。
呻き声に気が付き、注意を促そうとしている。
210シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/07/16(木) 20:51:19 0
>>209
>ルーが4本足で走り出し、シェイファーに追いつく。
>呻き声に気が付き、注意を促そうとしている。

動物の本能だろうか。何かを必死で伝えようと俺に追従してくる。
「・・・了解だ。警告、感謝する。」
ルーを守るようにさらに前へ出ていく。
ライフルを構え、前方に注意しながらスピードを落とさず走る。

>>208
生者のそれとは異なる声がシェイファーにも確かに聞こえてくる。
数は1つではない。複数の影がライフルのライトに照らされ露になる。

>前方から複数の呻き声が聞える。
>白衣を着たゾンビの群れである。

「・・・前方にも敵だ!注意しろ!」
背後のスズキ達に警告しながらライフルを連射する。

状況:前方にゾンビ発見、ライフルで対抗
211名無しになりきれ:2009/07/16(木) 23:33:32 0
>>210
ライトに照らされた死者の群れは、比較的新鮮である。
噛み傷と口の周りに付いた血を除けば、人間と言っても通用しそうだった。

シェイファーの放ったライフル弾がゾンビの額を打ち抜く。
一時、ゾンビ達が押し戻され、先に進む事が出来そうになった。
212布施博 ◆0YhnNL46N6 :2009/07/17(金) 00:02:48 0

布施は鈴木達に追いつくと、自分が殆ど汗を掻いていないことに気付いた。
しかしそうでありながら、心は湿り気を帯びて鎮座していた。
それは何か特別な意味を持っているようだった。
洞窟のなかのブルーの泉に、架空の月が浮かび上がるように。
暗い肉体に滲む、架空の汗。
極限状態のなかで、肉体が現実から乖離してしまったかのように、
布施の肉体の代謝は止まってしまっていた。
前方のゾンビの群れにいらだった彼が地面に唾を吐き捨てると、
すぐ真横でシェイファーがライフルを乱射した。

「うわっうるせえ」

銃弾の行方まで確認することは、布施にはできない。
しかし視界の隅に、巨木が切り倒されるようにゆっくりと倒れていくゾンビの姿を確認することができた。
布施は路上がゾンビから解放されたことを知ると、すぐさままっすぐ駆け出した。
どうやらこの近くに何らかの施設があるようだ。
布施は走りながら、いくつかの事情を確認し、まとめてみた。
ゾンビの血肉は新鮮で、腐敗するに至っていない。
そしてその数はまばらだ。この区域でバイオハザードが発生してから、そう時間はたっていないことを説き明かしている。

「この近くに何かの建物があるかも知れない。生存者を捜しにいこう!」
213アドバンスドΩ:2009/07/18(土) 00:34:15 0
>ALL
直径1メートルはあろうかという白い毛糸玉が宙に浮き、生存者の背後から迫る。
よく見ればその毛糸玉の正体が、脱色された太いミミズの塊であるのが解る。
或いは、人間の腸の塊であろうか。

ウネウネと動き、脈動し、虹色の粘液を滴らせるそれの隙間から、
巨大な人間の目が覗き、その下から突き出したゾウの鼻のような形をする器官が垂れ下がっていた。

その昔、スフィンクスは旅人に問い掛けたと言う。
「朝は足が四本あって、昼になると二本の足となり、夜には三本足となるものとは何か?」
誰も答える事は出来なかったが、ある旅人がこう答えた。
「それは人間である。」
スフィンクスは謎を解かれた事を恥じ、丘の上から身を投げ、自害したと言う。
・・・だが、旅人が正しく問題を理解していた訳ではない。

人類の夜明けは、四本足で大地を這い回る事に始まった。
最も太陽が高く上る征服者の時代、つまり今の人類は二本足で歩いている。
だが、黄昏の時代を過ぎた人類は、如何なる姿であろうか?

その醜いミミズの塊のような生物は宙に浮いている訳ではない。
薄暗い鼠色の三本足で歩いていた。
コクーンの分泌液で強制的に進化させられた工作員の末路は、生物学的な真夜中の姿である。
即ち、我々人類全体の未来の姿である。

己の醜さと感じた事の無い五感に破壊された魂の代わりに、ある本能が根付いている。
その本能とは、無毛の猿を殺し付くし、新たな人類の時代を切り開け、というものだった。
214名無しになりきれ:2009/07/20(月) 15:39:20 0
>ALL
通路を進むと偽装されていた扉が開いている。
扉はアドバンスドが中に入れないサイズで、中は近代的な設備が揃っている。

施設を無視して進む事も出来そうだが・・・
215森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/07/20(月) 20:10:40 0
>205
兵隊さんはジェイファーという名前らしい。
私の言葉をすんなり受け入れてくれた。
外見はともかく、そんなに怖い人じゃないみたいだ。

>200 >202
男性は布施博という名前らしい。
音楽を聴くか、とたずねられた私は答えに困り、あいまいに微笑んでみせた。
こんな状況で音楽を楽しめるはずが無い。
また、音にまぎれて敵が近づいてくるのが分からなかったらどうするつもりなんだろう。

>「おーい、交流もいいんだけどよぉ、喋っててミンチになったり蒸し焼きになるのはごめんだぞ」
>「あ、俺の場合何てんだ?焼き・・・ヒーロー。今一だな。こんがり・・・何でもいいや!」
「布施さんはまだ、何が起こるのか知らないんだよきっと」
何か後ろから来るのが分かる。多分、闇が見える生き物なら皆見えるはずだ。

>203
渡されたi-podにはキレイな音楽が入っていた。
でも私は、それを楽しむ事は出来なかった。
>「鈴木、これはどうあがいても変えられない化け物の咆哮だ。
> シェイファー、シュワちゃんの声のシェイファー、今は力を合わせよう。今はここの連中がチームだ。
> 雑巾、その爆弾ってのはなんだ?
> 森村彩、現実の姿を直視することは避けられない。だが脚色して少しでも楽しまないか?」
「どんなに脚色してみても、現実はかわらないよ。
 村がめちゃくちゃになって、パパやママが化け物になって死んだ。
 それをどう楽しめばいいの?」
>「お届けするのはレッドツェッペリンの天国への階段、そして公開記念に鷺巣詩朗の「the final desicion we all must take」
> 化け物が我々の生死を分かつまで、ひととき音楽に身を任せよう。そして彼がくるときパンチの効いたサウンドトラックが始まる」
布施さんの言葉はあまりに現実離れしすぎて、私は少し怖くなった。
この人、大丈夫なんだろうか?

>「取りあえず、次の区画まで走るぞ。
> シェイファーは先頭を、次に布施と俺が続く。山田あすかは少女の面倒を見るんだ。
> 殿はミヒャエル、相変わらずお前だ。」
私は山田さんと一緒に走り出した。
だけど、手を惹かれても大人の足にかなうはずも無い。

>207
布施さんが転んだ。だけど、足音は近づいてくる。
>「なぁ〜るっほどぉ〜。楽しいね〜」
大丈夫?と言いかけた私の口が凍った。
これは軽口じゃない。現実逃避してるんだ。やっぱりこの人、おかしいよ。

>209
フォードが私の前にかがみこんだ。
「乗れって言ってくれてるの?」
フォードがせかすようにないた。
「ごめん、おねがい」
私とそんなに体格がちがわないのに、大丈夫なのかな?

>208 >210−212
ジェイファーさんはルーの警告をすんなり受け入れた。
一応こんな大きな猫なんて普通いないのに、当たり前のように受け入れて惑ったりしてないのがすごく不思議。
「ジェイファーさん、猫好きなんだ・・・・・」と、フォードの背に揺られながら呟いた。
216森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/07/20(月) 20:12:15 0
またゾンビの群れだ。
でも、村の研究所の人たちとはちがう。全然見覚えの無い人たちばかりだ。
こんなに大製の人間が、誰にも知られず村の中にいたなんて。
どこからきたんだろう。
ジェイファーさんたちの応戦で、ゾンビにふさがれた道も何とか開けそうだ。
>「この近くに何かの建物があるかも知れない。生存者を捜しにいこう!」
探しにいけるだろうか?こんなにゾンビや怪物がうようよする施設の中を。
「今、いったい何時なのかな?」
私達の立てる銃声や物音を聞きつけて、生存者がこちらにきてくれないだろうか?

>211
ゾンビの群れに時間を取られていたため、後ろからの追跡者の姿があらわになった。
「きゃ・・・・・・!」
叫びそうになった私は、思わず手で口を塞いだ。
今までいろんな怪物を見てきたから、そういう耐性は出来ていると思ってた。
だけど、この生き物は一体何なの?

>214
通路の少し先に、人工的な光が漏れている部屋があった。
「皆、あれ何?」
鈴木さんが言っていた、戦時中侵入してきた敵を後ろから襲うための部屋?とはちょっとちがうみたいだ。
古めかしさが無いもの。


217小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/07/21(火) 22:21:28 0
>210−216
>「・・・前方にも敵だ!注意しろ!」
>「うわっうるせえ」
シェイファーの射撃は熟練した兵士らしく無駄が無い。
反動を殺しながら頭の高さで横になぎ払っている。
「了解。後方は問題・・・シェイファーそのまま射撃を続けろ!
 強引に押し切れるなら、そのまま前進するんだ!」
布施の文句を無視し、小川が銃声に負けない大声で怒鳴り返す。
チビ猫の咆哮に振り返ってみれば、背後からやってくる何かが視野に入る。
>「きゃ・・・・・・!」
少女が悲鳴を挙げる横で、小川が吹き出す。
「フライング・スパゲッティ・モンスター教のイエス・キリストって感じだな。」
正体は掴めないが、それがtウィルスか何かの産物である事は確実だ。
あれを見た瞬間、小川は逆方向に走り始めていた。
「シェイファー!前進しろ!後方から得体の知れない化け物が迫っている!」
奇妙な違和感を感じずには居られない。
カンブリア紀のオパビニアに近い印象を受ける一方で、遺伝子プールからかけ離れた印象を与える。
もしかしたらあれは―――
>「皆、あれ何?」
猫の背中に跨る少女の声を遮るように小川が叫ぶ。
「シェイファーは扉の少し先で前方警戒!ミヒャエルはそのまま後方確認!
 残りは移動の準備をして待機!」
素早く部屋を覗き込み、一歩踏み出す。
備え付けられていた監視カメラが動くのを見落とす訳が無かった。
壁に貼り付けられた施設全体の見取り図を剥ぎ取り、瞬間的に地形を読む。
出口がある。
地上への出口か。
「ミヒャエル!お前の勘では地上が近いといったな?
 此処から東へ、更に北に移動すれば山を越えられる・・・違うか?
 だとすれば、ここをすり抜けるのが一番近い。
 ここは研究施設だよ、あの白衣のゾンビどもが働いていたんだ。」
腕時計に目をやると、夜明けまでギリギリの時間しか残されていない。
「お前さんの勘と一致していたら、此処を抜ける。
 じゃなければ、後は全力疾走で走り抜けるしかないな。」

現在地:地下研究所?前
状況:ミヒャエルに地上への方角を確認。一致すれば研究所内を抜けると表明。
218シェイファ- ◆cvTA9S8eGc :2009/07/22(水) 12:12:52 0
>>211
>ライトに照らされた死者の群れは、比較的新鮮である
妙だな、とシェイファーは感じた。この死者の群れは先ほどまで人間だったとでも
いえるほどに生気を感じさせる。しかし、それでも既に怪物と化したことに変わりは無い。
「…すまんな」小さく呟くと撃ち抜かれた死者達の屍を潜り抜けて走り出す。

>>212
>「うわっうるせえ」
追い付いて来た若い男に驚く。一般人に見える彼が軍人である
自分に追いついてくるとは予想していなかったからだ。

そして男はすぐさま駆け出した。
>「この近くに何かの建物があるかも知れない。生存者を捜しにいこう!」
銃を構えたまま男の後を追う。

>>217
背後からスズキの声が聞こえる。
>「了解。後方は問題・・・シェイファーそのまま射撃を続けろ!
 強引に押し切れるなら、そのまま前進するんだ!」

「了解した。前は問題ない!」
背後から聞こえる咆哮に戦慄しながらも前進し続ける。

>>214>>217
>「皆、あれ何?」

進んだ先には、扉があった。
この先に何があるかは分からない。しかし、ここへ入れば追っ手から逃れることも出来そうだ。
考える余裕などないのは明白だ。
すぐさま駆け抜けていく。

>「シェイファーは扉の少し先で前方警戒!ミヒャエルはそのまま後方確認!
 残りは移動の準備をして待機!」

「了解した。前は任せてろ。」
M16を構えたまま前方を睨む。

状況:前方を警戒中
219ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/07/23(木) 10:08:25 0
>204
>「ムジャーヒドさ、ムジャーヒドなんだよ。見た事があるだろ?」
「へへへ。つまりいかれてんだろ?」

>202-218

轟音とも言える雄叫びと共に背後に迫る威圧的な気配。
>殿はミヒャエル、相変わらずお前だ。」
「全く。これだもんなぁ?ヒーローも楽じゃねぇよ!」
「あーあーやるよやるよ!ケツもてばいいんだろ!」

>210-211
背後の脅威に備えながら前進していく一行。前方から射撃音が届く。
「だぁー!糞!前もかよ!こっちは何とかすっから道空けとけよ!」

>213-218
大柄な体を上下させ走り抜ける。不意に後ろを振り返ると、眼前に浮かぶ化け物の姿。
「かぁーっ!何てこった!・・・ん?この臭い。まさか、な」

>「ミヒャエル!お前の勘では地上が近いといったな?
 此処から東へ、更に北に移動すれば山を越えられる・・・違うか?
 だとすれば、ここをすり抜けるのが一番近い。
「俺の勘を信じろ!ってか広大な土地で迷った時は風が知らせてくれんだよ!」
「感じるだろ風が来てんだよ!ってそれ所じゃねーよこっちは!」
「・・・!そこだ!その灯りの出てる場所!行け!」

後方の確認を指示する声が届く。
「もう見てるっつーの!なんだありゃ!ふざけたミンチだぜ」
「こっちはいいからさっさと飛び込め!」



「この臭い。信じたかねぇが、俺のミスだな」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル4/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 5/5 予備弾10
花火?*2

現在地:薄暗い通路
状況 : 正体不明に追跡される。明かりの漏れる部屋の方向へ誘導。
220布施博 ◆0YhnNL46N6 :2009/07/23(木) 23:50:23 0
一人施設内に駆け込んだ布施は、物陰に隠れて追従してくるだろう鈴木達の気配を窺った。
辺りは暗く、ここが受付なのか傘置き場なのかすらわからない。
無機質な消毒液の匂いのする影に身を預け、布施は暫くじっと耐えていた。
先程の浮遊する脳味噌のような化け物には、彼も動揺を隠せないようだ。
いや、高揚といってもいいかも知れない。
布施は闇の中で、そのまた奥の闇の中から何かしらの動きが見えてくるのを心待ちにしていた。
これが本当のスリルだ、と布施は思った。

「っかしーな……。誰も来やしない」

思い返せば森村彩や鈴木達の足音は自分とは違う方向に進んでいたかも知れない。
まるでパラレルワールドに引き裂かれたように、布施の意識は混濁した。
ひょっとして俺は間違った場所に居るのではないだろうか?
なんにせよ、今は暗闇に目が慣れるまで下手に動かないほうがいい。
221名無しになりきれ:2009/07/24(金) 23:59:55 0
>ALL
研究所の中から巨大な影が飛び出してくる・・・
ウィルスの影響で巨大化した蜘蛛だ!
222ルーとフォード:2009/07/25(土) 13:41:46 0
>215
>「ごめん、おねがい」
フォードの足が力強く地面を蹴る。
少女の体重など気にならないかのように軽快な足取りである。
鎧の材料になる虫の死骸に比べれば少女は軽い。
何よりも迎えにやってきた伝説のニンゲンが相手である。
少女の載せて走る事は、自由への向けての疾走だった。

>218
>「…すまんな」
黒猫のルーがシェイファーの肩に手を置く。
罪悪感に悩む必要は無いと訴えかけているような目だった。

>217
>「シェイファーは扉の少し先で前方警戒!ミヒャエルはそのまま後方確認!
 残りは移動の準備をして待機!」
突如立ち止まった全体の動きに合わせて、少女を乗せたフォードも動きを止める。
チビ猫達は強い好奇心に突き動かされて、部屋を覗き込み始める。
見たことの無い作り・・・直線で構成された人工物に不思議な感動と恐怖を覚えているようだ。

>219-221
>「感じるだろ風が来てんだよ!ってそれ所じゃねーよこっちは!」
>「・・・!そこだ!その灯りの出てる場所!行け!」
ミヒャエルの言葉を証明するようにチビ猫のヒゲが部屋から流れる風に揺られている。
一匹が自分のヒゲを触り、初めて感じる風に驚き、目を丸くしていた。
一方で、風下から流れてくる匂いに恐怖の記憶が甦ってくる。
そして再び部屋を見た時、巨大な蜘蛛に気が付き悲鳴をあげた。
223アドバンスドΩ:2009/07/26(日) 20:15:20 0
>ALL
オメガがゆっくりと・・・だが、確実に距離を詰める。
人間の体臭じみた匂いを放ち、一本の足を前に出しては、残り二本を前に出して歩く。
その動きは滑らかだが、何処と無く不自然さと気味の悪さを撒き散らしている。

シェイファーが射殺し、生存者達が跨いで行った死体に近づくと、象の鼻のような器官がゾンビを捕らえる。
口を開けるでもなく、ただウネウネと動く太いミミズが絡まり合ったような体に押し付け、隙間に捻じ込む。
しゅうしゅうと音を立てゾンビが解け始め、身に付けていた眼鏡だけが吐き出される。
剥きだしになった消化器官に触れる事は死を意味し、オメガの特質だった・・・

死体を貪り飽きたのか、部屋の前で屯する人間たちに意識を向ける。
ミヒャエルの姿を見ると、その目が大きく見開かれ、暗く輝き、その足取りが速くなった・・・
224小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/07/26(日) 21:08:33 0
>218−222
>「了解した。前は任せてろ。」
シェイファーに頷き、部屋の中を覗きこむ。
>「へへへ。つまりいかれてんだろ?」
背後から聞えるミヒャエルの声。
「どうだろうな。ある意味に於いて、といった所だろうよ。」
狂気もある種の感情であり、使い方によっては驚くほどの成果を挙げもする。
>「俺の勘を信じろ!ってか広大な土地で迷った時は風が知らせてくれんだよ!」
>「感じるだろ風が来てんだよ!ってそれ所じゃねーよこっちは!」
小川の顔が絶望に歪む。
「そいつは興味深い話だよ。次にトンネルで戦争をする機会が有ったら、
 待ち伏せポイントに扇風機でも仕掛ける事にする。」
「・・・!そこだ!その灯りの出てる場所!行け!」
言われるまでも無かった。
死体を貪る得体の知れない生き物を背後に走るのは、あまり気分の良いものではない。
>「彩ちゃん!」
山田あすかが猫の背に乗る少女を抱きしめる。
少女の顔を胸に押し付け、惨劇から少女を守ろうとしている。
剥きだしになった消化器官と言うのは、どうにも違和感を感じずにはいられない。
寧ろ、恐怖か。
想像力を掻き立て、絶望的な気分にしてくれる光景だ。
>「っかしーな……。誰も来やしない」
前方から聞える布施の声に驚きを覚えつつ、一歩踏み出す。
瞬間、赤い炎が部屋を照らす。
布施が手にしていた即席の火炎放射器が襲い掛かる巨大な蜘蛛を舐める。
甲高い悲鳴を上げて後ずさるジャイアントスパイダ−目掛け、引き金を引く。
蜘蛛が四肢を撒き散らしながら、その場に崩れ落ちる。
「無茶はするな。よし、全員部屋に入って奥へ進め!
 シェイファー、引き続き先頭を頼む。俺の銃は長過ぎて使い物にならん。」
225名無しになりきれ:2009/07/27(月) 19:23:46 0
>ALL
どうやら謎の施設の正体は研究所らしい。
入り口から伸びる通路の左右には研究室が連なっている。
通路の先には休憩所になっており、ソファーや自販機が置いているが先程の蜘蛛の糸が張り巡らされている。
226森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/08/01(土) 00:13:30 0
>217ー225
フォードは危なげない足取りで、私を背負ったまま走り始めた。
思ったよりずっと力持ちだ。

ルーはジェイファーさんの肩を叩いている。
なんだか慰めてるみたいだ。ううん、多分そうなんだろう。
猫さん達は人の痛みが分かるから。

>「シェイファーは扉の少し先で前方警戒!ミヒャエルはそのまま後方確認!
> 残りは移動の準備をして待機!」
鈴木さんがミヒャエルさんと話をしている間、私もフォードと一緒にその場にじっとしていた。
背中から下りなかったのは、後ろから気持ち悪い化け物が追いかけてくるからだ。

後ろから変な音がした。
見てはいけない、と思っていたのに、私はつい振り向いてしまった。
「なにあれ・・・・・・」
>「彩ちゃん!」
視界に飛び込んできた惨劇を、山田さんの身体と暖かい腕が遮った。
だが、いくら山田さんでも音までは消す事はできない。
「大丈夫だよ、山田さん。私、大丈夫だから・・・・・・・・。
 早く、逃げなきゃ。フォード、行こう」
平静を装ったつもりだけど、身体を密着させているフォードには私の状態は筒抜けだろう。
>「こっちはいいからさっさと飛び込め!」
「行こう、中に入ろう、フォード」
私は私を背負っているフォードに進むよう促した。だけど・・・・・。

今しも飛び込もうとしていた室内から、何か大きな生き物が飛び出してきた。
蜘蛛だ。なんて大きい!
目の当たりにしたちび猫さん達が悲鳴をあげている。
悲鳴をあげなかったけど、恐かったのは私も同じだ。
でも、大人達は手にした武器で大蜘蛛をあっさり片付けてしまった。
・・・・・・・・大人になると、今恐ろしくてたまらないと感じることも恐くなくなるんだろうか。
私は、大人になれるんだろうか。

扉の向こう側は、研究室みたいな作りだった。
廊下がずっと伸びていて、その先に何かちかちか光ってる。
あの明かりの点滅は、自動販売機のものかな?だとしたら休憩所なんだろうか。
でも。
「なんであんなふうに光が歪んで見えるんだろう?」
廊下に、はっきりとは見えないけど何かがあるんだろうか。

「そう言えばミヒャエルさん、さっき何か気になる事言ってたね。
 あの巨大白子みたいな怪物を見て、臭いがどうとかって。何のことだったのかな・・・・・・?」
227小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/08/07(金) 00:16:49 0
>225>226
>「なんであんなふうに光が歪んで見えるんだろう?」
シェイファーが背中のマチェーテを抜き、ロビーに張り巡らされた蜘蛛の糸を薙ぎ払う。
マチェーテはあっという間に祭りの夜に買った綿菓子のようになる。
シェイファーが咥えていた葉巻の火を押し付ける。
蜘蛛の糸は一瞬で燃え上がり、髪の毛を燃やしたような嫌な匂いが漂う。
後は単純作業の繰り返し。
>「そう言えばミヒャエルさん、さっき何か気になる事言ってたね。
  あの巨大白子みたいな怪物を見て、臭いがどうとかって。何のことだったのかな・・・・・・?」
「大方検討は着く。殺し損ねたって所だろう。
 何、殺し損ねたって問題は無い。」
小川が無造作に引き金を引く。
銃弾が自販機に当るも、缶ジュースは吐き出されない。
蹴り飛ばしてやっと缶ジュースが吐き出された。
「脱出路の大まかな説明をする。研究所の作りは簡単だ。
 この研究所は円形の通路をしていて、4箇所に出入り口がある。
 通路の周りに研究室が配置されているが、まぁ、特に問題は無いだろうな。
 兎に角、俺達はこの脱出路を目指す。」
壁から剥ぎ取った地図を使っての説明を終えると、冷えたコーラで喉を潤し、
三度目の夜食に取り掛かる。
鶏肉が咀嚼のたびに零れ落ちるが、左程気にしている様子は無い。
食べ終わたところで大きく溜め息を吐き、そのまま宙を眺めている・・・
と言うよりも意識が無くなったかのように天井を見上げている。
>「・・・先へ進んだ方が良さそうね。」
山田あすかが感情を押し殺した声で呟いた。
悲しみも恐怖も感じさせない、機械的な声だった。
その言葉に、小川が意識を取り戻し、歩き始める。
「ミヒャエル、例の化け物だが液体窒素と爆弾を使うってのは、どうだろう?
 研究所には転がっているだろうから、悪くない選択肢だと・・・ああ、いや。」
小川がぶるっと震える。
自分が何処にいるか理解できていないような表情を浮かべ、再び歩きだす。
どうやら本人は、先程の会話の続きをしているつもりだったらしい。

現在地:研究所ロビー
状  況:出口目掛けて移動を開始。
228ルーとフォード:2009/08/08(土) 01:03:11 0
>225-227
>「なにあれ・・・・・・」
突如軽くなった背中にホードが驚く。
振り返ると少女を抱える山田あすかと化け物の姿がはっきり見えた。
>「大丈夫だよ、山田さん。私、大丈夫だから・・・・・・・・。
  早く、逃げなきゃ。フォード、行こう」
少女の声に頷くとフォードが短く鳴いた。
それを合図にチビ猫達が部屋の中へと飛び込んでいく。
が、動きが一瞬にして止まる。
飛び出してきた巨大な蜘蛛に怯えて足が竦んでしまったのだ。
だが、布施の手から巨大な炎が噴出し、続いて小川が発砲する。
続いて入ってきたシェイファーが巨大なナイフを振り回し、進むべき道を切り開き始めた。
見事な連携に興奮しながらミヒャエルを引っ張り奥へと進む。
見た事も無い清潔な空間にウルタール達が腰を抜かしそうになった。
チビ猫達は恐る恐るソファーに触ってみたり、壁を叩いている。
一方、ルーとフォードは警戒するような素振りで周囲を不安そうに見回している。
>「大方検討は着く。殺し損ねたって所だろう。
 何、殺し損ねたって問題は無い。」
突然の銃声に驚くウルタール達。
もっと驚いたのは、その後の小川の行動だった。
食事を始め、ぼんやりと宙を見る姿はある病気を思い出させる。
>「・・・先へ進んだ方が良さそうね。」
その声に救われたかのように少女と山田あすかの手を握り、移動を始めた。

229アドバンスドΩ:2009/08/16(日) 13:46:58 0
>>224−228
全員が研究施設へ逃げ込んだ頃、アドバンスドが追い付いた。
一つ目が通路を覗き込み、生存者達の姿を確認する。
巨体よりも小さな扉に体を押し込もうとする。
「うぅぅすすすすすっ!うすすすすすぅぅぅつ!」
ミミズが絡まりあった肉団子のような体が変形し、通路の中に進入してくる。
骨格を持たない分、柔軟な体をしているらしい。

230名無しになりきれ:2009/08/18(火) 23:20:12 0
age
231代理投稿:2009/08/19(水) 11:33:57 0
>鈴木
「仕切りやがる。いつからリーダーになったんだ?」

催涙スプレーを手に持った布施が立ち上がる。
アロハシャツを両手ではたき、蜘蛛の糸がかかっていないか確認する。

「もっとも、言ってることは正しいときたもんだ。にくいねえ」

脳味噌の化け物は、まるで巨大なカボチャのお化けのように
派手にその存在を主張し、我々を戸惑わせる。
布施は鈴木の指示を待つために、大きく背伸びし欠伸をする。
地下施設内には自動販売機があり、冷蔵庫のクーラーの前に立ち尽くし途方に暮れていた夜を思い出させる。
だが生憎口にできる食材も、百円硬貨もない。

「あのさ、誰か100円持ってない?なんか飲みたいんだけど」

冷たい視線を向ける面々に布施はたじろぎ、まるでドッジボールで強い玉を受け止めたかのように
ため息をついて肩を落とした。

「OK,自分で探す」

自動販売機の下に這い蹲り、そこで煌めく硬貨を見つける。

「ちぇ、10円かよ」

ふと鈴木がコーラを飲んでいることに気付く。特殊技能である。
「ダークナイト」のジョーカーのマジックのようなインチキだろうが、この世界で唯一の飲料は
布施の目に宗教的に映る。

「なあ、何も無理に倒さなくてもいいんじゃないか?動きも鈍いようだし。余裕で逃げられるさ。
 ところでコーラはもうないのか?」

(一時的な復帰です。本格的な復帰は9月以降になります)

232森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/08/22(土) 07:45:56 0
>227
光が歪んでいた原因は、蜘蛛の糸のようなものが張り巡らされていたかららしい。
「さっきの蜘蛛が作ったのかな」
鈴木さんが巣をなぎ払い、ジェイファーさんがそれを燃やした。
嫌な匂いがした。

>「大方検討は着く。殺し損ねたって所だろう。
> 何、殺し損ねたって問題は無い。」
作業が終わった鈴木さんは、突然自販機に向けて発砲した。
缶ジュースを出すためだとは分かっていたけど、蹴り飛ばす姿にびくっとする。
「脱出路の大まかな説明をする。研究所の作りは簡単だ。
 この研究所は円形の通路をしていて、4箇所に出入り口がある。
 通路の周りに研究室が配置されているが、まぁ、特に問題は無いだろうな。
 兎に角、俺達はこの脱出路を目指す。」

私は缶ジュースを拾ったけど、とても今飲む気にはなれなかった。
多分私は、おどおどしているだろう。
今の鈴木さんの姿が、なぜか夕食の時に見た両親の姿と重なったからだ。
・・・・・・・その後私は、人で無くなった両親に食い殺されそうになった。
「鈴木さんは、さっきから食べてばっかりだね」
ルー達も何か異変を感じ取っているのか、鈴木さんの様子をじっと見ている。
>「・・・先へ進んだ方が良さそうね。」
ルー達はその声を待っていたかのように、私と山田さんの手を取った。

研究施設に逃げ込んで、ホッと息をつく。
例の白い怪物が入り込むには、入り口部分があまりにも狭すぎるからだ。
「多分、ここまでは追ってこないよね?」
それは疑問と言うよりは、そうあって欲しいと言う願望だったと思う。。
決して叶う事が無いのは、ルー達の様子を見ていれば分かったから。
「その研究室に、ワクチンは、置いて無いのかな?」
私は恐る恐るそう切り出してみた。
「鈴木さん、パパやママと同じだもの。このままじゃ・・・・・・」

>「うぅぅすすすすすっ!うすすすすすぅぅぅつ!」
「何?今の・・・・・・・キャ・・・・・・!」
私は慌てて悲鳴を飲み込んだ。
今まさに、怪物が身体を変形させて侵入しようとしていたからだ。
「嫌だよもう!ねえ、早く逃げよう!!」
私は壁の防火扉に手をかけて、力任せに引っ張った。
「猫さん、ちょっと手を貸して」
防火扉ではとても進行を止められないけど、気休めの足止めくらいにはなるよね。
だって向こう側からは、防火扉自体も、その中に備え付けられている小さなドアも内開きだもの。
あの怪物がこちら側に来るためには、扉自体を壊すか、扉が内開きだと気付くしかない。
233名無しになりきれ:2009/08/24(月) 23:36:17 0
>232
防火扉が開くと同時にけたたましいサイレンがなり始めた。
『緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
 繰り返します・・・』

>229
アドバンスドが移動しようとしている通路もシャッターが閉まり始めた。
234小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/08/26(水) 22:06:28 0
俺は自分が死者になりつつあるのが解った。
不思議な気分だった。
飢えと渇きが際限無く襲い掛かってくる苦しみを理解しつつあった。
だから、俺は人々の顔を見回した。
長い事、俺は自分が・・・いや、止めよう。
少なくとも今は。

>231−233
>「もっとも、言ってることは正しいときたもんだ。にくいねえ」
布施が嫌味を言う。小川が顔を上げる。口から食料が零れる。
小川が意味を理解しようとする。
しかし、意味が理解出来ない。
死者に掛けるべき言葉は無い。布施が再び問い掛ける。
>「あのさ、誰か100円持ってない?なんか飲みたいんだけど」
布施が自販機の下に腕を伸ばす。布施が十円を見つける。
愚痴を言う。
>「なあ、何も無理に倒さなくてもいいんじゃないか?動きも鈍いようだし。余裕で逃げられるさ。
  ところでコーラはもうないのか?」
「あれは・・・殺さなくては駄目だ。や、山の中を移動するんだ。
 何時か・・・あー・・・何時か追いつかれる。
 だからここで・・・」
小川は首を傾げる。小川が自販機を蹴り飛ばす。缶ジュースが吐き出される。少女が拾う。
「だからここで、殺す。殺せる時に・・・殺す。じゃないと殺される。」
>「その研究室に、ワクチンは、置いて無いのかな?」
少女が問い掛け――小川が意味を理解する。
「む・・・難しい。多分、別の研究をしてると・・・思う。
 正直な話、山田あすかの血に敵うものは無い。」
だから、と小川が続ける。
「カネになる。」
地獄/生きる限り続く/死んでも続く/カネの分だけ幸せになれる場所。
>「鈴木さん、パパやママと同じだもの。このままじゃ・・・・・・」
少女が呟く。小川が首を傾げる。
>「うぅぅすすすすすっ!うすすすすすぅぅぅつ!」
音が聞こえる。怪物が変形している。通路の形に変形している。小川が缶ジュースを捨てる。
>「嫌だよもう!ねえ、早く逃げよう!!」
BARを構える――脳を介さずに脊髄反射で銃を構える。
怪物の目が見える。怪物の目を見る。
脊髄反射/乾いた音/発砲/着弾/撒き散らされる体液。
>『緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
  繰り返します・・・』
声が聞こえる。意味が理解出来ない。怪物を見据える。怪物が小川を見る。
ミヒャエルの声が聞こえる。山田あすかの声が聞こえる。怪物の声が聞こえる。
小川がもう一度怪物を見る。背を向ける。防火扉に向かい歩き出す。
235名無しになりきれ:2009/08/28(金) 19:27:04 0
ほしゅ
236ルーとフォード:2009/08/28(金) 21:16:35 0
>231-234
>「その研究室に、ワクチンは、置いて無いのかな?」
>「む・・・難しい。多分、別の研究をしてると・・・思う。
 正直な話、山田あすかの血に敵うものは無い。」
小川がボロボロと食料を零している姿を猫達は醒めた目で見ていた。
代わりにミヒャエルの手を強く握って、顔を見上げた。
>「うぅぅすすすすすっ!うすすすすすぅぅぅつ!」
>「何?今の・・・・・・・キャ・・・・・・!」
ウルタール達が振り返る。
アドバンスドがトコロテンのように狭い通路を通っている。
猫達は特に驚く事無く、先に進もうとしている。
>「嫌だよもう!ねえ、早く逃げよう!!」
走り出した少女に続いて、ウルタール達が走る。
少女と共に防火扉を開け、通路の先を目指そうとしていた。
237アドバンスドΩ:2009/08/29(土) 14:51:45 0
>231-236
小川を捉えたアドバンスドの目は、仲間を見るような目をしている。
だが、小川の放った銃弾がアドバンスドの貫く。
30-06弾が眼球を突き破り、内部に溜まっている液体をシェイクする。
あまりの苦痛にアドバンスドが悶え、不気味な咆哮を上げる。
「うぅぅすすすぅぅぅすすっ?!うすすすっつすすぅぅ!!」
>『緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
  繰り返します・・・』
更に通路を進もうとしたアドバンスドに鉄の扉が圧し掛かる。
だが、奇妙な弾力を備えたアドバンスドの体を切断することは出来ない。
眼球から汚らしい涙を零し、底知れない衝動に駆られるアドバンスドが通路を出した。
既に生存者達は防火扉の向こう側だったが、諦める事無く扉に突っ込んで行く。
一撃で破壊出来なかったが、繰り返し繰り返し巨体を叩きつけ始めた。
238ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/08/29(土) 18:31:51 0
全力で疾走し、研究施設内へと飛び込む。
「・・・すまねぇ。俺のミスだ」

先に飛び込んだ小川が自販機から飲料を調達している。
>227
>「ミヒャエル、例の化け物だが液体窒素と爆弾を使うってのは、どうだろう?

「窒素・・・か。日本は優秀だな。代わりになるものが幾らでも転がってらぁ」

自販機を押し倒すと下部に備え付けられた黒いタンクが見える。
「充分だ。それより問題は―――」

小川の方へ視線を向ける。
(やっぱり感染してやがったか。深刻だ。せめて進行を遅らせられれば或いは)
「よぉ、出口を探しておいてくれねぇか?」

通路から先程の怪物が押し入ろうともがいているのが見える。
少女が付近の防火扉へ向かっていた。
「参ったねこりゃ。執念深いにも程ってもんがあるだろうが」

>236
2足歩行の猫がミヒャエルの顔を見上げる。何かを語り掛ける様な表情がうかがえる。
「腹が減りゃ食うし喉が渇けば水を飲むもんだ。大した事じゃねぇよ」
(生きているかどうか、それが問題だけどな)

小川がライフルを怪物へ向け発砲する。怪物の小川を見る眼が心成しか寂しげだった。
「スズキー、封鎖される前に出口の確保を頼むぜ」


「てめぇのケツはてめぇで拭く。さっさと行け」
「おう化け物、悪ぃがスズキは俺の仲間だ。お前にはもう仲間なんていねぇーぞ?」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
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花火?*2


現在地:ラボラトリー内
状況 :――
239追跡者 Type.Insect:2009/09/02(水) 22:44:15 0
>231-237
防火扉の向こう側には、通路とその左右に配置された研究室が並んでいた。
そして通路の先には、巨大な人形のシェルエットが鎮座していた。
『繰り返します。緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
 緊急閉鎖プログラムの起動に伴い、Type Insectを起動します。』
・・・正しくは人の形をしていない。
確かに頭部は人間に近い。
だが、それはサソリのような巨大なハサミと尻尾を持っている。
人間の胴体を挟める位巨大で、人間の胴体を切断できる位強力なハサミ。
巨大な尻尾は、毒など無くとも一撃で即死させる事が出来るほど巨大な尻尾。
そして、その体は暗い紫色の粘液を吐き出すカビに全身が覆われている。
・・・何よりも特徴的だったのは、落ち窪んだ眼窩の奥に収まった目だ。
人間のような眼球だった。
だが眼球がブルブルと振動を始め・・・終った時には三つの眼球が一つの瞳孔に収まっていた。
まるで昆虫の複眼のように!
追跡者がゆっくりと生存者に歩み寄る。
敵か味方か見極めようとするかのように・・・
240緊急閉鎖プログラムに関して:2009/09/04(金) 00:15:55 0
>ALL
各職員はマニュアルを読み、緊急閉鎖プログラム起動時の対処に関する確認を行う事。
また不明な点があれば下記の保安部に連絡する事。
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1240221186/
241名無しになりきれ:2009/09/05(土) 19:25:28 0
保守点検大事っすよー
242森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/09/06(日) 09:40:55 0
>233
「ありがとう!やるよ!」
ルー達は私と一緒に、防火扉を閉めるために動いてくれた。
程なくしてたたましいサイレンがなり始める。
>『緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
> 繰り返します・・・』
「え?閉鎖?!」
外に出られなくなる!と思ったけど、私とルー達が動かしたのは防火シャッターだ。
火災の時に閉じ込められるなんてことは無いよね。

みると、怪物が来る通路のシャッターも閉まり始めている。
だが鈴木さんは動かない。
「鈴木さん、早くこっちに来て!何してるの鈴木さん!!」
私は必死で叫んだ。
鈴木さんが怪物に向けて銃を撃った。
まだ大丈夫、そう思ったけど、日本兵のゾンビたちも銃を扱っていたのを思い出して血の気が引いた。
鈴木さんが緩慢な動きでこちらに歩いてくる。
安堵と不安が入り混じった複雑な気分だ。

>236
>「腹が減りゃ食うし喉が渇けば水を飲むもんだ。大した事じゃねぇよ」
そうミヒャエルさんは言ったけど、生きていてもゾンビだったら意味が無い。
>「スズキー、封鎖される前に出口の確保を頼むぜ」
私はギクッとした。鈴木さんがもし間に合わなかったら、どうすればいいんだろう。
>「てめぇのケツはてめぇで拭く。さっさと行け」
「待ってよミヒャエルさん、一緒に来てよ!」
腕を引っ張るわけには行かないので、私はミヒャエルさんの服を遠慮がちに引っ張った。
だけど、多分声には必死の思いが篭っていたはずだ。

>234 >237
私は、さっき鈴木さんが布施さんと話しているのを聞いていた。
やっぱり鈴木さんはおかしい。
さっき鈴木さんは、山田さんの血がお金になると言っていた。
「山田さん、あなたの血を鈴木さんにわけてあげられないの?」
ワクチンが無いのならこれしかない。
だけどその時私は、彼女の血が怪物にどんな結果を導き出すのかを知らなかった。
「このままじゃ、鈴木さんが怪物になっちゃうよ」
少し考えて、私はこうも付け加えた。
「動機はともかく、あの人が私達にしてくれたことを思い出して。
 鈴木さんは色々理由つけてた。
 けど、私を見捨てたほうがはるかに楽だったってこと、山田さんならわかってるよね?」
怪物が防火扉に何度も体当たりしている。
あまり話している時間は無いだろう。

>239
防火扉の先研究室だったけど、多分ワクチンを探してる暇なんてなさそうだ。
「・・・・・・・何あれ・・・・・」
また何か変なものがいる。




243アドバンスドΩ:2009/09/06(日) 21:09:47 0
>238
アドバンスドが巨体を防火扉に叩き続ける。
人間には決して理解できぬ進化の果てに産み落とされた生物だけが持つ欲望・・・いや意思とでも呼ぶべきか。
余りにも純粋で自らを破壊してしまいかねない程、強力な衝動である。
しかし、その弾力に富んだブヨブヨとした肉体は、衝動が齎す自己破壊に耐えうる強靭さを兼ね備えていた。
>「おう化け物、悪ぃがスズキは俺の仲間だ。お前にはもう仲間なんていねぇーぞ?」
巨体が、動きを止める。
振り返りミヒャエルの姿を捉える怪物。
動きが止まり、ブルブルと肉を振るわせる。
記憶の中のミヒャエルを見ているのだ。
「うすす、うすす、うすすぅぅっ!」
奇妙な鳴き声を上げ、その巨体がミヒャエルへと迫る。
足取りこそ緩慢だが、目には涙だけでなく力強い意思が備わっていた。
即ち、殺意が。
244小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/09/06(日) 22:29:23 0
山田あすかを守りたい一方で、その血に恐怖していた。
多分、俺は既に限界を超えているんだと思う。
色んな物が俺の中から抜け落ちていく。
恐怖は無かった。
ただ、義務感だけ・・・いや、抑えがたい衝動と義務感が残っていた。

>239−242
防火扉を潜る。右を見る。研究室がある。左を見る。研究室がある。
>『繰り返します。緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
  緊急閉鎖プログラムの起動に伴い、Type Insectを起動します。』
アナウンスが聞える。無関心な声。興味が無い。想像力が無い。心配するべき存在がいない。
>「山田さん、あなたの血を鈴木さんにわけてあげられないの?」
少女が喋る。少女が問い掛ける。山田あすかは答えない。
俺は左足を前に出す。
>「このままじゃ、鈴木さんが怪物になっちゃうよ」
少女が喋る。少女が説明する。山田あすかは答えない。
俺は右足を前に出す。
>「動機はともかく、あの人が私達にしてくれたことを思い出して。
  鈴木さんは色々理由つけてた。
  けど、私を見捨てたほうがはるかに楽だったってこと、山田さんならわかってるよね?」
少女が喋る。同意を求める。山田あすかは答えない。
俺は動けない。言葉の意味を理解して動けない。
恐怖/助けてくれ/恐怖/死ぬ事/生き長らえる事。
理解――ずっと下り続けて穴の底に辿り着いた。何も無い場所。どん底。
>「・・・・・・・何あれ・・・・・」
少女が喋る。少女が呟く。山田あすかが手を掴む。
問い掛け――追跡者。強引に昆虫を進化させ、強化し、ネメシスを寄生させた。
巨体/2メートル以上/ハサミ/強力な一撃/尻尾/喰らえば即死。
>「・・・研究室の出口は奥と手前の二箇所だ。手前から入って奥から抜ければやり過ごせる。」
シェイファーが呟く。焦りが顔に浮かんでいる。誰が囮になるのか。
左足を動かす。右足を動かす。左足。右足。左足。右足。
シェイファーの前に立つ。シェイファーの顔を見る。シェイファーが俺の顔を見る。
>「行くぞ!」
山田あすかが走る。少女の手を引っ張っている。猫達が走る。布施が走る。シェイファーが走る。
追跡者の目を見る。追跡者が俺を見る。俺は首を傾げる。
複眼――俺を見ているのか。俺だけでなく、あいつ等も見ているのか。

所持品:BAR(16)、BARのマガジン(20) X 3、M1911(8)、M1911のマガジンX2、アンプルシューター(0)
現在地:ラボラトリ。通路。
状況:追跡者と対峙。
245布施博 ◆0YhnNL46N6 :2009/09/07(月) 14:30:07 0
暗闇の中からぬっと現れた納豆のような複眼は、ぬめりに似た光沢を放ちながら接近してきた。
布施は後ずさりして距離をとり、それから一挙に駆け出した。
その俊敏にシェイファーや他の生存者達も続く。
巨大な脳味噌に続いて昆虫型の物騒な追跡者ときたもんだ。
研究室がこちらを恨めしげに監視する棺のように並び、布施はそこを横切って走り抜ける。
不幸に不幸が続いて、このバランスをとるための幸福な帳尻合わせはとれるのだろうか。
布施は先頭に立った鈴木の血相の悪さを見て、それが単なる精神的な趣でないことを感じ取る。
やれやれ、最後の爆弾はリーダーの感染ときたか。

「くそ、どうなってんだ……」
俺が囮になる、と言い掛けたところで、出てきたのは別の言葉だった。
布施は胸元に立ち込める居心地の悪さに、その場に唾を吐き出したくなった。
246ルーとフォード:2009/09/09(水) 21:42:24 0
>237-345
>「ありがとう!やるよ!」
少女に倣って防火扉を閉め始めるウルタール。
程無く聞えるアナウンスと後方に広がる光景に目を輝かせた。
>『緊急閉鎖プログラムを起動します。職員はグループリーダーの指示に従い避難を開始してください。
> 繰り返します・・・』
通路に鉄の扉が現れ、ギロンチンのようにアドバンスドを押し潰そうとしている。
それを眺めながらウルタール達が歓声を上げる。
>「え?閉鎖?!」
が、少女の声色を聞き取り思わず少女の顔を見上げた。
一体何が起きているんだろう?
>「鈴木さん、早くこっちに来て!何してるの鈴木さん!!」
殆ど手遅れに近いであろう鈴木。
それでも戦う事を止めない姿勢にウルタールの野生が刺激される。
ミヒャエルに声援を送るチビ猫を引き摺るように防火扉を潜る。
>「・・・・・・・何あれ・・・・・」
ウルタール達は耳を立てて出方を探ろうとする。
敵陣のど真ん中でどう動けば良いのだろう?
>「・・・研究室の出口は奥と手前の二箇所だ。手前から入って奥から抜ければやり過ごせる。」
シェイファーの声が擦れている。
鈴木がフラフラと歩き始める。
殆どゾンビのような動きだった。
>「行くぞ!」
シェイファーの声に弾かれるように走り出すウルタール達。
姿勢を低くして、相手に見つからないように慎重に走る。
247追跡者 Type.Insect:2009/09/10(木) 19:24:36 0
>244
追跡者の複眼がグリグリと動く。
一人一人の顔を判別し、職員かどうかの確認を行っているのだ。
追跡者が優先目標としたのはウルタールと山田あすかである。
両者は人間の基準から離れており、最優先で捕獲するように指示が与えられている。

小川の予想通り、追跡者は人間ではなく昆虫をベースにしている。
地下実験場の研究成果の一つだ。
その特色は体全体を覆う特殊なカビにある。
共生関係にあるカビは麻痺成分のある胞子を飛ばし、対象を動けなくする。

紫色の胞子を飛ばしながら生存者達に近づく追跡者。
しかし廊下全体に胞子が充満する前に生存者達は研究室へと逃げ出した。
たった一人、小川平蔵を除いて。
となれば銃で武装する侵入者を無力化した上で追跡を続行する他あるまい。
ゆったりとした足取りで追跡者が小川との距離を詰め始めた・・・
248名無しになりきれ:2009/09/10(木) 22:15:20 0
>>242>>245-246
机の影から巨大な影が飛び出してくる・・・
その正体は子牛ほどの大きさがある蜘蛛だった。
蜘蛛が少女目掛けて飛び掛ってきた!
249小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/09/11(金) 23:21:59 0
>247
耳を澄ます。
追跡者の足音が聞える。左足を踏み出す。追跡者が胞子を撒き散らす。
紫色の胞子が押し寄せる。腐敗した死体の匂いがする。
五感はクリア――胞子一つ一つが見える。追跡者の匂いがする。足音が聞える。
だが、それ以外は見えない。
死者の感覚/研ぎ澄まされている/遠ざかるほどぼやける/既に生存者達は感じられない。
銃を構えようとする。腕が思うように上がらない。節々が熱を持つ。痛みを訴える。
紫色の胞子が近づいて来る。匂いがする。足音が聞える。
破滅の足音が聞える。
小川が引き金を引く。激針が雷管を叩く。火薬が燃焼する。銃弾が発射される。
反動――コントロールが出来ない。銃が跳ね上がる。天井に穴が開く。当ったのは最初の数発だけ。
小川が顔を上げる。水滴一つ一つが止まって見える。口を開ける。
撒き散らされる水を飲む。スプリンクラーの誤作動。銃弾が撃ち抜いていた。
正面を見る。追跡者を見る。
マガジンチェンジ/驚くほどスムーズ/代償を払う/軋む関節の痛み。
洗浄された空気。左足を前に。紫色の水が通路を汚している。右足を前に。汚れた水が跳ね上がる。
追跡者と目が合う。俺を見ろ。小川が叫ぶ。俺を見ろ。繰り返し繰り返し叫ぶ。
唾が飛ぶ。殺意を撒き散らしている。反吐が吐き出される。恐怖を撒き散らそうとしている。
渇きは満たされている。食欲だけが残っている。肉が直ぐ其処に居る。銃がある。
殺して肉を貪ってやる。

所持品:BAR(20)、M1911(8)、M1911のマガジンX2、アンプルシューター(0)
現在地:ラボラトリ。通路。
状況:追跡者と対峙。

>242>245−248
シェイファーが腰を落とす――見えないように、悟られないように。
研究機材が山積み/狂った研究/一台百万から一千万/研究成果は通路で見られる。
クリーンベンチの影を小走りに移動する。後方を確認する。
全員揃っている――森村彩。山田あすか。布施。猫達。
銃声が聞える。スコールの音が聞える。咆哮が聞える。破滅の足音が聞える。
超遠心機の背後から通路を覗き込む。怪物が居る。人間が居るように見えない。怪物が吼えている。
追跡者の背後に回っている。ドアまで後七歩。
見落としていた扉――研究室同士を連結する扉。追跡者から逃れるには丁度良い。
扉の前でシェイファーが悩む。
黒い影。八本の足。全身がキチン質に包まれている。ジャイアントスパイダー。
シェイファーが少女に手を伸ばす。布施に目配せをする。
250追跡者 Type.Insect:2009/09/14(月) 00:11:32 0
>249
それは神話的な光景ですらあった。

追跡者が撒き散らす紫色の胞子が風に揺らめく様は、死に瀕するイエス・キリストの如く――
小川平蔵の血に塗れた顔は、既に人と言うよりも獣の様であり、偽預言者の如く――
共に破滅の・・・いや、最後の審判の兆したる足音。

そして地の底に降り注ぐ暴雨が衣を引き剥がす。
宙に飛ばした胞子だけでなく、全身に生えていたカビも剥げ落ちていた。
剥き出しになった光沢のある鍛えられた鋼のような皮膚は昆虫のそれである。
微かにひび割れているが、未だ驚くほどの硬度を保っている。
Type.Insectの別名はConquest・・・即ち支配。
ヨハネの黙示録に被れた研究員が戯れに付けた名ではあるが、対象を捉える行動に相応しい名である。

しかし、その研究員も既に亡者となって久しい。
今、通路に居るのは異形の怪物と人型の怪物である。
正気を失っていたとしても・・・Conquestには単なる捉えるべき虜囚に過ぎぬ。
例え麻痺性の胞子を失っても、遥かに強靭な外骨格と破壊力を兼ね備えた四肢と言うアドバンテージは生きている。
微かな間を置き、巨大なハサミを振り上げ小川に向って襲い掛かった!
251布施博 ◆0YhnNL46N6 :2009/09/15(火) 21:36:53 0
鈴木が横目をこちらに向ける。
布施は前方の蜘蛛と対峙し、スプレーの噴出口にライターを当てる。
殺しは趣味ではないが、もう後には引けない。
ライターを着火。その暗澹とした空間では、それは深海の花のようにぽっつりと宙に顔を出す。
布施はそのままスプレーのスイッチを押す。
乾いた音がし、何かが切れる音がした。スプレー缶を振るってみるが、何度押してみても火種は
射出されない。布施は蜘蛛の複眼が急速に迫ってくるのを見た。
実際に飛び掛ってきたのではなく、その脅威度が突如として現実的なものとなって押し寄せてきたのだ。
跳躍して襲い来る蜘蛛に、布施は右足を前に上げた。
そのままかかと落としの要領で、蜘蛛を蹴り落とそうとする。

成功するかは、まだわからない。
252ジャイアントスパイダー:2009/09/15(火) 22:32:21 0
>251
覆い被さろうとする大蜘蛛だったが布施の一撃で体勢を崩す。
頭部が床に叩きつけられるが、その勢いは殺せない。
大蜘蛛も慣性の法則には逆らえず、勢いを維持したまま布施の左足にぶつかる。
怪我をするような衝突では無いが、布施のバランスを崩すには充分である。
そのまま棚に激突し、中に入っていた可燃性の薬品を被る大蜘蛛。

それらしいダメージは無く、全身に可燃性の液体を浴びたまま方向転換すると再び跳躍の姿勢を取った。
253ルーとフォード:2009/09/15(火) 23:43:24 0
>251>252
ルーとフォードが布施を引っ張り、ジャイアントスパイダーから少しでも遠ざけようとする。
しかし、机の端まで引っ張った所で布施を押さえつけようとし始めた。
一方でチビ猫達は卓上の機材の陰に隠れて跳躍するタイミングを計っている。
布施とルー達が居る場所の目と鼻の先である。
着地のタイミングに合わせて機材を落とすつもりらしい。
装置は重たげでチビ猫達だけで落とせるか微妙な所だった。




254ジャイアントスパイダー:2009/09/16(水) 00:31:32 0
>253
大蜘蛛が跳躍する。
布施の居る場所、即ち誘い出された場所目掛けて。
その巨体で押し潰そうとするも、圧し掛かる直前に布施が後退する。
ルーとフォードが布施を引っ張って逃がしたのだ。
布施目掛けて襲い掛かろうとした大蜘蛛が動きを止める。
机の上で30キロはあろうかと言う機械を落とそうとしているチビ猫に気が付いたのだ。
その一撃を喰らえば大蜘蛛と言えど無事では済まないだろう。
だが、しっかりと固定された機械は重そうで、あと少しと言う所で落とす事ができないようだった。
255代理投稿:2009/09/19(土) 15:35:35 0
足を振り上げた布施の下に、大蜘蛛がひれ伏す。
再度跳躍の姿勢をとった大蜘蛛に戸惑いと僅かな恐怖を覚えながら、後退しようとする。
その時、ルーとフォードによって服の襟を噛み掴まれ、後ろに引きずられる。

「おーおー」

唸り声を上げながら、布施の体は埃を巻き散らしながら引きづられていく。
尻が摩擦によって熱を帯びる。それをさすりながら立ち上がり、蜘蛛と小さな猫達を一瞥する。
子猫達は大蜘蛛の頭上でギリギリのバランスで静止している機材を動かし、落下させようとしているようだ。
布施はこんな極限の状況下で初めて、自分が試されているような気がしてきた。
運の悪さから、何度も運命の外れくじを引いてきたが、今回は自分の力量によってそれを打開できるかも知れないのだ。
考えている余裕はない。計算している時間もない。自分の遥か最奥に腹蔵する本能に従って、
布施は機材を蹴り落とした。

機材は落下した直後、けたたましい音をたてた。蜘蛛の特殊な箇所を抉ったのかと思いきや、
それは破損すると同時に発生する類の故障音だった。その音声は室内全体に響き渡り、
布施を混乱させた。
その機材の落下につられて別の機材も落ちたらしく、別のサイレンが鳴り響く。
跳躍する音声がポルターガイストのように建物のなかを跋扈する。

「まるでディズニーランドだな」

蜘蛛の状態を確認することなく布施は鈴木に向かって叫んだ。

「お前はまだ生きてる!早く扉に向かって走るんだ!」

256ジャイアントスパイダー:2009/09/21(月) 23:03:40 0
>255
大蜘蛛に機械が直撃する。
しかし致命傷にはならない。
再び布施に襲い掛かろうとした瞬間、装置がショートした。
キーキーと甲高い声を上げながら大蜘蛛が燃え始めた。
暴れ回ろうにも機材に押さえつけられて動く事が出来ず、その場で燃え尽きてしまった。
257ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/09/22(火) 23:23:59 0
扉の先でヘリコプターの音が聞こえる。
防毒マスクを被った1人の隊員が降り立つ。

―通告する…ここに生存者がいる場合、直ちに応答せよ…こちらBS…
258名無しになりきれ:2009/09/23(水) 10:21:08 0
>257
・・・返答が無い。
扉から生存者が居るエリアまでは距離があるようだ。
259代理投稿:2009/09/23(水) 17:02:33 0
虚空を揺らしながら、虫のような微小な変化が、布施の耳をちくちくとつつく。
誰かが俺達を呼んでいる。
最初は生存者の助けを求める声だと感じたが、それが拡声器により婉曲されたものから
救助ヘリが訪れているという事実にすぐに行き当たる。

「これは……ヘリが来てるぞ!」

布施はその音の方角を指差し、自分のものかと疑うほどの大きな声でまくしたてた。
260名無しになりきれ:2009/09/23(水) 22:00:37 0
>250
追跡者がハサミを振り上げる。小川が反吐を撒き散らす。反吐が宙を飛ぶ。
反吐が追跡者の顔を汚す。床を汚す。
汚れた複眼が距離感を狂わせる。ハサミの一撃が外れる。
追跡者が反吐を踏む。追跡者が足を滑らせる。
発砲――初弾を除いて外れ。防弾ガラスに傷が着いただけ。
>「お前はまだ生きてる!早く扉に向かって走るんだ!」
布施が叫ぶ――信じたい事を口にしている。願望。現実は変わらない。
俺を殺してくれ/喜ばしい記憶は忘れやすい/完膚無きまでに抹殺してくれ/忘れがたい記憶にしてくれ。
小川が生存者達を一瞥する。
少女を見る。ウルタール達を見る。シェイファーを見る。布施を見る。山田あすかを見る。
微笑が浮かぶ。見える筈の無い者達に笑顔を向ける。
笑顔が歪む。小川の口蓋が大きく開く。感染者そのもの。死者そのもの。
BARが手から離れる。拳銃を握る。震える手で初弾装填の確認をする。
小川が扉を潜る――足取りは千鳥足。朦朧とした目に知性は感じられない。
生存者達の反対側にある研究室に潜り込む。研究室を彷徨う。
何かを探しているように見える。肉を捜しているように見える。
生存者達に見られる事を恥じているように見える。
全てが事実。さっさと失せろ。一人にしてくれ。
追跡者が追ってくる。小川が配管を見つける。銃弾を叩き込む。
マガジンチェンジをする。部屋中が蒸気で満ちる。視界はゼロに近い。望み通りのベールが落ちる。

所持品:M1911(8)、M1911のマガジンX1、アンプルシューター(0)
現在地:ラボラトリ。研究室(生存者達とは反対側)
状況:追跡者を研究室に誘い込む。配管を破壊し、水蒸気で煙幕を張る。

>257―259
>「これは……ヘリが来てるぞ!」
シェイファーの表情が凍り付く。記憶が甦る。焦りの表情が浮かぶ。
布施を押し倒し、口に手を当てて黙らせる。
「覚えていないのか?外は自衛隊に完全に包囲されているんだぞ?
 ヘリで救援に来られたら、位置がばれるだけだ。」
シェイファーが言った。怒気が篭った擦れ声で早口に喋る。
小川の言葉が甦る。夜明けと同時に消毒開始。砲弾が雨霰と降り注ぐ。
時計を見る。時間ギリギリ。
ヘリの乗員の正体が解らない。敵かもしれない。味方かもしれない。
解決策――敵なら射殺してヘリを奪う。救助チームなら速やかにヘリに乗り脱出する。
「ミヒャエルと鈴木を待っている時間は無さそうだ。行くぞ!」
追跡者は向かいの研究室に入っている。シェイファーが立ち上がる。扉を開けて、声の元へと走り出す。
通路を曲がる。全速力で出口を目指す。後続に注意しながら。
261ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/09/24(木) 02:27:17 0
「応答は無い。そろそろ奴らにも気付かれる頃だ・・・時間切れだ。残念だが-」
マスクを被った男が冷静に呟く。

「いや・・・必ず、生存者はいる。もう少しだ・・・頼む、ジョン。」
精悍な顔付きの男がヘリを操縦しながら言葉を返す。

「それもあんたが今まで生き残って培った”勘”とやらか?だが、待ってもあと5分だ。
それ以上は待てない。」

滞空し続けるヘリ。時間はもうない。

262追跡者 Type.Insect:2009/09/25(金) 20:17:51 0
>260
追跡者の視界が狭まる。
突進は空振りに終わり、浴びせられた反吐を拭い、目標を探し出そうとする。
小川の発砲の殆どは外れたが、直撃した箇所の外骨格が破損し、体液が噴出す。
左腕が完全に破壊されていた。
追跡者は不思議そうに砕けた腕を見る。
カニのような白っぽい筋肉が無残にも垂れ下がりっている。
痛覚の無い追跡者は、そのまま小川を追いかけ研究室へと入り込む。
小川の発砲で破壊された配管から噴出す水蒸気に視界が失われる。
無事な方の右腕を振り回しながら部屋中を歩く追跡者。
その左腕は徐々に回復しつつあり、より巨大なハサミへと変化しつつあった・・・
263布施博 ◇0YhnNL46N6の代理投稿:2009/09/27(日) 11:08:12 0
シェイファーにのしかかれ、口を塞がれる。

シェイファー「覚えていないのか?外は自衛隊に完全に包囲されているんだぞ?
 ヘリで救援に来られたら、位置がばれるだけだ。」

シェイファーはそのまま思惑の到達点の定まらない目つきで立ち上がり、
腕に嵌めた時計をちらと見つめる。
布施が身をもたげ、退屈した子供のように表情を淀ませながら両手を挙げる。
眉を下げて、茫漠とした一対の目で眼前の兵士を見つめる。

「自衛隊?包囲?なんのこっちゃ?」

数時間前、布施が彼らと接触する寸前に交わされた会話。
鈴木が告げた焦土作戦が行われるという事実を、布施は耳に挟んでいない。
しかし布施の直感は、窓が開かれて光に当たるように、組織が人間の命を黙殺する摂理のようなものの存在に行き当たる。
滅菌作戦と称して、爆撃が行われても不思議ではない。
奴らはいつもこうだぜ、と布施は思う。システム重視で管理職的。布施はたった一人の犠牲でも心に深い傷を負う人間だった。
同じ人間じゃないか。名前があり、好きな音楽があり、幸福なものは家族がいる。
そんな輝かしい価値のあるものを見捨てていいのか?
シェイファーは躊躇の果てに意を決し、走り出す。他の生存者達も後続者としてシェイファーに寄り添う。

壁から露出した配管から煙が噴出している。白いベールの向こうに影が揺らめく。鈴木だ。

「何やってんだ!死にてぇのか?!」

鈴木は助けが来るのを拒んでいる。それを知っていても、布施には関係ないことだった。
目の前で瀕死でうずくまっている人間を、見殺しにはできない。
しかし複眼の怪物がそそり立つ現状では、布施は彼の足枷になりかねない。

「死にたいのかなんだか知らんが、体が死を求めるなんてことは有り得ねーんだ!助けさせてもらうぜ」

自動販売機を蹴飛ばし、宝の鉱脈を掘り当てたような音でコーラ缶が排出される。
布施はそれを口に含むと、追跡者に投げつけた。囮になり、鈴木を助けるつもりらしい。
264名無しになりきれ:2009/09/27(日) 11:30:47 O
桂木桜子タン復活まだー?
265名無しになりきれ:2009/09/27(日) 14:08:27 0
参加する為にはどうするの?
避難所はどこにあるんだ?
266名無しになりきれ:2009/09/27(日) 16:42:44 0
なりきりネタ板総合避難所
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1240221186/
単独では落ちがちなのでこっちに移動中。
267小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2009/09/28(月) 21:33:53 0
>262−263
記憶を辿る。配電盤の位置。山田あすかの位置。スプリンクラーの位置。
俺は笑顔を浮かべる――記憶の中の山田あすかに向って。胃に痛みが走る。
銃を撃つ。配電盤が破壊される。伸びているケーブルが切断される。
机の上の薬品をぶちまける。可燃性。比重は水よりも軽い。
俺は机に左足を掛ける。少しでも近くへ。俺は机の上に立つ。確実に。
>「死にたいのかなんだか知らんが、体が死を求めるなんてことは有り得ねーんだ!助けさせてもらうぜ」
布施が叫ぶ。追跡者の意識が逸れるのが解る。
俺は引き金を搾る。一発はスプリンクラーに直撃。
放水――床一面が水浸しに。水蒸気の目隠しは消えず、放出された水が切断されたケーブルに達する。
水の上に浮かぶ薬品が発火する。追跡者が感電する。体を痙攣させている。
超強力な電気信号に追跡者の体が麻痺する。心停止する。後は火が全てを灰に変える。
証拠隠し――歯の治療記録から身元を調査させる気は無い。
後は火が全てを灰に変える。

燃え盛る炎。
俺の記憶を焼き尽くしてくれ。俺の顔を焼いてくれ。俺の服を焼いてくれ。

俺は頬に銃口を押し付ける。
恐怖は感じない/引き金を引く/衝撃/撒き散らされる肉と歯/痛みは感じない/下顎

俺は頬に銃口を押し付ける。
恐怖は感じない/引き金を引く/衝撃/撒き散らされる肉と歯/痛みは感じない/上顎。

俺は頭に銃口を押し付ける。
恐怖は感じない/引き金を引く/衝撃/撒き散らされる肉と骨片/痛みは感じなかった/脳漿。

状況:追跡者をトラップに嵌め、部屋全体に放火。シナリオクリア。
268 ◆K3F.1.DICE :2009/09/28(月) 22:02:50 0
>261>263
>「自衛隊?包囲?なんのこっちゃ?」
説明する暇が無い。布施が離脱する。シェイファーが悩む。退路を確保するべきだと判断する。
シェイファーが扉を見つける。ヘリのローター音が聞える。操作盤を見つける。操作する。
扉が開かない。パスコードが解らない。IDカードが無い。
扉が開く――パイロットの宣告した残り時間30秒前。ギリギリのタイミング。
風が吹く。
地下研究所を吹き抜ける/地下通路を吹き抜ける/駐屯地を吹き抜ける。
「生存者が居れば、か。」
シェイファーが扉の影に隠れる。様子を伺う。
一体、どうしろと言うのだ?――シェイファーの自問。
防毒マスクの男の正体が解らない。乗っているヘリの所属も機体も見えない。
距離が有り過ぎる――銃を突きつけて脅せない距離。
「こっちは生存者だ!貴官は誰か!」

状況:生存者を引き連れ、扉の影に隠れる。
269ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/09/28(月) 23:49:22 0
>>268
「…!!」
突然の声に咄嗟に銃口を上げる。
声の先で影が蠢くのが一瞬だけだが見えた。もう時間は無い。
「詳しい話は後だ。とりあえず、あんた達の敵ではない!
それだけは確かな筈だ…さぁ、来るんだ!早く!!」
ヘリには「BSAA」という名前と、ロゴマーグが塗装されている。
声を張り上げマスクの男が手を振る。

ヘリコプターが地面すれすれまで接近し、滞空しながら
生存者を待つ。
「ジョン、俺の言った通りだろ。…急げ!!」

ヘリのパイロットの腕にはヘリの機体に書かれたそれと同じ「BSAA」の文字が見える。
マスクの男はシェイファー達を誘導しながら出口を警戒する。
「もう生存者はいないようだ・・・どうする、クリス!!」

ヘリのパイロットは迷いを捨てたのかのように頷く。
「・・・脱出するぞ。」
270森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/09/29(火) 03:54:55 0
>243
目の怪物が防火扉を叩いている。
ミヒャエルさんの声を聞いて、一瞬音が止まった。

>244
山田さんは答えない。
鈴木さんは反応が無い。
そして私達の視界には、巨大なはさみを持った怪物がいる。
>「くそ、どうなってんだ……」
私達の胸のうちを、布施さんが代弁した。
子猫さんを引きずってきたルー達の顔にも、心なしか動揺の色が見て取れた。
>「・・・研究室の出口は奥と手前の二箇所だ。手前から入って奥から抜ければやり過ごせる。」
シェイファーが呟く。焦りが顔に浮かんでいる。
声に焦りがあった。足止めが必要なんだ。でも誰が?
>「行くぞ!」
「鈴木さん!」
山田さんが私の腕を引っ張った。なんてこと、あの状態の鈴木さんが残るの?!
だけど、何も出来ない。今この場で大声をあげるわけには行かない。

>248
研究室に入る前に、ジェイファーさんが私に手を伸ばしてきた。
布施さんに目配せしている。
どういう事なんだろう?早く研究室に入らないといけないのに。
まさか、何かいるのだろうか?

>249-256
通路からは銃撃の音が聞こえてくる。
鈴木さんはまだ生きている。
大きな蜘蛛は私に飛び掛ってきた。その時、布施さんが動いた。
突然手から火が出た。でもそれはすぐに消えた。音からしてスプレーなんだろうか。
「布施さん?!」
火は出ない。布施さんは蜘蛛をけり落とそうとした。
蜘蛛は布施さんにぶつかると、薬のビンがいっぱい入った棚に突っ込んだ。
すかさずルー達が布施さんをひっぱり距離を取った。
ちびネコさん達はいつのまにか機械の上にいる。潰す気なんだ。
布施さんが機材をけり落とした。落下音だけでなく、凄い音が部屋中鳴り響いた。
蜘蛛が燃えている。
>「まるでディズニーランドだな」
こんな物騒なディズニーランドを、私は知らない。
>「お前はまだ生きてる!早く扉に向かって走るんだ!」
鈴木さんは声に反応した。
だけどその目はうつろで・・・・・・・。
鈴木さんが私を見た。皆を見た。
そして山田さんを見た。
笑ったような気がした。
「―――― いかないで!」

鈴木さんが別の研究室に入っていった。
そのまま隠れたりすることも無く、のろのろと部屋の中を徘徊する。
その姿は操り人形みたいで、まるで、パパやママと・・・・・。
とめどなく涙があふれた。
もう、誰にもあの人を救えない。
271森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/09/29(火) 04:04:36 0

>257
>「これは……ヘリが来てるぞ!」
何を言ってるの?と思った。ヘリが来るわけが無い。
ジェイファーさんが布施さんを押し倒した。
>「覚えていないのか?外は自衛隊に完全に包囲されているんだぞ?
> ヘリで救援に来られたら、位置がばれるだけだ。」
>「自衛隊?包囲?なんのこっちゃ?」
布施さんはいなかったと言わないといけなかったんだけど、出来なかった。
残してきた鈴木さんと、ミヒャエルさんが気がかりだった。
もうすぐ夜が明ける。
出口が村の包囲網の外でなければ、私達はここで灰になる。
>「ミヒャエルと鈴木を待っている時間は無さそうだ。行くぞ!」
>追跡者は向かいの研究室に入っている。シェイファーが立ち上がる。扉を開けて、声の元へと走り出す。
鈴木さんはこない。恐らくジェイファーさんも気づいてる。

>261 >262-263 >267
ヘリの音がする。布施さんのいう事はやっぱり正しかったみたいだ。
>「何やってんだ!死にてぇのか?!」
その布施さんが怒鳴っている。
私は振り向いた。
ふいに、古い映画のワンシーンが脳裏に浮かんだ。
あの牧師さんの姿が、今の鈴木さんに重なる。
反射的に戻りそうになった私を、ルー達が押しとどめた。
はっと息を呑み、動きを止める。
戻ってどうなるの?何も出来ないのに。何一つ出来ないのに。
今の彼は、誰にも救えない。
あの時。
金のためだと言い切った鈴木さんは、こうなる事を知ってたんだ。
とめどなく涙が零れた。
こうして逃げる自分に。
何の力も無い自分に。
私は、あなた達が思っているような神様じゃないの。
一人では何も出来ない、無力な、ただの子供なの。

開かない扉の前で、ジェイファーさんがパスの解除した。
扉が開いた。
切り取られた景色の中の空は瑠璃色だった。
冬枯れの季節には珍しく、今日もいい天気になりそうだ。
すぐには飛び出さず、ジェイファーさんが叫んだ。
>「こっちは生存者だ!貴官は誰か!」 「詳しい話は後だ。とりあえず、あんた達の敵ではない!
>それだけは確かな筈だ…さぁ、来るんだ!早く!!」
>ヘリには「BSAA」という名前と、ロゴマーグが塗装されている。
ヘリコプターが地面すれすれまで接近し、滞空しながら
>生存者を待つ。
「私達は、殲滅作戦を自衛隊の人から聞いたの。
 もしかしたら、殲滅作戦なんて嘘だったのかもしれない。
 もしかしたら、一晩のうちに、状況が変わったのかもしれない」
私の言葉は祈りに近かった。
希望的観測というよりも、ただの願望かもしれない。
人は、信じたいものを信じる生き物だ。

>ヘリのパイロットの腕にはヘリの機体に書かれたそれと同じ「BSAA」の文字が見える。
>マスクの男はシェイファー達を誘導しながら出口を警戒する。
「ルー達・・・・・・猫さん達は何もしない。
 私達をずっと助けてくれた友達なの。だから一緒に乗せてあげて!」
ルー達の姿に驚く乗員たちの前に立ちはだかり、私は懇願した。
>「もう生存者はいないようだ・・・どうする、クリス!!」
>「・・・脱出するぞ。」
「待って、あと二人、ううん、三人が中に残ってるの!!」
272ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/09/29(火) 20:50:28 0
>>271
シェイファーと顔を合わせ、マスクの男。
ヘリのパイロットに目配せをしながら向かい合う。
「やはり貴方でしたか。久しぶりですね、シェイファー少佐。南米以来でしょうか。」
シェイファーにも聞き覚えのあるその声。
彼はかつて自分の部下であったジョンという男だと直感する。
「詳しい話は後です。今は、一刻も早くここから・・・」

ジョンの言葉を防ぐ様に少女が声を張り上げる。
>「ルー達・・・・・・猫さん達は何もしない。
 私達をずっと助けてくれた友達なの。だから一緒に乗せてあげて!」
M4カービンのライトに照らされた巨大な猫?を見つめ思わず銃口を向けてしまっていた。
「…トモダチか。だが、こいつらは一体…」

「「いや、連れて行くぞ。少女に危害を加えてないのならば安心できる。」」

ヘリの操縦席に座る男が冷静さを保ったまま伝える。
ジョンはやれやれと手を上げ猫達に手招きをする。
「さ、来るんだ。何もしやしない。」

>「待って、あと二人、ううん、三人が中に残ってるの!!」

「何…!!」

苦渋に満ちた顔で少女を見るジョン。マスクを脱ぎ捨て精悍な顔立ちが現れる。
坊主頭に鷹のように鋭い目。M4を構えながらヘリに近付いていく。
操縦桿を代わりにジョンが握り、クリスと呼ばれた男が少女の前に現れる。
「殲滅作戦は停止されていない筈だ…一刻も早く脱出する必要がある。
だが…少しだけ待ってみよう。君が、信じるならば。」

クリスはハンドガンを構え出口の前に立つ。
撤退ギリギリまで生存者を待とう。
少女の思いに応える為に。
273ルーとフォード:2009/09/30(水) 19:37:55 0
>267-272
シェイファーが扉を開けた途端、強い風が吹き込んでくる。
ルーとフォードが見た事の無い世界が広がっていた。
夜明け前だがウルタールには感じる事が出来た。
空を流れる雲、星星が夜明け前に一段と輝いている・・・自由を感じる。
山々を覆う木々、木の葉が風に揺れている・・・生命の美しさを感じる。
全てが新しく、そして懐かしい世界。
今日、この日、この時に彼らは帰郷を果したのだ。
>「ルー達・・・・・・猫さん達は何もしない。
 私達をずっと助けてくれた友達なの。だから一緒に乗せてあげて!」
突如照らされたライトに目を細め、いやいやと首を振るウルタール。
シェイファーの持っていたライトに見慣れてしまった為に驚きよりも不快感を感じている。
それよりも興味があるのは、目の前の大きな金属の塊だ。
ウルタールは、ヘリコプターが風を作る為の道具としか思えず、首を傾げていた。
しかし、よく見れば宙を浮いている。地下世界には大き過ぎて使えない道具だ。
空を見上げてこの世界の広さを考えてみる。
想像出来ない広さしか思いつかなかった。
>「…トモダチか。だが、こいつらは一体…」
>「「いや、連れて行くぞ。少女に危害を加えてないのならば安心できる。」」
>「さ、来るんだ。何もしやしない。」
ウルタールが首を振ったのと少女が同時に叫んだ。
>「待って、あと二人、ううん、三人が中に残ってるの!!」
ウルタール達が背後を振り返る。
三人だけではない。まだまだ仲間が中に居るのだ。
出来る事なら迎えに行きたかった。
チビ猫達は、ミヒャエルを助けたかった。
ルーとフォードは小川の事を考えた。
どうして彼は最後にあんな事をしたのだろう?
どうして途中からあんな事をしたのだろう?
彼は何だったのだろうか?
彼が生きる世界は、どういう場所だったのだろう?
きっとこれから考えたり見たりする事なんだと二匹は検討を付けた。
そして次なる展開を待つ事にした。
274追跡者 Type.Insect:2009/09/30(水) 21:28:50 0
>263>267
>「死にたいのかなんだか知らんが、体が死を求めるなんてことは有り得ねーんだ!助けさせてもらうぜ」
追跡者が部屋に足を踏み入れた瞬間、布施の投げたコーラ缶が頭部に直撃した。
振り返ろうとするが、体が思い通りに動かない。
体が痙攣し、立つ事も適わず床に倒れこむ。
電流は熱エネルギーとなり追跡者の体を焼き尽くそうとする。
ウィルスが必死に細胞を回復させようとするが、熱によって破壊され、徐々に回復力が衰えていく。
火災センサーは燃え続ける薬品をスプリンクラーで消化するのは困難と判断し、シャッターを下ろす。
断頭台の如き重量を持ったそれは、追跡者の頭部を破壊し、その短い生命に終止符を打った。
275ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/10/01(木) 03:40:21 0
>243
>「うすす、うすす、うすすぅぅっ!」
>奇妙な鳴き声を上げ、その巨体がミヒャエルへと迫る。

「上等。なら俺も本能のままやらせて貰うぜ!」

迫るアドヴァンスドに動じる事なく、グレネードの弾をその場でばらし始める。
「さぁここで簡単な理科の問題だ。急激に冷やされたものを大きな衝撃と熱を加えると・・・」

弾の火薬を布に包みアドヴァンスドの頭上へ投げ込む。
「どうなるでしょう?冷却に使用するものは液化窒素とする」

自販機から取り外した冷却用のタンクを正面へ投げる。
「さぁ解いてみな!」

ライフルを構え正確にタンクを狙う。
「凍った物質はやっぱり硬い訳だ。爆発ってのは圧縮が大事でよ?」

徐々に凍り付くアドヴァンスド。
オイルライターに火を点し手製の花火?に火を近づける。
「こんな玩具の火が少し付くだけで・・・まぁこれでも十分だとは思うけどな」
「はぁ。やれやれ・・・糞ったれな一日だった」

アドヴァンスドの頭上の袋に引火する。
刹那の閃光と共にまるで槍の様な炎がアドヴァンスドを突き刺す。
時同じくして背後の方で爆発音の後、銃声が聞こえた。

「スズキ・・・?」
音のした方へ駆け寄る。しかし炎が遮り近づく事が出来ない。
一部防火用のシャッターが降りようとしている。
「そうか・・・間に合わなかったのか。・・・出口は・・・と」
「見当たらねぇな。・・・無様なもんだなぁ。こんな所でくたばっちまうのか俺様は」
276ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/10/01(木) 04:14:07 0
炎の向こうに呆然と立ち尽くす人影>263が見える。
「・・・っけゾンビか?こいつらと心中なんて真っ平だぜ」

やや諦め掛けたその時、受信機が音声を拾う。
『おぅ!やっとジャミング解けたぞ。変な仕事請け負うからこんな目にあうんだ間抜け!』

ミヒャエルがドクと呼ぶ技術者の声がはっきりと聞いて取れる。
「へ?あれ?ドク?幻聴か?」
『おい聞いてんのかタコ!てめぇまさか送信切ってんじゃねぇだろな!?』
『奥歯だこのボケ!ちゃんと聞けっつたろぉーが!』

奥歯を舌でなぞると異物を感じた。舌先でずらす。
「あーあー。もしもーし?こちらミヒャエ――
『てめぇ!返事が遅ぇんだよ!GPSは効かねぇわ通信もだめだわ一緒に行った連中は使えねぇわ』
『てめぇの仕事先は倒壊して無くなっちまうわ、おまけに腰は痛ぇわ!ろくでもねぇ!』
「いや、訳わかんねーよドクw大体なんでこっちに居んだよ」

ミヒャエルにこれまでの経緯を説明し、[観光がてら様子を探りに]来たということらしい。
「・・・へいへい。まぁこりゃ事故な訳よ。でもって閉じ込められちまった」
「無敵の俺様でも今回は不味いぜ。ぶっ壊してどうにかなるもんじゃねぇし」

『アホかてめぇは!そんなのどうでもいいから出て来い!』
「おいおい。無茶苦茶言うなよ。出たくても出られねぇっつの!」
『ごちゃごちゃ抜かしてねぇで早く出て来いこのバカチン!ちったぁ頭使え!』
『怪しいヘリみてぇなのが外に停まってやがるからそこに行け!それと、生命反応が2・・・ん?1か?残ってるみてぇだぞ』
「分かんねぇジジイだなぁ!出られねぇっての!ぶっ殺すぞ!」
『あーやってみな。そっから通路状の場所を抜けりゃ直ぐ出口だ。んじゃ後でな』

一方的に通信を切られる。改めて人影の見えた方へ向き直る。
「生命反応って・・・あれかぁ?生きてんのあれ?」
迂回しつつ人影の方へと向かう。炎の壁に僅かな隙を見つける。
「これなら通れそうだ。おい!そっち行くから動くなよ!」

炎を飛び越える瞬間、視界の外に小川を捉えた気がした。


「気の、せいか・・・?」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル3/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 0/5


現在地:ラボラトリー内
状況 : ドクの意見に従い脱出を試み、布施に接近する
277代理投稿:2009/10/01(木) 19:51:53 0
部屋には炎上網が広がり、それは草原のようにたなびき
燃え盛るベールのなかで追跡者の影が揺らめく。
鈴木の体は瞬く間に赤い色に包まれる。布施はその場で何度も炎に突っ込もうとするが
その勢いに押されて、小さな鼠のように縮こまって元の空間に戻る。
立ち尽くしているところに、巨大な男が忍び寄る。ミヒャエルだ。

ミヒャエル「これなら通れそうだ。おい!そっち行くから動くなよ!」

その声は柔らかな泡沫が弾けるように、布施の耳に響く。
残響が炎を揺らすように感じられ、思わず揺らめく赤の向こうに手を伸ばしたくなる。
ミヒャエルが接近してきたところで、布施は鈴木の残骸を見ながら呟く。

「灰になった……」

布施の人生は平板とまではいかないまでも、感情の起伏に乏しい形をとっていた。
繊細に音楽を聞き分ける心を持っていながら、それは冷徹に凍り付いていた。
しかし目の前の男の死を持ってして、まるで自分が死んでしまったかのように、布施の心は内省を彼に要求した。

地層の推移のことを考えていた。
別世界が平行して存在するように、その地層は二つに分かれた布施の心を象徴していた。
しかし今やそれは一つに噛み合わさり、一つのありふれた魂となった。
278名主の屋敷:2009/10/03(土) 14:29:38 0
壮麗な景観を誇る名主の屋敷も夜明けまでの僅かな時間の間に廃墟と化していた。
染み一つ無い白塗りの外壁は粉砕され、煤けている。
檜をふんだんに使った廊下はブーツの足跡に汚され、死体から流された血が畳を黒く染めている。
屋敷の今に土足で上がり込んでいる男の手には、得体の知れない蟲が握り締められていた。
「こんな田舎で当りを引くとはなぁ・・・お前もそう思わないか?ん?んん?」
瀕死の同僚を治療する訳でもなく、グレンが笑う。
更に一歩進み、よく肥えた蛆虫のような男の顔に足を乗せる。
「うん?まーだ意識があるのか?知りたい事が幾つかあるんだ。簡単には死なせないぜぇ?」

地下実験場でミヒャエル達と会った後、グレンは分校へと戻っていた。
だが、その分校に得体の知れない連中に襲撃を受けている最中だった。
己の目に誓った以上仕方有るまい、と武装勢力を撃破し、更に追撃を掛けたグレン。
辿り着いた先は、名主の屋敷であった。
可能な限りの火力と知恵、体力を限界まで使った戦いの後に、遂に名主に打ち勝ったのである。

「・・・に、にいさ・・・」
「はいはい、俺の聞きたい事じゃありませんよっと。」
名主の切り裂かれた腹にブーツが突っ込まれる。
「まぁ、銃弾だけだったら3日は生きられたんだろうがなぁ・・・」
名主が血と吐瀉物を吐き散らしながら暴れ、呪詛の声を上げる。
力の元である無視と切り離された現在の名主に抵抗する力は無い。
「んでさ、お前さんの正体は何なの?レッドデータアニマルにしちゃ人間そっくりだ。」
「あ、兄が何時か貴様をこっ・・・ころ・・・」
「へぇ、もしかして末っ子?いや俺もそうなんだけどさ?誰もそんな事聞いてねぇっての。」
グレンがブーツを引き抜き、名主の指を踏みつける。
「痛いよな?痛いだろ?生きている証拠だ、たっぷり楽しめ。」
グレンが高振動ブレードを引き抜き、名主の手に近づける。

10分と掛からずに名主は必要な情報を吐いた。
デザートイーグルを名主の頭に叩き込み、グレンは村を後にする。
夜明けまでは30分ほどある。
それまでに村から脱出する事は可能だろう、とグレンは考えていた。
「それにしても・・・化け物使って分校に押しかけてまで探したい女ねぇ。
俺も一遍、そいつの顔を見てみたいもんだぜ。」
グレンがまだ見ぬ女性の顔を想像し笑う。

・・・名主から摘出されたプラーガがどのような波紋を広げるのか。
それを知る人間は、今の所誰も存在しない。

状況:シナリオ・クリア
279アドバンスドΩ:2009/10/07(水) 20:51:08 0
>>275
>「上等。なら俺も本能のままやらせて貰うぜ!」
ミヒャエルの叫び声を威嚇の咆哮と考えたアドバンスド。
その怒りに呼応するように全身の色が紫や赤、緑色へと変化する。
対峙する相手の行動など気にせず、ただ怒りのままに行動する。
>自販機から取り外した冷却用のタンクを正面へ投げる。
>「さぁ解いてみな!」
噴出した液体窒素がアドバンスドの巨体を凍らせていく。
凍り付く速度が速く、再生が追いつかない。
>オイルライターに火を点し手製の花火?に火を近づける。
>「こんな玩具の火が少し付くだけで・・・まぁこれでも十分だとは思うけどな」
凍りついた体で必死にミヒャエル迫るが、ボロボロと凍りついた箇所が崩れ落ちるばかりだ。
全身が完全に凍りついた直後、ミヒャエル手製の花火が爆発を起こす。
ほんの僅かな衝撃だったが、凍りついたアドバンスドには充分だった。
バラバラと音を立てて崩れ落ちるアドバンスド。
その生命は完全に破壊され、二度と甦る事は無かった・・・
280名無しになりきれ:2009/10/08(木) 21:36:50 0
>276-277
奥から今まで以上に強い風が吹き込んでくる。
どうやら扉が開放されたようだ。
281 ◆K3F.1.DICE :2009/10/11(日) 13:07:16 0
>270−273
AH−1戦闘ヘリが突如姿を現す。BASSのヘリのメインローターの真上に陣取る。上昇を防ぐ。
更にもう一機。ガナーの目が動く。ヘリを捉える。退路を塞ぐ。
ナップ・オブ・ジ・アース――超低空飛行。レーダーを回避出来る。熟練者なら木々の隙間を飛行出来る。
茂みが動く/銃を構えている/人の形にトランスフォームする/対空ミサイルを構えている。
偽装した自衛隊員。数は約30人。無線機を手にした男が現れる。
仕立ての良いスーツ――日本人。スーツの汚れを神経質に払っている。苛立ちが混じっている。
救助にやって来たヘリを見る。舌打ちをする。苛立ちが募る。
「生存者か・・・射殺、いや待て。」
男が首を傾げる。傘社から派遣された男。山田あすかを見る。カネの匂いを嗅ぎ付ける。
山田あすかの顔が強張る。少女を背後に隠す。
猫を見る。男の苛立ちが悪化する。男は猫が嫌いだった。支配できない存在は嫌いだった。
男が言った。
「事前に周辺を調べておいて正解だったな。」
282ルーとフォード:2009/10/12(月) 21:51:11 0
>276-277
ウルタール達の耳に怪物の声が聞こえなくなっていた。
きっとミヒャエルは無事に生き延びたのだ。
「ミーミー!ミーミー!」

チビ猫が静止を振り切って通路へと駆け戻る。
研究所に戻ったチビ猫達はミヒャエルを見つけた。
>「これなら通れそうだ。おい!そっち行くから動くなよ!」
そして燃え盛る研究室を呆然と覗き込む布施の姿も。
>「灰になった……」
布施の視線の先を見るチビ猫。
一体、何が起きたのだろう?布施の目の奥に隠されていた何かが急速に冷たくなっていく。
此処ではない何処かを彷徨うような布施の手を引っ張るチビ猫。
もう一匹が四つん這いになって、尻尾をくるくると回しながらピョンピョンと飛び跳ねている。
ヘリコプターを見たんだよ、きっとこうすれば飛べるんだよ、と無邪気に笑う。
二匹はさながら合唱するように「ミーミー」と鳴く。
チビ猫達は未来と地上を見ていた。

>281
「で、あんた達・・・一体何なの知り合いみたいだけど。」
シェイファーとヘリの搭乗員を見ながら山田あすかが言った。
ルーとフォードはチビ猫達を止め損ねてしまった。
「あ!ちょっと!そんなに近寄っちゃダメよ!」
ルーとフォードは夢中でヘリに乗り込み、コックピットを眺めたりジョンの顔を覗き込んでいる。
山田あすかの警告は通じていないようだ。
ルーとフォードが顔を上げる。
レーダーを回避してやってきた自衛隊のヘリに気が付いたのだ。
それだけではない。
全身に草木を身に付けて隠れていた自衛隊員にも気が付く。
>「生存者か・・・射殺、いや待て。」
「ちょっと!何でこうなるのよ・・・」
少女を背後に隠しながら山田あすかが叫ぶ。
一体、何が起きているんだろうか?
283ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/10/15(木) 07:03:53 0
>277
>「灰になった……」

ドクに励まされ炎の壁を越え、布施の元へと辿り着く。
布施が視線を向けた先には人の亡骸が炎に包まれていた。
「・・・ボケっとすんな!道を開けて貰ったんだろうが。さっさと行くぞ!」
「とにかくここを出るぞ。俺について来い!来られねぇってんなら引きずってでも連れてくからな!」

ミヒャエルは亡骸を2度見る事も無く、その場を離れる。
しばらく進んだ先から風が吹き付けてくる。地上は目前の様だ。
「もうちょっとだ。しっかしこんな所にヘリが来てるって?何者だ?」
「ま・・・用心に」

Glockの弾倉から残弾を抜き取り、火薬のみ弾倉へ戻していく。
「越したことはねぇよな。どうにも嫌な予感しかしねぇ」

残った信管を弾倉に差込む。
「風に乗って嫌な臭いも届いてきたぜ。やれやれ、エンディングまではまだ時間があるらしいや」



「スズキー、もっと色々話したかったぜ。聞きてぇ事が山ほどあったってのによぉ」


所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(0発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル3/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 0/5


現在地:地上出口付近
状況 : 布施よりも先に出口方面へ進行。警戒のため手元で細工。
284布施博 ◇0YhnNL46N6 代理投稿:2009/10/17(土) 15:06:23 0
夜空を見上げ、その鮮やかさから何も読み取れない自分に気付いたとき、布施は自問した。
俺はかつての俺なのか?
無数に点滅する星が、スタジアムで歓声を上げる観客達のように、個々の存在を主張している。
ヘリコプターの爆音が、水中のように虚ろに響く。
布施は他の生存した連中のやりとりを黙殺し、一人ヘリコプターの中へと乗り込んだ。
曖昧な輪郭に影を落とした暗い表情に、他の生存者も怪訝な目を向ける。
布施は鞄から煙草を取り出し、ライターを当てて着火する。
木の枝のような確かな煙が、頭上に立ち上っていく。

布施は先程の鈴木の死を思った。あの常識外の死を思った。
まるで別世界に連れてこられたように、布施は混乱した。
引きずり込まれた先は未知の、真っ暗な慟哭そのもののような世界。
この世界にもはや常識はないのだ。俺はこの世界とは無関係の人間なのだ。

布施はうずくまり、やがて煙草も床にぽろりと落ちた。
その転がる一本の屑を、踏み潰すことができない。
布施は呆然と立ち上る太い煙を眺望し続けた。

父親の人生の軌跡を辿った。彼は都会で疲弊し、消耗しきり、
社会というものに嫌気を差した。
布施は子供心ながら、何故人が自分の作り出したものをここまで憎めるのかわからなかった。
システムは、あなたたち、大人が作ってるんじゃないか。
今、俺はどの世界にいるのだろうか。父親のいた世界でもなく、以前いたありのままの世界でもない。
ここは全てから落ちぶれた世界だ。唯一縋れるものはシステムというルールしかない。
煙草の煙は頭上に昇り続け、やがて丸い模様を描き、窓の外にも漏れ、
村の外へと流れ、そして―――。

シナリオ・クリア
285森村 彩 ◆gnJnZEDBsY :2009/10/18(日) 01:45:14 0
>272-273 >280−282
>「「いや、連れて行くぞ。少女に危害を加えてないのならば安心できる。」」
じわっと目の奥が熱くなった。
それは彼らが、私もルー達も同じ『助ける者』として見てくれてると分かったから。
>「さ、来るんだ。何もしやしない。」
感慨深げに空とヘリを眺めていたネコさん達は、そういわれて首を振った。

>「殲滅作戦は停止されていない筈だ…一刻も早く脱出する必要がある。
>だが…少しだけ待ってみよう。君が、信じるならば。」
ヘリの人達は、ルー達を受け入れただけでなく、他の生存者を待つと言ってくれた。
「ありがとう」
私は胸がいっぱいで、それ以上何もいえなかった。
クリスと呼ばれた外人さんは、銃を持って出口の前に立つ。

私は山田さんの隣に立ち、ルー達に手招きした。
「こっちおいで。一緒に皆を待とう」
地下にずっといた猫さん達にとっては、外の世界はどう映るんだろう?
「今に布施さんがくるよ。ミヒャエルさんだって。大丈夫。だってそう自分で言ってたもん」
ルー達が浮かない様子なのは、何もミヒャエルさん達が戻らないことだけじゃなかったんだろう。
だけどその時の私はあまりに子供で、ルー達の仲間が、まだ地下に残ってる可能性を考えもしなかった。

山田さんにはとても話し掛けられなかった。
今どんな思いで、あの古びた建物を眺めているんだろう。

「あ!チビ猫さん!!」
不意に顔を上げたチビ猫さん達は、ルー達の制止を振り切って研究所に戻っていった。
なんだか嬉しそうな様子だったから、ミヒャエルさんの足音でも聞き分けたのかもしれない。

>「で、あんた達・・・一体何なの知り合いみたいだけど。」
知りたいけど、知りたくない気もする。
「あの・・・・・・村の人達がどうなったか知りませんか?
 飯田のおじいちゃん達・・・村の人が、分校に集まってるんですけど。
 何か話を聞いていませんか?」

>281
ヘリに乗り込み、興味津々で機内を探索していたルー達の動きが止まった。
「・・・・・・・?どうしたの?」
不意に一機、さらにもう一機ヘリが現れた。
「えと・・・・・・仲間のヘリですか?」
私の質問は、願望に近いものだったと思う。
でもそんなものは、新たに現れた人影達にかき消されてしまった。

>「生存者か・・・射殺、いや待て。」
>「ちょっと!何でこうなるのよ・・・」
私を背に隠しながら、山田さんが叫んだ。
一体、何が起きているんだろうか?
この場に似つかわしくない格好をした、神経質そうな男の人が一番のボスみたいだ。
男の人はルー達を嫌そうに見ると、山田さんを値踏みするような目で見た。
>「事前に周辺を調べておいて正解だったな。」
「どうしてそうなるの」
私は山田さんの制止を振り切って、思わず叫んでいた。、
「この外人さん達は、私達のために助けに来てくれたんだよ。
 どうして話も聞かずに殺そうとするの?
 自衛隊って、地震とかの災害の時に、困ってる人を助けてくれるものじゃないの?
 どうしてここにいただけで、私達死ななくちゃいけないの? 私達まだ人間だよ?
 お願いです。村を焼くのを止めてください。残ってる皆を助けてください!!」
言いながら、思った。
この男の人が私達を見る目つき、どこかで見たことがある気がする、と。
286ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/10/19(月) 19:23:29 0
>>283
扉の奥、深い闇から足音が聞こえる。
クリスはべレッタを構えたままその足音の主へ叫ぶ。
「俺達は敵ではない!今すぐヘリに乗るんだ!脱出する・・・」


足音の主の返答を待つまでない間に巨大な轟音を立てながら
別のヘリが姿を現した。
ヘリの中でジョンは苦笑いを浮かべている。
「だからいったんだ、厄介なことになるってな!おい、どうする!?」

クリスはヘリに銃を向けたまま様子を伺う。
「そろそろ、”相棒”が来る時間だ…」

無線機から声が聞こえる。
”クリス、時間よ!”

「了解だ。だが、少し面倒が起こった。待っててくれ。」

287九武村包囲部隊:2009/10/20(火) 23:18:16 0
>>283>>285-286
>「この外人さん達は、私達のために助けに来てくれたんだよ。
  どうして話も聞かずに殺そうとするの?
  自衛隊って、地震とかの災害の時に、困ってる人を助けてくれるものじゃないの?
  どうしてここにいただけで、私達死ななくちゃいけないの? 私達まだ人間だよ?
  お願いです。村を焼くのを止めてください。残ってる皆を助けてください!!」
男が少女の目を見る。無言。男の目に同情が宿る。男が口を開く。
「残念だが、これは政治的決定なんだ。民主主義に基いて皆が決めた事なんだ。
 君達を殺す。人々は直ぐに忘れる。安心して眠れる。」
口調は穏やか。これから起きる事を知っている。断固とした声色。また同じ光景を見ると確信している。
確信――虐殺。生命を無差別に奪い、安全を確保する。
男が言う。視線は山田あすかに。
「そちらの被検体が要求に応じれば、とも考えたんだよ。私もね。
 だが、それでは不公平だ。」
男が瞬きをする。空を見上げる。気持ちを落ち着かせようとしている。
「世界は残酷なんだよ、お嬢さん。」
男が呟く。目を瞑る。目から同情の色が消える。
「私が女子供を殺す。お前達は残りを殺すんだ。汚れ仕事は私がやる。」
男が拳銃を抜く/繰り返し練習してきた動作/安全装置を外す/何度も撃った標的。
動く的――男、女、年寄り、子供。
銃声。目の前を見る。少女は無事。腕を見る。血が噴出している。足元を見る。男の右腕が落ちている。
暴発ではない。正面を見る。老人が銃を構えている。
「突撃!」
大宮大佐が叫ぶ。声と言うより衝撃。銃声のように聞える。
男が叫ぼうとする。声が出ない。大宮大佐が走る。先陣を切る。
288九武村包囲部隊 ◆K3F.1.DICE :2009/10/20(火) 23:56:53 0
死者の軍勢が大宮大佐の後に続く。包囲部隊は、ばら撒かれる銃弾を前に伏せざるを得なかった。
飯田老人が叫ぶ。
「彩ちゃん!こっちだ!」
威嚇射撃をしながら、匍匐前進で少女の下へと移動、少女を抱きしめる。
「無事で良かった・・・彼らは、私の戦友だから心配しなくていい。」
死者の軍勢が包囲部隊に肉薄する。AH−1がガトリング砲を発射する。
地面が抉られ、死者達の肉が爆ぜる。
が、突撃は止まらない。
死者の一人が膝を着き、筒のような物を構える。
狙い通り、死者の放ったパンツァーファウストがAH−1のガトンリング砲を破壊する。
攻撃を受けたAH−1が急上昇する。BASSのヘリを押さえ込んでいたヘリも上昇、ロケットの発射態勢を取る。
が、ポッドに銃弾が直撃し、内包していたロケット弾が暴発する。
そのままAH−1はバランスを崩し、墜落する。
丁度、生存者の遮蔽物となるように。
死者は首を傾げたが、発射済みのパンツァーファウストを捨て、突撃を再開した。
「くそ!発砲しろ!応戦するんだ!」
スーツ姿の男は、左手で拳銃を振り回しながら命令を下す。
男と大宮大佐の目が合う。男が発砲する。大佐は止まらない。発砲。大佐が少しよろめく。発砲。
大佐は足を止めない。男が悲鳴を上げる。大宮大佐が倒れこむ。男の切断された左手の上に倒れこむ。
自衛官達もまた、死者に圧し掛かられていた。
死者に銃剣を突き立て抵抗するが、力は弱まらない。
更に多数のヘリが上空へと飛来する。
UH−60多目的ヘリのスピーカーが吼える。
「田原総理は辞任した!それに伴い爆撃命令を取り消す!今すぐ戦闘を中止せよ!
 繰り返す!田原総理は辞任した!命令を撤回する!今すぐ戦闘を中止せよ!」
死者の軍勢は、天を仰ぐ。指揮を執るべき大宮大佐の命令無しに、彼らは自然と判断を下した。

UH−60から総理が飛び出してくる。
真っ先に見つけたのは大宮大佐だった。
彼を抱き抱え、軍医を遣す様、大声で叫んだ。
「どうか・・・彼らを・・・彼らを・・・」
視線の先には、死者の軍勢が居た。死者の軍勢は古巣へと戻ろうとしていた。
一度だけ振り返り、登る朝日を見る。
すれ違うように村人達がゲートから出てくる。ウルタール達も一緒だった。
総理が大宮大佐の声に頷く。
ゲートの向こう側で鈍い爆発音が聞えた。死者たちが手榴弾で自決したのだ。
その音を聞き、大宮大佐が目を閉じた。
わずかばかりの涙が零れ、そのまま逝ってしまった。
彼の涙は残された命そのものだった。
総理はそのまま大宮大佐を設置が終ったばかりの仮設テントへと運び入れた。
彼はその中で少し泣き、涙を拭うと外へと出た。彼にはやる事が残っていた。
それがパフォーマンスであるにせよ、生き延びた村人達の話を聞く必要があった。
彼らの苦悩に耳を傾ける義務が。

状況は一変していた。
仮設テントが立ち並び、村人達が医務官の診断を受けていた。
総理は生き延びた人々の話を聞いている。指揮官達は、村に残ったゾンビの掃討作戦を練っている。
死霊の軍勢に襲われた自衛官達は、意識を取り戻していた。
彼らはただ頚動脈を締められ、意識を失っていただけだった。
289九武村包囲部隊 ◆K3F.1.DICE :2009/10/20(火) 23:58:35 0
不思議な事に、BASSのヘリの周りに自衛官達の姿は無かった。
まぁ、大方総理が気を使ったのだろう。
「無事で良かった。あの後、分校へ村人達を迎えにいったんだ。
 地下に移動した方が安全だと思ってね。」
ヘリの近くで飯田老人が少女に向かって話しかける。
「途中で道に迷ったが・・・この子のお陰で無事に追いつく事が出来たんだ。」
トイプードルが老人の足元で吼えた。
「ミヒャエル君が隠れていたんで、何かあると思ってね。
 それで・・・戦友たちの・・・戦友たちの力を借りたんだ・・・」
飯田老人の声が震えていた。恐れではなく、失った戦友たちへの悲しみ故に。
「君達も助けに来てくれたんだろう?有難う、外人さん。」
何度も瞬きをしながら、飯田老人がシェイファー達に礼を言った。

状況:総理到着、包囲部隊の任務が解除される。
現在地:ゲート出口。BASSヘリ前。(周辺には仮設テントが並んでいる。)
290ヘリコプター ◆vdZs8aI7d6 :2009/10/21(水) 00:26:19 0
到着した新たなヘリの1つが着陸し、複数の隊員達がクリス達の元へ走ってくる。
「クリス!間に合ったみたいね。」

その中から1人、黒髪の女性隊員が前へ出てくる。
老人と話す少女に駆け寄り小さく微笑んだ。
「貴方も助けに来てくれたんですね?ありがとう。
君も、よく頑張ったわね。もう大丈夫よ。」
他にも、黒人やアジア人など複数の人種が同じBSAAのシンボルの元に
集まっていることが伺える。
クリスは礼を言う老人に小さく頷き、前を見た。
「いや、礼には及ばない。俺達はまだやらなければならない事がある。
それをしただけだ。俺達の組織はまだ結成したばかりだが、
バイオテロを阻止する為に戦っている。
君達と共に戦えた事を、嬉しく思うよ。」
クリスはそう言って女性隊員の方を向いた。
女性隊員は振り向き、クリスの元へ向う。
「クリス、ウェスカーはこの事件には関与してないようだわ。
また手がかりはゼロね。」

「いいさ。必ず追い詰めてみせる。俺達が、必ず。そうだろ、ジル。」

他の隊員達は自衛隊員たちに殲滅作戦への協力を申し出ている。
誰も皆、バイオテロで仲間を失った者達だ。
必ず力になるだろう。
クリスとジル、2人の戦士もまた仲間達の元へ歩き出した。
291名無しになりきれ:2009/10/26(月) 22:03:44 0
age
292ミヒャエル ◆lV/QWYBPUU :2009/10/28(水) 00:51:33 0
後から来た布施に追い越される形で背中を視線で追う。
「お、おい・・・?」
まるで木の葉の様に漂い、待ち受けていたヘリへと布施が乗り込む。

不意に戦場で待ち伏せされた時のような、不気味な殺気に辺りが包まれる。
「糞!最後の最後で!どうする?こんな手製のおもちゃじゃ数人道連れがいい所だぜ」

子供達と後からやってきたヘリの人間達が揉めている様子が見える。
「あぁ、糞!こんなシチュエーションはウンザリだ!ドクの野郎適当な事言いやがって!」

突如そこには無かったはずの気配が一斉に現れ、銃声が轟く。
ものの数分と経たない内に勝敗は決した。
「一体どうなってやがんだ?ゾンビ?・・・と、ありゃ爺さんか?マジで死人使って戦争おっぱじめたのか!」

遠くで塹壕の中で何かがはじける様な音が聞こえた。ゾンビの軍隊のものであると推し量れる。
「ふぅん。これで『ここ』は幕引きって訳だ。・・・にしてもあのヘリ」

気付くと子猫達が足元でミヒャエルと同じ様に外をうかがっていた。
「おー。出迎えか?分かってるじゃねぇーか。さ、凱旋といくかー」

外へ出ると朝日が昇りかけていた。どうやら爆撃は回避されたようだ。
BSAA所属と分かる風貌の人間が、子供達の保護に携わっていた。
(「・・・ドク?聞いてんだろドク!?なんでBSAAが居んだよ!?」)
「いよぉー!英雄ミヒャエル様ただいま到着ー!」
「あのよぉ?タバコねぇか?ずっと吸ってねぇからニコチンが切れちまったよ!」


「そーら帰るぞー。お前らも新しい家連れてってやっからなっ!」
(ウェスカー?うーん何か結構重要な事を忘れてる気がする)

「ま、いっか!いやっほぉーい!酒だー酒酒ー!」

所持品: C4用信管*3 Glock 19*10(0発装填済み) オイルライター  
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル3/30 予備0/30 グレネード1/10 M1897 0/5

状況:END...?
293ルーとフォード
>285-289
突如始まった戦闘にルーとフォードは固まってしまった。
君の悪い昆虫のような空飛ぶ何かは、殺戮の道具でその圧倒的な力に平伏しそうになる。
感じていたのは、圧倒的な恐怖心と子供のような純粋な憧れが混じった目で戦いの様子を眺める。
銃声が止んだ頃、更なる空飛ぶ道具がやって来て、空気が一変した。
>「どうか・・・彼らを・・・彼らを・・・」
背後から仲間の声が聞こえ、ルーとフォードは涙を流しながら駆け寄る。
辺りには緑色のテントが立ち並び、ルーとフォードを面白そうに眺める人々が居た。
沢山の人々が不安と好奇心に満ちた目で此方を見ている。
ウルタール達も首を傾げて見返していると、一人の自衛官が缶詰で一杯になったダンボールを持ってきた。
ダンボールに詰まっている缶詰を平らげて安心しきったウルタール達が周囲を見回す。
空いたスペースの一角に居た少女を見つけると、皆が我先にと走り出す。
この脱出劇の案内人である森村彩を囲み、猫の集会が始まる。

>290
>「いいさ。必ず追い詰めてみせる。俺達が、必ず。そうだろ、ジル。」
飛び去るヘリをウルタール達が眺める。
その内一匹が避難してきた村人の真似をして手を振り始めた。
あっという間に伝染し、ウルタール達はヘリが消えるまで手を振り続けていた。

>292
>「いよぉー!英雄ミヒャエル様ただいま到着ー!」
>「あのよぉ?タバコねぇか?ずっと吸ってねぇからニコチンが切れちまったよ!」
突如現れたミヒャエルの隣には、二匹のチビ猫が居る。
>「そーら帰るぞー。お前らも新しい家連れてってやっからなっ!」
チビ猫達は首を振って移動する事を拒む。
少女と別れるのが不安なのだ。
「先ほどのヘリは良いとして・・・君は一体誰なんだね?」
指揮官らしい男が尋ねた。
「酒は無いが、煙草でも吸いながら少し話を聞かせてくれないか?
歩く猫達を運ぶ手伝いも出来るかもしれない。」

>294
何匹かの猫が不思議な表情で布施を見ていた。
この男はヘリに乗り込んだまま、ずっと黙っていた。
再会を喜ぶ相手もいない男の隣に一匹の猫が恐る恐る近寄る。
隣に座って布施の視線を追って何かをみようとしたが、漂う煙が見えるだけだった。