ショタっていいな

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1名無しになりきれ
「こんにちは」
 女性の声がして、ドアがノックされた。
休日を一緒に過ごす相手もいないのに休日をもらった彼は、午前十時、今日はレンタルビデオと図書館のどちらに行って暇をつぶそうかな、と考えながら歯を磨いていた。
この時着ていた自宅着はTシャツとスウェットの下、しかし彼はそのようなだらしのない格好などなんの瑕疵にもならないほどに恐ろしいほどの美青年・・・と書きたかったが残念ながらそうではなく、
もし誰かが「彼って結構かっこいい顔してるよね」と言えば十人中八人は「言われてみれば確かに・・・」と同意するだろうが別に誰もそんなことを言い出さない、彼のルックスについてはその程度である。
髪を伸ばしているのはオシャレのためではなく、ただ単に髪を切りに行くのが面倒くさいためだ。ブリーチもパーマもかけてはいない。ちなみに今の彼の長い髪はボサボサで寝癖だらけである。
そんな彼の家に美しい女性の訪問者が現われたのだった。
2明智小次郎 ◆AkechiKPII :2008/09/17(水) 02:21:47 0
同意する
3名無しになりきれ:2008/09/17(水) 02:54:25 0
しかしその女性はいささか幼すぎたために彼を全く感動させはしなかった。
宗教の勧誘か訪問販売のどちらかだろう、
と思いながら歯ブラシをくわえたままドアを開けた彼は、
玄関前に10歳くらいの美少女が立っているのを発見してガッカリしたのだった。
せめてあと十年ばかり歳を取ってから来て欲しかった、と思ったからだ。

真っ直ぐで艶のある長く美しい黒髪と、同じ色をした吸い込まれそうに澄んだ大きな瞳、
それとは対照的に透き通るような真っ白いすべすべとした肌、
清楚な白いブラウスと短いズボン、紺のハイソックスに生意気にも本革らしき品のいい靴に身を固めた、
折れそうに華奢な身体、このままあと何年か経てば絶世の美女になるだろうなぁ、
と思いながら彼はつくづく残念そうに少女を見下ろした。
4名無しになりきれ:2008/09/17(水) 02:55:43 0
あからさまにいやそうな彼の態度をものともせず、彼女は
「阪永さんのお宅はここですか?」
と訊ねながら一枚の紙を取り出した。
手に取って見てみるとその紙には彼の名前と住所(アパート名と部屋番号まで書かれていた)と携帯電話の番号が書かれていた。
隣の部屋だよ、と答えようとして彼はこのアパートは部屋番号がしっかりとドアの表面に彫られていることを思い出してやめた。
「何の用だ。借金なんてした覚えはないし連帯保証人になった覚えもないぞ」
そういえば川原木から3万円ばかり借りてたっけ、と彼は思い出したが口には出さず、
ご丁寧に自分の住所と名前と連絡先までメモしてやってきたこの少女は借金の取立てか新手の詐欺に違いない、
と勝手に判断し、新手の詐欺だとしたらこれはいったいどういう詐欺行為なのか、
と考えるとそこで思考が止まった彼はそう強がるのが精一杯だった。
きゃしゃな少女相手に情けない話ではある。
しかし彼女はあどけない顔立ちをさらに可愛くきょとんとさせ、
もとから大きい目をさらにくりっと見開いて彼を見た。
5名無しになりきれ:2008/09/17(水) 02:58:11 0
「お母さんから聞いてませんでしたか?」
「ああ、そういえば実家に金を送ってくれと頼んでたな。冗談でいったんだがお袋のやろう、本気にしたのか?
ひょっとして届けにきてくれたのか?」
「いや・・・そうじゃなくて・・・」
彼女は戸惑った。
「ぼくの・・・パパとママは・・・」
「ああ」
彼は突如思い出した。彼の住所と同じ市内の親戚(近い親戚ではないので彼には自分とどういう関係なのか分からない)
に交通事故で両親を失った子供がいたこと。その子には両方の祖父母すらいないこと。

母親いわく、彼の実家は彼の住所から遠く離れた県で、両親は共稼ぎで海外勤務も多いことからうちで引き取るのは厳しいのであんたがちょっと面倒見てやってよ、
と冗談とも本気ともつかないことを言っていたこと。ふざけるな、おれは一人で精一杯だ、
そんな冷たいこと言わないでよ、すごくいい子よ、
じゃあ他に引き取り手くらいいるだろうが、よりによってどうしておれが、
どこのうちもねぇ、家庭があると大変なのよねぇ・・・などと言った喧々諤々のやりとりを母親と電話で交わしたこと。
しかしまさかほんとうに自分のところに寄越されるとは思わなかった。

とはいえ他の親戚の事情も分かる。自分の家庭に他人同然の遠い親戚が突然飛び込んできても正直なところ困惑するか迷惑するかのどちらかだろう。
しかし彼は独身、一人暮らし、社会人で、おまけにもう身を固めていてもおかしくない歳ではある。
現に彼は、実家に帰るたびに母親から早く孫の顔が見たいわねぇと言われているし、彼にも子供がいていい歳でもある。
しかし彼には今のところ妻どころか恋人もいない。そんな彼に両親はまるで見合いの相手でも押し付けるような勢いでこの可愛らしい孤児を押しかけさせたようだ。
そういえば彼女は自分が入れるくらいに大きなスーツケースを引きずってきていた。
6名無しになりきれ:2008/09/17(水) 07:46:47 O
続きが早くみたい
7名無しになりきれ:2008/09/17(水) 18:15:14 0
>>6 ありがとう
嘘でも冷やかしでもうれしい


「・・・まぁ上がれ。男の一人暮らしなので部屋は多少散らかってはいるがな」
彼は無愛想にこう言うと彼女のスーツケースをひったくって部屋の中に入っていった。
シンクには洗っていない食器が埋まり、出し忘れたゴミ袋が2〜3袋ばかり部屋の一角を
ふてぶてしく占領し、私服はクローゼットの中ではなく床に本やCDと一緒に仲良く広がっており、
まるで部屋全体が整理されていない、ほこりとかびにまみれた収納スペースといった
様相を呈しているのは一般的に、彼の言う「多少」なのかどうかは彼女には分からなかった。
ちなみに彼を驚かせたのが、新しく彼の家族になった「彼女」が、
じつは「彼女」ではなく「彼」だったことであった。
8名無しになりきれ:2008/09/17(水) 18:17:27 0
ふたりがけのソファーに並んで腰掛けて彼が「彼女」に缶ジュースを勧め、
自分はタバコを一本吸おうとしてさすがにやめるとこう切り出した。
「・・・そういえば君は自分の事を『ぼく』と呼んでいるみたいだね」
「おかしいですか?」
ジュースをおいしそうに飲んで、「彼女」は返事をした。
「おかしいことはないが、だいぶ変わってはいると思うね」
「じゃあ『おれ』」
「・・・女の子なら『私』か『あたし』が普通じゃないものかなぁ」
『彼女』はちょこんと首をかしげた。
「ぼく、男ですけど・・・名前は高村ヒカリ」
彼はソファーからずり落ちかけた。ヒカリは彼を不思議そうに見つめていた。
じゃあ男同士、それほど気を遣うこともあるまい、彼が心の中でそう安堵したこともまた事実ではあった。
とりあえず、彼はこの休日をレンタルビデオ屋にいって過ごす事に決め、
ヒカリを連れてオンボロの軽自動車に乗り込んだ。
だいぶコミュニケーション能力が不足している彼はヒカリとどう接していいものか分からなかったが、
とりあえず二人で何本か映画やアニメのDVDを借り、ヒカリがカプセルに入ったガチャガチャの
おもちゃを欲しそうにしていたので(さすがに出会ってすぐの彼にねだるような真似はしなかったが)
いくらか小銭を渡してやり、ファミリーレストランで食事をしてから家に帰った
(自分が食べるのではないとはいえ、ファミリーレストランでチョコレートパフェを注文したことは彼をなかなか新鮮な気分にさせた)。
そして、ガチャガチャで出てきたカプセルがお気に入りのものだったらしくだいぶご機嫌になったヒカリとふたりでDVDを鑑賞しているうちに休日が終わったので彼はほっとした。
明日からまた6日間仕事だ。その間こんな父親の真似事なんかしないで済む。
休日が終わるのにほっとするとはどういう了見か、と彼はいささか複雑な気分にはなったが。
9名無しになりきれ:2008/09/17(水) 18:54:47 O
嘘でも冷やかしでもないよ、面白い。頑張って
10名無しになりきれ:2008/09/18(木) 00:54:50 0
>>9 ありがとう。

翌朝、ひどい頭痛がして目が覚めた。勤務開始時間までには3時間ほど余裕があった。
時間的にはもう少し眠ることもできたが、この頭痛ではそれも難しい。頭痛のせいで
眠気など吹き飛んでしまった。ベッドの下を覗き込むと、ヒカリが無邪気な寝顔で
寝息を立てていた。天使のような寝顔のヒカリを見たらいささか頭痛が癒された気は
したが、それでも普段より重く感じる身体をベッドから起こし、カーテンを開けた。
目が覚めるなり聞こえた気がした雨音は幻聴なんかではなかった。
 降り注ぐ雨粒は点ではなく太いたくさんの線として肉眼で確認できた。
そのことが余計に彼を憂鬱な気分にさせた。頭痛は相変わらずひどい。
こんな頭痛を抱えていたのでは、もし今日出社したところで効率のいい仕事が
できるわけがないという判断くらいはできたが、有給休暇とて無限に
ある訳ではなく、限りある有休は効率よく使いたいな、と頭蓋骨の内側で
大暴れしている痛みの中で彼は考えた。
11名無しになりきれ:2008/09/18(木) 00:55:57 0
半ば朦朧とした意識のまま彼はベッドから離れて洗面所へ向かい、
身だしなみを整えた(ベッドの横に敷いた布団で眠っているヒカリを
踏ん付けてしまいそうになったときだけはヒヤッとして頭痛を忘れたが)。
無精ひげがサンドペーパーのようにざらざらとした感触は不快では
なかったが彼は顔にかみそりを当てた。すぐに彼の肌はつるつるになった。
冷たい水で顔を洗った後、彼はタバコに火をつけて一服した。
彼はタバコが嫌いだったが、なぜか雨の日になると激しく痛む頭を癒すには、
頭痛薬よりもこの毒草を紙で巻いた小さな棒のほうが
さしあたり彼にとっては有効だったからだ。やがて彼はよれよれになった
スーツとろくにアイロンがけもしていないシャツと擦り切れたネクタイに
身を包んでアパートを飛び出した。まだ夢の中にいるであろうヒカリを
不愉快な現実に引き戻すことのないよう静かに。
12名無しになりきれ:2008/09/18(木) 00:57:54 0
ガンガン痛む頭には大音量のハードロックよりも不快に響く雨音を聞きながら
閉塞感に溢れるワンルームの自室にこれ以上居たのでは、自分の神経を正常に
保っておくことは難しかったからだ。傘を持つために片手が完全に塞がって
しまうことも彼にとっては不愉快だった。彼は、コーヒーカップに
野菜ジュースをなみなみと注ぐと、それを一気に飲み干して家を出た。
そういえばヒカリの朝食を準備するのを忘れていたが、部屋にはパンも
米もちょっとした惣菜を作れるだけの食材もある。腹が減ったら勝手に何か
食うだろう、と事も無げに考えていた彼は甘かった。彼が帰宅したとき、
ヒカリは彼の部屋の食料品には一切手をつけずに一日中水道水だけ飲んで
過ごしていたのだった。
 十五分後、彼は満員電車の中で揺られていた・・・わけではなかった。
彼の勤務先である事務所は郊外にあるため、通勤ラッシュとは完全に反対の
方向を向いていた。ガラガラの電車内の座席に腰を下ろす度に、彼は
この路線の採算は取れているのだろうか、と、完全に余計なお世話といえる
心配をしてしまうものだった。
 やはり十五分後、彼は目的地の駅に着き、レールに沿って動く鉄の塊の
体内から放出された。雨はまだ強い。頭痛はまだ激しい。
13名無しになりきれ:2008/09/18(木) 03:29:13 O
これは読み甲斐がある
14名無しになりきれ:2008/09/18(木) 08:21:43 O
褒める前と後で明らかに文章力変わってるから黙ってROMってろよ
褒められてやる気出して余計な物付け加えすぎでテンポ悪くなってる

淡々と投下してくれればそれでおk
15名無しになりきれ:2008/09/18(木) 08:37:19 0
なにこのオナニースレ
板違いだよVIPでやれ
もしくは創作板?だっけか。そこで
16名無しになりきれ:2008/09/18(木) 13:35:50 0
この小説の設定でなりきりをやるスレですか
17名無しになりきれ:2008/09/18(木) 15:27:10 O
たたきすぎだろw
するなら優しく誘導してやれww
18名無しになりきれ:2008/09/18(木) 16:25:03 0
優しく誘導すると嘗められて『お前に言われる筋合いねーよwwww』みたいに言う奴もいるから
19名無しになりきれ:2008/09/18(木) 16:31:02 O
>>18なるほど。こいつは気弱そうだけど
20名無しになりきれ:2008/09/18(木) 16:36:59 0
じゃあ優しく、言わせてもらう
>>1に文才があるのは分かる
でもな、ここはなりきりなんでもあり板なんだ
小説はここに書くのはちょっとよくないことなんだ。
いま>>1が書いてる小説、これが終わってしまえばこのスレはどうなるんだ?
俺たちは小説なんて書けないからこのスレには感想とかしか投下されなくなる。
その時に否定の言葉が来てしまうと傷つくのはキミだぞ?
だから、この小説を生かすためにも相応しい板で書いてみ?
21名無しになりきれ:2008/09/18(木) 16:44:13 O
ちょっと長いテンプレだと思えば万事解決
テンプレが終わったらなりきりが始まるんだよ
始まらなかったらただの過疎スレとしてdat落ち目指して一直線

テンプレに10レス20レス費やしたっていいじゃないか
100レスや200レス使うテンプレがあったっていいじゃないか
テンプレだけ立派で過疎って落ちていくスレなんていくらでもあるじゃないか

とにかく俺は続きが読みたいんだ
22名無しになりきれ:2008/09/18(木) 16:59:26 0
は?
23名無しになりきれ:2008/09/18(木) 17:09:25 O
>>18>>20から察するに
まだ起こってもいないことを確定事項のように扱う性質をお持ちのようだ。
板違いだと思うのならあれこれ言わずにサクッと誘導。

創作発表
http://namidame.2ch.net/mitemite/

>>21
板を移せば万事解決。好きなだけ読むといい。
241:2008/09/18(木) 17:35:42 0
>>13
ありがとう。

>>14
そうか?俺は今までに書き溜めた妄想をただダラダラ垂れ流してるだけなんだが・・・

>>15
ここで公開オナニーしてやりたくなっただけだ。誰かに止められたらいつでもやめる。

>>16
好きにしてくれ。

>>17
なんと言われようと俺は一向に構わん。


251:2008/09/18(木) 17:40:23 0
>>18
そうだな。

>>19
俺のことか?

>>20
ありがとう。

>>21
ありがとう。

>>22
誰に言っている?

>>23
親切にありがとう。じゃあ俺は別な場所で公開オナニーをする。
もし見かけたら目を通してもらえたらありがたい。
26名無しになりきれ:2008/09/18(木) 18:16:33 0
おう、頑張れ。












ただオナニーって言うなwwwwwwwwwww
27名無しになりきれ:2008/09/18(木) 18:46:24 O
ここに移動先はってくれw
28高村ヒカリ:2008/09/27(土) 13:45:38 O
>>27
僕、おじちゃんのとこにいたいと思うよ。寂しい。
…けど、おじちゃんがダメって言うなら、仕方ないよね。
おじちゃんに嫌われてまで一緒にいるって変だよね。



おじちゃん、さようなら。






今まで、ありがと。
29高村ヒカリ:2008/09/27(土) 18:15:39 O
>>26
オナニーってなに?美味しいの?
美味しいなら…僕も欲しくなるけど…おじちゃんが駄目って言うなら我慢するよ。
30名無しになりきれ
新弟だよ 1弟目