>「ち?ち〜!」
>暗闇をじっと見詰めていたリリマンダは、いそいそとケオスの元に戻ってきた。
>「ち〜?」
>・・・・・・・「抱っこして?」のポーズを取るリリマンダにもちろん悪気は無い。
「ん?マンダ?」
…リリアーナの姿でそう言う事をされても困るな
「じゃあ、落ちないようにね。」
苦笑しつつリリマンダを抱き上げると高くジャンプ
「よっ、と…はい、到着」
見事着地。リリマンダを降ろす。
>「そ、それよりいまどんな状態なんだい?マ、マママオさん、説明をヨロシクオネガイシマス」
ヴァンエレンの慌て様にいじると面白いかもと言う思いが沸く。
おめでとう!ケオスはスキル「ヴァンエレンいじり」を覚えた!
…無駄なスキルが増えたようだ。
>「…優勝させるのは…ミルクでいいわよね?これだけの事をしでかした以上、
>道義的にそこのバカップルを優勝させるのは話の他だし。
>マオ達も火事場泥棒に等しい不名誉な優勝なんて願い下げでしょうし。」
「うーん、マオたちが問題無いなら僕はそれで構わないよ。」
合流したメラルの案に賛成票を投じる。
そんなこんなしている所へ…
>それは玩具の兵隊だった。全高50cmほどの大きさのそれらはデフォルメされたブリキの
>鎧を身に纏い、手には剣や斧、槍、はたまたマスケット銃などを携え、綺麗な隊伍を敷いて
>行進している。
>指揮官らしき玩具の兵隊の号令の直後、マスケット銃の一斉射撃の轟音が鳴り響き、玩具の
>兵団が傾れをうって襲い掛かってきた!
>「インビジブル シールド」
>「…皆、先に言ってペンダントを投下してきてくれないか?
>いくら原因が消えたといっても脱出するまで安心できないからな。」
「クリス…」
突然現れた人形たちによる銃撃をガードするクリス。彼は先に行けと言う。
「分かった…」
珍しく言葉少くクリスの言う事に従い走り出すケオス。
ゴミ箱への道の途中、姿を消すケオス。向かった先は…
「無影月歩」
突然クリスの目の前に白い羽根が舞う。
クリスの周りに群がっていた人形の一部隊が突然崩れさる。
洪水のように降る白い羽根が晴れ、現れたのは
「なんてね。消耗している仲間を一人置いて行ける訳、無いじゃない。」
ケオスだ。
優しげな微笑みを浮かべた少年の登場にまだ見えぬ敵はどう対応するのだろうか。
>162>165
>フリージアの意識はその弾幕から身を守るべく氷の壁を作り出す 。
「なかなかやるな!まるでフリージアみたいだぜ!」
フリージアである。
「俺は今、猛烈にわくわくしてきたー!って何を一人でごちゃごちゃ言っているのだ!?」
1人になった4人が相談をしていても、ロックから見れば独り言を言っているようにしか見えないのだ。
「そっちが来ないなら、またこちらから行くぜ!」
ロックは両掌を1人になった4人へ向けた。
「ヘクト・プレッシャー!!」
ロックの両掌から圧力波が放たれた。
>163
>>「リリアーナ、リリアーナ。」
アンジェリーナの意識が彼女に呼びかけた。
>>「どうやら、私達が探しているものは、向こうからやって来るみたいよ?」
1人になった4人の背後、つまりチョコアーナにとっての正面。
金色の霧の向こうに、何かの影が見える。人影だ。
>「なんだか甘い香りがすると思ったら…」
霧の向こうからそんな声が聞こえてきた。
チョコレートに負けず劣らず甘ったるいその声は、少年の声だった。
>「随分とおいしそうなお客さんが来たんだね?」
ふっと金色の霧が消え、声の主の姿が明らかになった。
白いカッターシャツに黒いスラックスをはいた、金髪碧眼の少年…
アンジェはその少年に会うのは初めてだが、リリアーナが会うのはこれで2度目である。
リリアーナが彼の事を忘れる事などあり得ない。
ロックとエルザが分離した大本の原因は彼なのだから。
>「はじめまして。僕の名前はヘレン、どうぞよろしく。」
ヘレンはうやうやしく頭を下げた。
ヘレン…またの名を魔獣コンコンである。
>161 >164
ヴァンエレンの案内でゴミ箱に向かおうとしたあたしたちを、玩具の兵隊は見逃さなかった。
走るあたしたちの後ろから、ある者は弓で、ある者は銃で追撃してくる。
足下に気をつけながらの逃走だけでも大変なのに、飛び道具の追撃まで加わっては鬱陶しい事この上ない。
「あーもう!近寄るな鬱陶しい!!
みんな先に行ってて!後ろを掃除したら追い付くから!」
警告してから走る足にブレーキをかけ、後ろを振り返る。
追いかけてくる二十体ほどの人形達は、なかなか統率の取れた動きで追跡してきている。
でも。あたしを追撃するんなら、もっと防御も考えて追撃しないとな!
「メギド!」
集中完了と同時に起こった大爆発は、広範囲の人形達を瓦礫と共に塵に帰した。
「あーっはっはっは、ざまみろ――――!!気分爽快ーっ!!」
思い通りの結果に思わず笑っちゃったけど、いつまでもこうしてはいられない。
クリスやリリアーナや他のみんなのためにも速くイベントを終わらせないと。
あたしはまたヴァンエレンを追いかけて、ゴミ箱目指し走り出した。
そしてついに、ゴールとなるゴミ箱が見えてくる。
前を行っていたヴァンエレンはもうゴミ箱の側。
あそこに着けば後はペンダントを投下するだけ。
「これであたしも優勝間違いなし!賞品転売してガッツリ大儲けだうわーい!」
喜びのあまり思ってる事が口からでちゃったけど、いいよな別に!
どうせあたしの優勝は確実なんだし!
いい気持ちで走ってたあたしは、物陰から人形がヴァンエレンに飛びつくのを見て、慌てて立ち止まった。
「げげ!伏兵っ!?」
先回り…はないだろうし、敵さんはどうやらこちらの動きを読んでたらしい。
「マオ!ヴァンエレンが襲われてる!なんとか出来ない!?」
助けたいけど、メギドじゃヴァンエレンまで一緒に吹っ飛ばしちゃう。
ここは無理にあたしが魔法を使わない方が良さそうだ。
>165 >168
>「……らしいけど、どうするよフリージア?
> マトモにロックの相手をしてたらかなりこっちの分が悪いと思うが…。」
>「俺は今、猛烈にわくわくしてきたー!って何を一人でごちゃごちゃ言っているのだ!?」
背後ではフリージアとレイドがロック相手に手を焼いているようだ。
>「リリアーナ、リリアーナ。」
>「どうやら、私達が探しているものは、向こうからやって来るみたいよ?」
リリアーナは目を凝らした。
金色の霧の中に人影が見える。
>「なんだか甘い香りがすると思ったら…」
リリアーナは我が耳を疑った。
聞き覚えのある、だがここで会うのはあまりに意外な声だったからだ。
>「随分とおいしそうなお客さんが来たんだね?」
「この声・・・・・・まさか!!」
ふっと金色の霧が消え、白いカッターシャツに黒いスラックスをはいた金髪碧眼の少年が現れた。
>そう、リリアーナが彼の事を忘れる事などあり得ない。
>ロックとエルザが分離した大本の原因は彼なのだから。
>「はじめまして。僕の名前はヘレン、どうぞよろしく。」
「ヘレンっ?!ヘレンじゃない!!覚えてる?私よ、リリアーナ!!本当に久しぶりね!!」
チョコアーナはヘレンに近づこうとした。リリアーナの上半身だけが伸びてヘレンに接近する。
だが、今の自分の姿とロックの反応を思い出したのか彼女は数メートル手前で止まった。
「やっぱりわかんないかな?あ、触ったらダメよ?キメラウイルス使ったみたいに融合しちゃうから。
ここに来るためにチョコを触媒にして仲間と合体したから・・・・・・もし気味悪かったらごめんね。
ヘレンはここで何をしてるの?私達はね、リバースを元に戻すためにこの場所を修復するために来たの!!」
リリアーナはそういって笑った。
「あっ!そういえばヘレンに聞きたいことがあったんだわ!
ロックったらこの水の領域じゃ元の姿に戻って「俺がエルザだ!」だなんて言ってるのよ?
あれどういうこと?あなたこの前エルザの人格を作った時、どんな方法を使ったの?」
いくら時間が無いとはいえ、リリアーナはずっと質問攻めである。
>158
クリスが残り、残りの皆がペンダントをゴミ箱に捨てに行く事になった。
ルズアーナは次々と崩れかけた本棚の上を飛びブリキ人形から逃げていたが、とうとう追いつかれてしまった。
「あーれー!誰か助けるのですわー」
>「相手がカラクリならば破壊できないはずは無い!!」
>ギズモは大きく口を開けるとありとあらゆる機械を破壊しつくすと言われている
>グレムリン特有の超音波を発する!
>「LAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
「まあっ!そういえばフリージア女王様のペットはグレムリンだと聞き及んでおりましたわっ!
ギズモとやら、ナイスなのですわ〜。
ブリキ人形達、わたくしに挑戦したあさはかさをあの世で後悔するのですわ〜おーほほほほほほっ!!」
ルズは本棚の上に仁王立ちして高笑いした。
>「LAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!・・・・・・・げふんげふん・・・あれ?」
>ただし機械ではなく完全に魔法で動いているものには全く役に立たないのであった
何体かの人形はルズアーナが飛び乗った本棚を意地悪く揺らしている。
>最初、人形達はギズモの超音波に驚いたものの、無害と判断するや否やギズモを
>無視してクリスの攻撃に向かった。
「あーれー!この人形何をしやがりますの〜!や、止めるのですわ〜落ちるのですわ〜!!」
足元を揺らされたルズアーナは本棚の下に落ちた。
がしゃっと音がして、何体かの人形がルズアーナの下敷きになった。
ルズアーナが落ちた場所はクリス達がいた場所から離れているが、
もしかしたら今の騒ぎで気づかれたかもしれない。
「あいたたたた・・・・・・はっ?!」
落下したルズアーナの前には、武器をカチカチ鳴らしているティンペット・レギオン達の姿が。
「きゃ――――!!ギズモとやら早く助けるのですわ〜!!
それとわたくしのマンダはどこに消えましたの〜ムキー!!」
>162 >166-167
ケオスはリリマンダのお願いに苦笑しつつも、抱き上げ高くジャンプした。
「よっ、と…はい、到着」
「ち〜♥」
ケオスがヴァンエレンいじりを覚えた頃、リリマンダは変身前のようにケオスの肩に乗ろうと四苦八苦していた。
(変身しても体重までは(本人が望まない限り)変化しないので負担は無いだろうが、体積的や視覚的に問題大ありである)
そうこうしている間に、変なブリキの兵隊達が山ほど湧いた。
クリスが兵隊を足止めしている間に、皆はペンダントをゴミ箱に捨てに行く事になる。
ケオスもルズアーナもゴミ箱に向かっていたが、突然ケオスの表情が変わった。
「ち?」
驚いたリリマンダがケオスの肩に触れた。
その瞬間、ケオスと共にリリマンダの姿も消えた。
>「なんてね。消耗している仲間を一人置いて行ける訳、無いじゃない。」
「ち〜・・・・・・・・・ち?ち〜!!」
ぐるぐる目を回していたリリマンダだったが、はっと目を覚ましたとたんブリキ人形と見えない敵を威嚇した。
>「きゃ――――!!ギズモとやら早く助けるのですわ〜!!
> それとわたくしのマンダはどこに消えましたの〜ムキー!!」
ぴく、とリリマンダが反応した。
リリマンダの聴覚は、暗闇の中でもルズアーナの現在地を正確に把握していた。
「ち〜!!」
リリマンダはルズアーナに駆け寄るなり大きく息を吸いこんだ。
リリマンダは炎を吐いて敵を焼き払うつもりなのだ。
>「何するんですの〜!ま、まさか・・・・!!
> 止めるのですわ〜!その位置で炎を吐いたらわたくし達まで焼けてしまうのですわ〜止め・・・・・・あーれー!!」
>161>164>169
ヴァンエレンがブリキの人形達に飛びつかれているその横。
突然ピキッという音と共に空間に亀裂が入る。
その亀裂は見る見るうちに大きく広がり、人一人分通れそうなぐらいになった。
そして、亀裂の中からドサリ、青い影が出てくる。
亀裂は勝手に塞がっていき、やがてもとから其処に何も無かったかのように消えていった。
さて、中から出てきた影はというと…。
どうやら青い影は人のようだ。
上半身を起こし、頭をさする。
「うっ………クソ、頭が…」
【あ゛――――…なんだこの気分はぁー…!】
【何だよ、もう……うーん…頭に靄がかかってる感じがする…】
そう、人狼のクォーター、グレイブ・ウルフォード。
ラヴスポットに居たうちの一人。
勿論周りには幽体のグレイズとグレイルもぷかぷか浮かんでいる。
「……ん、此処は…」
グレイブは首だけを回して周りのものを視界に入れる。
左にはブリキの人形と戯れるヴァンエレン。
遥か遠く前方で立ち止まっているミルク、マオ。
後ろに無造作に置かれているゴミ箱。
周りに立ち並ぶ異様な数の本棚…。
「…地下図書館か……ん?」
ブリキ兵が一体、グレイブの近くに飛び出してくる。
「…………ブリキ…?」
ブリキ兵の手の中には小さな樽が。
その樽の中から出る臭いに、幽体のグレイズがはっとする。
なにやら研究者の部屋の臭い、クラッカーを引いた後の臭い…。
【B!この樽の中身…火薬だ!爆発するつもりだよ!】
そう聞いたグレイブの行動は速かった。
ブリキ兵の首根っこをつかみ、すばやく唱える。
「"凍れ"!」
魔法の効果はすぐさま現れ、ブリキ兵の首から全身へ一瞬にして凍りつく。
「魔力は…大分回復してるな……!」
調子を確認したグレイブは凍ったブリキ兵を投げ捨てて立ち上がると、3人に叫ぶ。
「ヘボ吸血鬼!阿呆マオ!ミルク!一体全体どうなってるんだ!答えろ!」
174 :
名無しになりきれ:2008/10/01(水) 23:44:04 0
廃棄物
>164
誘いには全く乗ってこないか…
にしてもやばいな。今の状態だと全部かわせるかどうか…
>167
だが余計な心配だったようだ。
>「なんてね。消耗している仲間を一人置いて行ける訳、無いじゃない。」
白い羽とともに現れたケオスが人形の部隊を崩してくれた。
「…ありがとな」
でも少し予定が狂ったな。
吸血鬼とケオスの二人でマオ、メラル、ミルクの三人をゴミ箱前まで連れて行けばすぐに終わると思ったんだが…
まあ、過ぎたことよりも今は敵に集中しないとな。
いくらケオスが攻撃したとはいえ、まだ人形の軍隊は残っている。
しかも、術者を倒さない限り攻撃は止まないだろう。
…しかしあまり動けない上、魔力もかなり使ってしまった。
魔力回復用の霊酒もあと1本しか残っていないし…
ひとつ、賭けをしてみるか!!
最後の霊酒を一気に飲み干し、詠唱を始める。
「恵みをもたらしし大いなる風よ
我にまとわり更なる加速を
更なる移動を 万物の引き合う力にあがらう速さを与えたまえ」
本日三回目の使用である。
「ガスト フライト」
そして先ほどペンダントの魔力を感じた方へ本棚の上を通りながら移動を始めた。
>165>168>170
>「……らしいけど、どうするよフリージア?
> マトモにロックの相手をしてたらかなりこっちの分が悪いと思うが…。」
「まともに相手をしないならとにかく邪魔をされないようにすればいいのですわ
ここはジルベリア仕込みの足封じ技で・・・・」
だが直接触るとロックもチョコレートの仲間入りである
>「俺は今、猛烈にわくわくしてきたー!って何を一人でごちゃごちゃ言っているのだ!?」
>「ヘクト・プレッシャー!!」
「 ちょっと!話ぐらいさせなさいな!!」
とフリージアは新しい氷の壁を作り出すが・・・・・
ペキペキペキ・・・
「あ・・・」
一枚では強度が足りないのか氷の壁からは破滅の音がした
「い、一枚で足らないならば二、三枚ですわ!!」
さらに氷の壁を作り出すフリージア
「この姿だから攻撃されているのなら・・・・フリージングドール・マリオネット!!」
本当はフリージング・マリオネーションとか言ってロックを直接雪の結晶の鎖で操って止めたいところだが
残念ながらそんな技はフリージアは会得していなかった
チョコレートの人形からフリージアの手だけを具現化させ繰り用の鎖を操るフリージア
今回のフリージングドール・マリオネットは豪華フルカラーだ
「ロック止めなさいな!私ですわ!フリージアですわ!!」
ロックへの対応が忙しくて後ろの出来事まで頭が回らないフリージア
後ろではリリアーナがヘレンに質問をしているようだが・・・・
>171>172
超音波が効かなくてOTZなポーズをとるギズモ(偽リリアーナ)
「せめてお母さんのフリージングドールスーツがあるならば・・・・」
一応一通りフリージングドールスーツを操る訓練は受けているギズモ
本当は中が冷たいから嫌なのだがこの際贅沢は言っていられない
>「きゃ――――!!ギズモとやら早く助けるのですわ〜!!
それとわたくしのマンダはどこに消えましたの〜ムキー!!」
>「ち〜!!」
>「何するんですの〜!ま、まさか・・・・!!
> 止めるのですわ〜!その位置で炎を吐いたらわたくし達まで焼けてしまうのですわ〜止め・・・・・・あーれー!!」
「リリアーナお姉ちゃんがリリアーナお姉ちゃんを助けに来たv」
わかっていないため素直に喜ぶギズモ(偽リリアーナ)
いけないこのままではアフロになってしまう!?
よんだ?
>176
> 「ロック止めなさいな!私ですわ!フリージアですわ!!」
>「おお、フリージアか!」
ロックは圧力波による攻撃を中断した。
>「いいところに来てくれたぜ!お前がいれば百人力だ!
> さあ、早いところあのチョコレートの化け物を一緒にやっつけようぜ!」
残念ながら、肝心な問題は解決されていないようである。
> 後ろではリリアーナがヘレンに質問をしているようだが・・・・
>170
> 「ヘレンっ?!ヘレンじゃない!!覚えてる?私よ、リリアーナ!!本当に久しぶりね!!」
> チョコアーナはヘレンに近づこうとした。リリアーナの上半身だけが伸びてヘレンに接近する。
「…さあ?誰だっけ?」
> 「やっぱりわかんないかな?あ、触ったらダメよ?キメラウイルス使ったみたいに融合しちゃうから。
> ここに来るためにチョコを触媒にして仲間と合体したから・・・・・・もし気味悪かったらごめんね。
> ヘレンはここで何をしてるの?私達はね、リバースを元に戻すためにこの場所を修復するために来たの!!」
> リリアーナはそういって笑った。
「それはありがたいね。」
ヘレンもそういって笑った。
「ところで、何故僕がここにいるかというと…」
> 「あっ!そういえばヘレンに聞きたいことがあったんだわ!
> ロックったらこの水の領域じゃ元の姿に戻って「俺がエルザだ!」だなんて言ってるのよ?
> あれどういうこと?あなたこの前エルザの人格を作った時、どんな方法を使ったの?」
ふと、ヘレンは合点がいった様な顔をした。
「ああ、そうか君達だったのか。」
ヘレンはやっとリリアーナと仲間の事を思い出した。
ヘレンは普段は甘い顔をしているが、この時だけは珍しく真顔になった。
「…なんだか、そういう聞かれ方は心外だなぁ。エルザを生み出したのは、僕じゃない。君達がやった事じゃないか。」
そう言うとヘレンは、一歩前に出てチョコアーナのおでこに手を当てた。
チョコアーナが警告したとおり、ヘレンもすぐに侵食されそうになる。
しかし、ヘレンの侵食は手首までいくと止まってしまった。
「おいしいよね。チョコレート。」
1人になった4人が風船のように急激に膨らみ、パンと破裂した。
チョコレートは跡形も無く消え去り、残ったのは合体する前の4人だった。
ヘレンの変化能力は今だ健在のようである。
さて、当然驚いたのはロックである。
>「なんだ!?一体どうなっているんだ!?」
「落ち着きなよ、ロック。友人が遊びに来ただけじゃないか。」
ロックはヘレンに心を許しているらしく、ヘレンにそう言われると戦闘体制を解除した。
ヘレンはリリアーナに近づいた。
「リリアーナ、僕に新しい人格を作る能力なんてないよ。ましてや死んだ人間の魂を呼び戻す事なんか…ね。」
>161 >164 >169
走っていると後ろから銃声やら弓を射る音やらが聞こえてくる。
後ろを見ていると人形達が僕たちを追撃してきている。
さすがにクリス一人で全ての人形をフォローしきれるとは思っていなかったが……面倒だな。
>「あーもう!近寄るな鬱陶しい!!
>みんな先に行ってて!後ろを掃除したら追い付くから!」
そんな中ミルクが人形を一掃すると言い立ち止まる。
「わかった。でも早くこいよ、お前がペンダントを捨てるんだからな」
まあ最もこのままやられてしまっても僕としては一向に構わないけどな。
どうせゴミ箱前で復活するだろうし……それが今僕とヴァンエレンが向かっているゴミ箱とは違うとしても、
その時はその時で『仕方なく』僕がペンダントを捨てて優勝者になるだけだ……フッ
ミルクの爆発の光が後ろから差し込んでくる中、僕はそのままヴァンエレンと一緒に走り続ける。
そしてとうとうゴミ箱へとたどり着く。ようやくこれで終われるというわけだ。
>「これで…終わりか」
「そうだな、これで終わりだ……でもなんだかんだで面白かったけどな。
今となっては沼でヴァンに裏切られた時怒ったのもいい思い出だ。」
そんなことを話していると後ろからミルクがやってくる、どうやら無事だったらしい
ま、そうそううまくいわけもないと思ってたけどな…
>「これであたしも優勝間違いなし!賞品転売してガッツリ大儲けだうわーい!」
やれやれ、賞品を転売だとか言ってるような汚いやつに優勝を奪われるとはな……これならまだメラルの方がましというものだ。
「なあヴァンエレン、こういうお金に汚い女をどう思う?正直引くよな」
しかしヴァンエレンを見るとさっきの人形たちに飛びつかれていた!
>「マオ!ヴァンエレンが襲われてる!なんとか出来ない!?」
確かにミルクではヴァンエレン事爆破してしまうかもしれない。
僕ならあの人形だけを撃ち落とすことももちろん可能だ、だけどちょっと待て。
あの人形が胸に抱えている樽に点火紐……あれ爆弾じゃないか?
もし爆弾だったとして下手に雷なんてくらわせたら大変なことになる、
せっかく生き返ったのにまた死なれたら復活できるとはいえ気持ちいいわけじゃない…
そして人形は紐を引き抜こうと一斉に樽に手を掛ける……そうだ、こうすればいい!
「――我選びし者を望みし地に至らしめよ――Momentary Blink――」
人形が樽の点火紐を引き抜くタイミングを見計らって瞬間移動させる魔法を僕はヴァンエレンにかける。
結果、爆発の中心にいたヴァンエレンは僕の後ろへと移動し爆発はただ人形だけを巻きこんで終わった。
「どうだミルク、こんなもんだ……まあ僕はエリートだから――――」
>173
>「ヘボ吸血鬼!阿呆マオ!ミルク!一体全体どうなってるんだ!答えろ!」
自慢をしているとどこからともなく懐かしいような……いや、ムカつく声が聞こえる。
僕を阿呆だとか抜かすのはただ一人……森で出会った莫迦三人組じゃないか!
あたりを見回すと確かにそこにはあの莫迦がいた。
「なんだ、まだ生きていたとは驚きだグレイブ。てっきりもう死んじゃったかと思ったよ莫迦グレイブ!
状況を説明しろ?ならその態度はないんじゃないかな?
人のことを阿呆だとか言ってるやつに言うことなんて何にもないね!
あとヴァンエレンはヘボじゃない!少なくともお前よりは全然格好いいよ根暗!!」
とりあえずムカついたところだけに反応して問いには答えないでおく。
どうせ僕とグレイブは合わないんだ。それにこうやって挑発でもしとけば
他の三人のうち一番まともなグレイズがこのままだと危ないと思って出てくるだろう……
>173 >179
>「――我選びし者を望みし地に至らしめよ――Momentary Blink――」
マオはヴァンエレンの危機を見て魔法を使う。
磁力魔法か何かで人形を引きはがす気だろうと思っていたら…守るどころかヴァンエレンが爆発した。
「って、助けろって言ったのに何ヴァンエレンを爆発させてるのよ!?」
あたしは慌ててヴァンエレンのいた場所に駆け寄る。
爆発自体は大した事なかったけど、さすがに無傷じゃ済まないだろ!
近寄ってみれば、思った通りヴァンエレンの体は跡形もなく吹き飛んで…あ、あれ?
>「どうだミルク、こんなもんだ……まあ僕はエリートだから――――」
自慢げに解説するマオの方を見れば、後ろには無傷のヴァンエレンの姿が。
瞬間移動魔法なんか使うんならそう言えよ紛らわしい…
魔法でヴァンエレンごと人形を攻撃したのかと思った…
>「ヘボ吸血鬼!阿呆マオ!ミルク!一体全体どうなってるんだ!答えろ!」
このまま延々と自慢話を聞かされるのかと考えていた時、聞き覚えのある声が自慢話をさえぎった。
見れば、ラヴスポットで別れて以来の懐かしいグレイブの顔。
「グレイブ!?無事だったの!?」
ぱっと見グレイブは、あたしやリリアーナみたいに、成長したり退化したりはしていないみたいだ。
安心したところで続けて状況説明をしようとした時、先にマオがグレイブに話しかける。
>「なんだ、まだ生きていたとは驚きだグレイブ。てっきりもう死んじゃったかと思ったよ莫迦グレイブ!(中略)
> あとヴァンエレンはヘボじゃない!少なくともお前よりは全然格好いいよ根暗!!」
「何対抗して煽ってるんだーっ!!今はそんな事してる場合じゃないだろ!」
ここはエリートらしくビシッと説明するのかと思えば、マオの奴言い合いを始めやがった!
「詳しい説明は省くけど、リバースが崩壊しかかって大変なんだよ!
今からあたしがサクッと優勝条件満たして、脱出できるかどうか確かめるとこ!」
これ以上邪魔が入らない内にと、グレイブに説明した後あたしはペンダントのほとんどをゴミ箱に叩き込む!
「これで…どうだっ!」
なにも起きないように思えたのは一瞬で。
大量のペンダントを飲み込んだゴミ箱はすぐにパカッと2つに割れた。
ゴミ箱の中に仕込まれていた魔法陣が展開され、重厚な扉がその上に浮かび上がる。
わずかに開き始めた扉から金色の光が漏れ出てくる光景は、優勝者を迎えるにふさわしい。
「これが…これが宝箱へ続く道!」
でも、今までの苦労も忘れさせるような感動は長く続かなかった。
なぜって、扉はわずかに開きかけたまま、ちっとも開こうとしなかったから。
「ちょ、ちょっと!なんで開かないのよ、壊れてんの!?」
待ちきれずに扉に駆け寄ってドンドン叩いてみたけど、変化なし。
もう限界まで開きましたって感じでびくともしません。
これじゃ蟻ぐらいしか通れないだろうが!
「このやろー!メギドラオンでこんな扉ぶち破ってやる!」
怒りにまかせてメギドラオンの狙いを扉に向けたとき、扉が少しだけ動いた。
あれ?これはひょっとして…
あたしはもう一度、今度はメギドの狙いを扉に向ける。
…間違いない。この扉、魔力に反応して開くんだ!
「みんな、扉に魔力を集中させて開けよう!
速くリバースから脱出して、無事に現実世界に帰るんだ!」
>178
>「…なんだか、そういう聞かれ方は心外だなぁ。エルザを生み出したのは、僕じゃない。君達がやった事じゃないか。」
「何言ってるのよヘレン、あなたがロックの願いを叶えてブランエンを・・・・・・」
ふいにリリアーナは口を噤んだ。
ヘレンがチョコアーナのおでこに手を当てたからだ。
「ちょ、ヘレン!触っちゃダメって言ったのに!!」
>「おいしいよね。チョコレート。」
>1人になった4人が風船のように急激に膨らみ、パンと破裂した。
「きゃう!!」
宙に放り出された格好になったリリアーナは、そのまま地面とキスをした。
「ヘレン・・・・・・元に戻すなら戻すでひと言そう言ってよ・・・・・・」
リリアーナは身を起こすと、チョコ化したヘレンの手をしげしげと見つめた。
「相変わらずすごいわね。ヘレンの力があれば、ライールの杖どころかこの世界だって修復できそう。
あーあ、ヘレンが居るって知ってたらメラルさんも連れてきたのにな・・・・・」
リリアーナはぼやいた。
「あ、アンジェリーナもロック達からヘレンのことは聞いてるわよね?」
リリアーナは手短に魔獣コンコンのことを説明した。
>「なんだ!?一体どうなっているんだ!?」
>「落ち着きなよ、ロック。友人が遊びに来ただけじゃないか。」
ヘレンの言葉であっさり拳を下ろしたロックを見て、リリアーナは何となくむかっときた。
「っていうか、ロックは何でここに来る事になったのか全く覚えてないわけ?
アンジェリーナはちゃんと説明したんでしょ?どうしてピンと来ないかな〜!!」
リリアーナがぷうっと膨れていると、へレンがリリアーナに近づいてきた。
>「リリアーナ、僕に新しい人格を作る能力なんてないよ。ましてや死んだ人間の魂を呼び戻す事なんか…ね。」
リリアーナはぽかんと呆けた顔をしていたが、言葉の意味をようやく飲み込めたのか真顔になった。
「つまりこういう事?ヘレンは、『ロックの姿をブランエンに変えただけ』だって。
と言うことはつまり・・・・・・ブランエンなんて最初から・・・・・・」
リリアーナはぎゅっと拳を握り締めた。
これのどこが、ロックの願いを叶えたというのだろう?
「――――でも、エルザっていう女の子は確かに居たわ!居たの!居たんだから!!」
リリアーナは以前へレンが話していたことを思い出していた。
>「ロックが変わったって?その原因を調べてどうするつもりなのさ?
> ロックを元に戻すように勤めるのかい?ロックの変化が良い事か悪い事かも知らないのに、
> 君達にそんな事をする資格があるのかな?」
リリアーナは大きく息をついて気を落ち着けると、ロックの方を見た。
今のロックはエルザであり、ロックでもある。
「―――― ロック、ううん、エルザかな?二人とも、今どんな気持ち?」
リリアーナは実に抽象的な言い方をした。
歯切れの悪さが、彼女の複雑な心情を如実に語っていた。
本当は今の姿に戻って幸せなのかと尋ねたかったのだが、口にすることは憚られた。
「・・・・・ヘレン、以前の騒動の件だけど、ちゃんとロックに謝罪したの?」
ロックが偽者騒ぎでの最大の被害者でもあるのだ。
「それと二人とも、ベアトリーチェちゃんを見かけなかった?多分こっちに来てると思うんだけど・・・・・。
ねえ、あなた達以外の生徒達がどうなったのか知らない?
それとさっき聞きそびれちゃったけど、ヘレンはリバースの参加者じゃないのよね?ここで何をしてるの?
あっ!もしかしてここを修復するために来てくれたのかなっ?!だったら私達、協力するわよ」
ね?とリリアーナはレイド達に同意を求めた。
「ヘレン、ここを元に戻せばリバースは通常どおり機能するのよね?」
こんなとんでもない場所で再会したにも関わらず、リリアーナはヘレンのことを全く疑っていなかった。
>僕らが友達になることができるなら、またきっと会うことがあるだろう。
という、コンコンがメラルに贈った最後の言葉を信じていたからだ。
>164
ペンダントを投下してこれで終わりかと思われたそのとき、ジャジャーンと飛び出てきた伏兵の人形たち。
「わわわ!」
さきほどの奇襲もあり各自が警戒を強める中、一人混乱に陥る夜の王の吸血鬼ヴァンエレン。
死王に首を飛ばされてからなんとも情けない場面が多い気がしないでもない。
人形たちは今回はたいした武装は所持しておらず、かすかに火薬の匂いがする小さな樽を抱えていた。
「あ、あれは小タル爆弾G!?」
人形が紐を引っ張って点火して爆発させようと試みている。
ヴァンエレン危うし、ようやく復活したのにこのまままた死んでしまうのか!?
>179
>「――我選びし者を望みし地に至らしめよ――Momentary Blink――」
ヴァンエレンは死を覚悟し、座り込んで両手で頭を守る体勢をとった。
マオが唱えた魔法によって術者の背後に転移したヴァンエレンは九死に一生を得た。
しかし、それに気がつかずにふるふる震えてなにやらぶつぶつ言っている。
「お慈悲をー!お慈悲をくださいー!私おいしくないヨ…ってあれ?」
いつまでたっても来ない衝撃に気がついてようやく自分が助かったことに気がついた。
人形たちは樽爆弾の爆弾に巻き込まれてただ自爆するだけの結果になった。
>173>180
>「ヘボ吸血鬼!阿呆マオ!ミルク!一体全体どうなってるんだ!答えろ!」
そんな乱暴な言葉遣いで命令されて、はいそうですかと素直に説明する奴がいたら見てみたい。
「リバースが崩壊で伏兵いてロー入っちゃってもうウィリーさ!」
>「詳しい説明は省くけど、リバースが崩壊しかかって大変なんだよ!
>今からあたしがサクッと優勝条件満たして、脱出できるかどうか確かめるとこ!」
いた。
しかも前者にいたっては途中でわけがわからなくなっている。
>181
邪魔者いなくなってようやくゴミ箱にペンダントを投下をすることができた。
ゴミ箱が割れて魔方陣が展開され、結構な大きさの扉が出現した。
>「ちょ、ちょっと!なんで開かないのよ、壊れてんの!?」
「まったく校長の奴、やっつけ仕事すぎじゃないか?
空間にヒビとか入るし、欠陥がありすぎるぞこの世界」
そんなことだから簡単に死王が遊びに来ちゃったりするんだ。
>「みんな、扉に魔力を集中させて開けよう!
>速くリバースから脱出して、無事に現実世界に帰るんだ!」
どうやらミルクは扉を開ける方法を見つけたようだ。
ヴァンは扉のほうに両手を向けて純粋な魔力を扉に集中させる。
皆の魔力にあてられてじれったいくらいにゆっくりと開いていく…。
扉が開くごとに光は強くなっていき、ついに完全に開かれてまばゆいばかりの光が全員を覆った。
>167>169>171>172>173>179>183
兵隊軍団は軒並み壊滅、おまけに伏兵の自爆攻撃も失敗した。
(まったく…思い通りにいかないものね)
うんざりした様子で、ルダリダは破壊された人形が最後に送った情報に溜息をついた。
確かに下級人形軍団で倒せるとは思ってはいなかった。しかし、彼らは少なからず消耗していた筈。
それなのに少しも損害らしい損害も与えられなかった。これは単に彼らが相当の実力者なのか、
それともルダリダは自分が思っている以上に実力がなかっただけなのか。
どちらにしろ彼らはもう扉を開いてしまった。
負けは負けだ。それだけは認めねばなるまい。
>175
「あら、もう勝負はついたわよ」
クリスの前に潔く姿を現すルダリダ。諦観した表情を浮かべている。
「これ以上の争いは何の得にもならないわ」
魔導書を開き、半人半馬の鉄の騎兵クロムカイル・プラトーンを召喚、その背に乗る。
「それでは御機嫌よう。私も此処から出るとしますわ」
蹄鉄の音を響かせてルダリダはクリスの前から去って行った。
>182
> 「っていうか、ロックは何でここに来る事になったのか全く覚えてないわけ?
> アンジェリーナはちゃんと説明したんでしょ?どうしてピンと来ないかな〜!!」
「無茶言うなよ!どうやったら、アンジェリーナがチョコレートの化け物姿で現れると予想できるのだ!?
俺はせいぜい、お前とアンジェリーナが仲良く合体して来るとばかり思ってたぜ!」
> リリアーナがぷうっと膨れていると、へレンがリリアーナに近づいてきた。
>>「リリアーナ、僕に新しい人格を作る能力なんてないよ。ましてや死んだ人間の魂を呼び戻す事なんか…ね。」
> リリアーナはぽかんと呆けた顔をしていたが、言葉の意味をようやく飲み込めたのか真顔になった。
> 「つまりこういう事?ヘレンは、『ロックの姿をブランエンに変えただけ』だって。
> と言うことはつまり・・・・・・ブランエンなんて最初から・・・・・・」
ロックは何か言いたそうな顔をしたが、ヘレンが何か言うのをまず待つことにした。
> 「――――でも、エルザっていう女の子は確かに居たわ!居たの!居たんだから!!」
しかし、ヘレンは真顔のままリリアーナの声に耳を傾けるだけだった。
> 「―――― ロック、ううん、エルザかな?二人とも、今どんな気持ち?」
リリアーナは、今度はロックにそう言ってきた。ロックはリリアーナを見て言った。
「平気だ。」
> 「・・・・・ヘレン、以前の騒動の件だけど、ちゃんとロックに謝罪したの?」
「その必要は無いぜ。それに、俺だってヘレンを殺そうとしたのだから。」
答えたのはロックだった。
「リリアーナ、言っておくがその件の事はお前が思っているよりも俺は把握しているぜ。
命につく名を心と呼ぶなら、エルザは確かに存在していたのだ。
お前達が最初にブランエンと呼び、そしてエルザという名前を与えられた誰かが…」
ロックは言葉を切った。ロックにとって、いまやエルザは非常に抽象的で曖昧な存在なのだ。
「俺はへレンに頼んだのだ。“母とはどういうものか知りたい”と。
それは、“母にもう一度会いたい”という意味ではないのだ。
俺が知りたかったのは、“母は息子にどういう愛を持つのか”という事だ。母性とも言えるな。
そして…もう言わなくてもわかるだろう?全てはヘレンの思惑通りにすすんだのだ。
俺の魂が分割されるという予想外の出来事はあったが、リバース内における両者の死によって、
俺の魂は回帰し、元通りになった。ただ一つの違いを除いてな。」
ロックは拳で自分の胸を軽く叩いた。
「俺はブランエンの生まれ変わりなのだ。母と息子は、そうやって命をつないでいくのだ。
俺は今までも、これからも、ブランエンのハートと共に生きていける。
その事に気づいたから俺は平気なのだ。」
> 「それと二人とも、ベアトリーチェちゃんを見かけなかった?多分こっちに来てると思うんだけど・・・・・。
> ねえ、あなた達以外の生徒達がどうなったのか知らない?
> それとさっき聞きそびれちゃったけど、ヘレンはリバースの参加者じゃないのよね?ここで何をしてるの?
> あっ!もしかしてここを修復するために来てくれたのかなっ?!だったら私達、協力するわよ」
> ね?とリリアーナはレイド達に同意を求めた。
ロックは心当たりが無いとばかりに首を横に振った。
そもそも、何故自分だけがここに残っているのかわからないのだ。
もっとも、ロックがヘレンのお気に入りだとしたらわからない事も無い。なぜならヘレンは…
> 「ヘレン、ここを元に戻せばリバースは通常どおり機能するのよね?」
「リリアーナ、実はな…」
>>「いや、いいよロック。ここからは僕が説明するよ。」
ヘレンがやっとしゃべる気になったので、ロックは成り行きを見守ることにした。
>>「僕がリバースなんだ。」
>179
横で人形が爆発し、辺りの物が吹っ飛ぶ。
ヴァンエレンも吹っ飛んだんだろうな、と思いつつグレイブは視線をマオたちに戻す。
【…あれ?ヴァンエレンさんが…】
【うんにゃ?いつの間に移動してるなー】
些細なことだしいいか。
先程のグレイブの問いに、まず返すのはマオ。
>「なんだ、まだ生きていたとは驚きだグレイブ。てっきりもう死んじゃったかと思ったよ莫迦グレイブ!
> (中略)あとヴァンエレンはヘボじゃない!少なくともお前よりは全然格好いいよ根暗!!」
ピクリ。即効でグレイブの額の血管が浮き出てくる。
「……誰が馬鹿で、根暗で、落ちこぼれだと………?」
指をゴキゴキ鳴らし、左手に魔力を溜める…。
それを止めるのはグレイズ。
【B!止めなってば!此処で争っても三文の徳にもならないよ!?】
「そんなものはどうでもいい…あいつを殺したいだけだ……!」
バーサーカーモード。そんな言葉が今のグレイブには良く合うだろう。
>180 >183
だが、そんなグレイブを止めるきっかけが現れる。
ヴァンエレンとミルクだ。
>「リバースが崩壊で伏兵いてロー入っちゃってもうウィリーさ!」
>「詳しい説明は省くけど、リバースが崩壊しかかって大変なんだよ!
>今からあたしがサクッと優勝条件満たして、脱出できるかどうか確かめるとこ!」
ヴァンエレンの説明は説明と呼べるのか定かではないが、
「………リバースが崩壊?」
訝しげに眉をひそめる。
そのチャンスにグレイズは飛びつく。
【!うん、きっと本当じゃないかな!?
ほら人って何かに集中しているときって嘘より本当のことの方が言葉にしやすいらしいし!
それに二人一緒に同じことを言ったし!】
グレイズの必死な弁論に耳を傾け
「………だからどうした…」
【争うのは止めて手伝おう!今此処で争っても意味無いしさ!?ワインも早く飲めるよ!】
「…仕方が無いな」
ワインで釣られる。プライドは無いのか?
>181
ゴミ箱に大量のペンダントが投下され、いかにも厳かな扉が現れる。
扉は僅かに開かれ――――たまま、ちっとも動かない。
>「ちょ、ちょっと!なんで開かないのよ、壊れてんの!?」
ミルクがガンガン叩いても、グレイブが力を込めても動かない。
グレイルに変わろうかと思ったが、それだとぶっ壊しかねないのでやめておいた。
>「まったく校長の奴、やっつけ仕事すぎじゃないか?
> 空間にヒビとか入るし、欠陥がありすぎるぞこの世界」
「…ラヴスポットも脆かったのも、そのせいか」
>「このやろー!メギドラオンでこんな扉ぶち破ってやる!」
近距離でそれは危ないだろうに。
と、恐らく3人(+2)が思ったとき、少しだが扉が動く。
本当に僅かだが…
「…動いたな」
ミルクが何か法則を見つけたようで。
もう一度何かの動作をしたあと、解決方法がわかったようだ。
>「みんな、扉に魔力を集中させて開けよう!
> 速くリバースから脱出して、無事に現実世界に帰るんだ!」
「魔力を……ああ、成る程な。一種のマジックアイテムか」
【よくわかんねーな!兎に角魔力向けりゃあいいんだなー?】
そうと分かれば話は早く。
ヴァンエレンたちに倣い、グレイブも片手を扉に向け、魔力を集める。
少しずつ、だが確実に、扉は開き―――まばゆい光が溢れて、先が見える…。
>「おおっ!さすがメラル!良い事言うじゃない!!」
>「わかったよ、仕方がない。ミルクに譲る……でも僕とヴァンはバカップルじゃない!!」
「理解が早くて助かるわ。」
ミルクが乗って来る事はもとよりわかっていた。
一番利益を得るのがミルクである以上、当然だが。
だが…予想外にも抗議はなく、マオまで大人しく同意してくれた。
もちろん、バカップルのくだりへの反論は故意に無視しておく。
予想以上にあっさり思惑通りに行った事に安堵していると…
>「…皆、先に言ってペンダントを投下してきてくれないか?
いくら原因が消えたといっても脱出するまで安心できないからな。」
そこで襲撃が来た。メラルが迎撃の術を準備していると、
クリスが防御の術で攻撃をすべて防ぎきった。
しかも、先に行くよう促してくる。
「…わかったわ。」
メラルとしてはマオの心変わりが一番の不安要素だった為、
その申し出は渡りに船。当然素直に従い、ミルクについていった。
もちろん、ペンダントは仲間と自分のペンダントを除いた
全てを、話の途中にミルクに預けてある。
そして、ゴミ箱を目指す自分達を敵が逃がす訳もなかった。
猛射撃を浴びせてくる。が…
「…アンチ・グラビティ…。」
目立たないよう、小声で術を唱え、自分の少し後方の重力を
少し緩和して敵弾を上に逸らせていた。操り主相手ならすぐに
気付かれる小細工だが、人形相手では時間は稼げるだろう。
>「あーもう!近寄るな鬱陶しい!!
みんな先に行ってて!後ろを掃除したら追い付くから!」
途中、ミルクが立ち止まって先に行っているように言うが、
メラルは従わず、ミルクの少し後ろで立ち止まる。
「貴方一人では不意討ちに弱いのは…私との戦いで実証されたはず。
違うかしら?」
そして、メラルは先ほどと同様に敵弾の軌道を上に逸らして
ミルクを支援し、ミルクが敵を一掃するとミルクについていった。
そして、ゴミ箱前…。
ミルクが聞き捨てならない発言をしていたがそれは余り重要ではなかった。
むしろ重要なのは伏兵がいた事である。
が、メラルは一切手を出そうとしない。メラルはあくまで
ミルクの護衛のみを最優先しているのだ。今すべきことは、
ミルクが確実にペンダントを放り込めるようにするという事だと考えて。
その対応はグレイブに対してもかわらない。ミルクがペンダントを放り込みに行った時にも、
ミルクの護衛のみを優先し、マオへ敵意を向けているグレイブより、むしろ更なる伏兵を警戒していた。
そして、ミルクがゴミ箱にペンダントを入れ終わり、
扉にアクシデントが起こった後…メラルも扉に魔力を向けた。
そして、扉が開き、皆が光に包まれる。
(これでもう安心ね…。今日は色々あったわね。…本当に。)
その中で、もう多少の波風を起こしても致命的な事態にはならないと踏んだか・・・
メラルが爆弾発言をした。
「言い忘れていたけど…ミルク。当 然 …換金できる商品があったら
それはリバースの崩壊防止に動いた協力者全員で山分けよ。
マオも…その方が平等だと思わない?」
メラルにとって、金そのものは重要ではない。
単にミルク一人が儲けるよりは公平にした方がいいのではないか?
という発想があるだけだ。そして、先程ミルクの欲丸出しの言動に
不快感を見せていたマオに言った。賛同してくるだろう事は織り込み済みで。
そして・・・グレイブに向け、更なる爆弾発言をする。
「さっきマオのことを随分と馬鹿にしていたようだけど…
もし、リバースから出た後でマオに決闘を挑むつもりなら…止めておきなさい。
おそらく、貴方じゃマオの足元にも及ばない。マオが慢心して
手を抜いたりしたらわからないけど…。現状それは考えられないでしょうし。」
メラルはグレイブの様子から、一時的に我慢したものの後に
本当に決闘をしかねない様子に見えた為、念のため言っておいたつもりだったが…
仲裁どころか、煽る結果になるのは目に見えている発言である。
そして、最後にマオとヴァンエレンに向けて爆弾発言をした。
ただし、これはただ純粋にからかっているだけである。
「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?
式には私も呼んでね。」
>168>176>178
フリージアの活躍によりロックの攻撃を防ぐのに成功。
そしてフリージングドール・マリオネットを使い説得を開始。
しかし…
>「おお、フリージアか!」
>「いいところに来てくれたぜ!お前がいれば百人力だ!
> さあ、早いところあのチョコレートの化け物を一緒にやっつけようぜ!」
ちょっ、それじゃ根本的な解決になってない…。
「しゃあない、こうなったら俺が…」
>182>「ちょ、ヘレン!触っちゃダメって言ったのに!!」
>「おいしいよね。チョコレート。」
なんかごちゃごちゃ声がすると思ったら急に体が破裂した。
>「ヘレン・・・・・・元に戻すなら戻すでひと言そう言ってよ・・・・・・」
確かにな…しかしなんだかんだ言っても助かった。
あの姿は色んな意味で疲れ過ぎる。
さて、ここからリリアーナ、ヘレン、ロックによる討論(口論?)が始まるが、割愛させて頂こう。
言っている事の3割位しか理解出来ていないからだ。
だが…
>185>「僕がリバースなんだ」
これには少し吹き出しそうになった。
「はぁ…話がややこしくなりそうだな…」
…そろそろ着くな。
人形の部隊を出し、自ら前線に出ないところを考えると護衛を残している可能性がある。
先手必勝ですぐ攻撃した方が良さそうだな。
>184
魔銃を構えてペンダントの魔力を感じる所に出ると意外なことに潔く姿を現してきた。
>「あら、もう勝負はついたわよ」
予想外の出来事に攻撃するのを忘れていると、相手はもう戦う気がない事を話してきた。
>「これ以上の争いは何の得にもならないわ」
そして半人半馬の人形を呼び出し、背に跨る。
>「それでは御機嫌よう。私も此処から出るとしますわ」
…終わった、のか?
油断させる為の策略かとも思ったが、去って行った方はゴミ箱の方でもないし、戻ってくる様子もない。
特に何もないので、高速飛行魔法を解除して床の上に降りる。
「っ…」
しかし、痛みの為上手く着地できずに床の上に転がる形となってしまった。
…それにしても今日はかなりきつい日だったな。
本来2日間のレクリエーションも1日で終わってしまうし…。
>176-177
>「リリアーナお姉ちゃんがリリアーナお姉ちゃんを助けに来たv」
ギズモは素直に喜んだが、ルズアーナにとってはたまったものではなかった。
リリマンダはカドゥケウスそっくりの杖を口元に寄せ、巨大な炎を吐き出す。
「あーれー!!アフロ軍曹だけは勘弁なのですわ〜!!」
ブリキ人形を嘗め尽くした炎は、ルズ達もこんがり焼いてしまった。
更に炎は、人形達が抱えていた火薬の樽にも引火する。
ドカーン!と盛大な爆発が起こった。
「わー、やな感じーなのですわ〜!!」
ルズアーナ、リリマンダ、リリギズモは爆風に飛ばされ星になった・・・かもしれない。
>191
「ぎゃふん!!」
落下したルズアーナは変な声をあげて床にめり込んでいた。
アフロになったルズアーナは、目を回しながらきゅ〜と伸びている。
体の痛みで着地に失敗したクリスはルズアーナにまだ気づいていないようだ。
「ち〜〜〜!!」
さらに運悪く、リリマンダも飛ばされて来た。
このまま寝ていては、クリスはマンダのクッション代わりにされてしまうだろう。
>185 >190
ロックの話を最後まで聞いていたリリアーナは静かに口を開いた。
「そう・・・・・・あなた達が納得してるのなら、私からはもう何も言う事は無いわ。・・・・・・寂しくなるわね」
リリアーナは目を閉じ、肩を落とすとため息混じりに呟いた。
そしてその後、彼女にしては珍しく険しい表情になった。
(・・・・・・つまり、ロックの願いも成就してしまったわけね)
厄介な事になったとリリアーナは思った。
ロックの爆弾発言に続き、ヘレンもまた爆弾発言をした。
>「僕がリバースなんだ」
>「はぁ…話がややこしくなりそうだな…」
レイドが思わずぼやいた。
一方のリリアーナは、ヘレンの告白を聞いた途端ロックに近づくと腕を絡めた。
だがそれは、好きな人と腕を組む時の甘い感情などカケラも無い。
ロックを見上げるリリアーナの顔はまさに真剣そのものだった。
「・・・・・・どうりで。何となく以前見た夢の世界に似てるなって思ってたのよね」
リリアーナはそう言ってヘレンに微笑みかけたが、目は全く笑っていなかった。
「リバースはとてもいいところだけど、そろそろ優勝が決まる頃だと思うし私達お暇したいわ。
ねえヘレン、リバースの参加者は全員現実世界に戻してくれるわよね?
そのためにはもちろん私達も助力を惜しまないわ。あなたを治してあげる。
だから、ヘレンも協力してくれるわよね?」
突如眩い光が差しこみ、何も無い場所に輝く扉が出現した。
「な、何これ・・・・・?」
あまりのまぶしさに、リリアーナは目がくらんだ。
>183 >186-189 >192
>「魔力を……ああ、成る程な。一種のマジックアイテムか」
「そういう事。仕様なのか壊れかけてるからなのかは、分からないけどね」
グレイブだけじゃなく、その場にいた全員がすぐに事情を把握した。
向けられる魔力は扉をゆっくり、でも確実に押し開けて行く。
開く扉に合わせるように、中からの金色の光も強さを増していった。
>「言い忘れていたけど…ミルク。当 然 …換金できる商品があったら
> それはリバースの崩壊防止に動いた協力者全員で山分けよ。
> マオも…その方が平等だと思わない?」
「えっ!…や、やまわ…け…?」
ちょうどそんな時に飛び出したメラルの爆弾発言に、あたしは思わず扉に魔力を向けるのをやめてしまった。
リバース崩壊防止に動いた参加者って何人居るんだ?
1人、2人、3人…扉を開けてくれたグレイブも入れて……10人以上いるじゃないか!!
ってことは分け前10分の1以下!?
「そんな…そんなのってないよ…」
心理的に天国から地獄への逆落としを体験し、体から力が抜けてその場に座り込むあたし。
投下したペンダントにはメラルの分もたっぷり入ってたし、さっきから守ってもらってもいる。
いまさらメラルに『イヤです』なんて言えるはずもない。
うっかり反対したら10分の1の分け前も没収されて、元も子もなくなっちゃうかもしれないのだ。
落ち込むあたしの前に、扉の向こうから金色の何かが流れ出してくる。
手ですくってみると、それは水のような砂のような奇妙な物体だった。
「砂金…じゃないのか。いや、でもこれも金色だし、持ち帰れば換金できるかも…」
とりあえず少しでも儲けを増やそうと扉の中に足を踏み入れる。
上も下も右も左も金色の、伝説の黄金郷のようなその場所で。
あたしは居るはずのない人を見た。
「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
>190>192
> 「はぁ…話がややこしくなりそうだな…」
「そうでもないですよ。結論は至ってシンプルなものです。
あるべきものが、あるべき場所に落ち着いた、というだけです。」
ヘレンがレイドにそう言っていると、リリアーナはいつの間にかロックと腕を絡めていた。
当のロックはリリアーナに気を許しているらしく、動じる事は無い。
ヘレンはその様子を見てムカッとした。
> 「・・・・・・どうりで。何となく以前見た夢の世界に似てるなって思ってたのよね」
> リリアーナはそう言ってヘレンに微笑みかけたが、目は全く笑っていなかった。
笑わないのはヘレンも同じである。
> 「リバースはとてもいいところだけど、そろそろ優勝が決まる頃だと思うし私達お暇したいわ。
> ねえヘレン、リバースの参加者は全員現実世界に戻してくれるわよね?
> そのためにはもちろん私達も助力を惜しまないわ。あなたを治してあげる。
> だから、ヘレンも協力してくれるわよね?」
「もちろんだよ。僕がリバースである以上、僕が治ればリバースも治る。
君がさっき言ってたベアなんとかさんと死にぞこないのどこぞの王様のおかげで…色々限界でね。
これじゃあ、優勝者に賞品を渡すことすらできないよ。」
リリアーナに対する嫉妬を隠しているように、ヘレンは自身にダメージがないかのように振舞ってはいるが、
ヘレンはかなり深刻なダメージを受けた状態なのだ。例えどんなものにも変身できる能力を有しようと、
その根幹にダメージを受ければ、全てが破綻してしまうのだ。
>193
> 突如眩い光が差しこみ、何も無い場所に輝く扉が出現した。
> 「な、何これ・・・・・?」
「どうやら君の言う通りになったね。優勝者のお出ましだ。」
> 「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
> 死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
扉から現れたのはミルクにヘレンは拍手しながら近づいた。
「おめでとう、ミルク。ずっと待っていたよ。僕の名前はヘレン。
このリバースの管理者であり、リバースそのものだ。」
>>「ごめんな。」
ヘレンがミルクに祝福している最中、ロックはとなりにいるリリアーナに囁いた。
>>「結果的に、俺はお前からエルザを奪ってしまったんだ。
>> 俺をエルザの代わりに想えなんて、虫が良すぎる話だよな。
>> …悔しいけど、俺はお前のために何をすればいいのかさっぱりわからないぜ。」
ロックがリリアーナが絡ませていた腕を放した。
>>「もしもお前が、俺を見るたびにエルザの面影を見ようとするなら、俺達は今後会わないようにするべきかもな。
>> お前にとっても、俺にとっても、エルザの面影を探すのはつらい事だからな。」
ロックは軽く深呼吸した後、リリアーナに聞いた。
>>「お前には、俺は何に見えるんだ?」
>192
>「わー、やな感じーなのですわ〜!!」
「うわぁ〜〜〜〜〜!?」
案の定、爆発で吹っ飛ぶギズモ
もう服はボロボロである
>「ぎゃふん!!」
「なんてこったぁぁぁ!?」
>「ち〜〜〜!!」
吹っ飛ばされて落下する3人
正確には一人と二匹なのだがそんなことはどうでもいい
それにしてもこんな状態でも変身は解けないとは・・・・恐るべし魔法である
果たして次回までに元のギズモに戻れるのだろうか?
「美、美少年に変身して女の子にもてもてになりたか・・・・・った。ぐふっ」
>185>193
>「僕がリバースなんだ」
「な、なんですって!?」
あっと驚くフリージア
あまりの驚きに次のセリフが出ない
突然扉が出現しミルクが中に入って来た
>「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
>「おめでとう、ミルク。ずっと待っていたよ。僕の名前はヘレン。
このリバースの管理者であり、リバースそのものだ。」
「と言うことらしいですわよ
だからもしリバースが崩壊していたら・・・・・彼(?)自身も命がやばかったみたいですわね
逆に言えば彼(?)を回復させればリバースも元に戻る・・・・と彼(?)もさっき言ってましたわ」
とさっきへレンが言ったことを要約して伝えるフリージア
「あ、そうそう・・・回復しないと優勝商品も渡せないらしいですわよ」
とミルクにとっては最も重要であろうことをついでのごとく伝えるフリージア
>180-181 >183-189
>「……誰が馬鹿で、根暗で、落ちこぼれだと………?」
あれ?おかしいなこういう時はまっさきにグレイズが出てきて止めるはずなんだけど、
そういう素振りどころかなんだか左手から魔力を感じるぞ……
>「そんなものはどうでもいい…あいつを殺したいだけだ……!」
ありゃりゃ……もしかして失敗しちゃった?
グレイズでも止められないぐらい怒っちゃったのか?
やばい、どうしよう…とりあえず逃げる算段を考えてるとミルクが救いの言葉を言ってくれる。
>「詳しい説明は省くけど、リバースが崩壊しかかって大変なんだよ!
>今からあたしがサクッと優勝条件満たして、脱出できるかどうか確かめるとこ!」
その言葉によってグレイブ達は緊急会議を開いたようで何やらぶつぶつ言い始める。
そして仕方がないという結論に至ったようで僕との衝突は免れたようだ。
ミルクがゴミ箱にあのペンダントを一気に投下してしまったのはなんだか優勝できない事実を突き付けられたかのようで悲しいけど…
溜息をつくとゴミ箱が二つに割れそこからいかにもな扉が現れる。
どうやらこのゲームもミルクを正式な優勝者とみとめたみたいだ……
扉がわずかに開かれまばゆい光が溢れる、優勝者を称えているようだ。
「はぁ〜あ、結局僕はくたびれただけか……」
しかし様子がおかしい……扉はちょっと開いただけで全くその後変化の気配がない。
>「ちょ、ちょっと!なんで開かないのよ、壊れてんの!?」
必至にガンガンやってるミルクを見てちょっと笑いがこぼれる。
元の世界に帰りたくないわけではないがミルクには優勝を持っていかれたんだ。
ちょっとぐらいは苦労しなくちゃ僕の気が晴れないというものだ。
>「このやろー!メギドラオンでこんな扉ぶち破ってやる!」
「自爆でもしてくれるととても助かるよ」
皮肉をいって笑っているとほんの少し扉が動いた……ハッとするミルク。
なんだ、もうなんらかの法則を見つけてしまったみたいだ。
>「みんな、扉に魔力を集中させて開けよう!
> 速くリバースから脱出して、無事に現実世界に帰るんだ!」
手伝わないわけにもいかない、しぶしぶ僕は魔力を言われたとおりに扉へと向ける。
ゆっくりとだが着実に扉は開いていき光が僕達を包む。
これで本当にこのゲームもおしまいか……長かったなぁこのゲーム。
そう僕が今までのことを振り返っているとさっきから黙っていたメラルが口を開く。
>「言い忘れていたけど…ミルク。当 然 …換金できる商品があったら
>それはリバースの崩壊防止に動いた協力者全員で山分けよ。
>マオも…その方が平等だと思わない?」
よく言ったメラル!優勝した栄光よりももらえる賞品にしか興味がないミルクに対していい攻撃だ!
>「えっ!…や、やまわ…け…?」
フフフ……効いてる効いてる。よしちょっとメラルを後押ししてやろうか。
「もちろんそれが当然というものだろう。だいたい一人でミルクは優勝したわけじゃない。
たまたまミルクを優勝者にしようという考えで優勝したんだ。賞品は山分けが基本に決まっている
僕は要らないとしても他の手伝った奴らにはちゃーんと分け与えるべきだ!フ……フフ…ウフフフ」
愕然としているミルクを見て笑いを抑えきれない僕……どうやらよほどショックが多きかったみたいだ。
しまいには扉から流れてきている金の液体のようなものをすくい取り、売れるかもしれないと思ったのか
扉の中にふらふらと入っていく、その哀れともいえる様子を見て笑っていると隣のメラルが今度はグレイブに一言……
>「さっきマオのことを随分と馬鹿にしていたようだけど…
>もし、リバースから出た後でマオに決闘を挑むつもりなら…止めておきなさい。
>おそらく、貴方じゃマオの足元にも及ばない。マオが慢心して
>手を抜いたりしたらわからないけど…。現状それは考えられないでしょうし。」
そうだそうだ、グレイブじゃあ僕には勝てない。僕は自慢はするけど手を抜くことはない、
もしグレイブがやろうっていうなら本気でやっつけてやるさ。
「そうそうメラルの言うとおり、まあ僕とまともに戦いたいなら学園順位をあと30位は縮めてきなさい、フフン♪」
メラルに褒められたこともあって更に上機嫌になる僕、なんだかんだでメラルはやっぱり僕を買っているし
メラルは僕をライバルだと思っているってことだ分かったってわけだ。
>「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?
>式には私も呼んでね。」
「もちろん、式にはメラルも呼んで……って、からかうなー!!」
最後の最後にいきなり変なことを言ってきたメラルにすぐに反論する。
しかもふと後ろのヴァンエレンと眼が合ってしまって顔が恥ずかしくなって火照るのが分かる。
多分他の人から見たら赤くなっているに違いない。
「だ、だいたいメラル!おまえはさっきも人をことをバカップルだとか言って!!……くっ…もういい!」
>「っ…」
「どうやら、体よくかわされちゃったみたいだね。」
クリスの後に遅れて来るケオス。
「にしても、クリス。
高速化、飛行だとか身体に負担かけ過ぎだよ。」
苦笑を浮かべるケオス。そこに
>「ち〜〜〜!!」
>「ぎゃふん!!」
>「美、美少年に変身して女の子にもてもてになりたか・・・・・った。ぐふっ」
「おっと!みんなに言える事だけど無茶しすぎだよ。」
飛んで来たマンダを優しく受け止め、再び苦笑。
「さて、と」
クリスを背負う
「嫌だって言っても降ろさないからね。今の君は自分が思っている以上に消耗してるんだから。」
文句をいわれそうなので予め釘を刺す
「マンダはいつも通りちゃんと捕まって居てね。」
リリマンダを左手で抱き上げる。
「ルズ、勝手に運ぶよ。」
目を回しているルズアーナを右腕で持ち上げる。
「ギズモ、ここで倒れたらモテモテは程遠いよ。クリス、悪いけどギズモを君の背に乗せてあげて」
ボロボロのギズモをクリスの上に乗せる
「じゃ、出発」
かくして一人が複数人を抱え走り出すと言う、傍から見たら珍妙な格好になる。
無影月歩を使えば早く移動できるが、何しろ大所帯。あんなスピードを出せば誰か振り落とされてもおかしくは無い
しばらく走り続けると先ほどまで感じていた大量のペンダントの魔力が消えた地点が見え始める。
ミルクの姿は既に無く代わりに扉があり、マオたちが居た。
そして運命の悪戯であろうか、メラルの言った言葉が風に乗り聞こえてくる
>「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?
>式には私も呼んでね。」
「その式には是非、僕も呼んでね!!」
位置は離れていたが聞こえるように大きな声で言った。
やがて皆の所へ着く
「ごめん、ちょっと遅刻しちゃったみたいだね。」
………それを先に言うべきだろ、と言われる気がしたが気にしない。
>「もちろんだよ。僕がリバースである以上、僕が治ればリバースも治る。(略)…色々限界でね。
> これじゃあ、優勝者に賞品を渡すことすらできないよ。」
そう答えるヘレンに特に不自然なところはない。
ヘレンは変わったのだろうか。
それとも、今の彼は約束を果たした代償をロックに求められるような状態では無いのだろうか?
ヘレンには思うところが色々あるが、まず彼(?)を治さない事には始まらない。
>「どうやら君の言う通りになったね。優勝者のお出ましだ。」
ヘレンの言葉に、リリアーナは扉の方を見た。
光り輝く扉を潜り現れたのは、先ほど別れたばかりのミルク達だった。
「良かった・・・・・皆無事だったのね」
リリアーナは無意識に詰めていた息をそっと吐き出した。
いつの間にかグレイが合流しているし、ミルクもマオもお世辞にもご機嫌とは言いがたい顔だ。
ケオスは4人も抱えているし、一体暫く会わないうちに何があったのだろう?
>「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
> 死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
「ここは リバースを構成する領域の中で最も重要な場所なの。
復活システムを治すためにこうして私達皆でやってきたんだけど・・・・・・。
ミルク達こそどうしてここにいるの?ここは生徒には絶対来れる筈が無いのに」
「おめでとう、ミルク。ずっと待っていたよ。僕の名前はヘレン。
このリバースの管理者であり、リバースそのものだ。」
どうやら優勝した人間とその関係者は、この場所に召喚されるようだ。
>「ごめんな。」
ヘレンの祝福の声を聞いていたリリアーナの耳に、ロックがそう囁く。
>「結果的に、俺はお前からエルザを奪ってしまったんだ。
> 俺をエルザの代わりに想えなんて、虫が良すぎる話だよな。
> …悔しいけど、俺はお前のために何をすればいいのかさっぱりわからないぜ。」
リリアーナは首を左右に振った。
さっきへレンが言ったように、あるべきものが、あるべき場所に落ち着いた。
ただ、それだけの話なのだ。
>「もしもお前が、俺を見るたびにエルザの面影を見ようとするなら、俺達は今後会わないようにするべきかもな。
お前にとっても、俺にとっても、エルザの面影を探すのはつらい事だからな。」
「この・・・・・・馬鹿ロック!!」
リリアーナはロックの頭に拳を振り下ろした。
「誰もエルザの代わりにはなれないわ。たとえそれがロック本人であったとしてもね!!」
リリアーナはそう一息に言い切ると、荒い息をつきながらそっと目を伏せた。
「エルザの形は失われても、エルザの存在までが消えたわけじゃない。
知ってる?ロックが知っていたように、エルザだってちゃんと知っていたのよ。
自分がブランエンの生まれ変わりだって」
その言葉の真意に、リリアーナはなかなか気づけなかった。
「分かったの。あの子はロックと一つに溶け合って、あなたの中でちゃんと息づいている。
だから・・・・・・・ロックが負い目に感じる事なんて何も無いの。
だって私は、本当は何ひとつ失ってなんかいないのだから。」
>ロックは軽く深呼吸した後、リリアーナに聞いた。
>「お前には、俺は何に見えるんだ?」
リリアーナはちょっと首をかしげると、さも考え込むような仕草を見せた。
「私を切りつけた変質者。闇の魔法を自在に操る黒猫。
愛しすぎて道を踏み外した魔法使いの転生体。
金髪の乱暴者。猫耳の人。アンジェリーナの家族で、アウルの飼い主。
エルザの半身でブランエンの生まれ変わりで・・・・・まだ他にあったかしら?」
リリアーナは指折り数えてわざと的外れなことを言っていたが、ロックの表情を見てふと真顔に戻った。
「茶化してごめん。――――私の好きな人。ずっと好きだった人。
名前はね、ロック・ウィルって言うの」
視界の隅では、フリージアがミルクに状況の説明をしていた。
何か心外な事を聞かされたのか、ミルクはものすごい顔でフリージアに何かを確認している。
ミルク達への一連の説明が終ったら、すぐに治療するべきだろう。
ヘレンの表情は読みにくいが、リバースの状態を考えれば彼のダメージが相当深刻に決まってるのだから。
>188-189 >193 >196-197 >199
扉が開かれ…中から金色の物体が流れてくる。
「………ふむ。何かの体液か、溶液かってところだな」
と、ミルクにいつの間にか居た少女が声をかける。
>「言い忘れていたけど…ミルク。当 然 …換金できる商品があったら
> それはリバースの崩壊防止に動いた協力者全員で山分けよ。
> マオも…その方が平等だと思わない?」
>「えっ!…や、やまわ…け…?」
「ん?メラル=エルディーンか…」
ミルクが落ち込んでいるがまあそんなのは気にしないでいいだろう。
メラルは、攻撃対象を変える。
傲慢な態度を取っているグレイブに。
>「さっきマオのことを随分と馬鹿にしていたようだけど…
> もし、リバースから出た後でマオに決闘を挑むつもりなら…止めておきなさい。 」
「……?何でだ……」
>「おそらく、貴方じゃマオの足元にも及ばない。マオが慢心して
> 手を抜いたりしたらわからないけど…。現状それは考えられないでしょうし。」
「………」ピキイ
何故地雷を踏んだし。
怒りのボルテージが高まっていく。
>「そうそうメラルの言うとおり、まあ僕とまともに戦いたいなら学園順位をあと30位は縮めてきなさい、フフン♪」
今の言葉でマオは調子に乗っているし。
「………」プッツン
…マオの言葉で完全に理性が飛んだようだ。
左手に再び魔力が篭り、手首から先が青く強く輝く。
「……"魔力一点、氷河変換、威力最大…!"」
【わ゛―――――!!ストォーップ!そんなの放っちゃ駄目だってー!!R!『前』に!】
【オッケー!】
グレイブは左手を二人(+吸血鬼)に向ける。
「…"凍り、砕け――"…おい!止め…」
呪文が完全に紡がれる直前、瞬時にグレイルに体の支配権が移り、魔力が拡散する。
頭髪の色が紅葉の早送りみたいにさぁーっと赤くなり、ぼさーっとした髪質に。
「ふぃーっ。セフセフ!あっぶねーなぁー!あひゃひゃ!」
グレイルに変更終了。
…こんな状況も楽しむだけのマイペースさ。
こいつなら無人島に独りで居たとしても問題ないだろう。
「んで、マオマオ。ヴァンとマオマオの式ってなんの式よー?
メラリン、俺ならマオマオに勝てるかな?んで式って何?
式ってー?ヘッポコ――――あ、ヴァンー」
そんな余裕のせいか、先程のメラルの発言も聞いていたようで、
(>「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?式には私も呼んでね。」 )
3人にこんな質問を浴びせかけてしまった。
…聞いてることは一緒だ。
其処へ、突然の来訪者が。
>「その式には是非、僕も呼んでね!!」
「んお?」
1人で数人を抱えて走ってくる人影。
緑髪の細身で好青年。
その微笑が張り付いている顔には見覚えがあった。
「あー!カオスだっけー!ひっさー」
それは混沌だバカヤロウ!
そうは思っても口には出せないグレイズだった。
「んでさー、これで全員なん?ならこの中行こうぜー」
頭以外突っ込んでから言う台詞じゃない。
>198
起き上がるのも辛いので、横になって休んでいるとケオスがやってきた。
>「どうやら、体よくかわされちゃったみたいだね。」
「…それでも戦うことを止めてくれたんだからいいさ。」
けれどもケオスにとってそれだけでは済まなかったようだ。
>「にしても、クリス。
高速化、飛行だとか身体に負担かけ過ぎだよ。」
かなりの無茶をしたことは認めよう。
第一今日ほど魔力を消費したのは初めてだ。
たぶんその辺が関係して反動がきたんだろうな…
>192>195
>「ち〜〜〜!!」
>「ぎゃふん!!」
>「美、美少年に変身して女の子にもてもてになりたか・・・・・った。ぐふっ」
…一気に騒がしくなってきたな。
>「おっと!みんなに言える事だけど無茶しすぎだよ。」
確かにみんな無茶をしていたな。
マオだって死王戦でとんでもない無茶をしていたわけだし…
>「さて、と」
「ぐぁ…」
ケオスが俺を背負おうとして引っ張ると腕や足にまた痛みが走った。
>「嫌だって言っても降ろさないからね。今の君は自分が思っている以上に消耗してるんだから。」
…そう思うんだったらしばらく横にしたままここに置いといてくれよ。
>「マンダはいつも通りちゃんと捕まって居てね。」
>「ルズ、勝手に運ぶよ。」
そしてケオスはサラマンダ―、ルズと抱えていく。
>「ギズモ、ここで倒れたらモテモテは程遠いよ。クリス、悪いけどギズモを君の背に乗せてあげて」
「それは構わないが…」
どう見ても動きづらそうに見えるのは俺だけではないはずだ。
>「じゃ、出発」
しかしケオスは苦もなくマオ達が走って行った方に走り出した。
>189>199
>「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?
式には私も呼んでね。」
またしばらくすると、メラルの声が聞こえてくる。
でもなんだろう。そんな話をしている場合じゃないくらい強力な氷の魔力が感じられるんですが…
また襲撃が来るのかと思ったが、魔力が拡散していったので余計な心配だったようだ。
>203
>「その式には是非、僕も呼んでね!!」
そんな状況もよそに、ケオスは式の方に興味を持ったようだ。
>「んお?」
>「ごめん、ちょっと遅刻しちゃったみたいだね。」
>「あー!カオスだっけー!ひっさー」
…いや、それじゃ混沌(カオス)になるぞ。
>「んでさー、これで全員なん?ならこの中行こうぜー」
あんまり会ったことはないが、かなりマイペースなやつだな。
ちょっと前、レイド先生にドロップキックをした赤髪の奴がいたって聞いたが、もしかしたらこいつかもしれないな。
「ケオス、そろそろ俺を下した方がいいんじゃないのか?
さすがに重いだろう。」
いくら力がある者でも、力の入らない人一人をずっと背負っているのは厳しいだろう。
>193-195
扉の中に入ると、すでにリリアーナ、レイド先生、フリージア、アンジェリーナ先生、ロックと見たこともない少年がいた。
>「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
ミルクも疑問に思ったのだろう。俺が聞きたいことを先に言ってくれた。
>「おめでとう、ミルク。ずっと待っていたよ。僕の名前はヘレン。
このリバースの管理者であり、リバースそのものだ。」
>「と言うことらしいですわよ
だからもしリバースが崩壊していたら・・・・・彼(?)自身も命がやばかったみたいですわね
逆に言えば彼(?)を回復させればリバースも元に戻る・・・・と彼(?)もさっき言ってましたわ」
…ちょっと理解しがたいがヘレンという少年がリバースで、彼を回復させればリバースも安定するということか。
>194-195 >200-201
>「ここは リバースを構成する領域の中で最も重要な場所なの。
> 復活システムを治すためにこうして私達皆でやってきたんだけど・・・・・・。
> ミルク達こそどうしてここにいるの?ここは生徒には絶対来れる筈が無いのに」
「いや、あたしたちは…」
>「おめでとう、ミルク。ずっと待っていたよ。僕の名前はヘレン。
> このリバースの管理者であり、リバースそのものだ。」
リリアーナに不思議そうに聞き返され、どう説明しようかと思っていた所で、謎の少年があたしを祝福する。
「へ?管理者で、…リバースそのもの??」
あれ?メラルが変なこと言ってきたから、あたしの頭まで変になっちゃったのかな…。
リバースは魔本だって聞いてたから管理者は分かるけど、リバースそのものって…。
>「と言うことらしいですわよ
> だからもしリバースが崩壊していたら・・・・・彼(?)自身も命がやばかったみたいですわね
> 逆に言えば彼(?)を回復させればリバースも元に戻る・・・・と彼(?)もさっき言ってましたわ」
救いを求めてキョロキョロしていると、フリージアが助け船を出してくれる。
「なるほど、リバースの精霊みたいなもんか…それなら納得だ」
>「あ、そうそう・・・回復しないと優勝商品も渡せないらしいですわよ」
「まずは回復しないとダメだなんだね……って、ほんとに!?
それを先に行ってよ!それを!」
箱開けて鍵取ってリバース脱出して終わりじゃなかったのかよ!
リバースの修復なんか校長任せでいいやと思ってたのに、回復が先だなんて聞いてないぞ!
なんとか山分けショックから回復してきたあたしは、フリージアにツッコミを入れてからヘレンを見る。
「ヘレンだったよね。見たところ怪我も無いようだけど、どうやったらリバースが回復するの?
エルザ…ここに来てない友達も心配だし、速く脱出してイベント終了させたいんだけど」
>194>「そうでもないですよ。結論は至ってシンプルなものです。
あるべきものが、あるべき場所に落ち着いた、というだけです。」
「そ、そうか…。シンプル、ねぇ…。」
確かに今の説明は非常にシンプルだったよ。
>「もちろんだよ。僕がリバースである以上、僕が治ればリバースも治る。(中略)
これじゃあ、優勝者に賞品を渡すことすらできないよ。」
なるほど。
ヘレンの回復=リバースの回復に繋がるのね。
ヘレンも結構ダメージを受けてるって事か…。
>193>「リリアーナ?それにフリージアにレイド先生に、ロックとアンジェリーナ…先生まで?
死王の居場所にいたのに、いつの間にこんな所に?それに一緒にいるのは誰?」
突如現れたミルクご一行様。
しかし、自分達の状況が上手く掴めていないようだった。
「おひさー。ご無事で何より。」
>195>200状況を理解出来ていない一行に、リリアーナ、フリージア、ヘレンは説明を始めた。
ようやく状況を理解出来たらしいミルクはヘレンにリバースの回復方法を聞く。
「ヘレンを回復すればリバースが回復するらしい…が、ヘレン、お前は普通の回復魔法で回復するのか?」
>206>207
> 「ヘレンだったよね。見たところ怪我も無いようだけど、どうやったらリバースが回復するの?
> エルザ…ここに来てない友達も心配だし、速く脱出してイベント終了させたいんだけど」
>>「リリアーナならきっとできるよ。前にも治してもらった事があるんだ。
>> エルザは無事だよ。君は何も心配しなくていい。」
> 「ヘレンを回復すればリバースが回復するらしい…が、ヘレン、お前は普通の回復魔法で回復するのか?」
>>「ご心配なく。」
ヘレンはそう言う事で、さも普通の回復魔法で回復するかのように繕った。
>201
「…はははっ。」
ロックはふっと表情を緩め、先程リリアーナが殴った頭をさすった。
「お前に殴られるのはこれで何度目かな?」
ロックはそう言って、リリアーナを抱き寄せた。
リリアーナは俺の嫁なので反論は認めない。(ロック談)
「どうも柄にもなくナーバスになりすぎていたな。お前の拳骨はよく効くぜ。
…これからもずっと、俺の頭に拳骨を落としてくれるか?」
それは、不器用ながらも、ロックなりに頑張って言ったプロポーズの言葉だった。
そしてロックはリリアーナの唇に…
>>「「ゴホン!」」
ロックはアンジェとへレンが同時に咳払いをしたので、否応なしに現実に引き戻された。
どうやらこの二人の前では、ロックがキスをする事は許されないらしい。
>「ロック、今はそんな事をしている場合じゃないでしょう。」
>>「うん、悪いけど僕もあんまり余裕がないんだよ。」
「ああ…そうだな。うん、そのとおりだぜ。」
ロックはそっと、「また後でな。」とリリアーナに耳打ちした。
ケオス ◆8Ed0zD19u2 #ケイオス
メラル ◆1LtyyBHC/M #ウンディ
>189>197>199
>「マオ、ヴァンエレンとは当然主従契約するんでしょう?
>式には私も呼んでね。」
「ワッツ?」
>「もちろん、式にはメラルも呼んで……って、からかうなー!!」
マオがからかってきたメラルにノリツッコミ的に怒鳴っているがヴァンはそれどころではない。
高速で口を開閉して蒸気機関車のように頭部から煙を噴出して、恥ずかしさで顔を真っ赤にさせている。
「うおォん 私はまるで機関車のようだ」
そのうちマオと目が合ってしまって、あちらのほうも顔を赤く染め上げている。
>「だ、だいたいメラル!おまえはさっきも人をことをバカップルだとか言って!!……くっ…もういい!」
おそらく学園中にこのことをとある魔女によって言いふらされてしまって、後々にもっと恥ずかしいことになってしまうことだろう。
明日はあるのか幼き吸血鬼!
>「その式には是非、僕も呼んでね!!」
クリスを援護しにいっていたケオスが合流してきた。
その後に続いてクリスも顔を出しているので、どうやら被害はあまりなかったようだ。
「オヤ、クリスサン…オハヨウゴザイマス」
フル稼働しすぎて壊れたようです。
>203
>「んでさー、これで全員なん?ならこの中行こうぜー」
我先にいざ行かんと勇敢に皆の先を行く切り込み隊長グレイル。
いつまでもこんなところでモタモタしているわけにもいかないので、皆はグレイルに続いて扉に入っていた。
>194>195>208
この世界はヘレンが管理者でありリバースそのものということらしい。
死王の出現によって空間に負荷がかかって、リバースがさらに歪んでヘレン自身にも大きなダメージとなった。
なので彼が回復しないことにはリバースが元には戻らずにずっとこのままということ…。
>>「リリアーナならきっとできるよ。前にも治してもらった事があるんだ。
ミルクのどうしたら治るのかという問いに対して、リリアーナが得意とする回復魔法で治るとの回答があった。
少し難しいように思えたのだが、どうやらあっさりと修復可能なのだそうだ。
「ではリリアーナよ…はやいとこ回復を頼むぞ」
いちゃついていたリリアーナとロックをみて、さっきのマオとのやりとりを思い出してしまって少し顔を赤くしてリリアーナに催促する。
>207-208 >211
>>「リリアーナならきっとできるよ。前にも治してもらった事があるんだ。
>> エルザは無事だよ。君は何も心配しなくていい。」
「あっそ。ならいいんだけど」
なぜだろうか。お前が気にしなくてもいい事だと言われたように思えた。
根拠も何もない勘みたいなものだけど、なんかイヤな感じ。
> 「ヘレンを回復すればリバースが回復するらしい…が、ヘレン、お前は普通の回復魔法で回復するのか?」
>>「ご心配なく。」
ヘレンはレイド先生への返事も一言で済ませ、リリアーナの方を見る。
つられてあたしも一緒にリリアーナとロックのいる方を見て。
そして進行中のイベントに目が釘付けになった。
>「どうも柄にもなくナーバスになりすぎていたな。お前の拳骨はよく効くぜ。
> …これからもずっと、俺の頭に拳骨を落としてくれるか?」
リリアーナを抱き寄せたロックの唇から、これからもずっと一緒にいて発言が滑り出る。
そしてロックの顔がリリアーナの顔に近づいて……
おおおっ!これはあれか!?やっちゃうのか!?
みんなの前でさらに公認カップルの道を爆進しちゃうのかーっ!?
>「ロック、今はそんな事をしている場合じゃないでしょう。」
>>「うん、悪いけど僕もあんまり余裕がないんだよ。」
>「ああ…そうだな。うん、そのとおりだぜ。」
せっかく心の中でフレフレ応援していたのに、空気読めてない発言でイベントは中断されました。
お前らみんな馬に蹴られて死んでしまえ。
…とはいっても、ヘレンに余裕が無いという事は、イコールでリバースにも余裕は無いって事で。
これは少し回復を急いだ方が良いかもしれない。
>「ではリリアーナよ…はやいとこ回復を頼むぞ」
「前にもリバースを回復した事あるみたいだし、ぱぱっと終わらせちゃってよね。
危ない場所は急いで抜け出して、打ち上げでゆっくり楽しんじゃおう!」
>203
>「お前に殴られるのはこれで何度目かな?」
>ロックはそう言って、リリアーナを抱き寄せた。
リリアーナは心臓が口から飛び出しそうになった。
>「どうも柄にもなくナーバスになりすぎていたな。お前の拳骨はよく効くぜ。
…これからもずっと、俺の頭に拳骨を落としてくれるか?」
「う、うん!―――― え?それってもしかして・・・・・・」
リリアーナは期待と不安の入り混じった目でロックを見上げた。
また自分一人の勘違いかと思ったのだ。
だが押し当てられたロックの胸も、自分と同じく早鐘を撞くように高鳴っていることに気づく。
リリアーナはおずおずとロックの背に腕を回した。
「ロック・・・・・」
リリアーナの顔にロックの影が落ちた。
リリアーナ頬を紅潮させると、ははにかみながらも目蓋をそっと閉じる。
>そしてロックはリリアーナの唇に…。
>「「ゴホン!」」
まるで夢から覚めるように、リリアーナははっと目を開いた。
アンジェリーナとヘレンがこちらを見ている。
リリアーナは耳まで真っ赤になった。
幻灯機とその持ち主が、ここに居なくて本当に良かったと思う。
>「ロック、今はそんな事をしている場合じゃないでしょう。」
>「うん、悪いけど僕もあんまり余裕がないんだよ。」
>「ああ…そうだな。うん、そのとおりだぜ。」
>ロックはそっと、「また後でな。」とリリアーナに耳打ちした。
「・・・・・・っ!!」
リリアーナは更に赤くなると、口を噤んだままロックの背をぽかぽか叩いた。
>211-212
ブリキの人形のようにぎくしゃくと杖を取り出した。
>「ではリリアーナよ…はやいとこ回復を頼むぞ」
>「前にもリバースを回復した事あるみたいだし、ぱぱっと終わらせちゃってよね。
危ない場所は急いで抜け出して、打ち上げでゆっくり楽しんじゃおう!」
「う、うん!みんなの言うとおりだよね!ところで吸血鬼、何で顔が赤い・・・・・・きゃっ!!」
右手と右足を一緒に出していたリリアーナは、何もないところでこけそうになった。
「お、おまたせヘレン。悪いけどこっちに来てくれる?」
リリアーナはヘレンの前に立つと、目を閉じて何度か深呼吸し、気持ちを落ち着けた。
低く呪文を詠唱し始めると、リリアーナの体が淡い水色に光り始める。
ヘレンの足元に見慣れない魔方陣が浮かび上がった。
「・・・・・・くっ!!」
詠唱の途中、リリアーナが苦しげに胸を押さえた。
前のときと違い、リバースを展開した状態のヘレンを治すのは一筋縄ではいかないようだ。
(後少し・・・・・あと・・・もうちょっと・・・・・)
残りの呪文を一気に詠唱すると、リリアーナは鋭く杖を振り下ろした。
>213
リリアーナが杖を振り下ろすと、辺りを覆う金色の“水”が一瞬発光した。
それは、ヘレンの回復を知らせる合図だった。
>>「…ありがとう、リリアーナ。君には助けられてばかりだね。」
ヘレンは一瞬ロックの方を見た。
ロックは術の邪魔にならないようにリリアーナから少し離れていたが、
リリアーナが苦しそうだったので、倒れそうになったらすぐに支えるぜ!
とばかりに、クラウチングスタートの構えをとっている。
>>「いつか必ず、君にはお礼をしに行くよ。」
ヘレンが回復すると、彼の足元にある床が沸騰するようにごぼごぼと泡立ち、
海に浮かぶ筏の様にぷかぷかと宝箱が浮き上がってきた。
宝箱は、それを手にする資格がある者を心待ちにしていたとばかりにたゆたっている。
>>「さあ、ミルク。ゲームは終わりだ。」
ヘレンは、ふと誰かに声をかけられたような気がしたので、皆に聞いた。
>>「何だい?まだ何か僕に聞きたい事でもあるのかな?」
>213-214
リリアーナが杖を持って呪文詠唱を始めると、ヘレンの足下にまた珍しい魔法陣が現れる。
リリアーナの体も水色に光り出し、リバースの治療が始まったことが良く分かった。
こうなっちゃうと、あたしには見てるだけ以上の手伝いはできなくなる。
でもリリアーナは前にもヘレンを治してたみたいだし、心配しなくても楽勝かな…
>「・・・・・・くっ!!」
そう思った矢先、リリアーナが明らかに苦しそうに胸を押さえた。
おいおいおい、聞いてた話と全然違うじゃないか!
どう見てもリリアーナに負担かかりまくってるんですけど!?
それとも前の時もこんなに苦労して、これが普通だったりするの!?
神様お願い!できるならリリアーナに力を貸して上げてーっ!!
祈りながらあたしが見守る中、リリアーナは呪文と共に杖を振り下ろした。
その動きに合わせるように、床も壁も天井も黄金に輝く光を放つ。
>>「…ありがとう、リリアーナ。君には助けられてばかりだね。」
ヘレンの口調はさっきまでとあまり変わらない。
でもその言葉は確かに、崩壊しかけていたリバースの回復を意味するもの。
>>「いつか必ず、君にはお礼をしに行くよ。」
言葉を続けるヘレンの足下が泡立つように動いた。
床の下から、水面に浮かび上がるかのように宝箱が上がってきたのだ。
宝箱はうねうねと動き続ける床の上で、やっぱりうねうねと動き続けている。
>>「さあ、ミルク。ゲームは終わりだ。」
「う、うん…」
ヘレンに呼びかけられ、あたしは宝箱の側に近づいた。
この箱を開けて鍵を取り出せば、長いようで短かったイベントは幕を閉じる。
最もふさわしい者を優勝者として。
側でヘレンが、聞きたいことが無いかと尋ねていたけど、今のあたしには聞きたいことは浮かばない。
「……ねえ、リリアーナ。箱を開けて鍵を取り出すの、変わってもらっても良いかな?」
しばらく宝箱を見下ろした後。あたしはリリアーナに振り向いてそう言った。
「あたしはペンダントをゴミ箱に入れたけど、自力で全部集めた訳じゃない。
さっきだってリリアーナがヘレンを回復しなかったら、この宝箱も出てこなかった。
それに、リバースの崩壊を食い止めて無事に帰れるのは、みんなが協力したからだと思う。
あたしは、全員無事に帰れて分け前がもらえるんなら、優勝なんかしなくても十分満足できるよ。
みんなはそう思わない?あたしじゃなくて、リリアーナを優勝させたくない?」
あたしはぐるりとみんなの顔を見回す。
きっとみんな、リリアーナを優勝させるのに賛成してくれると信じて。
「リリアーナのバレンタインチョコがきっかけで始まった、今回のイベントだもの。
リリアーナに始まりリリアーナに終わる。
優勝して、本当の意味でこのゲームを終わらせてよ。リリアーナ」