生きていることが幸せで、死んでしまうことが不幸せ?
そんなこと、いったい誰が決めたのかしら?
生きていることが不幸で、死んでしまうことが幸せなことだってある
眼前に転がる2つの肉塊 私のお母さんとお父さん
私の大切なお母さんとお父さん 死んでしまったお母さんとお父さん
2人を殺した怪物達がドアをドンドン叩いている
今の私にとって生きていることが不幸であり、死んでしまうことが幸せだ
不幸な私は幸せになるために、ゆっくりとドアの鍵を外す
暴徒のようになだれ込んでくる怪物達が一斉に私の身体を犯すように食べ始めた
あぁ、そうして私は・・・・・・やっと、幸せに・・・・・・
前スレ:
バイオハザードLEVEL17
ttp://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1196602823/
3 :
ゾンビ1:2008/05/09(金) 19:35:33 O
うがぁ〜あ
4 :
名無しになりきれ:2008/05/09(金) 20:41:20 O
助けてくれ!六尺しめた角刈りでガチムチ兄貴ゾンビがアナルを狙って襲ってきやがった!
俺の友人達はガン掘りされて肛門裂傷で死んでしまった
今も奴がドアにタックルして部屋に入ろうとしている・・・・
親友達よ、俺もすぐそっちに逝くことになりそうだ、いく前に奴にハンドガンで風穴開けて逝ってやる
空を見上げると夕焼けに染まるラクーンの空に一番星が静かに光を放っている・・・
今は忌々しいゾンビ共とカラスの泣き声が冷たい風と共に聞こえてきやがる・・・
扉が壊れると同時にデカマラをおっ立てた奴が俺を見つけて猛スピードで走ってきた
俺は奴の額に向けて発砲する・・・
マラで弾かれアッー!
前スレ
>>299 >「大丈夫か少年?」
先程見た青年が僕を立ち上がらせる。
「ありがとうございます」
>「気を付けろよ、このあたりは化物の住処なんだから。気を抜いてると死ぬぞ?」
「…ええ」
これから気をつけよう。もう、傷を負いたくはなかった。
>「まっ、怪我とか銃の撃ち方は鈴木さんにでも習ってくれ」
鈴木さんがこちらへ向かってきたので、青年はそちらへと向き直った。
前スレ
>>296 >「怪我を見せてください。」
「あ、はい…」
返事をしたときには、もう鈴木さんは傷口を見ていた。
>「ワクチンが有りますから、後で回収しましょう。
感染する可能性は、ゼロではありませんがね。」
「…すみません」
一緒に行動を始めて早々に負傷したことに対して、謝罪の言葉を述べる。
鈴木さんは僕の方へ向き直り、
>「そうそう、銃を撃つ時は、体を硬直して反動を受け止めるのではなく、
反動を吸収、受け流すようにして下さい。
ついでに、そのゾンビが持っていたバックを回収して下さい。
何か、情報が残っているかもしれません。」
「わかりました」
肩を叩きながら歩いてゆく鈴木さんの背中に返答をかえす。倒れているゾンビに
近づき、バッグを拾い上げた。中を覗くと、会員証が目に入った。
「何だ…?」
見てみると、電話番号が書かれているのがわかる。僕はそれを持って鈴木さんに
駆け寄った。
「こんなものが出てきたのですが…どうでしょう?」
状況:ゾンビの持っていたバッグの中から会員証を取り出す。鈴木に意見を求める。
前
>>306(Judas)
>「リーダー君、礼を言う。お陰で俺も同胞達も助かった、本当にありがとう」
「礼には及ば・・・」
弾が装填されたマシンガンの銃口が、ワシに向けられていた。
怪物が浮かべた笑顔の真意は、ワシには解る筈なんぞない。
ただ、掛け値無しの恐怖だけを感じとった。
>「殺すのは楽しい、そしてとても気持ちが良い。それは結構だ、だが理性は残しておけ。
思うままに理性も知性も無く殺す、見境無く牙を剥き、いずれ殺される。
狂人には誰もが簡単になれる、だけどリーダー君にはそうは成ってほしくない」
そう言ってJudasが銃を押し付けてきた。
受け取った銃が汗で滑り落ちそうになる。
>「以上が、人間から化け物に成った俺からの言葉だ」
ワシは、言葉の意味が解らなかった。
死んでも構わん、と思っていた気分が一気に吹き飛んだのは、事実だったがな。
>「報告お疲れ様。それじゃあ行こうか、リーダー君どうやらまだまだ楽しめそうだよ」
「あ、ああ。」
ワシは頷くと、Judasの後ろに着いて歩き始めた。
>>309(緑川奈菜穂)
ロビーらしき場所を出ようとした時、後ろからヒタヒタと足音が聞こえた。
ワシは振り返って、通路から出てくるハンター達を見た。
「何だ、あの人間の服じゃないか。」
手に持っているのは、さっき怒鳴り飛ばした若造の服だった。
「あの若造、服を脱いで・・・」
いや、脱いだ訳では無かろう。
多分、人間そのものだけを溶かすような何かに、出会ったに違いあるまい。
・・・今となってみれば解るが、以前のワシは、そんな事を考えようともしなかった。
Judasに銃を突きつけられて、初めて、そういう風に考えるようになったんじゃろうな。
死の恐怖に直面して、初めて、生きる為に必要な事が解ったって事だ。
そのハンターの後ろから現れたのは、若い女だった。
特に驚いていたり、ハンターにビビっている様子も無い。
それに白衣を着ているから、こう言った化け物を見慣れた研究員、と考えるべきかもしれん。
こんな風に考えるのも、Judasのお陰なのかも知れん。
「何だ、人間か。」
ワシは、銃を下ろしたが、警戒をしたままだ。
「おい、Judas!生き残りがいるぞ!」
状況:緑川を発見、Judasを呼ぶ
現在地:観測基地 ロビー
持物:Mk.46マシンガン(200)、ワクチン(37)、
>>5 >「…すみません」
「謝る必要は有りません。問題はね、貴方自身の生命に全て直結している、という事です。
今回は怪我で済みましたが、一歩間違えば動けない致命傷を負う事に・・・って千堂さんも仰っていましたね。」
他人の台詞を繰り返している事に気が着いた間抜けな男特有の、照れたような笑顔を浮かべる。
相手をリラックスさせる為の演出は、成功するだろうか。
>「こんなものが出てきたのですが…どうでしょう?」
やはり素人の相手をするのは問題があるようだ。
優先順位を考えれば、後でも充分な筈だ。
>>前305
そんな事を考えながら、腕時計に眼をやる。
時間は押し迫っている事は解っているが、確認したかったのは、無線封鎖が解けているか、だった。
「興味があるなら、掛けてたらどうですか?」
小川がポケットから携帯電話を引っ張り出し、姫路に投げ渡す。
(こんな所に迷い込んだってのは、どういう事なんだろう・・・なっ?!)
横から加わった衝撃に、小川がバランスを崩して床に倒れ込んだ。
手にしていた拳銃を、馬乗りになったゾンビの口に突っ込むと、
砕けた歯と腐った血がボタボタと落ちてきた。
そのまま引き金を引くと、ゾンビの後頭部から銃弾が、続いて骨と脳漿が飛び出してくる。
動かなくなったゾンビを押し退け、立ち上がる。
汚れた白衣を来たゾンビは、一体何処から現れたんだ?
「新しい死体が多過ぎる・・・兎に角、先に行きましょう。」
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ。
所持品:FN FAL(16)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場前通路
状況: 携帯電話を姫路に渡し、移動開始。
備考:顔が血塗れ。髪型が変わって攻撃的な印象。
>>303-304>>310 >「ちょっと待って取葉さん、まさかあの赤い竜以外にもGがいるなんて言わないわよね?」
桃華の問い掛けに、何時もの調子で答える。
「ガラスが割れる音が聞こえたけど、何かが地面に激突する音は聞こえなかったからね。
思うに、あの一匹がビルから出てきたんだと思うな。」
聴覚を強化している取葉だからこそ、聞く事が出来た音だ。
>「腕だけで這いずり回っているのが、居たっけな。」
「そこまでの責任は、取れないよ。
ま、アパッチに載っている彼女のリアクションを見るに・・・やっぱり解らないな。」
アパッチがM230をGに向けて撃つが、全く効果はない。
それどころか、いとも簡単にアパッチを叩き落してしまった。
ミスタ・ルイスは桃華の腕を引いて逃げ始めていた。
取葉も逃げ出すつもりだったが、爆発したアパッチのローターが扉に突き刺さり、
逃げ道を完璧に塞いでしまった。
>>「ミスタ、これじゃピック・アップは無理です!武器だけ落としますよ!」
>「くそ、勘弁してくれ。桃華、怪我は無いな?」
「えーと、兵器の事は良く解らなうのだけどね、もしかしたら、勝てるかもしれない。」
二人を立たせると取葉が続けた。
「M230の弾は、速度が早いから、貫通したんじゃないかな?
さっき言っていた、ロケットランチャーだったら、どうだろう?
当たった瞬間に爆発するなら、充分、ダメージを与えられると思うよ。」
ミスタ・ルイスが読んだヘリがこっちに向ってくる。
「それにアパッチの攻撃は、胴体に集中していた。
羽の動きを司る筋肉が無事だから、飛び続ける事が出来たんじゃないかな?
屋上に落として、ロケットランチャーで攻撃するんだ。
素人考えだけど、もしかしたら、上手く行くかもしれないよ?」
ミスタ・ルイスが以前言っていた通り、自分なりの考えを伝えてみる。
>>7 白衣を来たゾンビはそのまま力無く崩れ落ちた。
・・・白衣のポケットから、ノートが落ちた。
―地下実験場で発見した生物に関して―
・・・観測施設から脱出して三日目。
くそ、まさか・・・あんな生き物がいるとは。
それにしてもあの姿・・・最初は、昆虫の化け物かと思ったが・・・
あぁ、出来る事ならあの生き物を捕まえて、じっくりと観察をしたい。
柔軟性を持ったあの手こそ・・・全ての謎を解き明かす・・いや、そんな事は関係無い。
俺はあの生き物に魅了されている。
出来そこないのモーロックと違い・・・くそ、きちんと観察結果を残さねば。
さて、高度な知能と高い知性を伴ったあの生き物、仮にウルタールと名付けよう。
ウルタールは、高度な知性と社会性を持つ事で、この過酷な環境を生き延びたと予測される。
帝国陸軍がどのような意図でウルタールの素体を放ったのか不明だが、
ウルタールの祖先は、知性と社会性を得る事で高度な生存性を手に入れた。
ウイルスの影響なのか、知性は幾何学的に倍増していった、と思われる。
と、同時に祖先が持っていた記憶を受け継いでいるらしい。
と言うのも・・・
ここから先は、ノートが破れており、読む事が出来ない。
>>前307
>「モフ、モフ!ちょっと待ってってばー!!」
モフは階段を下りて、まっすぐに出口を目指す。
が、正面の出入り口は完全に塞がれており、そのまま脱出する事は出来ない・・・
スタンガンの直撃を喰らった一匹が起き上がる。
変形した頭部を力任せに引き千切る。
投げ捨てられた昆虫の頭部は、カラカラと音を立てて床に落ちた。
そのまま、ゆっくりとウルタールが歩き出し、追跡を始める。
出入り口の周囲には様々な部屋が有る。
部屋によっては、気配が無い場所もあるが・・・
>10
モフは階段を下りて矢のように走った。
私はモフを見失わないよう、息を切らして走らなくちゃならなかった。
「出口って・・・ここ?」
ハッハッと息をしながら、モフがワンと吼える。
塞がっていると思えた出口には、子犬が通り抜けられそうな穴が開いていた。
「ここじゃちょっと出られないかな。他の出口を探そう?」
モフは尻尾を振りながら、床の匂いをかいでいる。
そしてまた矢のように走り始めた。
>出入り口の周囲には様々な部屋が有る。
部屋によっては、気配が無い場所もあるようだ。
モフが尻尾を振りながら、そのうちの一室に入っていってしまった。
「モフ、出ておいで」
今は人の気配は感じられないけれど、油断は出来ない。
私はいつでも逃げられるように身構えながら、握ったままの懐中電灯で部屋を照らしてみた。
>>前310
>>8 逃げ道は完全に塞がれて閉まった。
ここで戦って、ヘリで逃げる以外に脱出方法は無い。
>「それにアパッチの攻撃は、胴体に集中していた。
羽の動きを司る筋肉が無事だから、飛び続ける事が出来たんじゃないかな?
屋上に落として、ロケットランチャーで攻撃するんだ。
素人考えだけど、もしかしたら、上手く行くかもしれないよ?」
「それ、いけるかも知れませんよ。」
同意するようにモモカ号が吠える。
仮にダメージを与えられなくとも、翼を動かす筋肉の動きを一時的に止めれば、
その間は浮いていられなくなる。
「えーと、対戦車ライフルで翼の付け根を撃てば、動きを止められるかも。。
それにロケットランチャーの弾頭を接触信管から時限信管に切り替えます。
きっと上手く行きますよ。」
柔らかい体組織を持ったGに対し、硬い物にぶつかった衝撃で爆発する接触信管は、役に立たない。
それに対して、一定時間後に爆発する時限信管ならば、Gの体に取り込まれた後でも、きちんと爆発する。
「弾頭の切り替えなら、習った事があります。ミスタ・ジョージ、対戦車ライフルをお願いしても良いですか?」
弾頭の切り替え作業は慎重に行う必要がある。
片手しか使えないミスタ・ルイスには難しいだろうし、桃華も取葉も出来ない。
ミスタ・ルイスが呼んだヘリが屋上を掠めるように通り過ぎ、ショック吸収剤が詰まったケースを3つ落としていく。
ケースの中には、ロケットランチャー・対戦車ライフル・MP5サブマシンガンが入っている。
「・・・桃華、一つお願いがあるんだ!」
アンディが意を決して、大声を出す。
ケースの中から取り出したMP5を桃華に投げる。
「君に囮になって欲しい。お願いしても、良いかな?
ちゃんと帰りのヘリの中でキスして貰えるように、大急ぎでやっつけるから。」
さっきと違って、思わず本音が出てしまった。
けれども、気にしている時間も余裕も無い。
ロケットランチャーの入ったケースを引き摺りながら、安全に作業が出来そうな場所を探し始める。
屋上に鎮座するヘリの残骸の辺りならば、何とか見つからずに作業が出来るかもしれない。
>>11 ・・・少女が開けた扉の先は、宗教じみた雰囲気が漂っている。
様々な供物が並び、何かを請い願う為の神殿のような場所だった。
供物が捧げられているのは、生贄のように吊るされている人形だ。
オカッパ頭にちゃんちゃんこを来た女の子の人形はとても古い物のようだ。
桜模様が縫い付けられた赤いちゃんちゃんこは、時の流れによって脱色され、
ピンク色へと変わっている。
生贄のように吊るされた人形と少女が着ている防寒着は、完全に一致している。
・・・外が徐々に騒がしくなって来た。
モフが潜り込んだ祭壇の裏には、小さな隠し通路があるようだ。
前>304 前>310 >8 >12
>「腕だけで這いずり回っているのが、居たっけな。」
>「そこまでの責任は、取れないよ。
>ま、アパッチに載っている彼女のリアクションを見るに・・・やっぱり解らないな。」
「うわーん、どっちなのよー」
あたしは頭を抱えた。目の前の赤いのでお腹一杯なのに。
女科学者の乗ったヘリが凄い音を立ててGに銃撃を加えている。
物凄い音。肉にめり込むみたいな音がしてるから当たってはいるみたいだけど、効いてるのかまでは分からない。
>「桃華、今のうちにビルに戻ろう!」
「う、うん!」
ミスタ・ルイスがあたしの腕を引いた。どこにこんな力が?と思うくらい強い力だった。
背後で何かがひしゃげるような音がした。ミスタ・ルイスに続いてあたしも振り返った。
そして見た。
女科学者を乗せたヘリが、あっさりGに叩き落されたことを。
>本体とメインローターが分解され、回転の速度を維持したまま、マクナブに向って飛んでくる。
>桃華に覆い被さるように伏せ、ギリギリでローターを回避する。
>頭上を掠めたローターが、そのままビルと屋上を隔てる鋼鉄製の扉に直撃する。
>「ミスタ、これじゃピック・アップは無理です!武器だけ落としますよ!」
>「くそ、勘弁してくれ。桃華、怪我は無いな?」
あまりの事にあたしは言葉も出なかった。ただ、こくこくと壊れた人形みたいに首を上下に振った。
あたし達が逃げ込むはずだったビルの扉は、巨大なローターで破壊されてしまった。
逃げ場は無い。
ヘリの機関銃も効かない怪物に、一体どうすれば良いの?
>「えーと、兵器の事は良く解らないのだけどね、もしかしたら、勝てるかもしれない。」
あたしとミスタ・ルイスを立たせてくれた取葉さんが、相変わらずの口調で続けた。
屋上に撃ち落して、ロケットランチャーを打ち込めば何とかなるんじゃないかって話のようだ。
>「それ、いけるかも知れませんよ。」
モモカが同意するように吼えた。
>「えーと、対戦車ライフルで翼の付け根を撃てば、動きを止められるかも。。
> それにロケットランチャーの弾頭を接触信管から時限信管に切り替えます。
> きっと上手く行きますよ。」
「ホント?すごいわアンディ!」
なんだか希望が見えてきた。
>「・・・桃華、一つお願いがあるんだ!」
ランディがケースの中から取り出したMP5をあたしに投げて寄越した。
>「君に囮になって欲しい。お願いしても、良いかな?
>ちゃんと帰りのヘリの中でキスして貰えるように、大急ぎでやっつけるから。」
時間が惜しいのか、アンディはあたしの返事も待たずにロケットランチャーの入った箱を引き摺っていった。
あたしの事を信じてくれてるんだなと思った。
「だだっ広い屋上での追いかけっこ、ね……」
私の顔はさすがに引きつっていたかもしれない。
室内と違って、屋上はあまり隠れたり出来る場所も無い。空を飛ぶ怪物が圧倒的に有利なのは言うまでもない。
だけど……。
あたしとGと戦ったら間違いなくあたしが負ける。
でも、あたしはあの怪物の弱みを握っている。
それは、あたし自身の存在だ。
あいつは、あたしを生かして捕まえなければならない。でも、あたしは奴の事なんてどうでもいい。
「……ちょっと行ってくる。上手くいったら誉めてね!」
あたしはミスタ・ルイスと取葉さんに精一杯笑って見せると、なけなしの勇気を振りしぼって飛び出した。
銃をもってるけど、多分使わない。だって当たっても効果ないし。
それよりは皆から少しでも離れて、距離を稼いだ方がいい。
あたしはわき目も振らずに皆から離れようと駆け出した。
排気口?か換気扇?みたいな大きなものが、10メートルほど先にいくつも並んでいる。
あれの間を縫って走ってみよう。大きな触手ではちょこまか動く獲物は捕獲しにくいかもしれない。
【トリップを忘れたので変更します】
前スレ
>>310 >>8>>12>>14 「グアァァアァ!」
アパッチを叩き落とし、誇らしげに凄まじい咆哮を上げるG
最早残された仕事は桃華にGウイルスを植え付け、後継者にするだけである
余計なモノが三匹くっ付いているが、気にしている余裕など無い
G自身も生前の記憶から、ここが跡形も無く消される運命にあることは承知しているらしい
おそらく、進化を重ね過ぎて鈍重になってしまった今の体では脱出は間に合うまい
焦る気持ちが適格者への更なる執着となる
「グウゥゥゥ…!」
とその時である
丁度桃華が一人だけで駆け出しているではないか
これはいい!
邪魔者を気にせず最大の目標を捕えることができる絶好のチャンスである
間髪を入れずに触手と化した両腕が桃華を追う
だが、触手は目標に達する前に障害物に阻まれてしまう
いくつもの換気扇が立ち並び、素早いコントロールができないのだ
普段なら丸ごと薙ぎ倒すところだが、大事な後継者の体を傷つけるわけにはいかない
これらの間を縫ってちょこまかと逃げ回る少女相手に、予想以上に梃子摺る
「グウゥアアアァァ!」
いたずらに時間が経過し、イライラが頂点に達したのか、怒りにも満ちた一声を上げる
その後、バランスを取るためかビルの屋上に着地した
さらにその瞬間、なんと全身の「眼」が無数の触手となって飛び出したのだ
先っぽが「眼」となった触手が、Gの全身から無数に生えている状態だ
触手はわらわらとイソギンチャクのように蠢き、全てが桃華を見据えている
触手が伸び、換気扇群の隙間の全方位から桃華目掛けて進んでくる
逃げ場らしい逃げ場は無く、Gは勝利を確信する
リモコンを片手にテレビのチャンネルを次々と変えた所で、流れる映像は殆ど一緒だ。
物事の本質をぼやかし、感情に訴えかけると言う点でもまた、一致していると言える。
違うのは、アナウンサーの顔、そして其々の専門家の自説位のものだろう。
全てのテレビ局が、スペンサービルで発生した、第三の生物災害に関する特番を組んでいる。
内容は全て、解雇されたデュラン・スペンサー元日本支社長がテロを起こした、とするものだ。
古泉総理の復帰と自衛隊の出動は既に鮮度を失い、
ビル周辺の市民の避難と自衛隊の撤退すら、鮮度を失いつつある。
誰もが新たな局面を待ち焦がれている最中に、それは突然、やってきた。
「・・・現場の大塚さん、有難うございました。」
撤退した自衛隊へのインタビューを試みていたアナウンサーから、小奇麗なスタジオへと映像が移り変わる。
進展が全く無い事に退屈し始め、深刻な表情を作るのにも飽きてきたニュースキャスターの表情が一変する。
抜け掛けていたイヤフォンを耳に押し込み、より確実にその声を聞き取ろうとする。
「・・・どうやら、テロリストが持っていたのは、ウィルスだけでは無かったようです。
小型核兵器を持ち込んでいる、と新たな犯行声明を出しました。
要求が受け入れられないのであれば、夜明けと同時に爆破する、との事です。」
無論、欺瞞情報である。
在日米軍が行う核弾頭の投下は、テロリストの悪行として報道され、人々の記憶に焼き付けられる。
人々の記憶になった頃にデュランは死亡しているから、これほど理想的な事は無い。
異を唱える唯一の人間は死亡し、核兵器の真の所有者に関して疑問を持つ人間は、
変わり者の陰謀論者として、嘲笑を浴びせられる事になる・・・
「最新情報をお伝えしました。さて、今までの事件の詳細に関しては、下記のURLまでアクセス下さい。」
画面の下にテロップでURLが表示される。
ttp://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1211023471/ 「チャンネル2、ニュースETC7。CMの後も、まだまだ続きます。」
今の自分こそ、完全なお荷物だ。
何一つ出来ず、眺めている事しか出来ない。
>8>14−15
取葉の考えは筋が通っているし、文句の付けようが無かった。
アパッチとGの戦いの最中に、良く見ていたものだと感心せざるを得ない。
ただ、アンディの提案を受け入れる事は難しい。
しかし・・・
>「だだっ広い屋上での追いかけっこ、ね……」
「俺も援護するから、安心しろ。」
掠れた声で囁くのが精一杯だった。
弾切れになったMP5サブマシンガンを両足で挟み、マガジンチェンジをする。
Gは悠々と空を飛び、地を這う人間達を睥睨している。
これは、鼠と鷲の戦争だ。
>「……ちょっと行ってくる。上手くいったら誉めてね!」
桃華の笑顔の裏には、恐怖が透けて見える。
せめて、立場が逆だったら、と思う。
出来る事なら、代わってやりたかった。
しかし、それが出来ない以上、娘の決断を受け入れ、全力で成功に導かなければならない。
「一緒に帰ろう。約束だ。」
Gと距離を取りながら、俺はゆっくりと桃華の後を追う。
空調排気設備が並ぶ、墓地のような一角に桃華が潜り込む。
Gの巨体に取って、十分な障害物だった。
焦って空調機を破壊してしまえば、桃華が巻き添えになってしまう。
>「グウゥアアアァァ!」
しかし、安全地帯など存在しない。
全身の目が文字通り飛び出し、桃華を追い詰めようとする。
>「モモカ、あの子を助けてやってくれ。パパが、触手の群れを掃討するから。」
マクナブは、焦る事無く引き金を引く。
十数本の触手が銃弾に切り裂かれ、その場でバタバタと
墓石のように並ぶ排気システムの間を縫うように進む触手が進むルートは、限られている。
ビルの合間を進む自動車の群れに、待ち伏せを掛けるのと何一つ代わらない、簡単な作業だった。
モモカ号が走り、桃華を背に乗せる。
マクナブもまた、移動を開始する。
同じ手は、恐らく通用しないだろう。
「っけ!なんでぇ。腰抜けばっかかよ」
まるで静観されているかの様に、全く襲ってくる気配を見せない事に苛立ちを覚える。
「おう!いい度胸してんじゃねぇか。あぁ!?だんまり決め込むんなら、こっちから行ってやろうじゃねぇの」
(囮の意味がねぇじゃねーかタコ!なんだってこんなに静かなんだよ)
わざと仰々しく肩で風を切るように奥へと足を進める。
「ったく時間がねぇってのに・・・あ?何だ?」
遠くで微かに人工的な光が1瞬飛び込む。
「俺達以外の生き残りか?いや巣みてぇな場所だし、そりゃねぇよな。ガキか?」
「しゃーねー。こんなんじゃ目標も糞もねぇからな」
光の発生していた場所へ向け進みだす。相変わらず男へは脅威が迫る気配が無い。
「何だか落ち着かねぇなぁ。気配はあるんだが遠いんだか近いんだか」
「気味の悪ぃ話だぜ。場所も胡散臭ぇったらねぇ」
口に出すつもりは無かったであろう言葉がつい漏れる。
「まぁ・・・俺様の素性も気味悪ぃからお相子か。てめぇの記憶が断片しかねぇなんてな」
「研究所、傘、検体、生きた技術の腕。ガキの言ってた事の方がよぽど信憑性があるじゃねぇか」
静かに足を進める。
「俺、人間だよな・・・?へへへっ馬鹿か!当り前だっつーの!」
「
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター 投擲武器*1
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 光源を目撃。探索。
>6 前309
「おい、Judas!生き残りがいるぞ!」
リーダー君の言葉にくるりと振り向けば、白衣を着た1人の女がいた。
ここに所属する研究員だろうか?・・・だとすると・・・。
このエリアに足を踏み入れた際に聞いた人工音声が脳内で繰り返される。
『・・・汚染状況ゼロ、生存者ゼロ、感染者多数』
そう、確かに人工音声はそう言った。
・・・この女がもともとここにいた研究員だとするならば・・・。
「リーダー君、銃を下ろすな・・・自分の身を守れるように・・・アレは多分、感染者だ」
リーダー君にだけ聞こえるように言い、俺は女にゆっくりと近寄る。
一歩一歩、ゆっくりと、まるでこれから淑女にダンスでも申し込まんとする紳士のような足取りで女の前まで歩いていく。
女は逃げようとはしないものの、こちらをまるで信じられないものでも見たように凝視している。
まあ、あのクソ首の血に塗れたこの身体だ・・・凝視しない方がおかしいか。
「やあ、綺麗な綺麗なお嬢さん、銃口を向けたままで失礼だが・・・2、3質問させていただけないだろうか?」
口に笑みを張り付かせたまま俺は白衣を着た女に問い掛ける
「1つめ、お嬢さんの名前 2つ、いつからここにいるのか 3つ、アンタは感染してるのか。
出来れば10秒以内に返答の意思を見せて欲しい、その意思がないなら襲ってくるといい・・・10秒待たずに串刺しにしてやる」
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(5)
現在地:九武村観測基地 ロビー?
状況:女に質問、全身血まみれ
ハンター2匹についていった先で私が見たもの
それはある程度想像していた物の、斜め上を行く物だった
新型のBOWだろうか?
完全に人の姿をした、まるで宇宙人を思わせる姿をした怪物が、ハンターを従えていたのだ
横に何人か人間もいる様だが、どれも統一感の無い服を着ているので彼等が何かの組織の人間とは思えない
ふもとの村の人間だろうか?
そんな事を考えている間に、宇宙人型はこちらに近づいてきた
…赤い血が体に付着しているが、これは……こんな状況だから、と割り切ろう
仮に、うん、そうだとしても、仕方が無い事だ…他に手は…
>「やあ、綺麗な綺麗なお嬢さん、銃口を向けたままで失礼だが・・・2、3質問させていただけないだろうか?」
…とりこし苦労だった様だ………良かった
しかし、喋れるところを見ると彼は人間としての自我がかなり強いらしい…
……それが逆に危険かもしれないが、速攻で襲ってこないところを見ると常識もそこそこ残っていてくれているようだ
>「1つめ、お嬢さんの名前 2つ、いつからここにいるのか 3つ、アンタは感染してるのか。
出来れば10秒以内に返答の意思を見せて欲しい、その意思がないなら襲ってくるといい・・・10秒待たずに串刺しにしてやる」
中々質問の仕方を心得ているようだ
意図は私が感染者かどうかをはっきりさせる物である事から、感染者でなければある程度助けてもらえる可能性もあるという事かもしれない
…まあ嘘つく理由も無いんだけどさ
とりあえず私は一つ深呼吸をすると、ゆっくりと口を開いた
「ぁ…ぁー…私はぁ緑川、緑川奈菜穂、5ヶ月位前からここに勤めてます、ぇー泊り込みで、感染については自覚症状があるなし様々だからいちがいにどうかは言えないけれど、私は正常なつもりで…はい、一応正常です…」
彼は一体何者だろうか?
どうしよう
混乱して何を言っていいのかわからないが…
一つ言えるのは私にできる事は状況に流されるしかないと言う事だろう
私は彼の質問に答えると、とりあえずもう少し彼から距離を取った
声のした方へと足を進める。
途中で、ゾンビやモンスターとしか言いようのない化け物に遭遇するが、
その場で立ち止まって、物音を立てずにやり過ごす。
「クソ・・・まったく、ここはRPGのダンジョンかよ・・・」
自嘲気味に千堂は小さく呟く。
そして、再び前に向かって歩き出す。
「ハァ・・・、本当にツいてないぜ・・・」
>18
「ん?」
しばらく歩いていると、前に何かが動いているのが見えた。
千堂は、すぐに身構えるが暫くして違う事に気づく。
なぜなら、その姿に見覚えが有ったからだ。
「外国人の・・・おっさんか?」
所持品: 腕時計 古刀 脇差 日本刀 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
H&K MP7(20)マガジン(20)×6
レミントンM700(5) 予備弾(60)
青い液体の入ったケース
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:ミヒャエルに声をかける。
>>12>>14-15 >「それ、いけるかも知れませんよ。」
「言ってみるものだね。」
取葉が笑いながら頷く。
>「弾頭の切り替えなら、習った事があります。ミスタ・ジョージ、対戦車ライフルをお願いしても良いですか?」
「ま、妥当な判断だね。」
ケースの中に入っていた対戦車ライフルを受け取り、スコープ越しにGの姿を捉える。
重い対戦車ライフルを軽々と構える取葉が笑う。
>「……ちょっと行ってくる。上手くいったら誉めてね!」
「勿論だとも!ところで・・・ミスタ・ルイス、覚えているかね?」
囮になって飛び出した桃華を追いかけるGに狙いを定めながら、取葉が言った。
「地下鉄で、これと同じ銃で撃たれた時は些か驚かされたよ。」
換気扇群の隙間に潜り込んだ桃華に執拗に襲い掛かるG。
痺れを切らしたのか、はたまた学習したのか、眼球を先端に供えた触手を突き出してきた。
その触手を攻撃するミスタ・ルイスと、桃華を背に乗せるべく走り出すモモカ号。
「私は本体を攻撃するよ。」
取葉が対戦車ライフルを発砲する。
巨大な触手の付け根を狙い、発砲を続ける。
もし、Gが飛び上がれば、飛び上がった瞬間、羽の付け根を攻撃するつもりだった。
「ミスタ・アンディ、まだ時間が掛かりそうかね?!」
時間稼ぎは出来ても、決定的なダメージを与えられない状況に、取葉が焦る。
きっと皮膚一枚の違いなのだろう。
徘徊する化け物と私の違いなんて、きっと見た目だけなのかもしれない。
いいえ、私は人間だ。何があっても人間である事を捨てたりはしたくない。
人である事を捨てた瞬間に、きっと私は死んでしまう。
>前スレ235、250、268
胸元に込み上げてくる吐き気を堪えながら、その中に入った。
「何…ここ。」
地下にこんな場所があるなんて、信じられない。
いいえ、一体此処で何が行われていたんだろう?
「絶対、碌でもない様な事やってたんでしょうね、こんなとこ…。」
ぼんやりとした明りは気味の悪さを増幅させるには充分すぎる。
それに微かに漂う悪臭と得体の知れない鳴き声。
幾ら暗闇でも目が利いても、襲われたら圧倒的に不利。
一歩一歩警戒しながら足を進めるごとに、得体の知れない気配と鳴き声が纏わりつく。
「今更息を殺したって無駄ってわけね。」
こうしている間に彩ちゃんに危険が及ばないとも言い切れない。
どうせ向こうにも知れているんだ。
いいわ、それなら先手必勝。
「彩ちゃん!何処なの!?」
どうか無事で居てと、ありったけの声で私は叫んだ。
これ以上、あの子に地獄を見せたくは無い。
所持品:なし
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 森村彩の行方を捜索中
>9
ゾンビが落としたノートをベルトに押し込み、先を急ぐ。
飯田老人が言っていた操作室は、直ぐそこだった。
シグを構え、慎重に扉を開ける。
自然と息が浅くなり、目付きが鋭くなる。
ドアを開けるこの瞬間、小川の緊張感が頂点に達する。
部屋の中を漂う埃一つ一つを感じ、見る事が出来るようになった気がした。
「・・・大丈夫そうですね。」
小川が銃を下ろす。
「確か、ここの筈ですが。取り合えず、ドアを閉めましょう。」
>「あの。」
携帯を片手に姫路が呟く。
>「電話、ちょっと繋がらないみたいです。」
「ま、その内折り返し、電話があるかもしれませんね。」
刺を生やしたゾンビの持物の電話番号に、姫路は掛けていたらしい。
ドアが閉まった事を確認すると、小川は無言で操作盤を探し始める。
隅々を探すうちに、壁の一部がガラス張りになっている事に気が付いた。
びっしりと張り付いたカビと埃が、ガラスを多い、壁のように見えたのだ。
掌でガラスを拭うと、向こう側にある物が見えた。
「これが原子炉か。流石にぞっとしない・・・な。」
小川が引き攣った笑いを浮かべる。
ステンレス製と思しき巨大な球形の炉心からは、複数のパイプが突き出している。
まるで巨大な心臓と、そこに繋がる血管の群れのようだ。
パイプや炉心に亀裂や痛みは見えないが、しゅうしゅうと音を立てる蒸気が、
炉心が未だに稼動中である事を告げている。
「もう少し、照明の操作盤を探しましょう。」
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ。
所持品:FN FAL(16)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 操作室
状況: 照明装置の操作盤を捜索中。刺ゾンビが落とした荷物の電話番号には、連絡済み。
備考:顔が血塗れ。髪型が変わって攻撃的な印象。
>>18 >「俺、人間だよな・・・?へへへっ馬鹿か!当り前だっつーの!」
>「外国人の・・・おっさんか?」
その声に反応するように、巨大な顔が茂みから飛び出してきた!
しかし、火薬の匂いに気が付くと、大慌てで茂みの中へと戻っていった。
>>23 >「彩ちゃん!何処なの!?」
唯一火薬の匂いのしない存在である山田あすかの前に、数匹のモーロックが現れる。
警戒し、にじり寄るモーロックの口からは涎がダラダラと垂れ流されている。
そいつらは丁度、先頭を走るミヒャエル達と山田あすかを分断するようにして現れた。
その時、巨大な何かが、巨大なキノコのような樹木を押し倒しながら、現れる。
そのまま巨大な口でモーロックを飲み込むと、山田あすかの前に立ちふさがった。
現れたのは、2メートル近くある巨大な蝸牛の化け物。
体をくねらせて進む蝸牛と違い、地面に接する部分には、芋虫の足のような、短い突起が生えている。
ヌルヌルと光る灰色の体と、金属のような光沢を放つ巨大な殻には、
シダ類の特徴を備えた植物がびっしりと生えている。
巨大な口の直ぐ上の、突き出した2つの巨大な目が、山田あすかの姿を捉える。
どうやら、後方に居るミヒャエルと千堂には気が付いていないようだ。
そのまま山田あすかを喰らおうと、巨大な蝸牛がにじり寄ってきた。
26 :
村田長男 ◆kwGllWL2yY :2008/05/24(土) 03:39:55 0
>>19-20 Judasは、何か考え事をしているように見えた。
何を考えているのかは知らん。
>「リーダー君、銃を下ろすな・・・自分の身を守れるように・・・アレは多分、感染者だ」
ワシは、頷く代わりに銃を構えたままだった。
返事よりも、行動で示さなければ、Judasに見捨てられちまう気がしたんじゃ。
>「1つめ、お嬢さんの名前 2つ、いつからここにいるのか 3つ、アンタは感染してるのか。
出来れば10秒以内に返答の意思を見せて欲しい、その意思がないなら襲ってくるといい・・・
10秒待たずに串刺しにしてやる」
不躾でストレートな質問に女が答える。
>「ぁ…ぁー…私はぁ緑川、緑川奈菜穂、5ヶ月位前からここに勤めてます、
ぇー泊り込みで、感染については自覚症状があるなし様々だからいちがいにどうかは言えないけれど、
私は正常なつもりで…はい、一応正常です…」
何とかって若造と違って、自制心もあるように見えた。
「どうしたもんじゃろうな。」
後ずさりする娘っこを見たまま、ワシは呟いた。
「ところで、この先のトイレに秘密通路が有るらしいんじゃが・・・その様子だとなんも知らんか。
Judas、この娘っこも連れて行くか?」
ま、囮くらいには、なるじゃろうな。
状況:緑川を連れて行く事を提案。
現在地:観測基地 ロビー
持物:Mk.46マシンガン(200)、ワクチン(37)、
>13
「ここ・・・何?」
>様々な供物が並び、何かを請い願う為の神殿のような場所だった。
「ヒッ?!」
足元から天井に懐中電灯を向けた私は、危うく悲鳴をあげるところだった。
だって赤ちゃんが天井から吊るされているのかと思ったし。
吊るされた女の子の人形の前に並べられた品々は、お供え物なのかな?
それとも、生贄の儀式なんだろうか?
お人形は古めかしくて、ところどころ顔の塗装がはげてるように見える。
着ている服も褪色してピンク色だ。一体いつのお人形なんだろう?
(・・・・・・・・・?)
人形の空ろな目を見て、何だか背中がざわざわするような気がした。
でも原因が何なのか、その時の私にはよくわからなかった。
>23
>「彩ちゃん!何処なの!?」
山田さんの声だ。でも遠い。
私は外に飛び出し、大声で山田さんを呼びたい衝動にかられた。
だけど神殿から外に出る寸前、外がだんだん騒がしくなってきた事に気づいた。
人の足音?それとも、さっきの怪物のもの?
さっき閉じ込められていた場所からそう離れたとは思えない。
大声で山田さんを呼んだら、山田さんが来てくれるより先にさっきの怪物がくるかもしれない。
モフが祭壇裏の隠し通路を見つけてくれた。
どことなく得意そうなモフを抱き上げ、私はモフに話しかける。
「モフお願い、ここに山田さんをつれてきて。山田さん。わかる?」
「私、ここに隠れてモフが山田さんを連れてきてくれるのを待ってるから。お願い」
私は祭壇裏の小さな通路に身を潜めた。でもここじゃさっきの怪物に見つかるかもしれない。
少し奥に進んでみよう。
懐中電灯で足元を照らしながら、私は通路の奥へと歩き始めた。
私はドアの傍に張り付き、外の様子を伺った。
モフが潜り込んだ祭壇の裏には、小さな隠し通路があるようだ。
>>14-15>>17 モモカ号は、みんなの為に何かしたいと思っていた。
助ける方法も解っていたが、パパの目を見る事しか出来なかった。
>「モモカ、あの子を助けてやってくれ。パパが、触手の群れを掃討するから。」
モモカ号が迷わず走り出す。
パパは、モモカ号を信じていた。
Gの子供だけれども、大切なもう一人の桃華の命を、託してくれた。
その気持ちに応える為に、モモカ号は走り出す。
ミスタ・ジョージとミスタ・ルイスがG相手に、撃つ銃弾を潜り抜け、逃げ回る桃華のお尻に体当たりをする。
宙に跳ね上げられた桃華を背中でキャッチすると、ワン!と一言吠えた。
桃華がしっかり捕まったのを確認すると、そのまま走り始める。
床を這うように触手が迫ってくるが、排気塔に向ってジャンプ、その側壁に足が着いた瞬間、
側壁を蹴って別の排気塔へとジャンプする。
素早い動きに触手が翻弄され、触手同士が絡まりあう。
>「ミスタ・アンディ、まだ時間が掛かりそうかね?!」
ミスタ・ジョージは焦っている。
しかし、アンディもまた焦っていた。
一つ目の弾頭の切り替えは、何とか出来た。
残り一つが、まだだ。
「・・・話し掛けないで欲しいな。」
弾頭の切り替え作業は、本来もっと安全な所で行う。
銃弾が飛び交い、ドラゴンが暴れまわる場所では、絶対にしてはいけない。
「もう直ぐ・・・もう直ぐ・・・出来た!」
大急ぎでロケットランチャー本体に、ロケット弾を装填する。
狙いをGの巨体に定め、スイッチを押せば、ロケットが発射される。
「桃華!二人とも逃げて!」
桃華と、桃華を背に乗せたモモカ号に向って大声で叫ぶ。
「ワン!」
モモカ号は背に桃華を乗せたまま、排気塔の上を飛び回り、Gから距離を取った。
アンディの姿に気が着いたGが、巨大な口をこちらに向ける。
「とびっきりのワクチンを飲ませてやるよ。薬は、口から飲むのが一番効くんだぜ!」
ロケット弾は、鋭い牙の並ぶGの口の中へと吸い込まれていった。
>>13>>23>>27 突如としてウルタールの巣に響き渡る爆音
何処からともなく発射されてきた20o炸裂弾が炸裂し、数体のウルタールを吹き飛ばす
そして、のっそりと姿を現す一人の大男
「仲間の仇だ!糞どもが!
地獄の使者が貴様らバケモノどもを皆殺しに来たぜ!」
そう罵声を浴びせると、「XM29 OICW」で武装した大男は即座に発砲を開始する
搭載された赤の照準レーザーや射撃管制システムによる効率的な狙撃サポート
乱射ではなく、確実に巣の内部に居るクリーチャーを撃ち抜いている
5.56mmライフルの弾が無駄なく目標に襲い掛かっている
「へへっ、所長の部屋から引っ張り出してきた秘蔵モノの武器はすげえぜ!
あの銃器マニア、こんなもんまで持ってたとはな!
一匹でも多く道連れにぶっ殺して、死んでいった仲間の手向けにする!」
再び撃ち放たれる20o炸裂弾
忍び寄ろうとしていた白い巨大ミミズを吹き飛ばし、ただの肉片に変えてしまう
「おらおら、俺を殺してみろ!
貴様ら賢いんだろ?
俺を殺してみろよ!」
彼は観測所から突入した傘社の任務部隊の隊長だった
彼の指揮していた部隊はウルタールの巣に不用意に足を踏み入れ、襲撃を受けて壊滅した
一人生き残り、銃器マニアであった観測所所長の部屋から引っ張り出してきた武器で復讐に戻ったのだ
狂気に駆られ、逆に襲撃している
>20 26
>「ぁ…ぁー…私はぁ緑川、緑川奈菜穂、5ヶ月位前からここに勤めてます、ぇー泊り込みで、感染については自覚症状があるなし様々だからいちがいにどうかは言えないけれど、私は正常なつもりで…はい、一応正常です…」
問いに答えた女は数歩下がり俺から距離を取る。
この程度の距離は俺のような化け物にとっては無いも当然なのだが・・・まあ、それはいい。
女の受け答えはしっかりしている。俺を見ても大して混乱もしていない。
いや、見慣れている、といった方が正しいのだろうか?
ともかく、この女は度胸もあるし冷静さもある・・・腐れ餌にするには惜しい。
>「ところで、この先のトイレに秘密通路が有るらしいんじゃが・・・その様子だとなんも知らんか。
Judas、この娘っこも連れて行くか?」
そう言ったリーダー君を一瞥すると、俺は女のもとに素早く近寄る。
そんな俺を見て、再び距離を取ろうと慌てて後ずさろうとした女の頭を右手でガシリと鷲掴みにする。
少し力を込めればまるで熟れたトマトを握りつぶすが如く簡単にこの頭を潰せてしまうだろう。
それを察知したのかどうかはわからないが、女は距離を取ろうと足に力を込めるのをやめる。
大人しくなった女の身体を無遠慮に眺める。深い傷は無い、身体の欠損も無い。
・・・ちゃんとした受け答えが出来るから感染は軽度か?それとも俺のような変り種?
まぁいい、確かなことは今ならまだワクチンを打てばなんとかなるってこった。
仮に俺のような変り種でも、それはそれで面白い。
にぃ、と口を歪ませると、女の頭を掴んでいた右手を離す。
「よかったな、どうやらまだ殺さなくていいようだ。リーダー君、緑川も連れて行くことにするよ。
感染してるが意識もしっかりしてるし、それになにより度胸が良い。とても気に入った」
そう言い終った直後、何かが俺の手を、くい、と引いた。大森の探索に行かせた同胞だ。
俺の言葉が切れるのを待っていたのだろう、手に持っていた大森の服を俺に差し出す。
それを見て、俺はすぐに悟った。大森はもう死んだということを。
「・・・そうか、お疲れ様だった。なに、お前達のせいで大森は死んだわけじゃあない。気にするな。
大森は運が悪かった、そして臆病過ぎた。だから死んだ、ただそれだけの事だ」
そう言いながら、手に持った大森の服を床に落とす。もう、ソレを着ていたモノには何の興味も見出せない。
「それじゃあ、リーダー君、緑川、行くとしようか。確かトイレの秘密通路だったな」
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(5)
現在地:九武村観測基地 ロビー?
状況:秘密通路のあるトイレに向かって移動
有谷浩平は木造の軋んだ机に足を掛け、おそるおそる携帯電話を鳴らした。
緊張からか、自意識過剰からくる寒々しさが、黒い虫のような電話を持つ手を震わせる。
「も、もしもしもし。私ですが」
相手が女性であることを思い出した途端、声がうわずってしまう。
「あ、あの規定の時間に、連絡がらかったようなので、電話さしあげました。
そこではもうお楽しみいただけましたか?」
持ち物:携帯電話、モップ
現在地:?
状況:小川の所持品の携帯電話に掛ける
>>26 中高年らしい、こちらは見た目普通の人物が、私を連れて行ったらどうかと怪人に提案した
連れて行く余裕があり、なおかつ、ここを探索する余裕もある連中(娘っ子って言葉が妙に心に残ったのはもちろんどうでもいい事だ)
並みの人間では無いのはもちろん、何かここをあさるのに脱出以外の目的を感じる…、最も、こんな連中がこんな災害に巻き込まれるとも…
……そんなのはまぁ、どうでもいい
問題は…
私に対して、問題が素早く近づいてきた
また思わず後ずさる私だったが、素早く頭を捕まれる
しばらく見詰められる私
そこで初めて目があい、相手の目が爬虫類に似ている事が、この男が人間に見えない事を際立たせているんだなあと思った
まだ腕に力はそれほど篭っていない
まだ死を覚悟するには早いな…
そんな事を考えている間に、奴は私の頭を離した
>「よかったな、どうやらまだ殺さなくていいようだ。リーダー君、緑川も連れて行くことにするよ。
感染してるが意識もしっかりしてるし、それになにより度胸が良い。とても気に入った」
……「まだ」の意味は私がこれから完全にウイルスに犯され、常人でもやむなく殺さねばならない時まで、と取っておく事にしよう
それと度胸がいいんじゃないのよ、お化けさん
諦めていて、どうにでもなれって思ってるから、こんな冷静でいられるの
正気だったら数秒で狂ってるわ、特に、あなたの顔見た瞬間
その後、あの服についてハンターが怪人に何か報告し、怪人がハンターに何か言っていたが、興味は無い
>「それじゃあ、リーダー君、緑川、行くとしようか。確かトイレの秘密通路だったな」
……え!?もう出発?
…あぁ、そうか、私が彼等について知っても何も得は無い、お互いに
時間と体力の無駄だ
……しかし一つ、どうしても聞いておかねばならない事がある
「ここの地下にいたんですか?」
相手がどれだけここについて知ってるか…この場合間取りや敵の情報の事を指すが、これを知っておかなければ、私も準備のしようが無い
例えば間取り全く知らないようならば案内する時の言葉を考えておけるし
敵について知っているようならば、先制攻撃すべきか、否かなどがある程度把握できる
……こんな時なのに頭回るなあ、あたし
>21
>「外国人の・・・おっさんか?」
そう遠くは無い、背後から声を掛けられる。
「あぁ?なんだ。サムライボーイかよ」
「だめだだめだ。こっちにゃ屁垂れの糞供しかいねぇわ。出てきやしねぇ」
光源の見えた方角から振り返り千堂へ向き直る。
「そっちは何か居たか?ったくよぉ。ガキ攫った奴も大した事ねぇんじゃねーか?」
「こんだけ大騒ぎしてりゃネズミの1匹位出てきても・・・」
>25
その声に反応するように、巨大な顔が茂みから飛び出してきた!
しかし、火薬の匂いに気が付くと、大慌てで茂みの中へと戻っていった。
「来やがったなこの糞蠅!ってコラァ!逃げんじゃねぇ!」
千堂へ向けて準備を促す。
「糞!おい!てめぇの身はてめぇで何とかしろよ!?」
Glockを眺め、ふと思い付いた様に胸元から手製の投擲武器を取り出す。
「それと向こうに明かりが見えた。確認するのが後か先かは自分で判断してくれ」
「これも持ってけ。プルやウランにゃ敵わねぇかもだが、俺さま好みの素敵なお嬢さんだ」
「良く考えて使わねぇと自分も蒸発しちまうからな」
勢い良く逃げたモノの後を追い始める。
「あちゃー。待て待て。映画じゃ今のシーン的に俺様が死んじまうみてぇじゃねーか」
「冗談じゃねーよ。てめぇの事も知らねぇまま死ねるかっつの」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター 投擲武器*1
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 巨大な影を目視。追跡中。
>>27 どうやらモフは、無事に外へ脱出したようだ。
・・・少女の足下に一枚の紙切れが落ちている。
メモ帳から破り取られた1ページらしい。
メモ帳の一部
観察を続けて随分時間が経ってしまった。
そろそろ脱出する頃合だろう。
ウルタールは興味深い存在だが、幾つか残念な事実が解ってきた。
1.遺伝病の流行。
地下実験場に閉じ込められた時の数が少なかった為に、遺伝病が発生している様子だ。
同じ血統を交配し続ければ、遺伝病が発生する率がどんどん高くなっていく。
おそらく種族としてみた場合、遠からぬ内に絶滅してしまうだろう。
2.独自の宗教に関して
ウルタールは、独自の宗教を持っているようだ。
彼らは、地上への帰還を願っている。
赤い服を来た人形をいけにえのように吊るしているが、あれがご神体だろう。
(多分、この実験場が出来た時に、工事関係者が忘れたものだろう。)
人間を見つけたらどうするか解らないが、危険な事になるかもしれない。
くわしい事は解らないが、上手く反対側にだっしゅつしたら、扉は閉めておく。
ウルタールが外へ出たら、大変な事になる。
3.なぞの毒に関して
ウルタールは、謎のもう毒を持っているらしい。
彼らが使う弓矢には、毒がぬられているらしく、生き物はあっという間に死んでしまう。
謎のまゆのような物から分ぴつした液を使っているようだが・・・
(よし、謎って字が書けたぞ。)
4.その他。
どうやらパソコンで文章を書いていた為か、おれは漢字が書けなくなっている。
こんな情けない文章を残したまま、死にたく無い。
〉21
突然の襲撃に、ウルタール達は巣からの脱出を始めていた。
その行動パターンはバラバラで明らかにパニックに襲われているように見える。
昆虫のような光沢のある胴体も銃弾を防ぐ事は出来ず、血と内臓を撒き散らし絶命していく。
死体を乗り越え、何匹かが巣の上部ブロックへと走って行く。
しかし、それは囮だった。
一階に潜んでいた数匹が、一斉に弓を放ったのだ。
迷い込んだ任務部隊は、飛び道具を使う生物の群れが居るとは思っておらず、
数十匹のウルタールが放った矢にで全滅したのだ。
しかし、再びやって来た見た事の無い侵入者は、危険な存在だと、ウルタール達は判断した。
最初にやって来た侵入者と違い、不思議な力を持っている。
大きな音と共に、群れが死んでいく。
だから、ウルタール達は矢に毒を塗った。
半世紀前に持ち込まれたコクーンから採取したエキスを塗ったのだ。
進化を促すエキスは、地下世界の生物達の助けとなった事もあった。
しかし、限界まで進化した地下世界の生物にが更に摂取すれば、青く光る巨大なナメクジ状の生き物になってしまう。
それも、生物本来の意識を保ったままに。
焼いても、凍らせても死なない、多分、真空の中でも死なない生き物こそが、進化の行く末なのだ。
遠い未来の地球は、力強さや美しさとは無縁の不死身の生物が、太陽の膨張によって焼き払われ、太陽が燃え尽き、寒々しい、岩と砂だけの地球を這いずり回るのだ。
毒々しく、青い燐光を放つ巨大なナメクジこそが、人類が死滅し、全ての生き物が焼き払われた後に、地球を支配する・・・
いや、人類の子孫こそが、忌々しい化け物なのだ。
我々の子供達は、日に日にナメクジがごとき存在になってしまうのだ。
その強壮な肉体に、粘液を地面に残しながらノロノロと進む事しかできない肉体に、意識そのままに閉じ込められた生き物達は、ウルタール達によって捕獲され、地下深くに閉じ込められる事になる。
人類の進化の行く末たる強壮なナメクジは、その何人たりとも傷つける事の出来ない強靭な肉体故に、
身を守る為の鋭い牙や爪、空を舞う翼や、大地を力強く走る為の足を持たない。ただ、そこに存在するだけで充分なのだ。
しかし、進化の過程に存在する人間が、強壮な半不定形のナメクジへの進化の過程を歩む人間が、進化の劇薬を摂取すれば、どうなるのか?
二本の足で直立して歩く、翼を備えた強壮な昆虫型の生物になるのか?
それとも、白い剛毛を全身に生やした巨大なミミズのような生物になるのか?
のたうち回る、青白い粘液を撒き散らす蛸のような触手の下半身と、人の上半身を持ったキメラとなるのか?
ただ一つ確実なのは、その生物が人の意識を持った化け物であり、
我々人類の、そう遠くない未来の姿である、と言う事だ。
15
>>17 >22 >28
Gは、あたしという餌に食いついた。
捕まえようと触手を伸ばしてきたけれど、あたしは間一髪排換気扇の群れに滑り込んだ。
やっぱりGはあたしを生け捕りにする必要があるみたい。
だって換気装置ごとあたしをぺんしゃんこに出来るはずなのに、そうしないんだから。
猛烈な勢いで触手が迫ってくるけど、あたしは何とかかわしていた。
捕まらないあたしにGはいらだってるみたいだけど、こっちだって必死なのよ!
ああ、でもずっと歳相応の外見じゃないのがコンプレックスだったけど、今日は違うわ。
小回りの効くこのコンパクトな身体に感謝したいくらいよ!
だけど、Gはやっぱり相乗以上の怪物だった。
>「グウゥアアアァァ!」
>いたずらに時間が経過し、イライラが頂点に達したのか、怒りにも満ちた一声を上げる
>その後、バランスを取るためかビルの屋上に着地した
しめた!と思ったわ。
これで上手くいく、とも。
だけどまさか、Gの全身についた「眼」の一つ一つが無数の触手となって飛び出してくるなんて。
触手についた眼がいっせいにあたしの方を向いた。
イソギンチャクのような動きに吐き気がしそう。思わず足がすくんだ。
好機と思ったのか、触手がいっせいに伸びた。
換気扇群の隙間の全方位からあたし目掛けて進んでくる。だめ、避けられない!
「キャ――――!!」
(もうだめ!)
どう考えてもかわせない。そう思った時だった。
リズミカルな銃声が響き、あたしの目の前で何十本もの触手が千切れて落ちた。
「ミスタ・ルイス!」
涙が出そうなくらい嬉しかった。そして、ミスタ・ルイスはプロなんだと実感した。
あんなに満身創痍なのに、あたしに当てず触手だけを撃つなんて。
「きゃっ?!」
ドン!と背後から何かに突き飛ばされ、足の間に何か大きなものがもぐりこんだ。
「な、な……モモカ!?」
モモカはあたしを自分の背に乗せるや否や、荷物を乗せているとは思えないほどの速さで移動した。
ミスタ・ルイスもまた移動する。
「一緒に帰るのよ!約束なんだから!」
取葉さんが大きなライフルをG目掛けて発砲している。
当たってるみたいだけど……効いてるのかどうかよく分からない。
悲鳴をあげるとかちょっと苦しんで見せるとかすれば良いのに。
>「ミスタ・アンディ、まだ時間が掛かりそうかね?!」
アンディはろくに返事もせずにロケット弾に細工してるみたいだ。
>「もう直ぐ・・・もう直ぐ・・・出来た!」
アンディはロケットランチャー本体に、ロケット弾を装填する。
>「桃華!二人とも逃げて!」
>桃華と、桃華を背に乗せたモモカ号に向って大声で叫ぶ。
>「ワン!」
「わ〜!!!落ちる落ちる落ちる!」
あたしは慌ててモモカの首にしがみついた。
花火のような感じの音が、アンディの方角から聞こえてきた。
アンディはGの口の中に、ロケット弾を打ち込んだみたいだ。
これからどうなるんだろう?
あれひどの武器だもの。当たれば粉々に砕け散るくらいあるかもしれない。
あたしは固唾を飲んで、その後のGを見つめた。
>>33 ミヒャエルが追いかけtたモーロックは、危険な匂いのしない山田あすかの元へと向っていた。
しかし、突如現れた巨大なカタツムリの化け物に食い殺されている。
背後から迫ってくる足音に向って、頭上から飛び出した目をくるりと背後に向けた。
ミヒャエルの存在を認めたが、脅威と認識していないらしく、目の前の山田あすかを食べる事しか考えていないようだ。
鋭い牙が生えた口を開け、山田あすかに迫る。
・・・山田あすかの足下には、頑丈そうな太い枝が落ちている。
先端は尖っており、そのまま槍代わりに使えそうだ。
>>20>>26>>30 モーロックの血の付いた、周囲と色違いのタイルを押すと、壁がゆっくり後退していった。
過去に、下水工事をした時の名残らしい通路の奥からは、不気味な呻き声と銃声(
>>29)が聞こえてくる。
一車線道路よりも若干広い下水道には、殆ど水が流れていない。
薄暗いが、まだ電源は生きているようで、裸電球が今にも消えそうな灯りを放っている。
モーロックの足跡は、点々と残っていたが、途中で消えてしまっている・・・
暫く進むと、巨大な鋼鉄製の扉が道を塞いでいた。
その隣に、人間用と思しきサイズの扉があった。
こちらは、つい最近まで使われていた形跡が残っている・・・
>31
飾り気の無い、初期設定そのままの着信音が制御室に鳴り響く。
小川の携帯から漏れる音から、小川自身の趣味や趣向は窺えない。
可能な限り個人を特定できるような情報を残したくない、と言うのも理由の一つだが、
着メロも着ボイスも鬱陶しいだけ、と言うのが本音だ。
まぁ、携帯と言う機械自体が苦手で、未だに赤外線データ通信のやり方すら把握していない。
姫路に出入り口を見張るように指示し、通話ボタンを押す。
照明のスイッチを探しながら、電話から聞こえる音に集中する。
>「も、もしもしもし。私ですが」
上擦った男の声に対し、小川は沈黙を守ったままだ。
男の声以外に聞こえる音は無く、相手がどんな場所に居るのか、という情報は得られそうに無い。
>「あ、あの規定の時間に、連絡がらかったようなので、電話さしあげました。
そこではもうお楽しみいただけましたか?」
充分過ぎる程、楽しんでいるよ。
恐怖に苦痛、流れる血と歩き回る死体。
仮に動く死者や化け物連中が居なくとも、
この山に囲まれた村は、態々訪れる人間が居るような土地なのか?
失礼ですが、と小川が断りを入れ受話器の向こう側に話し掛ける。
「ある女性の落し物を拾いましてね。警察に届けようかと思ったのですが、
何分、出張先の為、警察書の場所が解らない。
だから、バッグと一緒に落ちていたメモの番号に電話させて頂きました。」
人を騙す時は、礼儀正しく、多少の困惑を含ませながら喋るのが一番だ。
相手が有利な立場に居ると勘違いすれば、やりやすくなる。
「あの、失礼ですが・・・お名前や、どちらに居らしゃられるのか、教えて頂けますかね。
是非、お届けするなり警察に事情を話すなり、したいのですが。」
相手が何者か解らない以上、余計な事は言わない方が良いだろう。
それよりも、この地下に紛れ込んだ女の情報を確認しなければならない。
「是非とも、教えて頂けませんかね?」
出来る事なら、女性の個人情報やらも聞きたい所だが。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ。
所持品:FN FAL(16)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 操作室
状況: 遺品の持ち主と、電話を掛けて来た人間の情報を聞き出そうとする。
備考:顔が血塗れ。髪型が変わって攻撃的な印象。
>25、>37
気持ち悪い。化け物が化け物の共食いって、やっぱりいいもんじゃないわね。
今まで散々見てきて、慣れた筈なのに全然ダメ。
無理、絶対無理。吐いたり倒れたりしないって事はある意味慣れた様なもんでしょうけど。
化け物を平らげた蝸牛の王様はぎろりと私を見据えていた。
どうやらデザートにでもするつもりらしい。
「お腹壊したって…知らないわよ。」
警告しても通じるわけ無いか…通じたら苦労しない。
あんまりにも状況が悪すぎる。今の私はそう、手ぶらの無防備状態。
相手もそれを充分理解しているんだろう。
じりりと後退させた足に何か固い物が触れた。咄嗟にそれを拾い上げて、愕然とする。
「木の棒か。ついてんだかついてないんだか。」
出来れば刃物なんかが良かった。けど、この状況で文句は言えない。
先端が尖った、槍の様な木の枝を構え、禍々しい蝸牛の王様と睨み合った。
>33
>「来やがったなこの糞蠅!ってコラァ!逃げんじゃねぇ!」
「こっちよ!!ちょっと、何気に緊急事態なんだから!!」
何か危なそうな銃声(>29)も聞えるし。
大声で叫んだって届いているかどうかすら怪しい。
気を取られている間に蝸牛の化け物は距離を縮めてきた。
…やるしかない、という事ね。
「上等じゃないの。…ぶちまけてやらぁああ!!!」
建物全体に響いたんじゃないかと思うくらい怒鳴って、
私は手にしていた木の枝を化け物の口の中を狙って投げつけた。
所持品:木の枝
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 蝸牛の化け物(コパーマイマイ)の口腔目掛けて木の枝を投げる+気合の咆哮
>>35 「うおっ…ぐっ…!?」
弓矢の精度は思いのほか高く、男の衣類の隙間、露出した肉体を的確に射抜く
しかし、男は怯むことなく射撃を続ける
全く退いたり倒れたりする気配は無い
「くそ…、いてえ…
だがな、そんなアナクロ武器で簡単に死ぬような俺じゃねえぜ!
うおおぉぉぉぉっ!」
そう言いながら、上から矢を放ってきたウルタールに反撃する
頭部を的確に撃ち抜き、一瞬でほとんどを仕留めた
しかし、直後に男の体に異変が起き始める
「ん…何…?
なん…だ…?
体が…熱い…だとぉ?」
突如男の全身が沸き立つように熱くなり、目が飛び出しそうな感覚に襲われる
そしてその瞬間、全身の肉という肉がボコボコと膨らみ、踊り始めた
膨らんだところから色が変わり、黒ずんでいく
「あがぁぁ…!?
な、何だこれ…はぁ?
糞ども…、俺に何をしたああああっ!」
男の体は見る見る内に変化していった
産みの苦しみと言うべきか、のた打ち回りながら、である
凄まじい叫び声が辺り一帯に響く
周辺に居たクリーチャーたちでさえ恐怖を感じるほどの光景であった
ウルタールたちはこうなることが分かっていたのだろうか?
「うがぁ…、く、苦しい…
俺を…俺を助けてくれぇ…
俺を…この苦しみから…解放しろおぉぉ…」
フラフラしながら現れたのは、頭部が異様に巨大化し全身が白く膿んだように腫れ上がった大男だった
もともと体格のゴツい男だったが、身長は雄に三メートルはある
巨大化の影響で服は全て破れて全裸であり、髪の毛はすっかり抜け落ちているようだ
顔は原型を留めず、生理的に嫌悪感を抱かされそうな、奇形児のように不気味な面影を湛えている
体重もかなり増えたのか、進む一歩一歩が極めて重く床に圧し掛かっている
助けを求めるように両腕を突き出しながら、ウルタールたちに向かって来る
「仲間の…仲間の仇…
そうか…俺は仲間の仇を討ちに来た…
バケモノどもを…皆殺しにするために…
皆殺し…皆殺し…皆殺しだああぁぁぁぁっ!!」
気付いたように思い直すと、今度は凄まじい形相(元々不気味な形相だが)で襲い掛かる
両腕が鞭のようにしなり出し、一瞬にして二体のウルタール目掛けて伸びた
そして二体を捉えると、腹部がぱっくりと割れて巨大な口と鋭い無数の牙が出現する
触手と化した両腕が、捉えた二体のウルタールその口の中へ放り込む
腹部は閉じ、バキボキという噛み砕く音と共に不気味に躍動している
「貴様ら糞どもにただ一つだけ感謝することがある
それはこの俺に人越の力を与えてくれたことだ!
お礼に一人残らず食い殺してやるぜ!」
そして、逃げ惑うウルタールを追い始める
>>40 モーロックの髪の毛や肉片が挟まったままの牙を剥き出しにしたまま、
後ずさりする山田あすかにゆっくりと迫るコパーマイマイ。
>「上等じゃないの。…ぶちまけてやらぁああ!!!」
怒声に反応するように、コパーマイマイは急加速する。
蝸牛のような姿こそしているものの、スピードは段違いだ。
山田あすかが投げた木の槍が口に飛び込むが、そのスピードが衰える事は無い。
寧ろ、その勢いは近づくにつれて、どんどん加速されていく。
山田あすかまで、後1メートルと言う所で、コパーマイマイがバランスを崩す。
ブレーキの壊れたトラックの横転事故のような轟音を立てながら、転がるコパーマイマイ。
頑丈な殻が地面を削り、得体の知れない木々を倒していく・・・
バランスを崩したコパーマイマイは、何とか起き上がろうとするが、中々上手くいかない。
口に刺さった太い木の枝を噛み砕き、飲み込もうとするが、バラバラになった木の枝が、
コパーマイマイの食道を傷つけている。
不気味な緑色の体液が口から噴出しながらも、巨体を必死に起こそうとするコパーマイマイ。
今のうちに逃げ出す事が出来そうだ。
・・・コパーマイマイが転倒した時に掘り起こされた地面から、赤く錆びた鍵が顔を出している。
拾いますか?
>>21 千堂の足下に、光る長方形の何かが落ちている。
光り苔の光を乱反射するそれは、少女が目印として駐屯地地下にばら撒いてきたカードだった。
カードは所々に落ちていて、一直線にウルタールの巣まで続いているようだ・・・
>33>40>42
>「あぁ?なんだ。サムライボーイかよ」
「だめだだめだ。こっちにゃ屁垂れの糞供しかいねぇわ。出てきやしねぇ」
「屁垂れの糞供・・・ね」
千堂は相手に気づかれないように小さく溜息を吐く。
>「そっちは何か居たか?ったくよぉ。ガキ攫った奴も大した事ねぇんじゃねーか?」
「こんだけ大騒ぎしてりゃネズミの1匹位出てきても・・・」
「いや、こっちにも大した奴はいない。精々、雑魚一匹って所だな」
苦笑してミヒャエルに返事を返す。
そのまま自分の今言い放った言葉の変化に気づく。
(俺も人の事は言えないな・・・。雑魚か・・・)
この場所に辿り着くまでに千堂は様々な化け物と遭った。
そのせいか多少の事では動じなくなっていた。
先程の溜息とは違う、まるで重い物を吐き出すように息を吐く。
「案外、一番の化物は人間かもな・・・」
>「来やがったなこの糞蠅!ってコラァ!逃げんじゃねぇ!」
ミヒャエルの言葉に千堂は咄嗟に身構えるが、化物はまるで怪物にでも遭ったかのように逃げ出す。
千堂は、またしても重い息を吐く。
>「糞!おい!てめぇの身はてめぇで何とかしろよ!?」
「了解、そこまで弱くないさ!!」
ミヒャエルの言葉に、刀を掲げて返事を返す。
>「それと向こうに明かりが見えた。確認するのが後か先かは自分で判断してくれ」
「これも持ってけ。プルやウランにゃ敵わねぇかもだが、俺さま好みの素敵なお嬢さんだ」
「良く考えて使わねぇと自分も蒸発しちまうからな」
「おいおい、それって学生に渡していいのよ?これでも学生だぜ、俺は?」
だが、千堂が返事を返す前に、相手は駆けだしていた。
渡された物を手に持ち、暫し呆然とするが、諦めてバックに預かった武器を入れる。
そのまま右手に刀を持ち、左手に銃を持ちかえて走り出した。
だが、すぐに足が止まる。
走り出したと同時に、足元に何か光る物を見つけた。
屈んで、その光る物を掴む。
「・・・・・・カード?」
そして、気づく。
カードが所々に落ちていて、それが化け物達の巣まで続いてる。
この意味に、気づくと同時に千堂は走り出す。
目印なのだ、光っているカードは。
故意になのか、偶然なのかは分らないが、千堂は偶然を引き起こした女神に感謝をする。
>「こっちよ!!ちょっと、何気に緊急事態なんだから!!」
>「上等じゃないの。…ぶちまけてやらぁああ!!!」
走り出すと、同時に咆哮を放つ山田あすかの姿があった。
その先には、蝸牛の化け物が山田あすかに襲いかかろうとしていた。
だが、勢いがよすぎたのか、はたまた山田あすかの槍の投擲のおかげか。
蝸牛の化け物は、勢いよく転倒する。
その隙をついて千堂は、山田あすかの元に近づく。
「あすかさん、大丈夫ですか!?」
所持品: 腕時計 古刀 脇差 日本刀 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
H&K MP7(20)マガジン(20)×6
レミントンM700(5) 予備弾(60)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:山田あすかに話しかける。
>>26>>32>>38 ま、わざわざ感染してるって言い出す馬鹿は居ないだろうな。
もっとも、ワシは感染してるって思って妻子をぶっ殺しちまったが。
>「ぁ…ぁー…私はぁ緑川、緑川奈菜穂、5ヶ月位前からここに勤めてます、ぇー泊り込みで、
感染については自覚症状があるなし様々だからいちがいにどうかは言えないけれど、
私は正常なつもりで…はい、一応正常です…」
逃げ出そうとする緑川の頭を、Judasuの馬鹿デカいが包み込んだ。
そのまま握り締めれば即死確実じゃが、ワシは緑川に銃を向けたままだった。
相手が人間とは、限らんからな。
>「それじゃあ、リーダー君、緑川、行くとしようか。確かトイレの秘密通路だったな」
「おう、行くか。」
真っ赤な三日月みたいな笑顔を浮かべるJudasに、ワシは歯を剥き出して、笑い返した。
そのまま先に進もうとした時に、
>「ここの地下にいたんですか?」
「いや、村から抜け出す方法を探していたら、偶然辿り着いちまったのさ。」
ワシは、出来る限り現状の説明をする事にした。
村の中で人喰い病が起きた事、傘社の研究所から地下に潜って線路沿いに歩いてきた事が殆どだな。
どんな化け物が居るかも、解らん。
「正直言って、ここがどんな場所かも解らん。」
ワシは映画の登場人物みたいに肩を竦めて見せた。
ま、似合わん事は重々承知だが、やってみたかったんだな。
「この先に、一体何があるんだ?線路沿いから先に進めんし、戻っても死ぬじゃろうしな。
検討が着くんだったら、教えて貰えるか?」
ワシ等は、立ち止まる事無く、トイレの方向を目指して歩き続けた。
勿論、緑川の娘っこにゃ悪いが、さり気なく警戒したまんまだ。
「・・・これじゃろうな。」
ワシは、あの猿面の化け物のの足跡が残ったタイルを慎重に押した。
壁が動き始めて、新たな地獄が口を開きおった。
状況:緑川に状況の説明を求める。トイレの隠しスイッチを押す。
現在地:観測基地 トイレ
持物:Mk.46マシンガン(200)、ワクチン(37)、
>>17>>22>>28>>36 「グワゥゥウ…」
撃ち放たれる弾丸はGの無数の触手を焼き切り、蹴散らす
落ちた触手はバタバタと地面で跳ねている
通常の弾丸なら威力を殺してしまう軟体能力は、触手自体には無いらしい
しかし、足先から伸びた更に微小な触手がそれらを拾い、取り込んでいる
千切れた肉を自身で回収しているのだ
焼き切られた触手は後から後から瞬時に再生し、キリが無い
しかし、時間稼ぎにはなっている
「グオオォォォォ!」
ライフルの妨害に梃子摺っている間に、折角追い詰めた「器」を同属が攫っていく
すかさず触手がその後を追う
しかし、予想以上の動きの速さになかなか追い付いてくれない
尚も行われるライフルによる妨害が実に鬱陶しい
ついに我慢の限界に達したGは、怒りの一声を上げた
そして、両腕が変化した2本のメイン触手を鞭のようにしならせ、取葉とルイス目掛けて振り下ろした
「グ…ガアアァァ…!」
そして、もう一人の邪魔者の動向を伺おうと振り向いたその刹那…
口の中に不審な物体が飛び込んでいった
こんなもの、体内から取り出すことなど容易である
しかし、それは爆発し、凄まじく体内で炸裂した
Gの意識が飛ぶと同時に、上半身が体液の飛沫と肉片を撒き散らしながら吹き飛ぶ
辺り一面にGの肉片が散らばり、赤い体液の雨が降る
しかし、これらに含まれたGウイルスが他者をG生物に変える能力は無い
幼体の体内で培養されたウイルスでなければ、感染力は持たないのだ
「………」
赤い体液の飛沫を切断面から吹き上げながら、力なく横たわる残された下半身
司令塔である脳を破壊された以上、動くことはない…はずであった
がしかし、突如として一本の触手が猛烈な勢いで桃華を捕える
下半身から伸びた弱弱しい一本の触手である
一瞬にして桃華の体に巻き付くと、その先から真紅の眼が見開かれる
そして、その奥から一匹の幼体が出て来ようとしている
このままでは、桃華の体は確実にGに乗っ取られてしまうだろう
死に即した、Gの最後の切り札である
>24
>「・・・大丈夫そうですね。」
銃を下ろしつつ、小川さんが呟いた。
>「確か、ここの筈ですが。取り合えず、ドアを閉めましょう。」
言われるままに、僕は無言でドアを閉めた。部屋が薄暗く感じるのは気のせいだろうか。
室内を見渡しながら、携帯電話をかけてみる。だが、何故か電話は繋がらなかった。
「あの…電話、ちょっと繋がらないみたいです」
>「ま、その内折り返し、電話があるかもしれませんね。」
気を取り直し、操作盤を探し始める。埃っぽい室内はとても探しにくく、何度か咳こんだ。
>「これが原子炉か。流石にぞっとしない・・・な。」
ふと小川さんが震える声で呟くのを聞き振り返ると、何かガラスの向こうにあるものを見ているらしい。
小川さんの顔が引き攣っているように見えたのは、気のせいだろうか。
>31>39
ふと、携帯が鳴った。小川さんは僕に出入り口を見張っているように言い、電話に出る。
電話の向こうで何か話しているのがわずかに聞こえてくるものの、小川さんは無言を保っていた。
>「ある女性の落し物を拾いましてね。警察に届けようかと思ったのですが、
何分、出張先の為、警察書の場所が解らない。
だから、バッグと一緒に落ちていたメモの番号に電話させて頂きました。」
>「あの、失礼ですが・・・お名前や、どちらに居らしゃられるのか、教えて頂けますかね。
是非、お届けするなり警察に事情を話すなり、したいのですが。」
>「是非とも、教えて頂けませんかね?」
どうやら、相手の情報を得ようとしているようだ。となれば、持ち主のことも聞き出さなければならない。
最も、小川さんには百も承知だと思うが。
状況:小川さんに言われ、電話中、出入り口の見張りにつく。
>>41 矢は命中したが、男が直ぐに倒れた訳では無かった。
急所らしい急所は全てカバーされており、即座に死に至る個所を入抜く事は、不可能だったからだ。
逆に、男が放った銃弾はウルタールの頭部を完全に粉砕し、ウルタールを即死に追い込んだ。
ウルタールも生物に過ぎず、頭部を完全に破壊されれば、即死は免れない・・・
>「ん…何…?
なん…だ…?
体が…熱い…だとぉ?」
男の体が変化するのを見届けるウルタールの群れ。
数匹が奈落へと「男だったもの」を投げ捨てるまで、閉じ込めておく籠を運んできた。
>「あがぁぁ…!?
な、何だこれ…はぁ?
糞ども…、俺に何をしたああああっ!」
爆発的なスピードで進化を始める男に、ウルタール達も動揺を隠せない。
自分達の身にも、同じ事が起きるかもしれないのだ・・・
>「うがぁ…、く、苦しい…
俺を…俺を助けてくれぇ…
俺を…この苦しみから…解放しろおぉぉ…」
まるで真っ白なキノコの化け物のような姿になった所で、男の進化がストップした。
世界の終わりまで生き続ける、不死身のナメクジ状の生き物では、無かった。
ウルタール達の恐怖が、激しく揺れる。
それが命取りとなる。
籠持っていたウルタール二匹が触手に捉えられ、巨大な口の中へと投げ込まれる。
>>27 丁度、男の意識が進化の苦痛の最中に会った頃・・・
少女の隠れる神殿へと、黒い影が飛び込んで来た。
その影は、足音を立てる事無く、目にも止まらぬ素早さで少女の後ろへ回り込むと、
少女の口を押さえつけ、悲鳴を上げさせないようにしていた。
毛に覆われた手の先には、掌の柔らかい何かとはまた違う、短く鋭い爪が生えている。
掌に着いている柔らかな器官は、決して人間には存在しない物だった。
少女の首筋を触覚のような細い糸が擽る。
恐怖を押し殺し、押さえ付ける手を振り払うようにして振り返った少女が見たものは、
人間と似ても似つかない生き物の顔だった。
大きく突き出たピンク色の鼻と目以外の場所には、びっしりと生えた毛に覆わている。
白と黄色の体毛は、規則性を持ってして生えており、顔の中央にはピンク色の鼻が大きく突き出ている。
鼻の周りには、体毛より長い髭が生えており、その直ぐ下が口になっていて、
鋭く小さな歯がずらりと並んでいる。
その牙は鋭く、人間の肉など軽々と食い千切れそうだ、
頭から飛び出した二対の耳は大きく、人間のそれとは、大きく異なっている。
巨大な目の虹彩は、薄暗い神殿の中に相応しく、巨大化している。
恐らく・・・特定の海産物を食べればその耳は腐り落ち、腰が抜けたように立てなくなるであろう生き物。
少女は口元に当てられていた、プニプニとした柔らかい器官の正体が解った。
・・・肉球だったのだ。
「にゃー」
低く、小さな声で警告の鳴き声を上げたそれは、猫に良く似た2本足で歩く生き物だった。
というよりも、猫を祖先とする未知の生き物だった。
身長は少女と同じくらいか、少し低いくらいだった。
2本足で歩くようになっても、知恵が宿ったとしても、その愛らしさに変わりは無い。
いや、童話の中にしか現れないような、人々が夢見た猫そのものだ。
そう言った意味では、可愛さ倍増である。
巨大な昆虫の化け物に見えた理由も、実験場内に生息する昆虫型生物の殻から作り出した、
兜と胴当てを身に付けていたからだった。
>>27>>47 醜く変異した姿を進化と呼ぶのであれば、それは確かに優れていた
あらゆる状況を切り抜け、生存率を高められるからだ
いつでもどこでも軟化・硬化が効き、しかも自由自在に形を変えられる
不定形が知能を持った生物ほど、戦闘力に優れた存在は無いと言っても過言ではない
ウルタールの矢など柔らかく受け止めるも良し、硬く弾いてしまうも良しなのだ
男の体は、「知能を有したまま不定形の肉体を手に入れる」という道を選んだのだ
この危機的状況を切り抜け、生き延びるために…
「うおおお!
死ね、皆殺しだ!
ヒャーッハハハハッ!」
反撃をものともせず、とにかく「進化した男」は殺しまくった
最初は手当たり次第に捕まえて食っていたが、噛み砕くのに少々時間が掛かる上お腹も一杯になった
そこで、触手となった両腕と頭部の先を鎌状の刃に変形・硬化させて振り回し始める
鎖鎌のように伸びたり飛び交ったりし、ウルタールの胴体や首を意図も簡単に切断する
切断、と言うよりスライスしていると言った方が合っているかもしれない
殺すだけなら、いちいち数匹ずつ腹に放り込むより大量に仕留められる
僅か数分で男の周辺は、バラバラになったウルタールや他の怪物の肉片でいっぱいになった
生存本能だけでなく、憎悪と執念に突き動かされる男の殺戮には際限が無い
ここが、普通の怪物とは一線を画す存在であることを物語っている
「ふん、巣の奥に逃げやがったか
だが逃がさんぞ、バケモノどもめ!
一匹残らず殺すまで、俺は止まらんからな!」
男はウルタールたちを追い詰めるために歩を進め、神殿の近くまでやって来た
そこで男は立ち止まり、大声で叫ぶ
「はははは、この妙な物体が貴様らの根城か!
バケモノが巣の中にを巣を作るたあ、生意気にも程があるぜ、なあ?
大人しく出て来い!
さもないと、ここをぶっ壊すことになるぜ!」
その声は、神殿内に隠れていた少女の耳にも届くこととなる
>>36>>45 体内で破裂したロケット弾がGの上半身を粉砕する。
粉々になり、焼け焦げた肉片が周囲に降り注いだ。
「・・・グルルル」
屍骸に向って警戒するモモカ号が、いきなり伸びた触手から飛び退く。
しかし、背中に乗っていた桃華が、触手に巻き上げられてしまった。
そして、触手の先から飛び出す幼体。
「ワンっ!」
モモカ号が吠え、幼体を噛み千切ろうと触手に跳びつくが、牙無き一撃では、幼体は殺せなかった。
そのまま幼体はモモカ号の咽喉を通り、体の奥深くへと侵入してくる。
倒れこんだモモカ号が震える足で立ち上がる。
そして、体を痙攣させながら、再び倒れこむ。
アンディ、取葉、ミスタ・ルイスを見て再び立ち上がるモモカ号。
ヘリの残骸に弱々しく走り出し、もう一発のロケット弾を咥えた。
一度だけ振り返り、桃華を見た。
二人の目が合った。
モモカ号は、そのまま振り返る事無く、毅然とした足取りで走り出し、そのまま跳んだのだ。
ビルの屋上から飛び降り、ロケット弾を咥えたまま、炎上するアパッチの残骸に吸い込まれていく。
暫くして、ロケット弾が爆発する音が、屋上の皆の耳に届いた・・・
>22>36>45>49
>「ミスタ・ルイス!」
出来る事ならウィンクの一つでもするのだが、射撃の最中では、そうもいかない。
時間稼ぎに成功し、その隙にモモカ号が走る。
桃華のお尻に頭を滑り込ませ、首の筋肉を使ってモモカ号が桃華を背中に乗せた。
そこからは、モモカ号の独壇場だった。
くそ、まるで映画みたいだな。
弾切れになった所でMP5サブマシンガンを捨て、俺は二人に向って親指を立てる。
そのまま右手を下ろし、今度はホルスターに収まったシグを抜いた。
緊張の糸が切れて、目の前が赤黒い闇に包まれそうになる。
「取葉、こっちは弾切れだ!アンディ、急げ!」
>「ミスタ・アンディ、まだ時間が掛かりそうかね?!」
取葉が答える代わりに、アンディに向って叫ぶ。
>「桃華!二人とも逃げて!」
暗くなる視界の中、アンディの警告が聞こえた。
俺はその場に伏せた。
>「とびっきりのワクチンを飲ませてやるよ。薬は、口から飲むのが一番効くんだぜ!」
ロケット燃料が燃焼し、弾頭が甲高い音を立ててGに向って飛んでいく。
暫くの間を置いて、鈍い破裂音が響く。
限界まで伸びきったGの皮膚が千切れるブチッという音が聞こえた気がした。
直後、大量の肉片と体液が周辺に降り注ぐ。
「がっ!」
大き目の肉片が食い千切られた左腕に落ちてきたショックで、俺は呻き声を上げる羽目になった。
>「イーッヤッハー!蹴りを着けましたね、ミスタ。
流石にアパッチに睨まれた時には冷や冷やしましたがね。」
無線機越しの声だが、パイロットが満面の笑顔を称えているのが見えた気がした。
「まだまだ仕事が残っているけどな。助かった、有難う。」
無線機越しの満面の笑みが、穏やかな笑顔に変わったように感じられた。
>「しかし、あんたも変わったよな。今までだったら、減らず口に冗談の一つでも・・・
待て、まだ生きているぞ!ローターで散髪してやるから、キャッチしろ!」
すまないが、キャッチするのは取葉に任せるとしよう。
モモカ号が触手に飛び掛るのとほぼ同時に、パイロットが機体を傾かせ、
桃華を縛り上げる触手に高速で回転させるローターの一撃を喰らわせる。
その一撃で、触手は見事にぶつ切りになった。
この状況で迷い無く即座に判断したパイロットもまた、一流のプロだ。
>「大丈夫か、そっちのお嬢さんは?」
ヘリの姿勢を安定させながら、パイロットが聞いた。
しかし、マクナブは答えず、悲鳴を上げていた。
あの子が、俺をパパと呼んでくれたモモカの口の中に、幼体が飛び込んでく。
俺は走り、倒れたモモカの口の中に手を突っ込もうとした。
倒れ込んだまま、モモカは順番に、俺達の顔を、目を見た。
決断を下した彼女は、力強い足取りで走り、残った一発の弾頭を加え、躊躇する事無くビルから飛び降りた。
永遠と思えるほど時間が過ぎた。
俺はその間、何も出来ずにその場に座り込んでいただけだった。
無線機越しに、パイロットの叫び声が聞こえる。
ヘリに搭乗していた医療スタッフが俺の両脇をがっしりと掴み、ヘリに引き摺って行く。
連中は、ベッド代わりの座席に横にした。
傷口を見て顔を顰め、輸血を始める。
俺は、身動きが取れなかった。
くそ、取葉やアンディが、予定通りハイジャックしてくれれば良いのだが。
>>49-50 桃華を捕縛した触手は、ヘリの一撃で切り裂かれた。
その見事な腕前に感心している訳にもいかず、二人をキャッチするべく、取葉が走った。
「無事で何よ・・・蹴るのは止めて欲しいのだけれども。」
モモカ号が暴れまわり、取葉の腕から抜け落ちる。
ゴボゴボと溺れる人間のような音を立てる、モモカ号の口の中に幼体が潜りこんで行くのが見えた。
モモカ号を踏み砕こうとするが、目が合った瞬間、取葉は足を下ろす。
何を言おうとしているのか、理解出来た。
取葉が目を閉じた。
爆音とミスタ・ルイスの悲鳴が聞こえ、目を開ける。
悲鳴を上げるミスタ・ルイスを医者らしき二人が引っ張って行く。
「私たちも、行こうか。」
ヘリの近くまで来た所で、取葉がパイロットに声を掛けた。
「失礼だと思うが、我々も乗せて貰えないかね?
どこか適当な場所で下ろして貰えれば、それで良いから。」
答えを待たずに、取葉がヘリに載った。
笑顔で桃華に手を差し出した。
桃華の手を掴み、引っ張り上げる。
そのまま桃華を抱きしめると、耳元で取葉が囁いた。
「プールで拾ったんだ。感染の心配は無いから、君が持っていると良いんじゃないかな?
途中で降りれば、没収される心配も無いと思うよ。
二つ有るから、後でミスタ・ルイスに渡しなさい。
君達は、また会うだろうからね。」
取葉が手を離した時、桃華の掌には、大きな牙が二つ収まっていた。
モモカ号の牙だ。
取葉が座席に座り、いつもと変わらぬ笑顔を浮かべた。
>45 >49-51
アンディの放ったロケットランチャーがGの口に飛び込んだ。
次の瞬間、Gの上半身が体液の飛沫と肉片を撒き散らしながら吹き飛ぶ。
「や、やったのかな?!」
当たり一面を血の海に変えたGの下半身は動きを止めている。
普通の生物ならとっくに死んでいるはずだ。
「・・・グルルル」
屍骸に向ってモモカ号が警戒していたけれど、あたしはふっと肩の力を抜いてしまった。
>残されていた下半身から、 突如として一本の触手が猛烈な勢いで伸びてきた。
「キャ――――!!」
モモカはさっと飛びのいたけど、あたしは触手に巻き上げられてしまった。
他の触手に比べればはるかに細くて弱弱しいのに、あたしには振り払う事が出来ない。
先端の赤い目が見開かれ、その中から三葉虫もどきが飛び出してきた。
>「ワンっ!」
>モモカ号が吠え、幼体を噛み千切ろうと触手に跳びつくが、牙無き一撃では、幼体は殺せなかった。
「モモカッ!―――― モモカっ!」
あたしの叫びは、最後は悲鳴になっていた。
を狙うはずだったGの幼体は、モモカの体に入り込んでしまった。
>「無事で何よ・・・蹴るのは止めて欲しいのだけれども。」
「取葉さん助けて!Gがが・・・モモカの口にGが!」
あたしの視界の隅に、ゴボゴボと嫌な音を立てながら幼体が口の中へと潜りこんで行くのが見えた。
そこからは全部スローモーションだった。
ミスタ・ルイスが悲鳴をあげながらモモカを助けようとしている。
取葉さんはモモカと視線があうと、振り上げた足を静かに下ろした。
モモカは迷いの無い足取りで走り、残った一発の弾頭を咥えた。
モモカは一度だけ振り向いた。
目があった。
それだけで、もうひとりのあたしの心が伝わってきた。
遠くから爆音と、ミスタ・ルイスの悲鳴が聞こえた。
>「私たちも、行こうか。」
取葉さんはパイロットに二言三言話した後、さっさとヘリに乗り込んだ。
そして笑顔であたしに手を差し伸べてくる。
あたしはふらふらと取葉さんの手を取った。
取葉さんはあたしの手を掴んで引き上げると、そのままぎゅっと抱きしめた。
>「プールで拾ったんだ。感染の心配は無いから、君が持っていると良いんじゃないかな?
>途中で降りれば、没収される心配も無いと思うよ。
>二つ有るから、後でミスタ・ルイスに渡しなさい。
>君達は、また会うだろうからね。」
抱擁を解かれたあたしが見たのは、二つの大きな牙だった。
「……」
急に目の前がぼやけて見えなくなった。
あたしは何度も瞬きした後、取葉さんに視線を向けた。
彼は座席に座って、いつもと変わらぬ笑顔を浮かべている。
「ありがとう」
だが、まだ泣きくずれるわけには行かない。
ヘリジャックでも何でもして、ここじゃないどこかまで運んでもらわないと。
「どうか乗せてください。もう夜が明けます」
一生懸命考えたけど、あたしの頭じゃこんな言葉しか思い浮かばなかった。
ここで揉めるより、今は一刻も早く撤収をと思ってもらえたらしめたものだ。
――――こういう時、プロのアンディならどうするだろう?
あたしは期待を込め、アンディに視線を向けた。
>>49-52 「………」
ヘリのローター音が響く中、ドロドロと湯気を立てながら溶けていくGの下半身と肉片
かつて人間のものだったとは思えないほど酷く変形した骨が浮かび上がる
それは、人間はおろかドラゴンの形ですらなかった
複数の骨がツタ植物のように絡まりあい、骨の塊を形成している
大小十数個の「骨の塊」が、そこにはただ残っただけである
内蔵の保護や体躯の支えというよりも、不要だったから隅に追いやられた、という感じである
最終形態とは、ただただ桃華を捕えて同属とするための進化だったのかもしれない
死を覚悟したGが、己の身と引き換えに後継者を得るための苦肉の策だったのかもしれない
そうでなければ、いくらG生物とはいえ進化が余りに唐突かつ劇的過ぎるのだ
しかし、今となっては誰も知り様がないことである
ともかくも、ここに猛威を振るったGは殲滅された、多くの者たちの執念や思いと共に…
そして、生存者たちはヘリに乗り込み、惨劇の舞台となったスペンサービルを後にするのだった
>>44 下水道は殆ど使われていないらしく、干上っている。
悪臭が漂い、天井からは時折、雫が零れ落ちる。
鳥の足跡のような筋張ったモーロックの足跡が、点々と続いている。
暫く進んだ所で、喰い散らかされたモーロックの死体が転がっていた。
その死体は完全に干上っている。
・・どうやら、下水道には何かが潜んでいるらしい。
遠くから、足跡が聞こえてくる。
研究所から脱出しようとした職員のなれの果てだ。
まるで餓鬼のように腹部が膨張し、その腹の中で何かが蠢いている・・・
動きは緩慢で、やり過ごせそうだが・・
>>33 >「冗談じゃねーよ。てめぇの事も知らねぇまま死ねるかっつの」
逃げ出したモーロックは囮だったようだ。
ミヒャエルが背を向けた瞬間、頭上からモーロックが降ってきた。
>>43 >「あすかさん、大丈夫ですか!?」
山田あすかに気を取られている隙を縫って、モーロックが千堂に飛び掛った!
・・・三人を察知したのか、モーロックの気配は、どんどん増えている。
>43
>「おいおい、それって学生に渡していいのよ?―――
千堂の言葉を待たず真っ直ぐに標的へ駆け出す。
「あ?何か言ってたような〜」
木ともカビとも言えない茂みを掻き分け獲物を追う。
「のこのこ出て来て逃げんじゃねぇー!待てー!コラァー!」
次の瞬間全身に悪寒が走る。軽く舌打ちをしながらスライディングをする様に体を横へ滑らせる。
「・・・ッチ。もうちっと用心しとくんだったな」
獲物から背を向ける体勢のまま、頭上から来る脅威に視線を移す。
「へっ!デコイにデコイ充てて来るっつー所までは賢かったな。誉めてやるよ。・・・けどな?」
左手にGlockを握り、右手で信管を握る。
「怒ってる俺様の前に出て来ちまったんだから・・・覚悟出来てんだろぉなぁー!?」
勢い良く落ちて来た生物へ飛び掛る。が・・・
「って・・・あぁ!?えぇ〜?」
振りかぶった拳から力が抜ける。
「・・・おい。聞いてねぇぞなんだこりゃー!」
「なんだってんだ糞!これ・・・滅茶苦茶緩いじゃねぇか」
「こんな、てめぇ、殺れねぇだろぅがコラ!なんちゅー甘い顔してんだ!」
姿を間近で確認し戦意が失せる。
「にゃー。って鳴くなコラ!ぶっ殺すぞ!この・・・」
「にゃー」
「やめろっつーの!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 猫?と対峙 混乱中
>43
>「おいおい、それって学生に渡していいのよ?―――
千堂の言葉を待たず真っ直ぐに標的へ駆け出す。
「あ?何か言ってたような〜」
木ともカビとも言えない茂みを掻き分け獲物を追う。
「のこのこ出て来て逃げんじゃねぇー!待てー!コラァー!」
次の瞬間全身に悪寒が走る。軽く舌打ちをしながらスライディングをする様に体を横へ滑らせる。
「・・・ッチ。もうちっと用心しとくんだったな」
獲物から背を向ける体勢のまま、頭上から来る脅威に視線を移す。
「へっ!デコイにデコイ充てて来るっつー所までは賢かったな。誉めてやるよ。・・・けどな?」
左手にGlockを握り、右手で信管を握る。
「怒ってる俺様の前に出て来ちまったんだから・・・覚悟出来てんだろぉなぁー!?」
勢い良く落ちて来た生物へ飛び掛る。が・・・
「って・・・あぁ!?えぇ〜?」
振りかぶった拳から力が抜ける。
「・・・おい。聞いてねぇぞなんだこりゃー!」
「なんだってんだ糞!これ・・・滅茶苦茶緩いじゃねぇか」
「こんな、てめぇ、殺れねぇだろぅがコラ!なんちゅー甘い顔してんだ!」
姿を間近で確認し戦意が失せる。
「にゃー。って鳴くなコラ!ぶっ殺すぞ!この・・・」
「にゃー」
「やめろっつーの!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 猫?と対峙 混乱中
57 :
???:2008/06/05(木) 23:03:31 0
>30
>32
>44
「ふ、ふふふ、ごご御機嫌よう
とつ突然で悪いんだが、わ私を助けてくれ
この、この下水道に迷い込んで迷い込んで…
うご動くに動けないんだだ、たの頼む」
正体不明の男が、物陰から顔を覗かせている
しゃべり方はぎこちなく、顔は包帯を巻いてサングラスを掛けて完全に隠している
よく見ると白衣を着ているようだが…
餓鬼のような怪物から隠れているらしく、姿まで現そうとしない
>34
モフの足音が遠ざかっていく。
通路の奥に入っていこうとする私の足元で、かさりと音がした。
拾い上げて懐中電灯で照らす。どうやらノートを切り取ったメモのようだ。
「を・・・つづけて・・・じかんが・・・・ってしまった・・・そろそろ・・・だつでする・・・あいだろう。
ウルタールは・・・きょうみぶかい?」
私は何とかメモを解読しようとした。
メモを書いた人物はパソコンの使いすぎで漢字を忘れたと嘆いているけれど、私にとっては助かる。
だって、あんまり難しい漢字は読めないんだもの。
メモの感じが読めない部分もあるからおかしい部分もあるかもしれないけど、いくつかわかったことがある。
それは、赤い人形は神様への生贄だってこと
だっしゅつするときには、扉をしめておくこと
ウルタールは、もう毒の矢をもっていて、当たると死んでしまうということ。
その毒は、まゆのようなものから分泌された液をつかってるらしいことだ。
「この奥にメモを書いた人がいるのかな?」
私は入ってきた通路と奥の暗闇を眺め、考え込んだ。
(どうしよう?このメモを書いた人と合流したいけど、そもそもこの人は無事なのかな?)
>47
メモと暗闇を眺めていた私の口が、何か柔らかいもので押さえつけられた。
>毛に覆われた手の先には、掌の柔らかい何かとはまた違う、短く鋭い爪が生えている。
>掌に着いている柔らかな器官は、決して人間には存在しない物だった。
>少女の首筋を触覚のような細い糸が擽る。
>恐怖を押し殺し、押さえ付ける手を振り払うようにして振り返った少女が見たものは、
>人間と似ても似つかない生き物の顔だった。
「ね・・・・・・・ねこ?」
>「にゃー」
今までとても怖い思いをしてきたけれど、まさか、こんな場所でこんなに驚くことになるなんて。
私は自分の置かれた状況も忘れ、目の前にいる猫の肉球をぷにぷにしてみた。
柔らかい。あったかい。
どう見ても猫だ。
でも、もちろん本当の猫じゃない。
猫は私と同じくらいの背丈にならないし、二足歩行もしない。何かを着ることも無い。
だから、目の前にいる生き物は猫じゃない。
ああでも・・・・・どうしよう。
「かわいい・・・・・・」
童話の世界にしかいないようなかわいい生き物に会うとは思っても見なかった。
「あなたは誰?何をしているの?」
とりあえず声をかけてみるけど、通じるかな?
>48
>「はははは、この妙な物体が貴様らの根城か!
> バケモノが巣の中にを巣を作るたあ、生意気にも程があるぜ、なあ?
> 大人しく出て来い!
> さもないと、ここをぶっ壊すことになるぜ!」
言葉を喋るという事は、人間に違いない。
だけどこの声は、私の知っている人の声じゃない。
どうすればいいのだろう?とりあえず、外の様子を確認してみようかな?
私は足音を忍ばせながら、神殿の外にいる人間の様子を確認しようとした。
だけど、姿を見たとたん私は言葉を失った。
「何?・・・・・あれはまさか人間なの?」
>44 38 32
緑川の質問を背に受け、俺とリーダー君は歩き出す。
後ろから着いてくる緑川の足音を聞きいているとリーダー君がその問いに答える。
>「いや、村から抜け出す方法を探していたら、偶然辿り着いちまったのさ。」
村の状況、傘社の研究所、そこから地下へ潜ったこと。そして・・・
>「正直言って、ここがどんな場所かも解らん。」
そう言いながらアメリカ映画の登場人物よろしくオーバーに肩を竦めて見せた。
リーダー君の言葉が途切れたタイミングで、今度は俺が言葉を発する。
「リーダー君と同じく、俺もここの施設の間取りやらそんなのはまるで判らん」
>「この先に、一体何があるんだ?線路沿いから先に進めんし、戻っても死ぬじゃろうしな。
検討が着くんだったら、教えて貰えるか?」
リーダー君が緑川にそう聞いたタイミングで、ちょうどトイレに着いた。
ご丁寧にもクソ首の足型が壁の一部に焼印の如くへばり付いている。
>「・・・これじゃろうな。」
「・・・だろうねぇ」
その足型を見てリーダー君はそう言い、俺もその言葉に同意する。
リーダー君は慎重に、そのタイルを押す。壁がゆっくりと後退しその奥に通路が現れた。
その通路に響くのは不気味な呻き声と銃声、どうやら誰も居ないって事はないようだ。
「・・・『当たり』ってこったな」
口をにんまりと歪め、ぼそりと呟くと俺は前進する。
クソ首の足跡を辿り暫く進むと、巨大な鋼鉄製の扉が道を塞いでいた。
扉の隣には人間が通れる程の大きさの扉もある。
「それじゃあ扉を開けるしようか、同胞、リーダー君、緑川、くれぐれも油断の無いように」
その言葉が終わらないうちに俺は足に力を込めて、その扉を蹴破った。
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(5)
現在地:九武村観測基地 秘密通路
状況:扉を蹴破る
>>45>>50-52 最期に見せたモモカ号の目を、アンディは決して忘れる事は出来ない。
ミスタ・ルイスの悲しみに満ちた悲鳴も忘れない。
大の大人が、あんな悲しい声を出せるなんて信じられなかった。
引き摺られるミスタ・ルイスに続いて、ミスタ・ジョージと桃華がヘリに乗り込んでいく。
>「どうか乗せてください。もう夜が明けます」
すんなり乗り込んでしまった二人に続いて、アンディが走ってヘリに乗り込んだ。
「OK、こっちの要求は二つだ。ミスタ・ルイスを病院まで連れて行く事。
もう一つは、俺達をどこか安全な所で下ろす事だ。」
パイロットに向けて、冷酷な声を必死になって出す。
しかし、声は何時もの調子に戻っていた。
「桃華を助けてくれたって事は、僕達も助けてくれるって事ですよね?
ミスタ・ルイスを降ろした後で言いから、どこか安全な所に下ろして貰えませんか。」
結局、アンディもお願いする事位しか出来なかった。
手にしている銃は弾切れだったのだ。
>>43 コパーマイマイが、口内に走る苦痛に、のた打ち回る。
正確には、暴れまわると言った方が適しているかもしれない。
傷口から漏れる粘液が周辺に飛び散り、しゅうしゅうと音を立てて溶け始める。
周囲に生えていた、シダ類とも菌類とも見える植物達が、悪臭と共に腐り始めていく・・・
新たに現れた餌、千堂を見て、ますます怒りが高まった。
山田あすかも、千堂も同じような形をしているのだ。
同族に、敵に違いあるまい。
咆哮の代わりに、ゴボゴボと咽喉の奥から漏れる体液を鳴らし、コパーマイマイの体色が変化していく。
どす黒い、内蔵のような赤に変わったコパーマイマイが、二人に向って体当たりを食らわせようとした。
>>58 近くで森村彩を見るウルタールは、とても興奮していた。
伝説の神様を、この目で見る事が出来たのだ。
先祖から伝わる外の世界は、この世界よりも安全で、サカナと呼ばれる物が存在するという。
ウルタール達は、何時の日か「ニンゲン」が戻ってくる事を信じ、「ニンゲン」のように暮らし始めたのだ。
>「かわいい・・・・・・」
その優しい素直な声に、ウルタールが首を傾げる。
肉球をプニプニと押されると不思議な気分になる。
今度は、ウルタールが少女の手を触り始めた。
>「あなたは誰?何をしているの?」
「にゃ、にゃん・・・にゃんにゃん?」
必死になって少女の声の真似をするが、幾ら頑張ってもニンゲンの一声が出せない。
ウルタールは、少女と神殿の天井からぶら下がっている人形を交互に示す。
>「はははは、この妙な物体が貴様らの根城か!
> バケモノが巣の中にを巣を作るたあ、生意気にも程があるぜ、なあ?
> 大人しく出て来い!
> さもないと、ここをぶっ壊すことになるぜ!」
>「何?・・・・・あれはまさか人間なの?」
ウルタールが否定するように、怒りの篭もった声で鳴いた。
>>55 飛び掛られた衝撃で、ウルタールの手から弓矢が離れてしまう。
>「やめろっつーの!」
大声で叫ぶ、この生き物は・・・
ウルタールが、疑いの眼差しでミヒャエルを見る。
ちなみにウルタールは、森村彩以外をニンゲンと思っていない。
彼らの世界では、ニンゲンは赤い服を身に着けた少女だけなのだ。
きっと、何かもっと嫌な生き物に違いない。
ポカッ!
一発殴ってみる。
ポカポカッ!
さらに二発殴ってみる。
「にゃー!」
止めとばかりにもう一発殴ってみた。
しかし、ミヒャエルに致命的なダメージは与えられなかった。
>58>62
「ちっ、出て来ないのかよ
敵わないと知った相手には迂闊に仕掛けず様子見をしようって魂胆か?
ははは、無駄なことを辞めな
どっちにしたっててめえらは全員この俺に殺される運命にあるんだからよ
俺をバケモノに変えたことを後悔させてやるぜ!」
そう言うと、両腕の触手の先を西洋の馬上槍のように変形・硬化させる
それらの切っ先を打ち合わせ、金属音にも似た音を高く響かせる
「もう傘社の命令なんざどうでもいい
俺は俺の力で思う存分意趣返しをするまでだ!
さあ糞ども、なます切りの次は串刺しだ!」
そう言いながら神殿に足を踏み入れる
見かけたウルタールは、片っ端から槍と化した両腕で刺し貫いた
一撃で何匹仕留められるかを楽しむかのように、神殿の入り口付近を血で染め始める
その行動には一片の慈悲も人間性も無く、知性のみを持った殺戮マシーンのようでもある
「ヒャハハハ!
弱い弱い、弱すぎるぜ!
もっと手応えのある奴はいねえのか?」
>52−53>60
言うまでも無く―――世界は残酷だ。
望むを得る事は無く、持ち合わせるを奪われ、恐怖に満ちている。
そこは生き難い場所で、我々は常に孤独だ。
だからこそ、縋るべき何かが必要なのだ。
>「失礼だと思うが、我々も乗せて貰えないかね?
どこか適当な場所で下ろして貰えれば、それで良いから。」
ヒッチハイクとハイジャックの区別が着いていない取葉。
>「どうか乗せてください。もう夜が明けます」
暗い森の中で馬車を見つけたかのように振舞う桃華。
>「OK、こっちの要求は二つだ。ミスタ・ルイスを病院まで連れて行く事。
もう一つは、俺達をどこか安全な所で下ろす事だ。」
オーケイ、アンディ。台詞回しは完璧だ。
>「桃華を助けてくれたって事は、僕達も助けてくれるって事ですよね?
ミスタ・ルイスを降ろした後で言いから、どこか安全な所に下ろして貰えませんか。」
台無しになったから指摘させて貰うが、さっきのは、演技過剰だったと思うぞ。
パイロットが笑い声を上げながら、早く乗れ、とアンディに言う。
「ま、折角ここまで上がってきたんだからな。
乗るなって言える程、悪党じゃないよ、俺は。」
パイロットが陽気に笑い、ヘリを離陸させる。
人々が非難しきった街は驚くほど静かで、ヘリのメインローターが宙を切り裂く音以外、聞こえない。
「大変だったろ?こっちもアパッチが飛び回っている時は、冷や冷やしたもんさ。
おまけに、仕舞いにゃあの化け物だ。」
「静かにしてくれ!こっちは病人が乗っているんだ!」
眼鏡を掛けた神経質そうな医者がヒステリックな叫び声を上げる。
「左手の損傷を確認。助かっても、左腕は殆ど無くなりますね。」
看護士の呟きに、医者が首を振りながら答える。
「止血帯を緩めてなかったんだろ。腕なんか放っとけ。
どんどん輸血しろ。輸血して、傷口を塞げばどうにかなる。」
止血帯を解かれたマクナブの腕から流れる血が、ヘリの床を汚していく。
「えーと、桃華さんで良いのかな?良かったら、彼の手を握ってやってくれないか?」
血に汚れた二トリルグローブに包まれた手を桃華に伸ばした看護士が、遠慮しがちに言った。
有難う、あんたは良い人だ。
俺は実の娘を失って、更には、あの狼みたいな娘まで失っちまった。
二人とも、とても良い子だったな、うん。
「心拍低数下中、強心剤の準備をします。」
看護士が叫ぶ。どうやら俺は、死にかけているらしい。
世界は残酷で、とても生き難い場所だ。
俺はずっと、そう感じていた。
寒くて、どんどん目の前が暗くなっていく世界。
だけれども、桃華の手が暖かい。
ちっちゃくて、柔らかくて、とても暖かい手がある世界。
この手がきっと、世界を変えていくんだろう。
「有難う、桃華。縋るべきものを、与えてくれて。きっと、電話する。」
俺は、掠れた声で、桃華に礼を言った。
首を上げて、アンディと取葉を見た。
二人に向って笑い、桃華が握ってくれている手を上げ、親指を立てた。
その腕が落ちる。目の前が、真っ暗になる。
>「心拍停止。」
>「強心剤と電気ショックの準備をしろ。お嬢ちゃん、悪いが手を離してくれるね?」
医者が断固とした口調で、桃華に告げた。
シナリオ・クリア
>>64 スペンサービルから、ヘリが遠ざかっていく。
新型の非熱核兵器を搭載した戦闘機がヘリの遥か頭上をすり抜ける。
高高度から投下された新型の中性子爆弾は、戦闘機が有効半径が逃れるに充分な時間を経て、ようやく破裂した。
小規模な核爆発によって生み出された、死の光である中性子がスペンサービルに注ぎ込まれる。
コンクリートをすり抜け、注ぎ込まれた中性子は全てのウィルスと、ウィルスに感染した生命体を焼き尽くした。
核爆発の影響は限定的で、市街地には殆ど損傷は無い。
中性子爆弾の目的は、中性子による生物の殺戮なのだ。
片目を開けた取葉が、笑顔を浮かべるミスタ・ルイスに微笑み返す。
>「心拍停止。」
>「強心剤と電気ショックの準備をしろ。お嬢ちゃん、悪いが手を離してくれるね?」
「さて、私もそろそろ失礼しようかな。」
電気ショックの準備を始める医療スタッフに背を向け、ヘリの扉を開ける。
風が機内に吹き込んでくる。
「お嬢さん、それにミスタ・アンディ。ミスタ・ルイスが目を覚ましたら、宜しく伝えてくれ給え。
最後までお付き合い出来なくて、とても残念だよ。」
何時もと変わらぬ、涼しげな笑顔を浮べたまま、ヘリから躊躇無く飛び降りる。
この高さから落ちれば、取葉とて即死は免れない。
眼下に拡がる住宅街・・・この先にミスタ・ルイスが収容される病院があるのだろう。
取葉の両腕が羽ばたく為の翼でなく、滑空する為の巨大な翼へと変わる。
地上まで100メートルを切った所で、風の流れを捕まえる事が出来た。
そのまま宙を滑るように、朝の柔らかい日差しに包まれ、取葉が消えていった。
シナリオクリア
>57 54 44 38 32
>「ここの地下にいたんですか?」
緑川の質問を背に受け、俺とリーダー君は歩き出す。
後ろから着いてくる緑川の足音を聞きいているとリーダー君がその問いに答える。
>「いや、村から抜け出す方法を探していたら、偶然辿り着いちまったのさ。」
村の状況、傘社の研究所、そこから地下へ潜ったこと。そして・・・
>「正直言って、ここがどんな場所かも解らん。」
そう言いながらアメリカ映画の登場人物よろしくオーバーに肩を竦めて見せた。
リーダー君の言葉が途切れたタイミングで、今度は俺が言葉を発する。
「リーダー君と同じく、俺もここの施設の間取りやらそんなのはまるで判らん」
>「この先に、一体何があるんだ?線路沿いから先に進めんし、戻っても死ぬじゃろうしな。
検討が着くんだったら、教えて貰えるか?」
リーダー君が緑川にそう聞いたタイミングで、ちょうどトイレに着いた。
ご丁寧にもクソ首の足型が壁の一部に焼印の如くへばり付いている。
>「・・・これじゃろうな。」
「・・・だろうねぇ」
その足型を見てリーダー君はそう言い、俺もその言葉に同意する。
リーダー君は慎重に、そのタイルを押す。壁がゆっくりと後退しその奥に通路が現れた。
その通路に響くのは不気味な呻き声と銃声、どうやら誰も居ないって事はないようだ。
「・・・『当たり』ってこったな」
口をにんまりと歪め、ぼそりと呟くと俺達は前進する。
漂う悪臭に顔を多少顰めながら、クソ首の足跡を辿り暫く進むと、『何か』に食い散らされたクソ首の死体が転がっていた。
それも奇妙な事にまるで身体中の水分を失ったような干上がった死体だ。
「緑川のお嬢さん、こーいう喰い方をする化け物に心当たりは・・・、・・・?」
ないか?と続けるはずだった筈の言葉を止め、耳を済ませる。
ゆっくりとした足音が徐々にこちらに近づいてくる・・・というより、距離は離れているがその姿ははっきりと見えた。
腹部が大きく膨張し、まるで地獄の底に住んでいると言われる餓鬼を連想させるその姿。
噂をすればなんとやら、か。さてさてどうするかな、相手にするのは面倒だし、かと言って逃げるのも・・・。
そこまで思案した時、物陰から声が掛けられる。
>「ふ、ふふふ、ごご御機嫌よう
とつ突然で悪いんだが、わ私を助けてくれ
この、この下水道に迷い込んで迷い込んで…
うご動くに動けないんだだ、たの頼む」
顔全体に包帯にサングラス、俺が言うのも何だがいかにも如何わしい感じの男が物陰から顔を覗かせていた。
「これはこれは、御機嫌よう。突然で悪いがお前は何者だ?
ミイラ?透明人間?今日はハロウィンじゃない、パーティーも催していないし、その予定も無いぞ。
・・・・・・OK、冗談だ。で、いったい何から助けて欲しいって言うんだい、ミイラ君?」
十中八九、前から接近してくるクソ餓鬼からだろうが、あえて俺はミイラ君に聞いた。
じわりじわりと徐々に距離を詰めてくるクソ餓鬼に焦る事無く、返答を待つ。
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(5)
現在地:九武村観測基地 秘密通路
状況:ミイラ君と会話
目の前の愛らしい生物に2度3度叩かれる。
>62
>ポカッ!
>ポカポカッ!
>「にゃー!」
「コラ!プニプニして気持ちいいじゃねーか!なんなんだお前は!」
得体の知れない生物とじゃれ合っている所に、追って来た方角から声が届く。
>40
>「こっちよ!!ちょっと、何気に緊急事態なんだから!!」
文字通りネコパンチを喰らいながら別れを告げる。
「悪いな。ちょっと遊んでやれそうにねぇみてぇだ」
声の届いた方へ再び駆け出す。
「おとぎ話みてぇな奴だったな。あれも傘の犠牲っちゃ犠牲なのかなぁ」
和んだ雰囲気も束の間。山田の元へ近付いた。
>54
>ミヒャエルが背を向けた瞬間、頭上からモーロックが降ってきた。
>・・・三人を察知したのか、モーロックの気配は、どんどん増えている。
「おっほー。同じ様な場所に住んでながらこりゃ随分ひでぇ面してんじゃねぇか」
「・・・つーかでけぇの!俺様を無視すんじゃねぇこのエスカルゴ野郎!」
モーロックを尻目に、足元の棒切れを蝸牛に向けて投げつける。が明後日の方へ空しく飛んでゆく。
「なー!なんだよもう!コケにしやがって!」
怒りの矛先はモーロックへと向けられる。
「俺は今スゲームカついてる。遊んでやっからかかってこいや!」
ショットガンの銃身を逆さに構え、格闘の体勢に入る。
「時間がねぇんだ。さっさと蹴りつけようや」
(あっちは2人で何とかして貰うしかねぇなぁ。・・・何だか目がチカチカしやがる)
「数集めても何にもできねぇのか?あぁ!?行くぞコラ!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
68 :
名無しになりきれ:2008/06/11(水) 19:35:10 O
終焉は近い
有谷は、九武村が既に閉鎖されていることを上司から言付かっていた。
喧騒と地獄のなかで、のうのうと電話で詮索を入れてくるこの男は、一体何を企んでいるんだ?
男は首を傾けて暗室を一弊する。飛び散ったガラスが床の底で揺れ、
遠くからかすかなカラスの鳴き声が聞こえてくる。
「私は……傘社の者です。その女のじょ、上司なのですが……」
そこで、先の大事な言葉が喉につかえる。
「いえ、私はただのアルバイトで……詳しいことは何もわからないのですが」
ぼっと怒張するように顔が赤くなるのを感じた。いったい僕は何を言ってるんだ?
沈黙のなかで、次第に惑乱が肥大化し、有谷は辺りをきょろきょろと見渡す。
僕のような人間が、こんな大事な仕事を背負えるわけがないじゃないか。
そこで視界が逆転するような光ある啓示が頭を支配する。そうだ、逆探知だ。
「失礼。はっきり申し上げまして、我々はそこで今、何が起こっているか把握しています。
単刀直入にお伺いいたしま、ま、す。あなたは彼女の遺品に接触しましたん?
もしそうならば、B-ウィルスに感染している疑いがあります」
これは、はったりだ。
持ち物: 携帯電話、モップ
現在地:傘社支部 どこかの部屋
状況:小川と会話
>69
>「私は……傘社の者です。その女のじょ、上司なのですが……」
小川は黙ったまま、通路を見張る姫路を一瞥する。
>「いえ、私はただのアルバイトで……詳しいことは何もわからないのですが」
沈黙したまま、新たな問題への対処方法を考える。
最悪のタイミングで、最悪の電話を受けてしまった。
>「失礼。はっきり申し上げまして、我々はそこで今、何が起こっているか把握しています。
単刀直入にお伺いいたしま、ま、す。あなたは彼女の遺品に接触しました?
もしそうならば、B-ウィルスに感染している疑いがあります」
小川は答えずに電話を切った。
時間を置かずに、再び携帯電話が鳴り始める。
いきなり切られた相手は、大慌てで掛け直してくる。
暫く間を置いて、小川が出た。
姫路に聞こえないように、受話器と口元を手で覆い、相手が口を開くよりも早く、
慇懃無礼な口調で話し始める。
「私にブラフを掛けるような真似をしたら、二度と電話に出ません。
それどころか、表示されている電話番号を使って、貴方を探し出します。
ま、脅かすのはこれ位にしましょう。
近くにデータベースが有るなら、スプートニクで検索をしてみて下さい。」
アルバイトの身分でデータベースにアクセス出来るとは思わないが、
彼女の上司だった場合に備えての対処だった。
データベースには、小川の顔写真と偽名、コールサインのみが表示される。
唯一解るのは、非常に高度な、つまり機密性が高い任務に従事している、という事だけだ。
電話の向こう側に居る男に対しての不安は無い。
問題は、この部屋に居る姫路だ。
自称自衛官の鈴木が、所属部隊を名乗らず、国際調査部などと言う得体の知れない組織の人間を名乗るのか?
会話が漏れないように努力しているが、口元を隠して電話するのは、不自然極まりない。
「取り合えず、貴方の名前を教えて頂けませんかね?
こちらで何が起きているかご存知ならば、貴方の助けが必要になります。
私も、ある任務を帯びて、ここに派遣されていますからね。」
勿論、目的は言えないが。
現在地:地下実験場 管理室
状況:傘社 国際調査部6課の工作員スプートニクである事を伝える。
>>69の名前と目的を問い掛ける。
>54>61>67
「あすかさ・・・・っ!?」
山田あすかの元に辿り着こうとした時に、千堂は後ろに何かが飛び出した事に気づく。
咄嗟に前に体を投げ出して、後ろからの襲撃を避ける。
受け身を取り、体を飛び出した何かの方に向かせる。
そこにいたのは、もはや言葉に表す必要も無かった。
「クソッ!!またかよ!!」
飛び出してきた化け物―モーロックに素早く左手のH&K MP7を向けて引き金を引く。
銃口から何発もの弾丸が飛び出し、モーロックに吸い込まれる。
その一連の動作を迷いなく千堂は行った。
「・・・ますます、酷くなったじゃないか・・・畜生」
穴だらけとなったモーロックは静かに後ろへと倒れていった。
前門の虎、後門の狼。
この言葉はまさに、今の千堂の状況を表していた。
「ちっ、次から次へと厄介事ばっかりか・・・」
前には蝸牛の化け物、後ろにも化け物。
「絶対絶命っていうやつか・・・?」
だが、言葉とは裏腹に千堂の顔には笑みが張り付いていた。
たった今、置かれている状況が言葉通りの意味なのに、千堂はどこか高揚している事に気づく。
そして、そんな自分に千堂は呆れていた。
「・・・これも性分ってやつかな」
覚悟を決めて、どこか高揚した気分のままに敵に向かおうとした時に、ある声が聞こえた。
>「俺は今スゲームカついてる。遊んでやっからかかってこいや!」
「あのおっさん・・・。流石、軍人という所かな」
一瞬だけ、苦笑を浮かべるがすぐに先程の高揚した笑顔を張り付ける。
そして、ミヒャエルの方に向かって大声をあげる。
「おーい、おっさん!!そっちの方の化け物は任せたぜ!!」
少し無責任だとは思うが、仕方ないと割り切る。
「なんせ、俺はあの蝸牛を相手にしなきゃならないしな」
蝸牛の化け物は色が変化したと思った途端、突進を行ってきた。
「って、いきなりかよ!!・・・まぁ、いい。来いよ、化け物!!」
咄嗟にH&K MP7を撃とうとするが、その動作を千堂は中止する。
そのままH&K MP7を山田あすかの手に渡す。
「それで、いざという時は自分の身を守ってください。俺も他人を守る余裕は無さそうなので・・・」
日本刀を地面に刺して、そのまま今まで、後ろに背負っていたレミントンM700を構える。
幼い頃に、祖父から教わっていた狩りに使っていた猟銃で蝸牛の化物に狙いを定める。
千堂が唯一、上手く扱える銃で化け物を狙う。
「さてと、化物・・・勝負だ」
少しばかり変な気分を味わうが、すぐにその気分を振り払い、引き金を引く。
弾丸は蝸牛の化け物に当たる。
装填されていた弾丸を撃ち尽くすと、レミントンM700を放り捨てて地面から日本刀を引き抜く。
そのまま、蝸牛の化け物の突進を避ける。
「もらったぜ・・・化け物」
蝸牛の化け物の突進の勢いを利用して千堂は、蝸牛の化け物の頭を斬りつけた。
所持品: 腕時計 古刀 脇差 日本刀 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6
レミントンM700(0) 予備弾(60)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:コパーマイマイの頭と思われる場所を斬りつける。
>53 >64-65
アンディが乗り込み、ヘリが離陸した。
ビルの上に残されたGの死骸の中からは、ひどく変形した骨が見えた。
ドロドロに溶けていく体は解けたゼリーみたいで、とても生物の体組織とは思えない。
もしかしたらGは、ミサイルが来なくても死ぬ運命だったのかもしれない。
生存本能で危機を察したのなら、ドラゴンみたいな姿になったとき飛んで逃げればよかったんだから。
だからといってGになってあげる気なんか無かったんだけど・・・・・ちょっと皮肉なものだと思った。
だって、Gが生み出したモモカが居なかったら、あたしは人としてここに居なかったんだもの。
モモカはあたしを庇って死んでしまった。
あたしがもっとちゃんとしていれば、モモカは死なずに済んだかもしれない。
……ミスタ・ルイスは、あたしのことを恨んでいるだろうか?
パイロットの陽気な話も頭の中に入ってこなかった。
慌しく動く医者と看護士の間から見えるミスタ・ルイスは、一気に10歳くらい老けたように見えた。
>止血帯を解かれたマクナブの腕から流れる血が、ヘリの床を汚していく。
あたしは強く拳を握り締めた。
取葉さんから貰ったモモカの牙が、硬く握った拳の中でちくりと痛んだ。
>「えーと、桃華さんで良いのかな?良かったら、彼の手を握ってやってくれないか?」
あたしは頷き、ちょっとおどおどしながらミスタ・ルイスの手を握った。
冷たい。
「ミスタ・ルイス、しっかりして」
手を振り払われたらどうしよう、そう思いながらそっと手を取った。
>「心拍低数下中、強心剤の準備をします。」
「……ねえ、お願いだから行かないで!
ブレコン山地に連れて行ってくれなくてもいい、あ…あたしに電話しなくてもいい!
あたしの事憎んでくれていいから!だから……お願い、生きて!!」
あたしはモモカの牙を握らせると、祈るようにミスタ・ルイスの手を額に押し当てた。
ミスタ・ルイスがあたしの方を見た。
>「有難う、桃華。縋るべきものを、与えてくれて。きっと、電話する。」
ずっと我慢していたけど、もう限界だった。
視界がぼやけて、ミスタ・ルイスの顔が良く見えない。
>首を上げて、アンディと取葉を見た。
>二人に向って笑い、桃華が握ってくれている手を上げ、親指を立てた。
>その腕が落ちる。
「ミスタ・ルイス!……いや!嫌よ!目をあけて!もう一度あたしを見て!」
あたしはすがりつくようにミスタ・ルイスの手を握った。
>「心拍停止。」
>「強心剤と電気ショックの準備をしろ。お嬢ちゃん、悪いが手を離してくれるね?」
医者にそう言われ、あたしは手を離すしかなかった。
蘇生処置の準備を始める医療スタッフを呆然と見つめていると、不意に強い風が吹き込んできた。
>「お嬢さん、それにミスタ・アンディ。ミスタ・ルイスが目を覚ましたら、宜しく伝えてくれ給え。
>最後までお付き合い出来なくて、とても残念だよ。」
目を覚ましたら、という言葉に、思わず涙が止まった。
もしかしたら彼は彼なりに気を使ってくれているのかも。
もしくは、単にミスタ・ルイスのことを信じているのかもしれないけど。
「……うん」
色々言いたい事はあったのに、いざとなると何も浮かんでこない。
取葉さんは危険で、恐ろしくて、怪物で……人とは違う生き物だったけれど、嫌いじゃなかった。
「色々ありがとう。……またね」
取葉さんはさわやかな笑みを浮かべると、何の躊躇も無くヘリから飛び降りた。
バシン!と後ですごい音がして、ミスタ・ルイスの体が跳ね上がった。
ミスタ・ルイスの心拍はまだ戻っていない。
「アンディ……」
あたしはアンディを見上げた。
「どうしよう……ミスタ・ルイスが……あたし、あの子になんて言えばいいの?」
あたしはふらふらとアンディに抱きつくと、そのまま声をあげて泣き出した。
唐突に通話が遮断され、短い沈黙のあとにすぐさま電話をかけなおす。
>「私にブラフを掛けるような真似をしたら、二度と電話に出ません。
それどころか、表示されている電話番号を使って、貴方を探し出します。
ま、脅かすのはこれ位にしましょう。
近くにデータベースが有るなら、スプートニクで検索をしてみて下さい。」
「やれやれ……やはりわかってました」
この場所では現在、通常業務の研究は行われていない。あらゆる設備は荒廃し、
白衣の姿は何処にもない。あるのは怒号と、それを喚き散らす黒い犬の群れだ。
巨大な古城のように腐り、老朽化した廃墟のなかには、
砂埃が舞い、砕けた赤褐色の壁が積み重なって体積し、
陥没した床や柱が鎮座し、物言わぬまま影を落としている。
「僕は、松岡修三と申します。騙そうとしたことを謝らせてください。しかし、その…失礼ですが、やはり僕は
アルバイトなのです。パソコンに触る権限はないのです」
有谷は、周囲に誰も人がいないことを確認し、一息いれてから話しかける。
「僕は現在傘社支部にいます。ここでは研究など本来の業務は一切行われず、
その・・・・・・いや、なんでもありません。気にしないで下さい。ここは、ええと
傘社支部なのです。しかし僕はここから抜け出したいのです。僕にできる限りのことは
何でも致します。ですからどうか・・・・・・電話を切らないで」
有谷は相手が反傘社勢力の一端であることを祈っていた。
傘社本部の人間でも別に構わなかったが、頼りになる人間ならばやはり反対勢力のそれに限定される。
現在地:廃墟 どこかの室内
状況:小川に助けを求める
九部村の広大な茂みのなかで、携帯端末をいじくる男が立ち尽くしている。
横には金色の鯛の彫刻が刻まれたスナイパーライフルを闇夜に構える男が一人。
ライフルを横に傾けて、この男もまた携帯電話を取り出す。
「OK、生存者リストゲットだぜ」
「わぉすげえや」
携帯端末の青白い画面に、九武村の生存者のなかの一人の顔が表示される。
顔の右上には「$」の文字がある。表示される金額が除々に競りあがり、
最終的な金額が啓示のように算出される。
「おい、冗談だろ?落ちやがった!」
「マジかよ・・・お、俺スナイパーライフルしか持ってない。歯型にはんだごて
持ってくりゃ良かったよ」
電話を持った男が壊れたように歓喜の声を上げ、二人が執拗に何事かを怒鳴りあう。
両者の顔は、明らかに歪んだ愉悦に満ちている。
>42
「…ハァハァ…ざまぁ無いわね。」
豪快に態勢を崩した蝸牛の化け物を見下ろしながら距離を取る。
普通ならトドメを刺してやる絶好の機会なんだろうけど、生憎今の私には武器が無い。
だったら逃げるのが賢い選択だろう。
「ん?」
蝸牛が削った地面から金属片の様な物が見えて咄嗟に拾い上げてみた。
錆びているけど、何処かの鍵みたい。もしかしたら何かに使えるかもしれないわね。
>61、>71
嫌な予感っていうのはとことん的中するものね。
横転したままの蝸牛の化け物は何だかとっても危なそうな雰囲気を醸し出してきてるし。
…あの粘液の正体は胃液の様な物だろうか?何にしても、アレを浴びたら無傷ではすまないのは確かだろう。
「逃げましょう、早く!!」
千堂さんの腕を引っ張り彼を急かす。…が、彼はどうやらやるつもりらしい。
「勇ましいのはいいんだけど…。」
>「それで、いざという時は自分の身を守ってください。俺も他人を守る余裕は無さそうなので・・・」
渡された銃がずっしりと重かった。っていうか、こんなの渡されても私には扱えないわよ!
まあ本来の使い方よりも鈍器としての使い道しか私にはできないんだけど。
「どうせならナイフとかがよかったんだけどね。」
じりじりとさっき千堂さんに飛び掛った化け物の仲間がこっちを伺っている。
どうやら隙あらば、といった所かしら?
牽制の意味で化け物の気配がする方向を睨み据えた。
―――私がただの餌にでも見えるとでも?
餌に見えるならどうぞおいで。
所持品:錆びた鍵 H&K MP7
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況:モーロックを無言で牽制中
>「いや、村から抜け出す方法を探していたら、偶然辿り着いちまったのさ。」
人間らしい外見をした方が、歩みながら私の問いに答えた
…はっきり言ってこの人はどう見てもふもとの村の人間にしか見えなかったので、話の内容は大方想像通りだった…のだが
この男…よっぽど肝が据わってるのだろうか…こんな怪人見て平然とまるで友人のように接するなんて…
……まあ、事態が事態だから、精神がとち狂っていると言う事も考えられるし、考え方の違う人間なのかもしれない、動作もなんか昔の漫画臭いし
ともかく、この男がただの人間だという事はわかった、問題はこっちではない…
>「リーダー君と同じく、俺もここの施設の間取りやらそんなのはまるで判らん」
問題の怪人は、自分の誕生の経緯その他を全てスキップして、最低限の事だけを言ってきた
なるほど、話せない事情があるって事ね、OK、そのあたり、タブーにします
>「この先に、一体何があるんだ?線路沿いから先に進めんし、戻っても死ぬじゃろうしな。
検討が着くんだったら、教えて貰えるか?」
……そうか、線路も塞がれているのか…
じゃあ、もう私の知る脱出路は全て塞がれたわけね…
「私は末端の研究員ですから、自分の使う施設以外は全くと言っていいほど知りませんよ、そんな秘密の通路何か、上の研究所の一部しか知らない私には、どんな物があるかなんか…。ついでに、こんなのももってはいますが」
私は自分の持つ拳銃を示す
「私は使った事ありませんので、戦力として私を数えるのは、ご遠慮願いますね」
ちなみに私が道案内する、と言ったのは、搬入路や通常の出入り口、最後にあの線路までと言う意味だ
そっちが使い物にならない事がわかった今、私の存在意義は、今完全に消滅したと言っていいだろう
…ウイルスの成長や、それに関する混合、マウス実験の結果などの私の記憶は、この非常時には全く役に立たないだろうし
そうこうしている間に、厠に到着した
………もうろくの死体があるよ…うわぁ…
あ、もうろくとはこの首輩に研究所のごく一部の人間がつけたあだ名で、こいつの本名は、モーロックと言う
一掃作戦始まる前だったなぁ…そういえば
逃げ回っている最中にも何度かこいつらに遭遇した事もあった事から考えると、既にこいつらはこの施設内に何体も入ってきているのだろう
そいつの足の乗っているタイルを、村人が押すと、隠し通路が姿を現した
…どうせ関係者しかこんな研究所出入りしないのだから堂々と重装警備兵で守った強固な扉にしておけばよかろうにこんなとこで無駄に金をかけて…
……と言うかこんなのが脱出路に通じてるのか?凄い疑問に思えてきたぞ
普通に外と通じている研究施設への本館側からの通路をわざわざ隠すだろうか?
本館側からの通路がこれだけ隠されているという事は、この中の研究施設はそれだけ外とのつながりを避けたい物だと言う事が容易に想像でき、それが外と通じていると考えるのは…
……いや、非常脱出用のシュートのような物がある可能性も否定できない気がしてきた
隠された場所だけに、そこに集う人材は、えりすぐりの物であり、価値のある人間も多い事だろう
そういった人間を生還させるために、そういう脱出用の物があっても、そんなにおかしくない
と言う事は、その脱出用の何かは山のどこかに繋がっているのではなく、それ相応の施設に繋がっているのだろう
>「緑川のお嬢さん、こーいう喰い方をする化け物に心当たりは・・・、・・・?」
ぼんやりと考えていた私は、怪人の言葉に我に返る
隠し通路は私の想像に反して、完全に干上がっているが水路になっていた
……これ、単に下水施設を管理するための通路を研究員に不快感を与えないために普段隠してただけなんじゃないの?
もしこの先はほんとに研究施設でこんなとこ通らされた重要人物がいたら、さぞ不快に感じただろう
しかし脱出路、と言う点では下水である以上海ないしは川には通じていそうだ、期待できる
さてその下水にはもうろく共の……あれ?この死に方って…アレに似ている気がする
でもアレは確かジャスティスの実験をかねた掃討作戦で皆殺しにされていたはず…
……もしアレ、なら、恐ろしい事だ、あのスピードで襲われたら…
突然の足音に、私はびくついた
見ると、ウイルスが体内で成長したのだろう、異常な姿になった人が、こちらに近づいてきている
アレ、では無い、私の知っているアレではないが、あそこにいる元人物も、同じような能力を持っているのかもしれない
だが、アレほどの戦闘能力は無さそうだ、少なくともあそこにいるのは、人の姿をしている
>「ふ、ふふふ、ごご御機嫌よう …(以下略
今度は、物陰から声がして、包帯にサングラス姿の男が現れた
言動と外見から察するに、ウイルスに感染し、変化していく自分の外見に耐えられず、ああして顔を隠しているといったところだろう
ウイルスの成長もかなり進んでいるようで、脳への影響も見られる、ゾンビ一歩手前、と言う感じだ
>「これはこれは、御機嫌よう。突然で悪いがお前は何者だ? (略
余裕綽々と、怪人が包帯男に挨拶する
まるで漫画だ
どこから来たのか、彼が何者か
そんな者は大体想像がつくし、聞く価値は今のところ無さそうである
そしてこの男についてこられ、途中で完全に思考力が消えられたら厄介であり、更にここで問答してこの男に狂われ、暴れられても、あの餓鬼の様な怪物に隙を与えてまた厄介だ
なら手は一つ
私は拳銃を構えようと考え…やめた
よく考えてみればここにこれだけハンターがいるのだ
ゾンビ一匹増えたところで大して問題にもならないし、私にこのグループ内での発言力も行動決定権も無い
ここは自己の防衛以外に、銃器を用いるべきではないだろう
私は無言で腕に込めた力を抜くと、怪人の次の行動を、さりげなく手近なハンターが私と包帯男の間に位置するように位置を移動して、待った
>>67 >「悪いな。ちょっと遊んでやれそうにねぇみてぇだ」
「みゃー!」
ミヒャエルが逃げ出したと勘違いしたウルタール(黒猫)が、勝利の雄叫びを上げた。
弓矢を拾い、巣に戻る事を考えたが、ミヒャエルに興味が湧いたらしい。
ミヒャエルは、伝説の人間(森村彩)と共に行動していた生き物の一匹だ。
>「時間がねぇんだ。さっさと蹴りつけようや」
「ふしゅしゅ・・ふしゅしゅ・・・」
モーロックが不気味に笑いながら、ミヒャエルを囲み始める。
優れた兵士と言えど、完全に囲まれた状態では、無傷でモーロックを倒す事は無理だろう。
5匹のモーロックが一気に飛び掛かろうとした瞬間、ミヒャエルの耳元を何かが掠めた。
先ほどのウルタールが放った矢だった!
思わぬ伏兵の攻撃を受けた一匹がパニックになって逃げ出す。
逃げ出したミヒャエルが弱い生き物だと考え、助けてやる事にしたらしい。
さらに矢を放つと、モーロックが一匹即死し、包囲網に隙が出来た。
それでも残り三匹のモーロックが、ミヒャエルに飛び掛った。
>>71 >「さてと、化物・・・勝負だ」
突進してくるコパーマイマイの体に弾が直撃する。
肉片と謎の溶解液を流しながらも、コパーマイマイのスピードは衰えない。
>「もらったぜ・・・化け物」
紙一重で突進を回避した千堂が、コパーマイマイの頭部に日本刀の一撃を叩き込む。
しかし、斬撃は途中で止まってしまった。
それでも充分なダメージだったらしく、コパーマイマイがその場に倒れこむ。
起き上がろうとするが、体をきちんと動かす事が出来ないようだ。
千堂の一撃は、コパーマイマイの神経を切り裂き、半身不随に近い状態に追い込んだのだ。
(戦闘不能状態。)
>>76 >「どうせならナイフとかがよかったんだけどね。」
二匹のモーロックが猿面を歪め、不気味に笑いかける。
他の二人に比べて体が小さい山田あすかを、見くびっているらしい。
しかし、山田あすかの目を見た瞬間、相手が怯えていない事に気が着いた。
それでも、餌だと考えたモーロック2匹が襲い掛かる。
その内一匹は、ウルタールが放った矢に射抜かれて死んでしまった。
どうやら、山田あすかをミヒャエルの仲間だと思ったらしい。
残り一匹は、ウルタールが矢を番える隙を衝いて、山田あすかに飛び掛った!
>62-63
>「にゃ、にゃん・・・にゃんにゃん?」
どうやら一生懸命私のまねをしているらしい。そうだよね、猫だもんね。
猫は、私と神殿の天井からぶら下がっている人形を交互に示した。
「え?あのお人形と私が同じ?もしかして私は神様のお供え物なの?」
読めなかった漢字のせいで、私は中途半端にしかメモを理解できていなかった。
だからこのときの私は、まさか自分が猫の神様になっているとは思いもよらなかった。
>「もう傘社の命令なんざどうでもいい
> 俺は俺の力で思う存分意趣返しをするまでだ!
> さあ糞ども、なます切りの次は串刺しだ!」
そう言って怪物は、神殿に足を踏み入れた。
猫達を見かけると片っ端から殺して回っている。
>「ヒャハハハ!
> 弱い弱い、弱すぎるぜ!
> もっと手応えのある奴はいねえのか?」
「お兄さん、もう止めてよ。何でこんなひどいことするの?」
>「ちっ、出て来ないのかよ
> 敵わないと知った相手には迂闊に仕掛けず様子見をしようって魂胆か?
> ははは、無駄なことを辞めな
> どっちにしたっててめえらは全員この俺に殺される運命にあるんだからよ
> 俺をバケモノに変えたことを後悔させてやるぜ!」
「でも猫さん、出て行かないとここを壊すって言ってるよ」
ここを壊されたら、モフが山田さんを呼んで来てくれても意味がなくなっちゃう。
「猫さん、この奥の通路に入ったことある?・・・・・・ああ、言葉通じないのかな?」
私は隠し通路の中と、猫さんを交互に指差した。
「お兄さん」
私は物陰から恐る恐る顔を出すと、入り口近くで殺戮を繰り広げている化け物に話しかけた。
いざとなれば奥の通路に逃げ込めばいい。
「私はゾンビから逃げようとして、ここに迷い込んだの。
いろいろあって仲間とはぐれちゃったけど、今私の犬が探してくれてる。
お兄さんの邪魔はしないよ。すぐに出て行くから、ひどいことしないで。
それと、傘社の命令って何?お兄さん、ここに何しにきたの?」
なるべく刺激しないよう静かに話してたけど、ふつふつと怒りの感情が湧き上がってきた。
「もしかして村をウィルスでめちゃくちゃになったの、お兄さん達の仕業なの?」
>>80 「ビンゴォ!
トリプルで貫いてやったぜ!
こりゃ串に刺さった団子ってとこだな!」
一突きで三体のウルタールの頭部を貫き、言葉通りの串に刺さった団子のようになる
それを誇らしげに高く掲げ、豪快に振り回す
しかしその時、聞きなれない少女の声と顔を見る
>「お兄さん」
「ん、何だ?
誰だ、てめえは?」
>「私はゾンビから逃げようとして、ここに迷い込んだの。(ry」
「何、生存者か?
まだ生きている奴が居たとはな
なるほどなるほど、事情は分かったぜ
おまえのような小娘が、俺のこの姿を見ても話し掛けてくる度胸にビビらされるがな
…まあそれはともかく、ひどいことすんなってのは聞けねえ頼みごとだ
こいつらは俺の部下を皆殺しにしやがったから、同じ様に皆殺しにしてやるのさ
邪魔すりゃ人間でも容赦はしねえが、今は興味が無い
巻き込まれたくなけりゃ隠れておくこった」
頭部ではなく、腹部に顔が浮き出てきて森村を見据える
そして、狂気に満ちた目で仰々しく声を張り上げながら語りだす
そして言い終わると、再びウルタール狩りに戻ろうとする
だが、最後に森村の放った一言で動きを止める
>「もしかして村をウイルスでめちゃくちゃになったの、お兄さん達の仕業なの?」
「フフフ…ヒヒヒ、ヒャーッハッハッハッ!
ああ、そうだとも!
もっとも、末端の構成員に過ぎない俺は詳しいことなんぞ知らされちゃいねえがな
どうせ研究チームの奴らがいつも通り流出させちまったんだろう?
俺たち実働部隊がその度に尻拭いをさせられる、いつものことだぜ
…小娘、貴様ただの生存者じゃねえな?」
そう言うと、空いていた片腕を触手に変えて、森村目掛けて伸ばす
目にも留まらぬ速さで巻きつき、ほぼ一瞬にして引き寄せてしまう
そして、腹部に浮き出た顔が胸部へ移動し、捕えた森村の顔を見定める
「なっるほどねえ…、やっと思い出した
その面、ここに降り立つ前のミーティングでデータベースから拝見させてもらったぜ
要処分生存者ナンバー5、森村彩ちゃんだったけか?
傘社の任務なんざ最早知ったこっちゃないが、てめえらのお陰でいろいろと面倒なことになったからな
どうしてくれようかあっ!?」
半ば怒りの形相で睨みつけ、空高く森村の体を掲げる
そして、巻き付けた触手で軽く締め上げる
「俺にいい考えがある
これを見な
そうだ、糞どもの団子三兄弟ってとこだ
ちょうどもう一人分ブッ刺せるだけのスペースが余ってる
この栄えある四個目の団子に、お嬢ちゃんを加えてやろうと思うんだがな
どうだ、なあっ!?」
見下したような表情で、先ほどの貫いたウルタールの団子を見せ付ける
綺麗に頭部を刺し貫かれており、どれも口をだらしなく開けたまま白目を剥いている
槍と化した腕からは、夥しい血が流れ落ちている
>>64-65>>72 ヘリのパイロットは、4人を笑いながら受け入れてくれた。
ドクターは神経質そうだけど、一生懸命、ミスタ・ルイスを救おうとしてくれている。
>「お嬢さん、それにミスタ・アンディ。ミスタ・ルイスが目を覚ましたら、宜しく伝えてくれ給え。
最後までお付き合い出来なくて、とても残念だよ。」
>「色々ありがとう。……またね」
ヘリからパラシュートも無しに飛び降りる取葉を止めようとするが、間に合わない。
「え、ちょっ?!」
桃華は、止めようとしなかったので、さらに驚いた。
どんどん小さくなっていく影。
取葉の両手が羽へと変わり、そのまま何処かへと飛び去って行った。
「・・・知っていたから、止めなかったんだね。」
ドアを閉め、振り返りながら桃華に向って呟いた。
桃華の小さな背中越しに、電気ショックを受けるミスタ・ルイスの姿が見えた。
繰り返される作業は、ミスタ・ルイスが中々帰って来ない事を意味している。
>「どうしよう……ミスタ・ルイスが……あたし、あの子になんて言えばいいの?」
(僕だって、今の君になんて言っていいか、解らないよ。)
「大丈夫、きちんとした治療を受ければ、絶対に回復するよ。絶対に大丈夫。」
そう言って抱きしめる事しか出来ない。
(ミスタ・・・貴方だったら、こういう時にどうします?)
「ごめん。ミスタ・ルイスがどうなるか、僕には解らない。
でも、きっぱり言っておくよ。
君は・・・君は、ミスタ・ルイスの命を救えないんだ。
何も出来ないんだ。」
桃華を抱きしめるアンディの力が強くなる。
まるで、自分自身に言い聞かせているような口調だった。
「だから、ミスタ・ルイスが助からなくても・・・君が悪い訳じゃないんだ。
君が出来ない事で、君自身を責めちゃ、絶対ダメだよ。」
(ミスタ・ルイス。彼女に恨まれるかのしれませんけど、これで良かったんですよね?)
抱きしめた少女が苦しまないように出来るのは、これ位だ。
(絶対に、彼女に電話して下さいよ。)
>79
飛び掛った猿の化け物のうち一匹はふいに飛んできた何かに射抜かれて動かなくなった。
「え!?」
咄嗟に弓矢か何かが飛んできた方向を見てしまう。
それが、いけなかった。
飛び掛ってきた猿顔の化け物がもうすぐ目の前で、回避出来る距離じゃなかった。
―――馬鹿な子
庇う為に構えた左腕に突立てられた牙に唇を噛み締めた。
じわりと溢れ出る血液に、猿の化け物はより一層歯を立てる。
「そんなに…美味しいのかしら?」
噛み締めた唇から血が滲む。口の中が鉄臭くて気持ち悪い。
本当なら銃でこの化け物の頭を撃ち抜ければいいんだろうけど、
生憎一般市民として生きてきた私は、鉄砲の使い方なんてわからなかった。
銃で化け物の頭を殴っているうちに、顎がぼとりと腐り落ちていく。
何が起こったのか訳がわからないといった感じで身体を痙攣させながら、猿の化け物の身体は朽ちていった。
「足じゃなくて、ラッキーだったわね。」
ボタボタと血を流しながら、こっそり千堂さんを見てみた。
うん、蝸牛とのバトルで見られてない。
再び茂みがガサガサと蠢くと、そこから出てきたのは小さな犬だった。
「…ん?」
何かを訴えるようにキャンキャンと吼える犬に、しゃがみ込んで手を伸ばそうとしたしたその時、憎悪の塊の様な声が響いた。
>81
それは地獄絵図だった。
憎悪と殺意の集大成、といった感じかしら?
散らばった骨と肉片と臓物。水溜りの代わりに赤い血溜まり。
その中心で狂った様に笑う化け物――にしてはしっかり喋ってる。
「他の化け物とは違って喋れるって言ったとこかしら?」
なるほど、人間が感染していい感じに爆発して意趣返しか何かで殺戮劇を楽しんでいるみたい。
―――ああなったらもう長くはもたないだろう。
頭の奥で哂う様な声がした。少なくともこの危機的状況下では生き延びれるだろう。
けれど、それから先は?恐らく化け物に狩られる状況はある程度回避できたとしてもその先は?
ヒトに狩られる危険性は?
―――目先の進化で何が凌げるというのか。
その台詞、私が言える立場じゃないんだけれどもね。
>「なっるほどねえ…、やっと思い出した
>その面、ここに降り立つ前のミーティングでデータベースから拝見させてもらったぜ
>要処分生存者ナンバー5、森村彩ちゃんだったけか?
>傘社の任務なんざ最早知ったこっちゃないが、てめえらのお陰でいろいろと面倒なことになったからな
>どうしてくれようかあっ!?」
傘社?ひょっとして傘社の人間?
待って、今森村彩って…。
>「俺にいい考えがある
>これを見な
>そうだ、糞どもの団子三兄弟ってとこだ
>ちょうどもう一人分ブッ刺せるだけのスペースが余ってる
>この栄えある四個目の団子に、お嬢ちゃんを加えてやろうと思うんだがな
>どうだ、なあっ!?」
男の声をしたソレが高く掲げているのは…。
「彩ちゃん!!!」
私の大声に、ソレは振り向いた。
このままじゃあの子は殺されてしまう。かと言って対抗できる手段を持った男性陣は化け物と対峙中だし。
「あー!こんな事なら鈴木さんにしっかり銃の使い方教えてもらうんだったわ。」
っていうかそれ以前に肝心な時に居ないのはどういう事なのかしらね!男供は!!
居ない相手に腹を立てても仕方が無い。嘆いてこの状況が変わるわけでもない。
こうしている間に彩ちゃんに危害が及ばないとも限らない。
だったら、この状況を少しでも動かすしかない。
私は血がまだ流れる左手を振って、彩ちゃんを捕らえている者に挑発する様に哂って見せた。
ぱたぱたと手を振る度に血液が辺りに細かく散っていく。
「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
所持品:錆びた鍵 H&K MP7
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況:左腕負傷 アドヴァンスドを挑発
>46
カサカサ・・・カサカサ・・・
見張りを始めた姫路の耳に妙な音が近づいて来る。
巨大な蜘蛛だ!
姫路達の匂いを嗅ぎ付けたらしく、真っ直ぐ管理室へと向ってくる。
小川は電話に夢中で気が付かないようだ・・・
>79
「くっ!!」
蝸牛の化け物に叩き込んだ斬撃は、蝸牛の化け物を切り裂く。
しかし、千堂の渾身の一撃は蝸牛の化け物の体にくいこみ、途中で止まってしまった。
それでも身体の自由を奪い、戦闘不能の状態に持ち込む事に成功した。
「グ、グァァ・・・。ち、畜生・・・あの化物が」
だが、千堂の方も唯では済まなかった。
まず、蝸牛の化物を斬りつけた日本刀は根本から折れ曲がり、もはや使いようにならなかった。
「よく今まで耐えてくれたもんだぜ。有難うな・・・」
それだけでなく、蝸牛の化け物に切りつけた時に左手も多少手首を捻ってしまったのだ。
「くっ、これじゃ今まで通り戦い方は出来ないな・・・」
千堂は、折れ曲がった日本刀を放り捨てて、先程、地面の近くに投げ捨てたレミントンM700を拾う。
ライフル弾の装填を行い、それが終わった後は、今なお動こうとする蝸牛の化け物に向ける。
「・・・それじゃ、お別れだ。化け物」
そのまま、何の迷いもなく千堂は引き金を引き、蝸牛の化け物の生命を絶った。
>81>83-84
「あすかさん!!」
蝸牛の化け物を殺し終わった千堂は、近くにいる山田あすかの方を向いた。
そこにいたのは、山田あすかと、もはや人間とは言えない化け物だった。
さらにはその化け物に捕われている森村 彩だった。
「だぁぁ!!畜生畜生!!次から次へと・・・化け物共が!!」
山田あすかが、化け物に何か話しかけている。
だが、化物が果たしてこちらの言う事を聞くのだろうか?
「くそ、本当に次から次へと・・・」
手に持っていたレミントンM700を再び、背負う。
そして使わない方が良いと言われた古刀を握る。
「頼むぜ、新しい相棒よ・・・」
古刀は鈍い銀色の光を放つ。
その光は、血を求めるかのように白く銀色に輝く。
千堂は、その光を眺めて覚悟を決める。
「さてと、やるか・・・」
右手に古刀を携えて、山田あすか達の方へと近づいていく。
>「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
その時、山田あすかが化け物に送った言葉が聞こえた。
丁度良いので、千堂もその続きに乗る事にした。
「そうだな、そんな小さな子供を虐めるなんて変態野郎がする事だぜ。なぁ、オッサン?」
所持品: 腕時計 古刀 脇差 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6 投擲武器×1
レミントンM700(5) 予備弾(60)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:アドヴァンスドに山田あすかと同じように挑発。
>>80-81 ウルタール達は抵抗を止めて、皆隠れ始めた。
>「猫さん、この奥の通路に入ったことある?・・・・・・ああ、言葉通じないのかな?」
「みゃー」
祭壇の下には絶対に行ってはいけない、と否定の鳴き声を出した。
しかし、今神殿から出る訳にも行かない。
静かにしていれば、きっとあの化け物も出て行く。
>「お兄さん」
!
森村彩の行動にウルタールがびっくりして、飛び上がる。
そして、逃げる間も無くアドヴァンスドの触手に捕まってしまった。
>>84>>86 >「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
>「そうだな、そんな小さな子供を虐めるなんて変態野郎がする事だぜ。なぁ、オッサン?」
アドヴァンスドの意識が山田と千堂の方に向いた瞬間、ウルタールは松明片手に走り出した。
触手に炎を押し付け、縛めが解けた所で、少女をキャッチして、二人の方へと走り出す。
「ふにゃー!」
現れた千堂と山田の姿を見て、ウルタールが驚きの悲鳴を上げる。
少女と一緒に歩いていた生き物だったからだ。
そのまま少女を担いで、出口まで逃げようとウルタールが走り出した。
>44>57>66>78
ミチミチと音を立てて、ゾンビの腹部がどんどん膨らんでいく。
それに反比例するように、目が窪み、四肢が胴体へと引き摺り込まれる。
まるで、胴体が手足や脳、目を吸収しているようだ。
腹部が限界まで膨らんだ瞬間、血肉が爆ぜ、周囲に飛び散る。
しかし、皮だけになった死体の中には、何も残って・・・ぶぶぶぶ。
い や、 何 か は 確 実 に こ の 下 水 道 に 居 る 。
突如、メデューサ・ハンターが倒れ込む。
背中には、鋭い何かで切り裂かれたような傷が出来ている。
ぶぶ・・・ぶ・・・・ぶ・・・ぶぶ・・・・ぶ・・・ぶぶぶ
・・・ぶ・・・ぶ・・・ぶぶ・・・ぶ・・・
不気味な羽音が止まった。
人間の胴体程もある巨大な羽虫が一匹、壁に止まっている。
「おぎゃ・・・おぎゃ・・・」
鳴き声を上げる頭部は、人間の赤ん坊そのものだ・・・
胎児に蝿の遺伝子が入り混じって生まれたB.O.W.のようだ。
長い前脚の先に着いた鋭い爪は、メデューサハンターの血で塗れている。
その血を舐めると、きゃっきゃと赤ん坊が嬉しそうに笑う。
新たなる獲物を探して、緑川に襲い掛かる。
ぶぶぶぶぶ・・・
>66
>78
>88
>>「これはこれは、御機嫌よう。突然で悪いがお前は何者だ?
ミイラ?透明人間?今日はハロウィンじゃない、パーティーも催していないし、その予定も無いぞ。
・・・・・・OK、冗談だ。で、いったい何から助けて欲しいって言うんだい、ミイラ君?」
「わた私はこの先の施設でけ研究員をしていた…りゅ、隆青山と言う者だ…だだ
残念ながらに日本語は余り得意得意ではない
そしてて、きき君の言うとおり、このこの格好は冗談ではないのだが…」
自らを隆青山と名乗り、秘密通路を行った先にある施設に勤めていた研究員らしい
名前からして中国人のようで、狂人のような喋り方なのは日本語が下手だかららしい
だが、話を遮るように餓鬼のような怪物が破裂してしまう
そして、メデューサハンターが倒れると同時に不気味な羽音が響き渡る
「どっどうやらおしゃべりをしている暇はなな無くなったようだ
一緒ににげ逃げてきた仲間も全てこ殺されてしまった
ああ、なんなんて末恐ろしい…、ふふ、ふふふふ…」
嬉しそうに笑いながら、再び物陰に隠れてしまう
ただの狂人とは思えない、何とも言えない不気味な雰囲気を纏った男である
人間であるとすら思えないほどの…
>72>82
「よし、腕の止血帯を締めろ。もう一回だ。」
「了解。」
再び電気ショック特有のバンっと言う音がヘリの中に響く。
「こちらレイブン1。着陸体制に入る。先生、何か伝える事は?」
パイロットがヘリに載っている医者に問い掛ける。
病院屋上のヘリポート上空でホバリングし、着陸態勢に入りつつある。
「緊急救命室を空けるように伝えてくれ。それだけで充分だ。」
パイロットが無線機に向かい、復唱する。
屋上には、ストレッチャーと数名のスタッフが待機していた。
「心停止してから、左程時間は経っていない」
今まで、アンディと桃華が居ないかのように振舞っていた医者が、ヘリから降りながら呟いた。
「よし、動かすぞ。足を持ってくれ!おい、ゆっくりだ!」
医者が待機していたスタッフに指示を出し、マクナブをストレッチャーに乗せる。
素早く点滴や口内に人工呼吸器を押し込んでいく。
そのままストレッチャーに乗せられたマクナブが病院の中へ運び込まれていく。
力無く横たわる姿は、正に生命の抜け殻そのものだ。
「さて、今度はあんた達の番だな。河川敷の野球場に降ろすぞ。後は、自力で帰ってくれ。」
ヘリが離陸し、病院のヘリポートが小さくなって行く。
赤十字の隣に並ぶ傘社の紋章が、朝日を受けて鈍く輝いていた。
>71
>「おーい、おっさん!!そっちの方の化け物は任せたぜ!!」
「あー!あー!五月蝿ぇー!んな事わかってるっつーの!」
>79
>5匹のモーロックが一気に飛び掛かろうとした瞬間、ミヒャエルの耳元を何かが掠めた。
背後から何かが自分を飛び越え目の前の怪物へ突き刺さる。
「うぉ!なんだぁ!?」
>モーロックが一匹即死し、包囲網に隙が出来た。
>それでも残り三匹のモーロックが、ミヒャエルに飛び掛った。
後ろを振り返ると先程の愛らしい姿の猫が見える。
「へへへ。参ったねこりゃ。こんな小せぇのに助けられちまうとは」
「通じるかは知らねぇが・・・ありがとうな」
弾の無いショットガンを手に取り残った怪物へ殴りかかる。
「おらおら!糞虫ごときが俺様と戦うなんざ100万年早ぇえんだよ!」
1匹の胴と頭の継ぎ目を引き剥がす様に下から救い上げる様に殴りつけ、吹き飛ばす。
「格闘は」
続けて2匹目の後頭部を狙い、水平にスイングさせる。
「苦手だって」
3匹目に狙いを付け突進する。義手を大きく振りかぶり指先まで伸ばす。
「言ってんだろうがぁ!」
義手を衝きたて倒れた1匹に信管を捩じ込む。
「オ・マ・ケ・だ糞っ垂れめ!」
そのまま怪物の体を2匹の目の前に投げ飛ばす。
「俺は工作専門だっつーの」
捩じ込まれた信管が破裂し、怪物の体液が飛び散る。
体液がかかった2匹を見ながらゆっくりと近付く。
「おう。まだやんのか?時間が勿体ねぇから10秒待ってやらぁ」
動きの鈍った1匹に迫る。
「ワン、ツー、テン」
腕と胴の継ぎ目を踏み潰しもう1匹をの方見る。
「てめぇはどうすんだよ?待ってやろうか?今逝くか?」
怪物に重圧をかけている時に、あまり離れていない所から声が聞こえてくる。
>84>86
>「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
>「そうだな、そんな小さな子供を虐めるなんて変態野郎がする事だぜ。なぁ、オッサン?」
「だーれがロリコンで変態だこの野郎!・・・ってあら?あいつらどこ行ったんだ?」
目の前の怪物に戦意が無いと判断し、見失った2人を追うと、自分を助けた生き物と同じ姿の無残な死体が転がっている。
「こりゃ酷ぇ・・・面倒そうなのが居るなぁ。んだよあの体躯はよぉ」
「服からすっと傘のゴミ処理係かその辺か。屑だな。無条件でぶっ殺す」
2人に追いつき並び立つ。
「ミヒャエル様参上!あんな大ピンチでも俺様は生き残っちまう」
「さすがヒーロー。俺様最強!味方で良かった!だろ?」
少女を担ぎ、走って来た生き物が横を通過するのを見守り人であった者へ視線を向ける。
「さーて。誰が行くんだ?個人的にこいつらにゃ仕置きしてやりてぇんだが」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 千堂・山田に合流 アドヴァンスドと対峙
>66>78
「・・・碌なモンが居らんな。」
赤ん坊でも詰め込んでるんじゃないかって人喰いにミイラみたいに干乾びた死体。
動く方のミイラに至っては、化け物よりも日本語が下手糞と来とる。
揃いも揃ってゴミ溜めに相応しいっちゃ、相応しい。
ワシは念の為、腹が膨れたゾンビにマシンガンの狙いを着けて置いた。
緑川の娘っこがハンターの影に隠れる代わりに、ワシは一歩前へ踏み出す。
「んでだな、お嬢ちゃん。何があのデカ面の血を吸ったんだ?」
>88
水死体みたいに膨れた腹のゾンビが、尻の穴に掃除機でも突っ込まれたんじゃないかって
思うくらいの勢いで縮み始めおった。
もっとも代わりに腹が膨れ始めて、終いにゃ爆発しちまった。
何しに出てきたんだか解らんが・・・いや、何かまだ居る。
どさり、と音を立ててハンターが一匹、地面に伸びちまった。
背中にゃパックリ、デカい切り傷が出来とる。
>「おぎゃ・・・おぎゃ・・・」
どうすりゃ、あんな化け物が出来るんじゃろうな。
人間の頭に、鋭い爪を持った蝿の化け物。
赤ん坊の泣き声ってのは、カンに触るから大っ嫌いなんじゃがな。
おまけに動きがやたら速い、と来とる。
笑った顔も最悪じゃったが、目にも止まらぬ動きで、飛び回る。
ワシは、娘っこを突き飛ばしながら、地面に伏せた。
動きが速すぎて、銃を当てられる気がせんかった。
状況:緑川を突き飛ばし、地面に伏せる。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(200)、ワクチン(37)、
>81
私の質問を耳にすると、いきなり目の前の怪物は大声で笑い始めた。
声をかけたのを後悔する。
言葉が通じるからって、外見と同じように内面が変わっててもおかしくなかったからだ。
>「ああ、そうだとも!(略)
> 俺たち実働部隊がその度に尻拭いをさせられる、いつものことだぜ
> …小娘、貴様ただの生存者じゃねえな?」
そう言って怪物は腕を触手に変え、私の身体を巻き取った。
お腹にあった顔が旨に動いてきて、私の顔をまじまじと覗き込んでくる。
>「なっるほどねえ…、やっと思い出した
> 要処分生存者ナンバー5、森村彩ちゃんだったけか?
>半ば怒りの形相で睨みつけ、空高く森村の体を掲げる
「処分って何?私はただの小学生だよ、確かにパパは傘社の人だけど、なんにも知らな・・・・・っ!」
巻きついた触手が締り、それ以上喋ることが出来ない。
>「俺にいい考えがある
> そうだ、糞どもの団子三兄弟ってとこだ
> ちょうどもう一人分ブッ刺せるだけのスペースが余ってる
> この栄えある四個目の団子に、お嬢ちゃんを加えてやろうと思うんだがな
> どうだ、なあっ!?」
「お兄・・・・・・ほうが・・・・・・よっぽど・・・・・・怪物・・・・・・・・・」
喘ぐようにそれだけ搾り出したけど、だんだん視界が暗くなってきた。
人間の言葉を喋っているけれど、この人はもう人じゃない。
人でなくなると、こんなにあっさり心まで変質してしまうのかな?
>84 >86 >91
>「彩ちゃん!!!」
(・・・・・・山田さん?)
>「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
こっちに来ないでと言いたかったけど、声が出なかった。
ただ金魚みたいに口をぱくぱくするだけだ。
>「そうだな、そんな小さな子供を虐めるなんて変態野郎がする事だぜ。なぁ、オッサン?」
若先生の声が聞こえる。若先生、来てくれたんだ・・・・・・。
あの怪物は私のこと名指しで要処分生存者ナンバー5だって言ったけど、私は本当に役立たずだ。
こうしてちょっと触手に締め上げられれば息が出来なくなるし、誰かに守ってもらわないと何にも出来ない。
誰かと間違えてるんじゃないかと思うけど・・・・・もし本当だとしたら、一体なぜ?
私、何にも聞いてないよ・・・・・・・・。
>「ミヒャエル様参上!あんな大ピンチでも俺様は生き残っちまう」
>「さすがヒーロー。俺様最強!味方で良かった!だろ?」
ロボットの手を持つ外人さんの、陽気な声が聞こえたような気がした。
だけど、そこで私の視界は真っ暗になってしまった。
気絶してしまった私は、猫さんが命がけで助けてくれたことも、担いで逃げようとしてくれたことも知らなかった。
>>84>>86>>87>>91>>93 >「お兄・・・・・・ほうが・・・・・・よっぽど・・・・・・怪物・・・・・・・・・」
「ちっ、気を失いやがった
つまんねえなあ
所詮ガキ女の度胸なんざこの程度かよ」
詰まらなそうに気絶した森村を揺する
その時、横から実に不愉快な物言いが聞こえてきた
>「小さな子供相手に凄んじゃって、アンタ何?ロリコン趣味だっていうの?」
>「そうだな、そんな小さな子供を虐めるなんて変態野郎がする事だぜ。なぁ、オッサン?」
「なんだとぉ〜!?
この俺をロリコンの変態呼ばわりとはどういう料簡だ?
この俺がただの人間じゃないって分かって言ってんのか?
それとも相手を見極めることもできねえ馬鹿だってのか?」
怒りを露にしながら、片腕を振り払って串刺しにしたウルタールを払い除ける
そして、空いた腕を鎌に変化させて身構える
しかしその時、森村を拘束していた方の腕の触手に凄まじい熱さを感じる
「ぐおぁっ…あちぃっ!?」
余りの熱さに思わず、縛めを解いてしまう
そして、すかさずウルタールが森村を二人の下へと運んでいってしまう
そして、出口へ向かって走り出す
さらに、三人目の見知らぬ男が現れ、不愉快な決め台詞かなんかを吐いている
ここまでされて、呆然となっていたアドヴァンスドの怒りは頂点に達する
「………
おぉぉっ…、貴様らあぁぁっ…!
あの糞どもとつるんでやがったのか!?
この俺をどこまでも馬鹿にしやがってぇ…、絶対に許せねえ!
てめえら全員、あの糞どもと纏めて八つ裂きにして食ってやる!
目が真っ赤に充血し、かつてないほどの怒りの形相を向ける
全身から無数の触手が生え、その全ての先っちょが鎌か槍のように変化する
それらがウネウネと蠢きながら、三人を狙っている
「まずは貴様らを動けない程度に傷付ける…
次に最初の一人から槍で串刺しにして、鎌で引き裂いてアジならぬ人間のお開きにしてやる…
そして、生きている奴の目の前でそいつを踊り食いにして食ってやる!
貴様ら全員、あの小娘も含めてそうしてやるぜ!
死ねええぇぇぇぇっ!」
物凄い勢いで、三人の方へと突進を始める
無数の触手槍と触手鎌が一斉に構えられ、いつでも攻撃できる態勢になっている
荒涼とした風が吹き、際限なく広がる闇のなかで、
的場がライフルを持った肩を揺らしながら標的のもとへ向かう。
腰元の小型携帯電話の画面に表示されているのは小川平蔵の顔である。
獲物を射殺すような、偏狭な眼差しを持ってして、草原のなかをゆったり歩く。
「どこだ・・・小川・・・」
同時刻
熊桐生は廃屋のなかで、自己嫌悪に陥っていた。
的場から強引な誘いを受けて、この悪趣味な遊戯に加担をしたものの、この男には
自分がしようとしている殺人という行為がれっきとした犯罪であるとわかっていた。
しかし、設定したターゲットを仕留め、クリアを主催者側に報告しなければ
自分が脱落者として殺されてしまう。
手に取った鉈が鈍く光り、一瞬頭のなかが閃光で満たされた気がしたが、
もはや自分に選択肢がないのだと考えると、どっと疲労が全身を伝った。
>84
山田あすかの足元に一振りのナイフが転がっている。
どうやらアドバンスドが人間だった頃に身に付けていたナイフのようだ・・・
拾いますか?
→Yes
No
>74
松岡と名乗る男が、どこまで事実を語っているのか、小川には判断出来なかった。
電話越しに聞こえる獣の凶暴な咆哮は、本物なのか?
壮大な演出で、俺を嵌めようとしているのか?
これは何かのテストで、俺は試されているのか?
弱者を甚振るような、余裕たっぷりの気持ちは消え失せていた。
一度芽生えた疑惑は、微かな恐怖として、心に刻まれる。
>「僕は現在傘社支部にいます。ここでは研究など本来の業務は一切行われず、
その・・・・・・いや、なんでもありません。気にしないで下さい。ここは、ええと
傘社支部なのです。しかし僕はここから抜け出したいのです。僕にできる限りのことは
何でも致します。ですからどうか・・・・・・電話を切らないで」
「貴方もご存知だと思いますけどね、こっちも――失礼。」
壁に貼り付けられたプレートの埃を払う。
照明と書かれたプレートの下には、マッドサイエンティストが電撃を放つ時に使うようなレバーが有った。
勢いよく引くが、途中で錆び付いたレバーが折れてしまう。
「で、脱出を検討中、でしたっけ?」
レバーが稼動する隙間にライフルの銃身を突っ込み、強引にレバーを降ろす。
ケーブルに高圧電流が流れ、地下実験場に照明が点る、筈だ。
半世紀ぶりに光を浴びた生き物達がどう反応する事やら。
「まずは、状況の説明を。貴方が居る支部の建物の種類を教えて下さい。
研究所なのか、それとも単なるオフィス・ビルなのか。
貴方の脱出を阻むものは、人間なのか。それ以外の存在なのか。」
建物の種類が解れば脱出ルートを検討できるし、障害物が解れば、対処の方法も解る。
結局、想像力を働かせろ、と言う事なのだ。
「仮に支部から脱出したとして、最寄の市町村までの距離は?そこまで移動する手段は、何がりますか?」
相手が何者か解らない以上、慎重に言葉を選ばなければならない。
こちらを信じるしかない、などと言う事を言っても逆効果だ。
寧ろ、喋らせ、適切なアドバイスを与え、徐々に信頼関係を構築する以外に、方法は無い。
「こちらも移動をします。ご存知の通り、ここは最悪の事態でしてね。」
しかし、松岡と名乗る男の電話は、今置かれた苦境を忘れるのに充分な楽しみを与えてくれた。
小川は恐れているのは、ミヒャエルの存在だ。
山田あすかと行動する間に、何らかの余計な情報を喋っていたら?
出会い頭に一発、銃弾を頭に叩き込むしか無い。
そして、目の前の新たな楽しみに目を囚われている小川は、姫路に襲い掛かろうとする巨大な蜘蛛に気が付いていない。
現在地:地下実験場 管理室
状況:地下実験場に照明を点ける。松岡に質問。姫路に襲い掛かる巨大蜘蛛には気付かず。
>82 >90
>「大丈夫、きちんとした治療を受ければ、絶対に回復するよ。絶対に大丈夫。」
そう言ってアンディはあたしを抱きしめた。
だけど、それが単なる気休めだって事はあたしにもわかっていた。
>「ごめん。ミスタ・ルイスがどうなるか、僕には解らない。
> でも、きっぱり言っておくよ。
> 君は・・・君は、ミスタ・ルイスの命を救えないんだ。
> 何も出来ないんだ。」
>「だから、ミスタ・ルイスが助からなくても・・・君が悪い訳じゃないんだ。
> 君が出来ない事で、君自身を責めちゃ、絶対ダメだよ。」
「……うん」
あたしを抱きしめる腕の力が強まった。
アンディの気持ちがじんわりと伝わってくる。
「……ごめんね、取り乱して。辛いのはあたしだけじゃないのに」
アンディとビルに潜入した仲間達は皆死んでる。
彼だって辛くないはずが無いのに。
「ありがとう、アンディ」
病院の屋上にはスタッフが待機していた。
>「心停止してから、左程時間は経っていない」
「お願いします先生、ミスタ・ルイスを助けて」
すれ違いざまにそう頭を下げた。
機材に繋がれたミスタ・ルイスは本当に死んでしまったように。
「ミスタ・ルイス!待ってるから!ずっとずっと待ってるから!」
ストレッチャーに続いてあたしもヘリを降りたかったけれど、病院のエンブレムを見て何とか思いとどまった。
――――ミスタ・ルイスは、デュラン・スペンサーを暗殺したテロリストの一員だ。
だって、彼が着ていたツナギの裏地は真紅だったから。
あたしは、ミスタ・ルイスが本当はどんな人かなんて知らない。
もしかしたらルイスっていう名前も偽名なのかもしれない。
だけど、それでももう一度生きて彼に会いたい。
>「さて、今度はあんた達の番だな。河川敷の野球場に降ろすぞ。後は、自力で帰ってくれ。」
「ありがとう」
パイロットに御礼を言うと、あたしはアンディに向き直った。
「とりあえず、お互いタクシーは拾えそうに無いわね。アンディはこれからどうするの?」
あたしには迎えが来るだろう。
墜落したヘリに乗っていた女科学者は、あたしの名前をフルネームで知っていた。
それが何を意味するのか……。
ビルの中であたしはたくさんの人にあった。
あたしはいつだって足手まといで、皆に助けられ、守られてきた。
あたしは持っていた銃を慈しむように撫でた。
――――あたしは今こうして生きている。
悪夢のようなビルの中、あたしが生き延びたのはただの偶然なのかもしれない。
だけど――――きっと何か意味があるのだと信じたい。
あたしはあの悪夢を絶対に忘れない。
たかが小娘に何が出来るのかわからないけれど、それでも……あたしに出来ることがきっとあるはずだから。
あたしは暗い雰囲気を振り払うように、ことさら明るい声で言った。
「そう言えば無事脱出したのに、ちゃんとお礼してないわね」
ミスタ・ルイスにも取葉さんにもお礼しそこめちゃったわ。
「 ……悪いけど、ちょっとかがんでくれない?」
ヘリは河川敷上空でホバリングし、着陸態勢に入りつつあった。
シナリオクリア
ミイラが怪人の質問に答える
隆青山…聞いた事が無い
私自身があまり周囲に興味を持たなかったので研究所員全員の名前を知っているわけではない事もあるが、とにかく知らない
…この先の研究施設って…これ、やっぱり続いてるの?別の研究施設に
……通路位、もう少し衛生面でしっかりした物を作るべきだったと私は思うが…
まあ、向こうにも向こう用の出入り口があるのだろうからここが使われるのはよっぽどの非常時に限った事なのだろう
…だからって下水道は……兼用した方が安く済むからだろうか…変なところでケチである
>「んでだな、お嬢ちゃん。何があのデカ面の血を吸ったんだ?」
村田氏が前に進み出ながら、私に尋ねてきた
「…私の知っている奴で、これに近い食物摂取を行う…怪物は…」
私が答えようとした時
突如、こちらに迫っていた餓鬼の様なゾンビが、吹き飛んだ
まるで、何かが体の中ではじけたように……
同時に、虫の羽音の様な物がして、ハンターが一匹、私の横で倒れ、動かなくなる
………この…羽音は……
嫌な予感がした私が音が制止した方を見ると…
人間の頭に、ハエの頭…胎児?胎児にウイルスが何らかの影響を?
そう思った瞬間、私は村田氏に突き飛ばされ、床に転倒した
どうやらあの怪物は私を狙っていたらしい…あのスピードで襲われたら、ひとたまりも無かっただろう
…アレは私の知っている怪物ではない、あの怪物は、ハエの様な姿はしていないし、胎児の頭もつけていない
別物だ………まずい、このままではあっという間に全滅してしまう…
私は伏せたまま地面を這い、空いたままのトイレの隠し通路の入り口へと向かった
この通路を進むのは危険だ、とりあえず私は安全地帯に避難させてもらおう
有谷は周りの静寂に肩を震わせながら、電話を縋るように握った。
自分がしていることを少しずつ確認し、そのことに青ざめ息を吐き散らす。
>「まずは、状況の説明を。貴方が居る支部の建物の種類を教えて下さい。
研究所なのか、それとも単なるオフィス・ビルなのか。
貴方の脱出を阻むものは、人間なのか。それ以外の存在なのか。」
男の声が、廃れた研究所の闇のなかで、震える小鳥のそれのように聞こえた。
除々に自分が脱出の手助けを求めたことを後悔しだしていたが、この契機を逃せば、
今の度胸はもう永久に戻ってこない気がした。
有谷は吐き捨てるように「僕はずっと監禁されてきたんだ」と言った。
「この研究所はとてつもなく入り組んだ構造をしていて、僕は日にちも忘れるくらい地下に
一人で閉じこもってきた。始まりは黒いゴミ袋のようなものを被せられたときだ。
そのときからずっと汚辱に耐えてきた・・・」
青年の顔は豹変したように憎しみに歪み、何かに狂ったように天井の赤黒いシミを
睨みとおした。
「僕は……失礼、ここは外国なんじゃないかと思うんです。
外のことは、窓から一度、日の光を浴びて輝く木々を見ただけなんですが。
周囲にはアメリカの人が多くて。逃げ出そうとすれば捕まって、助からない」
管理室の棚には1996年の新聞紙が置いてある。
誇らしげに黒ずみ、ところどころは破けているが、辛うじて読み解くことは出来る。
有谷は新聞を掴むと、もう戻ってこない1996年を悔やむように泣き始めた。
最初はその場に跪いて嗚咽を漏らしながら淡々と。そして段々と興奮し、
最後は懇願するような姿勢で、失われた過去に手を伸ばした。
軋んだ木造りの廊下を、巨大な黒い犬が数匹で疾走する。
それらを後ろから従えるかたちで、笛を咥えた白いダッフルコートの大男が闊歩する。
>>98 >「ありがとう、アンディ」
「大丈夫、僕は馴れっ子だから。」
そんな嘘を言いながら、桃華を抱き締める。
>「さて、今度はあんた達の番だな。河川敷の野球場に降ろすぞ。後は、自力で帰ってくれ。」
「了解。おじさん、ありがとう。」
ヒッチハイクしてくれたドライバーにお礼を言っているような口調だった。
家出をする度に、ヒッチハイクをしていたから、この言い方が板に着いている。
>「とりあえず、お互いタクシーは拾えそうに無いわね。アンディはこれからどうするの?」
「そうだね・・・この格好だと警察を呼ばれちゃうな。」
SF映画の宇宙海兵隊みたいなデザインのパワードスーツではタクシーに乗せてもらえない。
「駅まで歩いて、電車に乗るしか無いな。
あ、勿論冗談だよ。桃華が帰ったら、迎えを呼ぶから大丈夫。」
>「そう言えば無事脱出したのに、ちゃんとお礼してないわね」
アンディは黙って、笑った。
>「 ……悪いけど、ちょっとかがんでくれない?」
桃華の言葉通りにする。
桃華がヘリから降りるのに手を貸すと、ヘリが飛び去るのを眺め続けた。
「・・・任務完了、かな。」
シナリオクリア
>>97>>84>>93>>81>>86>>91 小川が照明のスイッチを入れると同時に、実験場全体が震え、轟音に包まれる。
コンクリートの天井からパラパラと細かい破片が落ち、埃が舞い上がる。
振動の正体は、地下実験場に巣食うクリーチャー達が上げる悲鳴。
光苔の放つ弱々しい光に適応した生物に取って、ライトが放つ光は、苦痛に近い。
化け物達は、目を焼く光から逃れようと、不気味に成長した菌類や羊歯類の作り出す木陰へと殺到する。
・・・ウルタールの巣も例外では無かった。
多数のクリーチャーが殺到し、開けられた門の中へと侵入を図る。
今、門を閉めればアドバンスドから逃げ出すのは、難しくなるだろう。
しかし、門を閉めなければ、津波のように押し寄せるクリーチャーの群れに蹂躙されるだろう。
>100
感情を解き放った結果が憤怒と自己憐憫だけなら、人生をやり直した方が良い。
もっとも、それが出来ないから人は結果として――己か他者かを問わず――死を伴なう暴力に走る。
受話器の向こう側の男は、そういう人間になってしまった。
>「この研究所はとてつもなく入り組んだ構造をしていて、僕は日にちも忘れるくらい地下に
一人で閉じこもってきた。始まりは黒いゴミ袋のようなものを被せられたときだ。
そのときからずっと汚辱に耐えてきた・・・」
なるほど、あんたを拉致したのは、ティンバーランドのブーツを履いた男に違いない。
監禁されている場所は、恐らく人権後進国に建設されたブラックサイトだ。
人権が手厚く保障された、先進国で出来ない拷問を行う秘密の場所。
だったらアムネスティインターナショナルに電話する方が先だ。
>「僕は……失礼、ここは外国なんじゃないかと思うんです。
外のことは、窓から一度、日の光を浴びて輝く木々を見ただけなんですが。
周囲にはアメリカの人が多くて。逃げ出そうとすれば捕まって、助からない」
「アウトソーシングを受けた拷問屋でしょう。連中の事は、よく知っている。
多分、貴方が居るのはどこかの後進国だ。携帯のSIMカードから契約者や位置は特定できる。」
自分も似たような事をやった事がある、とは言わなかった。
国際通話が出来る3バンドの携帯電話の通話記録は、然るべきルートを持っていれば簡単に特定出来る。
位置を割り出し、後進国でアメリカ人が出入りしている場所を探せば良い。
航空機で他国へと移送されたとしても、使用されるのはガルフストリームのビジネスジェットの類だ。
こちらに至っては、何も特別なコネも通信会社のゴミ箱を漁る必要も無い。
世界中の航空機マニアが出入りするBBSにアクセスし、航空機番号と該当機の離着陸記録を尋ねれば、
たったそれだけで、簡単に移送先の国家が割り出せる。
事実、CIAの運用するブラックサイトの存在はそうやって、世間一般に明らかになったのだ。
しかし、別の問題が残る。
小川が苛立った声で確信を突く。
これ以上、泣き言は聞きたくない。
「で、貴方はどんな利益を我々に与えてくれるのですか?」
嘲笑うかのような声だった。
「一億ポンと出して下さるご家族は居ますか?
そうでなければ、貴方を救出した代償に、何を得られるのでしょうかね?」
小川の口調が一気に変わる。
だが、ささやかなヒントが含まれている。
傘社とは別に、小川自身の利益が含まれているのだ。
これで相手が、どう動くか?
「ご存知の通り、こっちも地獄でね。
今は助けられないが、然るべき対価さえ払ってくれれば、助けても構わない。」
くそ、俺は苛立っている。
多分、腹が減っているに違いない。
腹一杯食べて、一眠りすればバッテリーが切れるまで泣き言に付き合ってもいい。
それが出来ないから、苛立っているんだ。
つい先程、レーションを丸々一食食べた事も忘れ、小川は受話器の向こう側からの返事を待つ。
照明のスイッチを入れた以上、ここに長居する理由は無かった。
>87>91>93>94
>「なんだとぉ〜!?
> この俺をロリコンの変態呼ばわりとはどういう料簡だ?
> この俺がただの人間じゃないって分かって言ってんのか?
> それとも相手を見極めることもできねえ馬鹿だってのか?」
「馬鹿といえばそうなのかもな。アンタみたいな奴を相手にしてるんだからさ」
人間型の怪物がこちらの方を向いて、喋りかけてきた事に千堂は軽く驚く。
それと同時に警戒を強める。
言葉を話すという事は少なくとも人間と同じだけの知恵があるという事だからだ。
それに相手は少女の命を握っている。
下手に動けばこちらだけでなく少女の命も、また山田あすかの命も危険にしかねない。
(このままだとこっちが不利になる・・・。クソ・・・厄介な)
そのためには少女をこちらに取り戻さなくてはいけない。
千堂が、そう考えた時に黒い影が少女を捕まえている触手に松明を当てる。
>「ぐおぁっ…あちぃっ!?」
「なんだ?」
怪物が突然、呻き声を上げて少女を離す。
その時、怪物の影から新しい怪物が飛び出す。
その姿は、猫を人型にしたような、なんとも可愛らしい姿に千堂は一瞬だけ言葉を失う。
その猫の怪物は少女を背負ったまま走り去っていく。
「って、ちょい待て!!その子をこっちに・・・」
>「………
> おぉぉっ…、貴様らあぁぁっ…!
> あの糞どもとつるんでやがったのか!?
> この俺をどこまでも馬鹿にしやがってぇ…、絶対に許せねえ!
> てめえら全員、あの糞どもと纏めて八つ裂きにして食ってやる! 」
人型のもう一人の怪物が怒りを抑えきれない様子でこちらを睨む。
「ちっ、八つ当たりかよ。こっちもそれどころじゃないのによ!!」
千堂も古刀を構えたその時だった。
>「ミヒャエル様参上!あんな大ピンチでも俺様は生き残っちまう」
>「さすがヒーロー。俺様最強!味方で良かった!だろ?」
義手をした外人―――ミヒャエルがこちらに颯爽と歩いてきた。
「ハ、ハハハ・・・。確かに味方で良かったよ」
>「さーて。誰が行くんだ?個人的にこいつらにゃ仕置きしてやりてぇんだが」
「まっ、仕置きは確かに必要だな。でも、今回は逃げるのを優先した方がいいかもな。
ヤバそうだしな、あの怪物」
小声でミヒャエルに話掛けた時だった。
>102
ウルタールの巣の外が急に白くなったと千堂は感じた。
その白くなったのが照明がつけられたと知ったのは辺りから響く化け物共が響かせる音で気づいた。
「畜生、明るくなったのは良いけど、このタイミングでか!!」
その響く音と共に人型の怪物が怒りの咆哮を上げる。
>「まずは貴様らを動けない程度に傷付ける…
> 次に最初の一人から槍で串刺しにして、鎌で引き裂いてアジならぬ人間のお開きにしてやる…
> そして、生きている奴の目の前でそいつを踊り食いにして食ってやる!
> 貴様ら全員、あの小娘も含めてそうしてやるぜ!
> 死ねええぇぇぇぇっ!」
「うるせぇぇぇ!!」
人型の化け物がこちらに走りだしたと同時に背中に背負っていたレミントンM700を構える。
古刀を地面に突き刺して、レミントンM700にライフル弾を装填させる。
そのまま、人型の化け物―――アドヴァンスドにライフル弾を撃つ。
流石にライフル弾で撃たれては、こちらに突進したままは進めないようだ。
アドヴァンスドが少しばかり足を止める。
その隙に千堂は、ミヒャエルと山田あすかに話しかける。
「あすかさん、今のうちに彩ちゃんを追いかけてください。
ミヒャエルのおっさん、あすかさんを守ってください。お願いします」
話しかけている間でも、千堂はアドヴァンスドに銃撃を続ける。
「俺が、あの化け物の相手をします。大丈夫、死なないよう気を付けます。
まだ若いんで、死にたくありませんしね」
そして、懐から青い液体―――ウイルスを取り出して、それを二人に見せる。
「一応、切り札っぽいのも持っているんで、だから・・・後、頼みます」
所持品: 腕時計 古刀 脇差 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6 投擲武器×1
レミントンM700(2) 予備弾(47)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:山田あすかとミヒャエルに後の事を頼んでいる。
>99 92 89 88 77
>「わた私はこの先の施設でけ研究員をしていた…りゅ、隆青山と言う者だ…だだ
残念ながらに日本語は余り得意得意ではない
そしてて、きき君の言うとおり、このこの格好は冗談ではないのだが…」
どんな大根役者であろうとここまではどもる事はないだろう。
むしろこれが演技ならそれはそれで尊敬に値する。
ミイラ君の言葉を半分流しながらの考えは、肉の爆ぜる音によって中断された。
その肉の爆ぜる音に続くように生理的嫌悪感を抱かせる羽音が鼓膜を揺さぶる。
そしてその音が過ぎ去ると同時に1人の同胞が地に伏せる。
背中には鋭利な刃物で裂かれたような傷跡が一つ。
同胞の強固な皮膚を軽々と裂くなど並の化け物に出来る芸当ではない。
気配のするその場所に目を移す。『ソレ』が視界に入った瞬間、ゾワリと背筋に怖気が走った。
>「どっどうやらおしゃべりをしている暇はなな無くなったようだ
一緒ににげ逃げてきた仲間も全てこ殺されてしまった
ああ、なんなんて末恐ろしい…、ふふ、ふふふふ…」
ミイラ君の言葉が耳に入るが、正直そんなのはどうだっていい。
巨大な蝿の顔と人間の赤子の顔を付け替えたような醜くおぞましい化け物。
その姿に一瞬気を飲まれた、その隙に『ソレ』は緑川に向かって飛び掛る。
だが、幸いにもリーダー君が危険を察知し突き飛ばしたお陰で、緑川は無傷だ。
クソ!虫、虫、虫、虫……クソ虫め!甲虫や蟷螂や蜂やら姿形が美しいのはまだ我慢できる。
しかし、蛾を筆頭とした羽を持ち、生理的嫌悪感を振りまく、おぞましい姿をしたクソ虫は異常な程に、『嫌い』だ。
無論、蝿も例外じゃあない。だが、今回の不幸中の幸いは、顔面が蝿そのものではなく赤ん坊の顔だってことだ。
俺は口を笑みの形に無理矢理歪めると、バチンと指を鳴らし同胞に指示を出す。
「傷ついた同胞を守り、リーダー君と緑川の援護を・・・俺はアレを片付ける」
先程はあの姿形に飲まれたが、落ち着けば対処できない相手じゃあない。
だが、あの鋭い爪が厄介だな……なんせ同胞の強固な皮膚をいとも簡単に切り裂く程だ。
長期戦はあまり考えない方が良さそうだ。スピードにはスピードで、鋭い爪には鋭い爪で。
俺は獲物に飛び掛る四足歩行の肉食獣さながら態勢を低くし、左手を持ち上げ、蝿に向けて狙いを定める。
槍を構え、万軍に突撃する騎士の様に、全身をバネにして蝿に向けて飛び掛った。
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(5)
現在地:九武村観測基地 秘密通路
状況:蝿に向けて全力突進
>102
>実験場全体が震え、轟音に包まれる。
>コンクリートの天井からパラパラと細かい破片が落ち、埃が舞い上がる。
>多数のクリーチャーが殺到し、開けられた門の中へと侵入を図る。
周囲に明るくなり、悲鳴とも雄叫びとも取れる声が響き渡る。
「あぁ。あっちの方は上手くやったみてぇだな」
「っとと。・・・おいおい冗談じゃねぇぞ!何だあの数は!閉めるぞ!」
背後の扉を閉めクリーチャーの侵入を防ぐ。
怪物と対峙していた青年が果敢に銃弾を叩き込んでいる。
>105
>アドヴァンスドが少しばかり足を止める。
>その隙に千堂は、ミヒャエルと山田あすかに話しかける。
>「あすかさん、今のうちに彩ちゃんを追いかけてください。
>ミヒャエルのおっさん、あすかさんを守ってください。お願いします」
「任せろ!っておい大丈夫かよ」
>懐から青い液体―――ウイルスを取り出して、それを二人に見せる。
>「一応、切り札っぽいのも持っているんで、だから・・・後、頼みます」
青い液体を見るが、その効能は知る由も無い。
「お前そんなジュースで何が出来るってんだよこの間抜け!・・・まぁどうせ言っても聞かねぇんだろ」
山田に視線を移し声をかける。
「おい姉ちゃん。聞いての通りだ行くぞ。あのユルユルのマスコットの仲間にも借りがあるんでな」
再び千堂に向き直り言葉を残す。
「ヒーローの見せ場を盗ったんだ。しっかりやらねぇと俺様がぶっ殺すからな!」
「あぁ、さっき渡したヤツはなるべく硬てぇ所に隠れて投げろや。後は適当だ適当」
(死なせねぇぞ糞。ガキ見つけて戻るまで耐えろよな)
振り返った瞬間目眩と共に脳裏に映像が流れる。
-見えてきたのは若い時期の恐らく自分の体。見慣れた場所にホクロが見える。
右腕を除き四肢が分断されている。真横にプレートが見え、《Michael》と書かれている。
横隔膜から上は見えないがそれらを見ている位置にあるのだろう。
研究者らしき者が映る。感覚こそ無いが首の辺りに痛みを覚える。
-暗転して元の視界が戻る。
(またか糞。何だ今のは。あれじゃまるで・・・)
首の辺りに手を充てるとしこりの様なものが感触として伝わる。
(知らねぇぞ糞!何だってんだ!俺は!・・・俺は誰でもねぇ!ミヒャエル様だ!)
怪物に罵声を浴びせながら小動物と森村の後を追い始める。
「あばよー不細工なヘドロカス野郎。糞傘のハイエナ如きが俺様が相手するまでもねぇんだよ!」
「じゃなー!ノシ」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: ウルタール・森村彩の追跡準備
>87
何かが飛び出てきた。
それは炎を不気味にうねる触手に押し付け、彩ちゃんを受け止めたかと思うとそのまま逃げ出してしまった。
「…猫?」
うん、多分きっと猫。物凄くファンシーな猫。
弾丸の様な速さで駆け抜けて行ったそれは混乱しているようにも見えた。
>91
>「ミヒャエル様参上!あんな大ピンチでも俺様は生き残っちまう」
>「さすがヒーロー。俺様最強!味方で良かった!だろ?」
颯爽と現れた彼に思わず笑みが零れてしまう。
「味方で良かったけど、こっちも案外ピンチだったのよ?」
怒り狂う元人間を無視して軽口を叩きながら、ファンシーな猫が走っていった方向を確認する。
まだ、そう遠くへは行っていない。
>94
>「まずは貴様らを動けない程度に傷付ける…
>次に最初の一人から槍で串刺しにして、鎌で引き裂いてアジならぬ人間のお開きにしてやる…
>そして、生きている奴の目の前でそいつを踊り食いにして食ってやる!
>貴様ら全員、あの小娘も含めてそうしてやるぜ!
>死ねええぇぇぇぇっ!」
更に怒り狂った>94が吼える様に叫ぶ。
食べる?誰を?もしかして私を?
「ねぇ、本気?」
足元に転がっているナイフ(>96)を拾い上げ、震える声で問いかけた。
恐怖する声じゃない、笑いを噛み殺した声色に二人と元人間の視線が向けられた気がした。
「お生憎様、私いい男じゃないと興味ないのよ。」
多分、今の私の目は多分化け物と同じ様にぎらぎらしているに違いない。
>102
そんな時、周囲が急に白くなった。
「まぶし…」
暗闇に慣れた目が、光の刺激に眩んでしまう。
鈴木さん達が電源を入れるのに成功したんだろう。
明るくなった状況で、改めて周囲を見回すと凄惨さに気分が悪くなる。
それに混じって光に不慣れな化け物たちの悲鳴も気味悪さを増大させていた。
>105
>「あすかさん、今のうちに彩ちゃんを追いかけてください。
>ミヒャエルのおっさん、あすかさんを守ってください。お願いします」
勇敢というか何と言うか…千堂さんはそう叫びながら銃を乱射していた。
「ふざけんじゃないわよ!死ぬつも…」
>「一応、切り札っぽいのも持っているんで、だから・・・後、頼みます」
ははーん、そういう事か。
ますます手に負えない状況になったらどうするつもりなのかしら?
けれど、彼が自信を持っているのだからそれなりの考えはあるのだろう。
それに…
「やばくなったら呼びなさいよね!」
私がどうにかすればいいだけ。今は彼の計画に頼らせてもらおう。
>107
>「おい姉ちゃん。聞いての通りだ行くぞ。あのユルユルのマスコットの仲間にも借りがあるんでな」
「わかってる。」
何はともあれ、このまま此処に居たら千堂さんの足を引っ張る事になるだろう。
ここは彼に任せて、彩ちゃんとミヒャエルさん曰くユルユルマスコットな猫を探す。
「多分、まだそう遠くには行っていない気がする。ねぇミヒャエルさ…」
振り返ると、彼は青い顔をしていた。
「ちょっと…」
声を掛け様とした途端、目の焦点が合い何かを確認する様に首の辺りを触っていた。
…と思えば相変わらずな感じで元人間に罵声を浴びせている。
「具合、悪いんじゃないの?」
「彩ちゃーん!何処なの?!あとそこのあなたも何処に居るか教えて!」
私は彩ちゃんと、彩ちゃんを助けた猫にも呼びかける意味で声を張り上げた。
所持品:錆びた鍵 H&K MP7 ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況:ミヒャエルと共にウルタール・森村彩の追跡
>102
>104-105
>107
>108-109
>「うるせぇぇぇ!!」
「ぬおっ…、銃だと!?」
丸腰だと思っていたため、対応が遅れて腹にモロにもらってしまう
バランスを崩して動きが止まり、更に衝撃で後方へ巨体が吹き飛ぶ
しかし、直ぐに起き上がる
腹部にはぽっかりと穴が開いていた
「ライフル弾とはやってくれるじゃねえか
まあ、ここまで生き残ってきたんだ
武器の一つや二つ、持ってても不思議はねえよな
だが、進化した俺のこの体にその程度の武器は効きゃしねえよ!
ほら、この通り直ぐに元通り…」
口から血を流してはいるが、大してダメージにはなっていないようだ
腹部に空いた穴は、瞬く間に再生して閉じてしまう
口から流れていた血を舐め取り、再び向き直る
>「ねぇ、本気?」
>「お生憎様、私いい男じゃないと興味ないのよ。」
「な、何だてめえ…、これから殺されるってのに随分ふてぶてしい態度取るじゃねえか…
まともな人間の臭いがしねえぜ
…ま、久々に見るまともな女だからな
殺す前に少々楽しませてもらうとするか」
舌なめずりをするように改めて山田あすかを見据える
>「あばよー不細工なヘドロカス野郎。糞傘のハイエナ如きが俺様が相手するまでもねぇんだよ!」
>「じゃなー!ノシ」
「な、何だと!?
ただの人間が偉そうなことをほざきやがって!
それに俺は人間の時はそこそこハンサムでモテてたんだぞ!
待て、てめえは最初に打ち殺してやらああぁぁぁぁっ!」
山田に気を取られている間に、ミヒャエルと共に揃ってその場を去る
極上の挑発セリフを吐かれ、再びキレて追いかけようとする
が、再び千堂の放ったライフルにより動きを止められ、二人を見失ってしまう
「貴様ぁ〜、また俺の邪魔をしやがってぇ〜!
許さん、まずはてめえの首を跳ね飛ばしてやらあぁぁっ!」
右腕を巨大な輪刀に変形させ、千堂の首目掛けて投げ付ける
「ははは、不定形で変幻自在となった俺の体はいくら傷付いても再生できる!
銃や刃物じゃ俺は殺せねえよ!」
>107>109
扉を潜り、巣を脱出した二人に向って化け物達が殺到する!
巨大なイカのように触手を蠢かせる化け物は土煙を上げながら・・・
全身に疣で覆われた犬のような生き物の群れは、疣から紫色の体液を噴出しながら・・・
黄色と黒の皮膚を持ち、トンボの尻尾のような細長い四肢を持った3メートル近い化け物は、
突如紙面に湧いた数十センチもある紫色の蛆を踏み潰しながら・・・
不自然に発達した顎を持った、肌色をした豚のような生き物が可能な限りの速度で・・・
押し合いへし合い、より小さく、より弱い生き物を踏み潰しながら、ウルタールの巣へと殺到する。
二人は、踏み潰すべき、脆弱な障害物に過ぎない。
山田あすかの前髪を掠め、巨大な触手が地面へ突き刺さり、巨体がその体を跨ぎ、巣へと向う。
空を切って撓る、直撃すれば首を刈り取る腕がミヒャエルの頬を掠めながら、巣へと向う。
巨大な津波のような化け物の群れ。
一方、森村彩を担いだウルタールは、素早い動きで化け物の津波に逆らう。
途中、ミヒャエルを助けたウルタールと合流し、二人で津波に逆らいながら、走り続ける。
二人と二匹の距離は空く一方だ。
そして少女を担いだ二匹が、地下実験場の扉を潜り、脱出した瞬間、天井が崩れ落ちた。
コンクリ片が扉を塞ぎ、土砂が降り注ぐ。
扉は完全に塞がり、出入りする事は出来ない。
・・・爆発物で吹き飛ばそうとしても、さらに土砂が降り注ぐだけだろう。
微かに開いた隙間から、向こう側を覗いたり、話したりする事は出来そうだ。
ウルタールが巣へと戻れなくなった事に気が付き、泣き始めた。
彼らも人間のような、仲間を思いやる心を持っている。
強力な外敵から身を守る為に感情を殺し、無機質に振舞っていたのである。
巣で死んでしまった仲間たちや、帰れなくなってしまった事。
大声で泣きながら、土砂を掻き出そうするが、直ぐに硬いコンクリ片に突き当たる。
ウルタール達の鳴き声は、少女の目を目を覚ますのに充分な大きさだった。
>103
揺れは小川達が居る部屋まで伝わってきた。
天井近くに張り付いていた地下実験場近辺の地図が落ちて来た。
どうやら、地下実験場建設時に使われた物のようだ。
封印された建設用の通路の位置が示されている・・・
もしかしたら、封印された通路から脱出出来るかもしれない。
>「アウトソーシングを受けた拷問屋でしょう。連中の事は、よく知っている。
多分、貴方が居るのはどこかの後進国だ。携帯のSIMカードから契約者や位置は特定できる。」
有谷の耳に入ってきたのは、確実に頼れるだろう男の声だった。
実際に自分を拘束している彼らが拷問屋かどうかは別として、この小川の見解は間違ったものでもない。
折れていた膝を持ち上げて立ち上がり、両手で撫でるように埃を払う。
突如として、黒い狂犬達の耳をつんざくような咆哮が木霊する。
それらはけたたましく執拗に鳴り響き、自分との距離を着実に狭めてきていることが窺えた。
「拷問屋……しかし、似たようなものだとおもいます」
>「で、貴方はどんな利益を我々に与えてくれるのですか?」
「え?」
有谷はそのまま硬直した。確かにもっともな話だ。
自己憐憫のなかで、この男の都合などすっかり忘れていた。
>「ご存知の通り、こっちも地獄でね。
今は助けられないが、然るべき対価さえ払ってくれれば、助けても構わない。」
「そんな……なんでも致します!必ずあなたの……」
惑乱のなかで、豆電球のようにひとつの啓示が頭の上で光る。
この際、どんな手も使うべきだ。もし見つかってしまったらという危惧もあるが、
この機を逃さない手はない。自分も危険性を背負い込む覚悟が出来ていなくてはならない。
「この元研究所で行われていることを暴露します!ここでは傘社主催のゲームが
行われていて、現在は九武村の生存者の一部を商品として競売にかけ、
それを競り落とした者が、自分が購入した人間を殺す権利を得る……狂った金持ちの道楽だ。
既に5人の人間が落札され、2人が犠牲になっています。実はあなたも・・・」
後ろでドアが開いた。
電話からは有谷と何者かが口論している音声が流れている。
>105
遊び相手に逃げられた赤ん坊は不機嫌だった。
その手が怪物の強靭な皮膚を易々と切り裂くのであれば、遊び相手など一人も居なくなる。
泣き声や愚図り声の代わりに、不気味な羽音を鳴らしながら、遊び相手を選ぶ。
一匹だけ、何か違う奴が居る。
好奇心と不思議な感覚に、モスボディがキャッキャッと笑う。
ザラザラとした肌を持ち、活力に跳んだ緑色の遊び相手と違って、未来を見通す目をしている。
弱々しいが、未来を見通す目を持った生き物達と違って、その生き物は活力に溢れている。
>「傷ついた同胞を守り、リーダー君と緑川の援護を・・・俺はアレを片付ける」
モスボディに意味は理解できなかったが、周りの生き物達が動き始める。
遊び場だ。遊び場が出来たのだ。
そして目の前の生き物は、自分と遊んでくれようとしている!
まるでハイハイを憶えたばかりの赤ん坊のように四つん這いになるJudsuを見て、モスボディが再び笑う。
鋭い両手の爪を打ちつける度、甲高い金属同士を打ち合わせるような音が響く。
悪意も無ければ、善意も無し。
年を取る事によって失われる純粋さの象徴たる、天使の笑顔。
そして、疲れ果て、泥のように眠るまで欲望に突き動かされる赤ん坊の飽くなき衝動。
赤ん坊であるが故に性欲を持たない。
いや、性欲は持っているが、満たす術を知らない。
実現できるのは、原始的な食欲と睡眠欲、そして何かを傷つけ、破壊したいという衝動だけだ。
高く積まれた積み木を崩し、ミニカーを地面に叩きつける欲望は、どんな赤ん坊にだって存在する。
モスボディが他の赤ん坊と違うのは、本当に殺せるだけの力を持っている、と言う事だけだ。
全速力で、全エネルギーを持って、何のブレーキも無しに、殺せる。
だから、Judasとの一騎打ちは、お互いに全速力で、全エネルギーを掛けての、ぶつかり合いとなる。
二匹の化け物の動きが最速に達し、殺意が交差する。
勝負は、一瞬で着いた。
地下道には、相変わらずモスボディの立てる羽音が、無気味に響いていた。
宙を舞う事は適わず、ぶぶぶぶ、と不気味な羽音を立てるのが精一杯だったが。
何が起きたのか理解出来ず呆然としていたが、痛みが徐々に押し寄せてくる。
羽を切り裂かれたモスボディは、そのまま地面に叩きつけられ、慣性によって地面を滑っていく。
荒いコンクリートの床に、皮膚が摩り下ろされ、肉が削げていくのを止めたのは、一匹のハンターだった。
サッカーボールのように、地面を転がるモスボディを、足の裏で受け止め、引っくり返す。
赤ん坊の顔は、砕けた頬骨が見える位、酷い擦り傷を負っていた。
鋭い爪も、無様に切り裂かれた羽も、何もしてくれなかった。
抱き上げ、あやしてくれる母親も居ない。
ただ、赤ん坊の泣き声だけが、地下道に響く・・・
その声は、人間の赤ん坊そのもので、聞く人間の保護本能を直撃する周波数で奏でられる。
しかし、生理的嫌悪感を抱かせる蝿の体を持った赤ん坊を、誰が抱き締めるというのか?
その強靭な生命力によって、泣き声は、止めを刺すまで止む事は無さそうだ・・・
114 :
名無しになりきれ:2008/07/01(火) 13:36:41 0
相変わらずのキモスレだなwwwwwwwwwwwwwwwww
あげとくかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>111
何かがからから崩れ落ちる音と、悲しそうな猫の鳴き声。
私はゆっくりと目を覚ました。
「・・・・・・・あれ・・・」
体のあちこちが痛い。・・・・・・私、一体何をしてたんだっけ?
確か巣穴に隠れていたら、元傘社の人で怪物になったおじさんがいて――――。
「そうだ、皆は!」
慌てて身を起こすと、そこは古めかしくて薄暗い廊下だった。
私が猫さんに攫われるまで歩いていた場所と良く似ている。
けれど、全く同じ場所かどうかはわからない。
「猫さん、どこか痛いの?怪我したの?・・・・・・・大丈夫?」
・・・・・・猫さんはいつの間にか二匹に増えていた。
猫さんは泣きながら、扉の前に崩れ落ちたらしい土砂を取り除こうとしている。
でもコンクリートの塊とか、土とかが積もっててちょっとやそっとじゃ取り除けそうにない。
「泣かないで、猫さん。私も中に仲間の人が閉じ込められているの。
他に入り口があるかどうか、しらない?」
私は身振り手振りで猫さんと意思疎通を図ろうとした。
「えっと・・・・・・時間がないの。爆弾が落ちるの。早く、ここから逃げないと」
私は猫さん達と私をゆっくりと指差し、天井が崩れる手振りと自分の指で首を掻き切るまねをした。
そして慌てて逃げるジェスチャー。
何とか危険が迫ってる事、猫さんが分かってくれるといいんだけど。
>109
>「彩ちゃーん!何処なの?!あとそこのあなたも何処に居るか教えて!」
「山田さんだ!猫さん、ちょっと私が話していいかな?」
私は黒猫さんの隣に座って、瓦礫の山の中を覗きこんだ。
「山田さん、私、ここ。無事にいるよ!
でもね、こちら側の出入り口に天井の瓦礫が積もってるの。どうしよう、他に出口はないのかな」
>85
後方から聞こえる声はまともに聞いていない。別に自分には関係のないものだろうと思ったからで、興味がなかった。
銃を片手に壁へもたれかかりながら、通路をただ眺めていた。ふと、耳に異様な音が飛び込んできた。
「……?」
人の足音――ではない。カサカサ、と乾いた音が、段々近づいて来る。如何やら電話に出ている彼は気づいていないらしい。
銃を構え直し、音の方へと目をやった。
「うっ……蜘蛛、か?」
巨大な蜘蛛――らしき生物が、自分を目掛けて走り寄ってくる。人間の臭いを嗅ぎ付けて…だろうか。
「く…っ」
小川さんは電話に夢中で気づかない。巨大蜘蛛に銃口を向けた。
脳天を狙い一発、銃弾を撃ち込んだ。やや反動があったが、倒れはしない。
一撃で蜘蛛は怯んだらしかった。僕は一瞬迷った後、再び銃弾を撃ち込んだ。
後退する。そして僕は、蜘蛛をゆっくり見据えた。
「こんなものが、こんなところに……」
照明は回復した。他の人達と合流するにはそれなりの時間がかかるだろうか。
そう思いながら僕は、携帯を手に取っている小川さんの方を覗き見た。
状況:蜘蛛に銃弾を二発撃ち込む。警戒しつつ小川の方を気にしている。
>99>105>133
正直、何が起こったのか理解できん。
>「傷ついた同胞を守り、リーダー君と緑川の援護を・・・俺はアレを片付ける」
化けモンとJudasが向かい合う中、怪我したハンターの背中に持っていた手拭いを押し当てて、
少しでも血を止めようとしていた。
あの赤ん坊みたいな化けモンの末路にゃ興味なんぞ無い。
Judasに任せておけば、何とかなると信じとったからな。
ぱっくりと開いた背中からの出血が止まらん。
ワシは迷った末、弾をばらして中の火薬をハンターの背中にパラパラと振り掛けた。
火薬が傷口を満遍無く覆った所で、ワシは火を点けた。
目の前が明るくなって、焦げ臭い匂いが漂ってくる。
おまけにハンターは悲鳴を上げとる。
ま、傷口が塞がったが、火傷をしたんだから仕方有るまい。
殺されちまっても仕方が無いかもしれんが、他に方法なんぞ無いんだからな。
で、化け物の鳴き声が近くから聞こえるんで、周りを見てみりゃ緑川の娘っこは随分と後ろの方に居た。
長生きするタイプなんじゃろうな、あれは。
よく見りゃ赤ん坊の化けモンは、ハンターに足蹴にされとった。
血が無くなったハンターも腹が減っているだろうから、丁度いい按配だ。
「おう!こっちも終わったぞ。取りあえず、血は止めた。」
それから、ワシは大慌てで付け足す。
「さっきからワシを睨んでる連中に何か言ってやってくれ!」
気が付きゃ回りのハンターが敵意剥き出しに睨んどる。
まったく、恩知らずもいい所だ。
「それとそっちの包帯!余ってるならちっとばかし分けてくれんか!」
状況:ハンターの傷口を焼いて塞ぐ。周りのハンターの理解は得られていない模様。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(190)、ワクチン(37)、
【鳥忘れたので変更します】
>106
>113
>117
「バリバリ…クチャクチャ…」
一方、激しい戦いが繰り広げられていた中、男は物陰に蹲って何かを食べていた
そして、事が終わったのを見計らうと食べていた物を投げ捨てる
「カランカラン」という乾いた音が響き、男は物陰から出てくる
「ふふ…ふふふ、どどどうやら倒しててくださったようですねね
お陰様でいの命拾いしましした…
あななた方の素晴らしいい肉…いえ、腕前にはかん感服するばかりりですよ」
男はよく見るとかなり大柄で、2メートル近くかそれ以上はあろうという身長である
さらに肩幅も広く、筋骨隆々とした体格であるということが白衣の上からでも分かる
包帯の隙間からは、ギザギザの歯が覗く口と真っ赤に充血した目が僅かに見える
>「それとそっちの包帯!余ってるならちっとばかし分けてくれんか!」
「ぐふ…ふふふ、かま構いませんよ
困った時はお互い様様ですすから…
肉肉が剥がれ落ちてし仕様がないんでですよ…
…包帯でですね、いくらでもありありますから」
そう言うと、懐から包帯の束を取り出して村田に渡す
やや黒ずんでいるが、使えないことは無さそうだ
「わた私もご一緒していいいですかな?
こう見えてもち力には自信ありますありますです
ふ、ふふふふ…」
>112
>「この元研究所で行われていることを暴露します!ここでは傘社主催のゲームが
行われていて、現在は九武村の生存者の一部を商品として競売にかけ、
それを競り落とした者が、自分が購入した人間を殺す権利を得る……狂った金持ちの道楽だ。
既に5人の人間が落札され、2人が犠牲になっています。実はあなたも・・・」
「失礼。何故、私の事を知って・・・?!」
小川が唐突に黙り込む。
ドアの開く音に続き、誰かと口論するような口調。
(俺がここに居る理由を知っている人間の数は・・・限られている筈・・・だが。)
口論の内容までは解らないが、凡その推測は着く。
溜息を吐いた瞬間、銃声が背後から二度、響いた。
>116
>「こんなものが、こんなところに……」
「居るんですよ、山ほどね。」
繋がったままの携帯電話を姫路の手に押し付け、FALを銃弾を叩き込む。
銃口が跳ね上がり、小川の上半身が蹴り飛ばされたような反動に襲われる。
体当たりを食らわせようとしていた蜘蛛の巨体が銃弾に押し戻され、ひっくり返る。
「姫路さん。貴方が手にしているMP7は、反動が少ない。兎に角、相手が動かなくなるまで撃ち続けて下さい。
2発じゃ、殺せないケースが殆どですからね。」
天が崩れ落ちる音を連想させる轟音が、小川の声を遮った。
>111
埃と一緒に天井から落ちてきた地図を素早く眺め、ポケットに押し込む。
今は、地下実験場に向わねば。
長電話で時間を使い過ぎた。
「姫路さん、戻りましょう。電話は、通話状態になっています。暫く切らないでおきましょう。
後で、電話の内容は説明しますから。」
小川が蜘蛛の死体を跨ぎ、来た道を戻る。
戻る途中で、猫の鳴き声が聞こえた。
そう言えば、少女を助ける時に射殺したきり、猫は見ていない。
>115
出入り口であった通路は、瓦礫に覆われている。
少女が瓦礫越しに、何事か叫んでいる。
電話をしていた間に、一体、何があったんだ?
>「山田さん、私、ここ。無事にいるよ!
でもね、こちら側の出入り口に天井の瓦礫が積もってるの。どうしよう、他に出口はないのかな」
ああ、くそ。
事態は悪い方へと進んでいる。
「怪我はありませんね?」
少女に向って、小川が問い掛ける。
「さっきの猫の鳴き声は、一体何・・・?!」
少女の両隣に居るそれに気が付いた小川が、咄嗟に銃を向ける。
「彩ちゃん、この2匹は一体?あすかさん達は、向こう側にまだ居るんですね?」
後者は、聞くまでも無い質問だった。
取り残された3人の脱出するルートは、先程見た地図の、封印された建設用地下道だけだ。
小川は、山田あすかの返答を待つ。
2匹の猫に、銃を突きつけながら。
やっと、私は隠し通路の入り口にたどり着く事に成功した
振り向くと、既に戦いは終わったらしく、村田氏がハンター達に囲まれて、何かしているようだ
………終わったのなら、戻るべきか
私がそう思い、戻ろうとした瞬間
誰かの低い悲鳴と共に、後ろで何かがはずれ、落下する音が響いた
振り向くより先に私は走り、走りながら振り向くと、通気ダクトが外れたのか外れた通気ダクトと、その穴の下で「いってぇ〜」などと言ってかがんでいる全裸の人物の姿が見えた
全裸、と言うのがとても気にかかるが、どうやらその人物は一見した限り、ウイルス感染している様子は無い
私は十分距離を置いて足を止めると、腰の拳銃を取り出した
――――――――――――――――――――――
どういう奥義や技を使ったのか、俺は気がつくとあの化け物共の攻撃を退け、天井の通気ダクトの中を全裸で這っていた
化け物に遭遇し、逃げようとした後の記憶は無いが…体に異常は見られないし、無我夢中、と言う事で説明はつかなくも無い
そういえば小学校の頃服を掴まれてどこかに連れさらわれそうになった際、上着を脱いで腕をさけ、下着とズボンを目くらましにして逃げた事があったが、きっとアレをやったのだろう
それよりももくろみ通り通気ダクトへ入れたのだ、これで地上まで脱出する事ができる
途中数箇所分かれ道などがあったが適当に方向を選んで進んで行き……その途中で下の通気口がはずれ、俺は地面にたたきつけられた
鈍い痛みに思わず声を上げる、必死にさすりながら五体の感覚を確かめるが、ケツがめちゃくちゃ痛いこと以外に異常は無い
あっちゃ〜また登りなおさなきゃなぁ〜などと思いつつ周囲を見た俺は、息を呑んだ
何かこう、開いた壁?とでも言うのか?ともかく便所らしい俺の落ちた場所の壁が一枚、開いていて、そこから先が下水道っぽい物になっているのだが、そこにあの女がいたのだ
忘れもしない、そう、あの怪物に殺されかけた状態で俺に助けを求めたあの女が、俺に銃を向けて!
よく見ればその後ろにはあの糞えらそうなオヤジ(名前忘れた)や、幹部怪人の姿もある…
…地獄だ、俺は地獄に落ちたのだ
何とか会わなかった事にすべく、俺は痛む尻を無視してトイレの敷居に手をかけると、再び通気口に戻るべく登りはじめる
>109
>「具合、悪いんじゃないの?」
気遣う様な山田の言葉に、冗談の様な返事を返す。
「あぁ?俺様が色男だって?分かってるねぇ!まぁ当然だな!」
>111
>扉を潜り、巣を脱出した二人に向って化け物達が殺到する!
>巨大な津波のような化け物の群れ。
>二人と二匹の距離は空く一方だ。
「邪魔だ!どけコラ!」
化け物のうねりを掻き分けながら小さくなる2つの影を追う。
>コンクリ片が扉を塞ぎ、土砂が降り注ぐ。
>扉は完全に塞がり、出入りする事は出来ない。
「だぁー!糞ったれ!なんだって天井が崩れやがんだ!」
「こんな石ころ俺様にかかれば・・・と言いてぇ所だが。こりゃ無理だな」
瓦礫の向こうへ声をかける。
「おーい?聞こえるかぁ?ちびっこいの」
僅かにのぞく隙間から声が漏れてくる。
>115
>「山田さん、私、ここ。無事にいるよ!
「おぅ。何ともねぇか?それとフサフサのあの生き物も一緒なんだな?」
瓦礫の向こうで聞き覚えのある声が聞こえた。
>119
>「彩ちゃん、この2匹は一体?あすかさん達は、向こう側にまだ居るんですね?」
「お?ナーイス!スーズーキー!愛してるぞ!」
「明かり付いてやべぇ事になっちまったが結果オーライってヤツだな」
「他の連れも平気か?こっちはちょっと1人遅れてんだ。俺様が助けてやらねぇとな」
瓦礫の向こうから僅かな殺気を感じ取る。蟲を殺す時の様な躊躇の無い殺気。
「おい。スズキー。そっちは物騒な事になってねぇだろな〜?」
「あ、ガキと一緒にいる変なフサフサの奴は俺様の恩じ・・・いや下僕だから丁重に頼むぜ」
(あいつが元気な内はあっち側の方が安全だな。問題はこっちだ)
(しっかしこの姉ちゃんすげぇな。身体能力が半端じゃねぇや)
「っつーかよ!そっちは良いとしてこっちは出口あんのかよ!」
千堂の事が気に掛かり群れが集まっていった巣の方を見る。
「ったくヒーローは大変だよなぁ。ちょっと行って来るからよ」
「姉ちゃんは出られそうな場所探しといてくれよなー」
山田をその場に残し巣へ戻る。
「なぁに。直ぐだよ直ぐ。サムライボーイに美味しい所持って行かれちまう前に行かなきゃならねぇ」
「待ってろよぉ?あの糞雑魚!掃除屋と汚し屋の差を見せてやっからな」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 遮断された区画から再び巣へ
>107>108-109
>「ヒーローの見せ場を盗ったんだ。しっかりやらねぇと俺様がぶっ殺すからな!」
>「あぁ、さっき渡したヤツはなるべく硬てぇ所に隠れて投げろや。後は適当だ適当」
>「やばくなったら呼びなさいよね!」
二人がその場を千堂に言葉を残して走りだす。
その姿を最後に目で確認して、千堂は安堵の息を出す。
「これで、心置きなく戦えるな・・・」
最後に上着の胸に手を添える。
「俺だって死ぬ気は無いですよ。コイツを返すまでは・・・ね」
>110
>「ははは、不定形で変幻自在となった俺の体はいくら傷付いても再生できる!
> 銃や刃物じゃ俺は殺せねえよ!」
アドヴァンスドが投げ放った輪刀が千堂に向かってくる。
その鋭さと切れ味を創造し、即座に千堂は手に持っていたライフルを捨てる。
そして、地面に刺してあった刀を抜いて構える。
「頼むぜ・・・」
一言だけを残して、千堂は此方に向かってくる輪刀に目を向ける。
次の瞬間、輪刀と千堂の身体が交差する。
そのまま千堂は動かないでいた。
時間が動き出したのは、後方で二匹の化け物の悲鳴が聞こえた時だった。
「はっ・・・なんという切れ味なんだ・・・」
千堂は手に持っている刀に目を落とす。
刀の白銀の刃は、どこか怪しく光を放っていた。
「あの爺さんが言っていたのはこういう訳か・・・」
剣や刀に求められる機能は、主に三つある。
斬るための切れ味、刺すための鋭さ、受けるための頑丈さといった三つである。
日本刀は、世界中の剣や刀の中でトップクラスの切れ味、鋭さ、頑丈さを持っている。
だが、今の千堂が手に持っている刀は普通ではなかった。
先程、千堂はアドヴァンスドの投げた輪刀を受け流そうとしたが、この刀はあっさり斬ってしまった。
尋常ではない切れ味と鋭さ、そして頑強さである。
「こいつは、とても扱いづらい刀って事か・・・なるほど」
道具とは、使い手の思惑通りの働きをする事で良品という事になる。
つまり、使い手の思惑通りの働きをしなかったこの道具は不良品だったという事だ。
「つまり俺が、上手く扱えば良いって事か。なるほど、やってやるぜ」
そのまま刀の切っ先をアドヴァンスドに向ける。
(コイツの凄さは分かったが、あの軟体野郎を倒すにはちと足りんな・・・)
その時、ミヒャエルから渡された物を思い出す。
それを思い出して、千堂は顔に笑みを浮かべる。
「おい、軟体野郎。この戦い面白くする提案があるんだが、聞かないか?」
アドヴァンスドに向ける千堂の顔は、どこか獣を連想させる笑みとなっていた。
所持品: 腕時計 古刀 脇差 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6 投擲武器×1
レミントンM700(5) 予備弾(40)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:アドヴァンスドに戦いの提案する。
>119
>「怪我はありませんね?」
「う、うん。大丈夫」
>「さっきの猫の鳴き声は、一体何・・・?!」
突然鈴木さんが銃を向けたので、私は飛び上がりそうになった。
>「彩ちゃん、この2匹は一体?あすかさん達は、向こう側にまだ居るんですね?」
「待って、鈴木さん撃たないで!この猫さん達、悪い猫さんじゃないよ!」
私は慌てて猫さんを庇うように立ち塞がった。
緊張した沈黙が流れる。
>121
>「おい。スズキー。そっちは物騒な事になってねぇだろな〜?」
>「あ、ガキと一緒にいる変なフサフサの奴は俺様の恩じ・・・いや下僕だから丁重に頼むぜ」
ミヒャエルさんの場違いなくらい陽気な声に、思わず毒気を抜かれそうになる。
同じ兵隊さんでも、飯田のおじいちゃんや自衛隊の鈴木さんと比べると、ミヒャエルさんはちょっと受ける印象が違う。
やっぱり外人だから、かな?
そんな事を考えつつ、ふと泣いていた猫さんの方を向いた私は一人慌てた。
「猫さんダメだよ!あの人敵じゃないよ、私の友達。わかる?友達なのよ!!」
私は瓦礫の向こうの鈴木さんに背を向け、身振り手振りを交えて必死で猫さんと意思疎通を図ろうとする。
「あのね、猫さんは何度も危ないところを助けてくれたの。
でも、私をここに攫ってきたのも猫さんの仕業だったみたい。
何か・・・・・・猫さんの神様と私が関係してるみたいなんだけど・・・読めない漢字があって。
――そうだ、鈴木さんならきっと全部読めるよね?何か手がかりにならないかな?
このウルタールって名前、多分猫さんの事だと思うんだけど・・・・・・」
私はポケットを探り、小さなメモ(>34)を取り出した。
そして瓦礫の隙間から鈴木さんに渡そうとする。
>122
>先程、千堂はアドヴァンスドの投げた輪刀を受け流そうとしたが、この刀はあっさり斬ってしまった。
「な、何…
鉄よりも硬く硬化させた俺の一部を意図も簡単に…!
そのジャパニーズ・ブシドーブレード、半端じゃねえ業物だな!
だが、いくら切れ味が鋭かろうが所詮剣は剣だ
その程度じゃあ俺は殺せねえなあ?」
それなりに驚かされはしたが、こちらの圧倒的優位に変わりはない
余裕を取り戻し、先ほどまでの怒りは収まっているようだ
「それにだ、刃物の扱いならこっちだって負けねえぜ
何せ沢山出せるしいくら折れても再生できるからなぁっ!」
再び、全身から大量の触手を出してその先を鎌に変える
無数の鎌付き触手が無作為に、無造作に振り回される
そして、ここぞとばかりに千堂に見せ付ける
完全に楽しんでいるようで、逃げた者たちを追うことなど忘れ去っているようだ
>「おい、軟体野郎。この戦い面白くする提案があるんだが、聞かないか?」
「はあ?
勝負を楽しくするだと?
貴様、今のこの状況と自分の立場が分かってねえようだな
こんなモノは勝負でも決闘でもねえよ
これは俺だけが楽しむ極上の『狩り』であり復讐だ!
貴様ら獲物は恐怖におののき、絶望し、悶え苦しみながら死ぬんだよ!
貴様のような狩られ殺されるだけ獲物がこの俺に何かを要求するなど…
絶 対 に ぃ っ 有 り 得 ね え っ ! 」
そう言うと、アドヴァンスドの腹が真っ二つに割れ、巨大な口となって迫り出し千堂に襲い来る
同時に、無数の鎌付き触手がそれを取り巻くように突き出される
>>109>>115 >「えっと・・・・・・時間がないの。爆弾が落ちるの。早く、ここから逃げないと」
爆弾が降ってくるというジェスチャーを見たウルタール達は、
お前達の住む世界は押し潰された、と神の使いが言っているのだと思って再び泣き出した。
ところが・・・
>「彩ちゃーん!何処なの?!あとそこのあなたも何処に居るか教えて!」
中から聞こえる声に反応して、ウルタール達がちょっぴり元気を取り戻した。
神様は、別の意味を言っていたらしい。
向こう側にまだ、生き残っている仲間が居るかもしれない。
>「山田さんだ!猫さん、ちょっと私が話していいかな?」
神様に恭しく場所を譲って、意味が解らない声に耳を傾ける。
意味こそ解らないが、二人ともお互いに心配し合っているのが解った。
>>119 >「山田さん、私、ここ。無事にいるよ!
でもね、こちら側の出入り口に天井の瓦礫が積もってるの。どうしよう、他に出口はないのかな」
>「怪我はありませんね?」
突然現れたもう一匹の召使(小川)が自分と同じ虎柄だった事に、ウルタールは驚いた。
小川の顔を汚す乾いた血が、虎柄に見えたのだ。
そのままヒョコヒョコと小川の方に近寄っていく。
小川が放つ殺気よりも、自分と同じ模様をした存在に興味が湧いたのだ。
>>121 黒猫の方は相変わらず、瓦礫に遮られた二人の奏でる音に耳を澄ましている。
>「おぅ。何ともねぇか?それとフサフサのあの生き物も一緒なんだな?」
突如聞こえたドラ声に黒猫が飛び上がる。
虎猫のウルタールが言っていた神様の召使いに違いない。
>「あ、ガキと一緒にいる変なフサフサの奴は俺様の恩じ・・・いや下僕だから丁重に頼むぜ」
それにしては、 随分と偉そうな感じがするぞ、と黒猫は思った。
>109>123>125
小川が立ち塞がる少女越しに銃の狙いを猫に定める。
>「待って、鈴木さん撃たないで!この猫さん達、悪い猫さんじゃないよ!」
感情を宿さない昆虫のような無機質な目が、少女に向けられる。
>「おい。スズキー。そっちは物騒な事になってねぇだろな〜?」
>「あ、ガキと一緒にいる変なフサフサの奴は俺様の恩じ・・・いや下僕だから丁重に頼むぜ」
ミヒャエルの声は聞こえても、額面通りに受け取る事は出来ない。
明るさの裏に隠された、存在しない悪意を見出そうとする。
いや、それよりもミヒャエルこそが本当の敵ではないのか?
爆発物を使用し、瓦礫によって通路を分断、山田あすかを連れて逃げ出すつもりなのではないか?
そう考える小川に焦りは無く、今の状況を挽回する手段を考える事に、意識が集中し始める。
>「猫さんダメだよ!あの人敵じゃないよ、私の友達。わかる?友達なのよ!!」
今なら、少女の顔にマズルフラッシュを浴びせる事無く、化け物を撃つ事が出来る。
いや、何故、少女を撃ち殺す事を躊躇う必要がある?
前にも子供を殺した事は有るし、兵隊に仕立て上げた事だってあるじゃないか。
丸腰だからか?
違う、俺は―――
>「あのね、猫さんは何度も危ないところを助けてくれたの。
でも、私をここに攫ってきたのも猫さんの仕業だったみたい。
何か・・・・・・猫さんの神様と私が関係してるみたいなんだけど・・・読めない漢字があって。
――そうだ、鈴木さんならきっと全部読めるよね?何か手がかりにならないかな?
このウルタールって名前、多分猫さんの事だと思うんだけど・・・・・・」
メモを差し出す少女を押し退けるように、虎猫が瓦礫の隙間から這い出し始める。
小川が下した決断は、ライフルを降ろし、猫に拳銃を突きつける、と言う物だった。
空いた左手でバックパックの中に入っていたレーションを取り出し、
包装フィルムを口で破ると中の塩鮭を一口齧る。
残りを猫に投げ渡し、紅茶を入れるのに使ったミルクの残りを水筒の蓋に入れ、地面に置いた。
程よく冷めたミルクなら、猫舌でも飲めるだろう。
「あすかさん!聞こえますか?!」
小川が瓦礫の向こう側に向って叫ぶ。
「実験場の外れに、封印された通路が有るようです!そこから脱出出来ると思います!
私もそちらに向いますから、その先で合流しましょう!」
少女からメモを受け取るのは、猫の意識が逸れた後だ。
もう一匹の黒猫にも、同じように塩鮭レーションを投げ渡す。
「クリスマス・キャロルの次は、『ルドルフとイッパイアッテナ』か。」
独り言を呟き、小川が苦笑する。
くそ、次辺りはもっと別の生き物が見られるかもしれない。
「あすかさん!今度合流する時には、ムーミンでも連れて来て下さい!」
瓦礫越しに聞こえるように、小川が叫んだ。
>111
濁流の様に雪崩れる化け物の群れに押し潰されそうになる。
まだ、私が人であった頃コレとよく似た状況に陥った事を何となく思い出した。
そう…バーゲンのアレ。
「きゃっ!」
前髪を掠めて食指の様な物が地面に突き刺さる。
「冗談じゃないわよ!!」
縫う様に掻い潜りながらの移動は彩ちゃんと私達の距離をぐんぐん引き離していってしまう。
もう少し…あと少しで…。
>コンクリ片が扉を塞ぎ、土砂が降り注ぐ。
>扉は完全に塞がり、出入りする事は出来ない。
>・・・爆発物で吹き飛ばそうとしても、さらに土砂が降り注ぐだけだろう。
「ちょっと…嘘でしょ!?」
これってアレでしょ?閉じ込められたって言うか、私達生き埋め状態?
いいえ、それよりも彩ちゃんが…。
嫌な考えが頭をよぎる。考えたくない、どうか…。
>115
「山田さん、私、ここ。無事にいるよ!
でもね、こちら側の出入り口に天井の瓦礫が積もってるの。どうしよう、他に出口はないのかな」
僅かに空いている穴から元気な子供の声が聞えた。
「彩ちゃん!!怪我は無いの?」
どうにかして瓦礫を除けようとしてみたけど、コンクリートはびくとも動かない。
声から判断する限り、彩ちゃんに怪我は無いみたい。
「別の通路ねぇ…探してみないと判らないけど。」
>119>121>123>126
「彩ちゃん、この2匹は一体?あすかさん達は、向こう側にまだ居るんですね?」
殺気を感じたのと同時に聞きなれた声が瓦礫の向こう側から聞えた。
「鈴木さん?そこに居るの?」
>「お?ナーイス!スーズーキー!愛してるぞ!」
>「姉ちゃんは出られそうな場所探しといてくれよなー」
突如割り込んできた思いっきり陽気な声と物言いに思わず噴出しそうになった。
「ええ、わかったわ。」
一瞬何かを探るような兵士の視線を受け流し、再び瓦礫の向こう側を覗かせる穴に顔を近付けた。
彩ちゃんと目が合ってにっこりと微笑んで見せた。
そう、状況が状況だから深刻にならなくちゃいけないのだけれど、こんな小さな子をこれ以上不安にさせたくは無い。
「大丈夫よ。何とかするわ。」
>「あすかさん!聞こえますか?!」
>「実験場の外れに、封印された通路が有るようです!そこから脱出出来ると思います!
>私もそちらに向いますから、その先で合流しましょう!」
>「あすかさん!今度合流する時には、ムーミンでも連れて来て下さい!」
不意打ちのムーミン発言に本格的に笑ってしまった。
場違いな笑い声につられて彩ちゃんのくすくす笑う声も聞える。
「そうね、ムーミンは居ないけど体型はよく似た感じのなら居たわ。」
さて、実験場の外れって何処かしら?向うは多分場所が判っているんだろうけど、生憎私には検討もつかない。
検討が付かないなら怪しいところを隈なく探すしかない。
探すとなれば少なくとも奥で暴れているあの元人間と遭遇してしまう危険があるわけで…。
合流すれば彼らもアイツの標的になりかねない。
そうなると、彩ちゃんがまた狙われる…もしくは危険な目に遭ってしまいかねない。
「ムーミンっていうよりメタボね、メタボ。お肉なら何でも手当たり次第に食べてますって感じの。
下手に頭が回ってるから色々口煩いのよ。口煩い上に暴力的で最悪。アレ絶対彼女とかに逃げられるタイプよね、間違いないわ。
それに私の事口説こうとしていやらしい目で見てたし。
お生憎様って振ってやったわ!」
彩ちゃんの手前、化け物の事をストレートに言うのは憚られた。
白衣に付いた埃をパンパンと払い立ち上がる。
呆れた様な鈴木さんの相槌はこの際聞えないフリをした。
「じゃあぱぱっとその通路とやらを探してくるわね。」
所持品:錆びた鍵 H&K MP7 ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況:封印された通路を探す為実験場内を探索
>117 113
勝敗がついたのは刹那の出来事、俺の爪は奴の羽を裂き、奴の爪は空を裂いた。
重力に逆らい空中を闊歩していたクソ虫は、惨めに地面に叩きつけられる。
地面に落ちたクソ虫を、同胞の1人が踏みつけ、抵抗できぬようにひっくり返す。
それでもなお、クソ虫はそこから逃れようと鼓膜を震わす耳障りな羽音と鳴き声を上げる。
同胞はこちらを、じぃっ、と見詰め指示を待つ。
「大変申し訳ない、そのまま押さえててくれ・・・今から止めを刺す」
シグ・ザウエルを引き抜き、踏みつけられているクソ虫に立て続けに3回引き鉄を絞る。
撃ち出された弾丸はまるで当然と言わんばかりにクソ虫の身体に吸い込まれていく。
身体にめり込み、肉を裂き体内を滅茶苦茶に蹂躙する鉛玉を三発受けながらも、クソ虫はまだ生きていた。
体液を流しながらビクビクと身体を振るわせ、その口からはか細い鳴き声を発している。
「さっすが、クソ虫。しぶといことこの上ない・・・でも、これで御終い」
言いながら、再び引き鉄を絞る。
その瞬間、クソ虫の頭部に一つの穴が開き、その口から発せられていた鳴き声は終わりを迎えた。
「死んだ虫だけが良い虫だ。よかったな、お前はクソ虫から良い虫に昇格だ」
>「おう!こっちも終わったぞ。取りあえず、血は止めた。」
>「さっきからワシを睨んでる連中に何か言ってやってくれ!」
気がつけばリーダー君は同胞の治療をしていてくれたらしい。
硝煙の匂いの中に紛れている焦げ臭い匂い。
「なるほど、火薬で傷口を滅菌して塞いだか・・・リーダー君、グッジョブだ。ありがとう」
言いながら右手の親指を立て、リーダー君にニコリと笑いかける。
「同胞諸君、そういきり立つな。リーダー君は仲間を救ってくれたんだ。感謝はすれど怒る理由などはないだろう」
そう言うと同胞達の敵意は薄れ、恭しくリーダー君に向かって跪く。彼等なりの感謝の印だ。
>118 120
>「わた私もご一緒していいいですかな?
こう見えてもち力には自信ありますありますです
ふ、ふふふふ…」
「その力に自信のあるミイラ君がどうして高みの見物を決め込んでいたのか・・・甚だ疑問だが。
ま、いいさミイラ君、着いて来るといい。お前も存外に面白そうだ」
俺は笑いながらミイラ君の申し出を受ける。
が、コイツはどうにも・・・上手く言えないが・・・不気味だ。
リーダー君に近づき小声で話しかける。
「リーダー君、頼みがある。あのミイラ君の行動に注意して欲しい。
別に変な動きをしたら銃を撃てとか、そういうことじゃあない。
何か変な事に気付いたら俺に知らせて欲しい、ただそれだけだ」
チラリとミイラ君を盗み見る。
「ま、あのミイラ君は、今も十分に変だがね」
俺がククッと短い笑いを発した時、後ろで何かが落下する音が響いた。
視線を向ければ全裸の男がそこにいた。
その男には見覚えがある。男はこちらをチラリとみると慌てた様子でトイレの敷居に手をかける。
「・・・リーダー君、あそこの愉快な露出狂に狙いをつけてくれ。局部を晒すような事があれば容赦なく撃っても構わん。
おい、聞こえたかそこの愉快な露出狂。命が欲しけりゃ後ろ向きのままゆっくりと手を上げろ」
持ち物: C4完成品 ファイル「回収体28号に関する報告」 セキュリティカード
シグ・ザウエル(1)
現在地:九武村観測基地 秘密通路
状況:露出狂を脅す
>113>129
>「大変申し訳ない、そのまま押さえててくれ・・・今から止めを刺す」
ハンターに踏み潰されるように押さえつけられたフライ・ボディは、大声で泣き喚き続けた。
赤ん坊特有の、無条件に他人の関心を引く泣き声が下水道内に響き渡る。
銃声が三度響いた後、フライ・ボディは、信じられないと言う目でJudasを見上げた。
体を貫いた3発の銃弾が与えたのは、痛みすら感じられない程のショック状態だった。
フライ・ボディ自身も何故泣いているのか、理解出来ていない。
痛みが無くなった今、Judasに対して抱いた仲間意識を否定された事が、泣き続ける理由となっていた。
目の前の生き物は、フライ・ボディと同じくキメラだ。
他に同族が居ない、キメラと言う点でのみ共通する仲間の筈だった。
悲劇は、フライ・ボディが傷つける事以外に何も出来ない程、幼い存在である点と
Judasには同胞が居る事だった。
>「さっすが、クソ虫。しぶといことこの上ない・・・でも、これで御終い」
今や泣く事しか出来なくなったフライ・ボディの眉間に銃弾が叩き込まれる。
未発達の脳が吹き飛ばされ、撒き散らされた血と骨の中にフライ・ボディが横たわる。
下水道の中に反響する泣き声は、未だ続いている。
頭蓋の内側にこびり付いた幻聴のように、何時までも・・・何時までも・・・
自らが存在した事を、生存者達の記憶に焼きつけようとする虚しい希望が泣き声として、反響し続けた。
>>126 小川が突然投げてきたレーションをキャッチした虎猫。
スンスンと鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ、赤い鮭と小川を交互に見た。
神様の召使いが一口齧ったのだから、きっと食べ物に違いない。
でも、食べても大丈夫のかな?
切り身から漂う匂いに我慢できなくなって、塩気が効いた鮭を貪り始める。
咽た所で差し出された甘い匂いのする液体を恐る恐る舐めてみる。
体全体に元気が満ちていく飲み物だ!
すっかり忘れてしまった子猫時代を思いだし、ウルタールが伸びをする。
黒猫も夢中になって鮭とミルクを味わっている。
時折、聞こえる叫び声もすっかり忘れ、目の前のご馳走に夢中になっていた。
>120>129-130>131
銃殺刑は、あっという間に終わっちまった。
ま、これでちっとは、静かになるだろ。
耳にこびり付いた赤ん坊の泣き声には、うんざりしとるが。
>「なるほど、火薬で傷口を滅菌して塞いだか・・・リーダー君、グッジョブだ。ありがとう」
>「同胞諸君、そういきり立つな。リーダー君は仲間を救ってくれたんだ。感謝はすれど怒る理由などはないだろう」
睨まれるのも困りもんだが、新ためて頭を下げられても気味が悪い。
こいつらが心底感謝しとるってのが、よく解る。
「礼はいいから、ほれ。頭を上げてくれ。」
誰かから、心底感謝されたのは、何年ぶりじゃろうな。
>「その力に自信のあるミイラ君がどうして高みの見物を決め込んでいたのか・・・甚だ疑問だが。
ま、いいさミイラ君、着いて来るといい。お前も存外に面白そうだ」
ワシは特に何の反応も示さなかった。
逆に何とかって中国人のミイラに警戒されたく無いってのが理由じゃな。
>「リーダー君、頼みがある。あのミイラ君の行動に注意して欲しい。
別に変な動きをしたら銃を撃てとか、そういうことじゃあない。
何か変な事に気付いたら俺に知らせて欲しい、ただそれだけだ」
ワシは、Judasの目を見る。
警戒するに越した事は無いってのは、お互いに認識しとった訳だ。
>「ま、あのミイラ君は、今も十分に変だがね」
「あの状況で飯が食えるんだから、そりゃ・・・」
Judasの笑い声に被って、肉の塊が落ちる音が聞こえる。
裸で尻をさする若造には、見覚えがあった。
>「・・・リーダー君、あそこの愉快な露出狂に狙いをつけてくれ。局部を晒すような事があれば容赦なく撃っても構わん。
おい、聞こえたかそこの愉快な露出狂。命が欲しけりゃ後ろ向きのままゆっくりと手を上げろ」
ワシも随分と慣れてきたもんじゃな。
言われるまでも無く、自然に狙いを着けていたんだから。
ま、見覚えのあるガキだろうが、容赦するつもりは無いしな。
状況:大森に狙いを着ける。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(190)、ワクチン(37)、
>120
>129−130
>131
>133
>「その力に自信のあるミイラ君がどうして高みの見物を決め込んでいたのか・・・甚だ疑問だが。
ま、いいさミイラ君、着いて来るといい。お前も存外に面白そうだ」
「わた私をあなたみたいなばば化け物と一緒にしないででくださいよ
こんなこんなただの人間げんが、ああんなの相手にどどうしろって言うんですですか?
…まあまあ、そう言っていた頂けるならこここんなに嬉しいこことはありません
ふ、ふふ、うはうは、実に愉快…、おとっと、失礼…」
包帯に包まれた顔を引きつらせながら不気味に笑う
Judasは村田という中年の人間と何やら話し始める
どうやらこちらについての処遇か何かを話し合っているようだ
しかし、この2メートル近い長身の大男にはそんなことに興味は無い
男の興味は既に、活動を停止したフライ・ボディに向いていた
「・・・ふ、ふふふ、こここんな失敗作までにげ逃げ出していたとは
・・・?」
Judasたちの方の状況の変化を感じ取り、振り向く
どうやら、突然現れた全裸の男に村田が銃を向けているようである
Judasやその同胞たちもそちらに気を取られている
「みみ皆さん、このめざ目障りなばけ化け物の死体いはかか片付けておききましょう
だいだい大丈夫です、ちち力にはじじ自信ある言ったてでしょう」
そう言うと、大きな手でフライ・ボディの尾を掴むとそのまま引き摺っていく
クリーチャーの巨体を片手で苦もなく引き摺りながら、暗闇に消えていく大男の姿
自分が先ほど隠れていた物陰に付くと、見られていないのを確認する
「・・・」
何を考えたのか、フライ・ボディの死体を裏返す
そして、そのまま裏返した腹部に顔を押し付けて臭いを確かめている
「虫の肉などもう蜘蛛で十分なのだがね
まあ、腹の足しにはなるだろう」
その後、Judasたちには聞こえなかったが何かを食い千切る音が響いた
腹部が大きく欠損したフライ・ボディの死体をダストシュートに放り込み男の作業は終了する
その後、暗闇の中から再び何食わぬ顔で戻ってくる
「おまお待たせしました
ああのいま忌まわしい害虫はわた私が処分しておきましたたから
お、おやおやおやおや・・・、ばば化け物次はへ変態たいですか?」
さも始めて見たかのように驚いてみせる
>
>「そうね、ムーミンは居ないけど体型はよく似た感じのなら居たわ。」
小川は笑顔を浮かべたまま、耳を澄ます。
>「ムーミンっていうよりメタボね、メタボ。お肉なら何でも手当たり次第に食べてますって感じの。
下手に頭が回ってるから色々口煩いのよ。口煩い上に暴力的で最悪。
アレ絶対彼女とかに逃げられるタイプよね、間違いないわ。
それに私の事口説こうとしていやらしい目で見てたし。
お生憎様って振ってやったわ!」
山田あすかは、タフで頭が切れる女性だ。
下らない情報のやり取りで時間を浪費するタイプではない。
「はぁ。」
とは言え、この手の会話に対して気が効いた台詞を返せる小川では無い。
大方、頭の切れるトロルその物と言った化け物から、逃げ出してきたと言った所か。
おまけに、知恵も暴力も持ち合わせている。
>「じゃあぱぱっとその通路とやらを探してくるわね。」
「通路は、この扉を背に直進。壁に当たった所で、向って右手に移動して下さい。
しつこい相手には気を付けて下さい!
ま、目の前に現れたら、蜂の巣にしてやりますがね。」
彼女と別行動を取るのは厄介だったが、最悪の状態に備える必要がある。
火炎放射器を持ってくるべきだったのかもしれない、と小川は微かな後悔を憶えた。
>132>123
化け猫達は、差し出されたレーションに夢中になって齧り付いている。
その姿を見る限り、敵意を持った邪悪な存在には見えない。
・・・騙されるな。
食い殺されてからでは遅い。
・・・何故、騙されようとする?
殺す為に、存在しない恐怖を抱こうとしている己に騙されようとしているのが、今のお前だ。
・・・何時もそうして来たじゃないか。
何かを見出そうとして、何も見出せなかったじゃないか。
耳元に囁きかける冷酷な、俺の中の殺し屋の声を振り払おうとして、俺は頭を振った。
更に少女からメモを受け取り、ウルタールと呼ばれる化け物に関する情報を頭に叩き込もうとした。
だけど、それは上手く行かなかった。
何とかして、目の前の少女に微笑みかけながら、瓦礫をどかし始める。
助け出した少女の顔は少し汚れていたから、俺はハンカチで彼女の顔を拭ってやった。
「彩ちゃんも、紅茶を飲んで下さい。冬でも脱水症状は起こります。
水分を取る時は、砂糖を入れた甘くて熱い紅茶が一番なんですよ。
アフリカやインド、世界中の熱い国々を支配したイギリス人達は、真夏でも熱い紅茶を飲んでいました。」
紅茶を飲んだら、と俺は言った。
「あすかさん達と合流しましょう。」
俺はその場にしゃがみ込みたい気持ちを抑えて、瓦礫の向こう側を見た。
1000マイル先を見るような目だけが、険しい表情の中に、
ひょっとしたら泣くのを堪えているように見える表情の中で輝いている。
猫の化け物たちを見ながら、俺は思う。
お前達が口を利けたなら、どんなに楽だったろう、と。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ。
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 操作室
状況: ウルタールの餌を与え、少女を瓦礫から助け出す。
少女に紅茶を勧め、飲み終ったら移動する、と告げる。
俺は際限ない闇のなかを闊歩していた。
視界は最悪で、スナイパーライフルの照準は当然の如くおぼつかない。
標的を探す余裕はなく、まずは視界を確保するのが先決だった。
せめてライトの備え付けがあれば、と思う。
下水道内は独特の異臭が鼻を突き、俺は感染した鼠を怒らせないようにしながら、
慎重に暗闇のなかを慎重に探索した。
濃厚すぎる闇は自我を磨耗させ、その重圧は奇妙な均衡をつくりあげる。
目が慣れるまでに嫌になるほどに時間がかかる。脂汗をぬぐいながら、この近くにいる筈の
小川平蔵の姿を探す。
>>134 暫く進むと、人の話し声が聞こえた。
それは周囲に残響を及ぼし、自分が特殊なラッパの中にいるような錯覚を覚えさせる。
俺はスナイパーライフルを構え、威嚇する意思を見せながら標的に立ち向かうと
「おい、止まれ!なにもんだ」と叫んだ。
装備・スナイパーライフル(12発)、財布
場所・下水道内
状況・隆青山に向かって叫ぶ。
>135
小川の所持している携帯電話にメールが届く。
小川さん、先ほどもいったとおり、この場所は 危険なところです。
奴らは殺し屋です。また連絡がとりあえるかはわかりません。
そして、その一人はゲームで、あなたを殺しに向かっています。男です。
ライフルを持って、角刈りです。あなたがいない場所に誘導しましたが時間の問題です。
電話はすてないでください。
そこまで打ち終えると有谷は事切れた。
視界が暗くなり、最後の憎悪を振り絞って生きようとするが、
叙々に生気が抜けていった。遺体には足がなかった。
状況・見張りに見つかり、死亡。
以後、携帯電話は見張りが所持。
俺は際限ない闇のなかを闊歩していた。
視界は最悪で、スナイパーライフルの照準は当然の如くおぼつかない。
標的を探す余裕はなく、まずは視界を確保するのが先決だった。
せめてライトの備え付けがあれば、と思う。
下水道内は独特の異臭が鼻を突き、俺は感染した鼠を怒らせないようにしながら、
慎重に暗闇のなかを慎重に探索した。
濃厚すぎる闇は自我を磨耗させ、その重圧は奇妙な均衡をつくりあげる。
目が慣れるまでに嫌になるほどに時間がかかる。脂汗をぬぐいながら、この近くにいる筈の
小川平蔵の姿を探す。
>>134 暫く進むと、人の話し声が聞こえた。
それは周囲に残響を及ぼし、自分が特殊なラッパの中にいるような錯覚を覚えさせる。
俺はスナイパーライフルを構え、威嚇する意思を見せながら標的に立ち向かうと
「おい、止まれ!なにもんだ」としかめっ面をしながら呟く。
俺は叫んだつもりが、闇に篭もり過ぎたのか、吐息を漏らすような声しかでなくなっていた。
彼らは、気づいただろうか?
装備・スナイパーライフル(12発)、財布
場所・下水道内
状況・隆青山に向かって叫ぶが、気付いてもらえるかはわからない。
>125 >128
>「大丈夫よ。何とかするわ。」
私は精一杯元気そうな顔で、山田さんに頷いて見せた。
黒猫さんは鈴木さんの方へひょこひょこと歩いていき、虎猫さんは私の傍で話をじっと聞いていた。
でも、私たちの話は通じてないんだろうな・・・・・。
鈴木さんは猫さん達を弁護する私の顔をじいっと凝視していた。
だけど目が笑ってないというか機械的っていうか・・・・・とにかく何を考えているのか分からない。
メモを渡した後、鈴木さんはようやくライフルを下ろした。でもホッとしたのもつかの間、今度はピストルを構えた。
「鈴木さん」
多分、咎めるようなニュアンス交じりの声だったと思う。
でも、鈴木さんの次の行動は意外なものだった。
左手で器用にお弁当の鮭とミルクを用意して、猫さんに与えたからだ。
私はホッとした。拳銃を構えてるけど、ここで戦う気はないみたいだ。
一方の猫さん達は最初匂いをかいでいたけれど、一口食べたら夢中になった。
「猫さんおいしい?良かったね」
やっぱり猫だけに魚が大好きみたいだ。
(もっとも、地下の実験場にいた猫さんが魚を食べるのか知らないんだけど・・・・・・)
>「あすかさん!聞こえますか?!」
>「実験場の外れに、封印された通路が有るようです!そこから脱出出来ると思います!
>私もそちらに向いますから、その先で合流しましょう!」
>「あすかさん!今度合流する時には、ムーミンでも連れて来て下さい!」
>「そうね、ムーミンは居ないけど体型はよく似た感じのなら居たわ。」
>「ムーミンっていうよりメタボね、メタボ。お肉なら何でも手当たり次第に食べてますって感じの。」
山田さんは冗談めかしてるけど、メタボと評された怪物が何かはすぐに分かった。
だけど、気づかないふりをした。
山田さんの気遣いを無駄にしたくなかったから。
>「じゃあぱぱっとその通路とやらを探してくるわね。」
>「通路は、この扉を背に直進。壁に当たった所で、向って右手に移動して下さい。
> しつこい相手には気を付けて下さい!」
「合流出来たら、姫に仕えるナイトよろしくお守りしますって」
そういって私は、背後の鈴木さんと姫路さんを交互に指差した。
「私もがんばる。気をつけてね。もし会えたら、ミヒャエルさんと若先生にもよろしく伝えてね」
鈴木さんは私を助け出し、汚れた顔を拭いてくれた。
>「彩ちゃんも、紅茶を飲んで下さい。冬でも脱水症状は起こります。
> 水分を取る時は、砂糖を入れた甘くて熱い紅茶が一番なんですよ。
> アフリカやインド、世界中の熱い国々を支配したイギリス人達は、真夏でも熱い紅茶を飲んでいました。」
「ありがとう、鈴木さん」
さして喉は渇いていなかったけど、私は紅茶を受け取り口に含んだ。
いつも通りの鈴木さんだけど、なんとなく疲れているような気がする。
というより、こんな気の張る状況で疲れてないはずがないよね。
本当はいけないのかもしれないけれど、私は自分のハンカチを紅茶でほんの少し湿らせた。
「鈴木さんも顔、拭いた方が良いよ。顔、シマウマみたいになってる」
ゾンビの返り血なんて早く落としたほうが良いに決まってるもの。
「私と山田さんが逆だったら良かったね。何にも出来ないけど、足手まといにならないよう気をつけるから」
私は食事が終わった猫さんに近づき、ちょんちょんと前足をつついた。
「私と一緒に行こう。もしかしたら猫さんの仲間とも合流できるかもしれないよ?」
一生懸命ジェスチャーをした後、猫さんの前足をそっと引っ張ってみる。
登ろうとする俺の後ろから、赤ん坊の様な大絶叫が響いてきた
…間違いない
奴等は誰か殺してるんだ
………絶対ここにいたら殺される
俺は確信した
>おい、聞こえたかそこの愉快な露出狂。命が欲しけりゃ後ろ向きのままゆっくりと手を上げろ」
「死ねぇ!」
万物の霊長様に向かって無礼な口を利くUMA目がけ、俺は叫んだ
間違いなくここで奴等に投降して俺に得な事は何も無い
食われるだけだ!
もう後には引けない
焦った俺は誤って壁かららっかし
ふと、横を見ると、そこには一箇所だけへこんだタイルが…
……コレだ!
俺は素早くタイルを思いっきり押し込んだ
ガコン!
作動音と共に、俺の想像通りトイレのあいた壁が勢いよく閉まる音が俺の横で響き…
……女の悲鳴と共に何かを潰した音が…
何だ?何だ何だ何だ?
俺は考えるより先にトイレの入り口にダッシュで突っ込むと、廊下を一直線に走った
まさか…何だ何だ…なんだ…なんだ?
大森のいなくなったトイレに、頭をへこませ、両足首から下が潰れた白い怪物がゆっくりと起き上がった
出口を塞がれる事に恐怖を覚え、壁が閉まる直前に壁の向こうに向かって駆けたため、頭を降りてきた壁で強打し即死、倒れたところを足首を壁に潰された緑川奈菜穂その人である
緑川だったドッペルゲンガーはしばらく周囲を見渡した後、のたのたとトイレの中をうろつき始めた
無限ロケラン
>124
>「はあ?
> 勝負を楽しくするだと?
> 貴様、今のこの状況と自分の立場が分かってねえようだな
> こんなモノは勝負でも決闘でもねえよ
> これは俺だけが楽しむ極上の『狩り』であり復讐だ!
> 貴様ら獲物は恐怖におののき、絶望し、悶え苦しみながら死ぬんだよ!
> 貴様のような狩られ殺されるだけ獲物がこの俺に何かを要求するなど…
>
> 絶 対 に ぃ っ 有 り 得 ね え っ ! 」
そう叫んで、こちらに向かってくるアドヴァンスドに千堂は苦笑いのような表情をする。
「ちっ、そう簡単に聞く野郎じゃないか・・・」
小さく呟いき千堂は身を翻して、走る。
千堂の走る先には、巣の中に避難して安堵をついている怪物がいる。
怪物目がけて千堂は躊躇せずに手に持った刀を振る。
その一瞬で、怪物は悲鳴すら上げられずに物言わぬ死体となった。
「まずは、腹が減ってんなら腹ごしらえをさせてやるよ・・・こいつでな」
刀を地面に刺して、死体となった怪物を掴む。
そして、そのままこちらに向かってくるアドヴァンスドに投げ放つ。
投げられた怪物の死体は、アドヴァンスドの口を塞ぐ。
「大喰らいだからって、その大きさはすぐに食い尽くせないだろう!!」
刀を抜き、動きが一瞬だけ止まったアドヴァンスドに駆けていく。
こちらに向かってくる鎌付き触手を何本か切り落として、背後へと回る。
「貰ったぜ、自称ハンサムの怪物さん!!」
迫り来る触手の群れを身を低くして避けて、無防備となった背後から、千堂はアドヴァンスドの両足を斬る。
刀の切れ味に再度驚きながら、アドヴァンスドから距離を取るように離れた。
そして、大きな息を吐いた。
「どうだ、怪物?狩るはずの獲物にやられる感想は?獲物がただ、大人しく狩られると思ったのかよ?
はっ、おめでたい野郎だぜ。獲物といっても、こっちは鋭い爪を持った兇暴な獲物だぜ?」
小馬鹿にするような笑みを浮かべて、アドヴァンスドに言い放つ。
「精々、逆に狩られないように用心しろよ。三流の狩人さん」
どこか挑発するように、千堂は言い放って笑う。
そして、後ろに回しているその手にはいつの間にかミヒャエルから貰った投擲用武器が握られていた。
(さて、奴はどうでるか?うまくすれば、ウイルスを使う事なくコイツで仕留められるかもな・・・。)
投擲用の武器を握る千堂の手は、先程の言葉とは裏腹に汗が浮かんでいた。
(さぁ、どう出る?)
所持品: 腕時計 古刀 脇差 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6 投擲武器×1
レミントンM700(2) 予備弾(47)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡
状況:アドヴァンスドの出方を窺う。
>135>139
食事を終えた二匹の猫は、打って変わって幸せそうだった。
>「私と一緒に行こう。もしかしたら猫さんの仲間とも合流できるかもしれないよ?」
話し掛けられても首を傾げるだけの一匹だが、前脚を引っ張る少女に釣られて立ち上がる。
今度は、もう一匹が大慌てで走り寄って来た。
一匹だけ手を握られたのに嫉妬したみたいで、少女の空いた手を握った。
最初に前脚を捕まれた一匹が少女の手を離し、小川に駆け寄り始めた。
ちょこんと立った一匹が首から架けていた、ネックレスを外して小川に差し出す。
古ぼけたお弾きに穴を空けて、糸を通しただけの代物である。
地下実験場の工事の時の忘れ物に違いなかった。
先祖代代大切にしてきた宝物でもある。
照れたようにモジモジしながら、小川に渡すと、大急ぎで少女の下へと戻っていった。
少女の両手を握った二匹は、今度は逆に、早く行こうと急かし始めた。
一匹は時々、小川の方を振り返っては、興味深そうに眺めていた。
群れの最後尾に追いつき、目的の建屋が見えてくる。
「思ったより渋滞してなかったな。まぁ、邪魔なら除けりゃ済む話だけどよ」
「さて兄ちゃんは無事かねぇ。あの一行に付いて回ってたんなら少しは動けるんだろうけどなぁ」
建物に再度侵入し辺りを見回す。
「糞ったれがわんさか群れてやがんなぁ。五月蠅ぇ糞共め」
少し声を張り辺りに向けて言葉を投げる。
「おーい。あんちゃん生きてっかー?ってより俺様の見せ場残してあるよな!?」
「ゴミ処理のゴキブリ野郎はもうオネンネしちまったか?」
ゆっくりと陽気に、それでいて尚注意深く足を進める。
(雑魚の群れと・・・ん〜血?なのか?妙な臭いだな。それと活発な気配。どっちのだろうな)
「おい!聞いてんのかこらぁ!俺様が来てやったっつーのに挨拶位しろや!」
2つの影が見えてくる。
(へぇ。真剣勝負ってやつだな。お互い周りがみえねぇ位真剣な訳か?)
(んでゴキブリが手負いであんちゃんがやや優勢・・・なのかぁ?)
聞こえているかどうかの辺りで声を掛ける。
「しゃあねぇなぁ。譲ってやらぁ。しっかりやれよな。タッチするならちゃんと言えよー」
(あれをここで使うとなると〜・・・?ん〜予想出来ねぇなぁ。即席過ぎて安定しねぇだろうなぁ)
遠巻きに眺めている所でまたノイズ混じりの通信を受ける。
『・・・予定地に信号を捕・・・ジャミング・・・地上での確保・・・』
『02ミヒャエ・・・他数名生・・・感染の疑・・・コード《スプートニク》の・・・』
(・・・何で外にいる連中があいつの事知ってんだ。糞!まさかとは思うが・・・)
ノイズが続く中、義手でない方の指で左目の表面をなぞる。
人体には無いはずの無機質な触り心地が指を伝う。
(なんてこった。ここもか。原因は俺って訳かよ。とんだピエロだぜ糞ったれ)
(つまりあれか。記憶もあって血も出る機械か。うん。なるほど)
(な訳ねーだろ!聞いた事ねぇよ!アホか!)
義手を眺めながら考える。
(半端だが通信の内容からすりゃスズキも他の奴も危ねぇな。糞!)
(俺が撒いちまった種だ。ちゃんと始末つけてやろうじゃねーの)
(踊らされっぱなしは気にいらねぇなぁ。糸手繰って必ずぶっ殺す)
再び千堂に視線を戻し茶化したような応援をする。
「がーんーばーれー!あ!ん!ちゃん!ゴキブリ野郎を踏・み・潰・せ!
(うーん。しかしどこまで生身なんだろ。ザックリやって生身でしたテヘッじゃ済まねぇしなぁ)
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 千堂・アドヴァンスドを遠巻きに静観
145 :
モーロック:2008/07/29(火) 21:32:18 0
>144
>「がーんーばーれー!あ!ん!ちゃん!ゴキブリ野郎を踏・み・潰・せ!
様子を伺っていたモーロックが、足音を立てずにミヒャエルの背後に近寄ってくる。
充分に距離を詰めた所で、一匹が飛び掛ってきた。
他のモーロック達は、長年の宿敵であるウルタール達を虐殺すべく、巣の部屋と言う部屋に侵入を始めていた・・・
>139>143
>「ありがとう、鈴木さん」
そう言って紅茶を飲む少女の表情に微妙な変化があった。
何と言うか、隠し事をしているように見えるのだ。
(くそ、この子は化け物の存在に勘付いて・・・いる・・・)
冷静に振り返ってみれば、山田あすかが遠回しに伝えた化け物の存在に、「蜂の巣にする」と小川は答えている。
それ以前から気が付いていたのだろうが、小川の一言が決定打になったのかもしれない。
>「鈴木さんも顔、拭いた方が良いよ。顔、シマウマみたいになってる」
湿らせたハンカチを握る少女の手を、小川が無意識の打ちに掴む。
少女と自分の手を見てから、思い出したように小川が言った。
「折角ですが、今のままの方が都合が良いので。」
馬鹿々々しい話だが、乾いた血が全て落ちてしまったら、今被っている仮面も剥がれそうな気がしたのだ。
「気に入っているんですよ、この顔がね。」
サナトリウムで再開した時のJudasにそっくりに見える筈だ。
それを考えると、思わず笑ってしまった。
>「私と山田さんが逆だったら良かったね。何にも出来ないけど、足手まといにならないよう気をつけるから」
「どう・・・ですかね?どっちにしろ、あすかさんとは合流しますから。」
>「私と一緒に行こう。もしかしたら猫さんの仲間とも合流できるかもしれないよ?」
猫達の食事は済んでいた。
名残惜しそうにミルクが入っていたカップを舐めまわしている姿は、愛らしいと言える。
立ち上がった一匹に続いて、残りの一匹が大急ぎで少女の隣に走り、少女の手を握る。
ウィルスの典型的な症状である、理性の破壊に伴なう本能の暴走は見られない。
少女から渡されたメモが、その確信をより強固なものにする。
オーケイ、大佐。
あんた達は、いい仕事をしたに違いない。
より調整が上手く言っていれば、理性を残したまま、身体が強化された兵士達を生み出せたに違いない。
いや、しかし。
もしかしたら、既に。
考え事をしている小川の前に、一匹の猫が現れ、古ぼけたお弾きで作られたネックレスを差し出そうとした。
相手の好意、贈り物は何であれ敬意を払い、喜んで受け取る、
と言う文明からかけ離れた土地の、現地人を相手とした時の対応を思い出し、笑顔で受け取った。
紛争の地で学んだ人心掌握の基礎テクニック。
猫の優しさは、苦痛でもある。
悲しくもある。
最終的に猫達も、少女も、山田あすかも、過去の人になってしまうのだ。
大急ぎで少女の元へと戻った猫は時折、こちらを振り借り、眺めている。
猫に見えるように、笑顔でネックレスを自らの首にかける。
まるでお母さんになったみたいですね、と少女に声を掛けようとしたが、止めた。
彼女が家族を失ってから、まだ一日と経っていないのだ。
「彩ちゃん。その二匹に、名前を付けて上げたらどうでしょうか?」
彼女には、先の事を考えさせるべきだ。
戦場でショック状態に陥った兵士には、何か建設的な事をさせた方が良い。
これも、結局、紛争の地で学んだ人心掌握の基礎テクニックに過ぎない。
小川は一人と2匹の前を歩く。
殿は姫路に任せ、先を急ぐ。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況: 移動開始
>143 >146
猫さんは相変わらず話が通じてないみたいだけど、前足をひいたら立ち上がってくれた。
そしたらもう一方の猫さんも駆け寄ってきて、私の手を握ってくれた。
「え・・・・・あの・・・・・えっと・・・」
かーっと頬が熱くなった。多分ほっぺたが真っ赤になったと思う。
うぬぼれでなければ、私、もしかして猫さんに懐かれてる?・・・・・かなり嬉しいかも。
最初に腕をひいた猫さんのほうが、鈴木さんの方に歩いていった。
私は猫さんのペンダントをにこやかに受け取る横顔を見ながら、さっきのやり取りを思い出していた。
湿らせたハンカチで血を拭こうとしたら、鈴木さんに腕を捕まれた。
貴重な紅茶を無駄にしたのを怒ったのかと思ったんだけど・・・・・なんとなく違う気がした。
鈴木さんは少し考えてから、やんわりと私の申し出を断って、こう付け加えた。
>「気に入っているんですよ、この顔がね。」
鈴木さんの口調を聞いてたら、なぜかすごく胸がムカムマというかモヤモヤしてきた。
顔を拭いた方がいい。でも、説得できるような言葉も、胸のモヤモヤを表現するうまい言葉も見つからない。
だから私はこう言うしかなかった。
「・・・・・・・・・・・でも変だよ。よくない。だってすごく・・・変だもん・・・・・・」
猫さんからペンダントを受け取ってにこやかに微笑む鈴木さんが、私の言葉をどう感じたのかは分からない。
もしかしたら内心で怒ったり泣いたりしてても、きっと同じ顔をしてるんじゃないかと思う。
恭しく差し出す様子から、きっとあのおはじきは猫さんの宝物だったのだとわかった。
「鈴木さんのこと、好きになったみたいだね。この猫さん達は、普通の猫と違って恩義を忘れないのかもね」
急いで戻ってきた猫さんが急いで手を繋ごうとするので、思わず微笑んだ。
そういえば猫は群れない動物だけど、ここの猫さんはそうじゃなかった。
「外見は猫さんそっくりでも、中身はずっと人に近いのかもしれない・・・・・」
「わっ!そんなに引っ張らないでよ」
言葉だけ聞いていたら困っている風に聞こえたかもしれないけど、多分私は微笑んでいたかもしれない。
確かに別れたみんなのことが気がかりだったけど、あまりにも猫さんの仕草が可愛かったから。
>「彩ちゃん。その二匹に、名前を付けて上げたらどうでしょうか?」
「えっ、名前?」
私はオウム返しにたずねた。
「そうだね、本当は名前持ってるのかもしれないけどわからないしね・・・・・私は彩だよ、アヤ」
自分を指差したかったけど、止めた。だってそうすると、どちらかの手を離さないといけないから。
「名前・・・・・・名前・・・・・・」
不意にママの笑顔がフラッシュバックした。
『ねえ、彩ちゃんはどんな名前が良いと思う?』
記憶の中で笑ってるママの手には、赤ちゃんの名前の本がある。
『パパは絶対女の子だって言って、女の子の名前ばかり考えてるのよ。
男の子かもしれないのに、ダメなパパよねぇ?』
目の奥が熱くなって、鼻がつんとして来た。
「私、名前付けるの苦手なの・・・・・トラとかクロとかタマとかじゃか、かわいそうだわ。
す、鈴木さんならどんな名前をつける?」
こんないきなり泣き出したら、鈴木さんはきっと変に思うよね。
「あ・・・・・・で、でも別に泣くほど苦手ってわ、わけじゃないよ?」
>146-147
>「鈴木さんのこと、好きになったみたいだね。この猫さん達は、普通の猫と違って恩義を忘れないのかもね」
少女が笑顔で手を繋いでくれた事が嬉しくて、猫は上機嫌だった。
小川もネックレスを受け取ってたし、こうやって手を繋いで歩いている。
ぴょんぴょんと跳ねるように、元気良く少女の手を引っ張る二匹は、とても幸せそうだ。
>「わっ!そんなに引っ張らないでよ」
少女の驚きの声に応えるように、二匹の歩みがゆっくりになる。
声に含まれる音から意味を推測し、反応しているのだ。
>「彩ちゃん。その二匹に、名前を付けて上げたらどうでしょうか?」
>「えっ、名前?」
二匹は同時に、少女の顔を見て首を傾げた。
>「そうだね、本当は名前持ってるのかもしれないけどわからないしね・・・・・私は彩だよ、アヤ」
一匹が空いた手を少女に向ける。
意味を理解したらしい。
となるともう一人は何だろうとネックレスを上げた一匹が傾げる。
>「名前・・・・・・名前・・・・・・」
考え込んでいる少女を好奇心たっぷりに見つめる猫。
>「私、名前付けるの苦手なの・・・・・トラとかクロとかタマとかじゃか、かわいそうだわ。
す、鈴木さんならどんな名前をつける?」
突然、泣きそうになった少女にびっくりして、一匹が小川に詰め寄ってポカポカ叩き始めた。
少女に何か悪さをしたに違いない、と思ったのだ。
ミヒャエルの時と同じく、大してダメージを与える事は出来ないが、それなりに痛い。
見慣れない場所で仲間と逸れてしまった悲しみも混じっている。
ネックレスを上げた一匹が、困った顔でもう一匹を抑えようとしているが、猫は殴り続ける。。
それどころか、抑える一匹を突き飛ばしてしまった。
>137>147−148
>「・・・・・・・・・・・でも変だよ。よくない。だってすごく・・・変だもん・・・・・・」
だからこそ、今の顔が気に入っているのだ。
何故か説明する前に、ポケットの中の携帯電話が震える。
届いたメールの内容を見ても、小川の表情は変わらなかった。
生きていれば、また連絡が来るだろう。
死んでしまっているなら、それでお終いだ。
>「私、名前付けるの苦手なの・・・・・トラとかクロとかタマとかじゃか、かわいそうだわ。
す、鈴木さんならどんな名前をつける?」
泣きそうになった少女の感情に呼応するように、猫は俺を殴り始める。
多分、俺の間違いを責め立てているんだろうな。
殴られる度に、目の前の猫に対して憎悪が募る。
だから、俺は猫を抱き締めた。
憎悪を抱く事は、一切妥協をしない、と言う事だ。
相手に付け込まれないよう、完璧に行動しなければいけない。
だって、お互いに愛し合っていたら、信頼しあっていたら、多少のミスや諍いなんて許せるじゃないか?
だけれども、俺のミスを許してくれる人間なんていない。
間違いを犯せば、不要になるか、撃ち殺されるか。
俺だって誰かに大切な人間と思われたかったし、生き延びたかったんだ。
・・・俺は、生きている実感が欲しい。
暴れまわる猫を抱き締め、立ち上がり、突き飛ばされて自失呆然としているもう一匹にゆっくりと近づく。
その一匹を起こし、同じように抱き締めた。
この場を収める為には、敵意が存在しない事、恐怖が存在しない事を教えてやる必要があった。
―――撃ち殺してしまった方が、よっぽど簡単だが、少女の感情を考えれば、得策では無い。
抱き締めた2匹の猫の背中を叩いてやりながら、落ちつくのを待った。
そして、少女を手招きする。
俺はチビだけれども肩幅が広いから、猫2匹と女の子一人を抱き締める事位、出来る。
彩ちゃんが何故泣きそうになっているのか解らないけれども、と話を切り出す。
「泣くのは、決して悪い事じゃないと思います。
もし良かったら、どうして悲しいのか、教えてくれませんか?」
話を聞いてやるのは、彼女の心の重石を取り除く為。
彼女を連れて、先へ進む為に必要な事。
「それから一緒に名前を考えましょう。ルーとフォード。こんな名前はどうですか?」
暫く考えた後に、小川が呟いた。
「彩ちゃん、泣くのは決して悪い事じゃないと思うんです。私も子供の頃、泣いてばかり居ました。
時々、今でも泣きたくなる事があります。」
この7年間で泣いたのは、一度きり。
死に掛けた自分の為に、ヘリの中で泣いてしまった。
「さぁ、ゆっくりで言いから話して下さい。辛くても、私が居るから。」
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:有谷のメールに気付く。猫2匹と少女を抱き締め、安心させようとする。
視界の隅から飛び掛ってきた巨大な羽音に、俺は尻餅をつく。
今のはフライボディだ。
スナイパーライフルを構えようとするが、黒い粘土のような塊に足が掴まれている。
照準を合わせられず、もう一度弧を描いて綺麗にすっ転び、咳き込んだ。
下水まみれになったスーツにうなだれている暇はない。
ヘドロのぬかるみから足を引き離すと、俺は「くそ、退散だ!」と叫ぶ。
視界が悪すぎるため、応戦が叶わないのだ。
虚空にめがけ、威嚇射撃を2発放つ。
弾は天井に命中し、下水道内に反響するけたたましい音が、
周囲に残響を及ぼし消える。
気配を隠さず、自分がここにいる存在感を小うるさい足音で拡散させながら、
下水道を退散した。
死骸となった全裸の有谷浩平を見下ろしながら、
僕はコカ・コーラをゆっくり味わった。
遺体からは木の幹のように骨が突出しており、犬たちが僅かに残した内臓は
床のタイルのうえに赤黒く四散している。
こんなところで飲むコーラは、ひどく炭酸が強く感じるものだ。
きつけの効果もあるのだろう。おかげで酷く目が醒めてしまった。
薄汚れた携帯電話を回収すると、有谷が助けを求めたであろう人物との
通電履歴を確認する。なんで僕がこんなことをしなきゃいけないんだ?
肩を落とし、固いロッキングチェアに揺られながら電話を入れる。
>134>138>140>150
>「おまお待たせしました
ああのいま忌まわしい害虫はわた私が処分しておきましたたから
お、おやおやおやおや・・・、ばば化け物次はへ変態たいですか?」
「はん。お前さんはどっちなんだかな。」
ワシは鼻で笑う。
まぁ、この包帯の中国人、見ればどうにも臭い。
>「死ねぇ!」
>「おい、止まれ!なにもんだ。」
前と後ろから聞こえる声にワシは黙って、銃をぶっ放した。
銃が短く吠えて、跳ね上がる。
振り返り様に声のした方へ狙いを付け、もう一遍引き金を引いた。
が、二回とも外しちまった。
どうやらこの銃、反動が酷くて、まともに狙いを着けれるのは、最初の1、2発位のもんだ。
右に跳ね上がるから、次からちょっと左下に狙いを着ければいいじゃろうな。
いきなり現れた一人は、見当違いの方向に2発、銃をぶっ放して逃げ出した。
威嚇のつもりかもしれんが、まぁ、当面は油断出来んじゃろう。
「この状況じゃったら、殺すなりしちまった方が安全な気がしたんじゃがな。」
言い訳するつもりは無かったが、多少は好きにやらせて貰った方がストレスが溜まらんからな。
「で、包帯。この先に何があるか、解るか?」
ワシはライフルをぶっ放して逃げ出した男の居る方を指した。
状況:大森と的場に発砲するも外す。ドッペルゲンガーには、気付いていない。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(183)、ワクチン(37)、
>>128 小川が伝えた隠し通路の場所は、ウルタールの巣から、それほど離れていない場所にあった。
苔に覆われたコンクリートの一箇所が、長方形型に刳り貫かれている。
丁度、その前には、扉の面積ぴったりの苔が落ちている。
錆び付いた扉は、つい最近まで油が挿してあったかのように、スムーズに動く。
扉の周りには、不自然なまでに足跡が無い。
まるで、誰かが足跡を消す作業を続けて来たかのように見える。
奥の方から、鎖を鳴らすようなジャラジャラと言う音が響いてくる。
光に満ちた実験場最後の闇が、山田あすかを待ち構えていた・・・
下水道内を探索している内、目は闇に慣れ、
据えた臭いも体中にまとわりついたためか、気にも留めなくなっていた。
先ほどの銃声のことを思い出すに、現在生き残っている生存者達は既に武装を整えている。
面白いことになってきたじゃないか、と俺は思う。
スナイパーライフルの残段数を確認する。人を仕留めるには十分な数だ。
この下水では鼠、蝙蝠、ゴキブリ、百足におめにかかった。
ああいう群れる手合いが感染して襲ってきたなら、厄介だ。
姿を隠せない閉塞した場所に長居するわけにはいかない。俺は下水道から脱出する為に、さらに前進していった。
ふと携帯電話を開き、メールの受信を確認する。
有谷浩平が裏切り抹殺され、その後任はこの男、というわけらしい。
おかげで小川平蔵の位置も割れたのだ。もう此処には用はない。
身をかがめ、足早になり地下の巨大なトンネルを抜けていく。
水滴が落下する音が耳音で放たれる。
緑色のヘドロが散乱した通路を、足元に気を遣いながら歩いていく。
ふと顔をあげると、真っ赤な死体が吊るされていた。
どのように固定されているのかはわからない。視界のせいだ。
くそ、薄気味悪い物を見た。惨殺死体は全身の皮膚が剥がされ、臓物が垂れ下がっている。
不吉な予感を感じた俺は、銃を構えて周囲を警戒した。
死体から落下する血液が肩に落ち、それにのけぞって驚く女の姿を想像して、俺は興奮する。
元々、どんな種類の殺しがあってもおかしくない場所なのだ、ここは。
もっとも、だからこそこの場所で死ぬために、こうして高い金を払って
傘のゲームに参加しているのだが。
状況:存在するかわからない敵に対して警戒
現在地:謎の下水道
持物:スナイパーライフル(10発)
座り心地の悪い木造りの椅子に苛つくも、僕はなんとかコーラを飲み干す。
携帯電話の向こうの人物は、僕の着信に気付かなかったようだ。
それにはぬか喜びを味わいたくなるが、なに、仕事が先延ばしになったというだけのことだ。
コーラの赤い空き缶をゴミ箱に放ると、上の階層にいるだろう係員に内線をかける。
目の前の無様な有谷浩平を撤去してもらう。
「了承いたしました」
と係員がいった。
冷蔵庫から新しいコカコーラを取り出し、プルリングを外すと、
その缶をテーブルの上に置いてしばらく観察する。小さな穴の奥で、微少な気泡が
炸裂するのをじっと見つめる。
固いロッキングチェアから立ち上がり、遺体の半開きになっている口元にコーラを垂れ流す。
「乾杯、アリタニ」
状況・小川に電話するが、着信履歴を残すにとどまる。
>>138
>>140
>>150
>>152
>「はん。お前さんはどっちなんだかな。」
「ひひ酷いですね、わた私をへん変態扱いするなんてて
あなあなたもだダストシュートに放り込んでささ差し上げましょうかか?
ふふ、ふふふ、ふふふふ…」
村田の冷めた返答に、さも怪しさを強調するように不気味に笑う
命からがら逃げてきた、という割りには状況を楽しんでいるようである
>前と後ろから聞こえる声にワシは黙って、銃をぶっ放した。
「くふふ、おだ穏やかではありまましぇんねえ
おじじ爺さん、いきなりなりぶっパナすとかか困りまりますって
あちららさんも生き生きした肉肉なんですから、ころ殺したら勿体無いでしょうう」
首を傾げ、包帯の隙間からギザギザの歯を見せながら不気味な笑みを浮かべている
銃声を聞いて何らかの興奮状態に陥っているようである
>「で、包帯。この先に何があるか、解るか?」
「………」
しかし、返答が無い
振り返って見ると、背後に突っ立っているはずの隆青山は居ない
また何やら暗闇の方で蹲っている
しかし、隆青山の立っていた場所には彼のIDカードと思われるものが落ちていた
火傷を負って包帯塗れになる前の顔である
確かに、東洋系の顔立ちで年の頃は4、50代と言ったところか
カードにはこう書かれていた
青山 隆
Aoyama Takashi
カードの顔写真の男は確かに傘社に属する科学者であった
だが、その名前はどう見ても日本人である
そして、カードに書かれていた身長や体重などのプロフィールも、包帯男のそれとは全く類似しない
蹲った男は、腹を抑えながら這いずり回る物体を捕えていた
「よ、予想外だ…
こんな場所で銃を食らうなどとは…
このままでは擬態が解けてしまうぅ…
肉…肉を…何か肉を…」
的場の撃ったライフル弾の一発が流れ弾として運悪く命中し、ダメージを受けていたのだ
腹部からは血が流れ、辺りの汚水を赤黒く染めている
そうして見つけたドッペルゲンガーの一部を捉え、ギザギザの鋭い歯で食らおうとしている
手は、まるでハンターのように鋭い爬虫類の鉤爪と化していた
トイレを走り出た俺は
今どことも知れぬ閑散とした部屋の机の下に隠れ潜んでいる
いや隠れているんじゃない、そこに潜って震えているんだ
何をする勇気も、気力も沸かない、体力も無い
暗い、怖い、寒い
そういえば、ずっと裸だ…本当に寒い
外に出るのは嫌だ
絶対に何かに襲われる
助けなんか来ないって誰かが言っていたから、待っていても来るのは殺人鬼だけだろう
……そうか……俺は死ぬのかぁ
死ぬ時は孤独だって皆言うけれど、本当にそうなんだなあ…
あぁ…寒い…風をひきそうなくらい…
……なんだろう…
目から水が垂れてるなあ…
ぁぁそうか…怖いんだ…
怖くて俺、泣いてるんだ
嫌だなあ…恥ずかしいなあ……
……あの世ってのがあったら…
………ああああああ
あったら、あったら俺は吉田さん達に酷い目に合わされる!
嫌だ!嫌だあぁ
死にたくない!でも動きたくない
怖い…タスケテクレ
誰か…そうだ
あの片手の外人が都合よく来てくれないのか?
そうだ、あの男なら頼りになる
そうだとも、あんな小さな女の子助けれたんだ、俺が助からない道理は…
いや…待て…
…あの女の子はもう死んでいる、あの触手にさらわれて死んでいる
追っていったあの外人もきっともう変な化け物にやられたんだ
そうなんだ…きっとそうだ…
…もう俺は助からないんだ
この暗く寒い研究所で怪物に残酷に殺されるしかないんだ
だって仕方無い事なんだもの
もう…俺は…
また、涙が出た
ただただ、涙が出た
現在地:研究所の一室
所持品:無し
状況:机の下にかがんで入り、泣いている
瘴気が漂うような下水のなかで、俺は敵が現れるのと同時に
銃弾を叩き込めるよう、姿勢を整えながら移動していた。
入り組んだ地下水路の探索は困難だが、ここから直接地下研究所に上がれる
梯子を探すしかない。地表を爆撃する焦土作戦のことは、傘社の者から言付かった。
生存者は地下実験場に固まって非難しているに違いない。
小川と1対1で戦えれば本望だが、ひょっとしたら無理かも知れない。
邪魔が入らなければいいが、と俺は願う。
数分歩いたところで、段々と未知なる敵への緊張もほぐれ、
暗闇に順応した視界のなかに、啓示のように錆び付いた小さな梯子を発見する。
周囲は微小な蝿が飛び交い、音をたてている。俺を誘うように、と勝手なことを思ってみる。
俺は早速梯子を掴むと、そのまま上にある空間を確認するために昇る。
そのまま進んで、天井を腕で押すと、上の世界の光が差し込む。
プレートをどけて、地面から這い上がる。すると真っ白な個室に出た。
部屋の照明は点滅し、電源が壊れていることを示している。
突然の閃くような光に俺は目を覆っておののく。
瞼の裏に閃光の痕が虹色になってにじんでいく。
そこにあるあらゆる事物が己の存在を強く主張するように、明確な輪郭をたたえている。
崩れて重なった事務机、割れたガラスの破片を大量に浴び、冷却されたように光る薬品棚、
転がった懐中電灯、コーンスープの缶からはカブトムシのいい臭いがする。
俺はその場でたちくらみ、腰をたたく。いくらなんでも驚きすぎようだ
しっかりしなければ。
>157
様々な事物のなかに、酷くけったいな何かを、俺は見つける。
何年も置き忘れられたままの荷物のような少年が、机の下に隠れて涙ぐんでいた。
この場所で何があったか、この小僧は何か知っているはずだ。
保護すると見せかけて、情報を引き抜いてみるのが面白い。
俺は彼に背を向けて薬品棚を漁った。
「おー、あった、これだ」
手には精神安定剤が握られていた。
大量に服用すれば麻薬のような酩酊効果が得られる。
振り向きざまに
「きつそうだな小僧。手ぇ貸そうか?」と言った。
装備・スナイパーライフル(10)、精神安定剤(エビリファイ、ベンゾジアゼピン)
場所・研究所内の一室
状況・大森を発見
じわじわと背後より不穏な気配を感じ取る。
>145
>充分に距離を詰めた所で、一匹が飛び掛ってきた。
>他のモーロック達は、長年の宿敵であるウルタール達を虐殺すべく、巣の部屋と言う部屋に侵入を始めていた・・・
空の銃を振りかぶり背後へ向けてスイングさせる。
「懲りねぇ奴らだなぁ・・・ったくよぉ!」
倒れた相手の顔面を義手で掴み上げ、そのまま地面に叩きつける。
「地面でも喰ってな!この糞ったれ!」
他のクリーチャーはそれぞれ部屋に拡散し始めている。
「糞が。俺様をシカトとは面白ぇ事してくれるじゃねぇか」
「けどまぁ正直ちょーっとだけ数が多いよな。参ったなこりゃ」
口角を緩め少年のような目の輝きを放つ。
「面白ぇじゃねーの。俺様が何であれ、どこまで頑丈なのか見てやろうじゃねーか」
倒れている化け物を掴み上げ、最寄の部屋へ突進する。
「オラオラー!かかって来な!恐怖ってのがねぇなら教えてやらぁ!」
掴んでいた化け物を投げつける。
「ハッハッハッハ!ミヒャエル様が通るぜ!死にたくなきゃとっとと失せな!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: モーロックの集団と衝突
>>119 怯んだのも束の間、蜘蛛は再び起き上がり体当たりを喰らわしてきた。素早く銃を構えたが、
指先が引き金を撫でた時点で、鈴木さんが携帯電話を僕に押し付け、銃弾を蜘蛛に叩き込んだ。
>「姫路さん。貴方が手にしているMP7は、反動が少ない。兎に角、相手が動かなくなるまで撃ち続けて下さい。
2発じゃ、殺せないケースが殆どですからね。」
「わかりました」
事務的な受け答えをする。
>「姫路さん、戻りましょう。電話は、通話状態になっています。暫く切らないでおきましょう。
後で、電話の内容は説明しますから。」
頷きを返すと、死骸を乗り越えて進んでいく鈴木さんの後を追う。
空気が悪い。どうも気分が優れなかったが、それは言わないでおくことにした。下手なことをして
迷惑がかかったら、しめしがつかない。
>123
瓦礫に覆われた通路を一瞥すると、鈴木さんは素早く呼びかけた。
>「怪我はありませんね?」
後方でその会話を黙って聞く。手では二発弾丸を消費した銃を撫でながら。
>「う、うん。大丈夫」
と彩ちゃんが言ったところで、鈴木さんが傍らの猫に銃をつきつけた。
ふっと眉をひそめ、僕が一歩踏み出すと、彩ちゃんが制止する。
>「待って、鈴木さん撃たないで!この猫さん達、悪い猫さんじゃないよ!」
沈黙。立ち止まり、鈴木さんの反応を見る。
>「おい。スズキー。そっちは物騒な事になってねぇだろな〜?」
>「あ、ガキと一緒にいる変なフサフサの奴は俺様の恩じ・・・いや下僕だから丁重に頼むぜ」
膝の力が抜けた。その場の緊張感をほぐしてくれた陽気な声の主は見えない。如何やら向こう側に
いるらしく、僕は少し頬の力を緩めた。
鈴木さんが瓦礫の向こうに呼びかける。
>「あすかさん!聞こえますか?!」
「実験場の外れに、封印された通路が有るようです!そこから脱出出来ると思います!
私もそちらに向いますから、その先で合流しましょう!」
そう言うと鈴木さんは傍の猫に鮭を投げ渡した。ボソリと独り言を呟き苦笑する。
>「あすかさん!今度合流する時には、ムーミンでも連れて来て下さい!」
>>128>>135>>139 >「そうね、ムーミンは居ないけど体型はよく似た感じのなら居たわ。」
笑い声が聞こえ、続いて彩ちゃんのクスクス笑う声が聞こえてきた。
>「ムーミンっていうよりメタボね、メタボ。お肉なら何でも手当たり次第に食べてますって感じの。
下手に頭が回ってるから色々口煩いのよ。口煩い上に暴力的で最悪。アレ絶対彼女とかに逃げられるタイプよね、間違いないわ。
それに私の事口説こうとしていやらしい目で見てたし。
お生憎様って振ってやったわ!」
対して鈴木さんが呆れたような相槌をうつ。不覚にも、僕は小さく笑ってしまった。
化け物のことを言ったのだろうが、やはり彩ちゃんのことを気遣ってのつもりだろう。
鈴木さんが瓦礫をどかしはじめたので、手伝うことにする。助け出した彩ちゃんの顔が
汚れていたので、鈴木さんがそれを拭ってやった。
>「彩ちゃんも、紅茶を飲んで下さい。冬でも脱水症状は起こります。
水分を取る時は、砂糖を入れた甘くて熱い紅茶が一番なんですよ。
アフリカやインド、世界中の熱い国々を支配したイギリス人達は、真夏でも熱い紅茶を飲んでいました。」
>「鈴木さんも顔、拭いた方が良いよ。顔、シマウマみたいになってる」
>「私と山田さんが逆だったら良かったね。何にも出来ないけど、足手まといにならないよう気をつけるから」
ふぅ、と上を向く。天井は汚れていた。ここでも空気はよくない。もともとこの建物自体の環境がひどく悪いせいだ。
>>146>>147 >「彩ちゃん。その二匹に、名前を付けて上げたらどうでしょうか?」
鈴木さんがそう言うと、彩ちゃんは困ったような顔をした。と――
>「私、名前付けるの苦手なの・・・・・トラとかクロとかタマとかじゃか、かわいそうだわ。
す、鈴木さんならどんな名前をつける?」
急に、泣きそうな顔になった。慌てて鈴木さんを見ると、彼の傍に一匹の猫が寄っていくところだった。
僕はその光景を、放心したようにして黙って見つめていた。自分にできることはあまり
無いと、思ったからだ。
>「彩ちゃん、泣くのは決して悪い事じゃないと思うんです。私も子供の頃、泣いてばかり居ました。
時々、今でも泣きたくなる事があります。」
鈴木さんが彩ちゃんを優しく諭す。猫と彩ちゃんを抱きしめながら、鈴木さんはそう言っていた。
>「さぁ、ゆっくりで言いから話して下さい。辛くても、私が居るから。」
僕は鈴木さんの前方に歩み寄った。そうしてしゃがみこみ、彩ちゃんを見つめた。
僕もできる限りのことはしてやりたいと、思ったのだ。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:少女と猫を抱きしめている鈴木の傍に近寄り、話を聞こうとしている。
「・・・ふあぁぁぁ・・・よく、寝た」
目を覚まし辺りを見回す。どうやら随分と長い間眠っていたらしい。
俺の名前?あぁ、名前か。
名前ならあった気がするが、あった気がするだけでイマはよく覚えていない。
そうだな。キリングとでも名乗っておくか。
そう自分自身と会話すると、俺は立ち上がり周囲を見回した。
どうやら、ずいぶんと寝過ごしてしまったらしい。
夜明けはまだまだ先のようだ。
「腹が・・・減った。」
まずは飯を探すとしようか。
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)
状況:目覚めてすぐ。腹が減っている。
ガスマスク越しに漏れ聞こえる己のくぐもった不気味な呼吸音と、頑丈なタクティカルブーツが
床を踏む微かな硬い音しか聞こえない。ヘルメットに装着していた暗視装置は、今はベルトの
バットパックに収納してある。つい先程、急に電源が回復し、暗視装置を介さなくても充分な視
界が得られるぐらいの明度となったからだ。
セルゲイの胸中には少しの不安と焦りが生じていた。電源が回復したという事は、自分以外の
人間がこの忘れ去られたパンドラの箱にやってきたという事だ。地下世界に住まう化け物どもは
ある程度の知能を有しているようだが、機械を操作するだけの知能はないし、そもそもこの区画
まではやってこない筈だ。だが、照明が灯ると同時に地下実験場の方から巨大な振動が響いた。
その際に厳重な封印の綻びが壊れ、連中の何匹かは実験場の外に出たかもしれない。
それに加えて正体不明の侵入者も無視できない。何人いるのか、どんな装備か、どれほどの錬度か。
状況は刻一刻と目まぐるしく変化している。早々に此処を脱出するべきだろう。
>147>148>149>160>161
薄暗い廊下の曲がり角に差しかかろうという所で、セルゲイは何者かの気配を感じ、立ち止まって
身を低くした。耳を澄ますと人間の声が聞こえてきた。廊下を曲がって少し進んだ所にいるのだろう。
一切の物音を立てず、慎重に曲がり角に隠れ、AK103のストックを陰から突き出す。ストックには
小さな鏡が付いており、物陰から身を乗り出さなくても視察できるようにとセルゲイが工夫したのだ。
表面が光を反射しないように動かし、様子を窺う。小さな鏡に映ったのは、二匹の猫と二人の男、そして…
「なんで子供がこんな所にいるんだ?」
小さな女の子だった。
突如、あの忌まわしい事件が鮮明にセルゲイの脳裏に蘇る。鳴り響く銃声、破裂する手榴弾、銃弾に
引き裂かれる子供の身体……震える手でAK103を引っ込め、セルゲイは暫しその場から動けずにいた。
持ち物:AK103カスタム(30+1)+GP30グレネードランチャー(1)、MP446バイキング(17+1)、
RGD-6手榴弾×6、VOG25高性能炸薬榴弾×10、AKマガジン×12、拳銃用マガジン×6、
謎のサンプルケース、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:トラウマを思い出す
腹が減った。周囲に散らばる保存食を探し出しては食う。
味は最低だが、腹を満たす程度には充分だろう。
冷凍保存庫には少量の飲料水があった。ここで研究していた連中の
残した遺品だろう。
どうして”遺品”かだって?
答えは簡単だ。
連中はもう 俺 が
そこまで思考を巡らせ瞬間、研究室を隔てた先から物音がした。
まだ生きている人間がいることに多少驚いたが、それはすぐに歓喜へと変わるだろう。
>>157>>158 男が2人。こちらには気付いていない。
どうやらまだこの2人の男は「正気」らしい。
「ごきげんよう。紳士諸君!君達にひとつ質問だ。」
男達が振り向くのを待たず俺は言う。
「ここで何をしてるのかな?」
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)
状況:空腹は満たされた。目の前の男達に興味。
涙ぐんで顔をあげない少年にため息を吐き、肩を落とした。
錠剤を机に上に置き、何粒かは緊急用として自分のポケットに忍ばせた。
「相手をしてくれる気になったら、言ってくれ。
これは精神を安定させる薬。服用すれば興奮が収まる」
>164
突如、振り向いてライフルを構える。
危うく撃ってしまうところだ。人型のクリーチャーのような不気味な男。
愉悦に顔を歪めながら、俺に挨拶をふっかけてきた。
芝居がかった内容に悪寒を覚えながら、俺は目の前の男を観察した。
よくみれば口が裂けている。裂傷はまるでピエロの口のように広がって見え、
真っ赤に燃えるような頭髪がこの男の放つ危険さを尚更象徴している。
撃ち殺していたほうが楽だったかも知れないな、と俺は思った。
>「ここで何をしてるのかな?」
「別に・・・・・・面白いことは何もないさ」
俺は警戒を解かないまま引き金を振り絞った。
少年のほうを一幣しようとするが、様子はわからない。
人間だということはわかるが、正常なそれの気配がない。
化け物を対峙しているような感興に、俺は背を伸ばして深呼吸した。
「ただものじゃ、ないよな?」
男がひっさげたトランクケースを見やる。
研究員には見えないから、何らかの任務を言付かっているのかも知れない。
ならば無駄な衝突は避けたい筈だ。
俺の興じている「お買い物」は彼のそれより夢のようだが。
「ここで何が起こってるか知らないか?生き残りの場所、敵の場所をな」
装備・スナイパーライフル(10)、精神安定剤(エビリファイ、ベンゾジアゼピン)
場所・研究室
状況・キリングに銃を構える。
>158
音がした
見上げると、銃を持った男が、なにやら薬棚をあさっている
…………人間…か?
>「きつそうだな小僧。手ぇ貸そうか?」
男はなにやら薬だなから薬瓶を取り出すと、俺に向かってそう言って来た
………
無言で俺は、男にいらないよと言った調子で手を振って見せる
もう、何か不思議な人間が現れてもぜんっぜん驚けないな…
…というか、もう興味が無い
………眠いなぁ…
あれだけ色々あんだ、眠くもなるわなぁ…
……
俺は目の前の男の存在など最早どうでもよく、その場で目をつぶると、意識をまどろみの中に沈める事にした
起きた時は…いや、起きる事はもう無いだろう
あぁ……疲れた…
状況:的場の申し出を断り、居眠りをしはじめる
>148-149 >160-161
>「彩ちゃん。その二匹に、名前を付けて上げたらどうでしょうか?」
鈴木さんがそう言うと、彩ちゃんは困ったような顔をした。と――
>「私、名前付けるの苦手なの・・・・・トラとかクロとかタマとかじゃか、かわいそうだわ。
す、鈴木さんならどんな名前をつける?」
急に、泣きそうな顔になった。慌てて鈴木さんを見ると、彼の傍に一匹の猫が寄っていくところだった。
僕はその光景を、放心したようにして黙って見つめていた。自分にできることはあまり
無いと、思ったからだ。
>「彩ちゃん、泣くのは決して悪い事じゃないと思うんです。私も子供の頃、泣いてばかり居ました。
時々、今でも泣きたくなる事があります。」
鈴木さんが彩ちゃんを優しく諭す。猫と彩ちゃんを抱きしめながら、鈴木さんはそう言っていた。
>「さぁ、ゆっくりで言いから話して下さい。辛くても、私が居るから。」
僕は鈴木さんの前方に歩み寄った。そうしてしゃがみこみ、彩ちゃんを見つめた。
僕もできる限りのことはしてやりたいと、思ったのだ。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:少女と猫を抱きしめている鈴木の傍に近寄り、話を聞こうとしている。
「猫さん待って。違うの、鈴木さんは何にも悪くないの!」
鈴木さんを叩き、仲間を突き飛ばした猫さんを私は慌てて止めた。
鈴木さんはいつもどおりの表情で、怒った様子も無かった。ただ黙って、暴れて自分を叩く猫さんを抱きしめただけだった。
突き飛ばされた猫さんに手を差し伸べ、同じように抱きしめ、それは猫さんが落ち着くまで続いた。
鈴木さんが私に手招きした。
>「もし良かったら、どうして悲しいのか、教えてくれませんか?」
>「それから一緒に名前を考えましょう。ルーとフォード。こんな名前はどうですか?」
私は無言で鈴木さんの顔を見つめ返した。
>「彩ちゃん、泣くのは決して悪い事じゃないと思うんです。私も子供の頃、泣いてばかり居ました。
> 時々、今でも泣きたくなる事があります。」
鈴木さんのなぐさめの言葉は理路整然としていて、的確で、美しく、隙が無い。
猫さん達の手から伝わるものとは全然違う。
例えるなら猫さんの手はママの焼いたホットケーキで、鈴木さんの言葉はショーウィンドウに並んだケーキみたいだ。
綺麗だけど触れる事は出来ない。
でも、今の言葉はちょっとだけ違ってた気がする。
>「さぁ、ゆっくりで言いから話して下さい。辛くても、私が居るから。」
私はなんとなくわかってきた。
売り物のケーキだからって、全然気持ちが篭ってないわけじゃないんだね。
ママの焼いてくれたホットケーキの暖かさとは全然違うけど、これも鈴木さんの本心の一部なんだ。
私は鈴木さんの背に手を回した。
「・・・・・・寂しいの?」
少し落ちついた私は、気恥ずかしくてたまらなくなった。だからわざとぶっきらぼうにたずねた。
「そう言えばルーとフォードって・・・・・・鈴木さん、野球好きなの?」
パパが好きだった巨人の選手ではないと思う。阪神だったかな?
確かそんな名前の野球選手がいたような気がする。
ファンなのかな?それとも、タイガース=トラしまから連想したのかな?
どっちにしても鈴木さんが黄色いメガホンを振り回して六甲おろしを歌ってるところを想像したら、ちょっと気持ちが和らいだ。
「ごめん、驚かせて。ただちょっと家族の事を思い出してただけなの。
生まれるてくるはずだった子供の名前をママと二人でよく考えてたこと考えただけ・・・・・・でも、もういいの」
私は鈴木さんに回した腕を解いて、姫路さんに自分の手を差し出した。
「私は子供だけど、死んじゃった人より生きてる人の方が大事だって事くらいわかるよ。
鈴木さんや姫路さんが子供の私のために心を砕いてくれてるのもわかってる」
周りにはわけの輪から内的も一杯いるのに、それでも二人はこうして私の話を聞いてくれる。
私の要領を得ない話を聞いてくれようとしている。
「ありがとう」
それが、どんな慰めよりも私の心に染みた。
「でも、もういいの。だからもう行こう?皆にもう一度、生きてまた逢いたい」
私は自分を指差し「アヤ」といい、鈴木さんや姫路さんを指してそれぞれ同じ動作を繰り返した。
そして黒猫さんを指差し「ルー」と呼び、虎猫さんに「フォード」と呼んだ。
ちなみに虎猫さんがフォードなのは、デトロイドタイガースにフォードって自動車会社があるから。
>163
ルーとフォードの耳がぴくりと動いた。
「何?二人ともどうしたの?」
鈴木さんや姫路さんも何か気づいたのかな?
私は漠然とした不安を感じながら、この先にある曲がり角をじっと見つめた。
>149
小川に抱き締められていた一匹が暴れるのを止めて、啜り泣きを始める。
必死になって泣くのを堪えていたもう一匹も泣き出してしまった。
まるで子供のような反応だったが仕方が無い事である。
しかし、暫くすると泣き止んでしまった。
煙草の匂いに隠れる、小川の悲しい匂いから母親の匂い連想したのである・・・
>167
>「でも、もういいの。だからもう行こう?皆にもう一度、生きてまた逢いたい」
少女が輪に加わった為に、猫達は落ち着きを取り戻しつつあった。
巣での暮らしは、楽ではなかったが希望の匂いで満ち溢れていた。
皆が少女が何時の日か遣って来る事を信じて、生き延びてきたのである。
それぞれ指差し付きの自己紹介と命名が始まった。
繰り返す内に、フォードと呼ばれた虎猫は嬉しそうに自分を指差したが、
ルーと名付けられた一匹は、フォードを見ようとしなかった。
突き飛ばしてしまった事を悔いているが、どうして良いのか解らないのである。
しかし、曲がり角の向こう側に居る何かに気が付いた二匹は同時に顔を上げた。
耳がピンと立って、じっと何かを見ているのである。
>「何?二人ともどうしたの?」
ルーとフォードは、皆が気が付かない事を不思議に思って、首を傾げただけだった。
>159
>「懲りねぇ奴らだなぁ・・・ったくよぉ!」
フルスイングの直撃を喰らって、モーロックが吹っ飛びながら転がって行く。
>「地面でも喰ってな!この糞ったれ!」
脳震盪を起こした所を鷲掴みにされ、地面に叩き付けられたモーロック。
死ぬ間際に悲鳴を上げ、暫く痙攣すると動かなくなった。
それは仲間を呼び寄せる悲鳴であったが、始まった大虐殺の興奮に支配された仲間たちの耳には届かない。
>「ハッハッハッハ!ミヒャエル様が通るぜ!死にたくなきゃとっとと失せな!」
濃い血の匂いが漂う部屋に踏み込んだミヒャエルが見た物は、
口からウルタールの腕を出すモーロックの姿だった。
飛び出した毛に覆われた腕を頑丈な歯で砕くと、骨が折れる乾いた音が響く。
ごくり、と咽喉を鳴らして腕を飲み込んだモーロックがニヤニヤと笑う。
その奥で、まだ生まれたばかりと思しきウルタール数匹がブルブルと震えていた。
母親は既にモーロックの胃袋の中で、助けようにも助けられない。
子猫を一瞥すると、デザートは最後に、と言わんばかりに数匹がミヒャエルに襲い掛かった。
部屋に入り、目に映った光景に過去の影が重なる。
「・・・俺の記憶が作り物じゃなけりゃ、見せるべきじゃなかったな」
>170
>子猫を一瞥すると、デザートは最後に、と言わんばかりに数匹がミヒャエルに襲い掛かった。
先頭を切って飛び掛って来た化け物の腕が、獲物で遊ぶ様に左腕と胴をかすめ斬り付ける。
「・・・・・・」
2匹、3匹と後に続き、動かない男に斬り付けて行く。
「・・・終いかよ」
男は動じる事も無く、瞬きもせず一言ポツリと呟いただけで岩の様に押し黙っている。
化け物の群れは薄笑いのまま男を取り囲み、じわじわと距離をつめる。
包囲には眼にもくれず、愛らしい柔らかい毛の生き物達へ言葉を投げる。
「悪かったなぁ。遅れちまった。・・・通じねぇか?まぁいいか」
「おめぇらの兄弟は無事だぜ。直ぐに逢わせてやっから、そこで大人しくしてな」
普段を知る者であれば決して見た事の無い様な、哀しげで怒りに満ちた表情に変わる。
「糞共、てめぇらがやっちまったミスは1個だけだ。たった1個な」
1匹に1歩ずつ近付く。
「腹が減ったから喰った。仕方ねぇよな。違う」
更に足を進める。
「俺様に傷をつけた。それがどうしたってんだ。外れだ」
静かに歩を進め1匹の眼前に立つ。
「・・・てめぇらはガキの前で親を殺し、それを俺に見せた」
目の前の獲物に刃を突き刺そうとするが、義手がしっかりと掴みその動きを静止する。
「後悔?させねぇよそんな温い事。恐怖?くれてやらぁ。土産に持ってけや」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: モーロックの集団と衝突
>>154 ライフルをぶっ放した奴は、既に逃げ出し取った。
反撃を受けると思って無かったんじゃろうな。
分校で大宮の爺さん連中に包囲された時も、
ロケット弾を撃ち込まれた時も、ワシ等は逃げ出す他無かった。
予想以上の強敵だったら逃げ出すのが、一番利口なんじゃろうな。
>>156 >「くふふ、おだ穏やかではありまましぇんねえ
おじじ爺さん、いきなりなりぶっパナすとかか困りまりますって
あちららさんも生き生きした肉肉なんですから、ころ殺したら勿体無いでしょうう」
ワシは鼻で笑うと、Judasがこの中国人を見張れ、と言った理由が少し解った気がした。
ま、ここじゃ散々、人外の化けモンを見てきた。
Judasみたいな人間らしい化け物が他に居ても、おかしくは無いんじゃろうな。
>「………」
沈黙に振り返ってみりゃ、どこにも居らん。
代わりに、足下にカードが落ち取る。
拾ったカードを見て、ワシは笑いそうになった。
下手糞な偽名に騙され取ったんじゃな。
「早速、馬脚を出しおったな。どうする?」
ワシはJudasにカードを見せたが、腹を抑えて這いずり回る青山を見て、ニヤニヤ笑っとるだけだった。
あの包帯、どうやら流れ弾を喰らったらしい。
「ま、あのライフル使いと包帯の奇襲には、要注意する必要があるじゃろうな・・・」
だったら、今ここで包帯だけでも片付けちまった方が良いだろう。
ワシは、銃を構えたまま包帯に近づいて行く。
「包帯、お前、一体・・・」
ハンターそっくりの鉤爪に気が付いたワシは、無意識の内に後ずさりをする。
状況:青山の手(鉤爪)に気が付く。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(183)、ワクチン(37)、
>>165 >「ただものじゃ、ないよな?」
男のうちの1人が俺に向けて銃を構えている。
もう1人はどうやら寝てしまっているらしい。
俺は懐から拳銃を引き抜くと、男へ向け銃口を上げた。
「ただものじゃないって?そりゃ〜普通じゃないのは確かだ。」
男へ向け、引き金を引こうとする素振りを見せてゆっくりと笑う。
「おいおい、そんなに早まるなよ?俺はもう少しこの状況を楽しみたいんだ。」
>「ここで何が起こってるか知らないか?生き残りの場所、敵の場所をな」
徐に反対の腕で懐をまさぐる。取り出したのは――
タバコ。
「ここで起こってること?HAHA、あんたは何も知らないらしいな。」
拳銃を男に向けながら、ゆっくりと近づいていく。
「ここはもう、人間の住む場所じゃない。」
引き金を振り絞りながら、男の眼前へ銃口を当てる。
「そして、もう敵も味方もない。」
俺は男の頭目掛けて引き金を引いた。
「・・・HAHA、お前も一服どうだい?」
銃口から吹き出たのはライターの炎。
俺はそいつをタバコに付けると一服し、もう1本のタバコを男に勧めた。
「怪物はあいつらだけじゃない。」
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
状況:男の質問に答える。タバコを勧める
>173
俺は黙って銃口を向けていた。
>「怪物はあいつらだけじゃない。」
いい自己紹介だ。
それにしてもこの怪物は個人で動いているのだろうか?付近に繋がりのある仲間があれば
それは厄介事だ。
俺は悪寒を払拭できないまま、男の差し出した煙草を払いのけた。
「俺は的場浩二だ。ある任務を…いや、任務といえるほど大層なものでもない。
個人的な買い物をしに此処に来ている」
あんたは、と語尾を強くして問いだたした。
警戒心をあらわにしつつ、俺はライフルの先端を男に向け続ける。
状況・キリングを警戒。
場所・研究室
装備・スナイパーライフル(10)、精神安定剤(ベンゾジアゼピン、エビリファイ)
>155>161−162>167
>「・・・・・・寂しいの?」
小川には、決して答える事の出来ない問い掛けだった。
「皆、いってしまったんです。」
そう答えるのが、精一杯だった。
>「そう言えばルーとフォードって・・・・・・鈴木さん、野球好きなの?」
突如、口調が変わってしまった少女に気取られながらも、小川が答える。
「古い友人の名前なんです。とても良い子でした。
猫みたいにすばしっこくて、足音も無く歩く子供だった。」
なぁ、ルー。
俺は、お前を一人前に育ててやろうとしたんだ。
あの世界で生き残れるように、俺が持てる殺しの技能を叩き込んでやった。
けれども、あのイリジウム鉱山がお前の墓標になってしまったな。
>「ごめん、驚かせて。ただちょっと家族の事を思い出してただけなの。
生まれるてくるはずだった子供の名前をママと二人でよく考えてたこと考えただけ・・・・・・でも、もういいの」
小川は、黙って耳を傾ける。
>「私は子供だけど、死んじゃった人より生きてる人の方が大事だって事くらいわかるよ。
鈴木さんや姫路さんが子供の私のために心を砕いてくれてるのもわかってる」
「私も時々、死んでしまった人々の事を考える事があります。」
死んでしまった人々。俺が殺したあの女。
>「ありがとう」
「もし良かったら、また話を聞かせて下さい。」
大切なのは、理解しようと努力する事で、何かを押し付ける事ではない。
多くの人間は、理解されたくて、他人と関わろうとしている。
他人を信じられない人間だけが、闇の奥から世界を眺めている。
>「でも、もういいの。だからもう行こう?皆にもう一度、生きてまた逢いたい」
「ええ、先に進みましょう。姫路さん、有難うございます。」
彼のように理解を示してくれる人間が居るのは、ありがたい。
そして改めて自己紹介が始まる。
それぞれを指差しする少女の姿は、微笑ましい。
その間に素早く、携帯電話をチェックする。
有谷の番号が着信履歴に残っているが、電話すべきかどうか、迷っていた。
さて、電話を返すべきか?
考え込んでいると、何やら困ったように俯いているルーの姿が目に入った。
フォードに合わせる顔が無い、と思っているのだろう。
使用済み手榴弾の安全ピンが残っていたので、防寒着のウエストの絞りの紐と組み合わせて、
即席のネックレスを作り、ルーに渡した。
渡す時にフォードに貰ったネックレスと、手榴弾のリングのネックレスを交互に見る。
要するにネックレスを渡して、仲直りしたらどうだ、と言う事だ。
ルーが受け取った瞬間、二匹の耳がピンと動いた。
そのまま少女を守るように、曲がり角をじっと見ている。
>「何?二人ともどうしたの?」
>163
小川は口元に人差し指当て、喋らないようにサインを出す。
即席のハンドサインで、姫路に後方を見張るように指示を出し、足音一つ立てずに曲がり角を目指す。
水溜まりや瓦礫の積み重なった障害物を蛇のように蛇行しながら、滑らかに進む。
手にしているのは、拳銃でなく自動小銃だ。
曲がり角の先に何が居るか解らない以上、最大限の火力を発揮した方が良い。
映画だったら曲がり角からそのまま壁の向こう側に突如身を躍らせる所だが、これは現実だ。
滑らかな動きで、右手から左手に銃を持ち替え、小銃一丁分のスペースを空けて、曲がり角手前の壁に向い合う。
そのまま左膝を着き、右足は真っ直ぐ伸ばしたまま、上体を傾け、小銃と目から上だけを壁から突き出す。
繰り返された訓練の結果、僅か一秒にも満たない時間で、必要最小限の部分のみを敵に晒し、
己自身は、曲がり角の向こう側に居る敵に狙いを定める事が出来る訳だ。
壁の向こう側に居たのは、異形の仮面を着けたヒト型の生物だった。
「動くな。」
早い話が、ガスマスクを装着した完全武装の人間だった。
震える手でカラシニコフを持った男は、その場にしゃがみ込んでいるだけだった。
「意識があれば答え下さい。貴方は一体、何者ですか?目的は?」
こいつが有谷が言っていたゲームのプレイヤーなのだろうか。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:セルゲイに銃を突きつける。
>>174 相手は警戒を解く素振りを見せない。
どうやら、俺の”ジョーク”がお気に召さなかったようだ。
俺は拗ねた子供のような顔で、男の顔を覗き込んだ。
>「俺は的場浩二だ。ある任務を…いや、任務といえるほど大層なものでもない。
> 個人的な買い物をしに此処に来ている」
「HAHA……ジョークはお気に召さないようだな。で……俺の目的か?
そんなもんはない。俺にあるのは、”楽しみ”だけだ。
この世界を狂わすジョークさえあれば、俺はそれでいい。」
眠りこけた男の前に座り込むと、俺は男の髪を撫でながら
もう1人の男へ顔を向けた。
「こいつもあんたの仲間かい?随分とシリアスな表情だ。
ここでの出来事に精魂尽きちまったか?HAHA……絶望に近い素晴らしい顔をしてやがる。
俺はなぁ……世界を変えたいのさ。その為に、ここにいる。
ウイルスが蔓延した世界、俺はその滅び行く世界を眺めながら丘の上で射精するんだ。
・・・ジョークだよ。今のはな。
で、あんたの買い物ってのはなんだい?興味があるねぇ・・・」
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
状況:男の質問に答えつつ、大森の顔を覗き込む
>171
突然現れた生き物は、恐怖に足を竦めて動かないように思えた。
これなら簡単に殺せそうだ。
どれだけ痛みに耐えられるか確認するように、一匹ずつ襲い掛かる。
獲物は、膝を着く事も無ければ、痛みに叫ぶ事も無かった。
>「・・・終いかよ」
ミヒャエルの口から漏れたのは、吹き荒ぶ北極の風のように冷たい声だ。
改めて踏み出した一歩に、モーロック達の表情が変わる。
>「腹が減ったから喰った。仕方ねぇよな。違う」
男が踏み出した一歩に対して、モーロックは三歩下がった。
>「俺様に傷をつけた。それがどうしたってんだ。外れだ」
一歩踏み出すたびに、モーロックは後退する。
>「・・・てめぇらはガキの前で親を殺し、それを俺に見せた」
気圧されるように下がるが、モーロック達の後ろにあるのは、壁だけだった。
これ以上、下がる事は出来ない。
>「後悔?させねぇよそんな温い事。恐怖?くれてやらぁ。土産に持ってけや」
恐怖が、臨界点に達する。
襲い掛かろうとするが、義手に捕まれた一匹は身動きが取れなくなっている。
残りの2匹は、雄叫びを上げた。
ここにもっと上手そうな生き物が居ると、仲間たちに嘘の叫び声を聞かせた。
それに呼応するように、モーロックの群れが、ミヒャエルの居る部屋を目指して、大移動を開始し始めた。
>124>142
モーロックの群れは、アドバンスドと千堂が居る大広間まで迫っていた。
まるで沈む寸前のタイタニック号の混乱を思わせる光景だ。
100匹単位でモーロックが走り回っているのだ。
中には興奮のあまり、アドバンスドに襲い掛かろうとする者まで居た。
アドバンスドは、ダメージを気にせずにモーロックの群れをなぎ倒すが、
千堂では、そうもいかないだろう。
このパニックの中ではマトモに戦う事は難しいだろうが、混乱に乗じて逃げ出すことは出来そうだ。、
>177
やれやれ、厄介な奴と出くわした、と俺は思った。
こいつの言っていることは本気らしい。この状況を楽しんでいるような
酔狂な輩がこの村にいるとは驚いた。
>「こいつもあんたの仲間かい?随分とシリアスな表情だ。
少年の小さな頭を撫でながら、怪物は尋ねてきた。
違う、というように俺は首を振ると、ライフルを下ろし机に腰掛けた。
>「俺はなぁ……世界を変えたいのさ。その為に、ここにいる。
>ウイルスが蔓延した世界、俺はその滅び行く世界を眺めながら丘の上で射精するんだ。
>・・・ジョークだよ。今のはな。」
「射精か」と俺は無駄に生真面目な表情で呟く。
目の前で人がゾンビに豹変する。そしてその視覚衝撃によって世界を見る目を
変えられてしまう人間が、どれほどいるだろう?
これは一例に過ぎず、この状況下には、そんなおぞましい、世界を変える異形が
沢山ある。
そこでこの男は射精するんだな、と俺は思った。それは牧歌的な情景を想起させた。
>で、あんたの買い物ってのはなんだい?興味があるねぇ・・・」
「人探しさ」と俺は言った。
ポケットから6,7歳の女の子の写真を取り出し、怪物の近くの机に放った。
幼い黒髪の少女がうつむきがちに、こちらを見ている写真。
かつてこの女は俺が殺した。生きたまま拘束し、電動のこで頭蓋骨を抉って
剥き出しになったうごめく脳味噌に射精したのだ。
所要時間は20分、ざっと2000万円の出費だった。
「実はこの少女を探している。鈴木という男と一緒だと聞いたんだが、
お前さん何か知らないか?」
状況・キリングに少女の写真を見せる。
場所・研究室
装備・スナイパーライフル(10)、精神安定剤(ベンゾジアゼピン、エビリファイ) 、写真
何か頭を触られて、はっとなって目が覚めた
あぁ
何だまた化け物か
もういいわ、化け物何か何匹出てきても
俺はとりあえずもう化け物もそれに向かって何か言ってる変な男も無視すると、入り口へ向かった
帰ろう
死ぬんなら死ぬんだから、見たく無い物見ない事にして
聞きたく無い事無視して、帰り道だけあるこう
そうすれば、何も考えずに死ねるだろ
うん、もしかしたら帰れるし
よし、帰ろう
そうだ、景気づけに歌を歌おう
帰宅部マーチがいい、俺の自作の曲だ
ほら、あの、高木が大爆笑した
「きたくぅ……ー……きたくぅ…おーれはかえるー……じたくへかえるぅあぁきたく……」
呟くように歌いながら、俺は歩く
よたよたよたよたと、ゾンビの様に…
状況:変な歌を歌いながら、キリング等を無視してどこへともなくふらふら歩き出す
>176
>「動くな。」
悪夢と現実が入り交じった白昼夢の中で、男の声が聞こえたような気がした。
焦点の定まらぬ瞳を声が聞こえた方に向けると、廊下にいた男が曲がり角から最低限身体を
露出させて、手にしたFALの銃口をしっかりと此方に定めていた。悪夢にうなされ判断力が低
下していたセルゲイだったが、大口径バトルライフルがどのようなものかは忘れてはいない。
レベルVの抗弾能力のあるボディアーマーでなければ重傷は免れられない代物だ。今回の
任務では被っているヘルメット以外の防弾装備は身に付けていない。尤もこのヘルメットでは
308NATO弾を防げないが。良くて至近距離から発砲される拳銃弾程度だ。
>「意識があれば答え下さい。貴方は一体、何者ですか?目的は?」
「少し待ってくれ…」
日本語でそう答え、酷く震える手を挙げてFALの銃口を制し、バットパックのFAキットから常用
している精神安定剤を取り出す。投げ捨てるようにヘルメットとガスマスクを脱ぎ、錠剤を口に
放り込んで水筒の水で流し込む。暫く過呼吸気味の荒い息遣いが続いたが、薬が効いてくるに
つれて呼吸も緩やかになり、額に浮かんでいた脂汗も引いていった。
ようやく落ち着いた所で男に向き直る。
「見ての通りさ。観光客には見えないだろう?目的は…そうだな、忘れ物を取りに来ただけだ」
トラウマによって思いがけない危機的状況に陥ってしまったが、落ち着きを取り戻したセルゲイは
極めて冷静で、男を観察するだけの余裕が生まれていた。
男は小柄だが大型のFALを構える姿は様になっている。厳しい訓練を受けた証拠だ。それに目付きは
熟練した兵士のそれである。何度も死線を潜り抜け、何人もの人間を殺してきたに違いない。
全く隙がなかった。下手に動けば、彼は躊躇なく引き金を引くだろう。
「まぁ、こんな所に用がある時点で特殊な事情があるのは察して欲しいな」
AKはスリングベルトで身体の前に吊り下げたままゆっくりと立ち上がる。両手はヘルメットと
ガスマスクで塞がっていたが、一応頭の上に挙げておく。
「私の望みは生きて帰る事だけだ。あなた方と争うつもりは毛頭ない」
そう言ってはみたものの、相手が銃口を下ろしてくれるかは分からない。これは賭けだ。
「信じる信じないは其方の勝手だ。だが、普通の人間の心理としては、化け物の巣窟でわざわざ
同じ人間同士で争いたくはないものだ。これが映画だったら、取り敢えずは協力するべきだろうな」
しかし現実は映画ほど上手くいくとは限らない。スクリーンの中の英雄ならば、一人の犠牲も
出さずにテロリストをやっつけられるだろう。だが自分は違った。目の前で大勢の子供を殺された。
おまけに何発もの7.62×39mm弾を浴びせられ、内臓の一部を吹っ飛ばされて死に掛けた。
「出来れば穏便に済ませてくれると嬉しいんだがね」
肩を竦めてみせると、ヘルメットとガスマスクを付け直し、男の回答を待った。
持ち物:AK103カスタム(30+1)+GP30グレネードランチャー(1)、MP446バイキング(17+1)、
RGD-6手榴弾×6、VOG25高性能炸薬榴弾×10、AKマガジン×12、拳銃用マガジン×6、
バヨネット、謎のサンプルケース、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:取り敢えずの協力を申し出る
>>179 >「実はこの少女を探している。鈴木という男と一緒だと聞いたんだが、
>お前さん何か知らないか?」
目の前に置かれた写真。そこには少女が写っていた。
可愛いな。食べちゃいたいくらいに。
俺は顔からこぼれる笑みを隠そうともせず写真を拾い上げた。
「あ〜あぁ。知ってる……ような。知らないような。HAHA……うんうん。
しかしまぁ…美味しそうな女の子だこと。」
「どうだい、俺と組まないか?手を貸してやるよ。」
俺は写真を掲げたまま、もう1人の男へ近づいて行く。
>>180 >「きたくぅ……ー……きたくぅ…おーれはかえるー……じたくへかえるぅあぁきたく……」
逃げようとする男の頭髪を鷲掴みにして、引っ張り上げる。
「HAHA……アヒヒィアーハハハハハハハハハハハ!!!!」
男の反応など気にせず、俺は言葉を続ける。
「どうした?目が覚めたかい、BOY。
いくら現実から逃げようたってそうはいかねぇ。
これが現実なんだよ。血のにおい、ワケの分からない怪物。
そして、あんた自身。いくら現実から目を背けたって、逃げ場なんてねぇ。」
男の顔を自分の裂けた口にグイ、と引き寄せ俺は囁いた。
「あんたがこの世界から助かる方法が…そうだなぁ。
1つだけある。そう、たった1つだけだ。フフ、フヒヒヒヒ。
あんた自身が狂っちまえばいい。あんた自身が邪魔者を殺せばいい。
そう、あんたが怪物になればいいんだ。そうすれば、この悪夢は終わる。」
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
状況:男に協力?を申し出ながら、大森に尋問
>181
返事は流暢な日本語だった。
そして、吐き出された言葉は、コンディションを雄弁に物語っている。
>「少し待ってくれ…」
男は、震える手で腰の部分に括り付けられたポーチから錠剤を取り出し、水筒の水で流し込み始める。
興味深いのは、荒い息遣い、額に滲む脂汗、震える手と言った症状だ。
時折目を動かし、男の背後に何かが潜んでいないか、警戒を続ける。
(過剰な驚愕反応?顔の傷から判断するにPTSD?癇癪持ちでなければ、助かる・・・んだけどな。)
不眠症、集中力の低下、過剰な恐怖心、癇癪や苛々、そして目の前の男が見せた過剰な驚愕反応。
この内、二つ以上が当て嵌まれば、アメリカ精神医学界の基準では、PTSDに認定される。
言い換えれば、PTSDに該当する人物は、上記の症状を持っている事になる。
無論、自分自身、若しくは他者が生命に関わる重症を負ったり、死亡するような事件に遭遇したり、
フラッシュバックと呼ばれる追体験や、トラウマに関わる事象を必死に避けようとする、と言った条件も必要になる。
小川はトラウマの原因こそ把握していないが、セルゲイが経験した事件は、典型的なPTSDの原因なのだ。
何よりも、戦場と言う場所は、PTSDの原因になりがちな事象、即ち死に満ち溢れている。
錠剤の効き目は、思ったより早かった。
>「見ての通りさ。観光客には見えないだろう?目的は…そうだな、忘れ物を取りに来ただけだ」
症状が緩和された男を改めて観察する。
錠剤の効き目が現れた今、男は充分過ぎる程、危険な存在であるのが解った。
冷徹な爬虫類の精神を持った、脅威に対する冷静な見積もりの出来る僅かな人々なら、気付くかもしれない。
そして、顔に刻まれた大きな傷に理由を見出そうとするだろう。
だが、本当に違和感を感じさせるのは、その下地となっている顔である。
醜い、と言う訳ではない。
異様なのだ。
精神を押し潰すようなプレッシャーに晒されながら、限界まで体を酷使するアスリートのみが持つ顔。
だが、アスリートと違い勝利の栄光が無い。
上手く隠す人間も居れば、隠さない人間も居る。
>「まぁ、こんな所に用がある時点で特殊な事情があるのは察して欲しいな」
両手を上げた男は、ロシア軍の特殊部隊を思わせる装備に身を包んでいた。
大量の弾薬を収納できるベストに、大量の手榴弾を携帯できるベルトキット。
全てが過剰であり、ロシア的だ。
学校占拠事件に、テロリストだけでなく人質まで纏めて吹っ飛ばすロケットランチャーを使用するお国柄、と言う訳だ。
>「信じる信じないは其方の勝手だ。だが、普通の人間の心理としては、化け物の巣窟でわざわざ
同じ人間同士で争いたくはないものだ。これが映画だったら、取り敢えずは協力するべきだろうな」
「失礼。ここ数年、映画は見ていないものでして。」
小川が銃を突きつけたまま、ゆっくりと後退する。
>「出来れば穏便に済ませてくれると嬉しいんだがね」
小川は溜息を吐くと、銃を下ろした。
「いきなり銃を突きつけた非礼は、勘弁して頂きたい。」
油断無く、充分な距離を取ったまま、小川が言った。
「私は鈴木准尉。陸上自衛隊に所属。丁度、脱出ルートを捜索している所でしてね。」
村が自衛隊に包囲されている事をセルゲイが知っていれば、小川は特殊な事情を持っている事を察するだろう。
自衛隊が採用していない武装に、迷彩服でも軍服でも無いスーツ姿。
相手がプロなら、匂わすだけで充分だ。
「まだお名前をお聞きしていませんでしたね。何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
名前でなく、どう呼べばよいのか、と聞くのは、お互いの素性の探り合いは止めよう、という事だ。
お互いに共有出来る理由がある限り、共闘しようと申し出ているのである。
「良ければ、あちらのお二人と・・・二匹にも聞こえるように。」
猫の次は、得体の知れない人間と自己紹介。
頭が混乱しそうだが、受け入れる他無い。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:銃を下ろし、自己紹介をする。
僕は囚人の一人と檻越しにトランプをしていた。
ジョーカー2枚のババ抜きと、ポーカーだ。
何枚か欠けたカードのおかげで、ゲームは円滑に進んだとはいえなかった。
いずれも相手に勝たれて、僕は溜息を飲み込んだ。そしてコーラを飲み干す。
携帯電話の着信を確認し、熊桐生に電話を掛ける。
あいつは躊躇しているのだ、と僕は思う。
前例はいくらでもあった。何せ人を殺すのだから、よほど鈍感な温室育ちの人間か、
屈強な精神の持ち主にしかその罪悪は耐えられないのだろう。
僕は囚人に礼を示すように手を振ると、牢獄をあとにした。
「このゲームから降ろしてくれ」と熊桐生はいった。
誰もそうすることなどできない。一度契約したが最後、標的を殺すまで自分の義務を
遂行するしかない。たとえ逃げ出しても追っ手がそれを許さないだろう。
その旨を説明し終えると、熊桐生は酷く疲弊しきった、しゃがれた声で溜息を吐き、
僕との電話を切った。
傘者の暗部は計り知れない、と僕は思う。
暗部のなかの疼きの底に、また別の闇がうねっているのだ。
この支部の行いも、公式に傘社に認められているわけではない。
一部の富豪の興じる道楽でしかない。
僕は2階への階段をあがり、見張りの男に軽い挨拶をすると、
自室に閉じこもりテレビのスイッチを入れる。
液晶テレビには傘のスペンサービルの映像が流れている。
直立した鉄塔。黒鉛が立ち上り、それはまるで幾千人もの死者達の墓標のようだ。
暗部があるのだ、と僕は思った。
居所など知っているわけがないのだ、と俺は思った。
どうやら、この男はいい加減すぎて信用できたものではない。
いつ気まぐれを起こして裏切ってくるかわからない。
そういう危険性を見た目どおりに孕んでいる。
俺が睨めつけていると、怪物は少年にちょっかいをだしはじめた。
今はこいつを観察すべきときだろう。俺は両腕を頭に回して、椅子に腰掛けた。
「精神安定剤ならあるが・・・役にたたなそうか」
誰にともなく声を掛けてみる。
俺は自分が殺した少女のことを考え、何故か胸が痛んでいた。
もともと、俺は若い頃から異性に興味がなかった。
何度か交際した経験はあったが、いずれも時間の無駄としか思えなかったのだ。
そんな俺でも20代までは永遠の愛や結婚を夢見て、それがひとつの人生の指針にすらなっていた。
そしていつのまにかただの自己愛に変わってしまっていた。
俺が誰かと共有した思い出で唯一残っているのは、この殺人だけだ。
大人しくて、きっと、おそらく礼儀正しい良い子だった。
人の未来を奪うというのは、とても恍惚とした気分になれる。
幸せに暮らす少女の様子を悠久を思うように想像し、俺は丘の上で射精・・・はしない。
「別に急がなくてもいい。ゆっくり療養すればいい」
俺は怪物野郎に錠剤を放った。
少年は重症らしく、どうやら説得には時間がかかりそうだ。
安定剤も服用してからすぐ効果を発揮するか、俺は覚えていない。
「おい、さっきの協力の話だが・・・ぐあっ?!」
突然、視界が真っ白になる。閃光手榴弾でも投げ込まれたのか?
いや、そうか。そうだ。またこの『夢』だ。
俺は幾度となくこのフラッシュバックに逢ってきた。突然視界が遮断され、
過去の状況が脳裏に再生される。
俺は実験場のなかで、すさまじい叫び声をあげていた。
何人もの医師に取り囲まれ、人間のものとは思えないけたたましい絶叫に
支配されていた。白衣を着た彼らは興味のなさそうな顔でこちらを見つめ、
俺は全身を使ってその場でのたうっていた。
俺はようやっとその光のなかの記憶から解放されると、大量に噴出した脂汗をぬぐった。
俺が傘社主催のゲームに参加し始めたのは、このフラッシュバックを
見るようになった頃からだった。
この白昼夢が頭を駆け巡った途端、殺人を起こさなくてはいられなくなる。
俺は自分が殺してきた連中と、ひとつになりたかった。
電気のこ、拳銃、硫酸という装置を持ってして人間という存在の根本に手を伸ばし、
そのなかの神秘と融合することで神のような存在になりたかった。
そんな衝動を呼び起こさせるのが、さきの過去の映像だ。
あの全てを飲み込もうとする叫び声は、俺の存在に根を下ろし、常に揺さぶりかけてきた。
誰かとひとつになれ。さまなければ死んでしまえ。お前など、死んでしまえ、と。
まるで触手が血管に変貌して体中に張りめぐらされていくように、俺の体内は閃光とそのなかの
記憶に支配されているようだった。まるでウィルスだ。と俺は思いつつ、
おかしくなっていた少年に襲いかかった。スナイパーライフルを鉄棒のように振り回して、
顔面を殴打した。直撃かは気が動転していて、よくわからない。
装備・スナイパーライフル(10発)ベンゾジアゼピン、エビリファイ錠
少女の写真
状況・大森に襲い掛かる。
>>182 何か髪を掴まれた
あぁ、化け物か
いいよ…俺お前と話したくないよ
何か笑ってるし…
んでもこの笑いは何かアレだなぁ…自分が怖いの無理に隠してる感じのヤケクソの…
…こいつ弱いんだな、多分
少なくともあの幹部怪人なんかよりずーっと
>「そして、あんた自身。いくら現実から目を背けたって、逃げ場なんてねぇ。」
何だこいつ?生意気に俺に人生だ何だ自慢したいのか?そうとう弱いお心の持ち主何だな…
あるんだよ、逃げ場は
お前等には死ぬまで教えないが裏技的な逃げ場が一つな…
何故お前等はあそこから逃げないってのがしっかり一つだけあるんだよ
ヴァーカ三下ー、雑魚かいじーん
さっさとヒーローに倒されれ
無表情で腹の中で三下怪人を笑う俺の心を知らず、怪人は俺をビビラせる気満々で俺の顔を自分の顔面に近づける
>「あんたがこの世界から助かる方法が…そうだなぁ。
>1つだけある。そう、たった1つだけだ。フフ、フヒヒヒヒ。
>あんた自身が狂っちまえばいい。あんた自身が邪魔者を殺せばいい。
>そう、あんたが怪物になればいいんだ。そうすれば、この悪夢は終わる。」
………ぇ?
何こいつ、ちょ、俺も改造人間にするつもりか?
いや今更別にいいけど人に迷惑かけんのはちょっとなぁ…
…何か、一度諦めると回りの事がよく見えて来すぎて…これ俺が今腹の中で考えてた事この怪人知ったらすさまじく怒って俺即死だろうなぁ…
後頭部に鈍痛を感じた
殴られた…あの俺の後ろに座ってたライフル持った男だ
何だ?俺笑ってたか?
いっつ…星が、星が散って…
目の前が暗く……
死?
あぁ…死ぬ…死…
状況・頭蓋骨骨折、頭部損傷、脳内出血、死亡寸前
>176 >181 >183
鈴木さんは口元に人差し指当て、喋らないようにとサインを出す。
私は頷き、ルー達に「静かにしててね」と身振り手振りで伝えようとしていた。
その後は一歩も動かずじっとしていた。
だって仕方ない。どんなにがんばってもルー達や鈴木さんみたいに足音消せないから。
鈴木さんは変わった姿勢で壁の向こう側に居る誰かを銃で威嚇した。
>「意識があれば答え下さい。貴方は一体、何者ですか?目的は?」
喋れるってことは、向こう側にいる生き物は人らしい形をしているんだろうね。
>「少し待ってくれ…」
良かった、人間だ!それと男の人みたいだ。
でも鈴木さんは警戒を解いてない。そうだね、人間だからって味方とは限らない。
村から誰も逃げ出せないように封鎖しているのも、ミサイルで村の皆を消し去ろうとしてるのも怪物じゃないもの。
まあ、思っていても口に出したりはしないけど。
鈴木さんは何度目かのやり取りの後、ようやく銃を下ろした。
>「私は鈴木准尉。陸上自衛隊に所属。丁度、脱出ルートを捜索している所でしてね。」
私は抜き足差し足で鈴木さんに近寄り、彼の背後からそっと顔を出してみた。
相手の男性はヘルメットとガスマスクみたいなものを着けていた。
まるで外国映画に出てくる軍人さんみたいだ。
>「まだお名前をお聞きしていませんでしたね。何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
私も聞きたいので、また少し鈴木さんの背中から身を乗り出した。
>「良ければ、あちらのお二人と・・・二匹にも聞こえるように。」
え?と思って振り向くと、私のすぐ後ろにはルーとフォードが立っていた。
「あっ!ダメ、撃たないで!!」
私は慌ててルー達を庇うように彼らと軍人さんの間に割り込んだ。
「この子達は悪い子じゃないの。私の友達なの!!」
私は必死で説明しながら、背中ではルー達を押しまくっていた。
何とか銃弾が届かない場所まで下がらせようと必死だったから。
「私は森村彩よ。この子達はルーとフォード。おじさんの名前は?」
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:自己紹介
>183
>「私は鈴木准尉。陸上自衛隊に所属。丁度、脱出ルートを捜索している所でしてね。」
ガスマスクのレンズ越し鈴木の目を見据える。お互いに詮索は無用という事か。
まあ、それは願ってもいない事だ。此方としても回収したサンプルを送り届けさえ出来れば。
今の我々に馴れ合いは必要ない。
>「まだお名前をお聞きしていませんでしたね。何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
あくまでも便宜上、どう呼べば良いのかという事だけを鈴木は聞いている。
別に名前を呼び合う事で親密になろうという訳ではない。そうでなければ不便だからだ。
「私の名前は…」
そう言い掛けたところでセルゲイの言葉が急に詰まる。
>187
>「あっ!ダメ、撃たないで!!」
鈴木の後ろから身を乗り出す少女が、あの少女の姿と重なる。
二人は似ても似つかない。この女の子は黒髪黒目で、あの娘は金髪緑眼だった。
ただ、二人とも人形のように可愛いというのは共通している。
>「私は森村彩よ。この子達はルーとフォード。おじさんの名前は?」
何処か怯えたような、窺うような、子供特有の表情で少女は二匹の猫を庇いながら名乗る。
猫か。
そう言えばあの娘も猫が好きだった。せがまれて買ってあげたロシアンブルーの血統書付き
仔猫をとても可愛がっていた。あの猫は安月給の兵士にとっては高すぎた。お陰で暫くの間は
同僚に酒代をたからねばならなかった。危険と常に隣り合わせのFSBの隊員といえども
決して高給取りではない。特殊部隊で長年国家の為に命を懸けてきた素晴らしい男たちの
退役後の生活は驚くほど惨めな場合が多い。だから近年では給料の良いPOに転職する者もいる。
かく言う自分もS社と契約する傭兵だ。
尤も、幾ら高額な給料を貰っても、もう猫をせがむあの娘はいないが。虚しさだけが貯まる一方だ。
子供を目の前にしても先ほどのようなフラッシュバックはなかった。服用したばかりの薬の効果も
あるのだろうが、多分それだけではないだろう。今はそう思いたい。
「……セルゲイだ」
ぶっきら棒にそう答える。無愛想なのは生来からなので仕方がない。
「それで、これからどうする?」
鈴木の方に向き直る。今の自分は脱出ルートが全く分からない。ここまで来るのに使った
ルートはさっきの騒動で崩れてしまっていたので、別のルートを探しているところを鈴木たちと
遭遇したのだ。鈴木の先程の口ぶりから察するに、自分よりは脱出ルートの目当てがついている
のだろう。今は鈴木が情報を掌握している。従う他はなさそうだ。
持ち物:AK103カスタム(30+1)+GP30グレネードランチャー(1)、MP446バイキング(17+1)、
RGD-6手榴弾×6、VOG25高性能炸薬榴弾×10、AKマガジン×12、拳銃用マガジン×6、
バヨネット、謎のサンプルケース、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:自己紹介、鈴木に指示を求める
>183>187>188
小川から受け取ったネックレスとフォードを交互に見るルー。
決意を固めたらしく、フォードの方へと歩き出す。
ルーを見たフォードは、ちょっぴり困ったような顔をする。
差し出されたネックレスを見て、フォードが要らないよ、と大きく尻尾を振る。
その尻尾を見て、ルーの尻尾がふにゃりと垂れ下がった。
結局、フォードはネックレスを受け取り、受け取ったネックレスを自分の首とルーの首に掛けた。
食料や物が不足している地下実験場内では、分かち合う事が感謝と言う文化が生まれているのである。
ルーとフォードは、ボディランゲージで意思疎通を図る少女を見ていなかった。
身動き一つせず、曲がり角で奇妙な格好でしゃがみ込んでいる小川を見ているだけだった。
ピンと伸びた耳だけが、時折ピクピク注意深く動いている。
>「少し待ってくれ…」
>「私は鈴木准尉。陸上自衛隊に所属。丁度、脱出ルートを捜索している所でしてね。」
足音を立てずに歩き始めた少女の後に続いて、ルーとフォードも歩き出す。
2匹で一つのネックレスをしているので、片方が歩けば、もう片方も歩かざるを得ないのだ。
小川の声には、警戒のトーンが感じられる。
二人は喧嘩していたのかな?とフォードが考えた。
>「良ければ、あちらのお二人と・・・二匹にも聞こえるように。」
突如振り返った少女にびっくりしながらも、興味深そうにセルゲイを眺めていた。
>「この子達は悪い子じゃないの。私の友達なの!!」
背中を押され、物陰に隠そうとする少女の気持ちなど関係無しに、首を回してセルゲイを見たままだ。
>「私は森村彩よ。この子達はルーとフォード。おじさんの名前は?」
森村彩、と言う言葉に反応して、2匹が少女を指差す。
2匹の名前が呼ばれると、それぞれお互いを指差した。
たった一度の会話で、完璧に人間の言葉を理解出来るようになっていた。
>「……セルゲイだ」
ガスマスク姿の男が名乗ると、2匹の腕がセルゲイに向けられる。
フォードが何か思いついたように、首に掛けていた手榴弾の安全ピンのネックレスを外した。
ルーも抵抗しなかった。
フォードが素早くセルゲイの体を攀じ登り、振り払うより早くネックレスを掛けたのである。
2メートル近い頭からジャンプし、華麗に着地を決めたフォードは、得意げである。
ルーとフォードは、小川とセルゲイを交互に指差している。
仲直りするように、と身振り手振りで伝えているのだ。
これで小川とセルゲイが仲直りできるかな、と思いながら、少女の両脇に立った2匹が
嬉しそうに二人を見ていた。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:セルゲイと小川が仲違いしたと思い込み、仲直りするようにセルゲイの首にネックレスを掛ける。
>>185 >俺は怪物野郎に錠剤を放った。
「ウフ……ウヒヒヒヒヒ……アーハハハ……アァ」
俺に薬をくれるなんてなんて奇特な奴なんだろう。
俺はうれしくなって、大声をあげて笑った。
「お前、いい奴だなぁ。俺みたいな屑に薬をくれるなんて。」
>「おい、さっきの協力の話だが・・・ぐあっ?!」
だが、男の様子はどうも面白い。
急に意識が変わってしまったかのように、あの少年へ向かいながら
銃を振り回し襲いかかっていく。
俺はその様子を、まるで映画を楽しむ少年のような眼差しで見ていた。
今にも射精しそうなその光景。たまらず俺は彼に拍手を送った。
「……なぁ〜んだ。あんたも”こっち側”の人間だったんだなぁ…水臭いぜ。
それならそれと、言ってくれればいいのにさ。」
俺は狂気に歪む男の耳元で、囁いた。
「俺があんたに言った”怪物”ってのは……俺自身のことじゃないのさ。
あんたやそこのガキ。あんた等が……バ ケ モ ノだってことを言ったんだ。
人間なんてもんはそう、全員バケモノさ。」
俺は男に囁くついでに、血を流し倒れている少年の血液をケースに
入っていた試験管で採取した。
俺の趣味の1つ。血液採集だ。
集めてる理由?
こんなウイルスが蔓延してる場所で、こいつらが何かに取りかれてたとしても
おかしくないからさ。
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:的場の行動に歓喜、気付かれないように血液を採取
俺ははっとして、振り上げられたスナイパーライフルを見つめた。
いつの間にか正気を失っていたようだ。
耳元で囁きかけてきた男の声は明らかな狂気を滲ませていた。
俺は背筋に流れる冷たい汗と、衝動から解放された途端の立眩みを払拭しながら、
目の前に倒れている少年の首筋に手をあてがった。
どうやら微かだが、脈はあるようだ。どういう状況だ、これは。
「くそ・・・今見たことは」
誰にも言うな、と言い掛けたところで、口の裂けた狂人はしゃがみ込んだ。
律儀にも少年から血液を採取している。感染の取調べなのか、単なる変態趣味なのか
俺にはわからない。
俺は少し呆然としながら、その場に立ち尽くして二人を見ていた。
この場でこの餓鬼を殺してしまっても構わないかも知れないな、と思った。
>「俺があんたに言った”怪物”ってのは……俺自身のことじゃないのさ。
>あんたやそこのガキ。あんた等が……バ ケ モ ノだってことを言ったんだ。
>人間なんてもんはそう、全員バケモノさ。」
「そうだな、それにこんな状況だ。一番恐ろしいのは人間だ」
俺は自分の言葉のありきたりさに少し笑いながら、スナイパーライフルを構え
残弾を確認した。
「いいだろう。協力しあおうじゃないか。ただし妙な真似はするなよ、見てるからな」
で、その試験管は?」
状況・大森の生存を確認、キリングに協力を持ちかける
装備品・スナイパーライフル、写真
さ…寒い…
体が…体が重い…何も考える力が…力がわかない
あぁ…誰か…誰か助けてくれ…
重い…頭が重い…
目蓋が重い…
そうだ、俺はどうしたんだ?
俺は今どうなっているんだ?
暗い…意識が…朦朧として…
重い…頭が…
状況:ぴくぴくと体のあちこちが痙攣
>187−189
>「私の名前は…」
セルゲイの視線が小川の背後へと動く。
>「あっ!ダメ、撃たないで!!」
突如、耳元で発せられた大声に、小川が眉を顰める。
>「この子達は悪い子じゃないの。私の友達なの!!」
必死に背中を押す少女に対して、猫達は好奇心を隠せずにじっと見ている。
もし、ここが地獄の底で無ければ、微笑ましい光景と言えただろう。
しかし、ここは地獄の底で、それ故に見る者に強烈な何かを与える光景だった。
護るべき存在を、失われてしまった喜びを思い出させる光景。
>「……セルゲイだ」
男は、それだけ名乗ると口を閉じてしまった。
>「それで、これからどうする?」
寡黙にして機械的な反応だった。
もし、彼がガスマスクを外していれば、小川はセルゲイの目に宿った何かに気が付いたかもしれない。
「ま、我々も似たようなものでしてね。」
正直な話、何処へ向うべきか検討が着いていないのだ。
いや、待てよ。この男は、一体何処から来たのだ?
もしかしたら、山田あすか達が向った方向に、この男の仲間が居るのでは無いか?
様々な妄想が頭を支配するが、今出来ることは只、先へ進むことだけだ。
「移動しながら・・・うおっ!」
咄嗟に足下を走り抜ける影に銃を突きつけそうになるが、思い止まった。
少女が身を挺して護ろうとした、虎猫だったからだ。
セルゲイの体を攀じ登るフォードは、首の辺りに手を回すと、素早くセルゲイから飛び降りる。
見事な着地を決めたフォードは、ルーと共に何時ものポジション、つまり少女の両脇に戻っていた。
「あー。えーと、ですね。両手はもう下げて頂いて結構です。」
そう言って、ゆっくりとポケットから地図を取り出す。
「ここに来るまで、実は離れ離れになってしまった人達が居ましてね。」
地図を広げ、先程の振動で崩れた扉を指差す。
「・・・この扉は崩れましたから、こっちの封印された扉を使い、このルートを経由し、
ここで合流する予定です。」
その後に、と小川が続ける。
「改めて、出口を探します。我々が侵入したルートは、既に大量のゾンビやらに封じられていますので。」
再び、駐屯地に戻ると言う事を考えて、頭が痛くなった。
しかし、何とか戻り、分校に避難した人々を回収しなければならない。
「兎に角、ここは協力して先へ進みましょう。質問があれば移動しながら、と言う事で。
あ、ちょっと待って下さい。」
小川が携帯電話のディスプレイを見た。
残った着信履歴には、有谷の名前が残っている。
ポケットの中を探ると、ハンドフリーのイヤホンが出てきた。
「ちょっと電話します。」
そう言って、イヤホンを耳に捻じ込み、通話ボタンを押した。
装備:ワイシャツ、防寒ジャケット、軍用ブーツ、お弾きのネックレス
所持品:FN FAL(15)、シグザウエル(8)、FALのマガジン(20)X2、
鬼包丁(鉈)、アンプルシューター(0)、手榴弾(4)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:移動ルートの説明。移動開始。有谷(明石)に連絡。
>172
「肉…肉だ…
おまえの肉を寄越せコセ…」
膨れ上がるように成長し、変態していく包帯男の肉体
それは、随分前に地上で小川たちと死闘を演じたアオヤマ博士である
自らの娘をB.O.W.の献体とし、果ては自らの体さえ差し出した狂気の科学者である
体長は3メートル近くにまでなり、下水道の天井スレスレである
「おマエの肉を食わせろ!
オマエノ肉ヲ食ワセルノダ…
素晴ラシイ肉ノ響キヲ聞カセテモラオウ!
グオオオォォォォォォッ!」
ブクブクと膨れた肉塊のようなハンターが、一歩一歩歩くように接近してくる
凄まじい臭気を放ちながら、村田に接近している
>195
眠気覚ましのコーヒーはあまり効いていなかった。
小川平蔵からの着信に眉をしかめながら、僕は携帯電話のボタンを押した。
「おや、もしもし」
恐らくこの男が全容を把握している。しかし、有谷の知らなかった情報、
的場浩二以外のゲーマーの所在については知らされていない筈だ。
場合によっては何人かをけしかけ、排除に向かわせるとしよう。
「さきほどの男のことなら、とても残念です・・・」
僕は憐憫に顔色を落としながら、いかにも悲しそうに肩を落とした。
相手が喋っている間に、僕は九武村の参加者の名簿を閲覧した。
精々彼らには健闘してもらいたいものだ。
頭の弱い快楽殺人者など、プロからすれば酔っ払いのようなものだ。
この男に彼らが通用するかはわからないが、まあ試してみるとするか。
はあ、とあくびをすると受話器を反対の肩に持ち替えた。
そして片手でパソコンのディスプレイに向かい、メールを打ち込む。
全参加者へ至急の通達・・・
眠気覚ましのコーヒーはあまり効いていなかった。
小川平蔵からの着信に眉をしかめながら、僕は携帯電話のボタンを押した。
「おや、もしもし」
恐らくこの男は全容を把握している。しかし、有谷の知らなかった情報、
的場浩二以外のゲーマーの所在については知らされていない筈だ。
場合によっては何人かをけしかけ、排除に向かわせるとしよう。
「さきほどの男のことなら、とても残念です・・・」
僕は憐憫に顔色を落としながら、いかにも悲しそうに肩を落とした。
相手が喋っている間に、僕は九武村の参加者の名簿を閲覧した。
精々彼らには健闘してもらいたいものだ。
頭の弱い快楽殺人者など、プロからすれば酔っ払いのようなものだ。
この男に彼らが通用するかはわからないが、まあ試してみるとするか。
はあ、とあくびをすると受話器を反対の肩に持ち替えた。
そして片手でパソコンのディスプレイに向かい、メールを打ち込む。
全ゲーム参加者へ至急の通達・・・
状況・上のレスは名前ミスです、申し訳ありません。以後気をつけます。
>>193 >「くそ・・・今見たことは」
男の表情から俺は一瞬で様子を見取ることができた。
あぁ、こいつは自分で自分のもう1つの顔を恐れているのだと。
「忘れてやるさ。”仲間”だろう?俺とお前は。」
裂けた口を一杯に広げて笑う。男の顔が、少しずつだが平常を取り戻してきたようだ。
もう少し、この男の狂気を見ていたかった気もするがまぁいい。
>「そうだな、それにこんな状況だ。一番恐ろしいのは人間だ」
一番恐ろしいのは人間。その言葉に再び、ニカッと口を開き俺は笑う。
「恐ろしいだけじゃない。最高に”面白い”のが人間さ。
俺はそいつを楽しむ為にここに来たんだからな……フッフヒヒヒヒ……」
>「いいだろう。協力しあおうじゃないか。ただし妙な真似はするなよ、見てるからな」
で、その試験管は?」
男の言葉に振り向きもせず、俺は痙攣している少年のところへ行く。
>>194 どうやら、こいつも体内に何らかの異変を起こしているらしい。
手に取った2つの試験管の内、1つの中に薬剤を溶かし込んでいく。
ウイルス、またはそれに属するものを炙り出す薬品だ。
「さぁ〜て……どんな玩具が出てくるんだい、ボウヤ。」
少しずつ、血液の中から現れていく”それ”。
蠢く異形に、俺はつい心を奪われてしまった。
俺は痙攣するボウヤの傍まで行くと、ゆっくりと微笑んだ。
「感謝するよ、こいつは最高のプレゼントだ。」
男の方へ振り返り、ようやく俺は返事をした。
「協力しようじゃないか、お互いの為にな。
俺の名前は……あぁ、名前なんてないんだった。
キリング……キリング・ジョークでいいぜ。
……で、このボウヤはどうすんだ?」
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:大森の血液から寄生虫を発見、的場に自己紹介
>194 >199
あの閃光は未だ、俺の意識のなかで拡散を繰り返していた。
まるで何かの宗教的懲罰のように、あの光は頭のなかで幾度も激しく弾け、
俺の存在を失わせようと何年も追いかけてきていた。
その執拗さに、俺はうんざりし始めていた。
今まで行ってきた殺人も、自分の意志で行ってきたものだと明瞭に
感じているかといえば、正直なところ思わしくない。
全てはあの閃光に支配されてしまったがためだった。その眩さに俺の
人生は隙間なく照らされ、あらゆる逃げ場を失ってしまった。
孤独、憎悪、自己憐憫、そうした財産としての現実的な境地は
俺の人生から静かに取り払われた。
それは俺に激しい虚無と疲弊を与えていた。
だからこそ生の実感を得るため、誰かを傷つけようとするのかも知れない。
どちらが先かがわからないが、考えている余裕はなかった。
自己不在的な感覚に、腹のあたりに妙な吐き気を覚えながら、
俺は狂人の返事を待たず薬品棚を漁った。
エビリファイの錠剤を大量に口に放り込み、汚れた紙コップに
ポットから熱湯を注ぎ、飲み干す。
温かさが体に伝わり、俺は自己の平静な均衡を取り戻していく。
得たいの知れない、この男の目の前で隙を曝し続けるわけにはいかない。
割れた硝子に映った自分の顔は、青白く豹変していた。
「はあ・・・どうしたものかな」
何にせよ、見捨てるしかないだろう。
大森は体中を痙攣させ、死にかけた体を虫のように横たえている。
俺は自分の頬を数度叩き、頭が痛くなる。
いつまたおかしくなるかわからないな。
自分でもわかるほど、俺はいつの間にか深刻な顔を作っていた。
>「協力しようじゃないか、お互いの為にな。
>俺の名前は……あぁ、名前なんてないんだった。
>キリング……キリング・ジョークでいいぜ」
「的場浩二だ」
>……で、このボウヤはどうすんだ?」
「放っておきたいところだがな。感染してるのか」
キリングが持っていた試験管を見やる。
蠢く寄生虫の、いびつな姿がそこにはあった。。
少年の体内に巣食っていたのだとすれば、見過ごすわけにはいかない。
俺はいかにも面倒そうに、追い詰めるようにゆっくり少年に近づき、
最期の一撃を放つ。ボルトを引き絞り、弾丸を着実に装填し、
ライフルの先端が激しく発火すると共に、とどめの一発がが大森の脳髄に直撃した。
残響は煙と共にその場に残って、時間をかけて消えていく。
排出された薬莢が、床の上で静かに音を立てた。
これでまた一人。
現在地・研究室
装備・スナイパーライフル(9発)、エビリファイ錠剤、写真、携帯電話
状況・大森を攻撃。
>178
>残りの2匹は、雄叫びを上げた。
>それに呼応するように、モーロックの群れが、ミヒャエルの居る部屋を目指して、大移動を開始し始めた。
様々な方向よりモーロックの群れが押し寄せる。
「分かってるじゃねぇか。賢いなぁ」
腕を掴んだままの義手を大きく振りもう片方の化け物に投げ付ける。
「弱っちい奴相手にやんのも賢いな。多対一に持ち込むのも賢いよ。本当になぁ」
投げた反動に耐え切れなかった化け物の腕が千切れる。
そのままレモンを絞る様に義手で腕を絞り潰す。
「あぁ、この腕一応機械なんでな。トルコンってーのがあってよ。普段はリミット掛けてんだよ」
「また賢くなったなぁ。それに比べて1匹のサル、俺の馬鹿さ加減はねぇよな。本当の馬鹿だな」
雄叫びを上げた残りの1匹に素早く迫り頭を掴み上げる。
「けどよ?」
そのまま顔を地面に擦りつける様に部屋の外へ駆け抜ける。
2匹の小さな生き物を背にする形で群れを迎える。
「何か1個でも相手の為に何にも出来ねぇような賢さなら、俺は馬鹿のままで良い」
義手の付け根から肉の焦げる独特の臭いを発しながら煙が上がる。
「・・・ってんだよぉ!解ったかこの糞共!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: モーロックの集団と衝突
>188-189 >195
ガスマスクのおじさんに自己紹介したとき、ルーとフォードは私や自分たちを正確に指を指していた。
指を指すことが物を指し示す合図だと理解してるんだよね。
そういえばお互いを思いやったり、感謝の印に物を贈ったりもしてたっけ。
ガスマスクのおじさんの名前を聞いたけど、おじさんはすぐには答えなかった。
やっぱりルーとフォードを警戒してるのかな?そりゃたしかに普通は驚くよね。
二人ともすごく可愛いけど、最初見たときは私だって物凄くびっくりしたもん。
>「……セルゲイだ」
ガスマスクのおじさんが名乗ったら、ルーとフォードは同時におじさんに腕を向けた。
「すごいすごい、ルーもフォードも、おじさんの名前がセルゲイだって分かってるんだね」
・・・・・・・もしかしなくてもこの子達、物凄く頭が良いんじゃないだろうか。
だとしたら鈴木さんから貰ったペンダントを二人の首にかけたっていうのも、きっと意味があるんだよね。
「それで、これからどうする?」
セルゲイさんは鈴木さんと話し始めた。すごく綺麗な日本語だけど、外国の人・・・・・・だよね。
そんな事を考えていたら、ふっとフォードの姿が消えた。
>「移動しながら・・・うおっ!」
「あれっ?!」
私が驚くよりも先に、フォードはおじさんの首に鈴木さんから貰ったネックレスをかけてしまっていた。
>2メートル近い頭からジャンプし、華麗に着地を決めたフォードは、得意げである。
>「あー。えーと、ですね。両手はもう下げて頂いて結構です。」
「せ、セルゲイさん怒らないで!!」
私は必死でそう叫ぶと、フォード達を庇うように両腕を広げた。
既に私の隣に戻ったフォードは、鈴木さんとセルゲイさんを交互に指差している。
その動作に、ぴんと閃くものがあった。
(フォードとルーは、きっとおじさんと鈴木さんが喧嘩したと思ってるんだわ)
「セルゲイさん、そのネックレスはきっと、鈴木さんときっと仲直りしてねって意味だと思うわ。
おじさんにとってはガラクタかもしれないけど、この子達にとっては大事な宝物なの。だから捨てないで」
私がそうお願いしている間に、鈴木さんは地図らしきものを取り出していた。
>「ここに来るまで、実は離れ離れになってしまった人達が居ましてね。」
>「改めて、出口を探します。我々が侵入したルートは、既に大量のゾンビやらに封じられていますので。」
私は背伸びをしながら、鈴木さんの地図を覗き込んで、暗記した。
地図に書かれた漢字は読めないものがあるけど、それも含めて私は画像として覚えておくことが出来るから。
「ルーにフォード、鈴木さんが持ってる紙は地図って言うんだよ。この場所は、地図の中ではあの部分だよ」
私はひそひそ声でルー達に教えてみた。絵と今いる場所が同じって理解するの難しいよね。
ちょっと無理がありそう。
「ルー達も地図が読めるようになるといいのにね」
私はルーとフォードと手をつないだ。
フォード達はいい子だけど、しばらくセルゲイさんを刺激しない方がいいと思うから。
鈴木さんが電話をしようとしてる間、私はセルゲイさんに話し掛けてみた。
「ねえセルゲイさん、忘れ物取りに来たっていってたよね?探し物は見つかったの?」
そう言ってから、私は慌てて手を振った。
「いや、別にどうしても知りたいって訳じゃないよ?言いたくなかったら言わなくていいから。
ただ、何を探してるのか分かったら協力できるのになって思っただけ」
>189
今まで猫だと思っていた生き物は猫ではなかった。
それは限りなく猫に近い外見をしているが、猫は二本足では立たない筈だ。それに人間の子供ほど
まで大きくはならないし、何かを着る事もない。
しかし今更そんなものぐらいで驚くセルゲイではない。数多くの生物災害に関わってきた彼は、その
修羅場で突然変異したBOWを幾度ともなく目の当たりにし、交戦している。
尤も、それらと比べれば二本足で歩く猫は随分と可愛らしい。おぞましい生物兵器ではなく、長靴を
履いた猫の方がよほど良い。知能もそれなりある。恐らく、人間と大差ない高度なものを。
「……」
首に掛けられた不器用な造形のネックレスを指先で弄る。誰かに何かをプレゼントされたのは、あの
娘が描いてくれた似顔絵以来だった。クレヨンがのたくったような絵だったが、誰の目にも一生懸命に
描いたと伝わるものだった。セルゲイにとってはそれはどんな偉大な画家が描いた絵画よりも価値の
あった。今は持っていないが、財布の中に大事にしまってある。
セルゲイは黒いアサルトスーツの襟の中に手を入れると認識表を取り出し、そのまま外した。膝を突き、
二匹と目線を会わせると、それぞれの首に掛けてやる。代わりになるものといえばこれぐらいしかない。
それが済んで立ち上がると何だか急に気恥ずかしさがこみ上げてきた。
が、別に悪くはない。
悪夢の中で、御伽噺のように微笑ましい猫に出会えたのだから。
>195
小川の説明が一通り終わると、セルゲイは口を開いた。
「俺が前衛をやろう。その方がいい」
それは暗に生殺与奪を小川に委ねる、という事だ。前衛の方が敵と遭遇すれば真っ先に交戦する確率も
高いし、何よりも背後から銃を突きつけられるのに変わりがない。
こうでもしなければ小川という男は此方を信用しないだろう。尤も、ここまでやっても彼が此方を信用するか
どうかは分からないが。
>202
>「ねえセルゲイさん、忘れ物取りに来たっていってたよね?探し物は見つかったの?」
少女の何気ない一言にセルゲイの手がぴくりと動く。
>「いや、別にどうしても知りたいって訳じゃないよ?言いたくなかったら言わなくていいから。
ただ、何を探してるのか分かったら協力できるのになって思っただけ」
「……」
セルゲイはむっつりと黙っている。ベストのポケットに突っ込んだ指はサンプルケースを無意識の
うちに弄っていた。これが何であるかはセルゲイは知らない。ただ、最下層付近のとある実験室に
あるこのケースを取ってこいとしか命令されていない。need to know。兵士は必要最低限の事しか
知らされないものだ。
「既に忘れ物は手に入れてある。大した物じゃない」
AKを手に構えると、セルゲイは一行の先頭に立って歩き始めた。
その大きな背中は、これ以上は詮索するな、と無言で語っている。
持ち物:AK103カスタム(30+1)+GP30グレネードランチャー(1)、MP446バイキング(17+1)、
RGD-6手榴弾×6、VOG25高性能炸薬榴弾×10、AKマガジン×12、拳銃用マガジン×6、
バヨネット、謎のサンプルケース、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:ルーとフォードに自分の認識表を一枚ずつあげる、前衛を申し出て移動開始
>172
「ぐふううぅぅぅぅ…
ああ、やっと楽になった」
ハンターのような三本爪は、見る見る内に人間のものと同じ手に戻った
体格も元の隆青山のものへと戻っている
とは言え、包帯がすっかり解けたその体表は、爬虫類の鱗のようになっている
五本指の爪も、よく見ると獣の爪のように尖って鋭い
「やれやれ、見られてしまったようだな
如何にも、私はリュウセイザンなどではなく、傘社の研究員アオヤマタカシだ
子供騙しのような変装は、君たちを欺くというよりも私の個人的な趣味だ
許してくれたまえ」
トカゲ男となった元包帯男は、先ほどの狂人の如きしゃべり方とは大分違っている
正真正銘の日本人であり、知能は保っている
「そう構えないでくれ
私は君たちに危害を加えるつもりは毛頭無い
私は見ての通りの化け物、最早人間ではない
というのも、ある連中から逃げるために自作の薬を打ち込んだらこうなったのだ
面倒な改造手術無しでも、その場で人間をハンターに変態させる特効薬のはずだったんだが…
変態に歯止めの効かない失敗作になってしまって、随分と苦労させられている
一時は正気を失って暴走していたが、この抵抗薬のお陰で何とか持ち直すことができた
だが、油断すれば直ぐにまた止め処の無い暴走が始まる
そうなってしまえば、私は君たちを骨も残さず貪り食ってしまうだろう
私もそんなことのために、折角出会った生存者を失いたくないのだ」
結構な早口で、警戒を強める村田たちに経緯を説明して納得してもらおうとしている
「そこでだ、ここはお互いのため、改めて協力するというのはどうだろうか?
私はこの力を使い、背後を預け君たちを全力で守ってあげよう
どうしても信用が出来ないというのなら、このカプセルシューターを渡しておく
これには、私が抵抗薬を応用して作った強力なカプセル弾が装填されている
これを使えば、私は瞬く間に力を失い、身動きが取れなくなる」
そう言うと、懐から取り出した珍妙な形の銃と数個のカプセル弾を村田に渡す
傘社製のカプセルシューターである
「君たちは身を守れ、私も暴走という無様から解放される
悪い取引では無いだろう?
それとも、不本意だがここで私と戦って無駄な犠牲を払うかね?」
>189>195>202>203
突如、振動が生存者たちを襲った。
轟音を立てて横の壁が吹き飛び、そこから異形の生物たちが飛び出してきた。
地下実験場に押し込められていた連中だ。どれもラヴクラフトの小説にでも
登場しそうな歪な造形である。
化け物たちは生存者が放つ生肉の匂いに気が付くと殺到してきた。
戦闘は避けられそうにない。
>201
狭い部屋の中へとやってきたモーロック達は、ミヒャエルと充分な距離を取る。
圧倒的な数で襲い掛かるのが、モーロックの狩りなのだ。
>「分かってるじゃねぇか。賢いなぁ」
時には、格上の相手に群れが逃げ出す事もある。
しかし、目の前の生き物は、格上の相手に見えない。
>「弱っちい奴相手にやんのも賢いな。多対一に持ち込むのも賢いよ。本当になぁ」
一匹が振り回され、腕がもげた所で、敵ではない。
目の前の男は、精々数匹を相手にするのが、精一杯だ。
>「また賢くなったなぁ。それに比べて1匹のサル、俺の馬鹿さ加減はねぇよな。本当の馬鹿だな」
モーロック達は、部屋の中で動けなくなっていた。
たかが餌の一匹。
だと言うのに、我々は何に恐怖している?
>「・・・ってんだよぉ!解ったかこの糞共!」
男の咆哮に答えるように、モーロックが一斉に襲い掛かる。
恐怖に対する発作のような反応だ。
同時に襲い掛かるが、部屋の狭さが仇となって、身動きが取れない。
ミヒャエルが無造作に拳を振るうと、バターを切り裂くナイフのようにモーロックの頭蓋を削り取られた。
僅かに本能のみを宿す脳が撒き散らされる。
僅かに遅れて・・・モーロックが吹き飛んだ。
吹き飛ばされた頭蓋と脳漿を追いかけるように吹き飛ばされたモーロックは、そのまま数匹に直撃。
直撃を食らった数匹は、体を痙攣させながら、内蔵を口から噴出しながら、床に崩れ落ちる。
部屋の中のモーロックの数は徐々に少なくなっていく。
その内一匹が、なんとかミヒャエルの胴体に噛み付いた。
皮膚を食い破る喜びに打ち震えながら、血と肉の味に対する記憶が蘇る。
しかし、モーロックが感じたのは・・・己の歯が砕け散る激痛だった。
ミヒャエルの肋骨に重なる位置に、皮膚の下に埋め込まれた非金属の防弾プレートが
肺と心臓完全にカバーしているのだ。
苦痛にのた打ち回るモーロックがミヒャエルに踏み砕かれる。
そもそも、この部屋は十数匹で定員だ。
一度に襲い掛かる事が出来る数は限られているから、残りは部屋の外で大人しく出番を待つ他無い。
ミヒャエルに取って、最大の問題は積み重なった死体で、身動きが取れなくなり・・・部屋に閉じ込められる要素だ。
モーロックが部屋に入ろうとする勢いは、止む事が無い。
部屋の中がモーロックの死体で埋めつくされしばらく立った頃、
生き残りの仔ウルタールが悲鳴を上げた。
死んだ振りをしていた一匹が、口に加え、部屋から飛び出していく。
追って来い、と言わんばかりにミヒャエルを嘲笑うと、群れが巣からの脱出を始める。
殺戮に歓喜の叫び声を上げるモーロック群れは、ウルタールの巣から脱出すると、
小川が指定した封印された通路の方向へ大移動を開始した。
>195>198>202
>「せ、セルゲイさん怒らないで!!」
再び少女が、ルーとフォードの前に立ち塞がる。
一体何が始まるんだろう?
>「……」
セルゲイが首に掛けられた認識票を外し、ルーとフォードの首に掛ける。
2匹は顔を合わせて、お互いの笑顔を見つめ合った。
そして、少女の両手をつかんだまま、ぴょんぴょん跳ね回り始めた。
しかし、3人が真剣な表情になった所で、二匹の動きが止まった。
>「ルーにフォード、鈴木さんが持ってる紙は地図って言うんだよ。この場所は、地図の中ではあの部分だよ」
ルーとフォードが少女と一緒に地図を覗き込むが、流石に地図がどう言うものか理解できなかった。
狭い地下実験場の生活の為に、地図と言う概念が生まれなかったのだ。
>「ルー達も地図が読めるようになるといいのにね」
再び手を繋ぐと、2匹は少女に寄り添う。
2匹は本当に幸せそうだった。
>「ちょっと電話します。」
そう言ってイヤフォンを耳に突っ込んだ小川を見守るルーとフォード。
>「おや、もしもし」
イヤフォンから漏れた小川で無い声に、二匹がビックリしたように飛び上がった。
実験場内からウルタール達が駆逐した生き物の伝承を思い出したのである。
沢山管が絡み合った、肌色のスパゲッティ出来ているような生き物だ。
管を動かして移動するだけでなく、管を振動させて様々な声を出す。
モーロックの声だったり、ウルタールの声であったり、時にはもっと強靭な生き物の声を出す事がある。
仲間を呼ぶ声に反応して近づいた所で、管に取り込まれて、食い殺されてしまう。
提灯アンコウが光で餌を誘い出すように、その化け物は音で餌を誘き出す・・・
もっともこの化け物が居たお陰で、ウルタール達は言葉を生み出す事が出来た。
>>205 少女の両手を引っ張るように後ろへ下がったウルタール達が、壁を見て、更に後退した。
突如壁が崩れ・・・中から不気味な生き物の群れが現れたのである。
2メートル40センチ近い巨大な樽のような生き物の皮膚は、ミミズのようなピンク色で、滑っている。
何の為にあるか解らない、二対の膜状の翼が生えており、
天辺には蠢く巨大な海星のような、5本の管がついている。
その一本一本毎に巨大な目が生えている・・・
ルーが飛び出し、セルゲイの背中を引っ張ろうとする。
近くに居てはいけない、と教えたいのだ。
まるで、海中に生えているウミユリの群れを連想させるその生き物達は
先頭を歩いていたセルゲイに緩慢な動きで近づいて来る。
その生き物は突然翼を広げると、周囲に毒液を撒き散らし、一気にセルゲイに襲い掛かった。
>153
化け物同士の共食いやらメタボVS千堂さんの戦いに気付かれない様に移動するのは骨が折れるものだった。
「最悪…」
塞がりかけた左腕の傷から新たに血が流れる。
左肩は赤い染みで白衣が滲んで汚れた。
餌と勘違いした猿の化け物に襲われた結果が、コレ。
傷は時間がたてば修復可能だとしても痛覚があるから不便な事この上ない。
かと言ってアイツの様になる気なんて更々無い。
そうなれば一気に人間から狩られる側になってしまうだろう。
あんな姿になったら、どう思われるだろう?
彼は躊躇う事無く銃口を向け、引き金を引くだろうか。
「馬鹿馬鹿しい…」
今はそんな事を考えている暇は無い。
鈴木さんの言う隠し通路を見つけて合流しなきゃいけないっていうのに。
「あ…」
苔だらけの壁に似つかわしい錆び付いた扉が目に付いた。
扉と同じ大きさの苔が綺麗に剥がれ落ちてるのが気味が悪い。
まるで誰かがつい最近まで使っていたみたいで…でもその割には足跡が無い。
そう、「徹底的に痕跡が無い」。
ナイフを握り締め、扉の前に立った。
鎖がぶつかり合う様な金属音が断片的に微かに聞える。
もしかすると、鈴木さん達がそこまで来ているのかもしれない。
―いえ、違う。
けど、どの道行かないと彼等に合流できない。
濁った実験場の中で深呼吸を一つして、扉を開き私はその闇に踏み込んだ。
所持品:錆びた鍵 H&K MP7 ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内隠し通路
状況:扉の中に入り警戒しつつ前進
>202>203
>「セルゲイさん、そのネックレスはきっと、鈴木さんときっと仲直りしてねって意味だと思うわ。
おじさんにとってはガラクタかもしれないけど、この子達にとっては大事な宝物なの。だから捨てないで」
少女が庇う猫達の首に掛けてやる姿は、神話のワンシーンのように神々しい。
人間の持っている普遍的な――優しさや思いやりと言った――感情に訴える光景。
磨り減った感情の前では、ドッグタグと呼ばれる認識票が一枚ずつ首に掛けられる姿は、
ブラックジョークに見えない事も無い。
二枚一組のドッグタグが引き離される事は、死を意味するのだから。
>「俺が前衛をやろう。その方がいい」
微かに頷き、先に行くように促す。
セルゲイは、俺に背中を任せるつもりらしい。
信頼を勝ち得たか、それとも単なるパフォーマンスか。
火力に優れたセルゲイに前衛を任せる事が出来るのは、小川に取ってもプラスになる。
セルゲイの背中を守ると言う、重すぎる責任が圧し掛かってくるが。
>198
>「おや、もしもし」
イヤフォンから聞こえる声は、有谷の声ではない。
>「さきほどの男のことなら、とても残念です・・・」
彼は、と小川が言う。
「残念な目に遭う程の行為をした訳ですね。彼は立派な男だった。」
傘社に殺されるほどの損害を与える能力と勇気を持った男達が、また一人殺されてしまった。
あまりにも大きな損害。
込み上げる怒りと同情。
有谷に何をしてやる事が出来たと言うのだ?
理屈だけでない、感情の壁にひび割れが走る。
>205>206
ひび割れは、瞬時に巨大な亀裂となり、ダムが決壊する勢いで封じられていたものが飛び出してくる。
醜悪なウミユリを連想させる化け物の群れ。
仰々しい文体を並べ立ててページを水増しする、安っぽいパルプ作家だけが創造できる化け物。
セルゲイを救おうとするルーは、迷う事無く走り出す。
勇気を奮い起こす事も無く、然も当然と言わんばかりの勇敢な姿。
(一体、何を・・・)
化け物が羽を開いた瞬間、小川が少女とフォードの上に覆い被さる。
撒き散らされた毒液の悪臭に、小川が眉を顰める。
ガスマスクを装面したセルゲイと違い、目に入れば失明していた筈だ。
振り返る事も出来ない今、小川はセルゲイの背中を守る以外、
つまり、来た道を睨みつける以外に、出来る事は無かった。
>>204 >「やれやれ、見られてしまったようだな
如何にも、私はリュウセイザンなどではなく、傘社の研究員アオヤマタカシだ
子供騙しのような変装は、君たちを欺くというよりも私の個人的な趣味だ
許してくれたまえ」
こんな状況でミイラの仮装をする奴は、趣味人というより変態にしか見えん。
おまけにこの青山とやらは、化けモンだ。
もっとも、Judasは青山の話をニヤニヤしながら聞いとるだけだ。
>「君たちは身を守れ、私も暴走という無様から解放される
悪い取引では無いだろう?
それとも、不本意だがここで私と戦って無駄な犠牲を払うかね?」
ま、まともな生存者なら、逃げ出すに決まっとるだろうな。
ワシが珍妙なカプセルシューターを受け取ると、Judasが一歩前へ踏み出した。
「ドクター・・・。ちょっと待ってくれ。どうして君は、そのまま化け物にならなかったんだ?!
おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしいぞ。
そんな事は、決して有り得ない筈だ!」
Judasの抗議は、聞くうちにぼうっとした、不思議と説得力のある響きがある。
どっかに仕舞い続けて、すっかり深い穴の底に隠れちまった何かが、ひょっこり顔を出すような気持ち、かの。
「君も化け物になる事の素晴らしさを身を以って体験した筈だ。
どうして欲望に身を任せて、肉を食み血を啜り骨を砕き・・・骨髄を啜ろうとしないんだ?
何故、欲望を満たそうとしない!
何故だ、何故だ、何故だ、何故だ・・・何故だ!」
大きく絶叫したと思ったら、今度は急に静かになりおった。
ハンターもワシも、青山博士も、度肝を抜かれちまった。
だが、次の一言が聞きたくて、聞きたくて、身を乗り出していた。
そしてようやく、Judasが口を開いた。
「だが・・・まさに・・・それこそ・・・人間だ。パーフェクトだよ、ドクター。」
よう解らんが、時には運命に逆らってみろって事なんだろう。
時に欲望に負けて、時に欲望と闘う矛盾した存在ってのが、人間なんだろう。
ズルズルと惰性で生き続けるのも悪くないが、どっかでどっちかに転がらなきゃならん。
ま、後は突っ走るだけってこった。
「では先に進もうか、リーダー君?」
そう言って笑ったJudasの目は、笑ってなかった。
ま、青山博士を信用するのは避けた方が良いんじゃろうな。
何せ、奴はまだ人間なんだからのう。
状況:青山と同行を決定。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(183)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(1)、カプセル弾X3
>205>207
壁を破って現れた化け物の姿形は醜悪の一言に尽きる。
あの猫たちと違って、とてもではないが友好関係を築けそうにはないとセルゲイは思った。
それは向こうも同じ考えのようだ。粘液に覆われた、樽のような胴体に生えた薄い膜状の
翼を広げて毒液をセルゲイに向かって撒き散らした。
一瞬反応が遅れた。あわや毒液の飛沫に晒されるかと思った瞬間、がくりと後ろに下がった。
毒液はセルゲイに降り掛かる事はなく、つい数瞬前彼がいた所に染みを作っただけだった。
少しだけ首を動かして後ろを見遣ると、猫の一匹がバットパックを掴んで引っ張ったらしい。
(助けてくれたという訳か)
しかし礼を言うのは後だ。
セルゲイはAKを流れるような動作で構え、引き鉄を絞った。セミオートではなくフルオートで。
銃口から轟然と吐き出された大口径ライフル弾は全て外す事無く化け物たちに命中する。
これだけの近距離で、しかも密集しているのだ。外れるわけがない。
ライフル弾は化け物の表皮を破ってその体内を突き進み、そして爆発を起こした。
弾倉に装填してある弾薬は全て対BOW戦を想定したアサルトライフル用の徹甲榴弾だ。
レベルVA相当の貫通力に加え、その弾殻内には微量だが炸薬が充填されている。しかし、
開いた掌の上で爆竹を爆発させても軽い火傷を負う程度だが、握り締めれて爆発させれば
木っ端微塵に吹き飛ぶ。それと同じ原理で、少量の炸薬が体内で爆発すれば大ダメージだ。
襲い掛かってきた最初の一匹にはたっぷり十発の徹甲榴弾を撃ち込んだ。樽のように太い
身体が真っ二つに裂け、肉片と内臓を周囲に撒き散らして絶命した。残りは全てその後ろで
痞えている連中に浴びせる。
でかい図体に加えて集団が奴らに災いした。狭い閉所ではそれらは利点とはなりえない。
満足に身動きの取れない化け物どもはただの良い的だ。撃ち尽くした弾倉を素早く交換し、
セミオートに切り替えて、連中の身体の中心に的確な射撃を加える。どんな生物でも重要な
器官が集中している肉体の中心に攻撃を与えれば有効なダメージを与えられる。
尤も、彼らが既存の生物と同じような構造の肉体であればの話だが。
何体かは完全に仕留めたが、まだ元気なのが残っている。一気に畳み掛けるべく、セルゲイは
ベストのポケットから手榴弾を取り出し、安全ピンを抜いてから敵集団の真ん中に投げ付けた。
そして腰にへばり付いている猫に覆い被さって蹲る。
直後、鈍い爆音が狭い地下通路内を揺らした。
持ち物:AK103カスタム(14)+GP30グレネードランチャー(1)、MP446バイキング(17+1)、
RGD-6手榴弾×5、VOG25高性能炸薬榴弾×10、AKマガジン×11、拳銃用マガジン×6、
バヨネット、謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:現れた化け物の群れに射撃を加え、手榴弾を投げ付け、ルーに覆い被さる
>210
>「ドクター・・・。ちょっと待ってくれ。どうして君は、そのまま化け物にならなかったんだ?!
おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしいぞ。
そんな事は、決して有り得ない筈だ!」
>「君も化け物になる事の素晴らしさを身を以って体験した筈だ。
どうして欲望に身を任せて、肉を食み血を啜り骨を砕き・・・骨髄を啜ろうとしないんだ?
何故、欲望を満たそうとしない!
何故だ、何故だ、何故だ、何故だ・・・何故だ!」
>「だが・・・まさに・・・それこそ・・・人間だ。パーフェクトだよ、ドクター。」
「…ははは、あははは
さすがの私も度肝を抜かれたよ
己の研究成果を成就させるため、娘まで犠牲にしたがね
だが、さすがにそこまで徹底して化け物に成り下がりたくはないな
完敗だ、君には敵わない
本能で生きる同属の化け物でも、君の狂いっぷりにはね」
呆れた様子で頭を抑える
Judasとか言うこの男、化け物にしても少々狂い過ぎている
自身も狂っていると思ったが、上には上が居るものだ、などと思ってみる
私自身、そうなりたくなかったからこそ抵抗薬を飲んで変態を抑制し正気を保たせている
だが、この男はそうなることをさも望むかのように大声で語っている
よくそれで眷属を従え、人間性を維持しているものだと思える
私が抵抗薬でようやく保っている正気を、この男は己の精神力だけでコントロールしているのか?
それとも、そもそも最初から化け物として造られたB.O.W.の類いだからなのか?
何れにせよ、学者としての研究興味がそそられる対象だ、今すぐにでも解剖したい
そして同時に、内に眠るハンターとしての本能が言う、「喰らえ」と
「とりあえず、同行を許してくれる気になったみたいで良かったよ
お互い、平和にここから脱出したいものだな
よろしく頼むよ、Judasくん、村田の爺さん」
先ほどまで逆立っていた鱗を元の並びに戻した
戦闘態勢を解いておくと無駄な体力の消耗を避けることができる
とりあえずこいつらは、今私と争う気は無いようだ
まあ、別に抵抗してくれても新鮮な生肉に在り付けるのだから、どっちもどっちなのだがね
この爺さんはともかく、Judasとその眷属と思しきハンターたちは厄介そうだ
このハンターどもは見たことがないタイプである
少なくとも、研究所内で飼育されていたαタイプやスウィーパーなどとは全くの別物だろう
通常のハンターにも集団性はあるが、ここまで正確に組織的な行動が取れるはずもない
おそらくはJudasとか言う男の影響力とハンターたち自身に備わっているシステムのせいだろう
…何れにせよ、腹が減った
こいつらはまだ食うわけにも行かず、食うにしてもリスクが大きい
出会ったクリーチャーでも適当に頂くとしよう
化け物なら事欠かないだろうからね
>168>176>181
ふと落ち着いたところで、彩ちゃんが言った。
>「そう言えばルーとフォードって・・・・・・鈴木さん、野球好きなの?」
>「ごめん、驚かせて。ただちょっと家族の事を思い出してただけなの。
生まれるてくるはずだった子供の名前をママと二人でよく考えてたこと考えただけ・・・・・・でも、もういいの」
そう言うと、こちらに自分の手を差し出してくる。僕はその手をとり、静かに笑みを浮かべた。
>「私は子供だけど、死んじゃった人より生きてる人の方が大事だって事くらいわかるよ。
鈴木さんや姫路さんが子供の私のために心を砕いてくれてるのもわかってる」
彩ちゃんはゆっくりと、噛み締めるようにして言った。
>「ありがとう」
すっとその言葉が心にしみこんだような気がして、静かに目を閉じる。
>「でも、もういいの。だからもう行こう?皆にもう一度、生きてまた逢いたい」
と――
あの猫二匹が、耳をピクリと震わせた。僕は素早く辺りの様子を窺い、そして……見つけた。
鈴木さんが唇に人差し指をあて、ハンドサインを行う。言われた通り僕は後方を見張りながら、耳を澄ます。
>「動くな。」
>「意識があれば答え下さい。貴方は一体、何者ですか?目的は?」
鈴木さんが質問をする。ガスマスクをした男は、震える声で呟いた。
>「少し待ってくれ…」
防具品を投げ出し、薬を口に含む。何のものだかはわからない。
>「見ての通りさ。観光客には見えないだろう?目的は…そうだな、忘れ物を取りに来ただけだ」
>183>187>188
>「まぁ、こんな所に用がある時点で特殊な事情があるのは察して欲しいな」
>「「信じる信じないは其方の勝手だ。だが、普通の人間の心理としては、化け物の巣窟でわざわざ
同じ人間同士で争いたくはないものだ。これが映画だったら、取り敢えずは協力するべきだろうな」
鈴木さんは警戒を解かない。
>「失礼。ここ数年、映画は見ていないものでして。」
>「出来れば穏便に済ませてくれると嬉しいんだがね」
鈴木さんは銃を下ろす。溜息をつくと、自分の名を名乗った。
>「まだお名前をお聞きしていませんでしたね。何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
>「……セルゲイだ」
彩ちゃんが近寄って自己紹介をした後、男はぶっきらぼうに答えた。
「姫路、といいます」
>「それで、これからどうする?」
セルゲイは鈴木さんの方に向き直り、訊いた。
>195>202
>「ま、我々も似たようなものでしてね。」
>「移動しながら・・・うおっ!」
鈴木さんは相当驚いたらしく、足元を通り抜けた虎猫に銃を突きつけそうになっていた。
落ち着きを取り戻すと、彼はセルゲイに言った。
>「ここに来るまで、実は離れ離れになってしまった人達が居ましてね。」
地図を見せ、詳しく説明する。
>「兎に角、ここは協力して先へ進みましょう。質問があれば移動しながら、と言う事で。
あ、ちょっと待って下さい。」
ふと、鈴木さんは携帯電話を操作した。先程の着信履歴だろうか、僕はそちらに近寄った。
>「ちょっと電話します。」
>「ねえセルゲイさん、忘れ物取りに来たっていってたよね?探し物は見つかったの?」
そう言いながら慌てて手を横に振り、色々否定する動作に笑みが零れる。
>「既に忘れ物は手に入れてある。大した物じゃない」
やや沈黙があり、セルゲイはそう答えた。そしてこちらに背を向け、先頭に立ち歩き出す。
背中はそれ以上の質問に対する拒否感を表していた。
>205
壁のひび割れが瞬く間に広がり、巨大な亀裂となった。
生物達は毒を撒き散らし、セルゲイに襲い掛かる。僕はしゃがみこみ、手で顔を覆った。
後は彼の無事を祈るのみだ。手元の銃を握り締め、そのままの姿勢で耐えた。
>206
>その内一匹が、なんとかミヒャエルの胴体に噛み付いた。
「悪ぃな。そこは外れだ。
>苦痛にのた打ち回るモーロックがミヒャエルに踏み砕かれる。
「俺も信じたかねぇがこれが事実だ。どこまで自分の物だか知らねぇけどよ」
(が、そのお陰で今俺が生きているのも事実か。気分悪ぃぜ)
次々襲い掛かってくるモーロックの群れに奮闘し骸の山を築き上げる。
「オラ!全員潰してやっからとっとと来いや!今更ビビッてんじゃねぇ!」
正面に気を取られ背後が疎かになった直後悲鳴が上がる。
「!!」
振り返るかどうか、脇を化け物が2匹の猫を咥え走り抜ける。
「糞が!これ以上させるか!待て糞共!」
いつの間にか他の群れも1方へ向けて移動を始める。
「邪魔なんだよてめぇら!潰れっちまいな!」
全力で攫われた2匹を追い、途中の化け物を薙ぎ払う。
今一歩の所で群れにぶつかり距離は縮まらない。
「糞ぉ!五月蠅ぇ糞め!」
(体がミシミシ鳴いてやがる。もう少しもってくれ)
義手の稼動部がやや赤く光り熱を持ち始める。
(負荷が高過ぎるか。爆撃かオーバーロードか。時間がねぇ・・・!)
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 奪われた2匹を追い集団の移動先へ
ライフルの一撃は大森の頭蓋骨を貫通しその脳髄を貫き、スイカの様に撃ち抜かれた頭からは真っ赤な血がどくどくと溢れ出ている
即死だ
即死のはずだ
しかし、その体の痙攣は続く
死後硬直だろうか?
いや…痙攣はやがて徐々に、徐々に強まって行く
やがて噴出す血の赤が白に変わり、びくんびくんと心臓マッサージを受けている患者の様に大森の体はのたうちだす
>208
通路内を漂う空気は粘度が高く、通路自体が伸縮しているような感覚に襲われる。
まるで産道のように。
全ての子供達は産道から這い出したが、父親達は未だに囚われている。
そして、子供達は再び産道に戻ってくる。
父達の横を通り過ぎ、再び、胎内へと帰る。
一歩踏み出すたびに、撒き散らされた粘液が君のナースシューズを汚す。
構うものか。先に進むが良い。
通路は悠然と構え、拒む事無く君を受け入れてくれる。
ここは生命を生み出す場所だ。
ここは、強靭な生命力によって全てを征服する人間が生まれる場所だ。
ここは、飽くなき欲望によって自らが住む世界を破壊する人間が生まれる場所だ。
ここは、神をも恐れぬ傲慢さによって永遠の命を得たと信じている人間の生まれる場所だ。
ここは、学ぶ事無き精神によって自らを焼き尽くす人間の生まれる場所だ。
君が先に進む度に、鎖が擦れ合うような金属音は大きくなっていく。
徐々に、徐々に。
そして突然、まるで出来の悪いお化け屋敷のように、暗闇から人影が飛び出す。
後一歩で君を手に入れられる距離だと言うのに、それ以上人影が前に出る事が出来ない。
一匹ではない、壁越しにあまりに多くの、人間の姿をした何かが磔になっている。
大佐達が研究し、放置された実験体。
口枷を嵌められ、目隠しをされ、手足を鎖によって拘束された、男達の群れ。
枷が嵌められた手足の皮膚は、暴れる度に破れ、今では鱗のように硬く、しなやかに、黒く輝いている。
君は磔になった男達の横を通り過ぎ、先へと進む。
それ以外に君にできる事は無いし、彼らは何も出来ない。
そして君は終点に辿り着く。
錆び付いた扉の前に、歪な母性の象徴を黒檀に刻み込んだ彫刻を見つける。
異常なまでに整った上半身はサモトラケのニケの様に両手が失われており、
多産の象徴たる肥大化した下半身。
2本の足は癒着し、蛇のような一本の足になり、背後の卵管へと繋がっている。
彫刻の首が君の方を向き、瞼が開く。
真っ赤な、血の色をした目。
「…ミタサレネバ……ナラヌ…ミチネバ……ナラヌ……」
その目が君を見る。君が人間の姿をしている事に気が着く。
彫刻は、自らの体を眺め、モーロックよりは美しいが、人間では無くなった自らの体に気がつく。
「…ミナイ…デ……ミナイデ……ミ……ルナァァァッ!」
上半身を卵管から引き抜き、床に倒れこむ。
蛇のように這いずる母胎は、君を殺さずには居られない。
君を見た事で、彼女の世界が崩れてしまったのだから………
>>215 ・・・一冊の古びた手帳が落ちている。
英語で掛かれているが、ミヒャエルなら読めるだろう。
『捕虜になって約一ヶ月。
食事もきちんと三食出るし、見張り付きだが散歩も認められている。
捕虜になったばかりの頃は、何をされるのか……そう怯えていたが、暮らしは悪くない。
近々、別の収容所に移されるらしく、毎日数人ずつ姿を消していく』
暫くページが破れている。
『…神よ、一体何が起きているのだ?
我々を見る日本兵の目が、不気味に変化している。
なんと言うか……まるで食肉工場へ出荷される牛を見るような目で、我々を見ているのだ』
『今日は散歩に行きたくない、と言ったが小突かれながら、無理やり歩かされた。
飼育される家畜の健康管理をするかのように、運動をさせれている。
一体、何の為に……』
『ここで何が行われているのか、ようやく解った。
脱走騒ぎの真っ最中に、別の収容所に移された筈のマービンを見たのだ。
いや、あれはマービンではない。
何度か戦場で、死体を見てきたが……あんな風になったら、人間は生きていない筈だ。
内蔵がごっそり無くなって居て……唸り声を上げて歩き回るマービン。
神よ、彼を救いたまえ』
『数日以内に私の番がやってくるだろう
ここで何が起きているのか、ようやく理解した。
理性を失い、切り刻まれた体で蠢く戦友達……
いや、本当に理性を失っているのは彼らだ。
皆、狂っている。狂っている。
神よ、どうか私に力を。』
後は、書き殴るような字が続いている。
『おれ からだじゅう いじくりまわ された
あたま なんだ か へん
いま じめんのした い る みんな いっしょ
みんな いっしょ おれた ち ここ いる
いきもの たくさん まるで のあの はこぶ ね
おんな ひとり みつかった みんな こども ほしかった
おなか どんどん おおきなっていく あかんぼ たくさん
うまれる おもう 』
『じぇいく どんどん へんになってる
うで こんぼう みたい
なぐる だから にげる
あいつ
めがない なんで
おれたち わかる? 』
『 あかんぼ うまれた まま げんき
でも あかんぼ こわい おれたち ちがう
いったい おれたち なんになった?
あかんぼ いったい なに? おんな なに?
おれたち なに? 』
>215
>「邪魔なんだよてめぇら!潰れっちまいな!」
弾き飛ばされるモーロックだが、幾ら殺した所で数が衰えるように見えない。
ウルタールの子供を抱えるモーロックは、時折思い出したように振り返り、ミヒャエルを見て嘲笑う。
それどころか、ミヒャエルの邪魔をするモーロック達全てが嘲笑っているように見える。
群れは、ミヒャエルの体力を限界まで酷使させようと遊んでいるのだ。
…ミヒャエルの足下に何かがぶつかった。
アドヴァンスドが使用していたOICWアサルトライフルだ。
5.56mmライフル弾を30発装填、特殊な20mmグレネードを10発装填できる。
銃本体に残っているのは、ライフル弾が15発、グレネードが3発。
近くには、アドヴァンスドが身に着けてた予備のライフルマガジンが一本落ちている。
ウルタールを咥えたモーロックは、巣を飛び出し封印された通路方面へと移動し始めた。
集団を追いかける途中、場に似合わない1冊の手帳が目に飛び込む。
走りながら拾い上げ器用にページを開く。
>218-219
「英語か。反吐がでらぁ。何かの役に立つかもしれねぇし、読んでやらぁ」
集団を追いながら軽く読み流す。
「・・・なるほどな。モルモットか餌。そんな所か。いかれてやがんな」
「人事じゃねぇな。結局俺の村も同じだ。俺さえも。どこにでもいかれた奴はいるもんだ」
目標にしている群れを見て少し考える。
「・・・コイツらも『同じ』か」
「同じものとして葬ってやんのが筋か。が最後のラリった文が気になるな」
「赤ん坊生まれた・・・つまり化け物の母親が居るってか。まさかまだ生きてる何て事はねぇだろうが・・・」
手記を読み終え体が悲鳴を上げ始めた頃、不意に足元を固い物に阻まれる。
「糞!ん?・・・こいつは助かるな。糞掃除屋の物か?・・・ってなんじゃこりゃー!」
「ゴキブリ野郎のくせに上等なもん持ってんなぁ。エアブラストもついてたな」
「弾バラしてファニーなお嬢ちゃんにしてやっても良いが後だ後。」
弾倉を確認すると視線の先にライフルの弾倉が飛び込む。
「ったく。3流はただぶっ放せば済むと思ってっからこんな予備持ってくんだよ」
「が、今は助かったぜ。腕が焼けて落ちちまう所だった」
弾倉を拾い上げ追跡を続ける。
「やっぱり俺様ってヒーローだな。ピンチになっても何とか切り抜けるぜ!」
怒りの表情は消え、むしろ余裕の表情に変わる。
「糞共!俺は無宗教だが慈悲の心ってやつであの世へ送ってやらぁ!覚悟しな!」
集団は巣の外の通路へ向けて移動している様だ。
「ハッハッハッ!大人しく返しな!じゃねぇと苦しむ事になるぜ?」
「・・・ちょっと重いな。これ」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード3/10
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 2匹を追い巣の外・封印された通路へ
>>211 セルゲイに銃弾を撃ち込まれた物体は、怯む事無く全身を続ける。
体の大部分を構成する細胞は、細胞単体で消化や呼吸が出来る原始的な構造をしているが故に、
肺や心臓と言った弱点となる個所は、一切存在しない。
持っている感覚も聴覚と視覚だけという単純な生物である。
しかし、先頭を行く物体は、大きく前に倒れこんだ。
5本の触手とその先に付属している眼球で以って、己の状況を確認する。
鉄鋼榴弾を喰らった胴体は、そのほぼ半分が吹き飛んでいる。
明るい緑色の体液が傷口…いや、断面が大量に垂れ流されている。
倒れた体を踏み潰し、前進する仲間に踏まれる度に体液が噴き出していく・・・
5本の触手が力無く横たわり、物体は生命活動を完全に停止した。
細胞自体は頑強であっても、生命活動に必要な環境を維持できなくなれば、死んでしまう。
10発からの銃弾を撃ち込まれれば、死んでしまうのだ。
ノロノロと通路を移動する物体の群れは、セルゲイへとどんどん近づく。
一匹がセルゲイの投げた手榴弾を触手で受け止め、珍しい物を見るようにじっくりと観察する。
その瞬間、手榴弾が爆発し、破片が撒き散らされた。
物体達の群れの殆どが、今の一撃で視覚を奪われてしまった。
しかし、まだ完全に死んだ個体の数は少ない。
物体たちは、獲物を見失ってウロウロと周囲を探るように歩き始めた・・・
>216
大森の体が激しく波打ち、そののちに再び
まるで白い吐息で咳き込むように、同色の粘液が噴出し始める。
俺はライフルをもたげて、驚嘆の表情を浮かべる。
「いやいや・・・最悪だな」
俺はライフルを構えなおすと、再度大森の頭部に向けて発砲した。
それに呼応するかのように、痙攣の勢いは加速し
白く濁った粘液もうねり始める。おみまいしたとどめが効いたのか、それとも怒らせてしまったのか?
俺は数歩後ずさりすると、キリングに一瞥した。
「本当はこんなとき、お前にくれてやる銃があればいいんだがな。それとも銃じゃ殺す相手の感情を
十分に味わえないか?キリング」
少し高揚した、調子に乗った声を掛ける。
何にせよ、ここから逃げ出さなければならない。
俺は周囲に散乱した薬瓶のなかから硫酸を見つけると、二瓶手に取った。
拾い上げた硝子の瓶を叩き割るように大森の周囲の床に叩きつける。
これは威嚇だ。接近してきたら直接ぶつけてやる。
「さて・・・俺は逃げるぞ」
状況・ドッペルゲンガーの周囲に硫酸を散布、逃げ出す準備をする。
装備品・スナイパーライフル(8発)、写真、エビリファイ錠剤、携帯電話
>205>207 >209 >213-214
鈴木さんの電話の様子に、ルーとフォードは飛び上がった。
「大丈夫だよ、二人とも。あれが『電話』っていうの。遠くにいる人と話すための道具なんだよ」
>「彼は、残念な目に遭う程の行為をした訳ですね。彼は立派な男だった。」
私は弾かれたように鈴木さんの横顔を見やった。
誰かは分からないけれど、多分、あまりよくない知らせが届いたんだと思う。
言葉は通じなくても、危険じゃないって事は通じたはず。
なのに二人はいったんは足を止めたのに、なぜか更に後退した。
>突如、振動が生存者たちを襲った。
>壁が崩れ・・・中から不気味な生き物の群れが現れたのである。
驚く私の傍らからルーが飛び出し、セルゲイさんの背中を引っ張った。
「セルゲイさん、下がって!」
その生き物は突然翼を広げると、毒液を撒き散らしながら一気にセルゲイさんに襲い掛かった。
私とフォードは鈴木さんに押し倒されて床の上を転がった。
すごく臭い。匂いが強すぎて目に染みそうなくらい。
「すごい匂い。目にしみるよ・・・」
鈴木さんはこの臭い液を少し被ったかもしれないけど、大丈夫なんだろうか。
>211
床に伏せた私の耳に、軽快なリズムで銃を撃つ音が聞こえてきた。
そして、決して聞きなれることの無い肉や骨が爆ぜる音も。
銃声がやむと、今度は爆発音と爆風が上がった。
そしておとずれる静寂。
「・・・・・・終わった、のかな。姫路さんはどこかな?」
>212
>「…ははは、あははは
(中略)
本能で生きる同属の化け物でも、君の狂いっぷりにはね」
「はっ、笑わせてくれるもんじゃな。まともな人間なんぞ、遠の昔にくたばっちまったろうに。」
ワシが生き延びたのは、狂った連中と上手くやってきたからに過ぎん。
人間なんぞ簡単に壊れる生き物じゃからの。
肉も心も弱い。
「ワシもお前さんも大して変わらんか・・・」
嫁と娘を殺したところで、何も感じなかったんじゃからな。
そのまま突っ走って、村人まで皆殺しにしてやろうと思ったが、あの鈴木とか言う警官に邪魔されちまった。
>「とりあえず、同行を許してくれる気になったみたいで良かったよ
お互い、平和にここから脱出したいものだな
よろしく頼むよ、Judasくん、村田の爺さん」
「誰が爺さんだ!お前と大して年は変わらんぞ!」
ま、田舎暮らしの苦労が祟って、年齢以上に老け込んじまったのは事実じゃ。
気になるのは、このトカゲ野郎がジロジロJudasを見てる事だ。
「ま、平和的に脱出出来るなんて思わん方が身の為だぞ。」
ワシは鼻で笑うと歩き出した。
脱出も糞も、既に外の世界だってどうなっているのか解ったもんじゃない。
ハンターの一匹が、鼻を動かしJudasに向ってボソボソ喋り始めた。
>「喜べ、諸君。この最高に反吐の出る下水道ともお別れだ。」
ここから出る算段が着いたって訳じゃな。
「ま、ワシみたいな人間にゃ、相応しい場所なんじゃがな。」
自嘲を含めて呟くと、Judasが振り返りおった。
>「馬鹿を言っちゃいけない、リーダー君。
本当の恐怖は太陽の真下、真昼間に起きるものなんだ。
地面が飲み干せない程の血をぶちまけて、たっぷりと恐怖を楽しんで貰わないとね。」
「どう言う意味だ?」
>「最高の人間を見出す為に必要な事なんだよ、リーダー君。
闇に隠れてコソコソ這いずる獲物よりも、撒き散らされた血と内蔵を踏み越えて向ってくる者こそ真の人間だ。
喰らうべきでなく、闘う価値のある人間なんだ。」
ワシは、返すべき言葉が見付らなかった。
Judasに取ってワシは闘うべき相手と見られ取るんだろうか?
ま、そんな事はどうでも良かろう。
時が来れば解る事じゃからな。
「博士!さっさと行くぞ!」
状況:移動開始。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(183)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(1)、カプセル弾X3
>>216 「化け物、化け物、ばけもの・・・ばぁーけもの」
のたうち回る「そいつ」を見て、俺は大きく裂けた口を
広げて笑う。
まと、ま、あぁ。マトバ、とか云う奴の銃がそいつの体を射抜いてから少しばかり。
まだそいつは不規則に蠢きながら、生きているようにも見える。
「こいつは最高の玩具だ。世界が燃える為のガソリンにはちょうどいい。」
俺は怪物に変身して蠢いた「かつて人間だった」それを見て、小さくウインクした。
>>222 >「本当はこんなとき、お前にくれてやる銃があればいいんだがな。それとも銃じゃ殺す相手の感情を
>十分に味わえないか?キリング」
俺はマトバの顔を覗き込むようにして、頭を掻く。
「いや、俺は殺すのも好きだが殺す人間を見るのも好きだ。
だから自分で何もかも手を下す必要なんてのはない。
俺が愛してるのは人間の狂気さ。そう、あんたのような狂った人間を見るのが」
>「さて・・・俺は逃げるぞ」
マトバの後ろをスキップしながら着いていく。
これからが地獄だって?
ハハ、地獄ならちょうどいい。それなら全員道連れにしてやる。
現在地:研究室
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:マトバの背後でスキップ
>220
モーロック達が封印された通路を走り続ける。
鎖で拘束された人間だった何かが磔にされた壁を通り過ぎ、地下道の奥へとミヒャエルを誘う。
更に奥へ。より深い闇の奥へ。
暗闇の中、巨大な蛇のような何かが、山田あすかの前に立ち塞がっている。
いや、どちらかと言えばウナギに近いのかもしれない。
艶やかな体液に覆われた黒い肌。
一抱えもある巨大な胴体が、地面を滑るようにように動く。
モーロック達は母胎に食料を届けるべく、封印された通路へと戻ってきたのだ。
息を切らしたミヒャエルが、壁に片手を着く。出っ張りに気が付く。
封じられた通路の、封じられた照明のスイッチ。
電力が供給され、灯りが燈る。
母胎が半世紀ぶりの光に歓喜の声を上げる。
モーロック達が、巨大な卵管から這い出た母親の姿にたじろぐ。
母胎の顔は、人間の顔だった。
日記の謎が解ける。
磔になっていた男達は、手術を受けた捕虜だった。
母胎は、彼らと代わる代わる交じり合った、人間の女だった。
モーロックは、ウィルスと手術の結果生まれた子供達だった。
軍医達が、研究者達が考えもしなかったウィルスの産物。
照明の中、母胎の顔が歪んでいるのが解る。
母胎は、山田あすかに嫉妬している。怒り狂っている。憎悪している。
未だに人間の姿を保っているからだ。
彼女にはそれが耐えられない。
化け物には、それが耐えられない。
彼女の後ろ、蜂の巣のような色と形をした卵管の更に後ろに、扉が見える。
山田あすかが見つけた鍵が差し込まれるのを待っている。
>212>224
彼が向った先には、巨大な扉があった。
扉の向こう側からは、蒸気が噴出す音やピストンが動く音が聞こえてくる・・・
どうやら、この先は下水処理施設のようだ。
学校の25メートルプールと同じくらいの大きさの汚水槽や浄化槽が部屋一杯に並んでいる。
天井には処理に使う為のスチームパイプが張り巡らされていて、熱気が篭もっている。
ここで下水を浄化し、水を排出しているらしい。
・・・浄化槽の中で、何かが動いた。
一匹だけではない。
数匹の巨大な何かが蠢いている。
そいつらが浄化槽から這い出してくる。
1メートルはありそうな、巨大なアメリカザリガニの化け物だった。
殻は所々が砕け、中から腐敗した体液が噴出している。
村田や青山博士の姿を確認すると、巨体からは想像出来ないスピードで襲い掛かってきた!
>224
>「誰が爺さんだ!お前と大して年は変わらんぞ!」
「ははは、いや失礼
見た目の年齢が随分と老け込んで見えたものでね
てっきり60歳くらいのご老体かと思ったのだよ
村田さん、でよろしいかな?」
年寄り扱いしたことを特に悪びれる様子も無く、飄々と返す
まあ、この爺さんの言うことも最もである
この状況で平静を保っていられる人間など、神経が図太いどころかどうかしている
どうかしているからこそ、この爺さんは今までを耐えられたのだろう
また、同様に「どうかしている連中」とも上手くやってこられたのだろう
人間だったときから私はまともではなかったが、緊急事態を前にいよいよ正気を失っていた
正直なところ、正気と言える正気を取り戻したのは化け物になってからである
この二人に比べれば、私はまだまだまともなのだなと思えてしまう
>「ま、平和的に脱出出来るなんて思わん方が身の為だぞ。」
「この面子なら早々化け物に遅れは取らないだろう
何、あとは協調性の問題だけだ
もっとも、それが一番厄介な問題なのだろうがね」
お互いがお互いを牽制しあうような一触即発の空気、嫌いではない
一見平静に見えるが、この爺さんもJudasという男も一切隙を見せてはいない
その注意は私や未知の脅威だけでなく、元々組んでいた相手にすら向けられている
信用・信頼とはかけ離れたこのパーティ、崩れ去るのは何時になるのやら
>「喜べ、諸君。この最高に反吐の出る下水道ともお別れだ。」
ここから出る算段が着いたって訳じゃな。
>「ま、ワシみたいな人間にゃ、相応しい場所なんじゃがな。」
「ほう、どうやら何か思いついたことでもあると?
私が入ってきた本来の出入り口は、緊急事態に際して閉鎖されてしまったのだがね
ここの秘密連絡通路はよく使ったが、実は詳しい抜け道などについては余り知らないんだ
研究に没頭していて、それ以外のことを気にしたことは無かったからね」
正直な話をすれば、嘘である
この施設は私の家の庭のようなもので、特にこの通路の構造について知らないことはない
抜け道など、探せばいくらでも見つかる
ここは、怪物化していた間にさ迷っていた地下搬入路や女王蜘蛛の巣があったゴミ処理場などとも繋がっている
地下実験場や観測基地へ抜けるエリアなども熟知している
こいつらに同行するのは、、どのように行動するのか大いに興味があるからだ
そのために、後ろから撃たれるかもしれないというリスクを背負ってまで仲間に加えてもらったのだ
だからこそ、多少の遠回りも我慢しなければならないのだろう
>「博士!さっさと行くぞ!」
「やれやれ、こっちは待たされていた身だというのに…
そう言うのなら、どうかしている者同士のよく分からない会話は程ほどにして欲しいな」
>228続き
無論、この言葉も本意ではない
正直、連中の意味深な会話は聞いていて飽きない
これからどのような展開が待っているのやら
肉を喰らうよりも楽しみである
>211 >215
俺は研究室を抜け出すと、何処へあてもなく廊下を駆け出す。
後ろからは肢体がのたうちまわる、なまめかしく不吉な音がたち、
薄暗い廊下全体に反響を及ぼしている。
ライフルを背中に掛け、俺は両手を打ち振り、鋭敏に走る。
激しい靴音が研究所内に鳴り渡り、俺は廊下を何度か折り曲がると、
途中で自分が興奮していることに気づいた。
しかし今はそれをより明瞭に意識するほど、余裕ある状況でもないのだ。
激しい疾走のなかで、何度か首を後ろにまわして追跡者の姿を確認しようとする。
何者かが構築していたバリケードを発見し、それをよじ登る。
崩れ落ちた机と椅子が音を立てて崩れ、バリケードの向こう側に到達する頃には全体が
悲惨なまでに崩壊していた。
この耐久力では、万が一少年のB,O,Wが追跡してきた場合、身を守ってくれそうにない。
俺は諦観ののち、再び走り出す。
数分の疾走の後、どこからか爆発音がし、思わず足を止める。
そのままかがみ込み、地面に嘔吐しそうになる勢いで呼吸を整える。
銃を撃つ音が反響し、着弾後のグロテスクな音が続けざまに響き渡る。
「随分と・・・物騒なものもってんのな・・・」
後ろからつきまとってくるキリングを一瞥する。
別にあのままはぐれてしまっても良かったのだが。
彼は相変わらず陽気に口元を歪ませていた。正確には切り傷と言うべきか。
「なんだ、バリケードは突破してくれたか」
状況・ セルゲイの銃声を耳にする。
装備品・スナイパーライフル(8発)、写真、エビリファイ錠剤、携帯電話
>221
爆風が収まり、顔を上げると、手榴弾の爆発にも拘らず未だに連中の多くはぴんぴんしていた。
(原始的な肉体構造ゆえに耐久力が高いのか)
セルゲイはうんざりした思いで、ノロノロと蠢く化け物たちを一瞥した。
どうやら連中の殆どが今の爆発で視聴覚を奪われ、混乱しているようだ。しかし戦闘能力を完全に
失った訳では無い。セルゲイと小川だけならば避けてこのまま進む事も出来るだろう。だが生憎と
子供と二匹の猫にはそれは無理そうだ。
ならばセルゲイが取る行動は一つだ。
「……」
ハンドガード部に装着されている擲弾発射器の安全装置を切替える。
「AKを撃ち尽くしたらグレネードを撃つ。グレネードの爆発が収まったら、直ぐに移動するぞ」
そう言い、身振りで小川達に後ろに下がるよう促す。
擲弾の爆風が届きそうにない所に小川達が隠れたのを確認すると、セルゲイは化け物の群れに
向かってフルオートで弾薬が撃ち込む。AKのフルオート射撃は非常に制御し辛いが、RPK用の大型
フラッシュハイダーが装薬を完全に燃焼させ、ハンドガード部に装着した擲弾発射器がカウンターウェイトと
なって反動を軽減していたのでそれほどでもない。弾倉が空になると同時に擲弾発射器の引き鉄を引く。
ポン、と軽い発射音の直後、化け物の群れで猛烈な爆発が起こり、連中を薙ぎ倒す。
「行くぞ」
撃ち尽くしたAKをスリングで体の前に吊り、レッグホルスターから10mmAUTO仕様のグロック20を抜き、
ルーを小脇に抱える。床は倒した化け物どもの体液やら体組織やらで酷い有様だ。自分や小川は頑丈な
タクティカルブーツを履いているが、彼らの足の裏には肉球しかない。流石に彼らもそんなところを
歩きたくはないだろう。
セルゲイは右手に拳銃を握り、左脇に子供ほどもある猫を抱えて倒した化け物が隙間なく転がる床を
飛び越えるようにして進んだ。
持ち物:AK103カスタム(0)+GP30グレネードランチャー(0)、グロック20カスタム(15+1)、RGD-6手榴弾×5、
VOG25高性能炸薬榴弾×10、30連AK弾倉×11、15連10mmAUTO弾倉×6、AKバヨネット、
謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:AKとグレネードを撃ち込み、シングスが立ち直る前に移動開始。ルーを脇に抱えている。
>214>221>223>231
鼻を刺すような刺激臭に、小川が口で呼吸を始める。
>「すごい匂い。目にしみるよ・・・」
ライフルを片手に、小川が普段と違った答える。
「星輝丸の一件を思い出すな、啓太君。」
あの少年と出会った船の名前を呟く。
充血した目の中を、過去と現在が入り混じった黒い濁流が流れている。
口元には獣じみた笑顔が浮かび、背後で聞こえる銃声を楽しんでいるように見える。
「だが、大丈夫だ。あの・・・玉座を作った化け物がうろついているが、大丈夫だ。俺が居る。」
そう言って少女の肩を優しく叩く。
ウィルスに感染し、変異したユダが死体から作った歪んだ玉座を思い出す。
「無事で居てくれて、本当に良かった。」
そして続く爆風。
「でも、あいつと蹴りを着けなきゃならないな。」
>「・・・・・・終わった、のかな。姫路さんはどこかな?」
>「AKを撃ち尽くしたらグレネードを撃つ。グレネードの爆発が収まったら、直ぐに移動するぞ」
小川の代わりにセルゲイが答える。
その声に振り返った小川が頷き、遮蔽物を求め、後退する。
「爆発の後、即座に移動します。」
姫路の名前は出さない。
電話の向こう側の男に情報は与えたくない。
少女と猫を起し、手を引いて遮蔽物まで移動する。
地獄に似つかわしくないポンっという軽い音に続き、耳を劈く轟音が響く。
酷い匂いのする防寒着を脱ぎ捨てておく。
>「行くぞ」
猫を抱えて走るセルゲイに倣い、猫を肩に担ぎ、少女の手を引いて小走りに移動する。
セルゲイと体格が違う小川に取っては、抱えるよりも担いだ方が動き易い。
もっとも、担いだ所でセルゲイのように軽々と死体の群れを飛び越えるような事は出来ないが。
慎重に、少女の手を引きながらゆっくりと動く。
「足下には充分、気を付けて下さい。」
姫路に向って、小川が言う。
なんとか渡りきった所で、小川が猫を下ろす。
「マガジンチェンジが必要なら今のうちに。私がカバーします。」
セルゲイの隣に張り付くような位置に立ち、小川が言った。
山田あすかやミヒャエルとの合流地点は近い。
早く移動し、山田あすかが安全である事を確認したかった。
「すっかり忘れていたな。そろそろ自己紹介をして貰えませんかね?」
小川が電話の向こう側の明石に向って、吐き捨てるように呟いた。
「ゼェゼェ・・・中途半端に人の体弄るくれぇなら心肺も強化しろっつの!」
「しかしあいつら一体どこへ・・・っと」
通路の深部に到達し、暗がりに見知った人影と奇妙な人の壁、1つの大きな鰻の様なモノが目に映る。
「あぁ?何だあの姉ちゃんもこっち来てたのか。・・・悪趣味な場所だなぁ何なんだこりゃ」
「何だありゃ。人・・・じゃねぇよな。場所に似合うっちゃ似合ってるが」
>>226 >息を切らしたミヒャエルが、壁に片手を着く。出っ張りに気が付く。
「・・・ん?おっとと・・・何だよ電気来てんのか。ってう〜わ〜」
正面に見える対峙した2つの影。灯りに照らされ姿が鮮明に映る。
「怒り狂ってやがんなぁ。美人に嫉妬ってか?へっへ!キャットファイトかよ!」
「・・・化け物の群れ共の母親って訳か。この壁共は父親ねぇ。糞が」
山田あすかの背後から驚かさない程度に声を掛ける。
「よぉ待たせたな。お取り込み中悪ぃんだけど、ソコのソレはあの糞共の親らしいんだ」
「話すと酒の肴にもなりそうなもんだがまた今度な。ひとまず2匹の猫のガキを助けたい」
人の顔をした鰻に身動ぎしている化け物の群れから2匹の姿を探す。
「居た居た。なぁ、姉ちゃんここまで来られたんだし、結構やれるんだろ?」
「へへっ!今更隠す様なこっちゃねぇだろうよ。俺はプロだぜ?常人じゃねぇなんて直ぐ気付くって」
2匹の側に移動を始め、山田に再度声を掛ける。
「だが俺様にとっちゃあんたが超人だろうが病人だろうがどうでも良い話だ」
「このいかれた現状を打破して帰って酒飲んで寝る。尤もこの体がどうなってんだか・・・」
やや乾いた笑顔を見せながらOIWCを構え狙いを定める。
「じゃ、そっちのでかいのは頼むぜ。後ろの扉が出口だろうしお互い頑張るべ」
「このお嬢ちゃんは役に立つかなーと」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード3/10
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 封印された通路
234 :
村田長男 ◆kwGllWL2yY :2008/09/08(月) 22:01:56 0
>>228 >「この面子なら早々化け物に遅れは取らないだろう
何、あとは協調性の問題だけだ
もっとも、それが一番厄介な問題なのだろうがね」
「遅れを取らんのは、当然だろうが。ワシを除けば化け物ばっかりだろうに。」
ワシは呆れた顔で青山博士を見た。
ま、協調性に関しちゃ、化け物博士の言う通りじゃがな。
>「ほう、どうやら何か思いついたことでもあると?
中略
研究に没頭していて、それ以外のことを気にしたことは無かったからね」
>「ほう・・・抜け道ねぇ。」
Judasが意味ありげに笑う。
>「偵察に出した我が同胞が生き物の匂いを嗅ぎつけただけだよ、ドクター」
さっき鼻を動かしとった一匹の事なんじゃろうな。
「猿面の群れが、どっかに居るって事か」
結構な数が逃げ出したのだから当然と言えば当然の話じゃな。
しかし、あれだけの数の化け物が住むようなスペースが存在するって事になる。
そんだけ餌も豊富にあるって事になっちまう。
>「やれやれ、こっちは待たされていた身だというのに…
そう言うのなら、どうかしている者同士のよく分からない会話は程ほどにして欲しいな」
「知らんのか?気違いってのは、自分をまともだと信じ込んどるんだ」
>>227 向った先にゃ、でっかい鉄製の扉が待ち構えとった。
他に通路らしき通路も見当たらんから、先に進むしかない。
「メンテの業者は、ここまで来てたのか?」
扉は、案外簡単に開いた。
「生き物ってより、生き物の活動の形跡の匂いじゃな・・・」
熱気と悪臭ってのは、最悪の組み合わせって訳だ。
ガキの頃に汲み取り式の便所に落ちた奴と同じ匂いがしとる。
ま、実際はワシが突き落としたんだが、散々からかってやったら泣き出しちまったのを覚えとる。
「嫌な匂いじゃな・・・」
浄化槽の近くまで来た途端、ごぼりって音がしたんで振り返ってみたら、水面の下を何かが泳いでいやがる。
>「これはこれは・・・」
「そう言えば、一寸前まで裂きイカを食っとったんだがな」
ま、それだけが理由じゃあるまい。
>「リーダー君、それにドクター。それぞれ一匹ずつ頼む。」
「任せとけ。さっそく試してみる事にするか」
ワシはアンプルシューターに錠剤が入っとるのを確かめる。
「もっとも、あんだけデカけりゃ殻も厚そうじゃな。」
先ずは剥きエビにしてやるのが先じゃろう。
巨体に似合わぬスピードで襲い掛かってくるザリガニの化け物にマシンガンをぶっ放し、
アンプルシューターを片手に通路を走る。
殻が破れとったら、アンプルシューターでの一撃を食らわせてやればよかろう。
ワシは、自分がすっかり怯えていないのに気が付いて、笑い出しそうになっちまった。
それどころか、冷静に次の一手を考えとるんだからな!
状況:アメリカザリガニに銃撃を加える。アンプルシューターに持ち替え、移動中。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(157)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(1)、カプセル弾X3
>227
「やれやれ、面倒な場所に来てしまったものだ
ここは汚水臭くて嫌いなんだが…」
九武村の地下実験場の浄水システムが集中した施設である
ここで使用済みの汚水を加熱殺菌などをして、再利用するのである
しかし、飲み水ではなく専ら実験用に使う代物のため、味はかなり不味い
その上、大量発生した大蜘蛛の影響で孤立していたため、整備がロクになされていない
無駄にデリケートな機械類が、調子を狂わせて暴走している
冷却が追いつかず、熱気が篭ってしまっているのが何よりの証拠である
だが、この悪臭は何だろうか
「やはり、蜘蛛どもの始末は早い段階で済ませておくべきだったか
招かれざる客までおいでとは…」
体長1メートルほどのアメリカザリガニが素早い動きで近付いてくる
こいつらが悪臭の原因、頭が痛くなるような光景だ
無能な調査隊の連中が、持ち帰った旧日本軍のロクデナシを弄くって作ったモノだ
図体が大きいだけだった個体を新型のウイルスで変異させ、戦闘力を強化した
だが、凶暴化して不安定になり、肉体組織の崩壊を早めるという結果をも招いた
下らない連中が作った下らない化け物を、下らない連中が更に下らなくしたのだ
…全部廃棄処分になったと聞いたが、こんな所にまだ保管していたとはな
「こんな下品な化け物では、食べる気にもなれない」
迫り来るアメリカザリガニの突進をジャンプで交わし、天井からぶら下がって様子を見る
煮ても焼いても食えないモノなど本気で狩る気にはなれないが、怠けても居られない
そのまま移動を続けるザリガニの背中目掛けて急降下する
足だけを変態させ、体重で踏み潰そうとする
状況:巨大ザリガニを踏み潰すべく、ぶら下がっていた天井から急降下
現在地:汚水浄化室
持物:抵抗薬
>234
>「偵察に出した我が同胞が生き物の匂いを嗅ぎつけただけだよ、ドクター」
「生き物か…
この辺りでさえ結構居るからね
本施設の方などそれはもう化け物の大安売りだろう
…ということは、同胞さんは脱出ルートを確保できたということかな?」
化け物や生存者の臭いなど、珍しいものではない
しかし、この辺りは本施設からの隔離度が高く化け物の数自体は少ない
つまり、化け物の数が多い場所ということは本施設のある場所ということになる
なるほど、Judasは抜け目が無いな
村田の爺さんの言う猿面の群れというのは、おそらくモーロックのことだろう
奴らならまだ、蜘蛛やザリガニよりは食いでがある
腹を抑えながら、早々に目の前の脅威を取り払いたいと思う
>「知らんのか?気違いってのは、自分をまともだと信じ込んどるんだ」
「なるほど
村田さん、あんたの言うことももっともだ」
237 :
ルーとフォード:2008/09/10(水) 21:21:05 0
>>231 セルゲイが大きな音を立てると、「あいつら」がバタバタと倒れていった。
いきなり圧し掛かって来たは驚いたけれども、その後に聞こえた音には、もっとビックリした。
ずっと耳を閉じていたけれども、まだ耳が痛い。
突然、セルゲイに持ち上げられた時には、パニックを起こしかけていたけれども、
目の前に広がる光景に息を呑んだ。
どんなに頑張っても倒せなかった「あいつ等」が、身動き一つしていない。
バラバラになって、床に倒れている。
セルゲイが「あいつ等」の死体を飛び越える時に、小川の小脇に抱えられているフォードが見えた。
満面の笑顔でフォードに手を振ると、同じように興奮した表情で手を振り返してくる。
>>232 「あいつ等」の死体の山を越えると、小川がセルゲイに擦り寄るように近づき、周りを見回している。
仲直りしたのかな?と思ってフォードもセルゲイに擦り寄ってみた。
ルーは、気分の悪そうな少女に擦り寄って、様子を見る事にした。
>>234 >「もっとも、あんだけデカけりゃ殻も厚そうじゃな。」
村田の言うとおり、デッド・ロブスターの殻は分厚い。
銃弾位なら、軽く止める事が出来る。
しかし、硬度がある分、銃弾のエネルギーを逃がす事が出来ずに、ひび割れを起してしまう。
連続して銃弾を受けたならば、その殻は簡単に砕け散ってしまう。
真っ赤な血のような殻は、銃弾を連続して喰らった事によって砕け散り、撒き散らされた。
殻によって体が支えられているデッド・ロブスターは、身動きが取れなくなる。
腐敗した、紫の斑点混じりの白っぽい肉が剥き出しとなったデッド・ロブスターは、身動きが取れなくなっていた・・・
>>235 >「こんな下品な化け物では、食べる気にもなれない」
デッド・ロブスターの目がアオヤマ博士の姿を捉える。
身の危険を察知したデッド・ロブスターは、全身をバネにして後退する。
そう、よくザリガニやエビが危険から逃げる時にやる、アレである。
アオヤマ博士が着地した瞬間を狙い、巨大なハサミが突き出される。
人間の首など一撃で切り落としてしまいそうなハサミだった。
気がつくと
俺はあの燃え盛る列車の前にいた
どうやってここまで来たのかも
これまで何が起こっていたのかも
もう、何もわからない
ただ、俺の前には俺が生きて脱出できる中で最高数値
0,0001%の脱出成功値を持つ脱出路がある
ここを登り、向こう側へいければ、俺は助かるのだ
もうこの地獄を見なくて済むのだ
炎の壁を、この炎の壁を越えさえすれば…
俺は、夢遊病の様に手を前にさらした
腕が焼ける
あっという間に黒く焦げ、骨が見え、溶けて行く
…熱さを感じない
…歩を進める
目蓋が熱い…視界がぼやけ、見えなくなる
体が泥の様に溶けて行くのがわかる
ああ、そうか…
俺は…俺は死ぬんだ…
……………意識が薄れて行く
………………薄れ行く意識の中で俺は、最後に…………死にたくない、と心から思った
状況:焼死(エンディング)
場所:地下鉄
所持品:なし
>>235 >「やはり、蜘蛛どもの始末は早い段階で済ませておくべきだったか
招かれざる客までおいでとは…」
ワシは聞き耳を立てていただけで、他には何もせんかった。
ま、この博士が色々知っているってのは、解った。
ザリガニだけでなく、蜘蛛の化け物も待ち構えているって訳だ。
>>238 銃弾を撃ち込み始めた時にゃ、頑丈すぎて撃つだけ無駄かと思ったが、そうでもないらしい。
撃ち込む内に殻が割れて、剥き身になりおった。
ま、こうなっちまえばエビチリと左程変わらん。
上手く料理してやるだけだ。
ワシは慎重に狙いを着けて、アンプルシューターを撃った。
博士の言う通りの効能があれば良いんじゃがな。
Judasの方を見てみれば、両方のハサミをもぎ取って、巨大なザリガニを何度も壁に叩きつけている所じゃった。
「さて、アンプルとやらの効果はどんなもんじゃろうな。」
状況:デッドロブスターにアンプルシューターを撃ち込む。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(157)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(0)、カプセル弾X3
>238
「おっと、危ない…」
両腕を変態させ、デッド・ロブスターのハサミを受け止めてやった
なかなかどうして、勘の鋭い個体も居るものだな、と思った
ちゃっちゃと片付けたかったが、少々甘く見すぎていたようである
もっとも、変態さえしてしまえば大した相手ではない
私が自分自身に投与したウイルスは、このロクデナシより確実な代物だからだ
「余計なサプライズはお呼びではないのだがね」
そのまま受け止めたハサミを掴み、軽く引っ張って千切ってやった
外殻は硬くても、肉体組織は脆くなっている
こいつらを壊すことなど造作も無い
Judasが解体しているのと同じように、こちらも解体してやる
痛みでもがいているロクデナシを蹴飛ばし、壁に叩き付ける
「さて、もう終わりかね?」
>240
「蜘蛛に関して心配は要らないさ
生存者の一行が親玉の女王蜘蛛を始末したからね
生き残っている個体など、統制を失った有象無象の雑魚に過ぎない」
村田の考えを見抜いたのか、蜘蛛については心配は要らないとだけ言っておく
もっとも、女王蜘蛛に止めを刺したのは正気を失っていた時の私なのだが
>217
「…げほっ…げほっ」
粘つく様な空気に胸が苦しくなって咳き込んでしまう。
生温かく不気味な暗闇に重苦しい空気。
ぶちまける様に辺りに撒き散らされた、訳の判らない粘液を踏み付ける度に
背筋に気味の悪いものが這い上がってくる。
正直、此処にはあまり居たくない。
「…何か化け物が繋がれてたりしてね…きゃ!!」
予想を裏切らず、至近距離に浮かび上がった人影。
人の形をした無数の何かが目と口を塞がれ、呻き声を上げながら拘束された手足を動かしていた。
「何なのよ…これ…。此処で一体、何をやってたのよ。」
どうやらそれらは拘束によって動けないでいるらしい。
金属の音はこの鎖の音だったってわけか…。
「バキンってお約束で壊れて襲ってくるとかそうなったら不味いわよね、やっぱり。」
本当にそんな事態になったら困る。
粘つく地面を蹴って私は駆け足同然でその場所を通り抜ける事にした。
>錆び付いた扉の前に、歪な母性の象徴を黒檀に刻み込んだ彫刻を見つける。
>異常なまでに整った上半身はサモトラケのニケの様に両手が失われており、
>多産の象徴たる肥大化した下半身。
>2本の足は癒着し、蛇のような一本の足になり、背後の卵管へと繋がっている。
「えっと…これって…」
宗教的な意味を持った彫刻?
でも何でこんな所にこんなものが?
…違う、コレは…
>「…ミタサレネバ……ナラヌ…ミチネバ……ナラヌ……」
彫刻の首が動いてゆっくりと瞼が持ち上がる。
暗くてよく判らないけど、多分、赤く染まった様な目が私を見下ろした。
「貴女…一体誰?」
彼女はそんな事が聞えていないとでもいう風に私を眺めた後、自らの肉体を眺めていた。
突如見開かれる双眸。続いて搾り出す様な憎しみの声。
>「…ミナイ…デ……ミナイデ……ミ……ルナァァァッ!」
「え!?」
狂った様に床に倒れ込み、身体を蛇みたいに使って這いずる姿に息を飲んだ。
間違いない、殺す気だ。
>226>233
嘲笑を思わせる化け物の鳴き声と人間の足音が聞えてくる。
突然、今居る空間が光に包まれた。
彫刻の女は歯をガチガチと鳴らしながら接近している。
>「怒り狂ってやがんなぁ。美人に嫉妬ってか?へっへ!キャットファイトかよ!」
>「・・・化け物の群れ共の母親って訳か。この壁共は父親ねぇ。糞が」
この不釣合いな軽い口調の人物を今のところ私は一人しか知らない。
「え?母親?」
息を切らせている彼を振り返って引っ掛かった言葉を鸚鵡返ししてしまう。
母親ですって?
>「だが俺様にとっちゃあんたが超人だろうが病人だろうがどうでも良い話だ」
>「このいかれた現状を打破して帰って酒飲んで寝る。尤もこの体がどうなってんだか・・・」
「ッ!?」
撃ち抜かれると身構えたけど、どうやら彼の目的はミーミーと鳴いている仔猫に向けられている。
「同感ね。こんな気味悪い所から早く出たいわ。」
ナイフを構え殺意を剥き出しにした化け物の母親と睨み合いながら言葉を返す。
「キャットファイトなんて生易しいもんじゃなくて、女の修羅場が見れるかもね。」
いえ、化け物同士の殺し合いが正しいか…。
蛇の様に這いずる相手には周り込んで刺せばなんとかなる。
その傷口からどさくさに紛れて私の血液を―
甘かった。完璧に目の前の対象に囚われて背後への注意が全く無かった。
傷を負ったままの左肩を、背後から猿の化け物に引っ掻かれ倒れこんでしまう。
それを待っていたとばかりに彼女が恐ろしい勢いで迫り、圧し掛かってきた。
所持品:錆びた鍵 H&K MP7 ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内隠し通路
状況:左肩負傷(未処置) モーロックの母親と不利な状況で格闘開始
>>233 ウルタール達を咥えたモーロックは、通路の一番奥の扉の手前に子猫達を投げ飛ばした。
子猫たちに怪我は無いが、怯えきった表情でミャアミャアと鳴いている。
>「このお嬢ちゃんは役に立つかなーと」
母胎の背後にあった卵管の中から、モーロック達が飛び出す。
皆が一様に喘ぎ、苦痛の呻き声やか細い泣き声を上げている。
未だ完全に形成されていない皮膚、剥き出しになった内蔵、零れ落ちそうになっている眼球、
中には骨すらも満足に出来上がっていないモーロックも居る。
母胎が抜け出した事によって、管理されなくなった卵管から飛び出した未熟児達。
相当な数のモーロックが、床だけでなく、壁や天井に張り付き、ミヒャエルに肉薄しようとする。
>>242-243 >「キャットファイトなんて生易しいもんじゃなくて、女の修羅場が見れるかもね。」
山田あすかの勝気な台詞を嘲笑うように、母胎がカチカチと歯を鳴らす。
ゆっくりとその存在を誇示するように、這いずり回る母胎。
>「キャットファイトなんて生易しいもんじゃなくて、女の修羅場が見れるかもね。」
ミヒャエルが警告を発するよりも早く、一匹が山田あすかの左肩に一撃を喰らわせる。
引き裂く、というよりも引き摺り倒す為の一撃だったのかもしれない。
山田あすかが倒れ込んだ瞬間、母胎の上半身が圧し掛かる。
大きく開いた、牙の除く口から、湿った土のような匂いの息が吐き掛けられる。
咽喉元に噛み付く直前に、母胎の整った顔立ちが邪悪に歪む。
べろり、と長い舌が山田あすかの顔を舐める。
若く、健康な、人間の女。
「……新タナル……母……新タナ血……新タナ……子宮……」
より陰鬱で悲惨な復讐。
しなやかな蛇の体で山田あすかを抱き締め、無理やり立たせる。
その姿は、巨大な蛇がとぐろを巻いたまま、獲物の全身を締め付け、骨を砕こうとする姿に似ている。
ただ、蛇と違うのは山田あすかの健康を気遣うように、優しく抱き締めている事位だろう。
力を振り絞れば、何とか引き剥がす事が出来るかもしれない……
「供ニ……父達ノ元ヘト……参ロウゾ…」
再び、山田あすかの顔を舐める母胎。
長い舌が咽喉元をくすぐり、歪んだ喜びに満ちた目が笑う。
モーロック達の大海嘯は、モーゼによって割られた海のように二人を避け、ミヒャエルへと肉薄しようとする。
母胎は、その大海嘯の中を悠然と進む。
山田あすかを、父親達と合わせる為に。
>>240 打ち込まれた錠剤は、即効性の劇薬に等しい効果を齎した。
ウィルスによって半ば強引に生かされていた細胞が、一気に崩壊していく。
錠剤が打ち込まれた細胞に潜伏していたtウィルスが変異し、ウィルスを食い荒すウィルスに変化する。
その効果は、感染の程度が低ければ生命に関わらないレベルだった。
しかし、デッド・ロブスターは充分過ぎるほど、ウィルスの恩恵を受けていた。
既に死滅してしまう程ダメージを受けていた細胞は、ウィルスのよって通常のレベル以上の生命力を与えられていた。
生まれ変わったtウィルスに食い荒され、エネルギーの供給がストップした今、細胞は生命活動を急速に停止していった。
全身のウィルスが食い荒された時、デッド・ロブスターの体は、溶けるように消えようとしていた。
>>241 >「余計なサプライズはお呼びではないのだがね」
突き出された鋏を易々と受け止めた博士の手によって、デッド・ロブスターが軽々と解体される。
もう一方の鋏も受け止められ、思いっきり振り回されてしまう。
腐りかけた組織は、振り回された際の遠心力に耐え切れない。
鋏を博士の腕の中に残したまま、投げ飛ばされた。
追い討ちの一撃は強力で、壁まで軽々と蹴り飛ばされてしまった。
その衝撃で殻が砕け散り、組織には修復不可能なまでに痛めつけられる。
殺戮の為の両手を失い、組織に致命的なダメージを負った今、
デッド・ロブスターはヒクヒクと触覚を動かす事しか出来なかった。
そして、一分と立たない内に触覚の動きが止まり……完全に死に絶えた。
>244
2匹の猫は奥の扉へ飛ばされ、母の遺した卵管より化け物が這い出す。
ある者は天井へ、ある者は壁へ。
>未だ完全に形成されていない皮膚、剥き出しになった内蔵、零れ落ちそうになっている眼球、
>中には骨すらも満足に出来上がっていないモーロックも居る。
>母胎が抜け出した事によって、管理されなくなった卵管から飛び出した未熟児達。
>相当な数のモーロックが、床だけでなく、壁や天井に張り付き、ミヒャエルに肉薄しようとする。
「普通なら生命の誕生・神秘の瞬間って所だが残念ながらてめぇら糞供は生命じゃねぇ」
「半端な奴が半端じゃねぇ俺様に勝てるとでも思ってんのか?まとめてアッチに送ってやらぁ」
「ガキ供はそこで大人しくしてな。ほんのチョットだチョット」
視界の端の女性から返答が来る。
>243
>「キャットファイトなんて生易しいもんじゃなくて、女の修羅場が見れるかもね。」
「修羅場と来たもんだ!そいつぁ楽しみ・・・おい!」
声を掛けるよりも先に山田あすかに化け物の1匹が飛び掛る。
「糞!俺が見逃しちまうとは!」
>モーロック達の大海嘯は、モーゼによって割られた海のように二人を避け、ミヒャエルへと肉薄しようとする。
>母胎は、その大海嘯の中を悠然と進む。
>山田あすかを、父親達と合わせる為に。
まるで濁流の様に押し寄せる群れ。起こされ抱擁される山田あすかに言い放つ。
「いらっしゃいませ♪てなもんだ。おい姉ちゃん!動けるんだろ?」
「俺様が2発撃ったらババァの裏へ飛びな!続きは合図してやっからよ!」
新しく手にした得物を構え、狙いを定める。
「あんまりグレネードは得意じゃねぇが贅沢言ってられねぇな」
「来い・・・来い!もっとだ、もっと近く」
十分な距離を得る。同時に続けて2発左右の流れに撃ち込む。
「今だ!飛べ!ババァに一発くれてやんな!」
(撃ち漏らしが合ってもしゃーねーな。姉ちゃんに当たっちまう。面倒だが相手してやらぁ)
「おらおら!どこに目ぇ付けてんだ出来損ないの糞供!俺様はこっちだぜ!」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: モーロックの集団へ射撃。撃ち漏らし在り。
>178
「なんだ!?」
勝負の終幕は突然だった。
千堂とアドヴァンストがいる大広間に新たな怪物がやってきたのだ。
それだけではなく怪物は、その場にいた他の怪物を襲い始めた。
このままでは千堂も襲われる事は間違いないだろう。
「ちっ、勝負所じゃないな・・・」
千堂は一度、アドヴァンストに目を戻す。
どうやら、アドヴァンストもこちらへの注意が薄れているようだ。
千堂が覚悟を決めた時、何匹かがアドヴァンストに襲いかかった。
「今しかないな・・・」
小さく呟いた後、千堂は大広間の出口へと駆け出す。
その際に、地面に捨てたライフル拾っていく。
出口に向かう千堂に気づいた怪物は、千堂へと襲いかかるが、
「退けぇぇぇぇ!!」
近づいてきた怪物を手に持った日本刀で、上から下へ、右から左へと振り抜く。
抵抗をほとんど感じる事なく、斬る日本刀に心強く思う。
だが、少しでも走る事を止めれば、千堂の命運は尽きる。
今や、仲間を切り裂いた千堂は、怪物達に完全に敵と認識されたらしい。
千堂を追う数は少しずつ増えている。
「くっ、あと少しだ・・・」
出口まで、もう数メートルしかない。
千堂は死力を尽くして走る。
「おおおおっ!!」
最後の力を出して、出口を勢いよく飛び出して潜り抜ける。
出口を出ると同時に、ミヒャエルから預かった投擲用武器を抜き放ち、ソレを出口の上付近に投擲する。
息も切れ切れのまま、少しでも離れる為に重くなった足を引きずる。
その一瞬後、轟音が辺りに響きだす。
「うあっ!!」
爆風に煽られ地面を転がりながら千堂は、投擲用武器を渡したミヒャエルの顔を思い出す。
倒れたままの姿で、心の中で小さく愚痴を呟いた。
(こんなに、威力があるなんて聞いてないぞ・・・あのおっさん)
所持品: 腕時計 古刀 脇差 ナイフ 空薬莢(3)
357マグナム(弾数6)予備の弾7発 工具 パール
マガジン(20)×6 投擲武器×1
レミントンM700(2) 予備弾(47)
青い液体の入ったケース(ウイルス)
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況:大の字になって呼吸を整えている。
>231-232 >237
>「星輝丸の一件を思い出すな、啓太君。」
私はびっくりした。ケイタという知り合いは聞いたことが無い。
そういおうとして、気づいた。鈴木さんの目には私でなく、別の誰かが映っているようだ。
>「だが、大丈夫だ。あの・・・玉座を作った化け物がうろついているが、大丈夫だ。俺が居る。」
そう言って、鈴木さんは私を安心させるように肩をそっと叩いた。
私はだまって頷いた。
ルーが不思議そうな顔をしてるけど、「私ケイタ君じゃないよ」とはとても言えなかった。
>「無事で居てくれて、本当に良かった。」
>そして続く爆風。
>「でも、あいつと蹴りを着けなきゃならないな。」
ケイタ君って誰なのかな。聞いたこと無い名前だから、この村の子じゃないはずだけど。
玉座を作った化け物ってどんなのだろう?
鈴木さんにとってはすごく特別な存在って感じはするけど、よくわからない。
>「AKを撃ち尽くしたらグレネードを撃つ。グレネードの爆発が収まったら、直ぐに移動するぞ」
私達は鈴木さんと一緒に爆発に巻き込まれないよう避難した。
鈴木さんは防寒着を捨てていくみたいだ。
でも、さっき鈴木さんはなんだか熱っぽかったみたいだ。薄着で本当に、大丈夫なのかな。
「どこかに服の予備があるといいんだけど」
飯田のおじいちゃんがいてくれたら場所を教えてくれたかもしれないけど、逸れてしまった。
>「行くぞ」
床は倒された怪物の残骸ですごい事になっていた。
「怪物、死んでる?ここ、歩かないとだめ?」
私は口元を押さえながら言わずもがなの事をたずねた。
セルゲイさんはひょいとフォードを抱き上げると、残骸が転がる床を飛び越えるように進んでいった。
鈴木さんはルーを肩に担ぐと、私の手を引いて床を移動してくれた。
すごい臭いとスプラッタな光景で私は吐きそうなのに、ルーもフォードもなんだか嬉しそうだ。
あの化け物のこと知っていたみたいだから、化け物に色々酷い目に合わされていたのかもしれない。
何度か滑りそうになったけど、無事渡る事が出来た。
>237
セルゲイさんと鈴木さんが周りを警戒している。銃の弾を交換するのかな?
気持ち悪い。はきそう。
でも、隣のルーの前でそんなことしたら心配するよね?、
「ばらばら。怪物が死んでる」
私は気を紛らわせようと、ルーに身振り手振りで言葉を話した。
ルーもフォードもすごく頭がいいんだから、少しつづでも意思疎通が図れたほうが良いよ。うん。
フォードが鈴木さんの真似をしようとしているのをはらはらする。
「フォード、こっちにおいでよ」
鈴木さんが携帯電話の会話に戻っていくのを聞きながら、私はふと考えていた口にした。
「夜明けと共にミサイルが飛んでくるらしいんだけど、この施設は大丈夫だと思う?
もしミサイルが落ちたとしたら、さっきの、猫さんたちの棲家はどうなっちゃうのかな?」
鈴木さんの電話の邪魔にならないよう気をつけながら、二人の男性に疑問をぶつける。
>232
僕は携帯電話を取ると、通話ボタンを押した。
小川平蔵からの着信だ。ここで時間を割いても茶番でしかない。
全参加者への通達は無事に行き届き、何人からかは了解の意を伝える
メールが送信されてきていた。
僕の範疇から外れるが、
この男の処刑されるまでの数十分をゆっくり堪能するのも一興かも知れない。
「明石トオルです、よろしく
ご存知かと思いますが、有谷の話していたことは全て真実です」
今更僕が何を言おうと、状況はどこにも転ばないし、この男の運命も変わらないのだ。
「そろそろそこも慣れてきたでしょう。どうです?もう居心地が良いくらい
なんじゃないですか?」
同時刻
九武村内をブーマーと呼ばれる化け物が闊歩する。
明石トオルのメールを受けた携帯電話のいくつかは、彼の腹中に埋まっている。
何人かの狩人が、この巨体の餌食になったのだ。
両手に握られたグレネードランチャーが鈍く光り、この6メートル程の巨人の姿が
地鳴りと共に悠然と移動している。全身の肌は漂白されたかのように白く、
のっぺらぼうのようなまっさらな顔面の上では、潰れたように小さな2つの目が瞬きしている。
肩から突出した筋肉を左右に打ち振りながら、頑強な肉体を持つ巨人が
研究所の姿を視認する。
>241
>「蜘蛛に関して心配は要らないさ
生存者の一行が親玉の女王蜘蛛を始末したからね
生き残っている個体など、統制を失った有象無象の雑魚に過ぎない」
>「その生存者の中に・・・身長が170センチ位の男は居たかな?
今の君なら解るんじゃないかな?無害に見えるが獣を内側に飼っているような男だよ。」
その男には、ワシも心当たりがあった。
分校の体育館でワシの・・・ワシの計画を邪魔した男だ。
思い出すだけで腸が煮え返りそうじゃが、当のJudasは涼しい顔をしておった。
ま、見ててぞっとするような顔じゃったがな。
この時はまだ、鈴木と名乗った刑事の正体なんぞ知らなかった。
>245
アオヤマ博士が寄越した錠剤の威力にゃ、流石のワシも驚いた。
こいつを大量生産出来りゃ、どんな化け物も敵にはならんだろう。
「大したもんじゃないか、博士。」
アンプルシューターに新しい錠剤を込めながら、博士に向ってワシは言った。
見事にザリガニの化け物を解体しちまった空になっちまった博士の言葉を思い出したってのも理由の一つだ。
博士がまた暴走しちまう可能性があるからな。
>247
鈍い轟音に続いて、揺れた天井からパラパラと塗装が落ちてくる。
まさかアスベストは使っとらんだろうな?
この状況じゃ大して関係無いかもしれんが、先々の事を考えれば余計な面倒は背負い込みたいとは思わん。
「結構近いな?」
あんな音を立てるのは人間くらいのもんだ。
つまり、まだまだ生き残りが居るって訳だ。
これで先へ進む楽しみが出来たってもんだな。
状況:千堂の立てた爆音を聞き取る。
現在地:謎の下水道
持物:Mk.46マシンガン(157)、ワクチン(37)、 カプセルシューター(0)、カプセル弾X3
>232
>「マガジンチェンジが必要なら今のうちに。私がカバーします。」
素早い動作で弾倉を交換し終える。数え切れないほど繰り返した訓練の賜物だ。空になった弾倉が
地面で音を立てて転がる前にセルゲイは再装填を完了していた。AKの装填のついでに擲弾にも
榴弾を込めておく。ベルトキットのポーチから鶏の卵よりも大きな40mm擲弾を取り出し、発射器の
銃口から装填する。
>237
フォードが擦り寄ってくる。鈴木の真似をしているのだろう。仔猫の純真そうなつぶらな瞳がこちらを見上げていた。
愛らしいが、今は邪魔になる。かといって邪険にすることもできない。
「この二匹の面倒を見てくれ」
困ったセルゲイは少女に仔猫の面倒を見るよう頼む。戦闘は自分の担当だ。子守までは余裕が無い。
>248
>「フォード、こっちにおいでよ」
少女に手招きされてフォードが離れていく。その間際、セルゲイはくしゃりと仔猫の頭を優しく撫でた。
「…地表貫通型でない限りはそれほど大した損害は地下の施設には与えられないだろう。
ただし、連中はそれも織り込み済みな筈だ。恐らく、地表攻撃と地下攻撃の併用だろう」
淡々と事実を語るセルゲイ。ガスマスクに覆われたその表情は少しも窺い知れない。
「地下攻撃の際にはキロトン程度の戦術核を使用するかもしれないという情報もある。これはまだ未確定だが。
どちらにしろ、連中は本気でこの村を消そうとしている。ここにあるのは連中にとっては非常に都合が悪いもの
ばかりだからな」
だが、この仔猫達まで根絶やしにするのは心苦しい。彼らは死と破壊を生み出すBOWの中にあって、
初めてそれ以外の可能性を示した好例だ。その可能性の芽を摘むのは残念だ。
「だがそんな心配はここから生きて脱出してからにするべきだろう」
セルゲイは先頭に立って進み始めた。
持ち物:AK103カスタム(30)+GP30グレネードランチャー(1)、グロック20カスタム(15+1)、RGD-6手榴弾×5、
VOG25高性能炸薬榴弾×9、30連AK弾倉×10、15連10mmAUTO弾倉×6、AKバヨネット、
謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:移動再開
>>245 「掃除完了、思ったより楽しめたよ」
そう言うと、頭部を踏み潰して止めを刺す
ロクデナシの割りにはいい動きをしてくれた
苦しませての生殺しではなく、止めを刺してやったのは一つの礼だ
まあ、十分苦しませて殺してしまったわけだが…
>>250 >「その生存者の中に・・・身長が170センチ位の男は居たかな?
今の君なら解るんじゃないかな?無害に見えるが獣を内側に飼っているような男だよ。」
「そんな男も居たような気がしないでもないな
だが、あの時の私は地下を独占することで頭がいっぱいだったんだ
はっきりとは覚えていないが…
ただ、戦闘時に雰囲気がガラリと変わったのは印象に残っているよ
あれが隠れたケモノとでも言うべきなのかね?」
記憶を手繰り寄せ、覚えていることを思い出せる限りで思い出して語る
おそらく、あの男はまだ生きているだろう
ああいう手合いは簡単には死ぬまい
私が極上の肉と認めただけのことはある相手だった
「村田さん、早くも一発使ってしまったのか
一応君にとっては切り札なのだから、もう少し大事に使った方がいい
あの程度の相手、パンチの一発で以て片付けられないのかね?」
もっとも、使い切ってくれた方が背後の脅威が無くなるので安心だが…
パンチで片付けろと言ったのも一種のからかいである
…あのカプセル弾には、私の作ったウイルスの変異種が封入されている
既存のウイルスを喰らい、宿主の肉体そのものも溶かして死滅させる強力なものだ
しかし、寿命が短く空気にしばらく触れただけでも死んでしまうほどに脆い
253 :
母胎:2008/09/19(金) 00:00:52 0
>>246 蛇のように長い胴体で山田あすかを包み込んだまま、母胎と子供達が前進する。
>「俺様が2発撃ったらババァの裏へ飛びな!続きは合図してやっからよ!」
母胎を中心とした群れは、ミヒャエルなど目に入らぬ蟻のように考えている。
ぶつぶつと呟くミヒャエルを見て、母胎が笑う。
人間一人風情に、何が出来るというのだ?
>「来い・・・来い!もっとだ、もっと近く」
連続して発射されたグレネードが、爆ぜる。
焼けた金属片が超音速でばら撒かれ、群れに致命的なダメージを与える。
もし、通常のアッドオン・グレネードランチャーであれば、精々左右それぞ10匹を殺す程度で終わってしまう。
群れの中心に着弾したとしても……破片と爆風はモーロックの体によって遮られてしまう。
しかし、ミヒャエルの手によって発射されたグレネードは、
OICW次世代戦闘小銃に内蔵されたコンピュータと連動し、怪物達の頭上で爆ぜた。
降り注ぐ破片と爆風は、何かに遮られる事無く、最大の殺傷能力を発揮したのだ。
一瞬にしてあまりに多くの犠牲を出したモーロック達は、パニックに襲われてしまった。
群れの動きがぎこちなくなり、攻撃色が薄れ、恐怖に立ち竦んでいる。
今なら群れの中を駆け抜けても、何とか無傷で突っ切れるだろう……
予想外の爆音を聞いた瞬間、母胎の体は完全に弛緩しきってしまった。
山田あすかが振り解こうとすれば、充分に逃げ出せるレベルまで弛緩している。
しかしながら…群れの中心に居る存在は、完璧なまでに無傷だった。
その貌が破片によって滅茶苦茶にされる事も無ければ、手足も完璧に無事だった。
……母胎に包み込まれた山田あすかは、全くの無傷だった。
代わりに母胎は、相当なダメージを受けていた。
美しい顔の左半分は爆風の直撃を受け、皮膚が完全に炭化している。
ポロポロと炭が落ち、頬骨が剥き出しになっている。
さらに豊かな乳房は、飛散した金属片によってズタズタに切り裂かれている。
傷口からは、白い脂肪と赤い血が混じった体液が流れ出している。
母胎は、苦痛から逃れるべく、前進を床に叩きつけ、言葉にならない何かを叫んでいる。
ミヒャエルも山田あすかも、完全に意識外へと追いやられていた。
>244
>大きく開いた、牙の除く口から、湿った土のような匂いの息が吐き掛けられる。
>咽喉元に噛み付く直前に、母胎の整った顔立ちが邪悪に歪む。
>べろり、と長い舌が山田あすかの顔を舐める。
よくよく見ると、彼女はとても綺麗な顔立ちをしていた。
多分憎悪に囚われていなければこっちが見惚れてしまう程に綺麗な人なんだろう…。
喉元に喰らい付こうとするまさにその間際で彼女の動きが止まった。
獲物の状態を確認するかの様に這わされた不快な舌。
>「……新タナル……母……新タナ血……新タナ……子宮……」
「…え?!」
今、何て言った?
新たな母?新たな子宮ですって!?
まさかと思っているうちに、しなやかに身体を使い絞め殺さない様に抱き起こされた。
私を、化け物の母親に…するですって?
『―――面白いじゃないの。心臓部を見学させてくれるのね。』
胸の奥底から仄暗い好奇心がふつふつと湧き上がってきた。
彼(>246)には悪いけど、彼女の子供達を根絶やしにしてしまうには、巣の心臓部を握り潰してしまうのが手っ取り早い。
いいえ、それ以前に彼女そのものに興味が湧いた。
決して短くない時間をどうやって過してきたのか。
彼女の子孫繁栄、種の継続の欲望は何処まで深いのか。
そして、巣に自ら抱き入れた新たな子供を宿すための器が彼女達の天敵だと知った時、
その綺麗な顔をどんな風に歪めてうろたえるのかしら。
勿論恐怖する気持ちもあった。
それと同時に残虐な化け物としての思いもあった。
ニンゲンの感情とバケモノの感情が同時にあって、マーブル模様の様に入り乱れているみたい。
対面させられた父親達はさっき見た繋がれた生き物だった。
「一妻多夫だなんて羨ましい事。」
軽口を叩いて、呻く人の形をした「父親達」を眺めてみる。
何処と無く彼女は誇らしそうに見えた。
ええ、貴女は賢いわ。多分手は加えられているとは言えこれだけを生かさず殺さず扱えてるんですもの。
そして同時に愚かだわ。だってまだ私の正体に気付いていないなんて。
まぁいいか…暫くは大人しくしていよう。
「で?私をこれからどうするつもりなのかしら?言っとくけど私は好みに煩いのよ。」
所持品:錆びた鍵 H&K MP7 ナイフ
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内隠し通路
状況:左肩負傷(未処置) 「父親達」と対面
>>230 >「随分と・・・物騒なものもってんのな・・・」
周囲を警戒するマトバの顔を覗き込みながら、不規則なステップを踏みながら
俺は頷く。
「人間ってのは野蛮なもんさ。上面じゃ、理性の仮面を被ってても
所詮自分が追い詰められればなんだって使う。
相手の顔を吹き飛ばす銃も、相手の胸を抉るナイフだってそうさ。」
そう云いながら、俺は銃声のした方角へ歩いていく。
>「なんだ、バリケードは突破してくれたか」
マトバの言葉に何度も何度も狂ったように相槌を打ちながらさらに
奥へ歩いていく。
「友達になれそうだったら組む。なれないなら殺す。それだけだ。」
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:銃声を放った謎の人物への興味を持つ、奥へ向かう
>251 >255
まるで臭いを確かめる犬のように、何度も何度も相槌を打つキリング・ジョーク。
ナイフ一本で何が出来るというのか、何を見せてくれるのか、
俺は好奇心から彼の背後を追跡した。
そういえば銃撃の主は俺が捜し求めている人物の可能性もある。
奴が単独行動ならば都合が良い、そうでなければ乱戦になってしまうだろうか。
そんなことなら協力関係を装って、落ち着いた雰囲気になってから1対1の戦いに興じる
ように仕向けよう。
>「友達になれそうだったら組む。なれないなら殺す。それだけだ。」
「友達か……」
得体の知れない男が使うと不気味な言葉だな、と俺は苦笑する。
研究所の通路は風通しがよく、時たま轟音と共に夜風が吹き抜けた。
これで化け物の腐臭も何処かに流れ去ることだろう。
閉塞した地下の闇のなかで、唸り声のような風の音に俺は耳を済ませる。
突然、通路を折れ曲がったところでガスマスクに遭遇した。
脇には幼い子供と、2匹の猫。
闇のなかで光る2つの目に凝視されながら、この男が抱える銃器から
彼が先ほどの銃声の主だろうと直感する。
「なにもんだ?」
横の子供は誘拐でもしたのだろうかと俺が呆としていると、何やらキリングが動きだしそうな
兆候が見え始めたので、俺は身を引いてその場を見守った。
状況・ 小川達と遭遇。小川の存在には気付いていない。
装備品・スナイパーライフル(8発)、写真、エビリファイ錠剤、携帯電話
>231>232
>「AKを撃ち尽くしたらグレネードを撃つ。グレネードの爆発が収まったら、直ぐに移動するぞ」
爆風の届かぬところに隠れる。銃声の後に、強烈な爆裂音が響いた。
>「行くぞ」
化け物の死骸で床が埋め尽くされた後、セルゲイが言う。小川さんは肩に猫を担ぎながら、
>「足下には充分、気を付けて下さい。」
僕に言った。
「わかりました」
返すと、死骸をなるたけ踏まないようにして歩く。
>248
>「ばらばら。怪物が死んでる」
身振り手振りで猫に説明する彩ちゃんに思わず笑みが漏れる。
フォードという猫を呼んだ後、
>「夜明けと共にミサイルが飛んでくるらしいんだけど、この施設は大丈夫だと思う?
もしミサイルが落ちたとしたら、さっきの、猫さんたちの棲家はどうなっちゃうのかな?」
え、と思った。その話は耳にしてないけれど―――
ここで自分も疑問を口にするには忍びないので黙っておくが、気になった。
>251
>「…地表貫通型でない限りはそれほど大した損害は地下の施設には与えられないだろう。
ただし、連中はそれも織り込み済みな筈だ。恐らく、地表攻撃と地下攻撃の併用だろう」
彩ちゃんの問いに淡々とセルゲイが答える。ガスマスクで顔が覆われているため、どんな表情を
しているのかはわからない。
>「地下攻撃の際にはキロトン程度の戦術核を使用するかもしれないという情報もある。これはまだ未確定だが。
どちらにしろ、連中は本気でこの村を消そうとしている。ここにあるのは連中にとっては非常に都合が悪いもの
ばかりだからな」
意地でも脱出しなければならないということか。
>「だがそんな心配はここから生きて脱出してからにするべきだろう」
そう言うとセルゲイは先に立ち、歩き始めた。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
258 :
母胎:2008/09/20(土) 00:58:13 0
>>254 >「で?私をこれからどうするつもりなのかしら?言っとくけど私は好みに煩いのよ。」
女の声に反応し、父親達が歓喜の声を上げる。
久しぶりの楽しみに、興奮を抑えられないのか、宙に向って腰を動かしている。
父親達が体を動かすたびに、金属が擦れる音が地下道に響く。
騒がしく、闇と言うブラインドが無くなった今では、お世辞にも美しいとは言えない光景。
種の存続の喜びに打ち震えているのか、欲望を満たす為に打ち震えているのか。
母胎の顔は、喜びと威厳に満ち溢れている。
普段以上に興奮している父親達の姿に嫉妬する事も無ければ、
狂った種族の繁栄の為に、自らの体を捧げていた事を後悔する表情も無い。
純粋に新たな種の誕生を祈り、そしてようやくその日がやってきた事を喜んでいた。
狂気が生み出した気の遠くなるような戦略。
彼女は、地下世界に新たな種が生まれる事を切望している。
不死に近い長寿を持つようになった彼女の計画。
彼女は新たに生まれた種と交わり、新たな血を生み出す。
……狂気の誕生は、半世紀以上も前に遡る。
駐屯地の実験によって様々な臓器を摘出され、投与されたウィルスによって生かされた捕虜達は、
単純労働の担い手として重宝されていた。
初期段階では生命に関わる事の無い手足を切除を、中期には消化器官の切除を、
最終的には、失われれば死に繋がる心肺機能に関する実験が始まった時期に脳に損傷を受けた丸太が多発した。
手足や胃腸は、大部分が失われても出血さえ止めれば、ウィルスの効果によって代理器官が発生する。
しかし、心臓や肺の切除を受けた実験体は、脳への酸素供給が止められた事により、脳死状態になったのだ。
ウィルスの再生能力にも限界は存在する。
破壊された脳細胞の再生は行われるが、再生された脳細胞は無垢な赤ん坊の脳細胞そのものであり、
脳細胞に宿っていた記憶や経験は、完全に失われていたのだ。
結局、この問題は気温の低い冬場に実験を受けた丸太ほど損傷が低いと言う傾向から、
低温状態であれば脳の損傷リスクが下がると言う科学的事実が発見された。
丸太を解剖し、脳の損傷度合いの分析をしていたこの軍医は戦犯としての処罰を逃れ、
高名な脳外科医となって人々の命を救ったのである。
防疫給水部隊に所属していた軍医の多くは、戦後、人体実験の成果を活かし、医療分野で活躍したが、
それは別の話である。
研究が終盤に差し掛かった時期と戦争が末期に差し掛かった時期はほぼ同じであり、
男手が足りない為に、命令を理解出来る程度に損傷を受けた丸太を労働力として使い始めたのだ。
彼等は疑問を持たずに地下に巨大な実験場、すなわち自身の墓穴を掘っていたのである。
彼等の生活の面倒を見ていたのは、診療所を兼ねたサナトリウムに勤める看護師だった。
彼女達は丸太の健康状態を維持する事が労働力の向上に繋がり、それが実験場の早期完成に繋がると考えていた。
しかし、戦況が悪化するにつれて、一人また一人と看護師達は沖縄に送られた。
最後まで残った看護師は、終戦直前に完成した地下実験場へと丸太と供に閉じ込められてしまった。
研究結果や捕虜に対する非人道的な扱いが占領軍に知られるのを恐れた為だった。
現場の軍医達は頑なに反対し、実験が完成すれば本土防衛も不可能ではない、と主張した。
上層部は迷ったが、2発目の原爆が落ちた時、上層部は封印するように厳命した。
結局、作業していた丸太と、最後まで九武村に残っていた看護師は、そのまま地下に閉じ込められてしまった。
彼女は丸太たちに不安を与えぬよう、明るく振舞った。
彼等が脳に受けた損傷は軽く、意思の疎通や他人の感情がある程度、理解出来たのである。
それなりの量の食料が地下実験場には残されていたし、放たれた動物達を食べれば生き長らえる事が出来る、と信じた。
何よりも、封じられたのは事故であり、何時か救助にやってくると信じたのである。
259 :
母胎:2008/09/20(土) 01:00:59 0
体が重く、意識が朦朧としていた。
彼女は妊娠している事に気が付いた。
戦地に行った恋人の子供だろうか?
目がぼやけ、食料となった生き物達の姿が、日に日に異形に変わっていくように見えた。
丸太達は狩りに出かけ、食料を得ては、彼女の口に押し込んだ。
時折、誰かに圧しかかられるような気がしたが、何をされているのか解らない。
だが、お腹の中の赤ん坊の為にも、食べなければならなかった。
時折、恋人の顔が瞼に浮かぶが、それが誰だか解らない。
彼女に残されていたのは、お腹の中の赤ん坊の事だけだった。
未来と希望だった。
陣痛は無かった、ただ、赤ん坊が生まれた事だけが解った。
恋人の赤ん坊を抱き締めようとして、我に帰った。
私の腕の中に居る生き物は、一体何なんだろう。
自分の体を見下ろして、叫び声を上げた。
私は、一体何になったのだ?
狂気が彼女を押し潰す。
誰の子供とも解らない赤ん坊。
肥大した胴体に着いた手足は、昆虫のように細長く、潰れきった鼻と不気味に動く目。
皮膚は斑に覆われていた。
地獄の餓鬼さながらの醜さだった。
パンドラの箱は開いてしまった。
残ったのは、歪んだ希望だ。
彼女は、狩りの褒美を父親達に与えるようになった。
子供を産む事は、喜びでなかった。
未来、そして希望を宿す事が喜びだった。
月日が流れ、食料は今や凶暴で危険な存在になっていた。
父親達が狩りを成功させる事は、少なくなっていた。
子供達に命じて、父親達を殺そうかとも考えたが、思い止まった。
代わりに子供達が獲物を連れて来た。
瀕死の怪物と交わる事も有ったが、子供は出来なかった。
殺さなくて良かったと、彼女は考えた。
だから彼女は受け入れた。
誰だか解らない若い軍人の顔がぼんやりと暗闇に浮かぶが、今となっては意味をなさない幻だ。
今の彼女に取って、子供は幸せの道同義語だ。
>249
>「明石トオルです、よろしく
ご存知かと思いますが、有谷の話していたことは全て真実です」
差し向けられたゲームのプレイヤーとは、まだ出会っていない。
だが、今の九武村は絶好のプレイグラウンド(遊び場)だ。
外界と分断され、治安維持の為の警察力は崩壊し、夜明けと供に全てが消え失せる。
>「そろそろそこも慣れてきたでしょう。どうです?もう居心地が良いくらい
なんじゃないですか?」
余計なお世話だ。
「仕事で移動した先は、何時だって居心地の良い所ばかりでしたよ。」
寧ろ、平和な先進国で暮らす事の方が苦痛だった。
恐怖し、飢えに苛まれ、涙を流しながら泥に塗れて戦場を這いつくばる方が、
よっぽど充実した人生だと小川は考えている。
「お互い、これ以上話しても得るところは無いだろうね。」
電話を切り、そのまま携帯電話の電源を切る。
得られるものが無い以上、話すだけ無駄だ。
>247
実験場内から爆音が響く。
ミヒャエルが作ったIED(即席爆発装置)か?
少なくとも、まだ生き延びている事になる。
>248>251
>「夜明けと共にミサイルが飛んでくるらしいんだけど、この施設は大丈夫だと思う?
もしミサイルが落ちたとしたら、さっきの、猫さんたちの棲家はどうなっちゃうのかな?」
少女の疑問にセルゲイが答える。
>「地下攻撃の際にはキロトン程度の戦術核を使用するかもしれないという情報もある。これはまだ未確定だが。
どちらにしろ、連中は本気でこの村を消そうとしている。ここにあるのは連中にとっては非常に都合が悪いもの
ばかりだからな」
アメリカによる新型核兵器の研究開発は、21世紀入ってから急速に進んだ。
従来の全面核戦争用途から、反米国家への核拡散防止へとシフトしているのである。
>「だがそんな心配はここから生きて脱出してからにするべきだろう」
電話を終えた小川が、苦笑いを浮かべながら言う。
(ブコウスキーの爺め・・・調査不足ってレベルじゃ・・・ないぞ。)
傘社の主流であるデュラン派は、日本政府を介し、自衛隊に九武村を包囲するように指示を出している。
非主流派に出来る事は、サボタージュや情報収集位のものだ。
それにしても核搭載型のバンカーバスターを使用するとは!
原発の老朽化に伴なう事故として処理するのだろう。
「村人と一緒に脱出させた方が、猫の為にも良いと思います。」
研究員の観察記録を見る限り、近親交配が原因と思われる遺伝病を患う猫達も居る。
近親交配を防止出来るほど、充分な個体の数が揃っていないのだろう。
どの程度先なのかは解らないが、ウルタール達の種としての破滅は、そう遠く無い。
可能であれば、安全な外の世界で種の黄昏を送らせてやるべきだ。
せめて、天に浮かぶ星々や太陽を見せてやるべきだと小川は思う。
>256
セルゲイが先行する廊下の先から、人の声が聞こえる。
聞き覚えの無い声だった。
>「なにもんだ?」
咄嗟にルーとフォードの手を掴み、通路の角の陰に引きずり込む。
好奇心旺盛な二匹の事だ、明石の言っていたゲームの参加者にも警戒せずに近寄るだろう。
対処はセルゲイに任せ、様子を伺う事にした。
状況:ウルタールと供に廊下の角へ隠れる。
>>248>>251>>256>>260 >「ばらばら。怪物が死んでる」
ルーは少女の言っている言葉の意味を考える。
一体どう言う意味なんだろう?
でも、少女の顔色の悪さが気になった。
もしかして、毒を喰らったのかな、とルーは考えた。
腰に括り付けていた小さな鞣革の袋から、一本の青い枝を取り出す。
解毒作用があるこの青いハーブは、ウルタールが集めた貴重品である。
日の光が無い地下の環境に育った為、葉っぱが無い。
見た目は只の青い枝だが、ミントのような匂いと仄かな甘味があり、解毒効果は抜群だ。
手にしていた枝を折って、少女の言った「ばらばら」にする。
そして、ばらばらになった枝を一欠けら口に含み、ガムのように噛み始めた。
少女にも一欠けらの枝を渡す。
>「フォード、こっちにおいでよ」
頭を撫でてくれたセルゲイを何回も振り返りながら、フォードが少女の下に駆けつける。
やってきたフォードが鼻をスンスンとならす。
ルーがハーブを渡し、周りにミントの香りが漂い始める。
>「夜明けと共にミサイルが飛んでくるらしいんだけど、この施設は大丈夫だと思う?
もしミサイルが落ちたとしたら、さっきの、猫さんたちの棲家はどうなっちゃうのかな?」
何やら深刻そうな話をしているが、ルーとフォードには意味が解らなかった。
>「なにもんだ?」
声の主をよく見ようとした時、突然小川に壁の影へと引きずり込まれた。
何が起きたのか解らなかった、ウルタール2匹は、小川の目を不思議そうに見ていた。
>256>255
>「なにもんだ?」
「その言葉はそっくりそちらに返そう」
平静を装ってはいるがセルゲイは内心では毒づいていた。
鈴木達との遭遇も予期せぬものだったのに、これ以上のイレギュラーとの出会いは遠慮したい。
穏便に済ませられればまだいい。しかし、それは難しいかもしれない。
AKのハンドガード部に装着されているフラッシュライトの光を二人の男に向ける。まともにこちらを
直視出来なければ正確な攻撃も出来ないだろう。
セルゲイは密かに鈴木の援護を期待していたが、その鈴木は二匹の猫を物陰に引っ張り込んでいた。
(糞、俺一人にやらせるつもりか)
いっそのことAKのフルオートで薙ぎ倒そうかと思った。そうすればこの面倒も直ぐに片付く。が、思い
留まる。今ここで連中を殺せば後ろにいる鈴木達が不審を抱くのは間違いない。それは避けるべきだ。
「……見ての通り、ここから脱出しようとしている最中だ」
フラッシュライトの電源を切り、AKの銃口を下ろす。だが連中が少しでも不審な動きを見せれば即座に
発砲できるようにしてある。
「私の名前はセルゲイ。あと他に子供が一人と大人が二人、猫が二匹」
相手がどう出るか反応を窺う。
「出来れば変な気は起こそうとしないで貰いたい」
持ち物:AK103カスタム(30)+GP30グレネードランチャー(1)、グロック20カスタム(15+1)、RGD-6手榴弾×5、
VOG25高性能炸薬榴弾×9、30連AK弾倉×10、15連10mmAUTO弾倉×6、AKバヨネット、
謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:的場とキリングに遭遇、下手に動くなと暗に警告する
>256
後ろを付いていくるマトバを背中で感じながら俺は歩く。
狂気の気配を背中でゆっくりと味わいながら自然と笑みが毀れる。
道の先に影が見える。ぼんやりとしていたそれは、ゆっくりと姿を現していく。
不意にマトバの声が聞こえる。どうやら奴も何モンかの気配に気づいたらしい。
>「なにもんだ?」
俺はマトバの声に重なるように云う。
「なぁ〜にんもんだぁ?ん?」
>>262 >「その言葉はそっくりそちらに返そう」
声の主は男だ。だが、その周囲に感じる無数の気配。
どうやらこいつも1人ではないようだ。
>「……見ての通り、ここから脱出しようとしている最中だ」
「ンフ……ヌフフフフフフフ……フヒッ…ヒャハハハハハハ…アァ」
男の返事を笑い声で返す。
「脱出か。そいつは無理な話さ。
全員、ここで死ぬ。いや、正確に言うなら……ここで 殺される って
いうべきかな?」
なんで俺が笑うかって?
楽しいから。うれしいから。ただ、それだけだ。
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:セルゲイを挑発
>247
自分が放った爆音よりほんの少し遅れて、後方より地響きと共に大きな爆発音が轟く。
「ぬお!?まだ爆撃まで時間あるよな?ったくどこのアホだ物騒なもん使ってんのは!」
自身の心当たりを探る。
「ん?あぁサムライボーイか。ちょっと激し過ぎたが巻き込まれて死んでねぇだろなぁ〜?」
>253
>群れの動きがぎこちなくなり、攻撃色が薄れ、恐怖に立ち竦んでいる。
>今なら群れの中を駆け抜けても、何とか無傷で突っ切れるだろう……
山田あすかが逃げる気配を見せない。
「へいへい。余計なお世話ってやつかよ。そんじゃこっちも適当にやってらぁ」
集団の隙間を縫い扉周辺の2匹の元へ駆け付ける。
「よぉ。待たせたな」
2匹をしっかり抱え上げ扉の前へ立つ。しっかりと施錠されており扉は開きそうに無い。
「こ・・・コラァー!何で鍵かかってんだー!」
扉を背に体勢を整える。
「ぶっ壊せそうにねぇし、ここの掃除してから考えるか」
2匹を背後に置きそれぞれ頭を撫ぜる。
「もうちっと辛抱しな。俺様はヒーロー様だからピンチでも何とかなるんだぜ」
「分かんねぇか。ヒーロー様な。ヒーロー様。覚えとけよ?」
「九官鳥じゃねぇから無理かぁ?へっへっへ」
所持品: C4/1ポンド C4用信管*9 リード8m*0 M590C(mossberg)*6(0発装填済み)
Glock 19*10(15発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク) 小型受信機
OICW ライフル15/30 予備130/30 グレネード1/10
現在地:旧日本軍駐屯地跡 実験場内
状況: 2匹を確保 扉に阻まれ立ち往生
>262 >263
>「出来れば変な気は起こそうとしないで貰いたい」
暗闇からぬっと現れたガスマスクの男は、こちらを威嚇するように尋ねてきた。
キリングは心なしか、腹中で歓喜に震え舌をなめずりまわしているように見える。
俺はそのままライフルを構えて、返答に応じた。
「俺達も同じだ。敵意あるもんじゃない」
>「全員、ここで死ぬ。いや、正確に言うなら……ここで 殺される って
> いうべきかな?」
すると突然、笑い出したキリングが攻撃の姿勢をとった。
ある程度予想はしていたが、その行為に転じるまでの敏捷さに俺はうろたえ、
反応が一瞬遅れてしまった。
化け物め、ごたごたはごめんだ。
俺はライフルをキリングの脳天を狙って構えたが、いかんせん周囲は暗澹として視界が悪い。
とても標的を正視できる状態ではない。
唐突に発砲した銃弾は暗闇のなかであらぬ方向へと消えた。
その銃撃の際の発光のなかで、過去がフラッシュバックした。
白い病室のなかで回る景色。この世のものとは思えない絶叫。
全てが頭のなかで掻き乱すように錯綜し、突然の閃光の爆発のように意識がありありと覚醒した。
「くそ、こんなときに……」
俺はセルゲイの言葉を思い出していた。
(セルゲイ、子供が一人、大人が二人、猫二匹)
この連中のなかに小川がいない場合、とんだ消耗戦になってしまう。
俺は平静な自己を装いながら、脳を手で押さえてその場に昏倒した。
目を見開いたまま倒れこんで、キリングの立ち振る舞いを見守る。
片手にはしっかりとスナイパーライフルが握られている。
状況・殺人衝動の引き金となるフラッシュバックを見る。演技で倒れる。
装備品・スナイパーライフル(7発)、写真、エビリファイ錠剤、携帯電話
>261 >262 >263 >265
>「ンフ……ヌフフフフフフフ……フヒッ…ヒャハハハハハハ…アァ」
楽しそうな笑い声が聞こえる。
>「脱出か。そいつは無理な話さ。
全員、ここで死ぬ。いや、正確に言うなら……ここで 殺される って
いうべきかな?」
パニックを起こしている訳では無い。
寧ろ、心底楽しそうな口調だった。
主語が抜けているのが気になる。
誰が、皆を殺すのか。
この男は、何かを知っているのか?
鼓膜が破れそうな程、大きな銃声。
二発目は、無し。
何かが倒れる音。
小川が壁から頭を出し、拳銃の狙いを定める。
一人はライフルを手に、倒れ込んでいる。
もう一人の男は、口の両端が耳まで届きそうなの笑顔を浮べている。
セルゲイのフラッシュライトで、顔がよく見えた。
いや、違う。
本当に口が裂けているのだ。
アフリカでのリンチを思い出し、小川が薄っすらと笑顔を浮かべる。
長袖を選んだら、手首から先を鉈で切り落とす。
半袖を選んだら、肘から先を鉈で切り落とす。
特別サービス、頬を切り裂いてやれ。笑わせてやれ、ピエロにしてやれ。
恐怖は無し、懐かしさだけがある。
そして、困惑する。
ここはレアメタル鉱山の坑道の中ではないのか?
隠れていた技師を拷問していたんじゃないか?
古い記憶が蘇る。
不思議そうにこちらを見るルーとフォードに記憶の連続性が復活する。
2匹にこの場に留まるようにボディランゲージを送り、曲がり角の影から通路に出る。
もう一人の男。
手にはライフルを持っている。
ボルトは操作したのか?即座に二発目を撃てる状況なのか?
倒れた男に、拳銃の狙いを着ける。
小川が口を開く。
「貴方自身が死ぬ、とは思っていないようですな。」
キリングに笑顔を向ける。
狙いは、倒れ込んだ男に定めたまま。
「ま、自己紹介をしておきますか。私は鈴木。陸上上自衛隊に所属しています。
連れが言った通り、脱出ルートを探していましてね。」
ピエロ男の目は、狂気を宿している。
狂っていても、論理的に物事は考えられる。
ピエロの目的が生存者の抹殺でなければ、利害が一致すれば、障害とはならない。
ただ、発作的な欲望によって、脱出の邪魔をするかもしれない。
もしかしたら、傘社主催のゲームのプレイヤーなのかもしれない。
「我々と別の目的があるなら、是非とも目的をお聞かせ頂きたいものですな。」
状況:的場に狙いを定めたまま、キリングに話し掛ける。
>251 >256 >260 >255 >262-263
ルーは私にいい匂いのする青い枝をくれた。
何だろう?と思っていると、ルーが枝を折って口の中に入れる。
木の枝はミントみたいな匂いがした。
戻ってきたフォードも鼻をぴくぴくさせている。
せっかく別けてくれたんだから、・・・・・・私も食べた方が良いんだよね?
・・・・・・抵抗が無かったわけじゃないけど、私は食べてみる事にした。
気のせいか、枝をかみ締めるとすっと気分が楽になった。
「ありがとう、ルー」
>「…地表貫通型でない限りはそれほど大した損害は地下の施設には与えられないだろう。
>ただし、連中はそれも織り込み済みな筈だ。恐らく、地表攻撃と地下攻撃の併用だろう」
セルゲイさんの声は淡々としていて事務的なものだった。
>「地下攻撃の際にはキロトン程度の戦術核を使用するかもしれないという情報もある。これはまだ未確定だが。
>どちらにしろ、連中は本気でこの村を消そうとしている。ここにあるのは連中にとっては非常に都合が悪いもの
>ばかりだからな」
「そんな・・・・・・」
戻ってきたフォードの頭を撫でていた手が思わず止まった。
>「だがそんな心配はここから生きて脱出してからにするべきだろう」
>セルゲイは先頭に立って進み始めた。
あまりの正論のせいか、電話を終えた鈴木さんが苦笑いしている。
>「村人と一緒に脱出させた方が、猫の為にも良いと思います。」
「村の皆はルー達を受け入れてくれるかな?」
それ以前に、ルーやフォード達の仲間をどう説得したら良いんだろう?
廊下の向こうの方から話し声が聞こえる。
>「なにもんだ?」
ルー達が身を乗り出そうとした時、突然鈴木さんが壁の影へ二匹を引きずり込んだ。
私も慌てて後に続く。
「しー。静かにね」
私は口元に人差し指を当てるジェスチャーをした。
>「……見ての通り、ここから脱出しようとしている最中だ」
>「ンフ……ヌフフフフフフフ……フヒッ…ヒャハハハハハハ…アァ」
>「脱出か。そいつは無理な話さ。
>全員、ここで死ぬ。いや、正確に言うなら……ここで 殺される って
>いうべきかな?」
・・・・・・さっきの人と声が違う。二人いるのかな?
何で殺されるのか聞きたかったけど、私がのこのこ出て行ってみても足手まといだよね。
だから、私は息を潜めて鈴木さんの影でじっとしていた。
268 :
鬼子:2008/09/29(月) 00:18:01 0
>>264 仔ウルタール2匹は、頭を撫でるミヒャエルの手を握って離さない。
ミヒャエルは見た事も無い生き物だが、助けてくれた事位は解る。
ルーとフォードのように小馬鹿するような態度は取っておらず、寧ろ尊敬するような目で見上げている。
>「分かんねぇか。ヒーロー様な。ヒーロー様。覚えとけよ?」
「み、みーみ?みーみー?」
二匹が口を揃えて鳴き声を出す。
言葉こそ発音出来ないが、ミヒャエルの言ったヒーローという発音の抑揚をコピーしている。
>「九官鳥じゃねぇから無理かぁ?へっへっへ」
「みーみー!みーみー!みーみー!」
聞きようによっては、ヒーローと聞こえる口調で二匹が繰り返す。
ずるり、と言う何かが滑るような音が聞こえる。
見れば、みっちりと詰まっていた卵管がしわくちゃに潰れている。
どくどくと、狂ったように脈を打つ音が聞こえる。
ごぼごぼと、何かを吐き出すような音、咳き込む音に続いて、ごうごうと呼吸する音が聞こえる。
そして、何度も何度も肉を叩きつけるような音が聞こえる。
生まれたばかりの子馬が立ち上がろうとしては倒れ、立ち上がろうとしては倒れるような音を連想させる。
鬼子だった。
直立すれば2メートル50センチはあるであろう巨体。
しかし、その体は無理やり上下に引き伸ばされたかのように、細い。
粘液に塗れた肌は灰色で、父親達と同じくしなやかで強靭な皮膚をしている。
顔もまた引き伸ばされており、小さな二つの目とびっしりと鋭い歯が並んだ口をしている。
鼻のあるべき場所は、二つ穴が空いているだけだった。
兄弟たち、即ちモーロック達とは似ても似つかない人型の体。
特徴的なのは、巨大な手だ。
中指から手の付け根までの長さは、およそ70センチと言ったところか。
骨が無いのか、だらしなく垂れ下がっている。
体中から湯気が上がっている。
はっはっはっ、と空気を求め喘いでいる。
オーバーヒート寸前までエネルギーが供給され続けたかのように、心臓が脈打つ。
巨大な手を使い、起き上がろうとする。
卵管が引き摺られ、ブチッという音を立ててへその緒が切れた。
巨体と卵管を繋いでいたへその緒が切れた瞬間、鬼子がバランスを崩し、顔面から床に突っ込んだ。
感じた事の無い苦痛に、涙が零れそうになる。
20年以上、卵管の中で生き続けた異種、である。
栄養を供給する母胎が卵管から離れた今、鬼子は自活せねばならなかった。
空腹で気が狂いそうだ。
寒々しく、湿ったこの空気は何だ。
あの安らぎと、温もりに満ちた世界は、どこへ行ってしまったのだ。
その目がミヒャエルとウルタールを捉える。
一人と二匹は、とても暖かそうだ。
そろそろと手を伸ばし、ミヒャエルとウルタールを捕まえようとする……
>263
ピエロ男の狂気じみた笑い声が狭い空間で反響する。
(全く、だからこういうのは嫌なんだ)
ガスマスクの下でセルゲイは眉を顰めた。今更狂人が出てきた所で驚くような事ではない。
ただ、その発言は見過ごせなかった。
「誰が私達を殺すんだ?」
>265
発砲に続き、男が倒れる。銃弾は逸れ、何処かへ飛んでいった。
(くそ、どういうつもりだ?)
咄嗟にAKを構え、倒れ伏した男の頭に狙いを付ける。
いっそのこと撃ち殺してやろう。これ以上、面倒はごめんだ。
セルゲイはそう判断したが、ただで殺す訳にはいかない。
>266
「鈴木、もう一人を見張っておいてくれ。私はこいつを縛って情報を吐かせる。これ以上の面倒はいらん」
AKからスリングベルトを外し、レッグホルスターから拳銃を抜き、倒れている男に近寄る。
鈴木は穏便に済まそうとしているがそれこそ面倒だ。連中が素直に情報をくれるとは
限らないし、嘘の情報を教えるかもしれない。だったら、身体に直接聞いた方が早いし、
幾分の真実を含んだ情報を吐かせられるだろう。
男に拳銃で狙いを定め、一歩ずつ慎重に近づく。
まずは倒れてもなお手に握っているライフルを蹴り飛ばし、その後でスリングベルトで縛る。
あとは昔教わった要領で拷問するだけだ。
持ち物:AK103カスタム(30)+GP30グレネードランチャー(1)、グロック20カスタム(15+1)、RGD-6手榴弾×5、
VOG25高性能炸薬榴弾×9、30連AK弾倉×10、15連10mmAUTO弾倉×6、AKバヨネット、
謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:的場を縛ろうと近寄る
>>265 倒れこんだマトバを眺めながらスキップしてグルグル回る。
「どうした?こんなところでお昼寝かい?」
どうやらこいつは狸寝入りを決め込んだらしい。
面白そうだから少し様子を見ることにしよう。
>>266 無効から1人、男が来る。
あぁ、こいつは軍人かなんかだな。
俺は自分の嗅覚でそれを知る。面白そうな匂いだ。
>「貴方自身が死ぬ、とは思っていないようですな。」
俺の「殺される」という言葉に対する返答のようだ。
俺はいつものように−ビッグスマイル−を浮かべると口をクチャクチャ
させながら男の顔に息がかかる距離まで詰め寄り云う。
「俺はいつ死んだっていいさ。そう、今すぐにだって。」
>「我々と別の目的があるなら、是非とも目的をお聞かせ頂きたいものですな。」
俺は右手をグルグル回しながら同時に首も左右に振り続けながら周囲を観察する。
他の奴の気配がする。
いるのは・・・女?いや、動物か?
まぁ、どうでもいいや。邪魔なら・・・邪魔ならなんだっけ?
まぁ、どうでもいいや。
「目的?HAHA、俺に目的らしい目的なんてないさ。
ただ、人間ってやつがどうなるか。見ていたいだけさ。」
>>269 今度はガスマスクをした如何にも・・・って感じの奴だ。
俺のジョークがよっぽど気に食わないのか、マスク越しからも
怪訝な感じを受ける。
>「誰が私達を殺すんだ?」
俺は天井を見上げ大きく息を吸い込んで、吐いた。
「俺はあんたらを殺したりはしないさ。少なくとも、今は。
だが、1分後はどうなってるかわからない。」
それだけ云うと、再びマトバの傍へ歩いていく。
>「鈴木、もう一人を見張っておいてくれ。私はこいつを縛って情報を吐かせる。これ以上の面倒はいらん」
男がマトバに近寄った瞬間。
既に俺は男のすぐ後ろにいた。こいつもマジックかって?
さぁ、それは俺にもわからない。
ナイフを首に当て、ゆっくりと口を開いた。
「そいつは面白いオモチャなんだ。お前が好きにしていいモンじぁぁぁ・・・・なぁい。」
所持品:ナイフ、紙屑(研究資料の一部?)、トランクケース(中身不明)、タバコ、拳銃型ライター
、試験管(大森の血液)
状況:マトバとセルゲイの中に割ってはいる
>270
瞬発的なキリングの動きによって、セルゲイは首元にナイフを突きつけられた。
誰が玩具だって?観察されるのは好みにあわないが、
この際、この男と同行する理由を改めて確認できた。
この男には的場にない根本的狂気が備わっていた。決定的な欠落というべきか
あるいは遺伝子的な常識外れの力を全身に宿していた。
「拷問でもする気ですか、なんでまた」
立ち上がり、ズボンの埃を両手で払う。
ライフルは地面に放ったままだ。
「先ほどの発砲は失礼しました。こんな状況だ。俺も手元が狂ってしまったようだ」
奇妙な明るさで笑顔を浮かべ、的場がキリングに接近する。
譲歩の余地のない姿勢が、決意の表情となって現れている。
手には古ぼけた少女の写真が一枚握られている。
「この際、この場の皆さんにもお尋ねしておきたい。
俺の目的はこの女の子を探すことだ。どなたかご存知ではありませんか?」
>269−271
セルゲイの拷問ショーが始まる。
>「俺はあんたらを殺したりはしないさ。少なくとも、今は。
だが、1分後はどうなってるかわからない。」
>「鈴木、もう一人を見張っておいてくれ。私はこいつを縛って情報を吐かせる。これ以上の面倒はいらん」
俺は狙いをピエロ野郎に定める。
瞬間、ピエロ野郎は消え失せていた。
セルゲイの咽喉に突きつけられたナイフ。
ピエロ野郎が口を開く。
頬の切れ目から涎が垂れても良さそうなものだ。
>「そいつは面白いオモチャなんだ。お前が好きにしていいモンじぁぁぁ・・・・なぁい。」
何をした?こいつはやっぱり亡霊か?
俺は拳銃を降ろす。
レーザーポインターは作動させたまま、ハンマーは起き上がったまま。
狙いやすく、当てやすい状態のまま。
小川の足下で、赤い点がチョロチョロ動いている。
深呼吸する。
物語が動き出す。
的場が起き上がる。
ライフルを拾おうとはしない。
予備の拳銃も無さそうだ。
目の前の男は素人臭い。
>「先ほどの発砲は失礼しました。こんな状況だ。俺も手元が狂ってしまったようだ」
男の手が動く。
ブラスナックル?それともナイフ?
>「この際、この場の皆さんにもお尋ねしておきたい。
俺の目的はこの女の子を探すことだ。どなたかご存知ではありませんか?」
違う。手にしているのは、一枚の写真。
黒髪の少女が、俯きがちに此方を見ている。
端が折れて、所々が剥げている。
俺は迷わず発砲した。
機械的に、哀れみも怒りも何も無いまま、発砲した。
2発の9mmパラベラムがピエロ野郎に叩き込む。
セルゲイに突きつけていたナイフが手から零れる。
煙草に火を点ける。
くそったれめ。
間抜け面のピエロ野郎。マジシャン気取りの糞虫野郎。
始末はセルゲイが着けるだろう。
「残念ですが、お力にはなれませんね。」
紫煙を吐き出す。
銃口から硝煙が吹き出ている。
「連れは選んだ方が良い。こんな場所ではね。」
俺は倒れているピエロ野郎を見て、冷酷に言い放った。
遠回しにメッセージを送る。
ふざけるな、逆らうな、俺を騙すな。
下らないゲームは沢山だ。
「我々は脱出ルートを探しています。貴方達は、どこからここに?」
>270
>ナイフを首に当て、ゆっくりと口を開いた。
(なん…だと…?)
ピエロ男が音も無く背後に回り、首筋にあてがわれた刃物の硬質な感触に背筋が凍る。
全く動きが読めなかった。なんということだ。鈴木はちゃんとバックアップしてくれなかったのか?
いや違う。どうやら彼にもピエロ男の動きが予測出来なかったようだ。
(軽率だったな…)
セルゲイは己の無用心さを悔いたがそうしたところでどうなるわけでもない。
>271
倒れていた男が立ち上がり、服についた埃を手で払い落としている。
>「拷問でもする気ですか、なんでまた」
「自分の置かれた立場が分かっていないようだな」
それは俺もそうだろう、とセルゲイは自嘲する。
「いきなり発砲したんだ。本当だったら即座に撃ち殺しているところだ。
それに、明らかにお前らは怪しすぎた」
それは俺達もそうだろう、とセルゲイは内心で突っ込んだ。
しかしそれよりも、早く鈴木がこのピエロ男を如何にかしてくれないものかとセルゲイは思った。
>272
発砲音が短く二度鳴り、首筋に感じていたナイフの感触が失せると同時にセルゲイは
ピエロ男を肘で突き飛ばしていた。感触から、肘が男の鳩尾にめり込んだのが分かる。
振り返ると、ピエロ男が幾らか離れた場所で倒れていた。鈴木の手に握られたシグの
銃口からは硝煙が微かに立ち上っている。
「良い腕だな」
AKにスリングベルトを付け直しながら率直な感想を述べる。
殆ど一回の発砲音にしか聞こえないほどの素早く正確な射撃。
鈴木の技量が並みではないのが窺える。それは気が遠くなるほどの研鑽の果てに得た技術だ。
>俺の目的はこの女の子を探すことだ。どなたかご存知ではありませんか?」
「逆に尋ねるが、その女の子を捜し出して如何する心算なんだ?」
倒れてぴくりとも動かないピエロ男をブーツの爪先で小突きながら的場に問いを投げかける。
「まさか善意から迷子を探してこんな糞の掃き溜め以下のところにまでやってくる筈がないだろう。
尤も、あんたがそんな物好きであるかどうかまでは分からないが」
ピエロ男の頭にAKの銃口を押し付ける。
「さて、まだ生きているか?生きているなら最後に何か言い残すことはあるか?」
AKの引き金に指を掛けながら、ピエロ男の反応を窺う。
変な行動を起こせば直ぐにでも撃つ。今度は躊躇いはしない。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:キリングに銃口を突きつける
>>272 >機械的に、哀れみも怒りも何も無いまま、発砲した。
>2発の9mmパラベラムがピエロ野郎に叩き込む。
>セルゲイに突きつけていたナイフが手から零れる。
ナイフを落とした瞬間、俺はアクメに達した。
あぁ、これだ。これが俺の求めている快感だ。
俺は思わず、倒れ込んだ。
そのまま快感の余韻を楽しむ為に、じっと冷たい壁の感触を
感じながら瞳を閉じていた。
「ハハァァ、アァァン……アァァ……ZZZZ」
落としたナイフ?あぁ、スペアならいくらでもある。
いつかまた、手に取れればそれでいい。
俺は深くも浅くもない眠りについた。
>>273 >ピエロ男の頭にAKの銃口を押し付ける。
>「さて、まだ生きているか?生きているなら最後に何か言い残すことはあるか?」
俺はゆっくりと欠伸をあげながら、顔を上げると何かを言ってるヤツに向けて
怪訝な表情をしながら首を振った。
「最低な寝起きだ。言いたいこと?あぁ、そうだな……代えのパンツはあるかい?」
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:床に寝転がって快感の余韻を楽しんでいる途中
ルーとフォードは少女に抱かかえられたまま、周囲の様子を伺っている。
>274
>「最低な寝起きだ。言いたいこと?あぁ、そうだな……代えのパンツはあるかい?」
「付き合いきれないな」
問答無用でピエロ男の頭に7.62mm弾を三発も撃ち込み、永遠に黙らせる。
床はまるで西瓜を思い切り叩きつけたかのような有様だった。
「いっそのことそいつも始末した方がいいかもな」
セルゲイは的場に顎をしゃくった。
ピエロ男同様、何をするか分かったものではない。先程のように突然発砲するとも
限らないし、今度はその銃弾が誰かに当たるかもしれない。脅威は脅威となる前に
取り去るべきだ。そうなってからでは遅い。
持ち物:AK103カスタム(27)+GP30グレネードランチャー(1)、グロック20カスタム(15+1)、RGD-6手榴弾×5、
VOG25高性能炸薬榴弾×9、30連AK弾倉×10、15連10mmAUTO弾倉×6、AKバヨネット、
謎のサンプルケース、安全ピンのネックレス、他省略
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:キリングを始末、小川に的場の処遇を提案
>274>276
ピエロ野郎が倒れこむ。
俺は奇妙な違和感を感じながら、慎重に床に転がるピエロ野郎に近寄った。
>「良い腕だな」
俺は首を横に振った。
>「最低な寝起きだ。言いたいこと?あぁ、そうだな……代えのパンツはあるかい?」
下半身を見た時、俺は咥えていた煙草を落としそうになった。
落とした煙草を抵抗無く吸える程度に年季の入った煙草吸いだが、
ここで落とした煙草を吸いたいとは思わない。
>「付き合いきれないな」
AKから放たれた銃声は、非現実的な響きがした。
銃口から造花でも飛び出した方が、よっぽどリアルな気がした。
飛び散ったのはインクで、血じゃないような気がする。
>「いっそのことそいつも始末した方がいいかもな」
ピエロ野郎の死体から早く目を逸らしたかった。
しかし、こいつが起き上がらないようにずっと見張っていた方がいい気がした。
意思の力を最大限に振り絞って、俺は改めて的場を見た。
スポーツ選手のような引き締まった体躯をした男。
的場を見ると、俺たちが幻覚を見ているんじゃないかって気持ちになる。
こんな糞溜めの中で、目の前の男がピエロ野郎と一緒に居る必要性が全く無い。
「・・・さっきは正当防衛だった。今回は違う。ここは日本です。穏当にいきましょう。」
口調は、専守防衛をモットーとする平和な国の特別国家公務員のそれだった。
ここは、チェチェン独立派を支持するロシア人ジャーナリストが殺された時に、
チェチェン独立を目指すテロリストを犯人にするロシアじゃない。
ここは日本で、あの少女の手前、殺せなんて言える訳がなかった。
俺はオホートニクじゃなくて、鈴木准尉だ。
しかし、セルゲイに向けた俺の目は、セルゲイが何度も見たであろう目だ。
さっさと始末して、飯でも喰って帰ろうって目だ。
ロシア式のマジックはどこでも通用する。
マジック。パンツ。撒き散らされた血。
俺の感じていた違和感の正体。
「・・・マジック?いや、イリュージョン・・・か・・・」
まさか?
だが、確認せずには居られない。
人間の脳ってのは、案外当てにならないものだ。
見たいものを見るし、簡単に騙される。
代えの死体は用意できないが、下半身を見せた時にタネを仕込む事は出来る筈だ。
俺もセルゲイも、308口径の銃弾が人体に及ぼす影響は知っている。
あまり知られていないが、入射した所はちっぽけな穴が空くだけなんだ。
308/1000インチのちっぽけな穴だ。
女性の小指くらいだろうが、もっと細いような気がする。
まぁ、俺が女性に指輪を贈った事があれば、もっと正確な表現が出来たと思う。
けれども、俺が女性に贈る物と言えば花束って決まっている。
あんたが男なら、一度は女性に花束を贈ってみたいって思わないか?
俺は一回やって癖になった。
オーケイ、花束を貰っても面倒だって意見を聞いた事はあるし、その気持ちは解る。
けれども、カネを出しているのは俺だ。
俺が贈りたい物を、俺の金で買う。
だから、指輪を贈るような関係にまでならないんだろうな。
話が脱線しちまったが、一度、女性に花束を贈ってみてくれ。本当に癖になる。
まぁ、俺もセルゲイも散々死体は見てきた。
勿論、頭をぶち抜かれた死体もだ。
だが、共通して言えるのは顔面を撃ち抜かれた死体は、そのままデスマスクが作れる位、綺麗って事だ。
勿論、入射痕から血が出るけどな。
その代わり、出て行った方の傷口は酷いもんだ。
拳骨くらいの穴が空いている。
それは、銃身に刻まれたライフリングのお陰で、まるでドリルみたい銃弾が回転する事が理由だったり、
超音速で着弾した銃弾が、水っぽい人体に与える瞬間的な圧力やインパクトが理由だったりする。
つまり、俺たちはどうしてそうなるのかを知っているんだ。
死体は散々見たり、作ってきたりした。
だから、経験上、どんな人間であろうと生き物であろうと銃弾で頭を吹っ飛ばされれば死ぬのは解っている。
倒れている人間を銃で撃てば、確かに床に叩きつけた西瓜に見えるってのも解る。
落ちた西瓜みたいに、ボロボロになって中身を撒き散らしているのは、床にぶつかった場所だけなんだ。
俺たちは散々死体を見てきた。
態々ホラー映画の特殊効果みたいに、血糊が飛び出すような装置を着けている奴は居ない。
そこが盲点だったんだ。
銃弾を避けるのは、案外簡単な事だ。
距離が近ければ尚の事だ。
反動に合わせて派手に体を動かせば、誤魔化す事が出来る。
引き金を引くより若干早く、体を動かせばいいし、それを着弾の衝撃だと誤魔化すんだ。
はっきり言って、ある程度・・・頭がおかしい人間で無いと出来ない。
大抵の人間は恐怖に負けるからだ。
・・・死体に銃弾を撃ち込んだり、死体が生き返るなんて考えて手足を切断する奴は異常だ。
狂っている。病院に行くべきだ。
けれど、俺は冷静な観察と理論展開でここまで来た。
だから、俺は病院に行かない。精神科医の世話には、絶対ならない。
「狸寝入りは止めて下さい。」
俺は思わず吹き出しそうになった。
病院でユダに同じ台詞を言ったのを思い出したからだ。
そうだ、近くに山田あすかも居る。
何故か解らないが、確信めいた何かのお陰で俺には解った。
「これから貴方の脈を取る為に、手首に触ります。手首から先が抜けても驚かないし、
肩から先が抜けても驚かない。警告無しで発砲します。」
見た事が有るんじゃないかな、手錠を嵌めて引っ張ったら手首から先がすっぽ抜けるってのを。
まぁ、漫画の中の話だけれども、目の前のピエロ野郎はやりかねないんだ。
俺は、たっぷりと警告をすると、ピエロ野郎の脈を取るべく、手首を左手で握った。
現在地:旧日本軍駐屯地跡 地下
状況:キリングがトリックによって生き延びたのでは?と疑い始める。
警告の上、キリングの脈を確認するべく、手首を握る。
私はルーとフォードを抱えたまま、物陰で震えていた。
聞こえてくる物音も、怒号も、話し声もまるで現実とかけ離れたもので、まるでドラマか映画みたいだ。
怪人に、武装した自衛官に、よく分からない組織の兵隊さんに、こんな場所で人探ししてる人。
誰一人普通じゃない。
ここに居る人は皆どこかおかしい。
それはこの恐ろしい宿舎の中のせいかもしれないし、それ以外が原因かもしれない。
一番まともそうだった鈴木さんでさえだんだんおかしくなってきてるし。
それとも、この状況では私の感覚の方がおかしいの?
もういっそ映画だったらよかったのに。
もしそうなら、今すぐ私は席を立って外に逃げ出すのに。
他の皆はどこに行ってしまったんだろう?
若先生や山田さん、アメリカの兵隊さんや飯田のおじいちゃん。
早く帰って来て欲しい。
でないと、今に私に矛先が向けられるかもしれない。
状況:ルーとフォードを抱えつつ、物陰で様子をうかがっている。
280 :
杉男:2008/10/10(金) 18:25:38 0
【思い出しても辛い瞬間、あれはゲーセンでの出来事である】
【新作のゾンビガンシューをワンコで全クリし、気分は上場だった】
【百円玉を落としてしまい、転がる百円玉を追い掛ける】
【夢中になって辿り着いた先は、人気の無いゲーセン奥の事務所入り口だった】
【半開きの扉からは、店長と黒尽くめの男の姿が見える】
【ここの店長は、人を攫って何らかの取引に使っているという黒い噂がある】
【関わるべきではない、と言い聞かせながらも事務所に忍び込む】
【薄暗い事務所にはこの二人以外誰も居らず、話し声が聞こえてくる】
店長「今日は二人、間違いなく納めますので」
黒尽くめの男「予備とはいえ献体に使う肉体だ
出来るだけ丈夫そうな奴を頼む」
店長「ええ、そりゃもう…」
【「何てこった!」と思って叫びそうになってしまう】
【間違いない、やはりここの店長は人を攫って何らかの取引に使っていたのだ】
【それにしても如何わしきは黒尽くめの男である】
【今ここでこうして忍び込んでいる自分が言うのも何だが、怪しさ全開である】
黒尽くめの男「誰だ!?」
「ひぃっ!」
【黒尽くめの男がこちらを向いて怒鳴り、それにビビって飛び上がってしまう】
【姿を見られてしまい、非常に不味い状況である】
黒尽くめの男「誰だ、こいつは?」
店長「常連客の引田さんですよ
ガンシューティングやガ○ダムVSガ○ダムなどをよくやってます
…まあ、生かしては帰しませんがね」
【店長が何かのスイッチを押すと、事務所の扉が自動的に閉まる】
【更に、窓や出入り口全てに頑丈そうなシャッターまで下りてしまった】
【こんな今更な展開に、何かのドッキリ番組かと疑ってしまう】
「ど、ドッキリカメラか何かの類だ…よね?」
店長「申し訳ないな、引田さん
残念だがアンタにはここで死んでもらわなきゃ」
黒尽くめの男「まあ待て
こいつ、よく見ればなかなかにいい体格をしている」
【店長が拳銃を取り出し、こちらの額に付き付けてくる】
【黒尽くめの男がそれを制止し、こちらの方を見定めている】
【い、いい体格って…、そんな趣味は無いんだけど…】
店長「こんなヲタニートを献体として連れて行くつもりですか?」
黒尽くめの男「予備体くらいには丁度いい
適当に眠らせておけ」
店長「やれやれ…、引田さん、アンタ命拾いしたな
とりあえず数日くらいは寿命が延びた、よ!」
「おぶぇっ!」
【みぞおちに店長の鉄拳を食らい、意識が一瞬にして飛んでしまった】
【彼らが何者かも分からず、僕の意識は深い闇の中へと沈んでいった…】
281 :
杉男:
「うう、ここどこだよ…
ったく…、シャレにもなんないよ…」
【あれからどれだけ眠っていたのだろうか、見知らぬ場所で目が覚める】
【みぞおちはもう痛まないが、かなり長い間気を失っていたらしい】
【見るとそこは、何かの檻の中のようだった】
【扉は開いており、同じような檻がいくつも置いてある部屋のようだ】
「嘘…、マジで僕巻き込まれちゃった、面倒ごとに…?
しかも、気を失ったのはゲーセンだってのにここどこよ!?
本格的に不味いぞこれはぁ!」
【半泣きになりながら、頭を抑え慌てふためく】
【疲れるまでもがき倒し、息切れになりながらゆっくり立ち上がる】
【このままここで躓いていても始まらない】
「と、とりあえずここから出ないと
それにしても人を檻に入れるなんて酷いなあ…
僕は動物じゃなくて人間様だってのに…」
【そんなどうでもいいことをほざくのは、気を紛らわすためである】
【どういうわけか、バイオの映画やガンシューをやる時の集中力がここで働いている】
【ゲーム感覚になっている方がまだ落ち着ける】
【こんなワケの分からない状況が現実であるはずがない】
「あれは階段かな?
あそこから出られそうだ
そして、きっと出た先には僕が居たゲーセンが…」
【階段を上って扉を開けた瞬間、僕は唖然とした】
【そこはゲーセンなどではなく、すっかりと荒れきった無機質な廊下だったからだ】
【病院か何かの施設のようで、壁や床には血の跡らしきモノまである】
【ガンシューや映画で見た覚えのある、絵に描いたような「惨状」である】
「ぼ、僕ってば夢でバイオかハウスオブザデッドの世界に入り込んだのかな?
ははは、じゃあどっかに拳銃か何か落ちてるかも…」
【夢にしてはリアルな光景だが、自身に夢だと言い聞かせつつ老化を進む】
【途中、血だまりを踏んでしまう】
【血だまりは時間が経っているのか、固まってやけにネバっとしている】
【靴の裏に粘りついて、少し歩きにくい】
「あれは…死体…なのかな?
さすがは自他共に認めるオタな僕の夢だね、リアルだね!」
【警備員の服を着た男が倒れており、その右手には拳銃が握られている】
【更に、腐敗しているのか腐臭も凄まじく、鼻が曲がりそうである】
【これもゲームの夢の醍醐味なのだなと納得させる】
【震える手で警備員の手を離させ、拳銃を拾う】
【拳銃のグリップと男の手はすっかり張り付いており、手の皮膚が一緒に剥がれた】
【腐り気味の男の手の筋肉組織と真っ赤な血の塊が生々しい】
【思わず悲鳴を上げそうになる】
「あは、あはは…、ゆ、夢…夢だから…ね…
落ち着こうよ、僕…、な?」
【近くの洗面台で張り付いた皮膚や血を洗い落とし、拳銃を構える】
【マガジン式の自動拳銃で、日本では珍しいタイプである】
【そして、ガンシューをしている感覚になって引き金を引いてみる】
「うひゃあっ!
ほ、本物だなんて…り、リアルだねリアルだね!」
【響く銃声、はじけ飛ぶ弾丸、崩れる壁】
【その全てが、現実としか思えないほどリアルである】
【しかし、さすが夢、さすがゲーム!」