(参考資料)
【第一部】
念願の試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち
一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。
【第二部】
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。
幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、
混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、
学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。
事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、
何れも噂の域を出ることはありませんでした。
そうこうするうちに夏期休暇に突入したため、事件は徐々に人々の記憶から薄れつつあるようです。
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります
真実を知りたい方は過去ログ参照。
・・・では、素敵な学園生活を!
その青年は、まだ太陽が昇らないうちに目を覚ましてしまった。
ここはロックの部屋。そして、今洗面台で顔を洗っている青年こそが、
この部屋の主、ロック・ウィルだ。ロックは今わくわくしていた。
「新学期のスタートだ…」
ロックにとって、この長い夏休みは、少々退屈なものだった。
もちろん、ロックは夏休みの間、だらけていたわけではない。
自らの魔法を高めようと、努力する毎日だった。しかし…
「新しい朝、新しい俺、そして新しいライバル。
男には、常に競いあうライバルが必要なんだ。」
ロックは一人でぶつぶつ言いながら、いそいそと着替えを始めた。
自身の血と汗が染み込んだ(文字通りの意味)青いジャージに身を包み、颯爽と外へ飛び出す。
「うん、空気が清々しい。これはもう、走るしかないだろう!」
というわけで、ロックはいつも通り朝のランニングを始めた。
校庭を何周回っただろうか?東の空はもう白んでいる。日の出までもうすぐだ。
「俺は今日も燃えてるぜ!」
その時、そっと優しい風が吹き、近くにあったイチイの木がさやいだ。
その時だ、ロックはふっと悲しい気持ちになったのは。
以前所有していた箒、そして今は壊れてしまった箒の事を思い出したからだ。
その箒、フォルティシモは、ロックが闇の魔法使いと戦った時に壊されてしまった。
「やめろ、ロック。」
ロックは前から何度もしているように、自分自身を戒めた。
「過去に執着するのはもうやめるんだ。人間の目が何故前についているかを考えろ。
常に前向きに生きるために、俺達人間は前を見ているんだ。」
その時、太陽が東の空から頭を出した。日の出だ。
ロックはその光を受けながら、大きく伸びをした。
###オープニングSS・【ある朝の危機】#######################
目を醒ますと、天井が妙に高かった。
不思議に思い、ふと横に目をやると・・・
(・・・あれ?ベッドってこんなに広かったっけ・・・?)
確かにいつも寝ているベッド。
ただ、隣に寝ているはずの同居人がいない。
諸事情により、とある友人と同じ部屋で暮らす事になったリリアーナ。
別に同じベッドで寝る必要はないのだが、同居人は厄介な憑き物を抱えているのだ。
油断していると室内にも拘らず、大嵐の真っ只中!と言う事態になりかねない。
(部屋の封印措置により意図的にされない限りそんなことは起きないのだが、リリアーナには知らされていない。)
しかし、当の本人の半径1メートル以内は無風の安全地帯と言うののだ。
そういった訳で、結局は同じベッドで寝起きする嵌めになっているのだった。
決して倒錯した関係ではない。
同居人は規則正しい生活を送る事が身上で、22時には眠り、5時に起床する。
だからリリアーナが目覚めて隣にいないのはいつもの事なのだが、今朝は何かが違う。
「にゃにゃーん?」
何か変。と言ったつもりだが、口から出た言葉は猫の鳴き声。
そして目に映るのは・・・肉球・・・!
「にゃ・・・にゃにゃにゃぁあ!?」
半分寝ぼけていた頭が急速に覚醒していく。
自分を見ると、どこからどう見ても猫なのだ!
驚いたが、パニックには陥るまい。
何しろ幻術が得意でタチの悪い悪戯が大好きな同居人と暮らしているのだ。
そう、これは夢か幻術!
そう思い、ほっぺを抓る・・・事はできないのでちょっと引っ掻いてみる。
「うにゃっ!」
痛い!それに手の形は紛れもなく猫の脚!
幻術ならば見た目はどうあれ、実際に触れれば実体が分かるはず。
なのに確かに猫の脚なのだ!
「あらあら、子猫ちゃん。さあ、これをのんでぇ〜。」
慌てて飛び上がった猫リリアーナの目に映ったものは・・・
同居人の姿だった。
怖い笑みを浮かべながら、手には毒々しい色をしたスープが入った皿を持っている。
漂ってくる香りは本能的に危険を知らせていた。
【ここにいたら殺される!】と!
「うふふふ。かわいいわぁ〜ん。そんな怯えた目をされると嬲りたくなっちゃう。」
迫り来る邪悪な笑顔。怪しさ全開の皿!
冗談ではなく本気でやりかねない、というか、必ずやってしまう同居人の性格を良く知っているリリアーナは総毛立つ。
早鐘のように鳴り響く心臓は最高潮のビートを刻む。
「にゃーーーー!」
恐怖に涙をこぼしながらネコリリアーナは一目散に部屋を飛び出した。
後ろで何かを言っているが振り返ってはいけない。
ここで捕まれば確実に嬲り殺されてしまう!
本人は可愛がっているつもりであっても、だ!
幸い部屋のドアが僅かに開いており、その隙間から脱出に成功。
ネコリリアーナの逃避行が始まったのだった。
「あらあら、リリィったら。
変身薬の実験に失敗してネコにしちゃったから解除薬を飲ませようと思ったのにぃ。
よっぽどネコの身体が気に入ったのねぇ。
まあいいわ。今日はシヴァさんとチェスの対戦だしぃ、好きにさせましょ。」
ネコリリアーナが逃げた後、同居人はそっと呟いた。
分かっていたのかいなかったのか、微妙な笑みを浮かべながら出かける準備を始める。
同居人の友人とのチェスの勝負。
勝負がついて部屋に戻るのは何日後かは分からない・・・
>283-284
猫リリアーナは、泣きながら廊下を走っていた。
アルが追いかけて来る気配は今のところないが、安心するにはまだ早い。
とにかく絶対に逃げなければ。
捕まったらきっと殺される。(たとえアルに悪気がなくても!)
――――何でこんなことになってしまったのだろう。
第二過程に進んで初めての長期休暇。
何年ぶりかで学園外に出ることを許された生徒の殆どは帰宅し、家族との時間を楽しんでいた。
だが、一身上の都合で学園に残らざるをえなかった者もいた。
リリアーナもそんな生徒の一人だった。
残っていたのはリリアーナだけではなかったが、それでも人気の殆どない寮はどこか物悲しい。
だから新学期が始まって、また賑やかになる日を指折り数えて待っていたのに。
帰ってきたクラスメートのお土産話を聞かせてもらうのを、すごく楽しみにしてたのに。
「アルの馬鹿ー!! ひとでなしー!!」
猫となった今、全力疾走しても全く足音がしない。
だがニャーニャー大声で鳴いているのではあまり意味が無かった。
リリアーナはとある扉の前で足を止めた。
「フリージア、起きてよフリージア!!お願いだから助けてよ!大変なんだってば〜!!」
ドアノブに前足が届かないリリアーナは、ドアに体当たりしたり、爪でカリカリ引っかいたりした。
果たしてフリージアは部屋の中にいるのだろうか?
ドアの前でニャーニャー騒いでいる子猫が一匹。
その上に長い影が落ちる。
「にゃにゃーにゃや!にゃにゃー・・・みゃう?」
気配に気づき、振り向いた子猫の背後に立っていたのは――――
夏になろうが習慣的に冷たい風が吹き気温は変わらず、地下にあるので日の光を一切通さないのがこの図書館。
その中でも身の毛がよだつほどの魔物がひしめく一般の生徒の立ち入り禁止区域に山積みされた本に抱かれながら寝る者が一人。
膨大な情報量を脳に強引にぶち込んだ馴れの果てが今の状態。
名をヴァンエレンという齢80の吸血鬼である。
彼は現在、召喚の際に起きたバグによりこの学園の外に出られなくなっている。
そのためこうして地下図書館の魔物の一員として本を漁って、学園より出る方法を探っているわけだ。
『召喚された場所に呼び出された対象が縛り付けられた』。
一週間もかけて本を漁った結果こういった事例は100年にほんの一度ほど発生する稀少な現象らしい。
原因はいずれも召喚された側に欠陥があるという、なんとも目を覆いたくなる結果だった。
曰く、欠陥品であるがゆえに召喚という形式は酷く歪み、後遺症を残すことになった。
それは矯正という言葉の届かぬ歪みであり、ならばこそ、故障ではなく欠落に他ならない。
此度の惨事は事故ではなく必然だった。
うかつに召喚対象の契約に応じた己の身を呪うがいい、もの言わぬ現実はそう冷たく物語っていた。
吸血鬼がにんにくや流水が苦手なのも元々は欠陥によるもの。
代を重ねるごとに新しい欠陥が生まれてもおかしくない、がどこか運命に弄ばれている気がしてならない。
絶望のあまり学園長が隠し持っていた焼酎でヤケ酒してしまう。
その後に出会った謎の『猫耳のおっさん』と『来るべき新世界』について意気投合しておおいに語り合った。
酔いもさめて生きる希望がでてきた途端に意識を失い、気がついたら死霊科にいて三日分の記憶がなくなっていたり…。
まあとにかくいろんなことがありながら、気がついたら夏場が過ぎて新学期を迎えていた。
目元をこすり傾いた帽子を正してから欠伸をひとつ。
「さて、今日からどうしようか…」
欠陥についてあきらめたわけではないので、また一から本を読み続ける暮らしを再開するつもりだった。
ここでタイミングよく腹の虫が鳴る。
読書するにも腹は減るのでまずは腹ごしらえしに地上にのぼることに…。
大きい荷物を抱えたヴァンは食堂の前で勝手に旗を掲げる。
『献血にご協力ください』『素敵な注射器はここです↓』『お前の母ちゃん泣いてるぞ!』
白衣に着替えて、それぞれの旗を掲げて用意した注射器を並べて準備は完了。
イスに腰掛けて後は獲物がかかるのを待つのみである。
その日フリージアは自分の部屋にいた
夏休み、何年かぶりに実家に帰ったフリージアは
毎日、父親のお見合い写真攻撃にさらされる羽目になった
「冗談じゃなくってよお父様!誰がこんな見知らぬ子と結婚なんかするもんですか!そもそも若すぎるじゃない!!」
そう啖呵をきったフリージアは実家に帰って一週間も経たぬうちにフィジル島へと舞い戻ったのであった
ちなみにそのお見合い相手は魔道具の製造会社ライズフィールド社の社長の長男ゴールド君(13歳)である
風の噂では彼は同じ学校の先輩(同性)に熱を上げてるそうだ
>285
さてそんなどうでもいい話はおいておいて
自分の部屋の前でニャーニャーと声がするのに猫が大好きなフリージアがほっておくわけが無く
「猫ちゃんの声!?寝てる場合ではありませんわ!!」
フリージアはがばっと氷のベットから飛び起き
右手にミルクの入った皿をもって勢い良くドアを開けた
いつの間にか頭の上には猫の着ぐるみを着たギズモが乗っている
「かわいい猫ちゃんはどこですの?」
そこでフリージアが見たものとは!!
かわいい猫ちゃんともう一人であった
・・・だがフリージアの目には猫しか見えておらず
「きゃぁぁぁ!かわいいですわぁぁぁ!!」
ギズモにミルクの入ったお皿を預けると思いっきり飛び掛った
人目を気にせずリリアーナ(猫)にほお擦りするフリージアの顔は・・・・とても満足げであった
>>286 初等部の生徒達が興味深そうに注射器を眺めている。
「この注射器、一本幾らなんだ?」
一人の生徒が財布を取り出しながら、ヴァンにたずねた。
>287
>「かわいい猫ちゃんはどこですの?」
バン!と扉が大きく開いた。
至近距離にいたリリアーナはぽーんと飛ばされ、毛糸だまのように廊下を転がっていった。
フリージアが目にしたのは、頭にたんこぶを作って伸びている子猫ともう一人。
>「きゃぁぁぁ!かわいいですわぁぁぁ!!」
『んにゃ?! ちょっと待ってフリージア!私はリリアーナだってば!!』
意識を取り戻したリリアーナが必死で叫ぶが猫語が通じるはずもなく。
哀れリリアーナはフリージアの熱烈なほお擦り攻撃を受けることになった。
――――彼女の猫フリークぶりを計算に入れてなかったリリアーナは、相変わらず詰めが甘かった。
「ふにゃ〜!!うにゃー!!」
リリアーナはじたばたと暴れた。
引っかけば拘束が緩まるのかもしれないが、それは出来ない。彼女の服は目玉が飛び出るほど高価なのだ。
まして彼女の肌に爪を立てるなど問題外である。
フリージアの肩越しに、居合わせた人物に必死で助けを求めた
だが相手は、傍観者の立場を崩すつもりは無さそうだ。
当然といえば当然かもしれない。
今彼女から猫を取り上げれば、どんな惨事を招くか分かったものではない。
フリージアの愛猫家ぶりはそのくらい有名だった。
触らぬフリージアに祟り無し、である。
見慣れない猫を頭に乗せたまま、フリージアの強烈な愛情表現は続く。
(そうだ、ギズモなら猫語がわからないかしら?)
リリアーナはきょろきょろとあたりを見渡した。
『ギズモどこにいるの?助けて!私はリリアーナ・・・!うわ――――― っ!!』
リリアーナは絶叫した。
なんとフリージアの顔が大アップになっている!
『止めてフリージア早まっちゃダメ私たち女の子同士なのよ――――!!』
自室では生命の危機だったが、今度は別の意味で大ピンチである。
「ふぎゃ――――!」
全力で暴れたおかげか、フリージアの拘束が僅かに緩んだ。
逃げるなら今だ!
リリアーナは電光石火でフリージアの腕から抜け出すと、僅かに開いていた窓から外に逃げた。
ついて来て、というように寮の窓に向かって一鳴きすると、リリアーナは駆け出す。
目指すは食堂だ。
とにかく今は、自分がリリアーナだと知ってもらうのが先決だ。
食堂に行けば猫語を理解してくれる誰かが居るかもしれないし、
元に戻る方法だって分かるかもしれない。
>>282 校庭を横切る途中、リリアーナは見覚えあるジャージ姿に気づいた。
リリアーナはにゃーにゃー鳴きながら駆け寄ると、タックルをかけた。
『ロック!あなたなら猫語の一つや二つわかるんじゃないの?!』
・・・闇の魔法使いギルハートは確かに獣人だったが、これまた随分無茶な話である。
朝日に照らされる保健室にて、レオは見慣れない少女の健康診断をしていた。
「…心拍数、血圧共に異常なしっと」
カルテにそう書き込むと改めて目の前の少女を見る。
「なんじゃレオ殿?そんなにオーガス崩れが珍しいでおじゃるか」
服を着直す少女は不機嫌そうに膨れる。
「いえ、そんなつもりじゃ…えと、キキさん今のところ容体は落ち着いてますが…」
レオが説明している途中、キキと呼ばれた少女は何を言われるか分かっていたかの如く言葉を挟んだ。
「激しい運動などの肉体、心臓に負担をかけることは控えるでおじゃる」
「…そうです。そして、急に気分が悪くなったときにはこの薬を処方してください」
そういって机から小瓶を渡すと、キキはそれを懐に入れ立ち上がった。
「いい忘れておった。今日から世話になるからよろしく頼むぞよ。」
そう言い残してキキは保健室を後にした。
>>289 「うおっ!?何だ!?」
ロックは自分の足にすりよって来た…と言うよりぶつかって来た子猫を見た。
「ん?何だ、お前?」
子猫は必死に何かをロックに伝えようと鳴きまくっている。
ロックはその場にあぐらをかいて座り、猫の言葉(?)に耳を傾けた。
ロックは猫の言葉に「ふむふむ」と相づちを打ったり、「なるほど」と唸ったりした。
「あぁ…それはずいぶん困った事になってしまったな。
俺も、前に似たような経験をしたから、お前の気持ちがよくわかるぜ。」
ロックは愛情をこめて、子猫の頭をポンポンと軽く叩き、すっと立ち上がった。
「はははっ、情けない顔をするなよ。俺が必ず解決してやるぜ!」
その時、ぐ〜という音がロックのお腹から出た。
「…と、とりあえず食堂に行こうか。腹が減ってると力が出ないしな。お前も何か食べたいだろ?」
ロックは食堂へ移動を開始した。
「朝焼けに染まる廊下…そして、鳥のさえずり、澄んだ空気…実におかしい」
保健室を出た時に目に入ったきた光景を微笑みを浮かべ愛でる。
「……じゃが…それを積み木崩しのよう崩す悲鳴もまた…」
そう意味深なことを呟き、指を弾いた瞬間
言葉通り、彼女が愛でていた光景はレオの悲鳴が崩した。
彼女はゾクゾクッと身を震わせ恍惚の表情を見せる。
「…これだから悪戯は辞められぬな…しかし、ピーマンそれも模型程度でここまで悲鳴を挙げるとはな幼いのう、逃げるでおじゃるか」
「……そうじゃ、麿の荷は届いたかのぉ」
ある程度歩き回った時、麿は肝心なことに気が付いた。
この学園に着いたのは、2、30分前で学園長に挨拶したあと健康診断…荷の確認はまだでおじゃった。
「うーむ…まぁ充分散策もしたし、荷の確認をしてから職員室に赴けば…ちょうどよい時間なるでおじゃろうか」
考えをまとめ、麿は踵を返して学生寮へ向かった。
「麿の部屋は…この先でおじゃるか」
階段を登り終え麿はプリントと地図を確認した。
「うむ、間違いないでおじゃるな…あっちでおじゃるな」
廊下を歩いていると一匹の子猫が戸を引っ掻いているではないか。
「これこれ、引っ掻くでない」
麿は猫をつまみ上げ、戸から離した。
その瞬間だった。何者かに猫を奪われてしまった。
「…ん…なんじゃ」
視線を騒がしいほうへ向けると、特徴的な髪形の少女が猫に襲いかかるようにジャレている様だった。
「………全く…品性の欠片もないでおじゃるな、まるで猪のようじゃ」
少しばかり皮肉言って麿は自分の部屋を確認した。
「まさか…麿もついてないのう。よりによって品のないお主の隣になるとは」
>289
私はかわいい猫ちゃんにキスをしようとしたんだけど・・・
よっぽど嫌だったのか逃げられてしまいましたわ
「猫ちゃんの嫌がるような香水なんてしてないんだけど
・・・なんで逃げちゃったのかしらギズモちゃん?」
その問いに律儀に答えるギズモ
「オンナノコドウシダッタカラジャナイ?」
「確かにあの子雌だったわね」
猫好きのフリージアは見ただけで雄か雌か判断出来るようだ
とりあえず猫ちゃんがついて来てという感じで鳴いたので後を追うことにしたフリージア
「とりあえず後を追うわよギズモちゃん」
「ガッテンショウチ」
・・・・ギズモよお前はどこ出身なんだ
>291
「あら?ロックじゃない久しぶりね」
やっと猫に追いつくフリージア
近くにいたロックに挨拶しつつ目は猫に釘付けである
「さっきはごめんなさいね猫ちゃんv」
そう言いつつフリージアの手はわきわきと蠢いていた
「・・・オカアサンコワイ」
それを見たギズモ(猫着ぐるみ)はそう呟いた
「朝ごはんご一緒してよろしくて?」
それを無視してフリージアはロックにこう尋ねた
【オープニング】
――レイドの部屋――
午前11時。
俺は自室で眠りについていた。
「……zzz……zzz」
>「レイド!レイド!!」
何だよ。
俺は今日休みなのだ。
俺の眠りを妨げる奴は何人たりとも容赦しねぇぞこの野郎。
「……う……ん」
>「さっさと起きんか!!
貴様、今何時だと思ってるんだ!!」
あ、分かった。この声は教頭だ。
「………7時。」
>「バカモノ!!もう11時だ!
がこんな時間まで寝腐ってる教師がどこに居る!」
アンタのすぐ目の前に居ますが。
>「まったく…。さっさと起きろ。
学園長がお呼びだ。」
「何用で?」
>「お前の授業の事についてだそうだ。」
「うへぇ…。」
アルテリオンが居なくなった事によって俺のヤル気は95%程削がれていた。
そのため授業はずっと自習だった。
ちっ…学園長の耳に入るとはな。
「…分かりましたよ。
今支度しますから少々お待ち下さいませ。」
布団の中から嫌嫌顔を出すと完全に怒っている教頭の姿が目に入った。
>「レイド、お前のその眼、なるべく生徒に見せるなよ。」
「分かってますよ。
だからいつもサングラス掛けてんじゃないすか。」
今の俺の前髪はデコが隠れる位の長さしかない。
だからサングラスでカバーしている。
顔を洗って朝飯食って歯磨きしてスーツに着替えサングラスを掛ける。
所要時間約30分。
大体11時半くらいか…。
「さて、そんじゃ行きますか。」
>「レイド、お前の気持ちも分からんでもないがな、授業はきちんとやっても…」
「行ってきま〜す。」
>「逃げたな…。」
ったく、朝から説教なんて勘弁だっての。
それにしても、学園長からお呼びがかかるなんてな。
どうせさっき教頭が言いかけていたような事を言われんだろうなぁ…。
ヤル気が出ないんだからしょうがないだろ?
あ〜、憂鬱だぁ……。
俺は憂鬱な気分で学園長室に向かった。
>>294 >「あら?ロックじゃない久しぶりね」
食堂に行こうとした時、ちょうどフリージアがこちらにやって来た。
こんな時間に会うとはめずらしいな、とロックは思った。
「おはよう、フリージア!」
ロックは元気よく挨拶した…が、なんとなく右から左に受け流されたような気がした。
フリージアの目が、側にいる子猫に釘付けだからだ。
>「朝ごはんご一緒してよろしくて?」
「あぁ、望むところだ。全力で相手になるぜ。」
二人と一匹は食堂に向かって歩き出した。
「フリージア、この猫が何だかわかるか?」
歩きだしてすぐ、ロックはフリージアにこうきり出した。
この猫、こいつはずばり、リリアーナなんだ!と、ロックが言うと、リリアーナは思った事だろう。
「こいつはずばり、迷い猫だ!」
リリアーナのその期待を、ロックは見事に叩き潰した。
「見ろ、やけにニャアニャア鳴いているだろ?
きっと、自分の飼い主を呼んでるに違いない。」
実際に猫が発しているのは抗議の鳴き声なのだが、ロックにはわからない。
なにしろ、ロックは動物にも普通に話しかけるが、動物の言葉がわかるわけではなく、
ただ、いつもなんとなくで何を言っているか判断しているのだ。
そんなわけだから、ロックは、この猫が実はリリアーナであるなど全く思わなかった。
「こいつには助けが必要だ。しかし、俺一人の力では駄目だ。
君の協力が欲しい、フリージア。猫に詳しい、君の協力が。」
とりあえずロックは、この猫に助けが必要である事だけはわかったようだ。
それからロックは道すがらに、フリージアにたくさん質問した。
誰がどんな猫を飼っているか?とか、こんな猫を前にも見た事があるか?とか、
学園の外から猫が入ってくる事はあるか?とか…
二人が話しあって結局わかったのは、少なくともロックとフリージアの知る限り、
この猫が誰の猫であるかわからない事だった。
「…待てよ、確か今日この学園に転校生が来るって聞いたぞ。」
ロックは“ドーン”と閃いた。普通の人は“ピーン”と閃くが、ロックは例外だ。
「この猫、その転校生の猫じゃないかな?…でも困ったぞ。
俺はその転校生がどんなやつかさっぱりわからない。そもそも、男か女かも知らないぜ。」
そうしている内に、もう食堂の入口の前まで来ていた。
そんなわけだから、当然二人の目にも入った。怪しい旗と、それ以上に怪しい白衣の男が…
>>291296
ロックはリリアーナの前にあぐらをかいてすわりりこみ、じっと彼女の話に話(?)に耳を傾けてくれた。
>「あぁ…それはずいぶん困った事になってしまったな。
> 俺も、前に似たような経験をしたから、お前の気持ちがよくわかるぜ。」
ロックは笑顔でぽんぽん、とリリアーナの頭を叩いた。
リリアーナはうるっと目を潤ませた。
困っている状況に理解を示してくれる相手が居るだけで、随分気持ちが楽になるものだ。
>「はははっ、情けない顔をするなよ。俺が必ず解決してやるぜ!」
リリアーナはまぶしげにその姿を見上げた。
見慣れた熱血漢の背後に後光が差しているように見える。
「…と、とりあえず食堂に行こうか。腹が減ってると力が出ないしな。お前も何か食べたいだろ?」
にゃあ、と嬉しそうにひと鳴きすると、小走りでロックに続いた。
ロックが猫語を分かると思い安心したのか、リリアーナは少し余裕が出来たようだ。
(そういえば、さっきフリージアの部屋の前にいたあの子は誰なのかな?)
自分の首元を摘み上げかけた瞬間、ドアに吹き飛ばされたからあまり良く見えなかったが、
お人形みたいな女の子だったように思う。
見慣れない顔だったので、もしかしたら転入生なのかもしれない。
「あら?ロックじゃない久しぶりね」
ピッとリリアーナは飛び上がった。
ギギギ、と音が出そうなぎこちなさで振り向くと、フリージアが満面の笑みで立っている。
いつもなら喜んでフリージアに駆け寄るところだが、生憎今は不都合が多すぎた。
「さっきはごめんなさいね猫ちゃんv」
フリージアの手はわきわき動いている。
冷や汗をだらだら流していたリリアーナは、咄嗟にロックの肩へと避難してしまった。
2人と2匹で食堂へと向かう間、ロックはフリージアに話を切り出した。
ていっていっとロックの後れ毛にじゃれていたリリアーナは顔を上げる。
「フリージア、この猫が何だかわかるか?」
リリアーナは期待に満ちた目でロックを見つめていた。
「この猫はリリアーナなんだ!」と、ロックが説明してくれる瞬間を待っていたのだ。
ロックはフリージアに言った。
>「こいつはずばり、迷い猫だ!」―――― と!
ぽろっ・・・とリリアーナはロックの肩から落っこちた。
盛大に抗議しているリリアーナを指差し、ロックはしたり顔で断じた。
これは飼い主を呼んでいる声だ、と。
『うわああああん!全然違うじゃないの、ロックのバカバカバカバカぁぁぁ ―――― !!!』
伝えることを封じられているリリアーナは、悔しさのあまりごろごろ地面を転げまわった。
ロックに期待していただけにその落胆は計り知れない。
リリアーナの癇癪は、フリージアが抱き上げるまで終らなかったことを・・・蛇足ながら付け加えておく。
ロック達が熱心に自分のことを話し合ってくれているのに、当の本人は失意のあまり殆ど聞いていなかった。
>286
そうこうしているうちに、食堂が見えてきた。
その前には怪しげな旗や白衣の不審者が立っている。その姿には見覚えがあった。
「高貴なお貴族様がこんなところで何やってるのよ〜。
『お前の母ちゃん泣いてるぞ!』 ってもしかして自分のことー?!」
リリアーナは珍しく暴言を吐いた。
どうせ言葉は通じないのだからと、少し自棄になっていたのかもしれない。
>288
背の低さからみて初等部の生徒だろう人物がおもむろにヴァンに近づく。
注射器一本の値段を聞いてくるあたり、どうやら世間知らずのお坊ちゃんが勘違いをしているようだ。
ニタリと意地悪い笑いを浮かべて、悪知恵を働かせて騙す気満々になっていた。
「お目が高い。
この注射は本来ならば相当の値段が張るのだがいまは『ただ』であげましょう。
それにしてもこの商品はデリケートなため、一回やり方をお教えしなければならない。 では一旦腕をまくってくれますかな?」
財布からお金を取り出そうとする生徒を手で制止して、がぶりと食いついた獲物を逃さんと強引に血を採取しようとしている。
>297
>「高貴なお貴族様がこんなところで何やってるのよ〜。
> 『お前の母ちゃん泣いてるぞ!』?ってもしかして自分のことー?!」
文面では悪口を言ってるようだが、実際のところ『なーご』とか『にゃあ』といった可愛らしい声しか聞こえてこない。
獣人ならまだしも、普通の人間にネコの言葉はまず理解するなんて不可能。
いくら魔物でネコを含む動物に変身できても、その場にネコになっていなければ理解はできない。
だが、使役している蝙蝠が翻訳して内容を耳打ちしているのであれば別である。
「失敬、どうやらどこぞの誰かが私の悪口を言っているようだ。
この商談はまた後日ということで…さて、私のゲンコツくらいたくなかったら今すぐさっきの言葉を撤回するんだ」
上げた手を握って拳を作って対象を威嚇する。
しかし得意の必殺拳が繰り出されることはなかった。
なんてことはない、ただ暴言を吐いたネコの血が覚えのある匂いだっただけだ。
「げっ、熱血馬鹿と縦ロールと…なにやってんの貧乳?
己の洗濯板があまりにもひどいもんでとうとう自棄にでもなったのかい?」
ヴァンの中でまた嫌な予感がしてきた。
>296>297
>「こいつはずばり、迷い猫だ!」
「そんなことは分かってますわ!!」
思わず突っ込むフリージア
その言葉にショックを受けたのか転げまわる猫
とりあえず見ていられなかったのでやさしく抱き上げた
>「こいつには助けが必要だ。しかし、俺一人の力では駄目だ。
>君の協力が欲しい、フリージア。猫に詳しい、君の協力が。」
色々とロックに猫について語るフリージア
雌猫は個体ごとにおっぱいの数が違うとか
どうでもいいことまでロックに話した
「だからってひっくり返して一個ずつ数えちゃ駄目ですわよ」
「・・・・結局何も分かりませんでしたわね」
>「…待てよ、確か今日この学園に転校生が来るって聞いたぞ。」
>「この猫、その転校生の猫じゃないかな?…でも困ったぞ。
>俺はその転校生がどんなやつかさっぱりわからない。そもそも、男か女かも知らないぜ。」
「そういえば今朝、知らない女生徒を見たような・・・・
猫ちゃんに夢中で顔は見て無いけど私よりも肌が白かったですわ」
>298
食堂につく一行
目の前には明らかに怪しい人物がいる
「あ・・・怪しいにもほどがありますわ」
猫ちゃんはその怪しいのにニャアニャア言っている
・・・・あらこの顔はいつぞやの吸血鬼さんじゃありませんの
>「さて、私のゲンコツくらいたくなかったら今すぐさっきの言葉を撤回するんだ」
>「げっ、熱血馬鹿と縦ロールと…なにやってんの貧乳?
>己の洗濯板があまりにもひどいもんでとうとう自棄にでもなったのかい?」
私はその吸血鬼のセリフで理解した・・・理屈じゃなくて心で理解した
この猫ちゃんがリリアーナさんだということを
・・・・でも私は貧乳と洗濯板というキーワードでその正体に気が付いたなんて
口が裂けてもいえなかった・・・・だって友情に皹が入りそうですもの
・・・・が
空気を読めないグレムリンが一匹
「エ?コノネコリリアーナオネエチャンナノ?」
「そ、そんなわけ無いじゃないですの!」
「デモ、ヒン・・ウグ」
私はその禁断の言葉を言わせないようあわててギズモの口をふさいだ
>298-299
「げっ、熱血馬鹿と縦ロールと…なにやってんの貧乳?
己の洗濯板があまりにもひどいもんでとうとう自棄にでもなったのかい?」
きらーん、とリリアーナの爪が物騒に光った。
「フ ――――ッ!!ウナ――――ッ!!」
止める暇もあればこそ。
リリアーナはヴァンに飛び掛ると、手といわず顔といわずバリバリ爪を立て始めた。
ヴァンの言葉に含まれた単語のいくつかが、相当リリアーナの癇に障ったらしい。
(幸か不幸かあまりに逆上していたので、ギズモの失言には気付かなかったようだ)
だが。
リリアーナが幾ら頑張ったとしても、しょせん相手は百戦錬磨の吸血鬼、
子猫とヴァンエレンとでは力量に差がありすぎた。
間もなく取り押さえられたリリアーナは、ヴァンに襟首を捕まれぶらーんと宙吊りにされた。
ヴァンエレンは勝ち誇った笑みを浮かべている。
お仕置きの時間がきたようだ。
魔法薬の調合のためにメスネコのヒゲがほしいなぁ…
ん? あのネコは♀かな?
毎度毎度、騒がしい事だ。
男は三日会わなかったら云々と言うが、あの御一行はきっと四半世紀会わなくても変わるまい。
永いようで意外と短く何も出来なかった夏は過ぎ、これからは新学期。心を入れ換えて勉学に励むでもなく、己が術を研くでもなく。
大志は無く。ただ惰性でここにいる。
だからこそ、こう思うのも許して欲しい。
「………あぁ、退屈だ。」
少しでも楽しく生きるために、楽しく過ごすために、目の前の騒がしいヤツらは十分だろう。
だから、少しちょっかいを出す事にする。
フラフラと一行に近付いてみる。………しかし、改めて、高々猫一匹で賑やかなヤツらだ。
メラルの部屋。朝、かなり早くにメラルが目を覚ます。…と、枕元においてあった
水晶球に視線をやってから立ち上がると…一瞬複雑そうな表情を見せてから紫水晶の方の杖を手に取った。
よく見ると、元々の彼女の杖は…水晶球を除き、部屋のどこにもない。サングラスもだ。
「…久しぶりね、皆と会うのも。」
言うと、メラルはもう一つの杖二手を伸ばした。
…そう、ラルヴァからもらった虚の杖だ。
虚の杖は、メラルが握るやいなや形を変え、かごのような形になった。
それに、タオルやらローブやらを放り込み、最後に水晶球を放り込むとメラルは部屋を出て行った。
あの事件以来、メラルは密かに"目の術"の制御を目指し、訓練をしていた。
レイド先生は授業すら自習にするような状況であり、当然独自に重力の術を教わる
約束を今果たしてもらう事は難しかった。なので、メラルの方から
後日にお願いするよう申し入れ、その分の時間や…今まで雷の術を取り戻す練習に
費やしていた時間の多くを、目の術の制御練習に費やすようになった。
その課程で、今までの杖…というか水晶球より紫水晶の杖の方が通常の術の
制御に向いている事がわかり、元の杖は実家において来た様だ。
もちろん、長期休暇の大半もその練習を含めた訓練に費やされた。最も…実家で、
姉と共になので、メラルにとってはこの上なく楽しい物になっていたのだが。
朝風呂を終え、部屋に一度戻って荷を置いてからメラルがローブ姿で部屋から出て来た。
そして、フリージアの部屋に向かう…と、途中でしっかりした服の…オデコに
角を生やした少女が、手になにやらプリントを数枚持っているのと…猫とじゃれている
フリージアを見かけたが、猫がフリージアの部屋に逃げ、恐らくそのまま窓から逃げたのだろう。
フリージアもそれを追いかけ、消えていってしまった。
メラルからすれば猫とフリージアという組み合わせはそう違和感を
感じる物でもなくなっていた為、なぜ寮内に猫がいるかまではあまり深く考えなかった。
むしろ、もう一人の少女の方に意識が向いていた。
(多分…野良猫が忍び込んだのね。…フリージアの猫狂いはいつもの事として…
こんな時間にこれだけしっかりした格好でむき出しのプリントを…。しかも、
見かけない顔。これだけ特徴的な人間、一度見たら覚えていても良さそうよね。
つまり…)
メラルは、取り残された少女・・・キキに声をかける。相手の年齢もわからないので、かなり丁寧に。
「転校生の方…ですか?」
そして、返事を聞いた上で続けた。今度は普段のメラルの口調に近いそれで。
このフロアが二等課生の部屋の集まるフロアだからである。
転校生でこの時間帯にうろついているという事は、二等課生と判断して問題ない。
そう考えたからだろう。
「私はメラル・エルディーン。…二等課生よ。…よろしく。
それと…一つだけ忠告よ。食事は、早めに済ませた方がいいわ。
ピーク時は大抵席が足りなくなるし、ピークを過ぎると
テーブルが見るも無残な事になっているから。
じゃあ…また会いましょう。」
少し早足でメラルがその場を去っていった。だがこの光景。メラルをそれなりに知る
友人が見たら、かなり驚く事だろう。自己紹介位ならともかく、
平常時にメラルが初対面の相手にこういった忠告をする事は、その相手が
友人の友人や、共通の目的を持ったグループの仲間など、間接的な
つながりがある相手の場合を除いてはかなり稀なのだ。
寮を出てから、杖で飛んで食堂前に行く。すると、献血を求める旗がいくつか建てられており、
そこにいる白衣の男が何故か猫を捕まえている光景が見えた。そして、その近くに
フリージア、ロックを含む何名かがいる。だが、その様子を見た段階でメラルは溜息をついた。
(…献血は人の善意に呼びかけて血を集める物なのに…『お前のかあちゃん泣いてるぞ!』
…この謳い文句はいただけないわ。、それに、受付担当の人間が一人で近くに
誰もいないというのも…いえ、それ以前の問題ね。)
不審に思い、その受付担当らしき人間の魔力を探って見ると…そもそも人間ですらなかった。
それどころか、"知っている"魔力だった。
(そういう事…なるほど。まぁ、これなら騙される人間が出ても被害はたいした事はないわ。
どうせその内先生辺りが対応するでしょうし…今の所は手を出さなくても良さそうね。)
などと考えつつ、メラルがロック達の近くに着地した。そしてロックとフリージアに挨拶をした。
「二人ともおはよう。…久しぶりね。…所で、あれは?」
メラルが猫を指差して聞いた。流石に吸血鬼に捕まった猫。そのかなりシュールな状況の
経緯を自力で考える気にはなれなかったようだ。
>>302>>304 >「二人ともおはよう。…久しぶりね。…所で、あれは?」
「おはよう、メラル!おぉ!コノリ、おはよう!」
ロックはメラルと、いつの間にか近くにいたコノリに元気よく挨拶した。
「メラル、あれは猫だ。」
ロックはメラルにそう言ったが、それだけではわからない。ロックは説明を続ける。
「でも、あれはただの猫ではない。ずばり、迷い猫だ。
俺は、この猫の飼い主は、今日やって来る転校生ではないかと睨んでいる。
ところで、この猫変なんだ。このおっさんがこの猫に“ヒンニュー”とか、
“洗濯板”とか言ったら、急に怒っておっさんに襲いかかったんだ。」
ロックはヴァンエレンと猫の顔を交互に見たあと、ヴァンエレンに尋ねた。
「“ヒンニュー”って何だか知らないけど、あんたこの猫について何か知っているなら教えてくれよ。
400mlの献血に協力してやるからさぁ。AB型の血液って貴重なんだろ?」
ロックは言いながらジャージの袖をまくり、椅子に座った。
「全く…無我夢中とはこのことか」
走り去るフリージアを尻目にキキは自室のドアノブに手をかけた。
その時、全く意識していなかった方向から声をかけられた。
「そうじゃが…何か用があるでおじゃるか?」
その声の主を確認せずそう返し、戸を開けて室内を確認した。
気を効かせてくれたのか、内装は既に調えられていた。
「うむ…和洋折衷も中々おかしいのう」
しみじみ思いながら戸を閉め、やっと声の主を確認した。
何やら見覚えがあるような衣装の者はメラルと名乗り、今から食堂へ行かないとエライめに会うと忠告してくれた。
「確かに…込み合うのは好きでは無いでおじゃるな」
気質的にそのような戦場に例えられる状況を嫌うキキは職員室に向かうのを後回しにして食堂へ向かった。
「しかし、少々遠いのぅ」
走る、早足などが出来ないキキにとって他の生徒のちょっとは少し遠く感じてしまう。
だから、キキはいつもこの方法を使う。
キキはその場にしゃがみ、靴に向かって詠唱を始める。
「ブツブヅ…汝、焔の翼まといて空を飛ばん…ブツブヅ…火翔」
詠唱を終えるとキキの体は何かが弾けた音と共に中に浮いた。
「さてと…では赴くでおじゃるか」
とキキが指を弾くと再度弾けた音がし、箒程ではないが、それなりの速度で食堂へ向かった。
食堂近くへついたので火翔を解き、歩いていると何やら入り口近くで集まっているのが見えた。
「……見たところ麿には関係なさそうじゃな」
とその集団の脇を通り、食堂へ向かった。
>300
二度にわたる悪口で怒ったリリアーナは小さい足で地を蹴って、ヴァンに向かって爪を立てながら飛び掛かる。
たかが小動物の攻撃は襟首を掴まれることで簡単に止められてしまう。
こうなってしまえば爪が宙を空振りするばかりで攻撃は対象に届くわけがない。
耳の裏をこちょこちょと顎をもふもふとしているうちに猫リリアーナはだんだんおとなしくなった。
お次はねこじゃらしを取り出して目の前で振付けてみる。
>305
しばらく遊んだ後にねこじゃらしをメラルに投げてよこしロックに向き合う。
>「“ヒンニュー”って何だか知らないけど、あんたこの猫について何か知っているなら教えてくれよ。
> 400mlの献血に協力してやるからさぁ。AB型の血液って貴重なんだろ?」
「ひんぬー教ときょーにう教が紛叫するこの学園内でまさか貧乳を知らぬ人間がいたとは…。
ああ、ただの独り言なので気にしないでくれ。
あの猫の正体だったな、お前たちの仲間の一人の確か『リリアーナ』だったか?まさにそいつ自身だ」
皮膚を消毒してその部分にぶすりと針をぶち込んで採血した。
ある程度血がたまった注射器を抜くときに「あ、」と言葉を漏らしたが気にしてはいけない。
使用済みの注射器を使い魔に預けて、治療の呪文を唱えると皮膚の修復が早まり完璧に元の状態に戻った。
献血後の水分補給は重要なので、コップ一杯のオレンジジュースを渡し、次に皿に乗ったドーナッツをテーブルに出した。
「献血にご協力感謝する。
いやなに、これをしないと教師陣に叱られるんでしょうがなくな」
使い魔にはロックから採取した血液に味付けを頼んである。
ヴァンは用も済んだしこのまま図書館に帰ってまた本を読み漁るつもりだが、少しこの猫のことが気になった。
ヴァンが空中へ跳んで後方に一回転するとその姿は黒猫へと変わっていた。
図書館で逃げの技術を高めるため、気まぐれで読んだ本から得た術である。
猫はおろか馬や虎、さらには象にも化けることが可能になっている。
『さて貧乳よ。
なぜ猫になったことの経緯に興味が湧いたので話してくれたまえ』
猫語で猫リリアーナに話し掛けた。
もちろん人間たちには「なーご」や「にゃー」などとしか聞こえていない。
>308
耳の裏をこちょこちょと顎をもふもふとしているうちに猫リリアーナはだんだんおとなしくなった。
「べ、別に気持ちよくなんか無いんだからね!」
と言わんばかりの態度だったが、そんな虚勢も猫じゃらしをみせられるまでだった。
「にゃーん!!にゃー!!」
リリアーナは夢中で猫じゃらしのふわふわを追いかけている。
子猫は楽しそうに猫じゃらしを追いかけ、飛びつき、吸血鬼相手によく遊んだ。
>しばらく遊んだ後にねこじゃらしをメラルに投げてよこしロックに向き合う。
>304
「にゃー!」
リリアーナはメラルの猫じゃらしに目が釘付けだ。
自分の前足に届く位置まで猫じゃらしが降りてくるのを、今か今かと待ち構えている。
――――メラルとコノリの目の前で、夢中になっている子猫。
なんとも微笑ましい光景だが、決してそれだけではすまない問題をも暗示していた。
>『さて貧乳よ。
> なぜ猫になったことの経緯に興味が湧いたので話してくれたまえ』
「誰が貧乳だって・・・・!―――― えっ?!」
猫じゃらしで遊んでいたリリアーナははっと我に返った。
目の前にはリリアーナよりふた回りは大きそうな大人の猫が座っていた。
「―――― え?もしかしてあなた吸血鬼なの?」
黒猫はこっくりと頷いた。
リリアーナは喜んだ。
やっと自分の言葉を分かってくれる相手が来たからだ。
「わ、私の話を皆に翻訳してくれるなら・・・話してあげなくも無いわ」
そうもったいぶったものの、嬉しそうな様子はみえみえである。
リリアーナは結局、朝起きてから今まで起こったことを全て吸血鬼に話した。
―――― 話してもいいと思ったのだ。
リリアーナも学園にきてからの吸血鬼の様子を見聞きしていたし、
献血をしたロックに対しても誠実な対応だったからかもしれない。
(決してリリアーナと遊んでくれたからという理由では無い!・・・・・・多分!)
『――――というわけなの。眠っていたからどんな方法で猫になったかは私にも分からないの』
そう言ってリリアーナは子猫になった顛末を締めくくった。
『あと・・・あまり関係ないかもしれないけど、昨日の晩にフリージアのお土産を使ったのよね・・・』
そう口にしたリリアーナだったが、最後までお土産の内容には触れようとしなかった。
『ねえ、吸血鬼ってすごい長生きなんでしょ?
最近は図書館にこもって色々調べてるってターナー先生から聞いてるわ。
ねえ、私が元に戻れるための手がかりになりそうな情報、何か知らない?もし協力してくれるなら・・・』
リリアーナは一旦言葉を切ると、思わせぶりに献血の旗を見上げた。
>304>305>307>308>309
「あらメラルさんごきげんようvあれはですわね・・・」
と言いかけた時に先にロックが説明をした
・・・この会話で分かったことはどうやらロックは貧乳という言葉自体を知らないようだ
目の前では吸血鬼が猫と遊んでいる
「・・・・意外な展開ですわ」
てっきり猫に危害を加えようとすると思い警戒したのは無駄だったようだ
そんなこんなやってるうちに隣を素通りする転校生
・・・・だが誰も気が付かない
「サッキノシロイヒトダ」
ギズモは気が付いたようだ
しかし下にいるフリージアは吸血鬼の動向を見守っているため動けない
吸血鬼から情報を引き出すために血を与えるロック
ご丁寧にジュースとドーナツを手渡す吸血鬼
「・・・本当に意外な展開ですわ」
案の定、猫の正体はリリアーナのようだ
そして猫に変身する吸血鬼
正体が吸血鬼だと分かりきっているので飛び掛らないフリージア
「・・・・その術、後で私にも教えてくださらないこと?」
そんなことよりも自分が猫になったら楽しいのだろうかということが気になり
フリージアは吸血鬼に問いかけた
はたしてリリアーナの猫になった原因とは?
いやそんなことよりも元に戻れるのか?
そのことが気になるフリージア・・・・が
さすがに猫大好きフリージアでも猫の言葉は分からなかった
「とりあえず吸血鬼さんが元の姿に戻るまで待つしかないですわね」
>301
ぞくっと寒気がして、リリアーナは慌ててきょろきょろと視線を巡らせる。
だが食堂に行く人の波で、視線の主を特定することは出来ない。
(もしかして今の・・・あの人かな?)
リリアーナの視線の先では、例の見慣れない少女が変わった術を使い移動していた。
コンコン
「レイドです、失礼しま〜す。」
>「おお、よく来たなレイドよ。」
アンタが呼んだんでしょうが。
しかも何も人が休暇を満喫してる時に呼ばんでも良いでしょうに…。
>「お主を今日呼んだのは他でもない、授業の事なんじゃが…」
やっぱし?そうなる?
「………。」
>「お主の気持ちもよく分かる。
愛する者と会えなくなるというのは大変辛い事じゃからのぅ…。」
本当に分かってんのか、この人?
胡散臭いなぁ…。
「すいませんでした。
明日からは真面目に授業しますんで減給だけは勘弁して下さい。」
いや、マジで。
>「さすがに物分かりが良いのぉ。
安心せい、真面目に授業さえしてくれれば減給なんぞせんよ。」
「ありがとうございます。
それじゃ、俺はこれで…。」
バタン。
ふーっ。
……何だか疲れたな。
せっかくだしちょっと遅めの朝食にしますか。
ダラダラと歩きながら食堂に向かっていると、訳の分からん旗が目に入った。
「なんじゃこりゃ?
献血……?
さては……あのヘボ吸血鬼の仕業だな?」
ちょうど良い。憂さ晴らしに少し虐めてやろう。
うん。我ながらナイスアイデアだ。
しかしその前に飯を食わないとな。
【食堂】
食堂には結構な数の生徒が集まっていた。
15分程並んで、ようやくザルソバを受け取る事が出来た。
「いただきまー…ん?」
ソバを食おうとした瞬間、視界の片隅に2匹の猫と見慣れた生徒集団が写った。
「猫ね……猫…。
はぁ…ちくしょう。鬱になりそうだぜ、マジで。
つーか何してんだアイツらは?
猫と意思の疎通でもしようってのか?
まあ、どうでも良いか…。」
俺はうつ向いたままソバをズルズルとすすった。
ソバを食ったらヘボ吸血鬼を探そう…。
>「とりあえず吸血鬼さんが元の姿に戻るまで待つしかないですわね」
「いや、待たない。」
ロックはもぐもぐとドーナツを頬張りながら即答した。
そして、ジュースで胃にいっきに流し込んだ後、続ける。
「メラル、フリージア、覚えているだろ?例の杖の事。」
ロックは二人に小声で話した。例の杖、それはカドゥケウスの事だ。
夏休みに入る前、リリアーナはひょんな事から、神器の一つであるその杖を手に入れたのだ。
カドゥケウスの力は、不老不死の望みを叶え、死者を現世に蘇らせる。
その杖を奪おうと考える者が少なくない事は、容易に想像できた。
「あの杖は、自らの意思で手放すか、所有者が死ぬまでは他人の物にはならない。
そして、今のリリアーナは…」
脅しやすいし、殺しやすい状態である。と、ロックはとても言えなかった。
「リリアーナが魔法薬かなんかのミスで今の姿になったというなら、俺は別に構わない。
しかし、誰かが意図的にリリアーナを猫に変身させたのなら話は別だ。
俺はその犯人を今から探しに行く。正義の鉄拳をおみまいしてやるぜ。」
ロックは拳をきゅっと握り、椅子から立ち上がった。
「二人には、リリアーナが元に戻るまで側にいて、彼女を守っていてほしい。
リリアーナを猫にした犯人が、彼女に再び接触してくる可能性は高いからな。」
ロックはすたすたと歩き去ろうとしたが、急に振り返った。
「あ…ごめん、フリージア。」
ロックは申し訳なさそうな顔をした。
「また今度、一緒に食事しよう。」
今度こそ、ロックはそこから去った。
>310
リリアーナがことの起こりを説明する。
といってもただ寝ている間に猫になって同居人に何かを飲まされそうになって逃亡したというものだ。
猫になる前にその同居人に何かを飲まされたのなら話しは早い。
同居人をフルボッ……問い詰めて変身を解く術をゲロさせればいいだけだ。
しかし事はそう単純ではなかった。
>『――――というわけなの。眠っていたからどんな方法で猫になったかは私にも分からないの』
>『あと・・・あまり関係ないかもしれないけど、昨日の晩にフリージアのお土産を使ったのよね・・・』
リリアーナと仲の良いあのフリージアがそんな小細工を使うとは考えづらい。
いくら猫に眼がないとはいえ、親友を不幸にさせるような真似はしないとは思うが…。
『説明ご苦労、なるほどな。
学園で一番胡散臭いあの女がなにを飲ませようとしていたか気になるが、
ともかく原因と解決方法はまったくわからないわけだ』
>『ねえ、吸血鬼ってすごい長生きなんでしょ?
> 最近は図書館にこもって色々調べてるってターナー先生から聞いてるわ。
> ねえ、私が元に戻れるための手がかりになりそうな情報、何か知らない?もし協力してくれるなら・・・』
お約束通りなにもわからない状態からのスタートだ、これでは猫の手も借りたいくらいの心境だろう。
猫は言い終わった後にちらりと献血の旗を見上げる。
協力すれば恵まれない吸血鬼に血液でもふるまってやろうということだろう。
『……図書館Dレベルの階層あたりに『獣化解除全書』というのがあったな。
それならば必ず元に戻る術が載っているはずだ』
少し黙り込んで考えた結果、確かにそのような本があった。
イタズラ好きな魔物たちがいじくっていなければ、おそらくいまもその場所に埃をかぶって安置されているはずだ。
また同じように器用にくるりと一回転すると猫化が解けた。
「元人間の猫は言った『おいちび共よく聞け。俺がこの学園のボスのリリアーナ様だ。
原因も解決方法も一切わからない、起きたらこうなってた。
その後は同居人に薬を投与されそうになったりでいまに至る』以上。
それで素敵でナイスガイなこの吸血鬼様が解決方法を考えてやったわけだ。
図書館Dレベルの階層あたりに『獣化解除全書』というのを探してやれ、それで猫化は解けるはずだ。
それと猫化の術を教えて欲しいだとか、そういった質問は面倒なので一切なしだ」
わかったか?わかったのなら私は去るぞ、となにやら急いでいる様子を見せる。
なんてことはない、少し離れた場所にいるいじめっこの眼をしたレイドがこちらを見ていたからだ。
最近は恋人に逃げられたとかでかなり苛立っていると思われるその人物に会ったら、絶対にいじめられると勘が告げていたからだ。
「おおっとそうだ。そこの縦ロール、お前が貧乳リリアーナに渡した『お土産』とやらを調べてみろ。
可能性は低いが原因の候補のひとつらしい」
ではな、と踵を返して商売道具?を仕舞っていく。
「そういえば今日は休日じゃのに、あのレイド先生がよく早起きできたのう。教頭先生はどんな魔法を使ったんじゃ?」
いつもより少し早い朝食を取りながら、学園長はのんびりと語った。
規則ただしい生活を身上とする教頭はしかめっ面をした。
「11時だと騙してようやく」
学園長は声をあげて笑った。教頭は憮然とした顔で続ける。
「奴は気合が足りんのです!」
「これは手厳しいのう。
・・・・・・まあ早起きは3文の得と言うしのう。レイド先生にとってはさぞ有意義な休日になるじゃろうて」
学園長はまだ笑いを収めきらないまま、教頭のカップに紅茶を注いだ。
>313
ロックは去った・・・犯人はカドゥケウスを狙った何者かかも知れないと言い残して
だとしたら・・・一体誰?
そうだとしたらまったく知らない人物のはずだ
たとえば・・・今日転校して来た生徒とか
「まあロックさんの考えすぎですわね」
それにしても猫ちゃんでよかった・・・ガマガエルとかだったら目も当てられないだろう
>315
猫から元に戻るヴァンエレン
ものすごい脚色をしているが言っている内容には間違いが無いだろう
「図書館Dレベル階層・・・・・」
噂には聞いたことがある・・・かなり危険な区域だという噂を
「トショカンディレベル」
ギズモも聞いたことがある・・・・・
そこにはありとあらゆる使い魔を擬人化させる擬人化の魔道書があるという噂を
・・・・その噂を聞いたギズモは”擬人化して美少年になれば女の子にモテモテ”
という野望を抱いたが無茶苦茶危険だという噂で断念したのだった
>猫化の術を教えて欲しいだとか、そういった質問は面倒なので一切なしだ」
「そう残念ですわ・・・・」
猫化の術を教えてもらえなかったフリージアは残念そうだ
「私のお土産といわれましても・・・」
フリージアのお土産リスト
フリージア(花)の香りの香水
B−UPクッキー
豊乳丸(飲むとバスト+1cmただし腐ってると−1cm)
ジルベリア銘菓 雪化粧
Bカップの人も着け続ければEカップになる・・・・かもしれないワイヤーブラ
ジルベリアと書いてあるペナント(別にお湯につけても刃物の固さにはならない)
雪の結晶型キーホルダー
フリーズドライ熊肉(魔法で加工)
「・・・どれも別に特別なものではないですわね」
>>314 >316
リリアーナが一通り説明を終えると、吸血鬼は考え込むように前足で顎を撫でた。
> 学園で一番胡散臭いあの女がなにを飲ませようとしていたか気になるが、
> ともかく原因と解決方法はまったくわからないわけだ』
リリアーナはこっくりと頷く。
猫になってから既に10分以上経過している。
ただの変身薬なら、とっくに効果が切れていい頃合いだった。
献血の仄めかしが効いたのか、吸血鬼はリリアーナに協力してくれた。
>『……図書館Dレベルの階層あたりに『獣化解除全書』というのがあったな。
> それならば必ず元に戻る術が載っているはずだ』
『そ、それホントなの?!』
リリアーナは思わず身を乗り出した。
吸血鬼は少し考え込んでいたが、間違いないというように頷く。
『やった〜!!これで希望が見えてきたわ〜!・・・・え?D・・・階・・・・・層?!』
吸血鬼の話を頭で理解したリリアーナの喜びは、次第にしぼんでいった。
事の重大さに呆然とするリリアーナを尻目に、話は終ったとばかりに吸血鬼は人型に戻った。
いつのまにかロックは姿を消していた。
気づいたリリアーナは、ちょっとだけ肩を落とした。
元の姿に戻った吸血鬼は、約束どおり翻訳もこなしてくれるようだ。
――――だが!
>『おいちび共よく聞け。俺がこの学園のボスのリリアーナ様だ。 (略)
ずざざざざ―――― っ! とリリアーナが転がった。
『ちょ、ちょっと何言ってるのよ、ちがうでしょ――――!!』
怒ったリリアーナはヴァンの靴の上でぽんぽん飛び跳ねた。
(爪を立てなかったのは(かなり脚色されていたが)リリアーナの話を伝えてくれたからだ)
吸血鬼からお土産の件も聞いたフリージアは、
「・・・どれも別に特別なものではないですわね」とだけ語った。
ちなみにリリアーナが昨夜使ったのは、下着と豊乳丸という魔法薬だ。
(サイズが合わなかったことにショックを受け、10日分の豊乳丸を一気飲みしたのは秘密だ)
また、元に戻る手がかりとなる魔本がD階層にあると知り、さすがのフリージアも考え込んでいた。
それはそうだろう。
D階層の危険については初等部の子供たちですら知っている程だ。
『フリージア、D階層なんて危険よ。
それよりアルを問い詰めて、どんな薬を使ったのか確認しましょうよ。
部屋に飲んだ薬の残りがあるかもしれないし、
飲んだ薬の内容が分かったら、レオ先生が解毒剤を作ってくれるかもしれないし・・・
ねえ、メラルさんにコノリさんもそう思うでしょ?』
リリアーナも自分一人ならともかく、あんな場所に友達を連れて行くなど冗談ではない。
だから必死で説得したものの、当然フリージアに猫語は通じない。
リリアーナは吸血鬼に縋るような視線を向けたが、撤収準備を急ぐ彼はそれどころでは無いようだ。
(とにかく誰かに翻訳してもらわないと・・・)
困ったリリアーナは周囲を見渡し、人ごみの中のとある人物に目が釘付けになった。
「にゃう!にゃ―――― っ!」
リリアーナは猛烈な勢いで食堂の中へと突っ込んでいった。
放たれた矢のような勢いのまま、リリアーナは蕎麦を啜っていたレイドの背に飛び乗った。
足の下でゲフッ!とか変な音がしたが、細かいことを気にしてはいけない。
『レイド先生、大変なの!私の話を聞いてください!!』
レイドの背に飛び乗った猫はにゃーにゃーにゃーにゃー鳴いている。
何かを必死に訴えかけているようだ。
さて、レイドは不得手ながらもテレパシーを使えた筈だ。
だが最近のレイドは機嫌も悪く、無気力オーラを隠そうともしない。
今のこの状況で、彼はうるさい猫の考えを読んでみようかなどと考えるだろうか?
>>315>>316やっぱり食堂で食うソバは格別に美味いな。
ありがとう、食堂のおばちゃん達。
あなた方のお陰で俺は今日もこうして美味いソバを食う事が出来るのです。
なんて、うざったい感謝の言葉を心の中で言いつつソバをすすっていると食堂の時計がふと目に入った。
あれ?
11時半どころかまだ10時にもなってねぇじゃねぇか!
教頭の野郎……ハメやがったな〜。
教頭への怒りを抱きながらソバを口へ運んだ瞬間、小動物らしき物が俺の背中に乗ってきた。
「ゲフッ!!………
食事中にいきなり背中に乗るって非常識にも程が…。
………ん、猫?
何の用だい子猫ちゃん?
俺は今ソバを食っているのだ。
悪いが別の遊び相手を探してもらえないかな?」
っていうかさっきから、にゃーにゃー何を騒いでるんだ?
人の背中に乗って騒ぐのが好きなのか?
出来るかどうか分かんないけど、ちょっと意思の疎通(テレパシー)でもしてみる?
>『レイド先生、大変なの!私の話を聞いて下さい!!』
…………。
なるほど。
俺は今ので全てを理解したぞ。
俺は背中で騒いでいる猫を優しく床に下ろし、こう言った。
「悪いが、俺は今日休みなんだ。
教師としての仕事は休業中なわけ。
しかも、せっかくの休みだってのに教頭に騙されてこんな時間に起こされちまった。
よって、俺は今から二度寝をしなくてはならない。
すなわち、面倒事に付き合ってる暇は無い。
お分かり?
分かったら、俺以外の教師に頼んでくれ。
悪いな。」
そして俺はまたソバを食べ始めた。
猫ゲット
>301>317>318>319
レイドのもとに駆け寄るリリアーニャ・・・もといリリアーナ
だがレイドはリリアーナにそっけない態度を取る
アルテリオンがいなくなったことはそんなにもショックだったのだろうか?
「お待ちになってリリアーナさん!!あらレイド先生ごきげんようv」
猫リリアーナを追いかけるフリージア
そこにいたのはレイドであった
「朝からソバ・・・・ってそんなことはどうでもいいですわ!!」
かくかくしかじかととりあえず今の状況を話すフリージア
「というわけでその猫ちゃんはリリアーナさんですの」
どうも非協力的なレイド
「だったらせめて猫の言葉が分かる教師を紹介してくださいレイド先生」
「猫ゲット」
そうこうしているうちに何者かに捕まえられる猫リリアーナ
どうやら雌猫の髭を狙っていた何者かによる行動のようだ
「ちょっと!いきなりなんですの!?・・・・私の前で猫ちゃん・・・
もといリリアーナさんに危害を加える気なら覚悟をしていただきますわよ」
そのフリージアの声は・・・まさに絶対零度であった
ぽい
>318 >320-321
『・・・・・面倒事?』
リリアーナは鸚鵡返しで呟いた。
レイドは何事も無かったかのように蕎麦を啜っている。
いつもなら話くらいは聞いてくれたのだが、今日はそれすら煩わしく思っているのかもしれない。
その様子をじっと見ていたリリアーナは、やがてうつむいた。
『・・・そっか、今まで助けてくれたのは、お仕事だったから・・・なんですね・・・』
それきり黙りこんだリリアーナ代わり、追いついてきたフリージアが状況を説明した。
>「だったらせめて猫の言葉が分かる教師を紹介してくださいレイド先生」
レイドの返答を待っていると、ひょいと持ち上げられるリリアーナ。
>猫ゲット
背後から迫る影に持ち上げられたリリアーナは悲鳴をあげた。
『キャ――――!!ちょっと止めてどこ触ってるのよ!!』
>「ちょっと!いきなりなんですの!?・・・・私の前で猫ちゃん・・・
> もといリリアーナさんに危害を加える気なら覚悟をしていただきますわよ」
『フリージア〜』
リリアーナは目をうるうるさせた。やはり持つべきものは友達である。
リリアーナを捕まえていた男子生徒は猫とフリージアを見比べると顔をしかめた。
>「なんだよ人間が猫に化けてたのか、紛らわしい真似すんなよな」
床に下ろされた途端、フリージアの背後に逃げ込んだ。
だが男子生徒は諦めがつかないのか、ギズモの様子をじいっと見た後フリージアに向き直った。
「じゃあお前の頭に乗っかってる猫の髭でもいいや、メスなら髭を一本わけてくれ」
・・・何だか揉めそうな雲行きである。
リリアーナが困った顔で男子生徒とフリージアを見比べていると、急に体が宙に浮いた。
>「あんたたち、食堂に使い魔以外の動物持込はダメだって言ったじゃないか!!」
猫嫌いで有名な食堂のおばちゃんその1だ。
おばちゃんは毛虫でも見るような目で、摘み上げたリリアーナを睨みつけている。
よっぽど猫が嫌なのか、人差し指と親指だけで襟首を摘んでいる。
『おばちゃん待って、私は猫じゃないです!
リリアーナが抗議の声をあげたが通じる筈も無い。
不安定に吊り上げられた猫の体は、おばちゃんが歩くたび振り子のように揺れた。
『やめてー!!目ーがーまーわーるー!!』
有無を言わさず連行されたリリアーナは、裏口からぽいと外に放り出された。
「二度と入っちゃダメだよ、しっしっ!あっちにお行き!」
「きゅ〜」
目を回しているリリアーナの目の前で、扉がぴしゃりと閉ざされた。
そこに通りかかったのは・・・
ロックは、リリアーナを猫に変えた犯人を探すべく、学園中をくまなく歩き回っていた。
ロックは不審な人物がいないかと辺りをうかがっていたが、
周りを睨みつけながら歩き回るジャージ男の方が、よっぽど不審である。
>「おい、そこのあんた様!」
そんなわけだから、不審者と思われ、用務員のおじさんに声をかけられるのに、
それほどの時間はかからなかった。ロックは振り返って声の主を確認した。
「ぬうっ!?」
ロックは思わず大きくのけぞった。
>「あやしい奴め、そんな格好で意味もなくふらふらするなんて、不審すぎるっす!」
「あ、あ、あ、あんたにだけは言われたくない!」
ロックがそう言ったのも無理はない。その用務員のおじさん、
マッチョむきむきの猫耳のおっさんだったからだ。そのミスマッチぶりには、ロックも鳥肌がたった。
「あんたこそ何者なんだよ!」
>「あんた様のようなあやしい奴に、名乗る名前はないっす。」
「だったら俺も名乗らない!」
ロックは戦闘体勢をとった。
「そうか、お前か!お前が猫に変えた犯人なんだなぁ!!」
ロックは頭の猫耳だけでそう判断した。
>「何だかしらないっすが、そっちがやるきなら、やってさしあげるっすよ!?」
「せいやぁぁあ!!」
ロックは猫耳のおっさんに殴りかかった。そのとたん、ロックの体が空を飛んだ。
猫耳のおっさんが、まるで空き缶でも捨てるように、ぽいっとロックを投げ飛ばしたのだ。
「そんな!…ぐはっ!!」ロックは校舎の壁にめり込んだ。
「くそっ、なんて馬鹿力だ!」
言葉とは裏腹に、ロックは何だか楽しそうだ。
「俺は今、猛烈にわくわくしてきたぜ!!」
かくして、ロックと猫耳のおっさんの奇妙なバトルが始まった。
食堂へ入る際、キキの目の前を一羽の蝙蝠が調味料を抱えて横切っていった。
キキが追った視線の先にはコップ一杯分の血液と同じように調味料を抱えた蝙蝠達だった。
「……献血の旗が見えたが……なるほど、そういうカラクリか」
他の生徒よりも魔に近いキキは直感でそのことに気がつき、ゆっくりとその血液に近づいた。
「…本にはこのような小賢しい真似などせずもっと気高い者と書いてあったでおじゃるが…拍子抜けじゃのう……お仕置きでおじゃる」
そう不敵に微笑んで見せるとキキは空飛ぶ調味料達を指先でつつき、次々とラベルを変え始めた。塩を胡椒に、砂糖を塩に…オマケに旨味調味料に偽装さてたタバスコを紛れ込ませた。
蝙蝠達には気付かれてはいない。
「さて…優雅な朝食でも戴くとするでおじゃるか」
仕事を済ませたキキはクスクスと笑いながらその場を後にした。
>322>『・・・・・面倒事?』
「ああ、そうだよ。
面倒事に付き合うのはもうやめたんだ。
疲れるし痛いし、ロクな事ありゃしない。」
>『・・・そっか、今まで助けてくれたのは、お仕事だったから・・・なんですね・・・』「……………。
ああ、その通りだよ。
仕事で、しょうがなく助けてたんだ。
教師なんてのはそんなもんだろ?
自分の家族や友人ならともかく、たかが生徒と教師の関係ってだけで仕事以外に協力する奴は、よっぽどの暇人か、馬鹿に違いお人好しだ。」
いや、本当はそんな事思っちゃいない。
前の俺はたかが生徒と教師の関係でも助けてやりたいと思ったさ…。
俺は……変わっちまった…。
>320>「お待ちになってリリアーナさん!!あらレイド先生ごきげんようv」
今度はフリージアか…。
お前に会う度言ってる気がするが、全然機嫌良くないから。
俺が黙ったままソバを口に運んでいるとフリージアは勝手に説明を始めた。
>「というわけでその猫ちゃんはリリアーナさんですの」
へぇ〜…そうかい。
そいつは困ったね。
頑張って元に戻る方法を探してくれよ。
応援してるからさ。
>「だったらせめて猫の言葉が分かる教師を紹介してくださいレイド先生」
「大抵の教師はテレパシーを使える。
エース先生にでも頼んでみろよ。」
エース先生なら手伝ってくれんだろ。
俺なんかよりもずっと優秀だしな。
そんなやりとりをしているうちにリリアーナは食堂のおばちゃんに追い出されてしまった。
あ〜、そういえば猫嫌いだったもんなぁ…。
まあ別に良いか…。
「おばちゃん、天ぷらソバ一つ追加ね。」
これだけ食ったら吸血鬼を探しに行こう。
>326
レイド先生によるとエース先生に頼むのが良いらしい
それにしても・・・・よっぽどアルテリオンがいないのが辛いようだ
今のレイド先生はまるで無気力の化身である
>322
>「なんだよ人間が猫に化けてたのか、紛らわしい真似すんなよな」
>「じゃあお前の頭に乗っかってる猫の髭でもいいや、メスなら髭を一本わけてくれ」
「お〜ほっほっほ残念ですわねギズモちゃんは男の子ですわよ」
「ソウボクオトコノコ」
それ以前に猫ですらない
「でもたとえ雌でも猫ちゃんはひげが無くなると大変なことになるからあげられませんわ」
「一本ぐらい良いじゃないかケチ」
と文句を言う男子生徒
そこに現れる食堂のおばちゃん
>「あんたたち、食堂に使い魔以外の動物持込はダメだって言ったじゃないか!!」
>「二度と入っちゃダメだよ、しっしっ!あっちにお行き!」
おばちゃんはリリアーナを外に放り出してしまった・・・・
「いきなりなんて事してくれますの!その猫ちゃんはリリアーナさんですのよ!!」
おばちゃんに文句を言うフリージア
そのポーズは荒ぶるペンギンさんのポーズになっている・・・・迫力がないとかそれ以前にかわいらしいぞ
>325
リリアーナが追い出された扉の前に初等部の生徒が群がる
果たしてどうなってしまうのだろう?
>>323 力で押すだけじゃあっしにゃ勝てないっすよ?
食堂の片隅にてキキはのんびりとエビピラフを食べていた。
異国の土地での記念すべき一食目、今まで食べなれた品よりも、ここに来たと感じられる品を選んだ。
「ムグ…うむ、実に美味じゃ…エビの風味が生きておるのう」
まるで料理評論家のようにエビピラフを讚美し、キキは食事を楽しんでいた。
悲劇が起きるまでは…
「ガタンッ!」
何者かの体当たりによってキキのテーブルは大きく揺れ、エビピラフが見るも無惨な姿になってしまった。
「ッ!」
直ぐ様キキは体当たりした者の姿を確認した。
「貴様か…」
キキの視線の先には食堂のオバチャン1が何食わぬ顔でそこにいる。
標的を捕らえたキキはゆっくりと立ち上がりテーブルの上にある鰹節の入っている箱を持ち、静かに詠唱を始める。
「…ブツブツ…汝、我が望む姿に其の身変えなん」
そう唱えると鰹節は青い焔に焼かれながら形を変える。
腕を払い火を消すと、箱一杯の鰹節はガラス玉大の茶色い玉とそれに繋がれた釣り針のように反しの付いたフックになっていた。
それとエビピラフだったものを持ち、オバチャン1に近づく
「おっと!」
わざと転び、キキはオバチャン1を倒した。