【ヴァルキリープロファイルRPG】

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161フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/04(日) 23:19:04
>159
アルトリア城東門前、そこには荷馬車とギルバートがすでに自分達を待っていた。

>「皆、来てくれたんだね! ありがとう! これは前金の百オースだよ」

「ありがとうございます。」
フリーザは金貨を一枚受け取り、懐の中に入れた。

>「ちょっと待っていてね。他の人と待ち合わせだから……」
まだ呼んでいたのかとフリーザは思ったが、ダイアナが勧誘したアリューゼの姿が見えないことに気付く。
そして、人が来た。
アリューゼ、見知らぬ男性、見知らぬ女性。
事態をまったく知らぬ者がこのパーティを見たら、ドラゴン討伐に出かけるのと勘違いするかも知れない。

フリーザがなんとなく東門に目を向けると、シーザスの姿が見えた。
シーザスは目で何か合図をする。
おそらくは出発前の挨拶みたいなものだろう。
フリーザも同じくシーザスに向けて目で合図をする。
お世話になりましたという気持ちを込めて。
162名無しになりきれ:2007/02/05(月) 01:55:43
e
163ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/02/05(月) 17:47:49
>158-159
 アルトリア王城東門前まで向かう道中、昨日のことを思い出す。
ルーンルーンの喋り方が突然変わったのは何だったのだろう。
本当はあんなふうにしっかりした口調で喋ることができるのだろうか。
それとも、もう一つの精神とやらが喋ったのだろうか。ややこしい。
 朝もやの中に東門が見えてくる。大きな荷馬車と……あの人影はギルバートか。
どうにも胡散臭い仕事だが、面倒事に巻き込まれないといいな、とガウディは思った。

 自分たちが到着してから、ちらほらと人が集まってきた。
金髪の魔術師、酒場で見かけたような気もする男、身の丈ほどもある大剣を背負った男……
相部屋だった連中やギルバートと合わせて8人、ルーンルーンも入れると9人か。
ただの護衛にしては、やはり人数が多い。
そんな中で、不意にルーンルーンが裾を引っ張り、積荷を指差してきた。
何事かと積荷に注意を向けてみて、思わずため息をつく。
積荷から生物の気配が漂っていた。それも、人間の思念らしき雰囲気の気配が。
視界の隅で、金髪の魔術師がガロに耳打ちしている。おそらく、彼女も気配に気が付いたのだろう。
人目がなくなったら声をかけてみようか。

 不穏な空気、怪しげな雲行き。そう感じたのは、ガウディの勘違いだろうか。
無意識のうちに、杖をきつく握り締めていた。毒霧を吐き出す双頭の蛇も、未来を指し示したりはしない。
164代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/05(月) 22:01:01
>ALL
朝、王都アルトリアを発った一行だったが、王都を過ぎ、針葉樹の森林地帯に入った。
まだ、ヴィルノア国境までは遠いが、夜になり、街道沿いの野営地で、一泊することとなった。
ギルバートが馬車から鍋を取り出して、スープを作っている。
九人分の夕食はさすがに彼にも大変なようだった。
手許もおぼつかない、まとめ役のギルバートを「貸しな」とアリューゼとマルディアが手伝った。
鶏がらと野菜のスープは出来上がり、皆に振舞われた。皆、焚き火を囲んでいる。
その時、ギルバートが発言した。皆の注目が集まる。
「深夜の野営のことだけど、荷物を守るために交替で見張りをしようと思うんだ。
皆、異存はないよね。二交替でしようと思う。アリューゼ、マルディア、バドラック、僕の組と、
ガウディ、フローネ、フリーザ、ガロの組に分けたいと思うんだ。いいかな?
ルーンルーンは子供だから、もちろんずっと寝てもらうよ」
皆、異存がないようだった。アリューゼも「妥当だな」と頷いている。
「最初は僕の組からするよ。ガウディ、フローネ、フリーザ、ガロの四人は寝ていて。
また月が昇った頃にでも起こすから……」
毛布に包まった四人だったが、その時、魔術師のフローネがガウディに小声で囁いた。
「あなたも魔術師だから感じたでしょ? あの積荷絶対怪しいわ。人間が入っているのかも……。
私たちの当番になったらこっそり開けてみましょうよ」
ガロにも囁く。「もう夜だから、あの積荷を開けても爆発しないわよ。開けてみましょうよ」
フリーザにはフローネのその声が聞こえていた。
【さて、三人はこのフローネの発言にどう対応しますか?】
「まあ、今のうちに寝ていましょうよ」フローネが陽気に囁く。
こうして、四人は眠りについた。やがて、月が中天に昇った頃、ギルバートが四人を起こした。
ギルバートは本当に眠そうだ。アリューゼやマルディアらも毛布に包まっていた。
「ふわあ〜。後、頼むね。今夜の前半は何も起こらなかったよ。狼の遠吠えぐらいだったよ」
さて、ギルバートが寝たのを見計らって、フローネが三人に提案した。
「今の内に積荷をこっそり開けて見てみようよ! 私、非常に気になるんだ!」
フローネは積荷の方に近寄っていった。今にも木で厳重に包装されている荷を開けようとしている。
【さて、三人はこのフローネの行動にどう対処しますか?】
その時、何故か、ルーンルーンが起き出してきます。彼女は積荷を指差し、四人にこう告げます。
「この人はエインフェリアに選ばれた人です。レナスお姉さまが聞いているから……」
165フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/05(月) 22:46:41
>164
一行は目立ったトラブルもなく、順調に街道を進み続けた。
夜になり、このまま進み続けることができなくなり、一行は街道脇で野宿をすることになった。
ギルバートとアリューゼ、マルディアが今晩の食事を作っている。
ちなみにフリーザは料理は得意ではない。

フリーザは毛布を被り、仮眠の態勢に入る。
見張りはギルバートだけなら不安だが、手慣れていそうなあの三人が付いていれば安心できる。

>「あなたも魔術師だから感じたでしょ? あの積荷絶対怪しいわ。人間が入っているのかも……。
>私たちの当番になったらこっそり開けてみましょうよ」
>「もう夜だから、あの積荷を開けても爆発しないわよ。開けてみましょうよ」

フローネという名前の女魔術師が、フリーザにとって、とんでもないことを言っている。
すぐにやめなさいと言ってやりたかったが、眠気で体が動かない。
後の見張り番の時に開けると言っていたので、その時に止めに入ればいいとフリーザは考え、そのまま仮眠を続けた。

何者かに肩を揺さぶられ、フリーザは目を覚ます。

>「ふわあ〜。後、頼むね。今夜の前半は何も起こらなかったよ。狼の遠吠えぐらいだったよ」
フリーザを起こしたのはギルバート。
もう、フリーザ達が見張り番の時になったのだ。

>「今の内に積荷をこっそり開けて見てみようよ! 私、非常に気になるんだ!」
起きたばかりなのに元気な人だ。
もしかしたら荷物のことが気になり、寝ていないのかも知れない。
フローネの方をフリーザが見ると、ジェラード王女が入った荷の包装を開けようとしている。
「おやめなさい、フローネさん。
 仮に人がその中に入っていたとして、あなたはその荷をどうするのですか?
 私達はロンベルト様に荷物を運ぶように任務を与えられています。
 もう前金も貰っているのです。
 私達はヴィルノアまでその人を運ぶしかないのですよ。
 私としては好奇心の為に危険に近付かず、何も知らないまま任務を終えた方が望ましい
 世の中には知らない方が幸せなこともあるのですよ」
この荷物の中が鉱石だと言い張るより、こう言ってやった方が効果があるとフリーザは思った。
だが、この脅しも効かずに荷を開けてしまった場合はどうしようもない。
他の二人もフローネを止めてくれることを期待しよう。
166ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/06(火) 23:41:51
>164
夕食を食べながら夜の見張りの相談。
まぁまだアルトリアから出て一日、そう警戒するもんでもないだろ。
「オレはその見張り順で文句は無いぜ。」

>「もう夜だから、あの積荷を開けても爆発しないわよ。開けてみましょうよ」
「別に好奇心で開ける訳じゃないんだけどな。」
苦笑しつつも制止はしない。何せ自分もやる気なのだから。

夜、眠っている夢の中で誰かが自分を見ている。
冷たい眼、まるで《死者》のような。
オレはコイツには逆らえない・・・。
何せ、コイツはオレの《   》なのだから。

>「ふわあ〜。後、頼むね。今夜の前半は何も起こらなかったよ。狼の遠吠えぐらいだったよ」
急速な覚醒に寝ぼけ眼で答える。何か夢でも見た気がするが・・・覚えちゃいない。
ならどうでもいいことだな、多分。
「分かった。後はゆっくり寝てろ。」
そこから前半組が寝るまでしばらく空の月を見上げていた。

>「今の内に積荷をこっそり開けて見てみようよ! 私、非常に気になるんだ!」
と、フローネが提案するがそこに間髪いれずフリーザが反対した。
>私達はヴィルノアまでその人を運ぶしかないのですよ。
まぁオレは開ける気だしな。
「いやぁ。オレはこの任務に不審な点が多くて気になってるんだな。
 例えば依頼主から身の保障がされてる奴ならともかく、オレ達傭兵にはそんな保障はないだろ?
 だから任務の内容に不審があるなら知りたい奴は知っておくべきだと思うけどな。
 何せ、さんざん利用しておいて用件が済んだら闇から闇。なんてのはザラにあることだろ?
 オレの調べじゃ日光に触れて爆発する鉱石なんて無いらしいしな。
 アレだ、もし知らぬ存ぜぬを通す予定なら見たくない奴は見ないでおけばいい
 オレが勝手に開けたのを止められなかった、と言い訳がきくだろ。」
とだけ発言して少し様子を見る。
少なくとも二人が反対してくるようなら、ここは一度様子を見たほうがいいだろう。
まだ機会はいくらもあるからな。
167ガウディ ◆Sb1XxhFoWY :2007/02/09(金) 01:22:13
>164-166
 旅路は順調だった。……気になることはあるが、滞りなく進んでいる。
眠りに就こうとしていたところで、金髪の魔術師――フローネというらしい――が声を掛けてきた。
>「あなたも魔術師だから感じたでしょ? あの積荷絶対怪しいわ。人間が入っているのかも……。 (略
 彼女は自分たちの当番になったら積荷を開けてみようと言う。気持ちは分かる。
分かるのだが、自分たちの当番にはフリーザが含まれているではないか。危険だ。
できれば、フリーザとオウムがいない状況で積荷を空けたい。
「もう少し様子を見ない?」
 言ってみたものの、フローネが言うことを聞くとは思えない。
ガウディの目には、フローネが思いついたことはやってみなければ気が済まない性格に見えた。
フリーザは……寝ている、ように見える。寝ていれば良いのだが……どうなることか。

>「ふわあ〜。後、頼むね。今夜の前半は何も起こらなかったよ。狼の遠吠えぐらいだったよ」
 ギルバートの声で目を覚ます。……まだ眠いが、見張り交代の時間になったようだ。
ギルバートは4人を起こすと、さっさと寝てしまった。随分と寝つきがいい。
>「今の内に積荷をこっそり開けて見てみようよ! 私、非常に気になるんだ!」
 ちょっと待った、もう少し慎重に動け。と言う前に、彼女はどんどん荷馬車に近づいていく。
何故あの女は寝起きであんなに動けるのだろう。本当に人間か。
起き上がったガウディに、フリーザ、続いてガロ、更にルーンルーンの声が届く。

>「おやめなさい、フローネさん。(略
>「いやぁ。オレはこの任務に不審な点が多くて気になってるんだな。 (略
>「この人はエインフェリアに選ばれた人です。レナスお姉さまが聞いているから……」
 この人は……ということは。やはり、人が入っているのか。
今諦めたとしても、今後フリーザに疑われることは間違いないだろう。
「開けるのに賛成」
168代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/12(月) 00:28:35
>ALL
>「おやめなさい、フローネさん。(略)」
そのフリーザの言葉を気に留める様子もなく、フローネは
「ふん〜♪ ふ〜ん♪」と鼻歌を歌いながら、積荷の縛り方をきょろきょろと見ている。
>「いやぁ。オレはこの任務に不審な点が多くて気になってるんだな。(略)」
ガロがそう言うと、「でしょ! でしょ!」とフローネは大きくうんうんと頷いた。
>「開けるのに賛成」とガウディが言ったのが、とどめになった。
「2対1で、この積荷を開けることにするね〜♪」
そう言い残すと、フローネは早速、厳重に封をされた積荷をテレキネンスの魔法で開け始めた。
バリッ! ボキッ! と凄い音がする。やがて積荷に小さな穴が開いた。
中は真っ暗だ。フローネはライトの魔法を使って中を覗こうとした。
その時、「何やってるの!!!」と大声でギルバートが起き出してきた。
ギルバートはフローネが覗こうとしているのを見て、仰天して、すぐさま駆け寄ってきた。
「フローネ! 君はとんでもないことをしてくれたね!」
ギルバートは腰のアントラー・ソードに手をかけると、抜き放った。
そして、その剣先をフローネに向ける。
「悪く思わないでね! この仕事、裏切った者は殺せってロンベルト様からお達しが来てるんだ」
フローネは咄嗟のことで、動揺していて、魔術が使えないようだった。
【さて、PCの皆さんはこの場面でどうしますか?
ギルバートは本気でフローネを斬ろうとしています】
169フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/12(月) 01:33:07
>166-168
他の二人は説得どころか、フローネが荷を開けるのを賛成してしまう。

>「2対1で、この積荷を開けることにするね〜♪」
フローネは魔法でジェラード王女の入った荷を開け始めた。
最悪なことに、彼女の性格が大雑把な為か、夜に聞くにはもの凄い大きな音が鳴り響く。
野盗か何かが襲って来たと感じ、寝た者も起きてしまいそうだ。
これでは起きてきた者達に対する言い訳が大変そうだ。

>「何やってるの!!!」
やはり起きて様子を見に来た者がいるようだ。
正直に言うと、ギルバートが来るとは思わなかったが、この傭兵達のまとめ役なのだから、荷の様子を真っ先に見に来るのも当然のことなのだろう。

>「フローネ! 君はとんでもないことをしてくれたね!」
>「悪く思わないでね! この仕事、裏切った者は殺せってロンベルト様からお達しが来てるんだ」
裏切った者は自分達に害を及ぼす前に始末する。
それは当然のことだ。
ギルバートは剣を引き抜き、フローネに突き付けた。

「まぁまぁ、ギルバートさん。少しだけ待って下さい。
 あなたは私達全員がこの仕事を裏切ったと勘違いしているのかも知れない。
 ですが、裏切ったのはフローネさんだけです。
 私達はまだ荷の中身を確認しておりません。
 勿論、フローネさんは別ですがね。
 そこでギルバートさんに提案があります。
 私がフローネさんを殺すことで、私達が裏切ったという考えを改めてくれませんか?
 あなたにしても、いきなり仲間が五人も消えて、他の仲間達に不信に思われるのも困るでしょう?」
フリーザの顔には悪魔の様な冷たい笑みが張り付いている。
この表情こそがフリーザの本性。
フリーザは生まれついての悪なのだ。
170ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/12(月) 20:45:04 0
>168
>やがて積荷に小さな穴が開いた。
「いや待てオイ。安全に開けるだけでいいだろうが。穴開けたら次の日日光が・・・」
制止する間もなく、開けちまいやがんの。

>「何やってるの!!!」
勘のいいヤツ、ってか起きちまった。
そりゃあんな音聞けば起きるか。
>そして、その剣先をフローネに向ける。
>「悪く思わないでね! この仕事、裏切った者は殺せってロンベルト様からお達しが来てるんだ」
>「まぁまぁ、ギルバートさん。少しだけ待って下さい。〜〜
おいおい、こいつら正気か?・・・だけどここでフローネを見殺しに出来るわけなんか、ないよな。

「待った。」
一応ギルバートを興奮させないように刀には手をかけないままフローネとの間に割って入る。
幸いフローネが木箱覗いてたから近い。
「今裏切り、って言ったよな?仕事内容に対する裏切りってことか?
 なら異論が一つ、オレやフローネが請けたのは《日光に触れると爆発する鉱石を積んだ馬車を護衛すること》だよな。
 ・・・どこにそんな馬車があるんだ・・・?悪いが調べさせてもらってな、日光に触れると爆発する鉱石なんて存在しないってよ。
 今一度聞くが、《ナニを運んでいるんだ》?ヤバイもん運ばされて闇から闇、ってのは勘弁だ。」
ギルバートやフリーザの隙を伺う、一瞬でも隙が出来たら・・・木箱を切り開けてやろう。
どうもこの二人の態度、何か知ってる気がする。それも相当にヤバイ物のはずだ。

「言い辛いなら予想してみようか?そうだな・・・例えば、連れ出されただけでアルトリアを揺るがすような人間・・・とか?」
これで一瞬でも動揺したならその隙を突く、別にこいつらを殺すつもりはない。
フローネの手を引いて逃げ出すか、木箱を切り開けるかどっちかだ。
171ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/02/13(火) 01:12:57 0
>168-170
 いくら何でも、もう少し静かにできないものか。と、ガウディは思った。
こんなに大きな音がすれば、他の者も起きてきてしまうだろう。
>「何やってるの!!!」
 案の定、ギルバートが起きてきてしまった。全く、寝たり起きたり忙しいことだ。
もう少し寝ていれば、お互いにとって幸せだっただろうに。

 ギルバートは積荷に手を出しているフローネを見て駆け寄ってくる。
>「フローネ! 君はとんでもないことをしてくれたね!」  
>「悪く思わないでね! この仕事、裏切った者は殺せってロンベルト様からお達しが来てるんだ」
 ……そういうことは先に言ってくれ、と思うが、今更どうしようもない。
ギルバートは剣を抜き、フローネに斬りかかろうとしている。
肝心のフローネはというと……突然の出来事に対処できず、硬直しているようだ。
まあ、フレンスブルグの箱入り魔術師などこんなものか。

>「まぁまぁ、ギルバートさん。少しだけ待って下さい。 (略
 非情なことを言い放ちながら、フリーザは嫌な笑みを浮かべている。
本気で殺す気だろうか。だとしたら……厄介だ。
フリーザが持っている弓、あれは確か魔術師に有効なものだろう。
フローネとガウディに当たったら即死しかねない。
下手に動いたら危険だ。どうするか……。

 考えていると、待った、 の一声と共に、ガロがフローネとギルバートの間に割って入った。
>「今裏切り、って言ったよな?仕事内容に対する裏切りってことか? (略
 ガロは自分と同じく、この依頼に疑問を持っているらしい。
二人はガロに気を取られているようだ。好機、これを逃さずして何をしろというのか。

 ガウディはフローネに杖を向け、小さく呟いた。誰かが息を呑む音が聞こえた、ような気がする。
「……バーン・ストーム」
 小さな火の玉がフローネ……正確には積荷に向かって飛んでいき、弾けた。
勿論、直撃はさせていない。木箱は壊れただろうが、中身とフローネは無事だろう。
木箱の中身は何だろう。思い浮かぶ箱、開けて悔しき玉手箱、災厄を詰めたパンドラの箱。
172代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/14(水) 05:54:09 0
>ALL
>「私がフローネさんを殺すことで、私達が裏切ったという考えを改めてくれませんか?」
フリーザのその言葉にギルバートは悪魔のような笑みを浮かべて、頷きます。
「フリーザさん、その考えでいいよ。
僕も、こんなおてんばなお嬢さんを自分の手で殺してしまうのは忍びないからね」
当のフローネはと言うと、自分が殺されてしまうという恐怖で立ちすくんでいるようです。
と、その時、ガロがギルバートとフローネの間に割って入ります。
>「言い辛いなら予想してみようか?
そうだな・・・例えば、連れ出されただけでアルトリアを揺るがすような人間・・・とか?」
その言葉にギルバートは動揺します。「ど、どうして、そのことを……!」
「どうやら、二人闇に始末しなければならなくなったようだね……。あの世で悔やむがいい」
と、そんなことをギルバートが口走っていると、そこにアリューゼが現れます。
「確かに、そこのお嬢さんは行過ぎたが、そんなことで口封じに殺してしまうのかよ。
俺も、ロンベルトの命令だなんて、聞いていないぞ。
ギルバートさんとやらよ、お前さんも性根の腐った野郎だな。
俺もこの仕事にきな臭さを感じていたんだ。一体、お前、何を隠している?」
そのアリューゼの言葉にギルバートはたじたじになります。
それにとどめをさすように、ガウディが「バーン・ストーム」の呪文を木箱に放ちます。
木箱は粉々に砕け、中から、ぐったり倒れている少女が出現します。
貴族服(ノーブルクローク)を着た、高貴そうな身分の少女です。
それを見て、アリューゼが叫びます。「アンジェラ……?! いや、ジェラード王女……!!」
その時、すぐさま、ギルバートが懐から皮袋を取り出し、その少女の口に粉を飲ませます。
フリーザは匂いから、その粉が自分がロンベルトに渡したグールパウダーであることに気付きます。
「ギルバート、お前、今、何をアンジェラに飲ませた!」アリューゼが吼えます。
ギルバートは「おっと、僕はここで退散するね」と言って逃げ去ろうとします。
アリューゼはジェラードの所に駆け寄ります。そして、王女を抱えると、こう言います。
「ジェラード、俺が悪かった! お前の父の名にかけて謝る!」
しかし、ジェラード王女の身体に異変が起きます。
乳色の肌がどす黒く染まり、すんなりとした足がよじれ曲がり、
靴を突き破って恐ろしげな鉤爪が突き出ます。
一行は王女が食人鬼(グール)になっていく様を見る他なかったのでした。
グールになった王女はアリューゼを襲います。アリューゼは間一髪の所でグールの一撃を避けます。
「ジェラード! いや、アンジェラ! 俺のことが分からないのか?!」
異変に気付いたバドラックやマルディアがすぐさま起き出してきます。
バトラックは「こりゃ、やべ……」と言ってすぐさま逃げ出しにかかります。
マルディアはアリューゼのことが気になるらしく、
愛用の剣を持って、アリューゼに助太刀に入ります。
しかし、ガウディやガロやフリーザには分かりますが、
グールは人間の力を遥かに超えた化け物です。
マルディアやアリューゼの力を持ってしても勝てるかどうか……。
その時、呆然と立ち尽くしていたフローネにグールの鉤爪の一撃が飛びます。
フローネは人形のように、吹っ飛び、大木に激突します。そして、動かなくなります。
ギルバートは逃げ去ろうとしています。「こうなったのも、皆、君たちが悪いんだからね……」
ルーンルーンはグールと至近距離にいます。先ほどとは打って変わって、動揺しているようです。
【さて、フリーザ、ガウディ、ガロはどう行動しますか?】
173フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/14(水) 06:54:27 O
>170-172
こんな話は聞いてはいなかった。
ジェラード王女はフリーザが持ってきたと思われる、グールパウダーを飲んでグールになった。
荷を開けられた時に何らかの対策を取ってあると思ったが、王女をグールにするとは思わなかった。
荷を運ぶ任に着いた者達を闇に葬る為にとった措置なのだろう。
このフリーザが任に着くと知っていながら。

「許さん……許さんぞ!ロンベルトッ!!
 このフリーザ様をコケにしやがってぇぇ!!
 虫けらの如く叩き潰してくれるっ!」
自分を捨て駒に使おうと考えていたロンベルト。
思えば、城で会話をした時から挙動が怪しかった。
何かを隠すような。
バドラックとギルバートは逃げ、マルディアとアリューゼはグールと化した王女に戦いを挑んでいる。
フローネは倒れた。
ルーンルーンは……

「くっ……」
フリーザはルーンルーンの下まで走り、ルーンルーンを抱いてグールの間合いから離れた。
本来のフリーザが持っていた悪性より、今までの生で培ってきたヴィルノア貴族としての誇りが勝った瞬間だった。

「アリューゼさん!ジェラード王女はグールパウダーを飲み、グールと化しました!
 彼女はもう、助かりません!」
フリーザは背に掛けていた弓を手に取り、矢筒から一本だけ矢を取り出す。
弓で安全に狙撃するには少し距離が足りないが、贅沢は言っていられない。
フリーザは矢を弦に掛けて引き、グールの咽を狙って矢を射った。
174名無しになりきれ:2007/02/15(木) 18:09:52 0
てい
175ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/15(木) 19:47:02 0
>「ど、どうして、そのことを……!」
「てめぇ、やっぱり知ってやがったな・・・。
どうせ、仕事が終わったらオレ等を始末するつもりだったんだろうが」
怒気も顕に刀の柄に手を伸ばしたその時、

>貴族服(ノーブルクローク)を着た、高貴そうな身分の少女です。
>「アンジェラ……?! いや、ジェラード王女……!!」
「っち・・・なるほどな、ロンベルトってのはどうやらヴィルノアのスパイらしいな!」
ヴィルノアまで運ぶ荷物が王女サマ。と来ればどう考えてもロンベルトの関与があるだろう
ロンベルトの部下まで知っていたってことは・・・アルトリアは大分マズイんじゃないだろうか

>しかし、ジェラード王女の身体に異変が起きます。
>乳色の肌がどす黒く染まり、すんなりとした足がよじれ曲がり、
>靴を突き破って恐ろしげな鉤爪が突き出ます。
「オイ・・冗談だろ?おい、フローネ!逃げろ!!」
変身してる間にフローネの方を向いて声をかける。
正直もう魔法だなんだと言ってられる状態じゃねぇ。
とりあえず尚呆けてるようなら頬を二、三発張ってやってでも逃がしてやらないと・・・!

>その時、呆然と立ち尽くしていたフローネにグールの鉤爪の一撃が飛びます。
>フローネは人形のように、吹っ飛び、大木に激突します。そして、動かなくなります。
「おい、フローネ!!ちぃ・・・!!」
フローネとグールと化した王女様との間に立ちはだかる。
コイツを見捨てていられるか!その時、視界の片隅で動く影が・・・・・・

>「こうなったのも、皆、君たちが悪いんだからね……」
「ふざけんな小悪党が!逃がすかよ!」
右手を刀の柄にかけてグールめがけていつでも振り下ろせるようにしながら
左手で仕込んだ黒釘を2,3本取り出して逃げるギルバートの足の付け根から腰の鎧のスキマをめがけて投げる!
頭や手先じゃあ当たる算段は低いが、腰や胴体なら当たる目はある。

「こいつはやべぇ・・・・・・。」
背中に伝わる冷や汗を感じながら、オレは何者かの声を聞いていた。
【・・・・・・セ・・・・・・ロセ】
胸元ではうっすらとヘルのペンダントが昏い輝きを帯び始めていた。
176ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/02/16(金) 16:30:58 0
>172-175
 箱から出てきたのは、身なりの良い令嬢だった。それを見て、ジェラード王女、と誰かが呟く。
なるほど、王女様か。とんだ爆発物もあったものだ、とガウディは心中で毒づいた。
何しろ、人の力では到底敵いそうもない怪物になってしまったのだから。

 敵わないと知ってか知らずか、戦っている者がいる。正気じゃない、逃げろと本能が言っている。
……その時、フリーザがグールの間近にいたルーンルーンを抱えてグールから離れた。
そうだ、ルーンルーン。積荷の中にいるのは、エインフェリアとして選ばれた者だと言っていた。
エインフェリアがグールになったらどうなるのだろう?
異形化は事実上の死か。ならば、いずれ戦乙女がここに来るのか。
戦乙女に会えれば、戦乙女を追う兄に近づく。……覚悟を決めろ。

 ガウディはグールに向け、まず最も得意とするポイズン・ブロウの呪文を唱えた。
しかし、正攻法で勝てるとは思えない。何か、手立てを考えなければ……。
例えば、地形。ここは森の中だ。巨木を倒壊させて直撃させれば、それなりの効果はあるだろうか?
とは言え、前線でグールと戦っている者たちに樵の真似事をしろとも言えない。
やはり、自分がやるべきか。ガウディはグールの周囲を見渡し、一際大きな木に狙いを定めた。
あの木を倒すには……ストーン・トウチが良いか。少し時間がかかりそうだが、仕方ない。

 あれ、と指差しても、目の前のグールに集中している者には見えないだろう。
ならば、とりあえず離れてもらうのが良い。
「木を倒してそいつに当てる。機を見て合図するから、巻き添えになりたくなかったら離れて!」
177代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/16(金) 23:22:21 0
>フリーザさん(レス返し)
>フリーザはルーンルーンの下まで走り、ルーンルーンを抱いてグールの間合いから離れた。
その時、ルーンルーンはフリーザに呟いた。「どうして、助けてくれるんですか?」
しかし、その後、人格のスイッチが入れ替わったようにして、威厳のある声で彼女は言います。
「私の肉体を助けてくれてありがとう。ルーンルーンに代わって礼を言う」

>「アリューゼさん!ジェラード王女はグールパウダーを飲み、グールと化しました!
> 彼女はもう、助かりません!」
しかし、アリューゼはそのフリーザの声を聞いていないようです。
アリューゼは呆然として呟きます。「クソっ! 俺は一体どうしたらいいんだ……」
アリューゼはグールの爪による攻撃を大剣で受けるばかりで積極的な攻撃はしません。

>フリーザは矢を弦に掛けて引き、グールの咽を狙って矢を射った。
フリーザが矢を放った瞬間にその光景を見たアリューゼが叫びます。
「待ってくれ! こいつはあの、アンジェラなんだ!」
矢は、グールの喉元に向かって放たれますが、グールの爪の一撃で落とされます。
マルディアも大剣でグールに斬りかかろうとしますが、それをアリューゼが制します。
「マルディア! 待ってくれ!」
しかし、その隙を逃さず、グールはアリューゼに鉤爪で攻撃します。
が、その一撃をアリューゼは辛うじて大剣で受け止めます。
「ちぃ! どうしたらいいんだ!」アリューゼは焦っているようです。

>ガロさん(レス返し)
>「おい、フローネ!!ちぃ・・・!!」
>フローネとグールと化した王女様との間に立ちはだかる。
しかし、大木に激突したフローネはぴくりとも動きません。
グールもフローネにはもはや注意を向けていません。
そして、アリューゼとマルディア、フリーザの方にグールの注意は向いています。
ガロの動きにはグールはノーマークです。

>「ふざけんな小悪党が!逃がすかよ!」
ガロの投げた鉄釘は逃げようとしているギルバートの右足の付け根に当たります。
ギルバートは転びます。しかし、足を引きずりながらも森の奥に逃げようとします。
「うわわわ……。グールは周囲の者に見境なく攻撃するからね! 僕は巻き込まれたくないよ」

>背中に伝わる冷や汗を感じながら、オレは何者かの声を聞いていた。
>【・・・・・・セ・・・・・・ロセ】
その声と同時にガロの頭に女性の声が響きます。
『もうすぐ、レナスが助けに来ようというのに、あなたはヘルなんかの神託を受けようとしているの?
 これだから人間は困るのよ……。私、フレイの啓示を聞いたでしょ! ガロとやら』
【ガロさん、ヘルの神託は好きに演出して構いませんので……。ただ、フレイが怒っています(笑)】

>ガウディさん(レス返し)
>あの木を倒すには……ストーン・トウチが良いか。少し時間がかかりそうだが、仕方ない。
【グールを下敷きに出来そうな大木は確かに何本も森にはえています。
ただ、呪文の効果で石化して、倒すにはちょっと時間がかかりそうです】

>「木を倒してそいつに当てる。機を見て合図するから、巻き添えになりたくなかったら離れて!」
【残念ながらアリューゼとマルディアはグールにかかりっきりでガウディのこの声を聞いていません。
特にアリューゼが動揺しているようです。
防戦一方で、フリーザとマルディアの攻撃を止めようとしています】

>ALL
その時、夜空から一筋の光が差します。
辺りが一瞬輝いたかと思うと、白銀の甲冑と鳥の羽飾りのついた兜を身につけた白銀の髪の女と、
緑の頭巾と緑色の軽やかなクロークを身にまとった女がグールの前に姿を現します。
ガウディはこの二人から強大な魔力を感じます。これは、恐らく神々――
178フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/17(土) 00:57:54 O
>175-177
他の傭兵達と歯車が噛み合わない。
急造のチームだからということもあるが、それよりも大きな原因がある。
死神と呼ばれる程の強者、アリューゼ。
彼はジェラード王女に何らかの執着があり、グールに攻撃をすることができない。
それどころか、マルディアの攻撃を止める始末。
彼らの歯車が噛み合わない為、二人はグールに対して防戦の一方。
援護の為に矢を放ったが、その矢はグールに簡単に弾かれてしまう。
矢を当てるには二人がグールを抑えてる時を狙うしかない。
だが、アリューゼが攻撃することを拒否する為、そんな機会は訪れてくれない。

>「木を倒してそいつに当てる。機を見て合図するから、巻き添えになりたくなかったら離れて!」
ガウディがそう策を出す。
確かに効果がありそうだが、グールは見掛けよりも素早い。
フリーザが放った矢を弾き返す程だ。
グールの動きを止めることが必要になる。
だが、今の状況ではその足止めさえすることができない。

人生、どうしようもなくなった時には、天からの助けが来るものらしい。
夜空から光が降ってきたかと思えば、目の前には二人の女性が新たに現れた。
銀髪の女性も金髪の女性も、普通の人間とは比較にならない程の威圧感を放っている。

「美しい……」
フリーザが感嘆の言葉を漏らす。
フリーザは本能的に悟った。
この方達こそが完全なる者達、神なのだと。
179ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/19(月) 12:44:08 0
グールの注意がこっちを向いていない間にとりあえずフローネを近くの茂みに横たえておく
気絶してる時に戦いに巻き込まれたら間違いなく致命傷になるしな。
そして、グールの方に改めて向き直る。右手は刀の柄を掴んだまま、左手は仕込んだ黒釘を抜き出す。
「フッ・・・・・・フッ・・・フッ・・・」
予想外にとんでもない化け物が出てきたもんだから喉が鉛になったように動かない
緊張の汗が背中をつたって余りにも不快だ。
【・・・デキソコナイはコロシテシマエ】

頭の中の声、というよりはこれは、昔聞いた声の再生か?
>「木を倒してそいつに当てる。機を見て合図するから、巻き添えになりたくなかったら離れて!」
>『もうすぐ、レナスが助けに来ようというのに、あなたはヘルなんかの神託を受けようとしているの?
>これだから人間は困るのよ……。私、フレイの啓示を聞いたでしょ! ガロとやら』
神託?チガウ、コレハ・・・。コレハ、オレノ・・・・・・。
「ハァ・・・・・・・ハァ・・・・・・グッ!」

心の衝動に突き動かされるように、右目をうっすらと開きかけた瞬間!
>その時、夜空から一筋の光が差します。
「っ・・・・・・!?」
何かが降りてくる光、それに我を取り戻した。開きかけた右目を無理矢理指で閉じて頭を軽く振る。
一体何だってんだまったく・・・!
とりあえずそこから降りてくる者達に視線を投げかけることもなく、アリューゼの側に駆け寄る。
その途中でグールの《眼》をめがけて黒釘を4本放つ。どんな化け物でも眼は弱点になる!と思うんだが
で、横の木偶(アリューゼ)に蹴りを入れてやる、勿論軽くだ。思いっきりやってもビクともしなさそうだけどな。

「何やってんだ【死神】!アレはもう助からないって聞いてるだろうが!
アンタとそいつがどんな関係か知らないけどな、腑抜けたことやってんじゃねぇっつぅの!
『オマエはソイツをヒトゴロシにしたいのか』?!せめてオマエの手で始末つけてやるもんだろうが!」
少なくともコイツがしっかりしてくれないとここでみんな死にかねない。そう喝をいれながらも
近くに現れた二体の存在に、軽く心臓が締め付けられるような痛みと、些かの心の反発を覚えていた
180ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/02/20(火) 12:49:38 0
>177-179
>「待ってくれ! こいつはあの、アンジェラなんだ!」
 そういえば、山岳遺跡について調べている時に、あの令嬢を背負っているアリューゼを見かけた。
傭兵と王女。縁のなさそうな組み合わせだが、ここまで必死になるということは何かあったのだろう。
だが、全滅し兼ねない状況で、あの男は何をやっているのか。
自分が攻撃しないだけならまだしも、他のメンバーの攻撃まで妨害するとは。
正直、邪魔で邪魔で仕方がない。鈍器で一発殴りでもすれば静かになるだろうか。
至近距離にいるマルディア辺りがやってくれればいいのに。

 ガウディが様子を見る限り、前線の二人に自分の声は聞こえていないようだった。
この状況ならば仕方がないか。だが、久々に大声を出したのに、と、なんとなく損をした気になった。
歴戦の傭兵のことだ、異変に気付けば勝手に避けるだろうか。
しかし、今のアリューゼなら、倒れてきた木まで止めようとするかも知れない。
全く以って、忌々しい。…まあ良い、しばらく時間もかかることだし、行動を開始しよう。
ガウディは巨木に向かって、一撃目の呪文を放った。

 そのとき、夜空を貫くように、一条の光が差した。次いで、周囲が光に包まれる。
目が見えるようになった時には、二人の女性がグールに対峙していた。
尋常ならざる魔力、人では有り得ないこの力は。まさか。
「神……?」
 唐突に現れた神の姿に、暫く我を忘れた。ついでに、グールの存在も。
181名無しになりきれ:2007/02/20(火) 23:52:18 0
グールの奇襲攻撃
182代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/21(水) 01:04:46 0
>ALL
白銀の髪の甲冑と羽兜を付けた女と、黄金の髪の緑色のクロークを付けた女は地上に降り立ちます。
そして、白銀の髪の女が、グールと化した王女に攻撃を躊躇っているアリューゼに一喝します。
「その人間の少年(フリーザのこと)の言うように、残念だが、ああなってしまったものは、
もう戻らない。お前も戦士ならば戦いの中にこそ道を見出すべきだろう」
その言葉にアリューゼは呟きます。「戦乙女……ヴァルキリー?」
そこで、黄金の髪の女が呟きます。「下界に降り立つのも本当、久しぶりだわ。
グールなんかの下賎な者を相手にするのも面倒だけど、浄化してあげるわ」
そして、黄金の髪の女は、何やらグールを目の前に構えます。
ガウディには分かりますが、これは豊穣神フレイの作り出した不可視物質を使った武器です。
その黄金の髪の女は「神技! エーテルストライク!」と叫び、閃光をグールに放ちます。
その閃光は闇夜の一陣の彗星のような輝きを放って、グールを包みます。
そして、辺りがまた闇に包まれると、そこには倒れて虫に息のグールが横たわっています。
黄金の髪の女はとどめをさそうとしますが、それをアリューゼが制します。
「待ってくれ……。俺がとどめをさしたい……。だって、あのアンジェラなんだからな……」
黄金の髪の女は「下賎な人間風情が何を言うの!」と不機嫌になります。
しかし、そこで白銀の髪の女がアリューゼに自分の持っている白銀の剣をすっと差し出します。
「これを使うがいい」その時、あの《死神》アリューゼが懇願するような顔で女に聞きます。
「本当に、もうこの娘は元に戻らないのか……?」それに対して、白銀の髪の女は冷静に答えます。
「ああ、戻らない。グールパウダーが復元不可能な次元で、この人間を侵食してしまった」
それを聞いたアリューゼは「お前の父親を侮辱してすまなかったな」と一言言うと、
グールをその剣で目を瞑り突き刺します。
その時、一行はグールの白濁した目から一筋の涙が落ちたように見えたのでした。
こうして、グールは動かなくなったのでした。ガウディはその死体から人間の魂が、
その白銀の髪の女――ヴァリキリー――の中に入っていくのを感じます。
アリューゼは小刻みに震えています。そして、彼はドスのきいた声で呟きます。
「アンジェラをこんな風にしたギルバートとロンベルトは絶対に許さねえ……」
その時、黄金の髪の女――豊穣神フレイ――が、ガロに対して見下ろすような態度で言います。
「そこの人間の男、私が再三に渡ってこのレナスと関わるように啓示を出したのに、それは無視?」
その時フレイはガロが身につけているヘルのペンダントに気付きます。
「あなた、ま、まさか……?! いや、こんな人間風情がそんなことはあり得ない……」
フレイは一瞬動揺しますが、元の高慢な態度に戻ります。
「いい、ガロという人間、このレナスに従うのよ?! 神に逆らうことはあなたの破滅に繋がるわ」
【ガロさん、ヘルに関する設定は任せます】
フローネはぴくりともせず、ガロが寝かせた所に横たわっています。それを見てフレイが呟きます。
「今、神界で欲しいエインフェリアにあの人間の娘は合致しないわね。ねえ、レナス」
そして、フレイはガウディの方を向いて相変わらず高慢な態度で言います。
「さっき、倒木でグールを倒そうとした考えは人間ながら感心だわ」
そんなやり取りをしている一行ですが、ガウディは森の陰に若い魔術師の気配を感じます。
その気配こそ、あの狂気の天才魔術師レザード・ヴァレスその人なのでした。
レザードがヴァリキリーに近付いたという所でその気配はふっと消えます。
フレイはレザードの存在をはなから相手にしていない様子です。
ここで、フリーザは人々の伝承を思い出します。
『神々は魂を冒涜する不死者と常に人知れず戦い続けていることを――』
「人間ども、私のような神々とこうして出会えたことを幸運に思うことね」とフレイの弁。
「また、お前たちとは会うかもしれない……。そんな因縁を感じる」とレナスの弁。
その台詞を後に、二人の女神は一行の許から姿を消します。あとは闇夜が広がるばかりです。
【PCの皆さん、二人の女神に言っておきたいこと、NPCの事後処理等あったらお願いします】
183フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/21(水) 02:05:18 O
>182
神という存在は凄いもの。
実際にこの目で見て、嫌という程に思い知った。
ヴァルキリーとそれに付き従うもう一人の女神。
人では絶対に敵わないと言われていたグールを、虫けらのようにあっさりと倒してしまった。
あのような強大な力が欲しい。
フリーザは心の底からそう思った。

フリーザはこれからの身の振り方を考える。
与えられた任務は傭兵達の興味や警戒心により、ジェラード王女を殺害するという結果に終った。
自身に黙ってギルバートにグールパウダーを使わせたロンベルトに、文句の一つでも言ってやろうと思った。
だが、あの手の輩は権力に執着している為、こちらが口封じに殺される可能性もある。
ヴィルノアに帰った後、名門貴族である自身の家柄を使い、ロンベルトの地位や人生を全て壊してやろう。
あの手の輩にはそれが一番効くはずだ。

そういえば、ルーンルーンはジェラード王女がエインフェリアに選定されると言っていたが、本当にそうなってしまった。
本当にルーンルーンの中に、ヴァルキリーの一人が入っているのかも知れない。
だが、それが事実ならば、あの神達はルーンルーンに何らかのコンタクトを取るはず。
しかし、神達はルーンルーンに何の反応も示している様子は無かった。
フリーザは自身の身の振り方を決めた。
アルトリアに滞在し、ルーンルーンを観察する。
何らかの動きが見られれば、ガノッサに報告をするのだ。

「あなた達はこれからどうするのですか?」
フリーザは他の傭兵達に聞く。
そういえば、ヴァルキリーに付き従っていた女神が、傭兵達の一人であるガロを見て動揺していた。
ガロも観察対象に入れておいた方がいいのかも知れない。
184ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/21(水) 12:30:55 0
光臨した二人の女神は、グールを呆気なく一蹴してしまった。
最後に銀髪の方から剣を受け取りアリューゼがトドメ。

何となく胸の内に黒いものがこみ上げてくる。
薬を盛られたりしたことは、権力闘争渦巻く王族の中で迂闊だった。
だからこれはジェラード王女自身のミスだ。だからこうなった。
だが・・・・・・、ただそれだけで割り切れるもんじゃない。

>「そこの人間の男、私が再三に渡ってこのレナスと関わるように啓示を出したのに、それは無視?」
背中にかかった声を、片手で右目を押さえたまま振り返って答える。
まるで女神の存在を恐れるようにヘルのペンダントは輝きを失っていた
「あー、そういやばそうだったけど。結局何時参加するとか連絡無かったんでね。
 最終的にこうして関わることになったから万々歳では?とりあえずこれからオレはアルトリアに引き返すから
 人間の足じゃあ多少時間はかかるけど、神託どおり向かいますよ。野暮用を片付けたらな。」

>「いい、ガロという人間、このレナスに従うのよ?! 神に逆らうことはあなたの破滅に繋がるわ」
「ハイハイ、分かりました分かってますってば。命も助けてもらったことだし。
 でも、脆弱な人間ごときの力なんてカミサマにはいらんでしょうに。」
>「今、神界で欲しいエインフェリアにあの人間の娘は合致しないわね。ねえ、レナス」
「お、忘れてた!フローネ!?」
慌ててフローネの元へ駆け寄る。命に別状がないようなら背中に背負っていってやるか。

二人の女神が立ち去った後、空を見上げてぽつり、とつぶやいた
「女神とはいえ、何でオレの周りの女はみんな強気な奴ばっかりなんだ・・・・・・?」

>「あなた達はこれからどうするのですか?」
少し自己嫌悪とかに走りそうな頭に冷静な声が割り込んできた。
そういえば、こいつグールパウダーとかいう物の事知ってやがったな
ってことはこいつもグルか?あのギルバートの奴もどっか逃げたみたいだし
夜の森を追いかけるのは流石に無駄だろう

「さぁてね。仕事が立ち消えになっちまったからオレはアルトリアに帰るさ。
野暮用が2つか3つぐらいあるんでね。とんだ仕事だったがまぁ100オースの儲け、って訳だ。
余程用事が無きゃアルトリアには近づかない方がいいだろうな。
とりあえず一晩泊まってそれぞれの身の振り方は自分で考えればいいさ。
まさか夜の道を引き返す訳にもいかないだろ?」
フローネを傍らに横たえて、オレは木の根元に座り込む。
とりあえず、人を騙してくれた分はしっかりと雇い主さんにお返ししてやらないとな。
185ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/02/22(木) 17:34:30 0
>182-184
 金髪の女神の放った一撃、不可視の物質による浄化の光。
その直撃を受けたグールは、あっさりと瀕死状態になった。
そして、息も絶え絶えになっているグールにアリューゼがとどめをさす。
……あっけない。あまりにも、あっけない。今までの苦労は何だったのだろう?
徒労感をひしひしと感じながらも、ガウディの両目は小さな光が戦女神の中に入っていくのを見届ける。
戦女神は、こうして人の魂を回収するのか。
神に取り込まれるというのは、一体どのような感じがするものなのだろう。

>「さっき、倒木でグールを倒そうとした考えは人間ながら感心だわ」
「……それは、光栄なお言葉をどうも」
 結局無駄になってしまったわけだが、神に向かってそこまで不遜な口を聞くわけにも行くまい。
神に向かって、と言えば。ガウディは戦乙女に向き直った。
兄は、戦乙女を探している。だが、神とは人間の所業にいちいち目を向けるものだろうか。
戦乙女が人に目向けるとすれば、それは、――考えたくもない。
何を言えばいい? どうすれば見つかる? 考えているうちに、二人の女神は立ち去っていった。
……結局何も手に入らない。迷っているうちに全て逃す。

>「あなた達はこれからどうするのですか?」
 苛々していると、極めて現実的な質問をされた。
そうだ、これから……どうするか。山岳遺跡に行きたいが、一人で行くのは無謀にすぎる。
命がけで手に入れたのはたったの100オース、とても傭兵を雇えるほどの金額ではない。
「仕事を探して金を集めるか、命知らずの同行者を探して山岳遺跡まで行くか。
山岳遺跡の奥には神々が遺した遺産があるそうだけど、興味はない?」
 一応勧誘はするが、彼らは同行者になってはくれないだろうな、と思う。
都合よく神の啓示でもあれば、話は別だろうが。
186代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/23(金) 08:30:51 0
>ALL
グールの始末が終わって、女神二人がその場から姿を消した後、フリーザとガロに声が聞こえます。
フリーザの脳裏には、白銀の髪の女神ヴァルキリーの声が……。
『私の妹のシルメリアを頼む。そこの痩せた少女の中に不完全な形で覚醒している。
フレイの手前、その存在を黙っていたが、どういう訳か、不死者王ブラムスの許を離れているようだ。
アース神族の陣営故に、私は妹に何も出来ないが、お前たち人間の手で彼女を守って欲しい』
ガロの脳裏には、黄金の神の女神フレイの声が……。
『人間風情のあなたに語るほどのことでもないけど、あなたがその女(フローネ)を気にかけている
ようだから、教えてあげるわ。その女は全身の骨が砕けていて、即死したみたいだわ。
ただ、ヴァルキリーの力で、その魂をマテリアライズすることは出来るわ。
ただ、ヴァルキリーのレナスに会うためには、アルトリア山中の遺跡まで行かないといけない……。
その女はもう息絶えているけど、あなたに対して、死ぬ前に本当に言いたかったことがあるみたい。
だから、その女の思念のこもっている付けている鷲の紋章の指輪をレナスの所に持ってくることね。
え、人間風情に何でこんなことを教えるって? それは私がオーディン様を愛しているからよ。
ま、私にとっては些細なお節介だけれど……』
そして、森の闇の中から、魔術師風の眼鏡をかけた若い男がギルバートを捕まえて現れます。
ギルバートは「僕は何も悪いことはやっていない」としきりに弁明しています。
しかし、その男に呪縛の魔法をかけられているようで、動けません。
男は話し出します。「申し遅れました。私の名はレザード・ヴァレス。見ての通りの魔術師です。
この男は私の余技で捕まえました。さて、この男と交換条件に……」
レザードはガウディの方を見ます。そして、にやりと笑って、ガウディの肩を指差します。
「そこの魔術師の女性の方に付いている、あのヴァルキリーの髪の毛が欲しいのです。
あなたたちを裏切った男と、女神の髪の毛一本、交換条件にはもっともだと思うのですが……?」
見ると、ガウディの肩には長い白銀の髪の毛が一本付いています。
【ガウディさんはこの交換条件を受けますか?】
ルーンルーンは女神が消えた後、おそるおそる顔を木の陰から出します。
「もう大丈夫ですか? 私、何があったのか記憶が飛んでいるんです。
ただ、心の中で、今は身を潜めていなさい、と声がしたんです」
そして、レザードに捕らえられて動けなくなっているギルバートを見ると、叫びます。
「ギルバートさんを助けてあげてください! ギルバートさんはいい人です!」
>「仕事を探して金を集めるか、命知らずの同行者を探して山岳遺跡まで行くか。
>山岳遺跡の奥には神々が遺した遺産があるそうだけど、興味はない?」
そのガウディの言葉にマルディアが反応を示します。
「あたいのこの剣も遺跡で見つけたものなんだよ。野暮用が終わったら付き合いたいね。
ただ、その前に、このアリューゼの仇を討ってやりたいんだ」
当のアリューゼは決意を固めているようで、ギルバートを睨み付けます。
「お前がアンジェラを陥れた張本人だが、それでアンジェラが帰ってくるわけでもねえ……。
ロンベルト……、絶対殺してやる。が、お前らは関係ないからな。汚れ役は俺一人でやるさ」
その時、フリーザの肩にとまっている使い魔のオウムが「フリーザ」と鳴きます。
これは、ガノッサに今回の件を報告せよ、という使い魔の合図です。
187フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/23(金) 18:37:00 O
>184-186
突然、頭の中に声が伝わってくる。
この声は今さっき聞いたばかり、ヴァルキリーの声だ。

>『私の妹のシルメリアを頼む。そこの痩せた少女の中に不完全な形で覚醒している。
>フレイの手前、その存在を黙っていたが、どういう訳か、不死者王ブラムスの許を離れているようだ。
>アース神族の陣営故に、私は妹に何も出来ないが、お前たち人間の手で彼女を守って欲しい』

これでルーンルーンがヴァルキリーの一人であることが確定した。
不死者王ブラムスの手から離れたと聞いたが、女神が天敵である不死者王の所にいるとは。
やはり、捕獲されて利用されているのだろうか?
それにしても、あの金髪の女神が豊穣神フレイだったとは。
こんな場所に上位の神族が現れるとは、もうそろそろラグナロクが始まってしまったりして。


レザードと名乗る男が森の中から現れ、ギルバートの身柄とヴァルキリーの髪の毛の交換を提示する。
ギルバートのことなど、フリーザには興味は無い。
ただ、ルーンルーンが助けてやれと言っていたので、女神様の好感を上げる為、フリーザはガウディに言った。

「助けておやりなさい。
 その男はロンベルトにただ命令されただけのはずです」

ガノッサの使い魔であるオウムがフリーザの肩に止まり、一声鳴く。
ガノッサに報告をしろという合図だ。
皆が落ち着き、寝る前になったら報告を送ろうとフリーザは考えた。
188名無しになりきれ:2007/02/23(金) 18:50:22 0
つまんねええええええええよおおおおおおおおおおおおおお
189ガウディ ◆Sb1XxhFoWY :2007/02/26(月) 17:32:32 0
>186-187
 女神は去り、今後どうするかも決めかねているうちに、夜は更けていく。
そんな時、木陰から眼鏡の、何となく嫌な雰囲気の男が姿を現した。
手土産のつもりか、右足の付け根を負傷し、呪縛の魔法をかけられたギルバートを伴って。
>「申し遅れました。私の名はレザード・ヴァレス。見ての通りの魔術師です。 (略
 レザード・ヴァレスと名乗った男は、交換条件を申し出てきた。
この男、口調は丁寧だが、どことなく……そう、死臭のようなものを感じる。
正直、あまり関わりたくない相手だが、この際仕方がないか。

 レザードは嫌な感じの笑いを浮かべると、おもむろにガウディを指差した。
>「そこの魔術師の女性の方に付いている、あのヴァルキリーの髪の毛が欲しいのです。
「……は?」
 思いがけない言葉だったため、つい間抜けな声を出してしまった。
何を要求するかと思えば、女神の髪の毛とは。肩を見てみると、確かに白銀の髪がついている。
よく気付いたものだ。しかし、髪の毛など何に使うのだろう。呪いにでも使うのか。
>「助けておやりなさい、(略
 とのフリーザの言葉もあり、ガウディは大人しく女神の髪を差し出した。
「要求は呑む。ただし、こいつの処遇については関知しないわ」
 そういえばルーンルーンも白銀に近い色の髪だが、この暗闇の中でよく女神の髪だと分かったものだ。

 と、ルーンルーンのことを考えていると、本人が木の陰から出てきた。
彼女が言うには、もう1つ――1人、と言うべきか?――の人格に隠れているよう指示されたらしい。
ギルバートは良い人、……まあ、酒場や宿での彼の行動を考えれば、分からなくもない。
いくらロンベルトの命令とはいえ、彼がフローネを殺そうとするなど思いもしなかった。
……自分に実害は殆ど無かった。髪の毛一本と交換されたギルバートをどうするかは、
他の傭兵たちに任せよう。

>「あたいのこの剣も遺跡で見つけたものなんだよ。野暮用が終わったら付き合いたいね。(略
 マルディアの用とは、おそらくアリューゼを手伝ってロンベルトを殺しに行くことだろう。
ロンベルトは一応アルトリアの宰相だ。殺して、生きては帰って来られるとは思えない。
「貴方のしようとしていることはあまりお勧めしない。
犬死にしたいなら話は別かも知れないけれど、それでは私が困る」

 オウムが一声鳴いた。……見られているのだろうか? 今回のことも、全て。
反応を見る限り、フリーザにとって今回の件は予想外であったようだ。
オウムの飼い主はどうなのだろう。ヴィルノアの、結界の奥の人物は。
全く、得体の知れない奴が多い。これ以上変な奴が増えないといいと思いつつ、ガウディはため息をつく。
190ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/26(月) 20:37:16 0
抱き上げたフローネの体は、ピクリとも動かない。
最悪の憶測に、女神の一声がトドメをさした
>その女は全身の骨が砕けていて、即死したみたいだわ。
>あなたに対して、死ぬ前に本当に言いたかったことがあるみたい。
>だから、その女の思念のこもっている付けている鷲の紋章の指輪をレナスの所に持ってくることね。
「・・・・・・。」
フローネを横抱きにした腕が震える。
そっと地面に降ろして、その指から指輪を抜き取る。・・・手が震えて上手く抜けないなまったく。

>「僕は何も悪いことはやっていない」
>「ギルバートさんを助けてあげてください! ギルバートさんはいい人です!」
>「お前がアンジェラを陥れた張本人だが、それでアンジェラが帰ってくるわけでもねえ……。
>ロンベルト……、絶対殺してやる。が、お前らは関係ないからな。汚れ役は俺一人でやるさ」
背後でぐたぐたと何か言っているがよく聞こえない。
視界がぼやけてるなちくしょう。
オレは、そう。ゆっくりと立ち上がる。後でアイツを持って帰ってやろう。
にぎやかなのが好きみたいだったし、あれで寂しがり屋みたいだしな。
郊外の森がいいかな・・・・・・。

ゆっくりと、指輪を握り締めたままギルバートに近寄る。
>「助けておやりなさい。
>その男はロンベルトにただ命令されただけのはずです」
>「要求は呑む。ただし、こいつの処遇については関知しないわ」
何かが聞こえるが、でも意味がよく分からない。
ふらふらと、足元が覚束ないまま奴に近づく。
「あぁ、きっとお前は正しいさ。お前は自分が正しいと思ったことをやってきた、そうだろ?」
腕ががたがたと震える割には、案外声は軽く出てきた。
「そうだ、だからこれはきっと・・・・・・運命、いや?不運な偶然だ。」

ギルバートに背を向けるように半回転。同時に奴の腹部に蹴りを叩き込む。
その流れに逆らうように今度は逆方向へ一回転。
そのまま極夜を引き抜いて奴の肩口に振り下ろす。
技とか力とかも関係ない。ただ地面さえも切り裂けとばかりに思いっきり。
誰にも邪魔させるつもりはないが、ただ周りの動きなど目に入っていなかった。
・・・・・・コロシテヤル。そう、ロンベルトもな。
191代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/02/27(火) 22:47:27 0
>ALL
>そのまま極夜を引き抜いて奴の肩口に振り下ろす。
ガロのその一撃は、ギルバートの致命傷でした。ギルバートは声をあげる暇もなく崩れ落ちました。
ルーンルーンが駆け寄ります。彼女は涙を流しています。「ギルバートさん……」
しかし、その瞬間、ルーンルーンの人格のスイッチが切り替わります。口調が威厳のあるものに……。
フリーザには分かりますが、彼女のシルメリアとしての人格が出てきたのです。
「私がフローネさんのその指輪から、フローネさんの魂をマテリアライズ化しましょう……」
鷲の紋章の指輪が一瞬光ったかと思うと、生前のフローネがガロの前に立っていました。
フローネは寂しげに微笑みながらガロに向かって言いました。
「ガロ……。私、あなたのこと好きだったよ。私をグールから庇ってくれた時も涙が出そうになったよ。
私、あなたと結婚して、あなたの子供を産みたかったけど、それはできない相談ね……。
私、あなたにこれから幸せになってもらいたいんだ。それには、私以外の女性と結ばれることが……」
その瞬間、フローネは複雑な本当に寂しげな表情を見せます。そして俯きますが、笑顔に戻ります。
「私はあなたの女性関係に口を挟まないけど、あの指輪だけは左手の薬指につけて欲しいんだ。
そして、私の魂が劣化しないように、ガウディさんに封魂の術を指輪にしてもらって欲しいんだ。
いい? ガロ? 私はあなたと常に一緒よ。だから、ロンベルトへの復讐は考えないで!
私はあなたに死んでもらいたくないんだ! 私はあなたがお爺ちゃんになっても傍にいるよ!」
ルーンルーンがここで「時間が……」と言います。フローネは薄っすらと消えて行きます。
フローネは最後まで、ガロのことを案じている様子でした。ルーンルーンはまた元に戻ります。
ギルバートの亡骸の前でさめざめと泣いているのでした。

>「要求は呑む。ただし、こいつの処遇については関知しないわ」
ガウディがそう言った途端、ガロがギルバートを極夜で斬り倒したのでした。
しかし、レザードはそれに驚く様子もなく、陰険な笑みを浮かべながらガウディに礼を言います。
「ガウディさん、レナス・ヴァルキュリアの髪の毛を交換していただいてありがとうございます。
こんな下賎な男と交換していただくのは少々、気が引けますので、あなたの兄のことを話しましょう。
あなたの兄、ルイスも私と同じく、ヴァルキリーを追っています。
ただ、ヴァルキリーがどこに出現するか、よく分かっていないご様子ですね。
私の遠見の水晶に寄れば、アルトリアの街中で、今、山中へ行く準備をしている様子ですよ。
何回かそんな無謀な旅をしかけて、何回も引き返したようですね。
早めに彼を止めて、無謀なことはするなと妹のあなたがご忠告された方がいいでしょうな」
そして、レザードは鋭い視線をフリーザに向けます。
「ガノッサの犬か……。フリーザさんとか言いましたね。ガノッサ殿にお伝えください。
『そういう小賢しい使い魔を使って情報を集めるような姑息な手段はお止めなさい』とね」
そう告げると、レザードは森の奥に、ヴァリキリーの髪の毛を愛しそうに撫でながら姿を消します。

そんな中、その一部始終を見ていたアリューゼがマルディアとガロとを説得しています。
「この戦いは俺個人のものだ。お前らは関係ねえ。
アルトリア王城には俺は正規兵みたいなもんだから入城できるが、お前らはできんだろう?
だから、こういうお願いは出来ないか?
俺の親友で、騎士団長の息子にロウファって言う奴がいるんだが、
そいつに今回の件の事情を説明してやってくれ! 奴は俺のことを誰よりも信頼している。
そして、俺と違って、アルトリアの未来を担っているんだ! 頼む! お願いだ!」
マルディアはフッと笑います。「アリューゼらしいね。どうしても止めるんだろ? あたいの参加」
そして、真顔になると、こう言います。
「城門から逃げたら、あたいが血路を開くよ! 命を粗末にしなさんなね!」
【ガロ、ガウディ、フリーザの行動をお願いします。
グール出現の夜の話はこれで終わりでいいですか?
何も無ければ、次はアルトリア城下町に戻ります】
192フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/02/27(火) 23:55:56 O
>191
ガウディが交渉をしようとしたその時、ガロが刀を引き抜き、ギルバートの肩に斬り付けた。
ギルバートは崩れ落ちるように倒れ、ルーンルーンはギルバートに近付いていく。
フリーザも倒れたギルバートに近寄り、ギルバートの首筋を触った。
脈が無い。
ギルバートはガロの一撃によって、死んでしまった。
フリーザがその事実をルーンルーンに告げようとした時、フリーザは奇跡のような光景を見ることになる。

>「私がフローネさんのその指輪から、フローネさんの魂をマテリアライズ化しましょう……」
ルーンルーンが顔を上げて言った。
さっきまで泣いていた雰囲気とは違う。
この場にいるのは、ルーンルーンの皮を被った別の存在のような感じがする。
そして、奇跡は起こる。

「こっ、こんなことが……」
ルーンルーンが念じると、ガロの握っていた指輪が光輝き、目の前にフローネの姿が現れた。
フリーザが横を見ると、木の根元でフローネが倒れているのが見える。
急に現れたフローネが口を開いた。

急に現れたフローネの声は、フリーザが聞いた時と同じ声。
本当にフローネ本人としか思えない。
フリーザは確信する。
ルーンルーンの中にヴァルキリーが入っていると。


>「ガノッサの犬か……。フリーザさんとか言いましたね。ガノッサ殿にお伝えください。
>『そういう小賢しい使い魔を使って情報を集めるような姑息な手段はお止めなさい』とね」
レザードが鋭い視線を向け、フリーザに話掛けた。
フリーザは目だけで人が殺せるような視線をレザードに向ける。
だが、レザードはその視線を意に介さずに、森の奥へと去って行くのであった。
193ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/02/28(水) 22:56:27 0
>191-192
ギルバートの奴を切り殺したら少し胸の黒いもやもやが薄れた。
極夜はまるで生命を吸ったように、血に濡れているのに黒々としている。

>ルーンルーンが駆け寄ります。彼女は涙を流しています
この少女はオレを恨むだろうか。コイツの事をいい人だと言っていたのに。
何で恨みは巡るんだろうか。神が創った世界とはこんなものなのか。

>「私がフローネさんのその指輪から、フローネさんの魂をマテリアライズ化しましょう……」
「あ、あぁ・・・・・・。・・・・・・?」

>鷲の紋章の指輪が一瞬光ったかと思うと、生前のフローネがガロの前に立っていました。
「・・・・・・ったく。死んでも元気な奴だな。」
思わず苦笑が浮かぶ。涙は、浮かびもしなかった。アイツの前で泣くつもりなんてない。
「分かったよ。お前の勝ちだ。いつまでも一緒、か。オレが死んでもお前があり続ける、それは少し寂しいけどな。」

>「この戦いは俺個人のものだ。お前らは関係ねえ。
>アルトリア王城には俺は正規兵みたいなもんだから入城できるが、お前らはできんだろう?
フローネの言もある、正直フローネが死んだ以上関係オオアリだが。
そこで分かった。と言いかけて・・・・・・
ドクン ドクン 蹲る。耳鳴りがする。目の前が真っ赤だ。右目を押さえろ。早く。早く。
イヤダ、アイツハコロス!アイツハコロシテ「」サマに・・・・・・!
「・・・・・・あぁもううっせぇ!!!」
首筋にかけられたヘルのペンダントを首から引きちぎって地面に叩きつける。
最後に極夜で突き刺して完全にぶっ壊してやった。それで《声》は治まった。
「分かった。これ以上ロンベルトに首突っ込むのは止めとく。」
ただ、と付け加える。
「ただ、ロンベルトってのに敵対するなら一つ。《地面に気をつけておけ》
アイツの部下だって奴に喧嘩を吹っかけられた時、金字方陣っていう動きを止める術にかけられた事がある。
正直、フローネの仇でもあるんだけど。アンタならやれるだろ。」

オレが、これからどうするか。何か空っぽになっちまった気分だけど、まだやることはある。
とりあえずルーンルーンにも声をかけてやる。残念ながら救ってやれる台詞なんか吐けやしない
「ルーンルーン、もしお前がオレを恨むんならそれでいい。もしも仇を討つつもりならいつでもかかってくればいい。
 とりあえず、オレに言えるのはそれだけだ。」
それからガウディへと向き直る。まぁ、とりあえず遺言(?)は果たしてやらないとな。
「とりあえずオレはフローネの奴を弔ってやらないとな。あぁそうだ、ガウディ。
封魂の術って奴をかけてくれないか。そうそう、この指輪。
それでこれからどうするか、か。そしたら、そうだな・・・・・・。
神託とやらに乗って、アルトリアの遺跡でも行ってみるさ。」
夜闇の中で、オレはフローネの亡骸の傍に座って空を見上げた。
そして、星と星の輝きの間の闇をずっと見つめていた。
左目と、閉じた右目で。
194ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/03/01(木) 18:47:03 0
>190-193
 女神の髪とギルバートを交換した瞬間、ギルバートの体を裂いて黒い刃が顔を出した。
次いで頬に、生暖かい液体の飛沫がぶつかる感触。返り血か。
ガロが斬ったのだとすぐに分かった。あの刀の黒い刃、闇の中でも見間違えるものではない。
そして、目の前のレザード・ヴァレスは相も変わらず笑っている。
嫌な笑い。生理的な嫌悪感。一刻も早く、この男から離れたい。

 ……ガウディがそんなことを思っていると、レザードは顔に笑みを貼り付けたままこう言った。
>「ガウディさん、レナス・ヴァルキュリアの髪の毛を交換していただいてありがとうございます。 (略
 居る。兄が。町に、生きて。山中へ向かう準備を。早く引き止めないと。早く。早く。早く。
レザードとフリーザが何か話している。内容がちっとも頭に入ってこない。
思いがけない言葉に、気が動転した。……落ち着け。落ち着かなくては。
ガウディは深呼吸をして、気分を落ち着かせた。……吸い込んだ空気が血生臭い。
 そんなことをしている間に、レザードは去っていった。女神の髪を大事そうに撫でながら。
レザードが何故自分と兄のことを知っていたのか少々気になるが、まあ、良いだろう。
彼がフローネのように心を読む技術でも習得していたのであれば、何ら不自然ではない。

 自分がレザードとやり取りをしている間、ガロの身にも何かあったらしい。
フローネの魂の気配は感じられず、ガロ自身もどことなくすっきりとした表情をしていた。
>「とりあえずオレはフローネの奴を弔ってやらないとな。あぁそうだ、ガウディ。 (略
 ガロは鷹の指輪にフローネの魂を封じ、劣化しないよう保ちたいらしい。
その後は、フローネの亡骸を弔ってから山岳遺跡に行くという。都合が良い。
「封魂の術自体は構わないけれど…肝心の魂は何処?」
 ふとギルバートの傍らで泣き崩れているルーンルーンに目を遣ると、
フローネのものらしき魂がふらふらと寄って来た。
……何となく、ルーンルーンの中から出てきたようにも見えたが、気にしないことにする。
「問題ないようね」
 そう言うと、ガウディは指輪に杖を向けて意識を集中させた。
杖の先端の蛇がほのかに光を放つ。やがて指輪も光を放ち、杖と指輪、二つの光が繋がる。
その光に導かれるように、フローネの魂は指輪に吸い込まれていった。
次に、魂が出て行かないよう、ルーン文字で封印を施す。
一応装飾品であるのだし、出来る限り目立たない位置に。
「代金はアルトリアの街、それに山岳遺跡への同行でいいわ」
 ガロに向けてそう言い放つと、ガウディは他者と少し離れた場所に腰を下ろした。

 兄の姿を求め、アルトリアへ。そう心を決めて、ガウディは紫の両目を閉じる。
195代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/03/01(木) 23:40:20 0
>ガロさん
>「ただ、ロンベルトってのに敵対するなら一つ。《地面に気をつけておけ》(略)」
アリューゼは「ほう」と言うと、ガロに握手を求めます。
「忠告ありがとよ。でも、なあ……」そう言うと、アリューゼは夜空を見上げます。
「他人を見下し、倒すことによって自分の存在を確認する……。俺もあの王と同じく、空っぽなんだ」
アリューゼはそう独り言のように呟くと、「じゃ、俺は一足先に、あのロンベルトの所へ行く」
と言って、足早にその場を去ります。その後を黙ってマルディアが付いてゆきます。
【こうして、アリューゼとマルディアは夜の闇に姿を消したのでした】
>ガウディさん
フローネの形見の指輪への封魂の術が終わると、ガウディの心の中に「ありがとう」という
フローネの声と、嬉しげな思念が伝わってきます。
フローネはこうして死してもガロと一緒に行動できることを真に望んでいたのでしょう。
ルーンルーンはギルバートの亡骸の前で泣いていましたが、その最中、ガウディには見えます。
ギルバートの魂がルーンルーンの中に入っていったのを。
ルーンルーンは泣くのを止め、ガウディに寄り添います。
そして、ガロに告げます。「ガロさんの気持ちを考えたら、あなたに復讐する気なんてありません。
ただ、ギルバートさんも私と共にいます。ガロさん、それでいいですか?」
【こうして、ギルバートの魂はルーンルーンの体内に吸収されたのでした】
>フリーザさん
ジェラード王女のグールとしての遺体、ギルバート、フローネの遺体のある中、
街道を一人の女性が馬で駆けてきます。それは、エージェントのダイアナです。
ダイアナはその有様を見ると、何が起きたのか察したらしく、馬を降ります。
一行の厳しい視線の中、ダイアナはフリーザにつかつかと寄って、彼を抱きしめます。
「フリーザごめん! 私はあなたを捨て駒として見ていた。
信じてくれないかもしれないが、私はあなたが生きていて嬉しい」
ダイアナの豊満な胸がフリーザに当たります。そして、小声になり、こう告げます。
「この件はガノッサ様へ使い魔で連絡して。そして、あなたはヴァルキリーのレナスを追って。
あの女神がキーパーソンよ! その為にアルトリアの山岳遺跡に急いで」
【そう告げると、ダイアナはまた馬に乗り、夜道を駆けてゆくのでした】
>ALL
さて、ガウディさん、ガロさん、フリーザさんはアルトリアに戻る訳ですが、
その途中でアルトリアの騎士団の一行に遭遇します。
騎士団の隊長は次期騎士団長と目されているロウファです。
彼は一行を見て、ガロに手配書をかざして尋ねます。
その手配書にはギルバートの人相書きが描いてあります。
「ジェラード姫がこの二人によってさらわれたと通達があったんだが、君たちは何か知らないか?」
騎士団の総勢は十人。その時、ルーンルーンが「ギルバートさん!」と叫びます。
ロウファはそれをみて不審そうな表情になります。「何か知っているのか?!」
さて、ここで、三人はどう答えますか?
196フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/03/02(金) 01:34:43 O
>195
アリューゼとマルディアはこの場から去っていった。
休まずに行って大丈夫なのかと思ったが、あの二人は歴戦の勇士。
自己管理はできていると思う。
その調子でロンベルトを殺してくれたら、こっちは万々歳だ。

ガウディがガロの持っていた指輪にフローネの魂を入れ終る。
もう、ルーンルーンも泣いてはいない。

馬の蹄の音が遠くから聞こえてくる。
だんだんとこちらに近付いてくる。
誰かがこちらにやってきているのだろうか?
ギルバートやフローネ、グールの死体を見られたら面倒になりそうだ。
だが、その心配は杞憂に終る。
馬から降りてきたのはダイアナだったからだ。

>「フリーザごめん! 私はあなたを捨て駒として見ていた。
>信じてくれないかもしれないが、私はあなたが生きていて嬉しい」
ダイアナは馬から降り、フリーザを抱き締める。
ダイアナの胸の中にいるフリーザの表情は冷たい。

>「この件はガノッサ様へ使い魔で連絡して。そして、あなたはヴァルキリーのレナスを追って。
>あの女神がキーパーソンよ! その為にアルトリアの山岳遺跡に急いで」
ダイアナは小声でフリーザにそう告げると、さっさと馬に乗って行く。

「残念ですが、ダイアナ。
 もう、その必要は無いのですよ」
確実に手に入るかどうか分からないレナスより、手元にいるルーンルーンの方が遥かに重要。
それに、ガノッサは信用できない。
この一件はロンベルトやガノッサ、さらにはダイアナやギルバートまでもが確かな内容は知っていたのだろう。
知らないのは、捨て駒に使われたフリーザだけ。
フリーザは背に掛けた弓を手に取り、弦に矢を掛ける。

「死になさい」
フリーザは弦を矢と共に強く引いた後、手を弦から離す。
狙いは馬に乗って走り去っていったダイアナだ。
そして、フリーザは肩に乗っていた使い魔のオウムを片手で乱暴に掴み、空いたもう片方の手で矢筒から矢を掴む。
197フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/03/02(金) 01:36:23 O
「このフリーザ様を怒らせたことを後悔させてやるぞ……ガノッサめぇ!!」
矢をオウムの口の中に突っ込み、貫通させた後、地面に投げ捨てて踏み潰す。
このことの意味することは、ヴィルノアからの離反。
フリーザは悟ったのだ。
本来、捨て駒にされる筈のフリーザが生きていても、ロンベルトやガノッサにとって有害なだけ。
使える情報だけを絞り取り、その後にはフリーザを殺すのだろう。
仮に殺されなかったとしても、貴族の位を剥奪され、ヴィルノアから追放されるかも知れない。
だが、それはフリーザにとって、殺される以上の屈辱だ。
どっちにしてもヴィルノアには居られない。
そう考えたフリーザは自分からヴィルノアを捨てたのである。

フリーザはヴィルノアを捨てた今、どうするかを改めて考える。
このまま傭兵として暮らしていくか、神の力をルーンルーンを利用して手に入れ、ヴィルノアを支配するか。
この二つの考えがフリーザの頭の中に浮かび、フリーザは迷うことなく後者を選んだ。
神の力を手に入れて、ヴィルノアだけでなく、ミッドカルドやアースガルドにヨツムンヘイム、さらには夜空に輝く星々をも手に入れる。
フリーザはそう決心するのであった。


この場にいても仕方がないので、フリーザ達はアルトリアに向かって歩き始める。
その途中、騎士団の一行に遭遇した。
彼らはジェラード王女を誘拐した人物、ギルバートを探しているらしい。
ギルバートの似顔絵をこちらに見せ、それにルーンルーンが反応してしまった。

「えぇ、知っています
 ずっと前に酒場で人を集めているその人の姿を見掛けました。
 確か、ロンベルト様の直々の命令によって人を集めていると言ってました」
フリーザは適当に騎士達に言った。
198ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/03/03(土) 20:02:41 0
>195-197
>ガロに握手を求めます。
「ん、あ、あぁ・・・。」
何となく流されるままに、極夜を鞘に収めるとその手で握手に応じる。
これが、《死神》か。一人で自嘲してやがるな・・・・・・。
「でもな、空っぽならそれから先埋めていけばいいだろ?」
意味はてめぇで考えろ、とだけ言って見送る。
ただ、フローネの事を気にするあまりにそのときのフリーザの行動は目に入っていなかった

とりあえずフローネの遺骸を背中に背負ってアルトリアまで戻る事にした。
一応、死に顔が汚れていると可愛そうだから顔を拭っておいてやってから。
そしたら向こうから土煙みたいなもんが・・・・・・、ってヤバイな。騎士団か。
下手な事言って疑われたら、縛り首かもな。
>「ジェラード姫がこの二人によってさらわれたと通達があったんだが、君たちは何か知らないか?」
「いや、その手配書じゃ一人だろ。」
とだけツッコミ。いや、別にどうでもいいんだが。
>「何か知っているのか?!」
「あん・・・?いや、オレは別に知らないな。ただまぁ、酒場に居たってのはオレも見たよ。
何言ってたかはよく覚えてないけどな。まぁ、なんなら《一人で酒場に酔ってみたらどうだ?》
まぁ、オレは南楼飯店にいるぜ《一人で訪ねてきたら何か思い出すかもな》。」
意味ありげに喋る。これでロウファの興味が引ければいいが・・・。
まぁ、多分そんな頭の悪い奴じゃなさそうだし大丈夫だろう。
それだけ言って、オレはアルトリアに向かってまた歩き出した。
199ガウディ ◆pFxfaden2k :2007/03/04(日) 17:37:26 0
>195-198
>フローネの形見の指輪への封魂の術が終わると、ガウディの心の中に「ありがとう」という
>フローネの声と、嬉しげな思念が伝わってきます。
 心中で、フローネの思念に「それはどういたしまして」と返事をし、
どうやらまだ泣いているらしきルーンルーンの様子を伺う。
調度、ギルバートの魂がルーンルーンの中に入っていくところだった。
正直、ルーンルーンの内に女神の精神が同居しているということに対しては、疑いを捨てきれずにいた。
だが、あんなものを見てしまっては、もう信じるより他にあるまい。

 アリューゼとマルディアが去っていった闇から、蹄の音が響く。 
馬に乗ってやって来た女に、どうも見覚えがある。確か……酒場でフリーザと共にいた女性だ。
女は暫くフリーザと会話をした後、再び馬に乗って去っていった。
フリーザとはまだ暫く行動を共にすることになりそうだ。
あの女も探るか、と使い魔を呼び出そうとした、その時。
フリーザが去っていく女性に向け、矢を放った。更に、オウムまで刺し殺す。
……一体、あの女は何の話をしていったのだろう。フリーザが、自らヴィルノアとの繋がりを絶つとは。
注意を払う対象が減って楽になった、とも思うが……
もしも自分がオウムを追跡していることが知られていたら、こいつに殺されていたかも知れない。
そう考えると、何とも薄ら寒い気分になった。

 そんなこんなでアルトリアまで戻る道中、騎士団らしき一隊に出くわした。
>「ジェラード姫がこの二人によってさらわれたと通達があったんだが、君たちは何か知らないか?」
 人相書きを見て、ルーンルーンがギルバートの名を叫ぶ。
「彼らが言うとおり、その男なら酒場に居た。ところで、素朴な疑問がある。
姫君を誘拐されているなどという情報を得体の知れない旅人に話して良いの?
他国に洩れては都合が悪いんじゃない」
 実際は姫君はグールになってしまったわけだが、そんなことは騎士団の知る由もない。
他国に人質にしているとはったりをかまされ、脅されでもしたらどうするつもりなのだろう。
200代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/03/04(日) 23:36:55 0
【ジェラード捜索のロウファの各PCへの対応】
>「えぇ、知っています
>ずっと前に酒場で人を集めているその人の姿を見掛けました。
>確か、ロンベルト様の直々の命令によって人を集めていると言ってました」【フリーザ】
「何? ロンベルト様だと?」そして、ロウファは腕を組みます。その表情は曇っています。
「やはり噂は本当だったのか?」そして、ロウファはフリーザに「ありがとう」と言います。

>「あん・・・?いや、オレは別に知らないな。ただまぁ、酒場に居たってのはオレも見たよ。
>何言ってたかはよく覚えてないけどな。まぁ、なんなら《一人で酒場に酔ってみたらどうだ?》
>まぁ、オレは南楼飯店にいるぜ《一人で訪ねてきたら何か思い出すかもな》。」【ガロ】
ロウファの目つきは一瞬険しくなりますが、すぐに元に戻ります。
そして、他の騎士に悟られないようなかすかな仕草ですが、ガロへウインクします。
「分かった……。君は何も知らないようだな……」

>「彼らが言うとおり、その男なら酒場に居た。ところで、素朴な疑問がある。
>姫君を誘拐されているなどという情報を得体の知れない旅人に話して良いの?
>他国に洩れては都合が悪いんじゃない」【ガウディ】
「お嬢さん、そんなことまで心配してくれてありがとう」ロウファは微笑みます。
「だが、これは国王陛下直々の命なのです。国王陛下は半狂乱になっているのですよ。
僕は陛下の命令に従うのみ。お嬢さんの諫言はとてもありがたいのですが、これも任務なのです」

こうして、ロウファ率いる騎士の一行は馬で街道を急いで進んで行きます。
ロウファは最後に一行に対して「情報ありがとう!」と言って去って行きます。

【フリーザへのレス返し】
>「死になさい」
馬上のダイアナに放たれたフリーザの矢は、ダイアナの胸に刺さります。
ダイアナは落馬します。「フリーザ……お前はこの私も裏切るの……!」
それがダイアナの最後の言葉になり、彼女は絶命します。
その遺骸にルーンルーンが近付いて行きます。「この人も……」
そして、ガウディには見えますが、遺骸から魂がルーンルーンの体内に入ってゆきます。
「この人も国家というしがらみでもがいて、散っていった人です」

>神の力をルーンルーンを利用して手に入れ、ヴィルノアを支配するか。
その考えがフリーザの脳裏に浮かんだ瞬間、ルーンルーンが静かにフリーザの肩に手をやります。
そして、黙って俯いて首を振ります。ルーンルーンは威厳のある声でフリーザに言います。
「フリーザさん。私は辛うじてブラムスの力を借りて、オーディンに逆らっているに過ぎません。
そして、この娘を仮の宿として、このミッドガルドを彷徨う放浪者に過ぎないのです。
あなたに助けられたことは感謝します。しかし、あなたの期待には私は応えられないのです。
あなたはこれからは自由に生きてください! 国家、神々そういうものに縛られず!」
201代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/03/04(日) 23:40:19 0
【アルトリア城下町にて】
>ALL
一行が昼過ぎに城下町に入ると、街中が変です。人がひそひそと噂しあっています。
その中の一人に尋ねると、こういう答えが返ってきます。
「ジェラード王女がグールパウダーを飲まされた遺体で街道沿いで見つかって大騒ぎだし、
あの名宰相のロンベルト様が《死神》アリューゼの凶刃で殺されたんだ。
そして、その時、あの運命の女神ヴァリキリーがアリューゼに味方したそうだ。
一体女神様って何を考えているのかねえ?
アリューゼは騎士団長様まで手をかけようとしたんだが、逃げられないことを悟ったのか、
自刃して果てたそうだ。そして、その加勢をした女傭兵と弟ロイを牢に入れたそうだ」

>ガロ
ガロが南楼飯店で待っていると、フードを被った騎士風の男が隣に座ってきます。ロウファです。
「さて、アリューゼさんのことを君は知っているんだろう? 僕に真相を話して欲しい。
機密は守るし、どんな言葉があろうとも、君の安全は保障する。頼む! 教えて欲しい。
僕にはアリューゼさんがあんなことをする人には思えないんだ……」

>ガウディ
ガウディがルーンルーンを伴って「幸せのコイン亭」に入ろうとすると、黒髪で薄い紫の目の、赤い宝石がついた杖を持っている若い男、そう、ルイスが重装備でカウンターで飯を食っています。
ルイスはガウディに気付くと、「ガウディ!」と叫んで、抱きつきます。
「ガウディ心労かけたな……。だが、すまぬ。
兄貴としてまだ私はやらなければならないことがあるのだ。ヴァルキリーを追う! それが私の使命」
ガウディは思い出します。兄ルイスは言い出したらきかない男であったことを……。
ルイスは更に言います。「なあ、ガウディ。私に付いてきてくれるな?」

>ALL
【さてGMである私のレスもこの辺りでいいのではないでしょうか?
フリーザ、ガロ、ガウディの各氏はエピローグを書いていただければ幸いです。
ロウファ、ルイス、ルーンルーンの各NPCはGMの手から離れて、各氏の書き方でいいと思います。
これから、ロウファはアリューゼの弟ロイとマルディアを救出するために奔走しますが、
それはまた第二部(あるのか?)の話です。それでは、皆さん、《あとがき》でお会いしましょう】
202フリーザ ◆.V5YZMFlEU :2007/03/05(月) 01:00:55 O
>200-201
フリーザはベッドの上で、昨日の夜にルーンルーンに言われた言葉を思い出す。
不死者王であるブラムスの力を借りて、オーディンに反逆する為にルーンルーンに乗り移っている。
それ故にフリーザには力を貸せない。
自由に生きろと、ルーンルーンの中にいるシルメリアは言っていた。

ここで疑問に思うところが出てくる。
何故、シルメリアはオーディンに反逆しているのか。
天敵である不死者の王、ブラムスがシルメリアにどんな理由で力を貸しているのか。
アース神族にとっての絶対者であるオーディンに、反旗を翻すというからには余程の理由がある筈だ。
この事実をガノッサに報告をしなければ。
そう考えて、フリーザがベッドから起き上がった時、自分が昨日してしまったことを思い出した。
ガノッサの使い魔を殺し、ダイアナをも殺す。
ヴィルノアへの裏切り。

フリーザは再びベッドに寝っ転がる。
今にして思えば激情に身を任せて、とんでもないことをしてしまったと思う。
だが、ジェラード王女の件で自分が捨て駒にされたように、ガノッサ達は貴族であったフリーザの命を消耗品としか見ていない。
使い捨ての道具のように扱われるのは、もう、嫌だ。

「う…う………」
フリーザは泣いていた。
フリーザのプライドは先の件により傷付けられ、既にズタボロの状態であった。
時間を置いて冷静に考えた時、激情によって堪えていた悔しさが、フリーザの心のダムを決壊させたのだ。


随分と泣いていた。
フリーザは服の袖で涙を拭くと、ベッドから起き上がる。
いつまでも泣いてはいられない。
フリーザにはやることがあるのだ。
シルメリアの言っていたように自由に生きる。
国家や神に縛られずに生きる。
そう、神をも越える強大な力を手に入れて全てを支配するのだ。その為には……

「俺は人間を辞めるぞぉぉぉ、ガノッサァァァァァ!!」
その昔、聞いたことがある。
不死者王ブラムスはオーディンに匹敵する力を保持していると。
ならば、不死者になり、ミッドガルドを支えるドラゴンオーブを手に入れることができれば、神をも越えることができるかも知れない。
フリーザのこれからの目的は決まった。
グールパウダーとは違い、自身の思考を保ったまま不死者になる方法を探し出す。
そして、不死者となるのだ。
全てを支配する為に。
203ガロ ◆zAyjllBm/g :2007/03/05(月) 14:31:29 0
>200-201
アルトリアについてから、オレはしばらく酒場で時間を潰していた・・・。
>ガロが南楼飯店で待っていると、フードを被った騎士風の男が隣に座ってきます。ロウファです。
「来たな。まぁそんな気負うなよ。全部話してやる。それが、あの《死神》の遺志だからな。」
あまりおおっぴらにできる事ではない以上、大声ではないがロウファに全て話してやる。
ロンベルトがヴィルノアのスパイである事、ギルバートを手駒にして人を集めさせ、ジェラード王女誘拐の片棒を
担がせた事。途中で不審に思ったオレや仲間の一人が箱を開けた事。ギルバートが妙な薬(グールパウダー)を王女に飲ませたこと。
王女はグールと化し、ついには死んでしまった事も。ギルバートはオレが殺した事も。
「あの《死神》は王女サマと知り合いらしいな。だから尚更ロンベルトを許せなかったんだろうな。
オレも同じだが・・・止められてな。」

「さ、洗いざらし話したし。後はこの話をアンタがどう判断するかは自由だ。悪いが、オレを拘束するつもりなら抵抗するぜ?
まだ、遣り残した事もあるんでな。」
左手の薬指にはめた指輪を軽く撫でてから席を立つ。店を出る間際、ロウファの方に軽く振り向いて言う。
「例え、どんな家名を背負おうとアンタはアンタだ。アンタは風に吹かれっぱなしの草じゃないんだろ?
 自分のやりたい事をやればいい。少なくともあの《死神》はそうして生きたと思うんだけどな。」


・・・所変わって、ここはアルトリア郊外の名も無き草原。
今宵の月は血のように紅く染まり、時折吹く強風が自分を苛むようだ。
足元の簡単な墓石の下には、背負ってきたフローネの遺骸が埋めてある。
「・・・・・・、こんなのは感傷なのになぁ。」
昼間の商店で買ってきた花を墓の前に添えておく。
「なぁ、結局オレは何をしてたんだか・・・。オレが勝手に巻き込んで、お前を死なせる羽目になっちまって。
結局、オレは何なん」
『不良品、だな。』

「――ッ!?」
振り向いたオレの胸元に、鎧を突き破って黒い刃が突き刺さる。
闇の中でも闇と混ざって判別のつかないその剣は、紫炎をまとっていた。
顔は、漆黒の鎧と兜に遮られて見えない。これは、極夜?いや、違う。刀じゃない、両刃の剣だ。
『ヘル様の御手により命を授かりながら、成すべき使命を忘れてもらっては困る。』
ソイツの胸元に輝くのはヘルの紋章のペンダント。そこが紫炎の出所だ。

あぁ、そうだ。・・・おぼろげに思い出してきた。そう、確かオレの最初の記憶・・・。

【オーディンは、人間とのハーフであるが故に成長するという力を持っていました。】
《・・・だから?》
【我々神族や、その眷属は生まれ持った力以上の力を持たない。しかし、もしも成長する力を持てば・・・】
《・・・。》
【人間と我々の血を持つものをすり合わせ、記憶を剥奪した上で手駒として操るのです。】
《そして、人々の魂を狩り集める、か。》
【人間の血が混ざっている以上、鬱陶しいアース神族もそうそう気づきますまい。】
《・・・よかろう。ふふ、まるでオーディンに対するヴァルキリーのようだな。》
【さて、それは成長次第ですな。幾多の経験を経たならば其奴は・・・】

「・・・あ、お前、は・・・・・・。」
『お前は再び作り直される。安心しろ、ヘル様の手駒となる以上苦痛は与えられまい。』
「フ、ロー・・・ネ。・・・参った、な・・・・・・。」
剣を伝った紫炎がオレの全身を這い回っていく。やがて、それが収まると。そこには漆黒の鎧の影が二つ。
漆黒の鎧を着たある片割れには、胸元にヘルの紋章のペンダント。左手の薬指には鷲の紋章の指輪が嵌められていた。
漆黒の剣を持つ片割れは、兜の奥で蒼く燃える目で冷ややかに片割れを眺めている。
『あのロンベルトという男の魂、狩り集めてやろうと思っていたのだがまぁいい。次の獲物が待っている。行くぞ』
「あ゛、あ・・・・・・。」

紫炎が吹き上がり、やがてそれも消える頃。
草原には一本の刀と、簡単な墓石。それに添えられた花だけが揺れていた。
闇のそこに蠢く悪意を、まだ。人も、神も、知る事は無い。
204ガウディ ◆J/ZoJAt3T2 :2007/03/10(土) 08:03:38 0
「兄貴は本当に自分勝手だね」ガウディは「付いてきてくれるな」と言ったルイスに対して言った。
「私がどんな思いで兄貴を追いかけたか知らないの!」その言葉にルイスは黙ってしまった。
「ヴァルキリーか、何か知らないけど、そんなに大事なことなの?! 兄貴の命より……」
ルイスは改めて口を開いた。「ああ、大事なことだよ。だってラグナロクが迫っているのだから……」
ルイスの目はもうこれしかないという目をしている。ガウディはため息をついた。
(一体、私が兄を探してこれまで旅してきたことは何だったんだろう……)
そこでガウディは気持ち的に吹っ切れたのだった。兄と私の人生は違うのだな、と。
「兄貴、私は兄貴に付いていかないよ……。兄貴は兄貴、私は私。それぞれ別の道だね」
呆然と立ち尽くすルイスにガウディは告げた。「命だけは大切にね……」
そうして、ガウディは「幸せのコイン亭」を連れのルーンルーンと共に後にしたのだった。

ルーンルーンは南楼旅館にガウディを引っ張った。「何? ルーンルーン?」
「フリーザさんがいます。私の中にいるダイアナさんが会いたがっています」
建物の前に来ると、ルーンルーンは入ろうとしない。「どうしたの? ルーンルーン?」
「ここでいいんです。ダイアナさんの魂もフリーザさんのその後を知りたいだけだから……」
すると、大声で「俺は人間を辞めるぞぉぉぉ、ガノッサァァァァァ!!」という声が聞こえた。
ルーンルーンは悲しそうに言った。「フリーザさんのその願いが叶うといいのですが……」

その後、ルーンルーンはアルトリア郊外の名も無き草原にガウディを案内した。
草原には一本の刀と、簡単な墓石。それに添えられた花だけが揺れていた。
「ここに何があるの? ルーンルーン」すると、ルーンルーンは悲しげに微笑んだ。
刀を指差すルーンルーン。それは紛れも無く、ガロの愛刀「極夜」だった。
「ガロさんはここでフローネさんを埋葬してどこぞへ行ったの?」ガウディは聞いた。
ルーンルーンはこくりと頷いた。「ええ、私たちからは遠い所へ行ってしまいました」
「でも……」「でも?」「優しいフローネさんと一緒だからきっと大丈夫だと思います」
草原の風は穏やかだった。ガウディはガロの無事を切に願ったのだった――

「さて、これからどうするの? あなたはこの世に存在しないはずのヴァルキリーでしょ?」
街道を歩きながら、ガウディはルーンルーンに尋ねた。
「ブラムス様の許へ行きます。私の真の理解者の所へ……」
「旅は道連れ。私もついていっていいかな?」ガウディはルーンルーンに尋ねる。
「この私、シルメリアに肉体を提供しているルーンルーンを頼みます。
私、シルメリアが覚醒していられるのも後、僅かなのです。
ブラムス様の下でまた眠りにつかなければ……。それまでガウディさん頼みます」
「わかったわ」ガウディは笑顔で答えた。
マルディアのことが気がかりだったが、あの女傭兵のことだから、何とかやっていくだろう……。
ガウディはそんな気がした。太陽が真上に昇っている。今日も暑くなりそうだった。
(とりあえず、ルーンルーンに付き合おうかしら?)ガウディはそう思い、街道を歩き出した。
【ヴァルキリープロファイルRPG〜第一部〜 了 】
205代行GM ◆J/ZoJAt3T2 :2007/03/10(土) 08:05:55 0
【あとがき】
まず、フリーザ、ガロ、ガウディ、ルーンルーン、カズト、マルディアの六人のPCにお礼を。
版権モノで、マイナーな部類に入るゲームだと思ったのですが、六人も参加して頂いて恐縮してます。
GM的にも強引なマスタリングで、完走できなかったPCには本当に申しわけなく思っています。
ですが、それぞれのキャラにそれなりのエンディングを迎えされることが出来たのは嬉しく思ってます。
各キャラに一言最後に述べさせてもらいますね:
【フリーザ】正直、ガノッサやロンベルトの部下という設定で、GM的にも指示が出しやすかったです。
ただ、PL的にもっと自由闊達なキャラがやりたかったのではないかと、ちと反省しています。
【ガロ】正直フローネとの絡みは最初考えていませんでした。
ちょっかいを出そうとフローネを出し、あの悲しい別れのシーンまで持って行けたのは気に入ってます。
【ガウディ】兄を追いかける目的がはっきりしていて、ナビを出しやすかったです。
ただ、最後の感動の兄との再会で、兄貴が馬鹿だったのが、失敗だったかなと反省しております。
【ルーンルーン】最初はフレイアの地上での化身にしようかと考えていました。
VP2の攻略本を読んで、アリーシャをパクろうと決定しましたが、中途半端でした。
【カズト】この方の途中退場は非常に申し訳なく思っています。
由衣との絡みとか色々考えていました。倭国で幸せに暮らしたと願いたいです。
【マルディア】最後は牢に入れられましたが、アリューゼとの絡みで仕方がないと思いました。
戦線で突破口を開いていく姉御の傭兵のイメージでNPC化しました。
それでは、参加者の皆さん、そしてROMってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
ヴァルキリーの世界は大好きなので、また今度、第二部も始めるかもしれません。
(その場合はVP2の港町ゾルデからまっさらの状態で始めるかもしれませんね)
TRPGスレの中で完走できたことを誇りに思っております。またどこかでお会いしましょう!
206名無しになりきれ:2007/03/15(木) 15:21:51 0
完走おめでとう
207名無しになりきれ:2007/04/01(日) 17:22:45 0
おめでとうございます
またどこかでお会いしましょう
208名無しになりきれ:2007/04/01(日) 17:45:00 0
終わったスレを上げるやつは荒らし
209名無しになりきれ:2007/04/12(木) 16:22:00 0
このスレの要約

3ヶ月かけたオナニー
210KASU!!
はい保守