1 :
名無しになりきれ:
ほしふり村は、ファンタジー世界の小さな村です。
人間の他にもドワーフやエルフ、ゴブリンなど、様々な生き物が住んでいます。
魔法使いや、人間に化けたモンスターも住んでいるかもしれません。
村の周りには、まよいの森やしんぴ的な泉、こわいドラゴンの棲む山など、いろんな地形があります。
少し離れたところには、この辺りの地域を統治するお城もあります。
たまにお城の人たちが村に視察に来ます。おうさまの遣いは、最近はマオウが平和を脅かしていることに頭を痛めているようです。
しかし、ほしふり村のみんなにはそんな事はあまり関係ありません。
そのうち、ゆうしゃ様か誰かがポッと出てマオウをやっつけてくれるんじゃないでしょうか。
村のみんなにはそんな事より、今年の秋は豊作かどうかとか、誰かと誰かの恋愛話とか、今日の晩御飯は何を食べようとか、
そういうもっともっと大事なことがあるのです。
はてさて、今日は、村にどんな出来事が起こるでしょうか?
2 :
名無しになりきれ:2006/08/14(月) 15:04:56 BE:225456285-2BP(0)
【村のきまりごと】
いち:決定リールOK。ただし、後手キャンセルもありです。
にい:ご新規さんには参加しやすい環境を目指します。
さん:名無し妖精さんのネタ振りは推奨です。ただし、村のみんなは空耳癖がるので、
あまりにへんなネタ振りは聞こえずに流してしまうでしょう。何が聞こえて何が聞こえないかは村人次第です。
よん:5日を過ぎても音沙汰のない村人は、決定リールでかってに体が動いてしまうかもしれません。
1週間を過ぎても音沙汰がない村人は、きっといつの間にか村を出てしまったんでしょうね。
ごお:最強厨でも設定厨でも初心者でも、どんな人でも入村大歓迎です。村人や村の名無し妖精さんは寛容なのです。
ろく:細かいことは気にせず、のんびりしましょう。せいごう性よりふんいきです。
なな:後手キャンセルで、何でも何とでもなります。
この村に、叩いたり怒ったりするに値することはいっこもありません。
はち:村人がイベントを起こすのも大かんげいです。自分語りもありです。何でも何でもありです。
3 :
名無しになりきれ:2006/08/14(月) 15:05:43 BE:78910627-2BP(0)
村民テンプレ
名前:
種族:
性別:
職業:
外見:
身長:
体重:
好きなもの:
嫌いなもの:
キャラ解説:
今日もいい天気。
雲一つ出ていない青空。
こんな日はいつもいいことがある。
例えば美味しいご飯が食べれたとか、いっぱいお昼寝できたとか。
今日は何が起こるのかな?
名前:ルシフェル
種族:天使
性別:女
職業:専業主婦
外見:脇の下まで伸びた蒼い髪、深紅の瞳を持つ。
背中には十二枚の翼を保有し、黒を基調とした服を好む。
身長:138cm
体重:28kg
好きなもの:夫、お昼寝、三度の食事
嫌いなもの:博打、ケンカ、荒くれ者
キャラ解説:普通の専業主婦の天使。夫のミカエルは村の役場で働いている。
子供はまだ産まれていないし、産むつもりもないらしい。
期待あげ
名前:ポギー
種族:リス
性別:♀
職業:森の人気者
外見:薄茶に白いストライプ
身長:9cm
体重:490g
好きなもの:どんぐり
嫌いなもの:煙草の臭い
キャラ解説:村の広場の木に住んでいるリスの女の子。
魔女のノキア婆さんが、うっかり零した魔法の薬でポギーは人間の言葉を喋れるようになった。
ちょっぴり生意気だけど、本当は淋しがり屋で甘えん坊な生後6ヵ月。
名前: ロプトウス
種族: 古代竜族
性別: たぶんオス
職業: 地竜→暗黒竜→百姓竜
外見: 漆黒の鱗を持つ有翼ドラゴン、目が赤い
身長: 40cm(全盛期は約60m)
体重: 32kg(全盛期は約25000t)
好きなもの: 世界征服
嫌いなもの: 正義の味方
キャラ解説:
古代竜族の一派である地竜族にして、人々の死と絶望を糧とする暗黒竜。
かつて異大陸にその呪われた血をばら撒いて戦乱を起こし
人々を恐怖のズンドコに叩き落したが、
2000年前、大盾王アーダンに敗れその力の殆どを封印されてしまう。
今は裏山でダイコンを作りながら復讐の機会を窺っているとか何とか。
なんか小さい奴ばっかりだなぁww
てか人間がいないwwww
名前:ハマー
種族:チキンドラゴ
性別:♂
職業:無職
外見:二足歩行の鵜コッケイ
身長:187cm
体重:50kg
好きなもの:カラオケ、剣
嫌いなもの:暇
キャラ解説:ちょくちょく村の高台で叫ぶウコッケイのハマーはとにかく発声が大好き。
剣術と歌唱力には自信があるが、単細胞のため他に興味がない
∇月×日
ずっとアメがザーザー・・・
アタシのシッポがしおしおになっちゃうから、アメはキライ・・・
ムラのみんなも、なーんかドンヨリしてるし、タイクツだなぁ・・・
〇月◇日
ピッカピカのいーてんき♪
もーすぐムラのオマツリがあるんだって。
アタシはまだオマツリがどんなのか、ぜーんぜんシラナイからタノしみだッ♪
□月☆日
スズシイね、くもりッ
アタシのすんでるキに、なんだかイッパイくっつけてる。
キラキラしてて、とってもキレイ。
アタシのオウチがとってもにぎやかになったよ♪
聖剣伝説みたいな曜日感覚希望
ポギーの目の前に突如矢文が飛んできた
>5>8
「期待あげ……?」
ルシフェルは朝から頭を捻っていた。
朝の習慣である、家の外に設置してある郵便受けから新聞と手紙を取り出しに行く。
今日は新聞の他には葉書が一通しか来てなかった。
リビングに戻ってミカエルに新聞を渡し、椅子に座って葉書を見る。
送り主は不明。
葉書の裏を見ると、大きく期待あげとしか書かれていない。
「……期待あげって……油揚げみたいな食べ物かな?」
『それはないだろ。』
こんな平穏なやりとりが続く中、その平穏を切り裂く恐怖がやってくる……
「お願いっ!行かないで!!」
『すまない……行かなければならないんだ……』
……ミカエルの役場への出勤の時間。
二人はいつもこんなことをやっている。
「なら…いってらっしゃいのキスが欲しいよぉ……」
『分かった。』
そして二人は濃厚な口付けをする。
ルシフェルとミカエルの身長の差は、大体40cm位はある。
その為、ミカエルは屈んでキスをしなければならない。
長々とした口付けが終わり、とうとうミカエルは仕事に行ってしまう。
因みに職場はこの家から約50m離れた先である。
『行ってきます。』
「いってらっしゃい。」
ミカエルは愛妻弁当を片手に仕事に行った。
暫く掃除をしてると、どこかからちっこい奴だって声がしてきた。
(私じゃないもん……私じゃないもん……)
ルシフェルは小さいということを結構気にしているのだった。
名前: 血まみれ勇者
種族: 人間
性別: 男
職業: 英雄
外見: 鎧兜と血塗れの剣、全身返り血だらけ、常に
身長: 180cm
体重: 90kg
好きなもの:怪物退治
嫌いなもの: 存在意義の消失
キャラ解説:怪物はっ!どこだっっっ!!
ハマーは目を覚ますやいなや、寝起きでジャンプした。そりゃもうすごい速さで
ハマーは朝早くからコケーって叫んだ。
ハマーは愛刀『のりこ』を携えて家を飛び出した。
駆ける、駆ける。自分の家から村の高台まで一直線に駆ける
高台を視認した刹那、自らの脚力と両腕をはばたかせ一気に掛けのぼる
「コケ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
頂上に着くと、そこにある大きな鐘に全力で『のりこ』を叩きつける
染み渡る音色に恍惚の表情を浮かべ、ハマーの一日が始まった
剣を片手に物凄い勢いで駆けて来るハマーさんに
「オハヨウゴザイマス」とだけ挨拶をし、そそくさとその場を離れる事にする。
アレは、、、あれはかなり怪物っぽいかな、でも違うかもな。要注意かな。
森でハマーさんとも出会う
相変わらずxxxですね、と言ってみた、なんと言ったかあまり覚えていない。
とても怒っていた。でも何を言ったか覚えていない。
アレが、怪物?まさかっ!
でも、怪物は意外な格好をしているのかも。ひょっとして、もしかすると…。
尋ね事なら、そう、やっぱりここだろう、と
役場で羽根の生えた娘さんに、相談してみた
一等凶悪で性質の悪い、怪物は村のどこへ行ったら合えるでしょうか、と。
とても不思議な返答を受けた。そうか、それはなるほど。いやしかし?
彼女もまた怪しくないが故に怪しくて仕方が無い。目を離すまいよ。
裏山へと歩き続けると、
ああ、何てことだ、彼はそこにいた
もう、見紛う事無き、純悪。怪物その物。
私が英雄である為の不可欠の存在、焦がれるほどに探しつづけた存在。
だが待てよと、彼は今のところ単なる百姓ドラゴンに過ぎず、
彼を打ち倒したところで、果たして私が存在し得るだろうか。
彼には巨悪になってもらわねば、いまよりずっと、もっと。
なので、今日は挨拶だけして帰ってきた。
>16
レス番付けたほうが良いよ
二回目はハマーじゃなくてポギージャマイカ?
役所にいるのは旦那じゃん
名前:ギ・ギ
種族:ゴブリン
性別:男
職業:猟師(見習い)兼キコリ(見習い)
外見:緑色の肌、ボロ布のバンダナと短パン、緋色の髪
身長:150cm
体重:30kg
好きなもの:イタズラ、冒険(ごっこ)、美人な人
嫌いなもの:説教、勉強、退屈な事
キャラ解説:村に住むゴブリンの少年。
と言っても姿はモンスターと言うより人間の子供に近い。
悪戯好きで大人ぶってはいるが、実際はやんちゃで育ち盛りのお子様
朝もやのなか、つやつや光った毛並みの大きな挽馬が、
荷物のたくさん載った荷車を引っ張ってほしふり村へと続く石畳の上をごとごとと音を立てて進んでいます。
背には人影はなく、黒い布を頭に巻いて、これも黒の色眼鏡をかけた男が脇について歩いていました。
馬と荷物の持ち主、フーコーです。
フーコーは挽馬に負けないくらい立派な体格の持ち主でしたが、
ことにその手は並外れて大きく、節くれだっていました。
その大きな手で馬の引き綱を握って小さな丘をゆっくりと登って行きます。
そして丘のてっぺんにつくと、村の様子がよく見渡せました。
牛が囲いの中で草を食み、その近くには畑や水車小屋。
板屋根の上の風見鶏。見たところどこにでもあるような村です。
>15
高台には鐘楼がありました。
これもまた、火事や野党の襲撃などをいち早く知らせるためにどこの村や町にもある物です。
フーコーが村に向かって一歩踏み出したとき、その鐘楼からかぁんと高く澄んだ鐘の音が響いてきました。
「いい音だなぁ」
思わず高台を見上げて呟いたフーコーは、その残響が消えるのを待ってから改めて村へと入って行きました。
名前:フーコー
種族:奇人
性別:男
職業:鍛冶屋
外見:褪せた茶色のウェーブヘアを一つに括って、だいたいは頭に黒い布を巻いている
髪と同じ色の瞳に真ん丸の色眼鏡を愛用
意外と優男
身長:188cm
体重:89kg
好きなもの:鉄いじり うまい酒 蹴球
嫌いなもの:物を粗末に扱う事
キャラ解説:ほしふり村のうわさを聞いてやってきた流れ鍛冶
>>18 なれば、このように
順はその日に会った順序なれば
>>19 左様、レスした後に気がついてどうしたものか迷いはしたが
50mしか離れておらぬであれば、遊びに来ていたのだろうと
私の中では決着済みであったでな
ごぶっ!
なんたるなんたる…。ここは怪物の桃源郷か。
これそこな少年、こちらへ来なさい。何しろ大事な話だ。
私は君を退治せねばならぬ、なんとなれば私は英雄で君はゴブリンだからだ。
君の流す経験血は、やがて魔王を倒す糧となるだろう。
…む、逃がしたか。
道行けば前から歩いてくる大男。
その男がいつ襲いかかってくるやも知れぬので、
何時だって抜き身の剣を右手に携え、身構えていると
ああ、ああ、そのまま通り過ぎていってしまう。
違うだろう、お前は目に入る物を見境無しに襲う類の男だろう?
肩を落して、裏山ヘ、百姓ドラゴンが悪事を働いていないかこっそり覗きに行く。
(
>>12>>13>>15>>21)
☆月〇日
さ〜んしゃ〜いんッ!!
キョウもいーてんきダッ♪とオモったら・・・あぶなっ!?
ヤがトンでキタよ!?ムラのコドモがイシぶつけたりするけど・・・ヤはビックリだ!!
カミがくっついてたけど、ヨめないからスてちゃった♪アハ♪
ハネのオネーさんはいつもラブ×2だなぁ・・・
アタシにもラブ×2なカレシがホしぃ・・・
とかうっとりしてたらハマーだヨ・・・
アイツいつもウルサいヨ。でもアタシの1ニチはヤツのならすオトではじまるんだな♪
ごくろーごくろー!
ムラにアタらしいニンゲンがキタ。
なんかスゴイのにノッテキタ。
オマツリにキタのかな?はやくオマツリにならないかなぁ♪
どんぐりイッパイたべれちゃったりして・・・ウッシシシ♪
>22
フーコーはとりあえずは宿を探そうと思いました。
ここに住むにしても、家がすぐに見つかるとは限りませんし、見つかるまで野宿というわけにも行きません。
そもそも野宿ならここに着くまで飽きるほどしたので、フーコーはベッドで寝たかったのでした。
ありがたいことに、探すまでもなく村に入ってすぐにシャムロックの看板の宿屋がありました。
その宿に部屋を取り、荷解きを終えたフーコーは役場の場所を亭主に聞きました。
住むにあたって空き家か、家を建ててもいい土地が無いか役場に問い合わせる必要があったからです。
役場へ向かうフーコーの前に、血塗れの鎧を着た男が現れました。
ほしふり村はとても平和なところだと聞いていたフーコーは、
これは余興かなにかの練習だろうと思い男のことを100%スルーしました。
もし違ってたら、と少し怖い考えが浮かんできましたが、
良く晴れた空を見ていると、そんな事はどうでもいいんじゃないかな、と思えてきました。
>23
役場では先ほどの血塗れの男と同じくらいの背の男が応対してくれました。
空き家は無いが土地は余っているので、家を建てても良いという事です。
フーコーは男にお礼を言って宿に引き返し、荷物からまさかりを取り出しました。
これはフーコーが自分で打った代物で、なかなかの業物でした。
「トラス!行くぞ!」
フーコーは大声で自分の馬を呼びます。普通の厩につなぐには体が大きすぎるこの馬は、
宿の近くにある牛と同じ囲いに入れられていました。遠目には姿も同じに見えます。
フーコーはトラスに空の荷車をつなぎ、村の外の森へ向かいました。
家はすぐには無理としても、仕事をする鍛冶場は早めに作らないとなりませんから、
そのために木を切り出しに行くのです。
途中で通りかかった広場では、木の上からしま模様のリスがフーコーとトラスを眺めていました。
名前:リクドウ
種族:人間
性別:男
年齢:27
職業:喫茶店店主
外見:茶髪で筋肉質のワイルド系イケメンお兄さん。エプロンがとても似合っていない。
身長:179cm
体重:78kg
好きなもの:噂話 世話を焼くこと 可愛いもの
嫌いなもの:秘密
キャラ解説:
喫茶『はばたくひよこ』のマスター。
目つきが怖くぶっきらぼうだが、面倒見の良いの兄貴肌。噂話が何より大好き。
顔は格好良いのだが、ファンシーを愛するファッションセンスは最悪。
>15>24
収穫の月、14日。快晴。
>「コケ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
>頂上に着くと、そこにある大きな鐘に全力で『のりこ』を叩きつける
「くぁ……ぁ」
リクドウはいつものように、ウコッケイの鳴き声と鐘の音で目を覚ました。
赤いハート柄のパジャマに、同じ柄のナイトキャップ。ぼんやり眠そうでもなお怖い目つきには、まるで似合っていない。
何かの罰ゲームにすら見える。
ベッドから起き上がり、寝起きで重い体を引き摺って洗面所へ行き、歯を磨く。
顔をばしゃばしゃと洗うと、目も冴えてきた。窓から差し込む元気な日差しが、今日の快晴を告げている。
良い日になりそうだ。
1階に降り、カーテンを全て開け放つ。
暗い室内が一気に太陽の光で溢れ、カウンターと数個の円形テーブルからなる喫茶店の内装を映えさせた。
喫茶『はばたくひよこ』。リクドウが村でこの店を開いてから、もう10年近くになる。
着替えて、ざっと店内の掃除を済ませる。
在庫チェックやら料理の下拵えやらの開店準備をしつつ、淹れたての珈琲で焼きたてのパンを齧る。
店内に、香ばしい香りが満ち満ちる。
食事や準備が一通り済むと、箒を持って外に出た。
客引きがてら、店の前の掃き掃除だ。クオリティの高い店とは、まず清潔で美しくなくてはならない。
見た目によらず綺麗好きのリクドウは、今週末の店内大掃除が楽しみで仕方が無い。
「……ん?」
掃除をしていると、見かけない人間が広場の方からやって来るのが目に留まった。
ぬぅっと長い長身で、頭にターバンのようなものを巻いている。大きな馬を荷車に牽かせ、ごとごとごとごと。
明らかに村の人間ではない。
「おーい、旅人さん」
リクドウは声をかけてみた。面白い旅の話の香りがする。
そのために喫茶店を開いたほどに話を聞くのが好きなリクドウは、新鮮な旅の話は特に大好物だ。
村の噂話とはまた違った味わいがある。
「ここには来たばっかりだろ?あとでウチに寄ってけよ、一杯奢るぜ。村の観光名所も色々教えるからよ」
親指で後ろの店を指し、リクドウは言った。
村に来たばかりという当て推量は、自分の耳にその噂が届いていないからだ。
この村の中の出来事に関して、リクドウの知らない事は、あまりない。
「…おっと、大事なことを忘れるとこだった」
リクドウは、笑って、言った。
「 ほしふり村へ、ようこそ。 」
>15>17>23>24
>「コケ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
元気なハマーちゃんの鳴き声と、遠くまで澄み渡る鐘の音色が、この村の皆に朝を伝える。
でも、私達の朝は皆よりちょっと早い。
ミカエルが早朝から役場に出勤しなくちゃならないから。
掃除が終った後は朝食の準備。
私はいつも朝食は一人で食べるの。
ホントはミカエルと一緒に食べたいんだけど、あの人は朝早くから仕事に行かなくちゃならないから……
私は食料庫に行って保管しておいたパンを取り出す。
食料庫には魔法が掛っていて、食材をいつも新鮮な状態に保ってくれている。
朝のメニューは何にしようかな?
食料庫の端にある棚の上に置いてある卵が、食べて♪って言ってるように見える。
今日はパンと目玉焼きにしよう。
卵を三個とパン一斤を持って台所に向かう。
パンを近くのテーブル上に置いて、フライパンを手に取る。
台所には魔法が掛っている。
蛇口からきれいな水が出たり、コンロから火が出たり。
この魔法は全部ミカエルが掛けてくれたの。
「さてと。いただきまーす。」
テーブルの上に乗っかっているのは、一斤の食パンと三つの目玉焼き。
目玉焼きは一つに固まっちゃったから三つ目焼きっ言うかもしれないけど。
パンを手に取って、そのままがぶり。
これが通の食べ方。
いつもミカエルは止めた方が良いって言ってるけど、やめられないとまらない。
そのままパンを食べ終ると、今度は目玉焼き。
これは普通にフォークを使って食べやすいように切ってから食べる。
目玉焼きはちょっと塩が効きすぎてしょっぱい。
さて、朝食も食べ終ったところだし、一仕事しに行きますか。
お気に入りの黒いドレスを着て、これまたお気に入りのアクセサリーを着ける。
アクセサリーはちょっとした腕輪。
ミカエルが初めて買ってくれたプレゼント。
昔から外出する時には着けるちょっとしたお守り。
後は、お財布とかの大事なものを持って支度は終り。
それじゃあ、行ってきます。
家を出ると、爽やかな風と眩い日光が顔を触ってくる。
今日もいい天気。絶好の仕事日和。
目指すは役場。目指すはミカエルがいる場所。
目的は暇潰し。それと……寂しいから。
役場は村の広場の近くに建っている。
私の家も村の広場の近く。
役場に行くには村の広場を横断する形になっている。
広場を横断している最中、見慣れた子がちょこんと木の上に座っていた。
「ポギーちゃん、おはよー」
ちょっと大きな声で挨拶。
ポギーちゃんが座っている場所はあの子専用の特等席。
いつもあそこに座っているのを見る。
「やっと着いたぁ……」
目の前には役場の扉。この扉を開ければ中にはミカエルが……
扉を開ける時はいつも緊張する。慣れることはないのかな?
扉を開けたら、ミカエルがちゃんと仕事をしていた。
ミカエルの仕事は困ってる人達への対応とか。
私もミカエルの仕事を時々手伝ったりすることがある。
今は困ってる人の相談を受けている。
邪魔したら悪いから、今はまだ話掛けないでいよ。
役場に備え付けのベンチに座って、ミカエルの仕事をじっくり見ていると、血に濡れた鎧の人を見掛けた。
あんな風な人は初めて見たけど、旅人なのかな?
その鎧の人がこっちの方を見ると、変な質問をしてきた。
凶悪な怪物がどこにいるかって……
「ふぇっ?うーん……分かんない」
私は少し驚いた。
まさか……あの人は……荒くれ者?!
鎧の人はその答えに満足したのか役場から出て行っちゃった。
ミカエルの方を見ると、あの鎧の人が出て行った方をじっと睨んでいた。
再び知らない人が役場にやって来た。
頭に黒いターバンを巻いた丸眼鏡を掛けた人。
どことなく悪い人じゃなさそう。
眼鏡の人はミカエルの隣の役人さん、
役職は住居や土地の管理を担当、名前は確かクマタローさん。
に話掛ける。
その会話を盗み聞きのような形で聞くと、あの人はこの村に住みたいみたい。
今日のいいことってこのことなのかな?
名前:イヴァルディ
種族:ドワーフ
性別:男
年齢:32
職業:鉱夫
外見:典型的なドワーフ・茶髭・ビア樽体型
身長:135cm
体重:105kg
好きなもの:鉱山・酒・肉
嫌いなもの:地下水・地殻変動
キャラ解説:
ほしふる村北外れにある岩山の麓に居を構えるドワーフの青年。ドワーフの寿命は200年ほどなので人間年齢に治すと20前。
口がちょっと悪いけど悪意はありません。
余り知られていないけど、北はずれにある岩山は良質な鉱物が何種類も取れる不思議な山。
イヴァルディはその鉱脈を掘りつくす為に一人奮闘中。
麓の家も実はハリボテ同然で、行動の入り口をカモフラージュしているだけのもの。
今日もツルハシふるって穴を掘る。
でもイヴァルディは方向音痴。山の鉱脈辿っているつもりがどこへやら。
気付いた時にはほしふる村地下に一大坑道が出来上がっていました。
イヴァルディはこれ幸いと坑道を使って村のいたるところへ出没します。
そして今日も元気に穴掘り中。
ほしふる村で足元から音が聞こえてきたらイヴァルディがいるかもしれません。
天然(?)の落とし穴に注意しましょう。
>15
ほしふる村北外れにある岩山。
その岩山にくっつくように建てられた家がドワーフ・イヴァルディの家です。
家の中には酒樽が散乱していて、酒臭さが充満しています。
この家の主はお酒が大好きなのです。
昨夜もいつものようにお酒をしこたま呑んでそのまま樽に埋もれて寝てしまっていました。
>「コケ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
ハマーの朝一番の叫び声と鐘楼の鐘の音は北外れのこの家の中まで響きます。
その響きと共に転がった酒樽が一つ、もとい、この家の主が大欠伸をしながら起き上がりました。
のそのそと歩き、家の外の井戸まで来ると酒臭さを取るように水浴びを始めます。
これがドワーフ・イヴァルディのいつもの朝です。
サッパリと酒気を払って、作業着に着替えてツルハシ片手に早速仕事です。
イヴァルディは鉱夫です。
今日も朝早くから岩山の鉱脈目指して穴掘りです。
穴の中は真っ暗ですが大丈夫。ドワーフは真っ暗な中でも目が見えるのです。
今まで掘った坑道が迷路のように張り巡らされていますが大丈夫。
鉱物の『臭い』を嗅ぎつけて穴を掘るのですから。
イヴァルディが鼻をひくひくさせながら真っ暗な坑道を歩きます。
どれだけ歩いたでしょうか?イヴァルディの鼻が一段と大きくひくっと開きました。
どうやら目的地が決まったようです。
でも、つるはしを肩から降ろしません。
おもむろに天井に手を伸ばすと、天井が外れてまぶしい光が行動の中に差し込みました。
>26
なぜならばそこは喫茶『はばたくひよこ』の脇の草むらだったからです。
店からは焼きたてのパンのいい匂いが漂ってきています。
穴から這い出たイヴァルディは上機嫌で店に入り声をかけます。
「リクドウ、店とは対照的に朝から目にきつい格好だな。トーストに特厚ベーコンエッグのセットを頼む!」
32 :
役場職員:2006/08/16(水) 01:40:26
>31
あ、その件でしたらそっちの窓口に並んでください。
>32
「よかろう! わが 魔皇拳の歩法 その目に やきつけるがよい!」
まるで水が流れるような動きで窓口に移動する魔皇帝!
その体から発散される禍々しい闘気に、前に並んでいる村民から冷や汗が吹き出る!
遂にその姿を現した世紀末覇者・魔皇帝!
ほしふり村は一体どうなってしまうのかぁ!?
<<続く>>
(ナレーション:千葉繁)
「このレスはゲームマスター風にお送りしておるぞ。何故か」
>>22 かあ、とカラスが鳴く声が聞こえる。
竜が棲むという山に続く道は、意外なほど綺麗だった。
都市のような舗装こそされていないものの、下草の類は綺麗に取り除かれている。
またしてもカラスが鳴いた。
君が注意力に優れた人物なら、やけにカラスの数が多い事に気付くだろうか。
山の麓で道は途切れている。
村から歩いてきた君の正面には、何か屋台のような物が無造作に置いてある筈だ。
こんな処に放置されている割には清潔に見える。
その屋根にはダイコンの描かれた看板。
君が勘に優れた人物なら、背後からのカラスの視線に気付くだろう。
だが、君がそちらに目をやった途端、カラスは飛び立ってしまう筈だ。
その瞳は、血のように赤い。
35 :
役場職員:2006/08/16(水) 02:28:50
>33
数分後、窓口の担当職員は謎の男……いや、漢と対峙していた…
まるで何時間とも感じられた数秒の沈黙を破ったのは、担当職員だった。
「ええと、水と食料でしたっけ?」
職員は反撃の隙を与えず、話し続ける。
「まず水ですが、役場の前に井戸があるので、其方でどうぞ。もちろん代金は要りません。
村民の方、村に来訪された方の為の水ですからね。衛生面はこちらが完全に保障します。
続いて食料ですが、村内にある商店、食堂などをご利用いただけると幸いであります。
また、万が一それらが利用できないというのなら……」
素早く手で合図を出すと、背後にいた別の職員が箱を突きつけ、笑みを浮かべた。
「……役場にて、『ほしふり饅頭』を販売しております。こちら、お買い上げでよろしいですね?」
担当職員も同じく笑みを見せる。突きつけられた箱の中には、饅頭が20個詰まっていた……
>31-33>35
またまた知らない人がやってきた。
その人は扉を勢いよく開けて入って来て、ズンズンと歩いて行って受付のカウンターにお金を叩き付ける。
>「我がなは 魔皇帝!
> この世は これより おれがしはいする!
> いのちがほしくば 水と食料をさしだせぃ!」
私はこの人の姿と喋ってるのを見て、ピーンっときたの。
あの人は絶対に荒くれ者だって。
それで知らない荒くれ者さんは、違う窓口に流れるような動きで移動して、
みんなに分かるように荒くれオーラを発射。
そのオーラから出てくる熱気で、みんなは熱そうにしてる。
だって、みんな汗が出てるし。
悪い人じゃなさそうなんだけど……
荒くれ者さん達って、何でみんな暑苦しいのかな?
しばらくして荒くれ者さんの番がやってきた。
役場の人と荒くれ者さんは見つめ合ってる。
お互いに一目惚れしちゃったのかな?
役場の人が話を始める。
内容は途切れ途切れで聞こえてきた。
水とか食堂の話らしいけど……料理屋さんでも開くのかな?
あっ、職員さんの後ろの人が箱を持ってる!
あれは……ほしふり饅頭!!
私はあのお饅頭が大好き。
あのお饅頭はお茶によく合うんだよね。
それで、ミカエルはというとまだまだ仕事中。
早くお昼にならないかな。
名前: シェラ
種族: 人間
性別: 女
職業: 無し
外見: 腰までの銀の髪、赤い瞳。
身長: 160cm
体重: 軽い
好きなもの: 綺麗なもの
嫌いなもの: 怖いもの
キャラ解説: ほしふり村の村娘。小さな家で一人で暮らしている。
料理や裁縫などの手仕事が大好き。
昔王宮に上がっていたという噂もあるけれど、本当のところは不明
薬草の知識があるので、多少の怪我や病気なら…お役に立てるかもです。
ハマーさんのお声で、今日も気持ちよく目が覚めました。
良いお天気です。これなら洗濯物もよく乾くに違いありません。
お布団だって夜にはふかふかになるでしょう。
洗濯物を干し終えたシェラは眩しそうにお日様を見上げて、目を細めました。
今夜のおかずは何にしましょうか。
・・・・・・なんだか今日は、とってもだいこんが食べたい気分です。
シェラはいそいそと買い物かごを持って出かけました。
目指すは裏山です。
>34
裏山への道は驚くほど綺麗です。
かごの中の荷物が落ちないよう気をつけながら、シェラは奥へ奥へと進みます。
あっ!カラスさんです!
「カラスさんこんにちは、今日もいい天気ですね」
カラスさんは飛び去ってしまいましたが、シェラは構わず歩きつづけます。
山のふもとには、小さなだいこんの販売所があります。
「こんにちは、シェラです。だいこんを少しわけていただきたく参りました」
そういいつつ、かごの中から赤い瓶と小さな包みを取り出します。
「今日はお代に木苺のジャムとパンをお持ちしましたが…いかがでしょうか?」
魔皇帝バロスwwwwwww
次はトゥードゥーかボンガロテリーを是非!
>26
広場を通り過ぎて少しのところで、フーコーは誰かに声をかけられました。
>「おーい、旅人さん」
フーコーが声のするほうを向くと、ヒヨコの描かれた看板のお店の前に、
レース使いもきらびやかなエプロンを身にまとったタフガイが立っていました。
このお店の店主のリクドウさんですが、フーコーは当然その事は知りません。
白い歯が朝日を反射してうっとうしいほどに輝いています。
>「ここには来たばっかりだろ?あとでウチに寄ってけよ、一杯奢るぜ。村の観光名所も色々教えるからよ」
笑いながら親指で自分の後ろのお店を指し示しました。
フーコーも笑顔で頷きながら、軽く手を上げて挨拶をしました。
そのまま立ち去ろうとするフーコーの背に、リクドウさんがまた声をかけました。
>「 ほしふり村へ、ようこそ。 」
フーコーは頭に巻いていた布を取って、それを軽く振って返礼としました。
リクドウさんは気の良い人だとフーコーは思いましたが、
あのエプロンはちょっとどうなんだろうな、とも思っていました。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
村の外に出たフーコーは、トラスを適当な木につないで、森の中へ入りました。
鳥やリスの巣がある木は避け、出来る限り太さのそろった木を選んで小さく傷をつけて目印にします。
十何本かの木に目印をつけ終わったところでフーコーは木を切り倒すために斧を振り上げました。
フーコーは非常に力が強いので、木はこーんこーんという音とともにどんどん削られていきます。
その音に混じって、「バロス」という鳴き声が、時おりフーコーの耳に飛び込んできました。
変わった動物がいるんだなぁと思いながら、フーコーは斧を振り続けました。
「このレスはプレイヤー風に語っているのだが、何故か」
>>34 じゃあ、観察力技能でダイスロールします。(コロコロ)
気付きました。気付いたけど…。
今のところ、ここから起こせるアクションが無いですね。
ま、血まみれ勇者は”裏山にはカラスが多くて、その目は赤いという事を知った”
って事で。裏山から町の方へ引き続き徘徊します。
役場の方で戦場の空気を感じ急ぎ駆けつけるも
既に2人の男が、入りこむ余地の無いやり取りを交わしていたので、
取りあえずその場を離れることにした。
空腹を感じた私は、食事を取れそうな場所を探し
”その”喫茶店を見つけてしまった。
全体的にかわいらしい店のたたずまい、その中に一つだけ決定的に浮いている物
”エプロンをした目つきが悪く体つきの良い男”。その強烈な違和感にしばらく男を眺め、
我に返った私は逃げる様に店を後にする。
気がつくと、私は穴の中に落ち込んでいた。
私の身につける魔法の鎧は、あらゆる痛みを感じさせなくする魔法の鎧。
痛くは無い。しかし。
それはかなり巨大な、穴だ。子供の仕業にしては悪戯が過ぎる。
おそらくジャイアントワームの移動した跡だろう、そうしてあちこちに穴を掘って
あちこちで村人を食い散らかしているに違いない、一大事だ。
ふと見ると、すぐ側に、太ったひげの小男が。
わたしは、こう尋ねた、ジャイアントワームを見なかったか、と。
>>38 君が販売所の前に立った途端、
山の奥のほうからズザザザザザーッ! と猛スピードで暗黒竜が現れた。
サイズは小さいが、飛んでいるので目線は同じ高さだ。君に負けず劣らず目が赤い。
※「ここは ダイコンの みせだ。 なにか ようかね?」
「こんにちは、シェラです。だいこんを少しわけていただきたく参りました。
今日はお代に木苺のジャムとパンをお持ちしましたが…いかがでしょうか?」
※「なにを うってく ……ああもう、面倒だ。得意先であるからテンプレを逸脱しても結構!
このジャムとパンは中々上物ゆえ20Gで買い取ろう。ダイコンは2本で14Gである、
ダイコン2本と釣り銭6Gを持っていくがいい。
どうも ありがとう。 ほかに なにか かうかね?
また きてくれよな」
取引を終えてなにやらスタンプを押していた暗黒竜だったが、
何かに気付いた様子で、君を呼び止めた。
※「待つがいい、シェラよ。今回の買い物で福引に必要なポイントが溜まったぞ。
挑戦していくか?」
説明しよう! 福引とは古代竜族の技術の粋を集めた、要するにスロットマシーンである!
マークは太陽、月、星、雨の4つ、
太陽が揃えば一等の『いわくありげな宝石』
星が揃えば二等の『きれいな指輪』など
怪しげな賞品が当たるぞ!
暗黒竜は小さな、しかし全てを呑み込むような深さを湛えた瞳でこちらを見ている。
さて、君が人並みの魔力と非常に高い感受性を持っている場合、
この小さなドラゴンの提案は魅力的に思えたかも知れない。
更に高い警戒心をも持っている場合は、同時に本能的な危険も感じた筈だ。
いずれにも該当しない場合は、選択は自由意志に委ねられるだろう。
>>41 ちなみに、君は山を立ち去った途端、
カラスの姿を全く見かけなくなった。
どうやら、彼らは山の近くの森に生息しているらしい。
なんと、今日のシェラには幸運の女神の加護がついていた!
(クジ運が滅茶苦茶上がります)
あーちゃんのカレー屋さん今日オープンでちゅ
いっぱいお客さんが来るといいでちゅね
名前:アルカンツェル
種族:魔族
性別:男
職業:カレー屋
外見:緑の髪、赤い目、青白い肌で尖った耳の8歳児
身長:130cm
体重:28.5km
好きなもの:カレー
嫌いなもの:ハヤシライス
キャラ解説:今世間を騒がしている魔王の666人の息子のうち666男
本人には自覚が無く自分のことをあーちゃんと呼ぶ
あーちゃんて・・・アホの事やんか
<<続き>>
>35-36
「ほう それが このおれに対する みつぎ物ということか・・・・」
ほしふり饅頭に、その魔手を伸ばす魔皇帝!
http://bohyou.vis.ne.jp/hokuto/img/hokuto5h_06.gif だが、指が太過ぎて個包装を剥がす事が出来ない!
魔皇帝恐怖の伝説は今ここに終焉を迎えるのか!?
「バカめ! そのような こざいくで おれを止められるとでも おもったか!
ハァ〜!!」
(ドッゴ――ン!!)
魔皇帝の腕より放たれた魔闘気が役所を揺るがす!
轟音と砂煙が収まった時、ほしふり饅頭の個包装は跡形もなく消し飛んでしまっていた…
恐るべし魔皇拳!
「魔皇拳は ぞうおとふくしゅうの拳!!
2000ねんの 我が一族のおんねんは
すでに おれの血となり にくとなっている!!
女よ! 天に逃げかえり 神々につたえるがいい・・・・
わが魔皇拳は かんせいした!!
天帝 ここに滅ぶ!!」
天使の女に勝ち誇る魔皇帝!
一掴みでほしふり饅頭20個を平らげると、
闘気で150℃程に加熱された金貨を残して役所から去っていった!
『わぁ〜はっはっはっははは!!』
<<続く?>>
(一方その頃)
>39
「エイヤー!
ふっ… 儂もずっと出演しておるぞ?
大陸の東にある島国からやってきた謎の武術家という設定でな。
ほれ。鐘楼の後ろとか、喫茶店のテーブルとか、坑道の陰になっておる処とかな。
ぬぁっはっはっはっ! …はぁ」
>48
お饅頭を食べようと手を伸ばす荒くれ者さん。
でも、無器用なのかな?
お饅頭の包装が剥がせないみたい。
>「バカめ! そのような こざいくで おれを止められるとでも おもったか!
> ハァ〜!!」
荒くれ者さんが荒くれビームを発射しちゃったみたい。
どっか〜んとお饅頭を爆発させると、お饅頭の包装だけが消えちゃった。
あの荒くれ者さんは手品師なのかな?
>「魔皇拳は ぞうおとふくしゅうの拳!!
> 2000ねんの 我が一族のおんねんは
> すでに おれの血となり にくとなっている!!
> 女よ! 天に逃げかえり 神々につたえるがいい・・・・
> わが魔皇拳は かんせいした!!
> 天帝 ここに滅ぶ!!」
私がさっきの手品に拍手をしてるとね、あの荒くれ者さんが話をしてきたの。
言いたいことはよく分からないけど、
手品師として立派になったから、村のみんなにもよろしくって伝えてもらいたいのかな?
あの荒くれ者さんは詩人なんだね。
私が、「うん、みんなにも伝えとくよ」
って笑顔で言ったら、荒くれ者さんはお饅頭を全部一口で食べちゃった。
それで、荒くれ者さんの熱気で温かくなっていた金貨を私の隣に置いていって、帰っちゃった。
このお金をどうしようかなって思っていたら、ミカエルが募金箱を持ってこっちまで来てくれたの。
私はお金を手に取って、あの荒くれ者さんに感謝をしながら、募金箱にそのお金を入れたの。
今度、あの荒くれ者さんに会ったらお礼を言わなくちゃね。
このお金は村の為に使われるんだ。
私は募金箱を持って持ち場に戻ろうとするミカエルを引き留めて、久しぶりのキスをしたの。
ミカエルも喜んでたみたい。
顔を真っ赤にして持ち場に戻って行っちゃった。
早く仕事が終らないかな?
仕事が終ったら、できたばかりのカレー屋さんに行けるのに…
早くカレー食べたいなぁ…
>43
お店にどなたもいらっしゃらなくても、何の心配もありません。
だってほら!暗黒竜さんが瞬きひとつの間に飛んできて下さいました。
>※「なにを うってく ……ああもう、面倒だ。得意先であるからテンプレを逸脱しても結構!
> このジャムとパンは中々上物ゆえ20Gで買い取ろう。ダイコンは2本で14Gである、
> ダイコン2本と釣り銭6Gを持っていくがいい。
> どうも ありがとう。 ほかに なにか かうかね?
シェラはふるふると首をふりました。口をはさむ余裕が無いのです。
相変わらず息もつかせぬ暗黒竜さんの口上です。
> また きてくれよな」
「こちらこそ、りがとうございました」
シェラは深々と頭を下げました。
暗黒竜さんは、いつもシェラの持ち込む品を良い値で買い取ってくださいます。
今日はだいこんだけでなく、臨時収入までいただいたのです。シェラは大喜びでした。
いそいそとだいこんを買い物かごに詰めていると、暗黒竜さんが呼び止めました。
>※「待つがいい、シェラよ。今回の買い物で福引に必要なポイントが溜まったぞ。
挑戦していくか?」
「そうでしたか?・・・・・あ!今日はスタンプ3倍の日だったんですね!」
シェラは嬉しそうに手をたたきました。
「ぜひぜひ朝鮮させてください!今日こそ末等を当てて見せますわ!」
シェラはなみなみならぬ意気みのようです。目が本気です。
それもそのはず、シェラは福引で、何か当たったためしが無いのです。
一度で良いから末等の「だいこん2本引換券」くらいは当ててみたいと思うのでした。
>45
妖精さんが「今日は幸運の女神様の加護がありますよ」と囁いていきました。
「まあ!本当ですか!」
シェラの顔がぱっと輝きました。どうやらすっかり末等が当たった気でいるようです。
もしだいこん2本引換券が当たったら、どんな料理を作りましょうか?
煮物はもちろん、甘酢漬けにしても良いかもしれません。
そこまで考えて、はっとシェラは我に返りました。
あわてて表情を引き締めます。こういう時には欲を出してはだめなのです。
「で、では、行きます!」
シェラは目を閉じて、スロットマシーンのボタンを押しました。
さあさあ、どんな目が揃うでしょうか?
>42
リクドウに挨拶がてらモーニングを注文していると、背後で大きな音がしました。
イヴァルディが振り向いても誰もいません。
それもそのはず、音は坑道からしたのですから。
穴を覗き込んで見ると、一人の男が落ちていました。
その男はジャイアントワームを見なかったか、と尋ねています。
地下の世界には色んな生き物もいて、ジャイアントワームもいます。
とっても危険な生き物ですが、ほしふる村の地下にはいませんでした。
少なくとも、イヴァルディは見た事が在りません。
「そんなもんここら辺にはいないぞ。俺が言うんだから間違いねえ。」
だからイヴァルディは応えます。
自分の坑道に落ちちゃっているのを見てイヴァルディは少しだけ罪悪感があります。
だから連れ出してやろうと、坑道に入って声をかけました。
「見ない顔だな。他所から来たのか?デカミミズより特厚ベーコンの方がいいぞ。店はすぐそこだ。
俺はイヴァルディだ。
・・・あんたは人間に見えるが、そうじゃないのか?人間ならベーコンより医者だな。」
自己紹介をして握手をしようとしてイヴァルディは吃驚しました。
男の腕が曲がっちゃいけない箇所で曲がっちゃいけない方向に曲がっていたからです。
男の鎧が痛みを感じさせない魔法がかかっているなんて知りません。
だから間接が多い種族ともチラッと思ってしまいました。
どちらか判らないので、とりあえず男を引っ張って坑道から出します。
そして食事にするか医者にするか聞いてみました。
>51
「太陽 太陽 太陽・・・・・・・・・・・・からちょっとズレて雨」
ですた。
>40>42
頭に巻いていた布を振って、男は去っていった。
感じの良い男だったし、すぐに旅に出るのでなければ、また時間の空いた時にでも来てくれるだろう。
しかし珍しい妙な姿の男だったなと、珍妙なフリフリエプロン姿のリクドウは思った。
男を見送り、掃除を続け、やがて終える。
顔を上げると、血まみれの鎧を纏った男が距離を置いて自分を凝視していることに、リクドウは気付いた。
これまた見慣れない男だ。
「よう、あんた……」
しかし、声をかけようとした途端、男は脱兎の如く駆け出していった。
未知の人間との会話が楽しみなリクドウは、少しだけがっかりしたが、仕方がない。お金を忘れて取りに帰ったのかもしれない。
しかし珍しい妙な姿の男だったなと、珍妙なフリフリエプロン姿のリクドウは思った。
ともあれ。
何はともあれ。
喫茶『はばたくひよこ』、今日も開店。
>30
>「リクドウ、店とは対照的に朝から目にきつい格好だな。トーストに特厚ベーコンエッグのセットを頼む!」
店を開けて早速、小柄な男が上機嫌な声を上げながら這入って来た。
穴掘り大好き、ドワーフのイヴァルディ。村外れに住む、店の常連にしてリクドウの旧友のひとりだ。
たまに一緒に呑みに行ったりもする。
「おう、イヴァ。今日は早ええな。けっ、お前にゃこのエプロンの繊細な美しさは一生分かんねェよ」
リクドウは笑いながら、いつもの悪態をついた。
ちなみに、その繊細な美しさが一生の内に分かる人間は、イヴァルディでなくともそもそも存在するのかどうかは怪しい。
単品で見てもきつい、夢見る乙女も裸足で逃げ出すファンシーさだ。いわんやそれをリクドウが着こなしている。
「ベーコンエッグのベーコン、厚切りがいいならステーキにしとくぞ。がっつり食いてえだろうしな」
言いつつ、ベーコンの塊を取り出し一枚厚めに切り出した。
表面に山羊乳のバターを薄く塗り、火に掛けたフライパンにそれを載せる。
熱で脂とバターが溶け、ジワジワと美味しそうな音を立て始めた。
鼻腔から染み渡るような香ばしい匂いと共に、ベーコンステーキが焼けていく。
そのさなか、店の外で大きな音がした。イヴァルディが慌てて出て行った事から察するに、彼の坑道に人が落ちたらしい。
大事にはなるまいと思いつつも、一応横目でカウンター内の救急セットの場所は確認しておいた。
肉の焼け具合の頃合いを見て、卵を2個取り出した。空飛ぶ鶏、ファニーエンゼル種の卵。
ひよこの内から羽ばたいて浮き上がる程に元気なその鶏は、肉卵ともにこの店のこだわりの食材だ。
店名の由来にもなっている。
3指の間に2つの卵を挟み、フライパンを叩く。
掌と指の微妙な加減で2つの殻を同時に空け、ステーキの脇にとろりと中身を落とす。
ひとつにくっついた白身は、加熱によって徐々に名前通りの白みを帯びていく。
タイミングを見て塩コショウを振り、フライパンから皿にステーキを移した。
更にその上にとろとろに仕上げた半熟の目玉焼きを載せ、パセリの砕片を振り掛ける。ベーコンエッグ、豪快ドワーフ仕様、完成。
焼きたてのトーストと淹れたての珈琲を添え、カウンターに出した。
「…しかし、思ったより帰りが遅いな。子供が落っこちて怪我でもしてねえだろうな」
少し気になり始めたリクドウは、救急セットを携えて外に出ようと歩き出した。
>>52 私は、医師か飯かを勧めるひげの小男を不思議そうな顔で眺めた。
飯はわかる、どちから問われて一も二も無く飯と答えるほど空腹であったため。
しかし医師がわからない、私はこの最強の無敵の魔法の鎧を手に入れてから
治療を必要とした事が無くなったから。
腹は減るが、ジャイアントワームは捨て置けぬ、男が見ないというなら
この辺りからは去ったのだろう、おそらく、この巣穴の奥のほうへ。
私は小男に大変に危険なのでここから早く逃げる様勧め、怪物を追って
奴の巣穴へと再び潜りこんだ。
おんみょうだんを くらうおっ まぶしっ
59 :
名無しになりきれ:2006/08/17(木) 21:01:41
うおあーちゃんのトリップなくした
>※「では ふくびきを はじめましょう。」
シェラは目を閉じたまま、リールが止まるのをじっと待っています。
、二つ目のリールが止まると、なぜか福引所の空気が変わった気がしました。
不思議に思って目を開けようとした途端、苦しそうな雄叫びが上がりました。
>※「グオオオオオオオオオーッ」
「暗黒竜さん?!」
悲痛な断末魔に、シェラは驚いて飛び上がりました。
目を開けると、そこには暗黒竜さんが苦しげにのた打ち回っていました。
とても具合が悪そうです。
「どうされました?!何処か具合でも・・・?大丈・・・」
慌てて駆け寄ろうとしたそのときです。
暗黒竜さんがぶつかったのでしょうか、福引の棚から、巨大な金ダライが滑り落ちてきました。
「危なっ・・・・・ああっ!!」
グワ〜〜〜ン!
痛そうな音にシェラは思わず目をつぶりました。
>『今年はこれくらいで許してやろうか』
>『そうね… クスクスクス…』
小さな子供の声を聞いたような気がしますが、気のせいだったのかもしれません・・・。
恐る恐るシェラが目を開けると、暗黒竜さんは床にのびていました。
死んではいないようですが、ぴくりともしません。
「暗黒竜さん?!聞こえますか?しっかりなさって下さい!!」
シェラはもう気が動転してしまって、福引どころではありません。
とにかく、暗黒竜さんの頭を冷やさなくては。
シェラはポケットのハンカチを取り出し、ダイコン畑の傍を流れる小川で濡らしました。
転がるように福引所に戻り、暗黒竜さんのぶつけた頭にシップ代わりに乗せます。
「しっかりなさって下さい・・・・」
竜に心配など余計なお世話なのでしょうが、シェラは蒼い顔で竜の頭を冷やしています。
カラスさん達がシェラに頭のサイズを測ったり、カタログの絵を渡そうとして下さっています。
ですが、暗黒竜さんが目を覚まさない限り、シェラは自分が4等を当てた事にすら気づかないでしょう。
61 :
アルカンツェル:2006/08/17(木) 22:54:56
トリップなくしたぁ
仕方が無いのでカレーパンでも焼くでちゅ
リスは早くも脱落か・・・
>55>57
男は腕が折れたことに気付いていないのか、本当に関節が多い種族なのか?
せっかく坑道から引き上げてやったのに、また入って行きます。
しかも危険だからといって逃げるように進める始末。
イヴァルディはきっと落ちた時頭も打ったんだと納得しました。
中に入っていく男を見送って、イヴァルディは店へと戻ろうとしました。
そこへリクドウが救急セットを持ってやってきました。
本当に見た目に似合わず気配りの効く男だ、とイヴァルディは思いました。
決して褒め言葉ではなく、にあわねーと言う意味でです。
「初めて見る男が俺の坑道に落ちてな。頭打ったのか奴さん腕が折れてることにも気付かねえでやんの。
しかも俺に向かって坑道が危険ときたもんだ。ほっとけほっとけ。それより俺は飯にするぞ。」
イヴァルディは呆れたようにリクドウにことの成り行きを説明しました。
イヴァルディの掘った坑道はしっかりと掘られていて、めったに崩れたりなんかはしません。
ただドワーフの身長にあわせて掘っているので、人間には少し窮屈でしょう。それに真っ暗です。
頭を打っちゃうかもしれません。
それだけでなく、地震や地下水が溢れちゃう事もあります。
でも、イヴァルディは全然気にしません。
だって心配ないのですから。
ほしふる村の地下は大地の女神様の加護によって守られています。
もしも生き埋めになったり、迷っちゃったりしたら大地と暗闇は毛布のように包んで村はずれにペッと吐き出してくれるからです。
村の子供たちがイヴァルディの坑道を秘密基地にしたり探検してもちゃんと帰ってこれるのはこういうわけがあるからです。
だからイヴァルディは勝手に坑道に入っていく男はそのままにして、いいにおいの食事が冷めちゃう前に平らげようと急ぐのでした。
64 :
アルカンツェル ◆SsvzxTpmVk :2006/08/18(金) 20:12:08
>5
さあ伝説の揚げパン気体揚げを揚げるでちゅ
なかなかお客が来ないので揚げカレーパンを揚げはじめる
何気にトリップが新品だ
>58
なずけて新作カレーパン陰陽弾でちゅ
早速みんなに試食してもらうでちゅ
そういうと店の前の看板を閉店にして出かけていった
まずはルシフェル宅である
こんにちはでちゅ面白いカレーパンが出来たのでおすそ分けにきたでちゅ
気に入ったら買いに来て欲しいでちゅ・・・・あれいないでちゅ
まあいいでちゅ気体揚げとチラシをおいていくでちゅ
>63
「おう、どうだった?」
リクドウが救急セットを持って店を出た時、ちょうどイヴァルディが穴から戻って来た。
店に戻りつつ、呆れた感じにぷりぷりと事情を話す。
「はぁん…。ま、ほっとけよ。村祭り前の時期には旅人もそこそこ来るが、中には変わった輩もいるモンだ」
リクドウは坑道の入り口に救急セットを放り込み、店に戻った。
「そういや、お前にゃまだ言ってなかったな。今度王子様が村に来るらしいぞ」
カウンターの内側、グラスを磨きながらリクドウは言う。
この地域はひとつの大国に統括されており、ほしふり村もその中にちんまりと鎮座している。
田舎ながら地理的にはお城から近いこともあり、王様は家来を連れてしばしば村に視察に来るが、王子様が来たことはまだ一度もない。
「おととい村長がコッソリ教えてくれたが、王子様は旅人に変装してお忍びで来るらしい。村の様子をナマで見てみたいんだと。
普段の村の様子を見せる必要があるから、他の村のモンには内緒にしておけっつってた」
要するに内密に村中に情報を廻せってことだ、とリクドウはくつくつ笑った。
社長がこっそり視察に来ると聞けば、工場長は作業員に普段より気合いを入れさせたくなるだろう。少なくとも、この村の村長はそういう性質だ。
「お前も旅人にゃ気をつけとけよ。俺は今朝見かけたターバン男が怪しいと踏んでる」
デザートだ、と言いつつリクドウはカウンターに紫のリンゴを置いた。
自分も同じものを取り出し、齧る。
「これは昨日誰かがウチの前に置いてったリンゴでな。ま、村外れの『柳の魔女』のイタズラでもねぇ限り毒でもねえだろ……お!?」
リクドウはポトリとリンゴを取り落とした。
その体が光に包まれ、徐々に小さくなっていく。
「う、迂闊だった。あんのクソッタレ魔女、性懲りもなく……イヴァ、奴をとっ捕まえて魔法を解かせ……」
言い終わる前に、リクドウは掌に載るほどの、小さなひよこに変化してしまった。
**************************************************************************************************
「きゃらきゃらきゃら」
柳の魔女は、笑っていた。
頭のてっぺんから出しているような、耳障りなくらいに甲高い声。
「きゃらきゃらきゃら。今頃、リクドウの旦那は魔法リンゴを食べてひよこになったところかしらん。きゃらきゃらきゃら」
柳の魔女。
イタズラ好きで、ちょくちょく何かしては村の皆を困らせている、魔法使い。
現在は、今日開店するというカレー屋に向かって、スキップ気味に歩を進めている。
※ 小イベント用NPC
名前:柳の魔女
種族:人間
性別:オバサン
職業:魔法使い
外見:小太りで厚化粧、紫のローブとトンガリ鍔広帽子
身長:154cm
体重:67kg
好きなもの:カレー、悪戯
嫌いなもの:動物
キャラ解説:
イタズラ好きで、ちょくちょく何かしては村の皆を困らせているハイテンションな魔法使い。
悪人ではないが性格は最悪で、ややこしい魔法で悪戯をするので時には非常に迷惑。
>64>65
やっとミカエルのお仕事が終りました。
今日はもう、ミカエルのお仕事は残っていません。
今日はこれからずっと一緒にいられるね。
「ミカエル。お腹が空かない?」
『……分かった。』
今、私達は村の外れの森にいます。
カレーのお店に行く前に、ミカエルはお弁当を食べるそうです。
でも、何でだろう?
ミカエルは私にお弁当を差し出してくれました。
私もお腹が空いていたので、ありがたく貰うことにしました。
『…これでは愛妻弁当ではなく、愛妻の弁当ではないか……』
ミカエルが何か言っていたけど、私には聞えませんでした。
というより、都合の悪いことは聞きません。
お弁当を食べ終り、それではカレーのお店に出発。
美味しいカレーが楽しみで楽しみで、お顔がにこやかになってきます。
ミカエルのお顔もにこにこしています。
カレーのお店に到着しました。
村の外れにある綺麗なお店ですが、あんまり人が集まっていません。
何故でしょうか?
『今日は営業していないようだな…どうする?』
お店の前の看板に閉店って書いてあります。
だから誰も人がいなかったんでしょうか?
でも、今日開店するってお話でしたんですが…
私達は少しだけ待ってることにしました。
もしかしたら、その間に開店するかもしれません。
そしたら、村の外れに住んでいる魔女さんがやってきました。
でも、ミカエルが難しい顔をしています。
ミカエルはあの魔女さんのイタズラが嫌いだからかな?
私は好きなんだけど。
「魔女さん、こんにちは。まだカレーのお店は開いていませんよ。」
『カレーの店とは別件なのだが、少し悪戯は控えてくれないか。
よく村役場に苦情がくるのだよ。その苦情等を解決しなければいけないのは私達だ。
あんまり仕事を増やさないでくれたまえ』
ミカエルったら、お仕事熱心だね。
どこかの貴族の部屋だろうか。
赤い髪の男…少年と呼べる年齢のようだ…が、ベッドに横になっている。
酷い高熱で苦しんでいる様子だ。
そんな彼の様子を傍らで見ている暗黒竜。
※『不便なものだな? 人間の体というのは…』
「フフッ… 暗黒神よ、アナタには分からないだろうが…この病弱な体が、役得に思える時もあるのさ。
こうしていれば…いつも、彼女が傍に居てくれる」
※『あのフリージの女か。くだらぬ。愛だの信頼だのというモノは、陽炎よりも脆く儚い』
部屋に酷く慌てた様子の女が駆け込んできた。
豊かな銀髪が印象深い、高貴な身分らしい女性だ。
「お気を確かに! 今、サイアス卿をお連れしましたわ!」
続いてサイアスと呼ばれた司祭が入ってくる。
天井まで届くほどのダイコンの山を抱えて…。
>>60 ※「ムーッ ムーッ」
甲斐甲斐しく看病を続ける君であったが、暗黒竜はなかなか目を覚まさない。
赤い瞳のカラス達は頭の寸法を測り終えると、
帽子のカタログと注文書を君の買い物カゴに放り込んで
さっさと畑仕事に戻ってしまった。
割とドライな主従関係であるようだ。
※「ムーッ ムーッ
よせ… そんなにダイコンは… モガーッ」
どうやらダイコンの悪夢を見ているらしい。酷いうなされようである。
このままでは当分目覚める事はなさそうだ。
放っておくか、何らかの手を打つべきかも知れないが…。
>66
戻ってくるとお客さんが待っていた
「ごめんなさいでちゅ 今すぐ店をあけるでちゅ」
そういうと店の看板を開店中にし
「どうぞ中に入ってくだちゃいませ」
あーちゃんは店のドアを開き客席に魔女さんと天使夫婦を案内しました
「メニューはこちらになっておりまちゅ」
メニューには
キノコカレー
チーズカレー
カツカレー
コロッケカレー等
色々なカレーが載っていた
うろつく うろつく
怪物探して巣穴の中を 右へ左へ どこまでも
ぴかぴか光る魔法の剣で ゆくてを照らし いつまでも
折れた左手ぶらぶら揺らし 空かせたお腹をぐうぐう鳴らす
…香ばしい匂いが穴の外からする
私は誘われる様に穴から這い出て、
ふらりふらりと匂いの元へと歩き始める。
>15>24
朝の警鐘を鳴らしたハマーは、新体操選手の如くひらりと高台を飛び降り、着地。
「フィイ〜ッ。いつ聞いてもここの鐘の音色は最高だぜ」
その顔にはいまだ恍惚感が抜けないのか、破顔を大衆に晒しています
しかしその静寂も束の間、ハマーはすたこらさっさと村の外の森へ駆け出しました。
ハマーは毎朝、森での軽いジョギングと愛刀『のりこ』の素振りを経て家路へと着きます。
「えっほ、えっほ」
軽快なリズムで森を駆けていくハマー。早朝の冷涼な空気は何よりのブレークファーストだ
なんてことを思いつつ森を駆けるハマーに、フーコーの姿が眼に入ります
「ここで何してるんだい?」
単純なハマーはとりあえずフーコーに話しかけました
71 :
しかばね ◆XI07YcMpS6 :2006/08/19(土) 06:52:49
名前:かべぬり
種族:人間
性別:♂
職業:かべぬり職人
外見:ガリガリのこけた小さな老人風。手には作業具をいつもが備わっている
身長:100a
体重:20`
好きなもの:正直者
嫌いなもの:偽善者
キャラ解説:ほしふり村の森の離れの洞窟に住む隠者。見た目ほど年は取っておらず意外と軽快な動きを見せる
もともと城で重要な職に就いていたらしいが、なぜか今は洞窟で気ままな生活をしている。
かべぬりは呼称ゆえ本名は分からない。壁塗りと山菜取りで生計を立てている
「ふああ、よく寝たわい」
朝も少しブランチの時間に差し掛かろうかという時間帯にかべぬりは目を覚ました
見た目も言葉遣いも老人だが、実年齢はそれほどでもない。気ままな暮らしをしているため起きる時間はまちまちだ
河川に向かい、手早く行水を済ませると、かべぬりは腰に籠をつけ、日課の山菜取りに向かった
「ここいらはいつ来ても不思議な実が成るのう、これも魔女婆さんのいたづらじゃないといいんじゃが…」
一人ごちたかべぬりはブツブツ言いながらも籠を不思議な実で埋めていく
「おや、ハマーか」
小一時間も摘んでいると、おぼろげながらハマーの姿が見える
「まったく、朝からよくもまああんなに体が動くもんじゃ」
まだ距離があるため特に気にもせず籠を埋めていく。
>※「ムーッ ムーッ
> よせ… そんなにダイコンは… モガーッ」
なんという事でしょう。あの暗黒竜さんがひどくうなされています。
あれだけおいしいダイコンをおつくりになるのですから、暗黒竜さんはだいこんが大好きに違いありません。
大好きなはずのダイコンにうなされるなんて、一体どんな夢なのでしょう?
周りに沢山いたはずのカラスさんは、今は姿を消していました。
だいこん畑のお仕事に戻ってしまったのでしょう。
暗黒竜さんのお家にお送りしたいと思っても、シェラは場所を知りません。
「ああ、どうしましょう・・・・・・・」
だれもいない福引所に、具合の悪そうな暗黒竜さんを置き去りになんて出来ません。
シェラは意を決して立ち上がりました。
そして、暗黒竜さんをおんぶするように背中に担ぎました。
買い物かごを手首にかけ、シェラはよろよろと福引所の外に出ました。
(もちろん、買い物かごの中には帽子カタログも入っています。)
シェラは福引所の外に出ると、血相を変えて叫びました。
「カラスさん、カラスさん達!あの・・・竜のお医者さんの居場所をご存知ないですか?」
カラスさんはカアと鳴きました。
ですが、シェラにはカラスの言葉などわかりません。
シェラは途方に暮れました。
「暗黒竜さんの具合がわるそうなので、村までお連れしようと思います」
村にはシェラよりずっと賢くて、物知りな方が大勢いらっしゃいます。
きっと、竜族の怪我にも詳しい方がいらっしゃるに決まっています!
本人の全く預かり知らぬところで、ドラゴンスレイヤーの称号を手に入れたシェラ。
彼女は自分が倒した暗黒竜さんを治すため、せっせと村へと歩き始めましたのでした。
>70
4本目の木に斧を入れ始めた頃のことです。
こーん えっほ こーん えっほ こーん……
斧が木に食い込む音に混じって、誰かの声が聞こえる事にフーコーは気がつきました
それはだんだん近付いてきます。やがて、茂みをざぱっと踏み越えて、声の主が姿を現しました。
身長はフーコーと同じくらい、体重はとても軽そうな、剣を携えた鶏……
村では鐘楼番として認識されているハマーさんでした。ハマーさんはフーコーに訊ねます。
>「ここで何してるんだい?」
フーコーは斧を振りながらそれに答えます。
「見りゃあわかるだろ?木を切ってるのさ」
そしてふらふらと揺れだした木を蹴りつけて、向こう側へ倒しました。
解いた布で汗を拭きながら言葉を続けます。
「俺はフーコーってんだ。鍛冶屋をやってる。村に住もうと思ってな、差し当たって仕事場を作ろうってわけさ」
すぐ近くにあった次の木へ歩きながら、今度はフーコーからハマーさんに声をかけました。
「おたくは村の人かい?その剣、研ぎに出すなり打ち直すなりするなら是非俺んとこに頼むよ」
そしてまた木に向かって斧を振り上げました。
>65
ベーコンステーキにフォークを突き刺して真ん中でギコギコ切ります。
切ったら口を大きく開いてもぎゅもぎゅとよく咬んで味わいます。
イヴァルディにかかると特厚のベーコンステーキも二口で平らげられてしまうのです。
トーストと目玉焼きもまぐまぐと食べているとリクドウから王子様が村にやってくるという話が出てきました。
「王子様がこんな辺鄙な村に何を見にくるんだかな。
内緒にしておけっつっても俺は口が下手だからな。お前に任せておくわい。」
リクドウとの付き合いも結構長いものです。
言葉では内密にしておけと言われても、その意味くらいはちゃんと判るのです。
「この半熟卵は絶品だが後始末が大変だな。」
髭についた卵の黄身を拭きながら一息つきます。
イヴァルディはリクドウの作る半熟卵が大好きなのです。
絶妙な火の通り加減、半熟具合が他では出来ない絶妙さがあるのです。
拭いているとリクドウは紫色のリンゴをデザートだと置きます。
紫色で強烈な自己主張するリンゴ。イヴァルディ出なくとも胡散臭げな目で見て匂いをかいでしまうでしょう。
でもリクドウは危険なリンゴの出所をさらっと打ち明けて紫のリンゴを齧り真面目茶っているのです。
「・・・そんな妖しげなモン客に出すとは、まったく・・・って、アホかああああーーーーー!!」
ほしふり村はほのぼのした村で、村人もほのぼのしています。
だから警戒心と言うのが薄いのかもしれません。
呆れながらもリンゴを齧ろうとした瞬間、先に齧っていたリクドウの体が光に包まれ小さなひよこになってしまいました。
ブツブツ呆れた文句が途中で絶叫になったのも仕方が無いでしょう。
「迂闊って言うのもおこがましいわい!」
危機一髪。リンゴを放り投げたイヴァルディはひよことなったリクドウを頭の上に乗せ、大慌てで店を出ました。
毎回毎回悪戯をして村に騒動を巻き起こす柳の魔女には村のみんなが頭を痛めているのです。
店の脇の坑道につくと、蓋を開けて大声で叫びます。
「みんなー!リクドウが拾い食いしてひよこになっちまった!柳の魔女の仕業だ!見かけたらとっ捕まえてくれ!!」
坑道は伝声管のようにイヴァルディの声を響かせ、村中に伝わります。
具体的に言うと、村のいたるところにあけられた坑道入り口から響き渡るのです。
「じっとしておれよ。あのババアの魔法もミカエルなら抑えられるわい。」
柳の魔女は魔法を使うので捕まえるのも大変です。
だから同じように魔法の使える天使のミカエルを連れてこようと坑道を役場に向かって走るのでした。
短い足で走るイヴァルディ。
でも方向音痴だから無事に役場近くの出入り口に辿り着けるかは謎です。
名前: ルシエナ・ルーン・アルトワルツ
種族: 人間
性別: 女
年齢: 19
職業: 敗軍の将
外見: 金髪ロングに蒼眼。髪は両側でそれぞれ結って前に二つ垂らしている。
割と美人だが表情がキツい。笑顔はどこかの王女様にソックリだとか。
身長: 172cm
体重: 不明
好きなもの: 夜間行軍、くるみパン
嫌いなもの: 裏切り者
キャラ解説:
2年ほど前から村外れに住んでいる女性剣士。
冒険者を自称しているが、村長にだけは素性を明かしている。
頭が痛い気持ち悪い日が高い。
私は決して爽やかとは言えない目覚めを迎えていた。
とりあえず昨日の状況を思い出してみる。
私は19歳の誕生日――帝国で成人とされる年齢である――を迎えたので、
この記念すべき日をささやかに祝おうとイヴァルディ殿に酒を売ってもらい、
アイギナやラッセル殿と共に酒盛りを……あれ?
――そうだ。二人とも、もう居ないのだ。
私は酒の飲み過ぎで酔い潰れ、噂に聞く二日酔いというヤツに襲われているらしい。
>76
とにかく気を確かに持たねば…。
私はふらふらと家を出て、傍の井戸に向かった。
すぐ目の前にあるドワーフの坑道から何やら声が聞こえたが、
左右からゴーレムに殴られているように頭が痛む状態では良く分からない。
――水を飲む。頭から水を被る。更にもう一杯飲む。
井戸水の心地良い冷たさが、徐々に二日酔いを緩和していく。
ああ、良かった。何とか立ち直れそうだ。
その時、耳に入ってくる騒々しい足音。 ――来客か?
流石にシルクの寝巻き一枚では格好がつかぬので、持ってきていた毛皮のコートを羽織る。
坑道から顔を出したのは…酷く慌てた様子のイヴァルディ殿だった。
「やあ…イヴァルディ殿。これは見苦しい処をお見せした。
昨日、譲って頂いた火酒がどうにも強すぎたようだ」
しかし、どうも私に用があったわけではなさそうだ。
イヴァルディ殿は、慌てれば慌てるほど方向音痴が悪化する傾向がある。
そもそも頭にヒヨコを載せて息を切らしているドワーフという光景もおかしい。
「見たところ、何やら火急の用件がある様子だが。
――道案内は必要か?」
今ひとつ状況が把握できないが、昨日酒を売ってもらった義理もあるので
いちおう助力を申し出てみた。
双子の砦焼いた方か
またマニアックな
>66>68>76
『柳の魔女』がカレー屋に着くと、天使夫妻が外で立っていた。
「おんや、こりゃ天使夫婦じゃないかい。いい天気だねぇ」
>「魔女さん、こんにちは。まだカレーのお店は開いていませんよ。」
「あらん、そうかい、残念だねぇ。残念だわさ」
旦那さんの方をちらと見ると、『柳の魔女』にあからさまに難しい顔を向けている。
>『カレーの店とは別件なのだが、少し悪戯は控えてくれないか。
> よく村役場に苦情がくるのだよ。その苦情等を解決しなければいけないのは私達だ。
> あんまり仕事を増やさないでくれたまえ』
「おきゃらきゃらきゃら」
『柳の魔女』はころころと笑う。
「心配なさんなよ、心配なさんなよ、ミカエルの旦那。アタシだって分別のある大人だわさ。
アンタ程のお人にそう言われちゃあイタズラなんかできやしないねぇ。でっきゃーァしないよ、きゃらきゃらきゃら。
最近はイタズラなんてめっきりご無沙汰だわさ」
一言一句余すところなく嘘である。
>「ごめんなさいでちゅ 今すぐ店をあけるでちゅ」
話しているうちに、子供が小走りにやって来た。店の表示を『開店中』にして、3人を中に招き入れる。
『柳の魔女』は子供のこまごまと動く様子に、少し目を細めた。
その表情は、微笑ましく見つめているようにも、イタズラをしようと品定めしているようにも見える。
「おんや、可愛い坊やだねぇ。店長の息子さんかね。さ、せっかくだから一緒に食べようじゃないか、アンタの奢りでいいからさ」
言いつつ、子供に導かれて店内に這入っていった。
>「メニューはこちらになっておりまちゅ」
テーブルに着くと、子供がメニューを持って来た。
厨房の奥にも何となしに目を遣ってみるが、物音も人の気配がしない。店はこの子供が一人でやっているのだろうか。
「そんじゃあ…折角ミカエルの旦那に奢ってもらえるんだし、一番高いのを大盛りで、トッピングを全種類付けて頼むよ」
勝手に奢ってもらうことにして、しかも遠慮もなしに『柳の魔女』は注文する。
「あ、それと」
『柳の魔女』は袖の下から柳の枝を一本取り出し、指揮棒のようにたかだかと振るった。
ポン!という乾いた破裂音とともに、紫色のリンゴが現れる。それをニコニコと子供に手渡した。
「これはチップ代わりに取っときなよ、ボウヤ。一口齧れば元気100倍!元気100倍の魔法のリンゴだわさ」
その時、外で坑道を伝わるイヴァルディの怒鳴り声が響いた。
名前: クロウ・ゴールドン
種族: 鴉系鳥人
性別: 男
職業: 商店主
外見: 黒髪黒眼。飛行用と言っているゴーグル付帽子をいつも被っている。
翼は黒い。いつも服のどこかが泥で汚れていたり砂がついていたりする。
身長: 132cm
体重: 27kg
好きなもの: 光るもの
嫌いなもの: 捕獲用の罠(特にかすみ網)
キャラ解説: 「ゴミアイテムからレアアイテムまで何でも取り扱う」黄金堂の店主。
雑貨や武具、仕入れの途中で拾ってきたアイテムまで売る変人もとい変鳥。
見た目はガキだが中身は腹黒い。
―――村の中でちょっと異質な空気を放っている総合商店(自称)黄金堂店内
「ポーション5個と魔力結晶S2個で350Gだよ」
黒い翼の少年店主と買い物客と雑多な普通の商品だけを見ればここが普通の店に見えるだろう。
だが、
*『350Gね。・・・ところで、アレは何?』
客の指差す先には・・・鉢に入った踊るサボテンが。そう、ここはまともな店なのだ。一部の商品さえなければ。
「あれはだんしんぐかくたすっていう観葉植物・・・なのかな?ちなみに1000Gだよ。」
不気味な植物は踊っている。
『そ、それは素敵な植物だね・・・代金はここに置いておくよっ!』
客は代金を置いたと同時に神速で店を出て行った。世界記録更新かもしれない。
「ありがとうございましたー。次のご来店も・・・次はどんなの仕入れようかな。」
>68>76>80
>「心配なさんなよ、心配なさんなよ、ミカエルの旦那。アタシだって分別のある大人だわさ。
> アンタ程のお人にそう言われちゃあイタズラなんかできやしないねぇ。でっきゃーァしないよ、きゃらきゃらきゃら。
> 最近はイタズラなんてめっきりご無沙汰だわさ」
魔女さんは笑いながらやらないと言ってるけど、本当なのかな?
魔女さんのイタズラはやられるとちょっと嫌だけど、見てる分には面白いから好きなのに。
ミカエルは溜め息を吐きながら、『絶対に嘘だ』とか言ってたけど、本当はどっちなんだろ?
>「ごめんなさいでちゅ 今すぐ店をあけるでちゅ」
魔女さんと話をしていたら、私と同じ位の大きさの男の子が走って来たの。
男の子は看板を開店中に変えて、私達を店内にご案内。
早くカレーが食べたいな。
>「メニューはこちらになっておりまちゅ」
私達は魔女さんと少し離れた窓側の席に座ると、男の子がメニューを持って来てくれました。
いろんな種類のカレーがあるけどどうしよう?
>「そんじゃあ…折角ミカエルの旦那に奢ってもらえるんだし、一番高いのを大盛りで、トッピングを全種類付けて頼むよ」
『心配するな少年よ。私はこの魔女の分まで奢るつもりはない。
この魔女は自分の分は自分で払うさ。』
ミカエルが魔女さんの冗談を必死になって訂正してます。
魔女さんはそんなことする人じゃないのに…
でも、相手は小さい男の子だったから信じちゃうと思ったのかな?
「カツカレーとチーズカレーをお願いしまーす」
私はチーズカレー。ミカエルはカツカレーを頼んだの。
さてさて、どんな美味しいカレーが出てくるか、とぉっても楽しみ♪
>「みんなー!リクドウが拾い食いしてひよこになっちまった!柳の魔女の仕業だ!見かけたらとっ捕まえてくれ!!」
あれ?何か聞こえてきた。
何だろうな?って思ってると、ミカエルが立ち上がって魔女さんの方に行っちゃう。
私も立ち上がって追い掛けました。
ミカエルは魔女さんの紫リンゴを強盗しちゃうと、こう言います。
『さぁ、魔女殿。ちょっと役場まで来てもらいましょうか』
私には何が何だかさっぱり分かりませんでした。
>78
役場に向かって坑道をひた走るイヴァルディ。
確かここらへん、と思って出口の一つをあけみました。
そこには井戸の近くにパジャマ姿のルシエナが立っていました。
つまりここは、村はずれのルシエナの家と言うことです。
村の真ん中にある役場を目指していたはずなのに、どういうことなのでしょう?
うっすらと自分の方向音痴のせいだと思いつつも、今はそれどころでは無いとそんな考えを振り払いました。
毛皮のコートを纏ってやってきたルシエナは、パッと見で判る二日酔いでした。
「おお、ルシエナか。成人になったとはいえ一日ではそう代わり映えはせんようだな!
あの火酒は俺の酒の中じゃ下から数えた方が早いくらい優しい酒だぞ?だっはっはっは!」
余り伝わらない台詞ですが、翻訳すると「誕生日おめでとう。酒ならいつでもやるぞ」というイヴァルディなりの祝福の言葉なのです。
すっかりリクドウのことを忘れてルシエナと話し込んじゃいそうでしたが、ちゃんとルシエナが水を向けてくれました。
>「見たところ、何やら火急の用件がある様子だが。
> ――道案内は必要か?」
「そうだった!これ、拾い食いしたリクドウの末路の姿!」
頭二つ分背の高いルシエナに背伸びをして、自分の頭に載っているひよこを見せます。
「柳の魔女の悪戯だ。役場のミカエルを連れてこようとして迷っちまったんだ。
二分待ってやるから案内を頼む。」
そう言うとルシエラに背を向けて井戸の水を飲み始めます。
短い足で走ってきて喉が渇いちゃったのです。ドワーフは急いで長い距離を動くのに向いていない種族なのです。
それに、パジャマに毛皮のコートを羽織っただけのルシエラに着替えてくるようにと促すためです。
美的感覚が人間とは違うのでルシエラが裸でも平気ですが、公序良俗や謹みにを大事にする。ドワーフはそんな保守的な種族なのです。
ルシエラが着替えてきたら背の高いルシエラを連れてドワーフ丈の坑道を行くのは大変ですし、何より道案内にならないので大人しく地上を歩いていくでしょう。
>80
ありがたくもらっとくでちゅ
そういうとあーちゃんはりんごを懐に入れた
>83
せっかくもらったりんごだったけど何かやばいものらしい・・・・面白そう・・・後でこれを媒体に使い魔を作ってみるでちゅ
すばやくごく普通の紫色のりんごとすりかえる
次の瞬間普通のりんごのほうをとられてしまった・・・うまくいったでちゅ
3人とも役所のほうに行ってしまったので
とりあえず後で役所のほうに注文の特性あーちゃんカレーとカツカレーそしてチーズカレーを届けることに決めた
アーちゃんは宛名が書かれた特製の蓋とスプーン付容器に注文の品を納めるとチチンプイプイと呪文を唱える
すると容器に羽が生え役所のほうに飛んでいった
ちゃんと届くといいでちゅね
>84
「リクドウ殿!? ――これが?」
私は思わず素頓狂な声を上げてしまった。
目の前のこの愛らしいヒヨコが、
(こう言っては無礼だろうが)リクドウ殿のあのおぞましいイメージとは
とても結びつかなかったからである。
「あの性悪魔女め…。承知した、一分半で準備しよう」
こんな格好で役場に出向くわけには行かないし、
どちらにせよ、(今はヒヨコとはいえ)人間の前でこの格好を続けるのも憚られたので、
イヴァルディ殿のドワーフらしい配慮に感謝しつつ家に戻る。
こういう時には、貴族の作法より軍隊式のほうが役に立つ。
髪はさほど乱れていなかったが、二日酔いの所為か少し手間取ってしまい
ダブレットまで着終えた頃には一分と四十秒経過していた。
自分で自分を内心怒鳴りつけながら、
私はアイギナの――妹の形見である剣を掴んで家を出た。
ちなみに、本来はこの上に鎧を纏うのが正式な軍装と言えるのだが、
矢玉が降り注いでくるわけでもなし、必要はないだろう。
そもそも、このダブレットも帝国に居た頃から正装で通用する上物なのだ。
縫い込まれたミスリルの銀糸が、陽光を反射してキラキラと光っている。
準備を終えた私は、井戸端で一息ついている一人と一匹に手を振り、声を掛けた。
「余計に時間を取った。――女性の身支度は時間がかかるものと、容赦して貰いたい。
では行こうか。この辺りの道は迷いやすいから、見失わぬようついて来てくれ。
迷いの森まで出てしまったら、それこそ目も当てられないからな」
この辺りの道は、ところどころで頑丈なツタが移動を妨げている。
異常に成長が早く、毎日道を切り開かなければならない程だ。
おかげで、村の子供達が村外れまで出てきてしまう事はあまりないのだが。
先導を務める私は、持参した剣でツタを切り払いながら進んでいった。
>79
ふと、全ての始まりとなったあの夜の事が頭を過ぎる。
あの時も、王女追討の任を受けた私は、峡谷の道なき道をこうして進んでいた。
そうだ。あの時、私が仕損じる事さえ無ければ――
アイギナが死ぬ事も、帝国が滅びる事も無かっただろう。
「―――イヴァルディ殿」
私は前を向いたまま声を掛けた。
おそらく、どんな酷い二日酔いの人物よりも情けない顔をしているだろうから。
「ありがとう。妹も、きっと喜んでいると…思う」
双子の妹であるアイギナが生きていれば、私と共に成人を迎えた筈だ。昨日の酒は二人分。
単に「二度飲め」という意味だったのかも知れないが、素直に嬉しかった。
――結局、それ以上の言葉を続ける事は出来ず仕舞い。
おそらく、涙声になってしまっていただろうから。
私は無言で先導を続ける。
そろそろ、木々の隙間から村の施設が見えてくるころだ。
しもふり肉が食べたい
>83
>「みんなー!リクドウが拾い食いしてひよこになっちまった!柳の魔女の仕業だ!見かけたらとっ捕まえてくれ!!」
外で坑道を伝わるイヴァルディの怒鳴り声が響いた。
よりによって、正面に役人のいる時に。間の悪さに『柳の魔女』は内心舌を打つ。このままでは怒られてしまう。
>『さぁ、魔女殿。ちょっと役場まで来てもらいましょうか』
ミカエルが『柳の魔女』に詰め寄り、言う。
『柳の魔女』は一瞬考え、にいっと笑い、大袈裟な態度で手を広げた。
「まーま、落ち着きなよ、落ち着きなよミカエルの旦那。
確かにアタシぁしょっちゅうイタズラばっかしてたけどね、だからって何でもかんでもアタシのせいになっちゃあ困るわさ。ああ困るわさ。
証拠もナシにアタシのせいにされても……」
そこまで言いかけて、ミカエルの手の上のリンゴに気付く。……本当に間の悪い日だ。
『柳の魔女』は両手を降参の形に挙げた。
「……はいはい、分かったよ、分かったよぉ。呪いの解き方を教えればいいんだろ?役場についてってやるよ。
その前に奢りのカレーくらい食べさせてくれてもいいのに、セッカチなお人だねぇ」
拗ねたように口を尖らせ、しぶしぶと重たそうな腰を上げた。
89 :
魔王:2006/08/21(月) 19:40:37
名前: 魔王
種族: 魔族
性別: 男
職業: 魔王(単身赴任)
外見: シワだらけの青いトカゲ、といった風貌。
服はムラサキ。悪趣味。
身長: 3mほど
体重: 2tほど
好きなもの: ハラワタ
嫌いなもの: 魔法を封じ込めるモノ
キャラ解説: 魔界から派遣されてきた魔王。
彼の一族は大魔王の統轄のもと
あちこちの世界に派遣され、侵略の尖兵を担っている。
だが彼はあまりにも険しい山の上に居城を築いてしまったので
勇者が全然やって来ないのだ。
ちなみにあーちゃんは美しいラミアとの間に出来た子供である。(未認知)
90 :
魔王:2006/08/21(月) 20:02:17
魔王は退屈していました。
魔界から出てきたはいいんですが、挑戦してくる勇者が全然いなかったからです。
しかもこの世界は人間同士の戦乱こそあったものの、かつて世界を騒がせた
暗黒竜のような強力なモンスターはあらかた退治され尽くされ、今ひとつ侵略の
成果が挙がっていません。
「あ〜、ヒマで仕方がないなぁ。何かこう面白い事は無いものだろうか」
ある日、他の世界に派遣されている彼の兄から念話が飛んできました。
そちらは多くのモンスターを凶暴化させ、つい先ごろも勇者の一人を
火山の火口に叩き込んで仕留めるという大戦果を挙げています。
『どうしたのだ弟よ。随分と暇を持て余しているようだが』
「ああ、兄上。実はかくかくしかじか」
『なるほど。ワシにもそのような時期はあったぞ』
「本当ですか?」
『うむ。そんな時には恋人同士に動物になる呪いをかけるなど
嫌がらせをして暇を潰しておったわ』
「なるほど、嫌がらせですか」
魔王は考えました。自分も嫌がらせをしてみよう。
でも、彼は兄上のような強力な呪いは扱えません。
彼のもたらすささやかな不幸なんて、人間達の戦争に比べたら
全然大した嫌がらせにはならないでしょう。
なら、なるべく平和な、幸せそうな人々に嫌がらせをしてやろう、と
魔王は考えました。
そこで彼の息子が居るという村に目をつけたのです。。。
=========================================================
>83>84>86>88
「さぁ、まずは手始めだ!」
魔王のこうげき!
『柳の魔女』を護送していたミカエル&ルシフェルの上に
蜂の巣が落ちてきた!
おしどり夫婦に襲い掛かる蜂の群れ!
魔王のこうげき!
役場に向かっていたイヴァルディ&ルシエナの足元に
どこぞのゴブリンの子供が掘った落とし穴が出現!
底にはネバネバグチャグチャの巨大アメーバがあらわれる!
>85>88>90
>「まーま、落ち着きなよ、落ち着きなよミカエルの旦那。
>確かにアタシぁしょっちゅうイタズラばっかしてたけどね、だからって何でもかんでもアタシのせいになっちゃあ困るわさ。ああ困るわさ。
>証拠もナシにアタシのせいにされても……」
>「……はいはい、分かったよ、分かったよぉ。呪いの解き方を教えればいいんだろ?役場についてってやるよ。
>その前に奢りのカレーくらい食べさせてくれてもいいのに、セッカチなお人だねぇ」
魔女さんは自分がイタズラしたって自白しちゃった。
今回はあの紫色のリンゴを使ってイタズラをしたみたい。
今回はどんな効果が表れるのかな?少し楽しみ。
『私は奢るとは一言も言ってはいない。
それに、カレーを食べる前に迷惑を掛けた人に謝るのが当然のことだ。』
ミカエルって……厳しい。
でも、そんなミカエルが大好き。
だけど…魔女さんには本当に悪いことしちゃったな。
魔女さんもカレーを食べたかったはずなのに…
私達は店主の男の子に一礼をして、店から出ました。
道中、魔女さんとお話(ミカエルの尋問)をしながら歩いていったの。
そしたら突然、私達の後ろに蜂の巣がどこからか落ちてきたの。
蜂さんはみんな怒ってた。
急に落っことされたって。
私が道端の木の上に蜂の巣を置いてあげると、蜂さんは喜んで巣に帰っちゃった。
村役場に着いた時には、今回、魔女さんがやったイタズラの内容を全部教えてもらっちゃいました。
役場の中に入ると、私と魔女さんは備え付けのベンチで待機。
ミカエルは仕事の準備を始めちゃった。
私が魔女さんとお話をしていると、パタパタとカレーが飛んで来たの。
これって…さっきのお店のカレーかな?
ありがたく頂戴させてもらいます。
いっただっきまーす!
見ると魔女さんにもカレーが届いたみたい。
良かったね、魔女さん。
92 :
名無しになりきれ:2006/08/22(火) 00:46:46
村の中央に大道芸人が居ます
殴りましょう
シェラは暗黒竜さんを担いで、よろよろと村への道を進みます。
暗黒竜さんは見た目よりずっと重い事を、今回シェラは始めて知りました。
額の汗を拭い、背の暗黒竜さんをゆすり上げ、一歩一歩進みます。
遠くから木を切り出す音が聞こえてきました。
ああ、近くの森に誰か居るようです!シェラの足にすこし力が戻りました。
>73
音のする方へ歩いていくと、かべぬりさんが日課の山菜摘みをなさっていました。
手にもっていらっしゃるかごには、不思議な実がたくさん入っています。
「かべぬりさん!かべぬりさん!暗黒竜さんが大変なんです!
お願いです、お知恵を貸して下さい!」
シェラは息を切らしながら、かべぬりさんの方へやってきました。
>70 >75
遠くに見えるハマーさんに気づき、手招きしながら声をかけます。
「ハマーさん!私にお力を貸して下さいませんか?」
ハマーさんがこちらに気づきました。
ハマーさんと話していたらしい男性もこちらに気づきました。
頭に黒い布を巻いた見覚えの無い男性です。
きこりには見えないのに木を切り出しているところを見ると、新しい村の住人の方でしょうか?
シェラは色眼鏡の男性に、ぺこりと頭を下げました。
男性の近くには荷車がありました。
皆さんのお知恵を拝借してもダメだった時、暗黒竜さんを荷車に載せて運んでもらえないでしょうか?
シェラは事情を話しました。
「・・・・・・・というわけで、暗黒竜さんの頭に金ダライが落ちてきて・・・。
それっきり暗黒竜さんは目を覚まさないのです
人間ならともかく、私は竜に効く薬草なんて分かりません。
皆さん、どうすれば暗黒竜さんは目を覚ましてくれるのでしょうか?」
まさかこのまま・・・と言いかけて、思いとどまりました。本当になりそうで恐ろしかったからです。
シェラはすがるような目で皆を見つめます。
「ねえ皆さん、何かご存知ないでしょうか?
竜に効果のある山菜や、目を覚ませる歌とか・・・・・」
暗黒竜さんとよく似た赤い目からは、今にも大粒の涙が零れおちそうです。
>86
「生真面目な奴だな。そんな事より行こうか。」
服装を整えてきたルシエナのかしこまった口調に肩を竦めながら応えます。
二人は森を走ります。。
足の短く重鈍なイヴァルディが何とかついていけたのは、先導するルシエナがつたを切り払いながら進んでくれたからでしょう。
そんな途中、急に声をかけられました。
>「ありがとう。妹も、きっと喜んでいると…思う」
振り向きもせずにお礼を言われたのですがイヴァルディには何のことだか判りません。
火酒を二人分渡したのは単にイヴァルディの基準で考えた【人間の飲む酒の一人分】だったからです。
でも追求するような真似はしません。
なにかイヴァルディにわからぬ想いがあったのだろうと察することくらいはできるのですから。
>90
そうしているうちに村の施設が見えてきました。
もう少しです。
知らせは村中に響いているはずですから、きっと役場では【柳の魔女対策本部】が設置されているでしょう。
のんびりした村でめったに騒動は起こりません。
だから柳の魔女の悪戯を面白いイベントのように楽しむ人もいるからです。
森を抜ける直前、突然足元が崩れました。
落とし穴です!
まっさかさまに落ちていくイヴァルディ。
密度の高いイヴァルディはこのままでは穴のそこにめり込んでしまいます。
ぶつかる、とぎゅっと力を込めたとき、【ぼよ〜〜ん】という効果音と共にイヴァルディは宙を舞います。
さっきまで落ちていたのに、今度は逆に飛び上がる。
丁度地面まで飛び上がって、上手い具合に穴の隅に着地しました。
「まったく、さてはギの仕業だな?穴掘りの基礎がなっておらんわい!あとで埋めておいてやる。」
ぷんぷん怒りながらイヴァルディが穴のそこを見ると巨大なアメーバーが手を振っています。
アメーバーがトランポリンのようになっていたようですね。
>『私は奢るとは一言も言ってはいない。
> それに、カレーを食べる前に迷惑を掛けた人に謝るのが当然のことだ。』
『柳の魔女』はぷりぷりと口を尖らせ、言う。
「ケチい事言うなよぉ。儲けてんだろ?
善良な村民にたまにご馳走くらいしてくれてもバチは当たらないんじゃないのかね。それが働くオトコの懐の深さってモンだわさ」
善良な村民は毒リンゴなど作らないが。
ルシフェル達とともにあーちゃんの店を出て、役場に向かう。
ミカエルは道中今回の件について訊ねてきたが、
「おきゃらきゃらきゃら。今回の呪いはついに師匠を超えたと思うんだわね!このこんがらがり方がすっごいんだよーぉ」
「しかばねの旦那ぁ!ヨッホーイ、いい天気だわね!…返事がない、ただのしかばねのようだってかぁ。きゃらきゃら!」
「あ、取調べならやっぱりご飯食わせてくれんのは定番だよね?定番だよねぇ?もうお腹ペコペコで喋る元気もないわさ」
「リクドウの旦那は疑いつつも疑いなくリンゴを食うお人だからね、今回も絶対食うと思ったんだよぉ。おきゃらきゃら」
「あ、見て見て、広場に大道芸人がいるよぉ。ねー旦那ねーね旦那ぁ。何やってんだろうね?ちょっと見て行きたいわさ」
「可愛い可愛いひよこになれば、リクドウの旦那も今よりかは全然エプロンドレスが似合うようになると思わないかい?」
ずっとこんな調子である。
叱っても叱っても、ただゆらゆら揺れるばかり。
そんな調子で歩いていると、急に一行の背後に蜂の巣が落ちた。
「おわ!?な、なんだい?」
中から怒った蜂がブンブン飛び出してきた。
「ひー、おっかないねぇ、なんとかしとくれよぉ!」
たかる蜂から慌てて逃げ廻る『柳の魔女』。自分の魔法で発生させたものを除き、動物や畜生の類は基本的にニガテなのだ。
ルシフェルが巣を戻すと、蜂達の怒りは収まったようだ。……が。
「……」
『柳の魔女』のほっぺたは刺されてパンパンに腫れていたのだった。
役場に着くと、ミカエルは仕事の準備に去っていく。
『柳の魔女』はルシフェルと共にベンチで待つことになった。
雑談していると、どこからともなくカレーが飛んで来る。さっきの店から届いたらしい。
「へえ!中々律儀なボウヤだわさ」
『柳の魔女』は感心した声をあげ、遠慮なくがっつく。
「ところで奥さん、動物変化の呪いの解き方って、知ってるかい?どれだけ複雑にかけても、昔っからこれだけは定番なんだよぉ」
柳の魔女は、カレーからルシフェルに目を向け、にや〜っと笑って、言う。
「愛する相手からのキッス!さ。口唇が軽くちょこっと触れるだけでも、ヒヨコの頭でも背中でも羽先でもどこでもいい。
自分が想いを寄せている相手から口付けをもらえれば治っちまうっていう、ロマンチックな呪いなんだよぉ」
ただし、その事を相手が知ってると効果がなくなっちまうけどね、アタシの呪いの場合。…と、『柳の魔女』は注釈を付けた。
そしてカレーを頬張りつつ、続ける。
「つまり、リクドウの旦那の場合だとシェラとかって小娘になるね。皆知ってると思うけどさぁ。
きゃらきゃらきゃら、あのお人はウブだからね。いつまで経っても秘めたる片思いを続けてるみたいだから、
今回はアタシがひと肌脱いでやったってわけだわさ」
本当は口付けでなくても「想いを寄せる相手から思い切り叩かれる」でも呪いは解けるのだが、それは教えない『柳の魔女』だった。
あっという間にカレーを食べ終えると、『柳の魔女』は辺りを確認し、にや〜っと笑う。
こちらに目を向けている人はいない。スキあり、というやつだ。
「奥さん奥さん」
『柳の魔女』はわざとらしく声を潜めて、ルシフェルに言う。
「アタシの千里眼でさっき見えちゃったんだけどさ、裏山の方でドラゴンに襲われて困ってる女の子がいるんだよ」
もちろん嘘である。
「だから、ちょいちょいと行って助けて来るわさ。ひよこの呪いの解呪方法は今教えたし、向こうの方が急ぎだからね。
リクドウの旦那のことは頼むよぉ。上手い作戦でも練ってやっとくれ。あと、ミカエルの旦那にはよろしく言っといておくれよぉ」
柳の魔女は袖から柳の枝を取り出すと、素早い仕草で空気を四角く切り取るように動かす。
手で掴み、切り取った空気を扉のようにがちゃりと開けた。
「まただわねぇ奥さん!」
そして、あっという間にその中に消えていった。
枝を取り出してからこの間、わずか2秒。逃げ足は毎度ながら極めて速い。
※>95>96は合わせて>90>91に対して。レスアンカー引き忘れてました。
>93
5本目の木に斧を入れ始めた頃のことです。
こーんマーさん!こーんを貸して下さこーん…
斧が木に食い込む音に混じって、誰かの声が聞こえる事にフーコーは気がつきました。
さっきと全く同じ描写ですが、細かい事は気にしないほうが健康で長生きできるでしょう。
振り向くとシェラさんがやたらぐったりした暗黒竜さんをを背負って立っていました。
そのそばには小さなかべぬりのおじいさんもいました。
「やぁ、娘さんにご老体。どうしなすったね?」
フーコーは切羽詰った様子のシェラさんに近付き、事情を聞きました。
一人旅を続けてきたフーコーは何事に関してもそれなりに知識を持っているつもりでしたが、
生憎金だらいで頭をどやしつけられたドラゴンを目覚めさせる方法はちょっとわかりません
「…ただの脳震盪じゃないか?」
フーコーはそう言いながら暗黒竜さんをひょいとシェラさんの背中から抱えあげました。
そのままトラスのところまで運んで、落っこちたりしないようにほどいた頭の布で荷車に縛り付けました。
ロープだとちょっと痛いんじゃないかなと思ったのです。
「俺の荷物の中に気付け薬があるから、それを使ってみよう。娘さんも来てくれるかな?」
シェラさんも荷車に乗せ(ついでに斧も預けて)、自分はトラスの背に跨ります。
フーコーの薬が効かなければ役場なり診療所なりへ連れて行くことになるでしょう。
その時は一部始終を見ていたシェラさんの説明があったほうが良いと思ったからです。
「それじゃあ旦那方、またいずれ」
おじいさんとハマーさんに小さく手を振り、フーコーはトラスの腹を軽く蹴りました。
トラスはかっこかっこと蹄鉄を鳴らして、駈足で村へ戻り始めました。
>75
この村への移住者は最近多い。ほしふり城の大臣が失踪したという噂を聞いて以来頻繁だ。
何かよからぬことが起こらなければいいが・・・
>「おたくは村の人かい?その剣、研ぎに出すなり打ち直すなりするなら是非俺んとこに頼むよ」
ハマーが話しかけた相手は、フーコーというらしい。
「あぁ、よろしくフーコーさん。俺の名はハマー。気ままに村暮らしを楽しんでる・・・って、
その剣とは何じゃその剣とは!こいつには『のりこ』という立派な名がある!!
のりこは俺の両親が戦死して以来ずっと俺を励ましてきてくれた仲間だ!!
そもそもなぜのりこかというと、その由来はだな・・・・・・」
愛刀のことになるとハマーはうるさい。そりゃもう余裕で3日は語れる。
そしてそんなハマーの演説を聞いてか聞かずか、フーコーはまた木に向かって斧を振り上げました。
5本目の木に斧を入れ始めた頃のことです。
>73>93
「ハマーさん!私にお力を貸して下さいませんか?」
「ふぇ、シェラさんっっっ!!」
かべぬりのじいさんと村一番の生娘、シェラさんが、
ぐったりした大根売りの暗黒竜を担いでこちらにやってきました。
実はハマーは赤い瞳を持つシェラさんに、恋をしていたのです。
ここはポイントを上げる所だと張り切りすぎたせいか、ハマーは緊張して一言も発せられなくなりました
シェラが事情を話すのを、熱心に聞くフーコーとかべぬりじいさん。
「・・・・・・・というわけで、暗黒竜さんの頭に金ダライが落ちてきて・・・。
それっきり暗黒竜さんは目を覚まさないのです
人間ならともかく、私は竜に効く薬草なんて分かりません。
皆さん、どうすれば暗黒竜さんは目を覚ましてくれるのでしょうか?」
「ねえ皆さん、何かご存知ないでしょうか?
竜に効果のある山菜や、目を覚ませる歌とか・・・・・」
ああ、今日も綺麗だなシェラさん。腰まで伸びた銀髪がやべえよそれにしても良い匂い
いかんいかん何を考えてるんだ俺は!まず挨拶だろうが挨拶
今日の俺の鐘の音はどうだったかい?
だめだこんなんじゃ!意味がわかんないしへたすりゃ嫌われるかも
ていうか今はそんなときじゃないだろ!暗黒竜やばいよ暗黒竜
どうすんの!俺どうすんのよ!?
>97
「それじゃあ旦那方、またいずれ」
「!」
ハマーが一人でテンパっている間に話はついたようで、気づいた頃にはフーコー、暗黒竜、そしてシェラさんの乗る
荷車ははるか遠くに。傍らには小さなおじいさん。
「かべぬりのじいさん・・・」
一筋の涙がこぼれました
どっかの海岸にて。
縄で縛り上げられた暗黒竜(体長10センチほど)が、
古ユグド様式の服を着た子供達に棒で叩かれまくっている。
ビシッ! バシッ! と、まるでコントのような効果音。
そこに何故か現れるシェラ。
「こらこら、生き物を苛めちゃ駄目だって教えたでしょう」
え〜? と不満の声を上げる子供達。
「それよりもダイコンの煮付けが出来ましたよ。さあ、皆で食べましょう」
わ〜い! と歓声を上げる子供達。
シェラは彼らを伴って何処かに言ってしまった。
※「おい、貴様ら〜」
無人の海岸に暗黒竜の声が虚しく響く。
※「ダイコンの煮付けよりも、この縄をほどいて行かんか〜。
聞いとるのか〜」
そんな暗黒竜の鼻先に、ガニラスと呼ばれる巨大な蟹のモンスターが
ハサミを光らせながら迫っていた…。
>>93 >>97 相変わらず暗黒竜は荷車の上でうなされている。
※「ムーッ ムーッ
ダイコン… 煮付け… ギャワ〜ッ」
今度はダイコンの煮付けのようだ。
一体、どんな悪夢を見ているのやら。
しもふり村100周年記念イベント開催決定
>90 >94
酒が抜けきっていないのだろう。
我が事ながら、どうにも弱気になっていかん――と、思う。
感傷に浸り過ぎていたからだろうか。
私は、足元のトラップに全く気付かなかった。
いきなり地面の感触が無くなる。唐突な浮遊感。
その後のことは良く覚えていないが、
私は、落とし穴の側壁に夢中でしがみ付いていた。
――左手には、今払おうとしていたツタの感触。
今回ばかりはこいつに助けられたようだ。
その時、【ぼよ〜〜ん】という間の抜けた音が聞こえたかと思うと、
宙を舞うイヴァルディ殿が私の頭上を飛び越えていった。
怒りながら穴を覗き込む彼を見て、ふぅ、と安堵の溜息をつく。
陥穽の罠というのは大抵二重トラップになっており、
落とされた先にこそ、仕掛けた者の悪意が存在している事が多いからだ。
「まぁ、とにかく大事ないようで良かった。
しかし―― 飛竜やグリフォンは何度も見てきたが、
空を飛ぶドワーフは初めて見たよ」
私としては渾身の冗談のつもりだったのだが、
こんな事を言ってないでさっさと這い上がるべきだったのだろう。
何故なら次の瞬間、ぶちっという音と共に左手のツタが切れてしまったからだ。
再度の浮遊感。
あとはイヴァルディ殿と同じ過程を繰り返すのみ。
ただ、体格と重量の違いからか
彼のような安定飛行ではなく、派手に空中回転した挙句
無様に尻餅をついて着地したのだが。
昔の部下に見られでもしたら自刃モノの失態だ。
とにかく、落とし穴のお陰ですっかり酔いは醒めた。
他愛も無い話でもしながら役場を目指そう、と思う。
>97 >98
かべぬりさんはいつもどおり飄々としています。
ハマーさんは何か考え込んでいるようです。
ハマーさんはとても無口(※シェラの認識)ですが、とても親切なチキンドラゴ です。
きっと暗黒竜さんを心配しているに違いありません。
>「…ただの脳震盪じゃないか?」
色眼鏡の男性はぼそりと言いました。シェラはホッとした顔をしました。
「・・・・・・!そうで・・・すか?ただの脳震盪でしょうか?」
安心してその場にへなへなと座り込みそうになったシェラの背から、男性がひょいと暗黒竜さんを取り上げます。
色眼鏡の男性は見かけに寄らず、とっても力持ちのようです。
「俺の荷物の中に気付け薬があるから、それを使ってみよう。娘さんも来てくれるかな?」
「はい!ご一緒させて下さい。あ!申し遅れました。私はシェラです。ええと・・・・・・・」
そういえば、まだ色眼鏡の男性のお名前を聞いていませんでした。
色眼鏡の男性は、頭に巻いていた布で 暗黒竜さんを固定しました。
これで少々荷馬車がゆれても、転がり落ちる心配は無くなりました。
「ちょっと苦しいかもしれませんが、荷馬車から落ちたらとても痛いです。
暗黒竜さん、どうかしばらく我慢して下さ・・・きゃ?!」
いっしょうけんめい暗黒竜さんに話し掛けていると、シェラもひょいと担ぎ上げられました。
まるで、猫の仔でも運ぶような気軽さです。
>「俺の荷物の中に気付け薬があるから、それを使ってみよう。娘さんも来てくれるかな?」
>「も、もちろんです」
素っ頓狂な声を出してしまったので、シェラは一人赤くなりました。
荷台の上で、ちょこんと暗黒竜さんの隣に収まります。
>「それじゃあ旦那方、またいずれ」
「今日は慌しくて申し訳ありませんでした。一足先に村へまいりますね。
――――シェラは、かべぬりさんとハマーさんに御用があったのを思い出しました。
「かべぬりさん、こんなときに何ですが・・・以前頼まれていた薬、出来上がっています。
ハマーさん、この間おみやげにいただいた蜂蜜で、蜂蜜漬けを作ってみました。
お口に合うかどうか分かりませんが、ハマーさんの分も用意してあります。
おふた方、またお茶のみがてら、私の家にお立ち寄り下さいね。」
シェラは遠ざかる人影に、深々と頭を下げました。
>83
>「みんなー!リクドウが拾い食いしてひよこになっちまった!柳の魔女の仕業だ!見かけたらとっ捕まえてくれ!!」
イヴァルディ さんのお声です。
「・・・・・・リクドウさんがひよこに?」
シェラは目をぱちくりさせました。ぜんぜん想像できません。
まあ今のイヴァルディさんのお声は、穴を通じて村中に響き渡ったでしょう。
村の皆は、今頃嬉々として柳の魔女さんと鬼ごっこを楽しんでいるに違いありません。
シェラはおずおずと黒眼鏡の男性に話し掛けました。
「ええと・・・柳の魔女さんというのは、紫のローブとトンガリ鍔広帽子のふくよかな魔女さんです」
ちょっとお茶目な方で、時々魔法を使っていたずらするんです。ですが、決して悪い魔女さんじゃないんですよ。
取り返しのつかないようなことや、命に関わるようないたずらは絶対しないんです」
そこまで話して、シェラはあっと口を押さえました。
なんてことでしょう。色眼鏡の男性がお仕事の手を止めて協力して下さっているのに、まだ一言のお礼も申し上げていません!
「今日はお仕事の邪魔をしてしまって申し訳ありませんでした。
見ず知らずの私たちを手助けしてくださって、感謝の言葉もございません。
・・・立ち入った事をうかがいますが、あなた様はもしかして、この村に新しく住まわれる方ですか?」
>99
>※「ムーッ ムーッ
ダイコン… 煮付け… ギャワ〜ッ」
「暗黒竜さん?!ああ、しっかりなさって下さい!」
なんという事でしょう。ひどくうなされています。
シェラはシップがわりのハンカチを、暗黒竜さんの頭に載せなおしました。
それにしても一体どんな夢を見ているのでしょう?
「夢にまで見るなんて・・・だいこんの煮つけ、そんなにお好きだったなんて。
目が覚めたらきっとご馳走しますからね」
今日はだいこんの煮つけで決まりです。
>100
「しもふり村100周年記念イベント開催決定 」と、村長さんの家の前に張り紙がしてありました。
多分役場の前にも同じ張り紙がしてあるでしょう。
しもふり村はしもふり肉で有名な村で、ほしふり村と姉妹村です。
しもふり村が記念イベントを開催するなら、ほしふり村でもきっと協賛イベントが催されるでしょう。
・・・・・そういえば、今は収穫の月(>26)。 そろそろ村祭りの季節ですね。
>87さんも村祭りになれば、美味しいしもふり肉が食べられるでしょう。
村の大通りが見えてきました。
新しく開店したカレー屋さんは繁盛しているようです。
羽付きのカレー皿がふわふわと空を飛んでいきます。・・・・・・あれはもしかしてカレーの出前でしょうか?
黄金堂店さんから血相を変えて飛び出してきたお客さんは、きっとアレを見て度肝を抜かれたのでしょう。
『はばたくひよこ』の前には、当然ながら野次馬が集まっていました。
荷車は村の市口の方へ向かっています。
「お薬がおいてあるのは、もしかしてシャムロックの御宿ですか?」
だとしたら、シェラはお宿の外で待っていることになるでしょう。
名前: かみさま(本名 神 狭磨呂)
種族: 神様
性別: 男(20代後半)
職業: バイト(品出し、皿洗い)
外見: 半裸、下は腰紐付きパンツ
身長: 168cm
体重: 68kg
好きなもの: 悪魔関係の本、グッズ集め
嫌いなもの: 天使(理由:ケツ丸出しでキモいから)
キャラ解説:みなさん、ご存知の神様。
その姿は宗教観によって違う。
性格はいたって普通。だが、性欲は人間ほどはなく淡白。
好きな食べ物は、うどん。
へぇ、ここが霜降り村か。
ここの名産の「霜降り牛」とやらのすき焼きでも食べるか。
予算は3000円、さぁどうしようか。
そうこうしている内に、日は暮れてしまった。
今日は野宿でもするか。そう思ったが、眠くないので村中を走り続けて朝を待つ。
「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっさまぁーーーーーー!!!
はっはっはっ・・・・はぉおおおおおんッッッ!!」
>95>96
魔女に関する報告書も書き終り、ミカエルは妻と魔女の待つベンチに戻ったが……
『ルシフェル。魔女はどこに行ったのだ?』
「うーんとね。ドラゴンにイタズラしに行くって言って逃げちゃった。」
『で、ルシフェルは何もせずに見ていたのか?』
「うん。面白くなりそうだったし。」
ミカエルはがっくりと肩を落とし、【orz】のポーズまでしてしまった。
折角報告書まで書いたのに、その苦労が水の泡。
しょぼくれたミカエルは、ルシフェルに渡されたカレーを食べることにした。
カレーを食べ終ったら二人で探しに行くであろう。
カレーを食べている時に、ミカエルのポケットから紙が一枚落ちた。
それはアンケート用紙。
ちょっとその内容を見てみることにしよう。
名前:ミカエル
種族:天使
性別:男
職業:公務員
外見:短めの金髪、金色の瞳。白い服を好んで着る。
身長:173cm
体重:63kg
好きなもの:ルシフェル、仕事、魔法
嫌いなもの:通勤
キャラ解説:極度の愛妻家。
魔法が非常に得意で、村の困った人の達の為に魔法を使用している。
バタ、バタンッ (⌒;;)
____〆(⌒;;) あかないお
/ /
" ̄ ̄ ̄ ̄" (⌒;;)
>101
イヴァルディが落とし穴を覗き込んでいると、ルシエナが張り付いているのに気付きました。
どうやら落とし穴に落ちるギリギリのところで助かっているようです。
>「まぁ、とにかく大事ないようで良かった。
> しかし―― 飛竜やグリフォンは何度も見てきたが、
> 空を飛ぶドワーフは初めて見たよ」
引き上げてやろうと太くて短い手を差し出すと、ルシエナがこんなこと言うではないですか。
生真面目だとばかり思っていたのに、こんな状態でこんな冗談が出てくるなんて。
「ぶはっはっはっは!なかなかいうなぁ!・・・あ!」
思わず差し出していた手で額を押さえて大笑いをしてしまいます。
その直後、ルシエナが捕まっていたツタがぶちっと音を立てて切れてしまいました。
ルシエナはまっさかさま。
でも大丈夫。イヴァルディと同じように巨大アメーバーのトランポリンで帰ってきたのです。
でも手足が長くて重心が上のほうにあるせいか、尻餅をついてしまったのでイヴァルディは盛大に笑い転げてしまいました。
「ぶわっはっはっは!これはいいな!なあ、ルシエナ。今度のしもふり村100周年記念イベントとほしふり村の収穫祭。
これで興行でもやるか?
穴は俺がどこにでももっときっちりしたものを掘るから。子供たち喜びそうじゃないか。ぶわっはっは!」
笑いながら村役場へと歩いていきます。
ひよこになったリクドウのことも大事ですが、年に一度のお祭りで何か企画しようと思っていたのです。
>106
「おーいみんなー。柳の魔女は見つかったかー?」
もう声が届くほど村役場に近付いたので、大声を上げて声をかけます。
村役場には村人達が集まっているようです。
「みんな、よく見ておけー。これがあのリクドウだ!」
役場まで来ると、頭の上に乗っているひよこを見せます。
村人達はファッションセンスの砂漠ならぬ毒沼地帯のリクドウが可愛いひよこになっているのを見て驚くでしょう。
109 :
名無しになりきれ:2006/08/23(水) 23:05:10
よしピンク色に染めてやれ
夜店かよっ
111 :
アルカンツェル ◆SsvzxTpmVk :2006/08/23(水) 23:37:26
「ピンクのカレーでちゅか・・・・やめとくでちゅ危険すぎまちゅ」
???「イェス マイ マスター」
「カレー鍋ちゃんとかき回すでちゅよ」
???「イェス マイ マスター」
「何か失敗したでちゅかね?」
???「イェス マイ マスター」
「それしかいえないのでちゅか」
???「ジャア オマエ トベンノカヨ」
「飛べまちゅけど なにか?」
???「・・・・・・・・・・」
名前:まだ無い
種族:使い魔
性別:無し
職業:使い魔
外見:ひよこの頭と鳥の足と鉤爪のついた羽の生えた紫色のりんご
身長:150cm
体重:りんご一個分
好きなもの:りんご(共食い?)
嫌いなもの:ミミズ
キャラ解説:あの時すり替えたりんごの成れの果て
112 :
店の客:2006/08/23(水) 23:55:29
>111
「おい店長!E-mail皿に半角でsageを投入してくれ!
ほしふり村ではそういうのが喜ばれるぞ!
…にしてもこの店のカレーうめえな、おかわり!」
>102
トラスは大きな体に似合わず軽快な足取りで進んでいきます。
その背の上ではフーコーが鼻歌交じりに手綱を握っていましたが、
余裕ぶっこいたクール気取りの見た目とは裏腹にかなりあせっていました。
勢いよく跨ったは良いものの、トラスの広い背中はとても広く、
鞍も鐙も無しではすこし気を抜くと落っこちてしまいそうだからでした。
おかげでシェラさんが言ってることもイヴァルディさんの叫びもあまり耳に入りません。
生返事しまくりでとても失礼な野郎に成り下がっています。
幸いにしてよく踏み固められた道は平坦で大きな揺れはなく、
フーコーが地べたに転げてしまうような事はありませんでした。
宿から来た道を逆にたどって行くと先ほどのひよこの看板のお店の前に人だかりが出来ていました。
フーコーは柳の魔女云々の騒ぎとこの人だかりで、
先ほど名前のでたリクドウさんがそこの店主だとようやく気づきました。
「はばたくひよこ」のそばを通り抜け、ようやく宿にたどり着きました。
フーコーの内腿は今にも火を噴きそうです。
「ちょっと待っててくれ」
シェラさんに言い残してフーコーは宿へ入ります。若干怪しい足取りで。
背嚢の外側のポケットに入れていたスキットルをさっと取り出して、すぐに表へ戻りました。
薬や包帯はすぐに使える場所に入れておくものです。
「ああ、そういえばまだ名も言ってなかったな。フーコーだ。今度この村に住む事になった。
鍛冶と、まぁちょっとしたからくりや細工物を作るのが仕事だな」
そう言いながら装飾の施されたスキットルを軽く振って見せました。
これはフーコー自身が作ったものなのです。
「なにか用があればぜひうちに」
最後は軽い営業トークで締めながら、フーコーはふたを開けます。
それを一瞬のためらいも見せずに暗黒竜さんの鼻先へ近づけました。
中からは気休め程度のミントの香りとものすごく酸っぱい匂いが立ちこめました。
しかし暗黒竜さんはうめき声を上げただけで目を覚まそうとはしません。
「…」
フーコーは無言で、中の液体を少し暗黒竜さんの鼻先につけました。
「ハーイ タダイマ」
なんか紫色した妙なのがおかわりを運んできた
まあもっと変なのがいるのでみな気にしないが・・・
わたしはエリヤ。たった一人で、血反吐とかいろいろ吐きながら塾を切り盛りしている、ぷりちーでせくしーな偉人です。
しかしその実体は!地上の迷える子羊たちを誘惑して試し、その真価を見極めるためにやってきた、偉大な天使なのです。
エリヤとは世を忍び地上で活動するための名前で、天使としての真の名前は別にありますが、そいつぁ乙女の秘密です。
今日のわたしは、ドワーフのイヴァルディさんを誘惑すべく、後を追っています。
何気にこの村での初仕事です。ドキドキします。って言うか何すれば良いのかわかりません。
でも考えていたってしょうがないので、とりあえず後を追っている次第なのです。
>90
そして現在、わたくしは落とし穴の底でスライムと格闘中です。
不覚でした。追いかけてたら、なんか落とし穴があって、落ちて、底にはスライムがいて、しかも絡み付いてくるなんて!
よくよく考えてみれば、イヴァルディさんがさっき落ちて下から出てきてたじゃないですか!
何で落ちたんだわたし!天使が落ちるなんて縁起でもない!
そしてこのスライム、スライムのくせに手強いです。こんにゃろ、スライムのくせに生意気だぞ!
「あっ、ちょっと、やっ、なにをする きさまー」
本来なら、翼で空を飛んで危機を脱するところなのですが、スライムが絡み付いて思うように羽が動きません。
「こらっ、このわたしを誰と心得るか!狼藉はやめい!」
「どろどろ」
「ちくしょー、何だよ馬鹿にして!本名聞いたらみんなびっくりするくらい大物なんだぞー!」
「どろどろどろどろ」
「ごめんなさいごめんなさい、あっ、ちょっと待って!Help!Help!」
名前:エリヤ
種族:天使
性別:女(の姿を好んでとる。キャラ解説参照)
職業:塾の先生(読み書き、護身用の魔法などを教えている)
外見:黒い髪と赤い眼が特徴の、妖しい魅力を備えた美少女。驚くと悪魔みたいな黒い羽と尻尾が見え隠れする。
身長:158p(今の姿)
体重:46s(今の姿)
好きなもの:誘惑に打ち勝つ強い人、誘惑に負ける弱い人、果物
嫌いなもの:誘惑しなくても悪の道に突き進むような人
キャラ解説:
若い身空で子供たちに読み書きや魔法を教えている、塾の先生。
その正体は、地上に住まう者達を誘惑して、その真価を試すために遣わされた天使である。
美しい少女の姿をしているのは、『誘惑って言ったら美女とか美少女でしょう!』という、偏った思考の結果である。
驚いたりすると、角とか尻尾とか蝙蝠の羽が出てくる。
……念のために言っておきますけど、ちゃんとした天使ですよ?
雲海に浮かぶ神殿にて。
一匹の茶色いドラゴンが、ドラゴンサイズの巨大な扉をくぐって、これまた巨大な部屋に入ってくる。
部屋で待っていたのは、黄金色の鱗を持つドラゴン。
「よくぞ参られました、地竜ロプトウス」
※「神なる竜の王よ、用件とは一体?
地べた這いのサル共に関する事なれば、我々の見解は先に述べた通り…」
「その話は後ほど存分に。まずはスープでも飲まれては如何です?」
ふむ、と唸る地竜。神竜族のもてなしを無碍にするわけにも行くまい。
酸っぱい匂いに一抹の不安を覚えるが、竜族の作法に則り鼻先から一気に……
>>103 >>113 _∧/∨\∧/し'//// .)
\ ,,_l!l! ∠_
> 〃7/ ┬ _ 、、 <__
> // ‐┴‐  ̄ 〃 <
鼻先に気付け薬を付けられた途端、
暗黒竜はどこぞのオシシのような絶叫と共に飛び上がった。
朦朧としていたのか、上空10mほどの所でしばらくホバリングしていたが、
20秒ほど経った頃に、暗黒竜が君達の所まで降りてくる。
ウォホン、と咳払い。
※「・・・やっときたか・・この日が・・・・
この2000ねんのあいだ なんどとなく アーダンとの戦いを おもいだしたぞ
私の ただいちどの はいぼく!
ゴミのような にんげんに 暗黒竜が やぶれたのだ!
2000ねんのあいだ このはずかしめに たえてきた! だが きょうで それもおわる
おまえたち をほうむりさり あの はいぼくが ナーガの しくんだわなだったとしょうめいし
この わずかなきずをぬぐいさって かんぜんな ふっかつをとげるのだ!」
どうやら復活の口上のテンプレもあるようだが、
鼻が腫れ上がっている所為で微妙に音程が外れている。
そこに一羽のカラスが飛んできて、急かすように鳴く。
※「では 私のふっかつのぶたいへ!」
暗黒竜はズザザザザザーッ! と猛スピードで去っていった。
30本分のダイコン引換券の入った宝箱を残して…。
(ちなみに、この瞬間シェラに暗黒竜撃破の経験値12000が加算された)
>113
色眼鏡の男性は、シェラが何を話し掛けても気の無いお返事ばかりです。
もしかしたら煩かったのかもしれないと思い、シェラは口を噤みました。
暫くすると、荷車は、色眼鏡の男性の御宿の前に到着しました。
>「ちょっと待っててくれ」
「はい」
シェラは荷台の上に腰掛けたまま待っています。、程なくして男性は戻ってこられました。
何となく足が重そうです。どこか傷めてしまったのでしょうか?
>「ああ、そういえばまだ名も言ってなかったな。フーコーだ。今度この村に住む事になった。
> 鍛冶と、まぁちょっとしたからくりや細工物を作るのが仕事だな」
そう言って、フーコーさんは手にしたスキットルを軽く振りました。
シェラは「まあ!」と目を見開きました。
「よろしくフーコーさん。とっても素敵なスキットルですね。もしかして、フーコーさんがご自分で作られたのですか?」
シェラは、鍛治屋さんは剣や蹄鉄を作るのが仕事だとばかり思っていたので、びっくりです。
>「なにか用があればぜひうちに」
シェラはにっこりわらって、頷きました。
「私は多少薬草の知識があります。もし何かお困りの際は、お声をかけて下さいね」
フーコーさんがスキットルを開いた途端、シェラの顔が強張りました。
かなりきつい香りの液体です。
「変わった匂いのきつけ薬ですね」
フーコーさんは無言で、中の液体をぺたりと暗黒竜さんの鼻先につけました。
名前:ミッシェル=トトネ
種族:一応吸血鬼
性別:♀
職業:八百屋
外見:髪は緑で二つ縛り(夜はおろす)、目は濃朱、ワンピースを着てる
身長:145/167
体重:40/53
好きなもの:A型の人(血)、かわいい動物
嫌いなもの:自分勝手な奴、栄養失調気味の血
キャラ解説:特別魔変という一種の遺伝子変異が起き、昼は子供の姿、夜は成人した姿になるパターンへ変化。
彼女自体は20歳だが、元々精神年齢が低い為子供にしか見えない。
現在は輸血パックで生きてる。のんびりした村の雰囲気に感化されている。
血を吸わせれば簡単な健康診断もする。
眠い。
性質上夜型に近い彼女にとって、こののどかな日差しはあまりに眠い。
野菜を買いに来る人もいるので、眠るわけにはいかないが。
「・・・アタシやっぱり輸血パックだけじゃだめなんかな・・・」
目の前を走っていく人を見ながら、ちょっぴりそう思った。
>116
> _∧/∨\∧/し'//// .)
> \ ,,_l!l! ∠_
> > 〃7/ ┬ _ 、、 <__
> > // ‐┴‐  ̄ 〃 <
薬を塗られた途端、暗黒竜さんは天高く舞い上がりました。
きらん!と光を弾き、暗黒竜さんの鱗が鈍く輝きます。
道ゆく村人さんたちが何だ何だと空を見上げました。
「まあ、すごい効き目ですね!」
やがて、暗黒竜さんはゆっくりと降りてこられました。
「良かったわ暗黒竜さん!福引所で頭を打ったのは覚えていらっしゃいますか?
ずっとずっと眠ったままでしたら、皆とても心配していたのですよ
良かった!本当に本当に良かったですわ!」
シェラは薄っすらと涙ぐみながら暗黒竜さんに微笑みかけました。
>※「・・・やっときたか・・この日が・・・・
> この2000ねんのあいだ なんどとなく アーダンとの戦いを おもいだしたぞ
> 私の ただいちどの はいぼく!
> ゴミのような にんげんに 暗黒竜が やぶれたのだ!
> 2000ねんのあいだ このはずかしめに たえてきた! だが きょうで それもおわる
> おまえたち をほうむりさり あの はいぼくが ナーガの しくんだわなだったとしょうめいし
> この わずかなきずをぬぐいさって かんぜんな ふっかつをとげるのだ!」
「いいぞー暗黒竜!もっとやれー」
通りにいた村の人達が、暗黒竜さんにやんやと声援を送ります。
目を輝かせて暗黒竜を見上げていた小さな子供の一人が、母親に熱心にせがみます。
「お母さん、あの竜すごくかっちょいい!ねえねえ、どこに行けば逢えるの?」
「あの竜は、裏山にあるダイコン販売所の店主さんだよ。
・・・・・・そうさねえ、今夜はダイコンの煮付けにしようかねえ」
「やった!僕、絶対だいこん販売所で握手するー!」
なかなか素敵なパフォーマンスです。
一方シェラは、暗黒竜さんの口上を聞き不思議そうに首を傾げました。
「『かんぜんな ふっかつ』って・・・ああ!
暗黒竜さんは、まだお体の調子が優れないのですか?どこかまだ痛みますか?」
そういえば、ちょっと鼻声のような気がします。お風邪でしょうか?
「うちでお休みになっていかれますか?だいこんの煮付け、ご馳走しますから」
そのとき、どこからともなくカラスさんが飛んできました。
急かすように、かあと鳴きます。
>※「では 私のふっかつのぶたいへ!」
暗黒竜さんはそう叫ぶと。大急ぎで帰っていかれました。
もしかしたら、だいこんのお店にお客さんが見えたのかもしれません。
大通りの観客の中から盛大な拍手が起こりました。
「暗黒竜さん、すっかり良くなられたみたいですね。
フーコーさん、色々とお力添えいただき、ありがとうございました。・・・・・・あら?」
暗黒竜さんが横たわっていた場所に、ちいさな小箱が落ちていました。
>(ちなみに、この瞬間シェラに暗黒竜撃破の経験値12000が加算された)
勇者はおろか冒険者ですらないのに、シェラの経験値だけが着々と上がっていきます。
そんな事になっているとは露知らず、シェラは小箱を開き歓声を上げました。
中には、30本分のだいこん引換券が1枚入っていました。
「まあ!暗黒竜さんからのお礼ですわ!なんて義理堅いんでしょう!
でも困ったわ、ダイコンは大好きだけど、30本もなんて私には持ちきれませんもの。
フーコーさん、だいこんはお好きですか?」
シェラはにこにこしながら、引換券をフーコーさんに渡そうとします。
そろそろ現在の状況をまとめてくれ
>120
シェラによって暗黒竜が倒され
世界は救われた
ルシフェル:愛夫家の天使。呪いを使った柳の魔女を捕獲した夫ミカエルと共に役場に行くが、役場で柳の魔女に逃げられる。
ポギー:リス。一日の終わりに日記を書くタイミングを待っている。
ロプトウス:元暗黒竜の現百姓ドラゴン。気絶状態からフーコ−の気付け薬で眼を覚まし、威勢を吐いて山に帰っていく。
ハマー:剣遣い?のウコッケイ。憧れのシェラに頼られるが、緊張から動転しているうちにシェラはフーコーと去ってしまう。
血まみれ勇者:怪物を探す天然男。ワームを捜してイヴァルディの坑道を歩くが、空腹のあまり香ばしい匂いにつられて外に這い出る。
ギ・ギ:ゴブリン少年。テンプレのみ。
フーコー:移住の鍛冶屋。シェラに頼まれ、彼女と気絶したロプトウスを馬車で村に運ぶ。気付け薬でロプトウスを目覚めさせる。
リクドウ:喫茶店店主。柳の魔女の呪いによってひよこになる。現在はイヴァルディの頭の上。
イヴァルディ:ドワーフの鉱夫。ひよこになったリクドウを元に戻すためにルシエラと共に役場に走る。
魔皇帝:魔皇拳伝承者。役場の人間との激しい闘い(?)の末、饅頭を食って去っていった。
シェラ:村娘。気絶したロプトウスを村に運び、フーコーの助けで目覚めさせる。ロプトウスを倒した経験値12000と宝箱を得た。
アルカンツェル:魔王の子でカレー屋。ルシフェル一行の元に注文のカレーを魔法で飛ばした後、魔女の呪いリンゴで使い魔を作った。
しかばね:
かべぬり:壁塗り職人の隠者。シェラとフ−コーが二人で去り、ハマーと共にその場に取り残される。
ルシエナ:女性剣士。イヴァルディの道案内として二人で役場へ向かう。
クロウ:商店店主の鴉系鳥人。来客にサボテンを売る。
魔王:バ○モスブロス。退屈を持て余し、おしどり夫婦やドワーフ達に悪戯を仕掛ける。
かみさま:みなさんご存知の神様。ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっさまぁー!はっはっはっ・・・・はぉおおおおおんッッッ!
エリヤ:人試しの天使。イヴァルディを誘惑しようと追いかけるが落とし穴に嵌り、底にいたスライムに悪戦苦闘する。
ミッシェル:八百屋の吸血鬼。のどかな日差しにうとうとしている。
柳の魔女:悪戯好きの魔女。悪戯をしてミカエルに捕捉されるが、隙を突いて逃げ出した。
ミカエル:ルシフェルの夫。呪いを使った柳の魔女を役場に連行するが、報告書を書いている隙に逃げられる。
使い魔:呪いリンゴの成れの果て。主人のアルカンツェルに悪態をつくが空回り。店の客にカレーのおかわりを運ぶ。
現在地
役場:ルシフェル(天使)、ミカエル(天使)
役場から離脱:柳の魔女(魔女)
役場に向かう道中:イヴァルディ(ドワーフ)、ルシエラ(剣士)、リクドウ(ひよこ)
役場に向かう道中@イヴァルディ達より後方:エリヤ(天使)
シャムロック看板の宿屋前:フーコー(移住鍛冶屋)、シェラ(村娘)
宿屋前から離脱:ロプトウス(暗黒竜)
村の外の森@暗黒竜の山への途中:ハマー(チキンドラゴ)、かべぬり(隠者)
カレー屋:あーちゃん(魔王の子)、???(使い魔)
黄金堂(雑貨屋):クロウ(鳥人)
八百屋:ミッシェル(吸血鬼)
村のあちこち:血まみれ勇者(勇者)、かみさま(神様)、しかばね(屍)、ポギー(栗鼠)
村から離脱?:魔皇帝(魔皇帝)
不明:魔王(魔王)
テンプレのみ:ギ・ギ(ゴブリン)
ついにミッシェルは、たった一瞬ですが、楽しい夢の世界へ落ちてしまいました。
「・・・くふぁっ!や、ヤバイわ・・・。一旦動き回らないと、ちょっと今日は・・・。」
この店は、食べられる植物なら、なんでも売っているお店。
畑の野菜を一旦買い取って、まとめて売るのが彼女の仕事。
本来はこうやって勝手に店を空けてはいけないはずですが、ここはほしふり村。
野菜を勝手に持っていってしまうような人は一人もいません。
「・・・あ、そういえば昨日の売りあげで輸血パック買いに行くの忘れてたわ。
明るいうちに役場に行かなきゃ・・・明るいうちに。」
夜になったら彼女は成人の姿になってしまいます。
そうしたら、服は余裕のあるものを着ているから窮屈になるだけで平気ですが、
靴はそうはいかないので、はだしで歩かなければなりません。
彼女は出かける支度をして、役場へ向かいました。
>87
*「しもふり肉が食べたい」
「うちではそんな高級品は仕入れないよ、仕入れても美味しく頂いちゃうから。
とりあえず肉屋にでも頼んでみたら?・・・しもふり肉カレーって、いくらするのかな?」
全て超高級なカレーを妄想している・・・目がヤバい。
「いかにもな感じの宮廷用カレールーに野菜類、それとしもふり肉・・・ブラックマーケットで仕入れるならそれ相応の・・・」
もう妄想しか見えない。
>100
気づけばカウンターに回覧板が置いてありました。多分さっきの客が逃げながらも忘れずに置いていってくれたでしょう。
「「しもふり村100周年記念イベント開催決定」・・・か。
せっかくだから何か露店でも出そうかな。」
祭りの露店は意味もなくアクセサリーに限る、とばかりに倉庫からよさそうなアクセサリーを漁る。
売り言葉も忘れずに。
>107
「???」
バタッバタンッグシャッドカッメメタァと(誇張表現あり)物音がする。
「もしかして、泥棒?」
物音のする地下倉庫への戸の前でいかにも危険な感じのするS.Hと刻まれた金属バットを構えて・・・
パカッ *「あ!ぽこたんインしt」
カラスがあらわれた!
カラスはとつぜんおそいかかってきた!
カラスのこうげき!ぽこたんは15の ダメージを うけた!(グシャッ)
カラスのこうげき!ぽこたんは17の ダメージを うけた!(ドカッ)
カラスのこうげき!つうこんのいちげき!ぽこたんは50の ダメージを うけた!(メメタァ)
ぽこたんは死んでしま・・・もとい気絶してしまった!
「さて、所持金半分頂いて強制送還するかな。」
人はそれを強盗傷害という。
>106 >108
私の失態を見て笑い転げるイヴァルディ殿に、苦笑しつつお手上げのジェスチャー。
あまり悪い気分でもないのは、相手が裏表のないドワーフ族だからだろう。
>「ぶわっはっはっは!これはいいな!なあ、ルシエナ。今度のしもふり村100周年記念イベントとほしふり村の収穫祭。
>これで興行でもやるか?
>穴は俺がどこにでももっときっちりしたものを掘るから。子供たち喜びそうじゃないか。ぶわっはっは!」
「収穫祭か―― もう、そんな時期になるのだな。
うん。悪くないアイディアだが、興行をやるとなると底のトランポリンも
大型のゼラチナマスター辺りを用意しなければ…」
さて、村役場に到着したはいいのだが
無理からぬ事とはいえ、
村人達は柳の魔女なぞの事より、ヒヨコリクドウのほうに興味津々らしい。
先ほど見かけた、という村人の一人に事情を聞いたところ、
既に脱兎の如く逃げ去ってしまったとの事だ。
「あの性悪魔女め、相変わらず逃げ足の速い。
今日という今日は叩き斬ってやるつもりだったが――」
冗談めかして呟いたのだが、
以前、洒落にならない状況下で『柳の魔女』に謀られた経験がある私としては
かなり本気の部分があったりする。
>108>127
イヴァルディとルシエナが、ひよこと化したリクドウを連れて役場にやってきた。
柳の魔女により、最愛の者からキスを受けなければ戻らぬと聞いたが、果たしてそれは本当のことなのだろうか?
ミカエルはイヴァルディからひよこリクドウを受け取り、覚悟を決めた。
『皆に伝えておく。この魔女の呪いは、誰かからキスを受けなければ元には戻らぬらしい。
今から、この私がそれを実践して見せよう。』
ミカエルはひよこリクドウの嘴に、しゃぶりつくようにディープキス。
勿論、ひよこリクドウの口の中には舌を入れている。
キスをしたが、リクドウは元の姿に戻らなかった。
「このように、そこらの誰かからキスをされても元に戻りません。
最愛の人からキスを受け取らないと駄目なの。」
ルシフェルはベンチから立つと、手に持っていた用紙を役場にいた村人達全員に配り始める。
「この呪いの厄介なところはねぇ。
この呪いのことを想い人が認識した上で、キスを受けても呪いは解けないんだよ。」
では、どうやって対策を練れば良いのだろうか?
『現状は解決策が無いに等しいといったところだ。
だが、予防としては一応考えておいた。
皆、今配られた紙を手放すなよ。
それは、呪いの掛った物に触れると音を出す。』
ミカエルはルシフェルから紙を受け取り、再びイヴァルディの元に戻ったリクドウに紙を当てる。
紙はガラスを爪でひっかくような音を放ち始める。
その煩さから、村人の何人かは耳を塞いだ程だ。
「今のところはねぇ。リクドウさんしか呪いが掛ってないって聞いたの。
だから、私達はリクドウさんの解呪法だけを考えれば良いの。
私達はこれからリクドウさんが好きな人のところに行って、騙してキスを奪い取ってくるの。」
『私達の話はこれで終りだ。今配られた紙は役場の窓口に置いてもらっている。
無くなったり、貰ってなかった者はそこから受け取ってくれ。』
アッー!
何が起きた!!
>115>127
ルシエナとイヴァルディは収穫祭の興行について話しながら歩きます。
大型ゼラチンマスターを用意するか、今の巨大アメーバーにトコロテンを山ほど食べさせて太らすかが議論の中心です。
話しながら歩いているので、後ろでエリヤが穴に落ちてスライムに絡み疲れているなんて全然気付きませんでした。
>128
役場でヒヨコになったリクドウをみんなに見せながら状況を聞くと、一度は捕まえたけど逃げられてしまったとの事。
さあ、困りました。
一足違いで柳の魔女に逃げられてしまったのですから。
どうしたものかと考えていると、ミカエルが呪を解くといってひよこのリクドウにキスをし始めます。
それはそれはそんなに必要があるのかと言うくらいの激しいキスです。
キスって言うか、ひよこの小さな嘴にむしゃぶりついているのですが・・・
イヴァルディにとって、その姿はかなり気持ち悪いものでした。
ヒヨコの嘴に吸い付く男自体気持ち悪いのですが、そのヒヨコがリクドウと知っているのでどうしても想像してしまうのです。
「・・・おえ〜〜〜」
顔をしかめながら思わずこんな声を上げてしまったのはイヴァルディだけではなかったでしょう。
散々吸い尽くして終わった後、ルシフェルが呪の解説に入りました。
解説を聞きながら、それなら実践する必要あったのか?と太くて短い首を傾げるばかりです。
その後呪のかかったものを触ると音が出る紙を貰いましたが、イヴァルディにはそれがなぜ必要なのか理解できませんでした。
ドワーフと言う種族は余り細かくものを考えるのに適していないのです。
でも、余り細かく考えないドワーフでも、最後のルシフェルの台詞には考えさせられてしまいました。
> 私達はこれからリクドウさんが好きな人のところに行って、騙してキスを奪い取ってくるの。」
イヴァルディはリクドウが薬草売りのシェラの事が好きなのを知っています。
本人は覚えていないようですが、以前酔いつぶれたリクドウがそんな事を夢うつつに語っていたからです。
だからそれは問題ではないのです。
問題は、騙してキスを奪ってくる、と言うことでした。
酔いつぶれたリクドウの話でも、今まで付き合ってきた中でも、リクドウがシェラに好きだと伝えたなんて聞いた事がありません。
シェラだってリクドウの事が好きかどうかもわかりません。
それなのに騙してキスを奪ってくる事に強い拒否感を覚えたからです。
でも、親友のリクドウを助けるにはこうするしかない。
この葛藤がイヴァルディを無口にしてしまったのです。
>115
無言でシェラの家に向かおうと役場を離れはじめました。
行く道には先ほど落ちた落とし穴が。
中ではエリヤがスライムに絡みつかれているではありませんか。
「むー。とりあえず触手が使えないほどパンパンに太らせる必要があるな。」
そんな様子を髭を擦りながら見て、ひょいと穴の中に飛び込んで行きました。
ヒューっと落ちて、スライムにめり込むとその分他の場所は膨らむ事になります。
エリヤは飛ばされてあっという間に穴から飛び出ました。
そしてそれに続くようにイヴァルディも空を飛ぶのでした。
>116
暗黒竜さんはフーコーが薬をつけたとたんに文字通り(縛っていた布をぶっちぎって)飛び起きました。
そのまましばらくその場に浮き続けてから降りてきた暗黒竜さんはフーコーとシェラさんに向けて口を開きました。
…が、鼻のあたりが腫れていてちょっと聞き取りづらいです。
お酢とアルコールにミントの葉を漬け込んだものなので害は無いはずですが、
暗黒竜さんは肌が弱かったのかもしれません。
フーコーは『わずかな傷』ってその鼻の事なのかな、と思いました。
言い終わった暗黒竜さんに向かってカラスが一声鳴きます。
それに促されるようにして、暗黒竜さんは帰って行きました。
>117>119
フーコーにお礼を言うシェラさんが何かに気づきました。
小さな宝箱です。中に入っていたのは引換券。
大根30本とは豪気ですが、独り身の娘さんでは持てあます量です。
シェラさんはフーコーに引換券を差し出します。
基本的に美味しければ石でも食うフーコー、当然大根も好きですが、
別に何かしたわけでもないのに貰うのは悪いと思って言いました。
「娘さんへの礼だろう?食いきれない分だけ貰うよ」
それでも30本が20何本になるだけの話ですが。
「それより俺は森へ戻るけど、行く方向が同じなら荷台に乗ってきなよ」
そう言ってトラスの手綱を引いて、朝一番でそうしたのと同じように森へ向けて歩き出しました。
>>131 役場へ向かう途中のミッシェルが目にしたのは、
地面から飛び出してくるエリヤとイヴァルディでした。
「な―――ええ!?」
驚きつつも、自分はエリヤを、愛狼のロキにはイヴァルディを受け止めさせました。
すぐに両者を下ろして二人が出てきたあたりを見てみると、
そこにはぽっかりと穴があいていて、中には大きなスライムがうぞうぞとしていました。
落ち着いて周りをみると、イヴァルディの手の中のヒヨコに気が付きました。
「あら、そのヒヨコ・・・若くて美味しそうね。でも量が少ないかも。
どうしたの?どっかで拾ったの?それとももらい物?」
ヒヨコを見つめるロキをなだめながら、彼女は話を聞こうとしました。
名前:ロキ
種族:狼
性別:♂
職業:特になし
外見:白い毛はつややかで、厳めしくもやさしい雰囲気を出している。
身長:96.5cm(肩の高さ)
体重:79.3kg
好きなもの:生肉・気の優しい人間たち
嫌いなもの:嘘・トロい者
キャラ解説:ミッシェルに従う白狼。大きさや毛色から北方の狼と思われる。
一度ミッシェルの血を口にしたために、寿命も相当長いものになっている。
しゃべることはさすがにできないが、人語を理解することは可能。
134 :
アルカンツェル ◆SsvzxTpmVk :2006/08/27(日) 11:36:46
・・・・・ふう今日も平和でちゅねえ
カレー屋さんの仕事で忙しかったあーちゃんは外でとんでもないことが起こっていることに全く気づいていないのでした
>129
アッー
何でちゅか?今の悲鳴
悲鳴を聞きつけたあーちゃんが外に出ると
>133
なんかひよこと狼が見詰め合ってました
>130
一体何が起きたのでちゅか?
(下げ忘れたので追加)
あのひよこさん魔力の波動がちかくの喫茶店の店主ににてるでちゅね?
狼さんそのひよこさん食べたら駄目でちゅ・・・・食べると多分狼さんもひよこになるでちゅよ
\| | | | | | |/ \| | | | | | | | | /
≡ ≡ ,. ‐- 、-─''ー- 、 ≡ ≡
≡ : 選 ≡ /: : : : : : : ヽ: : : : : : ヽ ≡ 世 そ ≡
≡ : 択 ≡ /: :_: . . . : : : : : )、: : : : : : :ヽ ≡ 界 れ ≡
≡ ! か ≡ l: : :\ヽ,.久-‐'" ヽ: : : : : : :l ≡ の が ≡
≡ ≡ l: : : :/゙丶、\_ ,,.゙ ヽ: : : l ≡ ≡
/| | | | | | |\ l,.. ''"//゙ヽ、_ ゙\'"_゙ L:_:/ /| | | | | | | | |\
/ -‐'/-ィテ、-ヽ ゙丶 、`)ヘ)
/ lヘ `‐''" ,. -) ゙丶/
// / ヽ  ̄ ヽi_,. -‐------、 ヽ, 、
,、/ i _ -‐'ヽ ̄ ,.==-、 | /ヽ-へ \
/ ) _/ ヽ、 'ヘ--‐' / | \ \ ヽ,、
/ / ̄/ /lヽ、 / ,. ゝ \_ -‐'' \
/\/__/ l l ゙ ー-- '",. / |、_ヽ \ \
========= l l/ | /\ / ̄ ヽ / | \ ゙丶、_
\、 \\つ ピッ | | |/ |/ | / l
\\_. -‐ /n \ | | ◎/ l/__ ___ l_ _
| \ -‐¨◎ ゙i ̄) | | l _ --‐‐ ̄i | | | ヽ| |
ヽ -\゚ ピッ `´\_ | |__| ,. ハ_| L.-┘_,,| └-i__
l __r--‐=フ | ) | レ-‐''"/ < i-‐¨ ,. ┌┘┌┘└
.l / `i-'" /Y.| | / ∧ ゝ. └'二フ /l. | フノ|. |
l l" ‐"ヽ\-‐'''"  ̄l. | | ∠ - ' `´ レ' L_」 ´ L.l
', '" ヽ\ヽ‐‐-'''i .| |
\ ヽ | .| |
>136
イイヤ オキャクガ ウチノカレーヲ エランダノハ オキャクノ センタクダ
チーズカレー オマチ
ソウイヤア オレ マダ ナマエナイヤ
ダレカ ツケテ クレ
>>137 雄用 ミソニコフ・クイタビッチ
雌用 ミソーニャ・ダイスキー
>138
【TRPG】***TRPG系スレ立て相談所2*** ニデテタヤツノパクリ ジャネエカ
140 :
客:2006/08/28(月) 01:02:12
「素出しはしない方がいいんじゃない。チキンカレーひとつ」
マイド チキンカレー イッチョウ(鳥っぽいオレにチキンカレー頼むなよ)
(使い魔はチキンカレーを席まで運んでいった)
>132
「娘さんへの礼だろう?食いきれない分だけ貰うよ」
「はい!承知しました!・・・あら?でもこの御宿って、自炊できましたかしら?」
シェラは村娘ですが、自分がお宿に泊まったことが無いのでよくわかりません。
>「それより俺は森へ戻るけど、行く方向が同じなら荷台に乗ってきなよ」
「ありがとうございます!助かります!」
暗黒竜さんを背負って長く歩いたので、シェラの足は棒のようになっていました。
そういえば、フーコーさんは今から家を建てる予定だそうです。
出来上がるまでの間は、当然お宿に逗留しなくてはならないでしょう。
とすれば、今フーコーさんに、生のだいこんをお渡しする事自体迷惑かもしれません。
「フーコーさん、もしお宿で煮炊きが出来ないのでしたら、だいこんは私がお預かりしましょうか?
甘酢漬けか塩漬けにしておけば、だいこんって長持ちしますから」
ただ問題は、どうやってだいこん30本を家まで運ぶかです。
仮に手押し車を使っても、シェラなら最低2回は往復する必要があるでしょう。
フーコーさんは森へ向かいました。
シェラは静かに荷台で揺られています。
フーコーさんは荷馬車を走らせているとき、集中したい方だということを学んだからです。
ふとシェラは、自分の買い物かごに見慣れない紙が入っていることに気づきました。
何かのリストのようです。
>56
>「4等…晴れ、ときどき雨。 麦わら帽子。
オーダーメイドのため後日発送致します」
「ええ――――!・・・うそ!私が4等?!―――ああ、今日はなんていい日なんでしょう!
暗黒竜さんのお怪我も大した事無かったし、福引は当たるし、だいこん引き換え券はいただけるし!
これもきっと幸運の女神様のお導きですわね!」
シェラは一人でおおはしゃぎして・・・はっと我に返りました。
フーコーさんがこちらを見ています。
シェラは耳まで真っ赤になりました。
こころの中で言ったつもりでしたが、どうやら声に出していたようです。
「いやあの・・・福引、当たってたみたいで・・・当たったのは初めてで嬉しくて・・・うるさくしてすみません・・・。
あ、あのですね。当たったのはオーダーメイドの麦藁帽子なんです」
シェラは赤い顔のまま、フーコーさんに綺麗な帽子の絵を見せます。
絵はどれも同じデザインで、色は桃色と水色と黄色と黒の4種類あるようです。
「フーコーさんはどの色がいいと思いますか?」
そういえば、いま街ではどんな色が流行りなのでしょう。
>115 >127 >131 >133 >134
ちょうど荷馬車は森へ差し掛かりました。見覚えのある人影に気づき、シェラは手を振ります。
イヴァルディ さんとエリヤさん・・・狼を連れているのは八百屋のミッシェルさんですね。
木々に阻まれて見えにくいですが、カレー屋の店長さんもルシエラ様もいらっしゃるのでしょうか。
「イヴァルディ さん!その後どうですか?柳の魔女さんはもう見つかりましたか?」
どれだけスライムと格闘していたでしょうか。
この姿ではまともに肉弾戦なんてできません。か弱い女の子ですもの。
じゃあ魔法はというと、確かにスライムはなんとかできますけど、こんなところで撃ったら自分もどうにかなってしまいます。
そうだ!わたしにはこういうときのための必殺技があります!
「くらえ!神の裁きビーム!」
こいつは馬鹿から順番にオートホーミングして必ず命中する必殺技です。
普段は撃つと何故か自分に当たりますけど、今はきっとスライムに命中するはずです!
ビビビビビビビ!
「ぎょえー!」
なんか自分に当たりました。何ででしょう?
ともかく、笑って誤魔化すしかありません。
でも笑って誤魔化したところで、スライムさんはまだまだ絡みついてきます。
「やめれー!神の裁きまで退けて、一体如何するんですか!
やめて、離してったら!裁判所に訴え……」
黒い影がスライムの上にのしかかると、スライムが膨らんで、気が付いたらわたしは宙を舞っていました。
>131>133
誰かの活躍によって穴から飛び出して、八百屋のミッシェルさんに受け止めてもらいました。
何とか助かりました。あのスライムめ憶えてろ!
「ありがとうございますミッシェルさ……ってイヴァルディさん!?」
どどどどうしましょう、そういえばこの人を誘惑しようとして追いかけてたんでした。
でもネタがありません。今考えてたところですもの。
そんな状態でこうして会ってしまったのですが、何をすれば良いのかわかりません。
「ききき今日も良い天気ですねイヴァルディさん!」
目を回しています。もしかしたら羽とか尻尾とか出てるかもしれません。
わたしってば絶体絶命のピンチ?もしかして正体とかバレちゃう?
>143
・・・・・・・・・・・・・・・・
エリアしゃんあーちゃんと同じ”魔族”だったんでちゅね
え?違うでちゅってでも天使って言うのはミカエルしゃんやルシフェルしゃん
みたいのを言うでちゅよ
こうもりみたいな羽じゃ説得力皆無でちゅ
(魔族に魔族認定されたエリアに明日はあるか)
>>142 「あら、シェラ。ご機嫌いかが?・・・どうしたの、その多量の大根は。
そしてそっちの色眼鏡の男は誰?アタシの知らない人よね?」
>「イヴァルディ さん!その後どうですか?柳の魔女さんはもう見つかりましたか?」
シェラのいった言葉に対しておそらく自分の知らない事柄についてのことが出たので、
ミッシェルはきょとん、としました。
「柳の魔女?あのババア、まあた何かしたの?」
ミッシェルは特に何かされたわけではありませんが、柳の魔女の悪戯の噂はよく聞くので、
おそらくまた何かをしたのだろうと推測しました。
>>143 礼をいうエリヤに、どういたしましてと言おうとしましたが、
いきなり飛び上がりそうなほど驚いた彼女を見て、思わず言ってしまいました。
「・・・あんた、面白いわね。」
困惑しているエリヤの背から出ている羽と思われるものを見て、
この子人間じゃなかったのね、と思っていました。
「ねぇ、ちょっとあんたさ、一旦落ち着きなよ。言ってる事に脈絡がないわよ」
>133>134
【ぼよよーーん】
と間の抜けた音共に空を飛び、穴の縁に着地、と思ったらなんだか変です。
妙に暖かいというか、微妙にごつごつしているけどクッションが効いているかと言うか。
それもそのはず、イヴァルディを受け止めるように大きな白狼が下にいるではありませんか。
びっくりイヴァルディ。急いでその瀬から降ります、
「おお?コリャ悪かったな。ありがとうよ。だが、お前さん大丈夫かい?」
受け止めてもらったのは嬉しいですが、イヴァルディの体重は100キログラムオーバー。
しかもスリーサイズはほぼ同じ三桁のビア樽体型です。
重心が中心にあるので、一番重く感じる事でしょう。
いくら大きな狼とはいえ心配になるのは当然です。
>「あら、そのヒヨコ・・・若くて美味しそうね。でも量が少ないかも。
>どうしたの?どっかで拾ったの?それとももらい物?」
ロキから降りたイヴァルディに声をかけたのはロキの飼い主であるミッシェルです。
見るとエリヤを抱えているではありませんか。
どうやら二人揃って助けられたようです。
「助かったよ、ミッシェル。だがこのヒヨコはやれんぞ。」
そこまで話すと、騒ぎを聞きつけてか出てきたアルカンツェルがロキを制してくれました。
ヒヨコリクドウ危機一髪のところを救われたのでした。
>142>143
>「イヴァルディ さん!その後どうですか?柳の魔女さんはもう見つかりましたか?」
そんな事をしていると、突然シェラから声をかけられました。
荷馬車に乗って手を振っているではありませんか。
「!!!」
ミッシェルに事情を説明しようとした口を大あわてでふさぎます。
探していたシェラが向こうからやってきたのはいいですが、下手に話してしまうと呪を解けなくなるからです。
それに荷馬車を引いているフーコーを見て、あさリクドウが話していた王子様の話を思い出していたからです。
(哀れなリクドウ。愛しのシェラは既に王子様に・・・。今夜は潰れるまで付き合ってやるからな。)
密かにそんな事を考えながら、シェラの方を見ます。
そこには無防備な唇が。
ちょっとヒヨコのリクドウを投げつければキスさせられるかもしれません。
でも、それはとてもイヴァルディにはできそうにありません。
なんて切り出そうか誤魔化そうか困っていると、突然エリヤが跳ね上がって天気の挨拶をし始めました。
慌てるエリヤには尻尾や羽が生えています。
アルカンツェルが何かをいっていましたが、イヴァルディは全然気にしません。
天使がいるのだから魔族もいるのは当然でしょうし、エリヤが魔族だからって気にしないのです。
それよりシェラをどうしようかまよっています。
「うぉーーーい!ミカエル!ちょっと来てくれーーー!
詳しい事は対策本部長のミカエルに聞いてくれよ。今呼んだからちょっと待っててくれ。」
難しい事を考えすぎて湯気が出始めたイヴァルディはミカエルを呼んで任せることにしました。
ミカエルがこれば当然ルシフェルも来るでしょうから、ミッシェル達にもちゃんと上手に伝えてくれると思ったからです。
元々声の大きくて口があまりまわらないドワーフには内緒話は向かないと自覚しているのです。
>142
千切れた布を頭に巻いて、後ろでしばったフーコーがトラスを引っ張って、
トラスはシェラさんが乗った荷車を引っ張って歩いていきます。
シェラさんは荷台から大根の処遇についてフーコーに訊ねました。
そういえば宿で厨房を借りられるかは確認していませんでしたが、もし借りられなくても、
フーコーはある事情から歯がとても丈夫なので、全部生で食べてしまう事だって出来るのです。
だから一言、「なんとかなるさ」と答えておきました。
それからまた少しだけ立ったときの事です。シェラさんがいきなり素っ頓狂な声を上げました。
フーコーが振り返ってみると、荷台の上でシェラさんがおおはしゃぎしています。
急性の躁病かなにかかと思ってみていたフーコーに、我に返ったシェラさんが福引に当たったのだと説明します。
差し出された紙には4種類の帽子の絵。カタログのようです。
「俺がかぶる訳じゃないんだから、俺に聞かれてもなぁ。ふーん…黄色がいいんじゃないかな。あんたに似合いそうだ」
くるくるとよく表情が変わるシェラさんには、明るい色が似合うと思ってフーコーは言いました。
>143-145>147
森を回りこむ道を曲がって、森の入り口へ差し掛かったところに村の人達が何人か集まっていました。
シェラさんがぶんぶん手を振りながらその人達に声をかけました。
こちらに気づいたドワーフのイヴァルディさんが目を白黒させながら口元を押さえます。
その横ではミッシェルさん、エリヤさん、アルカンツェルくんがなにやらごちゃごちゃと。
「やぁ旦那方、ご機嫌よ…くはなさそうだな」
フーコーはなんだか状況がよくわからないなりに挨拶しときました。
その時イヴァルディさんが大声を上げて『対策本部長』のミカエルさんを呼びました。
フーコーは多分無関係なのですが、送っていくと言った手前、一応いる事にしました。
>>135-147 >「おお?コリャ悪かったな。ありがとうよ。だが、お前さん大丈夫かい?」
そういって心配そうな表情を見せるイヴァルディに対して、ロキはスン、と鼻のあたりで優しく鳴きました。
どうやら、「大丈夫だ、心配するな」と言いたいようです。
そんななかでそういえば生き血なんて数年ぶりだな、誰かオヤツ程度につまませてくれないかな、
なんて考えつつヒヨコに対して問いかけると、
>「助かったよ、ミッシェル。だがこのヒヨコはやれんぞ。」
といわれてしまいました。何か事情があるのでしょう。
「チッ。まあいいわ、仕方ないもの。何か理由があるんでしょ。
それより、礼なんていらないわよ。困った時はお互い様、でしょ?」
ロキがヒヨコに対して何かを察そうとしていますが、
なにか呪のようなものが邪魔してよくわからないようです。
アルカンツェルに食べちゃだめと言われて、
そんなに食い意地が張っているように見えるのかとロキはちょっと落ち込み気味になりました。
>>148 「はじめましてこんにちは。アタシはミッシェルよ。こっちの狼はロキ。
ねぇ、アンタは今何がどうなってるかわからない?
アタシ何か起きたときにちょうどうたた寝しててわからないのよ。」
色眼鏡の男に対して軽く挨拶をして、一応問いかけもしましたが、
多分彼もよくは知らないだろうな、という気持ちもありました。
が、好奇心旺盛なミッシェルは何かあったら知っておかないと気がすまないのです。
>144 >145 >147 >148 >149
シェラがカタログの絵を見せると、フーコーさんは少し考えてからこう仰いました。
>「俺がかぶる訳じゃないんだから、俺に聞かれてもなぁ。ふーん…黄色がいいんじゃないかな。あんたに似合いそうだ」
「そ、そうですか?」
シェラはどの色も可愛くて迷っていましたが、フーコーさんの一言で背中を押されたようです。
同封してあった使い捨ての羽ペンで、黄色の欄に○を書き込みました。
さて、希望の色は黄色と決まりましたが、・・・出来上がった申し込み用紙はどうすればいいのでしょう?
イヴァルディ さんはシェラを見るなり仰天したようです。
そうして対策本部長のミカエルさんを大声で呼びました。
事情がさっぱりわからないシェラは首を傾げます。
「すみませんフーコーさん。少しだけお待ちいただけますか?
もしお時間がなければ、私はここで下ろして下さって構いませんから」
そう言ったものの、フーコーさんは黙って荷馬車を止めて下さいました。
シェラはぺこりと頭を下げました。フーコーさんはとても面倒見が良い方です。
> 「あら、シェラ。ご機嫌いかが?・・・どうしたの、その多量の大根は。
>そしてそっちの色眼鏡の男は誰?アタシの知らない人よね?」
ミッシェルさんがシェラの買い物かごとフーコーさんを交互に眺めておっしゃいました。
シェラは苦笑しました。
一人暮らしのシェラが大ぶりのだいこんを2本も買ったのは、やはり欲張りすぎだったでしょうか?
「こんにちは、ミッシェルさん。
今夜はだいこんの煮物にしようと思ったもので・・・だいこんは、たくさん煮たほうが美味しいのですよ。
よろしければ夕飯を食べにいらしてください。
それからこちらの男性はフーコーさんです。
村に新しく住まわれる方で、鍛治とからくりや細工物を作られるのがお仕事なんですって」
>「やぁ旦那方、ご機嫌よ…くはなさそうだな」
フーコーさんが皆にご挨拶をなさっています。
「皆様もこんにちは。エリヤさん・・・・どうされました?顔色が悪いですが、大丈夫ですか?」
エリヤさんから黒い羽や尻尾が見えています。
>エリアしゃんあーちゃんと同じ”魔族”だったんでちゅね
あーちゃんさんの言葉にあら、と思いましたが、シェラは特に何も言いませんでした。
ほしふり村にはいろんな種族の人がいらっしゃいます。魔族が増えたからといって、今更どうってことありません。
「アーちゃんさん、カレー屋開店おめでとうございます。
私も出前を頼んだら、あの素敵な羽付のお皿で届けて下さるのですか?」
>ねぇ、アンタは今何がどうなってるかわからない?
ミッシェルさんがフーコーさんに事情を尋ねています。
荷馬車を走らせることに集中していたフーコーさんは、シェラの話を覚えていらっしゃるでしょうか?
・・・まあ、ミッシェルさんも「対策本部長のミカエル」と聞けばピンと来るものがあるでしょう。
もしかしたらミッシェルさんは、素敵な出会いを求めていらっしゃるのかもしれません。
シェラはそう考えたので、でしゃばらない事にしました。
アーちゃんさんがロキさんを押さえています。目の前にはヒヨコさんがいます。
そろそろお昼です。もしかしてロキさんもおなかが空いているのでしょうか?
「ロキさん。おなかがすいているなら、これ・・・くるみパンを召し上がりますか?」
シェラは買い物かごの中から、自分のお昼を取り出しました。
森で小鳥にご馳走しようと思っていたパンなので、少々不恰好ですが、おなかに入れば同じです。
>147-150
ミカエルを呼ぶ大きな声が村全体に響いてくる。
こんな大きな声を出せるのは、イヴァルディさんぐらい。
さっき出て行ったことを考えると、まだ近くにいると思う。
シェラちゃんでも見つけたのかな?
私とミカエルはもう役場での用事も済ましちゃったし、手荷物を持って役場から外へ。
声のしてきた方の道を進んでいくと、イヴァルディさんがシェラちゃんを見つけていた。
他に人がいるけど、事情を説明するのはまた今度。
今は、目の前の重要な問題を解決する方が先。
イヴァルディさんからヒヨコのリクドウさんを受け取って、私はシェラちゃんのところへ。
「ねぇ、シェラちゃん。単刀直入に言うとね。このヒヨコにキスをしてくれない?
今ね、このヒヨコを使った予防接種をしているの。
村ではね、アラクレナッチャウヨ病が発生して深刻な問題になってるから、役場の対策としてこんな形をとってるの。」
チラッと横目で見ると、ミカエルがちゃんと事情を説明しているみたい。
とにかく、私はシェラちゃんにリクドウさんを押し付けてみました。
>>150 帽子のカタログの下のほうに何か書いてある。
同じ内容の文章が大陸各地の言語で書かれているようだ。
『注文方法:
必要事項を記入のうえ、申込み用紙を添付の封筒に入れ
ご自宅の窓の外に吊るして下さい。
使い魔が夜間に回収致します。
住所: 氏名: 性別: 職業:
アリアバート王国裁縫士組合』
>151
大声で呼んだので、ミカエル&ルシフェル夫妻はすぐにやってきました。
ルシフェルがヒヨコのリクドウを受け取りシェラと話します。
みんなにはミカエルが事情を話してくれています。
二人揃って天使の夫婦です。きっと上手くやってくれるでしょう。
ちょっと複雑ですが、これで一安心です。
肩の荷の下りたイヴァルディは、落とし穴を覗き込んでいます。
「エリヤ、この中の奴、触手はどんなくらいの長さだった?
・・・ところでなんで焦げてるんだ?」
収穫祭で使おうとしていた巨大アメーバーの触手が絡むようなら大問題です。
触手が絡まないようにぶくぶくに太らせる為に、トコロテンがどれだけ必要か考えていたのでした。
でも、改めてエリヤを見てみると、なんだか所々焦げちゃっているではありませんか。
神の裁きビームで自爆したなんて知らないので、首をかしげながら尋ねるのでした。
そこへフーコーが挨拶に来ました。
忘れるところですが、自称鍛治屋で村に移り住んできた旅人。
リクドウの見立てでは王子様の疑惑がかかっているという曰く付の男だったと言うことを思い出したのです。
「ああ、ドタバタしちまって挨拶が遅れたな。
俺はイヴァルディ。見ての通りドワーフだ。北の岩山で鉱夫をやっている。
あんた鍛治屋だって?だったらいいモノをやろう。この燃える石があれば薪なんざもういらなくなるぞ?ちょっと火付きは悪いけどな。
そのほか鉱物と酒の事なら俺に声をかけてくれ。」
そういって一つ投げ渡した石は黒くて煤けて思い石でした。
この世界では余り知られていませんが、石炭と言うものです。とっても熱くなって燃えて、長時間温度を保つ不思議な石なのです。
そうしてイヴァルディは太くて短い手を差し出します。
挨拶の握手なのですが、本当の狙いはフーコーが王子様かどうか確かめるためなのです。
イヴァルディは手を握ればその硬い部分や力加減で何をやっているか判っちゃうのです。
さあ、フーコーの手の感触はどんなのでしょうか?
>149-150
ミッシェルさんがフーコーに挨拶をします。
どうもミッシェルさんも状況がよく飲み込めていないようですが、それはフーコーも同じです。
「いや俺も詳しくは…。対策本部長とやらが来るそうだから、そっちに聞いてくれるかな」
狼のロキはそんなやり取りの間もイヴァルディさんの手元のひよこを見ていました。
シェラさんはそんなロキにパンを差し出しています。
>151>153
そこへミカエルさんがルシフェル奥様とやってきました。フーコーが役場で見かけた人です。
二人はシェラさんと何事か話しはじめましたが、そこでイヴァルディさんがフーコーに声をかけてきたので、
内容は全く聞き取れませんでした。イヴァルディさんはフーコーに石を投げ渡しました。
「この石炭はこの辺で採れるのかい?だったらますます良い村だなぁ、ここは」
貰った石をしげしげと眺めながらフーコーは言いました。
鍛冶屋ですから石炭のことは知っています。ただし値段がクソ高いので使った事はほとんどありません。
それがこの近辺で取れるなら、それだけで移住して来た甲斐があるというものです。
「ありがとうよ、イヴァルディの旦那。俺の名はフーコーだ。何かあれば遠慮なく言ってくれ」
その後ぐいと突き出されたイヴァルディさんの手を、フーコーはしっかりと握り返しました。
イヴァルディさんの手は毎日ハンマーを振るっているドワーフらしく大変厚みがあって、
フーコーと同じように節くれだっていました。
>152
「あ!待って!」
ぴゅうと風が吹いて、シェラの買い物かごからばさばさと紙が飛び立ちました。
シェラは慌てて帽子の申し込み用紙を追いかけ、捕まえました。
「ああ良かった!・・・・・・・あら?」
土を払っていると、用紙の一番最後の部分に、帽子の注文方法が書いてありました。
シェラは書類が揃っているのを確認した後、風に飛ばないよう、だいこんの下にしまいました。
>151 >153 >154
天使夫妻はすぐに飛んでこられました。
ルシフェルさんはイヴァルディさんからヒヨコを受け取り、シェラの前に差し出しました。
>「ねぇ、シェラちゃん。単刀直入に言うとね。このヒヨコにキスをしてくれない?
> 今ね、このヒヨコを使った予防接種をしているの。
> 村ではね、アラクレナッチャウヨ病が発生して深刻な問題になってるから、役場の対策としてこんな形をとってるの。」
シェラの頭の中は?マークで一杯です。
アラクレナッチャウヨ病なんて、見たこともきいたことも無い病名です。新種の流行り病でしょうか?
しかも役場でなく、こんな場所で予防接種を?
そんなにアラクレナッチャウヨ病は差し迫った感染症なのでしょうか?
シェラは首を傾げつつも、ルシフェルさんに尋ねます。
「いえ、それより今は、柳の魔女さん探さなくてはいけないのでは?
それとも、リクドウさんはもう元の姿に戻られたのでしょうか?さっきお店の前は人だかりになってましたけれど・・・」
そういえばリクドウさんもヒヨコになっていた筈です。
予防接種にヒヨコを使うなんて、すごい偶然です。ミカエルさんの茶目っ気でしょうか?
シェラはさらに続けます。
「それに予防接種を行っていたのなら、ここにいらっしゃる皆様は順番を待っていらっしゃったのでしょう?
割り込みなんて・・・」
シェラは困ったように周りを見回しました。
フーコーさんとイヴァルディさんは握手を交わしています。
お友達になったのかもしれません。
「私は後で構いませんので、皆様どうぞお先に予防接種を受けて下さい。イヴァルディさん、はいどうぞ」
シェラはにこやかな笑顔で、イヴァルディさんにヒヨコを差し出しました。
>155
シェラちゃんは意外にも強敵でした。
>「いえ、それより今は、柳の魔女さん探さなくてはいけないのでは?
>それとも、リクドウさんはもう元の姿に戻られたのでしょうか?さっきお店の前は人だかりになってましたけれど・・・」
「柳の魔女さんはもうそろそろ帰ってくるから、魔女さんの家に何人か張り込ませて、家に戻った瞬間にとッ捕まえればいいの。
リクドウさんだって、シェラちゃんがこのひよこで予防接種をした後には戻ってるよ!」
>「それに予防接種を行っていたのなら、ここにいらっしゃる皆様は順番を待っていらっしゃったのでしょう?
>割り込みなんて・・・」
>「私は後で構いませんので、皆様どうぞお先に予防接種を受けて下さい。イヴァルディさん、はいどうぞ」
「ちょ、ちょっと!!」
私が待てと言う前に、シェラちゃんはリクドウさんを受け取ってイヴァルディさんに渡しちゃったの。
「もー、シェラちゃんたら……ちゃんと受けなきゃ駄目なんだからね」
むー。何としてでもちゃんとキスをさせなきゃ。
『イヴァルディ。予防接種の方法を分かっているよな……
深く吸い込むように口付けをしなくてはならんぞ』
ミカエルはイヴァルディさん達に言ったの。
リクドウさん……少しかわいそうかも……
「あ、そういえば忘れてた!あの呪の掛ったひよこ、一匹しかいないんだった!
シェラちゃんゴメンね…間接キッスでもいいよね?」
>「アーちゃんさん、カレー屋開店おめでとうございます。
私も出前を頼んだら、あの素敵な羽付のお皿で届けて下さるのですか?」
「ありがとうでちゅ。いつでも注文があれば村中どこでも届けられるでちゅよ。
通信の魔法でも、伝書鳩でも注文は受け付けてるでちゅ。」
とあーちゃんは狼さんを押さえつけながら答えた。
たとえ8歳児でも魔族だけにわりと力は強いのである。
「時間指定もOKでちゅよ。」
>151
ルシフェルさんがひよこを持っていってしまったのでアーちゃんは狼さんを離し
カレー屋に帰っていきました・・・今頃使い魔が大変でしょう。
「ただいまでちゅ」
使い魔がいました
「オセイゾ ゴ主人 ソレト今日カラ 俺ノ名ハ ミクミダ ダ」と
修正
使い魔がいました → 使い魔がいいました
>>150 >「こんにちは、ミッシェルさん。
今夜はだいこんの煮物にしようと思ったもので・・・だいこんは、たくさん煮たほうが美味しいのですよ。
よろしければ夕飯を食べにいらしてください。
それからこちらの男性はフーコーさんです。
村に新しく住まわれる方で、鍛治とからくりや細工物を作られるのがお仕事なんですって」
ミッシェルは基本的には野菜を好んで食べないので、料理の仕方もわかりません。
なので、シェラの話には真剣にうなずきました。
「へぇー・・・そういうもんなんだぁ。料理って本っ当に奥が深いのね。
今度ヒマな時にでもちょっとやってみようかしら。そのうち教えてくれる?
って、え、いいの?食べに行っても。・・・じゃあ、何か野菜もって行くわね。
ふぅん・・・フーコー、っていうの。ああ、新しい住人なんだ。」
そんな話を聞きながら、ミッシェルの不器用さを十分よく知っているロキは、
ミッシェルの料理は多分かなりヤバイ、と思いました。
>「ロキさん。おなかがすいているなら、これ・・・くるみパンを召し上がりますか?」
そう言ったシェラに対して、ロキはキュゥン、クンクン、と切なげに鳴きました。
要約すると「平気だ、君が食うといい。というかホントに食おうとしてないんだって」です。
>>154 >「いや俺も詳しくは…。対策本部長とやらが来るそうだから、そっちに聞いてくれるかな」
「ああ、そうね。悪いわね、分からないのに問いかかっちゃって」
すまなさそうな顔をされた気がしたのでなんとなくミッシェルは謝っておきました。
>>155-156 >「いえ、それより今は、柳の魔女さん探さなくてはいけないのでは?
それとも、リクドウさんはもう元の姿に戻られたのでしょうか?さっきお店の前は人だかりになってましたけれど・・・」
いまだ事情ミッシェルは事情がよくわかっていません。
頭のあまりよくないミッシェル、話の流れに頭がついていけませんでしたが、
おそらくシェラちゃんがヒヨコにキッスしなければいけないことは分かりました。
みんなの慌てよう、きっとかなり大変な状況なのだろうと思い、ミッシェルは分からないながらも助け舟を出そうとしました。
「あっ、いやホラあのね、一応予防接種はみんなもう終わったのよ。
あとはアンタたち二人だけなのよっ。えっとホラ、ねぇシェラ?病気になる前に早くやっちゃったらどう?」
思い切り出任せですが、ミッシェルはとても必死になんとかしようと頑張っています。
>>157 かなりの力で押さえつけられながら、ロキは食おうとしていないと必死に講義します。
しかし、周りから見たら食おうと暴れているようにしか見えません。
唯一言っていることのなんとなく分かるミッシェルはシェラを説得していてまったく気づいていません。
やっぱり言葉が通じるようになりたい、とロキは心の底から思いました。
>154
ぎゅっと握ったとたんイヴァルディの目が見開きました。
フーコーの手は文句の付けようのないくらい職人の手だったからです。
剣や槍の戦闘訓練でできた硬さではないのです。
毎日毎日、水滴が水を穿つような槌打ちを繰り返した手の硬さだったからです。
「じゃあ早速言わせて貰おうか。お前さん生ける口かい?今夜は引っ越し祝いに奢らせてくれ!」
王子様ではなく、本物の鍛治屋です。
鉱夫としては嬉しくて堪らないのでしょう。早速歓迎会を開こうと決意したのでした。
>155>156
男の友情が満開の花を咲かせていると、シェラが「お先にどうぞ」とヒヨコを差し出すではありませんか。
いきなりお鉢が回ってきて吃驚しどろもどろです。
(どうせ嘘をつくならがんじがらめにするような嘘をつけばいいのに、天使の嘘は穴だらけでイカン!)
心の中で盛大に文句をいいながら、何とか逃れる手段を考えます。
「い、いや、俺はもう・・・」
予防接種終わったから、終わっていない村人を探しに来たんだ。といおうと思ったのです。
でもいい終わる前にミカエルが
>『イヴァルディ。予防接種の方法を分かっているよな…… 深く吸い込むように口付けをしなくてはならんぞ』
イヴァルディの逃げ道をしっかりふさいでしまうではありませんか。
(おのれチンピラ夫婦め!俺を嵌めてどうするよ!)
ヒヨコのリクドウを手に持ったまま、大量の脂汗が流れます。
>159
そこへミッシェルが助け舟を出してくれました。
イヴァルディの言おうとしたことをそのまま言ってくれるではありませんか。
まだ事情も聞いていないのにこのフォロー。思わず秘蔵の酒を奢りたくなってしまいましたが、時既に遅し。
二人とはシェラとフーコーの二人なのか、シェラとイヴァルディの二人なのか。
フーコーは初対面同然ですので、予防接種の対象になっているというのも変な話です。
ミカエルが既にイヴァルディに予防接種を勧めているのにここで終わっていたという事になると、意外と勘のいいシェラが怪しむかもしれない。
イヴァルディは覚悟を決めました。
「おお、いけねえ。まだ予防接種していない奴を探しに来ておいて肝心な自分を忘れて追ったわ!わっはっは。」
そう言うと、ヒヨコのリクドウを掬い上げるように口元に持ってきて(略
「さ、お待たせしちまったな。」
そういってシェラにヒヨコのリクドウを渡したイヴァルディの髭や髪が白くなっていたのは気のせいでしょうか?
実はイヴァルディ、30年以上生きていて見た目もおっさんですが、それは人間から見た姿です。
ドワーフの基準を人間換算するとイヴァルディはまだ20前の青年なのです。
「・・・はじめてだったのに・・・」
ふらふらと枯れ木のように歩くイヴァルディの目にうっすら輝くものが浮かんでいます。
恋の花咲く年頃の青年が始めてのキスがリクドウだった・・・。そんな状態になるのも仕方がありませんよね。
ふらふらと歩いていると、突然足元が崩れてしまいました。
落とし穴のへりが脆くなっていたのです。
まっさかさまにおち、そこの巨大アメーバーで・・・飛んで来ません。
度重なるジャンプで地盤が緩んでいたのです。
イヴァルディがめり込むと落とし穴の底に更に穴が開きます。勿論イヴァルディの坑道(立て穴)です。
「ちきしょーー!穴はしっかり掘ってしっかりかためとけーーー!」
落ちても巨大アメーバーに包まっていますし、大地の女神様の加護があるので安心です。
真っ暗な坑道に落ちながら半ばやけくそなイヴァルディの声が響くのでした。
>159
だいこん料理の説明をすると、ミッシェルさんは驚いた顔をなさいました。
シェラは料理を教えてといわれて、少し頬を赤らめます。
「教えてなんて・・・私の料理は自己流でお恥ずかしい限りですが、それでもよろしければいつでも。
お夕飯はぜひご一緒しましょうね。ロキさんもぜひ。一人だと味気ないので、私もにぎやかな方が嬉しいです」
シェラがフーコーさんを夕飯にお誘いしなかったのには訳がありました。
>「じゃあ早速言わせて貰おうか。お前さん生ける口かい?今夜は引っ越し祝いに奢らせてくれ!」
予想通りの展開になったので、シェラはホッと胸を撫で下ろしました。
さて、ロキさんにパンを差し出したら、切なそうにクンクン鳴かれてしまいました。
シェラは狼の言葉なんてわかりません。でも、ロキさんがくるみパンに興味が無いのは分かりました。
「味はそんなに悪くないんですよ?」
シェラはちょっとがっかりしながら、パンを片付けました。
>157
ロキさんを取り押さえているあーちゃんさんは、カレー屋さんはいつでもどこでも出前OKと請け負って下さいました。
>「ありがとうでちゅ。いつでも注文があれば村中どこでも届けられるでちゅよ。
>通信の魔法でも、伝書鳩でも注文は受け付けてるでちゅ。」
「まあ、なんて素敵!」
ちょっと肩を落としていたシェラは、楽しいお話にすぐ笑顔になりました。
「今度出前か、お店に直接寄らせていただきますね。美味しいカレー、楽しみにしています!」
アーちゃんさんはお店に戻っていきました。もう予防接種を受けられたのかもしれません。
>156
ルシフェルさんの話を聞いたシェラがイヴァルディさんにヒヨコを渡しました。
なぜかルシフェルさんもイヴァルディさんも「ええー!!」というような目でシェラを見ました。
・・・・・・何かまずかったのでしょうか?
>「もー、シェラちゃんたら……ちゃんと受けなきゃ駄目なんだからね」
皆さんが終わった後自分も予防接種を受けるつもりだったシェラは、きょとんとしました。
さて。ヒヨコをイヴァルディ さんは脂汗を浮かべています。
>「あっ、いやホラあのね、一応予防接種はみんなもう終わったのよ。
> あとはアンタたち二人だけなのよっ。えっとホラ、ねぇシェラ?病気になる前に早くやっちゃったらどう?」
ミッシェルさんがとりなすようにそう仰いました。
・・・という事は、受けていないのは私と誰でしょう?フーコーさんでしょうか?
でも村に着たばかりのフーコーさんは、予防接種の手続きなど受けていないに違いありません。
シェラは問い掛けるようにイヴァルディさんを見つめました。
悲壮な顔をしたイヴァルディさんは何か言いかけたものの、
ミカエルさんが予防接種の説明をかぶせてしまってよく聞き取れませんでした。
ですが話の感じだと、予防接種を受けていないのはイヴァルディディさんとシェラのようですね。
シェラは一人納得して、ミッシェルさんに視線を戻しました。
「はい。イヴァルディさんの後に、きちんと受けますね。
でもアレクレナッチャウヨ病なんて初耳です。
こんな森の中にまで出張して予防接種を受けさせるくらいなのですから、大変な病気なのでしょうね。
ねえミカエルさん、フーコーさんも予防接種を受けた方がいいのでは?」
イヴァルディさんは、ミカエルさんの指示どおりの手順で予防接種を済ませました。
>「さ、お待たせしちまったな。」
ヒヨコを差し出したイヴァルディさんは、心なしか真っ白になっていました。
>「・・・はじめてだったのに・・・」
シェラは気の毒そうにイヴァルディさんを見ました。
それにしても・・・この状況で初めてなんて言われると、シェラだって予防接種を受けにくいです。
変に意識してしまうじゃありませんか!
「なぜ今回の予防接種はヒヨコにキスで、一羽しか用意しなかったのですか?
これではヒヨコさんも可哀想です!」
シェラはミカエルさんに思わず抗議しました。
一羽しかいないヒヨコさんは、既にイヴァルディさんのような熱烈なキスを村人の数だけ受けているのでしょう。
心なしか掌のヒヨコさんもぐったりしているようです。
さて。ミカエルさんに抗議したものの、予防接種を受ける事も大切です。
本当に可哀想な気がしますが、ヒヨコさんには、もう少し辛抱して貰うしかありません。
目があうと、ヒヨコさんは羽をジタバタしだしました。
「ごめんなさいね、すぐに終わりますから、ヒヨコさんももう少しだけ我慢して下さいね?」
シェラは、暴れるヒヨコさんに唇を寄せました。
>162
シェラが口付けしようとした、まさにすんでの瞬間。
まるで透明人間にひょいと羽を摘み上げられたかのように、突然その手からヒヨコがふわっと浮き上がった。
そして、勢いを付けるようにぶるんぶるんと空中でシェイクされた後、
ばしん!
と、シェラの掌に叩きつけられた。
「ピヨごふぉっ!!!!」
ヒヨコは勢い余って跳ね跳び、地面に当たってワンバウンドし、さらに残りの勢いでごろごろごろごろ転がって、
背の高い草むらにがさりと潜り込んだ。
『おきゃらきゃらきゃら!キスで呪いが解けるなんてジョークだよん。叩けば治るのさ。
呪いはちゃんと解いてあげたんだから、今回の件は不問って事でよろしくだわさー。ばいばいきんのきん!』
甲高い声が近くで聞こえたと思うと、足音と足跡が道上をぺたしぺたしと去って行く。
空を飛んだのか虚空に跳んだのか、その足跡も途中で唐突に途切れた。
一方。
「う、う……む」
草むらのヒヨコは、いつの間にか元のリクドウに戻っていた。
背の高い草むらは体をごっそり隠し、道に顔だけがはみ出している。
また一方。
喫茶『はばたくひよこ』のカウンターの中、リクドウが今朝着ていた衣服とエプロンが一式、ごっそり脱げたままに風に揺れていた。
>160-163
「一件落着だね♪」
『どこがだ……』
柳の魔女に掛けられた呪いが解け、元の姿に戻ったリクドウ。ただし…裸。
上から見ると、草と共にピーがぶらぶらと揺れている。
ルシフェルには見えないが、ミカエルには見えた。
『これから私達はリクドウの家に行って、着替えさせてくる。』
「じゃあ、今日はこれで解散だね!」
ミカエルは魔法を使い、ピンク色の華柄のお皿を出現させ、リクドウのピーに当てて隠す。
ピーを隠されたリクドウは、ミカエルに浮遊の術で垂直に浮かされた。
『それでは失礼する。』
「でも、まだ魔女さんが呪いの類を用意してるかもしれないから、注意しなきゃ駄目だよ〜」
宙に浮いたリクドウを動かし、ルシフェル達は去って行く。
目指すはリクドウのお店。
ルシフェルはこの時祈っていた。
「知り合いに会いませんよーに!」
>>160 >「・・・はじめてだったのに・・・」
なんとか場を収めようとミッシェルは口をはさんだのでしたが、
そういってふらふらと意気消沈してしまったようなイヴァルディを見て、
よくわからないけれど何かちょっと悪いことをしたのかな、と思いました。
(え、はじめて・・・って、え、ドワーフってそんなもんなの?アタシはずーっと前に済ませたけど・・・
じゃなくて、たかがヒヨコじゃないの?何か違うの?)
段々頭の中で色々回っていた謎がミッシェルの頭の中でくっついていきますが、
やっぱりまだまだよくわかりません。
>>161 >「教えてなんて・・・私の料理は自己流でお恥ずかしい限りですが、それでもよろしければいつでも。
お夕飯はぜひご一緒しましょうね。ロキさんもぜひ。一人だと味気ないので、私もにぎやかな方が嬉しいです」
シェラが照れながらそういってくれたので、ミッシェルは嬉しそうな顔に、ロキはいいのか、と問いたそうな顔をしました。
「あら、本当?うふふ、よかった。たまには野菜も食べないと胸焼けしちゃって。
いつもは料理出来ないからロキと一緒に野菜丸かじりしてたのよ。へへ、やったー。」
でもミッシェルに料理を教えるのはきっと苦労するだろう、とロキが思ったのは言うまでもなく。
>>163 その場のほとんどの人が仕向けたように、やっとシェラがヒヨコとキスする・・・と思った瞬間。
いきなりふわりとヒヨコが浮き上がりました。羽ばたいてもいないのに。
そしていきなりバタバタしだしてバッチィーンとシェラの掌に叩き付けられて飛んでいき・・・。
「なっ・・・これは・・・!?何、どういうこと!?」
ミッシェルが騒いでいる間もロキは金切り声の言っている事を捕らえていました。
「ロキ、一体何があったの?これは・・・つまり、何?」
ロキは、自分の推理した今までの出来事をミッシェルに話しました。
「へぇ・・・ふんふん、それで?ああ、なるほど・・・」
それを聞き終わると、ミッシェルはようやくイヴァルディのおちこみっぷりを理解しました。
ファーストキスがリクドウだったのか・・・と考えてるうちに、
うっかりイヴァルディと人間に戻ったリクドウの・・・想像してしまいました。
「・・・うえっ・・・げぇぇ。胸クソ悪ぅ。そりゃ落ち込むわね・・・」
げんなりとしながら、あとで酒の一本持って慰めに、もとい謝りに行こうと思いました。
>>164 局部だけ隠された全裸のリクドウを連れて天使夫妻が立ち去っていきました。
「あー、これでやっと終わったのね・・・じゃない、もう一人謝るべき人間がいた!」
ヒヨコはリクドウだった、イヴァルディはあんなに落ち込んでいた。
ということは、リクドウだって大分憔悴しているはず。
イヴァルディに『予防接種』をさせたのはシェラやミカエルですが、追い討ちをかけたのは自分。
これはさすがのミッシェルも責任を感じてしまいます。異性でさせたならまだしも、同性同士でさせたと思えばなおさら。
そう考えると、急いでロキに跨り、ミカエル達を手伝おうと思いました。
ロキの足はとても速い為、追い付くのは簡単です。
「ねぇ、ちょっと!リクドウの店に行くんでしょ!?アタシ、先に行って服を見つけておくから!」
ミカエル達にそれだけ言うと、さっさと先に店に着いておきました。
謝るためもありますが、何故シェラじゃなければいけなかったのかが分かりません。
それに、ヒヨコになった理由もわかりません。それがミッシェルの頭に引っ掛かっていたのです。
「ちょっとお邪魔するわよ。服、服、・・・ああ、これね。」
すぐにカウンターの中の服を見つけると、ミカエル達を待つことにしました。
>163
>『おきゃらきゃらきゃら!キスで呪いが解けるなんてジョークだよん。叩けば治るのさ。
> 呪いはちゃんと解いてあげたんだから、今回の件は不問って事でよろしくだわさー。ばいばいきんのきん!』
いったい何が起こったのでしょう?さっぱり理解できません。
シェラはキスしようとした瞬間、見えない誰かにヒヨコさんを取り上げられてしまいました。
そして突然ヒヨコさんが飛んできて、受け止めようとしたけど失敗したのです。
可哀想に、ヒヨコさんは変な声を上げ、ころころくさむらへと転がっていきました。
真っ白な頭で必死に状況を把握しようとしたのですが・・・。
突然リクドウさんが、ヒヨコさんが消えた草むらに出現しました!
シェラは驚きました。
ですが、実はそれはまだ序の口だったのです!
>164
>『これから私達はリクドウの家に行って、着替えさせてくる。』
>「じゃあ、今日はこれで解散だね!」
>ミカエルは魔法を使い、ピンク色の華柄のお皿を出現させ、リクドウのピーに当てて隠す。
>ピーを隠されたリクドウは、ミカエルに浮遊の術で垂直に浮かされた。
「きゃああああああああ?!!!」
シェラは悲鳴を上げました。だってリクドウさんは裸だったのです!
お皿一枚当てられたからといって、素っ裸の身体を全て隠せるわけありません。
>165
>「ねぇ、ちょっと!リクドウの店に行くんでしょ!?アタシ、先に行って服を見つけておくから!」
野菜丸齧りが日課のミッシェルさんはそう言い残し、ロキさんに跨りました。
なかなか名案だとは思うのですが、服を探すのは時間がかかるかもしれません。
「ミカエルさん、ルシフェルさんもちょっと待って!」
シェラは慌てて呼び止めました。その拍子に、視界にリクドウさんの姿が入ってしまいました。
更にシェラの顔が赤くなりました。
>154
今にも卒倒しそうな顔で、それでもシェラはフーコーさんを振り返り、必死に頼み込みました。
「あんな格好で村を歩かされたら、リクドウさんは恥かしくて店に出られなくなってしまいます!
お願いですフーコーさん、荷馬車でリクドウさんを運んでもらう訳にはいきませんか?」
シェラはなんだか、フーコーさんにお願い事ばかりしている気がします。
>144
「魔族言うな!わたしは立派な天使です!
ちょ、ちょっと他所の畑のリンゴを勝手に食べたりもしたけど、これでも立派な天使ですからねっ!」
過去にわたしを悪魔呼ばわりした人はたくさんいました。
いえ、わたしを天使だって認めてくれる人自体が稀です。まあ仕事に容姿がアレだから諦めてますけど。
……諦めてますのよ?
>145
>「ねぇ、ちょっとあんたさ、一旦落ち着きなよ。言ってる事に脈絡がないわよ」
「は、はい」
深呼吸して、さっと羽と尻尾を隠します。今更遅い?気にしません。
>148>150
どうやら、この村の人たちは魔族に対して偏見は持っていないようです。
ですが、流石に「悪いことをする魔族」の存在までは許さないでしょう。
殺人とか放火とか人食いとか。そ、そんな悪いことは流石にできないですよ?ホントに。
>「皆様もこんにちは。エリヤさん・・・・どうされました?顔色が悪いですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫です!顔色が悪いのは色白だからであって、別に何かあって真っ青になってるわけじゃありませんのだ!
わたしはいつだって元気です!」
空元気に見えても気にしません。だって元気ですもの。
>153
>「エリヤ、この中の奴、触手はどんなくらいの長さだった?
>・・・ところでなんで焦げてるんだ?」
「え、えと、あの、その……スライムを燃やそうとしたら自分が燃えちゃって。
あ、スライムの触手でしたら、1メートルくらいの結構な長さだったような……」
言えません。神の裁きを下してやろうとしたら、神の裁きを下されちゃったなんて。
>151
天使さんです。ひょっとしたら、わたしみたいに神に使わされた人たちかもしれません。
もしそうなら、わたしがちゃんとした天使だって弁護してください。
そんな心の叫びはあんまり届いてないみたいです。
このお二方は、アラクレナッチャウヨ病なる、未知の病の予防接種だとかで、ヒヨコを使った予防接種をしているそうです。
でも、何だかあのヒヨコさんからは嫌な予感がします。
>156
>『イヴァルディ。予防接種の方法を分かっているよな……
>深く吸い込むように口付けをしなくてはならんぞ』
予防接種は、ヒヨコの口に吸い付くことによって為されるようです。
すごく珍しい予防接種の仕方です。
そして想像してみると、何だか凄惨な光景でした。ヒヨコさんが可哀想。
って!天使は嘘を吐くと顔に出るのがほとんどです。何嘘吐いてるんですか!
なんてことでしょう。初仕事でこの調子だと、先が不安になります。
何だか、最近は調子が悪いです。
ちょっと昔に、全裸のカップルにリンゴを食べさせたあのときの、輝かしい腕前が発揮できないのです。
ああいう純真無垢な人が、最近ではめっきり減ってしまいました。
故に誘惑してもおもしろ……いえいえ、試すに値する者が少なくなっているので、わたしの腕も相当に鈍っているようなのです。
この長閑な村なら、もしかしたら……と思ったのですが、肝心のわたしが駄目じゃん!
>160>161>162>163
正気に戻って、後ろを振り返ってみます。
結構長いこといろいろ考えていたようで、わたしの知らないうちに、どんどん話が進んでいるようでした。
振り返るとそこには、全裸のリクドウさんが居ました。ヒヨコさんがいません。
何でしょう、全裸の男なんて大昔に嫌になるほど見たものなのに、この強烈な刺激は?
まだ人間が服を作ることのできなかった時代にも、このような刺激を受けたことはありませんでした。
何だか意識が遠のいていくのがわかります。
「……はぅっ」
そのままの姿勢で、ふっと意識が途切れました。
>168
暗いくらい穴の中。
イヴァルディはぶよぶよな巨大アメーバーに包まれて虚ろな目で横たわっています。
巨大アメーバーが心配そうに触手でツンツン突っつきますが、反応はありません。
まるで世の中の全てに悟りを開いたような、無の境地な感じです。
まあ、無理もないとアメーバーもため息をついています。
どれだけ時間が経ったでしょうか?
どれだけも時間が経っていなかったりもするのですが・・・
ピューーーーという音と共に何かが落ちてきます。
真っ暗な穴の中でも目の効くイヴァルディには、黒髪の一人の少女が落ちてくるのが映っています。
映っているだけで、頭が動いていないのでそのまま動きもしません。
ヒューーーーと一直線に落ちてきた少女はイヴァルディのお腹に激突!
「お・・・おぐええええ!!ブラックジャック先生!お金はあるんです、俺の記憶を消してください!」
虚ろだったイヴァルディの目に光が戻りました。
すっごい勢いのショック療法ですね。ちょっとショックの余り錯乱して変なことを叫んじゃっていますが、気にしてはいけません。
落ちてきたのはエリヤです。
イヴァルディのお腹にめり込んで、アメーバーのクッションもあって怪我は無いようですが、その衝撃のお陰で二人はぽよんぽよん何度も跳ねる事になったのでした。
「ああ・・・正気に戻ったわ。ところでなんでエリヤまで落ちてきたんだ?」
跳ねるのが漸く収まって、巨大アメーバーから降りたイヴァルディが不思議そうに首をかしげます。
エリヤは怪我はなさそうですが、気絶したままで起きる気配はありません。
「まあ仕方がねえ。一旦帰って酒でも飲むか。」
そうです。ここでボーとしていても仕方がないのでとりあえず家に帰る事にしました。
気絶したエリヤも置いていくわけにはいけませんので、背負って歩き出します。
エリヤはイヴァルディより頭一つ分背が高いですが、イヴァルディはエリヤの倍の横幅と体重があるのでらくらく背負っていけるのです。
でも、ここはドワーフのイヴァルディが掘った坑道です。
進む途中、時々エリヤの頭が天井の出っ張りなどに当たっちゃうのはご愛嬌なのでした。
>160
イヴァルディさんは握った手をぶんぶん振ると、フーコーに酒は飲めるかと聞いてきました。
フーコーはドワーフの基準で見れば普通ですが、人間としてならとても強いほうです。
ですから「もちろん」と返そうとしました。そこにひよこがにゅっと突き出されます。
イヴァルディさんは脂汗を浮かべながらそのひよこを睨んでいましたが、
意を決したように情熱的なベーゼをぶちかましました。
その唇がくちばしと別れを告げたとき、そこは風にそよぐ柳の枝ように弱弱しいイヴァルディさんと、
今まさに常世へと羽ばたかんとするひよこが一羽いただけでした。
イヴァルディさんはふらつく足でその場を離れようとして、穴に落っこちてしまいました。
長く尾を引く絶叫もいつしか風に吹き散らされて消えてゆきました。
ちなみにあのひよこがリクドウさんであることに、フーコーはまだ気づいていません。
>163
いよいよシェラさんの番となり、シェラさんはひよこを手のひらでそっと包んで動かないように押さえ、唇を近づけていきました。
しかし動けないはずのひよこが手のひらからするりと抜け、あまつさえ空中で回転まで始めたではありませんか。
先ほどまでの幽体が離脱しかけたがごとき様相からは想像も出来ない機動力です。
最後にひよこはシェラさんの手に自ら突っ込み、大きく弾かれて下生えの中へ消えました。
そのとき、何もいないはずの空中から老婆の声がしました。柳の魔女です。
魔女は言いたい事だけ言ってとっとと失せました。
ここでようやく、フーコーは今のひよこの正体に気がつきました。
「災難だなぁ、旦那」
まるっきり他人事の口調で呟くフーコーの眼鏡には、リクドウさんの『剣』が映っていました。
>164-166
裸(ら、と発音しましょう)のリクドウさんを、ミカエルさん夫妻が魔法で運ぼうとします。
ミッシェルさんがロキにまたがって先に行きました。服を探しに行くそうです。
(『見つけておく』ってことは、持ってくる気はないのか?)
ミッシェルさんの言葉に、ちょっと引っかかりを感じるフーコーでした。
さて魔法で宙に浮かべたリクドウさんを引っ張っていこうとしたご夫妻ですが、シェラさんがそれを止めました。
それからフーコーを振り向いて、リクドウさんを運べないかと訊ねます。
「うーん…」
フーコーは唸ってしまいました。荷車も幌がついてるわけではないので、
浮かんだままで運ぶのとあんまり変わりません。それよりもうちょっと抜本的な解決策が必要です。
「そもそも、服をここに持ってきてもらうほうが良いんじゃないか?」
フーコーはさらりと言ってのけました。
>165>166>170
私達が歩き出すと、ミッシェルさんがロキちゃんに乗ってやってきました。
ミッシェルさんは、先にリクドウさんの服を探しに行くって言って、リクドウさんのお店までまっしぐら。
そしたら、今度はシェラちゃん。
リクドウさんが可哀想だから、フーコーさんっていう人の荷馬車でリクドウさんを運んでいってもらいたいって。
『確かに、このまま運んでいったら私達もリクドウも大変態になってしまう』
ミカエルはそう言ってたけど…
「でも、しもふり村の隣のしもねた村で、ヌーディストっていうのが流行ってるみたいだし、
別に変態だとは思われないと私は思うよ。」
そのヌーディストって言っても、上半身が裸の人達がやることなんだけどね。
それで、そのフーコーさんが言うには服を持ってきた方が早いって。
でも、ミッシェルさんが服を取りに行ってるんだし、改めてリクドウさんの家に行く必要はまったくないし。
『それでは、ミッシェルが戻るまで待機ということにしておこうか。』
「その間にリクドウさんの目が覚めるかもしれないしね。」
私達はこの場所での待機を提案した。
「う…… ……ん?」
リクドウはぱちりと目を覚ました。
夢の世界にまだ片足を残したままの瞳孔で、右から左へ順繰りに見渡す。
ミカエル、ルシフェル。夫婦揃ってコーヒー飲みに来たか。またのろけ話でも聞いてやろう。
シェラ。この間苦心して手に入れた2枚の王国劇場のチケット、今日こそ渡して誘ってやる。俺はやれば出来る男だ。
ルシエナ。前にフルーツ盛り合わせを奢ると言った約束をまだ果たしてなかったな。今日出してやるか。
色眼鏡の旅人。約束通り来たか。色々旅の話を聞き出せそうで楽しみだ。
「…すまんな、ちょっとうたた寝してたみたいだ。みんな注文はいつものでいいか?旅人さん、あんたは何を食……う?」
がしがしと頭を掻くリクドウの表情が、急に曇った。
よく見ると、周りは森。そして、いつもより視点が妙に高い。長身の色眼鏡の旅人すら見上げている。
みなの表情も、普段のそれではない。各々が、まるで道端で全裸の知り合いでも拾ったような顔をしている。
「? この状況はいったい…… ……おわーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
思慮を巡らせ、『柳の魔女』の顔が頭を過ぎった瞬間、リクドウは漸く今の状況全てに気付いた。
もちろん自分の格好を含む…というより、それを中心として。
「シッシェラ、誤解だ!違う!違うんだ!これはあのクソッタレ魔女に騙されたのろけ話の出来る男が盛り合わせな旅のうたた寝で……!」
訳の分からない事を喚きながら狼狽するリクドウ。
動けない空中でじたばたもがいた拍子にジャイアントワームを隠す皿を叩き落としてしまい、さらにパニックは大きくなった。
「うが!ちょっ待て、違う!これは悪い夢だ!夢なんだ、シェラ!ド、ドリーム、ドリーム!そう、ゆゆゆ夢はきっと叶う!」
その悪い夢は残念ながら叶ってしまっている。
「あー、くそう!あの魔女絶対に許さん!取り敢えず誰か上着か何か貸してくれぇ!!」
>169
あっと思う間もなく、イヴァルディさんが穴の中に落ちました。
続いてよろけたエリヤさんも穴の中へ!
「エリヤさん?!イヴァルディさん!あの、大丈夫ですか?」
>「お・・・おぐええええ!!ブラックジャック先生!お金はあるんです、俺の記憶を消してください!」
・・・どうやら無事みたいですね。
>170 >171
>「そもそも、服をここに持ってきてもらうほうが良いんじゃないか?」
よくよく考えたらそのとおりです。
>『確かに、このまま運んでいったら私達もリクドウも大変態になってしまう』
そんな訳で、リクドウさんを運ぶのはやめ、ミッシェルさんがお洋服を持ってきてくださるまで待つことにしました。
「ねえルシフェルさん、さっき仰っていたしもねた村って、村人全員が年中裸で過ごしているのですか?」
冬は寒そうですし、それはそれでいろいろ不自由な気がします。
>165 >168 >169
さわさわと草が揺れています。
ミッシェルさんはまだ戻っていらっしゃいません。どうしたのでしょう。
「・・・そういえばミッシェルさん、服を見つけておくと仰っていませんでした?」
もしかしたら、服を持ってくるつもりは無いのかもしれません。困りました。
そのときシェラは、とてもいい事を思いつきました。
シェラはイヴァルディさんが落ちた穴に向かって、大声で叫びます。
村にある深い穴は全部、イヴァルディさんが掘った坑道なのです。穴に向かって叫べば、村中に聞こえるのです。
「ミッシェルさん!聞こえますか?。
大変申し訳ないのですが、リクドウさんのお洋服は森まで運んで下さいませんか?よろしくお願いします!」
シェラの声では村中への連絡は無理かもしれません。でも、少なくともイヴァルディさんには届いた筈です。
声が小さいと思ったならあのイヴァルディさんのことです。
ミッシェルさんに伝言が伝わるよう手を打ってくださる筈です。
天使ご夫妻もフーコーさんも、ミッシェルさんが着替えを持って戻ってこられるのを待っています。
なんだかんだいってリクドウさんのことが気がかりなのでしょう。
風が気持ち良いです。ただ、裸のリクドウさんは寒くないのでしょうか。
何かかけてあげたくても、今日のシェラの服はこれ一枚です。脱ぐ訳にはいきません。
裸の身体を見ないよう注意しながら、シェラはリクドウさんの顔を見ました。
・・・気持ちよさそうに眠っていらっしゃいます。
「ミカエルさん、私はまだアレクレナッチャウヨ病の予防接種を受けていないのですけれど・・・どうしましょう?」
「それにしても・・・予防接種用のヒヨコさんが、ヒヨコリクドウさんと入れ替わっていたなんて・・・。
全然気づきませんでしたわ。本物のヒヨコさんはいったいどこに行ってしまったのでしょう?」
・・・?今ミカエルさんが目を逸らしたような。・・・気のせいでしょうか。
シェラはふと思い出しました。
「そういえばリクドウさん、どうやって元の姿に戻れたのでしょう?
柳の魔女さんも変な事を仰っていませんでした?叩けば治るとか、キスで呪いが解けるとか何とか・・・・・?」
・・・あら?とシェラが首を傾げました。・・・何かとっても変です。何でしょう?
ですが、幸か不幸かシェラはこれ以上あれこれ悩む事が出来なくなりました。
>「? この状況はいったい…… ……おわーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
リクドウさんが目を覚ましたのです。
>172
リクドウさんは焦って空中でもがいていらっしゃいます。
「ミカエルさん、地面に下ろしてあげてください。
リクドウさん落ち着いて、今ミッシェルさんがお着替えを持って・・・キャ――――――――っ!!!!!」
ぽろりとお皿が落ちました。シェラも大パニックです。
シェラは焦って走り出そうとしたのですが、いかんせん周りを良く見ていませんでした。
すぐ後ろに居たフーコーさんに衝突、嫌というほど顔をぶつけてしまいました。
シェラは痛みのあまりその場に蹲ります。
>「あー、くそう!あの魔女絶対に許さん!取り敢えず誰か上着か何か貸してくれぇ!!」
・・・・・・ミカエルさん、魔法でお皿が出せるなら、もしかして服も出せたのでは?
埒も無い事を考えるシェラなのでした。
>172>173
ミッシェルさんを待ってると、シェラちゃんが聞いていきたの。
>「ねえルシフェルさん、さっき仰っていたしもねた村って、村人全員が年中裸で過ごしているのですか?」
シェラちゃんもリクドウさんの裸を見て興奮したみたい。
私もミカエルの裸を見たら興奮するだろうね〜
「聞いた話だと、一年中っ訳じゃないし。後、全員が裸って訳じゃないんだよ。」
それからしばらくたって、シェラちゃんがイヴァルディさん達が落ちた穴に向かって、
>「ミッシェルさん!聞こえますか?。
>大変申し訳ないのですが、リクドウさんのお洋服は森まで運んで下さいませんか?よろしくお願いします!」
ミッシェルさんに服をちゃんと取ってきてね!と念を押したの。
ミッシェルさんって…穴に入ってたっけ?
>「ミカエルさん、私はまだアレクレナッチャウヨ病の予防接種を受けていないのですけれど・・・どうしましょう?」
>「それにしても・・・予防接種用のヒヨコさんが、ヒヨコリクドウさんと入れ替わっていたなんて・・・。
>全然気づきませんでしたわ。本物のヒヨコさんはいったいどこに行ってしまったのでしょう?」
私は思わず目を逸らしてしまった。
ルシフェルが変な嘘を言ってしまった為に、誤魔化しにくくなっている。
「あぁ…アラクレ病はただひよこに変身から、元に戻った時に裸になってしまう病気だ。
ちょうど、そこのリクドウのようにな。」
私は嘘は言ってはいないぞ。
>「? この状況はいったい…… ……おわーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
ミカエルがシェラちゃんを何とか誤魔化してる時、やっとリクドウさんが起きた。
リクドウさんは、シェラちゃんにすっごーーーーく!必死に弁解してるの。
そしたらね…落ちた。お皿が落ちた。
変なものが見えた。
私の思考は……真っ白…
気付いた時には手遅れだった。
リクドウが出した巨根を見せられ、ルシフェルはショックの余りに失神をしてしまった。
>「あー、くそう!あの魔女絶対に許さん!取り敢えず誰か上着か何か貸してくれぇ!!」
「ふむ。人の妻に自身のモノを見せて、よく平然としてられるものだな。
それに、今の姿を良く見ることだな。
必要なのは、上着ではなく下着ではないのか?」
少し意地が悪すぎたか?
私はリクドウを降ろすと、魔法で丈の長いコートとブリーフを取り出して渡す。
一先ずはその服を着ていろということだ。
その時、草の中からハサミ虫(ハサミ状の動くツノを持つ虫、動く生物を挟む習性がありやや危険)が
>173
真っ暗な行動の中、ひたひたと足音が一つ。
それとたまにゴツゴツとあたるような音が一つ。
エリヤをおんぶしたイヴァルディがとりあえず家に向かって歩いています。
>「ミッシェルさん!聞・・・ま・・・?
>・・・申・・・が、リクドウさん・・・洋・・・運んで下さいませんか?よろし・・・!」
そこへおぼろげながらシェラの声が響いてきました。
################################################
シェラたちのいる場所に、穴から大きな声が響き渡りました。
「シェラ!腹筋が足りんぞ!肉食え肉!
それからフーコー!今夜は酒場に来いよー!」
イヴァルディの声です。
でも結構無茶な話です。
無数に枝分かれした坑道を伝声管代わりに使うなんて、イヴァルディくらいにしか出来ないのですから。
ついでにフーコーにも伝言です。ほしふり村は小さな村なので、酒場なんて一軒しかありません。
だから名前を言うまでもなくこれで通じるのです。
################################################
場面は戻って坑道の中。
本来ならこのままリクドウの店に行って、自分が届けても良いのです。
でも、こんな事があったばかりなので、なんだかリクドウとも顔を合わせ辛いですし、お店にも顔を出す気に離れません。
ですから・・・
「ミッシェル!リクドウのキリマンジャロ!モカ!洋菓子セットを森まで運んでくれ!」
リクドウのお店の方に向って大声で伝えます。
はっきりと聞き取れなかったシェラの言葉をイヴァルディなりに推理変換して伝えたのでした。
今回は坑道の中で、方向を定めて声を出しているのでお店方面だけに声が広がるでしょう。
「まったく、呑気にお茶会でもするのか。俺は強い酒でも呑んで忘れたいってのに・・・」
そう言うとまた真っ暗な坑道の中、歩いていくのでした。
>>166-176 リクドウの店でぼぅっとしていると、何やら聞こえた気がします。
ですがあまりにも微かすぎて、ミッシェルの耳には聞こえませんでした。
「・・・ああ、もう。もう一回言ってくれればなんとか・・・」
自分でも一体誰に対して言っているのかよくわからずにミッシェルはずっと耳を欹てています。
すると、いきなり轟音のようにイヴァルディの言葉が聞こえてきました。
>「ミッシェル!リクドウのキリマンジャロ!モカ!洋菓子セットを森まで運んでくれ!」
一瞬、ミッシェルは訳がわからずに硬直しました。お茶とお菓子を持ってこい、とのことです。
「あ゛あ゛?キリマンジャロにモカに洋菓子セットって・・・。仕方ないわね。ちゃんと持って行かなきゃ。
ロキ、行くわよ。割らないように気をつけるから、超特急でいいわ」
そういうとミッシェルはロキにまたがり急かしてきます。
彼は出発しようとしましたが、思い立ってそっと穴をあけぬようにリクドウの服を口先で摘みました。
おそらくミッシェルはそれに気づいてないでしょう。それどころかリクドウに必要なのは服なのも忘れているかもしれません。
そして急いで森の方へと向かっていきました。
すぐに着くことは出来ましたが、すごく急いだため、危うくリクドウを跳ね飛ばしそうになりました。
「持ってきたわよ、イヴァルディに言われたキリマンジャロにモカに洋菓子セット。あんたたち暢気ねえ。」
そういって抱えたセットをリクドウに渡しました。
「・・・なんかアタシが戻ってくるまでの間に色々変わってない?いや、むしろシェラとルシフェルは大丈夫?」
とりあえず、失神したルシフェルと蹲ってるシェラの心配をしておきました。
慌てたはずみからギガントピストルを晒してしまい、シェラが絶叫したりルシフェルがオチたり、大混乱。
期せずして大変態となってしまったリクドウなのであった。
>174
>「ふむ。人の妻に自身のモノを見せて、よく平然としてられるものだな。
> それに、今の姿を良く見ることだな。
> 必要なのは、上着ではなく下着ではないのか?」
リクドウを地面に下ろしたミカエルが、そう言いつつ丈の長いコートと下着をくれる。
「サンキュ!」
リクドウはばしっとそれを受け取ると、素早くコートを羽織り、後ろを向く。
少し安堵しながらブリーフを履こうとした時、最後の試練はやってきた。
>175
>その時、草の中からハサミ虫(ハサミ状の動くツノを持つ虫、動く生物を挟む習性がありやや危険)が
ぴょーん。
ぴた。
「……お」
リクドウのエクスカリバーの上に、草むらから飛び出したハサミ虫が乗っかった。
「お……お」
リクドウの動きがぴたりと止まる。気色ばみ、全身に汗が滲む。
奴は自慢の鋏を揺らし、挟もうか挟むまいか迷っているようだ。
振り落とすか?いや、奴は既にスタンバっている。少しでも動きを見せれば即座に行動に出るだろう。
「お……おお……おおおおい、待て。待てよ待てよ待てよ落ち着け。
分かった、オーケイオーケイ。何が望みだ。ハウドゥーユードゥー?ワッツュアネイム?アイムファ〜イン…」
途中から何故か適当なイングリッシュになりつつも、リクドウは虫の死角からそーっと手を伸ばしていた。
いける。このまま気付かれなければ、あと5秒で奴を摘み、晴れやかな笑顔で元の草むらに全力投球することができるだろう。
あと5秒の勝負だ。奴が気付くのが早いか、リクドウが摘むのが早いか。
リクドウvsハサミ虫。
亀vs昆虫。
「ユアハッピー、ユアハッピー?オウ、グレートグレート。イーアーサンスゥグーテンモーゲン……」
軽快なトークで場を繋ぎつつ、摘み手を慎重に慎重に虫に近づける。
あと4秒……3秒……2秒……気付く気配のない虫に勝利を確信し、リクドウは口元に邪悪な笑みを浮かべた。
ゼハハハハ所詮虫畜生風情がこの陸堂頑張郎(りくどうがんばろう。本名)に楯突こうなど進化が100万段階早いんだよなどと考えつつ、
最後の1秒地点まで摘み手と虫の距離を詰めたその時。
>177
>すぐに着くことは出来ましたが、すごく急いだため、危うくリクドウを跳ね飛ばしそうになりました。
物凄い勢いでミッシェルを乗せた狼ロキが間近まで駆けて来た。
虫さんびっくり。
はさみっ。
「――――――――――――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!!!!!!!」
リクドウの声にならない絶叫が、ほしふり村の夕焼けの空に響き渡ったのだった。
「……さて」
ロキの持ってきてくれた自分の服に着替え、漸く落ち着いたリクドウ。ミッシェルが持って来てくれたものは皆に振舞った。
今は仕事外なので、服と一緒に脱ぎ捨ててあったエプロンは着ない。リクドウの仕事人としてのこだわりだ。
余談だが、かといって普段は普通の格好をしているわけでもなく、普段は普段で余所行き用のフリフリの洋服(手作り)を愛用している。
ともあれ、今は人前で普通の格好をしているレアなリクドウである。
「今回は皆にかなり迷惑を掛けた。まずはすまんかった、そしてありがとう。もうひとつすまんかった」
リクドウは慇懃に頭を下げた。
素直なお礼と謝罪の裏に、今の全裸騒動は無かった事にしてくれ全力で忘れてくれという意思が溢れ返らん程に込められている。
「して、誰か今回の顛末を詳しく教えてくれないか?ヒヨコになっていた間の記憶がないから、
その間に他に迷惑を掛けた奴がいれば礼を言っておかねばならんでな」
>175-179
衣服を受け取ったリクドウは、即座にコートを着ると、自身のモノを皆から隠すように後ろに向く。
ブリーフをリクドウが履く途中、突然その手が止まった。
私はリクドウが露出の快感に目覚めて、私やシェラに見せ付けようとするのかと思ってしまった。
だが、私はリクドウが変態に目覚めていないことを信じることにした。
リクドウの着替をじっと見てるお前の方が変態だとは言わないでくれよ。
リクドウが何かを考えてパンツを履くのを止めてから数秒。
リクドウはとうとう変態に目覚めてしまった。
奴は片言の英語を喋りながら、自身のモノをいじくり始めたのだ。
私はこの光景を信じることができなかった。
私の知っているリクドウは今日死んだ。
柳の魔女の呪いによって殺されたのだ。
呆然とその光景を眺めていると、ミッシェルが帰ってくる。
それと同時に、最悪の事態が起こった。
ミッシェルが来たと同時に、リクドウは快感の余りか、声にならないような雄叫びを上げる様を見せ、
自身のモノから何かを発射していた。
>「・・・なんかアタシが戻ってくるまでの間に色々変わってない?いや、むしろシェラとルシフェルは大丈夫?」
状況を把握していないミッシェルが、こちらの様子を聞いてきた。
私はへたりこんで、こう呟く。
『リクドウは……恐ろしい奴だ……』
ミッシェルには何が何だか分からないだろう。
ルシフェルが気絶していて良かったよ……
>「今回は皆にかなり迷惑を掛けた。まずはすまんかった、そしてありがとう。もうひとつすまんかった」
>「して、誰か今回の顛末を詳しく教えてくれないか?ヒヨコになっていた間の記憶がないから、
> その間に他に迷惑を掛けた奴がいれば礼を言っておかねばならんでな」
私が放心している間にリクドウは着替え終わり、ヒヨコ時に何があったのかを聞いてくる。
もしかしたら、私達の責任なのかもしれない。
ヒヨコのリクドウに、私とイヴァルディが面白がってキスをしたから……
『リクドウ…すまない……
お前が変態になった責任は私とイヴァルディにあるんだ!
私とイヴァルディがヒヨコだったお前にディープキスを!
お願いだ。許してくれ!』
>>179-180 >「――――――――――――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!!!!!!!」
ミッシェルが一息つこうとした途端、リクドウが声にならない叫びをあげた。
うっかり、驚いてバッとリクドウの手がある辺りを見てしまった。バッチリ見た。
それでも中身は大人なミッシェルは眉一つ動かさず、御愁傷様、とだけ思った。
>『リクドウは……恐ろしい奴だ……』
今までの事を聞いただけなのにミカエルはそういってヘタレてる。
「アタシに言わせりゃアンタの絶望っぷりの方が恐ろしいわよ」
どう反応していいのか分からなかったため、とりあえずそれだけ言っておいた。
>「して、誰か今回の顛末を詳しく教えてくれないか?ヒヨコになっていた間の記憶がないから、
その間に他に迷惑を掛けた奴がいれば礼を言っておかねばならんでな」
「うん、ゴメン。MAJIGOMEN」
とりあえず可哀想な事をしたなあと思いつつ今までの事を思い出す。
「ああ、そういやアタシアンタの事晩飯にしようとしてたわ。悪ぃ。
・・・んー。アタシから言えるのはそれしか無いわね。それしか覚えが無い」
本当に何も覚えが無い。ミッシェルはシェラとキスさせようとしていたような気がしています。
(まあいいや。結局解決しかかってるんだし、どうでもいい)
大分投げやりな態度で自身の報告を終わらせました。
>『リクドウ…すまない……
お前が変態になった責任は私とイヴァルディにあるんだ!
私とイヴァルディがヒヨコだったお前にディープキスを!
お願いだ。許してくれ!』
「・・・・・・」
イヴァルディがリクドウとキスをしてしまったのは知っています。
ですが前者は知りません。しかもその口ぶりはまるで自分から率先してしたようです。
ミッシェルはひたすら脳を総動員し、一つの結論を見出しました。
右手の人差し指をミカエルに向かってぴしっと伸ばし、左手は腰に添える。
足は大分開き気味にして声を大にして言い放った。
「アンタが一番変態じゃない!」
>172-174
服を取りに行ったミッシェルさんを待つ間に、リクドウさんが目を覚ましました。
当然ですがすさまじい狼狽ぶりです。心の動揺が体の動きになって現れています。
せっかくミカエルさんが被せてくれたお皿もするりと滑り落ちてしまいました。
その下から何が出てきたかは言うまでもありません。
それを完膚なきまでに目撃したシェラさんが顔をそむけて走り出そうとしましたが、
フーコーの胸板に鼻っ柱をぶつけてうずくまってしまいました。
その向こうではルシフェル奥様が卒倒なさっていました。
服を貸してくれと頼むリクドウさんに、ミカエルさんが文句を言いながらも魔法で服を出してあげます。
最初から服を出していれば防げた悲劇ではないかな、とフーコーは思いましたが、
今更言っても仕方がないのでそこには触れないことにしました。
「妻…ってことはご夫婦で?俺はてっきり兄弟かと。申し遅れやしたが、鍛冶屋のフーコーといいます。何か御用の際はお気軽に」
ただしどこでも営業は忘れません。
>178-181
さてそんなことをしているうちにリクドウさんが壊れてしまいました。なんだか妙な事を呟きながら妙な動きをしています。
ハサミ虫との心理戦を展開しているゆえの奇行なのですが、フーコーの位置からでは虫は見えませんでした。
そこへミッシェルさんを乗せたロキが殺到してきました。一人と一頭でも『殺到』と言う表現になるほどの勢いです。
その瞬間、驚いたハサミ虫から自慢の豪槍に一撃貰ったリクドウさんの喉から迸った
不可聴域のハイトーンボイスが辺りの空気を震わせました。
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しばらくして落ち着きを取り戻し、一つ上の男になったリクドウさんがみんなにお茶を振舞いました。
これはリクドウさんのお店に行ったミッシェルさんが持ってきたものですが、
どういう経緯でこれを持ってこようと思ったのかはフーコーにはわかりませんでした。
フーコーはあまりカップには口を付けず、モカの香りを楽しみながらお菓子をつまんでいます。
朝からあちこち動き回って、自分で思っているよりもお腹がすいていたようです。
トラスももっしゃもっしゃと草を食んでいます。明らかに目が『よこせ』といっていますがフーコーは当然スルーしました。
そんなこんなでお茶を楽しむ一同に、リクドウさんが謝罪をします。
「ま、退屈はしないですんだよ」
フーコーは少し意地悪げに笑いながらそう言いました。が、今回の顛末についてに話が及ぶと口を閉ざしてしまいました。
ひよこになっている間の記憶が無いとのことで、それなら知らないほうが健康でいられるんじゃないか、と思ったからです。
ミッシェルさんは自分が把握しているだけのことをさらっと話して終わりましたが、
ミカエルさんはリクドウさんが心を閉ざしかねないような事実を口にしてしまいました。
「伏せときましょうよ、旦那さん……」
フーコーはため息混じりに呟くと、少し温くなったコーヒーを一気に飲み干しました。
「ご馳走さん。さてシェラさん、俺ぁそろそろ行くがどうするね?」
カップをソーサーに置いて立ち上がり、トラスの手綱を取りながらフーコーは訊ねました。
荷馬車の上には引換券が入っていた箱がまだ置かれています。
ここでフーコーは、大根30本なんてシェラさんには持てないという事にようやく気がつきました。
「引き換えに行くなら付き合うよ。乗りかかった船だ」
お菓子をもらえなくて割と不機嫌そうなトラスをなだめつつシェラさんに言いました。
あーちゃんは魔力の波動でどうやらフーコーひよこ事件が解決したらしいのを感じ取りました
「よかったでちゅね」
(ちっともよくない)
ミクミダ「ナンイガヨカッタンダ?マスター」
「お前には関係ない話でちゅよ、それより4番テーブルにお客さんでちゅ」
ミクミダ「キノコカレーッテンダロ!ワカッテルゼマスター」
今日もあーちゃんのカレー屋”だけ”は平和です
>176
>「シェラ!腹筋が足りんぞ!肉食え肉!
シェラは苦笑しました。
肉を一杯食べたとしても、イヴァルディ さんのように坑道を伝声管代わりに使うなんて無理です。
>177-181
鼻をぶつけて蹲っていたので、めまぐるしく変わる状況を読めません。
ようやく周りに気を配れるようになったのは、ミッシェルさんが心配そうに声をかけてきたときでした。
>「持ってきたわよ、イヴァルディに言われたキリマンジャロにモカに洋菓子セット。あんたたち暢気ねえ。」
「???」
シェラは首を傾げました。お茶会セットなど頼んだ覚えは無いのですが・・・・。イヴァルディさんのサービスなのでしょうか。
>「・・・なんかアタシが戻ってくるまでの間に色々変わってない?いや、むしろシェラとルシフェルは大丈夫?」
「ふぁい。大丈夫です。フーコーさん、失礼しました」
シェラは目じりの涙を拭い、立ち上がりました。
お洋服を着替え終わったリクドウさんはコーヒーとお菓子を振舞って下さいました。
シェラはありがたくいただきました。
ミカエルさんは放心状態です。何かあったのでしょうか?
>『リクドウ…すまない……
> お前が変態になった責任は私とイヴァルディにあるんだ!
> 私とイヴァルディがヒヨコだったお前にディープキスを!
> お願いだ。許してくれ!』
爆弾発言に、シェラはあやうくコーヒーを吹きだしてしまうところでした。
>「アンタが一番変態じゃない!」
>「伏せときましょうよ、旦那さん……」
シェラは激しく咳き込みながら、ようやく今回の騒ぎが見えてきました。
「ミカエルさんひどいです!アレクレナッチャウヨ病が流行ってるなんて、真っ赤な嘘だったんですね!」
シェラは精一杯厳しい顔をして、ミカエルさんを睨みつけました。
天使が嘘をつくなんて、いけないことです。
でも怖い顔なんて、長続きできません。すぐに、にっこりと微笑みました。
「何人かにキスしてもらわないと、リクドウさんの呪いは解けなかった。―― 違いますか?
だって、イヴァルディさんはキスした後、あんなにショックを受けていたのですもの。
きっと何もかも承知の上で、それでも必要だからキスされたのですわ」
そういって、シェラはコーヒーを一口飲みました。
「私だってヒヨコさんがリクドウさんだと知っていたら、キスできたかどうか。
誰かのために自分を省みず行動するなんて、なかなか出来る事じゃ無いと思います。
ミカエルさんといいイヴァルディさんといい・・・リクドウさんは、素敵なお友達をたくさんお持ちなのね」
・・・・・・どうやらシェラは、かなり大きな勘違いをしているようです。
>「ご馳走さん。さてシェラさん、俺ぁそろそろ行くがどうするね?」
フーコーさんは馬の手綱を取りながらシェラに尋ねました。
>「引き換えに行くなら付き合うよ。乗りかかった船だ」
「えっ!本当ですか?!
シェラの顔がぱあっと輝きました。
「ありがとうございますフーコーさん!
30本も持ちきれないので、いったいどうしようかと思っていたんです。すごく助かります!」
話が見えないといった面々に気づき、シェラはあわてて説明します。
「・・・あ、実は私たち、暗黒竜さんからだいこん30本引換券をいただいたんです。
フーコーさんが付き合って下さるので、今から取りに行くつもりです。
ミッシェルさん、ロキさん。お店が終わる頃には家に戻っていますから、どうか気兼ねせず遊びにいらしてください。
煮込み料理は無理ですが、何かご馳走しますから。
ではまた明日!リクドウさん、美味しいお菓子をご馳走様でした。皆様、おやすみなさい!」
シェラは皆に一礼すると、先ほどまでと同じように荷馬車の上におさまります。
「フーコーさんお待たせしました。よろしくお願いします」
全裸騒動が終わり、仕切り直したところでフーコーが意地悪そうに笑いつつ言う。
>「ま、退屈はしないですんだよ」
「ちくしょう、そいつぁ何よりだよ」
リクドウはやけっぱち気味な笑みを浮かべて言うのだった。
そして、話は今回の事の顛末に。
フーコーは喋る気無しと口を閉ざし、ミカエルは何やら思い詰めたような表情をしており、まずはミッシェルが口を開いた。
>「うん、ゴメン。MAJIGOMEN」
>「ああ、そういやアタシアンタの事晩飯にしようとしてたわ。悪ぃ。
> ・・・んー。アタシから言えるのはそれしか無いわね。それしか覚えが無い」
リクドウはひくりと笑みを引き攣らせた。
「相変わらずさらっとdでもない事言うなこの低血圧吸血鬼様は…。
代わりにそのうち店で死ぬ程トリ唐(=唐揚げ)食わせてやっから楽しみにしとけ」
続いて、思い詰めていたミカエルが言う。
>『リクドウ…すまない……
> お前が変態になった責任は私とイヴァルディにあるんだ!
> 私とイヴァルディがヒヨコだったお前にディープキスを!
> お願いだ。許してくれ!』
リクドウは手をひらひらと揺らし、からからと笑った。
「あー、許してくれだなんて、そんな気にすんなよ。卒倒した奥さんの事もあるし、むしろ俺が許しを乞わないといけないくらいだ。
お前とイヴァルディが無抵抗の俺にディープキスをしてその結果俺が変態になったくらいでってオイ待て待てオイちょっと待てお前」
笑顔が徐々に曇り笑顔になるリクドウ。
「あれ?…おかしいな、なんだか俺の人生に落印を押しかねん単語が二つばかりあった気がするんだが……」
リクドウはちょっと思案してみる。
…変態になった?『柳の魔女』の仕事が割れている以上、単純に全裸騒動の事ではあるまい。
じゃあ何のことだ?…そうだ、さっきは夢中だったが、そういえばハサミ虫と死闘を演じている間は俺の後ろ姿はどう見えていたんだ……?
「おい!待て違うぞ!さっきのは虫が……」
がばっと立ち上がって否定しようとした時、もうひとつの『人生に烙印を押しかねん単語』が頭をよぎった。
リクドウの顔色がさっと青くなる。
「ディ、ディープキスをした。……って、言いました?」
リクドウの本能が、頭に思考をやめさせる。数秒間フリーズ。
その間にミッシェルとシェラがミカエルを責めていたが、思考の停止しているリクドウの耳には入らない。
…入らないはずだったが、人間の耳とは不思議なもので、一番都合の悪い部分はしっかり聞こえてしまうものである。
>「私だってヒヨコさんがリクドウさんだと知っていたら、キスできたかどうか。
……。
…。
………。
きっと、大切な人とのファーストキスは大事にしたいって意味だよね★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日もいい具合に暮れて来た。
シェラとフーコーは荷車で暗黒竜の元に大根を取りに行くらしい。
「さて。んじゃ、俺もそろそろ帰って明日の仕込みをして寝るとするか」
何か大切なものを一度に殆ど失ったようにやつれたリクドウが、それでも落ち着いた調子で言う。
「今日は本当に色々迷惑かけたな。迷惑分くらいは茶くらい奢るから、またみんな店に顔出してくれよな」
それじゃあ暗くなる前に皆家に帰れよ、と言い残して帰ろうとして、リクドウははたと足を止めた。
「…ミカエル、そういや奥さんは起きたか?俺のせいみたいなモンだし、何なら家まで運ぶのを手伝うが」
>181-186
ミッシェルが私のことを変態だと言い、鍛冶屋のフーコーが黙ってた方が良かったと諭し、
シェラが嘘吐きと私を責めた後、大切な友の為に行動したことを誉めてくれた。
だが、私がしてしまったことは許されざること。
友に変態の快感を目覚めさせ、友を堕落の…悪徳の道に目覚めさせてしまった。
これは天使にとっては許されざる行為。
神よ…愚かな私をお許しください。
今、変態の快感の故に放心し、私のせいで心に深い傷を負わせてしまったリクドウをお救い下さい…
夕暮れ時になって、私はオハヨーをしました。
何で寝ていたんだっけ……?
何故か思い出せない、いや、思い出しちゃいけないと私は直感で思ったの。
周りの様子を見ると、シェラちゃん達は荷車に乗っていっちゃうし、イヴァルディさん達はいない。
ミカエルはみんなを見送ってる。
リクドウさんは何か知らないけどやつれてた。
そういえば、今日は大変だったもんね。
>「…ミカエル、そういや奥さんは起きたか?俺のせいみたいなモンだし、何なら家まで運ぶのを手伝うが」
「オッハヨー!リクドウさん。
私なら大丈夫だけど?」
ミカエルが答える前に私が答えたの。
ミカエルは私が起きたことを知らなかったみたい。
それにしても、二人は何かいつもより疲れてるのかな?
何か知らないけど、そんな感じがする。
>184
フーコーの申し出にシェラさんは大喜び、みんなに挨拶をしてちょこんと荷車に乗りました。
「んじゃ行くか。ま、あんま気にすんなよ。死にかけた話だって過ぎれば笑い話になるもんさ」
フーコーも改めてリクドウさんに声をかけてから歩き出しました。
シェラさんはおやすみなさいと言っていましたが、流石にそれにはまだ早い時間です。
とはいうもののお日さまはだいぶ西寄り。ばたばたと騒いでいる間に随分時間がたちました。
「退屈が贅沢、かね」
小さく笑いながらフーコーは呟きました。
さすがにそこまで立て続けに事件がおきることも無いでしょうが。
シェラさんを乗せた荷車はがたごとと山すそに向かう緩やかな道を進んでいきます。
トラスは時折文字通りに道草を食いながら荷車を引っ張っていましたが、
それでもそれほど時間はかからずに暗黒竜さんの営む大根の販売所につきました。
そういえば鼻を腫らしていた暗黒竜さんでしたが、その後のお加減ははたしてどうでしょうか?
>188
荷車にゆられてがたごと道を行きます。
シェラは道中楽しそうに鼻歌を歌っていました。
道草を(文字通り)たべていた馬さんでしたが、やはりシェラの足とは比べ物になりません。
(薬草を摘んだり、小鳥に餌をやったり。シェラの足が遅いのは、馬さん以上に道草が多いせいでしょう)
だいこん販売所につきました。
「フーコーさん、ありがとうございました。さ、こちらです!」
シェラは嬉しそうに販売所に入っていきました。
「暗黒竜さん、シェラです!その後お加減はいかがですか?
それと、だいこんを引き換えに参りました・・・暗黒竜さん?」
いらっしゃらないのでしょうか?
いつもならすぐに飛んでこられるのに。
シェラの声がだんだん尻すぼみになりました。
シェラは心配そうに、いつも暗黒竜さんが飛んでくる山の方を見上げます。
目を覚まされた後、あんなに素敵なパフォーマンスをなさっていたのです。
多分大丈夫だと思うのですが・・・。
柳の魔女にはある弱点があり、その弱点を突かれると無力なつんつるてんの小娘になってしまうらしい。
ルシフェルが目を覚ました。健康には特に問題はないようだ。
リクドウはふっと笑み、手を振りつつ帰ろうとして、また振り返った。
「…そうだ、ミカエル」
『柳の魔女』のことだが、と前置いて、喋り始める。
「俺やお前にちょっかいを掛ける程度ならいいんだが…近いうちに王子様が村に視察に来るかもしれんし、もうじき村祭りもある。
空気を読めんあのクソ魔女が面白がって王子様をアヒルにでもしてみろ、ほしふり村に来年の春は来ないだろうな。
それと、村祭りの喧騒はまさに奴のフィールドだ。喧騒に紛れて何をしでかすか分からん。あいつはとにかくもう決定的に空気が読めん」
つまりイベントの時は見張っとくか縄でふん縛っといてくれってこった、とリクドウは冗談めかして笑った。
「そういや風の噂だが、柳の魔女にはある弱点があって、その弱点を突かれると無力なつんつるてんの小娘になってしまうらしい。
あんたなら普通に魔法勝負をしても負けんだろうが、一応頭の片隅にでも入れといてくれ」
夕日が徐々に森の上に沈んでいく。
リクドウはそれを眺めて欠伸をひとつ、そして踵を返した。
「頼りにしてるぜ、役人さん。ミッシェルもミカエルもルシエナも、また会おうぜ」
そう言って、帰り道を歩き出した。
名前: トカゲくん
種族: 改造人間
性別: 男
職業: 狩猟民族、薬屋さん(野草を使っての調合)
外見: 腰巻に半裸。ロン毛。
身長: 170cm
体重: 60kg
好きなもの: バナナ
嫌いなもの: 火、乗り物系
キャラ解説:言葉が片言、謎の男。村で薬草を売って生活している温和な青年。
基本的には温厚で友好的だが、悪党に対しては無慈悲に攻撃する。
噛み付き、金玉つぶし、目潰し、腕チョンパなど何でもあり。
かつて薬草を盗んだ悪党を、達磨にしてしまったことがある。
怒りに応じて全身がオオトカゲの姿をした異形の怪物へと変わる。
オレ トカゲ。村で薬草売って生活してる。
みんな いい人。 オレ 村の人 好き。
今日もしもねた村は へいわだ。
びょうきや けが。 あったらオレにいう。 薬草売る。
変わりに、食べ物くれると助かる。
腹減った。 今日も狩りに行く。今日は魚釣る。
馬鹿でかいマグロ釣る。
海まで行ってきて、今日もでかい魚釣れた。
馬鹿デカイ魚、いっぱいある。
村で魚、売る。
・カジキマグロ 2匹釣れた 1匹
・マグロ 1匹釣れた 刺身にするとうまい
・サバ 3匹釣れた 生でもいける
晩飯にどうだ?うまい魚、やる。
>>184 >「ミッシェルさん、ロキさん。お店が終わる頃には家に戻っていますから、どうか気兼ねせず遊びにいらしてください。
煮込み料理は無理ですが、何かご馳走しますから。」
「うふふ、楽しみにしているわ。じゃあまたね。」
シェラがおやすみなさい、と暗黒竜の元へ行くのを、しばらく見つめていました。
>>185 >「相変わらずさらっとdでもない事言うなこの低血圧吸血鬼様は…。
代わりにそのうち店で死ぬ程トリ唐(=唐揚げ)食わせてやっから楽しみにしとけ」
「ちょ、ま、生!生肉!生肉がいい!」
希望を必死にアピールしましたが、多分無理かな、なんて思いました。
ふと、ミッシェルは思い出しました。
どうして自分は店を放って置いて外に来たのか。
なんで夜までに帰ろうと思っていたのか。
なんでロキまで連れて御出掛けしているのか。
「・・・・・・あ―――――っ!
あっ、あたしは晩御飯(輸血パック)を貰いに役場に行こうとしてたんだった!」
しまった、と思いました。夜までに帰るはずだったのに、御日様はじわじわと西へ下っていきます。
「ど、どうしよう、急がなきゃ・・・」
あ〜〜〜〜ま〜〜〜〜〜〜ぞ〜〜〜〜〜〜ん!!
死ねクズが
内臓ぶちまけて死ね
轢き殺す刺し殺すぐちゃぐちゃに切り裂く
死ね”!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
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 ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
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 ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ ) ガタッ
.r ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄
⊂( ゚д゚ )
ヽ ⊂ )
(⌒)| ダッ
三 `J
ようこそ最下層に!最下層探検隊!!!!
 ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧
⊂(゚曲゚⊂⌒^つ≡3 ズザーー
200 :
名無しになりきれ:2006/09/14(木) 05:44:45
>197
おまわりさ〜〜〜〜ん
201 :
アルカンツェル ◆SsvzxTpmVk :2006/09/14(木) 13:06:18
なんか危険人物がいるようでちゅが・・・・
黙ってカレーを作るでちゅ
村祭りもあるでちゅしね
さあ新しいバーモンドあーちゃん特製カレーを完成させるでちゅ
村祭りに王子様が来たら食べてもらうでちゅ
ミクミダ「マスター オメエモ アルイミ オウジジャ ネエカ」
長男と666男じゃ雲泥の差でちゅ
そんなことよりカレーを煮るでちゅ
>194
うまそうだな、サバ捌いてくれるか?
>191>195
>「…そうだ、ミカエル」
リクドウは柳の魔女と前置きをして話だす。
その口ぶりは何か大切なことを話すように…
>「俺やお前にちょっかいを掛ける程度ならいいんだが…近いうちに王子様が村に視察に来るかもしれんし、もうじき村祭りもある。
〜省略〜
>喧騒に紛れて何をしでかすか分からん。あいつはとにかくもう決定的に空気が読めん」
顔が青ざめる様な話だ。
確かにあの魔女ならやりかねん話だ。
もし、王子をニワトリにでも変えられたら…
「スッポンポンだね」
ルシフェルが変なことを言ったが、その裸体を晒してしまったことで、軍隊を呼び出されたら困る。
『分かった。
柳の魔女がそんなことをしないように見張りを置く必要があるな。』
>「そういや風の噂だが、柳の魔女にはある弱点があって、その弱点を突かれると無力なつんつるてんの小娘になってしまうらしい。
>あんたなら普通に魔法勝負をしても負けんだろうが、一応頭の片隅にでも入れといてくれ」
いいことを聞いちゃった。
魔女さんは経絡秘孔を突かれちゃうと、美少女になっちゃうんだって。
今度、皆に教えてこようっと。
『疑わしい話だが、参考にはなった。
だが、柳の魔女は真っ向から魔法を使ってくることはない。
リクドウよ、気を付けておかないと、先程みたいなことになるからな。
巧妙に施された呪いを破るには、特殊な方法を取るか、地道に長時間掛けて解呪するしかないのだ。』
リクドウさんはお店に帰りました。
そうすると、今度は……
>「・・・・・・あ―――――っ!
あっ、あたしは晩御飯(輸血パック)を貰いに役場に行こうとしてたんだった!」
ミッシェルさんが困り始めました。
私はミッシェルさんに近寄って言います。
「私達も魔女さんのことで色々と役所でしなきゃならないの。
だから、ミッシェルさんも一緒に行こっ!
もう、役所は閉まってるはずだけど、鍵は私達が持ってるから。」
>169
「ふ〜〜〜〜〜〜・・・生き返った〜〜!」
ここはイヴァルディの家。
すっかり日は傾き、もうすぐ夜です。
エリヤを背負って坑道を進んでいたのですが、迷いに迷ってつい先ほど自宅についたばかり。
とりあえず駆けつけ一杯。
まだまだ足りずにもう一杯。
疲れたから更に一杯。
いやなことを忘れる為に別腹の一杯。
合わせて四杯エールを一気に飲み干してようやく一息ついたのでした。
「うーん、しかしエリヤの奴まだ意識が戻らないとは・・・。」
気絶したエリヤを背負って帰ってきたのは良いのですが、まだ目を覚ます気配はありません。
ちょっと心配になってきました。
でも、実はそんなに大したことでもないんです。
気絶していたエリヤはちゃんと目を覚ましていたのですから。
そのたびに狭い坑道で背負われていたから頭を打ってまた気絶。それを繰り返して今に至っているだけなのです。
「まあいい。酒場に行けば医者の一人や二人いるだろう。」
夜はフーコーに酒を奢る約束をしているのです。
細かい事を考えるのが苦手なドワーフですから、エリヤのことも細かくは考えません。
酒場に連れて行けば誰かが何とかしてくれるだろうし、起きたら一緒にお酒を呑めば良いのですから。
そう思い、出がけにもう一杯お酒を呑んでエリヤを背負って出発です。
酒場につくと、既に中は喧騒に包まれています。
小さな村ですし、みんな知った顔ばかりです。
エリヤを背負ってきているのを見てはやし立てる人もいます。
「だーっはっはっは!んなわけあるか!それよりみんな!今日フーコーってのがこの村に来たのはしってっか?
いい職人の手を持つ奴だ。もうすぐくっから、歓迎会やんぞ!ンじゃはじめんぞ!」
イヴァルディは見た目も性格もおっさんですが、ドワーフとしては成人手前の青年です。
若いし、とっても女好きなのです。
好みの女を見れば、とりあえず声をかけちゃうタイプです。
でも、エリヤと暗い坑道と、自分の家で二人っきりなのに何もしませんでした。
なぜって?
それはね、イヴァルディがとってもメンクイだからなのです。
固太りの胴体・大きく角ばった顔・太い指・小さな目・そして何よりも大きな団子鼻。
イヴァルディのいい女要素ベスト5です。
見事に外見で統一されていますね。一般的ドワーフの美的感覚ってこんな感じなのです。
小説などでハーフエルフはよく見かけても、ハーフドワーフなんて見かけないのはこの美的感覚の違いのせいかもしれませんね。
そんなわけでエリヤを隅っこに寝かせて、主役のフーコーも来ていないのに勝手に酒盛りははじめちゃうイヴァルディと村の人々なのでした。
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(ししし⌒⌒⌒) )⌒⌒⌒⌒) ) ) ) |
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l\ /了 | 了 /了 |了 ) ̄| | | .∠ おれの名をいってみろ!!
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王子様だ王子様がいらっしゃったぞ
さすがは王族高価そうな仮面だ
207 :
世紀末的チンピラ (王子の従者):2006/09/15(金) 18:17:00
何故だ何故解ったのだ
こんなに完璧な変装だと言うのに
どっからみてもチンピラのはず・・・
ばれましたよ王子
>188-189
しばらく待ってみましたが、暗黒竜さんは現れませんでした。
「シェラは肩を落とし、心配そうに山を見上げます。
「暗黒竜さんは、あまりお加減がよくないようですね。
それとも竜の病院に行ってしまわれたのかも・・・。
フーコーさん、申し訳ありません。せっかく連れてきていただいたのに」
シェラはフーコーさんを振り返り、申し訳無さそうに頭を下げました。
販売所の外の止まり木には、カラスさんが鈴なりに止まっていました。
馬さんがだいこんを食べないか目を光らせているのかもしれません。
なんだか居心地が悪いです。
「またここまで来るのも大変ですし、出来れば今日終わらせたいのですけれど・・・。
勝手に引き換えてしまっては・・・・・・・やっぱりまずいですわよねえ・・・」
一羽のカラスさんがシェラの前に下りてきて、ついて来いとでも言うように先を歩きます。
シェラがとことこついていくと、販売所の裏に今日収穫したらしいだいこんが山と積んでありました。
軽く50本くらいはありそうです。
カラスさんはシェラを見上げ、カア、と鳴きました。
そして、ルビーのように赤い目でじっとシェラを見上げます。
でも、シェラはカラスさんの言葉なんて分かりません。
困り果てたシェラは、フーコーさんに助けを求めました。
「フーコーさん、カラスさんはなんと仰っているのでしょう?
今日だいこんをお持ち帰りしてもいいのでしょうか・・・?」
>208
暗黒竜さんはシェラさんの呼びかけにも応じません。やはり鼻のお加減がよろしくないのでしょうか。
シェラさんは申し訳なさそうにフーコーへ頭を下げますが、フーコーは好きでやってることなのであまり気にしません。
とは言うものの、シェラさんの言うとおり、できれば今日片付けたいのも確かです。
現物があれば勝手に持っていくのですが…。
(フーコーはシェラさんと違ってあまり遠慮を知りません)
そんな事を考えていると、カラスが一羽、シェラさんの目の前に降りてきました。
カラスはそのまま先に立って歩いて、販売所の裏へ行きました。
ついていくと、そこには土も落としていない大根が山と積んでありました。
どうやら今日収穫したばかりのようです。
シェラさんはカラスの態度に当惑していますが、フーコーは全く聞いていませんでした。
「ん、何か言った?」
荷車に大根を積む手を全く休めず、シェラさんに聞き返します。
「あー、そうだな、書置きくらいはしといたほうが良いんじゃないかな」
あっという間に30本積み終えて、ロープで固定しながらシェラさんに言いました。
シェラさんの書置きと引換券を販売所のカウンターに、さらにその上から石を置きます。
「それじゃ帰ろうか。もう日も沈む」
シェラさんを促して歩き始めました。
「ここに・・・アイツは居るのだろうか・・・」
夕暮れ時、女は高台の上から村を見下ろしていた。
「まぁ・・・こんな田舎に来てる訳でもないか・・・」
そう言って女は高台を降り村へ歩き出した。
右手には何やら金属が入ったずたずたになったトランクを持ち、歩くたびにちゃっかちゃっかと音がなる。
[数時間後]
女が村に到着した時には、すでに日が落ち、村は家の明かりと月光で照らされていた。
「とりあえず着いたな・・・いい村だ。適度に発展し、自然と人が共存している。」
と辺りを見回し、村の評価を下し、また歩き始める。
「まずは・・・宿か・・・いや・・・酒場にしよう!!!
こんな感じの村には地ビールぐらいありそうだしな!!!」
カチャカチャとトランクを鳴らしながら、酒場へと急ぐことにした。
酒場の場所はすぐにわかった。考えてみると今日は休日の前の日だ。
いいオッサン共が調子こいて酒をがぶ飲みする日と相場は決まっている。
「やっぱ酒場はこんなんじゃな・・・さてさて、地ビール地ビール♪」
はやる気持ちを抑えつつ、右手のトランクを左に持ち替えて
店のドアを勢いよくあけ入店する。
すると店内にいるおっさんらの視線が女にすべて向けられた。
しばし、そのままの沈黙が続く・・・
〜 まずい・・・このままだとめんどくさい事になりそうだ・・
仕方ない・・・ここはノリでどうにかするしかねぇな 〜
女は左手に所持していたトランクを置き、深呼吸を始める。
あたりが少しざわめいたが、それもすぐにやむ
また、少しの間が出来た・・・そして、女は両手を上げてこういう。
「おめぇら!よく酔ってるかぁぁぁぁぁ!!!」
少し遅れておっさん共が反応を始め、女が来る前の状態に戻り始めていた。
状況の回復を視認し、カウンターへ向かう。
今日は誰かの歓迎会らしく、どうやら女は誰かに勘違いされたようだ。
トランクを足元に置いて、椅子に腰を掛け、マスターに一言
「地ビールとか地元のワインとか無いか!?無けりゃ日本酒でもかまわねぇよ
・・・まったく・・・一体誰なんだろうねぇ〜俺に迷惑をかけた奴はよぉ〜」
そう愚痴をこぼしながら、周りを見回し始める。とその直後、女は驚いた。
どうやら、店内へ入ってからここにくるまで、酒のことで頭がいっぱいだったのだろう。
いつの間にかドワーフのおっさんの隣に座ってしまったようだ。
ちらちらとこっちを見るドワーフ
「おいおい・・・別にお前に気があってここに居るわけじゃねぇーんだからな
問題はあのおっさんらが俺に注目すんのが悪いんだからよぉ〜・・・
まぁ・・・これもなんかの縁か・・・とりあえず、俺も明日からはここに訳解する身だしな
よろしく!名前は凛、女だ。年、体重、スリーサイズは・・・まぁ見たまんまだと思ってくれりゃハッピーだ。」
そう言って女はドワーフに握手を求める。
>211
まだまだ宵の口名時間ですが、酒場ないでは呑めや歌えやのどんちゃん騒ぎです。
肝心の主役のフーコーがまだ来ていないのに、村人達はすっかり出来上がっています。
そこへ勢いよく扉が開いたので、村人達は漸く主役の登場かと一斉に注目しました。
話に聞いていたフーコーは大柄でターバン、色眼鏡、そして何より男のはずです。
でも、入ってきたのは似ても似つかぬ着物の女です。
みんなヨッパラいすぎたかと目をこすったりしちゃうくらい別人でした。
>「おめぇら!よく酔ってるかぁぁぁぁぁ!!!」
そんな変な空気を無理矢理掻き消すかのように、半ばやけっぱちっぽい声で女が声を上げて店に入ります。
小さな村なので、見慣れない人間は珍しいのですが、その注目も徐々に薄れていきました。
やってきた女はずんずん進み、イヴァルディの隣に座ります。
イヴァルディーの隣はフーコーの為に空けていたのですが、思いがけず座られてしまってちょっと途惑ってしまいました。
そんな心情を知ってかしらずか、その女は自己紹介を始めました。
口はがさつですが、どうやらほしふり村に移住してきたのは間違いないようです。
「俺はイヴァルディ。ドワーフの鉱夫だ。よろしくな。・・・。」
差し出された手をぎゅっと握り返すと、イヴァルディの目つきがちょっと変わります。
じーっとその手を見ながら少し考えます。
でも、そんな考え事は長くは続きません。
凛の手を握ったまま、椅子の上に立つと高らかに宣言します。
「みんな!喜べ!このがさつなねーちゃんも村への移住者だってよ!鍛治屋のフーコーの分も合わせて今日は二人分の歓迎会だ!
おめえら!二倍呑むぞ!!だーっはっはっはっは!」
椅子の上に立つイヴァルディに凛は片手を高く掲げられ、まるでチャンピオンの宣言を受けているようです。
その宣言に店中から大歓声が上がり、そこら中で乾杯が始まりました。
「よーし、今日は二倍のめるぞ!樽ごと持って来い!
凛、お前さんは酒を飲むのか?それとも和紙を片手に吹きかけられるのか?どっちにしてもジャンジャンいけよー!」
どうやらイヴァルディは凛の正体が刀だと感付いたようです。
だからといって別にどうと言うわけではないのですけどね。結局呑むには変わりないのですから。
酒場の喧騒はますます高まっていくのでした。
>209
>「ん、何か言った?」
シェラはびっくりしてしまいました。
フーコーさんが既に大根を荷馬車に運び込んでいるからです。とっても大胆です。
でも、カラスさん達は怒りませんでした。つっついてもきません。
どうやら泥棒とは思われていないようです。
手際のいいフーコーさんはもうだいこんを摘み終えてしまいました。
>「あー、そうだな、書置きくらいはしといたほうが良いんじゃないかな」
「あ、はい」
シェラは慌てて駆け出しました。
何にもお手伝い出来なかったので、せめて自分に出来る事をと思ったのです。
フーコーさんに書置きを渡した後、シェラはぶどう酒の瓶と、くるみパンも並べました。
シェラのお昼ご飯でしたが、手をつけていませんし、どれも日持ちするものばかりです。
心ばかりのお見舞いの品でした。
「それじゃ帰ろうか。もう日も沈む」
「はい」
シェラは荷台の空いている部分にちんまりと座りました。
「すっかり遅くなってしまいましたね。
もしかしたら、村に帰る頃には、歓迎会が始まっているかもしれません。
みんなお酒好きなので・・・。もしそうなっていても、気を悪くなさらないで下さいね」
多分そんな事、フーコーさんは気にしないでしょう。
ゴトゴト音を立てながら、荷馬車は村をすすみます。
「ああ、次の角で止めていただけますか?」
荷馬車が止まりました。
その家の庭は、綺麗な花や香りのいい草で庭が埋め尽くされています。
青い屋根に丸い扉。窓には白いレースのカーテンがかかっていました。
ここがシェラの家でした。
シェラはホッとしました。まだミッシェルさんはいらっしゃっていないようです。
「フーコーさん、本当にありがとうございました。おかげで助かりました」
シェラはお礼を言うと、だいこんをいそいそと運びはじめました。
あーちゃんは今日もカレーを煮込む
美味しくなりますように
美味しくなりますように
お客さんが笑顔になりますように
そんな純粋な思いを込めて
カレーはぐつぐつ音を立てる
幸せ運ぶ音を立てる
みんなに笑顔を運ぶ音を
明日もいい日になりますように
>213
かこかこ、ごとごと、蹄の音と車輪の音だけを後に残して荷馬車は進んでいきます。
しばらく進むうちに日はどんどん落ちて、今では西の空がほんのり赤くなっているだけです。
その頃になって、シェラさんが馬車を止めるように言いました。
よく手入れのされた庭のある家です。言うまでもなくシェラさんの家でしょう。
シェラさんはフーコーにお礼を言って、それから大根を運び始めました。
「じゃあ、あまりは貰っていくよ。まあ二日三日で食える量じゃないから、必要なら言ってくれ」
フーコーはそう言って、宿へ戻っていきました。
切り出した木はほったらかしです。今からじゃ運ぶのが面倒だからです。
>211-212
宿について主人に厨房を借りられるか聞いて、それから酒場へ向かいました。
(ちなみに返事はNOでした。厨房は聖域のようです)
酒場は一軒しかないそうで、迷うことなくたどり着けました。
明かりと料理の匂いと食器の音と笑い声が漏れています。
どうやらシェラさんの言うとおりもう酒盛りが始っているようです。
フーコーはスイングドアをそっと押し開けて店に入りました。
勢いよく入っていって場の空気に水を注すのもどうかと思ったからです。
そのまま隅に行って、そこから店内を見回します。イヴァルディさんはすぐに見つかりました。
「よぅ旦那、お言葉に甘えて来たぜ。そちらの別嬪さんは?」
フーコーはすたすたと近付いて声をかけました。
わたくし、夢を見ておりました。
何だか神殿のような場所で、六枚羽の天使様が、
わたしに向かって訳のわからないことをまくし立てるのです。
メギドアークは撃たせん!とか、わたしには何のことだかわかりません。
>204
「ほよ?」
眼が覚めたらそこは、自分の家じゃありませんでした。
何だか頭がズキズキします。
胸とかじゃないうえに、ドキドキではなくズキズキなので、恋じゃないことがわかります。
そうとも、わたしはまだまだ仕事で忙しいので、恋どころじゃないのです!
のそのそと歩いて、寝ぼけ眼で辺りを見回すと、何だかお酒を飲んでいる人達が居ます。
壁や床もゴツゴツした、洞窟のような場所です。
見慣れない人(>211)も居ます。
「あのー、すいません。ここ、どこですか?」
ここはほしふり村なのでしょうか?隣国の領土になる、こしふり村とかじゃないのでしょうか?
暴れている第一村人さん(?)を発見したので、ちょっと道を尋ねます。
第一村人さんはイヴァルディさんに似てるような気がします。本人?
そして、喧騒でわたしの声がかき消されてるような気がしてなりません。
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>217
え?
ほしふり村の飯はどこもうまいっすよ
あのカレー屋は今日開店したばかりっす、チキンカレーお奨めっす
喫茶店もコーヒー以外のメニュー充実してるっす
個人的には洋菓子セット…あ、これ飯じゃ無いっすね
向こうに見える酒場は、今日は鍛冶屋の歓迎会らしいっすよ
王子様、楽しんできて下さいっすよ
>215
酒場の扉が開き、フーコーが入ってくると歓声が上がりました。
なんていったって待ちに待った(?)主役の登場なのですから。
「よーし!みんな!主役がそろったぁ!やっと乾杯が出来るぜ!
ようこそほしふり村へ!かんぱーーーい!」
十数回の(呑んじゃうけどあくまで)リハーサル乾杯を経た正式な乾杯が店に響き渡りました。
>「よぅ旦那、お言葉に甘えて来たぜ。そちらの別嬪さんは?」
人混みに揉まれながらやってきたフーコーが尋ねますが、そうそう簡単には答えません。
にやりと笑ったイヴァルディの合図と共に並々と入ったジョッキを三つフーコーの前に並べられます。
「うははは!まずは駆けつけ三杯って奴よ!
フーコー、こっちの姉ちゃんは凛。お前と同じ今日からほしふり村に住むんだってよ。
凛、こっちはフーコー。鍛治屋だ。
お前ら結構気が合うかもしれねえぞ?」
ジョッキを片手に笑いながらお互いを紹介しました。
>216
わいわい騒いでいると、隅っこに転がしておいたエリヤが目を覚ましたようです。
>「あのー、すいません。ここ、どこですか?」
イヴァルディはエリヤが起き上がったことに気付きました。
でも、喧騒に阻まれてよく聞こえませんでした。
だからエリヤが混乱してどこかすらもわかってないなんて思いもしません。
「おお!エリヤ。起きたか!丁度フーコーと凛の歓迎会が始まったところだ。呑むぞ!」
重鈍なドワーフですが、こういう時だけはとっても素早いです。
いつの間にか用意した新しいジョッキをエリヤに差し出すのでした。
>>212-219 握手をしたと思ったら急に立ち上がり、ドワーフのオッサンは凛の腕を掲げこう言う。
「みんな!喜べ!このがさつなねーちゃんも村への移住者だってよ!鍛治屋のフーコーの分も合わせて今日は二人分の歓迎会だ!
おめえら!二倍呑むぞ!!だーっはっはっはっは!」
そう聞かれ、凛の目はまるで子供のような輝きを発する。
しかし、あるワードが頭の隅に引っ掛り、気持ちのよい一杯に手が出せない。
「あんた今さぁ〜鍛冶屋のフーコーっつったよな・・・
するとアレかい?この村にはもう鍛冶屋がいるってことかぃ?
・・・まぁいいや、酒酒!」
ここでこのドワーフに聞いてもしょうがないと考え、始めの一杯はそのごちゃごちゃした気持ちを流し落とす意を込めることにした。
「よーし、今日は二倍のめるぞ!樽ごと持って来い!
凛、お前さんは酒を飲むのか?それとも和紙を片手に吹きかけられるのか?どっちにしてもジャンジャンいけよー!」
「いんや・・・俺はそんなめんどくせぇ真似なんてしねぇよ!
酒は飲みもんだ!ただ飲んでただ酔う!これが基本にして最高の礼儀だろ!
ほらぁもうなんでもいいからよぉ〜早く酒クレよ〜」
ダンダンとカウンターを叩きウェイターに催促する。
そんなとき後方から声が掛かる。
「よぅ旦那、お言葉に甘えて来たぜ。そちらの別嬪さんは?」
どうやら若い男のようだ。なんとなく振り返り容姿を確認する。
〜旦那・・・そうかこのオッサンに言ったのか、なら説明は任せるとするかな
特にファッションチェックもする気もなく、なんとなくその男を眺める。
「うははは!まずは駆けつけ三杯って奴よ!
フーコー、こっちの姉ちゃんは凛。お前と同じ今日からほしふり村に住むんだってよ。
凛、こっちはフーコー。鍛治屋だ。
お前ら結構気が合うかもしれねえぞ?」
「ま・・・そうゆうこったな。
しっかしな〜ちょっと困ったなぁ〜」
そう言いながら頭を掻き
「まさか同じ村に同じ時期で鍛冶屋が来るとはなぁ〜
工房とか持ってんの?持ってんならそこで雇ってくれよ・・・
まぁそんなめんどくせぇ話は置いといて、今日はあんたの歓迎会+俺の歓迎会だ!
楽しくやろうぜ!?」
そう言って振り返り、またウェイターに催促しようとするともう目の前にはジョッキがあった。
オッサンが気を利かせてくれたんだろうなとそう感じながら、手に持つ。
「発泡してねぇな?ウィスキーの類か?
まぁいい、飲むぞぉ!!!」
ジョッキを手に持ち、高く掲げる。
いわゆる先走った乾杯ってやつだろう。
221 :
王子(お忍び中) :2006/09/22(金) 17:13:14
>218
うむ礼を言う
そういって王子はカレー屋の方に歩いていった
カレー屋からはいい匂いと高貴な生まれの人間がかもし出す雰囲気があふれている
王子はその雰囲気からお城の窮屈さを連想してしまい酒場の方へと矛先を変えた
フーコーさんは御宿に戻っていきました。
シェラは荷馬車の姿が見えなくなるまで、道でお見送りをしました。
家に入ったシェラは、さて、と考えました。
今日はもうすぐミッシェルさんがいらっしゃるのです。時間がありません。
今からではだいこんの煮込みは無理でしょう。サラダ、炒め物にするのがいいかもしれません。
シェラは庭に出て、野菜や香草を摘んで来ました。
地下の倉庫から塩漬け肉や油漬け、酢漬けの瓶を幾つか取り出してきます。
暫くすると、とんとんとリズミカルな包丁の音が聞こえてきました。
多分シェラの家からは、夕ご飯をつくるいい香りが漂っているでしょう。
シェラは一人暮らしですが、一人で夕飯を取るのが好きではありません。
昼間は気にならないのですが、夜はわびしい気持ちになるからです。
村の人々もその辺りは察して下さるようで、いつもおかずを手土産に遊びに来てくださいます。
ですが、今日はフーコーさんの歓迎会です。
さすがにいつものメンバーも、歓迎会に参加なさるのかもしれません。
シェラは庭で摘んだ花をテーブルに飾りました。
ロキさん用のお皿を床に置くと、することがなくなってしまいました。
シェラはそわそわしながら、窓の外を眺めています。
料理が冷めないうちに、ミッシェルさん達がいらして下さるといいのですが。
>>203 「う、うん、ありがとう。」
とりあえず礼を言って走り出しました。
もうあとちょっとで日が暮れてしまいます。
急いで役所に着きましたが、もうそのころには太陽があとちょっとしか見えません。
ルシフェルに役所を開けてもらおうとしたとたん。
太陽がすっかり沈んでしまいました。
「あっ・・・あーあ、遅かったかぁ・・・。」
いつのまにやらミッシェルは背が伸び、服がピチピチになってしまいました。
仕方なく靴を脱ぐと、開けてもらった役所に入りました。
「輸血パック代、これでいいわよね。じゃあ、ありがとう、ごめんね。」
お金を出してお礼をいい、ミッシェルは役所を出ました。
>>222 コンコン、とシェラの家のドアを叩きます。
「シェラ、いる?アタシよ、ミッシェル。」
そっと懐のハンカチで足を拭い、汚れないようにロキの上に座ります。
窓からこぼれるいい香りに、もうすっかりいい気持ちです。
ここが酒場か・・・・
頼もう!!何か美味くて安いメニューをくれ
こいつらにもだ!!
従者「おごりですか?なんておやさしい」
大丈夫!!経費で落ちる!!
従者「・・・・・・・・・・」
>223
もうそろそろ夜になりそうなのかな?
私達はミッシェルさんと一緒に役場まで戻ってきました。
ミッシェルさんは輸血パックのために、私達は仕事の後片付けのために。
役場に着いた頃にはもう夜。
その証拠にミッシェルさんが大人の姿になっています。
私はミカエルから受け取っていた鍵で、役場の扉を開けます。
ミカエルは仕事で忙しいから、私がミッシェルさんの輸血パックを取りに行きました。
ミッシェルさんに輸血パックを渡し、お金を貰いました。
このお金は村の色々なことに使うためのお金になるのです。
ミッシェルさんは輸血パックを貰うとすぐに帰りましたが、私達はそうはいきません。
魔女さんが起こした事件の後片付けとか、色々と仕事が残ったみたい。
他に何名か役場の人が残って仕事をしています。
では、私も手伝うことにします。
これで、今日の私達の一日は終りです。
今日もいろんな事件が起こりました。
では、お休みなさい。
>219-220
イヴァルディさんはフーコーの問いかけにはぐらかすような笑みを返すだけでした。
そして運ばれてくる生四つ。いえ、良く見るとなんかもっと度が強そうなお酒です。
ちなみに一つは別のテーブルの注文だったらしく、すぐに横から手が伸びて持っていかれてしまいました。
そこでようやくイヴァルディさんが凛さんを紹介してくれました。凛さんも鍛冶屋なのだそうです。
「工房は目下建設中でな。ま、出来てもこの村じゃあまり仕事も無いかもな、困ったことに」
あまり困ってもいなさそうにフーコーは言いました。
この村なら猟や畑仕事で食べるものにはあまり困りそうにはありません。
「ま、まずは義務を果たすとしようか…って」
フーコーが並べられたジョッキに手を伸ばそうとすると、凛さんがかっさらってしまいました。
小さく肩をすくめたフーコーはウェイターさんにエールを注文します。
すぐに出てきた大きなジョッキ一杯のお酒を一息で飲み干しました。
それからテーブルの上に残っているお酒も次々に開けていきます。
まだ面倒な事は何も片付いていませんが、慌しかった一日はこんな終わり方も悪くないものです。
>221
あーちゃんは王子らしき波動が遠ざかるのを感じた
どうやら別の店に行っちゃったみたいでちゅね・・・
ちょっと残念でちゅ・・・まあいいでちゅ!村祭りの時にカレーを食べてもらうでちゅ
ミクミダ「オイ!最後ノ 客ガ 帰ッタゼ!!」
今日はこれで閉店でちゅね
明日の分の仕込をするでちゅ
あーちゃんは明日の分の準備をミクミダは食器の片付けと掃除を終えた
さあってっと今日は寝るでちゅ
あーちゃんは水玉模様の寝巻きに着替え天蓋付のベットにもぐりこみ数分後かわいらしい寝息を立て始めた
ミクミダ「ヤレヤレ コレカラ コノチッコイ マスタート ズットイッショカ・・・・」
そういうとミクミダは大きな果物かごに布を敷き詰めるとその上に丸まって寝た
明日もいい日になりますように・・・・・・
>>223 シェラは一呼吸置いて、ドアを開けました。
「ミッシェルさん、ようこそいらっしゃいました。ロキさんも!さあどうぞ中へ」
シェラはミッシェルさんにサンダル風の履物をお出ししました。
「それから、お召し物がきつくありませんか?
もしミッシェルさんさえよろしければ、こちらにお着替えくださいね」
シェラは夜になったので、念のために用意しておいた服を差し出しました。
ミッシェルさんは夜になるとシェラより背が高くなりますが、
お渡ししたのはゆったりしたワンピース風のお洋服です。
ミッシェルさんがきつくて苦しいという事はないでしょう。
シェラはロキさん用の肉入りスープを取り分け、席につきました。
「今日はハマーさんやかべぬりさん、ギちゃんやルシエナさん、トカゲくんも遅いですね。
もしかしたら皆さん、歓迎会に顔を出した後で、遊びにいらっしゃるのかも。
だから、私たちは私たちで先に始めてしまいましょうね」
シェラは飲み物をミッシェルさんに勧めました。
ミッシェルさんにはもうひとつ別に、空のグラスを置いてあります。
「では、乾杯しましょう」
今日はいろんな事がありました。
今夜はきっと時間を忘れて、リクドウさん事件や、ふくびきと暗黒竜さんの話、
もうすぐ開催される村祭りの話で盛り上がるに違いありません。
こうしてシェラの夜も、いつものように楽しく過ぎていくのでした。
宴もタケナワ、そろそろ酔いつぶれるものが出始めた時に気付きました。
おつまみをバスケットに詰め込んでコソコソと出て行こうとしている男がいることに。
随分呑んだのですが、ドワーフのイヴァルディにとってはまだまだ序の口です。
酔っ払ったりなんかしていないので、しっかりと目端は利くのです。
ただ帰るだけなら問題ないのですが、なんだか様子が変。
のしのしと近付き、どうしたのかと尋ねました。
すると・・・シェラは一人暮らしで、夕食を一人で食べるのは寂しそう。
いつも誰か彼かが一緒に食事に行っているのです。
でも、今夜はみんな歓迎会で酒場に集まっているので自分達が抜け出していこう!という話になっていたようで
す。
イヴァルディは普段、村はずれの岩山の坑道ですごしているので、そんな事があるなんて全然知りませんでし
た。
でも、ちゃーんとわかっているんです。
この男達には下心があるって事くらい。
(リクドウよ、王子様とかじゃなく身近に競争相手は多いぞ・・・)
天井を向きながら、なかなか進展できない親友に心の中で語りかけます。
「〜〜そういうことならみんな!二次会行くぞ!」
シェラの迷惑顧みず、とりあえずリクドウのライバルの妨害工作ヨロシク酒場中に響き渡る宣言をします。
抜け駆け断固阻止!と言う本心を隠し、みんなで揃ってシェラの家へ押し掛け二次会を繰り広げるのはまた別の
お話。
こうして賑やかなほしふり村の夜は暮れて行くのでした。
>>226 「うおっしゃぁぁぁ!一気行くぞぉ!!!」
腕まくりをし、豪快に始めの一杯を飲み始めたが・・・
>「工房は目下建設中でな。ま、出来てもこの村じゃあまり仕事も無いかもな、困ったことに」
「ブホォ!!!」
その一言に反応してしまい。口に含んでいた酒を思いっきり噴出してしまった。
「おいおい!そりゃないぜ!こんな鉄を撃つしかないしがない女にそりゃ酷過ぎらぁ
なぁ!だろ?おっさん」
オッサンの背中をいい音で叩き、同意を求める。
「かぁ〜・・・しゃあないか・・・フーコーよぉ、あんた工房出来るまでどこでなにやるつもりなんだよ〜
・・・んぁ〜やっぱいいや!オッサン!コイツの工房が出来るまで雇ってくんねぇか?
なぁ〜頼むよぉ〜って・・・出来上がってるか・・・
しゃあねぇな〜ウェイター早く酒もってこい!!!」
カウンターで怒鳴りながら催促をまた始めた。
こうして、彼女のほしふり村生活の初日の夜は更けていくのであった。
王子は食べ終わると支払いを終え城に帰った
帰宅したリクドウ。
色々と疲れているので早く寝てしまいたい気分でいっぱいだったが、その前にやる事は色々ある。
ベッドの誘惑を振り切って、今日開けっ放しだった店の片付けや明日の仕込みをせかせかとこなす。
全てを済ませて、朗らかな気分でベッドにダイブ。
寝巻きはもちろん、夢見る乙女も裸足で逃げ出すメガトンファンシー・パジャマである。
一晩眠れば嫌なことは全て忘れてしまうのがリクドウである。翌朝を目指して、ぐうぐうと早々に夢の世界に旅立っていった。
夜空には、今日もたくさんの星々が瞬いている。
こうして今日も、ほしふり村の夜はゆっくりと更けていく…
233 :
名無しになりきれ:2006/09/29(金) 15:39:33
上げ
>>228 ようこそいらっしゃいました、という声と共に目の前のドアが開かれました。
洋服と履物を差し出され、ミッシェルは少し驚きながらも感激しました。
「ありがとう、シェラ。本当に気のきく女の子でいいなぁ。
アタシももうちょっと気を利かせられたらいいんだけどね。」
少し苦笑しつつも、お言葉に甘えて急いでロキの陰で着替えます。
サイズも丁度良く、不都合が無いことを確かめて、シェラの元へ戻りました。
「ごめんね、待たせちゃって。じゃあ頂きましょうか。」
ロキは差し出されたスープの前でスン、と鳴きました。
おそらくありがとう、と言いたいのでしょう。
>「では、乾杯しましょう」
「そうね。慌しかったけど楽しかった今日の日に乾杯。」
そういってミッシェルは微笑みました。
ロキもそれを合図にスープに口をつけます。
美味しいごはんと楽しい話。
こういうのもいいものだなあ、そうミッシェルは思いました。
ミッシェルにとっての夜も、楽しい空気の中で更けていくのでした。
_,.yトーゞrッヽv,、_,.
,rk´ミ、''ナ;;爻'、ー;;〃彡;,.
vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、
Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ
}ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ,
ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ'
ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´
};lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′
r‐、 7;;;;|', =、j,. /仆、
} ,! _ ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄::
j _,!ノ )" ̄>.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,,
フ ,、'-‐'l" ̄リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
‐' 冫‐i '"フ:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'" ,、_,
. '",.ィ/ ̄_:;/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-''"
'二⊃ヾ/.:;;/ `ー-‐/Ξ/ッ/rレヘ{ | ̄| `''"
ここが兄さんの言っていたほしふり村か・・・・
明日は村祭りらしいな・・・・カレー屋にでも行くか・・・
いやあそこはなんとなく高貴な感じがするから駄目だ・・・
せっかく城から抜けてきたのに・・・・
つくりましょ♪ つくりましょ♪ カレーをたくさんつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ どんどんいっぱいつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ みんなのしあわせつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ どんどんいっぱいつくりましょ♪
あーちゃんは明日の祭りのためにたくさんカレーを作っています
早めに作っておかないと間に合わないからです
ミクミダぁ!屋台の方はどうでちゅか?
ミクミダ「サッキ クミタテ オワッタ トコダゼ」
早いでちゅね、休んでいいでちゅよ!
ミクミダ「サンキュウナ マスター」
あーちゃんはまた歌いながら作業を続けます
つくりましょ♪ つくりましょ♪ カレーをたくさんつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ どんどんいっぱいつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ みんなのしあわせつくりましょ♪
つくりましょ♪ つくりましょ♪ どんどんいっぱいつくりましょ♪
「おっさん!祭りって確か明日だよな?」
汗と泥に汚れた作業着を半脱ぎにし、イヴァルディに聞く
彼女はあの宴会の次の日から炭鉱で住み込みのバイトを始めた。
腕っ節は鎚振りで十分に鍛えられていたし、元々名刀なわけだから鉱物を見つけることなんて簡単だと思っていたらしい。
しかし、現実は厳しく、劣悪な環境は酸素が十分に行き渡らず、いつも酸欠気味になり満足につるはしも振れず。
そんな頭がボーっとしている状態で鉱物の匂いを嗅ぐ行為は不可能だ。
そんな感じで約二、三週間はこんな調子で過ごしていた。
もちろん、その間に気が緩み、本来の姿を見られたことに関してはまったく気がついていなかった。
「どうするおっさん?俺らもなんか出し物でもやるか?」
>238
フーコーと凛の歓迎会の次の日から、イヴァルディの家はちょっと賑やかになりました。
凛が住みこみのバイトを始めたからです。
「ツルハシは腕で振るんじゃねえ!腰で振るんだー!
石の呼吸くらい感じやがれ!」
ちょっと嬉しそうな怒鳴り声が坑道に響きだしたのもその日からです。
そんな調子で日にちは流れ、収穫祭前日になりました。
>「どうするおっさん?俺らもなんか出し物でもやるか?」
凛に声をかけられて、イヴァルディが思い出したようにツルハシを振り下ろすのを止めました。
新しい鉱脈が見つかったのに夢中ですっかり忘れていたのです。
「おお!そうだったそうだった!すっかり忘れとったわ!ウヴォヴォヴォヴォイイイイ!!」
慌てて下に向って吠えると、何かが坑道を這いずって上がってくる気配がします。
「勿論やるともさ!祭りに乗らない手はねえ!そのために準備してたんだ。
今日はもう仕事は終わりだ。ツルハシちゃんと掴んで離すなよ?」
説明不足もいいところです。
それだけ言ってイヴァルディはツルハシをしっかり掴んで座り込んでしまいました。
そうしている間にも坑道からゾゾゾゾゾ!と何かが近付いてくる音がするではないですか。
次の瞬間、凛とイヴァルディは何かに包まれて流されていきます。
もう、圧倒的な質量で有無を言わせない勢いです。
身動き取ろうにも坑道いっぱいに詰まったそれが動かせてくれそうにありません。
岩山の中腹から溢れ出たのは巨大アメーバーにトコロテンを山ほど与えてぶくぶくに太らせた超巨大おでぶアメーバーです。
大きくてぷよぷよのアメーバーの上に凛とイヴァルディーは乗せられて移動しているのです。
「この間、こいつと意気投合して思いついたんだ。
今年の出し物はこいつを使ったトランポリンホール!子供たちに大うけ間違いなし!
こいつがビッチリキッチリ収まる大穴一日で掘るから、今のうちに休んどけ〜。」
ごろんと転がるイヴァルディと凛を乗せたおでぶアメーバーは会場となるほしふり村としもふりむらの間にある原っぱに向って
移動するのでした。
今日もハマーさんのお声で気持ちよく目が覚めました。
「・・・・・・おはようございます」
シェラはいつものように、家族の絵姿にご挨拶しました。
少し早めの朝ご飯を済ませると、いそいそと出かける準備を始めます。
明日は待ちに待ったほしふり村の収穫祭です。
今回はしもふり村100周年記念イベントと合同で行われるそうです。
きっと盛大なものになるでしょう。
薬草の知識があるシェラは、本部横のテントで救護班として参加予定でした。
お祭りの準備の日も、当日も、残念ながら怪我や体調を崩されてしまう方がおられます。
症状の軽いものならシェラの出番でした。
同じ理由でトカゲ君にも救護班のお声が掛かっているそうですが、どうでしょう?
噂では狩からまだお戻りにならないそうです。
トカゲ君は強いので怪我や病気は無いでしょうが、うっかりお祭りを忘れていないか心配です。
出かけようとしたシェラは、家の前に置かれた箱に気づきました。
箱を開けたシェラは歓声をあげました。
「まあ、麦わら帽子!」
これは、暗黒竜さんのだいこん販売所のふくびきの4等の景品。
遠くアリアバート王国からやってきたオーダーメイドの逸品です。
ふくびきが当たったあの日は、最後に嬉しいサプライズがありました。
ミッシェルさんの他にも大勢遊びにいらしたのです。
イヴァルディさん達はすっかり出来上がっていて、飲めや歌えやの大騒ぎ。
シェラも一緒に夜遅くまではしゃぎました。
―――そして皆様がお帰りになった後。
シェラは指定どおり、寝室の窓辺に申込書を吊るしておきました。
本当に使い魔さんが取りに来るのかなとわくわくしていたのですが、
待っているうちに、いつのまにか眠ってしまったようです。
でも、翌朝申込書の封筒は消えていました。
本当に取りに来てくれたのかなと半信半疑だったのですが、
アリアバート王国裁縫士組合の使い魔さんは、きっちりお仕事をこなしてくださったようです。
シェラは明るい黄色の麦わら帽子を被りました。
手押し車には薬草の瓶がつまったバスケットに、水筒やお昼。小物の数々。
今日はお天気もよく、シェラはすっかりピクニック気分です。
>239
・・・・・・何でしょう?ゾゾゾゾ、と変な地響きがします。
またイヴァルディさんの坑道で誰か道に迷ったのでしょうか?
でも、なんだかいつもより揺れが大きな気もします。
シェラは首をかしげながらも、気を取り直し手押し車を押しました。
坑道のことならイヴァルディさんです。後でお聞きしてみましょう。
「では、行ってまいります」
シェラは無人の家の中に向かって挨拶すると、足取りも軽く村祭りの会場へと向かいます。
この時間だと、途中で誰かにお会いするかもしれませんね。
窓から朝日が差し込んで、フーコーの顔を綺麗に半分照らしていました。
「…窓閉め忘れてた」
フーコーは呟きながら手を伸ばして、窓のつっかい棒を弾きました。
カタンと窓が閉まり、フーコーは再び目を閉じました。
・ ・ ・
「いやこれだけ日が昇ってるんだから起きなきゃまずいだろ」
数秒後、フーコーはむくりと起き上がりながら自分に突っ込みを入れて、いつもしている色眼鏡をかけます。
木枠の中に干草を詰めてシーツをかけただけの粗末なベッドから降りると、土間を横切って表へ出ました。
入り口のすぐ脇の水盤には川から引いてきた水が常に流れています。
その水で顔を洗って口をゆすいだフーコーは、さて今日は何をしようかと考えました。
「いいかげん真っ当な家も建てたいしなぁ」
言いながら何歩か下がって、丸太組みの鍛冶場を見ました。
山から持ってきた石を基礎に森から切り出した木で作った頑丈な建物ですが、人が住むためのつくりにはなっていません。
床は土をならしただけですし、窓にはガラスが入っておらず、暖炉もなし(今の時期ならそれほど必要でもないのですが)。
それでも雨風は十分にしのげるので、出来てすぐに宿を引き払ってベッドだけ作って住んでいますが、
やっぱり健康で文化的な最低限度の生活はしたいものです。
「しかし品数があれだけってのもちと寂しいか」
言いながら、今度は間口から中を覗きます。火事場の隅に小さな金床と、いくつもの金槌やたがねや磨きべら、
壁際にしつらえられた棚には細工物が並んでいました。
トンボ玉や鉄鉱石、ヒスイに琥珀にメノウに黒曜石など、さまざまな飾りをつけた指輪や腕輪や耳飾り、
金の象嵌をした香水入れ、貝を彫って作ったブローチ、ぜんまいを巻くと竪琴を引く楽師の人形、
かごについた紐を引っ張ると鳴き出すヒバリのからくり…
全てフーコーがお祭りのときに売りに出すために、しばらくかかりっきりで作ったものです。
装飾品は旅先で拾った原石を磨いて作ったものがほとんどですから、値段はあまりしませんし、
買う人がいなくても、賑やかしにはなる。そうフーコーは思いました。
「木は逃げないだろうが…祭りは明日だったな」
フーコーは火事場の中に入ると顔を拭って、それから火事場の隅へ行きました。
「子供向けが少ない、か」
呟いて窓を開けます。作業場に光が差して、手元が見やすくなりました。
歯車を一つ取り上げ、それを眺めて何を作ろうかと考え始めました。
242 :
村人:2006/10/03(火) 18:05:26
いやー、この調子なら、無事に収穫祭が行えそうで良かったよ。
この前、しもふり村の隣のいもほり村からいもイーター(10m〜300mの大きさを持つワーム系の生物。
性質はかなり凶暴で、いも畑の近くにダンジョンを作って生息し、いもを掘りに来た生物を捕食する。
主な攻撃手段は口から噴出す猛毒のブレスと、それを点火して放つ灼熱のブレス。
特に猛毒のブレスの方は、最大の出力で吐くと小さな村程度なら数分で壊滅させる範囲と濃度を持ち、
ダンジョンなど密閉された空間で放たれたら、熟練した戦士でも生き残るのは難しい。
ほぼ全ての魔法を完全に遮断する体質を持ち、体の成分は防具や魔法薬に使う為の研究が進められているらしい。
いもイーターという名前だが、最近の研究によると、
基本的には肉食で、実際にはいもは殆ど食べないという事が分かった)
がこの村にやってきたときは、ホント、どうなるかと思った…
>242
それはまことか・・・どこかに逃げたのならいいが
いざとなったら父上直伝のホックットシンケーンで退治せねばな・・・
244 :
村人:2006/10/04(水) 12:10:48
埋めると三日で家が建つ魔法のキノコはいかがかね?
まあ後で大工が色々改造せにゃならんがの・・・
安いし簡単じゃぞ?
>>239 「おぃ・・・おっさん。こいつ普段は何食べてるんだ?」
移動中に凛が問いかける。
このスライムでトランポリンをやるアイディアに関しては賛成だが、
こんな生態の知らん生物がそんなに安全とも思え無かったからだ。
それに、さっきから凛の足がスライムにぺろぺろと舐められている。
「・・・金属とかっていうなよ?意外にグルメで鉄の味にうるさい奴だとかなんていうなよ?
そういえば、昨日は美味しそうに包丁を食べたなっていうなよ?本当にいうなよ!?」
熱湯風呂に落とされそうな可愛そうなおじさんのようにしつこく確認をする。
しかし、イヴァルディの顔は「よくわかったな」的な顔をしている。
頼むからただのスケベスライムであってくれ!!!
それだけが現在の凛の願いだ。
ミッシェルはロキに布団を剥がされて起きました。
不機嫌にカーテンを開けると、爽やかな朝日が部屋に差し込んできました。
「んー・・・そっか、今日は祭りか。賑やかでいいわねぇ。」
そう、この日はミッシェルにとっても大事な日。
なんせ野菜を仕入れて売って生計を立てている彼女です。
収穫祭には多くのものを良い値段で売れる格好の場です。
手早く服に身を通すと、すぐに仕入れに出かける支度をしました。
今の時間帯なら朝取りの野菜が各々の農家にたくさんあるでしょう。
ミッシェルはロキの背にのり、バスケットを持って家を出ました。
>>246 おやまあミッシェルちゃん、おはようさん。
え?野菜?
そりゃ仕入れてもらうのは構わんけれど、収穫祭は明日だよ?
葉っぱモンは明日買い付けた方が新鮮じゃないかねえ?
・・・はて。今年は前夜祭もやるんだったかね?
すまんねえ、ばあちゃんちょっとよく知らんもんでねえ。
で、ミッシェルちゃんは何を買っていくかね?
248 :
村の若者:2006/10/06(金) 00:02:18
上げないといけないような気がする
そう!この!僕が!祭りを盛り上げる!!
太鼓を叩き!花火を打ち上げるんだ!!
ミッシェルは目を点にし、次の瞬間はっと気づきました。
「そ、そうだ、明日が収穫祭だわ・・・。賑やかだったから勘違いしてたわ。
ごめんねえおばあちゃん。ちょっとせっかち過ぎちゃった。」
収穫祭は明日。だからみんな賑やかだったのだ、とやっと理解しました。
「んー・・・そうね、ジャガイモと栗は今のうちに買っておこうかな。
じゃあおばあちゃん、明日も御願いね。」
>248
なんだかとっても怖いお話を聞きました
シェラは、キコキコ手押し車を押しながら歩きます。
ですが、大通りで困ってしてしまいました。
いつもに比べて人通りがとても多いのです。
お祭りのために、遠くからいらっしゃった方も多いようですね。
シェラは人にぶつからないよう、隅っこをゆっくりゆっくり歩きます。
すると、いろいろなお話が聞こえてきました。
>242 >343
>いやー、この調子なら、無事に収穫祭が行えそうで良かったよ。
>この前、しもふり村の隣のいもほり村からいもイーター(略)がこの村にやってきたときは、
>ホント、どうなるかと思った…
>それはまことか・・・どこかに逃げたのならいいが
>いざとなったら父上直伝のホックットシンケーンで退治せねばな・・・
シェラは首を傾げました。そもそもいもほりイーターとは何でしょう?
お芋を食べるのならモグラでしょうか?とっても知りたいです。
ですが、いきなり話に割り込む訳にもいきません。
シェラはそのまま通り過ぎました。地面の下の事ならイヴァルディさんです。
さっきの変な音といい、教えていただく事がまたひとつ増えたようですね。
>244
よろずやのおじいちゃんが、シェラに魔法のキノコを勧めてくださいました。
触るとほんわか温かいキノコです。キラキラ輝いています。
綺麗なものが大好きなシェラは、手にとり光に翳したりしながら、残念そうに言いました。
「ありがとうございます、おじいちゃん。
でも、まだ私のお家は建て替えなくても大丈夫そうです。
・・・・・・・・・・そうだわ、フーコーさん!あの方にお奨めしてはいかがでしょう?」
この先にお住まいの鍛冶屋のフーコーさんは、今お家を立てている最中です。
鍛冶屋の建物の外側は出来上がったようですが、住み心地がよくなさそうだと噂に聞いています。
シェラも時々外を通りかかりますが、確かに窓にはガラスも入っていないようです。
今は良いですがもうじき冬です。
鍛冶場とは別にプライベートなお住まいも必要かもしれません。
よろずやのおじいちゃんは「フーコ?そりゃ一体誰だい?」と尋ねました。
行商であちこち渡り歩くおじいちゃんは、お祭りのために何ヶ月ぶりかに村に戻ってきたのでした。
シェラはよろずやのおじいちゃんに、フーコーさんの簡単な紹介をしました。
よろずやのおじいちゃんがフーコーさんの仕事場のほうへ向かうのを見送ったシェラは、
またとことこと歩き始めました。
お祭り会場となった広場からは、金槌の音や木を切り出す音が賑やかに聞こえてきます。
もうじきお祭り会場です。
「皆様、おはようございます!」
シェラは元気よくご挨拶しながら、周囲をぐるりと見渡します。
・・・どうやら村職員のミカエルさんは、まだお越しではないようですね。
月曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
チーズカレーが良く売れた♪
火曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
きのこカレーが良く売れた♪
水曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
チキンカレーが良く売れた♪
木曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
コロッケカレーが良く売れた♪
金曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
ポークカレーが良く売れた♪
土曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
ビーフカレーが良く売れた♪
日曜日 今日も今日とてカレーを煮込む♪
ハヤシライスはありません♪
ミクミダ「ナンダ マスター その歌は?」
アーちゃんのカレー屋一週間でちゅ
ミクミダ「聞イタ 俺ガ 馬鹿 ダッタ」
・・・・!?さっきひらがな喋らなかったでちゅか?
ミクミダ「キノセイダ」
そうでちゅか・・・なんにしても明日のお祭りが楽しみでちゅね
ミクミダ「ドッチニシロ 俺ハ 働ク ダケダ」
あーちゃんはひたすらカレーを煮込みます
どんなにたくさん作っても祭りの日には全部なくなってしまうでしょう
だからたくさん作らないといけないのです
ミクミダ「屋台モ完成シタシ遊ビニデモイキャアイイノニ」
そういうわけにもいかないんでちゅよ美味しいカレーのためには努力が欠かせないんでちゅ
ミクミダ「ソウイウモンカネ・・・・」
>249
はい、ありがとうねえ。
今日はリンゴをおまけしておくからねえ。
朝ご飯はちゃんと食べなきゃだめだよう?
じゃあミッシェルちゃん、明日もよろしくねえ。
農家のおばあちゃんはミッシェル達に手を振った。
>245
ゾゾゾゾと言う這いずる音を響かせながら、超巨大おでぶアメーバーは草原を進みます。
祭り会場へ向けて一直線。
意外にも結構速いスピードです。
その上で寝転ぶイヴァルディと足をぺろぺろと舐められて不安がる凛がいました。
凛は自分が溶かされて食べられちゃうと思っているようです。
そんな様子が面白かったので、ニヤリとしまて不安をあおるような顔をしました。
ですが、ドワーフは頑固であっても意地悪は出来ない種族なのです。
にやりとした顔も少しの時間しか持ちませんでした。
「だーっはっはっはっは!心配すんなって。こいつの食い物はトコロテン一本だ。
ほれ、プルルルンとしてっだろ?
お前さんの足をぺとぺとやってんのは1mあった触手の成れの果てだ。
トランポリンやっていて子供に絡みついたらまずいからガンガン太らせたって訳だ!」
笑い転げながらペシペシとアメーバーの背中を叩いて説明しました。
もしアメーバーが鉱物を食べる種類だったらイヴァルディと大喧嘩になっていたでしょうね。
>250>252
そうこうしていると、前の方に櫓が見えてきました。
祭り会場に到着です。
櫓には舞台が備え付けてあって、芸や劇が出来るようになっています。
そこを中心に広場になり、広場をぐるりと囲むように屋台や小屋の設営が進んでいるようです。
どうやら祭りと言うことで旅芸人の一座や商人たちも集まっているようです。
わいわいと活気溢れる会場には見た顔も既にいるようでした。
「うーん、旨そうな匂いだ。
凛、やるこた簡単。穴掘る。掘った土で間違って落ちないように土嚢の壁を作るんだけだ。
坑道の中よりゃ楽だろ。さくさくかたずけっぞ。」
カレーのいい匂いに鼻をひくひくさせながら、ガリガリとツルハシでまず四角くスペースを区切ります。
区切ったスペースの真ん中にまあるい線を引きました。
四角いスペースのところに土嚢で壁を作って、間違って穴に落ちないようにするということです。
やる事が決まれば早速穴掘り開始です。
まあるい線に添ってザクザクとツルハシを振るい始めました。
岩や石に比べて土は柔らかく、あっという間に深い穴が出来そうな勢いでザクザク掘るのでした。
255 :
名無しになりきれ:2006/10/09(月) 02:31:52
私は村人A
エイ・ホフナーだ
だがみんな私を村人Aと呼ぶ
私は村人B
ベイ・ホーキンス
人呼んで村人B
>>254 ざわ。。。ざわ。。。
イヴァルディが作った少しの間、それは凛にとってはとてもとても長く重く感じられたものだった。
ざわ。。。ざわ。。。
「・・・」
>「だーっはっはっはっは!心配すんなって。こいつの食い物はトコロテン一本だ。
「・・・あべしっ!!!」
緊張が一気に解け、顔中の穴という穴から愉快な液体が飛び出しました。
「フクモトワールド」という現象はここまで凄いものだとは本人も思ってなかったのですから
また少しの間が出来ましたが、すぐに凛の大笑いで消し飛びました。
「はぁはははははは!!!アハハハハハハハハハァァァァァ!!!〜〜〜〜」
会場までの移動中、彼女の笑いは止まらなかったそうです。
凛の大きな笑い声は村中に響き渡ったそうです。
>「・・・凛、やるこた簡単。穴掘る。掘った土で間違って落ちないように土嚢の壁を作るんだけだ。・・・」
村に到着し、早速準備を始めることにしました。
「OKOK!さっさと穴掘って飯にしようぜ!おっさん」
背負っているつるはしを持ち直し、作業を始めました。
やはり坑道とは違い酸素があるし、土も柔らかいので思ったようにつるはしが進みます。
この調子なら日が落ちるちょっと前に作業は終わりそうな感じです。
258 :
名無しになりきれ:2006/10/11(水) 21:13:20
平和って・・・いいねえ・・・・
259 :
五反田 ◆ZSZD.ENJZU :2006/10/13(金) 20:17:23
ぬるぽ
260 :
名無しになりきれ:2006/10/13(金) 20:32:53
>1
_,_,,, _ _
_ _(_)/ \ ◎_,-,_ロロ | |
l_j_j_j^⊃へ、 , へ ヽ | ̄ ̄ ̄ | |_ _| л __ | |
ヽ | | ̄| ゚ | (_) _ _ ̄ ̄/ / | ̄  ̄| lニ ニ フ |__| |__|
ヽヽ ノ_j ⊂_ l_j_j_j / /  ̄| | ̄ |_| '-' □
/ ー―― / ノ ̄  ̄  ̄
/ /ー '
>257
祭り会場は会場設営の熱気に包まれています。
あちこちでトンカン屋台を組み立てる音が響き、人々がわいわい楽しそうに活気あふれています。
そんな中、会場の隅に「ザクザク」と音を響かせる一角があります。
稟とイヴァルディがトランポリン用に穴を掘っているのです。
「よーし、こんなもんでいいだろ。」
お日様が一番高く上がるころ、穴の底から稟に声をかけました。
土が思ったより軟らかかったのと、二人がかりということでびっくりするくらい早く穴が掘れてしまったのです。
ですからイヴァルディの顔は珍しくほころんでいます。
「後はやっとくから、稟、初めての収穫祭だろ?飯くいがてら辺り見てこいよ。
夕方くらいに酒持って戻ってテストしてくれりゃいい。」
そういって稟に見物を進めます。
移住してきて始めてのイベントなので、稟に楽しんでもらいたいのです。
それでイヴァルディはというと、巨大おでぶアメーバーが差し出した杵を受け取って穴の周りを固め始めます。
穴を掘っただけでは崩れてきて危ないので、こうやって周りを固めるのです。
これは土木用語で填圧といいます。
見た目は単純ですが、専門技能なので凛にはちょっと難しい作業なのでした。
トンカン響く会場にドッスンドッスンという音も加わってひとつの音楽を奏でています。
名前: デス・エクレイム
種族: 暗闇の悪魔
性別: 男
職業: 闇の帝王
外見: この世のものとは思えない美少年(ほんとは、何千歳も生きているが外見は18才ぐらい)白銀の絹糸のような髪、
深紅の赤目、自分の2倍以上ある漆黒の翼
身長: 186p
体重: 52kg
好きなもの: 人間の悲鳴、深紅の血、黒猫、闇
嫌いなもの: 光
キャラ解説:
悪魔の中でも神と呼ばれるほどで、あまりの力に生きるものすべてが恐れていた。気の向くままに、力を使っていたので何千年も前1度ほど地球が壊滅してしまった。
しかし、今は暴れることに飽きたのでつい今まで、死界の悪魔も近寄れない、王の間というところで何百年も眠りについていた。
翼を強く広げれば、地がゆれ。 力を使えば世界が壊滅する。
歌声はひとを惑わし呪いをかける。
その容姿は、ひとを魅了する。
>249 >251
お祭りのための準備は大変ですが、みんな気合が入っています。
ほしふり村もしもふり村の人達もみんな、明日のお祭りを心から楽しみにしているのです。
あーちゃんさんの屋台からは、カレーの美味しそうな香りが漂ってきます。
リクドウさんもミッシェルさんの屋台も着々と出来上がっています。
鍛冶屋のフーコーさんはどうなさるのでしょう?やっぱり剣とかを販売されるのでしょうか?
>248 >255 >256 >258
明日の収穫祭では花火が打ち上げられるようです。打ち上げ担当の青年は今から気合が入っています。
>平和って・・・いいねえ・・・・
赤や茶色のまだら模様になった鎧をつけた勇者さま風の男性が、ぽつりと呟きました。
「そうですね。皆楽しそうですね!
・・・・・・・あっ!村人Aさん村人Bさん!!向こうでミカエルさんが探していましたよ!
明日のダンスの事で打ち合わせしたい事があるそうです!」」
勇者さまは遠い目をしていたのですが、シェラはそんな事ちっとも気づきませんでした。
ほしふり村はいつだって平和なのです。
本部のお手伝いが一段落した頃には、すっかりお昼になっていました。
準備に集まっていた村の人々も、お昼を食べにそれぞれの家に戻っていきます。
シェラはお昼の詰まったバスケットを持ちながら、あたりをきょろきょろしました。
凛さんは一息入れるみたいです。イヴァルディさんはどうでしょうか?
あ。あなほりを頑張っていた凛さんのほっぺに泥が付いています。せっかくの美人さんが台無しです。
「凛さん、これでお顔を拭いてくださいな」
シェラは凛さんにおしぼりを渡しました。
「イヴァルディさん、準備の皆さんも!一息入れてお昼にしませんか?
私、たくさん作ってきたんです。
一人じゃとても食べきれないので、ご一緒していただけたら嬉しいです」
そういえば、シェラはイヴァルディさんには教えていただきたい事があったのでした。
芋ほりイーターのことを、イヴァルディさんはご存知でしょうか?
>262
・・・・なんでちゅか?
知らない魔族の波動を感じたでちゅ
まあいいでちゅカレーもこれぐらい作れば十分だと思いまちゅし
外に出てみまちゅか
ミクミダ留守番お願いでちゅ
ミクミダ「ハイヨ」
そう言うとあーちゃんは外に出て行きました
>258
ほんとに平和でちゅね
パパが仕事をサボってるに違いないでちゅ
魔王の息子であるあーちゃんとしては複雑だ
まあ666男だから次の魔王になることはまずないだろうが・・・
あーちゃんは村はずれにある病気で死んでしまった母親の墓参りに出かけた
あー暇・・・。なんか楽しいことないかな・・。上から見ても何にも見つかんないや。
下に降りてみよ・・。
266 :
名無しになりきれ:2006/10/15(日) 16:06:04
鳥か?飛行機か(この世界の飛行機は魔法で飛ぶらしい)?いや半裸の変態だ!
267 :
第4王子(お忍び中) :2006/10/15(日) 16:13:45
私の名はケンシー・ロウすまないが酒場を探している
知っていたら教えてくれないか?
>>253 ミッシェルは野菜を受け取りました。
「あ、リンゴ?いつもすみませんねぇ、そうだなあ、朝ご飯もしっかり取らなきゃ。
それじゃあまた明日!」
>>263 「ふー・・・。」
屋台も段々と出来てきて、ミッシェルは少し肩を回しました。
>「イヴァルディさん、準備の皆さんも!一息入れてお昼にしませんか?
私、たくさん作ってきたんです。
一人じゃとても食べきれないので、ご一緒していただけたら嬉しいです」
ミッシェルは微かながら聞こえた声に耳を傾けました。
この声はシェラです。ミッシェルは、聞こえた方に向かって叫びました。
「シェラーっ!アタシもご一緒させてもらって良いーっ?」
>>261 >「よーし、こんなもんでいいだろ。」
「いや〜意外に早く終ったもんだな。おっさん」
顔から垂れる汗を土まみれの腕で拭う。
そして、穴の底にいる嬉しそうにしているイヴァルディに話しかける。
「けっこう深く掘ったな〜どうする?
日も高いわけだしあのガキンチョのところで飯でも喰うか?
・・・それとも、まだ作業あるか?」
>「後はやっとくから、稟、初めての収穫祭だろ?飯くいがてら辺り見てこいよ。
夕方くらいに酒持って戻ってテストしてくれりゃいい。」
「んぁ?そうかそうか・・・じゃあありがたくぶらついてくるとするかな」
休憩の許可が出たので振り返り、ぶらつく事にしました。
>>263 と振り向いた先には、シェラがタオル持ってこっちを見ていた。
>「凛さん、これでお顔を拭いてくださいな」
「ん・・・俺の顔に泥でもついてたか?まぁ・・・ありがとな」
ちょっと照れくさそうにタオルを貰い顔をゴシゴシと拭きました。
この姿になる前はそんなに優しくされたことがあまりなかったので、優しくされることに慣れていなかったので
その恥ずかしさでゴシゴシ
>「イヴァルディさん、準備の皆さんも!一息入れてお昼にしませんか?」
「・・・ありがたいな」
少し感極まって涙が出ましたが、泥を拭ったタオルに涙は吸われ気が付かれずに安心しました。
>>268 >「シェラーっ!アタシもご一緒させてもらって良いーっ?」
涙を吸ったタオルをくしゃくしゃに丸め、シェラに返し笑顔でミッシェルに呼びかける。
「早く来ねぇと全部喰っちまうぞ!!!
おい、マジで腹減ったぞ!今日は何作ったんだ?」
>263
凛に休憩指示を与えて、ドコドコと填圧作業に勤しみます。
一度仕事のスイッチが入ると気がすむまでやってしまうのはドワーフの種族的なサガなのです。
ですから凛の誘いにも見向きもせずに、作業を中断なんてしないのです。
一言だけかけてそれ以上誘わない凛も大正解です。
あんまりしつこく誘うときっと怒鳴り声が響くことになるでしょうから。
>「イヴァルディさん、準備の皆さんも!一息入れてお昼にしませんか?
> 私、たくさん作ってきたんです。
> 一人じゃとても食べきれないので、ご一緒していただけたら嬉しいです」
そこへやって来て、食事の誘いを入れたのはシェラでした。
凛からの誘いに見向きもしなかったのに、更に誘った状態なので怒鳴り声が・・・響きませんでした。
「ん〜、それなら仕方がねえ。食おうか。」
怒鳴るどころか、しかめっ面をしながらも槌を置いてドスドスとやってくるではありませんか。
村の多くの若者のように、シェラから誘われて大喜びで飛んできた、と言うわけではないのですよ?
普通に誘ってはシェラだろうと誰だろうときっと怒鳴られていたでしょう。
でも、助けてとお願いされてしまってはさすがのイヴァルディも承諾するしかありません。
天然なのか、ドワーフというものをよくわかっているのか、どちらにしてもシェラの誘い方は大正解だったのでした。
>266>268>269
近くの沢で手を洗っていると、どこかから声が聞こえます。
どうやら空に何かが・・・
「やれやれ、今年はまた一段と盛り上がりそうだな。」
見上げると祭りまで我慢できなかったのか、空を半裸の変態が横切っていくところでした。
祭りにではいろんな芸や出し物をする人がいますが、なかなか半裸で空飛ぶ人はいませんからね。
泥だらけの手を洗い終えて戻ると、シェラと凛、そしてミッシェルもいました。
「あわてて出てきたから飯の用意してなかったんだ。助かったぞ。」
何だかんだ言いながら仕事モードも解除するとおなかが減っちゃっているイヴァルディ。
うれしそうにいただきますの合唱すます。
「ん?芋ほりイーター?ああ、芋畑掘り返すと必ずいるぞ。
5センチくらいの芋虫でな、芋を食っちまう害虫だ。どんくさい虫だからすぐ捕まるんだ。
でもそれを放置して五年もたつと成長して1m位になってな、芋ほりの時期になると恩返しのつもりか芋ほりを手伝ってくれるんだ。
このころになると土を食べて畑を沃土にしてくれる益虫になる変り種なんだぞ。
なぬ?凶暴で毒はく?そんなもん大方どこぞの講談師が作り出した物語の登場キャラだろ。
ほしふり村や周辺の村にゃそんな物騒な話はありゃしないさ。」
シェラの質問に答えながら笑い声を上げるのでした。
>「ん〜、それなら仕方がねえ。食おうか。」
シェラの呼びかけに、イヴァルディさんは槌を置いてくださいました。
村の人達もぞくぞく集まってきます。
>267
「え?酒場なら、この道をまっすぐです。村の大通りに出ればすぐに分かりますよ」
>268 >269
>「ん・・・俺の顔に泥でもついてたか?まぁ・・・ありがとな」
凛さんはごしごしと顔についた泥を拭うと、照れくさそうに笑いました。
「いいえ、どういたしまして」
シェラはにっこりしました。これで凛さんはもとどおりの美人さんです。
>「シェラーっ!アタシもご一緒させてもらって良いーっ?」
ミッシェルさんの声に、シェラは嬉しそうに何度も頷きます。
「もちろんです!ロキさんの分もありますからね!」
ここにお座りくださいというように、広げた敷物の上を手でぽんぽんと叩きます。
> おい、マジで腹減ったぞ!今日は何作ったんだ?」
「うふふ、見てのお楽しみです!デザートもたくさん用意してきましたからね!
それから今日は珍しい品も作ってみました。凛さんのお口に合うといいのですが・・・」
シェラは悪戯っぽく笑いながら、バスケットの中から次々に並べ始めました。
ちょっと作りすぎたというには量が尋常ではありません。
シェラが最初から皆でお昼を食べるつもりだったのは一目瞭然でした。
そして。最後のお弁当箱をあけるときは、ちょっと躊躇しました。
「実は・・・今日は「ノリマキ」なるものに挑戦してみました」
シェラははにかみながら、そっとお弁当箱を開けました。
ノリマキは綺麗に切れていますが、直径は大人の握りこぶしくらいはありそうです。
具もみっちり詰まっていて、ノリマキというよりはトノサママキかもしれませんね。
>270
いただきますの合唱をしたあと、皆で楽しくお昼を囲みます。
さっき小耳に挟んだいもほりイーターの話になると、イヴァルディさんは爆笑しました。
なんでもおいもを食べる害虫ですが、5年待つといもほりを手伝ってくれるそうです。
「そうなんですか・・・。なんだか私も、薬草畑のすみにお芋を植えたくなってきました」
シェラは大真面目で答えました。
どうやっていもほりイーターが恩返しをしてくれるのか、自分の目で見てみたくなったのでした。
「そういえば明日の夜は花火が上がるのですって。豪勢ですよね。夜のダンスもいっそう盛り上がりそうです!」
その他にも収穫祭にはダンスが付き物です。村の人達は皆、思い思いに着飾って楽しく踊ります。
そこまで話したシェラははたと気づきました。
ミッシェルさんはともかく初参加の凛さんは、その事をご存知なのでしょうか?
「凛さん、明日の夜にはダンスも楽しめるのですが、ドレスか何かお持ちですか?」
>271
ふむ礼を言う
そういうと身なりのいい?男は酒場の方へと歩いていきました
ここが酒場か・・・・
すまんが主人エールを一杯くれんか?
どうやらお酒を飲みにきたようです
273 :
名無しになりきれ:2006/10/16(月) 23:42:16
爆弾投下
>273
なんか降ってきたな
(ジャンプして空中で分解!?爆発しないようにしてキャッチ)
ふうちょうど良かった花火に使う火薬が足りなかったところだ
親切な人もいるもんだな
あーちゃんのママは美しいラミアでしたがあーちゃんが5歳の時に病気で死んでしまいました・・・・
ですが父親から送られてくるお金や勉強の本などによって今まですくすくと成長したった8歳でカレー屋の主人となる偉業を成し遂げたのです
そんなあーちゃんは祭りの日の前日には必ずママのお墓参りに行きます
あーちゃんはお祈りします
あーちゃんは立派に成長しカレー屋もオープンできました
どうか見守っててくださいと・・・・
お墓参りを終え墓地から出ると
>273-274
村の若者が見事な空中殺法で爆弾を解体するのが見えました
・・・・・・すごい人間もいるものでちゅね
魔族のあーちゃんもびっくりです
>265-266
カレー屋に帰ろうとテクテク歩いていくと今度は知らない半裸の魔族に会いました
そんな格好だと風邪ひきまちゅよ
余計なお世話です
276 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:34:41
鬱がひどい
277 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:37:03
死にたい
278 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:38:17
死にたい
279 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:40:00
何でみんな仲良くなれんの?氏ねばいいのに!
280 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:41:05
頭痛い
281 :
薬師:2006/10/17(火) 00:41:38
>276-277-278
ならばハイになる薬を調合してしんぜよう
なーに御代は薬が効いてからじゃて
282 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:43:32
アナフラニールでふ〜らふら〜‥
283 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:45:08
なんで自分のキャラは来ちゃいけないの?
284 :
薬師 :2006/10/17(火) 00:45:20
>279
そういうことは言うもんじゃないぞ若いの
そもそも(お説教一時間)
>280
お主は頭痛か頭痛薬を用意するぞ
>281
解毒剤!解毒剤!
285 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:46:03
なんで自分のスレ潰さなきゃなんないの?
286 :
村人:2006/10/17(火) 00:47:29
>283
伽羅とはなんだ?新製品か?(素出し禁止)
四の五言わずに参加しちめえ
287 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:47:44
なんで自分だけネットでも独りなの?
288 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:50:15
もう自分のキャラ死んじゃったよ〜‥
289 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:53:05
この村で生まれていらない子だから川に流されたって設定がよかった?
>285
祭りは明日だぞ!(素出し禁止)
何を鬱になっとるハッスルハッスルじゃ
>287
ネット?網がどうかしたか?(一人ではない)
>288
人はいつか死ぬものじゃ
仕方が無い・・・・(なら新キャラ作れ)
291 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:55:05
飼い主のねーちゃんが猫と話てて村人がねーちゃんを魔女狩りに連れて行ったから冒険に出たって設定がよかった?
>289
切ない人生よのう・・・・
>291
まずはsageよ話はそれからじゃて
話す猫か・・・・・・珍しいの
294 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:57:48
どうせ猫だもんね死ねばいいよね
295 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:58:44
私なんか魔女狩りで火あぶりになって当然
そういえば最近墓地近くで赤茶色の猫を見たのう
あれが喋るのかの?(むしろ腐女子の姉ちゃんの方で参加したらどう?)
297 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 00:59:57
みんなで叩けば?隠れ家でやったみたいにさ
298 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 01:02:35
腐女子のねーちゃんは毎日親父に罵倒されて殴られて死にたいって‥
299 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 01:03:35
精神病だから死ねばいいよね
>297-298
おちつくのじゃ今はわし一人しかおらん
棒でたこ殴りかひどいのう
いっそのこと本当に魔女になれば楽なのじゃが・・・・
302 :
名無しになりきれ:2006/10/17(火) 01:05:00
メンヘル板に戻るから300以外の聞いてくれた人ありがとう‥‥。
今度はちゃんと真人間になってくるのじゃよ
真猫でもいいが・・・
304 :
第4王子(お忍び中) :2006/10/17(火) 12:44:26
人生とは・・・・難しいものだな
王子様は人生相談>276-302
を見てそう思いました
>304
あんちゃん未成年だろ?
こいつで我慢しときな
第4王子の前にはミックスジュースが置かれた
ふっ・・・・若いってことさ
王子様はたそがれてしまいました
あーちゃんは知らない魔族にお別れの言葉を言うとカレー屋に戻っていきました
明日の祭りが楽しみでしょうがありません
今でも気分がうきうきしています
ミクミダ「カエッテキタノカ」「ホラ客ガイッパイダゼ」
あーちゃんはたくさんのお客を捌き始めました
次々と注文をこなしていきます
308 :
村人C:2006/10/19(木) 14:38:43
上げてみるさ
村人Cことキャスバルだ
>271>307
芋ほりイーターの話を聞いて、芋を植えたくなったと大真面目に答えるシェラに思わず噴出してしまいます。
「やめとけやめとけ、いい忘れてたが芋ほりイーターはどんくさいくせに恐ろしく毒舌なんだ。
お前さんじゃあ泣かされちまうぞ?わっはっは。」
笑っているとカレーの匂いが漂ってきます。
辺りを見回すとアルカンツェルのカレー屋台がもう営業しています。
「うーむ、祭りは明日からだというのにもう営業とは。子供ながらに商魂たくましいなあ。」
感心するやら呆れるやらで、目を白黒させながらアルカンツェルと急がしそうに皿を運ぶミクミダを眺めます。
シェラがバスケットから次々と出す料理は瞬く間にあたりを占領していきます。
ちょっと作りすぎたといいつつ並べるシェラの姿にイヴァルディは小さなため息をつきました。
その溜息の意味を口に出そうかどうか迷っていると、シェラが最後の弁当箱を開けます。
入っていたのは大きくて具沢山の海苔巻きです。
それを見てイヴァルディの目が輝きました。
「これは珍しい!噂でしか聞いたことなかったが、実物を食う日が来るとは!」
昔、ほしふり村に来た村人に聞いたことがあるのです。
東方の島国では「海苔巻き」という食べ物があり、西を向いて一口で食べると家内安全、商売繁盛のご利益があるものだ、と。
薀蓄を披露して、「それでは古式に則って」と前置きをして口を限界まで広げで大きな海苔巻きをあぐあぐと詰め込むのでした。
>>271 「ほぅ・・・海苔巻きか・・・俺にそんなもん見せるとは大した度胸じゃねぇか
こう見えても俺は寿司には五月蝿いんでな。正直に言わせてもらうぞ!!!ハプ」
そう言って大きい海苔巻きを口へ運び込む。
「・・・お・・・おごおご・・・ン!!!
・・・ビネガーがちょっと惜しいな、まぁ全体的に纏まっているし・・・まぁよしとすっかな?」
>「凛さん、明日の夜にはダンスも楽しめるのですが、ドレスか何かお持ちですか?」
それを聞いた凛は少しきょとんとし、その後に空を見上げこう答えます。
「いんや、まぁ着てもかわらんだろうな。おっさんと酔いつぶれるまで飲むつもりだったし・・・」
と顔を下ろしてみると何故かシェラの背中から黒いオーラが浮き出ているのが見え、凛の考えが一変しました。
「い・・・いやぁ〜たまには踊るのもい〜かなぁ〜って、ハッハッハ!ドレスが無いじゃねぇか!
頼む〜シェラ〜貸して〜」
やや棒読み気味でそう答え、なんとな〜くとなりのイヴァルディを見ました。
>>309 >西を向いて一口で食べると家内安全、商売繁盛のご利益があるものだ
>「それでは古式に則って」と前置きをして口を限界まで広げで大きな海苔巻きをあぐあぐと詰め込むのでした。
気がつくのが遅かったようです。
「おっさん!違うぞ!海苔巻きはいつでもそんな感じに喰うんじゃねぇ!
『豆まき』って行事をやったときに其れをって違う!まず一口じゃねぇよ!
それに今年は南西南の方角だ!って違う!!!」
イヴァルディが間違った食べ方をしたのをみて、テンパりながら突っ込みを繰り替えす凛
「あぁ〜それに喋ったらぁ〜っておい!
それに目もつぶっ・・・あぁぁぁあぁぁあぁあ!!!
シェラ!水だ!水もってこい!!!早く!!!」
とにかく、今は流し込むしかないと判断し、シェラに水を求めるのでした。
>>269-271 >「もちろんです!ロキさんの分もありますからね!」
シェラの声を聞き、ミッシェルはロキの背に荷物を乗せて歩き出しました。
ゆっくりと歩いていましたが、
>「早く来ねぇと全部喰っちまうぞ!!!
おい、マジで腹減ったぞ!今日は何作ったんだ?」
という凛の声を聞いてミッシェルは焦りました。
「ちょっ・・・ま、待ってよ!全部喰うなんて許さないわよっ!
ンなことしたら少しずつアンタの分取っていっちゃうんだから!」
ミッシェルは急いでロキの背の荷物を抱えて走り出しました。
「うっ・・・あー、疲れた。まだアタシの分あるわねー。
良かった、シェラの料理はすっごい美味しいんだもの。」
ミッシェルが敷物の上に座ると、イヴァルディも後から来ました。
「いただきます、と。」
挨拶をして、みんなの話に耳を傾けながら食べようとしました。
>「ん?芋ほりイーター?ああ、芋畑掘り返すと必ずいるぞ。
5センチくらいの芋虫でな、芋を食っちまう害虫だ。どんくさい虫だからすぐ捕まるんだ。
でもそれを放置して五年もたつと成長して1m位になってな、芋ほりの時期になると恩返しのつもりか芋ほりを手伝ってくれるんだ。
このころになると土を食べて畑を沃土にしてくれる益虫になる変り種なんだぞ。
なぬ?凶暴で毒はく?そんなもん大方どこぞの講談師が作り出した物語の登場キャラだろ。
ほしふり村や周辺の村にゃそんな物騒な話はありゃしないさ。」
「へぇ・・・。じゃあアタシの商売も手伝ってくれてる事になるかしら。」
「ノリマキ?・・・わ、わー、大きいー。おいしそー。」
子供姿で口も小さい状態の今のミッシェルにはちょっと大きそうです。
確かにとても美味しそうですが、頬張ろうとしたら口端が切れそうです。
>「やめとけやめとけ、いい忘れてたが芋ほりイーターはどんくさいくせに恐ろしく毒舌なんだ。
お前さんじゃあ泣かされちまうぞ?わっはっは。」
それを聞いてミッシェルは驚きました。
「しゃ、喋るの!?てか、口悪いのかよ、虫の癖に。」
流石ほしふり村・・・と思いながら、ノリマキを咀嚼しました。
>308-311
>「やめとけやめとけ、いい忘れてたが芋ほりイーターはどんくさいくせに恐ろしく毒舌なんだ。
>お前さんじゃあ泣かされちまうぞ?わっはっは。」
>「しゃ、喋るの!?てか、口悪いのかよ、虫の癖に。」
それを聞いてミッシェルさんも驚いています。シェラも同じくらいびっくりしていました。
「まあ・・・!てっきり芋ほりイーターさんはおっとりしていらっしゃるとばかり・・・」
シェラはぽんと手を叩きました。
「ではきっと『毒をはく』という話は、口が悪いという意味なのですね!」
シェラはひとり納得すると、ノリマキを皆さんに勧めるのでした。
>「これは珍しい!噂でしか聞いたことなかったが、実物を食う日が来るとは!」
>「ほぅ・・・海苔巻きか・・・俺にそんなもん見せるとは大した度胸じゃねぇか
> こう見えても俺は寿司には五月蝿いんでな。正直に言わせてもらうぞ!!!ハプ」
>「ノリマキ?・・・わ、わー、大きいー。おいしそー。」
ノリマキを見た皆の反応はおおむね好評のようです。
> ・・・ビネガーがちょっと惜しいな、まぁ全体的に纏まっているし・・・まぁよしとすっかな?」
故郷の味かもしれないノリマキだけあって、凛さんはさすがに点が辛いです。
ですが、初めてにしては上出来です。
シェラはニコニコしました。
「じゃあ凛さん、もし宜しければ今度ぜひ、私においしいお寿司の作り方をお教え下さいね」
村祭りのダンスの話をしましたが、凛さんの反応はイマイチでした。
>「いんや、まぁ着てもかわらんだろうな。おっさんと酔いつぶれるまで飲むつもりだったし・・・」
ぴく、とシェラの片方の眉が上がりました。
美人さんにあるまじき発言です。これではまるで飲んだくれのおじさんみたいです。
そんなのはもう犯罪なのです。
ですが聡い凛さんは、すぐにシェラの変化に気づいたようです。
>「い・・・いやぁ〜たまには踊るのもい〜かなぁ〜って、ハッハッハ!ドレスが無いじゃねぇか!
> 頼む〜シェラ〜貸して〜」
シェラの機嫌はころりと戻りました。
「「はい!もちろんです!良かったです。
凛さんは昼間はイヴァルディさんのお手伝いですし、夜はお酒を、というすごされ方が多いでしょう?
実は村人さん達の中には、一度も凛さんを見かけたことが無いと嘆く方もいらっしゃって・・・ほら、あのかたも」
シェラは村人Cさんに手を振りました。
大きなノリマキを食べにくそうにしているミッシェルさんには、小皿を差し出します。
ロキさんにはおかわりをよそいました。
「ミッシェルさん、ミッシェルさんも明日もちろん踊るのでしょう?
店番なら私でよければ交代しますから、ぜひ楽しんで下さい。
お祭りで頭に載せる花冠は、用意する時間が無いなら私の方で皆さんの分を作っておきますから」
イヴァルディさんはノリマキに関する蘊蓄を披露して下さいました。
シェラはただ感心するばかりです。本当にイヴァルディさんは博識です。
「イヴァルディさん、凛さんの今後の予定はどうなっていますか?
もしお忙しいようなら、後で何着かドレスや靴を持ってきます。やはり試着しないと・・・。
凛さん、お祭りは、村の人と親睦を深めるいい機会だと思いますよ。
お友達だけでなく、素敵な旦那様だって見つかるかもしれませんし」
そういってシェラはウインクしました。もちろん最後のはシェラ流の冗談です。
ですが、突然凛さんが素っ頓狂な声をあげました。
イヴァルディさんがフトマキを喉に詰まらせたようです。
シェラは口に運ぼうとしていたノリマキを取り落としました。
> シェラ!水だ!水もってこい!!!早く!!!」
「は、はい!」
慌てて立ち上がりました。 そして、何を思ったのかアルカンツェルさんの屋台に駆け込みます。
「あーちゃんごめんなさい!水を下さいな!イヴァルディさんが喉を詰まらせちゃって・・・」
オーダーもしていないのにいい度胸です。が、シェラも舞い上がっていました。
なぜなら、実は飲み物にとぶどう酒と紅茶を用意していたからです。焦るあまり忘れているようですね。
313 :
名無しになりきれ:2006/10/23(月) 16:12:03
のれのれ
「イヴァルディの旦那が?そりゃ大変だ、これ持っていきな!」
客の一人が水を渡した。
>312>313
それでたりまちゅかねえ?ミクミダバケツで一杯水でちゅ
ミクミダ「アイヨ」
さあイヴァルディしゃん水でちゅよ
たんとのむでちゅ
あーちゃんはバケツで水を流しこんだ
無茶をするお子様である
大丈夫でちゅかイヴァルディしゃん?
さあ仕事を再開するでちゅ
何事もなかったようにあーちゃんは仕事を再開した
(アンカーミスでした>313は>314の間違いです)
今日は今日とてカレーを運ぶ
今日はビーフカレーが良く売れてるでちゅね
ミクミダ「ダカラナンデ俺ヲ見ルトミンナチキンカレーヲ頼ムンダ?」
たまたまでちゅ、それより次のお客しゃんでちゅよ
ミクミダ「ヘイヘイ・・・・」
>312-316
>「ミッシェルさん、ミッシェルさんも明日もちろん踊るのでしょう?
店番なら私でよければ交代しますから、ぜひ楽しんで下さい。
お祭りで頭に載せる花冠は、用意する時間が無いなら私の方で皆さんの分を作っておきますから」
それを聞いてミッシェルはちょっと慌てながら話しました。
「み、店番なんていいのよ!どーせ踊りの時になったらほとんど誰も買いに来ないし。
いざとなったらロキだけ置いてけばなんとかなるもの。」
おかわりを嬉しそうに食べていたロキが勢い良く振り返りましたが、ミッシェルは全く気にしません。
>「お友達だけでなく、素敵な旦那様だって見つかるかもしれませんし」
シェラの言葉の最後の部分を聞き、ミッシェルはひらひらと手を振りました。
「っははは、凛みたいな美人、この村の男にゃ勿体無いわよ〜。」
村の男衆に大分失礼な発言ですが、ミッシェルは本気でした。
元々歯に衣着せぬ性格なので、心から喉を通って出てきたような言い方です。
ミッシェルはどたばたと動く周囲を暢気に眺めながら、ノリマキをひとかけら飲み込みました。
【>317はミッシェルです、すいません・・・。】
>310-316
慣れない食べ物を慣れない食べ方するものではありませんね。
大きな大きな海苔巻きを一口で食べようとしたイヴァルディは喉を詰まらせてしまい目を白黒させています。
慌てる凛に走るシェラ、海苔巻きをつまむミッシェル。コップを渡す屋台のお客さん。
でも事態を収拾したのはバケツを持ったアルカンツェルでした。
「あばばばば・・・んぐうぅ・・・ごっくん。」
バケツからビヤダルに水を移すように流し込んでいきます。
大量の水は綺麗にイヴァルディの口の中に注ぎ込まれ、詰まっていた海苔巻きごといの中へと流れていきました。
「ふぅ〜。助かったわ。みなの衆、ありがとうよ。」
ようやく一息ついて、照れくさそうにみんなにお礼を言いました。
そうこうしていると、シェラはみんなを夜のダンスに誘っているようです。
凛にはドレスまで貸し出し、ミッシェルに対しては店番の代わりまで申し出るほどです。
そんなシェラを見てイヴァルディはまた溜息をつきます。
「おいおい、ミッシェル、そりゃ言いすぎだぞ?
夜には俺たちのトランポリン興行も店じまいしているから凛もダンスに行ってこいよ。
お前さんの分の酒は俺が呑んどいてやるから安心しろ。
ただし、子供じゃねえんだからシェラに面倒かけるなよ。」
そういってぶどう酒の入ったコップをぐいっと傾けます。
別に急いで呑みたかったわけではありません。
どうにも口が回らなくってくしゃくしゃになった顔を隠すためなのです。
結局言えたのは、凛のエスコートに夢中になってシェラ自身がダンスをしそびれないように遠まわしに注意しただけなのですから。
こんなにおいしい料理が作れて、いっぱい弁当作りすぎちゃう寂しがりやなんだから、人のことより自分が「素敵な出会い」を見つければいい。
リクドウをはじめ引く手数多なのに。
喉まで出ていたこの言葉をぶどう酒と一緒に飲み込んだのでした。
>314 >315 >317 >319
シェラの慌てぶりに驚いたのか、カレー屋台のお客さんがイヴァルディさんに水を持って走りました。
ですが、イヴァルディさんを助けた一番の決め手はあーちゃんでした。
なんとバケツ一杯の水をイヴァルディさんに運んで下さったのです。
>「あばばばば・・・んぐうぅ・・・ごっくん。」
シェラはびっくりしてしまいました。あーちゃんさんは大胆です!
>「ふぅ〜。助かったわ。みなの衆、ありがとうよ。」
「もう!凄く心配したんですよ!あんまりびっくりさせないで下さい」
ですがミッシェルさんもイヴァルディさんも平然としています。カレー屋のお客さんもやれやれと戻っていきました。
「喉を何か詰まらせた時には、バケツでお水を渡すものなのでしょうか」
ふと、ロキさんと目が合いました。
あ、ロキさんが目を逸らしたような気がします。一体なぜでしょう?
ミッシェルさんのお話だと、ロキさんは店番もできるそうです。
ちっとも知りませんでした。本当に賢い狼さんですね!
そして、シェラの『お誘い大作戦』を締めくくるジョークに、ミッシェルさんが爆笑しました。
>「っははは、凛みたいな美人、この村の男にゃ勿体無いわよ〜。」
>「おいおい、ミッシェル、そりゃ言いすぎだぞ?
シェラは皆に渡すぶどう酒を注ぐのに集中しているフリをして、軽く聞き流しました。
きつく聞こえる事もずばっとおっしゃるミッシェルさんですが、悪気が無いので全く気になりません。
イヴァルディさんも凛さんがダンスを楽しめるよう後押ししてくれます。ですが、次の一言は大問題でした。
>お前さんの分の酒は俺が呑んどいてやるから安心しろ。
>ただし、子供じゃねえんだからシェラに面倒かけるなよ。」
「イヴァルディさんったら。例え冗談でもそんな事を仰ったら、凛さんはお酒が気になって踊れないじゃありませんか」
シェラはほんの少し恨めしそうな顔をしました。
「それに面倒だなんて。私が好きでやってるのですから楽しいです。でも、もしお誘い自体がご迷惑ならおっしゃって下さいね。
ダンスといえば、ほしふり村に王子様がお忍びでいらっしゃっているという噂を耳にしました。
知らないうちに皆、王子様とダンスを踊っていたりして。
そう考えると、なんだかとてもロマンティックですね」
シェラはデザートの果物と、甘い焼き菓子を取り出しました。
「私の仕事は終わったので、お昼が終わったら一度家に帰ってドレスを取ってきます。
皆さんお忙しいでしょうから、さっきも申し上げたように花冠は私の方で。
好きな花のお色は何色ですか?それからミッシェルさん、ドレスはどこに運べばいいでしょうか?」
最後の一言に、ミッシェルさんが不思議そうな顔でシェラを見つめます。
はっと自分の間違いに気づき、シェラは赤くなりました。
「あ!いえ、ミッシェルさんはドレスも靴もお持ちですよね。
凛さん、凛さんの試着用のドレスはどこに運べばいいのでしょう?イヴァルディさんのご自宅の方へ?」
なんだかんだでかなり舞い上がっているようですね。
「はっははは・・・」
皆昼食を食べならがワイワイガヤガヤとしている中、凛は放心状態で笑っていた。
何故なら彼女はまったく踊れないから・・・ではなく、もし、ダンスパーティーにていい男にお持ち帰りされた場合
下手をすると正体がばれてしまうからだ。
凛の経験上、正体がばれたあとの境遇は二つ、化け物扱いか物扱い
それがいやでまた旅へ、と好きで旅してんのに何言ってんだコイツ的な理由があったからだ。
とにかく、この二人、いや、三人は私を誰かにくっ付けようとしていること
「落ち着け落ち着け落ち着け・・・そうだ、あの神父が言ってたじゃないか
素数は勇気を与えてくれるって、2・・・3・・・5・・・9・・・って違う!!!」
と落ち着こうと必死でもがいているとシェラが声をかけた。
>凛さん、凛さんの試着用のドレスはどこに運べばいいのでしょう?イヴァルディさんのご自宅の方へ?」
「あぁそれは・・・」
「ってなんで俺はあんなこと言ったんだろう」
シェラ宅のベットの上で伏せる凛の姿があった。
そう、凛はあの時、試着しに行くと言ってしまったのだ。
もちろん、村の散策をしたあとでだ。
しかし、家についたとたんこの部屋に案内されそれからそのまま待たされている。
「まぁ別に急ぐ用事も無いし・・・のんびりするかな」
明日は祭りか・・・・兄さん達はこれるだろうか・・・・・
あーちゃんはカレーを運ぶでちゅ
みんな美味しそうに食べてくれてるでちゅ
平和って・・・・いいでちゅねえ・・・
ミクミダ「オイ次ノ注文ダゾ」
わかってるでちゅ
ミッシェルは一通り食べると、一息つきました。
「ふぅ・・・ごちそうさま。ありがとう、美味しかったわよ。」
シェラにそう言い、軽く伸びをします。
凛がおろおろとしているのを見て、理由を考えましたが、思いつきません。
「まあ、お言葉に甘えておいたらどう?」
326 :
女性:2006/11/01(水) 22:59:45
大変魅力的な男性を見ました
きっと王子様です
>326
「そうですね、きっとその方は、あなたの王子様に違いありませんわ」
あの女性には、素敵な出会いがあったようです。
>325
>「ふぅ・・・ごちそうさま。ありがとう、美味しかったわよ。」
「いいえ、お粗末さまでした。ミッシェルさん、ロキさん。屋台の準備、頑張って下さいね!」
>322
>凛がおろおろとしているのを見て、理由を考えましたが、思いつきません。
>「まあ、お言葉に甘えておいたらどう?」
シェラはコクコクと横で頷いています。
凛さんは乾いた笑いを浮かべて固まっています。なぜでしょう?
ですが、シェラはあまり深く考えませんでした。親睦を深めるのにはお祭りはいい機会だと思っているからです。
まさか凛さんがお持ち帰りされた後の心配をしているなんて、シェラは夢にも思っていませんでした。
なぜなら、ほしふり村の若者は皆とても紳士なのですから。
「ではイヴァルディさん、ちょっと凛さんをお借りしますね。
お弁当箱は後で取りにきますから、イヴァルディさんはどうかごゆっくり召し上がって下さい。
ではミッシェルさん、また後程。凛さん、では私の家に参りましょうね〜」
ニコニコしながら、シェラは凛さんを連れ出すことに成功したのでした。
「凛さん、お待たせしました!この二着のうち、どちらがお好みで・・・凛さん?」
シェラがドレスを取ってくると、凛さんはベッドに横になっていらっしゃいました。
・・・お疲れなのでしょうか?毛布を取ってくるべきかもしれません。
>322-327
「おう、夕方にかえしてくれりゃかまわんさ。」
トランポリンのテストさえしてもらえれば特に構わなかったので、凛とシェラを見送ります。
「さて、どんな鞘でくるか楽しみではあるな。」
誰にも聞こえないような小さな呟きですが、イヴァルディの口から漏れ出ました。
イヴァルディは凛と数週間ともに暮らすうちにその正体を見て知っていたのです。
出会った時点でなんとなくそんな感じを受けていたので取り立てて驚きも話もしませんでしたが・・・
デザートのアップルパイを頬張っているとミッシェルが食事を終え軽く伸びをしています。
見渡すと、みんな食事を終え作業に戻りつつあるようでした。
すばやい動きでバスケットに残っていたアップルパイを口に放り込み葡萄酒で流し込むと立ち上がります。
「さて、俺も仕事に戻るか。」
ぬれた髭を袖でごしごし拭きながら、穴の填圧作業に戻るのでした。
329 :
女性:2006/11/03(金) 22:50:14
素敵なデザインの鉄仮面の男性(第3王子)を見ました
きっと仮面の下は美形です
王子様と言えば、「白馬の王子様をただ待っているだけなんて古い! 今時の女は自分から動くもの!」
と言って一年前にこの村から飛び出して行った道具屋のあの子、元気かなぁ……
赤茶虎王子
>>327 >「凛さん、お待たせしました!この二着のうち、どちらがお好みで・・・凛さん?」
>毛布を取ってくるべきかもしれません。
シェラは凛が寝たと思い毛布を取りに行こうとしたところ、凛が声をかけました。
「起きてるよ。」
凛は寝てはいません。ただ、ちょっと真剣に考え事をしていただけです。
そう声をかけて、ベットから起き上がりシェラを見ます。
「シェラ・・・もし俺が・・・まぁ仮の話だ・・・俺が人間じゃなかったらどうする?」
そういいながら真剣な眼差しでシェラを見る凛。そう、さっきまで考えていたのは
正体を明かすべきかそうじゃないかってこと、そして、凛はシェラの反応でそれを決めることにしたのです。
・・・が、すぐに
「・・・いや・・・ただの冗談だ。悪酔いしちまったかな?」
といい、手を何か払うかのように振って冗談ということにしました。
「で・・・これがドレスか・・・俺はどっちかていうとエロカッコイイやつを期待していたがな・・・
まぁ・・・こっちかな?」
と右の水色のドレスにすることにしました。
333 :
王子:2006/11/05(日) 15:17:22
何故だ!何故このゴツイ仮面を見て私を王子だと思う!!
付き人「高貴だからさ・・・」
きしょっ
>332
「シェラ・・・もし俺が・・・まぁ仮の話だ・・・俺が人間じゃなかったらどうする?」
「?」
シェラは質問の意味がよくわからなかったようです。
不思議そうに首を傾げると、凛さんは悪い考えを振り払うように慌てて手を振りました。
>「・・・いや・・・ただの冗談だ。悪酔いしちまったかな?」
「で・・・これがドレスか・・・俺はどっちかていうとエロカッコイイやつを期待していたがな・・・
まぁ・・・こっちかな?」
そう言って、凛さんは水色のドレスを手にとりました。
シェラは何度も頷きながら、メジャーで手早く凛さんのサイズを計ります。
「えろかっこいい・・・というのはどういう物かよくわかりませんが・・・。
かっこいいといえば、実は先日、このような異国のドレスをお土産にいただいたのです」
シェラはベットのしたから衣装箱を取り出し、凛さんにお見せしました。
中にはチャイナドレスが入っていました。
「下さった方は『村祭りに』と勧めてくださったのですが・・・スリットが開いててなんだか気恥ずかしくて。
でも、凛さんなら凛々しくてお似合いかもしれませんわね」
シェラはニコニコしながら、凛さんにチャイナドレスを当ててみました。
「さ、こちらに」
シェラは、凛さんに明日のためのドレスを試着してもらいました。
丈が短いくらいご愛嬌ですが、踊っている最中に破れたりしたら目も当てられません。
シェラは、じっと立っている凛さんの袖や裾丈の具合を見ました。
これなら大丈夫そうです。
「凛さん、さっきの話ですが・・・ああ、動かないで下さいね」
シェラが手早く縫い目をほどき、待ち針を打ち直します。
「凛さんが人間じゃなくても、私は別にどうという事はありません。
多分ミッシェルさんもイヴァルディさんも、村の人たちも気にしないと思います。
だってほしふり村は、人間以外の種族のほうが人間より多いくらいですもの」
そうでしょう?とシェラは悪戯っぽく笑いました。
ぬるぽ
が!
糞猫死ね
339 :
王子:2006/11/09(木) 10:25:31
,.r==:、
,ク::::::::::::ヾ
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,;':::::::::::::ハ;、_::::_,.ィノ^! _,...........,__
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ヾー-‐彡,. ィ" ! ':, / ...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
\ :ハ '、 ':, | ,rrェヒミ〈;;;:リナナク,;:l!
\ '、 ,:'、 ':, !斥y'r。xツヘ '・`,,,シミ;:;;:|
\ゞ '" ::ヽ ':, |トニ斗テi"| :;フハコ=7-i;;|
ヾト、 ::::ゝ i :|::ll::::l!:|l|ハ::;;| | ! !| li ,l、
`ヾ-'" : ::|^y'ヽ、 |ト|!:::l!:||kキ;|干!,!,!ノノ:,!;l
`yr'^! :::〈 ミシ|、 ,';, !|ヽヾヾト'^"~'' ,'' "//;;;;'、
r'" ヘ ヘ、:::二;;;;リ /:;;| ,r'-:ゝ ,ィ;' ,.-...,,;:,,' /l::::;;;`
ゞイ..`,.>'"リ、/ -'ー-'ミ ,:':;/ヾ、 .,,. ,,_;:' l!
`t ゞ.-'" y;;!rー'''''''ーミ::`:'";;,' `:;、 :;;: ,;' .,!
〉 〉.-‐"ノ^:, ^:、 ゞト、 :,! ':;;, ;;' '"!
,!^ヾー‐‐'"ゝ;;;ヽ'"~`ヾ、 `トr=ミ:;、 ! ':;; ; : |
|ハ;;;;;ミi'"~;;;;リ;;;;;;ヽ、 `、 :ハ い `! |
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,ィ' ゞ=;!: : : : :::;;;;;;;;;;;;;リ、..,::; ; i
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ヾ /:::::;;;;;;;;;;;;;;;;-''",!_,.-'"
ヾ;:/ ノ
`-^ト 、 ,r'"
見ろよこれを新しいライターだぜ
従者「王子絶対誤解されますって」
あれは兄さん・・・・兄さんの付き人も大変だなあ・・・・
夕日が辺りをオレンジ色に染めています。
もう夕方です。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。
シェラは、お弁当箱を取りにお祭り会場に戻ってきました。
まだ会場には準備の方がいらっしゃって、活気に満ちています。
>329 >339
そうですか。鉄火面の王子様、美形だといいですね。
顔見知りの女性に声をかけられ、シェラはにこやかにお答えしました。
声が聞こえたのか、ギョッとした顔で振り向く影があります。従者の方とひそひそ話していらっしゃいます。
ああ、あれが噂の鉄仮面様に違いありません。
その方は今大きな武器を手にとって喜んでいらっしゃいます。何でもライターだそうです。
大人になっても子供心を忘れない、チャーミングな殿方ですね。
>330
ああ、道具屋のお嬢さんですね。風の便りに勇者様に弟子入りしたと聞いております。
世界の平和を守りながら素敵な出会いを捜し求めるなんて、なんだかロマンティックですね。
>331 >338
「猫はお嫌いですか?でも、苛めてはいけませんわ。可哀想じゃありませんか」
シェラは赤茶虎の猫を、ひょいと手押し車の上に乗せました。
毛並みもよくなかなかの美猫です。
「あら。まるで猫の王子様みたいですね。さしづめ赤茶虎王子さまかしら」
そう言ってシェラはくすくす笑いました。
トランポリンの調整に余念が無いイヴァルディさんに、シェラは軽く手を振ります。
「御精が出ますね。こんな大きなトランポリンは初めて見ました。ギちゃん達が大喜びしそうですね。
それにこの大きさでしたら、大人でも十分飛べそうです」
シェラも飛んでみたいと思いましたが、口にはしませんでした。
あんまり派手に飛ぶと、スカートの中身が見えてしまいそうですものね。
お弁当と敷物を片付けると、シェラはキコキコ手押し車を押しながらミッシェルさんの屋台に立ち寄りました。
「ミッシェルさん、これ、お話していた花冠です。もしご迷惑でなければ、どうぞお使いください」
シェラは準備の邪魔にならないよう、ロキさんにお渡しすることにしました。
「ロキさん、花冠とてもお似合いですね。こんな事ならもう一つ作ってくれば良かったです」
シェラは手を叩いて悦びましたが、花冠を頭に載せたロキさんからは、何となく困惑した空気が漂っています。
ですが、シェラは全然気づいていませんでした。
シェラはお祭り会場を抜け、家に帰りました。
いつものように片づけを終え、ベッドサイドのランプを消しました。
成り行きで家に連れ帰った赤茶虎王子は、床の上のバスケットで丸くなっています。
今日もとても楽しい一日でした。ですが、明日はもっと楽しくなるに違いありません。
収穫祭が今からとても楽しみです。
では、おやすみなさい。
填圧作業が終わったのはお日様も西の空に沈みかけたときでした。
「ふう〜〜よーし、はいってくれー」
大きく息をつくと超巨大おでぶアメーバーに声をかけます。
のそのそと動く超巨大おでぶアメーバーは外壁に実を這わせ降りていきます。
身体の殆どは穴のそこに収まりましたが、隅のほうは変形して外壁にへばりついています。
弾む角度で穴の外壁にぶつかっても痛くないように、クッションになるようにする為です。
「うーん、我ながらうまくできたもんだ。それにしても凛の奴遅いな。」
一応はトランポリンが出来上がったので調整に凛に飛んでもらおうと思っていたのです。
>「御精が出ますね。こんな大きなトランポリンは初めて見ました。ギちゃん達が大喜びしそうですね。
> それにこの大きさでしたら、大人でも十分飛べそうです」
シェラがそんなイヴァルディに声をかけます。
「おうよ、子供達はみんなここで面倒見るから、お前さんは・・その、なんだ。」
子供の世話に奔走していないで、いい男見つけろ。といいたかったのですが口下手なドワーフにそんな台詞がすんなりでてくるわけありません。
結局途中で口ごもって手を振るだけでした。
そうこうしていると、日も沈み松明に火がつけられます。
前夜祭の始まりです。
酒が振舞われ、楽しそうな声が聞こえてくるともうじっとしていられません。
「ったくしかたがねえな。まあ凛の奴もたまにはドレス着て羽目はずしても仕方がねえだろな。うん。」
何だかんだ理由をつけていますが、お酒を飲みに行きたくてうずうずしているのです。
穴の前でしばらく言ったり着たりうずうずしていましたが、それもほんの少しの間。
「おーい、俺にも一杯くれー。」そんな声を上げながら走り去る後姿を超巨大おでぶアメーバーが見送るのでした。
「3番テーブルコロッケカレーでちゅよ」
ミクミダ「アイヨ」
「5番テーブルはカツカレーでちゅ」
ミクミダ「オウヨ」
「10番テーブルの・・・・・・」
祭りは明日だというのに客がたくさんいてかなり忙しいあーちゃんである
「従業員・・・足らないでちゅね・・・」
ミクミダ「ヤトウカネナンカアルノカ?」
「儲けはありまちゅよいっぱい、それよりお客が待ってるでちゅ」
ミクミダ「話シテル暇ガネエ!!」
かなり忙しい・・・・
344 :
名無しになりきれ:2006/11/12(日) 16:04:56
明日の祭りが楽しみだ・・・
>342
ミッシェルが準備をしていると、シェラがやってきました。
>「ミッシェルさん、これ、お話していた花冠です。もしご迷惑でなければ、どうぞお使いください」
「ああ、ありが・・・ブッ!」
受け取ろうと振り返ったミッシェルが噴いてしまったのも無理はありません。
何故ならそこには、ニコニコと天使の笑みを尽かせないシェラと、
花冠を頭に乗っけてスンスン困り果てた鳴き声を出すロキがいたのですから。
ミッシェルは大笑いしそうになりましたが、面白いので気付かれないように我慢しました。
>「ロキさん、花冠とてもお似合いですね。こんな事ならもう一つ作ってくれば良かったです」
嬉しそうに言うシェラに対して、それはやめてくれと切に思ったロキでした。
一通りは終わったので、ミッシェルはロキを連れて家路につきました。
勿論ロキの上の花冠は取りません。取らせません。
明日はどんな祭りになるかしら。
そう思いながら、ミッシェルは眠りました。
川原ではしゃがみ込む凛の姿が見えます。
「ふぅ〜」
恐らくさっきの冗談がボディーに入ったのでしょう。
「確かにさぁ〜おっさんも人間じゃないけどよ〜」
ネガティブオーラ全開でボソボソと愚痴ります。それほどまでに凹んだのでしょうか?
「広い意味での人間のくくりならおっさんも人間だろ〜
だから・・・俺は〜・・・」
さらに増すネガティブオーラと共に顔を伏せる。
「・・・」
しばらくそのまま黙り込み考え込む。
「・・・あぁぁぁ!!!メンドクセェ!!!」
そう叫び勢い良く立ち上がる。
「俺は何だ!!!誇り高き名刀の九十九神だろうが!!!」
そう自分を振るい立たせ凛は酒場へと向かった。
にゃ〜
ブラ〜〜
我輩はケットシーの王である
350 :
名無しになりきれ:2006/11/19(日) 09:24:23
な、猫がしゃべった・・・・まあいつものことか動物がしゃべるなんて
351 :
名無しになりきれ:2006/11/22(水) 06:56:05
平和だなあ・・・・
>347-351
どこからか、猫の鳴き声が聞こえてきます。
お祭り会場で怪我人を手当てしていたシェラは足元を見下ろし、目をまん丸に見開きました。
そこには恰幅の良い猫が、えっへんと後ろ足で立っていました。
しかも猫は赤茶虎の頭に金の王冠を載せています。蒼いマントと高価そうなブーツを身に付けて、手にはステッキまで持っています。
その周りではよくわからない生き物がブラ〜〜と漂っていました。
>我輩はケットシーの王である
>「な、猫がしゃべった・・・・まあいつものことか動物がしゃべるなんて」
村人Aさんがそう仰いました。シェラを含めて誰もおかしいとは思っていないようです。
ああ、話が逸れましたね。
さて、そのケットシーとやらの王様ですが、さあ敬え!といわんばかりに胸を張る仕草がなんとも微笑ましいです。
シェラは吹きだしそうになるのを必死でこらえながら、真面目な顔で猫さんに尋ねました。
「そうなのですか、それはすごいですね。・・・ところで「けっとしー」とは何でしょうか?」
ガーン!という音が聞こえてきそうなほどショックを受けている王さまに、シェラはなおも尋ねようとしました。
「ねえ王様、あなたのおなまえ・・・・・あら?」
なぜ私はお布団の中にいるのでしょう?首を傾げながらぱち、とシェラは目を開けました。
小鳥が囀っています。窓から差し込む柔らかな日差しの中、寝起きのシェラは目をぱちくりさせました。
どうやら今のは夢だったようです。やけにリアルな夢だとシェラは思いました。
ごそ、とシェラの隣で何かが動く気配がします。シェラが上掛けを捲ると、赤茶虎の猫が丸くなっていました。
どうして上掛けを取るの?と言いたげな目はとても眠そうです。
「おはようございます、猫さん。あなたのお陰かしら?今朝はとても楽しい夢をみました」
シェラはクスクス笑いながら猫さんを抱き上げ、吊るしてあるドレスを満足そうに眺めました。
昨夜お直しした凛さんのドレスです。
凛さんならきっと、今夜のダンスで素敵に着こなして下さるに違いありません。
そう。今日は待ちに待ったほしふり村収穫祭です。
しかも今回は、姉妹村であるしもふり村100周年記念祭との合同イベントなのです。
いつものお祭り以上に賑わうに違いありません。
お祭りはもちろんですが、趣向を凝らした出し物や露店も楽しみです。
ドワーフのイヴァルディさんと、イヴァルディお仕事を手伝っている凛さんのお二人は、おでぶアメーバーのトランポリン。
八百屋の吸血鬼ミッシェルさんと白狼のロキさんは野菜や果物、鍛冶屋のフーコーさんは細工物のお店を出されるそうです。
そしてあーちゃんことアルカンツェルさんとその使い魔ミクミダさんは、カレーの屋台を。・・・リクドウさんはどうなさるのでしょう?
シェラは昨日の準備の時にちらっと見ただけなのですが、他にも沢山お店がありました。
あれもこれもと目移りしそうです。・・・お小遣いは足りるでしょうか。
寝起きの頭でぼんやりとそんなことを考えていたシェラは、部屋の中がやけに明るいことに今更ながら気づきました。
そういえば、毎朝決まった時間に聞こえてくる筈のハマーさんの歌声も・・・今日は聞いていません。
まさか・・・と思いながらカーテンを開けたシェラは固まりました。
「キャ――――――――――――ッ!!」
なんて事でしょう。思っていたよりずっとお日様が明るいではありませんか!
夜更かししたせいでしょうか、どうやら完全に寝過ごしたようです。
「ああああどうしましょう、ミカエルさんとの打ち合わせの時間が・・・遅刻してしまいますわ・・・!!」
今日シェラは、本部横のテントで救護班として参加する予定でした。ちなみにミカエルさんとは天使で、村役場の職員です。
シェラは真っ青な顔であたふたと身支度を整えると、朝食も取らずに家を飛び出しました。
赤黒い鎧をまとった長身の男性が、静かに空を見上げて佇んでいらっしゃいました。
>平和だなあ・・・・
「あっ!ごめんなさい!」
急いでいたシェラは思い切りぶつかってしまいました。落ちそうになった猫が、荷物につめを立てて踏ん張っています。
ですが男性はびくともしませんでした。さすがは勇者様です!
「本当に申し訳ありませんでした」
シェラは頭を下げると、今度は回りに注意しながらお祭り会場へと入っていきました。
・・・どうやら間に合ったようです。
「皆さん、おはようございます!準備はいかがですか?」
息を切らしながらシェラはご挨拶しました。
あまりに急ぎすぎたせいか、シェラの頭にはアホ毛が立っていました。
353 :
魔王:2006/11/24(金) 10:57:08
名前:魔王
種族:魔王
性別:男
職業:魔王
外見:山羊の頭に黒マント
身長:ある程度変えられるが、大男に見える
体重:不明。結構重い
好きなもの:散歩、ひなたぼっこ
嫌いなもの:部下の小言
キャラ解説:世界支配をたくらんでいるはずの、無口な魔王様。
でも世界征服計画は部下に任せっきり。
354 :
名無しになりきれ:2006/11/24(金) 10:59:21
「今日は、勇者達の歓迎トラップ点検の日ですから、魔王様は外で散歩でもしてきて下さいね〜」
いつもどうり部屋でゴロゴロしていた魔王様は、部下に城から追い出されてしまいました。
仕方なく魔王様は、巨体を唸らせ空に飛び上がります。
広がる青空、青い海。
人間達の作った立派なお城や塔。
綺麗な景色を見ながら空を飛んでいると、気分が晴れ晴れとします。
そんな魔王様の目が、一つの村に止まりました。
どうやら、お祭りが始まるようです。
なぜかとても興味を引かれた魔王様は、(部下に止められていたので、今までしたことはなかったのですが)こっそりその村に降りてみる事にしました。
おや?いつもの人(魔王)と違う人だ?
「魔王とは、私一人ではないのだ。人間の王が何人もいるのと同じようにな」
魔王様は、重々しく口を開いて
>>354の疑問に(以前部下から聞いた話でしたが)答えてあげました。
アルカンツェルの坊やの親戚か?
>>358 「アルカンツェル…聞いたことのない名だ」
魔王様はそう答えてから、ふとあることに気がつきました。
妖精の話と今の質問を合わせてみると、自分の他にも、この世界を支配しようとしている魔王がいるかもしれないのです!
さあ、大変です。
もしそうなら、その魔王とも戦わなければならないでしょう!
魔王様が思念を集中すると、高い山の上のお城と一軒の店の二つの場所が見えてきました。
どちらかに、もしかしたら両方に世界支配を企んでいるライバルがいるのでしょうか?
魔王様はまず、近くにあるカレー屋の方に向かう事にしました。
祭りが始まろうとしているからでしょう。
人通りが多くなってきました。
魔王様はその中の一人に声をかけます。
「アルカンツェルの店はこの先か?」
360 :
王子:2006/11/25(土) 18:23:36
>359
・・・・ん?すまん俺も祭りがあるから来ただけで詳しくはわからんのだ--------------------------------------------------------------------------------
‐  ̄ ̄ ̄ ヽ
/ \
/ ヽ
////( )\ )\)\ヽヽ
(ししし⌒⌒⌒) )⌒⌒⌒⌒) ) ) ) |
l\ ,ー,、‐/ |,ー,、―、/\|/ヽ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
l\/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ノ ノ ノ | すまんな
l\ /了 | 了 /了 |了 ) ̄| | | .∠ やくにたたんで
\ | | / | .| | .| | | | | | |
/| | .| | | .L.」 / | | | | | .\_______
∧| | | | .| L .| | .| | |J | |
( ヽ| .| | | | | | | | \|ヽ |
ヽ/|ヽ .|_| |_| .|_| .|_| / |
∧ /| | \_______ / / ヽ
/ ヽ/ |___| \_______/| |_ / | /|
汚い手で触るなブス
>361
だがシェラにはニャーとしか聞こえないのだった
ふりゅー!
このメスブタシェラいつか犯してやるにゃ
(ニャーとしか聞こえない)
僕以外に王子をなのってる糞も内臓ブチまけて殺してやるのにゃ
(ニャーとしか聞こえない)
>359>360
そんなことがったことを知らないあーちゃんはせっせとカレーを作り続けているのであった
おいしくなーれ
おいしくなーれ
と唱えながら
ミクミダ「アイモ変ワラズ客ガイッパイデ商売繁盛ダゼ・・・ン注文?今行クゼ」
「急いでくだちゃい」
カレー屋さん?
猫カレーくださ〜い!
ん、呼んだっすか?
猫肉と猫汁たっぷりのおまつり猫カレーください。
368 :
役人:2006/11/25(土) 22:27:14
猫肉密売容疑で逮捕する
猫肉は合法なのですよ。
中華料理にも猫を使うものがあるのです。みー。
370 :
役人:2006/11/25(土) 22:36:09
お前の居た国では合法かもしれないが、ここでは違法だ。
王が猫好きでな・・・猫類憐れみの令を出したんじゃ
つまりこの国だと猫は天然記念物なんだね。
だから猫飼うのも禁止。
猫は消えてください。猫ネタもなし。
>366
怪しいのが来たな・・・・てか明らかに営業妨害だろこれ
自分の国(スレ)に帰りなさい
猫類憐れみってお前
こうやって猫スレに作り変えられてくのか…
お祭りにカレーの屋台は一つしか駄目って法律はない
やはり猫は災いを呼ぶ
378 :
名無しになりきれ:2006/11/25(土) 23:06:22
教会建てないか?
教会どころかそこらに神様歩いてるしな・・・
シスターのみなら可
神父はナシ
>104>105
神様普通にいるよ!!
神父はブッチ神父がいるよ
誰だよその神父
あぼーん
あぼーん
さって・・・今日の晩御飯は何を食べようか
あぼーん
VIP邪魔
あぼーん
あぼーん
あぼーん
今年の秋は豊作になるかな?
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
427 :
名無しになりきれ:2006/11/25(土) 23:42:50
シスター万歳
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
sageてるVIPはニセモノだニャー!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
勝ったニャ!
平和だなあ・・・・
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
AA変えてくれ
あぼーん
あぼーん
あぼーん
もう止めろよ!
ここはほのぼのがモットーのスレなんだぞ!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
472 :
:2006/11/26(日) 00:09:13
>>465 〃〃∩
⊂⌒( ・ー・)
`ヽ_つ ⊂ノ 知らんがな
まあいいや
しもふりの方は無事だし
あぼーん
平和が戻ったな
避難所の存在を知って諦めたみたいだw
しょせんにわかビパーなんざヘタレヘタレ。
みんなほのぼのだぜ〜!
ふむ・・・・じゃあ報告するか
>365
猫カレーとは猫の形の皿に猫の形にくりぬかれたチーズがトッピングされているカレーで
幼児向けの甘口カレーである
おまけとして安いおもちゃがついてくる
それを大人が頼むなんて珍しいこともあるものだとあーちゃんは思った
「はい!ただいま用意するでちゅ!」
猫肉入れてくだちゃい!
>360
「そうか、邪魔をしたな」
魔王様はそのまま立ち去ろうとしましたが、仮面の男が【王子】と呼ばれているのを聞いて足を止めました。
魔王様を召還した娘が、王家への復讐を誓っていた事を思い出したのです。
彼女は今、魔軍の優秀な軍師として魔王様を支えています。
どうして彼女がそこまで王家を憎むのか、この男なら知っているかもしれません。
しかし、今はアルカンツェルの店に行くのが先です。
魔王様は再び、カレー屋を探すため歩き始めました。
>364
ついに魔王様は目指すアルカンツェルのカレー屋台に到着しました。
屋台は大勢のお客で大繁盛です。
魔王様が店主に話しかけようとすると、紫色のリンゴのような使い魔が魔王様の前に飛んできました。
「オイ オ前!
割リ込ミ禁止ダ、チャント列ニ並ビナ」
魔王様は仕方なく、列の最後尾に並び直しました。
>480
ごめんなちゃい衛生上の理由で取り扱ってないんでちゅ
>481
「いらっしゃいでちゅご注文は何でちょう?」
あーちゃんは目の前に来た長身の魔族に注文を聞いた
正直ものすごい魔力の波動を感じていたがあーちゃんにとってはお客はみんな平等なのだ
「上のメニューから選んでくだちゃい」
メニューには
キノコカレー
チーズカレー
カツカレー
コロッケカレー等
色々なカレーが載っていた
交尾したいにゃ☆
484 :
名無しになりきれ:2006/11/26(日) 17:00:59
猫大好きにゃー
485 :
名無しになりきれ:2006/11/26(日) 17:23:34
猫大好きにゃー
さてと明日は祭りか
猫大好きにゃー
猫ってそんなに美味しいの?
猫大好きにゃー
糞キラいい加減にしろ
ねこ静まったか。
ここはたまに荒れるが気にせずほのぼのしようぜ。
だいじょうぶ、名無しも応援するんだからな。
いつまでも荒れたままじゃないさ。
すぐに祭りも始まるんだろ?
きっと盛り上がるから心配する事ないよ。
逃げずに残ったみんなでイベント楽しもうじゃないか!
やっと始まるかと思うとワクワクするなあw
あしたは祭りだ!
起きました。
寝ました。
「・・・じゃない。今日は祭りだー・・・」
思い切り背伸びして起きます。
着替えて荷物を持って再確認。
「よし・・・じゃあ、行こうか。」
ロキの背に乗ると、そのまま屋台まで歩き出しました。
荷物を置くと今日の分の野菜を買出しに行きます。
「おばちゃん、昨日はなんだか勘違いしちゃってごめんねー。
今日は・・・そうね、これとこれと・・・」
品定めをしながら決めていきますが、時間は平気かなと思いつつものんびりです。
だって、ほしふり村の祭りですから。
いつのまにか日にち変わってるし!!まあいいけど今日は祭りかぁ
そういやあ昨日から寝てないな・・・
縦読みに釣られて日にち変えちゃった!?
キングクリムゾン!
その効果により一部の記憶が抜け落ちた
昨日何を食べて何時に寝たか覚えてない
が、確かなのは今日が祭りの日だってことだ
496 :
名無しになりきれ:2006/11/26(日) 22:15:08
猫大好きにゃー
名前:ウイグル村長
種族:人間
性別:男
職業:ほしふり村村長
外見:白ヒゲの巨漢。腰回りだけを覆う服装でマントと兜を着用
身長:3メートル強
体重:500キロ(アニメ版)
好きなもの:強い者。しもふり肉
嫌いなもの:弱い者。逆らう者。難しい漢字。
キャラ解説:豪快で鞭と格闘を得意とする村長。
ほしふり村伝説なるものを作り上げているつもりらしい。
そのため村の名誉に関わる問題には意外と無かれ主義にもなる。しかしそれを実践するのも力任せ。
これ見よがしにお祭りの告知が貼り出してある一軒の家、そこはほしふり村の村長さんの屋敷であった。
村の規模に不釣り合いな程の大きさを持つこの屋敷には、来客を迎えるための部屋が幾つも用意され、
また、村の掟を犯した重罪人達が収監されているという噂だが定かではない。
その噂が放置されているのも、恐怖とほのぼので村を支配しようという村長の方針からだろう。
その巨大な鉄扉を開き、それに負けぬ巨躯を揺らして一人の男が姿を現した。
「わしがほしふり村村長ウイグルである!!」
レスリングパンツと腰巻き姿で堂々たる肉体を誇るように晒し、その上に纏うのはマントのみである。
威厳に見合う重厚な鉄兜にはバイキングを思わせる二本の角と羽根飾り(モヒカン)が付いているの
である。
鞭を携帯しているのも少し変態っぽくてお茶目である。
その彼がウイグル村長である。とにかくである。
「虫ケラどもお!一年ぶりに村長様がほのぼのとした収穫祭をお恵みくださる!!
祭りだあ〜〜っ!!」
家を出た彼を側近の叫び声と、祭りの準備のために集まった村の青年団が迎えた。
「今日はほしふり村の百周年だ。よって祭りを授けよう。わたしに感謝するのだ!!」
村長は伸びをして大あくびをかましてから、村長はゾリゾリとアゴを覆う白ヒゲを指でいじり始める。
「ん〜〜ふふふ」
「う!?」「はわわ!!」「きょ…恐怖の儀式がはじまる!!」
側近と男達の顔が恐怖にひきつる。なぜかメイドロボもいるようだ。
村長の指にはいつの間にかヒゲが抜き取られており、その数は――
「1…2…3…4…5本……
5丁目だ!!5丁目の青年団をひきだせえ!!」
人波の中を押され、5丁目に住む男達が村長の前へ引き出された。
そこにはお祭りにはつき物の御輿があり、その上には村長の専用座席が設けられている。
男達は有無を言わずに御輿を担いで歩き出した。逆らって機嫌を損ねると村長の鞭が飛ぶからだ。
メイドロボも運んでいた。転ばないか心配だ。
「どうどう!フッハハハハ〜〜ッ!!笑顔で広場へ向かええ〜〜い!!」
言われて彼らは笑顔を浮かべる。ボランティアだから、進んでやっているのだから当然だろう。
「ほしふり村に生きるすべてのもの…たとえ虫ケラ一匹でも…
ほのぼのした雰囲気からはいでることはできん!それがほしふり村伝説」
村の中央の広場へ進みながら御輿の頂上で風を感じて、機嫌よく村長が呟いた。
「フッ…。フフフ…観光客よ、くるならこい!
なにびともこのほしふり村、すなわちわたしの伝説をやぶることは不可能!!
わしがほしふり村村長ウイグルである!!」
>495
〉キングクリムゾン!
魔王様は珍しい力が世界に満ちあふれたのを感じました。
誰がそんな強力な力を発動したのか気になりましたが、とにかく今日は祭りの日のようです。
>482
列に並んでいると、やがて魔王様が先頭になりました。
アルカンツェルはすでに魔王様の存在に気づいている事でしょう。
もしかすると、いきなり攻撃してくるかもしれません!
魔王様が少し身構えていると、アルカンツェルが言いました。
〉いらっしゃいでちゅご注文はなんでちょう?
なんと魔王様を敵ではなく、お客として扱うではありませんか!
どうやらこの少年はライバルではなかったようですね。
魔王様もひと安心です。
〉上のメニューから選んでくだちゃい
用事はすみましたがこのまま帰るわけにもいかず、魔王様はメニューを確認しました。
どう違うのかまったくわからなかったので、前の客と同じ物を注文します。
「チーズカレーを1つ。福神漬け付きで」
やがて到着したカレーは、深みのある味がチーズのコクと合う素晴らしいものでした。
魔王様は満足して支払いを済ませ、カレー屋を後にしました。
にゃ
>492
魔王様が道を歩いていると、向こうから見事な白狼に乗った少女が野菜を山積みにしてくるのに出会いました。
毛並みといい、体格といい、実に立派なその狼を魔王様はすっかり気に入ってしまいました。
なにか他の魔王様のペットと交換してもらえないでしょうか?
狼の前に立って交渉してみましょう。
「その狼をこちらに渡してもらおうか」
少女は少し驚いたように魔王様を見ましたが、何も言わずに狼を走らせていってしまいました。
どうやら交渉は失敗したようですね。
魔王様は残念そうに後ろ姿を見送り、また歩き始めました。
>498
やがて、大勢の人が台を担いでくるのが見えました。
台の上では半裸の大男が鞭を振り回して何か叫んでいます。
そのなかで、祭りが…という言葉が魔王様に聞こえてきました。
この集団の行く先で祭りが開かれているのでしょうか?
魔王様は行列の後をついていく事にしました。
502 :
名無しになりきれ:2006/11/27(月) 17:33:41
猫大好きにゃー
503 :
名無しになりきれ:2006/11/27(月) 18:30:56
猫大好きにゃー
504 :
名無しになりきれ:2006/11/27(月) 20:43:34
猫大好きにゃー
猫大好きにゃー
学問・理系シュミレート板からキマシタ
猫大好きにゃー
うーん意味わからん
猫大好きにゃー
猫大好きにゃー
祭り会場のどこかからぐおーぐおーという大きな鼾が響きます。
どこからかと探すと、大きな穴のそこから響いてくるではないですか。
村人が穴を覗き込んだとたん、穴から何かが飛び上がってきました。
そう、イヴァルディです。
前夜祭ですっかり酔いつぶれ、穴の中の超巨大おでぶアメーバーをベッド代わりにして寝入っていたのです。
朝になったので、超巨大おでぶアメーバーが気を利かして外に跳ね飛ばしてくれたのですね。
「あたたた・・・もう朝か。ありがとうよ。」
ちょっぴり乱暴な目覚ましのおかげでちゃんと目が覚めました。
でも、子供達を相手にするトランポリンを管理するにはお酒臭いです。
のそのそと小川に顔を洗いに行くのでした。
>498
顔を洗って会場に戻ると、中央の舞台にウイグル村長がたっています。
「う〜〜む、今年は霜降り村との合同だからウイグル村長も気合が入っておるなあ。」
舞台の上でマントを翻し鞭を振り回すウイグル村長を見て感心したように何度もうなずくのでした。
さあ、お祭りの始まりです。
それはもう、おもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎ。
合同祭のためか、例年では考えられないほどの人手です。
イヴァルディのトランポリンも大盛況。
「いでででで!こら!髭を引っ張るな!そこ、順番を守らんか!一度二十人ずつだぞ!」
子供相手にてんてこ舞いです。
(くそー凛の奴、さてはどこかで酔いつぶれているな?あいつは弱いくせに飲みたがるからなあ。
この人で一人では捌ききれん。早くこいーー)
子供にもみくちゃにされながら、心の中で叫ぶのでした。
「猫大好きにゃー」
どうやら人酔いしたようです。
寝不足のシェラは頭がくらくらしてきました。
村の外の人達が荒くれ者だという事をすっかり忘れていたのも悪かったのでしょう。
単にほしふり村に長く住みすぎて、頭が平和ボケしてしまっただけかもしれませんね。
シェラは凛さんに渡すカバンを村の人に言付けておきました。
もし必要なら取りに来るでしょう。
本部の救護班は人が足りているようなので、何の問題もありません。
シェラは家に戻り、ベッドに潜り込みました。
お祭りはこれからなのですから、皆には楽しんでもらいたいものです。
あぼーん
>501
「それにしてもさっきのお客しゃん大きかったでちゅね」
ミクミダ「今日ハ祭リダ・・・・客ガ多イワケ納得ダゼ」
「それより次のお客でちゅ」
ミクミダ「ワカッテルゼマスター」
>498
「いつ見ても豪快でちゅね村長は」
「・・・・デケエ」
>509
ウイグル村長が鞭をさっと振りかざして合図すると、広場に備えられた大筒からバンバンと花火が(昼間なのであまり綺麗ではありませんでしたが)打ち上げられました。
いよいよ、お祭りが始まったようです。
魔王様も人並みに押されつつ、あちこちの出店を見て回りました。
やがて、子供達が穴に飛び込んでは歓声を上げて飛び出してくる、不思議な場所を見つけました。
興味を覚えて近づいて見ると、なんとさっきまで近くにいたドワーフに群がっていた子供達が、一斉に魔王様の方に向かって突進してくるではありませんか!
「角生えてる!角!かーっこいい!」
「びょーんびょーん」
「チーン」
魔王様の体によじ登って角を触る子や、ヒゲを引っ張る子、しまいにはマントで鼻をかむ子まで出て大変な騒ぎです。
魔王様が困り果てていると、さっきのドワーフが助け船を出してくれました。
「おーい!みんな!こっちに来ればお菓子があるぞ!早い者勝ちだぞぅ!」
子供達はすぐに店主らしきドワーフに向けて殺到し、店主の姿はたちまち子供達によって見えなくなってしまいました。
魔王様はそのドワーフに心の中で礼を述べ、その恐ろしい場所をすぐに離れるのでした。
やっと祭りだ どんなのか楽しみだな
第4王子は祭り会場でうきうきしていた
>515
魔王様が村の中をうろうろしていると、やがて最初の広場に戻ってきてしまいました。
広場では、後で打ち上げるための花火の準備が続けられています。
魔王様が準備をながめていると、拳法家らしい青年が自分と同じように広場を見ているのに気付きました。
拳法家とは武闘家の上級職で、極めると秘孔をついてメタルスライムも一撃で倒してしまう恐ろしい職業です。
もし出会ったのが魔王様のお城だったら、即座に戦いが始まった事でしょう。
でも、このほしふり村ではその必要はありません。
魔王様と青年は、仲良く並んで花火の準備を見学したのでした。
>516
魔王様は自分の正体がバレそうになっているのに気付きました。
新しい気配隠しの魔法(トリップ)に変えた方がよさそうですね。
そーれそれそれおまつりだぁ
「Aテーブルのお客しゃんにチーズカレーでちゅ」
ミクミダ「ハイヨ」
「次はCテーブルでちゅ」
ミクミダ「ワカッタゼ」
「お水運んででちゅ」
ミクミダ「オウヨ」
流石は祭りだいつもより客が多い
よその村からの客もいるのであろう
あーちゃん達は大忙しだ
お祭り会場では、音楽にあわせてみんなが踊り始めます。
魔王様も見よう見真似で踊ってみることにしました。
あっちへふらふら、こっちへふらふら。
踊りとはなかなか難しいものですね。
魔王様は喉が渇いたので、水を飲みにいくことにしました。
大繁盛のあーちゃんのお店の前を通り過ぎ、井戸を見つけた魔王様は早速水をくみ上げて飲みました。
それはとても美味しい水でした。
魔王様がもう一杯飲もうとすると、誰かが話し掛けて来ます。
「いけないねぇ、どうせならもっと美味しい水を飲まなきゃあ」
魔王様が振り返ってみると、一人の魔女がこちらに瓶を差し出しています。
「この瓶の中身を井戸にいれてごらん。そりゃもうほっぺが落ちるほど美味しくなるからさぁ」
魔王様は言われたとおりに瓶の中身を井戸に入れ、また水を飲もうとしました。
するとどうでしょう!
あんなにキレイだった水が、まるで血のようになっているではありませんか!
もちろん魔王様は、そんな事は気にしないで水を飲みました。
水の味が変わっていないように思い、魔王様は魔女の方を見ます。
魔女の姿はどこにも無く、風に吹かれた柳が一枝、楽しそうにゆらゆら揺れているだけでした。
おま○○
ぬけ
おま…
どこかから呼びかけられた気がして、魔王様は足を止めました。
右回りに周囲を見回しましたが、あたりには誰もいません。
…ぬけ
再び声が聞こえたので今度は左回りに周囲を見回します。
やっぱり誰もいませんでした。
近くにいる妖精達の仕業でしょうか?
魔王様は首を傾げつつお祭り会場に戻っていくのでした。
(V)_ (V)
彡ミ(゚∀゚ )彡ミ かに!かに〜!
蟹鍋を食うぞ祭りだからな!!
〉かに!かに〜!
魔王様がお祭り会場に戻るため歩いていると、楽しそうに鍋を囲んで騒いでいる人たちを見つけました。
〉蟹鍋を食うぞ祭りだからな!!
どうやら蟹鍋を食べながら騒いでいるようですね。
こちらの世界にくるまでは蟹を食べたことのなかった魔王様も、今では蟹が大好物です。
アーミークラブやチョッキンロットを大鍋で煮込んだものを部下に作ってもらった事はありますが、ほしふり村の蟹鍋はどんなものでしょうか?
仲間に入れてもらえないか聞いてみましょう。
「その蟹鍋を一杯もらおうか」
食べますか?いいですよ
許可をもらった魔王様は早速、蟹鍋をつつき始めます。
美味しい!
部下に作ってもらった鍋の数倍のおいしさです。
魔王様はおかわりをもらおうと、皿を差し出しました。
すると皿は、急に後ろから伸びてきた手に横取りされてしまいました。
だれが蟹を食べる邪魔をするのでしょう?
魔王様は少し怒りを感じながら振り向きました。
そこには魔王様の部下が満面の笑み(部下がぶちキレそうな時にする表情です!)を浮かべて立っていました。
魔王様の慌て方は見ていてかわいそうになるほどでした。(笑)
529 :
王子:2006/12/14(木) 10:01:40
あ〜ああの魔族の人お付きの人に怒られてやんの
あたしは皿を片手に魔王様に笑顔で話しかけた。
まったく…散歩に行ったまま帰ってこないと思ったら、こんな所でお祭り見学だなんて何考えてるんだろう。
このくだらない世界を滅ぼす計画は全然進んでないのに!
「さ、帰りますよ。まお…マオ様」
さすがに人前で魔王様なんて呼ぶわけにもいかず、あたしは適当な事を言って魔王様を引っ張った。
帰ったらたっぷり小言を聞かせてやる!
ところが、あたしが引っ張っても魔王様は動こうとしない。
それどころかウルウル潤んだ目であたしの方を見下ろしてきたのだ!
どこの世界にウルウル目で部下にお願いする魔王がいるってのよ?
でも、あたしはこの目に弱い。
なんとなく前に飼ってた犬を思い出すから。
しばらく魔王様を睨んだ後、あたしはついに折れた。
「わかりました。でもちょっとだけですよ」
喜んで何度もうなずく魔王様を見ながら、あたしはこんな魔王を呼び出してしまった自分の運のなさを呪っていた…
>529
〉あ〜ああの魔族の人お付きの人に怒られてやんの
なんて声が聞こえてきたので、あたしはそっちを睨み付けてやった。
あたしだって好きで怒ってるんじゃない!って怒鳴ってやるつもりだったんだけど…
相手の顔を見たあたしはびっくりして何も言えなくなってしまった。
なんでこんな所に王子様がいるのよ!?
この国の王子の顔なんて見間違えるはずがない。
王子が戦いに出てきたときは何度もあたしの作戦が邪魔されて、悔しい思いをさせられたんだから。
たった一人で魔族の軍を壊滅させるなんてどっちが化け物かわからないっての。
でも…なんでそんな重要人物がこんな村にいるの?
もしかして魔王様、この村の秘密を探るために潜り込んでた?
考え込むあたしの目の前で。
魔王様は三杯目のおかわりに手を付けようとしていた。
はいよ!!黒王!!もうすぐほしふり村だ!!
そのころ第一王子もほしふり村に向かっていた
猫大好きにゃー
>532
あれはラ王子!!
通称・拳王子
536 :
名無しになりきれ:2006/12/17(日) 22:06:02
「猫大好きにゃー」
しかしほしふり村の猫は絶滅していた
〉あれはラ王子!!
なんて声が聞こえてきたので、あたしは声のする方を見た。
象みたいな馬に乗ってこっちに向かってくるのは
見間違えようもない、この国の第一王子
通称・拳王子だ。
おつきの人がいないのを見ると、お忍びで来ているのかもしれない。
まあ、王子の顔はみんな知ってるみたいだからあまり意味なさそうだけど。
とにかく第一王子の登場は、あたしの疑念を深めるのに十分なものだった。
いくら祭り期間中だからって、王子達が次々にこんな村に来るのはおかしい。
やっぱり今のうちにほしふり村の秘密を調べておいた方が良さそうだ。
あたしは魔王様のマントを引っ張って合図を送り
同時に王子達から死角になるように魔王様の陰に隠れる。
まさか顔を覚えられたりはしないだろうけど、用心はしたほうがいい。
あたしは魔王様の陰に回りつつ、ゆっくりその場を立ち去る事にした。
539 :
名無しになりきれ:2006/12/19(火) 01:11:38
猫大好きにゃー
540 :
名無しになりきれ:2006/12/20(水) 00:28:41
猫大好きにゃー
王子達の側を抜け出す事に成功したあたしは、村の人々に色々話を聞いて見ることにした。
(こういう時役に立たない魔王様にはリンゴ飴をあげて大人しくしてもらった)
余り良い話は聞けなかったけど、第二王子の情報が少しあたしの興味を引いた。
なんでも病気や怪我を治す秘孔を突いて、苦しむ人たちを助けているらしい。
「第二王子はかなりの人格者で、人望も厚いようです。
王位を継ぐような事になれば厄介かもしれませんね」
うなずく魔王様に話しかけながら、あたしは歩き続ける。
ドン。
考え事をしていた為か、誰かに肩をぶつけたらしい。
「あ、すみません」
あたしは相手に謝って、また先を急ごうとした。
すると…
「待てぇそこの女!」
うわー。変なのに関わっちゃった…
あたしがしぶしぶ振り向くと、チンピラ風の男と目があった。
「この天才の俺にぶつかっておいて、謝りもしないとはなぁ…フフフ…フハハハ」
いきなり笑いだした。
何こいつ?
「ちゃんと謝ったじゃないですか」
一応抗議してみたけど。
「ん〜〜!?聞こえんなあ!!」
なんて返事が返ってきた。
いい加減腹が立ってきたあたしは、言い返してやる事にする。
「言いがかりは止めて下さいよ!
第一自分からぶつかりに来ておいて謝らせるなんて何様のつもりですか!?」
深い意味があって聞いた質問じゃなかったけど、帰ってきた答えは予想外のものだった。
「ん〜知りたいかぁ!?
ならば教えてやろう!
俺はこの国の天才、第二王子さまだぁ〜〜!!!!!」
魔王様のアゴの落っこちる音が、ほしふり村中に響きわたった。
兄さん?・・・・・あれ?なんか違うような
王子「何やってるケン」
ジャ兄さんほらあそこにトキ兄さんが・・・
王子「遠くてわからん・・・がなんか違うような」
あーちゃんはずっとカレーを作っては運び
作っては運んでいます
3時までは休みがないのです
あーちゃんはミクミダに仕事お任せてさぼろうかとも思いましたが
そういうわけにはいかないのです
ミクミダ「5番テーブルカツカレーダゼ!!」
「わかったでちゅ」
545 :
名無しになりきれ:2006/12/23(土) 03:01:41
ぐふ・・・
あたし達と第二王子の騒動を聞いて野次馬達が集まりだした。
まずい。
あまり人目を引きすぎて、魔王様の正体が万が一にでもバレたら大変だ。
なんとかしないと…
考えるあたしの視界に、チラリと鉄仮面の王子の姿が入った。
これだ!
「あっ!あんな所に第三王子が!」
鉄仮面を指さして叫んだ後、あたしは魔王様の服を引っ張って反対側に走り出した。
魔王様もすぐにあたしの考えに気付いたらしく、同じように走り出す。
少し走った後、近くにあったカレー屋に飛び込んで
あたしは外の様子をうかがった。
さいわい、第二王子が後を追ってきた気配はない。
少し安心して、あたしは店の中を見回した。
なかなか繁盛しているようで、魔族らしい店員が忙しそうに働いている。
その光景を見ていると、なんだかあたしもお腹がすいてきた。
なにか食べていこうかな…
ぬるぽ
>>547 神おめ
……あら?ぬるぽを追って来たらこんな所に…。
ここはどこかしら?
>546
「いらっしゃいでちゅご注文はなんでちゅか?」
また村では見かけない女性の客さんですがあーちゃんは気にしません
「メニューはこちらになっておりまちゅ」
あーちゃんはメニュー表をそのお客さんに見せました
メニューには
キノコカレー
チーズカレー
カツカレー
コロッケカレー等
色々なカレーが載っており
他にもあーちゃんスペシャルお祭りカレーというのや
お子様用のカレーなどいくつかの新商品が載っていた
ふと見るとパパじゃない魔王さんがいる
お客さんを連れてきてくれたのだろうこんなにうれしいことはない
>548
祭り見学かい?
ついでにテンプレ書いて住人になったらどうだ?
たのしーぞー
>550
つ【テンプレ】
おまいも書くよろし
>548
お客の中には祭り見物に訪れた旅人も多いようで
ぬるぽを追ってきたらしいお客が、ここがどこなのか聞いている。
ぬるぽって何?
>549
〉いらっしゃいでちゅご注文はなんでちゅか?
あたしが他の客に気を取られてるうちに、
魔族の店員がメニュー表を持って注文を取りにきた。
〉メニューはこちらになっておりまちゅ
あたしは差し出されたメニュー表をのぞき込む。
カツカレーって美味しそうだなぁ
いや、でもキノコカレーも食べてみたいし
コロッケカレーも捨てがたいかも…
さんざん迷った末に、あたしは新商品の
あーちゃんスペシャルお祭りカレーを頼むことにした。
「マオ様、あたしはスペシャルカレーにしますけど、
マオ様はなに頼むか決めましたか?」
魔王様はメニュー表を見つめながらきっぱりと言った。
「いつもの奴を山盛りで」
あ…どうも。テンプレってこれですね?
じゃあ……(カキカキ)
名前:タイニス
種族:ハーフエルフ
性別:女
職業:シーフ兼プリースト兼バード
外見:とんがり帽子が特徴の一見妖精風
身長:160センチ
体重:45キロ
好きなもの:宝物
嫌いなもの:浮気者
キャラ解説:アレクラスtからやってきたハーフエルフのシーフプリーストです。特技は愛用の武器メイスでバッタバッタと敵を殴り屠る事♪
普段はある兄弟とパーティを組んでいますが、今回なぜだかこの不思議な世界に迷い込んできました。
それは伝説の隠れメニューいつものやつ
幻のキノコいつもだけを利用したカレーである
「・・・・わかったでちゅ」
ミクミダ「ン!ワカッタゼ」
ドン!!
ものすごい大きい皿が魔王の前に置かれた
「それとスペシャルカレーでちゅね」
ミクミダ「ハイヨ」
とんっ・・・・・
ものすごい豪華なはずだが・・・・いつものやつのせいでしょぼく見えるのは気のせいだろうか?
猫大好きにゃー
>554
〉ドン!!
魔王様の前に置かれた大きな皿には
これでもかとばかりに、カレーが盛られていた。
〉とんっ・・・・・
続けてあたしの前にもスペシャルカレーが置かれた。
カレーにしては随分豪華なそれをスプーンですくい、口に入れる。
美味しい…
こんな田舎の片隅にあるカレー屋の物とは思えない。
十分王都でも通用するんじゃないだろうか。
ん?さっき魔王様、【いつもの】って注文してたよね?
お店の人がすぐに対応したのを考えると
魔王様、もしかしてこの店の常連?
そうか魔王様、あたしが自分で造った失敗作を食べてるときに
こんな美味しい店に食べに来てたのか…
帰ったら小言の時間を二倍に増やしてやる…
しばらくして、味にもボリュームにも満足したあたしはスプーンを置いた。
魔王様はまだ山盛りいつものカレーと格闘中。
あのペースなら完食は間違い無いだろう。
>553
魔王様を待ってる間に、あたしは他の客の様子を観察する事にした。
さっきのエルフ系らしいとんがり帽子の女の子がカレーを食べている。
…食べてるときに話しかけるなんてマナー違反だけど…少しくらいならいいかな?
あたしは女の子に近づき、思っていた疑問を口にした。
「あの、すみません。
あなたが探していた【ぬるぽ】ってどんな物なんですか?」
あたしが聞いてみると魔王様が後ろで小さく
「がっ」
と言った。
>>557 すごい!カレーおいしい♪
…お?女性に話しかけられたわ。カレーをすくうスプーンを止めよう。
えーと、【ぬるぽ】は【ばぐ】というモンスターの一種ですよ〜。発生したら『ガッ』と叩かないといけないんですぅ。
後ろの方、お詳しいんじゃないですか?さっき『ガッ』て…
>558
〉【ぬるぽ】は【ばぐ】というモンスターの一種ですよ〜
【ばぐ】…?
見たことも聞いたこともないモンスターだったので
ちらりと魔王様の方を見てみる。
カレーを食べつつ、首を振る魔王様。
魔王様も知らないみたい。
〉後ろの方、お詳しいんじゃないですか?さっき『ガッ』て…
ギロリと魔王様の方を睨みつけてみる。
カレーを食べつつぶんぶん首を振る魔王様。
…怪しい。
…ともかく、【ぬるぽ】はほしふり村の秘密とは関係なさそうだ。
少し残念だけど
ま、秘密なんかそんなすぐにはわからないか。
あたしは気を取り直して、簡単に自己紹介する事にした。
「教えてくれてありがとうございます。
あたしの名前はフィーナ。
あちらにいるマオ様のお供で、この村にはお祭り見学に来たんです。
また何かあったら、よろしくお願いしますね。」
>>559 へ〜。フィーナさんっていうんだ。あ、ごめんなさい。自己紹介が遅れちゃった。
私はタイニスといいます。旅の途中でここに迷い込んでしまって。
こちらこそよろしくお願いしますね〜。
ところで後ろの方はお連れ様ですか?
>560
タイニスさんか…
旅人なら、この村の事はよく知らないだろう。
村の秘密は聞いても無駄かな。
〉ところで後ろの方はお連れ様ですか?
魔王様がうなずいているのを横目で見ながら
あたしはきっぱり言い切った。
「お連れと言うより、あたしはマオ様の保護者です」
がっくり肩を落とす魔王様。
事実なんだから仕方ないでしょ、まったく…
そうだ。
せっかく知り合ったんだからタイニスさんも利用して情報を集めよう。
「マオ様はお祭りに来るのは初めてなので、いろいろ見て回りたいらしいんです。
もし村の中でなにか変わったものがあったら、教えてもらえませんか?」
あたしはニッコリ笑ってタイニスさんに話しかけた。
名前: キル・セイガ
種族: 人間
性別: 男
職業: 神官戦士(マーファ)
外見:ちょっとイケメン
身長: 175
体重: 65
好きなもの:女の子、ギャグ
嫌いなもの:魔王、ラッキョ
キャラ解説:運命の北斗七星に導かれ、運命の姫を探しにほしふり村にやってきたと言う神官戦士。マーファ神官らしいが、かなりアレンジが入っている。
うみゅ・・・・よそのかたなの?
俺の名はキル・セイガ。
今は亡き王国の、いつか見た美しく気高い純白の姫を探している神官戦士だ。
北斗七星に導かれ俺はこのしもふり村にやってきた。とりあえず腹が減ったので何か食うか。しもふりというからには、肉が美味しいのかもしれない。
やあ!そこのかわいい娘さん、この村の名物は何かな?
「はい、ほしふり村には王国一美味しいカレー屋があります。」
ほしふり?
俺の顔を見てぽーっと微笑むかわいこちゃんの後ろに、ライトな書体の看板が見えた。
【いらっしゃいまほ!私たちのほしふり村にようこそ☆】
けっ!このカレーマズすぎるぜ!
そりゃあ非人間族用カレーじゃないか
人間が食ってうまいわけないだろ
名前:ピルエ・オーウェン
種族:人間
性別:女
職業:一般人
外見:栗色の背中までの長さの髪の毛にエメラルドグリーンの瞳、紐を引っ張ればすぐに脱げる服を着ている
身長:129cm
体重:25kg
好きなもの:お父さん、お母さん、美味しいもの、甘いお菓子
嫌いなもの:苦いもの、辛いもの、美味しくないもの
キャラ解説:純粋で無邪気な少女。
だけど親の趣味で脱着が簡単な服ばかり着せられる不憫な娘
特筆すべき点は特に無し
アイヤー!そのカレーはうちの肉つかてるアルよ
いい加減なこというと叩きのめすアル
あたしはピルエ・オーウェンって言います
お父さんとお母さんの言い付けで、今日からこのほしふり村で暮らすことになりました
一人で知らない場所で暮らすのはちょっぴり恐いけど、村の人と仲良くなれるように頑張ります!
…引っ越しがおわったから村の人にご挨拶に行くために外に出ました
…道行く村人さんはさまざまな種族の人がいっぱいでびっくりですがあいさつしてみます
「はじめまして、あたしはピルエって言います。今日からこの村で暮すことになりました。よろしくおねがいします」
あたしの言葉に村の人は笑顔で歓迎してくれ、皆さんが口を揃えて
【カレーが美味しい村だから一度は食べなさいな】
??カレー?何で?どうしてカレーが出てくるの?不思議に思っていると村の人が指を差してくれました。
その方向にはカレー屋さんが……カレー…?カレー…かれー…
あたしはその場で考え込んでしまいました
ジャーン!
でかいドラのような音で目が覚めた。誰かが「ともよー!」と叫んでいる。
この村の村長の像の前を通ると、とんでもないツラをしていた。
普通の奴なら「あべし!」と言って逃げて行きそうだが、ここの村人は和やかに像の前で談笑している。
噂のカレー屋に行くと、何人かが子供の店員らしい奴に向かって悪態をついている。
『そこまでにしておけ。香ばしいのはカレーだけで十分だ』
なにおうと向かってきた奴らをあっさり剣の柄で殴り倒してやる。
『純潔なるマーファ様を貴様らの汚らしい血で汚したくはない。うせろ』
ごろつき達は逃げていった。
まったく、世の中には666体の魔王が世界征服を狙ってるってのに。雑魚に構う暇はない。
カレー屋での情報収集を終えたあたしは
魔王様が食べ終わる頃を見計らって支払いを済ませた。
店を出ていこうとすると、なにやらカレーがマズいと騒いでいる男がいる。
そこにカレー屋に肉をおろしている人が割り込んで、騒ぎが大きくなりだした。
しまった、店を出そこなっちゃった…
あたし達が騒ぎに巻き込まれないように店を出ようとすると
神官戦士らしい男が仲裁に入ったようだ。
〉そこまでにしておけ。香ばしいのはカレーだけで十分だ
その隙に、あたしと魔王様はさっさと外に逃げ出す事に成功した。
せっかく第二王子から逃げ出したのに、また騒ぎに巻き込まれたら大変だしね。
外にでたあたしは、空を見上げた。
太陽は真上から微妙に傾き始めている。
祭りはこれから夜に向けて一層盛り上がって行くだろう。
そんな事を考えていると、何となくあたしもお祭り気分に浸りたくなってきた。
この村の秘密を探るためにあちこち見て回りたいけど
ま、少しくらいなら楽しんで帰ってもいいかな?
まったく‥‥他愛のない
あっさりごろつきどもを片付けて回りを見ると、体のデカい男と女の子がこそこそと店から出てきた。
‥‥‥?
あの女の子、どこかで?
「あ、君達!」
思わず呼びかけた。足を止める二人。
だが、何か違う‥‥?俺の探していた人ではないのか?
しまった、回りの奴らが何事かと見ている!何か言わなければ。
「お前達、今日は俺のおごりだ!」
これだけでは格好悪いので、近くのトンガリボウシの妖精と、栗色の髪をした少女達にも声をかけた。
「君達も一緒にどうだい?」
>570
「た、助かったでちゅ」
あーちゃんは自分を助けてくれた男に礼を言いました
「どこのどなたか知らないけどありがとうでちゅv
これはお礼でちゅ]
そう言ってあーちゃんは男にカレー割引券を渡しました
ミクミダ「・・・・ッテ割引ダケカヨ」
「細かいことは気にしたらいけませんでちゅ・・・あ!お客さんでちゅいらっしゃい」
>572
あたしが空を見つめてお祭り気分に浸っていると
〉あ、君達!
後ろから呼びかけられた。
振り返ってみると、さっきの神官戦士が呼びかけてきたらしく
何か言いたげにこちらをみている。
…まさか魔王様の正体がバレた?
あたしは思わず身構える。
〉お前達、今日は俺のおごりだ!
次の男の言葉は、少し取って付けたようなセリフだった。
まだ魔王様の正体に確信が持てないのだろうか?
他の客にも声をかけている男を見ながら、あたしはどうすべきか考える。
断れば疑われるかもしれないけど、世間話から魔王様の正体に確信を持たれる可能性もある。
幸い食事をしたばかりで、それは断る理由としては十分な物。
危ない橋は渡らない方がいい。
「お気持ちは嬉しいんですが
あたし達、今昼食を食べたばかりなので…」
同意を得ようと横を見ると、そこに魔王様の姿はなく。
あれ?さっきまでここに…
視線を動かし、魔王様を探すあたしが見たのは。
十歳くらいの女の子の服から見えてる紐に
興味を引かれたように手を伸ばす魔王様の姿で。
「ち、ちょっとマオ様!
その紐は引っ張っちゃ…」
遅かった。
きゃあっ!
小さい悲鳴を聞いて俺が振り向くと、さっき近くにいた少女が裸になっていた。
大男が紐を持ったまま、?マークを頭に貼付けている。誰かが「あのバカ‥」と言うのが聞こえた。
何やってんだ、かわいこちゃんの裸を人前で晒しやがって!
俺はサッと後ろに回り込みマントを巻いてやった。
とにかく、この少女をどこか家の中に入れてやらなければ。
俺は女の子を抱き上げると、相変わらず?を頭の上につけている大男と、頭を抱えている連れの女に言った。
「そこのカレー屋に入るぞ!!」
カレー屋さんのそばに来たあたしはお店の中から色々な人が代わる代わる出てきるのを見て
「色んな人が来るカレー屋さんなんだなぁ…」
と、感心したりしなかったりしてたのですが
>>572>>574 【君達も一緒にどうだい?】
【ち、ちょっとマオ様!その紐はひっぱっちゃ…】
男の人と女の人の声が聞こえた次の瞬間シュルシュルと紐が解ける音がしたような気がして
気付いた時には全部服が脱げていて、あたしは体に何もつけていない姿になりました
振り返ってみるとさっきカレー屋さんから出てきた変な人がいて、この人が服の紐を引っ張ったらしいです
…そんなに気にする事ではないけど…誰かに服を脱がされた時は騒いでおけとお母さんに教えられていたのであたしは思いっきり悲鳴をあげました
「…きゃあっ!」
>>575 「そこのカレー屋に入るぞ!!」
悲鳴をあげた直後、格好良いお兄さん(さっきの男の人の声の正体です)のマントを巻かれて抱き上げられたあたしはカレー屋さんの中に連れていかれました。でも大事になると困るので…
「…あたしは平気です〜」
あたしはお兄さんに笑顔で話し掛け、裸なのにも関わらず腕から降りようとしました
あたしが制止の声を上げた時には、魔王様はもう紐を引っ張っていた。
シュルシュルと軽快な音を立てて、結び目が解ける。
まるでスローモーションのように、女の子の服が落ちていく。
後に残ったのは、手の中の紐を不思議そうに見つめる魔王様。
状況がよく分かっていないのか、キョトンとしている女の子。
そして、茫然自失状態のあたし。
何を考えていいのか分からない。
何をしていいのか分からない。
あたしに出来ることと言えば、ただ頭を抱える事くらいだった。
〉…きゃあっ!
女の子の悲鳴が、あたしを現実に引き戻す。
そうだ、まずは服を着せてあげないと!
あたしが動くより早く、神官戦士が女の子にマントを巻き付けた。
〉そこのカレー屋に入るぞ!!
言い残して女の子を抱き上げ、カレー屋に入っていく。
あたしも残された服を拾い上げ
魔王様の手から紐を引ったくって、慌てて後に続いた。
〉…あたしは平気です〜
カレー屋に入ると、意外にしっかりしているのか
女の子がマントから出ようとしている。
って、まだ裸のままだし!
「待って待って!はいこれ、あなたの服よ」
あたしは女の子に服を差し出した。
>大丈夫です〜
俺の腕の中から女の子が出ようとする。
気を使っているのか気恥ずかしいのか。だが下ろす訳にはいかないだろう。
カレー屋の中に入った。ここなら服を着れるだろう。デカブツの相方の娘が、女の子の服を持ってきた。
しかし、なんだこの服は?なぜこんな変な作りをしている?まるで脱がせて下さいと言わんばかりじゃないか。
ふと思い出して、さっき俺が声をかけた娘を見やった。
‥‥やはりどこかで見かけたか?‥‥しかし、俺の探している姫とは何かが違う。それが何かはわからないが。
俺の後ろでデカブツがカレーを注文する声が聞こえた。
>>577>>578 お兄さんはカレー屋さんに入ってからあたしをおろしてくれました
【待って待って!はいこれ、あなたの服よ】
そしてお姉さんに服を渡してもらってから服を着直した後
「格好良いお兄さんと綺麗なお姉さん、ありがとうございます」
笑顔でお礼を言いました。…でも、背中の辺りにある紐を結んでおかないとちょっとした衝撃で脱げてしまうので
「あの〜、重ね重ねすみませんが…ここの紐を結んでいただけませんか?」
背中を向けて誰かに紐を結ぶのを頼んでみる事にします。
…後ろでは誰かがカレーを頼んでいました…
あーちゃんはいきなり魔王さんと女の人が小さな裸の女の子を連れてきたのを見て思いました
あれは夫婦で子供を一緒に連れてきたんだ・・・・と
大いなる勘違いをしたままあーちゃんはカレーを作り続けます
お客さんはいっぱいいるのです
ミクミダも大忙しです
そんな中祭りはますます盛り上がってきました
581 :
名無しになりきれ:2007/01/05(金) 20:27:33
〜いわしょ
582 :
王子:2007/01/05(金) 21:35:31
ふう・・・あとは二番目の兄さん(本物)が来るまで待つだけか・・・
服を着直した女の子は、笑顔であたしたちにお礼を言ってくれた。
よく出来た子だなぁ、魔王様のせいであんな目にあったのに…
あたしが感心していると、女の子は背中を向けた。
〉あの〜、重ね重ねすみませんが…ここの紐を結んでいただけませんか?
確かに結んで置かないと、また脱げちゃうもんね。
「いいわよ、ちょっと待ってね」
背中の紐を結んであげている間、神官戦士の視線がなんとなく気になった。
こっちの顔を伺うように見ているんだけど、あたしの事知ってる?
昔の記憶を呼び出して、男の顔と照らし会わせる。
見知った顔ではないはずだけど…
魔王様のカレーを頼むのんきな声が聞こえてきた。
誰のせいでこんな事になったと思ってるんだ!
カレーはさっき食べただろうが!
女の子の背中の紐を結び終わったあたしは、
魔王様の所へすっ飛んでいって襟首を引っ張った。
「すいません、今の注文取り消しでお願いします!」
魔族の店員の応対は、何かを誤解したようなものだった。
妙な勘違いされてなきゃいいけど…
騒ぎが一段落付いた所で、あたしは魔王様と一緒に自己紹介する事にした。
もちろん魔王様のことは隠したままで。
デカブツを引っつかんできた娘が、自己紹介を始めた。
なんでも二人でこの村の祭を見学に来たとの事。
だが何かひっかかるな。
あのデカブツはともかく、乱暴そうに見えるがあの娘の振る舞いや身のこなしは町娘のそれじゃない。相当良いところの出だ。
まさか俺の探していた‥‥
あ。
そこまで考えて、ふと思い当たり、彼女の顔から少し下に視線を向けてみる。
・・・・・
・・・・・・・・
間違いない。人違いだ。絶対に。
あの人はペッタンじゃない。
俺はフゥと息をはいて、これからどうするか考える事にした。こいつらと行動すべきか、それとも‥‥
>>583 あたしの紐を結んでという頼みに対して…
【いいわよ、ちょっと待ってね】
そう言ってお姉さんは服の紐を結んでくれたのですが…結びおわった後に大きい人の所へ飛んでいくように走っていき、首を引っ張っりました。
【すいません、今の注文取り消しでお願いします!】
その時、あたしの服を脱がした人が何となく小さく見えました
…ややあって、お姉さんとあたしの服を脱がした人は自己紹介をしてくれました
フィーナさんとマオさんって言うらしいです
あたしもお返しに自己紹介します
「あたしはピルエ・オーウェンって言います。よろしくお願いします♪」
>>584 その時、格好良いお兄さんがお姉さんの方を見てため息をついてました
あたしも真似をして見てみると、偶然お姉さんの胸の辺りが見えました
…ん?胸の辺りが少し寂しい気がします。確かあたしの住んでた町ではお姉さんの胸はみんな大きかったです
確か胸は揉めば大きくなるはず…あたしは後でお兄さんと一緒にフィーナさんの胸を揉んであげようと思いました
>>580 ふと振り返るとカレー屋さんのカウンターの中で動いてる男の子が見えました
あたしとおなじくらいの大きさかな?…でも、耳が尖っているから人間じゃないみたい
気が付くと、あたしはその男の子をじぃっと見ていました
>585
あーちゃんはふと視線を感じそっちのほうを見ました
ちょっとだけ気になったあーちゃんは彼女に声をかけようかとも思いましたが・・・・
とびっきりの笑顔でピルエに笑いかけただけで厨房のほうに戻っていきました
ミクミダ「ハハン惚レタナマスター」
ミクミダがそんな風に勝手なことを言っているようですが
あーちゃんは忙しくてそれどころじゃありません
まだまだ沢山のお客さんが待っているのです
「5番テーブルにカツカレーでちゅ!!」
あたし達が自己紹介すると、2人もそれぞれ名前を教えてくれた。
キルにピルエちゃんか。覚えておかなきゃね。
あたしがキルの視線を気にしつつ、どうやってここから抜け出そうか思案していると。
視線が顔から胸の方に移動したのを感じた。
しばらくして聞こえるため息。
こっ、これはもしかして…
こんな時だけ働くあたしのエスパー能力が、答えを導き出す。
あたしの胸が無いのを馬鹿にされた!?
そりゃ確かに姉さん達から
『フィーナって胸無いね』
『どちらかと言えば、えぐれてるよね』
『可哀想…』
とか散々言われたけど!
何で今会った奴にまで、馬鹿にされなきゃいけないの!?
ふと気づくと、ピルエちゃんまであたしの胸を見てる。
こ、こんな小さな子にまで馬鹿にされるなんて…
あたしは顔に笑顔を張り付かせたまま、ギギギと魔王様の方を見る。
「そういえばマオ様、そろそろ祭り見学に行きたいですよねえ…?」
何が恐ろしいのか、首がちぎれそうな勢いでうなずく魔王様。
「そんなわけなので、あたし達はもう行きますね!じゃ!」
あたしは早口で言い終えるとカレー屋を飛び出した。
588 :
名無しになりきれ:2007/01/10(水) 12:15:41
「な、何するだー!!」
偽王子「おまえの怪我を治してやってるんだ・・安心しろ俺は天才だ!」
???「まてい!!」
偽王子「ん?・・・・・って王子(本物)!!」
第2王子「どうやらわたしの影武者が迷惑を掛けたようだ・・・すまない」
あーもう!イラつくったら!
あたしが怒りをこらえきれずに歩いていると、
何か騒ぎが起こっているのか、人が集まっている場所に出た。
〉な、何するだー!!
〉おまえの怪我を治してやってるんだ・・安心しろ俺は天才だ!
見てみると見知った顔が、治療と称して嫌がる村人に何かしようとしている。
ゲキシンコーを突けば!とか聞こえて来たけど、そんなツボあったっけ?
ま、いいか。
またあの変態王子に、からまれても困るし…
あたしが立ち去ろうとした時、誰かが第二王子を止めた。
〉まてい!!
〉ん?・・・・・って王子(本物)!!
〉どうやらわたしの影武者が迷惑を掛けたようだ・・・すまない
え?え?影武者?
って事は…後から来た方が、本物の第二王子?
確かに本物の方は貫禄があり、王子と言われても納得できる。
どうでもいいけど、なんで似てない男を影武者にしてるんだ…
「マオ様、いよいよ四人の王子がそろいましたよ…」
言いながら振り返ると、そこに居るはずの魔王様の姿がない。
付いてきてたはずだったのに…まさか、カレー屋に置いて来ちゃった!?
マズい!すぐ探しに戻らないと!
でも…カレー屋はどこ…?
>あたし達は祭見学に行きますんで。じゃっ!
娘は店を飛び出していった。
‥‥‥?
何かひっかかる。
「魔王様行きますよ!」
魔王だと?
ふと見てみると、そのままカレーを食べるべきか、娘についていくべきかオロオロ迷っているデカブツの姿があった。
‥‥ちょっと確かめてみるか。
「ここのお代は俺が払うぜ」
ぱあぁと明るくなるデカブツ。
「ま・お・う・さ・ま」
カレーの皿が、手から滑り落ちた。
>590
「なんかあったでちゅか」
と言いつつ近づいて魔王さんの顔を見るとなんかぎこちなかった
お忍びがばれて本国に強制送還でもされるんだろうか?とあーちゃんは勘違いした
ミクミダ「落トシタカレー掃除シトクゼ」
「まかしたでちゅ」
あーちゃんはどうしたものかと考えたが・・・・どうしようもないことに気づき
厨房に戻った
>>586 男の子は私に笑顔で笑いかけた後、中に入っていきました
…何か変。顔が熱くなってます
>>587 男の子が中に入ってすぐに
【そういえばマオ様、そろそろ祭り見学に行きたいですよねえ…?】
と言う声が聞こえ、振り向くと首がちぎれんばかりにうなずいてるマオさんが見えました。
【そんなわけなので、あたし達はもう行きますね!じゃ!】
そしてフィーナさんはそう早口で言った後にカレー屋さんを飛び出していきました
あたし、何か怒らせるような事言っちゃったのかな…?謝るために後で追い掛けないと…
とりあえず、後にはカレーのお皿を持ったマオさんがぽつんと立っていました
>>590 そのマオさんにキルさんが
【ここのお代は俺が払うぜ】
…何て太っ腹なお兄さんなんでしょう。マオさんも喜んだみたいなのですが次の瞬間
【ま・お・う・さ・ま】
キルさんがそう言うとマオさんの手からカレーの皿が滑り落ち、カレーが床にこぼれてしまいました
…まおうさま?…どういう事なのかな?あたしはわからないのではてなと頭を傾げ言いました
「まおうさまってなんですか?」
>>591 【なんかあったでちゅか】
はう!あの男の子が近づいてきてマオさんの顔を見ている
【落トシタカレー掃除シトクゼ】
【まかしたでちゅ】
もう一人中から出てきて床にこぼれたカレーを掃除していきました
…でも何だろう。この連携会話…羨ましいかも?…声をかけようか迷っている間に男の子はまた中に戻っていっちゃいました
あたしの馬鹿…
フィーナが怒って出ていったので、速く追いかけなければなりません。
でも、カレーを持っていく訳にはいかないでしょう。
困る魔王様の近くに、さっきの青年が近づいてきました。
〉ここのお代は俺が払うぜ
なんて親切な青年なのでしょう!
魔王様は顔を輝かせました。
でも…
〉ま・お・う・さ・ま
続く言葉を聞いて、魔王様の顔はみるみる青ざめました!
(見た目は変わりませんでしたが)
〉まおうさまってなんですか?
なんと、女の子にまで魔王様の正体がバレています!
大変な事になりました。
なんとか誤魔化さなければなりません!
さもないと、フィーナの小言は三日ほど続く事でしょう!
前に緊急時用に教わった言い訳を、試して見ましょう。
「気のせいだ。我は通りすがりの観光客にすぎん」
魔王様は威厳を込めて言いました。
後はもう一押しですね。
ふと見ると、気づかない内に落としてしまったのでしょう。
床に落としたカレーを、使い魔が掃除しています。
早速利用する事にしましょう。
魔王様は、しゃがみ込んで掃除を手伝いながら言いました。
「真の魔王なら、こんな事をすると思うか!?」
>593
ミクミダ「アア・・少ナクトモマスターノ親父ナラヤラネエナア・・・マア,アンガトヨ」
何気にミクミダが爆弾発言をしました・・・・ミクミダはあったことないはずなのですが
ですが「魔王が掃除の手伝いをする図」のインパクトには勝てません
ミクミダが掃除をしているのであーちゃんは一人で大忙しです
カレーを盛り運び注文を聞いています
例の蓋がついていて羽が生えたお皿をも大活躍です
よその村から来たお客さんには受けがいいみたいですけどねv
>真の魔王ならこんな事をすると思うか?
そういいながらも奴の目はキョロキョロ、手はそわそわ、汗はダラダラ。言葉は勇ましいが声が多少上ずっている。
今のこいつの言動を見たら、どんなボンクラ陪審員でもコイツは有罪だと両手を上げるだろう。
魔王退治と行きたいところだが、祭の最中であるし、さっきの娘との関係も気になる。なぜコイツがあんな娘にへいこらしているのだろうか。
‥‥まあ、今はいいや。マーファの慈悲だ。
「わかったわかった。じゃあ皆で祭見物と行こうじゃないか、なぁ?」
魔王はホッとしたようだ。
〉アア・・少ナクトモマスターノ親父ナラヤラネエナア・・・マア,アンガトヨ
無事カレーを掃除し終えると、使い魔がお礼を言ってくれました。
やっぱり、人の役に立つのは気持ちがいいですね。
〉わかったわかった。じゃあ皆で祭見物と行こうじゃないか、なぁ?
どうやら、戦士風の男も納得してくれたようです。
めでたしめでたし、ですね。
魔王様は元気をだして、カレー皿が飛び交う中、立ち上がりました。
せっかくお祭り見物に来たのですから、少しでも多くの物を見て回りたいですよね。
「ではこれより、祭り見物に出発する!」
魔王様は高らかに宣言します。
威厳を取り戻したその姿は、まさに魔王としてふさわしいものでした。
だから、今もカレー屋を探して走り回っている
フィーナの事をすっかり忘れてしまっているのは、黙っておく事にしましょう。
597 :
名無しになりきれ:2007/01/17(水) 12:55:06
4王子集結!!
・・・・だがやっていることは唯の祭り見物だったりする
さすがに4人そろうと迫力が違う原哲夫の絵みたいな顔だし・・・
ちなみに右から第一王子、第二王子、王子、第四王子である
>596
「わーいアイス!!おいしそうなの〜!!」
ドンッ!!
屋台でソフトクリームを買ったばかりの女の子が、駆け出した途端魔王様とぶつかりました。
女の子はぺたんと尻餅をつきました。
買ったばかりのアイスは、魔王様のマントにべっとりとついています。
「アイス……あ!」
女の子は、魔王様にアイスをぶつけた事に気づいたようです。
子供の目から見れば、魔王様の威厳は高圧的に映るかもしれません。
「おじさんごめん、わざとじゃないの、ごめんなさ……」
女の子は涙を浮かべながらぶるぶる震えています。
なんだなんだと野次馬が詰まってきました。
>597
もしかしたら、女の子が脅されているようにも見えるかもしれませんね。
あたしがなんとかカレー屋に戻ってくると、四人の王子が勢ぞろいしていた。
一人ずつでも迫力十分なのに、四人並ぶとさらに迫力が上がる。
なにも、わざわざ並ばなくてもいいのに…
もしかして、いよいよこの村の秘密が明かされるとか!?
あたしは王子達の視線の先に、目を向けた。
そこには人だかりができていて、真ん中には山羊頭の大男が…って
あれは魔王様!
あれほど目立つことはするなって言ったのに!
野次馬をかき分けて前に出ると、そこにはマントにアイスをくっつけている魔王様と
涙を浮かべながら、ぶるぶる震えている女の子の姿。
〉おじさんごめん、わざとじゃないの、ごめんなさ……
女の子のセリフを聞いて、だいたいの事情がわかった。
しかし、この構図はまずい。
魔王様が、女の子をいじめているようにしか見えない。
「マオ様何をしてるんですか!
しばらくそこで、反省してて下さい!」
魔王様に反省のポーズを取らせておいて、あたしは女の子を安心させる事にした。
「ごめんね、あのおじさん怖かったよね。
でも怒ってないみたいだから、安心して。」
あたしは女の子に、アイス分のお金をあげることにした。
600 :
名無しになりきれ:2007/01/18(木) 10:06:41
劇画調だ・・・・
「お外が騒がしいでちゅね」
あーちゃんは窓を開けてそういいました
ミクミダ「ソレヨリマスター客ハマダマダイルゼ」
「わかってまちゅ!!」
あーちゃんはおちおち外を見ている時間さえありません
お客はまだまだいっぱいいるのです
あーちゃんは仕事に戻ることにしました
602 :
名無しになりきれ:2007/01/19(金) 17:14:54
平和だ
>599
「わあい、ありがとうおねえちゃん!」
女の子は大喜びです。
魔王様の反省のポーズがとても親しみやすかったのもあったのかもしれません。
「あ、でもお洋服ごめんなさい。ちょっといい?」
女の子はハンカチを取り出し、ソフトクリームを拭き取ろうと魔王様のマントをおもむろに摘み上げました。
そういえば、麻王様のマントの中身はどうなっているのでしょうね?
〉わあい、ありがとうおねえちゃん!
とりあえず女の子が泣き止んだので、あたしは内心胸をなで下ろした。
さっきのカレー屋のお客まで、野次馬に混ざりそうだったから
みんなの警戒心は、少しでも解いておいた方が良い。
〉あ、でもお洋服ごめんなさい。ちょっといい?
女の子はマントの汚れを拭き取ろうと、マントを摘んで持ち上げた。
魔王様のマントの下は、ごく一般的な旅人の服。
人間形態になってもらっていて良かった…
本来の魔王様の姿は、殺人鬼も裸足で逃げ出しそうな凶悪な姿。
とても人前に出れる格好じゃない。
そこであらかじめ、第一段階とやらに変身してもらったのだ。
もちろん、人間形態は魔王様にも負担がかかる。
今の魔王様は、本来の力の半分も出せないだろう。
でも情報集めには、それで十分。
後は迅速に、村の秘密を探って帰るだけ!
あたしは、マントを拭いてくれた女の子にお礼を言って
魔王様をつれてまた歩きだした。
とは言っても、祭り見物に来て歩いてるだけでは不自然かも…
少しは、夜店巡りでもしようかな。
何か面白そうな店がないか、あたしは周りの夜店を見回した。
605 :
名無しになりきれ:2007/01/22(月) 03:59:55
クリームソ−ダか・・・
うむこれにしよう
祭りは良いなあ
「願いが叶うお守り、今なら安くしとくよ。
あんたも一つどうだね?」
〉クリームソ−ダか・・・
うむこれにしよう
祭りは良いなあ
声がする方を見ると、4人並んでクリームソーダを食べる王子達。
…クリームソーダ屋は危険だ。
あたしは魔王様を引っ張って、そこを離れた。
何か他に楽しそうな店は…
〉願いが叶うお守り、今なら安くしとくよ。
そんな呼び込みが聞こえてくる。
〉あんたも一つどうだね?
え?あたし?
思わず足を止めて、店のおじさんの方を見た。
差し出されたのは、少し薄汚れたアミュレット。
とても願いを叶えてくれるような、凄い物には見えない。
でも…あたしの夢って何?
復讐?
前は確かにそうだったけど、今でもあたしは世界に復讐したいの?
なんだか、急にわからなくなってきた。
この村の、幸せそうなみんな。
その幸せを壊したいと本気で思ってる?
「1つ、貰おうか」
急に魔王様の声が聞こえてきたので、あたしはびっくりした。
包まれたお守りを、あたしに渡してくれる魔王様。
もしかして、気を使ってくれたのかな。
「ありがとうございます」
あたしは笑って、魔王様に言った。
今はとりあえず、お祭りを楽しもう。
考えるのは、いつだって出来るんだから。
608 :
名無しになりきれ:2007/01/23(火) 10:26:27
世界が平和になりますように
黒い服売ります
>609
”黒い服売ります”その看板にときめきを感じたあーちゃんはミクミダに留守番を任せると
お財布を持って飛んでいった
そう文字通り飛んでいったのである
背中に羽が生えてるというわけでもないのに普通に飛んでる
その原理は謎に包まれているが大切なのは飛んでいるという事実
ミクミダ「本当ニ飛ベタンダマスター・・・・」
「この服がほしいでちゅ」
と買い物を済ませると、店に戻ろうとするが・・・・
クリームソーダを食べてる王子たちを見て自分もたまにはカレー以外も食べてみようと店に近づいた
〉黒い服売ります
妙な看板を立てた店が目に入って、あたしは足を止めた。
店に並べられているのは、確かに黒服だけ。
この店、商売になるの?
あたしが立ち去ろうとすると、聞き覚えのある声が聞こえた。
〉この服が欲しいでちゅ
見ると、カレー屋の店員が、服を買っている。
横を見ると、魔王様も黒服を欲しそうに見つめている。
魔族って黒が好きなの?
まあ、イメージ通りだけど…
仕方ない。
さっきのお守りのお礼に、普段着でも買ってあげますか。
あたしたちが、買い物を済ませてる間に
店員の男の子は、クリームソーダ屋に向かった。
でも、王子達がいるあの店は鬼門。
別の場所に移動しよう。
〉世界が平和になりますように
次に目に入ったのは、もはや店の看板とは思えない文字で。
何売ってる店なのか、流石に気になった。
近づくと、看板の他の文字も目に入る。
『金魚を救って、世界に平和を』
…金魚すくいの店か。
魔王様は遊んでみたそうに、金魚すくいを見ている。
「じゃあ、あたしがお手本を見せましょう」
店番に金を払って、ポイを渡してもらう。
金魚すくいなんて、簡単だよね?
遊んだ事ないけど。
ジャ○「なんだろうあの子供ロイヤル臭がする・・・」
ケ○「ロイヤル臭ってなんだい兄さん」
ジャ○「王族臭いってことだ」
ト○「おまえが言うなよ弟よ」
ラ○ウ「ト○の言うとおりだ我々が言えることではないだろうが」
先に金魚すくいをしていた子が、フィーナをみるなりにこっと笑った。
「見て!俺すげーだろ!!」
子供は何匹も金魚をすくって得意そうだ。
〉見て!俺すげーだろ!!
先に座ってた子が、話しかけてきた。
見ると、手に持った器の中では、数匹の金魚が静かに泳いでいる。
こんな子供でも出来るなんて、簡単みたい。
あたしも早速、ポイを水に浸して金魚を狙う。
ま、最初は動きの鈍いのからすくおうかな。
「おじさん!もう一本!」
「嬢ちゃん。ちょっと熱くなりすぎじゃねえか?
ちょっと休んだ方がいいぞ」
あたしの横には、破れたポイが山積みになっていた。
器の中に入ってるのは、水だけ。
たかが魚をすくうのが、こんなに難しいなんて…
でも、ここは意地でも引くわけにはいかない。
あたしは、新しいポイを握りしめた。
一匹の金魚に狙いを付け、精神を集中させる。
周りの雑音が。
景色が。
急速に遠くなっていく。
さっきまで小さかった金魚が、拡大されたように大きく映る。
あたしは、金魚がいつか見せるであろう、一瞬の隙を待った。
ポチャン
微かに響く水音。
広がる波紋。
金魚の注意が、わずかにそれたのがわかる。
今だ!!
あたしは、素早くポイを金魚の下に滑り込ませた。
そして一瞬後、あたしの器の中では、一匹の金魚が泳いでいた。
やった…!
615 :
名無しになりきれ:2007/01/26(金) 13:16:48
グレイト!!すごいテクだぜ!!
金髪で頭の尖った黒人風の男がそれを見て賞賛した
616 :
名無しになりきれ:2007/01/26(金) 20:22:51
うんことちんこ追加!
〉グレイト!!すごいテクだぜ!!
あたしが金魚をすくった余韻に浸っていると
金髪で頭の尖った黒人風の人が、感心したように誉めてくれた。
いやぁ、なんだか照れちゃうなあ…って、いつの間にギャラリーが!?
見るとあたしの後ろには、かなりの人だかりができている。
全然気づかなかった…
人目に付かないようにしないと駄目なのに、これはマズい。
あたしは早々に、金魚すくいの店を後にした。
店を出てから、魔王様がついて来ていない事に気づく。
見るとなにやら、店員と話しているみたい。
余計な事話してないといいけど…
しばらくして、魔王様は戻ってきた。
手にはあたしがすくった、金魚が入った袋を持っている。
そういえば、すくった金魚はもらえるんだった。
でも金魚なんか飼う場所、あったかな?
新しく造らないと。
魔王様、今度はお面屋の方に向かう。
一応遊びじゃなくて、偵察に来てるんだけどな…
でも、あたしの頭もすっかりお祭り気分になってるしく、別に腹は立たなかった。
あたしは魔王様の後を追いかけて、お面屋に向かう事にした。
次も何か楽しい事があればいいなと、期待しながら。
ぬるぽぬるぽぬるぽぬるぽぬっるぽぬるぽぬるぽぬるぽぬるぽぬるぽ
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッー!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
はっはっは!
ぬるぽ叩きだよーストレス発散に最適だよー
上手な子には商品も出るよー
お面屋には、伝説の勇者や動物、都で人気の役者の面がずらりと並んでいる
魔王(らしきもの)をデフォルメしたお面まで置いてあるようだ
やれやれ‥‥金魚すくいごときであれほどエキサイト出来るとは、まだまだガキだな。
回りを見回すと美味しそうな屋台が並んでいる。
‥‥そういや、あのカレー屋はどうしたのだろうか。
ふとそんな事を考えてみるとお面屋さんがあった。
その中には魔王の面がある。なかなかいい出来だ。
「親父、その面ひとつくれ」
俺は面をつけ、フィーナに近づいていった。ちょっと脅かしてやるか。
あーちゃんはクリームソーダを平らげて王子4人組と分かれると
>620
お面屋さんに行きました
お面屋さんにはあーちゃんのおとうさんやその他の魔王のお面が売ってました
なぜかフィーナさんのとこの魔王のお面は売り切れてましたが・・・・
あーちゃんは懐かしく思い「これくだちゃい」
とつい自分の父親を模したものらしきお面を買い
頭に被るととことこと歩いていきました
ぶっちゃけあーちゃんとあーちゃんのパパの方の魔王は肌の色しか似てません
ですけど父親には違いないのです
お面を被っただけなのになんだか父親に抱っこされてる気分です
なんだかぽかぽかした気分であーちゃんは村を歩きます
お面屋の品揃えは、田舎の屋台にしては豊富だった。
魔王様は伝説の勇者ロトトのお面を、嬉しそうに横にかぶる。
勇者のお面をかぶる魔王…
まあ、カモフラージュにはいいかも。
あたしは代金を支払い、お面屋を後にした。
次に耳に入ったのは、ぬるぽとガッ!の連続。
〉はっはっは!
ぬるぽ叩きだよーストレス発散に最適だよー
上手な子には商品も出るよー
商品に引かれたのか、ぬるぽ叩き屋に近づく魔王様。
金魚すくいではあたしが楽しんだし、今度は魔王様にがんばってもらおう。
ぬるぽぬるぽぬるぽ
ガッ!ガッ!ガッ!
タイミング良く、ぬるぽを叩いていく魔王様。
横でそれを眺めているあたしの肩を、誰かが後ろから叩いた。
ん?誰?
振り向くあたしの目の前に、ぬるぽを叩いているはずの魔王様の顔が。
え!?
思わずあたしは後ずさって、魔王様にぶつかった。
それがマズかったらしく、高得点を逃した魔王様が寂しそうに見下ろしてくる。
よく見るとあたしの肩を叩いたのは、魔王様のお面をかぶったキルだった。
「そんなお面かぶって人を驚かすなんて、どういうつもりですか!」
あたしはキルに詰め寄った。
624 :
名無しになりきれ:2007/01/29(月) 02:07:09
気にしないでっという声がどこからか聞こえた
>どういうつもりですかっ!
フィーナが詰め寄ってくる。ははは、この辺りはまだまだお子様だな。
適当になだめるとどうやら落ち着いたようだ。こういう女性の扱いはなれているからな。
向こうを見ると、あーちゃんが朗らかな顔をして歩いていた。
声をかけようとすると。
!?
背中に走る戦慄
なんだ‥‥このプレッシャーは‥‥!?
後ろを見ると
デカブツがじっとこちらを見ながら涙を流していた。
あたしが詰め寄るとキルは、子供をなだめるみたいに言い逃れを始めた。
子供扱いは気に入らないけど、騒ぎを起こすのはマズいし…
仕方なく、あたしは黙り込む。
瞬間、後ろから強烈な殺気を感じた。
驚いて振り向くと、魔王様が涙を流しながらキルを睨んでいる。
こ、こんな魔王様、今まで見た事無いんだけど…
そんなに景品が欲しかったとか?
とにかく、こんな所で魔王様に怒り爆発されたら大変だ!
「マオ様!ほらあっち!
あっちに美味しそうな焼きそばが売ってますよ!買いに行きましょう!」
あたしは強引に魔王様を連れて、別の店に移動する事にした。
ところが魔王様、引っ張ってもびくともしない。
これはマズい、下手したら死人が出るかも…
あたしが最悪の事態を覚悟した時、気にしないでっという声がどこからか聞こえた。
途端に魔王様、スタスタと別の店に歩きだす。
まるで最初から何事も無かったみたいに。
よかった…上手くいった…
でも、あの声は誰の声なんだろう?
あたしが首を捻っていると、あーちゃんがお面をかぶって歩いているのに出会った。
「もうお店は終わったんですか?」
あーちゃんに話しかけてみる。
>626
「今休憩中でちゅ・・・今頃ミクミダががんばってるはずでちゅ」
そうあーちゃんは答えました
その頃のミクミダ
ミクミダ「マスター早ク帰ッテキテクレ・・」
あまりの客の多さに大変な目にあっていました
ミクミダ「今度ハ2番テーブルカヨ」
がんばれミクミダもうすぐ2時だ!!5時まで休憩できるぞ!!
628 :
名無しになりきれ:2007/01/30(火) 12:09:39
ageにゃー
>今休憩中でちゅ・・・今頃ミクミダががんばってるはずでちゅ
そっか、休憩か。
確かに昼を過ぎれば、お客も少しは減るもんね。
でもあの使い魔、カレー皿持てたっけ?
あーちゃんと話している内に、魔王様は焼きそば屋に到着していた。
あたしはあーちゃんと別れて、魔王様を追いかける。
「焼きそば1つ下さい」
出された焼きそばを食べながら歩く、魔王様の様子を観察する。
良かった。
どうやら、いつもの魔王様に戻ったようだ。
魔王様の機嫌も良くなった所で、ほしふり村の秘密を探っておいた方がいいかも。
まずは、村長の館を探ってみよう。
今、村長は祭りの陣頭指揮を取っている。
残っている留守番の人に、それとなく話を聞いてみるのもいいかもしれない。
あたしは魔王様と一緒に、この村で一番大きい家を目指し歩きだした。
630 :
名無しになりきれ:2007/02/01(木) 11:08:46
世界の秘密大図鑑 一冊 600ペン
村長の家にはメイドさんが残っていたので、村の秘密について聞いてみたけど。
「存じません」
一言で片付けられた。
「いえあの、この村の伝説なんかを教えて頂ければ…」
あたしが食い下がると、それでしたらと本を持ってきてくれた。
題は『世界の秘密大図鑑』。
目次を見ると、ほしふり村の項目がちゃんと載っている。
「これ、貸していただけるんですか?」
「一冊 600ペンです」
「………。」
それからしばらくして、あたしは座って『世界の秘密大図鑑』を開いていた。
ほしふり村ほしふり村…
あった!
そこには、ほしふり村の伝説が書かれていた。
【ほ】ほしふり村
ある日ある場所に、ぴかぴか光るお星様が空から落ちてきました。
お星さまには星の精霊が宿っていて、みんなの願いをかなえてくれました。
人々は精霊への感謝を込めて社を造り、その周りで暮らし始めました。
やがてその場所は、『ほしふり村』と呼ばれるようになりました。
精霊は目には見えませんが、今でもみんなの願いを聞いてくれています。
ほしふり村に行けば、あなたの願いも精霊がかなえてくれるかもしれません。
解説文と一緒に、星の精霊らしき女性の絵が載っている。
普段のあたしなら、『なんで見えないのに顔がわかるのよ!』ってツッコミを入れただろう。
でも、あたしはそうしなかった。
心の中に、引っ掛かるものを感じたから。
あたしはポケットから、魔王様に買ってもらったお守りを取り出す。
願いを叶えるお守りに刻まれた女性は、確かに星の精霊。
みんなの願いを叶えたという、精霊の顔。
気になっているのは、暴走しそうになった魔王様を止めたあの不思議な声だ。
確かにあの時は、魔王様の暴走が止まるように願ってた。
もしかして、あれは精霊の声?
あたしの願いを叶えてくれたの?
お守りの中の精霊は、なにも答えずに微笑んでいる。
まるで、子供を見守る母親みたいに。
「よし!」
あたしは気合いを入れて立ち上がった。
考えていても仕方がない。
まずはこの村で知り合った人に、伝説の事を聞いてみよう!
お祭りの時でも確実に会えるのは、カレー屋さんの店員あーちゃんだ。
「マオ様!カレー屋に戻りますよ!」
叫んであたしは、返事もまたずにカレー屋に向けて走り出す。
途中に見知った顔がいないか、確認しながら。
精霊役の女性が御輿に乗って手を振っている
祭りのイベントだ
その頃あーちゃんは店に帰りミクミダと交代していた
次の5時まではあまり客が来ない
だからミクミダに休憩をしてもらおうと思ったのである
ミクミダ「感謝スルゼ」
客もあまり来ないのでカレーを作るあーちゃん
外を見ると精霊の格好をした女性が手を振っている
それを見て何故だか知らないけどあーちゃんは母親のことを思い出した
ミクミダの方はというと祭り会場で林檎飴を買って食べている
自分も林檎だったのに・・・・
これでカレー屋に行くのは何回目だったっけ?
祭りのイベントを見る人混みをかき分けて走りながら、そんな事を考える。
御輿が担ぎ出されて、その上の女性がみんなに手を振っている。
衣装からして、精霊役の女性といった所か。
あんなに有名なら、最初からみんなに聞いとけば良かった!
そうしたら、こんなに苦労せずに済んだのに!
自分の迂闊さを呪いながら、あたしはカレー屋に飛び込んだ。
今までとは違い、店の中は意外に空いていた。
みんな、イベントを見に出て行ったのだろう。
それより問題は、あーちゃんが休憩から帰ってきてるかどうかだ。
あーちゃんあーちゃん…いた!
奥でカレーを造るあーちゃんを見つけて、側に駆け寄った。
世界の秘密大図鑑を開いて、ほしふり村の事が書いてある所を見せて尋ねる。
「あの、すみません!
ここに書いてある、願いを叶えてくれる精霊の話は本当なんですか!?」
「そうでちゅねぇ・・・・・」
あーちゃんは考え込んだ
そういえば今よりもっと小さい頃あーちゃんのお母さんがそういう話をしていた気もする
「あーちゃんは良く知らないでちゅけどお母さんがそういうことがあるって言ってたでちゅ」
詳しいことは知らないでちゅけど・・・とあーちゃんは続けた
かいつまんで話すと
お母さんいわく精霊の話は本当だということだった
あーちゃんが年齢一桁で店を切り盛りできるのもそのあたりに秘密があるらしい
どうやら精霊は店を建てるときの事務手続きもしてくれたみたいだ
今でも社には精霊の宿ったお星様(半径30cm)が安置されているらしい
「全部お母さんの受け売りでちゅけどね」とあーちゃんは続けた
637 :
名無しになりきれ:2007/02/06(火) 15:53:42
そこは駄目だ!!危険だ!!
あーちゃんの話によると、精霊の話は本当のようだ。
それなら王子達がこの村に集合しているのもわかる。
どの程度の願いまで叶えてくれるのか知らないけど、魔王撃退くらいなら叶えそうだ。
今でも社には精霊の宿る星が残っているらしいから、実際に確認してもいいかもしれない。
ただ、悲しいかなあたしはこの村の事は全然わからない。
あーちゃんのお母さんに詳しく聞いてみたいけど、どうやら近くにはいないようだ。
「あの。よければ、その社に案内してもらえませんか?
お店が終わってからで構いませんから」
あたしが頼んだ時、後ろから誰かが叫んだ。
〉そこは駄目だ!!危険だ!!
驚いて振り向くと、酔っぱらったお客が、酒を飲みならまだ何かをつぶやいている。
しばらく待ったけど、理由の説明は無かった。
こんな平和な村で、危険な場所なんてあるの?
今にも崩れそうな場所に建ってるとか、魔物が住み着いたとか、精霊が狂ってるとか?
「社って、危ない場所なんですか?」
あーちゃんに聞いてみる事にした。
639 :
名無しになりきれ:2007/02/07(水) 11:47:37
隕石から放射能が出続けているらしいぜ
名前:ドラゴン
種族:ドラゴン
性別:男?
職業:ドラゴン
外見:羽が生えた赤いドラゴンです。
他の生き物を怖がらせないように、白い髭をはやしたおじさんになれます。
身長:ドラゴンの時はとっても大きいです。
おじさんの時は150cm位です。
体重:ドラゴンの時はとっても重いです。
おじさんの時は60kg位です。
好きなもの:生き物。
嫌いなもの:一人。
キャラ解説
ほしふり村からちょっとだけ遠い所にある山に住んでいました。
100年間ずっと寝むっていて、ふと目が覚めたら山にいた友達は皆死んでしまって、居なくなってしまったのです。
悲しくなったドラゴンは山から出て、お星さまに導かれてほしふり村まで辿り着きます。
人のままでも火を吹いたり、重いものを持ち上げたりも出来るのです。
精霊の社か‥‥
面白いな。この村の秘密にも興味あるし。
俺はフィーナに声をかけた。
「護衛役ならここにいるぜ?一度みんなで行ってみようじゃねぇか、そこへよ。」
精霊の社にドラゴンが住み着いたらしい
危ないから近寄るなよ
>638>642
「新しい精霊の社の管理人がドラゴンだって聞いたことがありまちゅ
みんな怖いドラゴンだっていいまちゅけど・・・
ロプトウスしゃんとか知ってるとそうでもない気もしましゅ」
>641
「あーちゃんもいくでちゅ」
とりあえずあーちゃんも一緒に行くようなことを言った
ミクミダ「マタ留守番カ・・・・」
あーちゃんのカレー屋は2時から5時まで休憩だ
5時までに戻ってくればいいのでミクミダもどうだとあーちゃんは聞いたが・・・・
ミクミダ「俺ハゴメンコウムリタイネ」
ということだった
〉護衛役ならここにいるぜ?一度みんなで行ってみようじゃねぇか、そこへよ。
話を聞いていたのか、キルが声をかけてきた。
〉あーちゃんもいくでちゅ
しばらくお店が休憩に入るあーちゃんも、一緒に行ってくれるらしい。
あーちゃんはドラゴンが余り怖くないみたいだけど、あたしは凶暴な竜を知ってるだけに不安が残る。
それだけに、仲間が多いのは心強い。
「よし、じゃあ皆で行きましょうか」
あたしはキルとあーちゃん、それに魔王様に頷きかけて扉を開ける。
目指すはドラゴンの住む精霊の社!
一歩目を踏み出した所で、大事な事を思い出した。
「え〜っと…精霊の社のある場所はどこだっけ…?」
あーちゃんかキルに、道案内をお願いしないとね…
精霊の社は、村の真ん中にあるちょっと大きな丘の上にあるような気がしないでもない
646 :
名無しになりきれ:2007/02/10(土) 08:29:28
フリュー…
僕どうすれば…
647 :
名無しになりきれ:2007/02/10(土) 21:27:33
さて途中経過飛ばしてここ精霊の社あるよ
ドラゴンは寝ています。
星の社の近くで、丸まる様にして寝ていました。
大きいドラゴンの姿のままで、寝息なのか鼻から時々火を吹いています。
・・・・・・
「大きいでちゅ」
あーちゃんが見た竜はロプトウスとは比べ物にならないぐらい大きかった
予想外である
とりあえず起こそうと近づいていった
650 :
名無しになりきれ:2007/02/13(火) 00:42:59 0
フリュー…
あーちゃんの案内で到着した星の社の側に、丸まるようにして一匹のドラゴンが眠っていた。
大きい…
それに、時々火を吹いてるし…
怖がる人がいるのも、無理はないかも。
あーちゃんは大きさにはビックリしてたみたいだけど、怖くはないのかドラゴンを起こしに近づく。
ふと、昔聞いた話を思い出した。
ドラゴンは眠っているふりをして油断させ、不意打ちをかけるって話。
このドラゴン、ホントに眠っているのかな…
あたしは魔王様の方を見た。
頭にお面、右手に金魚。左手に綿アメを持って、完全にお祭り見物客にとけ込む格好。
別に緊張する気配もなく、あーちゃんに続いてドラゴンに近づいていく。
どうやら危険は無いみたい。
あたしは少し安心して、あーちゃん達の後を歩きだした。
ドラゴンは近くで見ると、思っていたよりさらに大きかった。
あんまり起こしたくないけど、社の管理人なら声をかけなきゃね…
「あの。あたし達、星の社の見学に来たんです。
中に入ってもいいですか?」
目を覚ましたドラゴンが、怒ってあたしたちを丸焼きにしませんように。
お守りをしっかり握りながら、声をかけた。
652 :
名無しになりきれ:2007/02/15(木) 02:13:03 0
星は何でも知っている
653 :
名無しになりきれ:2007/02/16(金) 22:04:20 0
放射能が出てるがほしふり村の人は丈夫なので平気
星がふってきても大丈夫。
腐流星☆
なるほど、でそれなんて星?
あたしが声をかけても、ドラゴンは目を覚まさなかった。
代わりに、頭がちょっぴり縦に動いた。
今のは、入って良しの合図なんだろうか?
社の戸に近づいて、そっと押してみた。
ギィ…
軽く軋みながら、戸が開く。
あたしは社の中に入ってみる事にした。
星の社の中には特に凝った装飾などは無く、奥の床の間みたいな場所にお星様が安置されていた。
あーちゃんに聞いたとおりの大きさのその星は、静かに光り輝いている。
空の上から光ってるくらいだから、かなり強烈に光ってると思ってたんだけど…
星も場所に合わせて、光り方を変えているのかもしれない。
星はなんでも知っている。
だから星は、みんなの願いを叶えてくれるんだよ。
辛い事や悲しい事が、少しでも無くなるように。
昔、先生から聞いた言葉が頭をよぎる。
ほしふり村が出来る前から、空の上からみんなを見下ろしていた精霊。
今は誰の、どんな願いを叶えようとしてるんだろう。
そしてあたしは、何を叶えて欲しいんだろう。
「えーと。あーちゃんは何かお願いしたい事があるの?」
自分の願い事の考えがまとまらなかったので、あーちゃんにも聞いてみる事にする。
>657
「・・・・そうでちゅねえ・・・・」
あーちゃんは突然聞かれたので戸惑っている
「多分このお願いはかなわないでちゅ」
死んだお母さんを生き返らしてください
その言葉はあーちゃんから出ることは無かった
「だから別のことを願うでちゅ・・・・ミクミダがひらがなを・・・」
そうあーちゃんは言おうとしたのだが・・・突如頭の上に降ってきた星に中断させられた
>>657>>658 微かに聞こえる話声に、ドラゴンは目を覚まします。
「……………?」
人が居ました。
人の滅多に来ない星の社に、人が来たというのはとても嬉しい事なのですが、でも、問題がありました。
ドラゴンは星の社に勝手に人を入れては行けない、と言われていたからです。
星の社にはとても、とっても大事なお星さまが置かれています。
ほしふり村の住人はいい人(人じゃない住人もいますが)ばかりなので、心配する必要はないのかもしれないです。
でも、それでも星の社にイタズラする人が出てしまうかもしれません。
その為の管理人として、ドラゴンはここにいたのです。
(我輩、クビになるのである!)
それは嫌でした。
管理人はお星さまに導かれて辿りついた村で、やっと見つけた仕事なのです。
ほしふり村ではクビになったから何か有るわけでもないのですが、とにかく嫌でした。
「君達、ちょっと待つのである。
勝手に星の社に入ってはイケないのである。我輩が怒られるのである!!」
願い事を考えるあーちゃん達に、人になるのも忘れて、大きいドラゴンの姿のまま話かけます。
声があーちゃん達に届いたか分かる前に、お星さまが落ちてきました。
「危ないのである!」
何でお星さまが降って来たのかはドラゴンには良く分かりません。
ただ落ちてたお星さまであーちゃん達が怪我しないように、ドラゴンは大きな手を延ばしてお星さまを受け止めようとしました。
ズドーン!!
661 :
名無しになりきれ:2007/02/18(日) 19:42:04 0
100周年だからな
新しい星が来たみたいだ
>659>660
すごい音だったが何とか無事ドラゴンは受け止めたように見えた
「助かったでちゅ」
正直落ちてきたお星様がものすごく怖かったあーちゃんであった
「すごいでちゅ!!さすがは大きいだけあるでちゅ!!」
あーちゃんはものすごく興奮している
もう頭の中からミクミダがひらがなを喋れますようにというお願いは消えたようだ
>661
「もしかして100周年で新しいお星様の精霊がきたでちゅかね?」
そういって落ちてきたお星様を覗き込んだ
カタカタっとなんか動いてるお星様・・・不気味だ
なんか割れた!!
>659-662
〉多分このお願いはかなわないでちゅ
あたしの質問に答えるあーちゃんは、少し悲しそうだった。
聞いちゃいけない事だったのかな…
少し心配したけど、あーちゃんはすぐに別のお願いを言い始める。
〉だから別のことを願うでちゅ・・・・ミクミダがひらがなを・・・
〉君達、ちょっと待つのである。
勝手に星の社に入ってはイケないのである。我輩が怒られるのである!!
あーちゃんのお願いは、ドラゴンの言葉に中断させられた。
うわっ、マズい!
勝手に入ったから怒ってる!?
「あ、いやこれは…」
あたしが事情を説明しようとした時。
空から星が降ってきた。
まっしぐらにこっちに向かって降ってくる星。
え?なんで星が降ってくるの?
ここがほしふり村だから?
というより…このままだとぶつかる!
〉危ないのである!
凄い音がして、また辺りは静かになった。
恐る恐る目を開けてみると、ドラゴンが落ちてきた星を受け止めてくれていた。
た、助かった…
〉もしかして100周年で新しいお星様の精霊がきたでちゅかね?
助けてもらって興奮していたあーちゃんも、新しい星に興味があるみたい。
ドラゴンの手の中でカタカタと動いている、半径30cmくらいのお星様。
こうやって見ると、前から村にあった星にそっくりだ。
…双子星?
あたしは、社に安置されている星を見る。
いつの間に側に行ったのか、魔王様が星をつんつん突っついていた。
二つの星は、まるで呼び合うみたいにカタカタ動いている。
よく見ると光かたまで一緒だ。
あたしは、『世界の秘密大図鑑』を取り出した。
もしかしたら、星のことが何か載っているかもしれない。
星の精霊、星の精霊…あった!
図鑑によると、空から星の精霊が降ってきた後の展開は二通り。
一つはみんなの無茶なお願いに困った精霊を、仲間が迎えに来て一緒に帰ってしまう。
二つ目はみんなの純粋な願いを叶えるため、精霊の仲間が手助けに来てくれる。
さて、今回はどっちなんだろう?
「管理人さんは、精霊の声が聞こえたりしますか?」
あたしはドラゴンに尋ねてみる事にした。
その時、軽やかな音を立てつつドラゴンの手の中で星が割れ始めた!
666 :
名無しになりきれ:2007/02/20(火) 22:48:29 0
ぱか!!
さあ願いをいえ!どんな願いでも・・・は無理だがなるべくかなえてやろう
>>660 ズドーン!
大きな音をたてて星は落ちます。
しかし、そこはドラゴンです。
きっちりキッカリ受け止めました。
>>662 すごい、と褒められたドラゴンは誇らしげな顔を見せます。
「当然である。我輩はドラゴンの中でも立派な一族の一人(一匹?)なのであるから!」
ちょっと興奮して言った後、あーちゃん達を見つめて言います。
「とにかく無事で良かったのである。我輩が管理人をしている星の社で、怪我人が出たら我輩悲しいのである」
>>661 掌でカタカタと動くお星様を見てドラゴンは言います。
「このお星様は多分、100周年だからやってきた新しいお星様である。管理人の仕事に就く時にそんな感じの事を言われたのである」
今思うと、このお星様を受け止める為にドラゴンは管理人になったのかもしれません。
何だか運命を感じたドラゴンです。
>>665 あーちゃん達とお星様を覗いていたドラゴンはある事に気付きました。
社に置いてあるお星様と光かたがそっくりなのです。
気のせいではないかと、確かめる為にチラッと視線を社のお星様に戻すと……
「な、何をやっているのであるか!?」
何と魔王さんがお星様をツンツンつっついていたのです。
「お星様にイタズラしてはいけないのであるー!」
ドラゴンはイタズラを止めようと、魔王さんの方へ行こうとしましたがフィーナちゃんから声をかけられ、動きを止めます。
>「管理人さんは、精霊の声が聞こえたりしますか?」
どんな時でも質問を無視しないのがドラゴンのモットーです。
「いつも聞こえるわけではないであるが、お星様の方から声をかけてもらう事はあるのであるよ」
普段ドラゴンは精霊から話を聞く事は出来ないのです。
でも、時々、人間より耳と感覚の良いドラゴンは精霊からお話を聞きます。
ほしふり村に来たのもお星様に導かれてでした。
>>663>>667 ドラゴンが質問に答えていると突然、お星様がドラゴンの掌でカタカタカタカタ激しく震えだし、割れてしまいました。
(ど、どうしたのであるか!?)
ドラゴンにも何が何だか良く分かりません。
割れたお星様の中から光る玉のようなものが出てきました。
おそらく精霊さんです。
精霊さんは何か願いを叶えてやろうと言いました。
精霊の声を聞いたドラゴンはあーちゃん達にこの事を伝えました。
「じゃああらためて・・・コホン」
と咳をするあーちゃん
「ミクミダがひらがなをしゃべれるようにしてほしいでちゅ」
とさっき言いそびれたお願いを改めてした
だが精霊は「その願いは私の能力を超えている」と断った
「・・・・えぇ!?それは本当でちゅか!!」
ミクミダのカタカナしゃべりはそこまで重大なことなのだろうか?
それともこの精霊の能力が低いのだろうか
精霊にしかそれはわからないことだ
「次の方どうぞ」と精霊は促した
ドラゴンは、あたしの質問に丁寧に答えてくれた。
よかった、おとなしいドラゴンで…
とりあえず、これ以上怒られないように魔王様を引っ張って来る事にした。
戻ってきてみると、お星様の精霊にあーちゃんが願い事をしている。
使い魔がひらがなをしゃべれるように。
かわいらしいお願いだなぁ、なんて思いながら見守っていると。
〉その願いは私の能力を超えている
えーっ!?
そんなお願いも叶えられないの!?
もしかして、あんまり力の無い精霊?
生まれたてだから?
〉次の方どうぞ
唖然としていると、精霊は次のお願いを待ちだした。
次は、あたしか…
あんまり大きな願いは叶えられそうもないし、無難なものがいいかな。
よし。
健康と金運でもお願いしておこう。
あたしが願い事を言おうとすると、その前に魔王様が願いを言った。
「世界人類が平和でありますように」
そ、その願い事は魔王としてどうなの?
と言うより、そんな大きなお願い大丈夫なの?
「変なお願いをしたら、精霊が怒りだしたりしませんか?」
ドラゴンにこっそり尋ねてみる。
672 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 09:39:20 0
にっこり精霊
673 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 20:35:32 0
邪気の無い願いだったからか?
多くは望みません
地位と名声と財産と女を与えて下さい!
675 :
名無しになりきれ:2007/02/25(日) 22:35:11 0
>674
674は女にされた
どうやら金持ちの有力者と結婚しろということらしい
そこで猫の侵攻が…
魔王様のスケールの大きい願い事を聞いて、精霊はにっこり笑ったようだ。
魔王様の邪気の無さが、良かったのかもしれない。
精霊はゆっくり点滅し始め、それに答えるようにもう一つのお星様も光を放ち始めた。
な、何が起きるんだろ…?
少し離れた所で誰かが、流れ星だ!と叫んだ。
声に釣られて、あたしも空を見上げた。
一筋の星が流れる。
また一つ、また一つと流れ星は増えていく。
やがて星は、まるで雨のように沢山流れ始めた。
まるで、ほしふり村のみんなを祝福するかのように。
〉多くは望みません
地位と名声と財産と女を与えて下さい!
随分贅沢な望みを口にする声が聞こえ、しばらくしてそっちの方から女の人の悲鳴があがる。
なにがあったのかわからないけど、願いが叶ったのかもしれない。
あちこちで聞こえる願い事の中で、あたしも星に願いをかける。
世界中なんて魔王様みたいな事は言いません。
どうか、あたしの周りの人たちの幸せが続きますように。
…ただ。
あたしの中で、一つの疑問が深まった。
なんでミクミダはひらがなを喋れないんだろ?
あーちゃんに、心当たりがないか聞いてみる事にした。
「多分でちゅけど・・・・」
あーちゃんはもともとミクミダは魔法のりんごから作られたものであることを語った
そしてそのりんごを生み出したのはいたずら好きの魔女であること
その魔女の魔力の影響ではないかと言う内容のことを話した
「多分魔法の実力の差なんだろうと思うのでちゅ」
そういってあーちゃんは星の精霊を見た
魔法のリンゴから作ったのか…
無生物を使い魔にするのは、かなり難しかったような気がするんだけど。
あーちゃんは、小さくてもかなりの実力者みたいだ。
〉多分魔法の実力の差なんだろうと思うのでちゅ
なるほど、それならわかるかも。
相手の魔力を上回らないと魔法に効果がない、なんて事は普通にある話だし。
あれ?
そうするとその魔女は、星の精霊より魔力が強いって事?
「その魔女、どこにいるか知りませんか?」
興味を引かれてあーちゃんに尋ねるあたしの肩を、魔王様がちょんちょんと突っついた。
「なんですか、大事な話をしてる時に!」
振り向くと、魔王様は隣に居るつばひろ帽子を被ったおばさんを指さした。
誰だこの人は。
疑問を口にする前に、魔王様が答えた。
「柳の魔女」
えーっ!?
とてもそんな凄い魔法を使うようには見えないよ!?
魔女のコスプレしてるおばちゃんじゃないの!?
「魔女って、この人の事なんですか?」
失礼な質問のような気もするけど、あーちゃんに確認してみた。
「そうでちゅ!!カレー好きでいたずらも好きな魔女でちゅ!!」
ついでに言うとお得意さんでもある
「ひよこにされた人もいるでちゅから気をつけるでちゅ」
とあーちゃんは警告する
ひっひっひ
と笑う魔女
あんたをひよこにしたらおいしいカレーが食べられなくなる
だから安心おしとあーちゃんに言うのであった
願い事はなんですか?
ひよこに…
あーちゃんの言葉は、警告としては十分すぎるものだった。
まだ若いのに、残りの人生をひよこになって過ごすなんていやだ。
あたしは、魔王様の陰に隠れる位置に移動する事にした。
〉願い事はなんですか?
星の精霊が、魔女にも願い事を聞いている。
律儀に聞かなくていいのに…
「そうさねぇ…あたしゃ前から王子様達にイタズラしてみたかったのさ」
いきなり何を言い出すんだ、このオバサンは!
お願い!そんな願い聞かないでー!!
あたしが魔女を止めようとした瞬間、星の精霊は一際大きく光を放った。
あまりの眩しさに、あたしは思わず目を閉じる。
…しばらくして。
ゆっくり目を開けると、魔女はどこにもいなかった。
代わりに黄色くて小さい何かが、もこもこ動いている。
あたしは、それに近よってみた。
黄色い何かはひよこだった。
そっと持ち上げてみると、手の中でもぞもぞ動いている。
…なんでこのひよこ、鉄仮面なんかしてるんだろう…
この趣味の悪い形は、第三王子の仮面だよね…
もしかして!
王子達全員ひよこに変えられちゃったの!?
よく見ると。
ひよこは合計4羽いた。どーしょー…
魔女は箒で上に飛んでいるようだ
飛んで追いかける4ひよこ王子
684 :
名無しになりきれ:2007/03/06(火) 13:42:31 0
激しい空中戦
「・・・・・すごい戦いでちゅ」
ひよこなのに良くそこまでとあーちゃんは思いました
「あ、魔女が落ちてきたでちゅ」
686 :
名無しになりきれ:2007/03/10(土) 13:25:33 0
ズドーン!!人型の穴が開いた
落ちてきた魔女
ひよこになった王子達は、羽ばたいたかと思うと一斉に飛び上がった。
見上げると、空を飛んで逃げる魔女を王子達が追いかけて突っついている。
四匹は見事なコンビネーションで魔女を攻撃し、魔女はアクロバティックな動きで逃げ回る。
それは激しい空中戦だった。
見た目の緊張感はゼロだけど。
ひよこって空飛べなかったよね…王子達も魔法が使えるんだろうか?
それとも、いつもの怪しい拳法で空を飛んでるとか?
非現実的光景に、思わず関係ないことを考えてみる。
〉あ、魔女が落ちてきたでちゅ
あーちゃんの言葉に我に返ると、王子の攻撃をまともに受けた魔女が墜落する所だった。
ズドーン!!
大きな音がして、落下点に人型の穴が開いた。
いや、あれ死んだんじゃないの?
さすがに心配になって、穴の側に行く。
「アイタタタ…全く無茶をするね、最近の若い子は」
悪態をつきながら、魔女が穴から這いだしてきた。
魔法でダメージを軽減したのか、とくに外傷もない。
「相手構わずいたずらするから、そんな目にあうんですよ。
観念して、王子達を元に戻してあげたらどうですか?」
忠告すると、魔女は笑って言った。
「なぁに。
祭りが終われば、呪いは解けるようになってるのさ。
ほんのもう少しの辛抱さね。
ほら、耳を澄ませて聞いてごらん?」
あたしは言われたとおり、周りの音に注意を集中した。
聞こえてくるのは、太鼓や笛の音。
楽しそうな人々の笑い声。
後は、風の音くらい?
さっきから聞こえて来るのと、特に何も変わらない音ばかり。
なによ、別になにも聞こえないじゃない。
あたしが魔女にそう言ってやろうとした時、どぉーんと大きな音がした。
振り返ってみれば、さっきまで王子と魔女が戦っていた空に大輪の花。
広場から、花火が一発上がったのだ。
空に大輪の花が咲いた
まだ5時前なのに・・・・
なにか魔法が掛かっているのだろうか?
「綺麗でちゅね・・・・」
あーちゃんはうっとりとそれを眺めた
691 :
名無しになりきれ:2007/03/13(火) 17:39:56 0
それを眺める王子ひよこ
692 :
名無しになりきれ:2007/03/15(木) 11:43:21 0
新規募集
そして祭りは終わりを迎える
またのんびりした日々は続く
永遠に
な、なんでこんな時間から花火が上がってるの?
普通は、花火なんてお祭りの最後に打ち上げない?
そんな事を考えている間も、まだ明るい空に次々に花火が打ち上げられる。
炎系の魔法を改良して使っているのか、空が明るくてもはっきりと花火を見ることができた。
〉綺麗でちゅね・・・・
花火を見上げながら、あーちゃんがつぶやいた。
確かに。
あたしは他のみんなと一緒に、花火を眺めた。
あーちゃんや、ひよこ王子達。
魔女に魔王様。
この村に来て知り合った人達や、まだ顔も名前も知らない人。
みんなみんな、花火を眺めている。
なんだか、みんなと心がつながった気がした。
最初来たときは、この村に長居する気なんて無かった。
魔王様を連れ帰るついでに、王子達の秘密を探ってすぐ帰るつもりだった。
はっきり言って、また面倒事に巻き込んでくれた魔王様に八つ当たりしたかったぐらいだ。
でも。
今はこの村にきて、良かったと思う。
少しでも良いから、出来るだけ長くこの村に居たいと思っている。
どうしてこんな気持ちになったのかは、わからないけど。
「いやいや、合同祭を閉めるのにぴったりだねぇ。
ウイグル村長も奮発したもんだ」
魔女が、感心したように言った。
もうお祭りも終わりか…
まだ時間は早いから残念な気もするけど、しかたがないかな。
「この村は、お祭りが終わるの速いんですね。
大抵は夜中遅くまで、祭りを続ける所が多いのに」
素直な感想を言うと、魔女はケラケラ笑った。
「何を言ってるんだい?夜中まであるに決まってるじゃあないか。
合同記念祭だから、職人の連中が大奮発して花火を沢山作ったのさね。
このまま、夜まで打ち上げ続けようってのさ」
なるほど、そうだったのか。
ちょっと安心して、また花火を眺め始める。
このまま夜まで、ずっと花火を見てるのも悪くないかな。
お祭りが終わった後の生活なんかに、思いを馳せながら。
…そういえば。
あーちゃんは店番大丈夫なんだろうか?
(その頃のミクミダ)
ミクミダ「マスターハヤクカエッテキヤガレ!!」
開店15分前である
(精霊前)
「・・・・!?」
何かに気がついたあーちゃんはあわてた様子でこういいました
「大変でちゅ!店が始まる時間でちゅ!!」
あーちゃんはあわてて店に走って帰りました
祭りは終わりでも村での生活はまだまだ続くのです
696 :
名無しになりきれ:2007/03/16(金) 11:59:02 0
ほしふり村の生活はまだまだ続きます
697 :
名無しになりきれ:2007/03/16(金) 22:04:11 0
祭りで気に入ってそのまま居ついた住人もいたり・・・・
眠っていたあたしは、ほしふり村に朝を告げる鐘の音で目が覚めた。
毎朝毎朝、ハマーさんが同じ時刻に鳴らしている鐘。
助かっている人も多そうだけど、まだ慣れてないあたしには音が大きすぎる。
高台から家を離しておいて良かった…
そんな事を考えながら、あたしはベッドの上に身を起こした。
寝間着代わりのローブを脱いで、適当な服に着替える。
ほしふり・しもふり合同祭の後、あたしと魔王様はしばらくこの村に住むことにした。
あたし達の他にも、お祭り後に村に住むことにした人はいるみたい。
そんな人たちに配られたのが、怪しい魔法のキノコ。
地面に埋めると3日程で家くらいのサイズになる。
後はちょちょいと手を加えれば、お手軽マイホームの完成というわけだ。
3日も待ってられないので、魔王様に植物の成長を速める魔法を使ってもらったけど。
で、今日は住民登録をするために役場に行く日。
着替え終わって、自分の部屋を出る。
魔王様の姿はない。
ああ、昨日作ってた菜園の様子でも見に行ったんだな。
納得して、キノコの家のドアを開けた。
そこで見たのは、一面の雪景色の中で雪だるまを作る魔王様だった。
バタンとドアを閉めて、今見た光景を分析する。
確か昨日までは、雪なんて降ってなかったよね?
それに、まだ雪が積もるような季節じゃないし。
疲れてるのかな…
気を取り直して、また外に出た。
寒い。
この寒さは、どう考えても幻じゃない。
なんでこんな異常気象が…
しばらく考えても、答えは出そうになかった。
わからないことは人に聞くのが一番。
朝ご飯もかねて、あーちゃんのカレー屋さんに行ってみよう。
もしかしたら、こんな事もほしふり村では当たり前の事かもしれないし。
一度部屋に戻って服を着込み、【世界の不思議大全】を持って準備万全。
「魔王様、朝ご飯を食べに行きますよ!」
犬みたいに付いてくる魔王様を確認して、あーちゃんの店を目指した。
…寒い。
しかも、雪が積もっていて歩きにくい。
これじゃほしふり村じゃなくて、ゆきふり村だ!
心の中で文句を言いながら、暖かいカレーに向かって進む。
こんな雪の中で、店を開けてくれているんだろうか?
そんな不安が、ふと脳裏をよぎった。
ガタンガタンと揺れる看板
どうやら今日は店を開ける時間を短くする予定のようで
表に掛かっている連絡表にはいつもより短い営業時間が書かれている
ついでに朝カレーやってまちゅとも書かれていた
「それにしてもすごい雪でちゅね・・・」
ミクミダ「マッタクダゼ・・・ホントニ客クルノカヨ」
「それを言っちゃおしまいでちゅ・・・・あ!お客しゃんでちゅ!いらっしゃいでちゅv」
見るといつ見ても大きな魔王さん(あーちゃんのパパじゃないほう)とフィーナさんであった
「ご注文はなんでちょうか?」
701 :
名無しになりきれ:2007/03/18(日) 13:27:25 0
だが雪もっと降る
702 :
名無しになりきれ:2007/03/19(月) 10:34:28 0
開かない扉
703 :
名無しになりきれ:2007/03/19(月) 19:35:36 0
閉じ込められたっぽい
しばらく歩いて、あたし達は無事にあーちゃんの店にたどり着いた。
表に出ている連絡表を見ると、雪のためか今日は店を早く閉めるようだ。
それから、メニューに朝カレーが追加されたらしい。
カレースープを頼むつもりだったけど、朝カレーを食べようかな。
「おはようございます」
あいさつしながら、店のドアを開けた。
〉あ!お客しゃんでちゅ!いらっしゃいでちゅv
中に入ると、あーちゃんとミクミダが出迎えてくれた。
さすがにこの大雪だと、他のお客さんはいないみたい。
〉ご注文はなんでちょうか?
「魔王様はいつものカレー。
あたしは朝カレーをお願いします」
やがて、注文したカレーが届いた。
いつ食べてもあーちゃんのカレーは絶品だ。
「ご馳走様でした」
カレーを食べ終え代金を支払ったあたし達は、役場に行くことにした。
窓から外を見ると、空を覆い尽くしている雲から雪が降り続けている。
雪はもっと降りそうだ。
また雪道行進か。
嫌だなぁ…住民登録はまた今度にしようかなぁ…
外に出ようとドアに手をかける。
なぜか、ドアはびくともしなかった。
あれ?さっきは簡単に開いたのに。
もしかして、壊しちゃった?
天井近くまで雪が積もっている
異常気象にもほどがある
これはいったん外に避難しないと店が物理的につぶれて危険かもしれないとあーちゃんは判断した
「どうやら営業している場合ではなさそうでちゅね」
ミクミダ「ドウスルンダ?」
「屋根裏部屋の窓から脱出でちゅ」
ぽんぽんとあーちゃんが手を叩くと天井が割れ階段が出てきた
「さあ登るでちゅ」
ドアの隙間から、ポロポロと雪がこぼれ落ちてきた。
それも上の方から。
うわ、なにこれ。
もしかしてドアが開かないのは、雪に埋まっちゃってるから?
さっきまでは、そんなに積もってなかったのに!
…それに。
ひょっとして閉じこめられた?
あーちゃんもその事に気づいたみたいで、屋根裏部屋から脱出するつもりみたい。
でもこの店、階段がないんだけど…
不思議に思っていると、あーちゃんが手を叩くのに合わせて階段が現れた。
なるほど。
普段は邪魔にならないように、収納してるのね。
〉さあ登るでちゅ
言われるままに階段を上り、普段なら見晴らしの良いだろう窓を開ける。
いや、今も見晴らしは良いんだけど。
なにしろ見渡す限り、雪。雪。雪。
雪以外に見えるものは、近くの家の屋根くらいだ。
これはどう考えても、自然現象じゃない。
誰かがほしふり村に雪を大量に降らせているのだ。
でも、だれが?
何のために?
答えを探すために、あたしは困ったときの虎の巻。【世界の不思議大全】を開いた。
この本なら、大雪を引き起こせるのが誰なのか書いているだろう。
…書いてたらいいな…書いてますように…
707 :
名無しになりきれ:2007/03/22(木) 12:30:28 0
雪の女王のしわざだ!!
空からおーほっほっほという声が聞こえてきた
「なんでちゅか・・この声は?」
ふと空を見ると・・・派手なおばさんが飛んでいた
「・・・・あーちゃんびっくりでちゅ」
その派手なおばさんはわらわは雪の女王と名乗った
あまりの派手さで声も出ない
目の上ブルーなおばんが
その時のあたしは、相当間抜けな顔をしていたに違いない。
なにしろ急に空から笑い声が聞こえてきたかと思えば、ド派手なおばさんが飛んできたのだ。
驚かない方がどうかしてる。
〉・・・・あーちゃんびっくりでちゅ
あーちゃんもポカンとした顔で、おばさんを見上げている。
その目の上ブルーのおばさんは、わらわは雪の女王とか名乗りだした。
魔王様の命令で、大雪を降らせに来たらしい。
ん?魔王様?
あたしが見ると、隣にいる魔王様はぶんぶん首を振る。
そうすると、前からいた方か…
あたしは以前、遠見の魔法で見た姿を思い出した。
体長3メートルはありそうな、紫色の大トカゲ。
あんな奴に、せっかくのあたしの新生活をだいなしにされてたまるか!
何としてでも、魔王(ややこしいので、以後バラモスブ□スと表記)に大雪を止めさせてやる!
決心して雪の女王の方を見ると、もう女王はどこにもいなかった。
まあいいか。
雑魚に構わず、頭を何とかするだけの話だ。
「魔王様!バラモスブ□スの城に乗り込みますよ!
あーちゃんは危ないから、ここで待ってて。
すぐに帰ってくるから」
あたしはあーちゃんに声をかけた。
「バラモスブ□ス・・・・ってお父ちゃまのことかぁ!!」
「人の迷惑考えずになにやってるんでちゅかぁ!!」
突然ぶちぎれるあーちゃん
「あーちゃんもいくでちゅ!!息子の商売邪魔した報いを受けさせてやるでちゅ!!」
あーちゃんの気力が150まで上がった
ミクミダ「アワアワアワ・・・・」
いきなりぶちぎれたあーちゃんに驚くミクミダ
「お前も行くでちゅよ」
とミクミダの足を引きずりながらフィーナを追うのであった
712 :
名無しになりきれ:2007/03/25(日) 12:03:29 0
でもってお城(近!!)
〉バラモスブ□ス・・・・ってお父ちゃまのことかぁ!!
あたしが話しかけたら、急にあーちゃんは怒り始めた。
え?もしかしてバラモスブ□スって、あーちゃんのお父さんだったの?
じゃあ…あーちゃんってば魔王の息子!?
〉人の迷惑考えずになにやってるんでちゅかぁ!!
あたしが驚いている間にも、あーちゃんは怒り続けてる。
さすが魔王の息子だけあって、怒ったときの迫力は十分だ。
〉あーちゃんもいくでちゅ!!息子の商売邪魔した報いを受けさせてやるでちゅ!!
あーちゃんは行く気満々だ。
確かにバラモスブ□スも、息子の説得には応じてくれるかもしれない。
説得で済むかどうか怪しいくらい、ぶちきれてるけど…
「じゃあ、みんなで一緒に行こう。
魔王様。4人分の転移魔法をお願いします」
あたしの頼みに答えた魔王様が、両手を大きく広げて呪文を唱える。
そして。
あたし達は、バラモスブ□スの城の前に立っていた
高い高い山の上。
前人未踏かと思えるような、寂しい風景。
ほしふり村を一望することができる場所に、城はそびえ立っている。
…やけに村に近い場所に城があるなぁ…
やっぱり、息子の事が心配だったんだろうか?
だとしたら、あーちゃんの説得はきっと上手くいくだろう。
あたしは城の入り口に近づき、門を押してみた。
不思議なことに巨大なその門は、あまり力を入れなくてもゆっくり開きだした。
誘われてる?
バラモスブ□スも侵入者に気づいたのだろうか?
それとも、単に不用心なだけ?
考えていても仕方がない。
奥にいるバラモスブ□スの所に行けば、全てがはっきりするのだから。
安穏とした新生活を手に入れるため、あたしは城内に足を踏み入れた。