>355-356 >359 >364
シノザキさんの奮闘のかいあって、全部のモニターが点灯した。
一番最後についたモニターには文字が現れた。
あたしはファイルと画面の内容との合致にきづいた。
九武村とか分校とかよくわからない表示もあるけど…これってまさか…。
「化物の配置場所じゃない?!」
しかも50階には2体もいる!
サーッと顔から血の気がひくのが自分でもわかった。
あたしは画面の50階表示を指で押さえてシノザキさんを仰いだ。
…あらら?
シノザキさんの視線を辿ったあたしは、そのまま固まってしまった。
>「もしもし、久しぶりだね。」
あたしはぽかーんと大口開けてたと思う。だって天井付近から、長身の男性がぶら下がっていたから。
>「あ、あなた誰っ!」
仰天し叫ぶあたしを尻目に、男性は親しげにミスタ・ルイスと電話で話している。
…………どこから入ってきたの?ああ、天井の通気ダクトですか。そうですか…。
何か忍者みたいよね〜。
久しぶりって言ってたし、ミスタ・ルイスの知り合い?
だとしたら、やっぱり特殊な訓練積んだプロなのかしらね?
で、その御曹司はというと、器用に手を伸ばして、あたしが踏みつけたファイルを読んでいる。
ねえ、いい加減床に降りない?
>「・・・音が聞こえるかね。何かが根を張る音が。」
>「耳を澄ますついでに目もかっ開いてみろよ、こいつが何だかわかるだろ?」
シノザキさんナイス!!
あたしは心の中で賞賛の叫びを上げながら、シノザキさんの背中に逃げ込んだ。
>「久しぶりとか言ってたが、知り合いか?俺が言えた義理でもないが、付き合う人間は選ぶべきじゃないか?」
あたしはこくこく頷いた後、シノザキさんの袖を引いた。
「シノさん、追跡者β!近くにいるって伝えて!」
あらためてミスタ・ルイスの知り合いを観察する。
良く見るとなかなかのハンサムだ。あたしの目から見ても仕立てのいいスーツを着こなしている。
ぱっと見どこぞの御曹司に見えなくも無い。
でもなぜか雰囲気が不気味っていうか、傍にいられると寒気がするのよね〜。
「さっきモニターを見て『何体かまだ生きているようだね』」って言ったわよね?化物について何を知ってるの?
それからあたし達も当然!こんなところさっさと逃げるつもりよー。ね、あなたはあなたで逃げ道を用意してるの?」
>350>359>364
>「ミスタ・ルイス聞こえるわ!大丈夫?何かできることある?今シノザキさんと代わるから!」
「大丈夫だ、急いでこっちに上がれ。今ならゾンビもいない筈だ。周辺警戒が出来んから
リフトから下りる時は、連射状態で銃を構えておけ。」
マクナブはジュンの援護をしなければならない。
シノザキにも状況を伝える必要がある。
オレンジのネットに入ってスーパーマーケットに並ぶ玉葱のような化け物に関して、だ。
>「もしもし、久しぶりだね。」
予想外の笑い声。
「取り込み中だ、電話を代われ。じゃなきゃ切るぞ。」
交渉の手順通りに電話を切ろうとしたが考え直す。
化け物に人間の常識や反応が通じる保証は無い。
>「ヤバい状態になっているようだが・・・私もそうなんだ。」
会話を勝手に続けてきた。
人間相手なら良い兆候と言える。
ゲット・ショーティ、ビー・クールと行こう。
>「ふーむ、ふむふむ。これは素晴らしい。あれを見たまえ。
・・・君の部屋からも音が聞こえるぞ?周囲を見回したまえ。」
MP5を構えながらゆっくりと後ろを向く。
壁が動いて奥からちらつくモニターの光が見える。
>「耳を澄ますついでに目もかっ開いてみろよ、こいつが何だかわかるだろ?」
受話器の奥から微かに聞こえるシノザキの声。
HK33か、それともブローニングか?
>「久しぶりとか言ってたが、知り合いか?俺が言えた義理でもないが、付き合う人間は選ぶべきじゃないか?」
「差別はいかんな、日本人。ブランデンブルグが聞いたら悲しむぞ?」
それとな、と前置きをして受話器に囁く。
もっともスピーカーの為に声は筒抜けだ。
「次があれば出会い頭に脳味噌目掛けて銃弾を撃ち込め。」
次があれば良いのだが。
「そいつは酷く殺し難い。今は従っておけ。」
シノザキの声を聞き次第、広間に移動する必要がある。
ジュン・シシドが待っている筈だ。
>>340、>358、>353
本村と共に移動していた女性が、日本刀を振り回して、巨人の腕を深々と斬り付けた。
巨人は呻きながら動きを止めていて、大佐はそれを見て笑った。
「…見ろ、やはり女は強くなったらしいぞ。靴下はどうかは知らないが」
それを聞いた後ろの二人も少しだけ笑い、その内に運転席へと鈴木が飛び込んできた。
「ああ、鈴木君。急いでいるところ悪いんだがね、途中で一度分校に寄ってくれないかな。
村民を護衛させる為に二人を配置しておきたい。何、どうせ途中まで同じ道を通るんだ。
その時に少しだけ止めて降ろせばいいんだ。二人とも、問題無いな?」
「ええ、問題ありません。敵に航空支援が無いなら、自分一人でも後二日は戦えます」
「自分は大陸で大規模な住民の護送作戦に参加したんですがね、戦況はその時より良好です。
敵はどれだけ多く見積もっても、中国兵ほどの数は居ないでしょうから」
笑いながら言った中尉に続いて、兵長も同じく嘲る様に大佐の呼びかけに答えた。
つくづく老人達の態度からは恐怖や不安などは伺えない。むしろ楽しんでいるように見える。
かつての絶望的な戦争を思い出して、懐かしんでさえいるのかもしれない。
「何、安心してくれ。そんなに手間は取らせんよ。通りがかりに二人ともを降ろすだけでいい」
部下の答えを聞いて、改めて大佐が鈴木に言った。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(11発装填、予備弾倉1)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(1発装填、予備19発)懐中電灯、背嚢
猟銃(0発装填、予備21発)背嚢
>347
「……ああ、もちろん行くよ。まだやり残した仕事があるんでね。済まさなきゃ上官に叱られる」
肩を叩かれた少佐は、ニヤニヤと笑みを浮かべた怪人に苦笑いで答えた。脳裏にかつての記憶が蘇る。
自分達がこの先で何をしていたのか、この先に何を残してきたのか。
「なんにせよ、もしもの時は本当に彼女らを守ってやってくれよ。何せ、我々は年寄りなんだ」
>349
怪人と話した後、様子を見てくると行って少佐は小部屋の中へ入った。問いかけには軍曹が答える。
「あそこは……階段があるんだ。下に行く階段があるんだが…」
どこか言いにくそうに答えたのは、軍事機密を話すことに対する抵抗だけではない。
ここ以上に危険な場所にこの少女を連れて行かなければならないという事にも酷く抵抗を覚えた。
質問に答えた後、まだ表情が穏やかではない看護婦にも申し訳無さそうに話しかける。
「……どんな手を使ってでも陛下と国民を守らねばならなかったんだ。わかって欲しい」
まだ完全に納得したわけではないだろうが、突き刺さるような視線が少しだけ和らいだ気がした。
「軍曹、電気系はまだ生きてるかな。以前に何度か点検小隊が組まれた筈だが」
看護婦の方にいた軍曹に、小部屋から出てきた少佐が尋ねた。
「点検小隊が最後に入ったのは……何年だったかな、確か95年の夏ですね」
軍曹は数年前、電気工になった戦友達と共に研究所へ入った時の事を思い出す。彼らも歳を取っていた。
そういえば、歳を取った軍人達に点検小隊の組織や派遣を命令したのは大宮大佐だった。
「95年時点では全て生きていました。新しい部品も見られたので、恐らく武藤氏が修復したのでしょう。
今でも殆ど生きているものと思います。電源は橋本中尉が話をつけて役場から引き直しました」
「よろしい。報告ご苦労」
報告を聞き終えた少佐は、少し安心したように見えた。
「それでは行こうか。下は暗い。まずは明かりを付けに行くが、我々から絶対に離れないように」
階段の奥はほんの数メートル先も見えないほどに暗い。何が居るかもわからない。
少佐は銃を構え、一段一段をゆっくりと降り始めた。
名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃(4発装填、予備31発)背嚢/三八式歩兵銃(5発装填、予備29発)背嚢
>364>366-367
>「あ、あなた誰っ!」
彼女が固まっていたのは、恐怖心からではなく、単なる驚きからのようだ。
髪型を変えたどころか、人間の姿での登場なのだ。
解らなくとも仕方が無い。
>「さっきモニターを見て『何体かまだ生きているようだね』」って言ったわよね?化物について何を知ってるの?
それからあたし達も当然!こんなところさっさと逃げるつもりよー。ね、あなたはあなたで逃げ道を用意してるの?」
「何体かはフロアを見て回っている間に見かけたんだ。
帰りは素直に地下鉄で、と考えていたんだけどね。」
シノザキが拳銃を突きつける。
>「久しぶりとか言ってたが、知り合いか?俺が言えた義理でもないが、付き合う人間は選ぶべきじゃないか?」
男はゆっくりと両手を挙げる。
>「差別はいかんな、日本人。ブランデンブルグが聞いたら悲しむぞ?」
「彼の言う通りだよ。差別はいけない。」
両手を挙げたまま、男が薄笑いを浮かべる。
>「次があれば出会い頭に脳味噌目掛けて銃弾を撃ち込め。」
>「そいつは酷く殺し難い。今は従っておけ。」
ミスタ・ルイスの声がスピーカーと、男が指を鳴らす音が重なる。
シノザキは後ろを振り返るとモニターに向かって銃弾を放った。
今、シノザキは記憶の中の南米のジャングルの中にいる。
記憶の中のゲリラに銃弾を放った所だろう。
先ほど取り込んだクロノスシリーズの能力の一つを試しに使ってみたのだ。
もう一度指を鳴らし、シノザキの意識を元に戻す。
「ちょっとした催眠術だが・・・楽しんで貰えたかね?」
あの黒人女性をベースに作られたクロノスの能力はあるインディアンの一族によって授けられたもの、だった。
男はそれを喰って、その能力を得た。
彼らの脳は突然変異によって電磁波の流れを感じる事が出来る体質となった。
その為、地球上で発生する様々な電磁波を読み、ある種の予言を行ってきたのだ。
寒波と熱波がぶつかる事で生じる電磁波、海流の流れから生じる電磁波、時には核兵器の爆発によって生じる電磁波。
エネルギーが発生すれば、それに付随して電磁波もまた生じる。
脳のチューニングさえ行えば、その一族でなくとも受信は可能で、その為の薬物をハンナは大量に接種してきた。
様々な天然の薬草を飲み、常に脳のアンテナがオープンになっていたハンナは熱暴走を起こしたハンナは近くの病院に運び込まれる。
そこで診断を受けた彼女は、特異な体質の持ち主として、傘社へと送り込まれた。
そしてさらに機微なチューニングとストレス耐性、熱量を逃がす脳の構造を手に入れたのだ。
時には人間の脳細胞を流れる微弱な電流を読み、干渉する事が出来るレベルまで達した時、彼女の脳は限界に近づいてた。
彼女が生き続けるにはクロノスとなるより他に無かった。
その過程でハンナに秘儀を授けたインディアン達は脳をスライスされ、
傘社の大脳生理学研究所によって更なる解析を受けている・・・
にっこり笑った男が思い出したように口を開く。
「帰りだがやっぱり地下鉄が良いと思うな。どうやらミスタ・ルイスは地下鉄の動かし方を知っているようだし。
一緒に彼の所に行きたいのだが・・・構わないかね?」
「それから君、人が話している時に銃を突きつけるような失礼な真似は止めてくれたまえよ。」
シノザキに向かってため息をつく。
>368
車に飛び乗りサイドブレーキを解除、さらにギアをドライブに入れてアクセルを踏む。
>「ああ、鈴木君。急いでいるところ悪いんだがね、途中で一度分校に寄ってくれないかな。
村民を護衛させる為に二人を配置しておきたい。何、どうせ途中まで同じ道を通るんだ。
その時に少しだけ止めて降ろせばいいんだ。二人とも、問題無いな?」
老人達が肯定の意見をそれぞれ口にする。
もう少し早い段階で言ってくれれば回り道をしなくて済んだのだが。
今の自分歯老人達を責められる資格など無い。
>「何、安心してくれ。そんなに手間は取らせんよ。通りがかりに二人ともを降ろすだけでいい」
分校に戻る事は時間のロスだけで無く、ガスマスク姿の男や待ち伏せを掛けていたナメクジ頭と
再度、遭遇する可能性がある。
一番危険なのは三影の存在だ。
嵌められた事に気がついた三影が追跡を開始している可能性も充分ある。
「構いませんが・・・大佐は本村さんと桂木さんの車で移動されたどうでしょう?
二人は私が連れて行き、その後で合流する。
駐屯地跡は分校の村民に場所を聞いてそちらに合流します。」
時速30キロ程度で車を走らせながら小川が言った。
条件を飲んでもらえるなら適当な所で車を停めるし、却下されればそのまま分校に移動するしかないだろう。
結局の所、イニシアチブを握っているのは老人達で、年寄りというのは頑固な生き物なのだ。
現在地:駐屯地に向かって移動中。
状 況:大宮大佐の判断を待つ。
「なんでなのかねぇ・・・」
僕は、とりあえず何かのビルに逃げ込み、エレベーターを待っていた。
一番の心の中の疑問は、この周辺の惨状にある。
死肉を喰らう屍共がうろつき回り、獲物を探す。でっかい虫とか、そういう
ものも出てくる状況の中で自分はここにいる。
エレベーターが音を立てて到着する。鉄製のドアが開き、電気に照らされた
室内が姿を現す。
「進むしかない・・・かな」
僕は重い足を動かし、室内へと運んだ。ほんの少しばかり、黴臭かった。
とりあえず「51」と書いてあるボタンを押す。音を立て、機械の箱は
動き出した。
メモ張を出し、今の行動を何となく書き留めた。・・・何故だろうか?
蛍光灯は仄暗い。書くのに少し時間がかかったが、それはどうでもいいことだ。
ライトが「51」の文字を照らし、ゆっくりと止まる。扉が開くと、そこは
暗黒の世界だった。
「・・・ふう」
僕は一歩踏み出し、手探りで歩きはじめた。
所持品:無し
現在地:何かの高いビル 51階
状況:暗闇の中を手探りで進んでいく。
>363
>「まったく、俺も喋るほうだがアンタもよく喋るな・・・遠足気分か?呑気なもんだねぇ
煙草ぐらいどっかから盗ってくりゃいいだろう?こんな状況じゃダレも文句言わねぇよ。盗り放題の吸い放題だ。
ま、アルコールの方はともかくシャワーは同感、血塗れじゃあなぁ・・・ベタついて気持ち悪い。
それと・・・5人じゃなくて6人、だ。1人そこでへたばっているだろう?」
「メタノールだかエタノールは、呑めば目が潰れちまうだろ。
それでも構わなきゃ呑むんだな。
転がってる病人に気が付かん目なら潰れても困らんだろうがな。」
>365
>「他にも居たのか。おーおーこりゃひでぇ。虫の息ってやつだな」
「人喰いになる位なら蟲の方がマシだろうに。」
止めを刺したい所だが、judasが許さない。
座る場所が無いミヒャエルはトランクの中に座り込む。
チビ助どもは後ろに座るから真っ先に喰われるだろう。
「さて、さっさと行くぞ。チビ助も言いたい事があるならさっさと言うこった。」
状況:全員が乗り込んだ所で研究所目掛けて出発。
「それにしてもさっきの警官」
俺はさっき見た気の狂った警官を思いだした
「まったくですね」
彼、ジャーニーが言った
「まぁ、このままでもラチがあかないので移動しませんか?」
コレも彼の提案
俺達は移動を開始した
所持品:車のキー、煙草、ライター、
現在地:分校付近
>366-367>370
長身の男と桃香が二言三言かわしている
ルイスの声がスピーカーから流れてくる。
>「差別はいかんな、日本人。ブランデンブルグが聞いたら悲しむぞ?」
差別ではなく区別だと言おうとしたが、ルイスが言葉を続けたので言葉を飲み込む。
>「次があれば出会い頭に脳味噌目掛けて銃弾を撃ち込め。」
>「そいつは酷く殺し難い。今は従っておけ。」
声を潜めていたが、スピーカーなので「そいつ」にも丸聞こえだ。
その声に、乾いた音が重なった。
その瞬間、周囲の景色が一変した。立ち並ぶ木々に濃い緑の葉が生い茂り、
さえぎられた陽光が朽木や枯葉の積もった地面に細かな模様を描いている。
鳥のさえずりや葉擦れの音までしっかりと聞こえる。
見覚えがある景色だ。コロンビア南東部、バウペス県。
俺が初めて挑戦したでかいヤマで、ものの見事に失敗した場所だ。
ありえる話ではない。幻覚だ。頭ではそう理解できた。
だが、身体はあの時と同じように動いた。
周囲を見回した瞬間、視界に入った人影に向かって引き金を引く。
男が一人、顔の半分を吹き飛ばされて倒れた。ゲリラ兵士だ。年の頃は俺と変わらないくらい。
あの時と同じだ。安堵と嫌悪とこみ上げてくる吐き気。あの時と同じ。
乾いた音が鳴った。
>「ちょっとした催眠術だが・・・楽しんで貰えたかね?」
合板のボードで囲まれた部屋の中で男が言った。
背後では何かがしゅうしゅうと音を立てている。足元にはガラスの破片が飛び散っていた。
さっき撃ったのはモニターだったらしい。桃香を見るが怪我はないようだ。
男が再び口を開く。
>「帰りだがやっぱり地下鉄が良いと思うな。どうやらミスタ・ルイスは地下鉄の動かし方を知っているようだし。
>一緒に彼の所に行きたいのだが・・・構わないかね?」
>「それから君、人が話している時に銃を突きつけるような失礼な真似は止めてくれたまえよ。」
「・・・先に部屋出ろ。それとな、いきなり天井から出てきて挨拶もなしに人の手から物をもぎ取ったあげく、
幻覚を見せるのも十分失礼だぜ。特に今みたいな状況じゃ銃を突きつけられても文句言えないくらいだ」
俺は拳銃を振って男を促した。背後を取ったくらいではまず勝てない相手だろうが、
こっちが背を晒すよりはだいぶマシだろう。どうも害意はないらしいが、それがどこまで続くかは知れたものではない。
「次妙な真似したらその瞬間に撃つ。お互い痛い目は見たくないだろ?」
本当に「痛い」だけで済んでしまいそうな相手にどれほど効果のある言葉だろうか。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(20)、弾倉(4)、ブローニングHP(7)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(カメラ、フィルム、電池、携帯電話用充電器、鉄串、酒、水、布)
現在地:スペンサービル40階 管理室
>367
>「大丈夫だ、急いでこっちに上がれ。今ならゾンビもいない筈だ。周辺警戒が出来んから
> リフトから下りる時は、連射状態で銃を構えておけ。」
「分かった!気をつけて。また後でね!」
>370
>「何体かはフロアを見て回っている間に見かけたんだ。
> 帰りは素直に地下鉄で、と考えていたんだけどね。」
あたしはシノザキさんの背中に隠れながら長身の男性と会話していた。
「えー?!今40階じゃない?だったらあと15階あがったら屋上じゃない。
ヘリコプターか何かがぴゅーっと迎えにきて……くれないかしらね?」
あたしの声が尻すぼみになった。だってシノザキさんが長身の男性に拳銃を突きつけたから。
登場は滅茶苦茶妖しかったけど…止めるべき、よね?
でもスピーカーをオフにしている電話の向こうからも、出会い頭に脳みそ目掛けて撃てとか物騒な言葉が。
…殺しづらいってどういう意味かしらん。すんごーく優秀なエージェントとか?
>375
ぱちん、と男性が指を鳴らした。
シノザキさんの顔色がが変わった。
「え……何?どうしたの?」
シノザキさんは返事をしなかった。振り向きざまモニターに銃を向ける。
あたしは反射的に蹲った。頭の上で乾いた拳銃の発砲音がした。
男性がもう一度指を鳴らした。
>「ちょっとした催眠術だが・・・楽しんで貰えたかね?」
「さ…催眠術ぅ?!」
男性はすました顔で、あたしたちに同行したいといった。
>「・・・先に部屋出ろ。それとな、いきなり天井から出てきて挨拶もなしに人の手から物をもぎ取ったあげく、
> 幻覚を見せるのも十分失礼だぜ。特に今みたいな状況じゃ銃を突きつけられても文句言えないくらいだ」
「そうよそうよ。非常事態なのよ!どうせ幻覚を見せるならあたし達じゃなくゾンビに見せなさいよね!!」
あたしも腕を振り回して抗議した。
同行したいならそれらしい態度ってもんがあるわよねーシノザキさん!
―――― ええ、もちろんこんな事は声に出して言わないわよぉー!言えるわけないじゃない!!!
シノザキさんは拳銃を振って長身の男性を部屋の外へと促した。
>「次妙な真似したらその瞬間に撃つ。お互い痛い目は見たくないだろ?」
あたしはつんつんとシノザキさんの腕をつついた。
「ねえねえシノザキさん、催眠術ってどんなの?さっきは一体何を見てたの?」
すごく怖い顔をしてた。本当は聞くべきじゃないのかもしれないけど、あたしが幻覚を見ないとも限らない。
念のためどうなったのか聞いておいてもバチは当たらないわよね?
そして、長身の男性の背中にも声をかける。
「申し遅れたけどあたしは桃華っていうのよ。あなたのお名前は?」
>375−376
モニターに向けられていた銃が、こちらを向いている。
自己嫌悪とも取れるシノザキの視線と男の視線が重なり合う。
>「・・・先に部屋出ろ。それとな、いきなり天井から出てきて挨拶もなしに人の手から物をもぎ取ったあげく、
幻覚を見せるのも十分失礼だぜ。特に今みたいな状況じゃ銃を突きつけられても文句言えないくらいだ」
強烈な怒りが後悔と嫌悪の感情を凌駕している。
手を叩いてクスクス笑い、叩いた手を挙げる。
「ま、確かにね。だが君が夢を見ている内に殺さなかった事を忘れないで頂きたい。」
>「そうよそうよ。非常事態なのよ!どうせ幻覚を見せるならあたし達じゃなくゾンビに見せなさいよね!!」
「試してみたが、無理だったのでね。理論上は、可能な筈なんだが・・・」
口に手を当てる振りをして、鼻から流れ出した血を拭う。
血は、微量だが完璧に死んでいる。
クロノスの再生能力で騙し騙し使っていただ。
「彼らは本能に則した行動しか取れない。仮に家族の姿を見せても喰いつくだろう。」
実際は、記憶を司る脳の部位が死滅している事が原因だ。
この技術の持ち主の一族は、嗅覚や感触、視覚をコントロールする技術を意図的に省いてある。
人間をそのまま読み取ったら匂い、色、強力な感情の塊だとしてしか見えない。
精々、記憶の中の触れたくない部分やそれに纏わる単語を感じる事しか出来ない。
>「ねえねえシノザキさん、催眠術ってどんなの?さっきは一体何を見てたの?」
考える素振りをしながら廊下に出る。
シノザキが見た幻覚には興味がある。
>「申し遅れたけどあたしは桃華っていうのよ。あなたのお名前は?」
寂しそうな笑顔を浮かべながら振り返る。
「譲治だ。取葉、譲治が私の名前だよ。素敵なお嬢さん。以後、御見知り置きを。」
状況:エレベーターに向かう。
>375−377
シノザキの返事は銃声のみ。
相手が防御手段を講じる前に発砲したのだろうか?
受話器からは、返答が全く無い。
複数の人間の話し声が聞こえるだけ。
受話器を置いて、隠し扉のモニターに目をやる。
「・・・Mother fucker,Mother fucker・・・This is fucken FUBAR !」
押し殺した声でFucd up beyond any repair、つまり混乱状態は既に修復不可能の頭文字を叫ぶ。
叫びながら冷静に考える。
今はジュン・シシドと合流するのが先だ。
スタッフルームを抜けて、パーティー会場へと移動する。
食器や食材が床に散らばり、豪華な絨毯を汚していた。
変わらないのは巨大なシャンデリアだけ。
この部屋に敷き詰められた絨毯だけで、軍隊時代の年収に匹敵するのではないか、と考えてしまう。
下手をすると食器と食材だけで、かもしれない。
「まぁ何だって良いさ。あの坊やが上手くここまで誘導してくれさえすれば。」
現在地:50階・パーティー会場
状況:ジュン・シシドを待って待機。
>345
一体のゾンビがふらふらとマルコ達に近づいてくる
早く車に乗り込まないと、襲われてしまうだろう。
>368 >343 >349
先行する老人達の耳に、複数のうめき声や足音が聞こえてくる。
音は階段を下りてすぐの扉の向こうからのようだ。
ざっと6,7体はいそうだ。
>351
狭い農道を走る車の前に突然、人影が飛び出した!
急ブレーキをかけますか?
そのまま轢いてしまいますか?
>376-378
いまだに引き金から指を離していない俺を気にも留めず、男は笑っている。
>「ま、確かにね。だが君が夢を見ている内に殺さなかった事を忘れないで頂きたい。」
「だったらこっちが撃たなかったってことも気に留めといてくれ」
舌打ち一つにため息を一つ。俺は銃をしまった。いっそ撃っておくべきだったろうか。
なんというか緊張が切れてしまった今となっては、考えてみても詮無いことだが。
受話器を拾い上げ、耳に当てる。
・・・までもなくスピーカーからツーツーと言う音が流れている。
「・・・切れてるか」
受話器をフックへ戻した。
その脇では男と桃香がゾンビへの幻覚の投影に関して話をしている。
>「試してみたが、無理だったのでね。理論上は、可能な筈なんだが・・・」
>「彼らは本能に則した行動しか取れない。仮に家族の姿を見せても喰いつくだろう。」
男の言うとおりでも気をそらすくらいは出来るだろう。
何もいないはずのところに誰か居るように見せればいい。俺がモニターに向かって撃ったように。
もっとも既に試した上であまり芳しい結果が出ていないのだから当てには出来そうもない。
もう一つ・・・能力ではなく、人格の問題もある。
さてその男だが、こちらが言ったとおり先んじて部屋を出ようとしている。
その後について部屋を出ようとした俺に桃香が声をかけた。
>「ねえねえシノザキさん、催眠術ってどんなの?さっきは一体何を見てたの?」
自覚はないが多分俺の表情は強張っただろう。
それを見たか見ていないのか、前を行く男にも声をかけた。
>「申し遅れたけどあたしは桃華っていうのよ。あなたのお名前は?」
>「譲治だ。取葉、譲治が私の名前だよ。素敵なお嬢さん。以後、御見知り置きを。」
男は即座にそれに答える。
「俺はシノザキだ。フルネームは聞くな」
俺も名乗る。お互い君だのあんただの呼び合うのも面倒だろう。次いで桃香に向き直った。
「別にたいしたことじゃねぇさ、ちょっと恥ずかしい過去をほじくり返されただけでな」
口の端をくいと吊り上げてウインクをする。
それから、取葉と名乗った男の後について歩き出した。
>373
>「メタノールだかエタノールは、呑めば目が潰れちまうだろ。
それでも構わなきゃ呑むんだな。
転がってる病人に気が付かん目なら潰れても困らんだろうがな。」
「ケッ!言ってろ!嫌味なおっさんだなー」
>「人喰いになる位なら蟲の方がマシだろうに。」
「やれやれ。薄々感じてたがこんな瀕死な奴でも化けもんになるのか」
瀕死の男を見て首を振りトランクへ腰を掛ける。
>379
一体のゾンビがふらふらとマルコ達に近づいてくる
早く車に乗り込まないと、襲われてしまうだろう。
席の方を確認する途中に何かを見つける。
「おーい、早くしろよな!こんな狭い所にいつまでも居たかねぇんだ」
「・・・?おい!おっさん!サイドおろしとけ!カァー、マジかよ」
決して速いとは言えない速度でマルコ・クラウディアに近付いて来る人影に銃を向ける。
「止まれ!何だてめぇは!」
人影に動じる様子はない。
「っち!また頭のおかしい奴のお出ましかよ!面倒臭ぇ!
一度は腰を落ち着けたトランクを抜け、マルコ・クラウディアの方へ走り寄る。
「ぼやぼやしてねぇでとっとと乗れ!行くぞ!」
2人を無理やり座席に押し込め運転席に声を掛ける。
「おっさん運転できるんだろうなぁ!?トランクの中で事故ってあの世とか笑えねぇぞ!」
続けて近づく人影に声を掛ける。
「てめぇ!答える気がねぇなら殺すぞ?それ以上こっち来んな!」
トランクへ駆け込み村田へ伝える。
「全員乗ったぞ!安全運転でとは言わねぇからさくっと出してくれ!」
M590Cを向けたまま人影に狙いを定める。
「糞!視野は広いが場所が狭いっつーの!」
「なんでこの村は変な奴しか居ねぇんだよ!丸腰で目が逝ってるとかジャンキーかよ!」
トランクで狙撃の体勢を整える。
所持品: C4/7ポンド C4用信管*11 リード8m*11 M590C(mossberg)*24(6発装填済み)
Glock 19*27(12発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク)
場所:分校外 村田が乗車中のトランク
状況:ゾンビ出現でマルコ・クラウディアを座席に押し込む。
383 :
名無しになりきれ:2006/12/12(火) 18:48:46
戦え!!
384 :
名無しになりきれ:2006/12/12(火) 19:07:44
これさえあればどんな奴も一刀両断
つ【鬼包丁】
385 :
名無しになりきれ:2006/12/12(火) 20:16:03
バター犬なゾンビ犬
>381
>「俺はシノザキだ。フルネームは聞くな」
「ははっ、シノザキ君だね。よろしく頼むよ。」
手を挙げたままゆっくりと、足音を立てずに廊下を歩く。
>「ねえねえシノザキさん、催眠術ってどんなの?さっきは一体何を見てたの?」
>「別にたいしたことじゃねぇさ、ちょっと恥ずかしい過去をほじくり返されただけでな」
「良い女は、男の過去を詮索しないものだよ。お嬢さん。
私の予想だが、ストレスフルな状況だね。
シノザキ君、この手の災害の経験があるのかな、ははっ。」
エレベーターの呼び出しボタンを押して暫く待つ。
「で、目的地は何階かね?」
取葉が笑いながら、振り返った。
>371
「ああ、それで問題ない。私は向こうに移ろう」
特に意地を張ったりするわけでもなく、簡単に鈴木の意見に同意を示し、後ろの二人へも了解を促した。
「中尉、猟銃を持ったものに分隊を組ませておけ。確か二個分隊程度は居たんだろ」
「戦闘可能な者の数に変化が無ければ、七人一個の二個分隊であります」
少し前にその旨を報告した金田兵長が大佐に言った。それに軽く頷き、中尉が大佐の命令に答える。
「了解しました。では、各分隊長は自分らが務めます」
「よろしい。絶対にこの作戦は成功させなきゃならん。これが最後なんだからな」
いつもと変わらぬ話しぶりの最後に小さく聞こえた言葉に、中尉と兵長は一瞬表情を強張らせた。
「では鈴木君、部下を頼む。宿舎で会おう」
二人との会話を終えると、鈴木に短く言って、すぐに降りられるように用意をした。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(11発装填、予備弾倉1)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(1発装填、予備19発)懐中電灯、背嚢
猟銃(0発装填、予備21発)背嚢
1000ならTRPスレの荒らしがきえる
>369
地下を点検したのは、おじいちゃん達の話では95年だったらしい。
だいぶ前の話だと思う。本当に大丈夫かな。
>「それでは行こうか。下は暗い。まずは明かりを付けに行くが、我々から絶対に離れないように」
「はい」
私は自分の声が上ずってるのに気づいた。腕の中のモフが苦しそうにクンクン鼻を鳴らした。
「あ、苦しかった?ごめんねモフ」
つい抱く腕に力が入っていたみたいだ。
相変わらず柴さんはケロッとした顔をしていた。
今からこんな暗い地下へ降りなくちゃいけないのに。全然平気みたい。
私たちは階段を一歩づつ降りていった。
私が握り締めた懐中電灯の明かりが、頼りなげに揺れる。
山田さんも柴さんも歩みによどみが無い。皆夜目が利くみたいだ。
「懐中電灯、あたしが持つわ」
ふらふらした足元を見かねたのか、山田さんは手を握ってくれた。
>379
闇の中からうめき声や足音が聞こえてくる。
山田さんが懐中電灯を扉へと向けた。
暗くてよく見えないが、扉の向こうに何かいるのははっきりしていた。
「お・・・おじいちゃん。おじいちゃん以外に、生きた人間でこの場所を知ってる人いる?」
おじいちゃんと同じように、避難して来た村の人達だったらいいのに。
だけどそんな考えは、ドンドンと激しくドアを叩く音に考え直さざるを得なかった。
ドアの向こうの人影たちは、うめき声を挙げながらドアを壊さんばかりの勢いで叩いている。
>381 >386
シノザキさんは譲治さんとしばし火花を散らした後、放置されていた受話器を耳に当てた。
>「・・・切れてるか」
「今ならゾンビがいないから急いで来いって行ってたわよね。
周辺警戒が出来ないからエレベーターから下りる時は、連射状態で銃を構えなさい、ですって。
ねえシノザキさん、もう連射に切り替えても良い?」
切り替えるのは全然構わないんだけど、また天井撃たないように気合入れないとね。
>「俺はシノザキだ。フルネームは聞くな」
そんなに毎回毎回フルネームは聞くなって言われると、凄く興味沸かない?あたしは気になるー。
今それどころじゃないからあれだけど、無事脱出できたらシノザキさんの身分証明書見ちゃおうかな。
さて、その謎のフルネームをもつシノザキさんは、過去も謎に包まれているようだった。
>「別にたいしたことじゃねぇさ、ちょっと恥ずかしい過去をほじくり返されただけでな」
そう言ってシノザキさんは悪戯っぽく笑ってウインクした。
「ぇ…?でも」
恥かしい過去を穿り返されただけで普通発砲したりする?
そう問おうとした瞬間、ホールドアップしたまま前を歩く譲治さんが口を挟んできた。
>「良い女は、男の過去を詮索しないものだよ。お嬢さん。
譲治さんの言葉はまさに絶妙のタイミングだった。質問をぶった切られ、ぐぐっとあたしは言葉に詰まった。
>私の予想だが、ストレスフルな状況だね。
「ジョ…ジョージさんがあんなあやしい登場しなければ、あたし達だってもっと心穏やかにいられるわよ、きっと」
あたしはちっちっと指を左右に振った。
「それにね、あたしは綾小路桃華よ。お嬢様であってお嬢さんじゃあないわ」
少し偉そうなのはささやかな意趣返しよ。まさに虎の威を借るなんとやらだけど。
後ろにシノザキさんが銃を構えてくれてるから、あたしもちょびっとだけ余裕。
譲治さんがシノザキさんにゾンビに会ったことがあるのかと聞いている。
あたしもちょっと興味があったけど、さっき譲治さんに釘を刺されたので詮索するようなことは言わなかった。
まあその…とりあえず、今はね。
>「で、目的地は何階かね?」
「50階を押して。ミスタ・ルイスと合流するのよ。
そういえば…ねえねえ、知り合いのわりにはミスタ・ルイスに滅茶苦茶酷いこと言われてたわね。喧嘩でもした?」
ミスタ・ルイスに催眠術で嫌がらせでもしたのかしら?
>387
>「ああ、それで問題ない。私は向こうに移ろう」
「了解しました。お二人に詳しい道を聞いておきますので。」
大宮大佐が二人に出した指示を頭の中で復唱する。
なるほど。
歩哨さえ立てておけば、見晴らしの良い校舎に攻め込まれる可能性は少ない。
体育館に立て篭もれば、頑丈な鉄の扉と、内側に嵌め込まれた鉄格子のお陰で守りは何とかなるだろう。
>「よろしい。絶対にこの作戦は成功させなきゃならん。これが最後なんだからな」
車内は暗く、老人達の表情は見えない。
不吉な言葉に気が滅入る。
>「では鈴木君、部下を頼む。宿舎で会おう」
「了解しました。あの二人を頼みます。」
出来損ないの敬礼のように、軽く右手を挙げる。
カラシニコフで武装した大宮大佐が本村の車へ乗り込むのを視認する。
(後姿は寂しい・・・もんだな。)
軽く天を仰いで月を見る。
血のように真っ赤な月は、蒼ざめていた。
「酔っ払いも怪我人も・・・蒼くなってからやばいんだよな。」
独り言を呟くと、アクセルを踏んだ。
分校までは大して時間は掛からないだろう。
待ち伏せさえなければ。
現在地:駄菓子屋近く
状況:分校に向かって移動開始。
>386>390
取葉は軽く手を上げてこちらに答えながら歩いていく。
確かに手を上げてはいるが、ホールドアップというよりは、
通りすがりに挨拶でも交わしているような風情だ。
それから、前を向いたままで俺と桃香のやり取りに口を挟んだ。
>「良い女は、男の過去を詮索しないものだよ。お嬢さん。
>私の予想だが、ストレスフルな状況だね。
>シノザキ君、この手の災害の経験があるのかな、ははっ。」
桃香が即座にそれに答える。
>「ジョ…ジョージさんがあんなあやしい登場しなければ、あたし達だってもっと心穏やかにいられるわよ、きっと」
「同感だな。まぁこの状況なら適度に緊張しておくのも悪かないんだろうが」
言われた取葉のほうでは・・・さして表情に変化もなく、何がしかの感情を喚起されてるのかどうかまったく分らない。
その冷静さのままエレベーターのボタンを押し、しばらく待った。
>「で、目的地は何階かね?」
>「50階を押して。ミスタ・ルイスと合流するのよ。
>そういえば…ねえねえ、知り合いのわりにはミスタ・ルイスに滅茶苦茶酷いこと言われてたわね。喧嘩でもした?」
「言われたばっかだろ」
苦笑いしながら桃香をたしなめる。
好奇心が強いというのは決して悪いことではないのだが。
エレベーターのドアが閉まった。
俺は拳銃を腹に差してライフルに持ち替える。
セレクターをオートに合わせ、エレベーターの壁に背をつけて50階への到着を待った。
>387 >391
前を走る車が急に止まった。
老人の一人が下車し、こちらの車に向かってくる。
「どうなさいましたか?」
老人はこちらの車に乗り込むつもりのようだ。
394 :
Judas(代理人):2006/12/20(水) 19:17:22
>345 >373 >382
俺はポケーとしながら男と外人サン達のやり取りを眺める。
いったい何をトロトロトロトロとやってるんだか・・・・・・。
男は外人サン達の背中をグイグイ押し車に詰め込み、自らもトランクに乗り込む。
どうやらこれで全員の乗車はオーケーのようだ。
俺はそれを確認するとリーダー君に話しかける。
「リーダー君、全員無事に乗車したようだ。急ぎつつも安全運転でよろしく頼む。
ここまで来て事故って全員死んじゃあ笑い話にもならないからな。
あーあと、出来るだけ餌を跳ね飛ばさないようにも注意してくれ・・・宴会料理が少ないと味気ないし、同胞にも悪いんでナ」
それだけ言うと窓から顔を出し、悪態を突きつつ狙撃体勢を取っている男に話しかける。
「無駄撃ちすんなよー?あんなのこの村じゃ大して珍しくも無い、いちいち律儀に殺していたらキリが無いぞ。」
>382>394
>「糞!視野は広いが場所が狭いっつーの!」
>「なんでこの村は変な奴しか居ねぇんだよ!丸腰で目が逝ってるとかジャンキーかよ!」
「煩いぞ!人の村に押し掛けて、偉そうな口を利くんじゃない!トランクにだって、自分から乗り込んだろうが!」
キーを差し込んでエンジンを掛けながら、叫ぶ。
>「リーダー君、全員無事に乗車したようだ。急ぎつつも安全運転でよろしく頼む。
ここまで来て事故って全員死んじゃあ笑い話にもならないからな。
あーあと、出来るだけ餌を跳ね飛ばさないようにも注意してくれ・・・宴会料理が少ないと味気ないし、同胞にも悪いんでナ」
「慌てず、急いで、安全に、ってか。任しとけ!」
アクセルを踏み込むと、車が一気に加速した。
勢いでボンネットが下がり、ガンと鈍い音を立てて二人の頭に直撃する。
「・・・チビ助!笑っとらんで見張りでもしとけ!」
くすくす笑うマルコとクラウディアを怒鳴りつけると分校を後にした。
>395
>アクセルを踏み込むと、車が一気に加速した。
「うぉ!おっさん加減ってものを知らねぇのか!」
再度体勢を立て直し、照準がふらふらと歩く人影に重なる。
「ったく冗談じゃねぇ!丸腰相手に撃ちたかねぇが、てめぇの命の方が大事なんだよ俺は」
「次は森の木にでもなるんだな。good bye」
M590Cの銃口から火が吹くと同時に人影に向けて散弾が放たれる。
「ざまぁみろってんだ!こんだけ近距離なら外すかっての」
「・・・こーなりゃやけだ。何匹でも来いや!片っ端からぶっ殺す!」
所持品: C4/7ポンド C4用信管*11 リード8m*11 M590C(mossberg)*24(5発装填済み)
Glock 19*27(12発装填済み) オイルライター
建物の間取りとマークの付いた地図帳(55F・40F・B?にマーク)
場所:分校付近 村田が乗車中のトランク
状況:研究所方面へ移動中 ゾンビ相手に発砲
397 :
融合体:2006/12/24(日) 20:58:26
>378
シシドを追う融合タイが、トップスピードで曲がり角に突入する。
ブレーキの壊れたトラックの勢いが、体中から伸びる触手によって、勢いが殺される。
壁に強力に張り付いた蔦が剥がれ、ブチブチと音を立てて、切れてゆく。
しかし、曲がりきったところで小回りの効くシシドに追いつける訳が無い。
シシドを見失った融合体の200の目が周囲を見回し、200の耳が足音を探して動き出す。
>「・・・Mo・・r f・・k・・,・・・her f・・k・r・・・・・is ・・ f・・・・n FUBAR !」
融合体の100の首が一斉に動く。
そして100の声帯が震え、不気味な鳴き声が動く。
出来損ないのコーラスがフロアを圧倒し、そして新たなる餌食へと急ぐ。
美しく輝く木製の扉をぶち破り、粉塵と木片を撒き散らしながら、パーティー会場へと巨体を押し込む。
カーペットが捲くれ上がり、雪崩れ込む巨大な融合体が、マクナブを見つけ嬉しそうに笑う。
100の口が一斉に歪み、マクナブを押し潰そうと加速し始めた。
>392
> 「言われたばっかだろ」
シノザキさんが苦笑いしながらあたしをたしなめた。
「ごめんなさい」
あたしはしゅんとなった。
だめね、いろんな意味でちょーっとばかしテンバッてるかも。
譲治さんがエレベーターの閉ボタンを押した。
向こうを向いているから表情までは見えない。
…怒ってないわよね?
いくら譲治さんが007だからって(※桃華脳内設定)いきなりボカ!って殴られるのは嫌よー?!
エレベーター特有の浮遊感を感じながら、あたしは首を傾げた。
「ね、ねえ。何か変な音がしない?ピシピシッって」
シノザキさんにひそひそ話し掛ける。
だってこれエレベーターのモーター音じゃない…と思う。動く前から聞こえてたから。
そういえば譲治さん、天井からぶら下がってた時、根を張る音がどうとか言ってなかったっけ?
あたしはシノザキさんと譲治さんの顔を交互に眺めつつ、手元のMP5を連射に切り替えた。
>397
軽快な電子音と共に、エレベーターの扉が開いた。
…………何これ。
「ここ本当に50階…よね…?」
だけど50階の惨状に浸っている余裕なんて無かった。
凄まじい地響きが聞こえてきたからだ。
何か重たいもの、たとえば巨大な象か何かが狭い廊下を全力で走っている、そんな振動。
あたしは涙目になった。
40階のモニターに映っていた怪物。ゾンビの融合体。あれ以外に考えられない。
銃なんて意味無くない?
「ミスタ・ルイスは大丈…」
あたしの言葉を遮るかのようにドオン!と一際大きな音があがった。
まるで壁かドアを重い槌で砕いたような、そんな破壊音だった。
状況:50階到着。融合体がドアを砕く音を確認。
>397
スローモーション。
世界から音が消える。
大気の粘度が一気に高くなる。
舞い上がる埃を切り裂き、鋭い木片が飛んでくる。
その奥から巨大な何かが飛び込んでくる。
アラブ人テロリスト、コロンビアのゲリラ、IRAの殺し屋連中と目が合った瞬間と同じ。
サイレント映画のスローモーション。
ジュン・シシドは消え失せた。
扉も消し飛んだ。
嬉しそうに笑うゾンビの集合体には、焦りも、不安も、恐怖も無い。
MP5のストックを肩に押し付ける。
狙いがデュランだった死体の頭部から、天井へと移動する。
引き金を絞る。
マズルフラッシュと共に吐き出された10ミリホローポイント弾が鎖を撃ち抜く。
サイレント映画の世界が終わる。
シャンデリアが降り注ぐ。
潰れてしまうがいい。
自らの罪の重さに潰されてしまうがいい。
「―――ぐっ…」
気が付くとそこは何も無い部屋だった
「俺は一体…」
俺は曲がり角を曲がった瞬間意識が飛んだ
「何だ?この部屋」
ゆっくり立ち上がると目の前には大きな穴が空いていた
周りには破片が散らばっている
「吹き飛ばされたのか…俺は…」
肩についた粉を払っていると向こうの部屋から重いものが落ちたような音がした
「ルイス……?あのベルセルクを何かで押し潰したのか?」
潰したのはいいがガスボンベはどうなっているのだろうか
「音がしたのは向こうか」
穴を抜けゆっくりとパーティー会場へ走っていった
401 :
融合体:2006/12/26(火) 21:24:33
>398-399
天井から何かが落ちてくるのに、16の目が気が付いた。
手足代わりに使っていた巨大な蔦を上へと向ける。
巨大なシャンデリアを辛うじて、支える事が出来た。
だが、勢いは止まらない。
バランスを崩し、マクナブから大きく逸れながら、壁へと突っ込んでいく。
巨大な蔦でシャンデリアを抱えた融合体は壁に埋もれ、何とか抜け出そうとする。
そうしながら、細い蔦を振り回し、マクナブとシシドを補足しようとしていた。
>393
窓をを開けて後続車両に向かって吼える。
冷たい風が喉に入り込み、肺を満たす。
「桂木さん!本村さん!私は、この二人を分校まで送ります!
貴方は大佐と共に駐屯地跡に向かって下さい!」
肺一杯に溜まった空気を吐き出し、アクセルを再び踏む。
やはり大声を上げるのは苦手だ。
喉が痛い。
>374
暫く車を走らせると、遠くからヘッドライトの光が見えた。
(敵にしては・・・のんびり走りすぎている・・・な。非難してきた村人には・・・見えん。)
「すみませんが、援護をお願いします。」
バックミラー越しに二人を見る。
冷静な手付きで猟銃に弾を込め、気持ちの良い金属音と共に初弾が装填される。
小川はベルトを緩め、454カスールの装填されたリボルバーを腰の右後ろに押し込む。
車を下りて、向かってくる対向車に大きく手を振る。
「停まってくれ!車がエンコしちまった!」
人の良さそうな笑顔を浮かべながら、二人の載る車に手を振った。
所持品:454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、 ワクチンx1、 シグP226(0)
煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校へ向かう農道。
状況:屋翌とジャーニーの乗る車を停めようとする。
403 :
ジェイムス・マクレガー:2006/12/27(水) 15:25:49
プロフィール
名前:ジェイムス・マクレガー
国籍:アメリカ合衆国
性別:男
年齢:35
状況:ロシアに旅行中、今回の事件に遭遇
紹介:穏やかな性格の一般市民。
404 :
名無しになりきれ:2006/12/27(水) 15:30:23
ずんびやろう!!
>379
階段下に見える幾らか錆びついた鉄扉から、呻き声や足音、さらに扉を叩くような音が聞こえた。
「看護婦さん、明かりはこっちに向けたまま、彩ちゃんと一緒に下がっていてくれ。すぐ終わらせる」
後ろに居た軍曹もそれらに気がついて、怪人に「護衛を任せる」と言い、扉の前まで出てくる。
銃を持ち扉の前に近づくと、かつての戦友らの声が一層大きく聞こえた。
「なぁ軍曹、我々がここで死のうが生き延びようが…彼らは許してくれるかな…」
少佐がこぼしたその呟きに、軍曹は答えようとしなかった。答える事ができなかった。
「……少佐、突入用意を」
どこか辛そうで自嘲気味な笑みを見せてから、少佐は扉を勢いよく開いた。
六十余年に渡って、この研究所を満たしていた冷えて乾いた空気が、すぅっと辺りに広がる。
扉が開くなり、軍曹が発砲した。懐中電灯の僅かな明かりと発砲炎によって、七人程の人影が見えた。
そのうち一人は銃弾を受けて倒れ、残り六人はこちらへ振り向き、ゆっくりと歩を進める。
「すまない、諸君」
小さな呟きは、少佐自身が起こした発砲音によってかき消される。放たれた銃弾により、六人は五人に減った。
飛び掛ってきた一人を軍曹が銃床で殴りつけ、頭を叩き割る。その一人は他の四人にぶつかって共に倒れた。
倒れた四人が立ち上がる前に、少佐は小銃の発砲準備を整えていて、一発の発砲で二人を撃ち抜いた。
それから転倒したままの残り二人を銃床で殴り殺すまで、老人達は一言も言葉を発しなかった。
>389
「……よし、もう大丈夫だ。みんな、ゆっくりこっちに進んできてくれ。軍曹は後方警戒に戻るように」
安全を確保した少佐はそれを後ろの三人に告げ、軍曹は命令どおり彼らの後ろへと戻る。
少佐の口調は、いつもどおり落ち着いた口調だった。
名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃(3発装填、予備31発)背嚢/三八式歩兵銃(3発装填、予備29発)背嚢
>393、>402
後ろに続いていた、本村の運転する車に手を振り、車が止まってから近づいて話しかけようとする。
説明しようとした事は、後ろから鈴木の声で聞こえた。
「…聞こえたとおりだ。彼らとは少しばかり別行動をする事になったので、そっちに乗せて欲しい。
さもなくば宿舎まで歩かにゃならんのでね」
助手席から話しかけてきた女性へ言い、少しにやけながらその後にからかうような口調で付け加える。
「何、無理にとは言わんさ。何せそっちは若いのが二人だ。私のような年寄りはお邪魔かな?」
名前:大宮外吉
持ち物:AK47自動小銃(11発装填、予備弾倉1)、軍刀、抗ウィルス剤
>402
「了解した。兵長、二発装填だ。発砲準備を整えておけ」
大宮大佐に代わり、橋本中尉が判断と命令を下した。鈴木に頷き、自身も銃に散弾を詰める。
「我々は車内に残るよ。向こうが敵勢力と認識次第発砲する。そっちから何か合図をくれても良いが」
車を降りようとする鈴木に小声で伝えてから、二人は向こうの乗員に見えぬよう後部座席の影に潜んだ。
「…しかし、こんな年寄りになっても戦争をやっとるとは思わんかったよ」
見つからぬように様子を伺いつつ、苦笑いで中尉が言うと、兵長も同じような表情で言った。
「我々だけじゃありません。連隊の将兵は一人として降っておりません。みんな、まだ兵隊であります」
『これが最後』
ふと、二人の頭に、上官のこぼした言葉がよぎった。
名前:橋本良治/金田昭平
持ち物:
猟銃(2発装填、予備18発)懐中電灯、背嚢
猟銃(2発装填、予備19発)背嚢
>392>398−>401
>「言われたばっかだろ」
>「ごめんなさい」
苦笑をするシノザキと桃華のやりとりを横目で、正確には首筋についた複眼で見ていた。
思わず笑みが零れる。エレベーターの扉が開く。
毛足の長い絨毯は捲りあがり、大理石にはひびが入っている。
壁に架けられた名画は無残に破れ、柔らかい灯りを放っていたランプは粉々だ。
>「ここ本当に50階…よね…?」
「エレベーターの表示を信じるなら、ね。」
取葉が歌うように言う。
>「ミスタ・ルイスは大丈…」
桃華の声が大きな音に遮られる。
「さっきの音と何か関係があるのかな?」
取葉が眉を顰める。
「取り合えずミスタ・ルイスの消息を知りたい。・・・やはり、私が先頭を行くべき、かな?」
返事も待たずに、スタスタと軽い足取りで歩き始める。
吹き飛んだ扉を覗き込んで、ため息を吐く。
「ミスタ・ルーイス!無事かね?!」
シャンデリアに押し潰されそうな融合体と、シシド、ルイスの姿を見ながら言った。
「取り合えずお嬢さんとシノザキ君を連れてきたよ!何か出来る事があったら言ってくれ給え!」
>402
前の車の窓が開いた。
>「桂木さん!本村さん!私は、この二人を分校まで送ります!
> 貴方は大佐と共に駐屯地跡に向かって下さい!」
大声で怒鳴ると、鈴木さんは走り去っていった。
後には武装した老人が一人残された。
>406
>「…聞こえたとおりだ。彼らとは少しばかり別行動をする事になったので、そっちに乗せて欲しい。
>さもなくば宿舎まで歩かにゃならんのでね」
動きは年齢をかんじさせないものだったが、歩み寄ってきた老人の顔は想像よりずっと老けていた。
>「何、無理にとは言わんさ。何せそっちは若いのが二人だ。私のような年寄りはお邪魔かな?」
私は思わず苦笑いした。
「危ないですから早くお乗りください。本村さん、構いませんわよね?」
ドアロックは既に解除されている。
私は後部座席に乗り込んだ老人に軽く会釈した。
>「駐屯地とは初耳ですね、自衛隊か何かのですか?」
本村さんが老人に説明を求めている。だが自衛隊という可能性はまず無いだろう。
名主の館の老人達の話や自衛官達の説明が正しければ、接近するだけで蜂の巣にされるだろう。
「すみません、駐屯地には何があるのですか?」
>396
>「・・・こーなりゃやけだ。何匹でも来いや!片っ端からぶっ殺す!」
「弾を節約しろって言われたばっかりじゃろ!間抜け!」
イラつきながら村田が車を運転する。
「サナトリウムの近くに研究所があったはずじゃ。取り合えずそこまで走るぞ!」
ゾンビが多い九武村銀座通りを避けて、田んぼ道を走る。
街灯が無くて真っ暗だが、大まかな道筋は解った。
「一緒に座っとる旦那のご機嫌を損ねるんじゃないぞ!」
話しも聞かずにショットガンを撃ちまくるミヒャエルを尻目に、村田の運転する車が分校を後にした。
>401>407
突っ込んでくる巨体に寒気を憶え、咄嗟に左へ飛ぶ。
バランスを崩した巨体が埃を上げながら、壁へと突っ込む。
撒き上がった埃に視界が遮られるが、ガスマスク内蔵の赤外線暗視装置のスイッチをオンにする。
「酷い様だ。・・・運が良かったなんてもんじゃないな。」
太い蔦をくねらせて、シャンデリアを支えるゾンビ複合体に向かって笑い掛ける。
「そのシャンデリアには・・・たっぷりオイルが詰まっててな。」
オイルと埃に塗れた複合体の顔の一つ一つが苦悶の表情を浮かべる。
目に入り込んだオイルと埃が突き刺さるように痛み、飲み込んだ喉は焼け付くようだろう。
伸びてくる蔦の根元目掛けて発砲する。
柔軟な動きを維持したまま、蔦が床に落ちて身悶えする。
さながら死に死に損ないの蛇だ。
流石に弾が当たっただけでは発火しないが、絡み取られたら厄介だ。
>「ミスタ・ルーイス!無事かね?!」
「You Fucker!」
その声に思わず銃口と罵声を向ける。
>「取り合えずお嬢さんとシノザキ君を連れてきたよ!何か出来る事があったら言ってくれ給え!」
「桃華!起爆させろ!」
叫ぶと同時に、大きく右手を振りかぶり、クリケットさながらのフォームで起爆装置を投擲する。
後は、上手く発火するかどうかだけだ。
411 :
名無しになりきれ:2007/01/05(金) 20:29:02
戦えゾンビたち
>407 >410
50階の惨状を見ても、取葉さんは顔色一つ変えなかった。
>「取り合えずミスタ・ルイスの消息を知りたい。・・・やはり、私が先頭を行くべき、かな?」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
取葉さんは先頭に立って歩き始める。もう、取葉さん歩くの速すぎるわ。
「シノザキさん、行こう!」
私は小走りで追いかけた。
「な…何これ」
大ホールの扉は無くなっていた。正確には、周りの壁ごと抉れてる。
あたしは穴から中に入った。
> 「ミスタ・ルーイス!無事かね?!」
> 「You Fucker!」
声をかけようとしたあたしは、びくぅ!と飛び上がった。
>「取り合えずお嬢さんとシノザキ君を連れてきたよ!何か出来る事があったら言ってくれ給え!」
>「桃華!起爆させろ!」
―― え?何?あっあっ!!!!
ゴン!
…………。
あたしは起爆装置を顔でキャッチした。
ミスタ・ルイスの手にガスボンベは無い。どこかに仕掛けてあるんだろう。
舞い上がった埃でよく見えないけど、巨大な何かが壁にめり込みながらもシャンデリアを支えている。
そしてゾンビ特有の唸り声。1体や2体の声じゃない。もっと大勢。
あの怪物達は多分――――。
起爆装置をもつ手が震えた。
視界が悪くてよかった。お陰で怪物の中に顔見知りがいても、あたしには分からない。
何でこんな事になっちゃったんだろう。そんな考えを振り切るように叫ぶ。
「ミスタ・ルイス、5カウントで押すからね!ちゃんと逃げてよ!」
プリンセス・オブ・シリーウォーク1号!頼んだわよ!
「―5!4!3!2!」
現在地:50階パーティ会場
状況:起爆装置を受け取る。あと1カウントでプリンセス・オブ・シリーウォーク1号起爆。
413 :
名無しになりきれ:2007/01/09(火) 10:56:05
? ?
>409
>「弾を節約しろって言われたばっかりじゃろ!間抜け!」
「どーにも・・・ああいうタイプは人の話を聞かないのが多いねぇ・・・。」
ぽけー、と流れる景色を眺めつつ俺は苦笑しながらリーダー君の話に相槌を打つ。
ドカドカドカドカと男がショットガンをブッ放す音をBGMに誰に言うでもなく呟く。
「・・・酷いもんだねぇ、長閑な風情が台無しだ」
ふと、頭に浮かんだことをリーダー君に尋ねてみた。
「そーいえば・・・研究所はここからどの位かかるんだ?」
所持品:無し
現在地:九武村
状況:リーダー君に質問
>405
階段の下に誰かいる。
「看護婦さん、明かりはこっちに向けたまま、彩ちゃんと一緒に下がっていてくれ。すぐ終わらせる」
柴さんが頷いた。おじいちゃん達は階段下に入っていった。
銃声と、何かを殴りつけるような鈍い音。
腕の中のモフをぎゅっと抱きしめた時、それは起こった。
「・・・痛っ?!」
私は右手の痛みに飛び上がった。思わず抱っこしていたモフを落としてしまった。
反射的に手袋を外すと、左手の甲が腫れていた。
手袋の中に9ミリはありそうな大きな蟻が入り込んでいた。
>「この!」
山田さんが蟻を摘み上げると、靴のかかとで踏み潰している。
「大丈夫?」
私は呆然として山田さんを見上げた。かまれた跡に気づいた山田さんの表情が変わった。
「た・・・ただの山蟻だよね・・・?」
「・・・」
山田さんは答えなかった。手の噛み傷をじっと凝視している。
モフがクンクン鼻を鳴らしながら、足元に擦り寄ってきた。
柴さんが心配そうに見下ろしてくる。
私はつとめて明るく振舞った。
「なんで手袋に入ってたのかな、びっくりしちゃった!モフ、あなたの毛皮に蟻はついてない?」
私はモフの体を調べたが、もう蟻はいないようだ。
「大丈夫か、彩」
柴さんが声をかけてきた。頷くと、山田さんは私の頭を撫でてくれた。
「うん、・・・うん。大丈夫!それにワクチンだって打ってもらったから」
感染の二文字は、なるべく考えないようにした。
>「……よし、もう大丈夫だ。みんな、ゆっくりこっちに進んできてくれ。軍曹は後方警戒に戻るように」
私たちは再びおじいちゃん達と合流した。
「彩ちゃんが蟻にかまれたの。消毒薬か何か持っていない?」
山田さんはおじいちゃん達に声をかけた。
次の言葉は小さすぎて、私には聞き取れなかった。
>「あんた達が開発したウィルスは、蟻のような小型昆虫にも有効なの?」
山田あすかは小声で飯田老人に問い掛けた。