【植松】初夏の風薫る呉燕ゼノギメト王国【美雨】

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1植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6
                       `ヽ、
                  ,  '"´ ̄ ̄`ヽ \ ト、                〜呉ヒストリー・1〜
                  / /  二  ミ}  ヽ| ヽ!        ここは知力100武力100魅力100の女王
          `===ァ'´  / // 三二ソ   /  /\!   植松美雨が治める夢の国、呉燕ゼノギメト王国な訳だが。
            /  , イ / / / /.r‐'′ ,イ   ヽ      そして俺が知力100武力100魅力100の
          // // / / /| ///   ∠-rイ j川  ヽヽ            女王植松美雨な訳だが。
         ///  // | l| | | |ハ{    ∠jリ|/|川   ハ|
          |/// //  lト⊥|-{{ヽ !     ノ⊥L リ //川 ! 俺は日本の白百合女学院に通う高校生だった訳だが。
         ! || |  | ||´ ,ィテヾ       ´ト-ヘ」/ ///|| || |     恋に遊びに毎日一生懸命になりながら
            l! |  |  Vハト-ソ        ̄彡/ /刈 || !優しい両親と一緒に八王子で幸せに暮らしていた訳だが。
           ヽ| \ヽ ヽ '"    〈      〃// レ7//
               ト、「ト    _.. --┐     // |/ /  しかしある日、学校に行くために乗っていた京王線が
               | リ ∧    ヽ   /    //  j| |  突然雷に打たれて脱線して、気がつくと西暦197年の
               |/ // ヽ、__`ニ---nnイ/ /リ |      中国にタイムスリップしてしまった訳だが。
               / / / ̄         n| | |_h ///7┐
            ///         | | | | | |/// /|  そこで呉の王、弱策という人物に出会った訳だが。
         ,  '´ _ イ |      `==彡| | | | | | // /ヽ 
        / ,ィ7/ ,.--┴‐t ̄ ̄ニ/ 「| | | | | V/ /─ヘ.  弱策は俺の境遇を不憫に思い、城に連れて行って
      ////////     ヽ  /   }j     | |∧    `、   くれた訳だが。そして飯を食わせてくれて、
  ィ⌒  〃 /// ///|         |     〈     | |  |    l. 新しい服や金をくれた訳だが。俺はとても感動して、
  {{     |l レ/ ,' |      | |      |      j |ヽヽ|    |   弱策のもとで働くことに決めた訳だが。
  \ ____,ィ|ハ|/ ハ      | |}      ノ    / / ヽ ヽ   l 
     // |{彳=イ ! / ̄ ̄`|j    /厂〉   |  |  || | ̄`l
   / / /∧レ ///〈      l     」 } (  / 」 }\|| |   l    弱策は俺を将軍にしてくれた訳だが。
  /  |/// / // /ハ       l   /| {/ \ハ ト个、/   ト 俺は弱策の恩に答えるため一生懸命働いた訳だが。
 ,'   | /  / /  |  ハ       !  / / |     ) })ヽl ヽヽ    |   気がつくとどんどん出世して弱策の右腕と
 |   | ||  | | | | / ハ      ∨   |  ノ V/  j  ||   |     呼ばれるようになっていた訳だが。
 |   | ||  l |ヽ| |/ / ハ   \ /  / /  /  ∨  ノ \  |
    V」 | | }| ノ  / ヽ   //  / ̄   (   /  /   ヾ | そんな中、弱策は病に倒れてしまった訳だが。
    / | j | リ  /  ハ  / / 〈  ⌒ ̄ /   〉  `ー‐、  〉 死の床で弱策は俺の手を取り言った訳だが。
 __/  //  レ' /  / ∧ / /   `ー、   \ (     /   |
  , -  ´ ̄, - '   / /  〉  レ'    \   |  )  く    |   「私には国を統率する力がないんで
 //  /     /  /  / \   }    ヽ  ヽ \   ヽ   /|        この国譲りますよ」

                                   こうして俺は女王として呉を治めることになった訳だが。
2名無しになりきれ:2006/07/09(日) 05:36:53
>1
新スレおめ
2
3植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:37:00

                                         〜呉ヒストリー・2〜

                     _,lヽ∧ー―-、        はじめのうちは呉の臣たちは誰も女王の言うことを
                   /:::/ / }::::::::::::::::\           聞いてくれなかった訳だが…。
                   /::;;:::/./ /:::::::::::::ヽ:::::ヽ     部下は次々と魏や蜀に逃亡し、民も女王に失望して
                  //::::{/ /:::::::i:::::::::::::::}::::::::',         つらい日々の連続だった訳だが…。
                /::::{:::::::/゙レヘi::::;イ::::;::::::::;ヘ:::::::::ヽ   
                {::i::ヽ;::;ゝ r/ィトjイ/ィ:::;イjノ:::::::::::::`;、_       でも女王はくじけなかった訳だが。
                ヾ';::::ト;`f'、  ゞ'" /ィ:::::i';::i;:::::::::::::::ヽ`ヽ、
                 `ヾ .`',フ:::    l;::::::!メlヽ:::::::::::::::::::::::\ なぜなら一度女王を引き受けた以上、
                     i`'<フ   ,イ!:::::|   ,>=、:::::::::::::::} どんな困難があっても民の幸せと平和の為に
                        l::::「 フ´ 7:::::l  /    `;:::::::::::::! 戦うことが使命と固く誓っていたからな訳だが。
                      {::::`r,   l/:::;'  /       }::::::::::/
            __         ゙ゞ:::'、}  ヽ::{i  {,     /}::::::::{   弱策以来の旧臣で数少ない理解者だった
             ,ィ"__,`''‐-r、     /`ヾラ   `j  lー―-、 }''|:::::::::`ー::'     陸遜、孔明( ´ ゝ`)、周癒。
            {/ f‐;-、  j ト、   /   j    l|  ,'    7 {:::::::::::: ̄ヾ  日本から呼び寄せて桃園の誓いを
        _. r'ノニ;ヘr- 、 l`く ヽ_/    {    {l  ;      ,' }:::::::::::::::::::  交わした、沢島あやよ、三ヶ月聡子。
.     ,. '´_ ’`r、 「 ヾ、7  l  `ヽ  /ヽ   ヾ∨    /  i::::::::::::::::::::  さらに新世代の優秀な人材である、
    //  ヽ ', ∨ -、ノ`ヽ、ヽ   r'"フ-、ヽ  /    i  {:::::::::::::::::::: 蝶竹内井氏時、神瀬木雅哉、弐零六、
.    { {      } } i!  /= / ``゙ /`/´.   ̄Y7     l   ヽ::::::::::::::::  五寸螺子らとともに、女王は自ら
     ',丶、_,ノ ノ,,./  ̄`''ー―-y'__,/      ヽ    ,'    }ー- 、::::前線に出て剣を振るって戦った訳だが。
     ヽr―‐''´rシ′       _r'_`ー- 、         /   ノ`ヽ  ヽ
      ` ''''' ´        '−<_ ̄ ̄ _      /`丶<ヽ   \ 時には命を落としそうにもなった訳だが。
                        ̄ ̄   ̄`−‐''     `丶、  ヽ女だからと馬鹿にされもした訳だが。
           
             でも女王は自分を信じて、部下たちを信じて、死に物狂いで戦った訳だが。
  そうやっているうちに民も女王に心を開き始めた訳だが。魏や蜀に逃亡した部下も少しずつ戻ってきた訳だが。
4植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:37:19
              ,. -‐ '' """ '' ‐- .,               〜呉ヒストリー・3〜
             /           `' /| ,'!  強く気高く美しい女王の名は呉にとどまらず、魏や蜀にも
            , '       , '´     ノ |>'.l  鳴り響いていた訳だが。そんな中、魏の北にあった小国、
         /,    /  ,.'/   ,.-,.‐',.. - '´ !'、 燕で内乱が発生した訳だが。燕の丞相賈範はこれ以上民を
         ,'イ./ , .,' ,./ l'l  // '''Z,..r‐ ''"´  ', 苦しめられないとの判断から魏への降伏を決めた訳だが。
          l'.l,'.! l  l ,'li,,...,,l .N     ,'.ノ /   .! 女王はこの噂を聞いて自ら燕に赴いた訳だが。
         l' .i l、l l,!ィ=-;、ヽi  -‐-ィ' ,/, ./  l
          Nヽ',!、l'::'-!` `  ,.,-'</rノ   ,'    女王は言った訳だが。
          l.l |!`  ̄  ,   ,,!'':':;!'i/  i.//
           !i  !',.    !.:   `"/ィ,.イ/'/     「確かに魏に降伏すれば内乱は終結するでしょう。
          ,'l  .! '.、.  、‐- ,.   /,!´ ! /   しかしそれが民にとって本当の幸福と言えるのでしょうか?
         ,' !  l-‐.ヽ. `"´ ,. -'.,´!  .! !           燕の民は魏の悪政に耐えかねて
.           ,' .|l  !''ー'-`ー=.´l-.r‐ '1  .! l      魏から独立する道を選んだのではありませんか?
        ,'  'i, l        .!|   ! .i.! .!     どうかよく考えてください。燕の進むべき正しい道を」
        /,.. イ',. !          .!!  .! ,',' ',
        , '´   !. ', l   ,、    }}  ,' .,'!'`"'‐.、   賈範は涙を流しながら女王の手を握った訳だが。 
     /    .,'  ヾ, (ヽ,>ン','´' _!! .,' /' ',    ',  
     !    !   '、ー/´´'-‐,ニ-{,l.,'/  i    .l      「私が間違っておりましたぞ美雨殿!  
     !   ヽ.!   ,ゞ`   ´r'‐7,!!'   .! /  .!    魏の野望を砕くため、ともに戦いましょうぞ!」
      ト、  __!  /l     ,. ‐''´ ヽ',   .!'   !
     ,i.  ̄ .l, .ノ! '、 ,..、'´''ー、  / l、  !--‐ '.l',       こうして燕は女王に命運を託して、
    /.l    i >.!  i./  ',  / .',,.'  !.'、 /     .l ',       ともに戦うことになった訳だが。
.   / ,i    !' l / ',   i ',  ! ,  ! 'i !    l '、
  /./,'   /  !/  .i   /  ',  ヽヽi  ヾ    ! ヽ'、 呉は呉燕王国として新たに生まれ変わった訳だが。
  ,' ,' i ,.,= '    !  ,! /  /  ,! !   ヽ,,_  i ヽヽ
 ,'/! i./     , '  i  !  /  ,.'  i       ! ', ',ヽ
. i,' .! !     /、_  ヽ  ! i  l.   ヽ      l ', ', ヾ、
5植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:37:36

                                       〜呉ヒストリー・4〜
.   //  .:. .::::::::::::{  ,イ     .:   . .:.     / ∧      その頃、東の大国ゼノギメトが
  /イ   :.::::::::::::::ヽ/:、/   : ::i:! :.:i:l;    .:.;イ/ ノヽ 国境を越えて呉に攻め込んで来た訳だが。
    {   ::::::::::::::::::ノ!::/.: .   ::、从.::lハl';. .:::;/ ´lィ´ 、 ヽ 
   ヽ   :::::::::/. |;:{:i:: l.  . :::{`,ィゞミ、ヽ.::/l   l/:/ .l ll   呉からは蝶竹内井氏時が出陣し、
     `i   ,.-'´ _,イ::"';';:';.:.、:.:::'、、{‐'´}` ヽl イ=イノ:. ;i:./l 見事にゼノギメト軍を追い払った訳だが。
.     }/  /::::{::::{ 7ト`.-ヽ、ヾ  ̄`   、 ヒ/7//ル' 
    /  /:::::::::::`ヾ..、l:::  ::l `゙`     , ノ彳'′   さらに蝶竹内井氏時は兵を進めて
  ‐r'′ /  :::::::::::::::::`}l:::  : l      ,,...._‐  / {      ゼノギメトの首都になだれ込み、
  {  /ノ . .:::::::::::::::::フ!l:: : : ト、     ‐ `/:. !l     ゼノギメト王を捕虜にした訳だが。
  ..', //  .::.::::::::::::::::;イ !l::: :. :.', `丶、  ィ::::: : ',ヽ
  -'"´ ..____,, ィ" `l:l;::';:::.. ;:.',  / ̄ .{:::;:: :. '、     蝶竹内井氏時は言った訳だが。
  =ニ二~-― 、 ̄ \ jハ:::ト、:::.ヽヽ j{ヾヽ、ヽ:::;:::::.. 丶
     ,r'" ̄丶   ヽ 丶! ヽ:::.ヽソ',', `_jj_`ヽ、:;::::::.`丶「ゼノギメトの民は長年の悪政で苦しんでいます。
     /     \   ヽ ヽ__ヽ::. ! .Yヽ  ',‐r-;ゞミ、:::.ヾヽ、  呉の植民地にして民をお救い下さい」
  ヽ ./       丶  ヽ {;;;;ハ:: l=l ',  7`゙iヽ {_ヽヽi `ヽ 
  :::} {   、      \  ヽl;;;;! }:ノ: :l ! l /::::::', l: : :}} ';l   /   女王は答えた訳だが。
  ::ヽ 丶  `丶、    ヽヽ l;;;;|:'′: l {  ,'::::::::::', l: : :l j',.- '´
  :::::::`-ゝ     丶  { ! j j;;;;l: : : : {_ヽ. /:::::::::::::',l: : :! /  「それはできません。蝶竹内井氏時。
  :::::::::::::\      `丶}l/イ;;;;l: : :/  `ヽ、::::::::::: ゙}: :l, イ    私たちは侵略者ではないのです。
  ::::::::::::::::::l丶 _ -‐  ̄`ヾ、l;;;;lrニ_      ゙ヽ、::::ノ: :l |  もしゼノギメトを呉の植民地にしてしまえば
  ヽ_,,.. -'‐'"    _ - 、_ `/ヽ /ヽ、      `ヽ : ! {   魏のしていることと何も変わりません。
  "       _ - '´    `゙ヽ‐7   丶、     ∨ ヽ   そんな国を民は信頼しないでしょう」
  _  -― ''"   _ -て 丶、_ソ     `丶    ∨-┴'"
         _ r '´    >イ        丶   /
6植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:37:58
                                      〜呉ヒストリー・5〜
           _,,..-‐'''" ̄ ̄ ̄` ''−=;- ,._     しかし蝶竹内井氏時は厳しい目で女王を見つめ、
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::...... :.... ..`ヽ`ヽ.            こう言った訳だが。
        /;;-―――-;;;;::::::::::::::::::::::::;-‐;__j;-、}_
        ,.-:::::::: ̄ ̄ ̄::::`−-、_,ィく__ノ‐- 、_Kニュ_      「それは違います、陛下。陛下の目的は
       / ....:::::::::::::::::::::::::::;;;;;ィ´.::j';:-::`::::::::::....`ーァ'`--、   ,呉のみの平和を守り、呉の民だけの幸福を
      / .:::: ...::::::::;;−::´;;-イ:ハ/::::::::::::::::::::::::::::::´::...::  `'/|   実現することではないはずです」
      ,' : .:::::;;-:::´:::;;:-‐''`::::::{::yイ:::;::::::::::::::::::/:::::::::::::.::   { l7
.     j .:::;:‐:::::;;;-::''´..::::::::::::::/{7:{:'、;1:::::: ::: :: :l:::;::::::::::: .:   `l{`'';=-  「それはもちろんです」
    /:::;;;;-''"´ ....:::::::::::::: /ヽト:::;:-';::l:: : :; :;::{;:{!::::;:::::.:  :.:  j: : ヽ
  ,.-'''"~::... .....::::::::::::::: , '/  _j}::{{/7ヾ;:::. {`rミ、ヽi!:::: ,ィ: : . / :: ヽ 「今、天下は麻のように乱れ、
   .::::::::::::::::::::::::::::: , '/Fニニニゝ'、/:::: :r 、! 、f-'ハ`';:/ l/彡'::: ::.  }   民はみな悪政に苦しみ、
  ::::::::::::::::::::::::::: ,イ/  |    `-イ::::: : !- 、 ``   ` ,z、ナ::: : ,i:.:j/  飢えて死ぬか戦争で死ぬかを
  ::::::::::::::::::::: / {{  . |     〃::: i!゚ /     、'ィィ;:イ;: /ノ'´   待っているような状態です。
  、::. ::::::::::::: /     __j       /l:::::: |、./   ..._   _ノヽヽヾ''´ 陛下はこんな乱れた世の中を正すために
  ';::;. :::::::: :∠ァ''く´ ̄       {: :::: l∧   ,. `''´  〃丶、    立ち上がったのではありませんか?
  j:::ii:::::::::「r― r―`- ,,.__      |:; : :. l /_`'''´    /イ:;:::::. ヾヽ   陛下の義務は呉の民だけを
 ノ:::jj::::::::::|.|  /     ~``丶、  li!: : :: ',ミヽ、   〃 ヾヽ::::. ',``  守り育むことではありません。
  ::〃:::::::::::!| /         ゙、', ヽ'、  'ト、`ヽ 〃`丶、 ';l ';:;:. }  ゼノギメトの民も同じ人間です。
 :::/::::::::::::::{.{ '、          ',',   ヽ  ヾミヽ.トミ 、 ヽ l .」j,. -'フ  _   どうして彼らにだけ幸福に生きる
 ::{::::::::::::::::::`,',ヽ          ',',   `丶、\o ヽヽ ヽ .∨_,.-''"_ニニ''ィ_っ  権利がないと言えましょうか」
. 、;::::::::::::::::::::'、', ',         ',.',      `ヽヽ、',_ゞ、/'´     _,.-ィ'、
  }:r、 :::::. ::. ::::',','、     \  | } }   __,,.. -‐''"´  「        -ク,j′  その言葉は女王の心を
 ノ'′ヽ ::::ヽ._ハ',',    \ ヽ |//  r'「          |        _'ノ-'     強く打った訳だが。
     } :::: ,}  `7     ヽヽ|./ _,.| |          |.r''「7て  ̄~
     ノ :: : }    |    , −_z'''"~  | |         |.| `ヽ ヽ 「私が間違っていました、蝶竹内井氏時。
  `ー''- -‐ '   j  _/ r ´     ,| |        ||    \ヽ     ゼノギメトを併合します。
                                      ゼノギメトの民は、今日から女王の民です」
        
            こうして呉燕王国は呉燕ゼノギメト王国に新たに生まれ変わった訳だが。
7植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:38:14
          ノ:::: ::.l:. : :::: ::;i:.: :: .:::::///ヶ−   ̄´ト,}          〜呉ヒストリー・6〜
       //::::::::::、ヽ::.::::i::l::ll::. :::::::://   "T  ̄ ̄`" ヽ  呉燕ゼノギメト王国として今や魏をしのぐ大国に
       //:::::ヽ::::ヽ:ト、:::';:トl゙ヽ::::::::l'´ ´ ̄ ̄/イ:l: . ::  ヽヽ なった呉は、平和と繁栄を謳歌していた訳だが。
     /!{::::: ::;::ヽ:::l` _ゞ=ミ、 ヽ::::{  -;=/、jイ:.: : .:: . : }`ヽ    旗揚げ以来の臣下たちに加えて、
    /  l'l:l:::. ::i:::. ヾ,〃{-‐':}`  ゙ヾ  '´{-‐':}/ソ:::/ .: :: .j,   \ 弐六四、なりきり公爵、牛田汚た男、政莉、
.  /  / ';ヽ::. ';:、:. :.ヽ ゞー'‐  l   ゞー'/ィ:::: ..ノ:/.丿、   ヽ、天使恵、月宮あゆなどの部下も新たに
/  /   ヾ゙ヽ、iヽ丶、\     ,      イ:::://ィイ   ヽ   加わって磐石の体制が築かれた訳だが。
 {∨         /::lヽ::`::;‐ ̄   , -- 、    /ィ´::::::::{::.'、_   \ i、
.八:ヽ      ノ.:::j  ::::::ト、   丶...... '    ,イ:::: :::: ;ヽ::::::.ヽ.   `}.} そんな中、女王のもとに突如衝撃の
  ヽ` ー‐_'´‐.::/ . ::l:l::::丶、    ̄   , 、'´::l:::::: :::ヽ::::::::{ノ  ノ丿  知らせが飛び込んできた訳だが。
/ ̄ ̄ ̄.::::::;;ノ.: .:: :::l:l:ri'´ l 丶、  _  ´ ! ``ll::l:::: 、::.ヽ::ヽ`−'/
 . .:::::、_;;;二-.:.:::ノ .:::j::!1', |   `´    |  /ハ:;::::. ヽ:. :.ヽ`= ‐-、 それは女王の旗揚げ以来の部下だった、
.:.::::::::::::::::::/// .::::l/l、', ',ノ, ヘ   ,ヘ `y' / ハ:;::::. : ヽ:..ヽ:\::::.. : ヽ神瀬木雅哉がクーデターを起こしたとの
_  -― /;イ.:;イ  :::::/ l:l \/l丶 /,ヘ`v / l `ヽ::. : ヽ、:ヽ::.ヽ__:.:. }     知らせだった訳だが。
     /´/:/,' : .::::/  .|:l    ヽ∨/ `‐'  /l   ヽ:::.  ',ヽヽ::.!  ̄
      // l: : :::/   l:丶    //     /: :l    |丶: : :! ';',リ    女王は思わず耳を疑った訳だが。
.     l/ l:. :.::::l    l: : ヽ  , ' /      / : : l    ! };l.:.:l  l:l   何かの間違いであってほしかった訳だが。
ヽ    i i  ';:..:::::{  |: : : ∨/    ノ: : : : l   l ' l::/  リ  /
8植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:38:31
..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .  ...:::   ...::::       r'′  /   /         〜呉ヒストリー・7〜
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::...: ..::::::  ..:::::::::      /  /   /   ヽ   神瀬木は建業市内を走る地下鉄に
:::::::::::::::::::::::::|::::::::|:::|:::::: .::::::| ..::〃:::::     / /-イ    /        乗客を人質にして立て篭もった訳だが。
:::::::::::::::::::::::::l::::::/|:::|:::::::::::/|..:::/:::::::    /|/   /  /:::.::::.   .:.    神瀬木は地位が上がるにつれて傲慢な
:::::::::::::::::::::::::||:::厶l::||::::::::/ |::/|:::::::   .:::/ リ   ´ ̄//|:/::::. .: :::::.  言動が多くなったため左遷されていた訳だが。
 ::::|::\:|::::::||::/二ト=ヽ:/ミl/-|:::::: .::///- ニ≦二厶/イ:::::::::: /::::::: /   それを恨んでの犯行だった訳だが。
 ::::l|::::Xヘ::::|彡Y^ll::::::::::::::トミ、|:::::..::/〃  rイ:::::::::::::i^ミ /::::::::;イ|:::::: /リ
:\:|ヽ〃:::\ヽ ヘ ヽ:::::::::ノ   |::::/ /     ヽ::::::::ノノ /::::ルヘ/:::// 「馬鹿なことはやめるのです、神瀬木。
:::::::/:::  .:::トヽ ` ̄ ̄´   |:/ i       ` ̄ ̄´ / イ:::::://く    すぐに乗客を解放して投降しなさい」
:/:::   ..::::::ハ             |              /::::::. ::::. \
    ..:::::// `、          !           ∧::l:::::.  :::. \\  「クーデターじゃあない、改革だ、
   ..::::///==ヽ、                 /=ヘ ヘ:::::.  :::.俺は女王とは違う、王様のやり方でやっていく」
  ..::/ //    リヽ、     ´ ̄_ ̄`    , イ| }   ヽヽ、::::::. :.
 .::/| |/    〃レ}ヾl|ヽ、         /リ/ヽ!リ    ヽヽト、::::::.   女王の説得にも神瀬木は応じず、
::/ || ||           |  `ヽ、___, '"   |        ヽ || \   周囲に向かって発砲を始めた訳だが。

「陛下。テロリストとは交渉の余地がありません。速やかに陸軍の対テロ特殊部隊を強行突入させ、
犯人を鎮圧いたします。ここは危険ですのでお下がりください」

「なりません、軍師長。それでは乗客を巻き込む危険があります。私と神瀬木の問題で
罪のない乗客を犠牲にしては、民にあわせる顔がありません。軍部の介入は許可しません」

「陛下はテロリスト一人のために国家の威信を傷つけるおつもりですか?
小義のために大義を捨て、自らのお命を危険に晒すことが正しいとお考えですか?」

「軍師長。民を犠牲にしてまで守らねばならない国家の威信とは何ですか?
私は自分自身の権力や名誉のために戦ってきたのではありません。この世界を憎しみの連鎖から断ち切り、
戦火に苦しむ民を救うためです。確かに力で反乱を制圧するのはたやすいでしょう。
ですが、それでは後に残るのは憎しみだけです。神瀬木とて同じ目的のために戦ってきた仲間なのです。
今は混乱していますが、誠意をもって話し合えばきっと理解してくれます。
すぐに部隊を下がらせ、私と神瀬木を二人だけにするのです。これは命令です、軍師長」
9植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:38:46
         /       l ,.-''"  `ヽ\ `''ー、            〜呉ヒストリー・8〜
          /      , ィ"            `ト、   「さあここは生徒会長率いる王様の新生・呉だ!
        /      く_ノ              l゙ト;、 ここは俺の率いる白薔薇軍団がのっとったのだー!
         i       j               / l l ヽ、  なーははははあはははっははっははは!」
         |      ,ィ              / //  、'、
         |      / |  /           /1//   ヾ 神瀬木の笑い声が辺りに響いた訳だが。
        |     / ハ l  {   l  | |   /  'lイ }  l }
        |    / / ゙Y',| 丶 i トト,ハ|、  | l -;‐7 ノ, ハ/ 「神瀬木、どうか落ち着くのです。
        l   / /  ハfト, lヽ'リイラ;fヽ, l i ,イテ オノjノ  私たちはともに民のために戦おうと誓った
  i     /   / /  _,ィYi ヽヾヾ ゞ-''  `゙ 、"´ラ1   同志ではありませんか。今ならまだ引き返せます」
  ';、   ノ   / / _/ / ゙/  ゙rゞ`     ::: , ノ l'__  
   ゙ -ニ"-   ヽ//|  ! l   |`ヽ.   r_ ァ /;l| `i「だからお前の優しさなんていらんちゅーねんヴォケ!
  ,.-'´    ,.-''´  |  ヽj   |  `ゝ、  ',ィ′ ヾ !  / どうしてそこまでして俺の貶すのさ!俺達は仲良く
//   ,.-''´    |  i    |、  / |,i T |     | /! していた中のはずだろ!どうしてここまで
〃  _ -''        '|  |    '|ヾ'ヘ,「rj ゙! |    |'| 引き裂かれた2人になってしまったんだ!
/ <_          ヽ |     ll  ゙イ|  | |     l! レ、 これぞ定めか!これぞ運命か!お前とは対決する
l  `ヾヽ、        ヽ !    l!  〃  !|     }/  丶道しかないのかー!悲しいなー俺達はーーー!」
l    `「`''− 、     ヾ!|   ト,  ll  ,/リイ  | j|   ,j 
'、    ヽ  / 7`ヽ  |  ヽl,  |ヽ,ll   !||  ,りl,  ノj      「神瀬木…あなたは…」
.|    ヽ/ /   丶|  ヾ',  |,  ll   l | | / /-''/j
 }   ,.イ´  /    ヾ! / ヾ l リl ,ll   l l, !/-''´ //  その時、不意に一発の銃声が響いた訳だが。
..ノ  /  |  /    f"´/   リi/ ∨/  / l メ _ -´/{,
´ /    !   /   f=''"    彳  K  , '  」 | /'"´ `ヽ
 |    |  | ヽ |      | |゙r'−r'´|  Y      /
10植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:39:01
                                            〜呉ヒストリー・9〜
   ,.‐'´  _,-'´/::. ,-イl::   :l : :::::l::|:::l:;イ:::/|  .:::::l::::::// /:::::::ヽ   乾いた銃声と同時に神瀬木の身体が
 ‐'´ _,. ‐'´::::::::l:::/ _/ l:;i  .::| :::::::ハ;{::|リ,{:/、」  .:::/l:::/7/::::::::::::.ヽ     ドサリと崩れ落ちた訳だが。
 ,.-'´ .::::::::::::::{:::{ /7 リ:', ::l ::::|::{7/ネ7ミ; l  ::;1:l|::{ '1:::::::::::::::::::.ヽ     「まさか…!軍師長!」
    :::::::::::::::::';::', ∨/ :: :::、::::; ::::;:lゞ、_ノ  } ヽ:::{`"l l| /::::/::::: :: l::: l 
    .::::::::::::::::::ハ::`7/  : :::ヽ:ヽ::::ト、 ゙ヽ    ヽ| z_`フ,ィ":::::::: :: i;:: ! 「狙撃は成功だ!犯人を確保しろ!」
  ..:::: ::::::::::::::/:::;ヽl1   :::::| ``ヽヽ         イフハノ:::::;/::: /::ハ:  兵士たちの叫び声が響いた訳だが。
 .:: .:::::::::::::::/::/;ラ:::    ;::::| u  ``       ヽヽく 7:::;イ:: ,ィ:::/ j/ 
 ..:::::/::::::ノ:ノrく 7イ   ::i:::|           , /'"T/::ノj/ 「やめなさい!これ以上撃ってはなりません!」
 /_,. -‐'''"∨`ヽヾ|   : :::l::l       ,. ―-、 、'´ /:::::: |''´      女王の叫びも虚しく銃弾は二発、三発と
 ニ‐ヘ     `ヽ `゙|   :. :::i;:lヽ   ヽ、_::::}フ ,.ィ:::::::::|          神瀬木の体を貫いた訳だが。
 -''" ヽ     ヽ`|  :. :.:::ハ:! 丶   `− / |::::::::::|
11植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:39:19

   / '、ヽ___,. 'ノ        , '                 l ! l   ヽ ヽ       〜呉ヒストリー・10〜
      〉,、___,ノ 、ヽ`   / ,.'               l l |.   ヽ i     「陛下!ご無事ですか!」
     /,'  ! ! '、 ヽ`、ヽ、,' ./              ヽ、!||     ゙i.l 軍師局長の牛田が駆け寄ってきた訳だが。
.    / i  ! ゙、 `、 `、\,' ! ,       /      ヽ!|| 、 .  ソ
   /,! !  ヽ `、 ヽ ,.. ,| l  !   ,   ,'     ,   ∨ノ ヽ ヽ | 「私は無事です。それよりも神瀬木を…」
   ' i |   ヽ ヽ  ,'r'ニ| 'i |.   l   l !    ,' ,  、.Yヽ 'i. ヽ l「まだ息がございます。病院へ運びましょう」
    | ! ,r',.ニ\, \!l´r''!  '、 !   !   ,i !    l. i  'i }、   | iノ
    '  ,.'、V,.ァィ、i'、ヽ、!;.!  `,!ヽ   !   |:!.!'、   !l i:、 !i ハ  リ! ! 運ばれていく神瀬木を見ながら女王は涙が
.     | ヽ.ヽ〈! ` ゙^ヽ,|    |゙、 '、  |:!|::'、.  |ヽ',!、!リ !| / ! ノ  止まらなかった訳だが。この時ほど自分の
     |  ゙ヽ.゙ヽ、   l      l `ヽヾ、、 |::゙:::ヽ.  l:::|ヾヾ  'ソ ノ,'    無力を感じたことはなかった訳だが。
      |    `ヽ、`ヽ、 'l    |   `ヾヽ、:::: ゙ヽ、!:. 、      '   
     ,|       `ヽ、` l,    l         ,..... ゝ        「誰が狙撃命令を出したのですか」
.    /|          `l     i、    ─r‐') > ヽ    「…軍師長と将軍長が協議した結果、狙撃せよと」
   i´ l、          'l    ヾヽ   /´/<     \      「そうですか。二人は今どこに?」
   |  \            ヽ    ヽ!^ー-イ',イ´ ヽ、    ` 、 「陛下のご命令に背いた罪をお詫びするとおっしゃり
    !   \         ヽ    \//l.|    ヽ、    ` ヽ辞表を提出されました。お裁きを待つとの事です」
.                  ヽ 、ヽ、  ヾ 、 ,||     `ヽ、     `ヽ 、「…辞表は受理しません。
                     〉yヽ`ヽ、   `'ヽ 、     ` ー- 、 _    ヽ、 二人にはご苦労でしたと伝えなさい」
   -──、           //::゙ヾ`ヽ、゙ヽ 、   ` ヽ、         ̄`ヽ、 ヽ, 
     rヘ, \          ヽヽ;::::::::::::i !ーiニキ、゙ー-  、\          ヽ. ! 三ヶ月も陸遜も女王と国のためを
                                                 思っての行動だった訳だが。
                                               責める事なんてできない訳だが。
12植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:39:36

                 /イ  ..:::::|  `<  ヽ`__'- 、          〜呉ヒストリー・11〜
                  /  ...:::;;;;-''" ̄ ̄`丶、/ ヽi``  人は誰もが幸せになりたいと望んでいる訳だが。
                 /  .::;;/         `ヽ、l l、  それはみな同じなのに、すれ違いを生む訳だが。
                  , '  ./ .:  .:  .  .:       `゙i ',l、  話し合えばきっとわかりあえるはずなのに、
                 /  .:/::::::::  ::.  ,.:: .::::   ....:;;::::./ .j|  同じ未来に向かって進めるはずなのに、
.       i、___,,.. - '´ _ -'''7/::::::::. ト、. ハ:∧::..: /::/`7-‐'´ノヽそれぞれの立場や信念がそうさせない訳だが。
      _,, ゝ''" ̄ _ - ´_ - ´::lハ;ヘ::::、.リ=ト{ッミ、'、::::l{/、_  }´ ̄  .}
   ,.-''´.:::;;-  _- ´ _ -'´ .:::::::::::::{八::::',` ゞ、ノ` ヽ{ `_zミノィ..::: . : ::! 「丞相長。私は女王にふさわしくないのでしょうか。
 /:;;-''"´  / /  ..::::::::::::::::::/ .::7-ヽ      、 _{-'ハノ:::::.: /:ノ'    たった一人の部下も救ってやれないで、
/''"7     { /  .:::::::::::::::::::/ .:::∧        ,  `゙∠;;;ィノj/    幾千の民を救うことなどできるのでしょうか…」
  ヽ      `´   ..::::::::::::::::::/ .:::/L ヽ    -‐ 、     / ∧′′
   ノ    _______ノ .:::ハl/  丶   `   _,.ィ: ∧丶 「いきなり何を言い出すんすか。会長ちんのことは
_ -'   r'"´        /.:::::/  ',',_ ヽ、_,,. 7´/:.:: / l, l   仕方がなかったことっす。聡子ちんが独断で
    :::::ヽ       , ' ..::::::/|  └-, l  ∧::::::l. /::: !   l, l 狙撃を命令してなければ陛下の命は危なかったっす」
 ...::::::: :::ハ       /:. :::::::/ |ヽ    l l/`个、{Y:::: l   .! l
ヽ   :::ノ  丶     !イl.:::::::{ | l    //``7 }7:::: l   `′
\`>'    ',    ヽ八:::', l  l  / '   / 〃:::.: l_
  `丶、    l      /ヽ:Y  レ , '   , イ 〃::;i: / 丶   神瀬木はかろうじて一命を取り留めていた訳だが。
\   `ヽ、 ,-1     /  リ  〃   , ' / ノ::/ l/  丶     女王は神瀬木の犯した罪を憎む訳だが。
_  `ヽ、   `<__     /  / 〃  , '  / //  ′   _〉 しかし神瀬木という人間を憎むことはできない訳だが。
 ヽ、  `丶、   ` −┘ //.  , '  / 7   / rr‐'''"´ 
/  ヽ、   `丶、_    /´  /   / /   /'´/      「会長ちんもきっと今は反省してると思います。
    __ノ`丶、_  ノ` ‐7, --r'    / /   / /`−、     陛下の気持ちはきっと届いてるはずっす。
-‐''"     ノ /   /{   ',   ノヽ、_ ̄` ┴‐‐‐7       だから元気を出してほしいです」
      / ./   /`ヽ  ノヽ/ / ` −-----/   
     / ./、__  -‐ ァ''"  く / / ̄ 7 −‐ ┘     「ありがとう、丞相長」
      
                                 女王には信頼できる部下と愛する民たちがいる訳だが。
                                 一時でも弱気になった自分を恥ずかしく思う訳だが。
13植松美雨(´A`)y-・~~ ◆b1zjgW3Xt6 :2006/07/09(日) 05:39:51

      _ r,             ,ィ_,...,_                       〜呉ヒストリー・12〜
     __う'' ヽ_          7´::::::::::ヽ           ,.-''と..,  怒りも、悲しみも、やるせなさも全て飲み込んで
     ''ぅ-‐-、'`'‐r;、_      7 .:. .: ...:.. }     _,.-r;‐''"_j,.、__ミュ    呉はその後も発展を続けている訳だが。
          丶、ll;、`ヽ,r;...... __゙;、:::::::::::;:イ,.-r‐;‐'"´_,.イ{_/        国を治める者は決して悩み立ち止まることを
             `'‐-、il    !::::::::::::::::ヽ ,∠‐'"´            許されない訳だが。それはまだ若い女王には
                `丶、/::: ::: . :.::::::「                    つらく苦しいことな訳だが。
                  /:::: ::: :::::::::::::',                 しかし、くじける訳にはいかない訳だが。
                  ,.'::/::::::::::::::::::::::::::ヽ               女王の小さな肩には呉の民を守る責任が
                /::;イ:::::::::::::::::::::::::::::::)                    かかっている訳だが。
                {/ {::;:::::::::::::::::::::::::::::;`;ァ               それは女王自らが選んだ道な訳だが。
                 {::i::i;::::::::::::::::::::;:i::「
                    7`゙ヽ;::::::::::/ル1           アンセスター、味噌帝国との同盟も成立し、
                    /  / ゝr'´ l  ヽ         いよいよ魏を追い詰めるところまで来た訳だが。
                  /   ,   |  l    ',        魏を倒して天下統一することが本当に正しいのか
               /   l  | ハ   ',              女王にはわからない訳だが。
                 /    !   li   l    ',        女王はこの世界の行く末を民とともに見守って
              /    {   l !   l     ',              行くしかない訳だが。
                /    ハ  l |    l    ',      呉の繁栄が多くの犠牲の上に成り立っていることを
            /    /    l|   l     ',       女王はいつも肝に銘じて戦い続ける訳だが。


                                                 〜完〜

                        『植松美雨 栄光の軌跡』

  出演  :植松美雨 弱策 賈範 沢島あやよ 三ヶ月聡子 蝶竹内井CG 神瀬木雅哉 牛田汚た男
資料協力:軍師省国史編纂室
企画協力:宮内庁
  製作  :呉燕ゼノギメト映画株式会社