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461リッパー ◆D568eYCYk.
……ひさしぶりに来てみたぞ。もとより、俺を待っている奴などあまりいないだろうがな。
俺が円盤石に封印される前のこと、俺は一人の人間の娘に会った。
そいつの髪は、自然界にある何と比べても美しい「ナギサ髪」だった…。
そいつは、誇り高いリッパー一族であるこの俺をとことん子ども扱いした。
挙句のはてには「もう!私がいないと何もできないんだから!」などとほざきやがった。
俺にとってそれは屈辱でしかないはずなのに、変な嬉しさがあった。
そんなある日のこと、土地をめぐって戦争が勃発した。
相手は、リッパー一族と同じでバトルをこよなく愛するナーガ一族だった。
結果は両一族がほぼ壊滅状態、さらにその両一族の長が失踪して引き分けに終わった。
俺はその生き残りだ。それだけならよかった。それだけなら、何も問題はなかったんだ。
戦いが終わって、ふと例の娘の家に行ってみると、
家に入るまでもなく通り道の途中でその娘は冷たくなっていた。
どうやら、戦争に巻き込まれて絶命したらしい。
俺が一生の間で涙を流したのは、今のところその日だけだ。
とにかく泣いたよ、涙がかれはてるまでな…。
その後、俺は一族の群れから離れ、パパス雪山で静かに暮らすことにした。

そのまま円盤石に封印されて何年かたった後のこと……
円盤石をひろったご主人に再生してもらった後、ご主人のファームで生きることを決意した。
たまに外をぶらついてみると、俺が昔会った娘にそっくりな娘を見た。
そいつとはわけあってマブダチになったが、いろいろあってそいつとも会えなくなった。
…俺が愛だの絆だのと言う話題をイヤがってたのはそのためだよ。
愛が何を生んでくれるのかは知らんが、その愛のせいで俺はどん底の悲しみを味わったのだ。
だが、俺のマブダチはハナから愛などと言うものに興味はない。
そのせいでご主人や、ファンと言うブリーダーには薄々気づかれていたようだな。
俺があのファームの中で一番女に甘いなどと言う奴までいたくらいだからな…。