バイオハザードLEVEL13

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312小川平蔵 ◆K3F.1.DICE :2006/08/04(金) 23:12:32
>307
>「驚かせて申し訳ない。我々に戦闘の意思はありません。
  私は指揮官の三影、部下ともども宜しくお願いしたい。」
「これ位で驚くようじゃ6課は勤まらないんでね。こちらこそ宜しく。」
差し出された手を握ると自信たっぷりに笑う。
分厚くざらついた手のひらの皮の感触から継続して訓練や実戦を受けていた事が解る。
それにしては目の前の男は随分と若い。
「ああ、私は鈴木で結構。こちらの二人は、航空自衛隊のパラレスキューで我々の協力者だ。」
航空自衛隊の迷彩服を着た二人の巨漢、雑賀と赤坂(301)の二人を顎で示す。
パラレスキューは墜落した航空機などの救助を目的とする部隊だ。
実戦においては敵地に墜落した戦闘機やヘリのパイロットを救出するのを任務とする。
もちろん敵は十分に警戒している上に味方の援護を得られない環境での作戦だから隊員にはそれ相応の技術と体力が必要となる。
ある種の特殊部隊と言っても間違いではない。
「私としても困った事に・・・陸、海、空、全ての自衛隊をコントロールしている訳では無いからね。」
困った笑顔を浮かべて陸上自衛隊の迷彩服に身を包んだ若者(304)を顎で指す。
「こちらは・・・先ほど捕虜に取ったばかりでね。陸上自衛隊の人間だろうな。航空自衛隊は比較的協力的なんだが・・・
 陸上自衛隊はそうでもない。その証拠にここを包囲しているのは陸上自衛隊だ。」
そして最後に大宮大佐(>294)を指で指した。
「あの老人は大宮さんだ。この村の人間で色々と情報を与えてくれる。協力者、と言う訳だね。
 元軍人で銃の扱いにも長けている。役に立つ事この上ない。」
何人かの隊員がグレイブディガーや巨大な蜂の群れと戦闘を始める。
銃声が響くがお構いなし。
目の前の男達、つまり三影達に任せておけば問題無いだろうと完全に信頼しきっているようだ。
「さて、君に協力して欲しい事があるんだがね。」
三影の耳元に顔を近づけると任務は移動しながら話す、と囁いた。
目的地は校舎の裏の駐車場だ。
「何人かの隊員をここで警備に当てて欲しい。ヘリが着陸できるスペースはここ位しか無いからね。
 それと指揮官である君と数名、そうだな・・・君と合わせて6人位の人間と行動を共にしたい。」
簡単に状況の説明を行う。
「体育館にかなりの数の生存者がいる。目撃者を可能な限り集めたんだ。感染してゾンビになって歩き回られると厄介だ。
 それにまとめておいた方が始末する時も楽だからね。」
振り返って巨漢の自衛官二人に呼びかける。
「その陸自の男は丁重に扱ってくれ。色々と話を聞きたいからね。」
早い話が一緒に来い、と言う訳だ。
「どうだろう・・・君は協力してくれるかね?お互いに目的は一つ。傘の利益の為だ。」
真っ直ぐに三影の目を見ながら言った。

所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
    ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:御影に協力を要請
313三影 ◆YDILyDvd46 :2006/08/05(土) 16:56:56
>>306
・・・チッ。

各自、散開して敵を包囲!!殲滅しろ。

>>「何人かの隊員をここで警備に当てて欲しい。ヘリが着陸できるスペースはここ位しか無いからね。
 それと指揮官である君と数名、そうだな・・・君と合わせて6人位の人間と行動を共にしたい。」

人員を裂くのは構わない。
たとえ最後の1人に自分がなっても任務は遂行する。
ただ、それだけの事だ。
笑顔で返す三影。

「いいでしょう、我々でよければ全面的に協力させて頂きます。
今、生き残ってる隊員はちょうど6名程度だ・・・先程の>>306怪物の襲撃で
また人員が減ってしまいましたが・・・彼らの為にも我々は生き残るべきだ。」

捨て駒など、どうでもいい。
所詮はその程度の感覚しかない。
どうせ彼らには此処から戻っても温かいスープを作ってくれる人もいなければ
守るべきものも何もないのだから。

小川という男の話では、他にも自衛隊の兵士が2人。
そして村の老人である大宮なる人物もいるらしい。

「・・・では、こちらの警備に4名。私と同行する兵士が2名で如何でしょうか?
世が明ければ全てが焼き払われる・・・それまでに何とか脱出しなければなりません。」


所持品:サブマシンガン−AMS(特殊徹甲弾装備)
    スティングブレード(対BOW専用接近戦用装備)
    RG(レールガン)

現在地:分校・校庭
状況:小川の要請を了承
314大宮部隊 ◆iN6vAlHM66 :2006/08/05(土) 20:33:11
>289、>302
「ああ…いや、いいんだよ。気にしないでくれ」
額に浮かぶ汗を拭い、水野軍曹はいつも通りに落ち着いた口調で少女の言葉に答えた。
少女に抱きかかえられている犬を見て、いい肉を買ってやると約束したのを思い出す。
「さて、それでは宿舎に入ろうか。軍曹は引き続き、後方の警戒を頼む」
>271
少佐が歩き出そうとすると、足元からカサカサという物音が聞こえる。
「……何だ…?」
見れば、無数の蟻が蠢いているのに気がついた。だが、何故か隊列を作ろうとはしていない。
さらに他の蟻を食い荒らしている物や、歩かずにのた打ち回っている物も見受けられる。
「…………まあ、放っておいても大きな害はあるまい」
秩序の無い蟻の群れを多少警戒しながら踏み越え、かつて駐屯地だった場所へと踏み込んだ。
草木の陰に隠れた門柱には、「陸軍歩兵第五三一聯隊」の文字が見えた。

名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃、背嚢/三八式歩兵銃、水筒、背嚢
315大宮部隊 ◆iN6vAlHM66 :2006/08/05(土) 20:35:05
鈴木と軍人達が話し合っている間に、校舎から戻ってきた二人の手を振って合図をする。
「二人ともご苦労、報告を頼む」
大佐が敬礼と共に言うと、二人も揃って敬礼をして、橋本中尉が口を開く。
「村民の治療は無事に完了しました。死者は居ません。混乱も大きくはありませんでした」
「武装した村民の内、戦闘が出来そうな者は14名。7人ずつで2個分隊を組ませられます。
銃弾は全て合わせて200発程度はあるものと思われます」
続けて金田兵長も報告を行い、敬礼をしていた手を下ろす。
>301>304、>312、>313
自衛官や所属の分からない兵士、そして鈴木に向かって、大佐は短く尋ねる。
「……それで、だ。単刀直入に聞くが、兵士諸君の任務は救助かね?破壊かね?」

名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:AK47自動小銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
316名無しになりきれ:2006/08/05(土) 20:50:42
>305>307
雑賀は小川の役者っぷりに口笛を吹いた。
「狸め。道理で喰えない筈だ」
フェイスマスクの下で苦笑を浮かべ、心の底から嫌味を込めた言葉を呟いた。

>312
>「その陸自の男は丁重に扱ってくれ。色々と話を聞きたいからね。」
「ああ。分かっている」
未だに第四匍匐の姿勢で地面にべったりと張り付いている陸上自衛官(>304)に向けて
AK47を構える老人を手で制し、襟首を掴んで彼を自分の目の前に立たせる。
彼我双方の身長差は20cm以上はある。自然と自衛官を見下ろす形となり、雑賀は威圧的に出た。
「名前と階級、そして『如何して』此処にいるのかを教えろ」
先程から気になっているのは、何故、陸自が村内にいるかと言う事だ。
自分達の知らない所で状況が変り始めている。それが如何いったものかが分からない。
目の前のこの自衛官が唯一の情報源だ。何としても把握せねばなるまい。
「答えたくなければ答えなければいい。その場合はお前を殺してその装備を他の
もっと能力のある奴に渡すだけだ。その方が生存の可能性が上がるからな。足手纏いはいらない」

現在地/状況:自衛官を尋問。
>316
>「狸め。道理で喰えない筈だ」
雑賀の嫌味を聞き流し、薄笑いを浮かべる。
諜報員にとっては最大の誉め言葉なのだ。
若い男を尋問する雑賀を横目で見た。
人間は体が大きければ大きいほど野蛮だとジョナサン・スウィフト言っていたのを思い出す。
確かに大男には他人に恐怖を与える何かがある。
もっとも自分自身が小柄だからそう思うだけかもしれない。

>313
>「いいでしょう、我々でよければ全面的に協力させて頂きます。
  今、生き残ってる隊員はちょうど6名程度だ・・・先程の>306怪物の襲撃で
  また人員が減ってしまいましたが・・・彼らの為にも我々は生き残るべきだ。」
「その通りだ。バランスは取れていると思う。適切な判断だな。
 彼らの為に、か。それは言い換えた方がいいと思う。
 我々は永遠に生きる事は出来ないが・・・我々の死によって組織が永遠に生きる事は出来る。
 つまり・・・我々もまた永遠と言う訳だ。
 最後に人は死ぬ、という事を恐れずに受け入れる。そして犠牲こそが尊い事を学ぶ。
 それが組織の構成員としての心構えだ。」
違うか、と問い掛けながら三影に笑いかける。
>「・・・では、こちらの警備に4名。私と同行する兵士が2名で如何でしょうか?
  夜が明ければ全てが焼き払われる・・・それまでに何とか脱出しなければなりません。」
「無論だ。死ぬのは構わないが何の結果も出さなければ多額の訓練費用を払ってくれた組織に
 不利益しか与えない事になってしまう。
 彼が脱出ルートを知っているから協力をして貰っているのだ。」
話している間に校舎裏の駐車場に到着した。
村人から貰った車の鍵を使い、停めてあった車を探す。
鍵に開錠ボタンがついているのは有難い事だ。
車を探す暇が省ける。
ライトが点滅し、開錠された事を一台の車が示す。
泥に塗れた一台のワゴン車だ。
ドアを開け、中を確認する。
その気になれば何とか全員押し込めるだろう。
「君、そう、そこの君だ。」
傘の兵士の一人に適当な車を見繕い、それに乗るように指示を出す。
ハンドルの辺りのケーブルを弄ればエンジンを掛ける事は出来るだろう。
兵士の一人は指示通り車の窓を割ってエンジンを掛ける為にハンドルの付け根辺りにナイフを突き付け始めた。
318スプートニク ◆K3F.1.DICE :2006/08/05(土) 23:58:56

>315
分校の様子を把握し、報告に二人の老人がやって来た。
大宮大佐に状況を報告する声に耳を傾ける。
報告を聞き終えると大佐が口を開いた。
>「……それで、だ。単刀直入に聞くが、兵士諸君の任務は救助かね?破壊かね?」
「それはこれから話す事ですよ。心配なら大宮さんだけ同行してもらって後の二人は残って貰った方が良いでしょう。
 彼らと協力してここに残って貰った方が良いかもしれませんな。」
小川が、いやスプートニクが言い放った。
遠まわしにここから先は来るな、と言っているのだ。
だが来るというなら拒むつもりは全く無い。
「ただその場合は別の車、別の目的地に言って欲しい。後で合流したいと思っているんでね。」
橋本老人と金田老人には別ルートで小川が無くした小銃の回収を依頼し、
ついでに先に荒れ寺に向かって欲しい事を告げた。
護衛に付いてくれる兵士の一人に頼み込み、同じように適当な車のエンジンを掛けるように言った。
「こちらのワゴンに我々は乗る。」
簡単に乗る位置の指示を出した。
赤坂が運転し、現地人である大宮大佐がナビ席で案内をする。
赤坂の後ろに小川が座り、その隣に三影が座る。
雑賀と捕虜にした三島は最後部の座席で尋問を続けてもらう。
「それと捕虜の君。アサルトライフルは大宮さんに預けて置きたまえ。咄嗟の時に運転をする彼が
 大宮さんから受け取れるようにね。後で銃は返すから安心したまえ。」

所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
    ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・駐車場
状況:2台(大宮、狙撃班、三影、三島、小川)と1台(橋本、金田)は別ルートで移動する事を提案。
319米軍兵士 ◆2ISenyg2AE :2006/08/06(日) 14:46:02
「ロバート大尉、彼等をあそこに置いてきて大丈夫なのですか?」
「・・・現時点での最優先事項はここからの脱出だ、構わん」
「しかし・・・」
「ウィル、後方警戒がお留守だぞ。さっさと行け」
隣にいたハワードに言われて、若い上等兵は渋々後方へ下がる。
俺とバーンズは巨大ミミズの穴にフリーフォールした後、何とかトンネルから這い上がってきた。
もちろん桂木や篠原を探したが、全く見つからなかった。
代わりに現れたのは、散り散りになっていた部隊の面々。
ただその数は当初の半分以下にまで減少し、作戦続行は事実上不可能。
その旨を伝えるべく司令部へ連絡を入れると、意外な答えが返ってきた。
『必ず生還せよ。それ以外の結果は認めない』
また何か持って帰れと言われるのかと思いきや、こんなに部下思いな返事をくれるとは。
上層部にもいい奴は居るもんだな。

>314
周囲を警戒しつつ進んでいくと、前方に目指していた建物が見えてきた。
「総員警戒態勢、目標デルタを確認。衛星写真と符合する、間違い無い」
瞬時に緊張が高まり、隊員達の顔つきが変わっていく。
ハワードとバーンズが先に門の前まで移動し、俺と残りの二人がそれに続く。
全員が門の前に着いた時、建物へと向かう人影が見えた。
「Freeze!!そこから動くな!」
人影に銃口を向け、ハワードが叫んだ。
だが、彼等に敵意があるとは思えなかった。薄っすらとではあるが、子供らしきシルエットが浮かんでいる。
湾岸戦争での悪夢が蘇ってくる。家から飛び出してきた子供の頭を撃ち抜いてしまった時のことだ。
「やめろ、銃を下ろせ!あいつらは民間人だ!」
俺の声に反応し、ハワードが銃を下ろす。今はそれだけでも表彰してやりたい気分だよ。
「・・・今からそっちに行く、待っててくれ!」

こちらの声が届いたかどうか分からない、追いつくなら急ぐべきだろう。
地面に蠢いている蟻の群れを踏まない様に注意しながら、人影へ向かって走った。

名前:Robert.S.fallington/Eliot.K.burns
装備(Rob):M16A4(30+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
       Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(19+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
      Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(How):M4A1(30+1)+Mag×5、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3
        Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
隊員装備:M16A4、M1911A1 MEU、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
海兵隊員:2人生存
現在地:陸軍駐屯地跡
320佐治信方 ◆WYuBcIVVV2 :2006/08/06(日) 16:09:26
>286>310
気が付くとベッドに寝かされていた。気を失っていたのだろうか。
頭は霞がかったように思考を拒み、体は気だるくなっている。
どうやら「その時」が近付いたようだ。
まだ食欲はないが・・・

>「今から消毒を開始する、少々痛むだろうが・・・まぁ、その辺は何とか耐えてくれ」
傷口に消毒液をかけられた私は呻き声を上げた。
この苦痛に耐え抜いたところで私に残された道は人喰いになることだ。
早くしないとこの村は地図から消える。


所持品: 拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 負傷@感染
321桂木桜子 ◆jFC.LOgoJM :2006/08/06(日) 17:16:42
田舎はいい。開放的で、鍵など滅多にかけないからだ。

大ミミズの穴からどうやって抜け出したのかは全く覚えていない。
気がついた時には、見知らぬ民家の前だった。
あの時、確かに生き埋めになっていた筈なのだが。
助けてくれそうな人影が見当たらない以上、自力で脱出したのだと納得するしかなかった。

もし連れがいたら、シャワーを浴びる暇などまず無かっただろう。
この状況で悠長な、とも思われるかもしれないが、殺される時髪の中まで土まみれなのは願い下げだ。
雨が降ったにもかかわらず、土は乾いていたようだ。着物の汚れは叩けば簡単に落ちた。
さっぱりした私は、とある家の中でカレーを食べた。
飢えは治まったが、味などわからなかった。
自分の体調も気になっていた。
転落した時確かにダメージを受けた筈なのだが、今痛みは全く無い。
体調は元通りになっていた。ゾンビの気配もちゃんと読める。恐ろしい事に。
その代償とでもいうように、手首の痣が大きくなっていた。
等訓市で、腕から触手が映えた事を思い出して身震いする。
―― これ以上ダメージを受けると、人の姿を保っていられないかもしれない。

堂々巡りの考えを断ち切るかのように立ち上がる。
このままもう少し休みたいが、今日の朝には除染作業が行われるのだ。
あまりゆっくりもしていられない。

車庫に車は無かった。家主が逃げる際乗っていってしまったのだろう。
かわりに自転車と鉈を手に入れた。鉈は少し重いが、まあ何とかなるだろう。
外に出ると、遠く離れた場所では白煙が昇っている。あれは私が放火した民家のものだろう。
ここからなら研究所よりも荒れ寺の方が近いはずだ。

私は荒れ寺に向かった。

状況/民家 グレイブディガーの穴より脱出。自転車で移動開始
服装/所持品:和装/アンプル(抽出高分子入)×2、救急セット 研究員の手帳(カードキー) 写真、 古びた日記、親子の写真、鉈
322甲殻虫型変異体 ◆CO7zDJ...Y :2006/08/06(日) 17:44:04
雨露に濡れた草叢の影で、生肉を貪り食う音が静かに響いていた。
暗闇に浮かぶシルエットは人のようであって人では無い。
その体長は優に3mに達しようかというほどだ。
表面がぬらぬらと光っている灰色の外骨格に覆われた巨躯。
その姿は飛蝗類を無理矢理人間の模った様であった。
「GRRRR……」
人間とは勝手が違う肉体を維持するのには膨大なエネルギーが必要だ。
その為に常に飢餓感に苛まれ、絶えず獲物を求めて徘徊しなければならなかった。
先程仕留めた巨大な芋虫は、味は兎に角として充分な量のエネルギーを摂取できた。
只管空腹に突き動かされて顎を動かし、酷い臭いのする土色の肉に齧り付き、紫色の血を啜った。

>319
「R?」
不意に触覚が美味そうな獲物の匂いを嗅ぎ取っていた。
久し振りに嗅いだ新鮮な生肉の匂い。匂いを嗅ぐだけでもういても立ってもいられない。
今まで食事をしていた草叢から立ち上がり、その高い視界と鋭敏な嗅覚で当の獲物を探す。
「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
見つけた途端、彼は歓喜の声を上げていた。距離にして数十m。『腐っていない』人間だ。
それも結構な数が揃っている。どれもこれもが武装しているが、構うものか。
「AOOOOOO!!!!」
背中の虫羽を戦慄かせ、足に力を込める。
次の瞬間、引き絞られた弦が勢い放たれるかの様に疾駆していた。
「OOOOOOO!!!」
兵士らしき男に、彼は飛びかかっていた。

場所・状況:陸軍駐屯地近辺・>319の兵士の一人に襲い掛かる。
323名無しになりきれ:2006/08/06(日) 20:40:21
>322
門の前にいた蟻の大群が群がってきた。
324鏡野姉妹 ◆GzWqzQ7Gpk :2006/08/06(日) 22:26:12
ガタガタと寒さと恐怖に震えながら、私達姉妹は荒れ寺のとある一角に身を隠していた。
私達は化物に簡単に見つからないような場所に隠れているのだが、それでも村から聞こえてくる
呻き声やら何やらは怖い。だから、私達姉妹は互いに身を寄せ合ってじっとしていた。
「怖い…怖いよう…」
嗚咽混じりで妹の綾芽が細い肩を震わせている。
私も涙目で怖がる妹の肩を抱き、背中を擦ってやる事ぐらいしか出来なかった。
こんな所に隠れているのは駄目なのは分かっている。でも、何処に行けば良いのか分からない。
如何すれば良いのか、如何したら良いのか、全然何もかもが分からない。
だからこうやって綾芽と一緒に隠れ続けている。
隠れ続けながらふと思った。村がこんな異常事態に陥っているのを、外部は知っているのだろうか。
もし知れ渡っているのならば、自衛隊が助けに来てくれるだろう。三週間前の等訓市の事件は記憶に新しい。
いざという時の為の自衛隊だ。マッチョなオジさんお兄さん達が助けに来てくれるのを、私達姉妹は待っていた。

名前:鏡野綾御/〃綾芽
服装:コート、巫女服/〃
所持品:懐中電灯、三段特殊警棒/特に無し
現在地:荒れ寺(隠れ中)
現在の状況:身を隠してじっとしている。
325シノザキ ◆yxV9Fl5u/g :2006/08/06(日) 23:16:50
>300>309
エレベーターは低い唸りを(一向に途切れることなく続く話し声に大部分がかき消されているが)発しながら上昇していく。
そこにぱりぱりと言う空電音が入り込んできた。ルイスの持つ無線機からだ。
>「なぁ、シノザキ。何でこの建物にはスパイやら化け物が大量にいるんだよ?」
わずかな苛立ちを滲ませながら、ルイスが俺に話を振る。
「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
退屈を持て余すといった、ささやかな贅沢を楽しむ選択肢も用意しておいて貰いたかったが、
どうもこのパーティの主催者であるスペンサー氏は押し付けがましいところがあるようだ。

エレベーターは35階に到着した。が、電子音声はこのフロアが改装中であると告げ、ドアを開けようとはしない。
ルイスは何やら操作盤をいじり、ぱっと見には存在がわからなかったパネルを。
そこにパスコードを打ち込んでドアを開け、「フロアに踏み入った。
>「まさにワビ、サビ、モエって奴だな。くそ、何なんだ?」
「ナイト殿は女性の扱いもお手の物か。あと萌えはこの場合関係ねぇ」
俺はこのフロアには用が無いのだが、狭いところには極力居たくない。どっから何が出てくるやら。
見渡すと、笹の茂みを回りこむ沢に鹿威しつきのつくばい、ところどころに石灯籠。典型的な日本庭園だ。
もっとも改装中なので沢に水は入っていないし、葉擦れの代わりにはノイズが辺りに響いているが。

>「日本の冬ってのは・・・雷は殆ど無いはず、だよな?」
フロアに入った瞬間からひときわ大きなノイズを発しはじめた無線機の電源を切りながら、ルイスが誰にともなく言う。
そういえばラジオのノイズで敵の存在を探るゲームがあったような。
「雪国じゃ冬のほうが雷が多いんだが・・・こっちの方は違うな」
ルイスに答えを返しながらさらに首をめぐらせると、桃華にメットを投げ渡しているブランデンブルクの姿が見えた。

「ああ、悪いけどこれもう少し借りとくぞ」
俺はライフルを軽く小突きながらブランデンブルクに声をかけた。
「ま、ちゃんと返しに来るから心配すんな。それよりちゃんと待ってろよ?おあつらえ向きに犬小屋もある」
俺が顎で指し示した先には、茶室と思われる小さな建物があった。
「じゃあ、『またな』」
それだけ言って俺はエレベーターへ戻った。
多分、言葉どおりに事態が運ぶことは無いだろう。
326クリッペン ◆ySbpdz0Q8. :2006/08/07(月) 00:14:51
>275
おお! あれこそはまさしくでんせつのサイコクラッシャーアタック!
よもや、いきてこのめにすることになろうとは・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・いや〜、ごめん。ちょっと余りの非常識っぷりに脳が鈍ってたよ。
ネメシスを仕留めた物騒女は、僕達に言うだけ言ってとっとと出発してしまった。
「ちょ――」
ちょっと待ってと言いかけて、言葉を呑み込む。
一塊になって行くよりも、あの女に先行してもらう方が安全だろうと思ったんだ。
僕は携帯電話を取り出し、ライト代わりに掲げながら明かりのない通路に踏み出した。
ちらっと後ろを振り返る。
どういう思考の働きなのか、アルテミスはあのガキを痛く気に入ったらしく、怪我した右足に負担をかけないようにと体を支えてやっている。
無表情で健気に付き添うゴスロリ少女・・・・・・僕の思惑を超えた行動だけど、中々絵になる光景だ。
僕好みの究極の生体兵器を造ったつもりなんだけどねえ・・・・。
研究者としては、複雑な気持ちだよ。
・・・・・もしかすると、僕は兵器開発という血生臭い分野に向いていないのかもしれない。
ん〜〜〜〜〜、介護用とか看護用のB.O.Wとか、どうだろう?
あ〜、もうそれはB.O.Wじゃないよねえ。……生体アンドロイド?
兵器よりも、求められる発明のような気がする。

「・・・・・う」
そんなことを考えていたら、急に気分が悪くなってきた。
労わりを覚えたアルテミスを見て、微笑ましく感じるなんて、僕はどうにかなってしまったんだろうか?
それとも、これが良心の呵責というやつなのか?
・・・・・・今更だね。僕は、人の痛みがわからない子だって、ママンにも散々言われてたのに・・・・・。
とにかく、進もう。生き残ろう。
僕は、胸を締め付けるどうしようもない感覚に苛立ち、髪をクシャクシャとやりながら通路を歩いた。
327子供 ◆gnJnZEDBsY :2006/08/07(月) 03:48:23
>314
>「ああ…いや、いいんだよ。気にしないでくれ」
水野のおじいちゃんは額の汗を拭いながら、いつもどおりの深い声で答えた。
モフも息が荒い。かなり走ったに違いない。
「あんな大きなミミズ相手に、おじいちゃん達、すごいね」
私にはとても無理だ。見ただけで足が竦んでしまうから。
>「さて、それでは宿舎に入ろうか。軍曹は引き続き、後方の警戒を頼む」
そう言って飯田のおじいちゃんが歩き出そうとして、立ち止まる。
さっき影だと思っていたのは、これかな。
>「何これ。アリ?」
山田さんがしゃがみこんで、木の棒をアリの群れに投げ込んだ。
アリの反応はまちまちだった。
「…………まあ、放っておいても大きな害はあるまい」
そう言って飯田のおじいちゃんはアリの群れを踏み越えた。
ええ!これを跨ぐの!
躊躇していると、山田さんが私とモフを抱えてくれた。
門らしきところをくぐり、入り口へと近づく。

>302
モフがクンクン鼻をならしてる。
きっとお化け屋敷に入りたくないのね。私だって本当は嫌。
「大丈夫、モフ。私がついてるから。何があっても私が守ってあげるからね」
ぎゅっと抱きしめる。
モフが巨大ミミズ相手にどれだけ勇敢に戦ったかなど、この時の私が知る由も無かった。

>319
「Freeze!!そこから動くな!」
突然大声で怒鳴られて私は竦みあがった。
姿を見て更に驚く。軍人さんだ。
「嫌・・・・」
じりじりと後ずさる。
あいつら、パパとママを撃ち殺した奴等の仲間かもしれない。そう思った。
私に米軍と自衛隊の見分はつかなかった。(しかも遭遇した自衛隊員(>雑賀さん)は恐ろしく体格が良かった)
だが次の瞬間、そんなささやかな考えなんか吹き飛んでしまった。

>322
>「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
分校で見かけた、あのバッタ人間が現れたからだ。
姿を見たとたん、私は駆け出していた。
あれほど怖いと思っていたお化け屋敷へと逃げ込むために。

名前:森村 彩
所持品:カードファイル、ロケット、指輪、財布、鍵、非常用袋(中身不明)
服装:セーター、ジーンズ、赤い防寒服上下、手袋、完全防水ブーツ
状況:米軍兵士と甲殻虫型変異体に遭遇。宿舎へ逃げ込もうとする
328ドルフ・シュレーガー:2006/08/07(月) 19:31:03
>309
巨大な影がハンマーを叩きつけようと家屋の屋根から飛び掛る!
329ブランデンブルク ◆aAVOu2Okbk :2006/08/07(月) 20:26:33
>328
俺が奴の気配を察するのと、奴が攻撃を仕掛けるのはほぼ同時だった。
巨大な黒い影が俺の視界一杯に広がる。そう、確かに黒い影だった。
その巨人は漆黒の軍装に身を包んでいた。襟元にはルーン文字の徽章。
頭には髑髏と国家鷲章が縫い付けられた黒い制帽を被っている。見紛う事は無い。
今となっては懐かしい、武装SSの勤務礼装。御丁寧にも卍の腕章まで付けていた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺は咆哮を上げ、肩に担いでいた頑丈な火斧を振り下ろされるハンマーに向って打ち上げた。
刹那、凄まじい衝撃が俺の体を突き抜ける。体がバラバラになるんじゃないかと思ったほどだ。
「くっそぉぉっぉおお!!」
更に俺は力を込め、裂帛の気合と共に巨体を弾き返した。
黒い影はその大柄な体にも関わらず、空中で身軽に体を捻ると音も無く着地していた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…お前は」
先ほどの打ち返しにより、頑丈で分厚い刃が駄目になった火斧を放り捨て、俺はその影を見据えた。
「シュレーガー…お前もか。お前もそうなのか」
俺は嘗ての友の名を呼んだが、直ぐに嫌悪感が顔に顕れていた。
「そうか。だったら話は早い。あの人は何処だ?言わなきゃ…いや、言ったところでお前を殺すことに変りは無い」

装備:武装SS外套、40年型野戦服、43年型山岳帽、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
場所:35階
状況:シュレーガーと戦闘
330由比明良 ◆tQ6zNzqCgM :2006/08/07(月) 21:19:45
>300
エレベーターは35Fに止まった。
話半分に聞いていた所為もあって、この階で何をするのかはよくは知らない。
ただ、先程の狼男さんとこの階層で別れることになるのは分かった。
マクナブさんがフロアのロックを解除し、狼男さんを送り出した。
彼が一人で何をするのかもよくは分からないが、今は彼の無事を祈りたい。
>309
狼男さんは被っていたヘルメットを綾小路さんに投げ寄越す。
まるで、形見か何かを手渡すような感じがして少し背筋がひやりとする。
彼女も、それが理解できているのだろうか・・・

>325
>「なぁ、シノザキ。何でこの建物にはスパイやら化け物が大量にいるんだよ?」
マイナブさんの疑問、それは私も同じだった。
美味しいご飯、煌びやかな上流階級のパーティー、住む世界の違う空間での
至福のひと時はあの乱入者たちの手によって、無残な状態になってしまった。
そして今も、こんな狭苦しいエレベーターの中で、死と隣り合わせの恐怖を感じなくてはならない。
>「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
だとすれば、私は主催者の手の上で踊る道化人形か何かでしかない。
気が滅入りそうになる。

エレベーターは再び動き出した。
次は何階になるのだろう・・・とポツリとこぼす。
出来ればもう最上階には戻りたくないのが正直な気持ちだった。
あれだけ人が死んだのだ、むせ返るような死臭に耐えながら生きるのは御免である。

ぴとん

何かが足をつたって地面に落ちた。
液体か何かに似たもの、私はそれをサンダルでゴシゴシとかき消す。
エレベーターは嫌というほど順調に階を重ねていく

場所 エレベーター内
331名無しになりきれ:2006/08/07(月) 21:20:56
さあ
332ドルフ・シュレーガー:2006/08/07(月) 21:22:53

全体重を掛けた一撃が下から打上げられた火斧に弾き返される。
一撃で殺せる自信は合ったが・・・
>「シュレーガー…お前もか。お前もそうなのか」
ブランデンブルグの問い掛けに軽蔑しきった視線を向ける。
「貴様のような出来損ないの奇形と一緒にするな。」
金髪碧眼の男が答える。
「ユダヤ人の如く劣ったその姿を鏡で見た事は一度も無いのか?」
北欧神話の雷神トールを思わせる逞しい体と彫刻のような端正な顔立ちをしたシュレーガーの姿はナチスドイツの理想的人種だった。
「それにしてもよく俺だと解ったな?」
元々は小柄で黒髪黒目という理想的な姿とは全く逆の容姿の持ち主だった。
おまけに分厚い眼鏡を掛けた極度の近視。
「戦争から逃げ出した貴様の卑しい精神にはその姿がお似合いだよ、ブランデンブルグ。」
数万ボルトのシュレーガーの両腕を駆け抜ける。
「まさに今の私は神々の王トールに相応しい・・・」
ブランデンブルグに蒼白い光を放つ左手を突き出す。
>「そうか。だったら話は早い。あの人は何処だ?言わなきゃ…いや、言ったところでお前を殺すことに変りは無い」
「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
人差し指が桃華を指し、落雷と同じ位の電流が放たれた。
333マクナブ ◆K3F.1.DICE :2006/08/07(月) 22:18:57
>309
ぶかぶかのヘルメットを桃華の頭に被せるブランデンブルグの横顔はどことなく優しかった。
そして寂しげでもある。
何を話しているのかよく聞こえないが、多分それで良いのだろう。

>325
>「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
「・・・勘弁してくれよ。だったらページ3ガールを呼ぶとかもっとマシなのがあるだろ?」
自分の立場をすっかり忘れているマクナブが呟く。
ページ3ガールはザ・サン、日本で言う東スポのポジションに当たるゴシップ誌のグラビアコーナーのモデル連中だ。
プレイメイトと同じぐらい安直な名前だとマクナブは思っている。
あっちと違って王子がマリファナ吸ってる写真やら、ヴードゥー連中がワールドカップの応援に呪いの人形を使っていると言った記事ばかりだが。
>「雪国じゃ冬のほうが雷が多いんだが・・・こっちの方は違うな」
「ああ、そうなのか。日本の気候はよく解らん。」

>329>323
巨大な影がブランデンブルグへと飛び掛る。
そいつは60年前に世界に喧嘩を売った馬鹿の格好をしていた。
どうやらブランデンブルグの知り合いらしい。
そしてようやくノイズの原因が解った。
>「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
スパークする両腕とその言葉に反応したマクナブがエレベーターの外に半分体を出してシグを撃つ。
連続して発射された5発の銃弾はブランデンブルグの肩を掠め、シュレーガーの左手に着弾した。
放たれた電流は狙いを大きく逸れ、天井へと向かっていく。
「電流を狙い通りに飛ばせる訳ないよな?」
恐らく極細のワイヤーか何かを飛ばしてそこに電流を流しているのだろう。
あいつ自身が生けるスパークショットという訳だ。
「ま、だとしたら腕を・・・うおっ!」
閉まりかかるエレベーターのドアにバックステップを踏む。
「竹だ!竹薮に走れ!」
竹は絶縁性に優れた植物だ。
ある程度までなら電流を無効化出来るだろう。
・・・とんだお別れになってしまった。
本人の望みとは言え誰かを残していくのはあまり気分の良いものではない。
短い付き合いだったがあいつは優秀な兵士だった。
あいつを殺すのは寿命だけだろう。



334ブランデンブルク ◆aAVOu2Okbk :2006/08/07(月) 22:21:13
>332
>「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
急激に高まるシュレーガーの電位に首筋の毛が逆立った。
「ふざけるなぁ!」
俺は奴が電撃を桃華に向って放つ前に足跡が刻まれるほどの力で地を蹴り、
一瞬で奴との距離を詰め、文字通り肉弾となって奴の体に体当たりを敢行する。
あの頃と比べ物にならないほどの巨躯を持っているシュレーガーだが、流石の奴も
俺の体当たりには怯んだ様だ。二三歩踏鞴を踏んで後退していた。
背後で雷鳴が轟いていた。シュレーガーが放った電撃が着弾したようだが、桃華には当たっていない。
その僅か1m程の手前に命中し、電撃は拡散。エレベーターの扉の閉まる音が聞こえた。
俺は直ぐに後方に飛んだ。糞。奴は俺の体当たりなんて屁でもないといった顔をしてやがる。
奴は電撃を操る。ならば銃や弾薬を持っているわけにはいかないだろう。
装備が一纏めになっているアサルトパックを外し、MG3も放り捨て、序に外套も脱ぎ捨てる。
動き易い野戦服姿になった俺は、最期のアンプルを首筋に突き立てた。
「此処でこれを使う破目になるとはな…糞、お前に裂いてる余裕は無いんだよ」
魂の髄まで犯していた病理が薄れていくのが分かる…今の俺の体は羽の様に軽かった。
俺はボクサー宜しく、軽やかなフットワークをその場で披露する。準備万端。ギアをトップに入れよう。
「WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」
地の底から響くような咆哮を上げ、俺は右に左と標的を散らしながらシュレーガーに接近する。
奴の目には銀色の軌跡が見えるだけだろう。それほどまでの俺の身体の調子はすこぶる良かった。
「チビで!」
目の前で急制動をかけ、奴の視界外へと逃れる。
「メガネの!」
奴の視界の外に逃れた俺は、奴の大きな図体の後に回り込んでいた。
「お前は!」
そして足元を掬う様な水面蹴りを放ち、奴の体勢を崩させる。
「いい奴だった!」
体勢が崩れた所を俺は容赦なく顔面目掛けて蹴りを放っていた。

場所:35階
状況:シュレーガーの背後に回り込み水面蹴り。体勢が崩れた所を顔面目掛けて蹴りを放つ。
335綾小路 桃華 ◆FTiifLi0KU :2006/08/08(火) 01:51:11

>300
35階に到着したのに、エレベーターの扉は開かなかった。
驚いた反面、少し嬉しくもあったって言ったら不謹慎よね。

>309
「…時間があれば、な」
幸せな思い出は?なんて不躾な質問だったけど、ミケさんは怒らなかった。
そして、少し遠い目をする。
ミケさんのささやかな時間旅行を邪魔するほど、あたしも無粋じゃなかった。
エレベーターから降りてあたりを見渡す。
35階は風流なところだった。
天井の照明とフロアの隅の機材が無ければ、外に出たのかと錯覚しそうなくらいに。
――――ここで、ミケさんとはお別れだ。
私たちはここに、ミケさんを置き去りにするのだ。寿命がつきかけている人を、一人きりで。
「あそこに見える小屋みたいなのが茶室よね。結構いい感じじゃない?
もし本物そっくりに作ってあるなら、中は畳よ。横になって休めていいと思うわ。
でもね、ミケさん中に入れるかな〜。知ってる?茶室って入り口が極端に狭いのよね。
中に入るのに相当苦労するかもよ?勢い余って壁を壊さないように気をつけてね。それからね……」
>「桃華」
静かに名前を呼ばれた。あたしは黙りこんだ。
ミケさんはヘルメットを外して、あたしの方に投げた。
>「それでも被ってマクナブの後に隠れていろ」
……あたしの心配してる場合じゃないでしょ…。
零れ落ちそうになる涙をギリギリで堪えた。ミケさんは多分、湿っぽいのが嫌いだと思ったから。
「ありがと……借りるね。また……あ、後でね?」
精一杯明るく笑った。ちょっと涙声になってるのは見逃してね。

>325 >328-329 >332 >333
>「じゃあ、『またな』」
シノザキさんもミケさんとのお別れを終えた。
あたしももう行かなきゃ。
後ろ髪を引かれながらもエレベーターに足を踏み入れた時、突然それは現れた。
…………速すぎて、何が起こったのかよくわからなかった。
ミケさんと組み合って、ようやく影が人だと分かった。
あのミケさんと力比べで負けていない男はミケさん以上に大柄で、美丈夫で、ナチスの服を纏っていた。
腕に不気味な青白い光を纏っていた。現実だとは思えなかった。
「ミケさん!」
二人のやり取りは聞き取れないが、その男は突然私を指差した。
思わずエレベーターの中で後ずさる。男の指先に青白い光が集まる。
ミケさんが男に体当たりをし、ミスタ・ルイスが続けて銃を撃った。
――――そのおかげで、あたしはまだ生きてる。
ミスタ・ルイスがバックステップで戻ってきた。扉が閉まる。
エレベーターが動き出し、切り離された。
あたしはその場にへたり込んだ。
戦いは人の領域を遥かに越えていた。
あそこに残ってもあたしに出来る事なんてなにも無い。むしろ邪魔。
ミケさんから渡されたヘルメットを抱きしめる。
あたしに出来るのは、無事を祈る事くらいだった。

あたしの気持ちなんてお構いなし児、エレベーターのランプは途切れる事無く上に向かっている。
ぼさっとしてたらミケさんに笑われるわ。
両頬を音が出るほど強く叩いて立ち上がった。
「ミスタ・ルイス。助けてくれてありがと。
ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
確か…あれがないと自爆しないとダメだとか何とか無線で聞いた気が…。
336ドルフ・シュレーガー:2006/08/08(火) 22:31:25
>334
装備を脱ぎ捨てたブランデンブルグの機動力には驚かされた。
>「チビで!」
一瞬で目の前まで接近したブランデンブルグにカウンターの一撃を加えるべく左手を突き出す。
>「メガネの!」
シュレーガーの拳が空を切る。
>「お前は!」
後ろから襲いかかる高速の足払いで巨体が宙に浮く。
>「いい奴だった!」
顎を捕らえた最後の蹴りで首の骨が折れる。
しかし、見事に両足から着地してみせる。
骨は完全に折れていたがシュレーガーは左手で自分の頭を掴むと折れた骨と骨を無理やりくっつける。
ごきごきと音を立てて首の骨が繋がっていく。
「やっぱりお前は変わっていない。」
火力と機動力は優れただけの攻撃にうんざりとした。
この男は何も変わっていなのだ。
電流を放つ両腕でハンマーを振り下ろす。
ブランデンブルグはその一撃をサイドステップで回避する。
着陸した一瞬を狙って一気に放電する。
ブランデンブルグの全身に電流が流れ、そのまま地面にへたり込む。
「小柄な男は戦う術を身に着けなくてはならない。お前はこの60年間、違うな。
 戦争が始まってから負けた事は殆ど無かった。」
地面にひれ伏すブランデンブルグの足を掴むと焦げ臭いその獣匂に眉を顰める。
「貴様なぞ噛み付く以外に芸の無い犬に過ぎん。」
掴んだ足を無造作に振り回すと日本家屋に向かって無造作に投げ飛ばす。
瓦と木片が飛び散り、屋根に大穴が空く。
「私がいい奴だった事など無い。」
先ほどの一撃で砕けた歯を血と一緒に吐き出し、止めを刺すべく日本家屋に足を踏み入れる。
小柄な男の戦い方と無敵の肉体を備えるシュレーガーに負ける気は全く無かった。

現在地・・・35階・日本家屋玄関
状況・・・日本家屋に入り込む。
337村田長雄 ◆/JlYUVgM56 :2006/08/08(火) 23:15:22
>310
>「随分とまあ、騒がしいものだな。・・・此方には怪我人がいるというのに、静かにして欲しいものだ」
「全くだな。静かで良い村だってのに。」
Judasの姿を鼻で笑うと保健室の中に入り込む。
「ほれ、着替えだ。」
両手に抱えた服の山をJudasに押し付ける。
若い教師のロッカーから適当に探してきた物だ。
「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな。」
包帯塗れになっている佐治を見下ろす。
「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある。」
338狙撃班 ◆CO7zDJ...Y :2006/08/09(水) 17:53:44
>318
地中より現れた巨大な芋虫型BOWにより、傘社私兵はあっと言う間に半数まで減ってしまっていた。
「結局はこうなるのか…」
雑賀はやれやれと溜息を付くと、つい先程まで自分の傍にいた私兵が芋虫に飲み込まれた際に
取り落とした小銃、FNモデルF2000アサルト・ライフルを拾い上げた。
コンピュータを組み込んだFCSを標準装備し、米軍で開発中のOICWの廉価版とはいえ、その攻撃力は高い。
これは40mmグレネードランチャーをハンドガード部に装備しているタイプであるため、その価格は大体5000ドルぐらいだろう。
流石は傘社としか言い様がない。こんな高価な最新鋭火器を配備するとは。
「殆ど丸腰じゃきついんじゃないか?」
指定されたワゴン車に乗る前に、小川にF2000を渡しておく。
「せいぜい気張ってくれよ。あんたがどうやらこの場の主導権を握っている様なんでね」
三島と共に最後部座席に座り、雑賀は言った。

現在地:分校・駐車場
状況:拾ったF2000(5.56mm弾×31、40mmグレネード×1)を小川に渡し、ワゴン車に乗り込む。
339佐治信方 ◆WYuBcIVVV2 :2006/08/09(水) 21:23:43
>337
>「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな。」
数分前から私は食欲に支配されつつある。
judasを食料にする事だけは避けたい。噛み付こうとした途端に私の頭は砕け散っているだろう。
それに貴重な実験体である。なんとしてでも傷物にしたくない。
目の前にいる村民に噛み付いてやりたい衝動を抑える為、ふと窓ガラスに写っている自分を見た。
青白い不気味な顔をしている。
気付かれる前に手を打たなければ私は人喰いに成り下がる。

>「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある。」
もう手遅れだ。
「今は医者の相手をする暇などない。時間の無駄だ」


所持品: 拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 応急処置@発症
340大宮部隊 ◆iN6vAlHM66 :2006/08/09(水) 23:18:49
>327
「凄くなんてないさ。何かを守る為なら、どんな敵が来たって、兵隊は絶対に逃げちゃいけないんだよ」
水野軍曹の言葉は、一般的な兵士の考えというより、日本軍人としてのそれに近いものだった。
蟻を観察する看護婦や黒い群れに怯んでいる少女へ、既にそれを渡り終えた飯田少佐が手招きをする。
「大丈夫だ。この位なら裸で転げ周りでもしない限り、怪我をしたりはしないだろう」
それでも少女が躊躇していると、看護婦が少女と犬を抱えて蟻を跨いだ。
>319
英語訛りが混じった日本語で、怒鳴り声が響く。
「軍曹っ!!」
ほぼ同時に少佐が叫び、それを聞くまでも無く、軍曹は声を発した兵士へと小銃を構えた。
銃口の先の兵士が銃を降ろしたのを確認して、少佐が一歩前に出て、米兵へ向かい怒鳴るように話しかける。
「はっきり日本語の分かる者は居るか!諸君は米国軍人と見受ける!私は大日本帝国陸軍の飯田少佐だ!
現在は上官の命により、村民の避難誘導中である!指揮官と話がしたい!」
米兵が答えようとしていると、草むらが、がさりと揺れる。
>322
「総員退避っ!!宿舎へ走れ!!」
少佐が再び大声で叫ぶと同時に、草むらからはまるで虫のような怪人が姿を現す。
それを目にした瞬間、看護婦と少女は既に宿舎へと駆け出しており、少佐と軍曹はそれに続いて走った。

名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃(4発装填、予備47発)背嚢/三八式歩兵銃(1発装填、予備39発)水筒、背嚢
341大宮部隊 ◆iN6vAlHM66 :2006/08/09(水) 23:20:15
>318
「………まったく、君ほど有能な警官もおらんのだろうな、鈴木警部殿?」
突然現れた兵士にも動じず、全てに適切であろう判断を下した鈴木に、大宮大佐が皮肉っぽく笑いながら言う。
「さてさて、どうしたものだろうね。諸君が村民を皆殺しにする算段をするのなら聞き逃す訳にもいかんが、
我が隊は可及的速やかに生存する全ての村民をこの村から脱出させると言う義務もあるのだよ」
大佐が箱に残っていた最後の煙草を咥えると、兵長がマッチを手渡し、大佐はそれで煙草に火をつける。
「……だが、残念ながら我が隊の能力だけでは、村民の避難は到底不可能である。諸君らの協力が望ましい。
諸君らが村民救助を約束するのなら、我が隊も全力を挙げて諸君に協力する」
鈴木からの指示に戸惑っていた兵長と中尉には小声で短く、何らかの指示を行った。

名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(17発装填)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(2発装填、予備32発)懐中電灯、背嚢
猟銃(2発装填、予備30発)背嚢
342スプートニク ◆K3F.1.DICE :2006/08/10(木) 00:57:54
嘘を吐く時のコツがあるとすれば只一つ。
それが真実であると思い込むのだ。

>338
>「殆ど丸腰じゃきついんじゃないか?」
「ま、確かにそうですな。ご協力に感謝しますよ。」
プラスチックの塊にしか見えないモデル2000を受け取る。
同じ銃器メーカーであるFN社製のFALとは大違いだった。
全長が短く取れるブルバップ方式を採用し、FCS、日本語で言えば火器管制装置を搭載。
早い話が銃が勝手に距離を測定して適切な照準をしてくれる装置が着いている。
引き金がちゃんと引ければ狙った所に必ず弾が当たる訳だ。
バッテリーが切れなければ、の話だが。
>「せいぜい気張ってくれよ。あんたがどうやらこの場の主導権を握っている様なんでね」
「精々有効に使わせて頂きますよ。」

>341
雑賀と三島がワゴン車に乗り込むのを確認すると大宮大佐に顔を向ける。
>「………まったく、君ほど有能な警官もおらんのだろうな、鈴木警部殿?」
「そりゃどうも。有能な人間は嫌われるのが世の常、ですがね。大宮・・・さん。」
たっぷりと間を置いてさん付けすると狡猾な笑顔を浮かべる
大宮老人の反応は至極まっとうなものだった。
協力の要請。
ただそれだけだ。
>「……だが、残念ながら我が隊の能力だけでは、村民の避難は到底不可能である。諸君らの協力が望ましい。
  諸君らが村民救助を約束するのなら、我が隊も全力を挙げて諸君に協力する」
「仮に、ですがね。約束をした所で信じて頂けるんですかね?」
怪しいものだ。
三影に向かって頷き掛けると彼が左手を素早く挙げた。
それにあわせて生き残りの兵士達が老人達に照準を合わせる。
ここが正念場だ、と自分に言い聞かせる。
「来るか、来ないかのどちらかを選ぶんだ。そんなに心配だったら一緒に来れば良い。
 理科準備室での会話を覚えているだろう?」
人を助けるのに理由は要らない。
己の良心に従って行動すれば良い。
「あんた達の為に車も用意した、なんならこの銃だって渡したって良い。来るなら先に移動するんだ。
 ルールは簡単だ。あんたらはまず5キロ移動する。そしたらヘッドライトを消して俺たちを待つ。
 俺たちが到着する。あんた達はまた移動する。それの繰り返しだ。」
もっと面倒な事になりつつある。
>「射殺しましょう。」
ほら、三影の予想通りの答え。
「私に意見するのかね?」
三影は驚いた表情を浮かべた。
任務において可能な限り私情を挟んだ小川が理解できないのだろう。
「頼むからそちらの二人は別の車で移動してくれ。」
銃を突きつけている、という有利な条件を感じさせない声で小川が言った。

所持品:FN2000(31+グレネード1)シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
    ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・駐車場
状況:老人達に説得を続ける。
343名無しになりきれ:2006/08/10(木) 01:09:43
>324
一匹のネズミが二人の前に飛び出す。
ネズミは驚いたのか口に咥えていた包装用紙を話して逃げ出した。

どうやら奥に別の部屋があるらしい。
その部屋には携帯食料やストーブ代わりになりそうなコンロが置いてある。
・・・他にも拳銃の弾やライフルケース、口の開いた鞄があった。
鞄の中から一枚のメモが飛び出している。
メモにはこう書いてある。

〜作戦に対する援護に関して〜

新たな身分として国際調査部6課の身分を提供する。
スペンサービルでの作戦が成功すれば君の安全と自由は保障される。

約束のRNA干渉薬の提供は少し遅れているが問題は無い。
念のため、イムノクロマト方式の感染検査キットも同封しておいた。
有効に活用するように。

追伸:個人的な理由を優先させるのも良いが任務を第1に考えるように。
   じゃなきゃこんな目には合わなかっただろうけどな。
   頑張れよ。

メモの下には小さな木製の小物入れがある。
開けますか?   →Yes 
          No
344桂木 桜子 ◆jFC.LOgoJM :2006/08/10(木) 13:37:05
沙羅笊寺は思っていたよりも立派な寺だった。
今は見る影も無いけれど、昔はそれなりに立派な佇まいだったに違いない。
それにしても、どうしてこの寺は荒れ寺になってしまったのだろう。
正直不思議でならない。
田舎の人々は基本的に信心深いものだ。
住職が居なくなったのなら村で管理するなり、新しい僧を呼ぶなりするのが普通だ。
「まあ、それは今関係ありませんわね」
荒れ寺なら人は居ない。だったら、少なくともゾンビに遭遇する可能性は低くなるのだから。

私は鉈を構えながら、寺の中へ入った。
「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
声をかけたものの、返事は全く期待していない。

>343
何かが落ちるような音に、弾かれたように振り向いた。
鼠だった。鼠は何かを加えて奥のほうへ走っていた。
「脅かさないで欲しいですわ」
大きく息を吐き出すと、私は土足のまま上がりこんだ。
軋む床に顔を顰めつつ、上への階段を探す。

私は、沙羅笊寺の屋根裏部屋にある「何か」に用があった。

現在地:沙羅笊寺1F 廊下付近
状況:沙羅笊寺(荒れ寺)到着。屋根裏部屋への階段を探す。
345赤木慎作 ◆MSOBIOHMIA :2006/08/10(木) 19:04:35
ここにいるべきではなかった。ここは体質があわない。
俺は周囲の人間の執拗な馴れ馴れしさや、色々なあつかましい恐怖にうんざりしていた。
これらの事物は、吐き気のする田舎臭さとなって、清潔な俺の体に染みつこうとし、
下手すれば自分はこのまま、この気持ちの悪い空間に同化してしまうのではないかという、
ほんとに恐ろしい錯覚にさえ変形していた。
布団にくるまりながら、枕に顔を埋めながら、念仏のようにおれは優秀な東京育ち、
おれは優秀な東京育ち、おれは優秀な東京育ちです。よろしくね。と繰り返し、
それでも脳裏にちらつく薄汚い、頬の腫れた村人の姿に耐え切れなくなり、赤木は少年のほうに向き直った。

「やはり田舎者の集団ほど、馬鹿で偏屈なものはねぇんだろうなあああ。
 考えてみろよ、なあ大きな鍬やらなにやら担いで、汚い赤ら顔曝した
 見るからに野放図な連中がのっしのっし歩いてるんだぜ。おっかねえよなああ」
と赤木が挑戦的に言い終えると、少年はいかにも迷惑そうな困った顔をし、
本当になんにも覚えてないんですか……?と尋ねた。
「え?まあ助けてくれたことには感謝している。まあ、お前は認めてやっていいよ。
 そんなに泥臭くもねえし、それにさ、悪くない。いい奴だよ。いい奴だぞ少年
 けどさ、なんで俺がこんな辺鄙で程度の低いところにいんのかな?同情しろよな。聞いてる?
 聞いてないね、少年。そもそも親父がもっといいコネを……」

少年は赤木の額から落ちた冷えたタオルを取り、それをバケツへと放った。
ウィルスに感染していた事実を見失わせるほど、赤木の顔には性器が戻り、歪みは消え、
皮膚は蘇生されていた。いま寝ている古めかしい部屋は木造のそれで、壁も床も幾分か湿り気を孕んでいる。
あたりは寝静まっており、少年は消耗しきったような気の毒な顔をして、赤木をぼんやりと眺めている。
時刻はきわめて遅いが、赤木にとって、それは恐らく重要なことではない。

場所:九武村内の廃屋の一室 (正確な位置はわからない)
状況:見知らぬ少年に助けられる。一部の記憶を喪失
346篠原優二 ◆kM.tjyW1q2 :2006/08/10(木) 20:07:48
咳をしながら、私は穴から這い出した。
「沙羅笊寺は諦めよう・・・道がわからん。」
ま、その辺うろついてたら、人ぐらいいるだろうと思い、ひとまず
西へと向かうことにした。
「くそ・・・医者がいれば・・・。」
右腕を強打したことを、今になって思い出した。
足を打たなかったことが唯一の救いだった。

現在地:民家脇の道路 グレイブディガーの穴脱出
状況:右腕が使えない ひとまず西へ移動。
347名無しになりきれ:2006/08/10(木) 21:33:28
>344
部屋の奥に古びた仏像がある。
険しい顔をした仏像は怒りに駆られて桂木を見ている。
その指は天を指している。
仏像には古びた文字でこう彫られていた・・・

『世に騒乱在りし時 仏の他に救うもの在れば その者 仏を踏み越えるべし 
 憂いに臨みて仏罰恐れず されど人心の荒廃を救わんとする者 登るべし
 仏 笑いて これを許すかな               三上 上人』

・・・よく見れば仏像の手足は階段のように登れるような造りになっている。
肩まで登れば天井に届きそうだ。
348鏡野姉妹 ◆GzWqzQ7Gpk :2006/08/10(木) 21:38:18
>343
「きゃっ!?」
かさこそと音が聞こえ、私達姉妹は同時に小さな悲鳴を上げていた。
私は音が聞こえた方に手の懐中電灯を向けると、小さな影―ネズミが電灯に照らし出された。
電灯の光にびっくりしたネズミは口に咥えていた包装用紙らしきものを離すと、慌てて何処かに行ってしまった。
「?」
ふと、私はネズミが奥に逃げたのである事に気付いた。
どうやら奥にも別の一室があるらしい。
私は私達とネズミ以外に何も動く物の気配が無い事を耳を澄まして確認すると、
妹の手を引いてその部屋に入ってみた。その部屋は、如何やら最近まで誰かが住んでいた様だ。
コンロやら寝袋やら乱雑に散らかったゴミから人の生活の息吹を感じ取れた。
「わっ!?」
私の後を歩いていた綾芽が何かに躓いたらしく、バランスを崩して派手に転ぶ音が聞こえた。
「綾芽、大丈夫?」
私は直ぐに後を振り返り、妹の安否を確認した。
「う、うん。大丈夫。何かに躓いただけだから」
盛大に尻餅をついたらしく、綾芽は小さく呻いていたが別に大事には至っていない様だ。
「立てる?」
私が手を差し伸べると、綾芽はおずおずと私の手を取って立ち上がった。
私は綾芽の足元を照らし、躓いた原因が何であるかを探った。
電灯の光の下に晒されたのは、小さな金属の塊…でも、それが何であるかは私は直ぐに分かった。
「これって…銃弾?」
私は鈍い真鍮色の銃弾の一つを拾い上げ、手に取って見た。
「う〜ん。正確に言うと、9mmパラベラムって奴なんじゃないかな?」
綾芽は私の掌の銃弾を一目見て、何故かは分からないが銃弾の細かな種類まで当てていた。
「え?ああ、この間やったバイオハザードっていうゲームで見たの」
訝しげな私の表情から悟ったのだろう、綾芽は聞かれる前にそう答えていた。
「ふーん…で、銃弾があるって事は、銃もあるのかな?」
私は少しばかり小さな期待を抱いた。銃は少なくとも私が持ってる警棒よりも頼りになるだろう。
まぁ、仮にあったとしても扱えるか如何かは又別の問題だろうけど。
「でもお姉ちゃん。バイオ的には銃弾があっても中々銃自体を入手する事は無いんだよ。
それに、そういう銃弾を使用するハンドガンっていうのは初期装備だから…途中で入手するのは余り無いと思うなぁ」
……何と言うか、そういうゲーム的に今のこの状況を捉えられる綾芽って、結構凄いんじゃないのかなぁ。
さっきまでガタガタ震えて「お姉ちゃん…」とか細い声で泣いていたのは演技なのでは無いのかとさえ思える。
「あ、そうなの…」
脱帽し切った私は他に何か無いのかと暗がりを懐中電灯で探る…特に目ぼしい物は見当たらない。
「お姉ちゃん」
何時の間にか私から離れた綾芽は、此処に住んでいた何者かの荷物を物色していた。
何時からこの娘はこんなに逞しくなったのだろうか…「お姉ちゃんお姉ちゃん」と私を慕っていた貴女は何処に?
「凄いよ!レーションマニア垂涎のイタリア軍のレーションがあるよ!」
そんな綾芽は私に構わず、何やらごっつい包装を手に瞳を爛々と輝かせている。
「これって中々手に入らないんだよねー。いいなぁ。ここに住んでた人、どうやって手に入れたのかなぁ」
などと溜息を付きつつ、私の愛妹はうっとりと手のレーションに魅入っている。
「レーションってことはさ、それ、食べれるの?」
流石の軍事知識ゼロの私もレーションが何であるかは、友達から借りたメタギアで知っている。
「うん。雨に濡れようが、水中に放り込もうが、果ては化学兵器で汚染されても中身はまったく問題なしだよお姉ちゃん」
…色々と聞きたい事はあったけど、取り敢えず、丁度お腹が減っていた私達は美味しくイタリアンレーションを頂きました。
349鏡野姉妹 ◆GzWqzQ7Gpk :2006/08/10(木) 21:42:45
>348の続きです

一人分なのだろうけど、女の身である私達のお腹を満たすにはレーションは少々多過ぎました。
意外とレーションなるものが美味であったのには少々驚いた。
メタギアのスネークは不味いとか言ってたから、レーションって不味いのだろうと思っていたのだけれど、
イタリア軍のは普通に美味しい。流石、イタリアは何でも美味しい国なんだなぁ。
これを一人で平らげる兵隊さんは、多分、物凄いカロリーを消費する事ばっかやってるんだろう。
「ん?」
お腹が一杯になった私は、取り敢えず目ぼしい物が無いかと綾芽と一緒に荷物を物色していると、木箱を見つけた。
しかも御丁寧にもメモ付き。ふむふむ……何だか良く分からないが、開けてみようかな。

>344
>「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
びくりと私達姉妹はその声に反応していた。如何やら女性の様だ。
多分、他の村人達とは違う…と思う。余り確信は持て無いが、大丈夫だろう。
私は先程綾芽が躓いた銃弾を拾い集めると木箱と一緒にコートのポケットに捻じ込んだ。
銃弾は、まぁ、持ってれば何かに使えると思う。例えば、
「綾芽、行くよ」
何やらまだごそごそやってる綾芽に声を掛け、私達姉妹は寺にやって来た女性を探す事にした。
「あ!待ってよ!お姉ちゃん!」
綾芽は物色した物を慌ててコートのポケットに詰めながら私の後に続いた。

名前:鏡野綾御/〃綾芽
服装:コート、巫女服/〃
所持品:懐中電灯、三段特殊警棒、木箱、9mmパラベラム×50/コンバットナイフ(荷物から物色) 、医薬品(同じく)
現在地:沙羅笊寺一階
状況:寺にやって来た(>344)と合流しようとする。
350マクナブ ◆K3F.1.DICE :2006/08/10(木) 22:50:13
>335
>「ミスタ・ルイス。助けてくれてありがと。
  ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
ブランデンブルグのヘルメットを抱えていた桃華がぽつりと言った。
礼ならブランデンブルグに言え、と思った瞬間、その後に続いた言葉が大きく圧し掛かる。
「・・・そうだな。」
正確にはラジコンを使って簡易の起爆装置を作り、ガスボンベに誘爆させる予定だったのだが。
やはり自爆しかないのだろうか?
「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
返事は全く無い。
「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
IRA仕込みの携帯電話を利用した起爆装置には多少の自信があった。
やっぱり返事は無い。
それどころかさっきより突き刺さる視線の鋭さが数段上がった気がした。
「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
返事が無さそうな事は十分理解していた。
エレベーターの操作パネルを操作し、40階を押すと到着するのを待つ事にした。
もしかしたら、だがジムのロッカーに携帯電話を忘れた間抜けがいるかもしれない。
探している間に何か別の方法を思いつくと良いのだが。

現在地:スペンサービル・38階
状況:40階のボタンを押す。携帯が見つからないと自爆決定。
351米軍兵士 ◆2ISenyg2AE :2006/08/11(金) 00:04:53
>322
(ハワード)
>「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
驚いたな、偉く物騒な上に気色悪い声が聞こえてきたぞ?
「声のした方を見ていろ、危険だ」
言うまでも無く、俺を含む全員が声の聞こえた方を凝視した。
>「OOOOOOO!!!」
殆ど間を置かず、草むらから巨大なバッタ人間が飛び出してくる。
「うわぁぁぁ!!」
素っ頓狂な声を上げ、スミスが横っ飛びで飛び掛ってきたバッタ人間をかわす。
・・・近くで見ればかなり大きい、こいつを殺すとなると一苦労だろう。
しかしな・・・今はそれどころじゃなさそうだ・・・
「走れ走れ!!宿舎まで耐久レースだ!転んだらゲームオーバー!」
「仕切るなロバート!たまには俺が・・・」
「・・・ゴミに指揮が出来るのか?」
ゴミ呼ばわりされたのが気に障ったのか、それともロバートが気に入らないのか。
そのあたりがよく分からなかったが、とにかくバーンズはブツブツ言いながら走っている。
結局誰一人転ばずに(当たり前)宿舎が近付いてきた。

>327>340
全力で走ると、すぐに先の連中に追いつく事ができた。
>「総員退避っ!!宿舎へ走れ!!」
「爺さん達、遅いな。追いついちまったぞ?」
「・・・茶化すなロブ。急ごう、あいつの餌になる前にゴーストハウスへ入りたい」
話しながら走っている間に、もう宿舎は目の前に迫っていた。
肝心な事を聞く為にもう一度、老人達に話しかける。

「すまないが・・・入り口はどこだ?」

名前:Robert.S.fallington/Eliot.K.burns
装備(Rob):M16A4(30+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
       Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(19+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
      Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(How):M4A1(30+1)+Mag×5、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3
        Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
隊員装備:M16A4、M1911A1 MEU、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
海兵隊員:2人生存
現在地:陸軍駐屯地跡
352由比明良 ◆tQ6zNzqCgM :2006/08/11(金) 00:39:30
ドアの向こうで激しい衝突音や叫び声が上がる。
悲鳴とも、慟哭とも着かぬ絶叫が狭いエレベーター内で乱反射を起こす。
外から聞こえるはずの音声なのに、胸に響く。
あの軍人が戦いを始めたのだ。誰となど思索する暇は無い。

>335
親しくしていた人間が獰猛な獣の如く乱闘する光景を
彼女がずっと直視することが無いのがせめてもの幸いであろう。
彼女は私より強い心を持っている。けれど、それ以上に脆いのが人間の心だ。
だからこそ、彼女はここに居なくてはならない、到着をじっと待つのみでなくてはならない。
私は綾小路さんの肩をぎゅっと握り締める。自分を守る為、彼女を守る為。
そういえば、川崎って人の名前が出てきたな・・・誰だろう。

>350
一人の勇者を見送って、我々はそれよりも上の階へと向かう。
>「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
>「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
マクナブさんは何かを欲しがっている様子で皆に話しかける。
C4というのはプラスチック爆弾のことだろう、彬から聞いたことがある。
携帯・・・は彬が投げ捨てた気がする。あの時彬はテンパってたけど、私はしっかり確認している。

アレは39F
と思って言おうとしたがマクナブさんは聞いてないようだ。返事が無いと思ったんだろう。

>「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
「あー、あー、あー、あの、私が行きます!携帯も、確か39F落とした気がするんです!」
手を上げて、今度は分かりやすいように示してみるが、私は弱っちいので
もしかしたら断られるかもしれない。けれど私だって銃を持っている。戦うことだって出来る。
あくまで笑顔、その奥には断ったら撃つぞという表情で彼を睨・・・もとい見つめ
私は拳銃を握り締めた。

状況:エレベーター内、携帯の場所を思いつく
武器:ワルサーP38 マガジンx5
353名無しになりきれ:2006/08/11(金) 13:37:54
>351
「ゔ〜ゔ〜…」
突然宿舎の入り口が開き、中から大量のゾンビが現れた。
ゾンビの群れは米軍兵士達を飲み込もうと迫り来る。
354judas ◆fGngH1./vI :2006/08/12(土) 19:38:25
>339 337
>「全くだな。静かで良い村だってのに」
俺の独り言を聞いていたのだろう。俺の姿を鼻で笑いながらリーダー君が保健室に入ってくる。
鼻で笑われた事実に少々腹が立たないわけでもないが、まあ、この格好だ・・・致し方ない。
>「ほれ、着替えだ」
リーダー君は着替えを俺に向かって放り投げる。
今度は喪服とは違う。・・・些か残念な気がしないでもない。
俺は投げられた服に身体を通し、着替えを完了する。
>「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな」
そこでリーダー君はちらりと包帯巻きにされた男を見る。
男の包帯はお世辞にも綺麗と呼べる巻かれ方ではなく、荒くグダグダに巻かれている。
しょうがない、これはどうしようも無かった。
片手しかないんだ、他にどう巻けって言うんだ・・・むしろこれでも善処したほうだ。
しかしリーダー君の目にはその包帯が余程酷いように見えたようで。
>「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある」
こんな事を言い出しやがった。
まったく・・・片手で包帯を巻くのがいかに難しいか体験してもらいたいもんだ。
そんな事を考えていると男がボソリと呟いた。
>「今は医者の相手をする暇などない。時間の無駄だ」
・・・確かに・・・顔色があんまりよろしくないね。
今は意識もハッキリしているが・・・この分じゃあ、あのクサレ餌の仲間入りをする日もそお遠くない。
「・・・そうだな、俺もそう思う。その医者がこの男の感染を治せるというのなら話は別だが・・・そういうわけでもないのだろう?」
そんな医者がいるのなら、この村はこんな地獄のような心地の良い場所にはなっていない。
俺はそれだけ言うと男を抱え上げる。
男は何か言いたそうな顔をするが気にしない。
「・・・つーわけだ、とっとと行こう。研究所だ、そこになら可能性もあるだろう」

所持品:焼け焦げた自分の右手
現在地:九武村 分校 保健室
状況:危機的状況からなんとか露出を回避。
355名無しになりきれ:2006/08/12(土) 22:28:03
>351
「シャアアアアア!!!」
更にハンターの群れが巧みな連携で襲い掛かる。
356米軍兵士 ◆2ISenyg2AE :2006/08/13(日) 00:31:57
>353
>「ゔ〜ゔ〜…」
「Oh Shit!!」
「Fire!Fire!」
突然、宿舎の入り口から有り得ない数のゾンビが湧き出してくる。
急いで銃を構えるが、見ただけでもかなり多い。
少しずつ後退しながら全員が必死こいて撃ちまくった末、何とか全滅させた。
「・・・油断するなよ、まだ助かった訳じゃないんだぞ」
もっと先にこう言っておけば良かったと、数秒後に後悔させられる事になるとは・・・

>355
>「シャアアアアア!!!」
気味の悪い声が聞こえた後、形容し難い音が辺りに響き、俺の足元に人間の上半身が転がってきた。
それがスミス上等兵だと分かるまで、数秒を要した。
・・・・・首が明後日の方向を向いていて、顔が見えなかったせいだ。
先程の声が聞こえた方向を見ると、ハンターが数体いた。何故我々は化物にばかり好かれるんだ?
そんな疑問が頭に浮かんでくる。ああ、また一人やられたのか。血飛沫が飛んでいる。

・・・お前等にとって人間はただの餌なんだろう、実際そうだからな。
なら、餌は餌なりに抵抗させてくれ。それで殺されても文句は言わん。これくらい構わんだろ、爬虫類め。
「Fall into hell, fucker.」
ハンターの頭部に照準を合わせ、引き金を絞る。・・・命中、倒れ込んだ。もう動いていない。
後は銃声に反応して向かってくる連中を片っ端から射殺していき、最後の二体はバーンズが仕留めた。
「ハワード、こっちに来てくれ!」
バーンズ、今は少し休みたいんだがと言おうとしてやめた。人が大怪我してる時にそんな事を言う奴は居ない。

「どうした、何があったんだ?ロバート、何故お前が怪我を?」
「・・・最初に言っておくがな、俺は片足吹っ飛ばされても平気なんだ。脇腹抉り取られてもどうって事無いね」
一体全体、このカラ元気はどこから沸いて来るんだ?常人なら即死のはず。
どう考えても元気とは思えない。地面に脇腹を押さえて蹲っているのだから。
「しかし、少し疲れたな。暫く休みたいから、先に行っててくれ」
そう言いながら、俺にM16を押し付けてくる。
「休むだけなんだろう?何故俺に銃を渡すんだ?」
「そこら辺は察してくれよ、折角のチャンスなんだ。妹に会えるかもしれん」
「・・・・・・死ぬ気か、クソッタレめ」
俺が聞くと、ロバートは笑顔で「そうだ」と言った。あっさりと、生来の親友に向けて。

立ち上がって一旦ロバートから離れ、バーンズに話しかける。
「これ以上食い下がっても恐らく無駄だ、先に行こう」
「決心は固い、か。あいつは昔から人の話を聞かなかったよな」
「そうだな、何を言っても聞かなかった。それと、これはロバートのヘルメットだ。被っとけだとさ」
それを受け取ったっきり、バーンズは何も言わなかった。
これから死ぬ奴の話なんてしたくなかったんだろう。
とにかく、今は先に進むべきだ。
「待たせた上に三流ドラマ見せて悪いな、とにかく建物の中へ入ろう」
先程の老人達に、極力平気な風を装って進むのを促した。

名前:Howard.W.carson/Eliot.K.burns
装備(How):M4A1(11+1)+Mag×3、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3、M16A4(10+1)
        Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(8+1)+Mag×2、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
      Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地:陸軍駐屯地跡
357シノザキ ◆yxV9Fl5u/g :2006/08/13(日) 03:59:10
ほんの数秒の間に大きく移り変わった状況を、エレベーターのドアが俺たちと隔てた。
その向うからはいまだに重々しい打撃音が響いていた。

>335>350>352
沈黙の落ちたエレベーターの中、桃華が口を開いた。
>「ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
そういえば忘れていたが、それがないと誰かがガスボンベを抱いてゾンビの群れに突っ込む羽目になるはずだ。
無線はノイズが酷くて使えないので、川崎と連絡を取るのもしばらくは不可能だろう。
訊かれたルイスはほんの少し考えてから言葉を返す。
>「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
今日の靴はいたって普通のリーボック、安くて履き心地もいい靴だがそんな便利な機能はない。
まあスペースつきの靴自体は持っているものの、C4など生まれてこの方一度も所持した事はないが。

当然だが、他の連中もC4なんぞ持ち合わせていない。それはルイスも予期していた事だろう。
>「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
「・・・それは貸すとは言わんな」
恐らく携帯を細工してガスボンベに取り付け、そこへ発信する事で着火、というタイプの起爆装置を作ろうとしているのだろうが、
さすがにアドレスぎっちり埋まってる携帯をくれてやる気にはなれない。
いや、全部ミニSDに移せば済む話か?容量が足りるだろうか?などと考えているとルイスが再び口を開く。
>「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
誰よりも早くそれに反応したのは明良だった。
>「あー、あー、あー、あの、私が行きます!携帯も、確か39F落とした気がするんです!」
今は37階から38階へ差し掛かるところだ。とりあえず俺は39のボタンを押した。
行くかどうかはドアが開いてから決めれば良いだろう。
・・・向こう側に何も居なければ、の話だが。
358桂木 桜子 ◆jFC.LOgoJM :2006/08/13(日) 06:19:01
>349
沙羅笊寺は放置されていたようで、当然ながら電気は通っていない。
だが幸いな事に、今の私には灯り無しでも建物の中を見ることが可能だった。
夜目が利くというレベルでは多分無いだろう。
だけど…考えても仕方が無い事は、あまり深く考えない事にした。

あちこち見て回ったけれど、階段らしきものは見つからない。
古い日記に掛かれていた事は嘘だったのかしら。
半分諦めかけながら廊下を歩いていると、廊下の奥のほうから人の話し声が聞こえた。
まだ若い女性の声だ。喋れるという事は、ゾンビの可能性は低い。
だけど、なぜこんなところに?住んでいる…事は無いですわよね?
このお寺には、電気も通っていない筈ですものね。
首を傾げながら、奥の方へと進む。
「確か…この辺でしたわよね?」
破れかけた襖をみしみしと開くと、そこは本堂だった。

本堂の中心においてあるべき仏像は無かった。
その代わりとでもいうように、部屋の隅に大きな仏像が安置されていた。
仏像は阿修羅のように憤怒の表情を浮かべている。

年のころは16,7くらいだろうか。本堂には巫女姿の少女が二人立っていた。
あまりに場違いな姿に、しばし呆然とする。

少女の一人に懐中電灯で顔を照らされ、思わず手を翳した。
闇に慣れた目には、懐中電灯でも直視するには眩しすぎた。
「顔を照らすのは止めてくださる?私はまだ人間ですわ」
光が逸れ、ようやく視界が戻った。

少女たちの周りには、寝袋や食料らしき品や銃の弾のようなものが散乱していた。
「これはお二人の荷物ですか?お二人はこんなところで何を?」
ゾンビから避難していたというなら無駄な事だ。どんなに待っても救助は来ない。
それはそうと、銃弾は彼女達の持ち物なのだろうか。
違うとすれば……持ち主が戻ってくる可能性がある。
必ずしも味方とは限らないけれど。
…………さっさとここから逃げ出した方が良い気がしてきましたわ。

「私は屋根裏部屋への階段を探しているのですが……あなた達は何かご存知ありませんか?」
時間が惜しいので、自己紹介を飛ばして一方的に質問をぶつける。
彼女たちが村民なら、このお寺に関して何か知っているかもしれない。
359篠原優二 ◆kM.tjyW1q2 :2006/08/13(日) 09:17:53
>346 私は歩きながら、辺りを見回した。
武器も持っていない・・・この時点で敵に襲われるとヤバい
どころじゃない。
・・・まぁ、いざとなったら足がある。
歩きながら私はそう思った。
しばらく歩くと、何やら廃屋が見えてきた。
私は一応だがそこに入ろうと歩き出した。

現在地:九武村 廃屋周辺
所持品:懐中時計
状況:廃屋発見 入ろうとそちらへ向かう
360名無しになりきれ:2006/08/13(日) 11:49:17 BE:261354454-2BP(0)
>359
「う゛ぁーう゛ぁー」
廃屋の中からゾンビが数体でてきた
361大宮部隊 ◆iN6vAlHM66
>342
銃を向けられた老人達は、一度鳩が豆鉄砲を食らったような顔を見せ、それから大声で笑った。
「………兵士諸君、我々が何者なのか分かっているのかね?帽垂れの着いた略帽を被ってきた方が良かったか?
我々は死をも恐れぬ誇り高き皇軍軍人だ。銃口に怯えて意見を曲げたりはしない」
大佐が言うと、兵長も取り囲んだ兵士を馬鹿にするようにして軽口を叩き、それに中尉が続く。
「ふん、大陸じゃ銃撃砲撃爆撃の下を走り回って、こっちじゃ生物兵器の実験だ。今更、小銃など恐るに足りん」
「どうせ我々はBC級で全員蜂の巣になる予定だったんだ。いっそ一思いに撃ってくれよ」
三人の老兵は、応戦するべく各々の銃を構えるでもなく、ニヤニヤとしたまま兵士や鈴木と向き合う。
その表情や眼からは多々の感情が見え隠れするが、銃口に対しての恐怖だけは一片も見せなかった。

「諸君を信じるかどうかは私が独断で決める。その後に君の指示に従うかどうか、それも私が独断で決める。
鈴木君、君が決めるのは一つだけだよ。我が隊の要請を飲むかどうか、それを決めるだけでいい。
協力を約束してもらえれば、我が隊は総力を挙げて諸君の任務に協力すると約束しよう」
話している途中、鈴木の隣に居た兵士の指揮官がはっきりと「射殺しましょう」という言葉を口にする。
「さあ、兵士諸君が痺れを切らす前に決めてくれ。イエスかノーか、だよ」

名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(17発装填)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(2発装填、予備32発)懐中電灯、背嚢
猟銃(2発装填、予備30発)背嚢