>前391>前398
>「どうなってると申されましても・・・」
「すみません、着信があったので掛け直したんです。友達だと思っていたんですよ。いきなり怒鳴ってすみません。」
咄嗟に謝って携帯を切ろうとしたがおかしな事に気がついた。
>「つーか鈴木か?どうなってるんだそっちは」
「シノザキさん?!何でこの番号を!ああ、状況?!ゾンビに追い掛け回されてますよ!」
走りながらなので息も絶え絶えだ。
>「ま、待ってれ・・・」
アフリカ系の少年の声に振り返ると頑丈な金属製の扉が校舎の壁に埋め込まれるように存在していた。
「ありがとう、助かった!」
と言っても鍵が掛かっている以上、素直に侵入出来ない。
窓ガラスにシグのグリップを叩きつけようとした時、校舎の(>前391・佐治の発砲)中から銃声が響く。
(・・・拳銃・・・か・・・)
「今いる地点で生物災害が発生しているんですよ。シノザキさんはマスコミ関係でしょ?何とかテレビ局にアクセスできませんかね?
いや、それよりもなんでこの番号を知っているんです?!」
振りかぶったままだったシグのグリップを金属扉の曇りガラスに叩きつける。
2度、3度、4度。
ようたくガラスが割れた。
大急ぎで窓枠から手を突っ込み、鍵を解除する。
くそ、拳銃を持った人間に気付かれたか?
「早く中に入って!急いで!!ああ、失礼。今、アフリカ系の少年と一緒で・・・動くな!武器を捨てろ!」
シグに取り付けられたレーザー照準装置を作動させ、斧を手にしたオールバックの男の胸の辺りを狙う。
赤い光点が胸の辺りをチラチラと動くのはあまり気持ちのいいものでは無い。
「君、鍵を掛けて。ああ、失礼。えーと、どこでこの番号を?!動くなと言っている!」
分校・校舎側面の非常扉(窓ガラス破損・ロック済み)・近くの廊下。
状況:シノザキに電話しつつ、佐治に照準を着けつつ、希望に扉を閉めるように指示を出す。
>341 >358 >387 >398
ぼそぼそ話す声で、あたしは目を覚ました。
>……体力自体は飯を喰えばある程度は回復するだろうよ。それも早急に。」
この声知ってる。ミスタ・ルイスだ。
――― あっヨダレが!…あたしったらお嬢様にあるまじき事を…誰も見てなかったでしょうね。
>「正直な話、来る気があるなら一緒に来てもらった方がありがたい。ゾンビや
「きゃ――――!ムカデムカデ!!!!早く捨ててよー!!」
ミケさんがぷらぷらさせているムカデに気付き、あたしは飛び上がった。
あー背筋がぞわぞわする。あたしこれに襲われて気絶したんだっけ。
>「仮にワクチンが見つかった時にお前さんが正気を保ったままどっかをほっつき歩いていたら意味が無いし。」
ミスタ・ルイスは誰かと話しているようだ。だけど大柄な体が邪魔で誰と話しているのかは見えない。
ひょいと覗き込んで、あたしは弾かれたように立ち上がった。
「良かった!お姉さま気がついたのね!!」
不穏な空気には全く気付かず、あたしは銃を抱いて膝をつくお姉さまに抱きついた。
「もう!すっごくすっごく心配したんだから!大丈夫?歩けそう?そうだ、何か口に…」
矢継ぎ早に質問を浴びせていたけど、ある事に気付いた途端声が出なくなった。
見えたのはほんの一瞬。だけど、ばっちり見てしまった。
お姉様の爪が、手袋を破って伸びていた事に。
>「んで、同志ミリアは何がしたいんだ?論理的且つ具体的な提案を頼むよ。」
「……こんなところに、具合の悪いお姉様を一人置いてなんて行けないわ!
だってさっきのムカデは一匹だけとは限らないでしょ?」
お姉様に抱きついたままそう答えたけど、あたしの頭の中はどうしようって言葉で一杯だった。
だってお姉様の爪が。あれはどう見ても人間のモノじゃない。
どうしよう。ああ本当にどうしよう。お姉様が別のモノに変わってしまったら。
気付けばぽろぽろ涙が零れていた。
「な、泣いてないわよっ!ち…ちょっと夜更かしし…しすぎて、目がいた…痛いだけだもん!」
とはいえみっともなく鼻を啜りながらでは何の説得力も無かった。
「お姉様が歩けないなら、あたしが担いでいくから…それでもダメ?」
ガスマスク越しでミスタ・ルイスの表情は全く見えない。
数歩下がったシノザキさんが銃を抜くのと、西部警察のメロディが鳴るとはほぼ同時だった。
今後についての話は、ちょっとの間だけ棚上げされそうだ。
シノザキさんは二言三言話し、ミスタ・ルイスに視線を向ける。
話の感じでは、電話相手は共通の知り合いなのかもしれない。
我関せずといった感じで立っているブランデンブルクさんに視線を向ける。
狼男の表情なんて読めないので、何を考えているかさっぱり分からない。
できることなら、今すぐ30センチほど身長を分けて欲しい。
そうすればあたしも、らくらくお姉様に肩を貸せるようになるのに。
お姉さまやミケさんに喰い殺されるかもという危機感は全く持っていなかった。
あたしはふと、思いついた事を口にした。
「…………ねえミケさん、あなたの大きなリュックには、ワクチンとか薬って入ってないの?」
状況:意識回復。ミリアの処遇について提案。ブランデンブルクに薬かワクチンは無いのかと質問
>前390
このまま放って置こうか?でも後ろを振り向いた瞬間飛び掛ってきたら?
じゃあ止めを刺す?でも近づいた瞬間に飛び付かれたら?
何度も何度も頭の中で自問自答を繰り返す。その度に生々しく嫌な想像が脳内に浮かび、こびり付いて離れない。
全身に鳥肌を浮かべながらクソ蛾を瞬きも呼吸もせずに凝視する、こんなクソ蛾なんて凝視したくないんだけどしょうがない。
後ろを振り向いた瞬間、少し目を逸らした瞬間、瞬きした瞬間、呼吸をした瞬間、あのクソ蛾が襲ってこないとも限らないからだ。
そういえば先ほどクソ蛾を払って当たった所が爪先でよかった。
腕だったらあのパンパンに膨らんだ醜悪なクソ蛾の腹の感触を嫌でも味わう事になっていただろう。
それは一体どんな感触なんだろう、と、想像しなきゃいいのに想像して自分自身に精神的に多大なダメージを与える。
自爆もいい所だ。そんなに自分を追い詰めたいのか?馬鹿なのか?馬鹿なのか俺は?いや、むしろ馬鹿だ。
それともMなのか?自分を追い詰めて快感を得るMなのか?どうなんだ?Mなのか?それだったら大した変態だ。
貴方は馬鹿ですか?それともMですか?・・・いいえトム、それはクソ蛾です。
トムとは誰ですか?貴方の友達ですか?・・・いいえトム、それはクソ蛾です。
もう自分自身、何を考えてるかわからない。顔には出さないが既に脳内は混乱と動揺のお祭り騒ぎで大変な事になっている。
あぁ、背筋が嫌な意味でゾクゾクする。ここから逃げ出せたらどんなに良いか・・・ところでトムって誰だろう?
>「………我々がそいつを射殺してやろうか?」
そんな混乱と動揺に満ち溢れた俺の頭に声が届く。初めてクソ蛾から視線を逸らし、その声がした方向へと視線を向けた。
そこに立っているのは猟銃を構えた老人だった。いや、そんな事はどうだっていい。問題はその老人が何て言ったか、だ。
俺の耳がイカれていないのなら、射殺してやろうか?・・・そう言った、そう聞こえた。
それが本当なら、まさにその声は神の一言、その姿はまさにメシアの御降臨だ。
俺は自分の口が何か言葉を発する前に、もの凄い勢いで首を縦に振った。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:上半身裸 大宮の問いに首を縦に振る 軽く錯乱気味
前スレ>395
「ランボー警視」さんはちょっと・・・と思いながら、私はゾンビの顔を
蹴った。ゾンビは仰向けに倒れ、その顔に銃弾を撃ちこんだ。
「とりあえずこちらへ。」
私は助手席の扉を開け、彼女を中へと入れた。
そして、結んであるホースのところへ行き、解いた。
(解くにはそれほど時間はかからなかった)
そして、近寄ってくるゾンビ達を撃ちながら、私は運転席に
乗り込み、発車させた。
状況:車に乗り込み、発車する。
所持品:ニューナンブ(弾2発) 包丁
>4
ゾンビ化したコウガイビルが何匹も体に巻きついてきた。
>8
人間は恐怖から決して逃げ出す事は出来ない。
本能は恐怖に直面した時に表に出てくるのだ。
コウガイビルは世の中には知らない方がよい事があるのを痛感させてくれる生き物だ。
生まれて此の方、一度も見たことの無いそれは非常に不気味な生き物だった。
じっとりと湿った体はひんやりとしており、とてつもなく長く、そして細い。
不気味に滑って光を反射する姿は脳の奥の最も原始的な恐怖、得体の知れない存在に対する恐怖を喚起させる。
「だから動くな・・・あぁぁっ?」
もし、素肌に直接触っていたら叫び声を上げていただろう。
裏返り、甲高い声に合わせて体をくねらし、巻き付いたそれを振り落とそうとしていただろう。
まるでムンクの叫びのように。
携帯電話を希望に投げ渡すと体に巻きついたコウガイビルを防寒着の袖で叩き落とそうとする。
半ばパニックに落ち入りかけていたが、手で叩き落としていたら完全にパニックになっていた。
兎に角それは、人間が決して素手で触ってはいけない物なのだ。
が、叩いたコウガイビルは簡単に千切れ、それでも尚這うのを止めない。
ちぎれた場所からは薄気味悪い粘液が流れるのみで、
それどころか千切れた個所から新たに頭が生え、再び絡み着いてくる。
それがさらに恐怖を加速させる。
「た、煙草!煙草に火を点けて!押し付けて!」
半ば悲鳴に近い絶叫を上げながら希望に向かって叫んだ。
場所:分校・1階・非常口付近の廊下。
状況:コウガイビルに恐怖する。
「火を消したのにまた非常ベルが鳴ってやがる。一体どうなってるんだ?」
村人達は、2階からの出火に気づいていないようだ。
>6
怪人の返事を聞くなり、大宮大佐はのた打ち回る蛾へ向けて猟銃を発砲した。
飛び散った散弾が蛾の右目に大きな穴を開け、蛾の破片と気色の悪い色をした体液が飛び散る。
そして蛾は、まるで断末魔のような耳に突き刺さる鳴き声をあげながら、数秒後に息絶えた。
「さて……どうだい。これで満足かね?ああ、君らはそこの彼の治療を頼む」
大佐は猟銃に銃弾を詰めなおし、後ろの二人に手が潰れた男の治療をするようにと伝える。
指示を受けた二人は手馴れた様子で治療を開始した。
「ところで聞きたいんだが……君は何者だ?この村の村民では……」
その時、再び火災報知機の警報が校舎に鳴り響いた。周囲の村民達がうろたえているのが分かる。
何の因果かは分からないが、大佐の言葉はまたもや火災報知機によって遮られてしまった。
>10
「………そこのあんた!恐らく二階だ!消火器を持って二階に上がれ!誰か、彼の護衛に付け!」
警報に戸惑う村民達に対して、少々気分を害された大佐は、イラついた命令口調で叫んだ。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>前スレ392
水野軍曹は建物を警戒しつつ、三人が車に戻るのを見届けると、運転席の御手洗に話しかける。
「いいか?我々は奴を足止め次第、速やかにここに戻るつもりだが、ここに戻れない可能性も十分にある!
もしも私や少佐が向こうから逃げろと叫ぶか、君がまずいと思ったら、迷わずすぐに車を出せ!」
早口にそれだけを伝えると、少佐と蛞蝓が居る建物へと再び走っていった。
「……動きはのろいが…」
建物の中では、飯田少佐と蛞蝓が対峙していた。少佐が構えた小銃から連続して数発の銃弾が放たれる。
確かに銃弾は蛞蝓の表皮を破りはするが、その表面を覆う粘液の所為か、銃弾による傷はすぐに塞がる。
「まずいな……せめてここに閉じ込めなくては……」
周囲を見回して、銃よりも強力な武器を探す。目に留まったのは古い石油ストーブと、隣にあるポリタンクだ。
火で炙れば、表面の粘液にも意味はないだろう。それにこの狭い建物の中なら蒸し焼きに出来るだろう。
「…やるしかない、か」
蓋を開いたポリタンクを倒すと、灯油が流れ出て、あっという間に床中に広がった。
そして、机の上に置かれていたライターに火を灯して建物から出た。
>前スレ382
少佐が建物を出ると、ちょうど戻ってきた軍曹と鉢合わせして、少佐は建物内を指差して軍曹に話しかけた。
「軍曹、すぐに逃げろ。ここに火を放つ」
「了解しまし…ん?少佐、少し待っていただけますか?」
例の如く敬礼をした軍曹は何かを見つけ、建物の壁に近寄る。そこには二匹の犬が居た。
「そら、ここに居ると焼き犬になるぞ。死にたくなけりゃ早く向こうに逃げるんだ」
軽く犬の腹を銃でつついて片方を追い払うと、同じようにして壁に頭を突っ込んでいた犬も追い払う。
「……失礼しました」
軍曹と犬に向かって少しだけ笑顔を見せると、少佐は火のついたライターを灯油の水溜りへと投げ込んだ。
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>7
ゾンビの群れを突っ切るようにして、軽トラはバックで急発進した。
「これからどうしましょうね…おそらく国道には出られないし…」
怪訝そうな相手に、私は自衛隊による封鎖のことを簡単に説明する。
「それから、荷台の赤木さんは感染しているわ。
鈴木さんが持っていらっしゃるワクチンがないと、じきに村を徘徊する者の仲間入りを果たすでしょうね。
だから何とか鈴木さんと合流するか、デイライトを生成中の研究所に戻って……?今のうめき声は何?」
私はガラスがなくなっている背後の小窓を覗き、はっと息をのんだ。
荷台には上半身しかないゾンビがいた。
発車の勢いでちぎれたのだろう、動くたびにちぎれた部分から赤黒い血と肉が零れ落ちる。
這いずりゾンビは、今まさに赤木さんに噛みつかんとしていた。
「あれを撃って!早く!!」
私は篠原さんの動きの妨げにならないよう身をかがめ、ハンドルを支えた。
状況:篠原に自衛隊封鎖の件を伝える。荷台の這いずりゾンビに気付く。
服装/所持品:和装/アンプル(抽出高分子入)×2、救急セット 研究員の手帳(カードキー) 写真 古びた日記 スコップ
>前390>11
火災報知気が鳴り響き、蛾が破裂する。
銃声が校舎内に響いた。
階段を下りて来た老人達が叫ぶ。
>「………そこのあんた!恐らく二階だ!消火器を持って二階に上がれ!誰か、彼の護衛に付け!」
「ふ、ふざけるな!ボケ爺め!」
リーダー格の男が大宮老人に銃を突きつける。
他の村人達もそれに習う。
「日本刀と鉄砲振り回しやがって!あんたらが来なきゃこんな事にはならなかったんだ!」
リーダー格の男が叫ぶ。
玄関の見張りに就いていた男達から大宮老人が襲い掛かって来た事を聞いていたのだ。
今にも発砲しそうな表情で村人達は大宮老人を見ていた。
>13
>「これからどうしましょうね…おそらく国道には出られないし…」
彼女から自衛隊封鎖の件を簡単に説明してもらった。
「うーん・・・その研究所はどこにありますか?」
>「あれを撃って!早く!!」
私は振り返り、ゾンビの頭に狙いを定めて撃った。
間一髪、銃弾は頭部を貫き、ゾンビはトラックから落ちていった。
「火事なら大丈夫、大宮大佐さん達が気づくはずでしょう。」
現在地:市街 車で移動中
状況:桂木に研究所の場所を聞く。荷台にいたゾンビを撃って転落させる。
所持品:ニューナンブ(弾1発)、包丁
>11 14
銃撃により飛び散ったクソ蛾の体液と肉片が俺の身体にへばり付く。
喉まで出掛かった悲鳴を飲み込み、今にも身体から離脱しそうな意識を必死に繋ぎ止める。
>「さて……どうだい。これで満足かね?ああ、君らはそこの彼の治療を頼む」
クソ蛾に止めを刺してくれた老人が何か言っているがそれを理解する暇も余裕も無い。
へばり付いた肉片や体液がゆっくりと身体を伝って床に堕ちる度に意識が身体から逃げ出そうとする。
へばり付いた肉片の部分が細かにピクピクと動く度に世にも情けない悲鳴が口から飛び出そうになる。
一体このクソ蛾はどこまで俺を苦しめれば気が済むんだ?なんでこの世にも気色の悪い生物がこの世に存在を許されているんだ?
消えてしまえばいい、塵の一片も残さずに地上から消え去ればいい。
>「ところで聞きたいんだが……君は何者だ?この村の村民では……」
胸中でクソ蛾に対する悪態をつきまくっていると再び老人が話しかけてきた。
そしてそれに続くように火災報知機の五月蝿い警報が校内に鳴り響く。
>「………そこのあんた!恐らく二階だ!消火器を持って二階に上がれ!誰か、彼の護衛に付け!」
>「ふ、ふざけるな!ボケ爺め!」
>「日本刀と鉄砲振り回しやがって!あんたらが来なきゃこんな事にはならなかったんだ!」
村人と老人が言い争い今にも一触即発な雰囲気だけど、ぶっちゃけた話、今はそんな事どうでもいい。
この身体にへばり付いているクソ蛾の肉片と体液をどう処理するかで頭が一杯だ。
さあて、どうしようか・・・早いとこ洗い流さないと気が狂いそうだ・・・。
きょろきょろと辺りを見回せばさっきの取引で用意して貰ったバケツとタオルが置いてあった。
俺はギクシャクとした挙動不審極まりない動きで、バケツを取ると身体に水をぶっ掛ける。
黄色くへばり付いた肉と体液、固まりかけた血は水と共に流され本来の肌が露になる。
タオルで髪をコーティングしていた血液を剥がし、濡れた身体を丁寧に拭き取ると、ようやく落ち着いた。
ふと見れば、老人達に向かって村人達が銃口を向けている、今にも発砲せんばかりの勢いだ。
さて・・・どうしようか?これ以上エサが死ぬのも人間が死ぬのも好ましくない、となると・・・止めるしかない、か。
「やー・・・どーもありがとう、お陰で助かったよ」
殺気立っている村人と老人の間に割り込み、老人に笑みを浮かべる。
そして、リーダー君の銃口にさりげなく自分の爪で塞ぎ、リーダー君の方を向き笑みを浮かべる。
「リーダー君、ここで殺し合っている場合じゃあないだろう?銃を引いてもらえないだろうか?
銃を引いてくれたなら・・・さっきのペナルティは帳消しにしよう、どうだ?悪い話じゃないだろう?
それとも・・・ここで全員挽肉になるまで殺り合うかい?」
さあて、ここでリーダー君がキチンとした判断をしてくれればいいんだけどねぇ・・・。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:上半身裸 揉め事の仲裁に入る
>11
突如として校内に銃声が響いた。
「・・・なんだ?」
村民がjudasに発砲したのだろうか。それともリッカーにでも出くわしたのか。
そうこう考えているうちに火災報知器の警報が鳴り響いた。
嫌な予感がする。私は急いでjudasの元へ向かった。
>16
異様な光景である。
何があったのか知らないが、村民が兵隊連中に銃を向けていた。
床には内臓をぶちまけた巨大な蛾が斃れている。
それをなだめるjudas。
「・・・」
私はjudasに近付いた。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 九武村分校
状況: judasに合流する
>前スレ397
後ろの老人を振り返る事無く、言われた通りに車を目指す二人。
だが雑賀の脳裏には先程の無線内容がこびり付いて離れなかった。
「雑賀」
だから赤坂の問い掛けに反応するのも遅れたのだろう。はっと我に返ると、戦友と目があった。
「さっきの無線は何だ?」
既に赤坂は何かしら察しているようだった。雑賀は隠すのは無駄だと思い、有りの儘に話した。
「で、如何するんだ?魔女の釜の底までの迎えは来ないんだぜ?」
「…取り敢えず、村からの脱出方法を探そう。このまま死ぬのは御免被る」
「そりゃごもっともな意見だが、何処を探す?」
「人が集っている場所だな」
雑賀が顎でしゃくった方角―目を向ければ、遠くからでも真っ赤な炎が燃えているのが良く見えた。あそこは確か小学校な筈だ。
「弾薬と装備の再分配を。それが済んだら乗車。直ぐに向うぞ」
雑賀はボディ・アーマーの上から着用していたチェストリグを脱ぎ、G3と共に赤坂に手渡す。
「とはいっても、あそこに行くのは如何かと思うぞ。下手に村民と接触するのは拙い」
G3の弾倉を収納したチェストリグを受け取った赤坂は、メインアームが拳銃だけの雑賀に拳銃用の弾倉を幾らか手渡す。
「それを上手くするのが我々だろう」
拳銃の弾倉を受け取り、空いたポーチに突っ込みつつ、雑賀は事も無げに言ってのけた。
「さぁ、行こう」
運転席に赤坂が、雑賀は助手席に乗り込み、車は直ぐに発車した。
名前:雑賀誠一郎
装備:戦闘服、88式鉄帽、NBG、ボディアーマー、ニー・エルボパッド、レッグホルスター/ポーチ、フェイスマスク
所持品: 無線機、スタングレネード、双眼鏡、レーザー側距儀、ライター、ナイロンハンドカフ×29、
水筒、銃剣、地図、コンパス、ライト、ファーストエイドキット、バイポッド、
L96(3)、.338LapuaMag×93、レザーマンツール、H&K Mk23(10)、消音器、12連弾倉×8
名前:赤坂圭吾
装備:戦闘服、88式鉄帽、ボディアーマー、ニー・エルボパッド、レッグホルスター、フェイスマスク
所持品:30連弾倉×8(一つは10連)、12ゲージショットシェル×21、G3A4(14)+マスターキー(2)、
水筒、銃剣、ファーストエイドキット、FAL弾倉、バラ弾薬×30、H&K Mk23(10)、消音器、12連弾倉×6
現在地/状況:装備と弾薬の再分配
ブランデンブルクさんはちらっとこっちを向いた。だけど、それだけだった。
あたしはひとつため息をつき、立ち上がった。
悩んでても仕方ない。もっと建設的なことをしよう。
その方が気が紛れるし。
「ここでこうしててもしょうがないし、先に進まない?
あ、置いてくのは無しね。あたしまたムカデに襲われても剥がせないし。どこに居ても危ないなら皆と一緒に行きたい。
あとミケさん悪いけど、もう少しお姉様を背負ってね〜。」
冷ややかな目で見下ろしてくるブランデンブルクさんに無邪気な微笑みを返す。
この際ちょっと頭が足りない子だと思われても構わないわ。
ブランデンブルクさんさえお姉さまを担いでくれれば。
「ミケさん力持ちなんだから、本当はお姉様一人担ぐなんて何でもないんでしょ?
……ねえ、もし復讐相手が見つかったら、地の果てまで追いかけてくれて構わないわ。
だから復讐のめどがつくまでは、もう少しあたしに付き合って。ねっナイトさん!お願いっ!
それからお姉さまも文句言わず背負われる事。
体力温存はすっごく大事じゃないの?いつまで手助けしてもらえるか分からない訳だし。
あと何か食べられるようなら言ってね。水も持ってるから」
無言の拒否なんてわかんない〜気に入らないなら言葉ではっきりとね!
…………うう。ム、ムカデにだって狼にだってお姉様の視線にだって負けないもん…!
「さ、さっきの話だけど………脇腹の傷は大丈夫なの?」
引きつった笑いのままミスタ・ルイスを振り返る。
>5>19
>「…………ねえミケさん、あなたの大きなリュックには、ワクチンとか薬って入ってないの?」
大して大きくも無い腰の雑嚢に何か役立つようなものが入っていた気がするが、それが何で
あるかいまいち思い出せなかった。
>「ミケさん力持ちなんだから、本当はお姉様一人担ぐなんて何でもないんでしょ?
もう少しで何かを思い出そうとしたところで、桃華の声が思考に割って入る。
「す…」
少し待て、と言いたかったのだが…
>……ねえ、もし復讐相手が見つかったら、地の果てまで追いかけてくれて構わないわ。
桃華は此方に口を開く暇を与えない。唇の端が引くついた。
>だから復讐のめどがつくまでは、もう少しあたしに付き合って。ねっナイトさん!お願いっ!
>それからお姉さまも文句言わず背負われる事。
>体力温存はすっごく大事じゃないの?いつまで手助けしてもらえるか分からない訳だし。
>あと何か食べられるようなら言ってね。水も持ってるから」
針金のような髭が戦慄いた。ちょっとは人の話を聞いてくれ、フロイライン。
>「さ、さっきの話だけど………脇腹の傷は大丈夫なの?」
「ちょっと待てコラ」
マクナブの方を向いていた桃華の華奢な肩を掴む。桃華がそれなりに屈強な男だったら、この手には
もっと強い力が込められていたのだろうが、残念ながら彼女は日本人女性の平均を遥かに下回る体格だ。
どちらかといえば硝子細工に触れるような弱い力だ。
「そんなに早く話を進めるな。ワクチンは無いが、食いモンよりも手っ取り早く体力を回復させる代物は持っている」
雑嚢に手を突っ込み、緑草や赤草、青草、黄草等の高濃度抽出液を調合したアンプルを二本取り出し、
桃華の顔の前で振ってみせる。これが何であるかを彼女は分からないだろうが、マクナブは分かっているだろう。
「これはウィルスで突然発生した薬草の調合済み高濃度抽出液だ。一発打てば、元気百倍。
二発打つとどうなるかは知らんが、まぁ、一発で充分だろう」
一本はミリアに投げ渡し、もう一本は手の中で弄ぶ。
「マクナブ、お前も一本打っておくか?だが、これで俺に貸しを作っておくと後が怖いぞ」
いやらしく唇の端を歪めて笑って見せる。恐らく、今の自分は狡賢い狼そのものだろう。
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
現在地:30階通路
状況:ミリアに調合ハーブを渡す。
>14
「ほう……」
二人の部下が銃を構えようとするが、大宮大佐はそれを制し、自らも銃と軍刀を床に降ろす。
「ああ、君の言うとおりだ。確かにここへ怪物共の侵入を許したのは私の責任かも知れんな。
私がボケ老人だというのも否定しない。その件に関しては申し訳ないと思っている」
銃を向けられているのにも動じず、リーダー格の男に言うと、大佐は男に向かって頭を下げた。
そして、続けて周囲を取り囲む他の村民へと向けて話し始める。
「包囲している諸君に告ぐ。引き金を引きたければ結構。私の頭を銃でふっ飛ばすといいさ。
だが、親切心から言わせて貰うがね、二階の火を消さなければこの校舎は全焼するだろう。
ここが焼ければ、廊下を通じて体育館にも煙が流れ込み、避難している村民は全員蒸し焼きだ。
もしも諸君に良心があるならば、私を撃つより先にする事があるんじゃないかね?」
その言葉は特に大きい声だったというわけでもないし、威圧的な口調というわけでもなかった。
>16
「いや、まだ挽肉になるつもりは無いさ。我々にはやらなければならん事があるんでね」
笑みを浮かべた怪物へ、同じように笑みを浮かべて答える。
「兵長、君が二階の消火へ向かえ。中尉は負傷者の治療を続行せよ」
振り返って怪物を警戒している二人の部下に短く指示を出し、それから村民の方へと向き直る。
「…信用するかどうかは自由だがね、私は村民全員を村から安全に脱出させる方法を知っている。
諸君らの生命を守るのが軍人の仕事だが、信じないなら無理に全員を連れてゆく気はない」
>17
ふと、何者かが近づいてきたのに気付くと、大佐は再び怪物に話しかける。
「……君の友達かね?」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
気が付くと、私はいつの間にか新聞社の前に居た。社内の食堂ではない。
空腹は収まっているし、頭痛や吐き気、それから目眩もしっかり収まったようだ。
「……?」
ふと口元に血がついている事に気がつく。だが、私は何処にも怪我をしていない。
それに続いて、左手に何かを持っていることにも気がついた。
「……ひぃっ!?」
自分が何を持っているのか確認すると、私は悲鳴を上げてそれを投げ捨てた。
私が握っていたのは、誰かの手首だった。
ああ、徐々に記憶が戻ってくる。
食堂には生存者が居たのだ。それが誰だったかは思い出せないが、若い男だった。
彼は警官である私に助けを求めてきた。その時に私は何をした?私は……
「ま、まさか……そんな筈がっ……」
絶対に違うと私自身に言い聞かせるが、そう思えば思うほど、鮮明な記憶が蘇る。
悲鳴、恐怖に満ちた顔、飛び散る血飛沫、人を素手で抉る感触、人を食い千切る感触。
それから、人の味。全て思い出した。私は彼を素手で殺して喰った。間違いない。
思えば吐き気も目眩も、これが原因だったのではないだろうか。恐らく空腹もこの所為だ。
とどのつまるところ、科学者に銃を向け、目眩や吐き気を感じた時、私は既に怪物だったのだ。
私は慌てて新聞社の窓に顔を映す。ああ、よかった。奴らのように青白くはない。
顔面もまったく崩れていない。これまで村民に向けてきた、人の良さそうな顔のままだ。
「あー…………私は九武村駐在警官である田中秋久…階級は巡査長」
よし、声も出せる。もちろん手足にも異常は無いし、身分だってしっかり覚えている。
何にせよ、他の奴らのように気味の悪い怪物に成り下がったわけではないのだ。
そうだ。考え方を変えればいいんだ。人を抉る力を得て、人を食う権利を得ただけの話だ。
ああ、そういえば人間の味というのも悪くなかった気がする。
「はっ…はははははっ…………何だ、それなら何の問題も無いじゃないか」
確かに私は人間でないのかもしれないが、人間を装って生きていく事は出来るのだから。
これで私が村を逃げ出せる確立は大幅に増えたのだ。幸運としか言いようが無い。
>18
ふとエンジンの音が遠くから聞こえた。そして、徐々に近づいてくる。
何処に行くかは分からないが、乗っていけば脱出出来る可能性があるような気がする。
「おい!止まれ!」
運転手に見えるように、私は道の真ん中で手を振った。
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村内商店街新聞社前
現在の状況:発症、まだ人間であると装ったまま、車に手を振る
>17
その男は何かに酷く心を奪われていたに違いなかった。
何度か似たような人間に会った事がある。
国の研究機関の研究員に少なからずいるタイプで、研究成果よりも重要視される
社会的、学界的名誉に絡む政治に全く関心の無いタイプだ。
社会的地位や金銭に全く執着しない人間で、小川以上に社会と距離を置いている。
社会もまた、巨大な建物の中でひっそりと日の当たらぬ研究に従事する人間に興味は無い。
もしくは生物関係の学者なのかもしれない。
連中は有り難い事に、くそ、あの忌々しい粘着質の化学屋どもと違って細かい事を気にしない。
>「・・・なんだ?」
男は銃声の方向を振り返るとそのまま背を向け、何かを跨いで歩いていってしまった。
その男は自分の命すら関心が無いのかもしれない。
「お、おい!ちょっと待て!」
>「う、動かないでくれ・・・私の貴重な煙草を何だってこんな事に・・・」
アフリカ系の男が愚痴りながら煙草の火を押し当てる。
その動きはやたらと速く、狙い済ましたポイントに的確に当たる。
そのやたらと長い、忌々しい化学屋の如く粘着質な生き物は煙草の火を当てられた先から落ちていく。
>「これで最後だ・・・ホォアタッ!北斗・・・」
両手で大きく、ゆっくりと円を描き、最後の一匹に押し当てる。
「あー、うん。ありがとう。本当に助かりました。」
まるで世界が核の炎に包まれた後を描いた物語の主人公を思わせる男の言葉を遮って営業スマイルを浮かべる。
「さて、携帯を返してもらいますよ。」
希望(くっ!私の台詞を・・・グれてやる。本格的に・・・)
怒りに満ちた目で睨む希望を横目で見ながら携帯電話に向かって呼びかけた。
「すみません、お騒がせしました。えーと、どこまで話しましたっけ?」
場所:分校・1階
状況:佐治に逃げられる。希望に嫌われる。携帯電話で連絡を取る。相変わらず人の話を聞かない。
「な、泣いてないわよっ!ち…ちょっと夜更かしし…しすぎて、目がいた…痛いだけだもん!」
ぽろぽろと大粒の涙を零しながら桃華が言った。
親指で太腿に括り付けられたカイデックス製のホルスターのロックを解除する音が廊下に響く。
ミリアの首を叩き落す断頭台の音。
「お姉様が歩けないなら、あたしが担いでいくから…それでもダメ?」
・・・予期せぬ別れは少年から大人への通過儀礼だ。
幼いうちにそんな経験をするのは不幸だが、死ぬのは もっと不幸だ。
と、携帯電話から血潮を熱くさせる音楽が響く。
それが何の音楽かは解らなかったが。
出ろよ、と顎でシノザキに合図した。
持ち主を圧倒する言葉の洪水が携帯電話から漏れる。
相手が聞いていようがいまいがお構いなし、といった感じだ。
続いて聞こえたのは悲鳴混じりの裏返った声。
やはり忙しい男だ。
>「さ、さっきの話だけど………脇腹の傷は大丈夫なの?」
「傷?ああ、俺もすっかり・・・」
>「ちょっと待てコラ」
ブランブルグが会話を遮った。願ってもない完璧なタイミングで。
>「これはウィルスで突然発生した薬草の調合済み高濃度抽出液だ。一発打てば、元気百倍。
二発打つとどうなるかは知らんが、まぁ、一発で充分だろう」
ブランデンブルグが桃華の目の前でアンプルを振ってみせる。
「あの女博士の、か。純粋に体力を回復させるだけなら変化も遅くなる可能性はあるな。」
そのドクターは医療関係、特に天然由来を用いた研究のエキスパートでマクナブも彼女の公演に行った事がある。
アメリカ人の言う、BG(ボディーガード)としてだが。
確か救急スプレーを開発したのも彼女だったはずだ。
>「マクナブ、お前も一本打っておくか?だが、これで俺に貸しを作っておくと後が怖いぞ」
心底震え上がりそうな笑顔を浮かべてブランデンブルグが笑う。
「貰えるんなら貰っとくぜ。ありがたい話だしな。」
全くドイツ人って奴は、とマスク越しに苦笑しながら受け取るべく左手を差し出した。
イギリス人が約束をまともに守ると思うのだろうか?
御伽噺の中の狼は何時だって間抜けだ。
もっともそれは人間の願望に過ぎないし、目の前の狼は遥かに手強そうだった。
>12
>「いいか?我々は奴を足止め次第、速やかにここに戻るつもりだが、ここに戻れない可能性も十分にある!
もしも私や少佐が向こうから逃げろと叫ぶか、君がまずいと思ったら、迷わずすぐに車を出せ!」
「わ、分かりました!」
御手洗のおにいちゃんは何度も頷いた。山田さんはまたあんたが運転?!といったをしたが、口に出さなかったみたい。
お兄ちゃんがエンジンをかけようと四苦八苦しているのを尻目に、私は建物を凝視する。
「あっ!出てきた!!」
水野のおじいちゃんが建物に入ろうとするのと、飯田のおじいちゃんが出てくるのとはほぼ同時だった。
無事な姿にホッとする。
だけど水野のおじいちゃんはすぐに動かず、建物の壁付近で何かしていた。
水野のおじいちゃんが壁から離れるや否や、建物に火が放たれる。
建物の中からものすごい音が聞こえてきた。ナメクジがのた打ち回っているのかもしれない
怖い、あのナメクジにかかったら、壁なんて簡単に壊されてしまいそうだ。
>前スレ382
だけど、そんな恐怖も水野のおじいちゃんと一緒にいる犬を見るまでだった。
私は弾かれたようにドアに手を掛けた。
車から飛び降り、建物に向かって駆け出す。
「モフ!待って!!」
ワゴン車の中から誰かが戻れと叫んでいた気もするけど、私はそれどころじゃなかった。
だって建物の近くに居る犬には見覚えがありすぎたから。
最初はモップみたいだと思った。
そのままでも十分可愛かったけど、毛を刈り込んだらもっと可愛くなった。
ママに頼み込んでやっと飼う許可を取り付けたのに、迎えに行った時にはもう居なかった。
誰かに貰われていったんだと泣きながら諦めたのに。
「探したのよ、今まで一体どこに行ってたの!!・・・・・そっちの子はモフの彼女?」
現在地:水源地 燃え上がる建物付近
状況:ワゴン車から降り、モフへ駆け寄る
>15
>「火事なら大丈夫、大宮大佐さん達が気づくはずでしょう。」
「…………そうですわね」
問題は火事に気付くか否かではなく、消火出来るだけの道具が揃っているかどうかなのだが。
「研究所なら村の東ですわ。ワクチンがある研究室は地下に。
運搬用エレベーター始動キーは持っています。
ただ、施設内は村と同じような状況ですの―――武器も持たず行くのは自殺行為ですわね」
いいながら、内心で自問する。なぜこんな無駄な事をしているのだろうと。
ワクチン―――デイライトを投与したからといって、ここまで症状が進んだ赤木さんが元に戻れるとは限らない。
デイライトは感染体を死滅させる。投与する事によって、息の根を止める結果になるかもしれないのだ。
それに――赤木さんがゾンビになったらどうだと言うのだろう。
彼は末端とはいえ傘社の関係者だ。
分校に置き去りにすれば良かったと思う。
運がよければ鈴木さんがワクチンを打っただろう。悪ければ誰かが息の根を止めてくれた筈。
ため息混じりに目元を押さえる。なんだか酷く疲れてしまった。
「何か良い方法を考えましょう。今のままではゾンビに囲まれたらおしまいですもの。
篠原さん、何か武器を手に入れられそうな心当たりはおありでしょうか?
無ければ、沙羅笊寺に参りましょう。そこの屋根裏に、もしかしたら、何か役立つものがあるかもしれませんわ」
人を助けたいという思いと、自分と同じ目に合わせてやりたいという衝動。
葛藤は今しばらく続きそうだ。
現在地:九武村内(軽トラックで移動中)
状況:沙羅笊寺(荒れ寺)へ行く事を提案
>16>17>21>
>「リーダー君、ここで殺し合っている場合じゃあないだろう?銃を引いてもらえないだろうか?
銃を引いてくれたなら・・・さっきのペナルティは帳消しにしよう、どうだ?悪い話じゃないだろう?
それとも・・・ここで全員挽肉になるまで殺り合うかい?」
「・・・解った。銃を降ろそう。」
本音を言えば銃を上げたのは失敗だと思っていた。
黙って撃てば良かったのだ。
>「包囲している諸君に告ぐ。引き金を引きたければ結構。私の頭を銃でふっ飛ばすといいさ。
だが、親切心から言わせて貰うがね、二階の火を消さなければこの校舎は全焼するだろう。
ここが焼ければ、廊下を通じて体育館にも煙が流れ込み、避難している村民は全員蒸し焼きだ。
もしも諸君に良心があるならば、私を撃つより先にする事があるんじゃないかね?」
「良心だと!ふざけるな!貴様のようなジジィに何が解る!」
村人の一人が叫んだ。
「畜生、畜生・・・昌子・・・うう・・・昌子・・・」
秋に結婚したばかりの妻の名前を呟きながら村人が震えていた。
「もう行け。爺さんの言う通りだ。」
リーダー格の男が目配せすると残った男達が階段を上がっていった。
男は一人その場に残り、周りの人間が口を開くのを待った。
>>19 突然天井が破れ巨大なクモのような虫が3匹降ってきた。
砂漠に住むヒヨケムシが変異したもののようだ。
2匹が桃華とミリアを抱えてそれぞれ別の方向へ走り出し、
残る1匹は一番近くにいたシノザキに飛び掛った。
>28 17 21
両陣営に冷静な判断が出来るものがいて何よりだ・・・これで取り合えず宴会に出される料理が減る事はない。
しかし、安心したのも束の間の事、老人が衝撃的な発言をしやがった。
>「…信用するかどうかは自由だがね、私は村民全員を村から安全に脱出させる方法を知っている。
諸君らの生命を守るのが軍人の仕事だが、信じないなら無理に全員を連れてゆく気はない」
この物言い・・・嘘を言っているようには見えない、という事は、恐らく本当にあるのだろう。
さあて、どうしてくれようかねぇ・・・。脱出方法を知っているのはどうやらこの老人とその側近ぐらいだろう。
この老人の雰囲気から見ても、誰彼構わずにペラペラと喋るとは思えない。
このタイプの人間は信用出来る、もしくは利用出来る奴以外にはそう簡単に情報を漏らしたりはしない。
と言う事は、脱出方法を知っているのは少数だろう・・・多くても10人かそこら、ってところか?
出来る事なら今すぐに、その少数の素っ首を叩き落して宴会への障害を減らしておきたい所だが・・・。
その少数がこの校舎内にいるとも限らないし、いたとしてもこの広い校舎内の中でどうやって探す?
片っ端から殺していく?なんてナンセンス、なんてくだらない、不確実ここに極まれり、だ。
結局の所、どうしようもない。少しでも障害を減らす事を考えるなら、老人とその側近を殺しておくべきだろう。
しかし、蛾の脅威から救ってもらった恩もある・・・恩を仇で返すのは好きじゃあない。さてさてどうしたものか。
>「……君の友達かね?」
ふと老人の言葉で意識を現実に引き戻される。老人の向いている方向に目を向けると、校舎を探索に行った男が立っていた。
・・・友達、ねぇ?これは面白い冗談だ、化物と人間がお友達?ハハッ、これは笑える。
「そうだ・・・と言ったら、アンタは驚くかい?」
老人に悪戯っぽい笑みを浮かべると、男に左手を振る。
「お帰り、校舎探索はどうだった?何か収穫はあったかな?」
俺はクスクスと笑いながら、『友達』に向けて言葉を発した。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:上半身裸 男に話しかける。
>4>19>24>29
>「シノザキさん?!何でこの番号を!ああ、状況?!ゾンビに追い掛け回されてますよ!」
予想通りというか何というか、やはり状況はよろしくないようだ。
>「今いる地点で生物災害が発生しているんですよ。シノザキさんはマスコミ関係でしょ?
> 何とかテレビ局にアクセスできませんかね?いや、それよりもなんでこの番号を知っているんです?!」
その問いに対する俺の答えに打撃音が完璧にかぶさる。
多分ガラスを叩き割る音だ。鈍い音が数回、と言う事は恐らく飛散防止フィルムか何かが貼ってあるガラスだろう。
まぁそれはどうでも良いことなのだが。
さて隙を見て状況の説明をしようと試みるのだが、
どうも向うの状況が随分と高速で移り変わっているらしく、口を挟む余地が無い。
そうこうしているうちに甲高い叫び声が一つしたかと思うと、断続的に悲鳴が聞こえてきた。
「おい、どうした?無事か!?おい!」
煙草を押し当てろ、と言う声が聞こえたと言う事はヒルかダニの類にたかられてでもいるのだろうか。
俺のほうではどうしようもないので精々焦れて待つしかない。
翻ってこちらでは目を覚ました桃華がミリアに抱きついている。
図らずも桃華を実験台にした格好になるが、どうやらまだミリアは正気を保っているようだ。
ほんの少しして悲鳴が止んだ。
>「すみません、お騒がせしました。えーと、どこまで話しましたっけ?」
鈴木が落ち着いた声で話しかけてくる。
「どこまでも何も、話なんかびた一文進んでねぇよ」
進めたくても進められなかったと言うのが正しいだろうか。
とりあえず鈴木に番号を知ったいきさつを簡単に話す。
「・・・で、かかってきた番号にかけたらあんたが出た、と。ちなみに最初メール送ったのはマクナブってぇ奴なんだが」
その後、言葉を続けようとしたところでいきなり何かが降ってきた。
降ってきた「何か」はミリアと桃華を抱え二手に分かれた。残った一つが俺に飛び掛ってくる。
体勢を整える暇などなかった俺は、とっさに倒れこみ、「何か」の下に入り込む。
そこでようやく相手を観察する余裕が出来た。ヒヨケムシという名の大型の肉食昆虫だ。
高い攻撃性と、馬鹿でかい顎を持っている。その顎がこれでもかと激しく開閉する様を
こんな至近距離で観察できるのは、研究者にとっては喜ばしい事なのかもしれない。
俺は学者先生でもないし当然食われたくも無いのでこれ以上観察するつもりは無いが。
腹の下に入り込んだ俺を捕まえるのに、長い足は使い辛いらしい。
俺は相手の腹に足をかけ、床につけた背中を支点に思い切り力を込める。
しょせん虫なので体の大きさの割りには重量は無い。
仰向けにひっくり返った相手の開閉する顎の中を狙って拳銃の残弾をすべて撃ち込んだ。
痙攣しながらなお動こうとする虫にとどめの一発、ニコチンつきの鉄串を叩き込んでやった。
神経節が複数あろうが、「燃料」の供給を断てば動きは止まる。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(5)、予備弾倉(20×2)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、火炎瓶×2、鉄串)
現在地:スペンサービル30階
>31
>「どこまでも何も、話なんかびた一文進んでねぇよ」
「仰る通りで。」
シノザキが電話番号を手に入れた経緯をざっと説明する。
ガスマスク姿のテロリストとWW2のドイツ兵と仲良くレストランでお食事をした、という事だった。
>「・・・で、かかってきた番号にかけたらあんたが出た、と。ちなみに最初メール送ったのはマクナブってぇ奴なんだが」
腹の底で悪態を吐いた。
もっとも問答無用で撃ち殺さなかっただけマシ、かもしれない。
マクナブ、いや、教官に警告を伝えたが、なんとも思っていないだろう。
「メールね。後で確認します。こっちは無線封鎖が掛かっています。30分おきにしか連絡は取れません。
それにしても運が悪いですね・・・いや、チャンスかもしれませんよ。ほら、屋上のデパートで取れなかったピュリッアー賞が取れるかもしれない。」
微かに笑いながら言った。
が、返事の代わりに聞こえたのは銃声だった。
それも13発きっかり。
あの男が愛用しているハイパワーと同じ装弾数だ。
>「わ、私はメールを読んだんだが・・・」
「続けてください。」
>「ああ・・・任務を継続するとかなんとか・・・」
「まだ仕込んでなかったのか。合流地点どころか完全に囲まれているってのに。移動しましょう。ところで名前は?」
>「わ、私の名は・・・希望だ。・・・あんたは?」
「鈴木で結構です。・・・もしもし?シノザキさん?無事ですか?」
入ってきた非常扉へと戻りながら電話に呼びかけた。
>12>26
「なんか焦げ臭いじゃあぁーーーーーーーーーーん!!?」
「どお〜? 誰かいない〜?」
「げほっごっほうげうげうげけむけむ!」
「ん、なんだこの爺さん?」
「ぐえ〜〜〜〜〜〜……おお、死ぬかと思った」
「ペタ〜、この爺さん達、アレ持ってるよアレ」
「アレじゃねえわ! テメェの頭がアレじゃわわ!! ――む……」
「な? アレだろ? あのバキューンってやつ」
「ハッハッハッハハハハのハ!! お爺ちゃん! 僕達野犬じゃないよ! 骨っ子とカーテンの裾しか噛んだことのない根っからのシティーボーイでありますのですよ! ほら! お回り! お座り! お手! チンチンチンチン――」
>「モフ!待って!」
「モフさん! あちらさんが呼んでますよ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「おーい?」
「マイスイートハニーイッヒリーベディットホアッチュアーーーーーー!!!」
「待て待てこら。お爺様方、僕達悪い病気とかとは関係ないんで、それ向けないでね!」
>「探してたのよ・・・・・・・・・・・・・そっちの子はモフの彼女?」
「オイラも探してたよ〜〜〜〜〜〜〜いいえ、全然知らない野良です」
「このモップ野郎っ! もう飼い犬気取りかこらーー!」
「飼い犬喧嘩せず、ただボールを追い尻尾を振るのみ」
「むっきーーーーーー!」
現在地・状況:水源地、燃える建物とトラックの間 モフは>26にはちきれんばかりんの愛嬌を振りまく。ペタはのた打ち回っている。
>21
>「……君の友達かね?」
「私とjudasはそれほど親しくはない」
我々の関係に交友的な要素は含まれていない。
ただ漠然的に興味を抱かされた生物、それだけのことである。
いつエサになるかという不安全な要素を含んだ関係だ。
>28
>「畜生、畜生・・・昌子・・・うう・・・昌子・・・」
「ふふふ、御愁傷様だな」
せせら笑う私の声が届いていたかどうかわからない。
生存闘争において自己の脆弱を晒した生物には死が待っている。
この男は野良犬以下だ。
>30
>「お帰り、校舎探索はどうだった?何か収穫はあったかな?」
「村民からの頂き物だ」
私は手にしている斧をjudasに見せた。
銃弾も残りわずかだ。無駄弾を使いたくはない。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 九武村分校
状況: judasらと合流
>26、>33
「何だ?嫌に元気のいい犬じゃないか」
二人の目の前でのた打ち回る犬を見た飯田少佐が言う。
「どうしますか?向こうの犬は彩ちゃんに懐いているようですが……」
「ふむ…犬の一匹二匹、連れて行ったって、別に作戦行動の邪魔にはならんさ。保護するぞ。
それに軍曹、君だって子供が泣くのは見たくないだろう?」
少女へ嬉しそうに尻尾を振るもう一匹を見ながら、少佐と軍曹は共に苦笑いを見せた。
「よし、蛞蝓が出てくる前に退避しよう。そら、君も一緒に来るんだ」
のた打ち回っている犬に声をかけてから、二人は車へと向かった。
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>28
村民に罵られても、三人の老人は銃を向けたり、怒鳴り返したりはしなかった。
銃と軍刀を拾い上げた大宮大佐が男に一歩近寄る。
「いいかね?もう一度言っておくが、我々は全員を村から脱出させる方法を知っているし、
生きている村民全員を村から脱出させるつもりだ。君が嘘だと思うならそれでもいいが、
我々を信じるのなら、他の村民に指示があるまでここを離れない様に伝えて欲しい」
男に言い終わったところで、二階で消火を行っていた金田兵長が戻ってきた。
「村民の消火活動開始を確認!十分な人数だと判断したので、帰還しました!」
兵長は普段は曲がっている背筋を伸ばし、敬礼をしながら、大佐へと報告を行う。
「ああ、兵長。戻ってきて早々悪いがね、怪我人を保健室にでも連れて行ってやってくれ。
止血等の処置は中尉が終わらせた。とりあえずこれで死ぬ事はないだろう」
「了解しました!」
再び敬礼をすると、兵長と橋本中尉は手の潰れた男に肩を貸し、保健室へと向かった。
>30
「さてと、君にも話があるんだ」
二人の部下を見送ってから、大佐は灰燼の方へと向き直る。
「………今後一切、村民を殺したり、怪我をさせたりと危害を加えるのは控えて貰いたい。
もしも君が従わないならば、我々は君に攻撃を加えることになるだろうね」
村民と話してから口調を変えたわけではないが、聞く相手には威圧感を与える話し方だ。
「我々のような老いぼれが君を殺せるとは思えんがね、君を瀕死にさせる程度の自信はある。
それに……やろうと思えば、保健室にある薬品で虫寄せ剤を作る事も出来るんだぞ?」
大佐は話している途中、嘘を吐いていたり、冗談を言っているそぶりは見せなかった。
>34
「……まぁ、私も君らの交友関係に興味は無いがね」
佐治が村民を見て笑ったとき、一瞬だけ大佐の目つきが変わった。
「君にも言っておくよ。村民に危害を加えれば、我々は君に銃を向ける事になるだろう」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
36 :
名無しになりきれ:2006/06/11(日) 22:16:34
さ
>35 34
俺の言葉に男は手に持った斧を掲げてみせた。
>「村民からの頂き物だ」
「これはこれは、良い斧だこと・・・。後でその村民にお礼でも差し上げたらどうだ?」
ま、もっとも、その村民が生きていればの話だがね。
クックッと喉で笑いながら、その斧を眺め言う。
そんな会話をしているうちに、手を挽肉に変えられた男は保健室へと搬送されていく。
>「さてと、君にも話があるんだ」
保健室に送られていく男を見送った後、老人は口を開いた。
>「………今後一切、村民を殺したり、怪我をさせたりと危害を加えるのは控えて貰いたい。
もしも君が従わないならば、我々は君に攻撃を加えることになるだろうね」
おっと、大分いままでと雰囲気が違うねぇ、怖い怖い。
>「我々のような老いぼれが君を殺せるとは思えんがね、君を瀕死にさせる程度の自信はある。
それに……やろうと思えば、保健室にある薬品で虫寄せ剤を作る事も出来るんだぞ?」
おっおー、今度は随分と効果的な脅しを・・・、マジで怖い怖い。
顔を見る限り本気な顔をしている。どうやら・・・虫寄せも嘘じゃないようだ。
「んー・・・残念ながら、約束は出来ないね。俺は化物だから、お前等を喰らわなきゃ生きていけない」
老人の視線が鋭くなるのを感じる。
下手すればこのまま発砲されてもおかしくないような雰囲気だが・・・老人は撃ってこない。
ならば話を続けさせてもらうにしよう。
「けど、まぁ・・・今は何もしない。ここには水と案内人の取引に来ただけだし、アンタには蛾を殺してもらった恩もある」
それだけを言うと、俺は突っ立ってるリーダー君の方を向く。
「リーダー君、悪いが服を用意してくれないか?水を浴びたせいで少々冷えた、服を着たら出発するとしよう」
そして俺は再び老人と向き合う。
「そういうわけだ、今は引く・・・村人を脱出させるんなら早くする事だ。
俺が先か、アンタが先か、それともここが焼け野原になるのが先か、競争だよ」
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:上半身裸 老人と会話中
>前スレ393
>「驚かしちゃった?」
「アッハッハ・・・・・ハ〜〜〜〜〜ァ・・・・・」
何笑ってんだ僕は?
しかも、小娘相手にこれ以上何も言えないし・・・・・・いやいやいや、この際、こいつを人間の女だと思うのはやめよう。
近くで見ると、ますます山猫みたいな印象の少女で・・・・・笑ってるんだけど、目が笑ってないし・・・・・。
とにかく怖いんだよ!
「ま、待ってたよ。あぁああ、扉を閉めようとしたのは暗くて君だとわからなかったからで――」
言い訳がましくモゴモゴと言いながら、丁重に中へと促し、一番座り心地の良さそうな椅子を引く。
ああわかってるさ。僕は今、非常に情けない。
でもまさか、ハンターだと思ったとは言えないよなあ・・・・・ある意味当たってるし、僕の勘。
「それで早速、脱出の算段を打ち合わせたいんだけど――喉が渇いたなぁぁぁ〜〜〜」
少女は僕のことなんて眼中にないかのように、じ〜〜っとガキを見ている。
うん! 居辛い!
僕はわざとらしく襟元を緩めながら、給湯室のドアに手をかけた。
ゴキブリは・・・・・・・もういないよねえ?
所持品:携帯電話、ポケットサイズの端末、ワクチンケース(改良型デイライトx5)、カプセルシューター(抗ウイルス剤x6)
現在地・状況:地下?階、監視室、部屋の空気に耐え切れず隣の給湯室へ行こうとする。
状態:手足に無数の細かい傷、一っ風呂浴びて新しいシャツに袖を通したい気分。
>33 >35
頭を撫でると、モフは嬉しくてどうしようもないって感じで私に纏わりついてきた。
嬉しい、モフも私のこと覚えててくれたのね。
>「どうしますか?向こうの犬は彩ちゃんに懐いているようですが……」
おじいちゃん達を祈るような思いで見上げる。
お願いおじいちゃん達、連れてっちゃダメなんて言わないよね?
>「ふむ…犬の一匹二匹、連れて行ったって、別に作戦行動の邪魔にはならんさ。保護するぞ。
それに軍曹、君だって子供が泣くのは見たくないだろう?」
「ありがとうおじいちゃん達!大好き!!」
私は嬉しさのあまり、おじいちゃんに抱きついてしまった。
おじいちゃん達と連れ立って、車まで戻る。
>「乗せるんでしょ?私がやるわ」
「ありがとう山田さん」
車から降りて待っていた山田さんが、モフ達を抱き上げ車に連れ込もうとする。
「モフもお友達も、『車が怖い!』なんていわないでね?置いていかれちゃうよ」
つぶらな瞳で見上げてくる二匹の犬たちに、祈るような気持ちで声をかける。
>20 >25 >31
シノザキさんはまだケータイで話している。
ブランデンブルクさんが元気になる薬(何かこういう書き方すると、怪しい薬みたいね)をお姉さまに渡した。
そのうえミスタ・ルイスにもからかい混じりにアンプルをちらつかせている。
>「マクナブ、お前も一本打っておくか?だが、これで俺に貸しを作っておくと後が怖いぞ」
>「貰えるんなら貰っとくぜ。ありがたい話だしな。」
もう、どうせ渡すんでしょ?最初からもったいぶらず渡せば良いのに!
男ってホント面倒な生き物ね。
>29
思えば、そんな罰当たりなことを考えていたのが良くなかったのね。
また巨大な虫に抱きつかれちゃった!!
「きゃ―――――――――――― ?!!!」
また虫!今度はクモ!?何よこれ、ここ巨大昆虫展会場なの?!
クモのうち2匹はあたしとお姉さまを担ぎ上げて走り出し、残る一匹はシノザキさんに襲い掛かっている。
ムカデよりはまだ好きっていうかマシだけど、あなたも肉食よね?肉食なのねええええええ!!!イヤー!!
「ミスタ・ルイス!ミケさん助けてー!!」
ダメ元で叫んでみるわ。
あんまり考えたくないけど、もし無理だった時は・・・うう。
この至近距離で発砲しても、あたし無事でいられるのかしら?
なんとなーくマズイ気がするんだけど。
>35>39
「車に乗れってさ。オイラはもちろんご主人様の膝の上よ」
「なに? お嬢ちゃん、そいつは洗ってないモップですぜ?」
「な〜に、かえって免疫がつくさ」
「まあ、こっち側は危険だしな〜。しっかし、自分の足で動かないなんて人間ってやつはほんとに怠け者だぜー」
「どうすんの〜? ペタ残る?」
「お邪魔するに決まってんだろがや! こんなとこに置き去りなんて心細くて死ぬっちゅうの!」
「大王様には、もう匂いで伝言置いたからね〜。長居するのも危ないし」
「はいはい、御免なすって御免なすって――って、狭っ!? 狭くていいのは猫の額と人間の心だけよ! こんなとこに押し込められたらステンレスになるっちゅうに」
「ステンレス? ペタ、包丁になんの?」
「ちゃうちゃう。胃がきゅうーっとなってハゲができるっちゅうことよ」
「文明病だねぇ〜」
「っちゅうこって、荷台にサラバ!」
「落っこちんなよー」
「ん、運んでってくれるんなら、とりあえず寝とくかー。走りっぱでフラフラだ」
「うん、オイラも寝るー」
現在地・状況:ペタはトラックの荷台、モフは子供の膝の上で寝始める。
>34
陰気なオールバックの男が戻ってきた。
>「村民からの頂き物だ」
「・・・っ!」
手にしている斧は一階の見回りをしていた男のものだった。
とするとさっきの銃声は・・・
>35
大宮老人の下に部下達が集まってきた。
どうやら消火は順調に進んでいるようだ。
>「いいかね?もう一度言っておくが、我々は全員を村から脱出させる方法を知っているし、
生きている村民全員を村から脱出させるつもりだ。君が嘘だと思うならそれでもいいが、
我々を信じるのなら、他の村民に指示があるまでここを離れない様に伝えて欲しい」
「大宮の爺さん、どっちにしろ俺たちはここから動けんよ。」
死人のような目で大宮老人を睨みつけながら答えた。
>「ああ、兵長。戻ってきて早々悪いがね、怪我人を保健室にでも連れて行ってやってくれ。
止血等の処置は中尉が終わらせた。とりあえずこれで死ぬ事はないだろう」
>「了解しました!」
腕を千切られた男を担いで老人達が保健室に向かった。
ボケ老人は皆元気だ。
>37
>「リーダー君、悪いが服を用意してくれないか?水を浴びたせいで少々冷えた、服を着たら出発するとしよう」
「・・・解った。爺さん、言っておくがこの村から抜け出す事なんて無理だよ。抜け出せたとしたら・・・いや、なんでもない」
村人の一人を使いにやると黒のスーツを一式持ってきた。
「葬式用のしかないが・・・無いよりましだろ。違うか?」
そう言いながらユダにタオルと一緒に渡した。
濃い黒をしたそれは中々高級そうなスーツでサイズもぴったりだろう。
「準備が出来たら言ってくれ。こっちは車を出すだけだから・・・」
>桂木、篠原
分校からの道の途中に一軒の家があり、光が漏れている。
人の気配は無さそうだが・・・
篠原さんの沈黙を肯定と取り、道を教える。
彼の運転はなかなか丁寧だ。乗っていて安心できる。
途中何度か進めない道があったのだが、多分この道であっているだろう。
助手席におとなしく納まっていた私は、ふと自分が酷く空腹な事を思い出した。
「篠原さんごめんなさい。何か食べる物をお持ちですか?」
篠原さんはすまなそうに首を横に振った。
>43
道の途中に一軒の家があった。人の気配は無さそうだ。
上手くいけば何かあるかもしれない。
「悪いけれど、あの灯りがついている家に寄って頂いても良いかしら?」
篠原さんは頷き、灯りが点った家の前に車を止めた。
家の玄関ドアに手を掛けると、すんなりと開いた。
「どなたかいらっしゃいますか?」
声をかけつつ中に入る。
嫌ね、何となく泥棒になった気分ですわ。
>27 疲労を感じる運転をしながら、私は車の前方を睨んでいた。
ゾンビが出てきたなら轢いてやればいいことだが、それ以外だと対処が
難しい。常に注意をしていなければいけなかった。
と、そのとき、桂木が「沙羅笊寺」へ行くことを提案した。
私は返事をしなかった。彼女は道を案内し始めた。
>43>44
すると、なにやら一軒の家が見えてきた。灯りは点いている。
>「悪いけれど、あの灯りがついている家に寄って頂いても良いかしら?」
私は頷き、車を家の前に止めた。
状況:沙羅笊寺へ行く途中の家の前で車をとめる。
>31>40
携帯電話を使っているシノザキを横目で見ていた。
>「・・・で、かかってきた番号にかけたらあんたが出た、と。ちなみに最初メール送ったのはマクナブってぇ奴なんだが」
さてさて、どんな反応が返ってくるやら。
ブランデンブルグからアンプル入りの薬剤を受け取ろうとした時、悲鳴が廊下中に響いた。
>「きゃ―――――――――――― ?!!!」
見れば巨大な蜘蛛が3匹、それぞれの獲物に飛び掛っていた。
一匹はミリア、もう一匹は桃花。
二人をがっちりと抱きしめるとそれぞれ反対方向に逃げ出す。
もしかしたら神はいるのかもしれない。
神がデザインした8本足の優雅な動きに感心しながらMP5で狙いを着ける。
同じようにブランデンブルグがMG42を構えたがお互いに発砲は控えた。
MG42に使用する7.62mmNATO弾は強力すぎるし、MP5の使用する10mm弾は非力すぎる事は証明済みだ。
シノザキが持っている5.56mmのアサルトライフルがベストな状況だが、肝心のシノザキは襲い掛かってきた蟲と格闘していた。
責める訳にもいくまい。
拳銃の連続した銃声が響く。
再びシノザキを見ると全弾撃ち尽くしてスライドが後退しきったブローニングを投げ捨て、
ニコチンのたっぷりと付着した金属製の串で止めを刺しているところだった。
>「ミスタ・ルイス!ミケさん助けてー!!」
ブランデンブルグと背中合わせのまま、遠ざかっていく桃華の姿に舌打ちをする。
シノザキに覆い被さっている巨大な蟲を蹴り飛ばす。
今度は綺麗に蟲だけが引っ繰り返った。
「大丈夫か?」
シノザキに右手を差し出す。
「川崎、すまんがミリアを捕まえた蟲を追いかけてくれ。良いな?」
解ったよ・・・と川崎が走り出す。
「ミリアにゃアンプルを打ってあるから大丈夫、かもしれん。どうなるか解らんがね。」
>35
>「君にも言っておくよ。村民に危害を加えれば、我々は君に銃を向ける事になるだろう」
「好きにしてくれ」
相変わらず人の考える事は理解できない。
人間を殺す事とゾンビを斃す事に違いなどあるのだろうか。
>37
>「これはこれは、良い斧だこと・・・。後でその村民にお礼でも差し上げたらどうだ?」
茶目っ気の多い奴だ。
そういえばjudasの仲間とはどんな連中なのだろうか。
欲望に突き進むだけの集団であれば私は彼らを始末するつもりでいる。
そのように原始的な生物などに興味もなければ用も無い。
そうでないことを願うが・・・
>42
>「・・・っ!」
斧を見た村民の目付きが変わった。
「君達の知り合いか? 彼なら死んだよ」
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 九武村分校
状況: judasを待つ
>44-45
台所からはカレーの匂いが漂ってきている。
誰も手をつけないうちにこの家の住人は避難したらしい。
>47
>「君達の知り合いか? 彼なら死んだよ」
「追い剥ぎか。立派なもんだな。」
皮肉な口調で佐治に向かって言い捨てると煙草に火を点けた。
「爺さん方、念の為に聞いておくがこの後はどうするつもりだ?」
>32>40>46
左手に持った携帯から鈴木の声が聞こえてきた。
>「鈴木で結構です。・・・もしもし?シノザキさん?無事ですか?」
「俺は無事だが取り込み中だ、いったん切るぞ!」
間髪いれずに返事を返して終話ボタンを押す。
>「大丈夫か?」
ほとんど同じ意味の問いが今度はルイスから発せられた。
「見りゃわかるだろ?虫と追っかけっこするくらい、なんて事ねぇよ」
差し出された右手を掴み立ち上がりながら軽口を返す。
辺りをすばやく見回すとミリアと桃華を捕まえたそれぞれの虫どもはだいぶ距離を離していた。
さすが世界で二番目だか三番目だかに足が速い虫と言われているだけはある。
ミリアのほうにはルイスから指示を受けた川崎が行った。
ならこっちは桃華のほうを何とかするべきか。
ブランデンブルクは構えるだけは構えているが引き金は引かない。
あの銃では虫の体を貫通しちまう可能性が高いからだろう。
ルイスが撃たないのは拳銃弾ではパンチ力に欠けるというところだろうか。
(対象以外への被害と言う点では一番不安が無いのだが)
残るは俺の(つっても借り物だが)5.56mm。
これも貫通力は高いが、7.62mmよりはぐっと劣るはずだ。
桃華を捕まえた虫は、桃華を体の前にしっかり抱え込み、こちらに背中を向けて真っ直ぐ伸びた廊下を走り去っていく。
これは大変に狙いやすい。虫の体が桃華を覆っているからだ。
俺はその場に膝をついて構えると、弾倉を替え、セレクターを単発にあわせて立て続けに引き金を引く。
フルオートで撃って当てるだけの技量は俺には無い。
うまい具合に虫の足が2、3本千切れ、いくらかスピードが落ちる。
後は接近して撃ち込んでやればこっちの方は万事解決。
われらが姫君の体重がとても暴力的な方法で減らされる前に、という条件はあるが。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(8)、予備弾倉(20、5)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、火炎瓶×2、鉄串)
現在地:スペンサービル30階
>45 >48
家の中は人気が無い。
玄関脇に防水ブーツが置いてあった。まだ新しい。多分家人のものだろう。
幸いサイズが合ったので履き替えた。
玄関でちょっと躊躇したものの、土足で上がりこんだ。
家の中からはカレーのいい匂いがした。
テーブルの上には皿やスプーンまで並べられていて、今にも誰か帰ってきそうだ。
だが多分戻ってくる事は無いだろう。
私は鍋の中を確認した後、一旦外に出た。
車の中の篠原さんに手招きする。多分食べ物があると解った筈だ。
とりあえず3人分のカレーライスをタッパーに詰める。
篠原さんが食べに来なければ、このまま車に持ち帰るだけだ。
もっとも、汚染されている可能性がある食べ物を口にするかどうかは解らないが。
>39
「はっはっは……なぁに、この位は当たり前の事さ」
嬉しそうに笑いながら、飯田少佐が言った。水野軍曹は、まだ蛞蝓を警戒しているようで、
少佐や少女、二匹の犬を見ながらも、時折建物へと視線を向ける。
「……少佐、大佐らとはどうやって合流しますか?水源地合流の予定でしたが…」
「とりあえずは宿舎に行こう。大佐だって、後で宿舎に向かう予定といっていたじゃないか。
この状況を見れば、調査を切り上げて移動したと判断してくれるさ」
少佐は軽い口調のまま簡単に言うが、軍曹はどこか不満そうに言い返す。
「しかし……こちらには村民が居ます。避難となれば、宿舎内部という事になりますし、
さらに安全を期するなら、地下という事になりますが…」
「………彼らを見殺しにする訳にはいかんよ。大佐もそれは望んでいないだろう」
少佐の言葉を聞いて、渋々納得したように敬礼をすると、二人揃って車へと乗り込んだ。
一度、少女の膝に乗った犬に目を移してから、少佐は運転席の御手洗へと話しかける。
「とりあえずは…このまま、まっすぐ進んでくれ。出発だ」
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>37
発砲したり、斬り付けたりはせず、大宮大佐は怪人の話を最後まで聞く。
「何、私も君の生存権を否定したりはしないよ。確かに蟷螂には虫を食う自由があるのだろう。
もちろん代償は背負ってもらうがね、化け物から猶予を貰えただけでも幸運だ」
聞き終わった大佐の表情は柔らかくなり、鋭かった視線は再び瞼の皺の下に隠れてしまう。
それからポケットを漁ったかと思うと、小さくため息をついた。
「…………煙草は何処に置いてきたかな…」
>47
その直後、ある単語が耳に届いた瞬間、大佐は佐治へ猟銃を向けていた。
「…今、何と言った?」
怪人と話していた時に使ったような、交渉を有利に行う為に威圧感を含める話し方ではない。
怒りという感情がむき出しになった話し方、殺意すらも含んだ口調だった。
「貴様、村民を殺したんだな!こちらからは既に警告を行ったぞ!!覚悟はしているんだろうな!」
今にも引き金を引きそうになっていた時、怪我人を搬送していた橋本中尉が慌てて戻ってきた。
「大佐!何事でありますかっ!」
息を切らせながら駆け寄った橋本中尉が尋ね、少し遅れて金田兵長も走ってくる。
それを見た大佐は、舌打ちをして銃を下ろす。
「……いや…問題無い。少々取り乱したが…人食い怪物殿は我々に避難誘導を行う時間をくれた。
彼の空腹感が限界を超えるまでに、我々は村民を宿舎まで避難させなければならん。急ごう」
銃を下ろして二人の部下へと指令を告げた後、佐治へ向かって小さく言った。
「運が良かったな。今はゴミを処分している時間が無いんだ」
>42
「…………諸君から見れば、我々は軍隊ごっこをしているボケ老人にしか見えんのだろう。
だが、我々は誇り高き大日本帝国陸軍軍人として、日本国民を護るという義務を果たすつもりだ」
唖然としている男を尻目に、大佐は話し続ける。
「向こうの山に培尾連隊、陸軍歩兵第531連隊の駐屯地が有ったという事は知っているかね?
そこに脱出するためのトンネルがあるんだ。まだ崩れていないし、絶対に逃げられるはずだ。
さあ、どうするかね?ボケ老人の戯言と聞き流し、別の方法で逃げ出す努力をするのも結構だし、
私の言葉を信じて、村民全員で駐屯地のトンネルから脱出するのか、それは君の判断次第だ。
我々はすぐに出発するが……どうするかね?」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>52
>「向こうの山に培尾連隊、陸軍歩兵第531連隊の駐屯地が有ったという事は知っているかね?
そこに脱出するためのトンネルがあるんだ。
中略
我々はすぐに出発するが……どうするかね?」
ぽっかり口を開けて大宮老人の顔を見つめていた。
目は大きく見開かれ、肩は震えている。
「ならんのだ!そんなもんはあっちゃいけないんだ!この嘘つき爺め!騙されてたまるか!」
聞きたくない現実を聞かされた、という表情で男が叫ぶ。
「あんたらと一緒に行くくらいなら化け物と一緒に行く方がマシだ!さっさと死んでしまえ!」
大声で男が叫んだ。
その声が空しく校舎に響き渡った。
>41 >51
二人のおじいちゃんは、今後の事について話している。
話に出てくる村民って、私や山田さんや御手洗お兄ちゃんの事かな。
「モフ、寝ちゃった?おじいちゃんたち、私たちを宿舎に連れていったらダメだったのかな」
頭を撫でてみるけれど反応は無い。モフも疲れてるのね。
後ろを振り返ると、モフのお友達は一番後ろのシートに納まっている。
身体の小さいお友達から見たら、倒してあるシートがまるでベットか荷台みたいに見えるかもね。
>「せっかく来たのに、手がかりは何ひとつ見つからなかったわね」
助手席の山田さんがため息混じりにつぶやく。
「えと・・・あのね、おじいちゃん達、どさくさで、この本持って来ちゃった」
そういって、武器用に貰ってきた古びた本を見せる。
本の表紙には「九武村カラノ避難手順」と書かれていた。
蜘蛛はあたしを抱えて走り出した。
すごい顎が目の前で開いたり閉じたりしてる。齧られたらもう…ひとたまりも無いわね。
(ちょっと!ファーストキスがあんたみたいなクモとなんてごめんよー!!!!)
それにしても、なんで今齧らないんだろ。いや齧ってほしい訳じゃないけど。
どこかの巣穴でじっくり食べるつもりなの?
きゃー!イヤー!!最悪うー!!!
――――うっかり叫ぶと舌を噛みそうだから、心の中だけで叫ぶ事にするわ。
>49
背後から数発銃声がして、いきなりクモの歩調が乱れ始めた。
ものすごい揺れ!頭の中までシェイクされて目が回りそう。
だけど、あたしの体に回されていた足の数が減ったのはラッキーね。
突き飛ばす事は出来ないけど、シグくらいならなんとか手が届きそう。
たしかムカデ退治のとき、ミスタ・ルイスが「至近距離で発砲したら危ない」って説明してくれたわよね〜。
…なるべく自分の身体から離して撃とう。
あとは自分で自分の足を誤射しないよう祈るのみだわ。
撃って、拘束が緩むといいなーって思うんだけど…刺激して齧られたら最悪ね。
でもやってみよう。
不自然な体制ながら、銃を蜘蛛の身体に向ける。
あたしは引き金を引いた。
>56
ミリアをさらったヒヨケムシは階段へ駆け込み、下の階を目指していった。
一方桃華を捕らえた方は、立て続けに銃撃を食らったショックか抱えていた桃華を一度放り出した。
だがすぐに改めて前肢で押さえつけ、巨大な顎をがばりと開いて桃華に噛み付こうとした。
>48
>「追い剥ぎか。立派なもんだな。」
弱者からの搾取は自然界では当たり前のことだ。
それに目くじらを立てるのは人間だけである。実に不可解な倫理だ。
「なんとでも言ってくれ」
私は煙草を取り出して火を点けた。
>52
>「貴様、村民を殺したんだな!こちらからは既に警告を行ったぞ!!覚悟はしているんだろうな!」
人間一匹殺したくらいで喚かないでほしいものである。
「残念だが忠告が遅かったようだな」
>「運が良かったな。今はゴミを処分している時間が無いんだ」
「喚く前に行動してくれ。綺麗事は聞き飽きているんでね」
私は吸い終えた煙草を床に転がっている蛾に投げた。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 九武村分校
状況: 煙草を吸う
>50
玄関に戻ろうとした桂木の足元に何かが当たり、乾いた音を立てた。
かなりの数の使用済みのショットガンの弾が点々と落ちている。
その先には弾痕の開いた障子があった。
廊下の奥にあるのはどうやら居間のようだ。
居間の壁には血や脳漿が撒き散らされ、その周りをゴキブリが内臓を食いちぎり、
鼠が死体から零れた脳味噌を嘗めまわしている。
子供を庇うように母親が、母親にしがみ付くように子供が倒れこんでいた。
その数は10人近くになるだろうか。
落ちている使用済みの弾丸はその5倍の人数を殺せる位の数だ。
広い居間に集められ、障子越しに撃たれたらしい。
噛み傷を、引っかき傷も無く、銃傷以外に傷は無い。
執拗に撃たれており、恐怖にかられて衝動的に行われたようだ。
スカートを履いた小さな死体が一枚の写真を持っている。
女の子とその父親の写真のようだ。
頭を吹き飛ばされていて確認できないが、おそらく少女本人の持物だろう。
写真の裏には「だいすきなおとおさんと」と書かれている。
・・・拾いますか?
→Yes
No
>42 52 54 58
>「何、私も君の生存権を否定したりはしないよ。確かに蟷螂には虫を食う自由があるのだろう。
もちろん代償は背負ってもらうがね、化け物から猶予を貰えただけでも幸運だ」
こちらも大した幸運だ。これだけ冷静に話を出来る奴と出会えた。
老人との会話が終わると、リーダー君が服を手渡してくる、その服を見て思わず俺は呟く。
「ハハハッ、これはこれは・・・喪服とはね・・・・・・想像もしなかった・・・」
>「葬式用のしかないが・・・無いよりましだろ。違うか?」
俺の呟きにリーダ君は言葉を返す。
「そうだな、この半裸の状態よりはマシだ・・・それに喪服も、悪くない」
人間が逃げ惑い、死者が蔓延るこの村で、それ等を喰らう化け物が喪服を着て跋扈する?
なぁんて皮肉なんだろう、なぁんて相応しいんだろう。
俺は何者だ?この村の葬儀者か?それとも村の葬儀の参列者?ハッ、どちらにしても笑える。
俺は喪服を手渡してくれたリーダー君に軽く笑いかけると、その喪服を着に掛かった。
肥大化した左腕を通すのに悪戦苦闘していると、老人の大きな声が響く。
>「貴様、村民を殺したんだな!こちらからは既に警告を行ったぞ!!覚悟はしているんだろうな!」
見れば老人が男に銃を突き付けている、先ほどの俺との対応とは大違いだ。
感情が剥き出しになり、激しい殺意すら感じ取れた。
>「残念だが忠告が遅かったようだな」
男はそんな老人の怒りと態度に怯むことなく、煙草の煙を吐き出しながら淡々と言葉を紡ぐ。
大した度胸だ、素晴らしい、Wonderful。
しかし・・・止めないと些かまずいか?あのままじゃ老人が男を撃ち殺しかねん・・・。
そんな俺の心配も余計なものだったらしい。
>「大佐!何事でありますかっ!」
男の治療を終えた老人の側近2人が戻ってきて、この場は事無きを得た。
老人は男に近づき何かを呟くと、リーダー君に脱出プランの説明を始める。
しかし、こんなに簡単に話しちまっていいもんかね?人喰い化物が聞いてるんだぞ?もっと注意したらどうだい?
そんな老人の話をリーダー君はかき消すように叫ぶ。
>「ならんのだ!そんなもんはあっちゃいけないんだ!この嘘つき爺め!騙されてたまるか!」
>「あんたらと一緒に行くくらいなら化け物と一緒に行く方がマシだ!さっさと死んでしまえ!」
一体何がそんなに気に入らないのかよくわからないが・・・リーダー君は老人の話に乗る気はないらしい。
「話は終わったかい?こちらの準備はもう出来た、リーダー君いつでもOKだ」
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:喪服姿 リーダーに話しかける
冷蔵庫の中に和菓子が入っていた。
行儀が悪いと思いながらも空腹には勝てず、カレーを詰める作業中に頂いてしまった。
少しだけ身体が楽になった。
怪我を治すのに、思いのほかエネルギーを消費したのだと推察する。
きちんと食べれば、以前のように感染体の居場所も解るようになるかもしれない。
>59
荷物を持って玄関へ行こうとした私の足元で、何かが乾いた音を立てた。
「…………?」
コロコロしたものがあたりにたくさん落ちている。拾い上げると火薬の匂いがした。
薬莢だわ。なぜこんな民家に?
薬莢は転々と廊下の奥へと続いていた。奥の部屋の障子はずたずたになっている。
私は気になって、荷物を置き奥へ行ってみる事にした。
見に行かなければ良かったとあとで後悔した。
辺りを見渡すと、廊下に掃除用具が収納された扉があった。
「あっちへお行き!」
ほうきを取り出し、振り回す。波が引くようにネズミとゴキブリが退散した。
だけど一時的なものだ。すぐに戻ってくるだろう。
私は改めて部屋の中を見渡した。
ひどい………九武村や等訓市で死体は散々見てきたけれど、こんなにむごいものは見たことが無い。
死体は全て、年端も行かない子供達とその母親ばかりのようだった。
なによりやりきれないのは、……この中の誰も、まだ感染すらしていない事だった。
「一体誰が……こんな……」
――――恐怖に駆られた人間が、信じられないような行動に出るのは等訓市で嫌というほど見てきた。
だけど…それでも手を下す前に、正気に戻って欲しかった。
壁際の小さな死体が、手に何かを持っていた。
写真だ。
汚れを拭うと、父親らしき男性と可愛い女の子が笑っていた。
――――たどたどしく綴られた文字を指で辿る。
一生懸命書いたであろう言葉には、骸になった子供の愛が詰まっていた。
知らず涙があふれた。
せめて手を下したのが、「だいすきなおとおさん」でない事を祈るばかりだ。
私は玄関から飛び出し、軽トラックの窓を叩いた。
「中でたくさんの人が亡くなっているの。
今のままでは遺体が食い荒らされてしまいますわ。お願い篠原さん、手を貸して」
現在地、状況:道路わきの民家。写真を手に入れる。射殺された遺体を発見、篠原に応援を頼む。
服装/所持品:和装/アンプル(抽出高分子入)×2、救急セット 研究員の手帳(カードキー) 写真 古びた日記、親子の写真
「ロバート、お前は今何処を歩いてるのか分かってるのか?」
「HAHAHAHAHA、分かる訳無いだろう。PDAによると俺達は今ロシアだ」
全くこのポンコツめ、ここのどこがヤクーツクなのか言ってみろボケ!カス!クズ!
PDAなんて当てにならん!だが地図は嫌いだ!・・・一体どこのアホだよ俺は。
「おいおいおいちょっと待てよ、じゃあ俺達は今まで当ても無く彷徨ってたのか」
「ああ、どこかで一休みしたいもんだ」
「無視かコラ」
にしてもやけに赤い月だな、気味が悪い・・・・
とにかくどこかで家か小屋でも見つけて小休止といきたいところだが。
しかし、辺りを見回してもかなり暗い。暗視ゴーグル無しではそれ程遠くは見えないだろう。
・・・ん?今灯りが見えたぞ?
どうやら見間違いではなく、確かにここからしばらく先に民家があるらしい。
「どうするんだ、バーンズ?まさか入らないなんて言わないよな」
「勿論、入らせてもらう。だが、住民が中にいたら?」
「何、ちゃんと入れてくれるさ。脳ミソがスープになってなければ」
>61
期待と不安を胸に(というか九割五分は期待)民家へ近付くと、何だか聞き覚えのある声がした。
>「中でたくさんの人が亡くなっているの。
>今のままでは遺体が食い荒らされてしまいますわ。お願い篠原さん、手を貸して」
「こんなへタレでもよければ、俺達が手伝ってやろうか?お嬢さん」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(31)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(8)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(21)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(8)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
状態:FINE/FINE
現在地・状況:沙羅笊寺への道路脇の民家、家から飛び出してきた桂木にロバートが声を掛ける
>54
「貴様ぁ!!」
暴言を吐いた村人に掴みかかったのは、大宮大佐ではなく、金田兵長だった。
村人の胸倉を掴むと、今にも食らいつきそうな勢いで兵長は続ける。
「いいか?貴様がそう思うのならば勝手にすれば良い、そこの怪物の餌になりゃ良いさ。
餌になるのは簡単だろうな。何せ、そいつの腹が減るのを待っているだけでいいんだ。
だが、村民もそれを望んだか?貴様以外の村民が一人でも怪物の餌になりたがったのか?
どうやら貴様は避難した村民全てを挽肉にしたいらしいな!」
「兵長!やめろ!」
橋本中尉が止めに入るが、兵長はそれでも怒鳴り続ける。
「死ねというなら死んでやる!だが、それは我々が軍人としての義務を果たしてからだ!
国民を護るという義務を果たしてからなら、何時でも死んでやる!」
「やめろというのが聞こえんのか!これは命令だ!」
再び中尉が怒鳴ると、小さく舌打ちをしてから、兵長は手を離した。
>58
「失礼、目の前で友達を殺すのは彼に失礼だと思ってね」
先程よりも幾分か落ち着いて短く言った大佐は、一発だけ猟銃を佐治の足元へと発砲した。
ほんの数センチずれていれば、飛び散った散弾は佐治の足へめり込んでいただろう。
「……これで満足願いたい」
>60
大佐は銃弾を猟銃に込め直すと、喪服を着込んだ怪人へ目を向ける。
「…………折角君に貰った時間も無駄になってしまった。どうも彼は軍人が嫌いらしい」
どこか自嘲を含んだような笑みを浮かべながら言った後、部下へと手で合図を送った。
それと共に、二人は大佐を中心に整列する。もちろん、普段は曲げている背筋を伸ばして。
「我が隊は村民諸君の健闘と全員の生還を願う!全員、村民代表へ敬礼!」
六十余年前と変わらない、一糸乱れぬ敬礼を村民へと送り、三人は昇降口へと向かう。
三人はずっと黙っていたが、途中で大佐が一言だけ口を開いた。
「…鈴木君は何処に行ったんだったかね?」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>55
軍曹は時折心配そうに御手洗に話しかけ、少佐は建物の塵で汚れた眼鏡を拭いている。
「まったくだ…大佐や鈴木君に申し訳が立たんよ」
看護婦の言葉に、若干落ち込み気味の少佐の返事が聞こえる。
それから少女の言葉を聞いて振り向くが、本の表紙を見るなり驚いた表情を見せた。
「…その本、ちょっと見せてもらえるかい?」
本を受け取ると、暫く表紙を眺めて、数ページ捲って内容を見てから、軍曹の肩を叩く。
「軍曹、懐かしい本が出てきたぞ。あの時に全て焼き払ったと思っていたが」
振り向いて拍子を見た軍曹も、少佐と同じように驚いて、表紙や内容を何度も見る。
「全員に焼却命令は出しましたが……誰かが事故を恐れて隠しておいたのでしょう」
「…………やはり、村から安全に逃げるにはこのトンネルしかないんじゃないか?
包囲隊の規模も判らんし、何より我々は年寄りだ。恐らく包囲は抜けられん」
暫く置いてから少佐が口を開き、その意見を聞くと、今度は軍曹も頷く。
「…カビの生えた軍機よりも、未来ある村民の命の方が重要ですからな」
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
私はあの車には乗らずに再び村内を徘徊していた。
もしかすると怪物になって、以前より本能的な勘が鋭くなったのかも知れない。
あの車は危険だと感じたのだ。私はあれに負ける、殺される、死ぬ、肉片になる。
路上から運転手の目を見た瞬間、そういった言葉が幾つも頭を駆け巡った。
だから、私はすぐに商店街を走り抜けて新聞社を離れ、車をやり過ごしたのだった。
さて、何らかの脱出する方法と、適当な食べ物を探しに行かなくては。
>61-62
巡回の時と同じルートで村を歩いていると、窓から明かりが見える民家が目に映った。
それに、耳を澄ませば、人の声も聞こえるじゃないか。ちょうどいい。
もしも残っている人間が弱そうな村民連中ならば、正体を明かして私の夜食にすれば良いだろう。
強そうな人間だったら、このまま普段どおりに生き残っている駐在警官を演じ続ければ良い。
上手くすれば、その強い人間の手を借りて脱出出来るという可能性もあるし、悪い考えじゃない。
ならば実行に移すまでだ。
「駐在の田中ですっ!そこの家、誰か残っているんですかっ!」
念のために拳銃を抜いてから、出来るだけ慌てた風を装って、民家へと大声で叫んだ。
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村内商店街から寺への道路
現在の状況:明かりのついた民家へと叫ぶ
>50>61 私は車の中で外を眺めながら待っていた。
ふと何気なく民家を見ると、桂木が手招きをしていた。それから
奥のほうへと行った。
私が伸びをし、降りようと思ったときだった。彼女がいきなり走ってきた。
>「中でたくさんの人が亡くなっているの。
今のままでは遺体が食い荒らされてしまいますわ。お願い篠原さん、手を貸して」
亡くなっている?死体のことか?そう思いながら私は重い腰を上げ、
車から降りた。
>62
>「こんなヘタレでもよければ、俺達が手伝ってやろうか?お嬢さん」
そのとき、いきなり外人らしき男達が話しかけてきた。
まるでナンパのような話し方にムッとしながらも、口を開いた。
「なんだか随分重たそうなものを持ってるな。君達は誰だ?」
現在地:沙羅笊寺への道路脇にある民家前
状況:いきなり話しかけてきた男に質問をする。
>63
>「死ねというなら死んでやる!だが、それは我々が軍人としての義務を果たしてからだ!
国民を護るという義務を果たしてからなら、何時でも死んでやる!」
「もう遅いんだ!軍人の義務だか何だか知らんが遅すぎたんだ!」
兵長に怒鳴り返した声は殆ど悲鳴に近い。
>「やめろというのが聞こえんのか!これは命令だ!」
掴まれていた胸倉を忌々しそうに摩ると老人達を順番に見つめた。
この村からは誰も逃げ出せない。
そうでなくてはいけないのだ。
>「我が隊は村民諸君の健闘と全員の生還を願う!全員、村民代表へ敬礼!」
「・・・もう遅いんだ。いや・・・まだ間に合うか。」
昇降口へと移動する老人達の背中を見ながらボソリと呟いた。
>60
>「話は終わったかい?こちらの準備はもう出来た、リーダー君いつでもOKだ」
「俺たちも移動しよう。」
校舎から出ると車に乗り込み、研究所に向けて運転を始めた。
>62 >66
篠原さんは大儀そうに車から降りてきた。
「我侭を、聞きいれてくださってありがとう」
私は頭を下げた。
死人だらけの村で、家の中に死体があったからといってことさら騒ぐ私がおかしいのかもしれない。
だが、あんな年端も行かない子供達の死体を、ねずみ達に齧られるまま放っておきたくなかった。
除染作業を待ちたくない。
偽善だといわれようが、せめて死体が荒らされないようにしたかった。
>62
民家に入ろうとする直前、暗闇の中から、二人の男性が現れた。
>「こんなヘタレでもよければ、俺達が手伝ってやろうか?お嬢さん」
>「なんだか随分重たそうなものを持ってるな。君達は誰だ?」
篠原さんが誰何している。
知らず後ずさる。
現れたのは明らかに軍人で、しかも日本人ではなかった。
独特のアクセントと声に聞き覚えがあった気がしたが……気のせいだろう。
こんな地獄に二度も送り込まれるほど、ロバートさんの運が悪いとも思えない。
「……アメリカ兵がこんな村で何をしているの?」
村民の救助活動にやってきた…などと考えられるほど、私の頭はおめでたくなかった。
>65
>「駐在の田中ですっ!そこの家、誰か残っているんですかっ!」
現れた警察官に思わず息をのむ。
忘れもしない、田中と名乗った男性は、私に銃を突きつけたあの警察官だった。
だが、私が驚いたのはその事ではない。彼の服のせいだ。
動きから察するに、警察官が怪我をしているとは思えない。
では一体何をして、あれだけの返り血を浴びたのだろうか、と。
状況:民家前。篠原さんと家の中に入る直前。現れた米軍兵士達と田中さんに強い不信感。
>66
桂木に向かって声を掛けたが、返事は別の人間から返ってきた。
>「なんだか随分重たそうなものを持ってるな。君達は誰だ?」
「アメリカ海兵隊偵察部隊「FORCE RECON」所属、ロバート大尉」
「同じく、エリオット・バーンズ大尉」
大袈裟に敬礼して見せ、今度は篠原に対してバーンズが聞き返した。
「で、あんたは?見たところ民間人じゃなさそうだが」
>68
>「……アメリカ兵がこんな村で何をしているの?」
「つれないな、ミス桂木。俺は等訓市であんたと会ったんだが?」
まさか忘れたんじゃないだろうな、何度か言葉も交わしてるはずだぞ。
大体何だその得体の知れない生物を見る様な目は。俺はU.M.A.か。
確かに狂犬とか言われてるんで全面否定は出来ないが、それでもその視線は痛い。
というか痛すぎるよベイビー。
「何ならゴーグルを外して顔を見せてやろうか?」
これでもまだ忘れたとか信じないとか言ったら暴れるぞ、流石に。
>65
>「駐在の田中ですっ!そこの家、誰か残っているんですかっ!」
おおっ、顔見知りその2が来たな。まぁ覚えてないだろうが。
だが、田中とかいう駐在の格好を見た途端、俺は反射的に銃を向けていた。
どんな殺し方をしても、あそこまでべっとりと返り血が付いたりはしない。ましてコイツには怪我も無い。
「Hey you, the back off!」
英語で下がれと叫ぶ俺に気付いたのか、バーンズも駐在に銃を向ける。
「田中とか言ったな?その服についた血について洗いざらい話してもらおうか」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(31)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(8)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(21)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(8)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
状態:FINE/FINE
現在地・状況:道路脇の民家前。篠原の質問に答え、桂木の警戒を解こうとする。
現れた田中に銃を向けて返り血について聞く。
>65
>「駐在の田中ですっ!そこの家、誰か残っているんですかっ!」
いきなり声がし、私達はそちらを振り返った。
服についているのは・・・血か?しかもべっとりと。
この男は見たところ怪我をしていない。ましてや返り血ではこんなに
つくはずはない。
「・・・すまないが、先にこっちの質問に答えてもらう。いったいどこで
そんなたくさんの血がついた?」
>「アメリカ海兵隊偵察部隊「FORCE RECON」所属、ロバート大尉」
>「同じく、エリオット・バーンズ大尉」
なるほど。予想通り、外人か。
>「で、あんたは?見たところ民間人じゃなさそうだが」
「名は篠原優二。警察官だが、階級は警視だ。よろしく。」
一応挨拶をかわしたが、まだ警戒感は薄れていない。むしろ強まっている。
なぜこんなところにアメリカ兵がいるのかと。
現在地:沙羅笊寺へ続く道路脇の民家。
状況:アメリカ兵に挨拶をする。突然現れた駐在にものすごい
警戒心を抱いている。
>68
最初は暗くて見えなかったが、民家の前に居る女の顔を確認すると、私はつい舌打ちをしてしまった。
会ったのは何処だっただろう。確か駐在所の前だったような気がする。
「………また会ったな。あの男はどうしたんだ?怪物になったか?死んだのか?」
こいつの様に無闇に命を大切にするような奴は嫌いだ。死に掛けの人間など、死んだも同然なのに。
ああ、そういえば少し小腹が空いているんだった。こいつを食い殺してやろうか?
>69、70
だが、そうもいかなかったらしい。
「…村民の避難誘導に尽力する警官に銃を向けるのがあんたらの任務か?」
何やら英語の怒鳴り声と共に、二人組みの兵士に銃を向けられる。だが、私は手を上げたりはしない。
良く見れば、駐在所の前であった米兵共じゃないか。化けミミズに襲われて散り散りになったが。
そういえば指揮官らしい米兵からは名前を聞いたような気がするが、何と言っただろうか?
二人の米兵に加えて、もう一人の見慣れない男も、その血はどうしたんだと聞いてきた。
「ああ、この血か。これは……」
まさか人を食ったというわけにはいかないだろう。言った瞬間に蜂の巣になるのは見えている。
「…………転んだんだ。走っていて、村民の死体に躓いてね。その死体の血だよ」
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村内商店街から寺への道路
現在の状況:米兵と篠原の質問に答える
>60
>「話は終わったかい?こちらの準備はもう出来た、リーダー君いつでもOKだ」
まさか着衣を欲しがると思わなかった。
感情の大半を人間性が占めているこの男ならしょうがないと言うべきか。
それにしても喪服とはな・・・
>63
>「……これで満足願いたい」
私は怒りに身を任せて銃を抜こうとした。が、止めた。
仮にも相手はプロだ。下手に刃向かえば一瞬のうちに撃ち殺されるだろう。
そんな御粗末な最期は勘弁してほしい。
>「…………折角君に貰った時間も無駄になってしまった。どうも彼は軍人が嫌いらしい」
そうだとも、私は軍人というものが嫌いだ。
軍はいつも我々を利用することばかりを目論んでいる。
決して対等に立とうとはせず、上から課題を押し付けてくるばかりだ。
>「我が隊は村民諸君の健闘と全員の生還を願う!全員、村民代表へ敬礼!」
「希望は持たない事だ。ここから脱出できたとしても・・・」
>67
>「俺たちも移動しよう。」
そうだな。こんな場所で遊んでいる暇など無い。
私は車に乗り込んだ。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 研究所へ移動中(車内)
状況: 車に乗り込む
>70 >71
>「名は篠原優二。警察官だが、階級は警視だ。よろしく。」
「そうか、よろしく頼む。何分この辺には詳しくないんでね」
篠原に向かってそう告げると、俺は田中の方へ視線を戻す。
>「…村民の避難誘導に尽力する警官に銃を向けるのがあんたらの任務か?」
「・・・任務の障害と成り得る人間は有無を言わさず排除せよ、との命令だ」
文句を言う田中に向かって、バーンズが冷たく言い放つ。
司令部としては、日本人なら何人殺しても揉み消せるという事なのだろう。
実際、俺もその方が有難い。正直言ってこの田中とかいう奴は一番嫌いな性格だ。
それこそ今すぐ殺してやりたい位に苛々させてくれる。
>「ああ、この血か。これは……」
>「…………転んだんだ。走っていて、村民の死体に躓いてね。その死体の血だよ」
田中が言い終えた瞬間、銃声が響いた。
「吐くならもっとマシな嘘を考えるんだな、この黄色猿!」
マズイ、バーンズがキレてやがる。
「Burns, just calmed down! It will be good to kill this fellow later!」
「Shut up, Is it together with such a guy? huh? Let me kill it now!!!」
幸いにも当てる気が無かった為、銃口から放たれた弾は田中より大分後ろの方へ吹っ飛んでいった。
「OK, you just back off.」
「......Fucker....」
何とかバーンズを宥め、田中に向き直った。
「・・・・言い訳にしては苦しいな。くれぐれも怪しい行動は慎んでくれ、バーンズは日本人が嫌いなんだ。
次は頭を撃ち抜かれるぞ、「化物予備軍」さんよ」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
状態:FINE/FINE
現在地・状況:道路脇の民家。篠原と挨拶を交わす。バーンズが田中に向けて発砲
ロバートが宥め、田中に忠告
>38
「――そ。じゃ、どいてくれる?」
情けない態度を見せるクリッペンとやらには、もはや目もくれず、部屋の隅で茫然自失とうずくまる少年の元に足を進める。
「?」
開きっ放しのエレベーターが気になった。
中の暗がりに何かがいる。
少し険のある目つきでクリッペンを問いただすように見たが、すぐに大樹の方に向き直る。
殺気どころか、何の意も感じられない。まるで眠っているかのような気配の主を、シャファンは無害と思ったのだ。
「ハァ〜イ大樹ぃ〜♪」
再会を心底喜ぶ明るい笑顔のまま、片膝を上げる。
直後、来島大樹の体が力なく倒れこんだ。
シャファンが、理不尽にも彼の即頭部を蹴り飛ばしたのだ。
「あらぁ〜? 怪我してるじゃなぁ〜い? 痛くなかった?」
心配そうに眉根を寄せながら、右の鈍鮫を外し、容赦なくふくらはぎの噛み傷に細い裸の指を突き入れ、
「……熱いわね」
ゆっくり、ゆっくり、たっぷりと、前後左右にかき回す。
「ねえ? 生きてるってどういうことだと思う?」
耳たぶに深紅の唇を当てながら、甘く、毒気に満ちた声で囁く。
指の動きは、止まらない。
「アタシは、感じるってことだと思うわ。苦痛だとか恐怖だとか安らぎだとか温もりだとか――感覚器官のすべてが脳に向かって、感じろ! ……って、喚き続けるのが生きてるってこと。
気持ちよくもなるし、気分が悪くもなるわ。――もちろん、アタシは気持ちいいのが好きよ? 気持ちよくなるために生きている」
指の動きが速度を増す。
「だから、前向きに考えることにしたの」
更に加速する。
「自分が感じるすべてのこと――それは、自分が気持ちよくなるために必要なことなんだって」
すでに床には小さな血溜まりができ、真っ赤なそれはドス黒く、病んだ香りを放ち始めていた。
「絶望だってそうよ。心が引き裂かれることだってそうよ。――乗り越えれば、きっと、涙が出るほど気持ちいい」
そこで、今までのしつこいくらいの緩急が嘘であるかのように、あっさりと指を抜き放つ。
開放され、噴き出る鮮血に彩られた指先を、シャファンは自らの舌の上へと持っていった。
所持品:鈍鮫(腕甲つきの鉤爪)x左右
現在地・状況:地下?F モニタールーム 横たわる来島少年に絡みつき、囁きながら、傷口を広げる。
状態:肋骨二本骨折、胸に三条の浅い傷、半袖ジャージにスパッツ、スニーカー姿
>69 >70
>「つれないな、ミス桂木。俺は等訓市であんたと会ったんだが?」
>「何ならゴーグルを外して顔を見せてやろうか?」
ああ、やっぱりロバートさんだったのね。なんて運の無い人なのかしら。
「恩人を忘れたりしませんわ、お久しぶりねロバートさん。等訓市ではお世話になりました」
深々と頭を下げるけれど、相手がロバートさんだからといって少しも気は楽にならない。
なぜなら同じように命を助けられた雑賀さんに、私は殺されそうになったからだ。
今の私にとっては米兵が知り合いという事よりも、何の任務で九武村にやってきたかの方が重要だった。
…………外観は、ただ瞳の色が薄紫に変わっただけですのにね。
等訓市の第二次生物災害で、私の運命は大きく歪んでしまった。
>71
>「………また会ったな。あの男はどうしたんだ?怪物になったか?死んだのか?」
私は目を眇めて、真正面から警察官をみつめかえす。
「いいえ、まだそのどちらでもないわ。感染の進行や変化は個人差がありますからね。
その辺の事は、私よりあなたの方がよぅくご存知だと思ったのですけれど」
警察官の目は私を蔑んでいた。私も多分、同じような視線を返しているだろう。
彼とは意見が合いそうに無い。
>73
警察官は返り血を「転んだせい」だと言い訳している。だが逆に不信感を強めてしまったようだ。
>「Burns, just calmed down! It will be good to kill this fellow later!」
>「Shut up, Is it together with such a guy? huh? Let me kill it now!!!」
ロバートさんの連れはとても苛ついているようだ。
どうしようかしら。下手をしたら私も撃ち殺されかねない。
バーンズさんが私の正体をしっているなら、多分彼の目には私も田中さんとやらも同じように映るだろうから。
…………ロバートさんの任務内容が解らない以上、同行は出来ない。
逃げるなら、田中さんに気を取られている今が絶好のチャンスだ。
私はそろそろと後ずさった。
たまたま視線が合ってしまった篠原さんには「お願いだから黙ってて」のジェスチャーをする。
私は静かに玄関の扉を閉め、ドアチェーンを掛けた。
玄関にあった灯油タンクを掴み、玄関扉に灯油を振り掛ける。
ロバートさん達が鍵を開けようと発砲したなら、上手くいけばドアが発火するだろう。
私は急いで奥の部屋へと向かった。遺体を焼いた後、一刻も早く逃げ出すために。
>49>56−57
シノザキの手にしたHK33が吼える度に蟲の足が弾け飛ぶ。
安定していた態勢が徐々に崩れ、同時にスピードも落ちていった。
「オーケイ、そのまま続けろ!」
全速力で走れば追いつけるスピードになったところで走り出す。
射線を遮らないよう、壁際を走り続けた。
脇腹が痛むが、走ったせいで痛いと自分を誤魔化せば何とかなりそうだ。
後30秒ぐらいは。
距離を詰めながらどうやって対処するかを考える。
・・・やっぱり銃口を直接口に突っ込む以外に選択肢が無い気がしてきた。
「シノザキ!蟲に飛び掛るから発砲するなよ!」
大声で叫び、蟲の背中に飛び掛ろうとジャンプした瞬間、銃声が響いた。
くそ、撃たれたのか?
しかも一発じゃない、連続しての射撃だ。
バランスを崩した蟲が桃華を放り出す。
背中に着地するつもりが蛙のような間抜けなポーズで地面に激突する羽目になってしまった。
「・・・痛ぇな。」
頭を振りながら起き上がると、顔に煤をつけた桃華と目があった。
「桃花、お前、何したんだ?」
顔に煤を着けた桃華が答えるより早く蟲が前足で桃華を押し付ける。
「遅いよ、間抜け。」
大きく開いた顎にMP5の銃口を突っ込むと容赦無く引き金を引いた。
>75
俺はバーンズを何とか宥め、田中に忠告をしてからまた桂木の方を向いた。
「すまん、話があるんだが。今回俺がここへ来たのはお前を護衛して無事に・・・・・・・
・・・・・・って、いねえぇぇぇぇぇええええ!!!」
「とりあえず落ち着けロバートよ」
「落ち着いてられるかぁぁぁぁ!この任務が失敗したら俺は一生基地のデスク勤めだ!」
「いや、知らないけどよ、とりあえず叫ぶのをやめろ。耳が痛い。」
全く、ロバートとは海兵隊学校以来の付き合いだが、焦るとやたらと叫びまくる癖は抜けてないらしい。
いやいやいや、回想とかしてる場合じゃないですから。このままだと本当に基地のデスク行きですよ。
しかし、日本人ってのは本当に心配性だ。まあよく言えば自衛本能が機能しやすいのだろうか。
「It is certain that fellow entered that house.」(あいつがあの家に入って行ったのは間違い無い)
「Errrr......I dislike forced rushing in.」(ああ・・・・強行突入は嫌いなんだよな、俺)
「As for it, that fellow is murdered if I miss it. right? Robert.」(俺達があいつを逃がしたら恐らく殺されるぞ)
「Yeah, break a window and do enter?」(そうだな。窓を壊して中に入るか?)
「Off couse.」(もちろんだ)
・・・今ここで彼女を一人にすれば、恐らくは任務を完遂出来ないだろう。
任務の為なら(ロバートは違うかもしれないが)何でもするつもりだ。
意を決し、俺は玄関横の部屋の窓へ飛び込んだ。
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
任務主目標:桂木桜子の安全確保、護衛
状態:FINE/FINE
現在地・状況:道路脇の民家、少し目を離した隙に桂木に逃げられロバート錯乱
バーンズが民家内へ窓を破って侵入
>71
>「…………転んだんだ。走っていて、村民の死体に躓いてね。その死体の血だよ」
随分と見え透いた嘘だな。それぐらいなら私でもわかる。
突然ちょうど隣にいた兵士が銃を発砲した。
なんだかかなりキレている様子だ。私は桂木のほうを見た。
>75 目が合った。すると、彼女は私になにやらジェスチャーを
した。意味は大体わかった。
顔を背け、横目で桂木のほうを見た。すると彼女は家に入り始めた。
他の奴らは気づいていない。
>76 隣の兵士達がなにやら騒ぎ始めた。そして落ち着き、
しばらく話をした後にいきなり窓に向かって走り始めた。
強行突破か!そう考えた私は入り口のドアに最後の銃弾を放った。
予想通りだ。あの女なら、この二人が入って来れないような工夫を
するはずだ。
入口は勢いよく発火した。
所持品:ニューナンブ(弾0発)、包丁
状況:兵士の一人が窓を破ったのを見た後にドアに向かって発砲し、
発火させる。
民家の間取りは玄関から奥の部屋まで廊下が伸びていて、左右に部屋があった。
私は、玄関のドアから廊下まで灯油を撒いておいた。
きちんと発火してくれれば、炎が追っ手を遮ってくれるはずだった。
奥の部屋の遺体には、再び鼠やゴキブリ達が戻ってきていた。
歯を食いしばり、母子の遺体の上に灯油を振りまく。
>77
背後からガラスが割れる音がした。
思わず舌打ちする。ロバートさん達は台所に飛び込んだらしい。
きっと仕掛けは、灯油の匂いで見破られてしまったに違いない。
このままでは追いつかれるのも時間の問題だった。
>78
銃声がした。篠原さんの発砲音だった。
ロバートさんか警察官とトラブルになったのかと一瞬案じたけれど、違っていた。
台所の方から米兵の罵り声が聞こえる。
そっと玄関の方を覗いて、息を呑む。
出火していた。
……もしかしたら、さっきの銃撃音はこれだったのだろうか。
見かねた篠原さんが援護してくれたに違いない。
だが彼の方は大丈夫なのだろうか。私のために無駄弾を使ってしまって。
ロバートさん達は暴言を吐いていたけれど、きっと悪いようにはしないはずだ。、
それまでの間、篠原さんが怪物に転職した警察官に齧られない事を祈るばかりだ。
私は縁側の雨戸を開き、壊れたストーブ近くにあったライターを拾い上げた。
「こんな手荒なやり方で、本当にごめんなさいね」
状況:民家の玄関から廊下まで出火中。
遺体が食い荒らされないよう灯油を撒き、奥の部屋ごと焼き払おうとする。
>73
米兵というのは、純粋に羨ましい職種だと思う。
国家の許可を得て世界各国でほぼ無制限に世界各国の人間を射殺出来る仕事だからだ。
他人の国に来て、立派な機関銃を振り回して、任務の邪魔なら撃ち殺す、か。
38口径の拳銃しか持てず、殆ど発砲が出来ない私と比べれば、本当に楽しそうだと思う。
私が話し終える直前に、指揮官ではない方の米兵が小銃を構えようとしたのが見えた。
直後に小銃から放たれた銃弾が、私を飛び越えていくのも十分に目で追えた。
そして、向こうが引き金を引く直前には、私は米兵の頭に拳銃の照準を合わせていた。
こんな真似が出来るのも怪物になった影響だろうか?
「………何を理由に疑ってるのかは知らんが、化物予備軍とは結構な肩書きを貰った物だ」
つい、「もう予備軍じゃない」と笑ってやりたくなる。むしろ自慢してやりたいほどだ。
私は人間を超えた能力を身に着けた生物になったと。
「まぁ、私も殉職するつもりはないよ。生きてここを出るつもりだ」
指揮官の方に言いながら、拳銃を腰に戻す。
>75
私が不愉快そうな視線を向けると、女も同様に不愉快そうな視線を投げかけてくる。
「まだ生きているのか?怪物の成り損ないなど、とっとと止めを刺せばいいものを」
ああ、参ったな。つい隠すべき本音が出てしまった。
「……私は何も知らない。私は学者じゃない、ただの警官だからな」
>78
米兵とのにらみ合いを続けている内に、女は民家へと逃げ込んでしまった。
それを追うように米兵が民家への突入を始める。注意はそちらに逸れ、私の方は見ていない。
残った男は「強い奴」では無い。食ってやろうか?いや、下手をして米兵に気付かれれば蜂の巣だ。
幸い、疑ってはいても、怪物だと確信は持てていないらしいので、何もしなければ撃たれまい。
ああそうだ、一応は駐在警官の仕事も果たしておこう。この男が村民ではないのは明らかだ。
ならば、私にはこいつの身分等を把握する権利があるし、その義務もある。
「……あんた、村じゃ見ない顔だ。あんたの身分と、何故この村に着たのかを教えて貰いたい。
駐在警官としてそれを知る義務があるものでね。ついでにその銃は何処で手に入れた?」
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村村内民家付近
現在の状況:米兵を警戒しつつ、篠原に質問
>64
おじいちゃん達は、私が水源地で拾ってきた本を手にとった。
少しは役に立てたのかと得意になったわ。
けれど・・・どうも話を聞いていると、おじいちゃん達はこの本を知っているみたいだった。
>「…………やはり、村から安全に逃げるにはこのトンネルしかないんじゃないか?
包囲隊の規模も判らんし、何より我々は年寄りだ。恐らく包囲は抜けられん」
飯田のおじいちゃんの意見に、水野のおじいちゃんも頷く。
>「…カビの生えた軍機よりも、未来ある村民の命の方が重要ですからな」
助手席の山田あすかさんが身を乗り出してきた。
>「ねえ、私たちにも解るように順を追って説明してくれない?
・・・ちょっと!御手洗さんはちゃんと前見て運転して!」
>「え?!は、はい!!」
慌てたお兄ちゃんがギアを入れ損ねたみたい。またワゴン車が飛び跳ねた。
モフのお友達はシートから落ちなかったかな?
車のヒーターが暖かい。御手洗おにいちゃんの運転も、少しづつマシになってきた気がする。
モフの頭を撫でてるうちに、なんだか私も眠くなってきた。
私は何回目かのあくびをかみ殺しながら、大人達の会話に耳を傾けた。
>32
一台のトラックが校舎の前に止まった。
バラバラとアサルトライフルを手にした村人が5人ほど降り、分散すると周辺警戒を始めた。
村人の一人が荷台に取り付けられたマシンガンを一階に向かって撃ち始める。
校舎の窓が割れ、銃弾が飛び込んできた!
>78 >79
どうだ、窓から飛び込んでおまけに完璧な着地だ!素晴らしい!金メダル!
「・・・って、中は火事か?いや、火元は玄関らしいな」
煙が溜まり始めた廊下に頭を出して周囲を確認する。
成る程、玄関ドアに灯油を掛けていたのか。ドアの周りだけ火の勢いが違う。
しかしこれじゃあ奥には入りにくいな、どうするか。
「Yaaaaaaaaaahhhoooooooooooooooooo!!!!!」
・・・待て待て待てロバート落ち着けそれはヤバイ何で火の中突っ切ってんですか落ち着けってマヂで
「It is already desperation shit!」(もうやけくそだ畜生!)
叫びながら廊下を突っ切る。わあ、難焼性の服でこんなに熱いと感じるんだあはははははははは。
畜生、もう嫌だ。シカゴに帰りたい。
>私は縁側の雨戸を開き、壊れたストーブ近くにあったライターを拾い上げた。
「待てーーーーーーー、そこまでだ、やめろ、今度はマジで死ぬ!まだ焼肉になる気は無い!」
ロバートが慌てて火を点けそうになっている桂木を制止し、傍へと近寄る。
「良いか桂木、何を考えてるのか知らないが、多分お前の考えてる事と俺達の任務は全く違うぞ。
俺達の任務はお前を無傷でこの村から脱出させる事だ。決してとって食おうとか犯そうとか考えてないからな」
「今の発言には不穏当な単語が入っておりました。視聴者の皆様にお詫びいたします」
フォローもバッチリだ、流石バーンズ様。
「とにかくだな、ロバートの話を噛み砕いて要約すると、俺達はお前に敵意は無いって事だ」
「・・・・バーンズ、これからはお前が話し手に回ってくれ」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
状態:FINE/FINE
現在地・状況:道路脇の民家。火事になっているのにも関わらず廊下を走り抜ける
奥の部屋で桂木の誤解を解こうと必死
>56-57>76
虫の足が千切れたのを確認するや、ルイスが壁を擦るように走り出す。
俺はそのままの姿勢でさらに数発撃った。
>「シノザキ!蟲に飛び掛るから発砲するなよ!」
ルイスが叫び、一瞬間をおいて壁際から離れる。足を踏み切って飛び掛る瞬間、銃声が響いた。
単発が立て続けに数回。俺は引き金に指をかけていないし、ルイスが持っている銃にしては音が軽い。
銃床を肩から離さずに様子を窺っていると、虫の後頭部が内側から吹き飛んだ。
この銃声はルイスのMP5だ。ついでにさっきの銃声は桃華のP230だったな。
半端な弾倉の弾をまとめながら二人の下へ歩み寄る。
頭を打ち抜かれた虫は四肢(ほんとは八本だけど吹き飛んでるし)を痙攣させている。
「まったく、近くにペットショップでもあるのかねぇ」
というか確実にあるはずだ。こいつらは当然日本に生息している虫ではない。
当然、昆虫マニアに受けがいい珍しい虫を扱うような店がこのビル内にあるわけだ。
そして受けがいい虫というのは、見栄えのいい大型昆虫を指す事が多い。
そいつらがウイルスによって変異を起こし、襲い掛かってくる・・・考えるだに最悪だ。
草食だろうが肉食だろうがこっちに対して敵意があれば危険度に変わりはない。
「やっぱ薬局寄っておくべきだったかな」
ホウ酸団子やフマキラーでどうにかなるような状況でもなさそうではあるが。
「どうする、待つのか?」
ルイスに声をかける。待つならここに留まる。
行くなら・・・「上」か「下」かを選ばなければならないだろう。
人に選択を押し付けるあたり、我ながら情けなく感じる。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(8)、予備弾倉(20)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、火炎瓶×2、鉄串)
>57 >76
至近距離で撃ったら、さすがの大蜘蛛も痛かったのね。
ぽいっと宙に投げ出され、廊下に叩きつけられた。視界がぐるぐる回ってるわ〜。
>「桃華、お前、何したんだ?」
追いかけてきてくれたらしいミスタ・ルイスと目があった。どうして倒れてるの?まさか、何かされた?
「…………」
だけど、口を開くよりも先に、ものすごい力で床に押し付けられた。
痛い痛い痛い!いくら鞄の上から踏んでるっていっても、このままじゃ潰れちゃう!
じたばたするけど、うつぶせの姿勢じゃどうにも出来ないわ。
このまま美味しく食べられちゃうのかな?カチカチと顎が動く音が耳元で聞こえてきたわ。
うわーん、もっと育ってからでないと食べてもおいしくないわよ〜!
巨大昆虫に食べられたなんて…B級SFじゃないんだから!こんな最期ってあんまりよ〜!
>「遅いよ、間抜け。」
ふっと押さえつけられていた身体が楽になった。
バネのおもちゃみたいに蜘蛛の足をふり払う。
起き上がると、ちょどミスタ・ルイスが蜘蛛の顎から銃を引き抜いているところだった。
あちこちぶつけて痛いけど、生きてる。また…命拾いしたみたいね。
よろよろしながらミスタ・ルイスの方へ歩み寄る。足を引っ張って怒ってるかな。
鼻の奥がつんとしてきた。
「…こ……怖かった…です……」
怪我をしてない方の脇腹辺りにしがみつく。
でもいいわ。そのときはその時で。叱られる幸せをかみ締めよう。
もし死んでたら、何にもわかんないもんね。
>84
>「どうする、待つのか?」
みっともなくしゃくりあげていると、後ろからシノザキさんの声が聞こえてきた。
虫の足を毟ったのはきっとシノザキさんよね。
あとでお礼言わないとね。
あたしはまだ、お姉様達が姿を消したことに気づいていなかった。
>83
「待てーーーーーーー、そこまでだ、やめろ、今度はマジで死ぬ!まだ焼肉になる気は無い!」
煙の中からロバートさん達が飛び出してきた。
驚きのあまりライターを取り落としそうになる。
静止する暇もなく、ずかずかとロバートさんが部屋に入って来た。
>「良いか桂木、何を考えてるのか知らないが、多分お前の考えてる事と俺達の任務は全く違うぞ。
>俺達の任務はお前を無傷でこの村から脱出させる事だ。決してとって食おうとか犯そうとか考えてないからな」
…………存じませんでしたわ、ロバートさんにこんな愉快な一面があったなんて。
>「とにかくだな、ロバートの話を噛み砕いて要約すると、俺達はお前に敵意は無いって事だ」
日本人嫌いのバーンズさんがそう締めくくった。
私は視線を落とした。
「……サナトリウムで等訓市でご一緒した雑賀さんにお逢いしました。
口では『助けに来た』と仰っていましたわ。ちょうど今のロバートさんみたいにね。
でも結局それは建前で―――本音は『生まれてくる自分の子のために死んでくれ』と。
重田さんのような化け物を、これ以上増やされては困るからとね………」
廊下からの煙は勢いを増している。煙と油と血の匂いで息が詰まりそうだ。
「……一旦外に出ましょう。遺体を踏まないよう気をつけて」
縁側から外に出ると、ちょうど裏庭に出た。
玄関の方からは篠原さんの話し声が聞こえた。まだ警官は人間の振りをしているのだろうか。
「――――あなた方の手を借りて脱出しても、また別の研究所で切り刻まれるだけなのでしょうね」
思わず苦笑する。
たとえそうであっても、今の私に選択の余地は無さそうだ。
「ご一緒しますわ。よろしくお願いします。
……もしお二人の本音が雑賀さんと同じなら…引き金を引く直前まで、私を上手に騙して下さいね。
ところでロバートさん達は、この村から脱出なさるおつもりですの?
なんでも自衛隊の手で、陸路も空路も封鎖されているらしいですけれど……?」
>86
>「……サナトリウムで〜〜〜困るからとね………」
「………」
おやおや、ロバートはこういう話には弱いんだったか。黙り込んじまったよ。
それにしても苦労の多い女だ。ロバートが共感するのも分かるよ。
>「……一旦外に出ましょう。遺体を踏まないよう気をつけて」
そうしよう、ここは煙も来てるしいい感じにヤバイ。
外へ出ると、表の方から話し声が聞こえる。警察二人組だろうか。
どうやらここはこの家の裏庭らしい。中々綺麗にしてあるじゃないか。・・・・・もう誰も見ないし、手入れもしないだろうがな。
>「――――あなた方の手を借りて脱出しても、また別の研究所で切り刻まれるだけなのでしょうね」
「・・・・おいおい、そんなことは冗談でも言わないでくれ」
段々と雰囲気が暗くなっていくロバートを横目で見ながら、慌てて桂木に耳打ちする。
またロバートがおかしくなるじゃないか。冗談じゃない。
>「ご一緒しますわ。よろしく〜〜〜らしいですけれど……?」
「一応ヘリを呼ぶつもりだ。いくら自衛隊でも米軍機は撃墜出来ないだろ?・・・まぁ憶測に過ぎないが。
しかし、着陸出来そうな場所が何処にも見当たらない」
後ろで何かブツブツ言っているロバートは放っておいて、桂木に聞く。
「広いグラウンドか何かがあれば、ヘリが着陸できるんだが・・・生憎俺達はここら辺をよく知らない。
あんた、何か心当たりは無いのか?」
「…例えば学校とかな」
何だよロバート、生きてたのか。しかもやけに冴えてるよお前。
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
状態:FINE/FINE
現在地・状況:道路脇の民家。桂木を説得、ヘリが着陸出来そうな場所は無いかと尋ねる
>82
別行動を取っている老人達に電話を掛ける。
「もしもし、小川です。携帯電話を回収したので連絡しました。
現在地は分校です。これから車両で荒れ寺に向かいます。そちらの状況は?」
窓の外から様子を確認する。
桂木女史が載ってきた軽トラックはすでに姿を消していた。
ゾンビの群れも諦めたのか姿を消している。
丁度一台の車(>67)が分校から逃げ出すように走り出す所だった。
入れ替わりに入ってきたのは一台のトラックだ。
定期巡回か何かだろうか?
荷台の部分に何かが取り付けてある。
あれは一体・・・
校舎のガラスが砕け、重々しい銃声が響く。
伏せる直前、荷台に取り付けられた何かが光るのが見えた。
「テクニカル、ですね。」
アフリカの内戦地域ならどこにでもあるODAやら援助で贈られたトラックのなれの果てだ。
ごく普通のトラック、T○YOTAやら藤原ふとん店などと輸入した時のロゴがそのまま残るトラックの荷台に
重機関銃を固定した車両は、防御力こそ無いものの優れた機動力と火力を発揮する。
頑丈な日本製のトラックならカラシニコフよろしくメンテナンスも不要。
その脅威はアサルトライフルやロケットランチャーといった携帯火器が中心の低強度紛争の舞台では戦車や戦闘ヘリに匹敵する。
おまけに周辺を警戒する武装した連中。
防御は完璧だ。
>「ど、どうするんだ。あいつら・・・内戦でも始めるつもりか・・・」
希望が黒い顔を蒼ざめさせて呟いた。
「大丈夫、相手も人間ですからね。」
自動小銃をぶっ放すゾンビにはお目にかかった事は一度も無い。
>「話せば・・・解る・・・とでも?」
シグの9ミリパラベラム一発で一人殺せるが正解だ。
浮かべた薄笑いに気がついたのか、希望がごくりと喉を鳴らした。
「・・・校庭のライトを作動させてください。一瞬ですが視力が奪えるはずです。」
電源などを扱う部屋の位置を希望に教える。
「身を守る武器はありますか?」
>「・・・I have this.」
白い歯を輝かせてベレッタを引っ張り出した。
「安全装置、掛かってますよ。後、1発だけ弾を下さい。」
笑顔を凍りつかせた希望からべレッタをもぎ取り、マガジンから1発だけ弾を抜き出し、シグのマガジンに装填する。
スライドの後部についた安全装置を解除すると笑顔が溶けて真剣な表情になり、希望が走り出した。
取り合えず相手に出来る数は3人までだ。
校舎から出る前に初弾が装填されているか確認する。
後、1分50秒。
その場に伏せるとゆっくりと遮蔽物の陰まで這って行く。
腕を一本動かし終えると足を一本動かす。
一度に動かす個所は一箇所のみ。
腕時計の長針が容赦無く動いていく。
後、27秒。
思った以上に時間が掛かってしまった。
茂みに入った所で伏せ撃ちの態勢を取る。
ターゲットはテクニカルの西側を警戒する男二人と荷台の上で重機関銃を発砲する男だ。
後、22秒。
まず一人目を狙う。続いて二人目、最後の三人目。
これを3回繰り返すとようやく落ち着いてきた。
引き金を引かず、レーザーサイトも作動させずに拳銃を動かす。
ゆっくりと息を吐き、ゆっくりと吸い込む。
一撃で殺せと自分に言い聞かせる。
残り8秒。
シグのハンマーを起こし、軽い力で引けるシングルアクションのポジションにセット。
AKらしきシェルエットの自動小銃を構えた男の一人が微かな金属音に気がつき、こちらに歩いてくる。
だが、今の自分には単なる的に過ぎない。
恐怖心は、全く無い。
レーザーサイトを起動させる。
残り時間は―
校庭が閃光に包まれる。
ライターの火が点いたかのような短く、低い音が聞こえた。
レーザーサイトのポイントが滑らかな軌道を描く。
照準と反動のコントロール、そして引き金を引く作業を3回繰り返す。
リハーサル通りの、完璧な射撃。
3発目の標的となったのはトラックの荷台の上で重機関銃を発砲し続ける男だった。
所持品:シグP226(1)、薬品入りのガラス瓶2本、ワクチン2本、日本刀1本。
煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、ワクチンx1 、CD、古い手帳
車の鍵
現在地:分校・校庭西側の茂み
状況:赤い目をした村人3人(武装トラックの左側全員)に発砲。
>85-84
銃弾が蟲の頭部を貫通し、気味の悪い液体が壁に降りかかる。
肢の減った蟲は敏捷で力強い生前の印象と裏腹に酷く軽かった。
>「…こ……怖かった…です……」
くすん、くすんと鼻を鳴らす桃華を空いた手で抱き寄せる。
「あの状況で良くやった。立派な射撃だったし、良い判断だった。」
桃華を片手で抱きしめたまま、背中を軽く叩きながら言った。
「今みたいに周りを良く見て適切な判断を下す事を忘れるな。」
矛盾した感情の鬩ぎ合いの末に出た言葉だった。
適切な判断を下した桃華を誇らしいと思う一方で、捕まるというヘマをした事実の鬩ぎ合い。
>「どうする、待つのか?」
「いや、時間が惜しい。俺たちは俺たちで前進しよう。」
不可思議な感覚を遮断し、シノザキの問いかけに即答する。
「上がるしかない。その為に来たんだからな。川崎とミリアには別行動を取ってもらう。」
異論があるなら聞くが、と付け加えるのも忘れない。
もっともそれがどれだけ魅力的か、にもよるが。
>87
>「一応ヘリを呼ぶつもりだ。いくら自衛隊でも米軍機は撃墜出来ないだろ?・・・まぁ憶測に過ぎないが。
しかし、着陸出来そうな場所が何処にも見当たらない」
ロバートさんが頼んだとおり、バーンズさんが主導権を取って話し掛けてくる。
>「広いグラウンドか何かがあれば、ヘリが着陸できるんだが・・・生憎俺達はここら辺をよく知らない。
あんた、何か心当たりは無いのか?」
>「…例えば学校とかな」
地図をお持ちでは?という言葉は、かろうじて飲み込んだ。
多分、現在地がわからなくなる程の事情があったに違いない。
よくよく見れば、二人はとても疲れているようだった。
「分校ならご案内できます。ただ、分校には民間人が大勢避難しているはずですわ。
彼らの目の前で、私たちだけヘリに乗るおつもりですか?」
多分ロバートさん達には幾つもの制約があって、自分の裁量で勝手な真似も出来ないのだろう。
それはよく判っていた。
ただ、等訓市のデパート屋上に迎えに来てくれたヘリが、もし「関係者以外乗せない」と言ったら……。
「分校に着くまでの間に、1度お考え下さいね」
――――きっと、ひどく恨んだだろう。
>74
真っ白になっていた頭の中に、気が狂いそうになるほどの痛みが飛び込んでくる。
………………俺は、ぼんやりとそれを感じていた。
こんなのが気持ちいい? ただ痛いだけだ。この姉ちゃんはどうかしてる。
……悲鳴一つ上げない今の俺も、どうかしてる。
でも、何にせよ感じるってのは生きてるってことなんだろう。
そうだ。俺は生きている。今は少し意識が変な方向に飛んじまってるが、もうしばらくすれば落ち着くんだろう。
そうやって生きようとしてしまうのが人間だ。
生きて生きて………だけど、俺の生きる意味はもうなくなっちまったからなあ……
家族をなくした、ただのガキ一匹。それでも生きてどうするって?
復讐? 柄じゃねえな。怒りは不甲斐ない俺自身に向けてのが一番強い。
自分は殺せても、他人は殺せねえだろうしなあ……
「…………」
黙ったまま、シャファンの両肩を持って押しのける。
右足が作った血だまり……出血はもう止まってる。動脈とかは切れてないんだろう。
めちゃくちゃ痛てえけど、な。
壁によりかかりながら、立ち上がって、手近なパイプ椅子にどかっと腰を下ろす。
「……とりあえず、外に出ようぜ」
天井を見ながら、自分でも驚くくらい力のない声で言う。
相変わらず、何もかもがだるいけど、死んじまっちゃ親不孝者だしな。
ここじゃ、ゆっくり殻に閉じこもって考えることもできねえだろうし。
生きる意味だとか、どうやって生きていくかだのは、ここから抜け出した後でいいや。
先送り? 後回し?
……そうだな。今はまだ、その方が楽でいい。
>91
>「分校ならご案内できます。ただ、分校には民間人が大勢避難しているはずですわ。
>彼らの目の前で、私たちだけヘリに乗るおつもりですか?」
しまった、その事を考えていなかった。もちろん民間人も乗せられない訳ではないが・・・
一度に大勢はCH-47チヌークでもなければ難しいだろう。
>「分校に着くまでの間に、1度お考え下さいね」
「一般人も乗せるが、一度に大勢は無理だぞ。それにヘリは米軍基地へ直行だ。
それでも良いというのなら乗せて行こう」
本音を言えば、一般人は出来るだけ基地内に入らないで済む様にしておきたい。
機密書類の類を見られてしまうと、後々非常に面倒が起きてしまう。
まぁそれを言っても、「命には代えられない」とあっさり切り捨てられるだろうが。
「とりあえず分校まで行こうじゃないか。避難民の数と状態によっては対策を考えなくてはならないからな」
ロバートが言った後、更に俺が付け加える。
「断っておくが、発症の恐れがあるようなクズ・・・感染者を連れて行く程俺達は甘くないぞ」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:道路脇の民家。桂木に民間人をどうするか聞かれ、連れて行くと答える
しかし感染者は連れて行けないとバーンズが言う
頭を無くした体が廊下を這いずる。
動かしているのは手足でなく、腹から生えた黒い一本の触手だった。
頭の近くまで体が接近すると触手が細かく分かれ、吹き飛ばされた血管や神経を繋げ出した。
「・・・流石に死ぬかと思いましたね。」
首が無くとも生きていけるが何かと不自由だ。
声が出せなければ命令も出せない。
いや、そうでない配下の者達もいる。目を瞑り、意識を集中させる。
「死んだのは二人、ですか。どうなる事やら。」
その前に着替えた方が良さそうだ。
「誰か着替えを!それとあの茂みに人を送りなさい。」
名主が指差したのは雑賀達が狙撃をした位置だった。
>88-89
頭蓋骨の裂け目から血と脳を吹き飛ばしながら3人の村人が倒れる。
小川の放った銃弾は3発とも頭を撃ち抜いていた。
残った村人が小川に向かって発砲を始めた。
「しかし大佐…このまま村民を見捨てるのですか?」
心配そうに橋本中尉が尋ねるが、尋ねられた大宮大佐は首を横に振る。
「………こんな小さな村の一つも守れぬとなれば、我ら誇り高き皇軍軍人の名折れだろう。
絶対に村民をこの村から逃がすぞ。これは決定事項だ」
その時、校庭にトラックが飛び込んでくるのが彼らの目に写った。
>82
「6時方向より機銃掃射!全員伏せろ!」
大佐の号令の直後に、無数の銃弾が窓から飛び込み、次々と老人達の頭上を飛び越えていく。
割れたガラスや飛び散る壁の破片が降り注ぎ、何処からか村民の悲鳴が聞こえる。
「中尉!君は一階の村民の被害を確認し、治療及び避難誘導へ向かえ!急ぐんだ!!
兵長は機銃の位置を確認し、敵戦力を把握せよ!」
銃撃が弱まりかけるのを見計らって、金田兵長は命令通りに窓から外に居るであろう敵の姿を探すが、
中央に止まっているトラックや、展開している兵士を確認したとたんに驚きの声を上げた。
「…た、大佐!敵は村民です!」
「何だと!?」
「敵は軍人ではありません!紛れも無く九武村の村民です!間違いありません!!」
「……規模はどの程度だ?」
「人数は機銃手を含めて6名を確認!機銃は車両に搭載され、その車両は中央に停車しています!
残りの五名は自動小銃らしき物で武装しております!」
兵長の言葉がどうしても信じられず、大佐も同じように顔を出して村民達の姿を確認した。
「持っているのはカラシニコフ銃らしいが…奴らは露助の手先か?」
「どうしますか…?機銃掃射を行なったとはいえ、彼らは生きている村民ですが……」
「……この状況を見るに、奴らは怪物ではなく避難している村民に攻撃を加えたとしか思えん。
生きていようと構わん。国民に危害を加えるならば、それは我々が撃つべき敵勢力だ」
大佐の言葉は兵長への指示であったが、同時に自分に言い聞かせているようでもあった。
>88-89、95
外から短く拳銃の銃声が数発聞こえる。
「………鈴木君か?」
銃弾を受けた村民は、銃を向ける間も無く倒れていくが、残りの数名は銃を構えようとする。
「よし、鈴木君を援護しつつ突撃する!!残った武装村民を殲滅するぞ!」
「了解しました!」
幸いにも武装した村民達は二人には気がつかずに、発砲した鈴木に注意を引かれている。
今、突撃を掛ければ、村民達を確実に制圧できるだろうと大佐は判断したのだ。
「……突撃ッ!」
その掛け声と共に、二人は窓から飛び出して、鈴木へと銃を向けている村民へと発砲した。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>81
看護婦の言葉を聞くと、二人は一度だけ目配せしてから頷いた。
「………やはり話さねばならんだろうね。私の権限じゃ、全ては話せんが………」
何処か諦めも含んだように言うと、少し間をおいて少佐が口を開く。
「…この先の第135連隊駐屯地の地下部分に、この本に書いてあるトンネルがあるんだが、
その地下部分には……我々の研究所がある。強力な細菌兵器を開発していたんだ。
国民はもちろん、陸軍内部でも一握り程度の高級将校達しか知らなかった機密兵器だ。
我々が南方や大陸から呼ばれたのも、それが目的さ」
そこまで言うと、隣に座った少女の顔を見て、続けて御手洗や看護婦にも視線を向ける。
「……だが、君らを助ける為ならば、古臭い機密なんかどうなってもいいさ」
「ご安心を。今更機密を漏らしたって、我々を取り締まる憲兵は何処にもおりません」
軍曹が少しだけ笑って言うと、少佐も同じように笑顔を返した。
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
話し終えた辺りで、車内に携帯電話の着信音が響き、御手洗がそれに出ようとする。
「ああ、君は運転に集中していてくれ。私が出よう」
携帯電話を受け取って、受話ボタンを押す。
>88
「こちらは飯田だ。鈴木君だね。水源地調査の件なんだが、残念ながら完全に失敗したよ。
今は宿舎に、陸軍第135連隊駐屯地に向かっている。地下のトンネルから外に脱出できるんだ。
大佐達とは合流したのかね?」
通話中、ふと御手洗がこちらを気にしているのに気付き、前を見るようにと手で促した。
>82
結局再び老人達と一悶着あった後、俺達はリーダー君が運転する車へと乗り込む。
あのリーダー君の老人達の嫌いよう。あれはもう異常だ。
研究所まで案内しろと条件を出した化物の俺がこんな事を言うのもなんだが、助かる道があるのならソレにすがりつくのが人間。
この人喰い化物と、あの老人達、どっちが信用できるか・・・そう問われれば、間違いなくあの老人達だろう。
それが嫌っている人物であったとしてもだ。
ますます解らない、まあ此方としては当初の予定通り案内人を確保できたんだから気にする事もないんだろうけど・・・。
ああ、気になると言えば、この男もだ。隣に座って外の景色を眺めている男に目を向ける。
自分の目的を最優先とし、その為ならば自分の命すら捧げようとし、邪魔するものは容赦なく打ち倒す。
善悪すら意に介せずに、唯々純粋に目的を追い求めるその姿。
ああ、そうか・・・この男は、人間というよりも、俺みたいな知性のある化物に近い。
そう、人間側にいることはいるが・・・こいつの精神構造は限りなく、こちら側だ。
そこまで考えたとき、重々しい銃撃の音が思考を中断させた。
「リーダー君、車を止め―――」
そこまで言いかけたとき、車は急ブレーキをかけて止まった。
俺の言葉を聞こうともせずに、リーダー君は外に飛び出て校舎の方向を見る。
俺も窓を開き、校舎の方向を見た。
校舎の明かりとは別に、鋭い光が何度も断続的に瞬く。
その度に黒く彩られた空は白に染め上がり、そして瞬時に黒に戻る。
「おお、これまた随分と賑やかなものだね・・・」
その落ち着いた言葉とは裏腹に、内心は全然穏やかじゃない、むしろ腸が煮えくり返る思いだ。
そう、俺は大嫌いなんだ、せっかく生かしておいた獲物を、宴会の主食を滅茶苦茶にされるのが。
俺は車の扉を開き外に出る。そんな俺を、男はどこか訝しげな眼で見つめていた。
「リーダー君、ここで少し待っていてくれ・・・宴会料理を滅茶苦茶にしている駄犬を処理せねば」
その言葉だけを発すると、歪んだ笑みを浮かべ俺は走り出した。
>89 96
音が聞こえた場所には、既に駄犬の死骸が3体転がっていた。
物陰に身を潜め、校庭を見渡せる位置で観察を開始すると、1人の人間が目に入った。
はは、あれは小川じゃあないか。やっぱりな、生きていると思ったよ・・・。
あいつはしぶとい、とてもとても、べらぼうにしぶとい。
人間とはそういうものだ、そういうものでなくてはならないのだ。
まあ、それはともかく・・・この調子じゃあ俺の出番は無しかな?
小川に銃撃を加えようとした駄犬に、加勢として登場した老人達が発砲する。
それに反応した駄犬どもも、老人たちに向かって発砲する。
ふむ、無駄に出て行くこともない、か・・・小川達が勝つならよし、そうでなければ手伝おう。
それまでは静かに観戦と洒落込むとしようか。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校
状況:喪服姿 物陰に隠れて観戦中
>93
>「一般人も乗せるが、一度に大勢は無理だぞ。〜 それでも良いというのなら乗せて行こう」
>「とりあえず分校まで行こうじゃないか。避難民の数と状態によっては対策を考えなくてはならないからな」
とは言うものの、ロバートさんはあまり気が進まなさそうだ。
無理もない。
多分、彼の任務とは全く関係の無い仕事なのだから。
「きっとそう仰って下さると信じてましたわ。ありがとう、ロバートさん」
遠慮がちに微笑みかける。
だが、後ろから掛けられたバーンズさんの声で私の笑みは消えた。
>「断っておくが、発症の恐れがあるようなクズ・・・感染者を連れて行く程俺達は甘くないぞ」
「……………………。」
私は振り返り、足を止めた。行方を塞がれたバーンズさんの足も止まる。
私は彼の顔を、たっぷり5秒は眺めた。
そして、くすりと含みのある笑みを浮かべる
「……では、この中で迎えのヘリに乗れるのは、ロバートさんと篠原さんだけのようですわね」
本気とも冗談ともつかない謎掛けを口にした後、私は再び歩き出した。
暗視ゴーグルに隠されて素顔は窺えないけれど、まあ、いい気はしないでしょうね。
>78 >80
軽トラックのある民家の前庭に出ると、まだ警察官と篠原さんはにらみ合っていた。
「目的地変更よ。参りましょう」
『同族』の警察官には目もくれず、私はさっさと軽トラックへと向かった。
怪物に転職した元警官の処遇を考えるのは、私の仕事ではない。
>100
>「きっとそう仰って下さると信じてましたわ。ありがとう、ロバートさん」
ああくそ、きっと俺の精神的弱点とかを全部知っているんだろうなこいつ。
そんな微笑を見せられて平気で居られる男なんていないぜ。
「礼はこの村から脱出したら改めて言ってくれよ」
まともに顔も見られない、恥ずかし過ぎる。青春はとっくに過ぎた筈だ!
まさか俺は永遠の十代という奴か?・・・・・まず有り得ないな。でも夢見心地が気持ちいい。
>「……では、この中で迎えのヘリに乗れるのは、ロバートさんと篠原さんだけのようですわね」
「・・・ん?何?何の話だ?」
ドリームワールドに意識が吹っ飛んでたせいで流れが掴めない。とりあえずバーンズに聞いてみるか。
「バーンズ、今何の話をしてたんだ?」
「あの女・・・・・調子に乗りやがって・・・いつか犯して・・・・山奥に捨てて・・・・・」
うわぁ、こいつも飛んでやがる。しかも危ない方向に。とりあえずこいつに強姦魔の気があることは教えておいた方がいいか。
バーンズはあだ名が「ドS変態」なだけあって、正直俺以上に危ない。
「とりあえず落ち着け、な?」
「は?何言ってんのお前?俺が何か言ったか?」
・・・・・腹立つなこいつ。
裏庭から出て表へと戻り、俺とバーンズは真っ直ぐ軽トラに向かった。
>「目的地変更よ。参りましょう」
「おい、ちょっとこっちへ来てくれ」
桂木を軽トラの傍へ呼ぶと、間を置かずに質問する。
「あの警官、人間じゃないだろう?」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:道路脇の民家。バーンズが機嫌を損ねる。表へ戻り田中について桂木に質問
>95−96>98
最も接近していた村人がこちらに気付き、アサルトライフルを構えようとする。
しかし、それよりも早く小川が初弾を放った。
音速で飛翔する9ミリパラベラムが村人の脳を吹き飛ばし、校舎を照らすライトのお陰で飛んでいく頭蓋骨と脳漿が見えた。
そのまま立て続けに撃ち込まれた2発目もまた同様の効果をもたらし、深遠へと落ちていく。
銃弾とはそんな結果をもたらすのだ。
トラックの荷台に括り付けられた重機関銃の銃口がこちらを向くのと小川が放った3発目が着弾したのは同時だった。
残りの村人がトラックを挟んで銃撃を開始する。
最もトラックが遮蔽物となっていた為に赤い目をした男達の弾道は小川の頭の上を越えて飛んでいく。
(・・・素人・・・だな・・・荷台越しに射撃をしてやがる・・・)
トラックを遮蔽物にする為に後方からでなく側面から攻撃を仕掛けたのだ。
背中に背負った日本刀を抜くと生き残った村人達目掛けて低い姿勢で走り出し、一番近い死体に日本刀を叩きつけた。
アサルトライフルとの最後の絆であるスリングベルトが死体の肉ごと切断される。
そのまま村人から自動小銃を奪い、装填用のレバーを引きながらAKシリーズの特徴である右側に設けられたセレクターの位置を確認する。
ポジションはフルオートにセットしてある。
くすんだ金色の銃弾が排莢口から吐き出され、引き金を引けば銃弾が発射可能である事が解った。
金属板を曲げて作られた簡素な折り畳みストックと緩やかなカーブを描くマガジン、そして特徴的なフラッシュハイダーからAK74である事が解った。
最新型のAK74シリーズはプラスチック製の折り畳みストックを備えているから恐らく廃棄した旧型のAKを持ち出したのだろう。
その場にしゃがみ込むとトラックとグランドの隙間から村人のくるぶしに狙いを着ける。
引き金を半分ほど引いた所で気迫を伴った空気の振動に体が硬直する。
>「……突撃ッ!」
声だけで戦場を制圧できそうな号令だった。
(・・・新手?!・・・いや・・・大宮大佐達か・・・)
その号令に続いて銃声が響き、二人の村人がその場に崩れ落ちる。
「大佐!撃った二人の村人の生存確認を!生きていれば尋問します!」
武装した村人二人がやられたなら的は一つだけ、いや2つだけだ。
トラックの前輪と後輪に一発ずつ銃弾を叩き込むと立ち上がり、トラックの運転席に狙いを着けたまま移動する。
「動くな!両腕を見える位置まで挙げろ!」
大宮大佐達が撃った二人がまだ生きていれば良いのだが。
拷問を受けている人間の悲鳴を聞かされると大抵の人間は自分の番になった途端、簡単に喋り出すのだから。
胸元の携帯電話が振動を始める。
運転席に狙いを着けたまま、器用に左手だけで携帯電話を取り出すと通話ボタンを操作する。
「もしもし?シノザキさん?」
>「こちらは飯田だ。鈴木君だね。水源地調査の件なんだが、残念ながら完全に失敗したよ。
今は宿舎に、陸軍第135連隊駐屯地に向かっている。地下のトンネルから外に脱出できるんだ。
大佐達とは合流したのかね?」
「ああ、失礼しました。今、なんとか無事に合流した所ですよ。地下のトンネル、ですか?了解しました。
時間が限られているので目的地だけ先に伝えます。宿舎で合流しましょう。いらっしゃらない場合、
トンネルへ直接向かいますので念のため、メモだけでも置いておいて下さい。で、詳しい位置を教えて頂けますか?」
所持品:シグP226(1)、AK74(27)薬品入りのガラス瓶2本、ワクチンx1、日本刀1本。
煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭中央(パンクしたトラックの近く)
状況:トラックの運転席の男に銃AK74を突きつける。飯田少佐と電話中。
>96
武装した村人が銃弾を受けてその場に倒れこむ。
死んではいないようだが、身動きが取れないようだ。
頭蓋骨に圧力が加わるような音が頭部から聞こえてくる。
>102
頭を撃たれて倒れていた村人の頭蓋骨の裂け目から伸びた触手が小川の足に巻き付いた。
触手が小川の足を引っ張ると小川はバランスを崩した。
頭蓋骨に圧力が加わる音が響く。
続いて割れる湿っぽい音が響く。
・・・無くなった頭部から出てきたのは蝸牛の頭部にそっくりな蒼白い頭だった。
ナメクジ頭は起き上がると手にしていたAKの銃口をゆっくりと小川に向けた。
>85>90
桃華には怪我はないようだ。毒を打ち込まれたと言う事もないだろう。
心が折れているようだがそれはしょうがないところか。
>「いや、時間が惜しい。俺たちは俺たちで前進しよう。」
俺の問いかけにルイスが答える。
「異論は無しだ。・・・心情を別にすればな」
今手元にあるだけの物資で、救助が来るまで持ちこたえられるかといえば・・・
まあ十中八九無理だろう。
救助を待つにせよ自ら脱出するにせよ、状況を変えなくてはならない。
問題は桃華だ。一人で下へ行くほど馬鹿な娘ではないはずだが、
同じくらい納得もしそうにない。
「とりあえず先に様子見てくるよ」
言い残して俺は階段へ戻る。
下からも上からも物音は聞こえない。
良い兆候なのか悪い兆候か。
川崎がそう簡単に死ぬタマとも思えないので、良い兆候だと思っておこう。
見上げると手すりの隙間からつづら折の階段が延々続いてるのが見える。
視線を上に向けながら、一歩段を上った。
>97-98
山田あすかさんの質問に、おじいちゃん二人は目配せして頷いた。
おじいちゃん達の話はこうだった。昔研究所があったところに秘密の逃げ道があるらしい。
村から逃げられるんだと聞いてとても嬉しかった。
だけど質問した肝心の山田さんは「細菌兵器を開発」のくだりで、ものすごく怖い顔になった。
>「……だが、君らを助ける為ならば、古臭い機密なんかどうなってもいいさ」
>「ご安心を。今更機密を漏らしたって、我々を取り締まる憲兵は何処にもおりません」
私は傍らのおじいちゃんの腕にぴったりとくっついた。
「村の皆も一緒に、トンネルで逃げられると良いね」
明日の朝には村は消滅してしまうけれど、大事なのは村じゃなくて村の皆だもんね。
突然御手洗おにいちゃんの携帯がなった。途端に車が左右に揺れだす。
慌てて飯田のおじいちゃんが電話を受け取った。
電話の相手は鈴木さんだったみたい。
飯田のおじいちゃんは、「りくぐんだい135れんたいちゅうとんち」に行くと話していた。
電話はもう少しかかりそうなので、水野のおじいちゃんに気になっていることを尋ねる。
「ねえ水野のおじいちゃん、宿舎と、トンネルと研究所って同じ場所にあるの?」
>101
私が篠原さんに話し掛けているうちに、バーンズさん達は軽トラックの方へ歩み去った。
バーンズさんの後姿からは不機嫌なオーラが漂っている。
私は少しだけ後悔した。
「おい、ちょっとこっちへ来てくれ」
篠原さんにとっては、きっと訳が分からないだろう。
真っ青な顔をして逃げ出した私が、民家の裏からロバートさんたちと連れ立って歩いてくるなんて。
「ヘリが迎えにきてくれるそうよ。村から脱出できます。さ、参りましょう」
警察官の方には、背後のロバートさん達が照準を合わせている。
怪物になりかけているけれど、まだ理性はある。
撃たれる危険を冒してまで襲いかかる筈がないと私は踏んでいた。
、
ロバートさんに呼ばれて、軽トラックへ近寄る。
>「あの警官、人間じゃないだろう?」
言葉こそ問いかけの形を取っていたけれど、ロバートさんの中では既に確定事項のようだ。
とっさに言葉が出なかった。
「…………どうして、私にそんな事を尋ねるの?」
喘ぐようにして、どうにかそれだけを口にする。
ロバートさんは私の口から…あの警官は怪物ですとでも言わせたいのだろうか。
「…………感染してるのは間違いないでしょうね。荷台で昏睡状態の赤木さんと同じくね。
研究所の地下室にある新種のワクチンを使えば、元に戻る可能性が無いわけじゃありませんわ。
もともと私と篠原さんは荒れ寺に寄った後、研究所でデイライトを手に入れる予定でしたのよ
…………まあそちらは、だめになってしまいましたけれどね」
私は俯き、唇をかみしめた。
ふと村民達の事を考えていた。
生きている村民とB.O.Wの一員となった村民。
この状況下では生きていることが幸運であり、死んでいることが不運なのか、私にはわからない。
入り組み、複雑に絡み合っている生死の過程を誰が予見できるだろう。
正しいとは何か、誤りとは何のことなのだろうか。
銃声が聞こえる。
今さら珍しい事ではないが、それにしても数が多い。
どうしたのだろうか。そう考えていたとき車が急に停まった。
「・・・何をしている。早く車を出せ」
そう言ったが男は聞かずに外へ出た。
>99
>「リーダー君、ここで少し待っていてくれ・・・宴会料理を滅茶苦茶にしている駄犬を処理せねば」
宴会料理、か。
B.O.Wと人間の中間に位置するjudasらしい考え方かもしれない。
知らずのうちに苦笑していた。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 研究所へ移動中
状況: judasを待つ
……さっきは少し言い過ぎたかな。いくら感染者でもクズはあんまりだ。
相変わらず軽はずみな自分に腹が立つ。
「あの警官、人間じゃないだろう」
>「…………どうして、私にそんな事を尋ねるの?」
ロバートが桂木と何か話している。大方あの警官のことだろう。確かにあいつは怪しい。
何ならここに置いていってもいいんじゃないか?誰も恨まないだろう?
家族がいたらちょっと悪い気もするが。
>「…………感染してるのは〜〜しまいましたけれどね」
…あーなんだこいつ、見てると凄く可哀想だ。思わず救いの手を差し伸べたくなるよホント。
仕方ないな、今回だけだぞ?次はないからな?いや多分あるだろうけど。
「なら、先に研究所を目指そう。あんたはその方がいいんだろ?なぁロバート」
「ん?いや、俺は先に学校に・・・」
黙れ。文句言うな。止められても俺は行くぞ。というか止めるな。
「その方がいいだろ?な?な?な?」
「・・・分かった、研究所に行こう」
やれやれという感じでロバートが同意した。正直期待してなかっただけにかなり嬉しい。
この恩は忘れないぜロバート。今度クリスタルゲイザーかエビアン買ってやるからな!
「という訳だ。先に研究所に行こうぜ。それと………」
少し躊躇いがちに頭を掻きながら、ゆっくり、はっきりと言った。
「さっきは悪かった。感染者も出来れば連れて行くよ」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:道路脇の民家。協議の結果、研究所に向かう事に同意。バーンズが先程の暴言について謝る
>80
>「……あんた、村じゃ見ない顔だ。あんたの身分と、何故この村に着たのかを教えて貰いたい。
駐在警官としてそれを知る義務があるものでね。ついでにその銃は何処で手に入れた?」
そりゃそうさ。なんせ村民ではないんだから。
「生憎だが、私も君と同じ警察官だ。なぜここに来たかは・・・。ちょいと休暇でね。
この銃は分校である人にもらった。これでいいかい?」
一度も目を逸らさないようにしながら、私は言い終えた。
>100 やがて、桂木が他の米兵二人と共に燃え盛る家から出てきた。
>「目的地変更よ。参りましょう」
どこへ行くのか聞きたいところだったが、その前に彼女は米兵に呼ばれて
奥へ行ってしまった。しょうがない。
私も警官に背を向けて歩き始めた。
「どうした?一緒に行かないのか?」
現在地:道路脇の民家
状況:目的地変更。警官に一緒に行くか聞く。
>64-65
水野のおじいちゃんの表情をみているうちに、私は、自分がおかしな事を言ったと気づいた。
一人赤くなる。
やだな、さっきおじいちゃん達が「宿舎もトンネルも研究所」も同じ場所にあるって言ってたじゃない!
私、まだ寝ぼけてるのかな。
「そ、そうじゃなくてね、宿舎ってどんなところなの?まだ人が住んでたりする?
最近おじいちゃん達は、研究所に入ったことある?」
・・・細菌兵器って、いったいどんな実験をしてたんだろう。
怪しい実験をしてた地下施設なんて、いかにも何か出そうで怖いな・・・。
するとそこにゾンビが登場した
>90 >104
ミスタ・ルイスはあやすようにあたしの背をたたきながら、くぐもった低い声で誉めてくれた。
……ありがと。
でも何度も襲われて打撲程度ですんでるのは、単に回りの人に恵まれていただけって分かってるの。
次は必ず、抱きつかれる前になんとかするからね。
>「どうする、待つのか?」
>「いや、時間が惜しい。俺たちは俺たちで前進しよう。」
言ってる事の意味がよく良くわからない。
顔を上げてシノザキさんの方を見る。なんとも複雑そうな顔で、シノザキさんはあたしの事を見ていた。
……あれ?!そういえば川崎さんやお姉さまは?
あたしは慌てて周囲を見回し、愕然とする。
>「上がるしかない。その為に来たんだからな。川崎とミリアには別行動を取ってもらう。」
>「異論は無しだ。・・・心情を別にすればな」
え?どう言う事?別行動?でも心情は別って……私が蜘蛛に担がれてる間に、一体何があったの?
問い掛けるように私はシノザキさんの方を見た。
>「とりあえず先に様子見てくるよ」
シノザキさんは目をそらした。 ひどく胸騒ぎがした。
「ねえミスタ・ルイス。何の話?」
自分で聞いてるくせに、答えを聞きたくない。
「川崎さんとお姉……ミリアさんはどこに行ったの?…ねえ、どこ?!」
ミスタ・ルイスの腕を引きながら訊ねる。最後のほうはもう悲鳴に近かった。
――――頭のどこかで分かっていたのかもしれない。
自分の身に起きた事が、他の人の身に起きないなんて、どうして言い切れる?
>111
ペタリ、ペタリとゆっくりとした足音が近づいてくる。…………満足に話もさせてくれないのね。
あたしはミスタ・ルイスの腕を放すと、機械的にMP5の安全装置を外した。
服装:パーティドレス、ルビーネックルレス、イヤリング、腕時計。リボン&髪飾り
所持品:ショルダーバック(ライター、懐中電灯、菓子類、救急セット、化粧ポーチ、ブザー、ソーイングセット)
SIG230(0)予備マガジン2、MP5(18) 予備弾倉3
現在地・状況:30階通路
>108
ロバートさんと話していると、突然バーンズさんが話しに加わった。
>「なら、先に研究所を目指そう。あんたはその方がいいんだろ?なぁロバート」
えっ?と驚いてバーンズさんを見上げる。
まさか口添えしてくれるなんて思っても見なかった。
>「その方がいいだろ?な?な?な?」
>「・・・分かった、研究所に行こう」
「でも…本当によろしいのですか?」
これも任務とは全く無関係だということぐらい、私にも分かってる。
ロバートさんの言うとおり、さっさと分校からヘリに乗って、村を脱出した方が一番正しくて安全に決まっていますのに。
>「という訳だ。先に研究所に行こうぜ。それと………」
>「さっきは悪かった。感染者も出来れば連れて行くよ」
とっさに言葉が出なかった。縄をつけて無理やり引きずってだって行けるのに、私に配慮してくれているのね。
「……ありがとう、バーンズさん。私の方こそ先ほどは大人けないことを…」
深々と頭を下げ、申し訳無さそうに微笑んだ。
「研究所の地下では新しいワクチンが、20分おきに6本ずつ生成されています。
一本であらゆるB,O,Wを一撃で倒せるそうですわ。
相手を完全に死滅させるけれど、種類によっては一部を人間の形に戻せるかもしれないと聞いています」
開発者の花村博士は今どうしているだろう。名主の館できちんともてなされているだろうか。
…………気を取り直して、再び口を開く。
「でも、研究所は本当に危険な場所なの。
それでも一緒に来てくださるの?考え直すなら今のうちですわよ?」
警官と会話を続ける篠原さんの様子を伺いながら、ロバートさんたちにそう問い掛ける。
>109、>100
話を聞いていると、先任駐在が私と交代した理由の一つがとある不祥事だったのを思い出した。
上司からは『見過ごせない重大な不祥事』としか聞いていなかったが、駐在になって暫くしてから、
先任は拳銃を無くして、結局その銃が見つからなかったので辞めたんだと誰かに聞いた気がする。
危ないからと、役場職員の指示の元、村民総出で村中を捜索したが見つからなかったらしい。
その拳銃を誰かが拾って取っておいたのだろうか?まぁ、今となっては関係の無い話だ。
「……結構。それじゃあ、身分を証明出来る物はあるか?もしあれば念の為に見せて貰いたい。
もっとも、彼らには私よりも信用されているらしいし、必要無いかも知れないが」
ちょうど民家から出てきた忌々しい米兵共と気に入らない女の三人へと目を向けてから言う。
米兵共は二人で居るのが問題なんだ。私を射殺すると決めていない限り、どちらか片方は殺せる。
あの女も確実に殺せる自信がある。もう片方の米兵が問題なんだ。二人組で無ければ勝てたのに。
「もし連れて行って貰えるならついて行くがね、そっちの兵隊さんは私の同行を許してくれるかな?
彼に言わせれば、私は嘘つきの化け物予備軍だそうだ。置いて行かれても文句は言わないよ」
出来るだけ嫌味ったらしく言ってやり、もう一度米兵へと目を向ける。
どうせ奴らも私を嫌っているに違いない。今更媚を売って、奴らに助けを求めようとは思っていない。
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村村内民家付近
現在の状況:篠原と会話、米兵を睨む
>103
大宮大佐と金田兵長が放った散弾は、直撃こそしなかったものの、武装村民の肩や脚を撃ち抜き、
銃を手放させ、戦闘能力を奪う事には成功した。
「貴様ら!絶対に動くんじゃないぞ!次は頭をふっ飛ばしてやる!!」
倒れて呻き声を上げる二人の頭部へと、交互に銃口を突きつけながら兵長が怒鳴る。
その間に大佐は二挺の自動小銃を取り上げて、校舎の方へと放り投げた。
「…兵長、余り怒鳴るんじゃない。しかし本土に来る前に寄ったあの野戦病院を思い出すな……
あの時はこんな安っぽい武装トラックじゃなくて、立派なシャーマン戦車だったが」
「ああ……あれですか、あの時の。まさか医者まで対戦車戦に出されるとは思いませんでしたな」
戦時中の思い出話になると、兵長も大佐のほうを向き、武装村民達から注意を逸らしてしまう。
武装村民達を『人間』だと考えて油断していた二人には、頭蓋骨を砕く音など聞こえなかったのだ。
>102
「鈴木君、こっちは二人とも生きているようだ。拘束する間でも無く、共に脚と腕が潰れている。
尋問となれば我々は専門外だが………ん?」
大佐は鈴木の足元へと伸びる『何か』に気付きこそしたものの、すぐに対処は出来なかった。
次の瞬間には鈴木が転び、その直後にまるでスイカが割れたような音が耳に届いた。
そして、静かに何者かが立ち上がる気配がする。
「……へ…兵長!すぐに村民から離れろっ!こっちに来いっ!急げ!!」
村民を監視していた兵長へ号令を出すと共に、鈴木へと銃を向けた怪物へ発砲した。
名前:大宮外吉/金田昭平
持ち物:猟銃、軍刀/猟銃、背嚢
>113 >114
>「……ありがとう、バーンズさん。私の方こそ先ほどは大人けないことを…」
「いや、いいんだ。刑務官との殴り合いよかマシだからな」
何だバーンズ、またその話か?刑務官を五人殺しといて「俺じゃない、ロバートだ」って言い逃れたアレか?
それで俺はずっと独居房で死刑を待つことになったのは棚上げか、クソッタレ。カッコつけ。
大体何だよお前等、いい雰囲気になっちゃって。気持ち悪いぞ。
>「研究所の地下では〜〜と聞いています」
「それは興味深いな。我が合衆国で対策として作られてるのは「Anti T Virus」、略してATVという細菌だ。
この細菌は確かにTを死滅させるが、同時に体細胞もボロボロに破壊してしまう。つまり・・・人間には使えない。
そのワクチンを持って帰れば、欠点を修正できるかもしれん」
もっとも、研究所からそれを持ち出せればの話だが。
>「でも、研究所は本当に危険な場所なの。 それでも一緒に来てくださるの?考え直すなら今のうちですわよ?」
・・・・HA、今更何を言うんだ?俺に危険な場所などない。それはお前も分かってるだろ?
「生憎だが、そんな危険な場所に一人で行かせる気にはならん。俺とバーンズは意外と正義感が強くてな」
一旦話を止め、ちらりと警官の方を見る。
「・・・・俺と同じ化物も居る事だしな」
>「もし連れて行って貰えるなら〜〜文句は言わないよ」
警官が話を終えてすぐ、ずかずかと顔が触れるか触れないか位にまで近付き、片手で警官の胸倉を掴んで持ち上げる。
身長と体格の差が大きいので上げるのは造作も無いが、やはり人間は重い。それ程長くは持っていられないか。
「・・・貴様、人間のフリをするのはもうやめたらどうだ?お前からは俺と同じ匂いがする。とても残念だが、俺も
T-ウイルスに感染して・・・・いや、させられててな。嫌でも人間と化物の区別は付くんだよ」
バーンズも最早見ているだけだ。俺が感染をバラすとは思わなかったらしい。そりゃそうだ、軍事機密だからな。
段々と痺れてきた手から警官を放し、射抜くような目で睨みつけた。周りの温度が多少下がった感じがする。
今ここに雑賀が居れば、確実に殺せるというのに・・・勿体無い。
「文句は言わないと言ったな?なら、お前はここに残れ。化物は連れては行けない」
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:民家。ロバートが研究所に少し興味を持つ。田中との話の中で感染を暴露、化物は連れて行かないと言う
>105、>110
「ん…?ああ…そうだね。大佐もきっとそのつもりだよ。絶対に守ると言っていたからね。
きっと、避難している村民を一人も残さず、トンネルまで連れてくるよ」
少女の言葉に、水野軍曹は先程とは違った老人らしい笑みを浮かべて優しく言った。
そして、続けて投げかけられた問いに答える。
「宿舎っていうのは、連隊の兵舎…昔、戦争があった頃に兵隊が寝泊りしていた場所だよ。
何十年も前から封鎖してあるし、今は誰も住んでいない筈だ」
最初の二つの問いに答えると、少しだけ考えて、最後の問いに対する答えも口にした。
「ええと…最後に研究所に入ったのは何年か前だが…まぁ、最近は入ってないね」
>102
「了解した。宿舎に行くには…分校の裏から山に入れる道がある。そこをまっすぐ進むと、
金網やら何やらで封鎖されている場所がある。そこに入れば……ん…?」
妙な音がしたかと思うと、突然鈴木の声が途切れて、代わりに大佐の号令と銃声が聞こえた。
さらに、何かが破裂する音や兵長の怒鳴り声も聞こえてくる。
「おいっ!!鈴木君、何があったんだ!聞こえているのかっ!!」
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>115 103 102
銃弾が交差し血飛沫が舞い飛びあう。が、それも刹那の事、結果は老人と小川の圧勝。
ふぅむ、結局俺の出番は無かったか、些か時間を喰ったな・・・挨拶でもしたいとこだが、今は急くとしよう。
と、俺が歩き出した直後、耳障りな音が耳に響いた。
ミシミシミシミシと、そこに詰められた『何か』が膨張し、そこを割り出てくるような。
例えるなら、孵化直前の卵と言ったところだろうか?
頭蓋骨を砕き、皮膚を裂き、頭部と言う殻から出てくるソレはまるで蛞蝓。
「おーおーおーおーおーおー、グロテスクな光景だねぇ・・・」
散々自分が無残に苛め殺してきたエサ達を棚に上げて、俺はボソリと呟いた。
別にあの駄犬どもが化物だったからといって大した驚きは無い。
問題は、その駄犬が小川を撃ち殺そうとしている事だ。
許せるわけ無いだろう?アイツを殺していいのは俺だけ、誰にも殺させないし渡してなんてやるもんか。
まあ、そう簡単に死ぬ奴じゃあないが・・・助けたほうがいいだろう、現に今は些かピンチのようだしな。
足に力を込め、勢いよく地面を蹴り、物陰から飛び出し疾駆する。
それと同時に老人が小川を殺そうとしている奴に対し発砲を始めた。
猟銃の砲火をまともに受け、見事に倒れる駄犬だが、いまだその触手はしつこく小川の足に絡みついている。
俺は小川の足に巻きついている触手を切り落とし、駄犬の胸部にサッカーボールを蹴り飛ばす要領で一撃を叩き込む。
胸骨の砕ける音と感触が足に伝わり、俺は口を歪めた。
多少体勢が崩れていたとはいえ、それなりに力を込めた一撃だ、それに加えて直前に猟銃の砲火をまともに浴びた。
例え死んでいなくとも、もう立ち上がることは出来ないはず。
蹴り飛ばされ校庭を転がっていく駄犬を見て、そう思いかけた時、転がりを終えた駄犬の小銃が俺の方に向けられ、連続して火を吹いた。
身体に連続して火箸を突っ込まれたかのような感覚が俺を襲う。
右太腿に2、右脇腹に2、腹部上部に1、左肩に1、被弾を確認。
黒い喪服に黒いインクを垂らした様な染みが被弾した箇所を中心にジワジワと広がっていく。
「あ〜あ〜・・・せっかく貰った喪服がもうボロボロ・・・なぁ小川、この服代の請求はどっちにすりゃあいいんだ?
お前か?それとも、あのクソ駄犬か?」
俺は小川に向かって口を笑みの形に歪めて話しかけた。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校 校庭
状況:数箇所に穴の開いた喪服姿 小川に話しかける。
>114 >116
>「いや、いいんだ。刑務官との殴り合いよかマシだからな」
「……刑務官……?」
なぜこの話題で刑務官が出てくるのかしらね?
いろいろ訳が分からないけれど……まあ今の状況に比べれば些細なことですわね。
研究所とワクチンのことをお伝えすると、ロバートさんは「Anti T Virus」の話を聞かせてくれた。
なかなか興味深い。今、九武村に散布すればきっとゾンビが一掃出来るだろう。
もっともそうなった場合、私もただではすまないだろうけれど。
研究所は危険だと話した時、ロバートさんは今更という顔をした。
そうでしたわね。……本当に今更ですわね。
本当に運の無い方ね。
>「生憎だが、そんな危険な場所に一人で行かせる気にはならん。俺とバーンズは意外と正義感が強くてな」
私は無言で頭を下げた。
炎の中に飛び込ませたり、研究所に同行させたり…。
私は、ロバートさんたちを危険な目にばかり遭わせている気がする。
>「・・・貴様、人間のフリをするのはもうやめたらどうだ?お前からは俺と同じ匂いがする。とても残念だが、俺も
>T-ウイルスに感染して・・・・いや、させられててな。嫌でも人間と化物の区別は付くんだよ」
そういって、ロバートさんは血濡れの警官の襟首を掴み上げた。
「バーンズさんは、ロバートさんの身体の事はご存知でしたのね。……あなたは、ロバートさんとは違うのかしら?」
傍らで傍観者を決め込んでいるバーンズさんに尋ねる。
少し離れた場所で、ロバートさんが警官を突き放した。今にも射殺しそうな視線で、警官を睨みつけている。
「等訓市を脱出してまだ一月も経っていませんのに…………一体ロバートさんの身に何が?」
>116
「は…ははははっ…!そうかぁ、貴様もかぁ!貴様も化け物かぁ!!」
笑いが止まらなくなった。まさか、私を怪物予備軍と呼んだ米兵自身が怪物だったとは。
胸倉を掴んで持ち上げられても、恐怖も何も感じない。ただ、愉快に思うばかりだ。
「ああそうだ!私は人食いだよ!貴様らの想像通り、この血は私が食った人間の血さ!
ああ、そりゃ美味かったよ!牛、豚、鶏、どんな肉よりも人間の肉は美味かったね!
貴様も人を食ったか?食ってないならお勧めするね!あんな美味い物、食わなきゃ損だ!」
米兵が手を離したが、本当に愉快な出来事だったものだから、私の口はまだ喋り続ける。
「そもそも、人と化物の境界線は何処だ?私はどの時点で化物だったんだ?人を食ったらか?
だが、蟷螂が蟷螂を食っても蟷螂ならば、人が人を食っても人だろう。ならば私は人間だ」
屁理屈を大声で言ってやったら、もう一人の米兵が私を睨みつけてきたが、まったく怖くない。
ここに居る全員が私が怪物だと知ったんだ。もう騙せない。撃つなら撃て。撃ち返してやる。
長台詞を言い終えてから、ずれた制帽や襟元、ネクタイを整えて、奴らに向き直る。
「化物は連れて行けないと言うなら、貴様も残れよ。貴様も化物だ。ああ、貴様も残るべきだよ。
それとも、私と貴様は違う化物だとでも?私が悪い化物で、貴様は正義の化物か?」
からかうような口調で続けると、私を睨みつける目が幾つか増えた気がした。
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村村内民家付近
現在の状況:大笑いしながら自分が化物と認める
>74 >92
・・・・・・・・・・・・・・・人前で夢に見そうなことするのはやめてくれないかなあ・・・・。
ああ、僕は人間扱いされてないってわけか。アッハッハッハッハ。
何にせよ、これで食欲は完全に引っ込んだよ。
>「……とりあえず、外に出ようぜ」
「同感だね。こんな所じゃ助けも来ない。まさしく時間の浪費だよ」
そう、もたもたしてる場合じゃないんだ。
tウイルスによるバイオハザード、ここ数年でもう何件目になるのかわかんないけど、その結末はいつもたった一つしかない。
焼却消毒。汚染地域を盛大な花火に変えて、事は終わる。
結局は、それが早いか遅いかというだけの問題なんだ。
今回のケースにしたってそうだ。外では自衛隊やらマスコミやらが十重二十重にビルを取り巻いてるんだろうけど、いつその中心が失くなるかなんてわかったもんじゃない。
中に立てこもったテログループ所有の新型爆弾が――とか、多少無茶でも言い訳はいくらでもきくからね。
・・・・・本社の研究室にいたころは、プレッツェル片手にそんなニュースを呑気に見てたもんだけど、まさか自分が渦中の人になるだなんてねえ・・・・・。
まあ、悲観はよそう。僕はモニター前の回転椅子に腰かけて言った。
「ここに送られてくる映像、監視カメラの稼動範囲なんかも含めてざっとチェックしてみたんだけどね。見た限りだと、このフロアに階段はない。
そこで開きっ放しになってるみたいな隠しエレベーターの類はいくつもあるんだけど、どうやらこれは下への一方通行のようだし・・・・・え〜、つまりだね」
片手で制御版を操作して、すべてのモニターをある部屋の映像に切り替える。
そこは、この物騒女が最初にいた薄暗い広間だった。
「出口は一箇所。この・・・・暗くてよくわかんないけど、恐らく巨大な植物型B.O.W?・・・・の後ろにしかないってわけだ。
構造的にも、こいつを突破しないと上には戻れない」
元は何に使われてか知れたもんじゃないけど、今ではこのフロアはこいつのエサ箱みたいなものなんだ。
あのオバンどもが仕組んだ通りってわけなんだろうけど、こりゃちょっと人でなしすぎるよねえ!?
「・・・・・多分」
最後に一言付け加えて、僕は二人の顔を見た。
果たしてこいつに抗ウイルス剤が効いてくれればいいんだけど・・・・・銃火器の一つもない女子供と僕の三人じゃ、ちょっと殺されに行くようなもんだよね。
ママ・・・・もう、ママのプレッツェルは味わえないかもしれないよ。
>118
ナメクジ頭がゆっくりと起き上がる。
背骨が折れたのか上半身が大きく後ろに反っている。
蹴り飛ばされた所からは肋骨が皮膚を突き破って出ているが、意に介する事無くゆっくりと二人に近づいてきた。
>115
手足を撃たれた村人の頭が破裂しナメクジのような頭部が現れた。
先端が爪のようになった硬直させた触手を大宮老人達に向かって放った。
>119
>「バーンズさんは、ロバートさんの身体の事はご存知でしたのね。……あなたは、ロバートさんとは違うのかしら?」
「……あいつと違って、俺はまだ人間だよ」
ああもう、という様に頭を掻きながら答える。とてもややこしい状況になってしまった。
どう収拾をつければいいのやら。
>「等訓市を脱出してまだ一月も経っていませんのに…………一体ロバートさんの身に何が?」
「…CDCって知ってるか?米国立疾病予防センターの略称だ。で、そのCDCに勤めている女がいてな。それも学者だ。
その女がロバートに実験台になれと迫ってきたんだ。で、あれやこれや言って丸め込んで、結局注射をブスッと。
それであの状態になった訳だ」
我ながら長い話だな、と思いつつ一旦話を切る。流石に一度に喋ると喉が痛い。
「……もちろん、ロバートにも断り切れなかった理由があった。その女と付き合う前、そいつの両親と妹を殺してたんだ。
その事を女に話したら、当たり前の様にお別れさ。お前だって肉親を殺した奴と一緒に居るのは耐えられないだろ?
…すまん、長くなったな。これ以上の事は本人に聞いてくれ」
はぁ、と本日何度目かの溜息をついた。このペースで行くと、俺は40になる前に死ぬだろうなぁ…怖い…
>120
>「化物は連れて行けない〜〜正義の化物か?」
「HAHAHAHA!!!人を食えば化物か?なら俺は悪魔だ、化物ではないな!ここに残るのは化物だけだ。悪魔ではない。
所詮お前は本能に任せ人を食った落ちこぼれ、化物ならばそれらしく自分をコントロールすべきなんだよ。
お前などただのゴミなんだよ、分かったか?ファッキン・ジャップ」
嘲笑の眼差しで警官を見下ろし、同じ様に屁理屈を垂れる。警官の顔には明らかに怒りが出ているが、気にはならない。
むしろ、こいつを見ていると哀れだ。力も頭も人間に毛の生えた位にしかなっていないのに、自分を過信している。
「おっと、こんな奴にこれ以上時間を割くのは勿体無いな。桂木、そろそろ出発するか?もちろん、こいつ抜きでな」
お前などどうでもいいと言う様に警官に背を向け、桂木達に向かって聞いた。
・・・・早くしないと、研究所の状態が悪化するかもしれない。
名前:Robert fallington/Eliot burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:民家。バーンズがT感染の経緯を説明、当のロバートは田中を嘲笑い、置き去りにして出発することを提案
>117
おじいちゃんは行き先の説明をしてくれた。そう、やっぱりここ数年は誰も行ったことないのね。
「・・・なんか、お化けが出そう・・・」
そう言いながら、私は何度目かのあくびをかみ殺した。
目を擦ってみるけど、ちょっとぼうっとしてる。
なんだか急に、とっても眠くなってきちゃった。
だって普段ならとっくにベッドに入ってる時間だもん。
飯田のおじいちゃんが電話と話してる声が、なんだか子守唄みたいに聞こえるわ。
>「ほ、本当にこの道でいいんですか?」
だんだん道幅が狭くなってきたね。
心配になってきたのか、運転手の御手洗お兄ちゃんが何度も確認している。
なんかすごく揺れるね。アスファルトじゃなく砂利道に入ったのかな。
(・・・・・・おやすみなさい)
私はとうとう目を閉じてしまった。
着いたらきっと、おじいちゃん達が起こしてくれるよね?
状況:ワゴン車で宿舎へと移動。現在居眠り中
「そうなんだ。・・・なんか、お化けが出そう・・・」
そう言いながら、私は何度目かのあくびをかみ殺した。
目を擦ってみるけど、ちょっとぼうっとしてるかもしれない。
なんだか急にとっても眠くなってきちゃった。
だって、普段ならとっくにベッドに入ってる時間だもん。
飯田のおじいちゃんが電話と話してる声が、なんだか子守唄みたいに聞こえるわ。
>「ほ、本当にこの道でいいんですか?」
だんだん道幅が狭くなってきた。
心配になってきたのか、運転手の御手洗お兄ちゃんが何度も確認している。
なんかすごく揺れるね。アスファルトじゃなく砂利道に入ったのかな。
(・・・・・・おやすみなさい)
私はとうとう目を閉じてしまった。
目的地に着いたら、きっとおじいちゃん達が起こしてくれるよね?
>115>118>122
>「鈴木君、こっちは二人とも生きているようだ。拘束する間でも無く、共に脚と腕が潰れている。
尋問となれば我々は専門外だが………ん?」
「大丈夫です!多少の心得ならあります。おい!動くな!」
運転席の男は薄笑いを浮かべながらこっちを見ていた。
死を恐れていないのか、自分が死なないと思い込んでいるのだろうか?
「おい!話を聞いているのか!」
男の視線の先に素早く目を向ける。
(・・・俺・・・じゃない?サイドミラー・・・っ!)
>「……へ…兵長!すぐに村民から離れろっ!こっちに来いっ!急げ!!」
叫び声が聞こえたのとサイドミラーに写った「何か」を認識したのと、引き摺り倒されたのは殆ど同時だった。
うつ伏せの状態から素早く仰向けになり、AK74の照準をその不気味な生き物に合わせる。
相手もまたAK74を構えていた。
そして銃声が響く。
俺は撃っていなかった。
俺とその化け物の間に夜より暗い帳が下りて来たのだ。
大宮大佐達の銃口から盛大に吐き出されたマズルフラッシュが3本の尾を引く何かに反射する。
足を締め付けていた触手から力が抜けるのが解った。
闇の残滓を体中から迸らせるそれは、ゆっくりと口を開いた。
>「あ〜あ〜・・・せっかく貰った喪服がもうボロボロ・・・なぁ小川、この服代の請求は
どっちにすりゃあいいんだ?
お前か?それとも、あのクソ駄犬か?」
自分の顔が笑っているのに俺は気付いた。
「お前か・・・あの爺さん達に貰ってくれ。俺より貯金もあるだろうし、年金もたっぷりだろう。
多分、寿命も俺よりたっぷり残ってるに違いないだろうよ。」
俺はユダにAK74の銃口を突きつける。
しかしユダは笑いながら変質した腕で軽く掴むと簡単に曲げてしまった。
AK74から手を素早く離し、ズボンに挿しておいたリボルバーを抜くと引き金を引いた。
デザートイーグルに使用する50AEよりも強力な454カスールの直撃を受けて覆い被さるようにしていたユダが
浮き上がり、そのまま背中から地面に倒れこむ。
等訓市の研究所で学んだ教訓だった。
相手にライフルを奪わせた隙に拳銃を使った方がよっぽど合理的だ。
(あの時は拳銃を持っていなかった・・・んだっけ・・・いや、どっちでもいいか・・・)
「起きろよ、ユダ。狸寝入りは化け物になってもやるのか?」
俺は起き上がり、ユダに454カスールを突きつけたまま後退する。
「俺は逃げ出したいんだけどな。居られても邪魔なだけだしな。」
起き上がってきたナメクジ頭の胸に無造作に454カスールを一発叩きこむ。
ユダによって砕かれていた肋骨は肺や心臓、その他諸々の組織に混じって背中から飛び出していった。
「大佐!一旦引きましょう!。」
見れば2匹ばかりナメクジ頭が残っていた。
近くの死体から新たにAK74とマガジンを鹵獲する。
(・・・こいつは・・・くそっ・・・かなりの重武装じゃないか・・・)
確か車の鍵がまだポケットの中にあったはずだ。
俺は校舎の近くまで走ると足を止めて大宮大佐達を待った。
「走ってください!私が援護します!」
ユダとナメクジ頭に十分に注意を払いながらライフルの狙いを定める。
所持品:シグP226(1)、AK74(30)+?、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭北部
状況:ユダとナメクジ頭から逃げ出す。援護射撃の姿勢に入る。
>104>11−112
>「異論は無しだ。・・・心情を別にすればな」
「確かにな。俺も川崎とは長いし。」
と言ってもこのビルに侵入してからの話だ。
それ以降、友達と呼べる人間の数はぐんと減ってしまった。
兵隊稼業の一番悪いところだ。
これさえなければそうそう悪くない。
>「とりあえず先に様子見てくるよ」
>「ねえミスタ・ルイス。何の話?」
桃華の質問を無視し、シノザキの背中に声を掛ける。
「解った。無理はするなよ。」
シノザキが偵察を勤めてくれる訳だ。
さて、我らが姫君はどうしたものだろうか。
「川崎さんとお姉……ミリアさんはどこに行ったの?…ねえ、どこ?!」
「もう一匹の蜘蛛を連れて行った。川崎は追跡中だ。」
桃花の悲鳴に近い問い掛けにマクナブのシンプルな回答が間を置かずに帰ってくる。
「無線で連絡は取れるから問題無いだろう。最悪、こっちのデカブツに・・・」
かちりと乾いた音が響く。
何度も聞いた音だし、聞かされる事もあった。
(ま、良い気分はしないだろうな。)
それにしても人生は過酷だ。
たった数時間前まで泣き喚いていた少女がアフリカ内戦地域のチャイルドソルジャー宜しくゾンビに銃を向けている。
せめてもの慰めは彼女に帰る家がある事だけだ。
それでも悪夢を忘れる事は出来ないだろう。
(考えてみれば女はミリア一人だったな。桃華にとっては頼りになる姉であり、同時に憧れの存在だったのかもしれんな。)
女の考える事はマクナブには良く解らない。
男は理想的な人物を父親に重ねるものだし、逆に本物の父親を否定する事もある。
時にその人物を自分に重ね、愚かにもそうなろうと挑戦する。
マクナブはゾンビに視線を据えたまま壁に寄りかかる。
>「おい、良いのか?あの娘にやらせるつもりか?」
ブランデンブルグが小声で囁いた。
「ああ、ゾンビを片付けられないようなら俺たちが死んだ後、あのオチビさんはどうなる?」
マクナブも小声で囁き返した。
>「外して無駄弾になったらどうする?」
ドイツ人らしい合理的な質問にマクナブが苦笑した。
「だったらそれまでの資質しか持っていなかった、という事さ。」
マクナブは溜息を吐いた。
息子だったら今のような複雑な気持ちを味合わないで済んだだろう。
しかし、tウィルス感染者にとって性別は無意味だ。
連中が欲しいのはミルクじゃなくて肉なのだから。
>123
>…すまん、長くなったな。これ以上の事は本人に聞いてくれ」
そう言ってバーンズさんは会話を締めくくった。
けれど、説明を聞いていたのに全く理解できない内容だった。
「ごめんなさい、私の頭ではさっぱり理解できませんわ」
申し訳無さそうにロバートさんに告げる。
とりあえず、ロバートさんの彼女が研究者で、その実験台になったのは分かった。
ただ、どうしてそんな理不尽で危険な条件を呑む羽目になったのだろう。
ロバートさんは何故彼女の家族を殺したのだろう。理由もわからない。
もしや、彼女の家族はテロリストだったとでも言うのだろうか。
>120
>「化物は連れて行けないと言うなら、貴様も残れよ。貴様も化物だ。ああ、貴様も残るべきだよ。
それとも、私と貴様は違う化物だとでも?私が悪い化物で、貴様は正義の化物か?」
警官の暴言に横っ面を張り倒したい気分になったけれど、実行する前にロバートさんが動いた。
……人でありながら、感性は蟷螂と同レベルとはなんとも情けない話だと思う。
彼は感染して変わったのか、それとももともとこういう人間だったのかは判断がつかないけれど。
>「おっと、こんな奴にこれ以上時間を割くのは勿体無いな。桂木、そろそろ出発するか?もちろん、こいつ抜きでな」
ロバートさんは警官の胸倉を離し、私を促した。
「…………そうですわね、時間が惜しいわ。出発しましょう」
ものすごい目で、警官がこちらを見てる。私は黙殺しようとしたが、思い直し警官達に再度向き直った。
「あなたは人間に戻りたい?それとも今の身体に満足していらっしゃるの?
私達はあなたとは行けません。けれど、もし元の人間に戻りたいなら、研究所を目指して下さい。
篠原さん、私達と行く気があるなら車に乗って下さい。
でも、今から向かう場所はとても危険なので、強制はしませんわ」
私はそういい残し、ロバートさん達の後に続いた。
状況:ロバートの感染原因をバーンズから聞くが理解できず。ロバートの提案を受け入れる
>124
突然ワゴン車のフロントガラスに全身紫色の怪物が張り付いた。
「ギャシャ━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!」
怪物は雄叫びを上げながら、口から矢の様なスピードで尖った舌を吐き出した。
「ぅぐ…」
声にならない断末魔の悲鳴だったが、なぜかそれは車の中にいた全員の耳に届いた、
そう…
怪物の鋭い舌は、フロントガラスを突き破って運転席の青年の頭を正確に貫き、
座席ごと串刺しにして車内後部にまで達していたのだった…!
状況:御手洗竹丸死亡。享年29歳。
>佐治さん
「ありゃ・・・件(くだん)か?」
男が目を細める。
この地域に伝わる御伽噺だ。
子供の頃には悪い事をしているとお山から怖い件がやってきて食べてしまうよ、と脅かされた。
「他所じゃ人の頭に牛の体なんだがな。ここいらじゃ蝸牛の頭に人の体なんだ。
ほれ、蝸牛も牛だろう?」
戦乱の世の中に現れては予言を残して消えていくのが件伝承。
この村の伝承では、新しい時代の始まりに現れては戦乱の世に戻そうとするのが九武村の件だ。
「なぁ、あんた。」
佐治に話し掛ける。
「もしかしたら日本中がこの村みたいになってるんじゃないのか?人食いばっかりの世の中になってるうじゃないのか?」
だとしたら俺たちのしてきた事は間違っちゃいないのだ。
>114
>「……結構。それじゃあ、身分を証明出来る物はあるか?〜必要無いかも
知れないが」
身分を証明できる物・・・警察手帳ならあったが、ここに来たときに
おとしてしまった。
「すまないが、そういうものはないんだ。ここに来たときになくして
しまってね・・・」
>116
私が警官に背を向けると、後ろが騒がしくなった。
しかし、私はそちらを向かず、トラックのほうに向かって歩いた。
トラックについてからそちらを向くと、ちょうど米兵が警官を
突き放すところだった。
>120
>「ああそうだ!私は人食いだよ!〜あんな美味い物、食わなきゃ損だ!」
>「そもそも、人と化物の境界線は何処だ?〜ならば私は人間だ」
いきなり開き直ってべらべらと喋り始めた警官を見て、私は
銃の弾がないことを後悔した。あったらすぐに脳天に風穴を空けれるんだが。
>128
>「篠原さん、私達と行く気があるなら車に乗って下さい。
でも、今から向かう場所はとても危険なので、強制はしませんわ」
「すまんが、私はついていくよ。危険なところでも構いやしないから」
私は研究所とかに興味があるし、なにより早くこの警官から離れたかった。
彼からはとても危険な感じがするのだ。
状況:桂木に行くかどうかを聞かれ、行くと答える。
「畜生!繋がらないって言うのか!?
ああ、むしゃくしゃする、くそ、何が最新機種だ!金返せ!」
おおよそその風体に似合わぬ少女が小さな薄っぺらい金属を床に叩きつける。
それは元の携帯電話とは思えない形に変形して四散した。
思えば嫌な予感はしたんだ。よりにもよって傘のパーティーだ!
あの日、そう、俺が、いや明良が脱出した日!
俺を引き取った義父と義母はゾンビに食われてお陀仏になった
俺の親?母親は研究一辺倒の親父に愛想を付かして親権も放り出して
実業家の男の下に逃げ出した!親父は明良を研究対象にして
挙句俺を殺そうとしやがった。ああ、今思い出しても腹が立つ
ヘリに乗って避難所になんとか逃げ延びたと思ったんだ・・・
が、明良のアホがあっさりと捕まっちまった。そして、今に至るわけだ。
明良は名目上では、傘の重役の養女になった。
傘としてもこいつは逃したくない存在だろうからな
・・・逃がすわけには行かないのは本当は俺なんだろうけどな
とにかく、そいつにほいほい着いて行って
パーティーに参加したんだ。綺麗なおべべを着せてもらってな。
こんな若い娘は、いやガキは殆どいないパーティーだから好奇の目で
じろじろ視姦されてむず痒かった。だが我慢した。傘の総帥―。
俺をこんな目に遭わせた会社のお偉いさんを一目見たかったからだ。
単純な好奇心と殺意を含んだ瞳でな
テーブルの上の銀のナイフの光がシャンデリアと空っぽのグラスに反射した時
無意識で俺はナイフを握り締めていた。俺が、な
その時だった。そう、私がナイフを拾い上げた瞬間だった。
突如として何者か、胡散臭い連中が、美しい庭に土足で上がりこんできた。
きっと何かの催し物だろう、以前ならそう思っていたかもしれない。
けど私は、あの日以来、のんびりことを構えられなくなった。
死の恐怖が突如として私の鼓動をかき鳴らす。
電気が消える。叫びが聞こえる。
その際に聞こえた事細かな御喋り等聞こえるはずも無い。
入り口は?出口は?撃たれたり、斬られたりする可能性の無いところは?
必死でもがく、まだ何も見えない、もしかしたら実は死んでいるのではと錯覚するほど。
しかし、隣にいた人間の血飛沫が頬にかかった時、まだ自分が生きているのだと実感する。
まだ死んでいない、そう自分にいい聞かせる。
ふと、叫びの中から自分と同じくらいの年齢と思われる少女の声が聞こえた。
先程会釈を交わした子かな?それとも、挨拶をした子か・・・
その時私の肩を何者かが触った。混雑とパニック、人が触れるのは仕方が無い。
でも、人じゃなかった。何故なら・・・
俺が出てきたからだ。
俺は明良みたいなグズじゃない、こんな包囲網ぐらい突破してやる。
そう意気込んで飛び出す。扉は開いている筈だ。逃げられる。
あのウィルスの化け物にも、馬鹿な兵隊共にやられるのは真っ平御免だからだ。
が、ここで俺は重大なミスを犯した。俺は久し振りの肉体に、
いつもしてるように足を大地に踏み入れる動作をした。
それがまずかった。ドレスと、ハイヒール?かなんかを履いて疾走?無茶だ。
無様に転んだ俺は化け物に食われそうになりながら必死で逃げた。
階段を下りた記憶もあるし、上った記憶もある。
実は階段に足を踏み入れてすらいないのかも知れない。
エレベーターをバンバン叩いた記憶もある。
とにかく、脱出の為のあらん限りの方法を試行した。
そして、今、携帯の存在に気付いて、失望していた。
「明良と、俺一人・・・か、くそ、植物もロブもいねぇんだよなぁ・・・」
名前:由比彬
年齢: 17
性別: 男(女)
所持品: ドレス ポーチ(ソーイングセット、ハンカチ)
現在地・状況:不明 疲労
自分の状態:散々ビルを走り回り、撃退しを繰り返し、立ち尽くす。
>123
「…ゴミで結構、落ちこぼれで結構。腹が減って物を食う事を間違っているとは思わないね」
そもそも、私がそれを否定出来るほど立派な人間では無い事は私自身が一番理解している。
化物になる前から人殺しであったし、暴力警官でもあった。共に社会の暗部に属する肩書きだ。
人間だった頃から、私は落ちこぼれであり、ゴミであったのだろう。
「まったく、美味い物が手の届く所にあるのに、食うなと言う方が無理な話だよ、悪魔殿」
これ以上、『悪魔殿』と話すつもりは無い。どうせ私の理屈を理解しようとはしないだろう。
>128
腹の立つ女を睨みつけてやったが、別に奴らに連れていって貰いたい訳でもない。
夜食が揃って逃げるのが惜しかっただけだ。人間に戻る?何を馬鹿な。
「いいや、私はこのままでいい。素晴らしいよ、化物の身体はね。この方が色々と楽なんだ。
完全な化物には成り切れなかったが好都合だ。これなら人としても生きていけるからな」
きっと『悪魔殿』は私とは違って人間に戻りたいのだろう。それにこの女もおかしい気がする。
恐らくはこいつもこちら側だ。彼らは何故人間に戻りたいのだろう?全くわからない。
>131
不審者の癖に、身分証明書の提示を断るとはいい度胸だ。
「…不審者さん、本来なら駐在所に呼ぶところだが……今は私のほうが信用されていないらしいね。
見逃してやるから彼らと一緒に研究所でも何処でも行けばいいさ」
こいつらを夜食にするのは諦めよう。米兵に蜂の巣にされるのは勘弁願いたい。
さて、次は何処に行こう。何処に行けば人が居るだろう。何処に行けば夜食を取れるだろう。
名前:田中秋久
年齢:47
性別:男
所持品:M60拳銃(5発装填、予備0発)、無線、手錠、警笛、警察手帳
三八式歩兵銃(3発装填、予備4発)、包丁(小銃先端に固定)
リュックサック(「地獄都市から生還せよ!」田中宗一・著)
現在地:九武村村内民家付近
現在の状況:人間を探して、村を徘徊し始める。
>92
空元気を吐く少年を見上げ、にいっと唇を吊り上げるシャファン。
「そうよね。ここは愛を語るには辛気臭すぎるわ」
艶っぽい口調とは正反対に、どっかと机の上に足を投げ出して座る。
……やっと、少し楽しくなってきた。
>121
どうもこのクリッペンという男は癪に触る。
目鼻立ちから言うと文句なしに整っているくせに、その卑屈な物言いと態度がすべてをマイナスにしてしまっているのだ。
……ま、どうでもいいんだけど。元から好みじゃないし。
脱出経路についての説明を一通り終えたクリッペンに、ご褒美としてクリスタルの灰皿をくれてやる。
「多分、じゃねえだろ!?」
狙いもつけずに蹴っ飛ばしたのに、我ながらよく当たったものだ。
「……確かなんだな?」
視線に少しの殺気を散りばめ、唯一の情報源の顔を斜めに見やる。
自信の欠片も感じられない表情だったが、嘘を言っている様子ではなかった。
……出られなきゃ死ぬんだし、こいつもそれなりに知恵を絞る、か。
あの広間の中央に鎮座していた正体不明の影……アレを突破しないと、上へは行けない。
……上等だ。
「じゃ、草刈りに行きましょうか」
ちょっとお花を摘みに――とでも言わんばかりのテンションで、シャファンはドアに手をかけた。
現在地・状況:地下フロア、モニタールーム 早速出口のある広間へ行こうとみんなを促す。
気付いた事は、相当な疲弊と全く知らない所にいる事
そして、死んだと思っていた奴が私を動かした事だった。
私は疲弊した体を引きずる様に動かす。どうやら、化け物の気配は無い。
「あいつが取り乱すことってあるんだな・・・」
パニックに陥っていたのは私だけではないようだった。
とにかく落ち着いて、今の「二人」の状態を解する様に努める必要性があった。
先ず、今の自分の置かれた状況を考える。
訳の分からない集団の襲撃と、停電、そして化け物の出現から
逃れた自分、ドレスは優美さを欠いて滅茶苦茶だ。
靴も脱げて、武器になりそうなものも一つも無い。
この状態で化け物に出会えば即死も免れないだろう。
「前はとにかく・・・屋上に上って脱出したんだよね・・・だったら屋上に行けば。」
(無理、異形の巣窟になってて上には上がれない。)
「じゃあ下の階に行って・・・。」
(妥当だな、だがエレベーターは使うな、故障したら異形と個室で二人っきりになれる。)
と、なるとやはり下の階へ階段で降りていく必要性がある。
下に行けば助かる見込みがあるはずでもない、しかし
今の状況でこの階に留まる、若しくは屋上を目指すほど、浅はかで愚かな行為は無い。
私は上等なドレスの膝下を(あ〜勿体無ぇ)切り裂き結び
頬を叩いて階段をゆっくりゆっくり降り始めた。
疲労は、精神の回復と共に段々と落ち着いてくる。
---そして時間軸は現在に至り---
次なる階層に差し掛かった時、私は階段を踏みしめる音を聞いた。
化け物か、人間か、それとも・・・化け物になりかかっている人間か?
どちらにせよ、警戒は必要だろう。
俺は階段を昇り直し、足音を待ち構えた。
現在地:31階 階段前
状況:(彬) 足音を警戒する。 ドレスを裂いて膝上で結ぶ。
>118
倒れた武装村民を蹴り付ける黒い影に、大宮大佐は見覚えがあった。
「……また会ったね、人食い怪物殿」
挨拶をした直後、怪人は蜂の巣にされる。だが、まったく苦痛ではないらしい。
蹴り飛ばされつつも銃を撃った武装村民へ、猟銃を向けながら続ける。
「少しばかり、君の協力を願いたい。服の一着二着、暇があれば買ってやるから」
言い終わると同時に引き金を引き、ぐしゃぐしゃになった村民へと発砲した。
>122、>126
頭が破裂した瞬間、金田兵長は何の躊躇も無く、右側の村民の頭部を散弾で吹き飛ばした。
血を吹き上げる首の付け根は、まだうねうねと動いている。
「大佐ぁ!そっちに一本行きました!気をつけてくださいっ!!」
兵長の叫び声を聞いて振り向いた大佐は、とっさに猟銃で触手を受け止める。
先端の爪は、金属製の銃身にざっくりと刺さり、放っておけば切り落とされてしまうだろう。
「……軍人を…舐めるなよっ!!」
銃で爪を押えつつ、腰に吊るしていた軍刀を片手で振り下ろし、触手を切り落とした。
「ええい、畜生がっ!!兵長、校舎まで後退!体勢を立て直すぞ!」
「了解しました!」
兵長が走り去ると、大差は壊れた猟銃を投げ捨て、先程村民から取り上げた自動小銃を拾う。
そして別の触手が追いかけてくる前に、兵長に続いて校舎へと逃げ込んだ。
名前:大宮外吉/金田昭平
持ち物:AK47自動小銃/猟銃、背嚢
>124
欠伸をした少女を見て、水野軍曹はにこりを笑みを見せる。
「寝ていてもいいよ。宿舎までついたら、ちゃんと起こしてあげるからね」
暫くして、少女が眠り始めたのを確認すると、小銃をを簡単に点検し、射撃用意を整える。
飯田少佐はまだ携帯電話へと叫んで、応答を待っている。
次の瞬間、車が大きく揺れた。
>129
「な、何事だ!」
車内には奇声が響き、ガラスが割れる音がする。それに続いて短い悲鳴が聞こえる。
少佐が銃を構え、それよりも先に軍曹が大声で叫び、引き金を引く。
「敵襲!伏せろ!」
号令と殆ど同時に銃口から銃弾が飛び出し、前方に張り付いていた怪物の頭を貫く。
さらに、直後に少佐も発砲し、怪物の頭部は二発の銃弾で砕かれ、ずるずると落ちていった。
「み、御手洗君!大丈夫かっ!?」
「……少佐、即死です。もう息がありません」
前まで身を乗り出して、それを確認した軍曹は普段どおりの、落ち着いた口調と表情だったが、
何処と無く悲しんでいるようにも見えた。少佐は俯き、黙り込んでしまう。
「………我々は、二人がかりで村民の一人も守れんのか…」
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>126
胸のあたりを吹き飛ばされたクダンが倒れこんだ。
少しの間触手を動かしていたが蛞蝓のような頭が萎んで最後に残ったのは頭と胸が無くなった死体だけだった。
>judas、138
散弾で撃たれたクダンは頭の殆どの部分を失ったがまだ動けるようだ。
しかし、短い触手を狂ったように振り回すだけでまともな行動が取れていない。
触手を切り落とされたクダンは怯む事無く前進してきた。
しかし歩く事しか出来ないのか中々追いつく事は出来ない。
大宮大佐達を追い掛けるのを止めて倒れているjudasに近寄ってきた。
鋭い触手を振り上げてjudasに振り下ろそうとする。
>128
(バーンズ)
>「ごめんなさい、私の頭ではさっぱり理解できませんわ」
「……それでいいんだよ、理解しない方があいつの為になる。嫌な事は思い出したくないのが人間だ」
最も、ロバートが『まだ』人間でいられるかどうかで変わってくるだろうが…
あいつは精神的にも肉体的にも強いから、もうしばらく人間でいてくれる筈だ。…そう信じている。
色々な事に思いを馳せていると、桂木もロバートもトラックに向かって歩き出す。
あぁ全く、人が狂えば村が狂い、村が狂えば人が狂うというのか。冗談はやめてくれ。
(ロバート)
>「…………そうですわね、時間が惜しいわ。出発しましょう」
「そうと決まれば話は早い、さっさと研究所へ乗り込むとしよう」
トラックに向けて歩き出した時に、警官が何か言っていたが無視した。
聞いたとしてもまた屁理屈だろうし、向こうもこちらが意に介さないことくらい分かっているだろう。
そういえば、軽トラは二人乗りだ。ということは、四人の内二人は荷台で、ゾンビになるかならないかの奴とご一緒か?
「・・・桂木、荷台組は誰だ?まさか俺とバーンズじゃないだろうな?むさ苦しくてたまらんから、こいつとは別の所に乗せてくれよ、頼む」
「Robert, please you once be dead」(ロバート、お前一度死んでくれ)
「ああ、ごめんごめん。悪気はあったんだ。桂木と同じ所に乗りたいんだな?だったら自分で最初から言えばいいんだ。
大体お前はな、いつもいつも肝心な所で押しが弱いんだ。だから女に逃げられ・・・待て、銃を向けるな、落ち着け」
怒りのあまり殺気立って銃を向けてくるバーンズを宥める。今日だけでもう三回目だ、落ち着けマイフレンド。
バーンズの気分は5秒足らずで戻るから良いとして、早く研究所に行って分校へ行かないと、天候が悪くなるかもしれない。
雨が降ると視界が悪くなり、いくら『ナイトストーカーズ』の連中でも安全な着陸は難しくなってしまう。
「・・・OK,時間が勿体無い、さっさと車に乗って研究所に行こう。ついでにホットドッグも食べたい」
笑えない冗談を飛ばし、俺は荷台へ座り込んだ。
どこに乗ればいいのか迷っているバーンズは適当に見ないフリをしておくことにする。
名前:Robert.S.fallington/Eliot.K.burns
所持品(Rob):M16A4(30+1)+30ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
所持品(Eli):M14 DMR(19+1)+20ream Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地・状況:民家。話が飲み込めない桂木にそれでいいとバーンズが言う。研究所へ向かうのを急かす。
>138
リッカー改XXの血液を浴びた車体前部がドロドロと溶け始めた。
前輪はすでにタイヤが溶けてなくなっており、車輪が外れそうになっている。
>140
不意に小さな揺れが起こったかと思うと、
「GYAAAAAAAAA!!!!」
次の瞬間、停めておいたトラックの地面が陥没した。
どうやらグレイブディガーに気付かれたようだ。
トラックはグレイブディガーの巨大なトンネル内に5m近くも落ちてしまった。
>104 >127
>「もう一匹の蜘蛛を連れて行った。川崎は追跡中だ。」
頭を思いっきり殴られた気分だった。
その後もミスタ・ルイスが何か言ってたけど、頭に入ってこなかった。
もしお姉様が蜘蛛に齧られてたらどうしてくれるのよ!今すぐ川崎さんに連絡してよ!
……そんな考えが頭をぐるぐる回ってるけれど、なんだか今ひとつ現実感が無い。
ミスタ・ルイスは後ろの壁にもたれて観てるだけ。
…………なんだか、親から狩りの方法を教わる野生動物の気分ね。
それからちょっと驚いた事。こんなに動揺してても、銃の引き金が引けないわけじゃないのね。
一回目は肩に一発だけ。
次はもっと慎重に狙って、引き金を引いた。
血だまりの中に倒れているゾンビだった物体は、やがて動かなくなってただの死体になった。
「ミスタ・ルイス。死体って、人間の形をした抜け殻なのね」
ゾンビに銃口を向けたまま、ぽつりと呟く。
「あたしね、ずっと人の死ってもっと尊厳のあるものだと思ってた。でも、違うのね。
どんなに素晴らしい人間だったとしても、死んだらただの肉と血の塊になっちゃうのね…。
ミスタ・ルイス、人ってあっけないね。
――――何かね、あたし、死体を見ても、ただの物みたいに見えてきちゃうのが怖いの。
あたしはたいした怪我もせずに生きてるのに………怖いなんて、贅沢なのかな?」
グズグズの死体を沢山見てるうちに、慣れちゃったのかな?あたしやっぱり、どこかおかしい気がする。
ふう、とひとつため息をつき、撃ち尽くしたシグを取り出す。
「本当言うとね、あたし、ミリアさん達の後を追いかけていきたいの。
…でもきっと、行っても何の役にも立たないのよね」
もしお姉さま達が殺されてしまったらどうしよう。そう言いたかったけど、出来なかった。
本当になりそうで怖かったから。
―――ここにもしお姉さまがいたら、何て言うかな?
シグのマガジンを取り替えながら、ぼんやりと考える。
お姉さまのことだもの。多分叱られるわよね。もしかしたら平手のひとつやふたつ、食らうかもしれない。
だってお姉様はいつだって、気を抜くな、生き残れって教えてくれたもの。
お姉様がもしあたしだったらどうしたかな?
「ミスタ・ルイス。川崎さんはうまくいったら、、きっと無線を入れてくれるわよね?」
私の立場だったら、きっと迷わずミスタ・ルイス達と上に行くわよね?
だってお姉さまのことだもの。
『「川崎は腕だけはいいわね。だからあの男がついてるなら心配ないわ』とか何とか言うに決まってる。
だったらあたしもお姉さまに倣おう。
最後まで生き残れば、きっとまた逢えるわよね。
「……シノザキさん戻ってこないわね。…ねえ、様子を見に行かない?」
「はぁ…はぁ…」
荒い呼吸を整えながら、撃ち尽くしたM19カスタムの弾薬を交換する。
スイングアウトした輪胴型弾倉から空となった薬莢を捨て、ベストの胸ポケットから
六発の357THV弾が一纏めにされたスピードローダーを取り出し、手早く装填する。
ふと、体に纏わり付いた虫の血の匂いに眉を顰めた。匂いを気にする事が出来るとは、
それだけ余裕が生まれているのだろう。あのオオカミ男に感謝をするべきか。
ミリアの視線の先には、巨大なヒヨケムシが転がっており、未だに四肢を痙攣させていた。
あの虫に攫われたのに気が付いたときは、ただがむしゃらにM19カスタムの銃口を押し付けて
トリガーを引き続けていた。理由は気色悪いから。折角投薬で体調を回復したというのに、
気味の悪い虫に抱かれての寝覚めは最悪以外の何物でもない。
AK103は虫に攫われる途中で落っことしてしまった。ついでにヘッドセットと無線機も。
体調は回復したが、マクナブ達とは連絡が付かない。おまけに火力は大幅に半減。
そして此処は何処だかよく分からない、虫の巣っぽいところ。床や壁は虫が出したのものと
思われる白っぽい分泌物で覆われ、気味の悪さに拍車が掛かっている。
「取り敢えず、此処から脱出した方が良さそうね」
右手の伸び過ぎた爪をナイフで切り落とし、火器をP226に持ち替えながら呟く。
一発の威力はM19だが、357マグナム弾よりもマイルドな反動の357SIGカートリッジの方が
連続した射撃時に於いて精確に狙える。それに、スピードローダーはあと六個しかない。
マグナムは大事に使うべきだろう。尤も、P226の弾薬だって化物が犇くビルの中では心許無い
程度しか残っていないが。
糸を引く粘液に覆われた取っ手に顔を顰めながらドアを押し開いた。
服装:戦闘服、アサルトベスト、タクティカルブーツ、
装備:アサルトベスト[[7.62×39mm弾30連マガジン×4+4発、M19カスタム(6)、357THV弾×36、光ディスク]
レッグホルスター[357SIGカートリッジ仕様P226(20発)+LAM&サイレンサー]
マグポーチ[357SIGカートリッジ20連弾倉×3 ] 、ナイフガン(4)
現在地・状況:?/良好
健康状態:左肩の裂傷@治療済み(感染)
>135
「ブルァァァァ!」
シャファンがドアを開けると同時にネメシスT型の丸太のような
腕から繰り出されるストレートパンチが彼女の顔に真っ直ぐに吸い込まれた。
>137>139
校舎の手前まで来た小川は苛立たしい思いで狙いを定めていた。
今撃てばナメクジ頭の手前に居る大宮大佐と金田兵長に当たってしまう。
最も警戒していたのはナメクジ頭よりもユダだった。
ナメクジ頭が454カスールを喰らって内臓を吹き飛ばしたと言うのにユダは仰向けに倒れただけだ。
恐らく忌々しい頑丈な鱗が銃弾を止めたのだろう。
(あの新手の化け物は殺せない相手じゃない・・・な・・・)
狩人としての観察能力がそう告げていた。
454カスールを叩き込んだナメクジ頭は心肺機能を潰されると大した時間も置かずに死んでしまった。
金田兵長に頭を吹き飛ばされた固体に至っては原始的な攻撃衝動に完全に支配されている。
移動速度も精々徒歩。
接近戦になれば不利かもしれないが熟練の剣術家に掛かれば殺せない相手ではない。
主要な血管を切断し、血液の供給能力を低下させれば殺す事は出来る。
残念ながら自分にはその手のスキルは全く無かったが。
>「ええい、畜生がっ!!兵長、校舎まで後退!体勢を立て直すぞ!」
>「了解しました!」
「そのまま真っ直ぐ走ってください!」
大佐達に向かって叫ぶと射撃位置を変えるべく左に移動する。
今回は武装トラックに見せた賭けに近いような射撃をしないで済む。
ギリギリと音を立てる引き金を可能な限りゆっくりと引く。
甲高い銃声と5.45ミリの鉛弾が前方に吐き出され、狂ったように触手を動かすナメクジ頭に直撃する。
(流石に・・・小口径では一撃で殺せないか・・・)
続けて4発、ナメクジ頭の胸に叩き込む。
向こう側を見渡せる位の穴が空き、ナメクジ頭が冷たい校庭に倒れこむ。
もう一匹は大佐達を追うのを止め、校庭に倒れこんだユダに近づいて行く。
その姿がトラックの向こう側へと消えていく。
(・・・狙いが着けられない・・・起き上がれ・・・早く起き上がれ・・・)
あの化け物がユダに止めを刺すのか?
それだけは許せない。
どうせならば、とセレクターを連射にセット。
トラックのガソリンタンクの辺りに目掛けて残りの26発を一気に叩き込んだ。
所持品:シグP226(1)、AK74(0)+?、マガジンx3、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭北部
状況:ユダとナメクジ頭の近くのトラックのガソリンタンク目掛けて発砲。
>129
「も〜〜お食べらんないって〜。トイプードル太りすぎると腹こすれるんよってこれ〜。
で〜〜〜もまあ、そんなに言うなら最後に一本いただきましょー……モグモグ」
「っあああああああああああああっテメ!? こんな時に犬の尻尾に食いつく奴があるかかかかかかかか――!?」
「ジャーキーおかわりっ!」
「なんじゃこりゃああああああああああああああっっ!?!?」
「んー? なーに? 騒ぐとガス室よ野良ドッグは」
「バカ! 寝ぼけてなくて前見ろって!」
「前〜〜〜?」
「ついでに言うと、俺の毛をちょっぴりかすめて後ろに刺さってるのはベロね多分」
「なんなんじゃこりゃああああああああああああああああああああああ!!???」
>138
「ちょっと誰か死んでるんですけどー!?」
「やべーぜピンチだ! 起きろご主人!」
「オメーのご主人じゃねーとよー!」
「よし撃て爺い! 火ぃ火ぃふぁいやー!」
「やったー! やっぱりバキューンはすごいぜー!」
>141
「うおっーう!? なんか酸っぺー臭いがすんぞ!?」
「ああ、クルマってあの丸いの握ってないと暴れちゃうんだっけ?」
「溶けとる!」
「駄目だこりゃー!」
「逃げろや逃げろ!」
「どうやって開けんのこれ?」
現在地・状況:走行中のワゴン内後部座席 二匹ともにワタワタとドアに前足を叩きつける。
>136>143>144
靴底が床に下りる音が響く。その後、無音。
下からも上からも物音は聞こえない。
急に口の中が乾いてきた。そういえば最後に飲んだのは酒だったな。
唇をなめ、もう一歩踏み出したところで銃声。
上でも下でもない、横手からだ。単発が二回。その後、また無音。
何が出たかは知らんが、今のでしとめていないなら銃声は続くはずだ。
加勢に行く必要はない。二発だけしか撃てずに全滅という可能性も一応は存在するが、
その場合でも俺一人でどうにかなる相手じゃなさそうなので、まぁやはり当初の予定通り上に行くわけだ。
気を取り直してもう一歩。また銃声だ。ひどく遠いところからのもので、上か下かも判然としない。
恐らくはミリアか川崎だと思うが・・・確認に行く余裕など当然ない。
息を一つ吐いて、また一歩。今度は何もなかった。流れ的に何か嫌な感じがしてたので少しだけ安心した。
そのままゆっくり昇る。あと四段で踊り場に差し掛かるところでふと気になって足を止めた。息も止めてみる。
しかし、かすかな呼吸音が聞こえる。つまり、すぐ上に誰かがいる。
首を振り向けたが、その誰かの姿は見えなかった。
待ち伏せをする知能を持つほどのBOWは恐らくいない。
正確にはいるのは確認済みだが、あいつらは知能だけじゃなくフィジカルも思う存分化け物だ。
わざわざ待ち伏せなぞする必要はない。上にいるのは多分人間であるわけだ。
次に問題になるのはそいつの素性。敵対的な人間じゃないとは当然言い切れない。
俺は銃のストックをしっかりと肩につけ、上へ声をかけた。
「おい、誰かいるのか?いるなら出てきてくれ」
指をトリガーにかけ、反応を待つ。願わくば撃たずに済む相手であるよう祈りながら。
>145
ドアを開けると汚い色のコートが目の前にあった。
瞬間、全身の力を抜いて垂直に落ち、両の後ろ手を床につける。
「どっから湧いた〜ハゲ〜?」
顔の上を行き過ぎる腕が引かれる前に、逆四つん這いで器用に後退する。
何時間も前にエレベーターシャフトで仕留めた奴と似てはいるが、違う怪物だ。不細工極まりない。
……どうしよっかな?
見たところ、パワーもタフさも桁外れ。鈍鮫では少々心もとない。あの時は必殺の条件が整っていたからこそ、一瞬でやれたのだ。
かといって、室内で血液を使えば大樹がガスにやられて巻き添えになる。
……アタシも貧血とか嫌だし。
「あん?」
不意に、子宮が脈動した。
同じようなものが近くに来ると必ず起こる反応だ。いつぞやの粘液野朗との戦いを思い出す。
……あ、意外とあっけないかも。
「こいつの動きを止める方法があんなら、とっととやれ。なけりゃ早くシャフトに逃げ込め」
ハゲ頭に向けて机やらその上のパソコンやらを転がしながら、後ろの二人に指示を出す。
……ん? こういうのって慣れてないから面倒だな。
現在地・状況:地下フロア、モニタールーム内 部屋に入ってこようとするネメシスを妨害。二人にシャフトの中に行くよう指示を出す。
>149
「ブルアアアアアアアアアアア!!!!」
飛んできたパソコンを拳で叩き落とし、ネメシスは獣の如く吼えた。
「シャふぁン。コロ…す……」
そして手に持っていた大きなトランクケースを開き、シャファンに向ける。
トランクケースの中にはクレイモア地雷が数個ほど装着されていた。
瞳の無いネメシスの目が笑ったような気がした。
直後、クレイモア地雷が炸裂し、指向性を持ったC4の爆風によって
数千個にも及ぶボールベアリングが室内に一瞬でぶちまけられた。
>143
息を殺し、じっと待ち構える俺の耳に射撃音のようなものが響く。
階下、しかし近い、恐らくこの階段の下で放たれたのだろう。
そうすると、この下には人間がいるということになる。
>148
足音は一瞬止まり、また動き出した。
この足音が放ったものだとすると、予想の内一つは抹消される。
即ち、人間か、化け物になりかけの人間ということになるだろう。
(やったじゃない!人間よ!)
「(どうかな、この状況でテロリストの一味やスパイ関係の人間でないとは言い切れん)」
下手をすると、姿を見せた瞬間にズドンとやられるかも・・・というわけだ。
足音が少しずつ上に近づいた時の事だ、
足音の気配が急に薄くなったのだ。俺に気付いたのだろう。
「(殺気が感じるな、奴さんも同じ事を考えてるのかもな)」
>「おい、誰かいるのか?いるなら出てきてくれ」
階下から声が響く、俺が化け物であるとは考えないらしい。
馬鹿なのか、大物なのか・・・それとも余程鋭い人間なのか。
先程の銃声がこいつから発せられたなら、こいつは銃を持っているはずだ。
下手に刺激するよりも、その言葉に従うのが正解ってところだろう。
「オーケイ、わかった、出て行くから撃たないでくれ。」
こんな状況でも軽口は平然と出てくる。
「(それじゃ、任せたぞ、どうも俺が喋ると敵意をむき出しにする大人気ない奴が多いからな。)」
私はゆっくりと階段を降りて行く、人の影が朧ながら見えてきた。
現在地:31-30階 階段
状況:(明良)声に呼びかけられ階下へ ドレス(黄) 裸足 持ち物なし
>144
「あ〜」
扉を出るといきなりゾンビが襲い掛かってきた。
>131
>「すまんが、私はついていくよ。危険なところでも構いやしないから」
篠原さんがそう話してくれた。正直ホッとした。
「良かったわ。残ると仰ったらどうしようかと思ってましたのよ」
共に行くのも危険だけれど、あの警官と二人きりになるのも同じくらい危険だったからだ。
民家は炎に包まれていた。
あの沢山の遺体も、これで荒らされる事は無い。
>140
>「……それでいいんだよ、理解しない方があいつの為になる。嫌な事は思い出したくないのが人間だ」
バーンズさんは意味深な言葉を残し、黙り込んでしまった。
「そうですわね……」
恋人にウィルスを投与されて、嬉しい筈はありませんわよね。
外観は全く変わっていないようですけれど、ロバートさんの感染状態はどんなものなのかしら?
まあその辺は、本人に直接聞いたほうが良いだろう。
ロバートさん達の漫才のような会話を聞きながら、荷台を覗き込んで仰天する。
荷台で眠っていた筈の赤木さんが、どこにもいなかった。
「そんな……!」
>「・・・OK,時間が勿体無い、さっさと車に乗って研究所に行こう。ついでにホットドッグも食べたい」
呆然としていると、私の脇をすり抜けロバートさんが荷台へと乗り込もうとする。
「ロバートさん待って、感染した赤木さんがいないの。あんな身体で一体どこに……?!」
そこまで話して、不意に口を噤む。突然大地が小刻みに揺れ出した
ロバートさんが荷台の幌に手をかけ外を見た。
「何……?!」
揺れは地響きとなった。
>「GYAAAAAAAAA!!!!」
突如すさまじい咆哮が上がったかと思うと、突然私の足元にあった地面が消えた。
状況/民家 軽トラック付近 グレイブディガーにより、突如足元の地面が無くなる
服装/所持品:和装/アンプル(抽出高分子入)×2、救急セット 研究員の手帳(カードキー) 写真 古びた日記、
親子の写真、カレー3食分
>143>144>148
ほぼ完璧な射撃に安堵の溜息を漏らす。
ブランデンブルグがにやりと笑った。
くそ、こいつを作った奴はもう少し顔の筋肉を人間に近づけるべきだ。
ただ狼が牙を剥き出しにしているようにしか見えない。
>「あたしね、ずっと人の死ってもっと尊厳のあるものだと思ってた。でも、違うのね。
どんなに素晴らしい人間だったとしても、死んだらただの肉と血の塊になっちゃうのね…。
ミスタ・ルイス、人ってあっけないね。
――――何かね、あたし、死体を見ても、ただの物みたいに見えてきちゃうのが怖いの。
あたしはたいした怪我もせずに生きてるのに………怖いなんて、贅沢なのかな?」
「人生の深遠なテーマだな。」
撃ち殺された死体を見下ろしながらマクナブが呟いた。
>「本当言うとね、あたし、ミリアさん達の後を追いかけていきたいの。
…でもきっと、行っても何の役にも立たないのよね」
「ああ、役には立たないだろう。」
>「ミスタ・ルイス。川崎さんはうまくいったら、、きっと無線を入れてくれるわよね?」
「あいつは上手くやるだろうな。」
死者は鏡だ。
無表情にシグのマガジンを入れ替える桃華は完全なショック状態だった。
死ぬ事を恐れているなら、死体に恐怖を見出す。
今、桃華は死の正体を知ってしまった。
多分、ミリアの身に降りかかる死の正体を。
顧みられる事も無く、敬意を払われる事も無く、ただ朽ちていく死体の中に人生の終わりを見出してしまった。
「死ぬのは怖い。ただの土くれになってしまう。
光も見えない。花の匂いを嗅ぐ事も出来なければ、思いを伝える事も出来ない。」
ガスマスクを外すとその場にしゃがみ込む。
桃華の両肩に手を掛け、ゆっくりと言葉を紡ぎ出す。
「桃華、一つ宿題を出そう。ここから生きて帰ったらしっかり考えるんだ。
この死の教訓を考えるんだ。」
死者から何か教訓を引っ張り出してやりたい。
視線の先には、幸福とも美しいとも言えない死者が眠っていた。
目は着弾の衝撃で眼窩から外れ、腐敗した皮膚は蒼白く、爪は醜く捻じ曲がっている。
「よく考えるんだ。そして誰だっていいから伝えるんだ。」
死者の尊厳を打ち砕くのは何時だって生きる人間だ。
勝手に殺して、その死体を踏みつけて・・・くそ、言いたい事が上手く伝えられない。
「死者を死体にしてはいけないんだ。尊厳を与えてやらなければならないんだ。」
多分、それは一番過酷な人生だとマクナブは思う。
死者を笑い飛ばす事も出来ず、狂気に逃げる事も出来ず、死者と向き合う人生。
だがそれでも、とマクナブは思う。
それが誇り高い人生なのだ。
「この宿題に期限は無い。多分、君が死ぬまでそれは続くと思う。
時間を幾ら掛けても構わない。」
だから、とマクナブが笑った。
「いつか一緒にブレコン山地に行こう。キャンプをするんだ。輝く星の下で、君の考えを聞かせて欲しい。
俺は薄汚い殺し屋になってしまった。だからこそ、君の考えを聞きたい。
新しい考えが浮かぶ度にキャンプに行く。」
きっと川崎もミリアも聞きたがるだろう、と付け加えた。
その声に答えるように微かに銃声(>144)が聞こえた。
マクナブが耳を澄まし、微かに笑った。
「もちろん薄汚い殺し屋は俺だけだ。だけど、絶対にキャンプに行くんだ。みんなで。
今の銃声も行きたいって返事だ。そうに決まってる。
このくそ忌々しいドイツ人も一緒だ。なんだったらこいつの為に飛行機をハイジャックしてやったっていいんだぜ?」
親指で狼男を指差して笑った。
子供の頃からキャンプになんて言った事が無かった。
外で寝るのは訓練か戦争に行く時だけだった。
親父は仕事が見つからず不機嫌で俺をよく打った。
家族でどこかへ行くなんて考えた事も無かった。
とてもじゃないが言えなかった。
>「……シノザキさん戻ってこないわね。…ねえ、様子を見に行かない?」
「おっと。そうだな。すっかりシノザキをメンバーに入れるのを忘れてた。
合流したら無線を入れよう。あの二人をキャンプに誘ってやるんだ。」
ガスマスクを装着し直すとマクナブが階段に向かって歩き出した。
もしかしたら俺は親父よりも酷い男かもしれない。
親父は約束を破った事は一度も無かった。
キャンプに行こうと言った事も無ければ新しいスパイクシューズを買ってやるとも約束した事は無かった。
約束をした挙句、破って失望させる事は一度も無かった。
だが、今は桃華と一緒にキャンプに行きたかった。
全員揃って無事に帰れる気がした。
その為なら俺は幾らでもゾンビ連中を殺してやろう。
>155
「かゆ…うまうま」
背後からゾンビが襲いかかってきた。
>130
>「ありゃ・・・件(くだん)か?」
>「他所じゃ人の頭に牛の体なんだがな。ここいらじゃ蝸牛の頭に人の体なんだ。
ほれ、蝸牛も牛だろう?」
いきなり何の話だ。
要領を得ない生物の話を淡々と続けている男が不安になってきた。
「蝸牛は牛には見えないが・・・」
>「なぁ、あんた。」
>「もしかしたら日本中がこの村みたいになってるんじゃないのか?人食いばっかりの世の中になってるうじゃないのか?」
悪くないだろう。
下卑た政治、堕落した大衆、ブルジョア気取りの支配者を見なくてもいいのだ。
あの劣悪な連中を見ると吐き気がしてくる。
低俗、かつ単純にして貪欲なその姿は生物として最も恥ずべき体態である。
「もしそうなっているなら、今頃は研究資料やサンプルを持って海外へ脱出しているさ。
この村は厳重な包囲下に置かれている。鼠一匹逃げ出す事もできない」
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 車外
状況: 村田と会話中
>139 126
「お前か・・・あの爺さん達に貰ってくれ。俺より貯金もあるだろうし、年金もたっぷりだろう。
多分、寿命も俺よりたっぷり残ってるに違いないだろうよ。」
あまりに変わらない小川のその物言いに、思わず口を笑みの形に歪める。
ただ、一つ気になる点は、小川の小銃の銃口がこちらに向けられている事だ。
おいおいおい、勘弁してくれよ・・・唯でさえボロボロになった喪服を更に穴だらけにするつもりかコイツは?
それに俺は今、決着をつけようなどと思っちゃあいない。
まったく・・・コイツはよくよく人の話を―――人じゃあないか、一体何回間違えるんだ俺は・・・―――化物の話を聞かない奴だ。
口に笑みを浮かべたまま、小銃の銃口を掴み、へし曲げる。
説明をしてやるから、少し落ちつ・・・、え?
小川の懐で何かが鈍く光り輝き、そして轟音と共に火を吹いた。
腹部に凄まじい衝撃が走り、俺は思いっきり勢いよく吹き飛ばされる。
まるでデカイ金槌が腹部を直撃してそのまま貫いき、それでも物足りずに振り回した挙句ハンマー投げのように投げられたような衝撃。
背中に地面の感触を感じながら、少々呆然となる。
まさか、あそこまで問答無用に撃たれるとは思わなかった・・・いやいや、マジで。
しかし・・・そこが小川の素晴らしい所だ。あの問答無用っぷり・・・本当に素晴らしい。
>「起きろよ、ユダ。狸寝入りは化け物になってもやるのか?」
そんな小川の言葉に口が更に歪むのがわかる。
あぁ、起きるさ起きるとも・・・狸寝入りはもうしない。
身体に力を込め、、起き上がろうとした時、ふと違和感に気づいた。
身体に力が・・・入らない、いや・・・正確には言えば、感覚が・・・無い?
上半身は動く、左腕も自由に動くし、中途半端な右腕も動く、でも下半身が動かない。
これは・・・些かやばいかもしれない、腹部を撃たれた時、ついでに背骨まで抉りやがったか?
ふと、顔を横に向ければ、駄犬が触手を振り回しながら近づいてきている。どうやら標的をチェンジしたらしい。
これは・・・かなりマズイ。回復にどれほどかかる?そもそも回復できるのか?いやできたとしてもどれ程・・・ああ思考が纏まらない。
そんな事を考えているうちに、駄犬は俺のすぐ近くまで接近し、触手を振り上げた。
>146
駄犬が触手を振り下ろさんとした瞬間、白い光が瞬き、そしてその次の瞬間、視界がオレンジ色の光で染め上がった。
身体中が粉微塵になるような衝撃が俺を襲う。腹に空いた穴に爆炎が入り込み、臓器を焼いていく。
外と内、両方から焼かれるのは初めての感覚だ。身体の内と外、両方からジリジリとした痺れるような痛みが走る。
焼き加減はどんなもんだろ?外はカリカリのウェルダン?中を血の滴るレア?
ああ・・・あれ?ひょっとして、俺って死ぬかもしれない?
グルグルグルグル回る視界、自分の身体の焼ける不快な臭い、そして地面に叩きつけられる衝撃。
身体の内と外を両方焼かれて無事でいられると思うか?答えはNO、だ。
ぼやける視界の中で身体に炎を纏わり立ち上がる駄犬の姿が見える、が・・・なんだかどうでもいい。
鋭利な触手を誇示するが如くヒュルヒュルと音を響かせながら、今度こそ俺に止めを刺す為に歩いてくる。
・・・あぁ、もしかして・・・死ぬかもなコレ・・・流石に首を斬られちゃ生きていけないしな・・・。
駄犬の姿がどんどんぼやけ黒くなっていき、底なしの沼に沈んでいくような気持ちの良いような悪いようなこの感覚。
何処かであじわった事のある感覚、どこだっけ?・・・どこでもいいか・・・。
完全に視界が闇に染まり、音も消える、何もかもわからなくなる。
・・・終わり、か・・・残念だ、酷く酷く、残念でならない・・・・・。
何が残念なのだろうか?宴会を出来なかった事?同胞を解放できなかった事?いいや違う、小川と殺し合えなかった事が残念なのだ。
あ・・あ・・・残念・・・て・・も・・・念・・・だ。
どろどろな液体の中を、ゆっくりと沈んでいくように、俺の意識は闇の中へ吸い込まれていった。
所持品:自分の右手
現在地:九武村 分校 校庭
状況:全身大火傷 意識不明
>
>「蝸牛は牛には見えないが・・・」
怪訝な表情を浮かべる佐治を見返す。
「・・・そういう事か。漢字の話だ。蝸牛って漢字の後ろの字は牛だろ。
恐らく最初に件(くだん)って妖怪がいて無理やりそれに合わせたんだろうな。」
猟銃を片手に持った村田が呟く。
件のほとんどは全滅していた。
>「もしそうなっているなら、今頃は研究資料やサンプルを持って海外へ脱出しているさ。
この村は厳重な包囲下に置かれている。鼠一匹逃げ出す事もできない」
「そうでなければ困る。大宮の爺さんの言った事もどこまで本当なんだろうな。」
ナメクジ頭の化け物に押されて校舎に逃げていく大宮大佐を見て村田が笑う。
その時、連射音が校庭の端から聞こえた。
トラックが爆発し、炎上する。
「あんたの友達も死んだんじゃないかね?だとしたらもうここに用は無いだろう。」
>159
>「・・・そういう事か。漢字の話だ。蝸牛って漢字の後ろの字は牛だろ。
恐らく最初に件(くだん)って妖怪がいて無理やりそれに合わせたんだろうな。」
『カタツムリ』という漢字を思い出そうとしたが、どんな字かまったくわからない。
まぁ、牛という字が入っている事に間違いないだろうが・・・
>「そうでなければ困る。大宮の爺さんの言った事もどこまで本当なんだろうな。」
あの連中は村から脱出云々と言っていたな。
村から脱出できたとしても、そこに待っているのは平穏ではなく地獄だ。
どのみち此処にいる彼らは殺される運命にある。私とて例外ではない。
「あの老兵連中はどこまで知っているんだ?」
>「あんたの友達も死んだんじゃないかね?だとしたらもうここに用は無いだろう。」
judasは死んだのだろうか。
だとすれば存外に脆かったという事になる。がっかりだな、所詮は『試作品』に過ぎなかったのだろうか。
それよりもあの不気味な生物は何だろうか。
我々の開発したB.O.Wにあのようなタイプはいない筈だ。
人間の頭部に寄生し、銃火器ですら使いこなしている。ただの寄生生物ではない。
「・・・見に行ってみないか?」
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 車外
状況: 村田と会話中
>148
ぼとっ
天井からナマコほどもある吸血ヒルがシノザキの首筋に落ちた。
しかも一匹だけではなく、堰を切ったように大量のヒルが降り注いできた。
>160
>「あの老兵連中はどこまで知っているんだ?」
「知らん。山の中に軍事施設があるのは事実だ。それに爺さん連中が言っていた隣町の連隊の話も本当だ。
親父がたまに戦友会に行く事があった。」
むっつりとした表情で答えた。
>「・・・見に行ってみないか?」
佐治を見ると校庭に向かって歩き出す。
>160
校庭ではトラックが炎上している周りに燃え上がるナメクジ頭がいた。
猟銃で撃つと簡単に吹き飛んだ。
そのまま倒れ立ち上がる事は無かった。
「死体を調べたければ調べるがいい。燃えたので良けりゃ・・・驚いたな、お前のお友達はまだ生きているぞ?」
意識は失っているが胸が規則的に動いている。
溶けて喪服と一体化した足を引っ張ってみると皮が簡単に剥がれ落ちた。
「肉までは焼けてないのか。それよりもこの皮膚は何なんだ?」
さっきまで足を掴んでいた手から鱗が落ちる。
「焼けた皮膚の下に新しい皮膚が出来とる・・・まるで脱皮だな。」
佐治の方を見て村人が歯を剥き出しにした。
「ちっと治療してみんか?こいつは俺たちと同じ事を考えているみたいだからな。」
>129 >138 >141>147
何かが私の膝を揺さぶってる。
なあにママ、もう朝なの?ごめん、あと5分だけ寝かせて・・・・。
そんなふわふわした夢見ごこちは、銃を撃つ音にあっさり破られた。
慌てて目を擦り、周りを見回した。
前の座席に、小さくくりぬいたような跡がついている。よく見ると私のシートにも穴が開いていた。
「何かに捕まって!」
助手席の山田さんが叫んた。車は蛇行し、あちこちぶつかって酷いことになった。
私が寝ている間に何があったんだろう。
フロントガラスには、まるで蜘蛛の巣が張ったみたいにヒビが入っていた。
だけど赤い液体がかかった部分から、ガラスはまるで水飴のように糸を引き溶け出していた。
あれは一体何なの?
それにしても御手洗お兄ちゃん、そんな運転で免許本当に持ってるの?
今までで一番酷い運転だよ。
私はふと膝が冷たい事に気づいた。
あれ?モフがいない!
慌てて車内を見回すと、逃げ出そうとドアを前足で叩く二匹の姿があった。
「モフ、落ち着いて!」
止めようとしたら猫パンチならぬ犬フック貰っちゃった。
「大丈夫だよ、大丈夫!何とも無いから落ち着いて!」
痛い痛い!蛇行する車のせいであちこちぶつかってる。
山田さんは運転席の方に身を乗り出し、ハンドルを握っていた。
パンクした車は制動を失っていた。
山田さんはハンドブレーキを使いつつ、山肌に車を押し付けるようにして車を停止させようとしている。
暴れるモフを無理やり抱きしめようとする。
>「……少佐、即死です。もう息がありません」
「モフ!いい加減こっちに・・・・え・・・・・・?」
力が抜けたところで、モフが腕から逃げ出していった。
誰が即死したんだろう。私はおじいちゃん達の方を見た。
>「………我々は、二人がかりで村民の一人も守れんのか…」
きっと怪物の事よ。そう自分に言い聞かせていたけれど、私の願いは次のおじいちゃんの言葉で砕かれた。
・・・・・嫌な予感って、どうして外れてくれないんだろう。
ようやく停車した車のドア前で、私は蹲って小さくなった。
「ねえおじいちゃん、いったい何の話?即死って誰のことなの?」
うすうす察してはいた。
だけどはっきりさせたくないっていう私の気持ちとは裏腹に、口だけが勝手に動いておじいちゃんに問い掛けていた。
>151
「うげぼぉ…」
背後に迫ったゾンビが胃液を飛ばしてきた。
>163
「GYAAAAAAA!!!!」
前方にグレイブディガーが突然現れ、車に襲い掛かってきた。
>151>161>164
ぺたぺたという足音が階段を下りてくる。
現れたのは年のころなら16、7の女の子だ。
足音から察せられたように裸足、ドレスの裾を裂いて縛っている。
逃げてきたパーティの出席者か、さもなきゃその手の店で働いてるか。
後者は恐らくないだろう。どの手かは聞かないでくれ。
「すまんな。怪我はないな?特に噛み傷とか引っかき傷とか」
一言謝って銃口を下げ、しかし引き金には指をかけたままで問いかける。
>「ぼとっ」
「いや質問を擬音で返されても困るんだがね」
言いながら首筋に落ちた名状しがたい物体を掴む。
おや?
一瞬の遅滞のあと、右足を踏み込み、それを支点に体を捻る。
腰、肩、ひじと伝わった力が最後に手首で解放された。
「せいっ!」
ランディ・ジョンソンばりのクロスファイアだ。壁に叩きつけられた「それ」は、どうやらヒルの類らしい。
上を見ると、今弾けた奴のお仲間が次々にキスを求めて殺到してきていた。
俺はとっさに転がってそれを避け、そのまま階段の下まで転がり落ちた。
「ちと情熱的に過ぎるな。むしろ引くわ」
呟きながら立ち上がる。段上を見上げると、女の子の後ろに見知った影。
正確に言えば見た目には全く見覚えがない。
知っているのはそのぎこちない動きと何も映さない眼――ゾンビだ。
「伏せろっ!」
叫んで、背負っていたリュックを投げつける。角度的に銃で狙うのはほぼ無理だ。
ヒルで埋まった階段を足を取られながら駆け上がり、ゾンビの口に銃身を突っ込んで引き金を数回引いた。
「無事か?」
リュックを拾い上げながら女の子に尋ねる。こっちの中身も無事だといいのだが。
階段には踏み潰しきれなかったヒルがまだ大量にいた。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(4)、予備弾倉(20)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、火炎瓶×2、鉄串)
現在地:スペンサービル30階〜31階踊り場
>166
大量の蛇が襲い掛かってきた。
>166
影が明るんでやっと人の姿になった。
父・・・と言えるほどの年齢でも、兄・・・と呼べるほどの年齢でもない
やや中年?を思わせる男性が踊り場で直立していた。
男性は彬の言葉に銃を下げてくれたが、まだ警戒は解かれないようだ。
>「すまんな。怪我はないな?特に噛み傷とか引っかき傷とか」
多分彼は私が「化け物」になりかけているので無いのかと考えているのであろう。
裸足で走っていた関係上、足の裏に傷があるのは隠せない。
噛まれた事、引っかかれた事は無いにしても、感染の道は幾らでもありそうだ。
「足の裏を怪我している以外は特にありませんよ。」
>161
目を擦る。はて、男性の質問に返答し、男性の姿を捉えた私の目に何かが映った。
黒い物体がぼとりと天井から雨のように降り注いでくる。
男性は物体を引き剥がし壁へと投げつける。物体はなにやら汁のようなものをぶちまけて動かなくなった。
「蛆?蚕?蛭?ひぃぃぃ!」
呆気に取られる私、しかし未だ物体の雨は止まない。
>164
>「伏せろっ!」
男性は物体を投げるのと同じ要領で背中に背負った、恐らくリュックを私の方角へと投げて寄越す。
「へっ?」
咄嗟に避けるとリュックは後方に、そして背中に鈍痛、衝撃、熱い感触があった。
痛みが私の体を後方へと振り向かせる。
「ああああ!ゾンビいぃぃ!」
化け物は男性による銃撃で倒れたようだが
私は眩暈に気を取られてそれどころではない。
>「無事か?」
「熱い・・・何今の・・・。」
不意打ちに突如体がよろける。しかし目の前には未だ物体―ヒルのようなものが蠢いている。
>167
「ああああ!蛇いぃぃ!」
余計なものは何故か「何であるか」が分かるものだ。
男性に襲い来る蛇は、私に颯爽と蛭を踏み潰しながら階段を駆け下りるという作業を
選択させた。足の裏の嫌な感触が皮膚の表面を伝わって交感神経を刺激する!
踊り場から飛び降り、一気に階下へと落ちる
恐慌は、私に落下による足の痛みと、周囲の人影の気配を完全に失わせていた。
「あ・・・さっきの人・・・は・・・。」
現在地:スペンサービル30階
>
「校舎裏の駐車場で合流しましょう!」
周囲を警戒しながらAK74のマガジンを交換、初弾を装填し、移動を開始する。
5.45mmの銃弾を受けて燃え上がるトラックからは何の感慨も感じなかった。
ショックも無ければ充足感も無し。
ただ単に疲労が噴出してきただけだった。
何時だって希望にしがみ付いては振り落とされてきた。
これだけ世の中に欲望を満たすものが氾濫していながら何故、何一つ手に入れる事が出来ない?
・・・止めろ。
今は生き残る事に集中しろ。
自分に言い聞かせると深呼吸をする。やるべき事は十分に残っている。
俺には殺されるリスクとスリルが残っている。
AK74を軽く握り、単純な欲望に身を任せると校舎の裏へと走り出した。
所持品:シグP226(1)、AK74(30)+?、マガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校舎西側
状況:分校北側の駐車場に移動
>169
校舎の裏から飛び出してきたクリムゾンヘッドのタックルをモロに受け地面に押し倒された。
倒れた拍子にAK74は手から離れ、どこかに飛んでいってしまった。
校舎の裏からは次々と新手のゾンビやクリムゾンヘッドが現れ、小川に喰らい付こうと群がってきた。
「うげぼぉ…」
馬乗りになったクリムゾンヘッドが身動きの取れない獲物の顔面に強酸の胃液を吐きつけた!!
>142>153 「良かったわ。残ると仰ったらどうしようかと思ってましたのよ」
そんな風に桂木は言った。別に一人で残っても大丈夫なんだが。
不意に小さな揺れが断続して起こる。
「地震・・・?」
しばらくすると、揺れは地響きに変わっていく。
「これは・・・!?」
>「GYAAAAAAAAA!!!!」
突然響き渡った凄まじい咆哮が私の耳に届くと同時に、足が着いている
感覚がフッと消えた。
「・・・・・・!!」
そのまま落ちる。抵抗はもちろん出来なかった。
現在地:民家脇の道路
状況:崩れ落ちた道路を落下中。
>170
「SYAAAAAA!!!」
クリムゾンヘッドの胃液がまさに吐き出されようとした瞬間、
ハンターが馬乗りになっていたクリムゾンへッドにタックルを仕掛け、吹き飛ばしていた。
しかし別にハンターは小川を助けた訳では無い。クリムゾンヘッドの獲物を横取りしたのだ。
「SYAAAA!」
今度はハンターが小川に向って鋭い爪を繰り出してきた。
>160>162
「GYAAAAA!!」
judasを見ていた二人をリッカーが襲う。
最初に狙われたのは佐治であった。
凄まじい勢いで舌を胸に突き立てようとしている。
>169,170.172
AKが飛んでいった方向からAKを飲み込むように大量のゾンビ毛虫が現れた。
毛虫は足が遅いようで襲われる危険は薄いが、このままではAKを拾えない。
「・・・やっと30階か・・・・さすがに・・・疲れた・・・」
肩で息をしながら、階段に座り込む。
全く、傘もいらん事をしてくれたものだ。
もう少しで麻薬王をブタ箱に押し込められたのに、全てが台無しだ。
おまけにDEAの捜査官にも犠牲者が出てしまった。
俺以外の9人は死亡、残りの4人は分からない。
まぁ生存は期待しちゃいないが・・・・・何せ、この状況だ。
生きていたら上層部に昇進を推薦してやってもいい。
・・・最初からこの作戦は間違っていたんだ。上層部は全員責任とって辞職しろ。
>168
>「あ・・・さっきの人・・・は・・・。」
「What?」
今、上から人の声がしたような・・・・いや、確かに聞こえた。空耳じゃない。
もし人間なら、一緒にいた方が生存の確率は高まるかもしれない。それなら見に行く価値はある。
・・・では、今のが人間では無かったら?悪くすれば殺される。だが、どこに居ても危険なのは同じだ。
ならいっその事、一か八か出て行って「Freeze!!」と叫んでやればいい。
それで俺の首が飛んだら、楽になれていいじゃないか。よし、行くぞ!
銃を構え、階段の陰から踊り場へ飛び出す。踊り場には予想通り人が居た。服装からして女性らしい。
「動くな。お前は人間か?人間だと言うのなら、何か喋ってみろ」
油断無く、照準を頭に合わせ、目の前の女性に向かって問いかけた。
名前:ウィリアム・パターソン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(17+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:スペンサービル30階
176 :
名無しになりきれ:2006/07/16(日) 23:17:43
>175
17×6+17+1匹のゾンビが一斉に襲いかかった
>135
>「多分、じゃねえだろ!?」
「あふっ!?」
スカーンっと灰皿がヒットしたこめかみを抑えて叫ぶ。物がごついクリスタルガラスだから、ヘタしなくても死ねる一投だ。
>「……確かなんだな?」
・・・・・えー、不確かなんですが、この状況で100%を求められましてもねえ?
とりあえず、僕は涙目で頷くにとどめた。
言いたいことも言えない世の中なんだよ、ママン。
>145>149
ダメージで朦朧とする頭でボーっと物騒女の背中を見てたら、コメディタッチなタイミングでネメシスT型が現れた。
・・・・・・・・・ん?
うそっ!? ここ逃げ場ないし!!
>「こいつの動きを止める方法があんなら、とっととやれ。なけりゃ早くシャフトに逃げ込め」
では、遠慮なく。
「ひあああああっ!!」
頭の中は結構冷静なんだけど、口から出るのは悲鳴だけだ。後ろも見ずに、言われたままにシャフトに飛び込む。
あの強面を前にしても物騒女は余裕の余の字だった。何か手があるのかもしれない。
生き残る確率を上げるためにも、ここは手を貸してあげたいところなんだけどねえ・・・・・如何ともしがたいです。はい。
ってことでお任せ!
見ると、ガキの方は僕よりも早くシャフトの中に退避していた。中々の逃げ足じゃないかボーイ?
>150
ネメシスの吠える声が聞こえてくる。
恐る恐る部屋の中を覗いてみると、奴が持っていたトランクを開ける瞬間に立ち会ってしまった。
僕は、結構危険には敏感なんだ。
中身はなんだろう? とか思うこともなく、頭を抱えて後ろに転がる。
爆発音と硬い音が響く。指向性のクレイモア地雷じゃないか!?
えらい物使ってくれるなあ・・・・・やっぱりネメシスは凶悪だ。あの身体能力で近代武器まで使ってくるんだから。さすがB.O.Wの花形だね。
まあ、僕の美的センスとは相容れないんだけど。
・・・・・・・・・・ああっ! 思考が横道に逸れてるしっ!?
あの女は無事なのか? あいつが死んだら、次は僕らじゃあん!?
>154-155
>「死ぬのは怖い。ただの土くれになってしまう。
光も見えない。花の匂いを嗅ぐ事も出来なければ、思いを伝える事も出来ない。」
ミスタ・ルイスをぼんやりと見上げる。それはとても怖い話の筈だった。
だけど今はあまりに身近で、何にも感じない。死体もあたし自身も大差ない気がした。
本当は、死はいつだってあたしの傍に潜んでたのよね。単にあたしが、今まで知ろうとしなかっただけ。
ミスタ・ルイスはガスマスクを外して、あたしの肩に手を置いた。
>「桃華、一つ宿題を出そう。ここから生きて帰ったらしっかり考えるんだ。
この死の教訓を考えるんだ。」
「教訓?」
ぼんやりとミスタ・ルイスの言葉を反芻する。
>「よく考えるんだ。そして誰だっていいから伝えるんだ。」
あたしは視線を落とした。足元には『死』が転がっていた。
あたしが壊した死体は、ただの物に過ぎなかった。――――でもミスタ・ルイス。これが死の本質なんでしょう?
カードを裏返すように、何かのきっかけで生が死に入れ替わるだけのこと。
そこには何の法則も、必然も、感情も、尊厳も立ち入る隙は無い。
>「死者を死体にしてはいけないんだ。尊厳を与えてやらなければならないんだ。」
ミスタ・ルイスの話は難しすぎて、今のあたしにはよくわからない。
でも、とても大切な話をしてくれているのはわかった。
瞬きも忘れてミスタ・ルイスの話に聞き入る。
>「この宿題に期限は無い。多分、君が死ぬまでそれは続くと思う。
時間を幾ら掛けても構わない。」
だから、とミスタ・ルイスが笑った。
「いつか一緒にブレコン山地に行こう。キャンプをするんだ。輝く星の下で、君の考えを聞かせて欲しい。
俺は薄汚い殺し屋になってしまった。だからこそ、君の考えを聞きたい。
新しい考えが浮かぶ度にキャンプに行く。」
皆で行くんだとミスタ・ルイスは笑った。
遠くから届く銃声は、きっとお姉様か川崎さんだと思った。本当に生きたいと叫んでいるみたいだった。
冷え切った心に火が点った。
「ミスタ・ルイスは薄汚くなんて無いわ」
ぽつりと呟く。本当に汚れてる人は、そんな風に言わないから。
ブレゴン山地のことは、あたしには全然わからない。
だけど、これだけは理解できた。
ミスタ・ルイスは自分が大切にしている場所を、あたしにも見せようとしてくれてるのね。
あたしはもう一度、足元で眠る死者を見下ろした。
あたしがこの死者から何か学べば、この人の死は無為なものでは無くなるのだろうか。
だったらあたしは考えるわ。大丈夫、ミスタ・ルイスは待っててくれるもの。
「…………いきたい。あたし。ミスタ・ルイス。キャンプに連れてって」
肩に置かれた手を取って、ぎこちなく微笑む。
「知ってる?日本では誰かと大事な約束をかわすとき、こうするのよ」
小指を絡めて、小さく歌いながら繋いだ手を上下に振った。
キャンプに行きたい。何としても生き残りたいと強く思った。
ミスタ・ルイスの口元に刻まれた皺を見ながら、ふとあたしは、ミスタ・ルイスが『答え』を知っているような気がした。
ううん、ミスタ・ルイスだけじゃない。
多分ブランデンブルクさんも、お姉さまも、川崎さんも…もしかしたらシノザキさんだって。
それでも皆、笑って聞いてくれるのだろう。自分たちとはかけ離れた世界に住むあたしの考えを。
自分の中で息づく『答え』とは、全く違う考えである事を密かに願いながら。
「約束よ、ミスタ・ルイス。こんな所さっさと抜け出して、みんなでキャンプにいくの]
ミスタ・ルイスは再びガスマスクを装着し、歩き出した。
ポンとあたしの背を叩いて、ブランデンブルクさんが先を促した。
「ミケさんも一緒に行くんだからね?勝手に消えちゃダメなんだから!」
「……残念ながらそんな時間は無さそうだよ、フロイライン」
ブランデンブルクさんはひとつため息をつくと、聞き分けの無い子供を宥めるようにあたしの頭を撫でた。
完全な子ども扱いに口を尖らせる。
――――あたしがこの言葉の意味を知ったのは、ずっとずっと後になってからだった。
>156
ぐい、とミケさんに腕を引かれて、あたしは立ち止まった。
何をと言いかけた言葉は、中から現れた2体のゾンビによって遮られた。
ミケさんが容赦なくゾンビを殴り倒した。頭を砕かれたゾンビは壁に叩きつけられ、動かなくなった。
「危ない!」
狼男の手を逃れたもう一体は、ふらふらとミスタ・ルイスの方に向かっている。
>162
>「知らん。山の中に軍事施設があるのは事実だ。それに爺さん連中が言っていた隣町の連隊の話も本当だ。
親父がたまに戦友会に行く事があった。」
老兵どもが足掻いたところで変わる状況ではない。
連隊がいたところで所詮は老人の寄せ集めだ。多大な価値があるとは思えない。
>「死体を調べたければ調べるがいい。燃えたので良けりゃ・・・驚いたな、お前のお友達はまだ生きているぞ?」
冗談を言っているのかと思ったが確かに生きている。
つくづく妙な生物だ。
>「肉までは焼けてないのか。それよりもこの皮膚は何なんだ?」
>「焼けた皮膚の下に新しい皮膚が出来とる・・・まるで脱皮だな。」
素晴らしいな。
人間にも治癒能力があるがjudasとは比べものにならない。
この男には寿命というものがあるのだろうか。
>「ちっと治療してみんか?こいつは俺たちと同じ事を考えているみたいだからな。」
このままなら放っておいても問題はないだろう。途中で回復が止まるという事は考え難い。
「その必要はないな」
私は蝸牛頭の死体へ歩き始めた。
>173
>「GYAAAAA!!」
甲高い狂声が聞こえた。その後はどうなったのかわからない。
気付いた時、私の胸にはリッカーの舌が突き刺さっていた。
鮮血が飛び散るのが見える。
「ぐ・・ぁ・・!!」
この低劣な試作品に私は殺されるだろうか。
我ながら無様な最期だな。飼い犬に手を噛まれたようなものだ・・・
所持品: 斧、拳銃(弾数4)、抗ウィルス剤(8錠)
現在地: 分校
状況: 瀕死
背後のゾンビが熱湯でもかけたのか、やたらと背中が疼く。
それにしても先程の男性には悪いことをしてしまった。
私は駆け下りて化け物だらけの踊り場を脱出できたが、
男性は未だあの渦中にいる。
(そうとう戦い慣れしていると思うが・・・)
私は気になってまた、階段を昇り始める。この際地面の蛭は踏む。
>175
>「動くな。お前は人間か?人間だと言うのなら、何か喋ってみろ」
誰に言っているのか?勿論私である。
「い・・・ろはにほへと、ちりぬるをわ・・・」
「何か」咄嗟に出た言葉は何故か伊呂波歌
なんでそんなみょうちくりんな選択になったのか?
答えは一つ、彼の手には拳銃が握られているから。
(拳銃か・・・こいつは一般人じゃあないな、上の奴は分からんけど)
(生存者捜しか?なら・・・利用は出来そうだな)
私は彼に駆け寄る為に階段をまた飛び降りる
「あの、会ったばかりですいません、この上の踊り場で
私を助けてくれた人が襲われているんです。助けてくれませんか?」
なんとも不躾な、私自身も、彬もそう思った。
しかし私は武器を持っていないし、上の男性も助けたい。
折角の希望に、すがらない手は無い。
>179-180
男性に助けを求めている時、不意に小声が聞こえた気がした。
その後、衝撃音、更に別の声も聞こえる。まだこの階層周辺に
人がいるんだろうか?
状況:>175と出会い、助けを求める >179-180の音を感じる 蛭、蛇、ゾンビから逃げる。
>170.172.174
校舎の角に差し掛かった所で赤い影が飛び出してきた。
バックステップしながらAK74を素早く構えるが、薙ぎ払いによってAKが弾き飛ばされる。
そのままクリムゾンヘッドが圧し掛かり、完璧なマウントポジションによって身動きを封じられてしまった。
(・・・ま、自業自得か・・・仕方ない・・・か)
圧し掛かったクリムゾンヘッドの喉がごろごろと音を立てて動く。
(・・・好き好んでここまで来たんだ・・・殺される覚悟は・・・)
一瞬、山田あすかの勝気な顔が脳裏を過ぎった。
走馬灯でもなく、ユダの顔でもなく、ひまわり色の瞳を持つ彼女の顔だった。
「死ぬまで足掻いてやるよ、くそったれ。」
顔を背けて吐き出された強酸性の胃液を回避、クリムゾンヘッドの喉笛に噛み付くべく、上半身を勢いよく起こす。
流石に頚動脈を食いちぎり、脳への酸素供給を経てば動けなくなるはずだ。
が、体を押さえつけていたクリムゾンヘッドの重みが無くなっていた。
素早く立ち上がった小川の目の前に居たのは一匹のハンターだった。
くすんだ灰色の皮膚に強靭な四肢と鋭い爪。
周囲に素早く目を配る。
(AK74は・・・くそ、忌々しい虫が・・・)
AKは醜く太った虫の群れに沈んでいた。
強酸性の液体でも吹き付けられたのかAKは溶けつつあった。
後方にはゾンビの群れ、前方にはハンター。
完全に囲まれた形だ。
>「SYAAAA!」
鋭い爪が校舎のコンクリートを削りながら迫ってくる。
小川もまた、ハンターに向かって走り出していた。
ハンターが首を狙って飛び上がった瞬間、小川は身を丸くして前方に体を投げ出していた。
空中でバランスを崩したハンターが後方にいたゾンビの群れに飛び込んでいく。
ゾンビの群れが吹き飛んだが、それだけで終わった訳ではなかった。
ゾンビの群れがハンターに纏わりつき、肉を食いちぎろうと歯をつき立てる。
ハンターもまた、そこから逃げ出そうと爪を無茶苦茶に振り回していた。
「・・・大した見世物だな。」
強打した背中を摩りながら小川が起き上がる。
「あんたも食事に加わったら・・・どうかな?」
引き攣った笑顔を向けた先には、ハンターに弾き飛ばされたクリムゾンヘッドがいた。
小川は回れ右をすると校舎の玄関に向かって走り出した。
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校舎西側
状況:校舎の玄関に向かって走り出す。
>139、>146、>169
校舎に到着した頃には、年齢に見合わぬ運動の所為で、二人とも酷く息切れしていた。
彼らは歳相応以上の体力はあるが、戦闘の後にすぐ走るという運動は流石に辛かったらしい。
蛞蝓を駆逐した鈴木は、何かを叫んで何処かへ走り去ってしまった。
「……へ、兵長…中尉を呼んで来い…被害報告を聞かなければ…」
「了解しましたっ…!」
息を切らせつつも敬礼を行なうと、金田兵長は窓から校舎へと飛び込んでいく。
>158
兵長を見送った大宮大佐は、その場に座り込んで煙草を咥えるが、ライターが無い事を思い出して、
小さく舌打ちをすると、後ろに煙草を投げ捨てた。
「人食い怪物は…死んだか?」
先程から倒れたまま、起き上がらない怪人へ目を向ける。倒れている塊はまったく動く様子が無い。
少しだけ目を横に動かせば、動かない塊へ近づいていく人影が見える。
>162、>180
「あの馬鹿と…村田のとこの馬鹿息子か……」
大佐はどちらの顔にも見覚えがあった。村民の指揮官だった男と、村民を殺した男だ。
少なくともどちらとも友好的ではなかったし、『馬鹿』の方に関しては殺したいとまで思っていた。
だが、今の大佐にはそこまでの気力が無い。銃を構えようとはしたものの、狙いが定まらない。
>173
諦めて銃を下ろそうとした瞬間、奇声が響き渡り、照準の先に居た男が何かに押し倒された。
「……ちっ…」
一瞬でもいい気味だと思った自分を恥じ、銃を構えなおす。標的は男ではなく、怪物の方だ。
使い慣れた銃で無い上、狙いが定まらないが、当てればあの怪物の注意を自分へと向けさせられる。
そうすれば、少なくとも向こうの二人はあの怪物には殺されないし、自分は勝てる自信がある。
「…化物め……これ以上…貴様等の好き勝手にはさせんぞ…!」
揺れる照準が怪物へ重なった瞬間、大佐は引き金を引き、銃口から一発の銃弾が放たれた。
名前:大宮外吉/金田昭平
持ち物:軍刀、AK47自動小銃/猟銃、背嚢
>141、>147、>163
飯田少佐も、水野軍曹も、苦虫を噛み潰したような顔を見せるだけで、質問には答えない。
運転席に居た青年の死を告げるべきか、このまま黙っているべきかと考えていた。
「……死んだのは御手洗君だ。化物の強襲を受け、それの舌が脳天を貫通、即死した」
静かな声で少女に告げたのは、水野軍曹だった。形式ばった言い方だったが、声は震えている。
少佐は酷く申し訳無さそうな顔を見せてから、ゆっくり口を開く。
「…すまない……我々がついていながら…申し訳無い…本当にすまない……」
少女、看護婦に深々と頭を下げて、それから未だに運転席に座っている御手洗へと頭を下げた。
頭を下げたまま、何度も何度も繰り返し謝った。
「…少佐、そろそろ頭を上げてください。残念ながら、彼を埋葬している暇は無いのです」
「だが、彼をこのままにしておくのは……」
御手洗の死体を置き去りにする事に抵抗があるのか、まだ言葉に迷いが見える。
「埋葬する間、生き残った村民までもを聞きに晒すつもりですか?」
「…………わかった、行こう。軍曹、君は後方の警戒を頼む。私が先頭だ」
軍曹の言葉に押されて、少佐は軽く深呼吸をしてから銃を持つ。
「では、これより移動を開始する。異常に気付いたら、すぐに私か軍曹に知らせてくれ」
行動の準備を終えた二人は、少女が青年の死を上手く受け止めてくれる事を願った。
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>182
ハンターに弾き飛ばされたクリムゾンヘッドは、ゾンビとは思えない身のこなしで
軽々と立ち上がり、短距離走者のようなフォームで182に向かって走り出した。
とんでもない速さだ!!
>180,183
>「その必要はないな」
「あんたが言うならそうなんだろう。」
村田はむっつりと押し黙った表情でクダンの死体に近づく佐治の背中を眺めていた。
>「GYAAAAA!!」
>「ぐ・・ぁ・・!!」
「野郎!」
校舎の方から飛んできた銃弾がリッカーの剥き出しの脳味噌を貫く。
止めとばかりに手にしていた猟銃でリッカ―の頭を撃った。
その場に座り込むと佐治の胸の様子を見た。
「しっかりしな。胸の筋肉が裂けてるだけだ。肋骨に当たって逸れたんだろう。」
止血をすれば動ける傷だ。
痛みによるショックを乗り越えられれば大丈夫だ。
「・・・感染しちまったかな?化け物になる前に殺してやろうか?」
持物:猟銃、弾25発
現在地:校庭
状況:佐治の怪我を診断する
>167-168>175>181
リュックの中身に破損はなし。
・・・カメラに関して言えば見た目には分からない損傷がある可能性は捨てきれないが。
女の子の方はどうだろうか。目を上げる。
>「ああああ!蛇いぃぃ!」
叫びながら駆けて行った。大変元気がよろしくて実に結構。気になることを叫んでいたが。
俺は階段を一歩下りながら振り向いた。ちょうどそこへ蛇が一匹飛びかかり、銃のストックに牙を立てた。
数センチずれてりゃ肘に食いつかれるところだ。そのまま銃を振って、壁とストックの間で蛇を叩き潰す。
一息ついて顔を上げると、天井の隙間から続々蛇が這い出してくるところだった。
「クソ、なんてぇ安普請だよ!」
俺はぼやきながらさらに下がる。蛇はすでに踊り場の半分程度を征していた。
明らかに毒を持っている奴もいれば、見たこともないような酒類のもいる。ヒルも未だに階段で蠢いていた。
舌打ちを一つして、ポケットからニコチン液を取り出し、辺りに少しずつ撒いた。蛇もヒルもニコチンを嫌うからだ。
・・・こんなもの好んで吸う人間ってのは一体何なんだろうなぁ。
勿体無いから出来れば薄めて撒きたかったが、手元に水なんかない。
ズボンの裾にも少しつけ、中の液体が当初の半分以下に減った瓶をポケットへねじ込んで階段を駆け下りる。
下りきらない内にさっきの女の子が見えた。ドレスの背中が破れ肌が赤くなっている。
さらにその向うに、銃を構える男の姿を捉えた。
「動くな!」
とっさに銃口を上げ、男を制止する。しかしこんなところで睨み合ってる余裕はない。
一瞬だけ考え、銃は突きつけたまま階段を下り、リュックを女の子へ渡した。
「中に火炎瓶が入ってる。プラスチックのピンが刺さってるから、それを抜いて投げればいい」
目線は男に据えたまま、階段の上へ顎をしゃくる。
「上に投げてくれ。二つともだ」
蛇の群れとヒルの群れ、どっちも銃で倒すには無理がある相手だが、
火炎瓶二つならスプリンクラーが作動する前に大方焼き殺せるだろう。
それよりもその後の問題、つまりこの男が何者か、というほうが多分重要だ。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(4)、予備弾倉(20)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液
現在地:スペンサービル30階階段
>154>155>178>179
>「約束よ、ミスタ・ルイス。こんな所さっさと抜け出して、みんなでキャンプにいくの]
俺はどうも湿っぽいのは苦手だったが、随分とまぁこんな魔女の釜の底で人間の温かみに
久し振りに触れられたような気がした。地獄の底でハートフルな体験とは笑えない冗談だが。
>「ミケさんも一緒に行くんだからね?勝手に消えちゃダメなんだから!」
「……残念ながらそんな時間は無さそうだよ、フロイライン」
そうとも。悪いが俺にはキャンプに行けるほどの時間は残されていない。
俺は桃華の頭を撫でたが、子供扱いされたと思った彼女は口を尖らせた。
いずれ彼女は知るだろう。俺に待ち受けている運命と言う奴がどういうものなのかを。
>156
暗がりから襲い掛かってきたゾンビに軽いジャブを見舞う。
俺にとってはジャブだが、ゾンビにとっては骨をも砕く殺人的なストレートだ。
(もう一体!)
手早く一体のゾンビを屠り、もう一体のゾンビにもジャブを打ち込もうとする。
その時だった。
「ぐっ…!?」
胸に鋭い痛みを覚え、俺は堪らず両膝を付いた。糞、こんな時に『発作』か。
「ごほ、ごほっ!」
胃の内容物が逆流するような感覚の後、俺は吐血した。
それから吐血をしつつその場に蹲ってしまった。ああ糞、糞、糞。タイミングが悪過ぎる。
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
現在地:30階
状況:『発作』
>142
突如ぽっかり開いた穴の斜面を、軽トラックごと滑り落ちる。
逆らう事など出来なかった。トラックのボンネットに強かに肩を打ちつけたあと、地面に転がる。
身体のあちこちに走る痛みに息が詰まりそうだ。
パラパラと土を降らせながら、ようやく崩落が終わった。
浅い息をつきながら、霞む目で周囲を見渡す。
どうやら地面が陥没したのは、地下にトンネルが開通したから…らしい。
だが、民家の地下にトンネルなどありえない。
ならば、これほど大きなトンネルを掘った生き物がすぐ近くに居るのだろう。
今すぐ逃げなければと思う。
だが体は鉛が詰まったように重く、指一本動かせそうになかった。
化け物の咆哮がビリビリと大気を震わせている。
ここに来るのも時間の問題だろう。
次第に目の前が暗くなってきた。
踏み潰されるか、怪物の腹に収まるか―― いずれにせよ、私はここまでのようですわね。
…………そうえいばロバートさん達や篠原さんはどうしたのだろう。
上手く逃げ切ったのなら、良いのだけれど………。
地響きが起きるたびに、壁土がぱらぱらと身体の上に落ちてくる。
まあ…先に逝ったあの人にまた逢えるのなら…ここで終わるのも悪くないかもしれない。
ここなら墓穴も必要ないわねえ。なんて手回しのいいこと……。
崩れてくる土砂に徐々に埋まりながら、私の意識も闇に沈んだ。
現在地:民家敷地内 グレイブディガーによる巨大なトンネル内にトラックごと転落
状況:全身打撲 意識不明 崩落する壁土により、土の中に半分埋まった状態
>181>187
>「い・・・ろはにほへと、ちりぬるをわ・・・」
「・・・あー、わかった。もういい。すまなかった」
銃を突きつけたせいか、少女はしどろもどろな答えを返してきた。
何でも銃で解決するのは良くないって事だな、多分。
>「あの、会ったばかりで〜〜助けてくれませんか?」
「OK,女性の頼みは断れないタチでね・・・とりあえず上に行こう」
そう言って上へ行こうとしたが、大事なことを言い忘れていたのに気がついた。
「すっかり忘れていたよ、俺の名前はウィリアム。ウィリアム・パターソンだ。職業は・・・」
最後まで言い切る前に、階段の上から男の声が響く。
>「動くな!」
男の声に反応し、即座に銃口を向ける。
そのまま撃ち殺す事も可能だが、先の少女の話もある。ここは銃を下げておこう。
上から降りてきた男は少女にリュックを渡し、火炎瓶を投げるように指示した。
「・・・・危なっかしいな、オイ」
恐らく銃火器に関しては素人な子供に、火炎瓶を持たせるとは・・・思い切りがいい事で。
しかしだ、俺は別に怪しまれる必要は無いんじゃないか?格好は普通の筈だしな。
まあ、確かにこんな所に銃を持ったちょいワルっぽいオヤジがいれば警戒するだろうが・・・
ああ何、黒いスーツにネクタイ無しでボタン留めてなかったら嫌われる世の中になったのか?
・・・何を一人で考え込んでるんだ俺は。
とりあえず、この男の警戒心は解いておきたい。さっきからずっと睨まれてる。
「・・・人をそんな目つきで見るなよ。俺はウィリアム・パターソン、DEAの捜査官だ。ウィルと呼んでくれ」
まずは初対面の基本、男に向かってにこやかに握手の手を差し出した。
名前:ウィリアム・パターソン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(17+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:スペンサービル30階
モニター越しに繰り広げられる光景をどうでも良さそうに見つめる二人の影。
「泣かせるわねー。年を取ると涙腺が緩くなっちゃってだめねぇ・・・」
ダマスカスナイフを机に突き立てながらギリスが言った。
マクナブに近づくゾンビを指差してヒムラー、後ろー!後ろー!と茶化しながらモニターを見ていた。
「それよりもあの懐かしい顔だけど?」
葉巻に火を点けながらギリスが横を見ると巨人が立っていた。
柔らかい金髪を撫で付け、突き刺さるような青い瞳をした巨人は北欧神話のトールそのもの。
どことなく嫌悪感が漂っている。
「あれは失敗作です。間も無く死ぬでしょう」
岩の擦れるのような声でシュレーガーが答える。
「・・・まぁいいわ」
折角だからあんたもパーティーに出なさいよ、と礼装を勧めたがこの巨人が着てきたのはナチスドイツの軍服だった。
黒を基調としたその軍服は見ているだけで敬礼をしたくなるような代物だ。
アフリカの黒人だろうが腑抜けきった若造だろうが、一度着てしまえば背中をしゃきっと伸ばし、踵を合わせたくなるだろう。
威厳、権威、力強さを緻密に計算し、もっとも効果的に現れるようにデザインされた親衛隊の制服。
特注サイズの名誉指輪まで身に着けていた。
SS長官であるヒムラーが授与した名誉の指輪だ。
シュレーガーはこの為だけに戦時中に指輪の作成をしていたオットーガル社の職人を探し出した。
男は泣きながらこの指輪を完璧に作り上げてみせた。
これはシュレーガーが戦友から預かった幾つかの指輪を溶かし、作り上げた一品だった。
あのベルリンで死んでいった戦友たち、失意の戦後の中で死んでいった同志達を忘れぬ為の意思の表れでもある。
忘れてはならないのは指輪職人も一緒だ。
あの男は無理が祟って心臓発作を起こしてしまった。
発作はシュレーガーの姿を見た時に初めて起こしたのだが。
「でも成功したのはあの子だけよ?」
「あれは破棄されるべき存在でした」
床に崩れるブランデンブルグを見ながら答える。
「だからさぁ・・・」
苛立ちながらギリスが立ち上がる。
葉巻を咥え、ダマスカスナイフを手に取る。
「・・・ご冗談を、大佐」
「あら、試してみる?・・・コンマ1ミリね」
シュレーガーの右腕が壁に掛けてあった巨大なハンマーに伸びるがそれよりも早く
ギリスが手にしていたナイフの切っ先がシュレーガーの喉に突きたてられる。
髪の毛一本分の隙間がナイフと喉の間にあった。
「見事です、大佐」
ハンマーを右手で振りかぶった巨人が言った。
まさにコンマ1ミリの隙間を空けて喉に突きつけられていたのだ。
ギリスが喉元からゆっくりとナイフを離す。
「あたしはナイフを離したわよ?」
「失礼しました、大佐」
開いていた左手がゆっくりと閉じていく。
「んーまぁいい感じね。やる気満々って感じで」
「引導を渡す、それだけの事です」
ギリスがシュレーガーに煙草の煙を吐きかける。
露骨に嫌そうな顔をするシュレーガーの背中を笑ってバンバン叩く。
「あはははは、あんた、あのペテン師の言付けを忠実に守ってんの?相変わらず肉も食わない訳?」
折角のキューバ産なのにねぇ、とギリスが笑う。
「ま、上手いことやんなさい」
ハンマーを担いだ親衛隊の背中を見送りながらギリスが笑う。
「あら、下の階じゃあの山猫のお嬢ちゃんが頑張ってんのねー」
お手並み拝見といこうかしら。
ギリスは特等席に座ると興味しんしんと言った表情でモニターを覗き込んでいた。
>190
もしこの人間が凶悪なテロリストだったらとこの女は考えないのだろうか?
会ったばかりの人間に、何故わざわざ危険を冒せと言えるのだろうか
そして・・・何故この男は、素直にYESと答えられるのだろうか。
(有りえねぇ・・・)
>「OK,女性の頼みは断れないタチでね・・・とりあえず上に行こう」
(こいつもアレと同じ性質の人間か?)
「(うるさい!)有難う御座います!」
とは言っても階段を昇ればまたあの蛇やらの大群に襲われることになりそうだ。
私はあんな不気味な動物園には行きたくなかったけれど、頼んでしまった手前
ここで待っていますとは言えそうも無い。
>187
>「動くな!」
ビクゥ!と体が波打つ感触に覆われる。
煌く銃口の先に映るのは私?いや、この・・・えっと・・・
(ウィリアムだってよ)
そう、ウィリアムさんを狙っている。
お互いが人間であることが理解できたのか、その場はなんとか収まった。
でも、二人の間を流れる空気が澱んでいるのは分かる。
警戒と、嫌悪、それに良く似た不審の感情の発露だ。
その時、私の両腕を彼の投げたリュックが満たす。
>「中に火炎瓶が入ってる。プラスチックのピンが刺さってるから、それを抜いて投げればいい」
「えええぇぇぇ・・・」
言葉はだんだんと小さくなる。この人の眼が一層怖くなっていたからだ。
「(なんで自分でやってくれないのかなぁ・・・)」
(あいつから目を離したくないって感じだぜ)
二人の睨み合いはまだ続く、生存者同士、仲良くやってもらいたいものだけど・・・
「で、彬、火炎瓶投げたことある?」
「(・・・あのなぁ)」
ふぅ、澱んだ空気を吹き飛ばすように大きく溜息をする。
そして深呼吸、これから暫く、薄汚れた化け物の焦げた匂いを嗅がなくちゃならない。
このまま待ってたら、こちらの足場を奪われちまう。
「燃え尽きな!化け物!」
男に言われたとおり、ピンを外し、投擲する。
炎が瞬く間に拡散し、化け物達を飲み込んでいく。
「これで全滅してくれたら嬉しいんだけどなぁ・・・」
背中の疼きを抑えながら、俺は燃え上がる柱を眺めていた。
状況:(彬) 火炎瓶を投じる、蛭、蛇炎上中。
>156>179>188
>「ミケさんも一緒に行くんだからね?勝手に消えちゃダメなんだから!」
>「……残念ながらそんな時間は無さそうだよ、フロイライン」
背中越しに交わされる二人のやり取りには微笑ましさと残酷さが入り混じっていた。
大きく息を吸い込み、歩き出した所で空気を短く吐く音、
そして卵がひしゃげるような鈍い音が聞こえた。
>「危ない!」
桃華の叫び声と同時にマクナブが振り返った。
撃てない距離では無いが角度が悪すぎる。
ブランデンブルグ、桃華とマクナブの間に割って入ったゾンビを撃てば貫通した弾が二人に当たってしまう恐れがあった。
肩を掴んできたゾンビの胸元を掴み、足を突き出して勢いよく腰を捻る。
流れるように、とはいかなかったが相手を引きずり倒すには十分だった。
変則大外刈りを喰らったゾンビが床に倒れこんだ所で10ミリ弾を叩き込む。
貫通した弾は床にめり込み、ちょっとしたトンネルを作っていた。
「ま、柔道も習っ・・・ブランデンブルグ?!」
床に倒れこみげぇげぇと何かを吐き出す狼男の姿に表情が固まる。
桃華を押し退けるようにブランデンブルグの体をチェックする。
外傷らしい外傷は無い。
「立てるか?」
肩を貸そうとブランデンブルグの脇に回り込む。
一体なんだというのだ?
先ほどの言葉が蘇る。
……残念ながら
そんな時間は
無さそうだよ
フロイライン
大きく息を吸い込みブランデンブルグの巨体を持ち上げようと踏ん張った。
「大丈夫だ、まだ時間はあるさ。行こう、戦友。奴らのケツを蹴り飛ばしてやらないとな。」
それにお前にまだ借りは返していないんだぜ?
紳士は絶対に借りは返す生き物なのだ。
>193
「トミーに頼らなければならないなんてな。俺も焼きが回ったな」
マクナブに支えられ、覚束無い足取りで俺は立ちあがった。
「…昔話をしてやろう。ある馬鹿で愚かな独逸人の若者の話を」
俺は口元に付着した血を袖で乱暴に拭うと、ぽつりぽつりと語り出した。
「若者は兵士だった。戦争に疲れていた。出切る事ならば今すぐ家に帰りたかった。
若者は何処にでもいる、普通の男の子だった。アメリカの音楽が好きで、学生バーで酒を
飲んで女の子と歌やダンスを楽しみたかった。だが戦争がそうさせてくれなかった。
ある日、若者は年上の綺麗な女性に出会った。初心な若者は直ぐに一目惚れ。
女性に振り向いて貰いたくて、色々な事をやった…若者は女性が言う事は何でもやった。
捕虜を殺せと言われれば捕虜を殺し、パルチザンの村々を焼けと言われれば焼いた。
殺し合えと言われれば殺し合い、殺した相手の肉を食えと言われれば貪り喰った。
そしてある日、女性は若者に獣になれと言った。勿論、若者は女性の言葉通り、獣になった。
だが獣になった若者の姿はもう人間ではなくて、気が付けば何もかもが終ってた。
獣になった若者は家に帰る事も出来ず、森をさ迷い歩くしかなかった…」
かくして若者は狂気に犯され、女性を追い求め地獄に身を投じた。
そうさ。そうだ。若者は今も此処という地獄にいる。女性を追い求め、極東にやってきた。
「かつての独逸は色んな事をやった。その中でも飛び抜けているのが、生物兵器の開発だ。
聞いて驚くな。第二次大戦中、独逸では既に遺伝子操作技術が確立され、今で言うところの
B.O.Wが生み出されていた…何だ?ありがちなオカルトだと思っているのか?だが残念な事に
そのオカルトの生き証人がお前の直ぐ傍にいるんだな、これがよ」
俺は乾いた笑い声を上げた。
「そうさ。俺は人間だった。だが若すぎた。愚か過ぎた。その結果がこの毛むくじゃらな姿さ」
今更後悔しても遅い。だが俺はあの頃の自分の若さを呪わずにはいられなかった。
「人間の知能と動物の身体能力を併せ持った究極の兵士。『アニマライズゾルダート』。それが俺だ。
動物の遺伝子と癌細胞をベースに肉体改造し、驚異的な能力と不老不死性を持っている。
だが、不老不死なんてものは存在しない。万物は何時か必ず滅びるものだ」
口元を押さえ、咳き込むと、手袋に血がべったりと付着していた。
「ああ畜生。最期にキンキンに冷えたビールを一杯、引っ掛けたかったな…」
出口は一箇所……とにかく行ってみるしかねえよなあ。
俺の人生、全部が全部出たとこ勝負だ。
吠え立てながら部屋に入ってきたのは、酷く醜い面をした大男だった。
もちろん化け物。
初めて見る奴だけど、やばそうな感じは痛いくらいに伝わってくるぜ。
>177
シャファンに言われて、俺が目を覚ました暗いシャフトの中に移動する。右足に負担をかけないように。
……痛い。けど、男は痩せ我慢するもんだ。歯は食いしばっておく。
シャフト内に敷き詰められたクッションに半ば倒れ掛かるようにしてゴールを決めると、壁際で光る二つの瞳と目が合った。
……ああ、そういえばコイツがいたな。
青い瞳はガラス球みたいで、まるで着飾ったお人形さんだ。
コイツは何でこうなったったんだろう?
あたふたと飛び込んでくるクリッペン。次いで、ばふっと弾けるような音が後ろで響き、小さな物が上の壁にめり込んだ。
大丈夫かシャファンは?
アイツは、動きを止める方法があるならやってくれって言っていた。ってことは、あんなカギ爪でどうやんのか知らねえけど――あの化け物相手に勝てる見込みがあるんだろう。
手伝わねえと……。
「おいアンタ、コイツが何でこうなったのか知らねえか?」
手元に使えそうな物はない。この足じゃ思うように立ち回れない。
今ここで使えそうなのは、この可愛い化け物だけだ。
コイツはコイツで危険なんだろうけど……なんだろう? 結構上手くいくような気がするんだよな?
持ち物:なし
現在地・状況:スペンサービル地下 シャフト内 アルテミスをどうにかして使えないかとクリッペンに尋ねる。
状態:右ふくらはぎにゾンビの噛み傷。姿勢はうつ伏せ。
>171 地面に転がり落ちた後、やっと陥落が止まった。
薄く目を開けながら、私は起き上がった。
全身とまではいかなかったが、右腕を強く打ったらしい。
――桂木や米兵達はどうしたのだろう。
遠くからはまだ怪物の咆哮が聞こえてくる。
私は足元に気をつけながら、桂木や米兵達を探し始めた。
現在地:民家脇の道路 グレイブディガーによるトンネルに転落
状況:怪物を警戒しながら桂木達を探し始める。
>150
「あれ? なんでアタシの名前知ってんの?」
ただの化け物だと思っていた奴に名前を呼ばれて、きょとんとするシャファン。
当然、答えは返ってこない。
荒々しく床に置かれたトランクを見て、眉根を寄せる。
頭がその中身に対して想像力を働かせる前に、足が勝手に動いた。
真後ろにジャンプ。机に飛び乗り、続けて前に――。
「なーんだ。結構賢いじゃん?」
爆薬と鉄で出来上がった殺人ポップコーンが室内に炸裂する。
自分の後ろ、部屋のあちこちに食い込むそれらを完全に無視し、天井の照明に手をかけ、体を反らし、素早くたっぷりとバネを溜め込んで、またジャンプ。
今度は下に、飛び込むように両手の鉤爪をそろえて向かう。
禿頭の、濁りきった瞳へと。
……まさに狙い目――なんちゃって♪
行動:天井まで飛んでクレイモアをかわし、そのまま反動をつけてネメシスの両目を潰してやろうと飛び込む。
>197
「グルアアアアアアア!!!」
しかしネメシスの反射神経は尋常ではなく、シャファンの鉤爪を掴んだ。
「オオオオオオオオオオオ!!!!」
そしてそのままその尋常ならざる怪力をもってしてシャファンを壁に叩きつける。
何度も、何度も、何度も華奢な少女を叩きつける。
>184
>「……死んだのは御手洗君だ。化物の強襲を受け、それの舌が脳天を貫通、即死した」
水野のおじいちゃんの声が震えている。
>「…すまない……我々がついていながら…申し訳無い…本当にすまない……」
運転席から力なく投げ出された手は御手洗のおにいちゃんのもので・・・血に汚れていた。
がくがく身体が震えてるのが自分でもわかった。
私はとっさに口元を押さえる。押さえてないと叫びだしてしまいそうだった。
山田さんは御手洗のお兄ちゃんの顔に手を当てて(目を閉ざしてあげたのかもしれない)助手席から立ち上がった。
そして、綺麗な金色の目でみんなの顔を見渡し、こう言った。
>「あれじゃどうしようもなかった。誰のせいでもない。そうでしょう?」
最後に私の目をじっと見る。
私は眠ってたからわからない。
だけど、頷いた。山田さんの言う事が正しいと思った。
何か手があったなら、きっとおじいちゃん達なら身を挺してでも庇ったに違いない。そういう人達だ。
それが出来なかったから・・・おじいちゃん達は今、こんなに傷ついてる。
泣いたり喚いたりしたらダメだと思った。だって、おじいちゃん達が気にするから。
衝動を堪えるので精一杯で、何一つ気のきいた言葉が出てこない。
御手洗お兄ちゃんの死体は、ここに置いていくことになった。
>「まあ・・・・お互い様って事で、きっと御手洗君も許してくれるわ」
山田さんが遺体を見下ろし、ぽつりと呟いた。
>「では、これより移動を開始する。異常に気付いたら、すぐに私か軍曹に知らせてくれ」
こくりと頷き、私はモフとお友達を抱えて、おじいちゃん達の後に続いた。
・・・・・・・なんか、カタカタ揺れてない?地震かな?
>165
飯田のおじいちゃんに続いて車から降りた途端、それは現れた。
>「GYAAAAAAA!!!!」
すさまじい咆哮とともに、何かが地面から姿をあらわした。
「きゃああああああああああああああああああ!いやああああああああああ!もうやだ!嫌だよお!」
私の悲鳴に驚いたのか、モフたちが暴れて腕から飛び降りていった。
いっそ頭がおかしくなった方が幸せかもしれない。
夢ならどうか覚めて欲しい。
>199
大声を上げて泣かれる位はすると思っていたが、幾らか落ち着いている少女を見て、
少佐も軍曹も、どこか少しだけ安心した。
「…よし、行こう」
>165
数歩歩き出したところで、二人の老人は小さいながら、とある異変に気付いた。
恐らくは、少女や看護婦も同じように気付いていたに違いない。
「……地震か?」
地面の揺れはどんどん大きくなり、彼らが倒れそうになるほどに大きな揺れになる。
そして次の瞬間、轟音と土煙が起こり、盛り上がった地面が破れて『何か』が現れた。
「軍曹っ!!」
少佐の命令が発せられるより早く、軍曹は少女と看護婦の盾になるべく飛び出していた。
「二人とも早く逃げろっ!少佐についていくんだっ!!」
大声で叫ぶと共に、車を飲み込もうと大口を開いた化物へと小銃を向け、引き金を引く。
化物が身体をくねらせて少しばかりの間、動きを止める。軍曹は続けて発砲した。
その間に看護婦が泣き始めた少女を抱き上げて、少佐の方へ走る。
「宿舎で合流だ!絶対に生きて戻って来いよ!!二人とも、こっちだ!」
一瞬の敬礼を送りあい、少佐は二人を連れて宿舎へと走った。
名前:水野治夫/飯田忠雄
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢/九九式短小銃、背嚢
>193 >194
「ぐっ…!?」
ミスタ・ルイスが、背後から襲い掛かってきたゾンビを引きずり倒した。
だがホッとする間もなく、傍らのブランデンブルクさんの巨躯が突如傾いだ。
激しく咳き込む音が、銃声にかき消される。
「え……何?ミケさんどうしたの?」
何か吐き出すような音に、慌てて丸くなった背中をさする。
い、一体どうしたのよミケさん、まさかさっきのゾンビか25階の化け物に何かされてたの!?
ミスタ・ルイスに押しのけられたあたしは、邪魔にならないよう少しはなれた場所に立っていた。
ミケさん、何処か悪いのかな。そういえばさっき話したとき、何か変なこと行ってたわね。
そんな時間がないって、仕事が忙しいからキャンプにいけないって意味じゃなかったの?
>「立てるか?」
一応銃の安全装置を外して、回りに気を配ってる。
けど、ど素人なのであんまり役に立ってない…かもしれない。でも警戒しないよりはマシよね。
階段の方からは銃声と、話し声が聞こえてきた。あと、何か瓶が割れるような音も。
女性の声もするってことは、新たな生存者、かな。
――――お姉様とは明らかに声質が違うので、変な期待はしてないわ。
>「トミーに頼らなければならないなんてな。俺も焼きが回ったな」
そんな憎まれ口をたたきながら、『トミー』に支えられてブランデンブルクさんは立ち上がった。
ミスタ・ルイスもお腹怪我してるのに、大柄なミケさんに肩を貸したりして大丈夫なのかな。
そんな事を考えていると、ふと思いついたようにミケさんが昔話を話し始めた。
…聞かなきゃ良かったと後で後悔した。
>「ああ畜生。最期にキンキンに冷えたビールを一杯、引っ掛けたかったな…」
そう言ってミケさんは話を締めくくった。
口元を押さえていた手袋にはべったりと血がついていた。
落ち着けあたし。相手は病人、しかも人外。落ち着け………………………やっぱダメ!
何なのよこの昔話は。
今すぐ半世紀前に行って若きミケさんの横っ面を張った押したい気分よ。
「本当にホンットーに馬鹿で愚かな独逸人の老人の話ね!
信じられない、魔女と美女の区別もつかないなんて!」
なんか、ものすごーく腹がたってきたわ。
あんまり腹が立ったので、黒手袋に包まれた手をぺちっと叩いてやった。
「ミケさんの復讐はどうしたの?もう根を上げるわけ?
ねえ、このビルの中の有様を見て。なんとも思わない?
ゾンビに傷つけられた人は皆、人間じゃ無くなってるわ。ミケさんとおんなじよね。
――――ミケさんにはまだ選ぶ権利があった。でも、ビルに閉じ込められた皆は違うのよ!」
さっきミケさんに殴り殺された人だって、なりたくてゾンビになった訳じゃないわ。
たまたまビルに居合わせて、感染させられて、巻き込まれただけ。
お姉様だって、このビルのどこかで同じような目にあってるのよ。
ああ、頭に血が上りすぎて、上手い言葉が見つからない。
でも、どうにか状況だけは思い出し、慌てて声を潜める。
「ねえミケさん、聞こえてる?
あなたをこんな目に合わせたスペンサー一族は、半世紀以上経った今も同じことを繰り返してるわ。
このまま死んだら、あなたをこんな目に合わせた奴らは野放しのまま。
何ひとつ変わらないわ。………ねえ、それで本当にいいの?
60年以上も生きてて、何一つ変えられないまま終わって良いの?
ドイツの騎士は1度決めた事をやり遂げないまま、さっさと死ねるものなの?
情けない泣き言はその辺にして、ちゃんと自分の足で立ちなさいよ!」
…………なんていうか…あたし、ぜったい説得向いてないわよね。
何よりの問題は、このままミケさんが死んじゃったら、あたしは恩知らず確定って事よ。
>190>192>193-194
目の前の男はウィリアムと名乗り手を差し出した。職業DEA捜査官。
確か「連邦麻薬捜査局」だったか?何でこんなところに・・・と思ったが、
考えてみりゃここは悪巧みの巣窟だ。こういう手合いが取り締まってる連中がいてもおかしくはない。
とはいえ、あくまで自称だ。実際にどういう人間かは分かったもんじゃない。
ただ、後ろの女の子だってそれは同じだし、二人から見た俺も同じか、それよりも印象が悪いかもしれない。
さらに言えばもっと印象が悪いであろう人物と行動を共にしている。
「悪かった。どっちかって言うと取り締まられるほうに見えたんでな。俺はシノザキだ、よろしくな、ウィル」
差し出された手を軽く握る。お互い引き金に指をかけたままなのはむしろ正しい事だろう。
>「燃え尽きな!化け物!」
急に後ろから声がした。振り向くと放物線を描いた火炎瓶が、段の上へ消えていくところだった。
直後、爆発。PET樹脂と肉の焦げる匂いはすぐには鼻に届かなかった。
「・・・なるほど危なっかしい」
ウィルのほうを向いて、俺は一つ肩をすくめた。
「とりあえずフロアへ。今は水浴びをしたい気分じゃないしな」
リュックを受け取り、二人を促して30階のフロアへ入る。数秒経たないうちにスプリンクラーが作動した。
その水音に混じって銃声が聞こえてきた。
「俺のツレだよ。・・・多分な」
後ろの二人に銃声の出所を説明して、そちらのほうへ向かう。
多分、と言ったとおり第三者の可能性もあるが、オッズはひどく高くなるだろう。
案の定、いたのはルイスたちだった。しかし、様子がおかしい。
>「ああ畜生。最期にキンキンに冷えたビールを一杯、引っ掛けたかったな…」
「だったらせめてそこらの客室までは持たせろよ」
ルイスが支えているのとは逆の側へ回りながら、ブランデンブルクに声をかける。
その背中越しにルイスに視線を投げかけた。
「・・・何があった?」
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(4)、予備弾倉(20)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、鉄串)
現在地:スペンサービル30階
「所詮、駒か。」
名主が短く言った。
人間の機能が停止すれば本能に従って行動するだけの生き物だ。
体がギリギリまで行っていた行動なら遂行する事が出来る。
例えば銃を撃つとか車の運転をする程度なら。
しかしどうすれば効果的に遂行するかを理解できない。
クダンは銃を撃てる。
運転も出来る。
しかし、捕食以外に目的をもたない。
「しかし駒ならまだ幾らか残る。」
最後のクダンが焼け死ぬ前に見せたあの生き物は魅力的だった。
出来る事ならあれに寄生させてみたい。
名主は笑うと着替えを始めた。
>198
「へっ」
腕をつかまれた瞬間、シャファンは胸から上を虚脱して腹筋から下に力を込めた。
振り子のように半回転。自らの体の流れに沿うように。
相手の力を殺ぐように。
ボゴっと、形容しがたい鈍い音を発して化け物の右手首が力を失う。
そのまま壁にシャファンの体を叩きつけること数回。普通なら壁ごと彼女を粉砕してしまうだろう馬鹿力も、手首を外されてはその十分の一も乗りきらない。
激突時に足の裏から、充分に間接のスプリングを利かせば、ダメージはまったくないと言ってもよかった。
……ただ、折れたアバラが痛むだけ。
振り上げられ、体を捻り、今度は親指に負担が行くようにしてやる。
体の造りが人間と似通っているおかげで助かった。素手なら、このくらいの体格差なら、パワーなど関係ない。密着してしまえばいくらでもやりようはある。
加速された少女一人の体重を受け、禿頭の親指が歪に曲がる。
指一本で握力の大部分を失った腕が、負傷などおかまいなしに大きく振りかぶられる。
相手に痛覚がないというのも幸いだった。
……痛みは弱さじゃないのにね。
振り下ろされ、手からすっぽ抜けてクルクルと空中を舞うシャファン。
「………♪」
自分一人では絶対に出せない十数回転に何か感動の叫びを入れたかったが、舌を噛むのでやめておく。
「技術点芸術点ともに満点です!」
シャフト手前で着地を決め、満面の笑みで中に入る。
「ほら、できるだけ奥の壁に密着して。頭は低くね。あのハゲも中に入れてあげなくっちゃならないんだから」
上機嫌で中の二人を軽く蹴飛ばす。
少し手間がかかったが、まあ、思い描いた配置につくことはできた。
シャファンは上を見上げ、縦に際限なく広がる闇に目を細めた。
現在地・状況:地下フロア、シャフト内 ネメシスの右手首と親指を外して脱出、全員に奥で伏せるように言う。
「大佐!被害状況の調査が完了しました!」
「ご苦労。報告を頼む」
村田達の様子を見ている後ろから聞こえたのは、村民の被害を調べていた橋本中尉の声と、
金田兵長が中尉に何か一言二言囁く声だった。
「了解!被弾した物は5名、その内3名は重症であったので、自分が止血と消毒を行いました。
暫くは持つでしょうが、恐らく今日中には死亡或いは感染発症する事でしょう」
「…残りの二人は?」
「即死です」
何の戸惑いも見せずに答える。その報告を聞いた大佐は一瞬だけ、表情に驚きを見せたが、
すぐに普段の落ち着いた表情を取り戻し、頷いて立ち上がると、村田の方へと歩き始めた。
>186
「やぁ、悪いが煙草の火を貸してくれんかね?」
『馬鹿』を射殺しようとしている男に、自動小銃を持った大宮大佐が話しかける。
その表情は温和だったが、その裏には警戒心が見え隠れする。
「その馬鹿をどう処分するかは君の判断に任せるが、我々は君に一つ頼み事をしにきたんだよ。
ここから第531連隊駐屯地のトンネルに移動するまでの間、村民の指揮を願いたい」
話しながら、大佐は一度だけ自動小銃の照準を村田の脳天へと合わせる。
「……校舎に避難した村民にも、既に死者が出ている。これ以上村民を殺す訳にはいかんのだ。
君が断るならば我々が指揮を執り、それを妨害する者は排除する」
大佐の後ろでは、中尉と兵長が銃を持って並び、大佐と同じような瞳で村田を睨んでいた。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:AK47自動小銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>200
パニック状態の私に構う事無く、山田さんは私を担ぎ上げた。
そのまま飯田のおじいちゃんの後に続く。
見かけによらす、看護婦さんは力持ちらしい。
水野のおじいちゃんが大きな化け物の元に残ってしまった。
あとで、ちゃんと私達のもとに駆けつけてくれるよね?
>「飯田さん、宿舎まではまだ遠いの?」
さすがの山田さんも息が上がってきたようだ。
「山田さん下ろして。自分で走るから」
ちょっと足ががくがくするけど、走れない事も無いだろう。
あれ?そういえば・・・
「モフ?モフどこ!?」
声を張り上げる。どうしよう、何処かに置いて来ちゃったのかな。
だったら探しに行かなくてや。
寝覚めは最悪だった。全身の皮膚内に数百もの毛虫が蠢いている様な痒みが俺を襲う。
火傷の痛みも身体を撃ち抜かれた痛みももう既に毛ほども無く、ただ身体が異常に痒かった。
堪らずに掻く、爪で掻く、唯ひたすらに掻く、掻く、掻き毟る。
身体を、腕を、足を、胸を、腹を、背を、顔を、頭を、一心不乱に掻き毟る。
叫び声を上げたかったが、そんな暇は無い。その叫んでいる時すら惜しかった。
生焼けの皮膚が、黒焦げの皮膚が、ボロボロボロボロと、剥がれ毟られ地面に落ちる。
そして、全身の皮膚を剥ぎ落とした時、俺は初めて自分の身体の変化に気づいた。
剥がれ落ちた皮膚の下から出てきたのは、筋肉組織ではなく・・・淡い緑色の光沢を放つ鱗。
銃撃を受けた箇所には厚く硬い強固な鱗が放射状に広がり、銃撃を受けていない箇所には薄い花弁のような鱗が何枚も重なり合っていた。
俺は瞬時に己の身体に起こった変化を理解した。
折れた骨が再びくっ付き強くなるように、俺の身体も、多大なダメージから強くなった。
今までの肉体でダメージに耐えられないのなら、その身体をダメージに耐えられるように作り直せばよい。
同胞の細胞が、俺の身体をより強固なものへと進化させた。この腕が攻撃なら、この皮膚は防御だ。
そう・・・俺はまだ生きている、生き残っている。まだ・・・続けられる、小川との殺し合いを。
>205 186
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゆっくりと半身を起こし、辺りを見渡す。
校庭には炎が灯り、辺りをオレンジ色に染め上げている。
さらに辺りを見渡せば、車の中で待機している筈の男が胸から血を流し倒れ。
そして何故かリーダー君が男に向けて銃を構え、そのリーダー君も老人たちに銃を向けられていた。
一体俺が気絶している間に何が起こったのかこの状況じゃあ理解に苦しむ・・・。
「・・・その男に何があった?何故あんた達は銃を向け合っている?修羅場の最中かい?」
俺は場の空気を読まず、未だに身体に付いている皮膚片をパンパンと払い、大きく伸びをした後、男達に話し掛けた。
所持品:焼け焦げた自分の右手
現在地:九武村 分校 校庭
状況:かろうじて半裸
>194、201
>「トミーに頼らなければならないなんてな。俺も焼きが回ったな」
「総統、まだ歩けますって言ってみな、ジャガイモ頭め。」
短く気合を入れ、一気に立ち上がる。
博士の異常な愛情の台詞だったろうか?
キューブリックは天才だ。
多くの天才と同じく人間嫌いという欠点はあるが。
>「…昔話をしてやろう。ある馬鹿で愚かな独逸人の若者の話を」
「俺は未だに愚かだよ、くそ。年を取ったら慎重にはなったがね。」
酷く悲しい話だった。
実直で誰かに愛されたい事で頭が一杯な、どこにでも居る若者の悲しい話。
皆が彼のジョークに笑い、一緒に酒を飲みたがり、若者らしい議論をした。
大人たちは彼を息子のように思い、子供達は彼を尊敬できる兄だと思った。
笑って、怒って、許して、時には決闘までしただろう。
彼には何でも出来た。
その力と意思を持ってすれば世界を征服する事だって可能だったはずだ。
だけど、彼が手に入れたいと思ったものは一つだけ。
だが結末は悲しく、残酷だった。
戦争という名のお祭り騒ぎに浮かれ、気が付いてみれば誰も居なくなっていた。
彼は老いて、孤独になってしまった。
残されたのは苦い記憶と疎外感。
女の残酷さによって魂の背骨を折られ、それでも女を求めずには居られない。
「もうよせ、黙ってろ。」
それでも独白は続く。
>「そうさ。俺は人間だった。だが若すぎた。愚か過ぎた。その結果がこの毛むくじゃらな姿さ」
歪んだ魂がそこにある。
己を呪い、過ちに縛られ、生きるために歪まずにはいられなかった魂がある。
「お前はまだ人間だ。くそ、それに完璧な男だよ。」
酒に溺れ、時には自殺まで考えた末に生きる事を選択したであろう魂がそこにある。
苦悩と苦痛は癒される事無く、ただ意思によってのみ生きる男。
>「ああ畜生。最期にキンキンに冷えたビールを一杯、引っ掛けたかったな…」
桃華がブランデンブルグを奮い立たせようとする。
>「本当にホンットーに馬鹿で愚かな独逸人の老人の話ね!
信じられない、魔女と美女の区別もつかないなんて!」
桃華の台詞に苦笑する。
目の前の少女に解るだろうか?
愛する余り、全ての罪を一身に引き受けざるを得ない若い男の心が。
愚かだから、弱いから、醜いから、無価値だからと全ての原因が自分にあると思わずにいられないのだ。
完璧な彼女は完璧なまま消えてしまった。
憎む事など出来ない。
「桃華、君は周辺警戒を頼む。」
それでもなお彼女は喚くのを止めない。
彼女なりに何とかブランデンブルグに生きて欲しいのだ。
だが、今のブランデンブルグに必要なのは怒りではない。
それは――――
思案を遮るように苦渋に満ちた一幕に新たな役者が加わる。
苦く、重い感情が来える事は無かったが。
>202
>「・・・何があった?」
階段から下りて来たシノザキが怪訝な表情を浮かべる。
後方の二人組み、若い東洋系の女と自分とあまり変わらない年恰好のアーリア人種の男だ。
男の方は拳銃を持っていた。
のっぺりとしたプラスチックを大量に使ったグロックは日本の警察では採用していない。
アメリカ軍も採用していないから拳銃を持ち出した兵士という訳でも無さそうだ。
だとすれば自前か。
>「・・・寿命が近いらしい。全身がガン細胞なんだそうだ。」
ガン細胞には細胞の自殺、アポトーシス機能が存在しない。
だから幾らでも細胞分裂を行う事が出来る。
しかしアポトーシスの目的は、限界を超えた細胞分裂によって痛んだ遺伝子情報の削除にある。
設計図が所々汚れていたり破れていたら装置が、複雑で一つ一つの部品が全体に作用する装置が作れるだろうか?
生命体も同じだ。人体は複雑で全ての部品が有機的に連動している。
口、舌、食道、胃袋、大腸小腸、さらには肺、心臓、腎臓、肝臓、その全てが生命維持に必要だ。
そして60年近くの歳月によって損傷した遺伝子の群れ、まともに動かない細胞から成り立つ臓器の塊。
「俺にもよく解らん。鈴木辺りなら説明してくれるだろう。解決できるかは別だがな。」
短く息を吐き、重くなったブランブルグの巨体を支える。
魂が磨耗するように、肉体もまた磨耗する。
「少し上の階に3フロアぶち抜きで作られた日本庭園があったはずだ。」
12月の今は年始年末に備えて日本庭園を神社に改装中だ。
日本人は年始年末にしか神に祈らないから、その間だけ神社にしてしまうのだと作戦担当官が言っていたのを思い出す。
「階段、『リフト』は従業員用含めて2台ある。密室の客室と違って退路が確保できる所に置いた方が良いだろう。
改装作業中で外部からは切り離されている。侵入するのも一苦労だろう。」
アメリカ語でエレベーターを意味するリフトの部分にさりげなく力を込めていった。
さて、金髪の男はどんな反応をするだろうか?
所持品:SAS風突入装備(ガスマスクに難燃性素材のツナギ姿でサブマシンガンで武装)
現在地:スペンサービル・30階
状況:35階から38階にある日本庭園(現在改装作業中)でブランデンブルグを待機させる事を提案。
>201
>「本当にホンットーに馬鹿で愚かな独逸人の老人の話ね!
>信じられない、魔女と美女の区別もつかないなんて!」
「ああそうさ。俺は愚かだった。そして今も充分愚かさ…だがな、初心な俺には
魔女と美女の区別なんてつかなかったのさ……いや、心の何処かでは魔女と知って
いながらも、その甘美な毒に犯されたいと願っていたのだろう」
男は馬鹿だ。惚れた女がどんなに小悪でも、どんなに酷い目に合わせられようとも
忠実な飼い犬のように尻尾を振ってしまう。それが男の悲しい性という奴だ。
完全な封建社会は多数のマゾヒストと少数のサディストによって構成されて始めて完成する。
それの意味が分からないでも無い。武士は虐の中に快楽を見つけた。それは騎士とて同じ。
“仕える悦び”、とでも言えばいいのだろうか。自分は武士でも騎士でも無いから分からないが。
>ドイツの騎士は1度決めた事をやり遂げないまま、さっさと死ねるものなの?
「悪いが俺は一度も騎士十字章を貰った事は無い。そして俺の実家は自動車の修理工だ。
由緒正しき騎士の家柄…というわけじゃない。それに、さっさと死ねなかったから俺は此処に居るんだぞ?」
尤も、自ら命を断っていればこうして半世紀以上も苦しまずに済んだのだが、それは自分に意気地が無かったからだろう。
兎に角、桃華の言いたい事はよく分かった。
「励ましの言葉としては悪く無い。だがパンチに欠けるな」
俺は桃華の頭をわしゃわしゃと撫でると、「もういい」とマクナブに言って自力で立った。
>208>209
>「お前はまだ人間だ。くそ、それに完璧な男だよ。」
「馬鹿野朗。女に凝り無い男の何処が完璧だ。俺は欠陥だらけの痩せ狼だ」
牙を向いて笑って見せるが、マクナブには弱弱しい笑みに見えた事だろう。糞。忌々しい。
状況:自力で立っている。
>165
>>199 「……駄目だぜーこりゃー。オイラたち無力だ」
「やっぱり大王様がいねえと危ねえなこりゃ。クルマでもドロドロなんだぜ? 人間連れて動くなんて無理なんだよ」
「うんにゃ、気ぃ張ってりゃ警報くらいにゃなるってー」
「まあ、そんくらいだなー。俺ら小型犬だし」
「とりあえずできるところで、この臭っさい芋虫をハニーから引き離すぞー!」
「おー! って俺、そんな義理ないんですけど」
「んじゃ、大王様連れて来てよ」
「よし引き受けた! 死ぬなよ毛玉!」
「お前こそこけんなよ! 斑!」
「連れてくるそと勇ましく〜〜〜♪
「早くしてねと尾っぽを丸め〜〜〜♪」
(モフ)
>200
「よーし爺さん、もっと撃ってー! 素敵ー!」
オイラは残った爺さんの片割れのバキューンに撃たれないようにしながら、くそでっかい芋虫の周りでキャンキャンと吠え立てた。
こいつ目がないから、音を頼りに襲ってくるんだよね〜。
耳もそんなによくないから、犬も人間も見境なしでやんの。オイラ役に立ってる〜!
でき〜るだけ地面から飛び出してきて大口開けたとこ狙ってるんだけど、ちょっと殺せねえよな〜これ?
とにかくこのままハニーから引き離して引きつけて……はっ!?
オイラどうやって逃げんの!?
現在地・状況:神社近くの森林前の空き地、軍曹のサポートに回ってグレイブディガーの囮になる。
>211
「GYAAAAA!!!」
イヌの鳴声に反応したグレイブディガーが襲い掛かってきた。
燃え上がる階段を目の前に足が竦む、
しかし、そのまま立ち止まっていてはいけない、
天井から降り注ぐスプリンクラーの雨が私を濡らすからだ。
>>202 男性に促されフロアに、それと同時に銃声が響く。
>「俺のツレだよ。・・・多分な」
聞いたつもりは無かったが、私達を安心させる為だろうか、
男性はそう言うとまた進みだす。
>193 194 201 208 209 210
多分、が気にかかったが、どうやら正しかったらしく、男性は親しげか
どうかは分からないが、男性の見知った人物と見て間違いはなさそうだ。
(あのお嬢様パーティーにいたな)
そこにはいかつい風貌の男が二人と、全くこの戦場に似つかわしくない
可愛らしいを絵に描いたような女の子がいた。
「(生きてた子もいたんだ、良かった。)」
(まぁな、お前みたいなガキは珍しかったが、こういったお嬢様お坊ちゃま系は結構いたからな)」
酷い言われ方だ。
(しかし、三流ドラマは切っても切り離せないな)
「(既にSFドラマみたいなのの中にいるんだから、仕方ないじゃない)」
新しく彼らと合流した私達に彼らの今までの経緯を知る術は無い。
それ故に、彼らの戦いの中で育まれていった互いの気持ちを察することなど不可能だ。
目の前で起きている彼らの喧騒が、何故生まれたのかに、口を挟む権限は無い。
彼らの言葉には私の理解に及ばない範囲のものが多い、それは私が
彼らを、状況をまだ、理解できていないから。
だが―。
「よろしいでしょうか・・・?
「私は由比明良と申します。先程、この男性に助けていただきました。
私も、皆様と一緒にこのビルから脱出する為に同行させて頂きたいのですが・・・。」
冷静を失ってはならない、空気に呑まれてはならない。
状況:合流、自己紹介
>186
>「しっかりしな。胸の筋肉が裂けてるだけだ。肋骨に当たって逸れたんだろう。」
>「・・・感染しちまったかな?化け物になる前に殺してやろうか?」
そうだな。
いっそのこと殺してもらった方が楽かもしれない。
「・・・やれ」
この地に来たときから覚悟は出来ている。
喰い殺されるかと思っていたが、まさかこんな最期になるとはな。
>205
私は持っていた抗ウィルス剤を兵隊連中に向って投げた。
「好きに使え。一時的だが発症を抑えることができる」
早くどこかへ行ってほしい。
馬鹿者呼ばわりされた事に対して言いたい事は山ほどある。
だが、そんな気力はなくなっていた。疲れたのだ。
>207
「・・・その男に何があった?何故あんた達は銃を向け合っている?修羅場の最中かい?」
起きたのか。
そうか、やはりあいつは不死身なのだな。
「リッカーにやられた。感染もしている」
所持品: 斧、拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 負傷@感染
>214
>「・・・やれ」
「ああ、そうする。」
酷く疲れきった表情の佐治に狙いをつけて猟銃を撃とうとする。
>205
>「やぁ、悪いが煙草の火を貸してくれんかね?」
「火種ならどこにでもあるぞ、爺さん。」
校庭のトラックだけでなく村中から火の手が上がっていた。
>「その馬鹿をどう処分するかは君の判断に任せるが、我々は君に一つ頼み事をしにきたんだよ。
ここから第531連隊駐屯地のトンネルに移動するまでの間、村民の指揮を願いたい」
村田は答えない。
>「……校舎に避難した村民にも、既に死者が出ている。これ以上村民を殺す訳にはいかんのだ。
君が断るならば我々が指揮を執り、それを妨害する者は排除する」
「今ならまだ間に合うかも知れんぞ。」
村田が笑いながら言った。
「体育館へ行ってみるといい。」
>207
>「・・・その男に何があった?何故あんた達は銃を向け合っている?修羅場の最中かい?」
「この爺さん達は俺たちがしてる事が気に入らないんだそうだ。」
そりゃそうだ。
体育館に女子供を閉じ込めて無理心中をさせようとしてるのだから。
>192>202
>「悪かった。どっちかって言うと取り締まられるほうに見えたんでな。俺はシノザキだ、よろしくな、ウィル」
「いいさ、いかにも捜査官らしいのは目立ち過ぎるからな。よろしく、シノザキ」
それに、取り締まられる方に見られたのは一度や二度じゃないしな・・・・・
>「燃え尽きな!化け物!」
・・・おいおい、やけに楽しそうだな君。その調子なら順調に刑務所行けるよ。
何だかこんがりとした臭いもしてきたぞ、今日は焼肉パーティーか?間違っても米国産牛はダメだぞ。
>「とりあえずフロアへ。今は水浴びをしたい気分じゃないしな」
「賛成、頭からずぶ濡れになるのは御免だ」
シノザキに続いてフロアに入ると、それから数秒も間を空けずにスプリンクラーが作動した。
・・・その音に混じって、銃声が聞こえたのは気のせいではないだろう。
>193-194>201>208>209>210>213
何の冗談だこれは。フロアにはSASやHRTに似た風貌の男と、時代錯誤のドイツ人・・・・
そして、パーティーで一度見かけた嬢ちゃんがいた。全く不釣合いだ。訳が分からん。
何故こいつらがここに居るのか、どういう経緯で知り合ったのか、俺には分からないし、知る気もない。
・・・・ただ、この連中には妙な雰囲気を感じる。その中に、果たして俺が入り込んでいいのか?
>「よろしいでしょうか〜させて頂きたいのですが・・・。」
隣の少女、由比は場の雰囲気に飲まれまいとしたのか、自己紹介をした。
俺もDEAの身分証を見せ、口を開く。
「DEA捜査官、ウィリアム・パターソンだ。俺も出来れば同行させてもらいたい。勿論、消えろと言われれば消えるつもりだ。
・・・由比ちゃん、便乗したようで悪いな。怒らないでくれよ」
この場の空気に呑まれない為とはいえ、由比の発言に便乗した形なのでやはり悪い気がする。
「で、あのー、あれだ、これからどうするんだ?」
まさか何も考えてないって事は無いだろ、これだけ人数が居るんだからな・・・・・・
名前:ウィリアム・パターソン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(17+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:スペンサービル30階
>202 >208-209 >210 >213 >216
ミスタ・ルイスに周囲警戒を頼まれたけど、切れまくったあたしは聞こえてはいたけど理解してなかったわ。
>「励ましの言葉としては悪く無い。だがパンチに欠けるな」
「そりゃーわぁーるかったわねー」
だって理解できないもおの。
恋で身を滅ぼす歳じゃないし、綾小路を名乗れば望むと望まざるとに関わらず、男なんて入れ食い状態だし。
(まあ家柄を自分の魅力だと自惚れてないし、そいつ等が碌なもんじゃない事くらい承知してるけど)
もっといえば男のマゾ的なロマンは理解不能。男は手に入らないモノほど追い求めるけど、女は無駄な事しない。
さっさと見切りをつけて、もっと大物を狙うものよ。
………それにしても、ホントミケさんは真面目よねー。
「騎士なんて言葉のアヤに決まってるでしょ」
揶揄にまで、まあバカ正直に…。これじゃ若い頃もさぞ頭が固くて、一途で……生きにくかったでしょうね。
>「だったらせめてそこらの客室までは持たせろよ」
戻ってきたシノザキさんは、ブランデンブルクさんの弱音に開口一番こう答えた。
ミスタ・ルイスがシノザキさんに状況を説明している。
あたしは頭をくしゃくしゃにするミケさんの手を取り、さっき叩いた部分をなでなでした。
同情なんかしてないわ。全然してないわ。でもね、それでもちょっと…切ないね。
いつの間にか人が増えていた。
いかにも一般人じゃ無さそうな外人と、大人しそうな女の子だ。
女のこの方は、パーティでお見かけしたわ。
こういうパーティなんて大抵顔見知りばかりだから、一見の招待客は一目瞭然。
見るからに品が無ければそうでもないんだけど、彼女の場合違ってた。
しかも清楚な雰囲気が目を引いてた。物珍しさも手伝ってか、あちこちで絡まれてたわね〜。
>「よろしいでしょうか〜させて頂きたいのですが・・・。」
>「DEA捜査官、ウィリアム・パターソンだ。俺も出来れば同行させてもらいたい。勿論、消えろと言われれば消えるつもりだ。
…………DEAって何。手帳を出したってことは警察官かな。
間違っても食べると頭が良くなるってアレ…じゃないわよね。
「あた・・・・・わたくしは綾小路桃華です。桃華で良いわ。由比さん、ミスタ・パターソン、よろしくお願いします。
で、ミスタ・パターソンはなぜ消えなきゃいけないの?一緒に行きましょうよ」
ミスタ・ルイスが35階から38階にある日本庭園でミケさんを待機させようと提案している。
ミスタ・ルイスが最善だと思うなら、きっとそれが最善なんだろう。
あとはミケさん次第ね。
でもそこには、間違っても冷えたビールなんて置いて無いでしょうね。
あたしは振り向いた。さっきゾンビが飛び出してきた客室の扉は開いたままだった。
ちらっと内を覗き込んだ限りでは、怪物の気配は無い。
あたしは一番近くにいたシノザキさんの袖を引っ張った。
「ねえねえ、シノザキさんは喉渇いてない?」
ここはホテルフロアだ。客室内にミニバーは付き物だった。多分20歩も歩かないうちにゲットできる。
でも、勝手にホイホイ動いてもロクな事が無いのは骨身に染みている。
「ちょこちょことビール取りに行きたいなーなんて。ダメ?」
状況:自己紹介。客室内の冷蔵庫に用事。
>207、>215
>「・・・その男に何があった?何故あんた達は銃を向け合っている?修羅場の最中かい?」
>「この爺さん達は俺たちがしてる事が気に入らないんだそうだ。」
村田の背後から投げやりな声が響く。
「体育館の連中なら開放しましたよ。」
小川が疲れきった顔で呟いた。
「外から南京錠かけて一酸化炭素中毒にでもする気、だったんですかね?」
煙草に火を点け、ライターを大宮大佐に差し出す。
無抵抗な女子供を虐殺して何が楽しいのか小川は全く理解できない。
内戦地域で聞かされた民族浄化の名の下に繰り広げられる虐殺の話にはうんざりだった。
>「お前に明日を生きる権利はねぇ!」
村田の頭部に突きつけられた希望のべレッタを空いた手で降ろす。
「止めましょう。俺たちに裁く権利は無い。」
助け出したのは偶然だった。
クリムゾンヘッドに追い掛け回されていた時の事だ。
>185
あのクリムゾンヘッドの狙いは俺らしい。
よっぽど美味いと思われているのだ、多分。
いい加減、止めの一つでも刺してやらなければなるまい。
手持ちの武器は残弾1発のシグと454カスールが3発。
(無駄撃ちは裂けたい・・・ところだよなぁ・・・)
チャンスは一瞬。
言い換えれば二度目は無い、という事だ。
AK74を溶かす蟲の群れを飛び越え、振り向き様にシグを抜く。
迫り来るクリムゾンヘッドを狙うが酸素を求める肺が全身を大きく揺られ、
狙いがまともに着けられない。
(流石に厳しい・・・な・・・)
クリムゾンヘッドが蟲で出来た絨毯に足を踏み込んだ瞬間、盛大にこけた。
そのまま足を滑らせて突っ込んでくるクリムゾンヘッドを横に動いて回避すると、首を思いっきり踏みつける。
骨が砕ける、というよりは頚骨の中を通る神経がブチブチ千切れる感触が感じられた。
「当然・・・滑るよな。」
溜息交じりに呟き、クリムゾンヘッドの首から足をどける。
足の裏から伝わった首の骨が折れる感触にぞっとしながら未だ体を痙攣させるクリムゾンヘッドを見下ろす。
「・・・何の音だ?」
金属の扉を叩く音が風に乗って聞こえてくる。
そして若い男の叫び声。
(あの声は・・・希望だった・・・か)
走った先は体育館だった。
銃のグリップを何度も叩きつけるが南京錠はびくともしない。
「止めた方が良い。跳弾で怪我をしますから。」
>「な、中で何人か倒れたそうだ・・・気分が悪い人間も・・・しかし、鍵が開かなくて・・・」
「・・・感染者は居ますか?怪我人は?」
>「いや、初期に避難してきた人間ばかりで感染者はいないという話だが・・・あんた、感染者がいたら・・・」
「貴方も感染者がいるかどうか確認したでしょう?同じ事です。」
あまり気分の良い話では無い。
防寒着のポケットから瓶を取り出し、蓋を開けると南京錠に垂らす。
>「・・・それは?」
「高濃度の硫酸です。」
流石に完全に溶けるまで時間が掛かるので手近にあった石で脆くなった南京錠を叩き割る。
「ま、そんな所ですか。」
短くなった煙草を吐き捨てると村田に言った。
「連中、あんたを吊るしてやるって息巻いてましたからね。逃げるなら急いだ方が良いですよ。」
人民裁判を見るのはご免だった。
「大佐、何人かの村人は治療が必要でしょう。一酸化炭素中毒の症状を起こしています。」
軍医が何人か居るわけだから指揮を取らせるついでに治療をさせれば良いだろう。
「ま、修羅場と言えば修羅場ですな。それにしても・・・頭をぶち抜けば良かったかな?」
鱗に覆われる面積の増えたユダに向かって笑い掛ける。
「どんどん死に難くなってますね。」
より化け物に近くなっているのだろう。
次は確実に殺さなければなるまい。
「ただ・・・人間の意識だけは保っておいてもらえると有難いんだがね。」
じゃなきゃあのクリムゾンヘッドみたいに間抜けな死に様を晒す事になるのだから。
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:体育館の村人を解放した事実を告げる。今回はユダに敵意無し。
>210
>「励ましの言葉としては悪く無い。だがパンチに欠けるな」
>「そりゃーわぁーるかったわねー」
ブランデンブルグは軍隊と言う場所、そしてナチスドイツと言う時代に過度なまでの入れ込みがあったのだろう。
結局、軍隊は任務を与えられ、それを果たすだけの場所と考えられなかったのだ。
マクナブも同じだった。
己の力量によって世界を正し、より良い方向に導きたかった。
もっとも2度目の北アイルランド派遣で戦友が射殺された時には仲間を守る事に変わってしまった。
人のまま年を取った男と狼になった男の違いだろう。
>「馬鹿野朗。女に凝り無い男の何処が完璧だ。俺は欠陥だらけの痩せ狼だ」
「ああ、おまけに飲んだ暮れだ。」
もう一人で立てる、と言ったブランデンブルグの背中を叩きながら笑った。
>216−217
>「よろしいでしょうか・・・? 」
シノザキの後ろに控えていた少女が口を開く。
「私は由比明良と申します。先程、この男性に助けていただきました。
私も、皆様と一緒にこのビルから脱出する為に同行させて頂きたいのですが・・・。」
服装からしてパーティーの参加者だろう。
だとすれば色違いだとしてもレッドチームの突入は目撃していた筈だ。
虐殺の目撃者にしては随分落ち着いているのが不思議だった。
こめかみの辺りにあるスイッチを押し、ガスマスク内蔵の参加者リストにアクセスする。
カメラが取り込んだ彼女の画像からリスト内の人物を選択し、データが表示されるはずだ。
「無理すんな。もっとフランクに喋っていいぜ。
俺はマクナブだ。」
マクナブがガスマスクを外して頷く。
再び装着する頃にはデータが表示されているだろう。
>「DEA捜査官、ウィリアム・パターソンだ。俺も出来れば同行させてもらいたい。勿論、消えろと言われれば消えるつもりだ。
・・・由比ちゃん、便乗したようで悪いな。怒らないでくれよ」
DEAという単語を聞いて舌打ちし、ブランデンブルグと顔を見合わせる。
所詮アメリカ人などヨーロッパ人から見れば食いっぱぐれて、逃げ出した貧乏人の子孫に過ぎない。
だとしたら自動車修理工の倅の方がよっぽど由緒正しい。
正直な所、不良中年のアメリカ人風情がイギリス王室の王子と同じ名前を名乗っているのが気に食わない訳だ。
「よりによってアメリカ人かよ。麻薬取締局が何してる?パブロ・エスコバルのゾンビでも出たのか?」
1993年12月2日に射殺された伝説的な麻薬王の名前をマクナブが言った。
DEAのみならずアメリカ陸軍情報部、同陸軍の特殊部隊であるデルタフォースまで参加した世紀のマンハントには
イギリス陸軍特殊部隊に所属していたマクナブも一枚噛んでいた。
余談だが映画ブロウに出ていたパブロ役の俳優は本当にそっくりだった。
「まぁ一緒に行っても構わないが。」
>「あた・・・・・わたくしは綾小路桃華です。桃華で良いわ。由比さん、ミスタ・パターソン、よろしくお願いします。
で、ミスタ・パターソンはなぜ消えなきゃいけないの?一緒に行きましょうよ」
桃華が遮るように言う。
(よりにもよってヤンキーだから、だ。)
マクナブが腹の底で呟く。
>「で、あのー、あれだ、これからどうするんだ?」
「人の話を聞いてないのか?取り合えず日本庭園に移動するんだよ。
そのまま上に向かって管制室に行く。そこでロックを解除するんだ。ビル全体のな。」
>217>220
>「よりによってアメリカ人かよ。麻薬取締局が何してる?パブロ・エスコバルのゾンビでも出たのか?」
「アホか、誰が生粋のアメリカ人だって言った?大体アメリカ人て言えるのはネイティブアメリカンだけだろうが。
俺の出身地はベルギーのブリュッセルだよ、英国紳士殿。それと、パブロは話に出さない方がいいぞ。」
長いので一旦話を切る。
「もしウィリアムって名前が気に障るんなら、ザクセンと呼んでくれてもいい。俺の本名だ。」
懐かしい名前だ、と心底思う。あのままベルギー連邦警察に居れば、こんな事に巻き込まれなかっただろうに。
そういや今年のクリスマスはブリュッセルに帰る予定だったな。・・・もう無理かもしれないが。
>「あた・・・・・わたくしは綾小路桃華です。桃華で良いわ。由比さん、ミスタ・パターソン、よろしくお願いします。
で、ミスタ・パターソンはなぜ消えなきゃいけないの?一緒に行きましょうよ」
「ありがとう、桃華。私と話す時には普通に喋ってくれていい、その方が楽だからね。」
曲がりなりにも俺は上流階級の端くれだ。これ位の言葉遣いはできる。
ついでだから服装もと、襟を正し、ネクタイを締め、スーツのボタンを留める。
するとあら不思議、不良中年からどこかの政府高官に大変身。これでアタッシュケースがあればな・・・
>「人の話を聞いてないのか?取り合えず日本庭園に移動するんだよ。
そのまま上に向かって管制室に行く。そこでロックを解除するんだ。ビル全体のな。」
「君、そんな言葉遣いでは人に好かれないぞ・・・・・まあそれは良しとしよう。
とにかく、当面の行動計画は理解できた。ありがとう、マクナブ君。」
にこやかにマクナブの手を握る。
ああ、昔に戻った気分だ。連邦警察の高官だった頃が懐かしい。
>「ちょこちょことビール取りに行きたいなーなんて。ダメ?」
おっと、私は酒の話には弱いんだ。一枚噛ませてもらおう。
「失礼、酒を取りに行くのなら私もついて行こう。お嬢さんではバドワイザーを持ってきてしまいそうだからね。
やはりビールはヒューガルデンかデュベルに限る。あのドイツの方にはケルシュかピルスを・・・分かるかい?」
ううむ、やはり子供には酒類の話は理解し難いのだろうか?とても難しい顔をされてしまった。
名前:ウィリアム・パターソン→デイヴィン・ザクセン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(17+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:スペンサービル30階
状況:見た目ちょいワル→どこかの政府高官、人格ウィリアム→ザクセン
>212
「いやああああああああああ!!! 爺さん撃って撃ってーーーぇぇぇ!!!!」
傍で顔を出した大芋虫に尻尾を向け、大急ぎで足を動かす。
かすっただけで死ねるぜーこれは。
どうやら芋虫ヤローはオイラに狙いを定めてパックリいくつもりらしい。バキューンしてる爺さんには見向きもしない。
囮役としては成功だー。
だけど、これは死ぬぜー。
「うっわーふ! ううううううっわあああああっふ!!?」
盛り上がる地面と降りかかる土に邪魔されながら、爺さんの邪魔にならないように駆け回る。
……ん? あれ?
襲ってこない?
これ幸いとプルプルやって毛先についた土を落とし、周りを見てみる。
あ、オイラ、岩の上に乗っかってるや。
なるほどー、地面が岩だと掘り進んだりできないもんねー。
へっへー、逃げ道見っけ〜。
臭い芋虫めー。安全圏からオシッコくれちゃる。
状況:必死に逃げ回った末、大きめの岩の上から地面にマーキング攻撃を敢行
>222
「GYAAAA!!!」
暫く岩に体当たりするが、無駄と分かると狙いを変えた…かのように思えた。
グレイブディガーは岩の真下を掘り進み、大きな空洞を作っていた。
モフが乗っていた岩は徐々に沈み始めた。
>195
「へ? アルテミスが使えないかって? 今の催眠状態を解除することはできるけど、思い通りに動かすとなるとねえ・・・・」
この状態でカプセルに戻して再起動しなくちゃいけないわけだけれども・・・・・もう無理だろうなあ。
>204
>「技術点芸術点ともに満点です!」
あっはっは、そりゃおめでとう。
前方宙返りを繰り返して目の前に降り立った少女を見て、僕は喉の奥で乾いた笑い声を上げた。
こいつ、何で無傷なんだ? もしかしてB.O.W?
人間だとしたら、とんでもない素材になるだろう。まあ、僕の好みじゃないわけだけど。
>「ほら、できるだけ奥の壁に密着して。頭は低くね。あのハゲも中に入れてあげなくっちゃならないんだから」
「正気ですかあああああ!? いややめて蹴らないで」
物騒女が上機嫌で僕達を奥の壁まで追い込んで中に入ってくる。
暗い中で見下ろしてくる猫みたいな瞳が、一瞬ネメシスより怖いと思えたことは秘密だ。
「それで、何か手段があるんですよね? こんな狭い袋小路に――って、キタキタきたきたきたあああああああっ!!!?」
華奢な背中に真っ直ぐ突進してくるネメシス。あの勢いだと、僕ごと踏み潰して壁に穴を空けるような!?
何でもいいから、早くどうにかしてええええええええええええ!!!!
現在地・状況:地下フロア、監視室のシャフト内、攻めるネメシスに壁際で腰を抜かしている。
>204
「グウウウ…」
ネメシスは外された親指と右手首を嵌め直すと、猫のような身のこなしのシャファンを見据えた。
このまま真っ向から仕掛けても捉えられない。パワー、スタミナでは遥かに此方が勝っているが、
スピードでは劣っている。掴まえようにもするりと鰻の様に擦り抜ける。
「く…っリ、ペェン」
ネメシスは標的をシャフト内のクリッペンに変え、左手を翳した。
すると身体に寄生させているネメシスが驚くべき速さでクリッペンへと伸びる。
スプリンクラーの起動を伝える雨音が聞こえてきた。
これで火が消えてくれると、この階にまで影響は及ばないはずだ。
>216
両者の緊張はやや解けたと言った所だ、
あの男性はシノザキという名前らしい
(はて、会ったことが無いのに昔から知っているような気がする名前だ)
私の挨拶の後、続いてウィリアムさんも同じように挨拶をした。
>「便乗したようで悪いな。怒らないでくれよ」
きょとんとする私、何で謝られなくちゃいけないのだろうか?
別に構いませんよ、とにこやかに彼に微笑む・・・DEAって何だろう。
>217
>「あた・・・・・わたくしは綾小路桃華です。桃華で良いわ。由比さん、ミスタ・パターソン、よろしくお願いします。
>で、ミスタ・パターソンはなぜ消えなきゃいけないの?一緒に行きましょうよ」
(うわぉ、いかにもお嬢様な苗字だな)
確かに・・・私が養女としてもらわれた所の苗字が西園寺で、
その間苗字を呼ばれる度に、無性にむず痒かったのを覚えている。
しかし・・・まだあどけない表情の残る少女だ、この一件でさぞ辛い思いをしてきたと思う。
「ええ、よろしく御願いしますね、桃華さん。」
精一杯の笑顔で私は彼女を見つめた。
>「ちょこちょことビール取りに行きたいなーなんて。ダメ?」
ビール?何に使うんだろ・・・って一人は危ないと思い私は止めようとする。
が、ウィリアムさんが着いて行くらしい・・・って誰だこの偉そうな人は!
>220-221
>「無理すんな。もっとフランクに喋っていいぜ。俺はマクナブだ。」
ガスマスクを外して、いかにも軍人な風貌の男性が応えた。
私の普通の喋りはこれだから、これ以上砕けられそうも無い、
彬の喋り方だと、確実に 撃 た れ る
「え、ええ、よろしく御願いいたします。」
それにしてもやけにこの二人は仲が悪そうだ。マクナブさんはアメリカの人が嫌いなのだろうか?
(なんでだと思う?) 「(え・・・あ、冷戦?)」 (・・・3点)
>「人の話を聞いてないのか?取り合えず日本庭園に移動するんだよ。
>そのまま上に向かって管制室に行く。そこでロックを解除するんだ。ビル全体のな。」
「・・・上に昇るんですか」
せっかく降りてきたのにまた上とは・・・なんとも悲しいものだ。
しかし、希望がそこにあるのなら仕方が無い、もう一度昇るまでだ。
「ところで・・・そちらのお方は大丈夫ですか?何か、怪我でも・・・」
先程から様子がおかしく、しかし話の中心になっていた軍人さんを私は見つめた
>226
>「ところで・・・そちらのお方は大丈夫ですか?何か、怪我でも・・・」
「いや。寿命が近いだけだ。気にするな」
にやりと狼面を歪めて見せる…が、あんまり驚いていないようだ。
それもそうだろう。そもそもこのビル自体が化物の巣窟と化しているのだ。
今更狼男を見たぐらいで、たまげる魂とは思えない。
「…手ぶらなのは御嬢さんだけか」
一見すると、新たに一行に加わった少女には武器らしいものは見当たらない。
俺は腰のベルトに吊っていたホルスターからワルサーP38を抜くと、少女に手渡した。
「それを使うといい。使い方はそこのガスマスクのに教えて貰え」
序に予備弾倉が入ったアモポーチもぽんと放り投げる。どうせこの先、自分には必要無い。
そもそも『連中』には通常火器は通用しない。持っているだけデッドウェイトだ。
出来るならばMG3もマクナブあたりに渡したいが、重量が10kg近くもある軽機関銃をただの
人間が持つにはかなりの重労働だ。しかもここまで来るのに随分と体力を消費している。
今しばらくは、自分が持って火力支援をしてやろう。
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
現在地:30階
状況:由比にワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5を渡す。
>214、>207
「…何、軍人として住民の協力を要請しているだけさ。本当は君に任せたかったんだがね」
死んだと思っていた怪人が生きていた事には驚きを見せたが、それ以上に驚いたりはしなかった。
そして死にかけの男が投げた物を受け取ると、銃を村田へ向けたまま、男の方に目を向ける。
「…ああ、有難く頂いておこう」
短くそうとだけ言うと、再び村田へと視線を戻した。
>215
「…何?それはどういう意味で……まさかっ!」
村田の言葉に含まれた真意を察した瞬間、大佐は村田の胸倉に掴みかかっていた。
後ろに並んだ二人も、今にも引き金を引きそうな表情で村田を睨んでいる。
「貴様ぁっ!!自分が何をしたのか分かっているのかっ!!この人でなしがぁっ!!」
その表情には先程のような、交渉する為の冷静さなど一片も無く、ただ怒りに満ちていた。
「二人とも急いで体育館へ走れ!どんな手段を使ってでも村民を解放しろ!!」
二人の部下へ指令を発した、その時だった。
>218
ふと何者かの気配を感じたかと思うと、聞こえてきたのは聞き覚えのある声だった。
「それは本当かっ!?本当に村民は解放したんだなっ!?」
今度は鈴木に掴み掛かりそうな勢いで聞き返して、その経緯を聞き、幾らか落ち着きを取り戻した。
差し出されたライターで煙草に火を着け、それを咥えて深く吸い込む。
「……よし。金田兵長、橋本中尉、先程の命令は撤回。中尉は体育館へ向かい、村民の救護をしてくれ。
兵長、君は警備に着いてる猟銃を持った連中を集め、彼らの人数及び残弾数の把握をして欲しい。
どちらも任務が終了次第、速やかにその旨報告を願う」
新たな指令を受けた二人は、大佐へ敬礼を行なった後に、体育館へと走っていった。
「…さて、彼らはどうしたものだろうね。私としては彼らの救助に気が進まんが」
死にかけた男と、先程まで胸倉を掴んでいた男を睨みつつ、鈴木へと問いかけた。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:AK47自動小銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>206
看護婦からの問い掛けに、周囲を警戒しつつ、飯田少佐が答える。
「いいや、もうだいぶ近くまで来ているはずだ。ほら、向こうに見えてきたぞ」
少佐の視線の先には、闇に沈んだ大きな四角い箱のような建物があった。
良く見れば二階の一部は崩れていて、並んでいる窓は割れていない物のほうが少なく、
所々に何本もの蔓が絡んでいるのも見える。
「………おや?彩ちゃん、犬が逃げてしまったのかい?」
犬が居なくなったのに気がついて、犬がついて来ていないものかと後ろを振り向く。
「軍曹が連れてきてくれればいいんだが……」
名前:飯田忠雄
持ち物:九九式短小銃、背嚢
>211、>212、>222
「……勇気のある犬だ。生きて帰ったら高い肉でも買ってやらんとな」
吠えながら岩に登った犬へと小声で呟き、化物へ向けた小銃の引き金を引いた。
遊底を引いて次弾を送り込み、再び化物へと照準を合わせる。
「…潜ったか」
時間から考えても、三人が宿舎に着く頃だろう。あの辺りには固い岩盤が埋まっている。
研究所を作った時に、作業員が掘削が面倒だったとぼやいていたのを何故か覚えていた。
建設重機を使って面倒ならば、この怪物にも恐らくは破られないだろう。
「おいっ!我々も後退するっ!!こっちに来るんだっ!!」
ずぶずぶと沈み始めた岩の上の犬へと叫び、銃を構えつつ犬が下りてくるのを待った。
名前:水野治夫
持ち物:三八式歩兵銃、水筒、背嚢
>219
ハンターを喰い尽くしたゾンビの大群が押しよせた。
>228 215 214
>「リッカーにやられた。感染もしている」
「ふ〜ん、あっそう、なるほどなるほど・・・感染しちゃったんだ?」
コリコリと米神を掻きながら、俺は倒れてる男に近づく。
「だからとっとと死のうってか?は、冗談は止めろ、させねぇよそんな事」
リーダー君の猟銃を掴み、男から逸らさせる。そしてしゃがみ込むと、男の傷口、出血具合を確認する。
傷自体は大した事はないが・・・なるほど、確かに感染しているな、よろしくない。
「リーダー君、この男を殺すのは待て・・・助かる可能性はある」
男はそんな俺の態度に訝しげな表情をする。
「俺の目的は人間との殺し合い、そしてお前はきっと最上級の人間・・・化物にするには惜しすぎる。
俺に目を着けられたのが運の尽きだったと諦めろ、お前には足掻いて足掻いて足掻いてもらう。
まあ、足掻いた結果どうしても化物に成っちまうってんなら・・・その前に俺が髪の毛一本残さずに喰らうと、契約しよう」
そうだ、これ以上俺が目を付けた人間に脱落されてたまるか、殺させないし死なせない。
変なアクシデントや個人の判断で俺の生きがい、楽しみを勝手に奪うんじゃあない。
「ま、この男の事はわかった、でー・・・そっちは?」
>「この爺さん達は俺たちがしてる事が気に入らないんだそうだ。」
>「…何、軍人として住民の協力を要請しているだけさ。本当は君に任せたかったんだがね」
と、2人同時に答える。
そして、その後のリーダー君の『体育館に行ってみるといい』の意味を理解した老人は激昂した。
>「貴様ぁっ!!自分が何をしたのか分かっているのかっ!!この人でなしがぁっ!!」
完全にぶち切れてもう今にもリーダー君を殺してしまいそうな勢いだ。
まあ、この老人もかなり感情の制御の出来るほう・・・殺しはしないだろう。
>228 219 218
>「体育館の連中なら開放しましたよ。」
と、その時、俺を黒焦げにしてから姿を見せなかった小川が出てきた。
小川は体育館の連中を助けた経緯を話すと、リーダー君の方を向き言った。
>「連中、あんたを吊るしてやるって息巻いてましたからね。逃げるなら急いだ方が良いですよ。」
心なしかリーダー君の顔色が少々歪んだような気がした。
>「ま、修羅場と言えば修羅場ですな。それにしても・・・頭をぶち抜けば良かったかな?」
リーダー君に忠告し、老人達に言葉を掛けると今度は俺だ。
「・・・そうだな、俺を殺すにはそれが一番・・・、ま、それで『俺』が死んでもこの身体が死ぬとは限らない、がね」
>「どんどん死に難くなってますね。」
小川は笑いながら言う、どこか楽しげだ。
「おかげ様でな」
死に近いダメージを受ければ受けるほど、俺の身体は強化され続ける。
俺を殺すのなら、確実な死をこの身体に刻み込むしかない。
>「ただ・・・人間の意識だけは保っておいてもらえると有難いんだがね。」
「当たり前だ、この身体の主導権は常に俺にある・・・俺の中の蛇が出てくるのは俺が意識を失ったときだけだ。
なぁ?少年ならわかるだろう?」
小川の後ろで俺の姿を凝視していた少年に俺は語りかけた。
「いやいやいやいや、生きていたようで何よりだ・・・嬉しいよ、前はあられもない痴態を見せてしまって申し訳ない」
ゆっくりとした歩調で小川の後ろに隠れている少年に近づき、その手から俺の愛銃を取る。
「預かっていてくれてありがとう、役には立ったかな?役に立ったようなら何よりだ」
俺は小川に背を向け、リーダー君に語りかける。
「ともかく男の止血をしたい、包帯と消毒薬を用意してくれないか?それと・・・俺の服もだ。
ああ、これは護身用に持って行くといい・・・その猟銃よか連射力はあるし扱い易いだろう」
少年の手から取った、ベレッタを今度はリーダー君に手渡す。
「ただ五発しか入ってないんでな、最高で5人、もしくは5匹までしか殺せない。ご利用はご計画的に」
そして今度は老人の方に身体をむけ言った。
「今からリーダー君が校舎に入るが、もし・・・村人の誰かがリーダー君に何かをしたら・・・皆殺しだ。
リーダー君には今死んでもらっては困る、皆殺しにされたくなければ、村人の管理はキチンとしときな」
所持品:焼け焦げた自分の右手
現在地:九武村 分校 校庭
状況:かろうじて半裸
>217>221>226>227
お互いに簡単な自己紹介が始まった。そしてすぐ終わる。
われらが死にぞこないの戦友殿はどうやら自分で立っていられるようだ。
だからといって絶好調というわけではないが。
確かに原因が分かったところで、今の俺たちには何も出来なさそうだ。
歯痒い、とは思うまい。それはさすがに自惚れすぎだろう。
それでも思わず拳を握り締めずにいられなかった俺の袖を、誰かが引く。
>「ねえねえ、シノザキさんは喉渇いてない?」
振り向くと同時に声をかけてきたのは桃華だった。確かに若干水分が欲しい。
>「ちょこちょことビール取りに行きたいなーなんて。ダメ?」
確かに、出来ることといえばそれくらいなものか。
その桃華の言葉に、ルイスとやり取りをしていたウィルが食いついてきた。
>「失礼、酒を取りに行くのなら私もついて行こう。お嬢さんではバドワイザーを持ってきてしまいそうだからね。
>やはりビールはヒューガルデンかデュベルに限る。あのドイツの方にはケルシュかピルスを・・・分かるかい?」
なんだか随分と気取った言葉遣いになっている。とても同一人物とは思えない。
「・・・せいぜいハイネケンかギネスくらいなもんだと思うが」
俺はその急変に戸惑いつつも、ウィルに言葉を返す。
実際、客室備え付けのバースペースにそこまで豊富な種類の酒があるとも思えない。
しかし度数の強い酒の1、2本は確実にあるだろう。それを割るための水もだ。
振り向くと、明良と名乗った女の子がブランデンブルクから拳銃を受け取っていた。
「お嬢ちゃん、あんたも来な。背中と足の手当てだ」
その腕を取って客室へ引っ張り込む。一応バスルームなどを検めたが、何もいない。
部屋の各所からウイスキー、ミネラルウォーター、シーツなどをかき集め、
明良の背中を手当てする。どうも酸か何かをかけられたようで炎症を起こしていた。
いっそさっきのスプリンクラーの中に立たせておくべきだったかもしれない。
「バスローブかなんか羽織ってた方が良いかもな。ちと露出度が高すぎだ」
酒をしみこませた布で背中を消毒しながら声をかける。
素肌を晒した状態からなら、服一枚着るだけでも安心度は変わるものだ。
背中の手当てを済ますと、酒と布を明良に渡した。手が届くところは自分でやってもらおう。
一方手すきになった俺は、スリッパにナイフで穴を開け、そこへ細く切ってよったシーツを通し、
ストラップ付きのサンダルのようなものを作る。それも明良に渡し、手当ての際に余った水を一気に飲んだ。
一息入れ、また棚をかき回して酒を一本取り出す。
レモンハート。度数75度。
キャップを開け、シンクへ中身を少し流す。口にシーツの切れ端をつめ、火炎瓶の出来上がりだ。
下で作ったものに比べて重くて嵩張る上に火力も劣り、絨毯敷きのフロアじゃうまく割れてくれるかも分からないと、
欠点だらけというか、使い物にならない可能性が高いような物だが、可燃性の液体自体は何かしら使い道もあるだろう。
お守り代わりと思えばいい。ついでに水のボトルを一本と、余ったシーツもリュックにいれた。
「んじゃ、行くとしようぜ」
部屋の中へ声をかけ、俺は廊下へ踏み出した。
所持品:携帯電話、ナイフ、財布、HK33(4)、予備弾倉(20)、ブローニングHP(0)、ライター、ニコチン濃縮液、
リュック(コンパクトカメラ、空フィルム、電池、携帯電話用充電器、鉄串、火炎瓶、水、布)
現在地:スペンサービル30階
>233
「SYAAAAAAA!!!」
廊下に出た途端、天井に張り付いていたリッカーがシノザキの背中に抱き着いてきた。
リッカーはそのまま棘の生えた舌をシノザキに絡ませ、驚異的な腕力で首を捻じ切ろうとした。
>228
>「…さて、彼らはどうしたものだろうね。私としては彼らの救助に気が進まんが」
私が助かるとは思えない。
救助したところで時間と労力の無駄だ。
「気が進まないなら止めておけ、いずれ後悔することになる」
>231
>「だからとっとと死のうってか?は、冗談は止めろ、させねぇよそんな事」
この男の行動が読めなくなってきた。
私を生かしておいてどうするつもりなのだろうか。
>「リーダー君、この男を殺すのは待て・・・助かる可能性はある」
一縷の望みに賭けるのは感心できることではない。
judasが何をするつもりなのか興味があるが、それに結果が伴うかどうかが問題だ。
今は時間がない。
>「俺の目的(中略)契約しよう」
私は最上級どころか狂人の部類に入る人間だ。
なぜjudasはここまで私を買っているのだろうか。他人の思考ほどわからない事はない。
だが、自分の最期をこの男に飾ってもらえるなら悪くないかもしれない。
所持品: 斧、拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 負傷@感染
>227
>「いや。寿命が近いだけだ。気にするな」
その声が、彼の容姿と共に飛び込んできた。随分と野性的な男性だ。
・・・暗喩的な表現を言ったわけではない、野生そのものだ。
化け物は正直慣れない、しかしこの人は喋っている。多分元・人間か何かなのだろう。
(だとすれば、俺達と同じような存在・・・かも知れないな)
それに、彼の何たるかを知らない私に、口を挟む権利は、やはり無い。
>「…手ぶらなのは御嬢さんだけか」「それを使うといい。使い方はそこのガスマスクのに教えて貰え」
しかしいたたまれずに顔を背けようとした時だ、彼の言葉が私を引き止めたのは、
掌に置かれたのは一丁の拳銃と、放り投げられた銃弾。
何れも、人を殺し得る、凶器だ。
「ひえええぇぇぇ。」
確かに、自分の身も守れない人間を守る余裕が無い状況なのは分かる。
分かるがまさか自分が拳銃を握る羽目になるとは、
腕が拳銃の重さに下がっていく。
>233
>「お嬢ちゃん、あんたも来な。背中と足の手当てだ」
シノザキ・・・さんが私の手を引いて部屋に連れ込む。
部屋に散らばる幾つかの品々で私の怪我の手当てをしてくれる。
随分と手際がいい、この人も軍隊か何かに関わっているのだろうか?
どうみても先程の二人は軍人、ウィリアムさんは・・・の捜査官だし・・・
>「バスローブかなんか羽織ってた方が良いかもな。ちと露出度が高すぎだ」
「ッゥー!」
ああ、良くある光景、お酒で消毒するってやつ、痛い、染みる、
頭を抱えた私に、シノザキさんはお酒と布切れを渡してくれた。
凄くうれしいけど、凄く痛い。
「・・・」
私は渡されたお酒を口に含み、そして足裏の患部に噴霧した。
(どこでそんな曲がった知識を得た!) 「(え、違う?)」
簡易の靴まで作ってもらって、まさにおんぶに抱っこである。
なんとも有り難い様な、情けないような。
>「んじゃ、行くとしようぜ」
と言うシノザキさんの背中がなんとも大きく見え・・・
>234
当たり前だ!化け物が覆いかぶさっているんだ!
まだ半分以上残った酒を放り投げて俺は
シノザキの背に乗りかかった化け物を引き剥がそうと横っ腹を突き飛ばす。
「くそ、この、どきやがれ!銃が撃てないだろうが!」
この声に、後ろの方にいる奴らが気付くことを祈りつつ、俺は銃を握った手で
リッカーの側頭部を殴りつけた。
所持品:ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5
所持品:バスローブとサンダル、酒、布は現在床
>226
>「ええ、よろしく御願いしますね、桃華さん。」
由比さんが微笑みながらそう挨拶してくれた
「パーティに出席したばかりに、お互い踏んだりけったりですわね」
年の頃はあんまり変わらない筈だけど、スタイル的には6.7年くらい差がありそうだ。
黄色いドレスから覗く胸の谷間を見ながら、あたしはこっそりため息をついた。
>227
由比さんがミケさんを心配して、ブランデンブルクさんと会話している。
>「いや。寿命が近いだけだ。気にするな」
普通気にするわよと内心で突っ込む。ミケさんがにやりと笑うけど牙をむいてるようにしか見えない。
……由比さんは可憐だけど、割と肝は据わってるのかもね。
そういう意味ではミスタ・パターソンもご同類かもね。尊敬に値するわー。
>220
ミスタ・パターソンと今後の予定を話している。……あれ、もしかしてミスタ・ルイス機嫌悪い?
なんだろ、脇腹の傷が痛むのかな。
>221 >233
シノザキさんをホテルの部屋に誘っていると(…こう書くと何か意味深ね)ミスタ・パターソンが話に加わった。
>「失礼、酒を取りに行くのなら私もついて行こう。お嬢さんではバドワイザーを持ってきてしまいそうだからね。
やはりビールはヒューガルデンかデュベルに限る。あのドイツの方にはケルシュかピルスを・・・分かるかい?」
私は困惑した。……ドイツビールなんてあるかしら。
それにネクタイ締めたら、ミスタ・パターソンが急にお行儀良くなったわ。もしかして、二重人格?
>「・・・せいぜいハイネケンかギネスくらいなもんだと思うが」
「せいぜいアサヒかキリンじゃない?好みのビールがあると良いんだけど。
ところでミスタ・パターソン、どちらの名前でお呼びすればよろしいのかしら?」
由比さんに手招きしているシノザキさんを尻目に、あたしはミスタ・パターソンにそう尋ねた。
シノザキさんはてきぱきと由比さんの世話を焼いていた。
あたしのようなものがでしゃばっても仕方ないので、予定通りミスタ・パターソンと冷蔵庫を覗いた。
ホテルのものとは思えないくらい、冷蔵庫の中身は充実していた。
一時停電になっていた筈なのに、冷蔵庫はきっちり仕事をしてたみたい。
ミスタ・パターソンの見立てで、あたしは冷えたビールを手に入れた。
「ありがとう、ミスタ・パターソン。渡してくるね!」
あたしはとことことミケさん達の下へと向かった。
背伸びしてミケさんの鼻先にビールを突きつける。
「はい。ビール。ちゃんと冷えてるわよ。
――――飲んでもいいけど、あっさり死なないでよね」
偉そうにミケさんに釘を指しながら、あたしはミスタ・ルイスにも飲み物を渡した。
「これはミスタ・ルイスの分ね。ミスタ・パターソンのお見立てだから」
何だろ、ミスタ・ルイス機嫌悪いのかなー。
>235>236
急に戸口付近が騒がしくなった。
>「くそ、この、どきやがれ!銃が撃てないだろうが!」
可愛らしいドスの聞いた声が戸口から聞こえてきた。血相を変えた由比さんの声だった。
だけどあたしなんかより、皆の反応の方がずっと早かった。
あたしは皆の背中越しに、何とか状況を掴もうと背伸びした。
>218−219>228>231-232>235
>「だからとっとと死のうってか?は、冗談は止めろ、させねぇよそんな事」
事情を聞いたjudasが猟銃を掴んだ。
>「リーダー君、この男を殺すのは待て・・・助かる可能性はある」
この言葉も続いた言葉も村田にはさっぱり理解出来ない。
解ったのは吊るされないで済むという事だけだ。
>「二人とも急いで体育館へ走れ!どんな手段を使ってでも村民を解放しろ!!」
さっきまで自分を殺そうとしていた人間が慌てるのを見るのは楽しい。
>「体育館の連中なら開放しましたよ。」
後ろに立っていた男に驚くよりもがっかりとした気分の方が大きかった。
>「それは本当かっ!?本当に村民は解放したんだなっ!?」
大宮大佐の声にはもっとがっかりした。
完璧な計画だった。
突然現れた男とjudasは知り合いらしい。
どんな関係なのかは理解出来なかった。
>「ともかく男の止血をしたい、包帯と消毒薬を用意してくれないか?それと・・・俺の服もだ。
ああ、これは護身用に持って行くといい・・・その猟銃よか連射力はあるし扱い易いだろう」
judasが黒人から取り上げた拳銃を村田に渡す。
「一発で殺せる相手ばかりなら良いんだがな。」
judasと一緒に校舎に向かって歩き出す。
振り返って大宮大佐に薄笑いを向けると再び歩き出した。
>223>229
あわわわあああい!!? 死ぬー!
大きな揺れが足元を走る度に岩が地面に沈んでいく。にゃろー、なんてことをー。
爺さんのバキューンがなかったら、芋虫の糞になるところだったぜ。ありがとー!
揺れが収まり静かになったころを見計らって岩から降り、爺さんの足元をッテーーーーっと抜ける。
あいつが大人しくしてる内に、ハニーの後を追いかけるんだ。
>233>236>237
>「・・・せいぜいハイネケンかギネスくらいなもんだと思うが」
>「せいぜいアサヒかキリンじゃない?好みのビールがあると良いんだけど。
>ところでミスタ・パターソン、どちらの名前でお呼びすればよろしいのかしら?」
「うーむ、ハイネケンやギネスは良いとしても、日本のビールは水っぽくて好きにはなれないんだ・・・
おっと失礼、今暫くはザクセンと呼んでほしい。それが私の本名だからね。」
二つの名前を使い分けるのは大変ではないか、と聞かれた事があった。
今なら「そんなことはない」と言えるが、その時は何も答えられなかったし、答えたくなかった。
何故答えなかったのか、今となっては思い出せないが・・・・・まあ、昔の事はどうでもいいだろう。
>「お嬢ちゃん、あんたも来な。背中と足の手当てだ」
由比を客室へ連れてきたシノザキの声を聞きながら、冷蔵庫の中を見る。
やはりビールやウイスキーが多く、私の愛飲している「モスコフクカヤ」というウォッカは無いようだ。
せめて「ストリチナヤ」でもあれば・・・おお、あったぞ!
・・・・もうロックグラス一杯分しか残っていないが。
>「ありがとう、ミスタ・パターソン。渡してくるね!」
「いやいや、私などが役に立てるのはこれくらいしか・・・ははは、若い娘は元気がいい。」
客室から出て行った桃華を見送りながら、ウォッカを一気に飲み干す。
>「んじゃ、行くとしようぜ」
その声に促され、グラスを置いて立ち上がった時、ドアの方がにわかに騒がしくなった。
>234
銃を取って廊下に出ると、由比がシノザキの背中に取り付いたリッカーを殴りつけているではないか。
これには流石に驚いた。彼女がそんな事をやるとは思っていなかったからだ。
・・・もちろんリッカーにも驚いたが。
>「くそ、この、どきやがれ!銃が撃てないだろうが!」
「どきなさい、私が引き受けよう。」
由比をどかすと、シノザキに乗りかかったリッカーの横に回って蹴りを入れる。
それに反応したリッカーの顔がこちらを向いた瞬間、頭部に向けて何発か撃ち込む。
嫌な音を立てて後ろの方に頭の中身だったものが飛び散り、力なく体がずり落ちた。
「大丈夫かね、シノザキ君。銃声で耳がおかしくならなかったかな?」
名前:デイヴィン・ザクセン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(12+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:スペンサービル30階
>229 >239
宿舎はもう目の前だった。
緑と黒で彩られた建物は、昼間でもきっとお化け屋敷だと思うだろう。
まして今は夜だった。
だけど今の私には、そんな不気味さに気づくだけの余裕は無かった。
>「………おや?彩ちゃん、犬が逃げてしまったのかい?」
私は涙目になって頷いた。
「モフー!モフー!」
半分べそをかきながら、大声でモフの名前を呼んだ
皆しばし足を止めて待ってくれたけど、モフは現れなかった。
>「軍曹が連れてきてくれればいいんだが……」
飯田のおじいちゃんの話を上の空で聞いていた。
耳を澄ますと、銃声と、キャンキャンと甲高い小型犬の鳴き声が聞こえてくる。
モフだ、何か酷い目にあっててるんだわ。
「おじいちゃん、私モフを探してくる!」
私はそう叫ぶと、駆け足で今来た道を戻ろうとした。
所持品:カードファイル、ロケット、指輪、財布、鍵、非常用袋(中身不明)
服装:セーター、ジーンズ、赤い防寒服上下、手袋、完全防水ブーツ
状況:九武村 宿舎付近。モフを探しに行こうとする
名前:三島 祐樹
年齢:21歳
性別: 男
所持品:ハンドガン、ライフル、ライター、ライト、携帯食料&水一式
現在地・状況:九武村 入口
自分の状態:自衛隊員。自分のいた分隊は全滅、1人生き残り状況をうまく飲み込めていない。
拳銃の扱いは上手いが、直情気質で暴走の危険性あり。
いってて・・・み、みんなは!?
―目がさめたそこは、地獄のような世界だった。
まるで自分が地獄に来たような、そんな不思議な気分・・・―
ちっくしょう!!なんでこうも俺はツイてねぇんだろ・・・
生存者の救出・・・だったっけ?やるしかねぇかぁ・・・
とにかく誰か見つけないと。
状況:九武村 入口から移動
鋭利で刺々しい舌を持ったその生命体は
今まさにシノザキの生命を脅かさんとしているところだった。
こいつが軍人かどうかは関係ない、こんな不意打ちは超人だってかわせねぇ。
銃のストック?持つところでいい、とにかくそこの角で目一杯の力を込めて強打する。
脳味噌剥き出しの、弱点丸出しの側頭部にこれは痛いはずだった。
>240
>「どきなさい、私が引き受けよう。」
が、俺の行動は空しく役に立たなかった様子で、
ウィリアムがひょいっと俺を軽くどかしてさっさと化け物に打撃を加えていった。
脚の動きは俺に比べると早い感じはしなかったが、
流石に鍛えられているらしいその脚の一撃は化け物を殺すまでは行かなくても
注意を引くのに足る威力があったようだ。
「あ」
あまりの手際のよさに感心して見とれていた俺の目に拳銃が飛び込み
俺の耳に銃声が響く、どかされた事と、銃声に思わず尻餅をつく。
「(プロだな、あの手際のよさは・・・しかし何だね、あの外交官みたいな格好は)」
と、俺は先程放り投げた酒や靴やらを回収に向かう。
それにしてもあのシノザキってのは工作が得意だね、とサンダルを指で拾い上げた。
「あー、酒が零れてるよ勿体無い、勿体無い。」
流石に床を舐めるうような見っとも無い事はしなかったが、空き瓶が出来てしまった。
>「大丈夫かね、シノザキ君。銃声で耳がおかしくならなかったかな?」
やけに物腰が丁寧になったおっさんが、敵を倒した後の決め台詞のようなものを言っている。
「銃声如きで耳がおかしくなるくらいなら、
頭の方が先におかしくなるってもんだよな、この状況じゃあよ」
バスローブ、布と拾い上げていく、一応の防具と武器は出来た。
これだけあれば、どんくさい明良でも自分の身くらいは守れるだろう、後は―。
「(ウィルス、か・・・とんでもないことになっちまったな)」
足に一筋の鈍い痛みが走る。
まぁいい、元よりこれを克服する為に俺はこの世に生まれたんだからな。
名前: 由比彬
武器:ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5
いでたち:ドレス(半裂け)バスローブ、簡易サンダル
持ち物:空瓶、布
自分の状態:感染? リッカーはザクセンが撃破?
>237
桃華から受け取った缶ビールを開け、流し込む。咽喉が炭酸で焼ける。
胃に到達すると同時に強烈な吐き気を催し、俺は堪らずその場で飲んだばかりの
ビールと吐血混じりの胃液をぶちまけた。恐らく、胃が弱りきっているのだろう。
アルコールと炭酸程度にこの拒絶反応。
いよいよ自分の体が崩壊しかかっているということを認識させられる。
時間は、余り無い。
さて、マクナブの日本庭園で俺を休ませるという提案についてだが、俺は大いに賛成だ。
「マクナブ」
俺は長い腕でマクナブの肩を抱き寄せると、彼の耳下で囁く。
「俺達は監視されている。気付いていたか?」
俺は何も無い暗闇を顎でしゃくった。暗視装置内蔵のガスマスクを被っているマクナブには、
あの集音マイク付きの監視カメラが見えるだろうか?
「会話も全部筒抜けだ。でも、『連中』の狙いはお前等じゃない。取り敢えず、今は俺にある。
俺は日本庭園で『連中』を倒す。いいか、何があっても日本庭園には戻ってくるな。
今度ばかりは、俺には何の見境も無しになる…俺はお前等を巻き込みたくはない」
そう言って離れると、俺は先頭に立って歩き出した。
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
現在地:30階
状況:移動開始
―国道への道から歩いて行く三島、周囲を見渡すも誰もいない・・・本当に生存者などいるのだろうか?
じわじわと不安が三島の心を締め付けていく―
ったく・・・何がどうなってんだよぉ。
隊長も、他の隊員も・・・みんな消えちまって!!
無線も、壊れちゃって使いもんにもなんなしさぁ。
―前方に校舎らしき建物が見える・・・いったい何なのだろうか?
誰かがいるかもしれない、という喜びと共に不気味なその校舎に言い知れぬ畏怖を抱く―
・・・学校、か?
で、でもマジで人なんかいんのかなぁ・・・どう見たって明かりなんかついてなさそうだし。
まぁ、こんなとこでウロウロしてるよりかは安全だな。よぉし!!
武器:ハンドガン、アサルトライフル、予備弾丸×2ケースずつ、ナイフ
服装:迷彩服(上下)、ブーツ
持ち物:水筒、携帯用食料(少量) 、ライト
自分の状態:健康
状況:国道から分校へ向け移動開始
>246
分校の校庭で何かが燃えている・・・
その周りには武装した男達が立っている。
老人と20代後半の男のようだ。
まだ三島の存在に気付いていないようだ。
>>247 ―分校に近付くにつれて見える何か。火?そして、人間・・・?思わず身構える。
様子が普通じゃない・・・何かが起きているのは間違いない―
・・・なっ、なんだあれ。
って、もっ・・・燃えてる!?
―人の姿がぼんやりと見えてくる・・・男だ。そして、その手には武器らしきものが。
しかし、自分の仲間ではない。服装も、何もかもが違う。思わず近くの木に隠れ様子を伺うー
・・生存者?
でっ、でも様子がおかしい・・・俺達意外にも武装した部隊が?
でもそんな連絡は聞いてないし・・・?
と・・とりあえず、様子を見るしかないな。
下手に出ていいって撃たれてもヤバいし。
武器:ハンドガン、アサルトライフル、予備弾丸×2ケースずつ、ナイフ
服装:迷彩服(上下)、ブーツ
持ち物:水筒、携帯用食料(少量) 、ライト
自分の状態:健康
状況:分校前の木の陰(
>>247の存在を警戒)
>246
「GAAAAA!!!!」
物陰に潜んでいたクリムゾンヘッドが襲い掛かってきた。
素早い動きで肉薄すると、怪力で抱き着き、その柔らかい首筋に噛みつこうとした。
ブランデンブルクに向かって巨大なガが襲い掛かってきた。
>>249 ―暗闇の中から何かが近付いてくる・・・何だ?ライトで音のする方向を照らす・・―
「GAAAAA!!!!」
なっ、なんだぁ!?
人・・・?い、いや違う!!
―目の前の怪物の姿を信じられない。現実なのか、それとも夢なのか・・・どうせなら夢であってくれ。
そんな願いが心の中で反芻する・・・しかし、怪物の怪力とその異形な歯が三島を現実へと引き戻す―
(このままじゃ・・・食われる!!)
―銃をとっさに引き抜く・・だが、動転している為セーフティを解除出来ずに引き金を引こうとする―
あ、あれ!?たっ、弾が・・・!?
そうだ!!セーフティ・・・セッ・・・うわぁぁぁぁあああ!!!!
―首筋に怪物の牙が突き立てられようとする、とっさの判断で怪物の手を全力で振り払い走り出す三島―
(逃げなきゃ・・・殺される!!)
くっ、来るなぁ!!う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!
武器:ハンドガン、アサルトライフル、予備弾丸×2ケースずつ、ナイフ
服装:迷彩服(上下)、ブーツ
持ち物:水筒、携帯用食料(少量) 、ライト
自分の状態:動揺し恐怖状態
状況:分校前の木の陰から分校へ向け逃走
>237、245、240、244、250
「好かれたいなら政治色の薄い国に引っ越すんだな。オーストラリアかカナダがお勧めだぜ。」
アメリカ人はインディアンだけと言い切る移民一世の理論を鼻で笑う。
英連邦の国を出したのは嫌がらせ、というより本心からの警告だった。
政治的に不安定な地域ではそう言った国の人間だと言った方が安全だ。
マクナブもオーストラリア人と名乗る事がある。
訛りのある英語を学ぶ為に台詞を暗唱出来るほどクロコダイル・ダンディとマッドマックスを見たものだ。
>「それを使うといい。使い方はそこのガスマスクのに教えて貰え」
「・・・クラシックな銃は俺の専門外だ。後で教えてやるよ。」
持ち込んだブローニングHPも1935年製の骨董品である事を忘れていた。
「連中が戻ったらエレベータで移動だな。」
ビールを取りに行く4人の姿を見送る。
パタパタと桃華がビールを両手に戻ってくる。
>「はい。ビール。ちゃんと冷えてるわよ。
――――飲んでもいいけど、あっさり死なないでよね」
ブランデンブルグがプルトップを開け、一気にビールを流し込む。
この飲んだ暮れめと苦笑する。
>「これはミスタ・ルイスの分ね。ミスタ・パターソンのお見立てだから」
「ありがとう。だが頭をしゃっきりさせておきたいんだ。」
受け取ったビールを片手に笑うとガスマスクを装着する。
程なくして銃声と叫び声、いや怒声が聞こえた。
隣では盛大にもどす狼男。
あまり気分の良い光景ではない。
>「マクナブ」
ブランデンブルグが長い腕を肩に廻しながら呟く。
肩を貸す振りをしながら耳を澄ます。
>「俺達は監視されている。気付いていたか?」
「だろうな。どうも嫌な感じがする。」
掠れ声で囁き返す。
スペンサービルには防犯目的を遥かに超えた監視システムが構築されている。
パーティーの後に泊り込む政治家や商談を控えたビジネスマン相手に盗撮、盗聴を行う。
脅迫の材料やビジネスで一歩先行く為の情報収集と言う訳だ。
ビルを管理下に置きたがるテロリストにとってもうってつけのシステムだ。
>「会話も全部筒抜けだ。でも、『連中』の狙いはお前等じゃない。取り敢えず、今は俺にある。
俺は日本庭園で『連中』を倒す。いいか、何があっても日本庭園には戻ってくるな。
今度ばかりは、俺には何の見境も無しになる…俺はお前等を巻き込みたくはない」
「・・・死ぬな、とは言わん。殺されるなよ。」
ブランデンブルグがもう大丈夫だと手を軽く振って歩き出す。
「前衛は俺が務めよう。」
ブランデンブルグの巨体を押しのけ、マクナブが前へと出る。
飛び掛ってきた巨大な蛾に腰だめの位置で銃弾を合わせる。
銃声が響き、クレー射撃の的のように粉々になった蛾の死体を踏みつけながらマクナブが呟く。
「無茶はするなよ、病人。俺が前に出る。燐紛を吸わないように注意しな。」
ブランデンブルグに向かって頷くとエレベーターを目指して歩き出す。
途中の部屋に居るであろうシノザキ、由比、ザクセンとは途中で合流すれば良い。
3人も人間が居て銃声が一発しかしないなら、全滅したか化け物を殺したかのどちらかだ。
後者であれば良いのだが。
現在地:スペンサービル・30階
状況:エレベーター(一般用)に向かって移動中。
(九武村 上空に謎の影)
「こちらTEAM2132−本社応答願います・・・応答願います」
―こちら本部 目標地点到達後回収作業を開始せよ・・・指令は以上だ―
「了解、これよりコードBCCD開始・・・」
(ヘリから複数の兵士が着陸。その手には銃火器)
「・・・任務開始」
名前:三影(本名不明)
性別:男性
年齢:23歳
身長・体重:170cm/68kg
誕生日:不明
血液型:B型
容姿:黒い特殊服、髪型は横分け
国籍:不明
職業:特殊部隊隊長(某社直轄部隊)
恋人の有無:不明
好きな異性のタイプ:不明
好きな食べ物:不明
将来の夢:組織の繁栄
解説:某社直轄の特殊部隊隊長。今回の事件を利用し新たなる陰謀を張り巡らせる巨大企業の命を
受け村に向かう。性格は冷静沈着だが、激昂しやすい面もある。
一連の怪生物、事件に関して何やら知っている模様。
組織に絶対の忠誠を誓っており、それを自らのアイデンティティとしている。
特殊部隊 TEAM2132
対バイオテロ専門の特殊部隊。
バイオハザードに際し、事故の隠蔽・破壊作業を主な任務とする。
組織の為ならば、生存者を抹殺することも厭わない。
(九武村 国道付近)
本部「作戦前にも言った通り、朝には”『除染作業』”が開始される。
君達の任務はそれまでにサンプルの回収をする事だ。任務の妨げになる如何なる
存在の抹消も・・・許可する」
・・・了解。本部からの指示は聞いたな?
各隊、分散してバイオハザードを駆逐しつつサンプルを入手。
だが、出来るだけ戦闘は避けろ・・・無駄な消費は許されない。
隊員「了解!!」
・・・本部。周囲に集まっている自衛隊に関しては・・・?
本部「既に自衛隊との”交渉”は完了した・・・”我が社”の力を使えば造作も
ない事だ。安心しろ、朝まではこちらの行動に関して制約はない」
了解です。
我がアンブレラに・・・栄えあれ。
>253−254
「・・・繰り返す。飛行禁止地域を移動中の所属不明機は次の座標に移動するように。
繰り返す、飛行禁止空域を移動中の所属不明機は次の座標に移動するように。
座標は
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1143127159/l50。
繰り返す、所属不明機は次の座標に・・・駄目です。応じません。」
ヘッドセットを毟り取りながらオペレーターが上官に報告する。
二人の顔はディスプレーから漏れる赤と緑の光に染まっていた。
「・・・経路も不明なのか?」
「はい。恐らくレーダーを避け、山岳部を低空飛行したと思われます。」
指揮官が考え込む素振りを見せるが、その後ろに座っていた男が口を開いた。
「いいじゃない、撃墜しちゃえば。あの猟犬を見捨てたんだ。敵なら見捨てるどころか殺すのだって気楽だろ?」
先ほど雑賀達に聞かせたように無関心な声で男が言った。
「しかし・・・」
押し黙る司令官に対して傘社の男は不機嫌そうな表情を浮かべる。
「そもそも所属不明機だぞ?敵対組織の可能性は十分ある。
それに総理直属の命令なんだ。田原総理のね。」
傘社の男もここに配属されている自衛官達も政権交代が起きた事を知らなかった。
外部から切り離され、完全にスタンドアローンの状態で行動している兵士にしてみれば男が握っている命令書が全てだった。
「命令は一つだけだ。所属不明機を撃破せよ。」
断固とした男の口調に司令官が頷き、九武村周辺空域に待機していた攻撃ヘリに命令を下す。
「了解した。ヘルハウンド1、ヘルハウンド2は所属不明機に攻撃を。」
傘社の男がマイクを掴み取る。
「完全に撃破せよ。繰り返す、完全に撃破せよ。」
大方ブコウスキー部長率いる反デュラン派閥の部隊だろう。
何、完全に燃え滓になってしまえば報告書にはなんとでも書ける。
どうせ夜明けには全て灰燼と化すのだ。証拠は残らない。
着陸したヘリに向かって20ミリ機関砲が発射される。
直撃すればヘリは爆発炎上、完全に破壊されるだろう。
ヘリから降りてきた兵士達にも当たる可能性もあるが・・・
>234>236>240>252
一歩廊下に踏み出し、ドアノブにかけた手が離れないうちにそれは起こった。
背中に衝撃が走り、俺はそれに耐え切れず床に倒れこんだ。
耳元に何者かの息がかかる。次の瞬間、空気を裂くしゅっと言う音が聞こえ、俺の首に何かが巻きついた。
それを引き剥がすべく、両手で掴もうと首元に手をやる。が、銃のスリングが絡み、
さらにそのスリングはドアノブにかかっているため、右腕は自由に動かせなかった。
背中に圧し掛かってきた何者かは、さらに頭に手をかけ捻り上げようとする。
相手の腕の内側に自分の腕をねじ込んでそれを外したが、もう片方の腕でそのまま床に押し付けられる。
ナイフを抜いて突き刺そうにも、仕舞ったのは右側のポケットだ。
俺を押さえつけている化け物を(まさか真っ当な人間が天井に張り付いて上から降ってきたりはしないだろう)、
明良が殴りつける。その振動が伝わるたびに首に巻きついたものに生えた棘が肌を小さく抉る。
俺は背中に化け物を乗せたまま床を転がり、体を完全に戸口の外へ出す。
直後、大きな衝撃が化け物の体を通して俺に伝わり、
>「大丈夫かね、シノザキ君。銃声で耳がおかしくならなかったかな?」
>「銃声如きで耳がおかしくなるくらいなら、
>頭の方が先におかしくなるってもんだよな、この状況じゃあよ」
「ところが俺は脳の出来はそれほど繊細じゃなくてな・・・ありがとよ、助かった」
耳をほじりながら立ち上がり、前半は明良に向けて、
後半はウィル(そういえばザクセンとか何とか言っていたような気もするが)に向けて言葉をかける。
床に押し付けられていたので左は無事だが、右耳はむき出しだったおかげで突発性の難聴を患う羽目になった。
すぐに治るだろうが、状況が状況だけに短時間とはいえ片耳が使えないのは不安がある。
リュックに仕舞ったばかりの布を引っ張り出して首筋を拭い、気付け代わりにラムを一口。
・・・そういえば俺火ぃつけるもん持ってないな。まぁどこかでマッチなりライターなり拾えるだろうし、
どうしてもというなら銃で着火すれば良い。そんな事を考えていると銃声が聞こえた。これは多分ルイスの銃だろう。
廊下の角を曲がるとこちらに歩いてくる一行が見えた。
「ちょっと羽目を外しすぎたな」
首筋をさすりながら声をかけた。視線を動かして、廊下の奥や天井に眼を配る。
さすがに二度も三度も化け物をおんぶするつもりはない。
>256
>「・・・繰り返す。飛行禁止地域を移動中の所属不明機は次の座標に移動するように。
繰り返す、飛行禁止空域を移動中の所属不明機は次の座標に移動するように・・」
隊員「隊長!!」
熱くなるな。そんなことでは任務は完遂する事は出来ない・・・各自、ヘリから離れろ。
隊員「了解!!」
(警告を聞きながらも何故か冷静な三影。何を考えたのか、無線を手に取り、ある周波数へと
合わせる)
−聞こえているか?・・・そう、君達”包囲部隊”に向け我々の挨拶というわけだ。
何故、君達の無線の周波数を知っているかって?・・・ハハ、そんな野暮なことは聞かない方が良い。
ただ1つ、言える事があるとするならば、君達の上司と我々の上司。
この2つは、"運命共同体”ということだ。
雨から自分を守る為には”傘”が必要になる・・・我々に歯向かう必要はない。
我々も貴殿に牙を向けるつもりもない・・・さぁ、銃を下ろしてもらおうか−
本部「自衛軍に告ぐ・・・我々は総理の許可を得て行動している。
君達に危害を加えるつもりなど毛頭無い。無論、君達への協力も惜しまないつもりだ・・・
繰り返す、我々は総理の許可を得て・・・」
隊員「しかし、これでいいのですか?国内では政権交代も起こっているようで・・・」
構わん、我々に必要なのは時勢ではない。
今、与えられた任務を確実にこなす。それだけだ。
>225
なになに!? ・・・・いっやああああああああああぁぁぁぁあああ!!!!
急に足を止めたネメシスTの左手から、本体である寄生体ネメシスが飛び出してくる。
おバカ! そこは僕を狙うとこじゃないだろ――って、きたきたきたきたきたあぁぁぁ!!!
「あ、あ、あ、あ、ああるてみすぅ! うぇいくあっぷ!」
両足を必死にバタつかせながら、端末を最高速で操作する。
この際、制御できてないとか言ってられない。とにかく目の前に迫るこいつを吹っ飛ばしてくれればいいんだからっ!
目に光が戻ったアルテミスが両手をかざすのと、ネメシスがキシャーっと飛び掛ってくるのは、ほぼ同時だった。
ごっっっっっと猛烈な風が起こる。
「よぉし! いいぞやれやれ吹き飛ばせ!!」
まだ触手によって神経が繋がっているネメシスTごと壁に叩きつける最高傑作の雄姿を見上げ、僕は興奮のエールを送った。
あ、正面にあの物騒女がいたような気がするけど・・・・大丈夫だよねえ、多分。
現在地・状況:地下、シャフトの底、アルテミス再起動、突風でネメシスを通路側の壁に叩きつける。
>245
ミケさんがビールを受け取った。
大きな手が器用にプルトップを開け、一気にあおっている。
ミスタ・ルイスにも渡したけど、アルコールはやんわりと辞退された。
>「ありがとう。だが頭をしゃっきりさせておきたいんだ。」
私も無理には勧めなかった。
車の運転と同じで、きっと飲んだら色々不都合があるんでしょうね。
そんな事を考えていたら、ミケさんが身体をくの字に折り曲げた。
今飲んだばかりのビールを吐き出している。
「ミ、ミケさん?!」
ビール混じりの血は、思いのほか量が多かった。
慌てて駆け寄り、背伸びして狼男の背中をさすった。
「ごめん、ごめんなさい。余計なことしてごめんなさい」
ああ、ビールなんて取ってこなければ良かった。ミケさんの身体、本当に弱ってる。
ミケさんが少し落ち着いたところで、あたしは口元を拭うためのハンカチを渡した。
>252
ミケさんがミスタ・ルイスの耳元で何事か囁いている。
ミケさんに寄り添っていたので、切れ切れだけど大まかな話は聞き取れた。
壮絶な覚悟を決めているミケさんに、何の力にもなれないのが歯痒かった。
――――でもその思いは、あたしよりミスタ・ルイスの方がずっと強いに違いない。
>「・・・死ぬな、とは言わん。殺されるなよ。」
ミケさんを押しのけ、ミスタ・ルイスが前に出た。現れた巨大な蛾を一撃で粉砕する
>「無茶はするなよ、病人。俺が前に出る。燐紛を吸わないように注意しな。」
あたしは袖で口元を覆い、壁に張り付くようにして蛾の死骸を迂回した。
>257
シノザキさんがこちらに歩いてきた。首をさすっている。顔色が良くない。
>「ちょっと羽目を外しすぎたな」
直ぐにも駆け寄りたかったけれど、大ムカデの時の二の舞はごめんだった。
「シノザキさん何かあった?大丈夫?」
姿がまだ見えないけど、他の皆は?……大丈夫よね?
由比さんだってさっきもの凄い剣幕で叫んでたもん。
捜査官さんだってさっき話し声がしたわ。だから大丈夫よね?
(ウィルス・・・って?)
「(羽田と佐々木、お前も覚えているだろう?あいつらみたいな感じだ。)」
「(ほれ、さっき、感染した蛭か何かの細菌が裂傷から混入した可能性がある。)」
「(ゆるりと進行・・・各駅停車・・・って気分だが、相当に危険だ。)」
(・・・どうすれば良いの?私も化け物になるの?)
「(俺がなんとかする。化け物になっても俺がいれば精神は乗っ取られなくても済む・・・)」
(なら・・・まだ人間でいられるのね?)
安心できるかよ、化け物の姿になって心が人間だって?
お前の気が触れるのが先に決まってるだろうが・・・くそっ・・・
第一・・・人間の言葉喋りながら「私を殺して!」とか叫びながら殺されるのは御免だ。
「(俺はウィルスに抵抗する。当分出てこれない、自分の身は自分で守れ、良いな!)」
>252
銃撃の音がする。恐らくはあの兵士・・・
えっと、マグナブだったと思う、多分その人の銃声だ。
あの可愛いらしい少女と、半病人の狼男から銃声は響かないと思う。
>257
シノザキさんはなんとか無事だったようだ。
彬の愚痴も、なんとか彬のものだと気付かれぬようでよかった。
>「ちょっと羽目を外しすぎたな」
と、軽口を叩いているけど、私は心底心配したし、
心から生きていてくれて良かったとも思っている。
この人には恩義がある。取り合えずそれだけは返したい。
>260
綾小路さんの姿が見える。
これで全員揃った・・・よね。
シノザキさんの容態と私とウィリアムさんが見えないのを心配している様子だった。
不安なのだろう、この子も、親やそういった人と離れ離れになっているだろうし
何よりここにいるのは大人ばかりだから。
そうだ、銃の使い方―。
>228>231>238>>251
>「…さて、彼らはどうしたものだろうね。私としては彼らの救助に気が進まんが」
「安全な場所に監禁するのが一番かと。村人が一時的な感情で彼らを殺したとすれば後日、罪に問われる可能性が高い。」
全員が口裏を合わせるのは不可能だ。
罪悪感に駆られて自白する者も居れば自責の念に駆られる者も出てくる。
大宮大佐に意見を伝え、体育館へと向かっていく二人の老人の背中を見送った。
元気なものだと心底思う。
>「当たり前だ、この身体の主導権は常に俺にある・・・俺の中の蛇が出てくるのは俺が意識を失ったときだけだ。
なぁ?少年ならわかるだろう?」
希望の顔が硬直しているのが解った。
人としての意識、知識や経験が失われたユダを殺すのはそうそう難しくは無いだろう。
こちらの動きをある程度予測されるのが一番厄介なのだ。
>「今からリーダー君が校舎に入るが、もし・・・村人の誰かがリーダー君に何かをしたら・・・皆殺しだ。
リーダー君には今死んでもらっては困る、皆殺しにされたくなければ、村人の管理はキチンとしときな」
大宮大佐に向かってユダが言うとそのまま校舎に向かう。
虐殺の首謀者が振り合えると悪意に満ちた笑顔を浮かべた。
いやな笑顔だった。
「この場の指揮権は大佐に委ねられた訳ですな。体育館にいる男性何人かと共同で管理するのが一番でしょう。
見回りをしていた連中は信用できませんし。」
殺されかけた村人にしてみれば救助活動を行う大佐達の方を信用するだろう。
「・・・我々も移動しましょう。」
そろそろ目的地に向かって移動を開始する頃合だろう。
>「GAAAAA!!!!」
悲鳴にしては敵意に満ちた叫び声が響く。
叫び声の方向から懐中電灯らしき光がこちらに向かって移動してくる。
「・・・大佐、迎撃準備を。」
残り一発となったシグが心細い。
大佐が手にするカラシニコフだけが頼りと言っても過言ではなかった。
「おい!人間だったら何か喋れ!じゃなきゃ射殺する!」
走り寄ってくる光に向かって叫ぶとシグを構えた。
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶2本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:三島(>251)を発見。
>>262 ハァハァ・・・うわぁぁぁ!!!!
>「GAAAAA!!!!」
―前方に見えるのは
>>262・・・人間?でも銃を構えてこっちを睨んで・・・?―
「おい!人間だったら何か喋れ!じゃなきゃ射殺する!」
まっ待って!!
お、俺はにんげんだよ!!に・ん・げ・んっ!!
あんたらを助けに来た自衛隊のもんだ・・・でも、何なんだよこいつはぁ!!
武器:ハンドガン、アサルトライフル、予備弾丸×2ケースずつ、ナイフ
服装:迷彩服(上下)、ブーツ
持ち物:水筒、携帯用食料(少量) 、ライト
自分の状態:動揺し恐怖状態
状況:小川平蔵と遭遇
>「ごめん、ごめんなさい。余計なことしてごめんなさい」
声を掛けようかと思ったが止めておく。
放っておいてもブランデンブルグがフォローするだろう。
ブランデンブルグ本人の口から言わせるのが一番だ。
戻ってきた由比の姿は洒落ている、とは言えない。
手作りのサンダルはどちらかと言えば原始的な代物だ。
まぁ扱いきれない核やらウィルスを作るまでには何世代も掛かりそうな格好と言うわけだ。
「無事、とは居えないみたいだ。」
しきりに天井を眺めるシノザキに向かって手を挙げる。
外交官のような姿をしたザクセンも居た。
「ああ、そうだ。明良だっけか?ちっと銃を寄越してみな。」
初弾とマガジンを銃本体から抜き出し、発射不可能な状態である事を確認するとトリガーを2回引いてみる。
一度目はハンマーが起きたシングルアクションで、2回目はハンマーが完全に落ちたダブルアクションだった。
ハンマーを起こし、スライドに取り付けられた安全装置と思しきレバーを操作する。
引き金を引いていないのにハンマーが落ちた。
シグと同じくハンマーを安全にダブルアクションの位置に戻せるデコッキングレバーのようだ。
クラシックな銃は専門外だが銃なんてものは進歩する物ではない。
基礎的な知識があればどうやって撃つのかは解る。
改めて刻印を確認する。
(戦時中の代物だな・・・よくもまぁ保存状態も完璧。)
薄く塗られたオイル越しにグレーの表面仕上げが透けて見える。
フレームからすらっと伸びたバレルと優雅な曲線を感じさせるグリップと太いスライド周り。
銃が芸術品から工業製品へと移行する時期に作られた不思議な拳銃だった。
恐らく職人気質が抜けなかった技術者連中が時代へのせめてもの抵抗として世に送り出したのだろう。
(実用性は期待できないな。)
ガンマニアだったらこの銃の素晴らしさを垂れ流すだろうがマクナブにとって銃は道具だ。
細すぎるフロントサイトは狙い難いし、グリップの底で操作するヨーロピアンタイプのマガジンキャッチでは
素早いマガジンチェンジも無理だ。
「えーと、 明良だっけか?簡単に説明するから覚えときな。銃を撃つ時以外は絶対に引き金に触るな。
触ったら射殺されたりしても文句は言えないから。」
弾の入っていないワルサーを渡すと簡単なレクチャーを施す。
「両手でしっかり握れ。で、両腕をしっかり伸ばして拳銃を頂点に腕で二等辺三角形を作る。
両足は肩幅まで開いて膝を若干落とす。構えてみな。」
ヤクザ映画のチンピラが両手で構えるような格好になる。
ヤクザの方が片手で撃つ自衛官よりよっぽど実戦的な撃ち方をしている。
自衛官よりヤクザの方が命懸けなのだろう、多分。
「で、左右の敵を撃つ時は膝を左右に曲げて撃て。上半身は今のまんまでしっかり固定しろよ。
腰と膝を左右に捻って撃つんだ。」
実際に構えさせてみせる。
「よし、良いぞ。撃つ時は兎に角引き金を引き続けろ。練習しなければ当てられないからな。
その分弾数でフォローしろ。装弾数は8発だ。撃ち終わったら握りの底にあるこの部分を押して空になったマガジンを抜く。
で、新しいマガジンを押し込む。スライドの下にあるこの部分を操作すれば下がりきったスライドが戻るからまた引き金を引く。
フロントサイト、あー・・・この先にある出っ張りを後ろの部分のへこみに合わせて狙いを着けるんだが
狙っても当てるのは難しい。的を指差す感じで狙いを着けて引き金を引くんだ。そうすりゃ大まかな狙いは着くから。」
後は射撃場でたっぷり練習するだけだ。
その時間が全く無いのが問題なのだが。
「兎に角撃ち続けろ。そのうち急所に当たるし、俺たちが銃を撃つ時間稼ぎ位にはなる。
どうせ当たらないんだ。格好を着けて一人で活躍しようなんて考えるなよ。
あー・・・そうだな。後、何か質問は?」
一通りレクチャーをすませたマクナブは明良の答えを待つ。
>263
「GYAAAAAAAA!!!」
クリムゾンヘッドは襲い掛かった。
>232、>235
いつの間にか、咥えた煙草は随分短くなっていた。それを吐き捨て、踏み潰す。
「なるほど、人質か。私に対してはとても有効な脅し方だ。それをされては逆らえんね」
先程、村田に掴みかかった時とは真逆の、酷く落ち着いた口調だった。
同じような口調で、死に掛けの男の言葉にも答える。
「ああ、ならば私は遠慮するよ。自害の協力なら出来るがね」
どこかからかうような口調で短く男に言うと、続いて村田の方を向く。
>238
「……校舎に入る前に、貴様の考えを教えて貰おうか」
村田に対してでも、今度はさほど口調も態度も変わらず、落ち着いたままだった。
だが、皺に隠れた目には、まだ怒りの感情が見え隠れしている。
「何故村民を殺そうとしたのか、答えて貰いたい」
気味の悪い薄笑いを見ると、少しだけ表情が不快そうに歪んだ。
>262、>263
鈴木の意見を聞き、大佐はさて何処に閉じ込めてやろうかと考える。
「ふむ…とりあえずは部下が戻るまで待たせてくれ。すぐに戻るだろうから……」
二本目の煙草を取り出そうとした所で、何処かから何かの咆哮がそこら中に響いた。
煙草は諦め、チラチラと見える明かりへと銃を向ける。
「………驚いたな。あれは軍人だぞ」
発砲はまだしなかった。怪物は軍人の真後ろに居る為、照準が合わせられない。
「その場で伏せろっ!後ろの奴を撃つ!」
名前:大宮外吉
持ち物:AK47自動小銃、軍刀
>239、>241
「いや、駄目だっ!戻ると危ない!」
犬を探しに行くと言う少女に対し、怒鳴るようにして少佐はそれを制する。
恐らくあの犬の物であろう鳴き声が闇の中から聞こえてきた。
暫くすると、その鳴き声が徐々に近づいてきて、小さな犬の影が見え始める。
「………少佐ぁ……只今…戻りました…」
息切れをした老人、水野軍曹がそれに続いて現れた。
素早い小型犬を見失わぬように追うのは、酷く疲れたことだろう。
「…軍曹、任務ご苦労。彩ちゃん、もう犬を逃がさないように注意するんだよ?」
軍曹に敬礼を送りつつ、少女にも注意を行なった。
名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃、背嚢/三八式歩兵銃、水筒、背嚢
>260
>「ごめん、ごめんなさい。余計なことしてごめんなさい」
俺は何も言わずに、桃華の頭をくしゃりと撫ぜた。
彼女は良かれと思ってやったのだ。桃華の親切心に応えられない俺の体が悪いんだ。
「気にするな。ビールで死ぬ俺じゃない」
手渡されたハンカチで口元を拭うが、血塗れのそれを桃華に返す訳にはいかない。
俺はそれを外套のポケットに捻じ込んだ。
マクナブを先頭に一行は進む。俺は五感の全てを総動員して周囲の警戒に努めた。
先程の蛾はマクナブの世話になったが、次に何か現れれば俺が鉛弾をぶち込んでやる。
「何だ?しけたツラだな?」
ちらりと傍の桃華を見ると、ロシア帰りの奴みたいな顔をしてた。
「今更そんな辛気臭い顔したって仕方ねぇだろ。ここは魔女の釜の底。
お前等はまだいい。俺はこの世のものとは思えない戦場ばかり行ったんだぞ。
特にロシアだ。ロシアは最悪だ。あそこは人間の住むところじゃない。夏は暑くて冬は糞寒い。
雪が溶ければ大地は泥濘の海と化し、雪が降れば糞寒くて戦争どころじゃない。
あんな場所によく住めるよな、露助はよ」
辛気臭いのは好きじゃない。ここは一つ、俺の戦場話でもして場を盛り上げてやるか…
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
状況:移動中
>264
>「ああ、そうだ。明良だっけか?ちっと銃を寄越してみな。」
銃を受け取った際に、譲渡主の言った言葉通りに
私は渡された品の扱い方を知らねばならない。
そう思っていたときに、マクナブさんが私の側に寄って、銃を渡すよう促す。
正直あの黒い鉄の重たさと冷たさは好きになれそうに無い。
>「えーと、 明良だっけか?簡単に説明するから覚えときな。銃を撃つ時以外は絶対に引き金に触るな。
>触ったら射殺されたりしても文句は言えないから。」
この発言までの間に、彼は鮮やかに銃を操作していた。
操作って曖昧な言葉が出るのは、彼が何をしているのか分からなかったからだ。
もらった銃の名前も、どんな銃さえも知らないから、不思議とは思わない。
しかし、彼の言葉の最後の方は理解できた。そして実行する自身はある。私だって殺されたくない
>「両手でしっかり握れ。で、両腕をしっかり伸ばして拳銃を頂点に腕で二等辺三角形を作る。
>両足は肩幅まで開いて膝を若干落とす。構えてみな。」
これは・・・分かる。映画のように銃を片手で打つと
反動が大きいから、特に力の無い私だと転んだり、骨折したりする。
言われたままに、しかしぎこちなく構える。
>「で、左右の敵を撃つ時は膝を左右に曲げて撃て。上半身は今のまんまでしっかり固定しろよ。
> 腰と膝を左右に捻って撃つんだ。」
手で銃を動かすなって事かな・・・クネクネ腰が動く、腰痛にならないといいけど。
よし、これも分かった。案外簡単なのかも知れない。
>「よし、良いぞ。撃つ時は兎に角引き金を引き続けろ。〜〜」
ごめんなさい、調子乗ってました。長くなると頭がパンクしそうです。
掻い摘むと、とにかく撃て、との事らしい、幸い、弾に余裕はある。
>〜〜後、何か質問は?」
理解をしようと必死に話を聞くうちに、話は終わっていた。
彼は私の返事を待っているようだ。が、私は何が分からないかが分からないので質問のしようが無い。
ただ一つ言いたい事は・・・
「あの・・・もう構えといても良いですか?結構足に来るんで・・・」
いつにも増して、私に緊張感というものは存在しないのだろうか
>244>257
>「銃声如きで耳がおかしくなるくらいなら、
>頭の方が先におかしくなるってもんだよな、この状況じゃあよ」
>「ところが俺は脳の出来はそれほど繊細じゃなくてな・・・ありがとよ、助かった」
「いや、礼には及ばないよ。しかし、自分の身は極力自分で守ってもらいたい。
それと由比君、仮にも女性である君がそんな言葉を使ってはいかん。」
こういう事になるとどうしてもきつい物言いになりがちだ。
相手が男だから特に厳しく当たってしまう。これはもうどうしようもない。
では口調が男っぽい女はどうなのか、と聞かれるとまず答えられないだろう。
私の周囲にそんな人間は居なかったからだ。
>「ちょっと羽目を外しすぎたな」
「何、まだ若いという事だよ。私などもう枯れ木に近いのだからね。」
男も女も、若いときは羽目を外すものだ。
そして時が経つにつれ、体力も気力も無くなってくる。
先程化物を蹴った時に、体の鈍りを改めて実感させられた。
第一線を退いてから時間が経ちすぎたらしい、もう昔のような活躍は無理か。
>252>260
マクナブ達がいる方向から銃声が聞こえた。
この音からしてドイツ人が持っていた機関銃では無いだろうから、恐らくマクナブだ。
彼等はそう易々とやられるようには見えなかったから、悪くても軽い怪我くらいか。
程なくして、彼等の姿が見えた。予想した通り、三人とも無事なのが嬉しい。
しかし、綾小路のお嬢さんは相当辛いはずだ。
この年でこんな事件に巻き込まれたのだ、身内や親しい人も犠牲になったであろうに。
もしかすると、私などよりよっぽどしっかりしているかもしれないな。
>261>264>269>268
どうやら、由比嬢はマクナブから銃の使い方や注意点を教えてもらっているようだ。
・・・もちろん、一般人である由比嬢に完全に理解できるとは思えないが、何も聞かないよりはいい。
「蛇足だとは思うのだが、その拳銃は最新のと比べて重量があるから銃口が下がらないように
気をつけた方がいい。それと、目を瞑って撃ったりはしないように。誤射の危険があるからね。」
>「あの・・・もう構えといても良いですか?結構足に来るんで・・・」
「・・・・私より前に居てくれ、何かとてつもなく嫌な予感がするんだ」
更にその予感が的中しそうで怖い。
移動中、ドイツ人が口を開き、ロシアでの経験について語りだした。
「・・・成る程、その人が住めない国の諜報員をやっているのか、私は。
ロシアは君等が思っている程悪いところでは無いぞ?治安もいい。酒も実に美味しい。
ただ、とても寒いというのには同意しよう。一晩車を置いておくと、次の朝にはエンジンが
完全に凍って動かなくなる。それが嫌で、私は車庫にストーブを置いているんだ」
辛気臭いのがこういう話で少しは改善されるといいが・・・
うーむ、私の話では空気を変えられないかな、やはり。
>267
近くの地面から大量のゾンビアリ(大きさは本物と同等)が湧き出してきて、襲い掛かってきた。
>>266 ―声が聞こえる・・・なんだ?なんて言ってんだ・・・後ろからはバケモノが追ってくる―
ど、どうすりゃいいんだ!!ちくしょう・・・こんな事になるなんてさ。
ホント、ついてないよ!!
>「GYAAAAAAAA!!!」
クリムゾンヘッドは襲い掛かった。
って、うわぁぁぁぁあああああ!!!!!
―殺される・・・もうダメだ!その瞬間・・・―
『その場で伏せろっ!後ろの奴を撃つ!』
い、イチかバチか・・・くっ!!
―俺はその場に伏せる。見知らぬ男の声を信じて―
>261>266>267
>「お、俺はにんげんだよ!!に・ん・げ・んっ!!
あんたらを助けに来た自衛隊のもんだ・・・でも、何なんだよこいつはぁ!!」
>「………驚いたな。あれは軍人だぞ」
「確かに。しかも陸自だ。」
雑賀たちの着ていた空自迷彩とは違う欺瞞パターンに首を傾げる。
(連中、包囲してるだけかと思ったんだが・・・)
>「その場で伏せろっ!後ろの奴を撃つ!」
大宮大佐の叫び声に反応して男が伏せる。
この距離ならライフル一発で眉間を撃ち抜ける。
「・・・大佐、そのまま動かないで下さい。」
足元を這うアリの群れに気付き、舌打ちをする。
明らかに動きが異常だった。
せめてもう少し別のタイミングで登場願いたいものだ。
(よく話には聞くが・・・この年になってやるとは思いもしなかったな・・・)
防寒着の上着から瓶を取り出すと巣からら這い出してくるアリの群れに硫酸をかける。
硫酸の匂いを嗅がない為に口で息をしながらアリの巣にそのまま流し込む。
状況が状況でなければいい年した大人が蟻を殺しているだけにしか見えないだろう。
(自動車で一気に移動しないと厄介・・・だな・・・この場に留まっていたら無闇に弾薬を消費するだけ・・・だ・・・)
分校に避難した村人の存在でも察知したかのように化け物がぞくぞくと終結してきている。
取り合えずあの自衛官から話を聞きながら移動するとしよう。
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:蟻の巣に硫酸を流し込み中。
>「聞こえているか?・・・そう、君達”包囲部隊”に向け我々の挨拶というわけだ。
何故、君達の無線の周波数を知っているかって?・・・ハハ、そんな野暮なことは聞かない方が良い。
雨から自分を守る為には”傘”が必要になる・・・我々に歯向かう必要はない。
我々も貴殿に牙を向けるつもりもない・・・さぁ、銃を下ろしてもらおうか。」
スピーカー越しに響く声は明らかに楽しんでいた。
それが自衛隊と共に行動している男の気に障った。
「当初の命令通り撃ち落したまえ。我々傘社を名乗るどこぞの諜報組織だろう。」
もっともこの男にも知らされていない事はたっぷりとあった。
イスカリオテと呼ばれる工作員がHALO降下で潜入していた事やスペンサービルでの出来事。
さらにはロストワールド計画の始まりの地に日本が選ばれた事。
自衛官達と共に行動する男、この男の名前もまた鈴木と言う。
この鈴木が知っている事は極僅かだった。
それでもちっぽけな自尊心を一国の軍隊を顎で使う事で満足させていた。
飢えていない鈴木に危機感も無ければ探究心も無かった。
居心地の良い椅子に座って出される料理に満足しているだけだ。
「AH-64Dからの映像をメインモニターに回せ。楽しい映画が見られるぞ。」
作戦領域を表示していたモニターが切り替わる。
獰猛な爬虫類を連想させるアパッチの目が捕らえた映像へと移り変わる。
着陸した輸送ヘリを撃破するのは楽な任務だ。
OH−1観測ヘリから送られたデータを基に2機のAH−64D、陸自仕様のロングボウアパッチが飛来する。
対空火器を携帯している恐れがあるからホバリングしたまま30ミリチェーンガンを撃つわけにはいかない。
目標のヘリを発見するとヘルハウンド1が地を這う獲物を見つけた猛禽の如く襲い掛かる。
たっぷりとスピードをつけて、目標に向かって急降下を開始する。
深い角度で地上に接近するヘルハウンド1が30ミリ機関砲と対地攻撃用のロケットポッドをばら撒く。
教本通りの攻撃はまるで掃き掃除をする神のモップだ。
30ミリ機関砲が木をなぎ倒し、ロケッドポッドが地を穿つ。
終わってみれば一直線の荒地が出来上がっていた。
パイロットは完全に興奮しきっていた。
湾岸戦争で死のハイウェイを生み出した戦闘ヘリに憧れてパイロットになったのだから。
道路上に並ぶ戦車の群れをいとも簡単に撃破した戦闘ヘリの魔力に未だ憑り付かれている男が歓声を上げる。
燃え上がるヘリの残骸、30ミリ機関砲の直撃を受けてバラバラになった兵士の残骸。
完璧な殺戮の様に満足しきった男は弾薬を補給する為に基地へと戻る。
夜明けが待ち遠しくて堪らない。
もし彼が搭載されている最新型のセンサーを使えば生き残った兵士がいた事に気付いただろう。
そして止めを刺したはずだ。
しかし彼は攻撃ヘリの魔力に酔っていた。
彼もまた満足しきっていたのだ。
それが命取りになる事を彼は知らなかった。
知る時には高い代償を払うだろう。
>225>259
背後から突っ込んでくるかと思った禿頭が足を止め、奇妙なことをしてきた。
……馬鹿が。本体剥き出しにしてどうすんだ?
足を急がしく動かし地を這ってくる寄生虫。踏んづけてやろうかと身構えたが、後ろのクリッペンに向かうとわかり、これを何気なくスルー。
予想に違わず情けない悲鳴が上がる。
次いで、シャフトの壁際にあった気配が活きたものになった。
「ん――?」
素早く入り口の脇に張り付いて見てみると、派手なドレスを着込んだ少女の姿が目に映った。
確か、ゴシックロリータとかいうファッションだったか? 動きやすさと色っぽさを重視し、タイトな服装を好むシャファンには、その格好は嘲笑の対象でしかなかった。
気になったのは、正面にかざされた穴の空いた手の平だ。
シャファンが興味深げに口の端を持ち上げた瞬間――
「あら〜〜〜〜〜〜〜?」
思いもかけぬ突風が巻き起こった。
あっという間に壁に叩きつけられる禿頭と寄生虫。並の人間なら骨折ものの風圧だったが、あの膂力なら少しの時間で脱出できるだろう。
……つまり、とどめのチャンス到来。
風吹き荒れるこの状況で出せる手を考え、脊椎反射的に思いつき、実行に移す。
猛風の中に飛び込み、右腕を前に、床と水平の体勢で飛翔したのだ。
「サイコクラッシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪」
真っ直ぐに、寄生体にカギ爪を突き立て、
「アタック!!」
錐のように大回転。
糸の切れた操り人形よろしく力を失う木偶の坊。
所詮は誰かに憑いてこその生き物だ。終わりの時はあっけない。
「へっ」
続いて自身を貼り付けにする風から、器用に壁を転がって脱出する。
このゴスロリの生き物は、クリッペンがアルテミスと呼んでいたか?
「ほら行くぞ〜」
まあ、特に害意がないならどうでもいい。先を急ぐだけだ。
シャファンは疲れた様子も見せず、ドアの向こうの闇に消えた。
現在地・状況:地下フロア、モニタールーム近くの通路。ネメシス撃破、みんなに出発を促す。
燃え上がるヘリと隊員の残骸を見た瞬間、三影の表情が豹変する。
それまでの冷静な顔は形を潜め、この地に集う怪物のそれと同じような獣のような狂い切った目に変わる・・・
「組織に逆らう人間は・・・抹殺する。我々アンブレラに逆らう人間には・・・罰を受けて貰う!!
B班、RGで上空の敵を・・・殲滅しろ。」
「・・・了解」
無表情でそれに従う隊員達。焼け焦げた同僚には目もくれず、まるで操り人形のように
ただ上空の「梟」に狙いを定める。
武器は不明・・・最新鋭の兵器とだけは分かる。
隊員「RG、標準クリア。・・・発射!!」
「後悔するがいい・・・組織に逆らう人間がどうなるかを。」
一 筋 の 炎 の 槍 が 梟 の 胴 体 を 射 抜 く
>264 >269
由比さんの銃のレクチャーは終わった。
それにしても、あたしも由比さんも酷い格好ね。
>268 >270
>「何だ?しけたツラだな?」
弾かれたようにミケさんを見上げる。
ミケさんは相変わらず不敵で、こうしているとさっき血を吐いたのが嘘みたいだった。
ミケさんとミスタ・ザクセンがいろんな話をしてくれた。
話に出てきたロシアはあたしにとって遠い国だった、あたしなら本のタイトルか美術館くらいしか思い浮かばない。
だけどミケさんには戦争の思い出しかないのね。
ミスタ・ザクセンのように、違うロシアの楽しみ方だってあったはずなのに。
ちょっと切ない。――――でも、ミケさんやミスタ・ザクセンの配慮に気づかない程あたしも鈍くなかった。
周囲に気を配りながら、あたしも調子を合わせた。ミスタ・ザクセンを見上げる。
「スパイといえばね、目も覚めるようなロシア系美女を知ってるわ。ミリアさんっていうの」
言ってからかなり落ち込んだ。だけど直ぐに気を取り直し、慌てて付け加える。
「諜報員って言うと007しか思い浮かばないっていったら怒る?
…………で、ミスタ・ザクセンの日常もやっぱりそんな感じなの?」
もちろん冗談よ。
今度はミケさんを見上げる。
「ねえミケさん、この世のものとは思えない戦場の話、今聞かせて」
訝しげな青い瞳を見上げて、小さく微笑む。
「ミケさんの代わりに、私が覚えておくわ。…こう見えても私、記憶力はそう悪くないのよ?」
そんな話をしているうちに、エレベーターホールについた。
これからどうするのかな、とミスタ・ルイスの方をじっと見る。
>268>269>270>277
>「蛇足だとは思うのだが、その拳銃は最新のと比べて重量があるから銃口が下がらないように
気をつけた方がいい。それと、目を瞑って撃ったりはしないように。誤射の危険があるからね。」
おまけに狙いが外れる。
撃つ直前、というよりハンマーが撃針を叩くまで狙い続けなければならないのだ。
>「あの・・・もう構えといても良いですか?結構足に来るんで・・・」
「いや、後10分その態勢でいろ。」
マクナブが腕時計を見ながら時間を計り始める。
声は真剣そのものだった。
明良の膝ががくがくと震えだす。
腕時計の長針がゆっくりと進むにつれ、膝の揺れが激しくなる。
最後にはまるで杖を突いた老人のようだった。
マクナブが噴出す。
「・・・で、君は何時までそうしてるつもりなんだね?
若い娘はそんな、くっくっ、はしたない格好をしているのは・・・くっくっ、見るに、くっ忍びないな。」
最後には完全な笑い声になっていた。
「からかって悪かった。ま、良い準備運動になっただろう?」
膝を屈め、明良に視線を合わせる。
ガスマスクのレンズ越しに悪戯っぽい目が笑っている。
これで変な緊張感が無くなればいいのだが。
「銃は道具だ。適切に扱えばきちんと答えてくる。銃をコントロールするんだ。
慎重になるのは良いが・・・怯えては駄目だ。」
これにてレクチャーは終了だ、と言うとマクナブが歩き出す。
後ろではザクセンとブランデンブルグがそれぞれのロシアの思い出話に華を咲かせている。
今の会社に就職して一等地に家を買ってみたら両隣がオルガリヒ、新興財閥と呼ばれるロシアンマフィアだったマクナブにはあまり楽しい話では無い。
おまけにお隣さんにはボディガードの紹介依頼やら保安上のアドバイスを求められて酷く困ったものだった。
今じゃSASを除隊した連中がマクナブの家に押し掛けては、新たな就職先を紹介しろ、という有様だった。
金持ちの警備担当はとても金になる。
おまけに資本主義を知らないロシア人の金持ち連中はアラブの石油成金の如く高い賃金イコール優れたサービスと思っている。
後10年もすればロシア人も一端の経済感覚を身に着けるだろうからその前に金をふんだくろうと群がるのだ。
>「諜報員って言うと007しか思い浮かばないっていったら怒る?
…………で、ミスタ・ザクセンの日常もやっぱりそんな感じなの?」
すっかり嫌な思い出に囚われていたマクナブが桃華の一言にはっとする。
潜入捜査でなく諜報員とザクセンは言った。
これだけ流暢に日本語が喋れる男が些細な、だが全く意味の違う単語を使うだろうか?
考え込みながら、と言っても周辺警戒は怠らずにエレベーターの前に到着した。
「さてと、紳士諸君とお嬢さん方これからエレベーターに載って頂く。
で、死にかけ着ぐるみ野郎が日本庭園で背中のジッパーを開けている間に俺たちはさらに上へと向かう。
シノザキが仕掛けてくれたガスボンベを爆発させてゾンビの群れをフィッシュ・アンド・チップスにする。」
軽い電子音が響きエレベーターが開く。
MP5サブマシンガンを構え、内部を素早くチェックすると乗り込んで「開」のボタンを押した。
「まぁそんな感じだ。さっさと乗りな。」
>276
ツケを払う日は思ったより早くやってくる。
生命が絡んでいるなら尚の事早い。
ロックオンされた事を知らせる警報もなく、飛来してくる何かに僚機のヘルハウンド2が気付く事も無かった。
ガツンと一発。
たっぷり数秒の時間を置いて空気を切り裂く音が飛翔する。
強力な衝撃がヘルハウンド1を襲っただけ。
巨大なハンマーでしたから殴られたみたいにロングボウ・アパッチの巨体が跳ね上がる。
最大で20ミリ機関砲の直撃に耐えられる装甲がひしゃげ、エンジンが完全に吹き飛ばされていた。
貫通した衝撃でパイロットとガナーは内蔵を吐き出してた。
アパッチに限らずヘリの生存性は極めて高い。
攻撃を受けて不時着地するまで30分間掛かる事もある。
スキッドは着地の衝撃を和らげてくれるし、その30分間のお陰でゆっくりと高度が下がり
なんとか無事に着地する事が出来るのだ。
ヘルハウンド2のパイロットが悲鳴を上げる。
そんな生き残る為の30分間も与えられなかったロングボウアパッチが空中で爆発、機体を構成する部品が撒き散らされたのだ。
圧巻だったのは回転したまま飛んでくるメインローターだった。
飛んでくるメインローターに悲鳴を上げながら操縦桿を操作する。
ゆっくりと、いや物凄いスピードでメインローターがヘルハウンド2の機体に突き刺さった。
鈴木が顔を強張らせていた。
迫ってくるメインローターから逃れる事も出来ず、今はノイズのみを移すモニターを見つめながら。
「レールガンか何かか?ヘリに詰めるほど小型化には成功していたようだが・・・」
唇をかみ締めると言う子供っぽい行動を取りながら呟く。
反デュラン派が第2次生物災害時に国内に持ち込んでいたという話を聞いた事があった。
「どこまで小型化に成功したかは解らんが・・・バッテリーの問題が残っているはずだ。
この環境でどうやって充電するつもりだ?」
そうともまだ勝機はある。
夜明けになれば一斉に砲撃が始まるのだ。
たっぷりとあいつらに砲弾を味わってもらってから空爆をすればいい。
そうとも自分にはあいつらを殺すだけの力が備わっているのだ。
何とか己を満足させるだけの考えを見つけた鈴木が肩を震わせながら笑った。
名前:特殊部隊 TEAM2132 通称「SHADOW」
隊長・三影(隊の指揮)
隊員・A班(5人中2人死亡)射撃専門小隊
・B班(5人中1人死亡)白兵戦専門小隊
・C班(5人中3人死亡)援護・救護小隊
・D班(5人中1人死亡)遠距離専門小隊
年齢: 隊長・不明 隊員・全員20歳
性別: 男
所持品:
(隊長):サブマシンガン−AMS(特殊鉄鋼弾装備)
:スティングブレード(対BOW専用接近戦用装備)
(隊員):サブマシンガン-AMS(特殊鉄鋼弾装備)
:ブレード
:RG(対BOW、対空携帯用ロケットランチャー)少数装備。
現在地・状況: 隊員、ヘリ爆破に巻き込まれ死傷(複数名)。
自衛隊への報復行動を起こす。
自分の状態:自衛隊との徹底抗戦は避け、現在の任務(サンプルの入手、アンブレラ関連施設の証拠隠滅)
を最優先に行動。
隊員に関して、詳細は不明。国籍、ID等全て傘によって抹消。
>270
>「いや、礼には及ばないよ。しかし、自分の身は極力自分で守ってもらいたい。
>それと由比君、仮にも女性である君がそんな言葉を使ってはいかん。」
わたしが言ったわけではありません!と突っぱねたかったが
それはとてもとても出来るものではない、
はい、ごめんなさいというより他には無いだろう。
時間軸は現在に、私は銃を構える体勢を続けている。
頭の中では女スパイマタハリもさながらの格好だが、傍から見ると多分へっぴり腰。
>「蛇足だとは思うのだが、その拳銃は最新のと比べて重量があるから銃口が下がらないように
>気をつけた方がいい。それと、目を瞑って撃ったりはしないように。誤射の危険があるからね。」
へぇ、古い銃なんだ・・・そうだよね、新しい強い武器なんて私なんかにはくれな・・・
足が、そろそろ限界です!先生!
>278
>「いや、後10分その態勢でいろ。」
まさに外道!あ、あ、足が震えてきてます・・・
これは体育祭の組体操の人間タワーで一番下になった時の痛みと同じで・・・
>「・・・で、君は何時までそうしてるつもりなんだね?
> 若い娘はそんな、くっくっ、はしたない格好をしているのは・・・くっくっ、見るに、くっ忍びないな。」
>「からかって悪かった。ま、良い準備運動になっただろう?」
OK、射殺決定、大笑いの男を恨めしそうな瞳で私は凝視していた。
肌はほんのり紅潮、汗も多少バスローブを通して感じる。
>277
さて、エレベーターホールに向かう手筈・・・らしい一行についていく
足がまだ更に痛むような気もする。裏と、膝と、
マクナブさんは顔が笑っていたが、私は膝が笑っている。
一行はその間雑談をしている様子だった。やけに緊張感が無い・・・と
顔を一瞬しかめもしたが、自分も大して変わってないような気がする。
>「スパイといえばね、目も覚めるようなロシア系美女を知ってるわ。ミリアさんっていうの」
初耳だ。目も覚めるような・・・美人・・・と聞いて少し興味が引かれる。
それにロシア系と言えば、その大地に横たわる永久凍土が如き白い肌を
持っているんじゃないかと思索する。その上職業が間者、良い所取りし過ぎでは、と苦笑を漏らす。
そう言った刹那、綾小路さんの顔が一瞬曇った様子を見せた。
そう言えばこの場にそんな女性はいない、はぐれたか・・・それとも・・・
>「諜報員って言うと007しか思い浮かばないっていったら怒る?
>…………で、ミスタ・ザクセンの日常もやっぱりそんな感じなの?」
MI6が真っ先に思い浮かんだって言っても怒られそうだ。
ようするに、私と彼らとでは、やはり生活の次元が異なるのだろう・・・
ザクセンって誰だ?と猜疑の目を綾小路さんに投げかける。
彼女の瞳には随分としおらしくなったウィリアムさんの姿がある。
その後も綾小路さんは水分と饒舌であった。
やはり寂しさも先立つのであろう、
しきりに「ミケさん」と先程からもおしゃべりを続けていた。
「ミケ」を見る彼女の視線は例の狼男さん、
犬の名前=ミケ、いや、猫の・・・ああ、よく分からない!
ザクセン≒ウィリアム?といいちょっと謎が多い人たちだ。
と、頭をかきむしる。
ああ、新参者だから把握できていないだけか、
髪の毛が二三本吹き飛んでから納得をする。
そうだ、この人たちを探っている暇は無いに等しい、
今は自分がなんとしてでも生き延びることを考えないと・・・。
「ケホッ、ケホッ」
安心したら唾液が変なところに入ったのか、小さくむせてしまった。
>「さてと、紳士諸君とお嬢さん方これからエレベーターに載って頂く。
>で、死にかけ着ぐるみ野郎が日本庭園で背中のジッパーを開けている間に俺たちはさらに上へと向かう。
>シノザキが仕掛けてくれたガスボンベを爆発させてゾンビの群れをフィッシュ・アンド・チップスにする。」
上・・・私はマクナブさんの言葉に従ってエレベーターに乗り込む
このエレベーターの積載量は大丈夫かな?と無用の心配をしてみせる。
うん、上には何もいそうに無い、途中で止まらないことを祈るだけだ。
>「ねえミケさん、この世のものとは思えない戦場の話、今聞かせて」
綾小路さんはまたお喋りを続けたいらしい、丁度良い、
私も少々興味がある。共にご拝聴させて頂こう・・・
吐血をバスローブで覆ったドレスで拭って、隠した。
名前 由比明良 彬(お休み)
状態 吐血、足怪我、感染の疑い
場所 エレベーター
装備 ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5
服装 ドレス(半裂け、血付着)バスローブ、簡易サンダル
梟は、落ちた。組織に逆らう者は抹殺する。
それがSHADOWの精神であり、全てだと。「生れた時」から三影は教えられ続けてきた。
ここにいる仲間、兵士達もそうだ。
燃え尽き、灰になった仲間達を興味が無いように、踏み付け歩いて行く。
隊員「死傷者多数、作戦遂行に支障があるかと」
「現場にトラブルは付き物だ・・・心配するほどのことではない。
RGの充電はどうなっている?」
RG。アンブレラの兵器部門が最新鋭の技術を使って作り上げた小型ロケットランチャー。
威力は高いが、その消耗も激しく使用には充分な充電を要する。
隊員「あと・・・3時間弱。」
3時間弱。その間は派手な戦闘は避けるべきだ・・・無論、自衛隊と戦っている場合でもない。
人間と戦って無駄な戦力を裂くわけにはいかない。
「全員、中央地点に存在する分校へ向かう・・・エリア2だ。
生物兵器及び、感染者に関しては見つけ次第消去。生存者に関しては・・・俺の判断を待て。」
隊員「了解。」
分校へ向かう道。これまで何度もバイオハザードと呼ばれる災害を鎮圧してきた三影でさえ
この村の様相は異様に見える。
何かが、違う。何かが、いる・・・そんな感じがする。
場所 分校へ移動
>280
ゾンビの群れが襲いかかった。
>270
>「・・・成る程、その人が住めない国の諜報員をやっているのか、私は。
「何だ?お前は露助だったのか?だったら話は早い。
そもそもなぁ、ソ連に侵攻した独逸が悪者のように扱われているがな、その後の冷戦を見ろよ。
共産主義と資本主義の戦いだ。独逸は図らずしもその魁となったんだよ…まぁ、あの伍長が
率いていたっていうのが問題なんだがな。だが、スターリンの野朗も随分と汚い事をしやがる。
ポーランドのカチンの森には数万人のポーランド人の虐殺死体が埋められているし、独ソ戦初期は
粛清のし過ぎでまともに指揮できる将校が足りなかったって話だ。ようは馬鹿だ。臆病な馬鹿だ」
独裁者というのは人一倍臆病だ。それが証拠に、スターリンの徹底した自軍への粛清は目に余る。
奴が権力を固めるまでに2000万から3000万人以上も軍民合わせて虐殺したといわれているが、
それが本当だとしたら大戦の戦死者数3000万から4000万人と遜色無い数字だ。
ちなみに毛沢唐は二度の革命で5000万人以上の人民を虐殺した。全く、共産主義者は馬鹿ばかりだ。
>277
>「ねえミケさん、この世のものとは思えない戦場の話、今聞かせて」
>「ミケさんの代わりに、私が覚えておくわ。…こう見えても私、記憶力はそう悪くないのよ?」
「…ハリコフ戦の初め、ロガン飛行場は酷かった。ルフトヴァッフェの兵士約40名が手足を切断され焼殺されていた。
その前のクラスナヤ・ボリヤーナも酷かった。俺が所属していたLAH第2装甲擲弾兵連隊第3大隊は
第320歩兵師団の1500名の負傷兵と共にスミーエフより撤収を開始した。
1500名の負傷兵を収容したトラック縦隊を中心に大隊は左右に展開し、クラスナヤ・ボリヤーナの
木造橋でウダイ河を渡る予定で、前日の内に工兵小隊は橋を点検。自力で動ける兵士はそこを通っている筈だった。
だが、俺達が到着してみると、そこには頭や手足を切断された虐殺死体がごろごろ転がっているだけだった。
勿論、俺達は容赦しなかった。敵の一個大隊を一人も残さず殲滅…ロシアじゃヨーロッパの尺度も戦争法規も関係無い。
捕虜なんてのも滅多に作らない。捕まえても新兵に処理させた。そもそも、捕虜の保護なんてのは義務付けられていない。
御互いにぶっ殺したりぶっ殺されたり、ロシアではそんなのばっかだ」
せまっ苦しいエレベーター内でこんな話をするのは如何かと思うが、桃華の頼みとあらば仕方が無い。
装備:武装SS外套、40年型野戦服、35年型スチールヘルメット、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(43年型山岳帽、調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
状況:移動中
>judas>佐治
保健室に二人を案内すると佐治をベッドの上に寝かせた。
鍵の掛かった薬品保管棚のガラスを割って消毒液と包帯を取り出す。
「で、何をするつもりなんだ?そんなもんで感染が防げるとは思えんが。」
judasに言ったがまだ始めるつもりは無いらしい。
「俺は適当に服を探してくる。その間に済ますんだな。」
村田はそのまま保健室を後にすると教員用のロッカー室へと向かった。
>277>285
>「諜報員って言うと007しか思い浮かばないっていったら怒る?
>…………で、ミスタ・ザクセンの日常もやっぱりそんな感じなの?」
「あの映画はMi-6、英国諜報部を題材にしているから何とも言えないんだ。
私はSVR、ロシア対外情報局の人間だからね・・・まあ、あれだけ派手にやると三日も
生きていられないだろう、とは感じたが」
ロシア国内では007シリーズはそれほどヒットしていない。
民族性なのか、派手なアクション映画よりも悲しい結末のラブストーリーなどがヒットを飛ばす。
ただ、ボーン・スプレマシーだけは大ヒットした。モスクワで撮影が行われたからだ。
>「何だ?お前は露助だったのか?だったら話は早い。
「いや、ベルギー人の移民だよ」
ドイツ人の話はそれ以外あまり耳に入らなかった。
ただ、図書館に置いてある本でも、スターリンやレーニンは貶されている。
粛清という名の大虐殺は、ロシア人にとっても大きな汚点となってしまったらしい。
そういう本を読んだ時はロシア人もやはり人間だったか、と安堵したものだ。
>278>281‐282
>「いや、後10分その態勢でいろ。」
声を聞き、まだ何かやっているのか?と思い、マクナブの方を見る。
ははぁ成る程、私もよくやったよそのイタズラは。
まぁ程々に、と言いたかったが由比嬢が必死だったので言わないでおいた。
>「さてと、紳士諸君とお嬢さん方これからエレベーターに載って頂く。
>で、死にかけ着ぐるみ野郎が日本庭園で背中のジッパーを開けている間に俺たちはさらに上へと向かう。
>シノザキが仕掛けてくれたガスボンベを爆発させてゾンビの群れをフィッシュ・アンド・チップスにする。」
「……うーむ、箱詰めにされたウォッカの気持ちがよく分かるよ」
ただでさえ狭い箱の中で端に追いやられては、何もする事が無い。
無機質なエレベーターの壁を見ながら、上に着くのを待った。
名前:デイヴィン・ザクセン
年齢・性別:43、男性
所持品:グロック17(12+1)&予備弾倉×6、無線機、ライター、LARK(5)
現在地:30階から移動中
>270>278
合流してすぐ、簡単な講習会が始まる。課題は「拳銃の構え方」、講師はルイス・マクナブ先生。
ただ一人の生徒である明良の構え方は、Vシネマに出て来るようなチンピラ役よりは幾分マシだ。
その後ウィル(いや、ザクセンか)と短いやり取りを交わす。
>「・・・・私より前に居てくれ、何かとてつもなく嫌な予感がするんだ」
ザクセンが搾り出すように呟いた言葉に対し、俺は無言で列の最後方につけるという行動で同意を示した。
明良は銃を構えたままの体勢でいる事を強いられている。
・・・高校んとき部活でよくやったなぁ、空気椅子。腕を下げると5分追加とか。
およそ一キロの重りを両手に抱え、構え続ける事数分。明良のひざが目に見えて笑い始めた頃、
ルイスが時計に視線を落とし、肩をわずかに震わせながら言う。
>「・・・で、君は何時までそうしてるつもりなんだね?
> 若い娘はそんな、くっくっ、はしたない格好をしているのは・・・くっくっ、見るに、くっ忍びないな。」
「ライミーのジョークってのは酷ぇのが多いな」
俺も小さく笑いながらルイスに言う。明良もこれで無駄な力は抜けたろう。
必要な力まで抜けている可能性もありそうだが。
講習会もお開きとなり、改めて移動を開始する。
本来は階段で移動する予定だったが、恐らくブランデンブルクの体調と、浪費した時間を慮って
危険を承知でエレベーターを使用するようだ。浪費した時間といってもタイムリミットがあるわけではないが、
シャッターが外から破られるまでにどれだけ状況が変わるかわかったもんじゃない。
出来る限り早くこのビルから抜け出すに越した事はない。
ルイスがボタンを押し、数基並んだうちの一基を呼ぶ。
>「さてと、紳士諸君とお嬢さん方これからエレベーターに載って頂く。
> で、死にかけ着ぐるみ野郎が日本庭園で背中のジッパーを開けている間に俺たちはさらに上へと向かう。
> シノザキが仕掛けてくれたガスボンベを爆発させてゾンビの群れをフィッシュ・アンド・チップスにする。」
> 「まぁそんな感じだ。さっさと乗りな。」
『開』のボタンを押しながら、一行をカーゴの中へ招きいれた。
俺はドアのすぐ左、操作パネルの前に立つルイスの反対側に立ち、
さっきの経験からやっぱり上を気にしていた。
>267
>「いや、駄目だっ!戻ると危ない!」
戻ろうと駆け出した私を、飯田のおじいちゃんが止めた。
しかりつけるような厳しい口調に足を止めた。
「だって・・・おじいちゃん・・・」
探しに行きたい気持ちと、ここに残らなきゃという気持ちがせめぎ合う。
だが、暗闇の中からモフらしき泣き声が聞こえてきた。
こちらに近づいている。
最初に見えたのはモフだった。
「モフ!」
駆け寄ってきた犬を抱きしめた。
>「………少佐ぁ……只今…戻りました…」
水野のおじいちゃんの息は上がっていた。かなり疲れたふうだが怪我は無い。
モフは、水野のおじいちゃんが見つけてくれたのね。
>「…軍曹、任務ご苦労。彩ちゃん、もう犬を逃がさないように注意するんだよ?」
「うん!水野のおじいちゃんごめんなさい、ありがとう!」
私はもう一度モフに頬を摺り寄せた。
お友達が消えたのは残念だけど、仕方が無いよね。また逢えるといいな。
「宿舎の中、どうなってるのかな?」
あまりにも荒れ果ててるので、中に入るのがちょっとだけ強い。
雲が切れて再び満月が姿を表した。
「・・・・・・・?」
私は目を擦った。今、おじいちゃん達の影が動かなかった?
>>273 怪物の頭を銃弾が打ち抜く。
―助かった―
その思いだけが体中を駆け巡る。
俺は全速力で怪物を打ち抜いた男の元へ走る。
ったく、生存者を助けるのが任務なのに生存者に助けられてどうすんだよ。
なんて思いつつ情けないやら何も出来なかった自分に腹が立つ。
校庭に着くと、男達は何やら地面に向かって必死で液体らしきものをかけている。
「なんなんだよ・・・あれ。・・・って、ありゃ蟻か?
人間だけじゃなくて、アリもかよ・・・そんなのアリか?」
こんな状況でこんなことを言うのはどうかしてる。
だが、どうかしてる世界でどうかしたところでそれは正常なのかもしれない。
>290
「シャッ!」
ハンターが鋭い爪で切りかかってきた。
>287
ミスタ・ザクセンは自分の事をSVR、ロシア対外情報局の人間だと説明した。
SVRって何の略?
もう全然お話についていけないわ。
>281
場慣れした男性陣に混じって、あたしと由比さんはプカプカ浮いてる気がする。
「由比さん、身体は大丈夫?」
エレベーターに乗り込みながらそっと話しかける。
あんまり顔色が良くない。まあこんなところでコンディション最高な人も珍しいでしょうけれど。
「お互いにひどいありさまね。うら若き乙女の姿じゃないと思えないわ。
ねえ由比さん、ここから無事脱出したら、一緒に素敵なお洋服を見に行かない?」
普段は外商なんだけど、それじゃ味気ないわよね。
それに、由比さんは黄色以外の色の方が顔に映える気がするの。
>285
何ていうか、戦争ってホントに………ひどい。
人の命なんか塵にも等しい扱い。ビルの中と寸分変わりない。
葛藤をこうして言葉に表すと、あまりに月並みで悲しくなるわ。
――――そして、こんな話を体験してて、平然と話せるミケさんも可哀想だなと思う。
「話してくれてありがとう。ちゃんと憶えておくね」
ミスタ・ルイスが閉ボタンを押した。エレベーターが動き出した。
エレベーターが着いたらもうミケさんとはお別れだ。
「………ねえ。じゃあミケさんの楽しかった思い出は?」
逃げ場の無い箱の中で、みんな周囲警戒に神経をすり減らしている。
あたしもいつでも撃てるよう構えてはいるけれど、撃つ気は無い。
こんな場所じゃ味方はおろか、自分の足まで撃ち抜いてしまいそうだったから。
あたしは俯いた。
「無い、なんて寂しいことは言わないでね。
………別に今すぐあたしに話してくれなくてもいいの。時間があった時、思い出してみてね」
そこまで話した時、あたしはふと、自分の銃の安全装置が掛かったままなのに気づいた。
慌てて安全装置を外す。
もうすぐ35階だった。
>288
一行の最後尾のシノザキさんもエレベーターに乗り込んだ。
先程の一件以来、天井をちらちら見る事が多くなったように感ぜられる。
注意深いその姿勢は見習わねばと思う。
エレベーターは順調に階を重ねていく、
そのあまりの順調さにかえって不気味な悪寒を感じる。
>285
狼男さんは淡々と、随分嫌な過去を振り返る。
地歴で習った様な国名や、人名が会話に現れる度に
私は教科書の内容を脳から引っ張り出すが、理解は難しい。
ただ一つ理解できるといえば、彼が共産主義を嫌悪しているといった事くらいか
しかし、聞いて満足のいくような話ではなかった。それは綾小路さんとて同じではないだろうか
こういう状況を、ちんぷんかんぷんと言うのだろうか?と苦笑する。
>287
>「……うーむ、箱詰めにされたウォッカの気持ちがよく分かるよ」
ザクセン・・・ウィリアムさんはエレベーターの端でぼやいていた。
確かに狭い、クラスでは長身の私も、いかつい男達に囲まれると
小さく感じてしまい、窮屈さは倍増する。
>292
>「由比さん、身体は大丈夫?」
>「お互いにひどいありさまね。うら若き乙女の姿じゃないと思えないわ。
>ねえ由比さん、ここから無事脱出したら、一緒に素敵なお洋服を見に行かない?」
やれやれ、元気付けてあげねば、と思っていたら
私が元気付けられる格好になってしまったようだ。
やはり私にお姉さん役なんて無理だろう、彼女は元より元気で明るい性格なのだろう。
だから、軍人の凄惨な昔話にも、耳を背けずに自分の頭で咀嚼が出来るのだ。
「ええ、そうですね・・・無事、脱出できましたらね」
無事、に強勢をつける。そして敢えて最初の質問には答えない。
フロアの位置を示す緑の光がぼんやりと目的地を照らし出す。
私は拳銃を柔らかく握ったまま、光を虚ろに眺めていた。
名前 由比明良 彬(お休み)
状態 足怪我、感染の疑い
場所 エレベーター
装備 ワルサーP38(8+1発)、9mm×19弾8連マガジン×5
服装 ドレス(半裂け、血付着)バスローブ、簡易サンダル
>273
軍人が伏せると、背後に居た化物へと照準が重なり、引き金が引かれると銃声が響く。
5発ほど続けて発射された銃弾の内、3発は怪物を捕らえ、2発は闇の中へ飛び去る。
気味の悪い呻き声を上げて、怪物は倒れ込み、動かなくなった。
「…鈴木君、何をしているのかね?小さい時にはそういった遊びもしたものだが」
足元に居る奇妙な蟻に気がついていなかった大佐は、心底不思議そうに鈴木に尋ねた。
>290
自動小銃を肩に掛け直すと、大佐は背筋を伸ばし、目の前の軍人に向かって敬礼を送る。
そして、軍人の言った幼稚な冗談を無視して話し始めた。
「こちらは培尾連隊、大日本帝国陸軍歩兵531連隊に所属している大宮外吉大佐である。
貴官の氏名、階級、所属、任務を可能な限り教えて頂きたい」
その時、遠くからの物音が僅かに耳へ届いた。
>291
聞こえたのは足音だった。凡そ人の物だとは思えないそれは、あっという間に近付いて来る。
大佐が気付いた時には、既に怪物は軍人のすぐ近くへと迫っていた。
「おい!そっちに一匹居るぞ!早く撃て!!」
目をギラギラさせた蜥蜴の化物を指差し、大佐は軍人へ向かって大声で怒鳴った。
名前:大宮外吉
持ち物:AK47自動小銃、軍刀、抗ウィルス剤
>>294 なんだ、おじいちゃんじゃねぇか・・・だけどしっかりしてんなぁ。
こんなとこでよく生き残って・・・そんな風に心の中で思う。
「こちらは培尾連隊、大日本帝国陸軍歩兵531連隊に所属している大宮外吉大佐である。
貴官の氏名、階級、所属、任務を可能な限り教えて頂きたい」
は・・はっ!!
こちらは自衛隊陸軍第三・・・
「おい!そっちに一匹居るぞ!早く撃て!!」
も、物音・・・なんなんだよ今度は!?
>>291 素早いスピードで現れる怪物。蜥蜴・・いや、あんなデカイ蜥蜴がいるかよ!!
俺は必死でライトを照らし、アサルトライフルのセーフティを解除した。
「・・・このやろぉ!!なんなんだよお前らは!!」
必死にライフルを連射する。
化け物の足、そして次に頭。こうなったらやるしかない。
逃げるだけじゃきりがない・・・
>283
ゾンビが大挙して襲ってきた。
校庭の端にある藪の中。雑賀はL96のスコープで燃え盛る分校の様子を窺っていた。
NBGを使用する必要は無い。分校の火事が松明代わりとなり、校庭にいる人影をちろちろと照らしていた。
「……あれは」
スコープに映ったのは、見慣れた陸自の戦闘服(>295)。雑賀は首を傾げた。
村周辺を封鎖しているのは確かに陸自だ。だが、封鎖しているだけで村の中にまで入ってくる事は無い。
それが何故、此処にいるのだろうか?自分達の知らない所で、新たに何かが起こっているのだろうか?
「連射じゃ直ぐに弾が無くなるぞ」
雑賀の傍で同じ様に双眼鏡を覗き込んでいた赤坂が、襲い掛かってきた化物と戦う陸上自衛官を見て呟いた。
自分達は兎も角として、殆どの隊員が化物相手の実戦経験などありはしない。
冷静に単射か3点バーストで射撃、という訳にはいかないだろう。恐慌状態に陥って連射で滅多撃ち。
それで弾薬が尽きるのが関の山だ。雑賀はおもむろにボルトを引いた。
「彼には支援が必要だな」
スコープの十字線にハンターの頭部を捉え、引き金を引く。全身を突き抜けるラプアマグナムの衝撃。
「ナイスショット。でもいいのか?今ので居場所がばれたぞ?」
双眼鏡の中で弾けるハンターの頭を尻目に、雑賀を見やる。
校庭にいる彼等と自分達の彼我双方の距離は100mもない。確実に射撃音と銃火で居場所を悟られただろう。
「仕方が無い。何れ彼等とは合流する心算だった。尤も、すんなりと受け入れてくれるとは思わないが」
藪の中から雑賀は立ち上がると、交戦の意思が無い事をアピールしつつ彼らに歩み寄って行った。
赤坂も直ぐに彼に従った。
名前:雑賀誠一郎
装備:戦闘服、88式鉄帽、NBG、ボディアーマー、ニー・エルボパッド、レッグホルスター/ポーチ、フェイスマスク
所持品: 無線機、スタングレネード、ライター、ナイロンハンドカフ×29、
水筒、銃剣、地図、コンパス、ライト、ファーストエイドキット、
L96(2)、.338LapuaMag×93、レザーマンツール、H&K Mk23(10)、消音器、12連弾倉×8
名前:赤坂圭吾
装備:戦闘服、88式鉄帽、ボディアーマー、ニー・エルボパッド、レッグホルスター、フェイスマスク
所持品:30連弾倉×8(一つは10連)、双眼鏡、レーザー側距儀、12ゲージショットシェル×21、G3A4(14)+マスターキー(2)、
水筒、銃剣、ファーストエイドキット、FAL弾倉、バラ弾薬×30、H&K Mk23(10)、消音器、12連弾倉×6
現在地/状況:校庭。交戦の意思が無いことをアピール。
>290>294>295>297
自衛官が手にしていたのは89式小銃。
陸上自衛隊の普通科、すなわち歩兵部隊を中心に使用されてる。
二脚を備えた5.56ミリ弾を使用する国産アサルトライフルである89式小銃の装弾数30発。
セミオート、フルオート、3点バーストの3種類に切り替え可能だ。
3点バーストは引き金を引きっぱなしにしても3発しかでない。
優れたフラッシュハイダーのお陰で反動も殆ど無いに等しい。
命中精度は反動が少ない事もあって高い方に属する。
>「…鈴木君、何をしているのかね?小さい時にはそういった遊びもしたものだが」
見事な射撃を終えた大宮大佐が言った。
なんだか可哀想な人を見るような目だったのが印象深い。
「これは・・・ですね。」
説明しようとした所を助けた自衛官に遮られる。
まだあどけなさが残る、若い男だった。
>「なんなんだよ・・・あれ。・・・って、ありゃ蟻か?
人間だけじゃなくて、アリもかよ・・・そんなのアリか?」
「汚染はそんなに酷くない。もっと進んでいれば巨大化した蟻が見られたはずだ。
昆虫類は総じて巨大化しやすいんだ。」
咳払いをして立ち上がると自衛官に向かって言った。
>「こちらは培尾連隊、大日本帝国陸軍歩兵531連隊に所属している大宮外吉大佐である。
貴官の氏名、階級、所属、任務を可能な限り教えて頂きたい」
大宮大佐の自己紹介に自衛官の表情が固まる。
驚いているのか、それともただ単に緊張しているのか。
どちらにしろ後で大宮大佐の発言にフォローを入れなければならない。
若い自衛官の肩越しに何かが動くのが見えた。
>「おい!そっちに一匹居るぞ!早く撃て!!」
大宮大佐が叫ぶ。
へたに自衛官の肩越しに撃てば怪我、最悪の場合殺してしまう事になる。
>「・・・このやろぉ!!なんなんだよお前らは!!」
混乱の表情が怒りへと変わり、殺意が走る。
フルオートで5.56ミリを盛大にばら撒き始める自衛官に向かって叫び声を挙げる。
「落ち着け馬鹿!貴重な弾薬を節約しろ!」
89式小銃の装弾数は30発だがフルオートで撃てば数秒で空になる。
まずはハンターの手足に銃弾が当たった。
その程度で死ぬようなB.O.Wは滅多に居ない。
454カスールをベルトから抜き、がっしりと構える。
ハンマーを起こし、慎重に狙いを着けた所でハンターの頭が弾け飛んだ。
若干の間を置いて銃声が聞こえた瞬間、本能的に地面に伏せた。
「伏せろ!化け物は死んだ!もう撃つな!」
未だ引き金を引き続ける自衛官に向かって叫ぶ。
視界の隅に見えた閃光、恐らく発射の際に銃口から吹き出たマズルフラッシュの方向に454カスールを向ける。
ライフルが欲しいところだ。
「・・・生きていましたか。」
近寄ってきた航空自衛隊の迷彩服に身を包んだ二人組の姿に安堵の声を漏らす。
「どういう事です?私が聞いた限りでは・・・他にこの村にやって来た自衛官は居ないと聞いていましたが。」
立ち上がり未だ肩で息をしている自衛官に454カスールを突きつけながら言った。
「おっと、私を撃とうなんて考えないで下さいよ。トリガーは引きましたからね。親指でハンマーを抑えている状態ですからね。」
今、小川が撃たれればハンマーが開放されて若い自衛官に当たる、と言う訳だ。
「貴方達は・・・まだ信用できる気がする。しかし彼は・・・どうかな?」
少し考え込むように小川が言った。
完全に開けた校庭だ。
この状況で敵襲があったとしても遠距離からライフル弾を何発か叩き込めば安全に殺せる。
不意を突かれることはまず無いだろう。
「移動しながら話しましょう。校舎の裏の駐車場に車がありますから。」
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:人質状態の三島に銃を突きつけながら移動を促す。
>>284 感染者か・・・構わん。駆除しろ。
隊員「了解」
無言でゾンビ達を駆逐していく。
まるでアリを踏み潰すように、あくまで事務的に。
無感情に。そこに憎しみも、悲しみも喜びも無い。
機械のように無感情に。
隊員「数、まだ来ます・・・が」
一時、校舎に退避。
体勢を立て直す・・・行くぞ。
校庭辺りに人影が見える。
同時に見えるのは、生物兵器らしき影。
もう既にそこまで被害が拡大していたのか。
「あれは、ハンターか。やはりな・・・
全員、周囲を警戒しつつ前方の障害を駆逐。生存者のデータを紹介しろ。」
隊員が特殊鉄鋼弾でハンターの致命箇所を各個破壊していく。
生存者は複数名。
問題は無い。話の出来ない蛆虫に比べればこいつらは融通は利く。
所持品:特殊マシンガン(武器名詳細不明)、ブレード、予備弾丸、RG
現在地:分校・校庭付近
状況:生存者を発見。同時に生物兵器を駆逐。
>288>285 >287 >292
>「ライミーのジョークってのは酷ぇのが多いな」
「そのうち一番傑作だったジョークを聞かせてやるよ。カメラマンなら喜ぶと思うぜ。」
パパラッチとザ・サンに絡む笑い話だった。
引っ掛かったのはある若い日本人。
エレベーターに入った辺りからオープンにしてた無線機にノイズが走り出す。
狭いエレベーターの中でブランデンブルグの思い出話が始まる。
マクナブ自身は第2次世界大戦以降の代理戦争と呼ばれる小規模な戦争しか経験した事がない。
全面戦争になればすぐ核の撃ち合いになる時代だった。
そんな時代があった事すら二人の女の子は知らないだろう。
考えてみれば共産主義でそこそこ上手くやっているのはキューバ位のものだろう。
寒かったり広かったりする所で共産主義をやるのはよくない事だ。
収容所は寒い所にあるし、広い国土と大勢の人民を管理する為にどうしても抑圧的な国家になってしまう。
>「諜報員って言うと007しか思い浮かばないっていったら怒る?
…………で、ミスタ・ザクセンの日常もやっぱりそんな感じなの?」
「あの映画はMi-6、英国諜報部を題材にしているから何とも言えないんだ。
私はSVR、ロシア対外情報局の人間だからね・・・まあ、あれだけ派手にやると三日も
生きていられないだろう、とは感じたが」
うんざりとした声でマクナブが呟く。
半分は大きくなるノイズのせいで苛ついていたのだが。
「なぁ、シノザキ。何でこの建物にはスパイやら化け物が大量にいるんだよ?」
それに、とマクナブが付け足した。
「MI6は第2次世界大戦の30年前後の呼び方だ。SISと呼べ、SISと。
ロシアのスパイってのは遅れてるねぇ。
ま、KGB出身者が大統領やってる国じゃSVRなんぞ2流の組織なんだろうな。」
そもそもマクナブは007が嫌いだった。
破壊工作は軍人の仕事だし、スパイは大っ嫌いだ。
死にかけるのが仕事のSASメンバーを言葉巧みに騙して散々代理戦争の現場に参加させられたものだ。
SASを辞めて、軍需品扱い会社に入る計画を邪魔したのもあいつらだった。
お陰でアフガン紛争に行くはめになったのだ。
電子音が響き目的のフロアに到着したのが解った。
『このフロアは現在改装中です。ご希望のフロアのボタンを押して下さい。このフロアは・・・』
「ちょっと待ってろ。」
エレベーターの操作盤の下に隠されているセキュリティボードを空けると1・3・7・9と押した。
停電後、24時間有効な非常用のパスコードだ。
『失礼致しました。改装作業、宜しくお願い致します。お怪我に気をつけて下さい。』
最近のエレベーターは喋りすぎだ。
狭苦しいエレベーターから開放されるのは有難い。
おまけに完全に隔離されていたこのフロアはゾンビやらB.O.Wが居る恐れは全く無い。
「まさにワビ、サビ、モエって奴だな。くそ、何なんだ?」
ドアが開いた瞬間、ノイズが一層大きくなる。
改装作業も殆ど進んでいないフロアは純和風の家屋が藪と竹林に囲まれていた。
「ちょっと待ってくれ。無線機を切るから。」
一体どうなっているんだ?
「日本の冬ってのは・・・雷は殆ど無いはず、だよな?」
現在地:35階・エレベーター内。
状況:エレベーター内で周辺警戒。
>298
>「どういう事です?私が聞いた限りでは・・・他にこの村にやって来た自衛官は居ないと聞いていましたが。」
「こっちが聞きたいぐらいだ」
雑賀は肩を竦めて見せた。
>「おっと、私を撃とうなんて考えないで下さいよ。トリガーは引きましたからね。親指でハンマーを抑えている状態ですからね。」
>「移動しながら話しましょう。校舎の裏の駐車場に車がありますから。」
「ああそうだな。俺だってこんな所には長居したくは無い」
別に自衛官の事を気に掛けることなく、小川に同意を示す。
>299
不意に連続した銃声が響き、それと共に何匹かの化物の悲鳴が聞こえた。
どうやら「武装した誰か」が他にもいるらしい。それもかなりの人数だ。
NBGを顔の前に下ろし、銃声が聞こえてきた方角へと顔を向ける。闇夜に数人の人影が見て取れた。
「お客さんだ。多分、自衛隊じゃないな…」
控えめで短めな銃声から察するに、恐らくSMGの類だろう。
雑賀が知る限りではSMGを主力火器として装備し、生物兵器が蠢く所に行く奴はSOGにはいない。
どんなに高性能な拳銃弾でも、ライフル弾には威力では劣る。耐久力の高い化物を相手にするのだ。
威力のあるライフルを選択するに決まっている。それが.223か.308かの違いはあるが。
「ほらな」
暗闇から現れた男達は、見るからに自衛隊の部隊ではなさそうだった。十中八九、傘社の私兵だ。
私兵を送り込んでくるとは、傘社は一体何を焦っているのだろうか。そもそも朝まで待てば、自衛隊が全てを灰塵に帰してくれる筈だ。
わざわざ私兵を送り込む必要が何処にあるのだろうか。それとも、送り込む必要が新たに発生したのかもしれない。
可能性は色々と考えられるが、兎に角、今のこの状況はよろしくなさそうだ。
「如何するんだよ?」
赤坂と背中合わせとなり、手は油断無くレッグホルスターに添えられた。
下手に動けば蜂の巣だ。だが、手を拱いている訳にも行かないだろう。
「で、如何するんだ?」
雑賀は小川を見やった。さて、彼がどう動くかお手並み拝見と行こう。
現在地:校庭
状況:突然現れた>299に関して小川に意見を求める。
>267
「ヘイヘイヘイ! 爺さんチンタラ走ってんじゃねーぜ!」
ハニーの元へ向かうオイラの足取りは軽く速く、上機嫌だった。
やっぱオイラは生まれながらの飼い犬なんだ。ご主人のために働くのがこんなに楽しいんだもんな〜。
捨てられた時に血統書はなくなっちゃったけどね。
>289
オイラはハニーの腕の中という収まるべき所に収まって、はっはっはっと短く呼吸を繰り返した。
やべー、結構疲れたぜ。
人間連中の会話を聞いてみるに、どうやら、オイラたちが村から脱出する方法を握っているらしい。
大丈夫かな〜? 先頭集団ってのはいつでも一番危険なんだけどな〜?
オイラは今までのドタバタですっかりバカになった鼻をくんかくんかと鳴らした。
どこもかしこも死体の臭いばっかりだー!
「えー、あそこ入るの? 危険じゃね? オイラ閉所恐怖症だし、人間の建物とかマジ何出てくるかわっかんないしー」
別に嫌がりもせず、ハニーの腕の中でつらつらと批判を重ねるオイラ。
だってここ、居心地いいし……。
「まあ、任しとけ。いざという時は爺さんらがバキューンでオイラがガブリよ。ハニーは頭だけ撫でてくれればオイラはオッケーだぜ。――やっぱり入るのー? うわー怖えー! 大王様早く来てー!」
自分でもよくわかんないことをまくしたてながら、オイラはハニーのナスがママになっていた。
ん? ナスがママなら、キュウリがパパ?
まあとにかく、ハニーと一緒に風呂に入ってすっきりさっぱりトリミングされるまでは、死んでも死なねえぜー。
現在地・状況:宿舎前、ハニーの腕の中で大人しく口だけ動かしている。
「大王様〜〜! どちらにおいでですか〜〜〜〜!?」
一匹で夜の村を徘徊するのは、やっぱり怖い。いや、怖すぎる。しかも俺、居場所アピールしながらうろついてるしっ!
「かゆ…う、ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「きゃー!? 出たあー!」
物陰から、会いたくもない共食い連中が鈍い頭のくせに機敏な動きで躍り出てくる。
ペタ号一八〇度回頭! 全速前進でありまっす!!
…………あ。
後ろにもいるるるあ!?
「誰か助けて〜〜〜〜〜!!」
すっかり囲まれてぐるぐるしてしまう俺。無理だー。俺シティーボーイだから一対五とか絶対無理ー。
「待てぇぇぇぇええい!!」
「はっ! その声はもしや!?」
しかし、そこでなんと! 狙い済ましたかのようにあの御方がやってきたのだ!
すぐ傍の民家の屋根から、赤い月を背にして見下ろす銀の毛皮の大勇者!
「天知る、地知る、犬ぞ知る。悪を倒せと――」
「カッコつけてないで早く助けて〜〜〜!!!」
「ええい、救い甲斐のねえ野郎だ。少しくらい我慢しろ」
「無理どぇす!」
「しゃあねえな〜。――とおっ!」
やる気なさげに言いながらも、動きは素早く力強い。大王様は、五匹もいた共食いどもを俺が、
「うわーお!」
っという間にグチャグチャにしてしまったんだ。
しかもなんか、村に来た時よりも戦い方に磨きがかかっているような……?
「ん〜〜、やっと調子が戻ってきたな〜。――おかわりっ!」
「ないですよ〜。それより早くモフんとこに……」
来た道を軽く流して戻りながら、大王様に俺たち二人が体験したことを早口で説明する。
「ふむふむ……そうか。あの毛玉は尽くすべき人間を見つけたんだな」
「でもさっそくピンチっすよ。でっかくて臭っさい芋虫がですね――」
「まあ、大丈夫だろ。うん、モフの頼みは一先ず片付けたとしよう。次は、お前の番だぞペタ」
「えっ、ってことは、さっそく俺らのボスになってくださるんで!?」
「ん〜、あれだ。着いてから考える」
「うわー頼もしいー」
そんなこんなで芋虫が暴れていた場所に到着、念のために匂いを探ってみたけど、モフも爺さんも無事にあの子の後を追ったみたいだ。
よしっ! 達者でやれよモップ野郎! 俺はこれから、オホートニク大王様の右腕として華々しくデビューするぜっ!!
現在地・状況:オホートニクと合流、野犬の巣窟に向かう。
>>298 >「落ち着け馬鹿!貴重な弾薬を節約しろ!」
「・・・ハァハァ。わ、分かりましたよ・・・ったく。
なんなんだよ、ありゃ。」
今度はどっかから銃声が聞こえる。何なんだよ?
>「伏せろ!化け物は死んだ!もう撃つな!」
「りょ、了解!!って、ええ?」
>>297 「今度は一体なんだぁ・・・?」
気が付けば俺はじいさんに銃を突きつけられていた。
何がなんだか意味が分からない・・・どうなってんだよ。
「へいへい・・・分かりましたよ。俺は何もしませんから・・・」
>>299 また銃声だよ。何なんだ?ほんとにここは・・・日本じゃねぇみたいだ。
>304
若い自衛官が諦めきったように呟く
>「へいへい・・・分かりましたよ。俺は何もしませんから・・・」
「そりゃどうも。」
聞き分けの大変宜しい自衛官だ。
>301
>「で、如何するんだ?」
人質状態の自衛官には関心が殆ど無いらしい。
雑賀と赤坂に人質を心配する気持ちは全く無いらしい。
只、目の前で起きた戦闘に誰が参加していたか、だけが気掛かりのようだ。
言い換えれば相手が誰だか解っていない、という事だ。
「どうする、ですか?」
小川が茶目っ気たっぷりに笑う。
「自己紹介でもして皆で仲良くやるんですよ。」
撃ってこない事から推測するに・・・相手は俺の事を知らないらしい。
恐らくデータベースを照会、続いて対応を考えるつもりだろう。
>299
「私は国際調査部6課の鈴木だ!作戦指揮官と話がしたい!」
自信たっぷりの口調で小川が叫ぶ。
国際調査部は多国籍企業である傘の監査機関だ。
危険人物の調査、企業テロの犯人の追跡調査を行うのが主な業務目的である。
6課は傘所有の豪華客船スペンサーレイン号の乗っ取り事件とそれに伴うtウィルスを使った脅迫事件後に設立された部署だ。
事件の首謀者はアメリカ合衆国統合戦略軍対傘追撃調査チームと中国の国家安全部所属の工作員によって射殺されたが
自力で落とし前を着けられなかった傘は危険な立場に追い込まれた。
調査部と作戦行動部との連携が取れていなかった為に起きたこの失敗の教訓を活かし、
自前で情報収集と作戦行動の取れる第6課が設立されたのだ。
極めて独立性が高い部署である為に他の部署、部隊と共同して作戦を行う事は殆ど無いし、
別の部隊がやって来た時には既に任務が終わっている事もあった。
隊員の一人のヘッドアップディスプレイに履歴と顔写真が添付されたファイルが表示される。
最初に表示されたのは、隊員自身のセキュリティクリアランスでは全ての情報を表示する事が出来ないと言う警告だった。
―傘社構成員ファイル―
氏名:XXXXXXX(保安上の理由により削除)
国籍:XXXXX(同上)
年齢:XX(同上)
コールサイン:スプートニク
所属:国際調査部6課
備考:6課の保安要員である為、戦闘は避ける事。
この人物の個人データは保安部長に申請する事。
偽名である鈴木の名前で呼ぶ事を強く推奨。
非常時以外は接触を避ける事。
ファイルから解るのはこの男が非常に高度な作戦に従事する立場の人間であると言う事だけだ。
恐らく九武村にも何らかの作戦で来たのだろうが内容は不明と言うわけだ。
「で、指揮官は誰なんだ!部隊の人間に周辺警戒をさせろ!こっちに来て話を聞かせてくれ!」
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:国際調査部の人間だと名乗り、三影と話そうとする。
>299
「GYAAAAA!!!」
突然足元が揺れ、大地が割れたかと思うと巨大なグレイブディガーが
地上に顔を出し、数名の隊員をその巨大な口で丸呑みすると再び地中に潜ってしまった。
>>305 ―数名の生存者。
この村の惨状でよく生き残れたものだと思う。
だが、そんなことはどうだっていい。
我々は我々のやるべき事をするだけだ。
「私は国際調査部6課の鈴木だ!作戦指揮官と話がしたい!」
生存者の中の1人が部隊に向け話し掛ける。
年の頃は20代後半か。自らを傘の犬だと言う。
隊員「隊長・・・指示を」
ディスプレイを閉じ、隊員が銃を男へ向けようとする。
だが、それを制止しそのまま鈴木と名乗る男へ歩いていく。
「止めておけ。彼は排除するべき対象ではない・・・我々と同じ傘の同士だ。」
男の周りには数名の武装した男。
自衛隊の服を着た人間もいる。やはり陸自も別行動でこちらへと進入していたか・・・
あの時「駆除」した連中に生き残りがいたのは心外だが・・・まぁ、いい。
それまでの無表情から一転、にこやかな笑みで鈴木へ向かう。
その顔には悪意の欠片すら存在しない。
「驚かせて申し訳ない。我々に戦闘の意思はありません。
私は指揮官の三影、部下ともども宜しくお願いしたい。」
手袋を取り、鈴木へと握手の手を伸ばす。
所持品:サブマシンガン−AMS(特殊鉄鋼弾装備)
スティングブレード(対BOW専用接近戦用装備)
RG(小型ロケットランチャー)
現在地:分校・校庭
状況:鈴木との接触を開始
>307
「GYAAA!!!」
再び地面が揺れ、更に数名の隊員達がグレイブディガーに飲み込まれた。
此処に留まっていればグレイブディガーの胃袋に全員が収まるのは時間の問題だろう。
>300
「それじゃ、俺はここまでだ」
開放された扉から改装されたフロアへと一歩を踏み出す。
周囲は不気味な静けさに包まれていた。耳にも鼻にも特に何の気配も感じ取れ無い。
>「………ねえ。じゃあミケさんの楽しかった思い出は?」
>「無い、なんて寂しいことは言わないでね。
>………別に今すぐあたしに話してくれなくてもいいの。時間があった時、思い出してみてね」
「…時間があれば、な」
そうだ。楽しい思い出話を出来るだけの時間が俺に残されていれば、色々と聞かせてやろう。
実家の車修理工の話、初恋の相手が隣に住む御姉さんだった話、ギムナジウムでの学生生活、
軍隊で覚えた酒と煙草の話(女は覚えなかったが…)、下品な冗談が好きだった戦友の話…
「桃華」
俺はおもむろに頭のヘルメットを脱ぐと、桃華に放り投げた。
「それでも被ってマクナブの後に隠れていろ」
そして腰の雑嚢からエーデルワイス徽章と国家鷲章が縫い付けられた暗緑色の山岳帽を取り出し、
耳を畳んで目深に被る…気分はもうあの頃だ。1944年12月、ベルギー、ラ・グレーズ。
「パイパー少佐、俺はあんたみたいになりたかったよ…」
後で扉の閉まる音が聞こえた。さて、これでもう俺は後には戻れない。
尤も、後に戻るつもりなんてこれっぽっちも無いが。TEMPO!(前進!)TEMPO!(前進!)。前進あるのみだ。
だが、ただ前に進むだけじゃない。連中と一緒に地獄へ行進するんだ。
狂った様に咆哮をあげながら、疾風怒濤となって地獄に突撃するんだ。楽しいぞ。きっと楽しいに違いない。
何もかもを忘れ、ただただ死に向かって突撃するんだ。形振り構っていられるか。みんなで一緒に突撃するんだ。
そうして俺は狂乱の中で死ぬんだ。いいぜ。来いよ。死んでやろうじゃねえか。地獄に向ってPANZER VOR!
装備:武装SS外套、40年型野戦服、43年型山岳帽、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
状況:35階
>299 298 286
歩き出したリーダー君を見ると、俺は男を担ぎ上げた。
担ぎ上げられたときの振動で傷口から血が溢れ、男は呻き声を上げる。
「傷が痛むか?少しは我慢しろ、死にゃあしない」
呻いた男に呟き、リーダー君の後を追う。保健室に着くと男をベットの上に下ろした。
リーダー君は薬品棚を叩き壊し、中にあった消毒液と包帯を取り出し俺に渡す。
>「で、何をするつもりなんだ?そんなもんで感染が防げるとは思えんが」
当たり前だ、こんな所にあるモノで感染を防げるのならこんな大事に成っていない。
それに、俺に薬学の知識なんかあるわけないじゃあないか。
ま、取り合えず応急処置を施した後、当初の目的通り研究所へ行く。
運が良ければワクチンの一個か二個置いてあるだろう。
無けりゃあそれまで、この男は髪の毛一本残さずに俺の腹の中だ。ワォ、我ながらなんて無計画。
リーダー君が廊下に出て行くのを確認し、俺も廊下に出る。目的は水だ。消毒の前に傷口を洗い流さねばならない。
廊下に転がっていたバケツにたっぷり水を入れると、再び俺は保健室に戻る。
ベットの上に放置してあった掛け布団を水に浸し、男の傷口に塗れていた血を綺麗に拭き取り、残った水で傷口を洗い流す。
血に塗れていた傷口が露になると、その上に消毒液の入ったビンを掲げた。
「今から消毒を開始する、少々痛むだろうが・・・まぁ、その辺は何とか耐えてくれ」
それだけを告げ、俺はビンを傾け、傷口に大量の消毒液を垂らした。
男の呻き声と重なるようにして短い銃声が何度も響く。
恐らくリーダー君でも村人でもないだろう、だったら捨て置けばいい。
小川は死なない、さっきだって俺が余計な事をせずともアイツは自分で切り抜けたろう。
なんせ、アイツはしぶといんだ、とてもとても、べらぼうに、嫌になるほど。
にしても・・・。
「随分とまあ、騒がしいものだな。・・・此方には怪我人がいるというのに、静かにして欲しいものだ」
空になった消毒液のビンを投げ捨てると、笑いに口を歪めて呟く。
本当は出て行きたい所だが、俺がいくと恐らく話がこじれるだろう。
人の話をこじらすのは大好きだが・・・今は怪我人もいる事だし、止めるとしておこう。
それに・・・。
ちらりと自分の姿を改めて確認する。これはもう犯罪ギリギリだ、むしろアウトに限りなく近い、黒に限りなく近いグレーだ。
俺は視線を自分の身体から離すと、廊下に続く扉を溜め息をついて見つめた。
所持品:焼け焦げた自分の右手
現在地:九武村 分校 校庭
状況:ギリギリで半裸
>307
「ブゥゥゥゥゥン……」
拳大の巨大な蜂が群れとなって襲い掛かって来た。
>307
>「驚かせて申し訳ない。我々に戦闘の意思はありません。
私は指揮官の三影、部下ともども宜しくお願いしたい。」
「これ位で驚くようじゃ6課は勤まらないんでね。こちらこそ宜しく。」
差し出された手を握ると自信たっぷりに笑う。
分厚くざらついた手のひらの皮の感触から継続して訓練や実戦を受けていた事が解る。
それにしては目の前の男は随分と若い。
「ああ、私は鈴木で結構。こちらの二人は、航空自衛隊のパラレスキューで我々の協力者だ。」
航空自衛隊の迷彩服を着た二人の巨漢、雑賀と赤坂(301)の二人を顎で示す。
パラレスキューは墜落した航空機などの救助を目的とする部隊だ。
実戦においては敵地に墜落した戦闘機やヘリのパイロットを救出するのを任務とする。
もちろん敵は十分に警戒している上に味方の援護を得られない環境での作戦だから隊員にはそれ相応の技術と体力が必要となる。
ある種の特殊部隊と言っても間違いではない。
「私としても困った事に・・・陸、海、空、全ての自衛隊をコントロールしている訳では無いからね。」
困った笑顔を浮かべて陸上自衛隊の迷彩服に身を包んだ若者(304)を顎で指す。
「こちらは・・・先ほど捕虜に取ったばかりでね。陸上自衛隊の人間だろうな。航空自衛隊は比較的協力的なんだが・・・
陸上自衛隊はそうでもない。その証拠にここを包囲しているのは陸上自衛隊だ。」
そして最後に大宮大佐(>294)を指で指した。
「あの老人は大宮さんだ。この村の人間で色々と情報を与えてくれる。協力者、と言う訳だね。
元軍人で銃の扱いにも長けている。役に立つ事この上ない。」
何人かの隊員がグレイブディガーや巨大な蜂の群れと戦闘を始める。
銃声が響くがお構いなし。
目の前の男達、つまり三影達に任せておけば問題無いだろうと完全に信頼しきっているようだ。
「さて、君に協力して欲しい事があるんだがね。」
三影の耳元に顔を近づけると任務は移動しながら話す、と囁いた。
目的地は校舎の裏の駐車場だ。
「何人かの隊員をここで警備に当てて欲しい。ヘリが着陸できるスペースはここ位しか無いからね。
それと指揮官である君と数名、そうだな・・・君と合わせて6人位の人間と行動を共にしたい。」
簡単に状況の説明を行う。
「体育館にかなりの数の生存者がいる。目撃者を可能な限り集めたんだ。感染してゾンビになって歩き回られると厄介だ。
それにまとめておいた方が始末する時も楽だからね。」
振り返って巨漢の自衛官二人に呼びかける。
「その陸自の男は丁重に扱ってくれ。色々と話を聞きたいからね。」
早い話が一緒に来い、と言う訳だ。
「どうだろう・・・君は協力してくれるかね?お互いに目的は一つ。傘の利益の為だ。」
真っ直ぐに三影の目を見ながら言った。
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・校庭
状況:御影に協力を要請
>>306 ・・・チッ。
各自、散開して敵を包囲!!殲滅しろ。
>>「何人かの隊員をここで警備に当てて欲しい。ヘリが着陸できるスペースはここ位しか無いからね。
それと指揮官である君と数名、そうだな・・・君と合わせて6人位の人間と行動を共にしたい。」
人員を裂くのは構わない。
たとえ最後の1人に自分がなっても任務は遂行する。
ただ、それだけの事だ。
笑顔で返す三影。
「いいでしょう、我々でよければ全面的に協力させて頂きます。
今、生き残ってる隊員はちょうど6名程度だ・・・先程の
>>306怪物の襲撃で
また人員が減ってしまいましたが・・・彼らの為にも我々は生き残るべきだ。」
捨て駒など、どうでもいい。
所詮はその程度の感覚しかない。
どうせ彼らには此処から戻っても温かいスープを作ってくれる人もいなければ
守るべきものも何もないのだから。
小川という男の話では、他にも自衛隊の兵士が2人。
そして村の老人である大宮なる人物もいるらしい。
「・・・では、こちらの警備に4名。私と同行する兵士が2名で如何でしょうか?
世が明ければ全てが焼き払われる・・・それまでに何とか脱出しなければなりません。」
所持品:サブマシンガン−AMS(特殊徹甲弾装備)
スティングブレード(対BOW専用接近戦用装備)
RG(レールガン)
現在地:分校・校庭
状況:小川の要請を了承
>289、>302
「ああ…いや、いいんだよ。気にしないでくれ」
額に浮かぶ汗を拭い、水野軍曹はいつも通りに落ち着いた口調で少女の言葉に答えた。
少女に抱きかかえられている犬を見て、いい肉を買ってやると約束したのを思い出す。
「さて、それでは宿舎に入ろうか。軍曹は引き続き、後方の警戒を頼む」
>271
少佐が歩き出そうとすると、足元からカサカサという物音が聞こえる。
「……何だ…?」
見れば、無数の蟻が蠢いているのに気がついた。だが、何故か隊列を作ろうとはしていない。
さらに他の蟻を食い荒らしている物や、歩かずにのた打ち回っている物も見受けられる。
「…………まあ、放っておいても大きな害はあるまい」
秩序の無い蟻の群れを多少警戒しながら踏み越え、かつて駐屯地だった場所へと踏み込んだ。
草木の陰に隠れた門柱には、「陸軍歩兵第五三一聯隊」の文字が見えた。
名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃、背嚢/三八式歩兵銃、水筒、背嚢
鈴木と軍人達が話し合っている間に、校舎から戻ってきた二人の手を振って合図をする。
「二人ともご苦労、報告を頼む」
大佐が敬礼と共に言うと、二人も揃って敬礼をして、橋本中尉が口を開く。
「村民の治療は無事に完了しました。死者は居ません。混乱も大きくはありませんでした」
「武装した村民の内、戦闘が出来そうな者は14名。7人ずつで2個分隊を組ませられます。
銃弾は全て合わせて200発程度はあるものと思われます」
続けて金田兵長も報告を行い、敬礼をしていた手を下ろす。
>301>304、>312、>313
自衛官や所属の分からない兵士、そして鈴木に向かって、大佐は短く尋ねる。
「……それで、だ。単刀直入に聞くが、兵士諸君の任務は救助かね?破壊かね?」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:AK47自動小銃、軍刀/猟銃、懐中電灯、背嚢/猟銃、背嚢
>305>307
雑賀は小川の役者っぷりに口笛を吹いた。
「狸め。道理で喰えない筈だ」
フェイスマスクの下で苦笑を浮かべ、心の底から嫌味を込めた言葉を呟いた。
>312
>「その陸自の男は丁重に扱ってくれ。色々と話を聞きたいからね。」
「ああ。分かっている」
未だに第四匍匐の姿勢で地面にべったりと張り付いている陸上自衛官(>304)に向けて
AK47を構える老人を手で制し、襟首を掴んで彼を自分の目の前に立たせる。
彼我双方の身長差は20cm以上はある。自然と自衛官を見下ろす形となり、雑賀は威圧的に出た。
「名前と階級、そして『如何して』此処にいるのかを教えろ」
先程から気になっているのは、何故、陸自が村内にいるかと言う事だ。
自分達の知らない所で状況が変り始めている。それが如何いったものかが分からない。
目の前のこの自衛官が唯一の情報源だ。何としても把握せねばなるまい。
「答えたくなければ答えなければいい。その場合はお前を殺してその装備を他の
もっと能力のある奴に渡すだけだ。その方が生存の可能性が上がるからな。足手纏いはいらない」
現在地/状況:自衛官を尋問。
>316
>「狸め。道理で喰えない筈だ」
雑賀の嫌味を聞き流し、薄笑いを浮かべる。
諜報員にとっては最大の誉め言葉なのだ。
若い男を尋問する雑賀を横目で見た。
人間は体が大きければ大きいほど野蛮だとジョナサン・スウィフト言っていたのを思い出す。
確かに大男には他人に恐怖を与える何かがある。
もっとも自分自身が小柄だからそう思うだけかもしれない。
>313
>「いいでしょう、我々でよければ全面的に協力させて頂きます。
今、生き残ってる隊員はちょうど6名程度だ・・・先程の>306怪物の襲撃で
また人員が減ってしまいましたが・・・彼らの為にも我々は生き残るべきだ。」
「その通りだ。バランスは取れていると思う。適切な判断だな。
彼らの為に、か。それは言い換えた方がいいと思う。
我々は永遠に生きる事は出来ないが・・・我々の死によって組織が永遠に生きる事は出来る。
つまり・・・我々もまた永遠と言う訳だ。
最後に人は死ぬ、という事を恐れずに受け入れる。そして犠牲こそが尊い事を学ぶ。
それが組織の構成員としての心構えだ。」
違うか、と問い掛けながら三影に笑いかける。
>「・・・では、こちらの警備に4名。私と同行する兵士が2名で如何でしょうか?
夜が明ければ全てが焼き払われる・・・それまでに何とか脱出しなければなりません。」
「無論だ。死ぬのは構わないが何の結果も出さなければ多額の訓練費用を払ってくれた組織に
不利益しか与えない事になってしまう。
彼が脱出ルートを知っているから協力をして貰っているのだ。」
話している間に校舎裏の駐車場に到着した。
村人から貰った車の鍵を使い、停めてあった車を探す。
鍵に開錠ボタンがついているのは有難い事だ。
車を探す暇が省ける。
ライトが点滅し、開錠された事を一台の車が示す。
泥に塗れた一台のワゴン車だ。
ドアを開け、中を確認する。
その気になれば何とか全員押し込めるだろう。
「君、そう、そこの君だ。」
傘の兵士の一人に適当な車を見繕い、それに乗るように指示を出す。
ハンドルの辺りのケーブルを弄ればエンジンを掛ける事は出来るだろう。
兵士の一人は指示通り車の窓を割ってエンジンを掛ける為にハンドルの付け根辺りにナイフを突き付け始めた。
>315
分校の様子を把握し、報告に二人の老人がやって来た。
大宮大佐に状況を報告する声に耳を傾ける。
報告を聞き終えると大佐が口を開いた。
>「……それで、だ。単刀直入に聞くが、兵士諸君の任務は救助かね?破壊かね?」
「それはこれから話す事ですよ。心配なら大宮さんだけ同行してもらって後の二人は残って貰った方が良いでしょう。
彼らと協力してここに残って貰った方が良いかもしれませんな。」
小川が、いやスプートニクが言い放った。
遠まわしにここから先は来るな、と言っているのだ。
だが来るというなら拒むつもりは全く無い。
「ただその場合は別の車、別の目的地に言って欲しい。後で合流したいと思っているんでね。」
橋本老人と金田老人には別ルートで小川が無くした小銃の回収を依頼し、
ついでに先に荒れ寺に向かって欲しい事を告げた。
護衛に付いてくれる兵士の一人に頼み込み、同じように適当な車のエンジンを掛けるように言った。
「こちらのワゴンに我々は乗る。」
簡単に乗る位置の指示を出した。
赤坂が運転し、現地人である大宮大佐がナビ席で案内をする。
赤坂の後ろに小川が座り、その隣に三影が座る。
雑賀と捕虜にした三島は最後部の座席で尋問を続けてもらう。
「それと捕虜の君。アサルトライフルは大宮さんに預けて置きたまえ。咄嗟の時に運転をする彼が
大宮さんから受け取れるようにね。後で銃は返すから安心したまえ。」
所持品:シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・駐車場
状況:2台(大宮、狙撃班、三影、三島、小川)と1台(橋本、金田)は別ルートで移動する事を提案。
「ロバート大尉、彼等をあそこに置いてきて大丈夫なのですか?」
「・・・現時点での最優先事項はここからの脱出だ、構わん」
「しかし・・・」
「ウィル、後方警戒がお留守だぞ。さっさと行け」
隣にいたハワードに言われて、若い上等兵は渋々後方へ下がる。
俺とバーンズは巨大ミミズの穴にフリーフォールした後、何とかトンネルから這い上がってきた。
もちろん桂木や篠原を探したが、全く見つからなかった。
代わりに現れたのは、散り散りになっていた部隊の面々。
ただその数は当初の半分以下にまで減少し、作戦続行は事実上不可能。
その旨を伝えるべく司令部へ連絡を入れると、意外な答えが返ってきた。
『必ず生還せよ。それ以外の結果は認めない』
また何か持って帰れと言われるのかと思いきや、こんなに部下思いな返事をくれるとは。
上層部にもいい奴は居るもんだな。
>314
周囲を警戒しつつ進んでいくと、前方に目指していた建物が見えてきた。
「総員警戒態勢、目標デルタを確認。衛星写真と符合する、間違い無い」
瞬時に緊張が高まり、隊員達の顔つきが変わっていく。
ハワードとバーンズが先に門の前まで移動し、俺と残りの二人がそれに続く。
全員が門の前に着いた時、建物へと向かう人影が見えた。
「Freeze!!そこから動くな!」
人影に銃口を向け、ハワードが叫んだ。
だが、彼等に敵意があるとは思えなかった。薄っすらとではあるが、子供らしきシルエットが浮かんでいる。
湾岸戦争での悪夢が蘇ってくる。家から飛び出してきた子供の頭を撃ち抜いてしまった時のことだ。
「やめろ、銃を下ろせ!あいつらは民間人だ!」
俺の声に反応し、ハワードが銃を下ろす。今はそれだけでも表彰してやりたい気分だよ。
「・・・今からそっちに行く、待っててくれ!」
こちらの声が届いたかどうか分からない、追いつくなら急ぐべきだろう。
地面に蠢いている蟻の群れを踏まない様に注意しながら、人影へ向かって走った。
名前:Robert.S.fallington/Eliot.K.burns
装備(Rob):M16A4(30+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(19+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(How):M4A1(30+1)+Mag×5、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
隊員装備:M16A4、M1911A1 MEU、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
海兵隊員:2人生存
現在地:陸軍駐屯地跡
>286>310
気が付くとベッドに寝かされていた。気を失っていたのだろうか。
頭は霞がかったように思考を拒み、体は気だるくなっている。
どうやら「その時」が近付いたようだ。
まだ食欲はないが・・・
>「今から消毒を開始する、少々痛むだろうが・・・まぁ、その辺は何とか耐えてくれ」
傷口に消毒液をかけられた私は呻き声を上げた。
この苦痛に耐え抜いたところで私に残された道は人喰いになることだ。
早くしないとこの村は地図から消える。
所持品: 拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 負傷@感染
田舎はいい。開放的で、鍵など滅多にかけないからだ。
大ミミズの穴からどうやって抜け出したのかは全く覚えていない。
気がついた時には、見知らぬ民家の前だった。
あの時、確かに生き埋めになっていた筈なのだが。
助けてくれそうな人影が見当たらない以上、自力で脱出したのだと納得するしかなかった。
もし連れがいたら、シャワーを浴びる暇などまず無かっただろう。
この状況で悠長な、とも思われるかもしれないが、殺される時髪の中まで土まみれなのは願い下げだ。
雨が降ったにもかかわらず、土は乾いていたようだ。着物の汚れは叩けば簡単に落ちた。
さっぱりした私は、とある家の中でカレーを食べた。
飢えは治まったが、味などわからなかった。
自分の体調も気になっていた。
転落した時確かにダメージを受けた筈なのだが、今痛みは全く無い。
体調は元通りになっていた。ゾンビの気配もちゃんと読める。恐ろしい事に。
その代償とでもいうように、手首の痣が大きくなっていた。
等訓市で、腕から触手が映えた事を思い出して身震いする。
―― これ以上ダメージを受けると、人の姿を保っていられないかもしれない。
堂々巡りの考えを断ち切るかのように立ち上がる。
このままもう少し休みたいが、今日の朝には除染作業が行われるのだ。
あまりゆっくりもしていられない。
車庫に車は無かった。家主が逃げる際乗っていってしまったのだろう。
かわりに自転車と鉈を手に入れた。鉈は少し重いが、まあ何とかなるだろう。
外に出ると、遠く離れた場所では白煙が昇っている。あれは私が放火した民家のものだろう。
ここからなら研究所よりも荒れ寺の方が近いはずだ。
私は荒れ寺に向かった。
状況/民家 グレイブディガーの穴より脱出。自転車で移動開始
服装/所持品:和装/アンプル(抽出高分子入)×2、救急セット 研究員の手帳(カードキー) 写真、 古びた日記、親子の写真、鉈
雨露に濡れた草叢の影で、生肉を貪り食う音が静かに響いていた。
暗闇に浮かぶシルエットは人のようであって人では無い。
その体長は優に3mに達しようかというほどだ。
表面がぬらぬらと光っている灰色の外骨格に覆われた巨躯。
その姿は飛蝗類を無理矢理人間の模った様であった。
「GRRRR……」
人間とは勝手が違う肉体を維持するのには膨大なエネルギーが必要だ。
その為に常に飢餓感に苛まれ、絶えず獲物を求めて徘徊しなければならなかった。
先程仕留めた巨大な芋虫は、味は兎に角として充分な量のエネルギーを摂取できた。
只管空腹に突き動かされて顎を動かし、酷い臭いのする土色の肉に齧り付き、紫色の血を啜った。
>319
「R?」
不意に触覚が美味そうな獲物の匂いを嗅ぎ取っていた。
久し振りに嗅いだ新鮮な生肉の匂い。匂いを嗅ぐだけでもういても立ってもいられない。
今まで食事をしていた草叢から立ち上がり、その高い視界と鋭敏な嗅覚で当の獲物を探す。
「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
見つけた途端、彼は歓喜の声を上げていた。距離にして数十m。『腐っていない』人間だ。
それも結構な数が揃っている。どれもこれもが武装しているが、構うものか。
「AOOOOOO!!!!」
背中の虫羽を戦慄かせ、足に力を込める。
次の瞬間、引き絞られた弦が勢い放たれるかの様に疾駆していた。
「OOOOOOO!!!」
兵士らしき男に、彼は飛びかかっていた。
場所・状況:陸軍駐屯地近辺・>319の兵士の一人に襲い掛かる。
>322
門の前にいた蟻の大群が群がってきた。
ガタガタと寒さと恐怖に震えながら、私達姉妹は荒れ寺のとある一角に身を隠していた。
私達は化物に簡単に見つからないような場所に隠れているのだが、それでも村から聞こえてくる
呻き声やら何やらは怖い。だから、私達姉妹は互いに身を寄せ合ってじっとしていた。
「怖い…怖いよう…」
嗚咽混じりで妹の綾芽が細い肩を震わせている。
私も涙目で怖がる妹の肩を抱き、背中を擦ってやる事ぐらいしか出来なかった。
こんな所に隠れているのは駄目なのは分かっている。でも、何処に行けば良いのか分からない。
如何すれば良いのか、如何したら良いのか、全然何もかもが分からない。
だからこうやって綾芽と一緒に隠れ続けている。
隠れ続けながらふと思った。村がこんな異常事態に陥っているのを、外部は知っているのだろうか。
もし知れ渡っているのならば、自衛隊が助けに来てくれるだろう。三週間前の等訓市の事件は記憶に新しい。
いざという時の為の自衛隊だ。マッチョなオジさんお兄さん達が助けに来てくれるのを、私達姉妹は待っていた。
名前:鏡野綾御/〃綾芽
服装:コート、巫女服/〃
所持品:懐中電灯、三段特殊警棒/特に無し
現在地:荒れ寺(隠れ中)
現在の状況:身を隠してじっとしている。
>300>309
エレベーターは低い唸りを(一向に途切れることなく続く話し声に大部分がかき消されているが)発しながら上昇していく。
そこにぱりぱりと言う空電音が入り込んできた。ルイスの持つ無線機からだ。
>「なぁ、シノザキ。何でこの建物にはスパイやら化け物が大量にいるんだよ?」
わずかな苛立ちを滲ませながら、ルイスが俺に話を振る。
「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
退屈を持て余すといった、ささやかな贅沢を楽しむ選択肢も用意しておいて貰いたかったが、
どうもこのパーティの主催者であるスペンサー氏は押し付けがましいところがあるようだ。
エレベーターは35階に到着した。が、電子音声はこのフロアが改装中であると告げ、ドアを開けようとはしない。
ルイスは何やら操作盤をいじり、ぱっと見には存在がわからなかったパネルを。
そこにパスコードを打ち込んでドアを開け、「フロアに踏み入った。
>「まさにワビ、サビ、モエって奴だな。くそ、何なんだ?」
「ナイト殿は女性の扱いもお手の物か。あと萌えはこの場合関係ねぇ」
俺はこのフロアには用が無いのだが、狭いところには極力居たくない。どっから何が出てくるやら。
見渡すと、笹の茂みを回りこむ沢に鹿威しつきのつくばい、ところどころに石灯籠。典型的な日本庭園だ。
もっとも改装中なので沢に水は入っていないし、葉擦れの代わりにはノイズが辺りに響いているが。
>「日本の冬ってのは・・・雷は殆ど無いはず、だよな?」
フロアに入った瞬間からひときわ大きなノイズを発しはじめた無線機の電源を切りながら、ルイスが誰にともなく言う。
そういえばラジオのノイズで敵の存在を探るゲームがあったような。
「雪国じゃ冬のほうが雷が多いんだが・・・こっちの方は違うな」
ルイスに答えを返しながらさらに首をめぐらせると、桃華にメットを投げ渡しているブランデンブルクの姿が見えた。
「ああ、悪いけどこれもう少し借りとくぞ」
俺はライフルを軽く小突きながらブランデンブルクに声をかけた。
「ま、ちゃんと返しに来るから心配すんな。それよりちゃんと待ってろよ?おあつらえ向きに犬小屋もある」
俺が顎で指し示した先には、茶室と思われる小さな建物があった。
「じゃあ、『またな』」
それだけ言って俺はエレベーターへ戻った。
多分、言葉どおりに事態が運ぶことは無いだろう。
>275
おお! あれこそはまさしくでんせつのサイコクラッシャーアタック!
よもや、いきてこのめにすることになろうとは・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・いや〜、ごめん。ちょっと余りの非常識っぷりに脳が鈍ってたよ。
ネメシスを仕留めた物騒女は、僕達に言うだけ言ってとっとと出発してしまった。
「ちょ――」
ちょっと待ってと言いかけて、言葉を呑み込む。
一塊になって行くよりも、あの女に先行してもらう方が安全だろうと思ったんだ。
僕は携帯電話を取り出し、ライト代わりに掲げながら明かりのない通路に踏み出した。
ちらっと後ろを振り返る。
どういう思考の働きなのか、アルテミスはあのガキを痛く気に入ったらしく、怪我した右足に負担をかけないようにと体を支えてやっている。
無表情で健気に付き添うゴスロリ少女・・・・・・僕の思惑を超えた行動だけど、中々絵になる光景だ。
僕好みの究極の生体兵器を造ったつもりなんだけどねえ・・・・。
研究者としては、複雑な気持ちだよ。
・・・・・もしかすると、僕は兵器開発という血生臭い分野に向いていないのかもしれない。
ん〜〜〜〜〜、介護用とか看護用のB.O.Wとか、どうだろう?
あ〜、もうそれはB.O.Wじゃないよねえ。……生体アンドロイド?
兵器よりも、求められる発明のような気がする。
「・・・・・う」
そんなことを考えていたら、急に気分が悪くなってきた。
労わりを覚えたアルテミスを見て、微笑ましく感じるなんて、僕はどうにかなってしまったんだろうか?
それとも、これが良心の呵責というやつなのか?
・・・・・・今更だね。僕は、人の痛みがわからない子だって、ママンにも散々言われてたのに・・・・・。
とにかく、進もう。生き残ろう。
僕は、胸を締め付けるどうしようもない感覚に苛立ち、髪をクシャクシャとやりながら通路を歩いた。
>314
>「ああ…いや、いいんだよ。気にしないでくれ」
水野のおじいちゃんは額の汗を拭いながら、いつもどおりの深い声で答えた。
モフも息が荒い。かなり走ったに違いない。
「あんな大きなミミズ相手に、おじいちゃん達、すごいね」
私にはとても無理だ。見ただけで足が竦んでしまうから。
>「さて、それでは宿舎に入ろうか。軍曹は引き続き、後方の警戒を頼む」
そう言って飯田のおじいちゃんが歩き出そうとして、立ち止まる。
さっき影だと思っていたのは、これかな。
>「何これ。アリ?」
山田さんがしゃがみこんで、木の棒をアリの群れに投げ込んだ。
アリの反応はまちまちだった。
「…………まあ、放っておいても大きな害はあるまい」
そう言って飯田のおじいちゃんはアリの群れを踏み越えた。
ええ!これを跨ぐの!
躊躇していると、山田さんが私とモフを抱えてくれた。
門らしきところをくぐり、入り口へと近づく。
>302
モフがクンクン鼻をならしてる。
きっとお化け屋敷に入りたくないのね。私だって本当は嫌。
「大丈夫、モフ。私がついてるから。何があっても私が守ってあげるからね」
ぎゅっと抱きしめる。
モフが巨大ミミズ相手にどれだけ勇敢に戦ったかなど、この時の私が知る由も無かった。
>319
「Freeze!!そこから動くな!」
突然大声で怒鳴られて私は竦みあがった。
姿を見て更に驚く。軍人さんだ。
「嫌・・・・」
じりじりと後ずさる。
あいつら、パパとママを撃ち殺した奴等の仲間かもしれない。そう思った。
私に米軍と自衛隊の見分はつかなかった。(しかも遭遇した自衛隊員(>雑賀さん)は恐ろしく体格が良かった)
だが次の瞬間、そんなささやかな考えなんか吹き飛んでしまった。
>322
>「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
分校で見かけた、あのバッタ人間が現れたからだ。
姿を見たとたん、私は駆け出していた。
あれほど怖いと思っていたお化け屋敷へと逃げ込むために。
名前:森村 彩
所持品:カードファイル、ロケット、指輪、財布、鍵、非常用袋(中身不明)
服装:セーター、ジーンズ、赤い防寒服上下、手袋、完全防水ブーツ
状況:米軍兵士と甲殻虫型変異体に遭遇。宿舎へ逃げ込もうとする
>309
巨大な影がハンマーを叩きつけようと家屋の屋根から飛び掛る!
>328
俺が奴の気配を察するのと、奴が攻撃を仕掛けるのはほぼ同時だった。
巨大な黒い影が俺の視界一杯に広がる。そう、確かに黒い影だった。
その巨人は漆黒の軍装に身を包んでいた。襟元にはルーン文字の徽章。
頭には髑髏と国家鷲章が縫い付けられた黒い制帽を被っている。見紛う事は無い。
今となっては懐かしい、武装SSの勤務礼装。御丁寧にも卍の腕章まで付けていた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺は咆哮を上げ、肩に担いでいた頑丈な火斧を振り下ろされるハンマーに向って打ち上げた。
刹那、凄まじい衝撃が俺の体を突き抜ける。体がバラバラになるんじゃないかと思ったほどだ。
「くっそぉぉっぉおお!!」
更に俺は力を込め、裂帛の気合と共に巨体を弾き返した。
黒い影はその大柄な体にも関わらず、空中で身軽に体を捻ると音も無く着地していた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…お前は」
先ほどの打ち返しにより、頑丈で分厚い刃が駄目になった火斧を放り捨て、俺はその影を見据えた。
「シュレーガー…お前もか。お前もそうなのか」
俺は嘗ての友の名を呼んだが、直ぐに嫌悪感が顔に顕れていた。
「そうか。だったら話は早い。あの人は何処だ?言わなきゃ…いや、言ったところでお前を殺すことに変りは無い」
装備:武装SS外套、40年型野戦服、43年型山岳帽、アサルトパック 、黒革手袋
持ち物:MG3(160発)、7.62mm×51NATO200連弾薬箱×1、
長銃剣、折り畳み式スコップ、雑嚢(調合ハーブ、メモ)、L型ライト、火斧、
場所:35階
状況:シュレーガーと戦闘
>300
エレベーターは35Fに止まった。
話半分に聞いていた所為もあって、この階で何をするのかはよくは知らない。
ただ、先程の狼男さんとこの階層で別れることになるのは分かった。
マクナブさんがフロアのロックを解除し、狼男さんを送り出した。
彼が一人で何をするのかもよくは分からないが、今は彼の無事を祈りたい。
>309
狼男さんは被っていたヘルメットを綾小路さんに投げ寄越す。
まるで、形見か何かを手渡すような感じがして少し背筋がひやりとする。
彼女も、それが理解できているのだろうか・・・
>325
>「なぁ、シノザキ。何でこの建物にはスパイやら化け物が大量にいるんだよ?」
マイナブさんの疑問、それは私も同じだった。
美味しいご飯、煌びやかな上流階級のパーティー、住む世界の違う空間での
至福のひと時はあの乱入者たちの手によって、無残な状態になってしまった。
そして今も、こんな狭苦しいエレベーターの中で、死と隣り合わせの恐怖を感じなくてはならない。
>「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
だとすれば、私は主催者の手の上で踊る道化人形か何かでしかない。
気が滅入りそうになる。
エレベーターは再び動き出した。
次は何階になるのだろう・・・とポツリとこぼす。
出来ればもう最上階には戻りたくないのが正直な気持ちだった。
あれだけ人が死んだのだ、むせ返るような死臭に耐えながら生きるのは御免である。
ぴとん
何かが足をつたって地面に落ちた。
液体か何かに似たもの、私はそれをサンダルでゴシゴシとかき消す。
エレベーターは嫌というほど順調に階を重ねていく
場所 エレベーター内
331 :
名無しになりきれ:2006/08/07(月) 21:20:56
さあ
全体重を掛けた一撃が下から打上げられた火斧に弾き返される。
一撃で殺せる自信は合ったが・・・
>「シュレーガー…お前もか。お前もそうなのか」
ブランデンブルグの問い掛けに軽蔑しきった視線を向ける。
「貴様のような出来損ないの奇形と一緒にするな。」
金髪碧眼の男が答える。
「ユダヤ人の如く劣ったその姿を鏡で見た事は一度も無いのか?」
北欧神話の雷神トールを思わせる逞しい体と彫刻のような端正な顔立ちをしたシュレーガーの姿はナチスドイツの理想的人種だった。
「それにしてもよく俺だと解ったな?」
元々は小柄で黒髪黒目という理想的な姿とは全く逆の容姿の持ち主だった。
おまけに分厚い眼鏡を掛けた極度の近視。
「戦争から逃げ出した貴様の卑しい精神にはその姿がお似合いだよ、ブランデンブルグ。」
数万ボルトのシュレーガーの両腕を駆け抜ける。
「まさに今の私は神々の王トールに相応しい・・・」
ブランデンブルグに蒼白い光を放つ左手を突き出す。
>「そうか。だったら話は早い。あの人は何処だ?言わなきゃ…いや、言ったところでお前を殺すことに変りは無い」
「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
人差し指が桃華を指し、落雷と同じ位の電流が放たれた。
>309
ぶかぶかのヘルメットを桃華の頭に被せるブランデンブルグの横顔はどことなく優しかった。
そして寂しげでもある。
何を話しているのかよく聞こえないが、多分それで良いのだろう。
>325
>「パーティの主催者が余興に呼んだんだろ。おかげで俺らも退屈しない」
「・・・勘弁してくれよ。だったらページ3ガールを呼ぶとかもっとマシなのがあるだろ?」
自分の立場をすっかり忘れているマクナブが呟く。
ページ3ガールはザ・サン、日本で言う東スポのポジションに当たるゴシップ誌のグラビアコーナーのモデル連中だ。
プレイメイトと同じぐらい安直な名前だとマクナブは思っている。
あっちと違って王子がマリファナ吸ってる写真やら、ヴードゥー連中がワールドカップの応援に呪いの人形を使っていると言った記事ばかりだが。
>「雪国じゃ冬のほうが雷が多いんだが・・・こっちの方は違うな」
「ああ、そうなのか。日本の気候はよく解らん。」
>329>323
巨大な影がブランデンブルグへと飛び掛る。
そいつは60年前に世界に喧嘩を売った馬鹿の格好をしていた。
どうやらブランデンブルグの知り合いらしい。
そしてようやくノイズの原因が解った。
>「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
スパークする両腕とその言葉に反応したマクナブがエレベーターの外に半分体を出してシグを撃つ。
連続して発射された5発の銃弾はブランデンブルグの肩を掠め、シュレーガーの左手に着弾した。
放たれた電流は狙いを大きく逸れ、天井へと向かっていく。
「電流を狙い通りに飛ばせる訳ないよな?」
恐らく極細のワイヤーか何かを飛ばしてそこに電流を流しているのだろう。
あいつ自身が生けるスパークショットという訳だ。
「ま、だとしたら腕を・・・うおっ!」
閉まりかかるエレベーターのドアにバックステップを踏む。
「竹だ!竹薮に走れ!」
竹は絶縁性に優れた植物だ。
ある程度までなら電流を無効化出来るだろう。
・・・とんだお別れになってしまった。
本人の望みとは言え誰かを残していくのはあまり気分の良いものではない。
短い付き合いだったがあいつは優秀な兵士だった。
あいつを殺すのは寿命だけだろう。
>332
>「殺せるものなら殺してみろ。まずは劣等民族の小娘から始末してやろう。」
急激に高まるシュレーガーの電位に首筋の毛が逆立った。
「ふざけるなぁ!」
俺は奴が電撃を桃華に向って放つ前に足跡が刻まれるほどの力で地を蹴り、
一瞬で奴との距離を詰め、文字通り肉弾となって奴の体に体当たりを敢行する。
あの頃と比べ物にならないほどの巨躯を持っているシュレーガーだが、流石の奴も
俺の体当たりには怯んだ様だ。二三歩踏鞴を踏んで後退していた。
背後で雷鳴が轟いていた。シュレーガーが放った電撃が着弾したようだが、桃華には当たっていない。
その僅か1m程の手前に命中し、電撃は拡散。エレベーターの扉の閉まる音が聞こえた。
俺は直ぐに後方に飛んだ。糞。奴は俺の体当たりなんて屁でもないといった顔をしてやがる。
奴は電撃を操る。ならば銃や弾薬を持っているわけにはいかないだろう。
装備が一纏めになっているアサルトパックを外し、MG3も放り捨て、序に外套も脱ぎ捨てる。
動き易い野戦服姿になった俺は、最期のアンプルを首筋に突き立てた。
「此処でこれを使う破目になるとはな…糞、お前に裂いてる余裕は無いんだよ」
魂の髄まで犯していた病理が薄れていくのが分かる…今の俺の体は羽の様に軽かった。
俺はボクサー宜しく、軽やかなフットワークをその場で披露する。準備万端。ギアをトップに入れよう。
「WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」
地の底から響くような咆哮を上げ、俺は右に左と標的を散らしながらシュレーガーに接近する。
奴の目には銀色の軌跡が見えるだけだろう。それほどまでの俺の身体の調子はすこぶる良かった。
「チビで!」
目の前で急制動をかけ、奴の視界外へと逃れる。
「メガネの!」
奴の視界の外に逃れた俺は、奴の大きな図体の後に回り込んでいた。
「お前は!」
そして足元を掬う様な水面蹴りを放ち、奴の体勢を崩させる。
「いい奴だった!」
体勢が崩れた所を俺は容赦なく顔面目掛けて蹴りを放っていた。
場所:35階
状況:シュレーガーの背後に回り込み水面蹴り。体勢が崩れた所を顔面目掛けて蹴りを放つ。
>300
35階に到着したのに、エレベーターの扉は開かなかった。
驚いた反面、少し嬉しくもあったって言ったら不謹慎よね。
>309
「…時間があれば、な」
幸せな思い出は?なんて不躾な質問だったけど、ミケさんは怒らなかった。
そして、少し遠い目をする。
ミケさんのささやかな時間旅行を邪魔するほど、あたしも無粋じゃなかった。
エレベーターから降りてあたりを見渡す。
35階は風流なところだった。
天井の照明とフロアの隅の機材が無ければ、外に出たのかと錯覚しそうなくらいに。
――――ここで、ミケさんとはお別れだ。
私たちはここに、ミケさんを置き去りにするのだ。寿命がつきかけている人を、一人きりで。
「あそこに見える小屋みたいなのが茶室よね。結構いい感じじゃない?
もし本物そっくりに作ってあるなら、中は畳よ。横になって休めていいと思うわ。
でもね、ミケさん中に入れるかな〜。知ってる?茶室って入り口が極端に狭いのよね。
中に入るのに相当苦労するかもよ?勢い余って壁を壊さないように気をつけてね。それからね……」
>「桃華」
静かに名前を呼ばれた。あたしは黙りこんだ。
ミケさんはヘルメットを外して、あたしの方に投げた。
>「それでも被ってマクナブの後に隠れていろ」
……あたしの心配してる場合じゃないでしょ…。
零れ落ちそうになる涙をギリギリで堪えた。ミケさんは多分、湿っぽいのが嫌いだと思ったから。
「ありがと……借りるね。また……あ、後でね?」
精一杯明るく笑った。ちょっと涙声になってるのは見逃してね。
>325 >328-329 >332 >333
>「じゃあ、『またな』」
シノザキさんもミケさんとのお別れを終えた。
あたしももう行かなきゃ。
後ろ髪を引かれながらもエレベーターに足を踏み入れた時、突然それは現れた。
…………速すぎて、何が起こったのかよくわからなかった。
ミケさんと組み合って、ようやく影が人だと分かった。
あのミケさんと力比べで負けていない男はミケさん以上に大柄で、美丈夫で、ナチスの服を纏っていた。
腕に不気味な青白い光を纏っていた。現実だとは思えなかった。
「ミケさん!」
二人のやり取りは聞き取れないが、その男は突然私を指差した。
思わずエレベーターの中で後ずさる。男の指先に青白い光が集まる。
ミケさんが男に体当たりをし、ミスタ・ルイスが続けて銃を撃った。
――――そのおかげで、あたしはまだ生きてる。
ミスタ・ルイスがバックステップで戻ってきた。扉が閉まる。
エレベーターが動き出し、切り離された。
あたしはその場にへたり込んだ。
戦いは人の領域を遥かに越えていた。
あそこに残ってもあたしに出来る事なんてなにも無い。むしろ邪魔。
ミケさんから渡されたヘルメットを抱きしめる。
あたしに出来るのは、無事を祈る事くらいだった。
あたしの気持ちなんてお構いなし児、エレベーターのランプは途切れる事無く上に向かっている。
ぼさっとしてたらミケさんに笑われるわ。
両頬を音が出るほど強く叩いて立ち上がった。
「ミスタ・ルイス。助けてくれてありがと。
ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
確か…あれがないと自爆しないとダメだとか何とか無線で聞いた気が…。
>334
装備を脱ぎ捨てたブランデンブルグの機動力には驚かされた。
>「チビで!」
一瞬で目の前まで接近したブランデンブルグにカウンターの一撃を加えるべく左手を突き出す。
>「メガネの!」
シュレーガーの拳が空を切る。
>「お前は!」
後ろから襲いかかる高速の足払いで巨体が宙に浮く。
>「いい奴だった!」
顎を捕らえた最後の蹴りで首の骨が折れる。
しかし、見事に両足から着地してみせる。
骨は完全に折れていたがシュレーガーは左手で自分の頭を掴むと折れた骨と骨を無理やりくっつける。
ごきごきと音を立てて首の骨が繋がっていく。
「やっぱりお前は変わっていない。」
火力と機動力は優れただけの攻撃にうんざりとした。
この男は何も変わっていなのだ。
電流を放つ両腕でハンマーを振り下ろす。
ブランデンブルグはその一撃をサイドステップで回避する。
着陸した一瞬を狙って一気に放電する。
ブランデンブルグの全身に電流が流れ、そのまま地面にへたり込む。
「小柄な男は戦う術を身に着けなくてはならない。お前はこの60年間、違うな。
戦争が始まってから負けた事は殆ど無かった。」
地面にひれ伏すブランデンブルグの足を掴むと焦げ臭いその獣匂に眉を顰める。
「貴様なぞ噛み付く以外に芸の無い犬に過ぎん。」
掴んだ足を無造作に振り回すと日本家屋に向かって無造作に投げ飛ばす。
瓦と木片が飛び散り、屋根に大穴が空く。
「私がいい奴だった事など無い。」
先ほどの一撃で砕けた歯を血と一緒に吐き出し、止めを刺すべく日本家屋に足を踏み入れる。
小柄な男の戦い方と無敵の肉体を備えるシュレーガーに負ける気は全く無かった。
現在地・・・35階・日本家屋玄関
状況・・・日本家屋に入り込む。
>310
>「随分とまあ、騒がしいものだな。・・・此方には怪我人がいるというのに、静かにして欲しいものだ」
「全くだな。静かで良い村だってのに。」
Judasの姿を鼻で笑うと保健室の中に入り込む。
「ほれ、着替えだ。」
両手に抱えた服の山をJudasに押し付ける。
若い教師のロッカーから適当に探してきた物だ。
「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな。」
包帯塗れになっている佐治を見下ろす。
「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある。」
>318
地中より現れた巨大な芋虫型BOWにより、傘社私兵はあっと言う間に半数まで減ってしまっていた。
「結局はこうなるのか…」
雑賀はやれやれと溜息を付くと、つい先程まで自分の傍にいた私兵が芋虫に飲み込まれた際に
取り落とした小銃、FNモデルF2000アサルト・ライフルを拾い上げた。
コンピュータを組み込んだFCSを標準装備し、米軍で開発中のOICWの廉価版とはいえ、その攻撃力は高い。
これは40mmグレネードランチャーをハンドガード部に装備しているタイプであるため、その価格は大体5000ドルぐらいだろう。
流石は傘社としか言い様がない。こんな高価な最新鋭火器を配備するとは。
「殆ど丸腰じゃきついんじゃないか?」
指定されたワゴン車に乗る前に、小川にF2000を渡しておく。
「せいぜい気張ってくれよ。あんたがどうやらこの場の主導権を握っている様なんでね」
三島と共に最後部座席に座り、雑賀は言った。
現在地:分校・駐車場
状況:拾ったF2000(5.56mm弾×31、40mmグレネード×1)を小川に渡し、ワゴン車に乗り込む。
>337
>「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな。」
数分前から私は食欲に支配されつつある。
judasを食料にする事だけは避けたい。噛み付こうとした途端に私の頭は砕け散っているだろう。
それに貴重な実験体である。なんとしてでも傷物にしたくない。
目の前にいる村民に噛み付いてやりたい衝動を抑える為、ふと窓ガラスに写っている自分を見た。
青白い不気味な顔をしている。
気付かれる前に手を打たなければ私は人喰いに成り下がる。
>「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある。」
もう手遅れだ。
「今は医者の相手をする暇などない。時間の無駄だ」
所持品: 拳銃(弾数4)
現在地: 分校
状況: 応急処置@発症
>327
「凄くなんてないさ。何かを守る為なら、どんな敵が来たって、兵隊は絶対に逃げちゃいけないんだよ」
水野軍曹の言葉は、一般的な兵士の考えというより、日本軍人としてのそれに近いものだった。
蟻を観察する看護婦や黒い群れに怯んでいる少女へ、既にそれを渡り終えた飯田少佐が手招きをする。
「大丈夫だ。この位なら裸で転げ周りでもしない限り、怪我をしたりはしないだろう」
それでも少女が躊躇していると、看護婦が少女と犬を抱えて蟻を跨いだ。
>319
英語訛りが混じった日本語で、怒鳴り声が響く。
「軍曹っ!!」
ほぼ同時に少佐が叫び、それを聞くまでも無く、軍曹は声を発した兵士へと小銃を構えた。
銃口の先の兵士が銃を降ろしたのを確認して、少佐が一歩前に出て、米兵へ向かい怒鳴るように話しかける。
「はっきり日本語の分かる者は居るか!諸君は米国軍人と見受ける!私は大日本帝国陸軍の飯田少佐だ!
現在は上官の命により、村民の避難誘導中である!指揮官と話がしたい!」
米兵が答えようとしていると、草むらが、がさりと揺れる。
>322
「総員退避っ!!宿舎へ走れ!!」
少佐が再び大声で叫ぶと同時に、草むらからはまるで虫のような怪人が姿を現す。
それを目にした瞬間、看護婦と少女は既に宿舎へと駆け出しており、少佐と軍曹はそれに続いて走った。
名前:飯田忠雄/水野治夫
持ち物:九九式短小銃(4発装填、予備47発)背嚢/三八式歩兵銃(1発装填、予備39発)水筒、背嚢
>318
「………まったく、君ほど有能な警官もおらんのだろうな、鈴木警部殿?」
突然現れた兵士にも動じず、全てに適切であろう判断を下した鈴木に、大宮大佐が皮肉っぽく笑いながら言う。
「さてさて、どうしたものだろうね。諸君が村民を皆殺しにする算段をするのなら聞き逃す訳にもいかんが、
我が隊は可及的速やかに生存する全ての村民をこの村から脱出させると言う義務もあるのだよ」
大佐が箱に残っていた最後の煙草を咥えると、兵長がマッチを手渡し、大佐はそれで煙草に火をつける。
「……だが、残念ながら我が隊の能力だけでは、村民の避難は到底不可能である。諸君らの協力が望ましい。
諸君らが村民救助を約束するのなら、我が隊も全力を挙げて諸君に協力する」
鈴木からの指示に戸惑っていた兵長と中尉には小声で短く、何らかの指示を行った。
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(17発装填)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(2発装填、予備32発)懐中電灯、背嚢
猟銃(2発装填、予備30発)背嚢
嘘を吐く時のコツがあるとすれば只一つ。
それが真実であると思い込むのだ。
>338
>「殆ど丸腰じゃきついんじゃないか?」
「ま、確かにそうですな。ご協力に感謝しますよ。」
プラスチックの塊にしか見えないモデル2000を受け取る。
同じ銃器メーカーであるFN社製のFALとは大違いだった。
全長が短く取れるブルバップ方式を採用し、FCS、日本語で言えば火器管制装置を搭載。
早い話が銃が勝手に距離を測定して適切な照準をしてくれる装置が着いている。
引き金がちゃんと引ければ狙った所に必ず弾が当たる訳だ。
バッテリーが切れなければ、の話だが。
>「せいぜい気張ってくれよ。あんたがどうやらこの場の主導権を握っている様なんでね」
「精々有効に使わせて頂きますよ。」
>341
雑賀と三島がワゴン車に乗り込むのを確認すると大宮大佐に顔を向ける。
>「………まったく、君ほど有能な警官もおらんのだろうな、鈴木警部殿?」
「そりゃどうも。有能な人間は嫌われるのが世の常、ですがね。大宮・・・さん。」
たっぷりと間を置いてさん付けすると狡猾な笑顔を浮かべる
大宮老人の反応は至極まっとうなものだった。
協力の要請。
ただそれだけだ。
>「……だが、残念ながら我が隊の能力だけでは、村民の避難は到底不可能である。諸君らの協力が望ましい。
諸君らが村民救助を約束するのなら、我が隊も全力を挙げて諸君に協力する」
「仮に、ですがね。約束をした所で信じて頂けるんですかね?」
怪しいものだ。
三影に向かって頷き掛けると彼が左手を素早く挙げた。
それにあわせて生き残りの兵士達が老人達に照準を合わせる。
ここが正念場だ、と自分に言い聞かせる。
「来るか、来ないかのどちらかを選ぶんだ。そんなに心配だったら一緒に来れば良い。
理科準備室での会話を覚えているだろう?」
人を助けるのに理由は要らない。
己の良心に従って行動すれば良い。
「あんた達の為に車も用意した、なんならこの銃だって渡したって良い。来るなら先に移動するんだ。
ルールは簡単だ。あんたらはまず5キロ移動する。そしたらヘッドライトを消して俺たちを待つ。
俺たちが到着する。あんた達はまた移動する。それの繰り返しだ。」
もっと面倒な事になりつつある。
>「射殺しましょう。」
ほら、三影の予想通りの答え。
「私に意見するのかね?」
三影は驚いた表情を浮かべた。
任務において可能な限り私情を挟んだ小川が理解できないのだろう。
「頼むからそちらの二人は別の車で移動してくれ。」
銃を突きつけている、という有利な条件を感じさせない声で小川が言った。
所持品:FN2000(31+グレネード1)シグP226(1)、AKのマガジンx2、454カスール、薬品入りのガラス瓶1本、
ワクチンx1、日本刀1本。 煙草、ライター 、アンプルシューター(1)、 CD、古い手帳、車の鍵
現在地:分校・駐車場
状況:老人達に説得を続ける。
>324
一匹のネズミが二人の前に飛び出す。
ネズミは驚いたのか口に咥えていた包装用紙を話して逃げ出した。
どうやら奥に別の部屋があるらしい。
その部屋には携帯食料やストーブ代わりになりそうなコンロが置いてある。
・・・他にも拳銃の弾やライフルケース、口の開いた鞄があった。
鞄の中から一枚のメモが飛び出している。
メモにはこう書いてある。
〜作戦に対する援護に関して〜
新たな身分として国際調査部6課の身分を提供する。
スペンサービルでの作戦が成功すれば君の安全と自由は保障される。
約束のRNA干渉薬の提供は少し遅れているが問題は無い。
念のため、イムノクロマト方式の感染検査キットも同封しておいた。
有効に活用するように。
追伸:個人的な理由を優先させるのも良いが任務を第1に考えるように。
じゃなきゃこんな目には合わなかっただろうけどな。
頑張れよ。
メモの下には小さな木製の小物入れがある。
開けますか? →Yes
No
沙羅笊寺は思っていたよりも立派な寺だった。
今は見る影も無いけれど、昔はそれなりに立派な佇まいだったに違いない。
それにしても、どうしてこの寺は荒れ寺になってしまったのだろう。
正直不思議でならない。
田舎の人々は基本的に信心深いものだ。
住職が居なくなったのなら村で管理するなり、新しい僧を呼ぶなりするのが普通だ。
「まあ、それは今関係ありませんわね」
荒れ寺なら人は居ない。だったら、少なくともゾンビに遭遇する可能性は低くなるのだから。
私は鉈を構えながら、寺の中へ入った。
「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
声をかけたものの、返事は全く期待していない。
>343
何かが落ちるような音に、弾かれたように振り向いた。
鼠だった。鼠は何かを加えて奥のほうへ走っていた。
「脅かさないで欲しいですわ」
大きく息を吐き出すと、私は土足のまま上がりこんだ。
軋む床に顔を顰めつつ、上への階段を探す。
私は、沙羅笊寺の屋根裏部屋にある「何か」に用があった。
現在地:沙羅笊寺1F 廊下付近
状況:沙羅笊寺(荒れ寺)到着。屋根裏部屋への階段を探す。
ここにいるべきではなかった。ここは体質があわない。
俺は周囲の人間の執拗な馴れ馴れしさや、色々なあつかましい恐怖にうんざりしていた。
これらの事物は、吐き気のする田舎臭さとなって、清潔な俺の体に染みつこうとし、
下手すれば自分はこのまま、この気持ちの悪い空間に同化してしまうのではないかという、
ほんとに恐ろしい錯覚にさえ変形していた。
布団にくるまりながら、枕に顔を埋めながら、念仏のようにおれは優秀な東京育ち、
おれは優秀な東京育ち、おれは優秀な東京育ちです。よろしくね。と繰り返し、
それでも脳裏にちらつく薄汚い、頬の腫れた村人の姿に耐え切れなくなり、赤木は少年のほうに向き直った。
「やはり田舎者の集団ほど、馬鹿で偏屈なものはねぇんだろうなあああ。
考えてみろよ、なあ大きな鍬やらなにやら担いで、汚い赤ら顔曝した
見るからに野放図な連中がのっしのっし歩いてるんだぜ。おっかねえよなああ」
と赤木が挑戦的に言い終えると、少年はいかにも迷惑そうな困った顔をし、
本当になんにも覚えてないんですか……?と尋ねた。
「え?まあ助けてくれたことには感謝している。まあ、お前は認めてやっていいよ。
そんなに泥臭くもねえし、それにさ、悪くない。いい奴だよ。いい奴だぞ少年
けどさ、なんで俺がこんな辺鄙で程度の低いところにいんのかな?同情しろよな。聞いてる?
聞いてないね、少年。そもそも親父がもっといいコネを……」
少年は赤木の額から落ちた冷えたタオルを取り、それをバケツへと放った。
ウィルスに感染していた事実を見失わせるほど、赤木の顔には性器が戻り、歪みは消え、
皮膚は蘇生されていた。いま寝ている古めかしい部屋は木造のそれで、壁も床も幾分か湿り気を孕んでいる。
あたりは寝静まっており、少年は消耗しきったような気の毒な顔をして、赤木をぼんやりと眺めている。
時刻はきわめて遅いが、赤木にとって、それは恐らく重要なことではない。
場所:九武村内の廃屋の一室 (正確な位置はわからない)
状況:見知らぬ少年に助けられる。一部の記憶を喪失
咳をしながら、私は穴から這い出した。
「沙羅笊寺は諦めよう・・・道がわからん。」
ま、その辺うろついてたら、人ぐらいいるだろうと思い、ひとまず
西へと向かうことにした。
「くそ・・・医者がいれば・・・。」
右腕を強打したことを、今になって思い出した。
足を打たなかったことが唯一の救いだった。
現在地:民家脇の道路 グレイブディガーの穴脱出
状況:右腕が使えない ひとまず西へ移動。
>344
部屋の奥に古びた仏像がある。
険しい顔をした仏像は怒りに駆られて桂木を見ている。
その指は天を指している。
仏像には古びた文字でこう彫られていた・・・
『世に騒乱在りし時 仏の他に救うもの在れば その者 仏を踏み越えるべし
憂いに臨みて仏罰恐れず されど人心の荒廃を救わんとする者 登るべし
仏 笑いて これを許すかな 三上 上人』
・・・よく見れば仏像の手足は階段のように登れるような造りになっている。
肩まで登れば天井に届きそうだ。
>343
「きゃっ!?」
かさこそと音が聞こえ、私達姉妹は同時に小さな悲鳴を上げていた。
私は音が聞こえた方に手の懐中電灯を向けると、小さな影―ネズミが電灯に照らし出された。
電灯の光にびっくりしたネズミは口に咥えていた包装用紙らしきものを離すと、慌てて何処かに行ってしまった。
「?」
ふと、私はネズミが奥に逃げたのである事に気付いた。
どうやら奥にも別の一室があるらしい。
私は私達とネズミ以外に何も動く物の気配が無い事を耳を澄まして確認すると、
妹の手を引いてその部屋に入ってみた。その部屋は、如何やら最近まで誰かが住んでいた様だ。
コンロやら寝袋やら乱雑に散らかったゴミから人の生活の息吹を感じ取れた。
「わっ!?」
私の後を歩いていた綾芽が何かに躓いたらしく、バランスを崩して派手に転ぶ音が聞こえた。
「綾芽、大丈夫?」
私は直ぐに後を振り返り、妹の安否を確認した。
「う、うん。大丈夫。何かに躓いただけだから」
盛大に尻餅をついたらしく、綾芽は小さく呻いていたが別に大事には至っていない様だ。
「立てる?」
私が手を差し伸べると、綾芽はおずおずと私の手を取って立ち上がった。
私は綾芽の足元を照らし、躓いた原因が何であるかを探った。
電灯の光の下に晒されたのは、小さな金属の塊…でも、それが何であるかは私は直ぐに分かった。
「これって…銃弾?」
私は鈍い真鍮色の銃弾の一つを拾い上げ、手に取って見た。
「う〜ん。正確に言うと、9mmパラベラムって奴なんじゃないかな?」
綾芽は私の掌の銃弾を一目見て、何故かは分からないが銃弾の細かな種類まで当てていた。
「え?ああ、この間やったバイオハザードっていうゲームで見たの」
訝しげな私の表情から悟ったのだろう、綾芽は聞かれる前にそう答えていた。
「ふーん…で、銃弾があるって事は、銃もあるのかな?」
私は少しばかり小さな期待を抱いた。銃は少なくとも私が持ってる警棒よりも頼りになるだろう。
まぁ、仮にあったとしても扱えるか如何かは又別の問題だろうけど。
「でもお姉ちゃん。バイオ的には銃弾があっても中々銃自体を入手する事は無いんだよ。
それに、そういう銃弾を使用するハンドガンっていうのは初期装備だから…途中で入手するのは余り無いと思うなぁ」
……何と言うか、そういうゲーム的に今のこの状況を捉えられる綾芽って、結構凄いんじゃないのかなぁ。
さっきまでガタガタ震えて「お姉ちゃん…」とか細い声で泣いていたのは演技なのでは無いのかとさえ思える。
「あ、そうなの…」
脱帽し切った私は他に何か無いのかと暗がりを懐中電灯で探る…特に目ぼしい物は見当たらない。
「お姉ちゃん」
何時の間にか私から離れた綾芽は、此処に住んでいた何者かの荷物を物色していた。
何時からこの娘はこんなに逞しくなったのだろうか…「お姉ちゃんお姉ちゃん」と私を慕っていた貴女は何処に?
「凄いよ!レーションマニア垂涎のイタリア軍のレーションがあるよ!」
そんな綾芽は私に構わず、何やらごっつい包装を手に瞳を爛々と輝かせている。
「これって中々手に入らないんだよねー。いいなぁ。ここに住んでた人、どうやって手に入れたのかなぁ」
などと溜息を付きつつ、私の愛妹はうっとりと手のレーションに魅入っている。
「レーションってことはさ、それ、食べれるの?」
流石の軍事知識ゼロの私もレーションが何であるかは、友達から借りたメタギアで知っている。
「うん。雨に濡れようが、水中に放り込もうが、果ては化学兵器で汚染されても中身はまったく問題なしだよお姉ちゃん」
…色々と聞きたい事はあったけど、取り敢えず、丁度お腹が減っていた私達は美味しくイタリアンレーションを頂きました。
>348の続きです
一人分なのだろうけど、女の身である私達のお腹を満たすにはレーションは少々多過ぎました。
意外とレーションなるものが美味であったのには少々驚いた。
メタギアのスネークは不味いとか言ってたから、レーションって不味いのだろうと思っていたのだけれど、
イタリア軍のは普通に美味しい。流石、イタリアは何でも美味しい国なんだなぁ。
これを一人で平らげる兵隊さんは、多分、物凄いカロリーを消費する事ばっかやってるんだろう。
「ん?」
お腹が一杯になった私は、取り敢えず目ぼしい物が無いかと綾芽と一緒に荷物を物色していると、木箱を見つけた。
しかも御丁寧にもメモ付き。ふむふむ……何だか良く分からないが、開けてみようかな。
>344
>「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
びくりと私達姉妹はその声に反応していた。如何やら女性の様だ。
多分、他の村人達とは違う…と思う。余り確信は持て無いが、大丈夫だろう。
私は先程綾芽が躓いた銃弾を拾い集めると木箱と一緒にコートのポケットに捻じ込んだ。
銃弾は、まぁ、持ってれば何かに使えると思う。例えば、
「綾芽、行くよ」
何やらまだごそごそやってる綾芽に声を掛け、私達姉妹は寺にやって来た女性を探す事にした。
「あ!待ってよ!お姉ちゃん!」
綾芽は物色した物を慌ててコートのポケットに詰めながら私の後に続いた。
名前:鏡野綾御/〃綾芽
服装:コート、巫女服/〃
所持品:懐中電灯、三段特殊警棒、木箱、9mmパラベラム×50/コンバットナイフ(荷物から物色) 、医薬品(同じく)
現在地:沙羅笊寺一階
状況:寺にやって来た(>344)と合流しようとする。
>335
>「ミスタ・ルイス。助けてくれてありがと。
ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
ブランデンブルグのヘルメットを抱えていた桃華がぽつりと言った。
礼ならブランデンブルグに言え、と思った瞬間、その後に続いた言葉が大きく圧し掛かる。
「・・・そうだな。」
正確にはラジコンを使って簡易の起爆装置を作り、ガスボンベに誘爆させる予定だったのだが。
やはり自爆しかないのだろうか?
「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
返事は全く無い。
「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
IRA仕込みの携帯電話を利用した起爆装置には多少の自信があった。
やっぱり返事は無い。
それどころかさっきより突き刺さる視線の鋭さが数段上がった気がした。
「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
返事が無さそうな事は十分理解していた。
エレベーターの操作パネルを操作し、40階を押すと到着するのを待つ事にした。
もしかしたら、だがジムのロッカーに携帯電話を忘れた間抜けがいるかもしれない。
探している間に何か別の方法を思いつくと良いのだが。
現在地:スペンサービル・38階
状況:40階のボタンを押す。携帯が見つからないと自爆決定。
>322
(ハワード)
>「GRAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
驚いたな、偉く物騒な上に気色悪い声が聞こえてきたぞ?
「声のした方を見ていろ、危険だ」
言うまでも無く、俺を含む全員が声の聞こえた方を凝視した。
>「OOOOOOO!!!」
殆ど間を置かず、草むらから巨大なバッタ人間が飛び出してくる。
「うわぁぁぁ!!」
素っ頓狂な声を上げ、スミスが横っ飛びで飛び掛ってきたバッタ人間をかわす。
・・・近くで見ればかなり大きい、こいつを殺すとなると一苦労だろう。
しかしな・・・今はそれどころじゃなさそうだ・・・
「走れ走れ!!宿舎まで耐久レースだ!転んだらゲームオーバー!」
「仕切るなロバート!たまには俺が・・・」
「・・・ゴミに指揮が出来るのか?」
ゴミ呼ばわりされたのが気に障ったのか、それともロバートが気に入らないのか。
そのあたりがよく分からなかったが、とにかくバーンズはブツブツ言いながら走っている。
結局誰一人転ばずに(当たり前)宿舎が近付いてきた。
>327>340
全力で走ると、すぐに先の連中に追いつく事ができた。
>「総員退避っ!!宿舎へ走れ!!」
「爺さん達、遅いな。追いついちまったぞ?」
「・・・茶化すなロブ。急ごう、あいつの餌になる前にゴーストハウスへ入りたい」
話しながら走っている間に、もう宿舎は目の前に迫っていた。
肝心な事を聞く為にもう一度、老人達に話しかける。
「すまないが・・・入り口はどこだ?」
名前:Robert.S.fallington/Eliot.K.burns
装備(Rob):M16A4(30+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×4
Combat Knife、PDA、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(19+1)+Mag×6、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(How):M4A1(30+1)+Mag×5、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
隊員装備:M16A4、M1911A1 MEU、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
海兵隊員:2人生存
現在地:陸軍駐屯地跡
ドアの向こうで激しい衝突音や叫び声が上がる。
悲鳴とも、慟哭とも着かぬ絶叫が狭いエレベーター内で乱反射を起こす。
外から聞こえるはずの音声なのに、胸に響く。
あの軍人が戦いを始めたのだ。誰となど思索する暇は無い。
>335
親しくしていた人間が獰猛な獣の如く乱闘する光景を
彼女がずっと直視することが無いのがせめてもの幸いであろう。
彼女は私より強い心を持っている。けれど、それ以上に脆いのが人間の心だ。
だからこそ、彼女はここに居なくてはならない、到着をじっと待つのみでなくてはならない。
私は綾小路さんの肩をぎゅっと握り締める。自分を守る為、彼女を守る為。
そういえば、川崎って人の名前が出てきたな・・・誰だろう。
>350
一人の勇者を見送って、我々はそれよりも上の階へと向かう。
>「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
>「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
マクナブさんは何かを欲しがっている様子で皆に話しかける。
C4というのはプラスチック爆弾のことだろう、彬から聞いたことがある。
携帯・・・は彬が投げ捨てた気がする。あの時彬はテンパってたけど、私はしっかり確認している。
アレは39F
と思って言おうとしたがマクナブさんは聞いてないようだ。返事が無いと思ったんだろう。
>「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
「あー、あー、あー、あの、私が行きます!携帯も、確か39F落とした気がするんです!」
手を上げて、今度は分かりやすいように示してみるが、私は弱っちいので
もしかしたら断られるかもしれない。けれど私だって銃を持っている。戦うことだって出来る。
あくまで笑顔、その奥には断ったら撃つぞという表情で彼を睨・・・もとい見つめ
私は拳銃を握り締めた。
状況:エレベーター内、携帯の場所を思いつく
武器:ワルサーP38 マガジンx5
>351
「ゔ〜ゔ〜…」
突然宿舎の入り口が開き、中から大量のゾンビが現れた。
ゾンビの群れは米軍兵士達を飲み込もうと迫り来る。
>339 337
>「全くだな。静かで良い村だってのに」
俺の独り言を聞いていたのだろう。俺の姿を鼻で笑いながらリーダー君が保健室に入ってくる。
鼻で笑われた事実に少々腹が立たないわけでもないが、まあ、この格好だ・・・致し方ない。
>「ほれ、着替えだ」
リーダー君は着替えを俺に向かって放り投げる。
今度は喪服とは違う。・・・些か残念な気がしないでもない。
俺は投げられた服に身体を通し、着替えを完了する。
>「で、次はどうするんだ?表に動かせる車があるんだがな」
そこでリーダー君はちらりと包帯巻きにされた男を見る。
男の包帯はお世辞にも綺麗と呼べる巻かれ方ではなく、荒くグダグダに巻かれている。
しょうがない、これはどうしようも無かった。
片手しかないんだ、他にどう巻けって言うんだ・・・むしろこれでも善処したほうだ。
しかしリーダー君の目にはその包帯が余程酷いように見えたようで。
>「なんなら医者でも探すか?一人心当たりがある」
こんな事を言い出しやがった。
まったく・・・片手で包帯を巻くのがいかに難しいか体験してもらいたいもんだ。
そんな事を考えていると男がボソリと呟いた。
>「今は医者の相手をする暇などない。時間の無駄だ」
・・・確かに・・・顔色があんまりよろしくないね。
今は意識もハッキリしているが・・・この分じゃあ、あのクサレ餌の仲間入りをする日もそお遠くない。
「・・・そうだな、俺もそう思う。その医者がこの男の感染を治せるというのなら話は別だが・・・そういうわけでもないのだろう?」
そんな医者がいるのなら、この村はこんな地獄のような心地の良い場所にはなっていない。
俺はそれだけ言うと男を抱え上げる。
男は何か言いたそうな顔をするが気にしない。
「・・・つーわけだ、とっとと行こう。研究所だ、そこになら可能性もあるだろう」
所持品:焼け焦げた自分の右手
現在地:九武村 分校 保健室
状況:危機的状況からなんとか露出を回避。
>351
「シャアアアアア!!!」
更にハンターの群れが巧みな連携で襲い掛かる。
>353
>「ゔ〜ゔ〜…」
「Oh Shit!!」
「Fire!Fire!」
突然、宿舎の入り口から有り得ない数のゾンビが湧き出してくる。
急いで銃を構えるが、見ただけでもかなり多い。
少しずつ後退しながら全員が必死こいて撃ちまくった末、何とか全滅させた。
「・・・油断するなよ、まだ助かった訳じゃないんだぞ」
もっと先にこう言っておけば良かったと、数秒後に後悔させられる事になるとは・・・
>355
>「シャアアアアア!!!」
気味の悪い声が聞こえた後、形容し難い音が辺りに響き、俺の足元に人間の上半身が転がってきた。
それがスミス上等兵だと分かるまで、数秒を要した。
・・・・・首が明後日の方向を向いていて、顔が見えなかったせいだ。
先程の声が聞こえた方向を見ると、ハンターが数体いた。何故我々は化物にばかり好かれるんだ?
そんな疑問が頭に浮かんでくる。ああ、また一人やられたのか。血飛沫が飛んでいる。
・・・お前等にとって人間はただの餌なんだろう、実際そうだからな。
なら、餌は餌なりに抵抗させてくれ。それで殺されても文句は言わん。これくらい構わんだろ、爬虫類め。
「Fall into hell, fucker.」
ハンターの頭部に照準を合わせ、引き金を絞る。・・・命中、倒れ込んだ。もう動いていない。
後は銃声に反応して向かってくる連中を片っ端から射殺していき、最後の二体はバーンズが仕留めた。
「ハワード、こっちに来てくれ!」
バーンズ、今は少し休みたいんだがと言おうとしてやめた。人が大怪我してる時にそんな事を言う奴は居ない。
「どうした、何があったんだ?ロバート、何故お前が怪我を?」
「・・・最初に言っておくがな、俺は片足吹っ飛ばされても平気なんだ。脇腹抉り取られてもどうって事無いね」
一体全体、このカラ元気はどこから沸いて来るんだ?常人なら即死のはず。
どう考えても元気とは思えない。地面に脇腹を押さえて蹲っているのだから。
「しかし、少し疲れたな。暫く休みたいから、先に行っててくれ」
そう言いながら、俺にM16を押し付けてくる。
「休むだけなんだろう?何故俺に銃を渡すんだ?」
「そこら辺は察してくれよ、折角のチャンスなんだ。妹に会えるかもしれん」
「・・・・・・死ぬ気か、クソッタレめ」
俺が聞くと、ロバートは笑顔で「そうだ」と言った。あっさりと、生来の親友に向けて。
立ち上がって一旦ロバートから離れ、バーンズに話しかける。
「これ以上食い下がっても恐らく無駄だ、先に行こう」
「決心は固い、か。あいつは昔から人の話を聞かなかったよな」
「そうだな、何を言っても聞かなかった。それと、これはロバートのヘルメットだ。被っとけだとさ」
それを受け取ったっきり、バーンズは何も言わなかった。
これから死ぬ奴の話なんてしたくなかったんだろう。
とにかく、今は先に進むべきだ。
「待たせた上に三流ドラマ見せて悪いな、とにかく建物の中へ入ろう」
先程の老人達に、極力平気な風を装って進むのを促した。
名前:Howard.W.carson/Eliot.K.burns
装備(How):M4A1(11+1)+Mag×3、CZ75 2nd(15+1)+Mag×3、M16A4(10+1)
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
装備(Eli):M14 DMR(8+1)+Mag×2、M1911A1 MEU(7+1)+Mag×3
Combat Knife、L型ライト、無線機、暗視ゴーグル
現在地:陸軍駐屯地跡
ほんの数秒の間に大きく移り変わった状況を、エレベーターのドアが俺たちと隔てた。
その向うからはいまだに重々しい打撃音が響いていた。
>335>350>352
沈黙の落ちたエレベーターの中、桃華が口を開いた。
>「ところでガスボンベを爆破するのに使うラジコンって、今川崎さんが持ってるの?」
そういえば忘れていたが、それがないと誰かがガスボンベを抱いてゾンビの群れに突っ込む羽目になるはずだ。
無線はノイズが酷くて使えないので、川崎と連絡を取るのもしばらくは不可能だろう。
訊かれたルイスはほんの少し考えてから言葉を返す。
>「まぁ・・・他に方法が無いわけじゃないんだがな。誰か靴の底にC4とか隠し持ってる奴は居ないか?」
今日の靴はいたって普通のリーボック、安くて履き心地もいい靴だがそんな便利な機能はない。
まあスペースつきの靴自体は持っているものの、C4など生まれてこの方一度も所持した事はないが。
当然だが、他の連中もC4なんぞ持ち合わせていない。それはルイスも予期していた事だろう。
>「返せないけど携帯を貸してくれる奴は?」
「・・・それは貸すとは言わんな」
恐らく携帯を細工してガスボンベに取り付け、そこへ発信する事で着火、というタイプの起爆装置を作ろうとしているのだろうが、
さすがにアドレスぎっちり埋まってる携帯をくれてやる気にはなれない。
いや、全部ミニSDに移せば済む話か?容量が足りるだろうか?などと考えているとルイスが再び口を開く。
>「・・・どっか適当な所で降りて携帯を探してくる。誰か援護してくる奴は・・・いや、何でもない。」
誰よりも早くそれに反応したのは明良だった。
>「あー、あー、あー、あの、私が行きます!携帯も、確か39F落とした気がするんです!」
今は37階から38階へ差し掛かるところだ。とりあえず俺は39のボタンを押した。
行くかどうかはドアが開いてから決めれば良いだろう。
・・・向こう側に何も居なければ、の話だが。
>349
沙羅笊寺は放置されていたようで、当然ながら電気は通っていない。
だが幸いな事に、今の私には灯り無しでも建物の中を見ることが可能だった。
夜目が利くというレベルでは多分無いだろう。
だけど…考えても仕方が無い事は、あまり深く考えない事にした。
あちこち見て回ったけれど、階段らしきものは見つからない。
古い日記に掛かれていた事は嘘だったのかしら。
半分諦めかけながら廊下を歩いていると、廊下の奥のほうから人の話し声が聞こえた。
まだ若い女性の声だ。喋れるという事は、ゾンビの可能性は低い。
だけど、なぜこんなところに?住んでいる…事は無いですわよね?
このお寺には、電気も通っていない筈ですものね。
首を傾げながら、奥の方へと進む。
「確か…この辺でしたわよね?」
破れかけた襖をみしみしと開くと、そこは本堂だった。
本堂の中心においてあるべき仏像は無かった。
その代わりとでもいうように、部屋の隅に大きな仏像が安置されていた。
仏像は阿修羅のように憤怒の表情を浮かべている。
年のころは16,7くらいだろうか。本堂には巫女姿の少女が二人立っていた。
あまりに場違いな姿に、しばし呆然とする。
少女の一人に懐中電灯で顔を照らされ、思わず手を翳した。
闇に慣れた目には、懐中電灯でも直視するには眩しすぎた。
「顔を照らすのは止めてくださる?私はまだ人間ですわ」
光が逸れ、ようやく視界が戻った。
少女たちの周りには、寝袋や食料らしき品や銃の弾のようなものが散乱していた。
「これはお二人の荷物ですか?お二人はこんなところで何を?」
ゾンビから避難していたというなら無駄な事だ。どんなに待っても救助は来ない。
それはそうと、銃弾は彼女達の持ち物なのだろうか。
違うとすれば……持ち主が戻ってくる可能性がある。
必ずしも味方とは限らないけれど。
…………さっさとここから逃げ出した方が良い気がしてきましたわ。
「私は屋根裏部屋への階段を探しているのですが……あなた達は何かご存知ありませんか?」
時間が惜しいので、自己紹介を飛ばして一方的に質問をぶつける。
彼女たちが村民なら、このお寺に関して何か知っているかもしれない。
>346 私は歩きながら、辺りを見回した。
武器も持っていない・・・この時点で敵に襲われるとヤバい
どころじゃない。
・・・まぁ、いざとなったら足がある。
歩きながら私はそう思った。
しばらく歩くと、何やら廃屋が見えてきた。
私は一応だがそこに入ろうと歩き出した。
現在地:九武村 廃屋周辺
所持品:懐中時計
状況:廃屋発見 入ろうとそちらへ向かう
360 :
名無しになりきれ:2006/08/13(日) 11:49:17 BE:261354454-2BP(0)
>359
「う゛ぁーう゛ぁー」
廃屋の中からゾンビが数体でてきた
>342
銃を向けられた老人達は、一度鳩が豆鉄砲を食らったような顔を見せ、それから大声で笑った。
「………兵士諸君、我々が何者なのか分かっているのかね?帽垂れの着いた略帽を被ってきた方が良かったか?
我々は死をも恐れぬ誇り高き皇軍軍人だ。銃口に怯えて意見を曲げたりはしない」
大佐が言うと、兵長も取り囲んだ兵士を馬鹿にするようにして軽口を叩き、それに中尉が続く。
「ふん、大陸じゃ銃撃砲撃爆撃の下を走り回って、こっちじゃ生物兵器の実験だ。今更、小銃など恐るに足りん」
「どうせ我々はBC級で全員蜂の巣になる予定だったんだ。いっそ一思いに撃ってくれよ」
三人の老兵は、応戦するべく各々の銃を構えるでもなく、ニヤニヤとしたまま兵士や鈴木と向き合う。
その表情や眼からは多々の感情が見え隠れするが、銃口に対しての恐怖だけは一片も見せなかった。
「諸君を信じるかどうかは私が独断で決める。その後に君の指示に従うかどうか、それも私が独断で決める。
鈴木君、君が決めるのは一つだけだよ。我が隊の要請を飲むかどうか、それを決めるだけでいい。
協力を約束してもらえれば、我が隊は総力を挙げて諸君の任務に協力すると約束しよう」
話している途中、鈴木の隣に居た兵士の指揮官がはっきりと「射殺しましょう」という言葉を口にする。
「さあ、兵士諸君が痺れを切らす前に決めてくれ。イエスかノーか、だよ」
名前:大宮外吉/橋本良治/金田昭平
持ち物:
AK47自動小銃(17発装填)、軍刀、抗ウィルス剤
猟銃(2発装填、予備32発)懐中電灯、背嚢
猟銃(2発装填、予備30発)背嚢