501 :
マッチョメンEXeM :
2006/08/22(火) 01:50:54 >498 EXeM「我輩の上腕二頭筋を見てくれ」 たくましいEXeMが現れた EXeM「どうだ美しすぎるだろ」 そお言うとEXeMはヒンズースクワットを始めた EXeM「メンズビーム」 EXeMは生体レーザーを発射した
502 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 01:52:23
エディ騒動のことで全員チェシャのことを忘れてるだろうなw
503 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 01:53:53
そんなやつはいなかったいたのは淫獣だけさ
いい加減エディ張り付きレス消化すんのやめろ
505 :
マッチョメンEXeM :2006/08/22(火) 01:57:49
「さらにさらにバベルの光ぃ」 腹筋からもレーザー 「後から効いてくるキック」 ミドルキック 「鉄砲ドーーーン!!」 さっきの自衛隊員から奪ったピストル 目の前の筋肉が許せないのだろう戦場は変態決定戦と化した
506 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 02:12:07
中学の頃カッコいいと思って 怪我もして無いのに腕に包帯巻いて、突然腕を押さえて 「っぐわ!・・・くそ!・・・また暴れだしやがった・・・」とか言いながら息をを荒げて 「奴等がまた近づいて来たみたいだな・・・」なんて言ってた
柔道の授業で試合してて腕を痛そうに押さえ相手に「が・・・あ・・・離れろ・・・死にたくなかったら早く俺から離れろ!!」 とかもやった体育の先生も俺がどういう生徒が知ってたらしくその試合はノーコンテストで終了 毎日こんな感じだった クラスメイトに「何してんの?」と聞かれると 「っふ・・・・邪気眼(自分で作った設定で俺の持ってる第三の目)を持たぬ物にはわからんだろう・・・」 と言いながら人気の無いところに消えていく
508 :
サムソンEXeM :2006/08/22(火) 02:30:07
いいぞアドーンやっちまえ 腹筋をぴくぴくと動かしながら声援を送る
509 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 07:41:56
(ビクビクッ) くやしいっ…! でも…
510 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 09:24:41
俺は早実嫌いだけど ごつい選手揃いの苫小牧がヒョロヒョロの実業に負けてるのを見て 都会モンにコンプレックス丸出しの道産子が火病起こしてるのには笑った
>>462 からここまで全部荒らし
以下何事もなかったように再開↓
512 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 11:47:38
チェシャ猫は自分で首を切って命を断ったらしい 二度と姿を現すことはないだろう 布津野がやっていることを理解しそんな悪人のペットをやっていることが 苦になったのであろう また死体にはストレスによる円形脱毛症のようなものがいくつか見られたらしい 宿主が死んだことでEXeMも死亡したか・・・・・それとも拡散して新たな被害者が出たかは 誰も知らない・・・・・ただ言える事は生まれながらのEXeMが存在したということそしてこれから新たに生まれるかもしれないということだ 飼い主である布津野は涙を流したという・・・・・悪人であってもまだ人間だったのであろう
513 :
HB:B・サラマンダー :2006/08/22(火) 12:08:57
ギョギョギョギョ邪魔なEXeMどもを焼却処分だぁ 山田EXeM「ギャーーーーーーーーー!」 加藤EXeM「ヤマダーーーーーーー!!クソォ翔華コンツェルンメ」
514 :
片目が機械の女 :2006/08/22(火) 12:23:47
御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す 御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す 御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す 御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す御堂殺す pipipi あ?メール?御堂の死体発見?ふふふふふふふあーはっはっはっはいい気味だわ わたしが殺せ無かったのが残念だけど・・・・ 孤児院の子A「お姉ちゃん怖い・・・・・・・」
515 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 14:20:20
>514 被験体117ことチカ・・・・・・彼女は死んだはずだが・・・・・・ この少女は一体?クローン?それとも本人? 謎は深まるばかりである
516 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 16:07:16
架空の戦隊ヒーロー作って特撮板住人釣ろうぜwwwww
http://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1156227696/ タイトル:lksk
敵組織の名前 ブラックメケメケ団
敵ボス 川崎マヨ
秘密基地名 呉
業火戦隊ファビョルノジャー
1人目(リーダー)を演じる俳優 江頭2:50
2人目(サブリーダー)の俳優 蛾戦隊
3人目(どうでもいいキャラ)の俳優 瀬戸内寂聴
4人目(クールキャラ)の俳優 和田アキ子
5人目(ヒロイン)の俳優 ハイヒールモモコ
6人目(主にヘタレ)の俳優 田代
一人目のマシン バッグ
二人目のマシン 火ダルマ
三人目のマシン ゲイボーイ
四人目のマシン ビップスター
五人目のマシン ランバルディ
合体後の名前 ホライゾン
2007年6月25日より放送予定
触手うねうねってキャーーーーーー淫獣ぅ こーーーーわーーーーーいーーーーーよーーーーーーーー!!
ひーーーーーはっは ほーれ触手だぞぉ
世界・・・・私はこの世界が好きだ・・・・・独り占めしたいくらいな・・・
道路を歩くバニー姿の男。その光景は異様極まりない。 学校外10キロ以内の封鎖が終わり疎らに人が通り始める。その人々もこいつを怪訝そうに見る。 そんな中、歩き始めて数十分後、人気のない道を通ってるとマッチョなEXeMが花道の行く手を阻んだ。 >「我輩の上腕二頭筋を見てくれ」 「・・・・・。」 足を止め静かにその男の上腕二頭筋を見る。美しい小麦色の肌、オイルに塗れた美しい輝き。 そしてその周りには恐らくEXeMが殺したであろう二人の死体が転がってる。 >「どうだ美しすぎるだろ」 そう言うとそのEXeMはスクワットをし始めた。足の筋肉がしなやかに折りたたまれると伸びる。 しかし花道はそれを見ているだけで全く何も言おうともやろうともしない。 EXeMはそれを見て笑うといきなり手をバッテンに組んだ。 >「メンズビー…ひでぶっ!!」 しかし光線を出す前に花道に顔をおもいっきし殴られた。マッチョメンEXeMの顔が潰れる。 マッチョメンEXeMが天高く吹っ飛び地面に落ちる。 「フン・・・31点って所だね・・・ふ・ご・う・か・く」 そう言うと倒れ込んでるマッチョメンEXeMの頭蓋骨を踏み割ろうと足を上げた。 しかし花道は動きを止めた。マッチョメンEXeMの目線が一つの喫茶店の窓にいっていたからだ。 その喫茶店には茶髪のロングヘアーの美女と栗色のポニーテールの女に赤髪の美少年が一人。 「あら・・・イイ男じゃないか・・・。」 そう言うと人差し指を自分の唇に当てた。 「あ…あいつ、ら、だ…」 突如ぶっ倒れたマッチョメンEXeMの体がワナワナと震え出す。 「ん?」 「「「あ、あ、あいつ等が全て殺したあああああああああああああああああああああああああ!!!」」」 そう叫ぶとそのマッチョメンEXeMが立ち上がろうとしたその時だ。 「どういう事だ?」 グシャン!マッチョメンEXeMの腹筋が吹っ飛んだ。 「「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」 叫び狂い寝そべり暴れるマッチョメンEXeM。そんなマッチョメンEXeMを興味なしといった風に見る花道。 花道はマッチョメンEXeMの胸元を思いっきり蹴ると再度聞いた。 「あいつ等・・・が何をやった?聞いてやるよ・・・」 「「あ、あ、あいつ等・・・学校・・ミサイル・・・」」 「学校にミサイル・・・?」 それを聞き花道の目つきが変わる。 数分後、そのマッチョメンEXeMの美しかった筋肉は木っ端みじんになってた。 「なるほどな、あの美少年が布津野と対決してたBE、そしてあの女が学校にミサイルを発射させたTSUKUYOMI。」 そう言うと唇に人差し指を当てた。マッチョメンEXeMは元々学校内の感染生物らしい。 しかしその後、学校内入ってきた部隊に殺されそうになって逃亡。 そしてあの女が桜の木で妖しいことをやった後、消え、数分後ミサイルが発射されたのを見たらしい。 「フン・・・どうやら今日はついてるらしい、あいつ等の話でも聞かせて貰うか。」 そう言った途端花道はどんどんちっちゃくなり、終いには一匹のウサギとなった。 赤目の可愛らしいウサギは周りをきょろきょろ見ると喫茶店に向かって跳びはじめる。
522 :
名無しになりきれ :2006/08/22(火) 18:52:42
>521 喫茶店 サムソン「店長プロテインドリンク・・・ん?たくましい筋肉の匂い?」 気づいたら目の前に兎がいた バラン「店長・・・・兎のスープ作れるか?」
リムジンに乗り込もうとして僕は驚愕しました。 条咲さんが言ってた可愛い女の子…その正体がまさか布津野が「みつけた」と囁いた額に傷の少女だったから…。 「早く乗り込んだほうが良いわよ…」 そう言われハッと我に返って僕は慌ててリムジンに乗り込みます。リムジンのドアを閉めます。 [バンッ…。] そして暫く沈黙…。 …やっぱし…この子も今回の件に関わっているんだ…。僕は窓の外に目をやります。…なんか気まずい…。 よくよく考えたら僕の周りボディーガードさん意外女の子だけなんですよね。 …喧嘩になったら圧倒的不利になりそうです…喧嘩する訳じゃないんですが。 条咲さんが振り向くとそんな僕を見て言いました。 >「面白いメンバーね・・・」 面白くなんてないですって!!なんて出かけた突っ込みのセリフを飲み込むとリムジンが発車しだします。 これから何処につれていかれるんでしょうか…なんて少し不安を感じつつ僕は窓に寄りかかりました。 ********************************************** ―発車して数分後。 止まったのは古び喫茶店でした。 リムジンから出るとその店に入ります。 [コロンカラン…] 条咲さんが扉を開けるとその扉に付いていた古びた銅のベルが鳴ります。そして条咲さんの後に僕はその店に入りました。 そこはよく見るようでよく見ない、古びた木製の暖かなオードソックスな店内。 暖かいオレンジのランプが照らすその喫茶店は、条咲さんみたいなクールでワインを片手にしてそうな人に似合わないものでした。 >「いらっしゃい・・・ 久しぶりじゃないか・・・条咲くん。」 白髭のオーナーさんが声をかけます。 >「ええ・・・久しぶりね。」 条咲さんはそう言うと窓脇のテーブルに座ります。 僕も慌ててついていくと条咲さんの向かい側に座ります。そして額に傷がある女の子も…。 >「ご注文は?」 >「そうね・・・私はモカでいいわ。 >崎島くんと阿久津さんは・・・紅茶?それともジュースがいい?」 「…あ、んじゃ…えーと、オレンジジュースで…。」 そう言うとオーナーは「かしこまりました。」というとカウンターバーの内側に入ります。 僕はその姿を目で追っていると条咲さんが話し始めました。 >「・・・さて、とっとと話ちゃいましょうかね。 ・・TSUKUYOMI上層部の人間としてじゃ無く >・・・条咲綾子という一人のBE装着者として。」 「…!?」 僕は条咲さんの顔を見ます。そして条咲さんは話し始めました。
その内容は僕と、額に傷を負った少女…阿久津さんと条咲さんでチームを組まないかという話でした。 報酬は布津野の情報。僕は少し黙り込みました。さっき来たジュースの氷が少し溶けてきてます。 「…あの…」 ようやく口を開きます。条咲さんは僕の方を見ました。 「…話は分かりました…でも…チームを組むに当たって僕自身は余りにも条咲さんの能力や条咲さん自身知らない事が多すぎます。 もし、チームを組むと言うなら…条咲さん自身の事も僕や阿久津さんに話してもらえませんか? あ…話したくなかったらいいです。ただ…ちょっと…なんか納得出来なくて。」 そう言うと僕は目の前のオレンジジュースを持ち上げました。
>461 纏っていたシーツを切り刻まれうろたえる東屋の姿を見て楽しんでいたが、何かが足りない。 半べそをかきながら、どうにもならない面積の布で無駄な努力をして足掻く。 その姿は布津野の嗜好を満足させるのに十分なはずなのだが・・・。 >「何そこで見てるのさぁ〜!誘拐しても救助したとしても着替えぐらいは用意するもんじゃないの〜!も〜」 赤面した顔で不満をぶつける言葉を聞いて疑問が解けた。 恐怖・怯え・拒絶が足りないのだ。 東屋に恐怖や怯え、叩き潰される拒絶を植えつける事は、墨田を組み伏せるとは別の快感があるかもしれない。 むくむくと起き上がる布津野の加虐心。 だが、その衝動を何とか押さえ込み話へと移行する。 >「からかわないでくださいよぉ〜・・・ そう切り出す東屋の言葉に押さえられていた衝動がまたうねりを上げる。 そんな事を言われたらからかいたくなってしまうからだ。だが、それでも抑える。今はそれをする時ではない。 そう自分に言い聞かせて。 学校で巻き起こした事の理由。 その言葉に応えようとしたところで更にもう一つ、質問がかけられた。 この出鼻を挫く絶妙なタイミングに、布津野の髪が一本空を切る。 肌には一切傷をつけずに、布に三本の切れ目が入った。 「あらいけない。いい忘れていたけど、質問一つにつき切れ目一つ入れるから。 締められた痕がとっても淫靡で素敵よ。隠すなんて勿体無いわ。」 勿論、今決めたことである。 嘗め回すように東屋を見る布津野。その身体を覆う液体金属が鏡の役目をして東屋に自身の姿を見せつけてい た。 それを判っていながら、気付かないようなそぶりで平然と口を開く。 「順番に応えましょうか。 あなた・・今の生活どう思っている? いつEXeMに襲われるか判らない危険。いつ隣人が、自分がEXeMウイルスに犯されるかわからない恐怖。 隔離された東京だけでなく、世界中で同じような状態になりつつあるのよ。 そんな中、人の心はたやすく荒廃する。それほど脆い生き物なのよ。 そのほかにも人口増加による食糧問題、エネルギー問題、環境問題、異常気象、戦争、テロ、紛争、etc、etc。 人間は行き詰っているのよ。 いいえ、進化の道を捨て、進歩に縋った生物にしてはよく持ったと言うべきね。」
>458 東屋の質問の応えに繋がりそうにない言葉が並ぶ中、チェシャが顔を出して出かけてくる旨を伝える。 それに対し、「秋刀魚を焼いておくから早く帰ってくるのよー。」と布津野が声を返す。 今まで、墨田にも、東屋にも、崎島や白川達BE部隊にも、そして阿久津にも。おおよそ一切出る事のないような柔 和な声で応え見送ったのだ。 「ああ、話が途切れたわね。あの子が応えよ。今現在、唯一次の世界に生きることを許された生物・・・。」 チェシャを見送った後、向き返って応えた。 「それから、ベルトと隅田君ね。 あのベルトはBEの変身ベルトよ。以前私が作ったの。 新機能を搭載したのだけど、身につけた人間は全員死亡。あなたがなぜ身につけられたかは一切不明なの。 血液からCTスキャン、遺伝子まで調べさせてもらったけど・・・結果待ちが多々あっても見た感じ、あなたって普通 の人間なのよね。謎だわ・・・。 隅田君は、同じといえば同じ。違うといえば違うわね。 彼はEXeM感染者なのよ?」 その後布津野はとつとつと語る。 EXeMウイルスが人類の進化を促すためのものだ、と言うことを。 適正のある人間はクラスAとなり、ない人間はBとなる。 クラスAは更なる進化の可能性を持っている過渡期の姿だと。 そしてBEはEXeMウイルスを改良し、適合しやすく、破壊衝動などを抑えたものであることを。 布津野の目的はEXeMウイルスを蔓延させる事。 そして戦いの中で進化を促しているのだと。 「・・・ところで、なぜ私があなたにここまで話すかわかる?」 全身、顔も全て液体金属でコーティングされているので表情がわかりにくいが、それでも十分判るほどの笑みを浮 かべながら尋ねた。
(TSUKUYOMI 本部 所在地:不明) 真っ暗な空間、それが本部に存在する部屋である事は分かっても それが何処に在るかは誰も、知らない場所。 どこかその部屋は宇宙を思わせる暗黒の世界を作り上げている。 其処に佇む1人の男、赤木。 彼はTSUKUYOMI上層部最高幹部「長官」でありその素性は全てが謎に包まれている。 彼の正体を知る者は上層部の中にも存在せず、1年前に長官に就任した以外に彼の経歴は存在はしない。 漆黒の空間で声だけが何処からか木霊する。 ―ケイカクハ ジュンチョウカ― 無機質な機械音のような音声が聞こえた瞬間、赤木は地に足を傅き一礼を送る。 その目線の先には、大きな光の玉が一つ。輝きを放ちながら赤木を見つめているように浮かんでいる。 「・・・計画は順調です。全ての駒は、動き出しました。 ウイルスの力と人。大変興味深い戦いが、見れそうです。 そして、この星における運命の行く末もまた・・・」 ―コンゴモ カンシヲ ツヅケロ― 光は満足そうに呟くと、その場から消えていく。 赤木はその場に跪き、一礼を送りながら語り掛ける。 「了解致しました・・・”総帥」
(本部 長官室にて―誰かに電話をしている赤木の姿) 「ファルマ博士から連絡があってね・・・崎島君が今回の 戦闘で得たデータを元に新たな能力をベルトに付加させる事が可能になりそうだ。 勿論、白川君・・・君にも新兵器を譲渡する用意はある。 崎島君は今、お連れの方がいるようでね・・・君からコンタクトを取って欲しい。 ファルマ博士が崎島君のベルトを調整したいと申し出ている。 彼が直接、博士に会う用意があるのなら・・・ね。」 白川への連絡を済ませた赤木はタブレットを数錠含むとそのまま噛み砕きながら椅子にもたれ掛かる。 天井を見上げるその目は、血のように赤い。 そして、彼の見つめる写真縦の先には・・・先ほどまで学校でウイルスを撒き散らしていた あの布津野の顔。まだ彼女がウイルスの力に目覚めていない、人間だった頃の姿。 そして、その彼女の隣に写るのは・・・赤木によく似た男の顔。 2人とも幸せそうに、人間らしく微笑んでいる。 だが、それを眺める赤木の顔には人間らしい感情は一切、無い。 むしろその写真は、彼が何かを「楽しむ」為に用意されているとしか思えないような 感じすら伺える。 「人間、か。面白いものだ・・・」 真っ暗な部屋で赤木は密やかに笑った。
>肌には一切傷をつけずに、布に三本の切れ目が入った。 >あらいけない。いい忘れていたけど、質問一つにつき切れ目一つ入れるから 「・・・へ?」 そ〜っと自分の胸元を見てみると谷間の部分に少しばかり切れ目がはいっていることに気がつく 即座にそこの部分を隠し、少しばかり下がる。 「全裸になったらどうするんですかぁ〜!?・・・ハウァ!!!」 これも質問の部類に入ってしまったことに気がつくが・・・お咎め無しのようだ。 >・・・いつEXeMに襲われるか判らない危険・・・ 質問の答えとしては正確ではない布津野の返答・・・しかし、その発言には確かな重みが感じられる。 その答えに東屋は少しばかり関心をしてしまった。 東屋は真剣な面持ちで布津野の顔を見つめる。 一通り布津野の話を聞き・・・わかったことがいろいろとわかった。 自分が普通の人間で墨田はEXeMだとゆうこと・・・ ベルトがなんなのかとゆうのとあの時の金縛りの理由も 布津野が自分と同じタイプの人間だとゆうこと そして、布津野は進化のためにこのような行動を起こしているのだとゆうことも・・・ 正しい部分は正しいと感じられる布津野の話・・・納得は出来る・・・でもそれでいいのか? そんな葛藤めいた会話が頭の中をぐるぐると回る・・・この人の言っていることは正しい・・・ しかし、ここまでしてもいいのだろうか・・・ >「・・・ところで、なぜ私があなたにここまで話すかわかる?」 「・・・わからない・・・です・・・」 東屋はうつむいたままそう答えた。
大首領め・・・・許さん!!
∩___∩_,,,._ /:::... ::::.....:::: :: .. ::::::: ..`ー-4 __,=ニi / ● ● u...::_ :: :: : :  ̄'' } 三 彡 (_●_ ) ::::: ... (ヽ三/ ;: : .. ::: ;/ `ー' i |∪| ミ /,ゝ ! ヽノ ω ̄ ヽ、 _,/ あざらし。さっきまでクマだった。 `ー ------― " マジお薦め。
>531 エウィーーー! 赤戦闘員「うてい」 エウィーーー!ババババババ!! あざらしっぽい新型EXeMは蜂の巣になった
張り巡らされた下水網を進むことしばらく、周囲の気配を探り、 何もいないことを確認した墨田はマンホールを蹴り開けながら飛び出す。 そこは井の頭公園近く、“EXeMの庭”である23区との境。 もう少し進めばエグゼムに対しての最初の盾、第一次東京包囲線が形成されているはずだ。 「やたら遠くまで来ちまったな…」 公園は駐屯地として利用されている。 近付きすぎれば尋問は免れないし、もし墨田がクラスAだと露見すれば面倒な事になる。 「全員ぶっ殺しても良いんだけどな…ここじゃなければ」 すぐそこは杉並区。隣は中野区。そしてさらに隣は――新宿。 果たして布津野の腕はここまで伸びているだろうか?墨田にはわかるはずもない事だった。 差し当たって近くの人気のないビルへ入り込む。(この周辺はどこも人気がないのだが) 墨田はそこで自分の体を『スキャン』した。 体内の細胞を操作し、体の中にある『異物』を探り出すのだ。 スキャンの結果、墨田のものではない細胞が、極々微量に検出された。 種々の条件を鑑みれば誰のものかは明白である。布津野だ。 墨田は学校での布津野の言葉を思い出す。 『貴方も自分の体組織から武器を作り出せるのでしょう?私もなの。 この斧は私自身よ。当然どこにあるかくらいは判るのよ。』 「…あのババァ、どこまで抜け目ねぇんだよ」 とりあえずは追跡の糸は切った。だが、これからどうするのか。 顔を変え、身分を変え生活を続けても、恐らくは周辺で起きる事件の痕跡から、いつか墨田の居所も割れるだろう。 結局のところ布津野の言葉どおり、望むと望まざるとに関わらず今までのようにはいられないのだ。 「…………クソがぁっ!!」 悪態とともに繰り出した拳は、やすやすと壁を貫いた。 音を聞きつけたのだろう、複数の足音がビルへ近付いていた。 ――数分後。 ある廃ビルから続く殺戮の後が、一次包囲線を抜けて井の頭通りの向うへと消えていった。 >531 杉並区妙法寺近辺。 23区のすぐそばに敷かれている包囲線からはそれほど遠くないのだが、 すでにここはエグゼムの領域だ。ステルスで移動しているのでなければ墨田も襲われているだろう。 道端で決闘をしているもの、あるいは群れで他のエグゼムを狩るもの。 共生関係にあるらしい二体で一対のエグゼムもいる。 そして、蜂の巣にされたエグゼム…… 「…フグ?」 進化の過程ではこういう風に明らかに間違った形質を獲得してしまう者もいるのだろうか。 明らかに陸上での活動に向かないそれが撃ち殺されるのは自明の理といえた。 問題は、銃で殺されているという事だ。 「兵隊さんがたはこんなとこまで来ねぇよな…?」 翔華の戦闘員の事など知りもしない墨田は、ただ首を捻るばかりだった。
「♪ 君は見たか愛がぁ〜真っ赤に燃えるのをぉ〜♪」 突然、俺の携帯の着うたが鳴る。 この曲は、とても気に入っている。大好きだ。 ところで、相手の番号を見ると・・・「長官」の文字。 赤木長官か。俺はあの人が苦手だ・・・人間らしさのない不気味さが好きになれない。 条咲さんはいい意味でも、悪い意味でも人間的だがあの男は違う。 根本から何かが・・・俺は渋々電話を取る。 「こちら、白川です。・・ご苦労様です。」 >「ファルマ博士から連絡があってね・・・崎島君が今回の 戦闘で得たデータを元に新たな能力をベルトに付加させる事が可能になりそうだ。 勿論、白川君・・・君にも新兵器を譲渡する用意はある。」 例の新兵器の話か。俺は安堵の息を吐きながら、長官の言葉に聞き入る。 崎島のベルトは特殊なタイプなのか・・・俺のベルトにはない力だ。 「了解です、長官。新兵器に関してはこちらで調達ルートを確保します。 お任せください。で、崎島に関しては?」 >「崎島君は今、お連れの方がいるようでね・・・君からコンタクトを取って欲しい。 ファルマ博士が崎島君のベルトを調整したいと申し出ている。 彼が直接、博士に会う用意があるのなら・・・ね。」 連れの人間・・・誰かは察しがつく。 俺は社交辞令を並べ、長官との電話を切る。 あの男と長く話していたらこちらまでも嫌なものに飲み込まれそうになる。 「条咲さん・・・だろう。彼女は崎島に興味を持っていた。 彼女のところにいるのなら、安心だ。とりあえず・・・メールを送っておくか。」 俺はデータベースで崎島のメールアドレスを入手すると そのままファルマ博士のメッセージを添付し崎島へのメールを送信した。 俺は俺で部隊の再編成に、今晩の夕食の用意。 そして新兵器の入手と仕事が山積みだ・・・これだから中間管理職は辛い。
>>444 リムジンの中で阿美は一言も喋らなかった。
とてもそんな気分にはなれなかったし、何よりも『瞳の家』の事が心配で堪らなかった。
自分は罠に掛けられたのではないかと、疑心暗鬼に捕われてしまう。
やがてリムジンが停車して、新たに乗り込んで来たのは線の細い美少年だった。
阿美はまじまじと見つめる。この少年は一体どの様な理由でこのリムジンに乗ったのだろう。
車の中で待っていた為、外での2人の会話は聞いていない。
(この人も私と同じ様な立場なのかな…)
望む望まざるに係わらず、TSUKUYOMIと、そしてEXeMと繋がりを持ってしまった者…
阿美は黙ったまま、俯きがちに少年を観察し続けた。
>「フフッ、面白いメンバーね…」
条咲はそう言うと、意味ありげに微笑む。阿美にはその言葉の意味が判らなかった。
∵ ∴ ∵
>>449-450 暫くしてリムジンは1軒の喫茶店に停まった。降りるよう促され、条咲の後に続く。
古い建物ではあるが、店内は綺麗で中々に洒落た内装である。
BGMにクラシカルなジャズが緩やかに流れ、客の入りも悪くはないようだった。
>「いらっしゃい…久しぶりじゃないか、条咲くん」
>「ええ…久しぶりね」
そう言うと古びた喫茶店内の席に座る。少年と阿美も席に座る。
どうやら条咲はこの店に馴染みがあるらしい。少なくとも、顔と名前を覚えられる程度には。
>「ご注文は?」
老人のオーナーがオーダーを聴きに来る。
>「そうね…私はモカでいいわ。崎島くんと阿久津さんは…紅茶?それともジュースがいい?」
メニューを開く条咲が、注文を促す。
(崎島っていうんだ…あの子…)
メニューを見る崎島の様子を、ぼんやりと眺めていると、条咲が不思議そうに尋ねる。
「…どうかしたの?」
「え!?あ!わ、私は…………お水で結構です…」
驚いた後、消え入りそうな声でそう言うと、阿美は恥ずかしさに小さく縮こまってしまう。
「あら勿体ない。ここのコーヒーは中々イケるのよ?」
そんな阿美をからかうように条咲が笑いかけた。
>「さて、とっとと話ちゃいましょうかね」うんと1つ伸びをすると、条咲は静かな落ち着いた口調で話し始める。
>「…TSUKUYOMI上層部の人間としてじゃ無く、条咲綾子という一人のBE装着者として」
>「今回貴方達を誘ったのは他でもないわ、布津野を倒すために正式にチームを (中略) でもあえてTSUKUYOMIには報告しなかった。貴方に個人的に興味があったから…」 それを聞いて阿美は思わず意識が遠退きそうになった。 あの御堂との戦闘は全て、条咲によって仕組まれたものだったのだ! 当然ながらEXeM化した際のデータも採取されているに違いない。阿美は背筋が凍る思いだった。 「…崎島くんのデータは以前貴方とお仕事したときに取ったわ。 (中略) 戦闘をする主役が居ないと私のBEは最大限の力を発揮することができないの。」 そう言い終えると同時に、オーナーが注文した飲み物を持ってきた。 「ありがとう」と一言言う条咲。オーナーは笑顔で注文した物を置いていく。 隣に座る崎島もBE装着者だという事実に阿美は驚愕した。崎島はどう見ても中学生くらいだ。 それなのに、BEを纏いEXeMと戦っている… 本来ならば、級友と他愛もない世間話でもしながら、普通に暮らしてる筈の年頃なのに… よほどの事情があるのだろう。気にはなったが、それを聞く勇気を阿美は持ち合わせてはいなかった。 誰にでも辛く厳しい過去はある。きっと触れてはいけないのだと自身を納得させ、条咲の話を聞く。 >「…崎島くんのスピード、阿久津さんのパワー。 (中略) だから個人的にお願いする。貴方達との共闘を」 そう言うと条咲はコーヒーに口をつける。 『布津野を倒す』 思い掛けぬ話に戸惑い悩む。1人では絶対に勝てない相手でも、3人なら… (…もしかして勝てるかもしれない) 条咲の提案は飛び付きたくなる程に魅力的であった。しかし、まだ信用していいのか… そう判断に迷う自分がいる事も承知している。条咲はTSUKUYOMIのBE装着者だ。 布津野を倒したとしても、油断は出来ない。 だが布津野が生きている限り、阿美に平穏は訪れる事は決して有り得ない。 選ばなければならなかった。 生き残る為の選択肢、本当は最初から阿美にはそんな物は用意されてなどいないのに… それでも、選ばなければならないのだ。 「本当に孤児院には手を出さないと約束してくれるならば…私は、布津野を倒します」 振り絞るように条咲へ告げる。 阿美は思い出したからだ。あの日から、後戻りなど赦されないのだという事を……
彼……異形の男はふと、子供の声で目を覚ました。 町を彷徨い、男は路地裏の片隅で休息をとっていた。 声は近くの孤児院からだろうか。それは明るい声だった。 中には、親を目の前で亡くした子もいるだろう。 (……) 見れば一匹の甲虫が、彼の足下で今にも息絶えようとしている。 力無く脚を動かし、それはやがて動かなくなった。 男は伸ばしかけた手を止めた。感染を促す事は可能である。 そうして歪められた命は、本当に救われるのだろうか? (……この体になった日から、俺に帰る場所は無くなった) 記憶を取り戻したとして、彼はこの怪物の体のまま死ぬ運命にあるだろう。 足下で泥と埃にまみれたラジオを手に取る。 《今日未明、翔華コンツェルン本社で原因不明の爆発事故が起きました。 現場では現在も消火活動が続いており、生存者の…》 この東京では、昨日まで存在していた物が、明日には失われるかもしれない。 不完全な感染者である彼は、その時が近い事を漠然と感じ取っていた。 (惜しくも無い命だが、死ぬ前にやる事はある) そんな事をぼんやりと考えながら、通りを眺める内に 彼が目を止めたのは、条咲が孤児院に付けたTSUKUYOMIの監視員であった。 服の不自然な皺は、拳銃の重みによる物だろう。 (あと少しだけ、命を貸してくれ) 今度は迷い無く拾い上げた甲虫の死骸を、そっと手に握る。 握った手を離すと、甲虫は空へ飛び立って行った。
全てを流しつくすような雨の中で全身をぬらしたたずむ男、そしてその周りには四人のBEと監査官。 雨にぬれる男の手にはTSUKUYOMI隊員のバッジ、離さないように固く握り締めている。 「悪いが、これが最後のお前の任務だ、安心しろ、お前のかわりはすぐに現れてくれるさ、」 男の担当らしき監査官が男に言う、事実上の死の宣告だ、 だが言われた男は無視しただ動かずたたずむばかり、 顔には生気が無く今にも消え入りそう、この男は絶望していた・・・人が絶望する時、 それは信頼しているものに裏切られた時と、自分の理想や夢、 思い描く仮想が現実によって砕かれた時。そしてこの男はいまその両方を味わっていた、 どうしようもない損失感、自分が今まで信じたものに裏切られ、 その信じたものに今までの自分が全て否定された。男は死んでいた、いや、生物学的には生きている、 だが心が折れ抜け殻となった時、人は死ぬ。死の宣告を受けても、 男の心は死んでいた、死んでいるのだからどうでもよかったのだろう。 「私の、私が今までやってきたことは、一体なんだったのだ・・・・」 人はよく真実を知りたいと言う、だがそれは必ずとも正解ではない、この男のように。 その場に膝をつきただ肩を落とす男、この姿は真実を知った男のものなのだ。 「言い残すことはないか?」 監査官に言われても沈黙を続ける、絶望と虚無感に抱かれただ時が流れている、 だが、絶望はやがて枯れ果て心の中の雨はやむ、そして今、 男の体をぬらしていた雨が止んだ、そしてできた水溜りを見つめる男。 水溜りは揺れながら男の顔を映す、そこに映るのは死んだ顔をした男。 それを見つめている男の顔に変化があった。ゆっくりと男は立ち上がり、 TSUKUYOMIのバッジを握りつぶし地面へと捨てる。その顔は絶望の果てを見てきた男だけが見せる顔であり、 迷わずの印を心へと刻み込んだものだった。 「やるしかないのか?・・・・・否!やるのだ!」 System standby, an energy line direct connection, an entirely normal level, a BE operation start! 男の地面の水分が蒸発し霧と化していく、 BE起動、そう、男はこのまま死ぬのではなく生きる決断をした。 何人たりとも近付けぬ炎を出す燃え盛る赤き甲冑を盾とし、 敵を滅ぼす黒き槍を従えて・・いま男は戦う決意をした! 監査官はばつの悪い顔をして仕方なさそうに言い放つ 「逆らう気か、やれっ」 「了解っ!」 四人のBEが突撃してくる、刀が一人に鎖鎌も一人、手裏剣が二人。 中距離一人に近距離一人、近遠距離が二人、一人のBEを殺すには十分すぎる戦力。 刀のBEが牽制し他のBEも後に続いていく、だがすぐさま元々の自力が違いすぎることを思い知らされるのだった。 吹き飛ぶBE、見ると胴体の装甲が全て破壊されている、 そう、男の槍の一撃が装甲を破壊したのだ、怯み思わず突撃をためらう他の三人、 「確かに統率された動きだ、だが君達は私と戦うにはまだ・・・・未熟!!!!」 スラスターを噴射させ凄まじいスピードで鎖鎌のBEを看破し手裏剣のBEに重いなぎ払いを喰らわせ装甲を砕く。 優勢かと思われた四人のBEが一瞬でやられる、だれも死んではいないが戦闘はもう不可能だ。 考えもしなかった状況に監査官が逃げ走る、自然な行為だと言っていい。 「・・・今まで世話になった、感謝する、そして、もう二度と会うことはないだろう・・・」 去っていく監査官を殺すどころか礼を言う、それは男にとってのケジメであり、今生の別れでもあった。 (・・・これで私にはもう安楽の道もなく後には戻れない、だが、だからこそ今は歩んでいけるはずだ) BEを解除し男は一歩一歩踏みしめるように歩き出す、いま男を繋ぐ鎖は全て自らで絶った。 男は新たな道へと歩き出す、今後男は英雄として死んだのではなく、TSUKUYOMIに反逆者として追われ続けるだろう、 そして男のこれからの行動は、正義ではなく悪として、裏切り者として、 延々と記されるかもしれない、人間は自分の行動が正しくないと知ったとき恐怖する、 だが男の顔には恐怖の色はない、なぜならば知っているからだ、 正しいのか間違っているかは後の歴史が証明してくれることを・・・・・ <One prologue in a thing of some > (幾つものの中の一つの始まり)
名前:百千万億 二千六百年 (つもい ふじむね) BE: Type『S』 形状:長槍『ミストルティン』 勢力:現在Exem派 性別:男 年齢:三十二歳 身長/体重:183cm/87kg 性格:実直 容姿:後ろ結いの赤髪、顔は中年に入りかかったぐらいの渋めな感じ、落ち着いた服装が多い BE特徴:西洋の騎士が使うような2mぐらいある三角柱に棒がついているような槍、 中距離or遠距離戦用、槍のあちこちに姿勢制御や緊急回避用or突撃用のスラスター有り。 槍形状のBEは取り扱いの難しさから万人受けせず使っている人は非常に希有である。 中でもこのタイプの槍は刃がなく押し潰したり叩きつけるタイプで非常に使いにくいBE。 色は黒に赤い燃え盛る炎のエングレーブがなされている。本体の鎧も黒と赤でエングレーブが彫ってある。 解説:TSUKUYOMIでは中々名が知れている男、槍を使う事から印象が強いのかもしれない。 人々を救いたい、そんな単純な思いからTSUKUYOMIに入り戦い続けていた。 だがある時、TSUKUYOMIの本質と現実、そして目的を知ってしまう。 無論、今現在人間の敵となっているExeMの真の姿も、生まれも、 そしてExemもまた犠牲者であるということも同時に知ってしまった、 その事により本部は口止めのために「Exemと戦い死んだ英雄」として殺されるようにと命令を下す。 本人は自分のやってきたことの虚しさと信じていたものに裏切られた損失感で満たされ、 ただ殺されるのを待っているだけになっていた。だがつもいはある決意をする。 それは今まで仕えてきたTSUKUYOMIと戦うという決断だった。 ちなみにその性格からか部下や下の人達に人気があり、上層部の人達には人気がない。 つもいの裏切りを信じられずに何か事情があるのかもしれないと思う部下多し。
>「本当に孤児院には手を出さないと約束してくれるならば…私は、布津野を倒します」 阿久津はしっかりと条咲に言った。 条咲は少し目を閉じ微笑むと、 「そう・・・」 と一言言ってコーヒーを飲んだ。 そして、 「約束するわ・・・絶対に。」 と言うと優しげに笑った。 そして、崎島の方を見る。 「崎島くんは・・・どうするの?」 そう言われ、崎島は少し黙る。 阿久津、条咲も黙り込み、しばし沈黙。 >「…あの…」 ようやく口を開く崎島。 穏やかな表情で崎島を見た。 >「…話は分かりました…でも… (省略) >あ…話したくなかったらいいです。ただ…ちょっと…なんか納得出来なくて。」 「・・・・。」 黙り込む条咲。 少しコーヒーの水面を見る。 そして条咲は口を開く。 「そうね・・・ それはチームを組むに当たっての絶対条件だわ。 いいわ・・・話してあげる・・・。」 そう言うと条咲は話始めた。 「名前は条咲綾子27歳。 TSUKUYOMIの司令部、最高責任者。 スリーサイズは・・・B86、W58、H84」 スリーサイズまで言われ 慌てる崎島を面白そうに見つめる条咲。 無邪気に笑い 「初初しいわね」と阿久津の言うと話を続ける。
「好きな食べ物はトーストかしら・・・ ・・そして装着BEはBlackButterfly・・・。 黒い爪の刃を司る者よ。 そんでもって特殊な鱗粉を使うBEでもあるわ。 鱗粉の種類は全部で九種類よ。 主に使うのは六種類ぐらいだわ・・・後の三つは隠し球って所ね。」 そう言うと突如崎島の携帯が鳴る。 条咲は微笑んだ。 「でないの?」 そう言うと崎島はメールをチェックする。 すると条咲の携帯のバイブも鳴る。 「失礼・・・」 そう言うと電話に出る。 「条咲よ・・・ええ・・・、 ・・・・え?・・・わかったわ・・・今行く。」 そう言うと条咲は電話を切った。 丁度崎島もメールをチェックし終えたところらしい。 「ごめんなさい・・・ ちょっと仕事が入ったわ。 私はここで席を外すわ。 ・・・崎島くんも了承してくれたということでいいのかしら?」 しぶしぶと頷く崎島。 それを見てニッコリと笑う条咲。 「そう・・・ 交渉成立ね、明日の深夜一時現地集合にしましょう。 布津野の住み処・・・新宿中央病院跡入り口付近でね。 ・・・・地図は後で送らせて貰うわ。 ・・・はい、阿久津さん。TSUKUYOMI専用の携帯よ。 阿久津さんはそれに後で地図を送らせて貰うわ。 ・・・そこに私のメールアドレスと電話番号も登録してあるから、 何かあったら電話頂戴。 んじゃね、阿久津さん、崎島くん・・・後は若いお二人で親睦深め合ってね。」 そう言うと条咲は此処の代金を払うと出て行った。 そしてリムジンに乗り込む。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ―TSUKUYOMI 本社 そこの一室に条咲は立っていた。 目の前には会議(>352)に参加してた一人の男、 相沢竜彦が黒い皮椅子に座っている。 「百千万億二千六百年が逃げ出したっ・・・。」 苛々を募らせた声で条咲に言う相沢。 「百千万億二千六百年・・・?」 聞き返す条咲。 「ああ・・・ 百千万億二千六百年・・・ 我がTSUKUYOMIの計画の要となるはずだった男だ・・・ あの男・・・この計画の真髄を知って逃げ出しやがった・・・ 全く・・・周りに居た奴も周りに居た奴だ・・・・ 花道氷兎の逃亡事件以来あれほど警備を万全にしとけと言ったはずなのに!!」 「それはそれは・・・で、私を呼び出した理由はなんですか?」 相沢はスッと条咲を見た。 「百千万億二千六百年の追跡だ・・・ お前の能力は追跡に向いている。 しかも、条咲。お前は優秀この上無い。 彼処に居た屑どもとは違う・・・ 条咲、お前の仕事の速さは上層部でも好評だったぞ。 ・・もう崎島と阿久津との接触にも成功しているらしいじゃないか。」 その言葉を聞き微笑む条咲。 「それはそれは・・・光栄です。」 その顔は氷結されたようだ。 「とにかく・・・ 一刻も早くあの男を探し出せ! 手段は問わない!」 そう言うと相沢は机を叩いた。 「・・・畏まりました。」 条咲はそう言うと一礼した。
>529 >「・・・わからない・・・です・・・」 俯いたまま答える東屋の顎にそっと指をかけ、強引に上を見させる。 鼻がくっつくほど顔を寄せ、布津野が言葉を綴り始めた。 顎にかけられた指は力強く東屋の顔を固定し、背けさせない。 「それは貴女が選ばれたからよ。貴女を検査している間、こっちも調べさせてもらったわ。」 BEベルトを東屋の肩にかけながらその詳細を語った。 テスト装着した三人が全て同じように喰われたように死亡した。 だが、その死の瞬間、計器は確実に感じ取っていたのだ。BEの意思と言うものを。 道具という一線を越えたBE。 それが布津野の琴線を震わせたのだ。 「人間はあらゆる面で行き詰っている。 それもそうだわ。生命だけでなく、あらゆるエネルギーは熱力学第二法則によって緩やかに消滅していのだもの。 そう、全ては『死』の為に設定されているのよ。 唯一つの例外を除いて・・・ね。 それが『進化』!EXeMウイルスは進化を捨てた人間への最大のプレゼントなのよ。 もう一度進化できるきっかけを与えてくれたのだから。 それを与えられた者は進化する義務がある!進化出来ずに淘汰されていった者達の為にも! わかるでしょう?貴女には進化する権利と義務があるのよ。」 言い聞かせるように語ったのは布津野の持論である。 が、それは東屋に話を聞かせた本当の答えではない。 本来ならば東屋も墨田と同様、戦いの中に叩き込み生存競争の果てに段階を上らせるつもりだった。 だが、それほど時間がない。 学校で見た赤木の姿が脳裏によぎった。 計画を早める必要があったのだ。 「でも、今の貴女は余りにも弱々しいわ。生存競争に入る余地もないほどに。だから、少しだけ助けてあげる・・・」 顎に指をかけ、上を向かせたままそっと東屋の胸に指を這わせる。 その後東屋の胸を隠していたシーツは断ち切られ、床に落ちた。 その指はシーツを切り裂き、胸を穿ち、骨を断ちめり込んでいく。 目を見開き、硬直する東屋。開かれた口からは血が溢れ出る。 「どう?感じる?これが死の感覚よ。今私の指先は貴女の心臓に届いているわ。 ふふふ・・・貴女の内は暖かくて気持ちいいわよ・・・。でも、すぐに冷たくなるの・・・。その前によく聞きなさい。 EXeMウイルスやBEは進化のきっかけに過ぎない。 進化は狂おしいばかりの生への渇望から生まれる! 安心しなさい、ショック死や気絶なんてさせない!BEを装着し、この生命の危機を乗り切るのよ!」 血の溢れる東屋の口に布津野が唇を被せる。 直接体内にルルドの息を送り込んで生命維持をしているのだ。 東屋のBEは謎が残るとはいえ、所詮は武装もない試作品。 戦闘力だけでなく、様々な面で他のBEやEXeMに劣る。 東屋の強い感情、生への足掻き、渇望、執念に晒された時、必ずや進化の一歩を踏み出すと信じているのだ。
条咲が退室した後、別の入口から一人の女性が入ってきた。 相沢は仏頂面をさらにしかめて出迎える。 「八坂の犬か、何の用件だ?」 「あら、せめて女狐と呼んでもらいたいわね、相沢君」 眼鏡をいじりながら女性が笑う。 「フン、ならば女狐。何の用件だ?」 「計画の進行状況の確認に」 皮肉をものともせずに女性は答えた。 「条咲はずいぶん頑張ってるわね。仕事熱心 なのはよろしいけれど、少し働きすぎだわ」 「どういう意味だ・・・」 相沢の顔がまたしても険しくなった。殺気すら感じさせる。 「114との接触に成功したんでしょう? 今、島村博士とファルマ博士が採取したデータを基に開発をスタートしたの」 「・・・・・・それで?」 「例のBE、あれにも114の物と並行して新機能の 搭載準備が完了済み。BE計画は予定より少し遅れたけど・・・第二段階に移行したわ」 「なるほどな・・・しかし、いくら三大幹部の一人とはいえ ずいぶんと勝手な真似をしたものだな。内閣総理大臣殿は・・・」 嫌悪感を剥き出しにして相沢はつぶやく。 「嫌われたものね。まぁ別に構わないけど?」 女性はひらひらと手を振り、ドアを開けた。 「芹沢・・・やはりお前は女狐だよ」 「あら、それは皮肉かしら?」 「いや・・・本音さ」 吐き捨てるように言って相沢は芹沢を睨む。 そんな相沢を見て、女狐はニヤリと笑った。
>「本当に孤児院には手を出さないと約束してくれるならば…私は、布津野を倒します」 阿久津さんがしっかりとした声で答えます。…孤児院? 僕は条咲さんを見ました。条咲さんはコーヒーを少し飲むと阿久津さんが言ったことを約束をします。 僕は二人の顔を見ました。 さっきからの二人の会話からして…どうやら阿久津さんと孤児院に何やら深い縁があるそうです。 そして…その孤児院が何やら危険に晒されている状況にあるということもなんとなくですが感じ取れます。 僕はオレンジジュースを持ち上げました。 >「崎島くんは・・・どうするの?」 条咲さんに問われます。僕は黙り込みます。…。 「あの…」 少し黙った後ようやく口を開きます。さっき持ち上げたオレンジジュースに口をつけずに机の上に置きます。 さっきから言いたかったこと…言おうか悩んでたけどやっぱ言うべきですよね。 僕は条咲さんを見ると言いました。 「…話は分かりました…でも…チームを組むに当たって僕自身は余りにも条咲さんの能力や条咲さん自身知らない事が多すぎます。 もし、チームを組むと言うなら…条咲さん自身の事も僕や阿久津さんに話してもらえませんか? あ…話したくなかったらいいです。ただ…ちょっと…なんか納得出来なくて。」 >「・・・・。」 …やっぱ聞いちゃまずかったかな? TSUKUYOMIの上層部の人間ですし…こういう事聞いても答えちゃ駄目なのかもしれません。 なんだかちょっぴし後悔…。僕はオレンジジュースを持ち上げるとストローを加えました。 しかし、条咲さんの答えは意外なものでした。 >「そうね・・・ >それはチームを組むに当たっての絶対条件だわ。 >いいわ・・・話してあげる・・・。」 「え?」 思わず加えていたストローを離します。条咲さんは僕の方を見て微笑みます。 僕も思わず慌てて礼を言います。 そして、僕はまたジュースを飲み始めました。条咲さんが自己紹介を始めます。 >「名前は条咲綾子27歳。 >TSUKUYOMIの司令部、最高責任者。 >スリーサイズは・・・B86、W58、H84」 「…!?…ぐぼかっ!って!ちょ…!ゴホッ!」
僕は思わず飲んでいたジュースを吹き出しそうになりました。思わずむせます。それを見て悪戯に条咲さんが笑います。 >「初初しいわね」 〜っ!さっきの微笑みはこういう事だったのか、僕は咳を押さえると条咲さんを見ました。 咳き込んでちょっぴし涙目になってしまいます。僕も僕で情けない…。 そんな僕を見てさらに笑うと、再度条咲さんは自己紹介を進めます。 >「好きな食べ物はトーストかしら・・・ 〜省略〜 >主に使うのは六種類ぐらいだわ・・・後の三つは隠し球って所ね。」 「…九つ…。」 …結構多い。確か条咲さんのBEは僕と同じファルマ博士だっけ…? ファルマ博士のBEでも九つも能力のバリエーションが多いのは結構珍しいです。 僕は能力についてきこうとしたとたん、突如携帯が鳴りました。 [California rest in peaceSimultaneous release...♪] RedHotChiliPeppersのDaniCaliforniaのサビ部分の着うた。 >「でないの?」 条咲さんに言われ、僕は携帯を開きました。 そこには見たことのないメールアドレス…。僕はメールを開きました。 …どうやらこれは…白川さん? なんで僕のメールアドレス知ってるんだろ…あ、ああ、TSUKUYOMIのデータから探しだしたのかな? んで内容は……!?ファルマ博士からの伝言!? 僕は所属ファイルを開きました、そこには金髪で青い目の見た目十歳ぐらいの少女が現れます。 『…Hello!!Is good every day spent?崎島!!』 うわぁっ!超大音声の声が響きます。慌てて僕は二人に謝ると音量を下げ、ポッケに入れたイヤホンをつけます。 ファルマ博士はわずか十歳のTSUKUYOMI最小年の博士です。 イギリス生まれで十歳というのにその思考は大人以上。六歳にして生物学の全てを知り尽くし、七歳の時その生物学を利用したBE…… すなわち僕や条咲さんのBEの元を作り上げたという天才児です。 ファルマ博士は相変わらずの調子で話します。 『It heard it.崎島、聞いたわ。貴方どうやら経験値が貯まったらしいわね。 貴方の付き人さんからこちらに連絡が合ったわ。大分頑張ってるようね…』 イヤホンをつけ一安心します。 付き人…ああ、監視員さんですね。…流石TSUKUYOMI監視員。どんな事でも見逃さないようです。 ファルマ博士の愛らしい声が僕の耳の鼓膜を揺らします。
『さてはてそこで、経験値が貯まったついでに崎島君のBEの調節をしよっかと思うんだけど… 来れたら研究所に来てくれないかしら。あ、でも別に強制はしないわ。どうやら美女さんとデート中って聞いたし…グヒヒ♪ I am a good childだしねv邪魔しないわ!男なら黙って押し倒せ!年上条咲でもいけるわ!うん!』 「え…ちょ…!」 …なんか凄い勘違いされてませんか…?というか押し倒せって…!?押し!? ファルマ博士はまるでそんな僕の思考を読んだみたいにニッコリと笑うと、話を締めました。 『Ahaha...んじゃ、私もういくね!崎島。ver.3のデータは付属しておいたわ。これで貴方の翼はもっと素晴らしい物になる。 …頑張れ!崎島!期待はしてないけど!あんた弱いし!んじゃね!Good night!』 [pi...!] 動画が終わり、元のメールの画面に戻ります。 まるで嵐のように来て嵐のようり去る…。…相変わらずなんちゅー人なんでしょう。女の方ってみんなこんなんなのでしょうか…。 少し唖然としてるとハッと我に返ります。気付けば条咲さんは携帯を片手に僕を見てます。 『・・・どうしたの?』 「!?す、すみません…!お待たせしました。」 そう言うと慌ててイヤホンを外しました。条咲さんはそれを見た後、開いていたノートパソコンを閉じ言いました。 >「ごめんなさい・・・ 〜省略〜 >・・・崎島くんも了承してくれたということでいいのかしら?」 「あ……はい…。」 しぶしぶ頷きます。…あれ?結局条咲さんの事余り知れてないような…。 条咲さんはそんな僕の様子を見てクスリと笑うといいました。 >「そう・・・ 交渉成立ね、明日の深夜一時現地集合にしましょう。 〜省略〜 >んじゃね、阿久津さん、崎島くん・・・後は若いお二人で親睦深め合ってね。」 …新宿中央病院跡地。 そこに布津野が居る…。 僕は会計を済ませている条咲さんに軽く頭を下げました。 条咲さんはカフェを出て行きます。 残ったのは阿久津さん、そして僕だけです。 ふと阿久津さんの方を見ます。 その顔は何処か不安そうです。…やっぱり孤児院の事が気になってるのかな…。 ・・・。 「……孤児院の事が気になってるんじゃないんですか?」 唐突に僕は言葉を発しました。自分でもビックリするぐらい急に…自然と。 ベルトの調節とかよりこっちの方がよほど大事です。だってこんなに不安そうな顔してるんですし…。 僕は阿久津さんに優しく笑うと立ち上がりました。 「行きましょう、その孤児院。…病院に行くまでの間まだ時間ありますし。 …僕でよければお供させて貰いますよ?」 そう言うと僕は阿久津さんの右手を握るとカフェを出ました。 扉が開く涼しいげなベルの音が響きます。
ええとこれがこうなってこうすれば・・・・できたソニックブレード これが自衛隊に配備されれば・・・・うふふふふファルマちゃんのBEに勝てるぞぉ
「瞳の家と言ったね。条咲君の担当」 「ハッ」 「あそこから材料を調達すれば、研究班が喜ぶだろうな」 BEの開発にはEXeMから採取された生体データが関わっている。 そのために地下研究所では孤児などから材料を選び出し 人為的に感染させたEXeMが極秘で飼育されているのだ。 この事は本部でも一部の者しか知らない。 「条咲さんからは孤児院に手を出さないよう通達を受けております」 「どうせ孤児だ。誰も悲しみはしない。むしろ全人類ために死ねる子は幸福だ」 それからしばらくして、瞳の家に子供の里親になりたいという夫婦が訪れた。 もちろん夫婦というのは偽装でTSUKUYOMIの職員である。
550 :
孤児 :2006/08/25(金) 13:57:37
嘘だ嘘だ 里親とか言って私を性奴にするつもりなんだ 肉便器はいやあぁ 院長「すみませんあの子少々妄想壁があるんです」
とうとう来てしまった、彼等が、ツクヨミの人達が。 だって同じだから、一年前と全く、向こうは顔を忘れてるだろうけど。 だって実験体の顔なんて憶えてるわけないよ、 「私が……行きたい」 他の子が行きたくなさそうにしている中で私は手を上げる、 だって、ここの家族にはもう私と同じ目にあってほしくないから。 それに、もう十分、この一年は夢のようだった、楽しかった、 「行っても……いいよね?」 私は一歩踏み出してツクヨミの差し金の前に立つ
552 :
孤児 :2006/08/25(金) 15:28:30
OOちゃんが手を上げた・・・・ 内心ほっとする自分を嫌悪する きっとOOちゃんはツクヨミ職員にあーーーんなことやこーーーーんなことをされてしまうんだ 院長「また変な妄想を・・・・鼻血でてますよ」
クワァーーーーーーーーーーーー!!
r'゚'=、 / ̄`''''"'x、 ,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_ __,,/ i! i, ̄\ ` 、 __x-='" | {゚} l, \ ヽ /( 1 {゚} | i i, <やっと出番か | i, {, /¨`ヽ , .| | i, .l, i, } / ヽ._.ノヽ | { { }, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} | .} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i, | ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,} `" , .-‐- くJ `ー'" ゝ-rr- 、 iiJi_,ノ /Y ,r 、 `ー r'"^〃 、 つヒヽ ,ノ '^` i! =テミ i' 漫ニ ミ、 ='"^ヾ } ,/ ''=''" ノ-‐'ヾ-人,,__ノnm、''::;;,, イ i! ,∠-―-、、 `ー'フヾ、 j f'´ ノし `丶、 ー=ミ-JE=- / ヾ=ニ- 彡^ 〃 ,,>、、`''ー-::,,_,,ノ ``ー--┬:, ''"~´フ ソ´`7'' ''"´ ,に (`゙゙´ノ f^ヽ ,ハ ,ィ' ,;-ゝ、 /ミ`ーt!,_,ィ-‐彡''"^ヽ / ヾ::::::::::::::::r''" ぃ ;} l t:::::::::::/ ノ / l! `'T7′ / /
黄、黄色い悪魔がぁ!
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ギョギョギョギョ邪魔なEXeMどもを焼却処分だぁ >553 燃えろ燃えろぉ(火炎放射) なに燃えないだとぉ ならば戦闘員テェーーーー!! 翔華戦闘員「エウィーーー!」ババババババ!! ヒクイドリEXeMは蜂の巣になった 実弾は利くのだな >554 新手か?このグロい黄色め >555 支配すべき人間が死に絶えいなくなっては意味は無い お前ら人間はとっとと逃げろ
組織、そう、TSUKUYOMIは組織だ。 その組織に立ち向かうということがどれほど困難を極めるのか、 組織と言われてもあまり大したことはないかと思うものもいる。 だがつもいは分かっていた、TSUKUYOMIはただの組織ではない。 目的のためならばなんでもする、それがTSUKUYOMIの本性であると。 ましてやつもいは個人だ、一個人が組織に敵対する、ゲリラ戦すら仕掛けられない状況では戦いになりようがない。 「どうやって、どうやって戦う、私は今一人だ・・・あまりにも無力すぎる。」 考える、だが考えれば考えるほど「土台無理な話し」という考えが頭を過ぎる。 この付き纏う現実を見据え立ち向かいなければ戦えない、諦めが頭を支配するかしないか、 それこそがこの戦いが勝利なのか敗北なのかを決するといってもいい。兵力の違い、 情報網の違い、設備の違い、全てがTsukuyomiと差がある以上、なんとしてでも味方を付けたい、 一人でもいい、一人でも多く、自分に共感し共に戦ってくれ、時には一緒に切れそうな橋をも渡ってくれるような仲間が。 そして、つもいは思い付いた。 「・・・・見つけた、私と共に戦ってくれそうな者達が、」 だが、これは賭けでもあり、そして何よりも行なったら最後、本当に二度と戻れない。 今先までは戻れる可能性というものはわずかだがあった、だが今度こそ、本当に戻れない。 「彼等こそが、私の新たな仲間なのかもしれない・・・」 それは、つまりExemやTsukuyomiの実験体との共闘だった、最早反逆者のような生ぬるいものではない。 ExemやTsukuyomiの犠牲者とBEが共に戦うという事は史上最大の裏切りだろう。 それに当人達に受け入れてもらえない可能性も高い、賭けというのはそのことだ。 「・・・先の事で私の中は全て崩れ去った、今だからやれることはこれしかないっ!」 だが男の顔には迷いも何もなかった、一度死んだ命、だからこそ男は全てを削り汚名を被る事ができる。 そして男は携帯電話を取り出し、メールを打ち始めた、部下に、そして盟友に、そして一番の戦友であった白川に、 自分の思いの丈を伝えるために。そしてその者達と今生の敵となるために・・・・メールを打つ。 私だ、百千万億だ・・・・私はTsukuyomiを裏切った、 早いものならば耳に入っているだろう。 そして、それに対しての弁解は一切ない、全て事実だ、 諸君等とは今後は憎みあうべきであり、滅ぼすべき敵だ、 だからこそ、敵の立場で言わせて貰う、諸君等、いや、 お前達Tsukuyomiに、偽はあっても義はないっ!・・・それだけだ、敵の世迷言と受け取るも良し。 自分なりに考えるも良し、全て自由に受け取ってもらいたい、 それと、最後に今までの時を過ごしてきた盟友として、友として、そして戦友として。一言だけ言っておく、 死に急ぐな・・・・ 二度と戻れなくなる言葉を、見つめながら余韻に浸る。今までの戦い、 そして部下達と共に駆け抜けた戦いを思い出す、隊員達の生まれの話しや白川の炒飯などが思い出される。 これを送信したら戻れない、だが、つもいは静かに送信し、携帯電話を地面へと落とし踏みつける。 破損し壊れる携帯電話、上を向き目を瞑るつもい、まぶたの後ろには自分の過去が映っている。 見つめる自分の過去、今からでは想像も付かないような夢があり、それに向けてひたすら走っていた、 追いかける夢は虚偽で満ち、思い描くものとは全てが違っていたとは知らないで、ただひたすら走っていたあの頃を・・・ だが気付いてしまった、昔と思い描くものとは大きく違ったことを、今では夢はすっかり泥だらけだ、 しかし、ひたすら前を向き、走っていれば、いつかその泥も乾き落ちる時が来るだろう。 「行くとするか、私のために流された血を思い出しながら・・・・」 そしてまだ見ぬ仲間を探すために、男はただ前を見つめ歩くいていく、いつか泥は乾き、地面へと落ちていくことを信じながら・・・ <Even if mud sticks, you do not need to mind it. But I will look at only the front earnestly> (泥が付いても気にしなくて良い、ただひたすら前だけを見よう)
カクカク ____ | |・∀・| /⌒⌒ヽ | |\ |\ イ ノハぃ ) (( |_|_ . ィ⌒` wノ *'ρ ソ ノ ゚と、_入`_,つ λ う カクカク
―TSUKUYOMI 島村研究所 東京郊外 時刻:夕方 夕食の準備は終わった。流石、俺は夕食においてもパーフェクトな男だ。 今晩の献立はカツ丼。明日は絶対に、勝つ。そういう意味も込めてカツ丼だ。 此処は島村研究所。海が見える丘に立つ、辺鄙な研究所だ。 丘の上に立っているだけで昔を思い出す・・・幼い頃の思い出だ。 父は小さな大学だったが、有名な研究者だった。母は財閥の令嬢であった、幼い頃は 何不自由なく生きていた・・・だが、それも10年前に何もかもが変わった。 心無き1人の人間に、母は金を巻き上げられ財閥は破産。 そして父は俺を連れ家を出た。あの時の母の恨めしそうな目が今も忘れられない。 島村研究所、ここは俺にとって嫌な思い出しかない場所だ。 出来ればこんなところには・・・背を向けようとした瞬間、1人の研究員が俺を見て 懐かしそうに声をかけてくる。 「坊ちゃま・・・ですか?お久しぶりです!!博士も喜びますよ!!」 その白衣の老人に俺は見覚えがあった。 そうだ、いつも1人ぼっちで友達もいなかった俺と遊んでくれたじぃじだ。 「じぃじ・・・か?元気だったのか・・・久しぶりだな!!」 嬉しさに俺は顔を緩める、研究所の休憩室に腰掛け2人で他愛もない昔話をする。 あの頃は、海も美しく人も沢山いた。思い返せば、今よりも綺麗な世界だった。 俺は不意に切り出す。どうせなら“あの人”に会わずにさっさとこの研究所を出よう。 「本部から連絡が来ていただろ?BEを強化する新兵器の件で・・・」 その瞬間、奥の研究室のドアが開き耳を劈くような怒声が響く。 しまった・・・“あの人だ”。 「ばっかもぉぉぉん!!貴様、このわしになぜ直接言わん!? 久しぶりの親子の再会だぞ、この馬鹿息子が!!」 髭面に太い眉毛、この男こそ日本におけるBE開発の先駆者「島村剛三」博士だ。 またの名を旧姓「白川剛三」。・・・俺の親父だ。
「親父・・・。」 俺は観念してその場に座る。この人のいう事は絶対だ、逆らえない。 ―島村研究所 研究室 「本部からは聞いている・・・小便臭さの抜けん餓鬼が今では隊長だぁ? 自惚れるにも程がある!!作戦の失敗とやらも貴様の未熟さが起こした必然!! こんのぉ!!馬鹿息子がっ!!」 親父の鉄拳が俺の頬を抉る。椅子から落ち、倒れ伏せる俺。 血の味のする口を拭いながら思う。 確かにそうだ・・・俺は自分に自惚れていた。 布津野には、今までの怪物とは違う何かがある。そしてその何かに俺は負けた。 「お前は、何の為に戦っている?」 親父は俺を見据え、問いを投げかける。何の為に? 俺は、何の為に・・・戦うのか。 「俺は・・・仲間の為に戦いたい。信じるものの為に、人間の為に。」 親父は手で髭を撫でると、研究室の保管庫のロックを解除し、何かを差し出した。 それは銀色に輝く、1本の剣。 「これは・・・わしが全身全霊で作り上げた島村式最高傑作。 ”スパイラルスティック”だ。その形態は、剣にも鞭にも盾にもなる。 装着者が思うがままに、その姿を変えることが出来る。 試作品の為、まだ調整段階だがな・・・」 俺は銀色の剣を受け取る。その剣の輝きは、俺の心を見透かすように ただ光り続けていた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 研究所を去る時、ふと親父が俺に言う。 「人は弱い存在だ・・・お前に何が出来る。」 その言葉に、部下を守れなかった今の俺は何も返せない。 無言でバイクに乗るとじぃじに一瞥を送り研究所を去った。
>558―東京郊外 一般道 TSUKUYOMIから届いたメールに俺は驚愕する。 −あの百千万億がTSUKUYOMIを離反した?− そしてあいつへの追撃命令まで出ている・・・どういう事だ? 俺とあいつは無二の戦友だった、TSUKUYOMI内でも1・2を争うほどの実力者だった あの男が・・・忠誠心もあった。 そのあいつに何が・・・!?俺は震える手で、携帯を握り締める。 −「百千万億・・・何故だ」− 閉じようとした、メールBOXに新着が一件。 今度は何だ・・・送り主の名前は、百千万億!? 俺は急いでメールを開く。 > 私だ、百千万億だ・・・・私はTsukuyomiを裏切った、 早いものならば耳に入っているだろう。 そして、それに対しての弁解は一切ない、全て事実だ、 ・・・そんな、馬鹿な。 俺は、それが真実だと知ってしまった。 もはや疑う余地など存在しない。 その後の文章は、TSUKUYOMIに対する宣戦布告。 そしてTSUKUYOMIを糾弾する内容だった・・・あいつは何を知っているんだ? 俺も、今までTSUKUYOMIに対して疑念が0だったわけではない。 だが、人を守る為に戦ってきたんだ・・・という思いが俺を支えてきた。 耐え難い悲しみを抱え、俺はバイクのアクセルを全開にしその場を離れた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ―TSUKUYOMI 遺体保管所 此処は、戦いで朽ちていった仲間達の遺体が保管されている場所。 その1人1人の死に顔に、俺は思いを馳せる。 確かに、親父の言う通りだ・・・そしてあの女・布津野の言う通りだ。 人間は弱い。だが、俺はそんな人間を守りたい。 学校での戦いの中、1人の部下が俺に言った。 「すみません・・・こんなところで。無駄死にを・・・」 違う。違うんだ・・・お前は、お前は。 「無駄死じゃない・・・絶対に、倒してみせる。」 新宿病院跡へ向かうバイクの中、俺は1人呟く様に言った。
新兵器 「スパイラルスティック」 BEの強化を目的に開発された強化装備。 戦況に応じ、あらゆる武装に変化することが可能な万能兵器である。 通常時はベルトの横にコンパクトに収納されている為、携帯性も高い。 島村型BEの最大の弱点であった「遠距離」での戦闘を強化する為の 機能も装備されている。 材質はダイヤモンドよりも硬い最強の合成金属「スパメタル」で作られている。 第一形態:スパイラルエッジ 剣の形をした標準時の形態。近距離で絶大な威力を発揮する。 第二形態:スパイラルポール 中距離で効果を発揮する装備。棒状の武装だが、打撃力は高い。 如意棒をモデルにしており、伸縮が自在に出来る。 回転しながら相手の攻撃を防ぐ「スパイラルバリア」を発動することが可能。 第三形態:スパイラルウイップ 鞭の能力を持つ形態。島村型の弱点である「遠距離」を考慮した武装。 遠方の敵を鞭で補足し、BEの武装で撃破するという攻撃パターンを考慮されている。 また、援護装備だけでなく単体での破壊能力も高く強烈な電撃を帯びた攻撃が可能である。
きーーーーーもーーーーーいーーーーーーーーーーーーーーーー!!
条咲が退席する。 「・・・なるほどな。」 花道は静かに理解した。花道が居るのは条咲達が座ってる席の丁度真横の壁の外側。 花道のEXeMウイルスはウサギの属性を持っている。 それ故これぐらいの壁に耳を当てて話しを聞く事など、障子に耳を当てて音を聞くぐらい容易だ。 「・・崎島に阿久津・・・そして上層部の女条咲。なるほど・・ やはり今回のあのミサイルは・・・あの為のか・・・フッフッ・・・随分哀れだな。」 花道は知っていた。TSUKUYOMIが何故そこに存在する理由も、事が全てが何処に繋がってるのかも。 しかし花道がTSUKUYOMIの計画を止めようとかそういうのを考える事は無い。 花道は楽しめればいいのだ。例えその計画がどんなに酷いものでも自分が楽しければそれでいい。 いたぶりの時間を設けられて良い男を自分の奴隷にしてむかつく女を晒し首にできれば無問題だ。 喫茶店から出てきた条咲。花道の赤い小さな目がそれを写す。リムジンに乗り込む条咲。 花道は再度壁に耳を当てた。 「・・・それにしてもTSUKUYOMI側とはいえ良い男。食べちゃいたい・・・。」 静かに冷笑する花道。マッチョも大好物だが小柄で美しい少年もかなり大好物であった。 しかも悲劇的な運命をたどる男は特に。 話を聞けば崎島と阿久津はどうやらこれから阿久津の孤児院に行くらしい。 「く〜っ・・・!あの女邪魔!宇宙から抹殺してやりたい!でも・・・」 そう言うと花道は別方向へ向かう。抹殺よりも先にやる事があったのだ。 「お楽しみは後に残しておくもの・・・・俺はお楽しみまで少々ウォーミングアップでもしとくか。 ・・・条咲に、阿久津・・それに崎島。それプラスあのドS女布津野か・・・フッフッ 随分と豪勢な獲物だ。今晩は宴だな。」 笑みを零すと花道は飛び上がった。 「やっと出番か・・・うごあ!」 スプーEXeMの首を撥ねる花道。 「フゥ・・・最近の男はつまんない奴ばっかで困るな・・ウォーミングアップにもならない。」 そう言うと花道は腕を回した。花道が来た場所は、杉並区。EXeM達が大量に集まる地域だ。 杉並区は元々花道がエリート時代に美味しいパスタランチを食べに行ったりしてた所だった。 しかし今では此処は花道のウォーミングアップ場及び戯れ場。 気の合うEXeM(所謂下僕)と酒に塗れたかと思えば、此処に来る人間を無差別で殺したりしている。 花道が暫く適当なEXeMを刻んだり練ってみたりしていると一人の男を見つける。 黒髪に学ランの少年。結構好みなタイプ。 先ほど崎島を喰いそびえた(というより後のお楽しみとしてとっておいた)為、 花道がその男に目を付けない訳がなかった。 「「ごーかっく!!!」」 そう叫ぶとまるでダンスを踊ってるみたいに可憐に舞い上がり 鋼鉄のように墨田に向かってかかと落としをおみまいする。 しかし墨田はおれを避けた。花道のかかと落としはコンクリートに当たるとコンクリートが砕ける。 「・・・・お前・・・。」 墨田の方を見る花道。その目は恐ろしいほど冷たくなったかと思うとにんまりと笑った。
γ⌒ヽ . _ノ .ノ γ ノ^^^^'ヽ ノ / ◎ ◎ | う ((6; ∴つ∴) お ヽ、___0__ノ . l /⌒ 一 ー⌒ヽ. す | ) ) _l_jヽ ヽ | ノノ _l_jヽ ヽ ) ヽ ヽヽ G⌒^ ノ ヽ_^9  ̄
>537(路地裏にて) 身を隠す、それには路地裏が一番いい。そしてそこにはExemもいる。 なによりつもいは追われる身、あんなメールもした以上はもうTsukuyomiは敵なのだ。 路地裏へと足を踏み入れ仲間になってくれるExemを見つけようと探し始める。 この時不思議と追われているという重圧はつもいになく、 ただ自分はなさければならない事があると思い続けていた。 だが、それは非常に難しいことだった、Exemとはろくに話しもした事がなく。 相手の立場にもなってみたことがない、そもそもつもいはあまり話しも上手な方ではない。 いや、口下手と断言できる、交渉しようにもその仕方が分からない。 だが引くわけには行かない、とりあえず会うだけ会ってみようとつもいはExem達を探し始めているのだ。 だがやはりというべきか歩みは踏みにじられる、予想は的中した、BE姿のつもいを見た瞬間に逃げるもの、襲い掛かってくるもの。 BEを最初から敵と思い接するExemにはつもいの言葉が届くわけがない。かといってBEを解除したら危険が格段に増す。 お互いの性質上かまるで何かの壁の遮断されているように・・・・つもいの努力は届かないのだ。 「黙れ、貴様等は敵だ!」 逃げ去っていくExem、このパターンはもうお決まりになってきている。 BEに散々狩られてきた彼等からすればつもいこそが化け物、そんなものだ。 国と国ですら戦争は起こる、同じ種族ですら闘争があり、肌の違いで優劣を決める。 人間同士ですらそうなのに、違う種族となれば最早無理難題を通り越し不可能の域に達している。 「思ったよりも、難しいのかもしれない・・・・」 この当たり前の言葉が出たのはすでに十人のExemと会ってからだった。 路地裏に腰を下ろし考え込むつもい、土台無理な話しだと普通の人は言う。 だがつもいはまだ諦めている様子はない、ただどうすればいいのかを考えるのみ。 だがいくら考えても良い案は出ない、気が付くと腰を上げ歩いている、体は行動を起こさなければと思っている、 だが方法が考え付かない、そしてとうとう最初の地からずいぶんと離れたところへと来ていた。 「ずいぶんと遠くに来てしまったようだ、しかしこれだけ歩いていても良い案が思いつかず・・・情けないっ!」 辺りを見回すと大型のExemを見つけたつもい、どことなく陰のある後ろ姿は印象に残る。 何やら孤児院の方を見て何やらしているようだが、はっきりとは分からない。 だがそのExemからは邪気があまり感じられないことから悪意ある行動をしているとは思えない。 そして何よりも、その哀しい雰囲気を出している後ろ姿が少し、ほんの少し自分に似ているように つもいは思った、もしかしたら、自分と同じく居場所が無いのかもしれないと。 気が付くとつもいはそのExemに近寄っていた。なぜだかは分からない、だが自然と、近寄っていたのだ。 「君は、何をしているのだ?もしも、良かったならば、私に教えてはくれまいか?」 つもいの存在に気付きExemは距離を開ける、知らない人物、しかもBE装着者がいきなり話しかけてきたのだ。 どう考えても怪しすぎるし警戒の色を出すのは当たり前。だがつもいは誤解を解こうと続ける。 「私はTsukuyomiの人間でもなければ、君の敵になろうというわけでもない、 言葉が通じるかは分からないが、私の言っていることは事実だ。どうか信じてほしい。」 少し手振りを加えながらも必死で説明をしようとしているつもい。 必死さが伺える、実際必死だった、つもいは焦っていた、もしかしたら今後協力者は出ないのかもしれないと。 もちろん向こうはつもいが必死なのかとかは知ったことではない。 だが彼のその動きにはどこか真摯な態度が多く含まれ、それほど悪いイメージはつかないだろう。 最も、それが真に通じるかどうかは、Exem次第なわけだが・・・
(TSUKUYOMI 本社 長官室) 「百千万億二千六百年、無事に脱出した模様です」 黒き鎧を纏う「監視員」の報告を聞き、赤木は手の上で揺らすワイングラスを その口に流し込む。赤いワインの色は、血の色を連想させる。 または、赤い雨。そう、あの時の彗星のような。 「盤上の駒は、多い方がいい。だが、その全てが思い通りに動くわけではない。 ・・・たとえば、百千万億二千六百年・・・彼のようにね。」 百千万億二千六百年の裏切り、それはTSUKUYOMIにとっては 大きな打撃である事には変わりはない。 だが、戦いは面白い方がいい。彼も、こんな狭い檻の中では自分の本分を 見出せないのだろう。 赤木は真っ赤に光るワインを口の中で燻らせながら目を閉じる。 「引き続き、百千万億二千六百年に対する監視を続けろ。 こちらからは接触はするな・・・」 赤木の命令を受け、飛び去った監視員はもうそこにはいなかった。 今頃、相沢が抹殺命令を受け動き出している頃合いだ。 だが、このTSUKUYOMIにあの男を簡単に倒せる人間など存在しない。 それに、彼にここで退場して貰うのは惜しい。 盤上の駒は、強い物ほど輝く。 ―そして、もう1人。布津野 珠美。― 赤木は精鋭部隊直通の電話を掛け、シークレットミッションを通達する。 その内容、それは「深夜 新宿中央病院にて戦闘アリ」。 そして、「フツノ タマミヲ ・・・・・(略」の文字。 赤木のノートパソコンには布津野の率いる組織”AMATERASU”からリークされた データ。 興味深いデータの山に赤木はワインを飲み干すとそのままワイングラスを かじり出し笑う。 「うん、ちょっと・・・びっくり。」
>>543 >その指はシーツを切り裂き、胸を穿ち、骨を断ちめり込んでいく。
「う・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
あまりの激痛に狂ったように叫ぶ東屋・・・それと同時に胸に刺さる指を引き抜こうとするも
血で濡れた布津野の指はよく滑り、離れないでいる・・・
「はぁ・・・はぁぐ!・・・」
苦しむ東屋を布津野は語る。
>「どう?感じる?これが死の感覚よ。〜進化は狂おしいばかりの生への渇望から生まれる!
「し・・・んか・・・」
目の前が真っ暗になり、指を離そうとしている腕も力なく落ちた・・・
>血の溢れる東屋の口に布津野が唇を被せる。
直接体内にルルドの息を送り込んで生命維持をしているのだ。
「んむぅ!・・・んふ・・・」
突然の口付けに驚くも特にそういった抵抗も出来ず、そのまま布津野の息を受け入れてしまった。
激痛は変わらないのに・・・何故か暖かみのある感覚が東屋を包む。
しかし・・・その感覚も長くは続かなかった・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・ドクン・ドクンドクンドクドクドクドク
心臓はすでに停止寸前のはずなのに鼓動が聞こえた・・・その鼓動は次第に早く激しくなり、東屋の体を揺らす。
EXeMウィルスが東屋の体に侵食し、それを体が拒んでいるのだ・・・
布津野はこの光景を見て・・・少々のあせりを感じていた・・・
このままでいけば・・・彼女に待っているのは死か、それとも布津野が望まない進化の二つである。
しかし、布津野は忘れていた・・・東屋実咲とゆう人物が自分の予想を幾度と無く裏切っていたのを
死神を手懐け、新世界を赴く者に懐かれ、そして、目覚める筈の筈のない状況で目覚めたことを・・・
「・・・!!!」 目覚めるとそこはさっきまでいた病室ではなく まっしろな部屋にいた・・・東屋はその部屋の真ん中で椅子に腰を掛けている。 目の前には丸い机・・・左右には、それぞれ灰色と黒の二色のドアが存在している。 「・・・ここは・・・どこ?」 立ち上がり、周辺をまた見回す。 それで気がついたことが三つあった。 一つ、今、自分は真っ白なジャージを着用している。 二つ、髪の毛の色が真っ白になっている。 三つ、左右のドアに加え、自分の真後ろに白いドアがあった。 しかし、どの情報もここの所在を掴む手がかりにはならなかった。 「・・・外に出れば・・・何かわかるかも」 おもむろに左の黒いドアへと進み、迷いも無くドアノブに手を触れる。 そして、回そうとした瞬間、 「そっちは開かないほうがいいよ。てか、ゆっくりしようよ」 後ろで声が聞こえる。その声に反応し振り返ったとき、東屋は驚いた。 そこに自分がいたからだ・・・しかし、ジャージの色や毛の色などは灰色であった。 灰色の自分はコンコンとドアをノックし、こっちを見ていた。 「え・・・」 「何さ、その目は、お化けでもみる見たいじゃん・・・まぁ俺がドッペルゲンガーならその目は正しいけどね まぁ座りなよ。君だけが動いても何も変わらないよ」 灰色はそのまま中央の椅子に座り、東屋を手招きする。 「誰なんですか?あなたは・・・」 ドアノブから手を離し、灰色に質問をぶつける。 「誰って・・・君じゃん」 灰色はそう言って、クスクスと笑う。 そんな人をおちょくった態度に腹を立て、中央の椅子に戻り、強い口調でもう一度尋ねた。 「私・・・そんな人を小ばかにした態度とか嫌いなの!ちゃんと答えてよ」 今度はふざけた答えが出来ないように睨み付ける。 それを見た灰色は「うお!すげ!」と漏らしたが、東屋が怒っているのを見ると真剣な表情になる。 「まぁ・・・そんなにおこんなよ。俺だってちゃんと答えたんたぜ。 あぁ〜詳しくねぇ〜・・・そんじゃあ単刀直入に・・・ 俺はな・・・あのベルトの意思さ・・・正確に言えばAIってやつか・・・」 「ふざけないでよ!」 「だから、ふざけてねぇよ!・・・あぁ・・・そうか・・・ お前さぁ〜ここが何処なのか理解してないだろ! 教えてやるよ!ここはお前の頭の中だ!そして、俺はお前がここに連れてきたベルトの意思なんだよ!」 「え・・・」 予想外の発言に凍る東屋、それを見て灰色は話を続ける。 「ま・・・そりゃあ驚くわな・・・自分の頭の中に自分がいることがな しかし、これが現実だ。理屈はいらない・・・認識しな!」 「・・・うん、わかった・・・ならさ、あなたベルトなんでしょ? なんで・・・」 「勘で選んだ・・・それだけ、あとはぁ〜姉貴が怖かったから」 東屋が質問しようとした内容を話す前に判断し、その答えを先に話す。 今、東屋が質問しようとしたのは、何故自分なのかとあの時何故止めたのかの二つ。 これで灰色がベルトの意思だとゆうのが証明された。 「・・・それだけなの・・・」 あまりにもあっけない答えになっとくがいかず、確認をする。 「そう・・・それだけ、悪い?それより・・・来たよ怖いのが」 灰色が黒いドアを指差した時、黒のドアが開いた。 そこから出てきたのも自分なのだが、灰色のときとはかなり雰囲気が違っていた。 ジャージ、髪は黒色なところまでは同じなのだが、目の色が違っていた。 赤黒く染まった眼から殺気が滲み出ていた。 黒は何も言わず、そのまま中央の椅子に座った。 「貴様らか・・・我をここに呼んだのは・・・」 「いいや・・・正確にはこいつだ。俺も呼ばれてきた・・・さて、人間の東屋実咲・・・わかるだろ?あっちの存在が ここからは選択のための時間だ・・・安心しろ、現実では一瞬の出来事だからな・・・」
真っ白な部屋に、白、黒、灰の東屋実咲が揃った。 人間、EXeM、BEとそろぞれの立場、性格が違うが・・・同じ東屋実咲を形成するものだ。 しばらくの沈黙が続くが、灰色がその静寂を破った。 「さて・・・俺らがここに集まったのは、今俺らにとってやばいことが起きているからだ。」 「フン!我には関係が無いな、貴様らがくたばれば、この体は我が使うことが可能になる・・・都合がいい」 「おいおい!そんな無責任なことをいうなよ!この中の一人でも居なくなったら、東屋実咲は東屋実咲ではなくなるんだぜ? そんな自分の存在すら固められないようなやつが、クラスAになれるわけがねぇよ。 あの女に殺されるのが落ちだな・・・まぁ・・・俺らがこんな話しても、白いのが選択するんだからよ 俺らが選択できる道は三つ、一つ目は人間としての死、二つ目は黒いのに全てを委ね、あの女に殺される、三つ目は、ここにいる三人が手を取り合って前に進むこと」 「・・・確かにそうだな・・・白!すぐに決めろ!ぐずぐずするなら2と判断する」 「・・・」 東屋はうつむいたまま・・・黙っていた・・・ 「白いの・・・時間があるとは言ってもなぁ〜そんなに余裕は無いんだぜぇ〜 早く決めちまえ・・・俺は2の選択だけは避けたいんだ・・・」 「2なのなら行動を起こすぞ、白!」 「おい!勝手なことすんじゃねぇよ!黒!」 黒の襟を掴む灰色、それを放し 「弱体化したベルトの分際で我をどうにかできるのか?滑稽だ」 「あぁ!?やんぞ!!!ゴラァ!!!」 「寝言は寝て言え」 取っ組み合いになる灰色と黒・・・東屋はまだ・・・黙っている・・・ 「・・・うるさい・・・」 「あぁ!?」 「・・・うるさーい!!! なんなのさっきからさぁ〜・・・私じゃないのに私に命令するな!!! ここで一番偉いのは私なんだ!あんたには勝手には絶対にさせない!!!」 「・・・その選択でいいんだな」 「・・・やっとその気になったか・・・やれやれ、世話の焼ける主だ。」 「・・・悔しいけど・・・泣きたいけど・・・私は生きたい、生きて・・・走ったり、猫と遊んだり」 「力は俺らに任せろ・・・ちゃんと守ってやるからよぉ〜お前はお前らしく生きるべきなんだ・・・ さぁ・・・行けよ、自分のドアにな・・・」 「うん・・・」 選択が終わり、それぞれがそれぞれのドアから部屋を去る。
再び眼を開けるとそこには布津野の顔があった。 布津野の顔に自分の顔が写る。 瞳が・・・爬虫類のような瞳になっているのに気がつき・・・もう人類ではなくなったことを認識する。 肩から落ちたベルトを拾い、腰に巻く 「ふぇんひぃん(変身)」 √レv──wヘ√レvヽwヘ√レv EXPLOSION ──wヘ√レvヽwヘ√レv─ √レv──wヘ√レvヽwヘ√レv EVOLUTION ──wヘ√レvヽwヘ√レv─ 爆発と共に変身するのは今までと変わらない・・・ いつものように爆風が落ち着いたときにはもう変身が完了している。 しかし、その姿は少しばかり変化していた。 布津野のカラーリングと対になったようなカラーリングが施されていた。 きっと調べついでにバージョンアップしてくれたのだろう。 「これで・・・いいんですね・・・」 自分の心臓に突き刺さっていた指を握りながら、布津野に尋ねる。
>565 あと数10mで中野区。『以前』の墨田が通っていた高校がある地域だ。 何の感慨もなくそこへ向けて足を踏み出す墨田の耳に、奇妙な声が届く。 >「「ごーかっく!!!」」 声のするほうを見上げると、兎の耳に海水パンツという出で立ちの男が脚を振り上げて飛び掛ってくるところだった。 その異様さに多少面食らったものの、半歩だけ下がって打ち込まれた踵を避ける。 道路を小さく陥没させた踵の主、花道は墨田を見るとにやりと笑った。 それを見た墨田になんだか駄目な意味での寒気が走る。 墨田は大きく飛び退きながらステルスを起動し、手の中に武器を生み出す。 今回は薙刀ではなく、柄の先に円盤が付いた、うちわのような形のハンマーめいたものだ。 まずそれを目の前に地面に打ち付け、大きくすくい上げる。 砕けたアスファルトと砂埃が舞い上がり、視界を塞ぐとともに周囲に雑音を生み出した。 (ウサ耳つけてるから耳が良いって事にはならねぇだろうけど、一応、な) 次いで手近なマンホールを蹴り開け、中に大き目のアスファルト片を落とす。水がはねる音がした。 そのまま中には入らずその場を離れ、手近なビルの屋上まで跳躍し、貯水タンクや室外機の隙間を抜けながら、 次のビルそのまた次のビルと、足音を殺してしかし迅速に飛び移って行った。 「変態の相手してる暇はねーんだわ、悪ぃな」 中野区、中野坂上駅。 まさにここが墨田の母校の最寄り駅である。そして――走れば数秒で新宿。 そう、墨田が目指しているのは新宿中央病院跡である。 布津野は策を弄したところで勝てる相手でもないだろうが、 それでも何かしらの情報は得られるかもしれないと、漠然とした考えからだ。 「見つかったらほぼ間違いなく殺されるだろうなぁ…」 墨田は呟きながら線路へ下りた。 風が吹き抜けるゴーという音が、地下鉄の線路内に延々反響していた。
― TSUKUYOMI 最深部 “エリアZERO”― 鍾乳洞のような洞窟が広がる中、1人赤木は闇の奥に見える壁画らしき物を見つめる。 其処に描かれているのは“天空から舞い降りる使者とそれを待つ人間の姿”。 異形の姿をした天使が、人間に何かの種を渡そうとする描写。 壁画の年代は、測定不可能なほど古いがその壁画は古代とは思えないほど鮮明なものだ。 「ウイルスはただの“きっかけ”に過ぎない」 無数の壁画の中の1枚。そこに描かれた姿、それはEXEMと鎧を身に纏った 人間との戦いにも見える。 現代ではなく、過去の戦い。それも、我々が知る由もない太古での争い。 片や、もう1枚の絵には黒い鎧を人間に手渡す異形の生命体の姿が。 その異形はまるで神話の世界に出てくる日本の神々を思わせる衣装を身に纏っていた。 ・・・闇の中、ランプに照らされる赤木の顔は一瞬、光に照らされ不気味に輝く。 「精鋭部隊と、”オロチ”を1人。新宿中央病院に派遣した・・・きっと−彼女−の助けになるだろう。 現代のアマテラス、のね。」
百千万億が話を終えてもまだ、二人の距離は開いたままだった。 (信用できるのか) その振る舞いから、実直な人間であろう事は伺えるものの 互いに互いの真意を掴めぬまま、息苦しい緊張が流れていた。 (TSUKUYOMI、EXeM……解らない事ばかりだ) 傍目から見れば、実に奇妙な構図だろう。 一人は赤い装飾に彩られた、黒い甲冑のヒーロー。 また一人は、体表を甲殻に覆われた、文字通りの怪物。 この現実離れした邂逅に、当の本人達こそ戸惑うばかりなのだから。 それを思うと、今は人の言葉を紡ぐ事の無い口元にフッと笑いが漏れる。 (似た者同士か) そこにある物は少なくとも、敵意ではなさそうだった。 不意に、孤児院から何かを言い争う声が聞こえる。 ……孤児院保護の任を受けている条咲指揮下の監視員と、 実験材料として孤児を引き取りに訪れた本部派遣員との間に、 小さな衝突が起こっているのだ。 緩みかけた空気は、再び緊張に張りつめられた。 (事情はわからないが、どこかの機関か) 百千万億の様子を見る。 あるいは、彼なら状況を理解できるかもしれない。 その反応を見る事で、ひとまずの信用が置けるか否かも判断できるだろう。 人差し指を立て、百千万億に注意を促すように、 そのままTSUKUYOMI派遣員達の声がする方角を指し示す。
>>541 >「そう…交渉成立ね、明日の深夜一時現地集合にしましょう。
(中略)
んじゃね、阿久津さん、崎島くん…後は若いお二人で親睦深め合ってね」
そう言うと条咲は此処の代金を払うと出て行き、リムジンに乗り込むと去って行った。
ぽつねんと取り残された2人。気まずい沈黙が店内のBGMによって強調されている。
阿美は条咲から手渡された携帯電話をじっと眺めた。
TOKYOでは携帯電話は高級品だ。2年前までは誰もが当然の如く所持していた筈だった。
しかし大津波以降は、基地局も激減して携帯電話は廃れていったのである。
勿論、阿美も高校生の頃には自分の携帯電話はちゃんと歳相応に持っていた。
友達とメールしたり、付き合っていた彼氏と長電話もしたりした。
今となっては遠い日の思い出でしかない。
アドレス帳には条咲の連絡先が記載されていた。その他には一切の連絡先は無かった。
そんなアドレス帳に何となく淋しさを感じたが、これは阿美の携帯ではない。
布津野を倒した後には条咲に返却しなければならないのだから。
(明日で終わらせる…もう、怯えながら逃げ続けるのは嫌……)
阿美はギュッと胸元を押さえ込む。刻印が少し広がった気がした…
∵ ∴ ∵
>>547 親睦を深める。条咲はそう言ったが、正直何をすればいいのやら。
携帯電話を弄りながら必死にこの後どうするかを考えたがいい案は浮かばない。
阿美は途方にくれた内心を表に出さないよう努めたが、早くも限界が来た。
もとより人と触れ合う機会が少なかったのもあって、中々話しかける事が出来ない。
そんな時、突然崎島が阿美に話し掛ける。
>「…孤児院の事が気になってるんじゃないんですか?」
完全な不意打ちだった。一瞬、心臓が止まるんじゃないかと思う程に驚く。
>「行きましょう、その孤児院。病院に行くまでの間まだ時間ありますし、僕でよければお供させて貰いますよ?」
「え?…でも…あ……ぁ」
崎島は唖然としている阿美の右手を握ると、そのまま引っ張ってカフェを飛び出す。
華奢だが強くて、熱くて、優しい手。
阿美は自分でも気付かない内に、その手を握り返していた。
そっと、ぎゅっと……
涼やかなベルの音が稟と響いて、駆けて行く2人の背中を見送った。
瞳の家にはTUKUYOMIの全ロリペド職員が大集結していた。
>569>572 東屋の胸を貫き、ルルドの息で生命を維持する。 こうすることで東屋の進化を促しているのだ。 だが、暫くしても進化がなされるどころか、逆に拒絶反応がその身を揺らし始める。 ・・・急ぎすぎた? 布津野の胸に小さな疑念がよぎる。 だが、最早時間がないのも事実。 学校で見かけた赤木の顔が脳裏をよぎり、小さく歯軋りをしながら叫ぶ。 「・・・!生きなさい!貴女にはその義務がある!」 拒絶反応に揺れる東屋の身体を強く抱きしめながら布津野の声が室内にこだました。 一層拒否反応が激しくなり、大きく体が波打つ。 その次の瞬間、東屋の目が見開かれた。 既にその瞳は人のそれではなく、それを見た布津野が歓喜に震える。 そして変身。 >「これで・・・いいんですね・・・」 「ええ。痕のついた身体も捨てがたいけど、今のあなたは何より美しいわ・・・!」 心臓に突き刺さっていた指を握りながら尋ねる東屋の髪をいとおしそうに撫でながら答えた。 その後、東屋に着いて来る様にいい、施設内を進む。 途中、更衣室や個室を案内して自由に使うようにと伝えた。 そしてさらに進む。 その道中、布津野はAMATERASUについて語った。 人類による人類の暁を手に入れるための機関である、と言うことを。 そしてその為の計画がこれから発動される事を。 二人が辿り着いたのは様々な機材が並ぶ実験室だった。 その中心に布津野は立ち、意識を集中させる。 崎島、白川・・・墨田? 墨田に仕込んだ自分の細胞の応答がない・・・ (流石は隅田君。気付いたようね。でも貴方は必ず来る・・・! 見ていなさい、今こそ人類の進化は始まる!!) TUKUYOMI本部にいるであろう赤木に叩きつけるような決意を固め、口を開く。 だが、声は出なかった。 声ではなく、思念を放出しているのだ。 布津野の強力な思念は機材により増幅され、地上のスピーカーから放出されるのだ。 新宿区だけでなく、周辺の区域までに渦巻き響き渡るような思念波。 力の弱いBE装着者やEXEMはその強烈過ぎる思念波に引き摺られ、操られるように新宿中央病院跡へと集ま るだろう。 そして訳も判らず闘争本能を限界まで開かれ、戦い続けることになる。 ある一定レベルのEXEMやBE装着者は操られる事はないものの、その鋭い感受能力によって確実に感じるだ ろう。 新宿中央病院跡で戦わなければという意識が植え付けられる。 そして、体内に布津野の細胞を仕込まれたものには、より確実にその思念波届けられることになる。 特に阿久津を蝕む体組織はその勢いを増し、身を締め付ける事になる。 「さあ、これでこの周辺のBE、EXEM、遺伝子変異生物たちは上に集まって生存競争を繰り広げる事になるわ。 そして深夜には淘汰に打ち勝った者が下まで来て、夜明けには・・・ 実咲は好きにしていいわ。計画の推移を見守るもいいし、計画に参加し、進化の礎になるのもいい。 今の貴女なら十分礎になれるだけの力はあるでしょうからね。 ま、どちらにしても夜中まで時間があるから好きにしていいわ。私も準備に部屋に戻るから。」 思念を出し終わった布津野が東屋に声をかける。 布津野は今の東屋の能力を、その強さを把握している。 そう、舞台さえ整っていれば東屋は布津野を完全に殺しきる事ができる程強力なのだ。 これほど強くなるとは正直思っていなかった。 だからこそ、計画を無理矢理でも早める決心がついたのだ。 既に外は夜の帳が下り、EXEMやBE、遺伝子操作生物が集まってきている事だろう。 淘汰の果てに勝ち残った者を迎える為に。布津野はその時を待ち、自室へと歩いていく。
>>575 (ゴーストクローとの会話or派遣員と監視官との間に乱入)
必死に訴えても距離が縮まらない、すでに何度もこれを味わっているため
今回も無理かという思いがつもいの頭を過ぎる、
やはり所詮無理なのか、そう思い去ろうとした時、少しだけ、そう、
ほんの少しだが口元に笑みが見えた、邪悪な笑みではなく、ふとこぼれてしまったような自然な笑み。
つもいは行くのやめ、ただその姿を見る、Exemがこんなにも自然に笑う、
普通の人間なら当たり前だが、Exemでは初めて見る感情だった、普通に笑う。
それだけで今回の接触は価値があるようにつもいには思えた。
そして同時に何か根拠のない自信がわいてきた、理解し合えるかもしれない・・・と。
「君は・・・」
だが、全部言い切れずにこの言葉は断ち切られることとなる。眼前のExemが何かを指し示している、
するとその方向が騒がしい、そう、優しく普通の騒がしいではなく、なにやら物騒な騒がしいだ、
見てみると孤児院がある、彗星衝突、Exem発生から孤児の数は多くなり、
もうすでに二年経った今でもその悲惨な傷跡を子供たちに残している。
その孤児院でなにやら話していたのはTsukuyomi!つもいは腰を低くし身をかがめる、
「なぜ孤児院に用がある!?・・・・クッ!私が追われる身でなければっ!」
そう、つもいは追われている身、Tsukuyomiuの連中には今は出来るだけ関りあいになりたくはない。
しかも、相手は五人、本来なら向かい何をしているとつもいは問いただすだろう、だができない!
ここであっさりと捕まるわけにも、見つかるわけにも行かない、じっと見ているしかないのだ。
すると一人の子供がTsukuyomiに無理矢理連れて行かれそうになる、
そう、孤児院には戸籍を持っているものは少なく、死んでも安い命、いや、
本来は命に高い安いはないと言われている、確かにそうだ、だが現実はそうではない。
命に値が付くし体にも値が付く、特に、この汚れた時代には・・・それが最早常識だ。
ではTsukuyomiはその安い命を使って何をするのか、答えに行き着く時間は長くなかった、
そう、実験だ、非人道的、生物倫理や道徳を完全に無視したもの。助けに行かなければあの子供は地獄を見る。
だが、冷静に考えるとここで助けるわけにはいかない、むしろ、一刻も早く持って行ってもらいたい。
酷いかもしれない、だが、危険な道へと足を踏み入れる必要もない、所詮は赤の他人。
つもいもそう思った、いや、思いたかった、だが、できなかった・・・
「・・・馬鹿だった、見捨てるなど・・・それでは、奴等(Tsukuyomi)と何も変わらんではないか!!」
自らを奮い立たせるように槍を頭上で振り回し、Exemの方に向き直り一言、そう、
今はまだ仲間でもない、自分の身勝手な行動に巻き込むわけにもいかない、協力を訴える資格もない。
「行かねば・・・教えてくれたことを感謝するっ!」
そしてスラスターを噴射させて風を追い越し孤児院の前へと行くつもい。
突然の登場にTsukuyomiの派遣員も、孤児院の人も、条咲直属の監視員も。
そしてつもい本人も驚いている、そう、理論的でもなく、冷静に考えたら、
どう考えてもこの結果には結びつかない。いくらお人よしでも普通はこんな状況で出てこない。
追跡命令が出て数時間、現在進行中で追われているであろう状況では・・・・だからこそ、
つもい本人も驚いている。槍を握る手甲が滑る、甲冑の中は熱気がこもり、
体はまるで石にでもなったように緊張している、そして周りに居た全員もつもいを見て動きを止めた。
まるでそこまで時間が止まったように・・・・
「・・・・つ、百千万億だ!全員!戦闘準備!」 最初に動き出したのは・・・最初に動き出したのはTsukuyomu本部から派遣員だった! 派遣員の数はこれだけで五人、幸いなことに、条咲直属の監視員はまだ状況をつかめていない。 派遣員達がBEを纏っていく、一人、また一人と、だが、つもいはこの瞬間を見逃さなかった! 「チームの牽制も無しにBEが装着できるなど・・・笑止!」 スラスターを噴射させ一気に加速する、一人をそのまま槍で拾い、もう一人にぶつける。 「二人ぃっ!」 二人は体制を崩しコンクリートへ打ち付けられ打撲、装着どころじゃない、 そしてすぐさま槍の全体に装備されているスラスターを巧みに使いスピンする、まるで独楽のように。 そしてその場にあったドラム缶を槍で拾い投げる、回転のスピードによって凄い衝撃が加わり、 槍で叩き投げたドラム缶は一直線に三人目の胴体へと飛んでいく、この時最初の二人以外は変身が済んでいた、 だが時速100Kに近いスピードで飛んでくるドラム缶を受け止められるわけがない。 「三人っ!!」 そのままドラム缶を食らい気絶してしまう、眼にも付かせない動きでここまで次々とBEを倒しているつもい、 その動きはこの中にいるだれもが止められるようなものではなかった。 四人目をあっという間に槍でなぎ倒す、あと一人で派遣員は全滅する、条咲直属の監視員もあるが、 おそらくそこまで戦闘には特化していないBEのはず、実質勝利は目前だ。 だが、その時最後の派遣員の声が響く、四人目からすぐさま五人目へと振り向くつもい、すると、 そこには信じられない光景が広がっていた! 「武器を捨てろ、じゃないと、この子供の命はない」 そう、つもいの目に映るのは刃を子供の首へと押し当てた派遣員。信じられない光景、 いくらTsukuyomiが酷いと思ったとしても、まさかここまでとは予想が付かなかったつもい、 派遣員の目はしてやったという目。プライドもなく、ただ濁りだけを見せる眼、 まさかこんな形でTsukuyomi離反が正解と確信するとは、何という皮肉。その堕ちた姿に思わず叫ぶつもい。 「貴様ぁぁっ!それでも民を守る一人の人間か!恥じを知れっ!」 「聞こえなかったのか?武器を捨てた後にBEを解除しろ、でないと・・・」 刃を子供の首へと更に強く押し当てる派遣員、子供の顔は恐怖に引き攣っている。 「それだけは止めろぉ!・・・・わかった、従おう・・」 槍を地面へと落としBEを解除する、もちろん孤児院の人達もこんな状況の中動けるはずもない。 監視員に協力を訴えるなど馬鹿げている、完全な敗北の宣言、 派遣員は子供に押し当てる刃を決して緩めずに近づいてくる、何かしようとしたら即首を掻き切る気なのだろう。 「百千万億 二千六百年であってるな?さて、ではまずは四肢を封じないと。」 空いた手にBE装備の剣を持ち、つもいの腕を突き刺し、足にも突き刺していく、 無境に無慈悲に何度も手や足を突き刺していく、その度に血飛沫が舞い、 あまりの余りの苦痛につもいは顔を歪め叫び、その血で塗られた光景に子供たちは泣きだす。 「・・・わ、私を、どうするつもりだ」 「始末命令を受けてるんだ、これも仕事のうちだ、あと、子供はいい研究材料になるから安心するんだな・」 「フッ、やはりそうか、貴様のようなっ!貴様のような下種に・・・一体何人が蹂躙されたと」 「なんとでもいえ、どうせもう死ぬんだ」 そして、派遣員の一撃が無残にも、放たれようとしている。 (私は、ここで果てるのか、こんなところで・・・志半ばに、無念。) 自らに迫る死の鼓動、一秒が一時間にも思えるような果てしなく鼓動がつもいを包んでいた。
うう…ハッ!貴様よくもやってくれたな?クックック…ついでだ! (孤児院の職員と条咲の直属の部下を刺す) 凶悪な裏切り者が襲ってきたんだ…仕方のない事故だよなぁ? 喜べ…明日の朝刊のトップを飾れるぞ?孤児院襲撃!見直される孤児院の安全! クックック…我がTSUKUYOMIに孤児を保護する口実まで与えてくれるとはなぁ?ん? (下品に笑う)
>581 TSUKUYOMI戦闘員が大口を空けて笑った瞬間額に小さな穴が生まれた TSUKUYOMI戦闘員「うぐ、なにが・・・・・・(バタン)」 地面に脳漿と血が飛び散る S(スナイピング)・ウルフ「処理完了・・・これより帰還する」 翔華戦闘員「エウィーーー! 」 外道は外道により殺される定めにあるのだった
−聞きたいことが出来た− 夕日の迫る湾岸線を走る中、俺は疑念を消せずにいた。 ・・・バイクを反転させ、本部へ向かう。 まだ時間はある、だが俺にはわからない事がある。 まずはそれをはっきりさせなければ・・・ −TSUKUYOMI本社内 会議室 俺は急ぐ。今まで組織に対して疑問などなかった・・・だが、今は違う。 俺の知らないところで何かが動き出している。 その何かが、何なのか。俺は知らなければならない。 エレベーターに乗ろうとする条咲さんの後姿に、俺は声をかける。 何かが起こっている。俺の知らない何かが。 「条咲さん・・・聞きたいことがあります。 詳しい話は、リムジンの中で・・・」 今は、この人くらいしか真実を知りそうな人はいない。 それに、TSUKUYOMIで俺が信じられる人も。
暫く阿久津さんと手を繋いで歩きます。 といっても僕が時折孤児院の場所を聞いたりして阿久津さんが答えたりするだけで他の会話は一切なし。 学校とかも任務とかでほとんど行ってない上、 家族も兄さんとずっと一緒に暮らしてたという全く女の子に縁のない生活を送っていた僕にとって女の子と二人きりってのは… 結構きつかったかもしれません。でもさっきよりは居心地はよくなったかな? …そんな事考えながら黙々とひたすら前へ前へと歩いていき早二十分ちょっと。 僕と阿久津さんの前に一つ真っ白で質素な二階建ての施設が見えてきました。 「…彼処が孤児院?」 阿久津さんの方を見て聞きます。すると阿久津さんは一回頷きました。 そして… 「………あれ?」 僕は瞳の家の前の異変に気付き僕は立ち止まりました。門の前に誰か倒れている。 明らかに様子がおかしいです、まだ孤児院とは少し距離があるため、人間が若干小さく見えますが誰かが倒れてい…る? 途端に阿久津さんが孤児院の方へ走り出しましす。 「…!?阿久津さん!」 僕は叫ぶと孤児院の前へ走り出した阿久津さんを追いました。 孤児院の前に近づきます、そして段々近づくうちに僕の目が正しかった事を物語っていきました。 そこに倒れていたのはTSUKUYOMI直属の派遣員…中には条咲さん直属と思われる人もいます。 「……これは一体……。」 僕は唖然として一瞬立ちすくむと、倒れていた派遣員の一人に近づきました。 …EXeM感染生物?…いや…これは…どうやら違う…。 僕は近くに転がってるドラム缶を見ました。…どうやらこの派遣員を倒した武器はこれのようです。 …凹んだドラム缶をよくよく見てみると、どうやら槍が突き刺さったような後があります。 その後をなぞってみると黒い鉄粉が付きました。そう、これはBEの…黒刃が刺さった後。 ……やっぱしこれはBE装着者による物だ。 僕は立ち上がりました。 すると途端に子供の声が響きます。 『阿久津お姉ちゃん!』 見てみると五、六歳の男の子や13歳ぐらいの女の子阿久津さんの周りに集まっています。 …どうやら子供に被害は無い……って事は孤児院の子供達を狙った訳じゃない…ますます分からない…一体全体……。 すると僕は途端に気配を感じ振り返ります。
586 :
警官 :2006/08/29(火) 22:21:45
崎島の後ろに立っていたのは警官だった 「ペドはちょっと署まで来なさい」
真っ暗な部屋の一室 そこの地べた条咲は座っていた。 xxxBlackbutterFly*Flyinxxx 電子音が鳴り響く。 そしてそこにはBEを装着した条咲が居た。 触覚が映えた口元だけ露出しているヘルメット、 胸から太股までの装甲、 ストッキング、 装甲ブート。 全て真っ黒な武装に包まれた条咲の前には、 テレビが一台。 そこから条咲直属の部下の声。 「百千万億二千六百年が 孤児院『瞳の家』の前で見つかりました!」 「・・・そう。」 静かに条咲はそう言うと、 背中から何やら濃いピンクの蝶が二三匹でてくる。 そして蝶は開いた窓ガラスから孤児院へ向かう。 暫く蝶は猛スピードで羽ばたき、 そして孤児院の前の百千万億を見つけ、 百千万億見つかれないように鱗粉をつけた。 その名は追尾粉。 条咲が崎島を体育館へ案内した時に使った物だ。 この鱗粉を纏えばもう逃げられない。 どんなに逃げても条咲には場所を知る事が出来る。 「・・・・。」 静かに笑う条咲。 孤児院へ行った蝶が戻ってくる。 そして条咲の装甲に染み込むと。 条咲は変身を解除した。 xxxOutxxx 機械音が鳴り響く。 そしてそこには今度はいつもの条咲の姿。 「・・・運命ってやつかしら。」 冷笑する条咲。 そして条咲は部屋から出ると エレベーターに乗り込んだ。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; エレベーターは下へ行く。 暫くして扉が開く。 そしてそこに居たのは白川。 条咲は緩やかな表情を浮かべた。 「あら・・・ひさしぶりね。白川くん。 ・・・何か用かしら。」 >「条咲さん・・・聞きたいことがあります。 >詳しい話は、リムジンの中で・・・」 「・・・・・・わかったわ。」 そう言うと条咲は白川について行った。 会社から出て 少し離れたところのリムジンの助手席に乗り込む。 車内は白川と条咲、二人だけだ。 早速白川が何か話そうと口を開く。 しかし条咲は声を出す前に 白川の口元を指で触れた。 「・・・話は車を出してからにして頂戴。」 そう言うと冷笑する条咲。 そう言われ白川はしぶしぶと車のアクセルを踏む。
訂正:装甲ブート。→装甲ブーツ
旧東京メトロ丸の内線軌道内を走り抜け、新宿駅へ出る。 世界第一位の利用者数を誇っていたこの駅も、いまやEXeMの寝床だ。 そこからサブナードを経由して西武新宿駅付近へ。 「こっからはどうしたって上行かなきゃなんねぇか」 先ほどの花道の襲撃を受けて、少しでも見つかりづらい地下を経由して移動してきたが ここから中央病院跡までは地下鉄などは通っていない。 下水道は方向感覚を失いやすく、多少の危険はあるが地上を行くほうが早いだろう。 地下から出て北へ向かう。 左手の空は茜色、そこから墨田の頭上を通って東の空へ、だんだんと紫がかった闇が広がっていた。 瞬く星がよく見える。2年前には考えられなかった光景だ。 星の輝きは見る間に数を増し、逢魔ヶ時も終わりに近付いている。 残光が西の空の端をかすかに赤く染め、やがてそれも消えた。 >578 そのとき、墨田の脳裏をきぃんと言う甲高い音が走りぬけた。 思わず足を止め、真正面を見据える。 「……今度は呼び出しか?どんだけ女王様気取りだよ」 ぎりりと歯を噛み締めて、墨田は再び進みだした。 布津野の思念に引かれて、ではない。自らの意思でだ。 中央病院周辺は大変な喧騒に包まれていた。 エグゼム達が戦闘を繰りひろげているためだ。相手もまたエグゼムである。 が、墨田はそれらには取り合わずに破れた窓から病院内へ侵入した。 布津野の存在を知らなければ外のエグゼムたちと同様に互いに殺し合っていただろうが、 何もかも布津野の掌の上にあると知っている墨田の怒りは布津野の思念よりも強かった。 ここで足を止めてふと考える。 「…………まぁ大体そういうのは地下だよな」 このまま地下に向かえば布津野と会う可能性は非常に高い。 今遭遇すれば二度目にして最後の敗北となる可能性も非常に高い。 だが、虎穴にいらずんばの言葉どおり、何かを得ようと思うならリスクはつきものだ。 「何もなしでただリスクがあるだけ、って言うのが一番ありそうだけどな…」 墨田は呟きながら地下へ向かっていった。
>588 >「わかったわ・・・。」 俺はリムジンの運転席に乗ると、さっそく話を切り出そうとする。 「条咲さん・・・それで、むっ!?」 >「・・・話は車を出してからにしれ頂戴。」 条咲さんは俺の口を閉じるように、指を唇に指差す。 言われてみれば、確かにそうだ。こんな話を他の誰にも聞かれたくはない。 俺はアクセルを踏みながら、聞く。 「百十億、あいつが裏切ったことは上から聞きました。 ・・・でも、俺には信じられない。あれだけ、TSUKUYOMIに尽くしていた 男が。自分の正義に忠実だった男だ、何かがある。」 思い返せば、最近のTSUKUYOMIは何かが違ってきている。 感染者への対応、そして徹底した秘密主義の上に、大量の失踪者の謎。 TSUKUYOMIを離脱した人間の消息が次々と分からなくなっている現状。 「条咲さん、貴方なら何かを知っているはずだ。TSUKUYOMIに、今何が起こっているのかを。」 TSUKUYOMIが何なのかは俺にはまだ分からない。 だが、俺はEXeMを倒す為に組織に入ったんだ。 EXeMに対しては非情になれる・・だが、仲間さえ手に掛けなければならないのか。
俺は思い出したように、首に掛けたペンダントを取り出す。 (茶色いペンダントの中には1枚の写真。幼い少女が写っている 額にアザのある屈託のない笑顔の可愛い少女、そしてそれを取り囲む少年と両親の姿) この写真を開く度、俺は10年前の辛い記憶を思い出す。 今、この娘が大きくなっていたら、19歳くらいだろうか。 今でも聞こえる、あの声が。 − 助けて たすけて タスケテ − 生きていたら、だが。俺は、彼女を救えなかった。 15歳だった俺は、あまりにも無力だったから。 条咲さんに、その少女の写真を見せる。俺の思いを分かってほしいからだ。 「俺はかつて、救えるはずの命を救えなかった・・・それは俺に力がなかったからだ。 だが、今の俺には力がある。今、救える命を俺は救いたい。 その為に、TSUKUYOMIに入ってベルトの力を手に入れた。 だから、知りたいんです。組織が何をしようとしているのか。本当のことを。」
その頃某猫は30分で食べきれればただの激辛ラーメンを完食していた
>「百十億、あいつが裏切ったことは上から聞きました。 >・・・でも、俺には信じられない。あれだけ、TSUKUYOMIに尽くしていた >男が。自分の正義に忠実だった男だ、何かがある。」 「・・・・。」 >「条咲さん、貴方なら何かを知っているはずだ。 >TSUKUYOMIに、今何が起こっているのかを。」 「・・・何が起こってるか・・・ね・・・。」 そう言う条咲。 表情はいたって涼しげ。 そんな条咲を一目見て、 白川はペンダントを取り出す。 そこには幼い少女の写真が填めてあった。 それを見つめる条咲。 その目は無機質にも見えたし何処か切なそうにも見えた。 >「俺はかつて、救えるはずの命を救えなかった・・・それは俺に力がなかったからだ。 >だが、今の俺には力がある。今、救える命を俺は救いたい。 >その為に、TSUKUYOMIに入ってベルトの力を手に入れた。 >だから、知りたいんです。組織が何をしようとしているのか。本当のことを。」 「・・・・。」 しばし黙り込む。 窓の外は夕焼けで赤く染まってる。 暫くその様子を見たあとふっと笑い白川に言った。
「貴方は崎島くんや阿久津さんに随分似てるのね・・・ ・・・誰かを救いたい・・・ ・・・そんな願いを馳せてBEを装着する・・・。 ・・でもね、その考えがまず間違えなのよ。 ・・・・BEは所詮黒い刃・・ ・・それが白になる事はまずない。」 静かにそう言うとまた黙り込む。 窓をじっと見つめる条咲。 頭に浮かんだのは幼い頃の自分だ。 父親に貰ったフランス人形を毎回毎回ばらしていた。 その度に父親は条咲の頭を撫で言ったのだ。 これでいい・・・と。 そして白川の方を見ると少し微笑み言った。 「辞表を出しなさい・・・白川くん。」 その発言に目を見開く白川。 条咲は笑顔のまま固まると 言葉を続けた。 「・・・私は貴方を今までずっと見てきたわ。 だから・・・薄々察してた。 貴方はTSUKUYOMIに向いてない。 ・・・・貴方が今後この会社に居ても貴方の望むような結果は無いわ。 私は何も答えやしないし事は貴方の理想と反対方向へ歯車を回す。 ・・・ううん、本音言わせて貰うと・・見たくないのよ。私が。 ・・・・貴方が堕ちてしまうところを。 だって私は貴方の事が好きだから・・・。」 そう言うと条咲は優しげに白川を見つめた。 そして次の瞬間、白川の顔を撫でると 条咲の唇が白川の唇に近づいた。
>595 条咲さんの言葉を聞き、俺は確信した。 やはり、TSUKUYOMIという組織は思った以上に根が深い。 >「辞表を出しなさい・・・白川くん。」 思いがけない言葉に俺の目は見開く。 だが、その言葉を反芻しその意味に気が付く。 >「貴方はTSUKUYOMIに向いてない。 ・・・・貴方が今後この会社に居ても貴方の望むような結果は無いわ。 私は何も答えやしないし事は貴方の理想と反対方向へ歯車を回す。 ・・・ううん、本音言わせて貰うと・・見たくないのよ。私が。 ・・・・貴方が堕ちてしまうところを。 だって私は貴方の事が好きだから・・・。」 振りかかる唇を避けるように俺は前を向く。 条咲さんの妖気のような力に圧されそうになるのが怖かったからだ。 この俺を恐れさせるとは、流石は条咲さんだ。 キスしとけばよかったとか、そういうのはない。俺はそんなにいやらしい人間ではないのだ。 「仲間の仇を討つまでは辞められない、それが俺の今ある唯一の信念です。 ・・・それが終った時、俺は答えを出します。」 仮面を被ったまま、俺は条咲さんへ向け語り掛ける。 ―本当は知っている。 何もかも・・・BEが何故作られたのか、そして俺がTSUKUYOMIに入った本当の目的とは何か。 だが、確かめたかった。条咲さんだけは、まだ人間の心をもっていると。 湾岸線を抜け、車は何処かへと向かう
>>585 手と手を繋ぎ、2人は歩く。その間に阿美はどこか懐かしい気持ちを感じていた。
自分の手を引く手の温もり、ずっと昔にもこんな風に手を繋ぎ歩いた誰か…
(あれは…誰だったっけ……!?どうして思い出せないの!?)
阿美の表情が固まる。
当たり前のように思い出せた筈の幼い頃の記憶…それが音を立てて崩れていく!
あの男と…そう、赤木と会った時からだ。まるで自分が作り物のような感覚を覚えたのは…
(…私は…誰?本当は誰なの!?)
ドクンッ!!
再び布津野の刻印が少し広がる。既に首筋にまで達した呪いの証に、阿美の中の何かが蠢く。
呼び合っているのだ。
同じであり、同じではない存在より生まれ落ちた忌避すべきモノ同士、惹かれ合う運命なのだ。
堪らず阿美は立ち止まった、丁度同じタイミングで崎島も立ち止まる。
>「…彼処が孤児院?」
尋ねる崎島に異変を悟られぬよう、阿美は耐えたが1度頷くので精一杯だった。
(何か…いる!?)
先程までとは違う何かを感じて、阿美は走りだした。
子供達の身に危険が迫っているならば、戦うしかない。しかし今戦えば……抑え切れない!
∵ ∴ ∵ ∵ ∴ ∵
>「…!?阿久津さん!」
後方から崎島の制止が聞こえたが、阿美はそれを振り切って走る。
大切な者を傷付ける存在は……
(殺してやる!殺して殺して殺して殺して殺して…存在を消し去ってやる!!)
阿美の唇が吊り上がり、残虐な笑みを浮かべた。見付けたからだ、敵を…いや、獲物を!
(ズタズタに引き裂いて!メチャメチャに砕いて!バラバラに刻んで!!!)
阿美は全く気付かない。布津野の刻印が、上半身の半分以上にまで侵食している事に!
>「阿美お姉ちゃん!」
声が聞こえた、小さな子供達の声。
その声が、阿美を暗い深淵の底から引き戻す。
∵ ∴ ∵
「………!?」
気が付くと周りに子供達がいた。そして、布津野の刻印もいつの間にか消えている。
(…え?私は一体何をしようと…してた?)
「お帰りなさい!変な人が来ててびっくりしたんだよ!それでねそれでね!」
「ずるい!僕が話すんだぞー!」
「へへーん!早い者勝ちだもんねー♪それでね、おっきい黒い人がやっつけたんだよ!」
白刃が、百千万億にとどめを与える事は無かった。 唐突に現れた怪物の姿は、彼らの注目を引くのに十分であった。 (やれやれ、勢い込んで来たはいいが) 百千万億の死は免れたものの、刃を突きつけられた 人質を傷つけずに助け出す事は、至難の業だろう。 ふと、人質の子と視線が合う。怯えた瞳には、僅かな敵意が見て取れる。 (……迷う事はないか) 男は、考える事をやめた。EXeMは心の無い怪物だ。今はそれでいい。 (許せよ) 心の中で悪戯っぽく笑うと、わざと百千万億を踏み越え、 様子を伺っていた派遣員との距離を詰め始める。 後退しながらも、油断無くこちらを見据えている。 奴も自分をただ行きずりの怪物と見ているのなら、 無意味に人質を殺すような真似はしない。それが活路となる。 (どうした、まだ動かないか) 内心、狙いを悟られる事を恐れながらも、足を止める事はできない。 腕を伸ばせば届くほどの範囲に踏み込んだ瞬間、派遣員は一気に動いた。 こちらの注意を引くように、人質を投げ出してきたのである。 狡猾なればこそ、怪物の前に子供を差し出して自衛を計るのは自然な行動だ。 (やった!) 同時に、痛みが走った。反射的に視線を下ろす。 刀が脇腹を裂き、血が溢れていた。人質を囮にした、不意の一撃だった。 (ギリギリまで近付かせたのは、これを狙ってか) 逃げて行く派遣員を横目に、自分の詰めの甘さを呪った。 だが、これでいい。 (後は、あんたの役目だろう) 捕らわれていた子は、百千万億のもとへ駆けて行く。 ……自分が百千万億に近付けば、皆は彼も怪物の仲間と見るだろう。 孤児には、EXeMによって親を失った子もいる。それは変えようもない。 子供達の畏怖と敵意の眼を背に、男は孤児院から離れていった。 気のせいか今は、それがさほど辛くないように思えた。 (今夜はどこで休もうか……) 血は、しばらく止まる気配を見せなかった。
599 :
EXeM :2006/08/31(木) 01:46:22
サギョッシュ!!
はぐはぐっしゅ!