騎士よ、今こそ立ち上がれ!!〜行くぜ大決戦!編〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
296名無しになりきれ:2006/09/15(金) 01:24:38
薔薇の味見をする誓音の前に、宇宙の帝王フリーザが突然現れた。
「デスビーム!」
フリーザの指先から必殺の威力を持った光線が、誓音に放たれる。
どうやら王はローズの誘いにはまだ乗っらないらしい。

ローズは冷笑した。

「流石王様ね…。」

>293-294
そう呟くとローズは動き出した。適当にきょろきょろと周りを見るローズ。
そして二人の騎士に再度目をつける。監視台付近で物色してる二人組。
ローズは動きを止めてその様子を見る、実は先ほどからどうも気になっていたのだ。
オレンジ色の髪を持つ女と青色の髪を持つその女。何故かは知らないが同じ香りがする。

ローズは暫くその女達をじっと見つめる。

見つめて…見つめて…そして脇に刺していた剣を抜いた。
「…決めた…。」
そう呟き、そして思いっ切り馬の脇腹を蹴ると、その女達に猛スピードで近づく。
「覚悟っ……!」
そう剣を上に上げるローズ。
そして藍色の髪の毛の女に斬りつけに掛かっていく!!

「でゃァァア!」

黒いマントを棚引かせ…その黒いマントの下にはチェンバル国王が率いる軍がつける鎧の輝き。
298誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/09/15(金) 23:11:12
>294>297
誓音が薔薇に気付いた頃、イルも何やら気付いたらしい。
>「誓音さん!大変です!ちょっとこちらに来てください!」
「何かありましたか?」
そう言いイルに近づく誓音。
そしてイルが指さした物を見る。
「…これは…!」
そこにあったのは無惨になった二人の兵の姿。
真剣と吹き矢の毒針、
そしてオーガスの紋章が入ったピアス。
誓音は驚きつつそのピアスを拾った。
「……なんでオーガスの紋章を持つ者が…こんな物騒な物を…。」
そう呟く誓音。
落ちていた毒針も拾った。
この毒は恐らく致死性が高い。
即ち暗殺者対抗というわけじゃないようだ。
要するにこいつ等は十中八九暗殺者。
しかしそれならあの薔薇の花は一体なんなのだろうか。
誓音はさっぱりわかんなかった。
しかもその上死体は見事にグチャグチャ。
その為この二人を調べるのにも時間が掛かりそうだ。
しかし、
イルを見ると、誓音は言った。
「取りあえず…駄目もとで侍従長さんにこの人達の事を聞きませんか?
どうもこの人達はただの監視員って訳じゃなさそうですし。」
そう言うと立ち上がり少し歩き出す。
すると途端に背後から殺気を感じた。

―ゾクッ!

振り返る誓音。
イルのすぐ後ろになんと真剣を上に上げてる一人の女の姿。
誓音は木刀を抜きながら叫んだ。
「危ない!!」
299イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/09/16(土) 00:15:00
>297>298
誓音がやってきて、イルは二人の死体を指し示す。
誓音も驚愕の表情で死体の持ち物を確認。

>「……なんでオーガスの紋章を持つ者が…こんな物騒な物を…。」
「私には分かりません。
 ただ、オーガスの国の騎士が、このような暗殺用の武装をするとは思えません。
 何か、裏があるのではないでしょうか?」
見たところ、オーガス国の騎士に扮して、オーガスやその他の重要人物を暗殺するつもりだったのだろう。
だが、何で二人は監視台倒壊の犠牲者になったのだろうか?
普通に考えれば、すぐに崩れる様な不安定な足場で吹き矢を使った暗殺を実行する訳がない。
他の勢力が暗殺に気付いて監視台を崩したのだろうか?
しかし、あの場には監視台の上にいるこの二人しか居なかった。
謎は深まるばかり。

>「取りあえず…駄目もとで侍従長さんにこの人達の事を聞きませんか?
>どうもこの人達はただの監視員って訳じゃなさそうですし。」
侍従長が暗殺の手引きするとは思えない。
だが、侍従長なら演習場にいる兵士達の配置位置は心得ていることだろう。

「そうですね…侍従長なら全兵士達の配置や装備等を知ってらっしゃると思いますし、確認の為に聞いておくのも良いと思いますよ」

先程のテントを目指して歩き始めた時、後方から馬の蹄が地を踏み鳴らす音が聞こえる。
その音と共に伝わってくる濃密な殺気。

>「危ない!!」
>「覚悟っ……!」
イルはその場から動けず、成す術もなく斬られた。
だが、斬った方はまるで手応えを感じなかっただろう。
イルはよくある手を使ったのだ。

「残像拳……便利な技です。習っておいて良かったです」
残像から数メートル離れた場所にイルは居た。

「いきなり真剣で斬り付けてきて、あなたは何を考えているのですか?
 それに、あなたの着ている鎧に付いている紋章…
 チェンバル国の者が何故、私達を狙ったのです?」
相手が真剣でくるのならば、こちらも容赦する必要はない。
イルは掌に魔力を溜め、いつでも魔法が放てる準備をしておく。

300 ◆HpH6dBLcFw :2006/09/16(土) 03:33:46
>290
さして息も乱さず走り続けるカーディナルの前方から、チェンバル軍の部隊が近付いていた。
このまま逃げるか、森に誘い込んで始末するか…。
カーディナル達が判断を下す前のほんの一瞬の間にレミュリアがその眼前へ降って来た。
思わず足を止めたカーディナルとその間にいるレミュリアに対し、チェンバル軍が槍を揃えて突撃した。

>292
一方白花騎士団へ向かった騎兵隊は、馬に気合を入れながら、
出せる限りの速度で突撃を敢行した。が、それが間違いだった。
正対して突撃してくる相手と、まさに槍先が触れるかと言う寸前で方向を転じられてしまう。
先頭にいた騎兵はあわててそれについていこうとするが、後続が次々に寄せてくるので前に出ざるを得ず、
その勢いで白花騎士団と交錯した騎兵隊は陣形の左側をごっそり持っていかれた。

「転進!横列陣形に切り替えろ!」
指揮官の命に従って、全隊が横に広がった陣形をとった。
これで数に劣る相手を包囲して攻撃しようと言うわけだ。
…だが遅かった。
陣を整えなおす前にすばやく転進してきた白花騎士団が、薄くなった隊列の中央を押し通る。
一気に数を減らされ自棄を起こした騎兵が、指示を待たずに乱戦を始めた。

>295
「ほぅ、『豪腕』マックスウェルか。一人で何をしているかは知らんが…」
樹上から見下ろしながらラジャリが呟く。
抗魔戦争の後、その武功から諸国に名が知られるようになった戦士。
そのオーガス暗殺に対する大きな障害が、一人森のそばをうろついている。
これを都合が良いといわずして何と言おうか。

だがラジャリは飛び出していこうとする部下を制してこう言った。
「お前らでは無理だ。…オレが行く」
そのまま無造作に木を飛び降りる。着地の時にも小枝一本折る音さえさせず、
走り出してもかすかな草ずれだけを背後に残し、マックスの背後から近付く。
そして走り寄ったままの勢いで首筋めがけて短刀を水平に振った。
301サスケ ◆E5xojIqhUo :2006/09/16(土) 15:40:09
障害者達に言いたい、君達は生きてるだけで家族や介護してくれてる人達に金銭的に精神的に肉体的にも迷惑をかけている!だから障害を持つ者達は今すぐ死んでしまう方が皆にとっていいと思う!障害を持って生まれて来たのは仕方ない。だけど周りに迷惑をかけてはいけない。
302名無しになりきれ:2006/09/17(日) 03:34:42
・スターホーン
冒険者の集う宿、五竜亭の名物騎士フンバルト=ヘーデルホッヘの魂の愛剣で、
様々な怪物や障害をばっさばっさと斬り伏せてきた名剣(フンバルト談)
これを手にしている時のフンバルトはプライドが高く勇猛な(猪突猛進な)騎士なのだが、
取り上げられ(ry

五竜亭なんて気付かなかったorz
・・・許さん!絶対に許さんぞローズめ!
>299
ローズが振った剣は見事に命中したように見えただろう。
しかし…ローズは振ってすぐ気付いた。思わず一瞬ニンマリと笑うローズ。拳法も少々嗜んでるローズはこの技を知ってる。
…まさかこんな高等な拳を扱う者が居たとは…。

>「残像拳……便利な技です。習っておいて良かったです」

女は数m後ろに存在していた。くるりと表情が変わり驚嘆の顔をするローズ。
「ざ…残像拳?何よ…それ…!聞いてないわよ!そんなのが使える人がいるなんて…!」
そう言うとローズは二三歩下がる。イルがその様子を見た後、魔力を手に練り訪ねる。
>「いきなり真剣で斬り付けてきて、あなたは何を考えているのですか?
> それに、あなたの着ている鎧に付いている紋章…
> チェンバル国の者が何故、私達を狙ったのです?」
「…そんなの…今から死ぬ貴方達には関係ないわ…。私の役目はチェンバル国王の名において…
この塔を調べに来たオーガス側の者を殺すと言うことだけよ…。」
そう言うと剣を構える。チラリと横にオレンジ色の髪の毛を持つ和装騎士を見ると真剣を地に刺した。

「グランマ式剣術 一の地剣…土氷柱の剣!!!」

そう言うと突如周囲の土に振動が走り、ローズ周辺の地面が針状になる!
304マックス ◆BsGlQvuzhQ :2006/09/18(月) 20:30:53
>300
マックスは木々の上に居る者達の気配を感じとったが、そのままスピードを落とす事無く駆け抜けた。
「(狩人舐めとんのか……殺気も隠しきれてないし、未熟未熟。それに――)」
自分の走っている速度は常人に追いつける様な速度ではない。そう思っていた。
追って来る気配は無い。音もしない。もう問題は無いな……そう思ったその時、背後に風の揺らぎを感じた。
「!?」
瞬時の判断であった。彼は体を低くして後ろから迫ってきた者の刃をかわし、そのまま横に転がり瞬時に体勢を立て直す。
「……!」
マックスの額に汗が浮かんでいる。この一瞬の出来事が、彼の暢気な心臓と神経を一気に刺激したのだ。
「……ふう、ちょっと油断したかな」
額に浮き上がる汗を腕で拭いながら余裕ありげに呟く。内心、死ぬかと思ったのは表に出さない。
気配どころか殺気も感じず、音も感じず、更にこの速度に追いての的確な急所への攻撃。こいつは強い。
「ああ、アンタ達がカーディナルってのか。傭兵の中にも暗殺者集団に詳しいのが居るからよ、話には聞いてるぜ」
あくまで心の中は見せぬように、そして警戒しつつ言葉を続ける。
挑発に乗る相手とは思えないが、とにかくやってみようという考えだ。
「ラバートだかの飼い犬……どんなにすげぇ集団かと思えば……大したことはねぇ……なぁっ!?」
マックスは顔に半ば嘲る様なに笑みを浮かべながら言い放ち、長槍を刺客の足を狙って投げつける。
相手が交わした所を一気に接近して叩く。かわして接近してくればそこを迎撃する。彼はそう考えながら空いた両拳に力を入れた。
305セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/09/19(火) 03:52:06
>300
「遅い!」
陣形を組みなおそうとする騎兵隊に対して、セシリアが真っ先に槍をつけた。
それに続いて次々と騎士が突撃し、陣形のほころびを広げてゆく。
そのまま相手を左右真っ二つに断ち割り、駆け去ろうとする白花騎士団だったが、
騎兵隊がすぐさま追撃に移った。いまだ数に勝る相手に食いつかれ、たちまち乱戦が始まってしまう。

この距離では槍は使いづらい。セシリアは槍を捨て剣を抜いた。
同じように剣を抜いた騎兵隊の一人が打ち掛かってくる。それをいなし、頭部をなぎ払う。
胴でも戦死扱いになるのだが、冷静さを欠いた相手はそれを忘れているかもしれないからだ。
頭を殴られた兵士は馬の上でふらふらと揺れている。
「貴様は『討ち死に』だ、下がれ!それとも踏み潰されて死にたいか!」
セシリアはその兵士の肩を掴んで揺さぶりながら声をかけ、片手間に背後からの打ち込みをかわしつつ一旦輪の外に出た。
同じように輪の外に出ていた仲間の助太刀に入り、騎兵を叩き伏せる。
仲間は数少ない先代からの騎士団員で、今は副長を任せている老騎士だった。

「ご無事で?」
声をかける。立場はセシリアのほうが上だが、偉大なる先達である、思わず敬語が出てしまう。
「ご覧の通り」
老騎士も短く返す。少し息が上がっているが、怪我はないし『討ち死に』もしていない。
手にした木剣をセシリアに差し出しながら、老騎士が言う。
「お気づきになりましたかな、セシリア様?」
木剣にはひびが走っていた。
「ええ、鉄か鉛か…どちらにせよ思いのほか真っ当な手ですね。魔力強化くらいはするかと思いましたが」
チェンバル王に限らず、こういった不正を働こうとする軍は出てくるだろうとセシリアは予想していた。
しかし、相手の兵力が多い、相手の方が質の良い武器を持っている、相手の方が地理、気候に詳しい…
これはどのような戦にも起こりえることだ。
「この程度でなくてはひよっ子どもがついて来れますまい」
老騎士が小さく笑いながら言った。
「ついて来てもらわねば困るのですが…はいッ!」
セシリアはそれに言葉を返し、拍車を入れる。
ヴォーロスは一ついななくと四肢で地を蹴り立て、乱戦の中へセシリアを運んだ。
老騎士もまた、後に続いて切り込んでゆく。
306誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/09/20(水) 15:31:27
女騎士の剣がイルに向かって振られる。
そしてその刃は見事に当たった。
「イルさん!」
叫ぶ誓音。
しかし、切られたイルの身体は消滅する。
そして切られた場所から少し離れた所にイルがいた。
驚嘆する誓音。
>「残像拳……便利な技です。習っておいて良かったです」
そう言うイル。
流石あのファルコンの妻というだけある。
女騎士は動揺の声を上げる。
>「ざ…残像拳?何よ…それ…!聞いてないわよ!そんなのが使える人がいるなんて…!」
そういう女。
その女の顔を見て誓音は一瞬違和感を感じる。
この女の顔はどこかで見たことがあるような…。
イルが女騎士に問う
>「いきなり真剣で斬り付けてきて、あなたは何を考えているのですか?
> それに、あなたの着ている鎧に付いている紋章…
> チェンバル国の者が何故、私達を狙ったのです?」
我に返る誓音。
女騎士は答える。
>「…そんなの…今から死ぬ貴方達には関係ないわ…。私の役目はチェンバル国王の名において…
>この塔を調べに来たオーガス側の者を殺すと言うことだけよ…。」
チェンバル国王の名において…
女はそう言った。
そしてこの男達が持ってた毒矢。
どうやらチェンバル国王と今回の暗殺に関わりを持っているらしい。
しかしチェンバル国王は小心者と陰で噂。
そんな国王が世界一とまで言われる剣豪、
オーガスに勝負など無謀な事を挑む暗殺サイド接触などするのだろうか?
正直言ってあの国王がそこまで考え無しとは思えない。
しかし、元々オーガスを妬んでいたという噂もある、
チェンバル国王が暗殺側に手を貸す可能性も0とは言えない。

誓音は一瞬考えをめぐらした。
するとローズがチラリとこちらの方を見てくる。
そして次の瞬間地面に真剣を刺したかと思うと技を発動する。

>「グランマ式剣術 一の地剣…土氷柱の剣!!!」

すると途端に地面が揺れ始める。
何か来る。
誓音は飛び上がった。
そして考えたとおり地面からローズの攻撃がやってくる。
針と化す地面。
なかなか精密で素晴らしくできが良い術だ。
剣術においては誓音を遙かにしのぐか?
誓音は怪物の手を地面に向けた。
「…でも…その土の剣が大砲に耐えられるとは思えないですね。」
そう言うと途端に掌に白い光が集まると刃状となり放たれた。

―第一の聖弾

     白三日月!

放たれる白い刃はブーメランのように一瞬軌道から外れると、
土の刃を次々と大破する。
何もなくなった地面に着地する誓音。
すると誓音は即座にもう一発白三日月を放った。
手を抜かないとと分かりつつ思わず少々気合いが入った刃が。
307イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/09/20(水) 19:00:48
>303>306

>「…そんなの…今から死ぬ貴方達には関係ないわ…。私の役目はチェンバル国王の名において…
>この塔を調べに来たオーガス側の者を殺すと言うことだけよ…。」
塔に居た二人の騎士達のことを知っていたのか、チェンバル国王はこの塔について調べに来たという者を殺せと命じたらしい。
だが、この塔の騎士達がオーガス国の紋章を付けていたように、この女性もチェンバル国の鎧を着ているだけかも知れない。
彼女が崩壊したオーガス側の監視台を調べに来た者達を、チェンバル国の名義を使って殺すことにより、
オーガス国とチェンバル国の不和を引き起こそうとしているのであろうか?
地上の国のことは詳しく知らないが、絶対者との決戦の為に国力を高めているオーガス国に、
チェンバル国をぶつけることで国力を減らそうという可能性もある。
鍵を握っているのはこの女性。
何にせよ、彼女を無力化して捕縛することが大切なのかも知れない。

>「グランマ式剣術 一の地剣…土氷柱の剣!!!」
剣を構えた彼女は地面に剣を突き刺す。
地面が僅かに揺れ、女性を中心に地面が針状と変化。
誓音は地面が針と化する前に飛び上がって回避。
針の効果範囲は2〜3m。
イルの方にまでは地面の針が襲い掛ってくるということは無かった。

飛び上がった誓音は、地面に異形の手を向けて、白い三日月の刃を放つ。
三日月の刃は地面から噴き出た土の針を、ブーメランの様な軌道を描いて次々と破壊。
全てを破壊し終えると同時に、誓音は着地。
それと同時に先程の三日月を、今度は女性に放つ。
その攻撃から一拍を置いて、イルは女性の後方へと回り込んで、女性の足下に水面蹴りを仕掛けた。

>306-307
土の刃はあっさりと砕かれた。

目を見開くローズ。すかさず和装の女は土の刃を砕いた白い三日月の刃をローズに向けて発射!
ローズは避けようとするがその刃の早さに追いつかずに当たってしまう。
「ぐはっ…!」
血を吐くローズ、そして今度はイルの水面蹴りがヒット!

するとローズの足がボキン!と折れた。

イルと誓音の余りにも強力な力に持ち通り折れたのか?
それは違う。
倒れるローズ、その顔はみるみるうちにローズの顔からローズが率いてた暗殺者の一人である爪使いの顔へと変化していった。
そしてその折れた足の断面から出てきたのは灰色混ざった黄緑糸をした薔薇の茨!
茨はみるみるウチにあふれ出ると、近くにいた軍の者の一人の耳の中に入る。

そしてその者は内側から人食い薔薇の餌食と化した。

人食い薔薇に食べられたその軍の者は穴だらけになると根を張られる。
先ほどより少し大きくなった人食い薔薇。どうやらこの薔薇は人を食っていく事により、
巨大化し、パワーアップするらしい。
人食い薔薇はクネクネと成人男性ぐらいの大きさとなった茨の茎をうねらせる。
その姿を見た周りの兵達は騒ぎ出す。

クネクネとうねらせていた茎の動きをピタッ!と止まらせる人食い薔薇。

すると次の獲物を捕らえようと、再度、軍の兵の一人に向かっていく…!!
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
オーガスの軍隊もどうやらその様子に気付いたらしかった。

オーガス率いる軍隊は慌てて動き出す。
その中に一人毛の色が違う女が居た。
それは本物のローズ。

ローズは静かにオーガスに近づく。
元々全ての混乱、仕込みは場を混乱させることと、
待機しているオーガスの軍を予定より早く、急に動かし慌てさせ自ら軍に侵入するのが目的であった。

オーガス皇帝騎士の鎧の輝きが見えるまで近い位置に移動する。
ニンマリと笑うローズ、そして…静かに真剣を抜くと、オーガスに斬りかかる!!

ザン!!

「…!?!?!?」
しかしローズが斬りつけたのはオーガスではなかった。
受け止められる刃、そして周りの兵達がローズに向かって木製の槍を向ける。
そしてローズは自分が振った刃を受け止めた者の正体に気付くのだ。
それはオーガスが身につけてる鎧に似たものを身を纏ったオーガス皇国の侍従長、ランべ…!!
「…あら……邪魔する気なのかしら…皇帝様のママ代わりに落ちたランべ様がこの私を…」
そう言うと鮮やかに笑うローズ。しかし明らかに心中はむかついていた。
オーガス皇国の侍従長、ランべはその笑みを笑みで返す。
「フン…私もまだ腕は落ちてないつもりだ……あの戦いから数年……お前こそ暫くこの国を離れていたせいで鈍ったのではないのか?
緊急で集めた兵で作った偽オーガス軍にまんまと騙されるなんてな。」
そう言うランべ。その顔と口調は先ほどとは全く違うものとなっている。

実はランべは過去ある戦に参戦していた勇者の一人であったのだ。
そう、嘗てローズが参加していた戦の…。
しかしそれは今になってはローズにとって苦い思い出だ。
ローズは言う。
「…驚いたわ…どうりでテントの結界がやたらよく出来てると思ったら
…優秀な結界師であられた貴方がオーガス皇国の侍従長をやってるなんてね……。
…そう…オーガス皇国はまだこの事を知らずに待機してるって事…貴方の幻結界によって……。」
幻結界…その結界内に入った者に数分ほど幻を見せる事が出来るという高等な技。

「まあな……しかしもうそろそろ気付かれるだろう。
第三監視台を破壊した時これ以上派手な事がオーガス皇帝騎士の目にとまらせてはいけないと思い緊急に貼ったものだからな…。
……それにしてもあの趣味の悪い薔薇をオーガス軍の所だけじゃなく……チェンバル王にもしこんだらしいじゃないか…。
チェンバル王…今頃さぞお怒りになられてるぞ?…あのような悪趣味な敵を送られたのだから…」
「あら…私の遺伝子を組み込んだ子供に酷いこと言うわね……そこまで知ってるのなら彼女達やチェンバル王を助けないで良いの?」
そう言うとローズは侍従長、ランべを睨み付ける。本当に我が子供を貶されたときの親の表情のようだ。

ランべはその顔を見てフンと鼻で笑うと言った。

「…お前の目は節穴か……第一お前の計画は根本的に狂ってる。オーガス皇帝騎士を甘く見すぎだ。
それに……お前はあの者達を余りにも甘く見過ぎてる…
彼女達は俺より頭が働く上…強いぞ?」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
人食い薔薇×2(イル組に一匹、チェンバル王に渡した種が急に発育され一匹)
人を食う度に力を蓄える薔薇。
寄生型で、取り憑いた者を食べるだけじゃなく、操ることもできる。
ラスト仕込みです。
310誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/09/22(金) 01:56:39
月の刃はローズに当たる。
>「ぐはっ…!」
血を吐くローズ。
そして今度はイルの水面蹴りが当たり、
そしてローズの足がボキン!と折れた。
「え!?」
唖然とする。
その折れ方は正しく木が折れたかのようだ。
みるみるうちに顔が変わる。
そしてその顔を見て女の事を思い出す…
「あ、あの時の…!!」
そして、茨が溢れていった。
思わず後ずさりする誓音。
すると茨は地面をはっていくかと思うと猛スピードで近くの軍の人間に寄生しようとする。
慌ててそれに向かって白三日月を放つが、
間に合わない。
あっさりと寄生され、
肉は食い散らかされた。
そしてそこから巨大な薔薇の怪物が現れる。
「…随分と…悪戯にしては悪質ですね。」
そう言う誓音。
誓音は怪物の手を下に置く。
そして薔薇は次の瞬間他の兵へと乗り換えようとする。
が、

―第一の聖弾…応用弾

        白九日月!!

伸ばされた茨は、
九本の三日月によってズタズタにされた。
悲鳴をあげ赤い花が下へ落ちていく。
しかしその花は茨を再生すると、
大量の茨の蔓の束となる。
そしてその内の二本が、今度は誓音に寄生しようと蔓を伸ばす。
目つきがガラリと変わる誓音、
同じ笑顔でも殺気を込めた残忍な笑みに変わる。
「私に寄生しようっていうんですか?」
そう言う誓音、
今度は技も使わず怪物の手で襲ってきた二本の茎全て掴むと
木刀で蔓をぶち切った。
そして誓音は天へと伸びる蔓を警戒に上り、叫んだ。

「イルさん!薔薇の花に攻撃を!!」

上空にある、花の少し上まで飛び上がる。
311イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/09/22(金) 05:31:19
>308-310
白い三日月の刃がローズの胸元に当たり、続くイルの水面蹴りが綺麗にヒット。
ボキンと、嫌な音を発ててローズの足の骨が折れる。
これで戦いは終ったのだろうか?

ローズは倒れた。
そのローズの顔が別の人間に変わっていく。
イル達が倒したのは囮で、本物のローズはどこかにいるのか?
それとも、ただ他の者達を欺く為に、女性の姿に化けていただけなのだろうか?

>「あ、あの時の…!!」
「誓音さん、何か知っていらっしゃるのですか?」
イルが誓音の方を見た途端、誓音は後退りする。
何に対してか?
それは、先程の女性の半ば千切れかけている、骨折した足の断面から生えた茨。
茨は凄い速度で地面を這って進み、一人の兵士の耳元から侵入。
誓音が三日月の刃を放つが、放たれる前に茨は侵入し終り、三日月の刃は兵士の首をかすめていくだけだった。
侵入した茨は内部から兵士の血肉を養分に変えていってるのだろう。
兵士の体からは所々から茨が生え出る。
茨は兵士の体を完全に食い尽し、前より大きくなった。

「人食い薔薇ですか…
 魔界ではよくこのような植物がいますが、地上の人間はこのような類の植物には慣れていないようですね」
それ故に、被害が甚大になっていく可能性がある。
一番良い方法は、早い内に焼き尽すのみ。

イルはその場から下がって人食い薔薇から距離を取ると、魔術を組み立てる。
その間にも人食い薔薇は犠牲者を増やそうてするが、誓音に阻まれている。

>「イルさん!薔薇の花に攻撃を!!」
魔術の構築はちょうど完了したところ。
後は、大きいのを一つ放つだけ。
誓音の言葉に反応して、人食い薔薇がこちらに触手を延ばしてくる。
だが、遅い。

「これで…燃え尽きてください」
人食い薔薇に向けられた掌から放たれた、極太の火炎流が襲い来る触手を焼き滅ぼし、薔薇の本体をも滅ぼさんとする。

312 ◆HpH6dBLcFw :2006/09/24(日) 02:46:24
>304
ラジャリが振り抜いた短刀は空を切った。
素早く転がり、その勢いで立ち上がったマックスに対し追撃もできない。
そのままほんの一瞬睨み合った。槍を構えたマックスが口を開く。
>「ああ、アンタ達がカーディナルってのか。傭兵の中にも暗殺者集団に詳しいのが居るからよ、話には聞いてるぜ」
>「ラバートだかの飼い犬……どんなにすげぇ集団かと思えば……大したことはねぇ……なぁっ!?」
最後の言葉と同時に、ラジャリの足元に槍が投げつけられる。
ラジャリは右足の外側で穂先を蹴った。槍が向きを変える。
そのまま足を振り戻しながらもう一蹴り、槍をマックスへ返した。

「オレ相手に素手で来ようなどと思わんほうがいい。そんな棒切れでも足しにはなるだろう」
マックスに言われた事など何一つ耳に入っていないようにラジャリが言う。
それから無造作に一歩踏み込みながら体を沈め、伸び上がるようにマックスへ斬りつけた。

>305>309
一方チェンバル王は、白花騎士団に対し繰り出した騎兵隊の戦いぶりに対しすでに言葉も出ない状態だった。
顔色も赤くなったり青くなったりと目まぐるしく変わる。
騎兵隊は冷静に対処するセシリアに対し数で押すのが精一杯で、良くて相打ちまでいけるかといった所だろう。
オーガスの他部隊も進行してきている中、これ以上一つの戦局に兵士を投入する事は、
さすがのチェンバル王にも出来なかった。王が歯を軋らせる音がぎりぎりと響く中、ある兵士が王へと近付く。

「ええい、今度は何事かっておわあぁぁ!!」
いらだたしげにその兵士へと振り向いた王が悲鳴をあげ後ずさる。
兵士は先ほど『種』を回収した近衛兵の一人で、そのまま種を持たされていた。
そして今、それが発芽し、兵士の体を蝕んでいた。剣の柄に手をかける。
「な、何をしておる!はよう取り押さえんか!!」
王の叫びに我を取り戻した近衛兵たちが先ほどと同様にその兵士をタコ殴りにする。
殴り倒された薔薇野郎が運ばれていく様を目で追っていたチェンバル王の背が震えていた。
「………どいつもこいつもコケにしおって…魔導士を呼べい!この上は余自らが出る!」

呼び出された宮廷魔導士が王の周りに魔法陣を描き、呪文を唱える。
王の各種能力を増加させる術を執り行っているのだ。
これがすめば王はしばらくの間はそれこそオーガス騎士に匹敵する戦闘力を得られる。
詠唱は最終段階に入った。
「…ブツブツ……アッヤベ」
「ちょ、おま『やべ』ってどういう…ぐおおおおおおおおお!!」
絶叫とともに王の体が膨れ上がる。
魔導士のミスは些細なものだったが、扱っている魔力は膨大なものだった。
それゆえにほんの少しのずれが、最後には大きな歪みとなって現れるのだ。

そして、現れた歪みは目を大きく見開いた形相に角を生やし、
全身を隆々とした筋肉に覆われた体長およそ10mの巨人。
言うまでもなく暴走した術によって姿を変えられたチェンバル王である。
「ゴアァァァァァァァ!!」
王は周りにいる兵士を腕で跳ね飛ばすと、一声咆哮を上げ、口から火球をでたらめに吐きまくった。
313マックス ◆BsGlQvuzhQ :2006/09/24(日) 15:13:33
>312
「……!?」
マックスは戻ってきた長槍を右手で取った。マックスが投げた長槍は、ラジャリによって軽く返されたのだった。
「へぇ、実は結構力入れて投げたつもりだったけど、まさか簡単に返されるとは……はわぉ!?」
マックスの言葉などお構い無しといった風に、ラジャリは踏み込みから鋭い一閃を放つ。
マックスは左腕に思い切り力を入れ、その地面から伸び上がる閃光を真っ向から受け止めた。
刃は何も着けていない腕にガッチリと止められている。 すかさず長槍を持った右手に力を入れる。
「……素手じゃ何だって?」

マックスの肉体改造は常軌を逸する。彼の筋肉は力の入れ具合次第では刃など受け付けないのである。
但し、「切れ味を強化する術」がほんの少しでも掛かった刃であったなら、マックスの腕などゼリーよりも簡単に斬られていただろうが。

「勝算の無ぇ戦いをする馬鹿がいるか!」
そのまま左腕で刃を左に弾き、ラジャリを薙ぎ払わんと右手の長槍を思い切り振り回して追撃を図る。
314セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/09/27(水) 04:20:20
>312
セシリアと老騎士が戦線に戻る。
包囲されぬように外縁をなぞりながら目に付く敵を片っ端から殴って回り、何とか相手を押し返していった。
当初明白だった数の差も、向こうがいまだ恐慌を来たしていることもあって埋まりつつあった。
他の部隊が接近していることもあり、チェンバル軍騎兵隊は退却を始める。
セシリアはそれは追わずに味方の状況を調べる事を優先させた。
あくまで模擬戦、実際の戦のように執拗な追撃は必要ないという判断だ。

「3分の2といったところか…思いのほか残ったな。取られた者にも大事は無いな?」
部下の報告を聞き、呟く。十分に戦闘を継続できる戦力だ。
「よし、総員弩持て!今度はこちらから仕掛ける!」
セシリアは追っていたカーディナルのことなどすっかり忘れ、部下に指示を出す。
そして鞍にクロスボウを引っ掛け、馬を走らせようとしたその時、チェンバル軍陣地から悲鳴が上がる。

目をやると、陣地の中央に巨人が出現していた。
その巨人が腕を振り回し、火球を吐き散らかしている。
「召喚術か?さすがに見過ごせるレベルでは無いな…」
セシリアは剣を捨て、左腕を突き出した。
「それが許されるのならこれも範疇ですな?チェンバル王!」
叫ぶと同時に腕輪が光り、空気の塊が高速で撃ち出された。
立て続けに撃ち出されたそれは巨人の吐く火球を次々に吹き消していく。
そうして周辺への被害を食い止め、それから部下へ指示を出した。
「全員下がれ!さすがに『おもちゃ』で相手に出来る敵ではない!」

木剣や鏃のない矢では挑むだけ無駄だ。
今あれを倒せるのは武器の有無が余り関係しない者、つまり魔道士か、オーガス騎士である。
さらに言うならこの事態を見るにつけ、チェンバル側の魔道士はあてにならないだろう。
セシリアは走る馬の背で手綱から両手を離し、鐙をしっかりと踏みしめる。
左手に右手を添え、真っ直ぐ巨人に向け、3発連続で撃った。
315 ◆HpH6dBLcFw :2006/09/28(木) 02:48:07
>314
巨人は首をかしげている。
自分の吐いた火の玉が地面に当たる前に消えてしまった。
「グオァァァァァ!!」
理解できない事態に思わず怒りを覚え、また咆哮を上げる。
率直に言って頭の出来は悪いらしい。素材のせいかどうかはわからないが。

巨人が辺りに首を巡らせて、もう一度火球を吐く。丁度その時セシリアの放った風が襲来する。
最初の二発は火球と相殺されたが、残った一発が顔面を直撃し、大きくのけぞった巨人は、
しかし何とか踏ん張って姿勢を戻した。
――その目に映ったのは皇国旗。
「オオォォォォガァァス…」
攻撃してきたセシリアより先にそれが目に入った巨人は、オーガス本陣へ向けて動き出した。
途中にいた兵士達を敵味方を問わずに跳ね除けながら。


>313
>「……素手じゃ何だって?」
ラジャリが繰り出した下からの斬撃をマックスは素手で止めた。
というより「素肌で」といったほうが正しい。ラジャリが思わず目を剥く。
そのまま刃が食い込んだ腕を振って短刀を弾くと、連続した動作で右手の槍を振る。
ラジャリは水平に振りぬかれようとする槍に足をかけ、スイングのスピード、槍の反発力、
それに自身の身体能力を合わせ大きく跳んだ。

「聞きしに勝る出鱈目ぶりだな…」
起き上がりながら呟くラジャリの耳に笛の音が届く。
チェンバル王の変身した巨人についての報告だ。
ラジャリは即座に、周辺の目が巨人へ向くこの機に乗じて皇帝を狙えと指令を返す。
演習に参加している主なオーガス騎士の居所はおおむね掴んでいた。
セシリアはチェンバル軍本陣近く、巨人の進路上だ。
イル、誓音は第三監視台。異国の暗殺者、ローズと戦闘中。
そしてマックスは、ラジャリ自身が抑える。
これでイレギュラーが無い限り、皇帝の周辺警護は通常戦力のみということになる。
もっともその皇帝自身が通常をはるかに逸脱しているのではあるが…。

「さて、効かぬというのであればこれは要らんな」
ラジャリはマックスへ向け走りながら短刀を投げ、それを追うようにさらに速度を上げて踏み込み、
マックスのこめかみ目掛け掌打を打ち込む。
316ローズ ◆pPAOEY1pWs :2006/09/30(土) 21:55:02
>310-311
「…!?」

ローズを覆っていた我が子の気配が弱まっている。恐らく2匹とももう命を絶ったか立つ寸前か…。
…即ちどうやら負けという事らしい。
ローズはため息をつくとランべを観た。
ランべは不敵に微笑み「言ったろ?」といった感じだ。

ローズは剣を降ろす。
「…我が子が殺された上敵の罠に引っかかる……私も落ちた物だわ…全て…貴方の言ったとおりね。…憎い人…。」
そう言うと剣を収めた。周りにいた兵達は以前睨んだままだ。ローズの表情は寂しそうだが以前冷たい表情だ。
ランべの表情は少し穏やかになると、少し目を瞑ると口を開いた。
「……絶対者…という神に最も近き者が居るらしい。」
「…絶対者?」
聞き返すローズ。ランべは目を開いた。
「…嘗ての対魔戦争も全てその者が巧んだ戯れ…他にも数多の戦、悲劇を引き起こしたであろう者、それが『絶対者』だ。
…君の嘗ての悲劇ももしかして奴が起こした事なのかもしれない。」
その言葉に目を見開くローズ、そして素早く剣を抜くとランべのほすれすれを掠らせる。周りの兵が動く。
しかしランべは以前表情を変えない。
「…それは本当の話?」
「…ああ……まだ一部の兵や人間にしか知らされてないが…本当の話だ…。」
そう言うランべ。暫くランべとローズは見つめ合う。そしてローズが何か言おうと口を開いた瞬間だ。
>312

――ズド――――ッン!!

突如大きな音が鳴り響く。
ローズとランべが音がする方を観るとそこにはおぞましい力を纏う巨人。
「あれは…!!チェンバル王ではないか…!?お気を触れたのか!?」
そう言うランべ。ローズはその中で表情も変えずその巨人を観ていた。ランべはざわめく兵達を観ると一喝する。
「静まれ!お前らはそれでもオーガスの一軍か!すぐさまにオーガス皇帝騎士の護衛へいけ!以前気づかれずにな!
結界班は幻影結界の強化を頼む!」
「あ…はっ!」
一喝された兵達は一斉に動き出した。
そしてランべはローズの腕を掴んだ。
「お前はこっちへこい。」
「!?一体何を…」
しかしランべはローズの問いには答えず、巨大な羽をはやすとローズを抱え共に飛び上がった。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
飛び上がって何分もせぬうちにランべは誓音とイルの元に着地する。
「…!降ろしなさい!早く!」
そうローズに言われランべは丁寧に降ろすとイルと誓音の元に駆け寄る。
「イル殿!誓音殿!姿は違いますが私、オーガス皇国の侍従長、ランべでございます。この通り…」
そう言うとみるみるウチに顔が先ほどイル達の目の前に居た侍従長の顔へと変わる。
そして再度元の顔に戻ると話を続ける。
「…暗殺者の捕獲はあなた方のお陰で見事成功しました。しかし、事態が急変いたしました。
至急あの巨人の元へお急ぎ願いたいのです。あの巨人はそこらの兵では抑えるのはムリです。
武器になりそうな物はもってきました…が、お気づきかもしれませんがあれはチェンバル国王です。
悪魔でも不殺しを貫いてください。」
そう言うと刀や槍など武器へ変化する銀色の球型ジェルを二人に渡す。
そしてランべはローズへ近づきローズに言った。

「…お前も一緒に来い、そして…直々にこの者達の闘いを観ればいい。」

そう言うとローズが言い返す前に、巨人の元へ行こうとする者達はランべの羽に包まれ、巨人の前へテレポートした。
318イル ◆uKCFwmtCP6 :2006/10/01(日) 01:58:10
>315-317
人食い薔薇はイルの魔術によって燃え尽き、灰へと変わった。
幸いにも、被害は一人だけで済んでいる。
後は、元凶となった女性を探し出して倒す。
そして、他に暗殺者達がいないか警戒し、辺りを捜索するだけ。

「では、誓音さん。先程の女性を探しに行きましょう」
そう言って動きだそうとした瞬間、上空から何かがやってくる。
それは、先程の女性と見知らぬ男性。
女性の方は男性に、無理矢理抱きかかえられているといった形だ。
二人はイル達の目の前に着地し、女性を丁寧に降ろした。

>「イル殿!誓音殿!姿は違いますが私、オーガス皇国の侍従長、ランべでございます。この通り…」
男の顔が変わり、前に見た侍従長の顔に変わり、また元の男の姿に変わる。
何故、あなたはその女性と一緒にいるのか?と、聞こうとした途端、男の口が開く。

>「…暗殺者の捕獲はあなた方のお陰で見事成功しました。しかし、事態が急変いたしました。
〜省略〜
>悪魔でも不殺しを貫いてください。」
侍従長は何を言っているのだろうか?
巨人がいて、それがチェンバル国王。
にわかには信じられない話。
チェンバル国王は模擬戦で死者を出すつもりなのだろうか。
先程から地の底に響くような重低音が鳴っているが、それも巨人が歩いているのだとすれば、少し納得はできた。

侍従長は銀色の球体をイル達に渡す。
これが武器らしい。
試しに、魔力を通して使う武具のイメージをする。
手に持った球体は刀の形に変化した。

刀を元の球体に戻し、イル達は侍従長が生やしている羽根に包み込まれる。
その中には、暗殺者の女性もいた。

舞台は変わり、巨人の近くへ。
目の前には理性を無くしたような巨人が、雄叫びを上げながら本陣へ進んでいく。

「本当にチェンバル国王なんですよね?
 あの様子から見ますと、魔力が暴走しているようです。
 あのままですと、魔力が切れるまで見境無く暴れ続けるか、最悪の場合は爆弾のように爆発するかも知れません」
イルは手に持った球体を投げ槍の形に変形させ、巨人の脇腹に狙いを付ける。

「対処法としては、ダメージを与えて動けなくなった後に、体内の魔力をゆっくりと外に出すこと」
大きく振り被って、投げ槍を巨人の脇腹目掛けて投げつけた。

319セシリア ◆TI6/2FuWqw :2006/10/06(金) 02:43:04
>315
風を打ち出した瞬間、巨人がセシリアを向いた。
口を開き火球を吐く。最初の二発がそれと相殺された。
最後の一発は全く減衰される事なく命中する。しかし、巨人は倒れなかった。
「見た目どおりに頑丈、か」
のけぞった姿勢から背筋だけで体勢を整えた巨人を見ながらセシリアが呟く。
馬をとめて鞍から下り、手綱を取って向きを変えさせる。そのまま軽く脇腹を叩いて走らせた。
優秀な軍馬だが、さすがにこれ以上はついて来られないだろう。
振り向くと、巨人が一歩を踏み出しているところだった。

「…本陣が狙いか」
セシリアとしては攻撃を仕掛けた自分に注意が向くものと思っていたが、
巨人はそれよりも皇国旗に敵意を向けているようだ。
邪魔になるものを腕で払い飛ばしながら真っ直ぐに進んで行く。
「どなたかは存ぜぬがレディを放っておいてどこへ行かれるおつもりか!?」
大声で巨人に呼びかけながら、魔石の力を解放する。
冷風が吹き抜け、細い氷の筋が巨人の足元へ向かって伸びていった。
320誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/10/06(金) 23:55:25
イルの魔法により怪物薔薇は死んだ。
上級魔法じゃないというのに凄い威力だ。
誓音は唖然とする。
しかし、騒ぎはそれだけではすまなかった。
>「では、誓音さん。先程の女性を探しに行きましょう」
「あっはい!」
そう言うと誓音は走り出そうとした時だ。
突如上空から一人の男がやってきた。
見たところ若いその男、そして男は女を抱きかかえていた。
暫くその女を見て誓音は叫んだ。
「あっ!この女…」
その女は先ほどの白いおかっぱ頭の美女だった。
そしてやっと気付く。
この女どこかで見たと思ったら先ほどもの凄い腕の良い剣を振るってた女だった。
何か言おうとした途端男は驚くべき事を言ってきた。
>「イル殿!誓音殿!姿は違いますが私、オーガス皇国の侍従長、ランべでございます。この通り…」
「え!嘘!」
思わず叫んでしまう。
途端に男は顔を変えてみせる。
確かに男はオーガス皇国の侍従長だった。
男は言う。
>「…暗殺者の捕獲はあなた方のお陰で見事成功しました。しかし、事態が急変いたしました。
省略
>悪魔でも不殺しを貫いてください。」
>そう言うと刀や槍など武器へ変化する銀色の球型ジェルを二人に渡す。
誓音はそれを受け取ると少々瞳を閉じた。
すると聞こえてくる。
巨人の音が。
心臓音が。
「…確かにこの音は…人間っぽいですけど…」
しかし誓音は余りに信じられなかった。
一国の王が一体全体どうしたというのだろう。
するとランべは羽根を伸ばした。
そして一瞬で誓音達は巨人の前へ移動してくれる。

すると確かにそこに巨人は居た。
しかも思ったより大きい。
321誓音 ◆aGZ9OPSgQQ :2006/10/06(金) 23:56:51
イルが言う。
>「本当にチェンバル国王なんですよね?
> あの様子から見ますと、魔力が暴走しているようです。
> あのままですと、魔力が切れるまで見境無く暴れ続けるか、最悪の場合は爆弾のように爆発するかも知れません」
「そんな、んじゃなんとかしないと…」
そう言うと誓音は球体を刀型に変化させた。
イルも槍状に変化させる。
>「対処法としては、ダメージを与えて動けなくなった後に、体内の魔力をゆっくりと外に出すこと」
そう言うとイルは、
>大きく振り被って、投げ槍を巨人の脇腹目掛けて投げつけた。
そして誓音の目付きも一片に変わった。
「御意。」
そう一言言うと誓音は飛び上がった。
刀を天高くあげる。
スイッチが完璧に切れ変わる。
誓音は笑った。
残忍な笑み。
「我を忘れてご乱心ですか?王様。
…お痛はここら辺にしてくださいませんかねえ!」
そして次の瞬間誓音は肩を目かげて刀を振り下ろす。
殺す気はないが右腕を全部切り取るつもりだ。
322名無しになりきれ:2006/10/07(土) 17:17:45
あにき
323安倍 ◆ABePGhu9xc :2006/10/08(日) 19:11:59
安倍です
>318-321

「…お前も一緒に来い、そして…直々にこの者達の闘いを観ればいい。」

ランべの言葉に否定も出来ぬ間に、ローズは羽根に包まれていった。
そしてランべとイル、誓音は巨人の前へテレポートする。
その中にローズの姿はいない。
>「本当にチェンバル国王なんですよね?
> あの様子から見ますと、魔力が暴走しているようです。
> あのままですと、魔力が切れるまで見境無く暴れ続けるか、最悪の場合は爆弾のように爆発するかも知れません」
「ああ、それだけは絶対に避けなければならぬな。」
そう言うとランべは呪文の詠唱に取りかかる。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
戦闘が開始した中、ローズはというと、ランべの分身に抱きかかえられ、結界の貼られた上空内に浮かんでいた。
ローズはランべを一回睨んだが、こうなっては仕方がない。
上空で下でイルと誓音を静かに見つめる。
静かな上空の中、地面はもの凄い惨事となっていた。
様子に気付き逃げまどう兵達もいれば、忠実に隊長命令を聞く者、その中で戦おうとする者達もいた。
過去の苦い思い出が思い出されローズは目を背けたくなる。かならず戦争にこういう者はいるのだ。
弱いくせに自分の誇りの為に必死で強い者と戦おうとする戦士が。
しかし結果はいつも分かり切っていた。
無表情でローズは見つめ続ける。
目を背けたかったが、人の前で、ましては過去の戦友の前でそんな弱い事はしたくなかった。
ランべの分身はそれを察したかのように語り出す。

「…私は、抗魔戦争が起こる前、正直言って負けると思っていた。」

ローズははっとした顔でランべを見つめる。
ランべの方は以前戦火を見続けていた。

「…正直言って圧倒的にこちらは不利だった上、自分が強ければ強いほど、サタンの力を痛いほど理解してしまう。
だから私は皇帝騎士の侍従長であり続けた。家族もいる身の上死ぬわけにはいかなかったし…
何より私はやるだけ無駄だと思っていたからだ。
あの戦を…。」

そう言うランべの顔は穏やかながら少々苦々しかった。
ようするにローズ風に解釈すると勝負をする前からしっぽを巻いて逃げたという事だ。
しかしローズは毒を吐かず静かに聞きいる。ランべは話を続ける。

「しかし…奴らは違かった。奴らは強かった。だから知っていたはずだった。サタンの力を。
しかしそれでも尚立ち向かっていった。人のため、世のために…強い信念を持って。そして勝利を掴んだんだ。
…圧倒的に不利な状況の中何故彼らは勝利を掴んだと思うかい?」

そうやっとローズの方を見るランべ。
訪ねられたローズは少しランべの顔を見ると、背け言った。

「…そんなの積み上げてきた物がサタンより彼らの方が大きかったからに決まってるじゃない。
サタンがのうのうとでかい顔して居座ってる間、そのお馬鹿な英雄達は必死扱いて積んでいったのよ。
…勝負なんて全てそうよ。例えどんな素質を持っていたって所詮はただの蕾。
水を与えなければ枯れて無くなるわ。」

それは自分にも言えることだ。
ローズはイルと誓音を見つめる。
必死で今まで頑張ってきた何十年、何百年、何億秒。
今まで一度だって剣を振るわなかった日はなかった。
自分の蕾が例え一生完全に咲かないかもしれなくても、ひたすら、何百回と。
ランべは苦笑した。

「…お前らしいといえばお前らしい答えだな。
確かに其れも正解と言えば正解だ。努力は戦において最も重要な物だ。
…だが…積む以前に大切なことが一つある。」

ランべは戦火を見つつ微笑む。
まるで目の前に居る英雄達にそれを教えて貰ったかのように。
326ヴェリアール:2006/10/09(月) 00:31:22
私とて魔王屈辱を受けるくらいなら死んだ方がましよ
327名無しになりきれ:2006/10/09(月) 19:24:56
埋めるんならはやく埋めたらどうだい
328名無しになりきれ:2006/10/09(月) 19:29:38
NPCでも考えるか
329名無しになりきれ:2006/10/10(火) 01:33:06
新必殺技

カイザー
カイザーフェニックス
330名無しになりきれ:2006/10/10(火) 09:49:45
必殺技
セシリア
酒乱でGO!
331名無しになりきれ:2006/10/11(水) 01:44:44
カイザー新必殺技
ゴッドフィンガー

フェラコン新必殺技
龍拳

セシリア新必殺技
ファイナルアトミックバスター

マックス新必殺技
剛体術

誓音新必殺技
黒の黙示録
332名無しになりきれ:2006/10/11(水) 02:00:30
とりあえずカイザーはカイザースレで頑張れ。
埋め立てとしてレスしておく。
騎士スレの繁栄を願って、名無しとしてネタをこれからも振りたい。
次回は絶対者編は無しにして、フリーザ編を希望。
それが駄目なら邪悪竜編。
333名無しになりきれ:2006/10/11(水) 17:43:53
>>332
題名だけでなく具体的にいってくれよ
334名無しになりきれ:2006/10/12(木) 17:38:05
>>332                                
                                  
>次回は絶対者編は無しにして、フリーザ編を希望。           
>それが駄目なら邪悪竜編。                      
                                   
それ何てドラゴンボール?                       
335名無しになりきれ:2006/10/12(木) 18:53:14
>>334
あー、それ面白くない
336名無しになりきれ:2006/10/12(木) 19:20:05
俺としては非常に面白くなりそうだと思うが。
337名無しになりきれ:2006/10/12(木) 19:23:48
面白くないのは

それ何て〜〜

の事だろ
あと版権だったら他でやれ
338名無しになりきれ:2006/10/16(月) 20:12:24
次スレでレスが来ないのは、ここがまだ埋められてないからなのだろうか?
そこで私はそれを確認するべく埋めの作業に入る。
だが、気のきいた小咄など私はできない。
文才が無いのは辛いものだ。
かといって、現在私は携帯を使用している。
それ故に長編AAが書けない。

ならばどうする?
地道にここで無駄話でもすればいいのだろうか?
無駄話をするくらいなら試合がしたい。

かつてのオリキャラコロシアムのような試合を所望する。
勝負はこのスレが容量切れを起こすまで続く。
使用キャラは版権キャラ限定。
容量も少ないことだ。
テンプレ等を書いていたら容量が切れる。

私の使用キャラはダイの大冒険のフレイザードを使用させてもらう。
339名無しになりきれ:2006/10/16(月) 20:37:06
現在容量495
あと1、2レスはいけそうな気がするけどな
340名無しになりきれ:2006/10/16(月) 21:33:55
>>338
ファルコン、それは新たにコロシアムスレ立てた方がいいんじゃないか?
341名無しになりきれ:2006/10/22(日) 11:21:43
>>338
埋められたら通報ですよね
342名無しになりきれ:2006/10/22(日) 14:57:57
5KB埋められても通らないだろ
343名無しになりきれ:2006/10/22(日) 14:59:13
ちょっとした文章でも書いて、早めに落としたいところ。
344名無しになりきれ:2006/10/27(金) 07:08:39
ほっしゅ
345名無しになりきれ
シャインフェニックスバード!