>>747,748
>闇の精霊の祭器をお金に〜
ブルームはその言葉にごくりと息を飲む。しかし、瞳は揺るぎ無い信念が宿っていた。
「……しかし、それでも僕達にはお金が必要なんです。普通の人が働いて500年かかるぐらい途方もない金額なんです」
「そういうこと〜私達はね、師匠を助ける為なら世界など滅びても構わない覚悟なんだよっ」
ブルームとフーリンはそれぞれ、武器を構える。
「僕達の……いや、『俺』達の覚悟を見せてやるぜっ!」「メイドさんっ!いくよ!」
>メアリが金棒を勢い〜
二人組は迫り来る棍棒に対して、それを上回る素早い早さで上へと跳び逃げる。
ブルームは青いマントを翻し、空中に飛翔する。
ロッドの先端が赤く光る。それを空中に向けて一振りすると次の瞬間、部屋中に炎の光球がばらまかれる。
フーリンは降り立ったブルームの斜め後ろに位置し、両腕を思いっきり横に広げた構えを取る。金銀の爪がまっすぐ横に伸びる。
そして、その両腕を胸から少し離れた所で交差させる。この構えはあらゆる状況に対応する構え。
一撃必殺を得意とするフーリンがこの構えを取ると言うことは、メアリを強敵とみなしたようである。
部屋中には20ものの炎の球が、メアリの直線上には戦闘体勢のフーリンが今にも跳びかかろうとしている。
>ザイガ「…っ、て、てめえ!俺は悪人〜
「え〜嘘だ〜どう見ても悪人じゃん〜悪人顔コンテストがあったら、優勝出来るかもよ〜あっ、賞金があったら頂戴ね〜♪」
両腕を交差させたまま、フーリンはこの場に似つかわしくない陽気な口調で言った。
「…君も賞品を狙っているのか?……………闇の精霊の祭器の目前までは共闘といかないか?君達と俺達が一緒ならそこまでいけると思うぜ?」
ブルームは戦闘体勢に入っているため、やや口調が強くなっているようだ。フンと鼻を鳴らし、カイザーに問いかける。
>「俺の名はカイザー、こいつはザ〜
「俺はブルーム。そして、このチャンポラな娘がフーリンだ」
こっちも名前を名乗る。
>「さっき見えたと思うが、奴の心臓部に何かの呪符が〜
知っていた。さっき、跳んだ時に木製の呪符が透けて見えた。だから、炎の属性を持つ魔法を選択した。
しかし……ここまできてブルームはためらっていた。もし、そこを攻撃したら死んでしまうのではないのかと。
さっきのカイザー達は後ろへ下がったようだ。俺達にまかせるつもりなのだろうか。
……何とかしなければ、もし、俺達が倒されたらきっとカイザー達は容赦なくメアリさんを滅するだろう。
針の落ちる音まで響きそうなほど、緊迫とした空気が辺りを包む。
どのぐらいこうしていたのだろう。10秒かそれとも1分だったかもしれない。
そんな静寂はブルームの言動で打ち破られた。
「……………俺は貴方を倒す。殺すのではない。…だが、五体満足でいられるとは思わないで欲しい」
ロッドが振られる。炎の光球の半分程がメアリに向かって襲いかかる。
ズキューン
ライフルの弾がカイザーの胸に食い込む
「悪いな・・・これも仕事だ祭器は、貰っていく」
ドンドンドンドン
「俺を相手にしたのが悪かったな・・・後悔は世界が滅びた後にやってもらおう・・・」
頭に、デザートイーグルを撃った弾が数発食い込む・・・
「アデュ・・・今まで相手していた勇者達よりはちと強かったぜ・・・」
>748>758
メアリは金棒を振り回して飛んできた火の玉を弾いてはいるが、まともに命中しているものも少なくはない。
だが、恐ろしく強靭な肉体を持っているようで、なかなか致命傷を負わせるには至らず、しかも傷が塞がっていく光景も見てとれた。
「ハッ!」
軽く跳ねて、落下速度を加えて金棒を床に叩きつけると、建物全体が揺れた。
これによって相手が体勢を崩そうが崩すまいが、あの伸びる金棒で敵を一度に薙ぎ払うつもりでいるらしい。
先ほどと同じような振り方をしているものの、本気で殺す気になったようで、速度の点で大きく異なっている。
先ほど見えた呪符はメアリの実体化を助ける役割を持つが、たまに数秒ほど、実体化が解けることがあるようだ。
幸いにして、このメイドの霊はカイザー達に何の恨みも持っておらず、実体が無いまま人を呪い殺すような力は発揮できない。
実体化が解けて半透明になった瞬間を狙って攻撃を仕掛け、呪符を破壊すれば、このメイドは力を失って退散する。
再び木製の護符が露出したが、金棒による猛攻は止むことがなく、倒すには捨て身の攻撃を仕掛けねばならないだろう。
>749
そもそも凛とした女戦士や、いかにもな魔女でもない限り、女性というだけで場違いだと思ってしまいがちだ。
暫く進むと、確かにアルベールが言う『場違いなレディー』の典型例と言える、メリフィリアと思しき貴婦人に遭遇した。
誰かと戦っていたが、その相手はなんと先生だった。
奇妙なのは、魔術師なうえに体術が苦手だと明言したはずの彼が剣術を用いて戦っており、魔法と呼べるものを一切使っていなかったことだ。
貴婦人の方が放った魔法の火炎弾を剣で弾いて爆発させ、閃光によって視界が封じられたところを一気に距離を詰めたようである。
煙が失せ、メリフィリアの視界が回復した頃には、剣を鼻先に突きつけられていた。
「お前では、あの魔女を打ち破ることはできん。命が惜しくば、その宝珠を捨て、裏方に回れ。その方が、きっと面白いものが見れるだろう」
貴婦人は渋々宝珠を差し出し、憶えてなさいよ、みたいな事を言って逃げていった。
様子のおかしい先生の方は、フレイ達の気配に気付いたのか、無言で宝珠を投げて寄越して、奥へ進んでいった。
>754
魔物を蹴散らしながら進み、階段を登って上の階に行くと、東洋風の町並みが突如として出現した。
赤い月が浮かぶ夜空を含めて目を疑うような光景ではあったが、幻ではないようだった。
また、遠くに天へと伸びる階段が見えるが、これが上の階に続いているものとは、なかなか信じることができるものではない。
謎の街は不気味な気配が漂っており、人っ子一人おらず、どの家にも明りがついていないのも気味が悪い。
向こうの通りでは、大小様々な妖怪が行列になって練り歩いていた。正しい意味での百鬼夜行である。
突然、凛星達の上を何か大きな影が通り過ぎていったが、それは散々見かけた巨大なバッタではなく、普通の馬であった。
影の主は屋根の上から飛び降りて凛星たちの前に立ちはだかり、槍を向けた。
いかにも暗黒騎士という風貌の魔族だが、何と言っても赤い鎧に刻まれた魔王軍の紋章が目を引く。
彼こそが、噂の魔族の騎士と見て間違いはないだろう。
「……」
言葉を発する事は無かったが、凛星達に勝負を挑んでいることは明らかだった。
>758>760
>「……………俺は貴方を倒す。殺すのではない。…だが、五体満足でいられるとは思わないで欲しい」
カイザー:(…ブルームと言ったな、決心したか。)
ブルームは火球を生み出し、それをメアリに向けて放つ。
だが、メイドはそれを避ける。何発かは当たっているが、まるで堪えていない。
ザイガ :「すげえな、あの火の玉に耐えるのかよ。
…ところでカイザー、さっきあいつの言ってた『共闘』の件についてはどうすんだ?」
カイザー:「奴らの戦い振りを見て決めるさ。この塔は思ったよりも厄介だからな」
>「ハッ!」
>軽く跳ねて、落下速度を加えて金棒を床に叩きつけると、建物全体が揺れた。
ザイガ :「くっ!」
カイザー:「ちっ!」
二人は塔が揺れたと同時に飛び上がる。
だが、そこへメアリの金棒が襲い掛かってくる。
空中へ跳んだ為、金棒の回避運動はできない。
―――バキィッ!!
ザイガ :「…ぇぶっ!!」
腹部に金棒を叩き込まれ、情けない声と共に壁に吹き飛ばされる。
カイザー:「おい、ザイガ!大丈夫か!?」
位置的にザイガが盾になった為、カイザーは無事であった。
ザイガが飛ばされた場所には砂煙が舞っており、ザイガの姿は確認できない。
ザイガ :「…うえっ…お、おう、なんとか無事だ…後方に跳んでて、爪で受け止めて威力を殺せたから…」
声が聞こえ、ザイガが無事である事を確認できた。
そして、砂煙を吹き飛ばし、ザイガは金棒を避けつつ元の場所へと走り戻る。
カイザー:「ザイガ、少し離れるぞ!」
ザイガ :「え、何でだ?」
カイザー:「この戦いは、あいつらがケリを付けなきゃならないんだ。
俺達が無駄に手を出せば、あいつの、ブルームの発した言葉の意味が無くなるからな。」
そう言って、二人は伸びる金棒の更に射程外へと跳ぶ。
>760
緋刃の周りに居た者達は、皆死に絶えていた。
凛星:「フェイ…もう行こう……」
緋刃:「……ああ、無駄な時間食っちまったぜ」
2人は階段を上り、そして驚いた。
凛星:「この町並み、まさかここ……翠……」
緋刃:「違う。ここは塔の中だ。この町はただの幻だ!!こんなもんに惑わされると思ってんのか!!
つまんねぇもんわざわざ見せつけやがって」
凛星:「でもでも、この塔の中は虚構と現実がごちゃ混ぜになってるアルね、あの妖怪たちも幻アルか?
それにあの階段、これも幻って言うアルか!?」
緋刃:「ちっ……雑魚に用はねぇ!!さっさと進むぞ!!」
二人は目の前の階段に向け走り始めたその時、一人の騎士が前に立ち塞がり、槍を向けた。
凛星:「……魔族の騎士アルか!!」
緋刃:「俺達に勝負を挑むとはな。いいぜ一騎打ちといこうぜ
凛星、入り口と出口に符を貼れ。それと陣を張れ」
その言葉を聞き、凛星は無数の呪符をばら撒いた。
呪符は入り口と出口を塞ぎ、緋刃と騎士の周りに陣を形成した。
緋刃:「勝った方がここから出られる、分かりやすくていいだろう?
俺の槍とお前の槍とどちらが強いか……かかってきな、殺してやるぜ」
>760
とりあえず思いつきで進んでいると・・
>メリフィリアと思しき貴婦人に遭遇した。
フレイ「うーん・・意外とすぐに見つかったね」
レン「先生・・じゃね?あれ」
フレイ「あ、そうだね・・え?剣使ってるけど・・」
余りの展開に、しばし呆然となる二人。
>無言で宝珠を投げて寄越して、奥へ進んでいった。
フレイ「あっ・・と・・」
フレイが二の句を次がない内に先生は奥へと行ってしまった。
レン「お前らはアイシアってのを探せ・・って事か?
裏方とか何とか言ってたけど・・」
フレイ「どうなんだろう・・ただ、アイシアって人がこれに気付けば、
多分何か反応するんじゃないかな。
裏方とかは・・まぁ、その内解るんじゃない?」
手に取った宝珠を眺めながら、そう言った。
レン「じゃあ、どうすっか・・」
フレイ「とりあえず、進めるだけ進もう。
カイザー達もどこかにいると思うしね・・
先生の様子が変わってるのも気になったし」
レン「そうだな。その魔女に襲われないように、慎重に行こうぜ!」
そう言う本人が一番心配だが、二人は先生の後に続くような形を取った。
>>760>>761 「なっ…傷が塞がって…!」
火の球は確かに命中した。傷も負わせることが出来る。しかし、その傷がみるみる癒えていくのを確認すると信じられないような表情になる。
「メイドさん〜もしかして不死身〜!?」
メアリは棍棒を大きく振り回して地面を叩きつけた。地面が激しく揺れる。
「くっ…本気で…」「ブルームっ!危ないっっ!!」「…なっ!…っぁ!」
次の瞬間ブルームは激しい衝撃を受け、壁に叩き付けられる。壁にひびが入り、ずるりと地面に落ちる。
壁に叩き付けられる瞬間、骨が砕ける嫌な音がした。
「がぁ……っ!」
口の中が血で満たされ、それをバシャと地面に吐く。
「ブルームっ!」ブルームを助けようと駆け寄ろうとする。
しかし、そのフーリンの背後にメアリの容赦ない金棒が迫って来る。
「バカやろうっっ!来るんじゃないっ!」
ブルームはロッドを振り、残った火の球全て、金棒の一部に集中攻撃させ、軌道をそらして、自分の方へと向ける。
また衝撃、壁に叩き付けられ、意識が飛ぶ。完全に力を失ったように、うつぶせに倒れる。血がどんどん溢れて来て止まらない。
「ブルームっ…!しっかりしてっ!」
死が迫って来る。ブルームは今、まさに死にそうになっている。奇跡が起こらない限りそれは逃れない。
しかし、奇跡は…起きた。まるで運命が彼を死なせないような…
ブルームの体が、黒い霧に包まれる。血も赤から黒へと、その染みが広がり、床全体を染めたかと思うと、壁にまで伸びどんどんと部屋を黒く染めていく。
奇跡…と呼ぶにはあまりにも凶々しい光景だった。
「これは…なんなの…今まで見たこと無い……闇…」
天井まで黒い染みが行き渡るとこの部屋は闇で満ちた。その地獄のような暗闇で恐ろしい程低い声がコダマする。
「我……闇に住い、闇に生き、闇の静かな音を聞き…闇から闇へと渡り歩く者…『ダー』」
暗闇でも、その凶々しい波動が伝わり、その居場所がはっきりと分る程である。それはさっき、ブルームが倒れていた場所であった。
スルト「おいおい…また生き返ったな」
スルトとライナハルトは未だに謎の魔物との戦いを続けていた。
倒した回数は百と六十回…
二人の顔には疲れの色が出ていた。
ライナハルト「しょうがありませんね…」
ライナハルトは精神を集中させ始めた。
ライナハルト「このままでは埒があきませんので転移魔術を使います。
魔術の準備ができるまで、あの魔物を引きつけて下さい。」
スルト「おう」
魔物「ニガサナイ…」
スルト「悪いな、あのお嬢ちゃんも俺も疲れてるんでな、お前と遊ぶ気は無い」
魔物「ザレゴトヲ…」
突然、魔物の周囲に炎の壁が現れた。
スルト「二級炎魔法『フレイムウォール』。
炎の壁を生みだし、敵の攻撃を遮断する…俺の得意魔法の一つだ。」
魔物「カベナド…」
魔物は炎の壁を超えようとしたが、強烈な熱気のせいで超えることができない。
ライナハルト「…準備完了…、さあ、こちらへ」
スルト「おう」
ライナハルトの足下には巨大な光の魔法陣が描かれており、スルトはその魔法陣の中へと足を踏み入れた。
ライナハルト「発動せよ! 空間の扉よ!」
ライナハルトがそう叫ぶと、魔法陣が強烈な光を放ち、二人の姿は消え去った。
魔物「ク…キエタ…カ…」
魔物は、一歩たりとも動かず、二人が居た場所を見つめていた。
一方…二人は、謎の石畳の部屋に転移していた。
スルト「暗いな…」
ライナハルト「灯の光よ!」
ライナハルトがそう唱えると、指先から青い光が放たれた。
スルト「お、明るくなった」
ライナハルト「暗いままでは、面倒ですからね」
ライナハルトは落ち着いた声でそう言った。
ライナハルト「さて…落ち着いた所で、私の質問に答えてもらいましょうか…」
スルト「おう、いいぜ。 助けてもらった礼もあるしな」
ライナハルト「あなたは、魔王ですか?」
スルト「違うな。」
即答
ライナハルト「では、あなたは何ですか?」
スルト「俺の名はスルト・ムスペルフレア、っていうのは…前に言ったな…
まあ…敢えていうなら「炎の王」って所か…」
ライナハルト「炎の王?」
スルト「俺の国は、炎の魔術と鍛治を研究している国でな、そんな所から『炎の国』と呼ばれるようになったんだ」
ライナハルト「そうですか…。」
ライナハルトは一呼吸おいて、質問を続けた。
ライナハルト「では、あなたが眠りに付く前の事を覚えていませんか?」
スルト「確か…『悪魔の軍』が攻めて来るって情報が入って…軍備を進めて…そして、軍が攻めてくる日に…
突然眠くなって、気がついたら洞窟で寝てたな…」
ライナハルト「悪魔の軍?」
スルト「ああ、なんでも魔界から来た魔物の群らしく、炎の力を奪う為に俺の国に攻めてきたらしい」
ライナハルト「おかしいわね…確か伝説では神の裁きのはず…」
スルト「伝説?」
ライナハルト「ええ、あなたに関する伝説の事です」
スルト「お嬢ちゃん、ちょっと詳しく聞かせてくれないか?」
ライナハルト「ええ」
ライナハルトはスルトに伝説の内容を話した。
スルト「ほう…この剣の力で俺は封印された…って事か」
ライナハルト「ええ」
スルト「じゃあ、おかしいな?」
ライナハルト「え?」
スルト「普通、剣が折れない限りは、剣に宿る力は永久に衰えないんだ。」
一呼吸おいて更に話を続ける。
スルト「この剣には折れた形跡が無い。
だが、封魔の力も眠りに落とさせる力も宿ってない」
ライナハルト「え! でも、伝説どおりの形の上に伝説どおりに棺に…」
スルト「ああ…、もし考えられるとしたら…」
ガチャリ。
その小部屋のドアが開いた。
スルト「お客さんのようだな」
二人は身構えた。
>761>764
「な、何!?何が起こったの!?」
メアリは突然のブルームの変化、および部屋を包み込んだ闇に対して戸惑いを隠せない。
このメアリは怨念の強さゆえに鬼と化した霊だが、怨みの対象が居なくなった今は、彼女の実態を維持するほどの強い思念がない。
霊体そのものは強い力を持っているものの、そういった事情で精神力はそれほど強くはなく、パニックに陥る事も多々ある。
一気に勝負をつけるつもりなのか、霊力を金棒と腕の部分にのみ集中し、ただでさえ危険な打撃の威力を更に高めている。
しかし、そのために心臓の辺りの守りがおろそかになっており、呪符を破壊する絶好のチャンスでもあった。
メアリは金棒を振り下ろし、ブルームが倒れていたところに向けて渾身の一撃を放った。
>762
騎士の悪魔は相変わらず無言のままだったが、緋刃の言葉に反応を示した。
馬を走らせ、瞬く間に距離を詰め、人体急所を的確に狙った鋭い突きを連続で繰り出してきた。
この騎士は、槍よりもむしろ馬の扱いを得意としているようで、まるで自分の足のように馬を走らせることができるようだった。
また、彼が乗る馬は赤兎馬を髣髴とさせる赤い駿馬で、騎手の腕前もあってか、凄まじい機動力を発揮している。
だが、騎士は馬に頼る部分も少なからずあるようで、そこに付け入る隙があるのは事実だった。
ただし、彼は人間の騎士ではなく魔族の騎士なので、たとえ馬から落としても油断はできない。
>763
先生を追いかけ、階段を登って暫く進むと、得体の知れぬ東洋風の街へと辿り着いた。
参加者らしき人間は例外としても、一般人の姿は確認できず、明かりの点いた家や店も無い。
天へと伸びる不自然な階段は光を放っており、遠くから見ると螺旋状の光線に映る。
また、街のあちこちで妖怪が列を組んで歩いているのを見かけたが、これらは魔王軍でもなければ、参加者の使い魔という訳でもないようだった。
しかし彼等は非常に凶暴で、参加者と見るや否や、それが人間であろうと魔族であろうと見境無く襲い掛かっていた。
一匹一匹の力は大したことはないのだが、あまりの数の多さに押され、ついには力尽きる者も少なくない。
そのような街なので、耐性の無い者ならば気が狂いそうになるほどの妖気が充満していたし、不意打ちの機会を伺う妖怪の気配も強かった。
>726
シロマ「さあ、早く急がないと白兎を見失うよ!」
クロマ「分かった分かった、じゃああんぱんのレシピを求めて・・・うわっ!」
蝙蝠の灼熱光線にカスってようやく危険に気づいたクロマ。
クロマ「今撃ってきたのはこんな光線?青魔法、ヒートレ・・・うわ!?」
何か発動させようとしているクロマを引きずってシロマは脱兎の如く霧の中へ駆け込む。
>768
>得体の知れぬ東洋風の街へと辿り着いた。
フレイ「・・ただの塔じゃないみたいだね」
レン「先生も何か別の目的がありそーだったな・・」
フレイ「うん・・まぁ、見失っちゃったし、
階段っぽいのが見えるから、あそこに行こう!」
レン「にしても・・見たような街だなぁ・・
まっ、俺の知ってる所はもっとショボいな・・」
フレイ「ここの敵、結構強いみたいだね」
参加者の屍が無数に見えた。
その中を進む二人の前に、妖怪の列が見えた。
レン「ん・・?」
>参加者と見るや否や、それが人間であろうと魔族であろうと見境無く襲い掛かっていた。
更に、列の半分以上が一気に数で迫って来た。いや、跳びかかってきた。
レン「ちょ・・集団戦は勘弁してくれよ・・」
二人は大きく後退し、跳びかかりを一度かわす。
妖怪達は無様に地面に叩き付けられ、下の妖怪は自滅の様な形になった。
フレイ「選り好みも出来ないけどね。
・・奥義ッ!武鋼極風槍ッ!」
闘気と大気を素早く槍に収束し、貫く構えと共に妖怪の群れに突進した。
丁度突進した位置の妖怪は一瞬にして消し飛んだ。
レン「サンキュー!」
レンは、攻撃で空いた場所を駆け抜けた。
フレイ「まだまだ遠いね・・」
レン「フレイ、次は俺に任せてくれよ?」
フレイ「あぁ、任せるよ・・さっきの技、ちょっとキツかったしね・・」
>768 >770
凛星の張った陣の中で緋刃と騎士は激しい戦いを繰り広げている。
騎士の繰り出す攻撃は的確で、馬に乗っているため素早く仕掛けてくる。
しかし緋刃はその攻撃を槍で防ぎ、反撃を試みようとしている。
緋刃:「正確な攻撃だな、だがそれ故に先を読み易い。
それと、槍の使い方を何一つ分かっていないガキの戦い方だ」
二人の戦いを凛星は黙って見ていた。
しかし、誰かがこの場所に居ることを察知した。
凛星:「おかしいアルね、確かに入り口は塞いだはずアル……」
そこまで呟いてある事実に気付いた。
凛星:「入り口は複数あったアルか!?
だけど出口は一つだけアル……なら!!」
呪符を取り出し凛星は天に向かっている階段にそれを次々と飛ばし、呪符の壁を作った。
ご丁寧に呪符の裏には暗器「縛魂釘」を仕込み、剥がそうとすれば体を貫くようになっている。
しかも符そのものが爆発する二重の罠を張った。
凛星:「もう正々堂々なんて言ってる場合じゃないアルね……卑怯者と呼ばれても絶対に勝ってみせるアルよ」
緋刃:「どうした?随分と攻撃が単調になってきたぞ?」
挑発しながら騎士の攻撃を槍で受け流し、緋刃は周りを見た。
騎士が馬を向け一気に距離を縮める。槍が襲い掛かったその時、緋刃は自らの槍を地面に突き刺した。
緋刃:「もらった!!」
槍を思い切りしならせ棒高跳びのように飛び上がり騎士の胸に蹴りを叩き込んだ。
そして槍を振りかぶり、騎士を打ち据えた。
緋刃:「槍は突くだけじゃねぇんだよ、雑魚が!!」
>771
ひたすらに階段に進んで行ったが、階段を前にして
符で構成された壁が目に入った。
フレイ「あれは・・」
二人は壁の前で立ち止まった。
レン「なんだこりゃ・・?」
フレイ「誰かが仕掛けた罠だね・・それじゃあ、待とうか?」
レン「罠なんだろ・・?何を・・」
フレイ「だから、仕掛けた人。魔王軍じゃなきゃ何とか話通じるかも知れないし、
・・そうでなければ・・戦うしか無いけどね」
レン「・・あぁ、なるほど。ってか、まだここにいるのかよ?」
フレイ「多分、ね・・まぁ、いなかったらどうしようもないけど・・」
相変わらずのお人好しでのんびりとした提案だが、
今の所は二人にはそれ以外の方法は思いつかなかった。
階段の周りをうろつきながら、他の方法も思案する事にした。
・・しかし、どうにも気になったレンが・・
レン「・・どうなるんだ?」
と、剥がそうとしてしまった。途端に暗器が放たれ、レンの体を貫いた。
加えて、符が爆発し手に怪我を負ってしまった。
レン「ぐっ!?」
フレイ「レン!?」
少し先にいたフレイが、倒れ込んだレンに近付いた。
レン「悪ぃ・・やっちまった」
立ち上がれはするが、到底剣を握れる状態では無い。
フレイ「・・・レンは休んで良いよ。大丈夫なら来てね」
レンは頷き、階段近くの建物の壁に座り込み傷薬を塗った。
フレイは再び符の壁を背にし、今度は立ち止まった。
フレイ「そこまでして何が目的なんだか・・」
>769
霧を抜けたところには、巨大な塔がそびえ立っていた。
開け放たれたドアからは血の臭いが漂ってきており、戦闘、あるいは虐殺があったことが感じ取れるだろう。
生存者は既にこの場には居らず、此処に居たものは皆、戦死したか、あるいは先へ進んだかの二つだ。
すると、見よ、黒い馬が出てきた。
そして、それに乗っている者は、秤を手に持っていた。
「さっき、強そうな人たちが何人も入っていきました!
優勝を目指すんだったら、一心不乱にひたすら上を目指しなさい!
あと、あんぱん持った魔女が居たら引っ張って連れてきてください!」
黒い馬の騎手は、以上のようなことを言っていた。
>771>772
緋刃が放った一撃により、丁度兜の辺り、魔王軍の紋章が刻まれた部分に大きなヒビが入った。
すると、脳震盪でも起こしたのか、動きが数瞬ほど止まった。
ただ、紋章に何らかの力があったようで、これを傷付けたことによって、この騎士に何らかの変化があったようだった。
紋章はもう一つ、鎧の胸の辺りに刻まれている。
槍による攻撃に拘っていた騎士は、馬を駆って距離を離しながら、今度は火炎の吐息で攻撃してきた。やはり槍以外にも攻撃手段があった。
これを避けようが避けまいが、騎士が吐いた炎は確実に建物に燃え移るだろう。
昔ながらの木造住宅だけに、よく燃えることは想像に難くない。
最悪の場合、この不可思議な町全体が火の海と化すだろう。
>>768 それは暗闇。全ての光輝くものを拒絶した世界。
そんな暗闇の中で不意に歌声が聞こえて来る。『ダー』と呼ばれた者の声だ。
「星が一つ落ちる。その輝きの高みから」
メアリの振り下ろされた金棒がうなり声を上げてダーに迫る。
ダーは地面を軽く蹴り、金棒の先端を足でたやすく止めた。そのまま、振り下ろすように地面に蹴り落とす。
金棒が地面にめりこむ音が聞こえる。
「枯れかけた木に暗黒の風が吹きて、花も葉も吹き散らす」
メアリが必死の攻撃を繰り返す。しかし、それはたやすく足によって防がれる。その攻撃のリズムにのせてなおも歌声が響く。
「白鳥が池で歌い、その歌も暗黒の腐れ風により、次第に弱まり、鳥は沈む。暗く冷たい水の墓へ」
その歌声と放つ凶々しい気配でメアリに段々と近付いているのがはっきりとわかる。
メアリの金棒を片手でたやすく受け止めると凶々しい気配をさらに強くさせたかと思うと金棒が一瞬にして消滅した。
暗闇ではわからないが、霧になったのだ。ブルームがもっていた能力。忌まわしき禁断の力。
「ああ…静かだ。そして暗い。葉も花も散り尽きた。あの星は弾けて死んだ。白鳥の歌も絶えた」
メアリの前に立つと、胸に手を伸ばし、呪符をむんずと掴み、むりやり引き剥そうとする。
「苦しいか?怖いか?絶望の闇がお前の体を支配しつつあるか?」
腐ったような匂いのする吐息がメアリに掛かる程顔を近付ける。手に力をこめていく。
やがて、ベリベリと嫌な音を立てながら引き剥されていく。ベリベリ…
>774
お札を引っぺがすと、メアリは消え去った。実体化が解けて退散したようだった。
だが、実体化が解けたというだけで、成仏した訳でも、まして霊魂が消滅した訳でもないようだった。
きっと、主人に報告しに行ったのだろう。
程なくして、メアリの主人のものと思しき声が聞こえてきた。
『メアリをいとも簡単に負かすなんてね。流石にメリーを負かしただけのことはあるじゃない。
メアリが貴方達の様子がおかしいって、ひどく怯えていたけど……
まあ、遠慮せず上がってきなさいな。最高の料理と魔法でもてなしてあげるから』
メリーというのはメリフィリアの愛称か何かだろう。
声は聞こえなくなり、メアリも居なくなったので、道を阻む者は居なくなった。
>773
たった数分だが、レンは根性(?)で立ち上がった。
レン「ッ・・フレイ、誰か来たか?」
フレイ「うん、誰も来ないね・・
ただ、町が燃え始めたみたいだよ」
何事でも無いように言うが、レンが見る限り、範囲がかなりの勢いで拡大しているようだ。
フレイ「あー、レン?この階段・・呪符かな?・・の周りで待っててね。
無理せずにね。俺も無理だと思ったら帰って来るよ」
レン「・・何が無理?」
フレイ「だから、火が出た辺り・・あっちかな?
あそこで多分、誰かが戦ってるんじゃ無いかと思うんだ。
で、行って見る事にしたんだ。それじゃ、待っててね」
半ば強引にそう言うと、フレイは町の中に戻って行った。
レン「おいおい・・罠かも知れねーのに・・」
しかし、到底走って引き止められる状態ではなかった。
炎は遠くから広がりを見せていた。
地下都市――
遂に、と言うか、意外に早くリョウが眼を覚ました。
リョウ「・・・歩ける・・な。フレイ達を追うとするか・・」
体力は動ける程度にしか戻っていないが、
ゆっくりとした動作で起き上がると、よろよろと進み始めた。
何時になったら合流出来るのか、リョウ自身は解らなかった。
>773 >776
緋刃:「ちっ、落馬しねぇのかよ。しぶとい雑魚だ」
敵の騎士は緋刃の攻撃に耐え、落馬をすることはなかった。
ただ兜にヒビが入ったのを緋刃は見逃さなかった。
緋刃:「来な、次は殺してやるぜ」
馬を走らせて来るタイミングを見計らいヒビに槍を突き刺そうとしたが、騎士が炎を吹きかけてくるのを見て大きく飛び退いた。
結界の呪符は燃える事は無いが、周りの建物が次々と燃えていく。
緋刃:「なるほどあの紋章か……てめぇの化けの皮剥いでやるぜ
おい!槍では勝てないと分かったら今度はそれか?案外大したことは無いな!!」
騎士を挑発すると緋刃は自ら槍を折った、正確に言うと折れたのではない。
一本の長い槍が二本の短槍になり、それを使って器用に建物を登っていく。
そしてまた槍を元に戻し目下の騎士に向かって飛び降り、後ろにまたがった。
緋刃:「これじゃあ攻撃できねぇよな!おらぁ!!」
騎士を羽交い絞めにし、そのまま二人は馬から転がり落ちた。
凛星:「フェイは大丈夫アルか……?まぁ負けることなんて無いと思うアルけど」
凛星は二人の様子をずっと見てきたが、周りの建物に火が点くのを見ると
凛星:「うわぁ!!この塔が燃えちゃうアルね!!」
そう言うと袖から呪符を取り出し
凛星:「我下命氷霊!!降氷粒!!」
呪符は空に陣を作り氷の粒が降り注いだ、しかし火が消えたのはほんのわずかであり全ての火を消すことはできない。
火が燃え広がるスピードが速いため消火が追いつかないのである。
凛星:「あわわわ、火が消えないアルね〜……ん?」
慌てながらも火を消そうとする凛星はここに誰かが近づいてくるのを感じた。
凛星:「こんな時に邪魔しないで欲しいアル……」
呪符を取り出し誰かが来るであろう方向に投げた、階段に張ったあの符を。
>776
意外なことに、塔の方へと進み始めたリョウの行く手を阻む者は特にいなかった。
塔の周辺、および内部では、本来の目的を忘れて殺し合いを続けていた者が多かったようだ。
辺りには死体ばかりが転がっており、生命の気配がまるでない。
これらの死体を操る術を持つネクロマンサーの類も、既に事切れている有様であるから、アンデッドモンスターに襲われることも少ない。
注意すべきは、悪霊だとか闇の精霊の眷属だとか、そういう連中くらいであろう。
>777(落馬の辺りが決定リールっぽいので、これからはちょっと注意した方が良いかも)
緋刃に羽交い絞めにされて落馬した直後、首が180度回転し、そのまま緋刃に火炎の息を吹きかけてきた。
こう人間離れした動きをされると、この鎧の中は空洞のような気がしてくる。
あるいは、首を180度回転させても大丈夫な身体の仕組みでも持っているのだろうか。
どちらにせよ、炎に耐えかねて離れるよりは、このまま鎧の紋章を破壊した方が勝利を狙いやすいかもしれない。
街に放たれた炎はまだ勢いを増している。
>>775 ダーがメアリが消え去ったのを知ると、指をひとつ鳴らした。
暗闇が凝縮していく。それはダーの中に取り込まれていく。
あたりが光に満ちると、ダーの居たところにブルームが倒れていた。
フーリンはすぐに駆け寄ると、ブルームを抱きかかえた。
息を確認する。口から弱い吐息が漏れる。どうやら意識はないが、かろうじて生きているようだ。
「よかった…生きているみたい」
しかし、生きているだけであって、とても戦えるような状況ではなかった。
フーリンはブルームを抱きかかえ、カイザーとサイガの方に向いて
「私たち〜先に行ってるね〜」
その軽やかな言動とは裏腹に苦痛そうな顔をしていた。
そのとき、声が聞こえてきた。メアリの主人のようだ。
フーリンはそれを聞くと、胸の中にどす黒い感情が渦巻いていく。
ブルームを背負いながら階段を上がる。
階段を上りながらフーリンはある決意を秘めていた。
ブルームをこんな目にあわせたやつらを許しはしておけないと。
780 :
名無しになりきれ:2006/04/21(金) 12:48:15
>780
そのまま進むと、やはりフレイ達や凛星たちが辿り着いたような、あの東洋風の町並みへと辿り着く。
街の構造はどうやら碁盤目状になっているようだった。
袋小路もないので、ただ天へと続く階段を目指すだけならば、迷う事はあまりないだろう。
ただ、壁は無くとも凶暴な魔物がうろついていることは多々あり、これらが道を阻むということはある。
これらの魔物にやられてしまったのか、参加者の数はまばらで、また魔物に殺される参加者もリアルタイムで見られる。
そうして殺された参加者の死体が粘土のように形を変えて、魔物と化している。
途中で会った、学者風の男が言うには、
「これらは闇の精霊の巫女をやっている奴の仕業だ。
闇の精霊の力を借りた秘術を用いて、死んだ人間を魔物へと転生させることによって、精霊の眷属を増やしているのだ。
巫女はこの術を用いて、闇の精霊の聖域を侵す不届き者に罰を与えるのだという。
ただ、今の闇の精霊の巫女は代理に過ぎないというのだが……」
とのこと。
>777
フレイは軽やかな足取りで炎を避けながら進むが、
突然何かが飛んで来た。
フレイ「ッ・・」
が、一瞬に感覚を集中し、紙一重でかわし、更に返って来る符を槍で貫いた。
暗器がフレイに刺さったが、爆発は槍が受けた。
フレイは顔をしかめながら暗器を抜き去った。
フレイ「良く出来てるなぁ・・こっちも槍に行くかと思ったんだけど・・
運が悪かったのかな・・。さて・・っと・・お返しは・・
うーん・・まぁ、良っか。誤解かも知れないしね」
自分の事に関しては、何故かとことんお人好しだった。
フレイはそのままどんどん進んで行った。
その頃・・・
レン「ん・・そろそろ剣握れるか・・?」
レンは右手に剣を握り、軽く振っている。
レン「炎がヤバそうなら・・出来る限り、俺が消してやるかな」
腕輪を握り、精神を集中する。あの時の本から、何かを学んだようだ。
・・が、即席で覚えたであろう技に、過度の期待は禁物とも言えるかも知れない。
>778
リョウ「・・死体だらけだな」
塔に進む道中で、リョウの体力は驚異的に回復していた。
内部に入ってしばらく進むと、悪霊のようなものが襲い掛かって来た。
が、殆どが雑魚の様で、軽く刀を振るうだけで充分だった。
リョウは少し速度を上げ、更に進んで行った。
_.. ,,.-'ヽ
ヽ "゙ー-、、 / : :!
i 、 :. ヽヽ_,,.....、,,,....._;/ ,;' ;,.!
i., ..;;;ヽ ヾ ,,;_ , /
ヾ_:::,:' -,ノ
ヾ;. 、;,
;; ● , ... 、, ● ;: ククク 待っていたぞ
`;. ● ,; ' 死んでもらおうか
,;' '.、 -‐-ノ ,;'、
;' ;:
;: ';;
>778 >781-782
凛星:「……ぜんぜん消えないアル」
町に広がっていく火を凛星は必死に消そうとしているが、火の収まる気配はまったく無い。
おまけにこの場所に近づいてくる人物の妨害に手間取り消火作業がはかどらないのである。
凛星:「どうしよう……どうしよう……フェイの様子も気になるし……」
緋刃:「(?……こいつ何かおかしい)」
緋刃は騎士を後ろから羽交い絞めにした途端、妙な感覚を覚えた。
そのまま落馬した後、騎士の首がいきなり自分の方に向いたのを見てその疑問は確信に変わった。
緋刃:「やけに軽すぎる……ぐおっ!?」
火炎の息を浴び、掴んでいた手を離し後ろに転身してなんとかその場から離れた。
緋刃:「地面に落ちた時、随分高い音がした。それにてめぇはやけにその紋章を大事そうにしてやがる
……ヒビが入る前と後ではてめぇは態度が変わった、俺の言いたいことが分かるか?」
そう言うと緋刃は顔に黒い布を巻きつけ顔を覆った。
緋刃:「あまり時間がねぇんだ、さっさと死ね」
槍を構え騎士に向ける。
凛星:「また誰かここに入ってきたアルね」
凛星は新たな人間の気配を感じ取った。
今ここで両方とも敵に回せば、自分一人ではどうしょうも無い。
凛星:「どっちかを味方にしたほうがよさそうアルねぇ……」
>>781.782.784
「ふわぁ…塔の中に町〜お菓子あるかなっ?」
手を額に当ててきょろきょろと周りを見渡した。
どうやらそんな問題ではない。魔物が徘徊しており、火の手がいたるところで燃え上がっている。
「…お菓子が燃えちゃう〜!」
フーリンにとってはそんな問題らしい。
>途中で会った、学者風の男〜
「…私、女だからわかんなぁい〜」
そういう問題ではない。
「とりあえず、火を止めなきゃ…あっ!そうだ〜♪ブルームっ!荷物漁るよ〜」
ゴソゴソと何かを漁っていると、火薬を取り出した。
「よっし〜これで何とかなるかも〜」
そこらへんに転がっている空き瓶を加工し、爆弾を作り出す。
そして、火の燃え上がっているところへ投げつけた。
凄まじい爆音が町中に轟く。爆風によって火を消そうとしたのである。
フーリンはブルームを背負いながら爆弾をそこら中に投げつけ、階段への道へまっすぐへと進んだ。
「さあさあ〜爆死したくなきゃ尻尾巻いてとっととお逃げ〜♪」
陽気に爆弾を投げつけるその姿はどう見ても爆弾魔にしか見えなかった。
言葉の意味を聞き取れる人はそのとおりに逃げ始め、聞き取れない魔物はその爆弾に巻き込まれていく。
>784 >785
フレイ「・・?」
すいすいと進んでいくと、フレイの視界に少女が入った。
なだ遠いので良く解らないが、消火をしているようだ・・
更に、その少し前の陣の中では騎士と青年が戦っているようだ。
フレイ「えー・・と?状況が良く解らないんだけど・・」
とりあえず、話しかけられそうな少女に話し掛ける事にした。
進みながら「おーい?」と声を掛けて見る。一応の警戒をしながら。
レン「・・は?」
意識を集中していたレンだが、真後ろから爆音が聞こえた。
レン「敵・・っちゃぁ敵かも知れないんだよな・・
まぁ、まだ遠いし大丈夫か・・」
今は再び集中し、一気に魔力を高めた。
レン「たぁっ!」
剣が水をまとったかと思うと、姿を変えた。
曲がりくねった形だ。そのまま剣を掲げる。
フレイの進んだ方向と体の向きをある程度ずらし、炎を見据える。
レン「・・・レイニング!」
腕輪が大きく振動し、剣から水流が飛び出す。
そのまま水流は炎の上に渦巻き、激しい雨の様に水を落とした。
『その部分は』見事に鎮火したが・・
レン「・・こんなもんか・・
やっぱ少しでも練習しとくんだったな・・すまねぇ・・フレイ」
一部の炎は鎮火したが、範囲が狭かったのでそこまでの効果は挙がらなかったようだ。
>764>768>774-775>779
カイザー:「……」
ザイガ :「…完っ全に置いてかれたな」
カイザー:「…ああ」
先程までの激しい戦いが嘘だったかの様に部屋内は静まり返っていた。
遠くでは爆音が鳴り響いているが、それも部屋内の静けさに吸収された。
カイザー:「とにかく、俺達も上へ行こう。」
二人は、階段を駆け出した。
カイザー:「それにしても、あいつの変貌は一体…
悪魔の様に…いや、むしろあれは魔人と言うべきか。」
階段を駆け上る最中、カイザーはそう呟いた。
『あいつ』とはブルームの事である。
ザイガ :「ん?なんか言ったか?」
カイザー:「いや、何でもない。今は急ごう、それが先決だ。」
二人は階段を昇り切り、そして次の階を見回した。
>784(緋刃さんの方)
槍を構えたのに対し、騎士も槍を構えた。
緋刃の見立てのとおり、よく見れば、砕けて無くなったところから、鎧の中身が空洞であることがわかった。
口から出る火炎の吐息は勢いを潜めており、再び槍を構えて突進した。
繰り出される突きそのものは速いことは速いが、突進そのものは馬の機動力を失っている。
突きをしのげば勝てる!
むしろ、彼を倒した後にこの炎に包まれた町を脱して、天へと続く階段を登ることに手間取るかもしれない。
>782>784>785>786
確かに全ての炎を消す事はかなわなかったが、雨によって消えなかった箇所の炎も勢いを失いつつあるようだった。
街を包む炎は、どうやら術者の生命力に反応して勢いを増したり、失ったりするものらしい。
魔術による炎はそういう性質を持つことが多い。
こうして炎の勢いが弱まったことは、術者が弱っている証拠と言える。
今一度雨が降れば、完全に鎮火したところでおかしくはない。
>787
まったく不気味な気配に包まれた町である。
遠くに見えるのは、光輝く階段のようなもので、これが天に伸びていた。
街では大規模な火事が起こっているようだったが、野次馬が居ないどころか人の気配そのものが希薄だった。
レンが降らせた雨によるものもあってか、火事そのものは鎮火しつつあるようだった。
また、爆発音も聞こえてくるが、音の大きさからすると、それほど遠くではない。
それほど複雑な構造の街ではないようなので、爆発音のしたところまで辿り着くのは簡単だと言える。
>785 >786 >788
緋刃:「(奴の機動力を殺すことに成功した……さっさとケリをつけるか)」
騎士の突進に動ずることなく槍をしならせる。
緋刃:「何回も言わせんじゃねぇ、てめえの槍はもう見切った」
騎士の繰り出す攻撃を緋刃は巧みに槍を操り払っていく。
数回防御に徹した後、急激に流れを変えるかのように攻撃に転じた。
突きや薙ぎ・斬撃だけでなく、柄を使った打撃で騎士を翻弄し確実に攻撃を当てていく。
騎士の槍を払い、自らの槍の纓(飾り紐の束)で絡め取った。
緋刃:「てめぇの攻撃は封じた、これで終いだな!!」
緋刃の右腕が黒いオーラで覆われていく。
そして渾身の一撃を騎士の紋章に叩き込んだ。
凛星が焼け石に水のような消火作業をしているとどこからか爆音が轟いた。
その直後に「おーい」と何者かの声が聞こえた。
凛星:「(ふむぅ、あの子は駄目そうアルなぁ……使うとしたら爆弾魔の方アルか。何とかとはさみは使いようアルね)」
一人脳内会議を終えた後、凛星は突然
凛星:「きゃあーっ!!助けてー!!」
と悲鳴を上げて爆音のする方へと走り出した。
>788
レン「・・っしゃぁっ!」
レンは炎が弱まってきたのを見て、再度雨を降らせる事にした。
再び集中し、今度は先程よりも早く剣に水を纏わせた。
レン「・・・・レイニング!」
再び剣から水流が飛び出し、今度は先程よりも高く大きく広がった。
徐々に雨にように水が降り出した。
レン「俺の全魔力・・頼むぜ・・」
簡単な魔法を放つ魔力すら失ったレンは、ただ見る事しかできなかった。
>789
>悲鳴を上げて爆音のする方へと走り出した
フレイ「・・え?」
一瞬呆気に取られる。
フレイ「・・・あぁ、そう」
呟きつつも、爆音の方へ逃げた少女を追った。
フレイ(・・悪人にでも見えたのかな・・誤解だよなぁ・・)
飽くまで何か企まれているとは思わないフレイだった。
その頃、リョウも塔の中を着々と進んでいた。
現れた階段を前にし、一度立ち止まった。
リョウ「・・この階段の上に何があるか・・
最後に行き着く先は同じなのだろうが・・」
自らを嘲笑し、階段を登り始めた。
>>786,788-790
爆弾を陽気に投げつけていると、ポツポツと雨が降り始めた。
「あっ、雨だ〜。じゃあ、爆弾はもういらないかな?というか、濡れて点火できないし〜むぅ残念〜」
最後に聞き捨てならない事を呟いたフーリンは爆弾を懐に仕舞って、さらに歩を進めた。
>きゃあーっ!!助けてー!!
「むむっ!?絹を裂くような悲鳴〜」
こっちに向かってくる凛星を目で確認すると、陽気に手をブンブンと振る。
「どうした〜?このフーリンに何でも話してごらん〜?」
この場にはそぐわぬニコニコ笑顔で語りかける。
「ん?他にも人が居るね〜おーい!そこの見るからに不幸そうな人〜早く逃げたほうがいいよ〜?」
両手でメガホンを作り、大声で叫ぶ。その拍子にブルームが背中からずり落ちた。致命的な鈍い音がした。
「あ…ブルーム〜?死んだ〜?おお!神よこの者を生き返らせたまえ〜」
「…勝手に…殺さないでよ……」
「あ、生き返った〜!ねぇ?お金半分になっていない?」
「…相変わらずだねフーリンは…訳わからないこと言っているよ…」
ブルームは重い頭を振って、なんとか自力で起き上がり、フーリンの横に立つ。
「…しばらく寝ている間にとんでもないことになっているね…」
「これもマーフィの法則〜♪ってね」
「それ、前にも聞いたことあるよ…このまま、寝ていたほうが良かったかも…はぁ…」
【また……何回間違えれば気が済むんだよ…orz】
>789
緋刃が放った一撃が見事に魔王軍の紋章を打ち砕いた。
騎士は糸の切れた人形のように地面に倒れ伏した。
と言うより、本当に人形だったようで、鎧の中身は空で、倒れる際に渇いた音がした。
鎧からは邪気が抜けて、ただのガラクタになった。
鎧を操る術者の気配は近くには無いようだ。
>790
術者の魔力が完全に失われたところに水が重なって、住宅街を焼く炎は完全に鎮まった。
あとには焼け焦げた木造住宅が残った。
>790リョウさんのほう
メイドの亡霊に出会った。
鬼となった証として角が生えており、かなりの霊力を有していたのだが、物質に影響を与える「念」の力が弱いので、まったく無害だった。
「ここは危険です。仲間と合流したいのなら、道なりに進めばきっと何とかなります。
急げるようだったら急いでください」
道は複雑ではなく、メイドの霊の言うとおり、確かに道なりに進めば、あの和風の住宅街へと辿り着く。
皆が居る和風の住宅街もまた、単純な構造なので、迷う事もあまりないだろう。
>793 >790 >791
「手応え有り……」
黒いオーラを纏った拳が紋章を打ち砕き、騎士は音を立てて崩れ落ちた。
緋刃はその鎧を一瞥し
「邪魔だ」
そう吐き捨て兜を蹴り飛ばした。
同時に凛星の張った呪符の陣が次々と剥がれていく。
「……無駄な時間食っちまったな、凛星の術で片付ければ済んだものを」
そう言いながら緋刃はずっと目をつけていたある物に触れた、騎士の乗っていた馬に。
「まぁ、これが欲しかったからな
凛星どこ行きやがった、ったくよぉ」
「助けてください!あの男の人に殺されるアル!!」
凛星は後ろからやってくる男を指差し、目の前に二人組みに助けを求めた、その時
「あ……」
袖口から饅頭が落ちた。
「あわわわわ……」
パタパタはたきまた袖口にしまった。
「えへへへ……あ、もちろんお礼はするアルよ
そうアルね……横の男の子、その体じゃ大変そうアルね。完治とまではいかないけどある程度はマシにはできるアルよ」
>791,794
フレイ「ここで雨・・?
・・何が起きても不思議じゃない・・か」
火が消えつつある中、追っていた少女が悲鳴を上げて誰かに助けを求めていた。
>そこの見るからに不幸そうな人〜早く逃げたほうがいいよ〜?
どこかで見たような少女が、そう声をかけてきた。
フレイ「・・・へ?」
辺りを少し見回してから・・
フレイ「俺・・?」
>「助けてください!あの男の人に殺されるアル!!」
フレイ「はい!?」
全く身に覚えの無い事だ。
フレイ「・・あぁ・・やっぱ不幸かも・・」
相手は二人、逃げられないかも知れない上に、彼としては誤解を解きたかった。
その場で立ち止まった。必要とあらば、一戦を交えられるように警戒しながら。
>793
メイドの亡霊を見て一瞬臨戦体勢を取るが、すぐに無害と察した。
>仲間と合流したいのなら、道なりに進めばきっと何とかなります。
>急げるようだったら急いでください」
リョウ「そうか・・すまない、感謝する」
そう言うと、一気に駆け――程無くして和風の住宅街が見えてきた。
リョウ「懐かしいような感じもするが・・そうゆっくりもしていられんな」
雨が降っており、あちこちで燃えた跡が見られた。
と、何かを思い出したかのように荷物の中を漁る。
リョウ「・・やはり!」
一枚、『符』を取り出した。袋の底で押しつぶされていたが、効果は発揮出来る。
旅に出た際、フレイを探すまでに全部使ったと思っていたが、
良く考え直し、一枚だけ残っている事に気付いたのだ。
リョウ「これが・・最後の一枚だな・・。探すならば・・当然あっちだな」
符をかざし、念じる。抜き放った翔燕を投げる。空中で翔燕は回転し、一点を指した。
リョウ「フレイは・・こっちか」
翔燕を手に取り、フレイの方へ向かった。
>>794,795
>「助けてください!あの男の人に殺されるアル!!」
フーリンは怪訝そうな顔で凛星を見た
「む〜君ぃ何かしたの〜?あの人、女の子を殺しそうには見えないけれど〜嘘ついているんじゃないの〜?」
凛星はフーリンを甘く見ていた。フーリンは馬鹿ではなかった。
「あっ!ちょっと待ってて〜!今、当ててみるから〜」
こめかみに両手を当てて、フーリンの脳内会議が開催された。
この女の子はいかにも不幸そうな男に殺されると助けを求めている
↓
しかし、あの不幸そうな男は悪人顔をしていない
↓
よって、あの不幸そうな男は悪人ではない。これは確定
↓
では、なぜ殺されると言うのか。それは男と女の関係にあるのではないだろうか。
↓
よって導き出される答えは、男の愛を確認するために、わざと殺されると言ったのだ。
この恋する少女は白馬の王子さまに助けられることを望んでいるのだ。
フーリンの妄想に満ちた脳内会議を終えると、ぽんと両手を叩いて、ピコーンと口で言った。
「おっけーおっけー君のしたいことはわかったよ〜♪いや〜初々しいね〜。お姉ちゃん、ときめいちゃったよ〜♪」
なれなれしく、凛星の肩をぽんぽんと叩く。
「よっし〜ここはあえて君の策略に乗ってやろうじゃないか〜全ては愛ゆえにっ!」
そう、フーリンは馬鹿ではなかった。『大』馬鹿だったのだ。
「さって〜そんじゃま行きますか〜」
そう言って、金銀の爪を伸ばし、フレイのほうへと歩を進めた。
しかし、今のフーリンには殺意など微塵もなかった。
適当なところで負けてやろうと思っているのだから。にこにこ笑顔なのはいつもどおりだが…
フレイの方へと近づき、そこで構える。
「やいやい〜君の恋人は私がもらった〜!返して欲しければ、この私を倒してみるがいい〜ふはは〜!」
ブルームは唖然とした様子でフーリンを見ていたが、すぐに凛星のほうを見て。
「あ…ごめんね。フーリンが変なこと言って。あ、フーリンってのはあの人だから。僕はブルーム。よろしくね」
そう言って、フーリンの背中を指差した。
体力が低下しているのか、立っているだけでも疲労感がするので、その場に座った。
「えっと…治してくれるんだよね。それじゃあお願いしようかな?」
そう言って、上半身の服を脱ぎはじめ、背中を見せる。
先ほどの戦いで何度も壁に叩きつけられたのか、見るからに無惨な傷が背中全体に広がっていた。
「それにしても…君は本当は何が目的なの?フーリンが言うようなものではもちろんないけれど…
あ、あと、その大福フーリンには絶対に見せちゃダメだよ。すぐに盗られるからさ」
フーリンとは違って、少しは考えることができるブルームであった。
>788
カイザー:「次は…街か。火事でもあったみたいだな」
二人が階段を昇りきった先には、東洋風の町が広がっていた。
戦闘の影響だろうか、火事が鎮火された跡が見受けられる。
ザイガ :「なんか、あっちの方で でかい音がしたぞ」
カイザー:「そうだな、次の階への手掛かりがあるのかもしれないから行ってみよう」
二人は走り出した。
>794-796
>「やいやい〜君の恋人は私がもらった〜!返して欲しければ、この私を倒してみるがいい〜ふはは〜!」
カイザー達が到着したと同時、
フーリンがテンション高めにフレイに向けて恋人がどうのこうのと喋っていた。
ザイガ :「…なんだこれ?」
カイザー:「…そんな事、俺に聞くな」
二人は呆れ顔でその光景を眺めていた。
だが、それだけでこの状況が解決するはずも無い。
カイザー達はフレイに近寄り、話しかけた。
カイザー:「おい、フレイ…なんだこの状況は?」
事態が全く掴めていないカイザーは、フレイに質問をした。
【区別する為に名前を表記させてもらいます・・】
>796
>ピコーンと口で言った。
フレイ(ピコーン?・・策略?初々しい?)
そして、少女――フーリンが爪を出して近付いてきた。
フレイ(殺気が無い・・?)
>やいやい〜君の恋人は私がもらった〜!返して欲しければ、この私を倒してみるがいい〜ふはは〜!
フレイ「・・・・・・・・・・はぁっ!?」
何を言われたのかを理解するのに数秒を要した。
理解して、何やらややこしそうだったのでこの場から去ろうと考えたが・・
フレイ(未知数だからなぁ・・今の俺、メチャクチャ不幸になってるし・・)
知らない相手に、迂闊には動けない。中々仕掛けて来ないが・・
>797
>フレイに質問をした。
フレイ「あっ!カイザー!ザイガ!何か久々なような・・
あ、この状況ね・・俺が一番解らないんだけど・・」
少女、凛星に声をかけたら逃げられ、何故か自分が殺人未遂犯に仕立て上げられ、
もう一人の少女フーリンが誤解なのか何なのか知らないが、それで対立している・・と、
一応、自分の視点でだが起きた事を簡潔に話した。
全員名前すら知らない事も付け加えた。油断しないで前を見据えつつ、だが。
リョウ「・・何をしているんだ・・?」
一方のリョウは、圧倒的な速さで既にフレイ達の近くに来ていた。
声は微かにしか聞こえないが、妙な様子なのは見て取れる。
焼け跡に隠れて気配を殺しつつ、休憩を兼ねてしばらく動向を窺う事にした。
(>796の下一行空いてるのは手違いですorz)
800 :
名無しになりきれ:2006/05/18(木) 13:05:00
800
801 :
ヒョウ:2006/05/18(木) 22:28:32
北斗骨砕打
>798
フレイから大まかな状況を知らされたカイザー達であった。
…だが、それは何の解決にもならない事を知った。
ザイガ :「…ぎゃははははは!!あっはっはっはっは!なんでやねん!」
急にザイガは笑い出した、腹の底から笑い出したのだ。
笑い続けるザイガを横に追いやり、カイザーが口を開く
カイザー:「気にするな、あの馬鹿の思考回路がオーバーヒートしただけだから。
…そんな事よりも、そこの二人。確か、ブルームとフーリンだったな。」
と、そこで言葉を区切り、ブルームとフーリンの二人を交互に見遣る。
カイザー:「確かお前達は、俺達と共同戦線を提案してたよな?」
ザイガ :「そうだしてた、ぜってえしてた、まちがい…ウゲヶブ!!」
カイザー:「少し黙ってろ、貴様と漫才する暇は無い。
…それでだ、俺もお前達と共同戦線をする事に賛成だ。」
と、またそこで言葉を区切り、今度はフレイを指差した。
カイザー:「コイツは俺達の仲間のフレイだ。
そこの少女への殺人未遂の容疑を掛けられているらしいが、
フレイは無抵抗の少女を殺す様な悪人では無い。それは俺が保障する。」
そして、そこで言葉を区切り、今度は凛星に声を掛ける。
カイザー:「君も何か勘違いをしていないか?
君を殺そうとしていたのはフレイじゃなく、誰か他の人物じゃないのか?」
>796 >798 >802
「(……やっぱり怪しまれたアルかなぁ?)」
一世一代の大芝居(大根芝居)に打って出た凛星はどきどきしていた。
しかしその結果は意外なほど上手くいった。
「へっ?愛?恋人?アイヤー……とっ、とにかくあの悪い人やっつけてくださいアルね。
(あ、何か誤解してる目アル。それにこの子なんか馴れ馴れしいアル……私の方がお姉さん違いないアルね)」
とにかくここで両方を敵にすることは無くなり凛星の安全は一応確保することはできた。
そのためなら怪我人の手当てくらいは安いものだ。
「(何とかとはさみは使いようアル……)」
心の中でそう呟き、ブルームの手当てを始めた。
「紹介遅れたアルね、私は凛星アル。
ブルームは一体何やったアルか?ひどい怪我アルね……んっ?」
ブルームの体に触れたとき何かを感じたが、気付かぬふりをして血を拭いながら話しかける。
「あと、私の治療法ちょっと変わってるアルね。簡単に言えば人の持っている治癒力を高めるって感じアルよ」
袖口からいくつも棒状のような物が出てくる。
それは先ほど作った呪符の壁に仕込んだ暗器「縛魂釘」であった。
「これを点穴、つまりツボに刺して怪我を治すアルね。ちょーっと痛いけど我慢アルね」
そしてそれをおもむろにに刺し始めた。しかしブルームの問いかけに凛星の手が止まった。
「私の目的アルか……この町の火事を消すことアルよ
自分のいる町が大変なことになってるから火を消すのは当然のことアルね」
凛星は嘘は言ってはいない、事実消火活動をしていたのだから。
しかし本心も語ってはいない、ここでそんなことを言うわけにはいかない。
目の前の人間は敵なのだから。
フーリンと謎の男は対峙したままなかなか動かない。
「(むー、ちょっとは闘ってくれないと情報が取れないアルね)」
お互い様子を見合っているのは分かるがどんな戦闘スタイルをするのかは気になる。
ここで少しでも情報を集め緋刃に伝えればきっと喜んでくれるだろう。
しかし、男の側に見知らぬ二人が現れ会話をしているのを見たとき、また治療の手が止まった。
「(ちょっ……何コレ!?まさか仲間?えー!!ずるいアルねー)」
しかもその二人組みはよりにもよってブルーム達と共同戦線を組んでいたのだ。
有利どころか凛星は一気に絶体絶命の崖っぷちに立たされた。
そしてテンパったあまりつい大声で叫んでしまった。
「勘違い?私、勘違いなんかしてないアルね!!
わかったアル!!みんなして私を……
この……この……女の敵ー!!」
>798,802,803
今、この場は混沌としていた。実に混沌としていた。
フーリンが様子を伺っていると、カイザーとザイガがやってきた。 そして、フレイと肩を並べた。
「えっえっなに〜?カイザーと悪人顔ってその不幸そうな人と知り合いなの〜?」
驚いた様子で三人それぞれに指差す。
>…それでだ、俺もお前達と共同戦線をする事に賛成だ
「え、本当ですか?よかったぁ…はい、宝を手に入れる直前までよろしくお願いしますねっ」
そう言って、座ったままカイザーを見上げてにこりと微笑む。さっきの戦闘とは比べ物にならないほど穏やかな笑みだった。
しかし、完全にカイザーに背中を預けるわけにはいかない。宝が一つしかない以上、手に入れるのはどちらかのみ。
だからブルームはあえて宝を手に入れる「直前」までと言ったのだ。
このまま行けば、おそらく宝の目前で戦うことになるだろう。そのときの為に戦いの癖、欠点などを見極めなければならない。
>コイツは俺達の仲間のフレイだ〜
フーリンはフレイを指差して 「ふんふん、この不幸そうな人がフレイなんだね〜私っフーリンねっ!」
陽気に顔をほこばせて、手を振る。しかし、すぐに眉をひそめて、
「フレイ〜それはちょっとないんじゃない〜?仲間を呼ぶなんてさ それじゃ、あのいたいけな女の子のハートをわしづかみにできないよ〜?ぷー」
ふてくされたように頬をふくらませる。
ブルームは名前を確認して、凛星に治療を受ける。 背中の傷のことを聞かれて
「えっと、さっきの部屋…下の階だけれどね。そこで戦ってこうなったんだ 途中で気絶しちゃったみたいだけれど、どうやらフーリンが倒してくれたみたいなんだ」
ブルームは気づいていない。己の奥深くに棲みつく邪悪な存在を。
ブルームは気づいていない。完全なる目覚めが迫りつつあることを。
その皮一枚を隔てたその内部には、人智を超えた混沌が渦巻いている。
凛星はそんな気配を少ながらす感じ取っていたのかもしれない。
背中に針がささるとブルームは痛みに顔をゆがめた。
「いった…もうちょっと優しく…っいたい!いたいから!」
>私の目的アルか……
「えっ、ここが君の町なの?そっか…それはなんて言ったらいいのか…」
周りを見渡して、その無惨な光景に気まずそうな顔をする。
「そうだ、家族は大丈夫なの? 助けないと…!」
だまされていることにも気づかすに凛星を気遣う。
フーリンは目の前の三人を見据えていた。どうしようと悩んでいた。
(う〜どうしよう…敵ではないけれど…約束したし…)
>勘違い?私、勘違いなんかしてないアルね!!〜
背中から凛星の声を聞いてつい振り向いてしまう。 「みんなして私を〜?はっ!まさか〜」
前を向き、目の前の三人を見据える。またしても考え込む。
脳内ストーリーが展開される。
フレイ「へっへっこの女俺に惚れていやがるぜ、だったら楽しませてもらおうじゃないか」
カイザーとサイガ「おいおい、俺たちを仲間はずれにするなよ」
フレイ「くくっお前たちも好きよのぉ」
カイザーとサイガ「ふっ…お前こそ」
三人「はーはっはっはーーはっ!!」
(※皆さん、すみません)
脳内ストーリーが閉幕すると、フーリンは唇を震わせて 「…女の敵ぃぃぃぃぃ!」
凛星と言葉が重なる。殺意が一瞬にて膨らむ。
腰にぶら下げた瓶に火薬を詰めた爆弾を指と指の間に挟む。全部で8個だ。
それを全て三人の上空に向けて放り投げる!
連続する爆音。その合間を縫って、フーリンは目に止まらぬ速さで地面を駆けて間合いを一瞬にして詰める。
フレイの目前でステップを踏み、足に煙を巻き込みながらフレイの顔に向けて回し蹴りを放つ。
ブルームが耳を塞いで爆音から耳を守る。
「…っつぅ…あの馬鹿フーリンっ!凛星っあの饅頭ちょうだい!早く!」
腕をじたばたさせて凛星にどなる。
「次スレのテンプレとかはどうするんじゃ?避難所はTRPG板にあるぞい」
通りすがりの老人が呟いた。
>802-804
フレイ「・・・う、うん・・」
オーバーヒートするザイガを横目に、カイザーの方に向いた。
カイザーとあの二人はどうやら知り合いらしい。
>フレイは無抵抗の少女を殺す様な悪人では無い。それは俺が保障する。
フレイ(た、助かった・・?)
更に擁護してくれたり、ブルームと言う人と共同戦線を約束してくれたりで、
ほっと一息ついた。フーリンも一応は自己紹介をしてくれた。
>あのいたいけな女の子のハートをわしづかみにできないよ〜?ぷー
フレイ「・・だから、何?」
まだ妙な誤解は解けていないようで、まだ戦闘体勢を崩していない。
すると、少しの間の後凛星が叫び出し、更に・・
>この……この……女の敵ー!!
>「…女の敵ぃぃぃぃぃ!」
フレイ「はぁ!?」
凛星とフーリンが同時に叫び、フーリンの殺気が一気に増幅する。
フレイ「!?」
上に放り投げられた瓶が次々と爆発する。
反射的に耳を塞ごうとするが、間に合わない――
フレイ「っあぐ・・」
耳を裂く轟音と同時に、フーリンが一瞬で間合いを詰め回し蹴りを放ってきた。
当然避け切れずに、直撃を喰らった。
フレイ「がっ!?・・・くそっ・・」
何とか立ち上がり、耳の痛みを振り切り、槍を構える。
フレイ「・・殺したくないけど、死ねない・・だから、容赦は出来ない・・」
眼が一気に鋭くなり、臨戦体勢に入った。
リョウは気配を殺しつつ、ゆっくりとフレイ達に近付いていた。
>805 老人
(容量ギリギリなのに気付かなかった・・ありがとうございます・・
それで話し合うなら避難所の方が良さそうですね。
時間的に話し合いに参加できるかは微妙ですが・・すいませんorz)
>803-804>805
カイザー:「…?」
女性陣が揃って「女の敵」と発するとフレイが見事に蹴飛ばされていた。
カイザー:「…いや、ちょっと待てよ…お前ら…なんでこうなった?…え、共同戦線は?」
自分は正しい事を言ってたつもりなのに事態が悪化してる。
もはやカイザーも状況がちんぷんかんぷんだ。
>フレイ「・・殺したくないけど、死ねない・・だから、容赦は出来ない・・」
カイザー:「ちょっと待てフレイ!あのフーリンとかいう女をファースだと思え!
そうすれば単なるスキンシップと思えるぞ!」
半ばヤケクソ気味にそう言い、事態を収拾させようとする。
ザイガ :「ねえ、みなさん」
カイザー:「なんだ?気持ち悪い声出して」
ザイガ :「次スレができましたよ、ほら」
俺はカイザー、共に打倒魔王の旅に出よう!4
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