バイオハザード:LEVEL7

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399アロハマン ◆qCw0svp1i6
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あの巨大な腐りかけの怪物が蝙蝠どもの親玉だったのだろうか。人間そっちのけで共食いに励む忌まわしい群れの間
を抜け、研究所の瓦礫とともにくすぶり続ける巨大な肉の塊に青年は近づいて行く。
「跡形もなし、か。けど、得るものはあったかな」
固太りの男――確かシノザキといったか――から失敬したワクチンを、夜明けの空に掲げて眩しそうに眺める。

あの救助隊の世話になったら、色々と不自由な思いをすることになるだろう。
このワクチンも、恐らくは没収される。
幸いあの少年は助かり、薫も無事に保護されたようだ。ここにいる理由は、もうない。
「傘を、デュランという男を倒そうというのなら、またどこかで会うことになるさ」
怪我人とは思えぬ軽やかな足取りで、研究所の瓦礫を超え、塀を越え、その場から密かに退場する。

「ん〜、自力で生還となると、山越えのルートしかないなぁ・・・・ま、ここほど危なくはないだろう」
道端で見つけたマウテンバイクの鍵をヘアピンで外して、跨る。
「感動的な夜明けだなぁ・・・・地上がこうなだけに、余計にそう見えるよ」
ペダルを漕いで、死臭と腐臭の入り混じった風を切りながら、アロハマンは大きなため息をついた。

所持品:メモ帳、ワクチン
現在地・状況:狭戸市内、マウンテンバイクに乗り暮伊山へ移動中、ひとまずのエンディング。
状態:負傷箇所に血が滲んだ包帯、上半身打ち身だらけ、左肋骨三本骨折、左脇腹に深い擦過傷、右足に鈍痛