バイオハザード:LEVEL7

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382名無しになりきれ
飛び交う銃弾の中を頭を屈めて走る。もっとも水平に射撃を行っている自衛官は居ないのだが。
いや、正確には車列の先頭の一団は、こちらから全くずれているが、空ではない方向へ銃を向けている。
その照星の先に居るのは腐りかけた巨人だ。地に膝を突き、手をアスファルトにめり込ませながら
じりじりと這い寄ってきている。直立時は40m近い高さにあった頭部も、今では6〜7m程度まで降りてきていたが、
長時間の銃撃でも致命傷を与えるには至っていない。
(50口径ですら砂粒みてぇなもんか…89式に至っちゃ撃たん方がマシかもな)
襲い来る蝙蝠はほとんどが自衛官の銃撃に倒れ、弾雨を掻い潜った者もこちらに手を出す余裕もなく空へ舞い戻っていく。
結果、車列の先頭である高機動車の陰へ無傷で走りこむことが出来た。抱えていた『荷物』を自衛官に任せる。
ほぼ同時に雑居ビルへ数人の自衛官が向かっていた。見上げると、逆光の中で小さな人影が動いていた。
サーチライトにしがみつき、方向を変えようとしているらしい。今はもう見上げるほどまで迫った巨人の体を、
二度三度と光が舐める。ようやくぴたりと顔に当たった。その瞬間、巨人は咆哮を上げ、右腕で光を遮った。
しかし左腕一本では自らの巨体を支えきれず、大きく体勢を崩す。倒れこみながら右腕を振るい、
少年の居るビルを殴りつけた。建物全体が大きく揺れる。巨人はそのまま研究所へ倒れこんだ。
そのまま動かない。が、周囲の蝙蝠はなお猛り狂っている。バッグから閃光弾を抜いた。
車体に叩きつけ、空へ放る。サーチライトよりはだいぶ弱い光が、それでも痛烈に蝙蝠を襲う。
立て続けにもう一つ投げた。およそ10匹ほどのこうもりが地べたに叩きつけられて痙攣している。
腹に刺した銃を抜き、車体に背中を預けて上空を狙う。耳障りな羽音は未だ濃密に空を埋めていた。

所持品:アンモニア(1本)、フィルム、テープ、 遺骨、医薬品、ツールナイフ、
     ディスク、食料、クロスボウ(矢6本、火薬付き2本、アンプル付き1本)、
     グロック19(残弾13)、釘、無線機、ワクチン、高分子抽出物(4本)
現在地:狭戸市 傘社研究所前 路上