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ゲートに乗りつけたトラックから完全武装の兵士達が下りてくる。
騎兵隊はいつだって遅れてくるのが相場だ。
「おい!研究所内に入るな!爆発するぞ!周辺警戒だけにするんだ!」
兵士の一人が近寄り、ストック無い64式小銃を蹴り飛ばすと流れるような動きで地面に捩じ伏せてきた。
「敵じゃない!モヤシから何も聞いていないのか?!」
叫び声を無視したボディチェック続く。
「その男は問題無いわ。速やかに周辺警戒を続けるように。」
女の冷たい声が響き、自衛官が素早く手を離す。
その女オペレーターはヘッドセットと喉の震動を直接拾うタイプのマイクを装備していた。
「・・・助かった。状況は?」
「状況は・・・悪化する一方ね。本部と連ら・・・失礼。」
女は呟くと、喉に取り付けられたマイクのスイッチを押し、ボソボソと呟いた。
只でさえ聞き取り難いボソボソ声が地響きによって掻き消される。
最後の自力で何とかする、の所だけはどういう訳か良く聞えたが。
「・・・勘弁してくれ。」
地響きの方向には溶けかかった巨大なゾンビがいた。
よく見れば昆虫の特徴を残している事に気がついただろう。
だが、そこまで熱心に見るつもりは無い。
「自衛官達と研究所に残っている二人の保護を。それと大女と子供、犬が一匹いるはずだ。
それから・・・感染したと思われる人間が一人。かなり特殊な外見だが、人間の意識は残っていた。
回収したら移動しよう。」
それだけ説明すると、ジープの上に乗ったM2ブローニング機関銃に飛びついた。
硬い金属で出来た装甲車や航空機を破壊する為に作られた機関銃ならあの巨大な化け物に
ダメージが与えられるだろう。
「誰か!上着を貸してくれ!」
飛び乗ってから上半身裸である事に気が付き、大声で叫んだ。
裸で機関銃を乱射するのはランボーの仕事だ。
所持品:シグの弾倉(1)、無線機、煙草 (空) 、100円ライター
マグライト、 レザーマンツール(10得ナイフ)、ワクチン×2、
アンプル(抽出高分子入り)×5本 、アンモニア×1
現在地:狭戸市 傘社研究所1階 研究室
健康状態:胸に切り傷(出血は少量)。内蔵に損傷?
状況:上半身裸で車載の重機関銃でクイーンに狙いを着けシノザキ、アロハマン
他の人物が車に乗るのを待っている。