●真帆良学園高等部●

「魔法先生ネギま！」の世界舞台で高等部の生徒を演じて楽しむスレです。
利用するのは世界設定のみですので、本編に登場する人物のなりきりはご遠慮ください。

自己紹介フォーマット
名前：
身長：
外見特徴：
血液型：
学年・クラス：
好きなもの：
嫌いなもの：
所属：
特殊能力（注）：
性格：
備考：
注・特殊能力は一つだけです。具体的に書きましょう。

つーるーたっ
おー

特殊能力をげｔするには接吻が必要なのでは

おいちょっとまて！
ネギまスレあるじゃないか！

ということでまもなく公爵によって削除されるでしょう。

えいっ！

えいっ！

人生はクソゲーだよな

人生はクソゲーだよな

>>4
ＡＡで話すネギまスレはキャラネタでしょ？
板趣旨からいけば消されるのはあちらの方かと。
共有認識の世界設定を借りるというだけで、オリキャラのなりきりスレですよ。

>9
いいえ、こちらです。

>9-10
どちらもです。

>>9
この板はオリキャラ板ではなくて、なりきり板です。
でも向こうより面白そうではあるね。
一週間たっても削除されてなかったらこっちで遊ぶよｗ

ついでに付け加えると、趣旨の違うスレッドは別に立てられる、というローカルルールが現在審議中。
削除人さんによってある程度処理が変わる事はあると思うけど、前回の削除人さんは
それを尊重して違いのあるものは残してくれたし。

やりたい人がやれる板、それが　なな板。

こんな過疎板でコミュニティー作ろうとするそのチャレンジ精神に乾杯

>14
赤字ローカル線みたいですこの板は。
（夕方だけ学生が乗車して混みあう）

すっごい萌える闘志を感じましたですわ。
わたくしも感動しておりますですわ。

セバスチャン！セバスチャン！わたくしの入学手続きをすすめてね！ですわ。

高等部と言う事は明日菜達をいじめてた連中みたいなのがくるのかな？

本編に登場したキャラ不可って書いてあるからそう言うのはなしなんじゃねえの？
つか１はどこいった？

立て逃げ認定なので通報しました。

１じゃないけど
>>19
気が早いな、おいｗ
２４時間待たずに立て逃げ認定っすか。
チャットじゃないし、一般人は生活があるんだよ。
でもそういいながら上げてるお前が好きだ！

新キャラ設定に疲れ果てた赤松本人がスレ立てたが、見事に滑ったスレはここですか？

んなわけない

今あのひと何処でナニしてるの？

マジでこのスレ作者のネタ補給場なん？

で、真帆良学園ならではの設定ってどんな感じなの？
自分アニメしか見てないから魔導書の置いてある図書館の地下迷宮と
マンゴープリンが出てくる喫茶店ぐらいしか覚えてないけど。

赤松ってだれ？

キャラになって好きに話し作っちまっていいやん
それこそ想像力使ったなりきり板の本懐だろ

だな

私っじつはネギ・スプリングなんとかってのだいっ嫌いなんだけど
そんなこと口にしたら退学になりそうなんで言えないんだよな

>>27
感動した。
キャラ考えたらこのスレ参加するよ。

で、赤松って誰なのよ？

ネギまの作者だろ

でここ作者本人来てるの？

しらんがな
でもこの板はたまにそういう事あるらしいな
キャラ投入してそれが漫画に登場したらきてたってことなんだろ

じゃあここで新キャラをアピールすれば使ってくれるのかな？赤松せんせい

よっし！じゃあ俺のも、らぶひなに出演できるようにキャラつくろっと♪　赤松せんせよろしくね♥

よしとりあえず赤松せんせいをヨイショしておこっと。
ぃょ！せんせーすてきーしびれちゃうぅ〜きゃーきゃー♪
やっぱりせんせーが美少女だってこと改めてわかったよ。萌え萌えで可愛い！せんせーたん。

おっす、おいらネジっていうだけど、ネギってのよりおいらを愛してくれよ生徒ども！

疲れた

おーい赤松さまーいますかー？

たとえいてもいますとは出てこんだろ

男子禁制だって

先生ならいいんじゃね？男でも
ねぎまってようしらんけど

赤松せんせいって女流なの？

赤松先生まだぁー？

こないぽ

すいません、もうネタ出ません
助けて

赤松先生本人が女子生徒になるのとかネギが女子生徒になるのとか

性に目覚めたネギの野望

>>47
４年後のネギ１４さいでキャラ一新の新章スタート

もうキャラ無理
考えて

>>51
どうした！赤松先生がんがれ！！

赤松！

赤松先生さんていうキャラを作れってことなんでしょうか？

ネコミミは？

オッス！オラ、ネギま！
なんだかワクワクしてきたぞ！

ネギま！の世界観てのがいまいちわかりません。
せつめいしてください。

あと、ひなた荘の世界も。

このスレ、キャラハンが集まればいいスレになるだろうな。

でも集まらないんだからしかたがない

誰か一人二人投下すると集まるかもな
様子見率は高そうだ

様子見の点呼を取りたいが、生憎とID非表示なこの板では無理だな

じつはおまいひとりだけ〜♪

そういいつつ上げてる63が可愛いぞ
俺も期待アゲ

わたくしもすっごい期待しておりますわ。

とくに赤松先生のキャラを拝見したいのですわ。

セバスチャン！セバスチャン！わたくしの入学手続きはどうなってるんですの？

とにかく>1のキャラがみてみたい

立て逃げだろ
シェアワールドとか立て逃げしてるのと同じパターンじゃねえの？
もしくはマジでネタに詰まった作者かアシスタントか
やりたい奴は勝手に乗っ取っていいんじゃね？
こんだけ放置しといていまさら文句もでんだろ

とりあえず麗華に乗っ取られそうな悪寒

　　　　　　　　　∞⌒∞　　　　　ﾌﾞｰﾝ
　　　⊂二二二（　＾ω＾）二⊃
　　　　　　　　 |::::ヽ∞/
　　　　　　　　/ﾑﾊﾑﾊヽ
　　　　　　　　ﾉ>ノ
　　　三　　　ﾚレ

で、何するスレなんだ？

赤松のためにネタを献上するスレ？

ねぎま出演者オーディションです。

セバスチャンﾏﾀﾞｰ？

名前：小早苗あめ
身長：155cm
外見特徴：ツインテール
血液型：Ｂ型
学年・クラス：１−Ｌ
好きなもの：テディベア
嫌いなもの：自分を否定する存在
所属：ひなたぼっこ研究会
特殊能力：気功術
性格：夢見がち
備考：春休み中に山ごもりして気功術を会得するが、本人は魔法使いになっと勘違い。
常備している杖にはあまり意味がない（鈍器？）。

ま、よろしくねっ☆

ｷﾀーーー！

で？赤松この後どうすんの？

参加ありがとうございます
この後は自由に質雑、ＳＳで楽しんでください
そうすることでキャラに肉付けがされ厚みが増します
欠かさずチェックさせてもらってます

>>77
赤松ｷﾀ─ｗｗﾍ√ﾚｖｖ〜(ﾟ∀ﾟ)─ｗｗﾍ√ﾚｖｖ〜ー!!

>>73
セバスチャン！呼ばれていますわ！早くなさい！まったくもう！>>74に先を越されちゃったじゃない！！

は！お嬢様！承知いたしました。それでは入学手続きをば・・・・


名前： せばすちゃん
身長： 180cm
外見特徴： 紫色のタキシードにピンク蝶タイのロマンスグレイのちょっとおちゃめな髭紳士
血液型：セキュリテーにかかわるので差し控えますじゃ！
学年・クラス： １−梅
好きなもの： お嬢様の笑顔　筋トレ
嫌いなもの： お嬢様に罵られる事が最大の弱点　ところてん
所属： お嬢様のＳＰ軍団団長
特殊能力（注）： ＭＳを生身で倒す流派・当方腐敗の継承者
性格： 厳格　お嬢様一筋を自負　野郎に容赦ない　若い娘に言い寄られると腑抜けになる　勘違い多々
備考： 麗華お嬢様お付のシークレットサービスの総合庁舎　すぐに勘違いするのはボケの始まりか？
　　　　かつて麗華の祖父と世界中を身一つで渡り歩いた武勇伝があるとかないとか・・・

ってかんじなんだ　みなさんよろしくねっ　うふん♪　　　・・・・・・・・ゲフンゲフン。

>77
ヽ(＾ω＾)ﾉ

>>77
赤松せんせい！舞台の学校の説明をしてくださいませんか？
そうしないとよくわからないので動けません

舞台の学校はコミックス読んでね
描かれていない部分は勝手に話し作ってかまいません
ネギま！の世界観から大きく逸脱しないかぎりね
皆さんの想像力と創作力で自由に動いてください
それこそがこのスレの趣旨です

　　　　　　／⌒ヽ ﾌﾞｰﾝ
名前： 二（　＾ω＾）二⊃ 　　　　　　　　　／⌒ヽ ﾌﾞｰﾝ　
身長： 　 |　　　 /　　／⌒ヽ ﾌﾞｰﾝ 　二（　＾ω＾）二⊃
外見特徴：　ヽノ 二（　＾ω＾）／⌒ヽﾌﾞｰﾝ 　　 /
血液型：　ﾉ>ノ 　 ⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ヽノ　　　 ／⌒ヽ ﾌﾞｰﾝ
学年・クラス： 　　 　（　ヽノ|　　　 / 　　ﾉ>ノ 　二二（　＾ω＾）二⊃
好きなもの： 　　　　ﾉ／⌒ヽ ﾌﾞｰﾝ 　 レﾚ　　　　　　|　　　 /
嫌いなもの：二二二（　＾ω＾）二⊃　／⌒ヽ　ﾌﾞｰﾝ （　ヽノ
所属：　　　　　　　　|　　　 / ﾚ 　二（　＾ω＾）二⊃　ﾉ>ノ
特殊能力（注）： 　 （　ヽノ 　　　　　|　　　 /　　　　レﾚ
性格： 　　　　　　　 ﾉ>ノ　 　　　　 （　ヽノ
備考： 　　　 三　　レﾚ 　　　　　　 ﾉ>ノ

>>83
なにげにコミックの宣伝乙！さっすが赤松せんせいやることがビックリだぜ！
今何巻まで出されていましたっけ？

＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　○

　　　　　　　　　　　　　　　　O
　　　　　　　　　　　　　　　。

　　　　　　　　　∞⌒∞　　　　　ﾌﾞｰﾝ
　　　⊂二二二（　＾ω＾）二⊃
　　　　　　　　 |::::ヽ∞/
　　　　　　　　/ﾑﾊﾑﾊヽ
　　　　　　　　ﾉ>ノ
　　　三　　　ﾚレ

>>80
あー！もう、だめでしょおじい！またおじょうたまに叱られちゃうじゃない！！
入学願書は正確に書かなくっちゃ！　めっ！！


名前： 執事山せばす （せばすちゃん）
身長： 130cm
外見特徴： ちっこい
血液型：一族の掟により内緒
学年・クラス： １−？
好きなもの： 麗華お嬢様　シュークリーム
嫌いなもの： 祖父（セバスチャン）のしりぬぐい　ところてん
所属： お嬢様のＳＰ軍団
特殊能力（注）： 自分（だけ）に関わる全ての危機の回避
性格： 泣き虫　ドジッコ
備考： 麗華お付のシークレットサービス団長（セバスチャン） の孫娘。現在９さい？
　　　　執事山一族の未来を背負って立つ若獅子　コードネーム　せばす　ザ　サード
　　　　セバスチャンのかわりに麗華に付き従う。

よろしくおね・・・・あわわ！なにか危険があぶない！にげ・・・ふぅ〜あぶなかったぁ
あれれ？おじい！なんでそんなところで頭に鉢植え乗っけてネンネしてるの？おじょうたまに怒られるよ？

お嬢様の願書がないのにﾜﾛﾀ

>1-88
(ﾟ�听)ﾂﾏﾝﾈ
とりあえずこれは言っておくよ☆
名無しだろうが糞コテだろうがいてもいいと思うけど。
あめっちも単なる厨キャラハンくさいし。
何も進めないでぐだぐだやってるよりも、ちゃんとやってみようよ☆









な〜んちゃって藁

今日のひなたぼっこ研究会はお休みだよー…
真帆良って天気が悪い日あんまりないはずなんだけどなぁ。
とりあえず寮に帰って魔法の特訓中だよ☆
呪文言わなくて魔法が出せるって便利だけど、なんかいい呪文みたいなのないかなぁ？

>>90
コンコン☆（誰かがお部屋のドアをノックする）

今>>89がいい事言った
良スレになる油缶

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　フ
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　|　＿＿ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　||
　　　　　　　　　∞⌒∞　 .||
　　　⊂二二二（　＾ω＾）二⊃　　　ﾌﾞｰﾝ
　　　　　　　　 |::::ヽ∞/
　　　　　　　　/ﾑﾊﾑﾊヽ
　　　　　　　　ﾉ>ノ
　　　三　　　ﾚレ

>91
ほーい☆
あれ、誰もいない……ピンポンダッシュ？

>92
良スレにできるかどうかはわかんないけど、とりあえずよろしく！

>93
ふーん。
で？

というわけで　あめ　が乗っ取りました
麗華＆せばすちゃんＳ　残念！！

癌子白旗立ててるよ癌子

癌子アワレ！

>95
乗っ取ったってゆうか、これが本趣旨なんじゃない？
でも、テンプレ無しの謎お嬢様とか、明らかにお爺ちゃんとちっちゃい子とか、意味不明なのとか。
そんなのより、ちゃんと>1の方向にいったほうが良いスレになるでしょ？
ならないかなぁ…？とりあえず、あめっちが頑張ってみるね！

>96-67
いくら意味不明でもそんなこと言うのはかわいそうだぞ！
まあ…真帆良学園には変わった子が多いけどね☆
その中にあめっちも入ってるって？
こぉ〜ら〜!!

で？とりあえずディナーでもいかがかなマドモアゼル？ＨＯＴＥＬのスィートも予約しておいてあるんだよ？

ハァーーーーーーー！

赤松的にはこの展開はどうなの？

大地震によって学園崩壊

>99
学園の中にも面白いトコたくさんあるよ☆
とりあえずあめっちはパス〜

>100
100おめでとう♪
で、なんでそんな叫んでるのかな？

>101
あなたの言う赤松って>77とかのことでしょ？
こうやって質問スレみたいに展開するのが、元々の道筋だったんじゃないの？
知らないけど。
でもでも〜、SS風にするも楽しいかもね☆
ま、まだちゃんとやってくれる人が集まらないと無理っぽいね。

>102
狂言、好きなの？
あ、でもここは、イベントを出してくれたから、お礼を言うべきなのかなぁ？
真帆良学園校内地震想定避難訓練があったということで☆
まぁ、たぶん地震なんて絶対有り得ないと思うけど。

名前：橘　紫
身長：１５８cm
外見特徴：セミロングをアップにしている。ふちなし長方形眼鏡着用
血液型：Ｏ型
学年・クラス：１−Ｃ
好きなもの：星空
嫌いなもの：雨の日
所属：漫画研究会
特殊能力：『弘法の筆』
性格：お祭り好き
備考：書いたものを最大１０分間具現化できる能力の持ち主。
具現化アイテム『弘法の筆』は筆ペンのように筆自身から墨が出るが、その墨は紫本人の
血を吸い取って使用しているので、大量に使うと貧血で倒れ危険があるのでめったに使わ
ない。
具現化したものの強度は、描くキャンバスの質と血の濃度に依存する。
一言。「ムラサキ」じゃなくて「ゆかり」だから。

>>90
ドタバタドタバタとあめっち、うるさいよ！
たまに早く部屋に帰ってきたと思ったら、何やってるの？
漫画のアイディア纏まんないじゃない！
え？呪文？技の名前なの？
そうよね！技を使うものの生命線は技の名前よ！
漫画ではすべからく技の名前を叫びながら技を放つのが王道だもん！
そうねえ・・・基本的に技の名前は技事態の性質や形状を顕している事。
あと、地域性ね。
日本・中国なんかだと『○○波』とか「○○拳」。
ヨーロッパ系だと横文字いっぱいね。でもこれは頭文字で呼べるから多少長くてもＯＫよ。
ちょっと色を変えてインドとかエジプトあたりでも特徴出しやすいわね。
何よりも技名いいながら技をかけるんだから、語呂も大事にしないとね。

>>103
一人では無理でも、だんだん増えていけばいいのよね。
とりあえず私も参加。よろしくね。

で？

>104-105
ごめんね〜ゆかりん！
あめっちね、呪文言わなくても掌に力込めると、魔法使えるんだ☆
でも、よく魔法使いのやる簡易魔法とかじゃないみたいだし…
でもアドバイスありがと、参考にしてみるよん♪

>106
で？
あなたなそんなこと言って何がしたいのかな〜？
もしかしてあめっちの魔法の呪文考えてくれたの！？
でもさすがに「で？」なんていう呪文嫌ぁ。

あめとむち

ないとめあ？

ちょっと、質問スレだと先が見えるねぇ…
乗っ取りとか言われてるし、寂れるのも嫌だから、
レスしたらちょっと案出すからみんな聞いてね！

>108
あめの名前はそのあめじゃな〜い〜!!
雨から来てるんだってママが言ってたもん。
でも「ドロップ＆ウィップ」とか技名にしたら面白いね☆

>109
悪夢ねぇ。
ナイトメア!!
う〜ん…イマイチ。

　　　〜あらすじ〜
真帆良学園高等部女子寮にピリピリとした空気が包む。
寮内を、あらゆる能力を持つ生徒や、卓越した技術を持つ生徒が、戦闘を繰り広げていた。

　　　〜女子寮〜
一階→一年寮・食堂・ホール
二階→二年寮・雑談ルーム・自販機コーナー
三階→三年寮・展望室・図書室
屋上
三階までのエレベーター有り

　　　〜ルール〜
・物語の進行はSS風、質雑に関しては自由で。
・チームを組むのは可。
・死亡させるのはＮＧ（一応学園設定だから）。・参加者はトリップを付けること。

…とまぁこんな感じかな。
まだルールはちゃんとしてないなぁ。それに他のスレの二番煎じな感じ。
とりあえず、名無しさん達やゆかりんも何か意見くださいな☆
とりあえず次からのレスはSS風に変更しま〜す！

>111
名無しがイベントや敵投下などを出来るようにするのはどうかな？
もちろん、ヤバイのはスルーで。

「ヤバイ」例
隕石が落ちてきた、核が投下された、全員死んだ、etc・・・

>112
激しく賛成。
で、敵ってのはどこぞの軍隊とかも出していいのかな？
あと、化け物とかも出せれば盛り上がるかと思われる。

早速提案が！
ありがとー☆
とりあえず返事だけなのでまだSS風レスはやめとくね。

>112
それ良いと思うよ！
イベントがないとやっぱりマンネリ化するもんねぇ。
名無しさんも参加できるのがいいよね☆

>113
軍かぁ…そうだねぇ。
真帆良っていうのは色々不思議なところがあるから、それを調査しにきた軍ていうのならいいのかな。
化け物は大賛成！
日本でいう妖怪とか、西洋のヴァンパイアとかワーウルフとか、原作に出てるのもいるけど
あれじゃなきゃ大丈夫だと思うよ☆

でも、生徒同士のバトルがメインかな。
もちろん一対一じゃくて共闘したりチーム組んだりもできる。
それに、名無しさん達の送り込んでくる敵とも戦うって感じになるのかな。

>111
そうねえ、ＳＳ風。戦闘モノはいいと思う。
ＳＳは場面によってはリレー小説みたいにもなるのかな？
せっかく能力付だし、一般生活ではなかなか生かせないからね。
戦闘区域は寮に限らず、学園全体（高等部）に広げてもいいんじゃない？
>112さんの投下と言うのもいいアイディアだと思う。
あと、何故戦っているか、という理由付けは必要じゃないかな？
何かを目指して、バトルロイヤル＆他勢力乱入みたいな。

ＰＳ・ちょっとトリップ変えました。気にせずこれからもよろしくね。

>116
質雑は通常、若しくはＳＳ
イベントや本流はＳＳ
みたいな感じで使い分けてもいいんじゃないかな。

もしSS風にやるのなら、避難所を作ってそこで質雑や打ち合わせとかやったらいいと思う。
それに、避難所があれば名無しやキャラハンも意見交換とかしやすくなるだろうし。

と、一人の名無しとして提案してみる。

>115-116
場所はね…うーん…。
高等部の敷地内ってことにする？
校舎、寮、運動場、中央広場…真帆良学園で考えればいくらでもでるけど。
質雑はとりあえずそのキャラハンさんの自由ってことで☆

>117
そういうことできる避難所は必要だよね☆
とりあえず意見が纏まって、方向性が決まったら、避難所を立てるかどうか決めよ。

ちょっと付け足しね。

戦闘になった場合にリレー小説になるってこと？
他の人を使うのってちょっ恐縮しちゃうなぁ…
その時はテンプレ見たりレス見て能力とか口調とか研究しなきゃだよねぇ。
やっぱりこういう時は避難所必要になるね…

後、名無しさんか敵を出してくれる場合があるでしょ。
あめっちとか他の人が勝手に使って倒す場合もあると思うし、名無しさんが行動させる時もあるよね。
名無しさん自身が行動させる場合は適当でいいからトリップ付けてもらいたいな。
分けておかないと、知らないで勝手に使われちゃうからね〜！

臨機応変な対応と、譲り合いの精神が大切だよね、やっぱり☆

ここまでのまとめ

確定案
１．名無しのイベント投下や敵投下はおｋ
２．↑の敵については、確たる理由と目的を持って登場させること
３．継続的に動かす場合は、なるべくトリップをつける
４．敵は化け物や軍でもおｋ

検討案
１．キャラハンの打ち合わせ、意見交換や名無しとの質雑等を目的とした避難所の設立


それから、これは自分の提案。
・・・はっきり言って、TRPG形式でやるのなら避難所は必須。
他の成功したTRPGスレを参考にするとGOOD。

えーと、何故いきなり伸びなくなったのですか？

普通に日曜の昼から２ＣＨやっている奴が少ないだけだろ
夜までﾏﾃ

>120
お！まとめてくれてありがとう☆
避難所立てようとしたら「このホストでは〜」で立てられなかった……
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1105952051/w
こことかで代用するしかないかな？
もしくは代行さんに頼むとか？

>121
ごめんね！
昼間はお出かけしてたんだよ〜☆

>122
そういうこと。
そうそう、ネギま！知らない人でも参加できるように勢力作ってみたよ！
もちろんトリップ付き参加者と名無しさんの敵、どっちもありの。

・亜細亜呪術結社
アジアの裏社会を仕切ってきた者達。
各勢力のせいで世界が不安定になっているため、阻止するために動く。
主なメンバー…陰陽師、巫女、仙人、拳法家、忍者など。

・西洋式魔導連合
自分達こそ世界を統べるべき選ばれた存在と考えている。
そのため、自分達に必要のない他の勢力を目の敵にしている。
主なメンバー…魔術師、エクソシスト、神父、シスターなど。

・モンスターズユニオン異世界に追いやられたモンスター達の勢力。
人類から元いた世界の奪回を目指す。
主なメンバー…天使、悪魔、ヴァンパイア、ワーウルフ、鬼、妖怪など。

・W.R.F.（ワールド・レボリューション・フォース）
世界征服を狙う組織。
近未来的技術を駆使している。
主なメンバー…傭兵、元軍人、ロボット、サイボーグ、アンドロイド、サッキッカーなど。

・その他
もちろん無所属の者や、何も知らず巻き込まれてしまった能力者もいる。

各勢力の目的…真帆良学園を拠点にするために動いている。

参加者…生徒や職員ほか、潜入している者、真正面から戦いを挑んでくる者もいる。

こんな感じ。
厨房的発想でごめんね。

テンプレさえあれば、自分が避難所立てをやってみないこともない。

立てられるといいんだけど、ヤフーなんでちょっと不安（汗

避難所立てる為のテンプレ、どうしようか。

最低でも、sage進行と荒らし・煽りスルーは入れるとして・・・
他に、>120の確定案全てと、あめっちの考えた>124の勢力紹介も入れた方が良いね。
俺の思い付くのはこんくらい。

>125-126
立ててくれるの!?
ありがと〜う♪
ならこれもお願いしようかな…

自己紹介用新テンプレ
名前：
性別：
身長：
体重：
外見特徴：
血液型：
所属組織：
学園内での役割：
性格：
備考：
特殊能力：

ごめんねごめんね！
もう立てる作業入っちゃったかな？
ちょっと変更しただけなんだけどこっちでお願い!!

自己紹介用新テンプレ
名前：
性別：
身長：
体重：
外見特徴：
血液型：
所属組織：
学園内でのポジション：
性格：
特殊能力：
備考：

滅茶苦茶時間がかかった割にはカスな出来ですが、立てました。

●真帆良学園高等部●避難所
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1116148829/l50#tag3

至らない所とかあれば付け足しお願いします。

おｋ、全員>129のスレへGO！

>129
カスなんかじゃないよ。
本当にありがとう。
動き出したからには、>1000まで頑張って頑張って進めるぞ！
避難所建ててくれて本当に感謝してます。
ありがとう、>129さん☆

ややや、一晩で話が進んでる！
話し合ってくれた人たち＆>>129さんアリガトー

で？

小太郎が嫌い　大嫌い

お昼に来てみたよ〜☆

>133
もう君スルー!!

>134
ネギま！スレだけど、ぶっちゃけネギま！全然関係ないからネギま！のこと書かないで！
書くなら避難所で!!
ここは自分の鬱憤をぶちまけるスレじゃないから！

まだ未稼働中です、レスするのは控えてね☆
すらなら●真帆良学園高等部●避難所で↓
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1116148829/w

おーい>>1出てこいよ

あめがこのスレ乗っ取り大成功！

―ＳＴＯＲＹ―
巨大学園都市『真帆良学園』。多数の学部に分かれ、都市としても機能している。
一般には知られていないが、魔法先生や魔法生徒と呼ばれる学園の治安を守る存在もいる。

そんな真帆良学園一角、高等部。
そこは、様々な思惑を持つ者達の戦場だった。
亜細亜呪術結社、西洋式魔導連合、モンスターズユニオン、W.R.F.…
高等部敷地内にある“何か”を手にするため、機を窺っていた四勢力は、偶然にも同時に行動を開始。
この事態に、学園側も防衛のために魔法先生や魔法生徒を投入。
だが、事態は未だ、収まることはなかった…


ここは、TRPGスレです。
参加する場合は避難所に行き、ルール等を確認してください。
●真帆良学園高等部●避難所
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1116148829/w

私は、最初からこの事態を知っていたわけではないし、どこかの勢力にいたわけじゃない。
人と話すのが苦手で、「あめっちは〜☆」とか、自分を作ったりして…
何か変えたいと無我夢中で始めた気功は、いつの間にか達人の域にまで達していた。
そんな時、私に声をかけてくれたのが、橘　紫という子で、高等部一年になった私と同じクラスで、寮では同じ部屋だった。
彼女は、亜細亜呪術結社という組織の一員で、今真帆良学園で起こっている不可解な出来事の調査をしているという。
橘　紫ことゆかりんは、その調査に私を引き入れた。
真帆良学園は真帆良学園で、何か策を打っているらしいけど、あまりうまくいっていない様子。
どうなるかは、まだ誰もわからない。

『女子寮・自室』

机に突っ伏して、同室の紫の帰りを待つ。
あめと紫は部活が違い、帰宅の自分がずれる。
「調査って言ってもなぁ…」
半ば何も知らないでこの事態に巻き込まれたしまったあめは、何をするにかまだわからないでいた。
「とりあえず、他の勢力の人を探すんだよね…話し合いで解決なんかできるのかなぁ？」
亜細亜呪術結社の一応の目的は、他の勢力と和解し、これ以上の被害を減らすこと。
表沙汰にはなっていないが、もう何人か勢力同士で負傷した者がいる。
「早く帰ってこないかなぁ…」
待つのは嫌いではないが、退屈だった。

『女子寮・自室』

「たっだいま〜！あめっち、遅くなっちゃってゴメンネ。神様が降りてきてさー。筆が進む進む＾＾」
部屋のドアを勢いよく開け、上機嫌に語りながら部屋に入る紫。
室内には同室のあめが既にいた。

小早苗あめ。初対面の時はあまり好きになれなかった。
妙に明るく振舞っているが、そこかしこに無理というか歪があって、見ていられない痛々しさを感じた
からだ。
その後気功をはじめたとかいって、部屋でドタバタやっていたりもしていた。が、一般人が何を、など
といらつきもしたものだった。
だが、あめは驚くべきスピードで上達し、既に達人の域にまで達している。
驚くと同時に感心した。まさかこれ程になるとは・・・その才能と努力に。
体術だけなら既に紫を問題にしないほどの腕前だ。
ある種尊敬をし、そしてその卓越した能力を見込んであめを亜細亜呪術結社に引き込んだ。
今、真帆良学園では色々な組織が暗躍し、学園地下の秘密を探り小競り合いをしている。
そして紫は『その為』に真帆良学園に入学したのだ。
だが、術者である自分は接近戦や肉弾戦に適しているとは言えない。
同室のあめが格闘戦向きの気功を操れるのは、正に僥倖であり、是が非でも仲間になって欲しかったのだ。
戦力として、そして尊敬する友人として。

部屋に入り、制服を脱ぎ捨てて着替える。
クローゼットの扉から顔をだし、あめに笑いかける。
「あめっち、待たせちゃってゴメンネ。ちょっと軽く月光浴にでもいこっか？
今日はちょっとハード・・・じゃなくていい月が出てるよ〜。」
すっかり着替え、月光浴という名の周辺パトロールに誘う。

『女子寮前・道路』
※時刻はPM07:00頃

「まだ、７時だし、人いるねー」
まだ７時。人気はある。
途中、クラスメイトに会い、挨拶も交わした。
あくまでパトロールを兼ねた散歩。気を張ることもない。
「コンビニ寄ってこ〜よ☆新商品のアイス出たんだって！」
他愛の話。それが心地いい。
あめと紫、コンビニのある方向に向けて、歩きだした。

「緊急車両通ります　緊急車両通ります　道を開けて下さい」
二台のパトカーが、サイレンを鳴らして廃ビルの方へ走っていく。
さらに後には、機動隊の隊員輸送車も続いている。どうやら廃ビルで何かあった様だ。

選択肢
　　廃ビルに行く
　　警察に任せておく
　　コンビニに置いてあるテレビで情報を得る

>143
『女子寮近辺・道路』

パトカーや機動隊の車両が通過し、あめの表情が変わった。
「もしかして…？」
心配そうに、紫の顔を見た。
自己流だが修行は積んだ。
だがこれがどこかの勢力の仕業なら、術者や能力者と遭遇する可能性もないとは限らない。
あめにとっては初戦となる。
「行こう」
できることなら戦いたくはない。
だが、行くしかない。
あめはそう思った。

『あめの選択は廃ビルに行く』

>142　『女子寮前・道路』
＞「コンビニ寄ってこ〜よ☆新商品のアイス出たんだって！」
「あめっちってそういうの好きだよねー。３勝５敗で負け越してなかったっけ？」
この勝敗は単なる新製品の当たり外れ（味）のことだが、のんびりと夜道を歩く。
実は余りのんびりしていられるような行動ではないのだが、気を張っていても消耗してしまう。
こんなくらいが丁度いいだろう。

>143
道中、パトカーや機動隊車両が走っていくと、不安そうな表情であめがこちらを振り返る。
通常術者同士の戦いなら戦闘フィールドに結界を張って外には影響を与えない。
つまり、まったく関係ないか、外に影響を与えるほどの『何か』かだ。
今日の月齢は１４あたりだったはず。
月はすべからく魔力妖力を使う者に影響を与える。
満月に近い今、魔力妖力は増幅され強力な術も使いやすくなっているのだ。
ハードな事になる、とは言ったものの、実戦経験のないあめをいきなり連れて行っていいものか・・
＞「行こう」
逡巡していると、あめが決断をした。
その言葉を聞いて紫に笑みが浮かぶ。
「そうねー。ガラにもなく考え込んじゃった。パトカーは廃ビルの方に走っていったみたいだし、追っかけよ！
何があったか気になったら、見に行かなきゃ眠れないもんね〜」

『紫の選択はあめと共に廃ビルに行く』

>144-145
紫とあめが廃ビルへ着くと、廃ビルの周りに警察車両が多数待機しており、丁度警官隊の配備が完了した所だった。
廃ビルへ近付こうとすると、警官に呼び止められる。
警官「こら君達、危ないぞ。この中には一般人は入れられないんだ」
中には何か居るようだが、魔力を感じること以外は何も分からない。

選択肢
　　警察の目をかいくぐってでも中に入る
　　成り行きを見守る

『廃ビル付近』

パトカーや機動隊の車両が来たことにより、野次馬が集まり出す。
その野次馬の中に紛れ、茉莉はいた。
（数値測定･･･これは魔力だな。）
機械的な鋭い視線が、廃ビルを捉える。
（『魔力』となると魔術師か魔族･･･西洋式呪術連合かモンスターズユニオンのメンバーか。）
その能力者によって、能力者の持つ『エネルギー』は変わっていく。
魔術師、魔族など、魔法を使うものなら『魔力』。
呪術師や妖怪などなら『『霊力』や『気力』。
自分のような機械的な存在は『電力』。
･･･等々、近いようで異なるそれを、茉莉は感知し分け、数値化できる。
（近くに『霊力』と『気力』も感じるな。どうやらここは、静観したほうが身のためだな。）

>146
警官に注意され、雨は肩を竦める。
「ご、ごめんなさい」
謝ると、紫を見て「離れた方がよさそうだね」と言って、廃ビルから離れる。
だんだんと野次馬もぞろぞろ来始めた。
「でも、この感じ…絶対何かいるよ〜…一般の人が、対処できるのかなぁ」
周りを見回す。
どうにかして、廃ビルに入りたい。

『成り行きを見守っているが、警官達の隙を窺っている』

書くの忘れたっ！
場所は『廃ビル付近』です。

>147-148
あめと紫が警官達の隙を窺っていると、後ろからエンジンの出す轟音が聞こえてきた。
驚いて振り向くと、そこには「自衛隊特殊事例対策部隊」と書かれた装甲車とトラック、ジープが走ってきた。
自衛隊の車両は警察車両の止まっている辺りに止められ、中から迷彩服を着た自衛官達が降りてくる。
同時に、群衆が警官隊によって解散させられる。あめと紫、茉莉はうまく車の陰に隠れる事ができた。

自衛官達はトラックから装備を降ろすと、突入準備を始めた。だが、警察との間で作戦を立てるのに時間がかかる様だ。
警官達の目は作戦会議の行われているテントに集まっており、誰もあめ達に気付かない。
もうしばらくすれば、突入が始まるだろう。廃ビルに入るチャンスは今しかなさそうだ。

>146
『廃ビル付近』
ビル付近で様子見をするが、どうもただ事ではない。
ビルから感じる魔力に、警察だけでなく自衛隊まで出てきている・・・
警官隊の目を逃れて車の陰にいるわけなのだが、このまま見ているだけというのも歯がゆかった。
自衛隊が動き出す前に中に何があるのかだけでも調べておきたい。

紫は首元に指をやり、ネックレスを引っ張る。胸元から現れたのは小さな奇妙な形をした瓶であった。
「んふふ〜これは『蔵陰の壷』と言ってね、とっても便利なものなのよ〜。」
そういいながら瓶に手をかざすと、信じられないことに小さな小瓶に紫の手が入ってしまう。
そしてその手を引き抜いた時、紫の手には布でくるまれた一本の棒が握られていた。
「ドラえもんになった気分ね〜。ぱらぱらっぱぱ〜『隠行旗』〜」
楽しそうに小声で効果音をつけながら棒を一振りすると、棒に纏わりついていた布が広がり一本の旗になった。
「人払いのお札の強力版の旗よ。局所結界を作って隠密行動ができるし、ついでに飛んで来る物のベクトルを微
妙にずらして外す対狙撃機能付の優れものよ。」

旗は符術の一種だが、平面に呪を込める使い捨ての符とは違い、立体的に呪を編み込めるので機能的にも優れ
ており、耐久性も優れている。
紫が橘家から託された仙宝の一つである。

「あめっち、ちょっと中見てくるね。なんか気になっちゃって＾＾。すぐ戻ってくるから、この鏡と一緒に待っててね。」
そういって手鏡をあめに渡して歩き出す。
こんな不確定要素が多すぎる中に、実戦経験のないあめを連れて行くのは危険すぎる。
戦うにしてもなんにしてもまず相手を見極めないと・・・そう決意して、ビルへと向かった。

『廃ビルに入る』

>149,>151
『廃ビル付近』

野次馬もいなくなり、茉莉は車両の陰に隠れる。
警官や自衛隊員に見つかるとややこしくなるので、簡易型のステルス機能を作動させる。
これは、他人の目から己の存在を無意識の内に逸らさせるもので、こちら側から声をかけたりしなければ見つかることはない。
「さて、側にいる者を探すとしよう。」
機械化された体、瞳は望遠機能や人間の体温を識別するセンサーなどを持つ。
少し離れた場所で話すあめと紫を見つけた。
しばらく話していると紫を補足する探知力が低下していく。
「術か道具を使ったな･･･。」
話が終わり、紫が廃ビルの中に入っていった。
あめが一人になるのを確認すると、ステルス機能をオフにし一気に接近する。
「どこの組織の者だ？」
自分よりも、高い身長の相手。
生意気な子供が、馬鹿なことを言っていると思うかもしれない。

『あめに声をかける』

>151
『廃ビル付近』
集まっていた人達もいなくなり、自分と紫だけになった。
紫が仙宝を漁り、色々取り出すのを、感心しながら見ていた。
＞「あめっち、ちょっと中見てくるね。なんか気になっちゃって」
「待って、あめっちも…」
一緒に行く。そう言おうとしたが、言葉を遮られる。
＞「すぐ戻ってくるから、この鏡と一緒に待っててね。」
手鏡を手渡し、紫は廃ビルに行ってしまった。
「ゆかりんて、こういうトコ、ちょっと強引だぞっ！」

>152
『廃ビル付近』
紫を待っていると、突然声をかけられた。
＞「どこの組織の者だ？」
その言葉に、あめの顔が硬直した。
（私が術者だってバレてる…!?）
あめは緊張しながらも、密かに呪符を取り出す。
結界を発生させ、被害を出さないために平行空間に移動するためだ。

『戦闘するため、呪符を構える』

>151
紫が中に入ると、すぐに鼻を突くような腐敗臭が襲ってきた。
同時に、中が「ゾンビ」で埋め尽くされている事に気がつく。
不良のような格好をしたものや、スーツを着たものもかなりいる。

ゾンビ達は紫に気付く事無く、呻き声を上げている。
一階だけでおそらく数十匹はいるだろう。
さらに、地下階からも呻き声が聞こえる。どうやら、ここはゾンビしか居ないようだ。

もうすぐ自衛隊による突入が始まるだろう。現に、何人かの自衛官はすでに配置についている。

選択肢
・ゾンビの掃討は自衛隊と警察に任せてあめの所へ戻る
・自衛隊と警察だけでは不安なので、自分が少しでも数を減らしておく

>153
『廃ビル付近→戦闘フィールド（廃ビル付近）』

「来るか…」
冷たくそう言うと、制服ねポケットから装置を取り出した。
「バトルフィールド、展開！」
装置を放つと、半径300メートルを特殊空間が包み、茉莉とあめを平行世界に移す。
先程いた世界だが、茉莉とあめ以外は存在していない世界。
「私は、W.R.F.所属の佐伯　茉莉。高等部2-D」
そう名乗ると、手からエネルギー弾を数発放出し、先制攻撃を仕掛ける。

『戦闘を開始』

>154
『廃ビル内に』

「うっぷっ！？」
フロアを埋め尽くすゾンビの群れに、おもわず吐き気をもよおした。
暗闇に目が慣れ、光景を見て全身に鳥肌が立つ。魑魅魍魎妖怪などは平気だが、アンデット系には弱いのだ。
隠行旗のお陰か、気付かれていないようだ。

（こんなに大量のゾンビどこから沸いたの？？？
この下に一体何が？）

原因究明の為、地下階に向かうことにする。
これだけのゾンビをここで製造したのなら、大規模な魔方陣（装置）があるはず。
基本的に地脈の力を利用して儀式を行うので、魔方陣は地面に一番近い地下の階にあるのが相場なのである。

地下階に進むと決めたが、あめを連れて来なかった事を今更ながらに後悔をしていた。
紫の使う厭魅厭勝術は物理的な術であって、ゾンビや死霊に対抗する術がない。
対抗できる仙宝はあってもこの数相手では心もとない。
だが、あめの気功術ならゾンビや死霊にも有効な打撃を与えられる。とはいえ、退路の確保の為にもあめには外
にいてもらわないと困るのだが・・・。
今更そんなこと考えても仕方がない、と、気持ちを切り替え首にぶら下がる蔵陰の壷を振り、二本の青龍刀を出す。
青龍刀には目と眉毛が彫られており、壷の外に出ると紫の周辺をふわふわと浮かんで舞う。

二本の青龍刀に守られるようにそっと進むが、暗い為、無作為に動き回るゾンビの一体にぶつかってしまう。
「ひぃいい・・・外道焼身霊光波ああぁ！」
旗を放り出して悲鳴をあげ、眼鏡に手をやり角度を変える。
放り出された旗は、蔵陰の壷に吸い込まれる。そして眼鏡からは白い光線が出て、軌道線上にいるゾンビを吹き飛
ばした。
なるべく相手にせずに、調べるだけのつもりだったがこうなっては仕方がない。
丁度階段まで一直線に道ができたので、一気に走り抜ける。
緩慢な動きで手を出してきたりするゾンビは紫について舞う二本の青龍刀がなぎ倒し、道を切り開く。
「うううぅ・・気持ち悪いょぉ・・・臭い服についちゃうＴＴ」
涙目になりながらも走っていった。

『ゾンビの数を減らしつつ、地下階に向かう』

>155
『戦闘フィールド（廃ビル付近）』

辛くもエネルギー弾をかわしながら、呪符に印を込め、放つ。
科学的に移送させた空間に、更に上がけするように呪符による結界を形成する。
もし相手が自分にあった戦闘空間を作り出していた時のために、反発して相殺させ空間から脱出できる効果もある。
「あめっちは…い、いえ、私は小早苗あめ！所属は亜細亜呪術結社、学年は高等部２−Ｌ」
気を高め、独自の構えを取る。
「上級生だからって、手加減なんかしませんよ!!」
素早く走り込み、しゃがみ込みながら足払い、そして気の膜で包んだ拳でアッパーを喰らわせる。
気の膜で包んだ拳は、鉄のような堅さと衝撃を与える。

『茉莉に攻撃（回避、防御、そのまま攻撃を受けるのも自由です）』

>157
『戦闘フィールド（廃ビル付近）』
足払いを受けるが、払われるどころか茉莉は微動だにしない。
（常人なら折れているな･･･遠慮のない蹴りだ）
そんなことを考えていると、アッパーが顎に入る。
鈍い音が響く。
冷たい瞳で、あめを見た。
「私にも痛覚はある。痛いな、痛いんだ」
あめの腕や足を掴む、回転を付けて、上空に思い切りあめを放り投げた。
そして、エネルギー弾を連続射出する。

『エネルギー弾×5をあめに向けて発射する』

>158
『戦闘フィールド（廃ビル付近）』

足払いのために放った蹴りは受け止められ、アッパーも正確に顎にヒットさせたつもりだったが…
「そんなぁ…」
唖然としていると、足と腕を捕まれて、投げ飛ばされた。
すぐには着地できない距離。
そして、空中にいる自分に向けエネルギーの弾丸が迫りくる。
「くっ！」
気の膜を張った手刀で、全弾を打ち払う。
「この攻撃、気と似たようなものみたい」
エネルギー弾。エネルギーということは、気と同等のものである。
着地すると、また茉莉に襲いかかった。
「あめっちだって…うぅん、私だって、痛いもん。でも、大切な友達がいるから、敗けられないのッ!!」

『殴打と蹴りの連撃が、茉莉に向かう』

>156
地下階へ進む紫の眼前に、フロア全体に描かれた魔方陣が姿を現した。
紫が魔方陣を見つめていると、突然ゾンビが四方八方に現れた。
どうやら魔方陣の真ん中まで入り込んでいたらしく、体がぶつかる程の距離までゾンビが溢れている。
ゾンビ達は、紫を次々に手で捕まえ、全く動けないくらいにまで捕まえた。

>160
『地下フロアー』

地下への階段を下りると、１フロアー全てを使った巨大な魔法陣を見つけた。
（こ、こんな巨大な魔法陣、一体誰が？大量のゾンビも頷けるけど、それにしても大きすぎる・・・！）
余りの大きな魔法陣に驚いていると、どこからか現れたのか、ゾンビに囲まれてしまっていた。
しまった、と驚くがもう遅い。
抵抗するが、圧倒的な数の前に徐々に追い詰められ、捕まえられてしまう。
捕まえた後も無数の手が紫に殺到しトコロかまわず押さえつける。
「わ、こ、こら！触るなぁ〜〜！臭い！気持ち悪いぃ！ちょっと、どこ触ってんのよ！いやあああぁぁ〜〜！！」
完全に身動きが封じられ、押さえつけられてしまう。
二本の眉目青龍刀が宙を舞い、あたりかまわずゾンビを切りつけるが相手は死体。そして眉目青龍刀の力は紫の
体技に準じる。
ゾンビをバラバラにする程の力もなく、ゾンビは切りつけられても、腕の一本落とされてもたいした効果はない。
圧倒的多数の肉の壁の前になす術もない。
（・・・うぅ・・臭い・・吐きそ・・・これじゃ動印もでいないぃ・・・）

『ゾンビに捕まり身動きできない』

>160-161
紫がゾンビに押さえつけられていると、突然轟音が響いた。
どうやら自衛隊と警官隊が突入を開始したようだ。

自衛官１「一階の敵は榴弾により沈黙！全員、突入せよ！」
警官６「一階、クリア！」
自衛官２＆４「”こちら青銅１、地下階にてゾンビ多数確認！応援を送られたい！”」
自衛官３＆９＆１１「”こちら月光４、繰り返す、こちら月光４、これより青銅１を援護する！”」
警官１＆４＆５「”こちら真帆良６、青銅１を援護する！”」

紫のいる階にも、すぐに何人かの自衛官と警官が入ってきた。
警官１「おい、あそこに人がいるぞ！助けろ！」
自衛官４「手前等、その汚い手をその娘から離せ！」
弾が紫に当たらないように、ゾンビの上半身を撃ち抜いていく。
紫に纏わりついていたゾンビは掃討され、ようやく解放された。
未だに倒れたままの紫に自衛官が駆け寄る。
自衛官５「君、大丈夫かうべっ」
が、走ってくる途中で魔方陣に使われた石灰で滑り、魔方陣の一部を消してしまった。
紫は自衛官に抱き上げられ、廃ビルの外まで連れ出される。

外には普通の救急車と自衛隊の救急車が待機しており、衛生兵と救急隊員が紫を診察した。
衛生兵「・・・特に目立つ外傷もなし、擦り傷くらいだな。安心しなさい」
衛生兵は紫の肩をポンポンと叩くと、負傷した警官や自衛官の手当てに向かった。
と、紫の眼前に二人の人物が現れる。
塚本「・・・・君が中にいたというお嬢さんか？私は塚本、塚本章二だ。陸上自衛隊特殊事例対策部隊の司令官だ」
身長180センチを軽く越している大男は、名を名乗って紫と握手する。
と、もう一人の、これは身長175センチ位の人物が割って入る。
本川「塚本はん、その辺にしときや。わてが話す所のうなりますやんか。あ、わては真帆良署署長の本川て言いまんねん。
　　　今後、事情聴取やら何やらで忙しくなりまっさかい、宜しゅうに」
そう言って、本川と塚本は顔を見合わせた。どうやら、聞いても良い事なのか戸惑っているらしい。
が、決断したのか、塚本が口を開く。
塚本「君は、何故ここに居たのかね？何か事情があるのか？それとも・・・」
一瞬の逡巡。
塚本「──「亜細亜呪術結社」絡みかね？」

>159
『戦闘フィールド（廃ビル付近）』
パンチとキックの猛襲を受ける。
受け流し、払い、時には受け止め･･･
「疾い･･･ッ！」
人間の数倍の身体能力を持つ茉莉の肉体。
だが、その動体視力でも追い付けないあめの攻撃。
油断した瞬間、あめの拳の一撃が顔面に入り、茉莉は吹き飛んでいく。
（･･･ここは一時退却した方が良さそうだな。）
あめの予想以上の実力に、焦りが見え始める。
（任務失敗なら自爆してするところだが････生憎、私の任務はコレじゃあないんだ。）
あめと距離ができたことに、余裕が生まれる。
「バトルフィールド、解除！」
展開されていた空間から、通常空間に戻ってきた。
「バトルごっこはおしまいだ。」
そう言うと、茉莉は目にも止まらぬ早さでその場を後にし、変電所と高圧線を飛び越えていなくなった。

（自衛隊や警察の動きの良さが気になるな･･･）
内部にどこかの組織の人間が入り込んでいるのか。
潜入しているのがW.R.F.ならいいが･･･と、そう思いながら、茉莉は寮に戻る。
ただえさえ広い学園の寮だ。そうそうあめや紫と鉢合わせすることもないだろう。

『廃ビル付近より撤退』

>163
『廃ビル付近』

戦闘フィールドから抜け、あめはがっくりと、その場に座り込んでしまった。
もう既に茉莉の姿はなかった。
安心し、思い切り息を吐く。
「あめっち、頑張ったぞ。頑張ったぞ…」
と、紫のことを思い出す。
立ち上がろうするが…
「こ、腰が、抜けてる……」
緊張が解け、一気に安心したせいか、腰が抜けて動けない。

『廃ビル付近で腰が抜けたまま座っている』

>164
はっきり言って、驚いた。
さっき現場に入ろうとしたのを止めた女の子が、腰を抜かして座っていたからだ。
俺は急いで駆け寄り、声を掛ける。
「君、大丈夫か！？何故ここに居るんだ！？あれ程入るなと言ったじゃないか！」
思わず叱りつけると、俺は彼女を背負って歩き出す。
「向こうに救急車と自衛隊の医療班が待機してるから、安心しなさい」

『塚本＆本川と紫のいる救急車へあめを連れて行く』

『廃ビル前・特事対本部』

（ううぅ・・・こんなことなら召鬼の術を身につけておくんだった・・・臭いし気持ち悪いし・・・）
ゾンビに押さえつけられ、身動き取れないでいるが、押さえつけるだけでゾンビは動きを止めていた。
呪的障壁で身を守られていて、たいした怪我もないのでこんな考え事をする余裕が出てきた。
捕まえるだけで何もしないと言う事は、このゾンビたちを作った魔術師との接触があるかもしれない。
そう思い眉目青龍刀は首にぶら下がる蔵陰の壷に戻している。
しばらく待っていると、突然の爆発音、そして銃声が響き、動けないながらも首をすくめてしまった。
どうやら魔術師との接触の前に、自衛隊が突入してきたらしい。
ゾンビをある程度掃討してもらったらドサクサにまぎれて逃げようと思っていたが、思いの外自衛隊の動きは
素早く、あっという間にゾンビを掃討してしまう。
（え、何でこんなにあっさり？普通の武器じゃないの？教会の祝福儀礼を施した銀の銃弾？）
余りにもあっさりとゾンビたちは掃討され、逃げ出すタイミングを失った紫は自衛官の一人に抱き上げられ、そ
のまま廃ビルの外まで連れて行かれてしまった。

ここで突然逃げても不自然だし、逃げられるとも思えない。
仕方がなく、なされるがままに診察を受け、事情聴取に流れていってしまった。
現れた二人の自衛官と警察署長。何故に関西弁なんだろう・・・？

＞塚本「君は、何故ここに居たのかね？何か事情があるのか？それとも・・・」
＞一瞬の逡巡。
＞塚本「──「亜細亜呪術結社」絡みかね？」

いきなり核心から聞いてくる自衛隊員。１８０センチの長身はいるだけで威圧感を与える。
だが、紫は一切顔に出さず、不思議そうな顔だけして首をかしげながら
「え、あじあじじゅちゅ・・・えっとなんですか？それ。
スイマセン、一杯パトカー来てたから気になってビルの中覗いてみたんです。
それからよく覚えていないんですが、気付いたら押さえつけられていて・・・
助けてくれてありがとうございました。
あの・・・それで・・・服がベタベタで気持ち悪いので着替えたいし・・・失礼しますー」
そう言うと一礼して二人に背を向け救急車から飛び出た。

追いかけられても困るので、急いで茂みに入って姿をくらませる。
（大変な目にあっちゃったなぁ。自衛隊の装備や、結社のこと知ってたのも気になるけど・・一旦帰ったほう
がいいよね。あめっち心配してるだろうしな・・・）
蔵陰の壷から鏡を取り出すと、あめが警官に背負われてこちらにやってくる。
「げっ、あめっち・・・あっちゃー・・・仕方がない・・」
大急ぎで香水を取り出し、術を使って自分の臭いをごまかすと、警官の前に茂みから現れる。
「あめっち、こんなところにいたんだ〜。探したヨー。
お巡りさんスイマセン、一緒に散歩してたらはぐれちゃって。この子と同室なんです。もう夜も遅いし、私が
連れて帰りますからー。」
そうまくし立てると、警官の後ろに回って背負われているあめを引き取る。

そのとき密かに紫のアーティファクト『弘法の筆』を出現させ、警官の肩口に小さく『忘』の一文字を書いておく。
言霊が具現化され、警官の記憶からここ数分の記憶が極端に薄くなったはずだ。

急いであめを背負うとそのまま紫は走り、物陰に入る。残念だがあめを背負ってそんなに長く走っていられるほ
ど紫には体力がない。
そこでまた違う鏡を取り出すと、複雑な印と口訣を唱え二人は鏡の中に吸い込まれるように消えていった。
『似形等身潜』という、鏡を使った転移魔法だ。
寮の部屋に置いてあった鏡から光が溢れ、二人がそこから出現する。
「やー、ハードになるとは思ったけど、想像以上だったね。あめっちも大変そうだったけど、とりあえずお風呂に
入ってからにしよ。
ゴメンネ、術でごまかしてるけど、ホントはすっごく臭いの、わたし＾＾；」
自衛隊・ゾンビ・巨大魔法陣・あめの出来事。色々気になったが、とりあえずお風呂に入ることにした。

『寮に戻ってお風呂』

>166
>「え、あじあじじゅちゅ・・・えっとなんですか？それ。
>スイマセン、一杯パトカー来てたから気になってビルの中覗いてみたんです。
>それからよく覚えていないんですが、気付いたら押さえつけられていて・・・
>助けてくれてありがとうございました。
>あの・・・それで・・・服がベタベタで気持ち悪いので着替えたいし・・・失礼しますー」
>そう言うと一礼して二人に背を向け救急車から飛び出た。
自衛官「待った、まだ話は終わっていないぞ！」
追いかけようとした自衛官を、塚本が止める。
塚本「・・・まあ待て、それ程急く事でも無い・・・だが、あのお嬢さんは何か知っているな」
本川「もしかしたら、結社の構成員とちゃいますのん？そうなるとほっとけまへんで、塚本はん」
塚本「本川、明日から張り込みだ。俺とお前、部下一人でな。さっきのお嬢さんの住所は分かるか？」
それを聞くと、本川が一枚の紙をヒラヒラさせる。
本川「さっき、顔を見て司令車のパソコンからダウンロードしましてん。住所、年齢、性別、恋人の有無まで載ってまっせ」
塚本「そうか、それは有難い。では、明日会おう」
本川「了解しました、塚本はん」

『特事対及び警察撤退』

>167
『女子寮・自室』

部屋に戻り、紫の背中から降りる。
紫は風呂へ。
精神統一し、気功で外れた腰を元の位置に戻す。
そして、あめは自分の机の引き出しからノートとシャーペンを取って、紫がいない間にあった出来事を書いた。
佐伯茉莉という相手と戦闘したことを。
相手はW.R.F.に所属していると言っていたこと。
手から呪術師や魔術師とは全くタイプのことなる戦闘方法。
おそらく人ではない…ということ。
それを書くと、疲れが溜まっていたのか、自分が寝ている二段ベッドの上に潜り込み、そのまま寝てしまった。

『あめ、就寝』

お風呂から出るとあめの姿がなかった。
少し部屋の中を見回したあと、ベッドを覗く。
「一人で頑張ったんだね。・・・お疲れ様。今日はゴメンネ・・・」
自分が廃ビルには行っている間、何らかの戦闘があったのだろう。
初めての戦いだっただろうに何のフォローもしてやれなかった。
ぐっすると寝るあめの髪を撫でてそう呟く。

『紫、就寝』

『女子寮→中央広場』

翌日。
昨夜、シャワーを浴びれなかったあめは、シャワーを浴び、制服に着替える。
紫より先にあめは自室を出た。
クラスは同じだが、部屋を出る時間も帰宅時間もあまりあわない。
あめはいつも早めに出ていってしまうし、夜は紫の方が遅くなる。

今日は快晴。
ひなたぼっとには最適。
あめは、日課である空の景色を撮り、中央広場のベンチ座り、ひなたぼっと研究会に出す研究成果を纏めていく。
「今日はいい天気〜☆何もなかったら、ひなたぼっとしたいなぁ」

『中央広場にて、授業開始まで日光浴』

>171
あめが日光浴をしていると、ベンチのすぐ横に、防衛庁の制服を着た180センチ位の大男がどかっと座ってきた。
何者かと尋ねる前に、男の方から話しかけてくる。
塚本「君が、「小早苗あめ」さんだな。私は防衛庁特殊事例対策部隊の塚本一佐だ。それから・・・」
先程誰も居なかったはずの目の前に、私服の刑事が立っている。
本川「わてが、真帆良警察署署長の本川ていいます。よろしゅうに」
そして、本川の横にいた制服警官が挨拶をする。
高田「自分は高田巡査長と言います。何でも、自分の部下が君を背負っていたそうだが、本人の記憶が曖昧でね」
二人の警官が挨拶を終えると、また塚本が口を開く。
塚本「昨日は大変だったな。ゾンビはあの後、全て焼き払ったよ。もちろん、魔方陣も消しておいた。
だが、まだ誰の仕業か分かっていない。そこで、昨日現場にいた君に話を聞きに来た、という訳だよ。
もちろん、我々特事対は一般の自衛官ではない。特殊事例というのは、「魔法・呪術絡み」という意味だ。
だから安心して、知っている事を全て話してくれないか？W.R.Fは黙ったまま、君等の亜細亜呪術結社も反応なし。
我々の情報源は基本的に亜細亜呪術結社だから、彼等が黙ってしまうと動けないのだよ」
そこまで言うと、塚本は言葉を切った。
同時に、今度は本川が話し出す。
本川「昨日な、君のルームメイトの紫さんから話聞こうとしてんけどな・・・脱兎のごとく逃げよったさかい、まともに
話なんぞ聞けてへんのやわ。君からも、紫さんに「怪しいもんやない、魔法等も知る権利を所持しとる」って言うてくれへんか？
でないと、わてらが何も知らんままでは亜細亜呪術結社以外の陣営が動いても止められへんねん」
高田「今日からは我々が君達を監視下に置きます。ただし、極力君達が意識しなくてすむ方法で、ですが」
高田巡査長がそう締めくくると、塚本は立ち上がり、止めてある車の方へ歩いていく。
が、途中で振り向き、あめに向かってこう言った。
塚本「君は、一年前に死んだ私の娘に似ているよ」
そう言い残すと、塚本達は車に乗り込み、その場を後にした。

『あめに接触、能力などを隠す必要が無い事を伝える』

>172
『中央広場付近・茂み内』

茂みに隠れた茉莉は、ステルスを起動させ、聴覚機能を最大にして中央広場での会話を盗聴する。
（なるほどな）
W.R.F.とも接触したらしいが、返答はなかったらしい。
当たり前だ。茉莉は魔力の気配を察知したあの場に居合わせただけ。
それに、科学技術至上主義のW.R.F.が魔法陣など張れるはずはなかった。
（ゾンビぐらいなら、軽く作れるとは思うがな）
盗聴を終わらせると茂みから出る。
しばらく自分の身は隠しておいた方が良さそうだ。
茉莉は、担任に「実家に帰る用事ができた」と休学届けを出すと、すぐに姿を消した。

『佐伯　茉莉、一時離脱』

>172
『中央広場』

向こうから一方的に話しかけられ、あめはおろおろしていた。
おろおろしていると、塚本達は車に乗っていなくなってしまう。
「な、何？」
人と話すのは正直言って苦手である。
あめっちモードでない時は、クラスメイトや紫と話すのでさえ口ごもってしまうのだ。
「ゾンビって何だろ？」
廃ビルで何があったのだろうか。昨日は確か臭いがどうのと言っていた。
不安になる。
教室で会ったら、訊いてみよう。
そう思って、あめは立ち上がった。

『教室へ向かう』

『女子寮自室』
「・・・うぅ・・・起きなきゃ・・・」
のそのそとベットから文字通り這い出た紫。
どうにも朝は弱い。
朦朧としながら身支度を整え、朝食を食べて登校する。
朝から幽鬼のような足取りで校舎に向かうのであった。

『高等部校舎へ』

『高等部校舎・保健室』

モンスターズユニオンから来た連絡。
それに、少々つれない顔をした一人の女校医。
「困ったわね〜」
連絡の内容は、高等部内で動いている警察と自衛隊、特に特事対と呼ばれる者達の監視。
昨夜の事件と詳細と共に届いたそれは、彼女にとって少し窮屈なものとなる。
「元々この学園に寄越したのも奴等だし･･･」
従うしかないか。と、腹をくくる。
だが、まだ動くつもりはない。
「呪術結社のコが二人もいるしね〜」
厄介ごとは、ならべく多くは起こしたくなかった。


『とりあえず保健室にいる』

『校舎・１−Ｌ教室』

教室に来た紫に気付き、あめは足早に近付いた。
「ゆかりんゆかりん…」
小声で話しかける。
「さっき、なんとか隊とか警察の人とかが来て、いろいろ言われたんだけど…」
あめの顔は深刻で、今にも泣きそうである。
「ゆかりん昨日何があったの？怪我とかしてない？あの人達に何かされた？」

『心配して紫に話しかけた』

>177
『校舎・１−Ｌ教室』

＞「ゆかりん昨日何があったの？怪我とかしてない？あの人達に何かされた？」
教室に着くとあめが泣きそうな表情で声をかけてきた。
まだ寝ぼけマナコで朦朧としていながらも、にっこり笑みを浮かべる。
「警察？ん〜〜・・・・うまくごかま・・・むにゅ〜・・・」
半分覚醒していない状態なのでろれつが回らない。
いつもなら寝ぼけたまま席に着き、二度寝をするところだがあめの表情を見るとそうもいかない。
強引に頭を振って意識をはっきりさせる。
「あぁう〜・・・っと・・もう大丈夫・・大丈夫・・・ちゃんと起きてる・・うん・・」
何とか目を見開き、あめに応える。
「昨日はお互い色々あったし、朝もあめっちのところに警察とか来たんだ・・・お互い話したいし、ね。
今日は部活休むから部屋に帰ったらゆっくり話ししよ。
とりあえずは私は大丈夫だから、安心して、ね。」
もう一度にっこりしてあめの頭を撫でて自分の席に向かった。

『寝ぼけてにっこり受け応え』

『校舎内』

保健室のドアに、“校医外出中”というプレートかけると、ダンテは保健室を出た。
「上からの命令だし、モンスターがもう少し生きやすい世界にするためだし、ね」
無理矢理言い聞かせるようだったが、ダンテは歩きだした。
だが、向かった先は校外ではなく、一年の教室がある階。
紫とあめがいる教室の前に来ると、廊下越しから紫とあめに向けて、獣の威嚇に似た強烈な殺気を飛ばす。
「あなた方に動かれるとちょ〜っと厄介なの。これは牽制だけど、ね」
蛇に睨まれた蛙。とまではいかないが、しばらくの間なら効果もあるだろう。
これが、ダンテの能力というわけでもないが。
ダンテはそのまま校外に出た。
「さて、やりましょうか」
目的地は、交番。

『交番に向けて歩き出す』

『交番』

警官「あぁ、校医さんじゃないですか」
ダンテ「おはようございます。あのぉ･･･」
警官「何です、かっ!?」
顔と顔との距離が１センチほどの距離まで近付いた。
突然の行動に警官は顔を紅潮させた。
ダンテ「あなたは私の虜。私の意のままに操られる人形」
そう言うと、警官は硬直する。
ダンテの能力。言葉によって、術をかける。
ダンテ「職務が終わったら警察署に戻って署長の本川か高田巡査長を監視なさい。いつものあなた通りに動いて、疑われないように」
警官「ハイ」
術は完璧にかかった。言葉による魔術でしか解除は難しい。
ダンテは交番を出て高等部の校舎に戻った。
悲しいことに、彼はあめを背負い、紫に記憶を忘れられた警官だった。

『保健室に戻り、校医の職務を続ける』

>178
『校舎・１−Ｌ教室』

「大丈夫なら…いいんだけど」
紫を心配しつつも、あめも席についた。
（私も今日は、研究会休まなきゃ）
色々考えても仕方ない。
授業が終わったら紫に聞けばいい。
そう言い聞かせる。

>179
放課後を待つのほど、辛いものはない。
「早く一時限始まらないかなぁ」
そんなことを言っていると、背筋が凍り付くような殺気を感じた。
「ひィ…!!」
思わず声を上げてしまった。
（何？なんなの!?）
突然襲ってきた殺気に震えが止まらない。
（止まれ止まれ止まれ…）
あめは心の中でその言葉を呟き続け、震えが止まるのを待った。

『殺気にかなり不安になる』

>179
机にだらしなく頬をつき、二度寝をする紫。
周りのクラスメイトもいつものことと、まったく気にしない。
心地よく寝ているが、突然目を覚ます。
突然襲い掛かる強烈な殺気。それは死をリアルにイメージさせるほどの。
＞「ひィ…!!」
同時にあめが声を上げるのに気付く。目をやると小さく震えているようだ。
だが、他のクラスメイトは普段と変わりない日常を続けている。
（・・・私とあめっちだけ、ね。こんな朝から動くなんて・・昨日の事もあるし、思ったより事態は活発に動いているのかも・・・）
そう判断すると、即座に立ち上がり、あめに声をかける。
「あめっち大丈夫？気分悪い？やっぱり今日は寝てたほうがよかったよ。付き添うから部屋にもどろ？」
紫自身の顔も青いだろうが、なるべく表に出さないようにあめに手を貸す。
「この子朝から具合悪いみたいでさ〜。連れて帰るわ。先生にうまくいっといて。」
隣にいたクラスメイトに声をかけ、あめと二人で教室を出た。
朝からって、あんた朝、目が覚めてたわけ？（笑）なんていう突っ込みを背に受けながらトイレに急ぐ。

『あめと二人で寮の自室に似形等身潜術で戻る』

『リサイクルショップ』
謎のオブジェや、複雑な機械が置いてある怪しい雰囲気のリサイクルショップ。
それなりに売り上げはあるが、いまいち存在感は薄い。
ちなみに、本日臨時定休。
そんなリサイクルショップの二階は店長の部屋になっている。
キム「で、俺んトコに来たってわけ？」
茉莉「だって･･･お前しか顔見知りいないし･･･」
キム「学校は？」
茉莉「休学届け出してきた」
キム「ばぁか。寮には帰んでいいから･･･明日取り消してこい」
キムの言葉に、茉莉は頷く。
茉莉の頭をポンと叩くと、タバコを取り出して、火も点けずくわえる。
キム（そろそろ他の組織も動き出す頃だろ･･･３勢力、それに警察と自衛隊に学園･･･）
窓を開き、タバコに火を点けると、一吸いし、煙を吐いた。
キム「厄介だわなー」


『茉莉、キム、リサイクルショップにて機会を窺う』

『保健室』

「ヤッホー先生。いなかったから勝手にお茶入れてるよ。」
ダンテが保健室に戻ると九曜ケイトが湯飲みと饅頭をお盆に載せて机に向かう最中だった。
授業が始まっている時間だというのに、何も気にしていないようだった。
「チェスの続きしたくって授業抜けてきちゃった。昨日あたりから面白い局面迎えてるしね。」
笑いながら丸椅子に座り、ダンテを迎え入れた。

『保健室でまったり』

>182
『女子寮・自室』

呪縛のようにまとわりついていた殺気は、部屋に戻るとすぐに消えた。
息を吐き、座る。
「この殺気を送りつけてきたのも、どこかの組織の人かな…」
不安だった。怖かった。
茉莉と戦った時はなんとか持ちこたえた。だが、次を考えると、不安でいっぱいになる。
「あめっちはね、ゆかりんと一緒なら、頑張れるよ。でもね、一人になったあの短い時間が怖くて仕方なかった」
ウジウジした自分が出てくるのがわかる。
「ゆかりんは、あめっちにとって一人だけの親友だから。何があったか、ちゃんと教えて？」
明るくしようと笑ったが、引きつった笑みになってしまった。
これ以上、駄目な自分を出したくない。
「ごめんなさい…ウザイね」
そう言うと、紫に背を向けて、黙り込んでしまった。

『しゅんとなり、沈黙する』

>184
『保健室』
帰ってくると、保健室の常連であるケイトが待っていた。
優しく微笑んで、ダンテは座る。
「ケイトちゃん、昨日の事件聞いてる〜？」
互いに、術者と魔物という関係は話してある。
そして、お互いあまり地下の事情について興味がないことも。
「そろそろ、どの勢力も動き出しそう」
チェスピースを取って、どう駒を進めようかと一考。
「私も上から命令きちゃったし、ケイトちゃんも身の振り方、考えてた方がいいかもよ」
そしてピースを置き…
「チェック。今日は私の勝ちかしら？」
チェス盤の状態は、まるで今の高等部で起こっている出来事のように、複雑だった。
『ケイトと雑談』

>186
『保健室』
「昨日の事は知ってる。各陣営も動き出すし、いい具合に絡んで複雑な模様が出来上がりそうね。」
饅頭を頬張り、お茶で胃に流し込みながらチェスピースを動かす。

＞「私も上から命令きちゃったし、ケイトちゃんも身の振り方、考えてた方がいいかもよ」
＞そしてピースを置き…
＞「チェック。今日は私の勝ちかしら？」

ダンテがピースを置くと、九曜ケイトのキングに逃げ場はなく、詰まれてしまった。
「フーン、先生も一応は宮仕えなのねー。でも・・・・」
チェス盤を見つめながら呟く。そしてチェス盤の隅を指で弾くとチェスピースはその衝撃で倒れ、
盤上のピースが転がる。
「うふふふ。これで振り出しー。
私は九曜ケイト。九曜星のなかでも災厄と狂気、そして混沌をもたらす計都災星君を冠する女。
私の立ち位置はいつでも変わらないわよ、センセ。」
転がるチェスピースを眺め、鈴のように笑いながらお茶をすすった。

『ダンテと雑談』

>185
『女子寮・自室』
部屋に戻ると、まとわりついていた殺気が消える。
この部屋には結界が敷かれており、一種の聖浄空間となっている。また紫以外の転送魔法・呪的盗聴なども妨害できる。
寂しそうに背を向けて黙り込むあめの背中に垂れる二本の髪の束。その髪を掴み、ぐいっと引っ張る。
結構勢いがついて、鞭打ちになりそうな勢いであめの顔が天井に向いた。
「こりゃ！あめっち！ウザイかどうかは私が決めるのであって、自己完結してあめっちが決める事ではないジョヨ！？」
にんまりと笑ってあめの頭を景気よくわしゃわしゃと撫でて、紫はあめに謝る。
「昨日はゴメンネ、あめっち。順をおってお互い何があったか話そ。せっかく休みにしたんだから有意義に使わないとね。」

そう言うと、昨日の紫の体験した一部始終をざっと話す。
「正直言うと私自身ってあんまり強くないの。単純な戦闘力ならあめっちの方が上だと思う。あめっちを守ってビルの中にって
言うのは自信がなかったのね。
でも間違ってた。どっちかが守るとかじゃなくって、二人で協力していくべきだったんだよね。」
あめに申し訳なさそうにポリポリと頬をかきながら言葉を区切る。
「朝の殺気にはびっくりしたね。午前中殆ど意識のない私が目を覚ましちゃったんだもん。でも大丈夫、二人なら向かってい
けるよ。
じゃあ、次はあめっちの番だね。昨日あめっち私が廃ビルには行っている間に何があったの？
そして朝、自衛隊がどうしたの？教えて？」

『あめとお話』

>187
『保健室』
「あら〜･･･じゃあ、これでどうかしら？」
別の手で攻めてみる。これで、盤上は更に複雑化。
ダンテもお茶を手に取ると、一口二口喉に流し込んだ。
「300年も生きてるとね、安心できる生活が必要だと感じることもあるのよ〜」
思い返せば、魔族討伐の左翼グループに追い詰められ断頭されそうになった。
魔女だと疑われ魔女狩りに遭い、火炙りにされそうにもなった。
「大人になればわかるわ。自由に生きるのも、それなりの保険があった方がいいってこと」
フッ･･･と哀愁ある笑みを見せる。
『まだまだ雑談』

>188
『女子寮・自室』

「…ゆかりんが廃ビルに行ってる間の出来事は、昨日書いておいた書き置きの通り」
茉莉と戦ったことの一部始終を話す。
「人みたいな人じゃないみたいな感じがした。動物とかそっちじゃなくて、機械とか無生物的な」
W.R.F.は勢力の中では特殊である。
古からある術式を行う亜細亜呪術結社や西洋式魔導連合とは違い、突出した科学技術を駆使して戦う。
「朝、寮母さんに訊いたら、昨日は帰ってないって。それに、学校に休学届けを出してる」
茉莉は姿を消した。
それが何を意味するのか、あめにはわからない。
次は警察と自衛隊のことだ。
「えっと確か…なんとかかんとか対策部隊の塚本さんと、署長の本川さん、それに普通の警察官風の高田さん」
あめっちモードでない時は極端に人と話すのが苦手になるあめは、必死に何を言われたか思い出していた。
「ゆかりんに逃げられたけど、亜細亜呪術結社を情報収集源にしてて、魔法とかを知る権利を所持してるから、話してほしいって」
そんなところであろうか。
「あ…」
最後に聞いた塚本の言葉が脳内に響く。

＞「君は、一年前に死んだ私の娘に似ているよ」

その言葉が妙に気になり、あめは思いがけない言葉を口にした。
「行ってみよっか、警察に」

『紫に提案』

予鈴が鳴る数秒前に教室に到着し、教壇に上がってざっと慌しく席につく生徒たち見渡す。
一際目を引く長身、彫りの深い顔立ちに鋭い目つき、灰色の髪に茶色の瞳が彼が東欧系の者であることを示している。
右の頬には深い十字の傷跡が刻み込まれている。
「さて、今日の授業を始めようか…と、その前に、出席を取ります」
教壇の机に脇に抱えてきた教材を置き、名簿を手に取り次々と生徒たちの名前を読み上げていく。
しかし、二人ほどこの授業に出席していない。どうしたものかと、他の生徒にその二人について尋ねる。
「そうですか…小早苗さんが具合が悪いので寮の自室戻り、橘さんがそれの付き添いというわけですね。
分かりました。彼女らには後で私のところに来るように言っておいてください。」
そうとだけ言うと、早速シュタインバクスは自分の教科である世界史の授業を開始した。

『世界史の授業開始』

>190
『女子寮・自室』
書置きに目を通しながら、あめの話を聞く。
あめっちモードでないあめの会話はたどたどしいところがあるが、大まかなところは把握できた。
「やー、昨日はいきなりで結構大変な戦いになっちゃったみたいね。頑張ったね。」
そういいながらあめの頭を撫でて、自分の思考を整理する。
（それにしても朝からあめの方に警察と自衛隊からの接触があるなんて。うまくごまかしたと思ったけれど
しっかり調べられて監視されてるわけね。って言うかそれってストーカーっぽくない？）
監視されていることにふつふつと怒りがわいてくるが、
＞「行ってみよっか、警察に」
あめからの思いがけない提案にちょっと拍子抜けしてしまった。
しばらく考えた後に
「・・・・そうね、いこっか。」
たぶん監視され、行くまでもなく話はできそうだけど、警察署に出向いた方がいいだろう。
あめの提案に頷いて出かけることにした。

『警察署へ』

>190>192
あめと紫は警察署に着いた。
警察署の駐車場には、パトカー以外に自衛隊の車両が多数停まっていた。
それらを通り過ぎて中に入ると、受付の警官が話しかけてきた。
受付の警官「こら君達、こんな時間に何の用だ？学校は・・・」
そこまで言うと同時に、警官の体が持ち上がる。
警官を持ち上げたのは、塚本より少し低い位の背丈の警察官だった。
佐藤「中村ァ、貴様は伝言をよく聞いてなかったか？この方々は署長のお客様だよ、ボケッ！」
中村「は、はい分かりました佐藤巡査長、だから首締めだけはご勘弁〜！！」
中村と呼ばれた警官を降ろすと、佐藤巡査長はにこやかにあめと紫に話しかける。
佐藤「いやぁ、うちのバカがご迷惑かけましたね。こいつは警察の汚点とも言っていい存在でして・・・」
中村「くそ、いつか殺してやる」
佐藤「何か言ったか」
中村「いえ、何でもありません佐藤巡査長！」
あめと紫が成り行きを見守っていると、高田が出てきた。
高田「ああ、あの時の女の子だね。名前は確か・・・あめさんと紫さん、で良いのかな？」
苦笑しながら、高田は紫とあめに一礼する。
高田「署長室で本川署長と塚本一佐がお待ちかねですよ。それから佐藤と中村、お前らも来い」
佐藤「おうおう、行かせてもらうよ」
中村「僕もですか？」
高田達に連れられ、あめと紫は署長室へ通される。
その部屋は、署長室というよりは豪邸の応接室の様な感じで、とても綺麗に手入れされていた。
そして、署長用の机に突っ伏していた本川が、あめ達を見て飛び起きる。
本川「おお、来てくれたんかいな！待っとったでぇ！塚本はん、二人とも来はったわ！」
すると、奥の部屋で書類を読んでいたらしい塚本が、すぐに出てきた。
塚本「君達を待ってたよ。まあ、これ程早く来るとは思わなかったがね。まあ掛け給え」
そう言って、塚本は応接用の椅子にあめと紫を座らせた。
本川「じゃ、わてらの話は後にして、そちらさんの疑問と文句から行きましょか」
佐藤「・・・要するに、我々に対する質問や文句があれば今の内にという事です」

>192
『女子寮→警察署』

警察署までの道のり。
あめは、あることを思い出す。
「あ…今日、シュピールマン先生の世界史…」
シュタインバスクはあめと紫の１−Ｌの担任で、世界史の教師だ。
怒りで早足になっている紫にとぼとぼついていきながら、あめはそんなことを呟いた。
（あー…緊張するぅー）
あめっちモード始動とばかりに、顔を叩いた。
警察署に入る。
するとコントのような光景が繰り広げられ、署長室に案内された。
署長室では塚本と本川が。
質問や文句と言われ、あめは紫の顔を見た。
（今のゆかりんなら、ズバズバ言いたいこと言いそう…）

『紫と塚本達の顔を交互に見回している』

>193
『警察署応接室』

コントのような警官のやり取りを聞いて、完全に監視されていたことを確信する。
応接室に通され、本川と塚本を前にして、口を開く。
「昨日は助けてもらってありがとうございます。ちょっと混乱していて飛び出しちゃってごめんなさいでした。」
にっこりと微笑みながら言うが、笑顔でいたのはそこまでであった。
「それで・・・すっかり監視されていたみたいですけど、１６歳の乙女にストーカーまがいの接し方はどうなんでしょ？
亜細亜呪術結社と繋がりがあるらしいですけれど、こういうことをやられては気分が悪いですけど、私たち。」
棘を隠さずに言葉を続ける。
「それに、昨日みたいにあんな大掛かりな部隊展開されては逆に動きづらいだけです。」
戦闘能力の低い自分や、戦闘経験の乏しいあめにとって、自衛隊の大戦力はありがたい話だ。
だが、大人数になればそれだけ全体が把握できなくなり、情報漏洩にも繋がる。
つまり、術者として暗躍してきた紫のとってあれだけ派手な部隊展開は受け入れられないことであった。
そして何より、監視されているという事実が我慢できないのだ。

『警察署で文句言っています』

>194>195
>「それで・・・すっかり監視されていたみたいですけど、１６歳の乙女にストーカーまがいの接し方はどうなんでしょ？
>亜細亜呪術結社と繋がりがあるらしいですけれど、こういうことをやられては気分が悪いですけど、私たち。」
紫の直球攻撃に、塚本は頭を抱える。
塚本「・・・・では、ボディーガードのように傍に張り付いておこうか？何なら部屋に盗聴器や隠しカメラを置いてもいい。
それに、監視命令を出したのは私ではなく、在日米軍のアホ大佐だ。トンプソン、そうだよな？」
塚本の声に応えて、トンプソンと呼ばれた人物が入ってきた。
米軍の迷彩服を着ており、身長は塚本位だが、身に纏っている雰囲気はずっと軽い。
トンプソン「ツカモト、色々と勝手に喋ってくれたな。まあ、第一印象など気にはしないが。
さて、このお嬢さんの話を聞く限りでは私の判断が裏目に出たらしいな。すまなかった、この通りだ」
そう言うと、トンプソンは深く礼をした。そして、すぐに顔を上げる。
>「それに、昨日みたいにあんな大掛かりな部隊展開されては逆に動きづらいだけです。」
本川「そうでっしゃろか。わてらが行かんかったら、あの腐乱死体達は真帆良中に広がった筈や。それに・・・」
言いかけると、高田が先に口を開いた。
高田「昨日の君達を見ていると、到底自分達だけの力で解決できた様には思えない。
それに、あのゾンビは噛んだ人間をゾンビに変える性質を持っている。一匹でも逃がしたら街中ゾンビだらけになっていた」
高田が言い終わると、佐藤が口を挟む。
佐藤「監視が嫌なら、護衛というのはどうかね？先日の化け物を作った奴も居るだろうし、な」

『紫の文句に黒幕その２登場、会談続行』

>195>196
『警察署・署長室』

「あの！」
中を割って、あめが声を出した。
「貴方達は貴方達で、事を進めてください。情報なら訊いてくれればいつでも提供します」
あめの表情は、堅い。
緊張しているのもある。だが、これは意志の強さが表れたものだ。
「実力や戦闘能力が不足してるのは自覚してます」
訴えるような眼差し。
責められるのは当然かもしれない。
あの時は、自分の判断力の無さや、茉莉との戦闘を逸早く終わらせられなった実力不足が、紫を危険に追いやった。
「…あめっちが強くなって、ゆかりんも、みんなも、守るもん…」
自分の決意を、呟く。
「護衛も必要ないです。有り難いとは、思いますけど…いらないです」
はっきりと、あめは断った。

『答えを曲げるつもりはない』

『リサイクルショップ』
キムの携帯電話に、メールが入った。
かなり改造された違法性の高そうな携帯電話。
キム「なんじゃこりゃ」
茉莉「どうかしたのか？」
黙って携帯電話の画面を見せる。
画面に映るメール文に、茉莉は驚いた。
『亜細亜呪術結社所属、橘　紫、小早苗　あめと協力態勢をとれ。詳細はおって連絡する』
上層部からの指令に、二人は顔を見合わせる。
キム「命令だしなァ･･･」
茉莉「･･･」
キム「な〜に？まさに、昨日の敵は今日の友ってか？」
茉莉「･･･ウルサイ」

『紫とあめに事を説明するため店を出る』

>196
『警察署・所長室』

塚本「・・・・では、ボディーガードのように傍に張り付いておこうか？何なら部屋に盗聴器や隠しカメラを置いてもいい。
この言葉で紫の頭の中で何かが切れた。どす黒い怒りが渦巻く。（うぅ〜〜・・このストカーめ〜〜！）
そのあとのトンプソンや本川・高田の言葉もその怒りに火を注ぐだけであった。
言っている事が事実であるだけに余計に。
怒りに任せて胸元に手を伸ばした時、
＞「あの！」
あめの言葉が割って入る。
＞「護衛も必要ないです。有り難いとは、思いますけど…いらないです
はっきりとした、決意に満ちた言葉。
その言葉で頭が冷え、冷静さを取り戻す。
ここで話をこじらせて収拾がつかなくさせるわけにはいかない。それに戦力的にも協力関係でいたほうがいい。
勿論、監視されるのは耐えられないのだが。
「ふ〜〜〜・・・・」
落ち着かせるために大きく息を吐き、口を開く。
「あめっちと同じ意見です。監視も護衛も必要ありません。
でも、昨日の件に関しては本川さんたちの言うとおりで返す言葉もありません。お互い目的を同じくするのですし、情報提供も
しますし、友好関係を結んでもいいです。
必ずしも共同歩調をとるという事は約束しかねますが・・・落し所としてはこんなところでいかがでしょうか？」
にっこりと微笑んで提案する。

『妥協点を提案』

>「あの！」
>「貴方達は貴方達で、事を進めてください。情報なら訊いてくれればいつでも提供します」
本川「・・・・・・・・」
黙ったまま、本川は塚本の顔を見る。
塚本もまた黙ったまま頷き、あめに言葉を続けさせる。
>「実力や戦闘能力が不足してるのは自覚してます」
>「…あめっちが強くなって、ゆかりんも、みんなも、守るもん…」
>「護衛も必要ないです。有り難いとは、思いますけど…いらないです」
塚本「・・・・君がそう言うのなら、そうしよう。それに、我々にも他にやるべき事が山積しているしな」
本川「昨日のあの騒動について本庁に出す報告書も書かんならんし、はっきり言って暇がおまへん」
トンプソン「私も、長く基地を空けておく訳にはいかない。今日中には一度戻らねばならん」
高田「自分には地域の警邏任務があります」
佐藤「自分も同じです」
中村「僕は・・・」
佐藤「お前は一日中デスクワークだよ、ボケ」
中村「ヒデェ・・・・」
塚本「さて、話はこれで終わりにしよう。君等も学業があるだろう？単位を落としたら大変だ」
笑いながらそう言うと、塚本は立ち上がってドアを開ける。
塚本「さあ、早く帰りなさい。それとも、車で送って差し上げようか？」

『平和的に会談終了、あめ達を帰らせようとする』

>199>200
『警察署→道路』

「送らなくても大丈夫です。じゃ、帰ろ☆」
紫の手を引いて、あめは警察署を出た。
「悪い人達じゃないと思うよ。ま、男の人だし、女の子のデリケートな部分がわかをかもだけど？」
あめっちモードで明るく、楽しげに話す。
しばらく歩いていると、クラスメート達と遭遇する。
この時間は体育。それに近々校外マラソンがあり、その練習で校外を走っていたのである。
あめの体調を心配し、皆が集まってくる。
「うん…だいぶ良くなったよ。もともと元気だけが取り柄だもん☆」
そう笑って答える。
「え？シュピールマン先生が？」
>191でシュタインバスクが後で来るよう言っていたことを告げられた。
あめは紫に顔を向ける。
「他のクラスももうシュピールマン先生の授業ないはずだから、このまま学校行こうか？着替えてないしね☆」

『高等部校舎に行くことを提案』

>200>201
『帰路』

警察署を出て、あめと話しながら帰路に着く。
「ん〜〜・・・ストーカー行為で頭に血が上っちゃったけど、あめっちのお陰で助かっちゃった。ありがとね。」
あめとやり取りをしながら歩いていると、校外マラソンをしているクラスメート達と遭遇する。
＞「他のクラスももうシュピールマン先生の授業ないはずだから、このまま学校行こうか？着替えてないしね☆」
その言葉を聞き、警察署にいく前>194にあめがシュピールマンの事を口にしていたことを思い出す。
そのときは頭に血が上っていて、気にも留めなかったが、落ち着いた今だとよからぬことにまで考えが回る。
「このまま体調不良で休みでもいいのに、あめっちシュピールマン先生の事好きだったりして〜？」
にんまり笑いながらあめに囁く。
「私は舌か見そうな名前で覚えにくいし、すっごく大きいからあの先生ちょっと苦手だけど、あめっちがそうなら応
援するよ。」
あめをからかいながら校舎へと向かった。

『高等部校舎へ』

『雑木林・セラード宅』

白衣に包まれた白い腕が、ピアニストのごとき動きで作業台を行き来する。
「これでよし……かな？　いやまだ術式の構成が甘いか」
ふう、とため息ひとつ、セラードは先ほど淹れておいた紅茶に口をつける。
本来出勤していなければならないはずの時間帯だが、セラードはモノクル越しに時計を一瞥し、また作業に戻った。
もともと、学園に入ってきたときには化学教諭として採用されていたはずなのだが、「それではアンティーク作成の時間が取れない」と学園長に直訴し今の非常勤教諭という状況に落ち着いている。
それが許されているのも、もとはセラードが魔法界でも指折りの魔法道具技工士であるということに集約される。
かのパラケルススに師事し、賢者の石やホムンクルスにも関わったことがあり（その際の事故で不老不死になってしまったが）錬金術や治癒魔術を修めたセラードであるがあまりその力を振るおうとしない。
さすがに、エヴァンジェリンが吸血鬼化させた生徒を連れてこられたときは、魔法を使ったが。
閑話休題。
とにもかくにも、そんな訳でセラードはアンティークを作っていた。最近では使用に魔力を必要としない魔法銃や、結界を無詠唱発動させることができる音叉が人気だ。
実はサウザンドマスターの息子である子供先生にも、魔法銃を贈与したことがある。
「さてこれで完成だ。私ながらいいできばえだなあ」
はっはっはと、大げさに腰に手を当てて笑う。
もしエヴァンジェリンがいたら、「馬鹿だろう貴様」と一蹴しただろう。
魔術構築を終え、がちんと音を立てて弾層をセット。完成したばかりの中型の自動弾層拳銃に酷似した銃を、魔法使いのローブみたいな白衣の裏側にしまい込む。
「さてそろそろ、保健室に行かないとダンテ先生が怒り出してしまうだろうなあ。あの人、美人だから笑うと逆に怖いし」
セラードがあまり、保健室に行きたがらないのはこれが理由でもある。
ぶるりと、震え今度こそセラードは保健室へと向かった。今や魔窟と化している高等部の、である。

>202
『高等部校舎』

シュタインバスクのことを訊かれ、あめは首を横に激しく振って否定する。
「そんなことないよ！好きだなんて…」
シュタインバスクの紳士な態度は、嫌というわけではなく、普通に接することができる。
だが、あまり好感触とはいかなかった。
「シュピールマン先生、結社に入る前と入った後で、あめっちとの接し方が何か違うの」
シュタインバスク、そしてマリネッタもだ。
自分達も含め、どの勢力の所属の者も皆、その正体を隠している。
「敵なら仕方ないと思うけど、それ以上に…シュピールマン先生は、私達の先生だから」
苦笑にも似た微笑みを見せ、あめは言った。

『職員室の前までやってくる』

>203
『高等部校舎・保健室』

ケイトとチェス勝負に勝利、勝利の余韻に浸る。
勝負に負けたケイトはベッドで不貞寝してしまった。
「も〜ケイトちゃんたら、負けたらいつもコレなんだから」
余韻に浸る間もあまりなく、ケイトの寝たベッドのカーテンを閉め、時計を見る。
「もうこんな時間か。出勤時間、何時間遅れよ･･･セラード君たら〜」
少々呆れつつ、魔法先生セラードの遅刻をどう突ついてやろうか思案中。
少しずつ動き出す。各勢力、警察と自衛隊、そして学園。
ダンテはただ、駒を戻す前の乱戦したチェス盤ようなこの高等部の状態を、眺める。

『保健室でセラードが来るのを待つ』

>204
『高等部校舎・職員室前』

職員室のドアの前で立っているあめと紫を見つけ、茉莉とキムは顔を見合わせた。
キム「へ〜、あの子達が噂の二人？意外と可愛いじゃん」
茉莉「変な目で見るな」
二人は、あめと茉莉に近付く。
茉莉「昨日ぶりだな、小早苗。そっちは初めましてか、橘」
キム「二人とも初めまして〜。俺はリサイクルショップで店長やってるキム・ロス」
挨拶もそこそこに、茉莉も職員室に用事がある。
茉莉「お前達に大事な話がある。互いの用事が済んだら、コイツのリサイクルショップに来てくれ」
キム「いちお、俺って茉莉の保護者代わりなわけね。危ないことはしないから、来てちょ」
物の言い方が堅い茉莉と、正反対の軽すぎるキム。
茉莉は職員室に入り、担任に休学届けを撤回し、キムと共にリサイクルショップに戻った。

『あめと紫に一方的に話をし、リサイクルショップに戻る』

>205
『高等部校舎・保健室前』

嫌がる自分の両足を宥めすかすこと、数十回。通常の1,5倍の時間をかけて、セラードはようやく保健室の前までたどり着いた。
「ああ、嫌だなあ。ダンテ先生は絶対怒っているに決まっているよ。それで私に向かって、またネチネチと嫌みを言うんだ」
セラードははあー、と大きなため息をひとつ。今のセラードには、保健室の扉が人外魔境の遺跡の入り口に思えた。
そういえば昔、師に連れられてマテリアル掘りに行った、どこかの魔法使いが作ったらしい遺跡の扉も、こんな感じのプレッシャーに包まれていた気がする。
「そうだ！　錬金薬を忘れたということにして……」
万有引力を発見したときのニュートンさながら、世紀の大発見だとでもいうようにセラードは呟いた。
「いやいやしかし、ただの保健室勤務に錬金薬は必要ではないし。というかそんなことをしたら、本格的に怒り出すかもしれないよ」
セラードはとうとう頭を抱えだし、あああ〜と無様にうめき声を上げた。
「よ、よし！　覚悟を決めるよ。悩んでもしょうがないし。というより悩む時間がないし」
注射をする前の小学生みたいな決意をし、セラードが扉に手をかけようとした瞬間、
「!?　なんだ？　今、異様な魔力が……」
魔法使い特有の超感覚に、僅かだが感じられたどす黒い感情に塗れた魔力。しばしの間逡巡するも、自分が動くまでもないと判断。
「まあ魔法先生は私だけではないし、他の人に任せるとするさ」
そして今度こそ、セラードは保健室の扉を開いた。

『保健室の中へ』

>204
『高等部職員室前』

激しく首を振って否定するあめの反応が面白くて、何度も確認したりしながら歩いていた。
＞「シュピールマン先生、結社に入る前と入った後で、あめっちとの接し方が何か違うの」
あめの一言ではっとなる。
これはもしかして・・・紫はこういうことも危惧をしていた。いつかは話さねば、と。
だが、まさかこんな職員室に向かいながら話すとは思っていなかったが・・・
「あ〜〜〜、あめっち、それはねぇ・・・なんていうか、誰もが通る道なのよ。
特にあめっちの場合は私がいきなりファンタジーな世界に引っ張っちゃったから、さ。
こういう世界にいると些細な事がとっても大きな違和感になって、すぐに敵か味方かって考えちゃうのね。
でもさ、こっちの世界の人間の絶対数は少ないんだし、たいていは気のせいなのよね。
そんな気のせいで消耗してたら持たないよ？っていうか、それこそ恋なんじゃな〜い？（笑」
平和な世界から突然魔法の世界に引っ張り込まれ、学生と戦闘の二重生活を送っていると何もかもが
敵のように見える事がある。
あめはまさしくその状態なのだろう。
最初に教えておくべきだったが、紫のミスである。だが、それはなかったことにして、茶化しつつあめに伝
えたのが、うまく伝わっただろうか。

職員室の前に着くと、突然二人の話しかけられる。
一人は高等部の制服を着ているので、生徒だろうが随分と小さい。もう一人は・・・教師だろうか？校舎内
で教師以外の男性を見かける事は殆どないからだ。
疑問を察知したようにキムは自己紹介をしてくれた。
「あめっち、知り合い？」
小声で聞いていると、二人はリサイクルショップに来いとだけ言って歩き去ってしまった。

>205>208
「…小早苗さん、橘さん。出入り口でお喋りをしていると、他の先生方に迷惑ですよ？」
ぬっと黒い影が二人を覆う。二人の後には、シュタインバクスが立っており、二人を見下ろしていた。
2ｍ近い長身である為、小柄な女生徒達は彼の胸に届くか届かないかぐらいである。その長身が与える威圧感はかなりのものだ。
加えて、東欧系であるシュタインバクスは少しばかり目つきが鋭く、左頬には深い切創が刻み込まれている。どちらかと言えば、顔付きは
穏やかとはいえない。むしろ、少し険しい部類に入る。
別に本人は意識してそのような険しい顔をしている訳ではないのだが、流石に本人の意識とは無関係とはいえ周囲の生徒達にはそれが威圧的なようだ。
「まぁ、話というのはですね、今日の授業のプリントを渡したかっただけですよ」
そう言って脇に抱えていた教材の類の中から数枚の世界史のプリントを取り出し、二人に手渡す。
「それと、これはマリネッタ先生からです。二人ともテストが余り芳しくなかったようですから、先生がこれをやっておくように、とのことです」
更に数枚の英語のプリントを取り出し、二人が手に持つプリントに上乗せする。その量は、生徒にとっては頭が痛くなる量であった。
「因みに、提出は今週末の土曜日までとのことです。私のプリントは提出が少し遅れても構いませんが、マリネッタ先生はそうはいかないでしょうね。
あの先生、見かけに依らず、厳しいところがありますからねぇ…」
シュタインバクスは苦笑を浮かべると、頭をぽりぽりと掻いた。
「それでは、私はこれで…体調にはくれぐれも気をつけるように」
最後に小早苗に気遣いの言葉をかけると、職員室の扉の取っ手に手をかけ、静かに開いて中へと入っていった。

『職員室で仕事』

>208
『高等部校舎・職員室前』

「そうかな…？」
あめの声のトーンは異様に低かった。
昨日の戦闘のことや、自衛隊の件で気を張り詰めいた。
まだ術者として未熟なあめは、自分の気をコントロールできているようでできていない。
今のあめは、何でもかんでも電波を受信してましうアンテナのようなものだった。
「でも言ったでしょう？私達の先生だから…あめっちは信じてるの、シュピールマン先生を」
深刻そうな声とは裏腹に、笑顔であめはそう言った。

>206
職員室に入るのをためらっていると、声をかけられた。
一人は、昨夜戦った茉莉。もう一人は、見知らぬ男。
一方的にそう言われ、茉莉は職員室で事を済ませ、男…キムと帰っていった。
紫に「知り合い？」と訊かれると、あめはきょとんとした顔になる。
「あの人が茉莉さん…」
>209
茉莉とキムの登場と退場に呆然としていると、後ろからまた声をかけられた。
先程の話題になっていた張本人、シュタインバスクである。
シュタインバスクは、世界史と英語のプリントを渡すと、職員室に入っていった。
あめっちモードの時しか知らない人間は信じられないだろうが、あめは勤勉である。
成績も上の中といったところ。
だが、ここ数日、特にテスト日前後は、亜細亜呪術結社としての仕事を覚えたりで、あまり勉強はできなかった。
「茉莉さんの事も、プリントも、今日中に片付けちゃおうかなぁ」

『考え中』

で？

は？

あ？

ん？

い？

>207
『高等部校舎・保健室』

やってきたセラードに、ダンテはニヤリと冷ややかな笑みを見せた。
この笑みを見て、セラードはどんな責め苦が待っているのだろうと、身を震わせたことだろう。
だが、ダンテは何もせず、ただ笑ったままだった。
「さっき何か感じたでしょ？」
ダンテも、先程の魔力を感じていた。
魔力を含め、呪術者の霊力、そしてアンドロイドとサイボーグのエネルギー。
「一瞬だけど、学校に四大勢力プラス魔法先生。これだけ術者や魔物に機械な方達がいれば、感じない方がおかしいのかしら？」
いつも自分がいる定位置に戻ると、ダンテはお茶をすすった。
この保健室にも、ダンテ、セラード、そして今寝ているケイト。
「ま、まだ関係ないんけどね〜」

『セラードと会話』

>216
『高等部校舎・保健室』

セラードはダンテの口から放たれた言葉に安堵した。どうやら、ネチネチ嫌みを言われるのは避けられたようだ。
ダンテの言葉に感嘆する。この魔力に気づくとは、セラードが重ねてきた時間よりは短いものの、さすがは齢三百を超える魔物といったところか。
その種族は伊達では無いようだ。
「一瞬だけど、学校に四大勢力プラス魔法先生。これだけ術者や魔物に機械な方達がいれば、感じない方がおかしいのかしら？」
その言葉にセラードは頷く。先ほど僅かであるといったが、平均以上の力を持つ者ならばこれを感じないほうが不思議だ。
定位置へと歩を進めるダンテを一瞥しつつ、傾いたモノクルを直す。
カーテンの向こう側から、魔力に近い力が漏れ出している。
恐らくいつもダンテとチェスをしている、九曜ケイトのものだろう。確か彼女は仙術を用いたはずだ。
（しかし、無所属なのに完全に力を隠しきらないとは、大物のつもりなのかな）
しばし、思考。しかしそれは違うと思い至る。
（いや、違うか。ダンテ先生を、少なからず信頼しているんだね。いざという時には、決して裏切らないと。お互い、ウマが合うようだし）
ダンテのほうも、どちらかといえば自由奔放であるところを、美徳としている節があるように感じる。
たとえ上からの命令が来ても、我関せずとばかりに撥ね付けるだろう。
そうこう思考を巡らすうちに、ダンテは定位置に戻った。お茶に口をつけ、一息ついて、
「ま、まだ関係ないんけどね〜」
やはり、とセラードは思った。予想通りの答えだ。
「なら、しばらくは動かないと受けとってもいいね？　私は学校に属する者だから、いざという時は、貴女とも戦わなくてはならない立場にある……」
でも、と前置きして、
「私個人としては貴女とは戦いたくない。もともと私が、戦闘向けの魔法使いではないこともあるけど」
ダンテの訝しげな眼差しを受けながらも、セラードは独白する。
「私は貴女のことを、多少なりとも気に入っているんだ。感謝している、と言い換えたほうがいいかもしれない。私の代わりに、保健室業務を行ってくれることも含めてね」
と、その時になってセラードは気づく。訝しげと感じたダンテの視線が、妙に興味深げな眼差しであったと言うことを。
心なしか、ダンテはにやにや笑っているようにも見える。
（な、なんだか誤解されてる？）
セラードの心の絶叫は、誰にも聞こえることなく彼の中で、高らかに響いた。

『ダンテと会話』

>209>210
『高等部校舎・職員室前』

例えて言うのなら、突然城壁が出現して爆弾を大量に投下して消えていった。というところだろうか。
両手に乗せられたプリントの重さを感じながら紫は思った。
「あめっちの勘は正しかったようね。シュピールマン先生は敵よ！うぅ・・・このプリント・・・
わざわざマリネッタ先生からのプリントまで渡すなんて、私は信じられない＞＜」
がっくりと項垂れる紫。
世界史はともかく、紫は英語はまったく駄目なのだ。
日本語はなせれば上等じゃない。と開き直っているのだが、目の前に詰まれるプリントを前にしてはそうも言っていられない。

「もう、課題もでたことだし、さっさとあの二人の事を片付けて課題に取り掛からなきゃ。」
昨日あめが闘ったという茉莉たちからの招待。何のつもりかはわからないが、敵であるのは確かだ。
「堂々と宣戦布告するなんて甘く見られたものね。あめっちにはこれを渡しておくわ。完全武装で圧勝よ！」
そう言うとあめのプリントの上にリストバンドと靴を載せて、使用法や効能を説明した。

『リサイクルショップへ』

>210
成績のことで教師に呼び出された猫田は浮かない顔で職員室の戸をがらがらと開け、室内から出てきた。
戦国時代から猫又として自我を持ってはいたが、長い時を生きているから頭が良いという訳ではない。
むしろ、人界と余り係わり合いを持たなかったからこそ教養は低いといえよう。というか、人の知識を学んでどうする？
しかし、そういう強きな発言は一昔前の話。人々からは忘れ去られ、忘却の彼方へと押し遣られてしまった我々妖怪は
人の世に溶け込み、生きていくしか術は無い。人と同じような生活を送るためにも、それなりの知識というものが必要なのだ。
猫田は終始浮かない顔をしょんぼりと俯かせてはいたが、職員室の扉を開けると同時にとある匂いが彼女の鼻腔を擽った。
思わず顔を上げると、職員室の扉の直ぐ近くには同じクラスの小早苗あめがいた。傍には橘紫もいる。
二人は何事か話しているようであったが、既に猫田の中では「猫モード」のスイッチが完全に入っていた。
「あめっち〜〜〜!!!」
玩具を見つけた子猫の如く駆け出し、小早苗にがばっと後から抱きつく。そして、顔を小早苗の頭に埋めて髪の匂いを嗅ぐ。
「えへへへ…あめっちって、子猫ちゃんの匂いがするね」
くんくんと小早苗の髪から香るシャンプーの馨しい匂いを肺一杯に吸い込み、人懐っこい笑顔を浮かべてみせる。
人懐っこい猫田は、好意を持った人間には過剰なまでに懐く。それはもう、子猫の如くである。
人生の殆どを一人で生きてきた為か、それとも猫としての性なのか、兎に角、心を許した人間には子猫のように無邪気な笑顔で接するのだ。

『小早苗に抱きつく』

>218,>219
『職員室前→リサイクルショップ』

紫から貰ったリストバンドと靴を、早速身につける。
「や〜ん☆人からプレゼントなんて初めだよ〜♪」
とても嬉しかったようで、あめは紫の前で何回も回転していた。
頬をピンクに染め、有頂天気味に笑っている。
と、そんなあめに、誰かが抱きついてきた。
「わっ！あ、みやびん☆」
抱きついてきたのは、同じクラスメイト、そしておなじひなたぼっこ研究会のメンバーの雅だった。
抱きついてきた雅と共に、また回転を始めると、あることを思い出す。
「あ！リサイクルショップに行かないとなんだ!!」
回転をやめ、雅を体から離すと今度は紫を抱える。
「ごめんね！これから用事があるの〜！今日ちょっと気分が悪くて早退したから、あんまり遊べないし…また明日！ごめんね、みやび〜〜〜〜〜ん」
紫を抱え、シューズの力を借りて常人ではありえないスピードを出して、あめはその場を後にした。

リサイクルショップに着き、あめは息を吐く。
やはり、昨夜のことだけあって、気は抜けない。
鼓動が早くなるのを感じながら、リサイクルショップに入った。
「こんにちは〜…」

『紫と共にリサイクルショップに入る』

>217
『保健室』

ダンテは笑っていた。
（面白い人だわぁ）
セラードは、自分で自己完結させてしまう節がある。
こちらは何も言っていないのに、勝手に納得してしまう。
そんなセラードに、少なからずダンテは好意を持っていた。
「まぁ、学園に入った方が先だし、学園長にも一応は言ってあるのよ。人間に似た種族なら、人間の世界の中で生きていける。
けど、人間に似せられない種族は、いわゆる魔界といわれる別次元空間や人のいない山奥とかに、結局は追いやられてしまうのよ。
だから私は、少しでも魔族や妖怪が人間の世界でも住みやすくするための力添えをしたいの。だから、モンスターズユニオンに入った」
そう語るダンテの表情は儚く、今にも消えてしまいそうだった。
だが、その表情も、段々と優しい微笑みに変わっていく。
「私の一族は、人よりも何倍も寿命があるからね。今となっては昔話だけど、魔女狩りや魔物狩りの標的にされたこともあった。
人より長く生きられるから、たくさんの大切な人達の死を見てきた。悲しいことばかりだけど･･･楽しいこともちゃんとあるのよね。
ケイトちゃんや、あなたみたいな、大切な友人に出逢えた。その人達と、暖かい日々を過ごせたこと。これからも過ごせること」
優しい笑みをセラードに見せ、ダンテはまたお茶を飲んだ。
ふう･･･と息を吹くその顔は、女性らしい一面を感じさせる。
「私は、そんな思いもできない世界に追いやられて種族達にも、この満たされた気持ちを感じさせてあげたいの。
だから私は、モンスターズユニオンにいる。命令が来たけど、私はまだ動かない。でも、もし戦うことになったその時は、負けないからね」
力強く、決して曲げることなどできない。
そんな眼差しを向け、ダンテは言った。
「…あら、もうお昼だわ。購買にでもいって、お昼買ってこないと。あなたも一緒に行く？」

『セラードを昼食に誘う』

>218>220
『リサイクルショップ』

キム「お、来たなお二人さん！」
店に入ってきたあめと紫を招き入れると、キムは店のシャッターを下ろした。
元々表には『本日休業』と貼り紙をしておいてあるので、客がくるわけではないが。
キム「お前等、早退したんだってな。昼飯まだだろ？コンビニ弁当だけど、上にあるから食えよ」
あめと紫と共に二階に向かう。
下は店だが、上は生活スペースというわけだ。
茉莉「来たか。時間はある。私も今日は休んでいる身だからな」
休学届けは取り下げたが、今日だけは休み扱いにしてもらった茉莉。
コンビニ弁当を口に運びながら、話をする。
キム「バリアは起動させたか？大事な話だからよ、途中で邪魔が入るとな」
茉莉「お前がシャッターを閉めたと同時に起動させた」
茉莉の言葉を聞くと、キムはあめと紫に向き合った。
キム「ならオーケー。一応、敵対策のためにバリアを展開してる。銃火器勿論、対呪術魔術用のな」
茉莉「ここと、店の外の空間とは遮断されるからな、転移魔法のようなものも使えない」
淡々と食事を続ける茉莉が、そう続ける。
キムも座り、弁当を開けると、食べ始める。
キム「サイボーグの俺なんかも腹は空くし、アンドロイドのコイツの動力源はメシだからな。人とあんま変わんないわけだ。
んで本題、上から指令が届いたんだが、お前等と手を組めなんていってんだ。亜細亜呪術結社には話はつけておくって後書きつき」
茉莉「罠とも思えない。正直、私達もどう対応しているか悩んでいる。なのでお前達にも話を聞こうと思って、ここに呼んだ」
キム「何か聞いてないかい？聞いてないならそれでいい。指令が変更されるまでお前等とは戦わなきゃいいんだからな。
何か話がいっているなら、お互いどう動くか、打ち合わせしようと思ってさ」

『呼んだ理由を告げる』

まだあったのここ？

やなかんじ

>221
『保健室』

（魔界の眷属……か）
魔法使いに属するはずのセラードにとって、忘れることができない存在だ。
セラードはふと昔を思い出した。
賢者と呼ばれる師と共に、二つの賢者の石を作り上げたこと。その片方がセラードの中に取り込まれてしまい不老不死の体になったこと。
もう片方の賢者の石を使い、双子のホムンクルスを作り上げたこと。
それらの技術を狙った魔導師供に、昼夜を問わず襲われ続けたこと。
その時に匿ってくれたのが人狼や猫族――魔に属する者たちの村であったこと。
セラード達を追って魔導師供が襲ってきたときも、身を犠牲にしてセラード達を守ってくれたこと。
そのときの怪我が元で、師がこの世をさったこと。師を追いかけるように、ホムンクルスたちも死んでしまったこと。
悲しみにくれて、今にも師の下へ行こうかとするセラードを、村の長であった半竜に諭されたこと。
彼の言葉は今でも鮮明に覚えている。
――人が死ぬのは悲しいことだ。だが、君が悲しんで立ち止まることを、きっと彼らは望んでいない。
悲しみを受け入れた上で乗り越えてみせろ。立ち止まらず突き進んでみせろ。それが『生きる』ということだ。
そう、決して忘れはしない。師から託されたことを。何の義理もないセラード達を受け入れ、セラードのせいで村が壊滅したのに、慰めの言葉をかけてくれたことを。
「ああ。私も魔族の現状は良くないと思っているよ。だからといって、そのことを改善できるほどの力を私は持っていないけれど」
自嘲めいた表情を浮かべるセラード。が次の瞬間にはいつもの明るい顔に戻っている。
「さて。　ウダウダ言っていても、事態が好転するわけでもないし。わたしも食事に付き合うよ」

師や双子や、多くの魔族の犠牲の上に成り立っているこの命。
――悲しみを受け入れた上で乗り越えてみせろ。立ち止まらず突き進んでみせろ。それが『生きる』ということだ。
（分かっているよ。村長。ここには私が『生きる』ための理由がある）
賢者の後継者（サクセサー・オブ・パラケルスス）セラードの決意は誰にも聞こえることなく、ただ高らかに……。

>220
「あ、うぅ…あめっち……」
一人ぽつんと猫田は取り残され、段々小さくなっていく小早苗の細い背をただ見送るしかなかった。
「待っ…」
段々と小さくなる小早苗の背を見送ってはいたが、直ぐに我に帰り、慌てて追いかけようと駆け出した。
「にゃっ！」
しかし、廊下を曲がったところで誰かにぶつかってしまい、その場で尻餅をついた。
「いたたたた…」
打ち付けた尻と鼻を擦りながら立ち上がり、ぶつかったその人物を見上げた。
「…廊下は走るなよ」
猫田がぶつかった相手は、人狼の狼淵圭吾であった。長身の狼淵は尻餅を付いている猫田を見下ろしていた。
狼淵は人狼族特有の人狼化、狼化を巧みに使いこなしており、後先考えない猫田よりもずっと種族としての特性を活かした活動を行っている。
常に額に黒いバンダナを巻いており、彫りの深い精悍な顔立ちと狼のように鋭い眼光、そして服の上からでも見て取れる筋肉の僅かな隆起。
それらの御蔭で、狼淵は常に近寄り難い雰囲気を醸し出していた。しかし、
「ケイゴー！」
狼淵の姿を認めるや否や、猫田は彼の腰にむしゃぶりついていた。猫田にしてみれば、狼淵の外見など関係なかった。
ただ、信じられる仲間であるか否か。それだけが彼女の問題なのだ。
狼淵は猫田に腰に抱きつかれて一瞬怪訝な表情をするが、ここで大人気ない行動をする彼でもない。にゃんにゃんとじゃれる猫田を放って置くのが一番だ。
「えへへへ…ケイゴーって、何だかお父さんの匂いがするね」
逞しい狼淵の胸に頬を摺り寄せながら、無邪気な笑顔でそう言う。
「お父さん…少なくとも、俺はお前よりも遥かに年下だぞ」
幾等人狼族が人間よりも遥かに長生きな魔族だとしても、戦国時代からの猫又とは比べようも無い。狼淵はまだ半世紀以上しか生きてはいない。
猫田の発言にいよいよ表情は曇っていくが、猫田はそんな彼に構わず、じゃれついている。
「…何時まで俺にじゃれつているつもりかはしれんが、もうそろそろ授業が始まるぞ」
「にゃっ！？」
胸に張り付いていた猫田の首根っこを掴まえ、べりりっと引き剥がす。首根っこを掴まれた猫田は子猫のようであった。
「ところで、お前はこれから何処に行こうとしていたんだ？授業が始まるというのに…」
はぁっと大きく溜息をつき、首根っこを掴まえた猫田を見る。猫田は無邪気な笑顔を浮かべたままであった。
「えっとね、これからあめっちを追いかけようとしていたの」
狼淵に首根っこを捕まれ宙吊り状態のまま、猫田は先程の経緯を話した。

「……なるほど。何か魔力の匂いを感じたと思ったら、マジックアイテムの類だったのか」
常人では有り得ない速度で遠ざかっていった小早苗のことを聞き、狼淵は腕組をして思考を暫し巡らせていた。
「ほえ？そうだったの？」
猫田はその光景を目の当たりにしながら、全然気付いてはいなかったようだ。そんな彼女の様子に、狼淵は再度溜息をついた。
「兎に角、調べてみる価値はありそうだな…俺も付いていくぞ」
猫田を地面に下ろし、狼淵はその場を後にしようとした。
「あ、待ってよ、ケイゴー！」
背を向けて歩き出した狼淵に抱きつき、そのまま猫田も彼と共に職員室を後にした。

「だが、このまま移動するのは得策ではないな」
校舎の外に出ると、狼淵は猫田に抱きつかれたまま呪文を唱え始めた。その直後、ぽん、と軽快な音と共に白い煙が上がった。
「にゃっ？」
がくん、と視界が下がったかと思うと、猫田は大きな黒い狼の背に跨っていた。狼の体長は大きく、小柄な猫田を遥かに上回っていた。
その為、猫田が跨っていても狼は悠然としていた。
「猫田、お前も変身しろ。それからそのリサイクルショップに向うぞ」
黒い狼は狼淵が獣化した姿であった。狼淵は狼の姿ままで背に跨る猫田に自分から降りるよう言った。
その命令を受け、渋々猫田は狼となった狼淵の背から降り、自身も呪文を唱え始めた。直後に狼淵と同じような軽快な音と共に白い煙が上がる。
猫田が立っていた場所には、柔らかな茶色い毛並みをもった二又の尾を持った猫が佇んでいた。
狼淵は猫田の変身を確認すると、先頭に立ってリサイクルショップに向った。

『猫田、狼淵。獣に姿を変え、リサイクルショップに向う』

>222
『リサイクルショップ』

「む〜〜・・一方的に言われても、私たちはそんな話聞いていないし、確認取れるまではなんともいえないよ・・・」
戦うのかと意気込んで来た割りには思いがけない同盟の話。肩透かしを食らった気分だ。
しかも、この二人も上からの命令に従っているだけで、詳しい事はわかってないようだし、対処に困る。
だが、亜細亜呪術協会の本来の目的を考えるとありえないことではない。
亜細亜呪術協会の、とりわけ仙術系の術者の思想に陰陽思想と言うものがある。
陰陽四象八卦、天地自然の成り立ち。
すなわち陰も陽も、等しく世界を構成するものであり、どちらが善とか悪とか言うものではない。あらゆるものが必要であり、
世界を構築している、という考え方だ。
それゆえ一勢力が突出した力を持つことを危惧し、均衡した状態を保つ為に戦いもしている。
そういうことを考えると、他勢力との同盟もあることだ。
「同盟の話が本当だという前提だけど、戦わないでいいのならそれに越したことないよね。
それに、同盟結んだのなら協力し合えるってことでしょ？私たち。それじゃあ早速お願いできる？アンドロイドとサイボーグの
違いがなんなのか気になるけど、コンピューター搭載しているのなら簡単よね。」
そう言うと手に持っていた大量のプリントをテーブルの上に広げる。

『リサイクルショップでお話中』

>227名前を忘れましたが、私です。スイマセン

>225
『校舎内売店』

売店にやってきたダンテは、サンドイッチからやきそばパンまで、片っ端から抱えていく。
店員「ダンテ先生は今日もよく食べるね〜」
ダンテ「うふふ、まだまだ育ち盛りなのよ」
店員に金を払うと、売店の横のベンチに座り、パンを食べ始めた。
やはり魔族といったところか、人と似た姿をしているとはいえ、食欲は何倍もあるらしい。
ダンテ「ん〜〜美味しいっ！」
店員「こっちの色男はダンテ先生の彼氏？」
ダンテ「そんなんじゃないわよ。同じ保健室勤務の同僚。私はこんなんより、中等部の高畑先生とかがタイプ」
パンを口に含みながら、ダンテは答える。
好意はあるが、男性としての興味は薄いようだ。
ダンテ「早く食べて保健室戻りましょう。もう授業始まるし」
ダンテは五つ目のパンを食べ終わると、セラードに言った。

『大量に買ったパンを食べ続ける』

>226>227
『リサイクルショップ』

紫がプリントをテーブルに広げる。
茉莉はプリントを自分の前に集めると、その辺に置いてあったペンを取り、プリントと向き合った。
茉莉「先輩としては、勉強は自分でやれと言いたいところだが･･･超高演算システムに一時的に変更」
ペンをプリントに向けると、超高速でプリントに答えを書き込んでいく。
プリント一枚につき０．１秒でそれは行われ、五秒も経たずに、茉莉はプリントを紫に返した。
茉莉「流石にシステムを変更すると疲れるな。お前の弁当を褒美として貰うぞ」
有無を言わさず、紫の弁当を取ると茉莉は食べ始める。
キムはというと、紫が口にした違いを少しばかり考えていた。
キム「サイボーグとアンドロイドの違いかぁ。そりゃ、サイボーグは人間を改造したもの、
アンドロイドは人間の姿をしてるが中身は機械。まぁ、茉莉は９０％人間てとこかな」
そう言うと、紫達に腕を見せる。
義手のようにも見えるが、明らかに武装と思えるものもついている。
茉莉は茉莉で、先程の光景を見れば、人間ではないということは理解できるだろう。
茉莉「･･･む」
何かを感じ、茉莉は声を発した。
茉莉「レーダーに接近する物体を補足。センサーは人外的なエネルギーを感知。数は二」
キム「茉莉にはこういう機能も積んでるんでね。事欠かねぇ。
モンスターズユニオンとも考えられるが、使い魔や式神の場合もあるな」
場慣れしているのか、すぐさま戦闘に移れるように切り替える二人。
茉莉「障壁無効の高等魔法か、火器による力押しでこられたら、バリアは破られるぞ」
キム「偵察だと願いたいが、臨戦態勢で迎え撃つ。紫ちゃんにあめちゃんだっけか、お前等も覚悟しとけ」
キムはそう言うと、窓のブラインドの隙間から辺りを窺う。

『雅と圭吾の接近に警戒』

>230
目的地のリサイクルショップに到着したのはいいが、狼淵はリサイクルショップからある程度の距離を置いて立ち止まった。
「どうしたの？ケイゴー？」
狼淵の後に続いて、とてとて、と歩いていた猫田も立ち止まった。
「……見てみろ」
狼淵は前足をすっと持ち上げ、前へと突き出した。その直後
「！…やはりな。魔術的な防御を施された障壁、バリアーの類だな」
バシッっという鋭い音が周囲に響き、バリアーに触れた狼淵の前足が勢い良く弾かれていた。
バリアーに弾かれた前足の毛や肉球は少し焦げ付いており、肉や毛の焦げ付く嫌な匂いが、猫と化していた猫田の鋭敏な嗅覚に不快感を与えていた。
「俺達が人狼と猫又と化せば、この程度の人工的な障壁を破るのは容易いことだ。だが、今回はあくまでも偵察。暫く、様子を見るぞ」
少し焦げ付いた前足をぺろっと舐めると、狼淵はのしのしとリサイクルショップの後の雑木林へと歩いていった。
猫田も慌てて黒い大きな狼の後を追いかけていった。

「…ねぇ、ケイゴー。バリアーがあるってことは、普通のリサイクルショップじゃないよね？」
雑木林に向う途中、猫田が遠慮しがちに訊いてきた。
「そうだな。普通、リサイクルショップにバリアーなる防衛機構が必要な筈は無い。W,R,Fが絡んでいるとみて間違いないな」
狼淵のしのしと草を踏み分けながら、猫田の問いに答える。猫田は狼淵の答を聞き、少ししゅんとした。
「じゃぁさ、敵ってことかな？」
その問いかけに狼淵は一瞬立ち止まり、少しだけ振り返った。
「敵だ。恐らく、お前の言う小早苗や橘も何かしらW.R.Fと繋がりがあるはずだ。何れ、俺達の理想を作り上げるには邪魔な存在となるだろうな」
「……そう」
それを聞き終わると、猫田はその場に佇み、顔を俯かせていた。
「…猫田、いいか、人間は自分たちとは違うと思った異端者には容赦が無い。それは長い時を生きているお前にも分かる事だ…人間ほど恐ろしい生き物はいない。
人界に溶け込んでいるモンスターの大勢は、自分達の正体を偽って生きる事に疲れている。それが原因で、自分の正体を明かして共生を試みようとした
モンスターは大勢いる。だが、人間たちは正体を知れば掌を返したように迫害を行った。そしてその末に行われたのが大々的なモンスター狩りだ」
忌々しいとでも言いたげな顔をし、狼淵は低い茂みの中に入っていった。
「……あめっち」
ぽつり、と仲の良い人間の友達の名を呟く。悠久の時を生きてきた猫田にとって、小早苗やその周りの人間達は数少ない信頼に足る人物たちであった。
長い人生の中で、猫田も自分の正体を偽って暮らしていたこともあった。だが、それはモンスターである自分にとって歯痒いことであった。
大手を振って、本当の姿のまま表を歩けない。これがどれほどモンスター達に対してストレスを与えているかは人間には分からないだろう。
猫田もついにそれに耐え切れず、当時仲の良かった人間に自分の正体を明かしたことがある…結果は散々たるものであった。
猫田の正体を知った人間達は、直ぐに態度を返して彼女に罵詈雑言を浴びせ、石を投げつけ迫害した。それがどれほど猫田の心に傷を付けたかは想像に難くない。
それから猫田はひっそりと暮らすようになった。人界から離れ、誰にも知られることがないように…だが、時代がそうはさせない。
否応無しに移り変わり時代は再び猫田を人界に連れ出し、人の中に溶け込んで生きること余儀なくされていた。それから、今に至るという訳だ。
「やだよぉ…あめっちが敵だなんて、そんなのやだよぉ……」
猫田はいやいやと頭を振ったが、これは何れは通らねばならぬ道なのだ。
遅かれ早かれ、モンスターと人間の衝突は避けられない。たとえ大切な人であっても、傷つけなければならない。

『リサイクルショップの裏手の雑木林にて、ショップを偵察中』

>227,>230,>231
『リサイクルショップ』
12：30

（お弁当…部屋に起きっぱなし）
キムから渡された弁当を食べていながら、そんなこと思う。
味気ない気がするのは、気のせいだろうか。
非日常的な毎日を過ごすようになって、様々なことを考えるようになった。
（戦いが終わったら、元の生活に戻るのかな）
ふと、そう思った。
正体を隠していた前に出会っていたら、こんな簡単に打ち解けるようなことができただろうか。
（できるわけない…私は、正体を隠す以前に、自分を隠してる）
自問自答している間に、弁当を食べ終えていた。
と、茉莉とキムの表情が変わる。
何者かがこちらに来るようだ。
あめも、ブラインドから外を覗く。
「え…？あれは、みやびん」
外にいた雅にあめの顔色が変わった。
「そんな！みやびんが敵なわけない!!あの子は、友達だよ!?敵な、わけが…」

『混乱』

上記レスは破棄
>227,>230,>231
『リサイクルショップ』
12:30

（お弁当…部屋に起きっぱなし）
ｷﾑから渡された弁当を食べていながら、そんなこと思う。
味気ない気がするのは､気のせいだろうか。
非日常的な毎日を過ごすようになって、様々なことを考えるようになった。
（戦いが終わったら、元の生活に戻るのかな）
ふと、そう思った。
正体を隠していた前に出会っていたら、こんな簡単に打ち解けるようなことができただろうか。
（できるわけない…私は、正体を隠す以前に、自分を隠してる）
自問自答している間に、弁当を食べ終えていた。
と、何かが来たと、茉莉とキムの雰囲気が変わる。
「あめっち達の協力を、よく思ってない人が…いるのかな」
身を竦めながら、あめは呟く。

『少し落ち込む』

>230>231>232
『リサイクルショップ』１２：３０

茉莉に恐るべきスピードで書き込まれ、あっという間につき返されるプリント。
「ああ・・・味方！っていうか心の友ね。」
弁当を取られたことなどまるで眼中になく、プリントを抱きしめシミジミと言葉を漏らす。
そのあとキムの説明を聞いていたが、突然二人の雰囲気が変わる。
＞キム「偵察だと願いたいが、臨戦態勢で迎え撃つ。紫ちゃんにあめちゃんだっけか、お前等も覚悟しとけ」
どうやら何者かがこの店に接近しているらしい。
「あらら、さっきの話確認したいから一旦バリアーを解いてもらって外と通信しようと思ったのに、タイミング悪いねー。」
そんなふうに嘯いて立ち上がる。
相手が何者なのか、確認する術がないわけではないのだが、余りここで手の内を見せすぎる事もできない。
「バリアーがあるうちはやることもないけど、とりあえず臨戦態勢よ〜！」
あめの心情も知らずに声をかける。

『臨戦態勢で待機』

>231>233>234
『リサイクルショップ』
12:33

バリアに圭吾が跳ね返されるのがわかり、キムは笑う。
キム「はっはっは！流石は“科学的”な防御を施した我がW.R.F.のバリアだな！」
真帆「当たり前だ。魔術や呪術の系統を分析し、組み込んだ“科学的”な防御を施したバリアだ」
キムの言葉に、茉莉は軽くあしらうように返す。
W.R.F.は、科学的といっても超科学至上の組織だ。
非科学とされていた魔術も呪術も、W.R.F.は研究を行っている。
それを分析し、対策技術を茉莉やバリアには施してある。
研究が行われている“科学的”なものであって、魔術的ではない。
キム「だが攻め込んでこねーな･･･こっちを窺っているのか」
茉莉にバリアを一旦切らせる。
キム「連絡取るなら今の内だ。戦闘になったら、バトルフィールドを展開するからな」

『バリアを切り、雅と圭吾が来るかどうかを様子を見る』

>235
『リサイクルショップ裏手雑木林』

一瞬だが、空間の僅かな揺らぎを確認できた。どうやら、バリアーが解除されたようだ。
「…此方の存在に気付き、誘っているのか？」
不自然な相手の行動に疑問を抱くが、狼淵は躊躇わなかった。
「だが、仮にそうだとしても、此処で相手の力量を測っておくのも手だな……猫田」
傍らで丸まっていた猫田を鼻先で突っつく。しかし、猫田は丸まったまま動こうとしない。
「…仕方が無い。猫又形態となっても、お前は人間に猫耳と二又の尻尾が生え揃うだけだからな。容易く相手に正体を見破られる。
人狼となった俺は正体を見破れる心配は無いし…此処は俺一人で仕掛ける。お前はいざとなったら俺の援護をしろ。それ以外は何もするな」
狼淵は、親友と戦わざるを得ない状況下に陥る事を恐れている猫田の心情を察してか、敢えて此処は一人で仕掛けるつもりだ。
猫田を藪の中に残し、狼淵はのしのしと藪の中から現れた。そしてリサイクルショップの裏手から表の入り口へと回る。
狼淵はショップ正面玄関で立ち止まると、呪文を唱え始めた。すると、徐々に黒い狼の姿となっていた狼淵の姿が変容し始めた。
「ｸﾞ、ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ……」
骨格が鈍い音を立てて変形し始め、逸れに伴って視線も高くなっていく…数秒後には、人と狼を合わせたような狼型の獣人が其処にはいた。
人間時よりも一回りほど身長は高くなり、体を覆う筋肉も遥かに強靭なものへと置き換わっている。筋肉で装甲化された肉体を覆うのは艶やかな黒い毛皮。
顔は狼そのものであり、その眼光は餓えた獣そのものである。口にずらっと生え揃った鋭い牙は、人間の頭部をいとも簡単に噛み砕けるだろう。
逞しく、黒い毛皮に覆われた四肢の先の指先には鋭い爪が生え揃っており、鋼鐵さえも紙同然に容易く切り裂ける。尾骨からはふさふさな尻尾が伸びている。
「偶には真正面から行くのも悪くは無いな…うぉぉぉぉぉぉ！」
シャッターが下りている正面玄関の前に立つと、大きく振りかぶって拳を前に突き出した。強靭な腕力から繰り出された拳はシャッターを容易く破った。
音を立ててシャッターが崩れると、狼淵はその残骸を踏み砕きながらショップ内に侵入した。

『猫田は雑木林内にて待機。狼淵がショップ正面玄関を破り、其処から侵入』

>235>236
『リサイクルショップ』
１２：３５

バリアが解かれてすぐに、持っていた湯飲みに向かって『水鏡伝聞』の口訣を唱える。
水面を使ったメールであるが、そこに映し出された文は二件。
『特事対との連携をとること。』
『Ｗ.Ｒ.Ｆとの共闘関係。』
特事対の事を思い出して心の中で舌打ちをする。
もっと早く連絡があれば・・・そう思っていると、階下で大きな音と共に人狼が踏み込んでくるのが見えた。
階上の部屋にいても一階で動く人狼のプレッシャーが伝わってくる。
「ふ〜、バトルフィールド展開していないからシャッターの修理手間ね。私、肉体派じゃないから狩人役はお二人に任せるわ。
こちらからは赤頭巾を提供するから、ね。」
キムと茉莉に向かいそう言うと、紫は巻物と弘法の筆を取り出し、素早く赤頭巾を書き上げる。
書き終えた後、お弁当についていたブラックペッパーの袋を絵の上に置く。
動印と口訣をすると、巻物から赤頭巾が飛び出てくる。
身長は１４０センチほど。赤い頭巾を被り、左手にはバスケット。そして右手には銀のナイフを持っている。
「厭魅の紙兵衛よ。おいきなさい！」
紫がそう声をかけると、実体化した赤頭巾は素早く階を下っていく。
それを見送ってから、今度はあめに向きかえる。
「あめっち、大丈夫？あのワンちゃんが勝手に暴れてるだけならそんなに問題じゃないけど、強襲偵察ならバックアップ兼退路の
確保役が近くにいると思うの。昨日の私たちみたいに、ね。
それを探って頂戴。あめっちの気功術ならそれができるはずだから。落ち着いて感覚を研ぎ澄ませば気の塊が感じられるはず。」

『戦闘開始』

>237
『リサイクルショップ一階』
１２：３６

ショップに侵入して直ぐに鋭敏な嗅覚を魔力の匂いが擽った。
見れば、奥にある二階へと続く階段から赤頭巾を被った小柄な人影が降りてきた。
一見すると童話『赤頭巾』に出てくるような格好をした少女のようだが、左手のバスケットとは対象的に右手に握った銀のナイフが鈍く光っている。
「ふん。その程度の使い魔で人狼であるこの俺を制することが出来るとでも？…人狼も舐められたものだな」
軽く赤頭巾を一瞥すると、大きく息を吐いた。
「人狼を舐めるとどうなるか…思い知らせてやる。AOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!」
半径数ｋｍにまで轟く様な咆哮をあげると、傍にあったリサイクル品である椅子を掴んで赤頭巾に投げつけていた。
投げつけた椅子に赤頭巾が怯むのを見込み、狼淵は椅子を投擲した後に赤頭巾と距離を瞬時に詰めていた。人狼の脚力を以ってすれば容易い芸当だ。
「遅い！屠られい！」
鋼鐵さえも紙のように切り裂く爪による手刀を、赤頭巾に首目掛けて一直線に繰り出す。
掠っただけでも致命傷を負うだろう。人間ならば、動脈を掻き切られるかもしれないが、自分が戦っている相手は使い魔の類。
殺したところでどうと言うことは無い。破壊されれば術が解け、元の媒体に戻るだけだろう。

『戦闘開始。椅子を赤頭巾に投げつけ、怯むのを見込んで一気に距離を詰め、手刀を赤頭巾の首目掛けて繰り出す』

>235
『リサイクルショップ』
12：36

（まさか、この人と一緒に戦うことになるなんて）
茉莉を見て思う。
昨夜は、この茉莉と激しく殴る蹴るの攻防を繰り広げた。
だが、味方になれは、力強いものはないだろう。
>256
シャッターが破壊される音が響く。
「え…？バトルフィールドに移らないの？」
バトルフィールドは、通常空間に影響を与えない平行空間だ。
術式や技術により展開方法は様々だが、半径300メートル前後の平行空間に移行する。
バトルフィールドは、一般人を巻き込まない。巻き込まないからこそ、展開する。
「一般の人がどうなったっていいってことなの!?そんなの、許せない…！」

>257
紫に言われ、神経を研ぎ澄ませる。
一階では紫の放った赤頭巾が戦ってくれている。時間稼ぎになるだろう。
「林に、林に人とは異系な気の感じがする…」

『雅を察知（だが全てを察知したわけではない）』

>238>239
『リサイクルショップ・１階』
１２：３６

耳をつぐさむ様な咆哮と共に、椅子が赤頭巾に向かって飛ぶ。
何とかかわすが、椅子の通過とほぼ同時に狼淵が距離を詰め、手刀を繰り出してくる。
余りにも早いその攻撃は赤頭巾に避ける間を与えず、正確に首を掻き切った。
半分以上切り取られ、頭部を支える事が出来ない首の状態のまま赤頭巾は狼ぶちに抱きつきニッと笑う。
その途端赤頭巾は弾け飛び一階全体に刺激臭と共にコショウが充満した。

『リサイクルショップ・２階』
１２：３６

紫の持つ真っ白な巻物に絵が浮かび上がってくる。
首を切られてはいるが、満足気な表情の赤頭巾だ。
「思った以上に強力ね、下のワンちゃんは。でももう大丈夫。狩人役の二人がすぐにケリを付けてくれるわ。
狼の・・いえ、人狼の嗅覚は優秀すぎる、から・・・よくやったわ・・・あなたは目的を果たした・・・」
自分の目論みは成功した。優秀すぎる人狼の嗅覚が仇となり、もう、ろくに戦えまい。
だが、自分の創造物が破壊されるというのはいつも辛いものだ。紫自身がそれを狙ったとはいえ・・・
＞「林に、林に人とは異系な気の感じがする…」
神経を研ぎ澄ましていたあめの言葉を耳にする。
「そう、多分それがバックアップね。１階の人狼は任せて私たちはそちらにいきましょ。」
そう言うと窓を開け放ち、飛び出ていった。

『リサイクルショップ裏手の雑木林へ』

>236>237>238>239>240
『リサイクルショップ』
12:34〜12:36

何か嫌な予感がし、一階に駆け降りるキム。
キム「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜〜〜！！！！」
絶叫し、その場に膝を突く。
シャッターが壊され、投げ飛ばされたリサイクル品の椅子は完全に修復不可能。
暴れたせいで辺りは散乱。
これがバトルフィールド内のことなら、気にすることはないだろう。
キム「ひ･･･ひでぇ」
泣いていた。ボロボロと涙の粒を床に落とす。
通常空間で行われていたそれは、壊れたら壊れたままだ。
シャッターなら新しい物と取り替えればいい。
だが修復不可能になった椅子は、キムが丹誠込めて直したもの。
投げ飛ばしただけでもかなりの衝撃だったのだろう。修復不可能になるまで壊され、キムは悲しみにくれていた。
キム「普通はさ･･･別空間形成して襲うなりなんなりするじゃんか。どの勢力のヤツだって、そんなの常識で、そんなの普通で、やるんだよ」
涙が止まらない。
悲しみが終わらない。
キム「ひでぇよ･･･壊すなよ。直した物全部、次使う人のために置いてあるのに･･･ひでぇ」
壊れた椅子の破片を集めながら、キムは呟く。
二階から、ゆっくりと茉莉が降りてきた。
キムを横目に見ながら、圭吾に向き合う。
茉莉「私は人ではない機械だ。喜怒哀楽のプログラミングは大してされていない。コイツが泣くのは、理解不能だ。だがな･･･」
機械的な冷たい感じのする瞳が、燃え盛る炎のように努の感情を剥き出しにした。
バグかもしれないと、茉莉は思った。
理解不能なエネルギーが身体を巡っている。
茉莉（バグじゃない･･･これは“想い”だ）
何かを理解した茉莉の表情は、人形のような一つの顔付きから一変、激情する。
信頼する者が大事にする物達を傷付けられ、自分もそれに対して憤慨しているのだと悟った。
茉莉「私が唯一信じる者の心を痛めた貴様を、私は絶対に許さない!!ここから･･･ここから出て行けッッッ!!!!」
その小さな体からは考えつかないほど、ありったけの怒声を上げ、茉莉は圭吾を睨みつけた。
。
巨大な気迫が、圭吾を襲う。

『キム→かなりのショックで戦闘不能状態。
茉莉→戦闘よりも、これ以上キムの大切な物を傷付けさせないため、相手をこの場から遠ざけることを優先する』

『保健室』12:35

ダンテとのチェスに負け、不貞寝していた九曜ケイトがむくりと起き上がる。
「面白そうなこと発見しちゃった･･･空転象・・・」
そう唱えるとベッドから九曜ケイトが消え、代わりに一陣の風が吹いた。

>238〜>241
『リサイクルショップ上空』12:36

リサイクルショップ上空に現れた九曜ケイトは術で空間に隙間を作り出し身を隠す。
「声禁則響不成。
遠吠え響いて大騒ぎになるのも面白いけど、そのせいで戦いが中断したらせっかく見に来た意味がなくなるものン。」
術で狼淵圭吾の雄叫びが建物の外に出るのを防ぐ。
窓から小早苗あめと橘紫が出て来るのを見て、ため息をつきながら戦闘用の結界を張った。
「まったく、三組織六人も術者がいて手際が悪いんだから。ギャラリーの事も考えて欲しいものよねン。」
空間の隙間に身を隠して見物しながら、勝手な事を言う九曜ケイトであった。

『リサイクルショップを見物中』

【狼淵　圭吾】
>240
『リサイクルショップ一階』
12:37

>その途端赤頭巾は弾け飛び一階全体に刺激臭と共にコショウが充満した
「！？…くそ、やはりこれが狙いだったか……」
充満する強烈な刺激臭と胡椒の匂いに鋭敏な嗅覚が麻痺してしまった。暫くの間、自慢の鼻に頼ることは出来ない。
「だが、人狼は鼻が良いだけだと思うな。聴覚も侮ってもらっては困る」
鼻を刺すような臭いに何とか耐え、耳に神経を集中させる…二階で何事か動きがあったようだ。二人ほど窓から外に出ていったみたいだ。
「外に…どうやら、猫田の存在に気がついていたのか。畜生、今のあいつはまともに戦える状態ではないというのに……!!」
踵を返してリサイクルショップを後にしようとするが

>241
奥の階段から二人ほど降りてきた。振り返って見れば、男と少女であった。
だが、二人から感じるのは生身の人間とは違ったものであった。鼻が利けば、それがはっきりと鉄と機械油の匂いだということが分かるのだが…
>茉莉「私が唯一信じる者の心を痛めた貴様を、私は絶対に許さない!!ここから･･･ここから出て行けッッッ!!!!」
「ふん…自動人形（オートマトン）が、一丁前に感情を語るか。何とも滑稽だな？」
肌に感じる程の茉莉の気迫を軽く受け流し、彼女を蔑んだ瞳で一瞥する。
「いいだろう…場所を変えようじゃないか？丁度、良い舞台も用意されたことだしな？」
僅かにショップの外から異質な魔力を感じ取る事ができた。恐らく、何者かが気を利かせて戦闘用の結界を展開したのだろう。
その何者かは分からないが、何れ分かる事だろう。狼淵はそう割り切ると、二人に背を向けて入ってきた出入り口から外に出て行った。

『狼淵、リサイクルショップの外へ移動』

【猫田　雅】
『リサイクルショップ裏手雑木林』

>240
狼淵の咆哮は裏手の雑木林の茂みの中にいても良く聞こえた。
（始まったんだ…）
猫田はそう実感すると、いよいよ小さく丸くなってしまった。彼女にしてみれば、同族である狼淵は勿論のこと、小早苗も大切な人だ。
戦いが始まれば、どちらかは絶対に傷つく。そしてその結果として、どちらかが倒れる。考えるだけで身の毛がよだってしまう。
悠久の時を経てようやく手に入れることが出来た大切な存在。彼らが傷つくほうが、自分が傷つくよりも苦しい事である。
「……誰かがくる」
ふと、耳を澄ませば、誰かが此方に接近してくる気配がした。まだ距離はあるが、徐々に此方へと向ってくる。
恐らく、此方の存在がばれたのだろう。猫と化している自分の姿を見たとしても、瞬時に見破られるだろう。
「どうしよう……」
猫田は迷った。感じる気配は二つ。そのどれもが猫田が良く知る人物のものであった。
戦闘になれば、相手は此方の正体を知っている訳では無いから加減などする訳ないし、かといってみすみすやられる訳にもいかない。
一瞬の間をおいて猫田は逡巡したが、直ぐに顔を上げた。
「威嚇をして、此方の力を見せ付けなきゃいけないかな…やっぱ、それしかないよね」
諦めたように呟くと、猫田は茂みの合間を縫うようにして、雑木林にやってきた二人に接近を試みた。

『二人に接近を開始』

>242>243
『リサイクルショップ周辺』
12:38

圭吾の言葉が突き刺さる。
人ではない。そんなこと、百も承知だ。
茉莉は、圭吾と戦うために店を出ようと歩き出す。
キム「待てっ…！行くな、お前までお前までいなくなったら…」
泣き崩れて、涙で顔を汚すキムを見て、茉莉は優しく笑いかけた。
茉莉「私は負けない」
そう言って、店を出た。
既にバトルフィールドは展開してある。
茉莉「戦闘位置測定･･･裏手の林じゃない？まだ仲間がいるのか･･･」
気に入らない。こんな感情になるは、初めてだった
茉莉は、平行空間を形成する装置を作動させる。
茉莉「1.5秒後に同軸空間展開」
ケイトの張った結界に、重ねるようにフィールドを形成した。
そして、圭吾に目を向ける。
茉莉「自分から襲った時は壊すだけ壊し、戦うとなったらフィールド展開か。随分と汚いやり方なんだな、人外というのは」
憤る気持ちは消えず、大切な存在を傷付けた者への怒りはおさまらない。
何の弾みか、生まれた感情。
想いは力になる。そうを実感する。
茉莉「バリアを解除した時点で、こちらに戦闘意思有りと見たのなら、何故バトルフィールド及びそれに準ずる結界等の空間を作らなかった！
空間形成は、戦う者なら当然行うべき行為。暗黙の了解だ。なのに何故、今になって展開する！良い舞台？展開するべき時に展開せず何が“良い”だ!!」
声を張り上げまた怒鳴る。
怒りのボルテージは、そのまま茉莉の力となってふつふつと体内で込み上げていた。

>229
『校舎内売店』

やたらパンを抱えたダンテを横目にしながら、セラードはサンドイッチに口をつけた。
ダンテの口の中に魔法のように、パンが消えていくのを見て、げんなりする。もしかしてあれ全部食べる気なのだろうか。
まだまだ食べ盛りとかいう言葉が聞こえてきたのは、きっとどこかの誰かが、広範囲型の幻聴魔法を使っているからなのだと思いたい。
「ところで、こちらの美人はあなたの彼女？」
店員はダンテの返答が詰まらなかったのか、今度はセラードのほうに同じ質問をしてきた。
ダンテが否定したのだから、セラードも同じく否定するのではないかということまで頭が回らなかったのだろうか？
無視していると、店員の顔になんだか哀愁が漂ってきた。こういう時は答えてあげるべきだろうか？
「彼女とはただの同僚だよ。ついでにいうと、私には彼女というかパートナーがいるし」
「へええ。どんな方なんです？」
店員は興味津々といった様子だ。しまった、早めに切り上げるつもりだったのに。
「簡単に言うとね、大男を素手で吹っ飛ばしたり、５０体くらいの怪物をひとりで殲滅したりする女性だよ」
さらり、と言ってのけるセラード。
「へ、へええ……。それはすごいですね……」
店員は明らかに、怯えとか恐怖とかそういう感情をもったようだ。
「さて！　そろそろ保健室に戻ろう。午後からが大事だよ。生徒の気が緩んで大暴れしたりするからね」

『保健室へ』

>240>243
『リサイクルショップ裏手・雑木林』
12：39

窓から裏手の雑木林に入り、辺りを探る。
まだ雅の姿を見つけることはできない。
それに、あめには気にかかることがあった。
「ねぇ、ゆかりん。さっき感じた気なんだけど、こっちに敵意を向けるような感じはしなかったの」
紫にそれを告げると、あまり戦うのに乗り気ではないのか、暗い面持ちで辺りを見回す。
「お店を襲った人に、もしかしたら従わされているとか…戦う気なんか、ないとか」
考えると、自分もあまり戦うという気持ちにはなれない。
不本意に相手が戦うことになっているのなら、あめだって戦いたくなどないのだ。

『辺り見ながら、雅を探し進む』

>246
『リサイクルショップ裏手・雑木林』
１２：４０

窓から飛び出して、あめの感覚を頼りに雑木林を探る。
戦闘用のフィールドも展開されたことだし、思う存分戦える。
＞「ねぇ、ゆかりん。さっき感じた気なんだけど、こっちに敵意を向けるような感じはしなかったの」
あめから思いがけない言葉をかけられた。
気を探るだけでなく、その状態まで感じたというのだ。
まさかここまでできるとは思わなかった。昨日今日と連続した戦闘で、急激にあめは成長している、。
改めてその才能とその能力に敬意を払うが、それと同時に不安も覚えた。
感受性が強すぎ、それを全て受け止めようとしてしまう。
あめ本来の性格が起因しているかもしれない。
戦闘経験が乏しいまま能力を開花させたあめ。その能力と事態の展開に、心がついてきていないのだろう。
迷いは隙を生み、時として致命的なものとなる。
だが、これを今言ってもあめ自身受け止められないだろうし、時間をかけて養っていくしかない。
「気で探って相手の敵意の有無が感じられたのなら直接対峙したら相手がどうしたいか、あめっちならわかるんじゃない？はっきりと。
それで対応変えればいいじゃない。ね？」
迷って心を乱したまま敵と遭遇することを考えるのなら、しっかりと確かめることに集中させた方がいい。
明るくあめの背中を叩いて元気付けながら雑木林に探索の目を回す。

『雑木林を探す。』

>245
『リサイクルショップ』
12:40

数十個あったパンは全て５分もしないうちにダンテの胃の中に消えた。
やはり、この辺が魔物を彷彿とさせる。
ダンテの種族は、主に人肉や牛一頭を好んで食べていた。
今となってはそんなことは時代錯誤。人の世界に生きるダンテは、大量に食べ物を摂取することで、それを解消している。
ダンテ「･･･嫌な予感がする」
保健室のドアに手をかけて、ダンテは呟いた。
こういう時の勘は、だいたい当たる。
勢いよくドアを開くと、そこには･･･
ユミコ「はぁい。ダンテせんせにセラードせんせ」
ダンテ「ユミコ･･･あんたなの」
ダンテがいつも座っているイスに神楽樹・ユミコ・シュバイツァーは腰掛けていた。
ダンテもそうだが、このユミコも悪びれることなく自身が勢力に所属していることを話している。
ユミコ「にょほほ。ちょっと教育指導したい子が六人ぐらいいてぇ、手伝って欲しいのよん」
ダンテ「相変わらずのジコチュー･･･いつもアンタは会って早々」
ダンテはユミコが苦手だった。いや、嫌いだった。
ダンテの自由奔放と、ユミコの自己中心は、似ているようでかけ離れている。
ダンテの言葉など無視して、ユミコは口を開く。
ユミコ「えっと、二年は九曜ケイト、佐伯茉莉、狼淵圭吾、一年は小早苗あめ、橘紫、猫田雅。場所はリサイクルショップ周辺。
まだ動く気のない人と、魔法先生なら手を貸してくださいますわよねん？むしろ協力すると言い出してくれるはずだわぁ」
突然現れ、突然の申し出、しかもその言葉には悪意は一切ない。
満面の笑みを二人に向けてユミコは言う。
ダンテ「･･･いいわよ･･･」
無理に絞り出した声で、ダンテは答えた。
ユミコ「にょほ☆やっぱりダンテせんせだわん。セラードせんせは？ね？ね〜え？」

『セラードに協力を（半ば無理矢理）要請する』

>243>244>246>247
『リサイクルショップ上空』12:45

「鼻がもげそうなのにまだやる気なんだぁ。そうこなくちゃ。素敵ねぇン。
結界しかない、引き際知らない馬鹿な子だけど、そこがまた可愛いわ。ファンになっちゃいそ。
アッチの子はロボットなのねン。プログラムにない事して力を得た気にでもなっているのかしら？
ヒヅミがどのくらいで来るか、見所よねぇ。
ハンデを負ったモノ同士、面白くなりそうだわン。」

空間の隙間から、リサイクルショップの表に出てきた狼淵圭吾と佐伯茉莉を身ながら楽しそうに呟く。
かわってリサイクルショップ裏手に目を移す。

「こっちは表の二人と違って、やる気が感じられないのよねン。」

雑木林付近でうろうろしている小早苗あめと橘紫に、猫田雅が猫の姿のまま接近しているが、殺気をまとっていない事が
九曜ケイトには不満だった。

「五感に依りて幻となす･・・
手抜きしちゃ駄目よぉー＞やるならちゃんとやらなきゃ楽しくないじゃない？（私が）」

そっと猫田雅に幻術をかける。
猫田雅の目には、凶悪そうな顔立ちにむせ返るような血の臭いと、返り血に染まった服を着た小さ苗あめと橘紫の姿が映る
だろう。
小早苗あめは巨大な狼淵圭吾の首を引き摺っている様に見えるはずだ。

『火に油を注いで見物中』

ぜんぜんわかんねーでーす

12:45

【狼淵圭吾】
>244
『リサイクルショップ周辺』

>茉莉「バリアを解除した時点で、こちらに戦闘意思有りと見たのなら、何故バトルフィールド及びそれに準ずる結界等の空間を作らなかった！
「悪いが、俺は世間に俺達自身の正体がばれても構わない。そうでなければ、意味が無い…お前らは俺達を忘却の彼方へと押し遣った。
今の俺達は神話や伝奇の中でしかその存在を語られるだけだ。俺達は戦争を望む…そう」
正面から茉莉を見据え直す。
「この世界のヒエラルキー構造を変える様な大戦争を望んでいる！雑多な人間に成り代わり、遥かに強靭な肉体と魔力、古の叡智を併せ持った
我ら魔族が世界を治め直し、今の今まで人間共に遣られてきたことを遣り返してやる！…我々を忘却の彼方へと追いやり、眠りこけている人間共を
叩き起こし、髪の毛を掴んで引き摺り下ろし、眼を開けさせて思い出させてやる！貴様らに恐怖の味を思い出させてやる！貴様らに我々の軍靴の
音を思い出させてやる！天と地の狭間には、貴様らの哲学では思いも寄らぬことがあることを思い出させてやる！」
怒涛のような口上を述べ終えると、一気に狼淵は戦闘態勢へと移行した。瞳の色は獰猛な野獣の本能を湛え、全身には荒ぶる野生の力が漲っている。
「貴様をバラして学校の校庭にでも撒き散らしてやろうか？ＡｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏＮ!!!」
爆発的な脚力で地面に穴を穿つ程の勢いで蹴りつけ、間合いを瞬時にして詰める。茉莉の鼻先には、既に狼淵の狼と化している顔があった。
「Ｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏｏ！」
咆哮と共に鋭い牙が生え揃った大きな口を最大に開き、そのまま茉莉の顔を噛み砕こうとする。

『間合いを詰め、茉莉の頭に噛み付き攻撃』

【猫田雅】
>246>247>249
『雑木林』

猫田は気配を押し殺し、既に二人の姿を確認出来る程の近距離の茂みの中で、息を殺して二人の様子を窺っていた。
二人は流石に気配を完全に押し殺した猫田を察知出来てはいない様だ。雑木林の中を当て所なく探索している。
チャンスだ。油断をしている今ならば、最初の威嚇で此方の力量に恐れを生すだろう。伊達に戦国の世から生きている猫田ではない。
十年そこいらしか生きてはいない人間の少女に遅れを取る程力が無いわけではない。本気を出せば、圧倒的に此方の方が有利に戦況は進むだろう。
だが、此方が本気を出せば二人の安全は保障できない。力をセーブしてどれぐらいで相手を無傷で撤退させるか。今回はそれが目的だ。
ようやく意を決して茂みの中から飛び出そうとした猫田であったが、不意に軽い眩暈に襲われた。
どうしたものかと思ったが、気を取り直して再度飛び出そうと身構えた。
「！？…何、この血生臭い匂いは？」
が、その直後、鋭敏な嗅覚の奥にねっとりと絡みつく濃厚な血の匂いが漂ってきた。その生臭い鉄の匂いに顔をしかめる。
「おかしいな…さっきまでこんな匂いはしなかったのに……ﾋｨｯ！」
濃厚な血の匂いで脳の奥が痺れるようであった…小さい悲鳴を漏らしたのは、目に映ったおぞましい光景の為である。
先程まで二人は変化は無かった筈なのに、目に映っている今の二人は真っ赤な返り血に染まっている。そして、小早苗はその手で何かを引き摺っていた。
「嗚呼……ケイゴー……」
その何かは、人狼の狼淵の首であった。狼顔のままであり、黒い艶やかな獣毛は血でどす黒く染まっている。
よくよく考えれば、これは幻術だと気付くだろう。だが、不安定な精神状態の猫田に其処までの冷静な判断力は無かった。
「いやぁ…いやああああああああああああああああああああああああああああああＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡ!!!!!」
絶叫と共に、猫と化していた猫田の小さな体から強大な妖力が発せられる。それは強力な衝撃波となって周囲の雑木を薙ぎ払い、雑木を空高くまで吹き飛ばしていた。
猫田の周囲が少し空けた土地となっており、彼女の周囲の地面は上から何かの力によって押さえつけられたかのように大きく窪んでいた。
「はぁ…はぁ……う゛、う゛う…」
妖力を放出して少し落ち着いたとばかり思っていたが、急激に引き出された妖力は収まる事は無かった。
（駄目…駄目…駄目。落ち着いて、お願いだから、落ち着いてよ…！）
自分の心に精一杯語り掛けるが、それは無意味であった。暴走を始めた妖力は猫田の姿に変化を及ぼし始めていた。
小さな猫の体が、骨が砕けるような鈍い音と立てて歪み、徐々に膨張していく…数十秒後には、小さかった猫が熊ほどの大きさまでになっていた。
「ぐ、ｸﾞるﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ…」
愛らしかった猫の面影は無い。大きな口の端からは獰猛なサーベルタイガーの剣のような牙が覗いており、瞳にも理性は欠片ほども残ってはいない。
二つに分かれた尾はゆらゆらと揺れ、耳は忙しなく周囲に獲物がいないかどうか動いている。獰猛な肉食獣の本能を湛えている瞳には、獲物が二匹映っている。
「GAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
獲物が視界に映った途端、怒涛のように『肉への餓え』が本能に襲いかかってきた。堪らないほどの空腹。早く肉を食わねば…
既に巨大な猫又と化した猫田に理性は残ってはいない。彼女は躊躇う事無く、その巨体で二人に襲い掛かっていた。

『暴走。巨大で獰猛な猫（？）と化し、二人に襲い掛かる』

>248
『保健室』

　やられた！　まず初めにそう思った。
　喰われる！　そうも思った。彼女は有無を言わさない表情（本人は笑顔のつもりだろう）でセラードを見ていた。
　従わなければ、彼女は口にしたら呪われそうな台詞を、機関銃のように吐き出すのだ。実際にそんな風景を見たことはないけど。
「分かった、分かったよ。行かなきゃ、今度は学園長にどやされるしね。まったくなんてこったい！」
　一息おいて、
「できる限りスルーできるように努めていたのに、全部台無しだ。願わくば、アンティークを作っていたかった」
　その学園長がこの場にいたら、きっと素敵な般若顔でこうおっしゃるに違いない。「身から出た錆」
「何でこんな目に」
　とても賢者の後継者とは思えない哀愁を漂わせ、セラードはがっくりとうなだれた。
　ユミコのほうを見ると、「セラードせんせー、まだですかあ？　いつまで待たせる気ですかぁ？　日が沈んで戦闘が終わって学園長に縊られるまでですかあ」
とでも言いたげな、顔をしている。後半はセラードの妄想だが、実際は当たらずとも遠からずだと思う。
　ええいままよ。セラードは覚悟を決めた。
「剣よ」
　詠唱し、装飾された剣を召還する。剣の柄には、用途不明の杯がついている。
　一見弱そうに見えるため、後衛の魔法使いのように思われがちなセラードだが、実際はアーティファクトを駆使した接近戦のスタイルをとる魔法剣士だ。
　英雄の剣（エクスカリバー）。それがセラードがこの剣に与えた名だ。
　もう師や双子たち、そして村の魔族たちのようなものを増やさないために、セラードが２００年をかけて鍛え上げたそれは、もはやアンティークではなくアーティファクトと呼ぶのがふさわしい。
　師から受け継いだありとあらゆる術式、セラードが持つすべての技術力の粋、それがこの剣なのである。
　セラードはエクスカリバーを腰に携え、決意に満ちた目でこう言い放った。
「さあ行こうか。どうせなら早く終わらせたい。」

『要請を承諾。戦闘準備完了』

>251
『リサイクルショップ周辺』
12:47

圭吾の言葉に、茉莉は心が揺れた。
怒りは、段々と悲しみに変わり、彼女の心のプログラムが激しく動く。
迫る圭吾の牙を、とっさに避け、なんとか噛まれるだけにすんだ。
外見は人間に見えても、やはり機械。強靱な牙を持つ獣の怪でも、用意に噛み砕けないでいる。
「そんなの、今人間がしているエゴと、何も変わらない」
茉莉は、一筋の涙を、流した。
肩から胸の上にかけて食い込む牙の痛みではなく、もっと別の感情的な。
「主義主張だけを繰り返し、歩み寄ろうという意識はない。否定されれば否定し返し、最終的には争いとなる」
自分のいるW.R.F.もそうだった。
W.R.F.の上層部のほとんどは、その主義を否定され、世間から追われた者達。
彼等はこの世界の粛清を目論んでいる。
モンスターズユニオンも、そのなのだろう。
その存在を忘れ去られ、結果的には否定されたことになる。
だから、違いはあっても、同じのような気がしてならない。
「その悲しみと憎悪の連鎖を、まだ繰り返したいのなら、私を分解すればいい」
噛みつく圭吾の顔に、茉莉の流した涙が、静かに落ちた。

sage
『保健室→リサイクルショップ周辺』
12:48

戦闘態勢という風のセラード、そして渋々承諾したダンテを、交互に見ながらユミコは笑う。
ユミコ「じゃあ早速行きましょん」
くすりと笑い、ユミコは手を上げる。
それが何を意味するのか、ダンテは知っている。
ダンテ「私は･･･戦う気なんてないわよ」
セラードに静かに言いかける。
そして、ユミコは指をパチンと鳴らす。
すると、次の瞬間には、リサイクルショップに移動していた。
だが、圭吾や茉莉、裏手の雑木林にいるはずの紫とあめ、雅の姿はない。
ダンテ「別空間に移送してるのね。ユミコ、それ解除するつもりなの？」
ユミコ「やだぁ、もし戦闘中ならヤバイでしょ。空間に干渉して、私達も入り込むに決まってるわん」
そういいと、こじ開ける空間に穴を空けると、ユミコは進んでいった。
ダンテ「下手したら異空間に繋がってヤバイんじゃないの、コレ？」
恐る恐るダンテも、その空間に入っていく。
ユミコ「いやぁ〜ん！私の茉莉ちゃんがぁ〜」
圭吾に噛みつかれた茉莉を見て声を上げる。
茉莉と圭吾を引き離そうと向かうユミコを制止して、ダンテは口を開いた。
ダンテ「あなた達!!やめなさい!!」
ダンテの声が響く。
ダンテ「“あやかしを見て自我忘れし者はその眼に真実を映せ”
“身を潜める者は姿現せ”
“揺れ動く心持つ者はその心落ち着かせよ”
“この場にいる全ての者よ、我の元に出よ”」
ダンテの力。言葉を魔力に与え、実現する力。
一つ目は、雅にかかったケイトの術を解くもの。
二つ目は、隠れるケイトを呼び出すもの。
三つ目は、怒り、悲しみ、落ち込んだ気持ちなどを落ち着かせる
最後の四つ目は、平行空間にいる全員をダンテの前に誘導させる。
術を使うのはいいが、一度に四回もそれを発動させるのは体に負担がかかる。
少しよろめくが、なんとか気力を保って立ち続けていた。

『ダンテ、ユミコ、セラードがいる場所に先に空間にいた全員を向かわせる』

>255
『保健室→リサイクルショップ周辺』
12:48

　さてダンテの術で何人釣れるか。できれば全員に術が掛かっていれば、セラードとしては楽ができるし無意味に戦わずにすむのだが。
　もしかしたら、彼女の力を借りることになるかもしれないな。
　セラードは口元を引き結んだ。出来れば彼女の力は借りたくない、というよりこんなところで戦わせるわけにはいかない。
　このごに及んでこういう考えは、愚かって言われるんだろうか。けど彼女を呼べば、セラードやダンテの負担が減るのも事実。
　しばし思考。そして即決。彼女の出番は後だ。
「とりあえず、ダンテは下がっていて。出来るだけの範囲は、私がやるよ」
　白衣の裏側から魔法銃を取り出し、まるでハリウッドスターみたいに眼前に構えた。
　銃に込められた術式は、全て拘束呪文だ。商売抜きで作っておいた銃が役に立つとは、これが終わったら学園長に自由時間延長を要求しようか。
「さあ来い、生徒たち。アンティーク作りの匠たる私の力を見せてやろう」

『ダンテが呼び出した者が来るのを待つ』

>254
『リサイクルショップ周辺』
12：47

>254
>「その悲しみと憎悪の連鎖を、まだ繰り返したいのなら、私を分解すればいい」
「…ふん。オートマトンが知った風な口を……ならば、何をされても文句は言えないな？」
茉莉を上に放り投げる。茉莉の体は生気がまるで無い人形のように緩やかな放物線を描いて降りてきたところで再度噛み付き、口に咥え直す。
狼淵の鋭い牙は、今度は茉莉の細い後首に食い込んでいる。狼淵は茉莉を、母狼が子狼の首筋をやんわりを噛み付くようにして、口に咥えていた。

>255
>“この場にいる全ての者よ、我の元に出よ”
「何処ぞの莫迦が、我々の生存闘争を邪魔しに来たな…」
狼淵は茉莉を口に咥えたままその声の方へと歩き出した。
徐々に茉莉に食い込む牙の力は強くなっており、ぎしぎしと強固な茉莉の首筋を貫き始めていた。
暫く歩くと、見たことがある面々がショップ周辺にいた。一人は同族のダンテ、一人は同じ二年の九曜ケイト、一人は時折見かけるセラード。
そした最後の一人は、フィニメニアの乱雑な部屋を片付けにいった時に見かけた女子寮母の…名前がやたらと長い、神楽樹とかいう女性だ。
狼淵は口に咥えていた茉莉を無造作にその四人の前に放った。
「何をしに来た？邪魔立てするというのならば、俺は容赦はせんぞ？…それと、何故、魔族が人間、いや、他の勢力とつるんでいる？」
放った茉莉を容赦なく踏みつけ、ダンテの目の前にずいっと歩み寄り、上から見下ろす。

>256
が、何やら邪魔な奴がいる。ダンテを一瞥すると、今度はセラードに向き直る。
「そのちゃちな拳銃で俺を仕留めるつもりか？悪いが、俺をただの人狼だと思うなよ？」
威圧的にセラードを睨みつける。狼淵のこの自信は根拠がある。それは後々語ることとなるだろうが…
「失せろ。でなければ、この場でバラしてやる」
鋼鐵さえも切り裂く爪をセラードの目の前に翳す。人間の皮膚など、触れただけでぱっくりと切れるほどの鋭さだ。

『ダンテの元へいき、セラードの前に立ちはだかる』

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>252>255>256
『リサイクルショップ』
12：50

襲ってくる巨大な猫のような獣に、あめはなんとかその身を翻して攻撃を避けた。
焦り、流れる汗。
戦いたくないという気持ちと、不安に溢れる。
次の瞬間、雑木林に声が響いた。
女の声。
不安定になっていた気持ちに落ち着いていき、そして…
「行かなきゃ、いけない気がする」
術…というよりは、何か訴えるような、呼びかけるような。
あめはゆっくりと、ダンテの元に向かい歩いていく。
「ダンテ先生にセラード先生、それにユミコ先生まで」
三人の教師。
あめの知る限りでは、この三人共、こちら側の存在である。
セラードやユミコはどうかわからないが、ダンテの顔は、戦う気ではないと見て取れる。
他の者は気にせず、あめはその場に立ち止まった。

『三人の教師の元へ』

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貴様、IP掘るぞ！

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コピペ＝馬鹿ですから。放置しよ。

>251>252>254>255>256>257
『リサイクルショップ上空』12:50

「む〜･･･意外な展開･･･狼君の青年の主張がモロ効いちゃったなんて、青いわねぇ･･･っていうかあの子ほんとにロボット？
燃料投下しようかしらン」
どこから出したのか、お茶をすすりながら狼淵圭吾と佐伯茉莉を面白くなさそうな目で見る九曜ケイト。
「反対にこっちは成功ねぇ。こうでなくっちゃぁンねぇ。」
のんびりしていると突然空間が揺れる。言霊の力で自分のいる空間の歪が急速に元に戻ろうとしている。
「うぁ、ダンテ先生ね？いいところなのに邪魔するなんて。依呪・生写身。」
頬を膨らませながら髪の毛を一本抜き取り、口訣を唱える。
「すっかり興ざめね。」
そう言いながら、九曜ケイトはセラード･ダンテ･ユミコの三人の元へと向かった。
「あら、三人もいるとは思わなかったわ。せっかくの楽しみを邪魔してくれちゃって。
結界張って騒ぎが広がらないようにフォローしたンだから、邪魔しないで欲しいわよね。
それとも、か弱い私に喧嘩を止める事まで期待してたのン？」
むくれて文句を行っていると佐伯茉莉を咥えた狼淵圭吾がやってきて喚きだした。
それを見た九曜ケイトの表情に笑顔が戻る。

『ダンテの前に現れる見物』

>256>257>298>346
『リサイクルショップ』
12:51

黙って、ダンテはセラードと圭吾の間に割って入った。
まずは、セラードに向く。
ダンテ「まず先に殴るって言っておく」
そう言う直後、ダンテの拳がセラードに飛んだ。
魔法障壁も、軽く貫通するような衝撃。
そして、圭吾に向く。
ダンテ「アンタも殴る」
次の瞬間、圭吾にも鉄拳が飛んだ。
例え獣人でも、ダンテも魔物。殴り飛ばせる程の力は持っている。
ダンテ「まずセラード･･･アンタの今この子達を見る目は、汚れた物を見るような目よ。
何考えてたの？早く終わらせたいとか、この後のこととか？出来る範囲って何よ？
敵とか味方とかそれ以上に、この子達は私達にとって一人一人大切な生徒でしょうが！
その身張って、ぶつかる気あるの？今この子達を生徒として、ちゃんと見てあげてる？」
セラードだって、魔法先生という、むしろダンテより教師である意識が高い人間だ。
当然、セラードにはセラードなりの考えがあるだろう。
ダンテは次に、圭吾に向き直る。
ダンテ「私は、魔物である以上にこの学園の教師です。生徒達が厄介事起こしたら、それを止めるのも仕事です。
ってのは建前。正直、アンタみたいな奴ばっかなのね･･･アンタがどんな考えかは知らないけど、私の私の考えがあるの。
それにね、私は“自分が自分が”って奴大嫌いなの。自分が良ければ、自分達の為ならって甘ったれた理想掲げてる。
一方通行な物の考え方で何が解決するっていうの？自分のしてることが、人間のしてることと同じだって、気付かないわけ？」
圭吾に自分の言いたいことをありったけぶつけると、今度はあめとケイトの元に向かった。

続き

あめの前に立つと、ダンテは黙ってあめを平手で打った。
パンと、鋭い音が響く。
ダンテ「あなた達の組織は、こういったことを逸早く鎮めるのが仕事でしょう。
人がいなかったのが唯一の救いだけど、何も知らない人達を怖がらせて楽しい？
次からは気をつけて。未熟なんて言葉、この世界じゃ通用しないわよ」
あめにそう言うと、次はケイトだ。
ダンテは笑う。
ダンテ「保健室にいないからどうしたのかと思った」
不自然な笑み。
ダンテ「アンタのしたこと一番最低よ」
間髪いれず平手打ちが飛ぶ。
ダンテ「勢力に干渉せず、自分を守るために力を持っているのだと思ったら･･･正直言って見損なったわ。
楽しみ？ハッ。アンタはスポーツ観戦してて、気に入らなかったら勝手に点とかを操作しちゃったりするわけ？
アンタには遊びかもしれないけど、遊びで戦ってたのがこの中にいた？良く見なさい、ボロボロになったこの子を」
ケイトの顔を、噛まれた傷で血塗れになる茉莉に向けされる。
ダンテ「あの子は遊びでああなったの？今いるこの子達は遊びでこんな状況になったの？

アンタのその身の振り方、絶対そのうち後悔することになるわ。今ここで、断言してあげる」
言い終わるとダンテは茉莉を抱き起こし、ダンテの術で呼び寄せておいたキムと共に、ユミコに前に向かわせる
刺すようなダンテの視線が、ユミコを見る。
ダンテ「この子はボロボロだから叩かない。こっちの男は生徒でも教師でもないから殴る価値もない。
まず私達に応援を仰ぐより、アンタがなんとかしなさい。アンタは広域指導の教師なんだから。わかった？」
ユミコ「は･･･はぁ〜い･･･」
ダンテの凄みある言葉に、返す言葉もない。
ユミコは身が震えるのを感じながら、抱き抱えされた茉莉を受け取った。
ダンテ「私からは以上！今後、辺り構わずこんなことするなら、今度は男女構わずグーで殴ります」
そう言うと、ダンテは空間から出ていった。


『ダンテ、空間から離脱。保健室に戻る』

257>298>346
『リサイクルショップ』
12:52

　セラードは呆然としていた。
　なんということだろう。もう２度と村の惨劇を繰り返さないと言っておきながら、そのくせ自分がやろうとしていたのはあの糞蛆虫共と同じ、ただの暴力だ。
　自分の力を振りかざし、自分より弱いものを徹底的にいたぶろうとする。
　それだけはすまいと誓ってきたのに。師に一番最初に教えられたことだったのに。
「私はただ、秩序を守りたくて……」
　何の意味もない独白。
　村の惨劇。あのことがあってから、セラードは秩序を守らぬ者、平穏を荒らす者を敵視していた。それも異常なまでに、だ。
　力を求めたのは秩序を守るため。力を手に入れたのは平穏を守るため。力を振るうのは、
「あの時の惨劇を忘れるため、か」
　そんなことはいい訳だということは、分かっているつもりだった。いや、分かっていると信じたかった。
　ただ、乗り越えるということが、あの事件を忘れることになるのではないかと、ただそれだけが怖くて認められなかった。
「こんな姿を見たら笑われるだろうな」
　セラードはガタイのいい、半竜の村長を思い出す。
――悲しみを受け入れた上で乗り越えてみせろ。立ち止まらず突き進んでみせろ。それが『生きる』ということだ。
　そう、これではいけないのだ。そのためには、きちんと役目を果たさねば。
　セラードはエクスカリバーを地面に突き立て、柄の杯に懐から取り出した錬金薬を注いだ。
「ウル・ウルト・ボロス・ウロボロス」
　始動キー。そして呪文を詠唱。紡がれる魔法は、癒しの言葉だ。
「長血を患いし女よ、群衆の中に紛れ込み、御子の御衣に触れよ、さすればその身は癒されよう。霊薬、名医に癒せはせぬ。傷ついた医師だけがその身を癒せる」
　膨大な魔力が杯の水に収束、呪文によって意味を持たせられた水が解き放たれた。
「これで、みんなの傷は癒えるだろう。今、私にできるのはこんなことだけさ」
　見回せば、みなうろんげな顔でこちらを見ている。
「私は奢っていたのかもしれないな。また、５００年のやり直しだ」
　セラードは新たに錬金薬を取り出し、足元に撒いた。
「ゲート」
その言葉とともに、セラードの姿は水の中に吸い込まれた。

『しばらくの間、放浪の旅へ』

>252>298>346
『リサイクルショップ裏手･雑木林』
１２：５５

雑木林に目をやっていると、意識が一点に集中する。
いくらなんでもこれだけ遠慮なしに妖気と殺気を放出してもらえれば嫌でも気付く。
そっと蔵陰の壷から依り代や眉目青龍刀などの仙宝を取り出した。
「あめっち、判るでしょ？この殺気・・・やらされてこれは出せない、よね・・・紙依・身写・・・来るよ！」
既に肌でピリピリと感じる程の殺気に口訣を唱えながら、あめに決意を促す。
これだけの相手に迷いがあっては必ず死ぬ。
そこまで話したところで巨大な獣が飛び出してきた。
ライオン？否。巨大な猫である。襲い繰る爪をかわし、距離をとりながら巻物を広げ巨大な猫又と化した猫田に掲げる。
「ワンちゃんの相棒が猫ちゃんだなんて意外ね。
でも、舐められたものね。理性をなくした状態でその身体能力のみで勝てるほど甘くないわよ！」
掲げられた巻物に猫又の姿が浮かび上がる。
「厭魅は呪い、厭勝は祝福・・・呪詛の恐ろしさを知るがいいわ！図依・折・・・・」
そこまで唱えた時、雑木林に声が響く。
強力な言霊が精神を揺さぶる。それに耐えるが、あめが歩き出してしまった。
「あめっち？」
すぐに追って止めたかったが、目の前の猫又に背を向けることもできずにいた。
何とか隙を見つけて追いかけるとあめの前にはユミコと人狼と茉莉、そしてケイトがいた。
「！･･･九曜ケイト！・・・さん・・・まさかあなたの仕業なの？」
頬を紅く腫らすあめをかばうように立ち、ケイトを睨みつけた。

『ユミコのいる空間に移動』

>347-348
『リサイクルショップ周辺』
12:55

ダンテに叩かれ、頬が赤く染まった。
痛いが、それ以上にダンテの言葉が、痛い。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
涙が溢れ出す。
確かにそうだ。自分の役目は、こういった事態を鎮圧すること。
戦うことを恐れ不安になり、本来の目的を忘れていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
泣きながら、誰に謝るでもなくあめは謝り続けた。

>250
紫がやってくると、あめは紫に抱きついた。
「違うの…この人がやったんじゃない」
ケイトを庇うわけではないが、否定する。
「私が、私が悪いの…自分で怖がって何もしようとしなかった私が…私は、望んでここにいるのに…なのに」
泣きながらあめは言った。
嗚咽混じりのその言葉は、あめの心情を物語る。

『紫に抱きついて、泣き続ける』

>348
『リサイクルショップ前』12:55

ダンテに平手打ちをされ、辛らつな言葉を浴びせかけられる。髪が乱れ表情は隠れていたが、血の滲む口元はうっすらと笑みをたたえている。
ダンテが去った後、髪をかき上げると橘紫が現れこちらを睨みつけてくる。
＞「！･･･九曜ケイト！・・・さん・・・まさかあなたの仕業なの？」
どうも勘違いしているようだが、橘紫の必死な表情がたまらなく面白い。
「あ〜ら、ムラサキちゃん、だったっけ？いいのよぉ？計都災星君と呼んでもぉ。ずいぶんとその子が気に入っているみたいね。卵を温める親鳥みたいよぉン？
随分と苦労しているんじゃない？その子に合わせて熱を下げるのに･･･ねぇ。ホントのあなたはそんなモノじゃないでしょう？」
口元の血をぬぐいながら橘紫の肩越しに視線を送り、小早苗あめに微笑みかける。
「まあいいわン。もう興ざめしたし後始末だけしたら帰るわ。以火行為灰・尽。これで同源還源の術は使えないわよン。」
火行を持って灰と為す・尽きよ・・この口訣と共に狼淵圭吾と猫田雅の落とした毛が全て燃え上がり、灰となった。
橘紫の同源還源の術という、対象者の一部を元に本体の位置を特定する術を防ぐ為だ。
術により対象が全て燃え尽きた後、その場にいた九曜ケイト自身も一本の銀色の髪となり燃え尽きてしまった。

『保健室』13:00

保健室でダンテが座っていると、ベッドを隠すカーテンに九曜ケイトの影が浮かぶ。
「ずいぶんと怒ってたけど、後発なのにあんなストレートな言い方しちゃ駄目よン。
あれじゃ私以外にも、全てを見ていて知っていてそれまで手を出さなかった。って思っちゃう子も出るかもよぉ？揉め事を治めに来た割りには、ねぇ。
それとも過去視の能力でも隠してたのかしらン。空間の隙間さえ見渡す･･･
昼前>187にもいったでしょう？九曜星の中でも災厄と狂気、そして混沌をもたらす計都災星君を冠する、って。私にとっては遊びなのよ、全てが。」
クスクスと笑うようにカーテンの動きと共に九曜ケイトの影が揺れる。
「盤古の昔から羅喉悪星君と共に破滅と混沌をもたらしてきた・・・歴代の計都災星君の記憶と意思、そして使命をこの身の内に受け継いでいるわ。
そのままにこれからもう動くのよ。立ち位置は永遠に変わらない。
でも先生の予言は当たったわン。居心地のいい保健室、しばらく寄り付けなさそうだからちょっと後悔よぉ。」
淡々とした言葉と共にカーテンが揺れ、影は薄れやがて消えていった。

『リサイクルショップ周辺→真帆良湖底研究施設』
12:55〜13:00

セラードの魔法で、茉莉の傷は癒えるが、茉莉の顔は虚ろだった。
キムも、ダンテの術で落ち着きは取り戻したものの、あまり楽しげな表情ではない。
ユミコ「あなた達、今度暴れたらユミコせんせは本当に怒りますよん！フィールドの解除は最後に帰る人がお願いしますね！構造は似てますからどんな術式でも解除できるはずです！」
そう言うと、ユミコは指を鳴らし、真帆良湖底に密かに造った研究施設に空間転移した。
施設に戻るなり、ユミコは地団太を踏む。
ユミコ「きぃ〜！悔しい〜!!本当なら、隙を狙って全員殺ってたのにぃ！プンプン!!」
キム「まぁ、落ち着けよ」
ユミコ「アンタは黙っててよ！最悪だわ最悪よ！人生の中で一番最悪な日ぃ!!」
ユミコは暴れる。
キムには制止するつもりがなく、声をかけただけだった。
ユミコ「茉莉ちゃんも茉莉ちゃんよ！なんで殲滅モードに移らなかったのん!?」
茉莉「すみません、マスター」
ユミコ「今回は許してあげる。でも次にちゃんと戦わなかったら新しいタイプと差し替えなんだからぁ！」
ユミコはそう言って奥の部屋に消えていった。
その言葉に、茉莉は驚愕する。
茉莉（差し替え･･･？用済み役立たず不必要存在する価値無し破棄破棄破棄破棄破棄･･･
破棄は･･･破棄は嫌だ!!破棄は嫌だ!!機能停止は嫌だ!!解体は嫌だ!!死ぬのは･･･嫌だ!!）
キム「茉莉？茉莉！」
茉莉「！･･･なんだ？」
キム「気にすんな。お前はユミコのお気に入りなんだから、簡単にバラされることなんてない」
本気で心配するキムに、茉莉は微笑みかける。
機械的な表情が多かった茉莉が笑った。
それだけで、何故だかキムは安堵してしまった。

『茉莉、キム、ユミコ、真帆良湖底研究施設に留まる』

>352
『保健室』
13:05

振り向くことなくダンテはケイトの話を聞いていた。
そして話を終えたケイトは姿を消し、しばらく時間が流れる。
「プッ･･･アハハハハハ!!お腹痛いお腹痛いお腹痛い･･･」
必死に笑いを堪えていたのか、ダンテは急に笑いだす。
「私はただ、ユミコが言ったあのメンバーの中で、幻術が使えそうなケイトちゃんと橘ちゃんがいたら幻術を解ける術を言った。
獣人の二人は血の気多そうだし、小早苗ちゃんはまだ初心者らしいから我を忘れてるかもしれない。だから気を安定させる術を言った。
佐伯ちゃんはもしかしたら自分の姿を隠す機能を使ってるかもしれないから、姿を消した者の存在を明らかにする術を言った。
お説教は、そのまんまねぇ。私はみんなの行動、言ったこと、勢力などから返す言葉を決めただけ。殴ったり叩いたりは、演出？」
べらべらと話していく。
自由奔放。まさにその通りなのかもしれない。
ダンテはチェス盤から、ケイトが使っていた駒からキングを持つ。
「いつもしてるチェスみたいに、私の考えてる通りに物事が進んでるだけ。
だから私の断言したこと、頭の片隅にでも置いといた方がいいわよ。
チェスはキングを首を取れば勝ち。王様を庇って死んでくれる駒はいないんだから」
持ったキングの首を、ダンテは軽く捻り取った。
･･･と、保健室のドアが開く。
生徒「ダンテ先生、廊下で転んで膝擦りむいちゃいました」
「じゃあ座って。消毒してあげるから」
キングのチェスピースをチェス盤に戻すと、ダンテは優しい笑顔で校医の職務に戻る。

『保健室から動く気配はない』

>354
『女子寮自室』13:10

自室のベッドで横になっている九曜ケイトに、黒い影が忍び寄る。
音もなくその身体にまとわりつき、やがて九曜ケイトの影となった。
「やっぱり先生ってば役者ねぇ。だから大好きだわン。
ただ、タメが長いトコロが年なのよねぇ。影が消えてから効力は薄れるって知っているでしょうにぃン。途中で途切れちゃってるじゃない、もう･･
王様を庇って・・・なにかしらン？まあ言いたい事は大体判るからいいけどねぇ。
私にとっては王様も唯の駒の一つだし、勝ち負けもどうでもいいのよン。センセ。ただの野次飛ばしている観客なんだからン。
明日になったら和菓子でも手土産に保健室によりましょっと。」
楽しそうに呟き、昼の出来事の余韻に浸る九曜ケイト。
事態は動き出した。今日会った術者達の顔を思い浮かべていく。
「突付いて面白そうなのは狼君だけど、できれば飼い主の方がいいわよねぇ･･･
でも、『ムラサキ』ちゃんのあの必死な顔と泣きはらすあめちゃん･･･あっちも捨てがたいのよねぇ･･･」
これからの事態に胸を躍らせながら笑みをこぼす。

『自室でまったり』

>347
『リサイクルショップ周辺』
12:51

>アンタも殴る
その瞬間、狼淵の意識は暗転していた。気がつけば、自分の巨体が宙を木の葉のように舞っていた。
ひらひら、と優雅にはいかずに地面に派手な音を立てて落ちる。
「うぐぅ…」
狼淵は地面に激突すると、小さく呻いた。突然の事であったからまともに受身も取れなかった。
人狼、そして闇の眷族に代表される吸血鬼の同胞となることを許され、強力な力を得た筈の狼淵にとっては今の出来事は無様なこと
この上ない。暫く、屈辱によりその場に大の字に寝転がっていた。

>「私は、魔物である以上にこの学園の教師です。生徒達が厄介事起こしたら、それを止めるのも仕事です。
>ってのは建前。正直、アンタみたいな奴ばっかなのね･･･アンタがどんな考えかは知らないけど、私の私の考えがあるの。
>それにね、私は“自分が自分が”って奴大嫌いなの。自分が良ければ、自分達の為ならって甘ったれた理想掲げてる。
>一方通行な物の考え方で何が解決するっていうの？自分のしてることが、人間のしてることと同じだって、気付かないわけ？」
暫く狼淵は寝転がったまま目を瞑り、静かにダンテの言葉に耳を傾けていた。
「良く言われる…叔母にも言われた」
ダンテの話が終ると、狼淵はゆっくりと身を起こして毛皮に付着していた土埃を手で払った。
「でもな、俺だって頭では分かっている。だが、俺の心がそうさせない。理屈じゃないんだ」
先程よりも殺意が衰えたとはいえ、未だに狼淵の瞳の奥には赤黒い炎が揺らめいていた。
それは決して簡単に消えることは無い、殺意の炎。そして長い間彼の中で育まれてきた憎悪である。
「…何れ決着は付けてみせる。誰が何と言おうと、俺は俺の心に誓ったことを遣り遂げる…」
消えていくダンテの後姿を見送りながら、狼淵はそう小さく呟いた。

>255>298
『リサイクルショップ裏手雑木林』
12:50

初撃を容易く回避されたことに苛立ちを覚える暇も無く、猫田は標的を変えて再度襲い掛かろうとした。
だが、野獣と化した自分の心に静かに響く声に立ち止まってしまった。そして暫くすると、徐々に掻き消えた
筈の理性が舞い戻ってきた。
「……」
冷静な心で、今の自分の醜態を省みる。自分の姿を見ることは出来ないが、著しく変った目線の高さや体の
感触からして、今の自分は酷い姿をしていることだろう。そして、友達に襲い掛かったことに対する罪悪感が、
その獰猛な姿とは裏腹な猫田の繊細な心を徐々に痛めつけていく。
（また、やっちゃった……）
嘗て、このような状況が猫田にはあった。その時は信じていた人間の親友達に裏切られ、その激情の余りに
彼らを喰らってしまった。気がついてみれば、自分の体は返り血でべっとりと赤に染まっていた事を覚えている。
その時のことを猫田は忘れてはいない。自分の身が引き裂かれんばかりの悲しみと悲嘆に暮れ、それから猫田は
人界と関わる事を止めた…筈だったが、時代の移り変わりと共に再び猫田は人の流れの中に身を落とすこととなってしまった。
「……」
理性が戻ってくると同時に、猛獣の姿が徐々に萎んでいく様に小さくなっていく…暫くすると、其処にいたのは可愛らしい猫であった。
再び声が心に響いた。猫田はそれに呼応するかのようにその場を後にし、声の元へと向った。

『リサイクルショップ周辺』
12:55
ダンテやその他にこの場に集っていた生徒や先生の遣り取りを、集団から少し離れた所で見守る。
小早苗は先程の恐怖が遅れてやってきたのか、後からやって来た紫に抱きついて嗚咽を漏らしていた。
あの娘に怖い思いをさせたのは自分の所為だ。事も無げに破れるような幻術にまんまと嵌り、我を忘れて彼女らに襲い掛かってしまった。
「あめっち…御免ね」
猫の姿のまま、猫田は小さく謝罪の言葉を呟き、同じく集団から離れたところで佇んでいた狼淵の傍に行く。
「ケイゴー…」
にゃーん、と鳴きながら狼淵の足に擦り寄る。
「猫田か…無事で何よりだ。大体の戦力は分かった。帰るぞ」
狼淵は人狼から狼に姿を変えると、擦り寄ってくる猫田と共にこの場を後にした。

『猫田と狼淵。この空間から離脱し、学校へと戻る』

>351>352>353>354
『リサイクルショップ周辺』
１３：００

泣きじゃくるあめを抱きしめながら、燃え尽きるケイトを見届けた。
「ムラサキじゃなくて『ゆかり』よ･･･！」
ケイトの言葉が胸に突き刺さる。意味ありげな言葉をかき消すように呟いた。
それにケイトが燃やした以上、呪詛とする狼淵と猫田の落ちた毛は全て燃え尽きたのだろう。
そうなればここで自分のするべき事は、状況分析だけだ。
倒れる狼淵と茉莉。鼻を潰しておいたにも拘らず相打ちだったということか。
狼淵が強力なのか、茉莉が弱かったのかは判断つかないが、力の相関図を頭に描く。
ユミコに連れられ消えていく二人を見ながらＷ.Ｒ.Ｆ.との共闘の今後を思っていた。
狼と寄り添って駆けて行く猫は先ほどの巨大な猫又なのだろう。
「あめっち、もう大丈夫。帰って休も、ね。」
しばらくあめを泣かせるままにし、他の面々が消えていくのを見送ってから静かに口を開いた。
昨夜の騒動から今朝の殺気、そして昼のこの戦い。多くの事が一気に起こりすぎている。今のあめには休息が必要だと思う。
身体だけじゃない。心と頭脳の休息だ。
あめの髪を撫でながら結界を解除する。

『女子寮自室へ』

『女子寮自室』
19：15

あれから数時間経ち、泣いていたあめは、段々と落ち着きを取り戻していった。
それに、何故かあめの表情は、以前とは違っている。
「もう大丈夫。だいぶ落ち着いたから」
そう言うと、漢方薬の入ったお茶を口に含みしばらくの間、何かを考え黙り込む。
あめは息を吐き、口を開いた。
「私が甘くて馬鹿だってこと、やっと気付いたの」
あめっちモードではないあめのはずなのに、喋り方に辿々しさがない。
今のあめは、落ち着き払った別の人間にも見える。
「もうあめっちとはお別れ。自分を偽る必要なんてないもの。自分に嘘ついてたから、私は強くなれなかった。弱いままだった」
昼間の一連の出来事が、あめを変わらせるきっかけになっていた。
自分は弱く、そして小狡い。
それをあめ自身が痛感する。
「足引っ張っててごめん。私はもう大丈夫だから」
優しい笑みを見せて紫に向けて言う。
あめは自分の特徴であるツインテールを解いた。
もう前のあめはそこにはいない。
新しい別のあめが、そこには存在している。

『紫と会話』

『本屋』
20：00

「誰じゃ。そこにおるのは―――」

月夜の晩。下には電灯が光り、その光が暗い夜を照らし出していた。
珍しくこんな時間まで本屋で立ち読みをしていたその帰り道。急に背後に振り返り、草むらを凝視する。
軽く顎を二、三度撫でてため息をひとつこぼす。

「なんじゃ。気のせいか……」

再び歩みはじめて、広場の出口にさしかかったところで立ち止まり、空を見上げる。
そこには―――

「月とはあんな色だったか？それになんじゃこの冷たさは…」
まるで　鳥が――
　　　　　木々が――
　　　　　空が――

この学園に棲まうすべてのものが呼吸を止めたような感じは…。

「寒い……」

ぶるぶると身震いをして、帰路へと急いだ。

『民宿「まほら」』へ

>360
『民宿「まほら」』
20：15

遼太郎が民宿に着くと、表に黒塗りのハマーが停まっており、入り口の前では民宿の主人といかにもマフィアらしい二人の男が話していた。

「・・・借金が返せないとは、一体どういう事だ？納得のいくように説明してもらおうか」
静かな口調で、尚且つ脅すように民宿の主人に話しかける。
主人「い、いや、その、それは・・・・」
どうやら何か事情があるらしく、主人は口を小さく動かすだけで、まともに喋ろうとしない。
だが、それではこちらにとって都合が悪くなるだけだ。
長年溜まり続けていた借金も、今ここで何としてでも返済してもらう。
そうでもしなければ、組織の資金が足りなくなってしまい、今までの苦労が水の泡だ。
「いいか、よく聞け。今ここで二千万返さないなら、この土地と物件を差し押さえるぞ。それでも良いのか？」
主人「そ、そんな無茶な話があるか！何なら訴えて・・・」
そこまで聞くと、俺は横にいた部下に合図をする。
合図を見た部下は、間髪入れずに主人に掴みかかり、その喉元に小型サブマシンガンを押し当てる。
マフィア「手前、ヨセフ中尉の言う事が聞けないってのか！殺すぞ！」
急に掴みかかられた上、銃まで向けられた主人は声も出せないほどに怖がっていた。
そんな主人を一瞥すると、部下に手を放すように言う。
部下が手を放すと、主人は慌てて民宿の中へ逃げ込んだ。
「・・・・・全く、どいつもこいつも借金の踏み倒しに必死だな。行くぞ、今度ばかりはあいつも見逃せない」
そう言って、俺は部下と共に民宿の中に入った。

『民宿の主人から借金の取立て、遼太郎が帰ってきたのには気付かず民宿の中へ』

『職員室・シュタインバクスのデスク』
19：50

午後の授業が終わり、終業を告げるチャイムが鳴ってから結構時間が経過していた。
職員室に残っている教職員の数は疎らとなっており、シュタインバクス以外には２、３人ほどしかいない。
「あら、シュピールマン先生。こんな時間まで残っていらっしゃるのですか？」
その声に反応してデスクの書類から顔を上げて後を振り向くと、其処には英語科教師のマリネッタが立っていた。
「ええ。少し遣り残してあったことがあるので…」
軽く一瞥すると、シュタインバクスは再度デスクに向き直った。だが、マリネッタにはシュタインバクスのその素っ気無い
態度が気に入らなかったようだ。
「あらあら…何だか私に隠し事ですか？」
屈んでそっと背後からシュタインバクスの体に華奢な腕を回し、彼の広い背に胸を押し付ける。むにゅっと豊満な彼女の胸が柔らかく歪んだ。
「あ、あの…マリネッタ先生？」
ぎぎぎ、とシュタインバクスの首がマリネッタの方を向く。マリネッタは彼とは対照的に、「してやったり」とでも言いたげな微笑を浮かべている。
シュタインバクスが怯んでいる隙に、マリネッタは彼が向っている書類を覗き見た。
「先生…これは？」
『敵対勢力に於ける動向と其の報告　��07』とシュタインバクスの書類には書かれていた。どうやら、『教会』への報告書を作成していたようだ。
「え、ああ…今日、興味深いことがあったので、其れについての報告を『教会』にしておくべきかと思いましてね」
声を潜め、顔を寄せてマリネッタの耳元で囁く。
「今日、高等部の保健室で転移魔法の類の魔力の波動を検出しました」
マリネッタはシュタインバクスの言葉に少し驚いた。更に彼は続ける。
「数は三つ…誰かは詳しくは分かりませんが、これで絞れましたね。あの保健医が怪しい」
「ええ…そのようですわね。では、早速仕掛けましょうか？」
先程まで温和な雰囲気を漂わせていたマリネッタであったが、シュタインバクスの言葉に徐々に変っていく。
常人には感じられる程のものではないが、今の彼女からは微弱な殺気が漲っている。
「いえ…まずはそれ以外のことから片付けましょう。生徒の何人かが勢力に属しているみたいですから…まずはそれからですね」
デスクから立ち上がり、広げていた書類の類を鞄に詰める。そして、デスクの一番上の引き出しを開ける。
引き出しの中には、金属製の箱が入っていた。シュタインバクスはその箱を空け、中身を取り出した。
「願わくば、生徒と戦いわずに済めばいいのですが…」
箱に収められていたのは、『教会特別仕様』の白銀製の大口径拳銃オートマグ�V。
白銀製の輝かしいボディ全体には幾何学的な祝礼儀礼の紋様が刻み込まれおり、通常弾でも聖なる呪詛を付与できる。
対魔戦闘を行う場合に専用弾を使用すれば、破壊力は更に増す。並みの魔族ならば、一撃の元に葬り去る事が出来る。
無論、オートマグ�Vは人間に対しても絶大な威力を誇る大型拳銃であるので、通常弾でも人間を一撃で瀕死に追いやることが出来る程殺傷能力が高い。
「これを生徒に対して使いたくはありませんが…」
シュタインバクスは溜息をつきながらそれも鞄の中に仕舞い込む。帰りの支度が済むと、マリネッタに向き直った。
「今夜、説得してみましょう。既に何人かの生徒が勢力に属しているということを完全に把握しています。彼女らをこの戦いに関わらせるべきではない」
「そうですわね…私も、これを使いたくはありませんしね」
マリネッタはタイトスカートを少したくし上げると、白い内股に装着していたホルスターから、白銀製のワルサーPPK/Sを抜いた。
シュタインバクスのオートマグ�Vと同じく、それも銃全体に幾何学的な祝礼儀礼の紋様が刻み込まれている特別仕様であった。
「……まずは職員寮に帰りましょう。それから装備を整え、それから説得に当ってみましょう」
マリネッタはシュタインバクスの言葉に頷くと、二人は職員室を後にした。

『民宿「まほら」周辺』
20：15

校門を出れば、二人の関係は自ずと同僚以上の関係に昇華する。
そっと無骨な手を伸ばし、傍を歩くマリネッタの細い指に絡める。彼女もそれに応え、シュタインバクスの指に自らの指を絡める。二人は恋人同士である。
思えば、付き合ってから10年になる。随分と長い間、お互いのことを
『教会』の施設で対魔戦闘のプロフェッショナルである『聖堂騎士（パラディン）』となるべく訓練を受けていた頃に、二人は出会っていた。
当時の二人は14歳。思春期真っ盛りの、少年少女であった。今思えば、微笑ましい出会いであった。
「そういえば、もう貴女と出会って10年も経ちますか…時というものは長いようで短い」
しみじみとシュタインバクスが呟く…そして、傍らのマリネッタを目の端で盗み見る。
10年という歳月は少女を一人の『女』にするのに充分な時間であった。それは少年を『男』にするのにも同じ事ではあるが。
青々しかった可憐な少女が、大人の艶やかさを獲得する過程を傍で観察、否、見ていられたことは、少年であった男には幸せであった。
彼女がいたからこそ、聖堂騎士の称号を得ることに成功し、魔道技術を応用しての度重なる人体強化にも耐えられた。
シュタインバクスにとって、マリネッタこそが聖堂騎士が守るべき聖母である。彼女の為ならば、『教会』の教えに背くことも厭わない。
「…シュピール？どうしたの？」
はっと我に返れば、マリネッタが不思議そうに此方を見上げている。
「え？あ、…なんでもありませんよ、マリー」
そういってマリネッタの頭にぽん、と手を置いて彼女の髪を優しく撫ぜる。マリネッタは優しく髪を撫ぜるシュタインバクスの無骨な手が好きであった。
自分が幼い頃に魔族に殺された、シュタインバクスと同じく聖堂騎士であった父の無骨で優しい手に彼のは似ているのだ。
聖職者として、聖堂騎士として、そして人格者として父は優れた人物であった。だからこそ、魔族に目をつけられていた。
「…思い出すわ。父も私のことをよく撫でてくれた……」
母を早くに亡くし、父親と二人暮らしであったマリネッタにとって、父こそが唯一の肉親であった。それが魔族に殺されたのだ。
相当に彼女は魔族を怨んでいるのだろう…と思いきや、マリネッタは父の死を悲しむだけで、別に魔族にこれといって個人的な怨みをもってはいなかった。
怨めば怨むほど、自身の救済の道は閉ざされる。マリネッタはそのことを良く知っていたが、唯一の肉親を魔族に殺されて怨まないのは彼女だけだろう。
他の者は魔族を怨み、殺してやりたいと切望するに違いない。だからこそ、マリネッタはそういう者達を生み出さない為彼らに代わって戦っている。
「でも、私は別に魔族を怨んでいる訳ではないわ…怨めば自信を貶めるだけだもの。それに、一方的に相手を滅するだけが我々ではないわ」
『教会』に属する多くの聖堂騎士である神父や修道女達は魔族やその他の勢力の者達に対して、強い敵愾心を顕にしている。
二人はそんな彼らに囚われず、出来る事ならば平和的な解決を望んでいる。保健医や生徒たちがどのような勢力に所属しているかは知らないが、出来るならば
速やかにこの件から手を引いて貰うつもりだ。

続き
>361
民宿「まほら」の前を通り過ぎようとしたが、明らかに米軍の装甲車両と思われる『ハマー』が停車していた。
学校近くの米軍かと思ったが、米軍がわざわざ民宿に用などある筈が無い。明らかに、何かのいざこざだろう。
「それにしても…堂々と日本国内で米軍のハマーを乗り回す莫迦がいますか。呆れてものも言えませんね」
シュタインバクスはハマーの車内を覗き込んだ。誰も居ない。耳を澄ませば、民宿の奥から遣り取りが聞こえてきた。
「どうしましょうか…学校の近くですし、部活が終った生徒達の帰り道でもありますからね。危険が及ぶのは此方としては見過ごせない」
シュタインバクスは手に提げていた鞄の中に手を入れ、白銀に輝くオートマグ�Vを取り出そうとしたが…思い留まり、代わりに懐に手を入て携帯電話を取り出した。
「もしもし？警察ですか？何やら、直ぐ近くの民宿に、明らかに日本の法律に反して米軍の装甲車両を不法所持している輩がいます」
マリネッタと共にハマーの影に隠れながら警察に通報する。民宿内での遣り取りを見ると、数人の男が民宿の主人と話している。その内の一人が突然、
リーダー格と思われる男の合図を受けて、懐から小型SMGをを取り出して主人の咽喉元に突きつけていた。
「あと、何やら武装もしています…どうやら、日本のヤクザではなさそうです。ロシアンマフィアかもしれません。SATの出動を用意した方がいいじゃないですか？」
最後にそういうと、携帯電話をきった。そして、シュタインバクスは黒手袋をはめてその場にしゃがみ、ハマーの大きなタイヤに手を添えた。
「私に出来ることと言えば、彼らの足を潰す事ぐらいですね」
めり、という音と共にハマーの四輪の内の一つがシュタインバクスによってもぎ取られた。
『教会』によって強化を受けたシュタインバクスにしてみれば、装甲車の車輪の一つを素手でもぎ取るなど容易いことだ。
「さて、これで良し…私達はいざとう言う時の為に待機していましょう」
もぎ取った車輪をごろごろと転がし、マリネッタと共に民宿から離れた。

『学校を後にし、民宿まほらの前を通りかかる。ハマーの車輪をもぎ取り、警察に電話』

>364
『民宿「まほら」』
20：20

民宿の主人は奥の部屋まで追い詰めるとようやく金を出した。
どうやら金が惜しかったらしく、外へ出るまでずっと俺を睨んでいた。
「・・・これで最後だな。後はボス次第か」
正直に言って、セルゲイはボスという器ではない。
本当なら戦闘部隊の隊長辺りで納まるべきなのだが、本人は自重という物を知らないらしく、やたらと威張り散らしている。
そんな阿呆過ぎるボスを持ったせいか、ヨセフは毎日尻拭いに追われているのだ。
（そろそろ組織を乗っ取るか。最早セルゲイに協力している幹部は数人だけだしな）
そう思いながら外へ出ると、表に停めてあったハマーのタイヤが一つ無くなっていた。
さらに悪い事に、サイレンの音まで聞こえてくる。
「・・・・お前等、スペアタイヤを着けろ。ベアリングとシャフトは溶接して繋げ」
部下達が修復に取り掛かると同時に、二台のパトカーが走ってくる。
俺はドラグノフ狙撃銃を構え、照準器を覗き込む。
パトカーは、有難い事に一直線で走ってきている。スピードもあまり出していない。
「無風、照準器にズレ無し、誤差無し、最高の条件だ」
そう呟くと、一台目のパトカー目掛けて引き金を軽く絞る。
銃口から吐き出された弾丸は、一直線に運転席の警官の眉間へ命中した。
殆ど間髪入れず、ガードレールに向けて二発目を放つ。
ガードレールに当たった弾は跳ね返り、二台目のパトカーのタイヤに穴を開ける。
二台目のパトカーは派手に横転し、もう一台はひっくり返った。
「相手が悪かったな、ヤポンスキー。次は戦闘ヘリでも持ってくることだ」
吐き捨てるように言うと、丁度修理の終わったハマーに部下と共に乗り込み、助手席に座る。
マフィア「ヨセフ中尉、このままアジトへ戻りますか？」
部下の問いに、俺はこう答えた。
「・・・いい夜だ、アジトの部屋で過ごすのは勿体無い。その辺を流せ、夜の散歩だ」

『警察を撒き、ハマーを修理してぶらりと夜の散歩』

『民宿「まほら」』
20：15

なにやら、玄関付近が騒がしい。
覗いてみると、民宿の主人である叔父さんと二人の男が話していた。
「なんとまぁ…ガラの悪い。いかにも裏の人間ですって感じの男たちじゃのぅ」
話しの内容を盗み聞きしていると、どうやら借金があるらしくそれで脅されているようだ。
「手前、ヨセフ中尉の言う事が聞けないってのか！殺すぞ！」
そのうちの一人が声を荒げて叔父に掴みかかり、喉元によく見えないがなにやら黒い物体を押し付けている。
叔父の怯えから察するに、拳銃やらそのような類のものだと思われるが、それは定かではない。
一人が掴んでいた手を放すと自分のところへとは反対の方向へ駆け込んでいった。
二人組みはいつの間にかどこかに消えていて、外に出て行ったような感じはない。
「となると…やれやれ。あんな物騒な奴らが中に入ってきたか。勘弁して欲しいのぅ」
そう呟きながら、あの二人と出会わないで欲しいなと祈りつつ、自分の部屋へ戻った。

『民宿「まほら」』
21：00

警察たちの質問が終わり、叔父は虚ろな眼でフラフラとした足取りでこの民宿へと戻ってきた。
「叔父さん…夕食は部屋に置いといたから、食べたら呼んでくれって叔母さんが…」
先ほど頼まれた伝言を叔父に伝えるが、俺の存在など全く無視しそのまま通り過ぎていってしまった。
「あれさえ…―――さえ……完全に私の物にすれば…あいつらなんて……」
何か呟いていたが、ただの独り言だと思ってあまり気にすることなく、すぐに記憶のスミに追いやり自分の次の行動について考える。
「そういや、ノートをきらしてたな…めんどくさいが買いに行くか」
明日は数学。あの教師は厳しいからノートとってないと注意されるだろう。
最悪、廊下に立たされる恐れがある。それだけは避けねばなるまい――。
なんでこんなときに…。自分の不幸を呪いながら『チッ』と舌打ちし、そのまま警官だらけの道を避けながらコンビニへ向かった。

『CDウォークマンを聞きながらコンビニへ』

『警察署・署長室』
21：18

佐藤「署長、先程のロシアンマフィア関連の事件はどうします？」
本川「全力で捜査せなあかんやろ、これは。場合によってはロシアンマフィアの本拠地に行かなあかんかも・・・」
二人の話に、塚本とトンプソンが割って入った。
塚本「・・・その事件、まだメディアには知られていないだろうな」
本川「当たり前でんがな。それ程ここの警備は甘くないでっせ」
トンプソン「では、外部に知られる前に事件そのものを揉み消せ。メディアにも報道規制をかけて、完全に握り潰すんだ」
本川「な、何でや！？この機会にロシアンマフィアを一網打尽に出来るのに・・・・・」
慌てて抗議する本川を、塚本が静止する。
塚本「本川、お前はロシアンマフィアの恐ろしさを知らないな。奴等は装甲車やテクニカル、戦闘ヘリまで持っているんだぞ？
下手すればこの学園全体が戦場になってしまう。それは何としてでも避けるべきだ。ここまで言えば、何をするかは分かったな？」
塚本の話を聞いて、暫く考えるような素振りを見せると、本川は溜息をついた。
本川「では、この件は無かったってことにしときますわ。罪の無い人を傷つけるわけにはいかへんからなぁ」
塚本「そうだ、それでいい。では、今日はこの辺でお開きだ。各自の仕事に戻ろう」

『特事対、警察、米軍の圧力で民宿事件の揉み消しを実行』

>365
『民宿まほら周辺』
20：20

離れた所から動向を見守っていたが、程なくして大惨事となっていた。
やはり此処は警察…普通の人間ではなく、自分たちで解決するべきかと思い悩んだが、下手な行動を起こせば
『教会』の処理部隊が情報を揉み消すのに奔走するだろう。それに、そのようなことをすればこの任務を解かれる可能性もある。
自分たち以外の者ならば、勢力に所属している生徒を殺してでも『何か』についての情報を得ようとするに違いない。
「拙いことになりましたね…あのまま放っておくと、寮に帰る途中の生徒が危ないですし……どうしましょうか」
傍らのマリネッタに意見を求める。
「そうですわねぇ…放っておく訳にも行きませんわね。ですが、『教会』本部に私達が無断で動いたことが知られれば、厄介ですわ」
仕方が無い、とでも言いたげに肩を竦めてみせた。
「此処は日本の国家権力に任せるが吉、といったところですわね。まぁ、『教会』本部の『武装神父隊』を投入すれば、あのように神の道理
背く輩は存分に罰してあげる事が出来ますけど…『教会』は犯罪人を裁く司法機関ではありませんし。『独逸支部』のハーディッシュ枢機卿ならば
そういった面倒ごとは好きでしょうけど。あの方ならば、貴方の要請があれば完全武装のS級の武装神父・修道女を寄越してくれるでしょうね」
シュタインバクスとマリネッタは『教会・独逸支部』直属の聖堂騎士である。武装神父・修道女は、聖堂騎士の称号を得てはいない一般の者のことである。
言ってみれば、聖堂騎士は最精鋭中の最精鋭。『教会』に何万人と所属している武装神父･修道女の中から、厳しい選定試験を経て選ばれる。
因みに、全ての武装神父・修道女には等級が定められている。一番低いEから始まって、C、B、A、AA、AAA、特AAA、S、SS、SSS、特SSSとなっている。
二人の等級は特SSS。これぐいらいの等級になるものならば、最高の魔道強化技術によって人体を強化されるようになる。
等級が上がれば上がるほど、その人数は減っていき、特SSS級の武装神父・修道女は僅か12組しか存在しない。
シュタインバクス・マリネッタ組は独逸を代表する聖堂騎士のペアであり、両人が18歳の時に聖堂騎士としての選定試験に合格し、第一線で活躍し続けている。
「では、私達は職員寮に戻り、準備を整えましょう…今夜は永くなりそうですが」
二人はその場を後にし、職員寮へと向った。

『職員寮へ移動』

『女子寮自室』
１９：２０

夜になり、あめも落ち着きお茶しながら話しをする。
表情も、言葉も、そして心も随分とあめは変わったと思う。
昨夜からの出来事で何か思う事があったのだろう。
ツインテールを解いたあめの顔には決意のようなものさえ漂っている。
それを見て紫はほっと安堵の息をつく。
「あめっちは強いね。あら、もうあめさんって呼んだ方が良いかな・・・？」
優しい笑みを見せるあめに紫も笑みで答える。
「じゃあ、すっきりしたところで、お風呂にでもいこっか。大浴場。
それから、私は足を引っ張られたなんて思った事はないよ？
昼のケイトさんの言葉なら真に受けちゃ駄目よ？あの人は人を混乱させたり惑わす為に生きているような人なんだから。」
気持ち的には落ち着いても、体に疲れは残っている。
こんなときは広いお風呂に入ってリフレッシュするのが一番なのだ。（持論）

『１Ｆ大浴場に』

『女子寮・１F大浴場』
19:25

寮に帰った猫田は、あれから魂の抜け殻となってしまったかのようであった。
大好きである筈の夕食も箸は遅々として進まず、半ばで食事を切り上げていた。
それというのも、やはり友達が勢力に属していることが余程のショックであったからだ。
広い浴槽の中で膝を抱え、ずっと俯いている。長い事そうやって浴槽に使っているので、
のぼせ気味となっていたが、そんなことは関係ない。
「あめっち…それに、橘さんも……どうしてなんだろ」
自分以外にはこの大浴場には誰もいない。猫田の呟きが浴場の壁に反響し、静かに掻き消えていくばかりであった。

『浴場で入浴中』

ｱｹﾞ

『廃ビル 3階』
22：00

「亜細亜呪術結社は小早苗あめと橘紫の二名。西洋式魔導連合はシュタインバクス・シュピールマンとマリネッタ・ウォルメリアの同じく二名。
学園独自の勢力からはセラード・フォン・ホーエンハイムとかいう保健医が一名。
モンスターズユニオンはダンテリエール・ウェンライト、高橋慶介、烏丸喜助、猫田雅、狐山妖子、フィニメニア・エルジェベト、狼淵圭吾そして、未確認勢力の傍観者が一人。
後は能力がないロシアンマフィアが二名ほどのさばってるな。以上が現在確認されている敵対している者たちだ。文句があるなら自分で見にこい。では切るぞ」
強引に通話をきり、その携帯を大きな女子寮が見える窓から勢いよく投げ捨てる。
しばらくして、遠くから『いてぇ！！』と聞こえたような気がするが気のせいだろ。
「その思念の数はいかに多きかな。我これを数えんとすれどもその数は沙よりも多し――」
今、この学園には日々の日常を繰り返している者、闘いを傍観する者、協力し合う者、同族同士で身を固める者…。
自分はあれについては興味はないが……まさかこんな大人数が来るとは思わなかったな。はじめは俺が目をつけてたんだがな…。
――柿も青いうちは鴉もつつき申さず候――
あいつらあれが自分たちの想像を超える力があるとわかるや否や、横取りしようとしやがる。
問題なのは西洋式呪術連合の奴らがどう動くかだ…。
受けたものにかならず報い。奪われたものにかならず報いる。
―――報恩と報復。
「貴様等を討つために理念の合わんW.R.Fとも組んだのだ…この戦いであれを手にし、すべてを終らせてやる―――しかし、まだ幕は開いたばかり……今宵はこの余興で楽しんでいただくとしよう」
パチンと指を鳴らし、背後から出てくるのは数匹のゾンビ。
しかし、ゾンビはいずれも黒い装束を纏っていて、中には鎖鎌や手裏剣を持っているものまでいる。
「通常のゾンビじゃ話にならないからね…このクラスくらいがちょうどいいだろう。さて、お前たちはそれぞれ一人づつ相手をしに行ってこい。では頼んだぞ――」
隆一が言い終わると同時に、ゾンビは一斉に消えていった。

『忍者ゾンビを放ち、自身は廃ビルで待機』

モミジ学生

>370>371
『大浴場』

「違うの。甘えた考えしてた私が悪いと思ったから。だから誰かに言われてとかそんなんじゃないよ、大丈夫」
優しい笑顔を向けてあめは言う。
脱衣所で着替えながらの会話。流石は女子といったところか。
「それに、あめっちのままでいいよ。ね、ゆかりん？」
無邪気に言いながら、タオルを巻いて、あめは浴場に行った。
「何回見ても広〜い♪」
各自部屋にシャワーはついているのだが、やはりこういったくつろげる空間は嬉しい。
今日は本当に色々あった。
不思議と嫌な気持ちはないが、風呂に入ってリラックスとリフレッシュしよう。
「あれ？」
あめはふと、湯煙の先に人影を見つける。
「早いなぁ…って私達もだけど」
あめは体を流すと、気にせず湯船に浸かった。

『誰かいるとはわかったが、雅だと気付かず入浴』

>371>375
『大浴場』
１９：３０

＞「それに、あめっちのままでいいよ。ね、ゆかりん？」
そんな言葉を残して浴場に入っていったあめの後姿を見ながら、ほっと安堵の息を漏らす。
あめに続き浴場に入り、身体を流しているとあめが先客の存在を漏らした。
あめをリフレッシュさせる為に余り人のいなさそうな早めの入浴をしようと思ったのだが、あめのあの状態なら別に
人がいようがいまいが関係ないだろう。
「いやー、やっぱり日本人はこうやって肩まで湯船に浸からないとね〜。あめっちお湯足して良い？私、熱いお風呂
派なの。」
広い湯船に浸かりながら雅に語りかけていた。
湯煙の中、眼鏡を外した状態なので殆ど眼が見えていなかった。

『間違えて雅に声をかける』

>375>376
『大浴場』
19：30

ぼーっと湯船に浸かっていた猫田であったが、誰も来ないとばかり思っていた脱衣場の方で二人ほどの
人影を確認すると、少し驚いていた。耳を澄ましてその人影の会話を聞くと、どうやら小早苗と橘の両名みたいだ。
数時間前に彼女らとは刃を交えたばかりであったから、このまま顔を合わせるのは何処と無く気まずいような気がして
ならない。だが、かといってこのまま湯船から上がって脱衣場で顔を合わせるのもどうかと…
「どうしよう…」
顔を半分ほど湯船に沈め、どうしようかとあたふた考える。が、そうこうしている内に風呂場の扉ががらがらと開いてしまった。
>「何回見ても広〜い♪」
白い湯煙の向こうに動く影が二つ。言うまでも無いが、それは小早苗と橘のものである。
小早苗は人気の無い浴場にはしゃいでいるようだ。橘はそんな小早苗の後に続き、誰もいない洗面台を専有して体を流している。
直ぐに二人は体を流し終わり、湯船に浸かろうと此方にやってくる。
>「あれ？」
>「早いなぁ…って私達もだけど」
二人は此方の存在に気がついているようだ。決して向こうは此方の正体を知っているとは思えないが、いざ顔を合わせるとなると気まずい。
猫田はそそくさと、給湯蛇口がある湯船の端っこに移動しようとしたが…
>「いやー、やっぱり日本人はこうやって肩まで湯船に浸からないとね〜。あめっちお湯足して良い？私、熱いお風呂派なの」
「にゃっ！？」
自分の行く手を遮るように、 ざぶっと湯を掻き分けて橘が湯船に浸かった。更に、橘は湯船に浸かるや否や、蛇口に手を伸ばしていた。
既に周知の事実ではあるが、猫田は猫の妖怪である猫又だ。猫は猫舌という言葉に代表されるように、熱いのは苦手だ。
湯船に浸かって結構な時間が経過している。ぼーっとしていて自分の熱に対する限界を忘れていたので、二人がやってきた今になって熱が
猫田に襲い掛かってきた。そしてそれに追い討ちを掛ける様に、湯船に継ぎ足される熱湯。給湯蛇口に近いだけあって、直ぐにその周辺の
湯が熱くなっていく……駄目だ。視界が霞んで頭が朦朧としてきた。
「も、もう……駄目」
ばしゃっと派手な水飛沫を上げてその場に倒れる。そして、ぷかっと湯船に猫田は力なく浮いた…

『熱さの余りダウン。その場に浮く』

『職員寮・シュタインバクスの部屋』
20：30

シュタインバクスは廊下で擦れ違った同僚である教職員に対しての挨拶もそこそこに、そそくさと自室に戻るや否や、鞄をベッドの
上に放り投げてデスクの引き出しを開けた。デスクの引き出しの中には、分厚い鉄製の表紙をもった大判サイズの本が数冊程。
どれもが鉄製の表紙を黒錆で塗装されている。其の中の一冊を手に取り、『装備ファイル�ｂP』と紅い文字で刻み込まれている表紙を
捲り、ぱらぱらと透明なフィルムの項を捲った。フィルムの項には、幾何学的な紋様が綴られた長方形の札が何枚も収められている。
札に綴られている紋様は、全てシュタインバクスの装備を魔術文字式に変換したものであり、彼が言霊を唱えさえすれば瞬時に装備を
物象として顕現可能なのである。シュタインバクスは幾つもある札の内の数枚をフィルムから抜き取って懐に収めると、本をデスクに戻して引き出しを閉めた。
「…何時に無い重装備。これで私達が本気だという事を彼女たちに教えなければなりませんね」
何時に無い暗い表情で小さく呟くと、自室を後にして、同じく装備を整え終えていたマリネッタと合流した。
合流した二人は連れ立って職員寮を後にし、一路女子生徒寮へと向った。

『女子寮への道』
20：34

「対人外装備S4…最高火力を有する武装を選択なさるとは、シュピール、いざ戦闘となったら危険すぎるのではないのかしら？」
「ええ。ですが、これでなければ此方の力を分かって貰えないでしょう…」
対人外装備S4とは、文字通り人外を相手にする為の装備選択である。何れも携行する火器は強力なものばかりであり、最高火力を発揮することが可能である。
個人によって選択した重火器は異なるが、そのどれもが強力なものばかりであり、常人には扱うことが出来ないような大重量のものである。
「28ｍｍ漸減口径（ゲルリッヒ）砲であるsPZb41重対戦車銃にAMRのNTW−20ｍｍ、97式自動砲、ラティｍ/39、それとBarrett Model M95のロングバレルタイプ、
そして極め付けに最近支給されたばかりのＳｔｅｙｅｒ　ＩＷＳ ２０００…ちょっと大袈裟じゃないのかしら？私は戦車を相手にするつもりはないんだけど？」
「あくまでも威嚇ですよ。貴女は決して察知されることの無い遠距離から、威嚇としての狙撃を行ってください。28ｍｍの初撃で充分ですから…」
第二次世界大戦中にドイツ軍が採用したsPZb41重対戦車銃を、マリネッタは扱いやすいように改良して使用している。
本来ならば、sPZb41重対戦車銃は防盾と移動用の車輪が装着されており、外見的には小型の対戦車砲だ。
マリネッタは防盾と車輪を外し、更に機関部とグリップ、給弾システムに改良を加えてsPZb41重対戦車銃を巨大な対戦車ライフルに仕立て上げ、愛用している。
他にも、97式自動砲、ラティｍ/39なども大戦中の対戦車ライフルであり威力は申し分ない。これを対人戦闘に用いるのを想像すると、恐ろしい事である。
NTW-20やBarrett Model M95、Ｓｔｅｙｅｒ　ＩＷＳ ２０００といったAMR（アンチマテリアルライフル）も彼女が狙撃に用いる重火器であり、人間ならば一撃で肉塊とする。
「そういう私も、やたらめったらな重装備なんですけどね…初撃は実弾で、それ以降は衝撃弾で事足りるでしょう」
シュタインバクスは苦笑を浮かべると、マリネッタの先に立って女子寮へと続く道を歩いた。

『女子寮へ移動中』

>376>377
『大浴場』
19：31

紫の声に思わず振り向くが、紫は別の人物の声をかけている。
あめは苦笑して、紫に近付いた。
「私はこっち。もう、ゆかりんは眼鏡ないといつもこれなんだからぁ」
優しい声。暖かい微笑み。
あめっちモードにも、対人恐怖症気味だったあめにもない独特の雰囲気。
「さて、体でも洗おっかな…」
湯船から出ようと身を起こすと、湯煙で見えない方向から何かがやってきた。
「な、なにっ!?」
ビクつきながらも、恐る恐る目を凝らして、何がいるのか確認する。
それは、雅だった。
「み、みやびん!?あぁ〜、これは確実にゆでだこ状態ね」
たこではなく猫の物怪なのだか、そんなことあめが知る由もなく、あめは雅を抱き抱えると、タイルに寝かせた。
「まずは湯冷まししなきゃね。私見てるから、ゆかりんは何か冷たい飲み物買ってきてくれる？」
手団扇で雅の顔に向けて扇ぎなから、あめは紫に頼む。
いつもなら指揮は紫がするはずだか、今回は逆転していた。

『のぼせた雅を見ながら、紫に頼む』

>377>379
『大浴場』
１９：３５

隣で派手な水飛沫を上げて倒れたのに驚き、それが雅と知り更に驚く。
そしてあめの的確な指示に驚き感心しながらも、指示に従い脱衣所の自動販売機でポカリスエットを買ってきて
あめに渡す。
「ほいポカリ、その前に・・・」
脱衣所で眼鏡をかけてきた紫は眼鏡の曇りを拭きながら、雅が完全に気絶していることと他に誰もいないことを
確認して蔵陰の壷から形代を一つ取り出した。
「私の術はこういうこともできるのよね。形代依・熱移・・・」
藁人形の呪いは依り代を傷つけて対象者を傷つける。それができるのなら逆も当然できるのだ。
術により雅に篭っていた熱が形代に移される。
「これで湯熱冷ましはできたけど、水分補給と体力回復はできてないからポカリ飲ませて部屋に連れて行きましょ。
あめっち雅ちゃんの部屋ってどこだっけ？」

『治療して雅の部屋に』

>380は橘紫です。名前の間違い失礼しました。

>378
『女子寮への道』20:35

シュタインバクスとマリネッタが夜道を歩くその途中、夜風に鳴る葉の音に混じり、女の声が響く。
「･･･人間はより優れた人間によって正しき道を選ぶ・・・そこに幸福がある・・・
そして優秀な人間には、より弱気者達を守る義務がある･･･それゆえ支配する者は誰よりも優れていなければならない！」
最初は羽音に混じり聞き取ることのできなかったその声も、徐々に大きく、はっきりとなってくる。
最後には誰にもはっきりと聞こえる宣言となり、その言葉が終わると同時に九曜ケイトが何もない空間からその姿を顕した。
「はぁい、先生方。私の西洋魔導連合の標語宣言、いかがだったかしらン？選民意識に彩られた素敵な文句よねぇ。」
クスクスと悪戯っぽく笑いながら二人の前に浮かぶ九曜ケイトの手には二枚の仮面が握られている。
「あらあら、そんなに怖い顔しないでン。
そんな格好で女子寮に向かっているって事は、昼のリサイクルショップで起きた事を写したビデオは見てくれたのねン。」
九曜ケイトはリサイクルショップで行われた戦闘をビデオ撮影し、シュタインバクスに送っておいたのだ。
当然それで『敵』を確認し、戦いに赴いているのだろう。
「でも･･･先生？威嚇で済まそうなんて思ってなぁい？そんなんじゃ、逆にやられちゃうわよぉん？
やるなら倒す気でやらなきゃ、ねぇ。威嚇でへこむような･･いいえ、へこまされるような人間はこの先にはいないわぁン。
それから･･･この仮面をつけていってぇん。ビデオで確認できたのは『小早苗あめ』『佐伯茉莉』『橘紫』だけでしょう？
猫又やワーウルフは正体確認できていないのだしぃ、シュタインバクス先生は顔に特徴あるのだからぁねぇ･･」
頬に十字をなぞるようにしながらシュタインバスクの傷を指摘する。
「マリネッタ先生も･･･いくら後衛だからって戦闘結界内にいるのなら見つからないなんて思わないほうが良いわよねぇン。」
妖艶な笑みを浮かべながらシュタインバクスとマリネッタへそれぞれ仮面を投げ渡す。
そして「楽しませてねン。」という言葉と共に虚空へと消えていった。

『シュタインバクス＆マリネッタに情報提供して自室に戻る』

『真帆良湖底・研究施設』
20:20

ユミコ「はい。失敗です。言い訳しようがありません」
薄暗く、電子機器の並ぶ一室。
ユミコはひたすら、何かに謝っていた。
ユミコ「差し替えも仕方ないかもしれません。プログラムに過負荷がかかっていますから･･･」
口調にあまり明るさが感じられず、それに表情も芳しくない。
ユミコ「･･･はい。次に失敗した場合、彼女を新型と交換いたします」
そう言って、ユミコは話を終わらせた。
ユミコ（所詮はプロトタイプ兼テストタイプだということの証拠、か。この感情･･･親の気持ちなのかしら）
ふぅ･･･と溜息をつき、部屋を出る。
ユミコ「さぁ、寮に帰りましょん」
外で待っていた茉莉とキムに声をかけ、ユミコは歩き出す。
先程、指令部と交わした会話。
ユミコは内心、重苦しい気持ちになっていたのだが、あえてそれを隠す。
キム「寮って･･･俺は？店、シャッター壊されて帰るの怖いんだけど」
ユミコ「明日業者を装って修理に向かわせますから、我慢してください」
キム「トホホ」
がっくりと肩を落とし、キムは黙り込んだ。
ユミコ「茉莉ちゃんは、寮に帰ってゆっくりしてね」
茉莉「はい。マスター、声の波長パターンがいつもと違うのですが、どうかなされましたか？」
ユミコ「えっ？な、なんでもないのよ！」
茉莉の指摘に、ユミコは手を大きく振って誤魔化した。

『女子寮前』
20:30

研究施設から雑木林までの距離に、（無断で）建造した自動地下通路を通って、女子寮に到着した三人。
茉莉「じゃあ私は、部屋に戻ります」
ユミコ「おやすみなさぁい」
茉莉「はい」
キム「じゃな」
茉莉は女子寮に入っていった。
キム「･･･なぁ」
ユミコ「え？」
キム「お前の性格はあんま好きじゃねえけどよ、茉莉を想う気持ちは本当だと思ってる」
ユミコ「･･････」
キム「俺ぁ、単なる戦闘員だからよ。上が何考えてんだかとか、難しいことなんかわかりゃしねぇ。だかよ、馬鹿なことしたら、キレるぜ」
それだけ言うと、キムはリサイクルショップの方向に帰っていった。
ユミコ「茉莉ちゃんは確かに大切よ。でも･･･私は何より自分が大切」
溜息をついて、ユミコは寮に入った。

『茉莉、自室へ。
ユミコ、寮母室へ。
キム、リサイクルショップへ。』

ｱｹﾞ

>>380
『雅の部屋前』
19：50

小柄すぎると言えるほど小柄な彼女は手提げバックを持って
その膝まで届くツインテールを揺らしながら廊下を歩いていた。
「…最近…揺らぎが大きいの…。」
そのまま、歩いていると、階段を登るところで躓く。
｢またやっちゃったの……。｣
そう言い、立ち上がる。軽い打撲傷のようだ。

「直すの…ζ！」
歩きながら、人には発音できない言語を呟き、治療の為の光を出して
打った部分に当てながら歩く。

普段はかならず部屋に戻って、相方もいない時だけ術を使う。それ以外の時は術に使う力を隠蔽している。
しかし、最近は術に関する揉め事が多い為、多少ならその揉め事の
当事者に紛れられると思ったのだろう。…しかし、運悪く術者に遭遇してしまう。
手がほんの少しだが白く輝いているのに。

術者でなければ光の反射と思うかもしれない。
しかし、魔力探知をされればまず発覚する。
なので、術を解除しつつ別の話題で引き付けようとする。
｢大丈夫…？ぐったりしてるけど…」


『自らの治療→誤魔化そうとする。』

>379>380
『大浴場』
19：36

ポカリを飲まされ、少しばかり熱が下がって幾分楽になった。
猫田はそれがポカリ以外にも、橘の術の御蔭とは知らなかったが、それは今の彼女にはどうでもいいことだろう。
「…うみゅぅ……」
不意に情けない声が漏れてしまったが、それを自己嫌悪する余裕は無い。
女友達二人掛かりで猫田は脱衣場で着替えさせられると、そのまま二人に担がれて自室へと運びこまれた。

『二人に介抱され、大浴場から自室へと移動』

>385
『雅＆流の部屋前』
２０：００

「あいたたた・・・雅ちゃんって流れちゃんと同室だったっけ・・・」
雅を背負うあめと並んで雅の部屋の前まで来ると、流がいた。
頭一つ以上背の低い流を確認しながら苦笑いが漏れる。
紫の流に対する認識はクラス随一のオコサマ。身体的にも精神的にも、だ。
＞｢大丈夫…？ぐったりしてるけど…」
「湯あたりしたみたいだから連れてきたの。気がつくまで介抱するからドア開けて？」
手がぼんやりと光っていたような気もしたが、流に対する印象とこれからの介抱を考えていて、気に止まらなかった。
本当は部屋に寝かせたらお風呂の続きと行きたかったが、とてもではないが流が湯あたりして気を失った雅を介抱で
きるとは思えなかったのだ。
何もないところでよくこけている流に今の雅を任すのはさすがに不安だ。

『流に事情説明』

すいません、>387は紫です。

>>386　>>387
『雅＆流の部屋前』
20：01
「……うん。」
部屋には魔力を帯びてこそいないものの、人にあらざる者の文字で書かれた書物が数冊。
そして魔力を帯び、隠しにくい物を隠す為の閉鎖空間を持つ水晶球などがある。

水晶自体は魔力を隠蔽しており、この水晶が人の世界に知られているマジックアイテムでは無い為、
一見した、ただそれだけでそれとわかる事は無いだろうが…それでも一瞬躊躇した。

しかし、せっかく話題がそれたのにここで時間を置く訳にもいかないと言う事、
そしてぐったりした雅が心配な事もあって素直に空ける。
「今あけるの…。」

『頭の辺りにあるドアノブを下げ、扉を開ける。』

>382
『女子寮への道』20：37

>「はぁい、先生方。私の西洋魔導連合の標語宣言、いかがだったかしらン？選民意識に彩られた素敵な文句よねぇ。」
目の前の空間に突如として現れた女子生徒に動じる事無く、シュタインバクスは少しばかり冷ややかな瞳で彼女を見ていた。
「全く、独逸人にとってそういった嘗ての独逸を思い起こさせるような標語は大変好ましくないんですけどね。
まぁ、独逸人の多くはナチスアレルギー気味ですし、私も余り彼らは好きではありませんので…しかし、目を逸らすのはいけないことだとも思いますけど」
苦笑を漏らし、やれやれと首を軽く振る。
「さて、私達は貴女の思惑通りに動く事となってしまいましたよ…率直に言って、不愉快ですね」
ケイトから送りつけられてきたビデオは、是までの調査に対する努力を一瞬で水泡に帰す程の衝撃であった。
しかし、その反面では以前から目をつけていた生徒に対して確証を得ることが出来たのだが…

>「でも･･･先生？威嚇で済まそうなんて思ってなぁい？そんなんじゃ、逆にやられちゃうわよぉん？
>やるなら倒す気でやらなきゃ、ねぇ。威嚇でへこむような･･いいえ、へこまされるような人間はこの先にはいないわぁン。
「それはどうでしょうかね？本気の私達を相手にしようと思う青少年が、この学校に居るとは思えませんが…まぁ、居たら居たで手足の一本や二本を失って
頂くことになりますがね」
冗談交じりでシュタインバクスは言ってのけるが、その目は据わっていた。
「命まで奪おうとは思いません。ですが、死よりも辛い苦痛を与えてこの件から引かせるかもしれませんね」

>それから･･･この仮面をつけていってぇん。ビデオで確認できたのは『小早苗あめ』『佐伯茉莉』『橘紫』だけでしょう？
>猫又やワーウルフは正体確認できていないのだしぃ、シュタインバクス先生は顔に特徴あるのだからぁねぇ･･」
>頬に十字をなぞるようにしながらシュタインバスクの傷を指摘する。
「……」
頬の十字の傷を指摘されると、シュタインバクスの雰囲気が急激に変った。一気に場の空気が凍てついていく。
「…生憎ですが、私は顔を隠してことに当るつもりはありませんよ。此方も正体を明らかにしてやらなければ、相手に対して失礼ですし…
それに、何れバレることでしょう。早いか遅いかの違いですから」
これ以上は関わりたくない、とでも言いたげにシュタインバクスは話を切り上げ、さっさと道を進もうとする。

>「マリネッタ先生も･･･いくら後衛だからって戦闘結界内にいるのなら見つからないなんて思わないほうが良いわよねぇン。」
「………悪いけれど、さっさと消えてくださらない？先程から貴女の話し振りには虫唾が走りっぱなしだわ」
マリネッタもこれ以上は関わりたくはないらしく、シュタインバクスの後に続いていた。

>妖艶な笑みを浮かべながらシュタインバクスとマリネッタへそれぞれ仮面を投げ渡す。
「いらないと言っているでしょう？さっさと帰ったらどうですか？」
投げ渡された仮面をシュタインバクスは空高く放り投げると、懐から一枚の御札を取りだした。
そして言霊を吐くと、御札は一瞬だけ光り輝き、次の瞬間には彼が愛用している大口径拳銃のオートマグ�Vに変化していた。
シュタインバクスは顕現化させたオートマグ�Vで空中の仮面を撃ち抜いた。撃ち抜かれた仮面は空中で粉々に砕け散った。
「顔を隠して戦うなんて、正々堂々としていなくて宜しくないわ」
マリネッタもシュタインバクスと同じようにて顕現化させた愛用のモーゼルミリタリーで仮面を撃ち抜いて粉々にしていた。

>そして「楽しませてねン。」という言葉と共に虚空へと消えていった。
二人はケイトが掻き消えた空間を一瞥することなく、女子寮へと急いだ。

『女子寮へ』

>385-389
『女子寮内・廊下』
20:33

自室に戻るため歩いていると、あめ、紫、流、そしてのぼせてしまった雅がいた。
「どうかしたか？」
少し心配した様子で、茉莉はあめと紫に訊いた。
若干だが、雅の体温が他の三人より高いと感じる。
それより、茉莉のセンサーは雅を“人間とは違うモノ”と捉えた。
だが、敢えて口には出さず、あめと紫が背負っていた雅を軽く抱えた。
「部屋はここなのか？」
目線がほぼ一緒の流に尋ねると、答えを待たずドアが開いた部屋に入って、ベッドに雅を寝かせる。
「じゃあ、私はこれで」部屋を出、茉莉はまた廊下をてくてくと歩いていった。

『雅と流の部屋から遠ざかっていく』

>390
『女子寮周辺』
20:40

「女子寮周りのチェックかんりょ〜うっと！」
懐中電灯を持ち、女子寮外を見回っていたユミコ。
先程まで少し落ち込んでいたのは過去の話というように、今のユミコは明るい。
ふと、女子寮に近付いてくる人影を発見した。
懐中電灯を照らすと、それがシュタインバクスとマリネッタだとわかる。
「あら、先生方、どうかなさったんですか〜？」
シュタインバクスの顔面にライトを当ててしまっていることに気付かず、ユミコは二人に尋ねた。

『シュタインバクス、マリネッタに会う』

>391
『女子寮・廊下→雅と流の自室』
20：34

「茉莉先輩！待ってください！」
一応、学年は茉莉の方が上だ。
ここは、先輩後輩という関係を立てておいた方が無難だ。
「ありがとうございます。あの、少しご一緒しませんか？」
あめは、少しだけでいいから茉莉と話がしたいと思った。
「ながれんも、部屋に入れても大丈夫？」
ゆかりん、みやびん、そしてながれん。
クラスメイトにはみんな、そんなあだ名を付けている。

『茉莉、流、それぞれに訊く』

>389>391>392
『女子寮・雅と流の部屋』

流にドアを開けてもらおうとすると茉莉に声をかけられる。
茉莉と流。茉莉の方が身長は高いのだが、１６０ｃｍ近い紫から見ればどんぐりの背比べだ。
（同じ位の大きさなのにこれまで違うのって、ある意味すごいかも・・・）
二人を見比べながら、Ｗ.Ｒ.Ｆ.のアンドロイドである茉莉とクラス随一のオコサマの流。
口には出さないでいたが、まじまじと眺めてしまう。

軽々と雅を抱える茉莉に任せて、はじめてはいる流と雅の部屋を眺めていた。
「あれ、占い研究会にでも入っているの？」
机の上に置かれた水晶球に興味を引かれた紫は、指でなぞりながら流に尋ねる。
確か雅は日向ぼっこ研究会だったはずだ。
だが、その問いの返事も待たずにキョロキョロと部屋を見回している。
初めて入る部屋は色々と見回してしまうのは紫のサガなのだ。

そんな事をやっていると茉莉が部屋を出いき、あめがそれを引き止めるような声をかけている。
「そうそう、せっかくだし、お茶入れますから〜。」
昼に課題を数秒で片付けた茉莉の姿が脳裏に蘇り、慌ててあめの声に追随した。
せっかくここであったのも何かの縁。共闘関係結んでいるし、ここで友好度を増しておくとまた課題が出た、
時きお願いが出来るかもしれない。という打算に溢れた引止めであった。
部屋の住人である流に構わず勝手に台所に入り、お茶を用意し始める。

『勝手に台所でお茶を用意』

『女子寮２Ｆ自販機コーナー』20:40

「やぁねぇ。せっかく人が親切してあげたのに、ひどいわぁン。奇襲かけるのに正々堂々だなんて、よく判らない
拘りもっているのねぇ。そこがいかにも西洋式魔導連合らしくって笑えるのだけどねン。
とにかくぅ、やる気一杯みたいだしぃ。いそがなくっちゃン。」
小さく楽しそうに呟きながら自販機にコインを入れる。
シュタインバクスとマリネッタの前から術で自室に戻った九曜ケイトは自動販売機コーナーに来ていた。
これからの戦いの観戦のため、飲み物とスナック菓子を仕入れる為だ。
（事態はますます混沌としてくるわン。
正々堂々と戦う二人の先生、その結果もたらされるものは更なる混沌への加速・・・良いわねぇ
76年ぶりに現れた甲斐があったというものよぉん。）
噛み殺してもかみ殺せない笑み、というものだろう。
笑みを浮かべながら大量のスナック菓子と飲み物を抱えて歩いていく。

『女子寮自販機コーナーでお買い物』

>392>393
『女子寮・雅と流の部屋』
20:35

あめや紫に言われ、茉莉は流の返答を待とうとしたが、紫が部屋に入っていくのでそれに続く。
「では･･･失礼」
茉莉は部屋に入る。
部屋の作りが自分の部屋とほぼ同じなのだと、部屋を見渡して気付いた。
勝手を知っている紫は台所に向かう。
それについていく茉莉。
「お願いがあるのだが、その･･･お茶の煎れ方を教えてほしい」
紫がお茶の用意をする様子を眺めなから、茉莉は頼む。
「データベースの中には、それなりの情報がある･･･けれど、実践したことがない」
じーっと様子を見ている茉莉の頬は、赤らんでいるように見えた。

『お茶を用意する紫を終始観察』

『校内』
20:35

昼間の一件から数時間。
怪我人が数人と腹痛の生徒が一人来ただけで、何事もなくダンテは校医の職務を全うした。
「もう･･･セラードがいなくなっちゃったから、仕事が倍だわ」
肩を叩き、後片付けを終えて、保健室の電気を消す。
鍵をかけると、鍵を置くため職員室に入った。
「お疲れ様〜･･･じゃあ、私は帰ります」
残っていた教師達に挨拶をすると、職員室を出、教員用の玄関で靴を履きかえる。
校舎を出ると、何かを感じ、辺りを見渡した。
「見られてるわね･･･ヤだわ、生気を感じない」
監視する何かを感じるが、仕掛けてこないならこちらから向かう気にはなれない。
ダンテはそのまま、夜道を歩いていく。

『適当に道を歩く』

『女子寮・廊下→雅と流の自室』
20:36
>>391>>392>>393>>395
＞「部屋はここなのか？」
「…そうなの…。」
その様子を見て、言うとその様子を視線で見送る。
ただ、本能的に微妙にではあるが足が震えつつある
発覚を恐れているのか。
部屋を出て行った時点でも微妙な震えは止まっていなかった。
そこにあめの声が掛かる。
＞「ながれんも、部屋に入れても大丈夫？」
「大丈夫なの…。」
断っても怪しまれると思ったか。彼女は素直すぎるほど素直に受け入れる。
もちろん、当然緊張は最大限に近くなっている。

しかし、そこにトドメにも近い状態が生まれた。
＞「あれ、占い研究会にでも入っているの？」
よりによって、最初からマジックアイテムたる水晶球に興味をもたれ…
そこまではいいのだが、触れられてしまった。

水晶球は性質上、距離がある状態での魔力の探知はまず無理なのだが、
しっかり触れると、わかる人間には確実に解ってしまう位の、
相当強い魔力を帯びた品であることがわかってしまう。
もちろん、それだけの魔力を帯びた品。術者でも持っている人間は珍しい。
流石にそれ以上の特殊性については触ったとしてもそれだけではわからない位に隠蔽されているが。
…そして、指で撫でただけでは解るかどうか怪しい、五分五分…とも言えるが、それはあくまで普通の術者。
普通の術者より強い力を持った人間ならば確実…とすら言える。

それもあって、明らかに震えが目視すら無理とはいえないレベルになる。そして目に見えて焦っている。
「…あ…その…占いは…趣味で…研究会には入ってないの…」
言うまでも無く、研究会は部活。趣味の部類である。研究会と言うフレーズで
趣味でないなどと考えるのは術に多少なれども知識がある人間くらい。
そして、占い研究会に所属していないことは自体は調べればすぐ事実と解るだろうが、
その理由で嘘をついたとして、それ自体、今の彼女の態度と並行して考えれば、
極めて。とことん怪しい。

ちなみに、魔力の隠蔽はしている物の、明らかに彼女を疑って、
強い探知をかければ、何かがそれを阻害している事だけはわかるだろう。
同様の指向性の強い探知であれば、気の力や科学的探知を使ったとしても、
何かによって阻害されている事はわかると思われる。

『術者であることが発覚しかねない状況なので、怯えている。』

>393>395>397
『雅と流の部屋』

「じゃあ、お邪魔しま〜す」
紫と茉莉、流に続き、あめも入室した。
周りを確認して、ドアを閉める。
あめはそのまま、ベッドに向かった。
眠る雅の顔を見て、真っ赤だった顔色もだいぶ良くなっているのを見て、安堵する。
（良かった、みやびん）
優しい笑みを向けて、あめは思った。
あめは雅から離れ、台所に向かった。
「私も手伝うよ。何かある？」
用意をする紫をじっと眺める茉莉にきょとんとしながらも、あめは紫に訊いた。
「ねぇ、面白いこと考えちゃった」
何かを思いつき、思わず含み笑い。
小声で、紫と茉莉に話しかける。
「みやびんとながれんが、魔法使いと獣人だったら面白くない？」
あくまで仮定で、あめは自分が思っていたことを口にした。
「それでそれで、五人でチーム組むの。術の系統も種族の垣根も飛び越えて、ね」
あめの言ったことは、あくまで思いつき。
雅や流が何者なのか、知っているわけではない。
楽しげに笑って、あめはそう話した。

『二人に話しかける』

>395>397>398
『雅と流の部屋』
２０：４０

＞「お願いがあるのだが、その･･･お茶の煎れ方を教えてほしい」
「ひ、ひぇ！？」
そそくさとお茶を入れようとしていると、茉莉から突然声をかけられて返事が変になってしまった。
適当にお茶っ葉入れてお湯注ぐだけ、な紫なのに『煎れ方』等といわれてしまっては返答にも困ってしまう。
終始観察されていてもやりにくいが、これからの友好関係（課題代行依頼）を考えると下手な対応もできない・・・
「え、、えっと、米は炊き方お茶は煎れ方・・・あめっち、お願い！お茶淹れて。茉莉先輩、実地であめっちがするから見ててね。」
手伝う事ない？と言いながらキッチンに来たあめとこれ幸いといわんばかりに立ち居地を代わってもらう。
愛想笑いをしながら話をしているとあめが唐突に術系統や種族の垣根を飛び越えてと囁く。
Ｗ.Ｒ.Ｆ.との共闘関係成立の影響でロールプレイングゲームのように仲間を増やしていきたいと思い始めたのだろうか？
それにしても、流が魔法使いで雅が獣人・・・
「ん〜〜、悪くないかもしれないけど、人選がねぇ。この部屋の二人が術者関係はありえなさ過ぎじゃない？」
湯あたりして伸びてる雅と部屋でおろおろしている流。この二人を戦力に、といわれれば笑い話にしてもありえなさ過ぎる。
あめの提案を一笑にふしてキッチンからでた。

「流ちゃんゴメンねー。なんか押し掛けちゃって。自分の部屋なんだしそんなオロオロしてないで、お茶出るまでゆっくりしてようよ。
雅ちゃんは寝てるんでしょ？」
人の部屋だというのにまるで遠慮というものをしない紫。
かといってお茶が出てくるまで二人で無言、というのも間が抜けているので、頭の中で何か話題を探す。
「そうそう、さっきあめっちがね、流れちゃん魔法使いだったら面白いかもーだって。
さっきの水晶球みてファンタジーな想像力膨らましちゃったみたいねー。
そうそう、占い！してみてよ。趣味なのにあんなの持っているんだし、結構本格的なこと期待しちゃうよ？
魔女の流ちゃん力の片鱗見せて頂戴な！」
笑いながら流の頭をポンポン撫でながら水晶球の前に進む。

『流に占いを依頼』

ココナ阻止

>399
『雅と流の部屋』
20：40

選手交代とばかりに紫は台所から退場。
流と談笑しているようだ。
「別にながれんが魔法使いだなんて言ってないけど…まぁ、みやびんは小動物みたいだから、かな？」
小さいのは流のほうだが、雅のほうがマスコット的。
流も充分可愛いが、雅とはまた違った可愛さだ。
「まぁ、あくまで私の思いつきだし…あ、お湯沸いたみたいだし、お茶いれますね」
紫がやかんを火にかけるまで用意していた。
あめは、適量の茶葉、急須と湯呑みは先に温めておくことなど、説明をあわせてお茶をいれていった。
「だいたいこんな感じかな。私もこのお茶缶に書いてあった『美味しいお茶の煎れ方』を参考にしただけですけど」
缶を見せてあめは言う。
湯呑みをお盆に乗せ、台所を出た。
「できましたよ〜」
一応、雅が起きたときのために、五人分のお茶を持っていき、テーブルに置いていく。
「なになに？なんの話？」

『輪の中に入る』

-----------------------------------------------------------------
…彼女の能力の一つ、占術。これは断片的なれど、将来の情報に近付く物。
しかも、俗世に占いと言う形で出回った、玉石混合の情報になどよって、
正真正銘本物と呼べる物を身につける人間は相対的に減ってしまっている。

それでも本物の占術を身につけている人間はある程度は居るものの、
そのほとんどが基本的に何らかの流派団体に属している。
しかもその流派団体から協力を得たとしても、
術そのものについての技術情報が漏れる事は少ない。

更にスパイ、買収…の類に対しても、単独で特定するのは簡単でないが、
集団で占術を行えば、事前に発覚する可能性は低くないのだ。
もちろん、強硬手段で拉致などに出る場合もありえるが、
そういう流派団体はそれに対抗する事も考えており、
占術の恩恵たる未来の情報を与える代わりに守ってもらう形での、
同盟を持ちかける事も少なくない。もちろん、依頼された側も
隙あらば技術を習得せんと考えている事も多いが。

そういう背景から、占術を修得している人間で、組織、流派団体に属さず
単独行動をする者というのは、言ってしまえば手軽に狙えるカモに近いのである。
ゆえに、単独行動をする者は極端に強力な術者でもある場合が多い。
それこそ、一人の動きで組織間のパワーバランスすら変えうる程の。

しかし、彼女の場合そこまで大それた力など持ち合わせていない。
だから発覚する事で狙われる可能性は当然高い。
もちろん彼女の場合、二人に狙われる事を恐れている訳ではないが、
それでも情報というのはどこからどう広まるかわからないもの。
なるべく隠そうとするのも、けして不思議ではない。
------------------------------------------------------------------

>>399 >>401
『雅と流の部屋』
20:42

3人がキッチンに行ってからも、彼女は震えていた。
占術技能者だと発覚する事は術師としての発覚とは質が違う。
水晶球の事やその他の事を聞かれても、何とか落ち着いて
誤魔化し通そうと思ったが、今の彼女の精神状態ではもはや無謀。
などと考えている途中で声が掛かった。
＞「流ちゃんゴメンねー。なんか押し掛けちゃって。自分の部屋なんだしそんなオロオロしてないで、
＞　お茶出るまでゆっくりしてようよ。雅ちゃんは寝てるんでしょ？」
正直、驚いた。…この状況なら、震えてるけど寒いの？大丈夫？など、
答えに詰まる質問をされると思っていた。しかし、こういう形ならば
自然であると共に、楽になりすらする。
「気にしなくて良いの。…多分そうなの…。」
少し声が落ち着いて来た。もちろん心も。そこに…
＞「そうそう、さっきあめっちがね、流れちゃん魔法使いだったら面白いかもーだって。
＞さっきの水晶球みてファンタジーな想像力膨らましちゃったみたいねー。
＞そうそう、占い！してみてよ。趣味なのにあんなの持っているんだし、結構本格的なこと期待しちゃうよ？
＞魔女の流ちゃん力の片鱗見せて頂戴な！」
普通なら、何とか誤魔化そうと考えるだろう。しかし、ここで考えてしまった。
妙に気になったのだ。占い師。でなく、魔女。と言った事が。
(今日の私は致命的なミスばかりしてるの…。普通なら、気付いてて当然なの…。……もしかして…。
気付いている上で占術師じゃなくて普通の術師として…？)
根本から誤解であるし、理屈としても穴だらけである。しかし、
今の彼女にそこまで気付くほどの余裕はない。
そこで、頭を軽く撫でられる。それが彼女に最後の一押しを与えた。


震えが完全に止まった。そして、立ち上がる。
「わかったの…。ちょっと準備させて欲しいの。
　後…出来るだけ秘密にして欲しいの…。」
そのまま、水晶球に近付き、それを手にとって机に移動させる。
…その後、どこから取り出したかは見えなかったが、一見するだけでどう見ても
呪符以外の何物にも見えない紙４枚を取り出し、部屋の四隅に貼る。
ただ、文面をしっかり見れば…魔力の隠蔽と転移封じの為の呪符とわかるだろう。

その後、髪飾りに触れて念じる。…と、今まで隠蔽されていた
彼女の魔力が探れば感じられるようになる…と共に、彼女の周囲の
空気そのものが清んだ水のような雰囲気になっていく。

最後に、元々置いていた何重かにされた布をおき、その上にその水晶球を置きなおし、
目を瞑って両手をかざし、念じる。…月の光に似た淡い光が水晶球より漏れ出す。
そこであめの声が聞こえる。
＞「なになに？なんの話？」
「占い…するの…。」
そう答えると、紫の方を向いて。
「…先の運気でいい…？」

『図らずも絶妙の対応だったようで、色々な周囲の状況を失念してはいるが術師としての力を見せ始める。』

>399>401>403
『雅と流の部屋』
20:42

紫がそそくさと出ていくのを見て、茉莉は自分が無理強いしていたことに気付く。
（･･･日本人だからといって、誰でも煎れられるものではないのか）
臨機応変に、気楽にするということを、知ったような気がする。
交代したあめは、丁寧に教えてくれた。
茶を注ぎ終わり、あめの後ろについて台所を出た。
テーブルに置かれた湯呑みを取り、一口すする。
「･･･おいしい･･･」
思わず口に出してしまった。
今までの茉莉は、飲食はただのエネルギーの補充。
何も考えずただ規則的に物を口に運んでいただけ。
だが、今の茉莉は違った。
（ありがとう）
微笑んで、心の中でそう呟いた。
湯呑みを置き、茉莉は流を見た。
（占い･･･予知か。先見の力は、マスターも持っている。だが、未来を観ることは、あまり好んでいない。
私はどうする？何故、彼女が何かの術者かもしれないと二人に教えなかった？･･･教えたくなかった？）
流が何らか能力を保持していることは探知していた。
だが、茉莉は、雅の時と同様にそれを口にすることはなかった。
湯呑みを握りしめ、茉莉はそのままじっとしている。

『黙って行く末を見守る』

>401>403>404
『雅と流の部屋』
２０：４２

流が部屋の四隅を回ってなにやらした後、あめに流、茉莉。そして紫の四人でテーブルを囲み、流の占いが始まる。
「思った以上に本格的ねー。でも秘密って、占いくらい・・・い・・い・・じゃ・・・ない？」
笑いながら話す台詞が途中で止まってしまった。
水晶球を前にした流の雰囲気がいきなり変わったのを感じたのだ。
いや、雰囲気だけではない。部屋の空気まで変わったように感じた。
＞「・・・先の運気でいい・・・？」
「う、うん・・・」
光の漏れ出す水晶球を前にした流はさっきまでの流れとは確実に違う。
余りの変わりように返事も頷く程度しかできない。
知覚能力の低い紫にも感じられる流れからあふれ出す魔力。
あめの笑い話から始まった話だったが、どうやらそれは現実のものだと身体が理解する。
気功術を使い気を感じられるあめや、キム曰くセンサー機能のついている茉莉なら確実に気付いているだろう。
どこの組織に属しているかはわからないが、確実に『こちら側の人間』だ。だが、敵意などは感じられない。
そっと二人の表情を見てから、光を溢れさす水晶球とそれに手をかざす流を見つめる。

『流を術者と認識。成り行きを見守る。』

>403>404>405
『雅と流の部屋』
20：43

あめは、唖然としていた。
（言ったこと、当たっちゃった）
あめには気による探知能力や勘の鋭いところがあるが、これが当てになるとは限らない。
現に、あめは流のことを感じてはいなかった。
昼間の時のように、精神を統一し、気を張りつめて目標を探すわけではない。
それに、通常のあめはどんな電波でも受信してしまうラジオのようなもの。
女子寮やその近くでも、呪術者、魔術者、アンドロイド、サッキッカーなど意識するば雑音のように察知してしまう。
まだ、完全に把握できるようになるには修行を必要とするだろう。
（私はまだまだ未熟。けど、この世界じゃ、そんな言葉通用しないんだもんね）
ダンテに言われたことを思いだし、あめは拳を作った。
足手まといにはなりたくない。
あめは強く思った。
（ながれんは敵じゃないと思う。けど、私達を警戒して、攻撃してくるかもしれない）
流の行動を、真剣に目で追っていく。
（私は、ながれんを信じるよ。だって、友達だから…）

『流の行動を観察』

>>404>>405>>406
『雅と流の部屋』
20：48

三人ともに注目されているのはわかっている。
…しかし、そのまま目を瞑って手をかざしたまま、術を進める。

水晶球が空に浮き、そこに更なる力が集中し始める。
途中で、淡く、神秘的な。しかしけして悪意のない光が
紫目掛け発せられる。

少し経った後に水晶の光が落ち着いてから、普段とは違う、自信の混ざった声を発する。
「今日は周囲の状況が大きく動く日なの…多分今夜、これからまだあなたは厄介事に関わるの…
でも手におえない程の厄介事じゃないの…それに厄介事だけじゃなく、得る物も少なくないの…。

明日はちょっとした偶発的な幸運と、必然的な不運がある日なの…
後、最近あった事が強く心に残るかもしれないの…。

…でも占いを元に慢心すると、結果は変わる事もあるの…。くれぐれも気をつけるの…。」

言うと、目をあける。
「ふぅ、久々に自分以外の人を占ったの…」

『紫を占って、結果を言う。』

前回から五日経ったのでｱｹﾞますよ

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　　lO|o―o|O゜.|二二二 |.|小倉第一病院　.| 　　　..　　　　 lO|o―o|O゜.|二二二 |.|東京精神病院　.| 　　　.
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名前：アイリーン・カナーバ
身長： 163
外見特徴： 金髪おねえ
血液型： A
学年・クラス： 3-A
好きなもの： 納豆
嫌いなもの： 梅干
所属： まんこ
特殊能力（注）： あｓｄｆ
性格： あｓｄｆ
備考： あｓｄｆ
注・特殊能力は一つだけです。具体的に書きましょう。

>407
『雅と流の部屋』
20：49

占いが終わり、あめは息をつく。
そして、明るい笑みを見せた。
「すごいね！ありがとう、占ってくれて」
礼を述べ、あめは紫を見た。
「ゆかりん、茉莉先輩、ながれんは自分が身を危険に晒してまで、私達に手の内を見せてくれた…」
等価交換。
あめは、自分達の正体を明かすつもりだ。

『強い眼差しで二人を見る』

>407>411
『雅と流の部屋』

神秘的な光のもとなされる占いに聞き入っていた。

＞「今日は周囲の状況が大きく動く日なの…多分今夜、これからまだあなたは厄介事に関わるの…
＞でも手におえない程の厄介事じゃないの…それに厄介事だけじゃなく、得る物も少なくないの…。
＞明日はちょっとした偶発的な幸運と、必然的な不運がある日なの…
＞後、最近あった事が強く心に残るかもしれないの…。
＞…でも占いを元に慢心すると、結果は変わる事もあるの…。くれぐれも気をつけるの…。」

先の事はわからないが、前の事は当たっている。
これだけの魔力、本物と考えて間違いないだろう。
未来は不特定因子により構成されるので、確実な予言はない、が、その流れを読み取り一つの強い可能性である未来は
占いという形で予知される。
これからの厄介事と幸運と不運。因果の定めによって起こる可能性が高いことなのだろう。
その占いの結果の重さを受け、紫はごくりとつばを飲む。
だが、だからといってここでどう動けるわけでもない。適当に茶を濁して退散するほうが良い・・・

＞「ゆかりん、茉莉先輩、ながれんは自分が身を危険に晒してまで、私達に手の内を見せてくれた…」

そう思っていたが、あめに機先を制されてしまう。
強い眼差しのあめを見ればもうため息をつくしかない。昨日までのあめでないことを改めて実感する。
本当は自分の正体や手の内を進んで見せるのはある意味致命的なことだとは思うが、止まらないだろう。
「はぁ・・・あめっち・・・仕方がないな・・・そんな目で見ないでよぅ・・・雅ちゃん寝てるって言っても、ここじゃまずいでしょ。」
そう言いながら胸元にぶら下がる蔵陰の壷から結界用の符を取り出す。
「流ちゃん、アリガト。知らずとはいえ悪い事しちゃったね。正体暴き立てるようなことになって。
お詫びに私たちからもちょっとしたものを見せてあげる。茉莉先輩、勝手にゴメンネ。」
そう言うと流の肩に手をかける。結界の中に強制的に引き釣り込む為だ。
結界の符を発動させた。

『正体を明かすために戦闘用結界発動・平行世界へ』

『雅と流の部屋』
20：50
>>411>>412

>「すごいね！ありがとう、占ってくれて」
>「ゆかりん、茉莉先輩、ながれんは自分が身を危険に晒してまで、私達に手の内を見せてくれた…」
素直にお礼を言われてしまった上、その発現自体向こうも手の内を明かすという事の証明…
とも言える発言である。その言葉は彼女をかなり安心させた。

＞「はぁ・・・あめっち・・・仕方がないな・・・そんな目で見ないでよぅ・・・雅ちゃん寝てるって言っても、ここじゃまずいでしょ。」
　　そう言いながら胸元にぶら下がる蔵陰の壷から結界用の符を取り出す。

＞「流ちゃん、アリガト。知らずとはいえ悪い事しちゃったね。正体暴き立てるようなことになって。
　　お詫びに私たちからもちょっとしたものを見せてあげる。茉莉先輩、勝手にゴメンネ。」
「秘密にしてくれれば別にいいの…。後、ちょっと待って欲しいの…」
髪飾りに降れ、魔力隠蔽の力を作動させてから少し呪を唱える。
…先ほど貼った隠蔽の呪符が掻き消える。その後、水晶球に触れてから呟く。
「証拠を残したら面倒になりそうだったの…」

そのまま、当然ではあるが抵抗などせず、並行世界に導かれるまま行く・・・

>411>412>413
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:50

「小早苗さんは、大切な友達がいるから敗けられないと、言った」
突然、茉莉は話し出した。
初めて言う「小早苗さん」という苦戦しながら。
「戦った時は、それがわからなかった。だが、今はその意味がわかる」
キムとの約束。
生まれた感情を受け入れ、人間に成りきれない機械として生きることを選んだ。
生きたいと思う感情が、キムとの約束をより活性化させるのかもしれない。
「小早苗さんは、橘さんも、そしてあなたも、信頼し大切な存在だからそう言い出せたのだろう」
紫と流を見て茉莉は言った。
その茉莉の表情は人間らしい。
「そう･･･大切なものがあるから戦うのか」
思い出した、圭吾の一連の出来事。
「昼間戦ったモンスターの男は、自分達の世界を取り戻すために戦っていた。彼にとってこの世界は大切で、今生きる人々もこの世界が大切で、どちらとも必要としている」
だから衝突するのだろうか。
茉莉は考える。
「大切なもののために戦う。だから、どの勢力も、誰もがぶつかることになる･･･」
協力関係が無くなれば、あめや紫とはまた敵になる。
戦いたくないと、茉莉は思ってしまった。
戦うことが茉莉の役目だというのに、戦わなければという感情と戦いたくはないと感情が、葛藤している。

『頭を押さえ、急に黙り込む』

『中央広場』
20:50

適当に道を歩いたが、ダンテに向かう視線ような感覚は無くなることはなかった。
「諦めてくれないわね〜･･･」
頭を掻き、周りを見渡せる広場の真ん中で立ち止まった。
人目を気にせずイチャつく制服姿のカップル、酔っぱらったサラリーマン、広場にいる者達から感じられない。
「“今宵この場に居合わせた者、立ち入ることを禁ずる”
“この場を出るその瞬間から、我の声と姿忘れよ”」
一つ目は、中央広場にいる一般人達を遠ざけるもの。
二つ目は、その一般人達の記憶を薄らせるもの。
ダンテの声の魔術は、声の届く範囲なら人数は関係ない。
ダンテが認識し思ったことを魔力を含む声によって、人や物質に干渉し実現させる。
発声しても実現不可な有り得ないものや、声が届かなかったり掻き消されてしまえば効力は発揮されない。
使用するにしても喉が潰れる危険もあり、一回の戦闘で10回の発声が彼女で限界である。
現在２回。
（待つのは嫌いなのよね）
人はいなくなった。
ダンテは相手が出てくるを待たず口を開いた。
「“死して尚動く屍よ、我の前に姿現せ”」
三回目。
これは、昼間の戦闘であめ達を呼び寄せたものとほぼ同じである。
木の枝の陰から何かが素早く動き、飛び出してきた。
それは、黒い装束に身を包んだゾンビ。

「額に呪符は無し。忍者だからキョンシーかと思ったけど跳屍送尸術ではない。これは、ネクロマンシーね」
忍者ゾンビを見て呟く。
術の効力はすぐに切れるであろう。先程の動きから、速さは相当なものだとわかる。
効力が切れた忍者ゾンビは、だらしなく持っていた鎖鎌の鎖を回し始めた。
（動きを封じる？駄目だわ、先に動かれたら素早すぎて声は届かない。それに鎖を回す音に掻き消されるかもしれない）
鎖の先の鉄球が飛んでくる。
ダンテは後ろに跳んでそれを避ける。
（なら近付いたところを狙うしかないか）
続く鉄球の攻撃を、ダンテは避け続け、機を窺う。
そして投げられた鎖をかわし、一気に距離を詰めた。
「“荒れ狂う風”」
四回目。
空気に干渉し、鎖鎌を持つ手に向けて突風を巻き起こす。
持っていた鎖鎌は吹き飛ばされる。
ダンテは忍者ゾンビより先に腰にかけた刀を抜き取り、忍者ゾンビの胴体を一刀両断した。
忍者ゾンビは二つになってその場に崩れ落ちた。だが、ダンテの足下で忍者ゾンビはもがくように動いていた。
「死んでしまった後でも、生きることを強要された可哀想な人」
忍者ゾンビを見下ろして、ダンテは言った。
「“灼熱の業火”」
五回目。
空気中の酸素に干渉し、高い濃度の酸素が忍者ゾンビの二つの肉体を包み激しく燃え上がる。
忍者ゾンビは灰となった。
「“舞い上がる風”」
六回目。
忍者ゾンビだった灰が空に勢い良く吹いていき、そのまま流れていった。「ベアトリーチェに逢えて天国へ行けることを願ってるわ」
灰に手を振ると、ダンテは歩き出す。

時間合わせのため修正
>396
20:35→21:05
>415-416
20:50→21:10

『コンビニ前』
21:15

忍者ゾンビを倒し、ダンテは休む間もなくコンビニに向かった。
ダンテはコンビニである物を買って、出てくる。
袋には六本の栄養ドリンクが。
ダンテは袋から栄養ドリンクを取り出すと、飲みだしていく。
一分も経たず、六本の栄養ドリンクは空になった。
「これで、もう一戦くらい保つかしら」
朝方の上からの命令。
それに加え、ダンテには元々の命令がある。
それは、無所属の者や独自に動いている者の監視だ。
ケイトのように向こうから寄ってくるということはそうない。
現に、流がそうであることを知らないし、魔導連合から抜け独自にW.R.F.と組んだ隆一も知りはしない。
（あのゾンビ･･･何かしら。跳屍送尸術ではないから亜細亜呪術結社は違うし、ソッチ系のケイトちゃんも外れる。
私みたいに魔術を使えるモンスターズユニオンの者がネクロマンサー･･･私を狙う理由がわからないわ。
なら、W.R.F.？フランケンシュタインの怪物ならそれっぽいけど、ユミコなんかが真っ向から否定してきそうね。
残るは西洋式魔導連合と無所属。でも、二つともまだその存在を確認してないから、確証は持てない･･･）
考えても仕方ないと、ダンテは考えるのをやめた。
栄養ドリンクのビンと袋を捨て、ダンテは歩き出す。
（ケイトちゃんを見てれば嫌でもわかるでしょ。あの子、何でも首突っ込みそうなタイプだし）
向かう先は女子寮。
ユミコにケイトの部屋を聞くためだ。
（朝になれば、あのお巡りさんが教えてくれるでしょ･･･ていうより、私の術の効き目は24時間てトコ。術をかけた時間より前に聞かないきゃ意味無いわ）

『女子寮へ』

『コンビニ』
21:10

店の自動ドアが開き冷えた空気が外に流れた。
「いらっしゃいませ…」と店員の元気のない挨拶で迎えられたのは、眠そうな表情の遼太郎だ。
ヘッドホンで大音量で曲を流しているため、店員の声も耳に入っていないに違いない。
そして、店に入ってそそくさと向かった先は文房具類コーナー…ではなく、窓際にある雑誌コーナーだった。
無造作に手にとった『高校デビューのすすめ』という本を黙々と読む。
「―――はっ！危ない危ない…ついいつもの癖でまるで当然のように立ち読みをしてしまったのう。習慣というものは恐ろしいものじゃな」
呟きの後に、不意に自動ドアが開き、一人の女性が入ってきた。
その人物を確認するや否や、すぐさま隣の棚へ隠れる。
「（ダンテリエール・ウェンライト先生。通称ダンテ先生。スリーサイズは上から……ってそんなこと考えてる場合じゃないのう。こんな時間にコンビニに何のようじゃ？）」
ダンテは栄養ドリンク類が大量に置かれている場所へ行き、5,6本ほど大量に抜き取ると一直線へレジへと向かっていった。
「（栄養ドリンク…？なんかの夜勤じゃろか？）」
会計をすませ、そのまま外へ。
「（こちらファング1…敵を追跡する！）」
これは何かのスクープになると考え、それを追う遼太郎。
遼太郎が自動ドアの前に差し掛かったとき、ダンテは立ち止まり、袋を開け栄養ドリンクを一気に飲んでいった。
一本を飲み干すと、また次のフタをあけて飲んでいく。
それを繰り返しているうちにとうとうすべてを飲み干してしまった。
「これで、もう一戦くらい保つかしら」
ガラス越しでもはっきり聞こえる声でそう呟いたダンテ、それを聞いた遼太郎はプルプルと震えている。
「（もう一戦…？ま、まさか。否、否、否ぁぁ！）」
ゴぁ、と唸る遼太郎の鼻からは鼻血が一筋、そして鼻血を盛大に噴出し昏倒。

『遼太郎。コンビニの店員に発見されるまで気絶』

『女子寮周辺』20：40
>391
>「あら、先生方、どうかなさったんですか〜？」
「いえ、別に大したことではありませんよ…」
シュタインバクスは顔に当るライトの光に眩しそうに目を細め、手で遮った。
「すみませんが、ユミコさん、１−Kの小早苗あめと橘紫、２−Dの佐伯茉莉の三人の生徒を呼んでくれませんか？
色々と学校生活についての話があるので…いえ、別にそんなに時間は取らせませんよ」
シュタインバクスはユミコのそう話を切り出し、彼女に三人の女子生徒を呼んでくるよう頼んだ。
本来ならば、ユミコやその他の人間に気付かれる事なく寮に侵入し、三人に直接接触してこの件から手を引くよう
警告を促すつもりであった。それで了解を得られなければ、場所を変えて平行世界に移動し、『直接的な説得』を試みるつもりであった。
しかし、ユミコと出会ってしまうとは予想外のことであった。
（予定が少し狂いますが、仕方がありませんね…）

『ユミコに小早苗、橘、佐伯を呼んでくるよう頼む』

>417>418
『コンビニ』
２０：１１

コンビニ店員・市井まもり。
２１歳。彼氏無し。
至って普通の女性。
ただ、亜細亜呪術結社に所属するいたこだということを除いては。
「はー・・・１２時間労働は、流石に堪えますね」
朝９時から夜９時までずっと彼女はコンビニ勤務。
「いらっしゃいませ、こんばんは。栄養ドリンクが６本ですね」
やってきた客。
買う商品に気になるわけでもなく会計を進めていく。
「ありがとうございましたー」
店に残っているのは、ヘッドホンで音楽を聞いている少年。
いたこというのは盲目が多く、彼女も目が悪い。
栄養ドリンクを買った女性が店を出ると、彼もそれを追うようにドア越しに聞き耳を立てている。
そして、勢いよく鼻血を出して倒れた。
「だ・・・大丈夫ですか！？」
驚き駆け寄る。
よく見ると、見覚えのある顔
「高田くん・・・」
同じ民宿「まほら」に住んでいる遼太郎だった。まもりはティッシュを取り出し、遼太郎の鼻に詰める。
客が来る様子もない。
店長はレジの奥。
まもりは札を取り出すと、印を唱え、式神・光鬼を呼び出した。
光鬼は、まもりに似た姿をしている。
「光鬼、この人を民宿に運んであげてください」
光鬼はニコッと笑うと、遼太郎を担ぎ上げ、コンビニを出ていった。

『式神を遣わせ、遼太郎を民宿「まほら」へ送る』

>413>414
『雅と流の部屋（平行空間内）』
２０：５０

平行空間内に移ると、早速蔵陰の壷から弘法の筆と巻物を取り出す。
「まあ、ここまでやったら丸判りだと思うけどね。私たち三人は流れちゃんと同じような力を持っているの。
系統は違うけど、ね。私は仙術八洞統十二系統の一つ厭魅厭勝術の使い手なのよ。見せた方が早いからやっちゃうね。」
そういうの流の目の前で巻物に絵を描き、短く口訣を唱える。
すると描かれた絵が小さな人形となって実体化して流にお辞儀をする。
「類似と共感という基本法則に則った呪詛と祝福を得意とするわ。」

どうも雰囲気からして流は学園地下の秘密を探る者ではなさそうだ。
そのことを話す必要もないし、戦闘用の術を見せることもない。正体を明かすとするならこれで充分だろう。
本物の『占い』は貴重な情報源だ。戦闘能力以上に貴重であり、あめと同じように協力者として仲間に引き込みたい。
通常どこかの組織に属している『占い』の能力者には必ずガードがつく。このように呑気に戦闘用結界に誘われるという事はありえない。
このことから流がどの組織にも属していないという事は察しがついた。
だが、『占い』という能力を有すると言う事がどういうことか、紫にはわかっている。
その重圧に更に戦いや使命というものを上乗せをするような真似はできない。
他組織に流の身柄をとられ、という危険性もあったが、どうしても仲間に入れたいという気分になれないのは、先ほど浴びた神秘的な光の
せいだろうか？
仲間に入れる、という事はそのまま戦いに巻き込むことに直結する。
コミカルな動きを見せる実体化した人形を見ながら自嘲にも似た笑みがこぼれる。
何も考えず先ほど話したあめの笑い話をそのまま話せたらどんなに楽なものか・・・

＞「大切なもののために戦う。だから、どの勢力も、誰もがぶつかることになる･･･」
隣の茉莉の呟きにギクリとしながら話しを打ち切り、頭を押さえる茉莉を見る。
「ま、茉莉先輩？体調悪いの？ちょっと横にならない？」
流の相手をあめに任せて、茉莉をいざなう。
亜呪亜呪術結社は陰陽思想に基づき、均衡の取れた混沌たる世界を認めている。
他の勢力のように、地下の力の秘密を探り、利用して他勢力を滅するという考えはない。
その考え方は他者との共存をはかれる様に思えるが、茉莉が『戦う為に作られた存在』であることを知っている今、紫にはかけるべき
言葉がなかった。
共存という言葉は茉莉の存在意義自体を消しかねないからだ。
紫も術の性質上、『目的だけの為の存在』を作る事がある。
だが、それが自我を持った時、造物主たる者は、そして被造物たるモノはどうすれば良いのだろう。

Ｗ.Ｒ.Ｆ.との共闘関係や、流の雰囲気に飲まれ忘れかけていた『何か』が鮮明に引き戻された気分だった。
亜細亜呪術結社の使命。学園地下の秘密。紫自身の存在意義。
無意識に髪を結い上げるバレッタに手をやっていた。

『茉莉をソファーに誘うが、かける言葉が見つからず』

>421
『女子寮周辺→寮母室』
20:45

シュタインバクスの頼みに、ユミコは一瞬だけ眉を顰めた。
だが、相手に悟られまいとすぐさまいつもの表情に戻る。
「小早苗さんに、橘さんに･･･茉莉ちゃ、いえ佐伯さんをですか？」
三人の名前に、声が震えた。
あめと紫を含め、圭吾、雅を思い起こす。
昼間、茉莉が校舎に行った時、キムと同行させるのを心配してユミコは密かに茉莉達を追っていた。
その際、あめと紫、そして圭吾と雅を知る。
そして、圭吾と雅が姿を変える現場を目撃した。
何かあると思い監視を行っていると、茉莉とキム、そしてあめと紫がいたリサイクルショップであの出来事が起こる。
獣姿になる前の二人を、ユミコは見ていたわけで、リサイクルショップから出来事を見ていたわけではない。
あめと紫に関しては協定の件があったが、圭吾と雅については予想外だった。
（また、昼間の二の舞かしら）
学校でこの三人の名前が出ることはまずないはずだ。
校舎で会うのはあれが初対面。しかも数分の接触。
ということは、あの場にこの教師二人が見ていたとしか考えられない。
「三人を呼ぶんですね、わかりました」
心の内とは裏腹に笑顔で応える。
ユミコは寮母室に向かう。
まずは茉莉の部屋に電話をかける。
茉莉の部屋は相部屋ではなく、一人部屋。（勝手に）ユミコが決めた。
かからない。
次はあめと紫の部屋。
やはり、かからない。
「･･････」
時計を見る。
既に五分経過している。

『寮母室』
20:50

もう一度二つの部屋にかけてみるが、やはり出ることはなかった。
仕方なく、ユミコは外で待つシュタインバクスとマリネッタの元へ。
「部屋にはいないみたいです。帰ってきているはずなんですけど、お友達の部屋にでも行ってるのかしら？」
結果を伝え、ユミコは少々やつれ気味の笑みを見せる。
と、その時、全身の肌を何が通り過ぎるような感覚に襲われる。
（これは･･･フィールド展開？）
ユミコは平行空間の移送対象に指定させていないから、展開したことに気付いても平行空間に移送されることはない。
昼間ユミコがしたように平行空間と通常空間の境目にゲートを創れば平行空間に指定されていない者でも介入できる。
帰ってくれるはずもなさそうな二人も、この状況に気付いているだろう。
「寮内はにいると思いますから、お探しになりますか？私、寮母ですから入寮許可出しますよ」
二人そう言う。
フィールドを展開したのなら、昼間の時のように通常空間の物質が破壊されることもない。
この二人、術者なら相当な場数を踏んでいるだろうと見受けられる。
だが、茉莉はユミコの愛娘とも呼べる最高傑作。
それに、あめと紫にも実力があると信じたい。
（茉莉ちゃん、お願い･･･この戦い、必ず勝って）
強く念じる。
だが、彼女にはテレパシー能力だけは有していなかった。
有していないのではなく、無くしたというのがこの場合には適切だが。
ともかくユミコは、願うしかなかった。

『シュタインバクスとマリネッタを寮内に通す』

>421
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:51

「大丈夫、気にしなくていい。情報処理が手間取っているだけが」
紫に勧められるが、茉莉は断る。
なんとか姿勢を保ち、茉莉はそのまま立っていた。
このままではもし戦闘になった場合に支障が出る。
ここは通常空間ではなく平行空間。すぐにでも戦いに移れてしまうのだ。
（もし負けたら、私は新型に差し替えられる）
その結末だけは避けたい。
彼女の中にある嫌悪感が高まっていく。
差し替え、茉莉にとっての死。
死ぬのは、嫌だった。

『少しよろめきながらも、立ったままの態勢を保つ』

>>421>>424
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:52

並行空間内に移り、少しすると紫が説明を始めた。
＞「まあ、ここまでやったら丸判りだと思うけどね。私たち三人は流れちゃんと同じような力を持っているの。
＞系統は違うけど、ね。私は仙術八洞統十二系統の一つ厭魅厭勝術の使い手なのよ。見せた方が早いからやっちゃうね。」
＞「類似と共感という基本法則に則った呪詛と祝福を得意とするわ。」
収納系のマジックアイテムらしき壺から筆と巻物を取り出して、それが実体化するさまを眺めていた。
一種の、そこそこの能力を持った使い魔の類のように見えた。動きからして、自律活動も可能なのだろう。

言葉を返そうとして口を開きかけた所で話が打ち切られ、紫が茉莉の方に視線を移す。
＞「ま、茉莉先輩？体調悪いの？ちょっと横にならない？」
自分もそちらに視線を移し、(既に能力は発覚しているので)ネックレスを手に取ると、
念じ、小声で呪を詠唱。…ネックレスが装飾杖に近い色合いと輝きを持った杖に変化する。
その杖を片手に持って様子を見て、状況に適応した治癒の呪を唱えるため、様子を見始めて…
＞「大丈夫、気にしなくていい。情報処理が手間取っているだけが」
情報処理。その単語が気になった。ちょっと特殊な言い回しなだけかもしれない。
それでも妙に気になったので…
「情報処理…？」
小声で、聞き返す…というよりは、呟く…に近い声を出した。

『佐伯の発言を気にしている。』

『女子寮ケイトの部屋』20:50

自動販売機コーナーから自室に戻る途中、言い様のない違和感に襲われた。
どうやら戦闘用結界が張られたらしい。
「あらン。せっかちねぇ。もう始まっちゃったのね。まだ準備ができていないのにぃ。」
小走りで自室に戻り、結界介入の口訣を唱える。
ケイトのルームメイトはいない。いや、入学当初はいたのだが、ケイトの素行不良･保健室常連などで早々に転
室願いを出され学園側もこれを受理。
それ以降一人で部屋を独占している。
部屋に戻ったケイトは急いでリビングにクッションを敷き、飲み物やスナック菓子を並べる。
そして胸元のペンダントにしている蔵陰の壷を取り出した。
「どっせいっと！」
ケイトの掛け声と共に蔵陰の壷から、一畳ほどのジオラマが取り出される。女子寮を正確に模したジオラマである。
更に小さなスタンドミラーをその脇に置き、壁に向けた。
「模依・現状知・・・そしてぇ･･･我知空理・写」
『模に依りて現状を知る』。厭魅厭勝術の一つで、正確に模した模型は実物が現状がどうなっているか知る事が出
来る。という術である。
この呪文により模型に明かりがつき、部屋の中に人影が見えるようになる。そしてジオラマ全体が半透明の半円体
に覆われているのは戦闘用結界が敷かれていることを表していた。
我、空（くう）の理（ことわり）を知りて写す・・空間と時間の構造を操る風水・ト朴の術の一つ。空間を自在に操り、ジ
オラマ内の景色を鏡に投影させて壁に映す術だ。
この二つの術を使って、女子寮内を自由に見ることのできるホームシアターを完成させた。

「ふう･･･準備完了･･･って、あらぁ？何もはじまってないわねぇ。戦闘用結界が敷かれたのにぃ。先生は方何をしてい
るのかしらン？」
映し出される女子寮はいたって平穏で、結界内を写しているのでまったく動くものがなく静止画像が流れているような
ものだった。
「むぅ･･･力点は･･･どこかしら･･･」
結界が敷かれた以上、その結界を張っている者は確実にいるはずだ。
魔力などを感じられる場所を探していく。
「あらぁ･･･発見ン･･･！。でもぉ、なんだか人数が多いわねぇ･･･あめちゃんにぃ、まりちゃんにぃ、ムラサキちゃん。それ
から･･･誰？この子？・・・四人もいるなんて、先生方まずいんじゃないのぉん？
良い子な生徒としては先生の味方したいのだけどぉ･･･仮面壊しちゃったみたいだしぃ･･･あれを付けてくれていれば
私が操る･･･じゃなくて魔力供給できもしたのにぃ･･･人の親切を踏みにじるからよぉン。
でも、私って人が良いからぁ･･･万波鐘の出番かしらぁん？
まぁ･･･多人数を察知して逃げなければ、だけどねぇン。」
クッションに横たわりながら蔵陰の壷から出したハンドベルを弄ぶ。

『平行世界の自室で観戦モード』

>426の続き

クッションに横たわり、壁に映し出される映像を見ながらお菓子の袋を開け、飲み物をコップに注ぐ。
「まだかなまだかなぁ〜。早く始まって〜」
まるでお気に入りのドラマを待つように嬉々としているケイト。
「うふふふ･･･計都悪星君の引き起こす大道から外れた日食の闇で、皆混乱し遊傲に興ずるのよン。
それこそが呼び水となるのだから･･･！」
少々興奮気味に画面を見入り、笑みをこぼしていた。

『平行世界の自室で観戦モード』

>412>413>414>421>424>425
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：53

平行空間に移ってから、あめは座ったまま休んでいた。
昼間のことが今になって疲労となって押し寄せてくる。
息を吐き、あめは目を瞑っていた。
色々なことがあったと、素直に思う。
紫と茉莉もそうなのだろうか。
ふと茉莉を見ると、自分よりも状態が優れないようだった。
気功で体調を整えることはできるが、相手は人に見えても機械。
外傷などは治せても限界はある。

『心配するが、声には出さない』

『女子寮前』
21:05

古賀はねぐらである廃ビルに潜み、魂を繋げた忍者ゾンビを操作していた。
影から影へと慎重にかつ迅速に移動しながら捜索を続ける。
そして、目標であるシュタインバクスは見つけた。
「ホテルにいると思って、近辺を探していたが、まさか女子寮にいるとはな…」
女子寮の側にある木の頂上に留まりながら、潜入させていたゾンビに念のため探らせてみた。
案の定、廊下を移動しているシュタインバクスを発見。
すぐさま二人に奇襲をかけたかったが、女子寮内部から感じた『何か』に警戒を抱いていて、中へ入れずにいた。
「力の残留を感じる…しかし、戦闘が起こっているような感じはしないし、罠とも思えないが…。しばらくは様子といこう」
糸目だった眼を開き空を見上げて、何かを探るかのように星と星を見ていく。
「（さらに、まるで俺の一挙一動を見据えられているような感じはなんだ？）」

『警戒しながら現状維持。しかし、他の忍者ゾンビはそのまま』

>423
『女子寮内物置部屋』
20：51

ユミコに寮内に通された二人は、迅速な行動を開始していた。
先程、感じた僅かな魔力の波動。あれは恐らく、誰かがフィールドを展開したのだろう。
その誰かというのは是から接触する予定であった三人の内の誰かに違いない。
ならば、此方からそのフィールドに干渉して其処へ移動しなければならない。
二人は女子寮の中でも、女子生徒が寄り付かなさそうな物置部屋に移動していた。
「さて、ぼちぼち行動を開始しますか…マリー、準備はいいですか？」
「ええ。何時でも、シュピール」
薄暗い物置部屋で二人は懐から数枚の札を取り出す。そして、二人同時に言霊を呟く。
直後、札は眩い光を発すると淡く輝く光の粒子となって二人の体をそれぞれ覆う。
それから数秒後。二人はそれぞれの装備を身に纏った姿となっていた。
シュタインバクスが身に纏っているのは、第二次大戦中の独逸軍が使用していた冬季野戦装備一式に
弾帯、拳銃などの武装を収めた幾つものホルスターや背嚢、半長靴、独特の形状をしたフリッツヘルメットに顔を隠す
為のカーキ色のスカーフ。何処からどう見ても、今のシュタインバクスは冬季野戦装備を身に纏った独逸兵にしか見えない。
シュタインバクスはフリッツヘルメットとスカーフで顔を完全に隠していたが、対するマリネッタは教会正式装備である黒い修道女服を
身に纏っているだけなので、顔を晒したままだ。顔を隠す必要が無いと判断したのだろう。
そして普通の修道女服と違うところは身に着けた物々しい銃器を収めたホルスターの類や其れの弾薬ポーチ、装備パックであった。
「準備は整いましたね…では」
「征きましょう」
マリネッタは何も無い空間に右手を差し出すと、展開されているフィールドに干渉する為の術式を唱え始めた。
術式を唱え始めると、マリネッタが手を差し出した辺りの空間が波紋を広げて歪み始めた。
徐々に波紋は大きくなり、遂には完全にフィールドに干渉するようになった。不意に何ものかに引っ張られる感覚が二人に襲い掛かった。

『女子寮物置部屋（平行空間）』
「干渉に成功。現在地は平行空間の女子寮物置部屋…流石はマリー。完全に干渉するのに十秒と経っていませんね？」
パートナーの仕事の良さにシュタインバクスは嘆息を漏らし、腰のホルスターからオートマグ�Vを抜いた。
「其れぐらいは朝飯前よ。さぁ、まずはＣＱＢの要領で行きましょうか？」
マリネッタも彼に倣う様に腰のデザートイーグルを抜き、さっと素早い動作で物置部屋のドアを開けて廊下に出る。
二人は銃を周囲に巡らし、警戒しながら魔力を感じる方へと足音を殺して進む。

『平行世界に移動。物置部屋から出て、魔力を感じる方へと進む』

『コンビニ店員更衣室』
２１：１３

後のことを店長に任せ、着替えを進める。
時計を見て、既に勤務時間が過ぎているのに気付いたのは、遼太郎を光鬼に任せたすぐ後だった。
「高田くんのことも気になります・・・」
ふうっと溜息一つ。
私服に着替え終わると、タイムカードを差して裏口から出る。
すると、空から光鬼の札が戻ってくる。
無事、遼太郎を送り届けたという証。
「ちょっと前に装甲車とかパトカーとか、いろいろ通ってましたけど、何事もなくてよかったです」
安堵し、まもりは民宿に向けて歩きだした。

『帰路に着く』

『女子寮　廊下』
20:55

黒い装束を着て刀を手に持っている男三人がフラフラと女子寮の廊下を徘徊する。
如何にも妖しく、いつ通報されてもおかしくないような状況だが、周囲には人一人おらず、男たちはそのままある部屋の前で止まった。
一人が刀を所持していないほうの腕を上げてゆっくり『コン…コン…』とノックをした。
そしてドアが開き、部屋の住人である流が恐る恐る顔を出した。
ノックをしたほうの男がわずかに開いたドアを無理やりこじ開け、ゆっくり刀を上げていき…そのまま流目掛けて振り下ろした。

『流と雅の部屋に到達。流に向けて刀を振り下ろす』

↑のを修正

黒い装束を着て刀を手に持っている男三人がフラフラと女子寮の廊下を徘徊する。
如何にも妖しく、いつ通報されてもおかしくないような状況だが、周囲には人一人おらず、男たちはそのままある部屋の前で止まった。
一人が刀を所持していないほうの腕を上げてゆっくり『コン…コン…』とノックをした。
しかし、いくら待っていてもその部屋の住人は現れない。
今度は『ドンッ！』と勢いよく叩く、しかし反応はなかった。
一人が「グゥ…」と唸り、三人は突然反転し来た道を引き返していった。

『三人衆。来た道を引き返していくが……』

>426>428>430>433
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：55

途中で、違和感を感じたような気がした。結界に介入する気配。
しかも、その後にも続けて２回も。これなら確実と見ていい。そう考えた。近くの３人に聞こえるような声で言う。
「多くて三回…誰かが結界に介入したの…。」

そのすぐ後に3人とはあえて少し距離を取りながら杖に力を溜め、呪を唱える。
「来たれ…」
…特徴的な青色の光が杖の先端に浮かび上がる。本来はこの呪文は杖や呪文を使わなくても使用出来るのだが、
人の術者として見せる場合はこうした方が疑われにくいから杖を使っているように見せている。
その光を地面に向け、素早く小さめの六亡星の魔方陣を描く。するとその光が地面に残り、
その場を彼女が踏むと彼女が一見薄く見える水の膜のような物に包まれる。

それを展開する途中、頭の中で状況を整理しつつ理由を考えていた。最大で3回も干渉。これはただ事ではない。
明らかに何かの理由があって集まっている。そう考えたのだ。そしてまず、女子寮での結界の展開に行き着く。
しかし、彼女には紫が考えなしで行動するタイプには見えなかった。だから、女子寮に術者がいないか、いてもただの結界だけなら
この時間にまで干渉しては来ない。そう考えたからと推測した。

そこで、別の原因を考え、行き着いたのが、目の前の3人が最近周囲で展開されている結界に無関係ではなく、
対抗する者にマークされていたのに、先程自分が使用した隠蔽の呪符によって
3人の魔力が一時的に隠蔽され、密談ではないかと勘ぐられても不思議ではない状況を作った事。
そして更に、結界の展開によって何かあるのではないか？と言う疑惑をより高めてしまった事。

その二つが他の術者の興味を呼んだと言う結論である。もちろん一部だけ的を射ているものの途方もない誤解だ。
更に、その状況だとすると当然皆が結界を張った中心点を探査しようとするはず。探査されれば
魔力自体は隠蔽しているが、隠蔽している者がいる事自体はわかるし、
透視能力者でもいればもうその時点でアウトである。

とてもではないが楽観視できる状況ではない。
しかし幸いな事に、ここの3人以外には占術の事は発覚していないだろうし、それ以上も発覚していない。
なら、逆に普通の術者として戦闘に加わった方が後方要因の類としての術者と目され、
それ以上を疑われる可能性は低くなる。という考えも働いている。

途中、ノックの音が聞こえる。振り向いて、3人に声をかける。
「部屋じゃ戦うには狭いの…窓から出たほうが良いの…
　それと、私も手伝うけど治療やサポートと牽制が主なの…。」
そのまま、杖の先端を膜の外に出して術を唱え始める。
水の膜から、明らかにその膜以上の体積を持つ水が杖の先端を中心とした球状を象る。
今度はドンッと勢いよく叩かれる。
「時間がないの…」
よく見ると、杖に纏わりつく球状の水の濃さが段々増して来ていた…。

『術者としての発覚はもう避けられないと諦めて一時的共闘の姿勢をとる。』

>428>434
『雅と流の部屋（平行空間内）』
２０：５５

＞「多くて三回…誰かが結界に介入したの…。」
流の言葉にはっと振り向く。結界に介入された事にまったく気付かなかった。
昼間の人狼と猫又が思い起こされる。
単純に人目を避けるために結界を張ったのだが、まさか女子寮内で介入や戦闘ということを想定していなかった自分の迂闊さに腹が立つ。
それ以上に流を戦闘に巻き込んでしまう事態になりかねないことを後悔していた。

戦いになる・・・そう思いながらあめと茉莉を見るが、二人とも万全とは言いがたいようだ。
あめには吸気布環と出気布環を渡してあるので、気の枯渇というのよほど一気に放出するような事がなければないと踏んでいたが、
エネルギーとしての気と、気力や気を張り詰めるような気や体力とは近くして別物だ。
昨日からの連続した戦闘に一気に成長した心で疲労が来ているのだろう。
リフレッシュする為にお風呂に来ていたのが、紆余曲折を経て今に至っている。

どうすれば・・・あめと茉莉は戦うには不安な状態に見える。そして流・・・できれば戦いに巻き込みたくない・・・
考えていると流が水の膜に包まれていく。
そして共闘の申し出・・・これに便乗してなし崩し的に流を仲間に・・・そんな考えが浮かび上がるのを何とかかき消した。

「流ちゃん、ゴメンネ・・・正体暴き立てた上に戦闘に巻き込むみたいで・・・。
隠蔽結界、できるよね。あめっちと茉莉先輩と窓から出て近くに隠れていてくれない？
できることなら今流れちゃんを巻き込んで戦いたくないし、搦め手で何とかできるのならやってみたいの。
もし話が通じないようだったら窓から逃げ出すから、そのときはゴメン、一緒に戦って。」
そう言うと巻物を広げ、三体の人間大の人型を実体化させる。
人型ではあるが、顔が右半分しか描かれていなく、手や足もない。正に立っている人影といったものだ。
そして人型に書かれていない残りの左半分の顔を三枚、流に渡す。
「この人型と、私と侵入者で会談をしようと思うの。話が通じれば、だけど。この左半分の顔を自分の顔に貼り付ければ人型が見たり聞い
たりしたものを受信できるし、発言もできるわ。」
紫は昨日からの戦いの連続に一つの思いを描いていた。
学園地下の『秘密』の調査権をかけて消耗戦を繰り返していても共倒れになるだけ。
ならばＷ.Ｒ.Ｆ.とのように一時的にでも共闘関係を結び、共同調査をきないだろうか、と。勿論利害関係やそれぞれの主義主張があるので
共闘関係結んで仲良く、などとハッピーエンドになれない事はわかっているのだが・・
昼の人狼のように、問答無用で攻撃をされる可能性も高い危険な賭けであったがそれを実行しようとしている。
だからこそ、三人を外で隠れさせ保険をかけたのだが・・・あめに影響されたのだろうか・・・自分でもわからなかった。

『作戦を提案』

>>435
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：56

＞「流ちゃん、ゴメンネ・・・正体暴き立てた上に戦闘に巻き込むみたいで・・・。
　　隠蔽結界、できるよね。あめっちと茉莉先輩と窓から出て近くに隠れていてくれない？
　　できることなら今流れちゃんを巻き込んで戦いたくないし、搦め手で何とかできるのならやってみたいの。
　　もし話が通じないようだったら窓から逃げ出すから、そのときはゴメン、一緒に戦って。」
紫の声が聞こえる。…しかし、その申し出の中にある見落としもわかってしまった。
一応二人にその紙を手渡しつつも、返答する。暴き立てたの辺りには触れようとしない。
「多分手遅れなの…。探してるなら、既に魔力も探知されているはずなの…。
　今更呪符で隠密結界を展開しても、魔力が消えた所に行けばすぐ見つかるの…。
　それに複数の相手を相手取る場合、戦力分散は危険なの…。」

『作戦の穴と思った部分を指摘。』

>434>435>436
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：56

あめはゆっくりと、ソファーから立ち上がった。
息を吐き、精神を統一し、気の循環を活性化させる。
そしてリストバンドから外功気を集め、戦闘もしくは一時的に撤退するための態勢を整えた。
「相手がどうくるかわからない。戦いたくないけど、戦わなきゃいけない時もある」
静かにあめは言った。
「ながれんを戦いに巻き込みたくないなら、空間から離脱させれば大丈夫」
流に笑いかける。
「ながれんは正体を隠してたんだから、それを今来る人達にバラすこともないよ」
自分達が部屋にいた言い訳や、流を術師でないと弁解はいくらでもできる。
今来る相手を引き付けておくだけの力も。
信頼できる友達のためなら。

『状況を窺いながらも、自分の考えを言う』

>433>434>434>436>437
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:57

（やはり･･･私は差し替えられるのか･･･）
ノックされるまで来訪者に気付くことさえできなかった自分がいる。
性能が低下していっているのか。
それも茉莉には理解できなかった。
（死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ機能停止拒否機能停止拒否機能停止拒否機能停止拒否機能停止拒否）
先程より更に混乱している。
拒否反応と、抑えようとする意思の責めぎ合い。
（拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否･･･）
拒否反応に勝りそうになったその時、不意にキムの顔が横切った。
「キ･･･ム･･･」
そして、あめと初めて戦った時の、あの言葉。
「大切な存在･･･私は負けられない」
茉莉は力強く床を踏みしめ、あめ達に向き合った。
「私は皆の最終意見に従おう。戦うなら前衛は任せてほしい。流といったな、彼女を逃がすなら手伝う」
茉莉は、人間らしい笑みを見せて、そう告げた。

『結論に従うつもり』

>437>438
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:57

＞「ながれんを戦いに巻き込みたくないなら、空間から離脱させれば大丈夫」
＞「ながれんは正体を隠してたんだから、それを今来る人達にバラすこともないよ」
あめの行動を見、聞いていた。その申し出はとても嬉しかった。
しかし、それでも乗る事ができない理由があった。

「もう、手遅れなの…」
あめの方に視線を移して
「結界はこの部屋で展開されたの…3人が誤魔化してくれても、
注意深い人がいれば絶対私にも指向性の魔導探知をかけるの…。

そうすれば、隠蔽しなければ術者だとわかるし、隠蔽したとしても
魔力を隠蔽している術者だと言う事も突き止められるの…。
それに、今逃げたと言う事から後方要因と言う事。そしてこの水晶球を
見つけられれば占術が使える可能性まで疑われるの…。」

そう言うと、水晶球を片手で握り
「だから、ここではあなたたちに協力して、この水晶球のもう一つの使い方を見せる事で、
水晶球を別のマジックアイテムとして。そして私に対する疑念も普通の術者だったとして
完結させておきたいの…。」
微妙に震えてはいるが、目にこもった力は本物のように見えるし、実際本物である。

「一人ならともかく、複数なら全員に忘れてもらうのは難しいの…。」

『来るであろう敵に対する備えを進めつつ会話。』

>436>437>438>439
『雅と流の部屋（平行空間内）』

「あいたたた、そっか・・・穴がありすぎるね。」
流に指摘され、自分の作戦の甘さを恥じる。
それと同時に自分の探査能力の低さから来る甘い認識と、いつも細心の注意を払ってきた流の生活を思った。
その後あめ、茉莉も立ち上がり、それぞれ戦闘体制になるのを見て紫も腹をくくった。
「なるべく避けたかったけど、仕方がないよね。じゃ、早速行動にうつろ！
茉莉先輩先に外に出てセンサーで周囲を警戒。その後私と流れちゃん。あめっちは殿をお願い。
外に出たら迎え撃てるように前衛茉莉先輩であめっちがサポート。
私と流ちゃんが後衛、って感じで良いかな？」
即席のチームなので、これからの行動を声に出して確認して外に出る。

『戦闘体制で窓から外へ（平行空間内）』

>439>440（>430>433）
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20:57

あめも、紫も、流も戦闘する様子。
紫の指示に、茉莉は頷く。
窓から出るとハッとして、先に出た紫に向き合った。
「部屋をノックした者達は段々と離れていくが･･･」
忍者ゾンビ達とは別の反応を入れ替わりで感じ取る。
「これは･･･疾いぞ。迷い無しに、こちらのエネルギーを察知して近づいている。
数は、おそらく２。エネルギーの流れに揺らぎがほとんどない･･･かなりの手練れだ」
シュタインバクスとマリネッタ、二人を感知し、茉莉は紫に話した。
その顔には、焦りが見える。
だが、それを振り払い、茉莉は人間らしい力強い瞳を向けた。
「いや、大丈夫だな･･･油断しなければ、私達も強いはずだ」

『戦闘準備。あめと流が来るのを待つ』

>440>441
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：58

＞「あいたたた、そっか・・・穴がありすぎるね。」
＞「なるべく避けたかったけど、仕方がないよね。じゃ、早速行動にうつろ！
　　茉莉先輩先に外に出てセンサーで周囲を警戒。その後私と流れちゃん。
　　あめっちは殿をお願い。外に出たら迎え撃てるように前衛茉莉先輩であめっちがサポート。
　　私と流ちゃんが後衛、って感じで良いかな？」
「うん…」
否定する理由もなく、頷く。そして水の膜と共に地を滑るようにして窓から出て行く。

＞「これは･･･疾いぞ。迷い無しに、こちらのエネルギーを察知して近づいている。
　　数は、おそらく２。エネルギーの流れに揺らぎがほとんどない･･･かなりの手練れだ」
それを聞きながら、呟く。
「…散るの…。」
杖に溜めていた水球が…消える。一見周囲に変化は見えないが、調べてわかる範囲だけならば…
彼女のかなり近くだけの湿度が突然急上昇した事、膜の外側に纏った魔力が増えた事。位だろう。
「体勢が完全に整ったの…。」

『戦闘準備完了。最後にあめが来るのを待つ』

>438>439>440>441
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：58

あめは茉莉のことが気になっていた。
考えてみれば、彼女が最初に拳を交えた相手で、今となっては味方だか…敵だった。
この二日、二日であるがとても長い時間に感じる。
クラスで少しは会話する雅や流より、会った期間が短いというのに、茉莉は大切な友人になっていた。
（茉莉さん･･･うぅん、茉莉先輩、絶対に勝とうね）
窓から外へ出ると、茉莉の横へついた。

『三人と合流』

>440>441>442>443
『雅と流の部屋（平行空間内）』
20：59

二人が部屋の前に到着し、そっと扉を開けてから一気に中に突入した時には、既に部屋の中は蛻の殻であった。
其の代わり、部屋の窓が開け放たれており、窓のカーテンが夜風にはためいていた。
「外に…でましたか」
構えていた銃を下ろし、部屋内に視線を巡らす。
此方としては、大人数が意味を成さない屋内での戦闘に持ち込むつもりであったが…それを見透かされたのだろうか？
「シュピール。あの娘達はもう戦闘準備が整っているようだけど？」
マリネッタは窓の傍に立ち、外で既に戦闘隊形に広がっている四人を見てそう言った。
「やれやれ…何か勘違いをしているようですが、最初に一言言っておきましょうか」
やれやれとシュタインバクスは肩を竦めて見せると、颯爽と窓のサッシを乗り越えて外に降り立った。マリネッタも彼の後に続く。

『女子寮外（平行空間内）』
21：00

「さて…このようなマニアックな格好をしてはいますが、貴女達は私が誰だか分かっている事でしょう」
シュタインバクスはフリッツヘルメットの庇を上げ、スカーフの隙間から覗く瞳で四人を見据える。
「別にコスプレではないのよ？これが私達の本当の姿なのですから…」
シュタインバクスに続いてマリネッタも窓から女子寮の外に出ると、彼の横に並んで四人に向き直る。
「御察しの通り、私は歴史教師のシュタインバクス・シュピールマン。そして彼女は英語教師のマリネッタ・ウォルメリア。
しかし、その実体は西洋式魔導連合を構成する西洋系宗教組織の一つ、『教会』独逸支部直属の聖堂騎士。
“ブルトガングのシュタインバクス”、“アンサラーのマリネッタ”とは私達の事ですよ……」
顔を完全に覆うカーキ色のスカーフから僅かに覗くシュタインバクスの瞳は、普段の小早苗達が知る穏やかなものではなかった。
幾つもの修羅場を潜り抜けてきた、地獄の戦鬼が持つ戦場の瞳。それはマリネッタも同様であった。
「私達が態々正体を明かして貴女達の目の前に現れたのは、何も争う為ではありませんよ。説得をしに来ただけです」
シュタインバクスは手に持っていたオートマグ�Vを腰のホルスターに収め、交戦の意思が無いことを明らかにする。
マリネッタも手のモーゼルミリタリーを後腰のホルスターに収めて見せる。
「率直に言います。この件からを手を引きなさい。そうすれば、貴女達はこれ以上世界の闇と関わる必要はありません」
ずいっと一歩歩み寄り、マリネッタが強い語調でそう言う。
「貴女達が関わっている“何か”…それは貴女達の手に負えるものではありません。我々西洋式魔導連合が管理をしなければならないものです」
別にシュタインバクス自身はそう考えている訳ではない。ただ、上から与えられた任務通りの口上を述べたまでだ。
本来ならば、手段を選ばず“何か”を手に入れろ、とのことであったが、シュタインバクスもマリネッタも敢えてこのような方法を取っている。
それというのも、基本的に二人は人を傷つけるのを良しとしないから性質だからである。
「もう一度言います…この件から手を引きなさい。貴女達のような少女が関わるべき内容ではありません」
しかし、それに応じないのならば…と小声で呟くと、シュタインバクスは懐に手を入れて一枚の札を取り出した。
「私が“ブルトガングのシュタインバクス”と呼ばれる由縁を御見せしなければならないようですね…」
言霊を呟くと、手にした札が眩い光を放ち始めた…それは光の粒子となって彼の手の中で形状を変え、具現化していく。
「これが私の剣、“ブルトガング”…退きなさい。この剣の錆にはなりたくないでしょう？」
具現化したのは、両刃の刀身の長さは優に２ｍを超え、幅に肉厚も鉈の様なツヴァイハンダー、“ブルトガング”と呼ばれる大剣であった。
其の赤黒い刀身は、彼が今まで討ち取ってきた人外の者共の血を吸った為である。長い柄は長大で肉厚な刀身を振り回すのに適している。

『四人に警告』

>444
『女子寮前道路（平行空間内）』
21：01

シュタインバクスとマリネッタ、二人の登場にあめは驚愕した。
気功を取得し、亜細亜呪術結社に入ってから、あめは二人に対する若干の違和感を感じていた。
昼、紫とそんな話になったことも思い出す。
「先生……!?」
驚いているのも束の間、二人は話し始める。
その内容に、あめの気持ちは激しく揺らいでいく。
「私達だって、できることなら戦いたくなんてありません」
そう。あめも戦いたくなどない。
亜細亜呪術結社は、平穏を重んじる組織であり、地下の秘密を狙う者達と止める役割も持つ。
「アレが何かなんて、私は知りません。でも、貴方達も、私達も、持ってはいけない強大なものだっていうことはわかる」
構えを崩さず、あめは言った。
あくまで退く気はない。

『強い眼差しを二人に向ける』

>444
『女子寮前道路（平行空間内）』
２１:０５

突然現れた巨大な兵士に一瞬、茉莉の後頭部を見つめてしまった。
Ｗ.Ｒ.Ｆ.？それとも特事対？
だが、その予想は大きく外れる。
西洋式魔導連合・・・しかも担任のシュタインバクスとマリネッタ。
丁寧に自己紹介をしてもらったのだが、横文字に疎い紫では枕詞の意味はサッパリわからなかった。
だが、それ以上に二人が『こちら側の人間』だということに驚き、動揺してしまった。
何故正体がばれたのだろう･･･通常女子寮に教師が来るという事はない。つまり結界に気付いて介入した結果接触したとい
うわけではないという事だ。
明らかにこちらの正体を知って、接触してきている。
考えているとシュタインバクスは巨大な剣を取り出し、最後の警告を発する。

「･･･完全武装で突然現れて、鬼の形相でそんな鉄骨振り回して『忠告』してくれているつもりですか？」
シュタインバクスの持つ大剣は余りにも巨大すぎ、紫には剣と認識する事が出来なかった。
「私は闇に生まれ闇に育ってきた身、お気遣いは無用ですよ、先生。
それに、あなた方が管理すべきもの、と言いましたが、『何か』が何かすら判っていないのでしょう？
どの組織もまだ調査すらできていないものを管理すべきもの、なんて随分と傲慢じゃないですか。
私たちはそういう傲慢を止め、均衡の取れた世界を保つ為戦っています。だから･･･退けません。」
紫自身も地下の『何か』がどういったものかまったく知らない。
ただ大きすぎる力は『誰か』の手に渡っても必ず混乱を生む。そういったものは得てして人の制御できる範囲のものではな
いからだ。
本来は調査･封印をすべきものだがシュタインバクスははっきりと我々が管理するべきものと言い放った。
交渉の余地はないのだろう･･･
紫は蔵陰の壷から一対の眉目青龍刃をだし、自分の周囲に浮かせ、巻物や弘法の筆・針などを手に持って構える。

『仙術使用準備を整え構える』

『女子寮２Ｆケイトの部屋（平行空間内）』21:10

２１時近くになってからケイトの隣に置いてある一畳ほどの女子寮を模したジオラマに変化が現れる。
戦闘用結界が張られていることを示す半透明の球体に、いくつかの波紋が浮かび上がったのだ。
これは誰かが戦闘用結界に介入した時に現れる波紋だ。
そのたびに小型のスタンドミラーを増やし、壁にはいくつかの画面が映し出されていた。
「あらあら、意外と多いわねぇン。因果の絡み合い、良い感じで錯綜しているわぁ。でも流石にこれ以上増えると追いき
れなくなるから、さっさとはじめてほしいのにぃ･･･」
ジュースを一口、口に含みながら画面を見入っていると、ようやくシュタインバクスとマリネッタがあめ、茉莉、流、紫の
四人に接触をしたのが映し出された。
「ぷ・・・うふふふ･･･やっぱり最高だわぁ。剣を突きつけて警告って･･･それは脅迫とか恫喝って言うのよ、先生？
それにしても上から言われた様な台詞そのまま伝えるだなんて･･･兵士って言う人種は単純で良いわよねぇ。『何か』が
何かすら判っていないのに・・・だから西洋式魔導連合って好きよん。
とっても交渉上手で私が手を出すまでもないところも最高だわぁ〜。」

パリッと音を立てポテトチップスを食べて寝そべる。

「２対４・・・これでも十分見ものだけど･･･この子達がどう絡むのかしら・・・生気も闘気も殺気もないのに魔力だけ感じる、
なんて・・・正体判りやすすぎて可愛いわン。」
いくつもの画面を順に見ながら寝そべる。
術者同士の戦いは数ではかれるものではない。が、流石に倍の人数を相手にするのは辛かろうと密かに介入の算段を
考えていたが、忍者ゾンビたちを発見してその必要もなしと判断し、リラックスをしている。
予断の許さぬ混沌とした状況。戦いの狂気。それを見ながらケイトは満悦していた。

『自室で観戦中』

『女子寮　屋上（平行空間内）』』
21:07

普段は閉鎖され、進入禁止となっている屋上。
そこに月を背にした三つのシルエットが現在、女子寮外で行われている会合を生気のない眼で見ていた。
シュタインバクス発見の報告は、主人である古賀にはもうしてある。
彼がこの場所にくるのに、そう時間はかからないだろう。
＞「これが私の剣、“ブルトガング”…退きなさい。この剣の錆にはなりたくないでしょう？」
シュタインバクスが赤黒い大剣を出した瞬間、三人の装束の男たちは皆、動揺したじろいだ。
あれは自分たちという存在を一瞬で蹴散らすものだ、あれに近づいてはいけないと本能的に察したのだろう。
そこへ古賀への新たな指令が出た。
『襲撃し、戦闘に突入せよ』
三人はお互いに顔を見、戸惑いはするものの、命令には逆らえず地上へと舞い降りていった。

『屋上から飛び降りて地上へ』

>444>445>446>448
『女子寮前道路（平行空間内）』
21:06

茉莉にとっては、この二人が教師であろうが、地下の秘密を狙っていようが、そんなことは関係なかった。
向かってくるのなら迎え討つだけ。
ここにいる仲間と呼べる友のため。
キムやユミコ、親のように思える者達のため。
なにより、生きたいと思う、自分の気持ちのため。
「私に発言権はない。上が手を引くというなら、私はその“何か”に関与するつもりはない。
だが、今そんな命令は受けていない。それに、ここにいる仲間が退かぬ限り、逃げるような真似を私はしたくないから」
茉莉は言った。
茉莉にも退く気は毛頭無い。
相手の出方を窺っていた茉莉だが、何かを察知し屋上を見上げた。
先程の３体の反応。
「みんな、まだいる。油断はしないほうがいい」
告げると、茉莉は顔を向けず、あめ、紫、流に話しかけた。
「戦闘能力は、二人組の方が高い。私はそちらの相手をしよう。小早苗さんには、奴等を任せたい」
近くにいるこの三人にだけ聞こえる程度の声量に調整し、茉莉は喋った。
あくまでその３体の反応が仕掛けてくるならの話なのだが茉莉は続ける。
「流さん、あなたは私の援護をお願いする。小早苗さんと橘さんは、向こうを」
あめは茉莉のサポートと紫は言ったが、同じ組織であり、いつも行動を共にしているあめと紫の方が勝率は上と判断する。
流は、背中を任せられると迷い無しにそう思った。
言い終わると、茉莉は掌にエネルギーを集中させていく。

『攻撃準備は完了』

>444>445>446>448>449
『女子寮外（平行空間内）』
21：07

現れたのは二人の教師だった。当初は説得をしに来ただけと言った。しかし
内容はとてもではないがそんな物ではなかった。明らかに脅迫であり、恫喝でもある。
そして、あめや紫の発言を聞く限り元々二人の所有物でも無いようだ。
更に、その大剣の赤黒い刀身を見たのがトドメとなり、
彼女の二人への印象を今までの物ではなく、新たな物へと変更させる事となる。

「先生、ありがとなの…。」
この時点では3人は驚いたとしても無理はないだろう。
明らかに怯えた状態で言っているのだから。…そして、球自体が彼女ごと、
地面から20ｃｍほどの高さで宙に浮く。
｢生徒を脅迫している上過ぎた力を得ようとしているの…
こんな信用できない先生達が相手なら、遠慮なく忘れてもらえるの…。｣
複数の記憶を消す成功率は低い。そう認識してはいたが完全に諦める気でもないようだ。

…と、そこで3体のゾンビが出現する。5対4なのか三つ巴なのか。
いずれにしてもこの結界に入った以上自分達を優先的に狙ってくるだろうと推測した。だから
「困ったの…。」
そう呟いた所で茉莉の声が。
＞「戦闘能力は、二人組の方が高い。私はそちらの相手をしよう。小早苗さんには、奴等を任せたい」
　　「流さん、あなたは私の援護をお願いする。小早苗さんと橘さんは、向こうを」
正直、先ほどの彼女の推測を考慮すれば茉莉との連携に危険も感じる。
水に雷。機械との相性は良いとはいえないのだ。しかも
彼女には補助の技も複数あるのだが、機械を相手に使えば逆効果になるものもある。
それだけに迂闊には使えないのだが、手はあった。
「わかったの…あ、これは私の技の余波から身を守る防壁なの…。ルナティックオーラ…。」
杖に新たに溜めた黄色の光を茉莉目掛け放つ。これは体に受ければ体の外周に膜を作り、
外側からの小規模な水、電気のみを弾くという性質を持つ。これは人でも機械でも
無関係に能力を発揮できる技なのだ。

「……じゃあ、行くの…」
呪文の詠唱を始める。詠唱が終わると呪文の力が杖に宿る。
「ウォータースプレッド…」
杖の先端から、大粒とは言えない水滴が多数…近年稀に見る豪雨クラスの密度で
二人の教師目掛け放つ。二人の周囲2ｍ位を巻き込まんとして。
まぁ、これは5秒程すると止まるのだが…

この技。真横から吹く雨のようなものなのだが、そこそこの…一般人位なら
多少動きも制限されるだろうが術者の動きを制限するには程遠い風を伴っている。
とは言え、所詮はただの雨。当たったとしても決定打になどなる筈もない。
しかし服は濡れれば動きは当然鈍るし、火薬などを持っていればそれに影響する事も
あるだろう。

【茉莉に援護の術を放った後に二人目掛け攻撃。】

>415
『中央広場』
21:00

「うーひどい目に遭いました」
　左手で三つ編みにした前髪をいじる。
「図書館島に行ったのが間違いでした。
　司書さんに本を戻して来るように頼まれて、
　地図を無くして迷ってしまいました。
　運良く探検部の先輩に遇って戻れました」
　右手に巻いた腕時計を見て、こんな時間では寮の入口も閉まっている、
　と思いながらとぼとぼと歩く。
「お腹空いたよ、コンビニに寄って帰ろう」

　視線を上げると風景がダブって見えた。
　あれ？、と思い目を擦り、もう一度、眼を凝らして見ると
「結界？平行世界が形成されている」
　四つの勢力争いの噂が頭をよぎる。
　あう、誰かが戦っているのですよね。きっと……
　左手が三つ編みの前髪をいじる。
　気付かない振りをしたら、誰かが傷つくのですよね。
　迷い立ち尽くす。
　風とともに聞き覚えのある声が自分の中に響くのを感じる。
「行かなきゃ」
　決意の声とともに制服のポケットから霊力遮断の模様が描かれている薄いケースを取り出し開ける。
　数枚の厚い和紙の一枚を取り出し、素早く印を切る。
　和紙は淡く光を放ち始め、それを手に進む。
　ダブった風景の境界線に和紙が触れると、符としての力を解放する。
　三月の全身を淡い光が包む。
　そのまま、境界線を越えると広場から三月の姿が消える。
　その瞬間、三月は風に乗って来た声を忘れた。

『九条三月、女子寮周辺の平行空間内へ入る』

>450
『女子寮前道路（平行空間内）』
21:07

「安心していい。私はアンドロイド。どちからといえば機械より人間。それに耐性もある」
流が自分の技を使うのに危惧していたようだが、茉莉は
だが、流のその心配は、茉莉を人ではなく機械として見ているに他ならないのかもしれない。
それでも茉莉は良かった。
例え機械として見られていても、物として扱われているわけではない。
（所詮、人間にはなれない宿命･･･）
人間になりたいと思う。
だが、それは叶わない。
ならせめて人間らしく生きようと、そう思う。
流がシュタインバクスとマリネッタに技を放つと、茉莉は高く跳び上がった。
「この程度で、倒せるとは思えないが」
掌に集めたエネルギーを、弾丸のように連続して放つ。
数にして10。威力は硬球並。

『流がウォータースプレッドを放った直後、上空からエネルギーの弾丸を放ち畳みかける』

>450
『女子寮外（平行空間）』
21:07

降りた地点はちょうどあめ達を真中に、ゾンビ三匹とシュタインバクスがそれを囲むような状態になった。
主人の命令ではあめと紫を攻撃しろとのことなのですぐさま臨戦体制に移り、二人に狙いをすます。
しかし、じっとあめのほうを見つめて動きを伺っているだけで、一向に動きだそうとしない。
「ギギ……」
その生気ない能面のような顔には何の表情も浮かんでいず、ただ相手を倒すという事だけが感じられる。

＞流がシュタインバクスとマリネッタに技を放つと、茉莉は高く跳び上がった。
それが合図とばかりに、三匹も一斉に「ギ―――！」と咆哮し、あめのほうへと襲い掛かっていった。

『あめと紫に襲い掛かる』

>445>446
『女子寮前道路（平行空間内）』
21:06

「色よい返事は期待していませんでしたが…やれやれ。本当にそのつもりですか？」
シュタインバクスはブルトガングを肩に担ぎ、その刀身でとんとんと規則正しいリズムを刻んでいる。
生徒達は完全に此方との戦闘を覚悟しているようだ。ならば、此方もそれに応じるか否か…迷いはするが、橘に指摘された通り、
此方も本格的な戦闘を前提としている。それで迷うなどとはおかしなことだが、術者同士の戦闘は凄惨さを極める。
以前にも一度亜細亜呪術結社のエージェントと戦闘を行ったが、それは何とも言葉では形容し難い程の惨い戦いであった。
其れは自分の自己再生能力が追いつかない程の激しい戦闘であり、結局自分は四肢の一部と内蔵の大多数を欠損し、暫くは
独逸支部の培養槽に浸かって傷を癒さねばならなかった。マリネッタは自分が身を張って守ったものの、彼女も暫くは回復法術の
定期的な施術を受けねばならない程のダメージを負っていた。
二人と相対した亜細亜呪術結社のエージェントは、シュタインバクスとの接近戦に破れ、彼の手によって屠られた。
今まで数多くの人外は手に掛けてきたが、人を殺めたのはあれが初めてであった。
西洋式魔導連合は人殺しの組織ではないが、他勢力と争う限りはそういう可能性も付きまとってくる。シュタインバクスは今でもそのことを後悔している。
（思えば、神父が人を殺めるなどとは…神の信徒とは思えない愚行ですね。しかし、これが現代の神の教え。私達にはそれに逆らうことは出来ない）
諦めたようにシュタインバクスは溜息をつくと、肩に担いでいた大剣を地面に突き立て、四人を改めて見据える。
「分かりました。それが貴女達の決意というのならば、後悔はありませんね？…ならば宜しい。此方も其れ相応の力を以ってして応えましょう」
潜入捜査をする為に、一時的とはいえ教師という姿を装っているに過ぎないが、案外これは自分に合っているのかもしれないと思っていた。
剣を抜いた時から元の学園生活に戻れない。それはマリネッタも同じだろう。
教師をという隠れ蓑を捨て、聖堂騎士としての務めを果たそうと思った時から、既に自分達にこの修羅道から逃れる術はないのだ。
（マリー…私達は、十字架を背負っていかねばなりませんね）
心の中でパートナーに向って呟くと、シュタインバクスは地面に突き立てていた大剣を抜いていた。

>450
21：07
>｢生徒を脅迫している上過ぎた力を得ようとしているの…こんな信用できない先生達が相手なら、遠慮なく忘れてもらえるの…。｣
この言葉に二人は心を痛めた。
別に二人は“何か”に対しての興味など一欠片もない。ただ、上からの命令で動いているに過ぎない。
出来る事ならば直ぐにでもこの任務を辞めたい。仮初めとはいえ、教師と生徒という間柄である。教師が生徒を傷つける訳には行かない。
だが、そのような権利を二人が与えられている筈がない。二人はただ与えられた任務を遂行しなければならないのだ。
「マリー…私達は憎まれ役ですね」
シュタインバクスは傍らのマリネッタだけに聞こえる声量で呟いた。
「そうね……私、聖堂騎士を辞めたら教師にでもなろうと思った。でも、生徒に嫌われてしまっては教師失格ね？」
自嘲的な笑みをマリネッタはシュタインバクスに浮かべて見せたが、直ぐにそれも掻き消える。
代わりに、二人からは尋常ではない殺気が放出されていた。其れこそが幾戦もの修羅場を潜り抜けてきた猛者がもつものである。
「「Vater Unser im Himmel,Geheiligt werde Dein Name,Dein Reich komme.Dein Wille geschehe,Wie im Himmel, so auf Erden.
Unser tagliches Brot gib uns heute,Und vergib uns unsere Schuld,Wie auch wir vergeben unseren Schuldigern.
Und fuhre uns nicht in Versuchung,Sondern erlose uns von dem Bosen.Denn Dein ist das Reich und die Kraft
und die Herrlichkeit, in Ewigkeit.Amen. 」」
シュタインバクスは大剣を構えながら、マリネッタは腰の二丁のデザートイーグルを抜きながら、独逸語で主に対しての聖なる祈りの言葉を口ずさむ。
「さぁ、手足の一本や二本を失う覚悟は出来ていますね？悪い事だとは思いますが、此処で命を絶たれても怨まないで頂きたい」
戦の鬼と化したシュタインバクスは冷たくそう告げる。既に二人の心は主の御心のままに全てを行う狂信徒そのもの。躊躇いは無い。

（続き）
>杖の先端から、大粒とは言えない水滴が多数…近年稀に見る豪雨クラスの密度で二人の教師目掛け放つ。二人の周囲2ｍ位を巻き込まんとして。
機先は相手が制した。これしきの攻撃は障壁を展開して防ぐ程では無いが、黙って喰らってやる程御人好しでもない。
それに、これは次の一手の布石かもしれない。ならば尚更喰らう訳には行かない。
「マリー！貴女は右翼を！私は左翼を担います！」
水が放たれると同時に二人は左右に分かれて跳躍する。遅れて、先程まで二人がいた地面が水浸しになる。

（シュタインバクス）
>452
>掌に集めたエネルギーを、弾丸のように連続して放つ。数にして10。威力は硬球並。
茉莉は大仰な大剣を装備しているシュタインバクスを最大の脅威とみなしたのか。彼に向って雨霰と光弾を放った。
「…小手調べか？ですが、莫迦正直に喰らってやる程御人好しではありませんよ！」
シュタインバクスはその場で急停止し、降り注ぐ光弾を片っ端から大剣で打ち払った。
光弾と大剣の赤黒い刀身がぶつかる度に激しい火花と鉄を精錬するような音が周囲に響く。
そうやって大抵の光弾は大剣で打ち払えたが、その内の数発はそうもいかなかった。だが、咄嗟に左腕で防御したので大したダメージに至っていない。
「遣る…と言いたい所ですが、貴女達の攻撃には殺気が篭っていませんね。それでは貴女達を殺す覚悟がある私達には到底敵いませんよ」
茉莉の光弾を全てやり過ごすと、シュタインバクスは大剣の切っ先を上空の茉莉に向けてそう言い放った。
左腕の被服が茉莉の光弾を防御する際に少し焦げてしまったが、祝礼儀礼を施された聖遺骸布製の戦闘服の防御は全然損なわれてはいない。
「今度は此方から行きますよ！当らないように避けてくださいね！」
脚に力を籠め、爆発的な脚力で宙へと飛翔する。直ぐにシュタインバクスと茉莉の距離は縮まり、彼の大剣の効果範囲内に収まってしまう
「覇ァァァァァァァァッ！」
効果範囲に茉莉を捕捉するのを確認すると、彼女目掛けて大剣を横一閃に薙ぎ払った。

『空へ跳躍。大剣を茉莉目掛けて薙ぎ払う』

（マリネッタ）
二手に分かれた後、マリネッタは何を思ったのか、手に構えていたデザートイーグルを腰のホルスターに戻していた。
代わりに、今の彼女の手には二本の銃剣が握られている。それはシュタインバクスのブルトガングと同じように特別な祝礼儀礼が施されたものであった。
狙いは流。マリネッタも後方支援を得意とするが、接近戦も其れなりにこなす事が出来る。
見れば、あめと紫は新たに現れたゾンビの攻撃を受けている最中のようだ（>453）。つまり、流まで手が回らない筈だ。
是を好機と踏んだマリネッタは、先程の跳躍から優雅な着地をすると、迅雷の勢いで地面を駆け抜け、流へと間合いを詰める。
ぐんぐんと流と距離が縮まる程、マリネッタには彼女の小柄な体の華奢さが手に取るように分かる。
人外ならばこの銃剣で軽く斬りつけられても大したダメージを負う事は無いが、華奢な流は恐らく致命的とも言える傷を負う事だろう。
（躊躇いは無い…はず。でも……）
流石に小動物のような流に対して是は些か酷すぎるのでは？そう考えたマリネッタは、銃剣を逆手に持ち替えた。
そして低い軌道で跳躍。目の前に迫った流に対し、マリネッタは銃剣の刀身で斬りつけるのではなく、柄で殴りかかった。

『流に肉薄。銃剣の柄で殴りかかる』

本人による修正レスがあるまで他キャラハンはレスをお控え下さい

（指摘を受けてレスを修正…すみませんでしたorz。455は無いものと見なしてください…）

>杖の先端から、大粒とは言えない水滴が多数…近年稀に見る豪雨クラスの密度で二人の教師目掛け放つ。二人の周囲2ｍ位を巻き込まんとして。
機先は相手が制した。これしきの攻撃は障壁を展開して防ぐ程では無いが、黙って喰らってやる程御人好しでもない。
それに、これは次の一手の布石かもしれない。ならば尚更喰らう訳には行かない。 が、しかし

>452
水流に加え、更には突如上空から光弾が降り注いだ。
「くっ…連携か！？中々遣る…」
是ら全てを回避するのは不可能と判断し、防御行動へと速やかに移行する。
シュタインバクスは咄嗟に、物理攻撃に対しては防御力が低いマリネッタを庇うべく、彼女の前に立ちはだかって水流と光弾を背で受け止めた。
硬球程の衝撃が何度も背中に疾り、がくがくと長身痩躯を揺らすがこの程度で倒れる聖堂騎士ではない。
茉莉の光弾と流の水流、其のどちらもやがては止んだ。光弾はマリネッタには及ばなかったが、激しい水流の余波は彼女にも及んでいた。
二人は濡れ鼠となってしまったが、双方共に大したことは無い。ただ、身に纏った衣服が多量の水を吸収し、動きが僅かに鈍ってしまったが…
「初めてとはいえ、中々連携は出来ているようですね…」
改めて四人に向き直り、シュタインバクスは嘆息を漏らした。

「さて…此方からも仕掛けるとしましょうか。マリー、バックアップをお願いします」
「了解（ヤー）」
マリネッタは手に構えた、非殺傷弾である衝撃弾（ゴム弾のようなもの）を装填したデザートイーグルを、無防備な流に向ける。
今は彼女を守る護衛は居ない。小早苗も紫も、新たに現れたゾンビの強襲（>453）にあっている。佐伯の姿は上空にあるかどうか知らないが…
恐らく、彼女の事まで手が回る事はないだろう。マリネッタは流の足元に向ってデザートイーグルを連射した。
放たれた衝撃弾は流の手前数ｍに着弾し、土煙を巻き起こした。其れは丁度流の視界から二人の姿を遮るような形で巻き起こっていた。
流の視界から此方の姿が掻き消えた（かもしれない）と判断したシュタインバクスは、水を吸って重くなった衣服をものともせずに駆け出していた。
爆発的な脚力で地面を蹴り、ぐんぐんと流との距離を詰める…程無くして、流とシュタインバクスの距離は、彼の大剣が届く程にまで縮まっていた。
「貰った！」
突如として、流の目の前の土煙の中からシュタインバクスが躍り出る。その手には、勿論、あの赤黒い刀身を持った大剣が握られている。
本来ならば慈悲深いシュタインバクスではあるが、生憎と今の彼は狂信徒。目の前の敵は全て打ち倒すまで留まる事を知らない。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！」
咆哮と共に、片手で握った大剣を無慈悲に流に向って振り下ろす。段平の刀身は唸り挙げて大気を斬り裂き、流を両断しようと迫る。

『防御の後、流との距離を詰め、大剣を振り下ろす』

>452>454>457
『女子寮前道路（平行空間内）』
21：08

＞「安心していい。私はアンドロイド。どちからといえば機械より人間。それに耐性もある」
「わかったの…。」
そう言うからにはよほど強力な技以外なら大丈夫なのだろう。そう解釈した。
…そして、信じた。

目の前の二人が何かを話した後、並みの相手とは一線を隔した殺気を発する。
見かけ、明らかに彼女は怯えている。しかしその動きはしっかりしている。
＞「さぁ、手足の一本や二本を失う覚悟は出来ていますね？悪い事だとは思いますが、此処で命を絶たれても怨まないで頂きたい」
「お断りなの…。」
意味があるかはともかく、少しは揺さぶりになるように言う。

その後、デザートイーグルを向けられる。しかしそれに対して特別怯える様子はない。
「読めたの…」
土煙が巻き起こった段階で、それを煙幕代わりにして接近しようとするのまでは読めた。
初撃を入れる前に自らを取り巻く膜の特性を完全に読みきられる事などない。
そう確信し、離脱の為の布石として膜の左端に魔力を溜めつつ杖を構える。
…唐突に赤黒い刀身と共にその姿を現し、大剣の振り下ろしをかける。
普通であれば彼女に完全な対応を許さない速度で。だ。しかし。

振り下ろす途中、大剣が彼女を取り巻く水の膜に触れ、
膜の中を通る。…水の抵抗は普通の水よりはるかに…いや、圧倒的に重く、
膜を通り抜けるまでの間に剣先はその速度はかなり殺がれ、
更に今も尚膜に触れている部分からの負担もあり、彼女にも対応可能な速度に低下してしまう。
「人間離れした速度と力なの…。でも…工夫すれば対応は出来るの。でも…」
単純な力では圧倒的な差がある上、水の負担を加味しても
普通に受ければあっさり押し潰される。
だから杖で受け流さんとする形で受ける姿勢を取りつつ、先ほど魔力を溜めた
膜の左側から水を噴出させる。…非常に強い圧縮を受けた膜からほんの数秒、
凄まじい勢いで水が吹き出し…その勢いで数秒で20ｍ程間を空け、
右から逆噴射をかけ勢いを殺す。その通り道の地面も
水びだしだし、膜もまだ健在である。そして、聞こえない程度の声で呟く。
「ちょっと不利かもしれないの…」

明らかに二人は自分を重点的に狙って来ていた。
この状態が続けば、援護をする間は与えてもらえないだろう。
それに、膜の2つの弱点の片方を見抜かれれば、接近が命取りになる可能性も高い。
「ただ膜を外せばそれも命とり…接近戦タイプを先に抑える為にもあっちを使うの…。」

(続く)

杖を持っていない手を左に向け、別の呪文の為の予備動作をしつつ
同時に杖に光を宿らせ、詠唱を始める。杖は、宝玉に青白い光。
「まずはこれなの…ホワイト・ブリザード…」

杖の側から、先ほどの雨と同等の密度と範囲で、雪…いや、雹が
シュタインバクス一人めがけて寒波と共に向かっていく。
それは視界を妨げる白い冷気も伴っていて、熱などの伝達を防ぐ
全方位型の障壁でない限り、障壁で防いだとしても、
服が濡れている事も関係して相当に寒いだろう。

彼女は先ほどのシュタインバクスの動きから、
一人に撃てば避けると推測した。途中、左手の先の空間に魔方陣が形成される。
シュタインバクス目掛け手を構える。…その手に追従するように空間の魔方陣が動いた。
「ウォーター・キャノン…！」

魔方陣が水温が限りなく0度に近い、口径は20cm位の
水を発射し始める。それはかなり圧縮されていたようで、
飛び出しながら大きく広がりを見せつつ、シュタインバクスに向かっていく。
「状況を作って…アレを使うの…」
が、あえて一度腕ごと体を回し、周囲10m弱の足場を
水を撒いてから再度シュタインバクスを狙い続けようとする。

…阻止されなければ彼女の近くにはぬかるんだ地面が出来上がり、
接近戦を仕掛けるには足場まで悪くなる。

しかもこの技、放射時間は60秒弱とけして短くない。
なのでもちろん1回避けたからといって安心出来る物ではない。
魔方陣は手についてくるので、相手の手の動きに併せて避ける必要がある。

距離があれば難しくはないのだが、距離を詰めようとすると困難を極める。
ただし、水流に当たったとしてもそのかなりの冷たさで後々動きが鈍る可能性が高い事と
水流に強く押される事くらい。これも決定打には程遠い。
そして周囲に撒き散らす水の量もかなりの物。

もちろん他の味方との距離をかなり空けているからこそ使えるのだろうが…
とてもではないが並行空間以外では使えない技である。

『雹攻撃から水流攻撃と技を繋ぐ。』

>449>453
『女子寮前道路（平行空間内）』
２１：０８

目の前に現れた二人、西洋式魔導連合の術者。
ただの術者ではない。シュタインバクスとマリネッタと言う見慣れた顔に動揺するが、戦闘になるのは避けられないだろう。
ならば・・・もはや迷わなかった。
＞「みんな、まだいる。油断はしないほうがいい」
＞告げると、茉莉は顔を向けず、あめ、紫、流に話しかけた。
＞「戦闘能力は、二人組の方が高い。私はそちらの相手をしよう。小早苗さんには、奴等を任せたい」
茉莉の言葉を認識し、警戒していると忍者ゾンビが三体、空から降ってきた。
「四人いるのに二人で出てくるとは大した増長だと思ったけど、そう言う訳ではなかったようね。」
指示通りあめと二人で新たに現れた忍者ゾンビ三体と退治する。いや、既に紫は動いていた。
呑気ににらみ合いをする程お人よしではない。会談用に作り上げておいた三体の人型を紙の状態にして、あめと忍者ゾンビ達の
間に這うように移動させる。
その時、ふと流の占いが頭をよぎる。
＞「…多分今夜、これからまだあなたは厄介事に関わるの…でも手におえない程の厄介事じゃないの…」
この一節。確かに厄介事に関わっている。それだけなら良かった。
その後の言葉が気になる・・手に負えないほどの厄介事じゃない・・・
茉莉はこちらの三人よりシュタインバクス達の方が戦闘力が高いと言った。
すなわち戦闘力の低いこの三人なら『手に負えない程の厄介事じゃない』という事なのか、シュタインバクスとマリネッタを含めた
五人が『手に負えない程の厄介事ではない』のか。
「どちらにしても、手に負わなきゃいけないのよね・・・！」
頭をよぎる言葉を掻き消す。戦いに迷いは禁物だ。３対２、２対２と別れているが、あくまで５対４の戦いである。
既に背後では戦いが始まっている。
昨日からの連戦もあり、目の前の三人を倒して終わりと言うわけではないのだ。術の無駄撃ちはできない。
＞「ギーーーーー！」
と言う人間離れした彷徨を上げ向かって来た瞬間、人型を紙から体積を持つ実体にする。
「勅！」
それと同時に二本の眉目青龍刀に命じ、それぞれ両脇の忍者ゾンビに向かわせた。
素早い動きで間合いを詰めてきたが故に三体の忍者ゾンビは突然目の前で実体化した人型を避けられず衝突してしまう。
所詮は通信用の人型、衝突した衝撃で破裂し、元の絵に戻るが、忍者ゾンビ達の動きを止め体勢を崩すことには成功する。
ダメージはないだろうが、それで十分だった。
体勢を立て直す間を与えず眉目青龍刀はそれぞれの標的の胸に深々と刺さっていた。
真ん中の忍者ゾンビはあめが倒すだろう。
最小限の術で最大の効果を得られた、と確信したが、それが間違いだったとすぐに気付いた。
深々と刺さったのに一滴も血が出ていない。式神にしても人型でこれだけ深く刺さればよほどのものでない限り依代に戻る。
その様子がない、と言う事は・・・考えられる答えは相手が既に死んでいる、からだ。すなわちゾンビ。
空から降ってきたときの身のこなしや、その瞬発力からゾンビだとは思いもしなかった。
眉目青龍刀は擬似生命を与えられた青龍刀ではあるが、刀身自体にそれほど付与効果があるわけではない。多少切れ味が
よいという程度で、ゾンビを滅する事が出来るわけではないのだ。
今の一撃で動きくらいは鈍くなるだろうが、倒したわけではない。
せめて串刺しにでもできていれば・・・自分の直接攻撃力の乏しさに唇をかみながら後悔をする。
慌てて眼鏡に手をかけ、眉目青龍刀を戻しつつ忍者ゾンビとの間合いを詰める。

『忍者ゾンビに攻撃』

>454>457>458
『女子寮前道路（平行空間内）』
21:08

「持ちこたえろ！すぐに行く！」
流にそう声をかけると、素早く茉莉は着地した。
そのまま一気に駆けけ出す。
向かうその先は、シュタインバクスではなく、マリネッタ。
「バックアップを狙うのは卑怯とは言わない。私も同じことをさせてもらう」
走りながらエネルギー弾を作りだし、地面向けそれを放った。
エネルギー弾によって破壊される道路。
茉莉とマリネッタの間の距離は５メール。茉莉の足下からその中間までの道路が破壊された。
それにより砂煙が立ち込め、相手の姿は見えなくなる。
立ち止まり、両手でコンクリート破片を拾い上げると、エネルギー弾の要領で投げ始めた。
足下にある大きさの違うコンクリートの破片を片っ端から、物凄いスピードで拾い上げで投げていく。
サーチは常に警戒・厳モード。砂煙のせいでこちらの姿も見えないであろう利点はあるが、不可視であるため油断はできない。

『コンクリート破片を投げ続ける』

>458>459
『女子寮前道路（平行空間内）』
21：09

>振り下ろす途中〜低下してしまう
流を防護するであろうと予測していた魔力を付与された膜にブルトガングの大重量の一撃が押し留められる。
大抵のものを切断することが可能であるので、流石にこれを防御されたことには驚きを隠せない。が、予測範囲内だ。
シュタインバクスは腰のオートマグ�Vを抜いて、密着したまま至近距離から祝礼儀礼弾（魔術的なものを中和する効果）を撃ち込もうとする。

>だから杖で受け流さんとする形〜勢いを殺す
しかし、銃を抜いたところで目の前の流の姿が忽然と消える。
見れば、覆っていた水の膜の右側面（シュタインバクスから見れば）から勢い良く水を噴出し、自分から20ｍ程離れた場所に移動していた。
「術を応用しての緊急回避…応用力があるようですが」
構えていた大剣を地面に突き刺し、身構える。

>シュタインバクス一人めがけて寒波と共に向かっていく
>魔方陣が水温が限りなく0度に近い〜シュタインバクスに向かっていく
「決定力に欠けますね。悪いですが、其の程度の破壊力では私は倒せませんよ？」
寒波で濡れた服が少し凍りつこうがシュタインバクスは表情を少しも変えず、向ってくる圧縮された水流を腕で防御している。
寒波と零度近い水流のコンビで急速に体温が奪われていくが、この程度の攻撃で音を上げる聖堂騎士ではない。
（さて…相手は水系を使用するようですね。それが魔術的なものか、それともただ単に周囲の水を利用しているかどうかは分かりませんが…対処の仕方はあるはず）
約一分程水流を受け止めていると、水流が徐々に弱まって尻切れになっていく…どうやら、もうそろそろで相手の術の発動時間が終るようだ。
これを好機と踏んだシュタインバクスは、背負っている背嚢に手を回し、其のポケットの中を後手で探り始めた。
「これが効果があるかは分かりませんが…試しに、ということで」
背嚢のポケットの中から取り出したのは、通常のものよりも大型の手榴弾であった。だが、それはただ単に通常のものよりも大型という訳ではない。
「是は軍でも使用される、大型テルミット（焼却）手榴弾です。主な使用方法は、爆発時に発生する3000℃を超す熱で装甲車両や装備を焼却する為のものですが…」
安全ピンを抜き、起爆ピンを手で押さえながら流に見せ付けるようにして前に差し出す。
「…貴女の水がどのようなものかは知りませんが、3000℃以上の高熱に耐えられますかな？」
其れを握り締めたまま大きく振りかぶり、野球投手の要領で流に向って投擲する。
投擲された大型テルミット手榴弾からは、投擲されると同時に起爆ピンが弾け飛び、中の信管に火がついてた。
手榴弾は今も昔も火を用いた信管を利用しているので、点火後に水に濡れれば不発となる。このまま手榴弾は何事も無く流に向っていけば、彼女得意の水を用いた
術で弾かれて濡れ、不発となるだろう。だが…
「そうそう。確実に炸裂させて頂きますよ。手榴弾は点火後は水に弱いものですから…」
言うが早いか、シュタインバクスはオートマグ�Vを抜き、放られた手榴弾に狙いをつけていた。そして発砲。
銃口から放たれた弾丸は一直線に放り投げられている最中の手榴弾に向って突き進み…カン、と金属がぶつかる乾いた音が響いた直後、手榴弾は炸裂した。
手榴弾は流から手前6ｍの距離で、激しい閃光と高熱を伴って炸裂した。上手くいけば、発せられた閃光は相手の目をくらまし、高熱は効果範囲内の大気中の水分と
水に濡れた地面を一瞬で乾かすだろう。しかし、相手の水が魔術的なものにしか干渉を受けないものだとしたら、特に術式が付与されていない先程の手榴弾は
ただの目くらましにしかならないかもしれない。
このまま一気に畳み掛けたいシュタインバクスであったが、マリネッタの事が気にかかる。流石に前に出すぎたかもしれない。
此処は一旦後方に引き、前衛である佐伯を撃破してから一気に後衛の流を始末するべきだろう。それまでにあの三体のゾンビが足止めになればいいが…
「マリー…耐えてくださいよ」
シュタインバクスは手榴弾を放った後、流に背を向けて後方に退いていた。

『流に大型テルミット手榴弾を投擲後、後方に退く（続く）』

>461
『女子寮前道路（平行空間内）』
21：09

（マリネッタ）
>それにより砂煙が立ち込め、相手の姿は見えなくなる
>足下にある大きさの違うコンクリートの破片を片っ端から、物凄いスピードで拾い上げで投げていく
突如巻き起こった粉塵に相対していた佐伯の姿は隠れ、その代わりに物凄い勢いでコンクリートの破片が砂煙の向こうから投擲される。
マリネッタは両手のデザートイーグルで破片を片っ端から撃ち落していくが、徐々に押されていく。
比較的小さな破片はデザートイーグルの衝撃弾でも撃ち落せるが、大きな破片はそうもいかなかったようだ。
「っ！？」
砂煙の向こうから放られた人ほどの大きさもあるコンクリートの破片を咄嗟に横に跳んで回避する。流石にデザートイーグルの連射で撃ち壊せるわけがない。
回避から起き上がってもコンクリートの破片は投擲され続けている。デザートイーグルで撃ち落そうと思ったが既に弾倉は空。
避けられる？…否。防御？…否。ならばどうなる？
「あぐっ…」
腹部に衝撃。見れば、拳大のコンクリート破片が減り込んでいる。
そうやって一瞬怯んだのが拙かった。動きを止めたマリネッタにコンクリートの破片が次々と命中する。
顔に、腕に、胸に、腹に、下腹部に、脚に破片が次々に命中し、堪らずその場に膝を着く。マリネッタの場合は呪術に特化しているので、物理的な攻撃には弱い。
シュタインバクスにとって石礫のようなコンクリートも、彼女にとってはダメージを与えるには充分であった。
しかし、聖堂騎士としての強化を受けているからか。傷を負っても順に回復していく…とはいっても、シュタインバクスに比べれば微々たるものではあるが…
「くっ……この程度で…」
物理障壁を展開したいが、手を翳そうにも投石に阻まれて上手くいかない。徐々にダメージが蓄積していき、傷が酷くなっていく…
その時であった。

（シュタインバクス）
「背中が留守ですよ…」
ゆらり、と佐伯の後に立つシュタインバクス。砂煙の向こうのマリネッタに投石するので警戒が薄れていたのだろう。それは彼にとっては好都合ではあるが…
「背中から…悪く思わないでくださいよ」
佐伯のがら空きの背中に、渾身の力を籠めた一撃を振り下ろした。

『マリネッタの援護に。佐伯の背後から斬りかかる』

たまにはあげながら修正を期待する

>449>453>460
『女子寮前道路（平行空間内）』
21：09

茉莉の指示に、あめは静かに頷いた。
その直後、女子寮の屋上から人影が三体、跳んでくる。
着地し、あめはその三人、いや三体を目を凝らして見た。
その黒装束の姿から、忍者、もしくはそれを模しているものだとわかる。
「忍者…ということは亜細亜呪術結社？」
だが、その考えはすぐに裏切られる。
茉莉が跳び上がったのをきっかけに、相手は奇声を上げて襲いかかってきた。
紫が術を放ち、それに続くようにあめは駆けだした。
両脇の忍者ゾンビに刀が刺さる。
あめは脚部に気を集めると、中央の忍者ゾンビの腹部めがけ、一気に蹴り飛ばした。
忍者ゾンビは女子寮の壁に叩きつけられ、その衝撃で壁にめり込む。
しかし、倒したとはいえず、壁から抜け出そうと足掻いていた。
「クッ…！」
あめは顔を歪めたが、両脇の忍者ゾンビが目に入ってくると、回転をかけた下段蹴りで二体の足を払い、転倒させた。
「ゆかりん！私を強化できる術ってある!?」
態勢を立て直すと、紫に向け声を上げる。
全力で放った蹴りでも倒せぬ相手。
このままでは消耗戦になかねない。

『紫に応援を仰ぐ』

298 名前： 小早苗あめ ◆6aMeOTIATQ [こういう奴は事故にあって五体不満足になればいいのにsage] 投稿日： 2005/06/09(木) 12:18:17
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sageすまそ。ageるわ
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298 名前： 小早苗あめ ◆6aMeOTIATQ [こういう奴は事故にあって五体不満足になればいいのにsage] 投稿日： 2005/06/09(木) 12:18:17
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