【一心不乱の】オリキャラウォーズ3【大戦争を!!】
>16
>ジャックを尋問していた遊撃騎士は、蛇腹状の装甲板で覆われた尾を振るい、ジャックの腹に一発入れた。
先の嘔吐で空になっていた胃からは、とうとう消化液さえ込み上げて来ない。
ジャックは嗚咽を漏らし、横様に倒れ込む。
>更にもう一発装甲化された尾の一撃を、ジャックの無造作に投げ出されていた両足の上に打ち降ろした。
続けざまの一撃に、彼は絶叫する。彼の脚を躙る遊撃騎士の足の下に、
ジャックは骨折時の激痛と奇妙な感覚を覚えていた。
滝の様な汗が全身から噴き出し、遊撃騎士の言葉もまともに耳へ入らない。
足の退かされる感触と、間近に顔を寄せてきた騎士の目の動きで、
ようやく相手が返事を求めている事に気付いた。
「知らねえ……俺ぁ、お宅らの本陣を空爆しろって命令貰って、
ハウンド飛ばして来ただけだ……『石器時代に戻してやれ』ってな」
痛みを堪え、どうにか声を絞り出して
「……薬をくれるか、さっさとバラすかしてくれよ。
手前、俺の脚を折りやがった。十歳ん時、車に当たった以来だぜ……」
>17
獣人部隊の急襲に、先方の6人が小銃を撃ち放つ。
6人から離れて待機していたウィクリフと、ヘリの周りを固めていた第二分隊のローガンたちは
敵襲に気付くと、咄嗟に暗視ゴーグルを装着して銃撃を始めた。
「畜生! こいつら、暗殺部隊か!?」
先方6人が一瞬にして屠られる様を見て取り、ウィクリフは叫んだ。
「ローガン、ヘリに乗れ! そいつを墜されたら何にもならん!」
「クソッタレ、死ぬんじゃねえぞ」
負傷者の収容を終えた最後の一機が、離陸を開始する。
地面を離れたヘリからも、第二分隊隊員が手当たり次第に敵を狙って撃ち続ける。
残された第三・第四分隊各6名は、「アスタル」を連射で牽制しつつ後退していった。
ウィクリフが広場へ投げ込んだ照明弾に、頭上の攻撃ヘリ二機は機銃掃射を開始する。
同時に第四分隊と攻撃ヘリは周辺のビルに、数発のロケット弾を撃ち込んだ。
「屋根を伝って来る連中が厄介だ、ブッ壊せ」
ロケット砲を担いだ第四分隊から、村の出口―「ホットドッグ」との合流地点に向かう。
20 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:33:38
ヤム飯だよ〜♪
名無しが参加しづらい排他的スレだね
ヤム飯つぶせこのスレを。
22 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:38:36
>21
会長や女王がいないとスレを完璧には潰せない。
それに俺はここの一参加者だったし、排他的スレに呆れてやめただけだし。
>22
じゃあ会長と女王をよぶようなくふうをすればいいじゃな〜い?
24 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:46:30
>22
俺が言っても来ないだろ。
ここハッキし言って他のTRPG系のスレよりつまんないんだよね。
だって名無しが全然絡めないじゃん、やってる本人達にとっては面白いかも知れないけど、名無しから見ればもの凄くつまんないよ。
じゃあ馴れ合いスレかよw
ヤッパリゲートルの予言は当たったというわけか・・・皮肉だな。
26 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:52:16
>25
まさしくただの馴れ合いスレだね。
こういうTRPG系スレの醍醐味というのは名無しの突然の参加とそれに対するキャラの反応で楽しむものだからな。
ここにはそんな雰囲気がないから、端から見てる奴らにとって面白くない。
それなら見なけりゃいい。
この話題終了。
>22
誰だったんだ、お前は
29 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:58:23
>27
そうは行かない、なぜなら俺はこの排他的スレを改善しに来たのである
30 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 20:59:47
>28
ヤム飯だよ〜♪
最近現れた糞コテだよ〜♪
>30
そうじゃなくてもともとどんな名前で参加してたんだ?
32 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 21:05:59
排他的スレを直すにはどうしたらいいか考えた。
先ずは版権キャラをオーケーにするべきだな。
34 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 21:07:25
>30
参加と言っても開始する前に名無しで色々と手伝っただけだぞ。
35 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 21:08:18
>31
参加と言っても開始する前に名無しで色々と手伝っただけだぞ。
36 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 21:24:05
四つも関連すれ立ててハッキし言ってこのスレ邪魔
>36
避難所か雑談所で言えよそういうことは
38 :
ヤム飯 ◆qLL.SCEe4s :05/03/14 21:26:35
俺は決めた、このスレに粘着する、他スレからの越境者に対してはその自スレまで粘着しに行くよ
>36
本スレ除けば二つしかないものだが
二つ「も」ある
41 :
名無しになりきれ:05/03/14 22:23:41
ヒント:
ヤム飯と仕掛け人
な・に!!!!!!
それだったら仕掛け人の名前そのままで荒らした方が効果的だろ
おいお前ら、そういう話は>33でしようや。
意見があるなら俺が全て聞いてやる。
45 :
名無しになりきれ:05/03/14 22:55:46
帝国領のある村、そこにラインと呼ばれる者がいた。
「とうとう俺も出兵する事になったとはな…」
ラインは村で家事手伝いをする若者であった。そのラインに帝国から俗に言う赤紙たる物が来たのである。
「病気のお袋と妹を残して行くのは些か不安があるが、しょうがないな…」
ラインの父は五年前にこの戦争によって命を落としており、母はそれを追うように体調を崩していき、今は寝たきりになっている。
ラインは五年もの間を母と妹の面倒を見て暮らしていたのだった。
ラインは家に備えてあった父の形見のサーベルと鎧を付け、愛用の羽根付き帽子をかぶり家を出る。
「祈っててくれよ…俺が死なないようにな…」
ラインは家の方を見てそう呟くと、駆け足で城に向かっていった。
「……胸くそ悪いな」
前線がすぐ近くに見える丘まで来た。
気配は元からない身体なので伏せるだけ。隠す必要は無し。ライフルのスコープを覗きつつ、戦況を見守る。
……帝国の将兵をスコープの中に捉えた。
「……」
まだ若い。だが、これも仕事。
「……せめて、即死してくれ」
ゆっくりと、ジェイクは狙撃を再開した。
>18
(遊撃騎士)
「ふぅ…ならば仕方が無い。おい」
後で未だにのた打ち回っている同僚を呼び、ジャックを肩に担ぐ。
「私はこれから捕虜を野戦病院に届けに行く。お前はヴァラシャンクス隊長に、得るべき情報は何も無かったと伝えろ」
そういって光学迷彩術式を発動し、完全に闇の中に溶け込むと、音も無く消え去った…
>19
道路脇に設置されていた簡単なトラップを解除し、地を這うようにして遊撃騎士の一個小隊が駆け抜ける。
離陸を開始し始めたヘリやまだ残っている共和国軍兵士が手当たり次第に銃撃をするが、小銃弾の幾つかは鎧で弾かれた。
しかし、攻撃ヘリの大口径の機銃掃射で屋根伝いに移動していた二個小隊の数人が倒れ、更にロケット弾攻撃で5、6人程吹き飛んだ。
地上に降りた遊撃騎士一個小隊は、共和国の二個分隊に襲い掛かった。
先遣隊として派遣された遊撃騎士三個小隊が村の中で熾烈な戦闘を繰り広げている頃、遊撃騎士隊本隊は既に村の出入り口を塞ぐように、
闇の中でじっと息を殺して待ち構えていた。光学迷彩術式で完全に闇夜に溶け込んでいる遊撃騎士達は、暗視装置如きでは見つかりはしない。
>48
>地上に降りた遊撃騎士一個小隊は、共和国の二個分隊に襲い掛かった。
「畜生、畜生……!」
5人の歩兵が、一瞬で斬り伏せられる。
第三分隊のランドは軽機関銃を追っ手へ向けて掃射すると、前を行く6人と共に合流地点へ走った。
途中、先行していた第一分隊が、狭い路地の奥へと7人を誘い込む。
「ウィクリフ、ヘリは出たな」
「どうにかね」
手榴弾を持った二人組が、路地から死角になったポジションへ就く。
そして遊撃騎士の数人が路地へ入り込んだ瞬間を狙い、ピンを抜いて投げ込んだ。
「今だ、ズラかれ!」
「ワーム」隊は炸裂と同時に路地へ銃撃を加え、再び走り出す。
>先遣隊として派遣された遊撃騎士三個小隊が村の中で熾烈な戦闘を繰り広げている頃、遊撃騎士隊本隊は既に村の出入り口を塞ぐように、
>闇の中でじっと息を殺して待ち構えていた。光学迷彩術式で完全に闇夜に溶け込んでいる遊撃騎士達は、暗視装置如きでは見つかりはしない。
「ホットドッグ」隊の車列が廃村の入り口近くに差し掛かった頃、隊員の内数人が周囲の異変に気付いた。
「味方の匂いがしねえ、待ち伏せか」
「帝国の爬虫類人部隊だな」
ジープの銃座に就いて双眼鏡を覗いていたブラッドが、右手を上げて合図する。
「ワームはまだ着いてない、戦車に砲撃させろ」
車内の無線兵が装甲車へ連絡し、廃村入り口に数発の砲撃を加えさせた。
(遊撃騎士隊)
>49
村内部での戦闘も然ることながら、村入り口付近では待ち伏せを掛けていた遊撃騎士隊の一隊が戦車の砲火に晒されていた。
戦車の砲が呻りをあげる度に、闇に溶け込んだ遊撃騎士の数人が吹き飛ぶ。殆どが即死に近い状態で戦死するが、一部の者は
爬虫類型獣人の特徴でもある生命力の強さが仇となり、半身を吹き飛ばされた状態でも意識がはっきりとしていた。
「糞…敵に鼻が効く奴がいたか。このままでは全滅も時間の問題か」
草むらに伏せているヴァラシャンクスの頭上を、砲弾が不気味な風きり音を立てて通り過ぎていく…そして後方で炸裂。何人かが吹き飛んだ。
「貴重な隠密機動戦力をこれ以上、むざむざ殺させる訳にはいかん…指揮官殿には本当のサイレントキリングというものを味わって貰うか」
不敵に笑うヴァラシャンクス。舌を少しだけシィー、と出すと、ヴァラシャンクスはその場から消え去った…
無音の世界の中では、ヴァラシャンクスには周囲が止まって見える。今の彼は音速に近い速度で戦場を駆け抜けている。
直ぐに砲撃を行っている戦車の一体が見えてきた。この鉄の塊に部下の優秀な遊撃騎士がぼろ屑のように屠られると思うと、やりきれなくなる。
そしてジープの車列を発見。恐らく指揮官はジープのどれかに居ることだろう…
「無音の恐怖はこれからだ…」
意味深な台詞を呟くと、更にヴァラシャンクスは加速した。
一台のジープの横を通り過ぎる際に、音速以上の速度を以ってして振るわれた装甲化された尻尾の一撃がそのジープの車体側面に命中した。
前もって魔力で強化しておいた尻尾の一撃でそのジープは横転した。だがこの程度で済むわけがない。
ヴァラシャンクスはその後の二番目のジープのボンネットの上に現れると、ボンネットに装甲斬撃手甲の一撃を見舞った。
手甲は装甲化されたボンネットを易々と貫き、その下のエンジンを完全に破壊した。そして直ぐにその場から飛び退く。
コンマ数秒ほど遅れてそのジープのエンジンルームが大爆発を起こし、乗員を消し炭に変える。二台のジープに損害を与えるのに僅か一秒足らず。
その一秒足らずの時間の中で、ジープニ台に損害を与えたヴァラシャンクス。彼の音速隠密機動術を以ってすれば、このぐらいは朝飯前である。
「動くな…私の名はヴァラシャンクス・アードネード。帝國獣人騎士団『アスタル』の遊撃騎士隊の隊長を務めている。貴官がこの部隊の指揮官だな?」
ジープに損害を与えながらその間を通り抜けて、銃座に就いている指揮官らしき犬型獣人の背後にヴァラシャンクスは現れていた。
彼の毛皮に覆われた咽喉にはヴァラシャンクスの装甲斬撃手甲の刃が押し付けられており、ヴァラシャンクスにしてみればちょっとした力加減でこの獣人
の首を易々と跳ね飛ばせる。
「取引といこうじゃないか?貴官が指揮する戦車の御蔭で、あの炎の中で私の優秀な遊撃騎士達が苦しみにのた打ち回っている。直ぐに村に展開している
全共和国軍戦力を撤退させたまえ。でなければ……分かっているな?」
ぐっと咽喉に押し付けている装甲斬撃手甲の刃を押し付ける。毛皮を切り裂き、その下の皮膚に少しだけ刃が食い込んだ。
「出来る限り賢い返答を待っているよ…」
>50
ジープの爆発で目が眩んだ、その一瞬の出来事だった。
「誰だ、手前」
突如現れた得体の知れない巨躯の爬虫類人へ、他のジープの機関銃が一斉に向けられる。
>「動くな…私の名はヴァラシャンクス・アードネード。帝國獣人騎士団『アスタル』の遊撃騎士隊の隊長を務めている。貴官がこの部隊の指揮官だな?」
「あんたがヴァラシャンクスね……お噂はかねがね伺ってますよ」
横目遣いに、ヴァラシャンクスの表情を窺う。
「近頃は徴兵過剰で、暗殺部隊も民族大移動たぁね。
お互い、わざわざバーベキューセットになりに来た訳じゃないのにな」
>「取引といこうじゃないか?貴官が指揮する戦車の御蔭で、あの炎の中で私の優秀な遊撃騎士達が苦しみにのた打ち回っている。直ぐに村に展開している
>全共和国軍戦力を撤退させたまえ。でなければ……分かっているな?」
ブラッドのジープから無線を受けた装甲車二台は、砲撃を中止した。
車内の部下たちが銃に手を掛けつつ、銃座のブラッドと爬虫類人を見上げる。
「取引もクソも無く、俺たちゃハナっから撤退する腹さ。
仲間を連れ出すためなら砲撃は止めない、特にあんたらがその草刈鎌ブラっ下げてる間はな」
首を傾け、押し付けられた刃から距離を取る。
「聞くまでも無い話だけど、あんたの隊も追撃を止めてくれるんだろう?
攻撃が無ければ反撃もしないぜ。さあ、どうだ? 気に喰わなけりゃ殺ってみな。
言っとくけど、首が飛んでも動いてみせるぜ。俺たちゃホットドッグ隊だ」
↑邪魔すんなようぜえ
↑お前はあからさまだ
56 :
名無しになりきれ:05/03/20 19:43:37
age
57 :
名無しになりきれ:2005/03/23(水) 00:16:19
ストーリー終了age
新規で再開age
唐突に攻勢の止んだ「アスタル」を見て、攻撃ヘリの操縦士は機体を村の出口へと移動させた。
ちょうど装甲車とジープを確認した所に、地上部隊からの連絡を受ける。
「ワーム及びホットドッグ隊は、敵部隊と休戦協定を結んだ。基地へ帰還する」
「待て、ホットドッグ。貴隊に敵との交渉権は無い。軍法違反では」
「こりゃ殲滅戦じゃない、余計な事に構うな」
ジープの銃座からブラッドが、ヘリに向かって手を振った。
敵の部隊長らしき人影が村内に入ると、部隊全体がそれに従った。
「よお、トカゲ野郎」
遊撃騎士の一人に詰め寄ろうとする第三分隊のランドを、グリフが押し止めた。
「今は基地へ戻るんだ。大人しくしてろ」
「どけよ! 手前はダチを殺られたのかよ、グリフ!
この冷血動物、俺の仲間を殺りやがった……!」
振り上げられたランドの拳から、ドッグタグの束が零れ落ちる。
グリフはどうにかランドの首に腕を回し、引き摺っていった。
地面に落ちた死人のドッグタグは、他の仲間が拾い集める。
「クソッタレ! 連中の鱗を一枚残らず、アソコの先から全身剥ぎ取ってやるんだ!
グリフ、離せ!」
第三分隊・第四分隊の生き残りとグリフたちを乗せて、ジープは走り出す。
「アスタル」遊撃騎士隊の姿は既に無く、隊員は皆、苦虫を潰した様な顔で離れ行く廃村を睨み続けていた。
「北方の戦場じゃ、もうそろそろ夜明けだな」
ふと見た腕時計の時刻に、ルイが呟く。
二人を乗せたトラックは基地から10kmの地点に差し掛かり、
トンネルもようやくその出口を覗かせた。
ルイはガリーナを揺り起こすと、彼女の足元に装備一式を置く。
「目が覚めた? もう少しで到着だから、着替えておいて」
ガリーナに背を向け、荷台のビニールカーテンを捲って外を眺める。
「基地に着いたら、君の隊へ案内する。
君の所属は、陸軍第九歩兵師団『Psychedelic Pockey』の第二旅団」
(遊撃騎士隊)
>58
>「どけよ! 手前はダチを殺られたのかよ、グリフ!この冷血動物、俺の仲間を殺りやがった……!」
「黙って聞いていれば!つけあがるなよ共和国人!ドワーフの技術を科学力を有しているから、貴様ら共和国人は
我々帝國軍を、原始の戦士か何かを見るような目で見ている!自惚れるな!
我々帝國軍獣人騎士は貴様ら以上に義と誇りを重んじ、自然と共にあることを望む者達だ!」
詰め寄ってきたランドを見下ろす形で、遊撃騎士の一人が真っ向から挑んできた。
>「クソッタレ! 連中の鱗を一枚残らず、アソコの先から全身剥ぎ取ってやるんだ!
「人間、我々爬虫類型獣人のそれはお前ら人間のモノより立派で、鱗など生えていない。
帰ったら図鑑でも引っ張り出してよく確かめる事だな…そして、仲間を殺されて悔しいのは貴様一人ではない」
そうとだけ言うと、その遊撃騎士はグリフに背を向け、集結し始めた自分の隊へと戻っていった。
同じ頃、軽装騎士隊、重装騎士隊、竜騎士隊も戦闘を終え、陣地に集結し始めていた。
(ウィッテ)
>13
>紅羽は静かな寝息を立てはじめた
ふと、自分の胸に埋もれている紅羽を見やると、静かな寝息を立てていた。
「あらあら…先生はおねむの時間ですか?クスクス…」
紅羽の18歳という実年齢を感じさせないほど無邪気な寝顔がどうにも可愛らしく、妙に微笑ましい気持にさせるものであった。
ウィッテは紅羽をそっとベッドに寝かせると、布団を掛けてやり、空になった食器を載せたお盆を持って仮眠室を後にした。
「帰って来ない」
空軍大佐、デズモンド・ハーケニングは唸った。
救出部隊は廃村から戻って来た。
しかし其処に居る筈の鈴木中尉と、其処に向かった筈のヴェルターは行方知れず。
「無線も通じなくなっちまって……」
困惑した表情を浮かべ、ヴェルターを運んだ輸送ヘリのパイロットは答える。
「ワーム」隊長のエディが横合いから、
「カイザーという男も、単身で敵地へ潜入したと」
「そいつも帰って来てないのか、探せ」
傍らに佇んでいた下士官を促し、デズモンド自らは屋内へ戻る。
東の地平線は白み、一帯から黒々とした闇が逃げていく。
基地からの眺めは整然としていて、昨晩の喧騒が嘘の様だ。
無数に転がる未処理の遺体も、放棄された戦闘車両も、司令室の窓からは分からない。
淡い日の目に映える広野は、その失われていた色彩を徐々に取り戻しつつある。
ワレンスタインは司令室に軟禁した。空いた時間で彼を送還しなければならない。
本国からの指令により、剥奪された彼の指揮権は大佐へと委託される。
「大佐、私はいつ頃本国に戻れるのかね」
「両日中には……」
老将は磨き上げられたデスクに両手を置き、俯く。
「言い訳じみた話だが、私は負けるつもりは無かった。一部のみの譲歩だった。
デスクワークばかりでいよいよ耄碌したんだろうな。
正直、こんな取引一つで何か変わる訳じゃない、と思っていたよ。
しかし戦争は非情だ。妥協、ましてや八百長など……。
企業は戦争をコントロールしようと、いや、今現在コントロールしとるよ。
どちらを勝たせるつもりなのか、どちらにも勝たせる気が無いのか。
この一件で私と君は、奴らにマークされた」
「企業が我々を殺しに来るとでも?」
「近いうちに、な。連中は妥協しない」
>59
「ん……分かった。すぐに着替えるから」
ルイが目線を逸らしきらないうちから衣擦れの音を立て始める。
用意された着替えの中に下着も含まれていたので、それも着けた。
眠気の抜けた頭にルイの声が聞こえてくる。
>「基地に着いたら、君の隊へ案内する。
>君の所属は、陸軍第九歩兵師団『Psychedelic Pockey』の第二旅団」
「そこがルイのいる部隊か。他の人間ともせいぜい仲良くしないとねー。
ルイは友だちとかいないの?そんなものには興味が無い?」
世間話程度に話し掛ける。どちらかというとガリーナの神経は着替えの方に集中していた。
社会の縛りの外で生きてきた彼女にとって、制服の袖に腕を通すというのは初めての体験だった。
多少の違和感を感じながら着替えを済ませる。
「…似合ってるのかな、これ」
>63
高い山々に取り囲まれる広大な盆地に、その施設は建造された。
「オールド・スクラッチ」の住居であり研究所、軍の訓練施設も兼ねるシークレット・エリア。
現在駐屯している二個師団はいずれも共和国陸軍の「異能部隊」であり、
陸軍の最先端かつ実験的な戦闘訓練が行われている。
基地内で一番の古参は第九歩兵師団だが、第二旅団に限っては恐ろしく若い部隊だ。
ルイと各大隊長、その他一部の兵を別として、ほぼ全員が実戦経験ゼロの新兵。
多くがチャイルド・ソルジャーと呼んで差支え無い子供ばかり。
そしてその一人一人に、少なくとも戦闘機一台分に匹敵する程の大金が費やされている。
>「そこがルイのいる部隊か。他の人間ともせいぜい仲良くしないとねー。
>ルイは友だちとかいないの?そんなものには興味が無い?」
ルイは少しの間、考える様な素振りをして
「仲間なら、生まれて此の方ずっと腐れ縁のが二人ばかし。
後は部下が1500名。それと君」
>多少の違和感を感じながら着替えを済ませる。
>「…似合ってるのかな、これ」
「うーん……初めの内はおかしな感じでも、訓練が終わる頃には慣れてるさ。
髪の毛は地でその色かい? 薬、それとも魔法染色?」
二人が話している間に、トラックは基地のゲートへ到着した。
警備兵は荷台のビニールシートをめくるなり、数歩下がって敬礼する。
ルイがおもむろに敬礼を返すと、トラックの運転席から降りて来た二人がケージの鍵を開けた。
「檻に入ったままじゃ具合も悪いから、乗り換え」
そう言ってルイは、ガリーナにトラックから降りる様促した。
「ん……ふわぁーぁ……。」
夜明けと同時に、紅羽は目を覚ました。
空の食器は既にそこになく、ウィッテももう部屋にはいなかった。
「…ちょっと…寝すぎちゃったかな……?でも、疲れは十分取れたな……。んっ…!」
上半身を起こし、軽く伸びをした後、ベッドから降りた。
「さてと…これからどうしようかな……。」
その場で軽く屈伸や伸脚運動をしながら、今後の行動について考えた。
(患者さんの治療に行くか……この病院内をちょっと調べてみるか…。)
「…っくしゅん!……あ…そうだ…僕の白衣…。」
よく考えたら、今の自分は下着姿だった。寒くて当然である。
紅羽の白衣や服は、休憩室で看護婦達に脱がされてそのままにしていた。
「…まずは服を取りに行かないと…今なら、あの部屋誰もいないはずだし…。」
下着姿のままで、紅羽は仮眠室を後にした。
>64
「へえ、友達いるんだ。なんか意外」
仲間と言い換えられた部分を、敢えて友達と言い通す。
しかしこちらから話を振っておいて失礼な話だが
ルイに仲間と呼べるような親しい人間がいるとは思わなかった。
腰巾着じみたご機嫌取りはいても、友人はいないというのが彼女の予想だったのだが。
その後も彼女の髪の話や家の話など、取りとめの無い雑談がぱらぱらと続く。
「…ルイの仲間か。素敵な性格してそうね」
その他は何も聞かない。ルイに尋ねさえすれば――彼が教えるのならばの話だが――
ガリーナがこれから出向く第二旅団について知ることが出来たはずだ。
結局彼女は第二旅団という逸脱した集団について、すべて入隊した後に知ることになる。
>「檻に入ったままじゃ具合も悪いから、乗り換え」
ガリーナはわざと上品に振舞ってみせて檻から出た。警備兵の顔色は窺えない。
車を降りるついでに辺りを見回すと、
基地全体を囲うように広がった山脈が、外界の目を一切遮断していた。
「ずいぶん大事に育てられてるのね」
未明、体内からの急を要する訴えに、颶風は目を開いた。
ゆっくりと体を起こすと同時に、からっぽの胃が大きな音を立てて鳴る。
「おなか、空きましたね」
ポツリと呟く。充分に休息を取ったとは言い難いが、それでも多少は回復したのが判る。
魔力の回復は、通常時の半分弱と言った所か。
思ったよりも、遅い。空腹と、生命力まで使う破目になるような無茶が、未だに尾を引いているらしい。
ぱたりぱたりと、まくらを尾で軽く叩きながら考え込む。
出来るだけ早く、『食餌』を摂りたい物ではあるが・・・・。
「幾らなんでも、手近な所で済ますのはまずいですよね」
忙しく立ち働く看護士達を見遣りながら呟いた。
草食獣の獣相を持つ彼女らは、甚く颶風の食欲を刺激するのだが・・・・。
故郷で食物連鎖の頂点に立つ颶風にとって、同種であるはずの獣人を獲物として見る事にタブーは無い。
このような認識に至るまでには、故郷での法や慣習宗教的な意味合いなど、様々な要因が絡んでくるのだが。
基本的に、『より捕え易い獲物が居るから周囲の者に手を出さない』だけであり、
『他に獲物が居ない』状況であれば、周囲の人間や獣人を捕食する事に躊躇いは無い。
無防備に近寄ってきた看護士に、本能のまま狙いを定める。
脳裏に、ちりちりとした感触が生じたのはその時だ。
(ふむ、これも『召喚契約』に触れますか・・・・)
確かに、『帝國臣民を捕食する』=『帝國の不利益になる』事ではある。
その気になれば、無視して事を運ぶ事も不可能ではないが・・・・。
(まぁ、不愉快なのは確かですしね?)
看護士達に向けた『食欲』を抑えると、脳裏の不快な感触も消える。
颶風は、慎重にベッドから降りた。動くだけなら、支障は無さそうだ。
『狩り』に出るだけなら、これだけ動ければ充分だろう。
「敵兵でも、探しますかね」
魔術を併用しなければ為らないほどの相手を狩るつもりは無いが、
出た先でどんな強敵に出会うかは判らない。
内なる魔力の枯渇には多少不安が残るが、それは仕方が無い。
回復を早める為にも、何か腹に納める必要がある。
「近隣に牧場でもあれば、一番角が立たないのでしょうが・・・・」
家畜を飼育している農家でもあれば、家畜を買い取って喰えば良い。
・・・・前線では望み薄だが。
颶風は、のんびりと歩き出した。
途中で誰かに誰何されたら、『威力偵察に出る』とでも答えておく事にして。
行動:『狩り』の為に病院を出ようとする。(まだ病院内)
>67
ガリーナと共に車を乗り換え、事務所へ向かう。
「入隊手続きがある。内容は大体でっち上げで、後は君のサインを貰うだけだ。
それと書類上では、君がホロクロム氏の了解を得て志願した、って事になってるから」
起床時間の早い幾つかの部隊が、基地内を駆け回っている。
「ポッキー」第二旅団の隊はまだ見えない。
ルイはゲートからそう遠くない場所でジープを止め、ガリーナの手を引いて降りる。
「名前は書けるだろう、サインするだけでいい」
事務所へ入ってすぐのカウンターに声を掛け、事務員から書類を受け取ると、
形式だけの手続きを指示する。
「そこに名前を書いて終わり。もし何かマズい所があったら言ってくれ」
(空戦騎士隊)
帝國獣人騎士団『アスタル』が陣地に集結し始めている頃、後方の兵站基地には本国から飛竜で運ばれてきた獣人の一隊が到着していた。
数頭の輸送型飛竜船に分乗して此処まで着ていたのは、『アスタル』から一時離脱して本国で再編成中であった『空戦騎士隊』であった。
『空戦騎士隊』は鳥類型獣人のみで構成された騎士隊であり、竜騎士隊とは違って空を翼で飛べるので、彼らは空中からの支援を主に行う。
輸送型の飛竜船から降りた空戦騎士隊の面々は肩に長大な布袋を担いでおり、袋の中には大口径の魔装銃が入っている。
彼らは空中からの火力支援を得意とし、必要とあらば降下して乱戦に加わる事もあるので、騎士団の中では重宝されている戦力であった。
既に空戦騎士隊は兵站基地を離れ、丁度前線との境にある野戦病院に一時着陸してその羽を休めていた。
空戦騎士隊を率いる大鷲の獣人、『ルフルム・ダナドゥ』は野戦病院に運ばれてきているであろう『アスタル』の獣人の騎士達を見舞おうと、
野戦病院の正面玄関から病院内に入った。
朝早い時間にも関わらず、看護婦達は院内を慌しく駆け回っている。看護婦達はルフルムの獣人としての巨躯の脇を擦り抜けるようにして行き交う。
あまり野戦病院に来たことの無いルフルムには勝手が分からず、看護婦の誰かに尋ねようとはするが、ルフルムなどは眼中に無いようだ。
仕方が無いのでルフルムは案内板を見て、院内を探索する事にした。
「ふむ…獣人の病棟はこっちか」
長身を折って案内板を見、行き交う看護婦の邪魔にならないように背中の翼と巨躯を出来るだけ縮め込めて、獣人病棟へと足を運んだ。
>68
「ん?」
途中、曲がり角を曲がるときに何かが自分の胸に当たりにぶつかった。ルフルムは動じてはいないが、ぶつかった何かは尻餅をついたのだろう。
視線を下に向ければ、地面には自分と同じ翼を持った女性が尻餅を付いていた。
「おおっと、これは失礼」
ルフルムは慌てて女性に手を差し伸べ、引き起こす。女性は一見、看護婦という訳でも無さそうだ。かといって兵士にも見えない。
だが、驚くべきなのは女性の容姿。翼は生えてはいるが、顔は人間のうら若い女性。女性の後腰辺りからは尾も窺い見える。
亜人か?ルフルムはそう思ったが、少なくとも彼が生きてきた二十年間の余りの人生の中で、人間の姿と鳥人の姿を持った種族など聞いた事も無い。
士官学校時代は民族史サークルに所属していたので、東方大陸と西方大陸に住まう古今の民族については、下手な民族学者よりも詳しい。
(うーむ…古代のシャステカ帝国時代には顔が鳥人、体が人という変った種族がいたらしいが…この女性は反対だな。
顔は人、体も半分近くは人であり、鳥人の特徴を随所に残してるだけだ……うーむ。何と珍しきかな)
まじまじと女性の姿を観察し、物珍しそうに彼の猛禽類のように鋭い瞳が女性の顔を覗き込んでいる。
>70
ふわりと鼻先を掠める、嗅ぎなれないつんとした臭い。
故郷では用いられる事の無い様々な薬品の臭気に、つい気を取られる。
すたすたと、曲がり角を曲がろうとし・・・・、軟らかいような硬いようなモノに、したたかに鼻をぶつける。
空腹で力が入らないせいか、後ろによろけて尻餅をついた。
普段なら見せないような醜態に顔を赤らめる。
滅多にとらない『素』の姿だ。身動きの取り辛い事この上ない。
颶風の母が招いた男は、このような姿だったらしいが・・・・。
やはり、人の姿という物には馴染めそうに無い。
>「おおっと、これは失礼」
>ルフルムは慌てて女性に手を差し伸べ、引き起こす。
意地を張っても仕方が無い。不慣れな姿をとっている今だからこそ、ありがたく手を借りる。
立ち上がった後、出来るだけ無様に為らぬよう、故郷の神殿風の礼を取った。
顔の前で、軽く両手の指先を合わせ、軽く腰を折る。
「こちらこそ失礼いたしました」
>まじまじと女性の姿を観察し、物珍しそうに彼の猛禽類のように鋭い瞳が女性の顔を覗き込んでいる。
「何か?」
まじまじと見つめる視線を感じ、苛立たしげに尾を振った。
明け方の、まだ暗い周囲に合わせて広がっていた瞳孔が、感情に合わせて細い月の様な形に引き絞られる。
頭頂部から首筋にかけてを飾る糸のように細い青い羽根が、緊張を映した様に立ち上がりかけた。
指先に生えた鉤爪が、ゆっくりと起き上がり始める。
素早く彼我を比較する。それは、半ば本能的な反射で。
この相手は、獲物にするには手強すぎる。
そう判断し、取りかけた戦闘体制を無理矢理解いた。
立ち上がりかけた飾り羽を手早く撫でつけ、指先の鉤爪を手の中へ握りこんで隠した。
体調が万全であるならともかく、今は戦うべきではない。
第一、相対する猛禽が身に着けているこの紋章は、帝國軍の物だ。敵では無い。一応は。
「では、所用がありますので、これで」
軽く会釈をして、脇を通り抜ける。
行動:その場を立ち去ろうとする。
「………退却?……押し返すのは無理?」
戦場が見える崖の上でジェイクは何かブツブツ言っていた。
「………そうか。りょーかい」
手に持っていた小型の無線機をしまってライフルを担ぐ。
「…面白くないな。フツーに退却するのは……ん?」
ふと目に帝国の野戦病院が映る。
「…………」
無言でライフルを構えて照準をあわせる。
戦場に、怪我人病人関係無し。女子供老人差別無し。
公平平等、敵側に属するのなら、分け隔てなく死を与えよ。
……古巣で聞かされた言葉だ。
「……ヘドがでる」
腐っても、戦えない奴を殺しはしない。
さて、いっぺん本社に戻って帰還報告でもしよう。
行動:帰還準備
(ルフルム)
>71
傍から見れば変化が無いように見えるが、女性の中では徐々に闘争への体制が整りつつある。
鍛え抜かれたルフルムの鋭敏な感覚はそれを察知し、図らずも体が自然に反応しつつあった。
(む…いかん。実戦から少し遠ざかっているとはいえ、少しばかり神経が過敏になっているな)
鎌首を擡げていた闘争本能を半ば無理矢理に解除し、自慢の鋭い嘴を、鈎爪の生えた鳥類の指先で撫でる。
「失礼。貴女のような種族を私は見たことがありませんので…つい奇異の目で見てしまいました。どうかお許しください」
ばっと帝国式の敬礼を送り、素直に謝る。
(ふむ…この世界には存在し得ない種族。となると外界から呼び出したのか……)
手に取った時に微かに感じた魔力の感触が、少しばかり不思議な感じであったので、恐らく彼女は外界から呼び出された“召喚獣”なのだろう。
>「では、所用がありますので、これで」
>軽く会釈をして、脇を通り抜ける。
「もし」
自分の脇を通り抜けようとした彼女の華奢な手を、咄嗟に掴む。
相手は怪訝な表情をするだろうが、彼の中で徐々に隆起し始めた好奇心はその程度では沈まない。
「物騒な面持ちで何処へ行かれる?外界からの来訪者よ…私には分かりますよ?貴女は今はとても餓えている」
ルフルムは子供の頃から自分が興味を抱いた対象への追求をとことんする。それが何であれ、彼の知的好奇心を満たすまでは決して逃れられない。
「餓えを満たす為なら何でもするといった顔をしている…それでは屍喰鬼と何ら変わりがありませんぞ?此処は一、私が協力して差し上げましょうか?」
そう、ルフルムはこの女性に対し、興味を抱いた。自分の興味を満たす為に、少しでも対象への距離を詰めたい…そう思った末の行動だ。
些細な事であれ、対象に自分を認識させれば少なからず近づく事は容易になる。
「『狩り』ならば我等オオワシの獣人が最も得意とすることの一つです…見たところ、貴女は酷く消耗しておられる。それでは獲物に逆に狩られてしまいますぞ?」
「貴女がいいと仰るのならば、私、帝國獣人騎士団空戦騎士隊隊長、『追い風のルフルム』が手伝ってさしあげましょう」
そして長身を折って礼をする。
休憩室の前までたどり着いた。
今回は、ドアを開ける前に、ドアに耳を当てて中の様子を伺ってみる。
3度も同じ目に合うわけには行かなかった。
「……誰もいないみたいだ…。」
次に、ほんの数cmだけドアを開けて、中の様子を見てみる。
やはり、部屋の中には誰もいない。
「…よし。誰か人が入ってこない内に……。」
紅羽は、部屋に脱がされてからそのままにされていた自分の白衣や服を回収し、その場で一瞬着替えた。
看護婦達に無理矢理着せられた看護服は畳んで部屋の隅に置いた。
「もう、ここには用はないな……早く出よう…。」
目的を無事に果たす事が出来て、紅羽は安心しながら休憩室を後にした。
「…さて、これからどうしようかなぁ…。」
今後の行動について考えながら廊下を歩いていると、
部屋の名前が書かれたプレートがかかっていない謎の部屋を発見した。
「……何の部屋だろう…怪しいな…。」
入ったら、何か拙そうな気がしないでもないが、どうしても入ってみたい。
「どうしよっかなぁ……。」
>69
「―――不服は無いわよ」
サインを済ませてルイに手渡す。
窓から見える空は、確実に朝を迎えつつあった。
陽光が差せば少しは空気も温まる筈だが、ガリーナの身体は上手く熱を感じ取れない。
どこが悪いというわけではないのだが、暑いと寒いをあべこべに受け取ったり、
時に全く関係が無いように思える体調変化に結びついたりするのだ。
「眺めるぶんには好きなんだけどね、太陽」
ふと見ると、所内では同じような服を着た事務員が業務をこなしている。
ガリーナも外を走っている隊員達も、着ている服だけを見ればみな同じに見えた。
特異点として存在することに慣れた彼女にとっては珍しい体験だ。
肌や髪の色が目立つとは言え、訓練に集中していればそう気にもなるまい。
(ウィッテ)
>74
「あら、先生、どうなさりましたか?」
不意に曲がり角からウィッテが現れる。しかし、彼女は片手に薙刀を持ち、胸には胸甲を付けて武装していた。
此処、野戦病院では一応警備の為の兵士が幾人かいるが、人数は少なく、ウィッテのように武装をして見回りをする看護婦も少なくは無い。
今日は丁度彼女が見回りの日であり、片方の手には灯の消えたランプを持っていた。
「その部屋に用でも?」
>75
手続きを終え、再びジープに乗り込む。
「君の隊の居る兵舎へ連れて行く。第二歩兵大隊の本部中隊だ。
機甲化師団に君のマシンを入れる話もあったんだけど……何分特殊な機械だから。
自分の畑で処理出来る方が安心だしね」
第九歩兵師団・第二旅団の兵舎に着くと、ルイはガリーナを連れて演習場の方向へ歩き出す。
「何人かはもう起きて待ってる。本部中隊は皆目付きが悪いから、他の隊とはすぐ区別が付く」
しばらく行くと、演習場の芝生に一人佇む少女を指差し
「彼女は本部中隊の副長だ」
少女は旧式の小銃を抱え、演習場の東から昇り始めた太陽に向けて叫ぶ。
「これぞ我が銃!」
ウェーブのかかった長い髪は灰色、捲り上げた迷彩服の袖からは白く細い腕が見える。
足元には何かの荷物と、くたびれた軍帽が置かれていた。
「銃は数あれど我がものは一つ これぞ我が最良の友 我が命……」
「シャーリーン!」
ルイが出し抜けに声を掛けると、少女は二人の方へ振り返った。
深いグリーンの瞳と大理石の様な肌の白さ、歳は十五、六ほど。
抱えていた銃を片手で地面へ垂直に下ろし、ルイに敬礼する。
ルイは軽く敬礼を返し、
「シャーリーン、これが例の新入り。今しがた着いたばかりなんだ、案内頼めるかな」
途端に少女は顔をほころばせ、敬礼の姿勢を崩すと
「了解です、大尉。時にベルナール中尉は」
「アイツも着いたばっかりで、多分着替えてる頃。
それと今日付けで昇進したから、アイツ大尉だよ。僕は少佐……」
答えると、ルイは元来た道を戻り始める。
「おめでとう御座います―少佐殿」
「それと、夜になったら彼女を貸して。例の新兵器を見せるんだ。
あー、だからガリーナ、訓練でへばらない様にね。見たいだろ『バレエ』」
ルイが演習場を後にすると、少女はふとガリーナを見遣る。
「少し待っててくれる?」
返事を待たずに小銃を抱え上げ、
「どこまでやったかな。ええと―
これぞ我が銃 銃は数あれど我がものは一つ これぞ我が最良の友 我が命
我 銃を制すなり 我が命を制すごとく
我無くて銃は役立たず 銃無くて我 役立たず
我 的確に銃を撃つなり 我を殺さんとする敵よりも勇猛に撃つなり
我 銃を撃つなり 我を殺さんとする敵よりも早く
神かけて 我これを誓う 我と我が銃は祖国を守護する者なり
我らは 我が敵には征服者 我が命には救世主
敵滅び平和が来るその日まで かくあるべし アーメン」
銃を下ろし、ガリーナへ振り返る。
「宜しく、ガリーナ。私はシャーリーン」
>76
「…よし、開けちゃえ……。何か、面白いものがあるかも…。」
ドアノブに手をかけ、回そうとする。しかし、そこに……。
>「あら、先生、どうなさりましたか?」
>不意に曲がり角からウィッテが現れる。しかし、彼女は片手に薙刀を持ち、胸には胸甲を付けて武装していた。
「うわっ!?」
突然ウィッテが現れて、驚いた紅羽はドアノブからすぐに手を離してウィッテの方を向く。
彼女はよく見ると武装していて、片手には薙刀を持っている。
「そ…その格好は……あ、見回り…ですか?え…ええと、お疲れ様です。
…え…えっと、この部屋…ネームプレートが貼られていないし…何の部屋なのかな・・・って思って…。
興味があって、ちょっと調べてみようと思ったんです。ほ…ホントですよ?」
やや早口で話し、何とか自分を正当化させようとする。
(ウィッテ)
「あら、大して面白いものはありませんよ?それが証拠に…」
ウィッテは後で結った栗色のリボンで一本に留めた髪を揺らしながら、ドアに歩み寄ってドアノブに手をかける。
そしてゆっくりとドアノブを回し、ドアを開けて紅羽に室内の様子を見せる。
「ほら、大して面白くもありませんでしょう?此処は看護婦達の私物倉庫ですよ」
ランプを灯すと、暗い室内が淡いオレンジ色の光でぼんやりと浮かび上がる。なるほど。ウィッテの言う通りだ。
天井まで届く棚には、名札がつけられた大小様々な旅行鞄などが所狭しと積み込まれるようにして安置されており、
少しばかり無言の威圧感を感じる。良く見れば、鞄の幾つかからは私物がはみ出している。
「各自の部屋のロッカーに入りきらないので、此処に安置しております。このような部屋が他にも幾つかありますよ?」
獣人であるウィッテは暗闇でも人間以上に目が利くので、ランプの灯りに頼らずとも充分に部屋の様子が見て取れる。
ふと目を床に凝らすと、何かの紙切れが落ちていた。ウィッテはそれを長身を折って拾い上げると、紅羽に見せた。
「ほら、この部屋のネームプレート。何かの拍子に剥がれ落ちたのね」
そしてドアに戻り、ネームプレートを張り直す。プレートには『私物保管倉庫B』と書かれていた。
>79
>「ほら、大して面白くもありませんでしょう?此処は看護婦達の私物倉庫ですよ」
>ランプを灯すと、暗い室内が淡いオレンジ色の光でぼんやりと浮かび上がる。なるほど。ウィッテの言う通りだ。
>天井まで届く棚には、名札がつけられた大小様々な旅行鞄などが所狭しと積み込まれるようにして安置されており、
ウィッテの言う通り、部屋の中はただの看護婦達の私物倉庫だった。
何も自分の興味をそそるような物は一つも無かった。
「あ…なんだ…そうだったんですね……。ちょっと、面白いものでもないかと期待してたんですけど…。
例えば、古代の遺跡に眠っていた古文書だとか…。僕、そういうのを解読するの好きなんですよね。」
好きというか、それが魔戦士の紅羽の本当の仕事だった。
古文書を解読し、そこに書かれていた内容を調べ、また遺跡や洞窟を調査する…。
そうして、紅羽は魔戦士の力をどんどんと付けてきた。これからも、もちろんそれを続けるつもりだ。
そのうち、世界を支配できるような最強の力を身に付けるかもしれない。
しかし、紅羽はそんな事をするつもりは毛頭ない。ただ、ある目的を果たしたいだけだ。
「あ…それじゃ、僕は患者さんの治療に戻りますね。僕は、ここに遊びに来たわけじゃないですし…。
ちゃんと、患者さんたちを助けてあげないと。貴方は…まだ、見回りを続けるんですか?」
余麿(よまろ)けるて・リフィーラン・ラカーシャ蒼月(そうげつ)(以後ラカーシャ蒼月)
は肥大化し過ぎたこの戦いを終わらせ、世界の荒廃を防ぐため企業の一部の幹部に独断で召喚された。
企業には共和国と帝國の膨大なデータが保存されている。
ラカーシャ蒼月はどちらを勝たせるか考えるため、そのデータに目を通していた。
「・・・共和国は何とも言えないが、帝國には今だおかしな制度が残っているらしいな。」
その時、一人の男が歩いてきた。ラカーシャ蒼月を召喚した男だ。
「どうです?決まりましたか?」
ラカーシャ蒼月は男の声を聞き、ゆっくりと顔を上げながら答えた。
「んむ、まあな。」
男は無表情なまま口を開いた。
「それはよかった。これがバレれば我々も唯ではすみません。
しかし、それ以上に我々はこの世界の行く末が心配なのです。
上層部はこの戦争をコントロールしていい気になっているが、
世界の荒廃に目を向けていない。世界が荒廃し、衰退していけば商売もできないというのに・・・。」
ラカーシャ蒼月はデータに目を通しながら言う。
「ん。まあ保証はできないが任せてくれ。」
その後ラカーシャ蒼月は帝國領に忍び込んだ。
皇帝及び帝國上層部を人質に取り、無理矢理戦争を終結させる為である。
アスタル、帝都近衛騎士団、ネクロマンサーやその他もラカーシャ蒼月の敵ではなかった。
まさに瞬殺と言うに相応しい速さで猛者どもを倒していくラカーシャ蒼月。
だがそれも世界を一瞬で消滅させられる力を持ったラカーシャ蒼月には造作もないことだった。
エルフがいずれ世界を滅ぼすことになると言った、途中で召喚された二体の相対する者は
少々厄介だったと言わざる得ないが、それでもラカーシャ蒼月は無傷で勝利した。
そして、ラカーシャ蒼月は皇帝の前にいた。無論、兵士は全員倒してある。
皇帝は声を上げた。
「な、なん……ぐっ!!」
ラカーシャ蒼月は手刀で首筋を叩き皇帝を気絶させた。
「確保完了。しかし、間抜けズラだな。」
こうしてラカーシャ蒼月は、帝國上層部と皇帝を人質に取り事実上帝國の降伏という形で偽りの和平を結ばせたのである。
その後、企業での事。
「それにしてもな……。」
ラカーシャ蒼月の呟きを聞き、男も口を開いた。
「何か?」
「いや、こんなんじゃまたいつテロや戦争が起きてもおかしくないんじゃないかとおもってな」
「それについては色々策を考えてあります。なんとしても防いで見せましょう。」
「・・・そうか、ならいいんだが。」
「帝國と共和国で召喚された異世界の者は全員送り返したそうです。
企業で召喚した者も送り返され、残るは貴方だけです。」
「これから、あんたはどうなる?」
「私ですか?今回のことに賛同してくれる幹部の方が思ったよりとても大勢居て
なんとか処分を受けずにすみそうですよ。」
「そりゃよかったな。じゃ、俺もそろそろ元の世界に帰るとするか。」
オリキャラウォーズ
完
↓以下雑談所
紅羽 ◆KUU/KZ07xoってヴェルターのこと
散々外道呼ばわりしといて自身は人質見殺しに
する気だった半端イカレポンチ外道キャラだな。
>そのうち、世界を支配できるような最強の力を身に付けるかもしれない。
ツッコミどころあり過ぎw
そんな簡単に最強の力が手に入るってどんないい加減な世界やねんwww
滅んでないのが不思議wwwつーか糞ショボスwww
ご都合主義的最強厨乙ワロスwwwwwwwwwwwwwww
84 :
名無しになりきれ:2005/04/07(木) 17:17:59
晒し
85 :
名無しになりきれ:2005/04/07(木) 17:47:51
ゲートルの「必ず廃れる」という予言は当たった。
いつそんな予言を?
ジェイクは戦地から離れた街にいた。
帝国側の小さな街だが、活気に溢れるいあ街だった。
少なくとも、こういう街は戦禍に巻き込みたくはないな。
ふと、偽善的な考えが頭をよぎる。
「やれやれ……」
全く、矛盾だらけじゃないか。俺は戦争を長引かせる役だぞ?
とりあえず、安くて飯の旨い宿を確保したジェイクは公園のような場所でベンチに寝そべり、ぼーっと空を眺めていた。
流れる雲、蒼い空、飛んでく小鳥。
「……平和だ」
ボロボロの格好でライフルを小脇に置いたジェイクの姿は平和とは凄まじく離れたものだが、少なくとも、今は平和だ。
「……次のミッション、訊いておかねーとな」
まぁ、急ぐわけでもない。
ジェイクはノホホンとベンチを占領していた。
88 :
名無しになりきれ:2005/04/08(金) 22:38:05
仕掛け人が消えたら結局馴れ合いか
89 :
名無しになりきれ:2005/04/08(金) 22:38:29
生徒会長、ここで戦争やってるよ
90 :
名無しになりきれ:2005/04/08(金) 23:50:38
ジェイクはなんちゃってスレに帰れよ
91 :
名無しになりきれ:2005/04/11(月) 22:55:51
92 :
名無しになりきれ:2005/04/11(月) 22:57:38
なぁ
糞スレあげんな!
もうね、急にリアルが忙しくなったりするのは勘弁していただきたいものですが。
大変長らく間を空けてしまい、申し訳有りません。
>73
>自分の脇を通り抜けようとした彼女の華奢な手を、咄嗟に掴む。
ただでさえ空腹のせいで神経がささくれている颶風である。
強引に引き止めた相手に、その纏う異質な気に、肉体が勝手に、感情を映して変化を始めた。
柔らかな人の皮膚の上に、うっすらと淡雪が被ったように獣毛が生じ始める。
(流石に、まずいですよね・・・・?)
反射的に起こった変化を、理性で抑える。
・・・・押さえてもなお、止まる事は無かったが。
多少速度は遅くなったものの、獣化は確実に進行している。
骨格を組み替え、筋肉を増やし・・・・。
じりじりと緩やかに、颶風の外見が変わっていく。
『素』の姿である人の姿から、二周りほど体格の良い獣人の姿へ、
さらには完全な獣の姿へと。
その過程、獣人への変化を途中で食い止める。
中途で押し留められた骨が、きりっと微かに軋みを上げた。
>「貴女がいいと仰るのならば、私、帝國獣人騎士団空戦騎士隊隊長、『追い風のルフルム』が手伝ってさしあげましょう」
その言葉は、颶風に対して劇的な効果をもたらした。
ただし、負の方向に。たとえ、それが純粋な好意から発した物であろうとも、だ。
「それは、遠回しな死への憧れの表明ですか?」
すっと、颶風の目が細められる。
柔らかな細かい羽毛が、咽喉や頬を覆い始める。
髪の生え際から背筋を通って、簡素な検査衣の下まで続く飾り羽兼鬣が、一気にぶわっと逆立った。
普段の獣人の姿であれば、体中の羽毛や毛を膨らませていた事だろう。
『狩は、獲物との勝負』
そう教えられ、本人もまたそう考えてきた颶風である。
外交上の儀礼としての狩に招かれた時ならともかく、
自分自身の為の狩に他者の手を借りるなど考えられない。
あまつさえ、『逆に狩られる』などとは侮辱も良い所である。
・・・・故郷でも、他の種族に理解される事は無かったが。
「手助けは不要」
腹立ちを隠そうともせず、そっけなく言い放って歩を進める。
まだ掴まれたままの手に、眉を顰め、押さえていた肉体の変化を一気に早めた。
急激に太さと膂力を増す手足を利用して、強引にルフルムの手を振り解く。
「鬣の氏族の誇りにかけて、他者の手を煩わせる事は致しかねます」
返答も聞かず、足早に歩み去る。
出来るだけ早く建物を出なければ、途中で廊下に詰まって動けなくなる、などという醜態を晒しかねない。
人間の建物は、獅子やその同類項が自由に動けるような物では無いのだ。
行動:獣化しつつ、建物から出ようとする。
94 :
名無しになりきれ:2005/04/14(木) 18:20:44
は〜いクソスレ上げ
宣伝上げ乙w
>77
>「宜しく、ガリーナ。私はシャーリーン」
「こちらこそよろしく、先輩」
―――まさかこうも子供だらけとは。
ルイに始まり、案内される先々で年端もいかない兵隊と遭遇している。
年齢は総じて15歳から18歳、もっと幼い者もいただろうか。
彼らが特別な意図を持って集められた戦力だとするならば、恐らく理由はルイと同じチカラだ。
正確には異なる能力かもしれない。まずルイの能力からして詳細は分からないが。
とにかくそういった超能力とでも呼べるようなチカラを、彼ら一人一人が例外無く持っているということだ。
外見こそ子供のようだが、「中身」に何が詰まっているか分かったものではない。
目の前の美しい色をした瞳の少女も。
「あー………」
彼女、シャーリーンは部隊内でどの程度に位置する使い手なのだろうか。
やけに大事そうに持っているあの銃が主武装と見て間違い無いだろう。
ならば有事の際は先に銃を「人造」する必要がある。得物を失った後はどう動くだろう。
もし殴り合いにもつれるようならば負ける気は無い、素手で腰を刈る―――
「………っと。駄目だ駄目だ」
何故か、自分でも気付かぬうちに相対したときの事を考えている。
「気を取り直して。分からない事だらけだけど、色々ご指導お願いするからね、シャーリーン」
どうにも只の人間という気がしないからか、彼らと対面すると過敏になってしまうようだった。
ルイに向かって仲良くする、と口に出して主張していたのも、翻せば仲良く出来そうにない心境を表していた。
訓練についていく自信は半々だ。あとは彼らと正しい距離を取れるようになればいい。
彼らは敵ではないのだ、こちらが意識し過ぎさえしなければそれで済む。
彼らは敵ではない。彼らは敵ではない。彼らは敵ではない。そう言い聞かせた。
>96
>「気を取り直して。分からない事だらけだけど、色々ご指導お願いするからね、シャーリーン」
「ええ、そのつもり。安心して」
そう答えると、少女はガリーナに背を向けて歩き出す。
演習場の隅に溜まった何人かの隊員が、遠くから二人へ手を振る。
「例の機動兵器のパイロット? プレッシャーを掛けてるみたいだけど、実戦じゃあなたを要にした作戦も
少なくないだろうから覚悟しておいて。それとね、この隊でやっていくのに一つ大事な事が」
不意に立ち止まると、担いだ小銃を肩越しに持ち上げ、ガリーナに背を向けたまま銃口を突きつける。
「頭の中もしっかり整理する事。あなた、ちょっとピリピリし過ぎ。
緊張してるのは分かるけどね、そのまんまで隊にケツを寄越すのはお薦めしないわ。
大体気付いたんじゃない、どんな部隊か。ルイと話した? 彼の手品は見た?
手品だけじゃなくて、彼も私と同じ事が出来る。あなたが何考えてるか読み取れるの、大よそは。
声を出さずに会話も出来る、試してみる? そう……あなたお幾つ?」
銃を降ろして、
「身長・体重は? 好物は何? 恋人は?」
(ハロー、聞こえる? 耳で聞こえる声でなくて、直接あなたの思考にアクセスしてる。
ちょっと変わった脳味噌してるね。ガリーナ・アウリチカ。22歳。身長164cm、体重49kg。
ドラゴン食べるの? ワーオ…… 彼氏も変わった人ね、今は会えないのかな。
私は副隊長。この銃―M14は大事な銃だから、あんまり触って欲しくない。
肉弾戦がお得意? まあ、その内試してみましょ。
大体分かったみたいだけど、つまり……)
「この隊じゃ、あなたのプライバシーは死んだも同然。
テレパシーも、まだ受信専用のトランシーバーみたいなものね。要練習」
困ったねぇ…
人生はクソゲーだよな
101 :
名無しになりきれ:2005/04/22(金) 14:12:50
aho
102 :
名無しになりきれ:2005/04/22(金) 15:14:00
素敵だね
保守
104 :
名無しになりきれ:2005/06/10(金) 21:49:23
諸行無常・・・
七誌になり切れを守備商事で召還
カードを場に1枚布施ターンエンド
んがんぐ
一つの風が吹いていた。それは、始まりと終局。両方の音色を奏でているような悲しくも美しい音色だった・・・
そこに立っていたのは―――第2部始まる―――
108 :
名無しになりきれ:2005/06/28(火) 20:35:14
ココナっdat落ち阻止
109 :
名無しになりきれ:2005/06/28(火) 20:47:42
坂本来てるかい?
はい?
〜第二部〜
激しい戦火を散らす二国の争い。
元々は遥か北方に位置する未開の地に眠った古代文明の技術を巡る対立だった。
やがてそれは泥沼化し、いつからか戦火となって大陸に響いた。
未だ明かされない古代の技術。
日に日に激しくなる戦争。
その戦火の中。
それぞれの目的を胸に一際勇ましく戦う者たちがいた。
↓以下、続きヨロ
112 :
名無しになりきれ:2005/06/30(木) 01:10:43
復活希望age
地球人(米国人)「うぉぉぉぉぉぉっ! 燃え上がる闘志ッ!!聳え立つ自由ッ!!
オレは今、猛烈に熱血しているッッッ!!!」
プロトン帝国人「地公(ちこう:地球人、特に地球を実効支配している白人・ユダヤ人に対する別称。
地公を恥垢とかけて呼んでいる)が。真っ黒で汚い油のために
地公同士醜い争いしているお前らはおれたちにとってモンキーなんだよ、バーカ!」
次回レスにつづく
114 :
サルベージャー三世 ◆MILD7/8aHg :2005/07/25(月) 23:25:32
l^l^l
r r|. | レ、 \_WWWWWWWWWWWWWWWWWWWW/
(JJ ノ ≫ トリップ狩り予告! ≪
|´ ≫>このスレには狩るべきトリップも無い!≪
| ≫よって死んでもらう! ≪
│ ノ,, /MMMMMMMMMMMMMMWWMMWWM、\
| ,; " _ ー-、
| j' ,;ノ `、 ヾ、
ト i ;'┌─┬┐|
ヽ i' 6!└─┴┘!
ヽノ ノ_ /\__|
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ヽ ゝ⊥イミ ` - 、⌒ヽ
i | (`>\ ノ (´>`i `ヽ
) 丿 | | | ト、
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`i | | 人 _, j i
`r‐ (`> | | (´> | ヽ `
はいはいわろすわろす
117 :
名無しになりきれ:
がんがるおにいちゃん!!すてき