竜王だが勇者に勝てぬ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
512竜王 ◆Ryuou4.I
>403
おお、すまぬなサリエリよ。てっきり捨てハンだと思っていたでな。
ところで毒殺にちなみ、我も毒を使う方法を考えてみたぞ。

毒の入手法でいちばん手っ取り早いのは、バブルスライムのエキスを抽出して毒薬とする方法である。
しかし我が時代にはバブルスライムはおらぬ。そこで考えたのは、スライムやスライムベスを
毒の沼地で歩かせる、という方法なのだ。すなわち、拳法漫画などに暗殺拳として登場する
「毒手」のアイデアを応用し、スライム達を毒を持ったバブルスライムにしようというわけである。

我はスライム達に命じ、さっそく実行に移させた。しかし、スライム達はHPが少ない分、
毒の沼地を歩くとすぐに瀕死状態になってしまう。そのため少しずつ少しずつ毒になじませ何年もかけて、
ついにスライム達に毒を持たせることに成功したのである。

(竜王注:では、スライムをはじめとする空を飛べない配下達は、通常どのように毒の沼地を歩いているかと
いえば、実に単純なことであるが解毒剤を飲みながら歩いているのである。ちなみに魔術師などの
高度な魔法を使える者達は、バリヤーや毒の沼地などの「地形からのダメージ」を防ぐトラマナを
唱えておるため平気の平左である。とはいえ本来ならば、毒消し呪文キアリーのほうがあらゆる毒を消す
という意味でも使い勝手がよいのであるが、我の時代ではキアリーは封印されているからのう。

…ああん? 何やら非効率だの、毒の沼地を歩かなきゃいいじゃん、だのといった声が聞こえてくるが、
我らの本質は“非効率”“非常識”であるゆえ仕方がないのだ。でなければ魔物なんぞやっておれんよ、わはは)

しかし、毒スライムにすることはできても、どうやっても「バブル」スライムにすることができぬ。
このままでは、何年もの時間をかけた意味がなくなってしまう。我はあせった。
だが、それと同時に、我は気がついたことがあった。スライムを「バブル」化させるための様々な技術は、
莫大な金を生み出すということにな。かくして我は本来の目的を忘れ、マネーゲームに傾倒していく
ようになった。すなわち、バブル経済の始まりであった。

泡立て技術を上手いビールづくりに転用してえた資金を元手に、ラダトーム町の土地転がしや
商人ネットワークの株式独占などによって大量の現ナマを手にした我は、ロトの子孫を札びらではりたおす作戦、
すなわち「ザ・マネーゲーム〜バブルスライムで億万長者になろう大作戦〜」を彼奴に仕掛けたのだ。
しかし、小ざかしいロトの子孫は我の狙いに気付き、なんと我が居城を土地転がしする!
というおそるべき反撃に出おったのだ。かくして我は、我が居城をうしなうハメになってしまったのである。

まあつまるところ、初心忘れべからず、を地でいくイベントであった、とそういうわけであるのう。
サリエリも、初心を忘れず音楽活動にいそしむようにな。