私はラクス・クラインです

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***ヒマラヤの地球教本部***
年老いた石造りの建物の中を、黒衣に身を包んだ壮年の男が正確だが緩慢な足取りで歩いていた。
扉の前に立つと、侍衛の者が一礼してそれを開く。
室内は鈍い白濁した光に満たされていた。
ド・ヴィリエ「総大主教猊下……」
うやうやしく呼びかけたド・ヴィリエは、反応を示さぬ相手にさらに語りかけた。
そしてド・ヴィリエが室内に入って来た様子を総大主教の脇で意外な人物が見ていた。
魔族の獣神官ゼロスである。彼はリナたちがスィーフィード世界に帰った後も
獣王ゼラス・メタリオムの命令で地球に留まり、現在は地球教と接触していたのだ。
ゼロス.。oO(…ド・ヴィリエ、もう謹慎が解かれたのですか……)
ド・ヴィリエ「ヤン・ウェンリーが反世界の艦隊を撃破致しました」
総大主教「……それで、その後はどうなっておる?」
ド・ヴィリエ「全宇宙で反世界やDショッカーへの反撃が始まっております。
        この分ではDショッカーの天下も案外長くないかもしれませぬ」
総大主教「だがここで人類解放軍を英雄に仕立てる訳にはいかん。人類に光を指し示すのは我が地球教でなければならぬのじゃ」
ド・ヴィリエ「御意」
総大主教「ではゼロスに任せよう。ゼロス、人類解放軍にこれ以上勝たせぬように何かよい策を打て…」
ゼロス「まあ僕ら魔族にとっても、戦乱が長引くのは望むところですからやれるだけはやってみましょう」
そう言うと、ゼロスはテレポートで退出した。
ド・ヴィリエ「総大主教猊下、ゼロスに関しましては不確定要素が多すぎます。
        あの男、どうにも心の底が知れませぬ。ご用心の程を……」
総大主教「そんなことは承知の上じゃ。我らの掌の上で踊る限り、どんな形で舞おうとも
      意に介するには及ばぬ。それより、あの不肖者のデグスビイについてはその後、何か解かったかな?」
ド・ヴィリエ「デグスビイがアバレキラーのところにおりますのは確実でございますが、
        問題は、奴がアバレキラーに地球教の秘密を洩らしたや否やにございます……」