私はラクス・クラインです

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ヤン「情報部がもし工作するとしたら、そんなところじゃないか、バグダッシュ?」
バグダッシュ「まあ、そんなところだと思います」

 元ティターンズでありながら、ヤンの暗殺に失敗して転向し、
いつのまにかヤンの部下におさまっているバグダッシュ大佐はそう答えた。

バグダッシュ「メルカッツ提督という人は純粋の武人で、諜報活動とか破壊工作とかには
        無縁でしょう。それにあのマグノとかいうばあさんと副長のブザムという女は
        ともかく、他のクルーの少女達は明らかに工作員向きとは思えませんな。
        ここは信用していいと思いますが」
シェーンコップ「お前さんよりはるかにな」
バグダッシュ「きつい冗談ですな、シェーンコップ中将」
シェーンコップ「冗談ではないさ」

 すました表情でシェーンコップが言い、バグダッシュがいやな表情をした。
対照的な二人を見ながら、ヤンは断を下した。

ヤン「私はメルカッツ提督とマグノ・ビバン女史を信じることにする。
   それに、地球で岡長官や嵐山長官が解放軍を率いて頑張っておられる今、
   火星にいる平和解放機構のメルビ代表やバームのエリカ女王とも協力して、
   私の力の及ぶ限り、彼ら銀河連邦からの特使の権利を擁護する。
   銀河帝国の宿将と呼ばれる人が、私を頼ってくれるというのだから、
   それに報いなければなるまい」
ムライ「どうしてもそうなさいますか?」

 ムライはやや不満顔であった。

ヤン「私はおだてに弱いんでね」