MADARA

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942犬彦:2008/11/19(水) 09:56:26
○ 第三部 [摩陀羅 庇の瞑想編]
残りのチャクラとカオスの暴走を止める為、龍仁と犬彦は合流しカオスのもとへ向かう。
カオスに巣食っていた戊倭主を倒した龍仁たち。
しかしその頃、日本では富士山山頂に須弥山が現れ邪悪なエネルギーを地中に送っていた。
このままでは日本中に天変地異が起きてしまう。
そして姉のエリスも須弥山に居たのであった。転生戦士たちは世界を救う為、姉を取り戻す為に箱舟に乗り込み須弥山へと向かう。
しかしミオ(影王)との戦いの最中、ついに爆発のリミットが来てしまう。
しかし爆発は麒麟の祈りによって回避され、龍仁たちはミオを倒し野望を食い止める。
そして無事に姉を取り戻した龍仁たちは個々の生活に戻っていく。
庇の瞑想とはエリスの祈りの事である。

○ 第四部[摩陀羅 アガルタ編]
平和な日常を過ごしていた龍仁。しかし学校ごとアガルタに飲み込まれてしまう事件が起きてしまう。
この事件の元凶をリリスだと知り龍仁、ヒミカ、十頭、そして前世がアガルタの女王であるナユタとで、
これを救う為アガルタの地へ旅立ちリリスを討伐する。
リリスは水銀生命体となり苦戦を強いられるが、アガルタを守護する四聖獣ナーガの力を借りなんとかこれを倒す。
しかし龍仁たちの倒したリリスは5分の1の力のみであり新たに4人のリリスが現れるが
未央、犬彦、カオスが危機に駆けつけ完全にリリスを消滅させる事ができたのであった。
リリスが倒れた直後、ナユタはすべての力が戻り完全体となる。そしてナユタは一人でアル・アジフの元へ向かってしまう。
それを追いかける為、龍仁、エリス、未央、犬彦、カオスはアガルタ第三階層を目指す。
943犬彦:2008/11/20(木) 22:48:26
オッスゥ!って誰も着てないか・・・
今週はずっとリアルで出張だったんでなw
明日中には第五部スタートさせるぜw
つーか飲みすぎで頭痛い・・・。
出先じゃ自分のペースで飲めないから辛いぜw
食べすぎ飲みすぎには注意しようぜ!少し腹が出てきた感じが・・・w
944以上、自作自演でした。:2008/11/21(金) 01:08:30
w
945以上、自作自演でした。:2008/11/21(金) 03:27:24
ダイジェストはなくても本文よめばわかるからいいが

>田島版転生編【一話】【二話】ラジオドラマ版を【三話】
>小説「摩陀羅 天使篇」

こっちは手にはいらない、わからない
こっちのダイジェストの方が切実に欲しい
946犬彦:2008/11/21(金) 08:54:12
オッスゥ!今日もいい天気だなw
>>944 笑うな!
>>945そっちのダイジェストか!
そうだな、今度時間あるときに作ってみるか。
ただ天使篇はうまくまとめれるか不安だがなw
947以上、自作自演でした。:2008/11/21(金) 09:03:06
マダラミレニアムってやつは?
948犬彦:2008/11/21(金) 11:56:20
>>947ミレニアムかwあれは=僕天の前半部分だからなw
あれはあれで一応完結してるし、単独作品だからな。
MADARA 【第五部 神話編】

[1]
 アガルタ第四階層でリリスを倒した龍仁たち、一行は第三階層へと続くゲートを目指す。
しかし物語は少しの間さかのぼって進める事になる。

遠い昔の話である。摩陀羅の霊性がアガルタから現世へ持ち出されるよりほんの少し前、
神々の国と呼ばれたアガルタ世界、ここから今回の物語は始まる。

 第一階層の中心部に位置する広大な城、そこの玉座にはアガルタを収める真王摩陀羅がいた。
 アガルタは真王摩陀羅を中心に女王那由多、
そして各階層を治める4人の神官たち、ミロク、サクヤ、リリス、アル・アジフ。
 アガルタの世界は平和であった。各階層も神官とその配下、四聖獣により秩序は保たれていた。
しかし、外の世界、現世では争いが絶えず起こっていた。アガルタの住人の中にはイニシエと呼ばれる者たちがいる。
この者たちは現世の者に知恵を分け与え現世の人間を導く為に存在した。しかし力を手にした現世の人間は争いを始め、
中にはアガルタへ攻め込もうという愚か者まで現れる始末であった。その度にアガルタは人間たちを国ごと滅亡させて行った。
 真王摩陀羅はその考えに少しばかり反していた。
王といえど今まで築き上げたルールを覆す事はアガルタの先代を侮辱する行為と同じ事になり難しかった。
この事から真王摩陀羅が下した決断は自らが現世の者を正しい方向へ導くというものだった。
 現世で争いが起こると真王摩陀羅は直属の配下である「13人の天使の称号を持つ戦士」を率いて旅立つ。
しかし旅立つと言っても実際ゲートを潜り現世へ移動するわけではない。
自らの10分の1の力を具現化し現世へ己の肉体を存在させる事により干渉していたのだ。
その間、本体はアガルタ世界で深い眠りにつく。(リリスが以前に由紀として伏姫家に存在していたのと同じ方法である)
949犬彦:2008/11/21(金) 11:57:26
 そして今、玉座に深い眠りに堕ちていた真王摩陀羅が現世から帰還し目を覚ました。目が血走っていた。
喉もカラカラですごい汗の量であった。摩陀羅はアガルタへ戻って来たのを確かめるように額に手をあて辺りをゆっくりと見回す。
 一人の女性が視界に入る。
「戻ってきたのね、摩陀羅」
 摩陀羅にやさしく話しかけるのは女王那由多であった。
彼女は摩陀羅と同等の力の持ち主であり共にアガルタを築き上げた仲間でもあり妻でもあった。
那由多はそっと摩陀羅の膝の上に腰掛けて汗を拭う。那由多は感じていた。この状態での帰還は殺されたのだ。
現世で具現化した肉体を。那由多はわかっていた。唯一真王を殺せる男、ゲド・ユダヤ。直属の配下、天使の称号を持つ13番目の使徒。
しかし摩陀羅はこの状態での帰還のときにいつも決まった言葉を吐く。
「また助けられたよ。ユダヤに・・・」
 摩陀羅が現世へ関与しだし始めた頃、そのおこないは何事も問題なく進み順調に鎮圧していった。
しかしある日突然、いつものように帰還していたが現世でのおこないの記憶がすべて消えていたのだ。
そしてその直後、ゲド・ユダヤが玉座に現れこう言ったのだ。
「現世の一つの国が滅びました。王の手によって。王が乱心すると他の12人もすべて狂ってしまう。
私だけが狂わずに止めようとしましたが、力及ばずにすべて滅びました・・・」
 その言葉を聞いた摩陀羅は自らの行いがフラッシュバックのように甦り狂いそうになった。原因はわからなかった。
なぜ突然自分が狂ってしまうのか・・・。
その時からゲド・ユダヤには自身を止める鍵として真王殺しの剣を授けていたのだ。
950犬彦:2008/11/21(金) 11:58:47
 そして今回も恒例のように玉座にユダヤが顔を出す。那由多はユダヤの姿を確認するとフッと横に立ち上がる。
ユダヤは手を胸に当てて片ひざを付き口を開こうとするが先に摩陀羅が話しかける。
「いつもすまない、ユダヤ・・・。キミにばかり迷惑をかけてしまって・・・」
「いえ、そんな事はありません。ですが・・・」
 実際の所、このゲド・ユダヤも疲れ果てていたのだ。王殺しに。真王が狂うと他の12人の使徒も同時に狂い出す。
なぜか自分だけは狂えないでいた。そして友を殺し王をも殺す。一人裏切り者として戦い始めなければならなかった。
「すまない、また今度話をしよう・・・」
 そう王に言われるとユダヤはその場から立ち去るしかなかった。一礼をして玉座を出て行く。
扉を抜けると銀髪の兵士が腕を組み、ユダヤの帰りを待っていた。
「カオス・・・」
 彼はユダヤの親友でもあり12番目の使徒でもある・
「また、俺も狂ってしまったようだな」
「仕方がない、原因がなんだかわからんが、これ以上王に現世に行かせるのは危険だ」
 二人が立ち話をしていると一人の男が玉座に向かい歩いてくる。第二階層を治める神官アル・アジフであった。
「おやおや、王直属の使徒がこんな所で何の立ち話ですかな?」
「いえ、別になんでもございません・・・」
 カオスは軽く一礼をした。ユダヤは昔からこのアル・アジフという神官を良く思っていない為、その場で黙ってすれ違った。
アル・アジフにはよからぬ噂が付きまとっていた。現世の人間を実験台にして自らの開発した秘術を試しているという話だった。
火のない所に煙は立たない。ユダヤはそう思っているのだ。
 アル・アジフはユダヤの行動にフッと鼻で笑い玉座の間に入室した。
「アル・アジフか?何のようだ?」
「王よ、今回もまた発病したご様子で?」
951犬彦:2008/11/21(金) 11:59:42
 アル・アジフの言葉に那由多が一歩前に出るが、摩陀羅は冷静に片手でそれを抑止する。
那由多自身が王の異変について神官と言えど口出しされるのがたまらなく嫌だった。しかし摩陀羅は冷静に返答した。
「ああ、またユダヤに助けられたがな・・・」
「そうでございますか・・・。一つ提案があるのですが?」
「なんだ?言ってみろ」
「王のご病気を治す方法でございます。今、私が開発中の秘術を使うのです」
「秘術?とは?」
「転生の秘術、王は闇の部分を切り離し転生するのです・・・」
 アル・アジフの持ちかけた提案。それは王の闇の部分を切り離し光のみで転生するという事だった。
闇を取り除くには一度今の肉体を捨て霊性のみの状態になった時、光と闇に分け、光のみ生まれ変わせる。
それがアル・アジフの開発した秘術だった。
「私に一度死ねというのか?」
「いえ、死ぬと言ってもすぐに転生し生まれ変わります」
 話を聞いていた那由多は険しい顔をしていた。確かに今の状態が治れば朗報である。
しかし一度死ぬとなるとリスクが高いように感じた。具現化した肉体の消滅ではない。本体の事なのだから。危険だと感じていた。
いくら王でも許可する訳はない。しかし王は今までの事に頭を悩ませ疲れている。
不安に感じた那由多はアル・アジフの言動を止めようとした。
952犬彦:2008/11/21(金) 12:00:10
しかし玉座にもう一人の来客が現れる。その姿をみた那由多は一瞬救われたような顔をする。
「勇者ミロク!」
 那由多は思わずその人物の名を声に出してしまった。勇者ミロクと呼ばれた男はこの第一階層を守護する神官である。
アル・アジフは苦い顔をして振り向きミロクの顔を見る。
「勇者ミロク、久しいな」
「フッ、アル・アジフ。第二階層を治めるお前がこんな所まで何の用だ?
また、王に変な事を吹き込みに来たんではないだろうな」
 ミロクは少し皮肉った口調で話した。アル・アジフは弁明するが途中でミロクが口を挟む。
「まぁ良い。王に意見があるならどうだ?今度の大会で優勝すれば問題なかろう」
 大会とは。アガルタで一年に一回行われる武術大会である。
武術と言っても武道家だけでなく様々な術を使うシャーマンやイニシエトも参加するのである。
優勝した者には王に一つだけ願いを言い叶えてもらえる権利が与えられる。
 ちなみに武術大会が発足してからは優勝はすべてこのミロクであり、
その強さ、人望から「神官ミロク」ではなく「勇者ミロク」と呼ばれている。
「そうだな、アル・アジフ。武術大会で仮にお前が優勝したら今の話聞かない事もない。これはアガルタのしきたりでもあるからな・・・」
「そうでございますか・・・。ではまた話しは後ほど・・・」
 そう言ってアル・アジフは立ち上がり出口に向かう。
顔は冷静ではあったが内心、突然のミロクの来訪に快く思ってなく軽く舌打ちをした。
それがミロクに聞こえたかどうかは定かではないがミロクはすれ違ったアル・アジフの方へ向き声を掛ける。
「お前に優勝は出来んよ。私がいる限りはな」
 その言葉にアル・アジフは足を止めたが、振り向くことなく玉座の間を後にした。
953以上、自作自演でした。:2008/11/21(金) 20:47:33
武術大会wktk
954犬彦:2008/11/22(土) 15:06:57
オッスゥ!
>>953あまり期待しないで読んでくれw
今週はあまりうpしなかったんでなw少し話を進めるぜ↓
[2]
 アル・アジフが第二階層である自身の城に戻ると第一階層の神官であるリリスが待っていた。
「フフ、その顔は。また摩陀羅王に振られたのね?」
 リリスは玉座の間で現世の人間を使い遊んでいた。遊んでいたと言っても本人の意識の中での表現だが、実際は殺戮である。
アル・アジフが実験体としてさらってきた現世人を虫けらのように五体バラバラにしていく。順番に切り落とす。
そして最後まで意識を失わないようにするゲームである。
「リリス、他の階層の者に見られたら面倒だ」
 アル・アジフはそう言って第二階層の四聖獣を呼び出す。奥から両の目だけが光を放っている。暗がりで姿は見えない。
四聖獣が雄叫びを上げると床に散らばった惨殺死体が一瞬に水の竜巻に飲まれ消えていく。
 アル・アジフは玉座に腰掛けてリリスを見る。
「もうすぐだよリリス。もうすぐ摩陀羅王は王でなくなる」
 遊び道具を取り上げられたリリスは少しムッとした顔で振り返る。
「そしたらあなたが世界の王になるのかしら?」
「無論、そのつもりだ」
「あら、そしたら私は女王にでもしてくれるのかしら?あの生意気な那由多を切り捨てて」
「フッ、考えておく。それで用件はなんだ?」
「別に・・・退屈なのよ・・・平和って」リリスはクスリと笑う。
「ならば待っているがいい。もうすぐ終わるよ・・・」
955犬彦:2008/11/22(土) 15:08:06
[3]
 ミロクは真王の玉座を後にして自室に戻る。
第四階層の中心に位置する城には玉座から少し離れた所に神官の間がある。そこが普段ミロクが待機している場所であった。
 部屋に入ると一人の老人がミロクを出迎える。名を白沢。ミロクの片腕である。
「ミロク様、アル・アジフはどうでございましたか?」
「王に転生の秘術とやらを持ちかけてきた」
「なんと!それは古代の伝説にある術でございます。まさかアル・アジフがその術を完成させておるとは!」
「いや、完成しているかどうかはわからんが、危険な術である事は確かだ」
 アル・アジフは神官の中でも、いやアガルタ人の中でも一際頭脳明晰な男であった。
幼い頃から術の開発に余念がない。ただ黒い噂がある事も確かだが。
「どっちにせよ、王は奴に聞く耳持たんだろうよ。今度の大会で奴が優勝しない限りはな」
「それならば安心でございます。今度の大会もミロク様の優勝ですからな」
 そして二人の会話を遮るようにノックの音がする。護衛の兵士が現れ、ミロクに手紙を渡して部屋を後にする。
手紙の差出人は第三階層の神官サクヤであった。何か重要な用件は他の者に見られぬよう手紙に封印を施してくる。
もし他の者が手紙を見ようとした場合、手紙は一瞬にして消滅しそこに居た者の姿がサクヤの脳裏に転送される。
「アル・アジフのようにマメに来る奴もいるが、サクヤは相変わらず自分の階層から離れようとしないらしい」
 ミロクは白沢を見てフッと笑い手紙を開ける。
956犬彦:2008/11/22(土) 15:09:19
――――手紙にはこう書かれていた。
[勇者が地べたに這い蹲る時、光と闇は深い眠りに付く。勇者は魔王となりそれを奪い破壊を繰り返す]
[破壊の音に光と闇は目覚め繰り返し争うが遥か未来で統合され真の平和がもたらされる]
「!?サクヤのいつもの予言か?」
 サクヤには特殊な能力が備わっていた。予言である。いつも重要な事と感じた時は決まってミロクに手紙を出していた。
「今までにない不吉で、しかも不思議な感じがする予言じゃ・・・」
 勇者を=ミロクと当てはめれば、ミロクは敗れる。
そしてその後の言葉の意味するのはアル・アジフの言っていた転生の秘術の事のような気がした。
しかしその後の文面が二人には理解しがたい物であった。
「サクヤの予言で少なからず今まで危機を回避できた。この最初の文章、私が敗れなければ問題はないはずだ」
「ええ、確かにその通りですじゃ。ですが・・・」
白沢は最後に[真の平和]と書かれていた文が気になっていた。
文面だけでは悪い事のようにも、結果的には良いようにも取れる文面だからだ。
困惑する白沢にミロクは安心させるように声をかける。
「今度サクヤにも直接会って聞いてみよう。それが一番手っ取り早い」
「そうでございますな・・・」
 ミロクはサクヤの顔を思い浮かべた。もう何年もあっていなかった。会えないわけではない。
昔からミロクはサクヤに好意を抱いていたのだ。しかし自分はあまりにも不器用すぎた。
そして今も自分は王の為に忠誠を誓い人生をこのアガルタの平和の為に捧げようと思い生きていたのだ。
 勇者ミロク、これから先の運命は過酷なものに変貌していく・・・。
957以上、自作自演でした。:2008/11/23(日) 09:25:28
>天使篇はうまくまとめれるか不安だがなw
天使編ってそんなに複雑なのか
俺もできればダイジェストキボン
958犬彦:2008/11/23(日) 10:54:52
オッスゥ!
>>957天使篇はそうだな。
龍仁シリーズwが一区切りしたら自分でもまとめるつもりで書いてみるぜ。
今はうろ覚えでなんとなくしか覚えてないが↓
・一人記憶を失わないカオスがアガルタに再び戦いを挑む為に仲間を探す(途中で見捨てられキチガイに)
・沙門が子供を使い革命遊び(遊び→死→アガルタ側→マダラの使徒)
・昭和を終わらせようとする天皇の資格(新たな勢力?)
・過去の登場人物の悲惨な結末(ヒロインであった麒麟の死は衝撃!)
・赤子マダラに集う新世代の戦士(世代交代)
・満州人民共和国に犬彦が騙されヒミカを売ってしまう(これも新たな勢力??この辺から続巻ないので意味不明)

なんか書いていてまたよくわからなくなってきたぜw
他の大塚先生原作の本からもいろんな登場人物が登場するしキャラクターは豪華だなw
気になったら古本屋で探すのも手だぜw
959以上、自作自演でした。:2008/11/23(日) 11:01:30
さっそくレスをありがとう
麒麟が悲惨に死ぬのか
転生麒麟が死ぬ?壱麒麟が死ぬ?
他作品も読まないとわからない話なのかな
ジョカとか北神とか
960以上、自作自演でした。:2008/11/24(月) 04:41:15
次スレはどこにたてるの?
961犬彦:2008/11/24(月) 10:46:24
オッスゥ!
>>959天使篇麒麟は記憶を失い霊性をも失った抜け殻状態の麒麟だ。
ようは普通の人間としての伏姫麒麟が死ぬ訳だな。
他作品は読まなくても大丈夫だが、ただ登場人物でニヤリとする所がある。
ちなみに俺はジョカは読んだことがないw
>>960一応いろいろ見てサロン版あたりが無難だと思うんだが。どうだろう?

[4]
 第一階層は緑に溢れていた。自然と融合した生き方を人々は送っていた。
 そしてここ、草原の広がる丘にゲド・ユダヤとカオスがいた。
「チッ、どうもアル・アジフって神官は気に食わないぜ!」
 ユダヤは口を尖らせて寝そべっていた。カオスはその横に座りなだめるように言う。
「まぁそう言うな。他の者に聞かれでもしたら大変だ」
「へっ、余裕だってーの」
「ところで今回の大会も出ないのか?」
「ああ、興味ないな。戦う理由がないのは好きじゃない。お前はどうなんだ?」
「お前が出なければ俺にも戦う理由がない」
 ユダヤとカオスは今まで一度も大会には出場しなかった。
彼ら二人の力量は真王摩陀羅の使徒の中でも1,2を争う強者であり、
その力は神官クラスにまで近いと言われる程であった。
「どうせ今回の大会も勇者ミロクが優勝だろうよ。俺はアル・アジフが無様に負けるのを見学でもしてるぜ!」
962犬彦:2008/11/24(月) 10:47:02
 ユダヤが空を眺めながら話しているとカオスがそっとユダヤの肩に触れ静かにしろと目で合図を送る。
カオスの視線の先には神官の使いの者が小走りしている。何かを抱えた様子であった。抱えている物は布袋のようだ。
男はフッと茂みに身を隠しもぞもぞ何かしている。カオスとユダヤは黙って近づく。
すると男は立ち上がり先ほどまでの焦った走りはしていなく安心した表情で歩き出した。
「待て!」カオスは突然男に声を掛ける。
 男は声に驚き怯えながらこちらを見たが、またサッと振り向き走り出した。
「追うぞ!ユダヤ!」
「あ?どうしたってんだ!」
「寝ぼけているのか?あいつの服装を見ろ。
最初見た時は第一階層の使いの者の服装をしていたが、今は第三階層の服に着替えている」
「あれ?そういえば」
 神官に仕える者たちは階層ごとに服を色分けされていた。第一階層が白、第二階層が黒、第三階層が青、第四階層が赤である。
 男は必死で逃げるもカオスとユダヤの速さには到底かなう事無く、あっと言う間に追いつかれ捕まってしまう。
男は軽く悲鳴を上げて命乞いをした。
「命までは取らん。ただお前の態度次第だが・・・」カオスは半分脅すように話した。
ユダヤは男の布袋を取り上げ中身を確認すると先ほど男が着ていた第一階層の服が入っていた。
「これを着て城に潜り込んでいたってわけか・・・」
 男は観念した顔をしてその場でうずくまる。
963犬彦:2008/11/24(月) 10:48:05
 同時刻の第二階層、アル・アジフの表情が一瞬変わる。その変化にリリスが気付く。
「どうかしたの?急に怖い顔をして・・・」
「私の部下がヘマをした。捨てるか」
 そう言うとアル・アジフは呪文を唱え始める。リリスは思い出したかのように軽くうなずく。
「ああ、あれね。王に掛けた呪いを継続させる為に部下にちょこちょこ行かせていたわね」
 そう、これはアル・アジフの策略であった。真王摩陀羅は病気でも狂ったわけでもない。
過去にアル・アジフ本人が呪いを王に掛けたのだ。誰にも気付かれぬように・・・。
王に掛けたその呪いとは心の内に眠る暗黒面を増幅させるといった呪いであった。
 しかし呪いとは強力な物ほど効果が切れやすいものである。
その為、アル・アジフは定期的に呪いを継続させる手段を部下に変装させて行わせていたのだ。

 場面はまた草原に戻る。カオスとユダヤは地面でうな垂れている男に尋問する。
男は何かを喋ろうと口をパクつかせるが急に声は出ていなかった。
「おめぇフザけてるのか?」
 ユダヤが男の襟首を掴み立たせようとするが、カオスが異変に気付きユダヤの手を引き一歩退く。
 男は口をパクパクさせながら目をギョロっとさせて急に立ち上がる。
すると男の皮膚は魚の鱗のように変化していき顔も完全に魚のようになっていた。
「こっ、こいつ!」
964犬彦:2008/11/24(月) 10:49:12
 ユダヤとカオスは腰にある剣を抜き構える。男は変体し半漁人のようになっていた。
「ううぅがぎゃゃぎゃやゃぁぁぁ!!!!」
 男は声を張り上げる。超音波だ。カオスとユダヤはガードして3メートル程飛ばされるがすぐに体制を整える。
「ユダヤ、奴の攻撃は直線上のみだ。俺が盾になる。お前は真上から攻撃しろ」
「オッケェ〜」ユダヤはペロッと舌を出す。
 2発目の超音波、カオスが風の障壁を作り左右に超音波を受け流す。
そしてユダヤはカオスの背後に隠れ合間を見てジャンプする。
「ほれっ!くたばりな、魚やろう!」
 ユダヤは半漁人の真上から剣を突き立てて落下し脳天を串刺しにする。
鈍い音と緑色の血が噴出し半漁人は動きを止め、目をぐるぐると回転させてから地面に崩れ落ちた。
「ったく。なんだったんだ、こいつは?」
「アガルタ人が変体するなんて考えられん。何か裏がありそうだな。第二階層神官アル・アジフ・・・」
「そう言う事なら探るしかないな・・・」ユダヤは剣を引き抜いてカオスを見た。
「理由が見つかったな。ユダヤ」
「ああ、武術大会に出場して奴の化けの皮を剥いでやるぜ!」
965犬彦:2008/11/24(月) 10:57:21

おっとwすまん!
階層ごとの神官の振り分けが間違っていたぜw
ちょっと気になるんで説明させてもらうぜ!
アガルタは円状に四階層に分かれている↓
中心部から
第一階層 真王マダラ、女王ナユタ、神官ミロク
第二階層 神官サクヤ
第三階層 神官アル・アジフ
第四階層 神官リリス (龍仁たちが旅したのもここ)
となる訳だ。脳内で修正してくれw
966犬彦:2008/11/24(月) 18:46:46
オッスゥ!レスが残っている内に今週はどんどんうpするぜ
[5]
 それぞれの思惑を胸に武術大会への日時は迫ってくる。
 現在まで行われた大会数は12回、今回が13回目である。その12回に勇者ミロクがすべて優勝している。
優勝者には一つだけ王に願いを申し出る事が出来る。今までのミロクの願いは他愛もない事ばかりだった。
住民の為の環境改善や施設の増設、どれも私利私欲には使われなかった。これもミロクが勇者と称えられる一つであった。
 ミロクは第二階層のサクヤのもとを訪れていた。サクヤの城は様々な花が咲き乱れ心地よい感じを受ける。
ミロクは城の庭園でスッーと軽く花の香りを吸い込んだあと目を瞑りしばしの休息を取っていた。
そして更に落ち着いたそして心地よい香りが城の入口から流れてくる。ミロクはその香りの方をフッと目を見開き確認する。
「待たせたわ、勇者ミロク」
「いや、待ってなどいないよ。少し休ませてもらった」
 香りの主は神官サクヤであった。美しい顔立ちと気品に満ちたたたずまい。そしてどこか安心させれるような印象を受ける。
967犬彦:2008/11/24(月) 18:47:25
彼女は時には幼い少女のように笑いかけ、時には姉のように接し、そして母のように相手を包み込むような表情を見せる。
ミロクから見ればとても神秘的で不思議な女性だった。女神とは彼女のような事を言うのだろうと思った。
実際、彼女もミロク同様に神官と言われるより女神サクヤと呼ばれる事が多い。
「例の予言の事で来たのでしょう?」
「ああ、その通りだ・・・」
 サクヤの予言は外れた事がない。なぜならそれは彼女が夢の中で見る未来なのだから。
実際未来で起こっている現実を彼女は浮遊している霊体で目の当たりにする。
しかし目が覚めると見た事はすべて忘れてしまい、枕もとには夢遊病のようにサクヤが記載した暗号のような文面が残っている。
それがサクヤの予言であった。
「今回の予言は私にもよくわかりません。あまりにも想像を越え過ぎているのです」
「そうか、それで俺はどうすればいい?運命に抗うか否か」
「あなただけではないでしょう。私も、そして世界全体が巻き込まれる」
「世界全体が?アガルタだけでなく現世でも?」
「そうです。そしてそれはすべてあなたから始まるのです」
 ミロクはしばし俯いて考える仕草を取った。運命には逆らえない?
しかしその運命すらも何だかわからない。まるで雲を掴むような話であった。
「勇者ミロク、苦しませる結果になってしまい申し訳ない。ただ、私もそれなりの覚悟がありあなたに予言を託しました」
「覚悟?」
「ええ、私はあなたとこれからの運命を一緒に背負っていくつもりです」
「サクヤ・・・」
 サクヤは一歩踏み出しミロクに倒れ掛かるように胸に落ちる。ミロクはそっと受け止めて新たなる決意を胸に秘めた。
 ――――守らなければならない。サクヤを、王を、そして人々を・・・――――

そして運命の輪は動き始めた。
968犬彦:2008/11/24(月) 18:49:55
[6]
 夜、第一階層の中心部、城を囲むように城下町が栄えていた。
城に近づくに連れて身分の高い物の屋敷などが点々とし、真王に仕える13使徒の衣食住もそこにある。
 ユダヤの部屋をノックする音が聞こえる。
「お〜?開いてるぜ!」
 ユダヤはぶっきら棒に返事をして中に招き入れる。
「なんだ?カオスも一緒か?」
 入ってきた男は真王摩陀羅13使徒の一人ガイレンであった。体は筋肉質でガタイもいい。いかにもパワーファイターと言った感じだ。
「まったくお前らは仲がいいな。こんな夜にまで一緒だとは、そっち系か?」
 ガイレンはその巨体をオカマのような仕草をさせてガハハと口を大きく開いて笑いながら話す。
ユダヤは呆れた顔したがカオスは冷静に返答する。
「いや、昼間ちょっとした事があったんでな、打ち合わせみたいなものだ」
 ガイレンはフ〜ンと言う顔をして空いている椅子に腰を降ろす。
「そういやお前ら今回の大会にエントリーしたそうだな?どういう風の拭き回しだ?」
 このガイレンも大会常連者である。
ガイレンは予選こそ通過し決勝トーナメントまで難なく勝ち残る腕の持ち主だが勇者ミロクの高い壁は越えられずにいる。
「単なる暇つぶしだ。たまには息抜きしないとな」
969犬彦:2008/11/24(月) 18:50:42
 ユダヤはそう答えた。厄介ごとは自分とカオスのみで関わろうとしていた。他の者まで巻き込むつもりはなかった。
「ハッハッハ!そうか。俺も楽しみだぜ!お前らとは手合わせしたいと思っていたからな」

 手合わせ。しかしユダヤは本気の彼らとは何度も戦い殺してきた。
現世による具現化された肉体だが。
彼らは現世での出来事を覚えていない。王が突然狂い、その配下の使徒もユダヤ以外狂ってしまう事も。
唯一記憶が残っているのは真王摩陀羅とユダヤ、そしてカオスだけであった。
ユダヤとカオスは代々真王に仕える眷属の血筋であった。それが関係しているかわからないがカースト的にも他の使徒と比べ上位に位置する。

 そんな現世での事情も知らずガイレンは相変わらずうれしそうに大笑いをしてユダヤの部屋を後にした。
「まったく、相変わらず奴はノーテンキだな」
 ユダヤは頭をポリポリかく仕草をする。カオスは先ほどと同じように至って冷静な顔をユダヤに向ける。
「それでどうなんだ。現世での事件もアル・アジフが絡んでいると思うか?」
「ああ、裏はない。が、俺の勘はよく当たる・・・」
 カオスは呆れた顔をした。しかし確かにユダヤの言うように探ってみる価値はあると考えていた。
認めたくはないが奴の勘の鋭さはまんざらでもない。
「予選はもうすぐだ。それまでは街の警備を強化するぞ」
「ヘイヘイ、怪しい者は見つけ次第すぐに拘束、何かあったらお互い連絡を取り合う、でいいんだな」
970以上、自作自演でした。:2008/11/25(火) 00:26:02
omosirokunattekita
971犬彦:2008/11/25(火) 09:53:02
オッスゥ!
>>970サンキューってなんで変換してねーんだ?w
続き↓
[7]
 大会予選がまもなく始まろうとしていた。場所は城下町の外れにある闘技場であった。
参加者もさることながら観客数もものすごい数であった。
一年に一回のお祭りのような物である。子供から大人までもが戦いに注目する。
 参加者は各8ブロックに分けて試合を行い最終的に決勝トーナメントに8名が残る事になる。
相手を死に至らしめる事はルール違反であり、それ以外は何でも有りであった。

 選手控え室。といってもただの大広間だがそこには何百人もの参加者が大会開始の合図を待っていた。
その中に13使徒であるユダヤも退屈そうに壁にもたれ掛かり腕を組んでいた。
予選開始までカオスとアル・アジフの動向を探ったがすべて空ぶりに終わっていた。  
そしてそのユダヤに一人近づいて来る男がいる。
その男が歩く時は人混みの中でさえも道が開ける。男は勇者ミロクであった。
「珍しいな、お前が大会に出るとはな」
「へっ、今回はあんたの優勝も危ないんじゃないか?」
「フッ、言ってくれる」
 二人が喋っていると予選開始の音が鳴り響く。花火が上がり城下町が一斉に歓喜し始めた。
大会は一般からも参加者は多数だが、ほとんど上位に食い込むのは神官クラス
(と言ってもリリスとサクヤは出場した事はない)と13使徒であった。
ミロク、ユダヤ、カオスは順当に勝ち上がり予選を通過する。そしてあのアル・アジフも残っていた。
アル・アジフが大会に出場するのは5年ぶりであった。剣技こそ得意でないが、それを補うだけの術士でもあった。
しかし今まで出場した大会はすべてミロク相手に敗れていた。
972犬彦:2008/11/25(火) 09:54:10
 ミロクは遠目にアル・アジフを見ていた。出場した所を見ると例の話は諦めていないらしい。
アル・アジフは以前より出来るようになったらしいが、しかし脅威は感じない。
そして、ふと他の視線がアル・アジフを追っている事に気付いた。
『ユダヤとカオス?いつもは大会に出ない二人が出た理由はアル・アジフなのか?』

予選が終り決勝トーナメントの抽選が闘技場の中心で観客が見守る中おこなわれた。
残った8人は順にクジ引きをして対戦相手を決める。クジ引きの際に星の欠片というバッジのような物が手渡される。
これは8つすべて集めると星の形になり、対戦ごとに勝者が敗者から貰い受ける。
そしてそれをすべて集めた者のみが王へ願いを言う権利ができ、一年間それを身に付けて栄誉を称えられる。

「かぁ〜最初の相手はガイレンか!」
 ユダヤは声を張り上げる。一番戦いたい相手はアル・アジフであった。ユダヤは悔しそうな顔をしながらカオスに近づく。
「俺もハズレだ。相手は同じ使徒のカジュ−ラだ」
 ユダヤは肩を落としガックリとする。まぁそれでも勝ち進んで行けばいつかはアル・アジフに当たるだろう。
奴が誰かに敗れない限りは。そう思い溜め息を付いて顔上げる。その瞬間、会場はどよめいていた。
「んあ?なんだなんだ?」
 ミロクとアル・アジフがお互いを見ていた。なんと抽選での第一回戦はこの二人に決まったようだ。
973犬彦:2008/11/25(火) 09:55:13
 ユダヤは更にガクッと肩を落とした。これで戦う理由がなくなった。100%ミロクの勝利だろう。そう思ったからだ。
 肩を落としたユダヤに後ろからガイレンが背中をバンッと叩く。
「ガハハ!お手柔らかに頼むぜ!兄弟!」
「はぁ、お前のような兄貴はいらないが・・・」
 そんなやりとりの中、ミロクがアル・アジフに話しかける。
「残念だったな、久しぶりの出場も一回戦負けとはな」
 ミロクは挑発した口調だったがアル・アジフはそんな事を意に返さないように黙って立ち去る。
その表情は至って冷静で自身に満ちていた。
 それを見ていたユダヤはチッと舌打ちをする。
「相変わらずムカつく態度とるぜ、アル・アジフのやろう」
 カオスが慌ててユダヤの口を塞ぎ耳元でささやく。
「こんな所で荒波立てるな、仮にも神官だぞ」
 そしてミロクが二人に近づいて来た。ユダヤはやばそうな顔をしてカオスは一礼をした。
今の愚痴を聞かれたんではないかと二人は思ったからだ。
「少し場所を変えて話さないか?ユダヤにカオス」
 ミロクはそう言って表に出て行った。二人もあとを付いていく。その間、カオスはほら見ろと言う顔でユダヤを睨んでいた。
 場所は闘技場の正門と裏門の中間にある外壁だった。闘技場の規模もでかい為、ほとんど門同士の中間では人通りもなかった。
 ミロクの足が止まると同時にカオスがユダヤの頭を押し付けながら礼をする。
「申し訳ございません。気高き神官を侮辱した行為、お許しください」
 気高い?奴が?笑いそうだぜとユダヤは思ったが今度は口に出さずカオスに従い礼をした。
「フッ、そんな事ではない。聞きたい事があってな」
「聞きたい事?ですか・・・」
「お前ら二人の狙いはアル・アジフであろう?今回の大会出場もその為だな?」
 ユダヤとカオスは顔を見合わせる。ミロクは何でもお見通しなのか?ここで嘘を言うよりすべてを話した方が無難である。
974以上、自作自演でした。:2008/11/25(火) 09:55:26
トーナメントかよ
ジャンプみてーだな
975犬彦:2008/11/25(火) 09:56:07
ユダヤとカオスは草原で遭遇した男の事を話した。
そしてユダヤの勘についてもだ。王が現世で狂う原因もアル・アジフが絡んでいるのではと言う勘だ。ミロクは少し考えて二人に声を掛ける。
「なるほど、お前らの王への忠誠心はわかった。礼を言おう」
 二人はホッとした顔をする。しかし次にミロクは発した言葉に驚く事になる。
「お前ら二人は大会出場を棄権しろ。これは神官である私の命令だ」
「なっ、どう言う事だ!」
 その言葉にすぐユダヤは反応した。もう既に神官相手に使う言葉使いではないがカオスも驚きのあまりそんな事躊躇しなかった。
「アル・アジフが何か企んでいれば貴様らも無傷では済まないだろう。
お前ら二人は万が一の為、万全の状態で大会を見守っていてほしい」
「それはあんたが負けるかもって事か?」
「いや、私は勝つよ。奴の力量は私の足元にも及ばない。
ただ負けた腹いせに何か仕掛けて大会が台無しになるのは嫌なんでな」
 結局は自分のステータスである大会を守りたいって事なのか?しかしミロクはこうも言った。
アル・アジフに対抗できるのは自分自身以外に考えられる者としてユダヤとカオスしかいないと。確かに他の使徒では力に差がありすぎた。
「どっちにしろ私がアル・アジフを倒せば問題なかろう。起こりうる問題はその後だ」
 ミロクの言う事はすべて正論であった。
ユダヤとカオスの本来の目的からすれば大会出場より外から注意したほうが行動しやすい。結果的にアル・アジフとの対決はなくなったのだから。
「わかりました。大会を辞退致します・・・」
「よろしく頼んだぞ、王の使徒たちよ・・・」
 ミロクはそう言い二人のもとを立ち去った。。
あとは私が明日、アル・アジフを倒し王への転生の話を却下すればいい。周りの事もユダヤとカオスがいて心強い。
戦いに専念できる。ただ一つ、アル・アジフが転生の術以外に現世の王の事に絡んでいるとなると話はもっと深刻になっていくが・・・。

そして翌日、ミロクとアル・アジフの戦いにより決勝トーナメントの幕が上がる。
976以上、自作自演でした。:2008/11/25(火) 10:24:52
リリスもサクヤもでないのか…
目玉になる女キャラ参加者はいないのか?
977犬彦:2008/11/25(火) 14:05:37
オッスゥ!
>>974ちょうどうp中だなw
ジャンプかwもう何年も見てないな・・・
>>976それは今後の展開に関係しているんでなw
と、言う事でまたうpしとくぜ↓
[8]
 決勝トーナメント当日。ユダヤとカオスは出場を辞退した為、6人でおこなうと言う異例の事態になっていた。
ユダヤとカオスの持っていた星の欠片は辞退と共に大会運営委員に回収され優勝者に最終的には渡される事になった。
 まず大会は決勝トーナメント出場者の紹介から始まる。闘技場の中央に位置する舞台場でそれが行われる。
 ユダヤとカオスは観客席で大会を見守っていた。
もうすぐ選手の紹介が始まるはずだった。しかし舞台上にはミロク一人しかいなかった。
「ああ?どういうこった?他の奴らがいないなんて」
「おかしいな、もう集まっていてもおかしくない時間だが・・・」
 ユダヤとカオスは不安そうな顔をする。
昨日ガイレンがユダヤの部屋に怒鳴り込みに来ていた。ユダヤが辞退したことに立腹してだ。
しかしその後はなだめて絶対優勝してやると活きこんでいた。遅刻などするような奴じゃない。他の使徒だってそうだ。
「ミロクが他の奴にも辞退を勧めたのか?どう思うユダヤ」
「いや、それはないだろう。辞退は俺たち二人だけってなっている。それにアル・アジフの野郎も来てないしな・・・」
 そう言うと入場口に人影が見えた。観客が一斉にどよめく。
978犬彦:2008/11/25(火) 14:06:15
人影はアル・アジフであった。そのまま舞台上にあがり大会進行役である司会者に声を掛ける。
「さぁ、大会をはじめようか?」
「え?しかし・・・まだ・・・」
 ミロクがそれに気付き声を掛ける。
「まだ始められんよ。長い事出場していなかったから忘れたのか?まずは全員揃って紹介が済んでからだ」
「忘れてなどいないさ・・・これで全部だろう?・・・」
 アル・アジフはミロクにグーの手を差し出す。アル・アジフが指をゆっくり一本づつ伸ばしていく。すると手から何かが床に落ちる。
「ほ、星の欠片?」
 更にアル・アジフは指を伸ばしていった。
パーの状態になった時には床に4つの星の欠片が落ちていた。司会者が慌ててそれを拾いあげる。
「こっ、これはまさしく星の欠片・・・」
 アル・アジフはニヤリと笑う。
「他の奴らも辞退したそうだ。持っていくように頼まれたんでな。つまりお前とは決勝戦だ。ミロクよ・・・」
 アル・アジフは剣を抜き構える。ミロクはそれに答えるべく無言で自身の剣を抜く。
それを見ていたユダヤは身を乗り出した。
「なっ!?試合が始まっちまうぞ!どういうこった?」
「ユッ!ユダヤー」
 突然、勘客席の後ろから呼ぶ声が聞こえる。
ユダヤが振り向くと大きい眼鏡をした小太りの男が血相を変えて走り寄ってくる。同じ使徒であるギョ−マであった。
「カ、カオスも一緒か・・・ハァハァ、ちょうど良かった。二人とも急いで来てくれ」
「あ?どこに連れて行くんだ?」
「第四階層だ!はっ、早く!!」
 何がなんだかわからなかったが、この慌てようはただ事ではない。
ミロクとアル・アジフの試合も気になったがとりあえずギョーマのあとに付いていくしかない。
979犬彦:2008/11/25(火) 14:07:55
 二人は会場を急いで飛び出し各階層を繋ぐゲートへと向かう。3人が走る中、また観客の声が鳴り響いた。
試合が開始されたのだろう。ユダヤはゲートに向かう途中ギョーマにもう一度話しかける。
「第四階層で何があったんだ?」
 ギョーマは走りながら俯き、意を決したようにユダヤとカオスに顔を向ける。
「第四階層で決勝トーナメント出場予定だった使徒の4人が殺されている・・・今朝連絡があったんだ・・・
身元のわからない死体が4つ、城のゲート付近に転がっているって」
「なに!?」
「バラバラにされている死体を第四階層の兵士が調べると肉片に使徒の印であるナンバリングがあるのを発見したんだ」
 走るたびに嫌な悪寒を感じてきた。ナンバリングは真王摩陀羅に仕える使徒が自身の称号であるナンバーを体に刻む。
ユダヤとカオスもそれぞれNo13,No12の刻印が体に刻まれていた。
 ゲートに着き急いで飛び込む。目的地は第四階層。
一瞬視界が歪みそして光が遠くから近づいて来る。それがゲートの出口だった。
980犬彦:2008/11/25(火) 14:08:56
 数分後、ユダヤとカオスとギョーマが第四階層に到着する。
目の前にあったのは無残にも5体をバラバラにされた惨殺死体であった。
第四階層の城の兵士はそれを取り囲むようにうろたえていた。
 ユダヤはナンバリングの刻印が残っている死体にそっと近づきつぶやく。そしてNo6の刻印してある死体を発見する。
「ガ・・・ガイレン・・・」
 No6はガイレンのナンバーだった。
ユダヤは信じられない表情でそっと指でナンバーを触れる。昨日の夜、ガイレンが部屋に怒鳴り込みに来た事が頭をよぎる。
カオスも他のナンバーを確認し、それぞれNo1カジューラNo5バッコNo7エンコウとユダヤに告げる。
そして普段は自分の意思を制御できるユダヤだったが、この時ばかりは怒りに我を忘れる。
「ここの神官はどこ行ったぁぁ!!!説明してもらおうかぁぁ!!」
 兵士がユダヤの声に驚き一斉に怯み肩をすくめる。ユダヤは近くにいた兵士の胸ぐらを掴む。
カオスはユダヤの腕を掴みそれを抑止してカオスが兵士に話しかける。
「第四階層の神官、リリスはどこにいる?」
「神官リリスはゲートを使い姉に会いに行くと言ってました・・・」
「姉?第二階層か!」
 ユダヤとカオスは再びゲートへ飛び込み第二階層へと向かう。

 リリスの姉とは第二階層の神官サクヤの事であった。
981犬彦:2008/11/25(火) 14:10:42
[9]
 サクヤはほとんど第二階層から離れる事をしない。
一年に一回の大会にも顔を出さない。今も花に囲まれた庭園でミロクの勝利に祈りを捧げていた。
そこに一人の来客が訪れる。禍々しい黒衣をまとい風に乗り血のにおいがした。その者が歩くと周辺の草木、花までもが一瞬に枯れていく。
邪悪なオーラをまとい、その者はサクヤの前に現れた。
「ご機嫌いかがかしら?姉さん?」
 その者はリリスであった。サクヤの知っているリリスは幼い時から姉の影に隠れ、印象が薄い子であった。
周りもサクヤばかりに目が行きリリスはいつも日陰にいる状態であった。
リリスはサクヤ同様に強い霊力を持っていたがサクヤの半分ほどにしか満たなかった。それでも神官になれるほどの霊力なのだが。
「リリス、あなたのその邪悪な霊力はいったい?・・・」
「フフフ、これが本当の私、私の霊力が姉さんの半分にも満たない?
いいえ違うわ。隠していたのよ。幼い時からね・・・
この邪悪な霊力を表に出したんではアガルタでは生きていけないから」
 そしてリリスは更に邪悪な気を開放する。庭園にある花はすべて枯れて空に舞う。
「これから暗黒の時代が始まるわ!姉さんには悪いけどそのいしづえとなってもらう」
982以上、自作自演でした。:2008/11/26(水) 00:06:57
美女姉妹の愛憎なかばする、骨肉の激エロバトル開幕か?
983犬彦:2008/11/26(水) 11:18:50
オッスゥ!
>>982エロバトルはないがなw残念・・・
しかし今の第五部をこのスレでキリよく終わらせようとしているが、
中途半端になりそうだな・・・
っしゃ!続き↓ 
[10]
闘技場ではミロクとアル・アジフの戦いが繰り広げられていた。
神官同士の戦いは見る者を圧倒する凄まじいものだった。しかしミロクの方が優勢であるのは火を見るより明らかである。
 闘技場の観客席より更に高い位置に摩陀羅王が専用の椅子に座り、隣にいる女王那由多に声を掛ける。
「やはりミロクの方が強いな・・・さすがだ」
「ええ、勇者の称号はダテではないわ」
 那由多は正直安堵していた。
もしミロクが負けるような事になればアル・アジフはまた王に転生の話を持ちかけるだろう。大会優勝者の願いは王といえど覆されない。
 王が見守る中、ミロクは余裕でアル・アジフの剣を交わしていく。そして距離を保ち話しかける。
「お前は剣技だけではないだろう?得意の術を使ってきたらどうだ?」
 ミロクは多少なり不安があった。他の参加者が辞退したのもうさんくさいと感じていたからだ。
これが奴の策略ならばまだ何かを狙ってくるはず。ミロクは挑発した、そしてどんな卑怯な手を使ってこようがすべて跳ね返すつもりであった。
――『フフフ、さすがは勇者と呼ばれるだけある。ミロクよ』
 テレパシーであった。アル・アジフは声に出さずテレパシーで話しかけてきた。
――『テレパシーとは、これも何かの策略か?』
 ミロクも同じようにテレパシーで返した。
984犬彦:2008/11/26(水) 11:19:32
その間、二人は剣を構えたまま微動だにしない。観客から見ればお互いが隙を狙っているように見えるだけだった。
――『策略?まぁそうだな。俺はどうしてもこの大会で優勝しなければならないんでな』
――「例の転生の秘術か?そんな確証のない事は王には絶対にさせん」
――『確証がないからこそ王に初めての喜びを味わってもらいたい。お前だって王のご病気を治したいだろう?』
 アル・アジフは王の為だと言わんばかりの口ぶりであった。
仮にも神官。忠誠心も本物なのか?だが、やはり女王が望んでいない事をやらせる訳にはいかない。
ミロクは白沢から女王が今回の件に関してひどく心配していると聞いていたのだ。
――『やはり駄目だな。王もそれを望んでいないだろうからな・・・』
 ミロクはテレパシーを送ったあとアル・アジフに切りかかる。
しかしアル・アジフは不適な笑みを浮かべミロクの脳内に映像を映し出す。その映像を見た瞬間、ミロクの動きが静止する。
 送られてきた映像にはサクヤが写っていた。そしてリリスも。
サクヤはリリスの持つ棘の付いたムチで両腕を上げた状態で体をがんじがらめにされていた。
棘は服を引き裂き体に食い込んでいた。サクヤの白い衣装と白い肌が流れ出る血をいっそう協調させている。
リリスの表情は以前ミロクが見たものとはまったく変わっていた。暗い、そして影のあるおとなしい印象だったリリスだが、
今、映像に写っているリリスは良いも悪くも顔は生き生きとした喜びに満ちた邪悪な表情をしている。
 映像の中でリリスはミロクの視線に気付いたのかミロクに向かって話しかけてきた。
――『フフフ、私に姉殺しなんて酷な真似させないでほしいわ・・・』
 そう言うとリリスは持っていたムチをグイッと引っ張り更にサクヤを圧迫させる。サクヤの顔が苦痛に歪む。
「やめろっ!」
 ミロクが怒号を上げる。会場は突然のミロクの叫びに驚く。ミロクは思わず現実に声を出して叫んでいた。
985犬彦:2008/11/26(水) 11:20:04
ミロクはアル・アジフを睨みつける。
「貴様ぁ〜、何をしているかわかっているのか?リリスまで手名づけおって!」
――『申し訳ないがテレパシーで会話は頼むよ。リリスは手名づけたのではない。自ら退屈だと言って計画に加担したんだよ。
知らなかったのかい?彼女は邪悪な霊力を押え付けていた日常に疲れていたよ』
 アル・アジフはクックッと笑い出す。そして続けてミロクにテレパシーを飛ばす。
――『これは戦いにもっとも重要な戦略なのだよ・・・戦いに卑怯もクソもないだろう。勝つか負けるかだ』
 ミロクは脳内に浮かぶビジョンを見つめる。
リリスは楽しそうにサクヤの体を撫で回していた。そして傷口をえぐる様に舌で弄繰り回す。
 サクヤはその度に苦痛の表情を見せるが声は上げなかった。自身がミロクの足手まといになるのが許せなかったからだ。
そしてサクヤの口元がかすかに動いたかのように見えた。ミロクは蛇眼と呼ばれる能力でサクヤの言葉を探る。
――あ・な・た・は・た・た・か・う・の・で・す――
 ミロクはカッと目を見開く。アル・アジフを倒すどころか、自分の大切な女性まで守りきれなかった。
986犬彦:2008/11/26(水) 11:21:08
そしてミロクは一つの決意をする。
 アル・アジフがここまで卑怯な手を使ってくると言う事は、ユダヤの話もたぶん本当だろう。
しかし自分は・・・サクヤだけは守りぬきたい・・・。
 ミロクは剣を捨てる。アル・アジフに無防備の状態で両手を広げる。
「さぁ好きにするがいい。ただしサクヤは開放してもらうぞ」
「フッ、神官の地位に誓い約束しよう。安心しろ、きさまも殺しはせん。殺しは大会ではタブーだからな・・・」
 そう言うとアル・アジフは無防備なミロクに向かい剣を突き刺していく。
会場は騒然としていた。有利だったミロクが突然一方的に攻撃を受けているからだ。
 那由多は口に手を当て驚いていた。会場で見守っていた白沢も、そして摩陀羅王も自分の目を疑うほどの光景だった。
「しばらくは動けないていどにしておくよ」
 アル・アジフはそう言ってミロクにトドメの一撃を喰らわせる。ミロクは力尽きその場に倒れ込んだ。
 那由多は会場の手すりにまで行き身を乗り出して叫ぶ。
「お願い!立って!勇者ミロク!!」
 会場からもコールが鳴り響く。しかし勇者ミロクはそれに答える事はなかった。
987以上、自作自演でした。:2008/11/27(木) 00:01:12
〔9〕は途中で切れてんのかと思った

>犬彦
スレの切れ目に合わせてはしょったり水増ししたりするより
内容を優先した方がいいんじゃね?
988犬彦:2008/11/27(木) 09:37:19
オッスゥ!
>>987ちょうど場面が移り変わるときに番号つけてたからなw

とりあえずこのスレでうpできるのはここまでかな??
そいじゃラスト↓
[11]
 ユダヤとカオスは第二階層のゲートを越え城の庭園に出た。
そこに飛び込んできた光景は美しい花はすべて枯れ果てリリスがサクヤをムチで縛り上げていた。
 リリスは二人に気付き軽やかに笑う。
「あら?使徒のお二人さん。残念だったわね。勇者ミロクは負けたわよ」
 リリスの言葉はアル・アジフと繋がっていた事になる。殺された使徒たちもすべてアル・アジフとリリスがやった事だと。
「ってっめぇぇ!!!」
 ユダヤは怒りに我を忘れリリスに突っ込む。カオスもユダヤに続く。
 リリスはサクヤの拘束を解いてムチを自由にしたあと二人の剣を受け止める。
「私は強いわよ?あなた達が束になっても敵わないわ」
 リリスはムチをしならせ二人を吹き飛ばす。サクヤは吹き飛んだ二人を見つめかすかに声を発する。
「に・・・逃げなさい・・・」
 しかしそんな事を二人は聞くわけもなく更に突っ込む。リリスの目前で左右に飛び両サイドから剣を突き立てて突進する。
 するとリリスのムチは生きているかのような動きをしてリリスの体を頭からつま先まで囲うように円状に覆い二人の剣を難なくガードする。
「残念〜またハズレね」
 そしてまた二人は吹き飛ぶ。圧倒的な力の差であった。太刀打ちできない。
「さぁて、私も用は済んだしそろそろ帰ろうかしら。もちろんあなた達をバラバラにしてからね・・・。あのゴミクズの使徒のように」
 リリスは声高らかに笑い出す。ユダヤはゆっくりと立ち上がりリリスを睨みつける。
「ゴッ、ゴミクズだぁ〜!!てめぇ!!!!」
989犬彦:2008/11/27(木) 09:38:05
ユダヤの体に霊力が溢れ出す。その霊力は次第に赤く燃える炎のようになっていく。
「ほぉ〜、面白い技を持っているのね・・・」
 リリスはユダヤを面白げに見つめている。そして背後からも感じた事のない霊力が発しているのに気付く。リリスが振り向くとカオスもまた見た事のない青い霊力に包まれていた。普段冷静なカオスもこの時ばかりは怒りの表情を見せた。
「こっちは青い霊力?フフフ、面白い。きさまら使徒はなかなか遊びがいがあるわ」
 力の増したユダヤとカオス、しかしリリスとの力の差が縮まっただけでありその差は大きく開いていた。
 黒い闇に青と赤がぶつかり合う。しかし闇はどんどん大きさを増していき赤と青を飲み込もうとする。ユダヤとカオスはムチに捕らえられ首吊り状態になる。もがけばもがく程ムチは体に食い込んでいく。二人は意識が遠のいていく。

 サクヤはその死闘を目の前にゆっくりと立ち上がる。
「死なせてはならない・・・王の眷属たちを・・・」
 リリスはユダヤとカオスを宙吊りにしたまま立ち上がったサクヤに気付く。
「まだ立ち上がるなんて。さすが姉さんだわ」
 ムチはスッと力をなくしユダヤとカオスは地面に叩き落とされる。
「これ以上あなたの好きにさせないわ・・・リリス」
 サクヤの体が光に包まれる。そして光は一気に放出され、枯れ果てていた庭園の花や木々がもとの色に活気付いていく。
「クッ、まだそんな力を隠していたのね・・・」
「ええ、そうよ。あなたを傷つけたくなかった・・・。ミロクにも自分の意思で行動してもらいたかった。すべては予言の為・・・。だけどそれもここまで。これ以上は誰も傷付けさせたりさせないわ。あなたを止めます!リリス!」

To be continued 摩陀羅「神話編 後編」
990犬彦:2008/11/27(木) 10:20:22
次スレ↓
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1227748626/
続きが気になる奴は来てくれ!(数日後になw)
今週末から、ちと留守にするんでなw
991犬彦
あと、残り少ないが、伏姫麒麟は現れるだろうか・・・。