――時に、1981年。ある屋敷の庭で家庭教師と少女は出会った。
『うちにくる?』
『……はい、奥様』
――それから6年。ヴィクトリア女王の元、英国は繁栄を続けていた。
中流階級が隆盛する一方没落する貴族も出始め、
時代は伝統と確信のせめぎ合いの中にあった。
そして時代の風の中で少女はメイドへと育ち、ある屋敷の面接を受けていた。
「名前は?」
「ただ、エマと」
「仕事は内容はいままでなにを?」
オール・ワークス
「全てひとりでです」
「……よろしい、採用しましょう。
この屋敷のマナーは>2-3をご覧なさい。必ず、守るように」
新しい職を得ることが出来た安堵に小さく息を漏らす。
こうしてエマは新たな屋敷でメイドとして勤めることになったのだった…。
【作品については以下のHPを】
森薫公式HP『伯爵夫人の昼食会』
ttp://pine.zero.ad.jp/~zad98677/ アニメ『英國戀物語エマ』公式HP
ttp://www.emma-victorian.com/tvoa.html
屋敷ではウンコを漏らすこと
ローカル・ルールとして以下のことをお守りくださるようお願いします。
1.ここは森薫『エマ』総合なりきりスレです。
質問にも回答にも厳密すぎる時代考証は求めませんが、
舞台となる時代が英国ヴィクトリア朝であることを忘れないで下さい。
2.新規キャラハンは随時募集中です。
ただし、キャラハンの重複は非推奨とさせていただきます。
3.参加キャラハンはトリップの着用をお願いします。
付け方は名前欄に半角で"#"好きな文字列です。
例:"#1"→◆tsGpSwX8mo
4.基本的にsage進行です。
5.『エマ』に無関係なキャラハンと固定ハンドルの常駐、
過度のAAはお断りします。
6.ネタバレはコミックス発売日2日後からです。
月刊コミックビームを読んでいらっしゃる方は
コミック発売までそっと胸に秘めておいてください。
7.荒らし、煽り、叩きはご遠慮をお願い致します。
またヴィクトリア朝時代の女性は大変慎み深いので、
あまりに過度の性的質問は答えかねます。ご了承ください。
また必要とあれば新しいルールを付け加えるかも知れません。
頭に置いておいて下さい。
――では紳士と淑女が踊り、メイドが仕えるこの屋敷にようこそ――
ペニスはオヤツにはいります
エマ中尉。とりあえずそのキノコ頭だけはなんとかしてください。
初ちゅうはどんなかんじでした?
今度の屋敷ではハウスメイドとして雇われた。
お屋敷は広いのに使用人の数が少ないから子守や客間女中、
時には侍女としても働くことがある。雑役女中だったころとは大違いだ。
午後はアフタヌーンティーの支度もメイドの役目。
プリント地の制服と厚手のエプロンから、見栄えの佳い黒の制服と
白いエプロンに着替えてキッチンから静かに茶器を運んでいく。
白いポットからダージリンが香り豊かにカップに注がれる。
ソーサーを持ち、カップを
「どうぞ」
と、お話しに邪魔にならない程度に控えめに差し出して。
そして和やかにアフタヌーンティーが進んでいく。
>2
「嫌な匂いがしない……?」
お茶を配膳している途中、メイドの一人が声を上げた。
「……しますね」
認めたくないが確かにする。
「あれってあれよね?」
「あれですね」
言いたくないが、お嬢様の子犬はまだきちんとした
躾が終わっていない。
私達は急いで園丁を呼びに行くことにした。
薔薇の肥やしにはなるだろう。
>5
「キノコ頭……ですか?」
どんな髪型だろう、それは。
私は普通のロングヘアをまとめているだけだけど、
そんな人が居たらとても不思議な髪型に違いない。
「――……っ、失礼致します」
笑い出しそうになって慌ててお客様の前を辞した。
>6
「それは、あの……その……」
どう言ったらいいのだろう。あの感覚を。
甘くて、切なくて、そして――泣きたくなるような。
「よく、わかりません…。思いだせば出すだけ混乱するんです…」
頬の熱さを堪えて、それだけ言うのが精一杯だった。
10 :
筑紫哲也:2006/02/17(金) 16:35:25
こんにちは 弱者の味方をする男です
日本やイギリスをはじめとした列強諸国が
アジア諸国を植民地にし詐取し続けた事をこの国は謝罪しなければなりません
小泉首相は辞任するべきです
あげます
>10
「………?」
このビラの声明文の署名はなんて読むのだろう。
私に読めるのは英語とほんの少しの仏語だけ。
そもそも、この文字はアルファベットではない。
誰に聞いたらいいのだろう。しばし考えた後、
私はお坊ちゃまの家庭教師さんにお聞きすることにした。
「これかい?シノワとかジャポネで使われている文字だよ。
漢字――カンジ――っていうんだ。
東洋風(オリエンタル)の室内品に刻まれていることもあるね」
ラテン語もギリシャ語も扱う家庭教師さんは流石に博識だった。
「なんて書いてあるか解りますか…?」
「さすがに僕もそこまでは解らないね。ただ最近は東洋人が
何かと力をつけているから、なにかの抗議文かも知れないね」
家政婦がその場を通りかかったので、感謝の言葉を述べて仕事に戻った。
シノワ。ジャポネ。夢よりも遠い国。
眺めていたらいつか行ってみたいと思えた。
行けるだろうか。
>>11 お客様がアフタヌーンティーを終えられ帰られることになった。
メイドとフットマンが玄関ホールに一同に並びお見送りする。
「――あげます――……」
お客様は旦那様に何かを上げるとおっしゃっていた。
多分仕事についてなのだろう。
頭を下げ、お客様の出発を見送った。
一体何を上げるというのだろう。何かの評判か値段の話しだろうか。
さて、アフタヌーンティーが終わったら晩餐の準備だ。
今晩は家族だけの晩餐ではなく晩餐会であるらしい。
このお屋敷は規模が大きいから何人見えることだろう。
「エマさん、まだ慣れないでしょ。私もなんだ」
私と同じく新人の同僚が声を掛けてくれる。
「でも、楽しみでもありますね」
ティーセットを片づけながら答える。
「そう?私、食器を割らないようにがくがく腕が震えちゃう――……」
笑い合いながら、キッチンにティーセットを片づけていった…。
14 :
真紅:2006/02/17(金) 17:16:41
あなた、なかなか美味しい紅茶を入れるわね
気に入ったわ
私の家来になりなさい
15 :
マイメロ:2006/02/17(金) 17:17:24
はぁ 紅茶が美味しい
>14
「ま、あ……――」
真紅色のお人形だ。長い金髪、見事な碧眼。
人間そっくりに作ってある。衣装は上等なビロードとレース。
私の給料で1年分払っても買えないに違いない。
「お嬢様の人形かしら……?」
人形が話しているという異常な事態も忘れて魅入ってしまった。
え、話して――?
「申し訳ありません、私はこの屋敷の旦那様に
お仕えしていますから勝手に他の誰かの家来には
なることが出来ないんです。
その代わり、紅茶をもう一杯お淹れしましょうか?」
驚きすぎて感覚が麻痺してしまったみたいに、すらすらと返事できる。
大きいお屋敷というのは不思議なこともあるものだ。
もう一つ紅茶を飲む人形がいてもおかしくはないかも知れない。
>15
ふと、背後から声が聞こえる。
焦ってはいけない。茶器を割ってしまう。
ゆっくり、逃げ出したいのを堪えて振り向く。
濃いピンクの耳。黒々とした二つの目。
これは――うさぎの人形?
私はお化け屋敷に就職したのだろうか。
呆然としつつ冷静さを保ちながら紅茶を注ぎ足す。
なんだか晩餐のお客様のリストが怖くなってきた。
17 :
翠星石:2006/02/17(金) 17:49:48
人間にしてはなかなかやるじゃないですかー
応援してやってもいいですよ!
男の方と公衆の面前で抱き合った事について意見をのべよ
19 :
以上、自作自演でした。:2006/02/17(金) 17:55:24
>4が無視されてる件に付いて
眼鏡わってもいいですか?
やっぱりこの時代の低階級の人だから、
共産主義に憧れたりするのですか?
>17
視界の外から声が聞こえる。下。足元からだ。
お嬢様のご友人の悪ふざけであればいいと
願いつつゆっくり視線を下に落とす。
「ありがとうございます…」
絹のような茶髪にオッドアイの瞳。
翠のロングドレスが美しい、「人形」がそこにいた。
お嬢様の玩具はご趣味がいいと申し上げるべきか正直解らない。でも。
「未熟ですけど、未熟なりに頑張らせていただきます」
応援してくれたのは本当だから。
軽く膝を曲げ、会釈すると感謝の意を示した。
>18
がっちゃん。思わずカップを倒した音だ。
紅茶を飲み終わったカップであることが幸いだ。
ふちも欠けていない。
「ど、どうしてそれを――」
どうしてもなにもない。あんな庭先で
いくら嬉しかったからって走って、抱き付いて――。
「恥ずかしかったです、でも……」
ゆっくりと面を上げて。一音一音確認するように。
「後悔は…してません。ジョーンズさんの姿を見たら
ああせずにはおれなかったでしょうから。
きっと、何度時が戻ってもそうしていたと思います」
まっすぐに言い切って、不思議と微笑むことができた。
>4>19
本当だ。見逃してしまったらしい。というか知らない単語がある。
「penisってなんでしょう?」
首を傾げて同僚のメイドに聞く。
「penniesって書きたかったんじゃない?
つまり、『おやつは何ペンスですか?』っていいたかったのよ」
「でも、普通そんなに買います?オレンジ二つで1ペニーあれば充分でしょう。
苺のアイスだって1カップ1ペニーよ?それ以上買いだめしても腐るだけよ?」
と、別のメイドが口を出してきた。
「それもそうですよね…」
メイドが揃いも揃って頭を抱えてしまった。
そこに通りかかったフットマンの一人がニヤニヤと。
「それはモゴモゴ……」
「なに、なんなのよ、もったいぶって」
「そうよ、そうよ」
「あー、つまり。図書館のラテン語辞書で調べてみろよ」
好奇心に負けて調べにいく、メイド三人。
「………///」「………///」「………///」
三人とも真っ赤な顔で持ち場に戻ったとか戻らないとか。
「お、おやつには入れないでください……」
25 :
以上、自作自演でした。:2006/02/17(金) 18:57:40
うはW
クオリテイタカス
>20
眼鏡を?この、眼鏡を。
嫌だ。困るとかそんなことじゃない。
この眼鏡は私の世界を変えてくれた。
広く、遠くまで世界を見通し、本を読み
文字を書き、
手紙という手段で自分の意志を伝えることを教えてくれた。
それにこの眼鏡にまつわる全ての想い出が
ケリー奥様と繋がっている。
どう言ったらこの人に解ってもらえるだろう。
「私の――」
言い淀み、言葉を探す。
「私の持っているものの中で、二番目に大切なものなのです。
やめていただけますか?」
そういって、懇願するように見詰めた。
>21
キョウサンシュギってなんのことだろう?
旦那様の読む「タイムズ」になら出ているのかもしれない。
でも、メイドの身でクオリティ・ペーパーを読むことは
身分不相応というものだ。
ただでさえ、朝から晩まで仕事ばかりの身では
新聞など読む暇がない。
「ごめんなさい、なんのことか解らないので」
今度、デイリーテレグラフを買ってみようか。
ひょっとしたら載っているかもしれない。
>25
クオリティ・ペーパー(高級紙)のことだろうか。
執事がいつもアイロン掛けしているあの新聞。
「ありがとうございます」
私がお礼をいうのは違うかも知れないけれど言ってみる。
さあ、晩餐会の始まりだ。お客様を玄関ホールで迎えなければ。
こんばんは僕ドラえもんです
30 :
以上、自作自演でした。:2006/02/17(金) 19:31:58
おら、のはらしんねすけだぞう
おねえさんのスカートのなかはいってもいい〜?
31 :
ひまわり:2006/02/17(金) 19:32:56
あうあ〜
ジョーンズさん大好きって言ってみてよ
33 :
しんのすけ:2006/02/17(金) 19:53:31
ぞ〜うさん♪
>29
丸い。そして青い。
身長は小さく、私の胸に満たない。
上から見下ろす様は水たまりのようだ。
会釈したときに見えた顔は幾何学的な工芸品のよう。
手も丸く、どうやってフォークとナイフを扱うのか
検討もつかない。
だが晩餐会に招かれているのだから、立派な
客の一員だろう。
「いらっしゃいませ。控え室までご案内致します」
エスコートしている相手は黄色の丸いのだった。
英国も領土が広がったものだ。
きっとお二人はどこかの少数民族の王族か貴族なのだろう。
>30>33
「きゃっ!」
突然子供がスカートの中に入ってきた。
普通、子供が晩餐会の客として呼ばれることはない。
セント・ジェイムズ宮殿で女王陛下に拝謁したものでなければ
社交界にデビューしたとは見なされないのだ。
だが――このお屋敷はなにかと型破りだ。
子供に見えて実は成年しているのかもしれない。
「のはら様」
静かに、声を荒立てずに。
「スカートの中には入らぬようお願いいたします」
フットマン達が指を鳴らしている。
のはら様は晩餐にはありつけなさそうだ。
>31
「どうしたんですか、お客様?」
どうもお具合が悪そうだ。至急客間を用意しなければ。
執事さんが当家のお医者様を呼びよせる手配をされた。
なにが悪いのだろう。早く良くなられるといい。
>32
「――――……・・・仕事中ですから」
それだけ言うのが精一杯だった。
晩餐会のデザートを運ぶ手が震える。
いいえ、仕事中で良かった。
きっとジョーンズさん本人であっても
言うことはできないと思うから。
37 :
以上、自作自演でした。:2006/02/18(土) 03:10:21
朝だ!
>37
メイドの朝は早い。旦那様たちが起きられる前に
各部屋の暖炉の火を入れなければならない。
「朝だ!」
ゴンッ。
同室のターシャさんは朝が弱い。寝ぼけたまま
起きる勢いで壁に頭をぶつけることがまま、ある。
そんなときは始業前に膨らんだこぶをキッチンで
氷をもらって冷やす。
「ターシャ!メイドキャップを被りなさい。もう始業よ」
メイド長が厳しく指摘し、私達は制服を整え朝礼にでる。
「――――朝ですね」
廊下を立ち止まり、窓の外を見る。
いつも思う。霧にけぶるこの国の朝は美しい。
「エマさん、早くー」
「はい、今行きます」
さあ、今日も仕事だ。
今日の仕事は服を脱いでする仕事です
あのお婆さんいい人だったよね。
>39
「エマさんには浴室の清掃をお願いします」
朝礼で割り振られた仕事は浴室。
「わかりました」
そう返事して、移動する。
そういえばこのお屋敷に来て浴室の当番になったことはなかった。
「わぁ……」
客室が改造された浴室は暖炉もあり、豪奢だ。
でも疑問が沸いてくる。
「どう、掃除したらいいのかしら…?」
窓を磨き、浴槽を拭き、床を磨く。
長いメイド服の裾がどうしても邪魔だ。
いっそ服を脱いで――と考えたときにがちゃりと扉が開く。
「エマさん、困っていない?手伝いに来たわ」
「ありがとうございます」
服を濡らさないで掃除するこつを教わる。
よかった、早まって脱がなくて。
>40
「そういえば、エマさんは前にどんな方のところで働いていたの?」
浴室を掃除をしながら、なにげなく聞かれた。
「ケリー・ストーナーさまといって家庭教師を引退された方の元で働いていた奥様。
お勤め始めてから5年間の間にメイドの仕事、読み書き、
なんでも教えていただいたの」
思いだすと、少し涙ぐみそうになる。
「すごーい、5年も一つのお屋敷に?私すぐ首になっちゃう。
じゃあ、どうしてこのお屋敷に?」
「亡くなられたの、この間。それで――」
「――そっか。変なこと聞いてごめんね」
「……いいえ。そろそろ次の場所の掃除に取りかかりましょうか」
少し甦った感傷を振り払うように、わざと明るい声を出した。
たまには休暇でも取りたまえよ
黄金の国へ連れてってあげます
45 :
以上、自作自演でした。:2006/02/20(月) 07:12:21
近視ですか遠視ですか?それとも老眼?
46 :
以上、自作自演でした。:2006/02/20(月) 13:04:56
うさぎおいしいかのやま
差し入れになるかどうか分からないがこれをドゾー。
【ガーナチョコレート】
やぁ、エマ。
私はビーム本誌でしか君を見かけたことはないんだが、
単行本のほうではどこまで話がすすんでいることになってるんだい?
知らないとルールも守れないんで、一つ教えちゃくれないか。
>43
「休暇ほしーよねー。エマさん、休暇取れたらどうする?」
「……休暇があるんですか」
びっくりした。このお屋敷には休暇というものがあるらしい。
「なに驚いているの、エマさん」
「前のお屋敷は私一人でしたから、休みを取ったことがないんです」
「そうなの?辛くない、それって」
辛かったかどうか、考えてみる。
「いいえ。全然」
食べれなかったあの頃――。
裸足で逃げていたあの頃――。
あの頃を思えばこうしてメイドとして働けることがどれだけ嬉しいか…。
「休みたいと思ったことないです」
そうして働くことそのものがケリー奥様との絆にも思えますから。
「働けることそのものが嬉しいですよ」
「エマさん、変なの。私なんかお休みがあるとうきうきしちゃう」
「そうですか?」
「そうよ」
そんな軽口を叩きながら仕事に戻っていった。
ジョーンズさんの妹さんが欲しいです。
口利きお願いします。
「食べられなかった」
52 :
以上、自作自演でした。:2006/02/27(月) 15:22:44
どうしてきてくれないの!
53 :
以上、自作自演でした。:2006/02/27(月) 15:34:11
メガネを外した方がいい
ヨークシャーゴールド
エマさんお疲れのようですね・・・
ゆっくり休養してください
56 :
以上、自作自演でした。:2006/03/05(日) 00:02:34
びっくりした!だってそこに○○があったんだもん!
○○の中には何が入りましたか?
>>44 「――――白馬の王子様が…」
同室のターシャさんはときおり突拍子もないことを言い出す。
「白馬の王子様が、どうしたんです?」
「あのね、白馬の王子様がドレスを持って現れて
『黄金の国に連れて行ってあげるよ』と言うのよ」
本当に突拍子もないけれど、ターシャさんのそんな
無邪気さが嫌いではなくて苦笑しかけてしまう。
「どう、エマさん?」
「どうと言われましても…王子様はドレスを選ぶ
センスをお持ちなんですか?」
「そうなのよねー。どうなのかしら」
あの人は…ジョーンズさんはどうだろう。
……センスもなにも拘りがない気がする。
「エーマーさーん?頬が赤いよぉー?」
「な、なんでもありません…/////」
慌てて毛布を被って誤魔化した。
>>45 こうして仕事が終わって寝る前のお喋りの時間は嫌いではない。
それはきっとターシャさんのおかげ。
「そう言えば、エマさんっていつも眼鏡掛けてるけれど
どんなふうに悪いの?」
ターシャさんは本当に話題が尽きないから、私もついつられてしまう。
「よくわからないけれど、遠くがぼんやりとして見えなくて…。
レンズを作って下さった方によると、近眼らしいです。
近いところもあまり見えないのでかなり悪いのだとか」
ちょっとしんみりしてしまいそうになる。
ケリー奥様を思いだすから。
「でも、眼鏡があるからほとんど何不自由ないんです。
だから気にしないでください」
>>46 「そう言えばね、こんな歌を旦那様が呟いていたのよ」
う〜さ〜ぎ、お〜いし〜い〜、かのや〜ま〜♪
「エマさん知ってる?」
全然意味がわからない。でも……。
「いいえ、知りません。異国の歌じゃないでしょうか。
どことなく郷愁を感じさせる歌ですね」
「でしょ、でしょ?どこの国の歌か解ればなぁ〜」
そうしてターシャさんはもう一度、フレーズを繰り返し口ずさんだ。
>>47 そうだ、忘れていた。
「ターシャさん。これ、差し入れにってお客様から
いただいたのだけど食べませんか?」
さっき、封を開けてみたけれどみんなで食べるには量が少ないのだ。
「え、いいのいいの?嬉しいな〜、チョコっておいしいよねぇ」
ポリポリと食べるターシャさん。つられてカリカリと食べる私。
「美味しいですよね。でも…これって普通の
チョコレートとは違っている気がしませんか?」
なんとなく身体の奥が火照ってくるような気がする。
「チョコだからじゃない?異国ではチョコレートが
興奮剤になる国もあるって旦那様のご友人が
話してるのを聞いたことがあるよ」
興奮剤に?じゃあ、夜食べるべきじゃないのでは…。
でもターシャさんは普通に食べているし…。
疑問に思いつつ、量を控えることにした。
獣脂性の蝋燭の灯りを消し、毛布にくるまる。
「では、お休みなさい」「エマさん、お休み〜」
>>48 ――暗い。布袋の中は窮屈で息も出来ない。
――どこだろう、ここは。
カンカンカンカン…ガチャ。
――足音が聞こえる。木を打ち付ける音。
――不意に持ち上げられ、床に落とされた。
――ぼんやりとした視界の中、眼鏡を探す。
――欠けたレンズを見て怒りに震える。
――私はまた攫われたのだ。また。
――床が穏やかに揺れ、波上であることを告げる。
――男が――私を攫った男がペンを差し出す。
――何かを書けと私に行動で示す。
――その見本の文面を見て、真意がわかり再び怒りに襲われる。
――半ば、脅されてその文面のままに綴る。
――不本意な別れの手紙を。
「――迷惑をかけて、すみませんでした。
あなたにはもう二度と会わないので安心して――」
そこまで書いて、目が覚めた。
唇を食い破るほど噛み締めて、その痛みで目が覚めた。
ここは、メイド用の寝室だ。私は攫われていない。
攫われていない、攫われていない、攫われていない――。
安心させるために何度も自分に言い聞かせて、
やっと自分を抱き締めていた腕を解いた。
エマさん帰ってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
エマ愛してる
>50
そろそろここでの仕事に慣れてきたと思ったけれど、
突然のことに驚くことがある。
それは、使用人同士の朝食時のこと。フットマンが不意に言った。
「エマさんってジョーンズ家と知り合いなんだろ?
あそこの坊ちゃんの妹に口利きしてくれよ」
「――……っ」
声を出しかけて、止めた。私はそんな立場にない。
立場であっても口利きなんてしないだろう。
「――私はただのメイドですから、ジェントリのお嬢様への
口利きなんて畏れ多いです」
こんなとき、思い知らされる。身分の差というものが
私とあの人の間には厳然とあることを。
「友人の妹を紹介するのとはわけが違いますから」
微笑んだつもりだったが頬が少し強張っていた。
>51
使用人の食事は基本的に主人の家族の食べ残しだ。
上級使用人ならともかく、普通の使用人は晩餐会などで
余った物をもう一度煮込んで食べたりする。
それでも「食べられなかった」というときがある。
「これは……」
「ちょっと……」
「ねぇ?」
要するに、前夜の晩餐会の食事のスパイスが効きすぎていたのだ。
「かっらーい!」
「黙って食べろ」
「だってぇ……」
結局その料理は余ってしまった。こういうこともあるのだ。
66 :
以上、自作自演でした。:2006/03/08(水) 18:06:44
どんな動物が好き?
ジョーンズは童貞だよきっと
たまにはエマさんの無礼講なとこが見てみたいな〜
69akiyo!!!
>52
寝るか寝ないか――という時刻になって、か細い泣き声が聞こえる。
ぱっと飛び起き、脱いだばかりのメイド服で身支度を整える。
お嬢様への寝室にこの部屋は近い。慣れた廊下を走らない程度に急ぐ。
「どうしてきてくれないの!」
「旦那様と奥様はいまお留守なんですよ」
怖い夢でも見たのだろう。お嬢様はぐずって泣いている。
この屋敷は人手が足りず、乳母がまだいない。
必然的にメイドが駆り出される。
「ふぅぇっ、えっ、えっ……」
隙間風の入らない部屋。暖かい毛布。沢山のおもちゃ。
でも、怖がって泣くのは一緒。
「大丈夫ですよ、お嬢様。寝付くまで絵本を読んで差し上げます」
「ほんとう?」
「ええ。さあ、ベッドにお入りになって――」
>53
「メガネを外した方がいい」
「え?」
使用人たちの朝食の時間、唐突にあるフットマンがそう呟いた。
「そうよー、エマさんメガネないほうがいいのにー」
「そうそう、疑問に思ってた。なんでメガネなの?」
「えっと……」
畳み掛けるように問われて戸惑ってしまう。
「これがないと何も仕事ができないんです…」
「でも、まさか食事もできないほどじゃないでしょ?
食事の時ぐらいとりなさいよ」
あっという間に眼鏡がとられてしまう。
なぜか食卓に沈黙がおり、注目を一身に浴びる。
「あ、あの、返してください……」
しーん、と静かになった食卓の上で無言で眼鏡は返された。
素早く、いつものように身に付ける。
その後、その日の朝食も、仕事中も、皆静かだった。
>54
「今日のお茶はヨークシャー・ゴールドにしてちょうだい」
「……畏まりました」
ヨークシャー・ゴールド?知らない名前だ。新しい紅茶の銘柄だろうか。
「知ってます、ターシャさん」
「あのねー、ヨークシャー・ゴールドっていうのは1886年に創業した
テイラーズ・オブ・ハロゲイトのブレンドティーで、茶葉を30種もブレンドしてるんだって!」
「へぇ……ターシャさん、物知りなんですね」
「へへぇっー、でしょでしょ?」
「なにが、へへぇよ。どうせ缶の説明を諳んじただけでしょーが」
「うっ………」
「ターシャが諳んじられるくらいだから、新興の会社だな。
ターシャがフォートムナム・アンド・メイスンや
トワイニングの社史を諳んじられたら尊敬するが」
「うっ、ううっー!ひっどーい!」
そこで、どっと笑いが起きる。微笑みを誘われながら、私は思った。
私ならそんな贅沢はいらない。ただ、好きな人とお茶が――。
「――ね、そう思うでしょ?」
途端に考えを引き戻される。
「なにがですか?」
「だぁかぁらぁー、エマさんもヨークシャー・ゴールド、飲んでみたくない?」
「そうですね……でも、好きな人と飲むお茶が一番美味しいと思いますよ。
さあ、仕事に戻りませんか?」
だから、私はヨークシャー・ゴールドの味を知らない。
それで全然、構わない。
>55
「エマさん、疲れてるみたい」
「そうですか?」
眠る前の一時。たわいのない、おしゃべり。
「疲れてますけれど…楽しいですよ」
「そうなんだ」
「ええ。上手く言えませんが…幸せです」
目を瞑り、神に祈る。この時間が少しでも
長く長く、続きますようにと。
「お休みなさい」
「お休みなさい」
そうして蝋燭の灯りを消した。
エルメスたん
ベノアー!
エマさん、コナン・ドイルが連載してる探偵小説読んでる?
あれおもしろいよね。
__,,,,,,,....... --------- ..,,_
,r:'" ̄''''ー- 、._ ~`'ー- 、_
//://~`''ー=rュ、_`'ヽ、_ _,,,..ヽ、
.//::,'/ //^`ヾ:;、 ヽ、,,. -==―''''"""ゞ、ヘ `ヽ、
! !::,',' l ;' \ヾ、 l:i ,ro、 ィo,、 |:| \
i `ヾ:;、 ;!,' ', ';, l:{ ~ ノ 、~ ri \
| 、 `ヾ:;、 ,i:;! 〉 ':;, ヽ `゚__゚ヽ ソ ヽ、
ト ` ~`ヾ;:、 ,...... 、 :i|:、 ':;, 〈 ̄ )' / ヽ、
| ヽ l ,: 、 i `il! ハ ':;\ `ニ' / _ ,ィ^:.、 ップ プー!
|;iヘ :, l `' `ー―r 〉、 'i ':;, `ー- ' _,,,.. -‐''''" ゝ、
Yr:ミ、 i、 i `";^`'" ~~ヽ'''''ーー―''''""~ 'ヾ ヽ
|l `l ` :、i l ,.ゝ.,,__ 、、-‐‐'ニi、 ヽ :ヽ
!!、リヽ、 | i, `ヽ、 `"、~, -'" i ,.),
ヾニ==^ヽ、 ! i! : : : \ _,,.r'" i
`ヽ、 | i、 : : : : : ヽ、 _,,... -‐'''"彡テ -''"|
ヽ:、 l .r'"`ヽ、 / `''ー――‐ヽ-='''"~;: ==‐''" ,!
`ヽ、; :|;;/;~`ヾv ー -- _,,,_,,...-='",' ,!
` j|!:/"`ヽ:ハ ,.. -‐''"~ ,i' _,,..-' ,ノ
`i::! 。 "i;;;li | / _,,. -f''"~_,,.. -''"
i:;, 9 f:|;;;i! ゞ''",,.. -‐'''"~
ヾ;,_ ノ;;;;;'^ー------'''' ""
`ゞ、ニ '-‐'
77 :
以上、自作自演でした。:2006/03/11(土) 18:00:53
小説を書くのは好きですか
奥様(ケリーさん)の思い出話を一つ。
一番見たくない、考えたくない未来。
それはどんなものだと思いますか?
>56
「ぃぎゃぁあぁあぁあぁあぁぁっ〜〜〜!!!」
すごい悲鳴が轟く。が、誰も驚かない。
「ターシャ……」
「ターシャさん……」
「また、ターシャか」
ばたばたと廊下を走る音が聞こえ、ばんっ!と扉が開け放たれた。
「びびび」
「び?」
「びっくりした!だって階段に鼠の死骸があったんだもん!」
「そのぐらいで驚いてどうするの。掃除はした?」
「だって…気がつかなかったから、
思い切り踏んじゃって…お腹をふにゅ、だよ?」
「頭の悪そうな擬音はやめなさいったら」
「私、あの階段一人でいけない!エマさん、お願い、一緒に掃除して!」
「………――っ、は、はい」
「エマさん、あ〜り〜が〜と〜お〜ぉ〜」
「エマさん、甘やかさなくていいのよ?」
「い、いえ。だ、大丈夫です」
屋敷奥の暗い階段。
鼠の死骸。
――思い切り踏みつけられた鼠は生き返って…。
「エマさん、顔色悪いよ?」
「いいえ、とにかく掃除しましょう。
園丁を呼んで鼠を片づけてもらって…」
>62
「エマさん、ターシャ、おかえり」
「お疲れ。きちんと掃除できた?」
「……………」
「あのね、それが鼠の死骸を片づけようとしたら、
子鼠だか夫婦鼠だかわからないけど、仲間がわんさと出てきて」
「あちゃー…」
「それ、私でも嫌かも」
「……………」
「それで、エマさん実は鼠苦手だったらしくて固まっちゃって」
「まあ、普通固まるわよ」
「それでどうしたの?」
「しょうがないから、鼠が去るのを待ってから泣きながら掃除した」
「完璧な人にも欠点はあるものね…」
「エーマーさーん?おーい?駄目ね、見事にかちんこちん」
「……………あ、すみません。鼠の掃除ですね」
「……エマさん。苦手なときは苦手って言ってもいいんだからね?」
「――はい」
今日の鼠掃除の後、どことなく同僚が優しくなった気がする。
ただ、鼠を掃除した記憶そのものはないので不可解だ。
>63
『エマ愛してる』
ストレートで率直な愛の言葉。ケリー奥様のところに
いたときほどではここにきてからも恋文をもらうことは少なくない。
でも、あの頃といまは違う。
あのころはこうした一つ一つの言葉の意味がわかっていなかった。
いまはあの頃より戀が少しはわかるようになったと思う。
だから寝る前の一時にペンを取り、返事を書く。
『お手紙ありがとうございます。
私は好きな人がいるのでお気持ちを受け取ることはできません。
でも、あなたのお手紙だけ大事に受け取らせて戴きます
エマ』
>66
このお屋敷は本当に面白い。
不意打ちのように会話が弾んで転がっていく。
今日の晩餐の話題は
「どんな動物が好き?」
と、いうものだった。
端の席から順番に、好きな動物をあげていく。
男性は犬、狐、雉、雷鳥など狩りに使う動物をあげた。
女性はリス、犬、猿をあげる。
馬と象は男女ともに人気だった。
「エマさんはエマさんは?」
「私は…猫が好きです。小さくて平凡な動物ですけれど、
だからこそ可愛いと思うんです」
ケリー奥様の台所に遊びに来ていたグレーの猫。
あの猫を思いだしながら、そう答えた。
ニャー
/|
(゚、。`7
|、 ~ヽ
じしf_,)ノ
>84
ニャァー…
どこからか、猫の鳴き声がする。
仕事をする手を止めて、左右を見渡す。
ウナァー、ニャーン…
ここだ。生け垣の隅に穴が明いていて外と出入り出来る。
そこに仔猫が生け垣に引っ掛かっていて、身動きとれなくなっていた。
「ちょっと待っててね」
そっと、そっと、絡まった枝と毛を解す。
あっという間に猫は自由になった。
ニャニャーン…
お礼をいうでもなく、猫は後ろ姿を見せ、立ち去った。
可愛い猫だったから、きっとご飯を貰うのも苦労しないに違いない。
「また、ね」
猫の後ろ姿を見送って、仕事に戻った。
>67
「〜〜は童貞だよきっと」
廊下を通りがかったときに、二人のフットマンが
なにかを噂していた。
あちらはこちらに気づかないと見えて、急いで通り過ぎる。
ターシャさんに相談したくても、いくらなんでも
恥ずかしい話題のような気がする。
「どうしたの、エマさん」
「いいえ、なんでもありません。おやすみなさい」
「おやすみ〜」
私ははしたない女なのだろうか。
あの噂の主がジョーンズさんだったら、と想像するなんて…。
>68
うとうとと覚醒する。だけど動かない。いいえ、私の思い通りには動かない。
誰かが私の体を動かしている。挨拶し、朝礼に出て、仕事をする。
そこで初めて気がつく。ああ、これは夢だわ。
お嬢様の誕生日の日の夢。
でも、私は特別に誂えた靴下なんて履いていた?
こんなにわくわくしていた?
仕事が終わり次第、着替えて、装って、大ホールへ。
胸ぐりの深いドレス。レースの飾りの付いた靴下。
ポルカ、カドリル、この屋敷にきてから覚えたダンスを思い切り踊る――。
>69
――待って、私、どこに昇ろうとしているの?
そこはテーブルの上よ?
やめて、やめて、そこで踊ったら靴下が見えてしまうわ。
夢の中の私ははしゃぐことをやめない。
何か叫んでいる。なに、なんて言っているの――?
「69akiyo!!!」
……どういう意味?待って、私。
そんなに勢いよく踊ったらテーブルの上から、あ、あ、あ――ごちん!
ごちん?
「痛い……」
ベッドから落ちるなんてひさしぶりだ。
姿勢を正して、暗い中で痛めた箇所を確認する。
そんなに酷くはないみたい。
それにしても、夢の中とはいえあんなにはしゃぐなんて、
何か心労が溜まってるのだろうか。
「今度、レースのついた靴下を買ってみようかな…」
口にしてみて想像したら、いかにも私らしくなくて愉快だった。
今度のパーティでは試しに、もう少し大胆に踊ってみよう考えた。
>74
朝食の時、唐突に尋ねられた。
「エマさん、エルメスとかベノアって知ってる?」
「いいえ?なんですか、それ。」
「ほら、エマさんでも知らないわよ」
「あのね、フランスの革製品メーカーと紅茶メーカーですって。
大陸で人気がある銘柄だから、今度旦那様が扱うかも知れないって…」
「へぇ…。そうなんですか」
旦那様が扱うなら、ジョーンズさんでも扱うかもしれない。
同じ、貿易を営むお家柄なのだから。
「無理でしょうけれど、私達も試せたら素敵ですね」
>75
「そうそう、エマさん。小説って読む?」
小説――。
「ミューディーズで時たま借りて読んだぐらいですけど、あまり」
「そっか、残念」
「あのね、流行りの小説があって読んだことがあるなら善し悪しを聞きたくて」
「評論出来るほど読んでませんけれど…なんて小説です?」
「ストランド・マガジンに連載されてる…なんて言えばいいのかな」
「探偵よ、探偵」
「そうそう、ホームズっていう探偵が活躍する話しなの」
「ああ、あのシリーズですね」
なるほど、と思わず納得する。
「ロンドンっ子の間では有名ですよ。
特に下町の殿方の間では読まない人がいないくらい。
でも、人の生き死にがあるでしょう?子供には
読ませないようにする親が多いみたいですね」
「変なの、それって」
「マクベスもトスカも死んだりなんだりするのにねぇ」
私はちょっとだけ微笑んで付け加えた。
「私も人の生き死には苦手ですけれど…でも、面白い作品だと思いますよ」
>76
庭にあるのはどう見ても不格好な置物だった。
「なんです、これ」
「アメリカで開発された新式の自動車…だそうよ」
「――格好悪いよ、これ」
「だまんなさい、旦那様の大事な商品なんだからね。しっかり磨くこと」
「はぁい」
「わかりました」
きゅっきゅっきゅっ。
車体に無駄な飾りがないので、とても磨きやすい。
傷つけないようにワックスを選びながら磨く。
「ねぇ、エマさん」
「なんですか?」
「私、これに乗るより馬車に乗っている方がいいなぁ」
「赤旗法がこの間廃止されましたから、英国でも自動車の
売買が盛んになると旦那様はお考えなのではないでしょうか」
「そっかー」
きゅっきゅっきゅっ。
あっという間に掃除は終わって、自動車は仕舞われていった。
はたしてあの自動車は売れるのだろうか。
>77
「そういえばね、エマさんって小説を読むことは好きなんでしょう?」
尋ねられて暫く考える。読む時間がなかなか
作れないけれど、読むことそのものは嫌いじゃない。
「好きですよ。手紙を読み書きすることのほうが好きですけど」
「ブロンテ姉妹みたいに小説を書いて投稿したいとは思わない?
エマさんなら書けると思うな」
仕事の手を止めて、目蓋を閉じる。
小説を書いている自分を思い浮かべ――
「無理ですよ、きっと」
瞳を開き、小さく頷いた。
「人を感動させる物語を書ける人はなにか違うものを持っているのだと思います。
私に書けるのは――そう、手紙。心を込めた手紙が精々です」
もしも書けたら素敵でしょうけれど、と最後に付け加えた。
>78
「前にお勤めしていたお屋敷の想い出ですか?」
仕事をしながら、せがまれて思い出す。
「ケリー・ストゥナー様と言う、家庭教師を
していらっしゃった方の元で約5年働きました。
メイドの在り方、料理の仕方、読み書きなにもかも
教わったんですけれど、教え方一つ一つがとても厳しい方でした」
すぅっ、と大きく息を吸う。ゆっくりと思いだす。
「それでいて、誉めるのが上手な方で…ケリー奥様の
要求する水準を満たせば、優しく正しく誉めて下さいました。
いつ頃だったか忘れましたが英語の読み書きが
充分な基準に達したとき、フランス語の勉強をする気はあるかと
尋ねられたんです。メイドにフランス語なんて必要ないのに。
あれが奥様の最上級の褒め方だったと思います」
思いだしながら、頬が熱く紅潮した。
「話しすぎましたね、仕事に戻りましょうか」
>79
すっ、と表情が暗く翳ったのが自分でもわかった。
「誰かと――――」
言葉にするたびに、くっきりと思いだす。
あのときの空気。泣き叫んだ自分の声。
「大切な誰かと、死に別れる未来です」
ふっ、と場の空気が暗くなる。
馬鹿だ、私は。この、いまの英国で大切な人と
死に別れたことがないひとなんていないのに。
わざとらしいのはわかっていて、慌てて付け加える。
「ごめんなさい、冗談だと思って下さい」
ほぅ、それは私にとってこんな未来だろうか
エマ
↓
y=ー( ゚д゚)・∵ ターン
新発売のポーション持ってきました。
_____
/ ̄ ̄ ̄ ̄\,, /−、 −、 \
/_____ ヽ / | ・|・ | 、 \
| ─ 、 ─ 、 ヽ | | / / `-●−′ \ ヽ
| ・|・ |─ |___/ |/ ── | ── ヽ |
|` - c`─ ′ 6 l |. ── | ── | |
. ヽ (____ ,-′ | ── | ── | l
ヽ ___ /ヽ ヽ (__|____ / /
/ |/\/ l ^ヽ \ / /
| | | | l━━(t)━━━━┥
98 :
以上、自作自演でした。:2006/03/22(水) 23:49:32
コレ持ってきました。
つ【甘酒】
99 :
以上、自作自演でした。:2006/03/22(水) 23:53:35
甘美に埋れて殺られましょう
100 :
以上、自作自演でした。:2006/03/23(木) 00:35:08
100
まきますか?まきませんか?
エマ中尉?
六甲のおいしい水
104 :
以上、自作自演でした。:2006/03/30(木) 21:31:37
ちんぽっぽ
スカートがこう、ぶゎーってなってさ…
ぶゎーって、なんか良くない?
106 :
以上、自作自演でした。:2006/04/04(火) 09:40:35
ハラペコ
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!:::::::{ ';!
!:::::i´ ´ ̄`` "´ ̄` l!
ゞ、! ` ゚̄`` '´゚ ̄" l} _______
!ィ1 ,: 、 l! /
ヽ、! , イ ,、_,、 ) l < キム公
ヾ、 ,ィェェェェ、、 ,′ \_______
,/\、 ,ィリくニニン }k、,/
∧. ヾ!{x, `二´ ,;iルヘ
/l::::\ ヾ`゙'"''゙" / |\
108 :
以上、自作自演でした。:2006/04/11(火) 19:13:48
わたくしあげあらしともうします
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('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
/ヽ 〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
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110 :
以上、自作自演でした。:2006/04/20(木) 14:30:40
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111 :
以上、自作自演でした。:2006/04/20(木) 19:57:34
111ゲット何かくれ
エマ、仕事に戻りなさい。
あなたは有能であるし、あなたの帰りを待つ人がいるのよ。
113 :
以上、自作自演でした。:2006/04/22(土) 23:34:41
ネレイダスティアー
114 :
以上、自作自演でした。:2006/06/07(水) 12:17:34
オレ達のゲームなんだ
レッドブル、翼を授ける。
(*^←^*)ノ゛Σ(・`ω・;)
うぉ!?
まだ落ちてなかったのか…
只今このスレは最下層に位置しています。
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|⌒ヽ .| ^ω^ |:::| | ^ω^ |:::| | SALE |
|ω^) .|____|;;;| |____|;;;|  ̄|| ̄~
⊂ノ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄|
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このスレ最下層にいるNE!
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120 :
以上、自作自演でした。:
誰かキャラハンやる人はいないかね?