爆笑w
萌えの根源ってなんだと思いますか?
静止する事は許されん。
往くぞ・・・
>195なんかバカなことやってみて。
馬鹿な事・・・馬鹿な事か。
難しいな。
私は巫山戯る事が苦手なのだ。
苦悩に苦悩を重ねた400年。既に遊び心も枯渇し、知りえる冗談の種もなし。
君には悪いが馬鹿な事は出来んようだ。
【既に馬鹿な事な冗談を言っていると気づいて居ない荒耶だった。】
>196上でレスしてる人と戦ってください。
今現在の私の上は・・・
臙条巴――――貴様か。
よかろう臙条巴。
以前と違い、私に油断はない。
臙条巴、お前を我が障害と認識する。
しかしせめてもの情けだ。戦い方は臙条巴、お前に決めさせてやろう。
さあ、軍人将棋か挟み将棋か回り将棋か、好きに選ぶが良い。
月姫のアニメが始まりましたな。
正直、羨ましいですか?
荒やん最強。
自分の弱点はなんだと思うっスか?
――――――。
おのれ・・・・・・・・・・・・・・・・・
我が三重の結界を抜け、私より先に最後の卵(お一人様1パック限り58円)に手出すとは・・・
40代後半主婦の力――恐るべし。
>205その年齢で独身なんて、寂しくないですか?
腰が砕けたか・・・
ならば私が、新たな脊椎を与えよう。
私の所為でそうなったのなら、放置しておくは無脊椎ンだろう・・・
――――。
ふむ。寂しくは無いかと問うか?
流転する時の中で、ただ他より僅か長く共に過した者は居ても、結局は他人。
それが子とて親とて妻だったとて同じだ。
それぞれは、それぞれに進むべき道があり、いつかは別れるもの・・・
出会いに慣れ、別れに慣れ・・・
既に孤独にも慣れた。
私の中に、最早その感情は無い。
>208最近、不満に思ってる事は何ですか?
最近と言わず、遥か昔より不満に思っている。
この世の在り方に。
救い無き人の生に。
――それ以外ではコルネリウスが資金を出し渋る事。
お陰で美味い茶が飲めん。
>209どっちが難易度高い?
ふむ――
では、まず>270の図を見よ。
――――む?
謝罪しよう。>270ではなく
>>223 である。
この図を見れば分かるだろうが、第六法と阿羅耶識は全く別の存在である。
阿羅耶識とは根源の一部であり、第六法とはそれらを使った機構だと言えよう。
さて――
どちらを目指し難い存在かと聞かれようと、両者に挑んだ者が居ない以上比較のしようが無い話だ。
だが、私は阿羅耶識に辿り着き根源へと至ればいいが、第六法には辿り着いただけでは意味が無い。
第六を使うのならば、第六を改竄し、己が機構の一部として動かねばならん。
つまり、第六は辿り着くは易し、使うは難し。
阿羅耶識はその逆と言えよう。
>210司法試験に落っこちた
ふむ――
私が刑法での狭義の共犯(教唆・幇助)に当て嵌まるかどうかと気になり調べた、ものはついでと受けては見たが・・・
【 第二次試験:口述試験 】
面接官「特技は粛とありますが?」
荒耶「うむ。粛である。」
面接官「粛とは何のことですか?」
荒耶「魔術である。」
面接官「え、魔法?」
荒耶「否。魔術である。未だ我が業は魔法の域には達してはいない。」
面接官「・・・で、その粛は四方活動において何のメリットがあるとお考えですか?」
荒耶「うむ。我が工房への侵入者を握りつぶせよう。」
面接官「いや、司法活動で襲ってくるような輩は893以外いません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
荒耶「しかし、警察すら握りつぶそう。」
面接官「いや、司法試験を受けているんですよ?」
荒耶「更に言えば、我が結界に触れれば如何なる者であれその動きを拘束されるのだぞ?」
面接官「ふざけないでください。それに結界て何ですか。だいたい・・・」
荒耶「結界だ。プロテクションと気取った言い方もある。結界は、通常固定された・・・」
面接官「聞いてません。帰って下さい。」
荒耶「――むう?怒らせて良いのかね?使ってみせるぞ・・・粛を。」
面接官「いいですよ。使って下さい。粛とやらを。それで満足したら帰って下さい。」
荒耶「粛!粛!粛!」
面接官「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
・・・・ふむ。2度と司法試験を受ける事は無かろう。
>277
…そ、そんな笑わせ方があったとは…
と、他人に対して関心した事を教えて下さい。
そのAAは封印指定ものだって(爆笑
なにか至高のメニューを考えてください。
――凶れ
世界で1番辛いことってなんでしょうね?
ねーねー♪
お兄ちゃん、お姉ちゃん!
お兄ちゃんたちにカレシとかカノジョが出来たらなんて呼ばれたいの?
ぱぱはね、ママをめすって呼んでー
ママはね、ぱぱをごしゅじんさまって呼ぶよー
284 :
以上、自作自演でした。:03/10/16 18:18
どうした、黒桐兄妹!
きょうだい心中ですか?
286 :
黒桐幹也 ◆PeaceERJG. :03/10/18 12:30
事務所に来るのも、半月振りかぁ………
……呑気に浸ってる場合じゃない、すぐに答えてかなきゃ。
>211-216 荒耶さん
………。
(昔の話を、ただじっと聞いている)
(風景を思い浮かべるように目を閉じていたが、聞き終わると静かに席を立つ)
……と。
いけない、忘れてました……。
(コップに水を汲むと、部屋の中へ入っていく)
―――こういう仕事ばかりなら、大歓迎なんですけれどね。
>225 荒耶さん
>礼を言うぞ、黒桐幹也。 (心なしか目が嬉しそうな渋面)
あ、いいえ……。
………………。
(何を出したら背を反らして大爆笑させる事が出来るだろうか、と真剣に悩んでいる)
>226 幹也さん
>「じゃあ幹也くん、いつもの開けけ方で開けてくれるかしら?」
>「きゃー!幹也くん、すっごーい!」
―――――楽しそうですね、幹也さん。
(『プロテイン荒耶』と書かれた名札を下げて、笑顔で通り過ぎる)
>228
怪物……
(荒耶の方を見る)
(ぶんぶんぶんぶん)
……えっと、ごめん。
具体的な解決案は、僕には出せないけど。
橙子さんなら……あ、ここの所長なんだけれどね。
そういう事に詳しいから、戻ったら聞いてみるといい。
……あのさ、ところで。
下世話な話で悪いけれど、君―――お金、持ってるかな?
…あ、違う違う。
僕に払うんじゃないよ(苦笑)
さっき言った人、あまり無償で動いてくれるような人じゃないから……
………何か、珍しいものでもいいと思うけど。
>230
な、何ですって――――!?
――――はい、それじゃ帰ってくださいね(笑顔)
(ぐいぐいと背中を押して、ドアの向こうまで押し出す)
>231
と言う事は、僕自身も……?
……うーん……。
「黒桐幹也」
・平気で人を殴る
・目つきが悪い
「黒桐鮮花」
・放火魔
・気に入らない事があるとガソリンを投げる
「両儀式」
・剣と呼ぶにはあまりに大きく重く大雑把すぎる鉄の塊を常時持ち歩いている
・たまに狂う
「荒耶宗蓮」
・会話中、たまに2〜3秒動きが止まる
・眠るとき、目を見開いたまま寝ている
「臙条巴」
・ネジを外して回るイタズラがマイブーム
・作中、どんな場面でも必ず猫耳のカチューシャを着用
「蒼崎橙子」
・来客があると、とりあえず顔に煙を吹きかけて遊ぶ
・借金で首が回らない
「コルネリウス=アルバ」
・歩行中、障害物を避けるたびに「危ないな」と口にする
・人にぶつかると高い声で笑いながら、1kmほど後をつけてくる
「浅上藤乃」
・眼ではなく、腕力で相手の体を捻じ曲げる
・「顔が気に入らない」と言うだけの理由で通行人を殺傷する
……………。(※自己嫌悪)
噴いたw
すべてのネタが黒い…
……幹也たん、何か嫌な事あった?
生きている限り嫌なことばかりです・・・
>290
>・借金で首が回らない
それはいつもの事!
ところで給料代わりの現物支給って嬉しいですか?
テレホンカード1000枚とか
好きな子が出来たんですが、その子は実は従妹だったんです。
なんと言うか世間の目もありますし、諦めようと思うんですが・・・
よかったらスッパリ諦められる方法を教えてください。
295 :
黒桐幹也 ◆PeaceERJG. :03/10/25 01:51
―――トンデモナイ目に遭った。
もう、とにかく理不尽で、
トンデモナク苦しかったのか、
トンデモナク痛かったのか。
それすらも分からないくらい、ゴチャゴチャした目に遭った――――。
………全員で追い掛け回さなくても……。
>233
(ひとしきり、読み物に目を通して)
ゲームとかは良く分からないから、読み物を読んだ限りで言うね。
どちらも人形だけど、二人の間には決定的な違いがあると思う。
精密さとか、目的とか、そういうもの以上に。
「彼」は、どんなに感情が豊かでも、心は虚構だったと思う。
何をしても、何を得ても、それは空虚だったんじゃないかな。
でも、「彼女」は……表現が乏しくても、確かに心があると思うんだ。
踊り疲れた後は、きっと安らかに眠れたと思う。
柩じゃなく、綺麗な寝台でね。
>234
………………。
(呆然とした顔で、煤と灰が積もった床のコンクリートを見ている)
……えーと………掃除、放火、料理………どれ?
(混乱しながらも、とりあえず手早く片付けて行く)
………今夜、帰れないな…………。
(焼き尽くされた長机や書類の成れの果てを見てがっくりと肩を落とし、
何故か完璧に無事な、魔術所の入った棚や橙子の個室を恨めしげに見る)
>235
(頷く)
……時間が経つのを忘れるって、
こういう事を言うんだろうね。
僕もずっと聞き入ってた。
(>236)
(静かに席を立つ)
それは、僕が言う事じゃないから……。
……その気なら、荒耶さんが言ってくれると思うよ。
(>237)
(慌てて戻って来ると、全力で>237の腕を取って逃げ出し、
事務所のドアから突き飛ばすようにして外へ放り出す)
すぐ走って! 思い切り走って!!
いや、冗談ごとじゃなくて………!
……いいね、少なくとも一ヶ月はここが視界に入る位置に近づかないで!!
(そう言ってドアを閉めた後、中から何かを叩きつけるような音が聞こえ、
そして静寂)
>238 荒耶さん
>(・・・・・・ええい寄越せ!)
あ……は、はい。
(高く低く流れるダンディヴォイス)
………上手い………。
>239 荒耶さん
>(少々苦味が勝ちすぎるきらいは有るが、これはこれで乙という物・・・)
……あ、はい………有り難うございます……。
(※罪悪感ちくちく)
>(さて、黒桐幹也〜 〜なに、肩ぐらい揉んでやろう)
あ、いえ………僕は、いつもやってる事ですから……
(※ちょっと危険を感じる)
>(さあ・・・遠慮するな・・・)
(※がっちりと押さえつけられる)
いえ、あの本当に――――
>(・・・それ粛!ほれ粛!どれ粛!)
――――ぐっ!?
>(粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛!粛――!!)
ーーーーーーーー〜〜〜〜!!!!!
(声にならない悲鳴を上げて、手足をばたつかせる)
……………。
……あ、ありが……とう………ございます………。
…お陰で、肩の凝りがなくなりました………
………肩の感覚も、完全になくなりましたけど………。
>241
普段が、生真面目な人たちだからね………(苦笑)
たまにこうやって面白い事をしたりすると、それだけ反動が大きいんだと思うよ。
――――まあ、二人とも「たまに」じゃない気がするけど。
>242
ちょっ……それは……!
……ああ、だから言ったのに………!
(路地裏の向こうで、大岡裁判の様に混沌と破戒僧に腕を引っ張られている>241を見つけて、
もうひとりのシキと慌てて止めに行く)
>243
………聞かない方がいい。
いや、本当に………。
君、あの●●●さんが●●●●と同じだなんて、知ったらきっとショックで――――
「―――良かろう。貴様を、わが障害と認識する」
―――ってー! ……いえ、違います! 今のは冗談で………!!!
(どこからとも無く沸いて出た鹿、犬、鳥、豹などで、一斉に運び出される)
>244
ごき。
――――ただ、一音。
鈍く重い、しかし終わりにしてはあまりに小さい音で。
ソレで、「黒桐幹也」はこの世界に終わりを告げた。
(画面に広がる「2P 12WIN」の文字を見ながら)
「………少し手加減してくれると嬉しいんだけどな、藤乃ちゃん……」
「……すみません、私も不慣れなもので………ボタンを押し続けていたら、いつの間にか…
あの………もう一度、お手合わせしますか?」
「うん。正直言って、一度くらいは勝っておきたい」
「………はい(微笑)」
(※「メルティブラッド」“らっきょPLUS”)
vs浅上藤乃 戦績・・・2勝26敗1無効(※29戦目で鮮花が無理やり藤乃を連れ出したため)
>245
……したかった事なんて、それこそ数え切れないくらいあったと思うよ。
先輩は、やりたい事を探す為に学校を辞めた。
したい事の中でも、本当に自分が一番したい事を探す為に、決断したんだろう。
僕は……僕には、分からなかったけれど。
最後にあの人は、友達を欲しがっていたんだと思う。
自分を助けてくれる、
掛け値なしの、
心から仲間と呼べる人を。
――――どうして。
……それも、僕には。
―――――どこで間違ってしまったんですか、先輩。
叶えてあげられなかった。
(どのようにも取れる、虚ろな表情をして。
しかし瞳はいつものように黒く透き通ったまま、遠い空を暫し眺めている)
塩ラーメン派? 味噌ラーメン派?
それとも豚骨ラーメン派?
………(鉛筆を取り落とし、書類(?)の上に突っ伏す)
………………………つか………れたぁ………。
>252
(礼園の寮へ電話中)
――――あ、もしもし、鮮花?
うん。そう。
……ん? まあ、こっちは何とかね。
それで、鮮花。ちょっとこっちの方へ来れないかな?
………ああ、僕じゃないよ。
来てくれる人が鮮花を待っててね。
うん。そういう……
(――――ブツッ)
な……おい、馬鹿って誰が………!
(………ツー、ツー、ツー……)
………なに怒ってるんだ、あいつ……?
>254-255
……あまり、面白い話じゃないよ?
――――まあ。
それでも、聞きたいって言うんなら――――。
「・・/殺意教誨」
1/色覚深紅―――AM1:23
――――僕は、人を殴った事が無い。
もっとも、これは閑静な環境とそれなりに平穏な友人が揃っていれば誰にでも出来る事だし、
一般の常識(多くの常識とは、そうあって欲しい、と言う願望でもある)に照らし合わせても、
これは「ある」より「ない」方が勝っている事柄だと思う。
それでも、「殴ってやりたい」と頭に来る事は、やっぱり人間である以上多かれ少なかれある訳で。
――――なら、これは。
そんな怒りの感情に、抑えが利かなくなった結果だとでも言うんだろうか。
目の前のソレは、いつか映画で見たような毒々しさは無く。
むしろ穏やか過ぎて、確かに今起こっている凄惨な事とは掛け離れていると思った。
年齢はおそらく、二十に達する少し前。化粧気の無い女性。
外傷は一点、首筋の前から後ろまでを滑らかに開いた、幅の細い切り傷。
……不似合いと言えば、僕の右手にある物も実にこの場にふさわしくないと思う。
まあ、凶器といえば、それなりに恐ろしく見えない事も無い。
ただ、十得ナイフが凶器になったって言う事件には、未だお目に掛かった事が無いけれど。
とにかく。本当に不似合いな事だらけで。
右手と足元を濡らす、深く赤い色の液体がこんなにも鼻を衝かなければ、
とても信じられなかったろう。
眠るように目を閉じた彼女は 確かに死んでいて。
呆けたように立ち尽くす僕が 間違いなく殺した。
―――――僕は、人を殴った事が無い。
それなのに、その意思さえ不確かなまま人を殺してしまうと言うのは、
人間である以上仕方のない事なんだろうか。
今も足元を赤く濡らす血液の鮮やかさに、軽い吐き気を覚えながら。
そんな滑稽で、やっぱりこの場には不似合いな事を考えていた。
2/死赤欠落――――PM3:43
「幹也。……コクトー」
「え? あ?」
不意に外国人めいた名前の呼ばれ方をしたせいで、こっちも日本語を忘れてしまったようだ。
案の定、式は呆れ顔でこっちを見ている。
「あ、じゃない。……何の話してたか、覚えてるのか?」
「………いや、悪いけど全然」
どうも、僕は先程の返答以上に間抜けな事をしていたらしい。
式の顔が、ますます疲れたようなものに変わる。
「……いい。やっぱりおまえには、念を押して言っておいた方が良さそうだ。
だから、気をつけろって話。
最近、例の物騒な事件が続いてるだろう。
だって言うのに、おまえときたら構わず深夜にふらふら出歩いてるんだからな」
「………む」
式が(素直に)心配してくれるのは嬉しいけど、さすがに今の言い方はちょっと癇に障った。
「ふらふらって……あのな、人を夢遊病みたいに言わないでくれないか。
確かに一昨日は夜遅くに買い物に出たけど、あれは昼間に暇が無かったからだぞ」
皮肉の一つでも返って来るかと身構えていると、式は意外にも黙り込んでしまった。
……いや。
黙り込んでいると言うより、もうほとんど、僕を睨みつけている。
「……………式?」
訳が分からないまま呼びかけると、式は硬い表情のまま、妙な質問をしてきた。
「――――幹也。出て行ったのは、確かに一昨日か。……それ以外は」
「何だよ、自分で聞いておいて………ああ、間違いないよ。
それ以外は、少なくともここ十日は遅くなった日は無いから。
……でも、遅くって言ったって11時を過ぎたくらいだよ?
人通りは確かに少ないけど、まだ遅すぎるって時間でもないだろう」
それを聞いた式の目が、一層険しくなる。
………時間帯ではなく日にち、一昨日と言う事が問題らしい。
「式。その………忘れてたら本当にごめん。
一昨日、君と何か約束してた……?」
「……出掛ける。帰るなら、鍵を掛けて帰れよ」
その問い掛けには答えず、式は立ち上がると玄関へ歩いていってしまった。
………どうやら、当たりのようだ。
せめてもう一度謝ろうと慌てて後を追うと、既にブーツを履き終えた式が、
振り返らずに短く喋った。
「―――幹也。気をつけろよ」
本当に念を押すように、一言だけ言って。
式はドアから身を滑らせるように出て行った。
3/朱識残像―――AM2:18
――――は。はぁ、はぁ。――――は。
過熱する呼吸は、既に声を伴って。
「―――は」
混濁した頭は、それがどちらの声なのかも判別がつかず。
「―――――。」
ただ、眼だけが何よりも冷たく、目の前の物体の真芯を離れない。
抵抗が激しかったのだろう、今回は外傷が目立つ。
上腕、左右あわせて四ヶ所、胸部二ヶ所、腹部一ヶ所、右脚一ヶ所。
ここからは見えないけれど、後頭部及び背中にも一ヶ所ずつ。
ただし、出血の割に傷は大人しい。ショックで意識を失いかけてはいるが、
このまま誰かの発見を待ったとしても、九割方の確立で助かると思う。
――――まだ、生きてる。
なら。
なら、やる事は決まってる。
僕は―――――
「――――殺すのか、コクトー」
熱気も冷気も、一瞬で断ち割る刃物の様な、その声。
凛と鳴る清音に、迷いを持った弱い意識は一瞬で弾き飛ばされる。
「式」
振り返って最初に口にしたのは、
味も素っ気も無い、呼びかけですらないただの発音。
でも、それを聞いた彼女は満足げに、薄く穏やかに笑った。
「うん。今ので許してやる。
もし一言で戻らなかったら、半月は口を利いてやらないつもりだったけど」
とても恐ろしい軽口を言った後、式は今度こそ本当に恐ろしい眼で、僕の背後を見透かす。
「――――休まず「半月」か。こんなお人好しを相手に根気がいいな、オマエも」
その声に反応したのか。
背中を這うムカデのように、背後から急速に黒い空気が染み出してくる。
「見るな」
元の方向に顔を向けようとした僕を、いつの間にか前に来ていた式が手で制する。
「お前は上、ヤツは下。
――――で、オレがたぶん、下よりの中間だ。
だから、幹也はそっちにいてくれ。
……お前が引っ張ってくれれば、オレも上よりでいられるから」
もう一度穏やかに笑みを向けた、式の顔が目の前から消えると同時。
ざん、と、ごく短い音を立てて、
黒い空気が断ち切られた。
4/白日回帰―――PM4:33
「………えっと、つまり……地縛霊とか、そういう事ですか?」
「違う」
式と橙子さんの会話に、分かる範囲で相槌を打ってみたが、
例によって一言で切り返された。
「……兄さん、何を聞いていたんですか」
しかし、溜息交じりの鮮花の一言には、少しカチンと来た。
「じゃ、鮮花は解るのか?」
「大筋ですけれど。兄さんよりは正しく捉えていると思います」
「ほう。それじゃ丁度いい。黒桐にも解るように説明してやれ」
「え……? あ、はい」
一呼吸おくと、鮮花は僕と橙子さん、両方に言っているような感じで話し始めた。
「――――ええと、結論から言うと………あの場所で過去に起こった殺人事件、
それを「場所」そのものが負の記憶として留めてしまった。
きっかけとして起こった事件そのものは、すぐに解決されましたが。
現場となった場所を特別視……一般に言う「祟り」「呪い」と言ったマイナスイメージですね。
そう言った感情を含んだ視線が、誰かが通りすがるたびに何百、何千とあの場所に注ぎ込まれて、
結果としてあの路地が歪んで、巨大な負の空気の淀みになってしまった―――
―――そうですね。兄さんの言葉を借りるなら「地縛霊」では無く、「地縛」そのものではないでしょうか」
………負けた。確かに、解りやすい。
まあ、解りやすいぶん、完全な一般人である僕としては複雑なんだけど。
聞き終えた橙子さんが、ん、と目を閉じて頷く。
こっちは解り辛いけど、眼鏡を外した橙子さんにしては最大級の賛辞だ。
「上出来だ。少しばかり簡潔すぎるが、お前の兄にはそれ位が合っているだろう」
………なんでこの人は、辛辣な一言を添えないで喋れないんだろうか。
「じゃ、その場所に呼ばれて、ここ半月僕は自覚無しに出歩いていたって事ですか?」
「そう言う事だな。
付け加えて理由を言うと、黒桐。お前ははっきり言って単なる一般人に過ぎん。
……しかし、私がいつも言っているように、お前は物を探求する、
掘り下げれば「見つける」と言う点において、超人的に突出している。
まあ、と言ってもお前自身にその自覚が無いから、普通なら日常において影響は無いんだが。
ごく稀に、「向こう側」がお前を知覚してしまうことが有るんだ。
……今回のケースは、言ってみれば不運だったと言う事だろう」
橙子さんは人の一大事を簡単に片付けてくれると、いつものようにコーヒーを注文した。
/夜想識
いつものように仕事をして、いつもの様に帰路につく。
ただ、いつもと違う事と言えば、横を静かに式が歩いている事か。
僕は特に話題にする話題も無く、式も特に話しかけて来ない。
「幹也」
帰り道を半分ほど進んだところで、唐突に声が掛けられた。
「なに?」
振り返らず、軽く聞き返す。
「昨日は、橙子の所を出た後、どうしたか覚えてるか?」
それは、式にしては珍しい、からかうような調子の冗談だった。
何となく嬉しくて、今度は足を止めて振り返る。
「……ああ、この間の事か。……それなら、今頃聞いてくれたって遅いだろう?」
「懲りてないようなら、また少しくらい巻き込まれるくらいで丁度いい」
「何だよ、僕のせいじゃないのに………
……とにかく、ちゃんと覚えてるよ。
昨日は橙子さんの事務所を出て………え?」
――――出て?
違う。その記憶は、おかしい。
「………いや、待って。確かに………」
――――確カニ、ドウシタノカ。
どんなに思い出そうとしても、「昨日、その後」が黒く塗り潰されたように思い出せない。
「……おい、幹也――――」
式の声が切迫を帯びたものへ変わり、逆にそれでこっちの頭は落ち着いてくれた。
……それは、本当に馬鹿げた答え。
「…………なるほど、ね」
困惑顔で首を傾げる式に、苦笑しながら訳を話した。
「思い出せないわけだ。
――――だって僕、昨日仕事に行っていないもんな」
「……………」
……あ、式が怒ってる。
「――――成程、ね。
良く分かった。お前がどれだけ抜けてるかって事が」
呆れた顔で、式はそのまま早足に僕を追い抜いて行こうとする。
「式」
慌てて止めた呼びかけは、やっぱり味も素っ気も無い。
そんなだから、式はちら、とこっちを振り返っただけで、
後は止まらずにどんどん先へ歩いて行く。
「ちょっと、待てって……」
でも、振り返った彼女の顔は、本当に穏やかだった。
だから、その歩調も穏やかに。
すこし走れば、すぐに追い付けるだろう。
「………まったく、あまり速くは走れないんだけどな……」
そんなどうでもいい言葉を呟いて、ゆっくりと式を追いかけて行く。
いつものように、穏やかに。
/殺意教誨・了
ここのキャラハンは皆文才があるなぁ。
( ・∀・)つ 旦 イイモン ヨマセテモラッタ レイダ ノメ!
幹也たん乙。
っていうかすげー…
同感。
どっちも思わず読みふけったよ。
ところで質問だけど、Fate体験版はやった?
武装錬金の蝶野侯爵をどう思う?
特に橙子さんの意見が聞きたい(ワラ
いざ、勝負ッ!!
あんた、えろっちいな