>ソンバイエム「槍は封じた!今だ!!」
「くれてやる!死ね!」
ヨブチヌスは槍を力一杯突き出した。怪力のヨブチヌスの突き。ソンバイエムは
耐えられただろうか。
しかし槍は手放してしまった。
盾のアンジェリーナは他の者には有効であろう。つぶさに一行を闇から見ていた
ヨブチヌスには判った。奴等にあるのは敗北のみに代わりは無い。忌々しいクレ
フは片付いたも同然。
「王の聖剣よ、あれ!」
剣の召喚が先か、勇者たちの攻撃が先か!はたして!?
【ニーズヘイド氏が既婚者であることを知らなかったので、レオ氏とアンジェリーナ氏の守護精霊さんたちのご意見を参考に、ミリーナ・イグロスの設定を書き換えます(汗)。
前の話はなかったことにしてください。お許しを〜】
その頃、宮中の地下牢では、一人の乙女が迷いに迷っていた。彼女の名は、ミリーナ・イグロス。ハイガーの末娘である。実は彼女は国王から結婚を迫られていた。
彼女は昔のことを思い出していた・・・。彼女が少女だったときの記憶である。
「ねぇ、ニーズヘイド。貴方、私の騎士になってくれる?」
幼いミリーナは、庭園の中で、当時、27歳だったニーズヘイドに質問していた。
ニーズヘイドは苦笑した。彼は結婚したばかりだったのである。それを聞いて、バラ園の手入れをしていたハイガーも顔を上げた。
「お嬢様、私は結婚したばかりなのですよ。ご冗談はお止めください」
「冗談じゃないもん! あたし、ニーズヘイドのことが好きだもん!」
ミリーナはふくれた。機嫌を損ねたらしい。ニーズヘイドは考えた。
「まあ、ミリーナさま、貴女が危機に陥った時、私はすぐに駆けつけましょうぞ!」
「ホント?」
「本当ですとも。私も騎士の端くれ、嘘は申しませぬ」
「じゃあ、指きりげんまんよ」
ニーズヘイドは腰を屈めて、ミリーナと約束した。ハイガーはその光景を見て、穏やかに微笑している。春の柔らかな日差しが3人を照らし出していた・・・。
「約束したのに・・・」
ミリーナは地下牢で俯きながら、泣いていた。彼女はニーズヘイドが今でも好きだったのである。結婚した後も永久に変わらず・・・。
「お父様も、ニーズヘイドも、お兄様たちも戦いに出たまま行方不明・・・。 みんな、私を置いて、行ってしまう・・・」
ミリーナはぐっと唇を噛み締めた。
「私がしっかりしなくっちゃ! でないと、イグロス家は滅んでしまう・・・」
彼女は国王から、正室に迎えると約束されていた。逆に、結婚を拒めば、三族皆殺しとも・・・。
ここで、彼女は決意した。国王のプロポーズを受け入れることを。
「お父様、ニーズヘイド、私はお家の再興のために、結婚を受け入れることにします!」
こうして、ミリーナは決意を固めたのであった。
ヨブチヌスが現れた。
アンジェリーナを盾にしている。アンジェリーナの意識は全く無いようだ。
ニーズヘイドは地面に刺していた剣を右手で引き抜き、左手でアンジェリーナ
の鏡面の如き刃の剣を構えた。二刀流。本来は両手で持つべき己が剣を力入り
片手一本で振るうつもりだ。
>ソンバイエム「槍は封じた!今だ!!」
ニーズヘイドは突進した!怒りを込めて!
>ヨブチヌス「王の聖剣よ、あれ!」
ヨブチヌスの剣が実体化する!それよりも速く攻撃を!剣の斬閃を!
ヨブチヌスはアンジェリーナを盾にする!
其れに構わずニーズヘイドは斬りかかった!
アンジェリーナごと斬る!?
ニーズヘイドは心の中で叫んだ。
馬鹿め!見え透いているんだよ!
ヨブチヌスはアンジェリーナを盾に・・・・・はしなかった!
其れどころか斬線からアンジェリーナを逸らした!
「じぇぃ!」
がらあきの邪王の左胸胸甲を剣が直撃した!
呻き跳び退るヨブチヌス。
「てめぇにとってアンジェリーナは大事な贄だ。死なれて一番こまるのはてめぇだ!
盾がはったりだとは判ってんだよ!」
さすがのヨブチヌスも衝撃で一瞬左手の力を失う。
アンジェリーナを落とした。
が、アンジェリーナは自らの意志で着地した!
意識がある!
「忘れもんだぜ!」
鏡面の剣をアンジェリーナに放った。
アンジェリーナは自分の剣をついに摑んだ。
(ヴァーニアスは冷静にヨブチヌスに攻撃する機会を伺っていた)
>ヨブチヌス「王の聖剣よ、あれ!」
チィッ、マズイ・・・
(そう思った瞬間、ニーズヘイドはヨブチヌスに斬りかかっていた)
さすがニーズヘイド殿!!幾多の戦いをくぐりぬけてきただけのことはある。
(アンジェリーナが無事なことを確認するとホッと胸をなでおろす)
コレで・・・何の迷いもなくお前を討つことができる闇の王よ!
闇のものが聖剣を使うなど笑わせてくれる!
お前に似合うのはこの呪われた我が剣だ。
これで引導を渡してくれようぞ!
(そう言うと、一瞬のうちに鞘から剣を取り出し、ヨブチヌスに斬りかかった)
ニーズヘイド!
(アンジェリーナは幾多の危機をともにのりこえてきた愛すべき剣を手にした!)
…必殺の間合い!必ず討つ!
(猛進するヴァーニアスが視界に入った!)
ヴァーニアス!
(ヴァーニアスの剣とアンジェリーナの剣が襲いかかる!
邪神になりそこねた魔道の王に!)
たああああああああああッ!
(アンジェリーナは下から上へ斬り上げた!ヨブチヌスののどをめがけ!)
(とき同じくクレフはケルベロスに絶体絶命!いまは斬ってる最中、たすけに
いけない!がんばれクレフー!きみならできる!)
ケルベロスの牙が、今にもクレフを噛み千切らんとしたその時!
「きゃー!きゃー、きゃー、きゃー、きゃー、きゃーーーーッ!!!」
突然の悲鳴である。今や原型を留めぬ魔方陣の――上空から。
ひゅるるるる…と、勢い良く落ちてきたのは…ラビだ!
ケルベロスの真上へと、うつぶせに落下!同時に…
”さくっ”…という、なんとも小気味の良い音。
「いたたた…。あれ?」
なんと、杖の先端が思いっきりケルベロスの眉間に突き立っていた!
期せずしてクリティカルヒット!棚からボタモチ!
”グルウォォォォオオォオオオン!!!!!”
今度はケルベロスが悲鳴をあげる番だ。痛みにではない、杖の持つ聖なる力に。
頭を振り、がむしゃらにもがく姿は、さながらロデオの暴れ馬。
一方のラビはというと…
「…いやー!止まってー!きもちわるいー!!!」
杖を支点にしてぐるぐるぐるぐる。こちらはさしずめコンパスといった所か。
もがけばもがくほど、杖は深〜く深く容赦なくめり込んで行く!
…エグいんだか面白いんだかよくわからん光景である。少なくとも格好よろしくはない。
クレフを捕らえていた二本のムチが、緩んだ!
(実は…ヨブチヌスにハイガー老の魂が呑み込まれ、アンジェリーナが連れ去られた後。
クレフ達は、半ば心神喪失状態にあったラビを置いて決戦の地へと来ていたのだった。
子供を一人で置いてゆくことに抵抗はあったかも知れないが、幸い森の出口は近かったし、
状況が状況である。アンジェリーナの命…ひいては世界の危機だ。
ただただ無言で、最後の戦いに向かう一行を見送ったラビ…
そのラビが何故この場に――よりにもよって、空から降ってきたのか!
色々と謎が多い。…しかし、今は双方、そのようなことを追及している場合でもあるまい。
なんか申し訳ない気もするけど、ケルベロスは致命傷だ!頑張ってクレフ氏!みんな!)
誤算につぐ誤算。
千人力の威名を持つニーズヘイドの武量をヨブチヌスは把握し損じてしまった。
アンジェリーナを皮肉にも庇いニーズヘイドの豪剣を喰らってしまった。
左胸の甲冑は砕け飛散した。剣は胸筋を裂いた。
贄が落ちる。
>ニーズヘイド
>「忘れもんだぜ!」鏡面の剣をアンジェリーナに放った。
>アンジェリーナ
>たあああああああああッ!下から上へ斬り上げた!ヨブチヌスののどをめがけ!
「ブハ、グエアアア!」
アンジェリーナの剣が咽喉を裂く。青い血が噴水の様に湧き出す。
>ヴァーニアス
>お前に似合うのはこの呪われた我が剣だ。これで引導を渡してくれようぞ!
よろめくヨブチヌスの顔面にヴァーニアスの烈剣。
邪王の頭部は唐竹に割れた。
ケルベロスの顎が勢いをつけて襲いかかって来ている最中、クレフは冷静だった。
何故なら、わざと鞭に捕まったのだから。
自分の持っている武器では致命傷を与えるのは困難。そう判断し、口を確実に開けるタイミングを狙っていたのだ。
左手の力を溜、一撃のタイミングを見計らう・・・そこへ
>突然の悲鳴である。今や原型を留めぬ魔方陣の――上空から。
>ひゅるるるる…と、勢い良く落ちてきたのは…ラビだ!
「ラ、ラビ君!?っと。」
クレフは、左手一本で鞭を引きちぎる。その細腕からは想像出来ない力だ。
そのままケルベロスの頭に飛び乗り、ラビを抱えてケルベロスから離れる。
聖なる杖は、いまだケルベロスに突き刺さったままだ。そっとラビを地上に降ろす。
「まったく・・・キミは・・・・クスクス。まあ怪我が無くて何よりですよ。
・・・少し、おとなしく待っててくださいね。あの怪物を倒して杖を持って帰ってきますから。」
そう言って、クレフはケルベロスの方を振り向く。
ケルベロスは標的を見つけ、半狂乱状態で襲いかかってくる。
クレフはケルベロスに向かい走り寄り、鞭をかいくぐって眉間に飛び移る。
ケルベロスの眉間に突き刺さった杖を左手で握りしめる。
「いけそう?ヤーコプ」
『誰に向かって言ってるんだクソガキが?元聖者様を嘗めるな』
そう頭の中で声が響くと同時に、杖が光り輝き、聖なる光の柱がケルベロスを包むこみ分解していった。
太陽より明るく・・・そして強力な破邪の力をもった光が場を照らしつけた。
「グアアアア!ウヌヌウウ!」
しかし次の瞬間、ヴァーニアスはヨブチヌスの左腕に殴り飛ばされた。
とどめを討たんとするニーズヘイドも右腕の一撃を考えられぬ間合いでくらった。
ヨブチヌスの両腕は伸び鞭と化していた。先端は既に手ですら無い。触手であった。
更にアンジェリーナを足で蹴り飛ばす。
「つけあがりおって、グ、小娘がアアアア!」
肉体の再生の為、人間どもから距離をとった。
ヨブチヌスの割れた頭部が貼り合わさっていく。咽喉の裂口が塞がっていく。
だが再生は完全では無い。美しい青年の顔ではもはや無い。肉塊の顔。例え
るならば犬と人を合成したかのような醜い顔であった。
「王に、こ、この屈辱、ググ、赦さぬ。
再生が、グヌウ、お、おいつかぬ・・・。
お、おのれ!な、ならば!!」
ヨブチヌスを包んでいた王の鎧が破裂する。
ヨブチヌスの身体が膨れ上がる。筋肉が盛り上がり引き締まった青年の身体
も見る影も無い。
獣毛すら生えた巨躯。両腕は鞭。顔は牙を剥く獰猛な犬の如き狂人。
ヨブチヌスはついに正体を現した。
「汝等の・・・身体の穴という穴から、血、血を噴き出させてやる!・・・
クククククク。臓腑を、引き千切り、脳髄を踏み潰して、く、くれようぞ!
アンジェリーナアアア!汝は余のものだアアアア!」
>戦士たちは戦いを待った
エックスは集中を続ける
バスター(ワンド)が光り輝く(第二段階)(ワンド単体での限界)
>ヨブチヌスは下馬した
間合いを調整し、誰のサポートにも回れるような位置に移動する
そうしておいた上でヨブチヌスに狙いを定める
「アーマー」が金色に輝く(第三段階)(チャージとしての限界)
(森を薙ぎ、小高い丘ぐらいなら一撃で破壊できる威力)
>左手に盾としてアンジェリーナを持った
「なっ」
このままではエックスには攻撃できない。
溜めすぎたエネルギーの大きさはヨブチヌスとともに確実にアンジェリーナを巻き込む
限界まで収束すれば問題ないが、それにはまだ時間が足りない。
ギガ・クラッシュの発動も考えに入れ、チャンスを待った。
>アンジェリーナを落とした。が、着地した!
チャンスが来た。だが、クレフがつかまっている。
位置を調整し、ヨブチヌスとケルベロスを同一射線上に置いて
「食ら…」
放とうとした刹那
>「きゃー!きゃー、きゃー、きゃー、きゃー、きゃーーーーッ!!!」
>ひゅるるるる…
置いてきたはずのラビが落ちてくる。慌てて発動を中止、チャージに戻る
>”さくっ” ”グルウォォォォオオォオオオン!!!!!”
予期せぬ助っ人だが、ラビの攻撃が効いているようだ
「アーマー」の光がすべてバスターに移る(第四段階)(チャージ完了)
>太陽より明るく・・・そして強力な破邪の力をもった光が場を照らしつけた。
強烈な光により瞬間、時が止まる
この時を置いて機会は無い。そう判断したエックスは
必殺の念でバスターを放つ。
空間に一条の光の線が走る。
ヨブチヌスの両肩を貫き、ケルベロスが居た空間を薙いで
光の線は消える。
続いて氷の魔法をキャスト、改めて狙いを定める
(レオは動けないでいた。
アンジェを盾に取られては攻撃出来ない…。
未熟なレオには良い打開案も浮かばなかった。相手を睨み付ける事しか出来ない)
畜生!何処までも卑怯な奴だぜ!
(傍目にはクレフも危機に陥っている。このままでは…。)
(しかしその時、ニーズヘイドがヨブチヌスの思惑を看破した。
そしてアンジェも意識を取り戻している!
ニーズ、アンジェ、ヴァーニアスの三段攻撃がヨブチヌスを襲った!)
やった!何も出来なかったのは悔しいが、これで奴も一巻の…んっ!?
>ヨブチヌスはついに正体を現した。
アンジェリーナ!ニーズヘイド!ヴァーニアス!何て事だ!
畜生…再生してやがる。やはり奴も魔犬同様不死に近い体を持ってるって訳か。
…だが、不死ではない!勝てる!いや、勝つ!
(と、その時、上空からラビが降ってくる。何事かと驚いている間に事態は好転しだし、
強烈な太陽のような光と、エックスの放ったバスターの、ふたつの光が場を支配した)
何が何だか…だが、やるなら今をおいて他に無さそうだなっ!
(レオはヨブチヌスに突撃する。光を背にし、彼の視界を眩ませながら)
ヨブチヌス!!!これでも食らいやがれ!!!
(そのまま肉薄したレオはその顔面に渾身の力を込めて右ストレート。
しかしヨブチヌスの屈強な肉体にその程度の攻撃は効かないであろう。
だがレオは笑った)
散々いいようにされた借り…返してやったぜ!
(“一発殴らないと気が済まない”…レオは、この一発に拘っていた)
(ダメージは無いだろうがその一撃はヨブチヌスを苛立たせるには十分事足りるだろう。
ヨブチヌスは蹴りを放ってくる。だがレオはそれを避けた)
やっぱりだ…膨れ上がり過ぎた自分の筋肉の重みで、
お得意の“稲妻の如き速さ”が殺されている!俺にすら動きが見える!
冷静さを失ったな、ヨブチヌス!
(レオは一気に間合いを詰め、ヨブチヌスの足首に槍の切っ先を突立てた!
そのまま横に薙ぎ、彼の右足首から下を切断する。
そして即座に距離を取り、確認してから仲間達に叫ぶ)
確かに、傷の治癒が追いついていないな。
エックスの攻撃で負傷した両肩も、今の俺の攻撃で潰れた足首も、再生しきれていない。
再生能力があると言えど万能じゃない!怒涛のような攻撃で肉体が瓦解しつつある。
波状攻撃を仕掛ければ奴の身体はきっと朽ち果てる!
アンジェリーナ!ニーズヘイド!ヴァーニアス!立ってくれ!
ソンバイエム!エックス!君達の強力な一撃を今一度!
ラビ!何だかよく分からんが追いかけてきてくれたんだな!
クレフ!ミハラ!爺さんの無念を晴らそう!
皆!奴に無くて俺達にはある物…信頼し合い、団結した仲間の力を、
今こそヨブチヌスに教えてやろうぜ!
「あ、ク、クレフお兄ちゃ…ごめん、ありがと…」
ケルベロスの頭上にて、盛大にぶん回されること数十秒間。
クレフによって救出された時には、すっかりグロッキー状態であった。
「…そうだ、アンジェお姉ちゃんはっ?」
ふらふらしながらも巡らせた瞳が、ヨブチヌスと対峙するアンジェリーナの姿を捉える。
彼女は生きていた!立っていた、自分の足で!
「よ、良かったぁ…。」
ラビの顔に、安堵の表情が浮かんだ。まだ少し、頭がぐらついていたが。
>ラビ!何だかよく分からんが追いかけてきてくれたんだな!
レオの言葉に頷くと…勢い良く右拳を突き出して、笑顔。
「うんっ!ごめんね、遅れちゃって!
ぼくに何が出来るかわかんない。でも…何もしないでいるより、絶対いい。
もう逃げないって、決めたんだ。
だから、来たの。戦うために…生きるために!」
目も眩むような極光と共に…ケルベロスの断末魔の叫び。
きゅ、と唇を引き結んで、おぞましき正体を現した亡王を、真っ直ぐに見詰める。
「……かわいそうな王様。
どんなに強い力を手に入れたって、たくさんの幽霊さん達を操ったって…あなたは独りぼっち。
慈しむことを、信じることを知らないあなたなんかに…ぼく達は、負けない!」
高らかに言い放った。
もう、恐れは感じない。ここには皆が居る。
キーゴヌン、ハイガー老…そして、司祭の魂をも、近くに感じる気さえする。
最凶の敵を前にしながら、ラビの心は不思議と穏やかだった。
―――夜明けが、近い―――
>「くれてやる!死ね!」ヨブチヌスは槍を力一杯突き出した。
ごはたあ――――!
(つかんでいた槍を突き出された瞬間、ソンバイエムは槍をねじ曲げた!
ボキンと槍が折れた!
ごはははは、ぬるい!
こんな槍の突き、キーゴヌンのこぶしの突きに比べれば、のろすぎる!
<大略>
>レオ「君達の強力な一撃を今一度!」
おう!強敵(とも)よ!
おおおおおおおおおおおおおおおお―――あああああああああああああああ―――!!!
(ヨブチヌスにドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!
「ちぃぃぃぃ!」
ヨブチヌスの肉の鞭を交わしきれず喰らった。もんどり打ち倒れる。
「肋骨3本は割れたかっ!へっ!」
痛みなどどうでもよい。この体が砕けようと!
が、妻の顔が浮かんだ。
「心配するな。帰る。必ず。ハイガー様の仇をとってからな。」
己の心に現れた妻にそう念じる。約束する。一瞬の事だったが。
剣を持つ。構える。醜悪な怪物に!
レオが、エックスがいい攻めを見せた。
残りのやつの仕事だ!
「一斉攻撃!再生の時間を与えるな!」
ニーズヘイドはソンバイエムに続いた!
>ヨブチヌス
>ヴァーニアスはヨブチヌスの左腕に殴り飛ばされた
カハッ・・・何という力だ・・・
(人智を超えた一撃が体をえぐる様な激痛を与える)
フッ・・・さすがに王を名乗るだけのことはある・・・
しかし・・・このままここで私は朽ちるわけにはいかんのだよ
散っていた多くの仲間のためにも・・・
争いを無くす為にも・・・
>ニーズヘイド
>一斉攻撃!再生の時間を与えるな!
了解した!不死でないのなら・・・我らにも勝機はあり
今こそお前を頼りに思ったことはないな・・・血塗られし剣よ・・・
これで・・・終わらせる・・・!!!
(剣がテムズを倒した時以上に赤く光りヨブチヌスを強襲する)
「アーマー」が青く輝く
「ショットガンアイス」 氷の連弾がヨブチヌスを強襲
足に当たり足を氷付けにする
続いて「アーマー」が緑色に輝く
チャージ ワンドに光がともる。仲間に合わせ、とどめを放つつもりだ
佳境を迎える魔人と戦士達との戦い。
川を挟んだ対岸の辺りで、それを見つめる一つの影があった。
血塗られた鎌を携え、黒きローブを纏い、黒き馬に跨った…死神の騎士。
その禍々しい姿に実体は無く、魔術の心得の無い者には視認する事すら不可能であろう。
だが…当の死神本人のテンションは最低であった。
今回の件は言わば降って沸いた仕事だからである。
『マンドクセ('A`) 』
この世の物でない言葉で呟き、その時を待つ。
うく、く…!
(ヨブチヌスに蹴り上げられ、アンジェリーナは意識を失いかけた。
それほどの強烈な一撃であった。)
…兄さん!
(死んでしまった兄に頼った。
かつて信頼していた執事のノワロが裏切り、毒を飲ませたとき、吐かせて
たすけてくれた兄。
まえに夢みたとき、その寝言をキーゴヌンに訊かれ、とっさに偽った。
けれどもほんとうにアンジェリーナには兄がいた。)
…お兄さま!邪悪を討つ力を!
(ラビのように、アンジェリーナもまた愛しい故人がそばちかくにいるような
気がしていた。)
>ニーズヘイド
>「一斉攻撃!再生の時間を与えるな!」
(ニーズヘイドの雄叫びが耳に轟く!
立て!
兄もそう励ましている!そんな気がした!
アンジェリーナも鏡面光る剣、兄のかたみの剣をかまえた。)
…死をおそれつづけた王よ。
そなたは、2300年まえ、国ほろびたるときに死ぬべきだった。
たあああああああああああああああああッ!
…限りあるがゆえに輝く。…人の命の美しさを知らぬ王よ。闇に帰りたまえ…!
「グ!グァガアアアアアアアアア!」
エックスの光弾によって両肩は爆散した。鞭の腕も失われた。
レオに右足首を切断され体勢が崩れる。
それでもヨブチヌスはまだ勝利への執念を無くしてはいなかった。
傷口を急速に異種再生させる。何本もの鞭が体から生えた。
もはや人の形すらなしておらず奇怪な海の軟体生物のようだった。無数の鞭を敵へと繰り
出した。
「死、死ねぇぇぇぇ!」
・・・だが既に無駄であった。
ソンバイエムの連打を浴び、剛力のニーズヘイドの斬撃を身中深く叩き込まれた。ヴァー
ニアスの紅き妖刀、さらにエックスの氷弾、そして―――アンジェリーナの光やどす剣。
「グハ!グギャアアアアアアアアア!」
呪術と祈祷によって組み上げた魔人の肉体はついに崩壊した。
「余が・・・!この余が!・・・・人間ごときに!・・・・・ばかな!
うおおお、ヒィ!
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
其の時、太陽の光が射した。夜明けだ。
リッチの消滅によって森を覆っていた暗雲は完全に霧散していた。雲ひとつない快晴
の夜明け。日輪の放つ命育む光が満ちた。
ヨブチヌスの魔人の肉体は、風に吹かれる砂のように崩れていく。
崩れゆくごとにヨブチヌスの身体から青く弱い光の玉がひとつ、またひとつと出て行く。
空へ登っていく。
数十万の命を犠牲にして造られたヨブチヌスの身体。其れに取り込まれていた霊魂が解
放され昇天していく。光の玉はやがて轟々とした光の柱となった。次々と霊魂が天空へ
と帰っていく。神々の世界へ。死後の国、天界へと。歓喜の魂魄の中にはハイガーの魂
も間違いなくあっただろう。
不完全な魔法陣もまた陽光に照らされ妖力の場を失った。
リッチによって繋げられた冥界と現世の穴も塞がっていく。
いま、森から全ての瘴気がはれた。
戦いはおわった。
ミハラの目には別の光景が見えていた。
それは・・・・・・なつかしい日本!
ミハラを巻き込んだ時空の歪みもまた消滅していく。
ミハラは自分がいるべき場所に引き寄せられるのを感じた。
日本に帰れる!いや帰るんだ!
ああ!ファイズブラスターによってブラスターフォームへと転身したファイズが見える。
「もう戦いは恐れない!いくぞ!変身!
さようなら異界の勇者たちよ!勇気をありがとう!さようなら!」
ミハラの全身を時空の光が包む。
光の中、ミハラは日本へ帰っていった。
(・・・・・・・まとめてしまいました。)
いよいよエンディングを迎えるにあたり当方よりコメントを。
●ヨブチヌスが最後の敵。大きな事件もおきない。エンディングである。
残り少ないので当キャンペーンではなく次の機会に存分になされたし。
●未解決の問題は当キャンペーンで終結させない。そのままに。
この国が残虐な国王の支配下から解放されるのは、それはまた別のお話。
●謎めいた設定をもつPCも、もちろん謎のままでよい。
●当キャンペーンはレス950代で終了と宣言したが、あくまでも目安。
レスの節約などしなくていいからね。
さあ、物語はエンディングへ。いま、別れのとき。
ハイガー老…。
(霊感のないアンジェリーナにもヨブチヌスから湧出する光玉たちが、犠牲
になった人々の魂ではないかと感じられた。)
…こんなに大気がよろこびで満ちている。天にのぼっていく。
(アンジェリーナは振り返った。頼もしき仲間たち。愛しき仲間たち。)
…クレフ。
(最初に出会った仲間。最初に来てくれたひと。
たずねたいことはたくさんある。こたえてくれるだろうか。)
ふふ。
(自分で笑ってしまった。そんなことしそうにないもの。)
あ!ニーズヘイド!
(ニーズヘイドが倒れた。ヨブチヌスと毒矢によって戦士は傷ついていた。
アンジェリーナは駆け寄った。)
だれか傷の手当てを…!
(見ればソンバイエムは胸から流血していた。みな傷ついている。)
もうだれも失ってはならない!
(アンジェリーナは叫んだ。)
(アンジェリーナ一行の前に出現して、今度は神々しい女神の姿で)
一行の皆さん、ヨブチヌスの野望を打ち砕いてくれてありがとう。
お陰、私も呪いが解ける時が参りました。
これで、古の王国の姫として、この妖魔の森から解放されます。
さて、皆さん、まだまだこの王国の未来は暗雲に閉ざされています。
だから・・・
アンジェリーナよ、真紅の戦士よ、伯爵との約束を今しばらく、忘れないでください。
クレフよ、闇なる妖魔と共存する者よ、闇に負けてはなりませぬよ。
レオよ、勇敢なる兵士よ、貴方の恋人が都で待っています。
ヴァーニアスよ、平和を求める者よ、その志を持ち続けてください。
ラビよ、小さき聖典の使者よ、司祭の想いは貴方に受け継がれています。
ニーズヘイドよ、ハイガーの志を受け継ぐ者よ、まだ死んではなりませぬ。
ソンバイエムよ、心猛き鬼神の化身よ、今度はその力を平和に用いてください。
エックスよ、エルフの勇者よ、森は貴方を待っています。
それでは、貴方方とももうお別れです。
皆さんに祝福があらんことを!
(そう言い、女神の魂は天に召される)
さて、PCを演じていた人も、渋い脇役を演じていた人も、みんな、お疲れ様!
まだ物語の別れのシーンが終わってないけど、漏れからお願いがあるんだ!
せっかく、いいキャラを演じたんだから、裏話を聞きたいのYO!
もし、よかったら、このキャンペーンに参加した皆が以下のテンプレにカキコんで欲しいんだ。
【@自分のキャラを演じてみて】
【A印象に残ったエピソード】
【B他のキャラで印象に残ったキャラ】
【Cキャンペーンを終えるに当たって、みんなに一言】
ちなみに、漏れは後半の「導きノ霊鳥 」の名無しだYO。
自分で答えるのもなんだけど、感想を述べると:
@口で言うだけの阿呆鳥だった・・・。前半の名無しさんの設定を生かせなかったのが残念。
Aリッチとの決戦! キーゴヌンが消えたのには驚いた。
ハイガーの死。かっこよかったし、TRPGだということを忘れるくらいだった。
Bアンジェリーナ:女性なのに、パーティーを引っ張っていくカリスマ性に惹かれた。
ラビ:子供なのに、勇敢な心を持つキャラとして、その個性に惹かれた。
C皆さん、ありがとう! 鳥の発言を一つ一つ引用してくれたり、AAを描いてくれたみんなにはホントに感謝してる!
それじゃ、敵役だった、リッチさんやヨブチムスさんももしよかったら書き込んでNE!
まだ、話しも終わっていないのに乱入してごめん!
>941
了解した。私もみんなに訊いてみたい。
けれども劇が完全におわってからでいいかな?
平日にくらべ休日は書き込みが減る傾向にあるので、この連休は
まだみんなそろわないかもしれない。
941卿の依頼には月曜以降でどうだろう。(予定)
では、どうぞ↓TRPG続けてください。
魔人の断末魔と共に、死神の仕事が始まった。
黒馬を走らせ、鎌を振るう。
とはいえこれは単なる後始末である。
ヨブチヌスに取り込まれた事により不自然な形で「融合」した魂を、
鎌で切り分けていくというとてつもなく地味な作業を黙々とこなす。
『♪オ〜レ〜たっちゃ〜死神〜人を斬らずに魂を斬る〜 』
妙な歌を口ずさみつつ、一仕事終えて一服した死神はふと空を見上げた。
『ウホッ』
無数の魂と共に昇天する女神の、スカートの中が見えた。
『タシーロ(・∀・)』
ローブの袖の下から冥界の最新機器「写るんDeath」を取り出しシャッターを切ると、
死神は漆黒の馬を走らせ、閉じつつある冥界への穴へ消えていった。
今回の戦利品:女神のパンチラ写真×1
>アンジェリーナ
>だれか傷の手当てを…!
>(見ればソンバイエムは胸から流血していた。みな傷ついている。)
はわああ!
そんなことはいい!こんな傷、かすりキズだ!
そ、それより!はわああああああ!
悪い魔道士が砂になって、消える!消えてく!
やっつけた証拠がなくなるー!
出世がああああああ!
(号泣。
(ヨブチヌスの崩壊を確認し、剣を鞘に納めると同時に両膝を地面につく
ヨブチヌスによって与えられたダメージ、そして、剣を使ったことにより
ヴァーニアスはかなり疲労していた)
フッ・・・これで争いの元凶が一つ消滅したか・・・
全員生きているな・・・良かった・・・
もう誰も・・・誰も私は・・・仲間を失いたくない
フレイア・・・キーゴヌン殿、ハイガー殿、そして平和を願い散っていった多くの者たちよ
皆の死は決して無駄にはしない
私は皆の分まで平和のため戦い続けようぞ
>傷口を急速に…中略…崩れていく。
ヨブチヌスの崩壊は確認したが、魔力の残滓なり伏兵なりが残っているかもしれない
エックスはそのままチャージを続けた
>青く弱い光の玉がひとつ…中略…も間違いなくあっただろう。
エックスの目には去り行く人が天に昇っていくのが見える。
一部異界の穴のほうに落ちていくものもいたが…
めんどくさそうに切り分けているものの姿も見えていたが、見なかったことにした。
その中の最後のひとつ、ヨブチヌスと一番深く結びついていたものが離れていく
爺さんだ(ハイガー)
じいさんは真っ直ぐに天へと昇らずに、アンジェリーナ、クレフ、レオ、ヴァーニアス
ラビ、と順番に漂う。おそらく、各人に何かを残したのかもしれないが、エックスにはわからない
そして最後にニーズヘイドの傍をしばらく漂った後、天へと昇っていった。
>リッチによって…中略…塞がっていく。
>ミハラの全身を時空の光が包む。
次元の穴が塞がる刹那、見覚えのある世界とつながるのが見えた
この流れに乗ればやり直せるかもしれない。
しかし、エックスはそれを拒んだ。
ミハラは自分の世界に戻っていったようだ。彼を素直にうらやましく思った。
>エックスよ、…中略…待っています。
「そうですね、女神様。私を助けてくれた森の民とともにあれば幸せに過ごせるのでしょうね」
「ですが、私はあそこにいる資格はないんですよ…」(つぶやくように)
>いま、森から全ての瘴気がはれた。
周りに危害を加える存在がいないことを確認し、チャージとキャストを解く
「アーマー」が水色に戻る
「今回は止められた。だが、終わりじゃない」(つぶやく)
傷の治療とかがあると思うので、中略
旅支度を整えると言った。
「俺は森を抜けるのが目的ではありません。残念ですが、ここでお別れすることにしましょう」
「縁があったらまた会いましょう」
そのまま森の奥のほうに消えていく
(アンジェリーナを見た。微笑んでいる)
ああ…そうか…。
(天へと昇りゆく光の柱に向かい、呟く)
爺さん。そこに居るんだな。俺達やったよ。仇、取ったよ。
だから…安らかに眠ってくれよな。爺さん…さよなら。
…ラーメン。
(レオはまだ祈りの言葉を間違えていた!)
(ミハラが光に消えていく。レオは無言で手を上げた。
事情がよく飲み込めなかったがミハラの顔は明るい。
きっとあの光の先にはミハラが行くべき場所があるのだろう。
そう信じ、見送った)
(霊鳥が空へ還ってゆく。最後までその姿を目で追った)
あの鳥が本当に姫様だったとはなあ。
霊鳥さーん!俺達を導いてくれてありがとなー!
(もう聞こえないであろう感謝の叫びを空に向かって放った)
>出世がああああああ!
泣くな!ソンバイエム!証拠ならほれココに、俺達と言う立派な証人が居るじゃないか!
アンジェリーナとニーズヘイドは伯爵家の重鎮だし、
二人に取り持って貰えば伯爵軍での出世も夢じゃないんじゃないか?
なあ、アンジェ……!
(振り向いたレオの視線の先には倒れているニーズと駆け寄るアンジェの姿が映った。
あっと小さく叫ぶ。そうだ。戦いは終わったが戦士達の被害も軽微な物ではなかったのだ)
ニーズヘイド…大丈夫か!
…うっ…これ…アバラ、折れてるのか?それに何だか息が荒いぞ。毒か?
よくもまあ、この状態で戦えたもんだな。その豪傑っぷりに脱帽だ。
早くちゃんとした医者に見せた方がいいよな。
よし!ニーズヘイド!背に乗れ!森の出口までおぶってやるぜ!
一刻も早くここを抜けないとな!なに、遠慮するな!こういうのは俺の役目だ!
(息巻き、レオはニーズを背に担いだ。しかし…)
おお…おおおお重い!!!
(ドデンと地に突っ伏する。ニーズの体重は90kg。当たり前の結果であった)
ぬおおおっ、負けるかー!ニーズヘイドの命が懸かってるんだ!
ふんぬぬぬぬ!!!
(ド根性で一歩一歩前に進む。しかしはっきり言ってニーズが普通に歩いた方が早かった。
周りがそれを諭すまでレオは張り切り無茶し続けたそうな)
(「達者でな!」…エックスと別れを告げる。
レオは、いつまでもその背中を名残惜しそうに見送っていた)
(陽の光が眩しい。鳥の囀りが聞こえる。森の出口が、もうすぐそこに見える…)
次スレはどーすんの?
>>950 スマソ…参加したかったが…遅杉でした。
>951
そりゃ残念だ・・・。次スレで頑張れ!
今のスレでも、パーティには絡まず別の場所、という扱いで存在をほのめかすのはアリかもよ。
キルオール、ミリーナ、ノワロみたいに。
次スレをすぐに建てるとしても、
世界観を共有した別の場所とした方が良いな。
>>648に「アンジェはすぐには参加しない」と名言してあるし。
身体が妙に揺れるので気がついた。・・・背負われている。レオに背負われていた。
・・・意識を失っていたのか?・・・ちっ。
「すまねえな。」
ひらりとニーズヘイドはレオの背から降りた。だがよろめく。肋骨がきしむ。
・・・だが、どうでもいい。おれは生きている。なのにハイガー様は・・・・。
ハルコンネル様、すみませぬ・・・・。
お守りできえませなんだ・・・。もうしわけありませぬ・・・。
ニーズヘイドは生涯癒されぬ痛悼を背負ってしまっていた。勝利の念は微塵も無かった。
ついに森が尽きた。草原が広がるのが見える。ヘデウンだ。ヘデウン野についに出た。
「おお!見ろ!」
馬がいる!12〜3頭の馬の群れがいる。鞍がついている。紋章は国王軍。
それは壊滅したテムズ公の軍勢の軍馬だった。主の将兵なく彷徨っていた。
「軍馬ならば、好都合!」
ニーズヘイドは口笛を吹いた。胸に鈍痛が走り、張りは無かったが通じた。
馬たちが寄ってくる。
訓練された軍馬だ。人の命令に思った通り従う。有り難い!
「ここでおれは別れるとしよう。
おれは伯爵領を越え隣国へ行くつもりだ。そこで落ちのびたであろうイグロス家と合流
する。
国王は敗れた伯爵閣下御一族全てを処刑するに違いない。
伯爵家重臣のハイガー様を筆頭と成すイグロス家も悉く族絶刑となるだろう。
だがおれはハルコンネル様の命を出陣前に受け、伯爵閣下敗北の際の手筈を我がニモン
家(ニーズヘイドの姓はニモン)に沙汰してきた。」
ニーズヘイドは馬を選び乗った。やや顔が痛みで歪む。
「・・・もし伯爵閣下が敗れたる時は隣国へ逃げのびよ、と。
おれの弟たちに申しつけて出陣したのだ。
戦うまえから敗戦の準備かと、ハイガー様の怒りをかってしまったが・・・
・・・救えるだけの伯爵御一族、イグロス家はじめ重臣方々御家族を連れ逃げよと。
すべての方々を救えなかっただろうが、うまく逃げてくれたとおれは信じている。
おれの弟たちは頼りになるのだ。」
痛みに耐える自分を案じる一同を安心させるためニーズヘイドは笑った。
「それにお若いながらハルコンネル様の御子息アトレイ様も事ある時にお働きあると約束
されておいでだからな。ミリーナ嬢も救いだせておるとよいが・・・好色な国王ゆえ美
貌に目をつけるやもしれぬ。一族処刑する心積もりを隠し婚姻を強要するやもしれぬ。
もしミリーナ嬢が囚われていたとしてもアトレイ様なら救いだせるやもしれぬ、それほ
どの御方だからな。おれは信じておる。」
ニーズヘイドは馬を後足立たせた。疾走の準備だ。
「では、さらばだ、仲間たちよ!
我ら伯爵派がこの国で勢力を盛り返すのはおそらく何年も先の事。
それまで隣国にて力を蓄える!
おのおのが己の道を行くときだ!」
ニーズヘイドはアンジェリーナの美しい顔を見つめた。
「手料理をごちそうしてくれる約束だったが今は断ろう!
別れた人と人がふたたび会うのは難しきこと。
なれど約束事を残していくと、きずなが絶えぬものだ。
約束はふたたび人を会わせる。死んだばあさんの教えでね。
アンジェリーナ!またどこかで会ったそのときにこそ、あなたの手料理を食べさせてい
ただこう!約束だ!」
旅の仲間の顔をひとりひとり見つめた。魂に刻むために。
「では、さらばだ!・・・みな、さらば!」
ニーズヘイドは二度と振り返らず馬を走らせた。ニーズヘイドは去った。
(ソンバイエムは丈夫そうな馬に飛び乗った。
俺も行くとするか。
テムズもその部下も全員死んだ。
つまり俺が裏切ったことを知るヤツはいない。
だから俺はこのまま国王軍に復帰する!
伯爵派は壊滅した。伯爵派についても出世はできんからな。ごはははは。
邪王ヨブチヌスから俺たちは世界を救ったといえるのに、だれも信じないだろう。
カネにも名誉にも出世にもならなかった。歴史にも残らん。
ごっはっはっはっはっはっはっはっは!それもまたおもしろいか!
強敵(とも)たちよ。次に会うのは戦場かもしれん。敵としてな。
そのときは存分に死合うとしよう!
ごはははははは!ごははははははは――――――――――――――――!
(去るソンバイエム。さようなら!ともよ!
ヨブチヌスは消え去り、森から全ての瘴気がはれた。それと同時に左から魔力の流動がとぎれる
彼も・・・疲弊したのか眠ったみたいだ。
クレフに常時発動している各種強化魔法も途切れ、どっと疲労が押し寄せる。
人外の動きを続けたのだ、少年の身体は悲鳴を上げていた。・・・が、奇妙な開放感も同時にあった。
時間の歪みにミハラが消えていく。クレフは笑みを浮かべ手をふる。
彼とはもう二度と会う事は無いだろうが、彼は・・・もう迷わないだろう。戦士の顔をしていた。
初めてあった時、その力に、そして闘う事に怯えていたが彼はそれは振り切れた様だった。
導きノ霊鳥が姿を変え、天に昇っていく。綺麗・・・そして暖かい。
一筋の光が皆に漂って消えていった。きっとハイガーなのだろう。そうクレフはそう思った。
クレフは一息ついてラビに杖を返す。
「ありがとう。ラビ君。キミのお陰で助かったよ。これは・・・キミが持っておくべきだから返すね。」
その後、皆に手当をしていく。クスリの類などは殆ど消耗しきっていたので少々手間取って
しまったがなんとか皆に簡素ではあるが手当は出来た。
>エックス
「ありがとうございます。森の勇者さん。短い間でしたが、貴方のお陰で皆助かっています。
また、会える時・・・良い出会いをしたいですね。」
そしてエックスと別れた。彼の力は強大だった。・・・彼の身に何も起きなければ良いのだけど。
暫く後、ヘデウン野に一行はでた。・・・ようやく森を抜けられたのだ。
ニーズヘイドが馬を呼ぶ。相当良く訓練された馬だ。
この馬なら自分でも十分操れる。クレフはそう判断した。
>ニーズヘイド
「そうですか。隣国にて力を付けますか。・・・そうですね何か手伝える事があったら僕も手伝いに行きますよ。
上に立つ人として、十分な素質が有る方みたいですから将来が楽しみですし。クスクス。」
ちょっとニーズヘイドが困った顔をしたのをみてからかう。
「お気を付けて、今からが本当の戦いかもしれませんが・・・。
命を無駄に散らす事だけは無い様にしてくださいね。またお会いしましょう。」
>ソンバイエム
「そうですか・・・戦場ではなるべくお会いしたく無いですね。そんなグローブで殴られたら僕なんかひとたまりも有りませんよ。
クスクス。それでは、お気を付けて。・・・あ、グローブは外して手綱を持った方がよいですよ」
言葉少なく、ソンバイエムを送る。・・・近い内に彼は敵対するかも知れない。そんな予感をクレフはしていた。
二人を送った後、歩いてラビに寄る。ラビの方をポンと叩いて振り返りつつ、
「僕はラビ君を送る約束をしたので、一息ついてからは、ラビ君を王国まで送る予定です。
さて、皆さんは・・・これからどうするのですか?」そう皆に問いかけた。
私は、そうだな。
…国に、故郷に帰ろうと思う。
伯爵派は敗れ去り、雌伏のときを迎えたのだから。
ニーズヘイドはだれにも力を貸してほしいと言わなかった。
彼もそれをわかっていたのよ。きっと。
私のちいさな力でできることは、いまは…なさそうね。
故郷に帰ってもう一度自分を見つめなおしてみるわ。
鏡の様に光っていた私の剣も戦いで痛んでしまった。
光沢がにぶい…。
あれほどの戦いをしたのだから当然ね。
これは私の大切な剣。鍛え直さないと。そのためにも故郷に帰るわ。
途中まではラビ、そなたの行くさきといっしょだ。
クレフ、しばらくはいっしょに行こう。
キーゴヌン、ハイガー老…。ミハラ。
ヴァーニアス。
レオ。
ソンバイエム。
エックス。
…私は良い旅の仲間を持てて幸せだった。
ニーズヘイドのおばあさまの教えに習い、再会のときの為、約束を残しておこう。
私の自慢のシチュー料理はおあずけよ。ふたたび会うときの為に!
さあ!みんな、行こう!それぞれの道へ!出発のときだ!
容量が心配
一刻に行っている人いる?
魔の森を抜けヘデウンへ!キャンペーン
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
おしまい
容量がたしかに心配なので、一応の区切りとしてこれにて終了としました。
ありがとうございました!
おしまいとはしたけれど、劇中のまだ書き足らないことがあったら書いて
ください。とくにラビがなぜ空中から?が…。でも無理しないように。
【@自分のキャラを演じてみて】
まったく魔法の素質はないし、強靭な戦士でもないしで皆についてくのが大変
だった。こじつけまくって戦った!でもとても楽しかった。
【A印象に残ったエピソード】
エピソードではないが、参加者がひとり、またひとりと来てくれるたびにうれ
しかった。はじめたときはアンジェリーナの一人旅をずーっとやるつもりだっ
たので。参加ありがと!
【B他のキャラで印象に残ったキャラ】
みんなだ!…とするとなんなのでミハラだ!中の人、行方不明〜!!シクシク。
【Cキャンペーンを終えるに当たって、みんなに一言】
ありがとうございました――――――――――――――――――――――――!