ウピエルvsファントム達
>319 玲二
エレンの呼びかけに対しても、玲二は表面上何ら反応を示さなかった。
ひたすらに少女の身体を貪り、そして、破戒していく。
今まで掴んでいた左手を放すと、自由になった右手を、
少女の身体を嬲るように滑らせ、その鋭く延ばした爪を下腹部に突きたてる。
体内へと潜り込んだ指先が、少女の内臓を愛撫する。
エレンの体を、奥歯が砕けるほどの激痛が襲う。
同時に、脊髄が沸騰するほどの快楽も。
直後、身体の深い場所に、なにかが入り込んできた。
その一番深い場所を、何かが存分に満たしていく。
叩きつけられるような、荒々しい衝撃とともに、突き上げるような快楽が
下腹部から脳天までを一気に駆け抜ける。
快楽とも、苦痛ともつかない絶叫が、エレンの口から迸る。
同時に焼き切られそうになる思考を、必死に繋ぎ止めていた。
それは地獄に垂らされたただ一筋の蜘蛛の糸に、亡者が縋る様に良く似ている。
苦痛から逃れるために、あさましく足掻く亡者の姿と。
しかし、それでもエレンは足掻く事を止めなかった。
如何に醜くとも、足掻く事の大切さを知っているから。
足掻かなければ何も変らない事を知っているから。
例え今が、一切先の見えない地獄だとしても……
―――足掻いた先には、光が見える事を知っているから
そう教えてくれた人が居るから……