「キャコッ!? バ、バ、バカな…………!」
ダイー・ドゥーウの赤い目が、驚愕のあまりこぼれ落ちんばかりに見開かれた。
「どういう事だッ! ゲーム開始前、俺さまはしっかりと調べたぞ!
そのトランプのカードは53枚! JOKERは一枚きりだとッ!」
「……語るに落ちておるな」わしは侮蔑の眼差しを貧相なEfreetに向けた。
「何故貴様はわしが『JOKERを持っておるハズがない』と思ったのだ?
おおかた、用意したこのテーブルに細工をしておったのだろう……
貴様がわしに先攻を譲った理由もよく分かる。テーブル下からカードを
見通せるのであれば、7回戦で後攻に4回まわれる後手の方が有利じゃからな」
「ギ、ギギギギ……!」軋むようなうめき声を上げ、ダイーは泡を吹いて叫んだ。
「だが何故だ! JOKERは確かにこの山札に……!」
ダイー・ドゥーウはひったくるように残り4枚の札を取り、確認したが……JOKERはなかった。
「な、な、ななな……!?」混乱の極みに達するEfreet。
辺りの空間が急激に収束していく。「第三の試練場」は消え失せた。ヤツは敗北を認めたのだ。
>850(プチ荒れしてて(´・ω・`)ショボーン)
愚か者にはいずれ報いの日が来るであろう。
>851(ソークスにセクハラする)
別にMAHAMANに頼らずともできそうじゃが……命の保障はせぬ。
「どうやら『ソロモン』の勝者はこのわしのようじゃな」わしは涼やかに勝利を宣言した。
「待てッ! 何かイカサマしやがったな! この卑怯者めッ!」
「……口を慎め。下賎な妖精風情が」
わしは即座にTZALIKを唱え、自覚のない愚かなEfreetを地面に叩きのめした。
「せっかくだから教えてやろう。なぜわしが、わざわざクロスを敷いたのか。
正確に言えば『山札の下にクロスを敷かなかった』のかじゃが……貴様に山札を見てもらうためよ」
這いつくばったダイーは顔を上げてテーブル下を見た。「ンなッ……!?」
よく見れば、1枚のJOKERのカードが貼りついているではないか!
カードはペロリと剥がれ落ち、そこからピンク色をした肉塊が顔を覗かせた。
「先刻、Maraxusに敗れたFLAKEの『舌』だ……わしがクロスを敷いている隙に、JOKERのカードを
持たせて忍ばせたのだ。……ご苦労だったなFLAKEよ。役に立ったぞ」
「舌」は地面に着地すると、わしに一礼するように身をくねらせ、地面の中に潜り込んでいった。
>852(どんなイカサマ)
……という訳で、こういう事だったのだ。
何? 「こんなの分かるワケないだろう」? 否定はせぬがな。
どくばりだ
人間関係で苦労したことはあります?
守りを固めろ!
バマツいっとく?