吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――

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6ウピエル ◆7C6xVWDQ
ウピエルVSファントム
前スレ>535

「ビンゴォ!!」

ツヴァイの腕と脚から血飛沫が飛び、手にした銃が宙を舞う。

「イヤァァァァァッハッハッハァァァァ!!!」

ハイになったまま階段の影に駆け込んだツヴァイを追おうとすると・・・
吹き出した消火器の粉塵が視界を覆い尽くす。
それにも構わずに力任せに突入しようとするが、バランスを崩し前のめりに倒れそうになる。
腿の筋が言うことを聞かない。
まだ肉の中に銀の弾丸が埋まっているのだ。

突入のタイミングを見失った。
このタイミングを逃した事で、ツヴァイは階段の向こうで迎撃の準備を整えているはずだ。
仕方なく、大腿部の肉を抉り弾丸を穿り出す。腕も同様だ。
ある程度、肉は繋がりかけているが、銀に触れていた部分は僅かたりとも再生していない。
弾丸を抜いてもしばらくは再生しないだろう。
煙が晴れるにはあと数秒かかりそうだ。
また再び突入に丁度良いタイミングが訪れるのは・・・

「クッ・・・ククッ・・・クハハ、ハァッハッハハハハハハハハッハッハッハハハハァァァ!!」

発作的に笑いの衝動が込上げる。
この俺が、迎撃を警戒してタイミングを伺っている。
何と滑稽で無様な姿だ。
人間でしかないはずのツヴァイと吸血鬼であるウピエルの間には埋めようの無い差があったはずだ。
それが、このザマ。
その姿を見た者が一様に正気を疑うような、紛う事無い狂喜の嗤いをあげる。
ギターを掻き鳴らし、狂ったメロディを響かせる。

そのまま、鈍った足を引きずる様に階段へと飛び込む。
とは言え、人間の限界を軽く超えた動きには違いないが。