吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――

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466吾妻玲二 ◆REIJI2xI
ファントム達の戦い
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 エレンの腕に抱かれ、より強く獲物の…… 処女の匂いに欲情する。
 吸血鬼が最も好むのは処女の血、感極まり上気したその血は最高の美味なのだ。
 
 エレンが自ら眉間に当てた銃口…… 折角の最高の獲物に死なれては困る。
 左腕こそ未だ癒え切っては居ないが、右手だけで容易く銃を奪い、投げ捨てる。
 欲望のまま唇を重ね、唾液…… 人にとっての媚薬を注ぎこむ。
 
 長く延びた爪は防弾衣ですら紙の様に引き裂き、露になる新雪の様に白い肌。
 その一角に歪に開いた傷口に舌を這わせ、流れ出る血潮の前菜を楽しむ。
 
 全身に手を走らせ、揉みしだき、押しつぶし、弄び…………。
 
 愛情も無く、慈悲も無く、ただ肉体の情欲を掻き立てるだけの手荒な愛撫。
 それでもエレンは、女の体の仕組み通り熱く潤っていた。
 知らぬ間に暴力的な猛りを見せる凶器を突きつける。
 
――――やめろ、やめてくれ! 俺はエレンをこんな風に抱きたくは無い――――
 
 心の叫びも届かぬまま、遂に凶器はエレンを貫き、血が流される―――――。