吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――

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462エレン ◆Elen1cxc
ウピエル&ツァーレンシュベスタンvsファントム達
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 鈍く響く爆発音。
 それが階下からのものである事を、エレンの聴覚は捕らえていた。
 
「……玲……二……?」
 
 傷だらけの身体を引き摺りながら、エレンは階下へと向かう。
 途中の階段には戦闘の傷痕が生々しく残っている。
 
 階下へと降りきったエレンは、眼前の光景を理解するのに
少なからぬ時間を要した。
 
 赤く汚れたボロ布から突き出た突起物が、肘から先を失った
人間の腕であると気づいた時、そして、その腕が誰のもであるか気付いた時、
エレンはまるで糸の切れた操り人形のように、その場に崩れ落ちた。
 
「……玲……二……?」
 
 弾痕と、爆煙と、血痕に塗れた空間に、その声は寒々しく通り抜けていった。