吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――
ウピエルVSファントム
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弾丸が切れデザートイーグルを捨てた瞬間、迫るウピエルの銃剣。
常人なら捕らえる事もできない筈の突撃がまるでスローモーションの様に見える。
腰に下げたステッキを左手で引き上げると、模様と見えた切れ目から現れたのは刃。
一閃、逆手に持った仕込み杖を右肩まで引き抜き、柄に右手を添えた刺突の構え!
全身に鞭打ってウピエルに向って突き出す。
ウピエルの銃剣と交差する刃、互いの切っ先が互いの胸を貫く。
スピードに勝るウピエルの特攻、その勢いに二人は絡み合う様に壁際まで飛ばされ
壁にしたたかに打ち付けられる。
――――― バキン!! ―――――
強度に劣る仕込み杖はウピエルの胸部に深々と突き刺さったまま、そこで折れた。
ウピエルの銃剣は肺を貫き、凶暴な血染め刃を背中から覗かせている。
息が、できない……。 両肺がもうその役目を果たしていない。
体内に残された酸素の大半を一撃に使い切って、体はその機能を失いつつある。
死ぬのか……?俺は………。 駄目だ、奴にとどめを刺すまでは……。
まだ終わる訳にはいかないと、朦朧とする意識をその想いだけで繋ぎとめる。