吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――
ウピエルVSファントム
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粉末消火器の消化剤が視界を遮る中、ウピエルが駆け下りてくる。
手榴弾のピンを抜き点火してから一拍置く、一つ間違えば自爆しかねない危険な行為。
タイミングを取ってウピエルの方向に向けて投擲、再度階段の裏側に身を隠す。
――――― 空中で爆発する手榴弾! ―――――
狭い地下通路の空間で起こったそれはコンクリート製の階段に身を隠し、耳を塞いだ
体にも衝撃を伴なった圧力として容赦なく襲い掛かる。
破片の直撃こそ受ける事は無いが、遠く無い爆圧に体を丸め歯を食いしばって耐える。
爆風が収まり、爆煙と粉末消化剤が未だ空間を埋め尽くす中、様子を窺う様にマントを
纏った影が現れた。