吸血大殲27夜 ――Lunatic Dance――
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あと三分もせずに、自分の居場所は見つかってしまうだろう。
その時、彼女は死ぬ。
身体が冷たい。さっきまであんなに熱かったのに、今は寒気が止まらない。
意識ははっきりとしているが、その分、身体の寒さを余計に感じてしまう。
寒い……。
(血が……足りなくなって来ているのか……)
情けない。あたしはファントムだろう?
こんな、こんな死に方なんて、ありか?
(ハハ、あたしらしい死に方じゃないか……)
ファントム・ドライの死に場所は、ここだということである。
折角、相応しい死に場所を与えられたんだ。感謝しようじゃないか。
あたしはここ死ぬ。……それで良いだろう?
そう、理屈では納得できる。此処までハードボイルドな死に場所なんて滅多無いだろう。
最高じゃないか。なのに……なのにどうして……。
(――――あたしは泣いているんだ?)
死ぬのが嫌なのか? 死ぬのが怖いのか?
違う、違うよ。そんなんじゃない。
あたしはね―――あんな……あんな雑魚共に殺されるのが悔しいんだ!!
次瞬、強烈な気配がホールを包んだ。
つい数瞬前までは無人よりも静かだったこの場が、自己主張の激しい一匹の狼によって食いちぎられる。
その時、ドライの姿はそこには無い
紅い血溜まりを残して、彼女は何処かにかき消えていた。