吸血大殲 第26章 殲鬼達の慟哭 夜魔達の哄笑

このエントリーをはてなブックマークに追加
343ウピエル ◆7C6xVWDQ
ウピエルVSファントム
>311

爆風で崩したバランスが弾道をあらぬ方へとずらす。

「チィィィィィィッ!!!」

こんなつまらない事で俺が弾丸を外すとは・・・ツヴァイへの称賛と共にさらなる怒りが込上げる。
殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す絶対殺す!
そう思いながら銃を向ける。
が、銃爪を引く前にツヴァイが柱の影へと隠れる。
牽制の掃射が柱を抉る。ツヴァイからも牽制の射撃。かわされた弾丸がガラスを砕く。

その瞬間、警報のベルが鳴り響いた。
ロビーでの銃撃戦と爆発に遅まきながら反応したらしい。

俺達の周りで警備員が、従業員が慌てふためき走りまわる。はっきり言ってうざったい事この上ない。
だが、これは俺好みの楽しい展開になりそうだ。

と思った刹那、逃げ惑う人に紛れツヴァイがマントを翻す。
銃声、マントに開く穴。
マント越しに撃たれた弾丸が迫り、俺の腿を撃ち貫いた。
否、貫いていない。50口径のホロウポイントが肉を抉り体内に留まる。
この傷を灼くような感覚は、銀の弾丸・・・用意周到な事だ。

右手を伸ばし―――

2発目を確認。銃口が見えないために反応が遅れる。
かわし切れずに左手で受ける。二の腕の肉がごっそりと削げた。

手近な人間の首を掴み―――

3発目、4発目。
俺の近くで立ち竦んでいた、運の悪い従業員が絶叫して血と肉片を撒き散らした。
盾としての役割を終えた肉体を投げ捨て、銃を構える。
銀の弾丸に苛まれる傷口が厭になるほど痛むが、ここは我慢。
逃げ惑う人にまぎれたツヴァイを追うべく、銃を撃つ。

怒り狂う脳の片隅で、『ああ、可哀想になァ』と皮肉を呟き、巻き添えになる子羊達を嘲う。
ツヴァイの姿を隠す様に逃げ惑う有象無象を一瞥し、獰猛かつ邪悪な冷笑を浮かべ、銃爪を引いた

「It's a Show time !!!」

弾ける、弾ける、人の頭が花火の様に、フルオートで吐き出される弾丸の1発1発が確実に一人一人の頭部を撃ち抜く。
足と片腕の八つ当たりも込めて、阿鼻叫喚のロビーに屍山血河を造り出す。
あっという間に死体の山。ロビーは悲鳴から苦悶、そして死の沈黙が支配する世界と変貌する。
死に行く端役達の中に本命の獲物の姿。
銀の弾丸の酬いをくれてやる為に、手足を狙い銃爪を引く。
達磨にして、のたうち回る前でアインとドライを引き裂き血を啜って吸血鬼化させ、トドメは彼女等に刺させよう。

殺意と悪意のこもった弾丸が正確極まる弾道でツヴァイに襲いかかる!