ウピエルVSファントム
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無人のホールとは違い、ロビーには数人の従業員と思われる人影が有った。
完全に防音されたホール、その内部の戦闘には気がついて居なかった人々が、突然の爆発に
パニックに陥る。
―――――拙い!―――――
何事かと振り向いた警備員――――。 手榴弾の爆風を受け、射撃体勢を崩したウピエルの
銃弾がその体を貫き、ただの肉塊へと変える。
「伏せていろ―――――!!」
ロビーに屹立する巨大な大理石の柱に身を隠して叫ぶ。
牽制の為に正面玄関に向けてパトリオットを一掃射、巨大なガラスが次々に割れて崩れ落ち、
粉々になって床に散乱する。
警報の非常ベルが鳴り響く中、悲鳴を上げて逃げ惑う者が入り乱れる。
その中にマントを翻した人影が紛れ込んだと思うや否や、四回の途切れない銃声が響く。
抜く手も見せず、マントの裏から放たれたデザートイーグルの.50AE。
使い込まれ、己の腕の延長であるかの様に馴染んだそれは、照準器を見なくとも標的を捉える
四発のシルバーチップJHP弾は正確にマントの1点に穴を穿ち、ウピエルへと迫る。