吸血大殲 第26章 殲鬼達の慟哭 夜魔達の哄笑

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218ウピエル ◆7C6xVWDQ
ウピエルVSファントム
玲二の要望により>127修正だ。
>127は無かった事にしておけ。
>52

セミオートで撃った三発の弾丸は、ツヴァイの持ったVZ(スコーピオン)を綺麗に『分解』した。


ツヴァイはロビーに向けて走り出した。客席入り口で一度振り帰り、こちらへ掃射する。
少しはこちらの速さに慣れて来たのか、さっきよりも「速い」。
銃弾を避けると、さらにセミオートで撃ちながらツヴァイの後を追う。
俺が一番危険であることに気付いたのだろう、俺をおびき寄せるつもりの様だ。
俺の相手を一人で引き受けよう、と言うのは無謀だが、その動機は恐らく、他の二人のファントムを守るため。
甘っちょろい。無謀だ。だが。
この手の人間は、時に恐るべき力を発揮する。

それが良い。

狩りは兎狩りより猛獣狩りの方が良い。
それが、追い詰められてさらに危険な状態であればなお良い。
スリリングで、デンジャラスな狩りほど面白いのだから。

そう考え、ロビーに出て走り出す。
短距離走の選手を嘲い、猫科の肉食獣達を鈍重に見せるほどの速さで、
矢のような速さと言うよりは弾丸のような速さで走る。
100m離れていようと、人間に追い付くのに三秒もかからない。
比喩ではなく本当に瞬く間にツヴァイとの距離がつまり、その背に向けて銃爪を引こうとした瞬間、
爆風が背中を叩いた。

爆発の感触から言えば、手榴弾。
ロビーのどこかに仕掛けていたのだろう。
つくづく油断のならない野郎だ。

爆風に煽られながら、銃爪を引いた。