吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』
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鈴鹿御前 vs アレクサンド・アンデルセン(M)
異国の刃は、大男の腹を深く切り裂いた。
腹が割かれ血が噴き出す。
裂けた皮膚からは臓物が零れ――――る前に、その傷が塞がった。
流れる血も止まり、痕跡すらも消える。
再生者(リジェネレーター)に、その程度の攻撃は通じない。
「クッ、ククッ、クカカカカカカカッ」
銃剣を走らせ、駆け抜けた刃の背を打つ。二つの鋼が打ち合い、青と赤の光を散らした。
ギリギリという耳障りな音が過ぎると、過ぎる刀と引かれて姿勢を崩す少女の姿が。
シィ――――――ッ
歯の隙間から息を吐き出しつつ、逆手に構えた銃剣が振り下ろされた。