吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』

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444吾妻玲二 ◆REIJI2xI
ウピエルVSファントム
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 マントを翻して疾走する――――。 エレンとキャルの方へと……。
 弾丸切れのスコーピオンを肩に掛け、シルクハットを無造作に背後へと投げ捨てる。
 そして向ってくるキャルの瞳を見つめる―――――。
 
――――― まだ俺を怨んでいるのか? しかし ―――――
 
 俺にはキャルを信じられる、俺以外に誰が信じられる?!
 絶対的な敵を前にして、キャルは俺を攻撃しない。
 その後で凶悪な敵意と報復が待っているとしても―――――。
 
 ウピエルの放った銃弾が頭部を掠め、その衝撃波が怪人の仮面を弾き飛ばし素顔が
 晒される。 パンチを喰らったかの様な衝撃を受け、コメカミに裂傷を負うが気にしている
 余裕は無い。 むしろ素顔に流れる空気に新鮮な興奮を覚えつつ走る。
 
 駆け寄る三人、ウピエルからすれば集中狙撃する絶好のチャンスと見えたその時。
 
―――――爆発的な光がホールを埋め尽くす―――――。
 
 シルクハットに仕込んだ閃光手榴弾が生み出す光を背景に、交差する死神達の影。
 太陽を思わせる光を背にしてフルオートで高速弾を叩き込みつつ駆け抜ける。