吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』
ウピエルVSファントム
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マントを翻して疾走する――――。 エレンとキャルの方へと……。
弾丸切れのスコーピオンを肩に掛け、シルクハットを無造作に背後へと投げ捨てる。
そして向ってくるキャルの瞳を見つめる―――――。
――――― まだ俺を怨んでいるのか? しかし ―――――
俺にはキャルを信じられる、俺以外に誰が信じられる?!
絶対的な敵を前にして、キャルは俺を攻撃しない。
その後で凶悪な敵意と報復が待っているとしても―――――。
ウピエルの放った銃弾が頭部を掠め、その衝撃波が怪人の仮面を弾き飛ばし素顔が
晒される。 パンチを喰らったかの様な衝撃を受け、コメカミに裂傷を負うが気にしている
余裕は無い。 むしろ素顔に流れる空気に新鮮な興奮を覚えつつ走る。
駆け寄る三人、ウピエルからすれば集中狙撃する絶好のチャンスと見えたその時。
―――――爆発的な光がホールを埋め尽くす―――――。
シルクハットに仕込んだ閃光手榴弾が生み出す光を背景に、交差する死神達の影。
太陽を思わせる光を背にしてフルオートで高速弾を叩き込みつつ駆け抜ける。