吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』

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441ウピエル ◆Upielb0Y
ウピエルVSファントム
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歌は終った。
ギターと足音、銃声と着弾音による音楽がオペラ座を支配する。

ツヴァイの撃った弾丸は、即応射撃にしては完璧に近い。
もう少し弾速のある銃であったなら俺を捕らえていたかもしれない。
だが、.320ACPの初速は276m毎秒。音速にすら達しない弾丸。

 遅すぎて、欠伸が出る。

着地と同時に短距離を駆ける。
ツヴァイに向け、3発、牽制の射撃・・・その狙いは、顔面をかするような弾道。
本気の殺意は篭っていない、悪意と愚弄のこもった弾丸。
ちょっとした、プレゼントのようなもの。他愛のない攻撃がツヴァイを襲う。

アインの放った弾丸は俺をかすめて天井へと吸い込まれて行く。
惜しい、だいたいの狙いはかなり良い。が、反応速度がまだ足りない。

アインへの攻撃は保留。まだ、メインディッシュには早いだろう。

問題は、3人目・・・恐らくドライと思われる金髪の少女。
この俺を前にして、この俺と言う脅威を前にして、アインに銃を向けた。
俺を舐めているのか?
俺を相手にしながら、他のファントムまで敵に廻す余裕があるとでも言いたいのか。
しかも、俺を一瞬見失っている。俺から注意を逸らしたのだ。
俺に殺意を向けないヤツと殺しあったって面白くも何ともない。
殺し合いは、八つ裂きにしても足りないくらい憎み合い、怒り狂ってこそ白熱する。
俺に向けてそんな態度を取る事は・・・勝負を、殺し合いを、そして・・・俺を侮辱する事に等しい。
酷く腹が立つ。ムカつく。

・・・・・・・・・・・・・・・殺す!

「舐めてんのかァ!!?よそ見してるんじゃねぇ!俺と戦えェェェェェェ!!」

弾倉の残りの弾丸を、9発の5.56mm弾をドライへ撃ち込む。
手足を狙ってはいるが、半ば本気の射撃だ。まぁ、運悪く死んでしまったらそれまでだが・・・
さぁ、俺を憎め!怒り狂え!俺に殺意を向けろ!!
折角のハンデだ、3対1でどこまで出来るか見せてみろ!!