吸血大殲 25章『Memory Of MoonBlood』

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41エレン ◆Elen1cxc
ウピエルvsファントム達
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 ホールに朗々とした歌声が響き渡る。
 客席に一人立ち上がった、レザースーツの男が奇妙なギターを手に
見事な演奏を、伽藍とした客席に披露している。
 
 エレンにとって、音楽や舞台などは馴染みの薄いものであったが、
男の演奏はかなりの腕前であると感じることができた。
 しかしその演奏に聞き惚れる余裕もなく、男の手からギターの音色などよりは
よほどエレンには馴染みのある音が響いた。
 
銃声
 
 咄嗟に伏せたエレンの目の前の客席が、派手な音を立てて弾けた。
 続けて舞台に向けての銃声。
 更に銃声は、エレンでも、舞台に居る玲二とも異なる方向へ向けて鳴る。
 
「!?」
 
 自分達と敵以外に誰か居る。
 エレンの頭に、新たな警鐘が鳴る。
 
 確かめなくてはいけない。敵の敵が味方であるとは限らない。
 エレンはAK74を再びレザースーツの男に向けて放つ。
 同時に、客席の影に隠れる様にして走り出す。
 三射目の着弾地点が、確認出来る位置へと。