ブラックハートvsシグモンド
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轟音が耳を聾し閃光が眼を射抜く。
緑色の悪鬼どもが粉々に砕け散り、その不浄なる欠片が雑草の上に降り注ぐ。
そして、シグモンドは爆風によって宙を舞い、黒い巨躯めがけて打ちかかった。
しかし、ブラックハートはその一撃を巨木のような腕で受け止める。
もう一方の腕がシグモンドの喉首に伸ばされ、真っ黒な指が獲物を締め上げる大蛇を思わせる
力で絡みついた。
悪魔は彼の体を高々と吊り上げ、
「たわけた奴だ!」と叫んだ。
「貴様には魔の驚異を見る内なる眼がないのか、闇の壮大さを知る感覚がないのか、
他のすべての存在を圧倒する、偉大な力に対する敬意がないのか?
俺の懇願を退け、俺の希望を裏切るとは!このくだらん土地に貴様を招いたのは、
強大な力と輝かしい栄光によって、貴様を俺の見解に一致させる自信があったからだ!
その報いがこれだとは!もはや貴様は、どうあっても死ぬほかない!」
狂人特有のせわしない口調でわめき散らすと、ブラックハートは容赦なくその指に
力を込めた。