『吸血姫に祝福を』
>348 〜イベント1・『買出し』〜
森の中を私は駆ける。
確か、ここらに……
そこにガサリと茂みを掻き分ける音。
……?
私は物音がした方を見る。
「………」
そこにはクロノがいた。
そして、クロノの右手にはボールが……
コイツは私のごくわずかな平穏な時間さえもこうやって最悪な時間に塗りつぶすのか。
私を馬鹿にするにも程がある。
…
……
………
沈黙。
そして、それを破ったのは少年たち。
彼等はボールを受け取った後、再び広場へと駆けて行った。
…
……
………
『――そろそろ時間か。目立つところに戻ったほうがいいね。いこう?』
クロノはそう言って、スタスタと公園の入り口へ歩き出していった。
私はその背中を殺意を篭めた視線で睨みつけた……
(復讐 8 興味 2)