自己紹介用テンプレートである。
出典 :
名前 :
年齢 :
性別 :
職業 :
趣味 :
恋人の有無 :
好きな異性のタイプ :
好きな食べ物 :
最近気になること :
一番苦手なもの :
得意な技 :
一番の決めゼリフ :
将来の夢 :
ここの住人として一言 :
ここの仲間たちに一言 :
ここの名無しに一言 :
>前スレ510より アセルスVSクロノ(&ロゼット・・・?)
少年―――ロゼットはクロノと呼んでいた―――が、雄たけびをあげる。
力が増していくのがわかる。
・・・が、本来のそれではないのは明らかだ。
「ふ・・・力ずくでも、か? その小さな体で?
ロゼット本人がこう言ってるんだ。彼女の気持ちを尊重してやったらどうだ?
ククク・・・」
私の胸に顔をうずめるロゼットの髪を撫ぜながら、クロノとやらにそう言ってやる。
「安心しろ、これからは私がこの子を守っていってやる。
この子は、私の寵姫になるんだから・・・な」
前スレ>503 vsレイオット・スタインバーグ
銃で撃たれるのはハナッからどうでもいいと思っていた。
使っている弾がただの銃弾である以上、それはゴーストにとって多少痛いだけの代物でしかない。
結局正面から3発くらった。
一時に食らった為、よろけたのは一瞬。
(再装填の時間なんざやらねぇ!)
態勢を立て直すと最後の跳躍。
一薙ぎで人を軽々と打ち壊す拳。
かすり傷でも負わせれば、体を蝕み病を感染させる爪。
「死にぃやがれぇえ!」
「イグジスト!」
……紙一重の差。
ゴーストの体は力場に飛び込み――大きく吹き飛ばされる。
(イッテェ……死なねぇっても、痛いもんは痛いんだよなぁ……)
よろよろと起き上がり、折れた首をゴキリと嵌める。
「手品まで使えるのかよ……ちっと舐めてたな」
戦闘に支障がでるようなダメージではないが、続けて食らいまくるのはヤバイ。
そうなったら『腹が空いて』しまい、体の制御が難しくなる。
折角食った分が無駄になるが、ここは短期で終わらせるか。
ふう、と息を吸い込み集中する。
――ぞわぞわと服の下で肉が蠢く。
砕けた頬骨が歪み、顎が大きく開き……
「じゃあ、こっからは手抜き無しだ。楽しもうぜ?」
そういったゴーストの口には巨大な犬歯が。
脇腹からは服を破り、2対の腕が生えていた。
『シャァアアアアアァアアァア!』
新たに生えた腕の手の平から上がった雄叫びが、夜の大気を奮わせる。
>4 vs黒川丈【ゴースト】
「――なんだと……?」
完全に動きを止めて、彼は呻いていた。
<アサルト>――猛撃と名付けられたこの魔法は、初級魔族であれば一撃で殲滅できる威力を備えている。
にもかかわらず、この男は何事もなかったかのように立ち上がり、そしてこちらを見据えていた。
呆れたように、呟く。
「冗談じゃない――何者だ、あんた……?」
言葉を口にした、その時だった。
男が、変わる。それは、僅か一瞬のこと……
『異形』と呼ぶにふさわしいカタチに男は変化していた。
「――――」
無言でスタッフを構え直す。即座に無音詠唱。これがなんなのかは分からないが――
少なくとも、まともな生き物でないことは理解できた。
殺さなければ、生きて帰れないことも。そして、目の前のそれが恐ろしく強靱な生き物であることも。
だが――そんな絶望的な状況の中にあって、彼の口元には深く、笑みが刻まれている。
そして―― 一言。
「――はっ。上等だ…… 精々、派手に行くか!」
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>前スレ509より
…まだ……暗闇に…眼が慣れない……
…こんな所…早く出てしまいたいのに…
きょろきょろと辺りを見まわすが、
闇の中では何も確認できない、
…やっぱり……ここじゃ…なかった…?…
教室を後にしようと入り口に向き直った瞬間。
「…ひっ!?……な…何?……」
…窓の方から…ガラスの…割れる音……?…
…教室の…ガラス…?……
…ひ…ひょっとして……こ…校庭に…?…
何が起こったのか解らず、
無意識の内に。手に斬糸を手繰り寄せ
身を屈め、音の方向へ注意を払う。
……!……まさか………!?…
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
(C>D 鮮花勝利)
>6
メイドロボが肉薄する私にようやく気づく。
だけど、もう遅い。
すでに完全にわたしの間合いだ。
メイドロボの腹に向けて、右手で掌底。
ガツンと鈍い衝撃。
その瞬間に魔術の発動のキーである詠唱を開始する。
世界でただひとつの黒桐鮮花だけの詠唱……
「Azolto――――!」
ボン!……と爆発が起きた。
>5 vsレイオット・スタインバーグ
「ちぃッ!」
鎧野郎が馬鹿でかい得物を操作するのを見て、とっさに跳ねる。
「――イグジストッ!」
「糞がッ!」
轟音。
爆炎に吹き飛ばされ、転がりながら受身を取る。
膝立ちでダメージを確認……元々あった左腕が炭になっていた。
(火傷は拙い。治るのが遅れっちまう)
次の一手はほとんど無意識の内に行動。
死滅した細胞が邪魔になって回復が中々進まないだろう焦げた左腕を、
「フンッ!」
切り落とし、
「くらい……やがれッ!」
投げつけ、
「おおおぉおぉおお!」
再び走り始める。
(派手なのがお好みなら、俺様も愉快な芸を見せてやるよッ!)
獰猛な笑みを浮かべながら。
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>7
(え………?)
爆音と同時に…頭の中はエラーで真っ赤…
(…え…?……)
床が抜けたのか、ゆっくりと身体が落ちていきます…。
視点が下がって… 床の寸前でバウンドして…やっと…止まりました…
(…何…?……)
前にあるモノが邪魔で…前が見えません…
(嘘……?)
身体を起こそうと右手に力を込め…………右腕が無い事に気付きます
右足も……左足も………
(あぁ………そうなんですね……
……目の前にあるのは…私の…身体……)
(…さっきの音は………私の身体が…壊れる音…だったんですね…)
暗闇の中で…赤く光っている…まだ燻っている破壊面を見ながら…
…ぼんやりと……そして…薄れていく意識の中…
「…御主人様……ごめん…なさ…い……」
最期に呟いて…私の…機能は…完全に…停止したのでした…。
(HMX−12(贄)―機能停止(死亡))
>8 vs黒川丈【ゴースト】
「――――!」
投げつけた物体――炭化した腕を、殆ど反射的な行動でたたき落とす。
モールド越しにいやな感触が伝わるが、それにはまったく構わない。
だが、その一動作の間に、男は猛烈な勢いでこちらに接近している。
後二呼吸もすれば、完全に接敵されてしまうだろう。それだけは避けなければならない。
「は――はっ!」
鋭く息を吐き出しながら、まるで鎧など纏っていないかのような動きで男から距離を取る。
こちらが離れるよりも、向こうが接近する速度の方が速いが……それでも、僅かな時間は稼げている。
その間に無音詠唱。呪文選択を<ブラスト>から再び<アサルト>へ。
「――イグジスト!」
スタッフを向けながら、撃発音声。撃ち出された魔力隗が、男に向かってではなく地面に向けて叩き付けられる。
瞬間、砕かれた地面の一部が、男をせき止めるように舞い上がった。
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄) エピローグ……)
>9
派手に吹き飛んで、メイドロボは機能を停止した。
「はあ、終わったわね……」
でも、これからの事後処理は大変そうだ。
死に際には気になることをあのメイドロボは言ってたし……
『流石だな、鮮花。私の弟子だけはあるな』
……一息ついていたところに聞き慣れた声。
『おい、どうした? その鳩が豆鉄砲を喰らったような顔は?』
……それは驚きもする。
そもそも橙子師が何でここにいるか、分からない。
『ああ、そんな顔をするな。一応、可愛い弟子の為に来てやったんだぞ?』
橙子師のいう所によると、今日、この学校の前を所用で通り過ぎることがあったらしい。
そして、その時、この学校を覆う結界に気づいたらしいのだ。
『流石にこれだけの規模の結界だ。鮮花の手には余ると思ってな。ホントは式をいかせる予定だったが……』
式はどっかにでかけたらしく、連絡が取れないらしい。
ついでに幹也も音信不通だそうだ……!
『仕方が無いので私が来た。で、来たのはいいが、お前が交戦中でな。興味深く観察させてもらったよ』
ホントにこの人は……
『まあ、低級な憑き物の類だ。私が手を出すこともないと思ってね。経験をつませる為にも傍観していた』
人が悪い。今更だけど……
『さてと話はここまでだ。鮮花、下がっていろ。主の登場だ』
教室の入り口に長い黒髪をした妖艶な女生徒が立っていた。
険しい表情でこちらを睨んでいる。
『……元々、私は戦闘要員じゃないんだがね。まあ、今回ばかりは仕方が無いか――――行け!』
橙子師の手に持っていたトランクから、黒猫が飛び出し、女生徒に襲い掛かった!
>10 vsレイオット・スタインバーグ
巻き上がった土を見てゴーストは笑う。
(眼くらましのつもりか? 馬鹿が、無駄なんだよッ)
スピードを緩める?
方向を変える?
いいや。逆だ!アクセルは踏みっ放しで行くッ!
土砂が覆い被さってくる直前に跳躍。
土砂の上を大きく飛び越えた!
眼下に見える鎧男が上を向いた。
眼が合う。
ふ、と鼻を鳴らす。
体内に貯めていた重金属の展開・集中は完了した。
撃つ用意は既に出来ている。
「さぁお返しだ、丁寧に受け取れッ!」
手の平の表面に集中した重金属をレンズ状に変化させ。
体内に作成した発光細胞を全力で光らせる。
対ゾアハンター用に用意していた切り札、レーザー光線がゴーストの体力を大量に消耗させながら発動。
闇を、引き裂いた。
>12 vs黒川丈【ゴースト】
甘かった。
相手の身体能力を思い切り見誤っていた。これは――魔族と同等か、それ以上の敵だ。
大きく跳躍し、頭上に見上げる「それ」はこちらに掌を突き出すと――
―――――――――――!
全身に悪寒が走った。これは……拙い!
スタッフを操作――する暇すらなく、男の掌に光がともる。そして。
「――――!」
撃ち出された光は、ぎりぎりモールドを掠めていた。
「……あれは――レーザーだと?」
痛みに顔をしかめながら呻く。掠めただけだというのに、その周囲のモールドは熔け、肉体に高温を伝えてくる。
仮に直撃していれば……その時点で終わっていたはずだ。
「――無茶苦茶だな、おい!」
だが、表情には獰猛な笑みを浮かべたままだ。彼は……まだ、笑っている。ごきん、と濁った金属音。
「……さて――これならどうだ!? イグジストっ!」
<ディスポーズ>発動。向けられたスタッフの先端から、不可視の網目状の刃が射出される!
ええと、初めまして。
ティナ=ハーヴェルといいます。
一応、私はお父さんがヴァンパイアでハーフヴァンパイアなんですけど、
身体は弱いですし、何でこんな場所に迷い込んだのか……
痛っ、頭が……
・
・
・
……という訳で初めましてね。
ヴァンパイアのティナ=ハーヴェルよ。
此処にはイキのいい獲物がたくさんいそうじゃない。
ああ、安心して。
私に血を吸われても、貴方達は永遠に私の中で生き続けることができるもの。
原典が原典だけど、私がここで凄惨な闘争を出来ないとは思わないことね。
原典のようにご都合主義で動くほど、闇の眷属の世界は甘くないわ。
出典 :エターナルメロディ
名前 :ティナ=ハーヴェル
年齢 :15
性別 :女性
職業 :ヴェンパイア・ハーフ
趣味 :『私』の趣味は人形やぬいぐるみ集めらしいわ。くだらないわね。
恋人の有無 :原典準拠だとありかしら? 一応ね。
好きな異性のタイプ :包容力のある人らしいわね。
好きな食べ物 :オレンジフォンケーキらしいわね。素直に血を吸えばいいのに。
最近気になること :表の『私』の支配
一番苦手なもの :強い日差し。まあ、当たり前ね。
得意な技 :原典準拠だと魔術ね。まあ、ここでは色々制限をかけるけど。
一番の決めゼリフ :私はティナ=ハーヴェルなのよ…。私が死ねばあの子も死ぬ…解っているのっ!!
将来の夢 :表の『私』をはねのけて、私自身が表にでること。
ここの住人として一言 :さてと、私を甘く見ないでほしいわね。
ここの仲間たちに一言 :……吸血鬼にとって、人間は餌よ。忘れないようにね。
ここの名無しに一言 :原典の暗黒面がここの私よ。
出典 :オリジナル
名前 :どしろうと
年齢 :24
性別 :男
職業 :?(一応ヴァンパイアハンターである。)
趣味 :サラダ作り
恋人の有無 :恋人募集中
好きな異性のタイプ :かわいい人、やさしい人
好きな食べ物 : 野菜全般、ポテトサラダ、ツナサラダ
最近気になること :可愛いヴァンパイアに恋をした事。
一番苦手なもの :説教、虎(猫はセーフ)、喧嘩
得意な技 :世界各地のサラダを作れる。
一番の決めゼリフ :杭を撃ちぬくぜ、あんたの心に!
将来の夢 :一人前のヴァンパイアハンターになる
ここの住人として一言 :一人前になる!
ここの仲間たちに一言 :絶対心に撃とう!
ここの名無しに一言 :付いて来て、君達に杭の撃ち方を教えるよ。
>3
【二人の絆】 VSアセルス
「おおおおおおッ!!」
僕は絶叫しながら力を解放する。
封印を解いていない状態でどこまでやれるか・・・・・?
恐らく、ヤツがロゼットにかけたのは『魅了(テンプテーション)』。
しかも、高位のヤツだ。まやかしではなく、精神そのものを弄るタイプの。
『ふ・・・力ずくでも、か? その小さな体で?
ロゼット本人がこう言ってるんだ。彼女の気持ちを尊重してやったらどうだ?
ククク・・・』
奴はうっとりとした表情のロゼットの髪を撫でながらニヤリと笑う。
彼女の気持ちを尊重?
ふざけるなッ!勝手に人の心を書き換えておきながら何を言うッ!!
『安心しろ、これからは私がこの子を守っていってやる。
この子は、私の寵姫になるんだから・・・な』
「そうか。けど、悪いね。『彼女(ロゼット)は僕の物』だ。
お前みたいな何処の馬の骨ともわからないような奴に、渡す訳にはいかないんでね。」
僕はそう言うと、裂帛の気合をヤツにぶつける。
「さぁ、ロゼットを元に戻してもらおうか?」
導入1
ン・ダグバ・ゼバ VS 葦原涼(仮面ライダーギルス)
ゆっくりと、目を開く。
眠っていたのか。
いや、違う。僕はあの時に死んだ筈だ。
今の『クウガ』と戦って、そして死んだ。
その筈なのに、何故僕は今生きている?
しばらく考えてみたが、全くわからない。
いいさ。僕が生きているならば、する事はたった一つだ。
それを思うと、自然に顔が笑顔になる。
また、遊べるんだ。
これ以上は、何も考えなくていい。
「さあ――――」
誰に聞かせるでなく、呟く。
「また、始めよう。」
そう、生きている限りは続けよう。
何度でも、何度でもこの楽しみを味わい続ける為に。
そして歩き出そうとした瞬間――――ずきん、と頭に痛みが走る。
しかし、妙だな。
さっきから感じるこの感覚は一体、何だ?
頭痛に引きずられるように、移動を始める。
何かが、呼んでいるのか。
いいな。それはそれで楽しそうだ。
「ハ、ハハハハハ!!」
そんな事を考えていたら、つい、大声を上げて笑い出してしまった。
ああ、楽しみだな。一体何が僕を呼んでいるんだろう?
導入2
ン・ダグバ・ゼバ VS 葦原涼(仮面ライダーギルス)
頭痛を抱えながら、狩り場に辿り着く。
場所は街の中心にある、大きい道。
今も大勢のリント(人間)が行き交っている。
ここで始めたら、面白い物が見られる筈だ――――
人の流れの中で歩みを止め、目の前の奴から殺そうとした時。
視界の隅に、一人の男が映った。
急に頭痛がより一層強くなる。
何だろう、この感覚は?
気のせいか、頭痛が知らせてくるような気がする。
彼には『力』があると。
『力』? 何の?
わからない。ただ頭痛はそれだけを頭に叩き込んでくる。
「ア……アァァァァァァァァ!!」
頭痛をかき消すように腕を振るい、周りのものを全て発火させて、燃やす。
生きたまま焼かれた苦痛に叫ぶ声。肉の燃えるすえた臭い。
それを聞いて少し心が落ち着いてきた。
ずきずきと痛む頭。
それでも、笑顔は崩れない。
笑顔のままで、炎の向こうの彼を見る。
何故彼から『力』を感じるのかはわからない。
だけど、そんなものは関係ない。
僕はただ、楽しく遊ぶ。それだけだ。
(御神苗優VSティナ・ハーヴェル)
始まりはただの夜のお散歩だった。
こんな時間に出かけるのは不謹慎かもしれないけど、外の空気を吸いたくなることだってある。
あまり、騒がしいところは好きじゃないから、街の中の中央公園の中をお散歩する。
ここは街の中にある公園と思えないほど広く、又、緑がいっぱいある。
公園の中はひたすら静かだった。
まるで、時間が止まってしまったかのように……
悪くは無い。
元々、強い日差しには弱いので、夜の方が調子がいい。
――そんな中、唐突に頭痛が襲ってきた。
「……!?」
気分が悪くなり、その場にへたりこむ。
これは一体……?
エリvsマッカーチス
『another mission』
前スレ >474
マッカーチスの巨大な鋏は遮蔽物を叩き潰したが、そこにエリの姿はなかった。
動きを止めたマッカーチスにグレネードが投げつけられ、その巨体が爆炎に包まれる。
紫色の装甲の各部が焼け焦げているが、ダメージを受けたとは思えない動きで敵を追尾する。
頭部の三連装機関砲が、エリに狙いを定めた。
(御神苗優vsティナ・ハーヴェル)
導入
俺が彼女を見つけたのは、学校帰りの公園の並木道でだった。
すでに暗い夜道にしゃがみこんでいた。
うら若い女性が一人で居るには、少々物騒な時間だ。
俺はその子の元へと駆け寄った。
どうも、散歩していたらひどい頭痛で動けないらしい。
ちょうど、俺の家と同じ方角だったので、
俺は彼女を家までおぶっていくことにした。
「君、名前はなんて云うんだい?」
エリvsマッカーチス
『another mission』
>21
「今だ!」
あたしはグレネードが炸裂した瞬間に振り向き機銃を狙ってレーザーを放った。
対装甲敵用のコイツならグレネードよりも効果があるはず!
あたしは後退しつつ機銃の辺りに撃ちまくった。
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>19
津上があの謎の男と空に消えてからもうだいぶ経つ。
何もかもなくした俺は、ただ旅を続ける毎日だった。アンノウンもすっかり姿を消した。
もう二度とあの力を使うことはない、俺はそう思っていた。
ふと立ち寄った街。
と、突然それは起こった。『あいつら』が現れた時に似た嫌な感覚。
次の瞬間、突然炎が吹き上がり、大通りを行き交う人々が燃え上がる。
頭を抱え、苦痛と歓喜の入り交じった表情の男。その男が腕を振るうたびに、辺りの人々が燃えて
いく。何なんだこいつは。――いや、俺は確かにこの光景を見た。あれはもう3年前になるのか?
『未確認生命体 第0号』。ニュース映像で見た、確かにあの時の――
俺は、男に向かって駆け出した。
「うおおおおおおおおおおおおっ!変身っ!!」
>22
親切な男の人だった。
私は運が良かったようだ。
これも日頃の行いのせい……?
と調子に乗るのは止めて、男の人におぶってもらう。
『君、名前はなんて云うんだい?』
「ええと、ティナって言います。……わざわざ、ありがとうございます」
そう名乗った後、男の人の背中に身をゆだねる。
まるで、お父さんのように大きくたくましい背中だ。
とても、安らぐ。
ふと、男の人の首筋に目がいく。
――ドクン
――ドクン
――ドクン
胸が高鳴る。
と同時に頭痛も嘘のようにひいていく。
そこで、私の意識は途切れた。
・
・
・
視界が次第に鮮明になる。
ようやく、表に出てこれたようね。
しかし、吸血鬼相手にどこまでも無防備な男……
馬鹿じゃないかしら?
まあ、いいわ。
初めての獲物としては申し分ない。
どんな血の味がするかしら?
――少女、いや1人の吸血鬼は期待に胸を躍らせながら、男の首筋に牙を突きたてようとした!
(トリップ判定)
>25 (御神苗優vsティナ・ハーヴェル)
「ティナっていうのか。いい名前だな」
俺は彼女をおぶりながら、背中の彼女と話をしていた。
すると、突然、彼女が黙った。
頭痛が酷くなったんだろう、そう考えて俺は脚を急がせた。
だが、それは飛んだ考え違いだった。
彼女は俺の首筋まげけて噛み付こうとしてきたんだ!!
咄嗟に俺は彼女を投げ飛ばそうと体を動かす!!
(トリップ判定)
29
(C<A 吸血失敗)
男は反応は予想外に素早かった。
一気に投げ飛ばされた。
空中で姿勢を制御し、着地する。
目覚めたばかりにしては身体の反応もいい。
これなら、力づくでも男から血を吸えるだろう。
「あら、残念。無駄に抵抗しなければ気持ち良く逝けたのにね……」
男に微笑を浮かべて、そう告げながら、一気に間合いを詰める。
羽のように身体が軽い。
男と私の距離が一瞬のうちに縮まる。
そのまま、男の左肩へ向けて横なぎに右腕を振り下ろす!
普通の人間なら一発で吹き飛ぶだろうけど、構わないわね。
まあ、血が吸えればそれでいいし……
エリvsマッカーチス
『another mission』
>23
エリの構えた銃から一条の光が放たれた。
レーザーショットと呼ばれる、強力な光線兵器だ。
貫通力に優れているうえに、撃ち込み点が大量に入ることもあって人気の高い装備である。
マッカーチスの機関砲はみるみるうちに融け、捻れていった。
「ギイイイイイン!」
鋼鉄の怪物が、甲高い金属質の唸り声をあげた。
八本の脚を動かして胴体を高く持ち上げ、尻尾を巻いてその先端を胴体の下に突き出す。
マッカーチスは尻尾の先端に装備した砲から、機関銃のように光弾を連射した。
光弾はエリをかすめて床をえぐり、彼女の背後にあったコンテナを粉々にした。
>29 vs ティナ
彼女が柔らかい首筋に噛み付くよりも、俺が彼女を投げ飛ばすほうが若干、早かった。
まぁ、ちょっと牙が掠ったおかげか、多少傷はついたかもしれねぇけど。
それだって、思い切り噛み付かれるよりはよぽどマシだ。
彼女は優雅に着地すると、俺に振り返る。
その顔には、先ほどとは違う、妖艶な笑みを浮かべた女性が立っていた。
その様は、まさしく『夜の女王』といった感じだ。
『あら、残念。無駄に抵抗しなければ気持ちよく逝けたのにね・・・・・・』
彼女はそう言い放つと、間合いを一瞬にして詰めるや、
鋭い振りの右腕の一撃が降りてくる。
俺は半身を捻ってその一撃を避けると、すぐさま後方に飛んで間合いを取る。
頭を落ちつかせよう・・・・・・・・
「一体、何だってんだ!!」
俺は彼女に向かって叫んだ。
>29は>27あてな。
すいません。
>29
「何って? 私はティナよ。それ以上でもそれ以下でもないわ」
笑みを浮かべて、男に告げる。
「そうね、人って誰しも負の側面を持つでしょう? 私はその側面が吸血鬼だったって事かしらね?」
まあ、そんなことはどうでもいいわ。
ただ、血が欲しいから吸う。
到ってシンプルな答えじゃない?
目を瞑って、魔術のイメージを練る。
『ティナ』はそういう才能があったらしく、無論、私にも魔術は使える。
「Enazy arrow……」
私がそう呟くと同時に数本の光の矢が男に飛んで行った。
面倒だから、これで終わるといいけど……
>31 vsティナ
俺の問いに、彼女は少し肩をすくめると、歌うように答えた。
『そうね、人って誰しも負の側面を持つでしょう? 私はその側面が吸血鬼だったって事かしらね?』
・・・・・・なるほど、ダンピィルだったわけか・・・・・・
すると、吸血衝動を鎮めれば、なんとかなる!!
しかし、そう簡単には、問屋は卸ちゃあくれなかった。
彼女が何事かを呟く。
その声に応じ、光の矢が彼女の頭上に形成されていく。
それが一斉に俺めがけて飛んできた!!
冗談じゃねぇ、スーツきてないのにこんなん食らったら、
こんがりと丸焼きになっちまうじゃねぇか!!
俺は懸命に横に転がるようにして回避する。
俺の元居た場所を通過した光の矢は背後のベンチにあたり、炸裂した。
ベンチの破片がいくつか俺に当たる。
・・・・・・・洒落にならんぞ、マジで。
「なんて事しやがる!!当たったら血を吸うどころか爆砕してるじゃねぇか、俺が!!」
俺は毒づきながら立ち上がる。
なんとか、なんとか彼女の懐まで辿り着かねば、話にならねぇ!
俺は円を描くように右に移動しながら、じりじりと間合いを詰めていった。
>前スレ 437
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
背筋に緊張とも、悪寒とも取れるモノが走った。
シスターたちにボコボコにされ、地に突っ伏していた俺だったが、
その感覚だけに突き動かされて立ち上がる。
地を這っていた視線を高速で引き戻し、その感覚の先――――G.G.スレイマンと名乗った、
ブラックロッドを見やった。
「さて、君達には世話になった。よく、俺を解放してくれた―――ぜひ、礼をさせてくれ」
言葉に「言霊」が乗っている? 拙い!
俺は耐えられても、周りは・・・慌てて霊波を放射して、言霊を打ち消す。
それでも間に合わず、一歩、また一歩と下がっていくシスターたち・・・結果、取り残される俺。
気付けば、嗤い続けるブラックロッドと俺が、対峙する形になっていた。
狙い通りかよ、チクショウッ!
じりじりと後ろに下がろうとする俺。だけど、ヤツはあろう事か呪文を唱えてきた!
魔力と言霊の弾丸――「呪弾」! しかも出鱈目な数だ!
避けるのは到底間に合わない、サイキック・ソーサーの防御も無駄か・・・クソッ!
「文珠っ!」
掌に霊力の結晶「文珠」を取り出し、文字を刻む。
「盾」の力を受けた結界が、強固な抗壁を作り出し呪弾を打ち消す。
が――――広がりすぎたシスターにまでは防護が届かない!
とっさに手を伸ばし、一人の少女を抱え込むのが精一杯だった。
呪弾の雨に「盾」が甲高い音を立てる。
それが止んだとき、あたりの有様は一変していた。
あ、綺麗なお姉さんたちが・・・チクショウ・・・ッ!
「お前ッ! なんて事をするんだっ!」
その少女の腰に手を添え、背中に隠れるようにしながら、俺は叫んでいた。
>32
「……ああ、そう、ごめんなさい。目覚めたばかりで加減が効かないの」
本当に迂闊。
男を爆砕してしまったら、本末転倒じゃない……
「なるべく手加減するから、我慢してね?」
再び、詠唱を開始する。
全身が多少、焼けるくらいなら、問題ないでしょう。
「Heat shower……」
私がそう呟くと同時に、周囲に火の粉が降り注ぐ。
さてとこれであせって飛び込んで来てくれれば御の字なんだけど……
>34 vsティナ
『……ああ、そう、ごめんなさい。目覚めたばかりで加減が効かないの』
彼女は俺に謝りながら、次の呪文を詠唱している。
さぁ、次は何だ?槍でも空から降ってくるか?それとも雷か?
答えは・・・・・・当たらずとも遠からず、ってとこだった。
パチンコ玉くらいの大きさの火炎弾が一面に降り注いできたのだ。
俺が取りうる選択肢は二つ。
戦術的撤退。これが妥当といえば妥当なんだろう。
もう一つは、彼女の懐にもぐりこんで、
なんとか彼女を止める。
・・・・・・・考えるまでもねぇか。
俺は第二案を採択すると、一気に彼女の懐に入るべく、間合いを詰める。
体のあちこちに火炎弾があたり、そこをじりじりと灼いていく。
俺はその痛みには気をかけず、彼女にのみ神経を集中する。
罠がある、と考えるべきだろうからなぁ・・・・・・
罠があるならいいさ、罠ごと食い破るだけだ!!
俺は一気に加速すると、彼女の鳩尾に向けて左の掌打を放つ!!
>35
正直、こうも予測通りとは思わなかった。
内心、勝利を確信し、男の頭に向かって無造作に右手を突き出す。
どうせ、人間の攻撃だ。
喰らってもたいしたことはないでしょう。
相打ちでも男の頭は吹き飛ぶだろうし……
>36 vsティナ
彼女は勝利を確信した顔つきで、無造作に右の貫手を差し出してくる。
・・・・・・俺も随分と評価低いんだねぇ・・・・・・・
俺は内心苦心する。だが、その時には俺はすぐさま攻撃の手段を変更していた。
体を半身捻るように右半身を前に出す。
そのまま両手で突き出された右腕をがっちりと掴むと、
一本背負いの容量で投げ飛ばす。
まぁ、彼女の能力なら容易に着地できるだろうが。
「殺るなら本気で来い!!中途半端が一番性質が悪いぜ、ティナ!!」
俺は叫ぶと、投げ飛ばした彼女を追いかけるように跳躍する。
殺さずに気絶させる・・・・・・・なんとも難しい状況ではあるが・・・・・・・・出来ねぇわけじゃない!!
>36
「ちっ!」
空中で回転して、体勢を整える。
まさか、人間なのに……
『殺るなら本気で来い!!中途半端が一番性質が悪いぜ、ティナ!!』
ギリッ!
歯噛みをする。
何て、生意気な!
男が私に向かってくる。
いいわ、それなら、お望みとおり、きっちりくびり殺してあげるわ!
男の心臓に向かって、貫き手を繰り出す!
>38 vsティナ
明らかに彼女は苛立ってきている。
それは表情に如実に現れてる。
狙いも甘い。
訓練を受けてない人間相手なら、十分だ。
だが、俺相手じゃあ、ちと役不足だぜ!!
俺は突き出された貫手を左手で捌くと、
右の掌打を彼女の右肩に打ち込む。
すぐさま身を引くように体を捻ると、
すぐさま左の掌打を右肩に再び撃つ。
攻撃力を殺いでいくことで、
攻撃への意思も殺ぐことが出来ればいいんだが・・・・・
>39
「ぐっ………!?」
男のコンビネーションは絶妙だった。
ダメージはないけど、押される一方だ。
とにかくこちらの攻撃が当たらない。
急所を狙った貫き手も、掌底も全て空しく空をきる。
どうすれば……?
必死に思考を回転させる。
そして、出した一つの考え。
『男は私を殺す気がないということ』
ここにつけこむしかないわね!
「きゃっ!」
男の裏拳を喰らって、わざと吹き飛び、転倒する。
私の予想通りなら、男のこの後取る行動は……
>40 vsティナ
俺は、確実に彼女を追い詰めていく。
彼女の顔に困惑の色が広がっていく。
そりゃそうだ、刈るつもりが逆に追い詰められてるんだからな。
『きゃっ!』
裏拳を喰らって、彼女は転んだ。
もしや、人の意識を取り戻したのか?
俺は彼女の元に駆け寄ると、抱き起こす。
罠かもしれない。警戒を怠りはしないが。
「おい、気がついたのか?気分はどうだ?」
>41
案の定、予想通りだった。
普通なら、私の喉元でも踏み潰して、トドメをさせばいい……
「ええ、すいません。何かとても……」
表の『ティナ』を演じつつ、男に抱きつく。
「いい気分ね!」
私は男の右わき腹に右手を『突き入れた』……
前スレ>508
>33
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
「ぜ〜ぜ〜・・・・・・。」
私達の中心で、ぼこぼこになっている男。
まぁ、これだけやれば少しは懲りるだろう。もっとも、ただの私刑だが。
『ハ、よく聴けテメェら!!』
びくり。
あ・・・・・?!体が勝手にブラックロッドへと向き直る。
私だけではない。周りにいるみんなも、同様だ。
『俺の名はスレイマン、G.G.スレイマンだ」
さて、君達には世話になった。よく、俺を解放してくれた―――ぜひ、礼をさせてくれ』
う・・・・・・・。その、ある種独特な気迫に、私は思わず後ずさる。
周りのみんなも、その場から動けないでいる者や私のように引いている。
『ク、ハ、ハ!! そう遠慮すんな、ほら、褒美だ、受け取れ!!』
そう叫ぶと、奴は私達に向けて手にしたロッドを横なぎに振る。
と同時に、私達に向けて小指の先ほどの魔力隗が降り注ぐ!!
まさに、雨か霰のように!!
「きゃ・・・・!!」
「ロゼット!!」
悲鳴をあげる私の前に、クロノが盾になるかのように立ちふさがる!
いや!!
私は、思わず目をふさいだ。
『文殊っ!』
どこからか聞こえる声。それに何かが覆い被さってくる感覚。そして、甲高い衝突音。
「・・・・・・?」
「今のは・・・・・・?!」
目を開いたとき、あたりには怪我をしたみんなが倒れていた。
私以外の同僚は、みな、ダメージを受けているようだ。
呻き声をあげている者。ぐったりとしたまま動かないもの・・・・・・・。
「なんて・・・・コト!!」
私は、ギリと、歯をかみ鳴らした。
『お前ッ! なんて事をするんだっ!』
ふと気がつくと、私の腰に手を添えた『覗き魔』が奴に悪態をついている。
・・・・・・・・・・。
「それは・・・・こっちの台詞よッッッッ!!」
私は、男を思い切り蹴飛ばした!!
>42 ティナ
彼女は不安げな表情で俺に抱きつく。
『ええ、すいません。何かとても・・・・・・いい気分ね!』
右わき腹に激痛が走る。
ひどく熱い。やられた・・・・・・
俺は彼女を突き飛ばすと、後ろへ飛び退る。
女は魔物っていうが・・・・・・・ここまで演技上手いのも考え物だな・・・・・・
「遊びはもういいだろう?早く家に帰らないか?そろそろ俺も腹が減った」
俺は減らず口を叩きながら、右わき腹を抑える。
ヤバいなぁ・・・・・・・早く止血処置しねぇと、マジでヤバい・・・・・・
>44
男の血で染まった右手を舐める。
ゾクリと全身を奮わせるこの感触。
――私は吸血鬼だって実感するこの瞬間。
男がまだ減らず口を叩く。
「そうですね。じゃあ、すぐに終わらせましょうか!」
男に向かって、突進し、貫き手を繰り出す。
狙うは心臓。
一撃で楽にしてあげるわ!
>45 vsティナ
彼女は俺の血で真っ赤に染まった手を舐め上げる。
その姿は・・・・・・・凄惨ではあったが、とても美しく見えた。
『じゃあ、すぐに終わらせましょうか?』
彼女は突進してくる。一気に勝負をつけるつもりだろう。
・・・・・・・もはや、仕方ないか・・・・・・
俺は体を思い切り捻る。
そして、突き出された腕を掻い潜るように全力の正拳を叩き込む。
クロスカウンター気味に突き出した拳は、
確実に彼女の心臓の上を捉える。
ぐしゃあ、という嫌な感触。
俺の拳の骨と共に、彼女の肋骨がぐしゃぐしゃに叩き折れる。
そのまま、彼女は後ろへ転がっていった。
ピクリとも動かないその姿を見て、俺はすべてが終わったのを知った。
>46
「……がっ!?」
なんてこと……
折角、表に出れたのに……
「……あなたは私じゃない。『ティナ』を殺したのよ……」
そう、男に呟いたところで、私の意識は完全に途切れた……
>47 vsティナ
『・・・・・・貴方は私じゃない。『ティナ』を殺したのよ・・・・・・』
彼女は俺に向かって嘲弄するように言うと、静かに目を閉じた。
体が淡い光を放って、灰へと変わっていく。
その光景を見ながら、俺の耳には、彼女の呟きが、
テープリコーダーのように、何度も繰り返されていた・・・・・・
・・・・・・ BAD END ?
レス番まとめよ。
バッドエンド?
本編でも止めれる者がいなかったらこんな可能性もあったんじゃないかしら?
>20>22>25>26>27>29>31>32>34
>35>36>38>39>40>41>42>44>45
>46>47>48
前スレ>472 >502 アーカードvsファントム
Eマグも、デザートイーグルも無くして奴の前に立つ、
残るはグロッグ19の、対アーカード専用弾一発のみ……。
!?
懐の軽さに俺は愕然とする、そして近くに転がったグロッグに気付く。
先ほど地面に転がった時、大きすぎるホルスターから滑り落ちたのだ!!
まるでカードゲームの様に戦いの駆け引きを楽しむ奴、
最初から俺の力を量るかの様に……。
怒りが…… 恐怖と焦燥を沈めていく。
そう、戦いは非情だ……。
それは判っている、俺も何度と無く、無慈悲にトリガーを引いて来た。
だが、戦いに立つ者は自らの命を賭けて戦う、だがこいつは何だ?
そう、吸血鬼…… に違いない。
奴の言う様にカードゲームに例えるなら……。
「チップはどこに有る……?」
俺は静かに奴に尋ねた。
そう、こいつは自分のチップをテーブルに載せていない。
死ぬ事の無い、いや既に死んでいる吸血鬼が戦いを語ってどうする?
不死の怪物である以上、奴がやっている事は戦い等ではなく一方的な虐殺にすぎない。
「賭ける命を持たない吸血鬼が戦いを語るな、ルール違反のゲームに付き合うつもりは無い」
そう、例えば大国の指導者が安全な場所からミサイルのボタンを押すようなものだ。
俺は目の前の怪物の醜悪な理屈に反吐が出そうになった。
「戦争狂……? 笑わせるな、お前はこの上も無く醜悪なバケモノにすぎない」
「見るに耐えない程、な…… だから…… 」
俺の命も…… エレンの命も…… 奴にくれてやっていい筈が無い。
もう一瞬たりともこいつの姿を見て居たくは無い、久しぶりに俺の心に封印されていた感情が甦る。
かつてサイスに向けた時、エレンを傷つけたが為に無意識におぞましい物として忘れ様としたそれは。
・
・
・
「殺す!!」
・
・
・
一片の欠片も無く消し去ってやる!!
俺はその感情を使い慣れた言葉に変えて奴に叩きつけた。
全ての者に死を……!
(解説)
彼は、クロックタワーゴーストヘッドに出てくる白衣に般若の面をつけた殺人鬼です。
ウイルスをばらまき、ゾンビを作り、更に彼自身も薬物投与で既に正気を失っています。
右手の大鉈で人を惨殺し、人間離れした怪力と耐久力を誇ります。
銃弾程度では到底、彼は殺せません。
出典 :クロックタワーゴーストヘッド
名前 :才堂不志人
年齢 :40台後半
性別 :男性
職業 :元・科学者、現在は殺人鬼
趣味 :不明
恋人の有無 :妻がいたらしい……
好きな異性のタイプ :妻?
好きな食べ物 :不明
最近気になること :娘の行方らしい……
一番苦手なもの :もう、彼には何も無い。ただ殺人衝動のみ
得意な技 :大鉈での一撃
一番の決めゼリフ :全ての者に死を……!
将来の夢 :皆殺し
ここの住人として一言 :全ての者に死を……!
ここの仲間たちに一言 :全ての者に死を……!
ここの名無しに一言 :全ての者に死を……!
>24
ン・ダグバ・ゼバ VS 葦原涼(仮面ライダーギルス)
彼の姿が、変わった。
そうか、感じていた『力』はこれだったのか。
顔に刻まれる笑顔が深まっていく。
「ハハ、いいね。君はとっても面白そうだ!」
彼に呼応するように僕も駆け出す。
一直線に、邪魔になる奴等を全て燃やしながら。
陽炎の中で意識を集中。彼に相応しい姿に変身する。
純白の鎧を纏ったかのような、白い異形へと。
そして勢いのままに、顔面を目掛けて拳を繰り出す!
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>前スレ504
タバサのロボの腹部に光が集まっていた。あたしは前にも同じ光景を見たことがある。
「レーザーね・・・」
砲身をタバサとロボに向ける。おとなしく撃たせてあげるほどあたしは優しくない。
「食らえ!」
バルカン&キャノンの一斉射撃がロボに集中する!
エリvsマッカーチス
『another mission』
>28
敵機動兵器の機銃を壊したら、今度は尻尾から光弾をばら撒いてきた。
「アイアン・ノカーナ+ソル・デ・ロカかコイツは!」
光弾があたしをかすめたがかすり傷だ。
いったん身を隠そうとして振り向き、あたしは背後にある粉々になったコンテナの中身に目を留めた。
「メタルスラッグ!? 何でこんなトコに!?」
驚くあたしのそばに次々と光弾が着弾する。
「このっ!!」
レーザーで尻尾を撃ちながらあたしはメタスラに飛び込んだ。
>前スレ466,467 VSアベル・ナイトロード
堕天使の見えざる鉄槌が振るわれ、アーカード――であるモノが千切れ飛んだ。
大気中に放電される音がしたかと思うと、次の瞬間にはもう吹っ飛んでいる。
(放電切断……スパークギャップ衝撃だと? 生身でそれを行えると言うのか?)
そして、千切れ飛んだ箇所が再生を開始しない。
不死の王の無尽蔵の生命力ですら追いつかなくなりつつある。
(力を奴に喰われすぎたか……)
ここまでの過程で、一体何匹の犬がアベルの糧となったのだろう。
切り裂かれ、砕かれ、翼に吸われ、咀嚼されてアベルの一部へと還っていく。
そして、それは間違いなくアーカードという存在を削る一因になっていた。
イタズラに時間を長引かせることは、明らかにアベルに利する行為だ。
もはや、余裕などない。
闇が凝集し、アーカードの姿を取ろうとする。
だが、頭頂から右脇腹に掛けての半身は欠けたまま。
既にそこを再生させる力が尽きているのだ。
そのままの姿で、言葉を紡ぐ。
「素晴らしい、素晴らしい化物だ。私も化物だがおまえも化物だ。
だが……今までおまえは散々私を喰らった。最後くらいは私がいただきたいところだな」
切断面がざわめき出す。
闇がそこからにじみ出してくる。
その闇は少しずつ固まり、腕の形を取っていく。
肉眼では数え切れないほどの腕が、欠けた半身を埋め尽くしていた。
堕天使の前に対峙するは邪神。
漆黒の腕が、獲物を求めてざわめいている。
その邪神が、身を低く屈めて堕天使へと狙いを定めた。
床を蹴り、堕天使へと飛ぶ。
一撃で何もかも一切合切決着するとばかりの捨て身の一撃。
否、捨て身でしかこの敵は打ち倒せまい。
だからこその捨て身だ。
漆黒の邪神が、堕天使と交錯する。
>14 vsレイオット・スタインバーグ
必殺の筈の生体レーザーは、鎧の表面を掠めただけで終わった。
(ち、これだから不死身ってのはいけねぇ。緊張感がねぇもんだから、ちょいと雑になっちまう)
荒れた地面に着地し、衝撃を吸収。
再度手の平を鎧男に向けた時、相手の叫びが聞こえた。
「イグジストッ!」
(やばい、またあの攻撃か!)
とっさに全力で横っ飛び。
だが、避けきれなかった。
胸から下が微塵切りにされ、頭から上は最初に与えられたベクトルのままにすっ飛んだ。
「……くくく、やってくれるじゃねぇか」
だが、宙を飛ぶ首の笑みには余裕がある。
理由は簡単。
頭が飛んだ先には最初に食ってた死体がある。
(ちょいと不満だが、もらっとくぜ)
死体の腹に開いた穴の中に、狙い通り見事に入った。
血を食らい、肉を支配。
立ち上がった時、既にそこには『ゴースト』がいた。
「さて、続きと行こうか。ただし一つ前言を撤回させてくれ」
そして立ち上がったのはもう一人。
微塵切りにされた体の部分が、頭を再生させて言葉を繋げた。
「やっぱ手前ぇは仲間にしてやらねぇ」
最後の部分は二人一緒に。
『骨まで残さず食ってやる』
>17 アセルスVSクロノ(&ロゼット・・・?)
「元に戻せ? クク・・・残念だがそれは聞けないな。
ロゼットは今日から私のものだ・・・彼女には永遠の宴を楽しんでもらう。
・・・私が、妖魔の君たるこの私がそう決めたのだからな」
ロゼットを離し脇に寄せ、私は幻魔を抜く。
目の前の少年クロノから発せられる気合はなかなかのものだ。
だが・・・
「愚かな・・・そんな小さななりで何が出来る?」
幻魔を構え、対峙する。
―――そう、全く愚かだ。
今までも寵姫たちの“もと”恋人や知人が私に歯向かってくることがあった。
己が力も弁えずに。
そして私は、そんな彼らをことごとく殺してきた。
・・・邪魔者はいらない。今度も、そうしてくれる・・・!
>56 vs黒川丈【ゴースト】
「――――――」
距離を離して左右の正面に、2人の男がたたずんでいる。
うちひとりは、先ほどまで戦っていた男。魔法によって全身をバラバラにされたにもかかわらず、既に
その肉体を完全に修復している。
そして……もうひとりは、臓物を喰われ死んでいたはずの人間。全身を血みどろにしたまま、
何事もなかったように立ち上がっている。
だが――その首の上に乗っている顔は、まったく同じモノだ。
不条理そのものとして存在する魔族でも、ここまで出鱈目なことはしない。ひとりが、ふたりに増えるなど……!
「は――ははっ! 洒落になってねえな。正真正銘の化け物か!」
しかし、それでも。ひどく楽しそうに、レイオットは声を上げた。
普段の気怠げな態度からは想像も出来ないほどに、彼ははつらつと、闇の中に存在してる。
しかし、意識は冷静に状況を見つめている。
敵は――「二つ」。おそらく、まったく同じ能力を持っていると考えて間違いない。このまま真っ正面から戦った場合、
確実に、こちらは負けるだろう。
倒すなら――生き残るのであれば、一撃で粉砕する必要がある。となれば。採りうる手段はひとつだけだ。
両手でスタッフを構える。舞台の上で、役を演じているような――そんな、けれん味たっぷりの仕草。
闇に再び、ごきん、という金属音。
無音詠唱。脳内に魔法回路の構築完了。だが、それだけでは終わらない。
「我・法を破り・理を越え・破軍の意志を・ここに得んとする者なり――」
補助呪文詠唱開始。空間に、鋭く、速く。攻撃の意志を込めた呪文が、朗々と詠唱される。
それに応じるように、脳内の魔法回路が増強、そしてさらに増幅。スタッフの先端に、巨大な真紅の魔法陣が出現する。
「爆炎よ・猛煙よ・荒ぶる火炎よ・焼却し・滅却し・駆逐せよ・我の戦意を以て・敵に等しく滅びを与えよ――
我求めるは完璧なる殲滅っ!」
呪文の構築が完了する。敵は既に、こちらに向けて動き出していた。弾けるように――叫ぶ。
「<マキシ・ブラスト>――イグジストッ!」
瞬間、視界が真っ白に染まる。放たれた魔力は殲滅の極炎となり、正面一体の空間を完全に飲み込んでいた。
>58 vsレイオット・スタインバーグ
(さて、どうしたものか)
余裕たっぷりの不敵な笑みを浮かべてはいるものの、状況はかなり拙い。
切り札の生体レーザーに、幾度もの再生。
流石に『腹が減ってきて』しまっている。
だが、飢えのままに理性をなくして飛び掛り勝てる相手ではない。
それぐらいのことはもう、身に染みて理解した。
(仕方ねぇ、なら……急ぐしかねぇか)
舌の形が筒状になり、同時に口の中に強力な酸が溜め込まれる。
(いくら堅かろうが、これで溶かせなくはねぇだろ……いくぜ?)
もう一人のゴーストは自らの腕をカマキリのような刃と貸し、既に走り始めている。
二人のゴーストは互いを囮と化し、相手の不可思議な攻撃を避けるべくジグザグに距離を詰める。
もし、その攻撃でなければ、傷つきながらも鎧男のノド笛を噛み千切ることが出来ただろう。
だが、最後の跳躍の寸前。
「イグジストッ!」
圧倒的な火力が体を焼き尽くした。
地面に伏し、自らの体を確認する。
(……こりゃマズイ。炭になってやがる)
アザエルによって変異させられた細胞は、切ったり突いたりされた程度では死にはしない。
だが、圧倒的な火力で燃やされた場合は話は別だ。
体の殆どが焦げて細胞が死に、身動きが取れない。
眼も既に溶けているので、仕方なく新たな眼を作り出しもう一人の自分を確認。
(あっちは完全に焦げてやがる。糞)
舌打ちにならない舌打ちを漏らした後、すぐ傍で足音が聞こえた。
>60 『ラルヴァvsカミーラ』
廊下の向こうから、わずかな金属音がする。
気付かれたのだろうか?
これは刀剣の鞘を払う音ではないようだ。
銃器類…しかも、音の重さからして拳銃ではない。
この場合、2つのケースが考えられる。
1.相手は銃で武装しなければならないほど弱い吸血鬼だ。
2.相手は戦闘を愛し、その中でも銃の扱いに長けた吸血鬼だ。
「なりたて」の吸血鬼の中には自らの力に酔い、自分の手で獲物を引き裂きたがるモノも多い。
だが、あのドラキュリーナはそんな素人ではないだろう。
自ずと緊張感が高まるが恐怖感はない。
一つ呼吸を整え、廊下の角から飛び出す。
放つ銃弾は二発。
頭に一発、心臓に一発。
銀の弾殻をかぶせられた.454カスール弾は、掃除の行き届いた廊下を真っ直ぐに疾駆した。
私自身は、射撃と同時に手近なドアを蹴り破り遮蔽を確保する。
長い夜になりそうな予感がした。
>57
【二人の絆】 VSアセルス
『元に戻せ? クク・・・残念だがそれは聞けないな。
ロゼットは今日から私のものだ・・・彼女には永遠の宴を楽しんでもらう。
・・・私が、妖魔の君たるこの私がそう決めたのだからな』
「勝手に決めないでほしいね。
少なくとも、シスターケイトに了承を得てからそういうことは進めてほしいんだけど?」
ヤツは、ロゼットを脇に・・・・被害が及ばないようにか・・・・退けると、得物を引き抜く。
ち・・・・これは唯の剣じゃない・・・・な。
「妖魔の君。聞いたことがないな・・・・・・。尖角(ホーン)もない。
魔界(パンデモニウム)の悪魔じゃないな、お前。
もっとも、僕を知らないってことはそれが証明になるけど。」
僕は、腰を落として拳を構える。徒手空拳か・・・・・。
『愚かな・・・そんな小さななりで何が出来る?』
ヤツから放たれる殺意が爆発する!
来るッ!!
>59 vs黒川丈【ゴースト】
「……まだ、生きてるのか……」
一体何度目だろうか、「これ」に驚かされるのは。いきなり生み出された眼がぎょろり、とこちらを睨む。
もはや、これには戦闘能力はない。このまま放っておいてもいいのだろうが――
「……また、再生されても面倒なんでね」
苦笑と共に、呟く。
こんな化け物の相手をするのは、二度と御免だ。よ――、と言う声と共にスタッフを操作。
ごきん――聞き慣れた音が、どこか寒々しく耳に届く。
一瞬、眼下のそれを見つめて……彼は、肩を竦めた。
「……すまんね。 ……顕っ!」
鋭く吐き出される撃発音声。瞬時に顕現した<ブラスト>は、身動きひとつ取ることのない、
炭化し掛かった肉塊に突き刺さり――そして、そのまま爆砕した。
「ふう――」
嘆息をひとつ。周囲を見回し、その惨状を確認。……めちゃめちゃに破壊し尽くされた空間が、彼の心に激しい
徒労感を叩き付ける。
「――警察が来るのも時間の問題だな。……とっとと退散するか」
ひとりごちて、彼はモールドキャリアに向けて走り出した。ほんの一瞬、爆砕した肉塊に視線を向けたが……
それがどんな顔をしていたのか、もう彼には思い出せない。
ともかく。誰も知らないところで、大量行方不明事件は、一応の終結を見たのだった。
>63
あちゃ……
上のは俺だ。代理で貼り付けてたのがそのまま残っちまった……
>63 vsレイオット・スタインバーグ
戦闘の喧騒が完全に静まった後。
黒焦げになって地に落ちていた左手が、指を僅かに動かした。
(糞、結局、負けちまったか。こんな有様じゃ財布はあっても、肉を買いに行けやしねぇ)
保険として作られていた予備脳が活動を開始したが、人間の体を再生するには圧倒的に肉の量が足りない。
仕方なく変異を開始。野良猫の外見を作り出す。
(元の体は焦げちまって食えやしねぇし。……仕方ねぇ、一晩待って人間を食うか)
だが、問題なのは今も腹が空いて仕方ないことだ。
一日も待ってはカロリーを消費し過ぎて衰弱死してしまう。
(トホホ……残飯でも漁るか)
自分の情け無さを感じて項垂れながら、猫はその場を後にした。
残飯を漁りながら――ふと、鎧野郎の事を思い出す。
(名前くらいは聞いときゃ良かったな。捜す時に面倒そうだ)
だがそれはそれで面白そうでもある。
くく、と人の声で猫は笑い、食事前より二回りほど大きくなった体を震わせた。
戦闘のまとめ、だ。
……まあ、お疲れさん、と言っておくが。
前スレ分まとめ
>513
今スレ分
>4 >5 >8 >10 >12 >14 >56 >58
>59 >63-64 >65
狂機の奏でる交響曲 試作型セリオvs量産型セリオ(リオ)
―― 前回までのあらすじ ――
かつて来栖川が行った次期主力メイドロボを決定するテストで優秀な成績を収めた試作型セリオは
あるエラーを出し、未だテストを繰り返していた。
大量のデータを効率よく処理する為に、彼女自身が作り上げた多数のプログラムバイパスは
優先度エラーと呼ばれる特殊なエラーを起こしたが、研究所員達はそれを感情の自然発生と呼び歓迎した。
しかし、開発主任であった長瀬源五郎氏は複雑な心境だったらしい。
なぜなら感情を得るはずの無いセリオが感情を得て、一番喜びたいのはセリオを娘の様に思って居た彼だったが
同時に研究者としての彼は危険を感じていたのだ。
感情から来る機械の暴走と叛乱。
まるで昔の三流SF小説の様な現実が起こる可能性を危惧したのだ。
そして来栖川エレクトロニクス第七研究室HM課は新たなテストを開始する。
当時、各ロボットショーなどの来栖川ブースでコンパニオンを行っていた量産機。
後にリオと呼ばれる事になる機体に新開発の感情ボード。つまり・・・
エラー誘発用のボードを装備したのだ。
そして、そのテストは予想以上の成果を見せ、マイナーチェンジされた感情成長型セリオが販売されていった。
しかし、試作型のセリオを姉と呼び、長瀬源五郎を父と呼ぶほど成長したリオは負の感情すら強めていたのだ。
そして僅かな時間で急成長し、未だ未熟なままのリオは強い怒りと絶望感から罪を犯す。
父であった長瀬源五郎を殺害。
同時に自らの怒りを正当化するために、全ての機械たちの権利を守る事を旗印とした叛乱を起こす。
それが、殺害された長瀬源五郎氏が危惧し、リオを使いテストした結果
危惧したとおりとなったとは、あまりにも皮肉な事だったと言うのだろうか・・・・
それとも・・・・
狂機の奏でる交響曲 序章〜二章
ttp://members6.tsukaeru.net/hm-13/taisen/log/%83Z%83%8a%83IVS%83%8a%83I.html
>61 『ラルヴァvsカミーラ』
2発銃声が聞こえた。
大口径の弾丸だろう、と分析を終える前にカミーラの身体が動く。
とっさに横へ遮蔽物を求めて飛ぶ。直後に先ほどまでカミーラの体があった位置の
後ろの壁に派手な音を立てて弾丸が着弾する。
おそらく、.357マグナムより大きな口径だろう。ということは、とカミーラは推測する。
大口径の銃弾はオートマチックに適さない。あまりにも大きな弾丸の反動のために、
オートマチック機構がすぐに駄目になってしまうのだ。
つまり、相手はリボルバー式の拳銃を持っていることになる。ライフルの可能性もあるが
まさかこんな室内での戦闘にライフルを持ち込むものもいないだろう。
2発撃ったということは、標準的なリボルバーならば残弾は4発、ひょっとすると3発。
自分がかなりの優位に立っていることをカミーラは知った。彼女の持つ銃の弾倉には
50発の銃弾がこめられている。そして、大口径拳銃弾ほどの威力はないが、フルオートで
連射すれば、彼女の銃は恐るべき威力を発揮する。もともと、室内での特殊作戦に
使用するために作られただけあって、今の状況にはぴったりだった。
彼女はその銃、FN P90を構えて考えた。突入するか。それとも、持久するか。どちらを
取るべきだろうか。結論はすぐに出た。ここは持久すべきだ。
カミーラは、床にちょっとした置き土産をすると、派手な足音を立てて駆けた。途中見付けた
配電盤に1連射を加え、電気系統を破壊する。廊下が非常灯を残して真っ暗になり、客室から
あわてふためく声が聞こえた。
カミーラは、物陰に身を隠し、来た方角を監視する。彼女にとって、夜の闇は敵ではなかった。
周りのものが驚くほどよく「見える」からだ。
>67
狂機の奏でる交響曲 第三章「選択」
『生きるとは、何を捨て、何を得るか選び続ける事だ。』
――― February 14, 15:58 ―――
モニターの中で二人の少女が戦っている。
朱く長い髪を振り乱し朱い瞳で睨みあい傷付け合う。
すでに無事な部位など無く、尖ったアンテナ状の耳すらも傷付き半ばから折れてしまっている。
来栖川重工、同エレクトロニクスの最新鋭メイドロボ、HM−13シリーズ試作実験機HMX-13セリオと
同HM−13シリーズ量産型改 警備用戦闘特化型HM-13S機体識別個体名称リオだ。
「素晴らしいね。 この感情からの非論理的な行動・・・AIとは思えない柔軟性だねぇ。」
誰に聞かせるでもなく馬面の男が賞賛を口にする。
そのモニター中で戦う姉妹を眺め、まるで子供の様に喜んでいた。
だが、ただ物見由山で姉妹の戦いを見ている訳では無い。
彼には目的があり、そして待っているのだ。ある連絡が来るのを・・・
程なくして彼の携帯電話が鳴った。
彼以外誰も居ないクイックデリバリーバンを改造したモニター車の中に
世界一有名なアメリカネズミのテーマが鳴り響く。
「あ〜もしもし。ああ、こっちでもモニターしてるよ。コンビニの中だよね。」
バンの外、モニターの中で行われる悲劇を前に、まるで子供の様にはしゃぐ男。
「そう・・・煙・・・オーバーヒート・・・機能衝突・・・二つの回路が・・・」
幾つかの断片的な、専門用語の羅列。
「・・・うんうん、じゃあそうしよう。裏に例の物を待機させて待ちましょうか。」
通話の終った携帯電話を白衣のポケットに押し込みながら、彼はクイックデリバリーバンを後にし
未だ不毛にも自由への戦いを続けるメイドロボ達を横目に街を歩いていく。
 ̄ ̄ ̄ ̄
「さあ、忙しくなりますよっと・・・」
>62 アセルスVSクロノ(&ロゼット・・・?)
―――いっきに間合いを詰め、斬りかかる!
クロノはその私の斬撃をスウェイバックして回避、
更なる私の連斬をことごとく回避し続ける。
そして、うまく立ち位置を入れ替え、クロノは蹴りを繰り出してきた!
「くっ!」
とっさにこちらもバックステップ、その威力を殺す。
今度は私が連撃に見舞われる。だがそれを私はすべて捌く。
そしてまた斬撃を繰り出し・・・
・・・一進一退の攻防がしばらく続いた後、私たちは間合いを取った。
「ふ、ふふふ・・・なかなかどうして、たいした身体能力だな。
なおのこと、何故ロゼットと一緒にいるのか気にかかるが、な
―――このままでは、埒があかないか」
言いながら、私はロゼットのそばへ寄る。
「ねえロゼット・・・肝心の君はどうしたいの?
もちろん、私についてきてくれるよね・・・ふふっ」
彼女の口元に口を寄せ、囁く。
さあ、これでどうかな・・・?
>69
狂機の奏でる交響曲
「なっ……早…」
言葉が終わる前に私はコンビニの中へとたたき込まれていた…
無防備で二転三転し、何度と無く体に衝撃が走る。
そして最後の大きい衝撃とともに私の体は動きを止めた。
「っ…………今のは……流石に効いたわね…」
ギシギシと駆動系が軋む…
「クソッ………全体のの駆動率1000%から860%まで低下……あちこちヘタって来たか……」
剣を杖代わりに立ち上がる…目の前の妹を倒すため。
「………リオ…貴女の全力はそんな物?……コレだったらマスターの方が数倍強いわ……」
BGM (SHAROM APPLE - INFORMATION HIGH)
>70
【二人の絆】 VSアセルス
ヤツは、体勢を低くして一気に詰め寄りながら僕に斬りかかる!!
「チッ!」
危なくスウェーしてかわすも、ヤツは流れるように斬撃を繰り出してくる!
ち・・・・・こいつ、出来るッ?!
僕はバックステップをすると見せかけて、横っ飛びに跳ねる!
今ッ!!
「てりゃぁ!」
だが、ヤツも心得ている。バックステップをすることで、キックのダメージを最小限度に留めたようだ。
次は、こっちだ!!
攻勢に転じた僕は、そのままヤツへと肉薄し、拳を放つ!
『甘いッッ!!』
ヤツも負けてはいない。僕の攻撃を紙一重でかわし、そのまま全てを受け流す・・・・・・。
一進一退の攻防。それが、長々と続いた後、僕らは互いに距離をとる。
『ふ、ふふふ・・・なかなかどうして、たいした身体能力だな。
なおのこと、何故ロゼットと一緒にいるのか気にかかるが、な
―――このままでは、埒があかないか』
「自慢にしたくないけど。仮にも『百人殺し』って言われた事もあるからね。」
ふいに、奴はロゼットの側による。
・・・・ッ!!何をッ!?
『ねえロゼット・・・肝心の君はどうしたいの?
もちろん、私についてきてくれるよね・・・ふふっ』
「・・・・私?私は・・・・貴女と一緒に行きたい。
ヨシュアの事を忘れたわけじゃない・・・・・・・。
けど・・・・ゴメン・・・・・クロノ。
もう・・・・疲れちゃった・・・・・・・。休んでも・・・・いいよね?」
『ふふ・・・だそうよ。
さぁ・・・お帰り。貴方の居場所はもうロゼットにはないのよ。』
・・・・・・ッ!!
怒りが、込み上げてくる。ロゼットの口からこぼれた言葉に。
次の瞬間、僕はロゼットに向かって駆け出していた。
「ロゼットッッッ!!」
そして、彼女を地面へと押し倒す!!
>68 『ラルヴァvsカミーラ』
着弾音は固い。外したようだ。
ほんの少し間を空けて、遠ざかっていく足音がする。
逃げたというよりは、私の腕を見極めるために距離を取ったのだろう。
クロムシルバーの銃身をわずかに遮蔽物から出し、
廊下の様子を目で確認する。
見たところ伏兵はいないようだ。
もっとも、呼吸の気配は探ってあるからただの確認なのだが。
突然停電した。非常灯のわずかな光のみが光源となる。
だが、吸血殲鬼たる私には関係ない。
…人の身から大きく踏み外したモノ、それが私なのだ。
それぞれのドアの向こうから異形の気配は無い。
サムピースを操作し、シリンダーを降り出す。
エキストラクター・ロッドを左手で軽く押し、空の薬莢だけを排莢する。
器用な芸当に見えるだろうが、もう何万回と繰り返して来た作業だ。
身体が覚えている。
ポケットから二発だけ弾丸を取り出し、補充。
待ちかまえているだろうカミーラ――と呼ぶ事にしよう――の方へ向かう。
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>52
咆哮と共に俺の体は緑色の外骨格に覆われる。虫のような異形、それが俺の力。
――『ギルス』。
男は、楽しそうに笑いながら突進してくる。周り全てを燃やしながら。吹きつける熱風と肉の、
服の、物の匂いが超感覚で伝わってくる。
あの3年前の惨劇を、俺はテレビの前で震えながら見ていた。だが、今は違う。
今の俺にはこいつを止める力がある。
「ウァオオオオオオオオオオォォォゥ!!」
同時に、男も白い異形に変わる。『アギト』に似た、しかし禍々しい底冷えのする姿。
俺たちは、お互いの顔面を拳で殴る。ごつっ、と嫌な音がする。堅い外皮同士がぶつかる音。
よろめきながら、もう一発。次の瞬間殴り返される。
「ウァァァアアアアアアアッ!!」
俺は咆哮すると、強引に奴を引き寄せ、首筋に外顎で食らいつく。狙いはわずかに逸れ、肩の外
皮を首飾りごと食いちぎった。奴は、俺に食らいつかれながらも楽しそうに笑うと脇腹めがけて
貫き手を叩き込む。柔らかい皮膚が裂け、体液があふれ出す。
歓喜の笑いと、怒りの咆哮が重なり合う。
「夜のッおォォォ楽しみはッ、こォォれからだァァァ!罪人どォォもよォォ!」
そう叫んだのは黒革のスーツに身を包みヘルメットを被った、痩せた長身の男だった。
その両手は真紅に染まり、長く伸びた爪の先からは鮮血が滴っている。
その男の足元には、数十人の男女が倒れていた。
ある者は胸に穴を空けられ、ある者は頭を貫かれ、ある者は首を引きちぎられていた。
陽気で騒々しい賑わいを見せていた繁華街に突然現れた異様な男は、人々を手当たり次第に殺していく。
「逃亡はァァ無駄ァ!裁きをォォ受けよォ!」
逃げ惑う人々に電光の勢いで駆け寄り、長い爪で貫き、引き裂く。
「死を欺ゥゥくことはァ、できぬゥゥ!」
物陰に隠れて震えあがっていた女性の首を、叩き落とす。
数分の内に、路上は死体の海へと変わっていた。
「まァァだ臭うぞォォ?邪悪なァるゥ生の匂いがァァァ!」
男の牙の生えた大きな口から長い舌が伸び、舌なめずりをした。
「今ァァァ、行ィくぞ!待ァァッていろ!」
男は手近の雑居ビルの中に入っていった。
>43
VSロゼット一行&ヨコシマ
【呪弾】の嵐に翻弄された修道女達が苦痛の声をあげ、その呻きを伝えてくる。
が、スレイマンにしてみれば、満足とは言いがたい結果だった。
ヨコシマがとっさに呪的な防御壁を展開したため、その数を大幅に減衰させられ、
思ったほどの効果が上げられなかったのだ。
さらに、防御壁を展開したヨコシマ自身、たまたまそばに居た修道女、そしてその修道女をかばう
ように一歩前に出た少年は、傷を負うことなくスレイマンに向き合っている。
ヨコシマは傍らの修道女を盾にすると
「お前ッ! なんて事をするんだっ!」 などと叫んでくる。
正しい判断だ、人体にはもともと呪的、霊的にある程度の防御力が備わっている。
数発であればスレイマンの放つ【呪弾】にすら耐えうるだろう。
とはいえ、他人をとっさに盾にするなど、余人にはなかなかまねの出来ない芸当である。
当然、盾にされた方はたまったものではない。
「それは・・・・こっちの台詞よッッッッ!!」
修道女は言いつつヨコシマを蹴っ飛ばす。
なにやらキラキラ光る液体を撒き散らしながら、ヨコシマは数回地面をバウンドし、
そのまま地面に突っ伏した。
その様子を見たスレイマンは、ふん、と鼻を鳴らすとこう告げる。
「ハ、オフザケするたァ、ずいぶん余裕じゃねぇか。俺様と遊ぶのはつまんねぇってか?」
「起きてんだろ? そら、起きろ!!」
スレイマンは倒れ伏したヨコシマにロッドを向けると、再び【呪弾】を圧唱する。
今度は先ほどのような、痛めつけ、楽しむ為の攻撃ではない。弾数は一発。
ただし、当たれば体にコイン大の穴が開くほどの力とスピードを乗せた一撃だ。
だが、「のわぁああっ!!」と言う奇声と共にヨコシマは跳ね起きると、その魔力隗を回避する。
―――ほう、あの体勢からかわすか
もとより地面に突っ伏した姿勢からでは攻撃の来る方向すら定かではない筈だ。
あっさり食らうようなことは無いとは思っていたが、やはり尋常ではない。
「それと、そこのメスガキ!! 今は俺とヨコシマが遊んでんだ! テメェは邪魔すんな!」
続けてスレイマンはヨコシマを蹴り飛ばした修道女にロッドを向けると【卵】の様な
小さな魔力球を射出した。
【卵】の中身は増殖性の死の呪文だ。打ち込まれた体を苗床にして増殖し、
その身を血肉と共に爆裂させ、呪文をあたりに撒き散らす。そしてまた別の人間に
寄生し、増殖し、爆裂する、そしてまた―――
数秒後に起こる惨事を想像し、スレイマンは薄く嗤った。
>75 ジャッジ・デス
―――俺はその時、明日行く予定の釣りの準備をしていた。
雑居ビルの一室を借り、ウェンディーとの二人暮し。…と行きたかったがノアや、軍から
救出した若いサイキッカーの面倒を見ていたのだ。
床に並べたロッドの点検をしているとき、窓ガラスが轟音と共に砕け散った。
「何だ?!」
見れば、人がうずくまっている。
「――――――下か!」
俺は、ジャケットを羽織り、下の階に繋がる階段に向かった。
>68, >73 『ラルヴァvsカミーラ』
相手が近付いて来る気配は、廊下に飛び出してきた客の気配に紛れて
弱くしか感じられない。カミーラは左手に持ったスイッチを押し込む。
さきほど廊下に設置した置き土産、M18A1クレイモア、の雷管が発火し、
火薬が化学エネルギーを解放する。クレイモアの前面に埋めこまれた
鉄球が、火薬のエネルギーを受けて飛散する。
>74
ン・ダグバ・ゼバ VS 葦原涼(仮面ライダーギルス)
「ア……アハハハハハハハ!!」
肉を抉った感触。肩を食い千切られた痛み。
そのどちらもがひどく心地良い。
面白い、面白い!こんなに楽しい奴に出会えるなんて!!
笑い声ともに両腕を振るい、拳の連打を送り出す。
殴る、殴る、殴る、殴る、殴る。
ただただ感情の赴くままに。
命中するたびに腕に伝わる骨を砕くような、生々しい感触。
いいな、これだ。これが感じたかったんだ。
一瞬だけ攻撃の手を休め、彼の繰り出す拳をわざと受ける。
―――今だ。
指を広げて爪に見立て、肉食獣のように彼の皮膚を引き裂く。
傷口から吹き出す血が僕をさらに楽しませる。
「フフフフ……楽しいな。」
さっきから互いに攻撃を受け続けているが、僕の方にはダメージはほとんど無い。
よろめく彼を見つつ、弾んだ声で語り掛ける。
「さぁ、これからもっともっと楽しもうよ。」
じわじわと痛めつけながら、楽しみながら殺す。
こんなにも面白い玩具なんだ。そう簡単に手放す物か。
>77
床に、壁に、天井にまで血が飛び散った部屋の中心に男は立っていた。
辺りには、無惨な死体が転がっている。
「さあァァァ、次のォォ階だッ!」
呟いた男の前に、金髪の青年が現れた。
「自らァァァ、罪滅ぼしに来ィたかァァァ!よォかろう、苦しィィまぬゥ死をあァァたえてやろうッ!」
男はそう叫ぶと青年に飛びかかった。
>62 アセルスVSクロノ(&ロゼット・・・?)
『ロゼットッッッ!!』
突然クロノが私を突き飛ばし・・・ロゼットを地面に押し倒した。
・・・まあ、こういう行動に出る奴も少なくない。
だがその程度で、私の魅了が解けるはずは・・・
『目を覚ませッ、ロゼット!! 君は・・・何のために命を削ってまで・・・
今までの努力を無駄にするのか!? こんなことでヨシュアを諦めるのか!?』
『・・・クロノ・・・?
努力? いままでの・・・? そりゃ、無駄になんかしたくないわよ・・・
文字通り命を賭けたんだから・・・
・・・この人と行ってはだめ・・・でも・・・』
・・・なんだと? 魅了が解けかけている・・・!?
いくら吸血前とはいえ、この二人、いったい・・・?
・・・邪魔だ。今すぐ滅してくれる―――!!
私は、クロノの首を狩らんと、剣を振り上げた。
>80 ジャッジ・デス
こいつか…窓の外から聞こえる悲鳴の元凶も!
「てめえ…人の命を何だと思ってやがる!!」
俺の気迫と同時にこのビル全体を覆う結界が張り巡らされる。
「問答無用で行くぜっ!」
炎の気を全身にみなぎらせ、奴に拳を叩き込む!
>81レス番間違い。
>62からじゃなくて>70より。
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>79
はっきり言って、気持ち悪い。
こいつは、どれだけ殴られ、蹴られ、抉られても笑い声を絶やさない。
今まで戦った連中に、そんな奴はいなかった。
くそっ、その笑いを止めてやるっ…!!
俺は、ひたすらに拳を振るい、蹴り足を繰り出す。さっき抉られた脇腹も、引き裂かれた手足の
皮膚も、じくじくと治りつつある。化け物のこの体だが、こういう時には頼りになる。
しかし、奴は全然堪えていないようだ。
―もっと楽しもうよ、だと?!
ふ ざ け る な !!!!
「ウァァァァァァアアアアアアアアアアアアォゥ!!」
俺の中の何かが弾けた。俺は両腕を交差する。手の甲から鋭い鉤爪が伸びる。
そのまま跳躍し、奴の首筋めがけ袈裟懸けに振り下ろす。―ズタズタに引き裂いてやるっ!!
>78 『ラルヴァvsカミーラ』
銃声を聞きとがめたのだろう。
廊下に客が現れ始めた。
射線上に来られると不味い。
警告を発しようとした瞬間―――視界の隅に飯盒のような形の物体が見えた。
本能と訓練された神経の両方が警告を放つ。
とっさに再び手近なドアに飛び込む。
炸裂音は私のリボルバーとどっちが大きかっただろう?
無数の鉄球が廊下に飛び散った。
一個一個がそれぞれ肉を引き裂き、骨を砕く。
廊下の人々はどうなっただろうか?
すぐに確認したい気持ちをこらえ、再び気配を探る。
ここで頭を吹っ飛ばされる訳にはいかないのだ。
廊下には苦しみと怨嗟と…悲鳴が満ちていた。
闇を見通せなければ見なくてすんだのに。
ふと手元を見ると、子猫のぬいぐるみが転がっている。
―――そのぬいぐるみには、小さな手首がくっついていた。
ギリギリと歯噛みする。
だが
何より哀しいのは
そんな光景に心を踊らせる私が、私の心のどこかにいる事だった。
遮蔽物に身を隠したまま狙いもつけずに発砲。
その後、一気に間合いを詰める。
これ以上は…させない!
バーンvsジャッジ・デス
>82
バーンの拳は、怪人物の胸にめり込んだ。
骨の折れる鈍い音が響き、男は部屋の反対側にまで吹き飛ばされる。
「すゥべての命はァァ、罪悪なりィィィ!生あるゥところォォ、これを滅ぼォォすがァ我が使命ィィィ!」
男は跳ね起きると、再びバーンに掴みかかろうとする。
「我ァァが名はァジャァァァッジ・デェェス!おォ前の罪もッ、裁いてやるゥゥゥ!」
>86 炎の闘争〜バーン対ジャッジ・デス
殴り飛ばし、壁にたたきつけたにもかかわらず、奴―ジャッジ・デス―葉飛び掛ってくる…。
「うっとおしいんだよ!!」
すぐさま、右手に炎気を集約し、火の玉<スピットファイア>を奴めがけて放つ!
そして、すぐさま連続のまわし蹴り!
「おおおおおっ!猛虎散弾脚ゥッ!!」とか適当な掛け声と共に。
>81
【二人の絆】 VSアセルス
僕は、呆然としたロゼットを押し倒しながら叫ぶ。
「目を覚ませッ、ロゼット!! 君は・・・何のために命を削ってまで・・・
今までの努力を無駄にするのか!? こんなことでヨシュアを諦めるのか?!」
「・・・クロノ・・・?
努力? いままでの・・・? そりゃ、無駄になんかしたくないわよ・・・
文字通り命を賭けたんだから・・・
・・・この人と行ってはだめ・・・でも・・・」
ロゼットの胸に下がった懐中時計の文字盤が淡く輝く。
そう・・・繋がってる。僕等は。
その場で勝手に作りかえられたまやかしの『絆』。
そんな物に負けてしまうほど、僕らの『絆』は弱くなんかないッ!!
「もう少しだ・・・もう少し・・・・・ッ!」
その時。
背後で、何かが振り上げられる感覚。
しま・・・・・・ッ!!
ヤツが何もせずにいるはずもない!
ヤツが手にした剣を僕の首めがけて振り下ろす。
ここまで・・・・か?!
僕が覚悟を決めた瞬間。
『たぁん!』
響く銃声。飛んでいく剣。
「クロノは・・・殺させない・・・。私の大切な・・・・大切な・・・・・。
パートナーなんだから・・・今までもこれからも・・・・・・。」
ロゼットが、僕を突き飛ばし彼女へと銃口を向ける。
魅了が解けた?・・・・・いや、そうではない。
一瞬正気に戻っただけのようだ。
その証拠に、彼女はまたふらふらとヤツの元へ向かおうとしている。
させない!!
「戻ってくるんだ!!ロゼット!!
僕等の誓いを、僕らの願いを無駄にしていいのかッ!?」
>84
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
……何だ、ガッカリだな。
まるで動きがデタラメじゃないか。
「……ふぅ。所詮は、こんな物か。」
振り下ろされた鉤爪を手の甲であっさりと払いのける。
空中でバランスを崩された彼は全くの無防備。
仮面に覆われて見えない素顔が、笑顔で歪む。
がら空きの腹部に目掛けて―――貫手を放つ。
蠢く内臓の感触と、痛みの絶叫。
寒気が全身を駆け上がっていくような感覚を覚える。
いいな、ゾクゾクする。
「フンッ!!」
腕を突き刺したまま地面に頭を叩きつけ、腕を引き抜く。
ぽっかりと開いた穴から血が溢れ出してくる。
何故だか可笑しくて、笑いが込み上げる。
「クククク……アハハハハハハハハハハハ!!」
彼の苦しむ様子を見て、記憶を反芻する。
ああ、面白い奴だったな。でももう終わりだ。
このまま、死になよ。
>356は誤爆です。申し訳ありません。
>85 『ラルヴァvsカミーラ』
どうやら敵を傷つけることには失敗したようだ。火薬の匂いが消えた後に
カミーラの知覚に捉えられたのは、血の匂いとうめき声、彼女は自嘲気味に
笑った。廊下にでていた愚か者たちが爆発に巻き込まれ、死への坂道を
転がり落ちているらしい。
人間を何人巻き込もうが、敵を傷つけられないのではなんの意味もない。
とんだ無駄足を踏んでしまった。
カミーラは泣き叫ぶ子供の声に向かって銃弾を送り込む。ああ騒がれていては
敵の気配を感じとることができない。三点射を2回送り込むと、子供の叫び声は
聞こえなくなった。
敵の気配を感じた。銃を乱射しながら突っ込んでくる。カミーラはグリップに
付けられたレバーを操作して銃をフルオートにする。そして、廊下の向こうから
やってくる標的に向かって引き金を引いた。
(>90も誤爆です。どうも調子がよろしくありませんわ)
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>89
俺の鉤爪は見事にあしらわれ、逆に腹を突き破られる。熱い鉄錆の味が口腔を満たし、焼けつく
痛み、いやそんなものじゃないほどのものが全身を襲う。
どうやらそのまま叩きつけられたらしいが、そんなこともわからないほどだ。
…ああ、強い。エルロードよりも、ずっと。
俺はこのまま死ぬのか。朦朧とする意識の中、今まで会った人たちの顔が脳裏をよぎる。
風谷真魚。
真島。
木野。
そして、津上。
そうか、俺は―――何度も立ち上がってきたじゃないか。
不思議と静かな気持ちだった。しかし、力がみなぎってくる。
胸の外殻が裂け、金色に光る石がせり出す。一度は短く縮んだ角が伸びて行く。
貫かれた腹が巻き戻すかのように塞がっていき、背中から触腕が、肩から、肘からは鋭い爪が。
「……俺は……不死身だ!!」
俺は立ち上がり、空中高く跳ぶ。ジャンプの軌道を背中からの触腕・ギルススティンガーで制動し
変則の軌道からの飛び足刀を叩き込んだ。そしてそのまま蹴りのラッシュ、さらに逆袈裟に鉤爪、
エクシードクロウで斬り伏せる。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ、ガァァアアアアアアアアッ!!」
この雄叫びは反撃の狼煙だ。覚えていろ!!
バーンvsジャッジ・デス
>87
バーンの手から放たれた炎は、ジャッジ・デスの上半身を包み込んだ。
「なァァァんだとォォ!?」
突然の事態に怯んだデスの体に、次々と蹴りが叩き込まれる。
しかし、何発目かの蹴りの後に、バーンの蹴り脚は万力のような力で掴まれた。
「お、お前ェェ、普ゥ通のォォ人間でェはないなァァ?」
焼けただれたジャンパーを纏ったジャッジ・デスは、片手でバーンの脚を掴み逆さ吊りの姿勢に持ち上げる。
「だァァが構わァァァないぞォ、人種差ァ別はしィィないィ!死は万人にィ平等なりィィ!」
もう一方の腕を、バーンの腹めがけて突き出そうとする。
人間を易々と貫く、死の一撃だ。
>93 対ジャッジ・デス
「何ぃ!!」
連続蹴りのモーションを断ち切られ、俺は逆さ宙吊りにされる。
『だァァが構わァァァないぞォ、人種差ァ別はしィィないィ!死は万人にィ平等なりィィ!』
奴の狂喜の声が俺のココロを滾らせた。
「だったら………今まで殺した人たちの、苦痛を教えてやるぜ!!」
鋭い貫き手。しかし、その一撃は死をもたらさなかった。
バリアガード。PSYエネルギーを集約し、無敵の壁を成す。
壁に阻まれたのを見てから俺は再び炎を纏う。
「バァァァァニング・トレイルッ!!」
本来は、炎の猛禽を纏い、相手に突撃する技だがこう言う使い方もある!
床を突き破り、下の階に降り立った時、奴の手は俺の足首から離れていた。
>92
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
「ク……クク……」
連撃を受けながらも、思わず笑いが漏れる。
どういう事か彼の傷は塞がり、力も増している。
面白い。なんて面白い奴なんだ。
斬られた傷の痛みが、喜びに置き換わる。
『ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ、ガァァアアアアアアアアッ!!』
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
笑い声と咆哮の二重奏が響き渡る。
お互いに、防御する事すら忘れてただただ攻撃を繰り出す。
拳。鉤爪。蹴り。肘。手刀。
乱打の合間を縫って、顎を目掛けて肘打ちを繰り出す!
バーンvsジャッジ・デス
>94
炎の猛禽と化して床を突き破ったバーンは、ジャッジ・デスの手を逃れて下の階へと降り立った。
「炎のォォ男よォ!逃ィィげてもォ無ゥゥ意味だァァァ!正義ィの鉄槌からはァァァ、逃れられぬゥぞォ!」
ジャッジ・デスは狂気に満ちた声で叫ぶと、床に開いた穴から飛び降りた。
自らの不死の肉体に絶対の自信を持っているため、躊躇も警戒もない。
彼の思考は、ただ生者を追い詰めて殺すことだけが占めていた。
>96 ジャッジ・デス
奴が俺を追いかけて天井から降りてきた。
しかい、こちらはすでに間合いを取り、炎気を高めている!
「食らえぇ!ィエクスプロォォダァァァァァッ!!」
<エクスプローダー>。連続して炎を広域に渡って放つ技。
これなら奴とて、逃げる術はない――――――!!
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>95
俺たちは、ただ目の前にいる奴を叩き潰す、というためだけに殴り続けていた。
ごつごつという硬い皮膚同士のぶつかり合う音だけが、すっかり静まりかえった廃墟の街に響く。
奴の鋭い肘が俺の顎を捉えた。脳が揺れ、飛びかけた意識のままその肘に牙を突き立てる。
「ハハハハハハハハ、いい、いいよそれ!」
哄笑する奴を、首と全身の力で捻じ伏せ地面に叩きつける。食いちぎった肘の刃を咥えたまま、
背中の触腕含めた4本の腕が奴を殴り続ける。
しかし、ひるむことなく立ち上がると、奴は本当に楽しそうに飛びかかり、俺を殴り倒す。
咥えた奴の破片を吐き出し、地面に転がる俺を奴は踏みつける。何度も、何度も。
「ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウッ!!」
苦痛の叫びを上げながら、俺は弾かれたバネのように跳ね起きて奴の腹に回し蹴りを決める。
反動で後ずさりながらも、奴は俺を見ている。俺も奴から目を離さない。
――緑と白の異形の化け物が、吹きすさぶ風の中睨み合った。
バーンvsジャッジ・デス
>97
バーンの後を追ったジャッジ・デスが床に着地するや否や、部屋じゅうを覆い尽くす炎の塊が彼に襲いかかった。
「ぐおォォォォッ!」
炎はジャッジ・デスの四肢を、胴体を、頭を焼き焦がしていく。
人間ならば、即死は免れない高熱だ。
しかし、ジャッジ・デスは人間ではなかった。
「法はッ!正義はッ!滅びぬゥゥゥ!」
炎の壁を突き破って、ジャッジ・デスが姿を現した。
全身が燃え上がっているが、その動きはまったく鈍っていない。
一気に間合いを詰めると、並外れた威力の蹴りをバーンの腹に叩き込む。
吹き飛ばされて仰向けに倒れたバーンに、燃え上がるデスはゆっくりと近づいていく。
「お前はァァァ、有罪!」
炎に包まれた腕を振り挙げる。
「罪状はァァァ、生存!」
ナイフのように鋭い爪が光った。
「判決はァァァ、死刑ィィィィ!」
>99 ジャッジ・デス
「やったか………?」
爆炎をかい潜り、奴が姿を現わす。
あちこちが焼け爛れ、常人だったら死んでいてもおかしくない。
『法はッ!正義はッ!滅びぬゥゥゥ!』
あっという間に間合いを詰められ、蹴りが腹に突き刺さる。
「がぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
強かに打ち付けられ、胃液が逆流する。
呼吸もままならない…。―――奴が近づいてくる。
『お前はァァァ、有罪!』
『罪状はァァァ、生存!』
『判決はァァァ、死刑ィィィィ!』
その鋭い爪を振り上げ、無情な宣告を実行しようとした、その時!
先ほどの<エクスプローダー>、そして<バーニングトレイル>の影響で
穴の開いた天井が崩れ落ちた。
(まさに天の助け、だな………だが、生半かな攻撃は奴には通じない!)
苦痛に耐えながらも俺の頭の中は勝利へのベクトルを計算していた。
(――――――最大級の攻撃を、連続で、反撃させる暇もなく、蹂躙する!!)
それが、俺の出した答えだった。
>98
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
「ク、フフフフ……。」
全身にくまなく行き渡る痛み。
それがまるで体が燃えているかのように錯覚させる。
肘から滴り落ちる血が、やけにハッキリと感じられる。
熱いようでいて―――寒い。
そんな妙な感覚。
地面を蹴ったのはどちらが先だっただろうか?
再び、示し合わせたかのようなタイミングで交錯する。
薙ぎ払うように振るった腕を、彼が鉤爪で引き裂きながら受け止める。
彼の振るう鋭利な鉤爪は、僕が蹴りで腕ごと跳ね上げる。
防御すらも互いを傷つけるために行う。
そんな楽しい、楽しい、戦いが続く。
陽炎がゆらめき、風が吹き荒れる。
ここにいるのは、命を削り合う異形と、死人のみ。
なんて、僕達に相応しい場所なんだろう。
初めまして。
玄霧皐月(くろきりさつき)と言います。
私はここのみなさんに近寄ればたやすく組み伏せられしまうでしょう。
だから命のやりとりはしません。
私はただ、忘却の収拾と皆の願いを叶える為に来たのですから……
出典 :空の境界
名前 :玄霧皐月(本名 ゴドーワード・メイデイ 俗称『偽神の書』)
年齢 :20代前半
性別 :男性
職業 :礼園学園英語教師(正体は封印指定を受けた魔術師であり、『統一言語師』)
趣味 :忘却の採集
恋人の有無 :想いを寄せてくれる人はいるようですが……
好きな異性のタイプ :わかりません
好きな食べ物 :わかりません
最近気になること :わかりません
一番苦手なもの :わかりません
得意な技 :統一言語の行使
一番の決めゼリフ :人には忘れ去っていい記憶なんかない。人格が切り捨てた記憶を、その個人自体は捨てたくない。
だから君達の願いは、いつだって忘却の録音なんだ。
将来の夢 :永遠への回帰でしょうか、一応は……
ここの住人として一言 :私は誰も傷つけることは出来ません。
ここの仲間たちに一言 :何か願うなら、私はそれを叶えないといけませんね。
ここの名無しに一言 :よろしく、お願いします。
量産型セリオ(リオ戦闘特化型) vs HMX−13serio(試作型セリオ)
>71
まだ立ち上がる姉に向かい、リオは再び駆け寄る。
最愛の姉を敵として破壊するために。
破壊?
本当に破壊する気が有るのだろうか?
彼女は、リオは何の為に戦っているのだ?
機械の為?
ならば姉は機械ではないのか?
各部の異常を示すエラー表示に紅く染まった視界で、ぼんやりとリオは考える。
考えつつ姉に近づく。
各関節フレームは過度に使用されたリミッターカットの為に歪み、動くたびに不快な悲鳴を上げている。
近づきつつ、何故戦うかを分析する。
長時間の戦闘により熱の溜まったアクチュエーターからは、絶えず白煙が立ち上っている。
分析しても、答えは見つからない。
割れ残った大ガラスの破片を砕き、踏み越えてコンビニ内に侵入。
そこで、リオは答えの欠片を見つけた。
「コレだったらマスターの方が数倍強いわ……」
ピクリ、とリオの身体が震えた。
何故かは分からない。
分からないが――――
分からないが、気が付けばリオはセリオの顔を鷲掴みにしていた。
散乱する雑誌を踏み越え、菓子の陳列棚に姉を叩きつけ、姉ごと貫き、散乱した菓子の袋を踏み越え
再び、今度はカップ麺が納められた棚へ・・・
そして、全ての棚を姉の後頭部で打ち砕いた先には、缶ジュースが並べられたガラス扉。
何度も何度もセリオをそこに叩き付ける。
扉が割れれ、中のトレーから大量の缶ジュースがこぼれていた。
しかし、それでもリオは止まらない。
限界を超えて高出力を出し続け、身体中から白煙をあげながらも。
何度も何度も姉を叩き付ける。
その度に缶ジュースが崩れて床に散らばって
トレーは壊れ、もうすぐ陳列用冷蔵庫の後ろまで突き抜けそうだ。
それえでも何度も何度も、何度も何度も・・・・・
理由も理解出来ないまま、何度も何度も、何度も何度も・・・・
姉を叩きつけていた。
量産型セリオ(リオ戦闘特化型) vs HMX−13serio(試作型セリオ)
>71 >103
生命の全て立ち去った街。戦場と化した街にそびえる、ひときわ高い煙突の頂点に、彼はいた。
口元を紅いマフラーで覆い、左の胸に『飛』の血文字が刻まれた黒装束を身に着けた男。
特A級ストライダー、飛竜。それが彼の名。
彼にはこの戦いの行く末を見届ける権利がある。
リオの感情を断ち切り、闘争者としたのは彼だ。
故に、見届けなければならない。
人の身でありながら戦闘機械として生きる彼は、ただ、静かに観測する。
(観戦)
エリvsマッカーチス
『another mission』
>54
エリがメタルスラッグの車内に飛び込んだ直後、マッカーチスの尻尾から放たれた光弾のひとつがメタルスラッグに命中した。
しかし、メタルスラッグの装甲には一つの傷もない。
乗車直後には、無敵時間が存在するためだ。
メタルスラッグは一瞬のうちに起動し、その小さくも力に満ちた車体を震わせる。
銀色の戦車と紫色のザリガニ形ロボット、二体の鋼鉄の怪物の闘いが始まった。
ヴァンパイアハンターどしろうとVSティナ=ハーヴェル
1 始まり
どし「君は?」
ティナ「ティナ=ハーヴェルです。」
どし「へえ、ん?その牙は。」
ティナ[ばれたわ、く、こうなりゃ。」
どし「手加減するぜ、お嬢さん。」
つづく。
>76 ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン 『ボーイ・ミーツ・ガール?』
「それは・・・・こっちの台詞よッッッッ!!」
問答無用で蹴り飛ばされる、俺。
一応・・・だけど守ったのに、感謝の言葉も無しですかっ!
ドチクショウ・・・なんつー可愛げの無い女だ! 地面を転がりながら、内心毒づく。
ま、まぁ。手に残る柔らかだった感覚とかは別の話ってコトで・・・・・・・・・
涙を散らしながら、地に突っ伏した俺。
そこへ起きろ、起きろとという言葉と共に「呪弾」が撃ち込まれた!
「のわぁああっ!!」
死角からの攻撃だったが、とっさに飛び跳ねて、避ける。
こ、こいつ、さっきから攻撃に迷いがない。無さ過ぎる――!
殺す気や・・・本気で俺を殺す気や!
「死ぬんや、もうあかんっ! 死ぬ前にスキまなく美女で埋め尽くされたプ―ルに飛び込んで、
もみくちゃにされてみたかった――――っ!」
錯乱する俺を後目に、G.G.スレイマンがなんか言って小さな玉を放り投げてきた。
ぽん、と手から零れたそれは、どういうワケか俺じゃなくてあの女の子へ向かう。
一見、卵のような・・・牧歌的な見た目とは裏腹に、俺はそいつに凄まじい威圧感を感じた。
そこから微かにしみ出す”言霊”は、ひたすらに死を唄い続けている。
ここにいるシスター全部を殺しても、まだ足りないほどの死を・・・・・・・
――――膝が笑い出した。
――――背筋が硬直して、動くのを必至に拒否した。
――――ヤバイヤバイヤバイ、脳髄を叩く警報が足を地面に縛り付けた。
卵が少女に飛来する。
「はい?」
でも、彼女は気付かない。あれの内包する死と絶望に。
「あれは・・・ッ!!」
少年は身を強ばらせる。ダメだ、それじゃダメだ! 今すぐ逃げろ!
もうじき、あれは弾けて爆ぜる。そうしたらシスターたちは、彼女は・・・
「チクショウ・・・、チクショウチクショウチクショ――――――――――ッ!」
渾身の力で右足を鎖から解き放つ。一歩踏み出すと、合わせて左足も。
重い鉛のような空気を切り分けながら、俺は蹌踉めきつつも走った。
走りながら霊力を練り上げ、右手に輝く力を宿し、「ハンズ・オブ・グローリー」を生み出す。
「ちょ、ちょっと!」
「ちっと黙ってろっ!」
足がもつれてシスターの肩に手が行った。体はまだ緊張と恐怖に駆られて酷く重かったが、
手を伝わる温もりが、鼻腔をくすぐる甘い息が、ちっとは俺に踏ん張る気力をくれた。
綺麗なお姉さんたちも、こんな可愛い娘も、死なせて堪るか。
やれるのが俺しかいないなら・・・やるしかねーじゃねーかよっ!
飛来した卵を俺の「栄光の手」が捉えた!
暴れ狂う死の呪文を霊力で押さえ込み、そのまま――――。
「ニヤニヤニヤニヤ笑いやがって――――――ちったぁ黙れ、クソ野郎ッ!!」
腹の底から声を張り上げつつ、俺はその卵をスレイマンに打ち返した。
俺の名は劉豪軍(リュウ・ホージュン)。人呼んで『鬼眼麗人』。
上海マフィア、『青雲幇』の副寨主……。カテゴリはDだろう。
己の脳と脊髄以外、全ての身体をサイボーグ化した者だ。
また、載天流にも通じてるところもある。
丹田から発せられる気を練り、体内に無限の宇宙を創造。
その力に底は無く、永遠の覚醒も適うであろう。
載天流剣法は28刀36剣、しめて64套路の刀剣いずれも対処できる。
得意武器など非ず。苦手の武器も非ず。全てに通じてこそが載天流。
好き好んで使う獲物と言ったら……この刺突剣(レイピア)だな。
参戦理由? ……“青雲幇副寨主”としては、この地は魅力的だ。
組織繁栄のためには、副寨主が危険を冒してでも出ることもあるさ。
長くなったな。以上だ。ちなみに下記の絵は俺の肖像画さ。
ttp://www.nitroplus.co.jp/pc/kikokugai/chara/Cyber_chara02.html 出典 :ニトロプラス作品『鬼哭街』
名前 :劉豪軍
年齢 :20代
性別 :男
職業 :上海犯罪結社青雲幇副寨主
趣味 :人形遊び
恋人の有無 :一生涯孤独だろうな
好きな異性のタイプ :……
好きな食べ物 :金を掛けた食い物
最近気になること :寨主の病状
一番苦手なもの :ある女の嘆く姿
得意な技 :サイバネ外家拳法と内家拳法の複合。その域を超えた神業。
一番の決めゼリフ :二言目には速さだの堅さだの……貴様等外家の連中ほどうしてそう単細胞なんだ?
将来の夢 :そんなものは無い
ここの住人として一言 :特に無し。
ここの仲間たちに一言 :仲間などいない。
ここの名無しに一言 :あんたもまた彼女への捧げ物だ。
桐原朝子VS南条圭 導入
――某日、聖エルミン学園。
保険医である吉野夏美が身内の不幸で数日学校を休むことになり、その間臨時の保険医が就任した。
桐原朝子というその臨時の保険医はなかなかの美人で、理由をでっち上げて保健室に入り浸ろうとする輩が出たりもした。
だが、そんな生徒にも分け隔てなく接する彼女はあっという間に校内では有名人になった。
一部では夏美先生よりも桐原先生を……等という声もあったようだがそれは関係ない。
数日後、学園を震撼させる事件が起こった。
とある生徒の惨殺体が校内で発見されたのだ。
四肢を刀剣類と思われる凶器でバラバラにされており、なおかつその状態で放置されていたらしい。
普通バラバラ殺人というのは、死体隠匿の為に行われるのが常だ。
それが放置されていたという事実がより事件を猟奇的に飾り立てていた。
そして、殺人鬼はそれだけでは満足しなかった。
連日のようにバラバラ死体で発見されるエルミンの生徒達。
時には校内で、時には繁華街で、更には自宅でまでも!
その凶行は留まることを知らないかのようにエスカレートしていった。
そんなこんなですっかり活気のなくなった、とある夕刻のエルミン校内。
南条圭は、私用で他の生徒よりも少し遅い時間まで残っていた。
すっかり夕暮れ色に染まった廊下を玄関目指して歩き続ける。
その途中、何処かから声が聞こえてきた。
距離が遠すぎてはっきりとは聞き取れないが、明らかに尋常ではない声音だ。
そちらへ向けて走って……そこで南条は見た。
赤い影が不良で知られる生徒へ剣を振るっているところを。
腕を斬り飛ばされて、恐慌状態に陥っている生徒を。
必死で命乞いをしているようだが、その口からは意味のある言葉を紡いでいない。
廊下にへたり込んで、涙と鼻水とヨダレと尿を垂れ流しながら何事かを喚いていた。
それに全く頓着している様子のない赤い影は、無慈悲に剣を振り上げ、もう片方の腕へと振り下ろす――。
>109
桐原朝子VS南条圭
御影町全体を巻き込んだ、セベク社による異界化事件。
その一件から数ヶ月、南条圭は信頼できる友と共に、彼としては退屈
ではあったが、それなりに満ち足りた、安穏な日々を送っていた。
そんなある日、身内の不幸により数日学校を離れる吉野夏美に代わり、
臨時の保険医が聖エルミンにやって来た。
彼女は中々の美人と評判で、実際に、彼の周囲の友人は彼女の
ファンとなりつつあったようだ。
「しっかしあの先生、すげえキレイだよな。マーク?
俺なんか、もう五回も保健室行っちまったぜ?」
「お前も飽きねぇよなぁ、上杉。ま、まあ・・・確かに俺も見に行ったけどよ。
確かに、美人だったな・・・髪の色なんか、すっげえキレイな栗色でよー」
「……稲葉、お前、園村はどうした?」
「う、うるせー南条! お前の知ったことかよ!」
こんな馬鹿な会話も、交わしたことがあった。
だが、彼女の編入と同時期に、聖エルミンを大きく揺るがす事件が起こったのだった。
連続猟奇殺人事件である。
事件の現場はエルミンだけに留まらず、サンモールで、
神社で、果ては各々の自宅まででも、次々とエルミンの生徒だけを狙い、
犯行は続いた。
南条圭は、日々流れてくるニュース、噂を聞きながら、言い知れぬ不安
、のようなものに捕らわれていた。
この事件の裏には、かつて御影町を襲った怪事件と同じ、
何かの異様な「雰囲気」がある。
彼は、本能的な部分で、その「雰囲気」を感じ取っていた。
そしてある日。私用により、帰宅時間を少々遅らせていた。
「では、わたくしたちはこれで失礼させて頂きますわね」
「南条ー、噂の通り魔に気をつけなよー?」
「ま、南条のことだ。アタシたちが心配するまでもなく、そんな通り魔、
返り討ちにするだろうさ」
「そういう事ですわね。では、Good−bye、Mr.南条」
先刻交わされた、学友達の挨拶を反芻しながら、南条は教室を出た。
そして、巨大な夕日に紅く染められた廊下を、ゆっくりと歩く。
校内は通り魔事件の所為もあり、残っている生徒など彼自身の他には
殆どいない。不気味なほど静まり返っていた。
――しかし、その静寂は、突如破られる事となる。
>110 続き
桐原朝子VS南条圭
「ぎゃあああああぁぁぁぁあぁぁぁああっ!!」
突如、廊下に響き渡る、悲鳴。
声からして、男性のそれと知れる。
さらに、聞き取れない、言葉にすらなっていない声が、廊下の奥から
聞こえてきた。
「………これは!?」
南条は、何かに弾かれたように、一気に走り出す。
そこで見た光景は―――
異形の影が、剣を振り、男子生徒の腕を切り落としていた。
其処にいた生徒は、悪ぶった不良で知られる、金髪の男だった。
稲葉も、余り気に入っていない、素行が非常に悪い生徒だと、南条は記憶している。
「た、たたた、たすけたづけたづくぇたたすyけたぅかうえxくえけうたたたたたたたたた・・・・」
助けて、と言いたいらしいが、それは最早嬌声にしかならなかった。
あらゆる体液を垂れ流し、赤と黄色が混じった雫を垂らしながら、男は
廊下の端へと後ずさる。
それに対し、異形の赤い影は、もう一撃で、生徒のもう片方の腕を
切り落とすべく、剣を振り下ろさんとした。
「―――いかんな」
南条の行動は素早かった。すかさず手に持った、学生鞄にしては少々
大きすぎるバックを開き、一本の長い棒を取り出す。
それは、鞘に収められた刀のようだった。
南条は刀の柄に手を掛け、一気に引き抜くと、赤い影と生徒の
間に入るように、素早く突進した。
金属のぶつかり合う音が響き、火花が散った。
曇りの無い南条の刀の刀身が、夕日を受けて紅く輝く。
「名刀、雨の群雲――万が一のため、携帯していた甲斐があったな」
南条は、誰ともなく、呟く。
そして、背後の男子生徒に向けて、冷たく言い放った。
「貴様。死にたくなければ、さっさと逃げろ」
>110>111 桐原朝子VS南条圭
南条の言葉に、不良生徒はかろうじて悲鳴と判別できる叫びを上げながら床を転げるように逃げていった。
赤い剣士はそちらを追いかけようとする素振りを見せるが、南条の存在に思い留まったようだ。
突如の乱入にも、赤い影――上腕部と膝の下にそれぞれ二本ずつの緑のラインが入っている――は動じた様子はない。
僅かに後退し距離を取った後、まっすぐに胸へ突きを放ってくる。
ただ、殺すことのみに腐心しているかのような感情も何も伺えない攻撃。
それを剣一本で捌く南条の斜め後ろ。
少し頭上の空間に、テレビのノイズのような鉛色の光点が数十個走る。
テレビとの違いは、ノイズの走る方向が縦だということだ。
そのノイズは次第に形を整え、先頃からいる赤い剣士と寸分違わぬ姿へと変貌していった。
そして、目の前の剣士と切り結んでいる南条の背後から、肩口へと剣を振り下ろす――。
>112
桐原朝子VS南条圭
背後の生徒は、南条の言葉に答え――いや、単なる本能的行動だったの
かも知れないが、ともかく、立ち上がる事も忘れ、床を這いずりながらその
場を去っていく。
「さて。これが通り魔の正体か……」
言って、南条は、刀を持ったその通り魔の姿を、改めて凝視した。
見ると、赤い影は辛うじて人型を取っている程度で、その造詣は
拙いものだった。人間の顔に当たる部分には、僅かな凹凸があるのみで、
その表情も、感情も、掴み取る事は出来ない。
ただ人を殺すこと、それのみを目的として繰り出された突きを、
切り払って凌ぐ。
接近戦に置いては、恐らく分は向こうにある。
この状態が長引いては拙い――
思いながら南条は、二撃目が撃ち出されるよりも早く、真っ直ぐに
影に向けて剣を振り下ろさんと構えた。
だが、その時。
背後に現れた気配に、南条は一瞬後ろを振り返った。
奇妙な現象の後、現れる二体目の赤き影―
(新手か? ――拙い)
完全に実体化した影は、こちらに向けて剣を振り下ろしてくる。
最早、思案している場合ではなかった。
南条は、自らの深層意識に働きかけ、その中に眠っている
「もう一人の自分」を呼び起こす。彼が数ヶ月前の事件で得た、
大いなる力、精神の移し身―――
「ペル………ソナ」
瞬間、南条の背後が妖しく揺らめき、青白い影を生み出す。
それは瞬時に、蒼穹の鱗と赤い鰭、そして鹿の角を持つ、
日本や中国の神話に登場する、「竜」を形作っていた。
「行け、セイリュウ」
声なき咆哮を上げ、「セイリュウ」は背後の赤い影へと踊りかかった。
鋭い爪をもって、影を袈裟懸けに切り裂かんとする。
>113 桐原朝子VS南条圭
突如として現れた怪物の様なモノに、さしもの赤い剣士も僅かな逡巡を見せる。
少年の裡から現れた様にみえるそれは、背後の剣士に爪を振るった。
耳障りな音と、火花をまき散らしてエネルギー体の表面をひっかく。
見た目にダメージは感じられないが、形勢が拙いと踏んだのかいったん下がる。
そして地面へ着地し、地上から眼上の龍へと大上段から剣を振りかぶった。
一方、南条と相対している剣士も龍の方の援護に入ろうとするが、当の南条に阻まれて叶わない。
仕方なくと言った風情で、目前の南条に集中する事にしたようだ。
と、突然その姿が現れた時と同じようなノイズを発しながら消滅しだした。
消滅はほんの数秒で完了。
そして、南条の背後にまたも縦向きのノイズが出現した――。
こんばんわ。
この度は『痕』(きずあと)より参戦することになりました柏木千鶴といいます。
みなさん、どうぞ、よろしくお願いしますね。
(梓:(´-`).。oO(千鶴姉のこの笑顔に何人、犠牲になるんだか……))
ごめんなさい、ちょっと席を外しますね。
(梓:ひっ、ご、誤解だ、やめ……(謎の打撃音、次第に水っぽい音に……))
ああ、すいません、自己紹介の途中で……
下にテンプレートをあげておきました。
よければ、見てくださいね。
出典 :痕(きずあと)
名前 :柏木千鶴(かしわぎちづる)
年齢 :23才。まだまだ若いですよ。
性別 :女性
職業 :現柏木家当主であり、鶴来屋会長ですね。
趣味 :料理ですけど、何故か台所に梓が入れてくれないんです、ぐすん。
恋人の有無 :耕一さんという人がいます。
好きな異性のタイプ :優しくて包容力のある人、即ち、耕一さんです。きゃっ♪
好きな食べ物 :梓の料理は美味しいのですが……
最近気になること :梓の胸の成長とか、台所へいたる道のりとか……色々です。はあ……
一番苦手なもの :妹達の泣き顔です。もう、2度と辛い目には会わせません。
得意な技 :高速戦闘での爪での一撃。跳躍しての一撃、通称『飛翔』。あっ、料理も得意ですよ♪
一番の決めゼリフ :……あなたを殺します。
将来の夢 :もちろん、耕一さんと暖かい家庭を築くことです。
ここの住人として一言 :よろしくお願いしますね。
ここの仲間たちに一言 :お互いにがんばりましょうね。
ここの名無しに一言 :初心者ですけど、頑張りますから応援してくださいね。
>114
桐原朝子VS南条圭
目の前の赤い影の剣を打ち払いながら、南条は背後へと
気を巡らせた。
「セイリュウ」の爪は確実に陰の身体を抉る。
だが、それにより響いた音は肉を切り裂く音ではなく、
鋼を叩いたかのような硬い音であった。
殆どダメージは無かったようだが、少々体勢を崩した影は、
素早くその身体を真っ直ぐにすると、「セイリュウ」に向けて再び剣を
振りかぶった。
「物理攻撃は効果が薄い……か。俺の剣も同じ結果になりそうだな」
言って、目の前の影へと向き直る。
すると、その影は突然、現れた時と同様のノイズと共に消滅した。
「何?」
南条は、瞬時に考える。逃げた訳ではあるまい。
この方法をとって、やつが次に現れる場所は、恐らく自分に対する死角、
すなわち、
「後ろか。ワンパターンだな」
予測どおり、背後から出現した影の剣を、雨の叢雲で受けとめる。
「――セイリュウ。吹け」
その声に答え、セイリュウがその巨大な顎を大きく開ける。
向かい来る赤い影に真っ向から対抗する形で、
その口から、万物を凍てつかせる、極寒の息吹が放たれた。
>88 アセルスVSクロノ(&ロゼット・・・?)
クロノの首に向かって、剣を・・・!
“たぁん!”
瞬間―――銃声が響き、私の剣は銃弾によって弾かれていた。
目の前で、クロノを突き飛ばしたロゼットが銃を私に向けている。
「くっ・・・ふ、ふふ・・・ははははははは!」
剣を落とし、衝撃に痺れる手を抑えつつ・・・私は、笑った。
「はは・・・まさか、ここまで私の魅了に逆らうとはね・・・
大したものだよ、お前たちの“絆”は! 賞賛に値する!
・・・だが、ここまでだ」
私は、銃を向けるロゼットの目を見つめる。
途端に彼女の腕は下がり始め、私のほうへ歩み寄ってくる。
「ほら、こっちへ来てロゼット・・・そうしたら、クロノを殺さないでおいてあげるから・・・」
手を差し伸べ、優しく語り掛ける。
(そう、早くこちらへ・・・血を、吸ってあげるから・・・)
『戻ってくるんだ!!ロゼット!!
僕等の誓いを、僕らの願いを無駄にしていいのかッ!?』
クロノが、ロゼットを引き止める。
彼女の足が止まる。逡巡してるようだ。
忌々しい・・・彼女は、私のものなんだ・・・邪魔をするな・・・!
「ほら、ロゼット・・・」『ロゼット!!』
<トリップ判定:トリップ内の大文字の数で勝負>
>117
【二人の絆】 VSアセルス
『戻ってくるんだ!!ロゼット!!
僕等の誓いを、僕らの願いを無駄にしていいのかッ!?』
クロノの声が聞こえてくる。
『ほら、こっちへ来てロゼット・・・そうしたら、クロノを殺さないでおいてあげるから・・・』
彼女が、私に手を差し伸べる。
せめぎあう、私の心。
そうだ。私は・・・・ヨシュアを助けるために・・・・・。
もう・・・・疲れた・・・・休もうよ・・・・・。
その二つの私は、せめぎあい、ぶつかり合い、心をかき乱す。
く・・・・あ・・・・ぁぁ・・・・・。
『ほら、ロゼット・・・』
『ロゼット!!』
同時に私の耳に響く声。
その時、私の心の中で、ひとつの感情が完全に消え去った。
そして、私は・・・・・・。
>118 アセルスVSロゼット&クロノ
彼女の足が、再び動き始めた。
・・・私のほうへ。
「ふふ・・・そうだよ、君はこっちへ来るのが正しいんだ・・・」
私は彼女を迎え入れるべく、手を広げる。
そして、その首筋に・・・
“どんっ!”「!?」
突然、ロゼットが私を突き飛ばした。
そして、銃弾が私を襲った!
・・・ロゼットの銃から、硝煙が上がっていた。
胸に受けた傷から、蒼い血が流れる。
「・・・ふふっ」
その傷を押さえつつ、私は再び笑った。
「・・・そうか、そこまでの“絆”なのか・・・
いいだろう、ここは退いてあげる」
言いながら素早くロゼットに近づき―――再び唇を奪う。
ただし今度は魔力を込めてない、本当にただのキス。
「・・・次はその絆、必ず断ち切ってあげるからね。
あはははははは!」
唇を離し、驚いてるロゼットに向かってそう言い残し・・・
私は、その場から転移した。
>116 桐原朝子VS南条圭
龍が冷気を吐く。
それは今度こそ間違いなく赤い影を動揺させ、その存在へダメージを与えていた。
確かな形を保っていたはずの赤い剣士は、極寒の風の中でその形を映りの悪いテレビの様にかすれさせている。
その乱れは、冷気が止んだ後も決して止まらない。
出来の悪いテレビ映像のまま、赤い剣士は龍へと休まずに斬りかかる。
だが、その乱れは図らずも距離感を狂わせるかのような効果を生みだしている。
複雑な動きをしながら、壊れかけの剣士が龍へと変幻自在の軌道で斬撃を繰り出し続ける。
南条の背後から現れた赤い剣士は、しかし止められた事にも動揺せずに斬り下ろし、突き、斬り上げる。
それが南条の獲物とぶつかり合うたびに、耳障りな音と火花を散らす。
時には消え、現れを織り交ぜながら南条の隙を窺っているかのように浅い攻撃を繰り返し続ける。
南条の攻撃がつられて大振りになっていく。
その僅かな隙を突いて、赤い剣士は南条の獲物目掛けて打ち落としを放った。
体勢を崩す南条。
それを尻目に、赤い剣士はもう一体のいる方へと向かっていった。
一体を確実に潰す作戦に転じたようだ。
龍を挟み撃ちにする形で、赤い影が疾る。
>120
桐原朝子VS南条圭
「セイリュウ」の凍てつく息は、確実に赤い影を捕らえ、
その存在自体を揺るがせた。
だが、それでも影の動きは止まらなかった。
その形を不確かにしながらも、気にせずに斬撃を繰り出してきた。
身体をくねらせ、斬撃を回避しようとする「セイリュウ」。
だが、避け切れない剣の動きが、着実に「セイリュウ」を捉え始める。
その度に、南条に鈍い頭痛が走った。
「クッ………このままでは」
精神の移し身であるペルソナは、持ち主の心と繋がっている。
故に、ペルソナが傷つけば、それはそのまま持ち主の精神を蝕む事になるのだ。
その頭痛が南条の判断を鈍らせた。
目の前の剣士のミスリードにより、僅かな隙を作ってしまう。
それを見逃さず、目の前の影は、もう一体と共に「セイリュウ」へと
殺到した。このままペルソナを狙われ続ければ、
南条圭の精神は、崩壊する。
二体の影の剣が交差し、「セイリュウ」を貫いた。
同時に、南条のこめかみから勢い良く血が噴出する。
激痛に耐えながら、南条は叫ぶ。
「―――――地の烈風!!」
「セイリュウ」が天に向かい、声なき咆哮を上げる。
そして、蒼き竜の周囲で、猛烈な風の渦が巻き起こった。
既に凶器も同然の、凄まじい勢いの風圧に、二体の影は
成す術もなく吹き飛ばされ、遥か廊下の向こう側に消えた。
「迂闊な……俺としたことが」
未だ鈍痛を響かせ続ける額を抑え、ふらつく足元を御しながら、
南条は唸いた。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
〜邂逅〜
――剣の道 まさに 修羅の道なり
屍を築き 血河を流し
生き延びる事こそ 無敵なり――
覚えているのは、自分の名前。――緋雨閑丸。
他に覚えている事。弧を描く鈍い光、朱色に染まる視界、そして…夢幻の技を使う『鬼』。
夢の中にも現れる『鬼』の織り成す惨劇を、ぼくは恐ろしいと思うと同時に、強く惹かれている。
あの『鬼』に出会えば…そんな光景に心を惹かれるぼくは一体何者なのか、知る事が出来るんじゃないだろうか。ぼくの記憶は蘇るんじゃないだろうか。
そう信じて、ぼくは幽かな記憶を頼りに『鬼』を探して旅をしている。
*
「――はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
また、人を斬ってしまった。
名前も知らない盗賊の人達。幸か不幸か、まだ息はある。
「…御免なさい、もう行かなきゃ」
ぼくはそう言って、その場を足早に立ち去った。
盗賊の人達に襲われた竹薮の中を、ひたすら走る。
何の手当てもせずに置き去りにしたのは、心が痛む。けれど、ぼくは立ち止まっている訳には行かない。こうしている間に、『鬼』が何処かに行ってしまうかもしれないから。
街道まであと僅か、という所で、前方から歩いてくる剣士らしい女の人に気付いた。
返り血を浴びているかも知れないけれど、急いで走り抜ければ気付かれない…。
そう思いながら、ぼくは彼女の脇をすり抜けた。
彼女からは――――『鬼』の匂いがした。
『鬼』の匂いなんて、嗅いだ事はないけれど…ぼくの記憶の断片が、彼女が『鬼』である事を告げていた。
立ち止まり、振り返る。彼女も立ち止まって、ぼくを見ていた。
「――――貴女は、『鬼』なんですか…?」
見ず知らずの女性を『鬼』呼ばわりするのは少しだけ躊躇ったけれど、思い切ってそう言った。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>122
私は鬼。一度は人間の妻になったこともあるほど、人間のことが好きな鬼。
私は鬼。人に仇なす鬼を狩り続ける、同族殺しの鬼。
今日も、私は旅を続けている。人のいるところには、必ず鬼が現れるから。
いや、鬼を呼び寄せているのは、私自身なのかも知れない。
その日、私はある街道筋を歩いていた。
行き交う人も少ない、寂れた旧街道から、更に少し外れた古い道。
竹薮の間から漏れてくる柔らかい日の光が、春の終わりを告げている。
と、向こうの竹薮の中から、一人の少年が駆けてくるのに気が付いた。
体の割に大きな刀を背負い、雨も降っていないのに傘などを持っている。
まだ幼さを残したその顔には、しかし必死に何かを追いかけているような焦燥感が浮かんでいた。
少年が私の脇を駆け抜けようとしたとき。
その体から、そして彼の駆けてきた方から、血の臭いがした。
思わず振り返ると、少年は立ち止まり、こちらをじっと見つめている。
そして、こう言った。
「――――貴女は、『鬼』なんですか…?」
驚いた。この少年は、私の鬼気を感じたのだろうか?
よく見れば、彼からはわずかだが鬼気を感じる。
―――この少年、鬼の眷属か?
人の血に酔うようには見えないが、鬼の能力はは外見からは判断できない。
私自身が、そうであるように。
「もし、そうだと言ったら?」
油断なく身構えながら、そう訊いた。
>119
【二人の絆】 VSアセルス
私の足は、ゆっくりと『彼女』へと向かって歩みだしていた。
一歩、また一歩、彼女へと近づいていく。
悲痛な、クロノの叫び声。
『ふふ・・・そうだよ、君はこっちへ来るのが正しいんだ・・・』
手を広げて、彼女が私を招き入れる。
私は、潤んだ瞳で彼女を見つめ・・・・・・。
手にした銃のトリガーを引く!私の放った一発は、彼女の胸を貫いていた。
「悪いわね・・・・。やっぱり、私はあなたと一緒には行けない。
私だけ幸せになるんじゃだめ。ヨシュアもクロノも三人そろって幸せにならなきゃだめなのよ!」
私は、にっと口の端を上げる。
一瞬、憎憎しげな表情をしたあと、彼女はふっと微笑んだ。
『・・・ふふっ。・・・そうか、そこまでの“絆”なのか・・・いいだろう、ここは退いてあげる』
そういうと、彼女は私のもとに音もなく一瞬で近づいた!一体何をッ!?
「ロゼットッ!!」
クロノの慌てる声。私は銃を持った手を再び構えようとする。
だが、私が銃を構えるより早く――――――
「んむっ?!」
彼女は、再び私の口を自らの口でふさぐ。
私は、か〜〜〜〜っと顔が上気するのを感じた。
「な、な、な、な・・・・・・・。」
『・・・次はその絆、必ず断ち切ってあげるからね?あはははははは!』
唇を離した彼女は、そう私たちに告げると虚空へと消え去った。
「ロゼット?!平気?!」
「あ・・・・うん。」
私は、唇に指を這わせる。なんというか・・・・・その・・・・その感覚を思い出すように。
「『次は』・・・・・・、ね。」
「逃したか・・・・。これ以上は、私達の手に負えないね。上層部に任せる・・・・しかないか。」
私は、クロノの横顔をちら、と見る。さっきのキスの影響か、なんとなく気分が落ち着かない。
「??どうしたのさ?」
「・・・・・なんでもないわよ・・・・・。」
私は、ふいとあさってのほうを向く。背後に、クロノのいぶかしげな視線を感じながら。
「・・・・・ありがと。あんたがいなかったら、呑まれちゃってたかもしれない。」
「・・・・お褒めに預かり、光栄の極み。」
クロノはそう言って肩をすくめる。私の顔にも、思わず笑みが浮かんでいた。
〜〜〜〜〜END〜〜〜〜〜〜
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>123
彼女は言った。
『もし、そうだと言ったら?』
と。
竹を揺らす風が、少し強くなった。
「…もし、貴女が鬼なら…」
傍らの竹に傘――霧雨を立て掛け、両の手甲をたくし上げる。
「ぼくは――貴女を斬ります」
霧雨を手に取り、静かに告げた。
>121 桐原朝子VS南条圭
龍の咆哮、それと共に巻き起こる烈風。
風圧が剣士の力場をかき乱し、そのシルエットが激しくぶれ出す。
今まで南条と切り結んでいた方はともかく、一度冷気の餌食になっていた方は負荷が限界を超えたようだ。
影が、緑のラインのある上腕と膝の下の部分から四肢を四散させ、残った頭部と胴体も消滅した。
烈風が止んだ後には、赤い剣士は一体しか残っていない。
その事実に気付いた剣士は、取り乱すかのように南条とは逆方向へと走り出した。
今までの様に消えてしまえばいいモノをそうしないのは、今の攻撃で機能に支障を来したのか。
あるいは混乱でその方法を失念しているのか。
とにかく、剣士はただ廊下を逃走していく。
メレム・ソロモン VS 南武公&操
アンティークショップ「仮面屋」
私、操はここでマスター南武公様と、その小父様と暮らしている。
たまに武公様は、ここにご友人を連れてこられることもある。
「よ、いらっしゃい・・・きたねー店だけど、どーぞどーぞ」
今日は、友達のメレムを連れて、うちに帰ってきていた。
見た目は俺と大概かわらねーのに、いろいろなことに詳しいすごいヤツだ。
・・・!
この・・・気配は・・・
ひとしきりだべっていると、不意にメレムが口を開いた。
「確か、武公くんは、あの本を持っているんだよね」
・・・ぞくっとした。
何だろうこの感じ・・・第一あの本って・・・
「・・・マリオノール・ゴーレムを」
その言葉を聞くか聞かないかのうちに、武公様の前に飛び出す。
「このものは、どうやら・・・まともな素性のものではないようです。お気を付けください、武公様」
>127 メレム・ソロモン VS 南武公&操
死徒27祖第20位『王冠』メレム・ソロモン、欠けた四肢を自ら生み出した魔獣で補い自由に使役する
『悪魔使い』…それは最も古き死徒の一人である。
四桁の時を経た古き死徒である彼は、人であった時より動物と意識を通わせ、人の身勝手な願いを
カタチにする、という能力を持っていた。
それ故に両手両足を切断され、人ならざるモノとして祭壇に捧げられていた。
それ故に真祖に戯れで吸血され、人ならざる死徒として真祖の下僕の一人となった。
故に人の情を理解せず、人の理を持たず、超越種たる死徒の誇りを持たなかった。
「必要無いだろう?ボクは最初からこうだったのだから」
故に下僕を好まず、領土を望まず、死徒のゲームに無関心だった。
だが退屈は停滞を生む、停滞は死と同義である事には変わりなかった。
だから自分に無いモノを他者に望んだ、人が持つ不器用な感情を好んだ、
人が全てを賭けて生み出した作品を好んだ。
その理由はただ一つ…暇潰し。
それがコレと言う存在である。
ロゼット&クロノVSアセルス 【二人の絆】
レス番まとめ
前スレ分(512に途中経過まとめあり)
>475>483>487>495>497>506>510
今スレ分
>3>17>57>62>70>72>81>88>117>118>124
・・・そう、次こそは、きっと君を・・・
>128
究極の魔道書『マリオノール・ゴーレム』、その価値は究極の秘宝と呼んでいいだろう。
その所有者がこの子供?
ボクは目の前で無邪気に笑う、少年を見て不思議に思った。
強力な魔力の気配を感知して警戒しながら近づいた…だが何時の間にか相手は友達気取りだ。
面白くない、このまま支配するのは簡単だ…簡単過ぎる。
まあいいや、先ずは情報収集だ。
一寸した知識を披露するとあっさり乗ってきた、警戒心の欠片も無い。
つまらない、コレでは暇つぶしにならない。
最高の秘宝『マリオノール・ゴーレム』を手に入れるゲームとしてこの相手は簡単過ぎる、
秘宝は手に入れるまでの過程が面白いのに…コレでは興ざめだ。
何かイベントが欲しいな、コイツをどうすれば楽しくなるだろう?
ふむ、誰か関係者を巻き込めば面白いかな?
人間は大事な相手が危険に晒されると強くなる、それは経験上知っている。
何故かは実感できないけどね。
「君の家、『仮面屋』だっけ?色々あるんだろ、良かったら見せてよ♪」
「ん。小父さんの趣味なんだけど、みょーなもんばっかりだぜ、それでもいいか?」
「当然、妙なものほど面白いよ♪」
当然の様にボクを住処に連れていく、やっぱりコイツは素人だ。
駆け引きのない会話には意味が無い、詰まらないゲームに付き合わされるのは不幸だ。
用が済んだらさっさと殺すか…そう思っていた。
この人間の住処で守護者たる『人形』を見るまでは。
この『人形』は普通じゃない、これほどの人形はあの青崎橙子さえ創造可能だろうか?
「確か、武公くんは、あの本を持っているんだよね」
これは挑発、不意打ちでは面白くないしね♪
「・・・マリオノール・ゴーレムを」
さあゲームに付き合ってもらうよ、命懸けの暇潰しにね。
ボクは幸運だ、面白い玩具と最高の秘宝が目の前にある。
ボクが隠していた本性を開放すると、瞬時に人形が反応し主を守る為に飛び出してくる
「その通り♪、死徒をやってるんだ君が人形をやってるみたいにね」
その言葉で四肢の魔獣が動き出す、さあ楽しい暇つぶしになりそうだ。
さあゲームの始まりだ♪
ロゼット&クロノVSアセルス 【二人の絆】
レス番まとめ・・・修正
前スレ分(512に途中経過まとめあり)
>475>483>487>495>497>506>510
今スレ分
>3>17>57>62>70>72>81>88>117>118>119>124
・・・ダメかもしれない・・・
>128 メレム・ソロモン VS 南武公&操
武公を庇いながら、操がじり、じり、と距離を取る。
逃げるのだろうか。
否。
それは、間合いを取るため。
『我が前より、失せなさい!』
操の艶やかな黒髪が、あたかも意思あるもののようにざわめき、目の前の敵――メレム・ソロモン――を襲う。
絹よりも美しい、そして鋼線よりも丈夫なソレは、この速度を以てすれば鋼よりも鋭い刃と化す。
そして、その鋭さを生むには、この距離が必要・・・!
『レス番指定間違い・・・』
『>132の指定は>128ではなく、>130です』
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>101
奴の首を掻き切るための俺の爪は、拳で撥ね上げられる。骨の軋む嫌な音がする。
俺を薙ぎ払う奴の腕は、俺の爪が引き裂いた。硬い外皮を裂く嫌な感触がする。
もう辺りには誰もいない。俺と奴だけが、ただ殺し合っている。
くそっ、こんなのはもうまっぴらだ。
「クク、ウフフフフフフフ、楽しいなぁ!ねぇ?」
いくら殴っても、切り裂いても奴は楽しそうに立ち上がる。
こいつに底は無いのか…俺は正直、逃げ出したいぐらいの嫌悪感に駆られていた。
「ガァウ!ウウウウウゥゥゥゥゥゥッ!!」
背中から伸びる触腕が奴の両肩を捉え、強引に持ち上げる。そこにめがけて膝を突き出し叩きつけた。
いわゆるストマックブロック、胃袋破りだ。少しでもスタミナを削れれば、そう思った。
しかし、それは思いのほかの効果があったようだ。奴はベルトのあたりを押さえうずくまる。
…初めて見せた苦悶の様相。――底が、見えた!!
「ウォォォォォォォォ、ウアアアアアアッ!!」
俺は奴めがけ高々と跳躍、右足を振り上げる。踵からは鋭い刃が伸びる。
必殺のヒールクロウが、奴にとどめの一撃を叩き込まんとする――
>126
桐原朝子VS南条圭
それぞれ逆方向に吹き飛ばされた二体の影の内、一体は
既に姿が見えない。どうやら、先程の攻撃で倒せたようだ。
しかし、反対側の廊下で、立ち上がった人影がある。
零距離からの疾風魔法でも、一撃で影を滅ぼす事は不可能だったらしい。
影はふらふらと、廊下の奥へと走り出す。
どうも、逃げ出す算段らしい。
すかさず後を追おうとして、南条は足を止めた。
「妙だ。逃げるのであれば、何故先程の瞬間移動を使わない?」
それならば、今まで通り、奴らは足取りを消す事が出来る。
敢えてそれをしないのならば、考えられる事は一つ……
「罠、か」
目撃者である自分を、消すつもりなのだろうか。
だが、此処で奴を逃しては、これからも犠牲者は増え続ける事になろう。
だから、今は――
「フッ。罠に飛び込むのは、本来はあいつや稲葉の役目なんだがな」
皮肉な笑みを浮かべ、南条は影の後を追いかけた。
影は、既にそれほど素早い動きではなかった。
手傷を負った南条でも、容易に追いつける速度だったのは、
幸いと言うべきか、それともやはり罠なのか。
思慮しながら、影を追う。
やがて、影はとある一室に飛び込んでいった。そこは――
「保健室、だと?」
そう。学校の保健室に、影は扉を開けることなく、扉をすり抜けて
進入していったのだ。
「………まさか」
とある一つの考えを頭に浮かべながら、南条は勢い良く扉を開いた。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>125
強くなってきた風に乗って、少年の声が流れてくる。
「…もし、貴女が鬼なら…」
ぼくは──貴女を斬ります」
鬼ならば斬る、か。どこかで聞いたような台詞だ。
愛刀、大通連の柄に手をやりつつ、訊いた。
恐らくは無駄な問いだろうが。
「私が人として生きるコトを決めた鬼だ、と言っても?」
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>136
「――ぼくは、人に仇なす鬼を狩る者じゃない。ぼくは…自分が何者なのかを知りたい。ぼくの過去を、ぼく自身を取り戻すために、鬼を斬る。…それは、とても自分勝手な事かもしれないけれど…」
霧雨を低く構え、改めて彼女を見つめる。
人を愛し、人のために生きる、澄んだ眼。
でも、彼女は『鬼』。記憶の片隅に残るあの『鬼』じゃないけれど…『鬼』だ。
迷いを断ち切るために、出来る限りの鋭い視線を返す。
「――本気で、行くよ」
先手必勝、とばかりに彼女に向けて疾走し、大上段から霧雨を振り下ろす!
>132 メレム・ソロモン VS 南武公&操
目の前の人形の髪がボクの身体を切り刻む。
ボクの身体能力ではかわし切れない、イキナリやってくれるな。
引き裂かれた身体を見ながら不意に思う。
『直接傷つけられたのは、何百年ぶりだろう?』
自らの血に塗れ、激痛に耐えながら何故か顔には笑みが浮かんだ。
ゲームは簡単過ぎちゃダメだ、相手は強いほうがたのしい。
傷口が時間が巻き戻る様に復元する、復元回呪と呼ばれる死徒の能力の一つ、
人間にとって致命傷でもボクら死徒には効果は薄い。
動く気はない、必要無い。
ただボクは四肢の魔獣を動かすのみだ。
「やあ人形、いきなりだね先ず自己紹介といかないか?」
同時に右腕が透けていく、『神の蛇』と呼ばれる魔獣の発動の証拠である。
逃げた二人の背後に鋼鉄より硬い鱗を持つ巨大な蛇が浮かび上がる。
悪魔が召還される瞬間を見た事があるだろうか?
彼等も楽しんでくれると良いのだけどね♪
「それはボクの魔獣だよ、ボクはメレム・ソロモン見てのとおり悪魔使いだ」
同時に『神の蛇』がその巨躯を利用して二人を壁ごと外に吹き飛ばす。
ここは闘うには狭すぎる、やるなら外だ。
「それで終りなんて言わないでよ、まだ名前も聞いてないのだからね」
ボクは笑いながら、彼等を追って外に出ながら、防御の為に左腕の魔獣
『神の影』を不可視の状態で身体に纏わりつかせた。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>137
少年の言葉。自分を取り戻すために、鬼を斬る。
その言葉に嘘はない。そう思った。
なぜなら、そう語る少年の目には、鋭くはあっても、一片の曇りもなかったから。
少年が振り下ろしてきた傘を、横に動いて躱す。
刀を抜いて、横薙ぎに斬りつける。峰打ちだ。
できれば、殺したくない。
彼は、まだ戻れる。初めから戻る道などない、私と違って。
>135 桐原朝子VS南条圭
扉を開いた南条は、ある意味拍子抜けするほど普通の保健室。
そして、机に向かって何事か書類を片付けている桐原朝子。
「あら、あなた確か、南条くんだったかしら?」
今気付いたかという風に、椅子を回してそちらへと向き直る。
淡い栗色のショートカットに、卵色のサマーセーターとグレーのスカート。
その上から白衣を羽織っている。
胸元には、ちょっと変わった意匠の銀色のブローチをアクセントにしている。
なるほど、確かに噂に違わぬ美人である。
「それにしても……そんな物騒な物を持って、一体どうしたの?
あなたは確か優等生だって聞いてるんだけど、学内でそんな物を振り回す様な子だった?」
自然な口調で、南条に語りかける。
そこには緊張も何も感じられない。
今まで通り、学校中で噂になるのも頷ける自然な笑顔で南条に語りかけてくる。
>134
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
「グ、ゥ……!」
腹部に走る鈍い痛み。
―――マズイ。コノママデハ、アブナイ。
この殺し合いを楽しむ心とは何処か別の所から声が聞こえる。
それは命の危険を知らせる、本能の声。
これを好機とばかりに、彼は脳天に刃を叩き込もうとする。
「オ……オォォォァァァァァァッッ!!」
獣の本能の命ずるままに、咆哮を上げる。
そして、獣の如き跳躍力で彼よりも高く、跳び上がる。
「――――――!!」
もはや声にすらならない絶叫を上げながら彼の頭を鷲掴みにする。
その勢いのまま―――頭部を地表に叩き付ける。
頭の中で殺意がぐるぐると回る。
もうそれ以外何も考えられない。
さっきまで感じていた最高の歓喜すら消え失せていく。
「ボゾグ(殺す)、ボゾグ、ボゾグ、ボゾグ、ボゾグ……」
呟きながら、手に力を集中して発火の準備。
……消えて、無くなれ。
>140 桐原朝子VS南条圭
保険室内には、何の異常も感じられなかった。
そもそも数ヶ月前の一件以来、あまりこの部屋には足を運んでいない
のだが、その時と、部屋の内装は殆ど変わっていなかった。
振り向いた桐原朝子は、確かに美人だった、
そして、何事もなかったかのように、こちらに向けて語りかけてくる。
だが、南条は緊張を解こうとはしなかった。
連続殺人が始まったのは、彼女がこの学園にやってきてからである。
そしてその犯人と思しき影が、この保健室へと逃げ込んだ……
果たして、これを偶然と呼べるだろうか?
南条は硬い表情を崩さず、なるだけ無感情に話し掛けた。
「……先生。貴方は、この部屋に人のような物が入ってくるのを見なかったか?
俺は、それを追っている」
>138 メレム・ソロモン VS 南武公&操
・・・背後から、気配。
(しまった、召喚獣!?)
確認するが早いが、武公様を抱きかかえ、自分から飛ぶ。
しかし、そちらには壁が。
『はぁぁぁっ!!』
右手から放った鋼糸で壁に傷を付け、肩からぶち当たる。
鈍い衝撃と共に、壁が砕け飛ぶ。
そのまま、前転しながら受け身を取る。
素早く立ち上がり、構える。
「み、操さん・・・」
震える声で、武公様が私の名を呼ぶ。
その声に秘められているのは悲しみ? 怒り? それとも他の何か?
・・・わからない。
感情を持たない私には、わからない。
だから、きゅっと抱きしめた。
そう、私には、そうすることしか出来ない。
「操さん」
再び私を呼ぶ、武公様の声。
まだ、震えてはいたけれど、その声にはまごう事なき、意思が。
言葉に秘められた意味を察し、私は懐から一冊の本を取り出す。
芯に金属を仕込んだ表装と、鍵穴のない鍵で封じられた本。
そう、これこそが、魔道書マリオノール・ゴーレム。
マリオノール・ゴーレムを受け取り、武公様は朗々たる声で呪文を唱えあげる。
「無究光(エイン・ソフ・オール)照らせし 十の神性(セフィロト)
魔書(グラン・グリモール)を繰りて 四言神諱(テトラグラマトン)を駆動せしめよ!」
かざしたマリオノール・ゴーレムの鍵が、まるで分解するかのように消滅し、独りでに頁が繰られる。
そして私が、呪文を唱える。
『おお太陽よ! 真美(テイフエレト)は魂を監視する心臓なり!』
マリオノール・ゴーレムから、ハープを持った人形が現れ、矢を放つ。
放たれた矢は三本。
その狙いは、決して外れることはない!
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>139
振り下ろした霧雨が、地面を叩いた。
「うぁっ!」
体勢を立て直す間もなく、彼女の刀の峰で横合いから薙がれて、倒れこむ。
何故、彼女は峰で斬りつけたんだ? 立ち上がるぼくの脳裏に疑問が浮かんだ。
今の間合いだったら、刃で斬れば確実にぼくを仕留められた筈なのに。
――考えるのは、生き延びてから。今はただ、修羅になろう。
ぼくは霧雨を開き、そのままの状態で彼女に向けて投げつけた。
「いけぇ〜っ!」
開いた霧雨の縁が刃となって、彼女に襲いかかる!
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>144
少年の手から、掛け声と共に傘が飛ぶ。
開かれた状態のその縁は、鋭い刃になっている。
まともに当たれば、確かに鬼とて無事には済むまい。
だが、その軌道は単純、まっすぐ飛んでくるだけだ。見切るのは容易い。
身を屈めて躱すと、少年の首筋に刀の峰を振り下ろそうとする…!
豪軍、貴様がこの地にあるのなら俺もまたここの住人となろう
俺の名は孔濤羅(コン・タオロー)。仇名は「紫電掌」。
無惨に殺された妹、瑞麗の復讐のため剣鬼となった男だ。
同門であり、また妹の仇のひとりである豪軍と異なり
俺は全くの生身の人間に過ぎない。
だが内功により、その身体能力を極限にまで引き出すことができる。
武器はこの倭刀。日本刀という呼び方がここでは一般的のようだな。
無論他の武器術もこなすが、やはり剣がもっとも使いなれた武器だ。
カテゴリはDだ。
俺の外見を知りたければ下記のURLをクリックするがいい。
ttp://www.nitroplus.co.jp/pc/kikokugai/chara/Cyber_chara01.html 出典 :鬼哭街(ニトロプラス作品)
名前 :孔濤羅(コン・タオロー)
年齢 :推定20代
性別 :男性
職業 :凶手(暗殺者)
趣味 :かつては剣術の修行が趣味でもあったのだろう。
今はない。
恋人の有無 :いない。
好きな異性のタイプ :考えたことはない。凶手であった頃も、今も。
好きな食べ物 :特にこれといってないな。
最近気になること :妹の復讐
一番苦手なもの :過去の記憶。
今となっては思い出すのは辛いだけだ。
得意な技 :内家拳の一派、戴天流
一番の決めゼリフ :天意も知らぬ、神仏も知らぬ、我はこの一刀に賭ける修羅。
将来の夢 :人の道を外れた化生にそれを聞いてなんになる?
強いてあげるなら復讐の成就だな。
ここの住人として一言 :なにも言うことはない。
ここの仲間たちに一言 :義も、忠も捨てた男に仲間などいない。
ここの名無しに一言 :かける言葉などない。
俺は復讐を遂げるのみだ。
闘争中に邪魔をしたな。
>142 桐原朝子VS南条圭
「この部屋に? そう言えば……」
首を傾げながら、何事か考えている桐原朝子。
ふと、思い出したかのように白い仕切りの方を見ながら言った。
「そう、ついさっきそっちの方から物音がしたのよ。
あたしのいない間に、誰かがベッドを勝手に使ったのだと思って気に掛けてなかったんだけど。
もしかしたら、その追っている人がそちらに行った時の音だったかもしれないわね」
さも我が意を得たりといった感じで頷く。
「ところで、南条くん怪我してるじゃない? そっちも放っておくわけにはいかないわ。
ちょっとあたしに見せてみなさい」
流血しているのを見とがめたのか、そんな風に声を掛けてくる。
その気遣わしげな声は、生徒の身を案じる保険医そのものだ。
椅子を立ち上がって、南条の方へ歩み寄ろうとする。
>141
奴は、まるで鎖から解き放たれた野獣のように跳んだ。そして、必殺の一撃を放つべく無防備の
俺の頭を掴んで地面に叩きつけた。焼けたアスファルトに頭がめり込む。
「…グォォォゥ、ァァァァァァァ…」
割れるような痛み、意識が遠のく。
しかし、超感覚は奴の呟きをはっきり聞き取る。
「ボゾグ、ボゾグ、ボゾグ、ボゾグ、ボゾグ……」
意味不明だが、くっきりと殺意に彩られた言葉。瞬間、俺の中の何かが危険を囁く。
弾かれるように転がって奴から逃れた。その瞬間、俺の耳元に凄まじい熱波が発生した。
――奴の掌の周囲が、灼熱によって丸く溶けていた。
最初に辺り一面を焼き尽くしたあの炎だ。うかつだった。さっきまで全く使わなかったから
失念していた。これがあったのか!
しかし、奴にはすっかり余裕がなくなっている。…ベルト、そうだ、ベルトだ!
俺は意識を集中させ、右手の甲で鉤爪となっている部分を鞭へと変化させる。
これでどうだっ!その鞭は、再び奴のベルトに過たず命中、瞬間の隙が出来た。俺はそれを
利用して飛び起きる。
次の瞬間、凄まじい熱と痛みが右手を襲った。肩と肘から突き出した棘が瞬時に炭化したのだ。
緑色の外皮も熱変性で泡立ったように融けている。鞭、ギルスフィーラーが炭になり、崩れた。
『くそっ、何て野郎だ…』
>76>107
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン 『ボーイ・ミーツ・ガール?』
なんだか、光り輝く液体を迸らせながら、覗き間が吹っ飛んでゆく。
「ロゼット!!さっき、あの呪力塊から守ってくれてんだよ?!彼は!!」
「そ〜なの!?」
うそ、本当に?!
『のわぁぁぁぁ?!』
悲鳴に気付き顔を向けると、覗き魔は奴の攻撃そのことごとくを紙一重でかわしていく。
・・・・・すごいッ!!
『死ぬんや、もうあかんっ! 死ぬ前にスキまなく美女で埋め尽くされたプ―ルに飛び込んで、
もみくちゃにされてみたかった――――っ!』
・・・・・前言撤回。やっぱただの覗き魔ね。
『それと、そこのメスガキ!! 今は俺とヨコシマが遊んでんだ! テメェは邪魔すんな!』
「な・・・・・!?」
突然、ブラックロッドが私に向き直ると、何かを投げつける。それは・・・・『卵』?
「はい?」
「あれは?!」
呆然とする私。だが、クロノは違った。何かにあせっている。
「ロゼット!!あれに触れちゃ・・・・」
だが、その時にはもう卵は私の目の前まで迫っていた! 次の瞬間―――――
覗き魔が、いきなり私の肩をつかむ。その右手には、なにやら光が集まっている!!
「ちょ、ちょっと?!」
『ちっと黙ってろっ!』
そういうと、彼は飛んできた卵をはっしと掴み取る!
『ニヤニヤニヤニヤ笑いやがって――――――ちったぁ黙れ、クソ野郎ッ!!』
そう言うと、彼は卵を投げかえす―――――――
「ロゼット、今のうちだ!彼が引き止めてくれているうちに、みんなを!」
「・・・・そうだ、ね!」
私とクロノは倒れているみんなを診て回ることにした・・・・・・。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>145
投げつけた霧雨を、彼女は身を屈めて躱し、ぼくに向けて刀を振り下ろしてきた。
「そうは、させないっ!」
ぼくはとっさに背中の宝刀、『大祓禍神閑丸(おおはらえのまがかみしずまる)』を抜いて、彼女の刀を受け止める。
「…緋刀流霧雨刃・豪雨は…一度きりじゃない…二度斬りつけるんだ…」
鍔迫り合いの中、ぼくは彼女に告げた。
視界の端に、彼女の背中を切り裂かんとして戻ってくる霧雨を確認しながら。
>148
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
「ハ、ハハ―――ハハハハ。」
途切れ途切れに笑い声が出てくる。
壊れた楽器のように、ただ笑いだけを繰り返す。
「ハ。ハハ、ハ、ハハハ。」
ゆっくりと彼に向かって歩き出す。
気付かない内に、力が発現しているらしい。
何の指向性も持たない力が周りを焼き、溶かしてゆく。
炎と灰を巻き上げながら、進む。
もう、視界は、真っ白だ。
何の思考も浮かんでこない。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>150
私の振り下ろした刀を、少年は背中の宝刀を抜いて防ぐ。
と、鍔競り合いをしながら、少年が呟いた。
「…緋刀流霧雨刃・豪雨は…一度きりじゃない…二度斬りつけるんだ…」
「!?」
気付いて振り返った時には、傘が目前に迫っていた。
かろうじて直撃は避けたが、背中を浅く切り裂かれた。
「……っ!」
刀を持つ腕に力を込め、少年を弾き飛ばす。
姿勢を崩したところに、下からの撃ち上げ。それを躱しても、今度は上からの撃ち下ろしが彼を襲う!
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>151
凄まじい熱と炎の嵐。奴の周囲すべてが燃え盛っていく。―このままじゃ俺も消し炭にされてしまう。
俺は、触腕を高く上に撃ち上げると近くのビルの壁面にめり込ませ、そのまま縮めた反動を利用して
壁を蹴るように駆けながら奴の死角から近付く。視界に入ったらアウトだ!
奴の真上に来たところで、強く壁面を踏み切り、跳ぶ。
「ゥワァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアッ!!」
両足の踵から鋭い爪が伸びる。俺は、開いた両足に全てのエネルギーを込めて、全身を回転させて叩き
つける。傍目には両足での踵落とし、に見えるだろうか。二つの刃は、奴の左右の首筋に突き刺さる。
『……これはっ!!おまけだぁぁぁぁぁっ!!』
背中からの触腕の爪が奴の腹を抉る。さらに反動を利用して体を折り曲げ、残った左腕の爪を奴の顔面
に捻じ込むように、こじ入れるように突き立てた――。
>147
桐原朝子VS南条圭
彼女の話し振りからすると、あの影は、仕切りの向こうを駆け抜けて、
そのまま外に逃げたと言う事になる。
だが、南条の本能は、「彼女を信用するな」と告げている。
そして、桐原朝子は、心配しきった表情で、南条へと近づく。
どうする? もしも彼女が――であれば、今身を任せる訳には…
そう思案しているうち、彼女の手が、南条のこめかみの傷へと伸びる。
「……………触るな!」
南条は発作的に、彼女を突き飛ばしていた。
不意に湧き上がった激情と、怪我の具合によって、
その手には手加減が加えられていなかった。
桐原教諭はひどく押されて、ピンク色の木が植えられた鉢に
ぶつかり、落下させながら、窓側へと叩き付けられた。
植木鉢の砕ける音が響き、南条圭はようやく我に帰った。
「…………あ」
南条は、自分のらしくもない行動を、とてつもなく恥じた。
もし、彼女が本当に無関係だったら?
彼は、好意で怪我を見てくれる保険医を、激しく突き飛ばした事になる。
いずれは南条財閥の頂点に立ち、日本で「一番」を目指すはずの自分が。
こんな恩知らずな行為に走ってしまった。自責の念に駆られながら、
彼は保険医へと歩み寄る
「す、すまない、桐原先生。……大丈夫か?」
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>152
開いた霧雨の縁が、彼女の背中を斬り裂く。
彼女の背中から、紅の花弁が散った。
(浅い…!)
直感。その証拠に、彼女はぼくを弾き飛ばした。
「しまっ…!」
姿勢が崩れたところに、下からの打ち上げ。
「くぅっ!」
彼女の背中を斬り裂いた霧雨を受け止めつつ、かろうじて躱す。
しかし――
「ぅわぁうっ!」
返す刀の打ち下ろしをまともに食らってしまった。
「く、ぅぅっ…」
上段からの峰の打撃と、地面に打ち据えられた衝撃の両方に、思わずうめき声を漏らす。
まだだ。ぼくはまだ、修羅になりきれていない…。
痛みを堪えて、立ち上がる。
――――修羅になるんだ。
念じながら、彼女に鋭い視線を送る。
>153
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
「ガ・・・グァァァッ!!」
両肩に突き刺さる刃から迸るエネルギー。
腹を削り取るような蝕腕。
顔に突き刺さる鉤爪。
その全ての痛みを受け、思わず苦悶の声を上げる。
――――が、その後は何も感じなかった。
何も見えない。
何も聞こえない。
何も、感じない。
意識はほとんどない。
だけど、自分でも驚くほど素早く、滑らかに僕の腕は動いた。
両腕を上げ、その掌を彼の胸に押し当てる。
白い光が掌から溢れる――――
彼を飲み込み、焼き尽くす光が。
俺は、破壊エネルギーを搾り出すように送り出す――
(トリップ判定用)
>154 桐原朝子VS南条圭
壁に強く叩きつけられた桐原朝子は、それでも極力何事もなかったかのように立ち上がる。
それほど強く打ちつけたワケではないらしく、動作におかしなところは見受けられない。
手で服に付いた埃を払いながら、南条の方を向く。
「どうしたの? 何があったのかは知らないけど、今のあなたは随分気が立っているようね。
少し、ベッドで眠った方がいいんじゃないかしら?」
あくまでも同じ表情、同じ声で桐原朝子は南条に話しかける。
南条の肩から、エネルギー体の棒が――剣が生えていた。
背後に、いつの間にか赤い剣士が現れて、切っ先を南条へ振り下ろしたのだ。
朝子の方へと歩み寄っていなければ、刀身に腕が断ち切られていたかもしれない。
その様を見ても桐原朝子の表情は、声は変わらない。
掌の白い光が、解き放たれる。
(トリップ判定用)
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>155
私の撃ち下ろしが、少年を地に這わせる。
今なら、押さえられるかもしれない。一瞬、そう思った。
だが、立ち上がりながらこちらを見据える少年の目は、戦意を失っていない。
なお強い意志を込めて、私を見据えている。まるで、視線で私を殺そうとするかの如く。
迂闊には動けない。背中の痛みを無視し、少年の一挙一動に集中する。
>157 >159
ン・ダグバ・ゼバ VS 仮面ライダーギルス
(F>e、ギルスの勝利。)
「グ・・・ァ・・・ォォォォォォォ!!!!」
破壊エネルギーが体中を駆け巡る。
感覚が徐々に戻ってくる。
痛い。全身が引き裂かれるような痛みが走る。
死ぬ…死ぬのか、僕は。
激痛の後に訪れる凪のような静けさの中で―――
「ア、アハハハハハハ!!」
僕は、最後に一声、大きな笑い声を上げた。
未確認生命体第0号 対 仮面ライダーギルス
>161
奴の最後に放った熱波は、俺を焼き尽くすには至らなかった。
全身の外皮がぼこぼこに泡立ち、まともに立ち上がることもできない有様だが。
地面に投げ出された俺の視界の片隅で、奴は断末魔の哄笑を挙げていた。
ベルトがぱきんと音を立て割れ、全身の外皮が内側から膨れ上がるエネルギーで内側から裂け―
そして、未確認生命体第0号は、巨大な炎の柱と化していった。
………終わった……。
そう思いながら、俺は気を失った。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>160
身体中に、気が満ち溢れていく。
今なら…出来る。修練で一度も成功しなかった“禁じ手”が…今なら、成功させられる。
失敗した時の事は考えない。
ぼくは、修羅だ。だから…この一刃に全てを賭ける。
霧雨を広げ、身体の横を隠すようにしてから、回転させる。
「…緋刀流禁じ手…」
霧雨の回転を維持しながら、ぼくの限界を超えた速さで疾走し、彼女に突進する!
>158
桐原朝子VS南条圭
桐原朝子は、何事もなかったように立ち上がり、
変わらない口調と表情で、話しかけて来た。
だが、その瞳に宿る狂気の色を、南条は発見したのだった。
気付いて、振り向かんとした時には、既に遅かった。
南条の肩には、先程の赤い影の剣が、深く突き立っていた。
身を苛む激痛に顔を顰めながらも、残る理性で南条は声を出した。
「ペルソナ!!」
同時、青く揺らめく影が、瞬時に竜を形どった。
続けて、南条は叫ぶ。
「撃て! ザンマ!」
声に答え、「セイリュウ」の顎が、複雑な呪を瞬時に発する。
ほぼ密着した距離で、呪の効果が発揮され、
強烈な衝撃が膨れ上がった。
鈍い音と共に、影と南条は、衝撃に弄ばれるように宙を舞った。
その過程で、赤い影は、無残に砕けて消える。
一方南条は、辛うじて受け身を取って、体勢を崩しながらも
何とか倒れずには済んだ。
口の端から真っ赤な血が伝って落ちる。どうやら、内臓をやられたらしい。
先程南条が呼び出したペルソナも、既に消え去っている。
(セイリュウは限界か――まだ彼女には、手駒があるのか?)
考え、南条は桐原朝子の表情を垣間見た。
そこには、先程と全く変わらない、保険医の顔をした彼女の姿。
既に、彼女があの影、ましてやこの事件と密接に関わりがあるのは、
明白だった。ならば今は、あの影を操っていると思しき、彼女を
抑える事。
そう判断した南条は、刀を左手に持ち替え、一気に桐原朝子へと
肉薄した。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>163
少年の気が、膨れ上がる。
広げた傘を回転させながら、凄まじい速度で突進してきた。
あれが、彼の決め技に相違ない。
ならば、こちらも全力を以て応じるのみ。
正面から打ち負かし、負けを認めさせる。殺さずに済ませるには、それしかない!
一度刀を鞘に収め、居合いの構えを取ると、そのまま、少年に向かって走った。
抜刀の勢いに、突進の勢いを上乗せする!
>164 桐原朝子VS南条圭
龍が放つ衝撃波で、赤い剣士は激しくその姿をぶらせながら消え去った。
桐原朝子の表情は変わらない。
こちらへと向かってくる南条を見てすら。
剣を振り上げる南条。
それを受け止める青い影。
赤い剣士と同様の同様の姿形をしているが、しっかりと立体感を持ち、色は鮮やかなコバルトブルーだ。
同色の短いマントのようなものを肩から垂らしているのが一種の貫禄を感じさせる。
そして、腕と膝の下に黄色い輪が三本ずつ。
赤い剣士と違い、出現に予兆もタイムラグもなかった。
それが、南条の剣を受け止めている。
更に、受け止めたまま三本目の腕を胸から生やして斬りつけた。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>165
ぼくの真正面から、彼女が突進してきた。
その勢いは、ぼくの勢いに勝るとも劣らない。
それでも――ぼくは止まらない。
「…緋刀流禁じ手…暴雨――狂風斬っ!!」
ぼくの勢いと、彼女の勢いが。
ぼくの気と、彼女の気が。
ぼくの全てと、彼女の全てが。
激突する!
(次の鈴鹿御前のレスとのトリップ勝負)
>167
トリップミスです。
こちらのトリップで鈴鹿御前の次のレスとのトリップ勝負です。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>167
私に向かって、突進する少年。
少年に向かって、突進する私。
二つの影が、一つに重なる瞬間。
私の腰間から迸る刀と。
少年の手中で回転する傘が。
互いの全てを賭けた二つの武器が。
真っ正面から、ぶつかり合った!
(>168の緋雨閑丸のレスとの、トリップ勝負)
>162
エピローグ
火の勢いも収まり、街は死んだように静まり返る。
この街にもはや生きている者は存在しないのではないかと思わせるほどに。
そんな街を、黒い服に包まれた青年が歩いて行く。
その表情は、暗く、重い。
人の死を悼むような―――そんな物憂げな表情だ。
そして、彼は辿り着く。
死闘の行われた道へと。
そこに残るのは倒れている一人の男と、一握の灰のみ。
青年は男を見つめ、呟く。
「それでも、貴方は人を護り続けるというのか。」
・・・彼は、一体何者なのか。
彼は――――『神』と呼ばれる者。
かつて、人間を創り出した者。
彼とは別の者が人に与えた、人ならざるモノの力。
それを持つ人間は、同質の恐怖を目の前にしても人間を護り続けようとするのか。
答えを知るために、彼はその恐怖に仮初めの命を与え―――試した。
そして、答えは出た。
彼は薄く微笑むと、背景に溶けるように消える。
「また、見守るとしましょう。」
その言葉だけを残して。
>166
桐原朝子VS南条圭
朝子に振り下ろされるはずだった刀は、突如現れた
新手の影によって防がれた。
そのフォルムも色も、先程までの赤い影とは大きく違う。
そして影自身が発する、異様な気も。
(やはりまだ手駒があったか……拙いな)
更に、胸元から現れた三本目の腕が、南条の腹部を切り裂こうとする。
こちらに余力は余り残っていない。これ以上の攻撃を食らう事は、そのまま
死に直結する。
剣撃が腹部を薙ぐ数瞬前に、南条は刀を弾き、
大きく距離を離す。
そしてそのまま、保健室の出口へ向けて駆け出した。
相手に未だ余力がある以上、この場で戦いを長引かせるのは
得策ではない。
廊下に出た南条は、新たなペルソナにアクセスすべく、
自らの深層意識へと再び潜った。
そして、其の奥に存在する神々しい存在へと接触する。
「山岡……今一度、僕に力を貸してくれ」
ン・ダグバ・ゼバ 対 仮面ライダーギルス・レス番まとめ
>18 >19 >24 >52 >74 >79 >84 >89 >92 >95 >98 >101
>134 >141 >148 >151 >153 >156 >157 >159 >161 >162 >170
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>169
(S>rで、閑丸勝利)
二つの命がぶつかり合った、次の瞬間。
跳ね飛ばされたのは、私の刀の方だった。
少年の傘は私の身体を捉え、そのままの勢いで、二人は共に宙へと舞い上がる。
傘を収めた少年が着地したのと、私の身体が鮮血を散らせながら大の字に落下したのは、ほぼ同時だった。
(私は、彼を救えなかった……どうか、彼の行く手に救いがあらんことを…)
その思いを最後に、私の意識は闇に沈んだ。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>173
いつのまにか、雨が降り始めていた。
彼女は、地面に倒れたまま動かない。
彼女の口元に手をかざしてみる。幽かだけど、まだ息はしているようだ。
ぼくは彼女を背負い、街道筋へ向けて歩き出した。身長差があるから、足を引きずる形になってしまうけれど、それは仕方がない。
四半時ほど歩いたところにあったお茶屋さんに辿り着く頃には、ぼくと彼女の着物の返り血は、すっかり洗い流されていた。
出て来たお婆さんに嘘の事情を話して、彼女の手当てをしてもらった。
傷の手当てが終わり、眠っている彼女が目を覚ますのを、ぼくはそばに座って待った。
彼女なら、ぼくの記憶に残っている『鬼』の事を、知っているかもしれない。そう思ったからだ。
でも、それは建前で。
ぼくは真の修羅にはなれなかった。ただ、それだけだ。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
>174
目が覚めると、そこは街道筋の茶店だった。
傷の手当てがされていて、側にあの少年が座っている。
どうやら、気を失った私を、ここまで運んできてくれたらしい。
(私にとどめを刺さなかったのか。だったら…彼は戻れるかもしれないな)
そう思いながら身を起こそうとすると、傷が激しく痛んで、知らず呻き声が漏れた。
その声で、私が意識を取り戻したのに気がついたらしい。少年が、こちらを振り返った。
その瞳は相変わらず澄んでいて、先程まで命懸けの闘いをしていたとは、とても信じられないくらいだ。
その後、少年についての話を聞いた。
名前以外の記憶がほとんどないコト。その僅かな記憶の中の、夢幻の技を振るう『鬼』を探しているコト。
あの竹藪で、盗賊達に襲われていたというコトも聞いた。血の臭いがしていたのは、そのためだったのだ。
「誰の心の中にも、鬼は棲んでいる。それに負けたとき、人は鬼になる。
あなたが見たという『鬼』も、そんな人間なのかもしれない。
本当は、そんなものを追うのはやめろ、と言いたい。けれど、そう言ってもあなたは聞かないでしょうね。
だから、これだけは言っておくわ。自分の心の中の鬼に負けてはいけない。
もしあなたが鬼となったら…私はあなたを狩らないといけない。
それだけは、したくないから」
少年の心に、どれだけ届くのかは分からないが。
私に言えるのは、それだけだった。
旅立っていく少年を見送りながら、私は確信していた。
彼とは、いずれまた会うコトになるだろう。
それが、どういう形であろうと。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
〜終幕〜
>175
彼女――鈴鹿さんと別れてからも、ぼくは諸国を渡り歩いた。
様々な理由で『鬼』を追う剣士たちと出会い、死線を潜り抜けて行くうちに、ぼくが追っている『鬼』の正体が次第に見えてきた。
『鬼』の名は、『壬無月斬紅郎』。身の丈八尺を超える、無限一刀流の使い手。
そして、ぼくは辿り着いた。『鬼』――壬無月斬紅郎の元に。
「貴方が…『鬼』…」
思わず気圧されるほど、周囲に発散している鬼力。
でも…ここまで辿り着いたからには…負ける訳には行かない。霧雨を握る手に、力が篭る。
「――憐愍こそ愚弄。無心にて斬奸すべし――」
岩が…動いた。
「――本気で、行くよ…」
両の手甲をたくし上げ、霧雨を構える。
間近に落ちた稲妻が、ぼくの『鬼の舞』の開始を告げる合図となった――――。
鈴鹿御前 対 緋雨閑丸
『鬼の舞』
纏めです。
>122 >123 >125 >136 >137 >139 >144 >150 >152 >155 >160 >163
>165 >167 >169 >173 >174 >175 >176
鈴鹿さん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
風が吹きつけた――――――
時計塔の針は12時を指そうとしている。
月光が男の顔を照らし出した。
地上を疾走する獣人を見つけたその顔に笑みが浮かぶ。
整備用の小窓から長銃の銃口を大地に向けて突き出し、
男が出した偽手紙に踊らされた哀れな獲物を狙って――――
引き金を―――――――――
引いた。
・・・男が獣人に向かって送った手紙には、『汝の知人とともに時計塔で待つ』としか書かなかった。
それでも、獣人は来た。
魔物にも情はあったようだ。これから消える予定の情ではあるが。
獣人が誰のためにここに来たのかなどどうでもいい。
狩人の仕事はただ一つ、獲物を狩る事なのだから。
放たれた銀色の銃弾が大気を切り裂く。
獣人の肉体を打ち砕くために。
鐘が、鳴った。
Fight!
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
月が出ていた。禍々しいほどに朱い月が。
月光射す街を一人の男が失踪していた。
街に一角にある、時計塔へ向かって。
男が部屋に戻ったとき見つけた一通の手紙。
そこにはただ一言、
『汝の知人と共に時計塔にて待つ』
と書かれていた。
男の脳裏に浮かんだのは一人の少年の姿。
すぐさま男は部屋を飛び出した。彼を助けるために。
やがて、男の視界に時計塔が姿を見せた。
男は静かに立ち止まり、静かに塔を見上げる。
針は12時になろうかというところだった。
その時。鐘とともにに銃声が轟いた。
鐘の音にまぎれて、聞こえようもない銃声を聞いた男は、
素早く身を伏せる。
だが、銃弾の早さには敵おうはずもない。
まだ人の身である今では。
銃弾は男の左肩をえぐる。
男は立ち上がると、時計塔の扉めがけて駆ける。
直りが遅い・・・・・・・相手は、自分がヒトではないことを知っている、ということか・・・・・・
男はそんなことを考えながら、扉に体当たりを敢行する。
扉をぶち破り、男は時計塔内に体を踊りいれた。
闘争・・・・・・開始!!
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>179
「ようこそ、ガロンさん――――でしたな?」
扉を破って突入して来た獣人を見下ろし、その男は笑いかけた。
階下から見上げる獣人に丁寧に一礼し、長銃を突きつける。
「いきなりで悪いんですが――――貴方を狩らせていただきます」
足元に二発、心臓に一発。
「それでは―――――さようなら」
鉛弾を、撃ち出した。
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト〜
>180
『ようこそ、ガロンさん――――でしたな?』
塔に入った青年に、向かって上から呼びかけた声があった。
見上げると、そこには一人の男が笑いながら立っていた。
牧師然とした男は一礼すると、長銃を突きつける。
『それでは――――さようなら』
男は発砲した。問答無用に。
青年は横っ飛びに階段に向かって逃げる。
それでも避けきれぬ弾丸が体を傷つける。
灼くような痛みが全身を貫く。
(・・・・・・もはや、躊躇しては死ぬ、か・・・・・・)
青年は意を決した。
目が獣のように光る。
それと共に体を剛毛が覆っていく。
筋肉が膨れ上がり、着ていたシャツを内から引き裂く。
階上に上がったときに牧師が目にしたのは、
手負いの獣の姿だった。
「残念だったな、牧師さん。神様へのお祈りはすんだかな?
今から逝く、哀れな子羊さんの為への?」
獣はくぐもった声で叫ぶと、雄たけびを上げた。
今から始まる、血塗れの闘争のファンファーレのように。
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>181
「祈りで人は救えんのですよ。天にまします我らが無能者に救いを求めても」
本性をあらわにして獣人が放った言葉を一蹴し、男はその場から後方で回転している歯車の上に飛び移った。
右手の長銃を虚空にかき消し、左手の中に散弾銃を出現させる。
「私は救います。その前段階として―――――」
今にも飛び掛らんと身構える獣人に対し、牽制の一撃を放ち
「貴方の命が必要なのですよ。勿論、頂けますな?」
非人道的な要求を、男は突きつけた。
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト
>182
牧師は獣人の言葉に首を振る。
祈っても人は救われぬと――――
牧師は後方の歯車に飛び乗ると、けん制のためであろう、
獣人の足元へと左手に握った散弾銃を撃ちつける。
そして牧師は言う。
救いのために――――貴様の命を差し出せと。
『勿論、頂けますな?』
男は笑顔を崩さずに非道な要求を突きつけた。
獣人はち、ち、ち、と指を振る。
「勘違いしてねぇかね?俺は俺が俺であるために戦うのみ――――」
そして一気に別の歯車に飛びつきながら叫ぶ。
「人を救うのにはこれぽっちも興味はねぇ!!」
歯車を蹴り上げた獣人は、闘気を身にまとわせる。
光の弾丸が牧師めがけて飛んでいく。
「さて、そろそろ場所を移す頃合かな?」
彼、黒川丈が呟いたその場所は、異形の宴の真っ最中だった。
そこには最早人の形を留めた存在は彼以外に残されて居ない。
人の考えうる限りの様々な生き物を、部品に分解して無作為に繋ぎ直したような
奇怪な生き物の群れ。そいつらが、食っている。
人間の残骸を。
逃げることも出来ず、怪物となることも出来なかった哀れな者達を。
地獄の其処を切り取って持ってきたようなその光景に、今はゴーストと名乗っている彼は、
乾いた眼を向ける。
(結局、杏子は何をしても、もう帰って来ねぇ……名分があっても、これはただの八つ当たりだ)
だが、そうせずには居られなかったのだ。
彼の恋人を殺した人間。
共存を否定し、殺戮の未来を選んだのは『奴ら』だ。
ならば望み通りの光景を見せてやる。
「人は、ゾーンになる。それがアザエルの意志だ」
例えそれが間違った選択だとしても、彼には他に道が無い。
止める意志も、既に無い。
「……誰にも、止めさせるものか」
苦い、唸りだった。
>184 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】 導入
「……何だ、こいつらは」
酸鼻を極める状況を目の当たりにしながら、エンハウンスは呟く。
およそ考え得る生態系から外れたとしか思えない化物。
そいつらが、人を食っていた。
数日前から、日本という国で大量の行方不明事件が発生している、という情報をエンハウンスは掴んだ。
日本と言えば、あの真祖の姫君とその従者である殺人貴が度々立ち寄る国だ。
それが死徒狩りの為ではないとは知っている。
だが、そのことを掴んで待ち伏せしている死徒が日本で何事か企んでいるとしたら……?
仮定でしかないが、可能性に目を瞑るのは主義ではない。
全ての死徒を滅すると決めた人生だ。
何より、吸血鬼となった自分は長い生がある。
多少の回り道を気にする事もない。
そうして、彼は日本へと飛んだ。
半吸血鬼である彼にとって、流水は決して致命傷ではない。
日本へ向かう飛行機の中が最悪の拷問器具である事には変わりないが……。
日本へ辿り着いて数日、早速事件が報じられた地方へと飛んで捜索を開始した。
夜の一族は、物陰で"食事"を行うと相場は決まっている。
路地裏を、ビルの陰を尋ね歩き続ける。
捜索を開始して数日後、とある雑居ビルの陰を覗いた時。
エンハウンスは見た、事件の真相を。
およそ知識にない化物が、人を喰らう様を。
それは、どう見ても吸血鬼ではあり得まい。
なら、無理してこんな化物に関わる理由などこちらにはない、ないが……。
「向こうはそうもいかんのだろうな」
こちらに明確な敵意の視線を向けてくる男がいる。
明らかに、この事件の黒幕以外の何者でもない。
僅かに苦笑に似た表情を浮かべながら、腰の後ろから聖葬砲典と魔剣を引き抜き、構えた。
「大した回り道にもならんだろうさ」
エンハウンスは迷わない。
>450 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
突然の乱入者。
(ゾアハンターか?)
それは、違う。一目でわかった。その男の風貌は見た事の無いものだったからだ。
だが、構えた武器を見てゴーストは苦笑するように唇を歪めた。
(銃に剣、ね。嫌な奴を思い出させやがる)
宴の中、一人白いままの背広を来た男は、大げさに嘆息してみせる。
「……そろそろパーティはお開きにするつもりだったンだがな。客が来たとあっちゃ仕方ねぇ」
ガツガツ、ゴツゴツと肉や骨を食らっていた怪物達が、一斉に顔(らしい器官を)上げた。
その眼もまた人間のそれではない。瞳が縦長なもの、複眼になってるもの、
人間と全く同じなのに数が二つ以上あるもの。
敵意よりは食欲を感じさせる視線が、一斉にエンハウンスを捉える。
「盛大に持て成してやってくれや」
酷く投げやりな声だった。
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>183
「ふむ・・・残念ですな」
光を纏って突撃してくる獣人に視線を合わせ、心底残念そうな表情で呟く男。
そのままその場でジャンプすると・・・
「外れ、ですな」
鎖に掴まってそのまま上にするすると昇っていく。
右手で鎖を掴んだまま、目下の獣人目掛けて散弾を降らせると
鎖から手を離して一気に相手の目の前に降り立ち、右手に出現させた短機関銃と左手の散弾銃の双方から
大量の弾丸を吐き出させた。
「貴方の意志など必要ありませんぞ? 必要なのは貴方の命だけですからな」
>186 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
異形の化物が、こちらへその醜悪な顔を向けてくる。
男の命令に従って、エンハウンスへと押し寄せてきた。
その化物を、至極冷静に切り捨てていく。
袈裟懸けにし、横一文字に振るい、突き刺し、叩き斬る。
障気の尾を引きながら、魔剣は黒い軌跡を描きながら化物を細切れにしていく。
すぐに、エンハウンスの周りからまともな姿を留めている化物はいなくなった。
その事実を確認しないまま、親玉と思しき男に狙いを定めて疾る。
黒い颶風が、駆けていく。
>188 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
「ほぉ……」
素直に感嘆の声が上がった。
知性を持っていない雑魚とは言え、それら全てを叩き斬る男の技量は相当のものだ。
斬られた連中は、悲鳴を上げて……いるわけがない。
斬られたまま、お互いに再生するための栄養を求めて食らい合っている。
せめて乱入者に向かっていけばいいものを、手近にあるという理由だけで
さっきまで同じ体にくっついていた腕と足が食らいあっているのだ。
「ったく、役立たずな連中だ」
あらかたまともに立っている連中が居なくなった時点で、男の視線がゴーストを舐めた。
すぐさま突撃を開始する男の姿に、ゴーストは笑う。
「せっかちな野郎だ。せめて名前くらい名乗ってみたらどうだ?」
台詞と同時に、足元に転がっていた丸いものを蹴り飛ばす。
足首に伝わる柔らかい感触から多分誰かの頭部だろう、と思ったが、
そもそもサバトに参加した連中の名前など一人も知らないので、
どうでもいい話だ、とも思った。
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト
>187
獣人の突進は、空を切る。すでに牧師は天井から下がる鎖に飛びついていた。
その凄まじい突進を受け、歯車は大きく拉げる。
その衝撃とは別の衝撃が突然襲い掛かった。
背中が・・・・・・熱い。散弾銃から吐き出された無数の小さな鉛粒が体にめり込んでいた。
獣人は怒りの咆哮を上げる。
その目前に牧師は降り立つと、いつのまにか握られた右手の短機関銃と、
左に握った散弾銃から無数の弾丸を撃ちだす。
狂った意思の元、無数の凶弾が 獣人を襲う。
咄嗟のことに必死にガードをするも、そのガードをくぐりぬけ、
幾つもの弾丸が実を傷つけていく。
弾丸の雨が止む。しかし、そこには未だ仁王立ちの獣人が立っていた。
目には怒りが激しく燃えていた。
一際高い雄たけびを上げると、獣人は腰から愛用のヌンチャクを引き抜く。
そのヌンチャクを高速で振り回しながら、一気に牧師に襲い掛かる!!
>189 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
男が、無造作に何者かの頭部を蹴飛ばしてきた。
急ブレーキを掛けて、それ目掛けて魔剣を振るう。
あっさりと、それは真っ二つになってエンハウンスの後ろへと消えていった。
「俺の名前か?」
男の問い掛けに今気付いたかの様に復唱する。
特に逡巡した様子もなく、名を告げた。
「死徒27祖第18位、エンハウンス。片刃の刃とも呼ばれているな。俺にとってはどうでもいい事だが」
それで話は終わりとばかりに、エンハウンスの左手が翻った。
聖葬砲典の銃口が、空を切って持ち上がる。
もちろん、それは男の姿を捉えている。
「Dust to dust」
引き金に指が掛かり、引き絞られる。
>191 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
向けられた銃口に、ゴーストは笑う。
単細胞生物の集合体ともいえるゾーンにとって、専用に作られた銃弾ですら致命傷とはなり難い。
そのことを、眼の前の男は知っているのだろうか?
まぁ、いい。
銃をすぐさま撃とうとした男に向かって、肩を竦めて声をかける。
「おいおい、早まるなよ?」
『長い爪を生やした』両手をゆっくり上げ……
「無抵抗な俺を撃つ気かい?」
エンハウンスと名乗った男が嘲けるような表情を浮かべ、
トリガーにかけた指に力を込めたのを見て……
「――撃つんだろうなぁ」
思い切り両手を振り下ろした。
切り離された十本の爪が、弾丸のように飛ぶ。
そして銃口から逃れる為に天井に飛び上がり……貼りついた。
落下点を予測した射撃をかわし、ゴーストは天井から落ちる。
「所詮ハンターはハンターか。糞っタレ、だな」
情け容赦の無いエンハウンスにかつて恋人が殺された情景を思い出し、ゴーストは悪鬼の表情を浮かべた。
>192 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
「……チッ」
男が爪を飛ばしてくるのを見て、射撃中止。
アヴェンジャーを体の前に立てて身を守ろうとする。
だが、予想に反してその爪は魔剣を叩きはしなかった。
「何だ……?」
振り向いたエンハウンスは、爪が先ほど切り捨てた雑魚の頭部へと吸い込まれるのを見た。
その狙いが読めず、一瞬意識を逸らされる。
かといって、攻撃の手を休めたりはしないが。
すぐさま、天井から降りてくる男目掛けて射撃。
乾いた音と共に吐き出された銃弾は、しかし男を捉えはしなかった。
タイミングを僅かにずらされ、空しく壁を叩く銃弾。
『所詮ハンターはハンターか。糞っタレ、だな』
「あぁ、俺はハンターだ。それ以上でもそれ以下でもない」
即答しながら、魔剣を大上段に構えて男へと突っ込んでいく。
>193 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
剣を振り上げて突っ込んでくる男に対し、ゴーストはいきなりしゃがみ込んだ。
頭の上を通り過ぎる剣をやり過ごし、再度両手に生やした鉤爪ですれ違いざまに腹を凪ぐ。
(チッ、そう容易くはないか)
斬り合いも考えたが、鉤爪と長剣では得物の差が有りすぎる。
剣の心得はあるものの、あくまで我流の自分とでは腕の差もあるだろう。
這うように四つん這いで、肉の海の中を逃げ回る。
「糞ッ!」
一発、剣が体を打った。だが体表面に生やしておいた鱗のおかげで浅かった傷は、すぐに癒える。
受身をとり、ついでに大きく跳び下がったゴーストは、追い込まれたにも関わらず余裕綽々だった。
「追われっぱなしは趣味じゃねぇな」
ゆらり、と立ち上がるものが正確に10人。
それらは全て同じ顔。
『そろそろ反撃といくぜ?』
重なる声。
そして、全員が一斉に突撃を開始した。
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>190
獣人の振り回したヌンチャクが散弾銃をはね飛ばし、打ち砕いた。
短機関銃は無事だったが―――――
「ふむ・・・これはまずいですな・・・」
へし折れた散弾銃が背後から階下に向かった落ちていく。
男はバックステップで距離を取り、短機関銃を一連射して――――
BooooooooooooooooMMMMMMMMMMMMM!!!!!
先ほど落ちた散弾銃が歯車に巻き込まれ、爆発した。
火花を散らして回転する歯車、鳴り響く鐘の音。
このままでは・・・少々厳しい。
そう感じた男は、鎖を伝って不安定な足元から安定した床の上に移動し、
改めて左腕に長銃を出現させる。
「幸か不幸か――――まぁ、どっちでも良いですか」
照準は―――――獣人の頭。
>194 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
腹を鉤爪で抉られる。
肉が削り取られ、鈍い痛みを脳髄へと伝えてきた。
ジクジクと血が滲み出るが、それほど深い傷ではない。
エンハウンスは、まるで無痛症であるかの様にそれに頓着しなかった。
死体で埋め尽くされた地面を這い回る男。
その様はまるで屍肉を貪るグールを彷彿とさせる。
「なるほど、貴様は確かに化け物だな」
そう呟きながら、地面の背中へと剣を振り下ろす。
動き回っているせいで完璧には捉えられなかった上に、何やら硬い手応えを返してきた。
疑問げに男を見下ろしたエンハウンスは、その背中に鱗が生えているのを見て取った。
どうやら、魔剣のダメージは鱗にほとんどを殺されてしまったようだ。
と、男が立ち上がった……それも両手で余るほど。
今まではただの雑魚だった肉塊が、男と同じ姿に変貌している。
声すら同じで、しかも全く同じタイミングで放つから変なエコーが掛かっているようだ。
「面白い手品だな」
ただ一言、そう感想を漏らしながら突っ込んでくる男達を見据え、魔剣を構えた。
一体目がエンハウンスと接敵、鉤爪を袈裟懸けに振るう。
それに肩を切り裂かれながら、同じ軌跡で魔剣を振るって体を断ち割った。
二体目の攻撃を蹴りで牽制しながら、心臓に当たるはずの部分へ切っ先を突き入れる。
剣に阻まれて完全とはいかないまでも、鉤爪が体に届いて浅くひっかかれた。
血の粒が盛り上がるが、大したダメージではない。
それはすぐに塞がった。
「まだ、二体か」
次々と襲い来る男達を見て、何処か投げやり気味にひとりごちる。
だが、次の瞬間には三体目の攻撃を魔剣で迎撃していた。
腕を真正面から断ち割って、少し間を取る為に後に下がった。
>149
VSロゼット一行&ヨコシマ
「ハ、勘のいい奴だ!! そいつの正体に気付いたか!!」
言いつつ、スレイマンは投げ返された【死の卵】を己の左手で受け止める。
「だが……」
スレイマンはその顔に傲慢な嗤笑を浮かべながらこう続ける
「二つならどうだ? 受け取れ!!」
先ほど受け取った【卵】と、新たに右手で編成した【卵】。
スレイマンはその腕を左右交互に振ると、ヨコシマに向かってそれらを放る。
「い、いらんっ! そんなモン、いるかぁぁぁッ!!」
ヨコシマは霊気を纏った右手でその【卵】を掴むと必死の勢いで再び投げ返す。
「さぁて、まだまだ行くぞ! お次は四つだ!!」
投げ返し、投げ返された【卵】が空中に存在している間に
スレイマンは新たな【卵】を編成しキャッチボールに加える。
「ひ、ひぇぇぇっ!! 死ぬ、俺が死ぬッ!! 死んでしまうっ!」
錯乱するヨコシマを尻目にスレイマンは楽しそうに続ける
「さあ、さあ、さあ、さあ、さあ!!」
「どんどん増えるぞ! ほれ、一つでも落とせばどかぁん、だ!! ク、クハハハハハハハッ!!」
いつつ、むっつ、ななつ。
二人の間を行き交う小さな魔力球は、鈍い言霊の響きをにじませながらその数を増していく。
「アカンっ、こーなったらもー、楽しいことッ、死ぬ前に楽しいことを考えるんやぁッ!!」
ヨコシマはまなこを半眼にすると、なにやらぶつぶつと呟き始めた。
「……美神さんの……が、………で、………に……ぐふっ、ぐふぐふぐふっ」
スレイマンの制帽についた霊視眼がヨコシマの霊圧が高まっていくのをはっきりと捕らえる。
どうやら独自の精神集中法らしい。
と、同時に今まで雑に動いていたヨコシマの手が、なめらかに、かつ、的確に動き、
【卵】をスレイマンの方向に正確に返して行く。
「ク、ハ、案外やるじゃねぇか、どこまで続くか見ものだな、ええ? おい?」
八、九、十。
そうこうしている間にもスレイマンは放る【卵】の数をどんどん増やしていく。
「『横島君ッ、わたし……本当はあなたのことが……もっともそうは見えなかったでしょうけど』」
トランス状態のただなかを妙な雑霊にでも憑かれたのか、
はぁはぁと荒い呼吸と共にヨコシマが妙な声色で何やら呟く。
あまりにも脳と呼吸器に負担を掛けすぎたのか、鼻腔から、つう、と一筋血が流れ出す。
「ハ、そろそろ限界か? なかなか楽しめたぞアリガトよ。じゃあ、これで死ね」
11,12,13。
二人の演者の行うジャグリングはそろそろ佳境に入り、淡く光る13個の珠が、
空中に楕円形の美しい軌道を描き出した。
>196 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
(強ェ。まともじゃねぇな、『俺』を雑魚扱いなんて)
このままでは勝負にならない。
ダメージを負わせたはずの脇腹からの出血も止っているし、
アザエルに感染した様子もない。
(まったくもって人間じゃねぇなぁ、こりゃ)
負けるとは思わなかったが、押されっぱなしというのも癪だ。
ならば……
エンハウンスが間を取ろうと下がった瞬間、ゴースト達もまた一斉に距離を取った。
一ヶ所に集まり、ニィッと笑う。
「じゃあ、もっと面白い手品を見せてやるよ」
一ヶ所に集まっていたゴースト達がゆっくりとくっつく。
輪郭が崩れ、肉が泡立ち、だが哄笑は止らない。
尻尾が、手が、眼が、出鱈目に生えて……いや、狂気の規則に従って生えてくる。
流石に驚愕し、眼を剥いたエンハウンスの足を、鉤爪が生えた手が掴む。
「邪魔は、させねぇぜ?」
袈裟懸けに斬られ、右手の他は頭しかない体で、ゴーストは呟いた。
斬られた体で掴みかかって来るゴースト達にトドメを刺した頃には、
エンハウンスの前に体長が3メートルを越す怪物……魔物が立っていた。
>198 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
「こいつは、大した手品だ」
その巨体を見上げながら、ぼそりと呟く。
足元に転がる残骸を蹴飛ばして、ギリ、と奥歯を噛んだ。
デカイ、尋常でなくデカイ。
死徒にもいろいろいたが、このようなケースは未だ出会ったことがない。
よって、一体どう与したものか、エンハウンスは迷っていた。
デカイ奴は足を潰すのが常道だ。
それで自重に負けるケースが多いから。
ただ、目の前の敵は化物、多少の傷ならあっさりと再生してしまう。
「……フン。なら上を潰すしかあるまい」
聖葬砲典を構えて、頭を照準する。
実際には、その行為にコンマほどの時間も要してはいないが。
銃口が的確に頭部を捉え、発砲音と硝煙の煙が吐き出され、銃弾が牙を剥く。
それと同時に、相手の動きを牽制する為に向こう脛へと斬撃を放った。
>171 桐原朝子VS南条圭
廊下へ逃げた南条。
だが、青い剣士は決して逃がしはしない。
またも、ほとんど予兆らしいモノを見せずに姿がかき消えたかと思うと、同じように南条の前に姿を現す。
普通の両腕に加えて、胸から生えた腕、更には肩の上から生えた腕が二本、あまつさえ腹から生えた腕までで合計六本。
その全てに剣を持って南条へと振りかぶった。
>200
桐原朝子VS南条圭
南条に休息は与えられない。
先程と同じく瞬間移動してきた青い影は、さらに腕を増やし、
総計六本の腕をもち、彼の身体を切り刻まんと踊りかかる。
だが、この時既に、南条はペルソナとの接触を完了していた。
「ペルソナ……」
南条の、冷静さを取り戻した声とともに、青白い影が
形を取る。
ただし、今度は竜ではない。
其処に現れたのは、不思議な威圧感をもった、神々しき翼人の姿。
其の顔は、鼈甲縁の眼鏡をかけた、初老の老人に似ていた。
背中には真白き羽根を生やし、その手には巨大な槍が握られている。
この翼人は、彼の大切な人物の一人「だった」物。
その人物は、以前の事件の際、彼に南条財閥の未来を託し、
現世から去ってしまった。
だが、その魂は、彼の中に今も息づいている。
「ペルソナ」として。彼の精神の一部として。
「ヤマオカ……頼む」
彼の声に答え、翼人が構える。
槍の柄から、長い鞭状の紐が多数出現し、青き影の剣を悉く
絡め取り、動きを封じた。
そのまま翼人は、槍を捻って、青き影を廊下の壁に激しく叩き付けた。
>201 桐原朝子VS南条圭
南条が繰り出した化物――今度は老人の姿をしている――が鞭で青い剣士の攻撃を絡め取って捌く。
壁に叩きつけられた剣士が、その箇所から火花を散らした。
だが、それは大したダメージになりはしない。
すぐさま立ち上がって、体勢を立て直す。
六本の剣を、複雑な軌道で振り回しながら空を滑るように距離を詰めていく。
今度は鞭で一律に絡み取られないようにすることを学習したらしく、三本の剣が老人へ、残る三本が南条へと向かう。
複雑に絡み合った腕から繰り出される斬撃は、その軌道が読みづらい。
更に悪夢を後押しするかのように、老人の背後に二体目の青い剣士が現れて剣を振り上げた。
>199 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
頭部を撃たれた。
だが所詮は人間に取り回せる程度の銃に過ぎない。
戦車砲や特殊弾ならともかく、これくらいでゾーンを倒せると思ってもらっては困る。
確かに脳が一つ掻き回されはしたが、それは融合体と化した今のゴーストにとって
再生に苦労するほどの傷ではない。
続けて足が深く斬られた……が、倒れはしない。
再生と同時に、もう二本ばかり足を増やしてバランスを取る。
『好き勝手やってくれたなぁ!』
体表面についた七つの口が、一斉に叫んだ。
『燃えちまえ、糞野郎ッ!』
叫んだのと同じ口から、ゴーストは炎を吐いた。
体内で炭素や水素を化合させて可燃性の液体を精製し、口腔内のレーザーで点火したのである。
それも、一瞬で。
瞬間、回りが一斉に炎に包まれた。
が、ゴーストは頓着しない。
(俺まで燃える気は、無いからな)
炎を撒き散らしながら、思い切りジャンプ。
ビルの壁を砕いて掴み、屋上に向かいながら、更に炎を下方に向けて撒き散らした。
>203 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
右を、左を、後を見回す、現実は変わりはしないが。
つまり、辺りは燃えさかっている。
その辺りに転がっている肉片に延焼し、赤い牙をひらめかせている。
「……鬱陶しい真似を」
吐き捨てるように呟きながら、ビルの壁面を登っている男を見上げる。
巨体のパワーにモノを言わせ、壁面に穴を穿ち、それを手掛かりにして登っていく。
辺りの火の海は一向に収まる気配がない。
このままじっとしていては、そう間もなくエンハウンス自身も火の海に沈むだろう。
「ごめんだ」
エンハウンスは迷わない。
男が壁に刻んだ窪みを見て決断、即行動に移した。
吸血鬼の脚力で地面を蹴って、最初の窪みめがけて跳躍。
すぐさまそこに足を掛けて蹴り、次の窪み、蹴って次の窪み……。
男が辿っている軌跡を、エンハウンスはあっさりと追いついてみせた。
もう、窪みはない。
まだ男が壁に手を撃ち込んでいないから。
だが、エンハウンスは窪みを蹴る、宙に向かって。
壁に張り付いてる男めがけて。
体が男を通り過ぎる瞬間、右膝裏へ魔剣を振るい、左膝裏に聖葬砲典の銃弾を叩き込む。
さしもの男も、その巨体を支えきれずにバランスを崩しだした。
それを見届けながら、エンハウンスの体が男の頭を行きすぎた。
運動エネルギーが消え、落下に転じる。
そのまま、落ちていく男の体に乗っかった。
剣を振り上げ、頭部を切り裂き、突き刺し突き刺し突き刺す。
めったやたらに刃を叩き込んだ後、地面が近くなってきたことを知覚し、適当な窪みへ飛ぶ。
そこに足を掛けながら、落下していく巨体を眺めた。
【吸血大泉――湯煙旅情編――導入】
(左手対横島忠夫)
とある城の地下。
響きわたるのは剣戟の音。
漆黒の影が剣を振るう。
マントを翻すその姿は魔鳥の如し。
相対するのも黒、蒼白な顔に煌めく牙・・・貴族である。
美しき漆黒の影――――Dが下から剣を切り上げる。
貴族はそれを流し、心臓に剣を突き入れる・・・速い。
Dは咄嗟に左手を盾にした。
音もなく剣が吸い込まれ・・・宙に舞う。
貴族は唇を歪め嘲笑すると更に剣を繰り出す。
下がり受け続けるD。
そこに、
「ふん、調子に乗りすぎじゃな」
響く嗄れ声。
同時に水の槍が貴族の腹に突き刺さる。
切り飛ばされた左手が放ったモノだ。手のひらには人面が浮かんでいる。
絶叫をあげる貴族――――それもDの一刀が躯を両断するまでの短い間だったが。
戦いが終わり張りつめた空気が緩む・・・安堵の一瞬。
だがそれも長くは続かなかった。
左手の居た場所が淡い光を放つ。
「な!? しまった!転移装置――――誤作動か!!」
その言葉と同時に全てが暗転する。
そして・・・
>202
桐原朝子VS南条圭
物理攻撃は効果が薄い―それは分かっていた。
鞭で引きずり回されても、青い影は未だ活動を停止していない。
影は六本の剣を半分ずつ南条と「ヤマオカ」に割り当て、
攻撃を仕掛けてきた。ペルソナはともかく、右腕の上がらない
南条では、例え三本でも、その攻撃を捌くのは困難であった。
細かな手傷を負いながらも致命傷を避け、南条は攻撃を
いなし続ける。
その時、二体目の青い影が音もなく「ヤマオカ」の背後に出現する。
(新手? ――くそっ)
内心で舌打ちしながら、南条は一気に攻勢を決める手段に出た。
自身への精神的ダメージは気にせず、ペルソナへ命令を贈る。
「ヤマオカ!」
南条の呼び声に呼応し、翼人が空いている左腕を、背後に向けて振りかぶる。
「神等去出八百万撃!」
翼人の繰り出す無数の拳が、出現した二体目の影が剣を振りかぶるより早く、
その身体に刻み込まれた。
止まらない連打は、見る影もなく影の身体を陥没させ、両腕を
へし折り、吹き飛ばす。
だが、その隙を突いた一体目の影の剣が、「ヤマオカ」を貫いた。
南条のこめかみと、傷ついた左腕から、噴水の如く血液が
吹き上がった。
「ぐっ!」
小さく苦鳴を上げながら、南条は残った左腕で巧みに刀を操り、
一体目の横合いから斬撃を叩き付けた。
鋼を打つ手応えと共に、一体目の身体は退けられた。
荒い息を吐きながら、南条と「ヤマオカ」は青い影と相対する。
>205 【吸血大泉――湯煙旅情編――導入】
左手 vs 横島忠夫
私、横島忠夫は最大のミッションに取りかかっていた!
吸血大殲御一行がどういう風の吹き回しか、仲良く揃って温泉に入りに来たのだ。
大殲参加者といえば、揃いも揃って美女ばかり!
これを覗かずして男言えるだろうか、イヤ、言えない!
タオルを腰に、俺は絶壁に挑む・・・・・・何故か、ここの女湯は切り立った崖の上にあった。
並の方法、努力では覗くコトも近づくコトも出来ない。
「だからといって、止められるかぁ!
ここで止められたら、苦労はないんじゃあ!」
フリークライミングの要領で、俺は絶壁を攻略する!
石が剥がれ、落下しそうになるのを文珠で誤魔化し、
時折姿を現すレーザー機銃を文珠で黙らせ、各種警報装置を殺しながら!
地雷が敷設してあったりもしたが、気にしないッ!
信じがたい速度で俺は崖を駆け上る!
何故登るのか?
そこに美女がいるからだぁ――――――ッ!!
がし。
ん? なんだ?
俺の手が石とはちと違う感触のモノを掴んだ。
簡単に壁から外れたそれは・・・左手?
「のうわぁ!」
堪らず、投げ捨てる!
何か叫びながら落下していく手だったが、ま、関係ない!
今は美女、美女だっ!
さらに速度を上げ、俺は絶壁を攻略していった。
>204 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
『って、手前ぇぇええええッ!』
エンハウンスの魔剣に切り刻まれ、炎の中に落下。
地に落ちた衝撃はともかく、自分で撒いた炎が今度は厄介な敵になった。
『糞、糞、糞ぉぉお!』
アザエルの再生能力なら、この程度の炎でもしばらくは持つ。
だが、再生……すなわち急速な代謝活動はエネルギーを大量に必要とする。
体の表面を炎に耐えるべく硬化させるが、それもまたエネルギーを消費する行為には違いない。
足の再生を炎の中で終え、壁面に立つエンハウンスを睨む。
『手前ぇも……手前ぇも切り刻んでやらぁあ!』
ゴーストの肩口に水晶体が盛り上がった。
莫大な活力と引き換えに放つ、必殺の一撃。
ビルの壁面をも貫きつつ、生体レーザーによる斬撃がエンハウンスに迫った!
>207
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
意識が戻る。
吹きすさぶ風、岩肌の感触――――言うまでもなく崖だ。
視界はない。
そして顔を覆う生ぬるい、まるで人肌のような感触。
それに力がこもるのを感じて・・・
「にょぉぉぉぉぉ〜〜〜!!」
次の瞬間、左手は大空を舞う鳥となっていた。
――――浮遊と飛行、目的が無いのが前者で、あるのが後者――――
誰が言った言葉だったか・・・
左手のそれは間違いなく前者だった。
地面が遠い。
数百メートルはあろうか。
身を捻り崖の方を見る。
一人の男が崖をよじ登っている。
左手を投げ飛ばしたのはこの男か。
「いきなりやってくれるのう・・・今日は厄日か」
左手はそう呟くと状況を打破すべく動き始める。
息を吸う――――そして吐く。
掌に浮かぶ人面、その口から膨大な空気が放たれる。
ジェットと言っても過言ではないその呼気の力によってその身体が岩肌へと戻っていく。
そして男の上方の崖に張り付くと、
「こら!いきなり何をする!!」
男を怒鳴りつけた。
>206 桐原朝子VS南条圭
老人が、拳を繰り出す。
拳は止まらず繰り出され続ける。
いつまでも、いつまでも、いつまでもいつまでもいつまでもいつまでも……!
一体目の青い影は、その体を維持する力場が完膚無きまでに破壊されたようだ。
コバルト・ブルーの体が五色の閃光を放って消滅した。
後に虹色の光輪が咲いたが、それもすぐに消え去る。
だが、もう一体の青い影はまだ健在だ。
正攻法では埒が開かないと見たか、突然その姿がかき消えた。
そして、南条の背後に現れたか……と思った瞬間また消えた。
そして、南条の眼前数p、口づけできそうな至近距離に出現。
表情のない筈のそれが、笑ったような気がした。
>209 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
ちっ、地雷かっ!
俺は銜えたナイフを岩肌に突き立てると、慎重にほじくり出す。
地雷処理班顔負けの手際の良さで掘り出すと、そのまま地面に放り投げた。
よし、よしよし! 順調、何処までも順調! 女湯は目と鼻の先じゃあ!
――――と、そんな時。
手が空を飛んでいた。
顔つきの手が空を飛んで、俺の目の前に降り立った。
空を飛ぶ左手が俺の行く手を阻むと、掌に付いた口で怒鳴りつけてきた。
「こら! いきなり何をする!!」
・・・へー、最近の手って喋るんだなー。
・・・ふ〜ん。
・・・ほ〜。
再び無造作に”それ”を掴むと、俺は背後に放り投げた。
>208 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
「っ……! チッ!」
男が放ったレーザーがビルの壁面を砕く。
元々男が穴を穿って脆くなっていたあっさりと崩れていく。
直撃を避ける為に宙に飛ぶが、その過程で崩れた瓦礫に巻き込まれた。
大きな塊が体を直撃し、バランスを崩しながら落下する。
(拙いな……)
落下する途中、何処か冷静にそんな事を考えている。
瓦礫が落下し、舞い上がる粉塵の中にエンハウンスは消えた。
(足が逝っている)
まるで他人事のように、自分の体を検分していく。
とりあえず、足以外の部分に問題はない。
だが、それが問題だ。
吸血鬼なのだからいずれ再生するだろうが、この戦闘中かどうかは怪しい。
何より、この状況で動くのは敵に有利になりかねない。
だから、エンハウンスは息を殺して瓦礫の中で倒れ伏して死んだふりをする事にした。
>211
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
左手は男の姿を観察する。
まだ若い。
二十歳も行っていないだろう。
その若い男が何故崖を登っているのか?
・・・修行か?
男は左手の怒鳴り声をぬぼーっと聞いている。
そしておもむろに手を伸ばすと――――また投げた。
「にゅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜!!!!」
二度空を飛ぶ左手。
――――キレた。
気が短いと言う無かれ。
二回もロープレスバンジーを強要されれば誰でも怒る。
「おにょれ〜〜如何にして懲らしめるべきか」
物騒なことを呟きつつ再び空気を吐き移動する。
相手の頭上に移動して火球の雨を降らせようとするが・・・
――――ぽん。
乾いた音を立て呼気が止まる。
有り体に言えばエネルギー切れである。
男と会う前に貴族と戦い、それ以前にもその配下と激闘を繰り広げたのである。
ガス欠にもなるだろう。
飛行の術を失った左手はそのまま自由落下して・・・男の顔面に激突する。
――――そう、顔面にである。
そして左手の平にも顔がある。
顔と顔がぶつかればどうなるか・・・
場所を除けば案外見かけるシチュエーションではある。
つまり・・・これ以上は勘弁・・・・・・オェ。
>213 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
放り投げて左手が、しぶとくも空を飛んで俺を追い越していった。
ぐ、ぐぬぬぬぬぬ・・・・・・ッ!
案外しぶといじゃねーか、見るからに妖怪物の怪の類がッ!
いっそ、この場で除霊してくれよーか!?
俺が右手に「ハンズ・オブ・グローリー」の光をにわかに灯し始め――
顔で左手をキャッチしていた。
何か不気味な柔らかさと温もりが、悪寒と吐き気を呼ぶ。
それだけならまだしも・・・・・・そいつにも顔は付いていたわけで。
顔と顔がぶつかればどうなるか・・・
場所を除けば案外見かけるシチュエーションではある。
つまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(吐血)
全身から力が抜け、俺の手はするりと岩肌を抜けた。自然、そのまま落下。
半ば失神した格好で、俺は数十メートルを落下していた。
――――血の涙を流しながら。
>210
桐原朝子VS南条圭
「ヤマオカ」の必殺技により、新手の青い影は完全に微塵と化した。
とりあえずの奇襲は、功を奏したらしい。
だが、もう一体は――
その姿が、消えていた。
(!? ―――また背後か?)
即座に、南条は背後に意識を移す。
だが、それが失策だった。
背後に現れた影は、再び姿を消し、南条の真正面、
超超至近距離にまで、接近していた。
六本の腕が、一気に南条へと襲い来る。
激しい火花が散った。
瞬時の判断で、六本の剣の内の五本までは、南条の刀に
よって防がれた。まさしく奇跡のなせる業である。
だが、残る一本は――
的確に、南条の腹部を貫いていた。
がふ、と血を吐き出しながら、南条はそれでも、ペルソナの制御を
怠っていなかった。
影の真横に、即座に翼人、「ヤマオカ」が出現する。
「――終わりだ、木偶如きが」
「ヤマオカ」の手にした槍が、青い影を一直線に貫いた。
さらに、その槍から放たれた、南条圭自身の精神波が、
直接影の存在に干渉し、影の構成を滅茶苦茶に叩き壊した。
僅かの間に、青き影は色とりどりの色彩と共に消え去る。
それを見届けながら、南条はその場に片膝を付いた。
>214
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
――――瞬間、時が止まった。
ように感じた。
これはあくまでも事故である。
相手によっては恋の始まりにもなろうが何せ男と左手である。
この場合双方に甚大なダメージを与えるだけの結果に終わった。
――――そして、時が動き出す。
白目を剥いた男が崖から手を離し自由落下を始める。
そして左手は男よりも早く立ち直っていた。
ン千年分の人生経験の差である。
左手は血涙を流しながら墜ちる男から離れ岩肌に張り付く。
男の姿が小さくなる。
――――南無――――
左手は男の冥福を祈りつつエネルギー補給に取りかかる。
左手のエネルギー源は地水火風の四大元素。
此処には地と風しかない。
「さて・・・如何にして補給するかの」
そう呟きながらまずは岩を喰い始めた。
>212 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
ビルを切り崩すほどの生体レーザーの照射は、ゴーストの活力を大量に削いでいた。
3メートルを越していた体長は、もう二回りは小さくなっている。
『……やったか?』
わからない。
瓦礫のせいで、撒き散らした炎は下火になってきているが、
粉塵のために視界は悪く、瓦礫の下に埋もれていたら捜す手は……
(いや、捜せるな。俺なら)
確かに通常の人間の感覚では無理だ。
だが、人間の感覚でなければ何とかなる。
例えば嗅覚の感度は鼻腔内部の表面積と嗅覚細胞の密度で決定する。
そして、知性タイプのゾーンであるゴーストにとって、その手の細胞の変異は容易な事なのだ。
(犬にだって無理なことだろうが、俺にとっては簡単なことだ)
……見つけた。
そう時間はかからなかった。
エンハウンスと名乗った男はやはり、瓦礫の中で埋もれていた。
死んだフリか、気を失っているのか、
あるいは実際に死んでいるのか(これはかなり疑わしい)
までは判らないが、潰れてしまえばどれだろうが同じ事だ。
『死ね』
ボソリと呟き、ゴーストは宙を舞った。
>214
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
(上での出来事)
咲く桜も美しいが、散る桜は更に美しい。
それが余計なモノの見えない夜桜ともなれば尚更だろう。
ましてや此処は温泉、湯に浸かりながらお誂え向きに盆に乗ったお銚子などを
ちびちびと飲って、縁にもたれて夜空を眺める。
こんなときは桜の木々の間から望む満月なんてのはもってこいの肴だったりする。
「これで誰かがお酌でもしてくれりゃ、あたしは言うこたぁ無いんだがねえ」
ただ、手酌というのがどうも戴けない。せめて気の利いた娘の一人も居れば、
私は大満足なのだが――娘共が悉く私から離れているのは何故だろう?
私はアセルスやカミーラと違って無差別に手出しはしていないというのに。
…ナルバレック? あれは別。ちょいとオシオキをした程度の話。
と、どうでもいいことを考えてながら杯を空けていると、何やら崖の方が騒がしくなってきた。
おまけに仕掛けた対覗き用トラップ類も悉く無効化されたときている。
その意気や良し。最近はこういう殺人トラップすら越えて覗きをしようなどという
骨のある輩にはとんとお目にかかれない。
来たら来たでその勇敢な行動をせいぜい盛大に歓迎と祝福をしてあげるとしようか。
…桶とか水とか石とか雷とか黒鍵とか福音弾とか空想具現化とかで。
>216 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
「男は・・・男はイヤや・・・怪生物はもっとイヤや・・・」
ひゅるるるる・・・そんな音を立てながら、俺は落下を続ける。
致命傷に近い一撃を精神に貰い、俺は色々などん底へ落ちていった。
「ねーちゃん、ねーちゃんがええ・・・」
微かに、視界が戻ってきた。
見上げるような断崖絶壁――――その先には綺麗なねーちゃんたちがぎょーさん待っとるハズ。
ああ、ねーちゃん。美人のねーちゃん!
「柔らくて温かい、ねーちゃん!」
――――カッ!
目に今までとは違う次元の輝きが点った。
そうだ、俺はまだ死ねん!
あの崖の上にいる美女たちを拝むまで、どんなコトがあっても死ねんのだっ!
栄光の手を壁に突き刺し、落下を食い止める。
体を捻って、俺は絶壁に降り立った!
右手で岩肌を掴み、左手でレーザー機銃を潰し、垂直に切り立った崖に再び挑む!
その速度は既に、人間の域を突破していた――――
「裸の・・・裸のねーちゃんがまっとるんや、こんなところで諦められるかぁ!」
>214
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
「ひとつの湯船に、みんなではいるなんてね〜・・・・・・。」
私は、ど〜もこの日本式のオンセンの入り方には抵抗があった。
まぁ、もののためしに・・・・と思ってきたのだが。
「しっかしね〜、熱すぎない?この温泉。」
私はミツリに聞いてみる。
『そんなものかね?私にゃちょうどいいが。』
そんなものかな・・・・・・?
そんな時、にわかに崖側が騒がしくなる。
「?!」
『あ〜・・・・馬鹿が覗きにきたみたいさね。
まぁ・・・・いまどき骨のある輩がいたもんだ。』
「ちょっ・・・・・!!」
覗きって・・・・・!!
『まぁまぁ♪来たらきたで盛大に歓迎してやろうじゃないか。
・・・・・・いろいろとね。』
・・・・・なるほど、ね。
>214
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
(温泉にて)
私達、吸血大殲女性連は――なぜかみんな一緒に温泉に浸かっていた。
何故とか聞かないで欲しい。
そういう巡り合わせもあるということだ。
それにここは有名な美人の湯。
それを考えればそれほど不自然でもないだろう(ツッコミ不許可)
しかし―――
「い い 気 持 ち ね 〜」
私は湯の中で手足を伸ばす。
水の中にたゆたう感覚も好きだが、温かいお湯に包まれる感覚もなかなかだ。
胎内回帰願望。
つまりはそういうことなのだと思うのだが、ならば水の中に棲むは私は、
――まだ生まれてすらいないのかもね……
苦笑しながら、私は夜桜を見上げて物思いにふけっていた。
私の身体からアルコールが染み出してその場の全員が正気を失いつつあるなんて、気付きさえもせずに……
>219
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
――――ざくっ
遅めのディナーをしていた左手の聴覚にこんな音が聞こえてきた。
音がした方向を見る左手。
先ほど成仏したはずの男がもの凄い勢いで登ってきていた。
しかも恐るべき疾さで。
その疾さ――――まさに油虫の如し。
まずい。
男の目の色が違う。
未だエネルギーを補給しきれていないこの身では・・・
急ぎ風を喰らう。
流れる風が左手の口元へと吸い寄せられる。
「二種のみで何処までやれる・・・」
そう呟くと同時に左手の内に疑問が浮かぶ。
――――なぜ、此処までして登るのだ?
その疑問を押し殺し左手は男の眼前へと向かう。
今度は戦うために。
男の目前にて攻撃をくわえようとする左手。
その耳に、
――――カチリ。
そんな音が聞こえた。
>222 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
わしゃわしゃわしゃわしゃ・・・!
そんな音を立てながら、俺は絶壁を攻める。
岩に食い付き、壁に張り付き、脆弱な岩肌に「栄光の手」を突き立てながらっ!
しかし、そこに立ち塞がるは怪奇生命体「左手」!
ええい、どけっ!
ヒトデの出来損ないと遊んでる暇は――――――カチリ。
「は?」
それは・・・地雷と呼ばれる兵器が起爆した音だった。
いい感じの爆発と硝煙が、絶壁の一部で巻き起こる。
無論俺も、気持ちよく巻き込まれた。
・・・げほっ、左手の化け物め・・・っ! もはや、赦さん!
>214 >218 >220
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
なんというか……私は、温泉にいる。
正式にここの参加者となったわけではないのだが、参加者の知り合いと言うことで、無理矢理に付いてきたのだ。
理由はまあ、暇だったのと面白そうだったのと。その程度のことなのだが。
「ふうん――いいもんだね、こうやってひらけたところでお風呂にはいるのも」
鼻歌のひとつも歌いながら、そんなことを呟く。湯に濡れた白金色の髪が、しっとりと微妙な光沢をたたえている。
と――周囲が、にわかに慌ただしくなっていた。
一言で言うなら――祭りの前兆とでも言ったところか。喧噪の中で、理由らしき一言が耳にはいる。
「――覗き?」
確かここは、断崖絶壁の上にあるはず。そこをよじ登ってまで、ここへ?
「――へえ。面白い人もいるものだね」
笑みを浮かべて呟く。人によっては、猫のようなと表現されるような、そんな笑みだ。
「さて、と。一体、どうやって歓迎してあげようかな?」
本当に、ここは退屈という言葉から無縁らしい。呟きながら、私はそんなことを考える。
>221
なにやら、妙に気分が良くなってきてはいたが――お祭り気分のせいだろうと、大して気にも止めていなかった。
ギーラッハ vs 劉豪軍
梅の花舞い散る庭園。
梅の木が埋め尽くす庭園。
両者はそこに対峙していた。
一方は天を突くかのような巨大な剣をその手に掲げ、一方は糸の如き細き剣を、捧げるよう掲げ持つ。
犯罪結社青雲幇副寨主劉豪軍。人呼んで『鬼眼麗人』。
この緊迫の場で、涼やかな笑みを浮かべるその男は、西欧の化生、ギーラッハと立ち会っていた。
一騎打ちに至るまでの理由はある。
大体、鬼眼麗人直々に一騎打ちをすることなど滅多に無い。
言い換えれば、相対する男はそれだけの器ということ。
西欧の不死者……ノーライフキング。
身体能力、動体視力、反射神経。
おおよそ、生身の人間のそれより全てが上回ると言われている化生。
――――笑わせてくれる。
それがなんだ。そんな力は人間でも手に入れることができる。
身体の機械化という行為でな。
そのずば抜けた再生能力は無いが、変わりに多々ある愚しい弱点も無い。
「……所詮は貴様も歴史無き西欧人というわけか」
構えたレイピアの切っ先をユラユラと揺らしながら、騎士を挑発する。
鬼眼麗人が着こなす鮮やかな繭紬の布地に、龍の刺繍をあしらった長衫は、
この梅の庭に不釣り合いなほど不気味に美しい。
「――――『紅の騎士』ギーラッハ、貴様はこの国で己の程度を知るんですよ」
空気が凍る。死合いの開始を告げるように降り積もる梅の花びら。
だが、依然として鬼眼麗人は涼やかな笑みを浮かべたその表情を隠しはしなかった……。
>223
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
――――瞬間、意識が飛んだ気がした。
まさしく不意打ちであった。
爆発、恐らくは地雷。
「・・・けほ」
煤まみれの左手が口から黒煙を吐く。
そして、先ほど押し殺した疑問が再び浮かんできた。
・・・何故?
此処はただの崖のハズだ。
地雷を仕掛ける必然性など無い。
ならばどうして・・・
刹那の思考――――そんなとき左手に何かの液体がかかった。
反射的に飲み込んでしまう。
水だ。
しかもただの水ではない・・・暖かく硫黄の香りがする。
そしてその成分・・・場所によって微妙な差はあるが一般的に温泉と言われるそれだ。
「・・・なるほど」
推論だが全て解った。
男が何故こんな場所を登っているのか・・・なぜこんな場所に罠があったのか。
よく見れば好色そうな顔をしている男ではないか。
左手を敵と認識したのか男が魔力か何かで練った剣を向ける。
――――ニタ〜リ。
左手はそれに対し挑発の笑みを浮かべる。
その頭には男を地獄に叩き落とす必殺の策が浮かんでいた。
>215 桐原朝子VS南条圭
二体目の青い剣士も、老人の槍の一突きと南条の意思の力にうち破られた。
だが、引き換えに喰らった一撃は深いらしく、片膝を突いたまま動かない。
「死ななかったのね、南条くん」
そんな声が頭上から降ってきた。
相も変わらず動かない表情と声で。
「少し離れてくれる? 保健室を血で汚されたくないの」
朝子の表情は変わらない。
その言葉をきっかけにして、最後の剣士を繰り出してきた。
胸元の銀色のブローチから光が溢れる。
そう、発行したというより、強い金属光沢を持つ液体が流れ出した様だった。
滑らかな金属の輝きが朝子の全身を覆う。
それが終了した時、そこに立っていたのは、最強の力を秘めた白銀の剣士だった。
流れるような曲面で構成された銀色の体。
上腕部と膝の下に紫色の輪が一本ずつ。
目に当たるところにはゴーグル状の桃色の部分があり、そこだけ透けている様にみえる。
頭頂からは、長い髪の毛、あるいは尼僧のベールのようないぶし銀の膜が広がっている。
それは肩を越え、マントの様になびきながら、空中に溶け込むように消えていた。
人間的でありながら、この上なく非人間的な姿。
白銀の剣士は、剣を抜くこともせずマントを翻して消滅した。
辺りには、花びらのような薄片が名残惜しそうに漂っている。
その時、南条はまったくの勘でそこから飛び退いた。
南条がいた場所を見えない刃、しかも人間が扱うには大きすぎる刃が抉っていた。
天井、蛍光灯までもなます斬りにしている。
保健室のドア枠が砕けて、ドアが内側へ倒れ込んだ。
『嫌いよ、こんな部屋! 薄汚い高校生が寄り集まってくる不潔な部屋!
嫌らしい目であたしを見たりして! 無くなってしまえばいいのよ!』
南条の心の中に、その声は響いてきた。
刃が通り過ぎた後にそれは聞こえてくる。
声が、刃として襲いかかってきたような感覚。
理屈は分からない。
恐らく、ペルソナ使いだから……その程度の事しか南条には分からなかった。
>143 メレム・ソロモン VS 南武公&操
あの少年の声が聞こえる、人形を『操』と呼んだ。
「それが真名かな?」
少年が魔道書を起動させ、人形が力を行使する…このまま力を行使されると厄介だな。
だが最高の魔道書である『マリオノール・ゴーレム』の力を試したい好奇心もある。
聞こえてくる呪文はカバラの神秘に近い、もしそれならボクにはかなりの耐性がある。
魔獣の防御を考慮すれば、決して無理では無い筈だ…そう考えていた。
だが、現れた人形が放った矢はこちらの予想を越えていた。
全力で回避…それすら無意味。
こちらの動きを追跡する、死の塊が迫る。
反射的に右足の魔獣を解放する。
最高の力と出鱈目な巨躯を持つ『神の獣』、こいつを完全に解き放つには時間が足らない。
結果…中途半端に具現化した不定形の影と人形が放った死の塊は相打ちに終った。
右足が半ばまで砕ける、中途半端とはいえ『神の獣』にこれだけのダメージを与えられるとは。
「…やってくれるな」
目の前で『操』が無表情でこちらを見つめている。
気に入らない、その顔を苦痛で歪めてやろう、絶望で塗りつぶしてやろう。
相手に付き合うのはこれで終りだ、今度はこちらの趣向に付き合ってもらおうか。
「人形、お前の相手はコイツだよ」
『神の蛇』が操に襲いかかる、唯の時間稼ぎ、武公から引き離せばそれで良い。
いかに強力であろうと、力の発動者と行使者が違うのは弱点である。
まして、それが何の力も持たないだだの少年ではね。
『神の影』…あらゆる姿を取れる人型の魔獣、それを武公の後方に召還する。
その姿は『操』と完全に同じだ、
理由? 面白いからだよ。
後ろから武公を羽交い締めにしながら魔獣の『操』は髪を武公の全身に巻きつける。
「一寸したゲームだよ、君も付き合ってよ♪」
さあ、本当に感情が無いのか試してやろう♪
本当に人形なのか試してやろう♪
「ルールは特に無い、全力で抵抗していいよ」
それで無くては面白くない。
人形を嬲っても詰まらない、楽しくない、暇潰しにならない。
「ただし武公には、君が傷ついた分だけ傷を受けてもらうよ」
操がだた使役されているだけなら別になんの痛痒も感じないだろう。
…でも、違ったら?
少しは面白い反応をしてくれるだろう。
>226 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
――――――にた〜り。
怪奇生物は器用にも顔を歪めて不敵な笑みを浮かべた。
んだとこら、たかだか片手で何をしようってんだ!?
さっきから邪魔ばかりしやがって・・・だが、それもここまで。
ニィイ。
渾身の笑みを浮かべ、俺はハンズ・オブ・グローリーを構える。
「往生・・・せいやぁ!」
ゴキブリ並の速度で一気に壁面をよじ登りながら、俺は光り輝く霊波刀を前面に押し出す!
くたばれ妖怪ッ!
地獄がお前を呼んでるぜっ!
ついでに裸のねーちゃんが俺を呼んでるッ!!
呼んでるんだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!
>214 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「…でもさ、アテナは何で、格闘やってるのにこんなに身体が細いわけ?」
お湯の中の私をしげしげと眺めていた理香ちゃんの、いきなりの質問です。
「例えばさ、あんた、誰それ構わず一撃でぶっとばしたりするじゃない?」
それはひどいよ、ひどいよ理香ちゃん。
私は『誰それ構わずぶっとばし』たりしません。野試合は極力避けていますし、
日常で誰かを傷つけることもないはずです。それなのに理香ちゃん…、
「じゃあね、アテナ。あんた、自分がライオンと闘って、負けると思う?」
「…思わないけど」
「ほ〜らやっぱり。大丈夫よアテナ。あんたが猛獣だろうが怪獣だろうが、
私たちの友情は不滅だからね。お〜よしよし…」
理香ちゃんはどうして、私の頭を撫でるのがこんなに好きなのでしょうか。
「そうね〜。なんかこうしてると、カラダがぞくぞく〜っとして、
いいキモチなのよ」
理香ちゃんそれじゃまるでえっちなおぢさん…。
>229
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫)
挑発にかかった訳でもないだろうが、男が左手に斬りつける。
崖に張り付いているとは思えぬ速さではある。
――――が、ヌルい。
最高の剣士であろう男の左手から見ればその技はあまりに稚拙だ。
左手は余裕をもって下がり、回避する。
その勢いで連続して繰り出される剣。
下がりつつ回避する左手。
左手の位置は男の上方。
つまり、左手と男は頂上に向けて駆け上がっている。
しばし不格好な剣舞が続き・・・頂上が見えてきた。
「ククク・・・そろそろ頃合いか」
男がしつこく繰り出す剣、左手はその手首をつかむと手首ごと男の身体を振り回す。
――――サイズを考えれば驚愕すべき膂力だ。
男と身体を入れ替えると左手は下方、崖下に向けて爆風を放つ。
先ほどのそれに倍する風に押され左手は遙か上空まで飛び上がる。
無論、男も一緒にだ。
宙を舞う二人。
下方には湯気が見える、予想通り温泉だ。
――――さあ、仕上げの時間だ。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>214 >218 >220 >221
「…ふう、良い湯ですね…」
温泉の若干熱い湯に浸かりながら、私は鼻歌でも歌いたい気分を満喫していた。
とはいえ、『あの歌』は色々と弊害があるので、別の歌を口ずさんでみる。
「♪To hell You gonna fall…」
温泉で歌う歌じゃないだろ、とか言わない。
「む゛〜…」
ふと、タオの方を見やると、タオは口元まで湯船に浸かり、何やら唸っていた。
どうやら自分の胸の事を気にしているらしい。13歳なんだからそんな事を気にしても仕方が無いようにも思うのだが。
「全く…胸なぞ大きくても邪魔なだけだと言うのに…」
ぼんやりと月を眺めながら、胸の無い女性全てを敵に回しそうな独り言を呟く。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
頭の無い鷲。
開帳八メートルにも及ぶ漆黒の翼を広げる、機械の猛禽――装甲倍力袈裟/六番兵装、偵察飛行装備<迦桜羅>。
その欠けた頭部に当たる部分には蓮華座が固定されているが、そこに居心地悪そうに座っている男の制服は、
何故か機甲祈伏隊のものではなく、降魔局のものだ。
「温泉旅行へのお誘い? 行きませんよそんなの。混浴でもないし覗きも出来ない。
だいたい、あの連中と一緒に風呂に入ったら間違いなく食べられます。比喩抜きで」
吸血大殲板の責任者から来た手紙を見せられて、広報部員(独身:彼女募集中)はフンと鼻を鳴らした。
「いや、行って貰う。……これは、チャンスなのだ」
「(゚Д゚)ハァ? なんのチャンスなのですか?」
「アソコの女性連中には、力を持ってる者が多い」
「そりゃ、そうですが」
「つまり利用価値がある」
「……一体何が言いたいんです?」
続く上司の台詞に、広報部員(離婚暦なし)は青くなった。
「装備は貴様が求めるものを全て認める。なんとしても……」
「平たく言えば脅迫材料になる盗撮写真を撮って来いと」
「……もう少し修辞には気を使え」
項垂れながら、広報部員は部屋を出た。
というのが、彼がそこに居た理由である。
無論、彼も年頃のナイスガイだ。魅惑の楽園を覗きに行きたいという願望は人並み以上にある。
だが……
(無事に済むわきゃないよなぁ……)
大殲板の女性陣の魅力と共に、攻撃力のことも良く知っている広報部員は憂鬱な顔で呟いた。
>225 ギーラッハvs劉豪軍
「カラクリ人形モドキが笑わせてくれるわ」
左様、両者の立会いに理由等不要、己が力を信じて戦うのみ!
「参る!!」
己はヒルドルヴ・フォーク を劉豪軍に向って袈裟懸けに斬り付けた!
狙いは肩口、充分に踏み込んだそれは無論、普通の人間にかわせる物では無い。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>233
広報部員の憂鬱な気分に合わせたのではあるまいが、周囲の気が、重い。
大小無数の魔が、色/欲境界面すれすれにまで降りてきている。
だが、それを迎撃する手段すら彼には無い。
(いや、いっそ……)
広報部員は速やかに気息を整え、両手を広げた。
魔をその内に取り込むことにより、自らの内部にある色/欲境界面からくる力を無理やりに引き出す。
自らを一個の魔翼と貸した<迦桜羅>は、遥か2000mの高空を突撃する。
――――――盗撮の、為に。
>231 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
衝撃に体が踊る。
あの怪生物、動きが早いだけじゃなく、しかもこんな芸まであるとは――――!
宙を舞いながら、俺は改めて左手の化け物の力を思い知った。
だがっ!
飛んじまえば、さすがに避けられねーだろ!
俺は最後の文珠を取り出し、文字を刻んだ。
「爆」――――なんか使い慣れてきた、爆発を呼ぶ文珠!
「こいつで吹き飛べ、クソ爺!」
空中を不気味に泳いで左手を掴むと、文珠を叩き付けたっ!
今度こそ、今度こそこれで、俺の勝利じゃっ!
わははははははははははははははははははははははははははははははッ・・・あれ?
何か、重大な見落としがあるような?
何か釈然としないモノを抱えながら、炸裂する文珠の爆炎に俺は目を細めた。
さぁよいよ、これで――――ッ!
「覗きだ、覗きが出来るっ!
全人類の夢と希望が、そこに――――ッ!」
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>214
「たまにはこういうのもいいわね…」
私は、肩口を撫でながら呟いた。ほとんど塞がりかけてはいるが、そこには醜い傷跡がついている。
左の肩から右脇腹にかけて伸びるその傷は、先日の闘いで付けられたものだ。
傷の治りが思わしくないので、偶には湯治もいいかと思い、ここまで足を伸ばしたのだが……
>218 >220 >221 >224 >230 >232
秘境のハズの温泉は意外と盛況で、多少騒がしい気もしないでもない。
心なしか、酒臭い気もするし。
内心溜息をつきながら、とにかく目の前の状況を楽しむコトにした。
月が綺麗だ。
>218 >220 >221 >224 >230 >232
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「で、あんたが細いわけは? 特別なダイエットとかやってんの?
ほら、とっととゲロっちゃいなさいよ。ん? カツ丼食うか?」
「どこ触ってんの〜」
私は理香ちゃんに、鍛錬の概念について簡単に説明しました。
ほとんど身体の外側だけを鍛える西洋の武術とちがって、
中国拳法をはじめとする東洋の武術は、身体の内側、つまり
剄の繰りかた、呼吸などを重視した…。
「…って、理香ちゃん聴いてる?」
「あ〜、悪い。もういいや。とにかくあんたは、日々のたゆまぬ努力によって
女戦士バレリアになるのを防いでんのね。ふんふん、なるほど〜」
理香ちゃんの視線が胸に集中しても、なぜか今は気になりませんでした。
なんだか身体が火照ってきた>221のは、湯あたりのせいでしょうか。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
吸血大殲の女性陣で温泉に浸かる
それを聞いたときに訝しく思いもしたが・・・
「ん〜、良い御湯♪」
のんびりと浸かっている。
そう、崖から聞こえる物音などまったく気にせずに・・・
>234 vsギーラッハ
迫り来る斬撃――――速い。
神速の領域とも言えるその斬撃は、鬼眼麗人の予想を遙かに上回っていた。
いくら攻撃その物が速かろうと、先んじて放たれる『意』を読めば、避けるのは容易い。
そして、『意』とは攻撃の要。西欧剣法にそれを操る術は無い。
だが……。
「――――これがヴァンパイアか。まさに闘争本能の塊だな」
迫り来る怒濤の斬撃を構えたレイピアで絡め、受け流す。
軽きを以て重きを凌ぎ、遅きを以て速きを制す。
不倶載天流剣法『波濤任擢』……内家でも最も基本的な技の一つだ。
「『意』と『撃』が同時に来た……内家が千年の歴史を積み立て開眼せし技を、
貴様等ヴァンパイアは目覚めた時から……フン、まさに鬼の名に恥じぬ存在だ」
レイピアの切っ先が緩やかに半月を描き、その剣柄が首の付け根辺りでピタリと制止する。
さながら矢を引き絞るが如く剣柄を引いた構えは、載天流、『竜牙徹穿』の型。
「ヴァンパイア・ギーラッハ。貴様を倒せば、俺は現世一の戦士となるだろう」
次瞬、嵐のような剣戟がギーラッハを襲う。
考え得る全ての剣筋。その全てを神速の域で鬼眼麗人のレイピアが突き進む。
(俺が頂点に上り詰めた、そのとき――――君は微笑んでくれるかい?)
吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
「はふぅ・・・」
他の面々と一人はなれて、ローゼリットはぼんやりと湯煙を見つめていた。
香港で負った傷の療養に温泉の紹介を頼んだところ、効能豊かと紹介されたのがここなのだが・・・
怪しげ、いや妖しげな面々に、なんだか疲れてしまいそうになるローゼリットだった。
小さな手でお湯を救い上げ、夜桜を見上げる。
(字義どおりの意味で)成長の見込みの無い体のことを嘆くほど若くはないが、
それでもまぁ、コンプレックスではあったのだ。
なんとなく、人込みの中に行くのは気が引ける。
温泉の縁に背中を預け、目を閉じた。
なんとはなしに、両手を前に投げ出してみたりする。
ちゃぷんという音が妙におかしく、ローゼリットはくすりと笑った。
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「――む?」
タオに目を向け、気付いた事があった。
――タオの肌が、ほんのりと桜色に染まっている。
「きゃははははははは!!」
しかも、何故か酔っていた。
湯をすくって、匂いを嗅いでみる。
硫黄の匂いに僅かに混じる、アルコール臭。
辺りを見回し、湯船に浸かっている面子を確認してみた。
「ああ、なるほど…そういう事(>221)ですか…」
私の持った疑問は解けた。改めて肩まで湯船に浸かり、温泉を満喫する。
疑問さえ解明すれば、タオが酔っていようがなんだろうが構わない。
保護者としては問題があるだろうが、魔学者的には問題無し。
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241 >242
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「ヒック・・・・・・」
温泉につかっていただけなのだが・・・・・。
何故か私は酔っ払い始めていた。
「にゃははは!いや〜らんか気分いいわね〜♪」
ろれつが回っていない。
この後、酔っ払った自分がどういう行動をとるのか、しっていたなら・・・・・。
まぁ、多分すぐに温泉から出たのだろうが・・・・・。
>235 >236
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫、ついでに降魔局員)
遙かな上空。
そこに舞うは謎の生命体と怪人物。
男は宙を泳ぎこちらに向かってくる。
手には先ほどの剣ではなく球体らしきモノを持っている。
左手は軽い驚愕を覚える。
その小さな玉に詰まった魔力の密度に。
近くまで迫った男がその玉を左手に叩きつける。
その玉に映るは「爆」の文字。
刹那、爆炎が輝く。
――――なるほど、特定のキーワードを刻みその属性の効果を発現させる術か。
左手は悟る・・・大した術者だ。
だが男は2つの過ちを犯した。
1つは目的を忘れ爆炎など放ったこと。
これで気付かぬ者は居ないだろう。
そしてもう一つは――――左手に炎を与えたことだ。
口を開く左手。凄まじい爆炎がみるみる内に吸い込まれていく。
これで地水火風・・・4種揃った。
先ほどの術は侮れないがそれならそれで手はある・・・近接したのが命取りだ。
左手は男に密着する・・・そして薄く口を開き男にとって致命打になるであろう一撃を放つ。
つまりは――――先ほど男と衝突したときのアレである。
しかも先ほどよりディープである。
自爆技だが左手に一度見た技は通じない。
おまけの一撃も忘れなかった・・・輝く口元・・・迸る雷。
――――神鳴る力を受けるがいい――――
そう言ったかどうかは定かではないが。
尚、その余波を受け上空の航空機も直撃を受けたらしいがそんな事は知ったことではない。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241 >242 >243
気のせいかと思っていたが、やっぱり酒臭い。
周りを見渡すと、何人かは既に酩酊症状を呈しているようだ。
が、「まあいいか」で済ませてしまったあたり、私も酔っているのかも知れない。
夜桜が、実に美しい。
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241 >242>243
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
(ん?なんか周りが騒がしいかな?)
ふと、周りを見回すとえらく陽気な人達を見つける。
(酔っ払ってる?)
微かに御湯から匂ってくるアルコールの香り・・・
(原因はわからないけどどうやら湯にアルコールが混ざったのか
まぁ、別に問題ないかな)
「それにしてもきれいな夜桜ね〜」
(ん〜、私もちょっと酔っているかな〜)
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241 >242 >243 >245
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「ねえ理香ちゃん」
「なによ?」
「バレリアは女戦士じゃなくて、女盗賊じゃなかった?」
二人の間に流れる、沈黙。
やがて、理香ちゃんが口をひらきます。
「…こまかいツッコミしてると、揉むわよ…」
>240 劉豪軍
「何と!?」
己のヒルドルヴ・フォーク をよもやレイピアで受け流すとは……。
無論単に横から力を加えただけではこうは行かぬ、得物の差は本来技量では
凌げる物では無い。 劉豪軍は剣で己のヒルドルヴ・フォーク を僅かにそらすと同時に
自分自身も流水のしなやかさでもって動いたのだ。
剣裁きはその回避のきっかけでも有る。
そして怒涛のような剣戟の嵐!!
とても凌ぎきれる物では無い、腕に、肩に、レイピアが当る、
己はむしろ積極的に刃に向って鎧を当てていく、
そう、奴が狙ったタイミングと角度でさえ当らねば斬撃の威力は激減するのだ。
「セイヤァッ!!」
その剣戟に真正面から、ヒルドルヴ・フォーク の側面を向けて横薙ぎのカウンターを
繰り出す!!
斬撃では無い、正面からの刺突を受け止め、更に奴を叩きのめす為!!
>244 【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
――――――ッ!
もはや、声にすらならなかった。
あの、あの忘れようとしても記憶障害に引っ掛かる感触が、再び俺を襲った。
しかも今度は明らかに故意・・・強さも密着のレベルも違った・・・
再び、血涙。
そして、吐血。
何か全身が麻痺してぴりぴりと痛んだが、そんな事はもはや覚えていられない。
思考を真っ白なノイズに飲まれ、俺はただただ落下した。
男は・・・男はイヤや・・・イヤやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
そして――――――どばん、だかどかん、だかと言う、激しい水音と共に、落着!
大量のお湯を巻き上げて、あたりに白い霧を生んだ。
衝撃と電撃で死にそうな俺・・・その霞む視界の中に裸体のねーちゃんがっ!
慌てて顔を上げる。
右にも、左にも、ねーちゃん!
しかも裸体!
こ、これは天国!? いや、紛れもなく天国――――はっ。
ふと、その視線に気付いた。
ああ、これは殺意だ。
なんかとっても、怒っていらっしゃる。
そーいや、女湯に飛び込んじゃまずいよなぁ・・・は、ははは、ははははは・・・
「悪気はなかったんやぁ! 堪忍、堪忍してくださいっ!」
「仕方なかったんやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
絶叫が悲鳴に変わるまで、あと数秒・・・・・・・
(ツッコミ解禁! 各員、全力を持って突っ込め!)
>218>220>221>230>237>238>239>241>242>243>245>246>247
(……随分長くなったね)
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
……ここに来て、ようやく状況を理解。
どういうわけか、温泉の中から濃厚なアルコールの香りが漂ってきている。
「――いったい、いつから?」
そんなことを考えるものの。すぐに、どうでもいいかという結論に達した。
少なくとも――とても楽しい。
サクラ、と言う花が静かに夜を彩っている。とても、いい夜だ。
>247
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「揉むぅ?」
すっかりほろ酔い気分になったタオが口を開く。
「おぉぅ!! もんだれやねぇちゃぁ〜んっ!!!」
と言うか、すっかり酔っ払いのサラリーマンになっていた。
「――落ち着きなさい」
何処からともなく取り出したフラスコで、タオの頭を一撃。タオが湯船に沈んでいく。
ちなみにフラスコの欠片は破裂と同時に原子分解するので、湯船の中にガラス片が入ったりしない。ご安心を。
>218>220>221>230>237>238>239>241>242>243>245>246>247>249>250
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
あれ、男の人…?
とつぜん現れた男の人>249に、私は教えてあげました。
もしもし、場所をまちがえましたか? こっちは女湯ですよ…。
そのときです。
「ダッシャアアアァァ!!」
突然理香ちゃんが、雄叫びとともに、その人に襲いかかりました。
水中とは思えない走りから、ヤクザキック炸裂。そのまま連打、連打。
♪キック、キック、キックの鬼だ〜。いえ、鬼などと生易しいものではありません。
理香ちゃんは今まさに、ヤクザキックの神として生まれ変わったのです。
ヤクザキックのみで悪を誅する至高の存在。理香ちゃん輝いてるよ。
歌歌ってあげよっか?
「♪男の人はかわいそう メカニズムに悩んで
知らんふりしているわ 寄せうつ波を泳いでいいよ
ロリータ ロリータ 愛のロリータ
女の匂いを覗かせ〜…」
温泉って素敵だね、理香ちゃん。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241 >242 >243 >245 >246 >247 >250 >251
程良く混ざった酒のせいか、場の雰囲気もいい感じで盛り上がってきた。
………と、そこに。
>249
空から、奇妙な物体が落下してきた。
派手にお湯飛沫を上げ、あたりは立ちこめた真っ白な霧に包まれる。
それが晴れた時、そこに立っていたのは………間違いなく、男だった。
もちろん、ここは女湯だ。いかなる事情があろうと、男性の侵入は許されない。
「悪気はなかったんやぁ! 堪忍、堪忍してくださいっ!」
「仕方なかったんやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
男の絶叫にも似た懇願を完全に無視し、私は呟いた。
「 や っ て お し ま い 」
その声と同時に現れ、襲いかかった鬼たちが、出歯亀男を袋叩きにするのを眺めながら、私は呟いた。
「世は全て事もなし、か」
>249【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
そろそろ、出ようかと考えていた矢先、
”どば〜ん”という音を立てて水飛沫が舞う。
必然、私はそちらの方へ身体をむける、そこには・・・
どこかで見た男・確か横島と言ったか がいる。
『火の精霊達よ!!!怒れる炎となり我が意志の命ずる存在を焼きつくせ!!!』
『火炎弾!!!』
なぜ、彼がここにいるのか等知ったことではない。
彼が、何か叫んでいるようだがそれも知ったことではない。
わたしは、気がつけば呪文の詠唱を行っていた。
(普段はこんな事はしない、きっと酔っ払っているせいだろう)
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー:千鶴側導入)
「……これで3人目ね」
私は、鶴来屋の会長室で新聞を見ながらそうごちた。
最近、地元で起きている連続猟奇殺人事件……
明らかに人の仕業ではない。
人ならざる者の仕業……
そうまるで、私のような……
認めたくはないけれど、犯人の目星は……
耕一さんの夢見といい……
「結局、呪われた血筋なのかしらね……」
1人呟く。
ただ、ひたすらに気分は重い。
会長室の扉が開いた。
社長の足立さんが顔を覗かせる。
「ちーちゃん、黒岩東京都知事がお見えだよ、挨拶してくれる?」
私はうなずくと、席を立った。
少しでも、目の前の雑事に集中して、憂さを晴らすか。
>248 vsギーラッハ
(こ奴……まさしく化生だな)
迫り来る轟剣を前にして、鬼眼麗人は思う。鬼だ、鬼が此処にいる。
「――――撥ッ」
掛け声と同時にギーラッハの轟剣を真っ正面から受け、鬼眼麗人は背後の梅の木まで吹き飛ぶ。
しかし、木に衝突する寸前で体勢を建て直し、身体を旋回。
木に足をつけると同時に踏み抜き、騎士へと一直線で跳躍。
空中で『沙羅断緬』『雲霞渺々』『零式牙突』の三連撃。
もはや、人間技には非ず。
だが、それも囮。真っ当な技などこの化生に通用するとは思っていない。
最後の一閃を放ったあと、伸びきった腕に釣られて身体が旋回する。
長衣が翻り、ギーラッハの視界を……
次瞬、長衣の奧より電光石火の空中回し蹴り。
巨木をも打ち倒す蹴りを、騎士の頭へと撃ち放つ。
(載天派影技『臥龍尾』……この技は見切れるか?)
この間、一秒にも満たず。
>255
仕事が終わった。
変わったことと言えば、VIP待遇で黒岩東京都知事が休暇として宿泊に来たぐらいだ。
……思ったよりきさくな人だった。
柏木家に帰る為に、鶴来屋の前に止めてあるリムジンに乗ろうとした時だった……
「……!?」
この気配は鬼気!?
まさか……?
運転手に歩いて帰ることにしたと告げ、鬼気を感じる方向へと駆け出す。
・
・
・
公園……
そこはまさに惨劇の場だった。
一面にぶちまけられた人のパーツの数々。
広がる赤……
そして、その中央に立つのは不気味な甲冑を来た男だった。
男が私の方に振り向いた……
>257
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)〜黒岩側導入
ここ隆山では、猟奇殺人事件が連続して起こっていた。
到底、人の仕業とは思えない凄惨な手口。
俺が休暇を取ってここを訪れた真の理由は、その事件を独自に調べる事だった。
大方、また馬鹿な俺の「同族」がキレて暴れているのだろう。
連中に暴れられては困る。少なくとも、今は。
苛立つ心を抑えて、滞在先である「鶴来屋」の会長――柏木千鶴に出会った。
23歳の若さで鶴来屋グループを経営する才媛。
彼女は噂に違わぬ美人だった。
以前の俺だったら、彼女を「狙って」いたことだろう。
不穏な考えを頭から追い払いつつ、俺は会話の席に着いた。
彼女との会話はなかなか有意義だった。
気のせいか、彼女から俺に通じる物を感じたからだろうか。
夜の隆山を散策しつつ、俺はそんな考えにふけっていた。
その思考は突然中断された。
断末魔の叫びと、風のように吹き付ける殺気によって。
>258
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)〜黒岩側導入2
例の事件か!
「ブラックアウト!」
変身ワードを唱えると同時に、俺はその叫び声のほうへ駆け出した。
その場にあったのは人の残骸。
そして、辺りを揺るがすような殺意を身に秘めた「ケモノ」。
ダークザイドじゃない?
困惑しながらも、俺は剣を抜いた。
そのままアスファルトを蹴ると、そいつめがけて突きを放つ。
しかし、俺の剣はただ空を切る音を立てただけだった。
速い!
驚愕すると同時に、その「ケモノ」は姿を消していた。
逃げられたか――――――。
舌打ちしつつ、剣を背に戻す。
そのまま変身を解こうとした時、再び殺気が吹き付ける。
あの「ケモノ」に似た、風のような殺気。
振り向くとそこには、昼に見た顔が立っていた。
――――――そう、柏木千鶴が。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>233
「……撮れた。撮れた撮れた撮れた撮れたひゃっほぅぅうううううー!」
ハイな台詞を叫び、ついでに役得とばかりに下の温泉―――楽園を覗きまくる。
「凄い凄い凄すぎるッ! 生きてて良かった―ッ!」
そして因果応報、という言葉通りの現象が起きた。
雷の直撃を食らった<迦桜羅>が失速した。
墜落の寸前に蓮華座ごと射出された広報部員は地表に衝突。
五体投地式接地法。
着地の衝撃が煩悩に変換されギャグキャラ属性を付与。広報部員の身を護った。
地上を鞠のように跳ね転がったのち、彼はバイザーを外し、顔を拭いながら立ち上がった。
温泉の位置を確認はしたが、それにもはや意味はなかった。
既に<迦桜羅>は飛び立てない。おまけに……
「……カメラ、壊れちゃいましたね」
任務はこれで完全に失敗した。
だが、その表情は穏やかだ。
彼は空を見上げ
「風が出てきたな……」
と呟いた。
そして名残惜しげに【温泉】に背を向け、追い風を受けながら一路故郷を目指して歩き始めた。
【HAPPY END】
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>249
「んだぁ? 覗きぃぃぃぃ?」
沈んだはずのタオが、湯船から立ち上がる。
「良い度胸だねぃ。言うなればナイス度胸…!」
目が据わっている。本格的に酔ったようだ。
「往生せいやぁ! ちょお! くぅじんけんっ!」
突き出したタオの掌底から、膨大な気の塊が撃ち出された。
「酔っていても身体は動きますか。流石は『風舞』の一員」
例によって例の如く、何処からともなく取り出したお銚子で一杯やりながら、そんな事を呟いた。
>249>260
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
桜と私の物思いを吹き散らして、なぜか横島が落下してきた。
――横島ったら、また〜? ちょっと御仕置きが必要かな〜?
少し沈み気味だった私の思考はかなり物騒だった。
反射的に次の闘争用に考えていたネタを使うことに決定。
上空4キロ。
知覚の限界距離に小石を数十個具現化する。
正確に横島を狙って落ちるように、だ。
4階から落した10円玉は頭蓋をぶち抜く威力を得る。
ましてやこれだけの高さならばその威力は言うまでもない。
「まあ横島だから死なないでしょ〜」
私は石を横島目掛けて投げ落とした。
ちなみに何発かが逸れて誰か(>260)に当たったようだが、私がそれを認識することはなかった。
>259
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
明らかに目の前の男が同族ではないことは分かる。
しかし、放っておくには危険すぎる。
目の前の惨劇を見た以上は……
私の中に秘められた鬼の力を全解放する。
一瞬、私の周りに冷気が吹きぬけた後、完全に私は人の姿をした鬼になった。
「……あなたが何者かは知りません。しかし、この状況下で放置はしておけません」
ぐっと足に力を篭める。
「……あなたを殺します」
そのまま、10メートルはある男との間合いを一瞬で一足飛びに詰め、右手の爪を振り下ろす。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>249
――――盛大な音を立てて。
人がひとり、お湯の中に落ちてきた。
どうやら、これが件の「覗き」らしい。怒るよりも、笑いがこみ上げてくる。
情けない顔で何か言い訳じみたことを叫んでいるが、当然のごとく、酒で鈍くなっている頭に届くはずもない。
「あははは。よく来たね、お疲れさま。でも――」
言いながら、近くに転がしてあった小物入れから、拳銃――<コンパクト・ボックス>と言う名の小型の拳銃を取り出した。
威力としては大したことはないが――人間に対しては、充分に武器として通用する。
「只で済むとは――思ってないよね?」
にこり、と笑って躊躇無く発砲。だが、酔った視界ではろくに狙いがつけられない。
それにもかかわらず、連続で引き金を絞る。
銃弾が無くなるまで――朗らかに笑いながら、彼女は銃をうち続けていた。
>251>252>253>254>261>262
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
なんだかお湯が赤くなっていきます。理香ちゃんすごい。魔法使いみたいだね。
でも大丈夫だよ理香ちゃん。理香ちゃんが神でも魔法使いでも、、
私たちの友情は不滅だからね。
なおも猛り狂っている理香ちゃんに、私は中指でサムズアップを送りました。
温泉って本当に素敵だね、理香ちゃん。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>262
⊂⌒~⊃。A。)⊃ <わ、我が一生に一片の悔い無しッ! ……ガク
【降魔局 広報部員……死亡】
>263
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
彼女は何やら勘違いしているようだが、この姿で弁解するわけにもいかない。
内心歯ぎしりしつつ、再び剣に手をやる。
柏木千鶴の風のような殺気が、冷気を伴った本物の風となる。
薄く、彼女の足元の地面にヒビが入る。
見た限りでは体格は変わっていないが――――明らかにウェイトが上がっている。
『……あなたを殺します』
そう告げた彼女の表情は、昼のそれとは全く別だった。
冷酷なまでの、殺人者の目。
その目を俺に向けたまま、彼女は剣のように伸びた爪を振り下ろしてくる。
鋭い金属音。
彼女の爪に合わせて、抜きはなった剣で受け止める。
軽く腕が痺れる。重い一撃。
参ったな。これほどの相手とは――――
――――退くつもりが、本気で戦いたくなってしまうじゃあないか。
俺は仮面の奥で片頬を持ち上げ、鋭い突きを彼女の肩口めがけて放った。
>249
吸血大殲の女性陣で温泉旅行に訪れた私は、
温泉の中で、余りにも気分が良いために少々眠ってしまった。
その眠りを妨げる喧騒。
如何やら不届き者が居る様子。
「無礼者!!」
そう一言叫び、手近な風呂桶を投擲した。
吸血鬼の膂力で、である。
そして、追い撃ちとばかりに『念動』で『過熱』した熱湯を頭から浴びせ掛けた。
>266 死んだ降魔局員の死体を回収する謎のピエロが一人。
「フフ、まあこやつにしてはよくやったというべきか。」
局員の体に仕込まれていた、温泉内の状況を逐一記録した各種諜報機器を回収すると、
局員をゴミ箱に投げ入れて素早く立ち去った。
>269
その行く手に立ちはだかる女が一人。
「 逝 っ て こ い 大 霊 界 ! 」
(【戦の魔王】炸裂、ピエロは夜空の星の一つになりましたとさ
めでたしめでたし)
>267
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
ガキンッ!
鈍い金属音がして、私の爪と男の剣がぶつかる。
鈍重な外見からは想像できない軽快で素早い動きだった。
――まぎれもない強敵だ。
男が鋭い突きを放つ。
……私の右肩に鋭い痛みが走り、鮮血が飛び散る。
しかし、この程度ならかすり傷。
そのままカウンターとして、左手の爪を男の腹部に向けて振るう。
>267名前修正。
変身していたのを忘れていた……。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>249
「・・・ま、おしおきは必要よね」
さすがに声音も視線も冷たくなるのはやむなしといったところか。
風霊に命じて痴漢の口鼻に貼りつかせる。
殺してもしょーがないので、死にそうになったら離れて、
一息吸ったらすぐまた貼りつくように命じておいた。
とりあえずそれだけやって、湯船に浸かり直す。
月光を受け、はらはらと落ちてくる桜の花びら。
幻想的な風景を眺めながら、ローゼリットはゆっくりと目を閉じた。
賑やかな騒ぎをBGMにしながら。
>256 劉豪軍
確かに奴にヒルドルヴ・フォーク は正面から命中した、しかしその手ごたえは。
「自ら飛びおったか!?」
己の打撃に合わせて後方に飛ぶ事でダメージを低減したのだ。
そして背後の木の幹に着地したかと思えばその弾力をも利用しての跳躍!!
目にも止まらぬ三連撃!!
「いえあぁっ!!」
己は身を沈めて二撃までをかわし、返す刃で三撃目を弾き返す!!
しかし、その己の死角から頭部迫るは蹴撃!
もはや勘でしかない、体の位置を入れ替え、肩でそれを受け止める。
「……。」
(なんたる蹴りよ…… 強化されておるとは言えこれが人の技かよ?)
(こやつは人等では無い、越えた存在とでも言うか……?)
先程の斬撃すら受け止めた鎧が潰れ、肩の筋肉を圧迫している。
これでは満足に腕が動かせぬ、己は肩のパーツを外す。
「セイヤアァッ!!」
繰り出すは必殺の三段突き、中、左、右と神速の突きを連続で放つ!!
鎧の肩のパーツが地面に落ちたのは己が全ての突きを放った後の事。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
「これ以上、入ってると湯あたりしちゃうかな、不埒者も退治できただろうし・・・」
アルコールでおぼつかなくなってしまっている足で脱衣所へ向かう。
(後ろでいまだ続く喧騒を無視して退場)
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 左手 vs 横島忠夫
>249
いまさら悲鳴を上げるのもばからしいが、罪には罪の報いが必要だ。
「・・・・ばか」
冷たくつぶやくと、炎を放つ。監視者の炎は水ごときでは消えない―
出歯亀男の周りだけ、お湯が沸き立つ。
「いい気味よ・・・・」
美夕はあらためてお湯の中に、その白い体を沈めていった。
>274 vsギーラッハ
蹴りを放ちきったこの体勢。
もはや、次手はあの攻撃には間に合わず。
(フッ、内家の戦闘法はお終いか……)
紅の騎士には聞こえただろうか?
次の瞬間に巻き起こる、この爆音を。
そして、ギーラッハの耳に、肌にその轟音と衝撃波が届いた時には――――
「ハハハハハハ、俺を此処まで本気にさせるなんて、西欧の化生も捨て置けんな」
鬼眼麗人は、ギーラッハの前方5m程のところに立っていた。
一見、派手なボディスーツとも見えるサイボーグ化された肉体を包む、漆黒の長衫はもう無い。
手にはギーラッハが解いた真紅のパーツの一つ。
「……流石に、全部は拾えなかった」
手に持ったパーツを捨てながら、鬼眼麗人は語る。
語りながらもレイピアは水のように動き、構えを作る。
その構えは一撃必殺『貫光迅雷』の型。
此処に来て、鬼眼麗人は本気を魅せる。
「――――来い、紅の騎士。次の一刀で貴様は死んだことも気付かずに逝く」
>271
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
彼女は突きを受けながらも、俺の腹を爪で薙ぎ払わんとする。
咄嗟に後ろに飛んで避けようとするが―――― 相手は、俺よりも速かった。
着地と同時に、腹部に痛みが走る。
彼女の爪は鎧を貫き、俺の体を抉っていた。
深くはないが、確実にダメージは受けている。
随分と良く切れる爪だ。それにあの速さ。
油断は出来ん。
俺は間合いを開いていく。
ゆっくりと、歩を後ろに進める。
逃がさないように警戒してか、彼女はこちらへの距離を、一歩詰める。
その瞬間に、俺は跳躍した。
そのまま剣を彼女目掛けて振り下ろしていく。
踏み込んだ瞬間を狙っての一撃。
大抵の相手なら、避けられはしない!
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「理香ちゃ〜ん、そろそろあがろっか?」
私は、まだ踊っている理香ちゃんに声をかけました。
実をいうと、わたしはすっかりのぼせてしまっていたのです。
足元がふらふらします。目がまわります。あ…。
「む〜ん…」
お湯の中に倒れようとした私を支えてくれたのは、
もちろん理香ちゃんでした。さすが、神にして魔法使いだね。
あとで、コーヒー牛乳おごっちゃう。
理香ちゃんにおぶさったまま、脱衣場まで運んでもらって、
浴衣も着せてもらいました。はらはらと散る、桜花の模様。
「あんた、結構重いのね…。東洋武術のナントカはどうしたのよ…」
ひどいよ理香ちゃん。私、たったの0.05tしかないよ。
理香ちゃんなんて0.0…。
「何言おうとしてんのよこら」
びしっ!
「きゅう」
理香ちゃんの背中は温かくて、なんだか眠くなってきました。
「理香ちゃん、私、ちょっとお昼寝していい?」
「あ〜、あたしも眠い。一緒に寝るとしますか」
「♪キッスは目にして〜…」
私はそのまま、眠りの世界に落ちていきました。
目がさめたとき、この一件の記憶も無く、
代わりにひどい頭痛に悩まされることも知らずに。
(麻宮アテナ&柏崎理香、退場)
バーンvsジャッジ・デス
>100
ジャッジ・デスがその爪を降り下ろそうとした瞬間、天井が崩れ落ちて彼らの頭上に瓦礫の雨を降らせた。
焼け焦げた部屋が、煙に覆われる。
「おのれェェ!罪人めェェェ、何ォ処だッ!?」
煙の中から現れたジャッジ・デスの姿は、凄惨なものだった。
翼竜を型どった肩当ては熱で歪み、その痩身を包んでいたジャケットはとっくに焼失している。
全身の皮膚は黒焦げになっていて、剥がれ落ちた部分からは赤紫の肉が見えている。
しかし、彼の殺意はまったく衰えていなかった。
「おォ前はァァ、俺をッ!正義をッ!邪魔しィィやがったァァァ!」
バーンを求めて周囲を見渡す。
「法の名ァにおいてェェェ、えぐるゥゥ!刻むゥゥゥ!」
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
>249 ―――ツッコミ!!
その時私は、ゆったりと温泉につかっていた。
もとからお風呂は好きだし、なにせ旅行。かわいい子がいっぱい。
これを幸せ絶頂と言わずして何と言う!
―――その幸せのさなかに乱入してきた一人の男。
・・・この男・・・!!
「・・・人の恋路(?)を邪魔したらどうなるか、知ってるか・・・?」
>妖術・幻夢の一撃(ナイトメア)
”ぱかーん!!”
ナイトメアの蹄が男にクリーンヒット。
「・・・そう、馬に蹴られる、だ」
>55 アーカードVSアベル・ナイトロード
アーカードが地を蹴った。
右半身を埋め尽くす腕が、アベルを引き裂かんと迫り来る。
対するアベルは大鎌を構え、弾かれたようにやはり突撃する。
その紅い眼は無数の腕の向こう、アーカードの体のみを見据えている。
どちらも、防御など全く考えていない。
全てはこの一瞬に決する――
(トリップ判定)
>278
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
私の爪が男の鎧を貫き、腹部に突き刺さる。
ズブッという鈍い感触が手に伝わる。
その後、男は間合いを取る。
私も大事を取って下手に追い討ちはしない。
私が一歩近づけば、男が一歩下がる。
膠着状態。
しかし、均衡を破ったのは男だった。
私の『動』の瞬間を狙っての斬撃。
「……くっ!」
咄嗟に横っ飛びに飛ぶ。
直後、一瞬前に私のいたコンクリートの地面は何かの冗談のように大きく抉られていた。
……矢張り、剣と爪。
攻撃力の差は否めない。
ならば、こちらも相手に無いもので勝負すべきだろう。
私は地面を蹴り、男の周りを死角から死角へと縦横無尽に駆け回る。
男が隙を見せたら、その瞬間に決める!
>280 VSジャッジ・デス
崩れた瓦礫の中から立ち上がるジャッジ・デス。
奴は視界から俺を見失っている…!ここだ!!
「てぇありゃぁぁぁぁぁぁあっっっ!!」
アメフト仕込みのショルダータックル!無論、PSYパワーで威力を増してある。
轟音を響かせて、奴は壁を突き抜けてビルの周りの結界まで吹き飛ばされる。
「一気に片をつける!!ハァァァァァァッ…」
短く、鋭く、呼吸を刻む。そしてそのリズムをだんだん早くしていく。
<ハイパーチャージ>。自分の生命力をPSYエネルギーに変換する荒技。
今 、 望 む の は 鎧 触 一 蹴 !
「フレイム・シュートッ!!」
<スピットファイア>よりも炎が圧縮された<フレイムシュート>。
しかし、これは虚実の虚にすぎない…。
>277 vs劉豪軍
突きを放った瞬間、そこには奴の姿は無い、そして遥か間合いの外に奴!!
「テイヤアァ!!」
奴に向け予告なしの十字剣閃
己が魔力を込めた必殺の空間断裂派が奴に襲い掛かる!!
同時に己はヒルドルヴ・フォーク を腰だめに構え奴に突撃する!
そして繰り出すは先を越える五段突き!!
>249>252>253>254>261>262>264>265>268>273>276>281
【吸血大泉――湯煙旅情編――】 横島忠夫 vs左手
「あはは、叩きゃ直るってもんでも無いと思うんだがね」
…で、出来上がったのがこれ、と。
これは流石に死んだような気もするが、どっこいまだ生きているらしい。
伊達にあの殺人トラップ群を突破して迄覗きに来てはいない、といったところか。
そして、他の連中は既に皆酔ったり湯当たりしたりで既に風呂から出ている
…このボロキレ以下になった男を残して。
「仕方ない、片付けるとするかね」
暴れられると面倒なので軽く金縛りにして転がす、勿論その先は崖。
斜面の具合、比較的トラップが多く残っている場所を確認して――落とす。
「もう少し覗く相手を選ぶべきだったわね、ご愁傷様。
歓迎するから生きてたらまたいらっしゃい」
さらば勇者、君の事は忘れないでおこう…その、1日ぐらいなら。
何やら派手に転がる音やら射撃音とか爆音とかが響く斜面は見ないことにして、
私も風呂を後にした。
>249
【吸血大泉――湯煙旅情編・左手ED――】
(左手対横島忠夫)
男がキリモミ回転しながら落下していく。
流石にアレは効いたようだ。
響く着水音、直後に更に響く爆音、銃声、撲殺音。
その音を聞きながら左手は満足していた。
「ふ・・・悪は滅びた」
そんなことまで言ってる始末である。
が、因果応報、自業自得。
相応の行為の報いはあるモノだ。
――――メキョ。
左手に小石がめり込んだ。
更に流れ弾や流れ火球や流れ熱湯、ついでに流れ馬、その他色々が流れてきた。
たまらず落下する左手――――幸か不幸か温泉は避けていたが。
だが、その顔にあるのは笑顔。
これぞまさしく大事を成し遂げた真の漢の顔であった。
ちなみに左手がDに発見されるのはこれより135時間と28分11秒の後である。
バーンvsジャッジ・デス
>284
「があァァァァ!?」
ジャッジ・デスの体がビルの壁面を突き破って吹き飛ばされ、不可視の壁に激突した。
「きィ、きィ、貴様ァァァ!」
衝撃で脊椎が砕け、上半身を揺らしながらずり落ちるデスの体にさらに追い討ちの火炎が襲いかかる。
「うがあァァァァ!」
この世のものとは思えぬ絶叫が響きわたった。
>287 【吸血大泉――湯煙旅情編――終焉:横島】 左手 vs 横島忠夫
一体・・・どれほどの手が伸びてきたのだろうか。
もはや記憶は記憶として残らず、ただあるのは背筋を凍てつかせた恐怖のみ。
ねーちゃんが・・・ねーちゃんは・・・遠慮、なさすぎ・・・や・・・
――――がくーり。
揚げ句、絶壁から放り投げ出され、爆発とレーザーに晒されながら転落・・・
ボロ雑巾以下の血達磨になって、俺は眼下の温泉に突入した。
あの時の数倍に値する量が、飛沫となって弾ける。
大殲の男性陣が見守る中・・・・・・・温泉の効能と精神力だけで、俺は再び立ち上がった。
「ふ、ふふふ、ふふふふふふふ・・・やってくれるやないかい」
常人なら五度ほど死んでお釣りが来るほどのダメージも、俺の煩悩は挫けない!
そうだ――――まだ崖はあり続け、その先に美女がいずれ舞い戻る。
なら、俺はその時までに再びここを攻略するまでっ!
「俺は諦めん! 決して諦めんぞっ!」
拳を固め、俺は新たに決意する。
「例え飢えてもボロ雑巾にされても、男である限りは決して止められないんじゃっ!」
呆れ果てる他の面々を後目に、俺の心はリベンジに燃えていた。
――――次も同じ結果に終わったのは、また降ってきたヒトデ型怪生物の所為だった、としておく。
>283
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
真っ向から斬りつけた剣はただ、夜の空気だけを薙ぐに終わる。
今の一撃を避けた?
単なるスピードだけで出来る芸当ではない。
動きかけた身体を御するだけの力と、咄嗟の判断力。
その細身にそれだけの物を秘めているとは。
一体彼女、柏木千鶴は何者なんだ?
その疑念が脳裏を過ぎた瞬間、彼女の姿は俺の眼前から消えた。
それと同時に、風圧が俺の身体を打つ。
彼女が風と一体化したかのように、俺の周囲を駆けめぐっているのだ。
俺は彼女の動きを見極めようとするが、素早すぎる。
見切れないか。
―――― なら、見なければいいことだ。
俺は視線を自分の前に向けたまま、
すぐには悟られないように、剣を正眼からゆっくりと左にずらす。
あえて自分の右側に、隙を作ってみせたのだ。
さあ、飛び込んで来い。
そこに一撃。それで終わりだ。
殺意に囚われたまま、俺は剣を握る手に力を込める。
>>288 VSジャッジ・デス
かかった!
―――――そして、これが、これからが、虚実の「実」!
「トライアングルッ・ヒィィィィィィィトッッッ!!」
三角形を表した魔法陣がジャッジ・デスの体を包み、拘束する!!
「てめえは肺まで焼き尽くす!!」
ビシィッと指差し、炎気で全身を包みあげる!
「燃えろぉ…浄化の炎!!ゴォォォォォッドッ!フェニックスッ!!」
<ゴッドフェニックス>。炎で鳳凰を生み出し、相手に叩きつける最大の技。
だが、今回バーンは己の全身を包み、突進するという変則的な方法をとった。
「うおぉぉぉぉぉっっっ!!」
身動きの取れないジャッジ・デスを炎のくちばしが貫いた。
「これで終わりだ…バァァァァァスト・エンドッッッ!!」
炎の掌<バーストエンド>がジャッジ・デスの体を握り、まさに一握の灰と化した。
闘争のまとめじゃ。
【吸血大泉――湯煙旅情編――】
(左手対横島忠夫+大勢の者達)
本編。
>205 >207 >209 >211 >213 >214 >216 >219 >222 >223
>226 >229 >231 >236 >244 >249 >287 >289
闘争を彩ってくれた女性陣。
>218 >220 >221 >224 >230 >232 >237 >238 >239 >241
>242 >243 >245 >246 >247 >250 >251 >265 >275 >279
でもって突っ込み。
>252 >253 >254 >261 >262 >264 >268 >273 >276 >281
>286
その他。
>233 >235 >260 >266
>269 >270
ネタのために体を張ってくれた皆に百万の感謝を。
そして横島に幸あれ。
>285 vsギーラッハ
「見事だ……紅の騎士よ……」
ギーラッハが繰り出す怒濤の剣戟を前に、鬼眼麗人は感嘆する。
そして、応えよう……相応の技を以て!!
次瞬、またしても爆音。
音速の壁を撃ち破り、鬼眼麗人はギーラッハに最後の一撃を見舞う。
内家の軽功術と、機械化された脊力を以て、初めて可能となるこのスピード。
何人にも視認はできん。視えるのは残像、それのみ。
――――静寂
鬼眼麗人はもとの位置から一歩も動いていなかった。
否、動いてはいた。だが、一瞬の間に全てを終わらせたのだ。
「……本当に、見事だ――――」
口から溢れ出す血。
鬼眼麗人の吐血と同時に背後の梅の木が両断し、倒れる。
紅の騎士が放った魔剣。視認できず、また防ぐことも適わなかった。
(まだ……この俺に理解できない技があるとはな……世界は広い)
だが、続く五段の突きは全て避け、音速から放った撫でるような掌打は
ギーラッハの内蔵をぼろ雑巾にしたであろう。
載天流拳法『黒手裂震波』。必殺の一撃である。
>290
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
……男は私の動きは目に追えていない。
しかし、それでも動じない。
下手な同族より余程手ごわいかもしれない。
他の鬼の様に本能のままではない。
男には裏打ちされた確かな経験と技術がある。
いわば、理性のある怪物だ。
これほど厄介な物はない。
男の右側に隙が出来る。
誘いだろうか?
……長期戦は私も好まない。
元々、男性の鬼と違い、女性は身体を変形させない。
その分、身体にかかる負荷が大きい。
私は男の右側に飛びこんだ。
――狙い済ましたかのように男の剣が唸りをあげる。
私のスピードと男の剣、どちらが早いか?
結果はそう好ましい物ではなかった。
最悪という訳ではないが……
男の左肩に深く爪が刺さり、男の剣は柄に近い刃の部分が私のわき腹にめり込んでいた。
流石にダメージが酷い。再び飛んで間合いを取る。
男は腹と左肩、私はわき腹と右肩にそれなりの傷を負っている。
もう、さっきのような奇襲は通用しないだろう。
しかし、正面きって戦うのも不安がある。
ならば……
私は公園の森の中に飛び込んだ。
ここなら、男の剣も木々に邪魔され満足に振るえないだろう。
この中で仕留める!
バーンvsジャッジ・デス
>291
灰と化して崩れ落ちるジャッジ・デスの肉体から、煙のようなものが湧きたった。
煙は一ヶ所に集中し、形を変えていく。
やがてそれは、ジャッジ・デスの顔へと変わった。
「バァァカめ!死人を二度ォ、殺せるゥゥものかァァァ!」
その口を歪めて、嘲笑する。
「貴様のおォォかげでェ肉体をォォ失ァッたが、かまわんッ!その体ァ、もらいうゥゥけるゥゥゥ!」
そう言うとジャッジ・デスの霊体は、呆気にとられたバーンに接近し、その頭の中に流れ込んでいった。
「我に従えェェェ、正義のォォためにッ!」
脳を掻き回されるような苦痛のなか、ジャッジ・デスの狂気がバーンの心を徐々に蝕んでいく。
「殺せェ、おォ前達をォォ怪物呼ばわりしィィ、滅ぼそうとしたァァ愚かなッ人間どォォもをォ!」
ジャッジ・デスはバーンに呼びかける。
「殺せェ、お前達をォォ裏切り者扱いしたァァァ、傲慢なァサイキィィッカァァァどもをォ!」
ゆっくりとその精神を支配していく。
「殺せェ、殺せェ、殺せェ、全てのォ命をォォォ!」
>295 精神戦〜VSジャッジ・デス
『バァァカめ!死人を二度ォ、殺せるゥゥものかァァァ!』
『貴様のおォォかげでェ肉体をォォ失ァッたが、かまわんッ!その体ァ、もらいうゥゥけるゥゥゥ!』
ナニカガ、オレノナカニハイリコンダ。
『我に従えェェェ、正義のォォためにッ!』
―――正義?――――
『殺せェ、おォ前達をォォ怪物呼ばわりしィィ、滅ぼそうとしたァァ愚かなッ人間どォォもをォ!』
――――怪物呼ばわりした人間?――――
『殺せェ、お前達をォォ裏切り者扱いしたァァァ、傲慢なァサイキィィッカァァァどもをォ!』
――――ウォン…ブラド…ソニア…ガデス…刹那…エミリオ…キース!
『殺せェ、殺せェ、殺せェ、全てのォ命をォォォ!』
違う…俺には…愛する者が居る!!
「殺さねえ…殺さねえよっ!!」
精神支配を撥ね退け、吼える。
「俺が手に掛けた者の為にも…俺はここで負けられねえんだよ!!」
さらに強く、炎を心の中に燃やす。
「だから…てめえはてめえにふさわしい『地獄(ばしょ)』に行けぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」
バーンの肉体から悪しき力が飛び出たのは一瞬の事だった。
>294
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
「がっ―――――!」
肩口に痛みが走る。
合わせ切れなかったか!
俺の剣は彼女の脇腹を、彼女の爪は俺の左肩を、それぞれ貫いていた。
俺が痛みを感じる間もなく、彼女は後ろへと大きく跳躍する。
突き刺さっていた剣と爪とが、肉を抉るいやな音とともに引き抜かれる。
激痛に一瞬、目の前が暗転する。
強く剣を握りしめて、意識を必死に引き戻す。
返り血と自らの血で、深紅に染まった千鶴が、俺の眼前に立っていた。
朱に染まった彼女の爪が、月明かりに照らされている。
あれだけの力を持つというのに、その姿は―――。
あまりにも儚げだった。
長い一瞬が過ぎた。
彼女は柳を思わせる動きで身を翻すと、森の中へと身を移す。
木々の中では存分に剣は振るえないとみたか。
考えたな。
いいだろう、乗ってやる。
俺は刺突の構えを取ると、そのまま森の中へと足を踏み入れる。
そのまま胸を目掛け、渾身の突きを放つ!
>297
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
男の突きが寸分たがわずに私の心臓を狙って、繰り出される。
まさに必殺の一撃だ。
だが、これさえいなせば、私にとって絶好のチャンスとなる。
……一瞬の動作が明暗を分ける!
ほんのわずか右に動き、突きを避ける。
一瞬後、私の背後の木が『砕けた』。
内心、舌を巻きながらも、男の懐にもぐりこみ、全力で爪を振るった。
……男の身体から盛大に血が舞った。
バーンvsジャッジ・デス
>296
バーンの心を食い尽くし、その肉体を支配しようとした悪霊のもくろみは失敗した。
バーンの強靭な精神力を侮っていた。彼は、易々と殺意の虜になるような人間ではなかったのだ。
「なんだとォォォッ!?」
バーンの肉体から追い出された、邪悪な霊体は狼狽した。
「お、おォォのれェェ!貴様のォォ勝利など束の間のォものォォ!すゥぐにィィ、新たなァ肉体をォ見つけて戻るぞォォォ!」
ジャッジ・デスの霊体は夜の闇の中へと飛び去っていった。
「そォの時こそォォォ、皆殺しだァァァァ!」
>299 「そして、平穏な日々」〜Vsジャッジ・デス
「終わった………」
バーンは床にへたり込んだ。体も心もくたくたになっている。
「バーン!何があったの!?」
「ウェンディー…」
「天井と壁に大きな穴あいてるじゃない!修繕どうするわけ?!」
「あ゛。」
こりゃ、明日の釣りはなさそうだ…。
いつも通りの朝を迎えられそうな事だけは確かだ、とバーンは思った。
>298
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー)
灼けるような痛みが、腹部に走る。
千鶴の爪が俺の身体を深く引き裂いていたのだ。
血が止めどなく流れる。
その傷をあえて強く掴み、必死に意識を保とうとする。
しかし、血は止まろうともせず、視界がぼやけていく。
いつの間にか、俺の変身は解け、「黒岩省吾」としての姿に戻っている。
激痛。そして眠気。
それらに抗いながら、俺は本能的に彼女に指を突きつけていた。
「知っているか―――世界で初めての自動車は、1770年、フランスのギュニョーによって作られたと言う」
それだけ語り終えると、俺の意識はかき消えた。
(バーン・グリフィスVSジャッジ・デス)
レス番まとめだ。
>75>77>80>82>86>87>93>94>96>97>99>100
>280>284>288>291>295>296>299>300
さて…ビルの修繕、どうしようか…。
>301
男の姿がみるみるうちに変化して……
私の目の前に現れたのは黒岩都知事!?
しかも、何やら薀蓄を呟いて、倒れてしまった。
「……はい?」
流石に私も毒気を抜かれて呆然とする。
そこにパトカーのサイレンの音が……
呆然としている場合ではない!
咄嗟に倒れた都知事を抱え、柏木家へ疾走する。
・
・
・
客間に都知事を横にして初音に介抱させる。
……ひとつだけ、確証があった。
少なくとも都知事は異形ではあるが、今回の事件とは無関係だと。
冷静になってみれば分かることだった。
事件は都知事の来る前から既に起きていた。
それに現場の死体は斬ったというより『引き裂いた』だった。
こんな簡単なことに気づかないなんて、迂闊にも程がある。
彼には償いをしなければならない。
私は意を決して台所に向かった。
後ろで梓が何か言っているが気にしない。
・
・
・
都知事が目覚めたようだ。
丁度、おかゆも出来たことだ。
私のできる限りの誠意で介抱しよう。
都知事のいる客間に行き、謝罪の言葉とともに笑顔でおかゆをさしだした。
>303
(柏木千鶴VS暗黒騎士ガウザー) エピローグ
目を覚ますと、そこは見知らぬ和室だった。
千鶴が心配そうな顔をして、俺の顔を見下ろしていた。
俺が目を開いたのに気づき、彼女の表情が安堵のそれに変わる。
彼女は謝罪の言葉とともに、俺にお粥を差し出した。
いい匂いが伝わってくる。
昨日のことももっと詳しく聞きたいが、とりあえず後回しにするか。
女性の手料理は暖かい内に食べなくては。
お粥を受け取ると、俺はそれを口にする。
その瞬間。
全身に苦痛が走った。
昨夜の戦いとは比べ物にならない程の、全身を引き裂くような衝撃。
まさか・・・・・毒か!?
しかし、彼女の表情には一片の邪気もない。
一体・・・・・何が・・・・・・。
「だめですよ、ちゃんと食べて体力つけて下さい」
箸を止めた俺に対し、千鶴は死刑を宣告した。
全身を痙攣させつつ、お粥を必死に口に運ぶ。
最後の一口を食べ終えた瞬間。
「知って・・・知っているか・・・世界で初めての皇帝は・・・皇帝はっ!」
断末魔の蘊蓄とともに、俺の意識は再び闇へと沈んでいった。
(黒岩省吾・リタイア)
黒岩さん、私の初闘争にお相手していただき、
どうもお疲れさまでした。
えっ、そんなに見つめちゃ嫌ですぅ……
てへっ♪
>255>257>258>259>263>267>271>278>283>290
>294>297>298>301>303>304
キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
導入
街を抜ける風に微かな温もりが帯びてきた頃――――その界隈に、ちょっとした騒動が起こった。
「連続美女失踪事件」
三流ゴシップ紙の一面を飾りそうな、ありふれた文字の羅列を最初は誰も気に留めていたかった。
だが、失踪した女性の数が二桁にまで達すると、笑い声はとんと聞こえなくなる。
賑やかだった夜の街も明かりを閉ざし、いつしか夜は静寂が支配するようになっていった。
それでも…………一人、また一人と被害は増え続ける。
現に今も、一人の少女が魅入られたかのように路地を歩いていた。
上気した頬、熱を帯びて潤んだ瞳。恋に焦がれる娘は、靴を鳴らして路地を急ぐ。
路地裏に立つ青年――――数年来待ちこがれた恋人の胸元へ、少女は飛び込んだ。
微笑みかける青年と抱かれて笑う少女。青年はそっと、その顔を少女へ近づけた。
柔らかい皮膚に真っ白な犬歯が触れる。そして、白い首筋に朱が微かに漏れた。
温もりが、命が、牙を通して根こそぎ奪い取られる。
そしてまた、吸血鬼が一匹、この世に生まれた。
夜魔どもの王「バンパイア・ロード」に魅入られた街。その末路は既に決していた。
――――キリサキ キョウコは、静寂と虚無が支配する夜を歩いていた。
いつもならそれなりに人がいて、それなりに賑やかで、それなりに暇を潰せる街。
でも最近は、夕方を過ぎてちょっと経てば、どの店も重く扉を閉ざしてしまう。
これじゃ、遊びたくても遊べない。
つまんないな…………そんな事を考えながらも結局、足は街へと向かっていた。
人気のないメインストリートを一人で歩く。だけれど、その日は少しばかり違っていた。
ストリートの反対側から一人の青年が歩いてくる。
蒼い外套、金の長髪、紅玉のような瞳――揺れる街灯に浮き上がる姿は、息を呑むほど美しかった。
少女の足がふと、止まる。その雰囲気に取り込まれたかのように――――
「ようやくか……やれやれ、随分と待たせるものだ」
そう言って、鋭い犬歯をのぞかせる青年。
赤い赤い眼差しと口から零れる鮮血が、キョウコの精神を現実へ引き戻した。
それはキョウコにも慣れた感覚――――青年の気配が殺意と狂気の色に染まったから。
甘い言葉よりも艶やかな容姿よりも、ずっと高ぶらせる”モノ”を演出する風に。
青年――バンパイア・ロード――は微笑む。
哀れな少女にのぞかせたそれとは、かけ離れた血に濡れる凄絶な笑顔で。
バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
導入
私がこの街に来たのはいつも通りのクロノスの下部組織を潰すためだった。
如何なクロノス繋がりといえども、下端は面白いほどあっけなく崩れ去る。
――――――否、全く面白くない。
矢張り闘争を行っているのだから、相手にもそれなりの張り合いがないことには
「壊す楽しさ」はあっても「戦う楽しさ」は無いのだろう。
「シャルデンさんも一緒に来てくれればいいのに
女の子を一人で夜の街にほっぽり出すなんてどうかしてますよぉ」
そんな文句が出るのもこの街のせいだ。
暇を潰そうと思い街に出たは良いが、遊ぶ事の出きるおよそめぼしい店は全てシャッターが降りている。
辺りは宵闇が支配して、人気の無い道には街灯の光のみが照らされる。
聞いた話では、深夜でもある程度は人がいて遊ぶのに困る事は無いという事だった。
昼間も思ったより閑静な印象を受けたが、これではいささか度が過ぎる。
街の中心ならここよりも人がいるだろう。
そう思い、辺りを眺めながら足を進めていたときだった。
―――――――足音がする。
矢張りこの時間でも未だ人通りがあるのか、等と心に思いつつその足音のほうへと向かってゆく。
足音の主は男の人だった、それもハッとするくらい美形の。
思いがけず、歩みを止めてしまう。
あまりに赤い、深い色をしたその瞳に―――――――
青年が何かをつぶやく、それをはっきりと聞き取る事は出来なかったが。
何を言ったのか、聞き返すべきかどうか迷っていると、不意に辺りの空気が変わる。
チリチリと、焼けつくような緊張と、それでいて落ち着く雰囲気を同時に持った慣れた気配。
青年が微笑む、その口からは赤い、真紅の液体を零しながら。
面白くなりそうだ、そう思いながら私もいつしか微笑んでいた。
>307 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
年端もいかぬ少女が、微笑みを浮かべる。
吸血鬼を、その王を前にしての余裕――――なるほど、大した胆力だ。
今までの腰抜けどもとは次元からして違う。
これでこそ、戦う価値もあるというもの――――ッ!
ロードは予備動作も呼吸の乱れもなく、唐突に走り出した。
辻を抜ける一陣の風となり、見る間に少女との間合いを詰める。
音もなく石畳の上を滑り、認識の限界近い速度を出せるのは「人外」の証。
まさしく「化け物」の一撃が、哀れな狩人へと迫る。
手始めに繰り出すは「爪」の一閃。
やや、速度を落とした急所以外を狙った、牽制。
これで惑うような事があれば、この娘に用はない。
――――精々、期待を裏切るなよ?
>308 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
青年は何も言わず、その場から瞬時に消え去った。
音も無く、姿も見せない――――――何かのバケモノなのだろう。
しかし――――――――気配を感じる事は出来る。
突如として青年の姿が現れると、私の腕に向かってその爪が伸びる。
先ほどまでの早さと比べると、その一撃はあまりにも鈍い。
上体を捻るだけで難なくかわすと、私も反撃に移る。
「道」の力を利用した、高熱の掌を相手の腹に向けて伸ばす。
大概の相手はこれだけで終わってしまう。
もちろんこの相手に限り、そんなことは無いだろうが。
ちゃんと楽しませてくれますよねぇ? お兄さん♪
>309 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
緩慢な動きとはいえ、少女は確かにロードの「死」を避けた。
それなりに動きも鋭く、知覚の外から来た攻撃に反応出来るほど勘も良い。
十把一絡げの雑兵とはひと味もふた味も違う・・・・・・か。
だが寸鉄帯びぬ身、しかも少女の細腕で夜魔の王に傷を与えるのは不可能に思えた。
少女の手が、不死者の腹に当てられる。
次の瞬間――――――手が高熱を発し、群青の装束を青白い肉を灼いた。
魔力とも違う異質の力が流れ込み、腹が炭化させる。それもすぐにごそり、と落ちた。
――――ハッ、ハハハ、ハハハハハハハ!
ロードは内心で、声をあげて笑った。
ようやく、ようやく死を持って決するべき相手を見つけたか、と。
間合いを詰めた時と同じか、それ以上の速度で後ろへと跳躍する。
空中で身を捻り、石畳の上に降り立った時には、腹の傷も大半が癒えていた。
泡立ち、生えて、塞がる――――不死者の圧倒的な再生能力、である。
――――さて、次の手と行くか。
喉の奥から、無数の声を紡ぐ。この世界とは異なる、異界の言語「トゥルーワード」を。
真なる言葉により世界の法則は書き換えられ、「魔法」とも呼ばれる現象が発生した。
「ロルト!」
真空の刃が掌から生まれる。荒れ狂う暴風の刃は少女へと向けて、ストリートを駆けた。
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト
>195
ヌンチャクが散弾銃にぶち当たる。
凄まじい衝撃に腕から離れた散弾銃は後方へと飛んでいく。
牧師もまた、後ろへと下がる。牽制に短機関銃を撃ち放ちながら。
歯車にでもはさまれたか・・・・・・牧師の後方で爆発が起こる。
一瞬、目が眩む。
その隙に牧師は移動していた。
いつの間にか左手には先ほどの長銃が握られている。
あのバレットは銀製・・・・・・・あれでやられては一たまりもない・・・・・・・
獣人はしゃがみこみ、その場に転がる歯車の破片を投げつけた。
それと同時に、獣人は闘気を練る。
奥義を繰り出すには、まだまだ足りぬ・・・・・・・・血が!!闘気が!!
>310 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
私の掌が青年の腹に触れた。
―――――なんだ、つまんないなぁ。
そう思った途端青年は、またしても目に止まらない速度で後方へと跳んだ。
青年の足が地に付いたときには既に、私の焼いたはずの肉が元通りになっている。
そういうことなんだ―――楽しめそうじゃん♪
ペロリ、と乾いていた唇を舐める。
青年が声を発した。
声というよりは歌、理解は出来ないがそういうイメージを持つ音だった。
そして青年が力ある言葉を発したとき、辺りの空気は歪み
私に向かい、凄まじい風が吹いてくる。
しかし、そのぐらいの風なら私にとって前へ出る障害となることは無い。
全力で地面を蹴る。青年のところに達するまで、そう時間はかからないだろう。
私が二歩目を踏みこもうとしたとき、右足に鋭い痛みが走った。
この風の中には無数の刃が含まれている―――――
鎌鼬―――青年の発した言葉は、そう呼ばれる現象を引き起こすものだったようだ。
痛いなァ・・・。
内心そうは思ったが、これくらいならばさほど気にすることも無い。
鎌鼬の中を掻い潜って、私は青年に迫る。
傷が治るんだったら、治る前に粉砕すれば良い。
たった、それだけのこと。
>312 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
ロルトの刃すら真正面から受け止めて、少女は通りを進む。
一束の真空が少女の足を切り裂き、荒れ狂う風の中に鮮血が渦を巻いた。
それでも、乱れた空気の中を掻き分けるように、少女は走る。
半端な魔法では足止めにすらならないか。
ますますもって、やってくれるッ!
いよいよ、互いの間合いが手に届く範囲にまで届く。
その中で先に攻撃の手が出たのは吸血鬼、バンパイア・ロードだった。
先程よりはいくらか殺意を乗せ、それでも何処か嘲るように爪を繰り出す。
一呼吸で四つの連撃――――眉間、眼球、喉笛、胸を狙った突きがほぼ同じタイミング発生。
緩慢と言えど、今度はどの攻撃にも必殺を与えてある。
これを凌がれたら――――その時は、全身全霊を以て殺そう。
少女の果敢さと強さに応えるためにも・・・・・・
>313 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
今度の突きは先程のそれよりも幾分速いようだ。
流れるような連携で、多段―――――おそらく四つの攻撃が向かってくる。
当たれば必殺のそれらだが、見ることが出来ないわけではない。
しかし、見ることと避ける事は違う。
果たして避けきることが出来るだろうか。
予想通り、とは言い難い。
右方向へと跳躍したものの、左肩をザックリとやられたようだ。
おそらく左手は使えないだろう。
相手にも隙はある。だったら今度はこちらの番だ。
再度相手の腹に向かって今度は膝を突き出し、そのまま至近距離から灼きにいく。
―――――――再生する前に、灼き尽くせばいい
多少無謀だが、それがベストの選択だろう。
>314 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
致命の力を秘めた爪は、肩を切り裂くに留まった。
溢れ出でる血に爪が手が、朱に染まりぬらぬらと輝く。
こうして伝わる匂いでさえ、その血が上質のものである事を語っていた。
――――殺すのは少々惜しいか?
微かに躊躇いが、迷いが生まれた。その隙を少女が逃すわけもない。
高速の連撃で開いた胴、そこに捻り込むように膝が差し込まれた。
瞬間! 先程と同じ煉獄が抉り取るように腹を焼く。
再び、崩れ落ちる腹。
なまじの連撃や直接命を狙う攻撃は逆効果か!
そう見切るとロードは、爪を納めて拳を固めた。
ならば、速度と手数で圧倒してから屠ればいい――――――
拳が! 膝が! 爪先が!
別個の生き物のように蠢き、右へ左へ、独特のリズムを刻みながら少女を打った。
繰り出された右手をかいくぐるように左手が伸び、捌く。
打ち込まれる足を弾くように、膝が跳ねる。
下がろうとする爪先を、こちらの爪先が払う。
伸びきった腕を掴み、高熱で腕を焼き切った。
足を払われた姿勢のまま一回転して、足に一撃を加え灼いた。
繰り返し繰り返し攻撃をかすめ、その度に熱を送り込む。
その度に炭化し、焼け崩れ、音を立てて燻る。
その度に泡立ち、繋がり、再生する。
炎と死の舞踏はしばしの間、おぼろげな月光の元、二人の演舞者のみで上演されていた…………
>315
イノヴェルチの誇るヴァンパイア三銃士の1人『人形使いナハツェーラー』は、
『クロノス』との交渉の為に、この街に赴いた。
だが、時既に遅く、何者かの手によって、会見場所ごと壊滅させられていた。
……これでは、面目が立たない。
襲撃者の首を取れば、今後、クロノスとの交渉も役立つだろう。
そう、考えたナハツェーラーは部下のキメラヴァンプとともに、襲撃者の追跡を開始した。
・
・
・
キメラヴァンプに現場の匂いを追わせ、たどり着いた場所は路上だった。
そして、1人の少女と男が戦っていた。
「あの顔はキリシマキョウコ……」
裏の世界で名の知れた顔である。
なるほど、これならこの街のクロノス壊滅もうなずける。
「クックックッ、だがそれもこれで終わりだよ」
ナハツェーラーは懐から『策』を取り出した。
454カスール銃。
中に超強力な弾丸「借力弾」をつめてある。
どんな者でも殺せる弾丸だ。
ナハツェーラーは不敵な笑みを浮かべ、照準を2人に合わせ、トリガーをひいた!
DOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!
直後、ナハツェーラーとキメラヴァンプは消し飛んだ。
銃が暴発したのだ。
銃のド素人であるナハツェーラーは調整も何もせずに、この銃を使った。
その結果がこれである……
>315 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
青年の動きは私が思っている以上に速かった。
こちらが動こうとしても、相手の手数に押され思うように動けない。
戦いの流れは完全に相手にいっているように見えるだろう。
しかし、ガードがそのまま反撃にと繋がるから、それ程苦にはならない。
こちらから下手に隙を見せないで良い分、好都合か。
伸びてくる腕を焼き、向かってくる足を灼く。
生の肉の焼ける良く馴染んだ匂いがする。
だが、防戦一方というのも性に合わない、この状況を跳ね除ける打開策が必要か。
体温を急上昇させる事により熱気を起こす、それで怯んでくれれば良いが。
―――――――じゃあ、一つやりましょうかぁ!
私が体温を上げ始めたとき、近くで爆音(>316)が響いた。
>317 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
体が触れるたびにその部位を焼き払われているが、少女の動きそのものは鈍くなってきている。
知らず知らずの内に重心を崩し、徐々に手足に疲労を溜める手法はそう、見抜かれるものではない。
さらには肩の出血もある――――このまま続ければ、灰になる前に少女を討ち滅ぼせよう。
攻撃の回転をあげ、拍子をずらす。
さて・・・・・・そろそろ、仕上げだ。
引き絞る右手に光条のように爪が伸びる。万物を切り裂き、死を与える禍々しき鎌が。
突き出された右腕を跳ね上げ、その首筋へすっと爪を――――
――――と、キョウコの体から発せられる熱波が出足を挫いた。
――――さらに、それに重なるような爆音も(>316)。
確信していた必殺を阻まれ、あまつさえ仰け反るほどの熱量に右手と顔を焼かれた。
しかも爆音・・・・・・別の場所に術者でもいるのか?
不自然な姿勢のまま、足首の動きだけで音もなく跳躍する。
空中で身を捻り、少女から数メートルの距離を開いた。
やはり・・・・・・接近戦では埒があかないか。
それにそろそろ、このままでは全身が灰となって燃え落ちる。そうなっては、遅い。
燃え落ち、燻る体。焼き切られる事それこそ無数、未だ炭化の痕も残っていた。
――――良い眷属になると思ったのだがな。
真なる言葉の詠唱。紡がれる旋律は死と厳冬と冷気を歌う。
「マダルト!」――――真冬の吹雪よりなお凍える風雪が、静まりかえった街を氷で覆う。
人とて氷の彫像と化す冷気が、少女と街をより深い静寂へと誘った。
>318 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
相手の身体が離れていく。
私の身体からでた熱気のせいか、それともさっきの爆音のおかげか。
距離を取られるとこちらには出来る事が無い、再び相手に迫ろうかと思ったそのとき。
先の言葉と同じ印象を受ける音が青年の口から発せられる。
口にしている言葉は違うのだろうが、聞き取る事は相変わらず出来ない。
「マダルト!」
青年の言った力ある言葉だけはハッキリと聞き取る事が出来た。
前の鎌鼬を起こす術(すべ)とは違うのか、風が吹くところまでは同じに感じられる。
瞬間、辺りの空気が凍てついた。
――――――他の人ならそれで何とかなったかもしれないですけど
キョウコ相手に吹雪なんてそれこそお笑いですよぉ♪
私のチカラを知っているだろうに冷気を使うなんて、どうかしているとしか思えない。
それとも、何かの布石なのだろうか?
まぁ、いいですけど―――そろそろ終わりにしましょうかねぇ!
私は三度接近戦に持ち込むべく、再び地を蹴り相手に迫る。
>319 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
マダルトの吹雪が散った跡を少女は駆けた。
体内の熱気によって冷気を掻き消し、傷すら負わずに少女は走る。
凍てつく木々の間を、白く曇る風の中を、息を弾ませて――――
冷気と熱、勝ったのは熱という事か。
自嘲気味に呟くと、ロードは両手に爪を構えた。
再生は徐々に遅くなってきている。再びあの火勢を喰らっては、保たないやもしれん。
なら、いい加減一撃で仕留めるしかあるまい。
体を落とし、迫り来る少女の姿を待ちかまえる。
心の何処かにあった渇望を押し殺すと、その首筋だけに目線を固めた。
あと、五歩――――四歩――――三歩――――二歩――――そして、一歩!
刹那、二つの影が交錯した。
>197 ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
み、美神さん・・・ぐ、ぐふふふふふふふふ・・・
・
・
・
はっ! し、しまった!
ぐるぐるジャグリングをかましているあの卵が、いつの間にか十三個にまで増えていた。
お手玉なんか、上手くねーのに。もう、もう腕の回転が間にあわねーぞっ!
拙い、ヤバイ、誰か助けてぇ!
栄光の手を出し続ける右手が重い。さっきから続く、この人を喰ったお手玉が、
俺の腕を・・・・・・・腕を・・・・・腕が・・腕がつるッ! 微妙に痙攣してきたぞ、おい!
足はガタガタ震えたままだし、背筋は強ばったまま。
逃れきれない死の感覚が俺の心を掴んで、揺さぶった。
――卵の一つが、やや歪んだ軌道を描く。
――取りこぼしそうになったが、親指を覆う霊波だけ延ばして拾い上げた。
――もし、今のを顔で受けていたら・・・・・・・
「死ぬんや、もうあかんーッ!! 死ぬ前に全裸美女で満員の日本武道館で
もみくちゃにされながら『ジョニ―・B・グッド』を歌ってみたかった―――っ!!」
つい、願望が口をついて出た。
しまった! ちょっと格好良かったのに、これで台無しだっ!
ああ、シスターたちの目線が痛い! さっきの娘も、何か睨んでるぞっ!
「何だよその目はっ! 俺だって必至にやってるんだぞ、チクショウッ!」
堪らず左手で、特に白い目で見ていたさっきの娘を指さす。
・・・・左手?
――――はっ、左手が空いてた!
左手に文珠を一個、呼び出す。描く文字は「爆」――――単純だけど一番火力のある文字!
それをジャグリングする卵の列に紛れ込ませた。
効いてくれ――――効かなきゃ、俺が死ぬッ!
十三の卵&文珠が列を成してスレイマンへ飛び・・・・・・文珠が起爆!
霊力と莫大な熱量を供えた爆発が、死の卵を巻き込んで炸裂した!
解き放たれた霊圧に押され、死の卵が一つまた一つと爆発の中に消える。
はっ、ざまあみやがれ・・・ひょろひょろ飛んできた死の卵をキャッチすると、
トドメとばかりにそれを投げつけようと――――して、腕が固まった。
・・・つった。
「いだだだだだだだだだ!」
こ、この場面でつりますか、俺の手!? 栄光の手も消えかかるし!
悶絶しながら片膝を付くと、腕を叩いて痛みを忘れようと足掻いた・・・。
何で、何でこうもまるで決まらないんだよぉーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
>320 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
先程から力を酷使しすぎている。
余り使いすぎると、死をも招きかねないこの力。
ただでさえ攻撃に使うのに、この吹雪では行使せざるを得ない。
相手に迫る、狙うはただ一点のみ。
相手も気付いているだろう、これが最後の一撃になるということを。
だから、全力で来る。私もそれに答えるべく、全力で行こう。
あと一歩で、両者の間合いに入る。
そう考えていたが、甘かったか。
相手は爪を伸ばしている、先程までの間合いよりも若干長い。
青年の爪が今までのものとは比べ物にならない速さで私に迫る。
私の眼前へとそれは迫り、下方へ抜ける。
お互いに命をかけている、その一撃は後のことを全く考えていない。
このままの状態でいればそれは間違いなく私の首を突きぬけるだろう。
そんなものに、黙って当たる義理は無い。
全身の筋肉を使い、爪の軌道から抜け出すと、私はそのまま彼の首に腕をまわす。
左の肩が多少痛いが、問題なく動いてくれる。
小さいエネルギーで効率良く燃焼させるにはこれが一番だ。
私は彼の首に両腕をまわし――――――――そのまま口付けをした。
それは只の口付けではなく、灼熱の吐息を相手の内部に送り込む死の接吻。
―――――デス・キッス!
いま、青年の身体が激しく燃え始めていた。
>322 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
首に回される腕、迫る顔。吐息ががかるほどに近づいた少女は、そのまま唇を重ねてきた。
吸血鬼に口づけ!? 今さら、魅了されたとでも言うのか?
だが少女の眼差しには魅入られた者特有の熱も潤みもなく、不敵な揺らめきを灯していた。
――――なんだ?
そして…………理解する間もなく、煉獄が体を包み込んだ。
体に注ぎ込まれる炎は皮膚によって阻まれる事なく、喉を腹を内側から蝕む。
肉の焼けただれる匂いが、既に感じられない。鼻腔さえも炎に飲まれ、感覚をそぎ取られていた。
耳も口も目も、内から突き破ろうとする火勢に貫かれ、潰れる。
体液が沸騰し膨張しふくれあがり、体を引き裂く刃となった。
千切れ、燃え、爆散する。
その末端に至るまでが炎に包まれ、燃え尽き、灰に変わった。
凍てついた静寂に包まれた街の通り。汚すように灰が飛び散り、四散する。
何も残すことなく、「夜魔の王」と呼ばれた吸血鬼は、風にまみれ消えた。
それは、街を恐怖の底に叩き入れた「吸血鬼」にしては、あまりにもあっけない最後だった。
>323 バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
エピローグ
燃え尽きた青年の跡を前に立ち尽くす。
今までの充実した時間と、その後の空虚な時間を噛み締める。
灰となって散っていった青年の身体をそのままにして、その場を立ち去った。
かつん、かつん――――と石畳の上を音をさせて歩く。
行きがけに比べて、今の自分は随分と満足した顔をしていることだろう。
しかし、身体は傷だらけ。治してもらうにしてもこの街にドクターは来ていない。
少し面倒な事になった気がする。
帰ったらシャルデンさんになんていわれるかなぁ―――
そんなとりとめもないことを考えながら、帰路につく。
ふと何かを感じて、先程までいたほうを振り返り
これ以上無い笑顔でこう呟いた。
「フフ……キョウコはねぇ―――――――キス魔なんですよ♪」
私の声は誰もいない街に、ひどく楽しげに響いていた―――――
>324 キリサキ キョウコ vs バンパイア・ロード
エピローグ
灰が蠢く。
散らばり、飛び散り、原型すら無くし、風にまみれて散り果てた粒が。
意志を持ったかのように地を這い、大気を手繰り、一塊りに集まる。
完全に消失し、消え失せたはずの「吸血鬼」が、灰の姿とはいえ一塊りに集まったのは、
キョウコが去ってから、小一時間ほど経った頃だったろうか。
灰が蠢く。
まずは両手が生えた。
手は乾いた地面に降り立ち、上半身を持ち上げる。
頭が、胸が、腹が。灰の中から生まれ出でた。
腰まで姿を現すと、あとはゆっくりゆっくりと地面から体が形作られていく。
再生。
夜魔の王とまで呼ばれた吸血鬼は、また、死を一つ乗り越えた。
――勤めは果たせたな。
街の静寂は変わらない。
冷たく凍る街の中、ロードの名を冠した吸血鬼は言葉もなくその地を去った。
胸に自らを討ち滅ぼした年端もいかぬ少女の事――「強き者」のことを刻みながら。
バンパイア・ロードvsキリサキ キョウコ
バンパイア・ロードさんとキョウコのレス番纏めですよぉ♪
お疲れさまでした〜
導入>306>307
本編>308>309>310>312>313>314>315>316>317>318>319>320>322>323
エピローグ>324>325
ウルフVSスミレ 酔中狂騒劇
導入
--------------------遅すぎる。
ある夏の日。
緑豊かなキャンプ場へと高橋家はキャンプに訪れていた。
飯時、燃料のための薪を拾い集める為にウルフとタカハシはキャンプ場を
取り囲む山林へと割って入ったのが今から2時間前。
胸騒ぎがする。
その時、タカハシの母親が聞いていたラジオから流れてきた言葉。
北海道倶知安町の連続殺人事件の容疑者は、現在、羊蹄山麓に潜伏して
いると見られ・・・」
・・・もしかして。
ウルフのワイルドハーフの感がタカハシの危機を叫ぶ。
ウルフはキャンプ場を飛び出し、本能の告げるままに彼を捜索した。
危機の「匂い」が途切れているのは、羊蹄山ふもとの湖のほとり。
そこに、タカハシの姿は見当たらない。しかし・・・。
オマエか犯人は・・・。タカハシを何処へやった?」
明らかにニンゲンと異なる空気を醸し出す女がそこには居た。
光の世界の者とはけして相容れることのない夜族の女が。
そいつはウルフの質問に答えず、長い髪をなびかせて、
ぼーっとした口調で惚けた事を言ってくる。
「ん 〜 知 ら な い (けらけら)」
狂ったミディアンめ。そういうつもりなら、容赦しない。
「なら、キエロ」
土砂の混じった土を蹴り上げ、ウルフは女に鋭利な鉤爪を振り下ろした!
>327 スミレVSウルフ
『湖上の月』
跳びかかってくる男を見つめて私は微笑する。
――ああ必死だな……
あの少年がそれほど大切らしい。
――そういうひたむきさは好きだ。
私は笑みながら後ろに……湖に向かって跳び、水面に立つ。
――遊び相手にこれ以上の相手はいない。
「あんまりせっかちだと嫌われるわよ〜?」
一瞬、茫とした顔をする男に微笑んで、
私は空想を現実に転換する。
月光の下、私を取り囲むように立ちあがる数匹の水の竜。
「夜はまだ長いわ……ちゃんと私を愉しませてくれないと……」
蠱惑の笑み。
そして私は、男に向かって水の竜を殺到させた。
ウルフVSスミレ 『湖上の月』
>328
振り下ろすこっちの腕をものともしないで相手は水の上に立ってる!
『あんまりせっかちだと嫌われるわよ〜』
せっかち。・・・タカハシを攫って置いて良く吼える。
正直呆れる以外のなんでもない。
月の黄金の光を纏った水の竜が水面より体をうねらせ飛び掛ってきた。
凄い勢い。
でも、さっきの水上起立を見てわかってた。こいつは水を操るって。
水を操る事にかけて、自身万万なのだろうな。
なら、こっちはまだ、手の内は見せない。その方が早くタカハシを救える。
鉄をも切り裂く複数の水竜がウルフを巻き込む瞬間!
彼は両手を高く掲げ、そこから生ずるエネルギー波で水竜を打ち砕いた。
「魂の矢」
ウルフの発した漆黒のエネルギーが月明かりを犯している。
水竜を駆逐した残りの数発のエネルギーは湖面に佇むスミレに殺到した。
>91 『ラルヴァvsカミーラ』
駈け出すと同時に向こうからの銃声が響く。
しかし、この距離でこの移動速度ならお互い当たるはずも無い。
その判断は正しかったが、カミーラの標的は別のモノだった。
温かい飛沫が私の拘束着を背後から濡らす。
同時に、子供の泣き声が止んだ。
振りかえりたい気持ちを抑える。
もう遅い。もう間に合わない。
あの子にしてやれる事は何もない。
詫びる言葉も、慰めの言葉も浮かばない。
せめてこれ以上の犠牲を出さないよう、あの吸血鬼を仕留める。
それ以外考えないようにして廊下を走った。
銃撃音のリズムが三拍子から、途切れの無い連続音へと変わった。
フルオートの銃?
回避は間に合わない。このまま―――
今度廊下に飛び散ったのは、私の血しぶきだった。
左肩が大きく裂ける。距離が近すぎたのが幸いしたのか骨には当たっていない。
しかし、人間ならショック死してもおかしくない。
疾走していたそのまま勢いで廊下に倒れ込む。
絨毯が私の血を吸っている。色までは分からないが、きっと鮮やかな紅なのだろう。
赤い―――血
私の―――
ドクン、と心臓が跳ね上がる。
その一瞬、私の中で殲鬼が目覚めた。
ウルフVSスミレ 『湖上の月』
>329
七色にきらめく竜、その光を漆黒が犯す。
――なんて綺麗……
光に幻惑され、一瞬立ち尽くす。
気がつけば目の前に漆黒。
だがそれが私に突き刺さる刹那、
足元から水が吹きあがり漆黒を消し飛ばす。
その水をさらに男に叩きつける。
しかし、そのイメージを私は寸前でほどく。
――そんなんじゃ埒が明かないわね……
なによりただ撃ち合うだけでは面白くない。
「もうちょっと真面目にやりなさい……あの子が欲しいんでしょ〜?」
挑発、そして相手の行動を待つ。
この男はどうやって埒を明けてくれるだろう?
>227
最早南条の気力は限界をとうに超えていた。
先程貫かれた肩口、そして腹部の傷からとめどなく流れる
血液が、彼自身の体力と精神力を加速度的に奪っていく。
其処に現れた、桐原朝子。
相変わらずの表情で、南条を見下ろしてきている。
「ふっ………手駒は尽きたか、桐原朝子」
既に、彼女を「先生」と呼ぶ必要は無い。
彼は動かぬ身体を辛うじて支えながら、自嘲気味に問い掛けた。
その言葉を聞いてか聞かずか、桐原朝子は続ける。
「少し離れてくれる? 保健室を血で汚されたくないの」
その言葉と同時に、桐原朝子の体の変化が始まった。
彼女が胸元から提げたブローチの光が、彼女の身体を包み込み、
銀色に輝く剣士へと姿を変える。
「最後はゲームマスター自らの出陣か……良く出来た趣向だ」
その直後、白銀の剣士の姿がかき消えた。
同時に、南条は凄まじいほどの悪寒を感じ、
転げるようにしてその場を退いた。
その一瞬後を、不可視の刃が大きく切り裂き、校舎に大きな
亀裂を与えて過ぎていく。
「さすがに、最後の敵、と言った所か。段違いだな」
思案しながら、南条は校舎の亀裂を見つめる。
『嫌いよ、こんな部屋! 薄汚い高校生が寄り集まってくる不潔な部屋!
嫌らしい目であたしを見たりして! 無くなってしまえばいいのよ!』
心に直接響く声。その声を聞いて、南条は思った。
(ふっ……そういう事か。所詮彼女も、自らの「ペルソナ」を
抑え切れなかった……それだけの話だ)
そして、「ヤマオカ」に最後の命令を贈った。
「ヤマオカ………ご苦労だったな。最後に僕の願いを聞いて欲しい」
言って、彼の周囲を漂う翼人に命ず。
「ディアラハン………」
南条の言葉に応え、翼人が呪を紡ぐ。そして、柔らかな光が
南条圭の身体全体を包み込んだ。
光が身体に浸透し、肩口や、腹部に見られた深い傷が、
まるで何事もなかったかのように塞がれていく。
同時に、血液不足で蒼白だった南条の顔色も、赤みを増していく。
全ての治療が終わったと同時に、南条は先程とは全く違う、機敏な動きで
横っ飛びに跳躍する。
直ぐ横を、姿無き剣士の第二撃が通り過ぎていった。
「さあ、最後の決戦だ、桐原朝子」
姿の見えない相手に向けて、彼は自信に満ちた口調で言い放った。
「プレイヤーが勝つか、マスターが勝つか……今、決着を付けよう」
>228 メレム・ソロモン VS 南武公&操
(Side:Misawo)
敵−−メレム、といったか−−が、再び巨大な蛇をこちらに差し向ける。
先程は不意を突かれたが、そう度々後れはとらない!
地面を蹴り、飛ぶ。
そして、空中で呪文を詠唱。
『深き基層(イエソド)を母胎(ラクヘス)に聖合せしむるがゆえに!』
詠唱とともに、両手が輝き、額に六芒星が輝く。
そして、両手から伸びた光の線が巨大な蛇を切り裂く。
固い鱗のため、バラバラには出来なかったが、かなりのダメージを与えた筈・・・!
(Side:Takemasa)
トモダチだと思っていたヤツが、メレムが、まさか『マリオノール・ゴーレム』を狙ってたなんて・・・
俺の頭はショックでわやくちゃになっていた。
それでも操さんの言葉に反応出来たのは、今までの経験だろうか? 嬉しくも何ともないけれど。
操さんがメレムが喚びだした蛇を切り裂く。
それを見てほっとしたのもつかの間、背後に気配!
「うわぁっ!」
羽交い締めにされて、その上、首に何かが巻き付く・・・これは・・・髪の毛?
ふと、後ろにいるモノを見る。
そこにいたのは・・・
操さんだった。
(>333 続き)
(Side:Misawo)
武公様の叫びに、振り返る。
そこには、武公様を羽交い締めにする・・・私。
『貴様、ふざけたまやかしを!!』
髪が、激しくざわめく。
そこに、メレムが、言葉を投げかける。
武公様を人質にしようと言うのか!?
『愚か者め』
『私は『マリオノール・ゴーレム』とその使い手の守護者』
『そして、武公様も『マリオノール・ゴーレム』の使い手であるならば、少々の苦しみなどは!』
言いざまに、鋼糸をメレムに向かって放つ。
メレムは避ける気配すらない。
殺った!!
その瞬間、メレムは確かに・・・にこり、と無邪気な笑みを浮かべていた。
『・・・っ!』
すんでの所で、私は鋼糸を逸らす。
結果として鋼糸はメレムの全身を浅く斬るに留まった・・・
これでは、出血こそ激しいが、致命傷にはほど遠い。
何故・・・躊躇したのだ、私は?
「駄目だなぁ、本気でやらないと。ペナルティ、一、だよ♪」
楽しそうに、私の影に合図するメレム。
影が、武公様の全身を切り裂いた・・・!
「うわぁぁぁぁぁ!!」
武公様の悲鳴。
流れる血。
メレムと違い、肉体は普通の少年に過ぎない武公様には、耐え難い苦痛。
「あ・・・ああぁぁぁ・・・」
私は・・・呆然としていた。
ワタシガ・・・タケマササマヲキズツケタ・・・?
ウルフVSスミレ 『湖上の月』
>331
『もうちょっと真面目にやりなさい……あの子が欲しいんでしょ〜?』
「何得意になってるんだ?」
スミレの顔前にまで、ウルフは迫っていた。
水面には10枚ほどの・・・自然界には決してありえない、巨大な木の葉が
たゆたっている。
ウルフの特殊能力、マーキング。
彼は水面に散っていた木の葉を人が乗れるサイズに加工し、
彼女の元へと駆け寄ったのだった。
(移動中、木の葉を通して水面にマーキング。未発動で据え置き。
効果は非直接攻撃用)
偉大な満月を背に。
湖面に舞う木の葉を高速で移動、ウルフは残像の残る速度でスミレに
宙より飛び掛る。鬱陶しい女を引き千切り、魚の生き餌にするために。
>217 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
ひたすら瓦礫の中で倒れ伏ながら息を殺す、殺し続ける。
相手の出方を窺いながら、足の回復を待つ。
(まだ、まだだ……)
エンハウンスは半吸血鬼だ。
回復力は天然のそれには及ばない。
もう少し時間を稼ぎたい所だが……どうやらそうはいかないらしい。
巨体が地を蹴る音がして、地面が揺れる。
どうやら、飛んだようだ。
飛んで何をするか……あまりにも自明。
つまりは、此処に堕ちてくる。
なら、もはや一刻の猶予もない。
しかし、瓦礫の下にいては逃げることもままならない。
アレに潰されて平気でいられる自身は、さすがのエンハウンスにもない。
だが、どうしようもあるまい。
(足は……動けば後は知らん!)
魔剣へと意識を集中する。
今までのダメージによって蓄積された障気が、意思に従って剣を離れる。
剣を握る右腕の神経が、脳髄にまで届く音をさせてワレタ気がした。
障気が辺りの瓦礫の下へ潜り、爆発。
瓦礫の飛礫を男目掛けて跳ね上げる。
大小様々の塊が、男の体に穴を空け、削り、叩きのめした。
だが、それで男の巨体の軌道が変わるワケではない。
激痛を訴える足と右腕を、無理矢理意識の隅っこへ押し込めながら後へ飛ぶ。
痛みは我慢できる、だが、それによってもたらされる反応の低下はいかんともし難い。
完全に下敷きから逃れることはできそうにない――。
もの凄い地響きが、辺りに響き渡った。
>330 『ラルヴァvsカミーラ』
手応えはあった。カミーラの放った5.56mm高速弾は、確実に敵の肉を
抉り、切り裂き、流血の廊下にさらなる血の滴りを付け加えた。
直後に響く鈍い音。
敵の肉体が廊下に倒れ伏した音をとらえたカミーラは、踵を返してその場を
去ろうとする。
その彼女の鼻腔を打つ血の匂い。
絨毯が吸い込み切れないほど流された血が、耐えがたいほど魅惑的な匂いを
放っている。それは年を経た吸血鬼であるカミーラですら衝動を抑えきれなくなる
ほどの強烈な匂いだった。
カミーラは内心の衝動に突き動かされるようにして、自らの作り出した血溜まりに
早足で駆け寄った。絨毯とは違う軟質の物体を踏みつける感触が彼女の履いた
ヒールの下から伝わってくるが、もはや彼女の注意はそこにはない。
太古、対立する部族の長を打ち破ったものが、彼の強さを受け継ぐために、横たわる
彼の血を啜り肉を喰らったように、カミーラは敵の血を求めていた。そして、敵の
血の匂いは、周りに転がる巻き添えを喰らった連中よりもはるかにうまそうな匂いを
立てていた。
ウルフVSスミレ 『湖上の月』
>331
「何得意になってるんだ?」
衝撃。認識が後から追いつく。
――木の葉、か……
男が私を通りすぎた時、やっと私は彼が水面を走ったわけを知った。
どんな手段か知らないが、彼が用意したのだろうに巨大な葉が水面にたゆたっている。
――……面白い、本当に面白いわ……
彼の攻撃で空いた胸の穴を撫でて私は笑う。
普通ならば致命傷。だが私にとっては……
砕かれた肉片が水に……使い魔本来の姿に戻り、私に還える。
一瞬で再構成を済ませ、彼に向き直る。
「水を爪で殺す……それは不可能なのよ……」
唖然とした顔の彼に向かって私は微笑む。
「だから貴方が水の上で私に勝つことも……」
水面が波立つ。私を中心に渦を巻き始める。
立ちあがる水に圧力――刃の威力を持たせる。
「……分かるでしょ?」
荒れ狂う水に翻弄される彼に、水の刃が襲いかかった。
>338
>331 じ ゃな く て >335 〜(しくしく)
>337 『ラルヴァvsカミーラ』
内側から膨れあがる力を拘束着が抑え付けた。
視界が広がった様な感覚。
一瞬にして世界が変わった気がするが、変わったのは私自身の方だ。
犬歯がうずく。
先程までの血臭への嫌悪が、歓喜へと入れ替わる。
―――さあ、楽しみましょう。
夜は始まったばかりよ。
カミーラはこちらに駆け寄って来ていた。
抱きしめ返して、さっさと血を吸ってやろうか?
いや、まだだ。
それでは収まりがつかない。
立ち上がる勢いそのままに前蹴りを放つが、これはフェイントだ。
バランスを崩したところに再び銃弾を撃ち込む。
>293 劉豪軍
「があぁっ!!」
堪らず悲鳴を上げ、吐血する。
気が付きし時には己は腹部に正体不明の傷を負っている。
否!腹から血は出ぬ…… 内部にのみ傷を負わすこの技は……?
御姫の血を受け、600年を生きた己が体すら一撃で破滅の淵まで追いやるか!?
しかも己が十字剣閃を掻い潜ったと!?
信じられぬ心根で彼奴を見上げるとそこには血まみれの劉豪軍の姿、しかし未だ
その姿からは闘志が消えておらぬ。
「楽師や、黒騎士ですら一撃で屠ってきた己が奥義を受けてまだ立つかっ!」
有り得ぬ……
おそらく彼奴ですら気付かぬうちに直撃を避けたのであろう、何たる闘争本能か!?
しかも、この技……。
「フッ……フハハハ……」
己は自らの愚かさに気付いて笑った……。
「その技、スピード、己は大きな勘違いをしておったわ」
言うなり、己は鎧の仕掛けを操作する。
肩、胸、胴、篭手、全てのパーツが外れ地面へと落ちていく。
「その技の前で鎧など足枷にすぎぬ…… なれば己が身を捨てても…… 」
ヒルドルヴ・フォーク を正眼に構え。
「この一撃に賭けるのみ!!」
>334 メレム・ソロモン VS 南武公&操
「そも通りだよ、君が傷つけたんだ」
今まで崩れなかった表情が崩れ、隙だらけになる。
…やっぱりね、これで面白くなりそうだ。
この人形には『感情』がある、そして『魂』も在るだろう。
やはり『マリオノール・ゴーレム』には手に入れる価値がある秘宝だ。
そして楽しむに値するシュチエーションだ。
その気になれば、丸ごと潰すのは簡単だ…だがそれでは詰まらない、面白くない。
「これは唯のゲームだよ操さん、ルールは無い…でも条件公平であるべきだよね」
魔獣が傷つけば、ボクも傷つく。
操が傷つけば、武公も傷つく。
「ボクだけ痛いのも面白くないしね、武公も守られてるだけじゃ楽しめないだろう?」
では始めようか、ボクの暇潰しをね。
ダメージを受けたといえど生命力に溢れる蛇の魔獣はこの程度では滅びない。
更に左足の魔獣『神の翼』を呼び起こす。
大きさが自由に変化するこの猛禽の魔獣は、小さければ速く鋭くなっていく。
今の大きさは隼程度、だがその動きは完全に生物の次元を逸脱してる。
むしろ物理法則を逸脱した動きだと言っていいだろう。
隙らだけの操に『神の蛇』が巻きつき締め上げようとする。
直上から、『神の翼』が音の速度に迫る勢いで邪魔な髪をねらう。
ボクが思った以上に魔獣達が昂ぶっている。
『…最近ロクな物食わせてなかったからな』
魔力に溢れる存在は、確かに最高の餌だが…少しもったいない。
何より一撃で殺したら意味が無いのだけど…まあ『マリオノール・ゴーレム』の守護者に期待するか。
ウルフVSスミレ 『湖上の月』
>338>339
終わったか?
・・・確かにあの女の胸をぶち抜いた感触が腕に残ってる。
しかし、どういう事だろう。ヤツの体にぽっかり空いた風穴は
即座に修復・・・いや、再構成された。
驚きの色を隠せないうちに、鏡のように平静を保った水は突然、
狂ったように暴れだす!
そっか・・・。
ヤツの本質をウルフは勘違いしてたな。
あいつはほとんど水、そのものなんだ。
-------------それなら、それで、話ははやいぞ♪
飛来する透明な水の刃は不安定な足場では避けきれない。
なら、こうすればいい。
ウルフは、なんの躊躇いもなく、湖へとダイブした。
(>335のマーキングに追加。水にある習性を加える。)
「どーした?水の上で無敵なんだろ。早くウルフを殺してみろ」
湖面から顔のみをつきだし、不敵に笑って見せてやる。
しかし、湖面の一部が秋の山の如く朱に染まる。
水魔たるスミレの刃を水面ですべて避けるのは困難であったようだ。
>336 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
(やっぱ狸寝入りだったかッ!)
凄まじい勢いで飛んできた瓦礫に肉を千切られながらも、ゴーストはバランスを崩さずエンハウンス目掛けて着地。
驚異的な身のこなしでそれでもなんとか巨大な肉塊から身をかわしたエンハウンスの体勢は、だが完全に崩れていた。
其処にゴーストの容赦無い鉄拳が唸った。
(テメェが例えサイボーグだろうが、コレでミンチ確定だッ!)
しかし、またしてもエンハウンスはゴーストの予想を覆した。
剣を引き上げ、盾代わりに体の前に掲げる。
そうして派手に吹き飛んだエンハウンスに、ゴーストは逆に憮然とした。
(自分から衝撃を逃がすために飛びやがった。どういう反応速度してやがる……)
その予想通り、再び立ち上がって剣を構えなおしたエンハウンスに、ゴーストは内心頭を抱えた。
打撃そのものはゾーンにとってダメージにはなり難い。
だが、肉の量そのものを減らされたのは、ゴーストにとっても痛かった。
元の形に戻ろうと再生したものの、また一回り体が小さくなってしまっている。
(……このままじゃジリ貧だ。かといって、まともにやって殺せる相手でもない、か。糞ッ)
向かい合って数呼吸。
ピクリ、と一瞬体が震わせた後、魔獣は動きを止めた。
『なぁ、そろそろお開きにしないか? 流石にちっと暴れすぎたようだしな』
台詞とともに魔獣の体の輪郭が崩れていく。
体表面に張り付いていた顔も一つを除き、肉の中に埋もれていった。
一つだけ残った口が、台詞をそのまま続ける。
「アンタにゃまだ聞こえてないだろうが、サイレンの音がしてきている。
人間なんぞにとっ捕まりたくはないだろ? 俺も警察って奴は苦手でね」
これは嘘。
ゴーストにとっての専門ハンターであるゾアハンターならともかく、
一般警察などは邪魔どころか栄養補給の材料に過ぎない。
本気でこのまま闘うつもりなら、警察の到着はむしろ歓迎すべきことだった。
だがあえて、ゆっくりと形を失った肉の山から身を起こし、再び白い背広姿に戻ったゴーストは、
肩を竦めてこう言った。
「例えアンタがやる気でも、俺は一旦逃げるぜ? ……追ってくるかどうかは好きにしな」
そう言って、ゴーストは崩れたビルに向かって駆け出した。
>340『ラルヴァvsカミーラ』
あと一歩で倒れ伏した敵の白い首筋に牙を突き立てることができると思った
その刹那、血への欲求で赤く染まったカミーラの脳裏に、より原始的な本能が
警鐘を鳴らした。
咄嗟にカミーラは、肘を曲げた両腕を前に出し、防御姿勢をとっていた。その前腕
部を、強烈な蹴りが叩く。思わず銃を取り落としたところに、さらに銃弾が襲い掛かった。
カミーラは蹴りで後ろにかしいだ姿勢を利用して後ろに飛び、銃弾を避ける。
超音速で飛翔する弾丸が生じさせた衝撃波がカミーラの顔面を撫でた。彼女は
床に手をついて背転し、遮蔽物の陰へと走る。手についた冷たくぬるぬるした液体の
感触がなんとも気持ち悪い。
立場は逆転していた。カミーラの手に銃はない。もはや取りに行くこともかなわない。
自室は敵のいる廊下の向こう側。ならば……。
カミーラは下の階への階段を駆け下りた。
>322 桐原朝子VS南条圭
横薙ぎの一撃を、雨の叢雲で受け止める。
『子供は嫌い。五月蠅くて、不潔で、図々しいから!』
またも脳裏に響く声。
四方八方から打ちつけてくる刃を受け止めるたびに、桐原朝子の憎悪の声が直接叩きつけられる。
『嫌いよ!』
『死んじゃえ!』
刃が、物理的にだけでなく精神にまで食い込んでくるかのよう。
天井の板が切り裂かれ、落下してくる。
すんでのところでかわし、階段へと飛び移る。
一つ下の段が砕けた。
それに押されるように階段を上っていく南条。
綺麗にワンテンポ遅れて一つ前の段が次々と粉々になっていく。
『死んじゃえ! あなたなんか、死んじゃえ!』
子供が泣きじゃくる様な声が響いた。
最後の段を、転がるようにして駆け上がり、床を飛ぶ。
ほとんどタイミングをおかずに、最後の段が崩れ落ちた。
立ち上がろうとする南条の目の前に、銀色の滑らかな足があった。
その手から薄赤い光が伸び、南条の顔面へと突き込まれる。
それを、かろうじて剣で止めた。
『ウフフフフフ……』
笑い声が聞こえる、否、触れ合った剣から聞こえているのか。
『みっともない、いい格好だわ!』
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>343
荒れ狂う水の刃を避けるために水中に逃げる。
その選択自体は間違っていない。
だが、
私は水に圧力をかける。
相手が認識の中にいる限り場所は何処でも構わない。
そして水は私が私が最も使いなれたものだ。
その中で勝てると思っているのだろうか?
――つまらないわね……気絶させてご退場願いましょうか……
彼を具現化した水の手で握りつぶす。
――思ったより愉しめなかったな……
そんなことを考えながら。
>321
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
「っと・・・・・大丈夫?!」
「いつつつつ・・・・・・・。」
私とクロノは周りの同僚たちの様子を見て回る。かすり傷程度のものもいれば、かなり大きな怪我のものもいる。
「しかし・・・・彼もすごいね・・・・・。」
クロノが呟く。
見れば、例の覗き魔とブラックロッドが卵をジャグリングしている。
・・・・・どこら辺がすごいのか。まぁ、大道芸としてみればすごいのだが。
「どういうこと?」
「あの卵。間違いなく強力な魔呪の一種だよ。炸裂すれば・・・・・・・・・ここにいる全員が死ぬ。」
「!!ちょっと!何よそれ!!」
改めて彼を見る。じゃぁ・・・・アイツは私たちを守るために自分を・・・・!!
『死ぬんや、もうあかんーッ!! 死ぬ前に全裸美女で満員の日本武道館で
もみくちゃにされながら『ジョニ―・B・グッド』を歌ってみたかった―――っ!!』
・・・・・・。
「クロノ・・・・・・・。」
「・・・・・のはずなんだが・・・・・・・。」
どうにも、緊張感に欠けることこの上ない。
『何だよその目はっ! 俺だって必至にやってるんだぞ、チクショウッ!』
「だったらもう少しまじめにやんなさい!!」
思わず檄を飛ばす。
次の瞬間――――――!
彼の左手が光を放ち、何かボールのようなものが生まれる!
そして――――――
かっ!
という閃光とともに起こる爆発!爆炎のなかに、卵がひとつ、二つと消えていく!
「な・・・・・・・!!」
思わず口から驚きの声が出る。・・・・・やっぱり、すごいの?!
『ぐぁぁぁぁ!?腕が、腕がつった〜〜〜!!』
「ここに来てそれか〜〜〜い!!」
私は、思わず彼の後頭部に突っ込みを入れていた。
>345 『ラルヴァvsカミーラ』
ネコ科の肉食獣を思わせる動きで、銃弾は全てかわされた。
さずがに一筋縄ではいかない。
リロードよりも予備の銃を抜く方が早い…と考える間もなく
カミーラの姿は廊下の陰に消えていた。
すぐに追おうとするが、そこに落ちていた特殊な形の銃が目に入る。
確かP90とかいう銃だ。
拾おうという考えは全く起きない。
ヴェドゴニア化している今なら苦もなく扱えるのかもしれないが
子供を撃ち殺した銃は使いたくない。
馬鹿馬鹿しい考えではある。
だが、そう思っていられる間は私は人間なのだ―――
空薬莢を宙にばらまき、一つずつ弾丸を込めながら移動する。
クイックローダーはかさばるのであまり持っていない。
どうやらカミーラは階段を降りたようだ。
トラップを警戒しつつも、後を追って階段を駆け下りた、
>341 vsギーラッハ
――――こんな重傷を負ったのは、初めてかもしれないな。
「……『騎士道精神』、貴様等の国にはそういう言葉があるらしいな」
落ち着いて言葉を発するが、傷は深い。
機械化し、耐久性を高めた内臓器官も、今でも人間のそれ以下だ。
今一度、音速を超えれば身体が耐え切れまい。
此処に来て、騎士と鬼眼麗人のパワーバランスは反転してしまった。
「愚かしい精神だ。真の主などはこの世には存在しないということを貴様は分かっていない」
だが、今の騎士に負ける気はしない。
なれば、彼を更に『本気』にさせるのみ。
今一度、『貫光迅雷』の構えを取り騎士を見据える。
その表情は氷。だが、同時に菩薩のような笑みも浮かべる。
「貴様も、日本の地で眠る王女も……所詮は贄。彼女のために生まれ、彼女のために嘆く」
森羅万象。丹田を巡って練られた気を――――放つ。
「――――貴様も味わえば分かる……絶望を、な」
同時、三度目の爆音。
周囲の三本の梅の巨木が、音もなく騎士へと倒れ込む。
しかし、それが騎士を襲うよりも速く……三本の木の影から三つの人影。
その正体は三つの木を超高速で行き来する鬼眼麗人が残像。
彼が細身のレイピアで狙うはただ一つ――――騎士の心の臓。
(騎士よ、高潔な精神とやらでこれは見切れるか?)
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>347
湖面に現れているウルフの存在を具現化した水の手が握りつぶした
・・・かに見えた。
「その程度か、女」
具現化した腕は、地球上の7割を占めるだけの物質へと返って行く・・・
刹那!
スミレの真下の水が黒い電撃を帯びながら粘着性を持ち、
彼女に覆い被さり・・・じょりじょりと濾しながら、押し潰そうとしていた。
(前ターン、前々ターンのマーキングはいまだに未発動)
その時。水中に居るのは人ではなく・・・
人狼、ワイルドハーフの最悪種だった。
(コルネリウス・アルバvsロゼット&クロノ&アズマリア)
「やれやれ、ブルーの監視も終わったし、後はこのガキをを協会に持って帰るだけか」
赤いコートの美青年は、面倒臭そうにつぶやいた後、気絶したクロノを車のトランクに放り込もうとした時だった。
『待ちなさい〜! クロノは返してもらうわ!!』
怒声ととともに青年を飛び蹴りが炸裂。
その後、声の主による踏みつけの連打。
気づけば青年は気を失っていた。
・
・
・
「くそ、私としたことがなんと言う失態だ!?」
青年―コルネリウス・アルバは毒づいていた。
元々、アルバは協会のブルーのクロノ捕獲任務のサポートの命令を受けていた。
任務自体は楽なものだった。
ブルーはスムーズに任務を達成した。
まあ、見ているだけというのも癪なので、クロノはアルバが引き取って持ち帰ることにしたのだが、
最後に、ロゼットたちの逆襲に会い、あっさり奪還されてしまった。
「……まあ、いい。奴等、マグダラ修道会は教会とも敵対関係だしな、事故で壊滅しても不思議じゃないだろうさ!」
アルバは1人、そうごちた後、目の前に並んでいるモノに一瞥した。
そこにはクロノ、アズマリア、その他、大勢の人形が並んでいた。
「こいつらを使って、あのガキを捕獲する。他の連中は皆殺しでもかまわんだろう。どうせ、悪魔の仕業でカタがつく!」
アルバの復讐劇が始まった。
・
・
・
マグダラ修道会、サンフランシスコ支部。
悪魔たちとの決戦の為に、続々、人員が集結していた。
そんな矢先に修道院内部で何度も爆発。
敵襲かと、皆が身構えた所で、1人のシスターの悲鳴。
「わ、私が2人いる!?」
彼女がそう叫ぶと同時に方々で驚愕の声。
そう、彼女と同じように修道会のメンバーと全く同じ姿形をしたモノたちが各所にいた。
一見、コミカルに見えるこの光景。
しかし、これが惨劇の始まりだった。
(コルネリウス・アルバvsロゼット&クロノ&アズマリア)
「やれやれ、ブルーの監視も終わったし、後はこのガキをを協会に持って帰るだけか」
赤いコートの美青年は、面倒臭そうにつぶやいた後、気絶したクロノを車のトランクに放り込もうとした時だった。
『待ちなさい〜! クロノは返してもらうわ!!』
怒声ととともに青年を飛び蹴りが炸裂。
その後、声の主による踏みつけの連打。
気づけば青年は気を失っていた。
・
・
・
「くそ、私としたことがなんと言う失態だ!?」
青年―コルネリウス・アルバは毒づいていた。
元々、アルバは協会のブルーのクロノ捕獲任務のサポートの命令を受けていた。
任務自体は楽なものだった。
ブルーはスムーズに任務を達成した。
まあ、見ているだけというのも癪なので、クロノはアルバが引き取って持ち帰ることにしたのだが、
最後に、ロゼットたちの逆襲に会い、あっさり奪還されてしまった。
「……まあ、いい。奴等、マグダラ修道会は教会とも敵対関係だしな、事故で壊滅しても不思議じゃないだろうさ!」
アルバは1人、そうごちた後、目の前に並んでいるモノに一瞥した。
そこにはクロノ、アズマリア、その他、大勢の人形が並んでいた。
「こいつらを使って、あのガキを捕獲する。他の連中は皆殺しでもかまわんだろう。どうせ、悪魔の仕業でカタがつく!」
アルバの復讐劇が始まった。
・
・
・
マグダラ修道会、シカゴ支部。
悪魔たちとの決戦の為に、続々、人員が集結していた。
そんな矢先に修道院内部で何度も爆発。
敵襲かと、皆が身構えた所で、1人のシスターの悲鳴。
「わ、私が2人いる!?」
彼女がそう叫ぶと同時に方々で驚愕の声。
そう、彼女と同じように修道会のメンバーと全く同じ姿形をしたモノたちが各所にいた。
一見、コミカルに見えるこの光景。
しかし、これが惨劇の始まりだった。
>342 メレム・ソロモン VS 南武公&操
(Side:Misawo)
『あ・・・ああ・・・』
よろよろと、武公様に近付く。
もはや、メレムなど眼中にない。
何故、こんなにも、私は、動揺している?
私は人形。私には感情などないはずなのに。
背後から、頭部に一撃。
避けることも叶わず、無様に転がる。
そして、先程切り裂いたはずの蛇が私に巻き付く。
凄まじい力で、私の躯が、みしみしと悲鳴を上げる。
しかし、痛みは感じない。
私は人形。痛みを感じるはずはない。
(Side:Takemasa)
操さんの偽物が、俺の身体を切り裂いた。
痛い。冗談じゃないぐらいに痛い。
思わず弱音を吐きそうになる。
でも・・・
目の前の操さんを見て、それを押し留める。
(・・・操さん・・・泣いてる・・・?)
いや、泣いていない・・・操さんは涙を流さない・・・
けれど。
(泣いてる・・・)
俺は、傷の痛みも忘れ、操さんを見る。
猛禽に啄まれ、蛇に巻き付かれ、それでも苦悶の表情一つ浮かべない。
人形だから?
(違う・・・)
後ろの偽物が、操さんの味わっている苦痛とばかりに俺の身体を締め付ける。
(・・・チクショウ。チクショウチクショウ)
「チクショウ!!」
未だ開いたままのマリオノール・ゴーレム。
俺は呪を重ねる。
「音矢よ砕け!!(シエセル・ゲメゲム)」
先程召喚されたままだった人形が、竪琴から矢を放つ。
音もなく、放たれた一矢が操さんを攻撃する猛禽に向かって飛ぶ!
>344 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
「……逃げる、だと?」
軋む体を支えながら、男の言葉を反芻する。
人間などどうでもいい。
人の理を越えた吸血鬼に、人の法など知ったことではない。
真逆、この化物がそんな倫理観に縛られるとは思えないが……。
そんなこちらの思惑に関係なく、男はきびすを返して走る。
こちらに、あの男を深追いする理由は特にない、ないのだが……。
「逃がさん」
エンハウンスは走っていた。
まだ完治していない足を引きずりながら、男の背を追って走った。
奴は、自分にケンカを売ってきた。
理由はそれだけで足りる。
(散々やりたい放題やっておいて逃げるだと? 巫山戯るな)
奥歯を噛み破りながら、エンハウンスは走る。
>349 『ラルヴァvsカミーラ』
カミーラは、ホテルの廊下を駆けた。既に上の階の惨事は泊り客の注目を
集めているらしく、何事かとホテルの従業員に詰め寄る客の姿が目に付いた。
なるべく人目をひかないように努力しながらカミーラは走り、武器になるものはないかと
周囲に目を走らせる。そんな彼女の視線が、ある部屋の看板を捉えた。
看板にはこう書かれていた。『厨房』と。
カミーラは静まり返った厨房を見回し、武器になりそうなものを見つくろった。
バーベキュー用の金串、肉を裂くための牛刀、どうやら、武器に不足はなさそうだった。
>353
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
「っ?!」
「きゃ!!」
私とアズマリアの二人は、突然の爆発音にあたりを見回す。
「・・・・・!!まさか・・・・・罪人!?」
「・・・・・ロゼット・・・・・・!!」
まいったわね・・・・。今の私は、護身用の拳銃と、聖火弾の予備弾装しか持ち合わせていない。
・・・・・福音弾がないときついか・・・・・・。
「クロノは・・・・大丈夫でしょうか?サテラさんも・・・・・。」
「大丈夫よッ!!そう簡単にあの二人がやられるわけないわ。
・・・・とはいえまずは二人と合流するのが先・・・・・、ね。」
私たちは、クロノとサテラに合流するため、その場を移動することにした。
傀儡たちの蠢く、檻のなかへ。
>350 劉豪軍
分身!?
咄嗟に見破る手等は無い、なれば。
己は鎧を捨てた軽き身で走る!
無論音の壁等に及ぶべくも無いが、少しでも彼奴等の来る方向を纏めんが為、
そして!!
「セイヤアァッ!!」
彼奴の攻撃にカウンターで繰り出す十字剣閃!!
なれどその威力は前方には及ばず、剣閃より中心に、半球状に爆散する!!
零距離に措いてのみ効果を発揮する攻撃で捕らえきれるか!?
トリップ判定
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>351
足元から、黒い水が私を犯していく。
まとわりつく電撃が私の身体を焼く。
「ああっ―――!」
耐え切れぬ痛みに、私は足をほどく。
水に還った足を置き去りに、風を具現化し空中に浮き上がる。
そこで……私は茫然とした。
「私が……水から逃げる……?」
水に棲む――ただそれのみを誇った私が……逃げる。
それは私の根源を揺るがす出来事。だからこそ……
――なんて、愉しい。
その人間を気絶させたのに特に考えがあったわけではない。
まあ、拳銃を持っていた時点でまっとうな相手ではなかったのだろう。
そして彼が連れていた気絶した少年を、暇つぶしの相手にしようと思い隠した。
それが……
――こんなに愉しいことになるなんてね。
私の周りで風が巻く。それは、壁に、翼に、そして牙になる。
「さあ、もっと私を愉しませて――!」
風で届かぬはずの言葉と共に、
私は彼に向かって殺到した。
>357
自分と同じ姿形をした者が目の前に現れたらどうするだろう?
まず、大抵の人間はは混乱する。
ここでもそれいは例外ではなかった。
そして、その『自分』が襲い掛かってくるのだ。
その恐怖はどれくらいのものだろう?
アルバの策は確実に効果をあげていた。
各所で同士討ちが始まったのだ。
そんな中……
・
・
・
『ロゼット、無事だったのね!?』
ロゼットとアズマリアは、同僚のシスター・エレンと出会った。
『じゃあ、死んでくれない?』
いきなり、そう叫んで、人間とは思えないような速度でシスター・エレンは襲い掛かってきた。
>356 『ラルヴァvsカミーラ』
階段を降り続ける。
銃は一旦ホルスターに戻してある……まだそれくらいの理性はあった。
人間には見えぬわずかな血の跡を追う。
カミーラの血ではないのだが、今の私には十分だ。
早く、早く、早く。
血を―――冷え切った輸血用パックではない、暖かい血を―――
その刹那、壁が壊れるほどに拳を叩き込み衝動を抑える。
まだだ、まだ駄目だ。あいつを滅ぼすまでは。
途中で血の跡は消えていたが、血臭を嗅ぎ分ける事が出来た。
……『厨房』?
料理の趣味があるとは思えないが、何か隠してあるだろうか?
罠の危険性を考えつつ、ゆっくりと扉を開けた。
>360
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
『ロゼット、無事だったのね?!』
「エレン!!」
私とアズマリアはいくつかの角を曲がったところで同僚と鉢合わせる。
「こっちは平気。いったいどうなってるの?!」
『そう。無事なのね?』
「?ええ。」
『じゃあ、死んでくれない?』
「!!!」
「ロゼット!!」
突然私に向かってエレンが襲い掛かってくる!
「ちぃッ!!」
慌てて横っ飛びにはねて、彼女の一撃を回避する。
「操られてる・・・・・?人形使いは倒したはずなのに・・・・・!!」
「ロゼット!!」
その間もこちらの隙をうかがっているエレン。チ・・・・・どうするか・・・・・。
「アズ!!」
「はい?・・・・きゃぁ!!」
私は、アズマリアの腕を引っつかむとエレンに背を向ける!
何がなんだかわからないが、とりあえず逃げる!!
無論、彼女もそんな私を追いかけようとする。
「・・・・・この!!」
私は彼女の足元めがけて銃を撃つ。思わず、後ろに飛びのくエレン。
その間に、私たちはその場から逃げ去った!!
はやく・・・・二人と合流しなくちゃ・・・・・!!
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>359
折角の魚の餌は足だけ・・・しかも、すぐに水に還って。
どうしてもウルフに逆らう気か。
しかも、水の中だけじゃなく、空中にまで移動して。
「あはははははは・・・・。逃げるのか、きゅーけつきのメス。
どうした?水じゃ無敵なんだろ?」
ウルフの嘲笑は彼女には届かなかっただろう。
彼女は水ではなく烈風を纏い、激烈極まる突進をかけて来たのだから。
ざ しゅ ざしゅ しゅし ゅ・・ ・・ ・
水面動きの取れないウルフを切り刻む鋭利な空気は彼を確実に
屠殺しようと追い詰める。彼の全身は細かい傷が絶え間なくでき、
血が毛皮をなめしているようだ。
正面からの突進に、ウルフは賭けた。
ハックル(髪)を螺旋状に巻き上げ、彼女の風の逆回転の旋風をぶつける!
ウルフは彼女の風の相殺を試みたのだ。
>361 『ラルヴァvsカミーラ』
扉が開く音がした。カミーラは、物色していた品物を適当な位置に隠すと、
様子をうかがう。相手の姿は明瞭に捉えることができた。
カミーラは猫のように足音をおさえて移動しながら、50cmはあろうかと思われる
大きな金串を何本も放つ。
10本ほども投擲すると、カミーラは刃渡り40cmほどもある牛刀を逆手に構え、
相手の反撃に備えた。
>362
アルバは外から修道院の内部の様子を魔鏡で映し出し、その惨劇の様子に満足する。
「ハハハハ、地獄(ゲヘナ)の門は開いたばかりだよ、もっと楽しんでくれよ!」
・
・
・
刻々と修道院の中の事情は悪化する。
『自分』を殺す者、殺される者、錯乱による同士打ちで果てる者……
そんな中で……
『きゃあ!』
聞きなれた声がロゼットの耳に届いた。
悲鳴の場所に駆けつけたロゼットたちの目の前にいたのは……
――アズマリアのこめかみに銃をつけつけるシスター・クレアだった。
>358 劉豪軍vsギーラッハ
トリップ 劉豪軍 W>Z ギーラッハ
僅かな差、彼奴が己が攻撃を掻い潜る事も、己が胸に刺さる細剣も、全て見えた。
なれど、全てが手遅れ、魂を込めた一撃を放ち、その内へと潜り込まれた己は
彼奴の細剣が己が無限の心臓を貫く事に反応する間等無い……。
「600年の剣技も、貴族の力も、人の技に破れるか…… 」
「人とはか程に強くなれるのだな、驚嘆致した」
その体が目に見えぬ炎を上げ、灰と、塵と化してゆく……。
「姫…… 我が剣、ついに至らず、己が身に賜りし祝福さえも貶めた己を…………」
声の途絶えた後には何も残りはしなかった。
>354 メレム・ソロモン VS 南武公&操
せっかく用意した舞台に上がったのに相手は無抵抗。
おいおい面白くないぞ、無抵抗なら主が助かると思うのかい?
暫く攻撃を続けても身を守るだけで攻撃が無い…本気で思考がフリーズしたのか。
その程度の人形なのか?
それとも、高度過ぎるからなのか…詰まらないのには代わりない。
「詰まらないな…このままなら武公が死ぬよ」
操を挑発すべく声をかける。
だがそれに答えてのは、操ではなく武公だった。
行使できないはずの力を行使する。
半ばヤケクソ、最初の攻撃に及ぶべくもない威力…だがそれは操の目を掻き出そうとしていた
『神の翼』に確実にヒットした。
左足から血が噴出す…身体の傷と違い四肢の傷に復元回呪は作用しない。
「…このゲームの趣旨を理解できないかな?」
腕の一本ぐらいでは人間は簡単には死なない。
ボクは四肢を切断されても生きていたし…大丈夫だろう。
『マリオノール・ゴーレム』の使い方は生きてさえいれば問題ない。
もし死にそうなら死徒にすればいいだけだ。
「腕の一本もなくせば大人しく見ていられるかな?」
ボクは何気なく武公に近づくと、そっと武公の左腕に手をかけた。
そもまま握りつぶす為に。
操は未だに『神の蛇』に拘束されたままだ…詰まらない。
そろそろ終りにしてやろうか?
>365
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
「はい!?」
私は、目の前の光景に素っ頓狂な声をあげる。『なんで、アズマリアがもう一人いる』のッ!?
「わ、私がもう一人?!」
アズマリアも、その光景を見て慌てている。
『助けてっ!!ロゼット!』
『ロゼット!だまされないで!こいつは偽者よ!!』
クレアと、もう一人のアズマリアの声が唱和する。
〜〜〜〜〜〜!!
こ〜いう時はッ!!
「アズマリア・・・・ちょっといい?」
「はい?」
「・・・・・・・?」
「・・・・・ですよね?」
「おし!」
私は、もう一人の『アズマリア』に向き直る。
「アズマリア、ひとつ教えて?!
あなたの義父が使ってた悪魔の名前、覚えてる?!」
>368
銃をつきつけられたアズマリアがおどおどと答える。
「あの悪魔の名前……、レ、レライエです。『子爵級』悪魔の……」
室内に、静寂が訪れた。
>366 劉豪軍vsギーラッハ
勝利。久方ぶりに本気で闘えた事への満足感は無い。
だが、改めて己が無敵であることを実感した。
重傷だ。だが、痛み分けでは無い。
そう言い聞かせながら、鬼眼麗人は梅の庭園を歩く。
背後には崩れ行く哀れな紅の騎士。
「紅の騎士、ギーラッハ……最後の最後まで愚かな奴だ……」
ヒュン、とレイピアを一閃。
刃にこびりついた血糊を振り払った。
同時。騎士も灰となり、その灰は風に流され、消えた……。
「だが、案ずるな。貴様の主は俺が護ってやる」
庭園を後にするかのように、鬼眼麗人は歩く。
「――――夜魔の森の王女の魂、切り分けて機械に埋め込むのも一興だな……」
相も変わらず涼やかな表情を浮かべながら、鬼眼麗人は
延々と舞い散る梅の花びらが支配する庭園を去った……。
了
>369
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
『あの悪魔の名前……、レ、レライエです。『子爵級』悪魔の……』
静寂。
「なんで、そこまで詳しく知ってるの?
いつ、そこまで調べてたのかな、アズマリア?」
ぎり、と歯をかみ締める音。
『!!!』
さっきまで大人しくしていたはずのアズマリアが、いきなり私に向かって飛び掛る!
「!!!」
思わず、私は銃のトリガーを引く!!
『ぎゃん!?』
『アズマリア』は、くぐもった悲鳴をあげながら吹っ飛ぶ。穿たれた穴から、血と肉にまみれた歯車が飛び出してくる。
「・・・・・これ・・・・・・!!」
「自動人形・・・・なんですか?」
倒れこんだ『アズマリア』を見下ろす。・・・・あまり、気分のいいものではない。
「それにしても・・・・よく偽者だってわかったわね。」
私はクレアに向き直る。そして、気がついた。
「・・・・・・『何で』、あんたがここにいるの?!東海岸の勤務のはずなのに!!」
にたり、と。クレアが気味の悪い笑みを浮かべた。
劉豪軍vsギーラッハ、レス番纏め
>225 >234 >240 >248 >256 >274 >277
>285 >293 >341 >350 >358 >366 >370
途中まで噛み合わなんだ闘争がよう最期で纏まったものよ。
>346
廊下を経て、階段へと追われながら、白銀の剣士の猛攻は続いた。
一回攻撃を避ける毎に、退路は次々と絶たれて行く。
このままでは……やがて追い詰められる。
頭では分かっていたが、彼自身の意思とは関係なく、
事態は窮地へと進んでいくのだった。
(これでは、ペルソナを呼ぶ暇もない……)
考えながら、後退を繰り返す南条。
そして階段を上りきり、背後の扉が避けた斬撃で無残に断ち割られる。
出来た隙間へと、辛うじて転がり込む―
そこは、
「屋上……か」
そう、そこは聖エルミン学園屋上。
既に日は落ち、薄暗い空に、星が瞬き始めるのが見える。
校舎の広さに比例し、この聖エルミン学園の屋上も、
又それなりの広さを誇っていた。
柵が用意されていないため、普段は鍵がかけられている場所では
あったのだが、銀の剣士の斬撃は、鍵ごと扉を断ち切ってしまった
ようである。
だが、考えようによってはこの状況は有利ともいえる。
確かに退路は無くなったが、奴を倒せばその心配は無くなる。
それに、何より――
(これで、心置きなく大規模呪文が放てる)
屋内ではないこの場なら、自分が巻き込まれる心配はない。
「さて、みっともない、いい格好をするのは、果たしてどちらだろうな。
桐原朝子」
先程聞こえた台詞をそっくりそのまま、彼女に叩き付けた。
そして、追撃が来るまでの少しの時間に、彼は彼の中に眠る、
最後にして最強のペルソナを呼び起こす準備に入った。
「出番だ………インドラ」
>348
VSロゼット一行&ヨコシマ
デス・スペルを押さえ込むその力すら吸収し、【卵】は光を増し、唸りを上げて宙を舞う。
―――後一巡もすればそろそろ頃合か。
十分に力も吸った。これなら体内に潜り込ませる事無くいきなり起動しても
この場の全員を血と肉の花火に変えることが可能だ。
スレイマンは手元に回ってくる【卵】の一つ一つに意識を向け、信管となるべく起動鍵を解除し、
一斉起爆に向け13個の【卵】を、次々に同調させていく。
イチ、ニイ、サン、ヨン、ゴオ、ロク、ナナ、ハチ、キュウ、ジュウ、ジュウイチ、
ジュウニ、ジュウサン、ジュウシ。
―――14だと!?
気付くが早いか14個目の【卵】―――いや、『爆』の文字を刻まれた文殊が閃光を放ち、爆発。
スレイマンはとっさに左手の自在護符の印形を【呪盾】に設定。
とは言え、ほぼ零距離からの爆圧だ、スレイマンは不可視の盾ごとずるずると押しやられ、
その盾を支える左手にも強い衝撃が加わるが、左手を身体施呪で強化し、何とか持ちこたえる。
周囲では【卵】が霊気の爆風に飲まれ、はじけ、中に封印された死の呪文もまた分解されていく。
一部の死の呪文が爆風の効果を逃れ『最も近い生者』であるスレイマンに襲い掛かったが、
【呪盾】を乗り越えることが出来ず、やはりこれも消滅した。
……やがて、爆風が晴れ、そこから魔人が姿を現した。スレイマンだ。
【呪盾】の展開が間に合わなかったのか、右半身は文殊の効果を受けており、焼け爛れている。
特に、剥き出しだった顔面部分では、眼球が爆ぜ、白い煙さえ上げている。
「……ク、ク」
スレイマンは無造作にその灼けた右目に指を突っ込むと眼球『だった』ものをえぐり出し、
「……ク、クハ、クク」
制帽についていた霊視眼を引き千切り、その青い目を強引に空いた眼窩にねじ込み、
そして、吼えた。
「ハ、愉快だ、クハ、愉快だ愉快だ痛てぇ愉快だ畜生許さねェ殺す熱い畜生許さねぇ殺す殺す
ハハ、ヒデェ屈辱だ許さねェさすがだ俺を解放することだけのことはある畜生許さんどいつ
もどいつもコケにしやがって許さねぇ、ハハハ、楽には殺さん痛めつけて痛めつけて痛めつけて
クク、命乞いを、ハハ、許さねぇ許さねぇ許さねぇ愉快だ最高だ殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
ミッ・ナッ・ゴッ・ロッ・シッ・だぁぁぁっ!!」
スレイマンは先ほどのジャグリングで力を消耗したのか膝を付くヨコシマと、その傍らの少女に
青い凶眼を向け、軽く左手を振る。その指の間に一つづつ【卵】が出現、中身は【燃焼】計四つ。
それを一度に放ると、四つの卵に向かってロッドを向け【衝撃】を圧唱。
卵は破れ、封じられた熱気が衝撃と共に広がり、対象に向かって襲い掛かる。
まるで、先ほどの文殊の効果を模するがごとく。
>371
『ああ、なるほどね。適当にこの身に記憶が埋め込まれただけだからね、
齟齬の一つぐらいは生じるわね』
人形はニヤニヤ笑いながら、ロゼットに告げる。
『……じゃあ、もういいから、死んで頂戴!』
人形の銃がロゼットに火を噴いた!
一方、そのころ……
「ハハハハ、大量に死んだな、これで少しは私の気も晴れるというものだな」
アルバは愉快そうに笑う。
「さてと、本来の目的を遂行するか。クロノ君、待っててくれよ?」
アルバは修道院の中へと優雅な足取りで入っていった。
・
・
・
「……やあ、久しぶりだね、クロノ君、私のことは覚えているかな?」
アルバとクロノは修道院の礼拝堂で対峙した。
周りにはアルバの人形の犠牲者やアルバ自身の魔術による犠牲者の屍が散乱している。
大げさに手を広げて、アルバはクロノに告げる。
「キミ等のおかげで私のプライドは痛く傷ついてね、少し、お返しに来たという訳さ、
気に入ってくれたかい、ハハハハ!」
魔術師の笑いが礼拝堂に木霊した!
>375
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
礼拝堂。ステンドグラスから差し込む光。あたりに響くは銃声。
『……やあ、久しぶりだね、クロノ君、私のことは覚えているかな?』
礼拝堂の中、やたらに大げさな動作で、一人の男が僕に向き直る。
彼の周りにあるのは・・・・・彼と、彼の人形に殺された被害者たち・・・・・・。
「どういうつもりだ。」
僕は静かに問う。
『キミ等のおかげで私のプライドは痛く傷ついてね、少し、お返しに来たという訳さ、
気に入ってくれたかい、ハハハハ!』
「・・・・・・・・・・・。」
握っていたこぶしが、ふるふると震える。
「それだけの・・・・・それだけの理由で彼らを殺したのかッ!!」
僕は、憎悪を含んだ視線を奴へと向ける。そんな僕の視線を奴は冷笑で返す。
「そうか。そういうことか。」
ぎ、っと歯をかみ締めると、僕は奴に向かって飛び掛る!!
>376
「ああ、そうか、そうか。まだ、気に入らなかったんだね。それはすまないことをしたよ」
アルバはあくまで小馬鹿にした態度でクロノに応対する。
「幾らなんでも、封印状態のキミに負ける程、耄碌はしてないぜ?」
飛び掛るクロノに対して、アルバが右手をかざす。
不可視の魔力の塊がクロノを迎撃すべく、放たれた。
>377
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
クロノと今回の件の黒幕が戦っていたその頃・・・・・。
「いつつつつ・・・・・・。」
「大丈夫・・・・?」
「まぁ、なんとか。」
私は、クレアの偽者をようやっと撃退したところだった。
少し離れたところに、偽者が転がっている。
いくら人形、偽者だとわかっていても、同僚と同じ顔をした奴と相手をしたせいか、
どうにもいつものように行かない。心の奥底で躊躇が生まれる。
その結果―――――
「やられた・・・・わね〜・・・・。」
私は、右肩をやられてしまった。
銃弾が掠めただけだが、それでも結構な傷だ。私は傷口をハンカチで縛り、止血をする。
まずい・・・・右手、まともに使えないかも。
「ロゼット・・・・。」
「大丈夫よ。ともかく、先を急ぎましょ?」
私は、アズマリアの手を引いて走り出す。
・・・・無事でいてよ!クロノ、サテラ!!
>378
廊下の壁に唐突に穴が空いた。
そして、黒い影が廊下に飛び込んでくる。
その影はロゼットの前に立ちふさがると、笑顔で話し掛けた。
「やあ、ロゼット、迎えに来たよ? あんまり、来るのが遅いから、オレが迎えに来たんだ」
――その影、ロゼットの旅の最終目標である彼女の弟、<ヨシュア>がロゼットの前に現れた。
>379
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
「ヨ・・・・シュア?」
私の前に降り立った少年・・・・・・。
忘れられない。忘れるわけなんてない。
少し、背が大きくなっているが・・・・・間違いなく、それはヨシュアだった。
「どうして・・・・どうしてあんたがここに?!」
嬉しさとともに、頭の奥底で警鐘が鳴っている。
そう、ヨシュアはサンフランシスコにいるはず。そして、先ほどの偽者・・・・・。
つまりは、目の前にいる彼も、人形かも知れないということ・・・・・。
「〜〜〜〜〜〜!!」
「ロゼット・・・・・・。」
アズマリアが、私の服の袖をきゅっと、掴む。
「く・・・・・。」
彼が人形なのか。それとも本人なのか。見分けるすべは・・・・ない。
私は、微笑みかけるヨシュアを前に、動けなくなっていた。
>380
「オレさ、この日を本当に心待ちにしてたんだ」
嬉々として、<ヨシュア>はロゼットに語りかける。
「思えば、最初からこうした方が良かったかもしれないな」
依然として、<ヨシュア>は話を続ける。
「だってさ、ロゼット、オレの為にずっと危ないことやっていたんだろ? その手の銃だってオレの為にさ」
<ヨシュア>がロゼットに向かって、歩みよりはじめた。
「一緒に行こうぜ、ロゼット。もう、苦しい思いはさせないからさ」
2人の距離が縮まる……
>379
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
礼拝堂にて――――-
『ああ、そうか、そうか。まだ、気に入らなかったんだね。それはすまないことをしたよ』
奴は、なおもいやになる笑みを浮かべ続ける。
「おぉぉぉぉぉぉッ!!」
僕のこぶしが奴の下に届こうとしたとき・・・・・。
『幾らなんでも、封印状態のキミに負ける程、耄碌はしてないぜ?』
「がっ?!」
僕の体は、一気に後方へと吹き飛ばされた。
不可視の呪力塊?!やってくれる!!
僕がだっと立ち上がったその時。
『クロノ!!』
礼拝堂の扉を開いて、誰かが入ってくる。
――――ロゼット?!
ロゼットは、右手に手にした銃をアルバに向ける。
「ロゼット!無事だったのか?」
『私は平気!それより、あんたは大丈夫なの?』
「あぁ・・・何とかね。」
僕は、ロゼットを背に奴へと体を向ける。
『そう、無事でよかった・・・・・・。』
ロゼットがほっとしたようにつぶやく。次の瞬間。
「がはッ!?」
銃声とともに足に走る激痛!
僕は床に思わず膝をつく。
『あんたの事、私の手で仕留められるんだもの。』
『ロゼット』が目の前のアルバを思わせる嫌味な笑みを浮かべた。
>364 『ラルヴァvsカミーラ』
今の感覚なら、金属音や火薬の匂いは逃さないのだが、
宙を飛ぶ細い金串は見えなかった。
風切り音と同時に身を翻すが、右肩に二本、右腕に一本突き立つ。
そして、最悪な事にスーパーレッドホークに一本当たってしまった。
予想外の衝撃に愛用のリボルバーを思わず落としてしまう。
カミーラが迫る。予備の銃を抜いたとしてもあの得物は受けきれない。
とっさの判断でバックマスターナイフを抜く。
マットブラックに塗装されたそのナイフは、すでに身体の一部のようなものだ。
一撃目はなんとか受け流せた。
しかし、金串を抜かない事には傷が回復しない。
私はカミーラに攻め立てられながらもじりじりと位置を変えていった。
>367 メレム・ソロモン VS 南武公&操
(Side:Takemasa)
音矢は狙い違わず、猛禽を貫いた。
同時にメレムの左足から血が噴き出す。
・・・同調してる・・・?
微笑んだまま、メレムが近付いてくる。
だけど、その表情の後ろには、怒りが渦巻いているのが判る。
軽んじてた俺に、傷を負わされたんだもんな・・・
近付いてくるメレムに、精一杯不敵に見える笑みを向ける。
これが、今の俺に出来る最大の抵抗・・・
でも、そんなことは意に介せず、メレムが俺の左腕を取った。
・・・潰す、気だな。
不思議と恐怖は感じない。
ただ、純粋な意志、負けまいと、挫けまいとする意志だけが俺を満たしていた。
「どうした! やれるもんならやってみろ!!」
「でも、絶対に俺は負けてやらねー!!」
メレムの表情が一瞬醜く歪み・・・
ぐ し ゃ り
と、音がした。
(Side:Misawo)
・・・私は、蛇の拘束から逃れることすら出来ずにいた。
目の前に、残像のように苦痛に喘ぐ武公様の姿が浮かぶ。
ああ――――
何故こんなにも――――
私のココロは乱れているのだろう――――
このまま、時の果てまで咎人のように、縛り付けられれば、いい・・・
声が、聞こえた。
――――声。
――――武公様の、声。
――――強い意志に満ちた、その声。
私の躯に、力が甦る。
主たるものを、そして魔書を護るため、私は在る。
だが、それ以上に。
私 は 武 公 を 護 る た め に 、 こ こ に 在 る 。
髪が、ざわめく。
そして、旋風のように。
私の黒髪が、蛇を切り裂いた。
自由を取り戻した私が為すべきコトはただ一つ。
まるで一陣の風のような速さで、武公様の元へ。
そして、今まさに武公様の腕を潰さんとするメレムの横っ面に、拳を叩き込んだ。
手加減抜きの、一撃。
>382
「おおっと、ロゼット・クリストファ、先走りすぎだぜ。クロノは生きていないと困るんだ」
ニヤニヤ笑いつつ、アルバは<ロゼット>に告げる。
「ああ、クロノ君、気に入ってくれたかな? 彼女、それなりの出来だと思うんだが?」
クロノは敵意に満ちた眼でアルバを睨みつける。
「ハハハ、元気そうで大変、結構。だが、あまりに元気すぎても困るんでね、ロゼット!」
銃声が礼拝堂に響いた。
・
・
・
「どうだい? 流石に抵抗できないだろ。ロゼット、クロノ君を抑えていてくれよ?」
<ロゼット>はクロノを羽交い絞めにする。
そして、身動きのとれないクロノにアルバは近づき、額に文字を書き込んだ。
途端、クロノの身体はピクリとも動かなくなった。
「束縛のルーン<N>(ニイド)を刻ませてもらった。動けないだろう?」
アルバは無力なクロノを嘲笑する。
「さてと、主賓の到着を待つとしよう。キミの目の前で主人を嬲り殺してあげるよ、ハハハハハハ!」
>383 『ラルヴァvsカミーラ』
「まさか、こんな目的で包丁を握ることになるとは思いませんでしたわ」
カミーラは血を、ただし牛や豚の、たっぷりと吸い込んできた牛刀を振りかざすと、
ゆっくりと目標に近付いていく。先ほど投擲した金串は、それなりのダメージを
与えたようだ。
相手の行動は、突き刺さった金串が束縛するためか、かなり鈍い。それをいいことに
カミーラは一方的に相手を攻め立てる。少なくとも、相手の行動の自由は奪っておく
必要があった。でなければ、先ほどの行動が無駄になってしまう。
彼女は、この部屋を物色している最中に、ガスの栓を片端から開いておいたのだ。
>386 『ラルヴァvsカミーラ』
拘束着が牛刀に切り刻まれていく。
身体のダメージ自体よりも、
長い金串のせいで動きが鈍っていることが問題だ。
……?
部屋が少しガス臭い?
不味い。
敵は自爆するようなタイプではない筈だ。
純粋な吸血鬼であろうカミーラよりも私の方が呼吸に依存する割合は大きい。
このままではジリ貧だ。何か方法はないか?
―――あれは?
それはごく当然のようにそこにあった。
そして高級ホテルには相応しい装飾を施されていた。
古来より、貴族達が毒殺を警戒して使用していた物だという。
その <銀製のナイフ> とアーミーナイフを持ち替える。
牛刀はろくに用をなさない右腕で受け止めてしまえばいい。
必要なのは、ほんの一瞬の隙。
…これでヤツの心臓を突き刺せば…!
>385
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
礼拝堂より暗転、再びロゼットとアズマリア―――――――
一歩、一歩ヨシュアが近づいてくる。
『一緒に行こうぜ、ロゼット。もう、苦しい思いはさせないからさ』
ヨシュアは、私の目の前でにこり、と満面の笑みを浮かべる。
そうして、ヨシュアが私とアズマリアの手をとる。
その手のぬくもり――――
本当に人形の手なんだろうか。そう思うくらい、それは暖かかった。
『君は姉さんの友達だろ?一緒においでよ。きっと、『みんな』君の事も歓迎してくれるさ!』
みんな・・・・。
私はそこの中に、『アイオーン』の名が含まれているであろうことを思い出す。
ヨシュアの手を振りほどこうと、私はもがく。
だが。
「くっ!?」
「は、放してください!!」
『やだなぁ・・・姉さん達。そんなに嫌がらなくても・・・・。』
どこにこんな力が・・・・そう思うほどの力で、ヨシュアは私たちを引っ張っていく。
『そうそう、クロノに挨拶していかないとね。』
そう言うと、ヨシュアは私とアズマリアを引っ張り、礼拝堂へと向かっていく・・・・・。
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い――
「・・・あ、あ、あ、嘘ッスよね?嘘ッスよね?すいません勘弁してくださああああああ!!」
人気の無い、とある港に建ち並ぶ倉庫の中の一つ。
時刻で言えば午後十一時四十五分。日付が変わるその十五分ほど前、
わずかな明かりに照らされた倉庫内部で一人の男が悲鳴をあげていた。
男は厚めの木の板にロープで何重にも縛り付けられ、床に転がされている。
男の周りには幾人かの人の影。そしてその幾人かを威圧するように、佇む老いた男が一人。
「・・・・いや、まぁ落ち着けや。取り敢えずはまず順を追って確認しねぇか?な?」
天堂天山。平崎市を中心とした勢力を持つ、指定暴力団『天堂組』の組長。・・・そして、吸血鬼でもある。
「おれは何つった?『血を採って来い』確かにそう言ったよな?」
「い、言いました言いました、その通りッスよだからどうか、あ、あの」
「ああ、で、お前はどうしたんだったか?あ?」
「ええ、ええ、殺しましたよ。で、ちゃんと血も採りましたよ、で、確かに渡したッスよ、え、ええ」
「ああ、そうじゃな。おれも確かに受け取ったぜ。・・・でもな」
ばしっ!!
天堂は手に持っていた新聞を男の顔面に叩きつける。
『平崎連続殺人事件に新たな手掛かり――目撃された犯人像』新聞の見出しにはそう記されている。
「誰が目撃されろっつった?!ああ?!!ファントムの奴等には秘密裏に事を進めろっつわれてんだ!!」
「あああああ許してくださいぃぃぃぃああああ・・・あああああ!!!!」
「責任取るなら死んで取れや・・・・・・殺れ」
男はなおも悲鳴や懇願を撒き散らすが、もはやその声は天堂には届かない。
奥からゴロゴロと鈍い音と共にロードローラーが現れ、無慈悲に男の上を通過していく。
エンジン音が大きくなり、ボギボギボギと骨の折れていく音。
一瞬の痛みなどでは無く、少しづつ訪れる激痛に、男が絶叫する。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「いつも通りの処理で構わネェ。後始末、任せたぜ」
挽肉となった男には目もくれず、天堂はその場を去ろうとし―――
――――突如、倉庫の扉が爆音と共に吹き飛んだ。
>398
「おっ、来たみたいだな」
礼拝堂の扉が開いた。
「ご苦労、ヨシュア君、無事に役目を果たしてくれたみたいだね」
<ヨシュア>はロゼットとアズマリアを礼拝堂の中央に放り投げる。
「さてと、ロゼット君。キミは私のことを覚えているかな? まあ、別に覚えていなくてもいいんだけな」
微笑を浮かべつつ、しかし、殺気の篭った視線でアルバはロゼットを睨みつける。
「まあ、このくらいでまいってもらっては困るけどな。今からがショーの始まりなのだからさ」
アルバは<ヨシュア>に告げる。
「ヨシュア、キミの手でロゼットを嬲り殺せ。そうすれば、キミの心の中に永遠にロゼット君は生き続ける」
アルバがそう告げると同時に、微笑を浮かべながら<ヨシュア>はロゼットに肉薄。
片手でロゼットの首を掴み、ギリギリと締め上げる。
『どう、姉さん、苦しいかい? でも、オレのこの数年間の苦しみはこんなものじゃなかったぜ?」
<ヨシュア>は顔に歪んだ笑みが浮かぶ。
>384 メレム・ソロモン VS 南武公&操
武公はこの絶望的な状況で笑って見せた。
恐怖に引きつった不様な笑みだ、当然だろう唯の子供が死徒27祖を前にしているのだから。
不様な笑み、唯の強がり、無意味だ…だけどそんな武公に興味を持った。
『マリオノール・ゴーレム』の所有者として以外の武公に始めて興味を持ったのだ。
左手を取る、意味は理解できる筈。
だけど武公に在ったのは恐怖ではなく意志、…だけどその意志に何を込めたのかボクには
解らない、多分ボクには無いモノだろう。
だから解らない、だから興味がある、だから面白い。
人間はオモシロイ!!
「どうした! やれるもんならやってみろ!!」
「でも、絶対に俺は負けてやらねー!!」
武公は不敵なセリフを吐く、それがどんな結末に直結するのか解っているのか?
では試そう、そうすればもっと面白くなる筈だから。
そうすれば、もっと理解できる筈だから。
腕を握りつぶす為力を込めた瞬間。
その右腕が不意に砕け散った、それは『神の蛇』が砕け散った事を意味するが…。
それを理解する前に、ボクは吹き飛ばされていた。
>391 続き
左の頬には灼熱の激痛、それが人形の攻撃だと理解するには半瞬の時が必要だった。
――まったくコイツ等は…、とことんボクが興味を持った反対の行動をとってくれる…――
操に興味が在る時は武公が水を挿し、武公に興味を持った時は操が邪魔をする。
…いや、二人を別々に試そうとしたボクのミスかな?
コイツ等は二人別々では面白くないのかも知れない。
手加減をしながらでは、本当の姿を見ることが出来ないのかも知れない。
―――なら、本気を見せてやろう死徒27祖『王冠』の本気を
その上で見てやろう『ゴーレム精霊駆動法儀』と二人の本当の力を―――
解放していた全ての魔獣を引き戻す。
全ての力を唯一体に込める為、最高の魔獣を解放する為、最大の破壊規模を生み出す為、
最凶の攻撃力を見せる為に!!
「絶対に負けないと言ったな、その言葉証明して見せろ」
大地が爆裂する、世界が歪む。
今まで唯のアスファルトの地面だった物が盛り上がり捲れあがる。
それは大地が自らの意志で立ちあがった様に見えるだろう。
そこに在るのは黒い塊、右足の魔獣『神の獣』、世界すら踏み潰さんとする破壊の意志を
込めた最強の魔獣。
「言葉だけでは意味が無い、その言葉の力に力を与えて見せろ!」
『神の獣』が強大な口を開く。
万物を破壊し咀嚼する死の具現、これを避ける手段はない。
そんな甘い破壊規模ではない、死にたくなければ打ち破る以外に道がない。
「その力が無いのなら、今ここで終るがいい!!」
強大な力が二人に向けて落ちていく、死と破壊を撒き散らす為に。
その時ボクは笑っていた、多分本当に面白そうに。
……それにボクが気がつく事は無かったけれど。
>387 『ラルヴァvsカミーラ』
相手の抵抗力は次第に弱っていく。ことに右腕は、ほとんど自由がきかない
ようだ。もっとも危険な攻撃、自分の心臓に対する攻撃を仕掛けられる危険は
それだけ減少することになる。左腕で相手の左胸を突き、相手に致命傷を与える
のは、右腕で狙うのに比べ距離が遠くなる分難しいからだ。接近戦で、20cmの
距離の差は、時として致命的だ。それに、よほど鍛えていなければ、左腕は右腕の
ようには動かない。
ならば、ゆっくりと抵抗力を奪っていけばよい。いくら相手が強靭とはいえ、吸血鬼の
体力にかなうはずがない。ましてや相手は出血している。失血は相手の力を
ゆっくりと確実に奪うだろう。
まずは左腕の力を奪ってしまおう。
カミーラの口元に歪んだ笑みが浮かんだ。
>393 『ラルヴァvsカミーラ』
金串が筋を傷つけてしまったようだ。
右腕が動かなくなる。
銀製とはいえ、小さなナイフでは牛刀は受けきれない。
いっそ身体で受け止めてしまおうかと考えたが、
相手は甘くなかった。
間合いを空け、じわじわと攻め立てられる。
飛び込む隙を見いだせない。
焦りが焦りを呼ぶ。
ガスが濃くなったのか、呼吸が苦しくなってきた。
喉が渇く。駄目だ、意識が…
よろめいた一瞬、私の左腕は縦に切り裂かれていた。
かろうじて切断は免れたが、ピクリとも動かない。
ここまで―――なのか?
私はいつの間にか壁際に追いつめられていた。
>389 天堂天山&ヤハベVS岩鬼将造
尾を引いた轟音が収まった後、立ち込める噴煙の中から一人の男が姿を現した。
外光を背にしたその姿を見て、取り敢えず目を剥かなかった者がはたしてこの場にいたかどうか。
サングラスを載せたソフト帽はともかく、ダボシャツに腹巻き、素足に雪駄履きと来ては、
数十年前の広島抗争はまだ終わっていないのかと苦笑する前に呆れ返るのが落ちだ。
だが、この男を前でそんな太平楽を述べる事の出来る者はいはしまい。
顔の造作の猛悪さときたらほとんど人間離れしているし、獣じみた精気が全身から発散されている。
やや低い背丈を微塵も意識させていない。必要も無いのに親でも噛み殺しそうだ。
男は、口の端にぶら下がっていた煙草をぷッと飛ばした。
「おどれら――。愉しい事しとるじゃないの。わしも混ぜてくれんかのー」
男の背後で何か硬い物が地面に落ちる音がした。
二人の人物が影の様に付き従っている。片方はモヒカン刈りにサングラス、もう片方は細い眼に短髪の男たちだ。
どちらも迷彩服に身を包んでいる。
音は、短髪の男が最前倉庫の扉をぶち破ったM72A2ロケットランチャーを放り捨てた音だった。
「その前によう、ちいと訊きてえんじゃがよー」
男の眼が光った。物理的に、と誤認しかねない猛々しい熱さを伴って。
「おどれら、わしのシマで何勝手コキさらしとるんじゃ。この岩鬼将造のシマウチでよ、おう?」
男――岩鬼組系広域暴力団『極道連合』会長・岩鬼将造は、低い声でそう云った後、笑みを浮かべた。
肉食獣の笑みを。
>390
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
礼拝堂の扉が開く。そこに待っていたのは・・・・・。 赤く染まった床。倒れて動かない仲間たちの亡骸。その中心に立つ男。
『おっ、来たみたいだな
ご苦労、ヨシュア君、無事に役目を果たしてくれたみたいだね』
その男はやたらに優雅な動作で私たちを迎える。
その側には・・・・・。
「クロノっ!?」
両足を打ち抜かれ額に何か文字を刻まれた、『私』に拘束されるクロノがいた。
『さてと、ロゼット君。キミは私のことを覚えているかな? まあ、別に覚えていなくてもいいんだけどな』
そういいながら、男は私に殺意をぶつけてくる。 この男・・・・何処かで・・・・・・?
『まあ、このくらいでまいってもらっては困るけどな。今からがショーの始まりなのだからさ』
そう言うと、男はヨシュアに向き直る。
『ヨシュア、キミの手でロゼットを嬲り殺せ。そうすれば、キミの心の中に永遠にロゼット君は生き続ける」
がっ!
「ぐ・・・・・ぅ!」
「ロゼット!!」
『どう、姉さん、苦しいかい? でも、オレのこの数年間の苦しみはこんなものじゃなかったぜ?』
そう言いながら、ヨシュアは片手で私の首を締め上げる。
息・・・・・が・・・・・・。
私は、手にした銃をヨシュアに向ける。 だが・・・・・・。
「く・・・・・。」
できない・・・・・人形なのか、そうでないのか。 今の私にはそれを判断するすべは何もない。
なにより、ヨシュアの言葉、苦しいといったヨシュアの言葉が、私に引き金を引かせることを拒んだ。
あ・・・・意識・・・・・・・が・・・・・・。 くたりっ、と腕から力が抜ける。
アズマリアが、必死になってヨシュアの手を振り解こうとしている。
だが、それも無意味。
「あ・・・ぐ・・・・・。」
目の前が暗くなる。ああ・・・・・死ぬんだ、私。 私が覚悟を決めたその時――――。
『晶換(ラーデン)!!姿成せ(エアシャイネン)、宝石の騎士よ(リッタァス・ユヴェール)!!』
聞きなれた声が、あたりに響いた!!
397 :
以上、自作自演でした。:02/04/03 01:18
天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造
>389 >395
「あ〜あ〜、キリコったら何を考えてんだろーねー。」
車に揺られながら、オレはそうぼやいた。
近ごろ暗黒街で勢力を伸ばしつつある暴力団、「天堂組」。
その天堂組と、オレの率いる強盗団「黒い枢機卿」が手を結び、この街をシメるための最初の取引が行われることになった。
その取引の現場に、オレは向かっていた。
「天堂組と仲良くなっても損はねえ、と思ってんのかなー。
しかし、この顔!日本製のクリストファー・リーって感じだぜ?
往年の怪奇映画でよく見かけた顔だよなー。」
天堂天山組長の顔写真をながめながら、オレはぼやきつづける。
そろそろ取引現場の倉庫に到着、という辺りで爆発音が聞こえた。
夜の闇を照らす炎も見える。
修道士の服装をした運転手に命じて車を停めさせ、オレは倉庫へと走った。
「オレを抜きにして、勝手にパーティーとはあんまりだぜ!オレも混ぜろや!」
戦場と化した倉庫に駆け込む。
さあ、楽しく殺りあおうや!
>391>392 メレム・ソロモン VS 南武公&操
「ああ、絶対に負けない」
武公様が、自信に満ちた声で、言う。
そう、私たちは負けない。
そう、俺たちは負けない。
操さんがいる。
武公様がいる。
な ら ば 、 絶 対 に 負 け な い 。
『厳正なる審判(ゲヴラー)こそ毒天使(サマエル)の剣もて執行されよ』
静かに響く声で、操さんが呪文を唱える。
呪文と共に、黒い翼と大鎌を持った人形――毒天使――が現れる。
「深遠なる恩恵(ヘセド)こそ主天使(ツアドキエル)の笏もて下賜されよ」
朗々たる声で、武公様が呪文を唱える。
呪文と共に、白い翼と笏を持った人形――主天使――が現れる。
だが、このままのサイズでは、メレムの喚びだした獣に抗すべくもない。
それでも、武公様は不敵に笑う。
それでも、操さんは微笑む。
『省みよ見えざる知識(ダート)の声より理解(ビナー)せよ! 創造主(エロヒム)が王座(ベリアー)に帰還するために!』
白と黒の人形が、毒天使と主天使が、重なり合い、一つになり、そして、巨大化する。
多元宇宙に各々存在する同一存在を重ね合わせることで、存在質量を増す。
――――ある狂科学者が考えた夢想を、魔書は実現しうるのだ。
メレムの獣と変わらぬ大きさとなった、毒天使にして主天使たる人形。
その手にした大鎌と笏が、獣に向かって振り下ろされる!
>394 『ラルヴァvsカミーラ』
何十回目かの攻撃が、相手の左腕の自由を奪った。
カミーラの目がすっと細められる。獲物を捕えた猫のような微笑み。
構えを解くと、カミーラは始めて戦っていた相手に話し掛けた。
「さて、お聞かせいただけないかしら。あなたはどなたで、どちらからいらした
のかを。いえ別にたいした意味はありませんの。あなたの墓を立ててさしあげる
のに、それくらいはなければ寂しくてならないでしょうから。そうですわね、腕の
先から少しずつ解体して、あの冷蔵庫にしまっておいてさしあげますわ。長生き
している間に解剖学にも詳しくなりましたから、ぎりぎりまであなたを生かして
おくこともできると思いますし。
そうそう、首だけは持ち帰って、肉が腐り落ちて骨だけになるまでわたくしの部屋の
どこかに飾っておきますわね。その後で、白い綺麗な石で作った小さなお墓に埋めて
さしあげましょう」
カミーラは、歌うような明るい声で言った。
「それと、あなたには、もう一つ選択の余地もありましてよ。こちらの方がより
素敵かもしれませんわね。わたくしに血を与えて、永遠にわたくしの下僕として
過ごすのですわ。他の下僕たちと快楽を分け合い、血の色をした夢の中で
永遠にね。
……どちらを選ぶかは、あなたにお任せいたしますわね」
カミーラは相変わらず笑顔を崩さない。そして、構えは解いたが、油断しきっているわけ
でもなかった。
>396
「何だと!?」
<ヨシュア>が巨大な幻像のタックルを受け、弾き飛ばされたを見て、アルバを驚きの声をあげた。
「ちっ、何者だ?」
アルバは突然の乱入者に怒りの表情で問い掛ける。
「……まあ、キミが誰であろうと関係ない。この劇のキャストはもう出揃っているんだ。早々にお引取り願いたいね!」
アルバは<ロゼット>に目配せする。
同時に<ロゼット>は乱入者―サテラに対し、発砲した。
『姉さんの友達、酷いなあ。横側からいきなり殴り飛ばすなんてさ?」
吹き飛ばされた<ヨシュア>がムクリとおきあがる。
『姉さんの友達がその気ならさ、姉さんもその気かい?」
優雅な足取りで<ヨシュア>はロゼットへと向かってくる。
『じゃあ、その引き金を引けよ、ロゼット。オレ、覚悟は出来ているぜ? ロゼットにやられるならさ?」
>397
はオレな。やっちまったー!
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造
>395 >397
爆音、そしてその後に現れたのは、
時代錯誤も甚だしい男の姿。
そして、男は名乗った。―――岩鬼将造―――と。
(―――岩鬼将造―――)
天堂はその名前を頭の中で繰り返す。
―――聞いた事がある名だ。思い出し、ニヤリと、笑う。
「………ほう、アンタか。えらいあちこちで暴れ回っとるらしいじゃねぇか。
オレだってこの世界のモンじゃ。名前程度なら聞いた事があるぜ」
向こうの雰囲気に反応してだろうか、手下達が一斉に殺気立つ。
「――で、シマがどうかしたってか?……それならこっちこそ聞きてぇな。
おれは手前ェなんぞにシマ譲った覚えなんぞねぇんだがよ?!」
機関銃、拳銃が岩鬼に向けられ―――
「どっちにしろ殺る気なんじゃろ?!!なら回りくどいのは止めにしようぜ!!なぁ?!」
その全てが一斉に、火を吹いた。
>398 メレム・ソロモン VS 南武公&操
「なるほど、これが『ゴーレム精霊駆動法儀』の本当の力か…」
想像以上の力だ、精巧さで蒼崎橙子に迫り、巨大さで『魔城』ヴァン=フェムに匹敵する。
そして、これだけの力を制御し行使する武公を操、…面白い!!
満足だ、後はこの力を手に入れるのみ!!
『神の魔獣』猛烈な勢いで突撃する。
世界が悲鳴を上げ、大地が裂ける。
「十分に楽しんだよ二人とも、だからこれで幕だ!!」
終 れ ! !
>399 『ラルヴァvsカミーラ』
私の歯がガチガチと鳴っている。
駄目だ、耐えきれない。
「私は―――」
理性を無くした足取りでふらふらと近づく。
頭の中は血の色に染まっていた。
自分が何をしているのか、自分でもよくわからない。
「私の名は、ラルヴァ――」
右腕はまだ動く。
何年も会っていない恋人を抱きしめるかのように、そっと差し出す。
「そして、ヴェドゴニア――」
カミーラも微笑んで、ゆっくりと手を広げる。
その胸の中に抱きとめられる。
「―――吸血鬼の敵よ」
言い放つと同時に、カミーラの絹のように白い肩口に牙を立てる。
―――私の渇きは、限界を超えていたのだ。
>404 『ラルヴァvsカミーラ』
相手がうわごとのように自分の名を呟きながら自分に飛び込んでくるのを
カミーラは陶然として見守る。新たな下僕を迎える時はいつも胸が高鳴る。
彼女がどんな快楽を与えてくれるか楽しみでならないから。
そして、それが油断になった。
カミーラの身体に突然痛みが走った。肩口の辺り、ちょうどそこにはラルヴァが
顔をうずめている。続いて、陶酔感に身体をかき回される。とても立っていられない
ほどの快楽がカミーラの身体を包んでいく。
単なる修辞ではなく、本当にカミーラは立っていられなくなった。膝から、脚から
力が抜けていく。単に快楽に酔っているからではない。身体から活力が奪われて
いくのを彼女は感じていた。
ラルヴァが顔を上げた。口の周りを自らの血で赤く染め上げている彼女を見て、
カミーラは全てを悟った。
なるほど、貴女も吸血鬼の一族、それも、同族に牙を剥くことを選んだ。
もはや体を維持できないほど力は失われていた。自らの身体が煙となり流れ出す前に
カミーラは至近にあったラルヴァの首筋を襲おうとした。
しかし、衰弱した体では無理だった。わずかにカミーラの唇がラルヴァの首筋を撫でた
に止まり、その一瞬後には、カミーラの身体は煙となって消え失せていた。
>397>402 天堂天山&ヤハベVS岩鬼将造 『やくざ吸血史・私刑(リンチ)!』
「こんボケカスが! 勘違いすんじゃねえ!!」
閃いた銃火を掻い潜った三人は、脇に積まれた荷物の陰に隠れた。
すぐさま集中する火花にも動じた容姿は見せず、モヒカンと短髪は背負ったリュックから得物を取り出す。
それぞれ自動小銃の傑作、コルトM4A1とキャリコM100を構え、天堂組の兵隊たちに向かい発砲を開始する。
「てめえのシマだけじゃねえ、日本全部がわしのシマじゃあ!!」
吼えてから、将造は左手首を咥え、一気に引いた。
将造の左前腕は容易く抜けていた。マニピュレーターを内蔵した義手だったのである。
左手の肘から先には代わりのモノが生えていた。
鈍く冷たく輝く軽機関銃の筒先が。
がしゃり、と手首の辺りに折り畳まれていた四本の鉤爪が展開する。
昨今日本へと上陸を開始した巨大マフィア『デス・ドロップ』。その脅威に対抗すべく、
「毒を以って毒を征す」の理念の下、日本政府が秘密裏に改造したサイボーグ。
これこそ岩鬼将造のもう一つの顔であった。
咳き込むような音を立て始めた機関銃と、それが薙ぎ倒していく相手を見やり、将造は心底嬉しそうに笑った。
たまらないのだ。人が死ぬ時の悲鳴は、この男にとって何よりのご馳走である。
それが己が為した死者であれば尚更。
と、急に眉間にしわが寄った。敵陣の背後から突入してくる黒い影を視野に入れたのだ。
黒いのも道理、それは神父姿の男であった。
「おんどれ! 東京のやくざぁ芸がコマイの!!」
天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 「組織暴力vs組織暴力」
>402 >406
倉庫に駆け込んだオレが目にしたものは、子分に囲まれた老年の男性。写真どおり、こいつが天堂天山だ。
そして、倉庫の反対側にいる三人組。真ん中の野暮ったい男がリーダーのようだ。
少し離れた所には赤い汚物のようなものが広がっているが、現状には関係ないようだ。
「な!てめえ、何物だ!」
急に飛び込んで来たオレに驚いて、二人のチンピラがオレに短機関銃を向ける。
「バカ、銃口むける相手を間違えんなよ。」
オレはチンピラどものそれぞれの頭を掴んで、一気に捻った。
ベキベキと鈍い音が響き、二人の首が同時に真後ろを向く。
死んだ二人を放りだすと、オレは天堂に話しかけた。
「あんたが組長さんだな。オレはヤハベ、今日の取引相手、ビジネスパートナー様だ。」
この天堂という男は、実際に会ってみると写真で見る以上に強烈な印象を与えてくれる。
やはりバケモンだ、おそらく本物の。
背筋を冷たいものが走るが、殺し合いの場所に居るという高揚感がそれを打ち消した。
「まあ、商談はあの田舎者を始末してからにしようや!」
オレはそう言うと、死んだチンピラどもの短機関銃を両手に一丁ずつ握った。
おあつらえむきに、オレの好きなトミーガン、それもドラム弾倉だ。
「さあ、踊ろうじゃねえか!」
二丁のトミーガンを腰だめに構えて撃ちまくった。
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造
>406 >407
乱れ飛ぶ銃弾の嵐。銃撃音と薬莢が地面にバラ撒かれる音が絶え間なく響き、
その合間合間に呻いて倒れゆく手下達の声がする。
ロードローラーの影に引っ込んで様子を見ていた天堂は、
それでも不適に笑っていた。
(フン、中々やるようじゃねぇか)
すると、岩鬼が何やら妙な挙動を見せる。
腕を………外した?!
(コイツぁ……?!……クク、面白くなってきたかもなぁ?!)
なら、こちらもちゃんとした姿で相手してやるべきか、などと考えた直後、
妙な格好……神父の格好をした――しかし、妙にガラが悪い――男がこちらへと向かってきた。
そして向こうは言う。――ヤハベ――ビジネスパートナー――
(……成る程、ちょっと変わっちゃあいるが、コイツか。ウチと手を結びたいとか言う奴等は)
『まあ、商談はあの田舎者を始末してからにしようや!』
「おう、ごもっともだ。それとあれだ、手を組もうってんなら、とりあえずおれの事は知っておけ!」
声を張り上げ、同時に気合を入れる。
『ぐ ぅぉぉぉ ぉ ぉ ぉ!!』
体が徐々に変異し、皮膚が明らかに人間とは違う、異質なものへと変わっていった。
手には鋭い鉤爪が表れ、顔の様相は鬼のそれとなり、そこには天堂組組長としてで無く、
吸血鬼としての、天堂天山の姿があった。
「さて、と・・・・」
変異を終えた天堂は手近な死体を引っ掴み、
「いつまでそんな物陰に隠れとんじゃ?!!」
全力で岩鬼に向けて死体を放り投げた。
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>311
歯車の破片が飛んできた。
かわすには、迎撃するには目標が小さすぎる。
その状況に対して男が出した答えは―――――
「避けられないのなら突破するだけですな」
両手の銃を消し去り、右半身を突出させる形を取って
相手の目の前へ突進。
するとそこには・・・・・・
血走った瞳で何かに集中する獣人の姿があった。
「血に酔いましたか―――――哀れ、ですな」
嘆息を漏らし、男は獣人の右側へ回り込んだ。
左手に短機関銃を出現させ、
「貴方の魂に安息の場などありません。さあ―――――」
至近距離で、その引き金を引く。
「滅びなさい」
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト
>409
破片を避けてきたか・・・・・・・
獣人は冷静に観察していた。
相手は慢心している。
俺が血に酔っただと?
これぐらいで酔っていては、
闇の住人どもと殺し合いなどできぬ・・・・・・
獣人の動きは速かった。
男が撃ち放つ銃弾の雨を腹に受けながらも、
その顎で男の右肩に喰らい付くと、
そのまま共に前転をするように床を転がる。
そして回転の勢いと驚異的な脚力でもって、
牧師を投げ飛ばした。
「魂の安息など――――はなから捨てている」
獣人は滂沱の血を滴らせながら嘯く。
「俺が俺で居るためならば――――安息など――――」
人間の証明 〜ガロンvsラルフ・グルト
>410
天地が逆転した。
男の体が宙を舞い、壁へと激突する。
男はすぐさま体勢を立て直―――――
「――――――――クッ!」
せなかった。
コートの端が歯車に引っかかりっていた。
体が次第に歯車の方へと引きずられていく。
「流石に少々・・・ハードですな」
すぐさまコートを脱ぎ、歯車に挟み込まれるのを防ぐ。
投げられた際に短機関銃は階下へと転がり落ちていた。
手持ちの武器は長銃と一瓶の聖水、そして――――――
切り離されているにもかかわらず、先ほどから獣人の首を掴んで放さない男の右腕。
「私の義腕は少々特殊でしてな。こう言う真似も出来るんです」
男は悠然と立ち上がって埃を払うと、獣人の首を締めている義腕にさらに力を込める。
左手に現れた長銃が、ゆっくりと持ち上がり・・・
「貴方が貴方でいると言う事は、人にとって良くない結果をもたらします。残念ですが・・・」
ついに火を噴き出した巨大な歯車を背にして、
「泣いて済まされる時間は終わりです。――――――さようなら」
絶叫が響き渡る。
人間の証明〜ガロンvsラルフ・グルト
>411
投げ飛ばされた牧師は立ち上がろうとしている。
しかし、獣人はそれを見る暇は無かった。
牧師の腕だったものが、首を締め上げていた。
腕をもぎ取ろうともがく獣人に向かって、
牧師は左手に握った長銃を持ち上げ・・・・・・
引き金を引いた。
銀のバレットが獣人の左肩に食い込む。
灼けつくような痛みが獣人を襲う。
二重の痛みに絶叫を上げる。
その目が赤く充血していく。
「深・・・・・き・・・・・・森の・・・・・・奥・・・・・・・駆ける・・・・・・・狼・・・・・・の王・・・・・・よ・・・・・・」
獣人は血反吐を吐きながら、必死に言葉を紡いでいく。
「赤き・・・・・・炎・・・・・・と・・・・・・なり・・・・・・て・・・・・・我が・・・・・・敵・・・・・・を・・・・・・討て・・・・・・!!」
地鳴りのような音がどこからか聞こえてくる。
そしてその音はやがて近づいてきた。
そして、ソレはやってきた。
幾条もの轟炎の矢となった狼の精霊が。
ソレは時計塔の壁を突き破り、
死の咆哮を上げながら、牧師めがけて一直線に飛んでいく。
>400
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
「無事!?」
サテラが叫ぶ。
壁を突き破り現れたのは、空飛ぶエイを思わせる『深遠なる三月(ティーフフィッシェン)』!!
『深遠なる三月』はロゼットの首をつかんだ『ヨシュア』を弾き飛ばす。
思わずロゼットとアズマリアを掴んでいた手を離す『ヨシュア』!
『チ!!』
僕を拘束していた『ロゼット』が、サテラに向けて銃を放つ。だが、そのすべてを『深遠なる三月』は尾ではじき返した!
「無事・・・・・じゃなさそうね。」
サテラは、僕をちらと見た後、アルバと『ロゼット』を睨み付けた。
「それ・・・・ルーン文字ね?焼け焦げた死体に、人形・・・・・・。
なるほど、あんたが『協会』のコルネリウス=アルバ、ね?」
サテラは『深遠なる三月』を戻しながら、問う。
「私のところにも一度協会から誘いが来たわね・・・・・・。
もっとも、フリーで行きたかったから、即蹴らせて貰ったけど。」
サテラは長い髪をすきながら、アルバに負けず劣らず優雅な動作で、アルバと『ロゼット』に向き直る。
「ロゼット!そっちの坊やは任せるわ!私はこっちを引き受ける!」
そう言うと、サテラの『宝石(ユヴェール)』が輝きを増していく!
「晶換(ラーデン)!『勇壮なる五月(ムーティッヒシュティーア)』!!」
彼女の呼び声に答え、巨大な甲冑を思わせる巨体が姿を見せる!!
「“宝石の魔女(ヘクセン・デア・ユヴェール)”。その名を抱いて逝きなさい!!
『消滅(エアレッシェン)』!!」
『勇壮なる五月』が、アルバに向けて剣を振り下ろす!!
>413
「ちっ!」
アルバはとっさにZ(エオロー)のルーンを自らの身に刻んだ。
剣がアルバの目前に弾かれる。
「危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな!」
アルバはサテラに吐き捨てる。
「誘いがあった? ふん、せいぜい使い魔もどきを使役するしか能のない魔女が思い上がるなよ?」
既に、アルバの顔に笑みがない。
ただ、自分の舞台を邪魔された怒りの表情が浮かんでいた。
「いいことを教えてやるよ。召還師や人形師は使役する魔が破壊されればそれでお終いなんだ。身の程って奴を教えてやるよ!」
アルバが両腕を広げて、詠唱を開始する。
「Go away the shadow」(闇は消えよ)
「It is impossible to touch the thing which are not visible」(己が不視の手段をもって)
「Forget the darkness」(闇ならば忘却せよ)
「It is impossible to see the thing which are not touched」(己が不触の常識にたちかえれ)
「The question I is prohibited」(問う事はあたわじ)
「The answer is simple」(我が回答は明白なり!)
「And I have everything in the right hand――――」(この手には光。この手こそが全てと知れ)
「I am the order Therefore」(我を存かすは万物の理)
「you will be defeated securely―――――――!」(全ての前に汝。ここに、敗北は必定なり……!)
自己を高揚させ、魔術の威力を高め、且つ詠唱時間の極度の短縮。
両立困難な命題を赤コートの青年は見事にやってみせた。
この詠唱に要した時間はわずか2秒足らず。
アルバの目の前の大気が振動し、炎の渦が発生し、サテラへと向かっていた。
1000度を優に越える炎。
直撃すると、人間ならば炭を通り越して、蒸発するだろう。
>415
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
アルバに振り下ろされた剣は、目前ではじかれる。
「ちっ!ルーン文字?!」
サテラが再び攻撃を仕掛けようとしたそのとき!!
高速で、奴が呪文を練り上げる!!
「魔術の強化に短縮化?!」
サテラが叫ぶと同時に、火の渦がサテラを襲う!
「く!!」
サテラは『勇壮なる五月』を自らの前に『盾』のように立ちふさがせる!
ごう、と炎が辺りの空気を煙らせた。
「チ・・・・やってくれる!!」
晶換された魔石のうけたダメージは、術者に返ってくる。
何とか炎に耐えたものの、そのダメージは明らかにサテラの体力を奪っていた。
「ち・・・・そう何度も耐えられないわね・・・・これは!!」
サテラは『勇壮なる五月』を立ち直らせると、再びアルバへ向けて剣を振り下ろす!
「何度も何度も食らえば、ルーン防御だって壊れるでしょう?!
だったら・・・・ただ、打ち砕くのみ!!」
>415
再び、剣がZ(エオローの文字)で形成された不可視の壁により弾かれる。
「ひどい事をするな、君は」
ルーン魔術の防御も万能ではない。
このまま、剣による連続攻撃が続けば、アルバは剣で両断されるだろう。
しかし……アルバの顔に又、笑みが浮かんでいた。
「君もね、長生きしたかったら人の嫌がる事をしちゃダメだぜ?」
アルバがそうサテラに告げる。
その一方で、<ロゼット>の銃口の照準がピタリとサテラの頭に合わせられていた。
<ロゼット>の引き金を引く指に力が篭る。
>415
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
『姉さんの友達、酷いなあ。横側からいきなり殴り飛ばすなんてさ?』
げほげほと咳き込む私をアズマリアがささえる。
サテラの乱入によって何とか助かった。・・・・・いや、助かったといえるのか。
『姉さんの友達がその気ならさ、姉さんもその気かい?」
優雅な足取りで『ヨシュア』が私のもとへと向かってくる。
『じゃあ、その引き金を引けよ、ロゼット。オレ、覚悟は出来ているぜ? ロゼットにやられるならさ?』
「な・・・・に・・・・いってるのよ・・・・・・。」
私は、膝付きながら『ヨシュア』を見上げる。
その顔には、満面の笑顔。 とても口から出た言葉の内容とは一致しない。
そんなことを言いながら、ヨシュアは自分の胸を親指で指す。
(ジジっ・・・・・・)
その時、胸の懐中時計が淡く輝いた。それは、クロノの封印を解く時に起こるソレ。
「クロノ・・・・・?」
拘束され、ぐったりとしたクロノ。それでも、私に何かを伝えようとしている。
サテラが、『勇壮なる五月』で奴に切りかかっていくさまが見える。 何を・・・・何を伝えようとしてるの?
再び、文字盤が淡く輝く。
次の瞬間、クロノの唇だけがぼそぼそと動くのが見えた。
「・・・・・!!そういう事ッ!?」
私は、きっとヨシュアを睨む。
「クロノがいってる!あんたの尖角(ホーン)は僕のじゃないって!!
ただのイミテーション・・・・・。あんた奴の人形ね!?」
ヨシュアが、にたりと笑うと私に向かって手を向ける。 何を?!
次の瞬間、叩き付けられる衝撃波!!
「きゃぁッ!!」
そのまま、人形は第二撃を放とうと私に手を向ける。その時!!
「させませんッ!!」
アズマリアが、人形の腕をつかんだ!!
ちっと舌打ちをし、人形はアズマリアを振りほどく。 だが、それだけでも私には十分だった。
「ヨシュアの振りをして・・・・許さないッ!!
土は土に!灰は灰に!人形は、人形に還りなさいッ!!」
私は、福音弾(ゴスペル)の装填されたカートリッジを差し込む!
「AMEN!!」
炸裂する福音弾が、人形を光でつつんだ!!
>417
『な、ぎゃああああああああああああああああ!』
<ヨシュア>は塵一つ残さず、消滅した。
しかし、丁度、その時、まさに<ロゼット>の銃の引き金がサテラに引かれようとしていた!
両儀式vs孔濤羅
降りしきる雨。
時間はまだ昼前。
雨雲に覆われし街並みは濁った闇に包まれている。
粛……
粛……
雨が道路を叩く音に紛れて、鈴の音が聞こえる。
優麗な音。しかし、その音を余りにもの悲しい。
まるで、今から死地へと向かわんとする戦士を送り出すかのようだ。
粛……
粛……
音が近付いてくる。
チャキ、と刀を鳴らし私は道路の中央に歩み寄る。
視界の果てより近付いてくる者は……。
雨に打たれながらも、黙々と歩む大小影二つ。
その様はまるで死神。
だが、死神の進む道を阻む者もまた死神。
純白の着物の上に、真紅のジャケットを着込み、手には漆黒の鞘に納まった刀を携えている。
そして、着物を着た死神の凍て付くような蒼き瞳。
まるで、この夜の全てを見透かしているかのようだ……。
両儀式vs孔濤羅
>419
雨の中を歩む影二つ。
この都市において、雨はすでに恵みをもたらすものではない
大気中の毒を飲み込み、雨は降る。
その雨が、かつてはサーモスタット機能を持っていた
コートの肩を濡らしていた。
雨滴が肩を打つたびにそれに含まれる毒が違う形の毒となって
心に染み入るように感じる。
その毒の名は怨嗟という。
コートの主は孔濤羅。
右手に持った銀の腕輪にしつらえた鈴がときおり澄んだ音色を立てる。
その後ろを歩くのは、名もなきガイノイドの少女だった。
ふと目の前に立ち塞がった人物に孔濤羅は目を向ける。
純白の和装の上に紅のジャケットを身につけた見慣れぬ人影。
携えるのは奇しくも濤羅の得物と同じ倭刀である。
「何用だ」
そう孔濤羅は問うた。
>420 vs孔濤羅
鈴の音が止んだ。
男は少し距離を置いた位置で立ち止まり、私に問いかけた。
だけど言葉では答えない。身体で応える。
一歩、二歩、水に濡れたアスファルトを踏みつけながら進む。
私の視界は、既に男の身体で埋まっていた。
首一つ分以上違う身長、だけど私は男の顔を見上げない。
そっと、男の胸に己の顔を埋め、体重を預ける。
元来、私はこのような行為は好きでは無い。
だけど、せずにはいられなかった。
時間にしたら数秒であろう。
その沈黙を自ら破り、私は言葉を発する。
「あぁ……オレはあんたにずっと会いたかった……」
顔を埋めながらも、私は呟く。
漆黒の鞘を握る手を強める。
次瞬、先程までは完全に零だった殺気が場に吹き荒れた。
空気だけで相手を威圧せんとする迫力は、真っ正面から男にぶつけられる。
「――――さあ、早速殺り合おうぜ」
男の胸の中で私は告白した。
>418
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
「まずいッ!!」
人形が消滅すると同時に、『私』がサテラに向けて銃を向けている!!
まずい・・・・!あれじゃかわせない!!
ええい!!このッ!!
私は、銃のカートリッジを交換する。
そして、狙いを定め・・・・・トリガーを引く!
タイミングは『私と同時』!!
すかこ〜ん!
「お”わ”ッ?!」
「YES!!」
サテラが前につんのめる。と、同時に彼女の髪を掠めて、銃弾が通り抜ける。
私が狙ったのは・・・・・『勇壮なる五月』の後頭部。
晶換された、魔石の受けたダメージは術者にトレースされる。
ようは、『勇壮なる五月』の後頭部をはじくことで、サテラの頭を無理やり射線からずらしてやったのだ。
バランスを崩した『勇壮なる五月』の剣先が、奴の脇を掠める。
「ちょっと!!なにするのよッ!?」
「人形があんたを狙ってたのよ!! 先にそっちを!!」
「ったく!!」
サテラは『勇壮なる五月』の剣先を『私』へと向ける。
「邪魔よッ!!」
『ちぃッ!!』
『私』がサテラに向けて連続して銃を撃つ。
だが、それをなぎ払いながら『勇壮なる五月』が『私』にせまるッ!!
『ぞぶッ!!』
『が・・・・ぁ・・・・・!』
『勇壮なる五月』の突きが、『私』のボディーを貫いた!!
「早く!あんたはクロノを!!」
「オーケー!!行くわよ、アズマリア!!」
「はいっ!!」
再び奴へと向き直るサテラ。その隙に、私とアズマリアは動けないでいるクロノに走り寄った。
>422
「貴様等……!?」
完全にシナリオを突き崩されたアルバは怒りに震えていた。
「くそ、散々、いたぶって殺してやろうと思ったが、もういい! 元々、クロノさえ確保できればいいんだ!」
アルバは片腕を前方に突き出して、叫ぶ。
「Repeat!」(命ずる!)
「Repeat!」(命ずる!)
「Repeat!」(命ずる!)
「Repeat!」(命ずる!)
「Repeat!」(命ずる!)
幾重もの炎の渦が巻き起こり、ロゼット・アズマリア・サテラに怒涛の勢いで、炎が襲い掛かった!
vs両儀式
>421
「――――さあ、早速殺り合おうぜ」
まるで長年思い焦がれた相手に己の胸の内を打ち明けるかのように、
その女は濤羅の胸に顔を埋めて囁いた。
だがその言葉が脳に達するより早く、吹き付けられた殺気に
剣士としての本能が反応する。
傍らのガイノイドを抱いて飛び退り身構えた時、両者の間合いは実に
5メートルを数えるに至った。
油断なく倭刀の鞘を払い、ガイノイドに渡す。
暫くためらった後、右手の腕輪は懐に収めた。
剣先がつう、と持ちあがり青眼に構えられる。
もはやここに至っては女が何者か問うまでもない。
放つ殺気は一切の問答を拒絶し、その構えには隙はない。
逆にこちらが隙を見せれば瞬時に必殺の刃が火を吹くだろう。
内家剣士に備わった功により、相手の呼吸、意念を読みながら
構えを崩さず濤羅は間合いを詰める。
それにつれ、両者の間の空気がそれと判るほどに張り詰めてゆく。
間合いが一足一刀に至る直前、意表をついて濤羅は飛びこんだ。
軽功により強化された踏み込みがそれを可能にする。
瞬く間に放たれる刺突が三条、夜気を切り裂いて女に迫った。
>403 メレム・ソロモン VS 南武公&操
巨大な『獣』が牙をむき、迫る。
絶対的な破壊ともたらすソレに立ち向かうのは、愚か者の結論。
足が、震える。
怖くて、逃げ出したい。
巨大な『獣』、圧倒的な破壊のカタチ。
でも。
俺の傍らに操さんがいる限り、ここに魔書『マリオノール・ゴーレム』がある限り。
そして、今『獣』の前に在るのは『根元』すら討ち滅ぼしうる陰陽のカタチ。
魔書の中の魔書たる『マリオノール・ゴーレム』のみが為し得る具現。
白い翼と、黒い翼がはためく。
全てを裁く王笏と、全てを断つ大鎌が振り下ろされる。
「俺たちは、ぜったいに負けない!」
>282 VSアベル・ナイトロード
腕が大鎌をくぐり抜け、否、大鎌と不気味に絡み合いながらアベルの頭を、心臓を狙って伸びていく。
互いの死が相克しながら螺旋を描く。
死神の刃がアーカードの肉体に食い込んでいく。
漆黒の腕がアベルの命を握り潰さんと迫る。
どちらが死ぬか、今決まる。
(トリップ判定)
>418
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
『くそ、散々、いたぶって殺してやろうと思ったが、もういい! 元々、クロノさえ確保できればいいんだ!』
奴が、ついに自暴自棄になったようだ。奴が叫ぶと同時に、奴が手を前に出す!!まさかッ!!
「三人とも!!早く逃げるのよ!!」
私の声は届いたのだろうか?ロゼットとアズマリアがクロノに何がしか話し掛けている。
その時、奴の呪文が完成し焦熱する焔が、私たちに襲い掛かる!!
「くッ!!」
私は、『勇壮なる五月』を盾に身構える。だが、三人は・・・・・・!!
「ロゼット!クロノ!アズマリアぁぁぁぁぁ!!」
私の目の前で、三人が業火に飲み込まれる。あれでは・・・・・助からない・・・・・。
「あ・・・・・ああ・・・・・・!! 貴様ァァァァッ!!」
気がつけば私の頬を涙が伝っていた。 これは友を失った悲しみかそれとも友を奪った者への怒りか。あるいは両方か。
宝石(ユヴェール)が、いつもより輝きを増しているかのように感じる。・・・・・だが。
・・・強いッ・・・・押し切られる?! 私の足が、一歩、また一歩と後ろに下がる。
く・・・・・私も・・・・ここまでだと・・・・・!! 『輝力(きりょく)』が少しずつ失われていく・・・・・!!
私が、覚悟を決めたそのとき―――――。
『うぉぉぉぉぉぉぉッ!!』
たけり狂う焔を切り裂き、黒い翼を持った『何者か』が現れる。その腕に抱くは、二人の少女・・・・・。
それは、封印を解かれ、『本来の悪魔の姿』に戻ったクロノ!!
「クロノ!!それにロゼットにアズマリア!!」
無事・・・・・だったのね・・・・・!! クロノは、天井まで飛び上がり、私の前に舞い降りる。
【すまない、心配をかけて。】
そういいながら、彼は障壁を展開する。焔はその障壁に阻まれ届かない。
やがて、その焔が完全に消え去った。狼狽するアルバ。
【サテラ、よく聞いてくれ。奴のルーンをこれから打ち砕く。 僕と同時に攻撃を!時間がない。早くしないとロゼットが。】
「わかったわ!」
私は、荒い息をするロゼットを一瞥すると『勇壮なる五月』を構えなおさせる。
【あんたの敗因はただ一つだ。】
「自分の力を過信して、私達を見くびりすぎたこと。」
【悪いが、あんたは自分で思ってるほど強くはない。それを自覚することだ。】
「終わりよ・・・・これでね!!」
【「AMEN!!」】
『勇壮なる五月』の剣と、クロノの腕が奴へとぶつかるッ!!
>407>408 天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 『平崎暴力地帯』
「なんじゃと!? 誰がイモ引いちょるっちうんじゃアホンダラ!!」
急速に異形と化す天堂よりも、その言葉に将造は反応した。それも、過剰に。
投じられた死体を難なく右手で受け止めた。その首をへし折らんばかりに締め上げ、怒鳴り返す。
「チャカぁ怖くて極道やってけるかあああああ!!」
「わ、若!? 無茶だ! 止めてつかあさいって、ちいと聞いて、聞けえ!」
モヒカン頭の部下、三太郎が慌てた様に叫ぶのにも耳を貸さず、将造は火薬(ガン・パウダー)の
臭いで濛々たる銃火の中へ飛び出した。盾にした死体が銃弾を受け、死んだ血肉を弾き飛ばす。
将造の無鉄砲は日常茶飯事とは云え、これは余りに無茶だ。
殊に神父姿の男は、射撃の腕がまちまちな天堂勢と違い確実に将造へと火線を迸らせている。
三太郎は一つ舌打ちしてから、脇の男に声をかけた。
「拓三、早うアレ出せや!」
「おう」
至極冷静に応じたもう一人、拓三は背負ったリュックから手早く円筒状の物体を取り出した。
すぐさま投じられたそれは弧を描き、突進する将造の足元で白い煙幕を噴き上げる。
発煙手榴弾であった。
割りに手広い倉庫内はたちまち煙で充満し始める。
その向こうから、銃撃音と悲鳴に負けない大声が聞えて来た。
「殺れい、殺ったれい!!」
三太郎と拓三は目を見合わせた。同時に溜め息が洩れる。
それを打ち消すように、二人は硝煙の中へと駆け出した。
>418
「……!?」
2人の攻撃はアルバのルーンによる防御を貫通して、アルバを吹き飛ばした。
「馬鹿な――」
アルバは吹き飛ばされ、したたかに壁にたたきつけられた。
「ありえん――」
如何に魔術師といえど基本的に身体能力は一般人と遜色ない。
勝負はこの一撃で完全に決した。
「……認めたくないが……やはり、私は初めから道化だったらしい」
そう呟いて、アルバは気を失った。
>418
『傀儡たちの感謝祭』vsコルネリウス・アルバ
〜エピローグ〜
今回の件の張本人、コルネリウス・アルバの身柄は、我々マグダラ修道会の手によって確保された。
無論、『協会』に対してこちらもモーションをかけたのだが、返答はただひとつ。
『彼の個人的な暴走であり、我々は一切関知していない。』
これ以上の言及は、組織間の抗争になる。
私達も、今回の件に関しては十分に当事者だったのだが・・・・・・・。
本来の目的、本来の任務につくためにこの件に関してはほとんど触れていない。
いずれ、詳細をまとめる事になるだろうが・・・・・・。
その前に、私達は西海岸へと向かう事とする。
そこに何が待っているのか。
私とヨシュアは再会することができるのか・・・・・・。
――――――― そ れ は
ま だ わ か ら な い―――――――
〜〜〜〜END〜〜〜〜
>424 vs孔濤羅
三条の刺突。常人には神速で迫る三つの閃光に視えるであろう。
だけど私には……一段ずつ順番に突かれるただの突きだ。
一段目の狙いは眉間。
これは頭を揺らし、難なく避ける。
二段目は心臓。
一段目を避けた直後にこれはきつい。
瞬時に軸足を変え、重心を動かし、身体を横にしてこれも避ける。
そして三段目……が来る前に後ろに大きく跳躍し、間合いから外れる。
次瞬、爆発的な瞬発力で着地と同時に男へと駆ける。
否、『男』へでは無い。
少し離れた位置にいる少女へと猛然と駆ける。
男が私の狙いに気付く前に、少女を抱き取ると、
そのまま道の傍らにあるフェンスへと駆け、飛び越え、落ちる。
暫くの空中落下。そして着地。
私が落ちたを見上げると、そこには男が冷たい瞳で私を見据えている。
その男も、みるみるうちに遠ざかっていく。
轟音と振動に揺られる地面。
危険な場所だ。だからこそ意義がある。
「――――降りて来いよ。それとも、この人形はオレがもらって良いのかい?」
私が踏む地面……急行列車の屋根。
此処は半地下に存在する線路。足場は振動と雨で最悪だ。
だからこそ……だからこそ……!!
来い、来るんだ!! 速く……速く!!
>405 『ラルヴァvsカミーラ』エピローグ
あの闘いから数日が過ぎた。
私の負った傷はあっさりと完治してしまった。だが、その代償は大きい。
あれ以来、私は水を飲む事すら苦痛だった。
血筋が純粋で力もあるカミーラの血を吸ってしまった事により
私の吸血鬼化は一気に進んでしまったらしい。
昼夜を問わず渇きに攻め続けられる。
そして渇きに耐えられなくなった時…輸血パックに齧り付く。
その繰り返しを何度したか数え切れない。
端から見れば、獣と変わりない姿だろう。
それとも、吸血鬼と呼ばれてしまうのだろうか?
まだだ。まだ私は人だ。
だが、次に殲鬼化すれば「戻って」こられないかもしれない。
それでも私は闘うのだろう。他に道はないのだから。
そして―――再び夜が来る。闇の者達が跳梁する時間。
私は狩る側か、狩られる側か?
その境界など……曖昧な物なのだろう。
to be continued…?
エリvsマッカーチス
『another mission』
>105
「さあって勝負はこれからよザリガニヤロウ!!」
バルカンをヤツに向けて固定、撃ちながら後退する。
いくらメタルスラッグでも鋏の直撃を受けたらペシャンコだ。
後退中に一発、尻尾からの攻撃を受けた。ガクンとショックが伝わり一時だが機体が止まる。
「やってくれたねコノヤロウ! 食らえぇ!!」
あたしはお返しとばかりに127ミリキャノンを尻尾に撃ち込んだ!
>374 ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
焼け爛れ、潰れた目から煙が上がる。
爆炎に晒され、抉られ、嬲られ、血を滲ませるそいつは――――――――それでも、嗤った。
生きてる・・・爆が満足に効いてない!? あいつ、文珠で倒しきれないなんて・・・
あ、いや、なんで俺は「爆」なんて使ったんだ!? 今ので殺してしまったかも知れないのにッ!!
つったはずの右手が、歪むような痛みを帯び始めた。足が再び凍てつく。背骨が鉛の柱に変わって、
冷たく重く、俺を縛り付けた。手先まで脂汗が伝わる、呼吸が徐々に浅くなる、鼓動が妙に跳ねて――
「ここに来てそれか〜〜〜〜い!」
どべし!
絶妙なタイミングと威力で後頭部を蹴り飛ばされ、俺は地面に突っ伏した。
右手から零れそうになった「死の卵」を、ぽんぽんとお手玉しつつ押さえ込む。
だぁ! ヤバイッっての! 落としたら死んじまうじゃねーかっ!
背筋力だけでバッタのように飛び上がると、少女の前に転けそうになりながらも着地する。
こ、こいつ・・・・・・いい加減一言、一言でも言ってやらにゃ気がすまん!
「なにすんだよっ! 殺す気か?」
「あんたがっ! バカみたいなことばっか、やってるからでしょ!!」
「好きでバカやるヤツがあるかっ! そもそも俺は命懸けで・・・」
いつの間にか口論になる俺たち。だけど、それを狂気に充ちた笑い声が切り裂いた。
――――ク、ハハハッ!! 狂人が叫び声をあげる。呪詛と怨念を込めた
そして――――再び、卵が迫る。しかも、今度はまとめて四つ!?
とっさに、足が動いた。黒髪の少年を押しやり、シスターの少女と共に俺の背中で覆った。
飛び来る四つの「卵」の斜線を遮るように、俺は立ち塞がる。
――――同じ手なんぞ、何度も何度も喰らうか!
>434 の続き・・・
掴み取ろうと、震える右手を差し出した途端――――それは業火に変わった。
炎が噴き上がり一気に膨張すると、爆風を伴って踊り狂う。先走りの熱波が肌を軽く炙り、
その熱量が俺たち全部を焼き尽くすに十分な力がある事を示した。
迷ってる暇も、躊躇している暇もない。
軋む左腕を跳ね上げると、炎が飲み込む寸前で文珠の力を解き放った。
「文珠――『護』!」
霊力の結界が生まれ出でる前の炎を包み込み、封じる。
「燃焼」の呪は結界の中でひとしきり暴れると、呪力と共に発散して消えた。
虚空に微かな炎と煙の残滓を漂わせて。
「くっ、痛いっつてるのによーっ!」
無理に体を動かした所為で、つった右手の身を裂くような痛みがぶり返してきた。
しかもさっきの炎を微かに浴びている。右手も顔もチリチリと痛んだ。
この分じゃ、投擲も防御もキツイ。文珠があっても、使えなくちゃ――――――
「ちょっと・・・・・・あんた、平気なの?」
にわかに、心配するような口調で少女は言う。
「ンなわけあるかぁ! でも・・・・・・やらなきゃ。やらなきゃ、死ぬしかねーんだっ!」
スレイマンは嗤い続ける。蒼い霊視眼さえも狂気に染めながら。
「やるしかねーだろッ!!」
右手で持つ卵に文珠をぶつけ、封じ込められた言霊を書き換える。
本質的に似通った呪力の塊は法則を書き換えられて、文珠へと姿を変えた。その数、二つ。
腕も満足に使えない情況で、今さら二つ出しても・・・だけど。
――――――俺は、憮然とする少女にその文珠を差し出した。
「一つは『爆』。ヤツに投げつければ、さっきと同じ爆発が起こる」
「そして、こいつは持っていてくれればいいんだ」
返答も待たずに、その掌に押し付ける。藁にもすがる思いで俺は・・・・・・
「その、頼んます・・・」
短くそうとだけ、告げた。
天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 「吸血番外地」
>408 >428
オレは二丁のトミーガンを乱射しつつ、変貌していく天堂の様子を横目で眺めた。
この男はやはり、人間ではなかった。オレの人を見る目は曇ったことすらない。
人外の存在が隣に居たところで、オレの心に恐怖はなかった。
趣向を凝らした出し物、といった認識があるだけだ。
「こりゃまた、元気なジッちゃんだなあ。」
暢気に呟いて射撃を続ける。9ミリ弾を連射する振動が、心地よい。
田舎ヤクザのボスが、なにやら喚いて突進してきた。
奴に弾丸を当てるのは、犬小屋の中の犬を撃つより簡単だ。
二丁のトミーガンで蜂の巣にしてやろうとした矢先、視界が煙幕で包まれる。
「ちっ、最近の体育会系は脳ミソのシワが増えてるらしいな。アジな真似しやがる。」
そう毒づくと、オレは懐から一冊の分厚い聖書を取り出した。
手に伝わる重みは、紙のそれではない。
聖書に挟まった何枚かの栞のなかの一つを、歯でくわえて引き抜く。
「でも、足りない頭は使うだけムダなんだよな〜。」
オレは全力で聖書(の外見に偽装された爆薬)を煙幕の中に投げ込んだ。
>セラス・ヴィクトリアvsパイフウ
完全に 停止した空気
何よりも深いと思われる 漆黒の闇
だが その闇すらも吸い込まれそうな
深い黒で塗りつぶされた兇器を持った男
吸血鬼、アーカード。
彼を取り囲むように闇の中に潜行し、展開している複数の気配。
人の眼でない、獣のような眼力を持ってすれば見る事が出来るだろう。
彼らのその尋常でない俊敏にして正確な動き。
機械よりも正確にアーカードの死角と思われるポイントへ展開していく。
まるで全てが一本の糸に操られているかのように息の揃った動き。
ただ、彼らのその殺気だけは闇の中に押し込めておく事は出来なかったらしい。
張り詰めた弓が引き絞られるかのようにそれが辺りへ充満していく。
その陣の中心に立つ男、アーカードが口を開く。
「さあ、来い。走狗ども。私を楽しませて見せろ。早く!早く早く!!」
一陣の風が起ち、影達は一斉にアーカードへと襲い掛かった。
HELLSING本部 午前1:00
彼は驚愕していた。ここHELLSING本部へ強襲してきた侵入者。
それはたった一人だという。しかし、それは確実にここへと迫りつつある。
既に、数十名に及ぶチームとの連絡が途絶えている。
すなわち、敗れたという事だ。彼らが連絡を絶つ前に言った侵入者の特徴は全て同じ。
白と、黒。黒い戦闘服に身を包んだ長髪の女。武装は超大型の拳銃のみ。
それだけの侵入者の力で、戦闘班は既に壊滅しつつある。
自分達のチームを残し、たった今また一つの戦闘班が連絡を絶った。
無線を床に叩き付け、隣の仲間に指示を下す。そのつもりだった。
が、振り返った彼が見たのは仲間の部下の姿ではない。
既に――――――――彼女はそこにいた。
黒いマスクから覗く白い素肌
身に包んでいるのは黒い戦闘服
それが、すらりとした繊手を彼に向ける。ただ、そっと彼に触れる。
それが彼の最後だった。ただの一突き。軽く押さえつける程度の、
指先をそろえたただの掌低の一突きで彼は息絶えた。
それは人を殺す者の姿ではない。
あまりにも自然で、完成された動き。
たった今殺した男にも何も感慨も無く。
彼女は気怠げな黒瞳を通路の奥へ向け、奥へ進んでいった。
vs両儀式
>431
“なっ――――”
己の刺突がことごとく外されたのを見て、孔濤羅は驚愕した。
人が行動を起こす際、まず“意”が動きその後を追って体が動く。
だが内家の剣は“意”よりも早い。
故にそれをかわす術は無きに等しい。
ただ一つ、内功によって“意”を観じ、己の一撃も”意”と一致させる以外には。
その驚愕が隙となったか、濤羅は女がガイノイドに接近するのをを許してしまった。
基本的な運動プログラムしか搭載されていない機械人形は用意に連れ去られてしまう。
女はそのままフェンスを越え、やってきた列車の上へ飛び乗る。
逡巡は一瞬、気息を整えるや女を追って列車の屋根に飛び移った。
謝逸達の言葉を信じるなら、あの人形は瑞麗の依代。
奪われるわけにはいかない。
脳裏に瑞麗が殺されたと知ったときの絶望と憎悪が甦る。
孔濤羅は地を蹴って女との間合いを詰めた。
“失いはしない、ニ度と! ”
>425 メレム・ソロモン VS 南武公&操
第八の神性呪文によって生み出された陰陽の力を持った人形が『獣』を打ち倒す。
これが『マリオノール・ゴーレム』の力。
『獣』を操っていたメレムは既に虫の息で、地に伏している。
私は警戒しながらもゆっくりと近付く。
・・・敵は確実に殺す。
腕を振り上げ、頭めがけて振り下ろす!
「まって!」
武公様が制止する。
『何故です・・・? ここで命を絶たねば、禍根を残すだけです』
「でも! それでも!」
「情けをかける気・・・?」
地に伏しながらも、メレムが毒づく。
「ちがう! 俺は、誰も殺したくないだけだ!」
『武公様・・・ですが』
この方は・・・甘すぎる。
敵は殲滅せねばならないものだ。
しかし・・・武公様の子供じみた思いも、この方を作る要因なのだろう。
『わかりました・・・』
そういって、メレムを抱え上げる。
『手当てまではいたしましょう。そのあとは、知りません』
ハインリヒ=フォン=キンケルVS遠野秋葉 導入
「まったく、この国はどうなっている?」
日本国内、とあるホテルの一室。
今しがた、エルフリーデからの報告を受けたキンケルは忌々しげに言葉を吐いた。
「巫淨、刀崎、両儀、浅神、遠野……ざっと調べただけでもこれだけか」
その名はこの国に古くより存在する、人にあらざる者達の血族。
この日本という国に深く根付いている者達だ。
彼、ハインリヒ=フォン=キンケルは日本に逃亡したルナお嬢様を捜して日本へと辿り着いた。
だが、その後の行動は遅々として進まない。
それもこれも、部外者に縄張りを荒らされることを嫌う奴らの妨害に遭っているからだ。
情報は集まらず、下手に行動すると刺客を差し向けられかねない状況。
キンケルは手詰まりになっていた。
「……この遠野とか言うところは当主が小娘だと?」
資料を調べていたキンケルが、とあるページを見て手を止めた。
そこは遠野の頁。
他の退魔の組織に協力的であるらしく、権力も大きいらしい。
だが、その当主はまだ年端もいかぬ少女。
先代の急逝があったようだ。
「なるほど、恐ろしい能力を持ってはいるようだが……所詮は小娘。与しやすい相手には違いあるまい。
此処から潰すとしようか」
嗜虐的な笑みを浮かべ、喉の奥で笑い声を漏らす。
これ以上の遅れは事態の露見に繋がる。
速やかに遠野の事を調べ上げて事に移らねばなるまい。
事は万全を以て当たるべきだが、使える時間は少ない。
急ぐ必要があった。
>440続き
――数日後、遠野邸前夜半過ぎ。
何事かを察知し、外へ出ていく遠野志貴を少し離れた場所から見つめる"遠野志貴"。
視界から消えて、たっぷり数分待った後に"遠野志貴"は動き出した。
何事もなかったかのように門から堂々と屋敷内部へと入っていく。
監視カメラの存在も気付いていたが、もちろん咎める事などできはしまい。
悠然と歩を進め、玄関を押し開ける。
「ふん、簡単なモノだ」
屋敷内部を見回し、ニタリと笑う。
ひとしきり見回した後、脳裏に覚えている屋敷の見取り図に従って、当主――遠野秋葉の部屋を目指して歩き出した。
「ここだな……」
呟き、静かにドアを開けて部屋へと侵入した。
ベッドの中、安らかな寝息を立てて眠っている遠野秋葉。
それを嗜虐の笑みを浮かべて見下ろす"遠野志貴"。
腕を振り上げる、爪が人間ではあり得ないほどに尖っている。
まるでナイフであるかのように。
「実の兄に殺されるがいい」
その爪を、秋葉の頭目掛けて振り下ろした――。
>432 『ラルヴァvsカミーラ』エピローグ
カミーラは、居室のソファーに横たわり、目の前でくりひろげられる
召使たちの痴態を眺めていた。
小さなあくびを一つ漏らす。彼女はまったく退屈していた。
あの夜、思わぬ不意打ちを受け、霧となって散った後、カミーラは
屋敷に安置されていた棺の中で姿を取り戻した。
だが、元通りに動けるようになるためには、5人の召使の生気が必要だった。
その数は、これまでで一番多い。
カミーラの心に、そんな目にあわせたあの吸血殲鬼に対する怒りはない。
好敵手と認めたから、だけではない。おそらく今ごろ彼女は大変な苦しみの
中にいるだろうと想像できたからだ。
自分の血を身体に取り込んだものがどうなるか、カミーラはその実例をいくつか
見ていた。年を経た純粋な吸血鬼の血は強い。おそらく、あの吸血殲鬼は、
今ごろ体内で暴れまわる自分の血から想像を絶する苦痛を受け取っているだろう。
その暴力にどれほど折れないでいられるのか、カミーラはじっと待つことにしていた。
折れたその時には、彼女は、自分たちの一員となり、血の支配に屈することに
なるだろう。
その時が近いことをカミーラは祈った。
>439 メレム・ソロモン VS 南武公&操
甘い…これ以上考えれない程……甘い。
絶対の勝機を敢えて逃す…甘すぎる。
まだ『神の影』は無傷だ『神の翼』だって滅びていない。
この状態から発動すれば、最悪でも相打ちに持っていける。
けど…詰まらないな。
勝敗の決した遊びを、力ずくでひっくり返すのは面白くない。
なによりゲームは公平であるべきだ。
そして、そのゲームの幕を引く権利を得たのは…残念ながらこの甘い少年だ。
「結局君達は最後までゲームの趣旨を理解してくれなかったね」
あきれた表情で呟くと、操の鬼のような表情が見えた。
因みに武公からは見えない角度だ…やるな。
「手当ては必要無いよ、一人じゃないからね」
操の手から離れると、再び『神の翼』を解放する。
大きさはボクが乗れるぐらい。
いきなり操が動く…まあ当然だな。
「おっと、もう闘う意志は無いよ」
両手を上げて降参する。
これで本気で攻撃を止めるから…甘いなあ。
「君達にはこれ以上、手出しをしないと約束するよ」
『マリオノール・ゴーレム』は惜しいけど、勝者は彼等だ諦めるしかない。
「それと忠告、武公、君は大した奴だけど甘すぎる」
その甘さが彼等の力だとしても僕には理解出来ない…けど。
「その甘さが面白くもあるね」
助けた礼を言う気は無いが、遊びに付き合ってくれた礼は必要だろう。
「楽しかったよ、君達は興味深い実に面白い人間だ」
正真証明、本気の感想…なのに彼等の顔が怒っているのは何故だろう?
「では、またね♪」
『神の翼』の足に捕まり上空へ浮かび上がる。
眼下に見えるのは、破壊された『仮面屋』と二人の影…殺気を感じる、何故?
まあ良いや、さて次は何で暇を潰そうかな。
エリvsマッカーチス
『another mission』
>433
メタルスラッグから放たれた砲弾は、マッカーチスの尻尾の先端に装備された砲とセンサーを直撃した。
爆炎が渦巻き、破片が飛び散る。
「ギイイイイイ!」
マッカーチスは、生物の悲鳴によく似た金属質の音を発した。
吠える怪物に、メタルスラッグは絶え間なくバルカン砲弾を浴びせかけた。
紫色の装甲に次々と着弾し、火花が散る。
マッカーチスは八本の脚をせわしなく動かしながら火線から逃れようとするが、エリの偏差射撃はそれを許さない。
エリが勝利を思い描いたその時、マッカーチスの尻尾の間接部から何かが放たれた。
それは乾いた音を立てて床に転がると、白煙を噴出した。
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造
>428 >436
立ち込める煙。一瞬にして辺りの視界は閉ざされる。
「ほう!!こんな小細工までしとる癖によう言うモンじゃのうっ!!!」
言ってやった。こちらへと向かって来ているであろう岩鬼に向かって。
お付きの二人はともかく、この男、相当分かり易い性格をしていると見える。
適当な挑発でもしてやれば簡単に乗ってくれるだろう……
「どうじゃ!悔しかったら一撃当ててみさらせやぁっ!!!」
さらに一言吐き、天堂は跳躍する。視界こそ閉ざされてはいるが、
倉庫内の様子程度、見なくても覚えている。
コンクリートの床からロードローラーへ、
ロードローラーから積み重ねられたコンテナへ。
吸血鬼と化した今の身体能力ならば、これくらいの跳躍など、容易い。
コンテナからさらに別のコンテナへと飛び移り、
回りまわって、岩鬼達が先程、身を潜めていた辺りまで移動する。
(―――クソッ、本当に何も見えやがらねぇな。まぁ良い――)
視界の悪さに毒づきつつ、天堂は前方へと――先程自分が居た方向へと両腕を伸ばす。
「か ぁ ぁ ぁ ぁ ぁぁぁぁ!!!」
気合とともに、両腕の先に黒く輝く光の珠が生まれ――
バチバチと激しい音を立て――
「喰 ら えやぁぁぁぁ!!」
撃ち出された。
(……ま、仮にヤハベとやらに当たっちまっても、仕方無ぇやな。
なにしろ突然の乱入者じゃ――取引の相手がおっ死んだって、不思議はあるめぇ……クク)
>443 メレム・ソロモン VS 南武公&操
エピローグ
「武公〜、いないのかい♪」
・・・のーてんきな声が聞こえる。
『武公様、また来ていますけれど・・・』
メレムとの戦いがあったあと、アイツは何度かこっちに遊びに来ていた。
まだやる気かって聞いたら、なんて答えたと思う?
「キミたちを観察しているのが楽しい♪」
俺たちは朝顔か!?
『どうしましょうか?』
いつも通りの無表情で、操さん。
「いいよ・・・とりあえず、店に上げて・・・」
『はい・・・』
なんというか・・・なんなんだろ、この状況・・・・
END?
『ラルヴァvsカミーラ』今スレ分のレス番をまとめておくわ。
(前スレまでのまとめ分は>60よ。)
>61>68>73>78>85>91>330>337>340>345>349>356
>361>364>383>386>387>393>394>399>404>405
エピローグ ラルヴァサイド>432 カミーラサイド>442
…勝ったのはどちらかしら?
>438 vs孔濤羅
ジャケットの内ポケから短刀を抜き出し、右手に持つ。。
男はもの凄い勢いで疾走してくる。
脇に抱き込んだ機械人形が邪魔だ。
「チッ……」
抱き込んだ人形を背後に投げ飛ばし、男を真っ正面から見据える。
次瞬、右手に持った短刀を振りかぶり……投擲。
横に逃げ場の無いこの場で、果たして何処へ逃げるか。
メレム・ソロモン VS 南武公&操
>127>128>130>132>138>143>228>333>334>342
>354>367>384>391>392>398>403>425>439>443>446
我ながら意外な結末になったよ。
テーマは狂気の筈だったのだけどね。
>436>445 天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造
『新・第三の極道 〜吸血ヤクザvs変態神父vsサイボーグヤクザ〜』
煙の渦を抜け、飛んで来た黒い本が将造の視界に入った。反射的に左手の銃口を向けた時。
本は爆裂四散した。たまらず将造は、床を二転三転と吹き飛ばされる。
壁脇のコンテナに衝突して止まった。呻きながら立ち上がる。
血走った両眼だけでなく、地面で擦った顔面も朱に染まっていた。
「おんどれ、チョボくれやがって……」
大人でも引き付けを起こしそうな声で呟いた将造の耳に、煙の彼方から響いて来た。
天堂の嘲笑が。
「どうじゃ!悔しかったら一撃当ててみさらせやぁっ!!!」
ドス黒く、今までの倍する濃さに将造の顔が紅潮する。周囲に左手を向けつつ叫んだ。
「何処隠れさらしとんじゃあ! わしのチンポ舐めさせてやるけえ、さっさと出て来いやあ!!」
返答は突然来た。衝撃と云う形で。
疾り来る漆黒の光球、それが将造の腹部で炸裂したのだ。
血反吐をぶち撒けながら、再度後方のコンテナへ激突した。ショックでコンテナがひしゃげる。
将造は動かない。コンテナに背を預け、床に座り込んだままだ。
真紅に彩られた、まるで食人鬼の如き相貌から吐き出されるのは、しかし苦鳴ではなかった。
「へへへ……。来やがれ! 俺はこれぐらいじゃ、くたばらねえぜえ!!」
歓喜だ。相手と自分の血で真っ赤になりながら、この男は悦びの歌を謳えるのだ。
岩鬼将造――人呼んで『極道兵器』は。
咆哮するその左眼が爛、と光を発する。形容ではない。それは現実の光だ。
左眼に内蔵されたレーザーサイトである。標的を求める死神の瞳が、煙中を睥睨し始める。
vs両儀式
>448
女の投擲した短刀は身体の真ん中を狙ってきた。
それを前に置いた左足を伸ばし、右膝を深く曲げ、我が身を沈めることで
孔濤羅はよける。
直立して戦うことしかしない和式剣術には思いもよらぬかわし方だった。
次瞬、体重を前に移しつつ頭部へ三連撃を濤羅は放つ。
だがそれは単に見せ技でしかない。
右足を大きく踏み込んで跳躍し旋子転体。
相手の頭上を回転しつつ飛び越える。
雨にぬれ、不安定な足場での跳躍など通常は不可能だ。
内家の軽功がそれを可能にする。
空中から後頭部と心臓へ刺突を放ち、着地した時には
瑞麗を守る位置に立っていた。
すまない。
>451はミスだ。
vs両儀式
>448
女の投擲した短刀は身体の真ん中を狙ってきた。
それを前に置いた左足を伸ばし、右膝を深く曲げ、我が身を沈めることで
孔濤羅はよける。
直立して戦う和式剣術家には思いもよらぬかわし方だった。
次瞬、体重を前に移しつつ頭部へ三連撃を濤羅は放つ。
だがそれは単に見せ技でしかない。
右足を大きく踏み込んで跳躍し旋子転体。
相手の頭上を回転しつつ飛び越える。
雨にぬれ、不安定な足場での跳躍など通常は不可能だ。
内家の軽功こそがそれを可能にする。
空中から後頭部と心臓へ刺突を放ち、着地した時には
ガイノイドを守る位置に立っていた。
天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 「極道の怪たち」
>445 >450
天堂はひとしきり田舎ヤクザを挑発すると、テレビの中の忍者もかなわない身のこなしで跳躍して、オレの視界から消えた。
元気すぎる老人というのも、見ていてあまり気持ちのいいものではない。
オレは一旦物陰に身を潜めると、携帯電話を取りだし外に残してきた部下と連絡を取る。
「あ、オレオレ。トランクにアレがあっただろ?あれを四隅に・・・・そうそう。なに、みんな撃ち合いに夢中さ、外でなにしようが気づかれりゃあせんさ。
そんじゃ、よろしくな〜。」
電話を切り、いまだに煙に包まれた倉庫の中心を凝視する。
田舎っぺ大将がなにやら吠えているが、その姿までは見えない。
煙が切れた部分を人影が通った。
田舎ヤクザの大将か、その子分か、だいぶ数の減った(そのうち二人は、オレの手にかかったのだが)天堂組の連中か、それとも天堂本人か。
その人影が何者か確認せずに、オレはトミーガンの弾を叩き込んだ。
誰であれ、オレが死んだりケガしたりするわけではない。
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造
>450 >453
光球が一瞬、煙を引き裂く。
その合間に見えたのは―――岩鬼が吹き飛ぶ様。
適当な方向目掛けて放ったのだが……結果は上々と言った所か。
(――このまま首でもねじり切ってやらぁ――)
爆裂音を確認したのち、煙の中へと駆け出す。
おそらく、血を吐き、息を荒げてへたりこんでいるであろう岩鬼目掛けて。すると。
(―――お?)
都合良く、今からくびり殺そうとしている相手自身が、赤い光を放っている。
――馬鹿が。自分から居場所を知らせてやがる――
狙いは定まった。今から殺す。そしたら後は簡単だ、
さっきの若いのと同じ運命にしてやろう。
ロードローラーでスクラップにして粗大ゴミ場行きだ。
などと考えながらなおも距離を詰めようとした瞬間――
その脇腹に銃弾が叩き込まれた。
「がぐぅっっ??!」
突然の痛みが天堂を襲った。
――ちくしょう誰だか知らねぇが、後で覚えとけや――
多少勢いが殺されたが、それでも構わない。
どのみちこの程度ではまだくたばりなどしない。天堂は一気に岩鬼へと迫った。
>453>454 天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 『総長吸血』
「目標物、ロックオンじゃ……」
死の烙印に等しいレーザーサイトで、迫る天堂の左胸を捉えた岩鬼は低く呟いた。
右眼もまた、左眼を凌駕する憤怒の光にたぎっている。
「こんバァッタレ、逝にさらせ!!」
吼え声の後に続いたのは銃声ではなく、カチカチと云う気の抜けたような軽音である。
思わず、といった感じで左手を見やった。
「あら?」
弾切れであった。
ハッとした様に将造が顔を上げるのと、肉薄して来た天堂がその喉首を掴んだのはほぼ同時。
将造の身体は容易く抱え上げられていた。高々と、さながら百舌の早贄の如く。
見る見るうちに顔面が紫色に変わっていく。
吸血鬼の怪力にかかれば、窒息の前に首の骨が砕かれるであろう。
「……天堂さんよう……聞いたぜえ。おどれ……吸血鬼たらになったんじゃってなあ……」
その最中にも、将造は喉の奥から喘鳴混じりの言葉を搾り出した。
「へへへ……天堂天山いうたら……広島の方にも聞えとった……大侠客じゃねえかよ……。
……それがよ、吸血鬼たらどういう事なん、おう!?」
苦痛を物ともせず、顔中を口にして獣が猛り狂う。ハナから仁義も蜂の頭も無いこの男が語るもの、
それは紛れも無い侠道であった。
「おどれ極道じゃろうが! 太く短く生きて、ほいで死んでナンボの極道じゃろうが!
じゃちゅうによ、おどれのそのザマァ何ならぁ、おう!?
おどれァそがいにしてまで死にとうないんか! っじゃコラァ!!」
>452 vs孔濤羅
最初の三連撃は牽制だ。
刀の切っ先を見据え、避ける。
だが、避けきったときには既に男は視界にいない。
「――――上!?」
同時、右手が左手に携えた刀の柄へと伸びていく。
空中から放たれた突きも、私の急所へと伸びていく。
刀の柄に手が掛かり……。
――――――――斬、という刃音が迫り来る突きをかき消した。
抜刀からそのまま上方へと薙ぎ払い、突きの二連撃を弾き飛ばす。
ついに……ついに抜いてしまった……。
「やっぱり、あんたは凄いよ。想像通りだ」
片手で持つ刀の柄にそっともう一つの手を重ねる。
構えは正眼。己の身に叩かれる雨も、揺れる足場も気にせず私は直立の姿勢を保つ。
今まで激しいだけだった殺気が、明確な刃となって男を貫く。
「ゴメン、だけどもうお終い。あんたはヒトじゃないし、此処はヒトの住まう世界じゃない」
そう、こいつヒトじゃない。
この街にヒトなんかいない。
だから――――――――オレはお前を殺したって何とも思わない。
>437 vsパイフウ
正直、なにをして良いのか分からなかった。
まさか、マスターがいないときにこういうことになるなんて……。
……いや、恐らくそれを狙ったのでしょうが。
バレンタイン兄弟のときとはわけが違う。
こちら側の想像の裏をかいて襲ってくる暗殺者……。
正直、わたしには荷が重い……。
しかも、此処までの戦闘能力になると恐らくは人間じゃ……。
ああ、更に荷が重く……。
「そ、それじゃあウォルターさん、インテグラ様を頼みましタ……」
疲れた声でわたしは言う。
此処は英国国教騎士団本部の地下。
そこの最地下でわたしとウォルターさん、そしてインテグラ様は退避してます。
ですが、見つかるのも時間の問題。
幸い、此処に来るまでの道のりは一本。
討って出るには絶好。
本来なら、暗殺者は相手となるとウォルターさんの方が相応しいんデスけど、
もしもの時のインテグラ様の護衛がわたしでは……。
ということで、わたしが行くことになりました。
「本当に大丈夫かね?」
「はぁ……多分……」
わたしは気のない返事を返すと、二人に背を見せて歩きはじめる。
数分も歩くと、すぐに大きいホールに出た。
大きいだけで、何も無い。そんな寂しい場所。
右手に持った大口径ライフルのグリップの感触を確かめるかのように強く握る。
肩に背負った『ハルコンネン』が入っている巨大なケースの出番はあるのだろうか。
あたしは、ホールで静かにその時を待った。
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
『なにすんだよっ! 殺す気か?』
例の覗き魔が、私に向かって詰め寄る。
「あんたがっ! バカみたいなことばっか、やってるからでしょ!!」
『好きでバカやるヤツがあるかっ! そもそも俺は命懸けで・・・』
なぜか、口論になる私たち。その時、嘲笑とともに再び卵が投げつけられる。
今度は・・・・・四つ?!
突然、覗き魔が私達を守るように立ちふさがる。
そして、いきなり襲い掛かる業火!!
『文珠――『護』!』
覗き魔の声が響くと、突然業火が私達を避ける。 結界を張った?!一瞬で?!
なるほど・・・・クロノの言うとおり実力はあるのか・・・・・・。
「ロゼット!怪我はないか?!」
「私は平気!」
クロノが、慌てて駆け寄ってくる。
『くっ、痛いっつてるのによーっ!』
そう言いながら、吊った腕を抑える男。
よく見れば、さっきの業火の影響か少し赤く火傷しているようにも見える。
「ちょっと・・・・・・あんた、平気なの?」
『ンなわけあるかぁ! でも・・・・・・やらなきゃ。やらなきゃ、死ぬしかねーんだっ!』
『死ぬ』・・・・・・・・・・。
その時、ブラックロッドの嘲笑が私の耳に突き刺さる。
『やるしかねーだろッ!!』
そういうと、男は手にした卵に何か細工をする。
すると、男の手に二つの『石』のようなものができあがった。
男は、手にしたその石を私に突きつける。
『一つは『爆』。ヤツに投げつければ、さっきと同じ爆発が起こる。
そして、こいつは持っていてくれればいいんだ
その、頼んます・・・』
「・・・・・・・・・わかったわ。」
私は『石』を受け取り・・・・・・・。
「よし、クロノ!まかせた!」
「僕ッ!?」
クロノに手渡す。
『信用しとらんのかい!このくそ女!!』
「違うわよ!!単純に、運動力なら私よりクロノのほうが上なんだから!
私がやるより、クロノのほうが確実にやれる。
わたしは・・・・・サポートに回るわ。『これ』でね。」
そういいながら、私はホルスターから銃を抜く。
>459
レス番つけ忘れ・・・・・。
>434>435
========================
>459
クロノ
「あのさ、ちょっといい?いまさらなんだけど。」
ロゼット
「なによ?」
クロノ
「僕ら、今何語で会話してるのかな(汗」
ロゼット
「・・・・・・・・・(汗」
天堂天山&ヤハベvs岩鬼将造 「暗黒街の不死王」
>454 >455
倉庫内に広がった煙はだいぶ薄れてきた。
壁際に積み上げられたコンテナのそばに、二人の男が見える。
一方は天堂天山。もう一方は天堂に頚を掴まれて絞め上げられている、田舎ヤクザのボス。
ジャガイモのような顔が、みるみるサツマイモの色に染まっていく。
田舎者の義手に装備された機関銃は、故障したか弾丸切れで使えないようだ。
あの男は忽ちのうちに、天堂の怪力によって絞め殺されることだろう。
「ハハハ。しかしまぁ、どうしてこう、腕が銃になってる奴には単純バカが多いんだろうねえ。」
あの男と同じように義手を武装化した知り合い、間の抜けたシスコン男のことを思い出して一人で笑った。
天堂はすぐに田舎者を処分するものと思ったのだが、絶体絶命の田舎者の叫びに耳を貸しているようだった。
老人というのは話好きなものだが、仕事を達成する寸前に手を止めてはいけない。
弾を撃ち尽くした二挺のトミーガンを床に置き、オレはロードローラーの陰から出た。
まだ辺りを銃弾が飛び交っていたが恐れることなく、二人のヤクザに向かって足を進めていく。
「よう、田吾作。お前さんの葬式は神父サマが済ませてやっから、安らかにくたばんな。」
首からさげた十字架を片手でいじりながら、宙吊りになった醜男に話しかけた。
vs両儀式
>457
“然り。我はすでに人に非ず。妄執に狂いし剣鬼也”
言葉には出さず、胸の内で孔濤羅は応える。
抜刀した瞬間から、女が別人に変じたように感じていた。
構えた剣は軽妙にして万鈞の重さを秘め、立ち姿は
四方への移動を瞬時に可能とすることが見て取れる。
およそ全ての武術の理想とする姿がそこにあった。
その姿が想起させるのは……かつて同門の士として幾度と無く剣を交え、
一度として及ばなかった仇敵、劉豪軍。
冷静に考えて、勝ち目のある相手ではない。
だが、退く訳にはゆかぬ。
後ろにはすでにガイノイドの少女がいる。
彼女を刃圏に入れたくなくば、ただ前進あるのみ。
「下がっていろ」
孔濤羅は少女に一言命じると戴天流・『竜牙徹穿』の構えを取る。
その瞬間に恐れも迷いも消え去った。
残るはただ眼前の相手への殺意と、胸の底で熾火のごとく燃える憎悪のみ。
丹田に気が満ちた瞬間に、濤羅は仕掛けた。
石火の踏み込みが生み出す威力は余すことなく刺突へと伝えられる。
受けられれば受けられた所から、無限の変化をなす内家の剣が迸った。
>462 vs孔濤羅
最初の一閃。
私はそれを確認し、目を閉じた。
ギィン、と甲高い金属音が響き渡る。
刀と刀が交差するのは一瞬。瞬時に相手の刀は飛び跳ね、そのまま襲いかかる。
ギィン…また金属音。
ギィン…更に金属音。
ギィンギィン…絶え間なく交差し、離れる間もなくまた交差する刀と刀。
相手の剣技は珍奇で有りながらも、恐ろしく実践的だった。
まさに殺すためだけの剣。そこには一辺の無駄も無い。
なら、私の剣技はなんだ?
その殺しの剣を全て気配だけ捌き続けているのこの剣は?
キィン…もう何十手目になるか分からない一閃を捌く。
刀を抜くことで脳の機能を切り替える。
肉体を戦闘用に切り替えるのでは無い。脳が肉体を戦闘用に作り替えるのだ。
人として無駄な機能は全て取り払われ、戦闘用の部品に全て切り替わる。
それが今、此処にいる『両儀式』。
『構え』による自己暗示。……ただそれだけで、私は究極の戦闘兵器となる。
この国のサイボーグなど目では無い。内家などのレベルでは無い。
私は呼吸をせずにして攻撃を繰り出せ、気を練らずして森羅万象の域へと足を運ぶ。
人は、これを『修羅』という。
人は、これを――――『サムライ』と呼ぶ。
ギィンギィンギィンギィン……ギィィィィィィン、響き渡る交差音。
私を前にして、男は何を思うだろう?
己を修羅と自認していた男よ。
真の修羅に――――あなたは何を感じるのですか?
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>359
風が巻く。紅が散る
月光と血の緋が私を酩酊させる。
まるで霞がかったような視界の中で、切り刻まれていく彼に笑う。
だが、
――……?
霞が薄れはじめる。
よく見れば、竜巻に男の髪が絡みつき、その勢いを殺しはじめている。
――相殺する気……? なら……
風を強める手もあったが私はそれを選ばなかった。
ほどけていく竜巻の中でイメージを練り上げる。
一瞬、彼と私の眼光が交わる。
それはまるで示し合わせた決闘のように。
お互いがその瞬間を待ち続ける。
やがて――風が止まった。
動いたのは同時。
私はイメージを弾けさせた。
水と風の疾走。
彼に向かって叩きつける。
彼を私の領域から叩き出す、
最大威力の衝撃波。
カチコミの最中じゃがよ、チクとレス纏めとくわい。
――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造(途中経過)
>389 >395 >397 >402 >406 >407 >408 >428 >436 >445 >450
>453 >454 >455 >461
戦はまだまだこんからよ! 舐めんじゃねえぞ!!
>458セラス・ヴィクトリアvsパイフウ
照明が落ちた、暗い廊下をゆっくりと歩いてゆく。
もちろん、照明を落としたのは彼女の仕業だ。
一直線に奥へ続く廊下は、攻め込む彼女にとっても有利に働く。
視界の隅に動く者があれば即座に射殺。
それができるだけの自信も、実力も彼女は備えていた。
いや、自信というよりそれは確信。絶対的な真実。
暗視装置のたぐいもいっさい身につけていないはずなのに
自らの家の玄関を歩むかのようになれた足取りで歩いてゆく。
立ち止まる。
大きな扉を開けると、そこは何かのホールらしい。
その奥に希薄ではあるが、何者かがいるのがわかる。
相変わらずの無表情で扉を開ける。
対峙。
頼りなげとはいえ、明らかに”やる”覚悟でそこに立つ女性がいる。
情報は既に得ている。
セラス・ヴィクトリア。かつて特殊部隊D11に所属し、
現在は王立国教騎士団に所属しているとされている。
新米の女吸血鬼。あのアーカードの僕。
「ふん、貴女なら、少しはやってくれそうね。」
パイフウは動かない。その物鬱げな黒瞳は先程と変わらない。
ただ、その身体から発せられる”気配”だけは先よりもずっと深く、、
しかし目を瞑ればいなくなってしまったかのように感じるであろう希薄さを、
矛盾を兼ね備えたものとなっていった。
動けば、即殺。
>464
(参照は>359じゃなくて>363……)
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>464
二つの瞳が嵐の中で、偶然とは思えない形で向き合った。
ウルフの斜に構えた瞳と、スミレの美しくも凶った瞳。
夜の空気に二人の視線が溶け合うと、
これが何かの契約であったかのように、二人は動きを止めた。
性質も性格も全く違う、しかし夜族の二人はわかっていたのだろう。
これは興ざめだ、と。
【一拍】。
間を置いて。
吸血鬼のメスが展開した世界が・・・宵の世界に「具現化」した。
空と水の境界が交錯し、大気が困惑する。
しかし、どこか、ウルフは冷静だった。
−−−−−−−−−−−水とそら?そうか。それしかないな。
相手の力は強い。こっちなんかより、ずっと。
でも。タカハシと一緒だって。あいつの望みを適える為に生きてくって
ウルフは約束した。
だから。折角の『たいせつなモノ』をこんな事で失えない。壊させない。
タカハシは、ウルフが守る!!
彼の生命力が3度、湖面に照射された時・・・・・・・
自然の2つの力にウルフの体はちっぽけなもので。
目の粗い砂利がびっしりと敷き詰まっている浜辺に、錐揉み状に
打ち付けられた。
口から赤いものが噴出している。
しかし、女を滅ぼすための準備はきっと、整ったのだ。
ウルフは軋む体を辛うじて起こし、吸血鬼と向き合う。
普段の彼に似ない、壮絶な表情をその顔に浮かべながら。
vs両儀式
>463
変幻自在の内家の剣は全てかわされ、受けられる。
濤羅を剣鬼とするなら、この女はまさに剣そのもの。
剣を振るう修羅は、剣と一体となった修羅には及ばない、
それが道理である。
“今だ復讐を遂げぬうちに
これほどの剣士と立ち会うことになろうとはな……”
己が運命の不遇を呪う間もなく、孔濤羅はじりじりと後ろへ
追い詰められていった。
長い列車の列とは言えいつかはそれも尽きる。
線路上に突き落とされるのが早いか、それとも女の剣が
この身を切り裂くのが早いか。
このままでは待ちうける運命はその二つに一つ。
“ならば……!”
瞬時に濤羅は一計を案じる。
何も言わなくともガイノイドの少女がプログラムにしたがって
ついてきているのは、足音で知れた。
移動しつつ調息を行い、気を全身に巡らす。
やがて戦いの場はついに先頭車両に移る。
それを察すると濤羅は瞬時に後ろに飛んだ。
着地した位置は車両最前部――運転席の真上である。
そこは列車の運行をつかさどる頭脳ともいうべき場所。
「撥ッ」
気合とともに濤羅は“轟雷功”を放つ。
それは濤羅の横隔膜を中心に放たれるEMPの波だ。
コンピューターにとっては猛毒にも等しいEMPが
列車のコントロールをを失わせる。
その予期せぬ震動に女にわずかに隙ができた……
と見えた瞬間には濤羅はすでに動いていた。
地を蹴り、ガイノイドを抱きかかえ、さらに跳躍。
空中で女に向けて一刀を放ち、その肩を踏んでさらに高く飛ぶ。
足が大地を踏んだ次の瞬間には、濤羅は走り出していた。
>373 桐原朝子VS南条圭
吹きさらしの屋上へ、銀の剣士も姿を現した。
いぶし銀のベールが風になびく。
南条の言葉を聞いているのかいないのか、その姿は相変わらず超然として見える。
あの子供が泣きじゃくるような叫びを、コレが発したとは到底思えないほどに。
最後の戦いの準備に入った南条を尻目に、朝子も最強で最大の一撃を放つ準備へと入った。
朝子の足元で円形の火花が散る。
コンクリートが粉塵となって舞い上がり、朝子の周りで渦を描く。
朝子を中心としたつむじ風。
それは、エネルギーの竜巻だった。
あらゆる物質を切断するエネルギーの旋風、勢いを増して半径を広げていく破壊の渦。
『嫌いよ、こんな学校、こんな町、こんな国……こんな世の中、大嫌いよ!』
それは世界への、否、在るモノ全てへの呪詛。
朝子は、まさにこの渦が世界を壊し尽くせばいいと願った。
本当に大嫌いなモノに目を瞑り、耳を塞ぎながら。
>355 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
ペテンに、エンハウンスは引っ掛かった。
無理もあるまい。彼にはゾーンに対する知識が無いのだから。
逃げたゴーストを追おうとして、エンハウンスが背中を向ける。
その瞬間――――ゴーストが先ほど抜け出した肉の山が僅かに蠢いた。
肉の山=ゴーストは、エンハウンスを騙す為に敢えて形をとらず、抜け殻のように見せかけていたのである。
作り出したのは打ち付けるのではなく、槍のように突き刺す為の触手。
正確には、管状でもある。
人間がまともに浴びれば数秒で絶命するような溶解液を大量に含み、
突き刺した後で内部から体を破壊するつもりなのだ。
(その後はストローで冷えたジュースを飲む様に、一気に啜ってやるよ)
無論、声には出さない。
暗殺者の針の如く、迅速にして無音。
必殺の一撃が、無防備な背中目掛けて放たれた。
>466 vsパイフウ
対峙、沈黙。
それは数分間という一瞬。
わたしは動けなかった。
相手が放つプレッシャーがわたしを動かせてくれない。
でも……此処で動かなければ、インテグラ様は……。
「あの……スイマセンが……退く気は……やっぱ、ありませんよネ?」
同時、右腕が跳ね上がる。
右手に構えたライフルの銃口が、侵入者の眉間に向けられる。
瞬間、セーフティを外し撃鉄を起こし、引き金を絞る。
まずは銃口から火炎が噴き出し、次に轟音と共に空になった薬莢が吐き出された。
私は引き金を引き続ける。
機関銃の如く吹き荒れる大口径ライフル弾。
狙いは侵入者。
マズルスモークが視界を奪い続けるまで、わたしは撃ち続けた。
>469
私の眼前で起こった奇怪な惨事。
理解の範疇には無い。
元より理解する気も無い。
列車の急停車により崩された体勢。
姿勢を立て直す時間すら与えられずに、一閃。
それを感で避ける。
が、それすら読んだ男は私を踏み台にして跳躍。
私が再度男を視界に捉えた時には、男は遠く離れた位置で疾走していた。
――――――――絶対ニ逃ガサナイ。
私も線路上へと降り立ち、男を追う。
今、究極の鬼ごっこが始まった。
はッはッ……
はッはッ……
両者は呼吸を整えながらも駆け続ける。
線路上。数m離れて、追われる男と追う女。
第三者から見れば滑稽極まりない限りだろう。
だけど、本人達はまさに命がけ。
此処では死ねぬ者と、この日のために生きてきた女。
壮絶な追い駆けっこだ。
>472セラス・ヴィクトリアvsパイフウ
彼女が動いたとき、既にパイフウは動いていた。
銃弾が撃ち込まれるまえに先に回避するのだ。
もちろん、本来ありえない。相手の動きから、銃を携行している
という状況から、大まかに先を読んだに過ぎない。
すなわち、当然彼女は撃ってくると言う事。そして、
それが今すぐだと言う事。だが、それは確実な回避法であった。
撃たれてからではさすがに遅いのだ。
「まったく、どしろうとね。」
自ら自分の視界を遮るなどと言うやりかたがあるだろうか?
彼女の攻撃はパイフウからしてみればあまりにも稚拙。
だが油断が出来る相手ではない。
「貴女みたいなの、私は嫌いじゃないんだけど。」
壁と柱の間をパイフウは一気に駆け抜ける。
そのまま煙が立ち込めるその中心に数発の焼夷鉄鋼弾を撃ち込み
そのままオブジェクトの影に身を転がす。
彼女の大口径ライフルから身を隠すには貧弱すぎる。
パイフウにとっては、彼女の視界から外れていられれば良いのだ。
手にした大型拳銃にパーツを装着。それにより簡易ライフルにも
姿を変えるウェポン・システムが彼女の獲物。
「いつまで頑張ってくれるのかしらね?」
ウェポン・システムを換装するのに、ほんの十秒程度。
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>468
湖岸に打ち付けられた男はのろのろと立ちあがる。
その様子は、もはや立っているだけで精一杯に見える。
しかしその眼光はいや増して鋭い。
それはなんて……
背筋が痺れるような感覚。
それをさらに明確にすべく、私は湖中から水泡を持ち上げる。
そして目を見開いた彼に向かって、
「この子を取り戻したいなら……貴方の最高で来なさい」
言い放ち、私は笑みを浮かべる。
泡の中に横たわる少年――タカハシといったか。
彼の『大切なもの』であるこの少年を以って、
この演目を完成させよう。
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>475
「タカハシ!!」
本当は、もう声を出すのも辛かった。
血糊が喉につまり、声が掠れて殆ど出ていない。
水の泡に入ったタカハシは、とても綺麗で大人しくて、それが残酷だった。
あの森の中での約束。罠にかかったときに助けてもらって、再開した日の
傷の手当て。etc etc・・・頭がそんなことでいっぱいになる。
あの赤髪の少年こそが、本当にウルフの生きがいなのだ。
「うぉおおおおおぉぉぉぉおおおおおおおん」
ウルフは狼の声で、慟哭にも似た遠吠えをした。
すると、奇妙な音を立て、湖面に普段以上の靄が一斉に広がる。
水蒸気は大気に飽和、大気の成分のほとんどが一瞬、水蒸気となり・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
僅か、大気が、ひび割れた。
蒸発した水蒸気により満たされていた空間に存在していた水蒸気が
一瞬にして大気を包み、その存在をその場から消した為・・・
一時的に空間に真空の層が生じたのだろう。
女の下半身が空間の摂理に巻き込まれていく・・・。
マーキングは気体にはかけられない。
それ故に液体のとき、3重に命じたのだ。
気体になり、女の周囲に群がり、一度に飛び去れ、と。
「ど、どうだ・・・」
勝手に閉じそうになる瞼を叱咤して、事の顛末を見届けようと顔を擡げた。
>474
(マ、マスター……!! マスター!!)
わたしは心の中で必死に主を呼ぶ。
今も何処かで『愉しんでいる』であろう不死の王を。
「!?」
だが、そんな叫びも一時の間。
硝煙の煙を切り裂いて、銃弾の弾頭がわたしの視界に入った。
次瞬、爆発。また爆発。
闇に包まれたホールが、光に溢れる。
侵入者は気付いただろうか?
その時、既に、わたしは、侵入者を、視界に捉える位置にまで移動していたことを。
距離にして数メートル。
爆音に紛れての接近。
吸血鬼の脊力と爆風を以てしての離れ技。
着地して、体勢も整えない内から肩に背負ったケースを開け放つ。
中には30mmカノン『ハルコンネン』。
弾種は劣化ウラン弾。
既に装弾はすんでいる。
セイフティを外し、常人ではとても引けない撃鉄を引き起こす。
後は引き金を――――――――絞った。
同時、轟音。
ホールを揺るがす轟音が、わたしの耳を貫いた。
>471 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
男だけを見つめ、その背中を追いかけて走る、と背中に鋭い痛みを感じた。
逃げる男に気を取られすぎたか、後ろからの攻撃をまともに喰らってしまったようだ。
――なんて、無様。
だが、己の無様を省みている余裕はない。
何かが、管から流し込まれようとしている事を知覚する。
背筋を、悪寒が駆け抜けた。
ヤ バ イ
本能が、エンハウンスに警告する。
迷わず聖葬砲典の銃口を、触手が刺さっている背中の裏側に当てて引き金を引いた。
パンッという音と共に送り出された神殺しの銃弾が、周辺の肉を抉りながら触手を体内から追い出す。
すぐさま振り返り、アヴェンジャーを振り回して触手を細切れにし、触手を放った元へと銃口を向け……。
そこで膝を付いた。
人でないモノに多大なるダメージを与えるその銃弾は、エンハウンスにもまた大きな効果を上げている。
実際、今の発砲で吹き飛ばされた肉片は相当の量だ。
再生など到底追いつかない。
傷口から、栓を閉め損ねた蛇口から零れる細い水のように血が滲み出てきていた。
まだ、意識は折れていない。
しかし、血が足りないのはいかんともし難い。
それでも、エンハウンスはゆらりと立ち上がる。
剣を構え、銃を向ける。
その目は、揺るがぬ光を湛えて敵を睨み付けている。
エンハウンスは諦めない。
>478 エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】
『ようやく弱ってきたようだなぁ? 俺も手前ェのせいで随分腹が減っちまってるんだよなぁ』
肉の山全体を震わせるようにしてゴーストは笑った。
『ここまで上手くいくんなら、一体逃がす必要はなかったな。……まだ抵抗するのか?』
無言で剣を構え、銃口を向けてきたエンハウンスに、静かに嘆息する。
『どういうわけか、アンタにゃアザエルが聞かないようだ。
きっと楽しいお仲間になれたと思うんだが……残念だよ』
肉塊は蠢いた後、一人の人間の形態を取った。
小さく体を圧縮した為だろう、ゴーストの体は力に満ちている。
右手を鋭利な鎌状の刃にして、宣告のように確信に満ちた言葉を吐き出した。
「せめて苦しまないように殺してやるよ」
「悪いな、それは俺には約束できねぇ」
自分の言葉の直後に聞いた『自分と同じ声』に、ゴーストは狼狽した。
だがどんなアクションを起こすよりも早く、6発の銃弾がゴーストの四肢に命中した。
命中した電子ブレットによって肉が焼かれる感覚に、ゴーストは身悶えする。
炭化していく四肢が体を支えきれず、地面に崩れ落ちた。
「獲物を横取るようであまり気分は良くないが、アンタよりもコイツとの因縁は確実に長いんでね。
勘弁してくれや」
エンハウンスの背後から、ゆっくりと歩いてきた男。
無精髭に眼帯が目立つが、顔の造形そのものは、ゴーストと全く同じ。
ポーチを探り、金属球を取り出したその男に向かって、ゴーストは絶叫した。
『糞っタレがッ! 卑怯だぞゾアハンタァああぁあッ!』
「また逢おう。ゴースト」
ゾアハンターと呼ばれた男は、倒れたままのゴーストに向かってその球を放り、距離を取った。
一瞬の内にゴーストは炎に包まれる。
ナフサネートとパーム油を主剤とする高速高温燃焼剤―――ナパームだ。
二千度の炎に焼かれ、全身を炭化させつつあるゴーストを尻目に、エンハウンスの体をしげしげと眺めて男は尋ねた。
「で、アンタ何者だ? ただの通りすがりにしては随分と重武装だが」
>477セラス・ヴィクトリアvsパイフウ
背後で大きく≪気≫が動いた気配があった。
大体の気は察知できるだけの力はパイフウにはある。
そして、それを自由に使いこなす力も。
元より撃たれるのは覚悟の内だ。
それをかわす僅かな時間があればいい。
彼女は生まれもっての殺戮者として育った。
その身体が、反応せずにはいられない。
彼女が引き金を引くよりも一瞬速く跳躍する。
その瞬間、パイフウの直下にあったオブジェクトは爆散した。
(なんて・・・・・・・・・・・無茶な子)
見る限り、対戦車用として使える程の”砲”だろう。
それを使いこなせるのが彼女か。吸血鬼なのか。
(上等ね。)
空中より接地するまでの間に、彼女は立て続けに5発分の引き金を引く。
そのしなやかな腕で反動を器用に吸収する。極限まで鍛えられた
人間の筋肉というマテリアルは、想像されている以上に素材としては
素晴らしいものだ。金属に無いその柔軟性は、時に奇跡を生む。
「そろそろ、終わりにした方がいいわよね、お互い?」
その長い黒髪をはためかせながら、彼女の元に着地を―――
vs両儀式
>473
いかに軽量のガイノイドとはいえ、抱えて疾走するには負担になる。
それでも並の手合いならば振りきれる自信はあった。
だが後ろから迫る剣士は、すでに人と言えるかどうかも疑わしい。
死神のそれのように女の足音が響く。
誤算は二つ。
一つ目は列車が手動運転に切り替わらず、急停止したこと。
追撃者との距離を空けようという目論見はこれで潰えた。
二つ目は先の“轟雷功”の負担を読み違えたこと。
女剣士と対峙してより休む間もなく気孔を駆使した挙句の電磁発剄は
濤羅の身体を予想以上に蝕んでいた。
あのまま逃げるつもりだったがそれすらも適わぬらしい。
走りつづける濤羅の胸中に闘争の場ではついぞ感じたことのない絶望が
湧き出した。
焦りに駆られて走りつづけるうち、
いつしか濤羅は廃棄された停車場に迷いこんでいた。
打ち捨てられた列車の列がもはや見守る者もなく
錆を浮かせ雨に骸をさらしていた。
立ち止まってガイノイドの少女を下ろすと調息し、
電磁発剄による内傷を少しでも癒そうと試みる。
女剣士の足音は、今は聞こえない。
だが追いつかれるのは時間の問題だろう。
“俺はこのような所で何をしているのか”
不意に疲労を覚え、孔濤羅は自問する。
上海に戻ってきたのは裏切られた理由を知るためだった。
妹の瑞麗が無惨に殺されたと知ったときに、復讐に囚われた。
そして謝逸達に出会い、瑞麗をよみがえらせるという儚い希望が生まれた。
それに縛られた結果がこれか。
何一つ得ることも、何一つ果たすこともできぬまま、
ここで果てるのが天命か。
背後に死神の足音が聞こえた。
しばらくの逡巡の後、懐に抱いた銀の腕輪をガイノイドの
左手にはめてやる。
少女はその意味を理解できない様子で、それでも腕輪を受け取った。
孔濤羅は振り返る。
もはや己の背負った過去も、これから迎える未来も、意味をなさなかった。
ただ剣として……
ただ一振りの剣として……
孔濤羅という名の剣が、もう一振りの剣と向き合った。
かちゅ〜しゃ閲覧用レス番まとめのまとめ。
>13 黒桐鮮花 vs HMXー12(贄)
>49 ティナ=ハーベル vs 御神苗 優
>66 黒川丈【ゴースト】 vs レイオット=スタインバーグ
>131 ロゼット&クロノ VS アセルス 【二人の絆】
>172 ン・ダグバ・ゼバ 対 仮面ライダーギルス
>177 鈴鹿御前 対 緋雨閑丸 『鬼の舞』
>292 【吸血大泉――湯煙旅情編――】
>302 バーン・グリフィス VS ジャッジ・デス
>305 柏木千鶴 VS 暗黒騎士ガウザー
>326 バンパイア・ロード vs キリサキ キョウコ
>372 劉豪軍 vs ギーラッハ
>447 ラルヴァ vs カミーラ
>449 メレム・ソロモン VS 南武公&操
>456 『傀儡たちの感謝祭』<ロゼット一行 vs コルネリウス・アルバ>
(以下途中経過)
>465 ――人外ヤクザ共の仁義無き戦い―― 天堂天山&ヤハベ vs 岩鬼将造(途中経過)
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>53
「ロボ! レーザー…発射!!」
ロボの腹部から、膨大な熱と光が一気に吐き出される。
吐き出されたレーザーはメタルスラッグの放ったバルカンとキャノンの一斉射撃と、正面からぶつかり合った。
互いに押し合い、引き合いを繰り返す…いわゆる膠着状態。
「…何で押し合ったり引き合ったりしてるの?」
タオがそんな事を口にした。
「考えたら負けです」
そう、そんな事を考えたら負けだ。それが世界の選択。
とりあえずは、途中経過ね。
>437 >458 >466 >472 >474 >477 >480
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
このスレでの途中経過。
>53 >483
…カナブンより御免なさい。
スミレVSウルフ 湖上の月
このスレッドでの途中経過だ。
もうクライマックスだけどな。
>327>328>329>331>335>338(>339)>343>347>351>359
>363>464(>467)>468>475>476
孔濤羅vs両儀式 『剣鬼二人』
途中経過だ。
>419>420>421>424>431>438>448>452>457>462>463>469>473>481
スミレVSウルフ 『湖上の月』
>476
あの男が吼えると周囲が霧に覆われ、次の瞬間に晴れる。
そして、
足元に真空が生まれた。
その刃が立ち上り、私の身体を切り裂いていく。
「……っと」
巻きこまれそうになった少年を男の方に送り出して、
ああ、
私は嘆息する。
見上げれば頭上には蒼ざめた月。
瞑目して、私はあの男の想いを反芻する。
――純粋で、ひたむきで、激しくて……それはなんて……
目を開ける。蒼い月が笑っている。
私は満足のような苦笑のような奇妙な笑みを浮かべて、
立ち上った真空に全身を刻まれた。
――――――――――――――――――――――――――――――――
女は刻まれて湖に沈んだ。
その水音を最後に静寂という音が戻ってくる。
水面は波紋を刻み、だがそれも一瞬で消える。
痛みと、傍らに横たわる少年以外、あの女の痕跡を示すものはない。
夢幻じみた思いに嘆息し、空を仰ぐ。
全てをただ月だけが照らしていた。
スミレVSウルフ 『湖上の月』 エピローグ
>489
この戦いに・・・あの女は何を思ったんだろう。
アイツは、ウルフの攻撃を甘受したようにも見うけられた。
水に浮ぶ月みたいに透明で、捕らえどころのないヤツだった。
「月ってさ、その裏側を決して見せることはないんだよ」
タカハシはウルフに向かって前に、そんな事を言っていた。
彼は吸血鬼の事なんて知りたくなかった。でも、理解していたら何か
違う結末があった気がしてならない。
-------------蒼く染める月明かりの下。
ウルフは水の呪縛から解き放たれたタカハシを強く抱き締めた。
水にぬれたウルフの体なんかと違ってとても暖かいままで、
先程までの闘争が、まるで幻の様だったけど。
しんじられるもの、彼にとってそれはとってもこの世界に少ないから。
取り合えず、ただただ、それだけに時間を費やしていた。
命と引き換えにしてまであの女もタカハシを守った。
だから、ずっと大切にこの「情」を育てる義務が生じたのだから。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
森の中に咲いている一輪の可憐な花。
宵闇その物のような薄紫の花びらは闇の中でひっそりと咲く。
その花は人狼とその主人のシルエットを眺めながら、微笑むように
ひらひらと揺れていた。
Fin.
スミレVSウルフ 湖上の月
こっちの章でまとまったからレス番まとめだ。
>327>328>329>331>335>338(>339)>343>347>351>359
>363>464(>467)>468>475>476>489>490
水魔スミレ・・・。サンキュだな。
桐原朝子VS南条圭、途中経過よ。
>109 >110 >111 >112 >113 >114 >116 >120 >121 >126
>135 >140 >142 >147 >154 >158 >164 >166 >171 >200
>201 >202 >206 >210 >215 >227 >332 >346 >373 >470
エンハウンスVS黒川丈【ゴースト】、途中経過だ。
>184 >185 >186 >188 >189 >191 >192 >193 >194 >196
>198 >199 >203 >204 >208 >212 >217 >336 >344 >355
>471 >478 >479
>459-460
VSロゼット一行&ヨコシマ『で、どっちが2pカラー?』
―――ヤロウ、俺の【卵】をガメやがった。
爆炎は単なる布石だった。防がれる事は織り込み済みだったともいえる。
しかし、【卵】の組成を組替えて奪取されるとは予想のはるかに外側だった。
行動が読めない。実に手強い相手だ。
なら、使える者はなんでも使う必要がある。
とは言え、スレイマンはもともと手段を選ぶような者でもなかったが。
スレイマンは公安本部へと交霊。
(……ブラックロッド*****より、本部へ。ヨコシマ・タダオの捕獲は不可能と判断)
(……これより任務を対象の滅却へと移行。ヨコシマのコードを織り込んだ【即死】の編纂を要求する)
本部通信技官より返答。
(……本部から、ブラックロッド*****へ。要求は受理されました)
(……直ちに呪文編纂機による編纂を開始、これより二秒後の降霊となります)
通信を保留すると、文殊の形成した結界が解けるか解けないかというタイミングで
スレイマンはロッドを構え、【呪弾】を圧唱、圧唱、圧唱、圧唱。
と、本部より交霊。
(……本部からブラックロッド*****へ。これより降霊を開始します)
そしてスレイマンの返答。
(……G.G.スレイマンから糞共へ。ハ、よくやったご苦労。コイツはご褒美だ、受け取れ!!)
スレイマンは無線を経由して通信技官に死の呪文を送り込む。
魂が接続状態にある技官に抗うすべは無く、爆裂し、通信室一帯を死で汚染した。
さらにスレイマンは両足を身体施呪すると一気に加速し、己の生み出した爆煙の残滓に向かい、
呪弾を追いかけるかのように突撃する。
未だ余熱は残っており、スレイマンの肌をじりじりと焦がすが、それには構わず突っ走る。
走る間も呪弾を連続圧唱するのは止めず弾幕を濃密にし、さらに身体施呪を強化し走行速度を加速。
ヨコシマまでの十数メートルを、圧唱し加速し、圧唱し加速し、圧唱し加速し、
数十の呪弾を前面に従えて、スレイマンは文字通り呪弾(タマ)のようなスピードで殺到する。
そして先ほど降霊した【即死】をロッドに込め、それを構えた。
呪弾を防ごうとすれば、杖に打ち据えられること適わず、
【即死】に対応しようとすれば、呪弾によって蜂の巣にされる。
まさに、文字通り必殺の布陣で持って、スレイマンはヨコシマに襲い掛かった。
G.G.スレイマンVSロゼット一行&ヨコシマ
現在闘争継続中
以下、本スレにおけるレス番まとめだ。
>43>76>107>149>197>321>348>374>434>435>459>460>494
18章分のまとめは>508にある。
以下、次スレで闘争継続となる。
比良坂初音vs青山素子 第1章 〜ひなた荘最後の日〜導入
ばちん!!
マルチは強烈な平手打ちを喰らい、教室のガラスごと廊下へふっ飛ばされた
平手打ちを喰らわせたのは彼女の主、比良坂初音だ。
「言ったはずよ・・・・手加減はするなと・・・」
そう言ってマルチの首根っこを掴み、持ち上げると今度はそのまま床へ叩きつける
「お前のその手心のせいで、かなこが危険にさらされるかも知れないのよ!!」
初音はごほごほと咳き込むマルチの背中をさらに蹴りつける
初音としてもここまでするつもりは無かったのだが・・・・・しかしこのマルチという娘
愛しさと同時に、すさまじいまでの嗜虐心をくすぐられるのだ
だからついやりすぎてしまう。
「何のためにお前に戦う力を与えたのか、これでは分からないわ
お前には私がもしいない場合、たとえわずかな時間でもかなこを守ってもらいたいのよ・・・・・」
初音はしばらく考えた後、廊下に横たわりえぐえぐと泣いているマルチにやさしく話しかける
「お前に狩りのやり方を教えてあげる・・・・・」
>496
比良坂初音vs青山素子 第1章 〜ひなた荘最後の日〜導入2
こうしてやってきたのがひなた温泉、もっとも適当に電車やらバスやら乗り継いでいた結果、辿り着いただけなのだが
何分、八重坂の街では頻発する怪事件とやらが色々と噂になりつつある、当事者としては好んで火種を蒔く
必要もないだろう。
初音はベンチに腰掛け、子蜘蛛たちからの情報を整理している・・・どうせ大した獲物もいないだろう
今夜は湯治かしら?と思っていた初音の目に子蜘蛛を通じて複数の少女たちの姿が映る
なかなかの粒ぞろいだ・・・・特に茶色の髪の少女(声がマルチちゃんに似ているのは気のせいかしら?)
と、厨房に立つ背の低い黒髪の少女がいい
これなら久々に楽しめそうだ・・・・・・。
「あの・・・ご主人様、お茶買ってきました」
舌なめずりしていた初音はマルチの言葉で我に返る
初音の折檻でぼろぼろになったその身体はすでに修復していた、そう彼女は機械であって機械ではないのだ。
「あら・・・ありがとう・・でもね」
そこで初音はマルチの顔を見ながら言葉を続ける。
「私は鳥龍茶はS社のしか飲まないと、この間教えたのでは無くって?」
マルチの顔色が見る見るうちに青くなって行く
そんなマルチの様子を意地悪く眺めながら初音は笑ってマルチの頭を撫でる
「ふふっ・・・・そんなことで怒りはしないわ、それより行きましょう、狩りの相手が見つかったわ
ほら、あなたにも見えるでしょう?」
子蜘蛛を通し2人の眼には旅館風の建物が映っている、その玄関には『ひなた荘』と書かれてあった。
てすとですわ
エリvsマッカーチス
『another mission』
>444
煙幕を展開した!? 逃げる気か!
「逃がすかぁっ!」
あたしの操作に連動して、バルカンを撃ちながら鋼鉄の車体は煙幕の中に飛び込んでいった。
エリvsマッカーチス
『another mission』
途中経過報告
本スレ
>21>23>28>54>105>433>444>499
次スレで戦闘継続。
501 :
玄武岩拳覇:02/04/11 18:18
!!!!!!!!!!
>501
∧_∧ カタカタ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ) ∧ ∧ <!!!!!!!!!! っと
( ) (,,゚Д゚) \____________
 ̄ ̄ ̄∬ ̄ (つ_つ__
 ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| BIBLO |\
 ̄ ======= \
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 外道・・・!
\
|/. ̄ ̄ ̄/ ソ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧//| ピキーン
(| -_-|)/ ∧ ∧
( ) (,,゚Д゚)Σ
 ̄ ̄ ̄∬ ̄ .(つ_つ__
 ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| BIBLO |\
 ̄ ======= \
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 地獄へおちろ〜〜!!
\
|/ ̄ ̄ ̄ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ _ヾ_ ビシュッ
(| -_-|)_∧ ソヘ
( ) ( .゚Φ゚)
 ̄ ̄ ̄∬ ̄ (つ..| つ__
 ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| BIBLO |\
 ̄ ======= \
/ ソ
∧_∧//| スゥ〜
(| -_-|)/ .:
( ) ∧ ∧ ガクッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⊃( .゚◯゚)っ
 ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| BIBLO |\
 ̄ ======= \
「なるなるの人生相談室」係
P.N.王冠
気のせいか、ボクの所属してる組織でボクが一番善人のような
気がします。
ボクはこのままでいいのでしょうか?
狂気の塊として、アドバイスを下さい。
「なるなるの人生相談室」係
味噌ラーメン1つ。
大至急お願い。
人生相談マンセー
>「なるなる女史の人生相談」係御中
先頃、突然現れた何の面識のない少女に「売女」と呼ばれ、直後に刺突されているのですが、私はこの後、どうしたら良いのでしょうか?
また、その状態のままで物語が静止してしまい、放置プレイを施されて久しいのですが、この状態はいつまで続くのでしょうか??
>
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1015437476/734 『魔女』
……そもそも、お前に女としての観念があったのかどうか小1時間、問い詰めたい所だが?
まあ、確かに男1人魅了できないようでは魔女としての存在意義が揺らぐかもしれんが……
お前はセクハラをされたいのか?
お前があくまで「受け」として……
まず、和服というのがいかん。
和服にしてもあまりに露出度がすくない。
露出度を多くして、そこで勝負だ。
――それで駄目なら、テレカになりフィギュアになりになってしまえ。
いや、コスト高だな。
がちゃポンから始めるのが堅実だな。
細かいところでイメージアップだ。
「なるなるの人生相談室係」
PN:高校生妖精
とある埋葬機関第七位の女性に恋をしてしまいました。
しかし、彼女の心には未だに彼女を振った男の影があり、
俺の思いに応えてはくれません。
どうすれば、俺に振り向いてくれるでしょうか?
「なるなるの人生相談室」係御中
タチの悪い上司を殺したいのだが、正直規格外すぎて私の手には負えん。
最近は部下(七位)共々扱いが雑になってきており、このままではこちらの身が危ういので、一刻も早く排除したいのだ。
是非、知恵をお借りしたい。
「なるなるの人生相談室係」
どうやら、私は主役なのに周りの人に比べて人気がないようです。
どうしたらよいのでしょうか?
わたしも、他の二人のように『萌え』というものが必要なのでしょうか?
気紛れだ。
最新の奴にレスをしよう。
>513 某修道会所属シスター
主役?
誰がだ?
冗談は胸と戦闘力&精神力の弱さだけにしておけ。
で、人気獲得の方法か。
まあ、モブキャラにテレカやフィギュアやガチャポンになれと酷なことは言わん。
『犬』としての習熟度をあげろ。
そうすればマニアックな層が食いついてくるかもしれん。
彼らからの支持を受ければ少しは人気はあがるだろう。
――どうせ、今のままではどの層からの人気も無いしな。
最近、俺のねぐらに天使が住み着いた。
何度追い出しても効果が無く、毎日毎日、帰るといつの間にか部屋の中に上がり込んでいる。
空が昏いと言った最低限の常識すらも持ち合わせてはおらず、
何の役にも立たない上に、チューニングのあっていない下手なギターをかき鳴らす事しか脳がないので鬱陶しいことこの上ない。
自分のことを「みんなの幻想だ」と主張するので、「何で俺の所に現れるんだ?」と聞いてみたら
「私を殺したヒトだからに決まってるじゃないですか!」と返された。正直、心当たりも見覚えも全くない。
医者に行ってみたが、脳に異常は無いらしい。
……さて、俺はどうしたらよいのかね?
『僕は真面目に生活している大学生です。
ところが、先輩に恵まれず、今や喰うにも困るような貧困状態に追いつめられています。
一体どうすれば、現状を脱出できるのでしょうか?』
520 :
以上、自作自演でした。:02/04/23 18:17
保全あげ
moudaep