吸血大殲 第18章 地獄に堕ちた戦鬼ども

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 このスレは、吸血鬼や狩人、あるいはそれに類する者が闘争を繰り広げる場である。 
無論、闘争だけではなく、名無しの諸君の質問も随時受け付けておる。 
気軽に質問をして欲しい。 
 なお、新規の参加者は下記の『吸血大殲闘争者への手引き』でルールに眼を通した上で、  
テンプレを用いて自己紹介をせよ。 
テンプレは>2-10を参照するがよい。 
 
■『吸血大殲闘争者への手引き』 
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/4504/vampirkrieg.html  
 
■専用JBBS(雑談・闘争の打ち合わせなどはこちら) 
http://jbbs.shitaraba.com/game/163/vampirkrieg.html



以下は、関連リンクである。 
 
■参加者データサイト『吸血大殲 Blood Lust』(左手作成・過去ログも全てこちらにあり) 
http://members.tripod.co.jp/humituki5272/taisen/index.html 
 
■『闘争記録保管所』(緑川淳司作成・各闘争ごとに整理された記録) 
http://members.tripod.co.jp/tajuunin/taisen.html 
  
■吸血大殲本家サイト 
『From dusk till dawn』 
http://www.uranus.dti.ne.jp/~beaker/ 
  
『戦場には熱い風が吹く』 
http://ha7.seikyou.ne.jp/home/hagane/index.html 
 
■前スレ 
吸血大殲 第17章 背徳なるは人かそれとも我か
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/
 
■太陽板の質問スレ 
吸血大殲/陰 其の14〜神羅屋敷地下室 餌の時間〜 
http://www.alfheim.jp/~narikiri/narikiri/test/read.cgi?bbs=TheSun&key=009742840

■吸血大殲専用チャットルーム
http://3nopage.com/~vamp/chatin.html
自己紹介用テンプレートである。 
  
出典 : 
名前 : 
年齢 : 
性別 : 
職業 : 
趣味 : 
恋人の有無 : 
好きな異性のタイプ : 
好きな食べ物 : 
最近気になること : 
一番苦手なもの : 
得意な技 : 
一番の決めゼリフ : 
将来の夢 : 
ここの住人として一言 : 
ここの仲間たちに一言 : 
ここの名無しに一言 :
3涼元楽志(M):02/03/19 17:19
両儀式vs涼元楽志
(途中経過、ttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/596)
前スレ>584

「あらら、しらばっくれられちゃったか」

まだ、教室内には人が残っている。あんまり騒ぎ立てるのは拙いだろう。
そう判断した僕は、ふざけた口調で彼女との会話を続けた。

「ちょっと怪我しちゃってねぇ。見るかい? 傷口」

もちろん傷などあるはずが無い。
彼女が感じとった血の匂いは、昨日の殺人現場でついたものの事だろう。
どうやら警戒されてしまったみたいだ。
これは――――ちょっと失敗したかな?

「何者って・・・今までずっとクラスメートやってたのに・・・もしかして僕の事、覚えてくれてなかったのかな?」

彼女の疑問に少々ずらした形で返答しながら、間合いを確認する。
彼女がどんな能力を持っているか分からない。迂闊に近付くのは厳禁だ。

「みんなのアイドル、涼元です♪ これからはちゃんと覚えておいてね」

改めて自己紹介をし『にっこり』と笑う。
瞳の奥に危険な光を潜ませたまま。
4コルボ(M):02/03/19 17:21
『暗殺のソロ』
(途中経過 ttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/598
前スレ>588 青の魔王
 
 頭ン中が、ひっくり返った。
 
 痛いとか、もはやそういう類のモンじゃない。
 
 ただただ、熱い。
 
 左肩がまるで熱を発し、燃えているように感じる。
 吹っ飛びそうになる意識。
 崩れそうになる身体。
 
「ぬがあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 
 吼える!
 そして、何も考えずに悪天使の剣を持ったままの拳を魔王に叩きつけた!
5ガッツ(M):02/03/19 18:51
>前スレ573、582 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティVSアングマールの魔王
 
 魔王の頭部を削ったかに見える一撃は、しかしフードをわずかに斬り飛ばしたのみ。
 浅かったと踏んだガッツは更に踏み込もうとして、違和感に気付いた。
 
「……ッ!? 剣が、腕が? どうなってやがる?」
 
 剣を持つ腕が、冷たくなって痺れている。
 更に、刀身を見ると斬りつけた部分が錆び付いて崩れていた。
 魔王に斬りつけた事による代償であると結論付けるまで多少の時間を要した。
 幸い致命的な損傷ではないが、これではドラゴン殺しが使いづらい。
 
(……関係ねェよ)
 
 浅かったから失敗したのだ。
 要は、一撃で以て敵の全てを砕いてやればいい。
 そうすれば、何か小細工をする余地などあるまい。
 
 だが、その考えは途切れる事になる。
 
 魔王から滲み出てくる黒い霧。
 辺りにいる雑兵が、それに巻かれる度に昏倒していく。
 それがガッツにも襲いかかってきた。
 
 何とかマントで口元を塞ごうとするが間に合わず、僅かに吸い込んでしまった。
 途端、意識に急激な勢いで靄が掛かりだす。
 
「チッ……」
 
 睡魔にも似た感覚が襲ってくるが、何とか動けない事はない。
 マントで口元を覆いながら、靄を振り切ろうと頭を振って考えた。
 
 また鉄塊で勝負を賭けるのは得策とは言えまい。
 闇雲に斬りつけても、また刀身が錆び付いてしまうだけだ。
 確実にトドメをさせるタイミングで最大の一撃を叩き込んで決める、それしかあるまい。
 
 その為に利用する駒は、そう、あのカマキリ野郎だ。
 じっと、奴の行動を見極める。
 ……今だ!
 
 颶風と化して、カマキリ野郎の背中めがけて疾走する。
 だが、目標はあくまでも魔王。
 その為に、ガッツはカマキリ野郎の背中を踏み台にした。
 背中を蹴り、頭を蹴って魔王の頭上へ。
 そのまま急降下しながら唐竹割をするが如くドラゴン殺しを振り下ろした。
6エンハウンス:02/03/19 20:24
>第16章、347 死徒27祖による『聖域』襲撃
 
 ロアの転生体を引き裂いたエンハウンスは、先ほどの敵が消えた先へと歩いていた。
 森をかき分けて先に進む。
 そこで、先ほどの敵が何者かと相対しているところを目にした。
 当たり前だが、どちらも味方ではありえるはずがない。
 
 そして、その二人はどうやら敵対している様だ。
 だが、戦いの趨勢は火を見るより明らか。
 指でさっきまでの敵の足を貫いてみせたあの男、あいつは強い。
 果たして自分一人で勝てるかどうか。
 ならば……。
 
 銃口を、コルゴンの頭部を貫こうとしているヘルパートの指へ向けて引き金を引く。
 乾いた銃声が森の中に響き渡り、狙いあやまたずその指を噛み砕いた。
 
「あいつを倒すまで休戦協定を結んでやってもいい」
 
 ゆっくりと元いた場所から歩き出して、コルゴンの倒れている隣に立つ。
 硝煙たなびく聖葬砲典を油断なく構えながら、短くそれだけを告げてヘルパートへと向き直った。
 黒い障気をまとうアヴェンジャーを構えて、様子を見る。
 
「嫌だというのなら好きにしろ、その様で俺に勝てると言うのならな」
 
 コルゴンの方を見ずに、そう付け足した。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』 
 
「…やっと戻れましたか…」
 
 ヴェネツィアでの一件から2ヶ月後。
 色々あって、しばらく研究の出来ない身体になっていた私は、やっとの思いで元の姿を取り戻した。
 具体的に何がどうなっていたか、とか言う質問は却下。
 
「さあ、あんな忌々しい杖のことなど忘れて、遅れていた研究を再開するとしましょう」
 私を研究から引き離していた出来事はさっさと忘れ、私は研究に没頭した。
 
そんな折、各地を廻って私の眼の代わりを果たしている、ある使い魔が持って来た情報により、私の研究は中断されることとなった。
 
『情報局特殊工作部隊『スパローズ』所属のエリ・カサモト二等軍曹、アジラビア遺跡にて古代の杖を発見。『魔法のステッキ』の可能性あり』 
 
「…何故こうも全国三千万の婦女子の憧れ、『魔法のステッキ』がぽんぽん出てくるのですか…」
 ぶつぶつ言いながらも、私の心は割と決まっていた。
 
『メンフィスの爆弾娘』こと、エリ・カサモト二等軍曹より魔法のステッキを譲渡して頂く。
 
「譲渡、って書いて『ごうだつ』って読むんだよね」
 色々とあってこの研究所に居付いているタオが、学○版ネク○ノミ○ンを読みながら口を開く。
 
「…人の思考を勝手に読むんじゃありません」
 私はタオの首根っこを掴み、旅行鞄の中に放り込み、
「さて。では、出掛けましょうか。エリ殿から『魔法のステッキ』を譲り受けるために!」 
研究室の留守を使い魔に任せ、鞄一つを手に旅立った。
8不破雷也 ◆ayRAiYAw :02/03/19 22:54
音楽会格闘大殲 1Coin投入……乱入!
前スレ>602 
 
 いつの間にだろうか、街灯の下に一人の男が立っていた。
 年こそ若いが、全身から立ち上る気−−闘気は素人目にも判るほど、強い。
 
「いい………いい匂いだ」
 
 笑みが、男の唇に浮いていた。まるで餓えた獣の如き笑み。
 
「蘭麻みほ……打撃による顔面部への打撲傷……及び裂傷が数ヶ所……」
「シグムント・ウピエル……裂傷が数ヶ所……」
 
 獣の笑みを浮かべたまま、二人のダメージを量る。
 それをボソリとつぶやくと、本当に嬉しそうに
 
「よかったぜ、間に合って……どうやら、まだ始まったばかりと言うらしい………」
 
 言った。
 
 
 ……そういえば、吸血鬼だから傷、回復してんじゃんというツッコミを入れると、
 もれなく龍渦をプレゼントするので止すように。
9エリ ◆Eri.06RI :02/03/19 22:54
>7
 
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』 
 
二、三日前の任務で再びアジラビア遺跡を訪れたあたしは古びた宝箱を見つけた。
蹴り飛ばして開けると中からは美しい装飾の杖が。
「・・・そういえば最近懐が寒いのよねぇ。誰も見てないし、持って帰って売っちゃおう」
無論マズイマネだ。こういうものは博物館にでも納めると相場が決まっている。実際前回の探索でマルコが発見した『アジラビアの涙は』今は博物館に展示されている。
「有名なお宝ってわけでもなさそうだし・・・売ろう」
 
そんなわけであたしは杖を古美術商に売っ払おうと街に向かった。
10黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/03/19 22:58
格闘大殲・乱入?
>8
 
いつの間にか、そこに『彼』は立っていた。
ジャケットを着こなしたその男は、戦いの場へと足を踏み入れて行く。
ねっとりとした夜の空気を裂き、その男は腕を振るった。
乱入者か?その場にいる者全員が警戒する。
 
しかしその腕は、攻撃のために振るわれたわけではなかった。
戦う者たちに、指を突きつけるための一振り。
 
「知っているか!?お前達のいる場所は、我々ダークザイドが四千年前に通過した場所だという事を!」
 
突然の発言に、彼らは呆気にとられた。
 
「黄河は水たまりを叱りをしないと言うが、俺の考えは違う!」
 
気にせず、その男は言葉を続ける。
よく見ると全員、その男の顔には見覚えがあった。彼は、東京都知事だった。
都知事としての本能が、この男を戦いの場に足を運ばせたのだろうか。
 
「貴様らの未完成な格闘技など、もう見てられない!よって俺は立ち去る!!」
 
その時、その場の全員の意志が1つになった。
すなわち『何しに来たんだお前!?』である。
言いたい事だけを言い残すと、言葉通り、彼は去って行った―――――――。
 
(格闘大殲第1部・「音楽編」完?)
 
「第2部では武器の使用も一向にかまわんッッ!!」

それは普段の大殲と何も変わらない気がしたが、突っ込んではいけないのであった。
それ以前に、勝手に終わらせるな!
 
( 格闘大殲・ 続 行 )
 
 
11エシディシ(M):02/03/19 23:05
炎の闘争 〜 神宮寺重吾with栗原実沙貴VSエシディシ(M)
 
ttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/600より継続
 
虚空より出現した炎は壁となり、その男の身を守った。
 
「ほほう。炎の形は自在らしいな。
人間も少しは進化したというのか?」
 
あくまで余裕の表情のエシディシ。
それも当然だ。彼は人間を遙かに越える生物なのだ。
この炎を自在に扱う技を見せつけられても、
例えて言うならば―――トゲだらけの栗を見つけた程度の感慨しか抱いていない。
 
その場合、人はどうするか?
 
               当然、「トゲを剥がして喰らう」のだッ!
 
だが、このトゲは少々厄介そうだ。
再び迫りくる炎。まさに爆炎と呼ぶにふさわしい。
 
「だが、のろいッ!!」
 
大きく跳躍し、その炎をかわす。
爪先が少し焦げたが、全く動じる気配すらない。
 
エシディシの跳躍先には桜の木々と―――
逃げまどう人々の一団があった。
12エシディシ(M):02/03/19 23:08
>11
このオレが、ミスを・・・
ttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/606
が正しいッ!
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』 
>9
 
「…暑い」
 
 北の辺境で生まれ育った私には、アジラビアの地の太陽は暑かった。

「このままでは、倒れそうですね…少し涼むとしますか」
 私はたまたま目についた、古物商らしき店に入った。

「ふむ…これはまた。中々に興味深い…」
 展示されている品々を眺め、手に取ってみたりする。
「研究欲求が…うずきますね…」
 持ち帰りたい衝動に狩られるが、我慢する。
品物についている値段は、とてもではないが手が出せない。
 
 学者は儲からない商売なのだ。
 
「お邪魔するよ」
 半ば惚けたように商品を眺めていた私の耳に、女性らしき人物の声が入ってきた。
何となく目を向けてみる。
 
 くすんだ色のバンダナを巻いた、軍人らしき女性。手には布で無造作に巻いた棒状のものを持っている。
 
(もしや…彼女がエリ・カサモト?)
 
私は声を掛けてみる事にした。
「もし。失礼ですが、貴殿は、エリ・カサモト殿ではありませんか?」 
14エリ ◆Eri.06RI :02/03/19 23:21
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』
 
>13
店に入るなり見知らぬ女に声をかけられた。なんていうか・・・魔女?
「ん? ああ、そうだけどアンタは?」
何か用だろうか。魔女を敵にまわす覚えはないんだけど。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』
>14
 
「これは失礼を。私は魔学の研究をしているタバサと言うものです。貴殿に少々お話がありまして…ここではなんですから、外に出ましょうか」
 そう言ってから彼女の背後に周り、背中を押して無理矢理店の外に出す。
 
「暑いので単刀直入に言いますが…貴殿のお持ちのその杖、私に譲っては頂けませんか。タダで」
>11 VSエシディシ
 
『だが、のろいッ!!』

こちらの攻撃はいともたやすくかわされてしまう。
 
「しまった!」
 
敵の移動先へ目をやる。実沙貴の居る方向とはまったくの逆。
そこは―――逃げ惑う人々の一団―――

ここからの攻撃は木々が邪魔だ。
 
「待ちやがれ!!」
俺は追撃を開始した。
17エリ ◆Eri.06RI :02/03/19 23:44
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』
 
>15
 
何を言ってるんだこの女は?
「冗談は格好だけにしてよ。こっちは金に変えるためにここに来たんだ」
言い放ち、あたしはタバサの脇をすり抜けようとした。
どのくらいの金になるのかわくわくしながら。
18幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/19 23:48
〜夢幻歳華・外伝のお話〜
 
(ちり〜〜〜ん・・・・・・)
 
夜の街角。
 
(ちり〜〜〜ん・・・・・・)
 
まあるいお月様。
 
(ちり〜〜〜ん・・・・・・)
 
辺りに在るのは、静寂。
 
(ちり〜〜〜ん・・・・・・)
 
ふぅ・・・・・・。
私は、ふと、目の前の女性を見る。
その顔にあるのは、驚愕。
 
それもそうだろう。
つい先ほどまで、彼女を追いかけていた連中・・・・・・。
まぁ、彼女のファンというやつかしら?
そんな彼らを私が『たった一人で』一瞬の内に片付けてしまったのだから。
 
「こんばんわ、お姉ちゃん?」
 
私は、彼女に微笑みかける。
 
「私ね、お姉ちゃんにちょ〜っと用があって来たんだ♪
 まぁ・・・・周りのみんなは邪魔だったから、片付けちゃった♪」
 
くす・・・・・・さて、彼女の力、どれほどのものかな?
次の瞬間、あたりがふっと暗くなると、先ほどとは異質な空間が展開される。
 
「じゃぁ・・・・初めよっか?お姉ちゃん♪」
19エリ ◆Eri.06RI :02/03/19 23:51
>前々スレ657
 
エリvsマッカーチス
『another mission』
 
「やれやれだわ!」
あたしはいきなり動き出した機動兵器にグレネードを4つ投げつけ、
ヘビーマシンガンを浴びせつつ物陰に飛び込んだ。
「ヘビーじゃ荷が重そうね。これは・・・」
マガジンを外し、レーザーに取り替えた。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』
>17
 
 私は脇を擦りぬけていったエリ殿に向き直った。

 左手を軽く伸ばし、竜の頭部を憑依させる。
「チャクラウェーブ」
 ぼそり、と呟いた。
 
 竜の口から波動弾が射出され、エリ殿の脇を掠める。
 大して威力は込めていない代物ではあるガ、振り向かせるくらいの効果はあるだろう。
 
「ならば、力づくでいただくまでです」
 微笑とともにそう言った。
21麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/19 23:57

 幽祢vs麻宮アテナ 『夜の遊戯』

>18

 私は、走っていました。逃げていました。
久しぶりの休日、友達と遊園地へ行った帰りに、
ファン(それも”熱狂的"な)のみなさんに追いかけられているのです。
 ”おさげ髪に眼鏡”という変装はあっさりみやぶられ、
私はコートをひるがえして夜の街路を駆けまわっていました。
せっかくの休日だからと、意識して力をカットした
ばちが当たったのでしょうか…。

 そこへ現れた少女。彼女の口から出た言葉。
 『私ね、お姉ちゃんにちょ〜っと用があって来たんだ♪
まぁ・・・・周りのみんなは邪魔だったから、片付けちゃった♪』
  彼女が言うが早いか、周囲の明かりが消え去りました。

 訊きたいことは山ほどありました。あなたは誰? ここはどこ?
用ってなに? 『片付けた』ってどういうこと?
 でも私は、そのどれも口に出すことができませんでした。
危険な少女が発した、危険な言葉。
 『じゃぁ・・・・初めよっか?お姉ちゃん♪』

 それは、あまりに唐突で、一方的で、わがままな、
始まりの宣告。

22エシディシ(M):02/03/19 23:59
>16 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「この樹はなかなかに良い枝振りをしているな・・・」
 
エシディシは周りの喧噪など気に止めず桜に手をやった。 
そしてそのまま・・・ズブズブと樹と同化するようにめりこんで行く。
 
細胞そのもので消化をする『柱の一族』なればこそ可能な行為だ。
 
(オレの位置がつかめるかな? 人間よッ!)
23幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/20 00:11
〜夢幻歳華・外伝のお話〜VSアテナ

>21
私と彼女は、板張りの広間のような空間に立っている。
私が作り出した空間。
ここからは、私を倒すか、私が相手を離さない限り、出ることはできない。
 
さてと、それじゃ、小手調べっと!
 
私は空中に炎の塊を二つ生み出す。
 
「はい、行ってらっしゃい♪」
 
私の言葉に乗せられた『言霊』の力が、炎をまるでボールのように彼女へと投げつける。
さて?これぐらいかわしてもらわなきゃ困るかなぁ。
 
くすくすくす・・・・・・。
>22 VSエシディシ
 
枝から枝へ移動するエシディシを追っていたはずだ・・・それなのに見失ってしまった。
 
否!気配こそうまく隠しているが、1箇所だけほかの木々と極端に温度が違う!!
 
「そこかぁ!!火炎弾!!!」
詠唱無しで火炎弾を放つ!
25麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/20 00:33
>23

 空中に炎!
 瞬間、私の両手に光が宿ります。今まで幾度も
危機を救ってくれた力。私を危険を運んできた力。
 「えぇい!」
 目の前に力場を展開してエネルギー、飛来物を
跳ね返すサイコリフレクター!
彼女が生み出した炎が、彼女へと襲いかかります。
 「この子、なんなの…!?」
わかるはずもないことを、それでも私は
考えずにはいられませんでした。
26エシディシ(M):02/03/20 00:42
>24 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
樹と同化し、地中へと移動しようとするエシディシ・・・
 
だがッ、つい先ほどまで炎を起こす程に高まっていた彼の体温は
炎の精霊を使役する神宮司重吾にはあっさりと感知できたッ!!
 
火炎弾がなぎ倒した一本の樹から、エシディシが姿を現す。
その左腕は根本から焼き焦げ、ただの炭と化していた。
 
「お・・・おのれ・・・ お、おれの・・・」
 
怒りの余りか、身を震わせていたエシディシであったが―――
27エシディシ(M):02/03/20 00:43
>26 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「う・・・うう・・・
う〜〜ううう、あんまりだ・・・」
 
突然、子供の様にポロポロと涙をこぼすエシディシ。
 
「H E Y Y Y Y Y Y Y Y
あ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ァ !」
 
ダダっ子のように泣きわめく。
 
「AHYAHYYY AHY
 WHOOOOOOHHHHHHHHH!!
 
 おおおおおおれェェェェェのォォォォォ
 うでェェェェェがァァァァァ〜〜〜!!」
 
その慟哭は止まる術を知らぬかのようであった・・・
導入
アシュレー・ウィンチェスター VS ン・ダグバ・ゼバ

街中に響き渡る悲鳴――――。
それが、開始の合図だった。

突然、男が炎に包まれて燃え尽きる。
それを目にした人々は恐怖に慄き、散り散りに逃げ出した。
白い服の青年は人々を見て笑顔を浮かべ、腕を上げる。
次の瞬間、人々の身体は男と同じように炎に包まれた。
燃え盛る炎と助けを求める悲鳴。
地獄のような光景を背にして青年は歩き出す。
その顔に、無垢な笑顔を浮かべながら。

二時間後――――
街は完全に『日常』を奪われた。
『日常』を完全に破壊し、殺戮という『非日常』のみで支配する。
それが、青年の遊戯。

まだ一つ―――残った建物がある。
青年は楽しげに笑みを浮かべ、その建物に向かって歩き始めた。
29幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/20 00:51
>25
「わお♪驚いた♪」
 
彼女へと向かっていた炎が、彼女の目の前で反射され、私に向かってくる。
私はオホソラ(大虚空)に干渉し、目の前に虚郭(キョカク)が展開される。
虚郭(キョカク)。あらゆる物理的干渉を無効化する絶対領域。
炎は、虚郭(キョカク)に触れると瞬時に消滅する。
 
「ふぅん・・・・・・。結構できるね。じゃ、これはどうかな?」
 
続いて私は呪力をリング状に形成し、自分を中心に次々と放つ。
さて、どうする、お姉ちゃん?!
>28 アシュレー・ウィンチェスター VS ン・ダグバ・ゼバ
 
その日。
非番でタウンメリアに帰っていた僕のところに、突然の出動命令が下った。
とある町に、突然火の手が上がったのだという。
・・・いや、正確には―――
 
「人体発火!?」
『そうだ。なにぶん情報が錯綜してるため詳しいことはわからないのだが・・・
突然、町の住人が次々と炎につつまれたらしい』
「そんな―――アーヴィング、そんな非常識な話・・・」
『だが、何らかの事件が起きているのは確かだ。
・・・現在、ブラッドやリルカくんたちはすぐには召集不能だ。アシュレー、悪いが単独で調査に当たってもらいたい』
「・・・了解」
 
こうして、僕はその事件が起きている町へと向かった。
 
       *         *         *
 
「な・・・ッ」
 
―――それは、想像を絶する光景だった。
あちこちで人が・・・まるでケシズミのようになって転がっている。
 
「一体、何が・・・!?
おーい! 誰か、誰かいないのか! いたら返事してくれ〜!!」
 
叫びながら、惨状となった町の中を駆け抜ける。
・・・やがて、一軒の建物の前に、白い服の青年を見つけた。
 
「よかった、君は無事なんだな? 一体何が・・・」
 
そう言いかけて・・・青年が笑顔を浮かべていることに気づいた。
―――なんだ、こいつ? どうして笑っているんだ?
・・・まさか・・・ッ!?
>26-27 VSエシディシ
 
俺の放った火炎弾がエシディシの左腕を直撃、炭となった。
 
怒りに震えた様に見えた直後、ダダっ子のように泣きわめき始める。
 
(なんだ?怒るのはわかる、左腕が無くなったのだから・・・しかし・・・
 今がチャンスか?・・・)
呆気にとられるが、気を取り直した―――その時
32麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/20 01:13
>29 vs白服の少女

 炎は、彼女の目の前で文字通り”消滅”しました。
 『ふぅん・・・・・・。結構できるね。じゃ、これはどうかな?』
無邪気な笑いといっしょに投げつけられる、
赤いリング状の光の数々。

 (余波が来る!?)
 地面を蹴って有視界のテレポート。一瞬の転移終了と同時に、
左手でのサイコビーム連射で、彼女を背後から狙います。
 「子供を後ろから撃つなんてぇっ!!」
>30
VS アシュレー・ウィンチェスター

青い髪の青年が、僕の視界の片隅に入る。
剣と筒を組み合わせたような武器を持っているな・・・彼は、リントの戦士か。
――――面白い。
無抵抗の奴等を狩るのにも少し飽きたところだったんだ。

「・・・何があったかって?」

ひょいと足元に転がっていた子供の帽子を持ち上げる。
赤いシミのついた帽子をくるくると指先で回して、僕は答える。

「ただの、ゲームをして遊んでいただけさ。」

呆然とする彼を尻目に、帽子を燃やす。

「こんな風に・・・ね。」

こうやって挑発してやると、決まってリントは本気で向かってくる。
楽しい相手と戦うには、相手も本気にしなければいけない。
さて、彼は僕を楽しませてくれるかな・・・?
34エシディシ(M):02/03/20 01:25
>31 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「フー スッとしたぜ
おれはチと荒っぽい性格でな〜〜
激昂してトチ狂いそうになると
泣きわめいて 頭を冷静にすることにしているのだ」
 
別人のようにスッキリした顔でエシディシは言った。
 
「ふむ・・・ちょうどイイ所に『予備』があるな」
 
飲み過ぎたのか、騒ぎにも関わらず眠り続けていた大学生に目をやる。
そして、喉笛と肩口を続けざまに踏みつぶした!
血管を伸ばし、腕を回収する。
 
「フン! ちょいと細めだが
そのうち一体化してもとの太さになるだろう」
 
拳をを握ったり開いたりしながら言う。
そのセリフには、服を着替えた程度の感情しかこもっていなかった。
35幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/20 01:27
>32
消えた・・・・なるほど、テレポートね。
 
『子供を後ろから撃つなんてぇっ!!』
 
そして生まれる、背後の気配!
放たれたビームが地面をえぐる。
そこに、私はいない。
 
「テレポートできるのはお姉ちゃんだけじゃないんだよ♪」
 
私は、彼女の背後に立つと、耳元でつぶやく。
 
「それと・・・・・奇襲に声を出すなんて、意味ないよ?」
 
私は、そう言うと彼女を突き飛ばす!
空間の位相が腕に蓄積されているため、その威力は見た目より大きい・・・・・。
まさか、これぐらいで死んだりしないでよね?
>33 VSン・ダグバ・ゼバ
 
目の前の青年が指先で回していた帽子が・・・突然燃え出した。
・・・やっぱり、この青年が・・・!?
 
「―――ゲーム、だって・・・?
・・・これを、君が・・・いや、お前がやったのか!?
この町の人々を、家庭を・・・ゲーム感覚で、殺戮したというのか!?」
 
青年から離れ、バイアネット(銃剣)を彼に向かって構える。
一見普通の青年だが・・・一体何者なんだ、こいつ!?
 
僕の中で、怒りがふつふつと湧きおこり始めた。
・・・「ヤツ」の鼓動が、聞こえ始めるほどに。
>34 VSエシディシ
 
奴は泣き止むと、この騒ぎにも気付かずに酔いつぶれて
眠っていた大学生の腕をもぎやがった。
 
「貴様!人を何だと思っていやがる!!」
 
怒りが頂点に達する。
(しかし・・・奴の再生能力を上回る攻撃を仕掛けるだけの間がほしい)
 
直後、右後方から火炎弾の炎が通り過ぎエシディシへ向かう。
 
『重吾、おまたせ!』
実沙貴の声がすぐ後ろから聞こえた。
 
これでなんとかなるか!
>36
VS アシュレー・ウィンチェスター

・・・思ったとおりだ。
彼の顔は怒りに満ちてきている。

「ああ、でも今までは少し物足りなかったんだ・・・。」

瞬時に、彼の隣に歩み寄る。
リント(人間)には知覚すら出来ないだろう。

「だから、僕はもっと楽しみたい。」

笑顔のまま、彼の頭に左足で回し蹴りを繰り出す。
すぐに死なれても困るから、手は抜いてあるけど。
>38 VSン・ダグバ・ゼバ
 
「!?」
目の前にいた青年が突然消え・・・次の瞬間、僕のすぐ横にいた。
振り向いて銃を構え・・・
 
バキィッ!!
 
・・・気がついたときには、頭を衝撃で吹っ飛ばされていた。
 
「ぐ・・・」
ふらつきながら、何とか立ち上がる。
・・・間違いない、こいつは人間じゃない。
クレストソーサーも使わずに帽子を・・・人を燃やし、
恐ろしいスピードで僕に攻撃してきた。
 
見た目にだまされていては・・・やられるッ!
 
―――バイアネットカートリッジ・変更。
――――ブラスターギルティ・セット。
―――――フルフラット!!
 
衝撃波を広域拡散する特殊弾頭を全弾発射。
死者を巻き込むのは心苦しいが・・・これなら、いくらやつのスピードでも逃がしはしないッ!!
>39
VS アシュレー・ウィンチェスター
 
衝撃波が僕の体を何度も叩き、心地いい痛みが走る。
・・・これだ!この感じだ!!
彼は僕が思っていた以上の戦士らしい。
嬉しさで体が震える。
服がボロボロになるのも構わずに衝撃波の中を進み――――
彼の腕を掴んで地面に叩きつける。
 
そして咳き込む彼の腹を踏みつけ、足を捻り込むように動かす。
 
「・・・どうしたんだい?」
 
みしみしと彼の骨が軋む。
・・・おかしいな、見込み違いだったのか?
 
「こんな程度で終わっちゃ駄目だよ。つまらないじゃないか。」
41麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/20 02:48
>35 vs白服の少女

 『それと・・・・・奇襲に声を出すなんて、意味ないよ?』
 うなじにかかる息遣い。次の瞬間、突き飛ばされて
数メートル先の地面に転がりました。派手に飛んだおかげで
体内へのダメージは少なかったですが。変装用の眼鏡が
飛び、お下げを結んでいたリボンがほどけました。

 「だって…だってしょうがないじゃない…!」
 愚か、なのでしょうか。でも私は、この子を
本気で撃てませんでした。赤いリボンの少女。
白い服の少女。立ちあがる私を、おもしろそうに眺めている少女。
 「あなた、どうしてこんなことをしているの?
なにをしたがっているの? お父さんやお母さんは?」
 たぶん、無駄なのでしょう。それでも、問いかけずには
いられませんでした。私の目を見ながらにこにこと
笑っている、この少女に。
>40 VSン・ダグバ・ゼバ
 
「がっ!」
腕をつかまれ、地面に叩きつけられた。
まさか、あの衝撃波の中を突き抜けてくるなんて・・・ッ
 
「ぐ・・・ぁ、ぁ・・・ッ」
・・・ものすごい力で、腹を踏みつけられている。
骨が・・・砕けそうだ・・・ッ。
 
 
・・・こんな、こんなところで、死ねない・・・
こんな奴に・・・負けられない・・・負けてたまるか・・・ッ!
 
 
―――僕の中で、怒りと闘志と・・・破壊衝動が、
目の前の敵を打ち滅ぼそうとするココロが、膨れ上がってくる。
 
・・・僕の中から、「ヤツ」が囁きかけてくる。
 
 
 「  私  を  使  え  」  と  。
 
 
「・・・はぁ・・・はぁっ、あ、あああああああッ!!
 
・・・アクセスッ!!」
 
声を限りに、叫ぶ。
内なる存在と接触、解放するッ!!
(>42の続き)
 
・・・すでにそこには、僕ではない“僕”が立っていた。
騎士を思わせる、異形の姿・・・
“焔の災厄”ロードブレイザーと、ガーディアンブレード・アガートラームの力が僕の中で拮抗した結果、
生まれたモノ・・・
 
―――焔の黒騎士・ナイトブレイザー。
 
 
・・・破壊衝動が、僕の中で渦巻く。
全てを壊し、燃やし尽くしたい・・・と。
 
だが、僕はそれを押さえつける。
・・・この力は、みんなを守るために、
―――マリナのもとへ帰るために、振るわなければならないから。
 
「・・・・・・」
無言で、手の中に破壊エネルギーを凝縮した剣―――
破壊剣・ナイトフェンサーを生み出す。
 
そして、奴に斬りかかる!
奴を倒す為に! 生きてみんなのもとへ帰るためにッ!!
>40 >42
VS アシュレー・ウィンチェスター
 
「・・・へぇ、それが君の本当の姿か。」
 
突然彼の姿が黒い戦士へと変わるが、僕にとってはさして驚く事でもない。
むしろ・・・喜ばしい事だ。
これでもっともっと楽しめる!
 
彼は何処からか剣を生み出し、斬りかかってくる。
これには僕も敬意を表さなければいけないだろう。
白い光に包まれ、僕の体は白い異形へと「変身」して剣を受け止める。
 
「――― これが僕だ。遠慮は要らないよ。」
 
そのまま剣ごと彼をこちらへ引き寄せ―――
腹に拳を繰り出す!!
>44 VSン・ダグバ・ゼバ
 
その体を一刀両断しようとしたそのとき・・・
奴もまた『変身』した。
・・・そして、ナイトフェンサーを受け止め、引き寄せられ・・・逆に腹に一撃を食らった。
鎧のように硬質化した僕の体の表面が少し砕ける。
 
・・・だが、今の僕には先ほどのようには効かない。少し後方に飛ばされる程度だ。
僕は剣を地面に突き刺し、その勢いを殺す。
 
(・・・ホントウノ、スガタ?
違う・・・コレは、コンナ異形のスガタは、僕じゃナイ・・・)
(でもこいつも、人間じゃない・・・僕らの敵だ・・・
なら・・・壊したって、殺したって、カマワナイ・・・)
 
・・・態勢を立てなおした僕は奴に向かって突進、腕を横に振るって奴の体に叩きつけた。
 
(クックッ・・・オカエシ、だ・・・)
(・・・違う! 僕は、みんなのところに帰る為に、こいつを・・・ッ)
前スレ>582 >5 ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
   
異形の姿へと変貌したネレベルティは「黒の息」を浴びながらもひるまず、四つの鎌による斬撃を繰り出した。
魔王は剣と鎚矛でそれを受け止めかわしたが、じりじりと押されていく。
ネレベルティの二つの鎌が魔王の武器を押さえこみ、残った二つの鎌が黒衣とその下の鎧、そして不死の肉を切り裂いた。
しかし、ネレベルティも苦痛の叫びをあげることになった。
彼が敵を切り裂いた瞬間、その腕が凍りついたかのように痺れてしまったからだ。
驚きひるんだネレベルティの胴に、魔王が鎚矛を叩き込んだ。
それと同時に、彼らの頭上に黒い影が現れた。
ガッツが必殺の一太刀を、魔王目掛けて降り下ろす。
普段のガッツならその一撃で、相手を頭頂から股間まで真っ二つにしていただろう。
しかし、「黒の息」は彼の体力を奪っていた。
頭を砕くはずの剣は、右へ飛び退く魔王の左肩を砕き、裂いた。
鎚矛を持った左腕が地面に落ちる。
「生き身の人間が我を傷つけるだと?」
王冠の下の闇の中から、怒りと憎しみに満ちた声が洩れ出した。
「代償は払ってもらうぞ!もはや貴様らの時は尽きた!我が時が来た!まとめてくたばるがいい!」
魔王の右手に握った剣に焔が走る。
47マッカーチス(M):02/03/20 11:25
エリvsマッカーチス 『another mission』
>19

鋼鉄の怪物はグレネードの爆発にひるんだ様子もなく、八本の脚をせわしなく動かしながらエリに迫った。
頭部の三連装機関砲の射撃で、目標を遮蔽物の陰に釘付けにしつつ前進する。
マッカーチスが巨大な鋏を降り上げた。遮蔽物ごと叩き潰すつもりなのだろう。
前スレ>594 ジョセフ・ジョースター vs 黒岩省吾 『その誇り高き決闘』
 
「Good−Bye!田舎者!」
落下していく男を見つめながら、俺は嘲笑の声をあげる―――――。
 
が。
次の瞬間、俺の笑みは消えた。
 
突如、俺のパラシュートが襤褸切れと化したのだ。
ふと、男の方を見下ろす。
奴の手元には、奇妙な力によって鞭と化した蕎麦。
蕎麦でパラシュートを切り裂いたというのか。
 
『ヒャッホーー!! どうだぁ!! 一人だけ助かろうなんて甘いことは、 
 例え大統領が赦しても、このジョセフ・ジョースター様は赦さないんだよ!!』
 
ジョセフと名乗った男の馬鹿笑いを訊きながら、
俺は自分の体が重力に吸い込まれていくのを感じる。
 
俺は舌打ちしつつ、剣を手にした。
そのまま落下のエネルギーを利用して、ジョセフ目掛けて突きを放つ。
剣が奴の腕に刺さる。
肉と骨とを抉る、固い泥沼のような感触。
鈍い痛みに呻くジョセフ。
 
さすがにいい気分はしない。
「だが、俺はこんな所で死ぬわけにはいかん!」
一声叫んで罪悪感を脳裏から追い払うと、俺は奴の体を抱えた。
 
こいつをクッション代わりにして、身を守る。
今の、暗黒騎士形態なら耐えきれるはずだ。
それでも――――賭けだが。
 
49青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/20 16:05
『暇潰し』
>4
暗殺者が放った出鱈目な拳が僕の腹を殴りつけ、
僕の体は大きく吹っ飛ぶと、その背中を壁に叩きつけた。
そのまま、ずるり、と壁からずり落ちると、だらしなく地面に座り込む。

もはや、僕の体は満身創痍だ。
宝剣もその手を離れ、僕の身を守るものは何も無い。
ふと目を向ければ、暗殺者がその禍々しい剣を手に、
無表情にこちらに近付いてくるのが見えた。

あは、もう駄目かも………

そんな考えが頭をよぎる。

僕の人生もこれで終わりか。
長いんだか短いんだかよくわからない人生だったな……。

そんな感傷は、手に当たる違和感によって遮られた。

? 一体なんだろう?

なんとなく、それを手に持ってみる。
この感触、この形、これは………。

僕はそれを握り締めると、暗殺者が近づいてくるのを、ただじっと待った。

どうせ最期なんだ。もうちょっと遊んでも文句は言われないよね?
50コルボ(M):02/03/20 22:40
『暗殺のソロ』
>49 青の魔王
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 
 息が、荒い。
 左腕の感覚はもはや無い。
 そりゃ、骨までイッちまったうえにこんだけ焼け爛れていちゃあな。
 ・・・生きてるだけでも僥倖だぜ。
 
 あとは、鼻と脇腹だが、こいつは軽微なモンだ。
 ダメージはないといってもいいだろ。
 
「さて、と・・・」
 
 悪天使の剣を右手一本で担ぎ上げながら、倒れた青の魔王にゆっくりと近付く。
 えらく時間がかかったが・・・
 
「これで、終わりだ」
51エシディシ(M):02/03/20 23:07
>37 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「のろいッ!
それに威力も劣るようだなァ!」
 
実沙貴の放った火炎弾をあっさりとかわし、
エシディシは疾走を始めた。
一気に間合いを詰める。
 
よく見ると、彼の手からは糸の様なモノが無数に握られていた。
 
―――違う。
それは意志を持つかの様に蠢いている。
糸の様なモノは、全て血管!
爪がちょうつがいの様に跳ね上がり、そこから多数の「血管針」が突き出ていた。
 
「くらってくたばれ 『怪焔王』の流法(モード)!!」
 
500℃の「熱血」が二人を襲うッ!
52青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/20 23:11
『暇潰し』
>50
暗殺者は僕の目の前まで歩いてくると、その手に持った剣を振り上げた。
タイミングは今しかないか。距離はもう十分に引きつけた。

僕は瞬時に跳ね起きると、手に持ったそれ・・・シャープペンを振りかざし、
暗殺者の目に勢いよく突き立てた。
>51 VSエシディシ
 
実沙貴の放った火炎弾はいともたやすくかわされ
こちらへ向けて疾走してくるエシディシの手にあるもの―――
 
糸か?いや違う!あれは血管!!
 
奴は自身の血液を500℃まで上げることが出来ると言っていた―――
 
「実沙貴!攻撃を食らうな!!あれはヤバイ!!!」
 
"気"を全身に纏った状態のまま俺は右に実沙貴は左へと散開し攻撃態勢を整える。
54青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/20 23:46
すまない。修正だ。

『暇潰し』
>50
暗殺者は、僕の目の前まで歩いてくると、その手に持った剣を振り上げた。
タイミングは今しかないか。距離はもう十分に引きつけた。

僕は瞬時に跳ね起きると、手に持ったそれ…シャープペンを振りかざし、
暗殺者の目に向けて、それを勢いよく突き立てた。

さぁ、冥土の土産に聞かせてくれよ、心地良い絶叫の響きをさぁ!
55エシディシ(M):02/03/20 23:54
>53 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「ほう、打ち合わせもせずに挟み撃ちの体勢か。
 なかなか戦闘慣れしているようだな」
 
あえてエシディシは進む。
警戒をしていないようだが、そうではない。
 
彼はある一点を探していた。
二人を結ぶ線のちょうど中心点。
 
そして、彼の「仕掛け」ももうすぐ発動する頃だ。
地中の血管針を、植物の根の様にはりめぐらせていく。
 
そして突如、周囲の桜が火を吹いた!
何本もの火柱が立つ。
 
「我々にふさわしい舞台だッ!
さあ、この炎のなかどこまで耐えられるかな人間よッ!?」
56コルボ(M):02/03/21 00:01
>49 青の魔王
 
 倒れていた青の魔王が跳ね起き、手にした何かを振り下ろした。
 それと同時に、視界が真っ赤に染まる。
 左目が、灼けるように熱く、痛い。
 
「・・・くあぁぁがかはあっぁぁあぁぁあぁあぁっぁあああぁぁぁぁあぁぁあ!!!!!!!」
 
 ・・・ありとあらゆる痛みのエッセンスが、全身に走る。
 もはや視界は無く、あるのは闇だけ。
 
 原初の恐怖、原初の怒り。
 そういったモノだけが身体を駆動させる。
 
「がぁがあがああああああああぃぃぃぃぃぃぃぁあぁぁぁぁあっぁあぁぁぁあ!!!!!!!」
 
 絶叫と共に、悪天使の剣を振り下ろす。
 結末を見ることはもはや叶わない。
 
 それでも、理解出来る。
 ・・・これで、全てが終わったと。
57青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/21 00:16
『暇潰し』
>56
暗殺者の振るった剣が、僕の体を肩口から袈裟懸けに中程まで切り裂く。
と同時に、禍々しい「何か」が僕の命を奪い去っていくのを、はっきりと感じた。

これで、終わりか…自分の出した暗殺依頼で死ぬなんてちょっと間抜けだけど…。

目の前で延々と響く暗殺者の絶叫を、どこか遠くに聞きながら。
僕は意識を急激に薄れさせていった。

舞、もし君の元にいけたなら。その時君は、僕は許してくれるかな?
58幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 00:21
>41 vsアテナ
『あなた、どうしてこんなことをしているの?
 なにをしたがっているの? お父さんやお母さんは?』
 
何をいってるのかな?この人間は。
ま、見た目ですべてを判断しようとする人間らしいケド・・・・・・。
 
「そうねぇ・・・・私の目的のために、かな?
 貴女がそれに見合うだけの力を持っているなら、よし。
 そうでないなら、死んでもらうから♪」
 
そういいながら、私は彼女の足元に捕縛結界を展開する!
私に気をとられていた彼女は、あっさりと引っかかる。
 
「よけちゃだめだよ?」
 
私は口の薄紅を軽くぬぐい、指を振り下ろす。
同時に発生した衝撃波が、彼女の首筋を直撃する!!
>55 VSエシディシ
 
挟撃の態勢に入った直後、周囲の桜が火を吹き始めた。
 
(この程度の炎なら俺は問題無いが実沙貴が心配だ、早々にけりをつける必要があるな)
 
俺の意図を読んだのか、エシディシの注意を引くために実沙貴が詠唱を開始
『火の精霊達よ爆炎の炎となりすべてを焼きつくす火炎の流れと化せ!!!
 爆炎流!!!』
広範囲に流れる炎がエシディシへと向かう!
 
実沙貴の詠唱と同時に俺は近距離からの攻撃を仕掛けるために
エシディシに向かって駆け出す!!
60コルボ(M):02/03/21 00:26
コルボ VS 青の魔王 『暗殺のソロ』『暇潰し』
レス番纏めだ。
 
前スレ分
>533>536>538>543>544>549>554>558
>561>568>571>575>577>581>585>588
 
今スレ分
>4>49>50>54>56>57
 
 
全く、盲目の暗殺者なんて役にたたねぇぞ。
・・・座頭市か?
>55 VSエシディシ
 
挟撃の態勢に入った直後、周囲の桜が火を吹き始めた。
 
(この程度の炎なら俺は問題無いが実沙貴が心配だ、早々にけりをつける必要があるな)
 
俺の意図を読んだのか、エシディシの注意を引くために実沙貴が詠唱を開始
『火の精霊達よ爆炎の炎となりすべてを焼きつくす火炎の流れと化せ!!!
 爆炎流!!!』
広範囲に流れる炎がエシディシへと向かう!
 
実沙貴の詠唱と同時に俺は近距離からの攻撃を仕掛けるために
エシディシに向かって駆け出す!!
62コルボ(M):02/03/21 00:27
コルボ VS 青の魔王 『暗殺のソロ』『暇潰し』
レス番纏めだ。
 
前スレ分
>533>536>538>543>544>549>554>558
>561>568>571>575>577>581>585>588
 
今スレ分
>4>49>50>54>56>57
 
 
全く、盲目の暗殺者なんて役にたたねぇぞ。
・・・座頭市か?
>55 VSエシディシ
 
挟撃の態勢に入った直後、周囲の桜が火を吹き始めた。
 
(この程度の炎なら俺は問題無いが実沙貴が心配だ、早々にけりをつける必要があるな)
 
俺の意図を読んだのか、エシディシの注意を引くために実沙貴が詠唱を開始
『火の精霊達よ爆炎の炎となりすべてを焼きつくす火炎の流れと化せ!!!
 爆炎流!!!』
広範囲に流れる炎がエシディシへと向かう!
 
実沙貴の詠唱と同時に俺は近距離からの攻撃を仕掛けるために
エシディシに向かって駆け出す!!
>59>61>63
三重投稿とは鬱だ・・・吊ってこよう
65エシディシ(M):02/03/21 00:42
>63 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「その距離からでは無駄なあがきだ。
 目で見てから対処できるぞ・・・この様になァ」
火を吹いている桜の樹を叩き折り、即席の盾にするエシディシ。
 
「そしてェ、貴様はオレの結界の中にいるッ」
 
根を張っていた血管針が地上に現われ、炎を芽吹かせる!
 
「薪を燃やすみたいに跡も残らず燃やしてくれるわ、人間の戦士よッ!!」
66麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 00:50
>58 vs白い服の少女

 足元、と思ったときは手遅れでした。
何かに絡め取られるように、私の身体は
完全に動けなくなり…。
 『よけちゃだめだよ?』
 彼女の手から、赤い衝撃波!

 ”びしっ”という嫌な音とともに、今度こそ本当に
吹き飛ばされ、地面に背中から叩きつけられました。
 「ぁぅっ…うう〜!」
 鎖骨から脇腹への裂傷。歯を食いしばって手を触れ、
麻酔代わりに、ショックを与えて神経を麻痺させます。
傷をふさぎたいところですが、彼女がそれを
黙って見ているとは思えません。

 いったい、彼女の目的とは何なのか。それが私と
どんな関係があるのか。ただ訊いても、答えてくれそうに
ありません。でも、『それに見合うだけの力』という言葉。
彼女は、私の力を見たがっているのでしょうか? だったら…。

 「じゃあ…じゃあね。私も一生懸命闘ってあげるから。
だから、いい? 約束。もし私が勝ったら、あなたのこと
ぜ〜んぶ話して。ね、ゆびきりしよ?」

 たぶん、彼女は嫌とは言わないはず。自分が負けるなんて
少しも思っていないだろうから…。
67幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 01:03
>66 vsアテナ
『じゃあ…じゃあね。私も一生懸命闘ってあげるから。
 だから、いい? 約束。もし私が勝ったら、あなたのこと
 ぜ〜んぶ話して。ね、ゆびきりしよ?』
 
はは・・・まだ私を子ども扱いか、ま、仕方ないけど。
 
「うん♪いいよ♪『やくそく』するから♪」
 
もとより、彼女に資格があるならばそれ相応のコトは教えてやるつもりだ。
もっとも、今のままならその可能性はひどく低いが・・・・・。
 
「さ、続きをはじめよ?こんどは、お姉ちゃんの番だよ♪」
 
さて、見せてもらいましょうか?
あなたの力がどれほどのものか!!
68麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 01:28
>67 白い服の少女

 思ったとおり、彼女は乗ってきました。
そればかりか、『こんどはお姉ちゃんの番』とまで
言ってくれています。本当に、自分の負けを微塵も
考えていないようです。
 (でもね、私だって、ちょっとは頑張れるんだよ)

 私はさりげなく、コート(私の血で真っ赤になっています)を
脱ぎ、それを持ったまま彼女へ突っ込みました。
彼女がリアクションするぎりぎりまで走りこんで、
”コートだけ”を残して彼女の後背の空中にテレポート。
囮を残して一瞬の反応の遅れを誘い、両手を固めて
後ろから脳天に一撃!
69幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 01:38
>68 vsアテナ
 
なるほど、ね。フェイントか。
 
うまい手を考え付くものだ。
認識を黙視に頼る人間ならば、まず回避できない。
そう『人間なら』!
 
「甘いよ、お姉ちゃん?」
 
先ほどと同じように、私はオホソラに干渉し、虚郭(キョカク)を展開する。
あらゆる物理干渉を防ぐ、この障壁を破れる物は、まず、ない。
 
『かしぃ!?』
 
奇妙な音を立てて、彼女の体が弾かれる。
 
「お姉ちゃん?それが本気じゃないでしょう?
 わかってないなぁ・・・・・。それとも、これが限界なの?
 なら・・・・・・・殺しちゃおうか?」
 
私は、意識を集中させる。
私の存在情報が次々と呪力エネルギーとして蓄積されていく!
 
「さぁ、本気でかかってきてよ。
 そうでないなら、次で・・・・・『殺す』・・・・・。」
55 VSエシディシ
 
〜実沙貴視点〜
 
エシディシへと駆ける重吾に血管針がせまる!
「今の私が使ってどこまで効果があるかわからないけど・・・」
『火の精霊達よ!!!怒れる炎の柱と化し我が意志の命ずる存在を焼きつくせ!!!
 火炎柱陣!!!』
エシディシの周囲6箇所に炎の柱が出現し、重吾へせまる血管針が炎に包まれる!
 
〜重吾視点〜
 
本来、火炎柱陣は対空技として使うことの多いものだが―――
(エシディシの足止め目晦ましと同時に血管をなぎ払うとはさすがだな!)
 
『火の精霊達よ 天界の陽の輝きを纏え!!!
 永久の闇を切り裂き 邪なる力を飲み込み 焼き尽くす劫火と化し敵を滅ぼせ!!!
 烈火爆炎盡!!!』
直径10メートルにもなろうかという巨大な火球をエシディシめがけて放つ。
71エシディシ(M):02/03/21 02:11
>70 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「ぬうッ」
血管針が焼け落ちる・・・だが一本でも残ればそれでいい。
 
「貴様も一緒に炎の洗礼を受けるがいいぞッ!」
 
重吾の身体に血管針を突き刺し、一気に引き寄せる。
 
しかし、それは詠唱の完成後であった。
二人の戦士が炎に飲み込まれる!
72麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 02:13
>69 vs白い服の少女

  弾かれた!?
 不思議な障壁に身体を弾き飛ばされるものの、
サイコキネシスで急制動。なんとか地面との激突を回避。

 (後ろにも目があるの…? ただ勘が良いの…?)
 考えている暇はありません。胸の出血は止まっていないし、
彼女も反撃を準備しています。
 『さぁ、本気でかかってきてよ。
 そうでないなら、次で・・・・・『殺す』・・・・・。』
 とても、子供の口から出たとは思えない言葉。

 いよいよもって”本気”を出さなくてはいけないようです。
でも、”あれ”で勝てなければ、ほとんど勝負は
決まったようなもの…。
 (ただ出しても駄目かも。なんとか良い方法を…)
  私は考えます。おそらくあの障壁も、彼女が攻撃する時は
発生しないはず。彼女の攻撃をかわして、その隙を狙って
全力攻撃。これしかない!
 
 サイコシールドを前面集中で全力展開。そのまま、
再び彼女へ突進。どうせ彼女は、私のようにひらひら
逃げようとはしないのでしょう。攻撃をかわすか受けるかして
懐に飛びこめば。
 (お願いだから、お姉ちゃんを近くに行かせてね…!)
 風の速さで、彼女に迫る!
73幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 02:25
>72 vsアテナ
 
ふぅ、やけになっちゃたかな?
これじゃ、彼女は使えそうにないわね・・・・・・。
 
私は、ため息をついた。
もっとも、彼女以外にも数人目星はつけているから、別にかまわないのだが。
 
使えない道具に興味はない。
壊れたおもちゃはもういらない。
『死んでもらう』しかない、か。
 
溜めた力を解放する。
それは、赤いキューブ状のクリスタル。
 
「終わりにしよっか?」
 
私は、突っ込んでくる彼女に向けて、そのクリスタルを放つ!

74麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 03:13
>73 vs白い服の少女
 
 思ったとおり! 赤いクリスタル!?
 
 「当たるわけっ!」
 紙一重でかわして、そのまま三連回し蹴りから、
相手の懐に両手で着地、両手で大跳躍。
開いた両足での連続蹴りを浴びせて、相手をも天高く跳ね上げる!
天に駆け昇る龍を模した大技、兄弟子である拳崇の切り札…、
 「神龍天舞脚!!」
 
 私の蹴りで舞いあがった彼女と、空中で目が合いました。
大丈夫。そんな顔しないで。お姉ちゃんがあなたを驚かすのは…。
 「…これからなのよっ! 変身!!」
  瞬間。私の身体は炎と燃えさかる巨鳥に変わりました。
不死の称を冠した火の鳥の姿を借りる、これが私の切り札!
 焼けつく鉤爪で彼女を掴んで急降下。このまま地面に
叩きつける!
 「いっけええええ!!」
 
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
>5>46

ネレベルティの鎌がフードの魔王を切り裂いた。
だが、敵の肉体に深く潜り込んだその腕に疼痛が走る。

(不可解な・・・こいつは体内に毒でも仕込んであるのか?)

疑問を振り払い、意識を集中させて痛みを『無視』する。
その僅かなタイムラグを狙って、フードの魔王の鎚矛が横合いから脇腹へと叩きつけられた。

ビギィィィィィィィ!!!

昆虫のごとく角質化したその脇腹に鎚矛がめり込み、亀裂を入れる。

「お、おのれぇぇぇ! ・・・何ぃ!?」

怒りに我を忘れかけたその瞬間、ネレベルティの背中を衝撃が襲った。
続いて上空から落ちてきた大剣使いの傭兵が正面の魔王の左腕を叩き切る。
つまりこれは・・・・・・

「俺を踏み台にしたぁぁぁぁっ!!?」

ネレベルティを囮とした傭兵による不意打ち攻撃、と言う事になるのだろう。
―――――――何と言う屈辱。一軍の将にして宝石十三人衆の一人である自分が、
敵である傭兵に踏み台として利用される等とは。

「――――――許さん!」

激昂したネレベルティは、いまだにらみ合いを続ける魔王と傭兵の間に分け入ると
左右の鎌をそれぞれ双方の首と腹を狙って真っ直ぐ両側に突き出した。

「死を以って償え!」
Broken Doll vs Stupid Zombie ...vs Eccentric Butler『血塗れの遁走曲?』
(途中経過 http://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/613)
前スレ>612

ゲラゲラ笑ってた/血塗れのドライバーが/いきなり目の前で/落とし穴に落ちた。
・・・そう言えばあったな〜、コトバ組み合わせて一つの文章を作る遊び。

現実逃避してる場合じゃないか。
助けなくちゃ・・・って、もう穴開いてないし!?

「どんなマジック使ったのよ!?」

訳がわからない。少なくとも私には。
何をやったのだ、あの銀髪の変態は?

疑問が脳裏に浮かび上がり、ぐるぐると渦巻いて、ついでにとぐろを巻き、はじけて霧散する。

―――――――――――理解腐脳・・・いや、不能。

混乱する私の目の前に、更にスプラッタなゾンビもどきが、私目掛けて突っ込んできた。

「・・・ってゆーか、殺したのは私じゃないだろうが!!!」

喚きながらスプ(以下略)に拳銃を乱射。
来るな来るな来るな来るなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
77ガッツ(M):02/03/21 16:23
>46>75 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティVSアングマールの魔王
 
 カマキリ野郎の叫びを聞いて、心の中で舌打ちする。
 どうやら、完全に三つ巴の構図が出来上がったようだ。
 もっとも、それは容易に予想できた事ではあるが。
 
 だが、化物二人を相手取るのはやはり骨だ。
 とにもかくにも、まずは手数を減らす事が重要だろう。
 実際、カマキリの四本腕から繰り出される乱舞は捌きづらい。
 ドラゴン殺しを盾にする事で何とか凌いでいるが、攻撃に転じる隙がないのだ。
 先ほどから鎌が鉄を叩き、削る耳障りな音が、隙間なく間断なく響き続けている。
 
 更に、魔王の方もいつ何を仕掛けてくるか分かったモノではない。
 
 等と考えていたら、ドラゴン殺しをすり抜けて、鎌の一撃が顔に迫ってきた。
 思考による僅かな認識の遅延が招いた一撃。
 それをガッツは必死に頭を捻る事で何とかかわしてみせた。
 
 だが、完全にはかわしきれずに瞼の上辺りを浅く切り裂かれる。
 血しぶきが舞い、血が流れ落ちて目に入ってくる。
 視界が利きづらくなった。
 
(マズイな……)
 
 打開の手を探して、ガッツはポシェットへと手を突っ込む。
 取り出したのは小さな球状の炸裂弾を3つ。
 それの導火線をドラゴン殺しに押し付け、摩擦で着火。
 
「3」
 
 すぐさま、ドラゴン殺しの陰からカマキリ野郎の方目掛けて投げつける。
 
「2」
 
 果たして、それをカマキリ野郎は認識できたのだろうか。
 
「1」
 
 バ  チ  ュ  ン  !
闘争中、すまないけど、自己紹介させてくれ。  
オレ、アリッサ・メイベル。  
Xヒューマーズ、っていう妖怪のネットワーク組織では、『ガンチェリー』 
ってコードで呼ばれてる。  
オレ自身は100%の人間だけど、平和を脅かす妖怪たちの事件を解決する 
為に、善玉の妖怪達が集まってる組織に入ってるんだ。  
みんな、よろしくな。  
    
出典 :妖魔夜行 戦慄のミレニアム(上・下巻) 
名前 :ガンチェリー(アリッサ・メイベル) 
年齢 :13歳。   
性別 :オレみたいな美人を掴まえて何を聞いてるんだ!!w 
職業 :ニューヨークのジュニアハイスクールに通ってる。  
趣味 :アニメを見るのは好き!日本のも結構見てるぜ。 
恋人の有無 :エッジ。 
好きな異性のタイプ :エッジだよ。今は他は考えられねぇ。 
好きな食べ物 :アニー(母親)の作った料理は好き。 
最近気になること :ザ・ビーストの動向とか・・・体重とか・・。 
一番苦手なもの :特にないよ。大体は克服させられてきたり。 
得意な技 :シルバーバレル(銃)での射撃! 
一番の決めゼリフ :「改心のチャンスは二度はやらねえって言ったはずだ」 
将来の夢 :取り敢えずはエッジと・・・かな。 
ここの住人として一言 :あんまり出てこれないかもしれないけど、よろしく。  
 
ここの仲間たちに一言 :平和を一緒に作っていこうぜ。 
ここの名無しに一言 :応援、よろしくな。
Lastdance on stage 〜ミア・フォーテーvs幻獣
(途中経過、前々スレttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1015437476/676)
前々スレ>534>535

幻の獣、幻獣がその力を失い、幻へと返っていった。
しかし、感傷に浸っている時間はない。

前々スレ>536>537

襲いくる光のシャワー、降り注ぐ銃弾の雨。
私はロケットを噴かせてビームの合間を掻い潜りながら上空のきたかぜゾンビに接近、
銃弾による被害を無視して、きたかぜゾンビが寄生しているヘリの機関部に弾丸を送り込む。

後方で起きた爆風に押され、私は右側の二体のナーガの横に墜落気味に降り立った。
そして崩れた体勢のまま、ブレードに残った全ての銃弾を使って一斉射撃!

前々スレ>538

その弾丸は、放たれた生体ミサイル群を撃墜しながら、
更に後方に陣取っていたゴルゴーンにも襲い掛かった。

「・・・・・・まだまだだぁ!!!」
80キース・ロイヤル(M):02/03/21 18:28
魔術士オーフェン・無謀編 「誰もお前は呼んでねえ!」番外編、
執事キース・残虐編 「失礼な。私は何時だって真面目ですぞ。風が吹かない限り」

>76

人形が人形たる所以はなんであろうか。
人の形を模したもの。人の形をしているもの。
それ以上、それ以下でも無い。
そしてそれが人に一体何をもたらすと言うのだ?
人形は何も言わない。何も答えない。動こうともしない。
それでも、人は人形を作り続ける。
まれに、例外もあったりするが。
 
例えば、3、4階建ての建物の屋上から声を張り上げつつ飛び降りて
思いっきり地面に激突しあまつさえ暴走した車に轢かれてそれでも
立ち上がり動き出す人形なんてものは例外に違いなかった。
 
「ふむ、これは・・・・・『コッポラさんの先殴り』も真っ青の出来ですな」
 
『あんたもコレ作ったってんならちゃんと最後まで責任取れぇぇぇ!!』
 
執事男の隣で銃を構えた女性が激昂する。 
 
「いや、そう申されましてもこのような、ドッペルキース君が復活するなんて事態、
大地の精霊っぽい悪霊っぽい何かでも乗り移らない限り、そうそう起こるとは思えないのですが。
ちなみに私の考えではどこかの機関で秘密裏に開発された人工幽霊の怨念っぽい何かでは無いかと」
 
『そんな事知るかぁっ!!』
 
その間にも、ドッペルキース君は休み無く撃ち出される銃弾でズタボロになりながら、
こちらへ向かって来ていた。
 
「ところで、先程からずっとドッペルキース君が撃たれているように見えるのですが」
 
『見て分かるでしょ!』
 
「そんなに衝撃を与えますと、開発名『秘密の小箱』が発動すると思われます」
 
『・・・・・・え?』
 
「まあ、俗に言います自爆装置ですな」
 
 
      か こ っ 。
 
 
ドッペルキース君の体内から聞こえてきた音は、
なんだか、とってもやばい感じがした。
81以上、自作自演でした。:02/03/21 18:41
WERTWETWETYty
82幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 22:09
>74 vsアテナ
 
彼女は、私が放った攻撃を紙一重でかわす!
 
しまっ・・・・・。
 
さすがの私でも、攻撃と防御を同時に行うことはできない。
彼女はそれを狙っていたのだ。
そのまま、彼女は私の目の前で両腕を使って着地する!
 
流れるような連続攻撃!
私の体は、見事に宙を舞っていた。
 
「・・・・ッ?!」
 
一瞬見えた彼女の顔!
まだ・・・・続きがある?!
 
『…これからなのよっ! 変身!!』

刹那。彼女の身体が炎と燃えさかる巨鳥へと変化する!
それは、まさに不死鳥のように!
 
「ッ!!」
 
体制が崩れたままの私を、鉤爪ががしりとつかむ!
焔の羽を羽ばたかせると、そのまま私は地面へとたたきつけられた!!
83麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 22:27
>82 白い服の少女

 (捕まえたぁ!)
 鉤爪ごと、地面になかばめり込んだ彼女を本気で
握りつぶしながら、業火を浴びせます。
 (絶対逃がさないぃ!!)

 私がこの姿でいられるのは約1分。余剰エネルギーでの
自壊を防ぐため、それ以上は維持が不可能。
早く勝負を決めないと、圧倒的な力を持つこの子の前に、
私はパワーを失った状態で立たされるのです。
そうなればもう、私の勝ち目は限りなくゼロに近くなり…。
 (早く、根をあげてよ!!)
 そう思いながらも、業火の洗礼は休めません。
荒れ狂う炎の中で、彼女と私の闘いはなお、続いています。
 
84幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 22:43
>83 vsアテナ

・・・・・・!
なるほど、見込み違いではなかった、というところかしら?
 
彼女が変化した巨鳥は私の体を掴んだまま離そうとしない。
威力こそ、私を一撃で屠るほどのものはないものの、まともな人間ならもたないだろう。
 
スタミナ勝負、かな?
 
幸い、私にはまだまだ十分に余裕がある。
振り払うこともできるが・・・・・暫く様子を見てみよう。
私に毛ほども傷をつけられずに、『彼女』が殺せるわけはない。
そうでなくては役に立たないのだ。
私は、にこりと微笑み、口を開く。
  
「お姉ちゃん、どっちが長く我慢できるか、くらべっこしようか?
 それじゃ、行くよ♪
 い〜ち、に〜い、さ〜ん、し〜い・・・・・。」
>70 VSエシディシ
 
詠唱が完成した。
その直後に一本の血管針に左足が貫かれ、俺の放った火炎の前面に引きずり込まれる、が。
 
「ひとつ言い忘れていたのだが、火使いの炎は目標物以外を燃やさない
俺を盾にしようとしたのだろうが、残念だったな!!」
 
二人の体を巨大な炎が包みこんだ。
86麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/21 23:34
>84 幽祢
 
 『い〜ち、に〜い、さ〜ん、し〜い・・・・・。』
 
 …この子!
 圧死も焼死もしない。なるほど、死にはしないと思うからこそ、
私も全力を出しているのですが、それでも…。
 『ご〜、ろ〜く、し〜ち、は〜ち・・・・・』
 どこか、楽しそうにすら感じるこの声。
 (まだ余裕があるのあなたは…!?)
 すでに周囲は真っ赤に染まり、この焼けた空気だけでも
人が殺せそうだというのに。

 『よんじゅ〜いち、よんじゅ〜に、よんじゅ〜さん・・・・・』
 正直に言えば私は、この姿になったからには
相手が怪獣だろうと宇宙人だろうと負けない自信が
ありました。その自信がいま、完全につぶれそうになっています。
 (この子、どういう身体してるの!?)
 一瞬も休むことなく炎を浴びせられ、押しつぶされようと
しているのもかかわらず、彼女はいまだに余裕を失って
いないのです。

 (も、もうだめ…。)
 限界が来ました。これ以上の変身維持には確実な自壊が
待つのみです。最後にひときわ激しい炎を吐いて
猛る巨鳥は去り、再び私本来の姿があらわになりました。

 落ち込み、焼けただれた地面に横たわる彼女と、
その上にまたがっている私。奇妙な空白の時間。
 また、ふたりの目が合いました。
きれいな瞳。小さなくちびる。ほんとうに、可愛らしい子です。
私はただ黙って、じっと彼女の瞳を見つめ…。
  「……やぁっ!!」
 右の抜き手で、彼女の首を狙う!
>45
VS ナイトブレイザー(アシュレー・ウィンチェスター)
 
振るわれた腕を避けもせずにそのまま喰らう。
中々の威力だ・・・衝撃が内蔵まで届き、鈍い痛みを感じる。
だけど、焦りも恐怖も無い。
代わりに沸き上がってくる感情は喜び。ただそれだけだ。
 
彼はようやく本気を出してくれたみたいだ。
・・・だけど、まだ何か―――何かが、本当の力を邪魔している。
 
「・・・おかしいな。君は楽しく無いのかい?」
 
そう、彼はこの戦いを楽しんでいない。
全力を尽くして戦い合う。こんなに楽しい物は無いというのに。
瞬間―――頭の隅に、遙か昔の映像が浮かぶ。
・・・何だ?
妙に、イライラ、する。
 
「・・・せっかくのゲゲルなんだ、もっと楽しもうよ。」
 
掌を彼の肩に置く。
このままでは何の攻撃にもならない。
だけど、少し念じれば・・・彼の肩は燃え上がる事になる!!
88エシディシ(M):02/03/21 23:48
>85 VS神宮寺重吾with栗原実沙貴
 
「こ、これはまさかッ! 『炎』がッ!?」
 
重吾と実沙貴の呼び出した炎が重なり合ってエシディシを包み込む。
それは意志があるように彼だけを焼いていた。
 
「お、おおおお、おれが! おれが!
 おれが人間なんぞに!」
 
再生能力を遙かに上回る炎に、身を焼き尽くされつつあるエシディシ。
 
「よくもッ
 お、おのれェェェェ よくもォォォ、こんなァァァァ!!」
 
そして、自らを炎の塊としつつも死力を振り絞り
いつのまにか頭頂から突出した角で最後の攻撃をしかける!!
89幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/21 23:57
>86 vsアテナ
 
やがて、巨鳥と化した彼女の放つ焔が消え、私を押し付ける力も弱くなっていく。
 
時間切れかな?
 
最後に一度、激しく焔を打ち付けると、彼女の姿が元へと戻る。
紅く燃え上がる地面、煙る空気。
そんな中、私を地面に押し付けている彼女。
 
しばしの沈黙、そして。
 
『……やぁっ!!』
 
彼女が、右手で私の首へと一撃を放つ。
 
「ずッ!」
 
彼女の手は、私の首を少々切り裂いた。
血は、出ない。
もとより、流れていないのだから。
 
「やったな♪」
 
私は、呪力をリング状に形成し、彼女の体を吹き飛ばす。
 
「さぁ、お姉ちゃん?
 我慢比べは私の勝ちだね♪
 まだ、続ける?
 それとも・・・・楽になりたい?」
>87 VSン・ダグバ・ゼバ
 
・・・楽しい?
(タノシイに決まって・・・)
―――うるさいッ!
楽しむなんてもってのほかだ。破壊衝動に身を任せたら・・・破滅を迎える。
早く、できるだけ早く、ケリをつけなければ・・・
 
と。
奴が、僕の肩に手をかけた。
そして、訝しむ暇もあらばこそ・・・突然、僕の肩が燃え上がった!
 
「ガアアアアア・・・ッ!!」
 
反射的に奴を蹴り飛ばし、燃え上がった肩を押さえつける。
火はすぐに弱くなっていったが・・・すえた臭いと激しい痛みが残った。
 
(あ・・・熱い、熱いッ! 僕の肩がぁッ!
よくも・・・ッ!!)
 
急激に怒りが膨張してくる。
それとともに・・・衝動が、オサエきれなくなる・・・ッ!
 
(燃やしてやる!こいつをモヤシテやるッ!!)
 
・・・僕の手の中に、火球が生まれる。
僕はそれを奴に向かって発射した。
・・・ただの火球ではない。これは高速分裂する焼夷弾・・・ガンブレイズ。
>80

壊れ魔女 VS 脳腐れゾンビ …そして不思議執事 『血塗れの遁走曲』
 
 
自身も動く死体であるにもかかわらず、ミアはこう言った事態に免疫が無いらしく、
すっかり錯乱してしまっている。
抱えていたV13の依代を放り投げ、弾倉よ尽きよとばかりに拳銃を乱射している。
 
おかげでV13はずいぶんと楽をすることが出来た。
銃弾を受けボロボロになった人型から、するりと霊体を抜け出させると、
すぐ近くの地面に転がっている自分の依代に潜り込んだ。
 
一分四十三秒ぶりに自分の体を取り戻したV13は、ぱちぱちと瞬きをして、

「……キャハ、ダッシュツせいこー」 

と、呟くと、ゆっくり身を起こし、さらにその全身を走査する。
あの騒ぎの中にあって、損傷らしい損傷と言えば右肩の関節が外れているといった程度なのは幸いと言えた。
 
ついでに、ドッペルキース君とやらの体を抜け出す際に、V13は自己を構成する霊体の一部を切り離して
ボロボロになった肉塊に残し、それを使い魔として再構成している。
使い魔には単純なルーチンとして、そのボロボロの体をひたすら前に進み続けさせるように命じている。
そんな単純な命令でも囮としての効果はあるようで、V13の背後では、ミアが未だに銃を乱射している。
 
それを尻目にV13がこっそり場を離れようとしたその時、
 
か こ っ 。
 
とでも言うべき音が聞こえ、そしてその次の瞬間、爆音らしき音が聞こえたかと思うと
 
「キャアァァアァア――――」
と言う悲鳴と共に、高く、そして大きく、V13の体は空中に投げ出されていた。
 
そして落下。
「――――ァアァァアアァァッ!!」 
 
そして着地。
「ギャフッ!!」
 
しかし、爆風をモロに受け、しかも、ぐしゃり、とアタマから地面に墜落したはずなのに
驚くほどにV13のダメージは少ない。
実はこのとき、この執事のような男がこの場に存在しているせいで、この空間に、
ある一定の指向をもった属性――それは、『お約束』とか『様式美』などと呼ばれる――
が、付与されていたのだが、そのときのV13にはそのことを知る由も無かった。

よろよろと、V13が再度身を起こそうとしたその時

「おい、ミア!! そこに居るのか!?」
 
恐らくは先ほどの若い警官だろう。声がどんどんこちらに近づいてくる。
それだけではない、パトカーのサイレンらしき音まで聞こえてくる。
 
まあ、これほどの騒ぎを起こしては無理もない。
爆発で依代に損傷が無かったのは不思議だが、爆風で距離を稼げたことを思えば
むしろラッキーだったと言える。
面倒事がこれ以上増える前にV13は立ち上がり、再び駆け出すことにした。

ちなみに、V13の薄茶色の頭髪はちりちりふわふわのパーマをかけたようになっていたのだが、
V13がそのことに気付くのはもう少し、先の話であった。
>70 VSエシディシ
 
炎の塊になりつつも頭頂から突出した角で攻撃を仕掛けてくるエシディシ。
 
「まだ動けるのか・・・」
 
エシディシとの死闘でもはやあれ以上の火炎を放つ余裕は無い!
しかし、あと一押しで倒せるはずだ!!
 
至近距離からの火炎弾を頭部めがけて放つ。
 
頭部を狙ったはずの炎は逸れてエシディシの角を砕いただけだった。
 
「炎の制御が不完全だと!限界か・・・」
 
しかし、その攻撃だけで十分だったようだ。
 
『ギャァァァ』
 
悲鳴を上げるエシディシの体内から何かのエネルギーが放出され体が朽ちていく
 
「おまえの敗因は人間を舐めすぎたことだな・・・」
 
俺はフラフラになりながらも実沙貴の元へと近づく。
 
『御疲れさん、重吾』
 
実沙貴のねぎらいの声。
 
そしてあちこちから聞こえるパトカーや消防車・救急車のサイレンが聞こえる。
 
「これ以上面倒はごめんだ・・・帰るぞ」
 
それだけ言って焼け野原になってしまった公園を後にした。
>アーカードVSアベル・ナイトロード
 
 至近距離から打ち込まれた数発の爆裂鉄鋼弾は、だがアベルが寸前で身をひねったため、急所には当たらなかった。
 
 だが、並みの弾丸とは物が違う。
 事実、今のアベルの負傷は酷いものであった。
 左半身が、肩を中心に消え去っている。
 右胸や脇腹にも複数の大穴が穿たれ、白い骨や内蔵までが露出していた。
 血にまみれ倒れ伏し、びくびくと痙攣する肉隗は、もはや死体と呼んでも差し支えのないような代物であった。
 
 その時。
 アーカードは、確かに声を聴いた。
 
[ナノマシン゛クルースニク02"八十パーセント起動率上昇――承認]
 
 それは一瞬の出来事だった。
 肉隗の右腕が跳ね上がり、一匹の黒犬の頭を掴んだ。
 そして、
 
  ずぶり、ぐしゃり、がっ、ずしゃっ、めぎっ、ごりっ
 
 またたく間に犬の姿が縮んでゆく。
 否。
 喰らっているのだ。
 ――怪物が、化物を。
 
  ぐしゃ、ばぎっ、ぐしゃっ、ずぶっ、ぐぶっ、ずば
 
 もはや犬は足しか存在していない。
 そして、怪物の右の掌が明らかになる。
 
 ぱっくりと裂け、無数の鋭い牙が、不気味にのたうつ舌を持った、
 口があった。
 血にまみれた口が。
 
 そして、犬の存在が完全に消えうせると。
『それ』は、笑った。
>90
VS ナイトブレイザー(アシュレー・ウィンチェスター)
 
「ハ、ハハ――――」
 
・・・ゾクゾクする。
あの火の玉も彼の力か。
面白い・・・こんなに面白い奴は初めてだ!!
昂りのままに、火球へと真っ直ぐに左腕を突き出す。
腕を飲み込んだ火球はそこで炸裂。
半分千切れた腕が爆風で持っていかれそうになるが構わずに前に出て――――
残った右腕で彼の頭を鷲掴みにする。
 
「・・・やっと、楽しめてきたみたいだね。」
 
仮面の顔で笑いかける。
まだ彼の奥底には力が感じられる。
・・・まだ、「先」がある!
さっきの火の玉はその力の片鱗か・・・!!
見たい、その力が見たい!
その力があればもっと楽しいゲゲルが出来るハズだ!!
 
・・・コイツは良く似ている。
力があるのに、狩りをせずに僕たちに向かってくる。
他の奴を守ろうとする。
あの――――『クウガ』と!!
なら、彼を本気にするには、ただ一つ。
僕は彼の頭を掴んだまま顔を目の前の無傷な建物に向ける。
そして、建物全体を発火。
中にまだ何人か残っていたらしく、悲鳴の合唱が聞こえてくる。
・・・守ろうとした奴を、目の前で殺す。
アイツと似た奴なら――――これで、いいハズだ。
95タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 00:55
人狼vs魔学者
 
「さて…待ち人が参られるのはいつになりますかね…」

 深夜の公園で、私は一人、鼻歌を歌いながら待つ。
 
 嫌いではないが、好きでもない。その程度の思い入れしかないが、とにかく頭に残る歌。
 
 
 
「♪〜寝ても 覚めても……」
96麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/22 00:56
>89 白い服の少女

  ”きぃぃぃん”という澄んだ音とともに、私は
また吹き飛ばされました。全身貫き通すような打撃とともに、
ショックで傷口が開いて、大出血。
けれど、さっきの変身でパワーをを使い切り、
傷をふさぐことも、痛みを止めることもできません。
 苦痛をこらえて、私は、ゆっくり立ち上がりました。
失血のせいで目が…、

 「…かすむわけないでしょ!」
 まだ、まだ倒れるわけにはいかないのです。
ここで倒れたらこの闘いは、単に私が消えて終わりになって
しまいます。その前になんとか、なんとか彼女に…。

 私はゆっくり、彼女にむかって歩きました。それを、
面白そうに見ている瞳。
 「だいじょうぶよ。お姉ちゃん、もうちょっと、がんばれそうだから」
 サイコパワーが無くても、手が動きます。足も、動きます。
もっともこのありさまでは、次の技が最後、でしょうか。

 彼女の目の前。胸から溢れ出る血を無視して
呼吸を整え、剄を操り…、
 ”ドスッ、ドスッ、ドスン。”
 激しいみっつの音とともに、彼女が吹き飛びました。

 ”拳で”体当たり、疾く彼女の脇をすり抜けて
吹き飛ぶ彼女に肩で体当たり。降りかえると同時に双掌打。
前後から衝撃を叩きつけて体内を破壊し、とどめに吹き飛ばす
連続技。
 「崩撃雲身双虎掌…、できた…」

 私の身体が妙にゆっくりと倒れ、地面に血溜まりをつくりました。
>75 >77
ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
  
片腕を失った魔王に、ネレベルティの容赦ない攻撃が次々と繰り出される。
長衣が切り裂かれ、鎧から火花が散った。
追い込まれた魔王は大きく後方に跳躍し、二人から間合いをとった。
着地するや否や、魔王は叫んだ。
今は忘れ去られた太古の言葉であり、人の心を打ち砕く力と恐怖に満ちた言葉だった。
   
『影をより暗く 闇をより深く為さしめよ』
『我が衣は黒く その腕は長い』
『我が前にあらば 光すら光たりえず』
『常闇の底に 星は届かぬ』
『来たれ 我が敵よ 王よ 侯よ』
『我は 汝のもの』
  
巻き添えを避けて、また「黒の息」から逃れるために、遠巻きに闘いを見守っていた両軍の兵士たちから、悲鳴とすすり泣く声があがった。
魔王の発っする新たな一声ごとに、その声は慣れるどころかいっそう耐えがたいものになる。
大半の兵は地面に伏せて震えあがり、剛毅な者たちも力の抜けた手から武器を落として戦意を喪失していた。
彼らの心には逃げ隠れることと、死のことしかなかった。
ガッツとネレベルティの間で起こった爆発にも構わず、魔王は叫び続けた。
   
『上古の武具で 剛勇の技で』
『虚ろな胸切り開き 鼓動なき心臓を日に捧げよ』
  
魔王の長剣が激しく燃えあがった。
98ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 01:06
人狼VS魔学者  
>95    
  
「・・・その歌。どこから聞いた?」  
  
呪詛の念が篭った声が闇夜に響く。  
女の歌声がただただ、許せなかった。別に彼は、公園で寝てるであろう  
田中辺りの迷惑を考えてる訳ではない。  
   
「ラッキーだぞ、オマエ。  
寝る?覚める?そんな心配をオマエはこれからする必要も無くなるんだから 
な・・・」   
   
彼は木の枝を一本手折る。  
そして、そこに力をただただ注いだ。すると、枝は一瞬にして鞭へと変わる。 
電波を垂れ流す魔学者を懲らしめるため、彼・・・ウルフは鞭を激しく 
タバサにふるった!!
99タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 01:13
人狼vs魔学者
>98
 
「!?」
 青年の振るった鞭が、私の帽子のつばを斬り裂いた。

「…人の一張羅を…。たかが歌如きで、何故そこまで激昂出来るのですか、貴殿は!」
 言いながらバックステップしつつ左手を伸ばし、そこに竜の頭部を憑依させる。
 
「チャクラウェーブ!」
 私の言葉に呼応して、竜の頭部が波動弾を撃ち出した。
100フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 01:15
午前2:00 ××市燦月製薬研究所にて
 
今夜も楽な仕事だった。ヴェドゴニアに陽動と
キメラヴァンプの相手をさせる。その隙に俺は施設に侵入。
電子ロックの解除もサーバのクラックも手馴れたものだ。
俺の姿を見た所員がいれば片っ端から息の根を止めてやる。
これ以上罪を重ね行く犬どもに対するせめてもの情けだ。
さて・・・・そろそろ、ヴェドゴニアの奴も食事を終わらせたところか?
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
 
――――振り返ると、奴がいた。
それこそ刃のような硬質の手触りのする殺気を押し隠し、
昏い衣服の色を周りに溶け込ませて奴は佇んでいた。
それまで奴に気づかなかったのは、奴の殺気があまりにも上手く
押し隠されていた事、あまりにも自然で神経を素通りしてしまう事だ。
 
・・・・・・・・・・だから、怖い。
 
無線で仲間に連絡する事も忘れ、俺は疾った。ただひたすら逃げた。
窓ガラスをぶち破りシャッターを叩き壊した来た道を戻る。
これだけ引き離しても、まだ奴が背中に張り付いているような錯覚を覚えた。
 
屋外にやっとの思いでたどり着く。
 
前をみる。
既に、奴は―――――――そこに居た。
 
 
閑馬永空、フリッツ=ハールマン、戦闘開始。
>94 VSン・ダグバ・ゼバ
 
奴はガンブレイズを食らいながらも、僕の頭を鷲掴みにした。
こいつ・・・避けるって事を知らないのか!?
 
そして、僕の頭を無理矢理横に捻る。
視界に、一軒の建物が見え・・・突然、その建物が発火した。
 
(な・・・ッ!?)
 
―――悲鳴が、聞こえてくる。
まだ中に逃げ遅れた人が・・・? こいつは・・・それを知ってて・・・?
 
僕が、速やかにこいつを倒せなかったから・・・
僕の力が足りなかったから・・・
―――目の前で、ニンゲンが。
 
・・・やめろ。
やめろやめろやめろやめろやめろヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ!!!!
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
 
鷲掴みにしている腕を無理矢理引き剥がし、また蹴り飛ばす。
ガンブレイズ連射。
さらにそれを追いかけるようにナイトフェンサーで斬りかかる!
 
殺すころすコロス殺すころすコロス殺すころすコロス殺すころすコロス
壊すこわすコワス壊すこわすコワス壊すこわすコワス壊すこわすコワス!!!!!!!!
102幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/22 01:17
>96 vsアテナ
 
吹き飛ばされた彼女は、よろよろと立ち上がる。
先ほどの傷が開いたのだろう。服が鮮血で赤く染まっていく。
 
「まだやるんだ。
 いっそのこと、殺してあげようかと思ったのに♪」
 
荒い息をしながら、一歩一歩近づく彼女。
ぽた、ぽたと地に赤い点が続く。
瞳からは、もうほとんど光が失われている。
 
はぁ・・・・・。
やっぱり、はずれか。
 
彼女は、私の目の前に立つ。
ぜいぜい、はぁはぁと荒い息をしていた彼女は、すっと、息を整える。
次の瞬間。
 
「ッ?!」
 
よくわからないが、私の体は突然の衝撃で吹き飛んでいた。
 
「この・・・・ッ!!」
 
私は、慌てて体勢を整える。
まだ、こんな力がッ?!
私はきっ、と彼女をにらみつける。
 
だが。
 
そこにあったのは、血溜まりに沈む彼女の姿だった。
正真正銘、最後の一撃だったようだ。
・・・・・・・・・。
私は、彼女の傍に立つ。
彼女の瞳は、もう何も映していないように見えた。
 
『・・・・・・・・・。』
 
彼女はぼそぼそと口を動かすが、よく聞き取れない。
 
「・・・・・最後みたいだね。まぁ、せめて名前だけでも教えておいてあげるよ。
 私の名前は幽祢(カクリネ)。
 あなた達人間の進化の究極系、とでもいいましょうか。」
 
私は、彼女の首筋に牙をつきたてる。
彼女に残った生気を吸い取るために。もっとも、もうほとんど残っていないだろうが。
介錯替わり・・・・として。
103麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/22 01:27
>102 vs白い服の少女

 意識が溶けそうなのをこらえながら、地面に横たわったまま、
彼女に呼びかけました。
 「ねぇ、あなた…。そこに…いるの?」
もう、目が見えません。最後が来る前に、言っておかないと。

 「ごめんね…。おねえちゃん、あなたのおしりを…ぺんぺん…
たたいてあげたかったんだけど…。できなかったね…。ごめんね…」

 だれか、この子を叱ってあげてくださいね。
子供らしい幸せに包まれるように、助けてあげてくださいね。
そして、たくさんの人から愛される、素敵な大人に…。

 そこまで考えて、ちょっと自分を笑ってしまいました。
 (あ、そういえば私も、まだ半分子供なんだったね…。
お姉ちゃんと呼んでくれたのに、たよりなくてごめんね…。)

 身体が、どこかに消えてゆきます。そうだ。もうひとつ心残りが。
理香ちゃんに…。
 「わたしの…かばん…ぁ…」

 白い眠気が、私の全身に覆い被さりました。
104ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 01:27
人狼VS魔学者  
>99  
   
「…人の一張羅を…。たかが歌如きで、何故そこまで激昂出来るのですか、貴殿は!」

根暗そーな女は何も分かってない。  
一張羅とか言って、その服装たるや、どう見ても魔女としか見えない  
黒ずくめ。そこにセンスや高級感など見出せる余地はない。   
   
「たかがロックンロール、されどロックンロールって言ったりするぞ!!」 
  
夜の公園を白く染め上げる波動弾を跳躍してやり過ごす。   
  
ーーー後方で木をなぎ倒していく波動弾の音が響くと同時。  
   
彼は着地し、魔学者に肉薄。左手の拳を彼女の顔面めがけて打ち出した! 
>92 VSエシディシ
 エピローグ
 
数日後、『エイジャの赤石』に関して知っていそうな人物・・・
氷泉神社の神主、榛名幽斎と会い、事の顛末を話していた。
 
『なるほどのぅ、そ奴が探していた『エイジャの赤石』というのはこれのことかの?』

『ちょっとまっとれ』といいながら席を立ち、戻ってきたときには手に小さな宝石を持っていた。
 
『これは自然界にもめったに無い宝石じゃが、奇妙な力があるようなのでな、
 手に入れておいたのじゃ、ホッホッホッ』
 
俺は呆気にとられてしまう。
(知っておられる可能性はあった・・・しかし本当に持っておられたとは・・・)
 
『安心せい、そ奴らの探しているのはこんなちっぽけなものじゃなく
 スーパー・エイジャと呼ばれるものじゃ、ちなみにスーパー・エイジャは
 50年以上前じゃがチベットの修行僧が持っておるような話を聞いたことがあるがの、ホッホッホッ』
 
正直、驚きのあまり何も言えなかった。
 
 
流魔の言う通りのとんでもない爺さんだと思いながらも、
結局まともに花見はできなかったな、今度はこっちが誘ってやろう、
などと思いつつ俺は氷泉神社を後にした。
106閑馬永空:02/03/22 01:35
>100 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 時代錯誤な装束に身を包んだ男――閑馬永空は、死魚のごとき濁った双眸を眼前の男に向ける。
 男――フリッツ=ハールマンを見据える眼は、普段と何も変わりはしない。
 何時であろうと閑馬の眼に光が灯る事はないが。それが例え殺し合いの最中であろうとも。
 呟くように云った。
 
「主が誰だかは知らんし興味も無い。ただ、儂も『イノヴェルチ』とやらに雇われの身。食い扶持程度は働かんと、あの何とか云う自称策士に目くじらを立てられるでな……」
 
 腰間から滑りでた鋼が光る。峰に植えられた大量の毛も、月の光を吸い取ったかの如き瞬きを消せはしなかった。
 
「地獄の獄卒にはこう伝えて置け。主を斬った者の名は閑馬永空だと」
 
 だらりと愛刀・井上真改蟲殺を下げた閑馬は、寧ろ悠然たる足取りでフリッツの方へ近付き始めた。
>101
VS ナイトブレイザー(アシュレー・ウィンチェスター)
 
―――ハッキリした殺意を感じる。
今までの迷いが嘘のような猛攻。
一撃ごとに体が削り飛ばされていくような錯覚すら覚える。
・・・楽しい、タノシイ、たのしい!
これだ、封印される前にも味わったのこ感覚!!
僕はずっとこれを求めていた!!
 
「ハハハハハハ!!」
 
攻撃を受けながらも笑いが止まらない。
そうだ、殺せばいい。守るなんて馬鹿らしい。
君の『力』はその為にあるのだから!!
 
焦げて燃えカスになった左腕を持ち上げ、集中する。
再生はどうせ間に合わない。
ならせめて、武器として使ってやろうじゃないか―――。
 
腕から噴き上がるのは炎でなく白い―――雷を帯びたかのような光。
彼の連撃の合間を縫って、プラズマ化した腕を突き出す!!
108タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 01:40
人狼vs魔学者
>104

 青年が打ち出した拳を、私は両手を交差させて防ぎ…切れずに、ガードごと吹っ飛ばされた。

「くぅっ…!!」
 背中からゴミ箱に突っ込む。
 
「…女性の顔面をいきなり狙うとは。男の風上にも置けませんね…否、貴殿は人間ではありませんでした…ならば、いきなり顔面狙いも道理か…」
 彼の発している『気』は、人間のそれではない。
立会いの当初は半疑だったが、殴られ、吹っ飛ばされた今、それは確信に変わった。

「人でないならば、遠慮は要りませんね…よろしいかしら?」
 立ち上がり、改めて身構える。
炎の闘争 〜 神宮寺重吾with栗原実沙貴VSエシディシ(M)
 
レス番纏め
 
前スレ
>520>521>522>523>524>525
 
今スレ
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エピローグ
>105
 
ここまで付き合ってくれたエシディシに感謝!
それとこの闘争は俺達の初闘争だ、できれば感想を聞かせてほしい。
110フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 01:51
>106
 
「・・・・・・そっ!イノヴェルチにこんなのがいるとはな・・・・」
 
気がつけば、足がすくんでいる。震えている。
情けない。ただそれだけに奴の気配は常軌を逸していたのだ。
すらりと抜き放たれた刀の輝き、それは
月のそれ。銃器のマズルフラッシュのそれ。
『死』を司る物そのものが放つ光。彼もそれをよく知っている。
 
ゆっくりと奴が近づいてくる。
 
―――――― 一歩。
 
―――――――――― また一歩。
 
彼は、自分がいつのまにか、笑っている事に気がついた。
いつもの不敵な笑み。それこそが彼だ。
ハンターたる由縁。元々好きなのだ。死と生の間に身をおく事が。
殺しあう事が。
 
ニィィ、とその笑みを更に深くすると、いきなり彼は愛銃”M4 Witchhunter”の
引き金を引いた。5.56mmの『死』が奴を襲う。
しかしそれで奴が死ぬとは毛頭思っていない。
そのまま牽制をしながら、施設横の森へと身を沈めていった。
 
閑馬永空との戦い
>107 VSン・ダグバ・ゼバ
 
燃えろもえろモエロ燃えろもえろモエロ燃えろもえろモエロダ燃えろもえろモエロ
燃えろもえメろモエロ燃えろもえろモだエロ燃えろもえろモダエロ燃えろメもえろモエだロ
燃えダろもえメろモエロだ燃えダろメもだえダメろだダモメだエロダメだ燃ダメだえ
ダメだろダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだ!!!!!!!!
これ以上破壊を続けたら“僕”を失うッ!!
 
・・・最後の手段だ。
これで終わりにしなければ・・・ッ
 
奴が光を帯びた自分の腕を突き出してくる。
今だ。今・・・やるしか無いッ!!
 
<ファイナルバースト>・・・
生体エネルギーをオーバーバーストして放出するッ!!!!
 
「ウワアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」
112ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 02:02
人狼VS魔学者  
>108  
   
「女性の顔面をいきなり狙うとは。男の風上にも置けませんね・・・」  
  
確かに、そうかもしれない。いきなり顔面を狙って、相手が死んだら  
面白くないもんな。 
そんな基本的な事をちょっと忘れてた。覚えておこっと♪  
   
相手の気合が先ほどとは違うけど、ウルフは変わらずあの歌を知ってる奴 
を潰すだけだ。  
----------------------どう料理しよう。    
   
ふと、横を見ると不思議な形の鉄の棒が目に入った。  
・・・これだな。  
  
鉄棒の前に立ち、彼は両腕と足に力をこめる。    
そして・・・横の棒の部位を掴み、引き上げた。彼の両腕の筋肉が  
はちきれんばかりに盛り上がる。   
    
ずずずずず・・・   
    
重苦しい音を立て、十数年間そこに埋まりつつけてきた鉄棒が引き抜かれた。 
「ははは・・・バケツの水に写ったりする月まで・・・飛んでいけ!」  
   
彼は鉄棒をトンファーのように構えた。  
そして、再び魔学者に接近。気合と共に、打ち下ろそうとする!!
113閑馬永空:02/03/22 02:08
>110 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 見えぬ死神の鎌が薙ぎつけられ、閑馬の身体はその度ごとに揺れた。
 仰け反った身体は、しかしあっさりと持ち直す。無表情なのも変わらずだ。
 
 きゅるきゅる。きちきち。
 
 疵口で血に染まった大量の蟲が蠢く。不死の剣客は、これのお陰で数多の死線を乗り越えてきたのだ。
 即ち、致命傷すら癒すラマ教の秘術、『血仙蟲』。
 もっとも感じる痛みは常人と同じだ。只――慣れているだけなのである。
 心臓を抉られたり、脳髄を掻き出されるのには。
 
「近頃の種子島は随分と進歩したものだ。斯様な代物が百挺もあれば、戦国の世で天下を取るも容易かろうが……」
 
 ぺっと血混じりの唾を吐いてから、閑馬はゆっくりと歩を進め出した。
 森の中へ。
 
 さて。――何処に隠れた?
114タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 02:10
人狼VS魔学者  
>112
  
「ははは・・・バケツの水に写ったりする月まで・・・飛んでいけ!」  
 私は振り下ろされた鉄棒を、横に飛んで躱した。

「ふふ…貴殿こそ、青葉山を越えて萩の月でも目指したらどうです!?」
 私は青年に突進しつつ、右手に竜の頭部を憑依させる。
「…この一撃を、食らって!」
 竜の頭部で、青年の顔面に殴りかかった。
>111
VS ナイトブレイザー(アシュレー・ウィンチェスター)
 
彼の動きが一瞬止まった。
・・・勝った。
そう信じて疑わなかったその時。
彼の目は、リント(人間)の目に戻っていた。。
そして――――――光の奔流が、体を消し去っていく。
 
「ハ、ハハハハハハハハハハハ!!」
 
僕はただただ、ずっと笑い続けていた。
死の、その瞬間まで。
116フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 02:25
>113 閑馬永空
 
不死身の化物には職業柄慣れている。
頭を叩き潰してもまた生えてくるやつはザラだ。
ただ、今回の奴ほどインパクトのある奴はいなかった。
体の中に大量の蟲が寄生しているのか。いや、こいつは共生って奴か。
気分は高揚してきているのだが、頭は十分に冷えてきている。
こんな余計な事を考える余裕さえある。
 
「しっかし・・・・・・・・・・どうすりゃいい?」
 
奴は見たところ刀しか持たない。中距離から銃弾を
3マガジン分も食らわせればカタがつきそうではある。
だが、本当にそれでいいのか?
奴の不死身さは折り紙付のようだ。自分の力ではなく
蟲の生命力に再生を頼っているのではないか?
ならばちょっとやそっとで死ぬはずもないだろう。
そもそも、奴は『ここにいる者』だ。ここにいる奴で、
まともに死んでくれるような奴はいない。
 
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
銃撃をすれば閃光で居場所がばれる。奴の速度は
想像も出来ないが恐らく、並の吸血鬼以上と踏んでもおつりが来そうだ。
居場所がばれれば、即殺される。刀使いの仕事は皆速い。
だから、銃は使わない。木に巻きつけたテルミット手榴弾の鋼線を引く。
テルミットは、手榴弾としては小さいがそれでも十分な爆発を起こし、
周りの木々を炎に包んだ。闇にまぎれて闘うのが狩人とは、限らない。
 
 
閑馬永空との戦い
117ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 02:26
人狼VS魔学者  
>114  
   
錆で赤茶けた鉄棒の軌道は身を翻した彼女の横に描かれた。  
   
遠心力が働き、ウルフの力がいくら強くても体重などの関係で体勢の  
建て直しができず、たたらを踏む。  
   
!!!ば き ぃ っ   ・・・・ぐぁあああああん。  
  
その隙を魔学者が逃すはずもなく・・・・   
彼女の竜と化した右手の一撃で、ウルフは4人乗りのブランコへと体を  
打ち付けらた。 
意 識が、朦   朧とし、中    々立 ち 上 がる事が、できない。
レス番まとめだ。
今回も、楽しいゲゲルだったね。
 
ン・ダグバ・ゼバ VS アシュレー・ウィンチェスター(ナイトブレイザー)
>28>30>33>36>38>39>40>42>43>44>45
>87>90>94>101>107>111>115
>115
アシュレー・ウィンチェスターVSン・ダグバ・ゼバ
エピローグ
 
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
エネルギーを一時的に使い果たし、僕は元の姿に戻っていった。
体が、重い。
 
奴は、ファイナルバーストの本流に飲み込まれ、消し飛んだ。
―――楽しそうに笑いながら。
 
・・・一体、彼は何者だったんだ?
全く無気味な奴だった。
・・・一歩間違えば、僕もあいつのようになってしまうのかもしれない。
だんだんと、「ヤツ」は僕を取り込んでいく・・・力を使うたびに。
 
だが、それでも使わなくちゃいけない。みんなを守るために。
―――日常に、帰るために。
 
 
懐から通信機を取り出す。
―――帰ろう。マリナのもとへ。
 
「・・・アシュレー・ウィンチェスター、これより帰投する」
 
 
END.
120タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 02:45
人狼VS魔学者  
>117
   
「…その程度ですか」
 なかなか立ちあがろうとしない青年のそばに歩み寄り、声をかける。

「その程度で、私の行く手を阻もうとしたと?」
 人外の存在ゆえ、多少は研究価値もあるかと一瞬考えたが、この程度では何の役にも立たない。

「…邪魔者は、排除させてもらいます」
 右腕の竜の口が開き、青年の頭部を軽くくわえこんだ。

 あとは、私が一言を発すれば、彼の頭部は波動弾で吹き飛ぶ。
121閑馬永空:02/03/22 02:48
>116 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 突然の爆音。足元が火に巻かれるのと同時に木々が炎上し始める。 
 
 火薬を仕掛けおったか。小賢しい真似を! 
 
 舌打ちしつつ、身体を舐める火の舌を何とか払おうとする。
 その最中でも、閑馬の五感は周囲の気配を探っていた。
 これは仕掛けて来る絶好の好機。相手は必ず近くに潜み居る筈。
 閑馬は眼を閉じた。暗中に燃え盛る火の明りから眼を守る為もあったが、それよりも心機を集中させる為に。
 秒瞬――。
 物も云わず、懐中から小柄を抜いた閑馬の左手がそれを投じる。
 直後、閑馬の左頬は飛来した銃弾によって消し飛ばされた。
 剥き出しになり、幾分欠けた歯茎を噛み締め呻き声を殺した閑馬は素早く身を翻す。
 小柄の一発が相手の手元を狂わさなければ、弾丸は確実に閑馬の脳天を貫いていた事だろう。
 それで死ねたかどうかは別にして。 
 林の中を走りながら胸中に思う。
 
 あの手応え――外したか。
122ン・ダグバ・ゼバ ◆0GOUMuBE :02/03/22 02:53
>118の訂正だ・・・すまないね。
 
ン・ダグバ・ゼバ VS アシュレー・ウィンチェスター(ナイトブレイザー)
>28>30>33>36>38>39>40>42>43>44>45
>87>90>94>101>107>111>115>119
123ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 03:02
人狼VS魔学者  
>120  
   
霧に包まれたような意識・・・視界。  
頭部から血が出てるのか、粘着性の液体が滴っている。  
   
・・・・・・・違う。  
   
そっか。ウルフを追い詰めた積もりになってるんだな。  
一思いに仕留めずに、遊ぶか。それは・・・タノシーヤツダ♪   
   
「遊びは終わり。オマエの命も終わりだ」   
  
ウルフの体が闇の中でなお、黒く照り輝き・・・  
同時に、竜の顎が押し開けられる。   
  
--------------人狼。夜の住人。殺戮と血を好み、破壊を尽くすものがそこ 
に現れた。  
    
彼・・・だったもの、人狼は。   
肉食獣の如き全身のバネをふんだんに伸縮させ、魔学者に飛び掛る。  
狙うは白い喉下、ただ一点。  
鮫のような鋭利な牙が並ぶ口が、魔学者の喉下めがけて喰らいつかんとする。 
嫌いな相手の、そして久しぶりの生肉の味を期待して。
124フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 03:10
>121 閑馬永空
 
望みどおり奴の動きは止まった。
はなからダメージは期待などしていない。
ただ足止めが出来ればいい。
しかし―――――――――流石だ。
 
思わず見惚れてしまう。このような状況下においても
奴は冷たい不動の意思を保ったままだ。
奴の意識が辺りをねめまわす様に探りを入れてるのがわかる。
 
っと。
 
気がついたときには腕に鋭い痛みと、骨の削れる音がした後だった。
肉を裂かれ、右腕の骨が悲鳴を上げている。
 
 「ッそ!やってくれるじゃねえか!!」
  
化物め。
出鱈目に追加武装を施した彼の得物は重い。
このままずっと撃てるかどうか。
 
これで、少々形勢がきつくなった、か。
低くぼやきながら、低く身を伏せ移動する。
既に所在がばれているのだからもう隠す必要もない。
銃弾の雨を浴びせる。でも、奴は死なない。死なない。
何発のアモが当たろうと奴は表情一つ変えていないだろう。
 
うぉぉぉぉぉ!半ば恐慌状態に駆られたように引き金を引き続ける。
 
奴が迫る。あと何mだ?そんな悠長な事を考えている暇はない。
が、”冷静な方”の自分はしっかり無駄なことに思考をめぐらせていた。
 
そう、本当は余裕綽々だ。来いよ。あと数歩。
 
テルミット手榴弾の用意をしながら、冷静さに欠ける銃撃をしつつ
あくまで冷え切った頭で思考した。矛盾しているのは、今に始まった事じゃない。
 
―――――――笑みが深まる。
 
閑馬永空との戦い
125タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 03:18
人狼VS魔学者  
>120  
   
「――やっと本性をあらわしましたか、人外の者」
 私は飛び掛って来る獣に向かって呟いた。
 
「…私の研究の礎になりなさい、人狼!」
 瞬間的に屈み、剣を召喚する。
 
「レヴェリーソード!」
 召喚した剣を高速で回転させつつ頭上に掲げ、私は舞い上がった。
 
――――――――鮮血。
 
――――――――激痛。

「うぁぁぁぁぁぁっ!!」
 私は空中でバランスを崩して、地面に叩きつけられた。
 
 
激痛の原因を確かめようと、左腕に目を向ける。
――――――――左腕の、肘から先が、なくなっていた。
 
 
私が人狼に与えたダメージは確認していないが、人狼は私に確実にダメージを与えた。
126ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 03:33
人狼VS魔学者  
>125  
   
期待通りの味がしない。  
喉を通る、脳へと向かう動脈血。あの麗しい味が。  
   
足りない。足りない。足りない。足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない。  
    
腹部の剣が丁度通る形に穿たれた傷跡から漏れる血液が彼を乾かせている。 
  
「抵抗するのか。黙ってアブラカダブラとかお経でも唱えておけ・・・」 
   
大地に叩きつけられた彼女に向けて、ウルフは両腕を高く掲げる。  
赤黒く照り輝いた球体が、彼の両手の間に収束し・・・  
闇にそれは放たれた。  
  
腹部に走る激痛のため、威力は平時より、弱いかもしれない。  
それでも彼は拡散した魂の矢を放った。   
拡散の分、威力は少々弱まるが、範囲は広まるからだ。  
127閑馬永空:02/03/22 03:43
>124 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 周囲の木の幹に穴が穿たれる。葉が吹き飛ぶ。
 肩口をかすめた銃弾の熱さを感じ、閑馬の唇は幽かに侮蔑の笑いを刻んだ。
 この出鱈目な撃ち様。相手は恐慌状態にあると見ていいだろう。
 
 戦場では臆した兵から死んで行く。何時の時代も変わらんな。
 
 相手の射線から身をずらす。闇に同化したかの様に、衣擦れ一つ立てない動き。
 突如、その身体がふわりと浮き上がった。空中で抜いた脇差を側の大木に突き立てるや、それを支柱に一回転する。
 その勢いを借りて更に跳躍した閑馬は、一呼吸するかしない内に太い幹の上へ身を置いていた。
 間髪入れず、魔空を翔ぶ妖鳥の如く木々の間を渡る。
 直ぐに相手は気付くだろう。それは承知の上。 
 
 だが、気付いた時には主の首は落ちておろうさ。 
 
 フリッツのすぐ脇の木の梢から、全身これ一刀と化した閑馬が迫る。
128タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 03:52
人狼VS魔学者  
>126  
   
「…その台詞…そっくりそのまま、返しますよ、狗…!!」
 立ち上がり、残った右手を懐に差し入れ、オーブを取り出す。
 
「氷華スルフニルよ…我が求めに応じ、我に仇なす者を貫く…氷の槍を放て…!!」
 人狼の放ったエネルギーの塊を打ち消そうとはせず、相打ち覚悟でオーブの力を解放した。
 
 
 拡散されたエネルギーの塊の幾つかが、私の身体を責め苛む。
 
「くっ…こふっ…」
 腹の奥から逆流してきた血を吐き出し、倒れた。 

(タオ…に、私の知を伝えられなかったのが…心残りではあります、ね…)
 
 左腕の出血がかなりのものだったのか、それともエネルギーの塊の衝撃によるものか。
私の意識は急激に遠のいていった。
129フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 04:08
>127 閑馬永空
 
かかった!と彼は思った。
奴はまっすぐに彼のほうに――――――
 
甘かった。一瞬の逡巡を巡らす間すら与えず奴は消えた。
文字通り消えた。マズルフラッシュに慣れてしまった目では
闇に紛れた奴の動きを追う事は出来ない・・・・・・・
 
   「ッそったれ!!」
 
テルミットは既にピンを引いてしまってある。
発火するのはもうすぐだが、やむをえない。破棄する。
 
奴の移動する音だけを頼りに狙いを定める。
 
なんて化物を相手にしちまったんだ。などと考えるよりも早く。
自然と彼の腕は引き金を引いていた。
 
 
交差する光と光。
 
                          鋼と銅の擦れ合う音。
 
・・・・・・・・・・銃弾すらも切り落とす死の刃は、
                しかし彼の首を落とす事はなかった。
 
彼の身体は勝手に反応していた。死を目の前にした人間の底力。
銃弾を放ちながら、身を反らせて奴の腹に蹴りを叩き込む。
その脚をつっかい棒にしたままカービン銃で頭を守る。
そして切り落とされたのは、彼の左腕だった。
 
        う お ぉ ぁ ぁ ぁ お ぉ ぉ ぁ ぁ ぁ ぁ ! !
 
絶叫が木霊する。しかしそれもすぐに止まった。
彼の目の前を、奴・・・・・・閑馬の身を、点火され、ようやく発火した
テルミットの炎が嘗め回したのだ。
気をとられている隙に、彼は落とした腕も拾わずに逃げ出した。
 
閑馬との戦い
130ウルフ ◆wolf8zuU :02/03/22 04:28
人狼VS魔学者  
>128  
  
「オマエは・・・・・・所詮、その程度か」  
  
魂の矢はワイルドハーフ最強の奥義。しかし、彼の真骨頂はそこにはない。 
「土」へのマーキング。  
彼の四方は全て分厚い土壁に囲まれ、彼自身を防護している。  
彼女のオーブによる氷の槍は、それを打ち抜いて余りある速度があった。  
だが、「匂い」で相手の行動パターンを大よそ察知できる彼に死角は少ない。  
頭髪を燃え盛る火炎へと変え、すぐさま威力の弱った氷檄を蒸発させてしまった。   
  
ふぅ。  
空しさに襲われて、彼は足を倒れている魔学者の下へと運ぶ。  
−−−−ウルフを「狗」呼ばわりした女。  
でも、よく考えなくても、別にここまでする必要はなかった。  
   
闘争は好きだけど、彼の理性は人を食らうのを拒んでいる。  
だから、彼は残りの生命力を使い、彼女の腕の接合を試み、その場を  
去ることにした。治療は、上手くいったかどうかはわからないけど。  
それでもあの魔学者はもう、あの封じられた歌を口にしないだろう。       
    
―帰路。   
雲により、月のない夜。彼はずっと思い悩んでいた。   
ただ一点、彼女についてどうしても理解できないことがウルフにはあったからだ。   
それは・・・。 
   
『♪お年頃の女の子だもの ギュッと されてみたい
       ♪はぐれそうな七夕の夜は Catch! 捕まえて』  
   
   
なんていう歌を、なんであんな女が知ってて・・・歌ってたんだろう?  
とか、そんな感じのどうでもいい事だった。  
電波ソング以上に彼にとって、女の思考は分かり難いものなのだろう。
131閑馬永空:02/03/22 04:44
>129 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 逆巻く紅い焔が、灼熱とともに不死の剣客に纏わりつく。
 
「チッ……」
 
 苦鳴が漏れる。いくら再生するとは云え、それを上回る速度で身体が燃えて行くのは堪らない。
 狂った様に地面を転げ回り、大方の火を消した時、フリッツの姿は消えていた。
 あるのは置き土産の様に鎮座する左手だけである。
 
「クソッ、何処へ……」
 
 流石に荒い息を吐き、閑馬は周囲を見回す。
 しかしこれは何と云う姿か。
 左頬は誇張抜きで削げ落ち、朱色に塗り直された墨染めの衣は大方が焼けて襤褸切れ同然だ。
 おまけに爛れた身体中でのたくる蟲、蟲、蟲。
 何人も眼を背けざるを得ない、凄惨と云うも愚かな全身像であった。
 気配を探る。少なくとも近くにはいない。
 閑馬は潰れた声を絞り出した。
  
「……逃げたか。戯けめ、地の利も無い敵地でしてのけられる事と思うか」
 
 閑馬は疾り出した。
 
 彼奴は逃走用の足を確保しようとする筈。そうはさせん。
132フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 04:59
>131 閑馬永空
 
早く逃げなければ。奴が追ってくる。
衣服で縛り付け、止血はしてはいるものの
腕の切り口はだらだらと地を垂れ流す。
走り続ける限り、絶対にその勢いは止まらない。
今はただ、逃げなければ。死にたくなければ。
 
俺は奴を殺してアジトへ帰る。
 こんなところで死んでたまるか。
  ここで野垂れ死んじゃヴェドゴニアにすら笑われるな。
   糞ッ、寒くなってきやがった。
    惣太、モーラ・・・・・
 
何とか車に辿り着く。悪りィ、二人とも。
おまえらを奴と会わせる訳にはいかねえからな。
惣太はもうヴェドゴニア化出来ないだろう。モーラでは、
奴と張り合えるかどうかわからない。
 
なら―――――――俺が行く。
当然だな。
 
ギュカカカカカカ、エンジンに灯が燈る。
米国製高機動多目的装輪車、ハマーHMMWVが咆哮する。
強烈なビームライトで辺りを真昼のように照らしながら、
奴をゆっくりと見据えた。
 
奴がくる。残念だったな。遅いぜ?
片手では運転をしながらの射撃は無理だ。
なら、そのまま轢き殺してやるさ。
来いよ、化物。
 
 
閑馬永空との戦い
133タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 05:27
人狼VS魔学者  
>130
 
 鈍い痛みを感じ、目を開けた。
「…左腕が…戻っている…?」
 痛みはある。動きも若干ぎこちない。しかし、左腕は一応元通りになっていた。
 あれだけの殺気を放ちながらも、彼は私に止めを刺さなかった上に、治療まで施した。
「案外、優しいのですね…あの人狼は」
 心まで狗ではなかったらしい。その事実は、私にとっては意外だった。
 
「…そう言えば、互いに名乗っていませんでした、ね」
 自分らしくもない。ふと思った。戦いの際は、常に名乗りをあげているのに。
 
「まあ、良いですね…さて、帰ってタオに勉強をさせるとしましょうか」
 私は公園を後にした。
 
 
 歩きながら、あの歌を口ずさもうとしたが、やめた。
どこからともなく彼がまた襲ってくる。そんな気がした。
 
「まあ…気持ちは分からなくもないですが…」 
 実際、あの歌を24時間休みなく聞かせる実験のレポートによると、被験者の精神汚染はかなり深刻なものだった。
 最悪廃人、良くてもあの歌無しでは生きられない身体になっていた。

 きっと彼も被験者だったのだろう。
  
 ――――――私と同じように。

「歌は麻薬ですね…使い方次第で毒にも薬にもなる…」

 ――――私は、世界の真理に、また一歩近付いたのかもしれない。
134タバサ ◆TTABASAI :02/03/22 05:29
ウルフvsタバサ
 
レス番纏めです。
>95>98>99>104>108>112>114>117>120>125>126>128>130>133
 
ウルフ殿、お疲れ様でした。
135閑馬永空:02/03/22 05:38
>132 フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
 重機が吼えたかと思うと、強烈な光が眼を射た。僅かに細める。
 
 自動車、とか云うのだったな。中々に便利な馬車だ。 
 
 奔馬の如く、唸りを上げて鉄の獣が襲い来る。
 横に跳べば何とかかわせただろう。だが閑馬はその選択肢を選ばなかった。
 かわした所で反転した敵に轢き殺される。よしんばそうでなくとも、相手には逃げられるだけだ。
 故に閑馬は―― 
 
 真正面に跳んだ。
 
 呻き声を噛み殺しきれなかった。ボンネットにぶち当たった衝撃で塞がりかけた全身の疵が開いたのだ。
 刀を口に横咥えにし、空いた両手で車体を掴む。
 タイヤが悲鳴を上げた。加速するハマーは、閑馬を振り落とさんと車体を揺らせて錐揉み走行を試みている。
 少しずつ少しずつ、だが不死の剣士はボンネットを這いずり上がりつつあった。
 左手と両足で身体を支える。口から抜いた井上真改蟲殺を逆手に握り、一気にフロントガラスへ叩き付けた。
 光を巻いて、夜目にも鮮やかなガラスの飛沫が上がる中、閑馬は薄く笑みを溢した。
 片腕の無い狩人――フリッツを見据えて只一言。
  
「死ね」
136フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 06:00
>135 閑馬永空
 
このまま、殺れる。
そう確信していた。
 
このままハマーのパワーに踏み潰される確率90%
残るは左に身をかわす確率5%
右に身をかわす確率5%
どちらにせよ、俺の策中にいる。負けはない。
 
しかし、奴はなんとハマーに向かってまっすぐ跳んだ!
 
まさか、いや、予想だにしなかったわけじゃないが。
先ほどからいつもそうだ。彼の予想の一つ上を行く超人的な動き。
だからこそ、怖い。恐ろしい。別に動きだけではない。
全身に漲っているその静かな殺気が、無限を生きるものの独特の気が、
自分を捉えて離さないからだ。
 
血を振り撒きながら奴はフロントガラスに張り付く。
鮮血に彩られたガラスに刀を突き立てて奴が俺を見る。
 
その、目。
                               見るな。
見ないでくれ。
           見るな来るな来るな見るなぁ!!
 
これほどまでに凍りついたのは生まれて初めてだった。
死よりも恐ろしいモノがここにいる。目の前にいる。
だが、俺は生きたかった。生きなければならない。仲間のためにも。
俺は既に死んでいる。だが、ここで倒れるわけには・・・・・・・・
 
椅子を起こし車体下のハッチを開ける。ボードに乗って滑り降りる。
ハマーは独りでに施設の奥へと突っ込んでいった。奴を乗せて。
がりがりと音を立てながらボードは地面を擦れ、止まった。
 
   『じゃあな、良い勝負だったぜ。』
 
俺は、躊躇なくハマーの内部のC4爆薬を爆破させた。奴もろとも。
 
閑馬永空との戦い
137フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/22 06:14
閑馬永空 対 フリッツ=ハールマン エピローグ
 
炎を立てて燃え上がったハマーの残骸。
 
「ったく、手間掛けさせやがってよ。」
 
生まれて初めて、死神を見た気がする。
冷静に刀を振るうのみ。
おのれの痛みも意に介さない化物の中の化物。
 
今思い出すだけで、左手が疼く。もっとも、既についてないのだが。
切られた腕は、もう戻らない。だが、いまでは自分にはそれが
誇らしく思えるような気すらしてならない。
最高の相手に狩られ、自分も狩ったその一時。
狩人として、敬意は称したい。せめて、安らかに眠ってろ、化物め。
ウジウジとまだ動きを止めない蟲の塊を、最後のテルミットの爆風と炎で吹き飛ばす。
 
さーて、ヴェドゴニアのほうはどうなったか。
 
また、今夜も狩りのときが始まる。そのときまで、
しばらくはこのままでいたい気がする。疲れた。寒い。
 
ゆっくりと、彼は崩れ落ちた。
仲間の影が見える。モーラと惣太。
なら、何も心配は要らないよな。寝るぜ、俺は。
 
 
関馬永空との戦い 終
138閑馬永空:02/03/22 06:32
フリッツ殿との闘争、そのレス番纏めだ。 
 
フリッツ=ハールマンVS閑馬永空 
 
>100 >106 >110 >113 >116 >121 >124 >127 >129 >131 >132 >135 >136 >137
 
フリッツ殿には大いなる感謝を。
  
出典 :HELLSING(ヘルシング) 少年画報社
名前 :俺の名前はピップ・ベルナドット、あとの傭兵連中は・・・・まぁ、色々だ。 
年齢 :20代後半くらいかね。 
性別 :男 
職業 :傭兵 
趣味 :ん〜、特にねぇな。
恋人の有無 :いねぇな。
好きな異性のタイプ :肉感的な女だな。 
好きな食べ物 :肉。そして酒。これがあればあとはまぁ、程々でいいや。 
最近気になること :ミレニアムのイカレた奴等が動き出した事。
一番苦手なもの :ぎゃあぎゃあ喚く子供。 
得意な技 :技っつーか、部隊を使った集団戦だな。 
一番の決めゼリフ :給料分にはまだちょっと足りないかな。 
将来の夢 :将来の事よりもワイルドギースが解雇されない事を祈ってる。切実だ。 
ここの住人として一言 :ルールを守って、見てる方もやってる方も楽しく戦争しようぜ。 
ここの仲間たちに一言 :アーカードの旦那、セラス嬢ちゃん、ま、仲良くやろうや。 
ここの名無しに一言 :集団戦を中心に戦っていくから、よろしくな。
140幽祢 ◆LIA8jfYw :02/03/22 09:11
私とアテナお姉ちゃんの闘争まとめだよ♪
 
プロローグ:
>18>21
 
本戦
>23>25>29>32>35>41>58>66>67>68>69>72>73>74>82>83
>84>86>89>96>102>103
Broken Doll vs Stupid Zombie ...vs Eccentric Butler『血塗れの遁走曲?』
>91

爆発。
灼熱と暴風の世界。
その中で私はもみくちゃにされ――――――――


み   ん   な   ア   フ   ロ   だ   。

煤けたボディと弾けた頭髪。
私は口から煙を吐いて銀髪の変態に掴みかかった。

「アンタ一体何考えてんのよ!!!」

がっくんがっくん揺さぶって、何故か一人だけ無傷の銀髪を問い詰める。
既に髪型も煤も綺麗に元に戻っている。

何故か。

隣にも銀髪が立ってるような気がしないでもないが気にしない。
しないったらしない。

遠くから聞き覚えのあるドップラーアタック。
・・・・・・って、今度はユーリかぁぁぁぁぁぁっ!!!?

ヤヴァい・・・

「てい!」

ごす。

神速のスピードで近付き、ユーリの鳩尾に肘をめり込ませた。
―――――さよならユーリ。アンタの事は忘れないわ・・・。

こっちではいつの間にか走り出してる女の子。
・・・一体いつ生き返ったんだ、アンタは!

「逃げるなぁぁぁぁぁっ!!!」

チェイス、再開!

・・・・・・ところで、何で私はあの女の子を追いかけてるんだったっけ?
142両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/22 12:08
>3 両儀式vs涼元楽志 
 
一つの疑問が、確信に変わる。
こいつは"黒"だ。少なくとも、殺人事件に関わりがある人間だ。 
いや、もしかしたら―――――――― 
 
「……ああ、おまえのことなんて知らない」 
 
クラスメイトのことも、学校のことも、どうだって良い。 
問題なのは……こいつの"匂い"。 
 
――――こいつ、ヒトを殺しているな。 
 
私は、いつも短刀を持ち歩いているわけじゃない。 
それこそ、学校に刃物なんて持ってきたことも無い。 
さすがに、空拳で勝てる相手でも無さそうだ……。  
 
「――――ここじゃヒトが多い。体育館に来い」 
 
私はそう言い放つと、学生鞄の中から筆箱をとりだし、ジャケットのポケットに突っ込んだ。 
そして、男に背を向け、体育館に向かって歩き出す。 
 
(……ったく、面倒臭い……) 
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
>77>97

突風、いや、爆音がネレベルティの全身を貫いた。
その姿が巻き上がった粉塵に隠される。

煙の中に紛れて激痛と戦いながら、ネレベルティは魔王と傭兵の隙を狙う。
静かに、少しずつ――――

歌が聞こえた。

冥府の底より響く、心の内側を食い荒らすような、禍々しい歌。

(・・・・・・恐怖、だと!? この俺が!?)

認められなかった。主以外の何かに恐怖するなどと言う事は。

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」

雄叫びを上げ、上空から魔王目掛けて飛び掛るネレベルティ。
腕一本が千切れて三つにその数を減らした鎌を振り回しながら。
144涼元楽志(M):02/03/22 13:07
両儀式vs涼元楽志
>142

「薄情だねぇ〜・・・っと、体育館か。OK、いこうか」

彼女の提案に乗って体育館へと移動する事にした。幸い今日はクラブ活動がない。
人を巻き込む心配はなさそうだ。
別に僕は無差別に人を巻き込むことが好きだって訳じゃないからね。

「何かとっても不機嫌そうだね〜。もしかして迷惑だったかな?」

体育館へと続く渡り廊下を歩きながら、僕は彼女に色々話し掛けてみる事にした。
・・・全敗。ま、仕方ないか。


「――――着いたね。じゃ、本題に入ろうか」

体育館の中央で立ち止まり、僕は彼女に向き直る。

「昨日の深夜、一人の男性がバラバラにされた。これはニュースにもなっているから知っているだろう。
犯人は不明。ただし―――――」

そこで一旦一息いれる。そして指を彼女に真っ直ぐ突きつけ、

「僕はその場にいた。そして君があの場所から立ち去るのを見た。
―――――君は一体あそこで何をしていた?」

雲の切れ間から差し込んだ赤い光が、彼女の表情を照らし出した。

「――――――人を殺すのは楽しいか?」
145両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/22 14:15
>144  両儀式vs涼元楽志 
 
そうか、そうなのか―――― 一つの事実に気付く。 
こいつ……こいつは、ただのお節介なのか。 
興が削がれた。こいつはこっち側の奴じゃない。帰るかな……。 
 
だが、次の問は……私の心を揺るがした。 
 
愉しい? ヒトを殺すことが、愉しいだと? 
そんな馬鹿な。少なくとも私は違う。私は……私は――――!!  

ただっ広い体育倉庫。そこには二人の男女。 
女は……手に木刀をぶら下げていた。 
 
「あぁ、本当はおまえのことなんてどうでも良いんだ」 
 
木刀を正眼に構える。刀の切っ先の先には、男の瞳。 
 
「おまえが、あんな質問をしなければ、おまえもオレも、なんの問題も無しに学校生活を送れた」 
――――本当に面倒くさい。だけど、オレはおまえを"殺す"。 
 
瞬間、木刀を振り上げる。いや、振り上げたなど視認させない。 
振り上げると同時に振り下ろす。まさに神速の領域。 
冷たい床を踏み込んだ音が、体育を軽い轟音で包む。  
 
結果、全てが同時に思えるその瞬間。 
私は正面から男へ向かって、木刀を振り落としていた。
146ガッツ(M):02/03/22 14:25
>97>143 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティVSアングマールの魔王
 
 炸裂弾は、奴の鎌一本を持っていく事に成功したようだ。
 まず上々の結果と言えるだろう。
 これで手数が減ればこちらからの反撃の機会も……と考えたその時。
 
 歌が、聞こえてきた。
 
 不吉な響きを伴った言葉が、じわりと心の内側へ侵入してきてとある感情をかき立てる。
 そう、あの時以来捨て去ったはずの恐怖を。
 初めて不死のゾッドと相対した時、あの蝕の時に感じたモノを。
 ……今のガッツに認められるはずがなかった。
 
 手を先ほど切り裂かれた傷口へと持っていき、掻きむしる。
 新たな鮮血がにじみ出し、鋭い痛みを脳髄へ伝えてきた。
 その痛みが、恐怖をうち消す憎悪を与えてくれるとばかりに掻きむしり続けた。
 
 恐怖を塗りつぶすほどの痛みと憎悪を……!
 その点において、ガッツはゴッドハンド――グリフィスに感謝していた。
 グリフィスという目標がある間において、ガッツの闘志も憎悪の炎も決して尽きる事がないからだ。
 
 まだ僅かに怯んでいる意識を無理矢理押し殺して動き出す。
 よく分かった、一番マズイのはあの魔王だ。
 カマキリ野郎の方はあくまでも常識―今まで相対してきた化物の常識の範囲で通用する。
 だが、あの魔王は別だ。
 何を仕掛けてくるか分かったモノではない。
 
 どうやらあのカマキリ野郎も魔王の方へと向かっていったようだ。
 改めてドラゴン殺しを構えると、魔王の隙を求めてカマキリ野郎とは別の方向から接触しようと走り出した。
147涼元楽志(M):02/03/22 14:37
両儀式vs涼元楽志
>145

血が飛び散った。
だが、彼女の目の前に僕は既にいない。

「はははっ! やっぱりそうか。呑まれてるって訳か」

バスケットのゴールのリングの上に爪先立ちで佇み、僕は彼女に声を掛ける。
顔には四つ目の狐面が張り付いている。

「力に振り回され、欲望に愉悦する。本当に救いがないね!」

一足飛びに相手の目の前まで飛び降りると、彼女の周りに落ちている僕の血を媒介にして
『狐火』を発動させる。

轟!

一瞬にして炎のカーテンの中に閉じ込められる彼女。

「我が名は百狐―――――――可哀想だから、僕がキミを殺してあげるよ」
148両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/22 15:03
>147 両儀式vs涼元楽志 
 
違う、やはりこいつは"こっち側"のヒトじゃない。 
こいつは違う。私とは違う。   
 
灼熱の炎に包まれ、私は佇む。 
 
――こいつに、なにが分かるというんだ? 私のなにが? ヒトを殺すことがなんだと?  
駄目だ、あいつとは愉しめない。境界線を知らない。
 
「面倒くさい……だけど、もうおまえもオレも退くことはできない」 
 
赤いジャケットのポケットに手を突っ込むと筆箱を取り出し、床に叩き付ける。 
 
「おまえは良い奴かも知れない。いや、実際に良い奴なんだろうな。 
 だけど、一つ、一つだけ間違えを侵した」   
 
床に叩き付けられた衝撃で、筆箱が砕け散る。 
その瞬間、私を身を屈め、筆箱の中にあったあるものを掴み取る。 
 
「――――オレを"殺す"だと? ふざけるなよ化け物」 
 
次の瞬間、私を包む炎は消えていた。いや、"殺した"。 
炎が燃え盛っていた床には、カッターナイフが突き立っている。 
 
突き立ったカッターをすぐに拾うと、バスケットゴールへ向けて投擲。 
バスケットゴールを"殺した"。音もなく、崩れ落ちる残骸を見守りながら、私は言う。
 
「おまえ、本気でオレを殺せると思っているのか?」 
>143 >146
ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
  
魔王は見えざる口で叫び続けた。人間にとってもっとも強烈な感情であり、肉体すら拘束する「恐怖」を呼び醒ます声を。

『来たれ 我が敵よ 人の子よ 生き身の男よ』

その「恐怖」を克服した黒い剣士と、カマキリの怪物が別々の方向から魔王にむかって襲いかかる。
「黒の息」に痺れ、恐怖にすくんだ体とは思えぬ速さだ。

『汝は 我がものなればなり』
  
魔王の手に握られた長剣からいっそう激しく焔が噴き出した。冥界の暗き火、ウドゥンの焔。
魔王は長剣の切っ先をガッツに向け、焔の奔流を叩きつけた。
そして、素早く振り向くとネレベルティの胴を薙ぎ払おうとする。
「生き身の者に我の邪魔立てはできぬわ!」
150涼元楽志(M):02/03/22 15:37
両儀式vs涼元楽志
>148

狐火が掻き消えた。
続いてバスケットゴールが崩壊する。

「それが君の力か―――――先天的なものか後天的なものかは知らないが、たいしたものだね」

その様子を横目で見ながら、僕は無造作に足を進める。

「殺せるか? か・・・さあ、どうだろうね――――――――」

彼女の右側から、

「出来るか、じゃない。やるんだ――――――――」

彼女の左側から、

「面倒なのはこっちも同じだよ―――――――」

後ろから、

「だけど、自分の縄張りが荒れているってののは少々不快なんでね―――――――」

そして前から―――――――

「一瞬で済む。楽にしてやろう」

四人の『僕』が彼女に向かって抜き手を繰り出した。
151両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/22 16:04
>150 両儀式vs涼元楽志 
 
遅い……。 
それが感想。いや、疾い。常人に比べたら遙かに疾い。 
いつもの私なら、一つの攻撃は捌けても、このスピードで同時に迫り来る 
四つの攻撃なんて捌けやしない。  
 
だけど、今は―――― 
 
同時に迫り来る四つの狐。その四体を木刀で同時に斬り払った。 
いや、同時では無い。順番に斬り裂いた。  
だが、その神速は時を止めたかのように同時に見えた。 
 
「オレにこんな獲物を持たせたのが間違いだったんだ」 
 
銀色の瞳で、相手を見据える。 
真剣だったら、こうはいかないだろう。既に相手は魂ごと消失している。 
いや、その前に真剣ならば――――死んだとは気付かせない。 
 
四体のうちの、三体の狐の身体がユラリと消える。 
私の眼前には、オリジナルの狐。 
 
「まったく、白けるぜ……殺し合いをすることに目的があるやつが、 
 純粋に殺し合いをするためだけに殺し合う奴を殺せると思っているのか?」 
 
次瞬。正面から再度、木刀を振り下ろした。
152キース・ロイヤル(M):02/03/22 16:24
魔術士オーフェン・無謀編 「誰もお前は呼んでねえ!」番外編、
執事キース・残虐編 「・・・・・・臓物・・・・・・・あ、いえ、お気になさらずに」

>141

キース式論理思考展開。
少女が走り出した。
女性がそれを追いかけて駆け出した。
女性は銃を所持している。
女性は追いかけてきた警官風の男を昏倒させた。
いけないんだ、抵抗なんかして。
今ならまだ罪は軽いぞ。
今すぐその少女を追うのを止めたまえ。
キース式論理思考終了。
 
―――――などといったやりとりが彼の頭の中で行われたという事は決して無いのだが、
とりあえず二人が通りの奥へと走り抜けるのを見ながら、
銀髪執事は顎に手を当て、一拍置いたのちに「ふむ」と呟いた。
 
今更言うことではないが、彼は執事である。
彼が仕えるのはとある都市のとある屋敷。そこには3人の姉妹が居た。
彼女等は幼少の頃より、お互いに良く喧嘩をしていた。
例えば思い人を巡り、階段に油を塗ったり、ドアノブを前もって熱しておいたりと、
まあ、どこの家庭にも見られる可愛い喧嘩だった。
そのような喧嘩が起こる毎に、彼は度々その仲裁役を行っていた。
 
今でも度々、彼の無二の親友であるチンピラ風魔術士ヤクザと、
そのヤクザにどーでもいい仕事を押し付けようとする無能警官との不毛な争いを、
まあなんだか、そんな感じにそれなりにほどよく仲裁を行っていたりした。
 
そして彼は思うようになる。―――ああ、私に課せられた使命とは人と人との仲を取り持つ事―――
―――ならば、今、目の前でチェイスを始めた二人の仲も、なんとか取り持ってやらねば―――
 
 
 
無論、実際の所、彼はそんな事かけらも思ったりしていないのだが。
 
――――――――――――――――――――
 
通りでは、未だにチェイスを続ける二人が居た。
お互い、つかず離れず、ひたすら走り続けている―――すると。
 
『きょるくうぃええっ!!』
 
突如妙な雄叫びがどこからともなく響き渡った。
怪訝に思った二人が走りながらも頭上を見上げると―――
 
『きゅいいいあぁっ!!』
 
「ふむ、お二人とも何かお困りでしたら、手助け致しますぞ?」
 
巨大な猛禽を思わせる翼を持った妙な獣の足に掴まりながら、銀髪執事が爽やかに笑っていた。
 
「ああ、私の事でしたらお気になさらずに。あれしきの爆風では傷一つ負ってはいませんので」
 
『きゅああっっ!!』
 
ばっさばっさばっさ。
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
>146>149


「邪魔などせん。貴様が永遠に何も出来ないようにするだけだ」

フードの魔王が振り回す長剣。
黒焔の熾き火が燻るその長剣を、鎌の一つでしっかりと受け止め
残りの二つの鎌を魔王に向かって叩きつける。

「戯言はあの世でほざくが良い!」
154涼元楽志(M):02/03/22 17:12
両儀式vs涼元楽志
>150

「―――――――――――――――――まったく、純粋な奴」

それが僕の彼女への感想。
『殺し合い』に幻想を抱けるなんてね。

僕の目の前で彼女の殺気が一気にはじけた。
握られた木刀の先が霞んで消える。
とっさに前面で交差させた僕の腕に衝撃が走り――――

折れた。

――――――――――痛い、ね。
まぁ、すぐに再生するだろうけど。
ちょっとお遊びが過ぎたかな?

僕は彼女の周囲を高速で跳び回りながら、身体から流れ出る血を彼女に向かって撒き散らす。
床に、木刀に、制服に、そして彼女自身に向かって。
155ガッツ(M):02/03/22 17:16
>149>153 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティVSアングマールの魔王
 
 カマキリ野郎と魔王の動きを見極めながら、どう叩き潰そうかと走りながら考える。
 だが、その考えを断ち切ろうとするかのように暗い炎がガッツ目掛けて押し寄せてきた。
 咄嗟にマントを翻して炎を防ぎ、そのまま脱ぎ捨てる。
 炎の塊となったマントが体から離れて地面に落ちる――前にガッツはそこにいなかった。
 
 カマキリ野郎の大鎌が魔王の体を鋭く抉り、体勢が大きく崩れたのを見逃すワケにはいかない。
 すぐさま疾走して魔王へと肉薄。
 
「ガ ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ! !」
 
 斜め下から斜め上へとドラゴン殺しを逆袈裟懸けに振るう。
 叩き潰す鉄塊が魔王の肉体へと沈み込んでいった。
156両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/22 17:41
>154 両儀式vs涼元楽志 
 
周囲を走り回る男を目で追うが、構えは微塵も動かさない。 
いま、斬り込むのは危険。早過ぎる。 
相手が攻撃に転ずる一瞬。その隙に相手を断つ。 
 
基本の基本だが、相手は無手。こちらは木刀。 
間合いが違う。こちらのほうが圧倒的に有利だ。 
 
顔に掛かった血を、気にもせずに相手を見据える。――――血?
確か、あいつの血は………そうか、そういうことか。
 
血が、男の血が、狐の血が、紅い血が、私に降りかかる。 
この全ては爆弾であり、私に死をもたらす凶器。 
 
いま、血液を爆砕させれば、私はバラバラに吹き飛ぶだろう。 
死。それが目の前に迫ってきている。 
 
「クククククッ……」 
 
笑いが、不意に笑いが零れてしまった。 
いま、私は死と隣り合わせに闘っている。 
ギリギリの境界線で、死闘を繰り広げている。 
 
死点を突き刺すような刃物は無い。 
これは本当にギリギリだ。死んでしまうかもしれない。 
 
「――――良いぜ、最高だ……」 
 
私は猛る心を抑え、静かにその時を待った。 
>153 >155
ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
   
巨大な鉄塊が魔王の不死の肉を切り裂き、その体を彼の意思どおりに編み合わせていた呪文を打ち破った。
「がああああ!」
甲高い叫び声があがり、魔王の全身から闇が噴き出した。
王冠が音をたてて地面に転がり、裳抜けのからになった長衣と鎧があとに続く。
  
冥王サウロンの第一の下僕、「指輪の幽鬼(ナズグル)」「光なきもの(ウーライリ)」の長であるアングマールの魔王は、この世界から消滅した。

中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
>155>157

闇そのものであった魔王が、戦場から消え去った。
しかし、魔王が残した被害は甚大で、両軍ともに戦を続けられる状態ではなくなっている。

「だが―――――――――――――まだだ!!

ネレベルティが吼える。満身創痍の肉体で、体液を垂れ流しにしながら。

「貴様を倒せば、この戦場での勝利は我が姫君のものよ!」

大地を蹴って空高く飛び上がり――――――――

傭兵に向かって三本の鎌を振り下ろした。
159ガッツ(M):02/03/22 20:33
>157>158 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティVSアングマールの魔王
 
 一人の敵が、鎌と鉄塊の一撃を喰らって消滅した。
 だが、今一人のカマキリ野郎は未だ健在だ。
 辺りの状況は惨憺たるモノだが、どのみちガッツには関係のない話だ。
 
 と、カマキリ野郎が宙を舞ってこちらへと向かってきた。
 それを迎撃する為にドラゴン殺しを構えようとして――腕が痺れて構えられなかった。
 よく見ると、またも刀身の一部が腐蝕している。
 どうやら、最後の一撃でも奴の能力は発動したようだ。
 
(クソッ、間に合わねぇ!)
 
 逃げようにも、あの巨体であのリーチだ、到底無理だろう。
 巨体自体はかわせるかもしれないが、どうしたって鎌の一撃からは逃れられない。
 
 かわせないなら……攻撃こそ最大の防御。
 
 左手の義手を、襲い来るカマキリ野郎へと向ける。
 正確に狙いを付け、手首がガクンと下に落ちる。
 口でトリガーとなる紐をくわえて引っ張る。
 
 鉛弾が撃ち出される絶叫と、巨体が着地して地を揺らす轟音はほぼ同時だった。
160ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/22 23:57
闘争。そして逃走 〜RUN INTO〜
 
平日の夜の公園。動く影は二つ。愛を交わすには最適のシチュエーションかもしれない。
しかし、私はロマンチックなどという言葉からは縁遠い生活をしてきていた。
これからもそうなのだろう。
 
.454カスール弾が轟音と共にキメラヴァンプの心臓に叩き付けられる。
もはや人と呼べぬ姿の「ソレ」は、わずかの間痙攣していたが、すぐに動きを止めた。
だが油断はしない。シリンダーを振り出し、撃った分の弾丸を補充しつつも目は離さない。
 
・・・1分もたったろうか?
崩壊していくキメラヴァンプを確認して、ほんの少しだけ安堵のため息をついた。
こいつが単体で行動していたのは確認してある。増援の心配は無い。
 
私はもう一つの影に近づく。
紺色の制服に身を包んだ、いや包んで「いた」、まだあどけない少女だ。
首筋の傷を確かめる。どうやら間に合ったらしい。
ヤツの崩壊と反比例するかの様に傷はゆっくりと治癒を始めている。
この少女は吸血鬼化から逃れることが出来たようだ。
 
あのキメラヴァンプの敗因は私を甘く見ていた事だった。
吸血殲鬼―――ヴェドゴニアであるこの私を。
 
まだ夜は寒いかもしれない。
この少女の処遇をどうするべきか考えていると、突然複数の人影が現れた。 
・・・人と人が出会うには、最悪の状況と言えるだろう。
やはり、私は一生ロマンチックという言葉には縁が無いようだ。
161横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/23 00:00
 真っ暗な街並みにポツポツと街灯が点る。
 夜の帳が降りきった公園にも微かな明かりが生まれて、じわりじわりと闇を削っていった。
 土の香りと夜の清涼な空気が混じって、鼻腔と喉をくすぐる。 
 それがなんとか、疲弊しきった体に最後の怒鳴り声を上げる余力を与えてくれた。 
 
「いい加減に止まれぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 
 ありったけの声で俺は、走り続けるシロ――人狼の子供で、俺に懐いている――を怒鳴りつける。 
 つーか、このままじゃ尻が割れる! ガタガタ揺れる自転車にしがみつくのも、もう限界だっ! 
 
「え〜。まだいいではござらぬか、先生!」 
「よかないわっ! だいたい、ここは何処だっ!」 
「先生の縄張りでござろう、当然知っているものと・・・」 
「犬と一緒にするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 
 
 
 ――――その時、風がびゅう、と鳴った。 
 
>160 闘争。そして逃走 〜RUN INTO〜
 横島&シロ vs ラルヴァ

 普通なら意にも介さない程度の異変、霊感の隅っこに引っ掛かった違和感で済んだ事。 
 風に乗ってきた霊波の乱れなんて、そんなモノのはずだった。だけど・・・ 
 
「先生!」 
「ああ、行ってみるか」 
 
 幸か不幸か、俺たちはゴーストスイーパー。そう言う事に足を突っ込むのが仕事だ。 
 
 シロが嗅ぎ付けた霊気の流れを追って、公園をしばらく進むと、二つの人影にぶつかった。 
 倒れ込む女子高生らしき女の子と、その傍らにしゃがみ込む女の子。 
 街灯の儚い明かりに照らされる二人の姿は、微かに揺らいで見えて現実感に乏しかった。 
 
 ――――なんだろう、やっぱり違和感を感じる。 
  
「先生、あの女・・・!」 
 
 シロが気配に気付いたらしく、警戒に身を強ばらせた。
 その視線の先にいるのは・・・黒ずくめの衣装で身を包んでいる、露出の高いねーちゃん。 
 俺もシロに合わせて霊視を開始! 見れば、ねーちゃんの霊気の流れが人間とは異なっていた。 
 これは・・・ピートと同じ、吸血鬼の感覚か? それとも微妙に違うような・・・  
 
 いや、そんな事はどうでもいい! 
 問題はその吸血鬼っぽいねーちゃんがどえらく可愛いと言う事だ! 
 
「貴様ッ! その娘に何をしたっ!」 
 
 血気盛んに食い付くシロを後目に、俺はねーちゃんの胸元から目線を離せないでいた。 
>160>161
 横島&シロ vs ラルヴァ
  
この匂い、明らかに人ではないでござる。
知り合いのハーフ・ヴァンパイアのピート殿に似た匂いでござるが…違う!!
 
そして、何より生物が死んでいく時に発する独特の霊波の匂い『死臭』の匂い。
間違い無く、今ここで何かが死んだ証拠でござる。
    
「貴様ッ! その娘に何をしたっ!」
  
魔物は必ずしも人間の敵ではござらん、だが人間の世界で人間を害するモノは許せんでござる。
犬神族は人間との友好を選んだ種族でござる、その義務を果たす時でござるよ。
 
まだ倒れている女の子は生きているでござる。
ならば、やることは一つ。
  
「その子から、離れるでござるっ!!」
  
右手に霊波を集中し『霊波刀』をつくると、身をかがめ力を貯める。
狙いは、あくまで倒れている人間の保護でござる。
人質さえ居なくなれば、横島先生が『文殊』で一気に決めてくれる筈でござる。
 
「先生、この子は任せるでござる」
  
半ば全裸に近い女の子と黒尽くめの魔物の間に飛びこむでござるよ。
163ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/23 00:55
>161>162 闘争。そして逃走 〜RUN AWAY〜  VS 横島&シロ
 
「貴様ッ! その娘に何をしたっ!」
「その子から、離れるでござるっ!!」
 
大体予想通りの声を掛けられる。
私は何もしていないのだが、説明するのも警察に通報されるのも面倒だ。
逃げの一手でいこう。
 
女の方は腕から不思議な光を放っていたが、
好奇心を押さえ込み、私は身を翻した。
 
 
―――考えが甘かった。
バンダナの若い男と、不思議な色をした長髪の少女は的確に私を追いかけてくる。
 
私の身体能力ならすぐに振り切れる筈なのに、全く振り切れない。
隠れてやり過ごそうと思っても、すぐに見つかってしまう。
 
彼らはハンターなのか?
いや、彼らに特有の殺気は無い。
女性の方からは怒りを感じるが、それは当然だろう。
男の方は…なんとなく血走った目をしていた。
 
考え事をしながら逃亡していたせいか、街の方へ来てしまった。
騒ぎを起こしたくは無い。
人混みに紛れて姿を隠すとしよう。
ホルスターを見えないように隠して、私はまだ賑やかな繁華街の方へ足を向けた。
164横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/23 01:23
>163 闘争。そして逃走 横島&シロ vs ラルヴァ 
 
「先生、この子は任せるでござる」
 
 その言葉を聞いた時! 俺の体は硬直した。 
 
 吸血鬼っぽいねーちゃんが走り出し、シロが全裸の女の子を担ぐ。 
 ま、まずい! 
 俺はどっちへ向かったらいいんだ!? 
 
 倒れてた女の子は事もあろうに全裸、しかもそこそこ可愛い。 
 このシチュエーションを使えば、仲良くなるのもすっげぇ簡単! 
 追跡なんて面倒な事はシロに押し付けて、俺はその娘と・・・ぐふふふふ・・・ 
 
 逃げた吸血鬼風の女の子は、服こそ着ていたけど露出がでかい! 
 誘っているようにしか見えない、胸元がばっくりと開いた服だ。  
 しかもかなりの美少女・・・倒れていた娘とは二つ、三つケタが違う!
 
 ど、どっちにすればいい? 
 俺は一体、どの娘を選べば良いんだぁーーーーーーーーーっ! 
 
 こっちの娘なら簡単に・・・いやいや、あれほど可愛い娘はなかなか・・・ 
 でも人間じゃ無いようだし・・・だからどうして、俺は化け物に好かれる体質だ・・・
 でも裸・・・あっちの娘だって裸のようなもん・・・ああ、あの胸に飛び込みたい・・・ 
 
 ボン! 
 
 思考が巡り巡って、耳や口や鼻から煙が出た。 
 お、俺には選べん! どっちの娘とも、仲良くなりたいっ! 
 
「先生! あの魔物は何処へ!?」 
「は?」 
 
 気付くと、シロは女の子を交番に連れて行ってしまい、なおかつ帰ってきてしまった。 
 吸血鬼風味の女の子の姿も・・・見えない。 
 あ、あれ? ひょっとして、俺、墓穴掘りましたか? 
 しもたぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ! 
 
「こっちでござる、先生!」 
「あ、ああ・・・」 
 
 何たる幸運! シロがあの娘の霊気を拾ったらしい。それを辿ってあの娘を――――吸血鬼を追う。 
 一兎も得ず、で終わってたまるかっ! 目を血走らせ、未だ騒然とする繁華街へ足を踏み入れた。 
 
 拙い・・・こうも人が多くちゃ、霊気を追うのも一苦労だ。 
 キョロキョロと首を巡らせ、俺はあの娘の姿を追う。 
 絶対に逃がさん! その気合いだけを滾らせながら。 
>164 逃走。そして追跡 横島&シロ vs ラルヴァ 
  
四つん這いになって、地面に残った霊波の匂いを嗅ぐ。
いかに繁華街といえど、人間の中から魔物の匂いを捜すのは簡単でござる。
  
「移動してもムダでござる、狼の狩りからは逃げられん…!!」
  
捕らえたニオイを追う為に、立ち並ぶビルの屋根に駆け登り周りを見渡す。
  
「そこか!!」
  
拙者が魔物を確認した瞬間。
 
「どこだ、どこに行った!! もったいぶらず早く教えろぉぉぉぉ!!!」
  
いきなり、背後に先生が居たでござる。
どうやって登ったでござる? 気配すらなかったでござるよ?
先生はやっぱり凄いでござる♪
  
「あっちでござる、面倒だから一緒に行くでござるよ」
  
先生に肩車をして、屋根の上を一気に駆け出したでござる。
  
「楽しいでござるな〜、明日からはこれでサンポに行くでござるよ♪」
  
目指すは魔物、そこまで障害物など無視で一直線でござる。
166ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/23 02:15
>164>165 闘争。そして逃走 〜RUN UP〜  VS 横島&シロ
 
周囲が騒がしい?
見回すと、私に下卑た視線を送っていた酔っ払いの集団が上を向いていた。
つられて上を見上げると、人が飛んで…いや跳んでいた。
あの二人組だ。
 
少女が男の方を背負い、一直線にこちらへ迫ってくる。
普通逆だと思うが、身体能力の差なのだろうか?
 
とっさに隠れられそうな場所を探す。
目に付いたのはコンビニエンスストアだ。
あそこなら入店を咎められる事は無い。
 
酔客を押しのけ、店に入る。
ついでに何か、洋服か匂い消しでも買っておこう。
彼らが私を追跡している方法はわからないが、何かの役に立つかもしれない。
 
急いで買い物を済ませ―――日本円はわずかになってしまったが、
私は再び移動を始めた。
同じ場所でいるのは得策ではないだろう。
167横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/23 02:36
>166 闘争。そして逃走   横島&シロ vs ラルヴァ 
 
 ん、がぁぁぁぁぁぁ・・・・・・。 
 
 シロの出鱈目な上下運動に引っ張られ、俺の脳味噌が簡単にブラックアウトする。 
 こ、これで毎日散歩だと!? そんな事されたら、死ぬ! 文字通り死ぬッ! 
 やーめーれー・・・ 
 
 途切れかける意識は地面に叩き付けられそうになった時、ようやくこちら側に戻ってきた。 
 
「う、うわぁっ!」 
 
 シロの肩の上でだらしなく伸びていた俺の目の前に、アスファルトがいっぱいに迫る。 
 慌ててシロの手から逃れると、俺はようやく人間らしく一息をついた。 
 ・・・って、こんな事をしている場合じゃない! 
 
 目を爛々と輝かせ、再びあの霊波を追う――――今度は割と、簡単に見つかった。 
 手近なところにあるコンビニへ、一直線に進んでいたから。 
 どうやら、あの娘は霊波を消す事が出来ないらしい。 
 ふっふっふっふっ・・・ならば、追い詰められるのも当然! 
 
 俺はシロが振り返るよりも早く、俺はコンビニへ走り出した。。 
 自動ドアが開くのももどかしく店内に躍り込むと――――居たッ! あの娘だっ! 
 手に何やら持っているが、こんな時に買い物か? いや、そんなことはどうでもいい! 
 
「お嬢さん、可愛いお嬢さん――――――ッ!」 
 
 言いつつ、渾身の力を込めて地を蹴った! 
 
「好きやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 
 
 両手を広げ、体を落とし、人目も気にせずに飛び掛かる。 
 何か途中で色々違う気もしたが、この場は全部却下だ! 
 吸血鬼らしき娘の顔が、あっと言う間に間近に迫った――――ッ!
>167 闘争。そして逃走   横島&シロ vs ラルヴァ
  
追いついたでござる。
狼の狩りから逃れられると思ったら大間違いでござるよ。
さあ、これからが本番でござる。
  
「好きやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 
  
…待つでござる、なんでそうなるのでござるか?
相手は魔物でござる、拙者も居るでござる。
こっちは覚悟完了してるでござるよ……納得行かないでござる!!
  
「横島先生、操れているでござるな!!!」
   
取り合えず、霊波刀の腹で頭を叩く…つーか霊波刀に腹が在るかどうかは
知らないでござる。
きっと問題ないでござる、正気に戻す方が重要でござる。
…別に焼もちではないでござるよ。
  
魔物?取り合えず知らないでござる。
 
「目を覚ますでござる!!!」
  
不意打ちにも係わらず避けまくる、先生は凄いでござる♪
…が、拙者の方が動きは上でござる、覚悟してもらうでござるよ。
>152
壊れ魔女 VS 脳腐れゾンビ …そして不思議執事 『血塗れの遁走曲』
 
 
……そして、不出来な魔女とゾンビィの不毛な追いかけっこが再開された。
 
「逃げるなぁぁぁぁぁっ!!!」
ミアが叫びつつ、ヴァージニア・13を追跡する。
 
「キャハハハハッ! たいへん! たいへん! 追いかけてきたァ!」
そう言いつつも、逃げるV13の声には悲壮感はない。
 
V13はミアの次の行動を読みつつ、
時には人の波に紛れ込むことでその身を隠し、
時には大胆に車道に踊り出て、車の流れを混乱の極みに叩き込むことで追跡を振り切り、
時には角を曲がったところでコッソリと物陰に潜み、追跡者が通り過ぎたところで
「キャハハハ! バァカ、バァカ!!」
と、挑発のセリフを追跡者の背中に投げかけた。
 
短い付き合いではあるが、V13はミアのとりうる行動をかなりのレベルまで予測できるようになっている。
もはや、身体能力に違いがあるとは言え、単純な追いかけっこでミアがV13を捕らえることは困難だろう。

―――そう、いまや、V13にとって注意すべきはあの執事のような男。
恐らくは魔術に通じ、この街を何かの実験場、あるいは『遊び場』として活用しているのだろう。
 
そんな存在の縄張りを荒らしてしまったのだ。恐らくは、ただでは、済むまい。
 
あの爆発のドサクサに紛れて逃げ出しては見たものの、どこまで行けばあの執事のような男を
振り切ることが出来るのか、まるで見当がつかない。
 
兎にも角にも、時々後ろを振り返り、最大限の注意を払う。
後ろを向くたびにミアの怒声が聞こえてくるが、まあ、気を引き締めるのには役に立つ。
姿の見えない追跡者が隠れている不安に比べれば、ずいぶんと気が楽なものだ。
 
―――そして、ある意味待ち望んでいたとも言える第二の追跡者が出現した。
 
そのときV13は頬に強い風圧を感じたかと思うと、
『きゅいいいあぁっ!!』
と、怪鳥の鳴くような声を耳にした。
 
いや、少し前言を訂正しよう、V13がその声のした方向――頭上だ――に目を向けると
実際に怪鳥が滞空しており、執事のような男はその足に掴まって、そしてこう言った
「ふむ、お二人とも何かお困りでしたら、手助け致しますぞ?」
 
ずいぶんと非常識なその登場に、V13は一瞬思考が停止する。
「キャァァァアアァァ!! 手助け?! いらない、いらなぁい!!」
などと、おかげでずいぶんと間の抜けたセリフを返してしまう。
 
頭上に怪鳥を従えたまま半狂乱になって走り続け、心身ともに処理能力を越えそうになっている
V13は頭のどこかで、ぷつん、と回線が切れそうになるのを感じていた。
170ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/23 03:40
>167 闘争。そして逃走 〜RUN AT…〜  VS 横島&シロ
 
読み誤ったのは彼らとの距離だろうか、彼らの速さだろうか?
とにかく私は追いつめられた。
コンビニの出口は一つ。監視カメラの前では銃も抜けない。
 
ガラスを割って逃げ出すべきか?
迷っていると―――
 
「お嬢さん、可愛いお嬢さん――――――ッ!」
 
最強のキメラヴァンプですら、今の彼の勢いを止める事は出来ないだろう。
どうやってかわすか―――
 
「好きやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 
その瞬間・・・私の思考と動きは硬直した。
耳に入った言葉が意味を成すまで数秒かかったような気がする。
 
私は呆然と迫り来る彼を見ていた。
171ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/23 03:41
>168 闘争。そして逃走 〜RUN AT…〜  VS 横島&シロ
 
反応が遅れた。間に合わない…と思ったのだが。
 
「横島先生、操れているでござるな!!!」
 
少女が私の代わりにその男を迎撃してくれるようだ。
腕に集中した、光の刃の様な物で攻撃していた。
 
「目を覚ますでござる!!!」
 
ああ、そうか。
私が吸血鬼であると思った彼女は、魅了の魔眼を使ったと思ったらしい。
そんな物使えないのだが、説明する必要もない。
 
一応お礼はしておこう。
 
「貴女…これをあげるわ。よく味わってね」
 
確か「おでん」とか言う食べ物だったろうか?
マスタード付けにしたそれを、少女が息を吸う瞬間を狙って無理矢理口に突っ込む。
 
…彼女が道先案内をしていたのは間違いない。
これで追跡出来なくなればいいのだけれど
172青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/23 11:58
僕は、倒れて呻き声をあげる悪魔の一匹に近付くと、
爪先でその顎を持ち上げ、僕の方に顔を向けさせた。

「助けて……助けてくれ………」

必死の形相で懇願する悪魔の顔って言うのは面白い物なんだって、今初めて知ったよ。

僕はその顔に笑いを堪えながら、手に持ったサブマシンガンの銃口を
遠くに倒れて呻き声をあげる悪魔の仲間に向けると、何の感慨も無く引き金を絞った。
銃口から放たれた銀製の弾は、少しの躊躇も無く悪魔の体に食い込んで、
一片の慈悲も無く、その命を奪い去った。

「ああなりたくなければ、そうだね、豚の真似をしてくれないか」

「?」

悪魔は怪訝そうに眉をひそめて、僕の顔色を伺っている。
頭の悪い奴だなぁ、コイツ。

「豚は豚さ、ほら、ぶーぶー鳴いてるやつだよ。四つん這いになって、
 ぶーぶー言いながら豚の真似をして見せてくれって言ってるんだよ」

そこまではっきり言葉にして伝えて、悪魔はやっと理解したようだった。
傷ついた体を無理に起こして、よろめきながら豚の真似をして這いずり回る。

どれくらいそうしていただろうか、やがてその悪魔は僕の前までやってくると、
許しを請うような怯えた視線を僕の方に向けてきた。

あぁ、そういえば。忘れてたよ。

「あは、よく出来ました♪」

その言葉に、悪魔の汚い顔がぱっと明るくなる。

「じゃあ、豚は死んでね」

次の瞬間、間抜けな表情を作った悪魔の鼻先に笑顔と銃を突きつけて、
そのまま頭を吹き飛ばす。
頭部からは、脳漿なんだか血なんだかなんだかよくわからないものが飛び散って、
ウォードレスに付着した。まぁ、今更気にもとめはしないけど。

しかし、面白くなかったな。悪魔の団体さん…全然愉しむ事はできなかった。
これじゃ全くの欲求不満だ。

そんなことを考えてぼーっと立ち尽くしていると。

向こうから、修道女の格好をした少女と、大きな荷物を背負った少年、
そして、聖歌隊の衣装を着た、いかにもどん臭そうな女の子の三人組が、
こちらに向けて走ってくるのが見えた。

あぁ、この際彼女たちでもいいや。僕はまだ、殺し足りない。

「やぁ、はじめまして。ここに転がってる彼らはね、とてもツマラナかったんだ。
 君達は、僕を愉しませてくれるかな? 」

僕はそう言って、彼女達に向けてサブマシンガンの引き金を引いた。
>172
『青い脅威』 vs青の魔王
 
・・・・・・・なッ?
 
私達は、目の前の光景に絶句した。
なにやら、良くわからない格好をした『誰か』が、悪魔の群れをたった一人で殺し尽くしたのだから。
 
・・・・修道会の人間?
違う。
こんな兵装はマグダラにはない。
 
彼(?)がこちらを見やる。
マスクのようなもので顔を隠しているので、表情までは読み取れない。
 
『やぁ、はじめまして。ここに転がってる彼らはね、とてもツマラナかったんだ。
 君達は、僕を愉しませてくれるかな?』
 
マスクの下から聞こえるくぐもった声。
 
刹那―――――
 
「二人とも!よけるんだッ!!」
「えッ!?」
「きゃ?」
 
クロノが叫ぶ!
慌てて私たちはその場を飛びのく!
 
刹那―――――
 
『ぱららららら!』
 
やたら軽快な音とともに、私達がさっきまでいた空間を銃撃が通り抜ける!
ッ!!
いきなり!!
 
「あんた、何者よ!!」
 
私は、ホルスターから銃を抜き、彼へと銃口を向ける!!
174青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/23 12:25
『飼い犬』
>173
修道服の女の子は、健気にも銃を構えながら、僕に向かって誰何の声をあげた。

僕が誰かだって? あまり関係のない気もするけど。
どうせ、君達は死んじゃうんだしさ。
でも、聞かれたからには答えないといけないよね。それが礼儀というものだろう。

「僕の名前は、速水厚志。可愛いお嬢さん、貴方のお名前は?」

サブマシンガンの照準を、可愛い修道女にあわせながら、
僕は彼女の名前を聞いた。

せっかく名乗ったんだ、こっちも名前くらい聞いても良いだろう。
>174
『青い脅威』 vs青の魔王

『僕の名前は、速水厚志。可愛いお嬢さん、貴方のお名前は?』
 
彼は、その言葉の端にいやになるぐらいのさわやかさを乗せて言う。
もっとも、彼のもつ銃が私に向けられている以上、その語気を鵜呑みにはできないが。
 
「・・・・・聞いてどうするの?
 可愛いっていってもらえたのは、嬉しかったけど!」
 
そう言うと同時に、私は銃のトリガーを引く!
 
狙いは・・・・彼のもつ武器!
とにかく、まずは相手を無力化してとっ捕まえる!
彼がいったい何者なのか・・・・どうしてこんなことをしているのか・・・・・すべてはそれから!
176横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/23 12:49
>171 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
 ここで一つ弁明しておく。 
 いきなり「好きや」もないだろう、などと思う人がいるかも知れない。 
 だが、それは大きな間違いである!!  
 なぜなら――俺の愛は時空さえも越えるから。
 出会った瞬間でも、愛の邂逅に匹敵する運命を感じ取れる! 
 そこっ・・・不気味な妄想してんな、とか言うなっ!

 と、とにかく、今は前の黒くて露出の大きいお嬢さんの相手だ。 
 
 よしっ。その娘は俺を目前にしても立ち尽くすばかりで、微動だにしない! 
 これはっ・・・貰ったあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 
 
「おじょーさんっ!」 
 
 俺の手がその豊満な胸に触れようとした時――――――
  
「目を覚ますでござる!!!」
  
 シロの一声と共に、霊波刀――強力な霊的エネルギーの塊――が俺の頭目掛けて振り下ろされてきた。 
 って、おい! ンなもんもろに喰らったら、タダじゃ済まねーぞっ! 
 というか・・・シロの霊的出力なら、俺の霊体ごと真っ二つか!? 
 
「だあぁっ! こらバカやめろ、落ち着け、止めてぇーーーーー!!」 
 
 空中で急制止、さらに体を翻して着地! 重力? 慣性? んなもん知るかっ! 
 着地した俺は振り下ろされる霊波刀を仰け反り、飛び退け、”栄光の手”で受け流す。 
 どの攻撃も俺より数段早く、鋭い。受け流すので精一杯で・・・シロのヤツ、本気なのか!?  
 ――――なんだよ! 何なんだよ、この展開はっ! 
 
「俺が一体、何をしたぁ!」 
 
 ごん! 
 
 避けきれずに体勢が崩れ、足が滑った。俺の倒れ込んだ先にあったのは・・・レジ。 
 硬質なレジは額を割って、どくどくと頭から血を吹き出させた。 
 
「な、なんでや・・・なんで、いつもこんな展開ばっかり――」 
 
 ね、ねーちゃんが目の前にいるってのに、もう少しで、もう少しで触れたのに・・・  
 
「こ、こんな所で果ててたまるかぁっ!」 
 
 気力を振り絞り、立ち上がる。なにやらシロが騒いでいるが、今はどうでもいい! 
 ね、ねーちゃんを、あのねーちゃんを俺はっ――――落とす!! 
 ぼんやりと視界はぶれていたが、それでも俺は立ち上がった。 
177青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/23 13:16
『飼い犬』
>175
人が名前を聞いているって言うのに、彼女は答えもせずに引き金を絞ろうとした。
一体どういう教育を受けてきたんだろう? 親の顔が見てみたい。

彼女の動きや銃口の向きから、狙いはサブマシンガンだと判断して、
最低限の動きで腕を逸らす。
発射された銃弾は狙いをはずし、明後日の方向へと飛んでいった。

「どうせこれから死んじゃうんだ、名前くらいは聞いておいてあげようと思ったのに」

残念だよ、と首を振って。
彼女に向けたままのサブマシンガンの引き金にかけた指に力を込めた。
>177
『青い脅威』 vs青の魔王

『ぱんっ!』
 
クラッカーのような音とともに、私の腕にくる確かな衝撃。
 
もらったッ!!
 
次の瞬間には、弾丸は彼の腕から武器を弾き飛ばすだろう。
だが・・・・・!
 
「なッ!!」
 
彼は、ひょいと体と腕を逸らしただけで、銃弾をかわす!
そんな・・・・・!!
紙一重、とはこういうのをいうのだろう。
 
「DAM!」
 
私は続けざまにトリガーを引こうとする、だが。
 
『どうせこれから死んじゃうんだ、名前くらいは聞いておいてあげようと思ったのに』
 
彼が、軽く首を振って銃のトリガーに指をかける!
・・・・まずい!
このままじゃ・・・・・!!
 
「危ない!!」
 
ずるっ?!
 
次の瞬間、私の視点がぐるんと回転する!

『ずしゃっ』
 
私が転ぶと同時に、銃弾が頭の上を通り過ぎていく!

「はは・・・・さんくす、アズマリア!」
「・・・・いえ・・・。」
 
危ないところで、アズマリアが私にタックルをかけてくれたのが幸いした。
私はひょいと跳ね起きると、再び彼へと銃を向ける。
 
「悪いけど!私には死ねない理由があるの!
 そう簡単に殺されないわよ!!」
179青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/23 15:37
『飼い犬』
>178
「死ねない理由、か」

僕とは逆だな、と考える。

僕には生きている理由が無い。
どうせ舞はいないんだ、こんな世界に生きていたって、意味なんか無い。
いつ死んだところで、構いはしないんだ。

自分の生きている時間に意味を持っている彼女を、少しだけ羨ましく感じた。

だけど、それも束の間。
微かに感じた羨望を、微塵も残さず押し潰しす。

理由や目的があれば、生き残れるわけじゃない。
現に、「彼女」は死んでしまった。
いくら大層な理由があっても、死んでしまったら意味は無いんだ。

「なら、抵抗してみせてくれ。君の死ねない理由とやらのために、
...精一杯足掻いて生き延びてみせてくれよ!」
>179
『青い脅威』 vs青の魔王
 
一瞬、マスクの下の顔が、ふっと寂しげに笑ったような気がした。
だが。

『なら、抵抗してみせてくれ。君の死ねない理由とやらのために、
 ・・・精一杯足掻いて生き延びてみせてくれよ!』
 
そういいながら、再び私に向けて銃口を突きつける!
 
「言われなくてもッ!!」
 
私は、彼の利き手とは逆の方向へステップする。
慌てる様子もなく、彼は私の動きに追従していく。
 
その合間に、ちらと私はクロノに向けて目配せする。
奴に気取られないように。
私の視線に気がついたクロノが小さくうなずくのが見えた。
 
よしッ!
 
「当たれッ!!」
 
そう言いながら、私は銃のトリガーを引く。
標的は・・・・クロノが投げた石!
 
『どん!!』
 
聖火弾(セイクリッド)が奴の頭上で石に炸裂し、十字の閃光を放つ!
一瞬、奴の注意がそちらへ向く。
 
今ッ!!
 
私は再び奴の手の中の銃へと銃口を向ける!今度こそ!!

「もらったぁッ!!」
 
私は、銃のトリガーを引いた!
淫藤宗光・ヒトラーVSリロイ&ラグナロク
前々スレ 吸血大殲 第16章 朱い血に染まる大地
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1015437476/
 
前々スレ>587

利き腕を斬り飛ばされながらも、「男」は未だ戦意を喪失してはいなかった。
 
「ふふ、さすが“闇の種族”をその身に宿す男。ふつうの人間のように
 甘ちゃんではありませんね。いや、そもそも自分が人間ではないから
 ああもあっさりとこんなことが出来たのですかね?」
「男」は、青年の声で、やたらと饒舌な言葉を吐く。
この「男」は、何も分かってはいない。リロイがどれほどの苦しみを受けて、
決断を下したか――
 
突如、リロイの背後に衝撃が走った。
背中を大きく切り裂かれ、それでもリロイは辛うじて
倒れることなく踏み止まる。

リロイが凶悪な目線で背後を見やると、そこには
先刻「男」が生み出した黒き魔獣の姿があった。
凄まじい膂力と鋭い爪で切り裂かれた背中は、
どす黒い血を噴出し、ジャケットを濡らしている。
これが致命傷にならなかったのは、単にリロイの人並み外れた反射神経の
所以であろう。
背後の気配を失念するとは、リロイにしては珍しいミスだ。
やはり、例の女肉剣の精神的効果なのか。
 
魔獣はこちらが体制を立て直す隙を与えじと、一気にリロイへと迫る。
だがリロイも、安易に攻撃を許す程間抜けではない。
むしろ背中の傷の痛みが、リロイに「冷静な怒り」を与えてくれていた。

心臓を抉り出すべく伸ばされた魔獣の腕めがけ、
カウンター気味に剣を突き出す。
剣の切先は、寸分違わず魔獣の掌に潜り込み、肩から顔を覗かせた。
魔獣が巨大な絶叫を上げ、動きが停滞する。
リロイはそのまま剣を横に引き抜き、魔獣の腕を完全に二枚に引き裂く。
 
そして、次の一瞬。
横薙ぎに振り払われた剣が魔獣の首筋に吸い込まれるのと、
魔獣がリロイの脇腹を狙って蹴りを繰り出すのとは、ほぼ同時であった。
 
二種の鈍い音が不協和音を響かせ、
魔獣の首が宙を舞い、リロイが壁に叩き付けられる。
だが、生き残ったのはリロイのほうだ。
血塊を吐き出しながらも、ゆっくりと立ち上がり、「男」へと
言い忘れていた言葉を投げかける。
 
「五月蝿い野郎だな」
ゆっくりと、剣を構え、「男」へと突きつけた。
「今すぐ黙らせてやるよ。その口をな」

>176 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
「だあぁっ! こらバカやめろ、落ち着け、止めてぇーーーーー!!」

やはり先生は凄いでござるよ。
拙者の予想と物理法則を無視した動きで、拙者の攻撃を回避しまくっているでござる。
だが、スピードは拙者の方が上でござる…殺れる!!
   
「俺が一体、何をしたぁ!」
  
決まっているでござ……さて?
何か間違っているような気もするでござるが?
…魔物!!!
  
「貴女…これをあげるわ。よく味わってね」
  
先ず感じたのは「おでん」の味、その後に襲ってきたのは強烈な「か・ら・し」!!!
おでんに対する冒涜でござる、鼻に来るでざる、目に来るでござる!!!
人間の軽く一万倍は来るでござる、転げ回っても来るものは来るでござる!!
 
先生も同じ様に転げまわっている気もするでござる、拙者に合わせてくれるとは先生は
優しい…と言ってコレが治る訳でもないでござる。
何より、これ以上の侮辱はないでござる。
  
フフン♪と笑う、やたらムカツク顔が見えたでござる…笑ってない?知らんでござるよ。
転げ回って半壊したコンビニも知らんでござる!!
 
           『ぷ っ ち ん』
   
「無礼者おお―――――ッ!! 切り捨ててくれるッ!!」
  
…コイツは悪者でござる、取り合えずそう決めたでござる。
悪者をやっつけるのは武士の勤め、生かして帰さんでござるよ。
  
「霊波刀出力全開、覚悟完了、当方迎撃の用意ありでござる!!」
  
匂いなんか分らなくても今更逃がさんでござる。
さあ覚悟するでござるよ。
 
(店員から拙者達が如何見えたかなど知らんでござる、きっと先生がなんとかするでござるよ♪)
183青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/23 23:00
『飼い犬』
>180
彼女の放った銃弾は見事に標的を捉え、僕の手からサブマシンガンを吹き飛ばした。

あーあ、あれはもう駄目だな。まぁ、別に構わないけど。

彼女達は良いチームだ。
互いを庇いあったり、今のような連携を見るにつけ、そう思う。

ただ、彼女は何故サブマシンガンを狙った?
今も、僕を撃とうと思えば、いくらでも撃てたはず。
なのに、さっきも今も、彼女が狙ってきたのは僕の手にある銃だった。

「何故、僕を狙わない?」

両手を広げて彼女に向き直る。

「ほら、撃ってごらんよ。僕は逃げも隠れもしないからさ。
...死ねない理由があるんだろう? なら、僕の屍を超えてみせろ。
...それが出来ないなら、その時は…」

ウォードレスのマスクの下のゴーグル越しに、殺気を込めた視線を叩きつける。

「僕が君を殺すぞ」
184マンティコア(M):02/03/23 23:24
狭く暗い……街の闇。
繁華街すら外れた人の居ない街。そんな路地裏。
 
 
少年は見つめている。
女性は見つめている。
 
その男は、地面に逆さまに突っ込んでいた。
なのに、頭は空に向かっていた。
有り得ない方向に。
本来の向きとは百八十度異なる首は、頚骨が完全に折れ、脊髄は分断されているだろう。
 
 
その二人の頭上から、
 
 
――ひゅっ
 
 
と音がした。
 
慌てて少年を抱え、横っ飛びに避けた女性は、そこに鋭い鉤爪を持った人間を見た。
身体は裸で、女のようではあるが、その股間にはその実なにもない。
 
 
「見たな」
 
にい、と笑って、囁くそいつ。
そいつは――マンティコアという。
 
「見られたからには、生かしてはおかぬ」
 
一足で再び間合いに入ると、鉤爪を振るう。
185ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/23 23:26
>176>182 闘争。そして逃走 〜RUN OUT〜  VS 横島&シロ
 
「無礼者おお―――――ッ!! 切り捨ててくれるッ!!」
 
転げ回っていた少女は一瞬にして立ち直り、
矛先をこちらに向けて来た。
 
しまった、これほどの効果があるとは思っていなかった。
混乱の内に逃亡してた方が良かったか?
だが、あのまま逃亡していてはいずれ追い付かれるだけだろう。
 
さらに不味い事に、男の方もこちらに向かって来ている。
バンダナを血に染め、わずかにうつろな目つきながらも闘志は全く衰えていない。
ハンターの鑑とも言えるその姿に、私は少し感動していた。
 
しかし、ここで捕まるわけにはいかない。
仕方ない―――ホルスターに巻いていた布を引き裂くようにして外し、
愛用のリボルバー、スーパーレッドホークを抜く。
30センチ近くもあるクロムシルバーの銃身、冗談の様に大きな弾倉。
普通の人間に見せたらそれだけで威嚇になりそうだが、彼らには通用しないだろう。
 
もっとも、彼らを射殺する気はない。
直感だが彼らは悪人ではないようだ。…周囲に対する配慮は少しばかり欠けているようだが。
 
轟音がとどろく。.
454カスール弾は狙い違わず全ての蛍光灯を叩き壊す。
この明るさなら私の方が圧倒的に有利なはずだ。
銃をホルスターに戻し、私は格闘の構えを取った。
 
(そして、メール欄の行動を音を立てない様に行う)
「通報があったのはこの下です、これより降ろします!」
「いらん。終わったら連絡する」 
「はっ?」 
ヘリの操縦手が振り向いた時、唯一の乗客が乗っていたはずの座席には
その痕跡一つ残っていなかった。 
 
 
『多数の吸血鬼が突然出現、至急救援を請う!』との通報を受けたヘルシングにより、 
ヘリで現場に単独で投入されたアーカードを出迎えたのは 
……動く死体の群れと化した、村の住人「全て」の姿だった。 
 
もちろん、それくらいの事で僅かでも怯むようなアーカードでは無い。
だが、しかし……  
 
(ミレニアムでは無い……のか? 吸血鬼の『気』を感じない……) 
 
闘争の片手間で思考、いや思考の片手間で闘争している彼の中にあるのは疑念だった。 
 
(……陽動だったのか? しかし、それは闘争を何よりも愛する奴等らしく無い……)
 
残弾が心許なくなってきたのを感じたアーカードは、素手で駆逐しながら物思いにふける。 
 
(ここは、他の者に任せるか……)
  
セラスか、人間の傭兵たちか。 
厄介な吸血鬼が居ない『ゴミ掃除』なら、それでも十分だろう。 
村の教会に巣食っていた雑魚を全て打ち倒し、彼が一息ついた瞬間。 
 
教会のドアが開いた。 
 
 
「どういうこと?これは」 
「……ただ事じゃないってことはわかるがな」 
 
二人の訪れた村に残っているのは死体だけだった。
大人、老人、青年、少女。 
ありとあらゆる種類の《残骸》が散らばっている。 
人の死を見慣れてしまった彼らにとっても、それは許容し難い光景だった。 
 
連続した銃声が響く。 
 
「行こう。何があったかわからないが、これは放っては置けない」 
  
 
――屍臭漂う教会。 
  
死体の山の中に、一人の男が佇んでいた。  
赤いコートをまとったその男は、二人の侵入者を見ると、ズレ落ちたサングラスを直

して唇を吊り上げた。 
 
「不運だな、狩が不作だった私も不運だが、君達は更に不運だ。私の狩場に迷い込む

とは」 
 
圧倒的な威圧感を放つ殺戮者の手の内には、冗談じみた大きさの銃が二丁握られて
いた。
>184 マンティコア
「なんなんだよ、これッ!」
 
操の胸の中で、武公が叫ぶ。
 
『黒の王の眷属でしょうか・・・しかし、妖魔の気配ではないような』
 
言う間に、間合いを詰め、鉤爪を振るう敵。
それを右腕でいなしながら、後ろに跳ぶ。
 
武公を抱えている以上、攻防に無理が出る。
しかし、武公を避難させる余裕はない。
 
であれば、このまま闘わねばならない。
身にかかる火の粉は払うものだ。
 
『武公様、マリオノール・ゴーレムの準備も!』
「お、おう!」
 
『はっ!』
 
マリオノール・ゴーレムの準備の時間を稼ぐため、牽制の攻撃。
かけ声と共に操の髪が、刃のような鋭さで、敵に向かって走る。
188吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/23 23:36
>186

奴は危険だ!!
未知のモンスターとの遭遇に心の奥で警鐘が鳴る。
現に奴の近くに横たわる惨殺死体はあの銃によるものとしか思えない。
俺はデザートイーグル.50AEを抜き、セーフティを外すと奴の胴体に一発、
頭部に一発、続けざまに撃ちこんだ!
シルバーチップのホローポイント弾が命中と同時にへしゃげ、.50アクション
エクスプレス弾のエネルギーを全て敵の体に叩きつける。

「走れ! エレン。」

単三乾電池をややずんぐりさせたようなサイズの真鍮色の輝きが、未だ空中に有る
間に俺達は奴の攻撃を回避する為に走り出した。

そう……これで終る筈が無い!
戦いの中で培った勘が、二人に戦いの始まりを告げていたのだ。

>183
『青い脅威』 vs青の魔王

『何故、僕を狙わない?』

両手を広げて、奴が私に問い掛ける。
・・・・・どうして?!
武器を失って、それでも奴には余裕すら感じられる。
 
く・・・・・
 
私は、奴に銃口を向けたまま硬直する。
・・・・・撃てない。
確かに、彼は私たちを殺そうとしている。
それでも・・・・私は人を殺すことは・・・・・。

『ほら、撃ってごらんよ。僕は逃げも隠れもしないからさ。
...死ねない理由があるんだろう? なら、僕の屍を超えてみせろ。
...それが出来ないなら、その時は…』

マスクの下から、殺気の込められた視線が叩きつけられる。

『僕が君を殺すぞ』
 
ぐッ・・・・!!
 
私は、銃身を持ち、構える。
銃の使いかたってのは・・・・撃つだけじゃないのよ!
 
「やぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
 
私は、一気に奴へと駆け寄ると、グリップの部分で殴りかかる!
狙いは・・・頭!
危なっかしいが、これで気絶させる!
190マンティコア(M):02/03/23 23:52
>187
 
「むっ」
 
胴に髪が絡む。
まるで鋼線のような鋭さ――
 
だが、マンティコアの皮膚には、筋ひとつ入らない。
 
(もしや……追っ手か。ならば、なおさら――)
 
生かして帰すわけにはいかない。
 
 
逆に髪を掴み、引き抜きかねないほどに引っ張る。
漆黒のつややかな髪の持ち主が、その怪力に引きずられて宙を舞う。
その腹めがけ、再びの斬撃が襲い掛かった。
191エレン ◆Elen1cxc :02/03/23 23:56
>188 玲二
ファントムvs不死の王
 
「走れ! エレン。」
 
「えっ!?」
 その言葉に、私の反応が一瞬遅れた。
 なぜなら、玲二の放った銃弾は、相手の急所を正確に貫いていたから。
 確実に絶命させた攻撃。
 
――――そう、人間が相手であれば。
 
 死んだはずの男と目が合った。
 赤い遮光眼鏡の奥に隠されたその瞳を見た瞬間…
 
「あ――」
 
 頭の中が真っ白になった。
 咄嗟に引き金を引く。轟音と衝撃が、私の内外に響く。
 
 でも、それまでだった。
 がしゃん――と、足元で音がする。
 
 銃を落した―――それが、私の最後の思考になった。
192淫藤宗光/ヒトラー:02/03/24 00:00
>181 リロイ&ラグナロク

リロイの剣に切り飛ばされたグレンデルの首は、地面に落ちると同時に
もとの白い粘液となり、瞬く間に蒸発した。

首無しの巨躯も、同じくみるみるうちに蒸発する。

それと同時に、宗光はがっと血塊を吐いた。

エクトプラズムで作り上げた妖物が破れ、女肉剣も失い、“パラケルススの死矢”
に手を伸ばす力すらない今、宗光はただの瀕死の青年にすぎなかった。

すでに顔色を蝋のごとく白くさせながらも、宗光はリロイに最後の憎まれ口を叩く。

「はは……さすがもとS級傭兵。僕の進化への野望もここでおじゃんだ……。
 でも、まだ…彼の分が残っている……。後は彼に任せますか……」

それだけ言うと、宗光はがっくりと頭を垂れた。


(淫藤宗光、死亡。しかし……!?)
193横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/24 00:08
>185 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 

 銃声! 
 しかもやたらでかくて、ドスンドスンと腹の奥底から揺さぶってくる。 
 お、おいおいおいおいおいおいおいおいおい。 
 鉄砲? しかも迷わず発砲? 
 こ、このねーちゃん、マジでヤバイ人か!? 
 
 い、いや。今日日、日本で拳銃事件も珍しくない。
 それに火器なら美神さんも西条の野郎も、山のように持ってる!  
 今さらビビってられるかっ! 
 
 拳銃で蛍光灯が撃ち抜かれ、いっぺんに暗くなったコンビニ。 
 俺の目も急な闇に、視界を完全に奪われた。 
 
 ――――だけど、これは逆に利用できる! 
 よーするに。あの娘は暗闇でも見通す手段がある。だから、あっさり明かりを消した。 
 その方法が超音波とか、匂いでなければ・・・逆に光に弱い! 
 
「文珠ッ!」 
 
 掌に小さな珠が現れる。 
 文珠――霊力を固めたそれは、与えられた文字に等しい力を具現させる。 
 
「シロっ、行くぞっ!」 
 
 未だのたうち回る人狼に軽く合図を送ると、俺は文珠に文字を記した。 
 「閃」―――― 凄まじい光を一時的にばらまく、霊力。 
 俺は目を堅く瞑ると、それを地面に叩き付けた! 
 真昼よりも明るい光が、暗くなったコンビニの中を煌々と照らしあげた・・・
>190 マンティコア
 
『な!』
 
信じがたいことに、操の髪を受けてもダメージを負った様子もない。
それどころか。
その髪をひっ掴み、力任せに引っ張った。
 
「み、操さん!」
 
一瞬のことに、武公を離すのが精一杯。
そのまま、引きずられる。
 
そして、再度の斬撃が腹部を狙う。
避けられるはずもなく。
 
斬撃は操の腹をかき切った。
深い一撃は操の腹の半ばで止まっている。
 
『無駄です。私は人形。人形は痛みを感じません』

次の瞬間、操の右腕から鋼糸が走った。
しかし、敵の体は固く、皮膚を軽く裂くに留まる。
 
(やはり、これは・・・)
 
「操さん!」
『武公様、いまのうちに呪文を!』
駆け寄ろうとする武公を制し、敵に注意を注ぐ操。
 
「無究光(エイン・ソフ・オール)照らせし 十の神性(セフィロト)
 魔書(グラン・グリモール)を繰りて 四言神諱(テトラグラマトン)を駆動せしめよ!」
 
 
武公の持つ魔書『マリオノール・ゴーレム』が独りでに開く!
195青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/24 00:10
『飼い犬』
>189
グリップを振るう手首を何なく掴む。
そんな動きは、止まって見えるよ。

「どうして撃たないんだい? 人を撃つのが怖いの?」

彼女からの答えは無い。ふむ、しょうがないな。

僕は必死にもがく彼女を大きく突き飛ばすと、そのまま力一杯大地を蹴りとばし、
聖歌隊の服を着た女の子――さっきからおろおろしっぱなしだな、この子は――
の首筋を掴んで持ち上げ、予備のハンドガンをその子の頭に突きつけた。

「これでも僕の事は撃てないか。君が撃たなければ、この子が死ぬぞ」
196マンティコア(M):02/03/24 00:19
>194
 
(なにをするつもりだ……?)
 
鋼線で切られても、マンティコアの頑丈な肉体はかすかに裂けただけ。
傷とも呼べない。じきに癒えるだろう。
それよりも――
 
(あの『本』……とても悪い感じがする)
  
 
ならば、止めてくれよう。
 
マンティコアの手が、壁に突き入れられる。
やすやすと砕かれたコンクリートの欠片を鷲づかみ、
少年に向けて投げつけた。
弾丸にも等しい速度で大小の破片が空を切る。
前スレ>513 剣乱舞闘

「ダメか…………」
 
ぼくの考えは間違っていたようだ。
波紋で気絶させた女性を見て、ただ溜息をつくしかなかった。
やはり、『殺す』しか、ここから逃れる方法はないのだろうか。
 
その場に、急に凄まじいまでの闘気が吹き付ける。
気絶させた男が、急に立ち上がったのだ。
両の腕に剣を掴み、ぼくの体を砕かんとばかりに振り下ろす。
 
「やめろ!ぼくは戦いたくないッ!!」
本能的にぼくも剣を取り、2つの剣を受け止める。
男はそのまま、圧倒的な膂力でぼくを押し潰そうとする。
ぼくの呼吸が、荒くなってくる。
波紋の力が全身から、溶けるように失われていくのがわかる。
 
金属の砕ける音。
波紋が切れた剣が、ついに叩き折られた音だ。
その音と同時に床を蹴って後方に飛び、男の剣を避ける。
 
血飛沫。
皮一枚。
今斬られたのはそれだけだが、次は――――命がない。
 
もう、ぼくは終わりか。
ならば。
 
ぼくは倒れ伏している女性に、ちらりと目をやった。
あの女性の命だけでも救ってもらおう。
そう考えると剣を捨てる。ぼくはそのまま、男の一撃に身を委ねた。
 
>192
淫藤宗光・ヒトラーVSリロイ&ラグナロク
 
だが、目の前の「男」は、獣の死体が溶け消えると同時に、
巨大な血塊を吐いて、その場にくずおれる。
どうやら、あの獣と「男」は、何処かで同調している、もしくは
彼自身の分身のような物らしい。
その分身の命を絶たれた今、彼の命も風前の灯となりつつあるのだろう。
顔面を蒼白にしながら、「男」は虚ろな瞳でリロイへと語りかける。
 
「はは……さすが元S級傭兵。僕の進化への野望もここでおじゃんだ……。
 でも、まだ…彼の分が残っている……。後は彼に任せますか……」
その台詞だけを残して、男は動かなくなった。
 
彼の分……後は彼に任せる……
何かが、私の中で引っかかった。だが、今目の前の男は
確実に、「死んでいる」。まさか………。
 
「何だ、あっけないな」
リロイの言葉が、私を思考から現実へと引き戻す。
リロイは既に剣を鞘に収め、大聖堂の入り口へと歩みを進めている。
その足取りは多少ふらついているが、意識は鮮明のようだ。
この程度なら、自然治癒力も相まって、直ぐに回復する事であろう。
 
―――思い過ごしか。
私はそう自分に言い聞かせ、周囲の警戒を解いた。
 
 
 
>196 マンティコア
 
『武公様!』
「うわぁぁぁ!!」
 
コンクリートの破片が武公めがけて飛ぶ。
とうてい躱せるスピードではない。
 
『本を掲げてください!!』

操の叫びに、武公が本を前に掲げる。
 
『輝ける栄光(ホド)は仮面(ペルソナ)に! 反響する鏡なるがゆえに!』
朗々たる詠唱の声。
 
それと共に、武公の前の地面が盛り上がり、巨大な『手』となり、破片を全て弾く。
それを見てホッと安堵の溜息を漏らす操。
 
しかし、敵に向き直った時の彼女の表情は、怒りに充ち満ちていた。
 
『貴様!よくも武公様を!』
 
怒りの声と共に、敵に向かって跳躍。
呪文を詠唱する。
 
『深き基層(イエソド)を母胎(ラクヘス)に聖合せしむるがゆえに!』
 
操の両手が輝き、額に六芒星が浮かぶ。
その腕を、敵に向かって振るう。
無数の鋼糸が、走った。
200アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 00:36
>188>191 アーカードVSファントム
 
 突然の闖入者である二人は、共に少年少女の域を出ていないにも関わらず、その雰囲気は常人のそれではない。
 明らかに無数の修羅場をくぐり抜けてきた事を感じさせるモノだ。
 こちらの言葉を聞くや否や、危険を感じたのか片割れである男が全く躊躇せずに引き金を引く。
 その手際は舌を巻くほどのモノで、実際相手がただの人間ならばそれで終わっていただろう。
 そう、ただの人間ならば。
 
 だが、吸血鬼は銃などでは死なない。
 
 頭部と胴体、正確に人体の急所を狙った銃弾は、しかしアーカードにとっては穴でしかなかった。
 そして、それを理屈などでなく察知して逃走を開始する辺りやはりタダモノではない。
 しかし、そのパートナーである少女はそれに乗り遅れてしまった。
 それは、理性がもたらす最大の隙。
 人間が捕らわれやすい常識の鎖。
 
 そして、それは致命的な遅れとなって少女に降りかかった。
 少女は直視してしまった、吸血鬼の魔眼を。
 それは少女の意識を漂白し、アーカードの意志のままに動く抜け殻にしてしまった。
 
 それはまったくのイレギュラーだったが仕方ない。
 とりあえず、何の命令も与えずに端に寄らせる事だけはしておいた。
 任務の最中に無駄な被害者を出す事は極力避けるべきだ。
 
 そうしておいて、今度は逃げようとしていた男の方へ向き直った。
 だが、少女がこちらの手に落ちた事を察知したのか、少年は足を止めている。
 そちらに牽制の意味も込めて二挺拳銃の銃口をゆっくりと向け……そして発砲した。
 
「爆裂鉄鋼弾、人間が喰らったら無事ではすまんぞ」
 
 発砲する必要はなかった。
 銃口を向けて、この少女の事を盾に取るだけであの少年は恐らく止まっただろう。
 ならば、何故?
 
 ……何故だろう、それはアーカードにも上手く説明できなかった。
>195
『青い脅威』 vs青の魔王

がしっ!!
 
私の腕は、奴に届く前にとまっていた。
あっさりと、至極あっさりと、奴は私の腕を片手で掴んでいた。
 
『どうして撃たないんだい? 人を撃つのが怖いの?』
 
く・・・・
 
心を見透かされたような気がして、私は一瞬ひるむ。
次の瞬間!
 
どん!
 
奴は私の体を一気に突き飛ばす!
しまった・・・・!!
 
「きゃぁ!」
「アズマリア!!」
 
体勢を立て直した私の目に映ったのは、首を掴まれ、頭に銃を突きつけられたアズマリアだった。
卑怯・・・・な!
 
『これでも僕の事は撃てないか。君が撃たなければ、この子が死ぬぞ』
「ろ・・・ぜっと・・・・・。」
 
苦しげなアズマリアの声。
く・・・・そ。
私は奴に銃口を向けたまま躊躇する。
奴を打たなければ、アズマリアが・・・・けど・・・・・。
 
「・・・・・・ッ!!」
 
考えてる・・・・時間はないのに・・・・・!
自体の進展は、唐突に起こった。
 
「はぁぁぁぁぁッ!!」
 
今まで奴の動きを警戒していたクロノが、一瞬の隙をついて奴へと飛び掛った!
だが。
 
「・・・ぐぅ?!」
 
奴は、器用にその身をひねらせつつ、クロノへ蹴りを叩き込む!
倒れこむ、クロノ。
そして、奴は、そんなクロノの頭に銃を突きつける!
 
「・・・・ッ!! やめてッ!!」
 
私は、無我夢中でクロノへ向けて駆け出していた
202マンティコア(M):02/03/24 00:49
>199

奇妙な言葉……呪文のようなものが女の口から放たれると、
少年の前の地面が盛り上がり、破片をすべて弾いてしまった。

さらに、女が必要のない叫びをあげると、不思議な光が浮かびあがる。
そして先ほどの鋼線。
だが、それはきかないのだ。
無視し、女の首をもぎ取りにかかる。


――――ぞくり、と。


悪寒に従うままに、左手を突き出すマンティコア。
その腕が――縦に、三つに分断される。

(……なんだと!?)

確かに、先の攻撃ではほとんど傷らしいものも与えられなかった鋼線が、
今はかくも簡単に腕を断ち切ってしまった。

なおも食いすがる鋼線を、軽く舌打ちして回避。
壁を蹴り、蹴り、丁度ビルの三階程度の高さの壁面に、足の指を食い込ませてマンティコアは停止する。


痛い、痛い痛イイタいいタいいたいいたイ。
腕から伝わる今まで味わったこともない激痛が身を焼いていく。
 
「――おのれ」
 
やはり、あの本が鍵なのだ。
一刻も早く……あいつは殺さねば。
だが、女が邪魔だ。
 
 
ならば、あれが邪魔にならぬ方法で殺そう。
 
 
マンティコアは壁のパイプを圧し折ると、それをもって女に殴りかかった。
>193 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
からし女が何かやっているが、人狼に暗闇など無意味でござる。
拳銃など珍しくもないでござる。
違法ハンターを毎日捕まえていたでござる、美神殿もよく使うでござるよ。
  
「もらったでござる!!」
  
その時、先生も動いたでござる。
完璧なチームワーク、それでこそ先生でござるよ♪
  
「シロっ、行くぞっ!」
  
もちろん一気に行くでござるよ、先生の文殊と拙者の霊波刀なら無敵でござる♪
   
…が、何故か来たのは閃光でござった、ついでに床が滑るでござる。
おでん女は陰険でござる、きっと前世はインフルエンザウイルスの類でござる!!  
 
いまさら止まれないでござる、ついでに目も見えないでござる、鼻も利かないでござる、
…先生は悪くないでござる、全てはおでん女の責任でござるよ。
   
「絶対許さん――ッ、おでん女―――ッ!!!」
  
叫んでみても、出きるのは転げ回って突っ込む事だけでござる、…無念。
204吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 00:58
>200 アーカードvsファントム

走り出した、と見えたエレンの動きが一瞬で止まる。
エレンのパイソンが火を噴いたが、その銃弾は奴の遥か手前の床に穴を穿ったに過ぎず、
そしてそのままエレンは床に崩れ落ちた。
 
一体何が起こったのか?全く理解出来ない。
人外の化け物の能力に身が凍るが、それどころではない。
 
二発の.50AE弾の直撃を喰らってなお、奴は平然と巨大な銃で発砲してきた!

”正確な射撃”
 
俺は教会の柱の後ろを走り抜けると直径50cmは有ろうかと言う柱が粉々に砕け
その破片が辺りに飛び散る!!
破片だけで手傷を負いかねない。
拳銃なんて物じゃない、スラグショットを片手で連射しているような物だ。
その上爆裂徹鋼弾だと!?

あの銃は厄介だ、俺はデザートイーグルを連射しつつ走り抜ける。
奴の銃の狙いが定まらぬ様、銃を持つ腕を中心にして狙う。
 
奴の気をエレンの方に向けてはならない!!
>202 マンティコア
 
『腕一本・・・ですか」
 
第二の神性呪文で切れ味を強化した鋼糸。
しかし、腕一本で、敵はその顎から逃れた。
 
(さすがに、反応が早い)
などと考える間に、敵はパイプで殴りかかってくる。
 
(接近戦・・・では!)
 
『厳正なる審判(ゲヴラー)こそ毒天使(サマエル)の剣もて執行されよ』
 
さらに呪文を詠唱。
本から無面目の人形が現れる。黒い翼と大きな鎌を持った姿は、まるで死神のようだ。
 
『行け!毒天使!』
 
操の指令に、人形は大鎌を振るいあげて敵に襲いかかる。
206ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/24 01:09
>193>203 闘争。そして逃走 〜RUN DOUN〜  VS 横島&シロ
 
店内に光りがあふれる。
スタングレネード(閃光手榴弾)!?
いや、火薬の匂いは全くしなかった。
サングラスをしてたのが幸いしたが、そうでなかったら一時的に失明していたかもしれない。
 
彼らは打ち合わせもなく、見事なフォーメーションを取っていた。
チームワークも素晴らしい。
彼らの事がうらやましくなってきたが…
それとこれとは話が別だ。
先ほど(>185メール欄)撒いておいた油が、少女と私の間に来るように移動する。
 
―――少女はものの見事に転げた。
良く考えたら、あの少女の感覚が鋭ければ鋭いほど、強い光はまずくないだろうか?
まあ、いい。千載一遇のチャンスだ。
転げつつもこちらに向かってくる少女に、私は手加減して手刀を放つ。
彼女が気絶すれば追跡は不可能になるだろう。
207淫藤宗光/ヒトラー:02/03/24 01:12
>198 vsリロイ&ラグナロク

聖堂の入り口へと歩み始めたリロイがその殺気に気づいた時は、すでに遅かった。

秒速340mで飛来した死矢は、リロイの手と足を貫き、聖堂の壁に縫いとめた。

封印たる磔刑像のように。

宗光が立っていた。いや、血塗れのコートはそのまま、その顔は――
茶色の髪と瞳。そして、鼻下に蓄えた髭――。

その魔力で一国の人民全てを動かし、破滅へと追いやった男。
鉤十字の旗のもとに、未曾有の戦乱に世界を叩きこんだ男。
六百万人のユダヤ人をガス室に送りこみ、数千万人を殺し、その屍の上に
君臨した史上最大最悪の独裁者、アドルフ・ヒトラーはここに完全に蘇った。

ヒトラーはリロイにヴァナ―ド王国の公用語で呼びかけた。

「宗光を殺し、余――アドルフ・ヒトラーの完全なる復活の手助けを
 してくれたことに礼を言おう。残念ながらお前は余が行おうとしている作業
を単なる虐殺としてしか認識していないようだな。

 礼として、余の高邁なる理想の一端をお前に話してやろう」
208アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 01:19
>204 アーカードVSファントム
 
 いい動きをしている、とアーカードは思った。
 こちらの狙いはほぼ正確で、しかも吸血鬼の感覚で照準しているにも関わらず着弾は全て少年の『いた』場所だ。
 それでいて、少年の銃弾は的確にアーカードの腕を狙ってくる。
 こちらの攻撃力を奪う腹づもりらしい。
 
 そして、それは確かに成果を上げた。
 執拗に腕を狙う大口径の銃弾は、アーカードのジャッカルを持つ腕を吹き飛ばしていた。
 なるほど、これで二挺拳銃であるよりは凌ぎやすくなっただろう。
 
 だが、アーカードはそれに頓着せずに残った片腕で改造銃の引き金を引き続ける。
 我慢比べなら明らかにこちらに分があるはずだ。
 それに、この少年の苛烈な意志が何処まで持つのかも興味があった。
 
(……なるほど、私はこの少年に期待しているのか)
 
 ようやく自分の行動の意味に得心がいった。
209青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/24 01:22
『飼い犬』
>201
少年の頭に銃口を突きつけたとたん、彼女は弾かれたように走り出した。

その必死の表情はとってもイイね。
無力な人間が必死に足掻く表情は、僕をとても満足させてくれる。
でも哀しいかな。君の可愛いその足じゃ、彼の命には間に合わない………。

僕はマスクの下でにやりと口をゆがめると、引き金にかけた人差し指に、
軽く三回ほど力を込めた。

乾いた音がきっかり三回、静寂を破ってあたりに響くと、
一瞬後には、頭欠の死体が一つ、僕の足元に転がっていた。

「あーあ、死んじゃった。君がぐずぐずと迷っているから、
...彼はこうして死んじゃったんだ。君がさっさと僕を撃っていれば、
...彼は死なずに済んだんだよ。あぁ、そうだ、君がコロシタも同然さ!
...君は、敵である僕を殺さずに、自分の仲間を殺したんだ。あはははは!!」

あぁ、やっぱり。人が自分の無力さを感じた時のその表情を見るのは、
足掻いていた時のそれを見るより、ずっと愉快になれるんだ。

僕はひとしきり笑うと、未だ手の中にある小さな少女に、再び銃口を向けた。

「さぁ、どうする? これでもまだ、撃てないか?」
210マンティコア(M):02/03/24 01:23
>205

マンティコアの持つ鉄パイプなど、大鎌の前には容易く切り裂かれることだろう。
だが――それはあくまで刃に当てれば、の話だ。
一瞬で人形の懐まで侵入したマンティコアは、鎌の柄にパイプを打ち付ける。
ぎりぎりと骨まで痺れるような衝撃の折衝。
片手でも力負けしないのは――それが化け物たる由縁か。


ふいと緩められた力。
大鎌はそのまま地面に突き刺さり、マンティコアは――鎌の柄の上に立っている。

そして、そのままパイプで人形の顔を打ち据える。


無論、傷もつかない。
そこにマンティコアはさらにパイプを打ち付け、打ち付け、打ち付ける。

「誰も、誰も、誰も、誰も、誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も
 誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も
 誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も
 誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も……」

ウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウ
チツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツ
ケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケ
ウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケウチツケ・・・・・・


鉄パイプはとうにひしゃげ、人形の貌無き顔も身体も黒いマントもずたずたに蹂躙されていたが、
そんなことはマンティコアにはおかまいなしで・・・・・・
 
「誰も、私には勝てない。あなたが人間で、私が人喰いであるかぎり・・・・・・」
 
その間に、マンティコアの策はほぼ完了していた。
 
 
突然、少年が崩れ落ちた。
マンティコアの汗にのって空気中に散布された毒を吸い込んだのだ。
 
にやり、とマンティコアが暗く笑った。
211横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/24 01:39
>206 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
 閃光に晒され油に足をとられ、シロが床に転がった。 
 あの娘の方は、サングラスのお陰でピンピンしてた。 
 
 し、しもたぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
 わいは・・・わいは・・・なんてミスを! 
 文珠使ってこれかいな、やっとられへんわっ! 
  
 チカチカする視界と再び闇に包まれた店内。
 そんな中でも目のチャンネルを霊波に合わせて、俺は何とかシロと吸血鬼風の女の子の姿を捉える。 
 揺らぐ陽炎のような世界の中で、あの娘の手が猛然とした勢いでシロに迫っていた。 
 人狼の桁外れの運動能力を持つ、シロでさえ回避困難な一撃が・・・ 
 
 な、なんだ!? 吸血鬼ってのは、あんなに早くて力があるのか? 
 ピートとは全然違う・・・拙い、シロがッ! 
 
「サイキック猫だまし!」 
 
 とっさに霊波を両手に集め、女の子の目前で炸裂させた。
 光・・・というよりも霊波の奔流が霊的位相を激しく乱す。 
 ――軽い痺れのような物を残して、光が消える。
 さすがにこいつは効いたようで・・・微かに手が逸れて、その手は宙を切った。 
 そして、残るのは攻撃を空振りした無防備な肢体。 
 
 ――――チャンスッ! さっきはやり損ねたが、今度こそもらったっ! 

 一瞬、俺の体は光すらも超えて加速する! 
 女の子が振り返る前に俺の両手は、その胸をしっかりと掴んでいた! 
 
 や、柔らかい・・・これや、求めていたんはこれなんやぁ! 
 俺は・・・俺は・・・全人類の夢と希望を、遂に掴んだッ! 
>204 >208 殺人者VS殺戮者 
 
突如、アーカードの頭上、教会の天井から落下する一つの影。 
闘争者達から完全に気配を消していた『それ』は、アーカードの上に落ちるついでに、
その頭蓋に大振りの抗不死化ナイフを埋め込んだ。 
 
絡み合うように倒れる、二つの紅い影。 
アーカードは頭に埋まったままのナイフにもダメージを受けた様子は無かったが、 
落ちてきた影は、巧みにアーカードの体にしがみ付き、行動の自由を奪う。   
 
もう一つ、暗がりから突如出現した小さな影。 
その影は、荷物袋を担ぐように乱暴かつ手早くエレンを担ぎ上げると、
小さな体に似合わない速さで外に向かって駆け出した。 
 
「お楽しみ中、失礼ッ!」 
口でそう言い、 
『逃げますよ、急いで』 
玲二の頭の中に直接、そう語りかけながら。

>209
『青い脅威』 vs青の魔王
 
あ・・・あ・・・・あぁ・・・・・・・
 
声が・・・出ない・・・・。
奴の足元には、首から上がなくなったクロノの体が横たわっていて。
だが、それもすぐに溶けるように虚空へと消えていって。
あとには・・・・何も残らない。
 
『びしっ!!』
 
懐中時計の文字盤が音を立てて割れる。
 
「く・・・・ろの・・・・・・・・。
 クロノォォォォォォォォォォッ!!」
 
私は絶叫していた。
 
『あーあ、死んじゃった。君がぐずぐずと迷っているから、
...彼はこうして死んじゃったんだ。君がさっさと僕を撃っていれば、
...彼は死なずに済んだんだよ。あぁ、そうだ、君がコロシタも同然さ!
...君は、敵である僕を殺さずに、自分の仲間を殺したんだ。あはははは!!』
  
そして奴が再びアズマリアを盾に取る。
 
『さぁ、どうする? これでもまだ、撃てないか?』
 
・・・・・・・。
殺してやる・・・・・。
 
私の脳裏にクロノとの思い出がよみがえる。
はじめてであった時の事。ヨシュアと三人で過ごした日のこと。あの始まりの日の事。
アズマリアを救出したときのこと・・・・・・・。
 
私の半身とも言える存在。
それを、彼はあっさりと殺した。
 
こいつは人間じゃない、悪魔だ!
悪魔を殺すのに、躊躇など・・・・・しない!!
 
「・・・・・・。」
 
アズマリアが、私の表情を見て一瞬おびえたような顔をする。
・・・よほど、ひどい顔をしているのだろう・・・・・・。
 
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 
私は、奴との間に残った距離を一気に詰める。
にやりと笑みを浮かべ、やつが銃のトリガーを引こうとする。 
 
そうはさせない!!
 
私は、奴の手首に銃口を向けトリガーを引く!
腕の一本、無くなっても死にはしないわよね?
あんたは・・・・そう簡単に殺さないィッ!!
>210 マンティコア
 
視界の端で、武公が崩れ落ちるのを見た。
思考が、止まる。
敵のことなど頭から消え、武公の元へと走る。
 
『武公様、武公様!』
 
しかし、返事はない。
脈はある。しかし、顔色は蒼白。
傍目にも異常なのは明らかだ。
 
武公を抱きかかえ、病院へ走ろうとする。
 
無論、敵がそれを許すはずもなく、操の前に立ちはだかる。
 
『邪魔、邪魔です!!そこを、退きなさいッ!!』
 
焦燥に駆られながら、目の前に立ちはだかる敵に向かって殴りかかる。
手加減も、自らの身すらも省みない攻撃。
215吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 02:06
>208 >212 アーカードvsファントム

デザートイーグルがホールドオープンする、弾切れだ。
俺はすばやくマガジンキャッチボタンを操作、カラのマガジンを抜き取ると
.50AE弾の詰まった新しいそれをグリップエンドから挿入する。
スライドストップが解除され、次弾が薬室に装填された。

一秒とかからないその間、しかし、奴の反撃をもたらすのに充分な時間。

改造454カスール銃の弾丸が襲い掛かる、
奴の銃の向きから弾道を読み、間際で避けるが、背後の十字架の台に命中した
それは爆裂し、破片が俺の上着を引き裂いてうっすらと血が滲む。

こちらの攻撃は奴の体を引き裂きはするものの、全く気にしている様子も無い。

”規格外のモンスター!”

俺の心に絶望が走る、

「俺は……こんなところで死ねないんだ!!」

デザートイーグルを更に発砲ようとした時、天井から奴の上に舞い降りた影!?
そして、横たわったエレンを担ぎ脱出する影、
同時に俺の心の中に響く言葉……。

『逃げますよ、急いで』 

敵か見方か、何者かは判らないがエレンをつれていかれた以上、追うより他に無い。
幸い、敵は別の者が抑えているようだ。

俺はエレンを担いだ影の後を追った。
216マンティコア(M):02/03/24 02:10
>214

「駄目だ。生かしておけないと言っただろう」

女の拳は猪突のように凶暴で――素直。
切り裂かれて使えない左腕で払い飛ばす。今度こそ左腕は粉々に吹き飛んでただの骨と肉になった。
未だ続く鋭い激痛に加え、不安定な喪失感で目の前が眩む。


これが、どんなものか――

「貴様にも味わわせてやる」

そのまま右腕の鉤爪が光り、殴りかかってきた腕を切り飛ばす。
そのまま、先ほど裂いた腹を完全に貫こうと腕を伸ばした。
>216 マンティコア
 
殴りつけた右腕が、切り飛ばされた。
肘から先が、くるくると飛び、壁にぶつかり、砕けた。
 
そして、腹部を狙って放たれる敵の右腕。
そのままでいれば、真っ二つに切り裂かれるだろう。
 
『なら、貴様を殺してでも!』
 
一歩踏み込み、脇腹で鉤爪を受ける。
鉤爪が脇腹から腹の半ばまで切り裂くが、踏み込んだことでヒットポイントがずれ、そこで止まる。
 
『死んで死んで死んで死んで、死ねぇぇぇぇ!!!』
 
腹に腕を突き立てたまま、操は残った左腕を敵の顔面に叩き込んだ。
>211 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
おでん女の陰険攻撃で無防備な状態で転んだのに攻撃が来ないでござる?
  
「サイキック猫だまし!」
  
先生の援護でござるか、流石先生でござるよ拙者のことを助けてくれたでござる♪
 
まだ目がよく見えないでござる、しかし先生の援護が在れば百人力でござる。
前世が、インフルエンザウイルスのおでん女なんかには負けないでござる。
  
「もらったでござる!!!」
  
霊波刀を振りかぶって、叩き切ろうとした瞬間…何か嫌な物が見えたでござる…。
二人が抱き合っているでござる、何故か仲が良さそうでござる。
  
『ここまでヤルとは思っていなかったよ』
『ふっ、ボクは横島忠夫、いま売出し中の凄腕G・Sさ』
『私が惚れるとはね』
『さ、ボクと一緒に新しい世界に踏み出そうか』
(注、錯乱しております、妄想です)
  
「異議あり――――ッ!!!!」
  
思わず状況も忘れて、全力で怒鳴りつけるでござる。
  
「拙者を差し置いて、そんなおでん女と仲良くするとは何故でござるか!?」
  
そんなに拙者は子供でござるか?
 
「許さ――ん!!!」
  
絶対まけんでござる。
意地でも引き剥がてやるでござる、おでん女の取り合えず右手にしがみついて、
店中を引きずり回すでまざるよ、横島先生は拙者のモノでござる!!
219アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 02:38
>212>215 アーカードVSファントム
 
 少年を追いつめたかと思った刹那、その行動は更なる乱入者によって妨害された。
 よくよく乱入に縁があるなと、アーカードは頭の端で思考する。
 頭に食い込んだナイフをそのままに、朱いジャケットを着た……不死者、だ。
 それの排除に移ろうとする。
 
 だが、さすがはアーカードに不意打ちを食らわせるだけあって一筋縄ではいかない。
 どうやら吸血鬼戦闘用に訓練された不死者――つまりはアーカードの同類か。
 力ずくで引きはがそうとするが敵もさるもの、そうそう後手に回りはしない。
 
 仕方なく、引きはがすのを諦めて殲滅へと移る事にした。
 貫手を心臓へと振りかぶり、突き通す。
 幾度となく繰り返してきた不死者を殲滅する手順、それでお終いだ。
220マンティコア(M):02/03/24 02:38
>217

拳を打ち付けられ、派手に吹き飛ぶマンティコア。
壁にぶつかり、軽いバウンドをして道路に打ち据えられる。

「うう……」

首の骨が折れても不思議が無い一撃だった。
罅ぐらいははいっているだろう。

腕からは血が壊れた蛇口のように吹き出続けている。
路面が緋色に濡れてぬめっていて、視界に映るのは黄色い汁。
ぐらりと身を起こす。右半身が真っ赤に染まっている。

「ぐうう……おのれ……おのれ、おのれ、おのれ!」

呪詛の言葉を呟きながら、マンティコアは手近にあった得物を取った。


「おのれェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!」


人形が持っていた大鎌を握り締め、大きく振り抜く。
切っ先が少年もろとも女を貫き、粉砕すべく、疾風のごとくしなった。
>220 マンティコア
 
毒天使の持っていた大鎌を取り、斬りつけてくる。
その目標は・・・
 
『武公様っ!!』
 
全身をバネのようにしならせ、跳ぶ。
間一髪、武公を庇う操。
しかし、大鎌が操の右半身をごっそりと抉り取る。
 
・・・人形の身には、痛みなどはない。
 
『おお太陽よ! 真美(テイフエレト)は魂を監視する心臓なり!』
 
呪文を詠唱する。
もはや、唱えるのではなく、叫ぶかのように。
 
竪琴を持った無面目の人形が現れ、竪琴から矢が放たれる。
目標を刺し貫く、魔法の矢。
 
 
その矢は過たず、敵の眉間を貫いた。
>215 >219 殺人者vs殺戮者

教会の扉をくぐり、50メートル走った時点で振り返る。 
直ぐ後ろについて来た少年の目の中には、混乱と、安堵と、猜疑心が見えた。 
 
(まあ、いくら『元ファントム』と言えど、この状況じゃ仕方ありませんね)
 
軽く、苦笑する。 
だが『あの』吸血鬼アーカードの近くで呑気に自己紹介が出来るほどの神経は、持ち合わせが無い。
  
「とにかく、話すのはもう少し後にしましょう」 
 
そう言って抱えていたエレンを玲二に渡すと、 
制服の中から取り出したコントローラーのスイッチを一つ押す。 
  
 
同時に響く複数の爆発音。 
 
 
盛大に煙を吐き出し内側に向けて崩れた教会を見もせず、再び走り始める。 
 
「あの程度で倒せる相手ではありません。どうぞこちらに」 
 
後は、ぶつけた吸血鬼と残った死人たちがどの程度時間を稼いでくれるか。  
十分稼げれば、本気で大したものだが。
エピローグ
 
・・・アレがなんだったのか、結局分からなかった。
 
あの後、病院に慌てて駆け込み、武公は九死に一生を得た。
(それでも毒の後遺症が抜けるまで、数ヶ月入院する必要があったが)
 
操のダメージはそれ以上に大きく、武公が退院してからもまだ脇腹の傷が残っていたほどだ。
 
しかし。
世界には未だ知られることもない“闇”の多いことか。
 
深淵の知をもたらす『マリオノール・ゴーレム』といえども、予期し得ぬ事があるのかも知れない。
 
 
『世界は混沌に満ちている。ゆえに、全ての事象を知ることなぞ、夢のまた夢』
 
 
・・・ふと。
そんな声が聞こえた気がした。
 
 
 
                                         〜終幕〜
224マンティコア(M):02/03/24 03:01
南 武公&操vsマンティコア戦のレス番纏めよ。
 
 
>184>187>190>194>196>199>202>205>210>214>216>217>220>221>223
 
付き合ってくれた二人には謝辞を。
でも……次は、喰ってやるわ。ふふ、うふふ……
225吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 03:14
>219 >222 アーカードvsファントム
 
背後で起こった爆発を気にしている余裕も無い、
しかし、こいつはエレンをあっさりと返してくれた、とりあえず危害を加えるつもりは無い様だ。
 
「エレン……。」

「……。」

かすかな答え、全く意識を無くしている訳では無いらしい。
俺はその不信な奴についていく事を選んだ。
エレンを抱く手から、デザートイーグルを手放す事は無かったが……。
 
「一体何者なんだ、あんたは…… 」
「それにあいつ…… あの化け物は一体…… 」

走りながら自然と疑問が俺の口をついて出る。
奴があれで滅んだとはとても思えない、
戦った時に奴から感じた絶対的な恐怖……。
幾多の死地をくぐりぬけた俺ですら感じた絶望……。
並みの兵士ならば奴の姿を見た瞬間、発狂するに違いない。
なまじ、その殺気を感じられればこそ。

そう…… まだ、脅威は去っていないのだ。

226ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/24 03:42
>211 闘争。そして逃走 〜RUN OVER〜  VS 横島&シロ
 
「サイキック猫だまし!」
 
その言葉と共に、私の前で何かが炸裂した。
サングラスを素通りしてくるような光と衝撃に思わずひるむ。
 
不味い。殺られる。ここで体勢を崩すのは致命的だ。
バンダナの男が私の背後に回る。
避けきれない。この男も少女と同じ光の剣が使えるなら、ここで終わりだ。
 
彼の手が迫る。
御免なさい、惣太。再会は出来そうに―――
 
次の瞬間、その男に後ろから抱きすくめられていた。
不審がる暇もなく、胸を捕まれる。
吸血殲鬼としての力を抑えるために私は拘束着を来ているのだが…
そのデザインは何故か胸元から臍の辺りまで素肌が露出している。
 
男の胸がその露出部分に触れる。
 
「――――――ッ!!」
 
怒りと羞恥の余り、声が出ない。
思わず全力で両肘を叩き込んでいた。
死んだかな…?
227ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/24 03:42
>218 闘争。そして逃走 〜RUN OVER〜  VS 横島&シロ
 
とにかく脱出出来た。
彼が盛大に吹っ飛んだが、気にしない事にする。
 
「拙者を差し置いて、そんなおでん女と仲良くするとは何故でござるか!?」
 
さっきの少女が立ち直っていた。
どこをどう見れば仲良くしている様に見えるのかわからないが、
閃光で目が眩んでいるのだろう。
 
この隙に…
 
「許さ――ん!!!」
 
逃亡は許可されなかった。
別の意味かもしれないが、彼と仲良くする許可など欲しくはない。
 
右手を掴まれた。
少女は先ほどの仕返しで私を振り回したいらしい。
 
あ…そっちに行くとさっきの油が…
228アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 03:51
>222>225 アーカードVSファントム
 
 乱入してきた吸血殲鬼は貫手の一撃で消滅した。
 所詮は常識内の不死者であったと言う事だ。
 立ち上がり、辺りの状況を確認しようとしたアーカードは、しかし突然の爆音に意識を拘束された。
 
 爆音の元は、僅かに首を巡らせて見上げれば一目瞭然。
 つまり、教会が爆破されたのだ。
 それを無表情に見上げるアーカードの上に、大量の瓦礫が降り注いできた。
 
 
 
 
 数分後、辺り一面を埋め尽くす瓦礫。
 そこに動いているモノなど存在していなかった。
 
 ――否、瓦礫の一角が崩れだした。
 ガラガラと音を立てて、その下から……まるで埋葬された死者が復活するかのように這いだす人影。
 それは両手でコートの埃を払いながら辺りを見回す。
 
「足止め、か。やってくれる」
 
 その言葉は、二つの事象を指していた。
 
 一つは、今しがた崩れた教会。
 一つは、今まさに自分を取り囲む無数の不死者達。
 
 それらを感情のこもらない目で眺めて……次の瞬間には走り出していた。
 取り囲む不死者達の中でも特に防御の薄い一角目指して突っ込み、腕を振るう。
 
「私の邪魔をするな塵芥共!」
 
 一振りで片手に余る数の肉塊が生まれ、二振りで両手に余った。
 そのまま防衛の崩れた一角を突き抜け、先ほどの少年達の去っていった方向へと走る。
 今は不死者などよりずっとずっと楽しくて優先されるべきモノがあるのだ。
 それの為ならば不死者の群れなどいくらでも後回しにしようとアーカードは思った。
 
 あの人間は果たして何を見て何を聞き、何を選択するのだろう?
 それを思うと心が躍る。
 とてもとても楽しくなる。
 
「さぁ、早くもう一度私の前に立て!」
 
 誰にでもなく、アーカードは叫んでいた。
>225 >228 殺人者vs殺戮者  
  
走りながら魔女は一気に喋り始める。
人を一人抱えて隣を走る玲二はつらそうだが、それでも息を乱さないところは流石だな、と思いながら。
 
「わかりました。時間がありませんから、簡単に自己紹介と状況説明を。
 私は妖術技官ヴァージニア・イレブン。 
 降魔局という研究機関に所属。強力な魔物の監視を任務としています。
 そして『あの』彼の名は吸血鬼アーカード。
 我々が確認している中では最強級の吸血鬼。化け物中の化け物です。  
 
 後、真に勝手なのですが、お連れ様がアーカードに睨まれて魅了されたようでしたので、 
 私の使い魔を精神内に進入させ、応急処置を行っています。
 アーカードから離れて時間が経つか、倒すことが出来れば魅了は完全に解けるはずですからご安心を。 
  
 現時点の状況ですが――今回、我々は彼を倒す為にチームで叩く予定だったのです。
 が、貴方達の存在で、少々予定が狂ってしまい、早く仕掛け過ぎてしまいました。 
 一度引き上げますので、あなた達も我々と一緒に……」 
  
そこまで言ったところで、魔女の表情が変わる。 
振り返った魔女の視線の先には、夜なのに空を飛ぶ、光る鳥の姿があった。 
手の平をかざし鳥をそこに止らせた魔女は、形の良い眉をひそめる。  
 
「……想定していたより、アーカードの足は速いようです。 
 ――貴方達はこのまま進んでください。
 逃走用の車両が用意してありますので、私が足止めをします」 
 
そう言って、彼女は彼女の体には見合わない、巨大なリボルバーを取り出した。 
握っている手は銃の重さを完全に御しきれず、僅かに震えている。 
 
「こちらが車両のキーです。後はこの鳥について行って下さい。それでは、お元気で」 
 
感情の見えない早口で、魔女は別れを告げた。   
振り向いた魔女の背中は、玲二にはやけに小さく見えた。

230吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 04:32
>228 >229 アーカードvsファントム

エレンが奴の魔眼に囚われている。
そしてそれをこの女性、ヴァージニア・イレブンが治癒してくれている、とすると……。
 
「待て、キミが行って死んだらどうなる? エレンを助けるならばキミの力は必要だ」

銃を握る女性の震える手、とても満足に撃つ事などできないとはっきり判る。
しかも彼女等は俺達がノコノコ現れたから予定を早めざるを得なかったのだ。
俺は、彼女を信じるべきと確信した。

「俺が行く……。キミはエレンを…… エレンを守ってやってくれ…… 」
「気が付いたら、俺は必ず帰ると伝えてくれ…… 」

そう、ここで俺が奴を食い止めなければ全員助からないだろう。
少なくとも今、戦わなければならないのは俺なんだ。
>225 >228 殺人者vs殺戮者  
  
玲二の申し出に、魔女は一瞬、躊躇いの気配を見せる。 
 
目が合う。そこに存在する生還の意志。 
アーカードという魔人の力を垣間見たにも関わらず、玲二の瞳の内には諦めの色は無い。
 
魔女はため息をつくと、持っていた銃を差し出した。 
 
「R&VM92Eマグナム。六連発。私が持っているよりは役に立つでしょう。後……これも」 
 
そう言って、ごそごそと腰の後ろからもう一丁、今度は比較的小さな銃を取り出す。 
グロッグ19。
先のマグナムと比べると、安っぽく、軽そうに見える銃だ。  
 
「こっちには作戦の際に使用する予定だった、対アーカード専用弾が一発だけ込めてあります。 
 ただし、アーカードの体内に弾丸を留めないと意味がありませんし、確実に効果があるかどうかも怪しい代物です。 
 ――ですが、気休めにはなるとおもいますから」 
 
そして小さく微笑む。 
 
「あと、伝言は承りました。エレンさんはお任せください。必ず安全な場所まで離脱させます」 
 
エレンを担いで(彼女の体格では抱かかえるのは無理なので)走り出す前、魔女は最後に一言だけ告げた。
 
「またすぐに会いましょう。幸運を!」 
 
魔女の祝福に効果があるとは、自分でも思えなかったが。
232涼元楽志(M):02/03/24 12:50
両儀式vs涼元楽志
>156

彼女が笑った。

死の息吹を、灼熱の殺意を、限りなく不安定な未来を感じとって。

彼女が笑った。

紅い旋風の中心で、極限まで引き絞られた弓弦のような表情で。


彼女が、笑った。


床を壁を天上を嘗め尽くす制服から木刀から彼女自身の肉体から吹き上がった
赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い劫火の中――――――――



―――――――カノジョガ、ワラッタ―――――――



でも、これが彼女の最期。

炎に抱かれ、彼女は消える。
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王
>159

『Gwooooooooooooooooooooooooooaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

屍だらけの戦場に、絶叫が響き渡った。
理性も、感情も、意思すら残っていない原始的な叫び。

異形と化したネレベルティは、腹部に大穴が開いた状態で
それでも腕を振り上げる力を残している。


ひとしきり本能的な反射によって出鱈目に暴れ回った後、狙いを傭兵に定めたソレが
土煙を上げて走りこんでくる。
ただ、目の前の得物を切り刻むためだけに。
Broken Doll vs Stupid Zombie ...vs Eccentric Butler『血塗れの遁走曲?』
>652

ああ、もうムカツクムカツクムカツクムカツク!!!!

あのクソガキ、一発ぶん殴ってやる。
再教育のための愛の鞭。決して私怨からではない!
うん、そうだ。私はそのために彼女を追っかけてるんだ。そう決めた。決めたったら決めた!

「クックックッ・・・覚悟しなさいよ・・・」

最高にステキな笑みを浮かべながら、彼女の背中まで後少しという所まで迫ったその時――――――


巨大な怪鳥が奇声を上げた。


―――――――――――――――――――はい?


ええ、ひとというものはあまりにもふかかいなげんじつにでくわすとしこうかいろがおーばーひーとするもので・・・・・・・・


プツ―――――――――――――ン

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


「・・・・・・フフ・・・・・・フフフフ・・・・・・」

俯いたままの状態で、私は笑った・・・・・・。

「・・・・・いいじゃない・・・上等よ・・・アンタ達がよってたかって私を馬鹿にするって言うのなら・・・・・・」

背中の奇銃、『金剛ブレード』を引き抜いて・・・・・・。

「私もアンタ達の流儀に合わせてあげるわ・・・・・・」

ブレード、オープン。エネルギー充填・・・・・・。

「とりあえず吹っ飛べ怪鳥&変態ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

ビーム発射。

閃光、爆音、そして―――――――――――狂気。

全てを振り切った(かなぐり捨てたとも言う)菩薩のような笑みで――――――――


修羅と化した私が笑った。
235吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 13:53
>228 >231 アーカードvsファントム

走り出そうとする魔女を一度呼び止め、そしてエレンの顔を覗き込む。
うっすらと開けられた瞳は、かつてアインと呼ばれていた頃のそれよりも
光を失っている様に思えた。

「君は……俺が守るから。」

かつての誓いを繰り返す。 髪に指を通し、軽く唇を重ねる。

−−−−そう、今キミを残して逝くなんて、できる筈が無い−−−−

にっこりと微笑んで走り出す魔女、
二人の姿を見送り俺は戦いへと臨む決意を終えた。

手元の銃を確認する。

デザートイーグルを取り出し、薬室に弾丸が装填されているのを確認すると、
マガジンを抜き取り、.50AE弾をもう一発追加する。
中途半端に持っていた一発は、かつて特殊任務用に用意した、KTW徹鋼弾
吸血鬼相手にはむしろ効果は薄いかも知れないが、これで7+1発のフル装填
状態となる。

そして新たに手渡された無骨なリヴォルバー
R&VM62Eマグナム?聞いた事の無い名だ。
しかしその作りから半端な銃では無い事は想像がついた。
作動を確かめる…… 全く問題は無い。
同時に手渡された2ラウンドのスピードローダーをポケットにしまう。

そしてどこにでもありふれたグロッグ19……。
対アーカード専用弾?
どんな物かは判らない…… しかしこれは必ず奴の中心に撃ちこまねばならない。
俺はグロッグを右脇の…… グロッグにはやや大きすぎるショルダーホルスターに
納めた。

そして手近に転がっていた材木とロープを使って簡単な罠を仕掛ける。
自分でも呆れる程陳腐な罠にすぎないが、カモフラージュだけは完璧だろう。

建物の影に身を潜め、奴を待つ。

「アーカード…… と言ったな…… 」

来い…… 人間の力を見せてやろう。

236横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/24 16:02
>226 >227 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
 どげしぃ。 
 昏倒、暗転。 
 腹に肘を叩き込まれ、痛みと衝撃が俺の脳髄をぐわんとぶち抜いた。 
 後はもう、滑る落ちるような意識があるだけ。 
 喪失感っつーか、落下感っつーか。 
 現実がバラバラと音を立てて崩れていって、深い深い闇が世界と視界を包み込む。 
 光すら差さない暗い底――――その中に俺は叩き落とされた。 
 
 あ〜・・・なんだ、こりゃ。 
 俺は確か殴り飛ばされて・・・気絶したのか? 
 ――――い、イヤやっ! こんな真っ暗ン中で一人きりはイヤや! 
 だ、誰かおらんのか? というか、ねーちゃんは何処やぁ!  
 あの柔らかい感触は、何処へ消えたぁーーーーーーーーーっ! 
  
「――んとっ! ねーちゃんと一緒がええんやぁっ!」 
 
 叫んでおいて、腹の痛みに身を竦める。でもお陰で頭がすっきりした。 
 何とか目を闇に慣らすと慎重にシロと女の子、二人の姿を追う。 
 巡らした視線の先――――居た! 距離はさっきに比べて、随分離れちまったるけど。 
 その視界の端っこで、二人は組み合っているようだった。
 
 あの一撃、打たれ慣れてる俺だから耐えられたようなもんだ。 
 シロのやつでも正面から喰らえば、ヤバイ。 
 しかもシロのヤツは俺のおおボケとあの娘の策で、目も鼻も利かない。 
 
 ――クソッ、どうして俺はこう・・・あ、いや、俺を呪うのはいつでも出来る。 
 ――今は何としても、シロを助けてあの娘を捕まえないと!!  
   
 掌に文珠を二つ出す。 
 だけどここは暗闇の中、しかも腹の痛みで全身に力が入らない。
 文珠を投げつけるのは絶望的だ・・・だから、別の手を使わないと!  
 一つの文珠に文字を刻む。「接」――――あの娘の姿を思い浮かべ、俺は文珠を転がした。 
237アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 22:19
>231>235 アーカードVSファントム
 
 アーカードは走る。
 行きがけの駄賃に不死者をジャッカルで、改造銃で吹き飛ばしながら。
 素手で死んだ体を引き裂きながら。
 
 無数の死者は、振り切ろうとするアーカードを飽くまでも足止めしようとする。
 それがどれほど空しい努力であるかを不死者は自覚する術を持たないのが救いがたいほどの悲劇か。
 群がる側から肉塊、そして灰へと還っていく不死者達。
 アーカードはまるで何事もないかのような速度で走りながら不死者に死を振りまいていた。
 
 既に追いすがる不死者もいなくなった頃、突然アーカードは足を止めた。
 何の変哲もない建物に挟まれた道。
 そこには人の気配など微塵もない、アーカードにも気配は感じられない。
 
 ――ただ、匂ったのだ。
 拭いがたいほどの血の匂いが、魂にまで染みついてしまったほどのどうしようもない血の匂いが。
 それが、これまでの時間で積み重ねてきたモノが、あの少年が此処にいる事を雄弁に示唆していた。
 
 それと同時にアーカードは舌を巻いていた。
 もし万が一血の匂いがなければ、何も気付かずに此処を通り過ぎていたに違いない。
 そう思わせるほどに気配の殺し方は完璧だった。
 ただ此処にいることが分かるだけ、何処にいるのかは分からない。
 
 だから、アーカードはそこで立ち止まって顔を上げ、辺りに響く声でただ一言告げた。
 
「さぁ、どうした? 出て来いよ」
 
 静寂に、不死の王の声が響いた。
238ロン:02/03/24 22:31
>ロン VS 御神苗優 導入

 上海はその夜、雨の白いベールに包まれていた。

 すでに数時間、ロンは闇に身を潜めている。その場所は標的の住居を監視するには格好の場所だったが、しかし容赦無く雨に曝され続けていた。
 羽織ったコートの襟首から雨水が入り込み、ロンの容赦無く体温を奪っていく。だがロンは表情をまったく動かさずに監視を続けた。

 今夜の"標的"は上海では名の通った男だった。すでに80を越えて引退しているはずだが、未だ裏の社会に隠然たる影響力を持つ。
 今夜、重要な会談に標的が出席することはわかっていた。暗殺の目的は、会談の妨害なのである。


 もっとも、ロンはそのあたりの事情には無関心だった。
 一度放たれた矢は己で考えることをしない――暗殺者はただ標的を殺すことだけを考えていれば良い。それが生き方だ。

 会談に間に合わせるには、時間的な余裕はそろそろ無い。
 ロンの想念に応じるかのように車が玄関に回され、屋敷の玄関が開いた。
239青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/24 22:38
『飼い犬』
>213
 近距離で撃たれた弾丸は、人工筋肉を食い破り、僕の腕に突き刺さる。

 少年が死んだ事で、彼女の心のバランスは崩れてしまったようだった。
 その顔に怒りの形相を浮かべて、狂ったように引き金を引く彼女。

 あぁ、人の心で遊ぶのは、何でこんなに愉しいんだろう。
 こればかりは、いくらやっても止められないよ。

 銃を持った腕は銃弾に傷つき、もはや銃の引き金を引く事は出来はしないだろう。
 だけど、そんな事は別に大した問題でもない。
 人を殺すのに、自分でやる必要なんて、ないんだから。

 腕が破壊されるのも構わずに、未だ僕の手の中で苦しむ少女を、
修道服の彼女の正面に持ってくる。
 もちろん、弾丸が少女の心臓に当たるように調整するのも忘れない。

 修道服の彼女は、それを見て慌てて引き金を引くのを止めたけれど、
今更になっては遅すぎる。

 彼女の放った銃弾は、寸分の狂いもなく少女の胸に突き刺さり、
その小さな命を躊躇なく食らい尽くした。

 少女の顔は見る見るうちに蒼白になり、やがて口から血を吐くと、
ぐたりとなって、それきり動かなくなった。

「あは、殺しちゃったね。今度こそ、本当に君が殺したんだ。
 君の銃弾が、君のその手が、君のその殺意が! 彼女を殺した!
 彼女は助けを求めてた。僕の手の中で、ずっと君の名前を呼んでたよ、ロゼット。
 だけど、可哀想に。君はそれを無視して! 殺した! 君の手で!
 彼女も! そして彼も! 君が殺したんだよ! ロゼットッ!」

 僕の手にある「現実」を彼女に突きつけて。
 僕は、彼女を責め立てた。
240吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 22:40
>235 >237 アーカードvsファントム

アーカード 「さぁ、どうした? 出て来いよ」

流石に鼻が利く奴は俺の隠れている手前で立ち止まる。
が、大人しく対峙してやる義理等無い。

俺は隠れていた建物から一気に飛び出すと、
奴に向かって両腕で構えたEマグナムを連射する。

”銃声の切れ目すら判らない雷鳴のような6連射!!”

パイソンのものとは比べ物にならない強烈な反動がが俺にかかる、が、
もはや本能の様にしみついてしまった、腕が、体が、その全てを制御する。
道の反対側の建物にたどり着く迄にシリンダーをスイングアウトさせ、
イジェクターロッドを弾いて空薬莢を排出。
宙に舞った薬莢が地面に落ちるより速く、スピードローダーで新たな6発をシリンダーに
滑り込ませ、手首のスナップでシリンダーを戻す。
241御神苗優:02/03/24 22:45
 ロンvs御神苗優
 
 俺は、窓に叩きつける雨を見ていた。
 
 「こんな日は、よく荒れるんだよな、色々と」 
 
 魔都、上海。俺は護衛の任務に当たるため、とある有力者の家に居た。
 アーカムとの提携。それは上海裏社会の均衡を破るには充分過ぎる代物だった。
 暗殺を恐れた男は、護衛を頼んだ。その任務に選ばれた不幸な奴が俺だった。
 正直、なんでS級工作員の俺が、こんな仕事にかりだされにゃいかんのか・・・・・・ 
 
 『御神苗さま、こちらにいらしたのですか』 
 
 何時の間にか、俺の後ろには一人の少女が立っていた。
 依頼人の孫娘、だったか?まだ13,4歳程の少女。
 
 「あぁ、すまん、そろそろかい?」  
 『い、いえ、あの、まだお時間ありましたら、お話でも、と思いまして・・・・・・』 
 
 その時、俺を呼ぶ声がした。さぁ、仕事だ。
 
 「すまねぇな、時間みたいだ。それじゃ、また後で」 
 
 俺は少女とともに広間へと移動する。
 男は既に用意を整えていた。
 傍には護衛の男が3人、立っている。
 
 『それでは、よろしくお願いいたしますよ、妖精』
 「あぁ、仕事はきっちりさせてもらう」
 
 短い言葉を交わすと、玄関へと歩いていく。
 それを見ながら、孫娘は心配そうに見送っていく。
 
 ―――そして、運命の玄関は開いた――― 

 
>237 >240 アーカードvsファントム

エレンを用意しておいた中古車の後部座席に横たえると、ヴァージニア・イレブンは一旦車の外に出た。
両手を空にかざして伸びをし、再度使い魔を分化させて空に飛ばす。 
  
「さて、元ファントムが最強の吸血殲鬼に何処まで食い下がれますかね」
 
楽しそうに呟くと、車の運転席に戻り、助手席に置いてあるバッグを探る。 
そして中に置いてあった占いビスケットのパッケージを開けると、一枚取り出し丸ごとパクリと飲み込んだ。
内部に封入されてあった言霊は現れることなく飲み込まれ、消耗した魔女の呪力を僅かに癒す。 
 
本来偽装のためにしか使い道の無い機能だが、ヴァージニア・イレブンが現在使用している擬体は
カスタムついでに呪力供給機能を備えている(もっとも味覚までは備えていない)   
 
「でもこれ、やっぱり非効率に過ぎますね。何を考えてこんな機能を追加したんでしょうか……」 
 
ぶつくさ呟くと、魔女は目を閉じ、使い魔とのチャンネルを開いて観戦を開始した。

243ロン(M):02/03/24 23:02
>238>241 ロン VS 御神苗 優

 護衛は4人。標的は・・・歩き方の癖で分かる。間違いなく本物だ。
 ロンは隠れ場所から走り出た。コートをなびかせ、水溜りを蹴立てて走る。


 一人目が振り向くと同時に鋲を目を狙って投じる。
 のけぞる護衛の体を他の3人からの盾として接近、親指一本の貫手で喉を潰す。

 勢いを殺さず、体当たりするようにして亡骸を2人目に突き飛ばす。
 その影から走り出、護衛の構えたサブマシンガンの銃口を左手で逸らすと、みぞおちに一撃。内臓の破裂した感触。
 ロンはそのまま走り抜け、残り2人の護衛に守られた標的に迫った。
>239
『青い脅威』 vs青の魔王
 
もらった!!
奴の腕から血が吹き出す!それでも、奴からは余裕の様子が見て取れた。
馬鹿にしてッッッッッ!!!
私は、頭に血が上るのを感じながら、再びトリガーに指をかける!

次の瞬間。
 
奴は、アズマリアを私の前に突き出した。
まさに、盾のように。
 
しま・・・・・ッ!!
 
だが、私の指はもうすでにトリガーを引いていた。
 
 
び し ゃ り 、 と 。
 
私 の 顔 に ア ズ マ リ ア の 血 が か か る 。
 
 
「けほっ・・・・・。」
 
それが、アズマリアの『最後の言葉』になった。言葉ですらない、ただの音。
ああ、ヒトはこんなに簡単に死んでしまうものなんだ・・・・・。
 
『あは、殺しちゃったね。今度こそ、本当に君が殺したんだ。』
五月蝿い。
『君の銃弾が、君のその手が、君のその殺意が! 彼女を殺した!』
五月蝿いよ。
『彼女は助けを求めてた。僕の手の中で、ずっと君の名前を呼んでたよ、ロゼット。』
五月蝿いなぁ。
『だけど、可哀想に。君はそれを無視して! 殺した! 君の手で!』
五月蝿いのよ。
『彼女も! そして彼も! 君が殺したんだよ! ロゼットッ!』
五月蝿いって。
 
「だから、どうしたのよ? くひ・・・ひははははは・・・・・ひゃははは・・・・。」
 
可笑しい、可笑しくてしょうがない。笑いたくてしょうがない。
 
「く・・・ひはははは!!ひゃはァァはぁはははははッッッッッ!!」
 
壊れた。もう完全に壊れた。ロゼット・クリストファという人間は。
ここにいるのは、ただの狂人。
 
「氏ンじゃイなさいヨォ!あンタ何かぁッ?」
 
狂人は、彼に向けて銃口を向けると、そのままトリガーを引く。
狙いも何もない。ただ、撃つだけ。
狂人に常識はない、何故なら、『狂人』だから。
245御神苗優:02/03/24 23:12
>243 vsロン
 
 玄関前には既に車が回されていた。
 後はこの男を車に乗せるだけ・・・・・・・ 
 
 護衛の3人は先に玄関へと出ると周囲を警戒している。
 襲撃してくるならば、ここか・・・・・・もしくは会見場所。
 
 そして、俺の予想は見事に当たった。
 当たって欲しくも無かったけどな。
 黒い疾風が走り寄って来る。
 一瞬で二人までもが倒された。
 俺は残る一人に男を守って室内に入るように指示しながら、
 疾風の前に立ちはだかる。
 
 「あんたにゃ恨みも何も無いが、こっちも仕事でね!!
 アンタに殺させるわけにゃあいかねぇんだよ!!」 
 
 腰のホルスターから愛用のSAUERを引き抜くと、男の頭目がけ、
 弾丸を打ち込む。依頼人が逃げ延びるだけの時間は稼がなくちゃな。
246アーカード ◆ARCARDr. :02/03/24 23:19
>240>242 アーカードVSファントム
 
 物陰から肉食獣の勢いを伴って少年が飛び出してくる。
 その手に握られている銃はアーカードにも見覚えのない代物だ。
 アーカードがその動きを知覚するよりも早く、少年はその奇妙な銃の銃弾を全弾アーカードに叩き込んでいた。
 
 所詮は銃と軽く見ていたアーカードは、しかしその威力を自分の体で実感した。
 魔力付与された銃弾が頭を砕き、腕を吹き飛ばし、胸に大穴を穿ち、体を仰け反らせる。
 都合六発の弾丸は、全てアーカードにヒットして確実に成果を挙げていた。
 
 それでもアーカードは歓喜していた。
 その威力もさることながら、不安定な体勢で全てヒットさせた少年の技量……。
 なるほど、最初に感じた予感は間違いなく本物だったという事だ。
 
 だが、だからといってアーカードも攻撃を喰らって黙っているほどお人好しではない。
 残った片腕で改造銃を構えて、引き金を引く。
 この程度を凌げないのならばそれまでだったという事に過ぎない。
 
 だが、改造銃の銃弾は空しく物陰に弾けるのみだった。
 既に少年は姿を消している。
 そして、やはり気配はまったく感じさせないままだ。
 
「ほぉ……。なるほど、ヒット&アウェイか。確かに正しい戦法だ」
 
 銃弾の影響で、未だ再生途中の頭が喋る。
 
「だが、何処まで保つか? 我慢勝負だな」
>227 >236 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ 
  
目も鼻も効かない状態で耳だけが冴えている。
 
……やたらと鈍い音がしたでござる。

それが何の音か本能的に理解できる、混乱と嫉妬が急速に別の思考に置き換わる。
 
……十分過ぎるほど人を殺せる威力があるでござる。
  
視力が徐々に回復する、先ず見えるのは黒い魔物、そして動かない先生。 
 
犬神族にとって仲間はなによりも優先すべき存在だ。
 
……自分の命よりも大切な存在でござる。 
  
「…先生? 嘘でござろう?」
 
思考が切り替わる、目の前の魔物は『敵』でござる、先生の仇でござる!!
この敵は拙者が滅ぼすでござる。
全ての神経が戦いに集中する、必要な情報以外を遮断して反射速度を上げれば
人狼に捕らえられない者など居ないでござる。
  
「うおおおおおおッ!!」
  
足元が滑る、宙返りを打ちながら魔物の女に蹴りを入れ距離を取る。
着地すると同時に霊波刀を右手に集中し一気に切りかかる。
  
「覚悟!! 先生の仇でござる!!!」
  
(外部の音は聞こえてないでござる)
248ロン(M):02/03/24 23:27
>245 ロン VS 御神苗 優

「チッ・・・」
 舌打ちをもらし、ロンは車両を盾にとって銃撃を防いだ。
 1人、手練が混じっていた。残り2人を一気に抜いて殺る目論見が崩れる。
 標的は護衛の1人と共に屋内に戻ろうとしていた。時間をかければそれだけ不利になる、迷っている時間は無い。

 半身を出し、左手で鋲を投げつけて牽制。
 ついでコートを脱ぎ捨てて投げ上げ、跳躍した。体を横にして車を飛び越える。
 銃弾が至近を掠める感覚。

 濡れたルーフの端を掴んで軌道を修正し、空中から回し蹴りを放つ。
249御神苗優:02/03/24 23:40
>248 vsロン
 
 男は車を盾にしながら、こちらに向かって着実に進んでくる。
 ナイフを投擲した奴は、移動しながらコートを脱ぎ捨て、
 一気に跳躍した。一飛びで車を飛び越えるだと!? 
 
 だが、驚愕している暇はなかった。
 ナイフを手刀で叩き落すと、身構える。
 奴は車のルーフで軌道修正すると、俺に向かって回し蹴りを放つ。
 俺は半身を捻るようにそろを避けると、
 回し蹴りをしてきた足を掴み、手近な柱に向けて放り投げた。 
 
250吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/24 23:46
>242 >246 アーカードvsファントム

6連射は確実にヒットしたようだ。
確かな手ごたえ、利いてはいるのだろう……。
だが巨象にナイフが突き刺さったといってそれを利いたと表現していいのか?

奴の巨銃の追撃が俺の後を追う、
直前に居た地面で銃弾が爆ぜ、今飛び込んだ建物の角の柱が吹き飛び、
そして次は建物の壁に巨大な穴が穿たれる。

物陰から物陰へ、こちらは逃げながら戦う他に無い。
一発でもまともに喰らえば、アウトだ。

だが逆に幸いな事は奴の弾丸が爆裂徹鋼弾だと言う事。
モンスターの硬い表面を貫いた直後に爆裂し、最大のダメージを与える様
調整されたそれは、遮蔽物を貫いた直後に爆裂し、巨大な穴を穿つが、
遮蔽物から距離を取っている俺までは届かない。
これがライフルや、更なる重火器ならそうもいかないのだろうが……。
 
俺は建物の裏を駆け抜けると奴の横に飛び出して、更に6連射を浴びせ掛ける!
そして物陰に隠れて給弾。

「いいかげんくたばらないか、こいつは!?」
251ウピエル ◆Upielb0Y :02/03/24 23:48
格闘大殲〜エピローグ〜
・・・GAME OVER?・・・
>10


・・・なんだか良くわからない闖入者で、一気にテンションダウン。
戦う気が失せた。
何と言うか、「闘争の空気ではない」ってヤツだ。
 
ダメージが回復し切って入ない。
再生の為にそのまま大の字になって寝転ぶ。
そして、夜空を見ながら考えている。
 
何故戦うのか・・・
憎み合っているわけではない(と、思う)
こんな、誰も見ていない所で・・・
拍手だって、称賛の声だってもらえやしないのに・・・
何故・・・?
 
答えは一つ。
『バカだからだ』
 
「門が開いちまったな・・・」
夜空に呟く。因みに、なんの門かは俺も知らない。
 
みほ・・・と、良くわからない乱入者はどうだか知らないが、テメェが開けたんだぜ・・・
ヘヘッ・・・
俺はやっぱり行くしか無いんだな・・・(何処へ?という突っ込みは禁止である)
 
そう、考えながら・・・ただ、俺は夜空を見上げていた。
 
―――伝説は、この日から始まった・・・
  修○の門をくぐった男の伝説が―――
 
第一部・完
「第2部では武器の使用も一向にかまわんッッ!!」
それはもうええっちゅーねん!!
(END)
252ロン(M):02/03/24 23:58
>249 ロン VS 御神苗 優

 蹴り足を取られる。外見からは想像できない、強烈な握力。
 強烈な力が加えられると同時に、逆足で顔面に蹴りを放った。爪先が相手の頬を掠める。
 瞬間、わずかに緩んだ把握を足を捻るようにして強引に振りほどいた。
 不完全な投げは勢いにかけ、ロンは空中で身を捻って着地。

 位置関係が変わる。
 一瞬、ロンは玄関の方へと足を向ける素振りを見せた。ちらりと投げた視線。
 それをフェイントに、一気に間合いに飛び込む。
 突進の勢いを借りた突きが、スプリガンの顔面を襲った。
253ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/24 23:59
>247 闘争。そして逃走 〜RUN THROUGH〜  VS 横島&シロ
 
少女の闘気が膨れあがる。
殺気がほとばしり、腕の輝きが増す。
今までは私を捕らえようとしていたのだろうが、
今度は殺しにかかってくる。
 
…だが、少女は油に足を取られた。
それもつかの間、一瞬にして体勢を立て直し向かってくる。
凄まじい体術。天性のものと身を削る訓練とがその動きをさせるのだろう。
 
? 少女の耳が…? あれは人のものではない!?
それならば容赦しない。
既に抜き放っていたスーパーレッドホークを向ける。
 
いかに早くとも、頭に血が昇ったその動きは直線的だ。
―――捕らえた。引き金を引き絞る。
 
.454カスール弾が飛んでいく。
私の殺意の延長が、まっすぐに尾を引き彼女に飛んでいく。
 
背後から転がってくる小さな珠に気が付かない程、
私は目の前の闘いに集中していた。
254青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/25 00:11
『飼い犬』
>244
 今度こそ。確実に狂ってしまった彼女は、狙いも定まらないままに
銃のトリガーを引き続ける。
 
 そんな銃弾が、もちろん僕に当たるはずもなく。
 だけど、一応の用心に、手に持った少女「だったもの」を正面にすえ、
降り注ぐ銃弾の盾にする。

 すぐに、銃声は途絶え、あたりに静寂が訪れた。
 まぁ、当然か。ハンドガンであれだけ引き金を引いたんだ、
そりゃあ、弾も切れるってもんだろう。

 一息ついたところで、僕は、手に持った少女を、ちらりと確認する。
 
 随分風通しが良くなったものだね。
 これはもう駄目だな。まぁ、別に構わないけど。
 
 興味を無くして、手に持った「それ」を投げ捨てると、未だにトリガーを引き続ける
彼女に近寄った。

 カチリ、カチリ、カチリ、カチリ、カチリ、カチリ、カチリ、カチリ、カチリ………

 泣きながら、笑いながら、悲しみながら、怒りながら。
 彼女はトリガーを引き続ける。
 
 カチリ、カチリ、カチリ………

 僕は、彼女の手から、もうとっくに弾の切れた銃を剥ぎ取ると、
奪われた事も気付かずにアハハと笑い続ける彼女を強く抱きしめた。

「僕と来い………ロゼット」

 何故、そうしたのかはわからない。
 ただ、もしかしたら。

 心が折れ、生きる理由を失って狂ってしまった彼女に、
何処となく、僕と似たものを感じたから知れなかった。
255御神苗優:02/03/25 00:11
>252 vsロン
 
 奴は掴まれた足を軸に、俺の頭へ強烈なけりを放つ。
 首を捻って避けるも、爪先が頬をかする。
 頬が裂けた感触と共に温かいモノが流れ出る。
 掠っただけでコレかよ・・・・・・・
 
 目の前の男は、強引に俺の拘束を振りほどき、俺の目の前に居る。
 お互い、一完歩で届く距離で対峙している。
 汗が一筋流れる。
 
 奴の目線が一瞬玄関へと移った。
 突入する気か?
 俺は微妙に動いた。空気が動く。
 奴は一瞬にして自分の間合いに動くや、
 高速の突きを放った。
 
 一瞬、反応が遅れた俺は、それを受け流すのが精一杯だった。
 吹っ飛ばされた俺は、柱に激突する。
 
 「痛〜〜〜!!やってくれるじゃねぇか、この野郎!!」 
 
 俺は崩れた柱から起き上がると、男に向かって飛び込むと、
 左の連打から右の正拳を狙う!! 
 
 
さてと、私も正式参戦をするぜ。
本編での鬱憤ぐらい、此処で晴らしてもいいだろう?
私の名はコルネリウス・アルバ。
魔術師だ。
まあ、人形を創ることやルーン魔術に関しては第一線級だと自負しているな。 
あの忌々しい傷んだ赤に及ばないのには腹が立つが……
 
出典 :空の境界 
名前 :コルネリウス・アルバ 
年齢 :50代前半(見た目はかなり若く見える)
性別 :男性 
職業 :魔術師
趣味 :アオザキへの復讐か?
恋人の有無 :いないな
好きな異性のタイプ :さあね 
好きな食べ物 :ドイツ出身だから、ソーセージあたりかい?
最近気になること :私のイラストは?
一番苦手なもの :アオザキトウコ……
得意な技 :人形造り、ルーン魔術、攻撃魔術
一番の決めゼリフ :はは、ははは――――なるほど。はじめから全て手の平の上というわけか。
さぞ楽しかっただろうね、アオザキ
将来の夢 :とりあえずはアオザキを殺すことだな。
ここの住人として一言 :あまりヘタレ扱いは止めて欲しいね
ここの仲間たちに一言 :私はこれでも一流の魔術師だぜ?
ここの名無しに一言 : 月境スレの私と混同しないでくれよ。ここではあそこまでヘタレるつもりはないからね。
>254
『青い脅威』 vs青の魔王

狂人の放った一撃は、そのすべて防がれていた。
彼の持つ、『盾』によって。
 
「ひ、ひひひひ!あははははははは!?」
 
それでもなお、狂人はトリガーを引き続ける。
まるで、トリガーを引くという行為そのものを楽しむように。
 
かち!かち!かち!
 
弾が、尽きる。
彼が盾にしていたものは、もう唯の肉塊と化していた。
 
「ふひひひひ!ひぁははほほほ!?」
 
狂人はそれでもトリガーを引き続ける。
もはや、手にした道具の使い方さえ覚えていないのだろう。
彼は、狂人の腕から銃をもぎ取る。
 
それでも、狂人は『目の前にいる誰か』に向けて、銃を打ち続けていた。
 
彼は、そんな狂人を哀れむような目で見ると、きゅっと抱きしめた。

『僕と来い………ロゼット』
「??は、はははは?」
 
狂人は、焦点の合わない目で一瞬きょとんとした表情を見せる。
 
「うぁ・・・?う、う、う・・・・・うぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
 
狂人は泣いた。
 
まるで、幼子がはぐれた親に泣きつくように。
それが、ひょっとしたら狂人ではない『彼女』に残された、最後の感情かもしれなかった。
>253 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ
  
銃弾が飛んでくるござる。
だが、拙者に銃弾を当てるのは簡単ではないでござるよ。
  
銃弾は直線的にしか飛ばないでござるよ。
発射される前に軌道を読めば問題ないでござる。
  
「甘いでござる!!」
  
直線的な動きのまま天井をまで飛びあがり、さらに天井を蹴り
黒い魔物の頭上に霊波刀を振り下ろす。
   
「もらったでござる!!」 

身体能力の差から来る、接近戦の不利は覚悟でござる。
だが決して諦めないでござる、仇はうつでござるよ。 
259アーカード ◆ARCARDr. :02/03/25 00:40
>250 アーカードVSファントム
 
 更なる六連射がまたもアーカードの体を穿つ。
 再生が終わりかけていた頭がまたも無惨に吹っ飛び、体中穴だらけ。
 
 だが、そんな惨状にも関わらず、やはりアーカードは動いていた、再生していた。
 もはやそれは人型をなしていない、言ってみれば動く切れ端と言った物体。
 それでもそれが死んでいない事は、切れ端がザワザワと蠢きながら動いている事から見て取れる。
 
 それが、今まで立ち止まったままだった切れ端が歩き出した。
 まるで質の悪いB級ホラーのワンシーンであるかのように。
 千切れ飛んだ腕すら従えて、それが歩き出した。
 このままでは埒があかないと考えたのか、アーカードは状況を動かす事を選んだようだ。
 
 不死の具現が、少年を求めて動き出す。
260ロン(M):02/03/25 00:40
>255 ロン VS 御神苗 優

 仕留め損ねた。
 ロンはどうやら眼前の敵の力量を見誤っていたことに気づいた。
 度の入っていない丸眼鏡の奥で、目を細める。

 連続した突きをさがりながら捌く。速い。加えて異常な筋力に、受けた手が痺れる。
 裂け損ねた一撃が頬を掠めて眼鏡を弾き飛ばし、若干体勢が崩れた所に右のストレートが襲った。
 左腕を強引にねじ込んで受ける。受ける瞬間に前腕を外に捻って力を流したが、それでもその一撃は左腕に強烈な痺れを残した。

 だが相手の動きも一瞬止まっている。
 ロンは右の貫手で目を狙い、同時に右足を跳ね上げ、爪先蹴りで股間を狙った。
261キース・ロイヤル(M):02/03/25 00:46
魔術士オーフェン・無謀編 「誰もお前は呼んでねえ!」番外編、
執事キース・残虐編 「血塗れ?ああ、あそこで言う所の午後のひとときの事ですな」
 
>234
 
兵器と名の付くものは数あれど、
彼はここまでの威力を持つ兵器は見たことが無かった。
いや、厳密に言えば、これに似た破壊力を持つ現象とは幾度となく立ち向かった事があるが。
一直線に伸びる、まさしく光の速さそのものの閃光は、確実に執事男と怪鳥を捉える―――
 
 
「ハイヨー」『きゅきいっ!!』
 
 
―――寸前で発せられた、執事男のやる気なさげな掛け声に、
怪鳥が恐ろしいまでの反応速度を見せ、
 
ぷおーーーーん。
 
閃光は微妙に間抜けな音を立てつつ、身をひねった怪鳥の真横を通り過ぎて空へと掻き消えて行った。
 
「流儀?はっはっは、おかしな事を仰りますな、ビーム淑女様。
私は一度たりとて人をバカにした覚えなぞありませんぞ。ええ、ありませんとも」
 
閃光に全く動じた様子も無く、執事男が喋る。怪鳥の足にぶら下がりつつ。
 
「むしろ、私が行っているのは、人をバカにする技術を極限まで極め、
相手を激昂させることで状況を自分の有利なものへと導く、
故・グレインゴル殿が生み出した特殊戦術・『たて笛ネガティヴ』ですので、全く問題は無い訳ですな」
 
片腕をもう一方の腕で支え、顎に手を乗せた――いわゆる考える人ポーズ――で頷きつつ、執事男はそう続けた。
 
――すると。
当然両手は怪鳥の足から離れる。
空中で、掴まるところを失い、放り出された人体とは、
果たして如何な動きをするものなのか。
当然、ものには重力が働く。重力は、地球の中心に向かってものを引き寄せる。
 
すなわち――――
 
 
 
 
    
           ―――落ちた。
 
何故か直立の姿勢のまま落下する執事男。
が、一瞬後には、彼は地面へと華麗に着地することが出来た。
その際に、何かを踏んだ感触と、「ぎゃふっ」と鳴く声がした事については、程よく無視しつつ。
262遠野秋葉 ◆tM5HIKOU :02/03/25 00:48
>257
 ――ソレはもうひとつの世界の出来事
 
 ――ソレは無数に分岐する道から選ばれた一つの道―可能性
 
 その空に浮遊する長い黒髪の少女はその可能性の一つの中でロゼット・クリストファに殺された。
 彼女はロゼットが人を殺すのを散々、ためらったことを知っている。
 そして、ロゼットが自分と違うのか疑問をもった。
 ゆえにここにいる。  
 
 そして、少女は今、別の可能性であるロゼットが狂気に走り、人を殺そうとするのを見ているを嘲笑した。
 
 ――ああ、なんだかんだ言っても、この少女は偽善、一皮剥けばただの殺人者だったのかと……
 
 浮遊する少女はひとしきりロゼットを見つめた後、又、空へと飛んで行った……
263御神苗優:02/03/25 00:53
>260 vsロン 
 
 俺の攻撃を全て受け流すとはね・・・・・
 こいつも生半可な実力じゃねぇ、ってことか。

 正拳を叩き込んだ後の一瞬の硬直状態。
 そこに奴は目潰しと金的を狙ってきた。
 俺はゾクゾクしてきた。
 ここまでゾクゾクさせてくれるかよ!! 
 
 俺は左で貫手を撥ね退けると、
 宙返りをするように後方に飛ぶ。
 その際に、奴の胸に一発蹴ることは忘れなかった。
 
 
264青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/25 00:58
『飼い犬』 エピローグ
>257
 何日かして。僕の家には、住人が一人増えた。
 
 ただ、まぁ、なんと言うか。
 
 黒い皮の首輪をつけ、鎖に繋がれて、虚ろな目をしてすり寄って来る
従順な『飼い犬』が、今更一匹増えた所で。

 そんな事は、この世界にとっては何の関係も無い、
小さな、ほんの些細な出来事ではある、と思う。

 今日も、昨日と同じ。舞のいない、平和で、退屈な日々だ。
>264
『青い脅威』 vs青の魔王
〜エピローグ〜
 
てで、じぶんのくびにふれてみる。
 
そこにあるのは、くびわ。
めのまえにいるのは、ごしゅじんさま。
 
むかしのことはよくおぼえていない。
おぼえているのは、このいえにきたときから、いままで。
 
おぼえていないということは、それよりまえはなかったんだろう。
しりたくもないし、むしろ、ひつようない。
あっても、いまのわたしにはじゃまなだけ。
 
「ごしゅじんさまぁぁ・・・・・。」
 
ちょっとあまえてみる。
ほかにもたくさんともだちがいるから、さびしくない。
けど、やっぱりごしゅじんさまにかまってもらえるほうがいい。
 
あたまをなでてもらう。それだけでも、とてもうれしかった・・・・・・。
 
====Bad End?====
266ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/25 01:10
>258 闘争。そして逃走 〜RUN IN〜  VS 横島&シロ
 
少女の姿を一瞬見失う。
目で追うのは間に合わない。
身体の奥にある生存本能に身をまかせる。
 
―――上!
 
倒れ込むようにして回避する。
あの光る剣…ナイフで受けきれるだろうか?
考えている暇はない、逆手でナイフを抜く。
 
火花が暗い店内に飛び散る。
ギリギリと押し合うが、体重を乗せている分、彼女の方が上だ。
銃を捨て、両手で支えているのにじわじわと光る刃が迫ってくる。
 
とっさに膝を出す。
純粋な剣技では彼女が上かもしれないが、真っ直ぐ過ぎる。
いわゆる「汚い」闘い方なら圧倒的に私の方が上だ。
彼女がひるんだ隙に位置を入れ替える。
 
仕切直しだ。
ナイフを持ち替え、彼女の動きを見つめる。
…反応速度に差は少ない。
先に動けばそこを付かれるだろう。
膠着戦……だが、望むところだ。
267吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/25 01:11
>259 アーカードvsファントム
 
奴が這いよってくる、もはや人の姿すらしていない。
悲鳴を上げたくなる恐怖が背筋を走る、それを理性で押さえ込みつつ後退する。
Eマグの残弾はこのラウンド限り、残るはその重量で動きが鈍る事を警戒して
あの場所に隠したデザートイーグル.50AE!
 
俺は元酒場であった廃墟の入り口に残された観葉植物の鉢植えを目指す。
そこにたどり就いた時奴は人型に近い形態に戻りつつ有った。
その手の巨銃が、まるでスローモーションの様に俺を指し示そうと動く!
 
俺は鉢植えの中に隠してあったデザートイーグルを取り出すと、右手にDE、
左手にEマグを構えて奴に向かって連射する!!
その反動で奴を押さえ込む為、そして体勢を崩した奴の手に有る巨大な銃!
これだけは確実に狙いを定めてデザートイーグルの2発目で狙う!!

絶大な貫通力を誇るKTW徹鋼弾、
これならば奴の銃を破壊することができるかも知れない!

吹き飛んだ奴の状態を確認する余裕も無いまま酒場の入り口に駆け込む。
268ロン(虎獣人)(M):02/03/25 01:25
>263 ロン VS 御神苗 優

 胸への蹴りを、上体逸らしながら両腕で受ける。後退して勢いを逃がした。

 間合いが開く。頬を流れ落ちる雨を気にもせず、ロンは相手を計った。
 これ以上時間をかける訳には行かない。下手をすれば増援が、あるいは標的が裏口から逃げる可能性もあった。
 己にとっての切り札を、ロンは解放した。

 気配が変わる。一種無機質だった暗殺者のそれから、荒々しい猛獣のごときそれへ。
 ロンのシルエットが膨れ上がっていく。体毛が伸び、骨格が組み変わり、眼光が獣の光を帯びた。
 その姿は、虎だ。強力な爪と牙で獲物を捕食する肉食獣。
 だが、この人虎が狩る獲物は人間だ。人食い虎の狂気じみた眼光が、獲物を射すくめんとする。

 人虎は先ほどを上回る速度で間合いを詰め、強靭な爪の植わった腕を、頭を狙って振り下ろした。
269御神苗優:02/03/25 01:34
>268 vsロン
 
 「な・・・・・・!?」 
 
 俺は目の前の光景に絶句した。
 男の姿があっという間に黄色い肉食獣のそれにかわっていく。
 ・・・・・・・これがスプリガンを派遣しなきゃならなかった理由、か。
 
 奴は以前以上の速さで間合いを詰めてきた。
 俺は振り下ろしてくる腕を左手で受け流すと、
 ナイフを引き抜き、胴目がけて一気に振りぬく!! 
 
え〜、私も参戦させてもらいますね。 
 
私はジュヌヴィエーブ・コトフォード。 
ある人の助手だか、秘書だか、使用人だかをやらせてもらっています。  

実を言いますと、参戦理由はその私を使ってくれている人が 
「面白そうだから」という理由で無理矢理派遣させられたわけで……。
 
い、いや、不服じゃないんですよ。 
ただ、まだ死にたくないなー……な〜んて。あはは……。 

私の闘争方法は……なんて説明したら良いんだろう? 
描写的に説明すると……「鎧のように私の身体を包んでいる悪魔で攻撃」かな? 
 
……う〜ん、分かる?  
とにかく、その悪魔で力任せに攻撃しちゃうのよ。 
完全にパワータイプです。他のことは何もできませ〜ん。 
ですから、あまり虐めないでくださいね。 
 
あ、テンプレは書くの面倒臭いかえ、また後でってことで。 
よろしく〜。
>左手さんのところを確認 
 
あれ? なんか私、既にいるみたい……あはは〜。 
勉強不足だったみたいですぅ。 
良かったぁ、これで私は闘わなくてすむのね。ヤッター 
 
ということで、嵐の如く逃げさせてもらいます。 じゃあねっ!! 
272ロン(虎獣人)(M):02/03/25 01:43
>269 ロン VS 御神苗 優

 胴を狙った斬撃に、虎は驚異的な速度で反応した。
 左手を刃に添えて下に流す。振りぬいた右腕を返し、ナイフの柄に沿えてその方向をコントロールする。
 その行く先は、奴自身の太ももだ。

 そのままロンはさらに踏み込み、肘をその胸に叩き込もうとした。
273アーカード ◆ARCARDr. :02/03/25 01:45
>267 アーカードVSファントム
 
 諦めない、少年は何処までも諦めない。
 策を巡らせ、手を尽くし、そして実行する。
 化物を打ち倒さんと、少年はその全てを叩きつけてくる。
 
 Eマグとデザートイーグルの二挺拳銃。
 それが更なるダメージをアーカードに刻む。
 だが、少年の狙いはそこにあらず。
 真の狙いである改造銃へと、デザートイーグルの銃弾が叩き込まれた。
 
 狙いを察した時には既に遅い。
 改造銃が、銃弾を受けて弾き飛ばされていった。
 かえりみるまでもない、改造銃はお釈迦だ。
 
「まさか、この状況で武器を潰す事を狙っていたとはな」
 
 素直な感嘆の声を漏らすアーカード。
 事実、少年の技術、そして意思は年相応のモノとは到底思えない域に達している。
 守るモノがある人間の強さとはかくも熾烈なのか。
 
 だが、その口調に焦りは感じられない。
 既に、ジャッカルを持つ手は元通りにくっついている。
 
 そして、人を殺すのにはジャッカル一挺あれば事足りるのだ。
 
 地に落ちた改造銃の音に振り向く事もなく、そのまま酒場の中へと歩を進めていった。
あぁ、逃げ出したとたん、検索していたトリップが見つかったぁ。 
え〜ん、どうしてこんなに間が悪いんですかー。 
 
これはここに『魔女』がいる証拠です……。 
速く逃げなきゃ……できるだけ遠くにッ!! 
275御神苗優:02/03/25 01:50
>272 vsロン
 
 俺、確かに奴の胴狙ったよな? 
 自問自答した。しかし、なぜかナイフは俺の太ももに刺さっている。
 
 だが、疑念に答えを出す前に、肘が俺の胸に叩き込まれた。
 なんとか受身は取れたものの、そのまま俺は車に叩きつけられる。
 体がめりこんで動きが取れない・・・・・・ 
 やべぇ、殺られる!! 
 
276青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/25 01:59
まとめだ。

『飼い犬』 『青い脅威』

>172>173>174>175>177>178>179>180>183>189
>195>201>209>213>239>244>254>257>264>265

僕が本当に欲しいのは、舞だけなんだけどね。
277ロン(虎獣人)(M):02/03/25 02:03
>275 ロン VS 御神苗 優

 吹き飛んだ相手を見やる。
 殺戮者としての衝動がうずく。だが、かかりすぎている時間がロンを冷静にさせた。
 機動力は殺せたはずだ。あれが追ってくるまでに標的を殺し、逃走するのは可能だろう。

 跳躍する。迎撃が予想される正面玄関を避け、2階の窓を破って侵入。
 人の気配を求め、虎の鋭敏な嗅覚と聴覚を働かせて邸内を探る。

 ・・・いた。気配の集まりを発見する。
 虎は、獲物を求めて邸内を進んでいく。
278某キャラハン:02/03/25 02:06
>274
乗っ取り上等だと言ってみるテスト。
  
先ずは来い!!
>274
えーと、一応乗っ取りや多重キャラハンは容認されてます。
一度大殲板の方に来てみてはどうでしょう?
280御神苗優:02/03/25 02:08
>277 vsロン
 
 奴は俺に止めを刺さず、屋敷の二階から中へと侵入していく。
 殺させ葉しねぇぞ!! 
 俺はなんとか車から抜け出すと、正面玄関から再び中に戻る。
 
 護衛に駆けつけた奴らに二階へ移動するよう言いながら、
 俺は簡単な止血処理を施すと、護衛たちの後を追って二階へと駆け上がる!! 
281吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/25 02:17
>273 アーカードvsファントム

ダメだ、ダメだ、ダメだ……。
何をしようが通じない…… 再び俺の脳裏に絶望が走る。

遂に弾丸の切れたEマグは捨ててきた。
デザートイーグルのマガジンを交換しつつ、俺はどうすればいいのかと考える。
俺の放った銃弾は、ほとんど命中している自信が有る。
奴の銃弾は一発たりとも命中していない。

それでも…… 倒せないのだ……。
 
酒場の裏口から出て、その物置で見つけた物……。
銃撃以外の方法…… 利くかどうかは判らない。
しかし、やってみる他に無い。

俺はガソリンの詰まったポリタンクを抱え、酒場の中へと戻る。
そして、辺りリ一面へとばらまいた。

そして今、正に火を放とうとした時、奴が現れた、
ガソリンの臭いに気付いていない訳が無いのだが悠然と進入してくる奴
俺は、床一面に広がるガソリンに向けて発砲すると、裏口に向かって走り出した!
>258 闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ

カウンターで膝が飛んで来たでござる。
食らいながら、後方にとんぼ返りを打ってダメージを逃す。
 
最初から勝てるとは思っていないでござる、だが例え命と引き換えにしても…。
狼は群れの仲間を救うでござる!!
   
「絶対に勝つ!!!」  
 
先に動いた方が不利そんな事は覚悟の上ござる。
だがそんな理由で引けないでござる、拙者がもっとしっかりしていれば……
今すぐにヒーリングをすればまだ間にあうかも知れないでござる。
  
「うおおおおおぉぉぉッ!!!」 
 
反応速度は互角、力とスピードは相手が上…ならば相打ち覚悟で倒すだけで
ござる。
たとえ致命傷でも、先生にヒーリングを施す時間があればそれで良いでござる。
  
――先生、絶対助けるでござるよ――
  
掛けね無しの全力、フェイントも何も無い。
だが命がけの一撃は、中途半端な覚悟では受け切れないでござる!!
283ロン(虎獣人)(M):02/03/25 02:26
>280 ロン VS 御神苗 優

 サブマシンガンの射撃音が響く。
 虎は、うるさそうに跳躍して間合いを殺すと、無造作に鈎爪を振るって射手の顔を肉塊に変えた。
 反撃は散発的だった。鈎爪で切り裂き、牙で頚動脈を噛み破り、人食い虎は屍の山を築く。
 返り血が、虎の黄色い毛皮を薄汚く汚していった。

 部屋の中に気配を察し、虎はドアを体当たりで破って侵入した。武装した3人の男を一瞬にして片付ける。
 隣、だ。標的がそこにいることをロンは確信した。

 ドアを蹴破る。
 いた。標的――80を過ぎてまだ腰も曲がらぬ老人。少女が、老人に抱きつくようにして寄り添っている。
 老人は毅然とした態度を崩さなかった。恐らくは類縁なのだろう、少女をかばうようにして暗殺者を睨みつける。

 一瞬だけ、虎の歩みが止まった。
 一瞬だけだ。何事も無かったかのように二人に歩み寄り、右腕をおもむろに振りかぶる。
 一撃で、片がつく。それでこの仕事も終わりだ。
>278-279 
いやいや、別に心配しないで良いですよぉ。 
このトリップも、ある人にあげちゃいましたから。 
それに私は揉め事、嫌いですし。 
 
もしも、このトリップを持った人が来たら、その時は丁重に扱ってくださいね。 
……いや、面倒くさりがりだから来ないと思いますが。
285御神苗優:02/03/25 03:04
>283 vsロン
 
 二階は既に屍血でドロドロになっていた。
 おれはその中を駆ける。
 
 二人の部屋に入るのと、虎男が二人に腕を振り上げるのはほぼ同時だった。
 俺は咄嗟に腕のワイヤーアンカーを奴の腕に射出する。
 腕に絡まったワイヤーで動きを阻止された虎は、
 苛立たしげな唸り声を上げると俺に向かって駆け寄ってくる。
 俺もまた奴に向けて駆け出す。
 
 俺は目を疑った。あの孫娘が俺と虎の間に立ったのだ。
 まるで戦闘を止めさせようとするように。
 俺はなんとか止まろうとした。
 が、遅かった。彼女の体は二人の間に挟まった。
 まるで人形のように、少女は床へと崩れ落ちた。 
 
286ロン(虎獣人)(M):02/03/25 03:22
>285 ロン VS 御神苗 優

 一瞬、目を疑った。この娘は何を考えていたのか。血塗れの虎を見て、恐怖を感じなかったのか。

 だがそれよりも、横たわったその姿が既視観を伴ってロンの古い記憶を呼び覚ました。
 思い出せば古傷のように痛むがゆえに、記憶の奥底に沈めて封をした記憶だった。
 倒れたまま、二度と起きなかった妹の記憶が、修羅道に落ちる前の記憶が蘇った。

 どす黒い、怒りともいえない感情が湧きあがった。
 行き所の無い黒い憎念が、殺戮衝動となってロンを支配した。
 終始無言だった虎の口から、低く、重苦しい唸りが漏れる。

 咆哮した。
 右腕でワイヤーを掴み、力任せに引く。
 誰でもいい、なんでもいい。虎は、ただただこの衝動をぶつけられる相手を欲した。
287御神苗優:02/03/25 03:28
>286 vsロン
 
 虎は低い唸り声を漏らすと、力任せにワーヤーを引っ張る。
 なんて力だ・・・・・・・必死に踏ん張るが、ずりずりと引きずられそうになる。
 ならば、こっちはそれを利用してやる!! 
 俺は一気に奴に向かって跳躍した。
 奴の引く力と突進力を利用して、俺はナイフを突き出した。 
 
288ロン(虎獣人)(M):02/03/25 03:36
>287 ロン VS 御神苗 優

 ロンは一歩踏み込み、ナイフの軌道と交差するように左拳を突き出した。
 左腕が大きく切り裂かれる。刃が骨に達していやな感触を響かせた。
 だが痛みすら望んでいたかのごとく、虎はただ左拳をたたき付けた。
289御神苗優:02/03/25 03:44
>288 vsロン
 
 俺の一撃は命中はした。
 だが、奴の拳と交錯したせいで、急所にはあたらなかった。
 だが、それでも奴の肩口に突き刺さる。
 奴の拳もまた、俺の肩口に命中し、俺は吹き飛ばされた。
 だが、腕をつなぐワイヤーのおかげで転倒はしなかったが。
 
 今回は相打ちか・・・・・ならば!! 
 俺は痛む足で蹴りを放つ。
 本命は痛まないほうでの延髄蹴りだ!! 
 
290アーカード ◆ARCARDr. :02/03/25 03:54
>281 アーカードVSファントム
 
 鼻を突くガソリンの臭い……。
 狙いはこの上なく明白、つまりアーカードを誘い込んで火を放つ。
 単純かつ、充分な効果を上げると思われるだろう策。
 
 だからといってそれを回避するつもりはないが。
 仕掛けてくる事は全て真っ正面から受けて、その上でどちらがより勝っているか決める。
 それが、闘争の契約。
 カードは惜しみなく切ってもらわなくては。
 
 酒場の中に入ったアーカードが見たモノは、床一面に撒かれたガソリン。
 そして、そこに銃弾を放って裏口へと走る少年。
 
 次瞬、酒場は爆発的な劫火に包まれた。
 
 椅子が、テーブルが火の海へと消えていく。
 カウンターが燃え落ちる。
 爆炎が、酒場の中を舐め尽くしていく。
 この調子では、数十分と立たない内に酒場は燃え落ちるだろう。
 
 だが、その凄まじい劫火にもアーカードは動じない。
 
 炎に揺らめく空気の向こう側、少年に腕を向けてジャッカルの引き金を引く。
 熱せられた空気を裂いて少年を目指す銃弾。
 結果を確認せず、自身もまた少年目指して炎の中へと突っ込んでいった。
291ロン(虎獣人)(M):02/03/25 04:03
>289 ロン VS 御神苗 優

 虎は、蹴りを無造作に顎で受け止めた。
 すぐさま二発目の蹴りが延髄を狙う。衝撃で噛み付いていた牙が外れる。
 だが、逆足に噛み付かれたために微妙に狙いの外れた蹴りは致命打に至らず、虎は再び獣の目を獲物に向ける。

 着地する相手に、蹴りを見舞う。
 後ろ回し蹴り。靴を破って飛び出した鋭い爪が、斜め下から孤を描いて頚動脈を狙った。
292御神苗優:02/03/25 04:16
>291 vsロン
 
 俺の一発目の蹴りは奴の顎で受け止められた。
 ここまでは予定通り。すかさず俺は延髄に蹴りを入れる。
 しかし、足に来る感触がいまいちだった。
 俺は歯噛みする。 やっぱ噛み付かれたからか。
 
 奴は着地しようとする俺に後ろ回し蹴りを見舞ってきた。
 ご丁寧に鋭い鉤爪のオマケ付きだ。
 俺は無理やり体を捻ると、両腕を交差させて蹴りを防ぐ。
 両腕が痺れる、重い蹴りを喰らい、後ろへと転がった。
 やってくれる・・・・・・・・本当にすごいぜ、こいつは!! 
 俺は歓喜に震える。
 すぐさま俺は奴に向かって突進すると、アッパー気味にナイフを振るう。
 本命は左のフック!! 
 
293青の魔王 ◆kEnRaN.Y :02/03/25 05:28
修正だ。ゲストを忘れていたのでね。

『飼い犬』 『青い脅威』

>172>173>174>175>177>178>179>180>183>189
>195>201>209>213>239>244>254>257>264>265

「可能性」

>262

僕が本当に欲しいのは、舞だけなんだけどね。
294黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/25 05:33
おはよう。
私が戦うのはまだ先のことだけど、とりあえず登録だけはすませておくわ。
 
私の名前は黒桐鮮花。
空の境界のもう1人の主人公「黒桐幹也」の妹よ。
橙子師が言うには、私は『燃やすこと』に才能があるみたいね。
闘争では火蜥蜴の皮手袋を右手にはめて、炎を操って戦うわ。
……といってもまだ未熟者だから、そんなに大それたことはできないけどね。
 
出典 :空の境界 
名前 :黒桐鮮花(こくとうあざか)
年齢 :15
性別 :女性
職業 :女子高生/蒼崎橙子の弟子
趣味 :修行ね、今のところは……
恋人の有無 :幹也よ。式がいる? 関係ないわ。
好きな異性のタイプ :幹也
好きな食べ物 :アーネンエルベのケーキ
最近気になること :式と幹也の仲
一番苦手なもの :両儀式
得意な技 :火炎魔術を利用した接触打撃
一番の決めゼリフ :幹也が兄である事に問題はないのよ。
あるのはあっちだけで、わたしにはむしろ喜ばしい事だわ。
好きな相手が近親なんて、幸運なことだって思ってるし。
将来の夢 :幹也と結ばれること 
ここの住人として一言 :さてと私はどこまでやれるかしら?
ここの仲間たちに一言 :よろしくお願いね
ここの名無しに一言 :弱すぎる? 知恵と機転でどうにかするわ。
295横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/25 10:58
>282  闘争。そして逃走  横島&シロ vs ラルヴァ
 
 湖面に生まれた波紋のように。途切れた意識が感覚を乗せて広がり、揺れた。 
 その波に合わせて、腹を抉るような鈍痛までもが蘇る。 
 冷たく硬質な床に触れていた頬が、ぴりぴりと痺れた。 
 
 ――――拙い、ちっとばっかし失神してた!  
 ――――シロは? あの娘はどうなった!? 
 
 未だおぼつかない視界を振って、少しでも情報を掻き集める。 
 ・・・街灯に照らされ、おぼろげな明るさの中にあるコンビニ。 
 ・・・踊る二つの影に気付くのに、そう時間も掛からなかった。 
 
 感じる。 
 圧倒的なまでの霊波刀の出力を。 
 極限まで張りつめた緊張感と集中力を。 
 そして――――揃いも揃って、捨て鉢な殺気までもが霊感に触れた。 
 
 おかしな話だよな。 
 ちょっと声を掛けたつもりが、逃げられて、追いかけ回して、揚げ句にこれ。 
 吸血鬼かだって確認してない。ひょっとしたら、あの娘は悪くないかも知れないのに。 
 ・・・なんで、こんな事にな。これじゃ、このまま二人は・・・ 
 
 チクショウッ、認められっかっ! 
 あのバカ弟子、こんな所で死なせられっか!
 ねーちゃんの胸の感触、そう簡単に無くしたくねーぞっ! 
 
 
「シロッ!!」 
 
 体中が痛むのも忘れて、俺はありったけの声で喉を振るわせていた。 
 
「お座りッ!!!」 
 
 叫びながら、握り締めていた文珠に文字を印す。
 「着」――――あの娘に張り付いている「接」の文珠と結びついて、ようやく意味を持つ文珠。 
 それを床に叩き付けた。たちまち「着」の文珠から霊気が発せられ、「接」の文珠と結びつく。 
 「接着」・・・と、なった文珠の霊力で、コンビニの冷たい床とあの娘の体が張り付いた。 
(コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
<燦月製薬の無数の研究所の1つ>
 
「やあ、全く素晴らしいね! ハハハハ!!」
 
赤いコートを着た金髪の美青年は、目の前の培養槽に眠るキメラヴァンプの説明を研究者から受けて、
楽しそうに笑っていた。
 
「なるほど。科学的見地からの吸血鬼の解明か。石頭の協会連中には全く思いつかないね」
 
青年は面白そうにまくしたてる。
 
「無論、アオザキにもこんな発想はないだろう。ハハハ、どうだ、アオザキ。私が君を追い越すことがきたぜ?」
  
青年の名はコルネリウス・アルバ。
一流の範疇に分類される魔術師である。
 
彼の目的は、このキメラヴァンプの技術を手に入れること。
無論、代価として自分の魔術知識を燦月製薬に提供することが条件だが……
 
「気に入った。喜んで、協力させてもらうよ。おっと、この事は協会には内密に頼むぜ? ハハハハ!」


・ 
こうして、アルバと燦月製薬の交渉は円滑に進み、アルバが頬の筋肉を弛緩させている時だった……
 
突如、轟音が建物を揺るがした!
非常警報が鳴り響き、アルバの周りの研究者も顔色を失う。
 
「おいおい、一体、どうしたんだい?」
 
アルバはなお平静を装って、周りの研究者に話し掛ける。
……が、周りの研究者は右往左往するばかりで話にならない。
 
「ちっ、穏やかじゃないな。悪いが、嫌な予感がするんでね、一時撤退させてもらうぜ」
 
アルバをそう吐き捨てて、研究室を出た時だった。
廊下の向こう側から銃声、そして、悲鳴。
 
アルバが廊下の向こう側を見ると、たくましい一人の男と目があった。
 
「……やれやれ、困った物だね。この場合、私はどうするべきかな?」
 
それでも、まだ、アルバは余裕があった。
そう、彼は次期、シュポンハイム修道院の次期院長とまで目される男。
ただの人間に遅れを取るはずがないのだ。
297フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/25 22:29
>296 (コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
今夜も仕事はいつもと変わらない。
 
施設内の侵入法も変わらない。
ヴェドゴニアの役目も、モーラと俺の役目も同じ。
 
いつもと変わらない、情報収集程度の仕事。

既に建物内部の情報もある程度は先の研究所で掴んでいる。
まるで自分の家のなかであるかのように堂々と動ける。
単純で何もいつもと変わらない作業。呼吸をするのと変わらない容易さ。
 
否、一つだけ違いがある。
現在、この研究施設にはとんでもないゲストが来ているらしい。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・そいつは、”魔術師”といった。
魔術師など、普通なら馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばす。
手品師のことと思うかもしれない。一般の者ならば。
 
ただ、闇に生きる者にとって、
 それの存在は夢物語でも絵空事でもない紛れも無い現実だった。
 
  (フン、やれやれって奴だな)
 
仕事が梃子摺るのは困る。だが、自分の胸はなぜか躍っている。
武者震いがする。魔術師。自分もさほど目にする事はない。
 
すなわち、
 頭ではなく、自分の身体が一戦交えてみたい、と。
 
  (ああ、面倒くせえんだがな、本当は)
 
施設奥へと突き進む。護衛の兵など、出てくる前に殺せる。
すでに、事前の破壊工作により、指揮系統が完全に
麻痺した警備は何の障害にもならない。
 
だが、奴はいる。必ず狩る。本番はこれからだ。
 
退屈、緩慢な時の流れ。それももう終わりだ。

 
ゆっくりと、ハッチが開く――――
闘争中失礼いたします。
私と武公様のテンプレートを貼らせていただきます。
 
 
出典 :マリオノール・ゴーレム(大清水さち/ガンガンファンタジーコミックス)
名前 :南 武公(みなみ・たけまさ)/操(みさを)
年齢 :12歳/不明
性別 :男/女性型
職業 :学生/人形
趣味 :特になし/料理は、気になります
恋人の有無 :いないよ/いません
好きな異性のタイプ :特に・・・/意志の強い方
好きな食べ物 :何でも食べるしなあ・・・ハンバーグとか/食べませんので
最近気になること :黒の王の動向/武公様の成長
一番苦手なもの :
得意な技 :マリオノール・ゴーレムによる魔術の行使
一番の決めゼリフ :無究光照らせし十の神性 魔書を繰りて四言神諱を駆動せしめよ!
将来の夢 :うーん、何だろ。プロ野球選手とか?/特にありませんね
ここの住人として一言 :お手柔らかに頼むぜ/不束者ですが宜しくお願いいたします
ここの仲間たちに一言 :とりあえず、元気に行こう!/お怪我などなさいませぬよう
ここの名無しに一言 :よろしくな!/これを機に原典にも興味を持っていただければ幸いです
299ロン(虎獣人)(M):02/03/25 22:45
>292 ロン VS 御神苗 優

 自分はなにをやっているのか、と倦怠感にも似た思考が掠める。
 目の前に獲物がいる。己に向って迫ってくる。
 ・・・・・なぜ獲物がいる?

 思考の断裂に苛立ちが募る。若干、理性が戻る。
 拳法家としての修練と獣の本能が、半ば自動的にロンを突き動かす。


 相手の動きは見えてきていた。
 あるじの動きを分厚い筋肉が実行に移すまでに、一瞬、タイムラグがある。
 それさえ読めれば、その動きを一瞬早く察知するのは容易い。

 顎を狙った一撃を、右掌を差し出してさえぎる。
 根元まで貫き通される右掌。そのまま、相手の左手を掴む。

 左からのフック――見えている。
 体を回転させるように右に捌き、掴んだ左手を捻って逆関節に持っていく。
 相手の左側面にまわりつつ、右腕に絡みついたままのワイヤーを獲物の首に絡みつかせた。
 逆側を口で掴み、引く――
>297
(コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
赤いコートの青年―アルバと黒いいかつい男―フリッツが廊下で対峙する。



男がアルバに対して、殺気の篭った視線を向ける。
 
「やれやれ、殺る気十分ってところかい? 困った物だね……」
 
アルバは男に向かって肩をすくめる。
 
「……君もね、長生きしたかったらそんな物騒な目つきをしちゃダメだぜ」 
 
アルバがにこやかに男に向かって、喋りながら、右手を男に向かって突き出す。
 
「もう、遅いけどな。――いきなりで悪いが、さて、幕だ」
 
直後、アルバの右手から不可視の魔力の塊が発射される。
詠唱も何もない単純極まりない攻撃。
だが、頭部にでも直撃すれば普通の人間ならば一撃で昏倒するだろう。
死に至る可能性も十分だ。
301御神苗優:02/03/25 22:59
>299 vsロン
 
 奴は獣じみた動きで俺のナイフを掴む。
 左のフックを捌くと、右腕を逆間接に持っていく。
 右腕がきしむ。苦痛にうめく暇もなかった。
 奴は絡んだままのワイヤーを首に巻きつけたから。
 
 やべぇ、マジでやべぇ!! 
 俺は踵で金的を、空いている左肘で鳩尾を狙う。
 とにかく、ワイヤーを切断なりなんなりしなけりゃ・・・・・・・ 
 
302フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/25 23:04
>300 (コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
俺には力はない。
俺には何も見えない。
俺には何も聞こえない。
俺は、ただの人間だ。
いくら戦いの経験をつんでも、訓練しても、
バケモノどもの基礎能力を上回ることは出来ない。
魔術と言うものも、直接目にするのは初めてだ。
魔術は、手の届かないところにいる者を殺す。
魔術は、不可能を可能にする。
この男が放つそれも同じだろう。
普通ではありえない攻撃をしてくるはずだ。
目にはおろか、どの感覚でもわからないような攻撃。
 
しかし、それが無敵とは限らない。
俺は狩人。こいつは・・・・・・・・魔術師。
魔術師と狩人の違い。
 
それは、嗅覚。
何の力もない、何も見えない、何も聞こえない人間のはずの俺。
だが、俺はプロだ。狩る事に関しては。
だから最低”臭い”はわかる。殺る時の臭い。殺られるときの臭い。
 
男が不穏な動きを見せる。「幕だ」とほざく。
10年ちょっとも化物殺してまわってりゃそれぐらいは想像つくんだよ!
とっさに身を伏せる。刹那、背後で物が叩き壊される音。
 
フン、”ただの人間”も捨てたモンじゃねえな。
 
駆け寄るのはまずいが、俺にはこいつがある。
銃を構えて引き金を引く。照準を合わせることすらなく。だが奴は――
303ロン(虎獣人)(M):02/03/25 23:12
>301 ロン VS 御神苗 優

 かかと蹴りを膝で受けた瞬間、鳩尾への一撃がまともに入った。
 ワイヤーをくわえていた力が抜け、ワイヤーが緩む。

 苦痛に耐え、ロンは相手の膝の裏を蹴り付けた。関節を取った腕を捻り上げ、相手の体勢を前に倒す。
 このまま体重をかけて地面に叩き付け、腎臓を狙って自分の肘を落とすつもりだった。
ぼくも参戦させてもらおうッ!!
「未来」と「希望」のためにッ!! 

出典 : ジョジョの奇妙な冒険・第1部
名前 : ジョナサン=ジョースター
年齢 : 20歳前後
性別 : 男
職業 : 紳士
趣味 : 特になし
恋人の有無     : ……エリナ(まあ、ジョジョったらいけない人ッ!)
好きな異性のタイプ : 誇り高く気高い女性(レディ)
好きな食べ物    : チョコレート
最近気になること  : 石仮面の謎
一番苦手なもの   : ディオ
得意な技      :「波紋」
一番の決めゼリフ  : 震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!
将来の夢  : 考古学者になること
ここの住人として一言: 戦いの覚悟はできているッ!
ここの仲間たちに一言: 「勇気」と「強い意志」を持ってくれッ!
ここの名無しに一言 : 紳士として恥じない戦いをお見せしようッ!

>302
(コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
フリッツがアルバに対して発砲!
乾いた銃声が廊下に木霊する!!
 
……アルバは口でなんと言おうと目の前の男を甘く見ていなかった。
いや、正確には銃を持った相手を甘く見るようなことはしない。
魔術師といえど人間だ。
よほど特殊なことをしていない限り、銃弾の一発でもその身に受ければ容易く倒れる。
 
だから、アルバは魔力弾を放つと同時に次の行動に移った。
指で虚空に文字を描き始める。
 
ルーン……
遠い国、遠い世界の魔術刻印。
アルバの指が文字が書き終えた時、アルバの前に不可視の壁が出現し、銃弾を弾いた。
 
「ふう、あせったぞ、今のは……。もう、すこしE(ユル)の文字を刻むのが遅かったらアウトじゃないか」
 
アルバはフリッツにそう告げると同時に背を向けて駆け出した。
向かう数メートル向こうの曲がり角の階段。
銃声が再度、響く。
だが、いずれの弾丸もアルバをとらえることはなく、アルバは階段に到達した。



2階と3階の階段の踊り場から、アルバはフリッツを見据える形で待ち構える。
 
そして、フリッツが階段の所にやってくるまでにわざとフリッツに聞こえるように大声でフリッツに話しかける。
 
「そこの君、魔術師という者を安く評価しないでくれたまえよ!」
 
一方、アルバの右手の指は虚空にルーンを刻んでいる。
 
「魔術師というのはな、根源を目指すものであり、超越者なんだ!」
 
フリッツが階段のところにさしかかる。
 
「それをさ、たかだか、化け物殺しが趣味の一般人が歯向かうなんて愚かしいと思わないかい!」
 
アルバがそう叫ぶと同時にルーンがフリッツの足元に刻まれた。
今度のルーンは氷を象徴するTH(ソーン)。
鋭い氷の刃が突如、床から生え、フリッツを串刺しにせんとする!
306御神苗優:02/03/25 23:37
>303 vsロン
 
 金的は膝でブロックされたが、おかげで鳩尾には肘が当たった。 
 ワイヤーは緩んだ。息を胸いっぱいに吸い込む・・・・・・・・
 
 だが、のんびりはできなかった。 
 奴が膝の裏を蹴り付けたのだ。
 体が前に崩れたところに、奴は体重をかけてくる。
 このまま押しつぶすつもりか!! 
 俺は左に体を捻り、
 無防備になっている奴のこめかみに右の拳を叩きつける。 
 
307ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/25 23:48
>282 闘争。そして逃走 〜RUN WITH〜  VS 横島&シロ
 
少女の目に迷いはない。
ただひたすらに一直線の攻め。
私にはあんな真っ直ぐな時期はなかった。
心の底からうらやましく思う。
 
だが…それでは私には勝てない。
私は吸血殲鬼なのだ。
心臓を一突きにしない限り、失血してさらなる力が目覚めるだけ。
そして、そうなってしまえば私は確実にこの娘を殺してしまうだろう。
輸血用パックを置いてある場所はここからは遠い。
そこにたどり着くまで血の渇きに耐えられるとは思えない。
生き残っても同じ事、吸血鬼に噛まれたならその吸血鬼を滅ぼさねば―――
 
せめて、彼女の真っ直ぐな心を受け止めて、この身に刻もう。
微笑みさえ浮かべ、手を広げて私はその刃を受け入れる体勢を取る。
 
もし彼女の血を吸えば…私の魂もあんな風に輝けるのだろうか?
 
 
 
 
 
                      ―――不可能だ。
                           私は。
                    吸血殲鬼なのだから。
308ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/25 23:49
>295 闘争。そして逃走 〜RUN WITH〜  VS 横島&シロ
 
        「お座りッ!!!」
 
思わず身をすくめる。
バンダナの男はかなりの出血をしていた筈なのに、凄まじい声を上げた。
 
その声を聞いた「シロ」と呼ばれた少女は…それこそ子犬のようにちょこんと座る。
それをいぶかしむ心はあったのだが、身体は強敵に対して勝手に反応していた。
 
一気に間合いを詰め―――られない!?
両脚が床に貼り付いたかのように…いや、実際に貼り付いていた。
なんとかバランスを保とうとするが、無理だった。
 
シロという名の少女と同じように、私も尻餅をついてしまう。
終わりだ。
ナイフも右手も床に貼り付いた。
服もくっついているので、もう一丁の銃も抜けない。
もはや身を守るすべは無いのだ。
 
あっけないが…まあ、彼らに殺されるのなら悪い死に方では…
 
そこで、ふと思う。
なぜ彼はあんな真似をした?
黙ってこの罠を仕掛ければ、私を仕留める事もできただろうに。
 
そして気付いた。
彼は人死にをだしたくなかったのだ。
私達どちらかだけを止めれば、片方は死んでいただろう。
だからこそ、私達を同時に止める機会を伺っていた。
 
「ぷ…くく…」
 
私の口から笑いが漏れる。
急に、揃って座り込んでいる私達の姿が滑稽に思えたのだ。
 
「ははっ、ははは…」
 
何年ぶりだろう。心から笑ったのは。
涙すら浮かべ、私は笑い続けた。
309ロン(虎獣人)(M):02/03/25 23:53
>306 ロン VS 御神苗 優

 こめかみを狙った拳を、額の厚い骨で受ける。
 体勢が崩れる。もつれ合ったまま二人は倒れた。腎臓を狙った肘は、床板を陥没させるに留まる。

 ロンは、体重差を利して相手を押さえ込もうとした。掴んだままの腕を更に捻り上げる。
 狙いは首筋だ。
 牙で、噛み千切る。
310御神苗優:02/03/26 00:06
>309 vsロン
 
 俺の一撃を、奴は額で受けた。
 ・・・・・・なんちゅう額だよ・・・・・・俺の一撃受け止めるなんてよ! 
 
 俺たちはそのままもつれたまま床に倒れこむ。
 奴は俺の左腕を更に捻り上げると、
 俺の首筋めがけてその鋭い牙が襲い掛かってくる。
 俺はとっさに身をずらし、首筋にか見つかれるのだけは免れた。
 だが、肩口に食い込む牙は、ぎりぎりと肩を噛み砕こうとしている。。
  
 膠着状態を打破しようと、俺は奴の目に貫手を放つ。
 それを見た奴は一瞬、力を抜いた。
 その一瞬の隙に、俺は無理やり左腕を引き抜き、
 間合いを取るように床を転がる。
 だが、無茶をやったおかげで、左肩を痛めちまった。
 左腕は、しばらくは使えねぇな。 
 俺は立ち上がると、再び虎人と向き合う。
 
 
311フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 00:08
>305 (コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
激しいマズルフラッシュにより一瞬視界が眩む。
まさか、これで殺せる相手のはずはないが。
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・。
 
化物と普段から殺しあっている俺にとって、
たとえ何が起きようとも不思議はない。
空を飛ぼうが、火を吹こうがありそうな事だ。
 
だが、この魔術師はカービンの高速弾を止めた。弾いた。文字通り。
魔術師だ。やりそうなことだ。だが、正直認識に梃子摺った。
初めて見るのだ。これが”魔術”か・・・・・・・・
 
正直言って、まったく自分の認知できない領域。
 
本来ありえない。だが、やはりここにいるのは事実、現実だ。
いや、”悪夢”といったほうがいい。
 
余裕綽々で逃げ行く男。それを追う俺。引き金を引く手は緩めない。
だが、当たらない。何発打ち込もうと。何度引き金を引いてもそれは無駄に終わる。
 
廊下を駆け続け、ついに階段にまできたらしい。
 
 「魔術師というのはな、根源を目指すものであり、超越者なんだ!」
男が高々と減らない口を叩く。
 
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・面白いじゃねえか!
 
自慢の相棒の弾層を入れ替える。
一発喰らわせて、分からせてやらなきゃならねえだろうな、こういう野郎は。
フン、泣きべそかきながら死ぬなよ?
 
・・・・・・・・・!!
 
だが、自分が次に感じたのは鋭く熱い感覚だった。
やられた!確実にあばらが逝っている。
ブチブチと音を立てて千切れたのは自分のコートと、僅かな肩の肉。
 
何もないところからでもいきなりこれだ。魔術師め。
 
上等だぜ、アンタ。
だがな!これくらいで引くか!

見下ろす男と自分。
 ヒンヤリとした感覚が背筋に走っている。だが、自分の内は熱い。
  『獲物はまず目で殺す』。誰がいった言葉かは知らない。
   男の目に取り込まれそうになる・・・・
    だがな、餓鬼め、俺に喧嘩を売るのは間違いだぜ?
 
そのまま階段を駆け上がるよりも先に、俺が手にしたのは焼夷手榴弾だった。
教えてやる、獲物の追い詰め方ってのはな、こうやって派手にやるモンなんだよ!
ワイヤで服に縛り付けた焼夷手榴弾は
手に掴み取る動作だけでピンを引き抜くことも同時にできる。
 
腹を決め、奴の頭の上に向け放り投げながら、
 それでも俺はコートで前方をかばいながら突っ込んでいった。
312フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 00:09
>305 (コルネリウス=アルバ対フリッツ=ハールマン)
 
激しいマズルフラッシュにより一瞬視界が眩む。
まさか、これで殺せる相手のはずはないが。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。
化物と普段から殺しあっている俺にとって、
たとえ何が起きようとも不思議はない。
空を飛ぼうが、火を吹こうがありそうな事だ。
だが、この魔術師はカービンの高速弾を止めた。弾いた。文字通り。
魔術師だ。やりそうなことだ。だが、正直認識に梃子摺った。
初めて見るのだ。これが”魔術”か・・・・・・・・
 
正直言って、まったく自分の認知できない領域。
本来ありえない。だが、やはりここにいるのは事実、現実だ。
いや、”悪夢”といったほうがいい。
 
余裕綽々で逃げ行く男。それを追う俺。引き金を引く手は緩めない。
だが、当たらない。何発打ち込もうと。何度引き金を引いてもそれは無駄に終わる。
廊下を駆け続け、ついに階段にまできたらしい。
 
 「魔術師というのはな、根源を目指すものであり、超越者なんだ!」
男が高々と減らない口を叩く。
 
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・面白いじゃねえか!
 
自慢の相棒の弾層を入れ替える。
一発喰らわせて、分からせてやらなきゃならねえだろうな、こういう野郎は。
フン、泣きべそかきながら死ぬなよ?
 
・・・・・・・・・!!
 
だが、自分が次に感じたのは鋭く熱い感覚だった。
やられた!確実にあばらが逝っている。
ブチブチと音を立てて千切れたのは自分のコートと、僅かな肩の肉。
 
何もないところからでもいきなりこれだ。魔術師め。
 
上等だぜ、アンタ。
だがな!これくらいで引くか!

見下ろす男と自分。
 ヒンヤリとした感覚が背筋に走っている。だが、自分の内は熱い。
  『獲物はまず目で殺す』。誰がいった言葉かは知らない。
   男の目に取り込まれそうになる・・・・
    だがな、餓鬼め、俺に喧嘩を売るのは間違いだぜ?
 
そのまま階段を駆け上がるよりも先に、俺が手にしたのは焼夷手榴弾だった。
教えてやる、獲物の追い詰め方ってのはな、こうやって派手にやるモンなんだよ!
ワイヤで服に縛り付けた焼夷手榴弾は
手に掴み取る動作だけでピンを引き抜くことも同時にできる。
 
腹を決め、奴の頭の上に向け放り投げながら、
 それでも俺はコートで前方をかばいながら突っ込んでいった。
313シグモンド ◆DGUNdOgI :02/03/26 00:13
カツーンカツーン
靴音が闇夜に、戦鬼たちの集う夜に木霊する。
男が一人、闘争の巷を見て言う。
 
「ここにも化物どもが居たのか、リストに載っているやつらがいればいいんだがな…行くか」
 
そして夜の闇にまた一人…、闘争を求める者が飛び込んでいった…。
 
闘争中失礼する。
俺はシグモンド。学研NORAコミックス『ガンドッグ』の主人公になる。
カテゴリはA、ハンターだ。 
参戦希望としてテンプレを貼らせて貰う。
  
出典 :『ガンドッグ』(宇地仲康、NORAコミックス)

名前 :シグモンド

年齢 :20代後半としておく

性別 :男

職業 :殺し屋

趣味 :あえて言うなら銃器の手入れだな。

恋人の有無 :・・・今はいない。

好きな異性のタイプ :少なくとも騒がしくない奴だ。

好きな食べ物 :特にない。必要な栄養を取る。

最近気になること :化け物どもの動きだな。

一番苦手なもの :騒がしい奴だ。

一番の決めゼリフ : (すいません、ここはご自由に)

将来の夢 :化け物どもを皆殺しにしてビクターを救い出すこと

ここの住人として一言 :・・・どこへ住もうがオレ自身は変わらん。

ここの仲間たちに一言 :・・・オレの邪魔をするな

ここの名無しに一言 :聞きたいことがあるなら早めに言え。
314アーカード ◆ARCARDr. :02/03/26 00:15
>93 VSアベル・ナイトロード
 
 ――これだ、これを待っていた。
 
 化物と化物の勝負は、何よりもどちらがより強い力を持っているかがその優劣を決定づける。
 それ以外の要素が絡む事もあるが、そんなモノは不確定要素でしかない。
 より強い者が弱い者を喰らう。
 
 そして、目の前の怪物は今まさに捕食者。
 
 だが、アーカードとて捕食者だ。
 犬を喰らったそれを見て、目を細める。
 そう、眼前の敵はまさに強者。
 共に吸血鬼の血を喰らう鬼、どちらがどちらを喰らうのか。
 
「さぁ、殺し合いの時間だ」
 
 アーカードを構成する闇状の物質が膨れあがる。
 それはもはや形容不能の物質となって押し寄せていく。
 犬にも見えるし人にも見えるしコウモリにも見えるが、そのどれでもあり得ない。
 あえて形容するなら、それはアーカード。
 
 闇が発砲しながら、それは押し寄せていく。
 クルースニクを食い尽くさんが為に。
315シグモンド ◆DGUNdOgI :02/03/26 00:17
>313
む?代理人め、しくじったな…。アイツなら、もっと上手くやったのにな…。
テンプレの訂正だ。
  
出典 :『ガンドッグ』(宇地仲康、NORAコミックス)
名前 :シグモンド
年齢 :20代後半としておく
性別 :男
職業 :殺し屋
趣味 :あえて言うなら銃器の手入れだな。
恋人の有無 :・・・今はいない。
好きな異性のタイプ :少なくとも騒がしくない奴だ。
好きな食べ物 :特にない。必要な栄養を取る。
最近気になること :化け物どもの動きだな。
一番苦手なもの :騒がしい奴だ。
一番の決めゼリフ : 「ただ自分の腕のみが信用できるからだ」
将来の夢 :化け物どもを皆殺しにしてビクターを救い出すこと
ここの住人として一言 :・・・どこへ住もうがオレ自身は変わらん。
ここの仲間たちに一言 :・・・オレの邪魔をするな
ここの名無しに一言 :聞きたいことがあるなら早めに言え。
斗数は?
(コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
>311
「ちいっ、しつこい奴は嫌われるぜ!」
 
アルバは氷の刃をどうにかかわした男に対してそう毒づく。
 
そして、アルバのフリッツに対しての怒りが判断を遅らせた。
テルミット手榴弾が宙を舞う。
 
咄嗟にアルバは考える。
 
ルーンの防御では間に合うまい。
ならば……
 
「I direction everything ――――」
(我は万物を支配せし者!)
「My reasen defeats my enemy――」
(我が理を以って、我が敵を打ち倒せ!)
 
アルバは必要最小限の詠唱で必要十分な効果を得る為の魔術を行使した。
元々、アルバは自己陶酔の強い男でとかく詠唱は長かった。
だが、ここ数年で彼は確実に成長していた。
この詠唱を可能にするのも、彼が一流である証だろう。
 
詠唱が終わると同時に2つの爆発が起こった。
手榴弾の爆発とアルバの魔術による爆発。
 
――閃光。
 
そして、アルバとフリッツは吹き飛ばされた。



「……ぐっ」
 
踊り場の壁にたたきつけられたアルバはよろよろと立ち上がる。
右肩に激痛。
完全に相殺しきれなかった手榴弾の破片がめり込んだいた。
 
「ああ、痛いじゃないか! どれくらい痛かったというとね、涙がでるくらい痛かったぜ!」
 
おそらくは階段の下に吹き飛んだフリッツにそう叫びつつ、破片を抜き取る。
血が吹き出る。
アルバをそれを無視して、3階へとあがる。
彼の歩いた後には、血の後が点々と続いていた。
 
夜の上海を1組の男女が駆けていた。
否、駆けているのは男のみで、女は片手で抱えられているだけである。
男のもう片方の手には、黒いアタッシュケースが握られている。
 
何故、夜の町を駆けているのか。
追われているからだ。
 
誰に?
外套(マント)を着た赤い仮面に甲冑姿の男に。
無言で、地を滑るように駆ける男に。
 
狙いは黒いアタッシュケース。
女―――林潤花(リン・ルンファ)と言う零細犯罪組織の香主(ボス)だ―――が闇ルートで手に入れた品だが、
どうやらとんだ曰く付きの一品だったらしい。
よもや、犯罪界に燦然とその名を轟かせる「BF団」の刺客に狙われるとは。
それもただの刺客ではない、名前だけは広く知られた謎のエージェント、コ・エンシャクと言う大物だ。
 
人通りの無い、路地裏の一角。
女にとって土地鑑のある場所で、男はアタッシュケースとともに女を放り出した。
そのまま仮面の男の前に立ち塞がる。
 
「今後一切おまえの依頼は受けないからな!!」
 
そう、林に悪態をついて。
彼の名は長谷川虎蔵。
またの名をエドワード・ロング。
彼もまた、闇の世界にその名を知られる道士なのだ。
夜の上海に、魔人同士の戦いが始まる。
319ロン(虎獣人)(M):02/03/26 00:57
>310 ロン VS 御神苗 優

 ロンは、相手を見つめた。
 攻防が、若干熱を冷まして冷静さを取り戻させていた。

 ふと、声が耳に入る。虎はぴくりと耳を動かし、ちらと視線をそちらにやった。
 少女を、老爺が助け起こしていた。かすかに少女のうめきが聞こえる。

 安堵に似た感情を、ロンは奥底に封じ込めた。
 殺人者として生きてきた自分に、そんな感情は不要なだけだった。

 ワイヤーは、未だ虎と護衛者とをつないでいる。
 殺す、だけだ。暗殺者は殺すことでしか生きられない。
 そう、割り切ろうとした。
 今は目前の相手に集中する事が、抜け出る唯一の道だった。


 慎重に、若干右回りに間合いを詰めていく。
 獣人特有の回復力で、左腕はかろうじて動くまでに回復していた。
 右腕を軽く突き出した右半身のまま、すり足で前に出る。

 右掌を突き出す。
 受けに来るか、カウンターに来るか、どちらにせよ右はフェイントだ。
 右腕で相手の反撃をいなし、左の貫手――鋭い爪で奴の首を貫く。
320フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 01:05
>317 (コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
 
既に、先の氷の刃で身体は半ばガタが来ていた。
それでもここまで派手にやれたのは、足の損傷があまりなかったからだ。
しかし今は違う。分厚いコートで炎は防ぐつもりだった。
突っ込むと見せかけて、十分な距離は保つ。そもそも男の頭の上で
炸裂するのだから、相手の肝を潰す程度にしか考えていなかった。
しかし、次に自分を襲ったのは激しい衝撃。
 
 馬鹿な・・・・・・・・・・・野郎がやりやがったのか?
 
確かに男は詠唱をしていたのだ。なんて―――力。殺られる。
即殺せねば、自分が今すぐにでも。これが、魔術師・・・・・・・・・・
 
ぼうっとする頭を振って起き上がる。まずいな・・・・脚がイカレやがった。
オイオイ、おいてかれるぜ、これじゃ。
左肩も動かせない。手榴弾の破片が肉に深々と突き刺さっている。
ナイフで抉り取り立ち上がる。俺が招いた事だが、腹が立ってしょうもない。
 
・・・・・・・・・・・男の去ったあとには血が転々と落ちている。痛み分け、か。
泣くほど痛い、か。俺なんかはとっくに泣く事も止めてるぜ。甘いな餓鬼。
 
照準が定まらない。片手でこいつを扱うのは無茶だ。撃つどころか、構えるのも難しい。
せめて、反動を抑えるため、銃上方のボウガンを奴に向けて放った。
 
俺がカスタムしたボウガンの力で矢の速度は極端に速い。
後ろ向きに走るやつなら気付かないかもしれない。発射音が小さい。
 
――喰らえ!!
321御神苗優:02/03/26 01:12
>319 vsロン
 
 奴の目に冷静さが戻ってきた。
 やばいな・・・・・
 回復力では向こうの方が上・・・・・・ 
 
 奴はじりじりと間合いを詰めてくる。
 いつだ、いつ動く?
 額から汗がたれる。
 そして、床に落ちた。
 
 それと同時に、奴は右の掌打を放ってきた。
 俺はその攻撃を身を捻って避ける。
 そこにすぐさま左の貫手が首めがけて突き出される。
 俺はそれを身をかがめてやり過ごす。
 奴の目には、まるで俺が分身したように見えるだろう。
 残像を残すほどの高速移動。
 奥の手までださせてくれるとはね・・・・・・ 
 俺は奴に肉薄すると、無防備の腹に右の掌打を叩き込む。
 まともにくらった奴は、転がるように後ろへと吹っ飛んでいく。 
 
 
322ヤハベ:02/03/26 01:18
いい〜、いーなーお前たち!
活気に満ちた殺し合い!これよ、これ!
オレが求めてたのはこーゆーヤツなのよね〜!
楽しく、イキイキと殺りあおうや!
おっと、自己紹介が遅れたな。
オレはヤハベ。強盗団『黒い枢機卿』のボスをやっている。
イタリア製の法衣は着ているが、とっくの昔に神は捨てた。
今は気の向くままに暴れ回ってるところだ。
オレはまったく普通の人間だから、バケモンの相手すんのはちぃとばかしキツいが、逆境ってのは燃えるモンだからなぁ!
  
出典 :イハーブの生活(小路啓之・アフタヌーンKC)
名前 :ヤハベ
年齢 :不明(三十代?)
性別 :男性
職業 :強盗団『黒い枢機卿』頭目(元・神父)
趣味 :暴行、破壊
恋人の有無 :現在はなし
好きな異性のタイプ :キリコ
好きな食べ物 :マッコリ(濁酒)
最近気になること :キリコの本心
得意な技 :帽子投げ
一番の決めゼリフ :足りね〜頭は使うだけムダなんだよ
将来の夢 :崇拝するものを裏切る!これでオレは真のユダに
      なれる! 
ここの住人として一言 :思いきり楽しんでやるさ。
ここの仲間たちに一言 :さっさと用事済ませてピザでも食いに
            行こう。
ここの名無しに一言 :ハハハ、さもしいね〜。
323長谷川虎蔵(M):02/03/26 01:20
>318 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
 黒ずくめの男である。
 身に纏ったトレンチコート、スーツにネクタイ、長谷川虎蔵は全てが黒一色であった。
 ついでに云うなら後ろで三つ編みにした長髪と、右眼を覆う眼帯も。
 秀麗と評して良い相貌からは、しかし常人なら目を背けずにはいられぬ程の鬼気が吹き付けている。
 眼前の鎧姿の怪人――コ・エンシャクに向かって。
 ニヤリ、と笑った。
 精悍――それ以上に剽悍極まりない表情が揺れる。
 
「妙なニオイだな。人間だか木偶人形だか判りゃしねえ」
「ちょ、ちょっと、ロング!」
 
 林が慌てたように叫ぶが、虎蔵は意に介さぬようにだらりと両手を下げて立っている。
 手には何も持っていない。懐中にも膨らみは見えない。
 この男は、無手で名にし負う魔人・コ・エンシャクに太刀向かおうと云うのだろうか。
 それを知ってか知らずか、コ・エンシャクの顔面には何の感情も現れていない。
 仮面だから当たり前ではあるが。
 
「ま、愉しく殺り合おうや。夜もまだ長えし――な!」
 
 云い終わらぬ内、その姿は消えた。
 地を蹴って一気にコ・エンシャクまで突進した虎蔵は、凄まじい拳打を放っていた。
 風を抉りながら、左右の正拳を矢継ぎ早に繰り出す。
 鎧武者の顔へ胸へ腹へ目掛けて。
(コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
>320
 
アルバはフリッツが背後から追って来るのは既に予測済みだった。
そして背後から撃たれるであろうことも……
 
だから、アルバはその身にE(ユル・防御のルーン)を刻んでいた。
背後からボウガンが空しく不可視の壁に叩き落される。
 
何かが弾かれた音を確認して、アルバはようやく振り返る。
その顔には酷薄な笑みを浮かべて……
 
「驚いたな。性急なんだねぇ、君は……」
 
アルバはニヤニヤと笑いつつ、フリッツに話し掛ける。
 
「ああ、ところでさ、魔術って触媒があれば行使は簡単なんだ」
 
依然、アルバは笑顔を崩さない。
 
「ほら、そこら中に私の血が飛び散っているだろ? ああ、もう手遅れだよ」
 
アルバが指を鳴らすと同時に廊下に撒き散らせれたアルバの血痕が発火した。
 
「……それじゃな。私は屋上の非常梯子からでも退避させてもらうぜ」
 
アルバはそのまま、フリッツに踵を返して3階の屋上へつながる中央階段へと悠々と向かっていった。
325ロン(虎獣人)(M):02/03/26 01:39
>321 ロン VS 御神苗 優

 虎人の巨体が壁に叩きつけられる。衝撃に、部屋が震えた。
 崩れ落ちる。四つん這いになり、血塊を吐き出しながら顔を上げる。
 そのわずかの間に、ロンは人の姿に復していた。
 脇腹を押さえつつ、ゆらり、と立ち上がる。

 アバラが数本折れていた。
 一撃を知覚できず、まったく防御の体勢を取れずに喰らったのだ。
 急所ならば、あるいは獣人の強靭な筋肉に守られていなければ、死んでいたであろう一撃だった。

 ロンは、息を吸い込んだ。肋骨の痛みを無視し、一瞬呼吸を止め、鋭く吐き出す。
 同時に、構えを取った。

 ある種、ひさびさの感覚だった。
 目の前の相手を、自分と対等の相手と認識する。一方的な殺人ではなく、殺し合い。
 ただ、今この瞬間に没頭する事を望む。

「殺し屋、ジン=ロン。名前は?」

 殺し屋が名乗るなどという不条理に、今のロンは拘泥しなかった。
 知覚を研ぎ澄ます。
 自分からは動かない。己の気配を抑え、相手の気配を読む事にすべてをかける。
326フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 01:41
>324 (コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
 
破魔の矢はむなしく弾き落とされる。
男はニヤニヤ笑いながら振り返る。余裕綽々なそのツラ。
 
触媒?血?何・・・・・・・・だと?
 
 
――――――――気づいたときにはもう遅い。
 
男の指が高々と鳴り響き、俺の周囲は・・・・・・燃えた。
 
 
糞ォ!これが”魔術師”か!!
 ふざけやがって・・・・・・・・ ふざけやがって・・・・・・・・ ふざけやがって・・・・・・・・
 
脳内が白く染まる。
       男の声が聞こえない。
              このままでは、
                    俺が、死ぬ。
                          死ぬ?
                              馬鹿言うんじゃねえよ・・・・・・
 
・・・・・・・・・なあ、フリッツ、フリッツ=ハールマンよぉ。
 
木造建築物が火事になった場合、たいてい木の骨組みはだけ残る。
炭化しているように見えるが、実はその骨組みの”芯”はしっかりと
木の状態を保っている場合もある。炭化した木そのものが、炎から自分の”芯”を守るのだ。
 
今の彼に出来る事はただ一つ。身体の前にコートを被り、ただ前に突き進むしかなかった。
 
   熱い    熱い    熱い炎の塊。火炎の舌なめずりの上を駆けて行く。
まともに動かない脚でそれは致命的だった。
 
 だが             抜けた。
苦痛のあまり倒れこむ。しかし、戦意は失わない。そのまま照準もつけずに
ライフル狙撃のような体勢でカービンを去り行く奴に撃ち込む。これなら、撃てる。そろそろくたばれ!!
>323 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
 
虎蔵の呼びかけに、一見緩慢な動きで答える。
この怪人に「愉しい」等という感情はあるのだろうか。
 
コ・エンシャクは奇怪な男だった。
いや、実際には男かどうか、人間かどうかすらも怪しい。
コ・エンシャク。
人呼んで「双鞭コ・エンシャク」
中国風の甲冑、仮面と外套でその身を覆い、その姿の一切を覆い隠している。
常に無言、神出鬼没、その異名の通り両手で二本の鞭を操る。
ここまでは裏の世界でそれなりに知られた話だ。
 
ここから先は実際に相対した者で無ければわからないだろう。
コ・エンシャクに打ち込まれた虎蔵の拳は超人的とすら言える破壊力を秘めた、
常人なら即死しかねない恐るべき拳撃だった。
 
直撃。
 
コ・エンシャクは無惨に吹き飛ばされ、土煙を舞い上げて路地の壁に激突する。
だが。
 
次の瞬間、音も無く、まさに影に、夜の闇に溶け込むようにコ・エンシャクの姿は消えうせていた。
虎蔵は知覚出来ただろうか?
その瞬間、音速に近い速度を伴って上方から叩きつけられる一条の鞭を。
(コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
>326
「……があっ!」
 
背後から、まさかの銃撃を受け、アルバは悲鳴をあげる。
フリッツのめくらうちにうった銃弾はアルバの右わき腹を打ち抜いていた。
 
憎悪に燃えた目でフリッツに振り向き、叫ぶ。
 
「痛いじゃないか、痛いじゃないか、痛いじゃないか、痛いじゃないか、痛いじゃないか!」
 
ひとしきり叫んだところで、アルバは冷静に戻る。
どうせ、この廊下には火がまわりつつある。
この男は放っておいても、焼け死ぬだろう。
 
「……ふん、君はそこで汚らしく苦しんで死ぬがいいさ」
 
そうアルバは男に毒づき、屋上へと向かっていった。



屋上。
屋内の喧騒が嘘のように静まり返っている。
アルバはふらつく身体に喝を入れ、非常梯子を探す。
そこに……
 
――背後でドアが開く音。
 
アルバが振り向くと、そこには不敵な笑みをたたえたフリッツがいた。
 
そして、この瞬間にいたって、ようやくアルバは理解した。
相手は単に銃を持った人間ではない。
爪と牙を持った獰猛なハンターだということを……
 
確実に殺されなければならない。
さもないとアルバ自身が殺される。
 
アルバは自己にしうる最高の威力と速度で火炎魔術の詠唱を開始した。
 
「 I have everything in the right hand――――」
(この手には光。この手こそが全てと知れ)
「I am the order Therefore」
(我を存かすは万物の理)
「you will be defeated securely―――――――!」
(全ての前に汝。ここに、敗北は必定なり……!)
 
屋上が赤く光り、一発の銃声が木霊した。
329フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 02:16
>328 (コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
 
銃弾が――――――――届いた!
 
解り掛けてきた。魔術は、完璧ではない。
まったく、人間的な力だ。自分も男も、所詮人間に過ぎない。
すなわち、攻撃する事を相手に悟られなければ良かったのだ。
 
・・・・・・・・・・・・・・・ならば、勝つのは狩人である俺だ!
てめェに殺られるほど、こちとらいい加減な鍛え方してないんだぜ?
 
息も絶え絶え、脚も殆ど動かない。
 だが、先の銃撃で殺れる自信がわいた。
  沸々と全身に力が漲る。
 
俺は、猟犬。
・・・・・・・・・・・・猟犬に背を向け逃走した時点で、男の敗北は決まっているはずだ。
 
 
ドアを開ける。
 残りの銃弾はあと銃弾一つ。矢はただの一本のみ。
  撃てるか?撃てなきゃ殺されるぜ?豚のようにな。それで、いいのか?
 
――――――――良いわけねえよなぁ!!
 
奴は既に詠唱を始めている。               (これで決める気か?)
「 I have everything in ――――」          (上等だぜ。さあ、来いよ。)
カービンを向ける。                (じゃあな。クソ魔術師さんよ。)
「 be defeated securely―――!」     (こちとら、相当苦労したんだぜ?)
目映いばかりの赤い閃光                       引き金を引く。
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
>329
(コルネリウス・アルバVSフリッツ・ハールマン)
 
アルバの前に1000度は優に越える炎が巻き起こった瞬間!
 
フリッツの放った銃弾は正確にアルバの眉間を撃ち抜いた。
 
絶命する一瞬、アルバは思った。
  
(ああ、こんな化け物に――――敵うはずが、なかったのだ)
 
術者の死と同時に巻き起こった炎は霧散した。
 
再び、屋上に静寂が戻った……。
>261
壊れ魔女 VS 脳腐れゾンビ …そして不思議執事 『血塗れの遁走曲』

            ア ポー ト
「キャァアァッ!! 物体転送ッ!? 嘘、ウソウソ、
そんなのさっきまで持ってなかったじゃないぃー!?」
 
ヴァージニア・13の観測した限りでは、ミアはあんなバカでかい兵器を携行している様子は無かった。
……と、いうかあんな大きい物持っていれば、嫌でも目に付く。
V13にはまるで、あの兵器が空間から直接取り出されたようにしか見えなかった。
そうでないなら、耐用年数を大きく越えたV13の霊視眼が、その寿命を終えようとしているか、
とんでもない偶然から、V13の目にあの兵器が入らなかったのだろう。角度とかの関係で。
 
ともあれ、ミアの取り出したあの兵器の威力と、街中であんな物をブッ放そうとするミアの狂気は本物だ。
 
その砲口がこちらを向き、エネルギーが充填されていく。
 
「キャァアァァッ!! ゴメン! 許して、許してェ!!」
V13は許しを請いながら、その目をぎゅっとつぶり、その場にうずくまった。
 
発射が止まることは無いだろう。V13は最後に祈ろうとしたが、何に祈ればいいのかわからなかった。
 
そして瞼の内側からでも判るような閃光があたりを包み、ついで爆音が響く。

―――閃光と、爆音? ……と、言うことは。 
「あれ? まだ生きてる?」
 
しかし、その喜びをかみしめる暇も無く
 
「ギャフッ!!」
上から落ちてきた何者かの着地台になってしまい、V13は今日何度目になるかわからない悲鳴を上げる。
 
数瞬、意識が世界から断絶していたが、『なぜか』大きなダメージも無かったらしくV13は半身を起こす。
と、眼前にはさわやかな笑みを顔に張り付かせた銀髪の男。
「ひあ」
驚きの余り悲鳴すら満足に出てこない。V13は半分腰を抜かしたようになりながらズルズルとあとずさる。
 
「・・・・・・フフ・・・・・・フフフフ・・・・・・」
しかし、あとずさった方向からは無気味な笑い声が聞こえてくる。
ミア=フォーテーである。
 
銀髪執事に比べれば幾分かは現実的な恐怖であるミアの存在によって、V13の麻痺していた感情は解凍され
「キャアァァァァアアァッ!!」
と言う悲鳴と共に文字通り跳ね起きると、彼女のとりうる最大のスピードで『ある方向』に向かって駆け出した。
 
―――もはや、この街からの脱出を実現させることはかなわぬ事なのだろう。
―――ならば、自分に出来ることはあの場所に向かうことぐらいしかない。
――そう、あの場所へ、『死』のたっぷり詰まったあの場所へ。
332フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 03:06
>330 (コルネリウス=アルバVSフリッツ=ハールマン)
崩れ落ちる男、コルネリウス・アルバ。人知を超えた知者。魔術師。
それを、俺は倒したのか?ただ、それを悟ったのはずっと後のこと。
ややおぼつかない足取りのハマーの後部座席で揺られながら。
疲れているだろうが、無理を押してヴェドゴニア、
いや惣太が運転してくれているらしい。
 
 「悪りィ・・・・・・惣太」
 
あのとき押し寄せる焼け付く熱風を感じないほど、
俺の身体は疲弊していたのだ。今でも、身体は動かない。
一旦戻った意識が、また深遠へ誘われる・・・・・・・
 

・・
・・・
俺はずっと狩りをしてきた。
人も化物も関係なく。
俺とモーラの障害になるようならば、女子供だろうが容赦はしない。
 
今日も何人とは言わず殺し、ねぐらへ帰り着く。
 
夜が明ける。
モーラももう休むようだ。俺は持ち帰ったデータの解析が残っている。
”殺し”を”狩り”と俺が呼ぶようになったのはいつからだったか。
その言い方だけで、昔は気が紛れた。逆にいえば、
そう言いでもしなければ俺は耐えられなかったのだろう。
 
だが、俺は強くならなければならなかった。
返り血を浴びながら、闘い続けなければ。
殺し、また殺す。そうでもしないと、俺は俺でいられなかったのか。
それを愉しみとすることを選んだ時点で、俺は鬼になった。
 
鬼のやることは――――――ただ一つだ。それが、今の俺の仕事。
 
モーラを守り抜く。これが、俺の今の仕事。このために、狩る。殺す。
死んでも戦い続けてやるさ。せいぜい小便済ませとくんだな、化物ども。
333長谷川虎蔵(M):02/03/26 03:12
>327 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
 殆ど動物的勘のみで、虎蔵は左手を頭上へ翳していた。
 無論そんな防御が唸る魔鞭に通じ様筈もない。人だろうが岩鉄だろうが、只々真っ二つにされるだけだ。
 
 普通ならば。
 
 だがこの男、長谷川虎蔵もまた、敵たるコ・エンシャクと同じく普通などと云う表現から遠ざかる事甚だしい存在であった。
 鋼と鋼が相打ったかの様な、甲高い音が響いた。
 路上に余韻を残して音が消えた後、虎蔵に傷は見当たらない。コ・エンシャクの鞭は無されていた。
 虎蔵の左手首の周囲で回転する数珠によって。
 一つ一つの珠が大人の握り拳以上はある巨大な代物だ。
 突如出現した数珠、これによって張った結界が、恐るべき鞭の一撃を防ぎ止めたのであった。
 二撃三撃と再び上空から繰り出される鞭をかわし、背後へ跳ぶ。その顔には僅かに冷汗が滴っている。
 最初の一撃、秒瞬でも防御が遅れていれば、虎蔵は二つの肉塊と化していたに違いない。
 耳障りな音がした。虎蔵が噛み締めた歯軋りである。
 後方へ跳びつつ左手を引く。その動きとともに数珠の回転も止る。
 と、珠は爆ぜるかの様に周囲に飛び散った。地面には落ちず、中空を漂っている。
 
「仁義八行、彼宿の霊五、天風矢来の豪雨と成りて」
 
 呪句を詠唱する、その独眼に輝くのは憎悪か、はた歓喜か。
 どちらでもあるのだろう。この男もまた救い難い闘争狂なのだから。
 
「疾く彼の辣奸を撃ちくだけ!!」
 
 突き出す左手に導かれるが如く、無数の珠は一斉にコ・エンシャク目掛け疾った。
 大気を灼き切りつつ放たれる横殴りの流星群と化して。
334フリッツ ◆FRItz.JA :02/03/26 03:15
狩人と魔術師。今回は狩人の勝ちだったが。
俺は、どうやらまだまだ狩りを続けなきゃならない天命らしいな。
もっとも、止めろって言われて止める俺じゃない。
俺に殺されてくれがった魔術師に、礼でも言っておくか。
 
>296>297>300>302>305>311>317
>320>324>326>328>329>330>332
335御神苗優 ◆CeqdL8pw :02/03/26 03:22
>325 vsロン
 
 奴は、衝撃から変身が解けたようだ。
 人の姿に戻った奴は血反吐を吐きながらも、
 再び立ち上がった。 
 
 『殺し屋、ジン=ロン。名前は?』
 
 奴は名乗った。殺し屋が名乗るってのもおかしな話だ。
 しかし、俺はその時は何もおかしいとは思わなかった。
 
 「スプリガン、御神苗優。いくぜ!!」 
 
 俺は名乗るや、一気に奴との間合いを詰める。
 決着をつけるべく右手に持ち替えたナイフで、
 俺は神速の突きを叩き込んだ。 
 
336ロン(M) ◆rLawCrt6 :02/03/26 03:31
>335 ロン VS 御神苗 優

 突き、だ。死角に滑り込むようにして迫る一撃。
 幻惑するような動き。やはり、捉えにくい・・・

 ロンは、勘を頼りに右拳を突き出した。
 方向を逸らしさえすればいい。急所を避けえれば、倒せる――
337御神苗優 ◆CeqdL8pw :02/03/26 03:55
>336 vsロン
 
 (勝敗はトリップ判定にて行った。C>rにて、ロン敗北) 
 俺のナイフは奴の体に突き刺さった。
 だが、奴の右を避けながらとなったせいか、
 急所をわずかにそれた。
 
 奴はニヤリと笑うと、左の拳を俺に叩き込んだ。
 浮身でなんとか打撃を消すも、完全ではない。
 俺は再び奴との間合いをとって対峙する。
 
 そこへ廊下のほうから複数の足音が聞こえた。
 応援か? 
 それを聞いた奴は舌打ちをすると、窓に向かって突進し、
 雨の世界へと消えた。
 俺は後を追いかけかけたが、足をとめた。
 あくまで、俺の任務は依頼人の護衛だったから。
 俺は窓際から、奴の消えた庭をずっと凝視していた。 
 

 
338ロン(M):02/03/26 04:32
>337 ロン VS 御神苗 優
エピローグ

 胸に刺さったナイフは、肺を傷つけている。
 それで、走っていられるのは獣人の生命力ならではだ。

(失敗か・・・)
 それは、ロンの経歴の中で、ほとんど唯一に近い汚点となるだろう。
 だが、それを無念に思う感情は、不思議と、無い。

 それは恐らく、ロンの"暗殺者"としての仮面に小さなひびが入った事件だったのだろう。
 殺しを始めてから、仕事の場で拳法家としてふるまうことなど、ありえないことだった。
 しかしそれを、ロン自身は無論、気づいてはいない。

 雨は依然として振りつづけている。
 泥水を跳ね上げ、傷ついた右胸を抑えたまま、ロンは走り去っていく――
339御神苗優 ◆CeqdL8pw :02/03/26 04:33
ロンvs御神苗優 レス番纏めだぜ。
 
 導入 
 >238 
 
 戦闘
 >241 >243 >245 >248 >249 >252 >255 
 >260 >263 >268 >269 >272 >275 >277 
 >280 >283 >285 >286 >287 >288 >289 
 >291 >292 >299 >301 >303 >306 >309 
 >310 >319 >321 >325 >335 >336 >337
 
 エピローグ
 >338 
 
 まぁ、なんとかミッションには成功したけど、な。
340ガッツ(M):02/03/26 14:16
>233 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティ
 
 義手の大砲はカマキリ野郎に大穴を空けた。
 ダメージも確実にあったらしく奴は半狂乱になっている。
 
 しかし、こちらのダメージも半端ではない。
 空から降ってくる巨体をかわしもせずに直撃を喰らったのだ、無事でいられる筈がない。
 地面を為す術もなく何mも転がっていくガッツ。
 受け身も取れずに転がって転がって転がって……ようやく止まった。
 
 立ち上がろうとするが、全身が悲鳴を上げていて思うように動けない。
 この鎧でなければ背骨がへし折れていたところだろう。
 だが、それでもあばらは四、五本逝っている。
 内臓にも相当のダメージがあるようだ、さっきから喀血が止まらない。
 四肢に目立つ損傷がないのがせめてもの救いか。
 
(これなら、剣は振れる……!)
 
 ゆらりと立ち上がりながら、自らを鼓舞するように絶叫する。
 表記不能の叫び。
 それがカマキリ野郎の絶叫と耳障りなハーモニーを奏でる。
 およそ生物が放ったとは思えぬ咆哮が戦場に響いた。
 
 定まらない足腰を無理矢理定めてドラゴン殺しを腰溜めに構えて、突進する。
 ほぼタイミングを同じくしてカマキリ野郎も突っ込んできた。
 ドラゴン殺しを横なぎに振るい、鎌が上から振り下ろされる。
 
 互いを断ち切らんとする刃が交錯した。
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティ
>340

ネレベルティを寸断するべく振るわれた傭兵の巨大な剣。
振り下ろされた二本の鎌がそれと擦れ合い、悲鳴を上げた。
さらに、残った一本の腕が下から剣をはさみこむため振り上げられる。

――――分かっているのだ。本能的に。ネレベルティが生き残るために、その剣が邪魔だと言う事が。

「Gwoooooooooiiiiiiiiaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

叫び声を上げ、全ての力を叩きつけて傭兵の剣――――――ドラゴン殺しを砕かんとするネレベルティ。
内臓が、ずるりとこぼれ落ちた。
342アズライト:02/03/26 15:13
出典 :アリスソフトのPCゲーム『デアボリカ』 
名前 :アズライト 
年齢 :ごめん、よく覚えていないんだ。 
性別 :男 
職業 :うーん・・・凶や人間を傷つける化物専門の殺し屋かな・・・。 
趣味 :料理とかかな、編物も好きだよ。 
恋人の有無 :うん・・・いるよ。 
好きな異性のタイプ :レティシア、それ以外には思い浮かばないよ・・・。 
好きな食べ物 :レティシアが作ってくれるものなら何でも好き。 
最近気になること :桜姫や火炎王・・・マリアの事も気になるし・・・多すぎるね。 
一番苦手なもの :必要の無い闘い。 
得意な技 :変成してからの『腐食』とかが強力だと思う・・・使いたくは無いけど 
一番の決めゼリフ :――――――――腐れてしまえ。
将来の夢 :デアボリカも凶も人間もみんな仲良く暮らせる世界を作る事。 
ここの住人として一言 :人間には危害を加えないように・・・お願いするよ。 
ここの仲間たちに一言 :仲良くしようね、皆で頑張ろう! 
ここの名無しに一言 :僕はあまり面白くないかもしれないけど・・・大目に見てね。


343アズライト:02/03/26 15:14
>342
闘っていた人・・・間に入ってしまってごめんなさい・・・
これからよろしくお願いします・・・。
344両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/26 15:17
>232 vs楽志 
 
炎に焼かれながら、私は何を考えていただろうか? 
いや、何も考えていない。 
無心の境地から目覚めるは"修羅"。 
己の怒りを、憎しみを、相手にぶつける。 
 
――――気が付いたら、全ては終わっているかもしれない。 
 
血が焔へと変わるその瞬間。 
木刀を、引いて――――突き出す。 
同時に、私の身体は跳ぶように駆けだした。 
 
突きの体勢のまま、相手に突撃。 
既に炎は全身を覆っている。 
私が灰になるのが先か、それとも楽志が貫かれるのが先か。 

ガッ、という音とともに私の木刀が、楽志の口内に突き込まれた。 
あとは、力を入れるのみ。 
視える……彼の口内に眠る"線"が。 
皮膚で守られていない口内など、木刀だけで貫ける。 

……この間、1秒にも満たず。 
私が炎を燃えたと思ったら、既に男の口に木刀を突っ込んでいた。 
345ガッツ(M):02/03/26 15:21
>341 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 ガッツVS赤光珠のネレベルティ
 
 鉄塊を叩き折らんとするカマキリ野郎の鎌。
 将を射んと欲すればまず馬を射よ、か。
 なるほどそれは確かに常道だ、相手が並みであるならば。
 
 だが、奴は見誤った、馬がどれほどのじゃじゃ馬であるかを。
 そんな程度で叩き折られるドラゴン殺しなどではないのだ。
 鉄塊に叩きつけられた奴の鎌は、勢いに押されてことごとく砕け、へし折れる。
 鎌がひしゃげ、千切れ飛び、体液が舞った。
 
「が  あ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  !」
 
 叫びで敵を断ち切らんとするほどの絶叫。
 それに後押しされるかのようにドラゴン殺しの勢いは止まらない。
 鉄塊がカマキリ野郎の体へと食い込み、砕き、叩き切った。
 カマキリの上半身が斬り飛ばされ、剣風に押されてグルグルと回転しながら地面へと……。
 
 それを見届ける事なく、ガッツの意識は闇へと落ちていった。
346ガッツ(M):02/03/26 16:34
>345 中世戦場交響曲『剣風伝奇』 エピローグ
 
 ピクリとも動かないガッツ。
 化物二体との死闘で、体に蓄積されているダメージは限界に近くなっている。
 このまま放っておけば死の淵へと沈んでいってもおかしくない。
 実際、ガッツの体から感じる生命反応は少しずつ弱くなっていた。
 
 ふと、その倒れ伏したガッツの何処かからごそごそと音がする。
 一見気付きづらいが、それは腰に下げているポシェットからだ。
 ポシェットの蓋が開きそこから顔を出したのは、いわゆる妖精と呼ばれる存在――パックだった。
 
「うぇ〜、目が回る〜。死ぬ〜」
 
 ふらふらと危なっかしげに宙をふらつくパック。
 どうやら吹っ飛ばされた時の余波で目が回っているようだ。
 くるくる回ったり、意味不明な言葉を呟いたりしている。
 
「……あちゃ〜、また死にかけてるよ」
 
 ふと我に還って下を見下ろせば、宿主であるガッツが気を失って倒れていた。
 傍目にもヤバイ状態である事は分かる。
 生命反応があまりに微弱だ。
 
 放っておけばどうなるだろうとふと考える。
 
 ……案外、自力で蘇生するかもしれないと思った。
 
(頑丈さは無茶苦茶あるからな〜。ちょっと試してみっかなぁ?)
 
 腕を組んで頭を捻りながら、真剣にそんな事を考える。
 もっとも、試すワケにもいくまいが。
 死なれても困るし、目が覚めた時に何もしなかった事がばれたら何を言われるか分かったモノではない。
 つまり、選択の余地はないのだ。
 
 そんな事を考えていたら、
 
「……何してやがる、さっさと治しやがれ。何を考えてるのか知らねぇが」
 
 うつぶせに倒れたまま、頭上のパックに声を掛けるガッツ。
 どうやら意識は取り戻したようだが、未だ動く事は叶わないようだ。
 ……図らずも賭けに勝った事にパックは内心で握り拳を作りながら返事する。
 
「はいはい、今からやろうと思ってたんだよ。そう焦りなさんなって」
 
 もちろん、真っ赤な嘘だ。
 だがそんな事はおくびにも出さず、傍らに舞い降りて治療を開始した。
 
 
 
 
 そうして数分後には、次なる手掛かりを求めて歩き出すガッツとそれを追いかけるパックの姿があった。
 
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 おわり
中世戦場交響曲『剣風伝奇』 〜ガッツvsネレベルティvsアングマールの魔王

まとめだ。

前スレ(吸血大殲 第17章 背徳なるは人かそれとも我か)
ttp://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1016196534/
>526
>527>528>534>539>548>555>559>563>569>573>582

今スレ
>5>46>75>77>97>143>146>149>153>155>157>158>159>233>340>341>345
>346

中世を舞台にした闘争だった。
機会があるのなら、またやってみたいものだ。
その時は・・・
宝石の名にかけて、俺は負けん!
Broken Doll vs Stupid Zombie ...vs Eccentric Butler『血塗れの遁走曲?』
>331

変態が落ちた。仕留めそこなったが・・・まあ、いいだろう。
ついでにクソガキの足止めにもなった事だし。
件のクソガキは何やら悲鳴を上げて逃げて行く。
今までと違い、はっきりと何かを目指して移動しているようだ。

「・・・フフ・・・逃がさないから・・・」

彼女が目指している場所は、多分あそこだろう。
彼女が飛び出してきた、あの劇場。

私は邪魔な野次馬の群れを『ブレード』から天に向かって銃弾をぶっ放す事で蹴散らし、
先回りをするために走り出した。

周りの野次馬は、『何故か』威嚇射撃よりも私の表情の方に怯えていたような気がするけど・・・
気のせいだろう。うん。
349涼元楽志(M):02/03/26 18:24
両儀式vs涼元楽志
>156

激痛。
口の隙間から差し込まれた燃え盛る木刀が僕を貫いた。
その一撃は、百狐の面がその再生能力を発揮する前に
内側から僕を『殺して』ゆく。

意識が朦朧とし始めた。
もう、二度と目覚める事はないのだろう。
そんな僕が最期に考えていた事は、両親の事でも、面を託した祖父の事でも、幼馴染の少女の事でもなく―――――


炎に巻かれながらもこちらを見上げる、両儀の澄みきったその表情の事についてだった。


――――ああ、彼女はこんなにも美しかったんだ――――
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
>333
 
空中から怪異な軌道を描き、まるで活きているかの様にうねり襲い掛かる鞭。
四条五条に疾るその鞭は、実の所右手のみに拠って振われる一本の鞭に過ぎなかった。
その一撃々々は虎蔵に防がれ、翻され、路面を抉り石壁を割るに留まった。
その鞭を振う怪人、コ・エンシャクに魔人・長谷川虎蔵の反撃が迫る。
無数に放たれた拳大の数珠が弾丸の如き勢いで怪人へと殺到し、その体を撃ち砕かんと叩きつけられる。
 
右手で振われる鞭が其の速さを増し、迫る数珠を一つ復(また)一つと弾き落す。
一振りが異様な軌跡を描き、一度に二つ三つを叩き弾き返す様は当に魔鞭の呼称に相応しい光景で在ろう。
だが、其の魔鞭ですら流星の如き数珠の礫を払い尽くすには不足だ。
 
怪人が無造作に左手を振った。
何処より取出した物か、其の手にはもう一本の鞭が握られている。
 
右手で振われる鞭と左手で振われる鞭が其々絡み合い捻れるかの様に蠢く。
だが、二本の鞭は決して混み絡まる事無く、相互の隙間を相補い、迫る数珠を片端から払い落として行く。
其の様は、到底二本の鞭のみで成される物とは思えない程である。
 
コ・エンシャクが鞭を戻しつつ地に降り立つ。
其の外套を開くと、甲冑の胴に減り込んでいた数珠がぽろりと落ちた。
それでも二三の数珠は払い損ねた様だ。
鎧の上からでも臓腑を破裂させ骨を砕くのに充分な威力であった筈だが、怪人は痛がる素振すら見せない。
元より、この怪人に痛覚等と言う物が有ったのか、其れは甚だ疑問ではあるが。
 
再び、無言無音の怪人が鞭を振う。
両の手に握られた鞭を同時に、変幻自在と称して差し支え無い異様な軌道と、
神速と呼ぶのが相応しい速度とを兼ね備えて振う。
二本の鞭の筈が、この怪人の手にかかれば二十条や三十条の攻撃を一度に繰り出すなど容易いのであろう。
其の攻撃は当に嵐の如く迫る連撃であった。
周囲の石壁が穿たれ、砕かれる。
路地の地面が割れ、抉られる。
一撃で人体を破砕する致死の鞭が四方八方十六方から虎蔵を襲う!
351吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/26 18:38
>281 は無しだ、修正版を上げる。

>273 アーカードvsファントム

ダメだ、ダメだ、ダメだ……。
何をしようが通じない…… 再び俺の脳裏に絶望が走る。

湧き上がる焦燥感の中、俺はどうすればいいのかと考える。
俺の放った銃弾は、ほとんど命中している自信が有る。
奴の銃弾は一発たりとも命中していない。

それでも…… 倒せないのだ……。
 
酒場の裏口から出て、その物置で見つけた物……。
銃撃以外の方法…… 利くかどうかは判らない。
しかし、やってみる他に無い。

俺はガソリンの詰まったポリタンクを抱え、酒場の中へと戻る。
そしてホールの中心付近のテーブルの上にポリタンクを置く。
仕切り板の為、入り口からは死角になる筈だ。
裏口への通路の角に身を潜めた直後、 奴が現れた。

こちらの意図に気づいているのかどうか俺には判らないが、奴は悠然と近づき
そのテーブルの前を通りかかった。

−−−今だ!−−−

左手のEマグでポリタンクを狙撃する!
着弾の衝撃波でガソリンがホール全体に爆散し、紅蓮の炎が奴の体をも覆い尽くす。

そして奴に向かってもう一度トリガーを引いた。

カチリ……、

撃鉄の落ちる冷たい音…… 残弾を数え間違えた訳ではない。
むしろ数え間違いであってくれと、無意識に指が動いたのだ。

352蘭麻みほ ◆MihO/zhw :02/03/26 20:22
格闘大殲〜エピローグ〜(Miho Side)
>251
 
 私が目を覚ました時、もうウピエルの姿はなかった。
 彼は行ったのだろう。
 地上最強という名を求めて、神様とケンカするために。
 
「さて、私はどうしようかしらね」
 
 山篭りをするか(人恋しくなった時は片方の眉をそり落とすのがコツよ)
山寺で修行するか(これをやると魔物とか関節技の鬼とかと戦うはめになるわね。
素人にはお勧めできないわ)まだ決めていない。
 
 そう、わたしはまだ強くなりたいのだ。
 そしてもう一度あのウピエルの前に立つ。
 
 だからウピエル、ボクシング界を制し、バーリ・トゥードを制し、
再び日本へ帰ってくるまで……
 
「誰にも負けるんじゃないわよ」
 
 そう呟いて、私は公園を後にした。
 (END)
353蘭麻みほ ◆MihO/zhw :02/03/26 20:23
音楽界格闘闘争のまとめ
 
十五章
>566>579>580>581>613
 
十六章
>17>18>46>73>89>90>187>188>239>439>473
 
十七章
>3>508>512>514>519>565
 
十八章
>8>10>251>352

付き合ってくれたウピエルに感謝するわ。
354キース・ロイヤル(M):02/03/26 22:43
魔術士オーフェン・無謀編 「誰もお前は呼んでねえ!」番外編、
執事キース・残虐編 「遁走?なるほど、剣の柄で抉り殺すのですな」

>348

足元できゃあきゃあ喚いていた少女がまた何処かへと駆け出し、
続いて背中に兵器を背負った女性が、銃声を上げつつ、別の道へと駆け出す。
 
一人、通りに残った執事男が、「ふむ・・・」と、本日、数回目になる呟きを発する。
辺りの人々はと言えば、彼の異様な行動を見てなのだろうか、
彼の半径2mには見事に結界ができていた。
と、その時。
 
『きゅるるぅ〜ぃっ!!』
 
先程の女性の威嚇射撃に驚いたのだろうか、空中でホバリングしていた怪鳥が、
突如鳴き声を上げ、ばささささーっと東の空へと飛んでいった。
またしても周囲がざわめくが、執事男はそれを気にする様子は無い。
 
「アンジェリー・・・・どうやら暴力的な銃撃音に驚いてしまったようですね・・・・」
 
怪鳥の名前はアンジェリーと言うらしかった。どうでも良かったが。
 
「――となると、アンジェリーを退けたのはビーム淑女様なのですから―――」
 
虚空を見上げ、確認するように呟く執事男。
 
 
 
「第二十九代婚約者の座をかけて、ビーム淑女様には黒魔術士殿と争って頂かねば!!」
 
・・・・・つまり、それが彼なりの結論だった。
突然声を張り上げたせいか、周りの野次馬たちも一瞬、びくついた表情を見せる。
 
「では、私はこれで。これからビーム淑女様にお会いして、是非とも黒魔術士殿と会って頂きませんと」
 
そう言って、彼は姿を消した。と言っても、別にその場から立ち去ったと言う訳ではない。
 
 
落ちたのだ。マンホールに。
355長谷川虎蔵(M):02/03/26 23:24
>350 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
 周囲の建物と街路を割り砕き、縦横無尽に迸る死の鞭。うねくる双頭の黒蛇は、問答無用で虎蔵を木っ端微塵に斬り刻む。
 歯や舌、二の腕、だらしなく拡がる大腸や十二指腸、そして一つきりの眼球が鮮血を散らして宙に舞った。
 ――かに見えた。
 次の瞬間、それら全ては単なる木切れと化したのだ。
 これぞ虎蔵の十八番、攻撃を受けた正にその時、依り代を以って敵の眼を欺く変わり身の術である。
 木切れに混じる黒い襤褸は虎蔵の着ていたトレンチコートであろう。だが、本人は何処へ消えたのか。
 答えは――コ・エンシャクの背後、であった。
 おまけに袖口から抜き出した日本刀を構えて。
 身体中に武器を収めてのけるもう一つの妙技、暗器術を駆使しつつ、吼えながら一刀を突き入れる。
 
「殺った!!!」
356横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/26 23:26
>308 闘争。そして逃走 〜RUN WITH〜  横島&シロ vs ラルヴァ 
 
 ゆらゆらと揺れる月明かり。 
 ふらふらと定まらない街灯の明かり。 
 儚い二つが折り重なるここで、少女は笑っていた。 
 涙を流し、ただただ笑っていた。 
 
 ゆっくり重い体を起こす。あちこちの関節とか骨とか、へたすりゃ腹もちょっとやられてて。 
 こうして立ち上がれるのが、奇跡のようだった。それだけで膝はガクガクと震えたけど・・・ 
 
「先生! お怪我は!」 
「お座りだ、しばらくそのままでいろ」 
  
 ついてこようとするシロを宥め、引きずるようにあの娘の元へ・・・
 淡い光に照らされ、黒ずくめの少女は濡れた目で俺を見る。 
 その瞳と重なって・・・たまらず俺は、口を開いていた。 
 
「あのさ、君の名前は?」 
「・・・ラルヴァよ」 
「そっか、俺は横島。よろしくな」 
 
 よろしく? 
 言っておいて、その言葉の意味の無さに微かな笑いが零れた。 
 おいおい。この娘は吸血鬼で、人を襲って、俺はそれを追って、コンビニで戦いになって・・・  
 ゴーストスイーパーとして俺は、この娘を捕まえようとしていたんだぞ?
 
「・・・な、平気か?」 
「え? ・・・ええ、大丈夫よ」
 
 自分がボロボロなのに、ついそんな言葉が出た。 
 手を取ろうとして、文珠の力で張り付いてるのに気付く。 
 二つも使ったからな・・・当分、剥がれそうにない。 
 
「悪い。しばらくそのままみたいだ」 
「そう・・・別にいいわ。でも、私の事を心配してくれるの?」
「あ、当たり前だろ。そうしちまったのは俺なんだし・・・!」 
「ふふ、ありがとう」 
 
 そう言って、微笑む。 
 
 ――――何となく、わかった。 
 この娘は吸血鬼かも知れないけど、人を襲うような娘じゃない。 
 
 そしてなにより――――可愛いし、良いちちしとるしな! 
  
「あのさ、もしかして君は――――」 
 
 ファンファンファンファンファン・・・・・ 
 
 あ、あれ? サイレンの音? 
 ・・・ってそう言えば、ラルヴァが鉄砲ぶっ放してからだいぶ経ってるな。 
 そもそも、真っ暗になったコンビニなんて怪しすぎるか。 
 
 つまり、通報されて警察に包囲されるなんて、当たり前すぎる結果だった。 
 
「ち、違うんやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 
「せ、先生!? これは一体・・・」 
「ちょっと、これ、どうするのよ!」 
 
 ――――絶叫の中、俺とシロとラルヴァはあっさり警察に捕まった―――― 
357横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/26 23:28
>356  ・・・の続き。 
  
「横島クン、聞いてる?」 
「は、ははははは・・・」 
「この請求書の金額、あんたの命百万個より高いのよっ!」 
「・・・俺の命、また安くなってません?」 
 
 ――――事情は、オカルトGメンを通して美神さんにすべて伝わった。 
 ――――キメラなんとかっての事も、被害者の事も、コンビニ破壊の実態とかも。 
 この件は心霊事件として処理され、俺の事もシロの事も――――そしてラルヴァの事も不問に。 
 ただ、ただ・・・ブッ壊れたコンビニの弁済だけは、俺とシロとラルヴァに押し付けられた。 
 
「ま、立て替えてた分は利子つけてしっかり回収するから」 
「り、利子って・・・俺の給料を知ってて・・・」 
「まさか。横島クンだけに負わせたら、さすがに干上がっちゃうでしょ?」 
 
 ふっと、美神さんが俺から視線を外した。その目の先にいるのは・・・ラルヴァ。 
 経歴が経歴だけに、しばらくはGSの監視下に置く、というのがオカルトGメンの判断だった。 
 そのゴーストスイーパーというのは・・・もちろん俺。 
 きっとまた、西条の差し金――――チクショウ、今回ばかりは礼を言うぞ!  
 
「えーっと、ラルヴァって言ったっけ?」 
「は、はい」 
「貴方、うちの事務所で働きなさい。時給は奮発して、これだけあげるから」 
  
 そう言って、片手をかざす。 
 俺もラルヴァも、その意味がしばらく理解出来なかった。  
 
「・・・何? 私が立て替えたお金、踏み倒す気!?」  
 ああ、またこの人は。意地っ張りなんだから・・・
「ラルヴァ、ここは頷いておけ! さもないと俺が――――」 
「・・・私がここにいて、良いの?」 
「しょ、しょうがないでしょ!」 
 しばらく、ほんのしばらくの沈黙の後・・・ 
 
「・・・あり、がとう」 

・ 

「いい加減に止まれぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
「え〜。まだいいではござらぬか、先生!」 
「よかないわっ!」
 暴れ回る自転車を力で押さえつけながら、俺はありったけの大声で叫ぶ。 

「・・・あの日も、こんなコトしてたの?」 
 隣で自転車をこぐ、ラルヴァがそんな事を聞いてきた。 

「そうだっ! ラルヴァにも俺の苦労がわかったか!?」 
「ご愁傷様。でも私、ちょっと用事を思い出したから」 
「にーげーるーなっ!」 
 角を曲がって消えていく後ろ姿に、俺は最大レベルの呪言を叩き込む。 
 チクショウ・・・今度シャワーを覗いてやる!

「良いでござろう、あんな女の事など。それよりも、あと十キロは行くでござる!」 
「シロっ! 止まれッ! さもねーと、このまま安楽死させるぞっ!」 
「イヤでござる〜!」  
 うららかな陽気の元、今日も犬付き自転車が街を疾走する。 
 ガタガタと路面の凹凸に踊らされ、今日も俺はボコボコに疲れたのだった。 
358ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/26 23:31
闘争。そして逃走 レス番まとめよ。
 
>160>161>162>163>164>165>166>167>168>171>176>182>185>193>203>206
>211>218>226>227>236>247>253>258>266>282>295>307>308>356>357
 
GS本編の様な闘争だったわね。
二人に感謝を。
あの…なんか横島'Sハーレムがじわじわと完成しつつある気がするんですが…
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
>355
 
一刀が徹(とお)った。
コ・エンシャクの背の外套、其の真中に深深と虎蔵の刀が突き刺さる。
だが、其の感触は非道く奇妙な物であっただろう。
何か得体の知れない物に刀が飲み込まれて行く様な、形容し難い感覚。
だが、虎蔵が気づいた時にはもう遅い。
刀は最早、鍔まで外套に飲み込まれていた。
 
次の瞬間の光景は、恐らく異様と云う言葉では語り尽くせぬ物であっただろう。
コ・エンシャクの背中から、電光の如き速さで刀が生えて虎蔵の肩を抉ったのだ。
正しくは外套越しに突き出したのであろう。だが、其の場所は背中の真ん中。己が肉体をも突き徹している。
更に、身体に己の物と虎蔵の物、二本の剣を突き立てたままコ・エンシャクの首が真後ろを向いた。
まるで、発条仕掛けの人形のような動き。
外套が虎蔵の目の前で二つに割れる。恰も、最初から其方が前で在ったかのように。
開いた外套の下には、まったく何事も無かったかの様な甲冑姿があった。虎蔵の方を向いた、甲冑姿が。
己が背を貫いて突き出したかと思われた刀を右手に持ち、虎蔵が突き立て外套に飲み込まれた筈の刀を左手に持って。
一体何事で在ろうか。瞬きをする程の間に、完全に前後が入れ替わってしまったのだ。
外套の中で何の動きをする様子さえも見せずに。
 
虎蔵の刀が地に落ち乾いた音を立てる。
コ・エンシャクは再び己が刀を鞘に戻すと、再び其の手に鞭を握った。
仮面の間から覗く其の眼が、無機質な光を放つ。
其れは、最初から殺気も人の気配も持たないこの怪人が、只其の眼光にのみ殺意を浮かべているの様にも見えた。
361アーカード ◆ARCARDr. :02/03/27 00:41
>290をナシにする。
 
>351 アーカードVSファントム
 
 鼻を突くガソリンの臭い……。
 狙いはこの上なく明白、つまりアーカードを誘い込んで火を放つ。
 単純かつ、充分な効果を上げると思われるだろう策。
 
 だからといってそれを回避するつもりはないが。
 仕掛けてくる事は全て真っ正面から受けて、その上でどちらがより勝っているか決める。
 それが、闘争の契約。
 カードは惜しみなく切ってもらわなくては。
 
 酒場の中に入っていくアーカード。
 静寂が支配する酒場の中、だが少年の匂いは拭いがたくこの酒場の中から感じる。
 そして、ガソリンの臭いもまた感じている。
 
(何処で仕掛けてくるつもりだ?)
 
 思考しながら、酒場の中をゆっくりと歩く。
 どうせ、何処かで向こうは仕掛けてこざるを得ないのだ。
 ならば、目くじらを立てて探す必要もあるまい。
 
 少しずつ、少しずつ歩を進めてとあるテーブルに近づいた瞬間、少年が神速で動いた。
 銃声と共に吐き出された銃弾は、しかしアーカードを狙っていない。
 それは脇のテーブルの陰に吸い込まれ……。
 
 次瞬、酒場は爆発的な劫火に包まれた。
 アーカードもすぐ傍で起こった爆発に対処しきれずに吹っ飛ぶ。
 全身へと燃え広がっていき、体を抉る爆炎。
 
 椅子が、テーブルが火の海へと消えていく。
 カウンターが燃え落ちる。
 爆炎が、酒場の中を舐め尽くしていく。
 この調子では、数十分と立たない内に酒場は燃え落ちるだろう。
 
 だが、その凄まじい劫火に巻かれながらもアーカードは動いていた。
 生きながら――否、死にながら焼かれ、なお動く。
 
 炎に揺らめく空気の向こう側、こちらを見ている少年に腕を向けてジャッカルの引き金を引く。
 熱せられた空気を裂いて少年を目指す銃弾。
 結果を確認せず、自身もまた少年目指して炎の中へと突っ込んでいった。
362黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/27 01:10
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
 
『ああ、鮮花、頼みがあるんだが……』
 
 事の起こりは唐突だった。
 橙子師が、わたしに話をもちかけてきたのだ。
 
「何でしょう?」
 
 ……どうにも嫌な予感がする。
 礼園での事件の時も始まりはこうだった。
 
『ああ、実はな……』



 話の中身を要約するとこういうことだ。
 橙子師の知り合いで八重坂高校の理事長だかをやっている人がいるらしい。
 そして、その高校で最近、怪異現象が起こっているという。
 奇妙な挙動をする生徒や虚脱状態の生徒が多数現れたり、学校の警備員が化け物を目撃したとかの話だ。
 まだ、さしたる噂になっていないが、噂が広まる前に理事長が橙子師に原因の究明と解決を依頼したらしい。
  
『まあ、何事も修行だ。鮮花、行って来い』
 
 その一言を出されるとわたしは抵抗はできない。
 幹也から式を追っ払う為に、わたしは経験を積まなくてはいけないから……
363黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/27 01:11
>362
「表向きはごく普通の高校ね……」
 
 転入生として、八重坂高校にやってきてから、早3日。
 わたしの抱いた感想はそれだった。
 
 だが、内実はかなり奇妙だ。
 まず、この高校にはいわゆる『結界』が張られていること。
 魔術師の類だろうか? 

 ……例の挙動不審者たちは皆、一様に何か妙な目をしていること。
 まあ、それだけならともかく……
 わたしは彼等の行動の現場を見てしまった。
 
 やっていることはそう、なんというか、極めて原始的な行為で……
 
 ああ、もう、この話はここまでっ!
 
 何にせよ、事の異常性は掴めた。
 最近の性の乱れとかそんなレベルの話ではない。
 あの場面を見れば、誰でも異常だと分かる。
 
 ……わたしの行動は決定した。
 元凶の主を突き止めようと……
 
 化け物の目撃証言は夜だ。
 ならば、夜の学校に張り込めば、いずれは突き止められるはず。
 手に負えないなら、橙子師にタッチする。
 
 夜の校舎はどこか神秘的な雰囲気がある。
 極力、気配を殺して、夜の校舎を徘徊する。
 
 そして……
  
 わたしは図書室の扉の前にいた。
 中から物音。
 部屋の中を除き見る。
 
 ……見えない。
 仕方ない。
 
 念のために火蜥蜴の皮手袋をはめて、わたしはドアをゆっくり開けて、部屋の中に入った。
 そこにいたのは……
364長谷川虎蔵(M):02/03/27 01:14
>360 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
「く……手前ぇ……!」 
 
 左肩を抉られ、虎蔵は低く呻いた。
 コ・エンシャクとは異なり、その双眸に煮えたぎるは紛れも無い憎悪と殺意である。
 再び左の袖から滑り出た刀を右手が抜き払った。
 振るうかと思われたそれを下げ、虎蔵は空中へ躍り上がる。
 その後を追って走る黒い稲妻を、ビルとビルの間を跳弾の如く翔び廻りかわす。
 その最中、空いた左の人差し指と中指のみを立て、虎蔵は道教で「剣指を結ぶ」と称される形を取った。
 首をひねって死鞭に空を切らせる。背後のビル壁が崩れ、噴煙立ち昇る中、呪願文を叫んだ。
 
「無上三天、無上三清境、三洞の教主諸神に頼み奉る。亦た三天上の四種民天に頼み奉る」
 
 小さく稲光立つ「剣指」の先をコ・エンシャクに向けた。肩の負傷の所為か、顔がしかめられる。
 
「我をして五行の将、八門の兵を使い、百邪を斬断し、魔怪を幽冥界へと還せしめんことを!
 急々如律令!! 勅! 勅!! ちょぉぉぉぉぉぉく!!!」
 
 青白い閃光が二本の指の先から噴出した。その勢い、正に光の奔流。
 放たれた破魔の雷光は、甲冑姿の怪人へ向け一直線に――。
365吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/27 01:38
>361 アーカードvsファントム

炎の中からこちらを察する気配。
即座に銃撃が来る事は判っていたが、弾丸が切れたのは判っていたのに
引いてしまったトリガー。この一瞬が回避の遅れを生んだ。

裏口の角に潜り込んだ瞬間、その柱が木っ端微塵に吹き飛ぶ!
恐るべき破壊力!!

たまらず地面に転がりそれを避ける。
ゴロゴロと転がり、その勢いを利用して立ち上がった瞬間、激痛が左太股に走る!

「しまった……!」

これまでなんとか攻撃を凌いでこれたのは、俺が足を使って奴から遠ざかりつつ
攻撃を加えてきたからだ。 その最大の武器が失われ様としている。
痛みをこらえつつ外に駆け出すが以前のスピードはもはや無い。

そして、既に弾丸の切れたEマグを投げ捨てる……。
今や頼りになるのはデザートイーグル.50AE、それに最期のマガジンを装填する。

ふと、今更の様に思い出すグロッグ19……。

今捨てたEマグや、右手にあるデザートイーグルの重みとは全く違うその軽さに
すっかり失念していたが、特殊弾が装填されているという……。

しかし、あまりに頼りないそれに賭ける事を俺の感情が拒否しようとしていた。

その時、背後に気配を感じて、俺は振り向きざま奴の方にデザートイーグルを向ける!!
366比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 01:38
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
人々が行き交うショッピングモール
少々うんざりしつつも初音は人々の波をぼんやりと眺めている
その一角のCDショップに行列が出来ている、なんでも人気歌手が来ているらしい
大して興味も無いが、顔だけでも見てみようか・・・・初音はぶらぶらと店へと向かう
と、人々に囲まれ笑顔を振り撒く、少女の姿を見て初音の口からほうと感嘆のつぶやきが漏れる。
   
この手のアイドルとやらは見た目こそ美しいが、その反面純潔は疑わしいものだと思ってはいたのだが
彼女は違うようだ、それに離れた位置からでも何やら力を感じる
初音の中の魔性がざわめき出す・・・・・(この娘、喰べたいわ)
  
初音は人ごみを強引に掻き分け行列の中へと足を向ける
監視員が静止させようと初音の肩を掴む、初音は小煩げに周囲を見渡すとぱちん、と指を鳴らす
その瞬間監視員、いや行列に参加していた全ての人々が
がくりと膝を突き意識を失う、幻術を使ったのだ。
    
そのまま初音は意識を失ってるであろう少女のそばへと歩み寄り
その愛らしい唇へと自らの唇を重ねようとする。
「ふふふっ・・・・・あなた可愛いわ・・・私の糧にしてあげる」 
367麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 01:43
>366 vs??? 導入

 「ありがとうございました! 応援、お願いしますね」
男の人のCDにサインして、きゅっと握手。
 「ありがとう。これからも、私の歌を聴いてね」
男の子の色紙にサインして、きゅっと握手。
 「ありがとう。応援してくれて、ありがとうね」
女の子のCDにサインして、きゅっと握手…。

 学校から直接駆けつけたせいで、衣装がセーラー服のままであることを
除けば、サイン&握手会は順調でした。歌手である私にとっては、
歌を聴いてくれる人たちと直接会うことが、とてもうれしいのです。

 「…ありがとうございます!」
何十回目かの握手のあと、不意に、胸がざわめきました。なにか、
良くないことが起こりそうな…。
 さりげなく、辺りに気を配ります。不自然な人は? 危険そうな物は?
いったい何が起こるの…?

 …その人は、そこにいました。道ゆく人たちを強引に掻き分けて、
まっすぐ近づいてくる人。私と同じくらいの年頃の、彼女。
 「みんな…!」
 逃げて、と言いかけて、私の目の前は真っ暗になりました。

 目の前に彼女の顔。私に押し付けられようとする唇。
 「…ぃやあああああ!」
とっさに彼女を突き飛ばして立ちあがると、周りが目に入ってきました。
集まってくれた人たちも、警備の人たちも、買い物客の人たちも、
みんな倒れていました。この場に立っているのは、私と”彼女"だけ。

 じりじりと辺りをうかがいながら、私は訊きました。
 「あなた、誰ですか? これは、あなたがやったんですか?
どうしてこんなこと、するんですか!?」
>361 >365 アーカードvsファントム

戦闘の推移を使い魔の目を通じて眺めていた魔女は、舌打ちして目を開けた。 
やはり、『元』ファントムには荷の重すぎる相手だったか。 
手駒のブラッドジャケットはまだ二体居るが、彼らの武装では割り込ませたところで効果は見込めない。 
 
気の毒だが、やはり見捨てて撤退するか。 
 
そう思って車のキーを回した時、後部座席からうめき声が聞こえた。 
 
 
横たえられたエレンの額に手を置き、吸血鬼の魅了からエレンの魂を防護させている使い魔と接触する。 
一瞬後、戻ってきたデータに首を傾げ、頬に手を当てて考え込んだ。  
 
(なるほど、アーカードは闘争を楽しんでるようですね。だからこっちがお留守になった、と) 
  
彼女もまた『元』がつくが、ファントムと呼ばれた凄腕の暗殺者。 
駒として、投入してみるか? 
幸いと言ってどうかは解らないが、車のトランクにはちょっとした武装が積んである。  
 
どうせ使い切るつもりの手札だ。無駄に終わってもいいだろう。
 
使い魔に対して呪力を流し込み、一時的に活性化。 
虚ろな目で身を起こしたエレンに、武装を押し付け、耳元で囁く。 
 

「貴方の王子様、ピンチですよ? 助けなくていいんですか?」
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
>364
 
青白い閃光が怪人を撃つ。
黒焦げの襤褸屑の様になって怪人は倒れ臥したかに見えた。
が、その姿は影と成って地に闇に融けて行く。
 
次の瞬間には、元通りのコ・エンシャクの姿が夜の闇から生えて来るかのように現れていた。
 
コ・エンシャクが動き出す。
宙を滑っているかの様な動きで影に融け込んでは物陰から、闇から、あるいは虎蔵の影の中から現れる。
果たして何処に居るのか。或いは何処にも居ないのではないか?
そんな事さえ思わせる出鱈目な動き。
しかし、夢や幻のようなその動きは、幻覚でも幻影でもない。
物陰から、闇の中から、虎蔵の影の中から、恐るべきあの魔鞭が現れる。
前かと思えば後ろから、横かと思えば上から、後ろかと思えば下から、影から闇から死角から。
370比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 01:54
>367
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
「それはね・・・・貴方が欲しいからよ」
どうやら術のかかりが弱かったらしい
これも彼女の持つ力のなせる業か、ますますもって気に入った。

初音は舌なめずりしながらアテナに問い掛ける。
「アテナさん、でしたっけ?ふふふっ・・・・・私、貴方にお願いが御座いまして」
そこからのセリフはまさに悪鬼の言葉と言うにふさわしい物だった

「貴方を喰べさせて、このはらわたを頂戴、それからたくさんの血・・・・・心の臓の肉と綺麗な生き肝・・・・」
アテナの身体を指差しながら、歌うようにうっとりと初音は言葉を紡ぐ

「それからね・・・道はもう一つあるわ
喰べるかわりに犯してあげる・・・・貫いてあげるから破瓜の血を頂戴
私の贄になって、アテナさん・・・・永い間ずっと犯して・・・生かしておいてあげる。
その力が涸れるまで・・・ずっと私の嬲りものになって!!」
371麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 02:12
>370 vs???

 は…か? 食べる? 私を、食べる? おかして?
 …彼女の言葉を理解した瞬間、恥ずかしさにしゃがみこんでしまいました。

 「あ、あ、あなたも女でしょ!? なんであなたに食べられたり、
その…ええと、おもちゃにされなくちゃいけないんですか!?」
 そのままの姿勢で、じりじりと下がります。間合いがどうという話ではなく、
恥ずかしかったからです。私は今まで、”女を見る目”で見られたことが
無かったから。
 着ているのは普通のセーラー服なのに、彼女の視線が
からみついて、私は恥ずかしかったのです…。

 私はなおも、じりじりと後ずさります。しゃがみこんだまま。
372エレン ◆Elen1cxc :02/03/27 02:24
>361 >365 >368
アーカードVSファントム
 
 私は、闇の中に居た。
 眠りとは明らかに異なる、闇の世界。
 そな中で私の意識は、波に揺れる小舟の様に、闇の中で揺れている。
 
    ふわり、
             ふわり
 
 しかし今は、ゆっくりとだが、確実に意識が浮上しているの解る。
 何か―――何かを目指して、私は浮上していく。
 
 声が、聞こえた。
 その声は、私の意識を加速度的に引き上げた。
 
 目を開いた時、目の前には可愛らしい少女の顔があった。
 まだどこか朦朧とする頭で、目の前の少女に尋ねる。
 
「玲二は? 私と一緒に居た男性(ひと)は何処?」
 これが、私の第一声。私が浮上した目的。
 
 少女は、黙って狙撃用ライフル――H&K-G3-SG/1――を押しつける。
 それだけで、全てを理解した。
 何か言葉をかけて来る少女を無視して走る。
 狙撃位置を確保し、スコープを覗き込む。
 その先に映る小さな世界。
 
 その時何処からか、頭の中に囁く声が聞こえてきた。
 
 距離――450m
 天候――曇り
 風 ――微風
 
 ――了解。
 
 理不尽ともいえる声を私は受け入れ、その指示に従った。
 目的は、玲二を助けること。
 今の私は、ただそれだけのために動いている。
 
 目標――赤いコートの男
 
 さあ、いくわよ。H&K-G3-SG/1 !
373比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 02:25
>371
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
「それはね、貴方がとっても可愛いからよ、自分でそう思わない?」
初音は邪悪な微笑みを浮かべながら、アテナへとじりじりと近づいて行く
後ずさるアテナの恐怖と恥じらいを表情は初音の嗜虐心を大いに満足させてはいるのだが
やはり見るだけというのはやはりもったいないというもの
獲物は味わってこそ価値があるのだ。 

「ねぇ、早くこちらへいらっしゃいな・・・・・そしたら快楽の檻の中でじっくり嬲ってあげる」
そして初音はアテナの肩を掴むと、再び強引に唇を奪おうとした。
374HMX-12(贄) ◆SLaVEnwg :02/03/27 02:32
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>363
「ふぅ……」

夜の図書室。
主の為に精気を集め終わり、ため息をつく。
足元に並ぶ犠牲者を見下ろしながら。
その時、遠慮がちに図書室のドアが開く音。

「…?…お客様…ですか…?」

ここで行われている淫靡な香りに誘われた、新たな犠牲者だろう…
いつもの様に…濁った意識に…うつろな目をして…佇んでいるはず…

(…でも…今日の分は…もう…充分なんですよね…)
(…明日…また…ここに…迷い込んで…)

軽い魅了をかけるだけで済むだろう…
…新鮮な精気は…明日…もらえば…

手早く衣服を整え、ドアの方向へ向き直る。

「あ……女の人…?」

(普通は…男の人なのに………)

幾度となく饗宴を繰り返す中では、こんなこともさほど珍しい事ではない。

(…たまに…いるんですよね……)

微笑を浮かべながらゆっくりと近づき、
視線を合わせ…いつものように…魅了………

「…?……あれ…?…」

何かが…おかしい…?

「…?…まやかしが…効いて…いない…の…? …いったい…?」

…この結界の中で…正気を保っていられるなんて…

…ひょっとして…侵入者?…いや…きっと…!…
主の留守中を嗅ぎ付け、巣を荒らしに来た…
こいつも…そうに違いない…………それならっ…!!

右手を勢い良く振り下ろし、手首から斬糸を放つ。
(…少し…血を抜くだけ…女の人なら……気に入って…頂けるかも…)
375黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/27 02:35
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>374 
「………」
 
 まあ、中で行われていたのは、案の定、予想していた通りの光景だったけど……
 それより、何より驚いたのは、それを行っていたのが、メイドロボだったということだ。
 確か、名前はHM−12 マルチとか言っただろうか? 

 メイドロボが無造作に微笑をたたえて、わたしに近づいてくる。
 しかし、ある程度、わたしに近づいてきた所で、表情を一変させ、手首を突き出した。
 
「………痛っ!」
 
 唐突にわたしの右肩が裂けた!
 一体、何を……
 よく目を凝らして、目の前を見る。
 わたしの血でヌラヌラと光るそれは糸……?
 
「………くっ!」
 
 わたしはそのまま、踵を返して、図書室を飛び出した。
 本気で化け物の類が相手だったようだ。
 正面から相手するには無謀だ。
 わたしは式のような力は(まだ)持っていないのだから。
 
 廊下を走りながら、考える。
 何故、メイドロボがあんな真似をしたのかを……
 魔術と科学の差はあれど、メイドロボは『人形』の定義に入ると思う。
 最も、魔術師の『人形』と違って、稚拙そのものだけど。
  
 ……この世界では人形師の数は知れている。
 だが、機械をフォーマットに『人形』を形成するなどと聞いたことがない。
 果たして、あのメイドロボは一体……?
 わたしの頭の中で思考が巡る。
376麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 02:48
>373 vs???

 『ねぇ、早くこちらへいらっしゃいな・・・・・そしたら快楽の檻の中でじっくり嬲ってあげる』

 …命の危険を感じたことは何度もありましたが、”女としての危険"に
遭遇したのは数えるほどしかありません。

 立ちあがって逃げようとしたとき、、肩を掴まれました。
 「い…や…」
 私の拒絶を無視した唇がゆっくりと近づいてきて…。
 「…やめてええっ!!」
再び、彼女を突き飛ばします。
 「だめ! 嫌がる相手に無理矢理なんて、絶対にだめ!
あなた、からかってるんですか!? 私を食べるって、どうして!?」

 恐がっている暇はありません。彼女はいったい何なのか。
私の前に現れた目的は。倒れた人たちはどうなったのか。
辺りに何か役に立ちそうなものは…。
 あまりのことに混乱していた私の頭は、ようやく回転を始めました。
とにかく、彼女から話しを聞き出さないと…!
 
377長谷川虎蔵(M):02/03/27 03:09
>369 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
「っかぁ! しゃらくせえんだよ!!」 
 
 叫びながらも、虎蔵は迫る黒い線を刀で迎え撃った。返す刃で二撃、三撃と捌く。
 上がる火花が暗い裏通りを仄かに照らし、飛び散った刀身の破片が虎蔵の頬に浅い傷をつけた。
 横や背後から襲い来る鞭は、またもや現れた巨大な数珠が身体の周囲を巡り、何とか防ぎ切る。
 一応相手の攻撃は止めてはいる。だが、このまま防戦一方では埒が明くまい。軽く舌打ちしかけた時。
 ぴしり、と鋭い音を、乱打の中で虎蔵の耳は捉えていた。
 その顔が驚愕に歪む。
 数珠にヒビが入ったのである。物理妖術を問わず、生半な攻撃では傷一つ付かない霊珠が。
 
 やばい。 
 
 心中蒼ざめた瞬間、数珠の珠は澄んだ音を立てて砕け散った。待っていたと云わんばかりに寄せ来る妖鞭の怒涛。
 黒衣の風来坊は、ものの見事に吹っ飛ばされていた。
 それでも数珠の最後の力で威力を殺していなければ、虎蔵は瞬断されていたであろう。
 脇の雑居ビルに向かい飛んで行く。轟音ともに激突した。
 たちまち立ち込める粉塵の中、コンクリの壁をぶち抜いて盛大な大穴が開いている。
 と、その中から声が響いて来た。朗々と張りのある音声が夜のしじまを断つ。
 
「我、張天師の氣、葛仙翁の威声を受け、以って面前の妖邪を斃さんと欲す――」
 
 唐突に煙を裂いて、黒い塊が突進して来た。己が身の内に道術の力を蓄える呪文を唱えつつ。
 
「急々如律令! 手前ェは影も形も一切合財滅ぼしてくれるわ!!」
 
 颶風を思わせる疾走は、しかしコ・エンシャク目掛けてではない。たちどころにうねる黒鞭をかわしつつ、走るは道路脇の林に向かってだ。
 相次ぐ妖闘に呆然とした顔の林は悲鳴を上げた。虎蔵の手が、抱きかかえていた鞄をひったくったのである。
 
「こいつが狙いなんだろーが、化け物! キッチリついて来いよォ!!」 
 
 背後の怪人に声を投げつけ、虎蔵は高々と跳躍した。建物を飛び越して夜空を馳駆する。
 飛びながら血塊を吐く。口元から零れる血潮で、文字通り血笑が刻まれた。
378比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 03:09
>376
比良坂初音vs麻宮アテナ

初音の唇とアテナの唇が重なる寸前
アテナは必死で初音を突き飛ばす。

「ふふっ・・・分かっていないわ、嫌がるからこそいいのよ」
突き飛ばされた衝撃か、身体が痺れる
いや・・・突き飛ばされたからではない、どうやら彼女の秘めた力は相当な代物のようだ
なら、一層早く手に入れて帰り、『巣』でじっくりと嬲りたい
これ以上彼女の話に付き合う必要も無いだろう
手っ取り早く四肢を斬り落として持って帰るとしよう、胴体さえ残っていれば『贄』の役目は果たせる

初音は刃物のように研ぎ澄まされた右手の爪を伸ばし一気にアテナへと斬りかかった。
379HMX-12(贄) ◆SLaVEnwg :02/03/27 03:10
……浅い?…それとも…かわされた…?

斬糸の傷は思っていたよりも浅かったようだ。
くるりと踵を返し、廊下を駆け戻って行く侵入者。
背中に向け数発繭玉を放つが、全て脇を抜けてゆく。

「くっ……!」

すぐに後を追いかけるが、次第に小さくなってゆく敵の背中。

「…!…このままじゃ…………」

まやかしが効かない人間を…このまま逃がしては…
面倒な事に…なってしまう…仲間を…呼ばれたり…
それに……奏子様が…一人の…ときに…

絶望的な光景が頭の中で描かれる。

…止めなきゃ……どんな事を…してでも……
…贄にして…ずっと…巣の中に…いてもらおう…
…どうしても…ダメなら……ダメなら……殺…

侵入者の後を追いかけながら、結界を造っている要蜘蛛に念を放つ

お願い…要蜘蛛……あの人を…止めて……
…あれは…侵入者…逃がしては…ダメ…なんです…

進行方向に幾重ものの粘糸網を張り巡らせる。
380麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 03:21
>378 vs???
 
 彼女の”攻撃"に身体が反応しました。
武器は爪、充分捉えられる動き、それなら…!

 「サイコソード!」
 右で受け…、
 「ファイヤーソード!」
 左で突き! 直後に足の裏で相手の膝を砕く
斧刃脚。
 (…倒れてっ!)
381比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 03:32
>380
比良坂初音vs麻宮アテナ

「なっ!!」
アテナの意表を突いた反撃で、初音は転倒こそこらえたものの大きくバランスを崩す
だが、この程度の抵抗は考慮の中だ
それに多少は苦労した方が手中に収めたときの喜びも大きいもの
   
初音は左手の指先1本で体重をささえ、それを支点にくるりと回転し体勢を整えると
再びアテナへ今度は地を這うようにして足下を狙い斬りかかった。 
382黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/27 03:35
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>379
 ふと、橙子師の話を思い出す。
 
『鮮花、「つくもがみ」というのを知っているか?』
『モノに長い年月が経ったり、人の強い想念が向けられたりすることで、そのモノに人格がやどることがある』
『これも一種の魔術みたいなものでな、中には負の想念が塊として、人に害を成す類もいる』
『式には、そんなモノを今まで処理してきてもらったことがあるが……』
『まあ、それはおいといてだ。鮮花、もし、ソレと対峙したら、徹底的に殲滅するか、逃げるかしろ』
『化け物の類には話し合いの通じる輩もいるが、「つくもがみ」の類は一つの想念の塊だ。話し合いなど最初から通じない』
 
 ……なるほどね。
 あのメイドロボはそうやって何かに憑かれた類か。
 まあ、まだ背後に何かいそうだけど……
 
「……何、これ?」
 
 廊下に幾つもの白い網?
 
「………」
 
 左手で触ってみる。
 ……べとついてとれない。
 
「……ゴキブリホイホイか」
 
 どうやら、メイドロボはわたしを易々と逃がしてくれる気はないらしい。
 右手に力を篭める。
 そして目の前の網に向かって突き出す。
 
『Azolto――――!』
 
 わたしの叫びとともに拳から発火、爆発。
 あっという間に、網が焼け落ちる。
 
 しかし、まだ、網は階段に到るまでいくつも残っていた……。



 全ての網を取っ払って、階段にたどり着いた時、わたしは結構、疲労していた。
 無理もない。
 何しろ、怪我した体で連続して火炎魔術を行使し、息もつかせず走ってきたのだから。
 
 その時、背後からパタパタを駆け寄ってくる足音。
 追いつかれた!?
 わたしが振り返るとメイドロボが迫ってきていた。
383麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 03:46
>381 vs爪の人
 
 (足元!)
 そう、彼女は地面を這って、私の足元を狙ってきました。
その動きはまるで、蜘蛛。

 「でも遅いわっ!」
 迫る彼女を大きく飛び越えて、着地と同時に
右手でサイコビームを連射。直撃すれば普通の人には
穴が空く威力。どうやら人間じゃない彼女にどれだけ通じるかは
疑問ですが、牽制にはなるはず。
 ばしゅ、ばしゅ、ばしゅ…。
 とにかく、彼女を釘づけにできれば…!
384比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 03:58
>383
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
速い!!どうやら彼女は格闘の心得もあるようだ
それも達人レベルの・・・・・
 
初音が驚く暇もなく背後からアテナの放った光弾が迫る
身体をひねって回避しようとするが全ては避けきれない
そのうちの何発かが初音の身体へと命中する
身体が痺れ力が抜けて行く、傷そのものは大した物ではないが
これはかなり厄介な相手だ。
  
初音は光弾をかいくぐりながら、さらにアテナへと突撃する
もっとも、これはフェイクだ。
迎撃するアテナの足下に、銀色の糸がきらめいているのに
彼女は気がついているのだろうか?
(逆さ吊りにして、じっくりといたぶってあげる・・・・)
385麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 04:13
>384 vs蜘蛛の人

 ビームは確実に効いています。
それでも真っ向から突撃してくる彼女。
 (やっぱり人間じゃないの…!?)
 両手でさらに連射、連射、連射!

 このままいけるかも、と思った私に、
油断が生じたのでしょうか。足元に光る”何か"に
気づくのが遅れました。
 「あぁっ!?」
 とっさに跳ぼうとするものの…!
386比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 04:32
>385
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
よし、かかった!
アテナが空中に逃げるよりも早く、初音の糸がアテナの足に絡み付く
さらに初音は糸を繰りだし、アテナの身体を拘束してゆく
見るも無残な逆さ吊りとなったアテナを見上げながら、初音はその耳元で優しくささやく

「ふふっ・・・・いい格好ですこと、さて、どこから刻んであげようかしら?」
初音は伸ばした爪を、アテナの頬に当て、つう、と引く
白い爪を追いかけるように、赤い雫が頬を流れて行く・・・・・
「顔の皮を剥いであげようかしら?・・・それとも」
爪は顔を離れ、胸元へと向かう
「ふふっ・・・この可愛い乳房を穴だらけにするのも面白いわね、でも・・・・」
  
そこで初音は言葉を切ると、いきなり爪を振るう。
と、同時にばさりと、黒い塊が床へと落ちる
「最初はその黒髪からと決めてましたの・・・・次は貴方が選んでいいわよ」
そう、初音はアテナの大事に伸ばして来たであろう黒髪を文字通り、ばっさりと切り落としたのだった。
387麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 05:06
>386 vs蜘蛛の人

 そのときの彼女の顔を、なんと表現すればいいのでしょうか。
子供を見る母親? 素敵なおもちゃを買ってもらった子供?
違います。そう呼ぶには、彼女はあまりに…。

 『ふふっ・・・・いい格好ですこと、さて、どこから刻んであげようかしら?』
 耳元に、ふうっ…と息がかかりました。鋭い爪が、私の頬に
赤い傷をつけます。
 『顔の皮を剥いであげようかしら?・・・それとも』
 大丈夫。彼女はまだ遊んでいます。私のパワーなら
なんとか脱出できるはず。
 『ふふっ・・・この可愛い乳房を穴だらけにするのも面白いわね、でも・・・・』
 寒気をおぼえながらも、脱出のためにパワーを集中しようとしたとき…。

 ばっさり。

 私の髪が、地面に落ちました。
 
 「…髪をっ!? なぁっ!!」
 まだ何やらからかい口調の言葉を無視して、
集中したパワーを身体全体から大放出。
自分の身体の周り、ごく至近距離にしか
届かないものの、威力は激しい技、糸と同時に
彼女自身も跳ね飛ばすサイコボールクラッシュ!

 技の直後の硬直のせいで左肩から落ちたものの、
まだ大丈夫。いける!
 「あなたも女なら、髪の大事がわかるはずなのに!」
 炎の剣を両手に、彼女に走り寄る!
388比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/27 05:28
>387
比良坂初音 vs麻宮アテナ

吹き飛ばされ、コンクリートの壁に大穴を穿ちながらもよろよろと初音は立ちあがる
だが至近距離からアテナのサイコパワーの放出をマトモに浴びたのだ・・・・
その美しい肌は無残に焼け焦げ、身体の所々から緑色の体液が溢れ出している

さらにそこに炎の剣を振りかざしたアテナの姿が迫ってくる。
初音はとっさに剣を爪で受けとめる、だがサイコパワーの炎の勢いは凄まじい
みるみる内に爪は焼け焦げ灰になって行く
初音は止める事をあきらめると、アテナの胴に蹴りをいれ、その反動を利用し空中に逃れる

「やって・・・くれるわね、折角可愛がってあげようと思っていたけど・・・・・」
初音はその視線に殺意を漲らせ、アテナを睨む
「もう・・・・・・殺す」
今度は空中から突撃・・・・・それを追いかけるように時間差で斬糸がアテナの急所を狙い翻る。
389麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/27 05:47
>388 vs蜘蛛の人

 「くううっ…!」
 ぎりぎりと押し合い。腕力は負けても、”武器”の強度は
私に分がある!

 私の炎が、ついに爪を焼き落とそうとしたとき、
胴への蹴りが。よろけたところを、頭上からの突撃!

 「何度も同じ手を!」
 地面を蹴って、すぐそばのギフトショップに
有視界テレポート。すかさず、展示してあった
食用油セットを10セットほどサイコキネシスで投げつけ、
彼女の頭上で破裂させます。
 (油にまみれて…!)
 
390両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/27 06:21
伯爵vs両儀 式 
 
闘争に理由なんどは必要だろうか? 
否、必要無い。 
何時、何処でだって殺し合うことができる。 
相手が私と殺し合える資格さえあれば、構いはしない。 
 
――――ということで、神祖の吸血鬼は朝早く、 
私が布団で寝ている時間に押し掛けてきた。 
 
「オイ、名も知らぬ女。私と殺し合うぞ」 
 
ドアをぶち破っての第一声がそれ。 
派手に吹き飛んだドアが、寝込みの私を襲う。  
 
が、一瞬の閃光と共にドアは二つに割れる。 
割れた扉の奧には、鞘から真剣を抜刀した構えの少女。 

「良いぜ、名も知らぬ来訪人……おまえは最高だ――――」  
 
次瞬、3m以上はあろうかという伯爵と私の距離は詰めて、 
私は伯爵の"死点"にカタナを振り下ろした。 
 
 
トリップ勝負:次の伯爵のトリップが大文字なら伯爵の勝利。小文字ならオレの勝利。 
       記号なら、志賀透の勝利。  

 
 

>390
それはちょっとした余興。
抑止力に興味があった。
だから、神祖は戯れに抑止力の少女と一戦まじえることにした。
 
そして、神祖の鈎爪と式の刀が交差した!
392志賀 透:02/03/27 06:42
>390-391 
 
鉤爪が交差するその直前。志賀は押入の襖を開け放った。 
同時に跳ぶ。 
今まで、ここで隠れていた理由を思い出しながら……志賀は跳ぶ。 
  
        ズガァッ 
 
次瞬、二つの凶器が交差した。 
そして、その交差の中央にいるのは……。 
 
「あんた等……今は争っている場合じゃ無いでしょうが」 
 
胸を貫かれながら、志賀は呻く。 
血は、蛇口から噴き出る水のように溢れ出て、畳を紅く染めていく。 
 
「二人とも……大人なんですから、そこらへん……頼みます……よ……」 
 
志賀は、極上の笑顔を浮かべると、ゴフッと紅い血を吐き出した。 
同時に、その場に崩れ落ちるていく……。 
志賀の顔が畳に触れた時には……志賀は、永遠の眠りに落ちていた。 
 
(兄貴……やっと、あなたのそばに行けますね……) 
 
志賀は最後に何を思って逝っただろうか? 
それは私達には一生分からないだろう。 
だが、私達にしか分からないこともある。 
志賀透は――――勝ったのだ!! それだけは確か!! 
彼は勝った!! そして逝った!! 志賀よ――――永遠なれ!! 
 
(トリップ:数字のため、志賀勝利)
393サウジーネ(似):02/03/27 06:55
レス番纏めですー。あはー 
 
伯爵vs志賀vs式 
>>390>>391>>392
 
394タオ ◆TAOadAbE :02/03/27 07:35
え〜っと…タバサさんに連れて来られたんだけど、ちゃんと参戦表明してなかったから、てんぷれとか言うのをあげるよ。
 
 
出典 : ウォーザード
名前 : タオ
年齢 : 13
性別 : 女
職業 : 格闘家
趣味 : 食べる事と、修行。それから、テン(犬)と遊ぶこと
恋人の有無 : いないよ
好きな異性のタイプ : ボクより強くて、カッコいい人…かなぁ
好きな食べ物 : 何でも好きだよ!
最近気になること : 世界中の友達のこと。みんな今頃どうしてるかなぁ…
一番苦手なもの : タバサさんの盾にされることと勉強
得意な技 : 相手を放り投げてから追い掛けて、空中で連撃を叩きこむ『天墜牙』って言う技!
一番の決めゼリフ : どんなもんだい!
将来の夢 : 世界で一番強くなりたいな
ここの住人として一言 : 悪い奴はボクが許さないぞ!
ここの仲間たちに一言 : よろしくね!
ここの名無しに一言 : ボク、頑張るよ!
(レイオット・スタインバーグVSコルネリウス・アルバ導入)
 
トリスタンの外れに一つの古い洋館があった。
ある日、そこに1人の赤いコートを着た金髪の美青年が住み始めた。
 
だが、誰も不思議に思わない。
洋館に近づこうとしない。
普通は噂の一つもたつだろうに……
 
そして、そのころから市内のCSA(先天性魔法中毒患者)の失踪事件が起き始めた。
当局は数々の失踪事件には全く、手がかりを得ることが出来なかった。
よほど、巧妙な大規模組織の仕業かと思われた。
 
しかし、真実は……
 
「ハハハハ、全くいいサンプルがいっぱいあるな。素晴らしいよ、ここは!」
 
洋館の青年の仕業だった。
彼の名前はコルネリウス・アルバ。
魔術師としてそれなりに名も知れている。
 
彼はただ、サンプルが欲しかった。
彼が異常にまで敵視する蒼崎橙子。
彼女の作った人形はまさに彼女そのもの。
彼にとってはそれは衝撃だった。
 
その時からだ。
アルバが妄執にとりつかれたのは……
 
――アオザキにできないこと。『完全』な人形ではない。それ以上の怪物を作り出す。
 
彼は異能力者を拉致し、人形のサンプルとした。
彼らの完全なコピーは作れない。
しかし、彼らの異能力を含めた複合体ならどうか?
かの俗称フランケンシュタイン―名前の無き怪物も元々は死体の寄せ集めだ。
 
無論、そんなものとはアルバが創ろうとするものは次元が違う。
アオザキを越えるモノを創って、アオザキを打ちのめし、殺す。
それがアルバの行動理念だった。
今も昔も………
 
「さてと、今日のサンプルはいかなるものかな?」
 
アルバの人形たちが拉致監禁したCSAを連れて来る。
気を失っている小柄な額に硬貨大の紅い球体がある少女を……
>395
(レイオット・スタインバーグVSコルネリウス・アルバ導入)
 
「――――ここ、か」

  ハンドルに寄りかかりながら、彼は低く呟いていた。小さなサングラスの向こうに覗く双眸は、
普段のどこか気怠げなものではなく、刃物のような鋭さと、皮肉げな輝きを浮かべている。
その彼の視界には、古ぼけた館があった。
 
 つい、数時間前のことだった。
 繁華街――リゴレット通りでの買い物の最中に、カペルテータがその姿を消したのは。
 拉致されたと確認できたのは、本当に僥倖と言えるだろう――あと一瞬気付くのが遅れていたら、
連れ去られる彼女の姿を見ることは出来なかったはずだ。

 そして――彼は、この場にいる。
 
「――人が住み始めたなんて話は、まったく聞いてないんだがな」

 いや――そもそも、ここに館があったことすら、記憶に怪しい。ただ忘れているだけなのだろうが……
それでも、どこかに奇妙な違和感がある。
 
「……なんだ?」
 
 そこまで呟いて、彼は考えるのを止めた。ここが一体何であろうと、やるべき事は変わらない。
押し掛けて、カペルテータを連れ戻すだけだ。
 
 ……だが、全身にのしかかるような奇妙な不安は、止むことなく彼に警告を与えて続けている。
 
「……念には、念を――か」
 
 苦笑して、彼は腰を上げた。そして、外へ。
 
 
 
 ――――十数分後。館の玄関先。
 
 
 
 館の扉の前に、黒い鎧姿――<スフォルテンド>に身を包んだレイオットが居る。
 彼は、館そのものを見上げるようにしながら静かにたたずんでいた。手にしたスタッフを握り直し――
 
「さて――行くか」
 
 それだけを呟いて、一歩踏み出した。
>396
そもそも、誰もこの洋館を気にしないのは当然だった。
魔術師はその存在を公にしない。
だから、人払いの結界を張る。
 
しかし、魔術師の結界はそれだけでない。
万が一の侵入者を確実に葬る必殺の領域でもあるのだ。
 
そんな中にレイオット・スタインバーグは今、足を踏み入れた。
 
玄関のホールに入ったレイオットに大声で語りかける者がいた。
ホールの階段のところに立つこの館の主、赤いコートの美青年―コルネリウス・アルバである。
 
「やあ、歓迎するよ、名も知らぬ戦術魔法士!」
 
階段の上から、アルバはにこやかに語りかける。
 
「まさか、もう市当局が感知したのかい? まあ、どうでもいいけどさ。
何かよほどの理由が無ければ、此処に入ろうとさえ考えないもんな」
 
アルバが右手をあげる。
と同時にホールの左右のドアが開き、ぞろぞろと人が出てきた。
皆、主婦、子供、学生……
格好は様様だ。
 
「で、いきなりで悪いが、私は忙しいんだ。さっさとお引取りを願うよ。あの世にさ!」
 
同時に人々がレイオットに殺到する。
アルバの作った『人形』。
姿形は人でもその力は普通の人間ではない!
>6 vsヘルパート 
 
今はヘルパートを倒すのが先だ。 
コルゴンは拳銃を持った男を静かに睨み据えながら言い聞かす。 

レッド=ドラゴンとの接触はイレギュラーだな事態だった。 
奴を殲滅は強い。少なくとも人間が単身で相手にできるでは無い。 
武装を整えている状態ならまだしも、現在の装備では無理だ。 
 
「…………」  
 
沈黙が男への返事。
同時に身を翻し、飛び起きる。 
 
「……ヘルパート、おまえは死ね」 
 
構成を頭の中で思い浮かべると同時に声を上げる。 
魔術の波動時間の疾やさでは彼に勝てる者などいない。 
 
「――――我は導く、死呼ぶ椋鳥」 
 
音波を収束させた破壊衝撃波が緑目の男を襲う。 
だがおれは囮。 
コルゴンが期待するのは銃。 
 
(あいつが持っている銃が、噂のブラックバレルなら……殺れる可能性はある)
>397

「――――ちっ!」
 
 見上げた男の一声と共に、ホールへと集まってきた人々が、一斉にこちらへと襲いかかってくる。
見れば、主婦やら事もやら学生やら――どう見ても、戦闘の為の訓練など積んでいるとは思えない連中ばかりだ。
そもそも、戦術魔法士相手に……丸腰で?
 
(正気か、こいつらっ!?)

 反射的に、腰のホスルタから拳銃――<ハードフレア>カスタムを抜き放ち、威嚇するように銃口をそちらに向ける。
 
「……大口径の銃弾は、急所に命中しなくてもそれだけで即死する可能性がある――そう言うわけで、
このまま引いてくれるとお互いに助かるんだが」
 
 平坦な口調で、こちらへと向かってくるその人々に告げる。だが、彼らはまったく気にする様子もなく。
主婦然とした姿の中年女性が、先陣を切ってこちらへと拳を振りだした。
 
「――警告は、したぜ」
 
 一言。瞬間、流れるように照準――照準器には頼らず、ただ訓練された自分の感覚だけで目標を捕捉する。
指先でなにかをつつくのに、いちいち照準する人間はいない。
 
 轟音。発射された銃弾が、拳を振り上げた右腕を、肩口から吹き飛ばした。瞬間、血飛沫と骨片が撒き散らされる。
そして――
 
「――――な……にっ!?」
 
 血にまみれた、いくつもの歯車。血に濡れたそれは乾いた音を立てて、木製の床にからからと転がる。
 
「――これは……」
 
 ふと見れば。右肩を吹き飛ばされた女が、何事もなかったかのように立ち上がる。そして、再びこちらに向けて急接近。
 
「――なるほど。そう言うことか」
 
 今度は躊躇無く頭部を照準。銃声と共に、頭部を失った女が、脳漿を撒き散らしながらゆっくりと崩れ落ちる。
……今度は、立ち上がらない。
 
 さらに連続して発砲。まったく躊躇せずに、その人間の形をした何かに向けて、次々に銃弾を送り込む。
 5発撃ったところで弾切れ。同時に、左手にまずさえたままのスタッフを構えなおし、そのまま操桿を操作。
 無音詠唱。
 
「――イグジストッ!」
 
 <ブラスト>発動。瞬間、顕現した爆炎が、残った数人に向けて炸裂した。肉の焼け焦げる臭いが、モールド越しに鼻を突く。
周囲には、内部から明らかに人間には必要のない物を覗かせる、いくつもの肉の塊が転がっている。
 
 それらを一瞥して、彼は、再び視線を上に上げた。そして、口を開く。
 その口調は、なんというか……ひたすらに軽い。
 
「――さて、と。あんたの素晴らしいご趣味は堪能させて貰った。と、言うわけで、そろそろお暇したい。彼女――
カペルを返してもらえるか? ついさっき、ここに運び込んだ少女のことなんだが」
 
 動きにあわせて、モールドががちゃり、となった。
400両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/27 14:43
>349式 vs 楽志 エピローグ  

殺した………それが感想だった。 
炎に焼かれながらも、私は彼を殺したことで頭が一杯だった。 
 
こいつは、結局なんだったんだ? 
私に何をしたかったんだ? 
私が最近流行の殺人鬼だと思っていたのか?  
 
――――なんだ、全部勘違いじゃないか。

勘違いの結果がこれ。ああ、最高だ。 
是非トウコに伝えたいな。あいつなら嗤ってくれるだろう。

己の体が灰になっていく様を見ながら、私は思う。 

ああ、やっぱり全然愉しくない。
こんなことなら、毎日短刀を持ち歩いていれば良かったな……。 
 
黒桐の妹に注意されてから、夜の散歩にしか持ち歩かなくなった短刀。 
もし、学校に持ってきていたなら……話はもっと簡単に終わっていただろう。

「……でも、こんな死に方も良いかもな」 
 
そして、私は灰となり、その灰も燃え尽きた。 
体育館に残されたの戦の証拠は崩れ落ちたバスケットゴールのみ。 
 
街から二人の若者が消えたが、誰も気づきはしないだろう。  
彼等は住む「世界」が違う。 
別世界の生死を気にするほど、この町の住民は暇では無い。
401両儀 式 ◆eyer5/uc :02/03/27 14:46
両儀式 vs涼元楽志 レス纏め

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ああ、どうしてオレが死ななきゃいけないのか分からない闘争だったな。 
>399
 
「ハハハハ、いや、全く面白い見世物だったよ! けど、これくらいじゃ、ええとカペルだったかい?
あの子を返すわけにはいかないね」
 
アルバを愉快そうに笑い続ける。
 
「魔術の過程を特定のフォーマットに当てはめ、単一化。才能のない人間でも魔術を扱えるようにした点は評価できる。
もう少し、見せてくれると嬉しいんだが?」
 
アルバの顔から、全く余裕が失われていない。
 
「ああ、どうせ君は死ぬんだしね。やるなら、派手にやってくれよ。そもそも、この館―『結界』に踏み入った時点で、
君に勝ち目はないんだからさ」
 
アルバがそう告げると同時に、館の床からなにやら不定形のスライムらしきものがわきあがった。
そしてそれは、人の形や獣の形を取り始める。
 
「ハハハ、どうだい? ホラー映画としては三流の演出だが、実際に目の前に見るとなかなかの臨場感だろう?」
 
そして、それらの化け物がレイオットに四方八方から襲い掛かった!
>402
 
「――――――!」
 
 人、獣。それらの形を取った化け物が、一斉にこちらに飛びかかる。
 この程度の化け物自体は、さほど驚くべき物ではない――魔族に比べれば、その存在感は
希薄だとすら言ってもいい。

 だが。こういった物を、人間が制御しているという事実が、レイオットを驚かせる。
 
(一体、何者だ……?)

 当人に聞いてみれば済むことではあるが――少なくとも、今はその時間はない。無言でスタッフ操作、無音詠唱。
ごきん、という濁った金属音が、奇妙にホールに木霊する。 
 
「イグジストッ!」
 
 撃発音声。再び<ブラスト>発動。
 瞬間――正面から迫っていた一体の「なにか」、それが内側から炎上、爆裂する。
 
 包囲の一角が崩れる。反射的に、レイオットはその空白に向けて駆けだした。
 抜ける前に、正面の左右から、さらにスライム状の物体が襲いかかる。舌打ちと同時に、スタッフを操作。
呪文書式選択を変更。<ブラスト>から<インパクト>へ。
 
「顕っ!!」
 
 撃発音声と共に魔法発動。正面空間に炸裂した無指向性の衝撃波が、こちらに到達する前に2体の化け物を吹き飛ばす。
 包囲を抜ける。振り返り、スライム状の化け物が、ほぼ一カ所に集まっているのを見ると――
 
「――一気に片付ける――!」
 
 間髪入れずにスタッフ操作。呪文変更。無音詠唱!
 
「我・法を破り・理を越え・氷結の息吹を求める者なり――!」
 
 構築された基礎級呪文に補助呪文を追加。瞬時に、スタッフ正面に魔法陣が顕現。

「<マグナ・フリーズ>――イグジストッ!」
 
 瞬間――化物が一気に砕け散った。
 内側から熱そのものを奪われ、完全に凍結したそれは、僅かな衝撃で容易に崩壊する。僅か一瞬の間に、
 空間にいたスライム達は、一匹も残らずに氷の粒となって消滅していた。
 
「さて……次は、どうする?」
>403
 
「ハハハハ! そうそう、それだ。それが見たかったんだよ!」
 
アルバはもう愉快でたまらないという調子で笑う。
 
「その魔術の技術体系は素直に賞讃しとくよ。で、君の命綱ともいえる残りの拘束端子はいくつだい?」
 
アルバはニヤニヤしながら、レイオットに問い掛ける。
 
「……私が見た所、半分近く消費しているようなんだが? ……まあいいか。もう少し、遊ばせてもらうぜ。
私はこの館の何処かにいる。せいぜい気張って探してくれたまえよ」
 
アルバはそう言い捨てると館の壁に向かって歩き……
そして壁の中にズブズブと吸い込まれていった。
ただ、アルバの声だけが聞こえる。
 
「ああ、君の大事なカペルだったっけ? まだ、無事だぜ。だが、あんまり君が手間取るとどうなるか分からないな。
急いだ方がいいんじゃないか? ハハハハ!」
>404

「――今度は壁抜け? なんでもありだな、まったく」
 
 呆れたように吐き捨てながら、レイオットは走り出した。既に、銃には新たな弾薬を装填してある。
相手の言うとおり、胸元に残る拘束度は残り7――これで、どこにいるとも知れないカペルテータを
探し出さなければならないわけだ。
 
「仕方ない。この歳になってあれだが――かくれんぼと行くか……」
 
 呟いて、彼は小走りに館を移動する。手当たり次第にドアを開け、廊下を駆け抜け。
 そして――――
 
「……ここは……」
 
 広い部屋にたどり着いた。長いテーブルに、その上にかけられた清潔そうなテーブルクロス。
 等間隔に並べられた椅子。ここは――
 
「――食堂、か……?」
 
 右手に銃を構えつつ、ゆっくりと脚を進める。理由はないが……なんとなく判る。なにか、ある。
 
(……さて。次は、なにが来る……?)
 
 胸中で、ひとりごちた。
>405
「やあ、勘がいいね。私はここだよ」
 
壁から、唐突にアルバが出てきた。
 
「まあ、そろそろ私自身が相手をしてあげようか? ハハハ、覚悟はいいかい?」
 
アルバが指で虚空に指を彷徨わせる。
 
「君、ルーン魔術って知ってるかい? まあ、遠い世界の遠い遺産だけどね」
 
アルバの指が何やら描いている。
 
「これがなかなか便利な代物でね、割と応用性が高いんだ。……その割には、専攻者が少ないんだけどね」
 
レイオットの真上の天井に、何やら文字が浮かび上がる。
そして、みるみるうちにそれが巨大なツララとなった。
 
「今、描いた文字はI(イス)、氷を意味するんだぜ!」
 
ツララがレイオットへと落下する!
>406

「――――っと!」
 
 反射的に、レイオットは後方へと跳躍した。着地、さらに跳躍。
 2度にわたる移動の末、巨大な「つらら」を回避。重い音を立てて、巨大な氷の固まりは深々と床に突き刺さる。
 
「はっ――なんとも便利な手品だな、おい!」
 
 叫びつつ、氷を回り込むように走る。視界に先ほどのやたらと高飛車な男が入った。こちらの動きに気付いていないのか……
それとも余裕なのか。それはわからないが、どうにも隙だらけだ。
 
 片手だけでスタッフを操作。機械的な詠唱で、呪文書式一回分の魔力が活性化。 
 同時に、構えていた銃を発砲。二回連続して咆吼した<ハードフレア>から、銃弾が男に向かい襲いかかる……!
>407
 
「むっ――――!?」
 
レイオットの発砲は派手にアルバを右腕を吹き飛ばした。
盛大に傷口からホースから水を出すように血が吹き出る。
 
「お、お前、やってくれるじゃないか―――!?」
 
苦悶の表情でアルバは叫ぶ。
 
「腕1本創るのに、半日はかかるんだぜ? ええっ!」
 
アルバは左手を傷口につっこみ、血に塗れた左手をレイオットに振るった。
血しぶきがレイオットへと飛び散り、そして、血が発火した!
この魔術師は己の血をも触媒としているのだ!
409ヘルパート(M):02/03/27 18:34
>6>398 死徒27祖による『聖域』襲撃
ヘルパートVSエンハウンスwithコルゴン
 
最高の暗殺者たるヘルパートは、今、動揺していた。
 
目の前の忌々しき「迷惑来訪者」を殺害する為に一本の指を伸ばす。
それで、事足りるはずだった。
 
だが、現実、男は活動を停止していない。
それどころか、指が失われて、尚且つ再生を始めようとしない。
再生「しない」のではなく、再生「しようとしていない」・・・その意思自体が、
殺されてしまったかのような、違和感。
 
「神殺しの銃―――ブラックバレル」
ヘルパートはその名を、ゆっくりと告げた。
 
「『片刃の男』エンハウンス――お前が、そうだろう」
リスト内に収録されていた、『聖域』を脅かす
死徒27祖の一員。その男が、今その場所に立っている。
 
「期せずして、ターゲットの方から来てくれるとは――皮肉なものだ」
独りごちる。
だが、状況は、明らかに劣勢だった。目の前の迷惑来訪者と、
27祖の一人。その二名を同時に相手にするのは、現状では
絶望的だ。
 
この場は退いて、体制を立て直すか?
しかし、状況はそれを許してくれそうには無い。
 
(――所詮は、私も手駒にすぎんということか)
意味の無い、全く意味のない。
そんな事を思想しながら、「二人の殺人者」へと、「最高の暗殺者」は
向き直った。
 
(私が殺されるのならば―その前に殺すだけだ)
 
「迷惑来訪者」が、短い詠唱と、無駄の無い美しい構成で、破壊的衝撃波を解き放つ。
だがそれよりも早く、ヘルパートは動いている。
最早関節を全く無視した動きで、一挙に中空へと跳躍。衝撃波を回避。
目の前の「殺人者」達を「殺す」ための、最後の攻撃をかけた。
片手両足、都合15本の指を、全て凶器と変える。
網の目のような形をした殺意が、二人を肉塊に変える為に降り注いだ。
>408

「――――なんだとっ!?」
 
 流石に、驚愕の声を上げる――炎となって飛び散った血飛沫は、周囲のものを発火させながら
次々にこちらへと飛来する。
 
「しまった――!」
 
 防御しようにも、脳内には既に他が構築されている。一度解除しないことには、別の呪文を発動
できない。そして……そんな時間も、ない!
 
「ち――イグジストッ!」
 
 反射的に魔法発動。正面を発現点として顕現した<ブラスト>は「加熱」と「衝撃」の二つの効果を
備えている。何もない空間にて爆裂した炎は、飛来した「燃える血飛沫」そのものを巻き込み、燃焼、
そして消滅した。

 室内には既に発火を始めている家具と、それにともなく猛烈な熱気が支配している。重々量のモー
ルドに身を包んでいるレイオットにとっては、この熱量も体力を消耗させる一因となる。
 
「――これで……終わらせて貰うぞ!」
 
 叫び、間髪入れずにスタッフ操作。無音詠唱!
 
「イグジストッ!!」
 
 <ハック>発動。瞬間、スタッフ先端に発生した赤い力場平面――極限まで三次元的な厚みをなくし
た魔力の刃が射出。男を音もなく両断した。
 
 と――――
 
「――――これは……!」
 
 両断された男の断面。そこには――先ほどのそれと同じように、人間の器官の他に。
 明らかに場違いな歯車などの器物が覗いている。
 
「……これも……そうか。くそ、なんだってんだ、一体!」
 
 吐き捨てて、燃える室内において、彼はただ、肉の塊を見下ろしたたずんでいた。
>410
 
毒づくレイオットに背後の壁から、笑みをたたえたアルバがゆらりと現れる。
そして、右手をレイオットに突き出す。
途端、レイオットはアルバの放った魔力による衝撃波で弾き飛ばされた。
 
「おいおい、そのぐらいで倒れてられちゃ困るよ。今のは威嚇のつもりだったんだぜ?」
 
アルバは憎々しいほどの笑顔で、レイオットを挑発する。
>411
 
 背後から猛烈な衝撃波。
 瞬間、息が詰まる――! 同時に、吹き飛んだその勢いのまま床に叩きづけられ、ぎちり、と全身の骨が
軋みを上げた。
 
 そのこちらをあざ笑うように、男の声が聞こえてくる。そして、ようやく思い出した……あの男は、屋敷の中
を自由に――壁も何も主して、文字通り自由に動き回れるらしいことを。
 
「はっ――上等だ……!」
 
 傍らに落ちたスタッフを握りなおし、弾けるように起きあがる。そして、男に向かい叩き付けるように、鋭く撃
発音声を叫ぶ。
 
「――イグジストッ!」
 
 <ブラスト>発動。男に向けて、一直線に爆炎が襲いかかる!
>412
 
レイオットの放った爆炎はアルバに向かい……
寸前で何か弾かれたように霧散した。
アルバはレイオットをあざ笑いつつ、告げる。
 
「さっき、そこの『私』がいっただろう? ルーン魔術は便利なものだってな。
今のは防御のルーンE(ユル)を刻んだのさ。驚いたかい?」
 
アルバはレイオットを嘲笑する。
この男は最初から微塵にもレイオットに負けるとは思ってもいない。
アルバにとっては、目の前のモールドに身を包んだ男は即席の量産型魔術師に過ぎないのだから……
 
「さてと、そろそろ幕をいこうか? ああ、派手に殺してやるよ。本当は、カペルとやらに君の生首を見せ付けたかったけどね。まあ、仕方が無い」
 
そして、アルバは詠唱を開始する。
 
「Go away the shadow」(闇は消えよ)
「It is impossible to touch the thing which are not visible」(己が不視の手段をもって)
「Forget the darkness」(闇ならば忘却せよ)
「It is impossible to see the thing which are not touched」(己が不触の常識にたちかえれ)
「The question I is prohibited」(問う事はあたわじ)
「The answer is simple」(我が回答は明白なり!)



元々、魔術の詠唱は特定の語句と韻をふめばよい。
自己陶酔の激しい者は詠唱が長くなるのだが、アルバはその例外だった。
自己に強烈な暗示をかけ、魔術の威力を高めると共に、詠唱もわずか2秒たらずで終了する。



「And I have everything in the right hand――――」(この手には光。この手こそが全てと知れ)
「I am the order Therefore」(我を存かすは万物の理)
「you will be defeated securely―――――――!」(全ての前に汝。ここに、敗北は必定なり……!)
 
アルバが詠唱を終了すると同時に、1000度を優に超える炎が巻き起こり、
一気に火山の噴火を彷彿させるような勢いでレイオットに炎の渦が襲い掛かった!
(トリップ判定用トリップ)
>413
 
「ちっ!」
 
 男の寸前で拡散したブラストを認めて、レイオットは鋭く舌打ちする。
 ルーン……と言ったか。思った以上に厄介だ。文字を書き込んでおきさえすれば、いつでもどこでも
その効果が発現するらしい。正確なところは、よくはわからないが。
 
 ……少なくとも、この男は、自分が知る魔法技術とはまったく異なる技術体系を獲得しているらしい。
さて、どうするか……
 
 と。そこまで思考したとき。男が、宣言した。幕と行こう――!
 
 瞬間。耳を疑った。猛烈な速度の呪文詠唱――――!
 
「な――――!」
 
 同時にわき上がる猛烈な危機感。何かに突き動かされるように、全力でスタッフを操作。 いつもなら
一瞬としか認識できない無音詠唱。だが、今はひたすらに遅い……!
 
(早く――早く、早く、早く!)
 
 次瞬。時間にして、僅か二秒。男の詠唱が終了した。
 同時に顕現した魔術は、殲滅の意志を抱く白炎。一瞬にして、モールドを伝わり、灼熱がレイオットを襲う……!
 
 同時に、無音詠唱完了。消え去りそうになる意識を必至に支えて――彼は、撃発音声を放った。
 
――イグジストッ!
 
 <ジャミング>発動。展開した魔力圏は、周囲に展開する魔力に等しく襲いかかった。広がるように、刻まれた
魔力回路を攪乱し、無力化する。
 
レイオットが蒸発するのが先か、魔術の効果をうち消すのが先か――!
 
(トリップ判定)
(再判定用)
(再判定)
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
>377
 
夜空を駆ける魔人を追って怪人が宙を疾る。
相も変わらず、無言、無音。
 
ただ、夜の闇を切り取って人型にしたかの様な、存在感と言う物の欠如した存在。
一切の意思も微塵の感情も感じられない空虚なモノ。
外套を纏った甲冑姿の怪人が上海の夜空を駆ければ、其れ也に人目を惹く物とも思われるが、
全くそのような気配が無いのは、偏にこの怪人の空虚さの故であろうか。
 
だが、夜空を駆ける者が空虚であろうと、一度その鞭が振われれば人目を惹かない筈が無いだろう。
荒れ狂う暴風の災禍は否応無く周囲を巻き込むのだから。
 
上海に時ならぬ台風が襲い掛かった。
 
夜空を駆ける怪人から何の前触れも無く、死の暴風が巻き起こったのだ。
一体何処まで伸びるのか、凄まじい範囲に広がる嵐となって、二本の鞭が一瞬で数十にも及ぶ打撃を繰り出す。
僅かな所で届かない鞭が、紙一重で避けられた鞭が、建造物を砕き地面を引き裂き――――
 
上海に災害が訪れた。
>416>417(判定レス)
大文字:3 小文字2 数字:1 記号:0(八文字分、合計する)
(15 < 20 勝利)
 
>414>415
 
 ふ――と。
 そんな音でも立てそうな勢いで、周囲に顕現していた炎が、何事もなかったかのように消滅した。
 残ったのは、完全に炭化している床と、そして熱せられ、表面装甲が僅かにただれている黒い鎧だけだ。
 
 その鎧が、びくり……と動いた。あの灼熱の中にあっても――レイオットはまだ生きている。
 
「………………」
 
 その彼が何事かを呟いている。男は気付いただろうか……スタッフを中心として、魔力が増幅されているのを。
 
「……ベルータ・エイム・クイファ・クイファ……」
 
 モールドの内側。全身に重度のやけどを負ったまま。だが、それには構わずに。彼は同様に、表面が熔けただれている
スタッフを吹き出す。
  
 そして――男に向けて。一言だけを吐き出した。
 
「――<マグナ・ブラスト>。イグジスト……!」
 
 男を中心として、対装甲艦艇用に運用されていた「第二の業火」が――それを飲み込むように発現した。
>415 >419
「ハハハハ! 分かっただろう 私と君の差が……。もう、聞こえてはいないだろうけどな!」
 
アルバはレイオットが力尽きたと確信し、愉快そうに笑い続ける。
 
「さてと、この死体の後始末を人形どもに……何!?」
 
直後、レイオットの放った渾身の業火がアルバを飲み込んだ。
自分が死んだことにさえ気づかず、アルバは燃やし尽くされた。
 
ある意味、炎の中で死ぬのは紅蓮の魔術師に相応しい最後だったかもしれない。
もっとも、過程を見れば皆、アルバを愚者呼ばわりするだろうが……
相手を侮って、慢心した上での敗北なのだから……
>420
 
 哄笑を上げる男。その彼が一瞬の驚愕と共に、爆炎に巻かれ、そしてその一瞬後には爆裂、四散する。
 その光景を視界に刻みつけて、レイオットは静かに立ち上がった。一動作ごとに、耐え難い苦痛が走る――
だが、立ち止まっても居られない。カペルテータを回収しなければ……
 
 そこまで考えて。どさ、と言う音が耳に響く。気付けば、視界が90度回転。倒れた、と脳が認識する前に、
意識が闇に飲まれていく…………
 
 ……気付けば、トリスタン市内の病院の一室だった。傍らには……いつものように、表情を浮かべていない
カペルテータの姿がある。
 
 全身には包帯が巻かれているものの、さほど痛みはない。

「――これ、は……」
「おはようございます、レイオット」
 
 こちらが目覚めたのに気付いたのか。いつものように、平坦な声音で、彼女がこちらに声をかける。
 誘拐されていたことも、何かの検体にされそうになっていたことも知らなかったかのように……

 しばらく、その彼女の顔を見つめて。彼は、静かに嘆息した。
 表情には、薄く、苦笑が刻まれている。

「……おはよう。今、何時だ?」
 
 なにも――何も、変わっていない。また、同じような毎日が始まる……
 
(レイオット・スタインバーグ:生還) 
 
422カミーラ ◆ICarmilA :02/03/27 23:30
『ラルヴァvsカミーラ』導入

『ホテル・プリアプス』は、N県の某所に8階建ての豪壮な建物を有する高級リゾート
ホテルで、その卓越したサービスと人里離れた静かな湖畔という立地によって、夏を
人目につかないところで過ごしたい一流人士の間で密かに人気を博していた。
 
最寄の国道を離れ1時間ほど車を走らせると、森の中に8階建ての広壮な建物が突然姿
をあらわす。ボーイの挨拶を受けながらエントランスを抜けると、4階まで吹き抜けの
ホールが客を迎える。静かな音楽の流れるホールは、中央に設けられた噴水のせせらぎ
と柔らかい照明によって、客の心を和ませる。2階には西洋料理のレストランとダンス
ホールがあって、連夜のようにダンスパーティーが行われる。3階から上は客室だ。最
上階には、広いロイヤルスィートがある。そこに1泊する料金は、普通のサラリーマンの
月収をはるかに越えるが、それでも夏には予約を取るのが大変なほどの人気がある。
屋上にはプールとテニスコートがあって、軽い運動で食欲を増進させたい客の必要に
応えていた。
 
ある夏のこと、そのホテルでちょっとした椿事が起っていた。泊り客が相次いで行方
不明になったのだ。行方不明になったのは妙齢の美しい女性ばかり。あるものは一人で
食事に出かけるといって、あるものは少し夕涼みにと言い残して、あるものはダンス
パーティーの後に。警察が呼ばれ、新聞で小さく報道もされたが、彼女たちの行方は
杳として知れなかった。
423長谷川虎蔵(M):02/03/27 23:37
>418 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
 大地に震えが走る。それは亀裂が入った所から崩れ落ちるビル群の所為ばかりではない。
 地面そのものが鳴動しているのだ。変幻自在の妖鞭が叩き付けられるだけで。
 二つに或いはそれ以上に切り裂かれ、伐採されて行くコンクリートジャングル。更に千切れたガス管や電線から噴いた火が爆発となって燃え盛る。
 深夜と云う時間帯故にまだ然程の火事は発生してはいないが、それも時間の問題であろう。
 これ程の大惨事を引き起こしたのがたった二本の鞭とは、誰が信じられようか。
 
「カッカッカ、見晴らしが良くなって来たなあ!」
 
 哄笑しつつ、虎蔵は身を虚空に躍らせる。黒い長髪とスーツをたなびかせて飛ぶその姿は、二つ名である『スクリーミング・クロウ』そのままだ。
 鞄は何処にも見当たらない。得意の暗器術で懐中に隠し果せたのであろう。
 死鞭が大気だけを分断した後、虎蔵の姿は既に数秒前にいた場所に無い。
 いいや、在る。闇夜に輝く一点の灯り――満月をバックに宙天に。
 ずっ、と左右の腰から数本の刀が姿を現す。
 両手に三本ずつ纏めて握り、一気に鞘走らせた。
 
「四聖六凡悉く、貫き屠るは玉散る秘剣! 羅刹に逢うては羅刹を殺し、羅漢に逢うては羅漢を殺す!
 魂も魄も無明の闇に消え去れぃ!!」 
 
 悪鬼の如き獅子吼の後、掴んだ武器全てを一気に手裏剣撃ちに投じた。六条の銀光は、風を斬りながら静かなる怪人目掛け疾り行く。
424ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/27 23:57
『ラルヴァvsカミーラ』導入  (ラルヴァside)
 
>422
「ここね…」
 
私は『ホテル・プリアプス』の前で、愛用のバイク、
バルカン1500ドリフター のエンジンを停めた。
 
ここで行方不明事件が起きているらしい、と某地方新聞で読んだ。
普通なら気にもとめない記事。
だが、いくつもの地方新聞をまとめて読んでみるといい。
記事と記事とを線で結ぶと、ある道…いや、「網」が見えてくる。
狩人の網とでも言おうか。だが、ハンターは私の方だ。
闇に潜む、人ならぬモノを狩るハンター。
 
サングラス越しにホテルの建物を見上げる。
森と調和するようにデザインと色を考えられた建物ではあったが、
見下ろされるような感覚を感じる。
 
…否。
見下ろしているのは…もっと違うモノだ。
やはり間違いない。ここには「居る」
 
やっと追い付いた。人の目に付かぬ場所で武装を確認する。
スーパーレッドホークはいつも通りに静かに私の意志を受け止める。
 
 
さあ、哀れな闇の魂を消し去りに行こう。
これ以上の犠牲はたくさんだ。
425エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 00:05
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦(仮題)』
>20
「ならば、力づくでいただくまでです」
 背後から小突かれるような感覚を振り向いたとたん、魔女が言った。
「なるほど。それじゃあたしが勝ったら酒でも奢ってもらおうか、な!」
 杖を手放し、あたしは跳び蹴りを放った。
 
 不意打ちくさいが言いだしっぺはあっちだ。
>425
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
 
「くっ!?」
 エリ殿の放った飛び蹴りを躱せず、もろに食らってしまった。
派手に吹っ飛ぶ私の身体。
 
「酒を奢れ? …無理です。学者は儲からない商売なのですよ!」
 言いながら私は鞄を開け、タオを取り出した。
 
「行きなさい、タオ!」
 タオの首根っこを掴んで、エリ殿に向けて投げつける!
 
「こ ん な の ば っ か り 〜 ! !」
 タオの叫びが、周囲を揺るがしたような、揺るがしていないような。
427カミーラ ◆ICarmilA :02/03/28 00:26
>422, >424
『ラルヴァvsカミーラ』
 
最上階のスイートで、カミーラは物憂げにソファに腰掛けていた。陽光は彼女を憂鬱に
させる。転化して間もない同族のように、日光を浴びるとたちどころに灰になるような
無様さとは無縁だが、明るい陽性の光は、彼女の精神と身体に無視できない影響を
与える。
 
時間だった。今日も彼女は、一人だけ連れてきたお気に入りの召使に手伝わせて、
大きく胸の開いた夜会服に着替える。光沢のある黒いレースの夜会服は、彼女の
白い肌をよく合っていた。同じ色の長い手袋をはめ、首には、宝石で豪奢に飾られた
ネックレスを身につける。入念に鏡で服装をあらためて、彼女は言った。
 
「では、行って来ます。あなたはいつもどおり、鞄を持って控え室に控えていなさい。
いいわね」
 
言い残すと、カミーラはホテルの支配人の主催で開催される舞踏会に出かけた。
新たな獲物を探すために。
428エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 00:30
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>426
「どんな手品よ!」
 魔女は鞄の中から子供を出すと、ブン投げてきた。
 驚かされたけど攻撃自体は大したことはない。
 タイミングを合わせて右ハイキックで撃墜する!

 
  
429エンハウンス:02/03/28 00:42
>398>409 死徒27祖による『聖域』襲撃
 
 無言の肯定を受け取って、エンハウンスは改めて眼前に集中した。
 目的は飽くまでも27祖。
 だが、どうやっても見逃してはくれまい。
 どうやらこちらの事も調べがついているらしい。
 ただ、他の27祖と混同されている節はあるが。
 
(所詮、死徒でないモノは死徒の分別など知った事ではないか)
 
 
 立ち塞がるならば、障害だ。
 障害は排除するのみ。
 
 コルゴンが何かしらの魔術を放った。
 だが、それはあっさりとかわされている。
 元より期待はしていない、こんなモノだろう。
 
 すぐさまヘルパートが反撃へと転じる。
 化鳥の如く跳躍し、さきほど見せた指での攻撃。
 だが、それは片手の五指に留まらない。
 両足まで駆使した十五指による凶器の雨だ。
 
 喰らえば無事では済むまい。
 だが、エンハウンスは喰らうつもりなどない。
 
 アヴェンジャーを襲い来る指の雨に向け、一気に意識を、障気を爆発させる。
 まだそれほどのダメージはなかったが、それでも人一人を致死させる事のできる衝撃波が放たれる。
 障気の爆発は降りかかる指を散らし、弾き飛ばし、指はその力をなくしていった。
 
 エンハウンスは止まらない。
 そのまま流れるような動きで聖葬砲典の銃口をヘルパートへと向ける。
 頭……心臓どっちでもいい、それでお終いだ。
 引き金を引き絞る……神殺しの銃弾が乾いた銃声と共に吐き出された。
 
「Dust to dust……もっとも、貴様は死徒ではないか」
 
 それは、勝利を確信した呟き。
 奴ほどの力を持つ者なら、間違いなく聖葬砲典はトドメに至るだろう。
 敵が強ければ強いほど、人間から外れていれば外れているほど威力を上げる。
 聖葬砲典――ブラックバレルが神殺しと呼ばれる所以だ。
 
 銃弾が牙を剥いて、ヘルパートの体へと食い込んでいった。
『ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン(導入)』
  

「待てぇ!! 待て待て待て、待てー!!」
「止まりなさい!! 撃つわよ!!」
「主の御許に逝きなさい!! 覚悟!!」

なにやら修道女の一団が、怒声を上げつつ、一人の人間を追跡している。
追われているのは一人の少年――いや、青年へとさしかかろうとする年頃と言って良いだろう。

しかし、これはちょっと尋常ではない。
たった一人の人間に差し向けられる戦力としては余りにも過大で、
シスター達はなんと手に手に火器を携え武装している。
 
ここまでの戦力で追われるとは、彼はいったい何をやらかしたのか?
聖地への冒涜か? 聖遺物の強奪か? はたまた聖者の殺傷か?
 
「堪忍やぁっ、カンニンしてぇっ!! こ、これには深いワケがあるんやぁっ!!」
などと、少年は叫びつつも、足の動きをいっそう速めこの場を離脱しようと試みる。
 
「逃がすな、 撃 て ぇ ー」
 
と、修道女達の中でもひときわ勝気そうな少女の声を合図にシスター達は一斉射撃し、
その銃口から聖火弾――マグダラ修道会の誇る概念武装だ――が雨の様に吐き出される。

「じゅ、銃刀法いは……のわぁぁあっ!!」
と、絶叫しつつ、少年は足元への斉射を尋常ではない動きで回避する。
目の錯覚か、その回避行動は、物理法則さえ無視して数秒間滞空しているようにさえ見える。
 
この少年、ただものではない。 
 
「正義の完遂の為に、皆さんのちちしりふとももをオレの網膜に焼き付ける必要があるんです!
 ああっ、本当はこんなことしたくないのにっ!!」

シスター達の斉射が息継ぎのように止んだ瞬間を狙って、少年は、なにやら奇妙なセリフで
追撃者たちの説得を始めるが、どうやら彼女達の感情を逆撫でするだけに終わったらしい。
いっそう膨れ上がった怒気を前にして、少年は一歩後ずさり、顔には冷や汗さえ浮かんでいる。

「待て! この、性犯罪者が!!」「ド変態! 吊るしてやるわ!」「氏んじゃえ! 変質者!」
同じく、口々に不可解なことを口走るシスター達を従えて、少年は再び全力で駆け出すこととなった。
 
>430
『ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン(導入)』


ケイオスヘキサ公安局は疲弊していた。
 
ここの所、市外から強力な『魔』が多数流入し、それらとの交戦で失われた損失は計り知れない。
それに加えて、非公式な物ではあるが、最近では公安が市外での魔の掃討を行っているのは
なかば公然の秘密と言っても良いような状態であった。
 
本来、市外における魔の掃討は機甲折伏隊の務めだが、機甲折伏隊の戦力では象を吹き飛ばすことは出来ても、
都市に侵入せんとする毒蛇を防ぐことは出来ない。
自然、その役目は公安局へと回ってくることとなる。
 
そうして徐々に損失は累積し、今となっては公安の主力である呪装戦術隊の装備、構成員のみならず、
虎の子の戦力であるブラックロッドでさえも10体近く失う非常事態となっていた。
 
その損失を埋める為、十分に訓練を施していない呪装戦術隊員を実戦に投入したり、
また、その実力が達人級(アデプト)に達していない魔術士をブラックロッドとして
特捜に組み込むなどと言った泥縄的な対応を取るしかないほどに、余裕を無くしていた。
 
 
 
そして、今もまた公安の誇る論理器械が、ヘキサに縁持つ事件の発生を観測する。

どうやら、一人の霊能者を多数の聖職者が追撃していると言う構図のようだ。
それと、微弱ながら『悪魔』の反応さえ捕らえることが出来る。
 
この事件は現時点では直接ヘキサに害成す存在ではない。
しかし、いずれこのことを発端にヘキサになんらかの影響を及ぼすことを論理器械は表示する。
 
ならば、早急に介入し、場合によっては原因の排除と処理を行う必要さえある。
ただし、まかり間違っても小戦力を割いて、全滅させられる愚は避けねばならない。
 
事件の発生から2分と37秒後、公安は一人のブラックロッドを派遣することを決定した。
 
最強の一人を。 
>431 『ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン(導入)』

 
気流の向きが変わり、霊圧が変化し、霊気は渦を巻き、その中心にエーテルの真空地帯を形成する。
空間の隙間――<経>――が開き、そこから黒づくめの男が出現する。 
 
黒杖特捜官。
 
黒革のコートに、黒いブーツ、そして呪力増幅杖を携えた、法の守護者である。
 
ブラックロッドが周囲を確認すると、こちらに向かって疾走してくる一団を肉眼で視認することができた。
さらに、その集団の先頭を走る人物を制帽に付いた霊視眼で確認すると、
その画像イメージを公安本部へと交霊し、転送する。2秒かからず本部より返事がある。
 
対象の人物は『ヨコシマ・タダオ』
ユニークなタイプの性犯罪者として公安・降魔、両局に注目されつつあった男だ。
多数の女性を引き連れているところを見ると、どうやら一仕事終えたところで、逃走に失敗したようだ。 
 
データによると、このヨコシマと言う男は世界でも有数のゴーストスウィーパーらしい。
そこまでの力をこう言った用途に使用するとは、能力の使い方としては非常に贅沢と言えるだろう。
そして、無駄の同義語としての贅沢だが。
 
どうやらこのヨコシマが事件の中心らしい。なら、ヨコシマを抑えれば事件は収束に向かうだろう。
無意味な戦闘を行う必要も無い。
 
「止 ま れ  ヨ コ シ マ ・ タ ダ オ」
こちらに向かって走ってくるヨコシマに向けて、ブラックロッドは文節ごとに念を押すように発音する。
聞く物の意識に直接介入する、呪式発声。 
 
「おわぁっ! け、警察?!」 
ヨコシマは錯乱して、逃走する方向を変えようとするがその動きにキレが無い。
呪式発声の影響を受けている為だが、完全に止まらなかったのはGSとしての能力ゆえだろう。
 
しかし、ブラックロッドはその隙を見逃さない。
全身を身体施呪して一気にヨコシマとの間合いを詰めると【捕捉】を圧唱する。

呪力の縛鎖に縛り上げられたヨコシマが、走る慣性もそのままに地面に転がり、
「ぶべらっ!!」などと悲鳴を上げる。 
 
ブラックロッドは左手の自在護符の印形を【拘束】に変化させると、その左手で直接
ヨコシマを押さえつけ、そしてヨコシマにこう告げる。 
 
「ヨコシマ、君の行動は社会的に逸脱している。施設においてその人格を矯正する必要がある」
「い、いややぁっ! 俺は美人の嫁さん貰って退廃的に暮らすんやぁっ!! 警察がナンボのモンじゃ
 助けて、美神さん、おキヌちゃ〜ん!!」
 
と、じたばた暴れるヨコシマの手から『解』と書かれた文殊がこぼれ落ちる。

一瞬の閃光と共に文殊がその効力を発揮すると、ヨコシマは【拘束】の効果から解放される。
  

が、自由となったのはヨコシマだけではなかった。
「ク、ク、ク、ハ、クハ、クハハハハハハハハッ!!」
 
ブラックロッドが嗤っている。両手で顔をおさえながら、激しく、総てを嘲笑うかのごとく。
 
いや、嗤う者はもはや、ブラックロッドでは、ない。
そう、ブラックロッドは笑わないのだ。
433ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/28 01:00
>427 『ラルヴァvsカミーラ』
 
人が集まる所は好きでは無いが、この際仕方がない。
私はホテル主催の舞踏会の会場に潜り込んだ。
 
自分でもかなり浮いていると思う。
拘束着は優雅な舞踏には向いていない。
私が踊る相手は人ではないモノなのだ。
たくさんの好奇の視線を浴びていたが、それぞれがパートナーを見つけ、談笑を始める。
 
適当な飲み物を手に、壁にもたれて人々の動きを見る。
そこには、目に見えないもう一つの壁がある。
私はすでに向こう側には戻れない人間なのだ。
だからといってあちら側に行くわけには行かない。
 
感慨を捨て、人々を観察する。
「肌の色は?」「首筋に傷痕は無いか?」「目に奇妙な光は無いか?」
 
…そうしていると、一人の一際美しい女性が目に留まる。
昔、まだ幼かった頃夢想した、おとぎ話に出る貴婦人の様な…そんな女性だった。
恥ずかしい話だが、一瞬だけうらやましく思った。
 
だが、その女性の肌は白すぎないか?
微笑む唇からのぞく犬歯は少し長すぎないか?
どうやら、やっと見つけたようだ。
 
私は会場を立ち去る事にした。
ここで騒ぎを起こすのは不味い。
434横島忠夫 ◆YDaTadao :02/03/28 01:03
>432 俺&ロゼット一行 vs G.G.スレイマン 
 
 わ、嗤いだしやがった! 
 切れてる? 壊れてますか、こんちくしょう! 
 無表情なはずのブラックロッドの顔が歪にゆがみ、ハハハ・・・と嗤い続ける。 
  
 い、いや。これはチャンス! きっとチャンス!  
 警察なんぞに捕まったら、俺のこれからの人生お終いだ。  
 いくら俺が未成年でも、こいつらに容赦とか遠慮とか世間体を気にするとかはない。 
 ブラックロッドってのは、そんなもんだと聞き及んでいる。 
 
 だからこそ――――――俺は脱兎の如く逃げ出した! 
  
 あんなのと真面目にやってられっかい。 
 それこそゴキブリのような勢いで、俺は嗤い続けるヤツの元から走り去った。 
 
 よし! 追ってこない! 
 わははははははははははははははははははははははははッ! 
 勝利! 今日もまた俺の勝利じゃっ! 
 
 ・・・と、何処かで見たような方々が、非常に殺気だって様子で立ち尽くしてた。 
 堪らず、俺は足を止める――――数十数百の、シスターたちの視線に圧されて。 
 
 ――前門の(嗤う)変態! 後門の(大勢の)シスター! 
 
 退路はない・・・が、答えは最初から出ていた! 
 
「助けてぇ! 嗤う変態に追われてますっ!」 
 
 叫びながら、シスターたちの元へ飛び込む。 
 怒声とも悲鳴とも取れない言葉があちこちから漏れたが・・・そんな中。   
 
 よりにもよって、この上ないほどの怒りを身にまとう少女に、俺は抱き付いていた。 
 
 蒼い、その瞳と目があう。柔らかな肢体を包む両腕に、微かな温もりが伝わる。 
 その胸のふくらみに体が重なり、その鼓動まで俺に聞こえてきた。 
 
「こ、この変態ッ!!」  
 
 少女の特有の、高く澄んだ声がする。 
 そして、俺は――――気付くと盛大に殴り飛ばされていた。
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク
>423
 
強大な力の篭った六本の刀が唸りを上げて怪人を狙う。
攻撃の鞭を直ぐ様に防御に回し、複雑怪奇な軌道を描いて刀を叩き落さんと振う。
 
しかし―――
 
六本の刀の其々に込められた力は想像を絶する物であったらしい。
防御の為に振われる鞭を、千切り引き裂き断ち切って飛来する。
其の勢いは微塵も衰えず、弾丸の如き勢いでエンシャクに向かい。
 
怪人の身体に突き刺さった。
六本の刀が全て外套の上から怪人を串刺にし、込められた気を其の体内に放つ。
 
だが、しかし。
 
刀が飲み込まれて行く。
怪人の身体に飲み込まれて行く。
その、影を纏ったかのような外套に、甲冑に覆われた身体の中に、六本の刀は姿を消して行く。
 
怪人は、何事も無かったかの様にそこに居た。
この怪人と対峙した者達が、その中でも、互角以上に戦った物達が最後に抱く感情は恐らく徒労感であろう。
この怪人は不死身なのか?この怪人は攻撃を食らっているのか?
実は自分は未だ何の攻撃もして居ないのではないか?
其の徒労感は、容易に絶望へと変わり、数々の強者達を食い殺して来たのだろう。
 
怪人が両手の鞭を一振りする。
千切られた筈の鞭が元通りに成った。
コ・エンシャクは語らない。コ・エンシャクは一切の気配を持たない。
だが、何故か其れは伝わってくる。
殺気でも闘気でも、ましてや悪意でもない。
だが、伝わってくる。
其れは、脅威。
其れは、危険。
この怪人は何かとてつもない事をしようとしている。
 
一瞬の沈黙の後。
 
二本の鞭が凄まじい破裂音を叫んだ。
数十条どころでは無い。
数百は在るのでは無いかと言う鞭が、数百条の軌跡を描いて疾る。
其の先端は音速を超え、より速くより強く振われている。
破裂音は、数百の魔鞭が音速を超えた音だ。
もはや、鞭の発する衝撃波すらが必殺の威力を持ち、周囲一帯に無差別に死と破壊をもたらす。
狙いすらつけていない、否、つける必要すらないような鞭の打撃が圧倒的質量を持って虎蔵へと迫った。
436カミーラ ◆ICarmilA :02/03/28 01:18
>427, >433
『ラルヴァvsカミーラ』

カミーラは会場の隅でカクテルを舐めながら会場を物色していた。男たちが
彼女にダンスを申し込むが、カミーラは、上品な物腰で体よく彼らを追い払う。本当は
邪魔でならないのだが、そう邪険にするわけにもいかない。
 
やがてカミーラは、今夜の獲物を見つけた。20歳前の、ひどく初々しい印象を与える
白いドレスを着た女性だ。今日がデビューの夜なのかもしれない。白く透き通った肌も、
整った顔立ちも、やや細めの肢体も全て彼女の好みだった。
 
その女性の視線を目に捉えた一瞬の間に、カミーラは、自らの持つ能力を用いて彼女を
魅了し、毒蜘蛛の網に絡め取ってしまう。焦点を失った目に、彼女は自分の意志を撃ち
こみ、相手を自分の意のままに動く傀儡に仕立て上げた。

あとで、ホテルから少し離れた湖岸に来るように命じると、彼女は会場を後にした。
途中で、鞄を持った召使と合流する。召使の少女は、主人が獲物を狩るのに成功したことを
その表情から知ると、複雑な表情をその顔に浮かべた。
>434
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
『ボーイ・ミーツ・ガール?』
 
というか、いったい何が起こったのか?!
寮の更衣室を覗いていた東洋人を追っかけていた。(途中、日向ぼっこしていたクロノをひっ捕まえて)
男の前にブラックロッドが現れた。
いきなりの閃光!
次の瞬間、気味が悪いくらい嗤うブラックロッド。
 
私は、どうしたものか戸惑っていた。
周りの同僚も、同じ反応を示している。
 
「ろ、ロゼット?どうする?」
「いや、どーするも・・・・」
 
同僚のアンナが話し掛けてくる。もっとも、私に聞かれても困るのだが・・・・。
だが、事はあっさりと進展した。
 
『助けてぇ! 嗤う変態に追われてますっ!』
 
男が、いきなり方向転換してこっちに向かってくる。

「変態はどっちよ!!」
「自分のことを棚にあげるのは良くないと・・・・。」
 
クレアとメアリが叫ぶ。
・・・・まったくよ!!
二人の声でようやく私も我に帰る。
この・・・・!!
 
「・・・・・あんまり酷く怪我させちゃだめだよ・・・・」
 
一発殴り飛ばしてやろうと構えた私に、嘆息しながらクロノが呟く。
だが――――――
 
『ぽふ』
 
・・・・・・・・!!
 
あろうことか、男は私に・・・・私に・・・・抱きついてきた!!
 
一瞬真っ白になる頭。
次の瞬間、が〜〜〜〜ッ、と頭に血が上る!!
 
「こ、この変態ッ!!」
 
私のコブシは男の顔面を見事に捕らえていた・・・・・・!!
438比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/28 01:36
>389
比良坂初音vs麻宮アテナ

初音の糸と爪がアテナの身体を捉える寸前
アテナの姿が忽然と消える、と同時に視界の外から彼女の気配
「転移かっ!!、予備動作も無しで・・・・やるわね」
さらに初音の頭上から大量の油が降り注ぐ、なんとか身体にかかるのは防いだものの
糸は油でぬめり明らかに切れ味や隠密性を落としている。
「なるほど・・・考えたわね、でも・・・・油を使ったのは失敗ね」

初音はライターを拾い上げると自らの糸に火をつける
炎の刃と化した斬糸は四方八方からアテナへと襲いかかった
もっとも、この程度で仕留められるとは思ってはいない
炎にまぎれて初音は周囲に蜘蛛の巣を張り巡らせる
次の転移の瞬間捕捉して、引き裂いてやる・・・・・・
(貴方は蜘蛛の巣にかかった蝶・・・・・逃げられはしないのよ)
439ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/28 01:38
>436 『ラルヴァvsカミーラ』
 
標的の女性の事はすぐに分かった。
最上階のスイートを何日も使い続けているらしい。
『カミーラ』…偽名だろうか、本名だろうか?
 
どちらにしても関係ない。
見とがめられない様にしてエレベーターを使う。
降りるのは最上階より一つ下の階。部屋の並び、廊下の状態を確認する。
空き部屋を見つくろい、部屋の間取りも見ておく。
最上階のスイートとは違うものだろうが、一応は頭に入れておいた。
 
戦場の事前の把握は欠かさない…私はそうやって生き残ってきた。
 
調べると、非常階段の鍵は外から開かない構造だった。
仕方がない。再度エレベーターを使おう。
 
エレベーター内で、先ほど入った部屋からくすねて来たガウンに銃を包む。
そして、私は戦場へと向かった。
440長谷川虎蔵(M):02/03/28 01:55
>435 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
 徒労感、絶望、その果ての死――。甲冑の怪人と対峙した者全てが迎える道程だ。
 だが。 
 
「な」 
 
 この男には、長谷川虎蔵には。
 
「なめるなあッッッ!!」 
 
 全身から雷電の気を発する魔人には、徒労も絶望も、ついでに悔恨も躊躇も無い。
 有るのは確実に敵を滅ぼし尽くす必殺の意思のみ。
 左手に千切れかけの数珠が出現する。それを前面に押し出して、虎蔵は破壊神の触手へとぶつかって行った。
 まず達した衝撃波を、ついで攻め寄る数十数百の妖鞭を迎え撃たんとする。
 弾けた。血飛沫が舞った。
 虎蔵の左手は、砕けた数珠ごと肘の辺りまで消し飛んでいた。
 一旦止まった鞭の嵐は再び虎蔵へと進撃して来る。それでも笑う。黒衣の男は笑う。
 鬼神もかくやと云う、血走った笑い。
  
「斬り込んだからにゃあ、相手の太刀も受けなきゃな!」 
 
 右手が剣指の形を取り、目まぐるしい動きで空に呪印を描く。吐息とともに短く叫んだ。
 
「吽ッ!!」 
 
 突如疾る死鞭の群れ、その動きが止まった。――何ゆえに?
 見よ、コ・エンシャクの身体にススキの如く突き立つ刀葉林。
 否、これは突き立ったのではない。最前怪人が飲み込んだ刀が、身体を突き破って姿を現したのだ!
 転瞬、怪人から生える全ての刀は霊珠と化す。元々数珠だったのか、刀を数珠へと変化させたのかは判らない。
 ともかく凄まじい勢いで怪人の身体に四肢に巻きつき、締め付け、拘束する。
 虎蔵の右袖から出た最後の一刀が、身動き叶わぬ甲冑へと身体ごとたばしった。
 
「ハッハァ――! 断てよ怒槌(いかづち)神鳴る刃!!!」 
 
 暴虐の魔風が吹き抜けた後――。
 コ・エンシャクの身体は四散していた。
ハハハ!
まさか、戦術魔法士如きに遅れを取るとはね。
まあ、いい。
たまにはこんなこともあるだろうさ。
 
>395>396>397>399>402>403>404>405>406>407
>408>410>411>412>413>415>419>420>421
442麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 02:03
>438 vs蜘蛛の人

 「そんな…!?」

 まさか。彼女は自分で自分に火をつけました。
いえ、彼女自身は油をかぶらなかったので、
自分の武器に、でしょうか。
 (粉石鹸にすれば良かったかな…)

 …八方から襲ってくる、燃える糸。
二刀をふるって直撃は避けていますが、
このままでは火傷のせいで追いこまれそうです。
さらに悪いことに、このまま闘いつづけると
周りの人にまで被害が…。物はともかく、
人を巻き込むわけにはいきません。
 
 「ここを離れないと…!」
 かわしそこねた糸でふくらはぎが斬れ、
火傷まで負わされました。考えている
余裕はありません

 彼女のはるか後ろ、モールの出口あたりが
視界の通る限界でしょうか。長距離テレポートで
姿をくらますわけにいかないのが辛いところです。
 (これで罠でも仕掛けてあったら大変だわ…)
胸の中に不安を感じながらも、転移。
うまくいきますように!

443カミーラ ◆ICarmilA :02/03/28 02:10
>436, >439 『ラルヴァvsカミーラ』
 
カミーラは8階でエレベーターを降りると自室に向かった。後ろで、別のエレベーター
が到着する音が聞こえてくる。カミーラは、かすかな気配を感じた。この感じはよく
知っている。狩人が獲物を前にしたときの緊張と喜びが醸し出す戦場の雰囲気だ。

カミーラは無言で召使に合図すると鞄を開けさせる。そして、廊下の角を曲がった
瞬間に鞄の中から無骨な光を帯びた金属とプラスチックの固まりを取り出す。それは、
ここ数年来使いつづけてすっかり彼女の気に入ってしまった特殊な小火器だった。

カミーラは、その銃口に消音器を取り付けると、エレベーターから降りた人物の様子を
うかがった。彼女は(女だった)カミーラが廊下の角を曲がった瞬間に手近な物陰に
身を隠したようだった。銃を構えて隙なくこちらを観察している。サングラスの陰になった
視線の方向を見定めることはできない。
 
「それにしても、黒の拘束衣というのは、なかなか……素敵な衣裳ですわね」

鞄の中身を余さず身に付けると、カミーラは呟いた。

「こんなところで戦争を起こすことになるとは思いませんでしたわ」

>440
 
数百の魔鞭も魔人を滅するに至らなかった。
激烈な雷光に撃たれ、四散し燃え尽きるようにその姿は落下して消えて行く。
断末魔の絶叫も消え行く命の気配も何も無い。
 
ただ、現れた時より何も変わらない無言、無音。
影のように現れた怪人は影の如くに消えて失せたのだ。
 
流石の怪人も、再び影より立ち上がりその姿を見せることは無かった。
 
少なくとも、その時、虎蔵の前では。
ただ、最後に落ちていった仮面が僅かに嗤ったように見えたのは気のせいだろうか?
気のせいだろう。
もとより、この怪人は嗤わないのだから。
445比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/28 02:25
>442
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
初音は巧妙に糸を操り、アテナの逃げ場所を塞いで行く
「ふふっ・・・・どうしたの、早くお逃げなさいな」
炎をまとった糸が、少しずつではあるがアテナの身体に傷を負わせ始めたその時、彼女の姿が忽然と消える。
やはり、転移か・・・・・

だが今度は周囲に張り巡らせた糸が彼女の行く先を教えてくれる
それにすでに予測もついている
初音は、彼女の転移先であろう、モールの出口めがけ、糸を振るった。
446長谷川虎蔵(M):02/03/28 02:41
>444 長谷川虎蔵VSコ・エンシャク エピローグ 
 
 そこかしこで噴煙立ち昇る魔都上海。
 崩れた建物から焼け出された人々の喚声、警察や消防の車が遅まきながら行き来する音。上海の今夜は長くなりそうである。
 宙天から倒壊しかけたビルの屋上へと、虎蔵は降り立った。懐から包帯を取り出し、片手だけで器用に左手があった場所へ巻き付ける。
 流石に苦鳴が洩れた。呻きながら、顔を死闘を繰り広げた辺りへ向ける。
 その時――。
 爛、と虎蔵の眼帯に覆われた左眼が光った。片方の眼も負けじと凄烈な色を帯びる。
 
「――あンの野郎。仕留め損ねたか。斬っても突いても焼いても死なねえだと。どっかのデブを思い出すぜ、畜生ッ」
 
 憎々しげに呟き、一転して苦笑する。
 
「ま、次殺る時はきっちりカタ付けてやるよ。お目当ての品はガメれなかった様だが――って、ああ!?」
 
 いきなり叫ぶと、虎蔵の右手は狂った様に懐中を探る。 
 無かった。暗器術で懐に仕舞い込んだ鞄は、煙の様に何処かへ消え失せていた。
 落とす訳は無い。ならば答えは只一つ。
 
「あああの野郎、何時スリ盗った!? 返せ戻せ糞ッ垂れェ!!!」
 
 
 〜劇終〜
447麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 02:43
>445 vs蜘蛛の人

 ねらいどおり、モールの出口付近の”空中"に転移!
どうせ地面にはイヤと言うほど罠を張り巡らせていたのでしょう。
空の上なら手薄なはず。それでも…、

 「ぁううっ!」
 こちらもがら空きではありませんでした。反射的に
シールドを張りましたが、転移直後のせいで出力が足りません。
”ないよりはまし”程度のそれと、とっさに急所をかばったおかげで
致命傷は免れましたが、無数の切り傷を受けました。

 (痛い、よぅ…)
 うめいている時間はありません。イベント会場周辺の
下見の記憶の中から、私は”使えそうなもの”を探り当てました。
なんとか彼女を、そこまで釣り出さないと…。

 失速したふりをして着地。周りの人たちがわっと逃げていきます。
 サイコヒーリングで少しずつ出血を止めながら、
地面にへたり込んだみっともない格好のままで、ずるずると後ずさり。
もちろん、それが彼女の嗜虐趣味を刺激することを考えに入れて、です。

 (追っかけてきてください。でも、できるだけお手柔らかに…)
448比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/28 02:53
>447
比良坂初音vs麻宮アテナ

アテナの悲鳴と血の匂いはそれなりに初音を満足させたが
まだだ・・・・まだこんなものでは満足できない
もっとだ、もっと血を、悲鳴を苦悶を味合わせてやりたい。
  
だが外に逃げられたのは誤算だった・・・・・騒ぎが大きくなる前に決着をつけないと
早く捕まえて嬲りたい気持ちを押さえながら、初音は人ごみにまぎれゆっくりとアテナに近づいていった
449長谷川虎蔵(M):02/03/28 02:53
我、雷牙雷母の威声を以って、五行六行のレス番を纏める。
千邪斬断、万精駆逐、雷威雷動便驚人。 
 
長谷川虎蔵VSコ・エンシャク 
 
>318 >323 >327 >333 >350 >355 >360 >364 >369 >377 >418 >423 >435 >440 >444 >446
 
神鳴るレス纏めを受けるがいい!!! 
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>428

 エリ殿の蹴りで吹っ飛ばされたタオは、空中で軽やかに一回転して体勢を立て直し、私の元に戻ってきた。
「ご苦労様、タオ」
 タオが私を睨み付けているが、気には留めない。
 
「さて…では、『なさけむよう』で行きますよ。よろしいかしら?」
 タオをそばに立たせ、身構えた。
「最後に立っていた者が、勝ちです」
 
 
 
(タオの独り言)
「…んじゃ、タバサさん達が相打ちだったらボクの勝ち?」
451麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 03:30
>448 vs蜘蛛の人

 ときどき立ちあがって、へたへたと走って、傷つけられて、
へたりこんで、後ずさって…。それを繰り返すうちに、目的の場所に
到達しました。狭い道路の突き当たり、二重ガラス張りの
オフィスビル。うまい具合に、中にはちょうど誰もいません。
 楽しみは長引かせようと、彼女も手加減したのでしょう。
出血と火傷は派手ですが、動くにはあまり支障ありません。

 私は演技の勉強をしたことがなく、また”小細工”のために、
表情ではなく、”背中の演技"に徹しました。ガラス張りのほうを向いて、
うなじから背中までじっとりと濡らしたままふるえます。

 「いやなの…いやなの…。死にたくないの…」
 表情がこわばっているのは、恐さではなく緊張のせい。

 ガラスに映りこむ風景であたりを確認。巻き込んでしまいそうな人は…いません。
 すぐそばに一台停まっていた軽自動車の、給油口の蓋をパワーでこっそり壊します。
他に危険物無し。大丈夫。うまくいくはず…。

 大きなガラス窓を向いて、私はふるえていました。彼女が
ゆっくり近づいてくるのが、ガラスに映っています。
この角度なら、彼女からは私の顔がほとんど見えないでしょうが。
もうすこし…もうすこし…。
452比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/28 03:44
>451
比良坂初音vs麻宮アテナ

初音は一定の距離を保ちながらアテナの後を追う
だが・・・・何か違和感を感じる。
大体こういう場合は人ごみにまぎれて逃げるものだ、それをわざわざこんな閑散とした場所に・・・・
それに傷こそ派手だが、彼女の力は未だ衰えてはいない。
他の人間を巻き添えにしたくないということか・・いや恐らくは罠だろう・・・・・
   
一旦足を止めて、周囲を見渡すが、少なくとも初音の知識で罠に使えそうなものは存在しない
だが、用心に越した事は無い
狩りというものは獲物を仕留めたと思った瞬間、得てして逃がしてしまうものだ
慎重に様子をうかがいながら、再び初音は足を進めた。
453麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 04:10
>452 vs蜘蛛の人

 (…かかった!)

 彼女をじゅうぶんに引きつけて、有視界テレポートでオフィスに飛び込みました。
机の下に隠れると同時に、細工した自動車に着火。
威力のコントロールをする必要がないのでこちらは簡単!

 ”がしっ!!”

 両手にパワーを収束させながら、そのとんでもない音を聞きました。
ガラスの破片をやり過ごして立ちあがり、視界の端に彼女を捉えて、
様子も確認せずに追撃!

 「サ、イ、コ、ボーール!」
 パワーを集めるだけ集めた大光球を叩きつけ、さらに、
 「サイコビーム!!」
 連射につぐ連射。両手での全力射撃、今の私なら毎秒十発は連射できるはず!

 「これで決まってええ!!」
 まったく手加減無しに、撃って撃って撃ちまくります。
もう立って来ませんように…!
454比良坂初音 ◆iOHATUNE :02/03/28 04:32
>453
比良坂初音vs麻宮アテナ
 
アテナの力の発動を感じ、初音がビルの方へ振り向くと同時に自分の目の前にあった
自動車が轟音と共に爆発。
とっさに全身を繭でくるもうとするが近すぎる、吹き飛んだ車のボンネットが腹部を直撃
粉々になったガラスの刃が全身に突き刺さる
激痛にのけぞる初音に今度は爆風と炎が襲いかかり、その衝撃で初音の身体が空中に舞いあがる。
  
そこへアテナの渾身の力を込めた大光球が炸裂し
さらに追撃のビームの乱射が初音の肉体に突き刺さる
初音の美しい身体が見る見るうちにぼろ雑巾のようになっていくがそれでもアテナは攻撃の手を緩めない
最初の大光球を受けたショックですでに初音が息絶えていることも知らずに・・・・・・

【比良坂初音、完全敗北 死亡】
455麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 05:43
>454 vs蜘蛛の人

 どれくらいの間、そうしていたのでしょう。
光弾の連射に疲れた私はとうとう、膝をつきました。

 ひどい有様です。
 ボロボロになってひっくり返った自動車、吹き飛んだガラス、
ずたずたのアスファルト。そして…。

 ”彼女"が、そこにいました。すでに身体の原型はなく、
ばらならになって散乱しています。

 私は無言で、それを拾い集めました。
気持ち悪い、とも思いましたが、自分でやったことです。
それに、こんな姿を人目にさらすのは、女であるこの人にとって
死んでも耐えがたいことでしょうから。

 私よりも女らしかった、この人。
 私を『とっても可愛い』と言った、この人。
 私を傷つけて、残酷に笑った、この人。
 私に誘い出されて、こんなところまで来た、この人。
 私が生き終わらせた、この人。

 変わり果てた”彼女"の前に正座して、私は言いました。
遺言も遺せずにこの世から消えたこの人へ、たった一言。

 「ごめんなさい」
456速水厚志 ◆kEnRaN.Y :02/03/28 05:49
『路地裏』
 
 深夜、人通りもまばらなこの路地を、さらに入った暗がりに、僕は足を踏み入れた。
 
 最近起こった連続猟奇殺人。
 新聞やテレビのワイドショーでは「現代に蘇った吸血鬼の仕業か?」なんて
煽り文句で語られたりしている。

 この事件の犯人がもし人間だったなら、それは警察に任せておけばいい話だ。

 でも、もしこれが、本当に吸血鬼の手によるものだったなら?

 それを止めるのは、本来彼らの相手をするべき僕達の仕事になる。

 そこだけまるで別世界のように静まり返った路地裏は、
咽返るほどの血の臭いに満ちていた。
 
 僕は、その臭いをたどり、暗く狭い路地裏の奥に入っていく。
 やがて目も暗闇に慣れた頃。僕はその臭いの元へと到達した。
 
 そこはただ一面に、赤い絵の具をぶちまけたような空間だった。
 
 その前衛芸術の中央には、だらしなく体を弛緩させたサラリーマン風の男と、
その首筋あたりにうずくまる、一人の少女。
 
 「あの、こんな所に一人でいると、危ないですよ?」

 その言葉に、彼女はゆっくりと振り返る。
 その口元は、口紅よりも真っ赤に染まっていた。

「…やっと見つけました。あしきゆめ、貴方は僕が止めます
 これ以上、悲しみを広めるわけにはいきませんから」

 僕は空中から火の国の宝剣を掴み取り、彼女を見据えた。
457麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 06:03
>455 vs”彼女" その後

 「…あっれ〜、どうしたのその髪!!」
 ばっさりと短くなった私の髪に、やっぱり理香ちゃんは突っ込んできました。

 「うん。なんでもないの。ほんとよ」
 私はいっしょうけんめいごまかそうとしますが、
それで納得するような理香ちゃんではないのです。
 「…あ、わ〜かった。ふふん、そ〜ゆ〜ことかぁ。…いやいや、
若いうちはよくあることだよ? 大丈夫、泣きたいときは、
この理香さんの胸でお泣きなさい。お〜、よしよし…」

 …理香ちゃんは、なにかとても大きな勘違いをしているようです。
 「ち、ちがうの!そんなのじゃなくて…」
 「いやいや、皆まで言うなかれ。そのうちあたしが、活きのイイのを
紹介してあげるから」
 「ちがうって! 理香ちゃん勘違いしてるよ!」
 私の声にまったく耳をかさず、理香ちゃんは私の頭を撫でています。
同級生なのに、理香ちゃんはいつも私を妹のようにあつかうのです。

 「…ほら、だいじょ〜ぶだって。落ちこまないの! あんたショートでも、
結構イケるよ。ま、決意の前に、あたしに一言相談して欲しかったところだけど」
 「ちがうのに〜! ちがうの! ちがうの!」
 「よ〜し、今度からは、何でもこの理香さんに相談しなさいね♪
ただし、お金のこと以外!」
 
 …理香ちゃんは、まだ私の頭を撫でています。
私はとうとう弁解をあきらめ、ふたり並んで学校へ歩きました。

 おだやかな毎日と、大好きな親友。
 このいつもの日常に、また帰ってくることができた幸運を、
胸の中で感謝しながら。


 (麻宮アテナ、生還)

458麻宮アテナ ◆FAIRySzU :02/03/28 06:20

 比良坂初音vs麻宮アテナ、レス番のまとめ、です。

>366>367>370>371>373>376>378>380>381>383
>384>385>386>387>388>389>438>442>445>447
>448>451>452>453>454>455

 その後 >457

 書き込み遅い私を、怒りもせずにつきあってくれた
比良坂さんに、胸いっぱいの感謝を捧げます。
vs速水厚志

わたしはただ毎日、人の血を吸って、昔の自分と同じモノを糧にして生きている。

そもそも、わたしは生きているのだろうか。

こんなに冷たい身体で、日に当たるだけで急速に死んでゆく身体で。

でも、わたしはここで止まるわけには行かない。

あの人に、会いたいから。
あの人と、一緒に行きたいから。

いつからこんなに、バケモノみたいになってしまったのか。

昨日はたくさんの人の血を吸った。
今日もたくさんの人の血を吸った。
明日もたくさんの人の血を吸うのだろうか。

そんなことを考えながら、今日の最後のエモノの血を吸い終わったとき
唐突に声をかけられた。

「あの、こんな所に一人でいると、危ないですよ?」

見られた!?でも、それなら殺せば良い。

ヒトを殺すなんてことは、案外あっさりしたものだ。

そう思い、わたしは振り返る。

なんだ、少年じゃないか。
わたしと歳もそうかわらないだろう、こんなところに居るにはあまりに不釣合いな少年。

「…やっと見つけました。あしきゆめ、貴方は僕が止めます
 これ以上、悲しみを広めるわけにはいきませんから」

その少年はなんだかわけのわからないことを言うと
宙に手を伸ばし、炎で出来た剣を取り出した。

この人もバケモノ、わたしとおんなじ。

「だったら―――少しは楽しめそうだよね。」

わたしは両手で掴んでいた男の人の身体を投げつけると
低い姿勢から飛びこみ、彼の喉元に突きを繰り出した。
460速水厚志 ◆ClPREuHI :02/03/28 06:53
『路地裏』
>459
 少女は、先程まで口にしていたものを思いっきり僕に投げつけると同時に、
喉元に向かって鋭く手刀を繰り出してくる。

 人間以上の力で乱暴に投げつけられたそれは、凶悪なスピードで僕に迫り、
この距離ではかわす事は難しいかもしれない。
 
 だからといって、このままいけば僕はこの人間弾丸を食らっただけで
あの世に行ってしまうだろう。

 しょうがない。

 僕は心の中で飛んでくるそれに謝って、手の中の宝剣を一閃させた。
461速水厚志 ◆kEnRaN.Y :02/03/28 07:18
『路地裏』
>460 (5>C)
 飛んできたサラリーマン風の男だった何かを真っ二つに切り裂くと、
もうすぐ目の前に彼女は迫ってきていた。
 
 吸血鬼の身体能力というのは、もちろん人間以上だ。
 彼女もその例外に漏れず、恐ろしいスピードで迫ってきている。

 間に合うか?

 僕は思いっきり手をあげ身を捻り、何とか彼女の突きを回避すると、
そのまま突き出された腕を抱きこんで、右の拳を彼女の鳩尾に
渾身の力を込めて叩き込んだ。
462速水厚志 ◆kEnRaN.Y :02/03/28 07:18
>461
あはは、すいません逆です…。

(5>C)→(5<C)ですね。
463弓塚さつき(M):02/03/28 07:43
>461
vs速水厚志

獲った、そう思っていた。

しかし少年は、わたしの投げたニンゲンをいともあっさりと斬り裂いた。

あぁ、やっぱりこの人もバケモノなんだ。
そんなことを思いながらも、繰り出した手は止まらない。

油断していた。
正直しくじったかもね…。

少年は上体を攀じりわたしの突きをかわすと、わたしの腕を抱え込む。
次瞬、少年の手が人間とは思えないほど正確に、わたしの鳩尾を貫いた。

人間とは思えない、か。やっぱり、油断してたかな…。
女の子のお腹を殴るなんて、最悪だよ………なんて、ね。

そんなどうでも良いことを考えながら、わたしの意識は落ちていった。
464速水厚志 ◆kEnRaN.Y :02/03/28 07:45
『路地裏』
>463
 短い苦悶の声の後、ぐったりと倒れこむ彼女を受け止める。

「これで一件落着…かな?」

 誰に言うでもなくそう呟いた直後、唐突に思い当たった難題に、
僕は一人、頭を抱えた。

 さて、僕が彼女を連れて帰ったら、舞は一体なんて言うだろうか?
>354  
壊れ魔女 VS 脳腐れゾンビ …そして不思議執事 『血塗れの遁走曲』
 
 
「―――キャハハハハッ!!」
 
これから自分がやろうとしていることを考えると、ヴァージニア・13の口からは
知らず知らずに笑いが漏れる。笑わなければやってられない。
 
逃げることが適わないなら、玉砕するまで。
 
面白みの無い上にありふれた回答だが、V13の導き出した答えはそれだった。
人格が劣化しているわりには、まともな答えだとも言える。

事は単純、あの劇場に溢れかえっているであろう大量の怨霊に自らの魂を投じ、
触媒として作用させれば良いだけの話だ。
 
魔女の魂は地獄に縛られている。指向性を持たされた怨念は空間の壁をこじ開け、
そこを地獄と直結させる現象――いわゆる『奈落堕ち』だ――を引き起こすだろう。
 
とは言え、正統な呪式の手順を踏んだわけでもなく、贄の絶対数も足りない。
魔孔の規模は小さく、さらに世界の修正を直に受けるため、開孔している時間もコンマ数秒となるだろう。
 
だが、『人間大の生き物』を滅ぼすにはそれで十分。
 
何にしても魔女の魂は『どの道地獄行き』だ。
今、この場で地獄に行くとしても、早いか遅いかの違いでしかない。
ましてやV13は廃棄処分寸前に抜け出した個体だ。減価償却はとっくに済んでいる。
もう十分ゴミとして存在した。ならばゴミとして朽ちるのが似合いだろう。
 
―――さて、後は二人をおびき寄せるだけ……
と、V13はそこまで思考して異変に気が付いた。二人の気配が消えている。
 
「ひあ?」などと間の抜けた声を上げて周囲を見渡すが、それらしい人影も騒ぎも見当たらない。
 
いや、異常はあった。人の波が大きく割れて道を作り出している。
まるで『誰か』あるいは『何か』異常なものが通り過ぎたかのように。
 
「……ふぅ」
V13は嘆息する。なぜならその道はV13の向かう方向――劇場――に向かって続いている。
「キャハ、何もかもお見通しってワケ? キャハ、キャハハハッ!!」
 
苦笑しようとしたのだろうが、あいにくそんな複雑な感情を表現できるようには作られていない。
逃げたところで、どこからともなくあの執事のような男は出現するのだろう。
そんな確信だけはあったので、V13は足が鈍るのを自覚しながらも
その道をたどり、劇場に向かうことにした。
 
もはや、何の救いも無いことは分かっていたが。
>314 アーカードVSアベル・ナイトロード
 
 アーカードの群れが押し寄せる。
 銃を乱射し、牙を打ち鳴らし、足音を不気味に響かせながら。
 
 その先に居たモノは、堕天使だった。
 紅く染まった眼は無感情にアーカードを睨みつけ、
 漆黒の翼は天を闇で覆うかのように広がり、
 両の腕には自らの身長ほどもある鎌を携えて、
 
 ただ、無造作に翼を振るった。
 
 それだけだ。
 ただそれだけの動作で、『アーカード』が真っ二つに千切れとんだ。
 それはまるで、神が断罪の剣を振り下ろしたかのような光景。
 それがスパークギャップ衝撃、と呼ばれる現象によるものであるとアーカードは解ったであろうか。
 ともかく、その一撃は闇の群れを切り裂いただけに留まらず。
 ホテルの最上階をも粉砕した。
 ホテルを取り囲む、人、人、人。
 その人垣の一角に、一人の尼僧の姿があった。
 彼女――エステル・ブランシュは、上を見上げながら、
「神父さま……首尾はどうです?」
 ペンダントに偽装した、小型の通信機に向かって問いかける。
 持ち込んだ発煙筒で火事を装って、ホテルの泊まり客や従業員を退避させたのがつい先程のこと。
 順調にいっていれば、既に片がついていてもおかしくはない頃なのだが――。
 返事はない。
「……神父さま?」
 ――返事は、ない。
「……故障かしら?」
 
 次の瞬間。
 ホテルの最上階が消し飛んだ。
「……!?」
 大小の瓦礫が落下し、人垣が悲鳴をあげて後退する。
 だが、エステルは下がりもせず、
「あれは――」
 上を見つめる。
 赤を経て、闇に染まりかけた空。
 そこにちらりと見えた、悪魔のような、堕天使のような影。
 ――気付いた時には、既に行動していた。
 周囲の誰何の声を振り切るように、ホテルの入り口へと駆け出してゆく。
(神父さま――――!)
468アーカード ◆ARCARDr. :02/03/28 22:26
>365>368>372 アーカードVSファントム
 
 初弾はかわされた。
 いや、砕いた柱の破片が足にダメージを与えはしたようだが、直撃はしていない。
 現に、少年は未だ鈍くなったとはいえ行動を続けている。
 
 すかさず引き金を引き絞って次弾を送り出すアーカード。
 だが、それは狙いを大きく逸れて、全く見当外れの方へと飛んでいった。
 いぶかしげにジャッカルを見やり、そして納得した。
 
「なるほど、コレではもはや使い物にならんな」
 
 酷い有様だ。
 炎による熱で銃身が歪んでいる。
 その為に銃弾は狙った通りには飛ばなかったのだろう。
 それだけならば、吸血鬼の超感覚で補うことは可能だ。
 
 しかし、開いたまま戻らなくなったスライドは問題だ。
 どうやら、熱でガンオイルが焼き切れたらしい。
 これでは到底使い物にはなるまい。
 
「……コレを狙っての行動だったのか? だとしたら見事と言わざるを得んな」
 
 『不死の王』の両手から牙を二本とももいでみせたその手腕……確かに驚嘆に値する。
 それほどの事、どれだけの人間が成し遂げられるだろうか。
 だが、人間が化物を打ち倒すにはそれですら不足なのだ。
 
 何故なら、肉食獣は牙がなくてもその四肢で、爪で狩りをすることができるのだから。
 
 床を蹴り、走り出す。
 炎の海を突っ走りながら、少年が出ていった裏口を目指す。
 その途中でジャッカルは放り捨てた。
 人間を狩るには、この両の腕さえあればいい。
 
 裏口を出て、少年を視認した。
 向こうも敏感にこちらの気配を察したらしく、振り向き様に銃口を向けている。
 それに一切頓着せずに、少年へと駆けていく。
 
「さぁ、コレで打つ手がなければ王手詰み(チェックメイト)だ少年!」
 
 何処か浮き立ったような声で宣言しながら走り続けた。
469エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 22:50
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
 
>450
「最後に立っていた者が、勝ちです」
 魔女、いやタバサはなかなかワクワクすることを言ってくれた。
「ひっさびさね、殺し合いじゃない戦いは」
 あたしは軽く構えると一気に間合いを詰め、右フック、左バックナックル、右アッパーカットのコンビネーションを繰り出した。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>469
 
「…ふっ」
 私は薄く笑いながら、そばに立っているタオの首根っこを掴み、構えた。
 
「ひゃんっ!」
 エリ殿の打撃を受け、タオが妙な声をあげる。
何だか嬉しそうだ。
「嬉しくな〜いっ!」
 タオが何か言っているが、聞こえないふりをした。
「さて…この万能シールド、貴殿に破れますか?」
471エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 23:12
>470
 ヒデェ、コイツ盾にしたよ。しかも、
「さて…この万能シールド、貴殿に破れますか?」
ときたし。
「上等」
 あたしは腰に手をやり、トンファーを握り締めた。
「ガードブレイクまでノンストップよ!」
 ただひたすらひたすらど突きまくる!!
472吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/28 23:17
>368 >372 >468 アーカードvsファントム

デザートイーグルを発砲しながら銃撃を避ける為に走る!
痛みをは途中で意識から切り離す、流れる血も気にする余裕は無い。

しかし、その奴の手に銃は無く……。

突然! 奴が尋常では無いスピードで迫って来る!

「ナニッ!?」

迫り来る奴の手刀、考える余裕も無くデザートイーグルを手放し、とっさに身を沈める。
疾風のような奴の抜き手が肩口を引き裂き、俺の上を通過する!
俺はその腕を追うように両手を

「添え!」「掴み!」「捻り!」

奴の勢いを利用したまま胴体に腰を当てて持ち上げ!
痛みを切り離した左足で更に高く跳ね上げる!!

「うおおおおおぉぉぉぉ!!!」

奴の腕を奇妙な方向にへし折り!

頭から地面に叩きつけ!

その頭部に上から膝を叩き込んだ!!

そのままゴロゴロと転がって奴から離れる。
なぜこんな事ができたのかは判らない、ただ銃を手放さず撃つだけでは奴は止められず
俺は確実に刺し貫かれていただろうと言う事だけは確信できた。

これが、奴のパワー、スピード……、今までの奴は一体何だったのか!?

俺は奴にただいたぶられていたに過ぎないのか!?

先程までの恐怖とは違う、怒りが……、 俺の中にふつふつと湧き上がりつつあった。
左足の激痛も、肩から滴り落ちる血の事も忘れて……。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>471
 
「よっ、ほっ、やっ!」
 ただ食らうだけと言うのもしゃくなのだろう。
私に首根っこを掴まれながらも、タオは見事にエリ殿のトンファーを捌いていく。
 もちろん私もただ防戦に徹するつもりはない。タオを盾にしながらじっくりと隙をうかがっているのだ。
…そうは見えないとか言わないで下さい。
 
「…今っ!」
 トンファーを振り上げた、ほんの僅かな隙。
私はタオを放り出し、左右の手による引っ掻きを繰り出した。
474エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 23:27
>47
あたしは遮蔽物から覗き見てこいつがどうする気か悟った。
「やば・・・」
ピンを抜いてグレネードをその場に落とし、真っ直ぐ走る。
 
「コイツを倒すには機銃を黙らせる必要があるわね」
 なんて考えつつ。
【二人の絆】
 〜導入〜
 
ここ最近、ニューヨークで起こっている連続婦女誘拐事件。
昨晩の被害者でこれで10人にもなる。痕跡も残っておらず、犯人の足取りもつかめない。
 
そんな中、一つの証言がもたらされた。
 
『一人の女性が、まるで何かに魅入られたかのように何者かについて行った。
 そう、ハーメルンの笛吹きの歌に惑わされたように。』と。
 
その証言が得られた現場から、微弱ではあるが妖魔、あるいは悪魔とおぼしき者の残した痕跡が見つかったという。
そこに来て、ようやくマグダラ修道会に仕事が回ってきた。
 
そして、その任務に当てられたのが私、ロゼット・クリストファとクロノの二人である。
 
「しっかし・・・・被害者はみんな女性なんでしょう?
 何で私みたいな『か弱い乙女』にこんな任務回すのよ・・・・・。」
「か弱いってところは同意しかねるけど。
 しょうがないと思うよ。組織って言うのは、そういうものだからさ。」
「・・・・・・あんた、今、さりげな〜く何か言わなかった?」
「別に?」
「ぐぬぬぬ!!この悪魔!!」
「いててててて!!うめぼしグリグリはやめ・・・・・!!」
 
私が、見回りをしながらいつものようにクロノに『お仕置き』をしていた時。
 
「・・・・・・?!ロゼット!!」
「・・・・何よ?」
「感じないか・・・・何か・・・・近づいてくる。」
「・・・・・・・!!まさかッ!!」
 
私は、ホルスターから銃を抜く。クロノも、背負ったパックを地面に下ろす。
 
『コツ・・・・・コツ・・・・・コツ・・・・・コツ・・・・・』
 
通りの向こうから、足音が聞こえてくる。
私達の前に現れたのは、一人の女性。
それはまさに『美女』を体現したとしか言いようのない存在。
その女性の口の端が、一瞬ふっと持ち上がった。
476HMX-12(贄) ◆SLaVEnwg :02/03/28 23:37
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>382
要蜘蛛の…足止めは…上手くいったみたい………

何度か聞こえた爆音と、燻っている粘糸の網に不安が募ったが…
階段そばの女は肩で息をし、疲労の色も見て取れる。これなら……

「…追いつきました……もう……逃げられませんよ……」

牽制の繭玉を女の足元目掛けて放ち、ゆっくりと近寄る。
にっこりと微笑み、目前の女に諭すように話しかける。

「……大丈夫です……何も…怖いことはないんです…」
「…ただ…少し眠るだけ………目覚めたときは……お友達…」

…逃げられなくしてから……その身体に…火種を…入れてあげよう…
…この子は……どんな表情で……どんな声で…鳴いてくれるだろう…?

「……まずは…足を…………もう……逃げられないように……」

タン と床を蹴って急速に近づくと、上半身を捻る。
振り下ろした腕から硬糸の鞭が地を這うように放たれ、女の足元を横薙ぎに払う。
477エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 23:37
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>473
 
 ガード砕き中の隙を突かれ、タバサの引っ掻きを喰ったがこの程度どうということはない。
 むしろガードを外してくれてありがとうってところだ。
「んにゃろ!」
 この隙に左ミドルキックでわき腹を狙う。
人生を楽しむコツは、好奇心を持つことだ。 
たとえば、ビールを飲ませながら育てた牛は美味しいという話。 
では、ビールを飲みまくっている酔っ払いはどうか? 
 
「不味い」 
 
それが結論だった。 
 
 
内蔵に頭を突っ込んで行儀悪く肉を食らっていたゴースト――≪元≫黒川 丈は、溜息をついた。 
基本的に好き嫌いはあまりないのだが、見た目も味もこれは酷い。 
 
「……いや、アンタには悪いと思うけど、流石に食べきれねぇわ。すまん」
 
内蔵を剥き出しにし、空を睨みつけながら動かない中年男に軽く手を合わせると、懐を探って財布を取り出す。 
 
彼、ゴーストの体を構成する細胞はアザゼルと呼称されるウイルスの影響を受けている。
変質したその細胞はひたすら進化しようとし続け、維持の為には莫大な熱量……すなわち、
大量の肉を食わねばならない。 
 
「で、金が無いから人を食い、と」 
 
節をつけて鼻歌を歌いながら財布の中身を取り出す。 
ペラペラと血塗れの指で札を取り出し、ニタリと笑った。  
 
「おお、結構入ってるな……これだけあれば2、3日は人間食わずに済むか」
 
その瞬間、彼の鋭敏な――人間の可聴範囲外の音も聞こえる――聴覚は足音を捉えた。 
479黒川丈【ゴースト】:02/03/28 23:40
(>478の訂正)

人生を楽しむコツは、好奇心を持つことだ。 
たとえば、ビールを飲ませながら育てた牛は美味しいという話。 
では、ビールを飲みまくっている酔っ払いはどうか? 
 
「不味い」 
 
それが結論だった。 
 
 
腹部に頭を突っ込んで行儀悪く肉を食らっていたゴースト――≪元≫黒川 丈は、溜息をついた。 
基本的に好き嫌いはあまりないのだが、見た目も味もこれは酷い。 
 
「……いや、アンタには悪いと思うけど、流石に食べきれねぇわ。すまん」
 
内蔵を剥き出しにし、空を睨みつけながら動かない中年男に軽く手を合わせると、懐を探って財布を取り出す。 
 
彼、ゴーストの体を構成する細胞はアザゼルと呼称されるウイルスの影響を受けている。
変質したその細胞はひたすら進化しようとし続け、維持の為には莫大な熱量……すなわち、
大量の肉を食わねばならない。 
 
「で、金が無いから人を食い、と」 
 
節をつけて鼻歌を歌いながら財布の中身を取り出す。 
ペラペラと血塗れの指で札を取り出し、ニタリと笑った。  
 
「おお、結構入ってるな……これだけあれば2、3日は人間食わずに済むか」
 
その瞬間、彼の鋭敏な――人間の可聴範囲外の音も聞こえる――聴覚は足音を捉えた。 
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>477
 
「つっ…!」
 わき腹に蹴りが食い込む。
「この、程度で…終わる私ではありません!!」
 苦痛に顔を歪めながらも、肩口から突っ込んだ。
481淫藤宗光/ヒトラー:02/03/28 23:46
>207続き vsリロイ&ラグナロク

リロイを前に、ヒトラーは大仰な身振り手振りを交えつつ演説を開始した。

いかなる秘術によるものか、切り落とされたはずの右腕は再生されている。

場所と時こそ違えど、それはかつて彼が錯綜するライトとワーグナーの調べを
背景に拳を振り上げ、百万の聴衆に怒号したナチス党大会の再現であった。

「かつて、余は一敗地にまみれた。運命は余に利さなかった。機もまた熟さずに
 いた。それでも、余は戦ったのだ。世界の――人類の発展と進化を夢見て。

 遺憾ながら五千万人以上の死をもってしても、人類は“超人”へと進化
 できなかった。

 その結果はどうだ!! 進化し得なかった人類は、“闇の種族”の跳梁を許し、
 今も“闇の種族”に怯える日々を過ごしておる。今こそ、地球的規模の大変動
 を起こし、人類を“超人”へと進化させる時なのだ。

 恐竜が滅んだ後、哺乳類が台頭したように、進化には大いなる滅びという
 大変動が不可欠なのだ。この封印の破壊による災厄により、人類は淘汰される。

 “超人”になる資格の無い者は滅び、選ばれた一握りのものは格段の霊的・肉体的
 進歩を遂げ“超人”へと進化する。“超人”は必ずや“闇の種族”を滅ぼし、
 この地上に“超人”の千年王国を現出せしめるであろう。

 さて、礼はここで終わりだ。大暗黒界(クリフォト)の深淵(アビス)で“超人”
 の出現を見とどけるが良い。最後に余の高邁なる理想を知ったことに感謝
 することだな」

 リロイの心臓に向け、“パラケルススの死矢”が放たれた。


482エリ ◆Eri.06RI :02/03/28 23:54
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>480
「しまった!」
 蹴り足を戻す前にタバサの突撃を受けてあたしはバランスを崩し、背中から転んだ。
 が、素早く起き上がる。そして足払いを繰り出した。
483アセルス ◆AseLLUSs :02/03/28 23:56
>475 アセルスVSロゼット&クロノ
 
この街で寵姫を集め始めて、幾日が過ぎただろうか・・・
私の目にかなう、美しい娘達・・・みな、私についてきてくれた。
 
そして今宵も、まだ見ぬ彼女を、そしてその血を求めて夜の街を歩く。
 
 
・・・そこへ、なにやら騒がしい声が聞こえてきた。
見ると・・・修道服を着た少女と少年の二人組が歩いてきた。
 
さすがに、派手に動きすぎたか・・・彼女達はどこかの対魔機関のものだろう。
だが・・・聖職者。ああいった娘こそ、堕としがいがあるというもの。
 
私はあえて、彼女達の前へと歩いていった。
 
「ふふ・・・こんばんは。どうしたのかなこんな時間に?
・・・もしかして、お目当てはこの私?」
484黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/28 23:59
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>476 
 目の前のメイドロボは気弱な態度でその実、ひどく物騒なことを言ってくる。
 正直、あんな風になるなんて死んでもお断り。
 
 メイドロボが一足飛びに、私に接近し、糸で出来た鞭で私の足を狙う。
 
「……誰が、あなたの思い通りになるのよ!?」
 
 私も横っ飛びに飛び、回避を……
 
「……痛っ!」
 
 ザックリと左の太ももが斬られた。
 矢張り、視認しにくい攻撃はかわしづらい。
  
 メイドロボまで若干、距離が開いている。
 踏み込んで攻撃するとカウンターの恐れ。
 とはいえ、この足じゃ間合いをとって逃げるのも難しいだろう。
 
 ならば……
 
「Feiot――――!」
 
 右手から、詠唱と共に火の玉を飛ばす。
 これで仕留められるとは思っていない。
 
 けど、ひるんでくれればそれでいい。
 その間に逃げる。
 
 メイドロボがひるんだ一瞬に階段を駆け下りる。
 ……だけど、そこまでだった。
 足の傷が開いて、走れなくなってしまった。
 
「こんな時にっ!」
 
 毒づきながら、ハンカチでギュッと太ももをしばり止血を試みる。
 はあ……、でも、とても逃げられることはできなさそうだ。
 
 どうするか?
 残された手はあのメイドロボの殲滅。
 打つべき最良の手で仕留めないと……
 
 一階の廊下を進みながら、ただ考える。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>482
 
「くっ!?」
 突っ込んだ勢いから回復する前に足払いを受け、私は転倒した。
「なかなか…やりますね」
 立ち上がり、歯をむき出して笑ってみせる。
「ここは…『アレ』を出すしかないようです…」
 バックステップで鞄の方に戻り、中身をあさり始めた。
「これから変身するので、しばしお待ちを…」
486エリ ◆Eri.06RI :02/03/29 00:07
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>485
「これから変身するので、しばしお待ちを…」
 と、タバサは言った。
「・・・は?」
 ここで攻撃してもよかったのだが今のままではあまりに他愛もない。どうせ殺し合いじゃないんだから少しぐらい待ってやろう。
「早くね」
 待つ間あたしはチューインガムを膨らましていた。
>483 アセルスVSロゼット&クロノ
【二人の絆】

『ふふ・・・こんばんは。どうしたのかなこんな時間に?
 ・・・もしかして、お目当てはこの私?』
 
余裕かましてくれちゃって・・・・・・!!
その女性は、笑みをたたえたまま私達の前に立ちふさがる。
 
「ええ、そうよ!あんたね、最近女性ばかり狙っている奴は!!
 答えなさい!彼女達はどこ?!あんたの目的は?!」
 
そう言いながら銃口を彼女へと向ける。
 
『怖いわね・・・そういきり立たないで?
 私は、貴女と殺しあうつもりなんてないんだから。』
 
そう言いながら、彼女は私に向かってふっと微笑みかける。
・・・・・この!!
一瞬、彼女のその微笑を見てどきり、と心臓が高鳴った。
 
・・・・・・・・?
 
な――――これ――――――
 
ここに来て、私はようやく自分の体がおかしいことに気がついた。
胸が、苦しい。動機が激しくなる。顔もなんだか少し火照っているようだ。
 
「・・・・な、これって・・・・・。」
「・・・・・ロゼット?!」
 
クロノが私の体を揺さぶる。
しかし、今の私はそんなことに気がつけるような状況では・・・・・・。
 その場を通りかかったのは、当然の事ながら偶然だった――
 
「――――これは」

 着装者の動きに会わせて、がちゃり、と黒い拘束服――モールドが音を立てた。
 
 目の前に、内蔵をむき出しにされているひとつの死体が転がっていた。
 そして――すぐ側にいるのは、上半身を血にまみれさせている一人の男。
 両者から等しく漂ってくるのは、鼻を突く内蔵の臭いだ。
 
「……これ――あんたがやったのか?」
 
 見れば分かることを、思わず訊いてしまう……まさか道ばたで、肉食獣よろしく
人間を貪り食っている光景に出くわすとは、夢にも思わない。
 
 呟いた瞬間、ふと思い出す。最近話題の大量行方不明事件。その被害者が――
全て、こうやって食われていたのだとしたら?
 
 どうやら。また、厄介なことに出くわしてしまったらしい。
 
「……勘弁してくれ、おい」
 
 そんなことを呻きながら、腰に差してある大口径リボルバーに静かに手を伸ばす。
 このまま、逃げ出してくれるとありがたいんだが、などと思いながら。
(>448に追加)
>479 VS黒川丈【ゴースト】
490黒川丈【ゴースト】:02/03/29 00:12
>488 
 
「偶然通りがかった……って言っても、この格好じゃ信じてくれそうにねぇな」 
 
苦笑して、頭を掻く。 
野性味溢れる男の表情は、こんな場所でなければ酷く魅力的にも見えただろう。 
だが、シャツは血塗れ。 
手も血塗れ。 
顔の下半分も血塗れという有様では、愛嬌を出すにはちょいとばかり無理があり過ぎる。 
  
「オサラバした後で顔を変えてもいいんだが、この顔にはこれで愛着もあるしな。  
 ま、いい。今は腹いっぱいなんで、アンタは食わずにいてやるよ」 
 
そういうと立ち上がり、自分の顔の前に手を上げた。 
指先は何時の間にか変質し、硬質の輝きを得て、鉤爪に近いものとなっている。 
 
「心配すんな。痛いのは一瞬さ」 
 
指の先から、体液が一滴落ちた。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>486
 
「え〜っと…アレは何処に行ったか…」
 ごそごそと鞄の中をあさりながら、余計な物を外に放り出していく。
怪しげな魔道書やら地球外生命体やら、その他諸々が文字通り山と積み上がる。
 
「…あった!」
 私は目的の品――白衣を引っ張り出して羽織った。
「さて、と。…エリ殿、トイレは済ませましたか? 神様にお祈りは? 部屋の隅でがたがた震える心の準備はOK?」
 帽子を取り、前髪に櫛を入れて片目を隠してから、私は静かに言った。
>490 VS黒川丈【ゴースト】
 
 一瞬にして鉤爪に転じた男の指先に反応するように、レイオットもまた銃を引き抜いていた。
 
「すまんが――痛いのは嫌いでね。一瞬でも遠慮したい」
 
 苦笑しつつ呟く。同時に、一歩だけ後ろへ移動。鈍く輝く威圧的な銃身が、その銃口を男へと向けていた。
 普通の人間であれば、これを見た時点で怖じ気づくのだが。
 
 目の前のそれに対しては、そんなことはまったく期待できない。
 
 だから――欠片も躊躇せずに、引き金を引いた。轟音が二回。
 同時にたたき出された.45MAG弾が、鉤爪を掲げる男に向かい、猛烈な速度で襲いかかった。
493HMX-12(贄) ◆SLaVEnwg :02/03/29 00:23
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>484
『Feiot――――!』

鞭を振るい、無防備となった背中に強い圧力。

「きゃっ……!」

不意に突き飛ばされ、床に背中を打ちつける。

「痛っ………!?……え……?…熱っ…!?…」

背中が燃えている?
あわてて床を転がり消し止めると、背中をおさえ立ちあがる。

「…火の玉…?……もしかして…」
「…網を焼いたのも…さっきの爆音も…?…」

…術の…一種…?……まやかしも…効かなかったし……
…やっぱり…ただの人間では…ないんですね…?…

慎重に、階段を覗き見る。――床にポツポツと紅い点。
鞭の斬撃は皮を切り裂き、予想外の深手を追わせたようだ。

「でも…手応えはありました…ね……」

急ぐ事はない…結界―巣からは、誰も出ていないのだから…

階段の手すりを飛び越え、階下に身を躍らせる。
 
494エリ ◆Eri.06RI :02/03/29 00:24
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>491
 ドラえもんよろしく鞄の中身をばら撒き、ようやく準備ができたようだ。
「いつでもオッケイよ。さぁ、今度はどんな手品を見せてくれるのかな?」
 あたしは用心して一応軽く構えておいた。
495アセルス ◆AseLLUSs :02/03/29 00:27
>487 アセルスVSロゼット&クロノ
 
修道服の少女の様子がおかしくなった。
・・・いや、私には至極当たり前のこと。彼女は私に魅了され始めたのだから。
いかに神に仕える身だとしても、私の魅了に抗える娘などそうはいない・・・
 
「ふふっ、こうして見るとなかなかかわいいね。
・・・名前は?」
 
歩み寄りながら、私は彼女に尋ねる。
 
『あ・・・ロゼット。
ロゼット・クリストファ・・・』
「ロゼットだね。私はアセルス・・・
君を、迎えに来たんだよ」
 
私は、彼女―――ロゼットの傍らにいる少年を押しのけながらそう言い、
彼女の顎を持ち上げ・・・
 
 
―――唇を、奪った。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>494
 
 ニィ…。

「では、行きますよ…」
 右手を天に伸ばし、指を鳴らす。
「来なさい! ガンダ…もとい、世○征○ロボ!」
 
 
 何処からともなく巨大なロボットが飛来した。
 
 
「はっ!」
 タオの手を握り、大きく跳躍してロボの頭部に着地する。
 
「ふふふ…ロボ、レーザー準備!」
 私の呼びかけに応じて、ロボの腹部が開いた。
「さあ、今なら降参できますよ…ふふふ…はははははははは!」
>495 アセルスVSロゼット&クロノ
【二人の絆】
 
体調のおかしくなった私をお構いなしに、彼女はこつこつと音を立てながら私たちの目の前に立つ。
 
「・・・・・・ッ!!」
 
クロノが彼女に何か言っている。しかし、何故かそれが聞き取れない。
 
『ふふっ、こうして見るとなかなかかわいいね。・・・名前は?』
 
そのくせ、彼女の言葉だけがやたらにはっきりと聞こえてくる。
 
「あ・・・ロゼット。ロゼット・クリストファ・・・。」
 
私は、なぜか躊躇いもなく自分の名前を口に出していた。
 
『ロゼットだね。私はアセルス・・・君を、迎えに来たんだよ』
 
迎えに・・・・?私を・・・・・?
もう、私には彼女の顔しか見えなくなっていた。
心臓の鼓動はこれ異常ないくらい高まっている。
 
―――――――次の瞬間
 
「んんっ?!」
 
私の口は、彼女の口でふさがれていた。その・・・・いわゆるキスというやつである。

「ん・・・・んん・・・・・!!ん―――――」
 
なぜか、そのときの私は抵抗するという考えが浮かばなかった。
もっと・・・こうしていたい。この溶けるような感覚を味わっていたい。
そう考えることしかできなくなっていた・・・・・・。
 
(ロゼット・魅了状態)
498黒川丈【ゴースト】:02/03/29 00:39
>492 vsレイオット・スタインバーグ 
  
 
銃弾で体を抉られ、衝撃で少しよろける。 
だが、それだけだ。 
腹に入った弾による大穴は、一瞬で完全に塞がる。 
千切れた左手は…… 
 
「って待て、オイ」 
 
千切れたまま、足元に横たわっている中年男の死骸に向かって指で這いずり、
手のひらに新たに作り出した口を使って肉を噛み千切る左手をひょいと持ち上げ、切断面に当てる。 
 
「やれやれ。……っと、待たせたな」 
 
呆気に取られたレイオットに振り返り、不敵な笑みを浮かべる。 
 
「殺し合いってのは嫌いじゃねぇ。遠慮せず何でも使いな。俺も遠慮はしねぇ……」 
 
すぅ、と僅かに腰が落ちる。 
その体にたわめられた力が弾ける一瞬前。 
 
「進化した人間の姿、たっぷり見せてやるよ!」 
 
叫び、突撃を開始した。
>207>481
淫藤宗光・ヒトラーVSリロイ・ラグナロク
 
光の煌めきを確認し、リロイが振り向いた時には、既に手遅れであった。
回避する暇すら与えられず、リロイの四肢は光の矢に貫かれ、
壁に無様に磔られた。
 
そして、その所業を行った張本人が、悠然と佇んでいる。
先刻、確かにその命を止めた筈の男。
だが、その形相も体付きも、声すらも先程とは違った。
否、これまでもたびたび青年に被って現れた影。
中年の、憎しみと欲望に満ち満ちた髭面の男の顔が、そこに体現されていた。
 
「宗光を殺し、余――アドルフ・ヒトラーの完全なる復活の手助けを
 してくれたことに礼を言おう」
男ははっきりと、そう言った。
何と言うことだ。あの青年は、この男―アドルフ・ヒトラーの依り代に過ぎなかった。
その肉体から、私達はわざわざ彼を解き放ってしまったという事か。
 
そして、アドルフ・ヒトラーの大層な演説が、幕を開けた。
奇妙な威圧感とカリスマを備えた男は、その天武の才を発揮し、
自らの偏った超人思想(ツァラツゥストラ)を語っていく。
 
「さて、礼はここで終わりだ。大暗黒界(クリフォト)の深淵(アビス)で“超人”
の出現を見とどけるが良い。最後に余の高邁なる理想を知ったことに感謝
することだな」
 
話の最後に、ヒトラーはこう付け加えた。
そして、手に持つボウガンを、大げさな動作で構える。
だが、彼は、その大層な理想とやらを話すのに、余りに時間を掛けすぎた。
その間に、リロイが抜け出す隙は充分にある。
貫かれた四肢、その全ての筋肉を収縮させ、矢をがっちりと咥え込む。
そして、手を壁につけて、ゆっくりと膂力を込めていく。
演説の間に、下準備は整っていた。
 
男がボウガンを構えたと同時に、リロイを貫いていた光矢が、そのまま
深く突き刺さっていた壁から抜け出す。これでリロイの両腕は自由になった。
 
閃光が走り、ボウガンから矢が放たれる。
その狙いは寸分違わず、リロイの心臓を目指している。
だが、その前にリロイは身を捩り、狙いを外した。
光の矢は心臓ではなく、リロイの右胸に突き立った。
鮮血が迸り、リロイが一際大きな血塊を吐き出した。
傷口と、口の端からどす黒い血を滴らせつつ、リロイは唸るように言った。
 
「言いたい事は、それだけか? ヒゲ」
500黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/29 00:42
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>493
「……そうね、ここにしましょう」
 
 わたしは一つの教室に入った。
 都合よくカーテンも閉まっており、教室の中は真っ暗だ。
 
「念のためにね……、Azolto――――!」
 
 教室の電灯のスイッチを破壊する。
 そして、教卓の後ろに身をかがめて潜む。
 
 ……トリックは単純だ。
 わたしはこの『燃やす』能力の派生として、見えなくても熱を発する物なら探知できる能力がある。
 暗闇なら、わたしはあのメイドロボに感知を言う点ではアドバンテージを取れる。
 それに、あのマルチはさほど探知性能は良くなかったはずだ。
 わたしが昔、見たパンフレットのスペックによれば……

「さてと、確か500円玉は……あった」
 
 財布の中をまさぐり、500円玉を取り出す。
 あのメイドロボが教室に入ってきて、暗闇に戸惑っている時点で、500円玉を廊下の窓ガラスにでも、
 投げつけて破壊する。
 物音に、一瞬、メイドロボは気を取られるだろう。
 そして、私のみ正確にメイドロボの位置を把握している。
 
 一瞬で駆けより、死角から渾身の一撃で吹き飛ばす!
 
 ……打つべき手は決まった。
 わたしは息を潜め、メイドロボを待つ。
501エリ ◆Eri.06RI :02/03/29 00:47
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>494
 
「・・・マジ?」
 流石にコレは予想できなかった。つーかある意味反則?
「それなら、あたしも・・・」
 タバサにならい、指を鳴らす。
 
 砂煙をたててあたしの後方からメタルスラッグがやってきた。
 
「降参なんかするわけないでしょ」
 飛び乗り、ハッチを閉めた。フルファイアでやってやるわ。
502アーカード ◆ARCARDr. :02/03/29 00:48
>472 アーカードVSファントム
 
 地面に転がり、膝を叩き込まれた口と鼻から盛大に血を流す。
 その一撃は、今まで撃ち込まれた何十発という銃弾よりも確実なダメージをアーカードに刻んでいた。
 しばし、呆然と大の字――腕がいびつな方向に曲がっているので字が歪んでいるが――になった後にゆっくりと立ち上がる。
 鼻血を指で払いながら、ニタリ、と笑った。
 
「我を忘れながらも圧倒的な経験と殺意に基づいた的確な行動、見事だ」
 
 何やら首からゴキゴキと音を鳴らしながら回している。
 腕を軽く二、三度振ると、あり得ない方向に曲がっていたそれは元通りになっていた。
 血で汚れてはいるが、口や鼻からの出血は既に止まっているようだ。
 
「おまえは数多くの人間の死を見、またその死を紡いできただろう? それはおまえにとって唾棄すべき過去かもしれん。
 だが、そうではない。その過去が今こうして私という化物と渡り合うだけのモノをおまえに与えている。
 おまえは得難いカードを確かにその手に握っているのだよ」
 
 軽く、片眉をつり上げる。
 
「さぁ、どうした? カードはもう使い果たしたのか? ならばもうおまえはお終いだ。
 貧民が大富豪を打ち倒そうと言う時に手札を出し惜しみしている余裕などないはずだぞ!
 それが闘争の契約! ルールだ!」
 
 声のトーンは少しずつ上がり、上がり続け、際限なく上がっていく。
 まるで自分の言葉に陶酔しているかのように。
 
「おまえも私も所詮血で血を洗う戦争狂(ウォーモンガー)だ。
 ならば、勝者が敗者の命を奪うのは必定。
 おまえが私を打ち倒さんのなら、おまえの命は私のモノだ」
 
 ギリッと歯ぎしり一つ。
 
「おまえの命は此処で終わっていいモノではあるまい?」
 
 その脳裏に去来しているのは一体何なのか。
 それをアーカードは極力意識せずに押し殺して話し続ける。 
>498 VS黒川丈【ゴースト】
 
「――――なっ!」
 
 短い驚愕。だが、そんな思考の空白を埋めるように、肉体は勝手に動いていた。
 固い金属音を奏でながら、大きく跳躍。
 同時に牽制の為の銃撃を放つが――先ほどのように、まったくと言っていいほど効果がない。

「ちっ!」
 
 5発発砲。弾切れになった銃を投げ捨てて、巨大な機械――
 チェーンソウともマシンガンとも見える――スタッフを構えた。

 ごきん、という音と共に、視界が僅かに重くなる。構築された魔法回路が、脳を圧迫している為に起こる現象だ。
 
「どうやら妙な体質みたいだが……これなら、どうだ――!」
 
 吐き捨てて、叫ぶ。空間を切り裂くほどに、鋭く。
 
「――イグジスト!」
 
 <アサルト>発動。スタッフの先端から、鉄筋コンクリートをも砕くほどの衝撃波を封じ込めた、
不可視の力場が打ち込まれる。
 
 それはまっすぐに、先ほどの男に向かって――
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
>501

「ほう…メタルスラッグを出しましたか」
 再びニィ、と笑ってみせる。見えていないだろうが、そんなことはどうでも良い。

「ロボ、最大出力!」
 ロボの腹部に光が集まる。
 多分集まっていっているはず。
 集まってるんじゃないでしょうか。
 …まあ、覚悟はしておきましょうか。
>499続き
淫藤宗光・ヒトラーVSリロイ・ラグナロク
 
リロイは素早く両腕に刺さった光矢を引き抜き、足元に落下していた
剣を拾う。そして、未だ縫い止められている両足を自由にすべく、
剣を振るって光矢を断ち切った。
 
「『超人』だかになりたきゃ、勝手になってろよ。他人を巻き込むんじゃねえ、
馬鹿が」
 
髭の男は、素早くボウガンを構え直し、第二射を放たんとする。
だが、その前に銃撃が、男の手からボウガンを取り落とさせていた。
傷ついた左腕で、よくも此処までの精密な早撃ちが出来るものだ。
私は相変わらずのリロイの反射神経の良さに、私は改めて驚嘆する。
 
拳銃を懐にしまいながら、リロイはさらに告げた。
 
「なにが崇高な思想だ。自分ひとりで手にはいらねえ力なら、
そんなもんはクソ食らえだ」
 
そして、リロイは一陣の黒い疾風と化す。
 
「あの世で、悪魔にでも説法してろ」
 
その一言を言い終えた頃には、ヒトラーの身体は、
頭頂から股間までを真一文字に切り裂かれていた。
506アセルス ◆AseLLUSs :02/03/29 01:01
>497 アセルスVSロゼット&クロノ
 
口づけながら、ロゼットを抱き寄せる。
ふふ・・・これで彼女は私のものも同然。
 
「さあロゼット・・・私と一緒に来て。
幸せに、してあげる・・・」
 
私は唇を離してそう言い、彼女の首筋に牙を立てようとしたその時。
 
 
―――傍らにいた少年の視線が突き刺さった。
いや、これは・・・
 
「ほう・・・お前、人間じゃないな? 何故彼女にくっついているのか知らないが・・・
ふふ、どうするつもりだ? この子を助けるか?
・・・果たして、この子自身がそれを望むかな?」
 
挑むように、私はその少年を見返した。
507HMX-12(贄) ◆SLaVEnwg :02/03/29 01:07
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>500
階下に降りたが…女の姿は無い……見失った…?

一瞬…不安がよぎる…

…ううん…そんなこと……
…きっと…どこか…教室に…隠れているはず…
…わたしなら…そうするはず…たぶん…だけど…

幾度と無く追いかけられた経験から、追われるものの思考は容易に想像できる
尤も…自分が追う立場になるとは…思ってもいなかったけれど…

まずは…えぇと…………ここから…

…一番近い、真っ暗闇の教室へ近づき、ドアに手をかける。
…半分は…誰もいない事を祈りながら…

(…失礼します……誰か…いませんか……?)

心の中で呟くと、そろそろとドアを開け、闇の中に足を踏み入れる。
>437
ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン
 
ブラックロッドとなった者の来歴は、さまざまである。
法と秩序の貫徹のために、自ら進んでその身を差し出した者。
そうなることを義務付けられ、運命の命じるがままに法の番人と化した者。
―――そして、『彼』のように犯罪者であった者。
 
共通しているのは、いずれにしても高い魔力を誇るという事と、
強固な精神拘束によって、感情らしい感情、欲望らしい欲望を完全に縛られていると言うことだ。
  
その精神拘束が解かれたのだ。指向性を持たない強い解呪の意思――『解』の文殊と、
『彼』自身が何年もかけて編成した解呪の呪法によって。
 
―――誤算だった。
それもとんでもなく愉快な誤算だった。
『彼』自身の見立てでは完全な解呪を組むまでに、まだ2年以上はかかる筈だった。
まさか、こんな所でこんな形であっさり手助けが入るとは。
 
「ク、クハ、クハハハハハハッ!!」
『彼』は嗤った。
『彼』を解放してしまった世界の愉快であろう行く末を嗤い、また、自らの滑稽な運命を自嘲して。
 
ひとしきり、あたりに哄笑を響かせた後、自分を解放した存在に興味がわいたらしく、
ヨコシマの去った方向に『彼』は視線を向ける。
「こ、この変態ッ!!」
見れば、修道女の一人がヨコシマの顔面に拳を埋め込んでいる。腰の入った良い一撃だ。
さらに、吹っ飛んだヨコシマに周りのシスター達が蹴りを、拳を次々に打ち込んでいき、
たちまちの内にヨコシマはボロ雑巾のようになっていく。
 
……しかし、そのヨコシマのそのキズは見る間に回復していく。いや、回復していくというのとも違う。
あえて例えるならば『無かったことになっている』とでも言うべきか。
そう、まるで負傷した部分だけ時間が逆行しているかのような……

「ほお」
『彼』が感嘆の声をあげる。
ブラックロッドの封印を解除するだけの術者だ。かなりの使い手であるのは予想していたが、
こんな非常識なまでの回復式までも行使するとは思わなかった。非常に興味深い。
 
―――決めた、コイツで遊んでやろう。ハ、それに解放してくれた礼もせんとな!
そう思考すると、ヨコシマへの暴行を継続中の一団に向かって『彼』は声を張り上げた。
「ハ、よく聴けテメェら!!」
強烈な意思を言霊に込めた『彼』の恫喝を受け、シスター達はびくり、と体を震わせると
『彼』の方向にゆっくりと向き直る。
 
「俺の名はスレイマン、G.G.スレイマンだ」
「さて、君達には世話になった。よく、俺を解放してくれた―――ぜひ、礼をさせてくれ」
と、『彼』―――スレイマンが邪笑を浮かべてそう告げると、
気圧されたシスター達がじわり、とあとずさった。
 
「ク、ハ、ハ!! そう遠慮すんな、ほら、褒美だ、受け取れ!!」
と、叫びつつスレイマンはロッドを横薙ぎに振るい、独自に編纂した【呪弾】を圧唱する。
 
ロッドの先から数十、数百もの小指の先ほどの魔力隗が打ち出され、シスター達に降り注ぐ。
威力は度外視して広範囲に攻撃することだけを考えた、散弾銃のような一撃だ。
すぐに殺してしまっては面白くない、こんなゴミみたいな連中でも痛めつければ案外いい声で鳴く。
当たり所の悪かった2、3人が死ぬかもしれないが、
スレイマンにとっては、所詮殺すだけの価値も無かったというだけの話だ。
509黒桐鮮花 ◆CyAarEcM :02/03/29 01:14
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
>507
 
メイドロボが教室に入ってきた。
慎重にメイドロボの動きを探る。
ゆっくりした調子でこちらにメイドロボの『熱源』が近づいてくるのが分かる。
 
右手に力を篭める。
熱が収束していくのが分かる。
 
……今だ!
左手の500円玉を廊下の窓ガラスに投げつける。
直後、ガラスの破砕音が教室に派手に響く。
 
……わき目も振らず、教卓から飛び出し、メイドロボに肉薄する。
これで決める!
>506 アセルスVSロゼット&クロノ
【二人の絆】
 
そっと、彼女が私を抱き寄せる。
それは―――とても柔らかい抱擁―――――
 
『さあロゼット・・・私と一緒に来て。幸せに、してあげる・・・』
「しあわ・・・せ?」
 
本当に?幸せになれるの?・・・・・なら・・・・一緒に行く・・・・・。
私は、とろんとした意識の中、彼女にしなだれかかる。
 
『ロゼットッ!!しっかりするんだッ!!』
 
その時、私の耳に声が届く。ああ・・・・クロノ・・・・・か。
安心して、私は平気。この人は、悪い人じゃないから・・・・・・・。
 
『ほう・・・お前、人間じゃないな? 何故彼女にくっついているのか知らないが・・・
 ふふ、どうするつもりだ? この子を助けるか?・・・果たして、この子自身がそれを望むかな?』
『ロゼット!君は何の為に、今まで走ってきたんだ?!
 ヨシュアを・・・・彼を助けるためじゃなかったのか?!』
 
クロノが叫ぶ。
 
「ごめん・・・・クロノ・・・・・。ヨシュアのことは・・・・・もう・・・・忘れたいの・・・・。
 今は・・・・この人と一緒にいたい・・・・・。それが・・・・一番の幸せだから・・・・・。」
 
私は、そう言って彼女の胸に顔を埋める。
あぁ・・・・なんで・・・・・こんなに安らぐんだろう・・・・・・。
ごめん・・・・ヨシュア・・・・・。もう・・・止めちゃってもいいかな・・・・?
 
『おおおおおおッ!!』
 
次の瞬間、クロノの雄たけびが私の耳に届いた・・・・。
511黒桐鮮花 ◆TABOOmZc :02/03/29 01:20
(黒桐鮮花vsHMXー12(贄))
ここまでの途中経過よ。
 
>362>363>374>375>379>382>476>484>493>500>507>509
512アセルス ◆AseLLUSs :02/03/29 01:22
アセルスVSロゼット&クロノ
途中経過。
 
>475>483>487>495>497>506>510
 
続きは次スレで・・・ね? ロゼット・・・
黒川丈【ゴースト】 vs レイオット・スタインバーグ
途中経過
 
>479 >488 >490 >492 >498 >503
514ラルヴァ ◆LARVAIdY :02/03/29 01:28
『ラルヴァvsカミーラ』
途中経過よ。次スレに持ち越しね。
 
>422>424>427>433>436>439>443
515黒杖特捜官 ◆sffOMEGA :02/03/29 01:30
『ヨコシマ&ロゼット一行 VS G.G.スレイマン』の途中経過だ

>430 >431 >432 >434 >437 >508
 
以後次スレで闘争継続中となる。
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
途中経過です。
>7>9>13>14>15>17>20>425>426>428>
450>469>470>471>473>477>480>482>
485>486>491>494>501>504
>516
…ミスです。
こちらが正しいものとなります。
 
エリ・カサモトvsタバサwithタオ(盾)
『全国三千万婦女子の憧れ争奪戦』
途中経過です。
>7>9>13>14>15>17>20>425>426>428
>450>469>470>471>473>477>480>482
>485>486>491>494>501>504

ミア・フォーテーVSヴァージニア13……VS(?) キース・ロイヤル
『血塗れの遁走曲』 
十六章のまとめは>654に
十七章のまとめは>613にあるよー

で、これが十八章分のまとめー

>76 >80 >91 >141 >152
>169 >234 >261 >331 >348 >354 >465
 
以下、次スレに続きまーす。
長々と付き合ってもらっちゃって、関係各位に感謝感謝。
519ラグナロク ◆0109yQVs :02/03/29 02:18
こちらが新スレッドだ。 早急に移行頼む。
吸血大殲 第19章 我が血肉に酔え殺人者
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1017335672/
520アーカード ◆ARCARDr. :02/03/29 04:42
アーカードVSファントム 途中経過だ。
 
>186 >188 >191 >200 >204 >208 >212 >215 >219 >222
>225 >228 >231 >235 >237 >240 >242 >246 >250 >259
>267 >273 >351 >361 >365 >368 >372 >468 >472 >502
521速水厚志 ◆kEnRaN.Y :02/03/29 07:04
『路地裏』
>464
 「ああ、気付いたんですね。よかった、ちょっと心配しましたよ」

 僕はベッドの上で意識を取り戻したらしい彼女に声をかけると、
冷蔵庫から輸血パックをいくつか取り出して、彼女に差し出した。

「すいません、こんな物しかなくて。でも、人の血を吸わせる訳にも
いきませんし、これで我慢してくださいね」

 彼女は僕の手からおずおずと輸血パックを受け取ると、
それに口をつけながら、不信そうな目をこちらに向けた。

「えぇと…そんなに見られると照れるんですけど…」

 照れ隠しに頬をぽりぽりと掻いた。

「僕は、止めるとは言っても殺すといった覚えはありませんよ。
僕は、誰も死んで欲しくなんか無いんです。貴方にも、待ってる人や
必要としてくれる人がいるはずです。貴方が死んでしまったら、そうい
った人達が不幸になってしまう。ぼくは、誰も悲しませたくないんです」

 そう、誰かを殺して成り立つ幸せは、本当の幸せなんかじゃない。
 
「誰も死ななくても、ハッピーエンドは来るんですよ」

 そう言ってから、また恥ずかしくなって彼女から顔をそむけた。
 真面目な顔でこういうことを言うのは、やっぱりちょっと照れちゃうな。 

「あの、ええとですね、今のは、知り合いの小さな女の子が言った言葉なんですけど。
少なくとも、僕はそう信じてるってことです」

 言い訳がましくそう言って、恥ずかしさを頭の隅に追いやった。

「ともかく、人を襲うのは止めてください。血が欲しいなら、僕に言ってくれれば
輸血パックくらいなら用意できますから。最初は口に合わないかも知れませんけど、
じきに慣れてくるはずです…多分」

 とりあえずそれだけ言うと、未だ無言で輸血パックを啜る彼女との会話を打ち切り、
僕は一人、これからの事を考えた。

 あの場に放っておくわけにもいかず連れて帰ってきてしまった
この少女をどうするか、考えなければいけない。
 何も考えずに連れてきてしまったから、これからの事はさっぱりだ。

 だけど、とりあえず最優先で考えるべき事は。
 予想通りの反応を示して部屋から出て行ってしまった舞の機嫌を、
どうやって取り戻すか、という事だろう。
522吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/03/29 10:22

アーカードvsファントム

途中経過、レス番まとめ改め。
本編でのレス先指定ミスが有った様だ、すまない……。
 
>186 >188 >191 >200 >204 >208 >212 >215 >219 >222 >225
>228 >229 >230 >231 >235 >237 >240 >242 >246 >250 >259
>267 >273 >351 >361 >365 >368 >372 >468 >472 >502

523エリ ◆Eri.06RI :02/03/29 11:00
エリvsマッカーチス
『another mission』

途中経過報告。
 
第16章
>655>657
 
このスレ
>19>47>474
524淫藤宗光/ヒトラー:02/03/30 01:02
>505 vsリロイ&ラグナロク

〜淫藤宗光/ヒトラーvsリロイ&ラグナロク エピローグ〜

リロイに真っ向唐竹割りに両断されたヒトラーの肉体は、瞬く間に干からび
塵となった。

おそらく、これが数知れぬ人々の命をもてあそんだ報いなのだろう。

勝利に昂揚するリロイの瞳が、ふと陰った。両断された女肉剣のことを
思い出したのである。

「……せめて、墓を作ってやるか……」

女肉剣に向けてリロイが歩み始めた時、一筋の光が天窓から聖堂に差し込んだ。

夜明けの光だ。

光は封印に当たり――次の瞬間、目もくらむようなまばゆい閃光が封印から
ほとばしった。

閃光に視界を奪われる寸前、リロイは喜びに輝く数知れぬ女たちの顔を確かに
見た。
そして目を開けた時、聖堂からはヒトラーのボウガンも宗光の女肉剣も
掻き消え、先刻までの死闘の証拠たるものは双方の流した血による血痕のみで
あった。

傷ついた足を引きずりつつ封印に近づいたリロイは、封印たる磔刑像をまじまじ
と見つめた。
しかし、それはどう見ても、クライスト教団の象徴たる十字架に
今となっては名も忘れられた古代の聖人が磔となっているだけの、ただの古ぼけた
磔刑像でしかなかった。

525淫藤宗光/ヒトラー
>524 エピローグ続き

夜が開けて事件に気づいた町の住民に事情を説明した後、リロイは帰路についた。

「結局あいつ、何者だったんだ?」
リロイの問いに、彼の相棒たる剣――ラグナロクが答える。
「遥か以前に、似たような“闇の種族”と戦ったことがある。
 “二重存在”だ。
 恐らく、あの一人の青年の体には別々の二人の人間の魂が存在していた
 のだろう」

「つまり、マナの中にエフィルとシェスタがいるのと同じようなもんだな?」

「それとはまた違うが……まあいい」

さらにリロイは問い続ける。
「もう一つ、いったいあの光は何だったんだ?」

「……私にも分からん。
 しかし、あの光で女肉剣の犠牲となった女たちの魂が救われたことを願おう」

「……ひょつとしてあれが、奇跡ってやつなのかもな」
珍しく愁傷に話すリロイに、ラグナロクが面白そうに答える。

「ふむ、これを機に、お前も信仰心に目覚めたか?」

「よせやい、そんなんじゃねえよ」

話し合う二人の上では、今日も太陽が明るく輝いていた。

              (完)