>601 横島 vs 殺人貴
―――――まずは腕!
抵抗力を奪う。
そのつもりで振るった七つ夜――手の平サイズの飛び出しナイフ――は、
何故か躱された。
……ふん、まぐれか…。
アンタ一生分の運を使い切っちまったな…。
ああ、でも良いか。アンタの一生はここで終るんだからな………。
―――次は無い。
男の動きに集中。
如何なる回避行動も見逃さない。
先程よりも小さなモーションで、確実に『線』を―――
あれ?
―――――突き出したナイフは空を切った。
俺は一瞬たりとも男から眼を離していない。だのに何で逃げる事が出来るんだ…?
二、三歩たたらを踏む。すると爪先に当るモノ―――手鏡?
何でそんなモノがここに、と思いつつも手鏡の習性でつい覗き込んでしまう。
パブロフの犬状態であろうか。
――――――――――ぶちぶちぶちぃっ!
脳内の血管かこめかみだかの毛細血管が纏めてぶち切れる音が、何処か遠くから
聞こえた………。
思わずくらりと眩暈でよろめく。
ダッシュ!
鏡で見た俺の後ろに居る男に向かって飛び出す。
もう、脇目も振らずに穂かに何も考えられずにただただ怒りを覚えて。
―誰が『朴念仁』だ、それは昔の事だっ!
――誰が『超絶倫人』だ、誰も迷惑を被ってないだろおっ!!
―――アルクェイドが喜んでくれるならそれで良いだろおぉっ!!!
てめえなんかに言われる筋合いは何処にも無いッ!!!!
>602 アーカードVS両儀式
一つ目のナイフを片手で弾く。
喰らっても問題ないが、こいつの攻撃は喰らいたくない。
本能に近いところでそう感じ取っていた。
だが、その後ろに隠れていた短刀への対処は遅れてしまった。
かわすのも、弾くのも間に合わない。
――短刀は、アーカードの胸に深々と埋め込まれた。
だが、それだけだ。
白銀製のそれは多少のダメージを与えてはいたが、それくらいでどうにかなる不死の王ではない。
これは牽制の意図か? アーカードは計りかねた。
まぁいい、ならば私が死神に死をもたらすだけだ。
高々と腕を振り上げ、その華奢な体を目掛けて振り下ろす。
少女の体は、何処をえぐり取っても致命傷になるだろう。
まき散らされる血と肉の匂いのアートを幻視して、アーカードは絶頂へ向かおうとしていた。
>603 横島 vs 殺人貴
そーれっ!
はーいっ!
純白のテニスウェアが風にゆれて、アンダースコート覗く。
あぁ〜、ええなぁ。
相変わらず、ここの女子大のレベルは高い!
藪に潜みながら、俺は某女子大のテニスコートを覗いていた。
無論、これは罠のためである!
間違っても俺が定期的に覗きに来ているとか、目の保養をしているとかではない!
絶対にない!
それにそろそろ――――――来たッ!
最初の時とは明らかに違う、剥き出しで隠す気のない殺気がどんどんと近づいてくる。
志貴のヤツ、まんまと俺の作戦に乗ったな。
けっけっけっけ・・・・・・・・・・
「貴様ッ!」
藪を切り裂いて、志貴がその姿を現す。
――――――――――――――――ギン!
それに反応して、女子大のお姉様たちの目にも絶望的なまでの殺意が宿った。
「また来たッ!」「あのエロガキ!」「セクハラ、ぶっ殺せッ!」
そして、いきなり砲撃!
山なりに飛んでくる籠やベンチ! フェンスを突き破って向かってくるテニスボール!
フェンスをかいくぐる投石も合わせ、凄まじい数の弾丸が迫る!
「え?」
一瞬、事態と俺を見失う志貴。
さて、俺はこの隙に逃げるとしますか。
手慣れた感じで攻撃をかわしつつ、また俺は走り出した。
次は・・・・・・・・・・・・・・・・・くっくっくっく、貴様の終わりの時じゃ!
>572
セリオVSスミレ
「海中大殲争」
送り返した魚雷はセリオに達する前に爆発した。
私は海流に断層を作り、魚雷の影響を遮断する。
爆発の向こうから、セリオが突っ込んでくるのが見えた。
距離が一瞬で70mまで詰まる。
その速度は評価に値するが……遅すぎる。
彼女が私に達するまで、少なくともあと2秒。
空想の具現化には十分過ぎる時間。
60m。
私はイメージを構成する。
50m。
敵を貫く海神の槍。
40m。
「!」
顕在化する寸前にイメージを霧散させる。
30m。
(手加減、するんだっけ……)
イメージをほどき、再度別のイメージを練り上げる。
20m。
氷の棺。先程の氷の繭など比べ物にならぬ極低温の頚木。
(間に合うかしら……?)
集中を開始する。目前にセリオが迫る。
10m。
接触まで0.2秒の刹那。
空想と現実が転換する。
(間に合った!)
そう思った瞬間、
――――――
閃光が目を焼いた。
(目晦まし!? ……しまった!)
手応えのなさに愕然とする。
即座に下がろうとするが間に合わない。
0m。
接触、された。
>604 両儀式vsアーカード
次瞬、死神はその鎌を振り下ろした。
王が振り下ろした剣。それには目もくれずに死神は鎌を振るう。
カタナが、その透き通る程美しい刀身が、姿を現す。
瞬間、死神の瞳は開かれん。青白く光る漆黒の瞳に、王の姿が映る。
一瞬、閃光が走る。刀の軌跡は神速となり、一直線に走る。
光に続いて、音が響く。
轟、 という空気が砕く音が、
斬、 という空気を裂く音に両断された。
二匹の異端が、交差し、すれ違う。お互いが、お互いの背中に背中を向ける。
しかし、死神はそんな一瞬の隙も見逃さない。
振り返り、王の背中に向けて――――――――
斬
袈裟がけに斬り払った。
最初の一閃が横一文字に、次の一閃が縦一文字に、十字架の型を成して、王を斬り払った。
>605 横島 vs 殺人貴
―――走る!
走る!!
走る!!!
既に当初の目的を忘れ、ただ個人的な怒りを爆発させて―――
だから以前に同じような表現を使った事なんて眼中に無い。
男は妙な所に逃げ込む。
…大学? 女子大?
関係ない、ただヤツの事しか頭に無い。
―――――見ツケタ!
と同時に。
隣のテニスコートらしき方向から向けられる、明らかな敵意。
―――?
な…っ…?
そして突然の攻撃!
何でだよ、畜生ーーーーーっ!!
ヤツか、ヤツの仕業だな? 俺を罠に嵌めやがったな!?
―――バッカ――ヤロウ!!!
ザン!
ザザン!
ドスッ、サクッ、トン、ストッ…
攻撃、斬撃、刺突、ありとあらゆる技を駆使して、俺に向かって来るモノを『殺す』、
『殺す』、『殺し』まくる!!
まだか、まだか、どれだけ投げれば気が済むんだ、ドチクショウどもおっ!!
俺はこんな事の為に『魔眼』を持って生まれて来たんじゃねえぞおおぉぉぉぉーーーーーっ!!!
(おおおぉぉぉぉぉ)←こだま
一頻り始末が終る。
コートの女達は呆然としている。
俺はハァハァと肩で息をしている。
男は遠くでニヤニヤと笑っている―――
そうだよ、テメエだよ、元凶はっっっっっっっ!!!
頭の片隅では段々しらけて来た遠野志貴が居るが、感情は大爆発したままだ。
とにかく、ヤツを滅せねば―――――
>593 奥森かずい対浅上藤乃
……な!?
建物が揺れる。
上を見ると天井が曲がっていた。
……彼女がやったのか?
でも、どうやって……
そんなことを考えてる内に建物が崩壊を始める。
このままでは危ない。早く逃げなければ。
痛みで暴れる彼女を抱え逃げようとする。
……くっ、辺りが揺れて上手く歩けない。
ミシミシと厭な音を立てる建物。
―――次の瞬間、天井が崩落する。
だめだ。このままでは!
「―――危ない!」
反射的に彼女を下にして庇う。
辺りを揺るがす轟音、舞い上がる埃、降り落ちる建材。
そして……
>607 アーカードVS両儀式
閃きが、アーカードの体をなぞる。
剣閃が、その体を断つ。
何かの暗喩であるかのように、十字に切り裂かれる不死の王。
だが、それでさえ不死の王は笑っていた。
ゆっくりと、その体が切り口に沿って滑り落ちていく。
それは、とてもじれったく、スローモーションを見ているかのように。
そして、肉の体が地に墜ちるかと思われた刹那。
その肉は犬の姿へと変じていた。
十字に切り裂かれた破片が跡形もなく消え失せ、替わりにあるのは同数の犬――いや、犬と呼んでいいモノか?
「闇色をして、複数の目を持つ四足歩行の何か」だ。
それらの目が、少女の姿をした死神を見据えている。
死神は、この情景に何を覚えるのだろうか?
死神に『死』を教えるべく、ケモノ達が牙を剥いて跳びかかった。
611 :
入江省三(M):02/03/06 23:10
「やれやれ 休暇でも仕事を押し付けるのは日本の企業の悪い点ですね・・・。」
「ん、何か言ったか?」
「ええとっ私宛ての荷物はどうなっているでしょう?」
アメリカ某所、怪事件が起きていた。
「あれが届かないとお話にならないんですがね〜。あ、そこです。」
パトカーの後部座席に乗って郵便局へと向かう。
「ちょっと待ってて下さいね。」
高級外車を強奪し、銃砲店を襲撃し、強姦、いや暴行殺人を繰り返している男が再度現れたのだ。
「失礼ですが、もう一度仰っていただけます?」
「ですから、手違いで・・・。」
「つまりはここにはないと? …困りますねえ。」
「申し訳…、」
「あ、いえ、お気になさらず。しかたない。別の手を考えましょう。 ああそうだ。貴方のお名前は?」
荷物を間違って持っていった人物と担当局員の名前の控えを持ってパトカーへ乗り込む。
「すいません。ちょっと寄り道してもらえますか?
この、カサモトさんのお宅へ。」
>597
「……………?」
手ごたえがない?
私が一瞬、躊躇した間にドアから、少女と少年が飛び出してきた。
「……やれやれね」
3人に対して、ぼやきつつ、剣を向ける。
足でも打ち抜いて、行動不能にしてやればいいだろう。
空気弾が3人の足元に向かって発射する。
これってホントに歌手対決?
>581
向こうの狙いが完全に読めていたわけではなかった。
だがこれは実戦。奇襲、不意打ち、なんでもOK(はあと)
だから油断だけはしていなかった。
だから防げた。
狙われた足を上げてローキックを防ぐと、その脚を下ろすやいなや反対の脚で
顔面を蹴り上げる。
ウピエルが吹き飛んだ。
もっとも大したダメージは与えられなかったようだ。
蹴られる直前、自ら地面を蹴って衝撃を逃がしたのを私は見ている。
千年不敗という触れ込みの武術に伝わる、浮身(ふしん)という技だ。
案の定すぐさま跳ね起き、間合いを取った。
そう、そうでなくては面白くない。
欲情にも似た歓喜が私の中から這い上がってくる。
誰よ、そこで変態とかいってるのは。
とにかくその歓喜をこめて、私はウピエルに言った。
「握手を誘っておいての不意打ち
実に汚い
ジグムント・ウピエルと試合っていることを実感させてもらっているわ」
>610 両儀式 vs アーカード
斬
斬
斬
立て続けに刀を払う。3匹の犬が一閃され、闇に帰る。
だが、犬は止まらない。犬が、犬が、犬が、複数の犬が死神に襲いかかる。
斬 斬
刀を振るう。確実に犬を仕留めていく。だが、捌ききれない。数が多すぎる。
ガス、っと一匹の犬が肩に食らいついた。 ――――その犬を斬り捨てる。
ガス、っと一匹の犬が太股に食らいついた。――――その犬を斬り捨てる。
複数の犬が、複数の部位に噛み付く。
複数の口が、複数の歯が、死神を咀嚼していく。
死神は少しづつ食われていく。だが、抵抗は止めない。
一匹、一匹、確実に仕留めていく。
――――――――腕が食われ、頭が噛み砕かれたところで、死神は抵抗を止めた。
暗い廊下には、もう死神は存在しない。
ただ、彼女が存在したことを示すように、刀が冷たい床に突き刺さっている……。
>611
「何だこれ?」
謎の小包を手にあたしはつぶやいた。
全く身に覚えがない。
「爆弾じゃ・・ないわよね」
爆弾にしてはそれは軽すぎた。
そのぐらいは見切れる。
『メンフィスの爆弾娘』の異名は伊達じゃない。
「とりあえず持ってよ。間違いなら取りに来るだろうし」
そんなことより休暇だ。久々に取れた休みを楽しまなくては。
あたしは自宅のアパートに帰ることにした。
エレンvsエミリオ
『黄昏の堕天使』
>564
彼女は礼拝堂の入り口に向けて走り出した。
「ふぅん…逃げるんだ。立ち向かって来ると思ってたのに、がっかりだよ」
つまらない。面白くない。これじゃ、戦いとも呼べない、いつもの一方的な破壊しか出来ない。そう思った。
でも、その考えは次の瞬間に打ち消された。
入り口に向かって走りながら、彼女は手にした拳銃を、僕に向けていた。
「そう来なくちゃ…!」
僕は微笑を浮かべた。彼女には、戦う意志がある。それだけでも、一方的な破壊にはならない。
「でもね…」
アインがトリガーを引くよりも先に、僕は彼女に向けて、一直線に空中を疾った。
僅かに遅れて、アインの銃撃。
照準も何もない銃弾が、空を疾る僕の前に存在する風の壁に阻まれ、あらぬ方向へと散っていく。
「あははははははっ! 駄目だよ、アイン! そんな気の抜けた銃撃じゃ、墜ちやしないよ!」
僕は笑いながら彼女の近くまで疾り、大きく弧を描いて背後に回り込んだ。
「僕を墜としたいんなら、もっと良く狙うか、僕の不意を突かなきゃ。じゃないと、今みたいに弾を無駄にするだけさ…」
冷笑を浮かべながらそう言って、片方の肩を竦めてみせた。
>608 横島 vs 殺人貴
有刺鉄線?
なんぼのもんじゃい!
センサー? アラーム?
抜かりはない、穴は知っている!
俺は巧みに壁を飛び越え、すたっと着地した。
ここいらで一番のお嬢様校の中に!
まさか・・・・・・ここでこの切り札を使うことになるとは。
俺は警戒しながら、一歩一歩と慎重に進んでいく。
校舎の間取り? ンなもん脳みその中に叩き込んである!
だから――――――ほら、こんなに簡単にっ!
「更衣室」がみつかるっ!
素早くガラスに張り付く。重いカーテンにおおわれているが、音はしっかり伝わってくる。
一人・・・二人・・・いや、かなりいる。
そりゃそーだ、部活帰りが今はひしめいているはずだからな!
俺はほくそ笑むと、気配を殺してガラスに張り付いていた。
――――――待つことしばし。
にわかに辺りがざわつき出す。どうせ志貴のヤツだ。
俺はガラスに張り付きながら、全神経をただ一瞬に備えて張り巡らせた。
一秒。気配は感じられない。
二秒。何処に消えた? の殺気は?
三秒。まさか追うのを止めたのか?
で、四秒。腰にぶら下げた無線が鳴った。
美神さんの所からがめて来た盗聴用の無線機から――――
「最大警戒ポイント」に「侵入者」が来たことを報せるアラームが鳴り響く。
最大警戒ポイント・・・つまり真後ろッ!
振り返ると、気配を完全に殺した志貴がナイフを身構えていた。
俺もすかさず、霊力を両手に回す!
そして視線が交錯した刹那、志貴は俺に飛び掛かってきた!
させるかっ!
素早くサイキック猫だまし!
たたき合わせた両手から、霊波の光が爆発する!
一瞬だが、志貴は俺を完全に見失う。
閃光が迸る中俺は、志貴の体の下をくぐり抜けた。
行き先は――――――当然、更衣室。
ガラスが砕ける音を聞きながら、俺は勝利を確信する。
もちろん、志貴がボコられる間更衣室を覗いていたのは言うまでもない。
>614 アーカードVS両儀式
暗い廊下。
食事の跡である血溜まりを見下ろすアーカード。
その目の光は、何を考えているのかよく分からない。
確かに、勝負は一瞬だった。
だが、あまりに手応えが薄い。
少女に感じた『死』の匂い、それが今となってはまったく実感できない。
「タダの見込み違いか?」
そう呟くアーカードの声は、既に冷めかけていた。
勝負は付いた、死神が死に、不死の王が生き残った、それが全てだ。
その事実の前に、些細な違和感など何の意味がある?
そう結論付けたアーカードは、自室へ辞そうときびすを返す。
その耳に、階段を下りてくる足音が届いてきた。
正確なリズムを刻む足音が――。
>618
カツン…… / 階段から音が響く。
カツン…… / 踵が、階段を踏み抜く音が響く。
カツン…… / 静かに、鋭く、音は響く。
カツン…… / ――――そして、音の主は姿を見せる。
女、女だ。階段から下りて来た者は、女だった。
飾り気のない真っ黒なズボン、パリッとした真っ白なシャツ。
髪の色は青い。……いや"蒼い"。口には、煙草をくわえている。
そして、彼女の左手には……ヒト一人、入ってしまいそうなほど大きな旅行鞄。
まるで、世界を内包したかのように、そのトランクは黒くてでかい。
その漆黒のトランクケースを左手に持ちながら、女は階段を下りきった。
秘書然とした女は、肺の中に籠もった煙草の煙を吐き出すと、王にその瞳を向けた。
「流石だな、ノーライフキング。やはり人形などでは勝てないか」
女、……蒼崎橙子は慇懃にそう言葉を放った。
620 :
入江省三(M) :02/03/06 23:40
>615
「はいご苦労さまで〜す。先に帰っても構いませんよ。
私はイエローキャブでもつかまえますから。」
エリ・カサモトの住所にかかれたフラットに到着すると、パトカーを先に帰らせる。
待たせては悪いというのもあったが、これから先の見なくてもいい事を見なくても済むようにするためだ。
「よっと、ああこりゃ簡単な奴だな〜。」
呼び鈴を押して誰もいないのを見計らうと、錠前を開け、中にあがり
調査を開始した。
「ふう、あんまりこんなコソドロみたいなマネはしたくないんですがね。」
収穫はなく、一人愚痴ると携帯が鳴り出す。
「ハイこちら厚生省衛生第二課 入江です。 ああ先程はお世話になりました。
ええハイ…、ハイ…、ハイ? あれが…、現れた? 分かりました。
街中ですね。すぐにそちらへ向かいましょう。
対策? さあ、私はそういうのは専門じゃありませんから。
SWATでも向かわせたらいいんじゃないですか?一度見てみたかったんですよ。」
鍵をかけなおすとすぐにタクシーを拾って現場へと向かう。
>620
あまり多くはない荷物を持ってアパートに帰ると・・・
「鍵が開いてる?」
前に家を出る時に閉め忘れた? そんなはずはない。二回は確認したし。
「・・・コソドロか」
せっかくの休暇にとんだアクシデントが舞い込んできやがったわね。
あたしはため息をついて腰のホルスターからヘビーマーダーを抜いた。
左手に構え、ドアを開ける。そして
「コソドロさん! おとなしく出てくるなら撃たないでやるけどどうする!?」
と、奥に向かって怒鳴りつけた。
エレンvsエミリオ
『黄昏の堕天使』
>616
「僕を墜としたいんなら、もっと良く狙うか、僕の不意を突かなきゃ。
じゃないと、今みたいに弾を無駄にするだけさ…」
頬に息がかかるほどの至近距離からの嘲笑。
易々と背後を取られた屈辱、焦燥、恐怖。
色々な感情が綯交ぜになり、私の中で渦を巻く。
しかし、それら全ての感情を、強制的に凍結させる。
今必要な事は、生き残る事。
疑念も疑問も、全ては生き延びた後に考えればいい。
私は、つんのめる様に身体を倒すと、背後の相手の位置に当りをつけ、
身体を回転させる勢いで、下から踵を跳ね上げる。
完全な不意打ちだが、無理な体勢から放った出鱈目な蹴りは易々と躱されてしまう。
でも、それで構わない。本命は、まだこの後。
完全に身体が反転する。
再び、光の翼を持った少年を、真下から見上げる。
でも、もう迷わない。
私はシリンダーに残ったマグナム弾を、全て彼に叩きつけた。
>619 アーカードVS両儀式? エピローグ?
……どうなっている?
一日に二人も闖入者。
しかも、相変わらず警備が破られた様子はない。
不理解だ。
だが、理解せざるを得まい。
目の前の現実を受け入れないのは愚者のする事だ。
「人形? アレは人形だとでも言うのか?」
あれほど精巧かつ精密な人形が作れるなど、アーカードは聞いた事もない。
まぁ、広い世界だ。
そんな真似の出来る者がいたとしても驚くには値しないだろうが。
そもそも、こいつはその人形で何をしに此処に来た?
>515 ギーラッハVS閑馬永空
凄まじい刃風を巻きつつ頭上に落ち来る大剣。
地より飛び起きた閑馬は、しかし逆に猛然と前方へ跳んだ。
後方へ逃げても即座に斬り返しが襲い来る。下がれば下がる程、その疾さは手出しの仕様も無くなる筈。
夜目にも鮮やかな朱色が飛沫いた。
大魔剣に眉間から胸元までを割られながら、同時に閑馬は鋭い突きを繰り出す。
ギーラッハの左胸を狙った一撃は受けた斬撃の所為で流石に狂い、脇腹近くに叩き込まれた。
鎧と鎧の隙間へと方向修正する余裕はあったが。
間境の内だろうが外だろうが――遣り様があるのはこちらも同じよ、『紅の騎士』。
>617 横島 vs 殺人貴
―――――熱い、あつい、アツイ…
脳ミソが怒りで煮え滾っている。
お蔭で脳髄が沸騰して、今なら神さえ『殺せ』そうな気分だ。
そのうち『時間』の『死』まで視え出すんじゃないか?
そんなモノはどうでも良い、今はヤツの吠え面さえ見れればそれで良い…。
くくくく…。
…今度は何処だ、女子校か?
良いだろう、地獄の底どころか遠野家の地下牢だって、今の俺なら進んで突入してやるぜっ!
遠目に見た、男が侵入した箇所に辿り着く。
もちろん続いて乗り込む遠野志貴。
…周りが騒がしくなったようだが、関知せず。
ひたすらに男を追う―――――
―――――見つけた。
ヤツは校舎の壁にへばり付いて、何かを狙っているらしい。
好機! だが待て…、深く深く深呼吸。
どうもヤツとは相性が悪い、ここは隠形で近付き、一気にカタを付けた方が良いだろう………。
死角に入る。
呼吸さえも限りなくゼロにして、背後を取る。
………もう一歩、それで俺の間合―――――
―――――気付かれたッ!?
バカな、俺は完璧だった筈、と一瞬考えるが、身体は動いていた。
取った、と確信した瞬間、
弾ける光芒、
その時、
俺は完全に視界を奪われていた―――
ヤバイ、確か男の向うには窓ガラスが有った筈…。
とにかく両腕を交差して頭部だけは守る。
次瞬、腕に衝撃。ガラスの砕け散る感触、音、衝撃………。
そして。
気付いたら周りに、半裸の、着替え中の少女が、呆気に取られた顔で俺を見ていた。
何秒かの重い沈黙。
そして一人の少女の黄色い声が発端となった―――
キャーーーーーーーー、変態、スケベ、覗き魔、人類の敵、えっち、誰か先生呼んで来て、
殺せ殺せ、掴まえてケーサツ逝きよっ、さっさと出てけ、バカーッ、女殺しっ、ホモ野郎、ゲイ、
あっ顔に『超絶倫人』って書いてある、真性だっ! しかも『朴念仁』!
あれやこれやでついでにその辺のモップやらラケットやら長刀やらでボカスカやられて、
でも反撃できる筈も無くてチクショーっ、て思ってたら窓からヤツがニヤニヤと覗いているの
が見えて―――――
んがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!
火事場のバカ力か?
ムスメどもを跳ね飛ばして、窓に見える男に突っ込んだ―――――
>624
閑馬栄空vsギーラッハ
至近距離からの斬撃をかわそうともせず更に踏み込まれる。
「斬ろうが、突こうが堪えぬのか!?」
永空の刀が鎧の隙間に滑り込む
脇腹を大きく貫き、鮮血は噴出する!!
「ぐぅっ…… やるな!が、しかし…… 寄りすぎよ」
脇腹を貫いて固定された刀、その柄を握る手は目の前に有る。
その手に向かって刃で斬りつけ、直後に永空の腹に蹴りを入れる。
(闇の中から唐突に、生きたアポロン像のごとき美青年が現れる)
闘争の最中、失礼しますよ。僕もこの化物だらけの戦場に参加します。
僕の名は淫藤宗光、闇の世界にその名を知られた淫藤流呪術の現総帥です。
え、名前欄がおかしいですって? ふふ、それはですね――
(突然、宗光の姿は霞み、代わって史上最大最悪の独裁者の姿が現れる)
それについての説明は余――アドルフ・ヒトラーがしよう。余は先の大戦に
敗北し自殺した後、自らのインスピレーションに従い、トランシルヴァニアの
古城にて我が魂の受け皿となりうる人間が来るのを待っていた。
そこに来たのがこやつ―淫藤宗光よ。こやつは余と同じく「超人」となることを
目指し、余と同化することでその知識を得ようとしたのだ。余はこやつの体に
入りこんだが、未だ完全には支配できておらん。
だが、余はこの地の闘いで力をつけ、いつかこやつを完全に支配――
(ヒトラーからまた宗光に戻る)
ふふ、それはこっちの台詞ですよ、アドルフ・ヒトラー。さて、スレが終わら
ないうちにテンプレを書いてきますかね。
>621
到着した時にはすでに犯人は頭を吹き飛ばされていた。
「いや〜見事なお手並みで。私が着くより先に片付けてしまうなんて。すばらしい。」
「何がすばらしいもんか。十三人も殺された。
チッ、これだからジャンキーは嫌なんだ。」
「十三人ですか…。縁起の悪い数ですね。 ん、十二人じゃなくて? 」
「見りゃ分かるだろ。袋が十と三つ…」
「1ダースしかありませんねえ。ついでにパトカーも一台なくなってますし。銃もないんじゃないですか?」
「どっかのバカが持ってったか…。どうするつもりだ。」
「バカって所は当たってますがね〜。 面倒な事になりましたよ。
まあいいです。これからこの事件は、私の担当になりました。」
「そうしてくれると助かるね。パトカーが発見されたぞ。」
「それは結構。すぐに向かいましょう。場所は?」
>621
予想に反して制服を着た男が手をあげて出てきた。
「撃たないで。私は警官です。」
>609 奥森かずいVS浅上藤乃
バガン。
落雷が落ちてきたかのような轟音がした。
鉄筋が軋む、悲鳴を上げる。
地面はあちこちにヒビが入り、所々の天井が崩れていく。
一つの建物が崩壊していく様を、藤乃は先生の下になって呆然と見つめていた。
このまま此処にいては瓦礫の下敷きになってしまう……離れなくては。
痛みを絶え間なく訴える体をひきずって、先生の下から這いだす。
立ち上がり歩いて、歩いているつもりで、倒れた。
呼吸ができない。
足が動かない。
頭がぼうとして、何も見えない。
あるのは、そう――――体の中の激しい痛みだけだった。
死ぬんだ、と初めて藤乃は思った。
だって、とても痛い。
こんなのには耐えられない、この痛みを抱いて生きていくのなら、死んだ方がましだ。
「――ごふっ」
うつぶせに倒れ込んで、藤乃は吐血した。
白くなっていく視界で、床に流れる自分の血だけが鮮明だった。
「やだ……死にたく、ない」
藤乃は腕を伸ばした。
足が動かないのなら、腕で進むしかない。
這いずって、少しずつ前に向かう。
痛い、痛い、痛い、痛い、いたい、けれど。
彼女は初めて、とても強い意志で願った。
……もっと生きて、いたい。
……もっと話して、いたい。
……もっと思って、いたい。
……もっと、ここに、いたい――――。
でも、もう動かない、動けない。
>623 両儀式vsアーカード エピローグ
「人形だ」
女は断定する。その瞳に嘘は無い。なれば、アーカードと闘った死神は人形なのだ。
「不死者の王、アーカード。おまえは"人形師"という存在知っているか?
……なに、難しく取る必要は無い。言葉通り、『人形を作る師』だ」
だが、どんなに凄腕の人形師でも、けっして"人間"は作れない。
どんなに精巧に作っても、それは人形なのだ。人間では無い。
そして、それを見抜けない程、アーカードは間抜けでは無い。
だが、眼前の女は、"人間を作ることができる人形師"なのかもしれない。
「あいつは人形だ。私が作った"マリオネット"なんだよ」
女は、アーカードの反応を読み、言葉を続ける。
「あの人形のベースは日本にいる両儀式って奴だ。おまえに本気を出させるには、
彼女の性格が一番が良いと思ったんでな、使わせてもらった」
女は自嘲気味に笑う。
「いや、性格設定と容姿以外は全部捏造だけどな。アーカード、本物のシキは"あの程度"では無いぞ。
いくら不死者の王とて、あいつの"眼"には叶わない。それに――――」
フ、っと女は手を揺らす。
すると、彼女の手には死神…の人形が持っていた刀がいつのまにか納められていた。
「あいつに刀を抜かせたら、あの程度ではすまない。――――まさに瞬殺だな」
スラリと伸びた刀を掲げる。透明に透き通った刀身……。 ドコカデ ミタコトガアル
「いくら私でも、さすがにあいつの"眼"までは作れない。……私は魔法使いでは無いからな。
そこで、この刀の登場だ。この刀を、"直死の魔眼"の代用品として使わせてもらった」
最強の概念武装が、そこにあった。
「"陸奥の守 流星の剣" ――――これを借り受けるのに、私は随分財産を失ってしまった」
エレンvsエミリオ
『黄昏の堕天使』
>622
アインの身体が、ぐらりと前に倒れる。
次の瞬間、風を切る音が聞こえた。
「っ!!」
跳ね上がったアインの踵を、後方への軽いステップで躱す。不意を狙ったにしては、前動作に無駄がある。
「ちょっと惜しかったね…もう一い」
そこまで言ったところで、反転した彼女の持っている拳銃の銃口が、僕に向けられていることに気が付いた。
つまり。
今の蹴りは、ただのフェイクだった。
なるほど、彼女は今僕が言ったことを実行して見せた訳だ。
礼拝堂に、乾いた銃声が、幾重にも重なり、響き渡る。
埃と硝煙が舞い上がる中、僕はとっさに防御障壁――バリアガードを展開し、銃弾を防いだ。
もっとも、僅かなタイムラグのせいで、いくつかの銃弾は僕の服の一部を奪っていったけれど。
僕の目の前に、無茶な体勢で無茶をやらかしたアインが、受け身を取れず、無様な姿を晒していた。
「…へぇんな格好…あはははは…」
僕はアインを指差して、笑った。
一頻り笑った後、僕は光の塊を彼女の手前に投げた。
床に当たった光は、小さな音を立てて砕け散った。
「…遊びは終わりにしようよ、アイン。こんなのは君の本気じゃない。そうだろ?」
冷たく、平坦な声で言い放つ。
「君が本気を出さないんなら…ホントに君に死を伝えるよ?」
含み笑いと共に言葉を続け、光の弓に光の矢をつがえた。
矢を向けた先は、彼女の頭。
>626 ギーラッハVS閑馬永空
瞬時に手元に剣撃が走る。冷たい汗を背に感じつつ、今度こそ跳びずさりかけた閑馬の腹部で丸太のごとき蹴りが炸裂した。
口から血を吐く。踏み止まる事も出来ず吹っ飛ぶ閑馬に再度大剣が流れ来る。
豪剣一閃、ヒルドルヴ・フォークは閑馬の右腕を肩の少し先辺りで斬り飛ばしていた。
当然の結果として、閑馬の腕は地面へ――
落ちなかった。
落ちかけた右腕を、閑馬は左手で掴み止めたのだ。未だ刀を握ったままの腕を。
のみならず、一拍置いただけでそれをギーラッハの眉間に薙ぎ返した!
新たな血の霧がかかった。
それを避けるように閑馬は数メートルも後ろに下がっている。
切断された右腕を肩に当てた。数秒を経ずして、再びそれは繋がっていた。
うっそりと呟く。
「死ねぬ、とは死よりもむごい。だから儂は、死すら利用して生き抜いて来たのだよ」
>625 横島 vs 殺人貴
あ、また殴られた。
おや、今度は蹴りですか。
色男が台無しですなぁ・・・・・・ケッケッケッケッ。
半裸や下着姿の美少女たちとそれにボコられる志貴を見ながら、俺は勝利の感触に酔っていた。
はっ、この俺に関わった以上、こうなるのは当たり前!
いや、むしろもっと不幸になれっ!
俺は懐に手を伸ばす。そして、携帯電話を取り出して素早くダイヤルする!
1 1 0 と!
「あ、お巡りさんですか? 私全然怪しくない善意の一般市民なんですが・・・」
速やかに通報が終わる。
後は少しすれば・・・・・・・・志貴は社会的に抹殺される!
見たところ、あいつは既に成人。俺はまだ17歳!
捕まっても俺ならまだ少年Aで済むが、あいつは実名報道!
社会的に抹殺!
変質者の烙印が押されること請け合い!
そ、そしたら・・・・・
『やぁ! どうしました、綺麗なお姉さん!』
『志貴が・・・変質者だったの』
『悪い男に騙されたんですよ。さぁ、私の胸でお泣き』
『うん・・・』
なんちてなんちてなんちてなんちてなんちて!!!
わ、笑いが止まらん!
ヤツは破滅、俺はあのねーちゃんをゲット!
完璧すぎる、完璧すぎるぞ、俺ッ!
――――――そこへ、何故か志貴のヤツが飛び掛かってきた。
――――――後ろに攻撃色を発し続ける女子高生を引き連れて。
・・・何故? 俺、なんか悪いコトしましたか?
僕の(余の)テンプレです(テンプレだ)。
(以下、宗光=宗 ヒトラー=ヒと略)
出典 :「妖魔戦線」「妖魔軍団」「妖魔淫獣」(菊地秀行・光文社)
名前 :淫藤宗光/アドルフ・ヒトラー
年齢 :宗=20代半ば ヒ=100歳前後
性別 :どちらも男
職業 :宗=妖術師 ヒ=独裁者(の亡霊)
趣味 :「超人」進化のための大災厄を引き起こすこと(共通)
恋人の有無 :宗=いませんねえ ヒ=今の余には不要なものだ
好きな異性のタイプ :宗=汚しがいのある人 ヒ=完璧なアーリア人種
好きな食べ物 :宗=ポテトチップ ヒ=無添加野菜
最近気になること :工藤明彦の動向
一番苦手なもの :念法(共通)
得意な技 :エクトプラズムから妖物を作る、”パラケルススの死矢”を使う。
一番の決めゼリフ :宗=「苦痛と死と恐怖こそ、わが可能性を高めるもの。
六百万分の一、今なって見せるぞ」
将来の夢 :「超人」へと進化すること(共通)
ここの住人として一言 :皆さん(皆)僕の(余の)進化への踏み台になってください(踏み台となれ)。
ここの仲間たちに一言 :宗「トリップも無い見切り発車ですが、まあよろしく」
ヒ「我が進化を邪魔するようなら…殺す」
ここの名無しに一言 :宗「ふふ、まあ生暖かい目で見て下さい」
ああ、肝心のカテゴリを言い忘れていましたね。もちろんCです。
>631 アーカードVS両儀式? エピローグ?
人間を作る人形師、だというのか、この女は?
だとすれば、それは異端どころの話ではない。
まさに、神への不遜な挑戦をした人間と言う事になる。
まぁ、だがそんな事はこの際アーカードには関係ない。
剣も、人形も、リョウギシキもどうでもいい。
まだ、この女は核心を喋っていない。
「おまえは、此処に何をしに来た? まさか、人形自慢がしたいワケではあるまい?」
苛立ちを歯ぎしりでかみ殺しながら、アーカードは尋ねる。
何か、既視感を感じる――。
それが何なのかはよく分からないが。
>633
閑馬永空vsギーラッハ
脇腹に続き、眉間にも深手を負う。
「ぬう…… 」
奴の剣は巧みなれど結局その再生能力有ってこその物、
黒騎士の再生能力が剣術と別れていたのとは違う、
己は閑馬の剣に感動する事ができぬ。
しかし、魂の篭らぬ邪剣なれど……。
「強い…… 」
強敵を前にヒルドルヴ・フォーク を構えなおす。
次に懐に入られると……。
エレンvsエミリオ
『黄昏の堕天使』
>632
目の前で、天使が光の弓矢を構えている。
それはキューピットの持つ様な可愛らしいものではなく、
確実に、人を殺せる威力を持った『武器』
随分と血生臭い天使がいるものね。いえ、それこそ私に相応しい。
ゆっくりと引き絞られる弓を見ながら、私の心は、奇妙な程落ち着いていった。
今なら相手の呼吸どころか、心臓の鼓動まで察知出来る気がする。
だから、彼が口を開くのも充分に予想出来た。
「君が本気を出さないんなら…ホントに君に死を伝えるよ?」
そう……いいわ、教えてあげる。
この世に、貴方以上の死神がいる事を。
光の弓が限界まで引き絞られた瞬間、右袖に仕込んだCopポリスを取り出し
私に向けて突き出された、弓を握る左手めがけ引き金を引く。
同時に首の筋力で身体を起こすと、礼拝堂の扉に向かい再び走り出した。
>636 両儀式 vs アーカード エピローグ
アーカードの問いに、女はニヤリと笑う。
今にも「よく聞いてくれた」と言い出しそうな表情だ。
「依頼――――依頼をされたんだよ」
女は、煙草の灰を、床に落とす。
「気に入らない連中だ。人間をやめた者との取引など、本来は好かん。……だが、例外もある」
初対面のはずのアーカードに、女は語り続ける。
どうやら、それが彼女の癖らしい。……誰にでも、均等に接する態度。
「私だって、一応魔術師の端くれだ。向上心だってある」
――――だからな、挑戦したかったんだよ。
「"不死者の王"アーカード。おまえの人形を作るためには、どうしても一度、おまえと闘う必要があったんだ」
そう、私はおまえの人形を作る。"真祖"の人形。
それは常識を超えた"魔法"では無い。だが、人形師の常識を超えたものであることに、間違い無かった。
>634 横島 vs 殺人貴
―――――テメエが…
元凶だろうッ!
男に飛び掛かる………、が。
ガクン、と失速した。
先程のテニスコートの重爆撃、たった今の肉体的ダメージ…。
既に遠野志貴は限界だった。
…か、身体が言う事を利かねぇ…。
ドスン、と窓から地面へもんどりを打つ。
―――――なんて、無様………。
霞む目で男を睨む。
…ああ、ヤツが逃げて行くよ…。
背中側には、未だ怒りの色が褪せない女子校生の群の気配―――
―――まだだ、まだ俺は負けちゃいない!
ブルブルブルッ、と激しく頭を振り、何とか視界を正常に戻そうとする。
…すると、視野の隅に見慣れた存在…。
あ。
ソレと目が合った―――
遠野志貴は残った力を全て掻き集めて、ムリヤリ立ち上がる。
そして、ソレを掴んで男に向かって全力で投擲する―――!!
「頼む、レーーーン! 俺の代りにヤツを止めてくれーーーーー!!」
「―――――!!」
空中でジタバタともがく黒猫。
…そうか、そんなに殺る気まんまんなんだな、レン…。
ありがとう、俺は立派な使い魔を持って嬉しいよ………。
スコーーーン!
小気味良い音を立てて攻撃の完了を示すレン。
そしてバッタリと倒れ伏す、生涯の仇敵。
「…少女たち、アレが元凶だ。俺はただ罠に嵌められただけなんだよ…」
そう男を指差し、静かに告げる。
彼女への距離が近付く……
50…40…30
私は直進しつつ腹部の粒子砲をチャージする。
決定打にはならないが牽制程度にはなるだろう。
20…今!!
10Mほど手前で私は拡散ビーム砲を彼女に向けて放った。
一瞬だけ彼女の姿が見えたが、かなり動揺しているようだ。
そして二度目の接触、肩からのタックル。
のけぞり吹き飛ぶ目標。
しかしこのタックルはまた牽制に過ぎない。
「トドメです!」
この際自分のダメージは無視する。
わたしは駄目押しとばかりにありったけの魚雷を彼女に向けて放った。
リンク張り忘れです…慌てすぎですね…
>641
(>606)
セリオVSスミレ
「海中大殲争」
セリオVSスミレ
「海中大殲争」
(ざぱぁー)
と ち ゅ 〜 け 〜 か 〜 。
>484 >486 >490 >496 >499 >502 >507 >514
>548 >553 >555 >557 >559 >561 >572
オマケw >504
>643
……張り忘れ(汗
>606 >641
【途中経過:弓塚さつきvsアーノルド・ラスキン】
導入:>530 >531 >534
闘争:>540 (>543) >570 >577
では、引き続き吸血大殲をお楽しみあれ。
>640 横島 vs 殺人貴
スコーン。
何が何やら、一瞬見失う。
同じように目を回す黒猫がいたとか、志貴が「嵌められた」とかいってるとか、
俺はもう限界臭いですとか・・・色々なことが脳裏を過ぎった。
あぁ、なんで俺ばっかりこんな目に・・・
ばたり。
力無く倒れた。
その周りを半裸のおねーちゃんたちが囲む。
おお、ねーちゃんが俺の周りを! しかも下着姿で?
これはまさしく、ぱらだい――――
「あ、やぱりこいつ!」
・・・そこでようやく、俺は現実に引き戻された。
「ち、違う! 俺は被害者だっ!」
「知るか!」「問答無用!」「くたばれ、セクハラッ!」
弁明の余地もなく。謝罪を入れる隙もなく。
手が足が棒きれが鈍器が・・・お、俺を襲うッ!
い、いやぁーーーーーーーーーーーーーー!
な、なんでこうなるンや、いつでもこうや!
一体何が悪かったんやーーーーーーーー!
女子高生たちの手荒い愛情表現は、俺がボロぞうきんになるまで続いた。
そして・・・・・本命はまだ、そこに残っていた。
647 :
ギーラッハ ◆GIeRaCHE :02/03/07 02:02
閑馬永空vsギーラッハの途中経過よ。
>459>460>466>469>471>477>483>492>500
>506>511>513>515>624>626>633>637
では私の方もやっておきますか。
>611 >615 >620-621 >628-629
【途中経過:蘭麻みほvsジグムント・ウピエル】
>566>579>580>581>613
乱入大歓迎よ。
>630 奥森かずい対浅上藤乃
―――意識が、覚醒する。
私は目を覚ました。
……ここはどこだったか……何故体中が痛むんだろう……
顔に手を触れる……ドロリとした感触……出血しているようだ。
……はっきりと目が覚めてようやく今の状況を思い出す。
そうだ、彼女は!?
確か彼女を庇って……下を見るが彼女は居ない。
一体何処に……いた。
彼女は少し離れと所で倒れていた。
口元にはドス黒い血が滲んでいる。
吐血したのか!?
痛む身体を引きずり急いで彼女に駆け寄る。
腹部に手を当て確かめる……まずい……このままでは。
激痛に顔をゆがめる彼女。
……一体いつ痛覚が戻ったのかは解らない。でも彼女は痛みにずっと耐えていたのだろう。
「馬鹿っ!」
思わずそんな言葉が出た。
「痛いのならどうしてそう言わなかったんですか!
痛みは耐える物じゃない!訴える物なんですよ!」
そう、彼女はそんなことにも気づけない身体だったのだ。
そしてそれに気づけなかった私の愚かさ……
私は彼女を抱え上げると走り出した。
病院に急がなければ。
消防が来るには時間がかかる。かといって電話なんかあるわけもない。
中心街から離れているからタクシーなんかも無い。
私はただ走り続ける。間に合え……間に合え!
>646 横島 vs 殺人貴
…くっくっく…、悪は滅びた…。
俺はボコられる男を見て深く肯く。
だが。
俺の気は収まっていない。全然物足りない。
そして、ゆっくりと男に向かって歩み寄る―――――
「…キサマの敗因はただ一つ…。テメエは俺を怒らせた」
言葉と共に、ゴミクズ同然の男の『死線』をナイフの背でなぞる。
決して深く差し込まないように。
…フッ、これなら『痛み』だけを永遠にでも与え続けられる…。
どうだ、痛いだろう? 苦しいだろう? 耐えられない苦痛だろう?
「くくく、あははは…」
散々嬲って男がピクリとも動かなくなった頃。
…は、こんなヤツ殺すにも値しない。
じゃあな…。
ヨロヨロとレンを抱えつつ戦場を後にする。
―――――闘いは、いつだって虚しい…。
校門を出ると、既に泣き止んでこちらに駆けて来るアルクェイドの姿が見えた。
レンの思考を辿って来たのかも知れないな、と考えるでもなく思う。
「…やあ、アルクェイド…、仇は、取った…、ぞ―――」
そのまま満身創痍の身体を、彼女に預けた。
【殺人貴;END】
>639 アーカードVS両儀式? エピローグ?
不死の王の人形、だと?
不遜な人形師は、今間違いなくそう言い放った。
当のアーカードを目の当たりにしながら。
真逆、かの少佐以外に、否、少佐以上の狂った考えを実行に移そうとする輩がいるなどとは。
アーカードは嬉しくなった。
そして、同時に悲しくなった。
そんな計画を実行に移させるわけにはいかないから。
ヘルシングの犬として看過できる事態ではない。
「残念だが、そのあまりに不遜な偉業は誰にも語り継がれる事はない」
空気がざわめき出す。
辺りの闇が濃くなる。
アーカードの形が崩れていく。
拘束が、解除される。
犬が、犬達が女へと跳びかかった。
逃がさない、逃がすわけにはいかない。
逃がす事は大きな損失だ。
だから、アーカードは遠慮せずに拘束を解除した。
牙が、神への挑戦者を断罪せんと女へと迫る。